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1949/08/22 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第44号
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1949/08/22 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第44号

#1
第005回国会 農林委員会 第44号
昭和二十四年八月二十二日(月曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 小笠原八十美君
   理事 河野 謙三君 理事 野原 正勝君
  理事 松浦 東介君 理事 藥師神岩太郎君
   理事 山村新治郎君 理事 小林 運美君
   理事 深澤 義守君 理事 寺本  齋君
      遠藤 三郎君    小淵 光平君
      平野 三郎君    渕  通義君
      村上 清治君    井上 良二君
 出席國務大臣
        農 林 大 臣 森 幸太郎君
 委員外の出席者
        農林政務次官  坂本  實君
        林野廳長官   三浦 辰男君
        專  門  員 岩隈  博君
        專  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 薪炭に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小笠原委員長 これより会議を開きます。
 それではまず木炭に関する件を議題とし、質疑を継続いたします。
#3
○井上(良)委員 ちよつとこの前質問しましたうちで、なお二、三確かめておきたい問題がありますから……。二十四年の七月に経済安定本部、大蔵省、農林省、この三省が共同で本委員会に提出しております薪炭需給調節特別会計についてという資料がありますが、この資料の第一に薪炭の現物不足十四億にというのがございます。この十四億の現物不足というのは、この委員会から政府に質問いたしました第二項にその答弁書が出ておりますが、この答弁書によりますと、二十四年度の赤字三十四億というのは、二十二年度までの決算が正確であると前提に基いた推定であるが、従來決算に相当疑義がある点があるので、目下各年度の決算資料を調査檢討中であり、相当額の赤字がそれぞれ次年度へ繰越されていると考えられる。二十三年度のみにおいて三十四億という赤字を生じたものでないことは、ほぼ確実である。こういう答弁書が出ておりますが、この答弁書をわれわれが読んでみますと、これは一体何を言うておるかということです。私に言わすと、特別会計の決算というものは帳簿の上の決算でにないので、少くとも現物と照し合せて、政府の買い上げたものが何ぼあり、特別会計によつて卸に賣つたものが何ぼあつて、そうして政府の所管をしておるのが何ぼあつてという、その現物と照し合せずに決算ができるはずがないのであります。もしそういう決算を現物に何ら照合せずに、單に机上の帳簿の上の決算で会計檢査院の檢査を受け、決算報告書を國会に提出して、承認を求めて來たとするならば、その決算報告は、まつたく欺瞞の決算報告であり、少なくとも國会及び國民をごまかして來たところの決算報告であると思われるが、この点に対して、一体政府はどうお考えになつておりますか。
#4
○三浦説明員 御指摘のように、この特別会計の決算にあたつて、現物と帳簿とをまつたくつき合せて、それに基いた決算でなければほんとうの決算と言いがたいということは、ごもつともの点がございますが、しかし現在の会計檢査の建前で、そこまで行つておらなかつたということは事実なんでありまして、私どもとしては事実に基いた報告をなさざるを得なかつた、こういうような状況でございます。
#5
○井上(良)委員 それはたいへんなことでありまして、これは農林大臣に直接伺いたいのですが、今長官の御説明によると、現物に照合して決算をするということは当然のことであるが、現在の会計の状態から言いますと、そういうことがやり得なかつた。またやらずに來た、こういうことなんです。そういうことでございますと、これは單に林野局の木炭需給調整の特別会計のみならず、農林省には多数の特別会計を持つております。また実際現物を賣い上げ、販賣しておる特別会計も他にあるわけです。また公團会計等もございます。これらの会計は、いずれも今長官が説明されました通りの、現物に照合しない單なる机上の会計決算であるかどうか、そういうだらしないやり方が行われて來ておるかどうか、この点を農林大臣として御答弁願いたい。
    〔委員長退席、松前委員長代理着席〕
#6
○森國務大臣 途中でありましたから、あるいはお答えにはずれてるかもしれぬと存じますが、御承知の木炭の特別会計は、十五年以来創設になつておるのでありまして、その間たな卸ろしができておらなかつた、現物等と照合ができなかつたということは、はなはだその処置を得ておらぬと考えるのであります。しかしこれは御承知の独立の会計檢査院というものがありまして、会計檢査院の考え方によつて、年々檢査が行われておつたと思うのであります。農林省は各種の特別会計を持つておりますが、これは年々現物との照合をいたしまして、そういう不都合、木炭特別会計のようなふしだらのないよう整理をいたしておるわけであります。
#7
○井上(良)委員 そうすると、木炭会計は現物と照合してなかつたということが大体明らかになつて來ましたが、そうしますとこれは会計檢査院の檢査制度の問題もございましようし、また実際現在の木炭事務所の定員においては、とうていこういう尨大なものが一度にたな卸しできなかつたという不可抗力的なことも考えられないことはございません。ただ一般國民にわれわれがこれを報告します場合に、かくのごときことは、実際は報告ができ得ない内容であります。少くとも特別会計として薪炭の買入れ及び販賣をやつております会計が、現物と合せずに決算をするというようなことは、常識で考えられないことなんです。それを平氣でやらして來たし、またそれが何ら疑問にもされてなかつたというところに、実は問題があるのじやないかと思いますし、なおまたそういうやむを得なかつたという仮定に立つて、この報告書を見ておりますと、この三十四億という赤字は、二十三年度のみにおいて生じたものでないことにほぼ確実である。ほぼ確実であるというような推定のもとに、三十四億という赤字が出されておりますが、この三十四億という計算もまたまことにずさんな数字じやないかということが言われます。そういうような内容のもとに会計檢査が報告されておるということならば、一体現物不足が何ぼあつたかということについては、実際上事実を押さえてないし、また実際今から十年前にさかのぼつてこれを調べてみたつて第一帳簿があるか、またその当時それをやつておつた人が現職でおるかどうかというようなことをいろいろ調べてみますならば、かりに本廳におつても木炭事務所の係が異動したり、販賣あるいは集荷というような面のろいろなものがかわつておりますから、実際上これの調査は非常に不可能になるだろうということを前提にして、いかにも過去にたくさんの損失が累積されてこうなつたのだというような印象を一般に與えて、そうして当面出ておる赤字を糊塗しようとするような傾向が非常に強い。これらの点について、どう政府はお考えになつていますか。
#8
○森國務大臣 二十三年度の当初における三十四億という赤字でありますが、これはが私その責任の位置に立つたときに、三十余億の赤字があるということを知りまして、これはたいへんなことである、一日も早くこれは整理をしなければならぬというので、責任者に対してその整理の進捗方を手配いたしまして、今日まで継続しておるわけでありまして、決してこの三十四億が過去の累積した結果であると一般に断じはいたしません。もとより内容を精査しなければ、その原因が何年度にできておるかということは明らかになりませんから、今それぞれの手配をいたしまして、その内容の精査に努めておるわけであります。しかし井上委員もかつてはこの農林行政の責任の位置に立つておられたのであります。その当時はたして今井上委員のお話になつておる通り、この木炭会計に対して特別な注意をお拂いになつて、そうして現物との会計の決をお合せになつたことがあるであろうか。私は長年の間ずつと継続して会計檢査院が責任をもつて檢査いたしておると思いますが、私はこの三十四億という赤字を見て、これはたいへんなことになつておる、一日も早く整理をしなければならぬ、國民に対して申訳がないというので整理を断行するように手配をいたしたのであります。井上委員もその責任の位置におられたときに、はたしてこれは完全にやつておつたと御承知になつておるか。私はその点を参考に承りたいと思います。
#9
○井上(良)委員 私に質問が來たのですが、これはたいへんな誤解でありまして、少くともわれわれが農林省におりました場合は、御承知の通り終戦直後の昭和二十二年の時代でありまして、木炭事情は火のつくような状態にありまして、当時はあらゆる燃料が窮迫をつげたために、新規というものについて、いかにして政府はこれを消費地に非常輸送するか、いかに生産を増長するかということに全力を注いで参りましてどうにか國民の協力によつて事なきを得たのでありまして、当時の木炭事情というものは途中で、ごまかすとか、途中で非常に大きな何億というような炭が横流れをして消えてしまうとか、少くとも政府の買上げたものが、政府の責任においてやつておるものが、そういうような疑惑を生ずる行為は、やろうにもやり得ないような監視のもとに行われたのでありまして、この点はわれわれは当時の薪炭行政は非常に正確に行われておつたということを確信いたしております。ただ決算の場合にそこまで注意をしたかという大臣の質問でございますが、御承知の通り途中で内閣がかわりして、われわれは決算までしなかつたのであります。
 つまりその間について、実際にたな卸しが行われているかどうかということまでやる責任の地位にそのときはいなかつたのでありますから、そこまで質問をされますと私の方ではあるともないともはつきりは申されません。ただ当時の木炭事情から申すと、そういう不正を行うことのでき得ないきびしい監視のもとに、木炭の需給調整が行われて來たということだけは明確に申し上げられると思います。また特に私がこれを質問いたしておりますのは、何も政府をいじめようとかどうとかこうとかいうのではない。森農林大臣が特にこの木炭特別会計の赤字があまりにも尨大であり、その原因内容にいて檢討を加えられ、國民の負担ができるだけ軽く済むように善処されているその努力に対しては、われわれ決してこれを攻撃し、またはその行為について非難をいたしているものではありません。ただ國民がこれを見ました場合に、なるほど國会もよくその内容を明らかにし、國民をして何ら疑惑を與えない審議をしているということを明確にする必要があります。そういう面で私はやつておるのでありましてこの場合は一國会議員としての責任においてやつておるのでありますから、一井上個人、また井上が前職の農林政務次官としての、そういう個人的な問題からやつているのではない。以上のような立場から質問をいたしておりますから、その点は誤解のないように正式にお答えを願いたいと思います。
 次に私が特にこれを取上げておりますのは、この三十四億の赤字の内容は、まつたく政府の推定の数字でございます。明確な決算の上でこうなつたわけではないのでありまして、推定の大まかな数字ではないかということが言えるのであります。それからこういう赤字を出しました一班の責任と申しますか、一班の理由の第一は、第二項にあります二十三年度の多季の備蓄状態となつた薪炭の保管料手直しが約十億ありますが、この十億の内容をいろいろわれわれが檢討してみますと、これはまつたく政府の木炭行政の不行き届きといいますか、あるいは円滑にやられておらなかつたといいますか、そういう監督行政上の大きな問題がこの損失を生んでおるのではないかと思います。これは直接薪炭行政をやられている人々の見込み違いがあり、また相当その間において適宜な処置をとり得なかつたということが、この赤字を生んでいるのではないかと思う。たとえて申しますと、一つは薪炭配給の一面における複数制による登録制度を設けたことが、いろいろな末端配給の上に大きな空白を持つた、いま一つは、これは山村の農家の経済的な関係もあつたかも存じませんが、個人の製塩を一切禁止したというようなことから、製塩に用いておりました薪炭が全部一般家庭燃料の方に振向けられた。それから石炭が多少出まわつた関係から、工業用炭がまわりましたために、工業用の薪炭というものが相当家庭に振り向けられる。特にまきの問題でありますが、長尺もののまきがおそろしく都会へ殺到して來た。この殺到に対して、薪炭課は何らこれを食いとめるところの手が打てなかつた。つまり長尺ものは豊富になつて來ますと賣れないということがはつきりしておる。やはり一尺六寸でなければいかぬということははつきりしているにもかかわらず、それを生産者の方に何ら言明せずに、依然として長尺ものがどんどん出て來た。本年の三月ごろまで長尺ものの生産を禁止することができなかつた。それが結局都会の滯貨となつて、そういう点でどうにもこうにもならぬ、生木が出て來ますから、目方が減るし、いわゆるかさは低くくなりますし、そういういろいろな惡條件がこういう結果を生んでおるのではないかということが想像できる。そのときに何ゆえすぐ一尺六寸なら一尺六寸でなかつたならば、政府は買い上げないという命令を出さなかつたか。そういうことを処置しないところに、こういう大きな損害が來ておるのではないかということが一つは言われるのではないかと思うし、それからいま一つは備蓄を奨励した。これは一應いずれを聞いてまわりましても、政府は昨年の幕に薪炭の備蓄を強調しておる。しかしその送つて來た炭というものは、非常に質の惡い、しかも水分を非常に含んだ惡い炭でありまして、こんな炭を備蓄したら、今度配給する場合は問題にならぬ炭になつてしまう。そういうことを全然考慮せずに備蓄を奨励しておる。そうしてその備蓄をいよいよやめさせたのは本年に入つてからなんだ。当時なら何ぼでも賣れた。何ぼでも賣れたものを、ことさらに備蓄を命じて、そうしてどうにもならぬものを、それは特別会計の金繰りがつかぬから、直接に支拂いができぬから、自由販賣でも何でもかまわぬ賣つてしまえ、こういうことをあとで言うておるのではないか。そういうことは一体どうするのです。そういうことで起つた損害はどうするのです。そういう事務上のいわゆる薪炭行政のよろしきを得ない結果が、この十億の赤字を生んでおる。また都内の長尺ものの値下りの赤字を生んでおる。そういう薪炭行政の処置よろしきを得なかつたという点は認めますか、この点をはつきりしてもらいたい。
#10
○三浦説明員 ただいま井上議員の申された、昨年度に起きました備蓄、あるいは長尺まきに対する処置の点から、十億の負債が出た、その原因についてのいろいろの御檢討、まことにごもつともの質問でございます。もとより全体結果論からいえば、薪炭の特別会計を運用しておる事務局の意向というものが、必ずしも思うように徹底しなかつたということが、かなり大きい部分かもしれませんが、御承知の通りに複数制の登録というものは、從來戰爭中からやつていました集荷、配給の面を複数制にしろということを、前の國会の附滯決議として受けました政府として、当然行わなければならなかつた。ところが、その規則に思わざる長時間を要しました結果、ここに九月ようやくその規制を公布することができた。そうして九月には中旬から始まる登録店の選挙、十一月にようやく卸店の決定というような手続きになりましたそこで政府といたしましては、当時カザリン台風がありまして、岩手縣に供出を依頼しておつた炭百万俵というものが当然送れなくなつたということから、福島縣ほか数縣にその肩がわりを極力頼んだけれども、当時まだ生産縣におきましては、それだけ肩がわるわけにいかない。縣内の消費事情、生産事情から言うと、肩がわり、するわけにいかぬといつたようなことで、非常な困難の結果、ようやくある程度の数字を納得してもらつたという状況で、これが十月の半ば過ぎでございます。こういう事情からいたしまして、この線によるいわゆる配給機関の更改、変改というもので、とき十一月でございますので、ある程度は消費地に備蓄をしたというのがその種になりまして、ああいうような結果を見たのであります。この点につきましては、結果諭的には見通しが少し適切でなかつたということになるかと存じます。それから長尺まきの問題でありますが、これは九月には、われわれとしては生産縣に対して、今後は標準まきでなければ買わない、こういうことを嚴に通達したのであります。そこで生産縣の方では、これはたいへんだ、農林省ともあろうものが、まきの生産過程というものを知らないで、突如九月から以降は標準まき以外は買わない、長尺まきなどはつくつてはいかぬ、こういうことを言つても、すでにつくつてあるものをどうするんだ、こういう問題からいたしまして、その厳格であつた通牒というものを、その縣縣の事情である程度緩和したという事実はございました。一月に至つてようやく標準まきオンリーということが励行されておるような状況でございます。備蓄を奨励したというのではありませんが、そういう結果になつたいきさつの一端、及び長尺まきについての措置の一端であります。
#11
○井上(良)委員 その点で多少政府の方で実際の措置のよろしきを得なかつたということは明らかでございますが、この結果だれが一番迷惑をしておるかというと、結局卸屋が一番じやないかと思うが、ごらんの通り卸屋に対して政府の特別会計が貸つけております金は約三十億と言われておる。しかし卸屋は、特別な小賣屋が引取らぬものぐらいは自分の倉庫にしまつているかわかりませんが、他は余部小賣屋に渡してしまつておる。そこで小賣屋はこんなものは賣れないということで、現物を引取つてくれ、こういうことを卸屋の方に言つて金を拂わない。そこで政府へも拂えない。こういうような話をしておるところがある。しからば実際小賣屋がそういうものを持つておるかというと、政府が五月から六月に一挙に自由販賣してもいいというくらいの融通性のある通達を出しました結果、小賣屋に滯貸しておりましたものはほとんど各家庭に二俵、三俵、四俵、というぐあいに賣り込んでしまつておる。これは大阪のある町でありますけれども、その近所ではこの冬の炭をどうしようか、実はもう炭がないのですからどうしようかということで、今から冬の炭をこの町へ入れるのに、どういう機構でどういうぐあいにしたら入るだろうかということで、非常に心配をしている。われわれは三十億なら三十億というものが卸なりあるいは小賣店等に滯貨されておるという何を持つておつたのでありますが、実はいろいろ調べた結果は、滯貨はごくわずかであつて、あとは大部分消費者に薪炭を賣つて、代金はみなもらつておる。この代金が依然として政府へ入つていない。この事実を一体どう考えますか。
#12
○三浦説明員 現在とにかく卸商の方に賣掛けになつているというふうに扱わねばならぬ数字は十八億と推定されます。そうしてそれについては、その問答の一部にも出ておりますような方法で、債権の確定回収というものを極力急いでおる状況でありまして、その他の分は卸商がある場合においてはいわゆる預証というものを出しておるだけであつて、卸商としてはまだ賣るべき段階にはなつていないという状況のものでございます。井上委員のお話になつておるその約十八億の分については、卸商といたしましては、自分の所に倉庫といつてもないのであるから、まず小賣屋の方にこれを預けさせておる、こういうような説明をしておるのであります。
#13
○井上(良)委員 預けさせておるというてみたところで実際現物は今申しました通り部分的にはあるかもしれませんが、大部分はずでに消費者に配給をしてしまつておるということは事実であります。さらに問題は、確にこの前の資料に出ておつたと思いますが、政府が手持をしておると言いますか、薪炭の滯貨と言いますか、それが実際約三十億ぐらいあるのじやないですか。この三十億ぐらいの滯貨は一体現物はどこにあるというのですか。それは山元にあるのか消費者にあるというのか、それとも卸屋に賣つたものも含んだ話か、その内容をもつとこまかく説明をしてもらいたい。それから政府手持の薪炭のうちで、長官の説明によると消費地で約二割の損耗、産地で約三割の損耗、合計五割の損耗になる。そうするとそれは一体いつまでに計算をした場合、そういう損耗になるというのか、われわれのしろうと考えで申しますならば、長くなればなるほど損耗は大きくなつて行きはせぬか。從つてこの半年なら半年、この年度末なら年度末に計算をした場合に、長官の言うたような損耗になるというのか、それとも来年一年かかつてそれだけの損耗が出るというのか、その五割の損耗を來すという現物のありどころはどこか、それは中間業者の手にあるのか、卸業者の手にあるのか、それとも政府の倉庫にあるというのか、どこにそれだけのものがあるのか、これを明らかにしてらいたい。
#14
○三浦説明員 あとの方の二割、三割の問題から申します。あの二割、三割とは実はまことにこの席でも言いにくかつたのでありますが、あれは七月の末なりにこの特別会計の買入れ機能を閉鎖いたしました際、政府が現に持つておる数量につきまして、都市にあるものにつきましては手持の品物と状況から見て、最悪の場合値下げするとすれば二割ぐらいしなければならぬのではなかろうか。また持つておるというふうにいたしましても、その間における。倉敷損耗等につきまして、二割程度の損耗を見なければならないのではないか。生産地におきましては、統制の緩和の状況からいたしまして、三割程度というものはそういつた損失を見なければ合わないのではなかろうか、從いまして三十四億とは別に、二十四年度になつてからの損失の中にそういう計算をすると一應十二億程度の損を考えなければならぬかという内容になつている点を申し上げたのであります。さように御了承願いたい。これは確定ではございません。もとより政府といたしましても、その損失の多きを望むものではございません。極力損失を少くして行かなければならない。ただ一部考えられますのは、統制緩和の第一のこの冬では、そう賣り急がなくても、少しは持つているのが妥当ではないかという議論もございます。いずれにしても二割、三割というのはそういう点から出た見込みの数量でございます。それで現在政府の手持になつておりまするものは、生産地で五九%、消費地で四一%になつております。これは木炭であります。まきについてはそのパーセントは生産地で七二、消費地で二八。ガスまきにおいては生産地で、六九%消費地で三一%、かような状況でございます。
#15
○井上(良)委員 大体そういうのがはつきりわかつて参るのはいつごろですか。
 いま一つ私が一番心配しているのは、賣掛代金の回収の問題でございますが、具体的にどういう方法で回収しようとしているのですか。卸会社の共同責任の信用保証は入れずに、重役の個人保証だけをとつている、私の調べたところ、大阪だけでも約五億近い賣掛代金があるのではないかと思います。そういうものが四つか五つの会社の重役の信用保証をとつて全部差押えてしまつたところがしれている、ものの一億もありはせんのです。そうするとこれを一体どうして回収しようというのですか、これは向うに言わすと、政府がむちやくちやにためておけというのでためておけば、今度は賣れというから賣つた、そうしたら小賣屋は金をくれませんと言いますし、小賣屋の方はもう賣れませんから現物を引取つてくれという、そうすると、かりに現金で回収するのなら回収し、どうしても回収できぬものなら現物を引取るという場合、賣つた時と引取る場合の損があります。減耗あるいは保管料というものがある、そういうものは一体どうなるのか、これは実際われわれ法律的な頭は持つておりませんからわかりませんが、これは実際大問題だと思います。もつと責任ある回収の方法を明らかにしてもらいたいと思います。
#16
○三浦説明員 その点はまことにむずかしい点でありまして、私どもといたしましては、今の賣掛けになつておる部分については、御指摘のように、へたをやれば自分の資本額の五倍、ひどいのは十倍、こういうふうないわゆる政府債務を持つておる。そこで私どもとしては極力債権の確定はまさに非常に急ぎましたけれども、実際の回収という問題は、その状況を見ながら回収をして行かなければ、ことに法的にいろいろとできるからと言つてやつても事実金というものが入らぬでは、結局これまた結論においては損を來すということでありますので、追究の手は絶対にゆるめず、しかも一面において仕事を続けさせて行く。そこで今度の八月一日から始まりましたいわゆる薪配給ルートも、原則としてそういうような從來の卸小賣というものはそのルートを残して置く、こういうことによつて回収をはかつて行くつもりであります。それから現物を持つておるのを政府にそれでは再び買取つてくれという問題になりましても、政府といたしましては、一旦賣つたものを買取るわけにはいかない。私の方としては少しも買取る意思はございません。買つた方の責任において御処理を願いたい、こう申しておるのであります。
#17
○井上(良)委員 そうしますと水かけ論になりまして、実際政府は当時の價格でもつて請求をされております。しかし現在実際手持ちしておるものは、非常に水ぶくれの、悪い炭である関係から、ほとんど粉炭に等しいようになつておる。そういうものが積み上げられておる。これはだれも買手がない。まして今後まきの統制が撤廃され、そうして炭が消費地だけの統制でやられるということになつて参りますと、より以上よいものが消費地へ出て來ないと買手がないことになる。そうなると、今まで持つておつたものは全部値下になつてしまう。そうするとここに大きな損害が実際薪炭の販賣業者には起つて來る。その損失を政府が負担するというなら別ですが、実際値打のないものを持たせて――強制的に政府が備蓄をさせたのじやないと言うけれども、備蓄させておる。大阪だけでも四十何万俵というものを備蓄を命じておる。そのものは全部水ぶくれの、ものにならない炭である。それが今政府の方の取立てを食つて、金を拂わなければならぬ義務がある。そこでどうしても拂えぬからこの炭を引取つてください、こう言うた場合に、今あなたのおつしやるように、おれの方では引取る義務はないのだ。これでは卸も小賣屋も悲鳴を上げるよりほかしかたがない。それだけの大きな続損がそこに生ずる。その続損については何ら考えないのですか。それは考えてやるというのですか。そこのところが明確にされないとこの問題は解決しませんぞ。
#18
○三浦説明員 好むと好まざるとにかかわらず、ある程度備蓄のできたのはこの一月ごろにお話申し上げた通りであります。その処理の問題でありますが、当時の特別会計といたしましても、金繰りの関係からこれを早く金にかえなければならぬ。そこでそのいわゆる備蓄の姿をもつておる大都市方面の、消費地方面の方々の何回かの御参集を願いまして、そうしてこれをどうすればはけるかということで、いろいろと協議した結果、あるいは制限を解いて自由販賣みたような行為、またある場合におきましては手直し、損耗というものを認めて、幾らで引取るかという具体的な取引の問題、こういうことを再三再四やりました結果、当時その卸側といたしましては、小賣の方の意見も当然含めて政府側と妥協ができまして、それに基いてその処理の方針は決定されたのであります。両方で納得づくで決定されたのであります。從いまして私ども一方的なことにはならないと思いますが、その後におきまする実行の部分において、ある場合ある部分が思う通りに行かなかつた。卸業者が当時考えていたようなぐあいに円滑には行かなかつたという点があつたとしても、私どもとしてはそこまで納得して折れ合つたいきさつにかんがみましても、背負うわけに行かない。かように存じております。
#19
○井上(良)委員 そういうことになると話はつかぬですね。実際品物を持つておつて現在滯荷中でありますならば、話は非常に楽なんです。一部そういうものもありますが、そういうものは大体賣れないものが滯荷しておる。だからそこで損をしておるということでなかなか拂わぬ。いま一つは、現に賣れても、ほとんど金は消費者から小賣屋へ拂い、一部は卸へも拂つておりはせぬかと思うが、実際荷さばきした後の代金の回収が依然として足踏みして政府の金庫へ入つて來ない。これを具体的にどういうやり方で取立てようとしておるんです。そのが明確でないじやないですか。いつまでそれを結論づけようというんです。これは非常に早いことやらぬと、政府の金をもつて山に炭を買いに行つたり、原木を買いに行つたり、あるいは製炭業者に金融をつけておる人がたくさんおるんです。これは政府の金なんです。政府に拂わぬでその金を持つて行つておる。その処置のよろしきを得なければ、この賣掛代金の回収はなかなか容易ならぬのですが、どういう処置をしようというんですか、それを伺いたい。
#20
○三浦説明員 政府の方は、その点がありますので、六月の末に主要な都市には人を派しまして、一々の債務者と相談をいたしまして大体において本年十二月末まで、またはなはだ多いところにつきましては三月末まで、こういうことでその債務とは話合い、それを保証する意味において、そういう重役連中の個人保証、こういうものもとつて來ておるような状況でございます。中には公正証書にまではつきりしてあるのもありまして、ただそれは見込みであるが、お前たちにとれないだろうと思う、こういうことについては、これは今後のことでございますので、私どもとしては、いろいろな方法を講じてこれをとる、こういう考え方であると申し上げる以外、その結果を見なければわからないのであります。ただわれわれとしては、どうしてもこれをとらなければならない、こういうふうに考えておるような実情でございます。
#21
○井上(良)委員 私ばかりやつておつたのでは氣の毒だから、もう一二点で終りますが、先日私の方の社会党から、官房長官に対して薪炭特別会計に関する質問書を出した。この質問書の答弁の中に、一つは今後の薪炭の需給の状況について、このままで新しい統制によつてやりますと、相当里山が濫伐になつて、どうしても奥山製炭といものを奨励しなければならぬことになるが、奥山製炭の操業についての対策として、政府の方では第五國会に奥山製炭の奨励金といいますか、補助金といいますか、そういうものを出すように予算を國会に提出したい、こういうことを答弁をしておりますが、それは事実でありますか。もしそれが事実とすればその予算総額、そうして一かまなら一かま、あるいはまた一俵なら一俵、一積層なら一積層、石に何ぼの補助金を出そうとするか。そういう点をひとつこの際明らかに願いたいと思います。
#22
○三浦説明員 御承知のごとく奥山に対するところの開発といいますか、奥山の活動を願わなければ里山というものは一層荒れる。こういうことからいたしまして、事務当局としては、約五億を出してもらうために省内の会計課の方へ出して、ただいま折衝中であります。これを省議を経、そうして大藏省へかつぎ込むというような段取で、今のところはまだ都内で話しておるというだけで、この実現というものはいつに皆さんの絶大なる協力を得なければならない、私どもとしては、ぜひこの際日本の山の実情から見ても、また薪炭の現状から見ても、それを実現したいものだ、かように考えております。
#23
○井上(良)委員 大体わかりましたが、この場合この五億の補助金といいますか、助成金といいますかこれはまきにも出そうというのですか。それとも木炭だけに限つておりますか。その点明らかでないのですが、もしこれがまきにも適用されるということになりますと、まきは自由販賣でございますからその場合にはたして補助金の出るような余地があるかどうかということほ非常に問題になつて來ると思う、そういう関係から、これは製炭業者に対して與える影響といいますか、それが非常に大きいのでありまして、政府は出すと言つておつたが結局くれなかつたということになるといかぬものでございますから、やはりこの際政府が一應出すという腹をきめました場合には、國会またその必要を認めた場合には、できるだけ政府を助けるつもりでございますけれども、われわれの観念からいいますと、少くともまきが統制をはずされて、炭だけが消費地統制のような状態において、はたして補助金というものが効率的に使われるかどうかということを非常に疑問に思つておる。少くとも消費地の、特に東京、大阪、名古屋等の大消費地へ移出したものに対してはこうするというような線が明らかになつて來ませんと、一應のわくをはめぬことには、自由取引の状態において補助金を出すというような場合に、一体どういう結果が起るかということをわれわれが想定をしましたときに一應それらのものが明らかにされなければならぬという点を私は伺つておきたいと思います。
 なお農林大臣に伺いますが先に農林大臣は、農林省所管の各特別会計及び各公團の会計を監査するとか、しておるとかいう話でございましたが、これに関して官房長官は、特別会計の監査法といいますか、公團等を含んだそういう特殊な会計の監査法を今度の國会へ出すという話だそうですが、大臣としてはそういう方向に動いておりますか、これも合せて伺いたい。すなわち現在をたなおろして帳簿とはつきり合わす、会計の内容を今検査させておるのか、そうしてその結果はいつわかるか、それから新しいそういう監査の方法についての法的処置を講じようとするか、この三点を伺いたい。
#24
○森國務大臣 監査法を出すか出さぬかまだ決定いたしておりません。特別会計なり公團等は農林大臣がこれを監督する責任があるのでありますから、現在組織におきましても決して監督、監査にさしつかえはないのであります。
#25
○三浦説明員 奥地の生産補助の問題でありますが、これについては木炭に限定する考えであります。それからなおその方法を誤つてはいけない。まことにごもつともで、私どもとしては、これは今のところ少くとも駅、港頭から十里以上外である、すなわち奥地でふつて、そこで生産されたということが確認されなければならない関係上、いわゆる縣外に出すものと縣内で使うものという区別ではなしに、場所的に知事の指定したそこの場所、その具体的な場所についてしなければ、補助をもらつたものともらわないものとの間に不均等を來す。そういうことではこの目的を達成するゆえんでないのであります。
#26
○井上(良)委員 私は林野局当局といいますか、農林当局にこれ以上こまかく質問したくないのであります。つきましては午後に、会計檢査院で本特別会計を監査されております責任者を、この委員会に呼んでいただくということをお願いして、私の質問は一應保留いたします。
#27
○深澤委員 政府は農林委員会の意見として、七月三十一日までの生産者の製炭部分は、これを政府が責任をもつて買い上げることが当然ではないかという要求を出したのに対して、その買上げにはいろんなりくつがあるが、買上げはできないということを明確にしている。そうなりますと、全國の生産者は今滯賃を持つて非常に苦しんでいる。特に最近における経済界の金詰りの状態に影響されまして、山村はまつたく配給米を受けることすらできないほど現金が枯渇している。そこへもつて來て、今度の統制は生産者の價格というものは保証されていない、たたかれた上に買われるという結果になるのであります。そういたしますと、全國の生産者は徹底的にたたき買いされて、悲惨の上になお悲惨になることは明らかであります。これはまさに生産者圧迫の統制方式であると私は断ずることができるのであります。この点について農林大臣はどういうお考えを持つて運用をされておるのか、その点ひとつお尋ねしたいと思います。
#28
○三浦説明員 一應私から便宜お考えいたします。生産者が七月末までに、特別会計が閉鎖されるまでの間に生産をしたものは、当時の薪炭需給調整特別会計の規則に基いて全部買うべきではないか、こういう御意見に対して、そこまでは買えない、こういうふうに申し上げておりますのは、この生産というものが年間の計画を発表しており、多くその生産者個々の問題に至つては、そこまでつながつておらないというのが事実であります。從いましてこれを買うというふうにした場合におきましても、その数量ははなはだ不明確でありますし、特別会計の性質とその損失状況が、先般來説明を申し上げてあるような状況でございますので、これは買えない、こういう点を率直に実は申し上げた次第であります。それから現在の價格制度から言つて、最終消費者の價格しかない、このことは生産者の保護ではなくて、むしろ生産者はたたかれほうだいである、こういう御意見でございますが、私どもはかように考えます、生産者の價格そのものはないけれども、消費者の最終價格というものがあるということは、その地におきますところの需給からいつて、おのずから生産者の價格というものが浮び出て来る性質のものである、かりに生産者の價格を、マル公をつくつておいたとしても、それはマル公であるがゆえにそれで買わなければならないし、それで買つてもらえるものだということにはならないのであります。私どもは生産者がたたかれることは、むしろ避けるような行政措置をすべきものだ、たたかれほうだいにたたかれるということであれば、それはこの統制方式をかえたところの、需給のある程度の見通しというものの線そのものがくずれてしまう、私どもはこの消費者價格をつくることにおきまして、生産者價格というものがおのずからある再度の線で維持されているのだ、かように解釈しております。
#29
○深澤委員 消費者價格が決定されておれば、生産者價格が自然に補給関係において、公正な生産者の引合うような價格が出て來るであろう、こういう見解の上に立つて、現在の統制方式は生産者を圧迫しない、こういう見解を持つておられるのであります。これはまことに机上の空論であると私は考えます。なぜならば、需給関係の上に立つて一番大きく働くものは、もちろんそのものを必要とする要求と、それに対して供給する態勢との関係ではありますが、なおその中に資金を持つてこれを運営する、つまり資金を持つておる者によつてこの相場というものが左右されることは、一切の経済状態においてもはや明らかであります。こういうような関係において、都会の卸業者あるいは集荷業者等と結託をいたしまして、のどから手の出るほど現金をほしい生産業者に対して、徹底的な戰いをすることは明らかであります。現在その傾向が各山村をまわつてみますと起きている。こいう現状から申しますれば、この統制方式はまつたく生産者に対して非常な苦痛を與えるものである、それは同時に日本における燃料問題を必ず窮迫させるものてある。私は今年の暮れにおいて必ずまた燃料飢饉が再來して、再び何とか措置を講じなければならぬという結果になることを予想するものでありますが、この点についてどういうぐあいに考えておられるか伺いたい。
#30
○三浦説明員 資金が豊富であるか豊富でないかということが、その取引における勝ち負けを決定する重大な因子である、まことにごもつともでございます。そこで政府といたしましては、この統制方式の変更の際までに、生産者方面に対する資金の道というものを、あらゆる点で明らかにすべきものである、かように考えたのでございます。ただ一つその当時できたのは、いわゆる八月一日以降におきますところの生産者に対する約七割の金融の道、日銀の適格担保として日銀につながる融資の道としての七割のもの、これが当時できただけであります。私どもとしては、もう一つその回答の中にも回答がしてあると存じますが、政府の現在の生産者方面に対する債務、これに対する融資というものを極力急いで出す、これもただいま交渉の経過といたしましては、政府のこれだけは支拂うべきものである、借りておるのだ、未支拂いになつておるのだということの証明を、産地の木炭事務所長において書類を出す、それを裏打ちとして、その七掛程度を金融機関が安心して出してもらえるという方法を確立しつつあるわけであります。今日まだきまつたと申し上げられないのは遺憾でありますが、かようにいたしまして、生産者に対する金融をはかれば、昔あつた土地の問屋さんと個々であつた生産者の状況のような姿ではなしに、パーとして、対等としての取引ができるものである、かように考えております。
#31
○深澤委員 農林大臣にお伺いいたしますが、この薪炭特別会計の損害については、もちろん國民は廣大なる負担をしなければならない関係上、非常な関心を持つております。その中に新聞において増田官房長官の発表したところによりますと、これは歴代内閣の責任であつて、むしろ吉田内閣における森農林大臣はこのあとの整理をするという、まことに重大な役割を果しているのだというぐあいに発表されておつたようでありますが、この薪炭特別会計の損害の問題については、これは十四億の薪炭の不足による損害はずつと前からあつたようであります。あとはほとんど三十三年度における補助金あるいはその他の経費ということになつておるのであります。しかもこの経費の支出関係が何ら生産者に対する補助でなしに、生産者以後の集荷業者、あるいは輸送業者あるいは卸業者というようなぐあいに、この連中に補助したところの損害が、十四億の現物不足のあとの損害になつておる、こういうような状態であります。そういう意味において、生産者はこの損害の大きな赤字に対しましては何ら補助されずに、それ以後の人のみが補助されたという現状になつているのであります。しかもなおこの三省から発表されました末尾の方に、今後において二十億の損失が加わることが考えられるということも予想されているのであります。これは非常に大きな責任問題であるとわれわれに考えるのであります。森農林大臣にこの薪炭需給特別会計が歴代内閣の責任であるか、または現内閣の責任として責任を感じられておるのか、そういう点について、ひとつ御見解を承つておきます。
#32
○森國務大臣 生産者は何らの均霑も受けておらないという御意見でありましたが、これは見方であろうと思うのであります。物の流れというものは、生産省、消費省、仲介者と、いずれのものも一つの経済のつながりになつているわけでありまするから、その一部分を助けるということが全部を助けるということにも考えられるのであります。必ずしもこの損害が生産には何ら均霑されておらないということには考えられないと私は思うております。しかしこの責任の問題でありますが、これは官房長官がそういう意見を発表されておりますが、單純に申しますなれば、昭和十五年からできた特別会計が今日結論をつける間において、はつきりとその間にしておらなかつたということを言えば、その間に責任のあつたすベてのものが責任を負はねばならぬ、こう思うのであります。しかし私としては過去のことをこれはだれの責任だ、かれの責任だと、いまさらさような責任をなすりつけようとするものではありません。あくまでも現内閣の責任としてこれを処理したい。こういうことを考えておるのであります。しかもこの帳簿等は途中年度において失つておるものもあるようでありますので、これは会計檢査院の調査書類も求めまして、明らかにその損失がいずれから出たかということをはつきりいたしたいと思うております。これは政府並びに事務当局が一方的にやつたように考えられてはどうかと考えまして、財團法人の経理協会というものが公的に組織されておるのでありますが、この手に移しまして、その内容をはつきりいたしたいと思います。しかしその整理の結末をつける責任は、もちろんこの政府が持つております。ただ今日までの沿革を考える場合においては、必ずしも現内閣がその責任であつたとは極端に言い得ないと思うのでありまして、十五年以來一回もたな卸しをしなかつたということを考えますれば、それはその責任がいずれに分担されなければならぬかということについては、相当議論があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、相当時日を要するかしれませんが、とにかくこの赤字の内容をはつきりいたしましてこの政府の責任を明らかにいたしたい。かように考えておるわけであります。
#33
○深澤委員 大臣にお伺いいたします。私は今も長官から答弁がありましたが、現在の統制方式は消費者價格だけをきめておいて、生産者價格をきめていないというところが、生産者を非常に苦しめる統制方式であるということを今申し上げたのであります。その点について大臣はどういうように考えられておるか。私はおそらくそのために生産が減退して、再び燃料飢饉が來ると考えておるが、この点について大臣はどういうぐあいに考えておるか、責任を持つたお考えを承りたいと思います。
#34
○森國務大臣 今長官がお答えいたしたように私も考えておるのであります。決して燃料飢饉が來るとのみ断定はでき得ないと思います。末端の最終價格をきめておるのでありまするから、おのずから途中のマージンというものはわかつておるわけでありまするから、決してそれがために生産者が窮境に陥る。たたき買いをせられるというようなことは断じてないと思うております。
#35
○松浦委員長代理 農林大臣に対する木炭関係の質疑は、きようこの程度にいたします。なお平野三郎君から農林大臣に質疑の通告があります。これを許します。平野三郎君。――平野君ひとつ簡潔にお願いします。
#36
○平野委員 見返り資金の農林業関係に対する活用について、政府が非常な努力を拂つたことについては感謝をいたしておりますが、この金融の條件について、どうしても農林関係はある程度特別の保護を與えなければ、とうてい円滑に行い得ないということは明らかでありまするが、その点についてはなはだ疑問がありまするので、一、二伺いたいのであります。最近問題になつております代表的な一例をあげれば、かんしよでありますが、これは先般の委員会におきましても、政府から大いに抱負経論を述べられたのでありまするが、やはりこれの金利も、最近商工業方面と同様に一割ということになつた関係上、当初全國にわたつて五億円の予定であり、申込もあつたわけでありますが、おいおい條件の悪化のためにしり込みをするような状態で、現在でははなだ不満足というか、とうてい五億円には達し得ないような状態で、府縣によつては相当割当があるにかかわらず、全部農業協同組合の方面が、さらつてしまうというような、眞に寒心にたえないものがあるのであります。これは最初に申し上げましたように、農業並びに林業は、とうてい一割というような高利では成立ち得る産業ではないうでありまして、この点はアメリカの企業的な農業とは根本的に違つた考え方で解決してもらいたい。
    〔松浦委員長代理出席、委員長着席〕
こつ点について政府としては十分努力はしておられるでありましようけれども、結論において目的が達成し得られないということは、やはりそこに努力に何らか欠ける点があるということを指摘せざるを得ないのでありますが、一層この点について今後御努力をお願いしたいと同時に、この間の状況を伺つておきたいと思うのであります。
 次に食料確保臨時措置法の改正案を目下審議しているわけでありますが、本年の作柄から、現在の状態では今後台風その他の特別か悪条件が発生すればいざ知らず、現在の進行状態におきましては空前の豊作が予想せられているのであります。從つてこの状況を考慮して、この法案に対しても相当程度の改正案を準備することが必要なのではないか。先般本委員会におきましても、いも類の統制をはずしたらどうかという質疑に対しまして、政府の方では現在配給の一割程度がいも類によつて構成されている関係上、ただちに実行困難であるというような御答弁があつたのでありますが、この作況を見ますならば、おそらく一割以上の豊作は十分に予想されるわけでありますから、いも類をはずしても現在の配給基準量に変更を加えるような必要はない。また現在の配給基準量を若干下げることがあつても、いも類をはずすということの方が合理的ではないか。先般の政府の答弁でも、現在の政府の取扱いにおいて、もいも類の腐敗は五%を越えている。実際一割くらいは腐敗をするというようなことが常識になつているように思いますが、そうすれば國家経済においても、いも類は近い將來においてはずす方がよいのではないかと考えられますし、最近に一部傳えられております超過供出の米麥については、特に政府が米麥券というものを交付をして、これを自由に農家に賣買を許して、これを消費者が食糧配給公團からその分だけを配給を受け得るというようなことも研究されているのでありまして、これはきわめて適切な方法であるというふうに考えるのでありますが、これらの点について政府はさらに食糧法を改正するような法案を提出する用意があるかどうか。これを農林大臣に一点伺つてみたいのであります。
#37
○森國務大臣 見返り資金に対する金利の問題であります。見返り資金というのは國民の負担によつて生み出された金でありまして、これを特別な事情以外のものに対して安く貸すということは、結局その事業に補助をするということになる建前から、低金利は許されていないのであります。政府資金としての通信、鉄道の方面に対しましては特別の利率を認められたのでありますが、その他工業方面、船舶運輸等の建造等につきましては、市中銀行が今一割二分五厘内外と聞いているのでありますが、それに比較して幾らか安く、一割というくらいな程度にとどむべきものである。この金利を安くすることによつて、そういう特殊の事情に補助をするということになつては、この資金そのものが全國民の負担によつて生み出された金である以上、よろしくなくという関係方面の意見でありまして、金利は政府の事業以外のものに対しましては、大体一割ということに考慮されているのであります。キュアリングにつきましては、この性質上特に安い金利をもりてやるべきでありますが、政府におきましては、キュアリング施設によつて貯蔵いたしましたいもにつきましては、特別の價格をもつてこれを買上げる、こういう考え方を持つておるので、いまだ確定いたしたわけではありませんが、そういう氣持を持つておるのでありまして、このキュアリング事業が食糧の緩和の上において非常に役立つという意味から、そういう処置を一方においてとつて行きたい、かように考えておるわけであります。
 なお食糧事情についてでありますが、お話の通り、ことしは一部においては九州のごとく風水害が再々あります。また四國の一部にも病中害があり、関東方面の一部にも旱害がありますが、まず今日の情勢では相当な米の作柄であろうと予想されるのであります。しかし米というものは俵に入れてみなければわからぬのであります。俵に入れて初めてことしは作がよかつた悪かつたということを判断するのでありまして、また台風の本格的な時期をこのあとに控えまして、決して食糧は安心したということは言い得ないのであります。それでありまするから、今いろいろとお話になりましたさつまいもに対しましての考え方も、今は簡單にこれを自由にはずすとか何とかいうことは、少しあわて過ぎた考え方ではないかと思うのであります。あくまでも堅実な食糧の配給のことを考えて行くべきである、かように考えております。
 なお生産計画以上に対しまして、いわゆる超過分に対しましては、クーポン式にこれをやるということがきようの新聞に出ておりますが、これはあなた方の方においていろいろ御研究になつておるように聞いておるのであります。政府といたしましては、今そういう案を持つておるわけではありません。從つてただいま御審議を願つておりまする食糧確保臨時措置法を一日も早く御決定をお願いいたすということが、今日政府が皆さんにお願いいたしておる点であります。從つてこの改正案を出すということは毛頭考えておらぬということを、御承知願いたいのであります。
#38
○山村委員 簡單に大臣に二点ばかりお尋ねいたしまして、あとは後刻事務当局にお尋ねをしたいと思います。それは何であるかと申しますならば、先ほど來論じられておりまする燃料の点から言いましても、また今問題になつておりまする食糧法の、すなわち食糧確保という見地から言いましても、いわゆる治山治水という根本の観点から、造林の必要今日ほど急なることを感じたことはないと思うのであります。ところが今までの農林省の指導方針というものは、半面においては緑化運動をいたしながら、半面においては開拓の奨励をいたしておるのであります。特に平地林の開拓は、農地改革の行き過ぎに伴いまして、非常に各地の造林欲をそいでおるのでありまするが、はたして農林省といたしましては、造林に重点を置かれるか、あるいは開拓に重点を置かれるか、その根本方針を明示いたしていただきたいというのがその一点であります。
 なおこの造林を奨励するためには、どうしてもその山の所有林、森林の所有者に所有権の安定感を與えない限りにおいては、おそらくどんなに笛を吹き、たいこをたたいて造林を奨励しても、なかなかにはげ山に木が植わつて参らないと思うのでありますが、森林所有者の所有権の安定に対して、政府はいかようなお考えを持つておられまするか、この二点をお尋ねいたします。
#39
○森國務大臣 たびたびお答えいたした問題でありますが、開拓、開墾ということについては、これはその必要性を認めておるのであります。ただこれを架空的なと言うてはどうかと思いますが、全國で百五十万町歩は調整せなければならぬという、基礎調査もいたしもせずして、ただおいまかな数字を推定してこれを受けつけろということは、乱暴狼藉なやり方でありますので開墾した方が國土利用の上においてさしつかえないというところは將來も開墾してさしつかえないと思います。しかしながら開墾を予定いたしましても、これが林業行政とのにらみ合せが必要でありまするから、一應考えられた土地が、森林地帯としてこれを除いてもいいか悪いかということは、十分専門的に調査せなければならぬのでありまするから、この審議会を設けまして、これを開墾してもさしつかえないという結論を得ましたときに、初めてその未開墾地を買収し得るという制度をとつておるのであります。今まではそういうことなしに、一方的な考え方でぐんぐんと平地林等が開墾されました弊害を認めまして、さような処置をとつておるのであります。今回の台風におきまして、これは徳島縣の実例でありまするが、平地林を開墾いたしましたがために、既設の水田が相当の面積を水でさらわれてしまつたのであります。そういうふうな実例は各所にもありますので、あえて徳島の例を持ち出すまでもないのでありますが、こういうふうなことは、一町歩の新しき開墾地を得たがために十町歩の既婚地を失う結果になるのでありまして、結局マイナスであります。それでありまするから、十分今後の未開墾地の処置につきましては、慎重な態度をもつて臨んで行きたい。しかし日本の國土の関係から干拓の必要も考えております。また開墾の必要も考えております。しかしそれは今申しましたような原則のもとに立つて行うということでなければならぬと思います。從つて山林の問題をお尋ねでありましたが、これはもとより私有権でありまして、私用地でありますから、その人の所有梅はあくまでも尊重しなければなりません。しかし國土保全の上から申しまして、りつぱな林であつたが、現在の持主がこれを切り拂つてしまつて、その跡地の栽埴ということを考えない。捨てておく。力がないためか、あるいは会計の関係か、とにかくその山を切りつぱなしで捨てておく。それがためにそれが原因となつて、年々非常に山が荒れるというようなことがありましては、これはそれ人の山であるから、野となれ山となれという言葉がありますが、その人の自由であります。その人の自由ではありますが、國土の保全の上から申しまして、そういうふうなことは決して見のがしてはならない問題であろうと思います。一部におきましては、これは衆参岡議員の有志の方の御意見でもありまするが、そういう場合においては、その所有者の承諾を求めて円満なる解決のもとに造林をする。すなわち強制的というわけではありませんが、造林をやる方法を考えたらどうかということが、議員諸君のうちにも御意見が出ております。また農林当局といたしましても、そういう処置も國土を維持する上から必要であるという氣持もするのであります。しかしこれはあくまでも私有権を尊重いたしまして、決してこれを強制的に取上げるとか、あるいは使用するとかいうような乱暴な考え方は毛頭持ちませんけれども、國土保安の上から、そうい処置もやむを得ないような日本の現状ではないか、かように考えるのであります。年々歳々、風水書というものは昔から繰返されておるのでありますが、しかも近代のごとく非常な損害をこうむるということは、結局山が荒れておるというようなことに結論されますので、どうかして山を緑化し、治山治水の目的を一日も早く確保いたしたい、かように考えておるわけであります。
#40
○井上(良)委員 今の岐阜の平野君が質問しておつた問題でありますが、現在農林委員会は、第五國会の継続審査として、臨時食糧確保措置法の一部改正法律案を審議しておるわけでありますが、この審議の過程において、民主自由党の政務調査会が米券による超過米の取引をいたすように法文化いたしまして、これを次の第六臨時國会に提案しようということを公表しております。このことは一政党がそういうことを檢討し、案を立ててやろうとするのでありますから、別に一向さしつかえがないようでありますが、しかし民主自由党の内閣を民主自由党はつくつておるのであります。從つて内閣が國会に対して提案をしております法律と、まつたく相反するととき改正案をこの國会に出そうという考え方は、われわれとしては納得できないのです。少くもと政府としては、もちろん國全体の上に立つて政治をやらなければなりませんが、しかし民主的に選ばれた政府といたしましては、やはりその議会の絶対多数を占めます勢力の立案しますものを重要視して、これによつて政治をやつて行くというのが民主的な政治の行き方であります。民主自由党の内閣として出ております森農林大臣が、この米券による超過供出の取引を、何かよそがやつているように考えて、えらいのんきに答弁をされていますが、これは私はもつてのほかだと思つております。少くともそういうことを自分の所属しておる党の政調会がきめて、対外的に発表する以上は、一應政府に相談がなければいかぬと思います。相談がなしにそういうことを発表して、これが與党の提出法律案となつて議会へ出て来た場合に、多数を占めております與党でありますから、通過することに必至であります。そうした場合、一体政府は現在の食糧法の一部改正法律案との関係をどう調整しようとするのか。もしそういうことが行われるならば、継続審査の必要はなくなつて來るのです。そんなものはまずひつこめるべきです。食糧法の一部改正法律案をひつこめて、米券による取引の法案の力がよほど生産意欲を向上し、食糧確保になるので、こういうことにすべきであるにかかわらず、一方この案をくそ暑いのに審議さしておいて、そして一方それをぶちこわすような案を発表されるということは、これは何も民自党だけじやない、政府が悪いと思つている。政府がうろうろしておるからこういうことになるのです。政府は民自党が出しております米券による供出後の米の取引、ああいう案を一体認めようというのですか、認めようというならば、この食糧法の一部改正の法律案は必要なくなつて來るのです。この点を明確にしてもらいたい。
#41
○森國務大臣 井上君も政治と行政との関係をよく御存じと思います。自由党の政務調査会において、そういう案を研究されておるのであります。しかし党はまだ役員会の決定もしておりません。どういう結論を得られますか、まだこれは將來のものであります。政府といたしましては、もとより自由党の與党を持つておるわけでありますから、與党の政策というものは尊重して参ります。けれども必らずしもこれを全部行政の面に取入れて行くということは、行政の関係上、これは與党の出店ではないのでありますから、協力して行くことはもちろんでありますが、この点は井上君も御了承あると思います。政府といたしましては、そういう案がありまして、閣議においてこれはとつてもつて政府の案として出すべきものであるということならば、政府の責任をもつて出すのであります。また與党はもしも政府がこれを全國的に承認しない場合におきましては、党自身の法案としてお出しになるのもこれは自由であります。それでありますから政調会において研究され、まだ役員会の決定は見ておりません。また政府といたしましては、閣議にこれを取上げておりません。政府といたしましては今御審議を願つておる食糧法の一部改正法律案、これが現段階においては、政府として進むべき一つの法案であるということを考えておりますから、この委員会を継続してお願いしておるわけであります。
#42
○小笠原委員長 それでは午後一時半から再開することにして、暫時休憩いたします。
    午後零時二十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時五十一分開
#43
○小笠原委員長 議それでは休憩前に引続き会議を開きます。山村新治郎君。
#44
○山村委員 午前中に大臣に造林と開墾の農林省といたしましての、根本方針についての矛盾をいかに是正するかという点についてお尋ねいたしましたところが、大臣はこれに対しまして森林の愛護を第一義的に考えつつ、必要なる面において、また有効なる面においての開墾、開拓は、これを進めるだろうという御答弁があつたのであります。まことに食糧事情の絶対的安定を得ないと見通される今においては、やむを得ないものがあるかもしれませんが、少くとも今日の新しい開墾や開拓が、その成果を至るところにおいて予期通りのものを、あげておらないというのは、ほとんどどなたもの認めるところであるのでありまして、むしろそれよりも既成田畑に対しましてより以上の育成をいたしましたならば、これによつての食糧確保の方がはるかに新しい開墾、新しい開拓よりも、國家的に見ても得るところが多いのではないかと思われるのであります。從いましてその食糧確保の根本問題でありますところの治山、治水、すなわち山林の愛護、育成という問題につきましては、私はどうしても農林省といたしましては第一義のうちの最も第一義に取り上げて、むしろこれに重点を置いて推し進めなければならないと思うのであります。しかるに未墾地買收予定地審査委員会なるものが一應あるのでありまするが、これは実質におきましては、昭和二十四年の一月二十四日付の農林次官の通達に基いておるものでありして、法的根拠を持たないために、ややもいたしますれば各地の農地委員会におきましては――得に農地改革の行き過ぎの点につきましては、各位御同感の点が多分にあると思うのでありまするが、この審査委員会なるものをほとんど無視するかの傾きがあるでございます。從いまして、もしも森林の育成をしようという立場から見まするならば、この審査委員会の権限を法的なる根拠を持つところの、権威あるものにせしめなければならないと思うのでありまするが、この点につきましての当局の見解をお聞きいたしたいと思うのであります。
#45
○坂本説明員 ただいま山村委員長からいろいろ御意見を承つたのでありまするが、近年災害が累増いたしておりまする原因の最も大きなものは、山林の濫伐にあるのではなかろうかというふうに考えられるのであります。しかしながら一方におきましては、現在においても國内の適材量を超えて木材の伐採をしなければならないのでありまして、これが対策といたしましてはまず間伐励行いたしますること、それから適当な場所を保安林といたしますること、こういう点で考えて行かなければならぬのではなかろうかと思うのでありまして、政府といたしましていろいろな計画を立案いたしておるのでありますが、二百万町歩ないし二百五十万町歩の植林計画をただいま考究をいたしておるのであります。今いろいろ御指摘がございましたが、洪水の被害が山林の濫伐によつて増大すると申しますることは、洪水量が増大するのではなく流出が時間的に早くなることで、従いまして洪水の中に多くの土砂が含まれておるために非常に被害が大きくなりまするところは、最近におけるデラ台風を初めとして、諸種の台風被害地における現状であります。従いまして、流水量の調節には植林が最も必要でありますが、植林の效果をあげるためには二、三十年間の年数を必要とするのでありまして、植林と同時に、土砂の崩壊流出を防止するための砂防工事もあわせて行わなければならぬと思うのです。かような面につきましてはさらに建設省関係もございまするので、十分緊密なる連絡をとりまして善処いたしたいと考えておるような次第であります。
 なおこれに関連をいたしましていろいろ批判されておりまする未望地開拓の問題でございますが、この点につきましては大臣からもそれぞれ御意見をお話になつたのでありますが、森林の濫伐のほかに河川の改修が不徹底であるということも考えられるのでありまして、また今の懇地開拓の問題につきましては、政府といたしまして、十分研究をいたしまして、技術的にも検討いたしまするし、なおまた営農的な面からもこれが成立つかどうかという点を、ひとつ十分考慮いたしまして、これを再検討するような心組みで進んでおるのでありまして、従来のような画一的な開盤を今後も押し進めて行くということは、少なくともこの際十分再検討しなければならない、かように実は考えておるのであります。その他詳細につきましては事務担当者より御説明申し上げます。
#46
○三浦説明員 政務次官のお答えに補足して簡単に申し上げます。御指摘のように調査部なり、あるいは町村委員会に付属する調査機関なり、これらに法的な根拠を與えなければ、いわゆる法律と対抗できないという議論は、実は当時から出ておる。私ども事務当局としては当然そういうようなことを考えて指導もいたしておるのであります。御指摘の一月二十四日でましたあの通牒をよく熟説吟味しておりますれば、あの基準がいわゆる科学的に一應できておる関係から、そういう点はなくなるはずだと考えている。そういう意味で、あれは公正な誤りのないものだと思う。また誤りをもつておつたとすれば、私ども中央におる者としても、横の連絡をとつて運用の誤りなきを期したい、こういうふうに考えております。
 それからもう一つ山林と食糧の問題でありますが、私ども山林の事務当局といたしましては、食糧のようなものは今日の日本の貿易関係、日本の経済の関係から、ぜひある程度まで自給をして、早く國の回復をはからなければならぬということはもとよりではありますが、毎年の作である食糧と長年にわたる成果である林産物との損値判断の問題につきましては、私どもは農作物というものは世界の経済貨物の対象になりますけれども、山林のごときはその成育の長年月であり、またその立地のいろいろな関係からいたしまして、必ず昔のような世界のいわゆる貿易貨物の対象にはなりにくい。わが國のごとくあらゆる面で林産物を使うという点からいつて、また山林というものが田畑その他の土地を保護するという立地の関係から行きまして、山林については特に扶植をはからなければならぬ、こういうふうに考えております。
#47
○山村委員 ただいまの長官の御答弁によりますと、この各地の審査委員会が、次官通達をよく読めば誤りなく運用される結果うまく行くだろうというような御趣旨の御答弁があつたのでありますが、その誤りがないという御見解は、先ほどの大臣の御答弁のごとく、森林の育成ということを第一義的に考えての誤りがないというふうに解釈をしてよろしいかどうかについてお尋ねをいたします。なおまたこの審査会を法的に措置せんとするところの用意が今のところあるかないか、この点につきましても御答弁願います。
#48
○三浦説明員 一つの國土をどういうふうに利用していくかという場合に、それはまず何をおいても山林だというふうには、私ども山林を直接担当しておる側からいつても、実は言いかねる点があると思う。過去における、あの開拓の問題から行くと、私どもは明らかにこれは行き過ぎておつたと思う。さればこそああやつてあれだけやかましくその筋の命令のごとく言われて、突如として出たあの大きな開拓の方針が、九月一日の次官通牒をきつかけといたしまして、一月二十四日の具体的基準をもつて、一應その方向を改めた関係になつておるのであります。私はどこが先だ、どこがあとだということは言うべきではなくて、その土地、あおの具体的場所におけるところの諸般の条件によつて山林というものが非常に慮待をされておる。これは山林の担当者でなくとも、土地利用のために山林が慮待されておつたということは言えると思います。
#49
○山村委員 山林の育ての親ともいうべき長官がそんな気の弱いことではいささか心細く思いますが、ただ観念的にでも今までの開拓事業というものが行き過ぎておつたという意思表示がありましたので、一應その程度でかんべんしておきますが、ぜひひとつこれにつきましては、少なくともはつきりした態度をもつて今後も臨んでいただきたいと思うのでございます。
 次に開拓適地の基準に関する件という通牒は、いろいろな点において明確を欠いておりまして、特に農用林的な價値が没却されておるがために、各地においていろいろな物議の種となつているのであります。この開拓適地の基準につきましては、どこまでもはつきりとこの農用林的價値の意義をもつと強調すべきだと思うのでありますが、これについての御意見はいかがなものでございましようか。
#50
○坂本説明員 ただいま山村委員から申し上げましたような通り、今後における未懇地開懇の問題につきましては、さらに十分技術的にもこれは考えてみなければなりませんし、また開墾後における利用ができるかどうかということも考えなければならぬ。従いましてかような面におきまして十分研究をいたす所存でございます。また基準もある程度の基準を示したのでありまして、傾斜の関係でありますとか、あるいは高度の関係でありますとか、いろいろな基準を示したのでありますが、今御指摘もありましたし、実際に開墾を始めます場合には、十分これらの点を勘案いたしまして、決定いたしたいと考えます。
#51
○山村委員 次に薪炭採草地の問題でありますが、薪炭採草地の使用権の設定につきましては、一應昭和二十一年十一月二十六日以前のものにつきまして設定されている形になつておるのでありますが、これを現行法規以上に拡充するところの意図を持つているかどうか、この点を明確にお答え願いたいと思います。
    〔委員長退職、松浦委員長代理着席〕
#52
○三浦説明員 薪炭採草地につきましては、いわゆる指定された期日前におけるところの権利の回復だけが現在の法的措置でございます。そこで新たなる問題といたしましては、営農上必要であるところの採草地の新しい設定の問題であろうと思います。私どもも現在におけるところの日本の農家の状況を見る場合、あの緊急開拓によつてできた農家は、内地三割北海道五割ということで附帯地としてこういつた土地をつけてありますが、同じような環境でありながら、その昔に開拓されたということである場合そういう附帯地というものがこの法規では認められていない。そこでいわゆる農政の問題から行きましても、既往におけるものと、あの法律によつてできたものとの間の不調和という問題がございます。農業をやつて参ります場合に、それに必要なるところの採草地がほしいことはいうまでもございません。私ども林業の方の立場からいつても、そのアンバランスであることを考えております。そこでその問題は農政の一つの進展と合せて、林政におきましても、当然その点は考えなければならぬ大きな問題が残つておる。かように存じております。
#53
○山村委員 薪炭採草地の使用設定にあたりましては、薪炭の原木、あるいは枝を対象とするときには、樹木の育成を第一義として裁定すべきことを明確に規定すべきであると思うのでありますが、この点についてはいかがでございましようか。森林資源の減少に伴いまして、樹木の育成を度外視して獲得する傾向が顕著となりつつある現在において、特に重要であるのであります。言いかえますならば、薪炭採草の対象というものは、樹木育成のために生ずる副産物の程度に限定すべきであると思うのでありますが、当局の見解をお伺いします。
#54
○三浦説明員 この問題については私ども林野の事務当局としても、いろいろと研究中でございます。これは農林の考え方もあろうと存じます。そこでただいま山村委員の御主張にになられました山林の関係、傾斜地を使う場合においては、日本は國土も狭いのであるから、それと調和をしながらむしろ樹木を育成することを主眼として、そうしてそこに副産的なそれらの目的を達するものをあわせて生産するような施業の方法をやることによつて、調和をして行つたらどうか、こういう御意見に対しましては、私どもとして、この農業関係の解決の際においては、十分そういう点を考えたいと思います。
#55
○山村委員 次に蔭樹の伐採についてでありますが、薩樹の伐採は不地林の特殊性、なかんずく防風林的効用との比較、検討を十分にした上で指導されなければならないのでありますが、巷間傳えるところによりますと、普通の耕地から二十問あるいは二十五問の間は伐採されるべきであるというようなことをうわさされておりますが、この点につきまして、はたしていかような方針のもとに指導されるのでありましようか。
#56
○三浦説明員 蔭樹の問題は食確の方でもありますが、そこで私ども先ほど来問題となつております緊急開拓というものが、必ずしも既往において適性でなかつた。しかもその適性でなかつた山間におけるわずかの開拓地におきまして、主食となるようなものを植えれば、すなわち蔭樹となるからといつて、その周辺の山が切られる。そうなつたのでは土地の利用面からいつても、また治山治水の問題からいつても、そこに大きな問題が起きる。そこで私どもは、この蔭樹の伐採をいたしまする場合には、そこの農地関係の機関が決定するということでなしに、そこに薩樹の伐採を行おうとする場合においては、特に制限された、たとえば農林大臣の指定する範囲内をこれで行うというように、その運用におきまして誤りのないようにしたい。主食をつくるのが大事なことはもとより、従つてそれをじやまするところの蔭樹というものについての伐採を否定するものではありませんけれども、あの開拓に絡んだ、あるいは蔭樹を名として周辺の木を伐採することがあまりに多いために、國土の保安維持というものを危うくするというようなことのないようにして、薩樹については特に限定された運用の方法をやつて参りたい、かようにしておるような状況でございます。
#57
○山村委員 先ほど農林大臣の御答弁のうちに、山林所有者の所有権はあくまでも尊重する、しかしながらその所有者が当然植林すべき土地を持ちながらそれに木を植えなかつたり、そのままほつたらかしにしておつた場合においては、これを國家において、あるいは縣を通じて植林せしめるようなことをいたしたいというような御答弁があつたのでありますが、この処置に対しまして何か法的処置を講ぜられんとするところの用意が、ただいまあるかどうかをお伺いいたします。
#58
○三浦説明員 森林所有者に対する所有権の尊重、そうして所有権者が伐採して、しかもそのあとは捨てて顧みないという、この二つの問題を解決するところの法案の用意いかんとという問題でございますが、これに対しましては、昨年来本國会中の衆参両院の林業議員の方々によつて、林業委員懇談会というものが結成されておりまして、そちらの方の側としてもいろいろとご研究でございます。また林野当局といたしましてもこれを研究して、第五國会の際には、ともかく各政闘会の方にまで説明を申し上げた段階にまで達したのでございます。ところが、林野当局の方の案におきましては、この森林所有者の所有権の確立はいいとして、その所有者がいろいろな事情によつて植えない場合にたれかそのところへ植える、そのときにどういう人を植える人として決定するかという、機関について非常な疑義が出まして、その機関、委員会が一歩譲れば、農地委員会のごとき機能を発揮するという点に非常な反撃がございまいして、実はこの当局案なるものはそうでないということを説明しても御納得がいきませんので、ひつ込めたというのが実情でございます。それで最近の実情といたしましては、さらに衆議院の方で一つの案をお持ちのようであります。それにはもちろんこの所有者の所有権を尊重する、そうして所有者が植えない場合に、それではたれに実際植えさせるかという問題についての非常にデリケートな点につきましては、これを知事の諮問機関に諮つて、知事が御決定になるという形においてこれを解決する一案がおありのようであります。当局といたしましても、いろいろの事情からそういう方が山林の緑化がすみやかにできるといたしますならば、その点でもわれわれとして考えていいんじやないか、どうかという問題は、その関係の方と話合いをしておるというのが現在の段階であります。
#59
○山村委員 最後に坂本政務次官にお尋ねしたいのでありますが、それは今さら説くまでもなく、林業の必要はお互いに痛感いたしておるのでありますが、林業の技術者及並びに指導機関といたしましての指導機関といたしましての指導吏員というものはほとんどないものでございます。特に地方におきましては、いわゆる林産物の検査院がこの指導を兼ね行つておるというような現況であるのでありまして、かくのごとき状態におきましては、おそらく林業の目的完遂まことに道遠しの感を抱かざるを得ないのであります。従いまして、少なくとも地方事務所単位ぐらいにはこの技術指導員を設ける必要があると思うのでありますが、この点につきましての当局の見解を御発表願いたいと思います。
#60
○坂本説明員 ただいま御指摘になりました技術指導員の面でありますが、これにつきましては、農業指導員の問題とあわせて考えられる大きな問題であると思うのでありまして、この方面の充実もできるだけすみやかに行いたいと考えております。
#61
○山村委員 事務的な問題で簡単に伺いたいと思います。それは御存じのように、山林の山すその刈上地と申しましようか、その山すその刈上地がややもすれば採草地という名目の下に、買上げの対象のすべきであるとか、すべきでないとかいうような議論が各地において非常に展開せられておりますが、林野当局といたしましては、やはり山を保存するという点から言いましても買上げの対象とすべきでないと思うのでありますが、どういう見解をお持ちでありましようか。
#62
○三浦説明員 その刈上地と言われておるところは、山林の樹木を育てるということが主目的であつて、その下にある下草を田畑が近いから利用するという程度である。目的は明らかに山林を育てる、木材を育てるということにありますので、これはいわゆる採草を目的とした採草地、こういうことではないのであります。私どもとしてはそれは山林である、従つて買上げの対象にはならない、かように存じております。
#63
○藥師神委員 木炭の問題について二、三お伺いしたいと思います。以前に林野局長から提出された現物不足調べというのは十八項目にわかれておるのですが、これは、これらの原因によつて各個に数字が一つも出ていないからわからぬのですが、これは正確な数字が握られますか。握れるとすればその表を出してもらいたいのです。たとえば現品が未生産であるのに支拂証票を発行したものは幾らあるか。これらの内容をわれわれは検討する必要があると思うのですが、これは十年間たな卸しをしなかつたから正確な数字がつかめるかどうか。この点を最初にお聞きしたい。
#64
○三浦説明員 不足の原因その他を含めて十九・十八の種類別につきましては、お手元に十八の内容につきましてはその理由を並べた番号で現して、たとえば今御指摘の受入証票を二重に発行したものというのは、現物不足量の理由の四になつております。あけて見ましたときに四という欄に書いてありますのが、その二重の発行によつてできた数字であります。
#65
○藥師神委員 これは的確な数字ですか。
#66
○三浦説明員 これは現在のところ的確である、かようなことを申し上げるほかはありません。かねてから木炭事務所長等を数回にわたつて調べて、持つて来させて、極力的確と考えられる数字に近寄せたのであります。
#67
○藥師神委員 まあそう当局がおつしやるのはむりもないのでありますが、私の考えでは、こういう数字は出にくいのではないかと思うのであります。次は農林委員会が項目をあげて要求いたしました資料に対する回答の点について二、三お伺いをしなければならぬのであります。
 第一の生産者に対する木炭代未拂いの問題でありますが、これはすでに七月三十一日までに生産したものは当然拂う義務があるではないかという額とは、どういう数字になつておりますか、承りたいのであります。今当然政府の方で拂わなければならないというお考えを持つておられる部分の金額、それから法律上から見ても拂う責任のないとおつしやる金額を承りたい。
#68
○三浦説明員 お手元の資料の中に木炭の滯荷量調べがございます。これは山元、中間、駅頭としての計が十五万七千九百六十トン三分、そこで問題は、これを全部買うことができますれば、いわゆるこの期間中生産されたものを全部買うということになるのであります。その御回答の中にも書いてありまするように、特別会計といたしましては買うという計画になつておる。一方的かもしれないけれども、買うというわくになつているもののほかは、まことに遺憾であるけれども買えない、こういうことを申し上げているのでございます。十五万七千トンのうちどれだけ買うかという今度は問題でありますが、前回にも申し上げたと存じますが、手の少ない木炭事務所の方では、もう六月はこれだけしか買わない、こういうふうに申しましても、その数量の調節がつきかねたところもあるのでありまして、私どもとしてはつきかねて、その予定の数量をはるかに突破して来た縣に対しては、それがよけいに残つておつても、所定の計画の数量とにらみ合した上でなければ買足しができない、こういうような状況になつているのであります。私どもとしては七月には買おうと予定しておつた約十万という分の額は、そういう各府縣別の調整によつて約束を守りたい、かように存じておるような次第であります。
#69
○藥師神委員 全國の滞貨が十五万七千九百六十トンというものであつて、そのうちで政府が当然支拂わなければならないという額と、つまり買わないとおつしやるわくとの間は数量的に見てどうですか。
#70
○三浦説明員 私どもの特別会計員の経理面から見て、今日ほど実態が明らかになつていたときではございませんが、経理面とあわせて買わなければこの運行というものはできない。そういうように考えまして、四月のごく始めに計画を立てた数量から行きまして、すでに七月分はほとんど買つておる。実は七月分としては、第二、四半期の一箇月として十万トンの計画でありましたけれども、既往の六月までの間に、すでに九万トンというものはオーバーして特別会計の方に流れ込んで来てしまつておる、こういうのが実情であります。従つてこの数字から行きますと、ここに十五万七千トンという在荷――滯荷とありますけれども、在荷の意味を含めた特別会計以外の炭があるわけでございます。このうち約一万トン程度がいわゆる需給特別会計から買う計画で買い足らない部分があるだけで、大部分というものは買えない、こういう状況に結果としてなるわけであります。
#71
○藥師神委員 それでは私の本論に入りたいと思いますが、第一の問題でありますが、これはやがて今おつしやる買えないものという第二の問題に関連性を持つておると思うのであります。すでに特別会計をやめてしまうということになると、私はこの前にも申し上げたけれども、この問題というものはどこまでも二つに考えなくてはならぬのであつて、御賣業者から債券を確保し、それを早急に微收して、見拂いの分を拂うということも一面においては肯定のできないこともないのでありますけれども、われわれはこの際に毅然と二つに別けたいと思います。すでに破産しているのだ。この整理というものがいつまでかかるかわかりませんが、今の長官のお話では、来年六月くらいまでかかる間もあるようにおつしやつておりますが、これはとにかく薪炭特別会計の整理という面と、もう一つは現在売りかかつているところの未拂いの分を早急に解決つけなければならぬ。二つの面にわけてこれは考えなければならぬと思うのであります。また政府としては、それだけの誠意がなければならぬと思うのであります。ここではその一の分に、目下金融機関とも交渉中であるというようなことが、二、三書いてありはしますけれども、とにかくこの問題は卸賣業者に対する債権が確保され、これが思うようにとれなければ破産するという性質のものではないのであつて、これは別途に一日も早くこの問題を解決して、生産者には困らないように拂つてやる。これは政府の責任だと私たちは考えるのであります。それと、第二の問題と関連性があるのでありますが、厳密に法律的にいうならば、政府は七月三十一日以前に製炭されたものを残量買い上げる義務はないとあるが、これははなはだ不可解に思うのであります。それとその末端においてもしこれを買い入れるというと、特別会計の赤字は累増することになり、結局最後は國民の租税負担となるから、これは買い上げられないとある。私はこれを解剖してみると、一方においては、厳密な法律の解釈からいえば買い上げる義務はないという。次には、ますます特別会計の欠損が多くなるから、ひいては國民の租税負担となるから買えないというのであります。これは実にあいまいな、インチキな感じを持つのであります。いやしくも政府として委員会に回答なさるならば、私はもつとはつきりした理念に立つて回答してもらいたいと思うのであります。これは法律的根拠によつて、買う必要がないといえばそれでよろしい。われわれがあると見るか、ないと見るかは、これは別であります。しかしこれが反対に、現在の状態においては特別会計の方で、林野廳がお考えになつたより木炭の生衛が順調に進んだ。一方に暖冬異変その他において消費が非常に少なかつた。従つて大消費地においてはいくらか供給過剰の状態になつている。あるいは場合によれば木炭の價格も下るかもしれない。また政府が一時に処分するということになればある程度引下げてこれを処分しなければならない。してみると、それにいくらか赤字が出て来るということも想像できますが、もしこれが反対の結果であつたならば一体どうなるか。供給不足にになつておつても木炭というものに困つているとかりに仮定しても、今の場合においての薪炭の特別会計は、事実上破産しているのだから、これが反対であつても買えない。赤字が累増するから買わないと言つておるのじやない。かりに利益があつても現実は買えないのだ、金がないのだ。薪炭特別会計が破綻に瀕したということは、いろいろな原因もあるけれども、結局はこれまでの特別会計の経営の面において大きな欠陥があつたということを言い得るのであつて、昭和十五年から今日まで一回のたなおろしもしないでやつて来たところに大きな原因がひそんでおる。これが終戦直後にでも実態が把握できたならば、おそらく今日までずるずるに特別会計が続いては行かなかつただろう。もう少し足元の明るいうちに処理さるべきものであつた、また方法が講ぜらるべき問題であつた、われわれはかように思うのであります。ここにこの委員会に答弁なさつておることは、法律的根拠から買う義務はないということになれば、これも私は國民に対してはなはだ不親切な答弁であるとおもうのでありますが、これは一歩を譲つて法的根拠がありとこれを仮定しても、次に加えた國民の負担が増すから、あるいは赤字が累増するから買わないということはいかにも認識不足だと思う。われわれの目から見れば、今言つたような、春に暖冬異変もなし、むしろ供給不足である場合を考えても、実態は買えない。どうにも手も足も出ない現状に立つておる。林野廳の方でお示しになつた姿を見ても、これまでに三十四億幾らというものが欠損になつておる。それから整理する上においては二十億出るだろう。その後の経理において五十四億いくらという欠損になるのでありますから、五十五億の薪炭手形は一ぺんにけし飛んでしまう。われわれはもつとこれ以上欠損が出て来やしないかと思つている。そうしてみると、何らか他に措置を請うぜぬ限り木炭は一俵も買う余地は残されていない。この点をもう少し正直に政府はもつとおおらかな氣持で取上げる必要があるのじやないか。私はここに十万幾千トンの滞貨があるうちで、あなたの方から、結局法律上買う責任がないというのはわずか三〇%か四〇%で、その他の大部分は私は買われるものと思つておつた。ところが今聞いてみると、わずかに一万トンくらいのものが計画の中に入るが、あとは全然買えない、こういうことになつて来ると、單に政府の方では薪炭の特別会計を廃止した。もう買えないというだけでこういう問題が済まされる問題かという観点にわれわれは立つのです。石炭にしろ、肥料にしろ、すべての生産の基準を立ててかかるわけであります。それに及ばない場合もあるけれども、それより生産の法が上まわる場合もあるわけなんです。上まわるからといつて石炭も肥料も政府が買わずに済まされるかという問題だ。これは法律的の議論をしておるのじやない、実際問題としてそういう場合がたくさんある。本年度の生産目標が石炭三千五百万トンなら三千五百万トン、四千万トンなら四千万トンという基準を立てた場合に、四千五百万トン生産できたら國家としては喜ぶべきことじやないか。五百万トンよけいに生産しても、当然政府が買うべきものじやないか。それを生産割当基準から超過したからそれを買わないということが、どこをつついて出て来るかということを、私はふしぎに思うわけです。結局この委員会に対する答弁書なるものは、だれがおつくりになつたのか知りませんが、私は遺憾千万に思うわけであります。この点を、生炭業者もやはり國民です。生炭業者のみが國民じやないから、少数生炭業者の犠牲において多数の國民の負担を救おうという御意見かどうか、その辺がどうもわれわれは納得できないのですが、その辺を少し納得の行くように御説明いたい。
#72
○三浦説明員 藥師神委員の、この、回答文ははなはだ不親切である。もつと丁寧に回答したらどうかという御意見であります。私どもとしては、ここに御指摘を受けて、そこに矛盾の感があるがごとき感じをするほど実情を述べて丁寧に実はやつたつもりであつたのであります。文章が適切でなかつたので、そういうおしかりを受けて恐縮に存じます。そこで政府は法律的には買う義務はないということは、淡々として法律上これを解釈した場合は、こういうふうになるところでその資料をお求めになられた、あの委員会の際も、いろいろとお話が出ましたごとく、当時の薪炭需給調整規則には、政府でなければ、賣つてはならぬとあるのじやないか、政府は買わなければならぬということはないが、政府でなければ、賣つてはならぬということがあるじやないか。從つて一般の通念から言えば、焼く人から言えば、これを買つてもらえるものだ、過去十年にわたつてまさしくつくれば買つてくれたんだ、從つてあれは全部買つてくれると思うのが当然じやないか。こういうお話がありましたごとく、一般の状況としては、そういうふうに思うのはむりはない。第一の方においては、法律的にこれを解釈した場合に、こうなると申し上げた。第二の場合においては、そういう通念から出ているその御要求に対するお答えのつもりで書いたのであります。その点は御了承をいただきたいと存ずるのでございます。
#73
○藥師神委員 私は通念というのみでないのでありますが、何か需給開発規則に、生産割当以外の場合においては、買わないという規定がありますか。
#74
○三浦説明員 この薪炭特別会計が、どうしても足りないから外へ増産し、そして生産地から消費地へなるべく多く、一片の炭のかけらでも持つて行きたいということからできております関係上、これに対する規則関係はなるべく多く消費地へ送つてもらうという建前でできておるのでありまして、計画以上につくつた場合には買わないというようなことを予想してつくつてありません。從つてございません。
#75
○藥師神委員 そしてみると、私は法律上の釈放から言つて、この責任はないというのは、はなはだ不可解に思う、これは相当議論の余地があると私は思うのだが、とにかく他に売ることのできない品物だ。売ることのできないということは、一方に買わなければならないという当然の義務が、そこに対照的に発生するものだとわれわれは見ている。一方に個人で処分することは絶対に許されていない。今申し上げたように、昨年の多から本年の春にかけては、いわゆる暖冬異変で、木炭の消費は何割かが少くて済んだ。一方においては生産が起動に乘つて、当局が考えられたよりも生産が進んで來た。それで一面から言えば、供給過多のような変態な状態ができて来た。けれどもこの二のの方にうたつてあるような、特別会計の赤字が累積するということは、どういう意味ですか。木炭を買つて、プール計算をしているために、一俵に五十何円もとつているのは実にひどいと生産者は見ているんだが、費用もいるかもしらぬけれども、これが供給と消費とのバランスが合つていれば、こんな欠損が出て来るはずはない。問題は結局これまでの操作に欠陥があつたために、こういう多き間欠陥ができて来たのであつて、内訳から見ても、これまでの二十四億何ぼというものは、木炭の亡失が十四億円、それから手直しとかあるいは滅耗とかいうものが十億円、それから長尺まきの何によるところの損失が三億四千万円、それから輸送その他に関するものが五億何ぼというもので、三十四億何ぼというところの欠損が出ていると私は思う。こういう欠損というものは、生産者の責に帰せられるべきものというものは一点もない。結局当局の失態にみな帰するわけであつて、私は生衛者の負うべき責任というものは指で突いたほどもないと思うのですが、一体この問題についてどういうお答えを持つておられるか。そういうあとに残つていいる十五、六万トンのものを買い上げれば、ますます赤字を累増して国民の負担を増すという、こういうことを書かれる理由は一体どこにあるのですか。
#76
○三浦説明員 まずここに書いてある点から申しますと、もし需給というものが反対の現象であつたならどうか、こういうような仮定の御質問も受けましたけれども、事実はとにかく生衛というものが相当に復活をして、持続されることに十分見通される。そこで一方消費者の方は、その家計内容から行きまして、あるいは業務用消費者におきましても、経営内容によりまして、そう昔のごとく多くの要求しない。そこでなおかつ従来の十年間ここにとつて来た足らないものという扱いをして、ここに特別会計というものはその線を行くか、あるいはここで打切るかという問題を考えると、ここに先ほど来の特別会計として打切らざるを得ない。そこで買えば損をするという問題でありますけれども、聞くところの石炭問題についても、低位炭の問題になれば低位炭というものを早く公團の方に手放そうとしたことがあるように聞きますけれども、木炭におきましても、事実の問題は、これは統制の撤廃ということが必至であろうというふうに生産者側におかれなしても御推察のようでありました。従いまして、そこで政府が買うというこになりますると、多少品質の落ちたものを供出の方にはお出しになる。そうして一たびはずれた場合におきまするところの手持ちの薪炭というものは、いわゆる品質的にも叩かれる理由を持たないようなものにしたい。これもごもつともな点だと思いますが、ともかくこういう事実というものが一方においてあります関係から、ここで政府といたしましては、わずか二千人ばかりの特別会計に属する全人員でありまするから、そういう品区別をしてこれは受入れる、これは受入れない、これは目方が軽いこれは俵装が悪いというようなことが言えません。そこで事実こういうようなことになることは明らかであります。赤字になることは明らかであろうと思うので、ここに遠慮なく書いたのであります。
#77
○藥師神委員 のれんと腕押しみたいな議論は、私もなるべくしたくないのですが、私はこの際希望として申し述べておきましよう。ただ問題は、政府自体が失態したものを、まるであと足で砂をかけるような最後をするということが、私たちは気に入らぬわけなんす。この第一項にも掲げてあるようでに、借入金を満度に借り入れている関係上云々と書いてあるのですが、満度か――今言つたように五十五億円の薪炭手形というものは、これはまる損といつてもいい。われわれはむしろこれより以上上まわりはすむかと思うから、これは破産です。実態において破産しているのだから、これはあらゆる角度から見て、これの整理の上につては、なるべく欠損を少なくして、債権も十分に確保して、そうして国民の負担を増さないように努めることはもとより必要ではありますけれども、どれだけ勤めても、やはり今提示されておる大体五十五億円見当のものは、もうたつてしまつてあるとみていいんじやないかと思うのです。けれどもこれはまつとうから言つたら、長官のお考えでも本年の三月十五日におつしやつたようにこれだけい行き詰まらなかつたら、木炭特別か行けはやめる御意志はなかつたものと私は善意に解釈する。農政協議会の主催で、参議院において、議員側もあるいは農協側も寄つて協議したときに、あなたは、県外移出の分は買い取る、ガスまきは買わない、県内消費の分はどうするかという問題で、いろいろあつたのでありますけれども、そのときに長官としては、買入れの点に多少の修正は加えるけれども、なお継続するというお考えを持つておつたわけなんです。ところがだんだん調べてみると、もう全然穴があいてしもうて、につちもさつちも行かぬことになつてしまつたから、今日の段階において、われわれの考えから言えば木炭の統制は必要はない。これでも来るべき冬春においても、木炭には絶対に困らないという見通しのために、今度の特別買う刑というものが廃止されるとは思わないのであつて、むしろ金繰りの点から、結局破産に瀕しておるから、やむを得ずこの統制を解いてしもうということの方が、この特別会計を廃するということを余儀なくされたものと、かように見ておるわけであります。そうすればそのよつて来つたところは、政府の失態と一口に言わなくちやならぬのでありますから、あとのしり始末というものは最善の誠意をもつて最善の努力を傾けて、代金の未拂いの問題、あるいはまた今の法律をたてにとればいろいろ問題があります。われわれも問題がありますけれども、長くなるから申し上げませんが、七月三十一日の特別会計を廃するまでに製炭されておるものは、十分に始末をつけてやる誠意があつてしかるべきものではないかと私は思うのでありますこの内容を調べてみれば、立木に金を出されておる点もあります。これはこの十八項目の中には出ていない。この亡失したところの大きな原因というものは、駅渡しでもない、船場渡しでもない、産地で買いつけをやつておるために、野天積みが乱れてしまつてどうにもこうにもならないで、ほとんど捨てられた木炭が多いのじやないかと見ておる。われわれ現地を見ておる者から見れば、この表の中には出ていないけれども、そういうところに大きな欠陥があるのでないかとわれわれは思うのであります。それで私は、これは最後に希望条件として申しておきますけれども、この問題は早急に金を拂つてやることと、この木炭の生産農民に対して、彼らは今実にどうにもこうにもならなくなつておるわけなんです。この問題を誠意をもつて買いとつてやる。これがために少々損が出て来ても、赤字が幾らか累増して行つても、やむを得ぬじやないか、政府の借用からいつても、これだけの誠意がなくてはならぬじやないかと私は思う。それから私は帰つてみておどいたのだけれども、すでに清算も済んでおる御團体に持つて行つて、今ごろになつて役員の保証人の証書をとつている。債権が残つておるのなら、債権確保の意味から言つてもそれは一つの手段でありましようけれども、全然これまで債権も残つていないものを、私の知る範囲においては、その書類を出してくれというので出されたところがある。そういうような、何をしておるかわれあれにはわからぬのですが、先ほどおつしやつたように、これから木炭を買わなければならぬ木炭事務所の事務というものが、非常に敏捷に整備されておる所は、どんどん受け込みの状態というものが行つてないから、今度買い込みの上においても、非常にそこに差異があるのじやないかとわれわれは見るのです。こういう点は実際に即してもう少し御檢討になつて、單に林野局長官の面子の問題ではなしに、多くない身において、政府の責任においてこの問題を、これは十分批判の対象になる問題でありますから、われわれはもつと誠意ある解決の方法に――ただ法理論をここでいくら闘わせてみても始まりませんから、私はやめておきますが、われわれ委員会の意のあるところを十二分に御審重になつて、早急にこの問題を解決されることを望むものであります。なお私、この輸送上の減耗がなんぼあるかわかりませんけれども、われわれ輸送の方は慰安やつておりませんので専門外でありますが、山にしろ駅にしろわれあれは十分見ておりますが、木炭の倉庫もない何もない所に野天積みにしておいて――引渡しの限界はあるでありましようけれども、そこにもつて行つて、盗難とか何とかがあり、雨ざらし日ざらしになつておおよそが腐つている、そこへもつて行つて駅や何かでも何万俵の木炭が積まれて減耗しておつのであります。こういう問題のごときは、最初の契約ではありませんけれども、船にしろあるいは汽車にしろ それらの輸送機関に対しては、当然その減耗というものが、一パーセントにもしろ〇・五パーセントにしろ、見られなくてはならないものであります。そんな問題が契約書の上にはおそらくないと思いますが、こういう点は将来の整理についても、十分お考えになつてしかるべきではないかと思うのであります。以上時間がかかりますから、希望条件を付して私の質問は打ち切ります。
#78
○山村委員 時間がございませんので簡単に一つだけ伺いたいと思います。それは先ほどからお伺いいたしておりますが、特に未墾地を開拓の名目におきまして買收したものであつて、ただちに開墾に従事しなくてはならないにもかかわりませず、開墾に従事しないで、全部あるいは一部をそのままとしておる、または開墾に従事しても、失敗のために途中でやめてしまつて、その目的を達していない土地につきましては、その土地を國家でもつて取上げまして、元の所有者に返えさせて植林せしめるというような処置が適当ではないかと思うのでございますが、あるいは、これは農政局または農地部の御関係が非常に多いかと思うのでありますが、一應政務次官の立場から、これに対するはつきりした処置をお示し願いたいと思います。
#79
○三浦説明員 これは直接私が現在担当しておる仕事そのものではございませんが、非常に大きな影響を持つておるのでございます。一面においてある部分行き過ぎたといわれる開拓委員会で、これは開拓適地であるというふうに割当を受けて、そうしてその土地を開拓委員会が決定した。さて入植者を入れてみたところが、さつぱり入り手もなく、また入つても出て行つてしまう、そうして依然としてそれは山であり、あるいは、伐採されたままになつておる。これに対する措置をそうするかというお尋ねの百葉でございますが、それに関して私ども農林省部内では、実は私の方はその場合、いわゆる被害者的の立場におきまして、山林局としてはその問題をどうするかということを話したのであります。けれども、まだ開拓が始まつて本格的にはここに二年、そこでそういう問題が相当にあろうというころを前提として、失敗したときにはこういう処置をするということを――一面において開拓というものの適正なることを前提ということで、農林省としては、その問題は当然解決をしなければならぬことは明らかなのだが、現在のところまだそこに至つていない、こういうのが眞相であります。林野当局としては、当然この解決をすみやかな機会にしなければ、間にあつて妙な姿の土地というものができて惜しいことだというふうに存じております。
#80
○山村委員 ただいまの御答弁によりますると、農林省当局の意見がまだ一致しておらない、それはそういうふうな事態を予測しなかつたために、それに対する準備がなかつたというような御趣旨の御答弁であつたようでありますが、少なくとも法律というものをきめる上におきましては、いろいろな場合を想像して、万遺憾なくそれに対する対應策を講じなければならぬと思うのであります。しかるに現に各地におきまして買收されたところの開拓地とか、あるいは山林が伐採されたままであるほか、またはなだしいので至つては、西瓜を植えたままであつたりまたかりに開墾事業をやつておりましても、名目上で、ほとんどそれから収益が上がつておらない、食糧が確保されて折らないというような状況は至るところに見受けれておるのでございます。従つてこれは新しい事態というよりは、もうすでに至るところに起きております古い事態でありますので、この事態に直面されまして、早急に政務次官は各係官を督励されまして、これに対する根本的な措置をとられんことを強く希望いたす次第でございます。
#81
○坂本説明員 その点は十分承知いたしました。さつそく研究調査いたすことにいたします。
#82
○河野(謙)委員 本日、当委員会から要求しました各条項に対する回答文を頂戴いたしましたが、これをまだ一々詳細に見ている間がありません。しかしこのうち二、三をこの機会にお尋ねしておきます。
 第一に、赤字に一番大きな対象になつております御段階における二十五億内外の問題である。これに対しましては、この前の委員会で、請求を政府は厳重にすると同時に、この債権の確保に適当なる処置をとるようにということを要求しておいた。それに対しまして個人保証をとるということでありましたが、この回答文によりますと、二十五億内外の御段階の賣掛におきまして、個人保証をとり得たものが十四億五千万円、あとの十億程度のものはまだ個人保証がとれていない。この十億程度のものは今後とれないのか。とれないということは、結局これは債権が確保されないということに解釈してよいか。それを第一点に伺いたい。なお十四億五千万円の個人保証をとつた分につきましては、十分政府は債権を確保し得たというふうに解釈していいが、これを伺いたいと思います。
 次にもう一つ伺いたいのは、赤字の大きな対象となつておりますのは、品物を発送そたけれども、受取つていない、行方不明の金が約十四億あると私は聞いております。この行方不明の、出したけれども受取つていないこの発送の起点でありますが、これは日通の手に移つて以来のことを発送と言うのか、それとも山元を発送と言うのか。私が承知している範囲では、山から駅へ出すまでは日通がやつていない、日通は駅において受取つて、初めて日通の運送にかかる。私の想像では、おそらくこの十四億という行方不明は、山を起点として都会の消費者の手に入るまでの十四億と解釈しておりますが、この点は一体どういうふうな解釈になつておるか、また実情はどうなつているか、それを伺いたいと思います。
 第三点は、本日手元にもらいました政府の薪炭の海上輸送契約の一覧表の中に、非常に私が不思議に思いますのは、これだけの大きな運送契約をするのに、林野廳が一本で契約担当者となつていると思つておりましたが、不思議なことには、各地方の末端の木炭事務所の大部分が契約担当者になつている。この一覧表そのもので行きますと、大部分の運送契約は、林野廳そのものは何も関係していないというふうに解釈できるのですが、この表は誤りであつて、各地方の木炭事務所に一應窓口として運送契約をやらせまして、実際の契約は林野廳において十分検討した上、契約者はどこまでも林野のものであるということで当然あるべきだと思いますが、その辺は一体どういうことか。手元にもらいました表そのものによりますと、契約の担当者は木炭事務所である。かようなでたらめなことは、およそ政府があらゆる契約をしている場合に、こういう出先の末端の一事務所が契約の担当者になつているというようなことはおそらくあり得ないと思う。もしあつたとすれば、この林野廳のこの場合のみ私はあつたと思うのですが、これらについてもひとつ伺いたいと思います。
#83
○三浦説明員 この農林委員会の要求に基づいて回答申し上げた中に、連帶保証または請書を徹した会社は百十一社であつて、その金額は十四億五千万円、こうありますが、その後十五日以降の十八日、十九日の木炭事務所長会議の席でさらにわかつたのは、これが百三十七社になつておりまして、金額が十八億四千万円、こういうふうになつております。それで卸しの方に対するいわゆる賣掛金で未回收の分が二十五億ぐらいあるであろうというお話でありましたが、木炭事務所長会議の結果の集計では、現在、今まで入つております関係から、たまたまこれが十八億でありますが、十八億だけが現在のところ焦げつきである。こういう数字になつております。
 それから第二点の行方不明の、十四億とも言われるものでありますが、その出発点は、お手元に差上げた政府の手持ちになる場所、つまりはなはだしい場合には、かま前、その以後におきましては、政府の制定場所から起きますので、これをわけて申しますと、輸送代行者または輸送担当者、または汽車の場合における日通、汽船における汽船関係、こういうものにそれぞれ分属すべき性質のものでございます。
 それから木炭事務所長と汽船会社等と契約していることは、はなはだ当を得ていないというお話でございますが、この汽船関係につきましては、汽船と大機帆船につきましては中央契約をする。それから小さい機帆船のものにつきましては、その地区の機帆船と木炭事務所長の間で相談をして、契約は木炭事務所とその会社との間でいたしますけれども、中央としての認可という形をとつて、統制をはかつているつもりでございます。
#84
○河野(謙)委員 そうしますと、第一点の御段階への売掛けは、現在十八億何がしである。それについては全部現在までに連帯保証をとつている、こいうふうに解釈していいのですね。しからば念を押しておきますが、連帶保証をとつたそのものは、債権は確保されたものというふうに承知してよろしいのですか。
 それから第二の段階の行方不明のものは、今のお話によりますと、よくわかりましたが、かま前から都会へ着くまでの間の行方不明が全部で十四億ということになりますと、おそらく私はその十四億のほとんど大部分が、かま前からより駅の丸通に渡るまでの間の事故だと想像できる。こうなりますと、非常に原因の調査に困難があると思いますが、これをこの次の機会までに、この十四億がかま前から幾ら、駅の丸通に渡してから、貨車に載せてから都会へ着くまでに幾ら、こういうように作業形態別に内訳をもらわないと調査ができませんから、これをもらいたい。
 第三番目の運送契約ですが、私はもちろん地区々々の各機帆船会社と木炭事務所と、いろいろ契約のことを交渉することはいいのですが、決裁はすべて林野廳の長官のところですべきである。これが常識であります。それをしないでいて、一体全国各縣、各港に、それぞれ種々雑多な機帆船会社があつて、できたことでありますから、いまさらしかたがありませんけれども、全国の輸送のバランスが一体どこがとるのかということになつて来る。これは過去のことでありますから、私はあまり申し上げません。しかしあまりに輸送契約の常識とはずれておりますから、私は念のために申し上げたのです。
 それからもう一つ、政務次官に、この次の機会までに御意見を伺いたいと思うのです。從来官有林の拂下げの問題がありますが、昨年は、私の聞いているところでは、三千万石からの拂下げをして、国庫に納まつたのはわずかに六千万円というふうに聞いております。これは三千万石の国の財産である材木を拂い下げて、ただ役所のおもちやにしたというような、極端に言えば、表現ができると思う。かようなことが本エンドもまた続くのではないか、こういうふうに想像します場合に、従来の官有林の拂い下げの問題につきましては、私は根本的に国として政府の組織を変更しなければいけない。かように思うのでありますが、すでに農林省内部におきましても、いろいろ御意見がするとおもいますけれども、次の機会にぜひこの官有林拂い下げの問題につきまして、今の組織制度について、農林当局はいかなる御見解をお持ちになつているかを伺いたいと思います。
    〔松浦委員長代理退席、委員長着席〕
#85
○三浦説明員 これは御回答書にあります八月一日の調べでは百十一社で、その金額は十四億五千万円でありますが、先ほど申し上げました十三日現在では百三十七社、十八億何千万円であります。まだ連帯保証をもらえないでいるものについては、木炭事務所長として、また林野廳としても、その債権確定を急がねばならないものになるわけであります。
#86
○河野(謙)委員 そうしますと、答弁書の中に、連帶保証をもらうといことは、政府と当事者の双方の間の合意の上でやることであつて、相手方が承認しない場合は、やり得ないということになる。こういうことをとくにつけ加えてありますのは、現在まで木炭事務所が交渉しても、これに應じないのは私が相当あるということを想像されるのであります。どういうもので應じない者があるか、應じないのものがあつた場合には、その債権は一体どうなるか。そういうものがなくても、十分債権の確保がなし得る見込みがあるのかないのか。そこでその結論として、今のところ、今日ただいまの段階で御段階における回收不能のものがどのくらいあるのかということを、私はちよつと聞きたい。
#87
○三浦説明員 私どもの方はただいまから回收不能のものがあるとはひとつも思いません。また回收不能があつてはまことに申訳ない点だと思つております。
#88
○井上(良)委員 この委員会から質問書を出しました最後の、小出し補助金の支出の問題でございますが、この答弁とりますと、清算、供出の責任者である地方廳の要求によつて決定した。これが実施にあたつては木炭事務所を経由して支出した。こういうことになつております。この場合、委員会が質問書を出したのは、地方廳というよりも政府としては、実はこの木炭事務所が薪炭の生産、それから供出、輸送等の責任を末端において持つている。その木炭事務所を全然経由せずに要求して来るから、実情と大分合わぬものがあり得るのです。これにその問題がある。金を私ときだけは木炭事務所を通じて渡したかしらないが、請求があるから、この要求に対しては、木炭事務所は異議がなければない、あればあるというその副申がついて、本廳へ言うて来て、それを本廳で承認するという形になければいかん。ところがこの答弁書を見るそうなつていない。そうすると、私どもが疑問に思つておりますように、いわゆる集荷業者が一つの政治的な運動を起して、それによつて政府に言うて来て、そこで政府が事情やむを得ないとして、木炭事務所に何ら照会もせずにこれを許可した。その金額が、ここに出ております数字だけでも、二十一年から二十三年度までの間に三億二千二百万円から出ている。これはまつたく事務上としては重大な失態であります。そういう手続を何でとらないのか。木炭事務所を末端においてなぜ使わなかつたのです。木炭事務所が山の事情は一番よく知つている。その事情を知つている木炭事務所を、それを信用せずに――信用せんとは申しませんが、それに何ら相談をせずに、縣側から言つて来たものについて承認を與えた形になつている。こくはちよつとおかしいじやないか、その点はどうでしよう。
#89
○三浦説明員 ただいまお尋ねの小出し賃を縣の申請に基いてやつたということの不可解な点は、実は木炭、薪炭の生産供出は、府縣知事にお願いをして責任を持つていただいておるのでございます。木炭事務所はその中央農林省と、府縣知事との間において、その生産量及びその縣の用途別の消費量を御了解願つて、その差額というものを縣外に出す、あるいは縣内消費においても、その供出の数量を扱うという、いわゆる経理事務の役所でありまして、もしこの木炭事務所が生産あるいは供出方面にとかくの意見を持ちますと、この会計の設立以来の空気といたしまして、府縣廳は遺憾ながら、その協力に対していろいろと意見を述べられた実情でございます。政府といたしましては、農林大臣と地方の府縣知事との間に、生産と供出を知事にまかしてあります関係から府縣知事として自分の生産量というものを確保し、自分の約束した供出量を確保するために、こういう小出し賃を出してくれなければ困る、こういうふうに申出られた分について審査をして、できるだけそこに節約をはかつていただいて出したのであります。ただ木炭事務所があることでございますので、手続といたしまして、木炭事務所を経由して出す。こういうふうな状況でございます。
#90
○井上(良)委員 そうするとこの金はべつに補助金というものが特別会計以外の会計からでたのでございますか。特別会計から出ている金とは違うのですか。特別会計から出ているとすると、その特別会計の收支をまかなつております木炭事務所は当然これに発言権がなければならぬその発言権を全然封じておいて、単なる木炭の供出責任者であるという一方的な主張だけによつて、それを天くだり的に出さすという行き方は、これは実情あまりにも混乱に陥れる結果になり得る。そういう目的にお出しになるということは、私どももやむを得ない事情で出されたと思うが、しかしこれが少なくとも特別会計の中から出されているとわれわれはにらんでおりますから、そうでありますならば、少くともあなたがおつしやる特別会計を扱う責任者がこれに発言権を持つのは当然であつて、それを末端の当該地区の木炭事務所に何らの相談をせずに、これだけの大きな金を本省と当該知事との間において、しかもその間においては集荷業者も入つている。そういうものを全然考えずにやられるというところに問題がある。私はその点を言うている。この金がはたして特別会計の金ではなしに、別の林野局の会計において出されているならば、これは問題はない。特別会計の金を使つているかどうかということを伺いたいのであります。
#91
○三浦説明員 これは特別会計の金でございます。特別会計は十八、十九、二十年と一應の一般会計からの補給をいただきましたが、その後におきましては、すべて薪炭に関する限り特別会計の中でまかなわされております。それから御意見でありまするせつかくその縣へ行くというのに、なるほど供出の経理事務だけをやる事務所かもしれないが、それらの言うことを聞かないで、知事との間にきめたのはおかしいという御感想でございますが、私どもといたしましては、木炭事務所に所長の意見を聞かないでやるということを考えているわけではございません。当然木炭事務所長の意見等をも参酌することは、事態によつては当然であります。しかし場合によつては急ぐゆえに連絡の密でなつた場合もないのは言えません。そこで特別会計の運用の責任者の一端である木炭事務所長を、その中に入れないでやることの不適切という御指摘がございましたが、私どもといたしましては、生産縣におきますところの特別会計の木炭事務所のやり方、消費縣におきますところの木炭事務所の運行、これらの両々相まつ運営というものを中央の薪炭特別会計の経理におきましてこれをなかつておりましたにであります。各縣々々におけるたとえば独立採算制というものは、その会計の性質上考えられません。私ども中央といたしましては、それらをにらみ合わせてやつたつもりであります。
#92
○井上(良)委員 くどいようでありますが、ここに小出表が出ておりますが、これを見ておりますと、特に薪炭の生産府縣でありまする重要府縣が、その割に出されてなく、あまりたいした薪炭生産地でない府縣の方の金額が非常に多いのであります。これは特に東北の岩手、宮城等はおきまして、その他の府縣の表をずつと見ておりますと、たとえば西の方で行きますならば、宮城縣でありますとか、あるいは熊本、大分あるいはまた高知縣、こういう方は相当交通も不便でありまた船着きの関係も非常に便利が悪い。そういうところには案外少くて、割方交通の便が発展しておる地域が相当小出運賃が豊富に出されておる。こういう点がわれわれとしては実際上不可解でならぬのです。なおこの起案額は別に出ておりますいわゆる薪炭の増産並びに輸送に要した経費として、五億五千万円ほど報告されておりますが、この五億五千万のうちにこの三億二千万円ほどのものは入つておりますか。それともこれは別ですか。これを明らかにしていただきたい。
#93
○三浦説明員 その五億何ぼの中に、二十三年度だけのここに書いてありまする一億九千万円は槇持料とともに合わせて入つておるけれども、二十二とか二十一年には入つておらない、こういうことです。
#94
○井上(良)委員 もう一つ大時な問題ですから伺いたいのですが、さきに私ちよつと触れました通り、本年からいよいよまきが自由販売になり、炭は消費地だけの統制でやつて行く。そうなりすと、必然的に民有林が過伐、濫伐になる危険性が多くなつて来ます。
 御承知の通り官有林には一つの施業案ができておりまして、伐採計画がちやんと立つておる。ところが民有林の方は、まだそこまで手が伸びていないのでございます。これをどうしてもある程度抑止しませんと、治山治水の上に、灌漑用水の上に、影響を持つて来ます。また薪炭の円滑なる配給の上にも重大な支障を持つてくる。そういう点から、政府は少くとも近い将来に林野法の一部を改正して、民有林に対する施業案を織込んだ一つの立案をやるべきじやないかとおもいますが、そういうことについて計画をされていますか。それともやむを得ずに現状のままで、過伐、濫伐になつても仕方がない、ただ奥山に対する助成金だけ出して、薪炭を切出しさえしたらそれでよいというようなことで行きますか。それとも今申述べたように、積極的な総合計画を立てられて、その総合計画の一環として薪炭の伐採を計画されようとするのですか。これは将来の問題として非常に大事でありますから、一應この際そういう林野行政全体の重大な問題として、お考えになつておるかどうかということを、これは政務次官から伺い、また具体的に林野局長官から補足的に説明を願いたい。
#95
○坂本説明員 ただいまの御意見につきましては、十分傾聴すべき御意見だと思うのでありまして、もとより民有林の伐採につきまして、これをそのまま放任しておくことにつきましては、幾多の弊害があろうかと存じます。御意見の点は十分研究をいたしたいと考えております。
#96
○小笠原委員長 それでは本日はこの程度にとどめまして、次回は公報をもつてお知らせすることにします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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