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1949/04/15 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第10号
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1949/04/15 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第10号

#1
第005回国会 農林委員会 第10号
昭和二十四年四月十五日(金曜日)
    午前十一時七分開議
 出席委員
   委員長 小笠原八十美君
   理事 坂本  實君 理事 松浦 東介君
   理事 八百板 正君 理事 深澤 義守君
   理事 寺本  齋君
      野原 正勝君    平野 三郎君
      渕  通義君    村上 清治君
     藥師神岩太郎君    石井 繁丸君
      竹村奈良一君    吉川 久衛君
      寺崎  覺君
 出席政府委員
        農林政務次官  苫米地英俊君
        林野局長官   三浦 辰男君
 委員外の出席者
        経済安定本部部
        員       横田 浩一君
        商工事務官
        (石炭廳資材局
        長)      石坂善五郎君
        專  門  員 岩隅  博君
    ―――――――――――――
四月十三日
 馬籍法を廃止する法律案(内閣提出第三七号)
 (予)
同日
 農業災害補償制度事改善に関する請願(橋本登
 美三郎君外六名紹介)(第二七七号)
 十津川並びに紀の川総合開発事業に関する請願
 (前田正男君紹介)(第二八四号)
 古川沿岸用排水路改修工事費國庫補助の請願(
 内海安吉君紹介)(第二九〇号)
 種子馬鈴薯確保に関する請願(小平忠君紹介)
 (第三〇七号)
 乙父澤及び中戸國有林開発に関する請願(金子
 與重郎君紹介)(第三〇九号)
 宮城縣の耕地整理事業費國庫補助増額の請願(
 本間俊一君紹介)(第三一七号)
 農業災害補償制度改善に関する請願(本間俊一
 君紹介)(第二二八号)
 牛久治水系耕地改良事業に関する請願(小野瀬
 忠兵衛君事外二名紹介)(第三二九号)
 桑苗植付助成の請願(大和田義榮君外一名紹
 介)(第三五〇号)
の審査を本委員会に付事託された。
四月十四日
 馬鈴薯輪腐事病の防除費國庫補助の陳情書(福
 岡懸議会経済常任委員長野田貫造)(第一三九
 号)
 食糧事確保臨時措置法に関する陳情書(福岡懸
 議会経済常任委員長野田貫造)(第一四四号)
 水稲の害虫驅除用石油確保に関する陳情書(福
 岡縣議会経済常任委員長野田貫造)(第一四六
 号)
 造林法制事定の陳情書(福岡縣議会経済常任委
 員長野田貫造)(第一四八号)
 林道開設事業費國庫補助率引上に関する陳情書
 (福岡縣議会経済常任委員長野田貫造)(第一
 四九号)
 腐敗干甘藷の政府補償に関する陳情書(福岡縣
 議会経済常任委員長野田貫造)(第一五一号)
 木炭檢査規格並びに價格改正の陳情書(福岡縣
 議会経済常任委員長野田貫造)(第一五三号)
 造林と開拓との矛盾是正に関する陳情書(福岡
 縣議会経済常任委員長野田貫造)(第一五六
 号)
 農業改良普及事業促進に関する陳情書(福岡縣
 譲会経済常任委員長野田貫造)(第一五七号)
 農業調整委員会に國庫補助増額の陳情書(福岡
 縣議会経済常任委員長野田貫造)(第一五八
 号)
 農村工業指導機構の統合等に関する陳情書(福
 岡縣議会経済常任委員長野田貫造)(第一五九
 号)
 治山治水事業費の国庫補助車引上等に関する陳
 情書(福岡縣議会経済常任委員長野田貫造)(
 第一六二号)
 米松輸入懇請の陳情書(姫路市長石見元秀外十
 九名)(第一六八号)
 廣島縣の治山事業費國車補助増額の陳情書(廣
 島縣知事楠瀬常猪外三名)(第一八一号)
 土地改良事業費國車補助継続の陳情書(三重縣
 土地改良貫徹議員連盟理事長柏原信雄)(第二
 〇四号)
 農地調整法一部改正の陳情書(高知縣幡多郡大
 方町加持二百八十二番地植田亮吉外七十四名)
 (第二〇六号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 農林予算に関する件
 馬籍法を廃止する法律案(内閣提出第三七号)
 (予)
    ―――――――――――――
#2
○小笠原委員長 これより会議を開きます。
 去る十三日内閣提出による馬籍法を廃止する法律案が予備審査のため本委員会に付託せられました。本日より本案の審査に入ります。まず政府の提出の趣旨の説明を求めます。
#3
○苫米地政府委員 ただいま御審議を願います馬籍法を廃止する法律案の提案理由を御説明いたします。
 馬籍法は、大正十年主として軍馬徴発の便宜に供するとともに、一面馬産改良及び馬の取引改善をはかる目的で、市町村における馬の所有者またはその管理人の届出による馬籍簿という帳簿の作成を骨子とし、あわせてこのために行われる主務大臣による馬の檢査に関する規定を内容として制定されたのでありますが、今日においては、以下に申し上げるような理由により、その存続の必要がなくなつたのであります。
 第一に、現在においては、軍馬徴発をその主目的とした馬籍の作成の必要がないことは申しあげるまでもございません。
 第二に、馬産改良、馬の取引の改善についても、今日においては、本制度は実際上その寄與するところ少く、かつ自主的に進むべき段階に到達していると思われるのであります。
 以上のような理由によりまして、この法案を提出した次第であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決せられんことを御願い申し上げます。
#4
○小笠原委員長 これにて政府の説明は終りました。この際お諮りいたします。本日は政府の提案理由の説明を聽取するにとどめまして、続いて農林予算に関する件に入ろうと思いますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
#6
○小笠原委員長 それでは前会に引続き、農林予算に関する件を議題として質疑を継続いたします。通告順によりまして、平野君。
#7
○平野委員 ぼくはきわめて重大な問題について緊急質問をいたします。それは坑木代金の未拂い問題であります。石炭の増産計画に沿いまして、政府におきましては、これが資材であるところの坑木の供出を農林省を通じまして割当をし、責任集荷をなしたのでありますけれども、これに対する代金の安拂いが延滞に延滞を重ねて、今日ではすでに二十数億円に及んでいるのであります。これの詳細なる内容につきましては、すでに本委員会にも請願がされておりまするし、政府においても、十分その内容を承知しておられるはずでありまするから、ここでは申し上、げません。ただいかにしてこの問題を解決するかということに帰清いたしておるのでありまするが、本委員会の成立前に、すでに参議院の農林委員会においては、しばしば本問題を取上げて政府の責任をただしておるのでありまするけれも、その結果においては、まつたく政府の誠意を認めることができぬという結論に達しておるようであります。およそ政府が責任をもつて生産命令をしておきながら、それに対する代金の支拂いをしない。これくらいばかげた話はないのであります。これは農林省、安本、大藏省、商工省とそれぞれ責任がわかれておる関係から、お互いにその責任をなすり合うというような結果になつておるのであります。最近聞くところによりますると、すで政府の方では、この二十数億円の代金の支拂いは不可能である。今までの分はたな上げにして、これからの分は拂つて行くというようなことを言明しておるということさえ聞いておるのでありまして、ただ困つた困つたということをそれぞれ責任官聽は申しておるそうでありますけれども、政府の方ではただ困つたと言つておるだけで済みますが、政府の命令によつて坑木を納めた業者は、代金をもらえないために、労働者に対するところの賃金の支拂いもできないし、銀行利子の支拂いもできぬということで、まさに日本の坑木業者は破滅の危機に臨んでおるのであります。今や政府が統制を執行するにあたつて、みずから責任ある行為に対するところの代金の支拂いさえできぬというようなことでは、もはや國家の威信は保つことはできませんし、また政府の面目というものはどこにあるのか、一体これはどうするのか、まことに奇怪きわまりなき事件なのであります。もうこれは農林省において、すでに昨年末から商工省の方に、代金の支拂いをしなければ責任を持つて供出をすることはできぬ、生産割当はできぬという嚴重な通告も出ておるようでありまして、農林省の努力に対しましては十分にこれを了としますけれども、一体商工省の方はどうなのか。この際この問題が根本的に解決せられない限りは、單に坑木の問題だけではありません。およそいかなる今後の政府の施策というものも、國民に対してその明瞭なる責任が実行できぬということであれば、國家の威信は地に落ちて、あらゆる政策の実行は不可能に陥るわけであります。この問題は單に坑木というような小さい問題だけではなしに、日本の今日の政府全体の責任を求めなければならぬ。これは結局各省がそれぞれ責任のなすり合いをしておるだけであつては、いつまでたつてもはてしがつかぬわけで、この際責任が明らかにならなければ、総理大臣の出席を求めても、この問題の根本的解決をしなければならぬということをかたく考えておるのであります。今日はこれに対する明確なるところの責任者の回答というか、結論をひとつお聞きしたいと思います。
#8
○石坂説明員 私は石炭廳の資材局長であります。坑木を初め、石炭生産用の諸資材に対しまする支拂いが非常な延滞をいたしておりまして、これに対しましては、何とか支拂いを促進いたしたいというわけで、昨年以來赤字融資その他坑木の生産資金を供給したり、いろいろな方策を講じて参つたのでありますが、去年の秋以來、炭鉱の経理経験が非常に惡化いたして参つたのでありまして、逐に未曽有の多額の赤字を生ずるという状態に陥つた次第であります。これにつきましては、もう三原則が実施いたされましては、赤字融資は絶対にいけない。あるいは石炭の價格も上げてはいけないということに相なりまして、まつたく当初考えておりました何とかして赤字を消したいという方策が断たれましたために、今後におきましてはぜひ石炭鉱業を合理化いたしまして、企業の冗費を節約するということによつて赤字を消して行くという以外に方策はない。こういうこに相なりましたので、今年に入りましてからは、炭鉱が実際支拂い可能な限りしか買物をしないということを申し合せいたしまして、四月以降の分につきましては、支拂える限り買う。從つて赤字は増加させないようにしよう、こういうことで今炭鉱側も自粛をいたしております。なお今後におきましては、先ほどお話いたしましたような石炭鉱業の安定に関する連合軍の覚書によりまして、十分企業の合理化をいたしまして、そうして漸次赤字を償却いたして行きたい。こういうふうに考えております。なおただいま商工大臣を初め、農林大臣、大藏大臣などの御了解によりまして、從來の赤字に対してこの際何とかして幾らかでも消したいというわけで、目下関係方面に数回にわたつて陳情いたしております。この融資と申しますか、これを今とることが唯一の綬和策だというふうに考えておりまして、商工省並びに農林省ともどもに協力して、この赤字を消すことについての懇願をいたしておるわけであります。大体現状はただいま申し上げました通りでありまして、石炭廳としては、少くとも今後の買物に関しましては金のあるだけしか買わない、それで節約して行くということに全力を傾注いたしておるような状態であります。
#9
○野原委員 ただいまの石坂説明員のお話を伺いますと、はなはだ納得の行かぬ点が多い。石炭の生産はわが國の経済復興のための最大の重大問題であろう。從つて政府では石炭増産にあらゆる努力を傾倒してやつて参つておるとわれわれは承知してるのであります。しかも片山内閣当時においては、石炭生産の重要性にかんがみて、われわれとしては当時賛成いたしかねたのでありますけれども、石炭の國家管理までもして今日やつておるというような重大な石炭生産の資材として、まさしく坑木というものは最も重要な資材であろうと思う。坑木がなければ一塊の石炭も掘るわけにいかない、いわば炭坑にとつては米の飯と言われるような坑木でございますが、その坑木の代金を拂わずにおる。しかもそれが赤字が出たから今後は必要の限度以上には買わないようにするというふうな説明であります。今までの未拂いになつておる二十億の金を拂うのか拂わぬのかということに対して、石坂説明員は何らの説明をしておらない。はなはだ奇怪千万と言わざるを得ない。いやしくも政府が國家管理をしてその責任を持つて石炭の生産をやつておる以上は、当然政府の責任において石炭の生産をしておるわけであります。その必要資材として政府が供出をやらせ、しかも使つてしまつた。この坑木の代金を拂わぬでおつて、今後は赤字を出さぬように経営の合理化をして、必要限度以上には買わないのだ。われわれ今後のことはもちろん関連はありますけれども、今までの跡始末をどうするのだということを聞いておる。平野君の質問はその通りだと思うのですが、ただいまの石炭廳の資材局長さんの御説明では、一体石炭生産に対して、坑木というものの重要性をはたして十分認識しておる言葉であるかないかということを、私は非常に疑問に感ずるものであります。とてもかような不徹底な説明をもつては、われわれは満足できない。從つてこの問題は、いずれ石炭廳長官及び商工大臣に、じかに伺わなければ解決のつかぬ問題だ。今までの石炭用坑木の代金未拂いという問題に対する今の平野君の質問に対する説明としては、何ら解決をするような説明でございません。私ははたで聞いておりましてはなはだ遺憾に考えます。一言苦言を呈しておくわけであります。
 なお重ねて一つ伺いますが、はたして今までの坑木代金未拂いに対する解決の具体的な対策ありや、その点を伺つてみたいと思う。
#10
○石坂説明員 御意見の通り私も資材局長の立場といたしましては、まつたく同感であります。資材全般の未拂いを消したいということで、数回関係方面にもお願いいたしておるのでありますが、何分單に資材だけの問題にあらずして、石炭鉱業金般の企業がやれるかやれないかという点に入ります関係上、関係方面が非常に廣いのでありまして、何とかしてこの赤字を消してもらいたい、こういうことはそれぞれの方面に極力お願いいたしておりますが、先ほどのお話いたしましたように、何とも今のところ解決の名案がないので、非常に困つておる現状であります。ただ先ほどちよつとお話いたしましたように、前の赤字を消すために今財源をそれぞれの関係方面と協議いたしまして、何とかその財源の範囲から支拂いたい、こういうわけで商工大臣初め関係者が、それぞれ関係方面にお願いいたしておる最中であります。これを何とかして実現していただきたいということに対しまして、今石炭廳としても、商工省としても、全力をあげてその財源の確保の許可を得たい、こういうことをただいま懇請いたしておる最中であります。
#11
○野原委員 関係方面の理解を得るようにというお話でございますが、これは石炭を掘るために買つた坑木なのであります。しかもこれは使つてしまつておる。これは関係方面に何も関係ないと思う。石炭を掘るために政府が必要に應じて供出をさせた。各炭鉱がそれぞれ必要に應じてそれを購入して石炭を掘つた。そうして掘つた石炭は、それぞれ配炭公團を通じて、需要者に賣つて代金をとつておるわけです。現に石炭の炭鉱労働者は賃金をもらつておると思う。ひとり坑木だけが二十億円もの未拂金を背負い込まされておるということは、もしほんとうに金がないなら勤労者も金がもらえなくていいじやないか。勤労者の給料だけはストライキをするので先に拂うということをしておる。そうしてこの二十億の坑木の代金が拂えないために、林業労務者がどれくらい苦心しておるかということを少しも知つてない。同じことだと思う。ですからわれわれは、さような矛盾だらけな石炭の管理なるものが、はたして石炭の生産に今日寄與しておるかという問題も、これは十分掘り下げてみなければならぬ問題だと思う。ややもすると関係方面云々とか、経営の合理化とか、赤字がどうのこうのと言うのは、すべて泣き言だと思う。こういう泣き言を言う前に、石炭を掘ろうとすれば、およそ坑木がなければ一つの石炭も掘れないんだ、そういつた代金であることはわかつておる。この代金を拂わずにおく。これから石炭の生産をやめるならばよろしい。今年もまた石炭の生産を大いにやらなければならぬということになつておるときにおいて、一体石炭廳は何をしておつたか。資材局長が石炭生産のための全責任を持つて、この資材の調達その他をやつておることと私は思うのでありますが、こういう不始末をして、一体何のかんばせあつて石炭廳として石炭生産の責任を持つておる、果しておるということが言えるかどうか。私はかようなことをした原因がどこにあるかという問題は、この機会に資材局長さん一人だけに責任を負わせるわけではありませんけれども、石炭廳長官、商工大臣、ひいては石炭の國家管理という問題が、今日かくのごとき矛盾だらけな問題であるということならば、この根本問題にもさかのぼつて解決しなければならぬと思いますから、これ以上の質問はしませんけれども、とにかく炭鉱に対する坑木未拂いの問題は、ひとり坑木業者の因る問題、あるいはまた坑木を生産しておる林業者が困つておるという問題だけではなく、いわゆる重要産業の國家管理という問題に対する根本的な問題であろうと私は思う。從いまして、これは機をあらためて十分つつこんで見たいと思います。これで私は終ります。
#12
○平野委員 ただいま野原委員の指摘せられた通りでありますが、実にこれすなわち石炭國家管理そのものが何をしたのかわけがわからない。これはまつたくの伏魔殿であるという印象を強くするのでありまして、この際徹底的に石炭管理の内容にメスを入れなければならぬということを痛感するのでありますが、結局今の資材局長の御説明によりますと、今後は何とか最善を盡す。今までのやつは漸次赤字を減らすように努力するのだというような実に奇怪きわまる、不満足きわまる御答弁であるわけで、坑木業者、國民は一体どうなるかということになるのでありますが、第一これがたな上げにされれば、この二十数億円の金利だけでも莫大なものである。その金利に対して政府が責任を持つかということを伺いたいし、あわせて農林省としては、かような状態では本年の坑木の生産命令というようなことは、はずかしくて出せぬと私は思う。そうなると、ひいては石炭の生産計画そのものにも根本的な影響を與えるのでおりますから、農林省の見解も伺いたいし、あわせて私は今度の二十四年度の予算案におきましても、價格差補給金が二千億を越えておるのであります。そのうち石炭が大部分を占めておる。かような莫大な價格差補給金を出しておつて、しかもなおかくのごとき休たらくということでは、実に言語道断にもほどがあるのでありまする重ねて金利に対する責任を政府が持つかどうかということについて、農林省の見解をただしておきたいと思います。
#13
○三浦政府委員 坑木の未拂いにつきましては、その未拂いの解決は今のところ見通しがつかない。少くとも石炭の四千二百万トンの指令に伴う六項目が実現されれば、新しい問題は解決つくかもしれないが、過去の二十億近くのものに対する支拂いの見通しがつかない。そのさ中におきます二十四年度の坑木についての問題でありますが、ただいま安定本部ともいろいろ相談をしております。そのことは、つまり今日まで木材が、指定生産資材として最も嚴重な統制物資の一つになつておるわけなのでありますが、こういうふうにして、鉄道におけるまくら木、その他いわゆる計画的な配給といいますかができぬような状況になれば、それだけ嚴重にやることの意義が薄くなる。そこでただいま安本と相談しておりますのは、来年度の生産目標につきましては、生産の割当という嚴重なものでなくて、目標というような形に持つて行かなければ、ますますこの矛盾の解決の仕方がない。ことに最も重要であると言われているその坑木ですらが、そういうことになることは、根本的には、一面においてどうしても資金関係の確立をはかつてもらう。それができなければ、生産者に対してむりに強要したような指導はできかねる、こういうような状況で、安本と相談中でございます。
#14
○平野委員 金利に対する御答弁はどうですか。
#15
○小笠原委員長 平野君にお諮りしますが、これはきわめて重要な問題で、これは大臣に答弁してもらわなければ解決つきませんよ。ここで事務当局と質疑應答することはむだですから、もう一ぺん機会を見て大臣に出席を求めてやつたらどうですか。
#16
○平野委員 農林大臣、商工大臣、安本長官とも個別にしばしば私話はしましたけれども、要領を得ないのです。
#17
○小笠原委員長 個別でなく、ここで正式に速記をとつて回答を求めて、解決づけることに進んだ方がいいと思います。
#18
○平野委員 委員長からそういうふうにとりはからつてもらいたい。
#19
○小笠原委員長 とりはからいます。
#20
○平野委員 もう一つ、問題は違いますけれども、質問いたしたいと思います。この際國有林野事業特別会計について若干質問いたしたいと思います。二十四年度の本特別会計の予算で見ますと、歳入、歳出とも百三十億ということになつているのでありますが、これに対して國有林の方では立木の代金というものが全然計されておらないのであります。およそ森林事業を経営いたします場合は、まずその立木の代金、いわゆる株代というものを相当に見積つて、事業の内容を立てなければならないにかかわらず、國有林野事業においては、結局立木の代金をゼロとして見て、歳入歳出が同一であるということでありますから、結局國家の財産をただで消費してしまつているという結論になるわけであります。おそらく年間三千万円以上の木材、林材が消費されているのであますけれども、かようなことでは、國有林野事業特別会計というものは、ただ國家の財産を無意義に雲散霧消していると考えるのであります。もつともこの国有林野事業特別会計の歳出におきまして、いわゆるプラスの面、造林であるとか、あるいは林道の施設であるとかいうようなものが、どんどん拡張されて行くような方法で行けば、これはまたおのずから別問題でありますが、このうち最もプラスの面として、林業試驗場の費用は有効的なものでありますけれども、この予算を見ますと、わずかに一億四千七百万円で、全体の一%にすぎない。造林とか、林道施設、その他に対する費用がいくらくらいになつているかということは、この予算面でははつきりいたしませんので、その内容を当局から説明していただきたいと思いまするが、何にいたしましても、この予算面を見ると、人件費すなわち國有林野事業によるところの職員の俸給が十二億六千九百万円、職員の手当が四億二千万円、諸手当及び給與金一億五千万円、賃金場五十四億七千八百万円、旅費が六億九千五百万円というように、大部分は人件費によつて占められておるのでありまするから、実際に國有林野事業におけるところの施設という方面には、ごくわずかな経費が支拂われておるにすぎぬというふうに見られるのであります。今や総理大臣も、國有財産を極力民間に費拂つて、これによつて國家の歳入を縮小し、もつて所得税の軽減に資したいということを言つておられる際に、この重大なるところの國有財産である國有林が、かくのごとき無意味な状態に放置されておるということは、実に看過することのできぬ重大な問題であります。これは決して國有林経営というものが赤字の状態になるという本質的なものではないと私は思うのであります。それはすでに御料林の時代に相当の成績が上つている。御料林が私有林として帝室林野局においで経営せられました当時においては、年に二千万円以上の黒字を出して、当時の皇室の御財産を十分にまかなつて余りがあつたのであります。当時の二千万円は今日の價格に評値しまするならば、莫大なものである。しかも御料林は、年間二千万円以上の黒字を上げながら、造林においても、林道においても、完全に、いわゆる御料林の経営がほとんど理想的な状態に高められておつた事実を見ましても、御料林を今日國有林に吸収して、しかもかような状態になるということは、何としても了解に苦しむ次第であります。どうしても私はこの際國有林事業というものは、根本的に再檢討いたしまして、少くも一般会計で二十億や三十億繰入れ、その分でけで國民の負担を軽減するということを考えなければならないというふうに、結論せざるを得ぬのでありますが、この点につきまして、農林当局の責任者の見解をたたしたいと思います。
#21
○三浦政府委員 國有林野の特別会計には、資材である原木の金が見積つていないじやないかという一点、これに対しまして、私ども山林特別会計と明しますか、会計の経理方式として、当初いろいろと議論されたのでありますが、原木というものは、そのあとにいわゆる造林をする、あるいは林道をつけて山林の價値を高めることによつて原木價格を上げる、そういうような考え方からして、原木代金というものは、これは特別会計の中には、この予算そのものには見ない。ただ収支計算をとります場合にはこれを見ます。従いまして標準伐採量に対しまして、需給の関係から、もし一万石増して切つたということでありますれば、その一万石分は積立ての方にその金を置かなければならぬ。もし減伐と言いますか、標準量よりも少く切つた場合におきましては、それはプラスの面として積立てておく。こういうことでこの会計の仕方は山林についてはしておるわけでございます。
 それから今日の特別会計は人件費その他人件費に関係するものが確かに比較的多くなつております。二一%くらいが人件費、旅費、廳費、事務費となつているように記憶しております。ただこの特別会計として非常に遺憾なことは、御指摘のごとく造林であるとか、治山方面、あるいは林道の新設という方面に対して思うように延びていない。それにまわすだけの余力がないということでございます。そこでこの特別会計は、会計法に示すがごとくに建設公債の発行を認められており、また長期借入れの制度も取入れられておるわけでございまして、現に昭和二十二年度におきましては八億九千万円の長期借入れをいたしました。もつともそれは二十三年度になりまして、二億一千だけは返しております。また二十三年度におきましては十四億六千万円の借入れをして、建設的なもの、また二年、三年にわたつて償還をしなければならない、たとえばしいたけの栽培のごときものについては、こういう制度をとつて來ておつたのであります。ところがこの二十四年度におきまして、それらの建設公債的なもの、長期借入れ的なものは一切いかぬということに、現在なつております関係から、この長期建設である林道というようなものに対しては、やむを得ず制派をした使い方をしなければならない。しかも一方今日日本全体の林業試驗場をこの特別会計が背負わされておる。どうしても一般会計の方には今のところ分担してもらえないという事情があつて、さらにこの会計の内容を眞の國有林野の経営そのものから見た場合には不十分なものにしておる。こういうよな現状でございます。
 それから林道等に対する問題でありますが、二十二年度はいわゆる基準計画に対しまして、実行は八四%をいたしました。二十三年度は大体八八%できる見込みでおります。それからただいま御審議をいただいております二十四年度のこの予算の中では、大体林道については八二%くらいやれる見込みでおりますが、治山施設におきましては、本年は五箇年計画に比べて約五割二分程度しかやれない。造林におきましても、できれば人工更新によつて杉のよいものを植えて、すみやかにその成育をはかりたいわけでありますが、経費の関係上、およそ計画に対して五〇%程度、そうしてあとのものは、天然更新を加味して林地の更新をはかるという運用に持つて行かなければならぬという状況でございます。それではなぜこういうふうになつておるかという問題でございますが、今日の仕事が食糧等の関係からきわめて山地におきまする労務が非常に高くつくというような状況から支出は多くなる。しかもその製品は、これは國有林野の仕事ではありますが、一般の木材、薪炭と同じように、一般の價格による。こういう状況でありまして、もし一般の民有林におきましても、その跡地を必ず造林しなければならぬ、あるいは林道を計画のように延ばさなければならぬということになるならば、はたしてどうなるか。私どもといたしましては、大きな個人企業におきますところの内容と合せて、國有林野の経費の内容の比較檢討を始めておるような状況でございます。
#22
○深澤委員 今林野局長官からのお話によりますと、山地において非常に経費がかかつておるというような御説明がありましたが、一般の林業労働者に対しまする支拂いは、非常に今日一般から見まして惡いのであります。たとえて申しまするならば、四国方面におきましては、現在山林関係の労働者に支排われておる賃金は、二千九百円ベースで支拂われておる。九州方面においては、三千七百円ベース、その他生國においても、おそらくこういう標準において、非常な低賃金が要求されておるような状態でありまして、これは山林関係の労働組合でも相当大きな問題になつておるのであります。労働基準局は標準を示しまして、農林、水産関係の労働者の賃金を決定しておるのでありますが、これに対する六割程度の支拂いしかしていないというのが今日の現状でありますが、國有林野に関係するところの労働者に対する賃金体系というものが、一体確立しているのかどうか。この点をお伺いしたいのであります。長官は非常に経費がかかつておると言われるが、こういう状態において、非常に末端の林業労働者は低賃金に苦しんでおる。最低生活すら保障せられていないのが今日の現状であるということが、四國、九州方面から強く出ております。なおそのほか全國十二数万の林業労働者は、こういう状態において非常に苦しんでおるという問題があるのであります。この点について、ひとつお伺いしたいと思います。
 それからもう一つの問題は、この林業労働者が、いわゆる公務員として待遇されているのでありますが、もちろんこの問題は人事院との関係もございましようが、その身分だけは公務員として待遇されておるが、今申しましたように、待遇においては何ら公務員として待遇されていないという状態になつておるのであります。なお非常に職場が一定しない、轉々としておるとう関係において、こういう労働者を公務員として扱うことがはたして正しことかどうか。これは特別職というような状態において扱うのが正しいのはないかというぐあいに考えるのでのりますが、これが第二点であります。この二つをお伺いします。
#23
○三浦政府委員 賃金体系が確立しておるかどうかという問題でございますが、休系と名ずけるほどの形はとつておりません。ただ、ただいまお話のございました、労働基準局による標準賃金というものを大体考えながら、その地方々々で適宜山の形状あるいは能率等を考えながら、一日、あるいは一月当りの生計を維持するに足るという観点からきめておるのが現状でありまして、このことは第二点の公務員として扱うかどうかという問題との関連でございます。そこでいわゆる末端で、ほんとうに働いている古いのこを引くあの林業労務者、従業員に対しましては、一般の公務員として扱うには適当でない公務員ということを名ずくるとするならば、少くとも特別職として一つの別個の扱いをしなければ実際に合わない。こういう考え方で人事院方面とも連絡し、研究を急いでおるわけでございます。そのことはやがて第一に御指摘になりました賃金体系との関連が合せて解決して行く。こう思つております。
#24
○深澤委員 四國におきましては、二十三年八月以來二千九百円ベースで支拂いをされてお。九州その他全國においては、二十四年一月から三千七百円ベースのままにおいて扱われておる。すでに六千七百円ベースが一般に実行されておるにかかわらず、ここだけが取残されておる。この問題に対しては、早急に何らかの対策を立てて、四國においては二十三年八月以降、それから九州並びにその他全國においては二十四年一月以降、大体政府のきめられたベースに遡つて支拂いをされる意思があるかどうか、その点をお伺いしたい。
#25
○三浦政府委員 賃金体系として確立したものを持つていないと先ほど申し上げましたように、ほんとうに働く從業員に対する賃金は、いわゆる狭義における公務員と申しますか、官公吏そのもののごとく、ベースによつた賃金のきめ方をしておりません。たまたま八月のころに、いわゆる功程拂いの單償をきめた、その八月に一般公務員は何ぼのベースをもらつていた、從つてその賃金はそのベースによつてできているに違いないと、こういうぐあいにはならないと考えているわけであります。従いまして、特別に特別職なりあるいはそれに伴うところの賃金体系というものを考える必要がある、こういうように考えております。ただ工賃につきましては御指摘のごとく、非常に手取じが少ない。一應そういう考え方でできているとしても、事実は少いというような問題が起きていることを承知しております。営林局の方からこまかい数字をもらつて調査をすることになつているようでございます。
#26
○深澤委員 非常な低賃金で長い間苦しんでいる、その日給中にはさらに家族手当及び道具代も含んでいるという見解を当局は持つている、そういうことを言つておるそうでありますが、そういう状態において非常に苦しんで來た労働者に対してこの際賃金体系が一應確立されたならば、その今までの犠牲を遡及して政府が負担する必要があるということをわれわれは考えているのでありますが、その点をひとつ伺いたい。
#27
○三浦政府委員 先ほども申し上げましたが、賃金体系として確立してなくて、大体その地方々々で、労働基準局に基く賃金等を考えながら、実際に合うように合うようにとして、いわゆる功程拂いにおきます單金のごときはきめているのが実情でございます。その中にはそれでは家族が何人あるからあなたは何ぼの賃金である。あなたは全然ないから何ぼの賃金であるといつたような、いわゆる組織立つた考え方によつてきめていない。ただ漠然とその地方の習慣等によつてきめられているというのが実情でございます。それでありますので、御質問の、過去にさかのぼつて賃金がもし足らない場合に拂うかという問題につきましては、私ども拂うことは遺憾ながらできない、こういうことを申し上げておきます。
#28
○深澤委員 もう一点、それでは各地方の労働基準局できめられた賃金標準、それに大体相應する賃金を拂つて行くというように承知してよろしうございますか。
#29
○三浦政府委員 あれはあくまでも標準でございまして、労務者の單金の取得のきめ方は各営林署、現場の仕事場できめることです。そこで考え方としてはあれを標準として、その地方々々に合うようにやつて行くようにという考え方でございます。
#30
○野原委員 今の三浦長官の御説明についてちよつと関連してお尋ねいたします。林業労働、特に國有林の生産労働者の賃金は今までこれは功程拂の式で、いわば單金請負といつた方がわかりいいと思うのですが、能率給でやつておるわけです。貸金ベースというようなことは、これは結局計算上そういうものを使つてやつてはおるけれども、実際は何と申しますか、勤労者の國体と作業所なり、営林署長なりと相談して、この程度の單金で行こうというので從来ずつときめておるわけであります。東北地方なんかでは、一升飯を食わなければ満足できないというあの林業労働の特殊な点を織込んで、実は非常に高い單金を拂つておるというのが実情だと思うのであります。從つて先ほど來特別会計についてのいろいろの御説明がございまして、現在非常に生産費が高まる、これは食糧の入手に非常に高いものをとつておるというお話でございましたが、われわれ実情をよく知つておるものにとりましては、林業労働の特殊性が今まで何ら考慮されていない。あの山でもつて一日思う存分働くためにはどうしても七合なり八合なりの飯を食わなければ働いて行けない。これが一般の炭鉱労働者よりももつと低い加配米でもつて押えられておつたというところに、非常な矛盾もあつたと思います。そういつたようなことで、われわれとしましては林業の労働賃金の問題に先行して、加配問題ということが一番切実な問題でなかろうかと思う。しかも先ほどの特別会計のお話の中に、考えなければならぬ問題が幾つかあるようであります。それは特別会計が当然負担すべき事柄でないものをいろいろ負担しておるために、特別会計としてはその経営がうまく行つていないように伺われる御説明がございました。たとえば林業試驗の予算であるとか、あるいは災害復旧であるとか、林道であるとか、造林というようなことまで、ことごとく特別会計の中に負担せしめるという考えは非常に間違つておる。特に戰爭中は國有林といえどもほとんど造林事業などはあとまわしにして、ただ生産供出にのみ重点を置いてやつて來た。しかも手近い、搬出の容易な山ばかり切つておつた。ところが戰爭が済んだら、伐採跡地がたくさんある。あるいは伐採箇所も手近い所にはもうなく、奥の方へ行かなければならない。そのために林道をつくらなければならない、あるいは災害が起きたのを復旧しなければならない、あるいは國有林で持つておつたいろんな施設がすでに老朽し、腐敗しておるから、これもとりかえなければならぬというような段階になつた。そういう段階になつて突如として特別会計として自立経済、独立採算制でやることになつて、何らの準備もなくして特別会計を始めた。從つてこれらの大きな負担を初めから背負わされて特別会計が出発したと私は見ておる。從つてわれわれが今日國有林の特別会計というものよりも、わが國の林政の根本問題にさかのぼつて考えるときにおいては、これは当然林業の経営の合理化、あるいはまた森林の木材、薪炭、その他の林産物の生産等のためにも、まず戰時中にはほとんど放任されておつたあの奥地林の開発を急いでやつてもらわなければならぬ。そのためにはどんな犠牲を拂つても道路を通してもらうとか、奥地開発のための各種の施設を必要とすると思う。先ほどの長官の御説明によると、林道なんかも予定した半分もできない。造林も半分もできない。あるいは災害の方面に対しても半分もできないというふうに、特別会計が良心的に仕事をしようとすれば、ことごとく予算の面で半分もできないというふうなことを伺いますと、はたしてこんなことでわが國の林政の根幹をなすところの國有林の経営が、これでいいかという問題になつて來ると思う。從つて今までの政府の施策がどうも林政に対して重点を置かなかつたと思う。またこれを軽視しておつて、特別会計をややもすればまま子扱いにして來たのではないかと思う。從つてそういう点においてはこの際治山治水、あるいはまた木材生産供出というような問題、あるいはまたもつと大きく言えば國土保全の大きな立場かち、國有林の経営についての再檢討をしなければならぬ段階にあると思うのであります。その点に対しましてこの機会に農林次官あるいは長官の御高見を伺いたいと思います。
#31
○三浦政府委員 いろいろ林野行政、特に國有林野の運営について今御注意がございましたが、私どもまことにその通りであると考えるのであります。山の人夫賃が――これは國有林のみとは考えませんが、高くなつたのは食糧であるということはまことにごもつともでありまして、林野当局といたしましては、山地におきまする労務者の加配、今日本材であれば一石当り一合五勺、炭であれば一俵当り一合七勺、こういう量をあげていただくことと合せて、でき得べくんば代替品をなるべく少くしてもらう、そうして山に寝とまりする労務者の労働力を満度に発揮してもらつて、その生産に活動してもらうようにしたいということで、いろいろやつておるような状況でございます。
 それから予算内容の問題について、詳しい御指摘がございました。私どもといたしましては、本年から公有林野官行造林に関しまする経費は、從來この特別会計が持つておりましたが、これを外に出し、さらに御指摘の林業試驗という問題、あるいは古い昔からあつた治山といいますか、崩壊地に対する復旧経費も、これを明らかに区分をして一般の方にまわすべきではなかろうが、こういうことからいたしまして、本年は当然負うべきものと、そうでないものとを十分資料を整えて、來年度の予算編成については強く主張して行きたい、こういうふうに考えております。
#32
○平野委員 先ほどの私の質問に対する、林野局長官の御答弁については、まことに納得しがたいのであります。ことに驚きましたことは、農林、治山、林道等の建設の部面にどのくらい予算が使われるのかという質問に対しましては、その方に一向に努力ができぬ点を適憾に思つておるということを聞いただけであります。結局林業試驗場について相当費用を使つておるということでございましたが、これはすでに先ほど指摘いたしました通り、わずか一億四千万円であつて、全歳出の一%に過ぎないのであります。かようなことではとうていこの國有林経営というものが、國の財政においてプラスになり得るということは考えられないと思います。どうしてもこの際國有林の経営を根本的に再檢討をいたしして、一般会計に対して相当の繰入れをし得るということを考慮しなければならぬのではないか、これについて私は林野局長官でなく、農林大臣の御見解を伺いたいのでありますけれども、大臣が見えませんから政務次官にお尋ねしたいと思います。
 先ほど野原委員の專門的な質問に対しましては御答弁がなかつたのでありますが、そういう專門的なことについてはおわかりにならぬかもわかりませんが、國家の財産をもつて、少しでもこの一般会計に繰入れて、國民の負担を軽減するというような基本的な問題についでは、御意見があろうと思いますし、また御料林時代には年に二十億も黒字を出し得たものが、その御料林を吸収して一銭も一般会計に繰入れられないということについては、どういう見解を持つておられるのか伺いたいと思います。同時に林野局長官にも伺いたいことは、結局將來國有林の経営は奥地林開発に進まなければならぬ。これについての建設公債は認められないので困るというお話でありましたが、これはどうしても将來進めなくてはならぬのであるが、今回対日援助見返り特別会計千七百五十億円というものが、日本の経済復興に資するということになつて、目下研究を進められておるようでありまするが、國有林の奥地開発については、この方面の資金を相当運用してもらう余地があるのではないか、これについて当局においてはどう考えておられるか、またそれについて見通しがあるとすれば、努力をしておられるか、その努力の見込みはどうであるかということもあわせてお伺いしたいと思います。
#33
○三浦政府委員 私からひとまずお先にお答えいたします。この國有林野関係の予算の内容、ひいては今日の状況というものを、ここで申し上げてもいいのでありますが、一口に申しますと、先ほども問題になりましたが、今日のマル公で実際の労務の関係では、そういうふうなプラスの面は遺憾ながら出て來ない。御料林時代にどうであつたという御引例がありましたが、これは旧山林局の國有林、あるいは旧北海道におきますところの國有林、いずれもきわめて黒字の、一般財源としては比較的コンスタントな、しかも安全な予算として収入を見込まれた時代はひとしくあつたのであります。今日これはただちにお答えにならないかもしれませんが、たとえば御料林の中心をなしておりました長野の営林局においても、そういつた前に申し上げましたような状況から、非常に四苦八苦であることはまことに遺憾に思つております。
 なお私からもというお話がありましたので、あわせてお答え申し上げたいのであしますが、現在の状況下で、國有林から一般財政の方に寄與させるにはどうしたらいいか、一体寄與できるものかできないものか、これについてはその財産そのものを処分でもすればいざしらず、経営そのものをやつて行く限りにおいては、どなたさんがやつても、そこに國有林のプラスというものはできないのではないか、こういう考えを持つております。そこで國有林というものは一体何ぼまで持つべきであるか、放すべきものがあるかどうか、この点でございます。これはおよそいろいろな林政の根本問題で、めんどうでありますが、この日本の各種の産業におきますところの土地の利用と、土地の形状からいつて、現在全体の山林が七割近くのものがある。そのうちの國有林とのパーセントというようなものを考え、あるいは他の産業と地元とのつながりを考えて行くというほかに、保安林の問題がございます。今日治山、治水として非常な関心を呼んでおる、あの中心をなします保安林の問題でありますが、その保安林については昨年から五箇年計画で、少し長いのでありますが、実際の必要性、また新たに置くべきところの地域、面積というものを調べておりまして、それと相関連して國有林の整理、いわゆるそこに林野整備をすることが適当であろう、こういうふうに考えております。
#34
○苫米地政府委員 私は農林行政については今勉強中でありまして、しろうとであります。從つて自信をもつてそういう問題についてお答えをしかねるのであります。但し現在の統制された経済においては、木材業というものは引合わない。北海道の地元において六万円見当の木材が、運賃諸掛をかけて東京へ持つて参りますと十四万円ぐらいになるそうであります。そこで今度のように運賃が引上げられることになると、この木材はますます消費地には出て來ない。消費地に出て來て賣れるようにするためには、逆算して生産コストを低くしなければならない、こういうことになりますと、林野行政において木材から利益を上げるということは不可能になつて來る。そこでむりにこの利益を上げようとしても、いろいろの事情から物は生産されなくなるということになりますので、大体から見まして現在のこの統制と運送の関係、ごとにああいう大きな貨物は、海運によるのが当然であるのに、海上輸送の方が陸上輸送よりも高いというような不自然な状態が現在の実情であります。こういう時期においては、林野行政によつて利益を上げて、これを國庫の収入の一部としようというようなことは、努力すべきでありますけれども、容易に達成せられないと私は考えております。まことに御満足の行かない答弁であろうと存じますが、これで失礼いたします。
#35
○平野委員 國有林から一般会計へ繰り入れることはまつたく不可能に近いという御高見を承つて、実は驚きにたえない次第であります。かつて御料林時代においては、きわめて少数の人で経営されておつた。かりに名古屋だけを見ましても、林野局においては一人であらゆる事務を担当してやつておつた。ところが最近の営林局になつて來ますと、かつて一人でやつておつたことを多数の役人が寄つてやつておる。ここに私は行政整理の必要なゆえんが生まれて來るのではないか、かように思うのでありまして、経営次第によつては十分に黒字を出して、一般会計に資することは不可能でないと思うのでおります。それについては、どうしても官行事業をある程度圧縮いたしまして、立木処分をふやして行くならばできると確信しておるのであります。あまり長くなりますから、このへんでやめますけれども、この際林野局長官に、立木処分をふやし、官行所伐を相当程度縮小するという御意思があるやいなやということを、あわせてお伺いいたしたいと思います。
#36
○三浦政府委員 與えられたきゆうくつなわくの中で事業を運営して行く場合、國有林としては官行事業、いわゆるみずから第二次生産をやる仕事を縮小せぬか、こういう御質問であります。私どもここに予算をお示ししておるような考え方でなるべくやりたいのでありますが、どうしてもその通りできぬということであれば、いろいろと今実行策を立てておりますが、この官行研伐事業は跡地の造林等を考え、その跡地に残る木のいたむことなどを考えて官行事業は始めておることではあるが、そのさしつかえない、ややがまんのできる地域につきましては、これを立木処分に移して行く、こういうふうな考え方を持つております。
 それからなお先ほどお答え漏れをして恐縮でありますが、今の見返り資金の中に対して、どういうふうに今考えておるか。私ども当局としては、その中からおよそ七億程度のものは、ぜひこの林道、奥地等の方に出してもらいたいということを関係方面に折衝をしております。、
#37
○竹村委員 ちよつと関連して簡單に……。先ほどから非常に問題になつておるのですが、國有林の経営が、今農林政務次官の御答弁によりますと、大体現在の統制價格の範囲内でやるならば黒字にはならぬという御答弁であつたのでございますが、先ほどから問題になつておる立木の処分、そういうような面において、たとえば國有林の立木を抑い下げて賣り渡すというような面において、全國の各地におきまして不正等が行われたとお思いにならぬか、そういう不正実事なんかはないかどうか、こういう点をひとつお伺いいたしたいと思います。
#38
○三浦政府委員 この拂下げの問題は、一般にうつかりすると疑惑を招く仕事でございます。そこで昨年からは立木で処分するものにつきましては、あらかじめその附近の業者の方々のうち、そういう立木の拂下げを受けても、從來の経驗なり、あるいはお持ちになつておる設備なり、信用なり資金なりで、できそうな人の登録を営林署でさせております。そうしてその拂下げをいたします場合に、その登録をされておる方々に御案内をして、見積り合せをして、その結果によつて拂下げ者の決定をする方法をとつております。製品、いわゆる丸太になりましたものの拂下げでございますが、これにつきましては、いわゆる駅におきますところのマル公から逆算して行く場合、ほとんど甲乙のない價格が出ます。そこでそれに関しましては、大体それに関連するところの組合であるとか、あるいは懸廳等との連絡のもとに拂下げをしておる、こういう状況でございます。不正はあつたかなかつたか、この問題でありますが、まだはつきりわかりません。調査中のことでございますが、最近長野にそれに関連する問題が起きて、ただいま檢察当局としてはお調べをなされておる、こういう状況であります。
#39
○小笠原委員長 それでは本日はこの程度にとどめまして、次会は公報をもつてお知せすることとし、これにて散会いたします。
    午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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