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1965/06/01 第51回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第051回国会 運輸委員会 第38号
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1965/06/01 第51回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第051回国会 運輸委員会 第38号

#1
第051回国会 運輸委員会 第38号
昭和四十一年六月一日(水曜日)
   午前十時五十一分開議
 出席委員
   委員長 古川 丈吉君
   理事 壽原 正一君 理事 關谷 勝利君
   理事 田澤 吉郎君 理事 山田 彌一君
   理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君
   理事 矢尾喜三郎君
      有田 喜一君    浦野 幸男君
      小渕 恵三君    川野 芳滿君
      草野一郎平君    砂田 重民君
      高橋清一郎君    高橋 禎一君
      長谷川 峻君    増田甲子七君
      勝澤 芳雄君    泊谷 裕夫君
      内海  清君    竹谷源太郎君
 出席政府委員
        運輸政務次官  福井  勇君
        運輸事務官
        (海運局長)  亀山 信郎君
        運 輸 技 官
        (船舶局長)  芥川 輝孝君
 委員外の出席者
        専  門  員 小西 真一君
    ―――――――――――――
五月三十一日
 内航海運業法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一五二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 内航海運業法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一五二号)
 小型船造船業法案(内閣提出第一二〇号)
     ――――◇―――――
#2
○古川委員長 これより会議を開きます。
 内航海運業法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。福井政務次官。
#3
○福井政府委員 ただいま議題となりました内航海運業法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 内航海運は国内輸送機関の中で最も重要な役割りを果たしている輸送機関の一つでありますが、内航船腹量は著しく過剰であり、しかも老朽不経済船がきわめて多く、他方、多数の小規模企業が乱立している状況にあります。
 このような状況にかんがみまして、さきに第四十六回国会において御審議の結果成立を見ました内航海運業法及び内航海運組合法により船腹量の最高限度制度が設定され、この制度の運用等により、船腹量のより以上の増加を抑制する等の措置を実施してきた次第であります。
 しかしながら、わが国内航海運が国民経済の進展に即応するには、船腹量の増加を抑制するのみならず、過剰である老朽不経済船を整理し、近代的経済船の建造をさらに促進するとともに、内航海運企業の零細性にかんがみ、企業規模の拡大、経営の適正化等によりその健全な発達をはかる必要があります。
 この過剰船腹の整理と近代的経済船の建造につきましては、今後さらに所要の措置を推進してまいる所存でありますが、内航海運企業の企業規模の適正化を推進するためには、事業を許可制とすることが緊要であると考えます。
 この法律案のおもな内容は、内航海運業を従来の登録制から許可制に改め、特に内航運送業につきましては、許可基準として一定の支配船腹の規模の基準を設けることとしたことであります。現在内航海運企業の大部分は極度の零細企業でありますが、近代的経済船を整備させ、国民経済の進展に即応させるためには、この際、企業規模の適正化を促進し、過当競争を防止することが必要と認められるからであります。
 また、事業の許可制の採用に伴い、事業計画の変更及び事業の合併等について認可制を採用する等所要の改正をすることといたしております。
 なお、事業の許可制への切りかえは、昭和四十四年三月三十一日までに行なうことといたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
     ――――◇―――――
#4
○古川委員長 次に小型船造船業法案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。田澤吉郎君。
#5
○田澤委員 この法律案は、提案理由の説明にもございましたように、小型船造船業の技術水準の向上と事業の健全な発達というものを目的といたしまして、事業の登録制、それら主任技術者の配置等を行ないまして、小型船の船質の改善をしていこうというのが目的のようでございますが、二、三納得のいかない点がございますので、質問をいたしたいと思うのであります。
 その第一の点としましては、五百総トン以上の船舶の建造または修理をする能力のある造船所においては、厳格な一つの許可制をとっているわけでございます。ところが、この小型船の造船業に関しましては登録制をとる、この二つを区別しているわけでございますが、これは一体どういう関係であるか。許可制をとれないものであるかどうかということ。それで、もしもこういうように区別するとしますというと、小型船造船業法というものと現行の造船法というものとが、その関係が一体どういうことになるのか、それが非常に理解しにくい点がありますので、それを御説明願いたいと思うのであります。
#6
○芥川政府委員 現在造船法によりまして、ただいま仰せのとおり、五百トン以上につきましては設備の許可制をしいておるわけでございます。なお、やはり造船法におきまして、二十トン以上五百トン未満の造船所につきましては、届け出制をやってまいりました。ところが、御承知のとおり、木造船の鋼船化が非常に促進されまして、木造船業者が鋼船業者に転換するのが非常に多くなってまいりました。多くなってまいりますのは、これは船舶の需要構造が変化するのでございまして、当然のことかと存じますけれども、ただ、従来の木造船技術をもちましてはなかなか鋼船の建造が困難である。したがいまして、非常に船として技術上問題のある船がたくさん出てまいることになりましたので、そこで、造船法によりまする届け出制ではその質の確保等につきまして非常に困難があると同時に、さらに、技術の劣るものをつくりますとその企業自体が弱くなってまいるというふうな現象も多々見受けられましたので、そこで今回は一歩前進いたしまして、二十トン以上五百トン未満のものにつきましては登録制ということを考えて、小型船造船業法案を作成したわけでございます。これは仰せのとおり、一足飛びに許可制にしてもいいのでございますけれども、最初からいわゆる五百トン以上の造船所に対するような厳重なことを行ないますには、若干やはり何と申しますか、きつ過ぎるというふうな面もございまして、登録制で事足りればそちらのほうがいいのではないかというふうな比較考量をいたしました結果、とりあえず届け出制から一歩前進した登録制としたわけでございます。
 それから造船法との関係でございますけれども、造船法につきましては届け出制を本来としておるのを、ただいま独立しまして、これを登録制をしくということにしておりまして、本来はあるいは造船法でやるべきものかとも存じますけれども、法体系としてはあるいは造船法を母法とするものかとも存じますが、この中小企業、むしろ中小企業のうちの小企業に属しまするそれらのものについては、別に法律をつくりまして明確に企業の経営の改善と船質の向上をはかることが妥当であろうというふうな考えで、別法律をもって今回小型船造船業法案をまとめた次第でございます。
#7
○田澤委員 次に、ただいまお話のありましたように、届け出制から今度は登録制に変わったわけでございます。さらに主任技術者に一定の資格のある者を雇わなければいかぬというような拘束力を一つは与えたことになるわけでございますが、この拘束力だけを与えて、それに相当する小型船の造船業者に対してどういう援助策を考えているか、これをひとつお知らせ願いたいわけでございます。
#8
○芥川政府委員 現在法案で予定しております主任技術者の資格と申しますか、技能程度は、いわゆる船舶安全法の解釈を妥当にできるというふうな程度のものを考えておりまして、その資格といたしましては、大学を卒業した者につきましては三年程度のものを考えているわけでございます。ただいまわれわれのほうで調査をいたしましたところでは、この程度あるいはそれに相当する程度の技能を欠くであろうと思う造船所が、大体二〇ないし三〇%程度出るのではないかという調査をしております。したがいまして、本法案を施行するにあたりまして、二年の経過期間を設けまして、その間に主任技術者の養成のために講習会の開催等を行ないまして、安全法の運用につきまして、この趣旨を徹底させるというふうなことを考えておる次第でございます。
#9
○田澤委員 それで、いまの拘束を受けるわけでございますが、やはりそれに相当する一定の――届け出制から登録制に変わった、それから主任技術者を大学卒業あるいはまた七年間の経験を経た者を採用しなければならないということに相なるわけでございますが、こういう登録制をとることによって、何か小型船造船業に援助してやる、一定の拘束を与えたならば、やはり授助してやるという一つの政策がなければならないと思うのでありますが、その政策は一体何であるかお知らせ願いたいのでございます。
#10
○芥川政府委員 ただいま御指摘の点、これは援助のやり方はいろいろあるわけでございますが、とりあえず私どものほうで考えておりますのは、中小企業近代化促進法に基づきまして、財政資金年間約十億をもちまして、これの設備の改善を行なうようにしたいと考えておるわけでございまして、本近代化促進法によります指定業種といたしましては、本年の三月にすでにこれを指定したわけでございます。
#11
○田澤委員 次に、この法律の施行にあたって、小型船造船業者というものは非常に零細な中小企業者が多いわけでございまして、その団体の強化ということが非常に必要なわけなんでございます。ところが、条文の中で登録の窓口を団体としていくということはちょっと問題があろうと思いますが、団体の強化ということに対して、やはり行政指導がこれから非常に必要になってくると思うのでありますが、その行政指導に対しての具体的なあり方がありましたら、お知らせを願いたいと思うのであります。
#12
○芥川政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、今後われわれも御趣旨を体しまして十分木造船団体の強化という方向でやってまいりたいと存ずる次第でございますが、先ほど申し上げましたような、たとえば財政資金による投資、あるいは主任技術者の講習会の開催等につきましては、木造船業界を十分活用いたしまして、資金といたしましては御承知のモーターボートのほうの金による資金をとりあえず活用いたしましてやってまいりたいと存ずるわけでございます。仰せのとおり非常にこの業者の数が多いものでございますので、なかなか役所としても目が行き届かないというふうな点もございますので、われわれのほうも団体の強化につきましては、今後ともその方向でやってまいりたいと思っております。
#13
○田澤委員 この法案の要綱で示されておりますところによりますと、この法によって技術内容の非常に悪い事業者を抑制することができるので、側面的には海運対策の推進になるということがうたわれているわけでございますが、どういう面で内航対策になるのであるかお知らせを願いたいのでございます。
#14
○芥川政府委員 御承知のとおり、内航船舶におきましては、これの船質の改善等につきまして、たとえば例の公団船の建造というふうなものを考えます場合に、現在の在来古船を解体いたしまして、トン数の大型化というふうなことをやっているわけでございます。したがいまして、それに要します技術は次第に高くなっているわけでございます。これはわれわれのほうが安全法による検査をやってまいりますと、いわゆる標準検査回数といたしまして、われわれの、この船では大体このぐらいの検査で合格するはずであるというふうな回数の予想を上回りまして、それの五割増しあるいは二倍の回数を検査しなければならないというふうなことがございます。そうなりますと、法律による検査は、いわゆる重要部分だけの検査でございまして、全般にはなかなか目が行き届かないのでございますが、今回のような主任技術者制度を置き、あるいは設備の改善をいたしまして船全体をよくするということになりますと、できる船につきましては、船主の期待されたとおりの性能の船舶ができる。したがって、内航でただいま要求されておりますいわゆる輸送量の増大、つまり高速化とかあるいは大量化というふうな面で十分小型造船業者が期待に沿うというふうに考えますので、その意味におきまして、技術の向上が船主の期待どおりの利益の裏打ちになるのではないかというふうな考えで、内航の振興にも寄与するというふうに考えているわけでございます。
#15
○田澤委員 次に、登録制を一応施行いたしまして、それから近代化基本計画によって設備を非常に改善していくということになるわけで、非常にいいことですが、反対に、ただいま内航海運業法の一部改正の提案理由の説明がありましたが、この内航海運業法によりますと、建造の規制とかあるいは需要面でこの小型造船の行き先というものは非常な不安定な感じを与えるわけでございますが、この小型造船の業界における将来の見通しやら、あるいはまた需要開拓等の具体的なあり方がどうなるのであるか、内航海運業法との関係は一体どういうふうに進めていかれて、そうして小型造船というものはますます伸びていく方向にあるのかどうか、こういう点をひとつお知らせ願いたいわけであります。
#16
○芥川政府委員 ただいま仰せのとおり内航につきましては、適正船腹量を見ましても約八十万総トン以上の過剰船腹が出てくるというような状況でございまして、内航の新造船の急速な増大というふうなことは現在ちょっとわれわれのほうでも考えられないわけでございますが、幸い公団の活用等によりまして、代替船の建造の促進というふうなものを大いに期待するわけでございます。さらに、御承知のとおり、こういう業者は内航船のみならず、漁船あるいは輸出船に依存しておる面が非常に多いわけでございますが、漁船のほうも現状ではそれほど伸びが期待できないというふうなことに相なりますので、したがって今後は輸出船の振興というふうな面に力を注ぎまして、需要の確保というふうな面に努力を傾けてまいりたいと考えておる次第でございます。
#17
○田澤委員 これで私の質問を終わりますけれども、先ほど来申し上げておりますように、小型船造船業法と現行の造船法というものとの関係、あるいはまたただいま申し上げました内航海運業法と、この建造規制というものと小型造船の将来のあり方と、しかも小型造船が非常に零細な中小企業であるという点を考えますと、将来ひとつこの小型造船業者というものに対しては十分なあたたかい手を施してやって、そしてこれをひとつ育成助長してもらいたい。そのためにはどうしても、団体の育成強化ということが非常に重要だと思うのであります。今後この法が通りましてから経過期間が二年間ございますので、その間にひとつ十分な活用をしていただいて、万全の措置を講じていただきたいということをお願い申し上げる次第であります。
#18
○福井政府委員 いまお尋ねのような趣旨に沿いましてやることにいたします。
#19
○古川委員長 勝澤君。
#20
○勝澤委員 私はまず最初に、最近の造船業の状況について、業界の状態あるいはまた建造の状態、こういう点について御説明を賜わりたいと思います。
#21
○芥川政府委員 造船全般についてのお尋ねと存じますので、造船の概況を簡単に申し上げます。
 現在、御承知のとおり、日本の造船業は非常に活況を呈しております。ことに輸出におきましてこれは非常に伸びております。それでこまかな数字は申し上げるのを差し控えまして、説明の便のために概略の数字を申し上げますと、日本が現在建造しておりますのは、年間進水量で約四百万トン、それから第二位、第三位、第四位はイギリスとスウェーデンとドイツでございますが、これが概数百万トンという状況でございます。日本の造船業、これは主として大手の造船業でございますが、非常な活況を呈しておる次第でございます。
 それから中小型鋼船造船業合理化臨時措置法の対象にいたしました三千トンまでの建造業者につきましても、促進法のおかげ等によりまして順調に企業が伸びてまいりました。そのうちの優良業者につきましては、次第に建造できる船舶の船型が大きくなってまいっております。そこで、臨時措置法では三千トンを対象にしておりましたけれども、現在では、この対象工場のうちの大手数社につきましては、すでに一万トン近い船舶の建造を計画できる程度まで伸びてきまして、その仕事の内容も輸出船まで受注できるという状態になったわけでございます。
 それから小型船の造船業でございますが、今回の法律の対象になっておる業界につきましては、先ほど申し上げましたように、最近内航海運のあり方が非常に鋼船化を要求するように相なりました。木造船、鋼船全部合わせますと千五百くらい業者があるわけでございまして、そのうちの千が木造船でございます。それが木造船の需要減退に伴いまして、鋼船を非常に建造してきておるというのが概況でございます。
#22
○勝澤委員 造船法によりますと五百トン以上、大型といいますか、これは一応許可基準があって、運輸大臣の許可制になっておるようでありますが、この対象になっている造船業は今日どういう状態になっておりますか。
#23
○芥川政府委員 造船法の対象という意味でございますと、現在は届け出制を含めまして二十トン以上は一応対象になるわけでございますが、御質問の御趣旨が五百トン以上の大型と存じますので、その点を申し上げます。
 事業場の数で申し上げますと、いわゆる許可造船所と略称できる造船所が百二十二事業場ございます。そのうち三十五がいわゆる大手造船所という分でございます。これは先ほど申し上げましたように、輸出船、国内船ともにただいまは活況を呈しておりますけれども、大体この大手の生産力が約九〇%に及ぶものでございます。
#24
○勝澤委員 それじゃ次の質問をしながらいまの関連をちょっとお尋ねいたします。
 小型船造船業法というこの法律について、特にこの法律が必要だ、特にこういう単独の法律をつくらなければならぬ理由というものは、たとえばこの法律の目的を見た場合、造船法の目的とあまり変わりがないわけであります。そういう点で、造船法というものがある、それを基礎にこの小型船造船業法というものをつくらなければならぬ理由、先ほどもちょっと説明されておりましたけれども、もう少しやはり私は、この法律をつくらなければならぬ真の理由というものは一体なのかという点について御説明願いたいと思います。
#25
○芥川政府委員 先ほども申し上げましたように、造船法を母法とするには違いないわけでございますけれども、御承知のとおりの中小企業を特に対象といたしまして、これの振興をはかるためにこの部分につきまして抜き出しまして、小型船造船業法の形でまとめたわけでございます。なお、小型造船と申しましても、先ほど御説明申し上げましたように鋼船が非常に多くなってまいりました。従来の木船、あるいは鋼船の中でも小型のものほど、質のいいものが簡単にできませんので、したがって発注者の期待にそむくような船が多く、かえってそれでは造船並びに海運の企業としての健全な発達も阻害されるのではないかというふうに考えましたので、事業の発達ということと技術の向上、船質の向上という点を重視いたしまして、特に小型船造船業法の形でまとめたわけでございます。この点につきましては、民間の御意見といたしましても、たとえば国会に対しまして百件以上の多数の請願も出ているような状況でございます。したがいまして、これを抜き出しまして重点をここに置くということがよりよいのではないかというふうに考えた次第でございます。
#26
○勝澤委員 中小企業の振興をはかる、そういう立場から一応小型というものをここに取り上げて別の法律をつくる、しかしその法律の中身というものは何かといえば、あるいは、では中小企業の振興という立場でこの法律がつくられているのかどうかといえば、その点については、私は、この法律はそういう法律ではないように思うわけであります。それから、では事業の発達なり、あるいは技術の向上というものがいまの造船法の中でできないものかどうかといえば、ちゃんと造船法の中でそれもできておるわけでありますから、もう少しやはり積極的な意味を御説明願いたいと私は思うのです。
#27
○芥川政府委員 事業振興というふうなことについて若干御説明申し上げます。
 事業を振興すると申しましても、小型造船業者のつくる品物自体が、いわゆる安全法の検査が必要以上に、予定回数以上にかかるようなものである、そうなりますと、安全法の検査で確保できるという質の範囲はおのずとある限度にとどまりまして、できてくる船は検査すれすれで合格する、最低の合格をようやくかちとるというようなものでは、その造船所のつくる品物は劣悪というに近いものが多々出てくるわけでございます。したがいまして、振興と言うと言い過ぎかと存じますが、振興のさらに前段階、まずできる製品を合格のものにした後で振興ということをはかる。その意味におきまして、できる品物は安全法に十分合格する品物を確保するということを第一と考えたわけでございまして、これは振興の前提条件ではないかと存ずる次第でございます。その意味で、振興をはかる基礎を固めるということを先ほど申し上げたわけでございます。なお振興につきましては直接、中小企業近代化促進法等に基づきまする財政資金の確保とか、あるいは企業基盤の強化、体質の改善等につきまして、中小企業近代化促進法による近代化計画を策定しておりますので、それで振興をやってまいりたいというふうに考えているわけでございます。したがいましてこの中小企業近代化促進法、小型船造船業法の二本立てでやってまいりたいという意味でございます。
#28
○勝澤委員 中小企業近代化促進法で、この小型船造船業法があるなしにかかわらず、近代化というものが進められてきたわけでございます。そういう立場からいいますと、この小型船造船業法ができることによって新しい問題が出ているのかというふうに見ると、別に新しい問題というのは私は見当たらないように思うのです。いま御説明になりました、たとえば技術の問題を取り上げてみても、造船法の六条あるいは七条、八条によって当然できるわけであります。届け出制の中においても当然こういうことが可能であったわけでございます。可能であったにかかわらず、一体ここで新しくまた立法措置を講じなければならないという点を、もう少し私は、何といいますか、上つらだけはいまの説明を聞いていると言っているわけでありますが、もっと本質的な、この法律をつくらなければならぬ理由というものがあるのではないか、こう思うのです。ですから、その理由があるとするならば、その理由についてもう少し明確なことをお話願わないと、造船法がちゃんとある、造船法の中で届け出になっておった、それを登録制にするのだ、一体この造船法の中でそういうことができないのか。そういう法律のたてまえからいってこれは別にしたほうが、見せかけの上では、それはこの法律をつくることによって小型造船をよくしたのだということになっておるけれども、中身が入っているのか入っていないのかという点疑問があるわけでございまして、先ほど田澤委員も特に最後に、小型船造船業についての育成強化といいますか、そういう問題について申し上げているわけでございますが、そういう点からいって小型船造船業というものはこの法律ができることによってどういう利益になるのかという点について、もう少し突っ込んだお話を聞かしていただきたいと思います。
#29
○芥川政府委員 先ほど申し上げましたとおり、小型船造船業法の目的といたしましては、登録制をしきまして、そして造船所でできまする船自体をよくしたいという点に重点を置いております。たとえば船台、クレーン、ドック等につきまして、一定の基準によるものを備えた場合に、これを登録の有資格者といたします。さらに登録しました後に、一定の資格を備えた主任技術者というものを造船所に選任させまして、そしてその主任技術者の選任後事業を開始するというふうなことで、まずできまする船舶の質の向上をはかってまいるのが何よりの先決だと考えたわけでございまして、そこらにつきましては、内容が技術的にも非常にこまかな指導を要するものでございますので、そこで小型船造船業法という形でそれを抜き出して重点的にやってまいりたいというわけでございます。
#30
○勝澤委員 造船技術の向上というたてまえから考えてみるならば、私は造船法における許可の基準、許可のあり方、こういう観点の中でも可能だと思うのです。またそういうことがかつて行なわれてきたと思うのです。やはりここで新しく出てきた問題というのは、登録の問題だと思うのです。いままでの前提の問題はなかなかお話ができにくいようでありますから、それじゃ次の届け出制の問題についてお尋ねいたします。
 まず、こういう業法のたてまえからいいまして、届け出制の場合、あるいは登録制の場合、あるいは許可制の場合、一応こういう考え方があるわけでありますが、そのいかなる場合に届け出制というものをとるのか、いかなる場合に登録制というものをとるのか、いかなる場合に許可制というものをとるのか、この根拠になるものを一体どういうふうにお考えになったのかという点をお聞かせ願いたいと思います。
#31
○芥川政府委員 造船法によります届け出というのは、事業がこういう状態にあるという単なる報告みたいなものでございまして、それほど造船法自体といたしまして、届け出行政につきましてどうこうしようというものを持っておるわけではないわけでございます。今回は、先ほど申し上げましたように、小型船の船質の向上と、それから造船業自体の健全な発達ということを眼目に置きましたので、この法を特に定めたわけでございまして、従来の造船法による届け出は、今後この法律成立後は当然小型船造船業法による登録制になる、登録をとらなければ造船業ができないということに相なるわけでございます。
#32
○勝澤委員 その点はよくわかるのですが、いままで届け出制でやっておった、今度は登録制になる、あるいは大きなやつはみな許可制になっておった、この区別を一体何によってするのかという点が、実は明確にされていないわけです。逆に言いますと、大型のほうは許可制になるわけですね。造船法の三条の二によって許可の基準が出ておる。この許可の基準を見てみると、第一項には「日本経済として適正な造船能力をこえることとならないこと。」言うなれば、日本経済から見て、造船能力はこの程度でよろしい、だから新設なり増設しようとしても、ある程度ここで造船業界の整備といいますか、過当競争の防止といいますか、あるいは設備投資の規制、こういうものを一つのファクターにものを見ながら、大きなものについては一つの規制というか、押えようとしたわけですね。それから下のほうについては、君たちは自由にとにかくやりなさい、こうやってきたわけです。自由にやりなさい、届け出制だけでよろしいのです、こうやってきたのです。悪いことばで言うなら、上はひとつうまく話し合いで、あるいはあなたのほうの行政指導で、あるいはあなたのほうの法律の指導によって過当競争させないようにしようじゃないか、下のほうは自由にやりなさい、こういうふうなことが造船法というのを見ると出ているわけです。ですから、そういうふうにこれを見ていくと、一体届け出制の場合、登録制の場合、許可制の場合というものは、どういう立場でものを考えているのか、こういうことになると思うのです。いまは資本主義経済、自由主義経済ですから、そういうものにおいて、一体届け出制とか登録制とか、許可制というものは、どういう場合には届け出制になるのか、どういう場合には登録制になるのか、どういう場合には許可制になるのかということを運輸省は造船の行政の上からお考えになっているのか、こういうことです。
#33
○芥川政府委員 先ほど申し上げましたように、また先生のお説のとおりに、届け出制と申しますのは、いわゆる現状を報告するにとどまるものでございます。したがって仰せのとおり、大体自由に企業を経営し、これを運営していくということでございますけれども、それでしばらくやってまいりましたところ、先ほど申し上げましたような事情で、鋼船の急速な発達ということでございまして、小型造船所が、極端に申しますと、質的についていけないという問題が出てまいりましたので、そこで今度小型船造船業法案をつくりまして質の向上をはかるということは、先ほどから申し上げたとおりでございます。われわれのほうでも、先ほど御披露申し上げましたように、たとえば主任技術者制度の例をとりましても二、三割は、現在の届け出業者ではどうも欠格するのではないかというふうな状況でございまして、そこで現在の造船所の技術レベルの向上ということを重点にいたしまして、今度の法案を出したわけでございます。先生御指摘の、どこから届け出にし、どこから許可にし、どこから登録にするかという点につきましては、先ほど申し上げましたように、届け出制では欠陥が認められましたので、あるいはなまぬるいというお話があるかもしれませんが、それを一歩前進いたしまして、今度登録制にしたというのが実情でございます。
#34
○勝澤委員 結局この届け出制から登録制にした中で、二、三割の業者を格上げする、こういうお話、これを逆に言うと二、三割切り捨てだ。格上げになるのか、切り捨てになるのか。一体その二、三割を含めて小型造船業界に具体的に、財政的、経済的にどういうことが行なわれるのかということなんです。財政的な援助といいますか、行政的な指導といいますか、そういう点は具体的にどう考えておりますか。
#35
○芥川政府委員 その点につきましては、先ほど申し上げましたような近代化促進法によります設備の改善につきましては、年間約十億を考えております。また主任技術者の質の向上につきましては、講習会等を開きまして、安全法の内容の徹底等、あるいはさらに技術的な問題になりますと、木船ではそれほど問題になりませんが、鋼船では必要とされる重量、重心の計算とか、いろいろ造船技術的な講義をいたしまして、そして主任技術者の質を向上さしていくというふうに考えておるわけでございます。
#36
○勝澤委員 大型の場合においては許可になっている、小型の場合においては届け出制だ、いまのお話を聞いておりますと、それでは今度登録制か許可制かという問題です。大型の場合には許可制になっておる。小型の場合には登録制でまだいいのだ、いや許可制にすべきではないだろうかという一つの議論の立て方もあると思う。こういう問題についてはどうお考えになっておりますか、大型との関連において。
#37
○芥川政府委員 仰せのとおりでございまして、これは許可制でやるか登録制でやるか、われわれのほうもいろいろ研究したわけでございますけれども、許可制でやるほど厳重にいきなりやりますと、非常に各種の障害が予想されますので、先ほどから申し上げますように、とりあえず届け出制を一歩前進した形で登録制をしき、そしてかりに登録の資格を失うような問題が出てまいりますれば、それを何とか改善してやるという方策を考えて、とりあえず一歩前進したところを今度法律の形で提出したのでございます。
#38
○勝澤委員 造船業法の許可の基準の場合、私は、この許可基準というものは、日本経済の適正な造船能力をこえないということで、能力というものが一つの大きなファクターになってくると思う。それから今度は小型船造船業法の場合の登録拒否の場合は、これは特定の設備がありさえすれば登録ができることになっておる。この相違はどういうふうに理解したらよろしいのですか。
#39
○芥川政府委員 造船法にいいます「日本経済として適正な造船能力」という点につきましては、これは先ほど大手の造船所の問題のときに御説明申し上げましたように、世界の造船市場で大きな規模を占めておるというふうなことから、日本経済に対して輸出を通して非常に寄与しておるわけでございます。そこで日本の造船能力を考えます場合に、許可工場が先ほど申し上げましたように九〇%以上の造船をやっておるわけでございまして、したがいまして、日本の必要とする輸出の中で占めるウエートが非常に大きいわけでありますので、そこらを考えまして造船能力をきめるわけです。それから小型船のほうにつきましては、もちろんその点も考慮に入れるわけでございますが、さらに地方経済の振興というふうな点も、いろいろさらにこまかな考え方をしなければならないというふうに存じまして、ここに書いてありますような基準で、特定の設備さえあればこれを登録するという形に持っていったわけでございます。
#40
○勝澤委員 そこで大手に対する行政のしかたと、それから中小に対する行政のしかたでは、私はやはり変わっていると思うのです。大手については一つの許可基準というものを設けて、それは日本経済の適正な造船能力という点で押えておる。それから中小については、別にそういうことが考えられていない。あるいは小型についてもそういうことが考えられていないのですけれども、運輸省で定める特定設備の基準にさえ合っていればいいということで、届け出制から登録制にいたすことが、そんなに効果があがるのかどうかという点について、いままでの造船法のたてまえからいって少し私は疑問があるわけであります。しかし、いままで届け出制でやっておったものを登録制にすることによって二割も落ちる、あるいは格上げのことをやらなければならぬということを考えてみれば、その中では相当過当な競争が行なわれてきて、大手は別として、下のほうではなかなかやりくりがたいへんだという状態の中から、こういうふうなものが考えられてきたと思うのです。
 次に小型船、二十トン以上五百トン未満と、こう言われておりますが、これはどういうような根拠に立つものでございましょうか。
#41
○芥川政府委員 五百トン未満のほうは、造船法の許可の対象でなくて、届け出制の範囲という趣旨でございます。二十トン以上の点で申し上げますと、たとえば安全法あるいは船舶法等につきまして、こまかく申し上げますといろいろ例外のようなものも出てまいりますけれども、大体二十トンを線といたしまして、それを内航、沿岸に就航できる船というふうなことにしておりますので、二十トンくらい線を引くのが妥当であると考えまして、二十トンで線を引いたわけでございます。
#42
○勝澤委員 二十トン未満の業者の状況と、それについての対策はどうお考えになっておりますか。
#43
○芥川政府委員 二十トン未満につきましては、現状は、言ってみれば、造船法あるいは小型船造船業法では、われわれのほうはちょっと手の届かないところでございまして、これはたとえば都道府県の振興対策にまつというふうな形をとっておるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、たとえば安全基準等の問題につきましては、一応二十トン以上にいたしておりますが、二十トンに足らないものでも、旅客船の場合にはこれを取り締まりの対象にするというふうな形で行政をいたしておるわけでございます。
#44
○勝澤委員 そうしますと、一応大手はよい、中もよいということで小型ができた、小型以下の零細企業といいますか、零細でもないでしょうが、そういうものについては、一応国のほうとしては技術的な指導だけで、あとは地方にまかせる、こういうことでございますが、しかし現実的にはやはり二十トン未満の業者の問題も考えながら二十トン以上の小型船造船業法というものを考えていかなければ、政策としては矛盾がくるのじゃないか。ただ単に登録をすればよいのだというだけでなくて、やはり登録をする効果というものは、業界から考えれば、ある程度過当競争の問題や業界の健全な振興というものを考えておるわけであります。そういう立場から言えば、やはりそれ以下はかって気ままだということでなくて、ある程度の問題というものはやはりこの際考えていかなければならないと思いますが、そういう点についてはまだ検討はされておりませんか。
#45
○芥川政府委員 ただいま御指摘の点については、今回はその分を法律の対象としては考えないというふうに割り切ったわけでありますが、もちろん御指摘のとおり、何か重要な問題がございました場合にはこれを対象とするものであります。たとえば非常に小さなレジャーボートでも、これをたくさん輸出するというふうな場合には、当然運輸省の中央の行政の一つの対象としてこれを扱うわけであります。今回の法律ではそれは一応対象外にしておるわけでございます。
#46
○勝澤委員 この法律が制定されることによって二、三割の業者については行政指導をやって登録基準に合うようにしなければならない、こう言われておりますが、この登録基準に適合しないというのはどういう内容ですか。
#47
○芥川政府委員 たとえばクレーンの大きさであるとか、あるいは船台等の問題もございます。それからさらに、それがかかえておる技術者の問題もあります。法律では一応大学を出て三年、あるいはこれに相当するような資格を有する者、それ以上の者を主任技術者とするというようなことで資格要件を明確にしておるわけであります。
#48
○勝澤委員 そこでこの基準をつくる場合においては、やはり業界の意見を当然聞いて基準がつくられるものと思うのでありますが、どういう形で業界の意見を聞き、基準がつくられるのですか。
#49
○芥川政府委員 これは小型船造船業法に基づきます省令でその基準をつくるものと考えておりますけれども、基準をつくります場合には、もちろん業界の意見を聞いてこれをつくる考えでございます。
#50
○勝澤委員 中小型造船工業会というものがあるようでありますが、これの造船業者の加入状態はどうなんですか。大体これの対象とされる業者というものは、これに包括されておるのですか。あるいは、加入していない業者はどのくらいあるのですか。
#51
○芥川政府委員 その点につきましては、この小型船造船業法を施行することによって、あるいは団体に加入する業者はふえるのではないかというふうに考えておりますけれども、現在、私どもの調査ははっきりしておりませんが、大体六割程度はただいまの小型船の団体に入っておるのではないかと考えております。
#52
○勝澤委員 そこで、やはり基準を作成する上においては、むろん技術の向上をはかり、あるいは過当競争をなくする立場からお考えになるでしょうが、やはり現状の問題と、二、三年後の目標といいますか、こういうものをよく見きわめながら、当然それについて今度は財政的な援助なり教育計画なり、そういうものが一応マッチされると思うのですが、そういう点につきましては、やはり十分業界と調整といいますか意見を聞いて、この法律が真に運輸省から見た目的、あるいは業界から見た期待といいますか、こういうものが合致するようなものを行なうべきであると思いますが、そういう点についてのお考えはいかがですか。
#53
○芥川政府委員 ただいまの点につきましては、もちろんこれは運輸省の独断でやるような問題でございませんで、ことに地方事情あるいはその地域の事情というふうなものも多々あると存じますので、業界と十分意見を交換しながら、適正な法の運営を期したいというふうに考えております。
#54
○勝澤委員 最後に、私は、この小型船造船業法というのが一応業界の人たちの希望によって、とにかく登録制度をしくことによって、今日起きておる海難事故防止のための技術の向上とか、あるいはまたこの造船業界の整備とかいう点を十分お考えなされて、この陳情が、あるいはまたこの業界の要請が、あるいはまた運輸省のお考えが一致してこの法律が出てきたもの、こう思います。したがって、ひとつこの法律については、私の立場から見るならば、造船法の上からいって、この法律自体ではそう期待されるものは見受けられないと思うわけであります。しかし、こうして一応中小企業の振興、近代化の促進、こういう立場からこの法律をつくられたというならば、相当やはりいままでと変わった決意を持ってこの業界に対する育成強化といいますか、あるいは財政援助といいますか、あるいは技術の指導といいますか、こういう点について考えなければいけないと思うのですが、こういう点についてひとつ締めくくりの御意見を最後にお聞かせ願いたいと思います。
#55
○福井政府委員 御指摘の勝澤委員よりの点につきましては、十分中小企業の振興とか、あるいは財政、技術援助等につきまして、熱意を持って進めることにいたしたいと存じております。
#56
○勝澤委員 あとは私、この次に参考人をお呼びになるようでありますから、その業界の方々の意見を聞いて少し質問を続けたいと思います。ちょっと所用がありますので、これで終わります。
#57
○古川委員長 内海君。
#58
○内海(清)委員 この小型船造船業法案につきまして御質問申し上げたいと思いますが、きょうで終わらぬかもしれませんけれども、この委員室が一時から使われるそうでありますので、適当な時間に打ち切って、次にやらしていただくということにお願いしたいと思います。
 この法案の目的は、先ほどから言われておりますように、小型造船業におきます造船技術の適正な水準を確保することによりまして小型造船業の健全な発展をはかる、これが主目的であると思うのであります。同時に、これによりまして小型船の船質を改善して海難を防ぐ、こういう目的も含んでいるようであります。
 そこでまずお尋ねいたしたいと思いますのは、この附則の経過規定の2でありますが、本案の施行の際に、造船法によります届け出をしまして小型船の造船業を現在営んでいるもの、これにつきましてはその適用を二年間猶予して、その間に十分な指導または助成措置を講ずる、こういうことになっているわけですね。ここにいいますところの指導または助成、これは具体的にどういうものを意味するのか、またそのためには資金的な裏づけ、これをどういうふうにされるつもりであるか、特に木船から鋼造船に移ったもの、そういう業者については相当の資金の需要が出てくるだろう、こういうことも考えられるわけであります。ついでに本年度どの程度の資金が確保されて、大体どの程度の数の業者にこれを融資しようと考えておられるか、その点についてお伺いいたしたい。
#59
○芥川政府委員 二年の間にとります振興対策の内容を申し上げますと、先ほどから申し上げましたように、中小企業近代化促進法、あるいは中小企業近代化資金助成法、あるいは中小型鋼船造船業合理化臨時措置法等によります財政の投融資をもちまして設備の改善を行ないたいというふうに考えているわけでございますが、これは御承知のとおり、一般ワクの問題に相なりますので、ただいまではどれだけの数字ということをここで申し上げることはできないわけでございますけれども、われわれのほうの試算によりますと、年間約十億でございます。この財政資金につきましては、中小企業金融公庫から出るわけでございます。
 それから主任技術者の養成につきましては、とりあえず船舶振興会からの助成金を活用いたしまして講習会を開催したいというふうに考えているわけでございます。金額等につきましてはまだ未定でございます。
#60
○内海(清)委員 これはまだ大体の運輸省の目途であると思いますが、最初に御質問いたしました指導または助成という、この具体的な内容はどういうふうにお考えになりますか。
#61
○芥川政府委員 技術の指導の基準といたしましては、先ほどから申し上げておりますように、小型船につきましてやはり安全法の定めまする基準を一応技術管理の基準にしたいというふうに考えております。
 それから助成の基準といたしましては、これはいろいろあると思うのでございますが、一応現在では中小企業近代化促進法によりまして近代化の基本計画を策定しておりますので、これによりまして、たとえば先ほど御説明申し上げましたような中小企業金融公庫の金をもって設備の改善をはかるというふうなことをやってまいりたいと考えております。
#62
○内海(清)委員 そうすると、ここで言います指導というのは、大体安全法によってこれをやっていく、それから助成は主として促進法でやっていく、こういうことですね。それからこの資金につきましては、いまお話がございましたように、年間約十億の財政投融資でありまして、中小企業金融公庫の金を使いたいということであります。さらに主任技術者の養成は船舶振興会からの拠出によってやっていこう、こういうことで了解いたしたいと思います。
 次にお尋ねいたしたいと思いますのは、現行の届け出制を廃しまして今回登録制を実施することになるわけであります。ところがこの法案を見ますと、第七条でございますか、登録の際におきましては、特定の設備が運輸省令で定める技術上の基準に適合していないときには、その登録を拒否する、こういうことになっておるわけですが、この「運輸省令で定める技術上の基準」、これは具体的にどういう内容を持つものであるか、これはできれば詳しくお示しいただきたい。
#63
○芥川政府委員 これは先ほども申し上げましたように、運輸省令によりましてきめるものでございますので、ただいまわれわれの持っておりますのは船舶局の原案のようなものでございまして、今後これをもちまして技術的に各方面と御相談の上きめたいというふうに考えております。その意味で原案としてお聞きいただきたいと思うのでございますが、一応、たとえば引き揚げ船台につきましては、その船台の材質でございますとか、あるいは陸上部の長さ、耐圧部の長さ等いろいろこまかくやっておるわけでございます。それから船をつくりますには、御承知のとおり原図が必要でございますので、原図場も一定の床面積が必要ではないかというふうに考えておりますので、原図場の面積も省令に入れたいと思っております。さらにできまする鋼船は、御承知のとおり、電気溶接を中心にできてまいるものでございますので、したがいまして溶接の設備あるいは溶接の定盤あるいは鉄板を切ります切断機の能力というふうなものも一つの基準に考えたいというふうに存じております。その他まだこまかな点を申し上げれば相当たくさんあると思いますけれども、そのうちのおもなものを御説明申し上げますと、以上のとおりでございます。
#64
○内海(清)委員 この運輸省令できめますいわゆる技術的な基準、このことがきわめて重要な問題だと思うのです。それが今度の法令の目的を十分達し得るか得ないかという一つのもとになってくるだろうというふうに私は考えるのであります。いまお話のような船台でありますとか、あるいはクレーンでありますとか、あるいは溶接設備であるとか、いろいろあると思います。この点は、そういう関係から考えますと、これは資金に影響してくる問題である。でありますから、資金をあらかじめ予想してこれをやると、なかなか片方が進んでいかぬのじゃないか。だから現状において、この基準はどこまでは行かなければならぬということがまず設定されて、しかる後に資金的な手当てが出てくるのが至当である、私はこう考えるのであります。それらの点はいかがですか。さっき申されましたような資金の目途というものは、大体そういうことを考えてきめられたものであるかどうか、御意見を伺いたい。
#65
○芥川政府委員 お説のとおりでございまして、先に設備の一定の基準を考えまして資金はじき出したものでございます。
#66
○内海(清)委員 しかしこれは、どの程度の数の業者にどの程度融資するかということは、先ほどの答弁ではまだわからぬようで、そうすればその予測はつかぬはずであると思うが……。
#67
○芥川政府委員 仰せのとおりでございますが、私のほうといたしましては、一応昨年の十二月末におきまして五百十一工場を対象といたしまして調査いたしましたが、そのうち三百七十六の工場が回答してまいりました。
  〔委員長退席、田澤委員長代理着席〕
これを一応まとめまして、その上私のほうの対象業者であろうという数を推定しまして逆算したものでございます。資料の内容といたしましては、この回答工場三百七十六の資料を基礎にして、さらに推算を加えたものでございます。
#68
○内海(清)委員 そうすると、大体五百十一工場の中で三百七十六の回答があって、それを基準にして推定した、こういうことでありますが、これが適用されますのは五百十一工場ということですね。
#69
○芥川政府委員 適用対象工場が五百十一というのではなくて、対象工場といたしましては約千五百でございます。この調査の対象といたしましたのは、千五百全部にやりますと、何と申しますか、回答の来ないのも多いのではないかというふうなことも考えまして、そこでこの千五百の工場のうち適当な分類をもちまして五百十一を調査の対象としたわけでございます。
#70
○内海(清)委員 その点はわかりました。そうすると対象工場は千四百七十六ですか、これが対象になるわけですね。それは間違いないわけですね。
#71
○芥川政府委員 ただいまの数字でございますけれども、内海先生のおっしゃるとおりの数字で間違いないのでございますが、正確に申しますと、企業数が千四百七十六で対象工場が千四百八十九、こういうことでございます。
#72
○内海(清)委員 わかりました。
 それでは次に参りまして、これはまあどうかと思いますけれども一応お尋ねしておきたいと思いますのは、四条関係によりまして、業者は事業の種類及び事業場ごとに登録を受けることになっておるわけです。ところがその登録は今度の場合無期限だと思うのですが、これは適当な期間をつける必要はないのかどうか。他の建設業法とか建築士法とかいうふうなものを見ますと、あるいは二年とか三年というような期限がついておるのが通常じゃないか、こう思うのですが、この点いかがですか。
#73
○芥川政府委員 お説のとおりで、これは無期限でございまして、一ぺん登録いたしますとずっとそのままというのが今回の法律でございます。
#74
○内海(清)委員 それで期限をつける必要はないかということをお尋ねしておるわけです。
#75
○芥川政府委員 有効期限につきましては無期限でございます。失格条件その他が出る場合には適宜措置するのは当然でございます。
#76
○内海(清)委員 これはこだわる問題でもございませんけれども、大体法の形態からいって、従来他の法案にはそういうふうなものが多いように思いますからお尋ねしてみたわけです。
 次も同様なことでありますけれども、今度の法案には無登録営業の禁止規定がないわけですね。四条関係で登録を受けないで業務を営んでおる者に対しては、二十四条の一号によって十万円以下の罰金という罰則はこれはあるわけですが、これもやはり他の法律の関係を見ますと、そういうものがあるようであります。だから無登録営業禁止の規定を設ける必要がないのかどうかということでございます。その点の御意見を……。
#77
○芥川政府委員 ただいま御指摘のとおりでございまして、御指摘の点につきましては二十四条の運用等によりましてやれるのではないかというふうに考えたわけでございます。
#78
○内海(清)委員 まあこれは、法の形態上からいって、そういうふうな一項があるのが好ましいのではないかということでございます。
 それから次は、小型船の造船業者は本法の施行によりまして、第七条の一項で定められました運輸省令の技術上の基準を常に維持しなくてはならない、こういうことになっておるわけです。当局は業者に対しましてこの基準を常に維持継続させなければならぬ、こういうことがあるわけですが、そのためにはどういうふうな手段あるいは処置を講ぜられるのであろうか。たとえば、定期的に事業所の立ち入り検査をやるとか、あるいは調査をやるとか、そういうふうなことが行なわれるのかどうか、こういうことであります。
#79
○芥川政府委員 ただいま仰せのような、定期的な実態調査をするというふうなことはさしあたり考えておりませんで、御承知のとおり、この種の船舶を建造いたしますと必ず船舶安全法の検査を受けるわけでありまして、したがいまして、その設備状況等につきましては関係官庁は十分これを知悉いたしまする経路を持っておりますので、船舶検査のほうとよく連携をとりまして、一定の設備基準の維持ということにつとめてまいりたいというふうに考えております。
#80
○内海(清)委員 その点は了解いたしますが、結局この法の目的からいい、船舶検査というものが今後そういう造船所の建造船舶に対しては厳格に行なわれなければならぬということ、これは当然であると思うのです。ところがこの小型造船所でつくります船というものは、これは私が調べたので間違っておるかもわかりませんけれども、三十九年の調べを見ますと、年間約四千五百隻、鋼船が四千四十八隻、木船が四百五十隻、この四千五百隻程度のものが建造されておるのです。それに対していま検査官が何人おられて、現在の検査官でこれが十分行なわれるのか、これが十分行なわれなければ今回の法の目的を十分達することができぬのじゃないか。特に技術水準を常に維持さすといういまの局長の御答弁のそういう面とも考え合わせまして、そういうことが考えられるわけですね。これは今度も増員にはなっていないのじゃないかと思いますが、それらの関連はどうですか。
#81
○芥川政府委員 船舶検査官の定数につきましては、ちょっと資料を持っておりませんので、正確な数字を申し上げられなくて申しわけないのでございますが、現在約二百三十名持っております。そこで、仰せのとおりの非常に数の多い船の検査につきましては、たとえば旅費の増額によりまして機動性を発揮して何とかやっておるというのが実情でございますが、検査の点につきましては、もちろんわれわれは増員ということを心から希望しておるわけでございまして、正直に申し上げますると、四十一年度の予算のときも、実はこれを大蔵省に説明したわけでございますが、若干資料等の不足もございまして、今回は旅費の増額によって検査官を機動的に運営するということで四十一年度はやってもらいたいということに落ちついたわけであります。検査官の増員につきましては、これはわれわれも年来の希望であるわけでございます。
#82
○内海(清)委員 四十一年度は旅費を増額して機動的にひとつやろうということでございますが、これは業者の側から考えますと、非常に困るというのです。つまり工程の関係で、検査をしてもらいたいときになかなか来てもらえないということなんですね。これは生産の向上にも大きな影響がある。したがって、今度の小型造船業の育成、繁栄をはかろうという趣旨から申しましても、その点は大いに考えていただかなければならぬ問題だ、こう思うのです。しかし、これは四十一年度は認められておらなければ、いまここで言ってもしようがないわけでありますが、当然四十二年度以降におきましては――これは小型だけを考えましてあれだけの船でしょう、これに他のものもあるのですから、検査官はこの小型造船だけについておるものじゃない。だからそこらの点を勘案して、少なくともこの法にいいまするこの業界の発展をこいねがうならば、そういう点はむしろ役所が助けてやる、検査官は必要なときにできるだけ早く行って、そして特に小型では検査官がなお技術上の指導もやる、このくらいまでいかなければなかなか法の趣旨に合わぬと思う。四十二年度以降はこれはぜひとも確保されなければならぬ、こう思うのであります。ひとつその点についての御所見をお伺いしたいと思います。
#83
○芥川政府委員 先ほど申し上げましたように、本年度につきましては、一応旅費の増ワク等によりまして機動的に運営するということでございますが、その場合には、たとえば図面承認の本局への集中の問題であるとか、大きな工場につきましては検査の一部をその工場に代行させるというふうな検査の合理化、簡素化という点も含んでおるわけでございますけれども、やはり船舶安全法の検査と申しますものは、われわれのほうからいいましてもいわば一種のサービスというふうなこともございますので、仰せのとおり、検査官の増員につきましては、来年度はぜひ増ワクを実現したいというふうに考えておるものでございます。ただ、御承知のとおりの実情でございまして、定員の増加というものは非常に困難かと存じますが、われわれもできるだけの資料をそろえまして大蔵省に説明して、何とかこの増員を実現したいというふうに考えておるわけでございます。
#84
○内海(清)委員 私はそういう問題につきましては、この間の港湾運送事業法の問題でも申し上げたのでありますが、ことし間に合うならば来年増員する必要はないという理屈もまた出てくるわけです。こういうことにつきましては、どうも運輸当局は少し弱いのじゃないか、法律をつくっても、それが十分その効果を発揮するようにするためには、やはりそういう体制を整えていかなければならぬ、これは当然であると思うのであります。まあことしは増員できないそうでありますから、現在の検査官の人に一そう御苦労を願うということになると思いますけれども、検査官が増員にならなかったためにこの法が十分効果をあげなかったということのないようにお考えいただきたい、これは要望を申し上げておきたいと思います。
 それから次にお尋ねしたいと思いますのは、今日小型造船業は、ずいぶん業者の人があるわけです。さっきの対象では千四百八十九ですか、これの中で、本法にいいますところの主任技術者程度の者がいない事業所、こういうふうなものが大体どのくらいございますか。
#85
○芥川政府委員 先ほども申し上げましたように、対象工場の抜き取り調査をしておりますので、正確なことを申し上げられないわけでございますが、二割ないし三割は、今回の法に定める主任技術者の資格に対しまして足りないのではないかというふうに考えております。
#86
○内海(清)委員 これは今後重要な問題だと思いますけれども、主任技術者の資格に相当しないような人が技術主任でやっておるというのが二割ないし三割ある、この問題は、ことに小造船所では主任技術者を得るために相当経費が増大するということも考えられるわけであります。これらの点につきましては、実情をよくごらんになって、ひとつ十分その辺は行政指導の上でやっていただかなければならぬ問題ではなかろうか、かように考えるわけであります。
 それから、この主任技術者の問題に関連しまして、十一条の一項三号ですか、それから十一条の二項四号、運輸大臣が同等以上の知識及び技能を有するものと認めた者と規定されているのでありますが、この運輸大臣の認定基準というものをお知らせいただきたい。
#87
○芥川政府委員 これにつきましては、ただいま考えておりますのは、講習会をやりまして、まだ最終的にはきまってはおりませんけれども、たとえば小型鋼船につきましては約三カ月の講習期間を置きまして、そしてその講習の内容といたしましても、造船に必要な基礎学等も含めまして一定の講習を受けた場合に、その講習終了者に対しまして資格を認定するというふうなことを考えておるわけでございます。
#88
○内海(清)委員 そうすると、その講習の内容になってくるわけですが、内容によって基準がきまってくるということになるのですね。大体お考えになっておる基準はあるのだと思うのですが、その点いかがです。
#89
○芥川政府委員 まだこれも船舶局原案を出ないのでございますけれども、たとえば講習の内容といたしましては、小型鋼船と木船とを分けまして、そして小型鋼船につきましては造船の基礎学のようなもの、あるいはさらに溶接に力を入れる点等でございます。それから生産管理等の問題も十分時間を費やす、また安全法の基準を徹底することが主眼ともなってまいる点もございますので、これらの点につきましても安全法関係の内容の徹底というふうなことを重点にやっていくつもりでございます。
#90
○内海(清)委員 これは三カ月間の講習で、その講習を終わった者はこれを認定するということのようであります。実際、現在小型のそういう該当するとおぼしきようなものがないところで、はたして講習をやって十分養成できる人があるかないか、こういうことも問題になると思いますけれども、いずれにいたしましても、この点は十分お考えいただかなければならぬ問題である、こう考えるのであります。
 時間がありませんから次に移ります。主任技術者が必要なわけでありますが、これが何らかの理由で――転職とかいうこともあるでしょうが、その事業所で欠けた場合、いなくなった場合、この場合には直ちに登録の取り消しにはならぬと思うのでありますが、その場合にはいかなる処置をおとりになるかということですね。
#91
○芥川政府委員 その点につきましては、十六条によりまして、事業の休止届けを出して造船を休止するというように指導したいと考えております。
#92
○内海(清)委員 十六条の休止の項をこれにはめようということですね。そうすると、技術者ができるまでは造船を休止させる、こういうことなんですね。わかりました。
 次に、これは十七条関係になりましょうが、登録の取り消しの際、この十七条の一項で「この法律又はこの法律に基づく処分に違反したとき。」こういう項がありますね。これはどういう意味を持つのですか。
#93
○芥川政府委員 その点につきましては、たとえば十五条の2のような場合でございまして、この設備の基準を維持するために必要な修理、改造等を行なわないような場合をさしておるわけでございます。
#94
○内海(清)委員 そうすると、「この法律又はこの法律に基づく処分に違反したとき」ということは、大体十五条の2をさす、こういうことでございますね。それでけっこうですか。
#95
○芥川政府委員 大体それでございますけれども、そのほかにもたとえば十三条によりましても運輸大臣は命令を出しますので、そういうふうな命令に違反した場合をさしておるわけでございます。
#96
○内海(清)委員 わかりました。
 次に、二十六条関係で「使用人その他の従業者が」云々、こう規定してありますね。この使用人と従業者というものの区別はどういうことになるのですか。
#97
○芥川政府委員 これは使用人を含んでおります。従業者の例としての使用人でございます。その意味で「使用人その他の従業者」こういうことでございます。
#98
○内海(清)委員 そうすると、従業者の中に使用人も含むということですね。どうもこういうように分けて書いてあると、その意味がちょっと誤解を生むと思うのですがね。「使用人その他の従業者」でありますから、使用人の中にも従業者も入るのじゃないか、どうなんですか。
#99
○芥川政府委員 先ほど申し上げたとおり、全体として使用人も従業者でございます。
#100
○内海(清)委員 そうすると、従業者も使用人であり、使用人も従業者である、こういうことですか。
#101
○芥川政府委員 この場合は従業者が一番広くて、従業者の一部に使用人を含む、こういう意味でございます。
#102
○内海(清)委員 そうすると、従業者の中に使用人を含む――そうですが、どうもはっきりしませんけれども、一応言われたとおりに了承しておきたいと思います。
 次に、この際特にお尋ねしておきたいと思いますることは、この小型造船所に対しまする近代化への助成措置であります。先ほどお示しになりましたが、いままで中小鋼造船業に対しては、いわゆる中小型鋼船造船業合理化臨時措置法、これが適用されてきておるということで、それでこの臨時措置法は、申し上げるまでもございませんが、中小の造船産業の振興的な性格を持っておるものだと思うのであります。これが今日まで中小鋼造船業の設備の近代化には大いに役立ってきたと、私どもはその点は高く評価するわけでありますが、さらに新たに中小造船企業に対して――これは木船、鋼船を含みますね。これに対しまして中小企業近代化促進法、この指定業種として指定されたわけです。これは企業の健全な発展の意味から申しまして、まことにけっこうなことと思うのでありますが、この促進法が実際に中小造船業に適用されるのはいつごろからでありますか。
#103
○芥川政府委員 中小企業近代化促進法の適用は、本年四月八日以降これを適用することになったわけでございます。
#104
○内海(清)委員 これは木船、鋼船両方でございますか。
#105
○芥川政府委員 木船はその前からでございます。鋼船につきましては、四月八日以降適用を受けますので、現在では両方とも適用を受けております。
#106
○内海(清)委員 運輸省からもらいました資料によると、近く指定をされるというふうな書き方になっておるわけであります。それでお尋ねしたわけですが、それじゃすでに鋼船についても四月八日以降これが適用されておる、こういうことですね。
#107
○芥川政府委員 そのとおりでございます。
#108
○内海(清)委員 この促進法によって中小企業造船所に近代化資金がどの程度いくか。先ほど言われました十億ですか、そういうふうなものはこれに該当するのかどうか。
#109
○芥川政府委員 財政資金のワクといたしましては、木造船について二億、それから鋼船についてはまだきまっておりませんけれども、近代化促進法によりまする企業近代化計画といたしましては、民間の分を含めまして五年間、約二十五億というふうに計算しております。
#110
○内海(清)委員 木船については二億、鋼船については五年間に二十五億、こういうことになっておるようでありますが、これは実際は基本計画ができ、実施計画ができて、そうして原資の割り当てがあって融資という順序になると思いますが、鋼船についても、もうすでに原資の割り当ては五年で二十五億ですか、融資はいつごろから始まるのですか。
#111
○芥川政府委員 御指摘のとおりで、鋼船についてはただいま近代化計画を策定しておるところでございます。先ほど申し上げましたのは木船の鋼船化の分でございまして、鋼船につきましては今後計画を策定いたしまして、そうして実施をするという段取りになっております。
#112
○内海(清)委員 鋼船についてはこれからということでありますが、これはひとつできるだけ早く明示していただきたい、かように思うわけであります。
  〔田澤委員長代理退席、委員長着席〕
 それから、今日ではこの臨時措置法と近促法、これが適用されるわけです。臨時措置法は中小の鋼造船、それから中小の造船業に対しては促進法ということでありますが、これはさっきもちょっと触れましたけれども、この二つはある程度性格が異なると思うのです。この二つの関連はどういうふうにして実施されるか、その点をひとつお伺いしておきたい。
#113
○芥川政府委員 中小型鋼船造船業合理化臨時措置法につきましては、ただいまのわれわれの調査では、この中で中小企業近代化促進法の適用を受けられない大きな業者が十九あるわけであります。この十九の企業者につきましては、臨時措置法が失効した場合には、当然そういうふうな振興法はなくなるわけであります。若干今後問題が残りますので、現在これについてはいろいろと全般的に検討した上で対策を考えたいというふうに考えております。
#114
○内海(清)委員 そういう問題が今後私の質問にも出てくるわけでありますが、時間があまりありませんから、この辺できょうは打ち切りまして、次回に譲らせていただきたいと思います。
#115
○古川委員長 次会は、明後三日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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