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1949/03/28 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第3号
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1949/03/28 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第3号

#1
第005回国会 農林委員会 第3号
昭和二十四年三月二十五日
 寺本齋君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
昭和二十四年三月二十八日(月曜日)
    午後一時四十分開議
 出席委員
   委員長 小笠原八十美君
   理事 坂本  實君 理事 松浦 東介君
   理事 八木 一郎君 理事 山村新治郎君
   理事 深澤 義守君
      河野 謙三君    坂田 英一君
      田中 彰治君    野原 正勝君
      平野 三郎君    渕  通義君
      村上 清治君   藥師神岩太郎君
      大森 玉木君    小林 運美君
      中垣 國男君    石井 繁丸君
      竹村奈良一君    吉川 久衛君
      寺崎  覺君
 出席國務大臣
        農 林 大 臣 森 幸太郎君
 委員外の出席者
        総理廳技官   吉田 至一君
        総理廳事務官  土屋 光豊君
        農林事務官   清井  正君
        農林事務官   尾中  悟君
        專  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
三月二十六日
 食糧配給公團法の一部を改正する等の法律案(
 内閣提出第一四号)(予)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 宮崎縣の甘藷虫害対策に関する請願(川野芳滿
 君外五名紹介)(第一二号)
 北海道の土地改良事業助成に関する請願(小川
 原政信君紹介)(第二五号)
 呉市の治山事業施行の請願(宮原幸三郎君外一
 名紹介)(第二七号)
 茨城縣の農業土木事業費國庫補助の請願(山崎
 猛君外二名紹介)(第四〇号)
 朝日川総合開発事業実施の請願(牧野寛索君外
 一名紹介)(第五〇号)
 小沼村民有未墾地買收に関する請願(井出一太
 郎君紹介)(第六八号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 食料品配給公團法の一部を改正する等の法律案
 (内閣提出第一四号)(予)
 木炭事情に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小笠原委員長 これより会議を開きます。
 去る二十六日内閣提出による食料品、配給公團法の一部を改正する等の法律案が、予備審査のため本委員会に付託せられました。本日よりこの法案を議題としてその審査を行います。まず政府の提出趣旨の説明を求めます。
#3
○森國務大臣 ごあいさつを申し上げたいと存じます。農政上まことに重大な時期にはからずもこの重職を汚しまして、微力、ことに行政には経験を持つておらない私でありますから、皆様の御支援のもとにわが國農林行政を担当させていただきたいと思いますが、どうかよろしく御支援くださらんことをお願いする次第であります。
 食料品配給公團法の一部を改正する等の法律案につき提案理由の説明をいたしたいと存じます。
 農林省において所管いたしまする配給公團は五つを数えております。すなわち、食料品配給公團、飼料配給公團、油糧配給公團、食糧配給公團及び肥料配給公團の五公團であります。
 食料品配給公團は、みそ、しようゆ、砂糖、罐詰、乳製品その他命令で定める食料品をその取扱物資とし、食料品配給公團法に基き、昭和二十三年二月において設立せられ今回に及んでおります。飼料配給公團は、命令で定める飼料をその取扱物資とし、飼料配給公團法に基き、昭和二十三年二月において設立せられ今日に及んでおります。油糧配給公團は、命令で定める油脂原料、油脂、油粕等をその取扱物資とし、油糧配給公團法に基き、昭和二十三年二月において設立せられ今日に及んでおります。食糧配給公團は、主要食糧をその取扱物資とし、食糧管理法に基き、昭和二十三年二月において設立せられ、今日に及んでおります。肥料配給公團は、命令で定める肥料をその取扱物資とし、肥料配給公團令に基き、昭和二十二年七月において設立せられ、今日に及んでおります。
 元来公團統制方式は、民生安定及び産業再建の見地から緊要不可欠の物資であり、しかもその需給事情が極端に逼迫している物資であり、かつその嚴格公正な配給割当制度を実施するためには、戰時中採用された統制会社制度に準じた一手買取り販賣方式を採用せざるを得ない物資についてのみ認められた制度でありました。
 政府におきましては、経済九原則の実施と関連いたしまして、公團統制方式をあらゆる角度から檢討して参つた次第でありますが、特に公團統制方式が採用されている物資の需給事情の推移及び財政金融の健全化の要請等の見地から、配給公團本來の使命をより能率的に遂行するために、これを整理統合し、その内部機構を簡素化し、その運営方式を改善するために必要な措置を講ずる予定であり、関係方面とも折衝中でありますが、まだ最終的結論に到達いたしておりません。ところが現行の規定によりますと、これらの配給公團の存続期間は、昭和二十四年三月一ぱいをもつて満了いたしますので、公團統制方式全般にわたる改善刷新に関する結論を得るまでのとりあえずの暫定措置として、食料品配給公團法、飼料配給公團法、油糧配給公團法及び肥料配給公團令の有効期間並びに食糧配給公團の存続期間をそれぞれ三箇月間延長することにいたす必要がございます。これがこの法律案を提案いたしました理由でございます。
 何とぞすみやかに御審議の上御可決くださいますようお願いいたす次第であります。
#4
○小笠原委員長 これにて政府の説明は終りました。引続き本案に対する質疑に入ります。
#5
○坂本(實)委員 本日は政府の提案理由の説明を聽取するにとどめまして、続いて木炭事情に関する説明を聞かれんことを望みます。
#6
○小笠原委員長 ただいまの坂本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○小笠原委員長 それでは木炭事情に関する件を議題とし政府の説明を求めます。
#9
○森國務大臣 木炭事情につきまして御質問でありますから、一應今日の事情を申し上げたいと思います。あらかじめお断りいたしておきたいのでありまするが、この薪炭問題は関係方面との折衝を目下重ねておるのでありまして、まだはつきりとその輪廓を申し上げるところに至つておらないのでありますので、今日までの状況を一應申し上げたいと思うのであります。
 昭和二十年度には政府買上げ数量は八十一万四千キロトンにすぎなかつたのでありまするが、その後次第に増加いたしまして、昭和二十二年度には百四十万キロトンに達しまして、昭和二十三年度には、一月一ぱいにおいてすでに百三十四万八千キロトンに達し、一部買入れ制限を行つたにかかわらず、昨年度実績を超過することは確実であるのであります。從來生産縣は政府より割当てられた縣外移出数量の完遂は不可能であつたが、今年度においては年度当初計画百四十五万二千キロトンの遂行は確実であるのであります。現行統制方式においては、山元の政府指定集荷場所において政府が木炭の買入れを行つておるのでありますが、多数の山間集荷場所における買入れの檢收は現物の確認が不確実になりやすく、また発駅発港頭もしくは縣内消費地までの輸送途上における損耗が多量に上る危險があるのであります。なお生産縣及び自給自足縣における政府買入價格と政府の賣渡價格の差額は全國プール計算せられ、消費地に重く生産地に軽くされております。それでも生産地において相当額に上り、やみ價格は配給價格を下まわる現象を示し、政府による買入制度は非難の的となり、現行制度の維持は困難なように考えられるのであります。
 普通まき及びガス用まきにつきまして、生産は労務者の増加、食糧事情の安定によりきわめて旺盛であり、一方自給製塩用まきの需要杜絶及び石炭またはコークスの生産増による家庭以外の業務用消費の減少によつて、需給事情は大体平衡を保ち、一部においては過剰生産の現象すら呈しておるのであります。現行統制方式すなわち特別会計という政府機関が、賣行きに應じて買入れ数量の制限または買入れ價格の値引を随時行うという彈力性ある事業を行うことは、國民が夢想だにせず、もし実行するとすれば、主食供出割当の際供出拒否の口実を與うることとなるので、実行不可能であり、從つて現行政府買入れ制度を持続することはできないように考えるのであります。かような情勢でありますので、この統制の方式をいくらか改正いたしまして、木炭につきましては自給自足の縣においては、特別なる措置を講じ、生産縣と消費縣とにつきましては政府の力によつて相互にこれを連絡いたしたらどうか、また薪炭においても今申しましたような情勢でありますので、大幅に統制方式を変更いたしまして、その地方の事情によつて処理せしむことがいいのではないかというような構想を持つたのでありまして、この考え方に対しまして関係方面と目下折衝を重ねておるような情勢であります。
#10
○藥師神委員 ちよつとお伺いしたいのであります。先般安本あるいは林野局、その他の説明を聞いたのですが、現行の五十五億円では大体結論から言えば金が足りない。やれないから、縣外輸出の分だけを政府が買い上げて、縣内消費の分は地方統制にする。まきも一切買わない。そういう御意見だつたと思うのでありますが、われわれが考えてみると五十五億円あれば十分從來通りの買上げができると思うのです。それで私はまきの統制をはずすことも、あるいはまたさらに進んでは木材の統制をはずすことも、今日の段階ではむしろ公定價格よりもやみ價格の方が下まわつておる現状であるからいいと思う。ところが木炭の面は非常に生産との関係が重大であつて、地方廳にまかすといつたつて、資金の問題が解決つかなければ、二元統制はやれない。それから今農林大臣の説明のように、以前は四十五日ぐらいの回轉であつたけれども、駅渡しということになれば、大体三十日で回轉し得るという見込みを立てておる。それから現在七十一億なんぼが行つておるというのだけれども、それは三十日回轉にして、もつと回轉の速度を早めれば五十五億円で十分事足ると專門家は見ておる。これを二元統制にするということは実際困る。と同時に地方廳にまかしたところで資金の問題が解決つかない。政府はどういうふうに考えておられるか知りませんけれども、五十五億円で木炭をやつておるわけではないのです。民間の法人組織なり、あるいは農協なり、この方から出している金というものは、おそらく推定百億ぐらいあると思う。この政府の五十五億にプラスすることの民間團体の出している資金というものが百億円ぐらいある。この際において、政府は縣内消費の分は地方縣にまかすというお話があつた。地方縣にまかしたら資金はどうする。資金がまわらなければ木炭は御存じのように製炭、運送費、包裝費におそらく奥地の山だつたら九五%も要するのですから、これをやらないということになつたならば生産はがた減りになることが一つ。もう一つは治山治水の問題に大影響を來すのです。非常に便利のいい山ははげてしまう。奥地の薪炭を燒かすという方法がとられなくてはたいへんな問題が起きて來る。少くとも一部分の統制をはずすということになれば、一年間ぐらいの準備期間を置かなかつたら資金の面でたいへんな問題になると思う。今木炭が予定数量よりも生産量がふえておるように考えておられるようだが、これはとんでもない結果に陥ると思う。
 それからこの間も協議会のときにも申し上げたのですが、今のように戰時中のようなボロ炭を燒くことは、收容する倉庫の建設費についても農林省から相当全國に金を出しておる。この收容の点から見ても、包裝の点から考えても奥地においては製炭費も何も同じだから、規格をもつと何段階にもわけて、もつと優良な炭を燒かせる。ガス用木炭はしようがないけれども、個人消費の分に対しては、戰前のような優秀な炭を燒かす方法をとることが先決問題ではないかと思う。いい炭ならば二俵よりも一俵の方がいい。三俵よりも一俵の方がいい。おそらく今日の雑割などは、特別な工場なんかで使うだけで、一般の民間では使わない。それは今日もやはり戰時中の質よりも量という習慣が残つておつて、ただ黒くなればいいという今日の製炭では、これはとんでもない結果になると思う。それから奥地の開発をしようと思うならば、二倍の炭を燒けば済むじやないか。輸送費、收容の点においても、こういう問題ついて、われわれが專門的に言わなくても、もつと頭を働かさなくてはいかぬのではないかと思う。五十五億の金でも、四十日回轉を駅渡しにして三十日回轉にすれば十分まかなえると思う。まきの統制買上げをやめられることは私は不足はございません。さらに進んで木材の統制をはずされてもよい。けれども木炭についてそんなことをしたならば、資金の点において行き詰まり、生産者に金を拂わなかつたら、製炭費や運送費、包裝費に九〇%から九五%もいるのですから、これをいつまでも金を拂わなかつたら――今でも政府支拂いが遅れる部分は、林産物の会社ないしは全國農業会あるいは今の農協で拂つておる金を見ても、少くとも百億円ぐらいの金が出ておるのではないかと思う。われわれ愛媛縣でも、すでに農業会当時に三千万円ぐらいの金は木炭資金に出していた。政府の金だけでやつていたのでは、ない。だから十二回轉にすれば十分やれると思う。こういう点について御意見を承りたい。
#11
○森國務大臣 まことにごもつともな御意見でありますが、今日里山が非常に乱暴に利用されまして、奥山の方が一向利用されておらないという事実は御説の通りであります。治山の上から申しましても、この奥山の利用ということが最も重大な問題と考えておりますので、林道の開発に格別な考慮を拂いまして、里山をしばらく休養の位置に置き、奥山の利用開発に努力いたしたいと考えておるわけであります。この生産品の品質問題でありますが、これまことにごもつともでありますが、この統制をやつておりまする以上、いわゆるよいものも悪いものも、とにかく今お話のように炭であればよいのだというような氣持で生産されるところに、一つの大きい弊害がある。これはいずれの物資についても考えられるのであります。ここに品質の向上をはかるということについては、價格差を設けてやらなければならないことはもちろんでありますが、現在のように全國プール計算になつておりますために、代金の支拂い等についても支障を來しておりまして、地元の林産組合が生産者から炭を收納して立てかえなければならぬ。國がこの支拂いをする場合においては、檢收の上でなければ支拂えない、こういう関係のために、非常に地元の林産組合あるいは協同組合等に、やむを得ず立てかえをしてもらつておるというような事実もありますので、なるべく早く國は檢收をいたして、地元に御迷惑のかからないようにしなければならぬと考えておるわけでありますが、現在の資金において十分でないということは、この配給計画が全國的になつておりますがために、從つて計算が遅れておるというような結果になるのでありまして、今お話のように回轉日数が延びておるという点も今日の現状であるのであります。それでありますから、木炭に限りましては全部とは考えておらなかつたのであります。自給自足のできる地方はこれを縣内の統制にまかせてはどうか、こういうことを一應考えたのであります。しかし先ほどお答えいたしましたように、この構想が必ず実現し得られるか得られないかということは、目下いろいろ関係方面とも折衝を重ねておるような情勢であることを御承認願いたいと存ずるのであります。
#12
○藥師神委員 私農林大臣よりも、実際に扱つておられる方の説明がもつと具体的に聞きたいのですが、縣外移出の分だけを政府が買い上げて、縣内消費の分だけは、どういう方式か、これを自由價格にするわけにはいかないのだから、やはり地方廳なり何なりに調整をやらせなければならぬと思つております。その場合に私の言うことは資金の問題です。特別に資金の問題を地方廳でも考えてやるということができれば、それでいくらかわれわれの杞憂は薄らぐわけですけれども、そういう特別の融資ができるなら政府自体がやつてもやれるわけです。この問題が一番大きな問題です。われわれの言うのは、資金の面において今でさえ政府が手をあげなければならないという場合において、今の状態では特別の融資のない限りは、それは民間でやつたところでやれないことはわかつておる。政府は手をあげ、民間が手をあげておるのはわかつておる。その点をもつと具体的にお聞きいたしたい。今の三十日回轉五十五億で足りないという根拠も承りたいと思います。
 それからなるほどプール計算にはなつておるが、炭はもつと格差を設けて規格を設けてやつてもらいたい。また奥地の開発という問題は、林道開発と並行するということは、一面から言えば基本的な問題でありますけれども……。
#13
○小笠原委員長 薬師神君、発言中ですけれども、今の資金の問題は、二時過ぎると木炭課長が参るそうでありますから、事務当局の御希望の方が今見えないようでありますから、おいでになつてからさらにお尋ねしたらいかがですか。
#14
○藥師神委員 それでは農林大臣にお尋ねするのですけれども、林道開発をやつて奥地の開発をやるということは、基本的な問題としてその通りに間違いないのですが、今日のように公共施設費というものが非常に圧縮されておる現段階においては、林道もなかなかつかない。それと應急の問題として治山、治水の問題とにらみ合せてみても、里山が荒廃してしまつておる。奥地を開発するという問題は、どうしても炭の規格をつくつて、そうして優秀なものを奥で燒かさなくては、今のぼろ炭では実際に困るのだ、ほんとうに白燒でも燒けば三俵に一俵でも引き合うくらいに炭は行ける、運送費も收量も三分の一で済むのだから、必然的に奥地の山は開発ができるわけです。應急の問題として手を染めぬ限りはこの問題は解決しないと思う。林道が思うようにつけばよいが、今日の公共施設費ではとうてい及びもつかない、この点のお考えをちよつと承りたいと思います。
#15
○森國務大臣 薬師神君にひとつ申し上げたいのでありますが、薪炭問題につきましては、こうするああするという決定をいたしておらないのであります。ただ一應政府といたしまして、薪炭の現状にかんがみましてこういうことをやつたらどうだろう。まきのごときはもう解放してもよい。炭の方は自給自足のできる縣はその縣の統制にまかせてはどうか。但し消費と生産の條件はつなぎ合して消費者に迷惑のかからないように考えて行きたい。こういう構想を持つたのであります。しかし今これをああします、こうしますということを申し上げる段階に入つておらないのでありますから、あらかじめこれをお含みくださらぬと、政府はこういう方針でいるのだということを、はつきり申し上げられない今日の段階でありますから、そのお氣持で、事務当局が参りましても御質問をお願いいたしたいと思うのであります。事務当局が参りましても、こうします、ああしますということを、今日の段階としてはお答えができ得ない事情になつておりますから、その辺お含み置き願いたいと存じます。
#16
○藥師神委員 この問題はもう少し進んでいはしませんか。安本と林野局との説明を聞いたのでは、もう政府は手をあげておるという話で、まだ研究中くらいの話ではないと思うのですが、どういうのですか。この間の説明では、結論的に言えばやれない、やれないから木炭もまきも買わないのだ、それで木炭は縣外移出だけ買うのだ、こういうような結論のように聞いておるのですが……。
#17
○森國務大臣 こういう所で申し上げるのはどうかと存じますが、先般事務当局から申し上げたような事情になつておりますから、これはどうしてもこのままではいけないというので、大体先ほど御報告申し上げたような構想のもとに進んで参つたのでありますが、関係方面との折衝がまだ解決いたしませんので、先般申し上げましたような事情であるから、ただちにこういうふうに改めるということを申し上げる段階に入つておらないのであります。その辺ひとつお含みを願いたいと思うのであります。
#18
○竹村委員 ちよつとお尋ね申し上げたいのですが、二月十六日付で薪炭課長から各木炭事務所に対して、薪炭の買上げを停止するようにというような命令が出されたそうでありますが、そういう通牒が出されているかどうかということを伺いたいのであります。もし出されているとするならば、大きな問題だと私は思うのであります。少くとも生産者に対しましては生産をやれと言つておいて、そして一方的にこのような課長命が出されているということになれば重大な問題でありますし、しかも消費地におきましては非常に薪炭が必要でほしがつている、それなりにそういう買上げ停止命令をもし大臣が知らなかつたならば、これは官僚独善の大きな問題だと思うのでございます。この点をお伺いいたしたい。
 次に現在、二月三十日付でもいいのですが、そのときの政府の手持ちは一体どのくらいであつたか。木炭にしてどれくらいあり、薪にしでどれだけあるかというような点をお聞かせ願いまする
#19
○森國務大臣 手持ちの数量については事務当局に申しつけまして御報告いたさせます。
 薪炭の買上げ一時停止は行つたように私承知いたしております。しかし生産命令をいたしました以上、その生産命令いたしましたものに対しては、政府はあくまでも責任を持つて買い取るのでありますが、ただ問屋の引受け等の関係において一時買上げを中止したことだろうと思いますが、政府の命令したものに対しましてはあくまで責任を持つて買い取ることになつておりますから、さよう御承知を願います。
#20
○竹村委員 大臣の方では買上げをやると言われますが、しかし生産地においては非常に困つている。つまり生産されたものが代金にかわらない。今日の農村の金融事情から言つて非常に困つているのでありますが、それが大体いつごろ買い上げられて、どうされるかという点についてはわからないのですか。
#21
○森國務大臣 事務上のことでありますから、いつということは申し上げられませんが、御承知の通りまきに対しまして價格が割合高かつたという関係でありますが、一時坑木が二つに切つてまきにされる、あるいは用材がまきになるというような奇現象を現わしたのであります。この東京都内だけでも、ごらんくださると、実にもて余すような太い松の丸太がまきになつているのあります。これは價格の関係もあろうと思いますが、かえつて消費者はそれがために非常に迷惑いたしまして、まきの配給を受けてもこれをくだくことさへ自分でできないという状態もあつたわけであります。價格の面について今後考えなければならぬと思うのでありますが、一時買上げをとめましても、資金に対しましては政府の責任によつて日本銀行なり市中銀行の方から十分支出することにいたしまして、生産者の迷惑にならぬように手配をいたした次第であります。
#22
○田中(彰)委員 木炭とかまきとかいうものに対し、今の統制を撤廃されるのは、統制ではいい品物が出ないという面なんですか、それとも政府が補償金が多くてそれ以上補償できないという面なのですか、また今のような機構では需要者が十分に安いものを使えないとか、いい品物が使えないとか、こういうような根本的にはつきりした面をおつかみになつて、そしてこういうような案を改革しようというようにお考えになつているのですか、それをお聞きいたします。
#23
○森國務大臣 今御承知の通りプール計算に運賃、手数料を入れておりますから、生産地においては生産者價格と消費者價格とが非常に違い過ぎるのであります。それでありますから生産地においては、生産者から消費者へ直接やみで流れて行くという現象でありまして、これを正式ルートによつて配給いたしますと、非常な高い手数料を消費者が負担しなければならないことになつているのであります。幸い今年は天候もよかつたし、また運送面も故障がなかつたためでありますか、薪淡の供給が非常に予定通りに参りまして、しかも運賃関係等がプール計算のために、地元では配給よりは安いものが買えるが、表向き買えば高いものを買わなければならぬ。かりに北海道から東京に送りました運賃も、神奈川縣で生産して神奈川縣で使うまきに対しましても、同じようにプールされるのでありますから、とんでもなく経費を負担させられる、こういうりくつに合わない状況でありましたので、どうしても今日はまきなんかは一時はずしてしまつて、自給自足のできる地方は自給自足をやらしたらどうか。しかし生産しない所の消費地と、生産府縣と認められている所とは、やはり政府の力によつて需給関係を持たなければならないのではないかと思います。しかし今申しましたように、その構想が実現するまでについて、まだはつきりとこの方針を責任を持つてやりますという段階に入つておらないことを御了承願いたいと存じます。
#24
○田中(彰)委員 われわれは從來統制というものに対して反対したのですが、今農林大臣の説明を聞きますと、これは統制の欠陥であつたと思うのであります。また品物についても私たちが忌憚なく申しますと、悪い炭もいい炭も全部政府の補償があるから一定に取扱う。値段をきめたり運賃をきめるときでも一々炭を見るのではない。自由販売の方が、なるほどいい品物がよく賣れる、悪いものは賣れなくなりますから、そういうものについては反対しないのでありますが、しかし金融面については皆さんの御意見通り、今奥山から切り出して停車場へ持つて來るまでは、相当運賃とかその他がかかつて、小資本ではやれない結果になり、やはり大会社をつくるとか、あるいは高い金融業者から金を仮りてやるとかいうことになると、結論はせつかくはずされたるところのこの統制が、むしろそれ以上に買う人が高いものを買わなければならぬ、あるいは品物が十分に出なかつたりする結果があるのですが、金融面さへ政府の方で、ある程度補償されれば、今大臣の言われたように品物のいいものが相当出るし、そして人が迷惑しないようになるという点については賛成ですが、金融面について何か今後の案として、政府が補償したようなものにひとしいことにする御自信があるのでしようか、これがあればけつこうなことだと思いますが、お伺いいたします。
#25
○森國務大臣 これは先ほども申し上げました通り、この薪炭統制撤廃をやるという一つの構想を考えておつたのでありまして、その統制撤廃につきましては、今お話のような金融面につきましても十分檢討を加えて行かなければならぬと思います。ことに品質問題については、御承知の製材、まきのごときほとんど價値のないものまでもまきとして供出されている。また同じ堅木のまきにしましても、松割木があり、くぬぎにしましても種々雑多なものができておりますので、こういうものが同じような價格で取引きされることが統制の欠陥であり、なるべくいいものは高く、悪いものは賣れないというような方式に持つて行きたい、こういう氣持でこの薪炭統制に対する根本的なメスを入れたいと思つています。まだ結論に達しておりませんから、そういう場合においては金融面はどうするか、二重價格になるのではないか、縣内で自給自足する炭と、その縣から縣外に供出するところの炭の價格はどういうふうに考えて行くかというような具体的な点までは発展しておらないのであります。どうかひとつその辺をお含み願いたいと思います。
#26
○田中(彰)委員 わかりました。
#27
○河野(謙)委員 この機会に大臣に希望を申し述べておきます。今の大臣のお考えを伺いましても、價格統制は今度やはり一部残る。その場合の價格の構成の要素として、運貸というものは非常に大きなものであります。運賃は從來物價廳等で査定しておられたと思いますが、私の承知している範囲では、いずれも運輸省の認可料率をそのまま機械的にとつておられるような面が多いと思う。これは現在の輸送の上から言つても、非常に実情と違うのであります。認可料率をあらゆるものが下まわつて運送されるという実情におきまして、認可料率をそのままとつてあらゆる物資の價格をきめるということは、非常に実情に沿わないのです。これは單に木炭の問題のみならず、あらゆる物資にその弊害があるのであります。つきましては、今後木炭を初めあらゆる農林物資について、物價廳で物價の決定をする場合には、原局である農林省が必ずそれに参加するということにしていただきたい。現在でも電力、石炭等のいわゆる超重要物資につきましては、原局が発言権を持つておるように聞いております。これは單に電力、石炭のみならず、あらゆる物資、特に農林物資につきましては、價格の中で運賃が相当大きな要素になつておりますので、その價格の決定につきましては、最も事情に通じた農林省が、物價廳の價格決定において発言権を強く持つていただきたいと思うのであります。その点を特に農林大臣に今後の希望を申し上げておくわけであります。
#28
○土屋説明員 ただいまの御発言の中に、物價廳に関係したことがございますから、私からお答えを申し上げます。薪炭の公定價格につきまして、その消費者價格に至るまでの間の原價に織り込まれている運賃が、認可料率をそのままにとつている、從つて相当高くなつているじやないか、というようなお尋ねのように伺いました。その場合の認可料率というのは、おそらく小運搬賃のことをおつしやつておられるのだと思いますが、物價廳で薪炭の公定價格をきめる場合に算入いたしております小運搬賃は、薪炭需給特別会計の実績をとりまして、その実績の計算によつて組み入れておりますから、もしかりに認可料率よりも安い実際の運賃が支拂われておつた場合には、それがそのまま織込まれておるという形になつておりますので、認可料率より安い場合でも、認可料率をまるまる織り込まれておるということは決してないわけでありますから、その点御承知おきを願いたいと思います。
#29
○河野(謙)委員 お答えがありましたからさらにお尋ねいたしますが、私が今言うのは單に小運搬賃だけを指しておるのではありません。船の運賃、鉄道の運賃、庫入れ、庫出し、一切さようなものにおいて、木炭の運賃は非常に拂いがいいというので、他の品種のものが迷惑しているというような実情を聞いております。さような意味合におきまして、一々こまかくどの運賃をどう拂つて行くということは、この際申し上げることを省きますが、さようなわけですから、御要求があれば私の方からも十分具体的に資料を出します。しかし物價廳の方としても、さような非難があるということをひとつ十分御調査いただきたいと思います。
#30
○土屋説明員 今のお話の鉄道運賃、船の運賃、これもやはり同様に、薪炭需給特別会計の実績によつて入れております。ただ実績を組み入れます場合にも、物價廳といたしましては、薪炭需給特別会計の内容をよく審査いたしまして、決して放漫な特別会計の経理をそのままのみ込んで價格に入れるということは、避けるようにいたしておりますが、ただ今のお話のように、相当放漫に運賃を拂つているというような事実がございますれば、林野局の方面でもこれはよくお考えを願うと同時に、私どもの方でも、將來公定價格を決定いたす場合には、そういう放漫なものは價格に織込ませないように、御希望の線に沿つて行きたいと思います。
#31
○河野(謙)委員 実績とおつしやいますが、実績そのものが檢討を要するのです。その裏にリベイトがあつたり、またいろいろなものがある。もちろん物價廳といたしまして実績をとつておらないとは思わないが、実績がはたして実績であるかどうかというその裏までひとつ御檢討願いたい。今の運送の実情というものはすべてさようになつておりますから、御参考までに申し上げておきます。
#32
○藥師神委員 物價廳にお伺いいたします。一つは物價形成の問題でありますけれども、木材のごとき、石百二、三十円ぐらいのとき、産地では十円も二十円も公定價格を割つている。やみの方が公定價格を下まわつているときに、またあとからずんずん公定を上げたりすると、今度はそれにつれてある程度までまた上げて來る。それをこれまで幾度も繰返して、今日では素材で数百円もするようになつているのですが、こういう点がわれわれにはどうもわからぬのです。どういうことを基準にして実際において、下まわつているものをまたどんどん上げて行くようなことをやつているのか。私はこれが官僚統制の一番大きな弊害じやないかと思うのです。かりにまきなどの点を考えてみても、東京なんかでは、それは今の農林大臣の言われたように、大きな坑木を切つたまま持つて來られれば困るでしよう。しかし田舎の方では、少くとも六尺ぐらいの長さにして出すことの方が、山からの運送費も軽減できるし搬出もしやすい。われわれの方ではまきは一貫いくらで取引する。生木あるいは中枯れ、ほんとうに枯れたものは二十貫を幾らという標準にしてやつている。それで自分のところで割れない者は、自分のところのかまどに合せて二つ切りにするか、三つ切りにするのですが、その方が運送の点から言つても、消費の点から言つても経済です。それを都会の方を基準にしてすべての統制が行われている。そこに大きな矛盾があるのではないか。現在かわらにしても煉瓦にしても、建築資材の鉄鋼類を除く以外のものは、皆公定價格を下まわつている。こういう点は私たち物價形成の上に大きな欠陥を見出しているものでありますが、都会が常に標準になつている。それから運賃の問題などでも、現在運賃はどんどん投げられている。今ほんとうに公定價格の運賃の拂われているのは、石炭とか木炭とか、あるいは政府統制の食糧の輸送とか、こういうような官廳のタッチしているものは公定價格の運賃が拂われているけれども、その他のものは皆公定を下まわつている。坑木類のごときは公定價格よりはるかに下まわつている。こういう点は重火な問題だと思うのですが、その実情をひとつ御説明願いたい。
#33
○土屋説明員 ただいまお尋ねの木材の点でございますが、これははつきり私日時を覚えておりませんが、公定價格が去年のいわゆる七月物價体系で改訂になりましたが、木材につきましては六月の末だつたと思つております。その当時計算いあしまして、いろいろな物資の値上り、あるいは賃金水準の一般的な値上りを織り込んで行けば、相当の程度これは高くしなければならぬといろ数字が出ましたが、当時の市場價格がそこまで行つておりませんでしたため、木材については一時暫定的の價格といたしまして、計算上の價格に至らないその下のところの値段できめて來たわけであります。これは御承知だと思います。ところがその後になりまして、丸太の方は公定價格を相当上まわるものが出て参りましたので、生産者側としましても、公定價格の決定が一般物價とのバランスがとれてないじやないかという強い要望がありまして、これをたしか去年の十月だつたと思いますが、十月に丸太いわゆる素材の公定價格は、計算上ほかの物價水準と均衡のとれた点まで上げたわけであります。ところがその当時におきましても、素材の方は相当高くなりましたが、製材の方は市場價格をなおかつ下まわつているものが相当あるということで、製材の方の價格はやはり暫定價格で低い水準に落ちたのであります。ところが、素材が高くなりまして製材が安いということになりますと、当然製材業者が困つて來る。製材業者は市場價格が安くてもやはりマル公は高くしてもらわなければ困るというのでございまして、また市場價格にいたしましても、秋田産の杉の製材というものは、相当やはり高い市場價格を見ておりましたし、また濶葉樹につきましては、全般に相当高かつたのであります。こういう関係も考慮いたしまして、去年の十二月から製材の価格も素材の公定價格とバランスのとれたところまで上げたわけです。ただ製材の價格を引上げますときに、われわれ非常に問題にいたしましたのは、市場價格が相当安いものがあるじやないか、それをなぜ上げなければならぬのかということで、相当議論いたしました。私も当時木場へ参りまして、いろいろ事情を調査いたしましたが、そのときに製材が公定價格を下まわつているという事情は、いろいろな事情はありましたが、ことにこの木材について問題になりましたのは、産地における製材の檢査が非常にルーズであつたという点が、これが木材特有の事情であつた。たとえて申しますと、角材などにおきまして、檢査の等級が一級下りますと、たしか公定價格が二割下るということになつておりますが、実際木場あたりで見ますと、もちろん産地によつて違いますけれども、等級が一級ないし二級下つておる。つまり嚴密に檢査いたしますれば、三等にしかならないものが、一等の表示をされて賣つているわけです。そういたしますと、なるほど値段の点ではマル公を一割五分くらい下つて賣られておりますけれども、実質的には三等のものを一等の一割五分下げで賣つているわけでありますから、三等の公定價格よりもはるかに上まわつている。そういう事情があるわけであります。これはまことにけしからぬ話であつて、あくまでも檢査は嚴重にやらなければならぬ、檢査を嚴重にやるということが前提になるならば、われわれは公定價格の改訂をやろうじやないかということで、林野局とも十分お打合せをいたしまして、各府縣に対しては非常に嚴重なる通知を出しておるわけであります。この檢査の励行がうまく行かないようなことがあれば、マル公も引下げるかもしれないというような、つつこんだところまで通牒文にうたいまして、また檢査がうまく行かないような縣につきましては、檢査の担当官の職務上の責任も問うぞというようなことまで書いて、非常にきびしく申しまして、その結果実施したわけであります。長いこと申し上げましたけれども、一言で申しますれば、決して市場價格が安いのにマル公だけを高くしておるということを漫然とやつておるのではない、非常に私の方でも十分檢討いたしてやつておるわけであります。なお木材につきましては、その後の市場の情勢は順次市場價格も高くなつておりまして、マル公を下まわるようなものは順次減つておるのでございます。それから檢査の点につきましてもその後木場あたりの様子を見ますと、相当検査も改善されて來ておるようでありますから、木材についてそうマル公をひどく割る状態というものは、今に至りましてはそう顕著な事情もないしそう長く続くこともないだろうと思います。
 それから次に今日の議題の薪炭の問題に関係してでありますが、先ほどのお話の長まきあたりは、相当奨励しても産地としてはいいのじやないか、ただ消費地としては都合が悪いから、それを実際上去年の十二月下げたことが、不当じやないかというお話のように承りましたが、これはごもつともでありまして、先ほど來いろいろお話の出ておりますように、産地の事情と消費地の事情とは非常に違つております。これは物價廳といたしましても、公定價格の施行上非常に問題がありますので、たとえて申しますと、先ほど來お話がありましたが、まきあたりについては、大体公定價格よりも実際の市場價格の方が下まわつているということは、消費地ではそういうことはないのでありまして、産地においては下まわつているという事情があるのであります、それにも開通して長まきを奨励するかしないかということも、消費地と産地とで違いがあるということはお説の通りだと思いますが、これは先ほど農林大臣から御答弁のありましたように、配給統制の機構をどうするかということにも関係がございますので、それらの方の見通しがはつきりつきましてから、われわれの方の價格としても考えてみたい、かように思つております。
#34
○田中(彰)委員 この運賃なんかを査定される場合考えていただきたいことですが、これは簡單なことですが、悪い業者にひつかかると、往々にしてこういうことをやられるのです。トラックで行けるところを馬車にしたり、あるいは五回やれるところを三回しか行けないというようなことをやつて、木炭ではもうからないが運賃で相当もうかるというようなことを加算してやつている業者が、木炭とか木材だけでなく、政府から補助をもらつてやつている業者に非常に多い。そういうような場合、やはり相当自信を持つて、いろいろ御調査されて、そういうものの補助に対してやつておられるのですか。
#35
○土屋説明員 実際に運送の機関は何を使うかということは、商品によつて非常に違うと思います。商品によりまして、実際ここは馬車を使つておるか、あるいはトラックを使つておるかということを見ておりますが、それはやはり地方によつても違いますし、極端に言えば、個々のそれを扱う人によつても違いますが、そういう場合には、大体全体として何%ぐらいはトラック、何%ぐらいは馬車によつておるのだということをにらみまして、それらのものを平均したものを價格に織り込んでおります。なおその場合の積載量をいくらにするかということも、これはよく檢討いたしまして、はつきりしないものがある場合は、日通等にも問い合せまして、積載量がいくらになつているかということを調べているのであります。これは物價廳ができましてから相当日もたつておりますから、積載量につきましても、それぞれの担当官が、たとえば米なら米は、トラックならばいくら積載される。山道ならばいくらというような数量を持つているわけです。それについて嚴密に檢査しております。
#36
○田中(彰)委員 ちよつと御注意申し上げますが、馬とか牛を使う場合、やはりだれしも自分の飼うものがかわいいのと、飼料が十分でございませんから、相当積めるのを、この道ではこのくらいしか積めないというようなことにして、役人さんがそれがわからぬものだから、そういう運賃の場合に非常に不均衡なあるいは非常にずるいやり方をやつていることは、あらゆる面に私らが見ているのです。そういう点をひとつ現場の係の人によく御注意願いたい。この道ならこの馬でこのくらい積めないものは一人前でないのだ、それをたとえば五十俵積めるところを、この道は悪いから三十俵しか積めぬというようなことを押しつけられて、役人の人が往生しているのですが、こういう点を非常に注意してもらいたいのと、また少し道を直せばトラックでやれるのを、トラックは不便だし高いから馬車でやろうというようなことでやると、非常に高くつく、こういうような点を御檢討されると、相当甘いところがあると思うのですが、ひとつよくこういう点の御檢討に御注意をお願いしておきたい。
#37
○深澤委員 薪炭の買上げが一時停止されたことは、生産者に対して非常な大きな損失を與えていると思います。さらに生産意欲に対しましても、大きな影響があると思うのでありますが、これは一体いかなる原因によつてこれが行われたか、資金の関係であるか、あるいは需給関係であるか、あるいはまた機構の改革を前提としての処置であるか、こういう問題について政府はどういう方針で買上げの一時停止をやつたのかということをはつきりお伺いしたいと思います。
#38
○清井説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。御承知の通り薪炭につきましては、主要食糧と同様に各縣に対しまして供出割当等をお願いいたしまして、政府の一手買入れ、賣渡しという制度によつてただいま賣買をいたしておるわけでありますが、その間薪炭の需給調節の特別会計という会計をもつて買入れ、賣渡しの操作をいたして参つておるのでございます。從來御承知の通り、木炭及びまきにつきましては、その需要量に対しまして、供給量が森林資源その他の関係からなかなか思うように参りませんので、いかにしてまき及び炭の供給を確保するか、いかにしてその生産を増強するかということについていろいろ努力をいたして参つたのであります。ところが本年度におきましては以下申しますいろいろな事情によりまして、むしろこの冬におきましては、消費地に相当のまき及び炭の滯貨を生ずるに至つたのであります。その第一の点といたしましては、非常に生産の増強が良好であつたということであります。特にまきにつきましては非常な成績の良好を見たのでございます。その原因としてはいろいろ考えられるのでございますが、特に價格等の点もございましたし、あるいはまた非常に手軽くまきの生産が着手できますために、農家におけるひまな仕事と申しますか、農閑期の仕事としてまきの生産に人が動いたこと等によりまして、まきの滯貨を生ずるに至つたのであります。その上に加えまして、本年の特殊な事情でございますけれども、御承知の通り薪炭の需給規則の改正によりまして、今までの政府の買入れ、賣渡しの機構に一部変改を行つたのであります。これは今まで主として單数の生産といいますか、生産者から一手にまとめまして政府の手に買い入れ、賣る場合にも消費地で一つの賣渡し機関に賣るということをやつて参りましたのを、昨年の秋にかけまして、その規則を改めて複数の指定業者の手を通じて買い入れ、賣渡しも複数の指定卸費業者に対して賣るという制度に切りかえたのであります。從つてその切りかえの当時におきましては残念ながらこの機構の改変を前にして品物を賣るというわけに行きませんので、一時買入れをとめたという事情があつたのであります。そのほか家庭燃料通帳制度も新たに実施いたした等の事情もありまして、かてて加えましてこの冬における相当の暖かさのために、配給いたしましても消費者が引取りを拒むという事情があつたのであります。もつともそれにつきましても相当質のよいものでありますれば、受取つたのでありますが、中には生まき等消費者の喜ばないものがありましたので、その滯貨の状況は非常に増大するに至つたのでございます。その結果消費地に非常な滯貨を生ずるに至りましたために、いきおい買うものは買うけれども、賣るものは賣れないということになりましたので、結局昨年の十二月三十一日現在におきましては、金額にいたしまして約七十億に上りますところの品物を持つに至つたのでございます。ところが特別会計の買入れの限度は御承知の通り五十五億であつたのでありますが、買入れ限度を非常に突破いたしまして、七十億ばかりの在荷を持つに至つたというようなわけであります。從いましてこの在荷をすみやかにさばきまして収支の状況をよくしなければいかぬ。こういうような主として臨時的な金融面の状況よりいたしまして、まきについてはやむを得ず一時買入れをとめる。木炭につきましてはその資金の限度を示しまして、その限度内において買入れを行うというふうにいたしたのでございます。これはわれわれといたしましても、そういうようなことのないようにと、種々腐心をしていろいろ考究いたしたのでありますが、実にやむを得ない事情によりまして、残念ながらかかる処置に出たのでございます。しかしながら木炭については政府資金の限度は示しましたけれども、なお資金外のものについては、受入れ調書という制度をつくりまして、政府はとりあえず受取つておいて金は後から拂うというような特別な扱いをいたしまして、その受入れ調書に対して金融機関に金融をしていただくことにして現在進んでおるのであります。この四月になりましてからは、すみやかにもとの状態に復すべく在荷の賣拂い等にいろいろ苦心をいたしまして、おおむね本日までに所期の計画通りに收入が上つて参つております。四月になりましたならば、先ほど大臣からもお話があつたと思いますが、いずれまき等につきましては今まで供出割当がありながら、なお買入れをとめました分については、これの買入れを行いまして、すみやかに特別会計を常態に復しまして、しかるべく行いたいと考えておるわけでございます。
#39
○竹村委員 ただいまのお話を聞いたのですが、木炭事務所に買入れ中止の命令を出されたのが大体二月十六日でありまして、七十億になんなんとするというのは昨年の十二月であつたという今の説明でありますが、二月十六日に買入れ中止の命令を出されて、しかも三月末現在の政府の手持ちの金は約四十億あります。まだ十億残つておる。しかるに二月十六日に買入れを中止されたという事情は一体どういうことになつているのですか。その点をちよつと伺いたい。
#40
○清井説明員 お答えいたします。御承知の通り特別会計のいろいろの数字等につきましては、全國的にわたりますので、集計するについても相当ひまがかかるのであります。私どもといたしましては昨年末の状況を見ました結果、これはどうしてもやむを得ない処置として資金の行き詰まり上買入れの一時さしとめなり制限をしなければならぬ、こういうふうに考えてやりましたので、その間多少時期的には相当間を見ましたけれども、われわれとしましては状況の判断のつき次第すみやかなる手を打つたような次第でありまして、この点は御了承願いたいと思うのであります。
#41
○竹村委員 大臣にお伺いいたしますが、そういう買上げの中止命令というようことを、一課長名によつてやつてもさしつかえないと考えられますかどうか。
#42
○森國務大臣 そういうふうなことは林野局長官の采配によつて執行いたしまして、事後において報告する場合もあります。また事情が緊迫しておらない問題につきましては、一應事前にこちらに伺いを立てて処置をする場合もありますが、今部長より御説明申しましたような緊迫しておる事情のために、林野局長官のとりはからいにおいて、事前にさような処置をしたものだと私は考えておるます。
#43
○竹村委員 今のお答えで大体事務的な点でおまかせになつておるということはわかりますが、しかし少くとも十二月三十一日から二月十六日までには二箇月半の期間があり、しかもそれが三月三十一日においては十億からの金が余つておるというような、こういう緩漫な措置をそのまま過しておくことは、先ほども言つたように農民の生産意欲にいろいろな形において非常に支障を來すと思いますが、それに対して大臣は今後そういう措置に対しては、もつとすみやかにやるという御意思があるかどうかお聞きしたいと思います。
#44
○森國務大臣 御説まことにごもつともであります。自分の在任以前の事情でありましても、農林省のやりましたことについては、私は責任をとるつもりであります。今後は消費者の迷惑せないように、また生産者の迷惑しないように善処いたしたいと、かように考えております。
#45
○野原委員 薪炭の需給調整の問題、なお統制を撤廃すべきではないかというような段階に今あると承つております。そこで昨年及び本年の冬のいわゆる暖冬異変とも称すべき特殊な天候が、薪炭の事情をして異常に好轉せしめておるという事情もあり、同時にまた薪炭は年々非常に欠乏をつげるにもかかわらず、本年及び昨年、二十三年度だけがこういう資金の面もありますけれども、買上げまでも一時中止しなければならぬようになつておるということをもつて、今後の日本の薪炭事情もまた同様であろうというふうに考えることは、非常に皮相的な考え方である。これはよほど愼重に考えなければならぬと思う。私どもの考え方では、おそらく今後の木炭事情、薪炭事情というものは、ますます苦しい状態になるのではないか、これは言うまでもなく、特にまきにつきましては、近來緊急開拓等によりまして、大分若い林が切られるというようなことで、これが手取り早いところでまきにすることが一番簡單でありますから、まきが出るということになつたのであります。あるいはまた自給製塩等でまきが非常にたくさん消費されておつた。これらのものが、自給製塩がいろいろな事情からほとんど休止の状態になつて、そのほかに振向けられようとしておるまきが、また家庭燃料に向けられるというようなこともありました。しかしいろいろな事情があつて、それに暖冬に惠まれるというようなことで、薪炭はその事情が非常に緩和されたわけでありますが、すでにもう手近い山林資源、薪炭の原木として出されるような山というものは、ほとんどどこえ行きましても切り盡されておるような状態でありますから、どうしてもこれは相当今まで未利用状態に置かれておつた、搬出が不便な奥地の資源というものを生産して、それを薪炭需給のために生産をするということでなければ、おそらくあの厖大な薪炭需給をまかなうことは不可能だと思うのであります。そういうようなことから見まして、生産の事情はますます條件が悪いということが予想されますので、本年ただいまの状態が非常にぐあいがよろしいということをもつて、薪炭の問題がもう何も心配がいらぬというふうに考えることは、非常に危険であろうと私は思います。なお今日の薪炭需給特別会計の状態を見ておりますというと、生産地、特に大生産地の中におきましては、同じ生産された薪炭が縣内で消費される場合もあり、その大部分が縣外に移出をされるというふうな場合におきましては、縣内における價格等の問題は、ややもするとプール計算等の関係もありまして、縣内においての生産地においては非常に矛盾を來し、不合理な場合があるというようなことでもつて、今まで生産者にとりましては非常な不満もあつたわけでありますが、こういつたものを、縣内の生産地帶において現在のような行き方で、特別会計でこれを買い上げて配給するというようなやり方が、はたしていいかどうかという問題に対しましては、いろいろな方面から批判をされております。すでにまきのごときは公定價格がございますけれども、あつてなきがごとき状態でありまして、自由に取引が行われておるというような状態でございますし、また木炭の場合におきましても、岩手縣などの例でありますが、生産事情の非常に悪い山奥の生産地などでは、公定價格よりずつと安い値段で取引されておるというのが現状なのであります。こういうような点から、現行の需給調整の規則等をある程度緩和いたしまして、その統制を一部においては緩和する必要も当然あろうとも思いますけれども、しかしながら一面におきましては、薪炭の今後の見通しという点において、軽々に特別会計の制度を非常な変革をするというようなことは、よほど考えものである。特に先ほど申しましたように、薪炭の生産地帯が漸次山奥に進んで行くということになりますと、奥地からの生産を確保する條件の悪いところからも生産が続けいいような事情でないと、うまく行きません。その点におきましては、やはり政府の買上げ、政府の各種の施策、林道をつくるとか、あるいはまたいろいろな製炭のための特別な保護助長の政策がとれませんと、生産は持続できないというようなことになりますから、ここはひとつ今後の薪炭の需給の見通しというものを十分検討されまして、その統制の問題に関しましても、ひとつくふうを願いたいと思います。なおわれわれ今年になりまして、突如として薪炭の買上げが一時停止を見たということで、生産者は非常にあわてまして、政府事業に対する今までの非常な期待を持つておつたところが、ああした突発的な通牒でもつて、生産者は非常な動揺をしたのでありますが、やはりあくまでも生産者に安心を與えるという点におきましても、今後は絶対にああした一時的なことは言いながらも、いわば供出の約束を忠実に守つておる生産者に対しましては、やはりこれは一つの契約であると思いますから、政府はこの契約をあくまでも履行してもらいたい。それに対しましてもし薪炭需給の特別会計が借入金の限度が非常に実情に即さないほど少くなつた、そのために資金が詰つて、その借入金の限度においては支拂いの能力がなくなつてしまつたということであるならば、その実情に即するように、眞に生産者に不安を與えないで、着実に約束したものが買上げできる程度まで借入金の限度というものをむしろ増額する必要があるのではないが、私はさように考えておるのでありまして、初めからきめられたことといつて、いろいろな生産事情や経済事情の変化に何も順應するところなく、ただだまつて、金がなくなつたから拂い得ないということであつては、はなはだ生産者にとりましても、また一面消費者にとりましても迷惑だと思うのであります。從つてそういう場合におきましては、薪炭需給調整の政府の責任において御善処を願いたい。そうして借入金の限度のごときも、これは増額できるはずであるから、國会においてこの事情をよく説明していただくならば、おそらくその限界を引上げることも可能であろうと思うのであります。それらの事情につきまして、今後の薪炭需給に対する大臣の御決意を伺つておきたいと思います。
#46
○森國務大臣 まことに御注意ありがとうございます。本年度の薪炭事情が幸い良好に進みましたからというて、決して將來とも同じ歩調をもつて進むとも決して考えられないのであります。つきましては、將來この薪炭の統制につきましては、現在行つておりまする統制の欠陥を是正して、そうして消費者も安心し、また生産者もいきおい勇んで同調するような統制形式をとりたい。かように考えておるわけであります。なお森林の將來につきましては、まことに御説の通り里山が非常に濫伐されまして、だんだん奥地の方に余儀なく進まなければならぬような情勢であるのでありますが、これはひとり薪炭林のみならず、すべての需要面を奥地に移すということは、治山治水の上から申しましても緊要なことであり、今後林業政策といたしましては、奥地開発に一段の力を進めて行きたい。かように考えておるわけであります。
#47
○大森委員 この間は税金問題について非常に論議されましたが、大臣が見えられておられませんから、見えられたときに責任あるお答えをしたいというようなことでその会議が終つたはずであります。ゆえに私はあまりむずかしいことを申し上げるのではなく、そのときに私のお尋ねいたしました問題は、農業はいわゆる企業か労働か、こういう問題をお尋ねいたしましたところ、企業だということであつたのであります。そこで企業といたしまするならば、やはり労働賃金というものが生産の中に入るべきじやないか、こういうことを申し上げたのでありますが、結論を得られなかつたのであります。それではどういうことになるかというと、簡單に申し上げまするが、企業体であるならば、農民として働きまする労働というものは、やはりこれは企業体に換算されなければならない。そういたしますると、おのずからこれは源泉課税になるべきものである。そうなりますると、また家族手当とかあるいはそうした問題も起きて來るんではないか、現在なぜこういうことを申し上げるかというと、五反百姓とか、あるいは小さな農民は、もはや税に苦しみ抜いておる。もう負担にたえられないという現状であることは、農林大臣よく御承知のことであります。でありますから、この税法に対しましては農林大臣の努力を願いたい。こういうふうに私は申し上げる次第であります。繰返して申し上げますと、企業体であるならば労働賃金はやはり計算すべきものである。計算するならばこれは源泉課税とすべきものではないか。そうするならば、それに対しましてはやはり家族手当などが計算さるべきものであると考えるのであります。また労働であるならばこれは断然源泉課税になるべきものであると考えるのでありますが、大臣の御意見はいかがでありましようか。これは大きな問題だと思う。とにかく五反百姓あたりは、全部一反歩に対して五千円、六千円という所得を見られまして、これが負担にたえられません。現在の状態を見ると負担できない。こういう状態をこのまま見のがしておくということは不公平な取扱いである。勤労大衆といういわゆる組織労働者にとりましては、それぞれの手当というものができておる。しかしながら農民に対しては何の手当の方法もないということは、何か農民を特別扱いにするというふうに考えてもいいんじやないか。農民は日本國民の半数を有しておる。この働く農民に対して、こうした冷遇を與えるということはどうかと思うのでありますから、これに対する大臣の御意見を伺いたいのでございます。
#48
○森國務大臣 大森さんの御質問にお答えいたしまするが、農業者が重税にあえいでおることは十分察知せられますので、私の立場といたしましては、できるだけ農民の負担を軽くいたしたいということを考えておるのでありまするが、今お話のように、農業を単純に企業体として認めるかということであります。私は企業体という見方もあるし、また一面においては労働であるということも見られると思うのであります。今日までは農業者の控除の場合におきまして、同じく家族の労働に從事しておる者に対しての控除を認めておらなかつたわけでありまするが、これは同じく働く立場から考えて、家族の分に対してはこれは控除すべき性質のものではなかろうかと考えまして、税務当局と折衝を重ねておるわけであります。單に企業体とのみ考えられない場合もあります。そうかといつて普通の労働者とのみ考えるわけにもいかぬと考えておるわけであります。
#49
○大森委員 どうかそれに御努力をお願いいたしておきます。
#50
○竹村委員 先ほど薪炭の統制方式に対して大臣のおつしやつたのは、少くとも今日は官僚統制の弊があるから、民主的な統制にしなければならぬということであつたと思いますが、これはもちろん非常にけつこうなことと思います。その民主的な統制方式と申しますならば、少くとも薪炭の生産者並びにそれに働くところの從業員、いわゆる労働者、そうして都会の消費者を交えた配給方式をとられることが、最も民主的な配給機関の方法だと思いますが、そういう構想でやるお氣持かどうかということをお聞きしたいことと、もう一つは、價格の決定でございますが、先ほどどなたかが、農林省もその價格の決定には参加させるというようなお話でありましたけれども、私はむしろ生産者にもこの價格の決定には参加さすべきであり、しかもそれに深い関係を持つところの從業員にも参加さすべきであり、また消費者代表をも加えたところの價格決定をされるところの審議会等をつくられるのが、ほんとうに民主的な方法ではないかと考えますが、この二つについて大臣はどういうふうに考えていられるかということについて、御答弁を願いたいと思います。
#51
○森國務大臣 官僚統制は非常な弊害があることは、すでに今日までいろいろ論議されたわけでありますが、そうかと申しまして、今竹村君の構想されているようにやるということが、必ずしもほんとうの民主主義のやり方であるというようにも、私はただちに承服し得ないのでありまするが、本來こういうふうなものを統制するということそれ自体が不自然なのでありまして、ほんとうを言えば、生産者と消費者とが直結するか、あるいはその中間の商業者が介在しておせわするかということに持つて行くのが、経済上の自然であります。しかし今日はその需給関係から考えてみまして、そういうふうなほんとうの、昔言うたような野放しの状態にもどすことはとうていでき得ないのでありまして、やはり需給関係をにらみ合せまして、生産者も迷惑しない、また消費者も苦痛を感じない程度においての、物資の円滑なる動きがなければならぬと考えるのであります。それでお話のありましたように、價格を定める点におきまして、ただ單に農林省が介在しただけで、それでいいものではないとも考えられるのであります。そうかと申しまして、生産者、從業者あるいは消費者というふうにして、大げさにこれを拡げなくとも、大概物價というものは、常識的に需給関係の立場から落ちつく所へ落ちつくものでありまして、今日のような統制をしていると、そこにむりができて來るのであります。そこに官僚統制の弊害も唱えられるのでありまするが、將來におきましては、この薪炭――すべての問題でありまするが、統制を民主化するということについては決して異存はないのでありまするが、今ただちにお話のような形式は、統制をやるという上においては少し実現が不可能でないか。かようにも考えさせられるのであります。
#52
○田中(彰)委員 先ほど來お話を承つておりますと、大分木炭の品質の悪いやつを政府が相当引受けられるように思いますが、これに対しては政府は、悪いやつをそのままの公定で需要者に押しつけるようなお考えを持つておられるのか、もし実際品物を引取つてみて、悪いものは値引きするとか、何とか善処して、政府がそれを処理するというような考えを持つておられるのか。もう一つ私らに言わせますと、こういう悪いものができたということは官僚統制の弊であつて、だれも八貫目の炭で五百円なら五百円というならば、いい炭を製造しなくとも、少しぐらい悪くても五百円だからかまわないというので、いいものをつくらないとうことになる。たとえば六尺の旋盤が一万円だということになれば、五年持つものでも三年持つものでも、一万円だということになるから、五年持つ旋盤を製造しないで、三年持つ旋盤しかつくらない。これが官僚統制の弊であると思いますから、今後これを解かれて、相当いろいろの方法でやられましようが、役人さんにどういうふうにしたらばいい品物を多く出すかという点に御研究されないと、非常に悪い品物を出す人も、いい品物を出す人も結果は同じになつて、悪い品物を出してしまえばいいというようなことになるから、こういう点に御注意願いたいと思います。
 もう一つ私が心配しておりますのは、統制をある程度解かれますると、山を持つているのは地方の財閥である。炭燒きの人がそれをくれといつたときに、非常に値段が高くなければ賣らぬ結果、あるいはいろいろの弊害があつて、それがために一時炭の生産がうんと減つてしまうのではないか、こういうような点も憂えておるのでありますが、そういうものについてはやはり政府が干渉されて、あの山は炭をつくるのに拂い下げてやれ、炭を切る山だから、この人が製造するのだから拂い下げてやれというような方法で、政府が介入される御意思があるか、これを伺いたいと思います。
#53
○森國務大臣 統制は、官僚がやりましても民間がやりましても弊害があることは、品質によつて價格が定められない点であります。一定のわくを定めると、とにかくそれに合格すればいいということで、生産者の努力が少しも品質の上に現われて來ない。これが統制の欠陥であります。しかし先ほども御質問の中にありましたが、いいりつぱな炭を燒けば、値は高くなつても二俵分が一俵で間に合うではないか、そうすれば價格は五割上げても六割上げてもいいではないか、また木材を利用する上においてもそれだけ有利ではないかというお話がありましたが、その通りであります。それでありますから、將來におきましては、統制いたしますとしても、規格をできるだけ大きく拡げまして、そこで品質の向上を認めて行くということにせなければならぬと思うのであります。これが統制を撤廃しますと、そこにおのずから自由競争になつて、いいものはいい、悪いものは賣れないということになるのであります。近く蔬菜の統制を撤廃いたしますが、そういたしますれば、新しいものは高く賣れ、古いものは賣れなくなる。そこに結局できるだけ新しいもの、品質のいいものを市場に出そうという努力が拂われて來るわけでありますから、そういうふうにして、將來は統制をやるにいたしましてもわくを拡げて品質の向上をはかつて行きたいと考えているわけであります。今日のようなやり方では、先ほどのお話のように、ただ黒くなればいいのであります。いわゆる檢査に合格すれば、最下等の等級に入つても、生産率から言えば安くても自分には利益があるんだというような、物を活かさないような考え方が生産者にありましては、國家のため非常な損失でありますから、そういうふうな内容に考えて行きたいと考えているわけであります。
#54
○清井政府委員 ただいま御質問のありました点でありますが、われわれといたしましては悪質なと申しますか、たとえば規格の落ちました炭なり、あるいはまきなり、あるいは公定規格と異なりましたところのものが現在ありました場合におきましては、すでに卸賣に賣ります場合において、一々現物を業者立会いの上で統制いたしまして、もしも一定の値引きをしなければならぬという場合におきましては、その規格に應じた値引きをいたして賣り渡しておりますから、卸賣業者にいたしましても、それに從つて消費者の方に配給していることになつているのであります。
#55
○深澤委員 このたびの薪炭取扱いの方式の変更によりまして、地方出先機関としての農林省の木材事務所の存廃が問題になつで來ると思うのでありますが、この点について大臣はどういう方針を考えておられますか、一言お尋ねいたします。
#56
○森國務大臣 先ほど來繰返しましたように、この薪炭に対する統制の方式の変更につきましては、そういう構想を申し上げたのでありまして、その構想が今日の段階では必ず実現するというところまで進んでおりません。從つて行政機構の面から申しまして、あるいは人員の整理ということは原則的に行うかもしれませんが、木炭事務所を廃止するとか廃止しないとかいうことは、今後に残されたる問題でありまして、ただいまいずれともお答えしかねるような状態であります。
#57
○小笠原委員長 大臣に対する御質問はありませんか――それでは大臣に対する質疑はこの程度にいたします。
#58
○藥師神委員 林政部長にお尋ねしたいと思いますが、この間の薪炭に対する会合のときの結論とも言うべきものは、五十五億円じややれない。それでどうしてもまきの方は政府は買い上げない。木炭は縣外移出だけを買い上げて、縣内消費の分は地方統制にでもせなければなるまいというように、大体安本の方も林野局の方も、結論的に考えてみれば、そういうような手をあげるようなお話であつたのですが、まきの方は一切政府がもし買わないという段階になつた場合において、これは統制を解くという意味なんですが、また自由價格にしてしまうという意味なのか、その点も承つておきたいと思います。
 それからあなたの見えぬときに、大臣との間に私質疑をしておつたのですけれども、つまり政府買上げの場所というものが、駅渡しということになれば、從來の四十五日回轉というのは三十日回轉でやり得る。してみると、五十五億円あれば十分に縣内消費の分も一手に政府が買うことができると專門家は見ておる。ことにわれわれは、薪炭のすべてのものが、自由價格になり得る時代の一日も早く來らんことを熱望してはおるのでありますけれども、現在の段階においては資金をどうするか、今の五十五億円で全部やるというのでなく、林産会社ないしは農協の方の関係で出しておる金が、われわれの推定では百億以上を突破しておると思うけれども、政府がこれをやらないということになると、それだけ民間團体の方に重圧がかかつて來る。それは資金面をどうするかということである。これはやがて生産者に影響して來るわけであつて、御承知でもあろうけれども、木炭の生産は原始的な一つの産業である。一俵十五キロの木炭を燒くのに、山元に原木代としては一俵について五円残るか八円残るかというのが問題である。包裝代、運搬費に、おそらく奥の方でやれば九〇%も九五%もかかる。これが資金の面に行つて買上げができないということになると、地方團体にまかしたところで、資金で行き詰まる。その場合においては生産はがた落ちになる。それを氣づかうのであります。少くともこれを買い上げないということになれば、一箇年くらいの準備期間は置いてやらなければならぬ。今すぐやればたいへんな問題が起きて來る。それからこの間も申し上げたように、木炭の規格の問題であります。手近かな所は、ほとんど治山治水の大きな問題まで引起すくらい濫伐されておる。從つて奥地の林産資源を開発するという建前から見ても、林道を開鑿するという焦眉の問題がありますけれども、これは公共事業費が大幅に圧縮される今日の段階においては、基本的にはそこまで行かなくてはならぬけれども、今日の焦眉の急には間に合いません。現在の公共事業費くらいの額ではなかなかやれない。してみると奥の方の林産資源を開発するには、どうしてもいいものを燒かなくてはならぬ。われわれの体驗から見れば、現在使つておる雑あらというのは戰前においては一番ボロの炭である。かりに自動車、トラックなどに使つておるガス用炭でも、いいのと悪いのとではたいへんな消費量に影響を來しておる。いわんや個人消費の分においては、雑あらというやつは一番ボロの炭である。ならの小丸などであつたらおそらく二倍半くらいは價格がするはずである。かし小丸になれば三倍近くする。してみると奥の方の林産資源を開発するのには、そういう規格の炭を燒くということになれば、運送費も二分の一、三分の一で済むわけである。労力も使わないわけである。山林の荒廃を防ぐ意味から言つても、これは一石二鳥の策である。どうしても木炭の規格をつくつて、そうして奥地の開発のためにはいい炭を燒かせなければならない。こういう点についてはどういう構想をお持ちになつておるか。これを一應承つておきたいと思います。
 なお委員長に申したいのは、昨今の農村課税の問題について、少しお許しになつたのだけれども、この前の会合のときには、質問したところでさつぱり答える人もおらないのだから、この次には主税局長も來て、完全な答えができるようげたを預けてあるのだけれども、それはどういうことになつておるか。
#59
○小笠原委員長 お答えいたしましが、その問題はこの次に、税金の関係に附帶するときに、順序をそろえてやることになつております。
#60
○藥師神委員 きようじやないのですか。
#61
○小笠原委員長 きようじやありません。きようはただ林業問題に関する一般農村課税と言いましたから、関連するから、簡單だと言うから許可したようなわけであります。
#62
○清井説明員 お答えいたします。第一点のまきの問題でありますが、かりに政府がまきを買入れをいたさないというふうにいたしました場合においては、現在の統制の制度の中から、政府が特別会計の運用によりまして買入れ賣立てをするということをやめるということでありますので、結局残りました点は、生産者が指定業者を通じて販賣をいたし、卸賣業者、小賣業者、消費者、この現在あります段階におきましてものを流通いたすということになりますので、指定業者なり、生産者と卸賣業者との間の連絡ということになるのであります。そうして消費者におきましては、現在通り切符制の運用等におきまして行つて行くということになりますので、結局現在の統制方式の分から政府の買上げ賣渡しだけが抜けて來ることになりまして、その他は一切現在の通り、むろん價格の統制も現在の通りということに相なるものと思います。それから次の問題といたしまして、御指摘の金融面の問題になりますが、この点は確かに御指摘の通りでございまして、現在の特別会計が資金の融通という面におきまして、非常な力を持つておりますことは生産者方面に対して非常な影響を持つておるということでございまして、その点につきまして、今後特別会計の賣買の範囲が挟まるということになりますれば、それだけ政府の買入れにかわる金融の措置をつけなければならないというふうに考えるのであります。現在の状況におきましては、その金融問題につきましては、いろいろ難関が伴うかと思うのでありまするけれども、われわれといたしましては、政府は買入れをやめればやめるだけ、それだけ生産者方面等に対しまするところの金融の措置を強化して行かなければならない、こういうふうに考えておるのであります。御指摘の金融面につきましては、さよう考えておりますので、今後ますますこの方面について努力いたして行きたいと考えております。なお奥地開発のための規格の問題等について御熱心なるお話があつたのでございまするが、なるほど先ほど大臣からもお話がありました通り、規格の問題につきましては、非常にこれが重要なる問題と相なつて参りましたし、本年滯貨を生じましたのは、非常に悪い規格のものが相当あつたので消費者の忌避によつてたまつたという点もあるのでございまして、われわれといたしましては、今後生産の規格というものを十分考慮いたしまして、よい品物をよけい出すというように努力して行かなければならぬのであります。御指摘の奥地開発ということに関連する規格の問題につきましても、ただいま規格の審査中でございますので、十分ひとつ御意見の点を拜承いたしまして、今後規格をきめて行きたい、こう考える次第でございます。
#63
○小笠原委員長 次会は明二十九日午後一時より開会することにし、本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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