くにさくロゴ
1949/05/24 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第31号
姉妹サイト
 
1949/05/24 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第31号

#1
第005回国会 農林委員会 第31号
昭和二十四年五月二十四日(火曜日)
    午後二時三分開議
 出席委員
   委員長 小笠原八十美君
   理事 坂本  實君 理事 野原 正勝君
   理事 松浦 東介君 理事 山村新治郎君
   理事 八百板 正君 理事 小林 運美君
   理事 深澤 義守君 理事 寺島隆太郎君
   理事 吉川 久衛君
      遠藤 三郎君    小淵 光平君
      河野 謙三君    坂田 英一君
      原田 雪松君    平野 三郎君
      渕  通義君    村上 清治君
     藥師神岩太郎君    石井 繁丸君
      井上 良二君    大森 玉木君
      竹村奈良一君    中垣 國男君
 出席國務大臣
        農 林 大 臣 森 幸太郎君
 出席政府委員
        農林政務次官  苫米地英俊君
        食糧管理局長官 安孫子藤吉君
 委員外の出席者
        総理廳技官   伊藤俊太郎君
        專  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
五月二十四日
 委員寺崎覺君辞任につき、その補欠として高倉
 定助君が議長の指名で委員に選任された。
五月二十三日
 食糧増産確保基本法案(楠見義男君外十八名提
 出、参法第一〇号)(予)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第七三号)(予)
    ―――――――――――――
#2
○小笠原委員長 これより会議を開きます。
 議事に入る前に御報告いたします。昨日楠見義男君外十八名提出による食糧増産確保基本法案が予備審査のため、本委員会に付託と相なりました。
 なおこの際坂本實君より民主自由党を代表して、酪農業振興臨時措置法案に対する修正案が委員長の手元に提出されております。これは印刷物として、諸君のお手元に配付しておる通りであります。
 次に昨日委員八木一郎君が委員を辞任せられ、同日その補欠として小淵光平君が議長において委員に指名せられました。
 以上御報告いたします。それでは食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。
#3
○八百板委員 農業復興会議、日本農民組合、全國農民組合、全國農村青年連盟、農業調整委員会、全國協議会、農地委員会全國協議会、農業協同組合代表者会議実行委員会、日本畜産協会等の、全日本耕作農民を代表いたしまする團体が、去る四月十三日全國農民代表者会議を開催いたしまして、この決議に基き、今回の追加供出割当法制化に対する反対の意見を述べられておるのであります。その内容とするところは、今回の改正法一案は経済九原則における第九項食糧供出計画の能率を向上するという條項に基く措置と言われますが、今回の法律改正は食糧供出の能率をはかるため当然とらるべき政府自身の義務と責任をどうも反省することなく、一方的に追加割当の法制化という封建的反動的措置をとることによつて、自己の全責任を農民に轉嫁するものである、かような理由に基きまして、三点につきましてその反対の理由を強く指摘いたしておるのであります。すなわち一、追加供出は法制化なくしてもすでに供出は完遂されている。これは農民の國家再建への赤誠の具現であります。この上に強制化することは、無意味であるばかりか、農民の積極的供出意欲を冷却せしめ、供出の能率低下の結果を招來するは必然であります。一、この強制化により農民の被圧迫感情と政治への不信頼感とは一層激化し、食糧増産意欲を減退せしめる危險なる措置であります。一、供出を能率化する要請は、農民をして納得せしめ、その生産條件をして具備せしむるにあります。食糧行政における資材、資金、供出制度の欠陥を是正することが先決要件であります。一片の法律により義務履行のみを強制するは不当不稔なる措置である、こうあるのでありまするが、かようなる農民團体の強い意見に対しまして、農林行政を担当しておられます責任者であり、本追加供出割当法制化を本委員会に提出せられましたところの責任ある農林大臣の所見を承りたいと存ずる次第であります。おそらく從來の農林大臣の在野時代における言明にもかんがみまして、これらの趣旨につきましては当然御賛成せられておられることであろうと私は信ずるのでありますが、この際この点につきまして明瞭なる所見を承りたいと存ずる次第であります。
#4
○森國務大臣 八百板委員にお答えいたします。今前段におあけになりました各種の團体が、こういうようなことを述べているというお話でありましたが、今御質問の趣旨は八百板委員のお考えでありますか、またこういう團体がこういう決議をいたしている、それに対しての答弁であるか、どういうお気持の御質問でありますか。
#5
○八百板委員 私もまたこれらの耕作農民團体の一員としまして、また衆議院議員の一員といたしまして、これと同様の意見を持つものでありまして、同時に私の意見といたしまして、この点について質問いたしたいと存ずる次第であります。
#6
○森國務大臣 それでは八百板委員の御意見として、それに対してお答えいたします。第一の追加供出は、法制化しなくてもすでに供出が完遂しているではないか、この上強制化を法律でやる必要もないではないか、こういうことをおあげになつていますが、今回の法案をひとつよくお考え願いたいのであります。これはたびたびお答えもいたしたのでありまするが、御承知の通り、その米穀年度の需給推算をいたしまして、事前割当を行つているのであります。この需給推算がどの角度においても狂いなく集荷することができますならば、あえて追加供出というようなことは行わなくてもいいのであります。何分需給推算のときには未知数のものを考慮し、かつアメリカから、およそこのぐらいのものは懇請して輸入が許されるだろうということも大まかに計画いたしておるのであります。しかし大体それが今申しましたよう完全に集荷されるならば、追加供出というようなことはせなくてもいいのであります。ところが御承知の、年によりましては非常な風水害があつたり、虫害があつたり、病害があつたりいたしまして、予定の收穫を得られないという日本の地理的関係にあることは、御承知の通りであります。從つて事前割当というものを、一應需給推算の見通しをつけておりましても、それが変更されることが常にあるのであります。そういう関係で、本年度のごときも自主的に超過供出をしていただいておるのでありますが、一應超過供出のわくは百三十万石でありましたかきめまして、それだけをひとつお願いいたしたい、こういうことになつたわけであります。また工業生産の方面の労務加配米というような関係もありまして、超過供出をお願いいたしたようなわけでありますが、もしも需給推算が誤りなかつたならば、あえてこの法文をつくりましても、超過供出をさらにやるということは必要がないのであります。しかし今申しました事情でありまするから、この追加供出をしていただきたい。それをなぜ法制化するか、法制化しなくてもできるではないか、こういうことが述べられてあるのでありますが、なるほど超過供出をお願いいたしまして完全にそれも完納をしていただきました。しかしまだ当初の割当供出以外の超過供出をしていただきましても、どこか余分があるのではないかと思われる節があるのであります。それは各地におけるやみに流れておる食糧であります。これも今申しました超過供出してもらつて、それだけでまかなわれるならば何事も申す必要はないのでありますが、アメリカから百八十万トンという食糧を輸入してもらつておるというこの現実から考えますと、アメリカに百八十万トンの食糧を負担してもらつておりながら、なお超過供出をしてもろう余裕のあると考えなければならぬ米がやみに流れておるということでは、アメリカに対して済まぬのであります。それでありますから、そういうふうなものが絶対ないように、もしそういうふうな米があるならば、これを超過供出として出してもらうということを法制化いたしたのであります。決してこの法文はどうでもこうでも超過供出を、あとから追加して強制化するということを主眼としておるのではないのでありまして、食糧事情によりまして、府縣知事に中央食糧審議会の議を経て、これを割当てて行くという、やり方になつておるのであります。さよう御承知を願いたいのであります。
 なお次の、この強化によつて農民に圧迫感を起さす、そうして遂に政府に対する信頼感を失つて食糧増産意欲を減退するような機縁になるのではないか、こういうことがあげられているのでありますが、私はさように考えないのであります。日本のこの食糧事情をよく農家の諸君が考えていただきまして、そうしてわれわれ農村として自分の余裕の生ずるものは、この國家の現状にかんがみてできるだけ多く供出してやろうという、いわゆる協力してもらうように政府といたしましては施設を行つて行かなければなりません。その意味におきまして、ただ何事も政府のやることは圧迫であるというような誤解なしに、時局の情勢をよく認識していただきますならば、決してこの法制化することが圧迫をする、むりをする、ただ食糧生産の責任を農村にのみ負担さしておるというような氣持は、除いていただくことができると思うのであります。
 なお第三の、供出を能率化することに一生懸命になつておつて、そうして資材資金というような面について何らの考慮を拂つておらないではないか。それではいけないということでありますが、これは両々相まちまして、こういう御迷惑をかけておるのでありまするから、政府といたしましては、できるだけこの再生産の資材供給、資金の面におきましても、予算の許します範囲において、十分とは申し上げられませんけれども、可能の限度までは極力努力いたしまして、農業者に対しての労に報いるというようにせなければならぬと思うのであります。なおこの間参議院において、ある議員が報奨物資によつて酒やタバコで農民をたらかす――たらかすということは俗語でありますが、たらかすというようなことであつてはならないというような御質問がありましたが、私はこの農村の方方が必要を感じておられるものは、当然感謝の氣持で、これはできるだけの物資をまわすように努力することが政府の責任であつて、出してくださいこれを上げる。これを上げるから出してくださいというような、そういう氣持でわれわれは考えない、こういうのであります。この点をよく誤解をされるようでありますが、政府といたしましてはこの農村に課すところの重き責任に対しまして、できるだけ政府としてなすべきをなさんと考えておるわけであります。今御質問になりました三つの條項につきましては、以上のような見解を持つておることをお答えする次第であります。
#7
○小笠原委員長 本会議で農林大臣に対する緊急質問が出ておりますから、その方へ行かれますから……。
#8
○八百板委員 後ほど大臣がお見えになられます際に、農林大臣と食糧管理局の須賀業務部長と御一緒においでをいただきたいと思います。
#9
○小笠原委員長 経済安定本部の生活物資局リンク制推進事務室長伊藤説明員が見えておりますから、井上君の御質問をお願いいたします。井上委員。
#10
○井上(良)委員 経済安定本部といたしましては、昭和二十四年度産米及びかんしよ、麦、ばれいしよ、こういうものを全体どのくらいの生産目標と押え、また政府の必要とする確実なる全体の数量というものは何ぼに押えておるか、別な言葉で言いますと、政府が確保しなければならぬ主要食糧というものは、一体何ぼを押えようとするか。これがきまりませんと追加供出の問題が解決できないのです。たとえば本年度の事前割当による農業計画によりますと、米でもつて六千七百万石余りの生産を目標にしておられる。このうちで三千五百万石ほどが保有、三千二百万石を供出さそう。麦においては千五百九十三万八千石、いもにおいては百四十九万七千石、ばれいしよ六十七万八千石というように農業計画を立てておりますが、これだけの生産が上りますならば、これを基礎にして不足する食糧を何ぼ輸入しようということになつておるのと違いますか。この点をまず伺いたい。
#11
○伊藤説明員 私は主食の需給計画数量を説明するのは不適格だと思いますので、後ほど別な人に來ていただくことにいたします。私はリンク物資の関係でございます。
#12
○井上(良)委員 それではリンク物資について伺います。本年の麦、ばれいしよに対する政府のリンク物資の処置が、先日閣議で決定されて発表されておるそうでありますが、これによりますと、総合配給をいたしまして、農民の希望に應じて必要な品物を配給するという建物になつておるというのですが、そうでございますか。
#13
○伊藤説明員 その通りでおります。なお概略の御説明を申し上げますと、去る十七日に本年産の麦、ばれいしよの供出に対しますリンク物資の配当を決定したのでありますが、今年度配ります品目は、特に農村におきましては衣料品関係、それから地下たび関係が非常に要望が強うございますから、そういう点に重点を置きまして、配当いたしております。麦、ばれいしよに対しまする配当総量を申し上げますと、前年度は、日用品につきまして――各品目を便宜綿織物に換算して申し上げますが、二十三年産の場合には、二百二十四万九千反を配当したわけであります。ことしはそれを二百七十八万反にいたしまして、約二四%の増量配当をいたしております。それから地下たびにつきましては、前年度は六十五万八千足でございましたものを、今年度は八十七万六千足を配当いたしまして、約三割三分の増量をいたしております。それからこれをリンクで配ります際に、どういう方法で配りますかと申しますと、今申し上げました物資につきまして、それぞれ点数計算を別にいたしておりますから、これの総合点数を、各農家に供出量に應じて配りまして、その点数によつて繊維製品でも、ゴム製品でも、希望する品目を選択し得るというふうに改めてあります。なお、超過供出につきましては、出しました麦なり、いもなりの石当りに対します点数を、普通の供出米の約四倍増量いたしまして、特に超過供出に対する努力にこたえて行くという方法をとつております。
#14
○井上(良)委員 まず基礎的に伺いたいのですが、地下たびは昨年より約二十二万足ほどふえておりますが、しかしながら、鉱工業の方面に配給しております地下たび、特に石炭、肥料その他の方面に配給しておるのと、農家へ配給する分との比例をこの際明らかにしてもらいたい。
#15
○伊藤説明員 石炭に対しまする配給量と供出に対しまする配給量との懸隔が非常にひどいということをしばしば御指摘をいただきまして、私どももなるほどこの数字は供出に対しましても高めて参らなければならぬというように考えております。しかしながら、現在地下たびを例にとつて見ますと、大体石炭労務者は、年間平均約五足であろうかと存じます。農村に対しましては、現在のところ一人当りに直しますと、先ほど申し上げましたように、八十七万六千足の配当でありますから、これを供出農家を約四百万といたしますと、〇・二足程度ということになります。從いまして、これは麦とばれいしよの場合でありますが、このほかに米の場合でありますとか、かんしよの場合でありますとか、その他のものがございます。なお供出以外に、農村に対しましては雑多な方法で配られております。雑多と申しますのは、例えば製茶農家でありますとか、蔬菜の農家でありますとか、そういうようなものを対象にいたしても配られておりますので、正確な比較は困難でありますが、大体農家一人に対して一足強ぐらいになろうかと考えております。從つて、これを石炭並に配るといたしますと、石炭は御承知のように、労務者の人員が全体でもつて約五十万人であります。この五十万人に対しまして配られておりまする一人当りの基準量を農村に確保いたすといたしますと、少くとも農村の人口は、労務者だけでも約千二、三百万と想定されますので、相当の供給力の飛躍的増大がありませんと、なかなか石炭並の配当は困難である。從いまして、私どもとしては、もちろん均衡のとれました配当をいたしたいのでありますが、漸を追うて、供給力と見合いつつ、配給量の増量をはかつて行かなければならぬという苦しい立場にあります。
#16
○井上(良)委員 その立場はよくわかりますけれども、御存じの通り、石炭産業はわが國の重要な基礎産業として、この産業に対する政府の保護政策というものはあらゆる手を打たれております。たとえば、加配米におきましてしかり、あるいは衣料においてしかり、今の地下たびにおいてしかり、さらにまた産業自体に対する政府からのいろいろな融資なり、金融の問題、あるいはまた價格差益金の問題等、いろいろなあたたかい手が打たれておる。ところが日本経済の中心課題は食種であります。この食糧問題が解せない限り、わが國の経済は再建できない。その食糧に取組んで、血みどろに生産増強に努力をしておる農民に対しては、今説明の通り、まつたく問題にならぬ数量しか配給されてない。一体これだけの数量をもつて下部へおろした場合どうなるか。あなたの方では総合点数によつて、希望によつてこれを配給すると言うけれども、もし地下たびをくれという者がたくさん出た場合に、どうわけますか。実際わける方法がないのです。片ちんばではくわけに行かぬのです。そういう具体的にわけることさえ困るような数量をおろして、それで希望配給だなんて体裁のよいことはやめてもらいたい。わけられるだけの数量を渡しておいて、それで希望配給というなら、私はわかるけれども、わけることのできないところの数量をおろしておいて、それで希望配給なんと言つたら、村がもめて、実際始末がつかぬです。この点は、あなたの方で計画を立てておられるのですから、よほどその点について注意を拂つてもらわなければなりません。石炭産業に対する、優遇の道を講ずるならば、同じような比率で、農村にもやはりそれだけの優遇を講じなければなりません。もしそういうことが、かりに農民にわかりますならば、われわれは少くとも超過供出までむりをして、しかも税金さえ負けてもらえず、いろいろ難儀をしておる。それが石炭産業には一人六合からの配給をされておる。農家は四合でがまんしておる。そうして犠牲を拂つて、石炭の増産に寄與しておる。こういう農民の犠牲に対して、何ら政府が報いない。このことをあなた方しつかり頭に疊み込んで、安本でがんばつてもらつて、少くとも二十四年度の産米及びかんしよに対するゴム製品の報奨については、十分手を打つてもらわなければなりません。しかもこの総合点数によりますと、実際これはやつかいですよ。全國の村にわけたら、たいへんな問題になつて來る。どうしてわけようというのですか。その点説明願いたい。
#17
○伊藤説明員 お話の通りでございまして、全体の供給力が各物資とも非常に不足しておりますから、これを全國に配ります際には、非常に技術的な困難があり、末端における希望に合わないという点もあろうかと思いますが、先ほど來申し上げました、現在與えられた数量内でまかなうといたしますと、そのわくの範囲内において最善の努力をして行くほかない状態でございます。從いましてこれは食糧管理局において供出の数量その他を見合いながら、全國に品目を公平にわけまして、そのわけました町村の数量の範囲内において、各農家が優先してとるということになると思います。この際やはり農家の優先度を全部に認めようといたしますれば、それぞれの物資を豊富にそろえまして、点数切符に合うだけの品目を品目ごとに全部そろえなければ、完全な供給ができないわけでありますが、供給力は先ほど申し上げましたような状態で、非常に困難であるということは遺憾であります。
#18
○井上(良)委員 それからいま一つあなたに伺いますが、今ここに審議しております食糧確保臨時措置法の一方的改正である追加供出の法制化の問題に関連しまして、これはこの提案理由にもあります通り、連合軍司令部からの命令によつて提案をしておる。ところが、かんじんのこの追加供出をやる法制化の処置を講ずる前に、これはあとで大臣にも質問するつもりでありますけれども、当然なさなければならぬ処置が、その前の一項目にあるのです。スキャップ・イン四十七号の指令の中のA項を読んでごらんなさい。主食農産物の最大限の増加に必要な措置を講じろ、それには報奨物資に対する特別な措置を含む、と書いてある。從來農家に対して報奨物資というものが渡されておりましたけれども、農家の希望する物資が配給されてなし、その價格と品質が惡く、まつたく淳朴な農民をだまして、つつておるという印象しか、今までの報奨物資は與えなかつた。そういう点が強く指摘されて、連合軍の命令となつて政府に来ているのです。これは命令です。その命令をただお茶をにごして、ほんの二十万余りふやしただけである。えらいふえたように言うているけれども、何も大したことはありません。片方は、法律で強権的に、つくつたものを取上げようとしながら、片方、あなた方の責任においてやらなければならぬその命令を、法制化も何もしておらない。なぜこれを法制化しないのです。追加供出を法制化するのならば、当然リンク物資についても法制化の処置が講ぜられなければならぬ。どういうわけで、それをやらなかつたのですか。これは政務次官とあなたに伺いたい。
#19
○伊藤説明員 ただいま御指摘になりました点で、私どもが改善をいたしました点は、從来リンク物資は、供出の先途ということを條件といたしまして配つておつたのでありますが、今年度におきましては、完遂という條件をはずしまして、出した数量に應じますリンク物資を配るということに改めております。それからなお超過供出の点につきましては、先ほどもちよつと申し上げましたように、一般の供出分に感じますものの四倍の点数を配当いたしまして、超過供出の努力に報いるという方法をとつております。井上委員の御意見もつともの点もございます。しかしBを法制化するならば、Aも法制化しなければならないという関連性はそこにないのであります。そこで、このリンク制物資がはなはだ不足だというおしかりでありますが、それはまさにその通りであります。しかしもう一歩進めて考えていただきますならば、リンク制物資が十分に出せるものならば、そしてリンク制物資が千三百万の農民に必要なだけずつリンクして配給することができるならば、こんなリンクだとか、配給だとかいううるさいことはしなくても済むのであります。ところが、こういう制度をとらなければならぬというのは、物資が少いということなんであります。そこで司令部の方でもできるだけのことをやれと言うけれども、井上委員の要求される程度に行かなくちやいかぬということは要求しておらないと思うのであります。もしそういうことを要求しておるとお考えになりますならば、これは少し考え違いではなかろうかと私は存ずる次第であります。
#20
○井上(良)委員 これは非常に大事な問題ですから、私が伺つておるのです。そうすると、政府は司令部の命令をそんなに重く考えていないわけですね。一方は今八百板君からも質問があり、大臣からも答弁がありましたが、ご存じの通り追加供出については、農民は非常に困難な中にも、政府の割当の百三十万石を超過して供出しているのです。これは法的措置によらずしてやつておるのですが、それを司令部の命に應じて、むりに法的措置を講じようというわけです。そうしたら、当然こちらも、なるほど司令部の命令があつただけのことがやはりあるわい。法的措置を片一方が講ずると同時に、その裏づけとして十分行き届いた手当を政府はしてくれたということが農民にわかりませんと、こちらの第二項の法制化の問題は生きて來ませんぞ。そこが政治としては一番大事な点なんです。法律は書いてある字ですから、そこにいわゆる情があり、裏づけがあり、思いやりがあるように運用するのがあなたの責任なんです。それがここにはさつぱり書いてないのです。そこで私が言うておるのです。その点はつきりしてください。
#21
○苫米地政府委員 どうもはなはだ追究急で、政府といたしましては、リンク物資について可能な程度で、できるだけの力を盡しておるのであります。これをそれでは法制化して、これを具体的にわかるようにしたらいいではないかというのでありますけれども、この報奨物資等のごときは、この買上げ代金を幾らにするかというようなことと同様に、多少の伸縮性を持つておりますし、また法制化するとしても、嚴格な数字を出して、これはこういうふうに嚴格に法文通りにリンク物資を配給するのだというような法制化は、私しろうとですから、よくわかりませんけれども、非常に困難だと思うのであります。でありますから、政府は、できるだけの努力をし、できるだけのことをいたしまして、それで御了解を得たい、こう考えておる次第でございます。
#22
○井上(良)委員 私はこれ以上政務次官に質問しても能率があがりませんから、大臣が来たときにやります。ここで政務次官もよくお考え願いたいのは、先に安本の方からも御説明がありました通り、石炭関係及び鉱業関係方面の重労働者に対する配給は、相当率がいいのです。しかるに農民に対する配給の率は惡い。しかも食糧がなければ日本の國はどうにもならぬのです。食糧がなかつたら、石炭もくそもないです、ほんまのところを言えば……。それにもかかわらず、農民に対する配給はまことに惡いのです。あなた今そこにおつて聞いた通り、一方では一人当り五足も行くのに、片一方は〇・二足しか行かぬのですよ。いろいろあると言うけれど、それは特殊な農業形態がいいのであつて、全般の農民に潤うことはできないのです。それだから、あなたは最大限度努力していると言うけれども、ここへ努力の結果が現われてないのです。そこに問題があるのです。石炭も苦しかろう、肥料も苦しかろう、その他の労働者も苦しかろうけれども、問題は農民が低米價で、重税のうちに、いかに困難な増産に励んでいるかというこの事実をよく認識してもらつて、もつと農民に対する手厚い手当を加えてやらなければ、片一方でなんぼ法律をつくつて見たところで、追加供出さえできなくなつてしまうんです。問題はそこなんです。乳の出ないようなことをしておいて、赤子の頭をたたいて見たつてしようがないです。そこを私はあなたに聞いているのです。これ以上あなたに質問をしませんが、そこのところをよくお含み願いたいと思います。
#23
○苫米地政府委員 私自身も井上委員と同じように、そこに相当の幸、不幸があることは感じます。しかし井上委員は自己の主張を強くするために事実をまげておられる点は私承服できません。先ほどの説明では、農民には麦、いもに対しては〇・二あるが、すべてを総合すると、まあ一足と言われたのですが、井上委員は最低の惡い一部のものを持つて來て比較せられているのは、対象として、言葉を強くするにはきわめて巧妙な数字作戰でありますが、現実を論ずるとしては、これは少しく私奇妙に感ずるのであります。そこで先ほど安定本部の政府委員から申しました通り、しようとしても、今できないのだ。それは農村人口の多いことがその一つだという先ほどの御説明でありましたが、そういう事情もあると思うのであります。しかし井上委員の仰せのように、米がなければ何もかもできないのだという、この一つの角度からだけ世の中を見るように、そう單純化してごらんになつては困るので、やはり石炭がなければ、農機具もできなければ、農薬もできない。農機具も農薬もできなければ農業もできない。また石炭がなければ、その配給物資もリンクの物資もできない。そうすればその要求に應ずるような配給もできないということになるので、これはやはりもう少しいろいろの複雑した角度から見ていただいた方が、公平な判断が下るのじやなかろうかと私は考える次第であります。
#24
○井上(良)委員 安定本部にもう一点、伺つておきます。本年もやはりリンク物資に酒とタバコを使つております。タバコはどこに行つても買えるものを、ことさらにリンクに使うというのはどういう理由から來ているのですか。それから酒も見積つておるようですが、酒もほとんど自由販賣になつておりますから、こういうものをことさらに政府のリンク物資だというようなことからはずしてしまつて、もつと農民の切実に必要なものを政府で確保して配給してやるということの方がいいのではないですか。
#25
○伊藤説明員 酒とタバコにつきましては、お話の通り最近農村の人氣が落ちておるようであります。前年までは大体酒とタバコを早期供出、供出完遂、超過供出のそれぞれの段階に應じまして、リンク方式をとつておつたのでありますが、これは少くとも今はリンク的魅力が減つておりますから、こういうことをやめまして、今年は全供出量に應じての一本建で行くというように、その効果の量に應じまして、数量を考慮しております。なるほど町に酒が氾濫しておりますが、やはり農村におきましては、安い酒であるとか、焼酎であるとかいうようなものを利用いたしますので、その程度のものをある程度配つて行くことを計画しているわけであります。
#26
○深澤委員 食糧確保臨時措置法にきめられている農業計画というものは、生産と供出の裏づけとしての農家に対する必需物資を政府が心配する、こういうことになつております。ところが今話を聞きますと、まことに寥々たるものであります。特に地下たびのごときは年間数足を必要とするのであります。それがわずかに一足しか配給せられない。これでは生産も確保されない、供出も確保されないということが、理論上言えると思うのであります。從つて從來の食糧確保臨時措置法ですら、農民に対しては非常に苛酷であるということが言えるのであります。ところがその上今度追加供出を法制化するということは、理論上これはまつたく農民に犠牲を強いるものであるということが言えるのでありますが、この点について政務次官、それから食糧管理局長官、安本の生活物資局長の見解をお伺いしたい。
#27
○苫米地政府委員 ただいまのお言葉にありましたところは、ごもつともと存ずる次第であります。しかしながらこれは総体的に考うべきものであつて、從來より惡くしたのでなくて、從來よりもできるだけよくしたのであります。そこで、從來と同じであるとか、もしくは從來より惡くしたとかいうならば、今のお言葉はまさにその通りに拜承しなければならぬのでありますけれども、政府としてはできるだけのことをしているので、これ以上のことはできないのであります。それは私どもが子を持つて、子供に寒くないように着せてやり、腹のすかないように食わせてやりたいという親の心は同じであります。けれども現実が寒さもがまんしなければならない、それから腹もすかせても、泣いてもがまんしなければならぬ状態ですが、今政府と国民との間の関係も、親と子の情も同じである、こう私は考えておるのであります。でありますから、親が子供に寒がらせるとか、腹をすかせておくことは無慈悲だというのではなくて、やはりその慈悲もあるし、情けもあり努力もしているのだけれども、それができないやむを得ない立場にあるのだということを御了承願いたいのであります。
#28
○深澤委員 今の政務次官の言葉は私は詭弁であると思う。それほど農民に対する恩愛を持つているならば、何ゆえに追加供出を法制化するか。また追加供出が出ない場合には強権をもつて縛らなくちやならないか。今までの臨時措置法ですら強権発動を受けて、牢獄に苦しむ農民が毎年数千人ある。ところが追加供出の法制化によつて、より以上の農民が、この強権に脅かされなくちやならない。これがはたして政府の農民に対する親心であるか。一方においては十分に物資を配給せずに、農民の血と汗でつくつた農産物に対しては、強権の裏づけによつてこれを出させようとする、それが政府の親心であるというようなことは、断じてわれわれは考えることができない。それでもあなたは親心と思つているかどうか。
#29
○苫米地政府委員 私は決して詭弁を弄しているのではありません。先ほどから大臣が繰返し繰返し皆様に答弁し、お願いをしております通り、今までよりもより多く必要がないのに供出させるというのではないのであります。法制化することが惡いと申しますけれども、日本の現在おかれておる状況、國際的関係において、どうしても法制化しなければならない立場に置かれている。これを今法制化しないとしても、またほかの同じような、もしくは農民にとつてより不利益な形で同様の施策が行われなければならないかもしれない。こういう現状にあるのでありますから、政府といたしましては、この二つの行き方――今行くべき道は二つしかない。一つはこれを法制化して、この法制化することによつて得られる農民の幾らかの利益、もしくは國家全体としての利益、こういうことを含んでいるこの法制化の道を歩んで行くのが、大きく言えば、日本の國家のためにいいかどうか、また農民のためにいいかどうか。またもう一つの方法は、超過供出だけを強制し得る政令を出して、これによつて行く、この二つの道しかない。そのいずれを選んだ方が農民に対して慈悲を持ち、國民に対して忠誠であるかないか、こういう選択に対するところの意見の差であつて、そういう意見の差をお持ちになることは御随意でありますけれども、これを詭弁だとおつしやるのは少し言葉が強過ぎるのじやないか、こう私は考える次第であります。
#30
○深澤委員 政府が愼に農民に対する親のような愛情を持つておるとするならば、これは昔の話にもあるように、猛虎のその子供を食わんとする場合に、親は身を犠性にしてこれをかばつたという例があるのであります。そういう意味から申しまして、政府が愼に日本の農民に対する親の愛情を持つておるとするならば、この農民を親の氣持をもつて、虎から子供を救うがごとき犠牲的の精神をもつて守らなければならない。これが政府に親心があるとすれば当然の責任であると思う。そうすべきだと思う。この点はいかに論じましても議論になりますからやめます。もう一つお伺いいたしたいのは、現在農民に対する地下たびは、最大の努力によつて配給を確保しているのだ。この数が最大の努力の限度である。こうおつしやるが、一たび東京の露店を歩くならば、そこにはうず高く積んでやみで地下たびが賣られておるという事実がある。また地方でやみで買わんとすればやみで買えるのだ。もつと私は事実を申し上げてよいのでありますが、商工省のある投入が、地方の農業團体等に対して、正式のルートでなしに、はだしたびをあつせんしておる事実がある。公定以上のやみ價格でやつておる。政府は品物がないないとは一言いながら、やみで流れる品物は幾らでもある。何ゆえにそれを十分取締らないのか。そうするならば、もつと農民に潤沢に、十分でないといたしましても、もつと増加して配給できる可能性がある。ところがそれを政府が怠つておる。その点についてどういうふうにお考えになつておりますか。
#31
○苫米地政府委員 私は今お話のような商工省の役人が云々というような事実があるかないか存じません。但しやみで市中へ流れておるものは確かにあります。これを取締らないのは政府の怠慢だと言われますけれども、これは終戰後のいろいろな内閣において、他の政党が政権を持つておるときにおいては、常にそういうことを言うて來た。しかし自分で政権をとつてみるとその始末ができなかつた、こういう事実があるのであります。それはどういうことかと言うと、なかなか狭いようで廣いこの世の中におきまして、すべてのものをつかむことが容易にできないのであります。でありますからして、主食がこれだけやかましく取締られておつても、やみに流れておる部分もある。また專賣のタバコが、あれほどやかましくやられておつてもやみに流れておるものがある。政府は決して怠慢でもなければ黙認しているわけでもなく、やはり最大の努力をしておるのでありますけれども、力が及ばないのであります。これは力が及ばないからそれでいいと申し上げるわけじやありませんけれども、とにかくこれはいろいろの政府がやつてみて、やはりだれがやつてもうまくできなかつたという事実から推定して、容易にこれはできるものではない。私はこう想像されるので、怠慢と言われれば怠慢かもしれないけれども、故意の怠慢でなく、善愛にあらゆる能力をしぼつて研究してみて、急に行かない。しかし過去を振り返つてみれば、漸次これが改善されて來ておることも事実であると思うのであります。そういうような次第でありますから、これは将來政府も十分努力いたしますが、どうかこれはある点におきましては、あまり強くおしかりをいただかないようにお願いする次第であります。
#32
○深澤委員 いかなる政党かやつてもできない。過去に努力したけれどもできなかつたじやないかというようなことによつて責任を回避することは、われわれ承知できないのであります。非常に範囲が廣くて取締りも十分できない、こう言われるが、地下たびのごときは製造会社がきまつております。具体的にその会社の名前をあげてもよろしいのでありますが、おそらく日本において十数社しかない。この製造会社を嚴重にお取締りになるならば、これは十分に整理ができるのだと思う。ところが政府は末端の方を追いまわしておるから、おそらく何万人という人を対象としなければならないからできないので、元の製造会社である大資本家に対して、決意をもつてやりさえすればできるのであります。それができないということはわれわれは了解に苦しむのであります。そういう点については、もつと具体的なことを申し上げてもよろしいのでありますが、本日は申し上げないことといたしまして、その製造会社を十分にお取締りになられれば必ずできる、こういうわれわれは確信を持つておるのであります。こういうことに対して、日本の全農民はほんとうに不満を持つておる。私はこれ以上議論いたしましてもきりがないようですからやめますが、とにかく政府の努力はまだ足らない。農民は非常に不満を持つておる。そうして今度の法制化を、その努力をせずに、農民にのみ強いることは、まつたく農民に犠牲を強いるものであるという意味において、よろしく本案を政府は撤回すべきだ。それが農民に対する愼の政府の親心だというふうに私は考える。
    〔委員長退席、坂本委員長代理着席〕
#33
○苫米地政府委員 私もこの問題について、これ以上申し上げようとは存じませんが、私自身も不可解に思つておるのですが、專賣であるタバコがやみに流れておるというようなことを考えましても、まことに不可解のものであります。從つて專賣でない製造業者を取締る、そして絶対流れないようにするということは、これから見てもさらに困難であるということは御了承願えると思うのであります。それからもう一つつけ加えておかなければならないのは、農民を強いるという言葉を非常に強く言われますけれども、ここにひとつ踏みとどまつて考えていただかなければならぬのは、やみを流しておるのは一体だれですか。農民です。やみの米を流しておるのは、やみの製造元は、そこにあるのです。そういうことを責めるなら双方にある。社会的の社会惡である。こういうことをひとつ考えて、これは農民が惡いわけでもなく、ほかの人が惡いわけでもなく、社会に存在しておる社会惡の一つの現われだということを認めていただかなければならない、こう私は考えるわけであります。
#34
○深澤委員 私は全國の農民の名誉のために、今政務次官の卓をたたかれて、米のやみを流しておるのはだれだというその言葉に対して、反省を促さなければならないと思う。現在全國の五百万戸の農民が全部やみに流しておるのではない。現在やみに流しておるのは、一部の村におけるところのボス階級が、その権力と勢力をもつてやみ田や隠し田を持つている。そのためにやみの米を賣る余裕を持つておるのであります。その連中こそやみを流しておるのである。全國の農民のほとんど九割九分までは、やみに流す米はない。それをあなたは日本全國の農民がやみに流しておるがごとくに卓をたたかれて言われた。われわれは全國農民の名誉のために今の発言を取消していただきたいと思う。
#35
○苫米地政府委員 私は同じことがほかのことに対しても申されると言うんです。あなた方は、全部がやみに流しているのではない、政府はやみを援助している、取締らないと言われますけれども、政府は全力を盡しているのであります。そして、やみに流している者も全部でない、一部なんですから、農民に対しても言われることは、同じく他の面についても言われる。ですから、これは社会的罪惡の一つであると、私はこう言うのです。であるから、社会的罪惡をすべての人が犯しているとは私は言わない。私は農民のすべてがやつているとは言わないと同時に、ほかの製造業者が全部がやつているとも言わない。ただそれらのうちに社会事的罪惡としてそういう事実がおるのだ、であるからして、これを一方だけが惡くて他方は惡くないのだ、こういうような立場から議論をされたのでは議論倒れになるというのであつて、私はこれ以上こういう議論はいたしたくないと存じます。
#36
○深澤委員 今の政務次官の言葉は、少くとも農林省の責任の地位にあられる方のお言葉としては、私はどうしても承知できない。日本全國の農民がやみ流しをしているというぐあいにわれわれは解釈したのであります。はつきりそれを農民の一部にそういうものがあるということならば了承できるのであるが、農民のごく一部分がやつているのだという意味で言われたなら、われわれは了承するのでありますが、今卓をたたいて言われた態度やお氣持から考えますると、まつたく全部の農民がそういう政務次官の言われるようなことをやつているようにわれわれは印象づけられたのであります。もう一ぺんその点について明確な御答弁を願いたいと思います。
#37
○苫米地政府委員 私は先ほどから申しております通り、農民も全部ではなしに、專賣局の方も全部ではなしに、メーカースの方も全部じやない。そのうちのあるものがやつているのであるからして、これは社会的の一つの罪惡の現われであると見ているというのであります。ですからあなたのお言葉の通り、農民全部でなく、一部のものであるということは、その中に含まれていると私は了承しておる次第であります。
#38
○八百板委員 ただいま政務次官が、現実に供出の義務を果している農民に対して――、現実に製造すべきものを製造し、また出すべきものを出さないでおるところの農民以外の、産業の面におけるやみ流しに対して、それを追及することなく、責務を果している農民の、きわめて一部分の米がやみに流れるということを指摘いたしまして、農民の立場を糾彈するがごとき言葉を述べられたということにつきましては、私もまた農民の一人といたしまして深く遺憾とするところでありまして、この点農林政務次官に対して嚴重なる警告を私は発したいと思うのであります。
 次に私は昨日お尋ねいたしましたところの本法案の改正の諸点につきまして、少しくお尋ねを進めて行きたいと存ずる次第であります。改正の第八條の点につきましてお尋ねいたしたのでありまするが、お答えの内容を伺つておりますると、今なお私ははつきり中心を了解することができないのであります。第八條における実際の適用に当つては、現実に食糧の供出ができないというような農民の側からの事情というものを重く見るのであるか、それとも均衡上必要であるというところの政府の事情に重点を置くのであるか、どちらに重点を置いてこの第八條の適用を考えられたかという点につきまして、食糧管理局長官の見解を承りたいと考えるものであります。
#39
○安孫子政府委員 お尋ねの点は、いずれを重しとして考えるというわけではございません。もちろん生産のないところに供出という問題は考えられません。また國全体の需給の状況ということも、これまた民生の上において最も重要な問題でございますので、その両者を考え合せまして運用して参りたいと思うのであります。昨日も申し上げましたように、この需給の均衡を保持するためと申しまするのは、端的に申しまするならば、最も多くの場合においては、事前割当数量の確保というような観点において考えられる次第でございます。しかしながら全國の作況が、全体的においてはなはだ惡いということであるならば、もちろんその面について考えて行かなければならぬのでありまして、そうした事態におきましても、なお需給の均衡を保持するために、この増加補正をして行くという考えは毛頭持つておらぬ次第でございます。
#40
○八百板委員 その場合におきまして、中央農業調整審議会及び都道府縣知事の意見に基くというふうにその取扱いを規定いたされておるのでありまするが、その他の條文におきましては、あるいは雜穀の範囲を決定する場合における議決権であるとか、あるいは四條の一項における指示を引受ける場合における議決権であるとか、そういうふうにその他の面におきましては、この農業調整委員会に対して議決権を持たせるような処置をとつておられるのでありまするが、こういう重大なる問題を決定する際にあたつての機関であるところの審議会は、全然決議権を持たないというようなきめ方をしておられるのでありまするが、これはずいぶんかつてな規則のきめ方ではないかと考えるのであります。これではあたかも天くだり割当に対して、その命令を翼賛するところの責任轉嫁の翼賛組織、そんなふうに考えられるのでありまするが、この機関を議決機関として改める意思があるかどうかということを、お尋ねいたしておきたいと存ずるわけであります。
#41
○安孫子政府委員 お尋ねの点、私どももそうした考え方については了解をいたす点もあるのでございますが、現在の食糧事情のもとにおいてと申しますか、客観的情勢のもとにおきましては、この場合の中央農業調査委員会、または都道府縣知事の意見、一つの都道府縣の考え方を決議機関として認めて行くという考え方はとつておりません。そういう考えはございません。
#42
○八百板委員 そういうことになりますると、先ほどお答えをいただきましたところの、政府のそれを必要とする事情と、農民が出せないという農民の事情とが、五分々々の重さにおいて取上げられておるという御答弁が、この際には矛盾を來す結果になるように考えられるのでありまするが、しかしこの点につきましては議論にわたりまするので、これ以上お尋ねすることを避けたいと存ずる次第であります。
 次に第十七條の点につきましてお尋ねしたいのであります。十七條によりますると、法令に基いてするところの行政廳の処分に違反すると認めるときは、市町村農業調整委員会の議決または処分を取消すことができるというふうに定められているわけであります。この條項は農地調整委員会の権限を圧迫し、何か昔あつたところの地方長官の原案執行権のごとく見えるのでありまして、その結果市町村長が上から受けた方針をしやにむに押しつけるということが予想せられるのであります。さような意味合において、この條文は当然削るべきものであると考えるのでありますが、この点に対して何ゆえにさような認定権を町村長に持たして、農地調整委員会の権限を侮辱するがごとき法文を考えておられるかという点をお尋ねしたいと思います。
#43
○安孫子政府委員 法令または法令に基いていたします行政廳の処分に違反する場合、やはりいろいろやつております際に、法令違反等の問題も出て参りますならば、これを取消しまして法令に違反しないようにすることが適切だと考えますので、そうした場合には市町村長は処分を取消すことができるというように規定をいたした次第であります。市町村農業調整委員会を圧迫するというような意味合において十七條が考えられておるものではございません。
#44
○八百板委員 それと並んで二項、三項にそれぞれ同じようなことがあるのであります。すなわち市町村長は市町村農業調整委員会の処分にかわるべき処分をすることができる、三には、反対の議決、そういうふうなことがあるのであります。これでは民主的と称するところの機関を無視する結果になるのでありまして、完全に反対の議決を不可能とし、賛成議決以外に議決の道はないというふうに考えられるのであります。從つて議決というような言葉を使うことがおかしいのではないかと思うのでありますが、この点どうお考えになりますか。
#45
○安孫子政府委員 法令に違反しておるような場合に、この二項、三項によつてその処置をいたしますことは、当然と申しますか、常識的なことであるのではないかと私は考えておるのであります。こうした二項、三項があるがゆえに、市町村農業調整委員の権能を不当に圧迫しておるというふうには考えないのであります。
#46
○八百板委員 次に十一條についてお尋ねいたしたいのであります。十一條に新しい問題といたしまして、「陰樹の伐採」が加えられております。これによりますと、この陰樹の伐採の指示に従うことによつて損失を受けたときには、利益を受けたものが補償しなければならないというようなことが規定せられておるのであります。私の想定いたします場合について考えまするに、たいていの場合それを取除くことによつて利益を受けるものは、現在まで長い間それによつて被害を受けておつたところのものであろうと思うのであります。從いまして逆に申しまするならば、長い間被害を受け続けて來た結果、ある場合においてはその木によつて光線を奪われ、あるいは肥料をいわば横取りせられておつて、当然受けるべきところの利益を横取りせられた結果、そうした木が繁茂しておつた場合が多かろうと思いますから、逆にそれを取除くことによつて利益を受けるものの側から請求すべき権利が多いのではないかと考えるのでありますが、この点につきましてどういう具体的な場合を頭に画いておられるか、お伺いしておきたいと思います。
#47
○安孫子政府委員 具体的な場合として実は典型的な例は考えられないのであります。畠の附近に木がありまして、それが陰樹になつておつてなかなか伸びない。それを伐れば生産の上にも相当役に立つというような場合はその木を伐る。木を伐りますと、過去のことを遡つて考えますれば、今お話がございましたように、それによつて長年の間損害を受けておつたということも言えるでありましよう。まあその損害の程度の算定はなかなか困難であろうが、抽象的にはそういうことが言える。從つて損害賠償請求のようなことを考えるのが当然ではないかという考え方も御提示になつておられるのでありますが、それを伐ることによつて從來のその土地の生産力が増して來る、從つてその場合においては、過去にはその土地の生産力が低かつたが、それを伐ることによつて高い生産力を持つというようなことになるので、その点から見ますればやはり利益を受けるということになると思うのであります。樹木の所有者の方から言いまれば、その木を伐ることによつて損失を受けることが通例であろうと思います。その関係をこの十一條において調整をとろうというのであります。
#48
○八百板委員 ただいまのお答えによりますと、その木を伐ることによつて損害を受けるというお話であります、先ほど申し上げましたように、その木そのものがさえぎつてはいけない光線をさえぎり、吸つてはいけない肥料を吸つて生長している陰樹でありますから、その木を伐ることによつてその人が損害を受けるという事態を想像することはできないのであります。その木が非常に若くして、伸ばせば相当な値打があるであろうというようなものでありますならば――、それが特別の中の特殊な名木であるというような場合には、そういうことが考えられるのでありますが、しかしながら、そういう場合においては通常若木であつて、將來伸ばせば値打のあるものだというような場合においては、大体においてそれが被害を與えておる限度も少いのでありまして、そういう問題は考えられないのでありますが、その点どんなふうにお考えになつておられますか。
#49
○安孫子政府委員 この辺の判定は事実問題について考えて見るよりほかなかろうと思います。おつしやいますように、伐りました木が相当の價格で処分できるのでありますから、通常の相当生長はしておるけれどもまだ伐期には到達しておらぬ、経済木としての價値にまだ到達していないけれども、やはり生産力に影響を及ぼす程度に生長しているときにこれを伐つてしまえば、所有者に対してある程度の損害を與えるということはあり得るのではないかと考えます。
#50
○八百板委員 大体その木を伐らせるということは、その木が不法に生長しているということを前提としてのお話でありますから、この條文は非常におかしいと考えるのであります。從つてこれは削るべきだと思うのであります。なおこの際はつきりさしていただきたいのは、神社佛閣の立木に対しましては、どういう考慮を拂つてこういう條項をつけられたか、この点をお答え願いたいのであります。
#51
○安孫子政府委員 神社佛閣の木自体について特別の考慮はいたさなかつたのでありますが、神社あるいは佛閣の尊嚴保持その他の関係からいたしまして、それを生産力に対しましては、多少影響力は持つけれどもその感情自体において、やはりマイナスの方が大きいというような場合は、この運用は適当に考慮せらるべきものだと考えております。
#52
○八百板委員 神社佛閣に対する考え方は、戰後著しく國民の間に変化を來しておるのでありまして、その結果はじやまになるから切れ、切れないというようなことを中心といたしまして、相当いろいろの部落問題、精神問題等に発展することは予想せられることでありまして、こういうふうな点につきましては、一段と緻密なる考慮が拂われてしかるべきものだと私は考えます。
 次に第十八條の点につきましてお尋ねいたしたいのでありますが、十八條は改正の條文ではなく、前からある條文であります。この「市町村農業調整委員会に関する費用については、政府は毎年度予算の範囲内で補助金を市町村に交付する」ことができると規定せられておるわけであります。これは農業調整委員会の自主性というものをほとんど認めておらないというような今までのお答えによります判定に基いて考えて行きまして、しかもまた農民に対しては供出数量について、ほとんど責任を無限に一方的に農林大臣の認定に基いて指示することができるというふうに改正せられますところの、この考え方からいたしますれば、当然にこの條文は予算の範囲内において補助金の交付によつてまかなえるというような行き方ではいけない。全額國庫の負担においてまかなわるべきであるというふうにこの際改むるのが、当然の処置だろうと思うのでありますが、この点に対しまして、どういう見解のもとにこの條文をそのままにせられたかということを、お答え願いたいのであります。
#53
○安孫子政府委員 農業調整委員会の経費につきましては、ほとんど全額に近いものを國庫として持つのが私も当然と考えております。しかしながら現在の財政の状況からいたしまして、われわれの要求いたしますような経費が、実はなかなかとれないでおるわけでありまして、この点からいたしまして十八條は改正をいたさなかつたのであります。これはできるだけそうしたものが十分とれて、農業調整委員会の要望にこたえるような段階に立ちますならば、改正してもいいかと思いますが、そこまでなかなか現状は行つておらぬ次第であります。
#54
○八百板委員 次に第二十五條につきましてお尋ねいたしたいと思うのであります。その第二十五條において地方農業調整委員会の構成といたしまして、その長は地方事務所長または都道府縣知事の指定するものというふうに定められておるのでありますが、御承知のごとく、今日地方事務所の仕事は供出の問題に非常に重点がかかつておりますので、農民の考え方からいたしますと、最近地方事務所長なんというものは、供出のような考え方を持つておる向も決して少くないのであります。そういう意味合いで、現実に地方事務所は所長が供出をいの一番に成績を上げることによつて、自分の栄達ができるというような考え方のもとに、ずいぶんむりな供出を急がせておりまして、場所によつてはそのためにむりな割当が行われ、あるいは供出のできなくなつたところの農民が、首かけをしたり、あるいは井戸に入つて死んだりしておるような悲惨な犠牲者も相当出ておるということも、われわれは現実にたくさん聞いておるのであります。そういうふうな情勢のもとにおきまして、この委員会の長を地方事務所長あるいはその地方長官の指示するものというふうに規定するということは、非常に不適当ではないかと思うのでありまして、この点につきまして、この会長を互選とするというように改正の意思があられるかどうか、お伺いいたしたいと存じます。
#55
○安孫子政府委員 改正前におきましては、会長は当該区域を所管する支廳または地方事務所長ということに限定されておつたのでありますが、ただいまお話のございましたような点も考えまして、一歩前進いたしまして、「その他の者であつて都道府縣知事の指定するもの」というふうに実は範囲を拡大いたしたような次第であります。
#56
○八百板委員 次に第二十九條の点につきましてお尋ねいたしたいと存ずるのであります。この点は農林大臣にお尋ねする方が適当だと思うのでありますが、後ほど農林大臣にもなお重ねてほかの問題もありますので、お尋ねするということで、一應事務当局の見解を承つて置きたいと存ずる次第であります。二十九條は改正にはなつておらないのでありますが、この適用に関しての私の見解でありますが、先ほど來いろいろ伺つておりますと、農民に対して供出を割当をする。その際において、当然にそれと併せて履行すべき政府の義務である農業用資材の割当につきましては、きわめて不的確な、あいまいな計画しか立つておらないということを、今までの再三の質問を通じて私は承知いたしておるのであります。このことにつきましては、食糧確保臨時措置法の第三條によつて、明瞭に規定せられておるのでありまして、農民に対して供出の責任を持たせますると同時に、政府はそのために必要なる資材に関する農業計画を立てなければならないということは、明瞭に食糧確保臨時措置法の第三條によつて規定せられておるのであります。しかるにこれらの点につきましては、先ほども農林政務次官のお話にもありましたように、そういう資材等の計画につきましては努力するというような程度であります。しかしながらこの法文を見ますとここには明瞭に記載せられておるのでありまして、たとえば第三條の二、三、四についてそれぞれ定められておるのであります。たとえば三についてこれを考えて見ても、「政府は、主要食糧農産物の生産を確保するため必要な資金の融通につき、計画を定め、その実施に関して必要な措置を講ずる。」ということが政府に義務づけられておるのであります。しかるに政府は努力する努力するというだけであつて、実際上その実施に関する必要なる何らの処置を具体的に示してはおらないのであります。この條文は決して努力する義務を政府に対して義務づけておるのではないのでありまして、これを実施するための必要なる処置を義務づけておるということを明確にお考えいただかなければならぬのであります。今のお話を伺つておりますと、政府においてはこの條文をご存じないのではないか、ということを、私は疑わざるを得ないのであります。私はさような意味合いにおいて、この際本法第二十九條によるところの罰則の適用は、第三條によるところの政府の義務である一、二、三、四、それぞれの政府の責任を履行しなかつた場合における政府の責任の追究に対しても、また同様の罰則の規定が適用せらるべきものであると考えるのでありますが、この点につきまして事務当局はいかように考えておられるか。私はこれを明確にお答え願いたいと思うのであります。
#57
○安孫子政府委員 第三條で、いろいろ生産の確保をはかるために必要な奨励措置を定めたり、あるいはそのために必要な資金の融通を立てたり、またその実施について必要な措置を講ずるということになつておりまするが、こうしたことは單なる努力ではなくして、一つの義務づけである。從つて、こうしたものに違反をいたした場合には、二十九條と同様に、違反者について罰則を適用することが適当ではないかというようなお話だと存じます。第四項、は、明確に必要な事項を主務大臣が指示するということになつております。この指示に対する違反についての罰則でございまするが、前項では、資金の融通について計画を定め、その実施に関して必要な措置を政府は講ずる。これは政府の一つの行政的事務といたしまして計画を定めて、そのためには関係各廳とも折衝をし、その結果國全体の資金計画等のもとにおいて一つの計画ができ上り、それが実施に移されるわけであります。農林省といたしまして、たとえば五百億の資金の融通が必要であるという見解のもとに計画を定めましても、國全体の資金計画から申しまして、それが四百億になつた、あるいは三百億になつたという場合に、それが処罰の対象になるというようなことは、実は私どもとしては考えられないので、三項あるいは二項等については、二十九條の罰則の適用は考えるべき性質の事柄ではないというふうに考えておる次第でございます。
#58
○八百板委員 政府の不履行の責任に対する追究は、農民に対する不履行の責任の追究以上に追究せらるべき措置がとられなければならないと私は存ずるのであります。第三條の四項につきましては、ただいまのお答によりますと、これらのものの供給を確保するために必要な事項を、農藥及び農機具その他主要食糧農産物の生産に必要なものの生産配給または輸送の業務を営む者に指示する。その指示に從わなかつたものに対しては第二十九條の適用があるということを述べられておるのでありまするが、この点につきまして考えてみまするに、二十九條の規定によりますと、この際第三條の第四項、ただいま申し上げましたところの指示に從わなかつたものに対する処罰と、第十條第一項、すなわち不急作物の作付制限に対する違反に対する処罰、それを並べて、同じ重さにおいて取上げておるのであります。これを考えてみまするに、生産配給または輸送の業務を営む者が、指示に從わないかつたときの処罰の対象となるものは製造会社であり、輸送機関であり、あるいは法人として相当大きな規模を持つところの対象であろうと思うのでありまして、その違反に対してはわずかに二万円の罰金を科する。ところが一方個々の貧しい農民が、不急作物の作付制限に対する指示に從わなかつたという場合においても、同様に二万円の罰金を科するというような、こういうとりきめというものはまことに不公平な、片手落ちなものであると私は考えざるを得ないのであります。さような意味合いにおきまして、この個々の農家の負担します罰金と、大臣の指示されたところの肥料生産業者あるいは農藥、農機具製造業者に対する罰金が、同額のたつた二万円を科するということは、この罰金の効果の点につきましては、非常に大きな差異があるということを考えなければならないのでありまして、この点第三條に対する違反と第十條の違反とを別扱いにいたしまして、そうして第三條第四項の違反を嚴重に処罰するような用意をなぜせられなかつたかということを、御説明願いたいのであります。
#59
○安孫子政府委員 その点につきましては、前々國会でございますが、十分この法案の御審議を得まして法案ができておると私どもは了承しておりますがために、そこまでの実は研究が足らなかつたと言わざるを得ないのであります。お説の点については、十分研究をしてみるつもりでございます。
#60
○八百板委員 なお農林大臣にお尋ねいたさなければならない数点があるのでありまするが、農林大臣が見えられましてから、引続きお尋ねいたすことにいたしまして、私の食糧確保臨時措置法について條項にわたる質問は、一應これで終ります。
#61
○竹村委員 実は私、前から総理大臣にお聞きしたいことがあるので、総理大臣の出席を求めておつたのですが、大臣は出て來られるのかどうか。総理大臣が來られたらお聞きしたいと思います。
#62
○坂本委員長代理 なるべく早い機会においで願うように要請してあります。まだいつ御出席できるか、その点は明確でありません。
#63
○竹村委員 農林大臣はどうですか。
#64
○坂本委員長代理 農林大臣は所用があつて出られたようでありますから、その点は……。
#65
○竹村委員 その分は保留しておきます。
#66
○坂本委員長代理 承知しました。今おられる政府委員に対して、御質問を続けていただきたいと思います。
#67
○竹村委員 それではまず最初に、政務次官にお聞きしたいのですが、先ほど井上君の質問に対しまして、大体この向うから出されましたスキャップ・イン四十七号の指令の問題でございますが、これは大体食糧の問題については今改正されまして、そうして法的にこれをとる。それから報獎の分については、できる範囲にしているのだ。これ以上できない。こういうお答えがございまして、もちろんできないことをせよというのははなはだむりな要求であろうと思いますけれども、それではひとつお聞きしたいのでございます。たとえば肥料の面におきましても、これはこの法律によりますならば、当然政府は保障しなければならぬ。それははつきりしている。だから製造した分だけはお渡ししておると言われますが、これは私実例を申し上げてもいいのでありますけれども、硫安等は至るところにやみ肥料として流れておる。こういう点、あるいはまた先ほど深津君から指摘された通りに、地下たびのやみが至るところにある。これは先ほどの御答弁によりますならば、いろいろな点でみなの道徳的な考え方、いわゆる社会惡だというようなお考えでありますけれども、それではお尋ねしたいのですが、こういう米とかいう主食類に対しましては、政府は、このたびはやめられたかもしれませんが、汽車でも何でもとめて、あるいは駅でも米をわずか一升か二升ぐらい持つて來ても取締つておられる。そして町に氾濫している地下たびあるいはやみ肥料等について、どんな取締りをされたか。私は遺憾にして一回も店で取締られたということを聞いていないし、駅で肥料の取締りをしたことを開いたこともないし、また地下たびの取締りも聞いたことがないのですが、これは非常に不平等ではないか。片一方においては、こういう追加供出に対して強権発動をするというようなことをされるが、片一方に対しては、ひとつも取締られていない。そうして政府は道徳的な低下だから、これはできるだけのことをしているので、このくらいでかんべんしてくれというのならば、この指令に反するのじやないかと思いますが、この点をはつきりお答え願いたい。
#68
○苫米地政府委員 お答え申し上げます。ただいまのお話では、主食の取締りは非常に嚴重であるが、ほかのやみ物資については一向取締りをしておらぬじやないか、片手落じやないか、こういうような御質問と了解いたしたのでありますが、私は必ずしもそうではないと考えておるのであります。現在調査廳その他において嚴重に調査をしております。新聞をごらんになりましても、あちらこちらの不正事件、やみ事件が現われて來ておるのが頻繁にございます。これらは政府がいかに努力して、やみに流れることを食いとめようとしておるかという努力の現われであると私は考えておる次第であります。主食に対しまして、取締りがある程度行き過ぎであるということにつきましては、私も率直に認めるのであります。自分自身の経験でも――私は違反はありませんけれども、昨年の六月初めに夜行で平へ着いたのでありますが、その着く前に、平に着いたらば、全部下車してくれ、下車しろという話だつたから、私は病氣で熱が非常に高かつたので、わけを言つて名刺を示し、持物はこれとこれと洗面道具と自分のカバン小さいのを二つ、これきりであるから、どうかこのまま置いてくれと頼んだのであります。そうしたところがそれは降りてからそういう陳述をされたらいいでしようと言うのです。降りるのがいやだからそう言つているのに、降りてから言えというので、着いたら降ろされてしまつた。持つて行つたものはもうわかり切つたものだから調べられもせずにまた乘りましたけれども、こういうような行き過ぎもあることを、私自身体験いたしております。そこで問題は、主食以外のやみにつきましても、こういう行き過ぎになる程度までやることはいかがかと思うのであります。しかも食糧について行き過ぎであるという程度の取締りをやつても、まだやみが全部取締れないという状態にあるのでありますから、私が先ほど申し上げましたように、これはソーシァル・イーヴルの現われであつて、政府は努力しておるのだけれどもできないのですから、どうかその辺はごかんべんを願いたいと申し上げたのはそこにあるのであります。
#69
○竹村委員 どうもこれははつきりしないのです。それではお聞きしたいのですが、大体日本において硫安の製造会社は幾つあつて、工場が幾らあるのか。それを伺いたい。
#70
○苫米地政府委員 私詳しいことは知りませんから、関係当局よりお答え願いたいと思います。
#71
○坂本(實)委員長代理 御質問の中心は商工省に関連しているようですから、商工省の政府委員が出席しましたときにお願いいたします。
#72
○竹村委員 それでは大体ほかの方の取締りができぬ。私の言うておるのは、店に出してある一足、二足あるいは一貫、二貫の肥料を取締れと言うておるのではないのであつて、大体肥料の流れるというのは、肥料会社の製造工場から直接出るのである。この製造工場から直接出る肥料について、政府は昨年度幾つの会社に対して、取締りを行つたか。先ほど農林次官は各地において疑獄事件も起つて取締つておるとおつしやるのですけれども、肥料会社の肥料やみ流しを取締つた件数、幾つの会社の取締りをされたか。その点をお答え願いたい。
#73
○苫米地政府委員 これは所管以外でお答えすることができません。さよう御承知願います。
#74
○竹村委員 それではその点は関係当局がお見えになつてから聞くことにします。そういうことをお答えられる関係者をお呼び願いたい。
 それから大体この食糧確保臨時措置法の本文から申しましても、事前割当をする場合において、政府において見きわめられた――先ほど八百板委員からもお話があつたのでございますが、まず事前割当をする場合におきまして、地方と反別が正確につかめるということがこの法律に義務づけられた前提條件であります。政府は現在まで事前割当をされておりますけれども、全國の地方と反別というものを正確につかんでおられるかどうかという点をお聞かせ願いたい。
#75
○安孫子政府委員 面積の点については從來いろいろ問題もございますために、御承知のように作物報告事務所の組織を設置いたしまして、この問題の正確な把握に政府としては着手いたしておるわけでございます。地方の点についても全國的な一斉調査をやるべきであると思いますが、ただいままでのところその段階にはございませんが、各市町村ごとに地方調査をやることについての計画を実施いたしたことがあるわけでございます。こうした資料に基いて、事前割当の基礎資料といたしましてただいま実行いたしておるわけであります。しかしながら端的に申しますと、まだ私は完全な整備された段階には十分到達しておらぬと思います。從いましてこの点については予算その他の関係もございますが、できるだけ早急にこの資料を整備いたしまして完璧なものにいたして参りたいと考えておる次第でございます。
#76
○竹村委員 大体正確に調査されておるのはおるけれども、整備されていない。こういうお話でありましたが、実際は全然できていないのじやないか。このことは農林大臣がはつきり言つておる。それは先般本会議で決議されました政府から提出されたいわゆる測量法案、それから議員提出で可決になりました全國統一的土地調査促進に関する決議案の本会議における農林大臣の答弁におきましては、日本の統計というものはでたらめであるから測量して直すのだ。こういうふうに言つておられた。大体整備の時期に至つておるどころの話ではないと思うのでございますが、そういたしますと、事前割当そのものはでたらめである。こういうふうに考えて臆測でやつておられる。大体ここはこのくらいできるであろうというような、でたらめな統計に基いてやつておられる。こういうふうに考えてよろしゆうございますか。ひとつ政務次官からお答弁を願いたいと思います。
#77
○苫米地政府委員 これは先ほども食管長官からお答えいたしました通り、きわめて正確であるということは決して申し上げられませんけれども、でたらめという程度ではなく調査をいたしてあり、また作報を通して調査もいたして、また各方面の意見も聞いて割当をやつておるのでありますから、お言葉のようにでたらめという程度ではなかろう、こう考えておる次第であります。
#78
○竹村委員 しかし問題は、事前割当の前提をなすものは、いわゆる地方と反別とを正確にやらなければ事前割当はできない。こういうふうに法律ではつきりうたつておる。しかしただいまの答弁から言うと、でたらめに近いものだ。こういうふうにわれわれ答弁から受けとれるのです。こういう事前割当というものは正確にやらなければならないものであるのに、でたらめに近いものを基礎として事前割当をされること自体が、法律はできてあつても、間違いだとお考えになりますかどうか。
#79
○苫米地政府委員 竹村委員のお立場では、でたらめに近いもの、こういうふうに見ておられますが、私どもの方では正確に近いもの、こう見ております。そうして正確に近いものであるけれども、きわめて正確なという保証はつかないから、この事前割当にはゆとりを相当見ておるのであります。過重にならないようにゆとりを見て割当をしておる。こういうふうに考えております。
#80
○竹村委員 それでは具体的な例でお尋ねいたしますが、昨年度と今年の割当反別に対して、昨年度の事前割当反別が、今年になつて大体政府の報告から見ても、約八分ないし一割というものが各縣減らされておる。これはどこから減らされたのか、この点ひとつお聞かせ願いたい。正確なものであつたら、にわかに一年で一割近くも――、八分近くも減るということはないわけですが、どういうわけですか。
#81
○安孫子政府委員 一應考えられますことは、たとえば災害等がございまして、それが予定通り復旧をいたさないという場合には、面積としては減るわけであります。あるいはまた道路、学校がずいぶん最近ふえておりますので、学校敷地の関係でありますとか、そういうことで面積としては減る様子があるというふうに考えております。
#82
○竹村委員 これは私実は縣でその方面のことをやつておりますので、一番よくわかつておりますが、そのときの表を見ますと、これは災害があつて、全國一律に工場が建つたのかしれませんけれども、大体減る率というものは、少々違うが似か寄つておる。そうしてそれをカバーするために、実は反收というものは上つておる。反收は上げて、今度は肥料を一割増にするのだ、こう言つておる。実にこれは政府のインチキきわまるものだ、こう考えておる。反別を一割減らして、肥料を一割ふやす、こう言われているけれども、これは当然反別を減らせば、肥料は前の年の肥料でいいわけです。それで反收を上げておられる。こういうようににわかに一年足らずで反別を減らして、そうして反收をにわかに上げたりする資料は、一体どこから出るのか。これはやはり地方を正確に調査されなければならぬ。收穫後檢見をして割当るのだつたら、われわれは納得する。しかし事前割当でそういうことをされるということについては、私はその正確な調査がないのではないかと思うのですが、その点のいきさつをちよつとお尋ねいたしたいのであります。
#83
○安孫子政府委員 二十四年の事前割当について、作付面積をいかにしてとつたかという点でございますが、要するに予定でありますので、今後作付をせんとする面積をいかに推定をして行くかということになるわけでございます。これはその方面に関係をされておられた竹村さんでおりますから、数字は御承知だろうと存じますが、米については二十二年の作付面積が二百九十万町歩であります。二十三年の作況決定の際の作付面積が二百九十五万町歩でございました。この二百九十万から二百九十五万に上りましたのは、いろいろ作物報告事務所等の調査等もおりまして、こうした状態になつたのでありますが、実情を申し上げますれば、この点についていろいろと各府縣当局からの異論も出ておるのであります。これは御承知の通りだと思います。二十四年の作付の基準面積をいかに想定するかということにつきまして……。
    〔坂本(實)委員長代理退席、山村委員長代理着席〕
これは昨年の暮でございましたから、明けて本年の今後の農業計画としての予定両積になりますので、これをいかに想定するかということについていろいろ研究をいたしました結果、二十二年、二十三年の平均をとることが現状においては適当であろうという前提のもとに、本年度の農業計画の基礎面積を出しておる次第であります。
#84
○竹村委員 問題はそこにいろいろな悲劇があるわけです。そういう割当をされて、その後いわゆる作況等の調査によつて補正割当をされる。こういうことになつておるのでございまするけれども、しかしその事前割当そのものに大きな違いがありますから、今度のその次にやられるところの補正割当そのものは、実際の出來高と非常に相違しておる。そこに悲劇がある。これは実例を申し上げれば山ほどあるのでございますけれども、たとえば今全國的に問題になつておるいわゆる轉落農家に対する還元配給の問題、あるいは一部保有農家に対するところの飯米問題、これは全國的な問題になつておるということは御承知の通りだと思いますが、この全國的な問題になる原因というものが、そういうふうに机の上でお考えになつた、大体古い統計による想定に基く事前割当なるがゆえに、そういう悲劇があると私は見るのでございますけれども、これに対して政府はこういう全國的な轉落農家の飯米不足の問題が起つておる原因をいかに考えられるか。私の考えがもし違うのであれば、どういう点にあるかということを、詳細お聞かせを願いたいと思います。
#85
○安孫子政府委員 でたらめな数字に基いて農業計画を立てておるから、現在のような轉落農家の悲劇が生れるのであるという御所論のようでございますが、過去の統計というものが、先ほど政務次官もお話がございましたように、私は全然でたらめのものであるとは考えておりません。これはやはり一つの合理的な根拠を持つておるものであると考えております。この過去の、あるいは最近の統計を度外視いたしまして、農業計画というものはそれならばいかにして立て得るかということになりますれば、これは何らの基礎がなかろうと思います。從來の統計をいろいろ解剖し、批判し、その内容を分析して、これを是正して行くことは必要でありますけれども、この統計の数字というものは、やはり今後の政策を立てて参ります上の、一つの基礎的な事実であるということを前提にして考えて行かなければならぬと私どもは考えて、これを取扱つておる次第でございます。それで、從來この統計を基礎にした、今のお話のようでありますれば、でたらめな数字を基礎にするがゆえに、轉落農家の悲劇が生れるという点について、私は率直に申し上げますと必ずしもさようには考えておりません。やはり轉落農家の問題は、一つは大きくカット・アウトしましていろいろ原因があろうと思いますけれども、割当が重いということよりも、むしろ私は割当が末端において適正に行われていない部分が相当ある、そういう意味において、一部地方におきます轉落農家の悲劇が生れて來るものである。これがやはり相当大きい一つの原因になつておるのではないかという私に見方をしております。
#86
○竹村委員 それでは轉落農家に対するところのそういう悲劇の原因は、全部とは言われなかつたがおおむね末端におけるところの割当の不円滑にある。こういうふうに聞いたのですが、しからば末端におきましてこれを正確にやり得る、たとえばこの管理法に示めされておるように、町村長が割当をする、これに対して実際できていなかつた場合に、これは異議申立てのできることになつている。異議申立てをした場合において、早急に從來の慣例において――おそらくこの法律には異議申立てのできるようになつておりますけれども、しかしながら全國において異議を申し立てて、政府はその異議申立てに対して、全國で何万石、何千石是正されたか、これは補正割当は縣が一般だから別ですけれども、補正割当をもらつてから異議申立てするのだから、その異議申立てをいたしまして、政府はこれを補正してやらなければ、末端の不公平は直すことができない。この補正された石数をひとつお聞かせ願いたい。
#87
○安孫子政府委員 この法律の施行の時期等もございまして、ただいままでにお尋ねのある異議の申立てを認めて決定をいたしました石数はございません。
#88
○竹村委員 しからば先ほど言われた末端でいかに公平にやろうと思つても、実際当然に法律に基いて異議申立てが出て來る。これが政府において一言も認めてない、これではどういうふうにして公平にやるのか、それを数えてもらわなければ末端の者は非常に困る、実際異議申立てはどんどん出て來る、政府は一言も聞いてくれない、実際に田を見に行けば異議申立てができるようなものだ、ところが実際にはできていない、当然これは引いてやらなければならないが、政府はやつてくれない、これはやれなかつたのだからしてくれない、この場合公平に直すには一体どうしたらいいか、これでは飯米は削らざるを得ないと思うが、この点どうですか。
#89
○安孫子政府委員 先ほどもお話のございましたように、やはり町村ごと、あるいは部落ごとの面積、あるいは地方調査というものが、何としても公正な割当の基礎になると存じます。この面積につきましては、作物報告事務所がただいまは縣の段階におきまして面積をやつておりますが、これが町村別には実はわかつておらぬのであります。この点を今後調査網を拡充いたしまして、これを正確に把握して行く。それから、地方調査につきましては、以前に相当の経費を伴つたと記憶いたしておるのでありますが、全國の市町村に地方調査をやらせることをやつたことがあると存じております。ところが実際その調査が徹底を欠いたのでありますか、実情においては十分な調査がなされておらぬようであります。これが十分調査がなされておりますならば、一應ある程度の公正さを保ち得る地方調査として、資料として使い得ると考えておるのでありますが、それが末端におきましては、実際上その資料として使い得る程度の地方調査が、その際に行われなかつたような実情にあります。この点は今後本法の施行に伴いまして、何らかの措置を講じて参らなければならぬ点と考えております。
#90
○竹村委員 ただいまお聞きいたしますと、町村における地方調査が十分なされていない。であるからこれから大体予算等も組んでこれをやつて行くとおつしやるのですけれども、そういう地方のわからないところに事前割当がやられて行くというふうなことになりますならば、なおその上に超過供出を法制的にとるということになつたならば、おそらく農村の困窮というよりもむしろ末端のその任に当る者の困苦は、非常に大きいと思うのですが、これに対して政府は大体予算的措置も組みかえなくちやならぬと思うが、食糧調整をつかさどる者に対して、実際に全額というまでに至らない。全額に國庫で補助していないというようなことになると、責任は一体どつちが負うか、これはやはり国家が負わなくちやならぬと思うのですが、この点について政務次官は、どう考えられるか。
#91
○苫米地政府委員 どうも現在のような状況におきましては、これをどこの責任だと突きとめることは、困難じやないかと思うのであります。まあ今後ともお互いに協力して改善して行くよりしかたがない。こう考えております。
#92
○竹村委員 もちろん國民全体もそれには協力いたしますけれども、政治の責任者である政府が、いたずらに自治体に政府の委任事務をまかして、そうして割当が不公平になる、その原因は、地方調査ができてない、それは町村の責任であるというようなことでは、私は済まされないと思うのですが、結論としては結局においてだれの責任でもないと言われるけれども、これは政府が負わなかつたら、一体だれがその責任に当るのか。これはやはりはつきりと政府の責任だと私は考えるのですが、そうお考えになりませんか。
#93
○苫米地政府委員 政府に責任のあることは認めます。でありますから、政府は最善を盡して努力しておる。こう申し上げておるのであります。
#94
○竹村委員 まあこれ以上は農林大臣に出てもらつて聞きますが、ところで先ほどからの話では、大体いわゆる反別あるいは地方というものは、もちろん前の統計による基礎ではあるけれども完全でない。これだけはまあはつきりしておると思う。その完全でないところから米を出してもらう、しかもできるだけ出して、もらうという場合においては、單に上から、法律を何條をどういうふうにというようにいくら改正いたしましても、それでは米は出て來ないと思うのですが、いや法律の改正だけで法律の罰則規定を強くして、強権を振うことによつて米が出て來るとお考えになるかどうか。これも政務次官にお伺いしたいと思います。
#95
○苫米地政府委員 私は供米の問題のみならず、すべての場合において、法律のみによつて目的を達せられるものは絶無であると考えております。
#96
○竹村委員 実に名答弁であります。それでは全國の農民團体が、こういう改惡はもうやめてもらいたいということを要求しているので、法律できめても絶無であるならば、これは撤回する意思があるかどうか伺いたいと思います。
#97
○苫米地政府委員 私は法律というものは無効のものであると申し上げたのではありません。法律というものは有効に働き得るものであり、効果もあるが、それだけでは目的は達せられるものではないと、こう申し上げたのであります。この場合におきましても、これは大臣がしばしば申し上げております通り、必要と申しますか、もしくは國際的立場において必要性が起つたと申しますか、とにかく政府が必要と認めてこの法律を出したのでありまして、今撤回する意思はございません。
#98
○竹村委員 どうも先ほどとおかしいじやないですか。法律は全然必要でないものだとはおつしやいませんでしたが、しかし法律をいくら強化しても、強権をいくら振つても、それだけでは解決しない、こういうことをはつきりおつしやつた。そうすると、私の言うのは、この食糧確保臨時措置法の全部を撤廃せよというのではない。今出されている改正案というより、この改惡案だけを、強権を振うというものだけを撤回する意思がないか聞いておるのであります。ところが先ほど強権でいくらやつてもその実を結ばないと言われるから、それだけ政府において御承知になつておるなら、こういう強権を振うという部分だけを撤回される意思がないかどうか。これだけ聞いておきたいと思います。
#99
○苫米地政府委員 この改正を改惡なりと見るか見ないかは意見の相違でありまして、必ずしも同調いたすわけには参りません。
#100
○竹村委員 それは問題でありますけれども、あなたは改正であつて改惡でないという観点にお立ちになつておりますが、私は改惡だと考えておるのです。けれども、政府は改惡でないという観点に立つてこの法案を提出されたか。
#101
○苫米地政府委員 もちろんであります。
#102
○大森委員 私は各委員から非常に微に入り細に入つて質問になつたので、この食糧確保臨時措置法に対しましては、かいつまんで私の意見を述べ、当局の所信を承わりたいと思うのであります。現在農村におきましては、御承知のように事前割当の供出に対しましても満足をいたしておる状況ではないのであります。そこで先ほどからもいろいろ論議がありましたように、非常にその割当て等に対しても完全を期していないという点も多々あるのであります。今度その上に超過供出によつてこれを強いて、それをなおかつ法律によつて縛らんとするがごときことは、私はどうかと思うのであります。大体人間はなぐられて、たたかれて仕事をなすということは氣持がいいかどうか。やはりまことに済まないが、どうか増産をやつてくれないか、もう少し米を出してくれないか、こういうふうに農村の人たちに懇請し、さらにまた情味を持つて、またおだてるというとはなはだ語弊がありますが、こういうふうにいたした方がかえつて私はいいのではないか。今の改惡の法案からなにしますと、超過供出に対しましても、やはり罰をもつて臨む。これは神でない限りは、この超過供出に対して、やはり実行できないところはできると思います。それはなぜかと申しますると、一旦事前割当をいたして、しかるのちまた超過供出でありますから、これは実行不可能なものが多々あると思います。こういう場合において、これを法規をもつて罰するということはまことに遺憾なことであると思います。私どもただいま申し上げましたように、それよりかも超過供出はむしろ農民が納得いたし、またそれを指導する人たちによつてもこれを納得さして、超過供出をさすということが、今日の食糧事情から考えて、最も適当ではないかと思うのであります。なおまた私は今度の法案を提案いたされるに当りましては、いろいろな事情があると思う。私はその点は考えておりまするが、しかしながらこれをもう少し政府といたしましては根本的に考えるお考えはないか。これは食糧が足らないから、先ほど大臣が百五十万トンとか輸入してもらうのだと仰せられたのであります。しかしわが日本の國内において、これを十分に確保するということに対して一段の努力を拂つたかどうか。先ほどの局長の答弁にありましたように、二十三年度には二百九十五万町歩の作付面積があると仰せられた。これを三百万町歩と仮定いたしまするならば、三石取れば九千万石になる。でありまするから、今日の時代において何も不可能ではないのだ。私は常にこれを論議いたしておる。私どもの地方におきましては、今や私の指揮しておりまする一團の連中は、五十箇所ばかり支部をつくり、そうして篤農家というものがこれにまつ先に立つて、今や六石取りということを主張して、毎日それに当つておる。こういうことを考えまするときに、こういう法律によつてしばつてとろうというよりかも、むしろこういう方面に着眼し、そうした方面にもう少し農村のために費用を出す。それが本年の予算を見るとどうであるかと申しますると、個人の土地改良は申し上げるまでもなく、あるいは土讓改良であるとか、あるいは耕地整理であるとか、最も農村になくてはならないところの重要な問題に対しては、一銭の予算もないというようなことで、一体食糧増産ができるかどうか。食糧増産の道を與えずして増産を強要することは、ないものを出せということになるのであります。こういうことではいけないと思う。でありますから、本年の予算におきましても、個人の土地改良に対しましては十分の予算を出し、そうして農村には、お前たちにはこれだけのものを出してやるから、本年から増産をせよ、輸入米はいらない。これまで政府当局が確信を持てるようでなければいけないと思う。政府当局はまたそれだけの腹がなければいけない。現在の日本の農作物を考えてみるときに、しからば食糧は絶対足りないかと言うと、断言はいたしませんが私は疑問を持つのであります。現在は一体どういう事情にあるか。この中におられる方々で、一体配給だけで生きている人があるか。もしも配給だけで生きている人があるとすれば、それはいつぞや配給だけで栄養失調になつて死んだ山口という判事一人である。日本ではあとは全部やみ米を買つて、そうして食糧は十分に食つているのだ、こういうことを申し上げてさしつかえないと思う。しからばこの食糧に対しては、わずかばかりのものを輸入するよりか、國内においてこれを確保するということに対して努力をいたさなければならないと考えのであります。これに対しまして、政府が本年農民に対してとられたところの農業政策は万全であつたかどうか、私ははなはだ遺憾に思いまするが、政務次官はいかように考えておられまするか、この点をお尋ねいたすのであります。
 さらに今私どもはどうであるかと言うと、昨年の選挙当時から、民自党内閣が生れれば、米の供出後には必ず自由販賣をさせてやるというお話であつた。それでありますから、その点に対しては私もただちに民自党に入党しようと考えておつた。しかしながら、それが今度どうであるかと言うと、自由販賣どころではない、超過供出に関して法律をもつて縛るという案を出されるに至りましては、私も入党ができなくなつた。先ほど申しましたように、私は現吉田内閣に対しては、反対党でありながらも、やはり尊敬をしておつて、何とかそうしてほしいと考えておつたのが、現実にこういう法案が出ることをはなはだ遺憾に思うのでありますが、これに対しまして政務次官はいかなるお考えを持つておられるか。あるいは、今度はこういう法律を出すが、本年の秋あたりになると全部撤廃するようなお考えはあるか。それならば私も考えてみて、あるいは入党してもよいと思う。それに対しまして政務次官のお所見を伺つて、さらに重ねて質問をいたしたいと思います。
#103
○苫米地政府委員 本法律案を提案いたしました事情、必要、その他につきましては、先ほども大臣がるる述べておられましたので、これにつけ加うべき何ものもないと私は存じますから、その点のお答えは省略さしていただきたいと思います。
 その次に供出が酷であるというお説と、配給だけで生きている人は一人もないというお説とは、まさに正面から矛盾していると私は思うのであります。國民が皆配給以上のものを食つて生きているとすれば、これはどこかに食糧があるのです。その食糧をつくつているのはわれわれじやないとすると、その苛酷だということと、よけい食べているということとは、まさに正面衝突をしている矛盾のお説であると考えますが、この点はかえつて私の方から理解のできるように御説明願いたいのであります。
 それから、生産の増加するような策を政府が講じないで、よけいにとろうとするのはけしからんではないかというお説は、まさにその通りであります。たとえてみれば、災害地の復旧というようなことや、先ほどお話になつた土地改良のようなこと、これは当然しなければならないことであり、災害地の復旧のごときは、このままでおいては、災害を同情にするかわからないというような危險すら感ずるのであります。こういうものに対しては、何をおいても國家がやつて行かなければならないことと信じておりますけれども、その信念を実行することができないというのが日本の現状であるのであります。その日本の置かれている現状が、すなわちこの法律となつて現われて來ているのであります。この点をよくお考えいただきますならば、私から申し上げるまでもなく問題は明瞭になると考える次第であります。
#104
○大森委員 私は決して供出が苛酷だと申し上げたのではない。あなたはお聞き漏らしなさつたのかもしれません。私が食糧は完全だとは言えないかと言つたのを聞き漏らされている。私の考えはどうかというと、食糧はある、しかしながら法律は苛酷だという考え方をもつている。法律をもつて國民の自由を束縛して供出をせしめんとするがごとき行為は酷だ、私はこう申し上げているのである。あなたは供出が苛酷だということと皆がやみの米を食つていることは矛盾じやないかと言われるが、私はあるから食つておる、こう断言しておるのであります。私は現在やみ商人が米を一升、二升持つているのを捕えて、裁判している裁判所の役人の心理を疑つている。その人たちは実に苦しいことであろう。自分は何を食つているのか、私がもし裁判に立つた場合にはこれを要求いたしたい。一体あなたは何を食つておつてその通り生きておられるのか。東京において二十日も欠配したときに、あなたは一体何を食つておつたのか、こういうことを質問されたときは、おそらくその裁判官は立往生しなければならぬだろうと思う。そこまで私たちは考えておるのでありますが、食糧というものは大体あるのではないかという想像をいたしておる。これを公言いたしますることははばかるから、私はひかえ目にしている。しかしながら、このときにおいてもう一息農村に馬力をかけてもらつて、そうしてもう少し政府が農村をむちうつてやるならば、食糧はまだ一箇年や三箇年の間は日本國内において十分に確保できるという自信を持つております。それは何かというと、先ほど申しましたように、現在の三百万町歩というものは、坪八合づつにとりましても七千二百万石に相なるのであります。これを一升とつたといたしますならば九千万石になる。九千万石になりますと米は残るのである。こういうことが勘定できるのでありますから、これに対しては政府は、農村に対しては最大の努力を拂つて、最大の予算をここに計上して、そうして農民の活動を最も有意義にさせることが、私は今日の急務ではないかと思うのであります。現在の日本においてはどうかと申しますと、輸出産業をもつて第一の政策のように考えておられるようでありますが、私はこれは誤りであると思う。食糧を確保することによつてのみ、次に來るべきものは輸出産業であるというように私は考えておる次第であります。それは何であるかと申しますと、食糧の増産であります。食糧の増産に今年は相当の予算を計上して、そうして食糧増産に最も奮起させるという一つの指導を農村にしなければならない。しかるに今日の予算を見ると、現在のところ何にもないということは、はなはだ遺憾であるが、これに対してどうかとお尋ねをいたしておる次第でありまして、今のあなたの言われるような、あるいはやみの米を食つておるということは――やみの米はここにおられる皆さんも食つておる。私も食つておるということは間違いない。こういうことを申し上げたい。でありますから、米というものは大方あるのだ。こういうことを私は前提にして、もう少しこういう法律によつて縛るというがごときことをしなくても、農民が喜んで供出をするというような方法をとつてはいただけないだろうか、そういうことが最もいいことではないかということを、私は重ねてお尋ねをして、私の質問はこれで打切ります。
#105
○苫米地政府委員 お説はよく拜承いたしましたが、食糧が余つておるという事実も一方に認められる。しかし從來の供米の成績、またその経て來たところのいろいろのいきさつを見るというと、そこに農民が喜んでこれ以上出すかどうかということが、必ずしも保証できない限界点まで來ておると考えるのであります。しかし、それはまつたく別問題でありますが、法律が苛酷だ――供出が苛酷だとは言わないというこの御議論も、ちよつと私消化いたしかねるのであります。米が余つていて供出ができるならば、これはどういうふうな供出方法を法律できめようと、もしくは同じ結果になると私は考えるのであります。
    〔山村委員長代理退席、委員長着席〕
今こういうことを私は議論しようとはしませんが、大臣がるる述べております通りの事情で、これはやむを得ず政府が提出し、また必要に迫られて提出した法案でありますから、その点をよく御了承願いたい、こういうことを念願いたす次第であります。
#106
○大森委員 実は私の申し上げたことを、政務次官はどうも聞き違えておられるのか、あるいは法律が苛酷でないということを私が言つたようなことを申されたが、この法律によつて今の超過供出をしいるということは苛酷であるということを申し上げた。そして米が余つておるというようなお話もあつたようでありますが、私は食糧が余つておるとは申しません。しかしながら現在の状態を見ますると、もはや私ども宿屋に参りましても、米を持たずに行つてとまれるという状態である。だからこれをもう一息農村に馬力をかけてもらつて、一割増産をするということになると、米が十分にあると私どもは思つておる。でありますから、政府当局は、農村に対しましてもう少し温情的に、農民が田を耕していても安心して、うんとわれわれは生産増強をしなければならぬという、いわゆる感謝の念を持つて働けるような政策を行うてはどうだ、これが私の政府に対して申し上げる言葉なのであります。今や全國の農村はこの超過供出によるところの食糧確保臨時措置法が出ているということに対しまして、たとえば私の縣で言いますと、農民あげてこれに反対をいたしております。でありますから、今日の実態を見まするのに、農村は感謝を持つて仕事ができておるのかどうか、増産ができるかどうか、こういうことであります。そして政府の予算を見ると、農村の個人の事業に対しては一銭の援助もしない。これであつては、今日日本全國の農民はこれを喜んでおりましようか。いかなる事情があるかは存じませんが、こういう点を考えて私は申すのです。くどいようでありますが、農村は感謝をして農事にいそしめるように持つて行く政治の方法でなければいかぬのではないか。先ほども申し上げましたように、農村は民自党でなければならないというので信頼をした。その内閣が、一方には手足をくくつて汽車の先引をせよというがごとき、そして法律をもつてどこまでも縛るぞというがごとき、右の手には権力をもつておどかし、場合によつては監獄のドアを片手に持つて、片手にはかぎを持つておどかすごとき、農村はまことにこれは愚か者と考えておられるのかどうか。こういうことでは農村は喜んで働けない。日本の農村は今日純なる、善良な農村である。農村の人は非常に善良な人たちであるがゆえに、先ほど申し上げましたように、片手にはドアを持つて、片手にはかぎを持つて、さあ入れるぞ、出すぞというがごとき、法律をもつておどかしてやらせるよりも、頭をさすり、なでて、そして喜んで働くようにさせたらどうか。これは抽象論のようでありますが、こういうふうな大づかみの問題をお尋ねをいたして、今日の政府のやつておられます政策に対して、不満と不安のあることははなはだ遺憾の意を表して、私の質問を打切りますが、なおその点政務次官にお尋ねをいたす次第であります。
#107
○苫米地政府委員 お説はよく拜承いたしました。事情はよくわかつておりますが、四囲の事情はどうしても御承認願わなければならない状態にあるのでおります。結局長い目で見て、國家國民のために、從つて農民のためにもこれがいいと政府が信じておる次第でもあり、四囲の事情もそういうふうになつておるので、どうかまげて御承認くださるようにお願いいたす次第であります。
#108
○坂田(英)委員 ただいまの質疑應答の結論を、私はそのお答えがいいとか、あるいは質問がいいとかいう問題ではなしに、その過程において行われたことが、國際的にも國内的にも非常に重大であると思いますので、その点をはつきり政府から答弁をしていただく、あるいは管理局長官でもよろしいし、あるいは大臣に、今日でなくてもよろしいが、はつきりしていただきたい。というのは、その一点は、食糧が余つている、供出のやり方さえよければ日本の國内において食糧は十分であるということ、十分とまでは行かなくても近いというようなことについての、はつきりしたお答えを願つておかなければならぬと思う。この點は大体米がゆつくりしておるのであり、あるいはやり方次第によつては相当程度自給ができるのだという観念を持つたならば、これは國際的に非常に大きな問題である。輸入ができないということになつてもよろしいか、こうなると思う。私はつくづく考えてみますに、戰前一年間に朝鮮と台湾から一千万石以上の米が入らぬときはなかつた。朝鮮、台湾から入らぬときは南方から入つておつた。そのほかに満州から大豆が七十万トンから百万トン入つておつた。これを米に換算したならば、おそらくやはり七、八百万石くらいの米に相当するだろうと思います。そのほかに台湾から砂糖が、百十五万トン入つて來た。これをカロリーに換算したならば相当大きい。その当時においても人口は六千六百万人、その前後である。現在は八千万人になくなつておる。そして今まで食糧の入つて來た台湾、朝鮮を失つておる。満州からの大豆は入らない。こういう実態であつて、アメリカから百五十万トンなり二百万トンなり、あるいは百七、八十万トンが入つて來ておる。その結果二合七勺という配給である。われわれの人類の生存のためにこの程度では足りない。かような実態を考えてみまする際に、生産統計なり、供出の統計、供出の統計にあまり過ちがないかもしれませんが、生産統計において非常なそこにはつきりせぬ点もあると思う。事実そのために、いろいろそこにまた何とかすれば米が出るという問題も起る。食糧があるという問題が起る。若干あるに違いない、相当部分ある地帶もあるに違いない。それでありますから、統計の問題とさらに私は過去において人口と食糧の輸出入の関係から、今申しましたようなことを勘案されまして、日本の食糧はどうかということを、この際はつきりさせておいていただきたいと思います。これは御答弁あるいは御質問の過程の中の問題であつて、あえて政府あるいは質問者の問題をかようようというのではありませんが、その中に現われたこの問題において、そこに國際的また國内的に大きな問題があるということが一つ。もう一つは、それをはつきりすることによつて、初めて食糧の増産についてはいかなる施設をやらなければならぬか。食糧の増産が必要である場合において、自給も必要があると思うのですが、そういうときにそこに大きな問題が出て來る。國民のある部分がやり方によつては食糧の自給はできると考え、ある部分は統計はでたらめであると考える。ある人はいや統計だけに固着してこれは足らぬのだこう言つておる。この点をはつきりさせることが國民全体として、食糧問題については協力し、強くいろいろの施策を構ずる上において、最も大切な問題であると思いますから、この点を單なる生産統計だけでなしに、それらの点を勘案されて、政府は食糧の需給関係はかようなものであるということを、はつきりひとつ議会において話しておいていただきたいと思う。これが一点。しかして今やみを買う人が多い。もちろんそれが多かろうと私も思います。しかしながら一面においては、いわゆる代議士その他の上層指導階級の人々は米を食べる人が多いと思います。また農村の人々と話し合う場合においてはそういう人が多かろうと思うのでありますが、実際においては、さようなことをなし得ないところの多くの大衆もあるということを見なければならないのでありまして、この点についても、政府ははつきりしたことを申しておいていただきたい。これは今日お答えにならなくてもよろしいのでありますが、第一の國内における生産増強の目安として、また國際的な輸入の確保をなさなければならぬ、暫定的であろうと何であろうと、その問題において、單なる統計数字によらずして、なぜこう申しますかというと、統計もはつきりしない、あるいは供出があるから内輪に出ているだろうというようなこともありますがゆえに、そこにまたいろいろそういうやみも若干ありますゆえに、いろいろな点からそうなるのでありますから、全体の見通上というものを統計数字、ないし全体の過去の問題、その他を勘案して、この点をはつきりとやつていただきたいと思う。
#109
○苫米地政府委員 ただいまのお話まことにけつこうに拜承いたしました。よく大臣にお話をし、御趣旨に從つて答弁していただきたいと存じます。
 この際、私が先ほど云々と申しましたが、これは私の個人的な謬見であつたと思いますから、これは取消さしていただきます。
#110
○竹村委員 本年度の予算を見ますと、土地改良あるいは災害に対する補助等が非常に削られているのでありますが、これは本質的には農民自身が自己の経営において、現在の状態において土地改良等がみずから行えるというがごとき考えがあるがゆえに、そういう補助が現実に非常に少くなつているということが考えられるのであります。そこで私は政府当局にお尋ねいたしたいのでありますが、日本全体の耕作面積は別といたしましても、いわゆる二毛作地帶におきまして、一町の耕作者が米麦を中心としてつくりました場合に、どれだけの所得があると見ておられるか。また單作地帶において一町つくるところの農家が、どれだけ所得があると見ておられるか。但しこれははつきり申しておきますけれども、米麦を中心としてもちろん。かんしよ、ばれいしよ等をつくりますけれども、これに対する所得がどれだけあると見通しておられるか、それをお伺いしたい。
#111
○安孫子政府委員 調査いたしまして資料を提出いたします。
#112
○大森委員 ただいま私が発言をいたしましたことによつて、坂田委員からいろいろ参考になる、また私どもとしてまことに教訓を受けて感謝いたしておる次第であります。しかし私の申し上げた点は、ただいま数字をあげて申し上げたように、一歩に八合とれれば七千二百万石に相なる。それから現在六石どりということで熱心にやつておる連中は、やはり四石五斗もとる。こういう信念に燃えており、私どもやらしておる。しかしそれらを換算してみますとどうであるかというと、さらに三百万町歩あれば九千万石以上とれるじやないか。そうすれば何も輸入してもらう必要はないじやないか。昔はどうであろうが、現段階においてはこうであると私は申し上げておる。昔の時代とは科学の進歩、技術の進歩、そうして今や現在ではどうであるかといえば、たくさんの人が――今や、引揚者のすべてがもどつて來て、労力の過剩、それらによりまして、努力と、科学とそして技術の進歩によつて、私は農産物の増加は必ず期して待つべきものがある、とれる、こう断言していいと思うのでありますから、もう少し大きな総理大臣が出て、よろしい、日本に輸入米は一粉も要らないとまで断言するほどの総理大臣がほしいと私は思うのであります、それがどうかというと、先年はこうであつた、ああであつたから食糧事情はこうだということに対しましては、私どもはあまり賛成ができないのであります。私ども現在はこう行かなければならぬ。それに対しまして、増産に対しては、政府はなぜこれを強力になさらないか。どうでも二割以上の増産をして、二割とれれば幾らになるか。今六千二百万百石であるが、六千二百万石の二割とすればどうなるかというと、一千何百万石とれる。でありますから、食糧には不足しない。今、八千二十万の人口を養うて行くのに、これによつて食糧が確保できるとするならば、何を苦しんで輸入に仰がなければならぬか、これが今日農業に関係する者といたしましての意見で、私はこれが正しいと考えて申し上げた次第であります。
 そういう意味で現状をはつきりする意味において、統計だけでなしに、全般を通じて現在の需給関係あるいは二合七勺では幾らという点について、はつきりしたことを説明していただくことがきわめて重大な問題でありますから、きようでなくてもよろしゆうございます。
#113
○苫米地政府委員 先ほどお尋ねの肥料工場の数がわかりましたから、御報告申し上げます。硫安が十八工場、石灰窒素が十五工場、燐酸肥料工場が二十五工場であります。
#114
○竹村委員 それでは先ほどお尋ねいたしましたこの会社に対していわゆる、やみ流し肥料を取締られた数はどれだけありますか、そのお答えがないのですが……。
#115
○苫米地政府委員 それは先ほど申し上げました通り所管が違いますからお答えできませんので、機会をあらためてお答え申し上げます。
#116
○小笠原委員長 ちよつと速記を止めてください。
    〔速記中止〕
#117
○小笠原委員長 速記を始めてください――。では明二十五日午前十時より開会することにして、本日はこれにて散会いたします。
    午後五時七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト