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1947/08/22 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 本会議 第25号
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1947/08/22 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 本会議 第25号

#1
第001回国会 本会議 第25号
昭和二十二年八月二十二日(金曜日)
   午前十時四十一分開議
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 議事日程 第二十四号
  昭和二十二年八月二十二日
   午前十時開議
 第一 開拓者資金融通法の一部を改正する法律案(内閣提出)(委員長報告)
 第二 船員保險法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
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#2
○議長(松平恒雄君) 御報告をいたします。議長は昨二十一日正午、連合軍最高司令部にマツカーサー元帥を訪問して、民間貿易開始並びに貿易基金設定に対する感謝決議文を呈し、尚アチソン大使の不慮の死に対して、議長の資格において弔意を表しました。
 その他諸般の報告は御異議がなければ朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。議席第百五十五番、地方選出議員(栃木縣選出)岡田喜久治君。
   〔岡田喜久治君起立、拍手〕
   〔「おめでとうございます」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(松平恒雄君) 次に議席第二百三十七番、地方選出議員(群馬縣選出)境野清雄君。
   〔境野清雄君起立、拍手〕
     ―――――・―――――
#5
○議長(松平恒雄君) お諮りして決定いたしたいことがございます。厚生委員長より、児童福祉法案の審議に関連して、同法案中の対象たる各保護施設を実地調査のため、京都府、大阪府、廣島縣に山下義信君、小川友三君、宮城タマヨ君、草葉隆圓君、河崎ナツ君、木内キヤウ君及び三木治朗君を來る二十三日から二十八日まで六日間、又在外同胞引揚問題に関する特別委員長より、委員会に付託の請願書及び陳情書を審査する必要上、引揚者の受入態勢及び引揚実績等を実地調査のため、舞鶴港に中平常太郎君、淺岡信夫君、木内キヤウ君、島清君、北條秀一君、星野芳樹君及び井上なつゑ君を來る二十五日から二十九日まで五日間の各日程を以て派遣したいとの要求がございました。これら十四名の議員を派遣することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつて議員派遣の件は決定いたしました。
     ―――――・―――――
#7
○議長(松平恒雄君) これより本日の議事日程に移ります。日程第一、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。先づ委員長の報告を求めます。農林委員長楠見義男君。
   〔楠見義男登壇、拍手〕
#8
○楠見義男君 只今議題となりました開拓者資金融通法の一部を改正する法律案につきまして、委員会の経過並びに結果について御報告申上げます。
 先ず改正法律案の内容について御説明申上げます。改正法律案の内容は極めて簡単でございまして、即ち開拓政策実行上、政府は現在の開拓者資金融通法に基ずきまして、開拓者に対して営農資金及び住宅資金の融通をいたしておるのでありますが、今回この法律の一部を改正いたしまして、更に開拓者の共同施設に必要な資金を融通するの途を開かんとするものでございます。その趣旨とするところは、御承知のように、一昨年の十月に政府は緊急開拓計画の樹立をいたしまして、大規模の國内開拓の実行に著手いたしておるのでございますが、計画自体いろいろの問題を包蔵しており、又その実行につきましてなかなか困難を伴つておるのでございますが、それにも増して、開拓者は一般に恵まれない環境又地理的條件の下におきまして、あらゆる困難と闘いつつあるのでありますが、特にこれらの人々は戦災者或いは海外引揚者等が大部分を占めておりまする関係上当然のことではございますが、資金面において著しい困難に遭遇しておるのでございます。従いまして、政府は毎年度予算に計上いたしまして、いわゆる営農資金及び住宅資金の政府融通を行なつており、現在営農資金は一戸当り一万円、住宅資金は同じく融通額一万五百円、この外に補助金四千五百円を加えて、一万五千円になるわけでありますが、営農資金と住宅資金と合しまして、一戸当り二万五千円が開拓者の手に行き渡るようにしておるのであります。従來の融通成績は、昭和二十一年度におきまして総計四億一千百万円、昭和二十二年度の計画は九億円でございますが、その中、第一四半期分として約三億八千万年を貸付中でございまして、これによつて資力に乏しい開拓者に、或いは農具でありますとか、家畜でありますとか、又住宅を入手する機会を與え、勿論十分ではございませんが、開拓者の営農並びに生活安定の基盤を築くために努めておるのでございますが、今回更に一歩を進め、一般の要望にも應えまして、以上の資金の外に開拓者の共同施設に対しても資金融通の途を開かんとするものでございまして、これによつて開拓地の自然的立地的條件に即應して、適当なる、例えば副業施設であるとか、その他の農作物の共同作業場等の共同施設の導入を図り、それによつて、本來開拓地の農業経営として不可欠でありまする共同経営を伸ばして行き、又開拓者の将來の経済的基盤を確立せんとするものでございまして、その融通資金は年利三分六厘五毛の低利で、据置期間一年を含む二十ヶ年の均等年賦償還をいたさんとするものでございます。法案自体は只今申上げましたように極めて簡単でございますが、委員会におきましては、開拓問題を中心にいたしまして、或いは食糧問題全般に及び、或いは又治山治水の問題に及びまして、極めて多くの問題について活発な質疑應答が重ねられたのでありますが、詳細は速記録に譲ることをお許し願いまして、ここでは代表的な二三の問題についてのみ経過の御報告をいたしたいと存じます。
 一つの問題は、我國将來の食糧自給問題と開拓との関係についてでございます。即ち我が國将來の食糧政策上、自給自足を目途として進むのか。或いは将來不足分は外國から安い食糧を入れるのか。この点が明らかにせられませんければ、現在苦しきに堪えて努力をいたしておりまする開拓者は、将來とんだひどい運命に曝されることになる。こういうような質問に対しまして農林大臣から、國内で自給体制を立てるという方針を基本として行き、将來安い食糧を入れるという考え方には反対である。又安い外國食糧に対抗する農業経営を確立するために、多角的な又立体的な農法を以て進んで行きたい。従つて開拓者は日本農業の礎となつて努力をして頂きたいと思うし、政府としても最大の援助をなすことといたしたいとの趣旨の答弁がございました。
 その次の問題は開拓行政と既耕地に対する行政との関係についてでございます。政府は開拓には非常に熱意を入れておるけれども、既耕地には左程熱を入れておらないように思われる。併し既耕地の改良に力を入れるということは直ちに生産力の増大を見ることであり、又毎年被害が多く、これらの予防のための根本的対策は勿論であるが、被害のあつた場合の復旧には万全を期する必要がある。要するに開拓を主とするか、既耕地の維持改良を主とするかというような質問に対しまして、農林大臣は、増産の問題は足許を見ると同時に遠くを見て歩く歩き方をして行きたい。土地改良についてもでき得る限りの予算的措置を講じており、又今回の東北水害、北海道水害の例に徹しましても、應急復旧の施設は勿論、根本的防除対策については十全を期して参りたいとの趣旨の答弁がございました。尚この問題に関しまして農林委員会で明らかにいたしましたところを特に申上げて置きたいのでありますが、それはいわゆる山林開放乃至山林の國家管理の問題でございます。この問題は本年の初頭におきまして一時そういうような風評があつたのでありますが、その後この風評は収まつたように見えておつたのでありますけれども、現内閣になり又々この風評が流布されまして、その間地方によりましては無用の濫伐が行われ、或いは又その間、中間の不正業者の跳梁するところとなりまして、いろいろ弊害を醸しておるのでありますが、この点に関しまして農林大臣は、山林を現在の農地と同様に、農地改革、農地調整法の線に沿つてその制度を改めるようなことは考えていない。従つて山林の所有面積を制限するというようなことはない。又國有化とか國家管理とかいうようなことをやる考えもないと、政府の方針を明確に示されたのであります。
 次に資金融通額の問題でございますが、従來の営農資金或いは住宅資金につきましても、現在の経済事情に照しまして余りにも少額に過ぎる。又今回の共同施設に対する融通資金にいたしましても、本年度の予算額は二千万円というがごとく極めて少額で、これでは大きな効果は挙げ得ないのではないか。従つて、政府は増額の意志はないかとの質問に対しまして、政府としても勿論現状では十分と考えておらん。従つて例えば営農及び住宅資金にいたしましても、現在の二万五千円を大幅に増額して一戸当り六万円乃至七万円となるように、目下関係当局問題において折衝中であるとのことでございました。
 最後に、開拓政策実行に関して綜合性保持に関する問題でございます。この問題は各委員が挙つて、極めて熱心に又強く政府従來の施策に批判の論議を進められ、又質疑を重ねられたところでございまして、即ち開拓政策実行に当つて、往々にして山林政策と治山治水との関係、或いは又放牧採草地なり自家用薪炭林との関係が軽視乃至無視されて、開拓に猪突する結果、地方においては既存の農業経営にも大きな支障を來し、又摩擦を生じている事例が決して少くない。又林地を伐採、掘起し等をなすために、明日の治水を憂うるよりも、すでに現在の各地方の水害の原因をなしている。これは畢竟するに開拓実行に際しての綜合性保持が行われておらないためであり、これに関して政府はいかなる方策を採らんとするかとの趣旨の質問に対しまして、農林大臣は、綜合性の保持は是非共必要であり、地方廳に対する趣旨の徹底には十分努めたいと思うし、又すでに開墾予定地と定まつた所でも更に再検討するに吝かでない。要するに治山治水との関係を不可分に考え、又既存農業経営の安定も十分考慮して行きたい。既定の開拓計画は目下再検討をいたしつつあるが、以上の点も十分考慮して、開拓の基本法とも称すべきものをこの議会に提出したいと考えておつたけれども、諸般の事情から間に合わぬが、併しその制定前と雖も、その精神に則つて、今後開拓を実行して行きたいとの趣旨の答弁がございました。この点は只今も申上げましたように各委員の強い要望であり、政府も亦その趣旨とするところは全然同感の意を表せられたのでありますが、全委員は挙つて、今後の開拓実行については政府が誠意を以て実行せられたい。そのことを強く期待いたしますると共に、今後開拓基本法の制定に当つては、十分その意見の実現せられることを希望しておられましたことを、ここに申添えて置きたいと存じます。以上が質疑の大要でございます。
 かくて質疑を終り討論に入りましたところ、別に御発言もなく直ちに採決に付しまして、全会一致を以て本案は可決すべきものと決定いたした次第でございます。以上を以ちまして御報告を終ります。(拍手)
#9
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。委員長の報告は可決報告でございます。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#10
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#11
○議長(松平恒雄君) 日程第二、船員保険法の一部を改正する法律案、内閣提出、衆議院送付を議題に供します。先ず委員長の報告を求めます。運輸及び交通委員長板谷順助君。
   〔板谷順助君登壇、拍手〕
#12
○板谷順助君 只今議題となりましたる船員保険法の一部を改正する法律案につきまして、運輸交通委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先づ内容を申上げるに先立ちまして、諸君の御了解を得て置きたいことは、この船員保険法は従來厚生省の所管であつたのであります。ところが船員行政は一元的にやらなければ非常に不便があるというところから、御承知の通り運輸省が海事行政、殊に船員法を所管いたしておりますので、先般厚生大臣、運輸大臣の間にいろいろ相談の結果了解を得まして、先般の閣議で移管ということが決定されたということであります。従つて移管に対する法案が早晩この議会に提出されることと存ずる次第でありますが、現在は厚生省の所管としてこれを審議する次第であります。
 ところで、法案の内容を説明いたしまするが、船員保険法は船員に対しその疾病、負傷、廃疾、老齢、死亡等の事故に際し、その生活を保護するの目的を以て制定されたのでありまして、殊に本法と密接の関係にある船員法は、御承知のごとく去る九十二議会において、終戦後の新情勢に対処すべく改正されまして、その中には保険制度で裏附をすることを必要とする船員保護の充実という面も含まれておるのでありまして、右の船員法の改正に應じまして、本法改正の措置を講ずる必要が生じた次第であります。
 先ず第一に、船員保険委員会の設置でございます。従來船員保険は政府の手によつて運営されておつたのでありまするが、できる限り関係者の意向に副つて民主的に運営されることを期待いたしまして、船舶所有者、被保険者公益代表者を以て組織する船員保険委員会を設けまして、事業運営に関する重要事項はこれに付議すことにいたしたのであります。
 第二に、被保険者の範囲の拡張であります。船員法の適用範囲の拡張に伴いまして、本法の適用範囲を拡張いたしたのであります。この点につきましては、改正船員法に規定されましたる船舶使用者の補償責任を本保険においてカバーする建前の下に、所要の改正を加えたのである。即ち傷病手当金の支給額を職務上の事由による疾病又は負傷の場合には四ヶ月間は報酬日額の全額とする外、療養の給付を受ける期間経過後におきましても、職務に服し得ないときには、一ヶ月間の範囲において報酬日額の百分の六十の傷病手当金を支給すること、自宅以外の場所における療養に必要な宿泊及び食事の給付をすること、本法施行地外においても短期給付をなすこと、障害年金、障害手当金並びに職務上の事由による遺族年金、遺族一時金の額は、最終三ヶ月間の平均報酬額を基準とすること、養老年金、障害年金を受ける権利のある者にも職務上の事由による障害手当金は、これを支給すること等の諸点の外、養老年金については被保険者たりし期間十五年以上にて、被保険者の資格を喪失した者に対しましては、五十歳に達せずともその際証書を交付して、その権利の確保を図るとか、又職務外の事由による障害年金、障害手当金の受給資格期間を六ヶ月以上に引下げ、尚脱退手当金につきましては、受給資格期間を六ヶ月以上と改めると共に、一年の待期を廃止いたしたのであります。以上の諸点の外、本法の適用範囲の拡張に伴いまして、船舶所有者の團体に対しましても、本保険施行に必要な事務を行わせることができるようにすると共に、保険給付の決定に不服ある場合の審査機関として保険審査官を設けまして、迅速適正な審査決定を図るようにいたしたのであります。又罰則規定時効規定につきましてし新情勢に應ずる改正を行うの外、新憲法、地方自治法の施行、外地の喪失に伴う所要の規定の改廃をいたしてあるのであります。以上が本案改正の大要であります。
 委員会は三日間に亙り慎重審議を行なつたのでありますが、質疑應答の主なる点二三御報告を申上げます。その他は速記録によつて御覚願うことのお許しを願います。一委員から、所管を運輸省に移したる根本理由如何、又社会保険と船員保険との連絡調整如何、下部機構をいかにするかという質問に対しまして、政府の答弁は、海事行政の一元化である、又運輸省と厚生省と常に連絡を密にする、従來船員の遺家族の連絡は海事官廳が行なつておつたから、都道府縣廳より連絡には便利であるという答弁であります。又一委員から、船員の意義及び範囲如何に対しまして、五トン乃至二十トン未満の小型の船舶の船員と、三十トン以上の漁船の船員で、従來除外されていたものが、新たに適用範囲に加えられることになつたのである、尚又保険委員会の構成について、公益を代表する者とは如何、及び委員会の機能如何という質問に対しまして、政府の答弁は、船舶所有者並びに被保険者以外の学識経験を有する者を公益代表という、又委員会の機能は標準報酬の決定、保険料率の決定、積立金の運用、福祉施設の運用等を行うものであるという答弁でありました。その他は只今申上げました通り、速記録によつて御覽を願いたいと思うのであります。
 質疑が終りまして討論に移りまして、中野委員から修正案が出たのであります。その大要を申上げます。この保険法の第二條、第六十五條中の中立委員は労組の承認を必要とする、更に三十條の傷病手当に対して職務上疾病負傷の手当四ヶ月となつておるのは六ヶ月に引上げるということ、又報酬に対して百分の六十となつておるのを百分の八十に引上げて貰いたい、又養老年金に対しまして、即ち第三十四條の十五年以上を十年に引下げ、又五十歳を四十五歳に引下げ、及び保険料の負担については、生産費の構成部分であるから全額船舶所有者の負担として貰いたい。又処罰に対しましては、五千円となつておるのを一万円に引上げて貰いたい、という修正意見が出たのであります。満場に諮りましたところが、賛成者なくしてこの修正案は否決されたのであります。かくて採決の結果、大多数を以て本案は可決すべきものと決定した次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
#13
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。委員長の報告は可決報告でございます。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#14
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。これにて本日の議事日程は議了いたしました。次会の議事日程は決定次第広報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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