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1949/08/02 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第42号
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1949/08/02 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第42号

#1
第005回国会 農林委員会 第42号
昭和二十四年八月二日(火曜日)
    午前十一時零分開議
 出席委員
   委員長 小笠原八十美君
   理事 河野 謙三君 理事 野原 正勝君
  理事 松浦 東介君 理事 藥師神岩太郎君
   理事 山村新治郎君 理事 八百板 正君
   理事 深澤 義守君 理事 寺本  齋君
   理事 吉川 久衛君
      遠藤 三郎君    小淵 光平君
      奈良 治二君    原田 雪松君
      平野 三郎君    渕  通義君
      村上 清治君    石井 繁丸君
      井上 良二君    山口 武秀君
      寺崎  覺君
 出席國務大臣
        農 林 大 臣 森 幸太郎君
 委員外の出席者
        大藏事務官   平田敬一郎君
        農林政務次官  坂本  實君
        農林事務官   藤田  嚴君
        林野廰長官   三浦 辰男君
        農林事務官   濱田  正君
        建設事務官   伊藤 大三君
        專  門  員 岩隈  博君
        專  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 薪炭に関する件
 デラ台風による災害復旧に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小笠原委員長 これより会議を開きます。
 前会に引続き木炭に関する件を議題とし、質疑を継続いたします。
#3
○松浦委員 木炭の特別会計をめぐる問題はきわめて重要でございます。そこで本委員会としましては慎重善処しなければなりませんので、この際委員間の懇談会を開きたいと思いますので、暫時休憩せられんことを望みます。
#4
○小笠原委員長 松浦君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それでは暫時休憩いたします。
    午前十一時一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十分開議
#6
○小笠原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 それではデラ台風による被害復旧に関する件を議題といたします。渕君。
#7
○渕委員 このたび九州地方を襲いましたデラ台風、並びに続いて襲來しましたフエイ台風に際しましての災害はまことに甚大なものがございます。特に政府当局におかれましては、あまりにも災害の甚大なるに驚かれまして、山口國務大臣を中心とする実地視察團を派遣せられました。多くの諸君が実地に見られまして、その被害の予想以上に大きかつたことをば体驗せられたことと信ずるのであります。そこで私はその政府の処置に対しまして、満腔の感謝を捧げるとともに、今後とられる処置につきまして一二御質問いたしたいと存じます。
 御承知のように、このたびのデラ台風の特徴とするところは、委員諸氏もすでにおわかりの通り、長い間降り続きました豪雨のために、宮崎並びに鹿兒島縣下におけるところの特殊の事情、土地が火山灰なるがゆえに、その保水力は飽和点に達しました。そこに最後の豪雨が襲來いたし、また風が伴いましたので、まつたく山岳といわず河川といわず、農道といわず、すべて崩壊いたしたのであります。あまりにもその崩壊の激甚なることに、私東京におつたのでありますが、このたび現地を視察いたしまして驚いたのであります。そういう関係によりまして今までの災害とは趣を異にいたしております。特に播種直前、あるいはまた経済作物がちようど收穫期に至らんとする、そういう特殊な段階に起りましたために、ほとんど経済作物は全滅に瀕している状態であります。そこで私は特にお願いいたしたい問題は、この災害の起りました河川並びに農道、山岳、こういつたものに対する処置というものは、今後田植えが済みまして、ようやく実りを迎えなければならぬという直前に起りましたゆえに、早く処置をしなければまた次々に襲來するところの台風のために、おそらく根こそぎにされるのではないかということを心配いたします。從いまして政府当局におかれまして、この間の処置に対しましては一應二十二億円の支出を願つたのでございますが、それではまつたく燒け石に水でありまして、全体の災害上から見ますれば三百億を越す。特に宮崎におきましては百億になんなんとしております。鹿兒島におきましてもそういう状況であります。こういうことを考えますと、まず二十二億を支出されたけれどもこれでは不足である。今後政府におかれましてはもつと大巾な補正予算を組まれるに際して、思い切つた処置をとらなければ、農業生産は絶対にあり得ない。特に政府に対してお願いいたしたい点は、この経済作物の全滅いたしましたということ、また水田にいたしましても塩風のために非常な害があつた、これは坂本農林次官が現実に見られましてよくおわかりのことと存じます。從いまして経済作物が全滅いたしましたから、そこに当然起る問題というものは、秋の收穫に際しましての農家所得の減收ということがあることと存じます。從いまして農家所得が減收するならば、減税あるいは免税ということも、大藏当局においてお考え願わなければ、農村はまつたく困る。特に災害地における開拓地におきましては、今や救護の必要を生じている。補償にあらずして生活救護の要を生じているのでありますが、これにつきましても大藏当局のこれに対する処置いかんを伺いたいと思います。
#8
○平田説明員 デラ台風が、私ども中央で見ているよりも、現地に行かれた方は、なおさらひどいということを痛切に感じて來られておりますことは、私どもよく承つておりまして、被害者に対しましてはまことに御同情にたえぬ次第と考えております。これに対する対策といたしましては今お話のように、一方におきましては被害の復旧のために、できる限りの資金を支出いたしまして、復旧の促進をはかるということが必要でありますことは、申し上げるまでもないところでありまして、たしかさしあたり預金部の資金をまず最初に供給いたしまして、あとは現在の公共事業費その他の中で極力支出するように、目下とりはからつておりますことも御承知の通りであります。なお今後の全般的な計画といたしましては、おそらく本年度の公共事業費全体につきまして、相当再檢討の機会があるのじやないかと考えるのでありまして、目下さようなことにつきましても檢討中でございまして、できる限り実情に即しまして有効な措置ができるように、大藏省といたしまして努める方針でございます。なお詳しいことは主計局からも見えておりますから、必要に應じましてお答えいたしたいと思います。
 それから租税の方につきましては、現在の所得税はいわゆる予算課税と申しますか、その年の所得を見つもつて最初に課税しておりまして、一年過ぎてからその年の実績で課税するということになつております。農作物等に被害があれば、その年の所得自体の査定によりまして、そのことを十分考慮するようなシステムになつております。また考慮しなければならないことに相なつているわけでございまして、今度の被害によりまして收穫物等がとれなかつたとか、あるいはとれる收穫物が非常に減收を來したというときは、これは当然所得の計算上実情に應じまして、適切な処置をとらなければならないし、また私どもといたしましても、極力なるべく早いうちに被害の調査をよくやりまして、実情に應じました課税に努力すべく、目下地方の方にもさような指令を発しているような次第であります。その点今後の運用にまつところ多うございますが、現地を指導いたしまして、適切な処置をとるようにいたしたいと考えます。なおこの災害につきましては、そのほかに災害に対する課税減免法というものがございます。住宅家財等につきましては二分の一以上被害を受けた場合におきましては、勤労所得者等につきましては一定の制限のもとに租税を減免する規定がございます。それから所得の基礎になりますところの田畑等の資産につきまして、被害を受けましたその被害金額につきましても、これも相当激甚の被害を受けました場合には、所得の計算上必要経費といたしまして、その分は差引くというような法律もできておりまして、この方は特別の法律を設けないで、やはり自働的にさようなことに相つておりますので、こういう法令の運用におきましても、十分実情に適しますように努めて参りたいと考えておる次第でございます。租税の方はよく現地を指導いたしまして、実情に感じた課税ができますように、あるいは減免ができますように努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。
#9
○渕委員 ただいまの御説明を聞きまして、租税の問題につきまして、大体法律に指摘してあるからその通りにやるとおつしやいますが、実際下部組織に参りますと、その点が非常に大藏当局のお考えと違つた方向と申しますか、かなり幅があると思います。この点をよほど御考慮願つて、はつきりと下部組織に認識を與えてもらわないと、結局は災害が起りましても、もうどうやつていいかわからぬということに相なると存じます。その点をよほど氣をつけてもらいたいと思います。また災害全体の資金、金繰りにつきましては、大藏大臣が、先般大藏大臣官邸にお会いしましたときに、さしあたり六十億円くらい予定しておられると申しましたけれども、そんなものでは絶対これは救えないと信じます。相当大幅なものを考えてもらわなければならぬ。また公共事業費の問題でも、第四・四半期を繰上げて全部まわしてもらうということも、相当思い切つてやつてもらわなければならない。現地を見られました諸君は、あまりに被害の多いことに驚いておられます。その点をもう一ぺん、どの程度今のところお考えになつておるか、同時にまたこの災害の國庫補助につきましても、よほど鹿兒島、宮崎、大分あるいはまた愛媛、こういつたおのおののブロツクで確実なる提携のもとにやつてもらわないと、大体災害になりますと、どこでもはつたりが多いということは私は認めます。從いまして九州地方の今までの災害というものは、御承知の通り遠隔の地にありますために、日本のいわば孤島、こういうことでありまして、災害地がありましてもなかなかそこまで手が届かない。みんな東京の新聞にあまり出ないということから、政治的な手が打たれなかつた。東北地方の災害だつたら東京の新聞に載せるので、相当な手が打たれましたけれども、こういう九州全土の災害のことは載らぬこともございます。同時にまたこのたびの災害につきましても、よほどおのおの立場々々におきまして、現地視察された方々はよくおわかりだろうと思います。だから統計資料というものをよほど確実に把握して、これに対するこの予算の按分をやつてもらわないと困るのでございます。たとえば私の宮崎のごときは八十六億何千万円というものをはつきりりつぱな数字を出しておるけれども、その他の地方は大幅にやられておる。よほど現地の方々はそういつた実際を把握してやつてもらわないと、実に差があるということになりますと、これまた政治問題化する憂いがあります。漏れ聞くところによりますと、その点少しはつたりがきき過ぎた傾きの点が多かつた。過去においてはそんなこともあつた。しかし今後の政治というものは、どこまでも科学的な計数の上に立たなければならぬということをわれわれは考えております。その点御考慮願いたいと思います。
#10
○平田説明員 御意見の点は一々ごもつともと考えますので、私ども極力御趣旨に沿うよう勉強いたしたいと存じます。
#11
○渕委員 私が今質問いたしましたおおよその見当はわかりませんか。政府の腰だめを伺いたい。
#12
○平田説明員 今補正予算全体につきまして、実はまだ檢討中でございまして、全体の補正予算の見通しがつきませんと、おそらく総体の額等につきましても、責任ある御説明がむずかしいんじやないかと考えておるのでございますが、相当な財源もございますので、これもそういう方面に幾ら振向けるか、あるいは減税の方に幾ら振向けるか、全体の地方の配付税にどういうふうに振向けるか、いろいろの問題がございます。あらゆる点からよく檢討いたしまして、災害につきましては極力実情に即しまして、最大の削減の方向に行くということになるのでありますが、今のところまだ私計数的にはつきりしたものを聞いておりませんので……。
#13
○渕委員 災害関係につきましては、聞くところによりますと、なかなか関係筋のお許しも出ないということを聞いております。この際われわれは国庫の補助と同時に、また受益者負担という言葉が最近ありますが、そういう意味におきまして、農民に相当思い切つたこの際政府資金を流してもらうならば、それを借入れても復興しようというような意欲に燃えておるのであります。從いましてその点大藏省預金部資金を導入してもらうとか、あるいはまた預金部資金を中金なら中金に流してもらう。そこから各農村にまわすというような手を速急に打つてもらいたい。その点もしやかましい問題が起れば、その点もまた先方様に特に懇願願いまして、そういう実情におきまして、農民は自分たちが立上るという意欲を多分に持つておる。その意欲を百パーセントに生かしてもらうということに努力してもらいたい。それにつきましては現在どういつた方向で努力するかを伺いたい。
#14
○平田説明員 先ほども申し上げましたように、さしあたりの資金としましては、預金部から相当な資金が出ていると思いますが、さらに預金部からは追加して、出す出さぬという問題はやはり公共事業費と申しますか、予算との関係を考慮しまして、その上で見通しをつけませんと、なかなか預金部資金として出しにくいということもございまして、大体本年度の公共事業について地方債の起債等の見通しがつきますれば、おそらくそういうものは、まだ整理しなくても、先にまた預金部から資金として出せるということになろうかと考えます。そういう方向につきまして、極力具体化すべく目下檢討中でございますので、今のところさらに預金部から幾ら出るかということを申し上げる段階に参つていないのでありますが、御趣旨のある点をよく考慮いたしまして、政府としましてもできる限り早く解決をはかるように努めたい。かように考えております。
#15
○小笠原委員長 それではちよつと大藏省に、委員長席からはなはだなんですが、関連してお尋ねいたしたいことがあります。一体この災害被害等はデラ台風などという名称がつくと、大きな調査をなされるような例になつておりますが、局部的な大被害に対してはなかなかその方面に御調査が届いておらぬように思うのであります。農林省の方では特に御調査をなされたはずでありますが、青森縣の弘前を中心として、北津軽郡、南津軽郡、中津軽郡に鶏卵大の――デラという名前をつけませんけれども大雹害があつたのであります。それがためにリンゴや田畑に非常に大きな被害をこうむつておるのでありますが、その方はすでに農林省の方からデラ台風と同じように取扱うように連絡があることとは存じておりますが、そういうことの御調査は直接本省の方でおやりになりますか。出先機関の御調査を待つてそれぞれ御調査をなさるつもりでありますか、特に申し上げておくことは、局部だけの被害でありますけれども、そういうものに対しては、どうしても補助とかあるいは金融関係というのはあとまわしになるような傾向があるのでありますが、こういう大被害に対しては特にまた御調査も進めておられることと思いますが、今渕君の言われたデラ台風の被害と同時に御調査になつておるかどうかということを、ちよつと伺いたいのであります。
#16
○平田説明員 青森のリンゴの雹害につきましては若干耳にしておるのであります。從いまして課税等におきましても、もちろんすぐその年の所得の見積りに影響して來ると考えておりますので、そういう情報も聞いておる次第でございます。從いまして現地におきまして、それに應じた所得の査定をやるということに行くべきものでございまして、特別に中央からどうということはなかろうと思いますが、その他のことにつきましては、まだあまり詳しい実は連絡を、係りの方では今のところ聞いてないのでございまして、なお今後よく調べまして、必要がございますれば善処するように、本省といたしましてもいたすつもりであります。
#17
○小笠原委員長 なお農林省の政務次官坂本君の方におかれましても、十分御調査なされたはずであります。今リンゴとおつしやいましたが、水田の被害も相当大きいのでありますから、至急大藏省の方と連絡をとりまして、デラと一緒にこれを解決してもらうことをお願いしておきます。
#18
○藥師神委員 ちようど今災害地の税の問題についての質問がありますから、関連して一、二お伺いいたしたいと思います。
 今度のデラ台風の災害でも、各府縣によつて非常に被害の情勢が違うのであります。今主税局長は、こういう問題は現実について檢討してやるという抽象的な御意見でありますけれども、これは大藏省の方でも災害地の状況というものは、災害が起きたと同時に早急にこれを檢討しなければならぬと思うのであります。これは大藏省の出先機関ではやる余裕はない。いわんや各税務署においてこういう被害調査は実際なかなかできないと思うのでありますが、どういうところを基準にしてこれまでやつておられますか。それをまずお伺いいたします。
#19
○平田説明員 御指摘の通り、災害につきましては、災害の起きたときに調べることが重要だと考えておるのでございまして、私どもたびたび課税の適正を期する、あるいは減免の適正を期する上におきましても、さような通達はいたしまして、いろいろ調べさせておるのでございますが、普通の仕事の関係がございまして、十分徹底していないところもあろうかと思うのであります。しかしこれはやはり災害が起きたときによく事実を調べておくということが、何としましても重要でございますので、そういうことにつきましては、極力さようなことで参りたいと考えております。
 なおそのほか災害の実際の減免にあたりましても、税務署、國税局等の調査だけでございませんで、府縣、市町村その他の調査もよく調べまして、その上で適切な判断をするということに從來も努めておりまするし、また今後もさようなふうに大いに努めなければならぬじやないか、かように思つております。
#20
○藥師神委員 この問題は、災害を受けなくても、今日の課税の不公平と言いますか、不合理と言いますか、これは非常に大きな問題になつておるのであります。たとえばわれわれの縣の災害状況を参考のために一口に言つてみますると、われわれの縣は公共事業関係の災害は比較的少いのです。ところが水産関係の被害は、今度の各災害縣の――愛媛を除く以外の各府縣の総計よりもなおわれわれ一縣の方が多い。その犠牲者は二百四十四名、漁船だけでも手数百隻を失つておるのであります。これは犠牲者を見てもわかるのでありますが、おそらく全被害縣の犠牲者を集めたところで、愛媛縣一縣に及ばない。あらゆる網、資材の大部分失つてしまつたのでありまして、さしむき水産関係の復興のために融資を今懇請しておるわけでありまして、大体においては了承してもらつておりますけれども、まだ〇・Kがとれていないらしいのです。最少限度三億円の復興融資をお願いしておるわけであります。そういうような現状におるものを、これを縣としてみますと、課税をする場合においても、それらのほんとうに根本的に破壊されてしまつたものが、復興後において幾らかの所得というものは出て來るのです。ところが実質においては、それくらいにすべての資本を根本的に失つてしまつておるにかかわらず、一方においては形式所得が出て來ます。するとこれには課税されるのであります。漁業を例にあげてみますと、單に船なり漁網なりその他の資材を失つたという損害以外に、これが復旧のできるまでの間は漁撈ができないので漁獲はないのです。こういうのを課税の問題とにらみ合せてみると、実に重大な問題が出て來ると思うのであります。農作物にしてもその通りであります。農作物を收穫したときに作況の基準をもとにすることは私ははなはだ心もとないと思うわけであります。災害のときも、大藏省の方でこれを科学的に調査して、この縣は大体これくらいに減税してやらなくちやならぬだろうという基準が生れなくちやならぬのではないか。基準は中央できめて、それを各担当の税務署にやつて、個人をいかにするかという問題は、出先の税務官吏がやつたらよいのでありますが、大きな基本的なものは本省の方でつかまなくてはならぬのではないか。これらの問題は、出先の税務官吏に一任してこれを処理するというにはあまりにも重大だと思うのですが、この点はどうですか。
#21
○平田説明員 今の最初の問題は、資産の方に非常に損害を受けた場合、その資産の損失を所得から引くかどうかということでありますが、さつき申し上げましたように、災害減免租は、相当な被害を受けました場合には引くということになつております。その損失を引続いて長く引くか引かぬかという問題になると、現在の税法では大体年々打切つて課税するという建前をとつて來たのであります。そういう趣旨もありまして、さようなことになつておりません。会社でありますと、課税の計算の方法も違いまして、一年だけは繰越損失の控除を認めるということになつておりますが、個人の方は年々打切つて計算することになつております関係上、あとの年度の所得から差引くということは認めていないのであります。ただよく考えてみますと、税率も非常に高くなつておりますし、今日こういうシステムがそのままでよいかどうかということになりますと、相当檢討の余地があります。私ども今税制改正全体の一環といたしまして、さような問題につきましても、一定の年間を限つて控除をするかどうかにつきまして檢討中であります。災害みたいな場合におきましては、特にさような問題があろうかと考えるのでございます。
 次に中央でまず概括的にきめて地方へやるようにしたらどうかという御意見ですが、それも一つの方法であろうと思いますけれども、何しろ災害の実際は地方でないとよくわからないので、中央で一時の視察等で適当にきめますよりも、むしろ地方において責任ある調査をいたしまして、それによつて適切なる処理をする方がよいのではないかと考えます。ただ地方限りでなかなか判断がつきにくい場合になりますと、これはやはり相当調査をした上で中央と相談しまして適切な結果を得るようにするのが大体の筋ではないか。しかしこれは特別な場合は別といたしまして、普通の場合におきましては、さような運用方法で行くのが自然ではなかろうかと実は考えているのでございます。もちろん相当な被害であり、問題があるものにつきましては、中央におきましても関心をもちまして、適切な結果が生れるように指導しなければならぬということは御承知の通りでございます。また概括的にきめて地方にやらせるということで行きますことは、一般論としてはどうか、かように考えております。
#22
○藥師神委員 これは実際はなかなか問題であろうと思います。たとえば農地が水害によつて流れた、あるいは畑を流したという場合に、これを復旧する場合においては、必ずしも画一的ではありませんけれども、何年間かの免税をする制度というものがりつぱにあるわけです。実際にやつているわけです。今回のごとく水産業の大被害のごときは、資産の一部を消耗したというのもありますけれども、中にはもう根本的に失つてしまつて、その上に今度復興するだけは全部負債によらなくちやならぬ。しかも國家の援助を受けなければならぬような状態になつているのです。それが一方においては、これまでの災害を避ける程度までに、これからやつて何箇月かで復興しますが、この前年度において復興して、幾らかのそこに形式の所得が生まれて來る。こういうものに対して課税をする場合においては、相当な考慮の余地があると思うわけであります。はたしてこの政府資金を借入れても、ほんとうの復興ができるかできぬか。これは漁獲物と將來の水産の消長によつて左右される実際問題であります。この点は單に漁業のみではありません。これは農産の点においても言い得ることでありますけれども、十分にこれは配慮を願いたいと思います。私の言うのは、中央である大綱を把握するという問題も、すなわちこれは地方において調査した資料によらなくてはできぬわけでありますけれども、このデラ台風によるところの被害、あるいはそれによつて起るところの免税、あるいは減税の問題の大綱というものは、中央において把握される。すなわちこれは腰だめによるのではなくして、大体の科学的資料に基いてやられるのでなくては、一地方出先機関にのみ依存しておられたならば、一税務署において非常に思いやりの深い調査をして、その取扱いのできる所ではよいのでありますけれども、できない所においては、同じ府縣においても普辺性を持たないところの一つの問題にぶつかると私は思うのであります。そういう点を憂うるのでありますから、これは大藏省関係でこういう調査をするという特別の機関はないわけでありますけれども、他の機関と緊密な連繋をとられて、これは政府機関として、省は違つてもそれを十分専門的に調査し得る機関があるのであります。先般も物價廰の方で農林省の統計を否認するのじやないかという問題がここで起きたわけでありますけれども、私は総合的に國家の機関というものは連繋をとつて自分の方で調査機関を持たない場合においては、他の政府機関の調査資料を基礎にするほかはないのであります。私はそういう有機的な連絡をとつて、実際において解決の方法を生み出してもらいたいと思うわけであります。
 次には、私は建設省の河川局の次長さんにちよつとお伺いしたいのでありますが、日本はもうほとんど毎年台風の惨害を受けております。また二十年ごろの災害の復旧さえもできない状態であるのであります。その上にすでに何十年來見ないような六月台風に襲われて、こういうふうな惨害を受けたのであります。今日公共事業費の予算というものの圧縮されているということもわかつておるのでありますけれども、ここにかりに政府なりあるいは與党なりが希望しておつた、以前の九百億という予算がそのまま認められたとしても、こういう災害を見ておつたのでは、それは問題にならないと思うわけであります。それで今日戰時中において濫伐につぐ濫伐をもつてして、全國の山林というものは、実に一大荒廃を來しておるのです。この場合において起る惨害というものは、今までの統計基準では割出されないものがあると思うのであります。たとえば河川行政にいたしましたところで、私の目に見えるところでは、年々同じことを繰返してやつている。それが一回小さな台風にあつても、少し雨量が多くても、すぐにまた元の通りに流してしまう。これを同じことを年々繰返していると私は指摘しても、あえて暴言でないと思う。これは恐らくそういうふうにあなた方でも認められておろうと思うのであります。一年のうちに二回も同じことを繰返していることがあるのであります。これらの河川行政というものは、治山治水の問題と不可分性を持つているのでありますが、單に建設省の河川局がもとになつて、復旧を今までの規模において、今までの計画そのままにおいてやつて行くのではいけないのであつて、どうしてもこういうふうに山嶽が荒廃した今日においては、もつと飛躍した改修計画が立たなければならぬのではないかと思うのであります。もつと農林省関係と緊密な連繋がとれた、植林の問題とも不可分の関係を持つているのではないかと思うのであります。俗な言葉で言えば、今までのような川幅ではいけない。もつとカーブの切取りもやり、川幅を廣げることも必要だろうし、あるいは堤防をもつと盛上げることも必要であろうし、今までの空石で築いただけでなく、それを練石にすることも必要であろう。これは金が伴えばどういうことでもできるとおつしやるかもしれませんが、私の言うのは、金ができて、金に應じた仕事をするという意味ではないのでありまして、どうしても前の人たちがやつた以前の客観情勢における河川行政ではいけない。今日の時代に即應した、今の客観情勢をもとにした河川行政が、立てられなければ、前と同じことを莫大な國帑を費して繰返してやつて行くにすぎないのであります。そういう氣持がしてならぬのでありますが、どういうお考えを持つておられますか、この点をお伺いしたいと思いまする
#23
○伊藤(大)説明員 ただいま藥師神委員からお問いがありました通り、確かに仰せの通りであると思います。私の方といたしましても、決して毎年繰返して災害復旧をやるだけが能ではなくて、根本といたしましては、治水並びに治山の事業に大いに力を入れたいと存じて、いろいろと進めて参つているのでありますが、先ほど申されましたように、金の面並びに戰時中資材の面から、一般の治水事業、そして海流の砂防工事という方面における経費並びに資材の欠乏のために、思うような工事もできなかつたのであります。戰時中の窮迫事態がまた崇りまして、さらに戰時中における山林の過伐もございまして、最近の災害は非常に多くなつているような実情でございます。私らといたしまして、できるだけこの根本対策に力を入れたいと存じて、いろいろ進めているのでありますが、何せ災害が起りましたその復旧に忙殺されまして、治山治水の方が遅れているような関係で申訳ないようなことでございます。ただわれわれどもといたしまして、川の改修だけに力を入れて、山林の方を無視しているというわけでは決してないのでありまして、最近の情勢にかんがみまして、河川の調査については、從來の河川の計画も再檢討いたしまして、直すべきものはこれを直し、堤防を廣げるものは廣げ、これをシヨートカツトしたらいいというものについてはシヨートカツトするようにして、計画を進めておりますし、その一環として私の方の主管としましては、渓流の土砂の下流に流出を防ぐための砂防についても、一定の計画を立てて進めているわけであります。將來十分この方面に対しても、われわれは予算の配当を受ければ十分これをいたしたいと考えているのであります。なお山林との関係でございますが、全然林野局と連絡がないわけではございません。山林の過伐の問題、なお植林の問題につきましてはいろいろと御連絡をいたしておるのであり、將來も連絡してやつて行きたいと存じておるわけであります。
#24
○藥師神委員 大体お氣持はわかつたわけでありますが、私の今申し上げたように、單に彌縫策としての復旧でなくて、何か基本的なものができておりますか。
#25
○伊藤説明員 從來私の方の河川改修につきましては、直轄については、直轄に取入れるまでにおきまして、その沿線の被害面積とか、それから雨量だとか、流量というようなものを十分に観測いたしまして、そうしてこの河川の一定の計画を立てまして、それに基きまして、昔は一定の継続費というものをとつてやつておつたのでありますが、最近は単年度になりましたから、予算面におきましては継続ではございませんけれども、この立てました計画に基いてやつておるのであります。
 それから中小河川につきましては、府縣に一定の調査の補助費を出してありまして、府縣において十分調査せられますものにつきまして、私の方も指導いたす、そうして一定の計画を立てまして、これに基いてやつておるわけであります。ただ最近におきまして山の様相がいろいろかわつて來ました関係上、本川まで出る支流の水の出方というものに、非常なかわり方をしておるというような関係上、最近直轄河川については、逐次これを再檢討いたしまして、計画の練り直しをやつておるわけであります。
 それから砂防関係につきましても、各谷々につきまして崩壊地の調査とか、それから土砂の堆積の量というようなものを調べまして、それとともに砂防、堰堤箇所の適地の調査をいたしまして、大体いろいろのそういう資料はでき上つておるのであります。なお砂防などにつきましても年々崩壊地が多くなりまして、そのためにそのあとあとと追つておるような関係上、現在崩壊地がどのくらいあるかということにつきましては、まだ十分な調査はできておりませんが、逐次それにつきましては追つかけ追つかけ調査いたし、そしてそれに基いて予算の要求をいたしておるようなわけであります。
#26
○藥師神委員 ちようど冒頭に申し上げましたごとく、非常にこの公共事業費が圧縮されておるのでありますから、金が少いのに仕事をしろというたところで、これはできるはずはないのであります。そういうむりを私は言うわけではないのでありますけれども、まだはつきりした御意見を聞かぬのでありますが、私の言うのは金の高にかかわらず、山が無際限に濫材されておる今日の状態においては、過去における治水の計画ではいかんのではないか。治山行政をよりよくいたして、現在に即應した河川行政の基本だけは立てられなければならぬではないかという意見を、私はお伺いしておるわけであります。しかしそれは、過去における規模においてもその復旧がなかなかやれない。経費が許さないのに、そういう大きな計画を立ててみたところで、認められないのではないかということももつともでありますけれども、われわれはそれを基本として予算の要求もやられなければならぬし、またこの問題に触れなくては、基本の河川を改修するということは永劫にできない。同じことを繰返しておるのにひとしいのではないかということを、私は申し上げておるのであります。われわれの被害を申し上げますと、昨年の被害を改修するとまたやられる。同じように年々歳々改修して、多大な労力と多大な費用をかけてやつたところがほとんどそれがやられてしまう。そして何百年も昔から、藩政時代にほとんど幼稚な技術で敷いておる石垣、これが大きな空があいておる。中には頭の入るくらいな、人の入るくらいな大きな穴があいているにかかわらず、この石垣というものは非常に頑丈である。ところがそういう石を運搬することはなかなか容易なことでもありますまいけれども、そういう不完全な技術の石垣というものは、大きな石を積み重ねておるためにこれはもつておる。にもかかわらず、今日の技術をもつてして、あの小さな石ぐらいでは、でき上つたときはきれいだけれども、またぞろ一ぺんにやられてしまう。私はこういうことを繰返していたのでは、幾ら金があつても足りないのではないか。これは砂防の点においても同じであります。あるいは海岸の風浪に対する岸壁、あるいは船だまりの決壊その他についても言えると思う。私はその災害の原因のよつて來たるところを十分に科学的に檢討して、少し仕事をして行つてもこれなら大丈夫だというような、専門家が見ても保障のなし得るくらいの仕事をして行かなければならぬのではないか。それに應じて経費が膨脹することはわかつておりますけれども、それだけの経費がいるならそれだけの予算の要求をして――その全額が認められないにしても、認められないから全面的に仕事というものを、乱雜と言つては語弊があるかもしれませんけれども、單にこれまでの因習に基いた、これまでの規模においてごまかし、單に彌縫的な仕事を年々繰返して行くのでは、どうしてもこの問題は解決できない。これは私の独断かもしれませんけれども、そういう気持を持つておる。この点についてお考えを承つておきたいと思います。
#27
○伊藤説明員 年々復旧する箇所がまたこわれる。こういうことははなはだ困るから、大いにしつかりしたものをつくつてくれ。まことにごもつともな御意見でございます。大体そのこわれる箇所というのは、川におきましても特にあぶないところはきまつておるわけでありまして、そういう箇所につきまして年々災害が起りますので、われわれの方としても、そういう点に対して、十分注意はいたしておるわけであります。ただここでこういうことを申し上げていいか惡いかなんですが、実は災害の復旧につきましても、戰時中におきましては資材の関係上、たとえば石を積みましても練り積みにすることができない。しからば資材がなくてほうつておけるかということになりますと、なかなかそうも参りませんので、若干その練り積みにしないような箇所を戰時中つくつたのであります。今年あたりでも、ある地方においては相当やられておるというのを見たわけであります。しかし災害復旧をやつた箇所が全部こわれるというわけではございませんので、私が見た箇所におきましても、やつた箇所は十分に持ちました。そのためにかえつてその水の当りの幅が廣がつたために、横がやられたというところが多分にございます。これらも災害復旧ということの一つの欠点でもございまして、その場合一連の全部の工事をやりますればけつこうでございますけれども、その改修費というものをそれと並行して出すだけの金もございませんので、結局災害の復旧をとりあえずやつた。その場合に、金の面におきましても最近の單價の値上りといつた関係上、思つただけの十分な金が入れられなかつたという点で、かえつて役に立たないというようなことになつたこともございます。この点はわれわれも十分戒心いたしまして、一般改修とにらみ合せて、今後間違いのないように、何とかしてやつて行きたいと存じておる次第であります。
#28
○小笠原委員長 他に大藏省関係の質疑はありませんか。
#29
○深澤委員 デラ台風の被害とは違うのでありますが、今年の被害については補正がまことに不十分でありまして、各地方とも麦、ばれいしよの供出完了については悩んでおります。それで一部分増産された部分において、むりでも超過供出をやつて、それによつて被害部分の補正をやろうという動きがあるのであります。ところが問題は、超過供出をいたしましても、税金の問題がまだ解決されていないのであります。この問題については、しばしば政府の方でも、まだ見通しがついていないというようなことを言われておりまするが、その後大藏省内において、超過供出分に対する免税あるいは何らかの処置がとられる見通しがあるのかどうか、それによつて本年度における超過供出の問題が非常な大きな影響を受けるのであります。こういうような意味の立場から、超過供出に対する免税あるいは減税というような見通しが最近つけられておるかどうか、その点についてちよつとお伺いいたしたいと思います。
#30
○平田説明員 その問題につきましては、実は今シヤウプ・ミツシヨンの方におきましても檢討されておられるようでありまして、やはり勧告案が來ました後におきまして、税制全体の一環としまして、できるだけ早い機会に適切な対策を講じて参りたい、かようなことに相なるのではないかと思いますが、現在の段階といたしましては、それ以上実は進展していないと申し上げるよりほかない次第であります。
#31
○深澤委員 しばしば聞かれる言葉でありまして、第五國会以來シヤウプ・ミツシヨンの方針が決定しなければということで解決されておらないのですが、すでに問題は、農村においては麦の供出が始つております。超過供出もおそらく來月の十日ごろまでには具体的に出さなくちやならぬというような段階になつておるのでございますが、そうするとそれまでには間に合わないわけですね。
#32
○平田説明員 大体今月一ぱいには勧告案がまとまるのじやないかと考えております。その際に一時に解決ができるか、あるいはまた若干あとで解決することになるか、その辺のところはまだ話がわかりかねますが、そう遠い先のことでなく、どちらかにはつきりするのではないかと考えております。
#33
○深澤委員 超過供出の問題については、各地方の農業調整委員会あるいは縣当局とも非常に努力をしておるのでありますが、常に農民の間にその問題が起つて困つておるわけです。大藏省の見通しとしては、地方の農業調整委員会やあるいは縣当局が、大分超過供出については何らかの処置が講ぜられるから出してくれというようなその程度のことを言つても、大藏省としては責任が持てるかどうか、多少何とかなる見通しがあるかどうかということを、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
#34
○平田説明員 税制の問題は最後に一緒に解決を得るということになつておりまして、個別的に今いろいろの問題について話ができるというような筋合いで話が運んでおりませんので、やはり最後に一緒でないとはつきりしたことは申し上げかねます。
#35
○深澤委員 そうすると超過供出をしても、それに対しては農民の方から、それじや減税ができるか、あるいは免税ができるかということを言われても、確信を持つて返事はできないという状態に現在なつておるのですね。
#36
○平田説明員 現在のところはさようでございます。
#37
○井上(良)委員 この際大藏省の主税局に伺いたい問題は、税制全般の問題についての基本的な方針というよりも、農業課税の中で、特に主要食糧の供出に伴いまして、農業所得の一部を源泉課税にするというような話が傳えられておりますが、これに対して農林当局は全面的に反対の意思を表示いたしておるようであります。はたして現在の農業課税を、主として主要食糧による農家の取得分について、源泉課税の方向をとろうという動きがあるかどうか、この点を第一に伺いたい。
 それからいま一つは、これは農業團体全体の強い要求でありますが、現在のような年一度の申告課税のやり方では、いろいろな面で非常に農家にとり困るというところから、たとえば麦の收穫直後でありますとか、あるいは米の供出後でありますとか、年に二回にわたつて申告を認めろ、また更正決定もさようにしてもらいたい、同時に納期も年二回にわけてもらいたい、こういうような要求がございますが、そういう点に対して大藏当局はどう考えておりますか。この二点についてお答え願いたいと思います。
#38
○平田説明員 税制の問題につきましては、御承知のようにあらゆる問題を取上げまして最後に一ぺんに結論を下そうという方向で、実は目下シヤゥプ・ミツシヨンの方で、鋭意檢討していただいておりますので、はなはだどうも申し上げにくいのですけれども、今の段階におきましては、いずれも慎重にに研究しておるということを申し上げさしていただくよりほかないのでございます。はなはだ恐縮ですけれども、時期がことにデリケートなときになつておりますので、御了承願いたいと考える次第であります。
#39
○小笠原委員長 井上君、これらの事情は、内定した結果この次にしかるべく御質問願いたいと思います。
#40
○山村委員 地方の具体的な問題に入るのですが、実は建設省の大きな仕事としての利根川治水事業の下流の方面の土地造成の仕事であります。これに対する作業のためには、どうしても利根川の下流の方面で今三万ボルトの電気を六万ボルトにしなければならぬということになつております。この点は実は農林省の方でもあそこに両総揚排水という日本一の農地改革の仕事がありましたのですが、この仕事と相当密接な関連を持つのであります。この三万ボルトの電線を六万ボルトに直すために、建設省と農林省とが話合いのもとにおいて、ある程度の予算を出して関配にこの仕事をやらせるということに相なつておるのでありますが、その点が建設省が出ししぶつておるのか、農林省が出ししぶつておるのかわかりませんが、非常に遅々として進まないものがあるのですが、この点について御存じでありましたならば、見通しなりあるいはまたただいまの進行状況なりを御説明願いたいと思います。
#41
○伊藤説明員 ただいまの御質問でございますが、鉄道線につきまして電力の必要ということは承知いたしておりますけれども、いろいろのこまかい打合せの問題、地方の建設局のことは担当の地方建設局でやつておりますので、私詳しい事情を承知いたしておりませんから、その点につきまして今至急調べまして御報告いたしたいと存じます。
#42
○山村委員 あるいは突然の質問だつたので御用意がなかつたかもわかりませんが、決してこれはこまかい問題でありませんから、少くともあの利根川の根本的な治水という問題並びに千葉縣の旱魃を全面的に救うという点からいたしまして両総揚排水と二つの事業を完遂するためにぜひ電力を六万ボルトにしなければならぬ。その点非常に重要性を持つておるのでありますが、至急お調べの上なおその促進方をお願いいたします。
#43
○河野(謙)委員 農政局長にお伺いしたいと思います。農民の側から見ますと、農林省は農村の一切を代表する機関である。たとえば資材の面で言えば、豊富に低廉に、しかも良質なものを農林省は心配してくれる、かように信じておるわけです。私自身もさように信じております。しかし最近に起りました問題で、たしか六月の半ばと思いましたが、農林省が配合肥料を農家の希望によつて來年の春から配給するという通牒を出されましたが、これはいかなる理由でいかなる必要に迫られてかようなことをやられたか、それをひとつ伺いたいと思います。
#44
○藤田説明員 配合肥料を認めようというふうなことを決定いたしましたのは、御承知の通り從來は戰時中肥料の三要素でありますところの窒素、燐酸、カリの各肥料が、あるものは非常に不足をする、こういうふうな状況がございましたので、配合肥料をつくることができませんような事情になりましてから、單肥で配給をしておつたのであります。しかしながら最近は肥料の生産事情も漸次好轉をいたして参つております。また農家の方では、合理的な配合をいたしました肥料を希望する向きも出ておるわけでありまして、われわれといたしましては、もちろんこの配合肥料というものは、よく監督をし、吟味いたしませんければ、農家に対していろいろまた迷惑をかけるということは十分承知をいたしております。しかしながらそういうような点について十分指導をするという建前からいたしまして、農家がもし希望するならば、配合肥料をつくつて行くということを認めてもさしつかえないのではないかというふうに考えております。ただこれは一に農家の希望によつて決定しようと考えております。従つて、押しつけるのではございませんので、かりに農家が配合肥料を希望いたしました場合は、その希望をよくとりまして、希望する向きにはそれを出して行くというふうな考え方で進めて参りたい。できれば來年の春肥からやつて参りたいということで、現在農家の希望をとつておるわけであります。
#45
○河野(謙)委員 ただいまの御説明ですと、農家から希望があつて、しかも肥料は三要素が非常にたくさんに配給できるようになつたから、そこで配合肥料として出したい。こういうお話でありましたが、私は農家の希望がどこからあつたか、寡聞にしてその声を聞かない。一体かりに農家から希望があつたとすれば、それは何も農林省がさようなことに手を触れなくとも、各市町村の協同組合で十分間に合うことは、農林省の御存じの通り、シヤベルでかきまわしても間に合うことは御承知の通り。これを中央に取上げて、どこに指定されるか知りませんが、配合をされるということは、まつたく過日もここで食糧局の長官に言つたのですが、どうも役所の人は惡女の深情がひど過ぎる。よけいなことに手を入れ過ぎる。農家はりつぱに無機質を配合します。またできなければ町村の協同組合でなり、その他の適当な場所で、農家自身の委託配合で間に合う。それなのにかような措置をとられたことは、どこに理由があるのでありますか、それは私はこの際お聞きいたしません。
 その次に伺いたいのは、かりに農家から希望をとつて、農林省が配合される場合に、一体今の原料でつくつた肥料がどのような状態になるかは、少くとも農林省の農政局の中には大勢の経験者がおるから十分わかつておると思いますが、多少事専門的なことでありますが、たとえば過燐酸にいたしましても、現在の過燐酸はアイダホがその大部分の原料でありまして、かりにこれから入つて來るところのカリ分を配合する場合に、できたものが商品として價値があるかないか、非常に吸濕性の多いものであつて、過去の経験から言つても問題にならない。さような原料の状態であるときに、農林省が進んで農家から希望をとつて配合をやることはふしぎ千万である。私はこの機会にもう一つ伺いたいのでありますが、しからば農林省が農家から希望をとつて配合をやらせる場合、いかなる工場にそれを指定されるか、いかなる工場にやらせようとするか、またその場合に價格はいかなるところに基準を置いて、配合の基準を立てられるか、それを伺いたい。
#46
○藤田説明員 配合肥料を認めました場合に、いかなる工場にこれをやらせるかという問題でありますが、これは私どもの現在ではまだどういう工場にやらせるかということまでは決定をいたしておりません。考え方といたしましては、お話のようにこれはむしろ農家に最も接着しておるところの協同組合でこれを簡単にやつたらいいじやないかというような意見も出ております。これもきわめて有力な御意見だと思いまして、こういうふうな点は私どもといたしましては、一應農家の希望をとりまして、その農家の希望がどういうように出て來るか、こういうふうな問題によつて、次にだれにこれをやらせることにするかということをきめて行きたい。その点のまだ前提がはつきりいたしませんので、だれに許すかというようなことはまだきめずにおります。しかしながらおそらく御趣旨とするところは、こういうふうなものは、むしろ協同組合がこれを配合した方がいいじやないかという御趣旨かと私は想像いたしますが、そういう点は私ども十分御意見のありますところは考慮に入れまして、これを決定して行きたい、こういうふうに思つております。
 それからもう一つ價格はどういうことになるかという問題でありますが、配合肥料で問題になりますことは、單肥で配給いたしますときよりも、非常に高いものを農家に配る。こういうことが非難の的でありますが、われわれといたしましては配合肥料といたしましても、その價格はこれを嚴重に査定して参る。そうしてそのきめました價格において製造するというものについてこれを認めて行くというふうな考え方で、できるだけ農家に高い肥料を押しつけて賣るというふうなやり方は避けて参りたい、かように考えております。
#47
○河野(謙)委員 今の御答弁で價格は努めて安いようにする、これは基準の立て所ははつきりしている。各町村の協同組合で配合した場合の價格、これが基準であります。この基準をはずれての價格はないはずである。でありますから、かりにどこでつくろうとも、それは農林省にかりにお任せするとしても、この價格は町村の協同組合で配合した場合のコスト、これを基準にして、これ以上一歩も出てはいけないということを、この際農林省ははつきり言明してもらいたい。同時にさような線から出発します場合に、おのずと配合を東京なり大阪でやる場合に、この配合を引受ける工場は限定されて來ます。少くとも過燐酸もつくつていない、硫安もつくつていない、カリもない。すべての原料を他から供給を仰いで、そうしてこれらの出入りの運賃を拂つて配合するということでは、今申し上げた價格の建て方から行つて決してできはしない。かりにこれができるとすれば、その裏には不正がある、同時にこの際私申し上げたいことは、かりに配合を許可される場合には、これに伴つて取締りを併行して嚴重にされなければいけない。昔から配合は不正肥料の代名詞のようなものであつて、今後といえども、配合される場合にこれに伴う取締り法規なり、取締りの陣容を強化することは当然であります。今の段階においては、さような取締りの強化とか、取締りについてのいろいろの法規の改正はできていない。でありますから、よほど愼重にお考えくださいまして、價格は少くとも町村の協同組合でつくる場合の價格を基準にして建てる、その價格の範囲内でやるといたしますれば、いわゆる東京で言えば深川、関西で言えば尼ヶ崎というような、いわゆる昔の配合屋さんではいけない。そういうところには指定が及ばないのははつきりしていると思う。ここに万一中央でできるとすれば、過燐酸なり硫安をつくつている工場に、しかもこの價格で引受けるならばやらせるということに限定されると私は思うのです。これは農政局長はこの機会にはつきりした、この委員会でそのくらいの言明は私はできるはずだと思います。
 もう一つ伺いたいのは、この配合をやる場合に、肥料公團が配合の原料を農林省が指定されたところの工場に賣渡して、でき上つた配合肥料の形のものを再び公團か買い取る、いわゆる公團は二度の出入りの通行税をとるという形になつておるようであります。かようにいたしました場合に、公團の金融は助かるかもしれません。しかし原料を買いとつて、配合屋さんがそれを配合する期間、半月なり一月寝かしておく間は、金利は配合屋さんがそれを持たなければならぬ。それがコストの中に入つて來る。こういうような矛盾が起つて來るわけです。同時にこれは経験者にお聞きになればわかりますけれども、公團が原料を渡して配合屋さんに配合させて、その配合したものを買い取るという場合に、何か欠陥がある。それについて私はこの配合させる以上は少くとも農林省が指定する配合屋さんに原料を供給して、委託加工で加工賃を拂つて、そして配合を公團が賣渡す、こういう形にしなければ、絶対に人為的にも技術的にもできないと思う。それと違つたことをやつておられるのは非常にしふしぎだと思う。この点もさつそく改めていただきたい。同時に配合をやることによつて、公團の人員はよけいに増さなければいけないか、それとも現在の予定された人員でやれるかどうか、それを私は伺つておきたいと思う。配合をやるために、農家からどのくらいの希望が出て來るかわからないような架空なものを前提として、公團に配合肥料の係として何十人の人を置かなければならぬということでありますれば、これがすなわち農村の負担に轉嫁して來るのでありますから、これらの点について伺いたいと思います。
#48
○藤田説明員 價格をできるだけ安く、つまり村の協同組合でやります場合の経費を基準にしてきめるべきだ、こういうような御意見でございます。こういう点につきましては、十分御意見を尊重いたしましてきめて参りたいと思います。なお先ほど申し上げましたように、だれにこれをやらせるかということはまだ決定をいたしておりません。何ら私どもとしては決定をしておるところではないのであります。從つてそういうようなことを決定いたします場合には、いろいろ御意見のありますような点は十分考慮いたしまして決定して参りたいと思つております。それからもう一つ配合肥料を扱います場合に、公團の人員が殖えるかどうかというような点でございますが、これも実際問題としては、やはりそれだけの新しい仕事がふえると思うわけであります。しかしながら現在肥料公團の整理の問題が別途現在檢討中であるわけであります。そういうような点とにらみ合せまして、新しい定員というものを具体的にきめて行きたい。趣旨といたしましては、もちろん仕事は忙しいのでありますから、人員はいるのでありますけれども、整理のこういう際でありますから、極力人員は整理をして、事務の簡素化をはかりながら、仕事をして行くというような方向に持つて参りたいというように考えております。
#49
○河野(謙)委員 私はどこの工場に指定するか、それを今ここではつきり承るわけではない。地方の單位組合を基準にして、コストを建てた場合には、おのずと指定する工場がきまつて來る、結論が出るわけである。そういう意味で、深川とか尼崎というような、過去において農村から配合肥料の形で非常に搾取したような所には、当然配合肥料の指定はないはずである。これは私は信じておる。しかし誤つてさような所に行きますといけませんから、念押しをしておくわけである。先ほど申しましたように、取締りの強化もしてないで、あぶない刃物を渡した場合に、それがどういうことになるかはあまりにもはつきりしている。しかし農村の側から見れば、かような配合肥料の通牒があれば、そこまで縣念する。でありますから私はこの際特に念押しをしておくわけであります。もう一つ私はお聞きしますが、今の公團が原料を賣つて配合で買取る、こういう形は何としても私は不公正なことであると思う。これはどうしても委託加工の形でやらなければいけないという考えを持つておるのですが、これに対して御見解また御答弁を伺つて、一應質問はやめておきます。
#50
○藤田説明員 委託加工にするかどうかという問題も、実は中でいろいろ議論をいたしております。しかしまだいずれにも決定いたしておりません。そういうような点につきましても、先ほど申し上げますように、大体どのような配合肥料を幾ばくの数量のものを、幾ばくの種類のものを農家が希望するかという前提がまだわからないわけであります。從つてわれわれとしては、そういうふうな前提が農家の調査によつてわかりました場合に、その数量とかいうようなものが大体見当がつきました場合に、しからばこれをどういう所でやる、どういう形態でやらせるか、價格をどうするかという問題に入つて行きたいと思うわけであります。從つて御意見として、お話のございました委託加工でやらすべきであるという御意見については、十分これは拝聽いたしたいと考えております。今ただちにこれによるとかよらないとかいうような点については、もう少し研究をさしていただきたい、かように思います。
#51
○渕委員 私は農林当局に三点だけ質問いたしたいと思います。第一点に、農業生産計画の変更について、御承知の通りこのたびのデラ台風は潮風を伴つたもので、ほとんど作物は全滅に瀕した。米は別でありますが、かんしよのごとき、あるいは豆類のごときすべて燒けてしまつた。特にかんしよにおいては成長期をやられたために、三分の二は燒けてしまつて、残りの三分の一がようやく芽を出したけれども、実際にはならない、從つて当然生産はない、おそらく七割減くらいだろう。これは人間の生理学から見てもわかるように、植物の成長期をやられてはほとんど全滅である。また豆類についてもほとんど全滅、特に水稲については、苗代にあつた場合にいわゆる成長期にやられたために、收穫期においては相当減收が出るわけであります。從つて農林当局におかれましては、特に米とかんしよについては生産量の変更を認められたい。変更ができないとおつしやいましても、事実上において変更しなければ、たとえばかんしよを植えても、だめだというので、かんしよをひつくりかえしてやめている、あるいは大豆をやめておかぼを植えている。現実には生産量変更のごとき状態に陥つている。われわれはこういうことを考えますと、どうしても変更してもらわなければ、現在の生産量において收穫期を迎えますと、あといくら補正されても、そのスタンダードにおいて相当下りますので、この点について特に変更をお願いいたしたいと考えます。
 第二点は、特に宮崎縣下におきましては、潮害がひどかつたために、大豆はほとんど收穫皆無の状態であります。從つて農家ではみそ、しようゆをつくることもできない。せつかく政府当局の御盡力によつて秋材料をいただきましたけれども、わずかに一戸当り一升、これではほとんどみそもできないような状態であります。まず当局におかれまして一戸当り平均一斗、合計三千八百十石の大豆の特配をしてもらわなければ、農村の食生活に非常に影響があります。この第二点を特にお願いいたします。
 第三点は、開拓地におけるところの災害状況であります。御承知の開拓地はまつたくバラツク状態で、家まで吹つ飛んでいる。しかも開拓地の收穫は全滅しているという状態で、今や生活保護の問題にまで及んで來ております。從つて開拓地について、特に生活救護の面からこれを解決していただきたい。この三点を要望して質問を終りたいと思います。
#52
○森國務大臣 御希望であつたわけですから、一應考え方をお答えいたしたいと思います。かんしよ、稲作に対する事前割当に関する補正でありますが、もちろんその根本が生産されてないのでありまするから、当然これは補正しなければならぬと思うのであります。先般來各関係省から実地を調査に参りまして、本日の概況の報告がまとまつて承知いたしたのであります。潮風のために豆、タバコ等が非常な惨害を受けたという実際も承知いたしました。またさつまいものごときはすでに時期を失してしまつて、植えかえももちろんできません。そういうところでは生産し得ないのでありまするから、生産不可能なところに事前割当をいたすという理由は消滅するわけでありまするから、もちろん補正をしなければなりません。補正すると同時に、そういう極端な被害のところに対しまして、どうして食糧の食いつなぎをさすかということも、從つて考慮を拂わなければならぬと考えておるのであります。それはただ單に大豆の問題でなしに、國民の生活がそれがためにできないということがあつてはたいへんでありまするから、適当に処置をいたしたいと考えておるわけであります。なお開墾地等の入植者のことにつきましては、その実際の被害につきまして、適当の処置をとつて行きたい、かように考えておるわけであります。
#53
○小笠原委員長 大臣の方はあとの会議があられるそうでありますから、申し合せました重要問題の木炭問題に対して、この方をとりまとめたいと思います。さよう御了承を願います。
 お諮りいたしますが、数日來、薪炭需給調節特別会計の内容について、名委員よりそれぞれ適切なる質問が行われ、これに対して政府当局より答弁が行われたのでありますが、いまだ隔靴掻痒の感がありまするので、事柄の重大性にかんがみまして、なお私より念のためとりまとめて質問を行い、政府の明確なる答弁、あるいは資料の要求をいたしたいと思いますが、いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○小笠原委員長 ではさようとりはからいます。
 昭和二十一年冬関東、東北地帯の風水害がありました後、嚴冬を控えて薪炭の最需要期に入つた際、いろいろな惡條件が累積して、突如都市燃料の危機が襲来し、住民を不安のどん底に突き落したことは、いまだ記憶に新たなるところでありまするが、爾來生産者の熱烈な努力の結果、家庭燃料に関する限りいささか愁眉を開く段階と相なつたのであります。しかるに二十三年の暖冬異変以後、経済九原則の実施とも関連し、薪炭需要が激減するや、薪炭需給調節特別会計の運営内容はすこぶるきゆうくつ化し、ついに放漫にして乱脉をきわめた経理状況が暴露し、新聞等にいち早く宣傳されるに至つたことは、はなはだ遺憾とするところであります。しかるに事務当局は、その事態拾收のために昭和二十四年初冬以來、從來とり來つた特別会計の一手買入れ賣渡し機能を全面的に停止するに至り、國家財政に五十数億に上る莫大な損害を與えると同時に、その負債を薪炭生産者に轉嫁し、營々として薪炭生産に協力して來たこれら生産者を塗炭の苦しみに陥れたのであります。われわれ農林行政を審議するものとしては、これらの事柄が究極において國民の政治に対する信頼を失墜させ、ひいては薪炭の減産をもたらし、國民生活に重大なる脅威をもたらすことなきやを恐れるのであります。衆議院農林委員会としては、再びかかる失態をくりかえすことのないように、眞相と責任を追究し、今後における薪炭の生産並びに配給に支障のないようにいたしたいと思うのであります。
 以後は御質問申し上げるところを一箇條すづ申し上げまして、新たにまた文書をもつて政府の方にその内容をお送りいたしますから、それに対して文書をもつて委員会の方に御回答を願います。なお個々の場合で、その時期だけを明確に、いつ回答ができるやを御返答願いたいのであります。
 一、薪炭需給調節特別会計の生産者に対する未拂中、債務の確定している分として、商品費十八億、集荷業者に対する手数料三億、輸送費九億といわれているが、政府はこの債務をいついかなる方法で生産者に支拂うつもりであるか。
 次に特別会計が生産者より買うべくしていまだ買つてない分、すなわち生産者の手持品の数量と金額はどの程度であるか、都道府縣別に明らかにせられたい。また政府はこの分をいかに処理するつもりであるか。また生産者の実際生産量の七、八割程度を買上げ数量のわくとして、二、三割程度はわく外生産として買上げ数量から除外するというが、そのためにこうむつた生産者の損失はいかなる方法によつて補填するつもりであるか。
 本年七月三十一日以前に補炭されたものについては、政府は全量買上の義務があると思うが、その点いかん。
 一、昭和二十三年貸借対照表によれば、薪炭現物不足約十四億円といわれるが、かかる赤字を出した原因を、事務当局のいう十九原因の一々につき徹底的に調査し、その責任の所在をあくまで追究し、惡質なる者に対しては嚴重処分すべきものと思うが所見いかん。
 また二十三年度冬期に大都市に備蓄の状態となつた薪炭の保管、減耗、手直費による約十億円、昨年十二月に行つた長尺まきの値下げによる損失約三億四千万円及び増産並びに輸送増強のためやむを得ず支出された経費約五億五千万円の赤字の内容につき、詳細な資料を提出する用意があるかどうか、その提出期間いかん。
 一、事務当局の説明によれば、帳簿面と実際手持高との差額が特別会計の赤字を招來した重大原因と言つているが、その実際にある数量あるいは不足する数量をいかにして把握したのか、末端よりの申告に不正をいれる余地が大きいと思うが、その不正をいかなる方法と手段で追究するか。
 一、直接責任者たる木炭事務所の功罪を徹底的に究明する反面、惡質者を除きその他の職員の身分保証をはかる要があるが、その用意いかん。
 一、政府の卸賣業者その他に対する約三十億円の債権については、一刻の猶予もなく、その確保についての手を打たなければならぬが、いかなる処置を講じつつあるか、また講ずるつもりであるか。林野当局は重役の個人保証をとつているというが、それに関する資料を提出せられたい。
 一、特別会計の停止によつて、政府手持薪炭の値下げあるいは減耗による損失二十億円を予想しているが、政府はこれらの手持現物の処理について、惡徳業者の跳梁を押え、政府の損害を最小減度に喰いとめるべく、いかなる用意と対策があるか。
 一、去る二月薪炭の政府買上げを停止して以來、農業協同組合等が立替えた代金は莫大な金額に上つており、その支拂いを遅延せば農協運営に重大な支障を生ずるおそれがある。政府は債権の取立て以前にこの立替え代金を支拂う意図があるかどうか。
 一、來るべき冬の燃料危機を回避するために、強力なる増産措置を講ずべきものと思うが、なかんずく資金の融通について、いかなる見通しと対策を持つているか、特に生産者の原木購入資金対策の具体的内容を明示せられたい。市中銀行より融資あつせんを行うとしてもその効果は少いように思われるが、政府は預金部見返り資金等より直接融資の方法を考えておるか、どうか。
 一、輸送途中の紛失数量は木炭約二万三千トン、まき約二十二万総積石、ガスまき約千百トンと言われておるが、これらの紛失の責任者たる日本通運会社に対し、徹底的に弁償責任を追求すべきであるが、訴訟の提起をする場合詳細、正確な資料の準備ができているかどうか。またこれから作成するとすればその期間はいつか。またどこかの木炭事務所において弁償請求中であるとすれば、いかなる理由でいかなる程度の金額を請求中であるか、その資料を提出せられたい。
 一、特別会計の経理内容について会計檢査院の檢査を受けたよしであるが、その檢査結果に関する資料を提出せられたい。
 一、特別会計の赤字内容について、官行炭、民間炭別の調査資料を提出せられたい。
 以上でありますが、これらの回答を文書をもつていつごろまでにこちらの方に提出していただけるか、その点だけをお答えを願つて、あとは文書をもつて御回答を願います。
#55
○三浦説明員 ただいま御要求の資料の提出の期限でございますが、このうち最も困難なのは輸送中紛失の責任者たる日通に対し徹底的に賠償責任を追求する場合の正確な資料、この準備ができておるか、またそれはどういう資料によつてやるかという、ことの資料の提出の問題でございます。これは発送報告と着地におきまする受領地の報告との、品等、銘柄、あるいは数量の差が、日通との政府契約による弁償の根拠になつておりますが、この根拠によつてやるということは明らかでありますけれども、その要求する資料を資料としてそろえて出すということに相なりますると、たとえば東京でも実は一万五千件に近いものがある。また横浜においては千二百件もある。こういうようなことで、大体東京が全体の一割でありまするから、件数としてはどうしても十三万ないし十五万程度あるような事情でございまして、その件数自身を資料として差上げるという時期は、かなり期間がかかる。ただ根拠だけをキヤツチすることができるという点が一つでございます。
 それから次は、卸その他に対する三十億の債権の至急取立てといたしまして、重役の個人保証をとるということは、これは事実でありまするが、その資料を、こういうふうにしてとつてあるというのを御提出するというのは、サンプル的な一部のものはございまするが、全体をそろえますためには、各木炭事務所から取寄せなければならない、こういうことで、これについては約二週間ぐらいかかるのではないか、かような状況であります。
 もう一つつけ加えますと、特別会計の赤字の内容について、官行炭と民炭とのいわゆる区分というものは、これは調べがつかない。もうとにかく政府買上炭ということで、原因による官行炭と民製炭との区別はつかないのではなかろうか、この点をおそれておるのです。
 以上御要求に対する資料の提出の見込みの概要でございます。あとはできます。
#56
○小笠原委員長 それでは申し上げますが、日通に対する請求は、訴訟の準備等の詳しいところまで行かなくともその根本の金頭と、不明になつた時期と、あるいは貨車番号とか、そういうことの準備だけはあると思いますから、そういうものをおそろえになつて、今度十五日ごろまでに回答ができますか。
#57
○三浦説明員 貨車番号というやつは、結局ほとんど整理ということなんでありまして、これは十五日までというわけには参らぬ。他はできると思います。
#58
○小笠原委員長 なお伺いますが、日通に要求するのに、貨車番号がわからないような準備はないように思われるのですが、それは、わからなければわからぬでもよいから、わかつた分だけひとつ急いで十五日までにこちらに届くように御配慮願いたい。
 なお、今の重役の保証関係は、各事務所と連絡をとらなければわからぬというお話でありますが、それは各事務所の所長だけの権限によつて、そういう債権を重役の保証によつて確保しておるのですか。本省の方の承認を得なくてもよいわけですか。
#59
○三浦説明員 そのとり方については、これまた実はまだ印刷物ができなくて、ここにお届けできなくて恐縮ですが、一つの方針を立てまして、それに基いてやれということで、やらしております。ただ東京、大阪、名古屋、京都、兵庫あるいは福岡、こういうような主要な大きいところには、当時林野局及び本省総務局の、そつちに関係する必要な権限を持つておる者を派遣いたしまして、それがとつて來たものがございます。さしあたり今日のところは、その一部を参考につけてお配りしたいと思いましたが、まだ印刷ができません。後ほどすぐ來ると思います。爾余のところは、その林野廰でつくりました債権確定の方法によつて各事務所はやつておるわけであります。
#60
○小笠原委員長 各委員の方々で、今委員長においてとりまとめて質疑した関係について、補足質問をする方がございましたら……。
#61
○井上(良)委員 今委員長から、約十何項目にわたりまして政府に資料を要求したのでありますが、このほかに、政府は小出し費というような名目でもつて業者に対して金を出しておるのでございます。これは現場の木炭事務所に何らの連絡なしに、業者代表と本省と打合せをいたしまして出した金であります。その各木炭事務所別の件数と、年月日と、その金額を資料として出してもらいたい。
#62
○小笠原委員長 他にありませんか。それではどうか森農林大臣は、関係者の方を鞭撻して、十五日までに、できるだけの範囲のものは急いでこちらの方へ御回答を願います。
#63
○森國務大臣 承知いたしました。
#64
○小笠原委員長 それではきようはこの程度にして、明日午前十時より開会することにいたしたいと思いますが……。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○小笠原委員長 それでは、きようはこれで散会することといたします。
    午後三時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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