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1949/05/14 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第22号
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1949/05/14 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第22号

#1
第005回国会 農林委員会 第22号
昭和二十四年五月十四日(土曜日)
    正午開議
 出席委員
   委員長 小笠原八十美君
   理事 坂本  實君 理事 松浦 東介君
   理事 山村新治郎君 理事 八百板 正君
   理事 長谷川四郎君 理事 深澤 義守君
   理事 寺本  齋君    遠藤 三郎君
      河野 謙三君    坂田 英一君
      田中 彰治君    野原 正勝君
      渕  通義君    村上 清治君
     藥師神岩太郎君    井上 良二君
      大森 玉木君    竹村奈良一君
      中垣 國男君    吉川 久衛君
      寺崎  覺君
 出席政府委員
        農林政務次官  苫米地英俊君
        農林政務次官 池田宇右衞門君
        農林事務官   
        畜産局長    山根 東明君
        食糧管理局長官 安孫子藤吉君
 委員外の出席者
        專  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
五月十三日
 食品配給公團法案(内閣提出第二〇四号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一二〇号)
    ―――――――――――――
#2
○小笠原委員長 これより会議を開きます。
 議事に入る前に御報告いたします。去る十三日、内閣提出による食品配給公團法案が本委員会に付託となりました。以上御報告いたします。
 それではまず食糧管理法の一部を改正する法律案を議題とし、政府の提案理由の説明を求めます。
    ―――――――――――――
#3
○池田政府委員 食糧管理法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 このたびの改正法律案の要点は大体三点あるのでありますが、その第一点は主要食糧の配給統制の嚴正且つ効率的な運営を目的として、主要食糧の配給計画の策定にあたつて、中央及び地方の間の齟齬なからしめること、配給計画と一致する配給割当を行うこと、及び配給割当に即慰した配給を実施することを法律をもつて明記せんとするものであります。
 御承知の通りわが國の主要食糧につきましては、國内産をもつてみずからをまかなうことができず、その配給量の約四分の一に及ぶものを輸入食糧に仰ぐ状態でありまして、今後とも嚴正かつ計画的な配給統制を続けて参らなければならないものであります。しかしてこのためには何よりもまずその配給統制の機構を確立し、かつこれを適正に運用することが先決條件であります。このうち前者につきましては、御承知の通り現在すでに十分に近い整備がいたされておるのでありますが、後者の適正なる運用の点につきましては、なお若干の改善の余地があるのではないかと考えるのであります。すなわち、主要食糧の配給統制を行つて参りますためには、行政廳におきまして、配給対象となるべき消費者人口、つまり一般消費者、労務者、転落農家の数等を正確に把握いたし、これに基いて適正な配給計画を策定しさらにこれによつて配給を行つて参ることが必要なのでありまして、政府といたしましても、從來より一般消費者、労務者等の人口調査、転落農家に関する実体調査、食糧管理台帳の整備等を行うとともに、必要な配給通帳の点檢、切りかえ等を実施して、これ等の措置によつて配給の適正化に努力して参つたのであります。しかしながら一方において罹災証明書の濫発、転落農家の実体把握の困難、就業労務者数の不正申告等の原因から、一部において不正受配が行われ、貴重なる主要食糧がなお相当量いたずらに消費され、ひいては政府の配給計画に支障を來していたという事実もまた否定できぬものがあるのであります。このような状態を放置しておきますならば、その結果は食糧の輸入に惡影響を及ぼすことはいうまでもないことであります。特に九原則の実施により、経済の自主安定化を強く要請されておるわが國においては、國内産主要食糧の最大限の活用をはかつて、無用の輸入を避けることが絶対に必要なのであります。
 今般連合軍総司令部より、三月三日付をもちまして「主要食糧の配給制度の強化に関する件」なる覚書が日本政府に発せられましたゆえんもまたここに存するものであります。すなわちこの指令は、実際の配給が毎月の都道府縣に対する配給割当を超過することなからしめるため、あらゆる必要な方策を講ずべしとし、その例示的内容として、消費者人口並びに消費者中、主要食糧を耕作しているものの耕作面積に関する正確なる資料の蒐集、不実在人口の撲滅、消費者として許容さるべき主要食糧作付面積の最高限の設定、右のため必要な消費者の再区分及び完全保有農家に対する不必要な配給の撲滅をあげておるのであります。しかしてこれらの例示的な六つの内容につきましては、政府としてできる限りの必要な措置を考究実施する用意をいたしておるのでありますが、これらの措置の効果を確保いたしますためには、ぜひとも主要食糧の配給統制の基本法規たる食糧管理法の一部を改正する必要があるのであります。すなわち從來同法において欠いていた主要食糧配給割当手続をこの際明確に定めますとともに、主要食糧の購入通帳ないし購入切符の交付は、この配給計画にのつとつて行わるべき皆の規定を新たに設けまして、主要食糧の配給計画の設定と、配給の実施との一体化をはかることとし、この明文上の根拠に基きまして、強力なる措置を講じたいと考えるのであります。主要食糧の配給統制の嚴正かつ効率的な運営は、これらすべての措置の総合によつて初めて達成し得るのであります。
 改正の第二点は、食糧管理法第九條の規定を民主化しようとするものであります。食糧管理法は昭和十七年二月制定されたものでありますが、主要食糧の配給統制が嚴正かつ精密にわたつて行わなければならないばかりでなく、不測の事態に対應して臨機の処置をとる必要があるため、從來より主としてこの第九條におきまして、かなり廣範囲の委任命令がなし得るような規定を設けているのであります。すなわち同僚は、政府は特に必要があると認めるときは、政令の定めるところによつて主要食糧の配給、加工、製造、讓渡その他の処分、使用、消費、保管及び移動に関して必要な命令をなし得ることを定めているのでありまして、これに基きまして現在移動制限、讓渡制限、主要食糧購入通帳制等の各般の措置がなされているのであります。しかしながら主要食糧の配給統制ということは、これによつて影響を受ける範囲も廣く、また國民全般の最大の関心事といつてさしつかえないでありましよう。また新憲法のもとにおいては、統制を行うにあたつても、でき得る限り民主的に運用いたすことが望ましいものと思われます。それゆえ先ほど申し述べました統制の機動的運用の必要性をも勘案し、政府といたしましては第九條に基いて委任命令を発した場合には、その命令の規定について、直接の利害関係を有するものから、経済安定本部総裁に不服の申立をなし得る道を開き、この場合経済安定本部総裁は、公聽会を開催して、廣く識者の意見を求めた上で何分の決定をし、その結果を関係者に通知するものとし、その民主化をはかりたいと考えるのであります。
 改正法案の第三点は、食糧配給公團の基本金の増額の問題であります。この件につきましては、前國会におきましても、当該の八千万円に対し五千万用の増額をいたすことを御承認を願つた次第でありますが、この会計一億三千万円の基本金は、公團として必要な額と申すより、むしろ國家財政上の都合からやむをえず決定せられたものであります。すなわち食糧配給公團は、他の諸公團と同じく、その什器、備品すべて基本金をもつて取得すべきものと定められているのでありまして、全國にわたり末端配給までを行いまする同公團が、能率を高揚し、消費者に対するサービスを十分に行つて参るためには、この少額の基本金をもつてしては、必ずしも十分とは申し得ないのであります。たとえば配給のための小運搬器具、計量器、金庫等消費者に対し適正な配給をするため、または公金保管のために必要なものの購入は、現在ともすれば不足勝ちでその事業運営に支障を來している状態にあるのであります。それゆえ政府といたしましても、さらに財政の許す範囲でその基本金を五千万円増額し、緊急必要なものの購入に充当せしめたいと考えている次第であります。
 なお、以上の主な三点のほか、今回統制の対象となる藷類の加工品の範囲を明確化したこと、及び地方自治法との関連において、政府の都道府縣知事に対する委任規定を法律中に設けたことの二点について改正を行いたいと考えております。
 以上食糧管理法の一部を改正する法律案の提案理由を、ごく簡單に申し述べた次第であります。何とぞ愼重御審議の上すみやかに御可決をたまわりますよう、切に希望いたす次第でございます。
#4
○井上(良)委員 ただいま提案理由の説明がございましたが、この法案はきわめて重大な改正でございまして、微に入り細にわたつて審査をせなければ、消費國民に及ぼす影響は大きいのであります。そこでこれを審査する必要上、政府から資料を要求したいと思います。それは各府縣別の一般消費人口、年齢別配給量、労務加配の行われております要人口、それから配給量、それから、農家の保有がどのぐらいで、それから転落した補充量をどのぐらい計画しなければならぬか。その他加配を出しておりますところの、たとえば人夫でありますとか、病人用でありますとか、あるいは引揚者用でありますとか、そういう方面のこまかい資料を出してもらいたい。それから三月二日G・H・Qから配給統制強化に関する指令が政府に來ておりますが、この内容を出してもらいたい。それから外食券の発行をやつておりますが、その発行の内容はどうなつておるか。今後どうなるか。それからその次に第九條の規定によります政令の内容、どういう政令を出そうとするのか。それから配給公團が実施しております持込み配給、店頭渡しの比率、これを明確にしてもらいたいと思います。以上の資料を月曜日までに要求いたします。
#5
○小笠原委員長 月曜日までに今の御要求に應ずることができますか。
#6
○安孫子政府委員 できるだけ月曜日までに整備したいと思いますが、あるいは間に合わないものが一、二件ありはしないかと思います。
#7
○井上(良)委員 注意申し上げておきたいと思いますが、政府は、多分三月二日のG・H・Qの指令によつておると思いますが、四月から全國各府縣に対して、配給統制計画をおろしておりますが、これは何ですか、この法律が通るという前提に立つてやつておるのですか。法律的な根拠は何によつてやつておるのでありますか。
#8
○安孫子政府委員 ただいまやつておりますことは、從來とかわつておりません。
#9
○井上(良)委員 私の特に必要といたします資料は、各府縣の今申しましたようなものはぜひ必要といたします。この資料は食管にあるのですから、これを出してもらいたい。これを出してもらわなければ、この審査はできないのです。ぜひひとつお願いいたします。各府縣の年齢別配給量、農家の、特に保有量、それからこれから転落した場合の補充量、こういうものを出してもらわなければ審査できないのです。
#10
○小笠原委員長 他の方に資料の要求はありませんか。――それでは何分きよう中に資料についてお気付きの点があれば、委員部の方に届け出ていただけば、政府の方へ連絡いたします。
 これにて本案に対する提案理由の説明は終ります。引続き本案に対する質疑でありますが、都合により質疑は次会に讓ることにいたしまして、本日はこの程度にとどめます。
 次会は明後十六日午前十時より開会することにいたし、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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