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1949/09/07 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第45号
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1949/09/07 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第45号

#1
第005回国会 農林委員会 第45号
昭和二十四年九月七日(水曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 小笠原八十美君
   理事 河野 謙三君 理事 野原 正勝君
  理事 松浦 東介君 理事 藥師神岩太郎君
   理事 山村新治郎君 理事 小林 運美君
   理事 深澤 義守君 理事 寺本  齋君
   理事 吉川 久衛君
      遠藤 三郎君    小淵 光平君
      田中 彰治君    奈良 治二君
      平野 三郎君    渕  通義君
      村上 清治君    足鹿  覺君
      石井 繁丸君    井上 良二君
 委員外の出席者
        林野廳長官   三浦 辰男君
        会計檢査院事務
        官       山名酒喜男君
        会計檢査院事務
        官       小林 義男君
        会計檢査院事務
        官       中島 尚文君
        專  門  員 岩隈  博君
        專  門  員 藤井  信君
九月七日
 委員八百板正君辞任につき、その補欠として足
 鹿覺君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 薪炭に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小笠原委員長 これより会議を開きます。
 本日はまず薪炭に関する件を議題とし、質疑を継続いたします。それでは会計檢査院の中島農林檢査課長並びに会計檢査院の檢査第二局長小林義男君外お一人の御出席がありますから、この方にまず井上良二君。
#3
○井上(良)委員 最初に私会計檢査院の檢査の方法について伺いたいのですが、会計檢査院は特別会計その他の公國会計等の会計を檢査するにあたつて、いかなる方法によつて檢査をされておるか。たとえば今問題になつております薪炭需給特別会計は、政府が生産した薪炭の現物をその会計の金によつて買い上げ、これをさらに卸業者に現品を賣り拂うのです。そうしますと、当然その檢査を行います場合は、現品と帳簿が合致しておるかどうかということが檢査の体主にならなければならぬ。そういう檢査の方法をやられておるか。單なる集計に基く決算についての欠陥を指摘し、これに対する政府の回答を求めて來たが、これらの点についてまず伺いたい。
#4
○小林説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。薪炭特別会計の創設以来、会計檢査院はこの会計を檢査して参つたのでありますが、会計檢査院は毎月証拠書類というものを薪炭事務所から提出させております。それを書面檢査と申しております。もう一つは実地檢査をいたしております。これは実際に事務所に参つて檢査をいたすのであります。從來の沿革から申しますると、非常に人手も不足でありましたので、木炭事務所の実地檢査は從來は十分にはいたしておりませんでした。二十二年ごろまでは実地檢査はそう行つておりません。書面檢査の方は、これは書面でありまするので、十分にいたしておつたわけでございます。そういたしまして、ただいま仰せになりました物品の点でございますが、薪炭そのものでございますが、特別会計が創設されました当時から新立法になりますまで、この物品は委託檢査をいたしておりました。委託檢査と申しますのは、非常に政府の物品も多いものでございますから、一々現物について会計檢査院の檢査が十分に行き届かない次第でございます。そこで会計檢査院は旧立法十六條というのがございまして、各官廳は一部に属する計算の檢査―一部に属する計算の檢査と申しますのは、たとえば物品のごとき現物でございますが、そういうものの檢査及び責任解除、これは物品会計檢査官吏が各事務所におりまして、そのものは、会計檢査院の責任解除の判決がなければならなかつたのであります。こり責任の解除を農林大臣に委託してすることができる、その廳に委託することを得という規定でございますがそういう委託檢査をいたしておりました。農林大臣はこの場合檢査院の檢査の代行をいたしまして、そうして檢査院にかわつて檢査をいたすのであります。毎年年度末におきまして、物品の檢査をいたす、そして檢收官吏が檢査を完了して異状がなければ異状がなかつたという手続をとりまして、その結果を会計檢査院に檢査成績報告書ということで報告するようになつております。檢査成績報告書の内容を申しますと、取扱官氏名と、そうしてその者に対して物品保管上正確であつたということと、亡失に対する責任はなかつたというような二つの点を奥書きいたしまして、会計檢査院長あてに檢査成績報告書というものを提出いたしておつたのでございます。新法になりましてこれは憲法発布と同じときでございますが、委託檢査ということは廃止に相なりました。それ以後は会計檢査院みずから相当木炭事務所の薪炭の現物についても実地檢査を実施して参つたのでございます。最近におきまして一番大がかりにやりましたのは、本年四月長野縣下におきまして現物檢査をいたしました。その結果によりますと、相当の不足数もあるということがわかりましたので、そこで初めて全國木炭事務所に現物調査を調書でさせまして、その結果を六月ごろ集計いたしました。何しろ長野縣下において、五十名の者が二週間にわたつてやりましたが、それも薪炭の集積場所は、御承知の通り二郡だけでも約六百箇所に上つておりました。このような檢査を全國的に行うということはできないような状況でありますが、なおこうまでしなくても、局部的には現物檢査というものを逐次実施しておつた次第であります。
#5
○井上(良)委員 そうしますと新立法が実施される以前は、農林大臣に委託檢査をさせてその檢査成績報告書を会計檢査院長に提出を求めたというのですが、その新立法実施以前に、農林大臣が会計檢査院から委託を受けて、この会計の実地檢査をいたしたその檢査報告書によると、その報告書の内容には不都合なことがあつたのですか、なかつたのですか。その場合に非常に不正あるいは不都合な箇所が多数あつたという報告が來ておるか來てないか、その内容をまず明らかにしてもらいたい。
 それから新立法が実施されましてからは、農林大臣に委託檢査ということは許されなくなつて、会計檢査院みずからが実地の現物檢査をいたさなければならぬことになつた。そうして集團的に行いましたのは長野縣の檢査でございますが、それ以外に局部的に実地檢査をやつたというのですが、その局部的実地檢査の結果というものはどういう結果になつておりますか。それもあわせて御報告を願いたい。
#6
○小林説明員 檢査成績報告書の從來までの内容に不正、不当のものはなかつたかという仰せでございますが、從來薪炭の現物について不正、不当があつたという報告のものはございません。但し不可抗力と申しますか、水害なりあるいは運送途中船が沈没したとか、あるいは若干の自然減耗というものはございます。それらは会計檢査院は爾後において檢査成績に亡失があつた、それはこれこれの理由であるという農林大臣からの報告を受けて、それによつて処理をいたして参つた次第でありまして、不当のものはございません。
 第二点の、大がかりなものは長野縣下だけであるが、その他のところはどのように檢査をしておつたかという仰せでございますが、二十二年度には木炭事務所といたしましては今多少はつきりしない点もございます。実施いたしましたのは三、四の木炭事務所を檢査いたしました。当時におきまして代金の徴收がおそいとか、あるいは実際賣り拂つてあるものについて、まだ整理がしてなくて帳簿に載つている、縣外移出のものであるとかいうものについて檢査事項がございます。それはその都度照会なりをして徴收を督促させるとか、あるいは現物に対して帳簿をそのように整理するようにということを指示したものもございます。檢査報告としては、東京木炭事務所におきまして先ほどの議院の御報告にもありました通りですが、東京木炭事務所で非常に東京都の燃料配給統制組合に対する賣拙い代金の徴收が遅れておつたのでありますが、二十二年度の檢査報告には、一番これは著しかつたものでございますから、檢査報告に掲載いたしておきました。会計檢査院といたしましては、いろいろな檢査の結果は御承知かも存じませんが、会計檢査報告に載せることになつておりますが、著しいものは二十二年度といたしましてはその一件に相なつております。
#7
○井上(良)委員 次に伺いたいと思いますのは農林省の会計檢査をあなた方おやりくださつておるのですが、この厖大な会計檢査を何人でおやりになつておりますか。それを今答弁中で、たとえば非常に厖大な地域にわたつております関係から、人手が不足で十分に檢査ができないということをちよつとお話されておるようですが、範囲が廣いから、あるいはまたそのこと自体が非常に作業的にも、実際的にも時間を多くとる。從つてそれは人手経費の不足だ。こういうことで会計檢査の目的が十分達し得なかつたということは言われますか。この点についての責任ある答弁を伺いたい。
#8
○小林説明員 ただいまの仰せでございまするが、実は農林省所管の農林檢査課というのがありますが、現在は四十数名の人間で從事いたしております。それまでははつきり申し上げられるのでございます。その後これで十分と思うかどうかという点でございますが、これらの点につきましては現在おる人間が、全能力をあげて夜でも非常に遅くまで連日続けておる、非常に熱心にやつておるということ以外には、ただいま私としてはちよつと御返事できかねる次第でございます。
#9
○井上(良)委員 どうも非常に答弁が明確でございませんが、実は一切の権力にも、一切の財政的な誘惑にも打勝つて、あくまで國の行政または一般のあらゆるものから独立して、いわゆる純眞な立場と言いますか、何物にも脅かされず、何物にもこびずにやつております会計檢査院の檢査というものは、あくまで正確であり、國民をして納得せしめる檢査が行われておることが必要であります。しかるに今の御答弁によりますと、これ以上私は答えられないということになつたのでは、私は会計檢査院の能力についてはなはだ疑問を持ちます。と申しますのは、私がそれを伺つておりますのは、私はむりに人の足らぬのを、また実際の作業能率が及ばないものまで何でやらなんだということを追究しようとはしておりません。しかしはたしてこの厖大な農林会計の檢査を、完全にやつておるかいないかということが一つの問題になつて來る。その場合に、その四十数名の人で徹夜までやられ、あるいは残業までやられて、熱心にやつてくださることについては敬意を表しますが、しかしここに現われております結果は、はなはだ國民をして納得せしめる結果ではないのであります。そこで、はたしてこれは單に一特別会計の、わずか五十五億の決算の問題でさえこれほどの大きな疑問が持たれておる会計の後始末なんです。ましてや他に幾つもの特別会計を持ち、さらにまた公團会計があり、政府の決算があるというように、まことに山ほど多い仕事を処理されておるのでありますが、はたしてそういう大きな厖大な決算を、つまりあまり多くの疑惑の持たれない結果を報告し得る能力があるやいなやということについて、われわれは疑問を持つている。もし能力がないとしますならば、もつと予算なり人員をふやして、完全に決算ができ得る、檢査ができ得るという態勢をつくらなければならぬじやないか、そういうことを全然明らかにせずに、ただ四十何名が非常に熱心にやつているから、その結果についてはこれ以上申し上げられない。こういう答弁では、会計檢査院の檢査の任務というものについてはなはだ疑問を持たざるを得ない。現にあなた方がこの四月長野縣下において部分的檢査をやられた結果においても、実に十八項目にわたるいろいろな疑惑の点が明らかになつておる。これをもし各縣下にわたつて調べた場合は、より以上あなた方をして驚歎させる事実が横たわつているだろうと思う。しかしそれは人手が足らぬがためにできなかつたと言えば、一人のどろぼうは捕えても他のどろぼうは逃したと一緒なんです。そういう結果がここに出ているわけです。しかも部分的に現物調査なり、実地調査なりをやられているという話ですけれども、それは單なる形式にすぎないではないか、われわれが二、三の地方をまわつてみましても、非常に不可解な点がたくさん現われて來ております。これらに対して会計檢査院として、少くとも國民をして信頼せしめ得る決算報告を、國会に出し得るような仕事をやつてもらわなければならぬじやないかと思うのですが、それらの点について責任ある答弁ができませんか。
#10
○小林説明員 この木炭会計に対しまして、その後実際には、実地に檢査した所はもちろんございます。そうしてなぜもつとやらないかという点については、いずれ上司に相談いたしましてから報告するようにお願いいたします。今のこの会計に対してでございますが、長野縣でこういうことをやりました結果、われわれとしてはこれはただごとではないということで、まず木炭事務所から報告させたのでございます。そのときの文句には、とにかく物品出納簿なり、形式的な報告だけではいかぬ、これは実際に山元なりあるいは工場なり、とにかく現在あるものを正確に報告して來い、違つた場合は、あるいはまた場合によると、こちらから実地に檢査をするからという、非常にきつい照会を発した次第でございます。それによりまして先ほど來御審議していただいておると存じまするが、項目をわけてこちらから項目を指定いたしまして、こういうものに該当するもの、こういうものに該当するものということで、全國の木炭事務所から報告を徴したのであります。これに対して林野廳当局におかれましても、非常にわれわれの方に協力してくださいまして、木炭事務所長を何度も呼び寄せる、それから現場にもおいでになる。これは檢査の効果としては、ただいま考えてみますると、まだ十全とは申しませんが、相当の効果をあげて、まあ現物で申すと、むしろ効果的に、すわりながらにして現物を把握したというくらいのつもりでおる次事第であります。なお先ほどの賣拂い代金なりの回收未済とか、あるいはかつて縣外に輸送したものが行方不明になつているというようなものの数字も、從つてわれわれの方にはただいまわかつておるのでありまして、これをこれからは本格的に、一つ一つの事務所について、徹底的に檢査をいたそうと思つておる次第でございます。まあ方法としてはいろいろあるでありましようが、われわれとしては、これで相当責任を持つた木炭会計の眞相ということを、もうしばらくお待ちを願えれば御報告できると思つております。
#11
○井上(良)委員 もう一点伺いたいのですが、大体今部長さんの御答弁によりますと、非常に正確な檢査方法によつて結論を出されんと努力されることについては、われわれも非常に心強く思います。部長さんの御答弁によりますと、新立法が実施される前は大体大過ない決算であつた、新立法の実施後においてはできるだけ努力をして檢査成績をあげて來た、從つて局部的にはいろいろ問題もありましたが、大した問題はなかつた、こういう答弁のように承つたのであります。ところが本農林委員会から政府に対して質問書を出し、これに対する文書の回答を求めましたうちで、第二項目に「現物不足については徹底的にその責任の所在を追求して、弁償せしめこの中惡質者については先日御手許に配付した二四林野第一〇一六〇号「政府手持薪炭不足に対する措置について」通牒の趣旨をもつて断固たる処置をする。赤字の原因については目下各年度に亘りその経理内容を分析中であるが、十月末日までには詳細判明の予定である。二十三年度の赤字三十四億円というのは、二十二年度までの決算が正確であるとの前提に基いた推定であるが、從來の決算に相当疑義のある点があるので、目下各年度の決算資料を調査再檢討中であり、相当額の赤字が夫々次年度へ繰越されこいると考えられ、二十三年度のみにおいて三十四億という赤字を生じたものでないことは、ほぼ確実である。」こういう明文による答弁資料が委員会へ提出されました。これによると、從來の決算というものは正直にこれを受取れない、決算に相当疑義がある、こういう農林当局の國会に対する公式の答弁書であります。そうすると会計檢査院は從來の会計決算について、一体どういう考え方を持たれているのか。あなたの方は正確なものであると言つて、國会に意見書をつけて報告承認を求めるということになつている。それから一方政府が言うのに、從來の決算に相当疑義がある、各年度の決算の資料を目下檢討中である、相当額の赤字がそれぞれ次年度に繰越されると考えられる、こういうことで、政府みずから会計檢査院の檢査の結果に疑義を持つている。これに対してあなた方はどうお考えになるか、明らかにしてもらいたい。
#12
○小林説明員 ただいまの御質問でありますが、実は私どももこういうことを農林委員会に御報告申し上げておるということを最近になつて知りまして、実はびつくりいたしたのであります。林野廳長官もきようお見えになつていらつしやいますが、そういうわけで、こうまで各年度にさかのぼつて自分のつくられた決算に疑義を持たれるのが、はなはだふしぎにたえない次第でございます。と申しますのは、私どもは現金面においては、まず木炭賣拂い代金でありますが、賣拂い代金を徴收したものは日本銀行へ全部納まります。そして今度木炭事務所から直接われわれの方へ報告が参ります。その報告は、どういう炭をどこへ賣つたという明細がついておるのであります。それだけの金が日銀へ間違いなく入つておるかという金庫対照もいたします。それから支出の方につきましては、先ほど申し上げました証拠書類、これは一厘一銭までもいまだに証明をさせておりますが、給與はもちろん、すべての経費について、全部証拠書類を提出させておりまして、それによつて拂う。それは日銀が全部金を扱つておりますから、それと照合いたしまして、少くとも現金関係で万が一にも間違いがあるはずはないと思つております。そうすると残るところは、先ほど申し上げました薪炭の現物が過去において不足があつたかどうかという点になるかと思うのであります。薪炭の不足の赤字の会計の点については、ただいまなお檢討中でございますし、今の会計檢査院といたしましては、檢査官会議にかけませんと決定したことを申し上げられない次第であります。ただいまでは事務当局として檢査をしておる次第でありますが、こういうようなときにおいて御説明申し上げるのも、あとでもしや数字に異動がありますとはなはだ恐縮するのでありますが、大体のところを御報告申し上げますと、昭和二十三年度の薪炭会計の赤字を決定計算書として、來る國会に報告されようとする、林野廳ですでに大藏省に提出されたものによりますと、損失は九億六千万円という損失を計算いたしております。しかしそれは実際中味を洗つてみると、おそらく三十数億円あるだろうということはわれわれも考えてはおりますが、今確定することができずにおります。それではこういう損失がどういうふうに出たかということは、すでに御審議中と存じまするが、私の方では本年度に新たに出たものをかりに三十二億といたしまして、三十二億のうち十六億は現品不足その他であります。それから半分の十六億が備蓄保管とか、横持料であるとか、早期窯費であるとか、山元代行料であるとか、亡失拂いに整理したといつたものが十六億円くらいある。この現品不足でありまするが、この現品不足の評價ということが非常にむずかしい問題に相なつております。現品不足、そのなくなつたものが生産地のものがなくなつたか消費地のものかによつて非常に値段が違うわけであります。かりに今全部亡失したものが、消費地でなくなつたものといたしまして計算いたしますると、十四億三千九百万円、それから生産地でなくなつたといたしますれば、九億七千七百万円と計算いたしております。かような次第でありまするが、そのうちそれでは既往年度においてなくなつたものがあつたのではないかということでございますが、この点は今日となつてはいかにも判然と申し上げられないわけでございます。ただそのうち未生産であるのに生産決定を出したとか、あるいは二重に生産票を発行したものとかいう事由のわかるものもございますが、それは年度もわかりますが、年度区分の不明ということで一番困つておりますのは、縣外へ輸送したもののある部分が、いつの年度においてかということがわかりません。それから保管中に水害とか運送中とか、それ以外の原因によつて滯貨しておるうちに減耗して來だというものが若干、これもわかりません。それから亡失した中に、ことにまきでありますが、事由不明というのが千九百七十一万束と大分あるのでありまするが、これなどはいつの年度かということがどうしても確定できないのであります。しかし達観いたしますと、まきや炭が非常な滯貨を來したのは二十三年度のことでもありまするので、私どもの常識といたしましては、過半数が二十三年度中に生じたものであろうというふうには考えておる次第でございます。
#13
○井上(良)委員 これは委員長にもちよつとお考えを願いたいのですが、つまり國会から政府に対して質問をしました質問要項に対する政府の答弁書と、ただいま会計檢査院からの詳細な檢査の経過についての報告書とは、まつたくその答弁の内容が食い違つております。私は会計檢査院の責任のある檢査の結果を大体信用していいじやないか。これをもし信用せぬということになりますと、信用いたしますその根拠はまつたくどこにも見出すことができなくなりますから、少くとも会計檢査院の檢査による政府からのまたいろいろそれに対する回答があつて、それをあわせて國会の決算委員会へ承認を求めて來ているというのが、今までの決算の國会として決定いたしました経過でありますが、この回答書によると、從來の決算に非常に疑義があるということになりますと、政府みずからが会計檢査院を信用していないという結果になると思いますが、この点に対して政府当局はどういうお考えでございましようか。これは政府から國会への正式な回答書でありますから、一應この点を明かにしておく必要があると思います。
#14
○三浦説明員 從來の決算について疑義があるという点が非常に問題になつておりますが、私どものその点についての考え方は、先ほど会計檢査院の方からお話になりました、いわゆる委託檢査と申しますか、物品の檢査は、会計の面につきましては私どもとして最密にやつておらなければならない点なのでありましたが、その点について、いわゆるたなおろしと申しますか、ある時期を画して帳簿と現物とを突き合せて、そうして整理するものは整理するといつたようなことをやらなかつた、これに関連いたしまして、物品の面としてそういう問題があるのではなかろうか、そういうふうに想像される。こういう意味のことであります。
#15
○井上(良)委員 そうすると今までの農林大臣が会計檢査院から委託を受けまして、檢査成績報告をつくつたその報告書自身に人為的な、作為的なものがあつて、それを正確なものとは認められない、こういうことになりますか。
#16
○三浦説明員 その点は作為があつたということは毛頭考えません。ただ何分にもかま前あるいは山元、そういうところで購入しておりまして、また消費都市におきましては、一片でも多くの木炭、まきの集荷を急ぎ、また生産地におきましてはそれにこたえまして、極力多く買つて極力急いで送るということに終始しておりました関係上、その帳簿に入れましたものと、そういう山元等まことに数限りない場所において、いわゆる政府の責任になつておる薪炭を預つておりましたその関係とにおいて、突き合せをしていなかつた。もし違つておるとすればその点から出て來るのであつて、何も作為というものはない、かように存じます。
#17
○井上(良)委員 そうすると作為がないといえば、單なる帳簿上の成績報告書だから、そういうものは信用できないということにはつきりしたらいいじやないかと思う。これは会計檢査院の持つております憲法上の権限を農林大臣が持つて、そうして会計檢査院にかわつて檢査をせなければならぬ責任が負わされているのです。これは会計檢査院と別の、農林省としての行政機構が檢査をしたのと違うのです。会計檢査院という独立した、憲法上に保障された機関が、その権能を農林大臣に委任しているのです。会計檢査院が檢査をしているのです。その檢査の成績報告に疑義を持つか持たぬかということは、今後の会計檢査院の権能について、重大な問題になるのです。そういう点できわめて大事でありますから、この点を明確にしておかなければならぬので質問しているのです。その点を明らかに願いたい。
#18
○三浦説明員 ただいまの井上委員の御質問の内容がはつきりつかみかねますけれども、私はこういうふうに考えておるのです。たとえば先ほど檢査院の方からの御報告で、二十三年度の決算は、一應過去における損失は八億六千万円というふうな一應決算が出ておる。しかしながら檢査院から見た場合、そういうような程度の欠損ではないと考えられるというような御答弁がございました。これは何を物語つているかというと、二十三年度中に減耗、亡失その他として処理をしていたものが、結果からいうとそういうふうになつているが、実際に現在の現物というものをいろいろな角度からして、できるだけ正確に近く、集める限り集めた数字から見ればそれでは納まらぬ、こういうことを意味しておるのでありまして、そういう点から今論ずれば、その点、たとえば二十三年度の何月に論ずればそういう点、二十二年度に論ずれば幾らというような点を、帳簿と現物をあとう限り合せたからには、当然政府としては責任があるわけでありますけれども、その点が十分でなかつたという結果の事実でありまして、私どもとしてはそういう事実をお答え申し上げたいと存じます。
#19
○井上(良)委員 私は率直に申し上げますが、一番大事なことは、会計檢査院の檢査の権能といいますか、憲法上保障されております会計檢査院の檢査の権能にわれわれが疑いを持つということになりました場合、これは非常に重大な問題が起つて來ます。私はあなたが今言おうとするその心のうちはよくわかります。わかりますが、この点はやはり國家としては明確にせなければならぬ。会計檢査院が行う檢査を、農林大臣が委託を受けて会計檢査院として檢査をして、その成績を会計檢査院長に報告するのです。その報告には大した間違いはなかつたということが答弁されておるのであります。さきに部長から答弁されたのです。そうしますと、あなたのおつしやる点と食い違いを生じるわけなんです。そこでわれわれとしましては、会計檢査院を信頼するか、政府の答弁を信頼するかということは、お互いの常識によつて判断するよりしようがないのでありますけれども、少くとも私どもは、会計檢査院の権限の委託を受けて、会計檢査院として決箕報告を出して、その成績を院長に報告をいたした以上、それには何らの疑義がないということを明確にすることが、この際必要じやないか。これに疑義を持ち出したらきりはない。私はこう思うのです。あなたの言おうとする、結論を引出そうとするその苦衷はわかりますが、しかし國としての大きな一つの建前、押えて行かなければならぬことははつきりしておきませんと、この会計檢査院の檢査の結果に対しての疑義がもしあるということになりましたら、これは單に木炭会計だけではありません、あらゆる会計に対して疑義を持たなければならぬことになつて來る。そうすると、國民がどちらを信頼して自分の大切な國の会計をまかすかという大きな問題になつて來ます。その点はひとつ誤解のないように、私どもは明確にしたいために質問するのです。その点を明らかにせられたい。
#20
○小笠原委員長 ちよつと井上君御相談申し上げますが、どうでしよう、このどちらを信ずるか云々という問題は、もう少し当委員会で内容を御調査なされまして、それからの論議にしなければ、今のところ会計檢査院の報告といい、國家の報告といい、やはり信ずるところに基いて報告を受けたのだから、それは自信があつてやつており、いずれも信じなければならぬ状況にある。それを疑う程度がどちらにあるかということを、今本委員会は調査するのだから、その点をもう少し調査してからの問題にしたらどうでしようか。
#21
○井上(良)委員 では私はその問題はそうします。
 その次にちよつと会計檢査院の方に伺つておきたいのですが、私どもが全國の主要木場生産地を、非公式にまわつて調べましても、一番多いのは、未生産であるのに支拂証票を発行した、それで現金を受取つているというのが相当多くあるようでございます。私の手元へ数通投書も來ておりますが、その投書を読んでみましても、たとえば製炭業者、檢收員、檢査員、地方事務所、それに卸の業者、木炭事務所、これが介在している。そしこたとえば卸の方から製炭者に対して、これこれのものは受取つたという傳票を出して、それに檢收員に判を押さしている。それがまた地方事務所の裏書きを持つて、それから木炭事務所へまわつて金をもらつているというようなことが非常に多いのです。そういうものに対しての調査は、どの程度進んでおりますか。全國各木炭事務所について、そういう眞にやむを得ない事情に基く亡失について、こういう檢査の方法によつて、この結論がおよそいつごろ明らかにされますか。その点を大体伺つておきたいと思います。
#22
○小林説明員 ただいまの、現品が未生産であるのに支拂証票を発行したものというのは、私どもの方でわかつているのは、木炭で二千六百四十二俵、まきで千八百二十八俵、ガスまき一万四千八十俵というものがございます。これは事務所別が今ちよつとわかりません。それでこれをどういうふうに処置するか。その結果がいつわかるかという仰せでございますが、これは各木炭事務所にただいま照会を出してございまして、これが片づいたら至急に報告しろ、こういうことで一應十月末くらいを区切つているのでございますが、ほかの件数もありますので、それがかりに十月末に來ましても、私どもの方でいろいろな作業をして集計をしますには、やはり一月やそこら―一月もかかりませんが、またさらに再照会したりしますので、いつかということは……。
#23
○井上(良)委員 もう一点、これで終ります。次に卸業者に対して政府は賣掛けをいたしておりますが、これも規則によると大体二週間後には政府に代金を拂わなければならぬというようになつているようでありますが、依然として具体的にそれが実行されていない。これに対してどういう処置をとられるか、それからこれは林野局長官の関係かわかりませんが、その後ここで相当問題になりまして、一月以上にもなるのでありますが、その後これらの業者が政府へどのくらいの金を拂い込んだか。それから拂い込んだうちで、生産業者に未拂いになつておる約二十億のうちに、どのくらいの代金が支拂われたか。それから一應卸賣業者に対しては期間を切つて、われわれ調べたところによりますと、ほとんど政府が賣渡しました薪炭は、もう配給が完了いたして、登録小賣店がその金を持つておりますか、卸が持つておるかわかりませんが、ほとんど私どもがおります大阪附近でも、配給は完了されてしまつておるのです。登録店舗にもほとんど炭が積んでありません。積んであるとすれば、最近來たので前のはないのであります。しかるに政府に支拂いがまだ遅々として進んでおらず、このことを政府は一体どう処理されようとするか。これは一々期間を切つて、いつまでに拂わなければ処分するなら処分するとか、何とかの処置をとらなければ、いつまでものんべらべらと非常に高い金利で金が動く今日、安い金利をもつて事が済むだろうということで、支拂いを延ばせば延ばしただけ業者の利益だ。まるつきり政府といいますか、國民の膏血による税金による金でありますから、それがそういうふうに惡用されることを、われわれはじつと見ておるわけには参りません。それに対するはつきりした処置をどうする。いつまでに処置をつけようとするか、同時に製炭業者に対しても、いつ代金の支拂いを完了するか。もしこの賣掛代金がある期間まで回收ができない場合には、別途に大藏省から一時借入金をいたしましても、製炭業者に支拂うべきものはすぐ支拂わなければならぬじやないか。そういう処置を講ずるところの考えを持つておるかどうか。この際明らかにしておきたいと思います。
#24
○三浦説明員 八月一日附現在で、約十八億のそういう卸関係のまだ取立てしなければならぬ金があるわけであります。そして八月末までには、その十八億中四億しか收入がなく、その四億は、組合金融としての農林中央金庫が、生産業者に立てかえ拂いをしておりますものが約四億ありましたので、そのうちの三億近いものを埋めまして、それから一億の方はいわゆる組合金融によらない分の企業者系統の方に拂う。こういうような事情になつております。
 それからなお卸の方に対する賣掛金の徴收の問題でありますが、先ほど委員の方々によつて実地調べをいただいたその結果の報告書にもありましたように、納入告知書をなかなか出さない者がある。こういうことでございますので、私の方といたしましては、この十九日までに全部その納入告知書をぶつつけなければいかん。何があつてもぶつつけてしまえということで処置をしております。
#25
○深澤委員 先ほど会計檢査院の井上君に対する回答によりますと、從來の実地檢査をやつた結果が何ら不正はなかつた、こういう御回答でございましたが、長野縣を含めてその他三地区の檢査をやつたそうでありますが、現に政府が農林委員会に対して提出しました資料から見ますと、長野縣における亡失の実況は、現品が未生産であるのに支拂い証票を発行したのがある。さらに現品が未生産であるのに受入調書を発行したというのがある。さらに受入調書を二重に発行したというのがあるのであります。そういうものが現実にあるにかかわらず、その檢査の結果が不正はなかつた。こういう結論を出されているのでありますが、そういうことになりますと、権威ある会計檢査院の檢査というものをわれわれは疑わなければならないのであります。特に長野縣に対しましては、相当精細な調査が行われているようであります。ところがこういう問題を具体的に政府が調査いたしまして、農林委員会に報告しているにかかわらず、会計檢査院の檢査によれば何ら不正はない。こういうことを言われておるのであるが、いま列挙したような事実に対して、会計檢査院としては不正でないという御認識を持つておられるか。この点をお聞きしたいと思います。
#26
○小林説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。会計檢査院が從來檢査いたしました分には、不正不当のものはなかつたのでございます。今長野縣下の例を御引例くださいましたのですが、これは会計檢査院が実地の檢査を二十四年の三月にいたしたのであります。年度末でいたしたのであります。先ほども申し上げましたように、從來は委託檢査で、現物の檢査を農林大臣に委託しておつたのでありますが、新立法になりましてから現物も檢査を始めたのであります。その結果こういう現品が未生産であるのにというものが出て來たのでありますが、これは支拂い証票という制度は二十三年度でありまして、こういうような不正と申しますか不当と申しますか、そういうものは現在各木炭事務所にもございます。これは非常に問題でありますが、しかし從來の分についてはそういう報告を会計檢査院としては農林大臣から受けておりませんし、檢査は委託いたしておりましたので、從來にはこういうものはなかつたと信じているわけであります。
#27
○深澤委員 われわれが今まで政府から報告されている説明によりますと、單に二十三年度中に起つた問題ではなくて、昭和十五年以來たな卸しが嚴格に行われていないために起つた赤字であるということは、しばしば説明されているのでありますが、一体現物不足調べというものは、政府はいつ結論を出されたものであるか、そうしていつからの分であるかということについて、ひとつ三浦長官にお聞きしたいと思います。
#28
○三浦説明員 現物不足につきまして調べたのは、この三月におきますところの特別会計が異常な資金上の困難に当面いたしましたことに直接起因いたしまして、どうもおかしいということからこの現物の調査に入つたのでございます。そこでだんだんとやつておりました結果が先般お手元まで差上げましたように現物不足の状況を査定されることになつたのであります。
#29
○深澤委員 会計檢査院にお伺いいたしますが、会計檢査院は、この現物不足については精細に調査されたのでありますが、不可抗力並びに自然減耗以外は何ら亡失の原因はなかつたというぐあいにそのときに認定されたのか、その点をもう一回……。
#30
○小林説明員 薪炭会計が始まりましてから、各年度の亡失というものはございます。そしてその数量なり何なりは調査してございますが、なくなつたものとして農林大臣から報告を受けましたものは、すべて不可抗力と申しますか、そういうものだけでありまして、それ以外はかつてはございませんでした。それは会計檢査院が実際に当時薪炭の山元へ入つて、現物を檢査するということも、当時の建前としてはいたしておりませんでしたが、とにかくそういう不正、不当の現物の不足というものはない、そういう報告を受けておりました。現物についてはそういう状況でございます。
#31
○深澤委員 三浦長官にお伺いいたしますが、そうすると、從來農林大臣が委託檢査をされておつた場合においては、こうした十八項目にわたり中には不正に準ずるようなものがあつたのであるが、しかし委託檢査報告時代においてはすべてを自然減耗あるいは不可抗力による減耗と亡失であるというぐあいに報告されておるのかどうかその点をひとつ……。
#32
○三浦説明員 そういうものについてのみ報告を受け、その事由を述べて檢査院の方に報告しておつたこういうことでございます。
#33
○深澤委員 そうすると、この十八項目にわたる調査は、農林大臣が檢査報告をした。それをも含めてその後においてこういう事実がはつきりして來たのか、それともあるいは檢査報告以後において十八項目にわたるこういう理由について亡失が出て來たのか、それ以前は、つまり農林大臣が檢査報告をする時代においては、この十八項目によるところの亡失はなかつた、ただ自然減耗あるいは不可抗力による亡失のみであつた、その後においてこういう十八項目にわたる原因によつて亡失が出た、こういうぐあいに解釈してよろしいかどうか、その点をひとつお伺いいたします。
#34
○三浦説明員 その十八項目の中には、あり得べからざるものもずいぶんあります。そういうことは、当然それを扱つておる物品の会計としては予想しておらない、そういうものをあらかじめ頭に入れながらその物品というものをにらんでいたというようなことはいたしておりません。この十八項目の出ましたのは、先ほど申し上げましたような、二月の金繰りの非常に逼迫した機会に、手持ち数量をいろいろな角度から洗つた。そうして三月末に会計檢査院として長野をお調べになつた。その機会の分類でありまして、あらかじめ特別会計といたしましては、そういうような、いわゆる十八項目というものを、初めから建前としてあるというふうな考え方は毛頭持つておりません。
#35
○深澤委員 そうすると会計檢査院が長野の実地調査をやられる場合に、この十八項目という項目に基いて調査されたということを今三浦長官は言われたのでありますが、そうしたといたしますれば、そのときにすでに会計檢査院はこういう原因によつて不足したのだということが明かになつておるのであります。從つてそのときに、先ほど私が申し上げましたような数項目は、明かに不正の結果こういう亡失が生じたということがはつきりしておるのであります。それにもかかわらず、何ら不正がなかつたという見解を持つておられるのは、こういう項目にわたる原因によつて不足したものは、何ら不正でないというぐあいに考えられて処理せられておるようにわれわれには受取れるのですが、その点ひとつお伺いしたい。
#36
○中島説明員 長野の木炭檢査を担当いたしました者といたしまして、御答弁いたします。先ほど來問題になつておりまする十八項目云々というものは、長野の現品調査には、当時雪などがありましたけれども、皆ゲートルばきで山元まで出かけて行きました。そして苦心して帳簿と現品との不足数を確かめました。その事由を詳細にわたつて分析いたしました結果、こういう項目が出たわけであります。それまではこういう項目は大部分のものは予想できなかつたのであります。それからここに載つております支拂証票を二重発行したとか、あるいは未生産であるのに支拂証票を発行したとか、あるいは保管業者が無断で貸興したとかいつたようなことは、これは当時実は一定期間限られての檢査でありましたので、その事由をさらに追究して、責任者まで追求するといつたようなことができなかつた。長野の木炭事務所には、これらのその後の処置あるいはどういうふうに責任をとられるかといつたようなことは照会をしております。もちろん保管業者に弁償させなければならないものと、盗難、水難等のごとき不可抗力によるもの、それからなお原因が不明であるといつたようなもの、大体三種類にわけられますが、それが不正があるというわけではございません。まだ結論を下してないのでございます。
#37
○深澤委員 今の項目については、今の御答弁で大体了承いたしましたが、農林委員会が政府に対して要求いたしました十一項目のうち、第十項目において会計檢査院の調査報告の点についてお伺いしたのでありますが、東京燃料配給統制組合に賣却した薪炭代金六億一千何百万円かのうち、一億三千五百万円の徴收しなかつたものがある。薪炭代金は二十三年度までに発送報告書及び仮領収書が東京木炭事務所に到達していたにもかかわらず、同事務所では二十二年度中には全然代金徴收の手続をとらなかつたのであるが、そのうち四千四百六十万何がしかは二十三年九月、本院会計実地調査の当時に至るまで徴收の手続さえとつていなかつたというふうな事実があるのであります。これは非常に事務上の怠慢であると考えるのでありますが、会計檢査院が調査せられた場合において、こういう莫大な金額に対して、この事務上の怠慢が行われておつたという理由は、一体どこにあつたかということをお確かめになつたかどうか、この点をひとつお尋ねいたしておきます。
#38
○中島説明員 事務上の怠慢と申しますか、これは原因が何であつたかという御質問でありますが、もちろん担当される方の不理解、他のいろいろな業務命令があつたので整理が遅れておつたであろうということもありますが、もう一つは、私どもといたしましては、薪炭会計を担当しておられるところの各木炭事務所の職員の定員というものが、非常に少かつたのではなかろうかと存じます。全國で二千数百名の職員で、四十七木炭事務所の業務をしておられるところに、事務が澁滯した一つの原因があつたのじやないかと私どもといたしましては思つております。しかしそれは政府の方で処置されるべき問題であります。いずれにしても多額の徴收決定の未済があるということは遺憾であります。これは大きな各木炭事務所に多少こういう事例があるのでありますが、東京の問題は非常に大きくて、重大でありましたので、檢査報告に掲上して、國会に報告するという段取りになつたと思います。
#39
○深澤委員 こういう莫大な金が、当然徴收せられるべきものを、代金徴收の手続もとらなかつたということは、これは人が足りない、忙しいということでは解決できないことだと思うのであります。これはわれわれから考えますならば、意識的に卸賣業者に利益を與えておつたとすら考えてもさしつかえないほどの、大きな過失であると考えるのであります。こういう点については、單にそういう会計檢査院のお考え方では、將來といえども、万般の運営というものについては非常な不円滑が起ることは間違いないと思います。われわれはこういう点についてはよろしくその責任の所在を明らかにいたしまして、今後のためにも断固たる処置をとるべきであるというぐあいに考えるのであります。さらにお伺いいたしたいのは、その後において昭和二十三年十一月までに金額の全額の徴收を完了した、こういう報告になつておりますが、この徴收の場合において、これまで延滯利子を徴收されておつたかどうか、この点についてひとつお伺いしたい。
#40
○中島説明員 ただいまの延滯利子の問題でありますが、これは二十三年十一月に元金が完了いたしましたので、それでそれ以後の檢査をまだやつておりませんが、二十三年度の決算の檢査は今続行中でございます。今回問題にしたいと思います。
#41
○深澤委員 これは一億何千万円というものを一年以上も結局徴收しなかつたということによつて、卸賣業者は、その資金を運営して莫大な利益をあげているはずであります。從つてこれは今後そういうことはあつてはならないが、延滯利子のごときは当然徴收すべきものであり、それが現在明確になつていないようでありますが、当然もう明確になつておるべきであるとわれわれは考えるのであります。なぜならば二十三年十一月に徴收したのでありますから、当然これは明らかになつていなければならぬにもかかわらず、それがまだ明確になつていないということは、はなはだわれわれは遺憾であると考えるのであります。こういう点についても、まことに不明瞭な点が多々あるとわれわれは考えます。こういう意味において、ややもすれば官僚と卸賣業者とが結託をして特別会計等を食つておるという、世間の批判すら受けてもやむを得ないとわれわれは考えるのであります。ひとつ会計檢査院におかれましても、嚴重な檢査をわれわれはお願いしておきます。
 それから三浦長官にちよつとお伺いいたしたいことがございます。私はここ十日間ばかり東北地方の薪炭関係の地帶をめぐつて参つたのでありますが、生産者の窮乏というものは、実に言語に絶するものがあります。山形縣の奥地のごときは、薪炭代金が拂つてないために、ほし草を刈つて、そのほし草を十貫をわずか三十円くらいで賣つて、わずかに食糧を買つておるという、実に悲惨な事実が出ておるのであります。これは政府買上げの停止と、その後における生産者の價格をきめざる統制の結果であると、われわれは断じてさしつかえないと思うのであります。なお協同組合等の事情を聞きますと、木炭の資金のために非常に苦しんで、協同組合の預金をからにしているという所が相当あるのであります。これに対して、当然政府は責任を負うべきである。この前の委員会の場合におきましても主張したのでありますが、そうして農林委員会も決定しておりますが、七月三十一日までの生産に対しては、当然政府がその買上げの責任がある。政府は農林委員会に対しては、回答といたしまして買上げできないと言つておられるが、われわれは重ねて政府に対して、この七月三十一日までの政府買上げはやるべきであるという考えを持つておるのでありますが、これがまた生産者の要求である。この点についてまずお伺いしたいと思います。
 もう一つは、生産業者の負担いたしました從來の資金に対する金利、これは去る第五國会におきましても、たしか三月から四月までの分は責任を持つと言われておつたが、当然七月三十一日までの金利に対して政府は責任を持つべきである。この点について三浦長官の明確な御回答を願いたい。
 それからもう一つの問題は、これは河野委員からも他の委員からも言われたように、政府に安拂いをいたさないところの卸賣業者が、その資金をもつて生産地に参りまして、たたき買いをしている事実が瀝然としてある。東京燃料林産株式会社のごときは、東北一帶にわたつてそういう事実をやつておる。そういう意味から申しまして、これは卸賣業者の未拂金に対しては、早急に徴收する必要があると思うのであります。かれらはその資金を利用いたしまして莫大な利益を得ようとしておる。こういうことに対して政府が怠慢であるならば、まつたく政府がこの卸賣業者を擁護する態度に出ているということで非難されても、私はやむを得ないと思うのであります。こういう点について卸賣業者に対する未收金を早急に徴收する必要があるということを、私は政府に対して要求するものであります。この点についてひとつ御回答願いたいと思います。
#42
○三浦説明員 お答え申し上げます。一の生産者が七月三十一日までに生産したものは、ことごとく政府の責任で買いとるべきじやないかという問題につきましては、まことに事情そういう考え方も当然のように考えられますのでありますが、当時お答え申し上げたように、遺憾ながら買えない、こういう状況でございます。
 また二番日の金利の支拂い、政府が卸賣の方面から資金を回收できない。從つてあるいはその他の欠損の関係から、せつかく買つた代金を支拂えない分に対する金利の問題でありますが、これにつきましては、実は政府の代金支拂いの遅延に対する利子の補給を政府として正式に認めるか認めないか、今日薪炭特別会計ばかりじやなしに、一般に遅延がちである。その遅延に対して、一々政府というものは利子をつけて行くかどうかという問題が、政府の、ことに大藏当局としては意を決しかねておる状況でございます。ただ林野廳、農林省といたしましては、これに対しては、この賣つて買う、買つて賣るという薪炭特別会計の内容におきまして、一般の國費の未支拂いとは違つた面が明らかにある関係から、何とかこれは利子に該当するものを出さねばならない、かように存じて、それぞれ今折衝中であります。
 それから最後の卸賣業者の未拂金の徴收を急ぐこと、これは当然そういうふうにしなければならぬと思います。
#43
○田中(彰)委員 ちよつと会計檢査局長と、それから三浦長官にはつきりと御回答をいただきたいと思うのでありますが、先ほどのお話を聞いておりますると、いろいろな不正が今でもある。今後もこういう不正が相当出て來るものと私は思います。これに対して、一体國民に対しても、あるいはその他に対しても、どういう処置をするという考えをおふた方が持つておられるか、これを私ははつきり聞いてゆきたいと思います。
#44
○三浦説明員 林野局と申しますか、農林省の考え方を申し上げます。現在その十八項目というものは、事務的に正しくなかつた項目を含んでおることは御指摘の通りであります。しかしこれがいわゆる不正ということになるかどうかという問題は、またこれは別であります。もしこれがいわゆる世間で言う不正である、單なる事務的の錯誤とか、そういうものでなくて、いわゆる不正であるということになりますれば、当然その不正に対しては処置をしなければならぬと、かように存じます。
#45
○小笠原委員長 檢査院の方々、御答弁はありませんか。
#46
○小林説明員 会計檢査院といたしましては、政府全般の会計に対しまして、不正の防止ということがまず第一点として考えられております。、不正がありましたならば、その結果は必ず檢査報告として國会に報告いたしております。決算委員会に報告いたします際には、不正のあつた、ないしは取扱い上過誤があつたものに対して、必ず責任を追究いたしております。先ほどの東京木炭事務所の徴收不足のような問題にしましても、ただいま忘れておりますが、責任者はそれ相当の処分を受けておるはずでありまして、会計檢査院といたしましては、檢査報告に掲載いたして、國会での決算委員の方で御審議を願つたものにつきましては、全部それぞれの責任者に対して、それ相当の処置をいたしたものを合せて報告いたしております。なお不正の防止についてはどういうふうにするかということでありまするが、会計檢査院法におきまして、会計檢査は常時檢査をしろということになつておりますので、最近は大分人員も充実しておりますし、経費の上からも、実地檢査も割合頻繁にできますので、実地檢査をしまして、そうして不正を未然に防ぐ、整理をさせるというふうに、非常な努力を拂つておる次第でございます。それからまた、今各木炭事務所で起つたような問題に対しましては、その事後の報告は、それが是正されたかどうかというような報告も受けております。そしてその報告を受けて、是正されたもののおもな事項というものも、檢査報告にやはり掲載いたす仕組みになつております。
#47
○田中(彰)委員 ちよつと三浦長官にお尋ねします。先ほど会計檢査の方のお話を聞きますると、製造しておらぬ者が製造したようになつて、金を拂つておるというようなものが、数学的にはつきりしておるのでありますから、これを見て、まだ調べぬうちは不正と見られぬというようなお考えを持つておられるということは、私は非常に考えが違うのではないかと思います。また今後これを調査して行きますと、そういう問題が一番多く出て來る。しかもこの問題については、あらゆる國民が目を光らして、一体どういう処置をとるであろうかと見ておる。今度はほかの公團あたりがどんどんやめて來たときに、その例にならわなければならぬから、これを一番的として國民が注視しておる。こういう点をお考えになつて、どうかはつきり、もし不正があるならば、断固として私はやつていただかなければならぬと思う。またこれを利用するいろいろな政党もありまして、そこらにいろいろデマが飛んでおるのでありますから、こういうものを防止する上においても、あなた方の考えは、今前の方でもつて、会計檢査院の方は、製造をしないものを製造したとして金を拂つておると言つておられるのに、うしろにおられる方は、まだ不正かどうかわからぬというようなことを言つておられるのは、はなはだ遺憾である。どうかこの点はつきりした信念をもつてやつていただくように要望しておきます。
#48
○河野(謙)委員 この機会に特別会計の経理事務の仕方についてお伺いいたしたいと思います。およそ経理事務の建て方は、原則としては物が動けば必ず経理現象を起すということになつておりますけれども、この薪炭特別会計におきましては、私が承知しておる範囲では、先ほども報告でございましたが、半月前に、予定された品代を前納さして、そしてやつて行くということになつておるように聞いておるのですが、しかるに実際はほとんどさようにやつていない。この事実に対して、今まで長官としてこの規定を破つた経理事務をした木炭事務所に対して、いかなる処置をとられたか、まずそれを伺いたい。
 なお私は、百歩譲りまして、この前金をとらなかつたという場合に、それではどこを起点として経理事務をされるかという点でありまするが、私が調べましたところでは、どこの木炭事務所におきましても、調定が済んだ時をもつて経理事務の起算日にする、かように言つております。そうすると、極端に言うと、物は一箇月も二箇月も、はなはだしきは六箇月も前に渡つておる。しかるに実際の経理事務は、調定か済まなければ起らない。こういうことをやつておるようでありますが、これは長官がかようなことを認めておられるのかどうか。私は、先ほど延利のことを言われましたが、少くも延利の問題は前納の制度があるならば、前納の期日をもつて延利の期間とすべきだと思います。百歩護りましても、物が現実に卸賣段階に移つたときに、その日をもつてすべての計算の起算日にしなければならぬと思います。しかるに木炭事務所では、さようなことは毛頭考えていない。どこまでも調定を一切の基礎にしておる。さようなことは、少くとも一方において前金の制度があるにもかかわらず、その制度を無視して、調定の日をもつて起算日とするというようなことは、これは長官並びに本省からの指示ではないと私は思う。木炭事務所では、みんな同じようなことを言つておる。これについて、いかなる御見解を持つておられるか。
 なお私は、從來会計檢査院でいろいろ御調査なさいましたが、会計檢査院におきまして、今までの過去の延利はいかなる御処置をされておるか、また今後延利の問題をいかに処置されるか、たとえば今の延利の起算日等におきましては、会計檢査院はどこまでも規則に則つて、前金の制度がある以上は、前金の徴收をもつて起算日とすべきであると思いますが、これを一体会計檢査院はどういうふうな経理事務の手続をされるか、これもひとつ伺いたいと思うのであります。要するに私がかようなことを伺いますのは、一方において、先ほど深澤委員からお話がありましたが、生産者に対しては、元金はもちろん延利も拂つていない。そして半年も放つて置く。金融は勝手につけろ。延利も金利も拂つてやらぬということは、生産者の方を虐待しておいて、一方政府が卸段階においてあまりに杜撰なことをやつておりますが、これであつてはどうもならぬと思います。少くも延利の制度を確立することによつて、起算日をはつきしりしてくれることによつて、生産者の金利くらいはそこから十分出て來ると思う。そういう意味から林野局長官と会計檢査院の方から、今お尋ねしたことについて回答を願いたいと思います。
#49
○三浦説明員 河野委員の御質問でありますが、前金制をとつておるのにそれができないばかりでなしに、いわゆる調定の日を起算にしておるということははなはだ不都合であるということは、まことにごもつともな点であります。前金制をとりましたのはたしか昨年の七月だと存じます。そこで前金をとります場合でも、消費者からあらかじめ前金をとるということでなしに、どうせ卸というような一つの商賣をやるんだから、当然卸の業体においてみずから金をつけて、そして特別会計が非常に円滑を欠くんだから、前金を出して当然じやないかということから―これはたしか七月初めだつたと思います。ところがあのときの構想によりますと、大体その月の配車の程度によりまして、入つて來べき半月分の予想に基く前金をとるというのが建前でございましたが、その後業者の面におきましても、なかなか金の手当がつかない。そこでそれでは嚴重に前金制を確立するために、その品物を渡さないで政府が持つておるかどうか。そういうことになりますと、政府のリスクにおいて横持ちをしなければならない。できたものを卸してどこかへ持つて行く、鉄道に不便をかけない程度にまで持つて行かなければならない。そういうような問題が出ますので、とうとうそれは断行することができない事情が、かなりの部分になつてしまつたのであります。そこでせめて調定の日は、いわゆる延滯利子、延納利子で言えば、渡したときからそれは起すべきじやないか。單に調定をしたという機械的なその日から起すのではなしに、品物を渡したときから起さなければならぬという御意見、これもまことにごもつともでありまして、あの調定というものは、品物を卸の段階に渡したときにすぐ納入告知書を発行して、いわゆる調定をすべきものである。ところがその点がいろいろのクレーム等で、渡した、これはかりに受取つておきましよう、こういうようなことで、いわゆる受領証というものが出ない結果、確定的な納入告知書、いわゆる調定というものが迅速に行われておらなかつた。こういう事情でありまして、この点は、一部におきましてそういうやや慣習の感があつたようなところがあるのは、まことに遺憾であります。事実は卸に渡したその品物が、クレーム等のために品質、数量の確定等において一應保留をされまして、ほんとうに受領証を卸が出さなければ、いわゆる調定が確立しない。こういうような事情から出発したのであります。釈明になりますが、事情を申し上げておきます。
#50
○河野(謙)委員 今前金の制度をきめたけれども、その後実情の変化があつたから、その実情に從つてまた取立ての方もかえたのだ、こういうお話でしたが、実情が変化したならば、実情が変化したように制度をかえればいい。少くとも役所である以上は、規則はどうなつても実情がかわつたから実情に沿つて規則はたな上げして勝手にやるというようなことは、そこがそもそも紊乱したもとだと思う。さようなことが私は第一に気に入らない。また紊乱したものだと思う。それからクレームの問題がありましたが、およそ物の受渡しにはクレームはつきものです。クレームはあとで解決すればいい。あらゆる物資は必ず物を送れば、一應それによつて生産をして、そのあとに足りたとか目切れがあつたとか、盗難があつたというような問題は、元金とは別個に解決するのがおよそ一般の商習慣であります。それを物を送れば必ずクレームがつきものであるにかかわらず、クレームまでも全部解決しなければ調定ができないというようなことは、まつたく卸段階にいい道具を與えたようなものです。これを惡用するのが商人にもある。物を送ると必ずクレームをつけるそうして品代を引つばるというのがよくある。これを政府みずからやつた。これは非常な間違いだと思う。私が先ほど御質問している要点は、最後にもう一度お尋ねしますが、一体今卸段階の延利の起算日はいつにされるかということをはつきり聞きたい。これを調定日をもつて起算日にするというようなことであつたならば、絶対にこの問題は解決しません。少くとも私は最大限度護歩いたしましても、物を渡したその日を起算日にしなければならぬ。制度の上から言えば、制度が確立しておるならば、前金の徴收日を起算日にしなければいけないと思う。役所である限りは、制度が確立した以上は、実情に沿おうが沿うまいが、その制度に從つて原價計算も卸段階の数量も、前金の制度をしいた以上は前金によつて政府に拂うという、その間の金利は、物價廳の方は調べておりませんが、その間の卸段階の口銭の中には金利は入つておると思います。これらの点につきまして明確を欠いておりますので、一体今後いつをもつて延利の起算日にするか、同時に今後過去三年であろうが五年であろうが、さかのぼつて清算をしてもらいたいということをお願いしたい。
#51
○小笠原委員長 まだ会計檢査その他木炭に対しては薬師神君、足鹿君その他にも御要望があるようでありますから、午後継続することといたしたいと思いますから、午前中はこの程度に止めまして、午後二時より開会することにいたします。暫時休憩いたします。
    午後零時二十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時九分開議
#52
○小笠原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 それでは午前中の河野委員に対する林野廳長官の御答弁をお願いいたします。
#53
○三浦説明員 前渡し前取りの制度を設けながらそれを励行しなかつたのは遺憾である、まことにその通りで、実はあれは通牒といたしまして、運用はせひあれでやりたい、こういうふうに考えたのでありまするが、その後必ずしもその通りばかり行つていない。ことに重要な大都市においては、そういう点が強く行われてないという点が明らかに出ております。まことにこの点は遺憾なのでありまして、またあわせていろいろクレ―ムを言うが、そのクレームは当然取引には伴うものであつて、ともかく一方的に一應仕切るなら仕切つて、あとでクレームがあればクレームを処置すればいいじやないか。まことに実際の商賣というものはそうであると思います。ところが官廳におきまする商賣は、そこまでは参りません。これはある意味において、官廳というものが消費者がそうそう選択をするという品物を、國が商賣的に取扱うことの適否、むしろ國が扱うべきようなそういう状態ではない、國がすでに扱うべからざる状況にあるのだということを意味しておるのかと思いますが、まことにこの点は遺憾と思います。ただここに事情だけを申しますと、二十三年の第一・四半期には移入された実績というものは十万三千二百四十六トンという数字でありましたが、本年の第一・四半期は十八万二千五百トン、まことに七割七分というような実は大きく数字がふえております。そこでもとより調定は現物を渡したときにしなければならない。現物渡しが即調定であり、納入告知書を発行しなければならぬのが原則でございます。從つて延滯金等もそれの日から起算されるべきが原則でありまするけれども、こういうような不需要期におきまするところの、しかも昨年に比べて七割以上の大きな入荷という実情から見まして、卸はどうせ今日の状況では、政府としては、横へみずからのリスクにおいて持つて行つてためておく、そういうようなことはできぬというような見方も、おそらくあるのではないかと存じますが、少くとも卸におきまする事情は、取引の荷受けの拒否をしようというような、せざるを得ないような状況も一面においてあるようなのでありまして、政府としてはその拒否に会つた場合、みずからの手において適当な地に運んで、そうしてそこで処理する、こういうような状況がほとんど期待不可能でありまするので、結局前金制度の運用といい、また納入告知書の発行、從つて受渡しと同時に調定を成立させるという点が鈍つておる点がありまして、この点はまことに注意をしなければならぬところだと存じます。
#54
○河野(謙)委員 一点大事なところの御答弁が抜けておりますが、これは今後精算にあたりまして、実際上の事務の上において、延利をどこを起算して今後やられるかということを伺いたい。どこまでも今までの木炭事務所が考えておりますように、実情とまつたく沿わない、調定の日をもつて計算の起算日にされるかどうか、さようなことはないはずだと思いますけれども、もしさような考えであつたらたいへんな間違いだと思います。私はこの機会につけ加えて申しますが、各着駅の駅頭には、木炭事務所の荷さばき人と申しますか、職員がおるはずです。そうして荷さばきをして卸の方に渡しておるはずです。そこで十分に代金の決済の起算日が立つわけです。もう一つは、荷もたれして、荷受けを拒否するとおつしやいましたが、事務の方の処理から行けば、順序としては、卸團体から買受け申込書、荷渡し申込書をとつて、その次に賣渡し計画書か何か出して、初めてやることになつておる。從いまして買受けの申込書が全部あるはずである。実際の事務上においては、それが前後しておるかもしれませんが、荷渡し團体から申込書をとつてやつておる。從つて荷もたれして荷物を拒否するということはあり得ない。もし買受けの申込書がなければ、政府の手持ちとして、政府自体の責任において、いかに金利がかかろうが、倉敷がかかろうが持つておる。卸商に渡しましても、金にもならない、それは結局政府が持つておると同じことである。その辺のところも私はおかしいと思いますが、特に私がもう一度重ねて申し上げますが、今後の生産の事務におきまして、金利の計算はどこを基準にしてやられるつもりか、それをはつきり伺いたい。
#55
○三浦説明員 生産の事務の場合に延滯の利子をいつから基準にするかという問題がありますが、これは過去におきましての分は、やはり調停をした回から起算するほかない、かように存じます。それから今後におきまする分は、現在は買入れてないわけであります。都市に入つて來る分がございますが、その分につきましては今御指摘のように事務的な取扱いをして、引渡し即納入告知書発行、つまり調定、こういうように参りたいと存ずるのであります。事務的な手続きとして、当初買受者側から総括的に買入れの申込みを受けますけれども、それに基いた引渡し、荷渡しをいたしまするが、その場合受領証をとることによつて、個々の数量、銘柄等の決定はいたします。結局調停の基礎というものは、却商が出します品等、銘柄、数量を書いた受領証、そういうものが基礎になつておる関係からその受領証を出さないというと、調定ができぬという機械的な考え方でありましたけれども、この点については、今いろいろ御指摘がありましたように、私どもとしてはぜひそういうことのない、今おつしやつた行き方において今後においてはぜひしたい。ただ清算事務の延滯利子の場合においては、過去の分だと、どうしても認定した日からでなければ、いつ事実引渡したかという確認の基礎がございませんので、やむを得ずこの日から計算するよりしかたがないと思います。
#56
○河野(謙)委員 私はそれは非常に大きな問題だと思います。長官も御承知のように、調定というものは大体一箇月、二箇月、三箇月たつて調定が成り立つておるのが多い。そうしますると、過去においては調定が成り立つた日より前に卸商から小賣商に來て、われわれ消費者のところまで炭、まきが届いておる。われわれ消費者は金を現金で拂う、金は一月二月も三月も前に小賣商から卸商の段階に入つておるにもかかわらず、調定はまだできていない。政府の支拂いはまだ済んでいない。この実情は長官お認めになると思います。そういう実情をながめておつて、しかもいかなる規則に準拠してか知りませんが、私は規則はないと思う。調定が成立たなければ金利の計算はできないという規則はないと思う。どこに根拠を持つか、根拠を持つところがないとおつしやいますけれども、駅頭において木炭事務所の職員が荷さばきをする。銘柄別に荷さばきをして発送する。これが一番はつきりしておる。しかもこれは卸商がやつておるのではない、運送屋がやつておるのでもない。木炭事務所の職員が荷さばきをしておる。これが一番はつきりしておる根拠であつて、こういう明瞭な根拠があるにもかかわらず、これをもつて根拠にしないで、いろいろ卸称商がなんだかんだ言つて、商略的に引延ばして調定を二月も三月も経つてやり、その日をもつて取引の成引した日であるということはもし規則があれば誤つてもしかたがありませんが、私はそういう規則はないと思う。これは過去の問題といえども、十分私はそれを御訂正を願いたいと思う。今後においてはもちろんでありますが、過去の分もそういうことであつては、あまりに実情を無視したやり方である。あまりに卸商に利益が偏重したやり方である。一方において、午前中にも申し上げましたが、生産者の方はどうなつておるか。政府が指定した場所まで木炭を持つて行つて、ちやんと責任を果しておる。しかるに元金も拂わなければ、金利も拂わない、きよう陳情に見えておるようでありますけれども、いまだにその問題が片づかない、一方においては、卸商の方面は二月も三月も前に金になつておるのに、金利の計算さえもできない。しかもそれが過去においてはしかたがないということは、どうしても私はその御答弁は受取れない。これはもしそういうようなどこまでも、調定の成立した日をもつて金利の計算をする、計算を立てるという規則があるのなら、私はその規則を伺いたい。間違つても規則がある以上はしかたがありません。私は規則がないと思う。なければ先ほど申し上げましたように、駅頭においての政府の職員が荷さばきした日をもつて、私は起算点としなければ絶対にいけないと思う。この点を重ねてくどいようでありますが、伺いたいと思います。
#57
○三浦説明員 重ねての延滯の起算日の問題でありますが、私どもといたしましては、先ほど答えたような考え方を持つておりますけれども、今事情を述べてのさらに再檢討を要すべき御主張、ことに生産者に対する面とのつり合においてはなはだ不都合であるという御主張は、まことにごもつともであります。私どもといたしましては、この二月以降の分は生産者にもずいぶん御迷惑をかけましたが、また一面において、消費地の問屋方面に対しても、ある程度むり押しつけ的なことで、その品物の受取りあるいは荷さばきというものについてむりを願つている面もございました。そういり意味から行きますと、過去にさかのぼつて、突如として引渡した日からとるということを、全面的にはたしてできるかどうか。たしかに御意見の点はわかるのでありますけれども、その点についてはもう少し研究さしていただきたい。今日、どうするかという御返事はしないで、研究さしていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
#58
○深澤委員 ただいまの利子の起算の問題でありますが、われわれが東京木炭檢査所を調査したときにおきましても、東京木炭檢査所は、調定がはかどらないのはどういうわけかということに対して三つの根拠を示しております。その一つは、現物を小賣へ渡して文句がないようにならなければ、卸賣業者は受領証を出さないという現実になつておる。第二は、保管の経費が何ら定つていないから、これをきめて、これだけ台帳の中からさし引かなければ調定ができない。第三は、乱俵で手直しが相当あるから、これが明確にならなければ調定できない。この三つの根拠をあげまして、調定遅延の理由といたしているわけであります。こういう理由のもとに調定が遅延になつているといたしますれば、卸賣業者の利益を実に親切に擁護して、結局調定が非常に遅れているという原因になつているのであります。しかしながら駅頭において、あるいは渡し場において、あるいは港湾を利用して渡す場合におきましても、トラツクで運ぶとか、一應計量的には明確につかみ得る機会はあるのであります。結局その時を起点として、当然保管の責任あるいは代金に対する責任は卸業者が負うべきであるというふうにわれわれは考えるのであります。しかるに卸業者の倉庫に積んでしまえば、われわれが現場を見ましたように、まつたくむりに全部俵を解いてしまつて堆積して炭の山になつている。ああいう状態になつているものを、今申しましたような、小賣屋へ渡して文句がないような状態になつてから受領証を発行するとか、あるいは乱俵の手直しが相当あるから、それが明確になるまで調定ができないということになれば、調定がいつできるかわからない。こういうことが考えられるのであります。その間において、おそらく卸業者は商略的にもそういうことを理由にいたしまして、ますます遅延をする危險性が多分にあると思う。その上に政府はなお卸業者に対して保管料を拂わなくちやならぬ。また現実に拂つているのであります。そういたしますれば、ますますこの特別会計の赤字は増大するのみであります。この調定遅延というところに根本的に赤字が出る原因があると思うのであります。從つて今河野委員の仰せられたように、現物を引渡したときに調定すべきである。その後においてクレームその他の問題が出た場合は、あとからそれを解決すればいいのであつて、まず元金は現物を引渡したときに当然取るべきであり、遅延するならばそのときから利子の起算をすべきである。これは当然であると考えます。これを研究しなくちやならぬとか、あるいは躊躇しているところに、われわれが何としても理解のできない考え方があるのです。生産者は現在まつたく四苦八苦の状態にあるにかかわらず、この卸業者に対してのみ、実に緩慢な手段を講ぜられている政府自体の態度というものは、生産者を犠牲にして即賣業者のみに十分の余裕を與える、こういうことを非難されてもやむを得ないと思う。從つてわれわれはこの際断固として、現物を引渡したときに代金の引渡しをする。もしそのときから遅延するならば、そのときをもつて延滯利子の起算の日にするということを実行することによつて、生産業者にも卸賣者にも公平な処置をとつているということが言えると思う。この点について私は政府が全体的な特別会計の赤字を解決する意味において、あるいは今後の運営におきましても、そうした公平の処置をとられんことを、切に要求したいと思うのでありますが、その点について長官はどういうふうにお考えになるか伺いたい。ただ研究するというようなことであつては、こういう状態にあるのであるから、いかに研究いたしましてもだめであります。政府が断固として決意する以外にないと私は思う。一つ決意をお伺いしたいと思います。
#59
○三浦説明員 ただいまの延滯利子の起算日の話でありますが、調定をして納入告知書を出した分につきましては、もしもその起算日を早くする、現品引渡しのときから起すということになりますと、過去にやつておりました一月、二月、あるいはさらに三月というように間が延びた契約というものはこれを取消して、さかのぼつてそれを引渡したであろう日を見つけて、そこで両者納得の上に契約の更改をしないと、その出て來る基礎というものが明確にならないという問題があるわけなのであります。そこでその問題につきましては、そういうような、要するに契約上の更改手続を必要といたします関係もありまして、私どもとしては、そういう趣旨にはできるだけ沿わなければならぬと存じますが、その問題が一つあります。今後につきましては、私どもとしては、そういうふうな調定というものは御指摘のような考え方ですべきものだとかように存じます。
#60
○藥師神委員 この際はつきりしておきたいと思うことは、午前中の井上委員の質問に対する会計檢査院の第二局長の御答弁が、私にははなはだのみ込みかねるわけであります。結局局長の御意見から結論を得てみると、この事故というものはすべて二十三年度に発生したことになるわけであります。これがなるほどおつしやつたように、委託檢査を農林大臣にまかしている、その報告に基いてわれわれはやつているのだから、過去においては過失がないという言分でありますが、会計檢査院というものが、檢査を受けるべき立場にあるところの農林大臣に委託檢査をさすということが、会計檢査の建前上から言つて至当なものとお考えになりますか、まずその点を私は承つておきたいと思います。
#61
○小林説明員 ただいまの委託檢査は至当なものであるか、こういうことでございますが、会計檢査院が旧憲法におきまして、その組織権限は法律の定めるところによるというので、それに基きまして、明治二十三年かの会計檢査院法ができました。その第十六條に「会計檢査院ハ各官庁中一部ニ属スル計算ノ檢査及責任解除ヲ其ノ廳ニ委託スルコトヲ得但シ其ノ檢査ノ成績ハ該廳ヲシテ之ヲ会計檢査院ニ報告セシムヘシ」という法律の規定に基きまして、委託檢査ということを実施いたしております。もちろんその報告が適当でないと認めたときは、会計檢査院としてはみずから檢査をすることができるわけであります。そういう関係もありまして、薪炭特別会計におきましては、昭和十五年薪炭会計ができまして、創設と同時に薪炭の会計というのは委託檢査にいたしております。そして事故はなかつたという報告を受けておつたのでございます。この委託檢査の範囲というものを全体について申し上げますと、これは主として最初は廳中物品、つまりこういうこまかい物品だけを委託檢査をいたしております。薪炭などをだんだん委託檢査にいたして参りましたのは、会計檢査院としても、当時だんだん仕事がふえて参りましたし、御承知の通り、かりに薪炭だけにいたしましても、全國にいたしますと一万とか二万という集荷場所もありますので、それらのものを檢査しきれないというので、薪炭は委託檢査をしておつたのであります。途中において委託解除をする権限も会計檢査院にあるわけでありますから、それじや委託しないで直接檢査にすればよいじやないかという議論もあると存じますが、当時の情勢におきましては、むしろ委託檢査に頼る以外、檢査院としても非常に手不足でありましたし、それから各般の情勢は、だんだんそういう各廳に責任を負つて檢査してもらうという情勢でもあつた次第でありまして、戰爭が苛烈になると同時にその傾向はだんだん強くなつておつたわけであります。なおただいまわかりました現物の不足が全部二十三年度中のものであるというふうには申し上げなかつたつもりでございまして、いつの年度に起つたかは今となつてはきわめがたいというふうに申し上げたつもりでございます。
#62
○藥師神委員 私は委託檢査というものが非合法であるという意味を申しておるのではないのであります。檢査院の院長と農林大臣が、席次がどつちが上か、そんなことは問題ないのであるが、少くとも午前中のあなたの口吻を聞いておると、大部分の欠陥というものは二十三年度に出たのだ、林野廳の方でその事故というものが過去に遡及するというような意見を述べられたことは不都合だという意味のことを、けさおつしやつた。私はそれを問題にしておる。問題はそれは農林大臣の方に委託しておるのだから、その方から報告の來たものはこれは間違いないと思つてわれわれは信じた。それまでは事故はなかつた。こういうことになつて來ると、結局は水かけ論のような無負任の回避になつて來るんじやないかと思う。かりに林野廳なり農林大臣から不正確な報告が届いていた、それを信じた場合においては、檢査院の院長が責任をとるべきものだと私は思う。実体の檢査をしていない、書類の上において檢査しておるわけであります。私はその本質の問題として違法という問題を言つておるのじやないのでありますが、その檢査を受けるべき立場におる者に委託をするということで檢査の正鵠を期し得るか、その目的を達成し得るかという問題をお尋ねしたいのであります。これは根本的に間違つているのではないか。單に形式を整えるだけならばそれでよろしいわけであります。それでこれは檢査院としても、この農林大臣の委託檢査の報告というものを信じて出したんだ。われわれから見る場合においては、その決算額なるものは議会において承認しておるので、一應片づいておるけれども、その問題の発生した以上は、われわれ現実のものをつかまなければならない。そこまで行かなくちやその問題は解決しないのです。形式上済んでおるからこれは万事解消しておるとお考えになることは、間違つていやせぬか。これは最初の、薪炭会計というものが発生した十五年から今日まで連鎖的なものであります。おそらくあの十八項目というもの、私たちはそれより以外にも事故があると思つておるのでありますが、この十八項目というものは、林野局長官も先ほど言われたように、事前において予期すべからざる項目も、それはたくさんあるでありましようが、最初において木炭の何であるかということを知れる者であつたならば、大部分は事前に予期さるべきものであります。これの減耗も、火災にあうことも、災害のために流失することも、あるいは陸上の小運搬の関係において発生することも、貨車乗りから向うにおいて不都合の生ずることも、大部分のものは事前に予期さるべきものと私たちは思うのです。問題は終戰後のどさくさまぎれで、すべての統制あるいは人心の弛緩しておる場合においては、事故が多かつたに違いない。いわんやこの二十三年度においては生産数量も多かつただけに事故の量も多かつたことは、われわれは常識でも判断できるわけだが、その薪炭会計の始まつた初年度から事故がなかつたということは、あなた方は結局委託檢査を農林省にまかしていたから、その報告に基いてこれを認めておるのであつて、事故が遡及するということはつまらぬじやないかという、責任のなすり合いをなされることは絶対われわれは受取れない。これはけさの林野局長官の意見を聞いてみてもわかる。それは金繰りが逼迫して來たから、どうもおかしいというので、手をつけてみたら、大きな穴が明いていたので問題になつた。これもうつかりした話だと思う。けれども十箇年間たな卸しができていなかつたということだけははつきりしておる。してみると、量の減耗なりその他なりの事故のパーセンテージというものは、どういうふうになるか知りませんが、少くとも初年度からこの事故というものは起つているわけである。木炭会計法にも何もないところの立木に金を出した、薪炭になつていないものを買收したというような違法な、予知すべからざる原因もあるでありましようけれども、これは例外であります。その他の大部分のものは初年度からあるということがほんとうじやないでしようか、どうお考えになりますか。この十八項目のうちの大部分というものは最初の年から発生しているものです。それをあなた方は認められないわけです。それはただ單に委託して檢査をまかしておいたから、その報告に基いてこれを認めたんだ。結局これを押し進めて政治問題に考えてみると、あなたのおつしやることによつたならば、すべての事故というものは全部現内閣の責任において発生したように聞えるのです。私は昭和十五年当時から、幾代内閣が変遷したか知りませんけれども、少くともこの十八項目のうちの大部分は、初年度から発生していると思うのです。この点についての見解をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#63
○中島説明員 ただいまの御質問のうち、初年度から物品の事故があつたのではないかという点につきましては、私どもはこういうふうに考えております。それは当初薪炭の統制買上げが始まりましたときは、生産地では貨車乗せ、買入れは貨車の中、賣渡しは消賣地の着駅ホーム渡しでやつております。おそらく木炭事務所の現物の把握ということが容易であつたわけであります。しかし十八年の九月以降、おそらくは薪炭林を、里山のものを切り盡してだんだん奥地に入るというような事情があつたと推定されます。それで十八年の九月以降、これを政府指定の場所で買い入れるということにかわつたわけであります。そこでかりに事故があつたとすれば、まず十八年九月の指定場所で買い入れるということに制度が改まつた以後のことであろうと推定いたします。そして出まわつているものは事故が大体なかつた。これも実は私一個の推定でありますが、一俵についての自然減耗、つまり欠量といつたようなものは、この特別会計で取扱われていなかつたように思います。それはおそらく消費者にかかつておつたのではないかと思います。ただ在庫されているものは、在庫中に自然減耗あるいはその他の関係で減耗があつたのじやなかろうかと推定せられます。それで政府手持の在庫数量というものが、大体戰時中からずつと二十年、二十一年、二十二年というふうに上昇して來ている。そこでやはり事故が最近年度のものであろうということは一應推定されるわけであります。しかし先ほどお説の通り総たな卸し的な現品調査は林野廳においてはやつておりませんでした。私の方でも、委託檢査ということで、木炭事務所について長野の伊那郡と他の二郡だけで、今度四月にたな卸し的に調べました箇所が六百箇所くらいあります。つまり薪炭の集荷場所というものが、全國的に見ますと厖大な箇所になります。これを総たな卸し的に檢査するということは、現在においては事実上むずかしい。まして人員の少い旧憲法下の会計檢査院では不可能であるといわざるを得ない。そこで総たな卸し的にそれができていないので、いつごろから事故が発生しておつたかというようなことは、今日ではわからないのです。結局、局長が午前中にどの年度に属するものかわからないと申し上げたことは、それ以外に申し上げようがないのであります。私はまず事務的に申し上げまして、あとから局長の総合的な判定の御意見をお願いしたいと思います。
 それから先ほど申し述べました事故の中、いろいろ二十数目あるわけでありますが、これが全部二十三年度に発生したとまでは申し上げなかつたつもりであります。このうち明らかに現品が未生産であるのに支抑い証票を発行したもの、あるいは指定業者云々といつたように、新制度が始つて二十三年になつてからの政府支拂い証票等を発行するようになりましたのは、二十三年度に入つてからのことでありますが、このように二十三年度になつてからの事由であるということがはつきりするものが一項目あるわけであります。ところがはつきりしないもののうちには、縣外輸送にあたつて現在行方がわかつていないものといつたようなものがあるわけであります。縣外輸送にあたつて生産縣から消費縣に移しますにあたりまして、その結果が一應行方不明と言わざるを得ないのであります。行方不明になつているという事由の中に載つておるのが、木炭もまず半分を占めておりまして、それから火災、水害あるいは盗難といつたようなはつきりした事由以外に、保管中に減耗したものも相当ございます。それから私どもが今日まで事由がはつきりしないもの、いわゆる事由不明という項目の中で整理しておるものも若干あります。その縣外輸送にあたつて行方不明になつているもの、それから現品保管中、盗難、火災、水害、そういう原因以外の事由によつて減耗となつておるもの、それから事由不明になつておるもの、この三つは必ずしも二十三年度だけに起つたものとは何としても言いがたいのでございます。しかし先ほど申し上げましたように、たな卸しをやつたことがないためにいつから発生したかということもはつきりしないのであります。決してはつきりさすことを怠つていたり、あるいはきらつているわけではないのでありますが、事柄の性質上、どうしてもはつきりしないのであります。
 それから縣外輸送にあたつて行方不明となつておるというものが過半数を占めております。これは帳簿上は現在の事務のやり方として、生産地の木炭事務所では、消費地の木炭事務所から受領証が到着して初めて生産地の木炭事務所ではこれを運送拂いに落すわけであります。消費地の木炭事務所からの受領証が生産地の木炭事務所に届いていないので、整理ができないでおるものがすなわちこの縣外輸送にあたつて行方不明になつているものという項目になるのであります。これが非常に多いわけであります。先日問題になりました東京木炭事務所で調定未済が相当あつたというのは、まさにこの中に該当するものであります。これは実際はもつと能率的に、生産地の木炭事務所と消費地の木炭事務所との間で、照合を敏速にやられれば、もう少し早く整理がつくのではないかと思います。現在はこれをやつていないわけであります。それには現在の木炭事務所のわずか二千数百人で、全國四十七木炭事務所の業務をやつておられるということにも多少関係しておるのじやないかと存じますけれども、この縣外輸送にあたつて行方不明になつておるものが相当のものであり、これが照合がつけば次々と整理されて行つて、整理された年の減耗として決算上は整理されることとなるのであります。なるほど発生した原因はいつの年度かわかりませんが、最近年度にまたがつているものも相当あるのではないかと推定するのであります。これはやはり整理が、昭和二十三年度以降整理されてから現われて來るものであるというような整理の立て方になつておるというわけであります。
#64
○小林説明員 なおただいまの委託檢査のことについてでございますが、委託檢査はその後新しい憲法のもとに会計檢査院法を制定いたします際に、ただいま委員からもおおせのように、自分で檢査する事柄を、檢査を受けるところの大臣なりにお願いするのははなはだ不合理なことではないか。そういうことは納得できないということで、委託檢査という制度は、ただいまはそういう制度を利用することはできないことに相なりました。従いまして、すべての物品を会計檢査院は、直接に現物までも檢査するという態勢をとつております。その点だけ申し上げておきます。
#65
○藥師神委員 私は考えるのに、今の課長の言われたように率直に事実というものを認められるなれば―またそうなくちやならぬと思う。ただこれを処理する上においては、すでに決算が議会において認証しているものを、今からくつがえすということはできぬですから、結局二十三年度以降においてこれを処理するということは、取扱上からいえば当然ですけれども、よつて來つた本質というものをつかむのには遡及しなくちやわからない。わからないけれども、それは今おつしやつたように何年度にどれだけの欠損が出て來たか、どういう懸隔が起きたかということは、たれが考えたつてわからない。わからないから、結局逆算によつて、あるいは政府の買入れ数量において出すよりほかに方法はないでしよう。また十八年度以降の買收と違つたわくにおいて、いまの立木やなんかに金を出した。薪炭になつていないのに出したというのは、それから以降に起つた事項ではつきりしている。問題は今言つたような流亡しようが、あるいは火災にかかろうが、盗難にかかろうが、その他の輸送中の事故によろうが、これは初年度から発生しているわけなんです。それがたな卸しができていなかつたから、それのはつきりした数字が出ていないと思うのであります。けれども、午前中に井上委員に対する御答弁を聞いてみると、事故というものが決算をした即往にまでさかのぼつて出てくるというようなことを林野局の当局が言うことはつまらぬじやないか、そういうような御意向があつた。それから二十三年度に全部出て來たとはおつしやらないけれども、その口吻を聞いてみると、あたかも二十三年度にこの問題がほとんど発生したごとき意見を述べられて行つた。これはあなたの立場としては、すでにすんでいることなんですから、そういうことをお述べになることもあえて不思議とは思わぬわけでありますけれども、会計檢査院としても農林大臣に委託して檢査をやつたんだが、そういう不都合が出てくれば欠陷があつたんだということを、率直に認められることがあたりまえじやないかと私は思う。私たちの見るところは、十八項目の中にはないところの大きな原因を持つている。今一番出ているのは高知縣でありますが、高知縣は四万一千なんぼの亡失の木炭が出ている。その中に、高知縣の者に聞いてみると、あすこは大分太平洋作戰で基地になつている。あすこにいた兵士がなんぼおつたか知りませんけれども、その兵隊たちがどんどん取つてたいた。しかしあすこにどれだけの兵隊がおつたか知らぬが、夏はたかないから、冬の間どれだけたいたか。そんなことではわかる数字じやない。十箇年間に割当ててみても、一日に十五トン車に一ぱいずつの木炭がなくなつている。これは常識でも何でも考えられるものじやない。それを二十二年度や二十三年度にあつたとしたら、毎日機帆船に一ぱいぐらいずつなくならなくちやそろばんは出て來やしない。こういう問題は十八項目の中には出ておらぬ。それが現地買入れになつて來る。山で野天積みにして、俵装も何も崩れてしまつてどうにもならないように、ほとんど放置されたままである。そういうところで名目はどういうふうに取扱われているかは知らぬけれども、そういうものもたくさんあるのではないかと見ている。これは終戰の直後に一番ひどかつたものと私は見ておるのであります。それは軍に火災とおつしやるけれども、われわれ現実に知つておる火災の場合においても一様ではないのです。たとえば五千俵入りの倉庫が燒けた場合において、三分の一はまだ被害を受けていない。三分の二は被害を受けた場合、火がまわつておつてもあとから消して、一等炭としては処理できなくても、格を落せば半分は出せます。七分は出せる場合がある。そういう場合に、木炭担当官と当局の間にどういう報告がされておられるかも、おそらく御存じがなかろうと思う。それからこの問題は、私たちは実際において直接に知つているのだから申し上げるのです。火災で五千俵詰まつておつたものが燒けたといつて、五千俵の火災の報告になつておる。それは一部分はいいが、燒けた場合においては、いろいろなものもありましようけれども、そういう適宜な、便宜な処置が現場でとられておる。おそらく兵隊がとつて來てたいたりしても、盗難ということになつているかもしれない。あるいは流失になつておるかもしれない。その取扱いというようなものも、今的確にはこれまたつかめぬでしようけれども、それを追究しておるのではないのですけれども、私が冒頭に申し上げたように、この事故というものは、私の見るところによると、この終戰直後のすべての機構というものが弛緩しておつた時代の亡失というものが一番大きいと、私たちは見ている。この間も岐阜懸へ行つて、先ほど平野委員から報告がありましたけれども、あそこの事務所長の意見では、昭和二十二年度から後現地買入れの問題でむずかしくなつたという説明がありました。一方においてはこれは何も調査はしていない。二千万円以上も利益が出ておるよりな場合が出て來た。そうして現物はない。要点をつかまえて言えば、駅渡しの分には事故は少かつた。林野廳で言うそういう大きな、十四億円も亡失したということはわれわれは考えられないという。実際のところ私は事故と紙に書いてあるのを見たところで、今の高知縣の問題でも判断ができますが、一年中にやるのだつたら五、六十トンの機帆船に一ぱい、十年間で割つても一日平均十五トンずつなくなつておる。十八年以降だつたら、毎日五、六十トン積みの機帆船で一ぱいずつなくならなければそういう数字は出て來ないです。こういうことをあなた方はどういうふうに考えていられるか。もつとほんとうに檢査される必要がある。結局の問題から言えば、單に書類の上の整理をされておつたにすぎないのでありますから、これは農林大臣に委託檢査をされて、農林大臣も惡いのではないか、農林大臣自身が一々事故檢査をすることがほんとうだ、会計檢査院から受けなくても、特別会計であろりが何であろうが、この事故檢査以外には責任は持てない。一番これが権威があるのです。万全を期するために檢査院というものができておるが、そのたびの報告だけをもつて、そうしてそれが決算の唯一の認定の資料になつておる。こういうことで見ると、率直に檢査院のこれまでの檢査制度と言いますか、檢査をやつて來たということにおいて、薪炭会計においても落度があつたということを率直に認められなければ、話のつじつまが合わぬ。それを先ほどから、遡及することはつまらぬではないかというが、われわれの使命というものはこれを遡及して、この根元というものをつかまなければならぬと思う。私たちはここで林野廳と会計檢査院でどれだけけんかをされても、そういうことは聞きたくない。責任のなすり合いは聞きたくない。率直にこれを認めてもらわなければならない。もつとこういう檢査を、私が今話して來ただけでも、もつと深く御檢査なさつてはどうか。われわれ常識では考えられぬ。何も私は追究しようという考えでやつておるのではないですから、このくらいの程度にとどめておきます。
 次には林野廳長官に一つ申し上げなければならぬのですが、木炭問題はもはやここまで薪炭特別会計を檢査することになつたのだから、この際においては、この問題を二つの問題として、これまでの特別会計の不始末と申しますか、乱脈と申しますか、これの收拾のための整理の段階、一面においては整理の仕事を清算と申しまするか、これに主力を注ぐと同時に、先ほどから各委員において強調されたのでありますが、未拂金の早急支拂い、それから將來に対するところの原木買入れ資金であるとか、あるいは生産資金の方面の問題の早急な手当、將來に向つての対策との二つにわけて、はつきりこれを考えないと困ると思う。私はあなただけに申し上げるのじやない。われわれは党の最高指導部にも、関係者にも極力言つておる。どうせ拂わなければならない。現内閣の責任において拂わなければならないものだから、一日も早く拂つて窮乏を打開する必要がある。それを債権を取立ててその金で拂うというようなことを事務屋が考えられると、そういうことをすぐお考えになろうと思うのだが、そういうようなまどろつこしいことではしようがないと思う。整理の方は整理の方で、債権の回收に全力を盡すことはもとより必要だろうと思う。この未拂金の支拂いという問題、あるいは製炭資金の問題というものは、早急に計画を立てなければならぬと思います。けれども今の金のない特別会計においてこれを拂うといつたところでなかなか問題である。これは予算措置を講じなければ出せない。ただちに預金部資金を持つて行くこともできまい。あるいはほかの資金を持つて行くことも、なかなか技術的には困難を伴うことと私は思いますけれども、早急にこれを講じてやらなければ、政府の大きな信用の問題であると同時に、一方から言えば、われわれの縣においても、運賃を入れれば約七千万円の多額に上つておるわけであります。福島縣のごときはおそらく二億円近くになつておるという話を開いておるのであります。これを一日でも放置するということは、実に罪惡にひとしいものだとわれわれは考えておるわけであります。それは債権を回收するということも必要でありますが、それを一方からじりじりと回收して行つて、その金をもつて支拂うというようなことでは、われわれは満足できない。そういう考えを持つてもらつては困ると思うのであります。早急にこの問題を誠意をもつて解決してもらう。できたことはやむを得ないわけでありますから、この整理は整理として、別個に鋭意力を注いで、早く國民の納得し得るような結論を出して発表しなければならぬ、かように思つております。これはおそらく御答弁を聞くまでもなく御異存のないこととは思うのでありますが、なおこの際において念のために、ひとつ長官の御意見を聞かしてもらいたい、
#66
○三浦説明員 藥師神委員からのただいまの木炭の特別会計の整理と、あわせてむしろそれよりもさらにまた重要なるべきところの意味をも含めて、將來の問題に関して、ただちに不安のないようにする、ことに原木あるいは資金等において、この製炭業者の零細なる原始産業に対しての補強の問題、まことにごもつともで、私どもとしては、できるだけすみやかにこれを解決したい、かように存じております。
#67
○足鹿委員 三、四の問題について三浦長官にお尋ねをいたしたいと思います。まず第一に政府の未拂いに対しまする金融措置についてであります。聞くところによりますと、日銀はこれを割引して大体話合いがついた、こういうふうに聞いておるのでありますが、ただ金利の問題で大藏省と話合いがまだついておらない。しからば金利の問題とこの未拂い金に対する融資の問題を切り離してただちに御実行なさる御意思があるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#68
○三浦説明員 政府の末支拂いである分については、ただいまお述べになられました金利の問題が確かにあるわけでありますが、私どもとしてはこの委員会でもかねてから申し上げますように、他の場合におきまするところの國の債務と性質が違つて、この特別会計自身が買つて賣る、こういうような一つの單純な賣買の内容を持つた会計でございますので、この未支拂いにつきましては、どうしても金利も考えて出すという考えでおるわけでありますが、その点ひつかかつております。私どもといたしましては、その点は別途解決の道を講じて、そうしてすみやかにこれを出す。ただ、今、日銀と問題になつておりますのは、卸業の方からいつどういう計画で月別に入つて來るかという点がまだ少し問題になつているという点がひつかかつております。
#69
○足鹿委員 そうしますと別途にこの問題を解決するという御意思のように承りましたが、その別途解決の用意があるということは、具体的に申しますとどういうことでありますか。たとえば大藏省との折衝が成立をしなかつた場合の御方針、具体的な措置は、結局林野廳自体としてこれを御処理になる、こういう意味に解していいのでありますか。その御決意のほどを承つておきたいと思います。
#70
○三浦説明員 そういうふうに解釈していただきたいと思います。
#71
○足鹿委員 それから同時に第三点で伺いたいのでありますが、融資の対象をなぜ七割に限定をされたのでありますか。もしかりに集荷業者が他の金融機関等から全額融資を受けて話合いをいたしまして、そしてこれを立てかえ拂いをした際において、このあとの三割というものについては政府は金利を保証されるのでありますか。その七割に限定された理由はどういうところにあるのでありますか、この点について伺いたい。
#72
○三浦説明員 今七割に限定をしております点は、金融機関いわゆる日銀との了解におきまして、一應七割程度でとどめてもらいたい、こういうことでありますので、一應七割という率が出ておるのであります。今お尋ねのように、もし別途の機関におきまして百パーセント立てかえるというような機関なり銀行がありますれば、私どもとしての考えは、銀行関係に金利の形では出せないのですから、支拂い遅延債権者に対して出すという考え方でおるわけなのでありまするから、もし百パーセント出すというところがあるといたしますれば、もちろんそれに関連して行きまするし、七割の問題につきましても、残る三割については、依然としてある機会において、さようないわゆる政府の支排うべき金を支拂わなかつたという意味における金利でありますから、同様に解決をいたさなければならぬ性質と考えております。
#73
○足鹿委員 次に午前中の御質疑に対しまして、調定済み額が十八億である、調定未済のものはまだはつきりしない、こういうことでありますが、大体の調定未済、のものについてはどの程度あるのでしよう。相当額ふえるという程度でなくて、もう少し具体的にこれを示していただきたい。そして実際午前中からも問題になつておりました、卸賣業者の未支拂いのものに対して、いろいろ努力をしておるというような御答弁であつたようでありますが、私どもの調べたところによりますと、ある卸賣業者のごときは、金融機関から一億円程度の融資を受けて、八千万円に相当する木炭を、しかも生産者が一番金融の逼迫で困つている旧盆前に、これが買付を東北方面においてやつているということを聞いておるのであります。しかもその買付償格は一俵大体生産者償格百二十五円とふむべきものを、最低は六十円というような不当な安値で、生産者がこの政府の支拂い遅延によつて困窮しているその窮乏に乗じて、買付をしている。現にその人たちは、政府に対してまだ債務を完了しておらない業者であるように聞いておるのでありますが、これらの点について、債権の確保に対してどういうお手当がなされたのでありまするか。ただやむを得ないもの、として放置しておられたのでありますか。その点につきまして卸業者の未拂い代金の回收には努力をしている、努力をしているということでありますけれども、こういつた事実が現にあるではないか。しかもそうした行為は、規則の改正前に行われておる行為でありますから、当然規則違反でもある。これが少々の額であるならばともかくとしまして、厖大な八十万俵にも近い買付が行われておると推定できるのでありますが、これらについても、何らの措置もお講じになつた形跡が見えない。この点はどうでありますか。卸業者の未拂者に対しては、具体的にどういう手段方法でもつてこれを処理して來たか。この点についてもう少し具体的に承りたい。私どもが山村地帶を歩きますと、事実農業協同組合の場合におきましても、ほとんど自己の組合の定期貯金等までもくずして、すべてこれを生産者に立てかえ拂いをしておる。実際において單作地帶であつて木炭の收入に生計を依存しなければならない山村地帶においては、まつたく悲惨な農民生活があると同時に、それを対象としておる協同組合自体も、まつたく経営が成立たないような事態にまで來ておるのでありまして、この点については実際現地の者でなければ、ほんとうにその切実な感じというものはわからぬのではないかと思うのであります。もちろんその衝の中心に立つておいでになる長官は、よく御推察はついておるとは存じますが、そういう事態を私ども考えますと、ただ努力しておるとかいうような抽象的な言葉では、ほんとうにそれらの人たちを納得せしめることができないと思います。もう少しほんとうに困つておる人たちに対して、そういう事情であれば仕方がないといつた氣持にでもなるくらいの、政府としての誠意と申しますか、そういうもののひらめきなりと私どもは感じない限り、ほんとうに地方へ帰つて当業者、関係の人たちに合せる顏がないという氣持が、実際深刻にするのであります。もちろんお考えにはなつておると思いますが、債権の確保について、支拂いの遅延しておる業者への取立てについて、以上述べましたような事実等は御存じないのでありますか。この点を伺いたい。
#74
○三浦説明員 政府の支拂いの遅延しておる結果、一般の農山村の今日の経済状況の困難にさらに拍車をかけて非常な苦難に陥らしておる点につきましては、私どもといたしましても当然聞きとりもするし、また苦慮しておる点でございます。そこでその一つの源であります卸方面に対する金の取立てという問題については、午前中も申し上げましたように、この十九日までにぜひ調定をしろ、つまり納入告知書を発行するように言つて、その予定のものが十四億九千二百万円あります。あとは省略いたしますが、そういう十四億九千二百十六万円余というものにつきまして、これは納入告知書を出して、先ほどもお話のあつたような考え方も入れて、請求を突きつけて、すみやかな回收をはかりたい。ただ私ども一つ困つておりますのは、これが特別な整理方法というものでもあれば、まことによろしいのでありますけれども、なかなかそういう道具立てを持つておりません関係からいたしまして、一面において、このとるべき相手方の事情をある程度はしんしやくしつつやらなければ、さらに取立てが困難になつてしまう。こういうような面もないわけではないのでありまして、非常にその点は氣持のすつきりするほどのスピードと方法で行くというふうには参りません。この点まことに遺憾でありますが、私としては十九日までにこれを突きつけて、そうしてぜひ回收を急がなければならぬ、かような段取りにしております。
#75
○足鹿委員 先刻申し落しましたが、八月以前のものに対しまして、割引の金融が可能であるかどうか、今聞いているところによりますと、八月以降のものに対して手形が実施されるというふうに聞いているのでありますが、今私どもの当面一番問題にしておりますのはそれ以前のものでありまして、このものに対しても大体同様な取扱いをなさる方針であるかどうか、大体協同組合系統で立てかえておりますもの、すなわち七月末におきましては、大体十九億九千五百二十四万二千円有余、この金利にしましても二千百二十八万いくら、さらに運賃手数料としまして一億八千、さらに業者関係のそれらのものを合したものを、政府の先刻來お話になりましたものと合算をすれば一致するはずでありますが、これらのものをただ遷延に遷延を重ねているということになりますと、実際今までの手数料は一俵についてわずか十円、町村が六円で縣が三円五十五銭、中央段階が四十五銭というようなわずかな手数料なんかは現在問題にならない。どれだけ大きな負担をしてでも、ほんとうの生産者に迷惑をかけてはならぬ、こういうところまで実際集荷業者は追いつめられていることは御存じの通りだろうと思う。このようなわすかな手数料で、実際政府の指図に從つて今まで仕事をして來た者に対して、私どもどうもあまりにも緩慢というか、今まで聞きますといろいろ御事情はあるようでありますが、もう少し卸業者に対するところの思いやりも―もちろんこれは公正になさる必要もあろうと思いますが、それよりも何よりも生産者が実際においてはこの打撃と影響は一番深刻に受けているのでありまして、これに対するところの措置、先刻林野廳自体の決意において解決をするという御決意を承つて、一部了承する点もあるのでありますが、実際私どもは遺憾にたえません。特に今までの買上げ停止等を見ましても、まつたく政府の恣意的な、一方的な措置でありまして、この生産者なり、集荷業者の関知しないうちに、一方的な行為が行われて、出荷の停止が行われ、檢收中止が断行された、こういう事態でありまして、これはまつたく政府の責任、特に当面の林野廳の誠意と熱意のある御努力に対する以外に方法はない。しかるに十一月にならなければ大体この問題の解決がつかないというようなことでありますが、林野廳の独自の決意によつて解決するということでありますが、大体その時期等についての腹、見通し、そういうようなものを最後に伺つておきたいと思います。
#76
○三浦説明員 お答えいたします。八月一日以前については今の七割、それのさらに八かけ半を日銀に再割するという制度は、八月一日から新たに檢査されたものについて行う。それからもう一つの事前の分でありますが、事前の分の七月三十一日、あの特別会計のいわゆる買上げ停止が出る前の問題につきましては二つの問題がございます。一つは、その間生産されたというものは全部政府の責任においてこれを買うなり、どうするなり、いずれにしても政府の責任においてやれ、こういう問題と、もう一つは、それはできない、一應まことにごもつともな点ではあるが、それはどうもできない。そこでその間に買つた分で、なお支拂いをしない分に対するすみやかなる支排い、ないしは早く拂えないとすれば金利を持て、こういう問題になるわけであります。その後段におきまする、政府が買つてしまつたものの支拂いをしていない分に対するすみやかなる支排いをしたいというので、いろいろやつておるのでありますが、なかなかそうばかりにはいかない。そこで金融の問題をその部分について新たにつけるということに関しまして、利子がさしさわりになつておつた。その利子につきましては、利子という形ではなしに、先ほども申し上げた、特別会計の残を担当する者の始末として処理をしたい、これもなるべく早くしなければならないのでありますが、今の月別の收入関係の点が、まだ日銀方面でしつかり了解がいかぬという点で、これはなるべくすみやかにせなければいかぬ、こういうふうに考えております。
 それから旧盆前をねらつて、いろいろ現金を持つて行つてある程度買つておられるということは、一部承知しております。同時にまた生産者側におきましても、横の連合を持ちまして、それらの者に対抗する、そうして妥当のある点でもつてこれを出すように努力しておられるという非常な努力も聞いております。これに対しては、先ほど來支障の点をすみやかに私どもとしては除去して、むりのあるような商取引のないことをどうしても実現しなければならない、かように存じております。
#77
○野原委員 けさほど來、特別会計の薪炭の問題が大分論議されましたのですが、ああいう非常な赤字を生じた原因を追究してみると、今までの林野廳のいろいろな説明で、大体はつきりしておると私は思うのであります。ただ会計檢査院においての正式な扱いは、その全体ができていなかつたのでありますけれども、形式的には、はつきりした亡失された証明のつくものだけが國損ということになつて一應処理されたということでありまして、にわかに二十三年度になつて厖大もないものが赤字になつたということになつて、たいへん論議の的になつておりますけれども、ただ経過的に薪炭特別会計の取扱いの今までの様子からこれを判断しますと、私はそこに一つ非常に大きな関連があるように思うのです。それは特別会計が昭和十五年の六月に始めて、当時はすべて駅、港頭等において発送済みの通知書がなければこれは供出と見なかつたのであります。それによつて金を拂うということであり、またその当時におきましては、社会秩序もそう乱れておりませんので、途中において亡失されるというような事実も極端にはなかつた。ごくわずかのものがあつたかもしれませんが、ほとんどないのであります。その当時においては林野廳の報告の通り、亡失等のものも非常に数字は少くなつておる。たまたま戰爭がだんだん苛烈となつて、発駅港頭で買つたのではとても思うように集荷ができない。貨車の輸送事情が惡化いたしました関係上、やむを得ず指定の集荷場所で買い上げるという緊急の措置をしたのが昭和十八年の九月であります。これは林野廳の説明であります。昭和十八年の九月になつて初めて指定集荷場所で買い上げるということになつたようであります。 これと、私はこの赤字のできた原因とが非常に関連があるように考えております。このときになつて俄然実質的には非常にふえたのじやないかと思う。それから、それでもなおかつうまく行かない。生産者の保護、大いに増産を奬励するためのこれまた措置として、むりを承知して、いわゆるかま前買付をする。昭和十九年の十一月にこれを実施したわけであります。もうこうなれば、その途中における数量の変動、亡失等は、これは当然のことです。初めから予期できることだと思うのでありますが、当時といたしましては、一にも二にも生産者の増産意欲をまず高揚させて、多少むりがあつても、増産になることならば、あとで少々のぼろが出ようともしかたがないのだという、一つの非常にむりな―ー特別会計本來の姿から行けばとんでもないやり方なんであります。生産者の立場から行けば、当時かま前で買つてもらわなければ、とうてい生産者そのものの力でもつて、自力で駅頭、港頭まで輸送するというふうなことは、不可能な情勢であつたのであります。今日から見ればあたかも夢のようでありますけれども、その当時にしてみれば、これは常識であつたのであります。その後だんだん情勢がかわつて参りまして、かま前買上げではいかにもどうも極端であるということで、またよりをもどして、指定集荷場所で買うように改めるということに、これが昭和二十年の十一月にかわつた。この辺がおそらく実際上の亡失、いろいろな赤字の原因を生じた山であつたろうと私は思うのであります。なおかてて加えてはなはだ遺憾千万なことは、昭和二十二年の十二月二十日に薪炭の概算拂いの制度を採用したことであります。そうして檢收員の檢收済み報告によつて金を拂うというふうな措置をやり―この措置がよかつたか、わるかつたかは、今日これを批判したところで取返しのつかぬことでありますけれども、これは片山内閣当時だと思いますが、こういう措置をして、あとはどうでも、とにかく生産者の要求に從わなければ、薪炭の需給調整は不可能であるという当時の政府の認識において、こういう便法をやつたのであります。この概算拂い等によつて、もちろんこれは現物を見たわけでもなければ、はつきり調査したわけでもない。ただ政府が委嘱しておつた嘱託職員によつて、これだけの現物がたしかにあるというようなことが報告されると、これによつて金を拂うということのために、いわゆるからすのとまつておる木が炭というような名前で一應生産済の報告があつた。これに対して政府は金を拂う措置をしたのであります。先ほど井上君などは大いに論議を鬪わしておりましたけれども、ひにくなことに、おそらくこの当時井上氏は政務次官であつたように思いますけれども、当時の状態を考えますと、当時としましては会計法上、あるいは会計檢査院の扱いから言えばこういうようなことは違法であろうと思います。しかしながら時の祉会情勢、あるいは緊迫した薪炭の需給状態から見れば、かかる措置をもとらざるを得なかつたという点をわれわれはやはり思い起してみる必要があると思う。昭和二十四年の六月になつて初めて、指定集荷場所ではどうもまずいので、駅、港頭で買うことになつた。本年になつて初めてこういうことになつた。こういうことに改めたときはすでに時遅くして、薪炭特別会計はどうにもならないという段階になつたのでありまして、これはあえてわが民自党のことをひいきして言うわけではありませんが、どうもこの薪炭需給調整の不始末を、ことごとく現内閣に負わせることはあまりに酷だと私は考える。それを歴史的発展経過に徴して、一應観察してみたわけであります。しかしながら井上氏は当時枢要な地位に立つて薪炭行政を指導されておつたのでありますけれども、あえてその責任をわれわれは追究するものではないのであります。やはりそのときどきの事態は、かかることまでもしなければならなかつたということなのでありまして、それが漸次社会情勢が緩和され、敗戰経済の苦しみの中にも一應の安定を見つつ、今日薪炭が政府買い上げをしなくとも、需給調整上どうにかやつて行けることになつたということは、薪炭需給の問題から見れば、日本経済の再建が着実に行われておるということを示す一面であるとも考えるのであります。ただ今日私どもは、過去において会計檢査院が檢査した数量、当時において会計檢査院の責任において、欠損としてはつきり現われた数字は、過去九箇年間にトン数で言つて木炭が九万七千六百六十一トンということであるようでありますが、これが三十四年になつて一躍倍に近いような欠損を來すということはとうていあり得ないことであります。表面に現われた形の上から言えば、急にこういう問題が起きたようでありますけれども、その原因を招いたものは、端的に言えば、昭和十八年十一月のいわゆるかま前買い上げから端を発し、昭和二十二年の概算拂いによつて、からすの立木が木炭に化けて出るというようなことがあつてこういうことになつたと結論せざるを得ないのであります。從いまして、私どもは今さらこの問題をどうのこうのと言つたところで意味がないのでありまして、今日においてはいかにしてこれを收拾するかということについて、政府に大いに意見を述べておるのであつて、私どもといたしましては、この問題の処理は、先ほど來各委員からそれぞれ指摘されましたように、今後その措置を間違いなくやつてもらいさえすればそれでよろしい、私はさように考えておるのであります。そこで先ほど問題になりましたが、私どもはこの特別会計が果して來たわが國の薪炭政策に対するいろいろな役割を、今別な角度から考えると、やはり生産者のためには非常に役立つた一つの制度であつたと思うのであります。これがなくなつたために、正直な話が生産者は非常な打撃を受けておるということであり、同時にまた特に奥地製炭、山奥の地点などが現地買上げ、かま前買上げ等によつて、比較的近い山と大体同値でもつて薪炭が生産される、山が賣買されるというふうなことでありましたために奥地開発が非常に拍車をかけられてうまく行つたのであります。ところがこれがなくなつたために、とたんに奥地開発はとてもそろばんが合わないということになりまして、ここに一番心配なのは、生産の大きな断層が生じるのではないかということを憂えるのでありまして、今後特に林野長官はこの奥地開発の問題について、生産者のための緊急な措置として、まず林道を急いで全面的につくるとか、このための補助を大幅に出すような行政的措置をとるとか、あるいはまた奥地の奥山等に対してもまた同様の補助を行うとか、あるいはまた生産地帶に集荷の倉庫をつくるための補助を出すとかいうような、薪炭行政としての打つべき手を忘れずに打つて來なければならぬ。その用意がはたしてどれだけあるかという点が、私どもとしては実は一番氣がかりな問題であり、過去のことを繰返してとやかく言うよりも、今後生産を十分にやつてのけ、そうして薪炭需給がまつたく心配ないという段階に持つて行くことが一番大事である。要は今日の薪炭の赤字の処理の問題は十分対策も立て、今後着実にやつて行かれると思いまするから、今後はこの面をあわせて、生産の増強という問題について十分な措置をお願いしたいと思いますが、その点に関しましての長官の御意見を伺つてみたいと思います。
#78
○三浦説明員 駅からあるいは大都市から何十里、何百里離れておつても同じ値段であつたのはこの六月一日まででありました。それが突如として駅を中心とした値段の立てかたとなり、おつかけて八月一日からは最終の消費價格しかないということの結果は、結局大消費地を中心として、遠く離れれば離れるほど、また交通の便不便によつて離れれば離れるほど安くなるという実情と相なりまして、ここに從來非常に開発を保護された奥地の作業をする人たちは根拠を失つた、経済的な根底に狂いができた。こういう問題からいたしまして、奥地の生産については、特別の國家財政的な援助をしなければならぬということは一般の声なのであります。私どもといたしましても今日その必要を感じて、來年度の予算には組んでおります。今大藏省と折衝中でありますがなかなか困難のようであります。しかし私どもといたしましては、奥地の林道の開発とあわせて、炭に関しましては、そこにある程度の保護を加えなければ、現地資源の関係から言つても、あるいは奥地で炭燒く人たちの生活の問題でさえあるのではないかと考えております。二十四年度の補正におきましては、これの提出を非常に願つておるのでありますけれども、今のところなかなか應諾の色がなくつて私どもとしては非常にあせつておるような状況でございます。
#79
○野原委員 もう一点お伺いいたします。八月一日付をもつて需給調整規則がかわりまして、政府が買上げすることだけはやめて、從來の形態における指定集荷業者及び御賣業者等が存続されて、いわゆる薪炭の統制は残つておるわけであります。ところが價格の問題におきまして、最終小賣價格だけが残されて、中間は何らの措置が講ぜられていないということを奇貨といたしまして、いわゆる卸の業者であるとか、あるいは中間におけるさまざまなブローカー的の人たちが、産地の生産者が疲弊困憊しておるのに、乗じまして、それを非常に安く買い取るというようなことを今日やつております。そのために生産地は非常に困つておりまして、どうせ統制をするならば、中間の價格を設定した方がむしろいいのではないか。これがないならば、今日縣外に移出することができるものは、あの規定によりますると、指定生産者の固体であるとか、あるいはまた卸の方たち以外には、かつてに縣外に出すことができない規定になつておりまするが、そういうようなことのために、賣りたくない相手に対しまして、どうも心ならずも安い値で賣らなければならぬということを避けるためには、むしろ不徹底な統制はやめた方がいいのではないかという声が、産地における各方面の総合された意見であるのであります。從いまして、私どもは今日やつておるような不徹底な統制ならば、むしろできるだけ早くおやめ願いたい。これは卸段階に対する掛賣金や何かの回收の問題もあつて、多少時期的に一時つなぎとしてこうした制度を残す必要があるというような、もつともらしい意見も実は聞いたこともあるのでございますけれども、むしろそういうこととは別に、整理は整理ということでもつて、今日即刻全面的に統制を撤廃することの方がよろしいと思うのでありますが、その点に対する長官のお考えを承りたいと思います。
#80
○三浦説明員 現在のごとく最終消費者の價格のみをきめて、またルートをそのままにしておくくらいならば、もつと各段階の價格を設けるか、しからずんば一切を統制なしにしたらどうかという問題であります。これは價格統制に対する一つの議論の問題になりますが、私ども事務当局といたしましては、かねてあの最終の價格一本を残したい、あれだけにとどめたいという希望を持出しましたときに言い渡されたことがございます。これは戰時中のようなああいう乱暴な規格でなしに、もう少し消費者も、また見方によつては、生産者も好むところの多少こまかい規格というものに変更して、その品物の銘柄によつて内容がある程度想像のつくという、また資源も從つてそれに應じて尚ばれる、節約できるという方向に向ける規格がこの九月の中旬に出る予定になつております。それだからその機会には各段階別の價格というものを考えておく。ともかく今回はお前たちの方でも急ぐというならば、最終消費者價格というだけで試みてみろ。こういうのが物價廳に有力筋から來たメモでありました。私どもは、この規格を改正するそのときの價格の問題といたしまして、今の問題は解決はしたい。石炭もああいうような事情でもありまするし、一つの統制撤廃という問題も当然あろうと存じます。その点については、ここに大臣おりませんけれども、大臣とも十分御相談の上に善処しなければなるまいかと存じております。
#81
○平野委員 けさほど來井上委員から質疑という形式ではありましたけれども、あたかも討論の領域に触れるのではないかと思われるほど、きわめて巧妙な政治的意図を持つた言論が行われまして、まことに聞き捨てならないところと感じたのでありますが、幸いただいま野原委員からきわめて適切なるところの御指摘があつて、大体要点は解決したと思いますが、さらに念のために政府当局の確固たる態度を明かにしたいと思うのであります。すなわち政府の本委員会に対する回答のうち、二十三年度のみにおいて三十四億という赤字を生じたものでないことは、ほぼ確実であるということが―会計檢査院の決算との間に食い違いがあるということから、あたかも最近に至つて突如としてかくのごとき厖大なる赤字が出現したんだというような印象を與え、この特別会計の失敗の責任が現内閣にあるのであるというふうに誤解される傾きが多分にあるのでありますけれども、しかし会計檢査院の報告はすべてそれぞれ正確なものでありますけれども、それは事務的には一應いかにそういうことになろうとも、実際において昭和十五年以來の累積する赤字の結論であり、むしろこれは現内閣によつて初めてこれを廃止することが、今後さらに増大を予想される赤字を食い止める一大英断のしからしむるところなのであつて、その失敗というものは、あえて社会党的とは申しませんけれども、いわゆる公式主義的な統制方式の失敗の結論がここに出て來たのであつて、現内閣によつて初めてこれが是正じ得るという、むしろこの際これを廃止するという処置をとることは、現内閣の一大功績であると思うのであります。その点について、あたかも先ほど会計檢査院の方の報告と、政府の方の報告との間に食い違いがあるというようなことから、政府の答弁がはなはだあいまいでありますけれども、この報告というものはあくまで正しいものである。むしろ私はほぼ確実であるが、政府の方の眞意はほぼぐらいじやない、絶対確実であると信ずるのでありますが、重ねて政府の方の回答があくまでも正しいものであるということを念のためにただしておきたいと思います。
#82
○小笠原委員長 ちよつと平野君に御相談申し上げますが、とにかく責任がどの党派にあろうが、ほんとうのこの結末の根拠を調査するのはわが委員会の使命であるから、一体まだわからぬのだし、そこまで行つて、討論のときには、それは話が出たらそれに対して鷹酬することもいいから、どうでしよう今のうちに政府の方からそれを確かめるというようなことでなく、われわれ委員会は、こぞつてもう少し突込んだところまでお調べを願うことについて、これから現地について、明日あたり御相談申し上げて、内容をもう少しお調べになつて確めた上で、その辺の論議をなさるようにした方がかえつて穏当だと思います。今からどうも党派のことを考えてやるんでは、かえつてほんとうの目的を達し得ないことになつてもいかぬと思いますが、いかがでございましよう、これはあまりにそういうことに片よつた答弁を求めないようにして進めることにして行つたらよかろうと思います。
#83
○平野委員 そういうしふうに誤解されると困るのでありますが、討論する意思はないのです。この報告を撤回されるような先程御答弁があつたので、そうではない、この回答はあくまで正確なものであるというしふうに認められるかどうかということをお尋ねしておるわけです。
#84
○小笠原委員長 それはよくわかるが、正当なるものに相違ない。回答は間違いないから、どうでしよう、ここはどの党派とか何とか言わないで、ひとつ内容を調査してから、ほんとうに最後まで突きとめたところによつて明瞭にすることにしたい。これはわれわれ委員の仲間だけではなく、國家全体に対する問題であるから、われわれの責任を果すという意味で、一緒になつてお調べすることに進んだらいかがでしよう。―そういうことにいたしましよう。
#85
○深澤委員 会計檢査院の方にちよつと質問いたしますが、この特別会計は、木炭の賣渡し、買上げ、そういう経理機関であるというふうにわれわれは考えておるのであります。ところが二十三年度の冬期におきまして十数億の保管並びに手直し費、あるいは増産、増送、増強のために本数億円支出をしているのであります。もちろん保管とか手直し費とかいうものは生産者買上げ値段と消費者買上げ値段との中間マージンによつてまかなわれるべき性格のものであります。しかるにそれ以外に十数億の支出をしておるということ自体が非常に不可解でありますが、これは政策的意味においての支出である。こういう性格のものを特別会計として支出することは妥当であるかどうかということについて、今後の特別会計の運営においてもこれは重大問題であります。この点についてひとつ会計檢査院の御意見を伺いたいと思います。
#86
○小林説明員 早期築窯費なり、あるいは手数料の増額とか、いろいろいわゆる買上げ價格と賣渡し價格との間のプールを経費の中で出すのが適当かどうかという点でございますが、この点につきましては、先ほども申し上げましたように、私どもとしてはただいま檢査をいたしておりまして、こういう経費を出すことが特別会計としての科目として適当であるかどうかということについては、多分に疑問を持ちまして檢査をいたしております。近く決定的な結論を得まして御報告することができると存じております。ただいま調査いたしております。
#87
○井上(良)委員 私も最後に、会計檢査院の人にたびたび來てもらうわけに参りませんから申し上げておきたい。その問題は、政府が六月十九日でしたか、木炭の現物不足に対する処置について、各木炭事務所長あてに指示をいたしております。それは十五六項目にわたつて、いずれも背任になり、業務横領になり、あるいはまた詐欺罪を構成する、もしお前の方で処置をしなければ、政府は別な機関に依頼をして処置をする、こういう嚴重な通達が出されておる。六月十九日からと申しますから、その後すでに相当長い日時を経過しておる。これに対して会計檢査院または林野局では、その後の結果についてどういう処置を具体的にされたか。その件数はどうなつておるか。そして現在どれだけ未処置になつておるか。今申しましたいろいろな犯罪を当然構成する部分について、各木炭事務所から、政府なり会計檢査院に対してとらなければならぬ、また報告せねばならぬ責任を、どの程度に処理されておるかということをこの際明かにし、なお今後未処理の部分についてはどういう処置をもつてやるべきか、六月十九日以來そういう不正なことがはつきりしておるものに対して、たとえば告発手続をとつたとか、あるいはまた檢察廳その他に依頼をして、犯罪の内容を嚴重に調査されておるかどうか。また私自身から申しますと、当然政府に支拂うべき金を支拂わずに、統制規則にある規定を無視して、卸業者に多額の金を貸付けて知らぬ顔をしておるということは、木炭事務所長自身の背任行為であります。やるべき責任を果してないのですから、背任がそこには成立するのであります。木炭事務所長全部背任罪が成立するのであります。そういうことがはつきり言い得られる。これは國民の金であります。政府の金であります。それを各事務所長が当然やらなければならぬ処置をやつてないということになれば、当然背任が成立する。そうい事うものに対して政府が具的に処置をしない限りは、これはいつまでたつても結末がつかぬのです。そういうはつきりした処置をとるべきだが、とつたかどうか。今日に至るもまだとつてないとすれば、政府の怠慢である。政府みずから背任を犯しておることになるのです。それらに対する責任のある答弁を願いたい。
 なおこれはよけいなことでありますけれども、今野原君の発言中に、私の在任中にいろいろの問題があつたかのような、一つの推測的なお話をされておりましたけれども、私自身在任中に不正についてこれを看過し、あるいは寛大な処置をとつたことはありません。少くとも不正については徹底的な明確な線を出して、いわゆる行政監査委員長という重大な責任を私は負わされて、農林省の行政監査までやつたことがありまして、そういう面については徹底的に明かな処置をとつて來ておる。從つて私自身の在任中にやむを得ない人為的な、あるいは作為的な詐欺や不正が行われておるとは解釈しておりません。やむを得ない当然の赤字は出ておりますけれども、それ以外のものについて、私どもは寛大な処置をとつたことはないのであります。この点は私の一身上にも関する問題でありますから、この際言明をいたしておきます。はつきり言つておきます。ただ結論といたしましては、今申したように具体的な処置を明確にしなければなりません。そうしませんと、少しも事態は解決の方向に進まない。もう疑惑を持つだけでありまして、ここでいらぬ論議をしておつても、問題が具体的に解決されなければ何にもなりません。その点に対する会計檢査院及び政府の明かな答弁をひとつこの際伺つておきたい。
#88
○小笠原委員長 ちよつと井上君に申し上げますが、先刻の野原君の申された井上君在任中云々の問題は、あなたが不正を看過したということは一言も触れてないから、そういうところまで言及して対立になるようなことは皆さんお控えいただかないと、円満に当委員会が進行することができませんので、御了解を願います。
#89
○井上(良)委員 了解しました。
#90
○三浦説明員 ただいまの井上委員からのお尋ねでございますが、六月十六日でありましたか、あのときに出したいわゆる整理の原則と申しましようか、整理にあたつての各事項別の追詰め方というのが出ております。もとより政府としてはあれに基いてやらなければならぬ。しかし同時に先ほど來も出ましたが、ただいたずらにあの適用を急いで、結局全然実がとれないということになつては、また一面において國民に対して申訳ないことでございます。私どもといたしましては、あの行き方というものを根本に腹に堅持しておいて、そして相手方あるいは環境等をにらみながら、最終の目的である債権のとり立てというものを確実に実を收める、こういうようなことをねらつておるのでございます。一部最近いろいろと問題になりつつあるのもありますけれども、要はそういう考え方で進んでおるのでございます。
#91
○小林説明員 薪炭の各事務所の不正に近いような問題を、檢査院としてはどう処置するかということのように御質問を拝聽いたしたのでありますが、会計檢査院の建前といたしましては、檢査の結果國の会計事務を処理する職員に、職務上の犯罪があると認めたときは、檢察廳に通告しなければならないという義務を負わされております。それで今日におきましても、檢査上犯罪を発見いたしまして、檢察廳に通告した事例もございます。木炭事務所の場合におきましても当然そういう手続を経て、もしそういうものが犯罪ときまりますれば通告しなければなりませんので、われわれとしても、一つ一つの事項に注意をいたしておりますが、今般の問題におきましては、林野廳長官から早くも木炭事務所長にそういう嚴重な通牒を出されて、逐次その報告は届いているわけでありまして、われわれの方は今度は自分の方で直接に、たとえば先ほどお話のありました長野のようなものは、直接に長野の木炭事務所長から報告を受けております。それからそうでない一般のものについで、すでに林野廳で手をつけられたものは、その報告を総合いたしまして、その措置が適当であるかどうかということで、ただいまやはりこれは檢査をいたしております。そうなりますと、第一次的には林野廳で処置をされますが、それをわれわれの方としては監督すると言いますか、檢査をいたしておりますので、その間十分手落ちはないようにいたすつもりであります。
#92
○井上(良)委員 そうしますと、もし私どもが聞込みでもつて、たとえば現物が生産されてないのに証票を発行して金を受取つているという事実のあるものは、あなたの方に言つて行つたら調べてくれるのですか、それはどうなるのですか。
 もう一つこれは非常に大事なことですが、本日中いろいろお忙しいところを御出席願つて、非常に参考になる御答弁を伺つたのでありますが、本特別会計の会計檢査院の檢査の方法をもつていたしますと、他の特別会計もやはりこれと同じような檢査の方法をもつてやられておりますか、つまり現物と実際の帳簿とを照し合さずに、ただ局部的に実地調査をするということによつておりますか、全部たな卸しならたな卸しをすることによつておるか。これはどこの公爵も全部現物を扱うておりますし、また各特別会計においても現物を扱うておるのがございます。すでに世間に、これはあなたの方の直接関係ではございませぬが、配炭公園の廃止に伴つて相当ここにも大きな赤字が横たわつておるということが流布されております。さらにまた最近政府は各公團、農林五公團、あるいはそれに関連する会計は廃止されるだろうと思う。そうなりますと、今あなたのような調査の方法によると、いつでも食い逃げができるような数字が相当ありはしないかという危檢を、ここに私どもは見出すのであります。そういうものをあらかじめ予防し、あらかじめそういう不正ができないような嚴重なる会計檢査を行い得るような処置を、この際もし予算なり人員が足らぬというなら、臨時的にもそういうものを十分整備して、ほんとうに不正が行われない、公正なる使い道をいたしておるということを、國民に示す必要がこの際あるのじやないか。私はこう思います。そういう点に対する檢査院としての御所見を承わりたい。
#93
○小林説明員 まずある官廳に物品などについて不正の聞込みがあつたときに、それによつて会計檢査院は檢査するかという点でございますが、最近におきましては投書とかいろいろの点で、ここにはこういうものの横領があるとか、あるいは横流しがあるとか、横流し直接は檢査いたしませんが、投書によりまして、実際ふだん檢査しておる点から考えて、これはどうも実地檢査をしなければいかぬという場合におきましては、実地檢査を実行しております。でありますのでまず原則的には、そういう場合には実際のその目的のために檢査を開始するとお答え申して間違いないと存じております。
 それから第二点の、各公團、その他政府物品に対して、現物の檢査を薪炭のようにやつておるかという点でございますが、その点は現に実行いたしております。たとえば食糧、米などでありますが、米なども一つの分を選んで実行いたしております。そうして場合によりますと、俵をあけて一%とか二%とかいう大体のこちらの目標を立てまして、政府倉庫にある何万俵かの米のうち、そのパーセントに相当するものについては、俵をあけてかんかんをはかるということまで実行いたしておりまして、現物檢査はあとう限り、各人のよく納得の行くような檢査を実行いたしておるつもりでございます。
#94
○小笠原委員長 それでは最後に会計檢査院の方に委員長からちよつとお伺いしたいことがあります。われわれ委員会は、最後に政府の損害はどれぼどの数であるかということを突きとめたいのであります。しかしてその各損害、赤字の原因はどこにあるか。こういうことを同じく突きとめたいのであります。それに対しては委員会自体も調査に入ります。また林野廳の方の御報告も大なる参考にいたします。特に会計檢査院の調査報告は大いに信頼をいたしたいと考えておるのであります。ただいままでの会計檢査院の御答弁によりますると、木炭事務所、これに信頼を置くか置かぬかということの問題に対しては、多分の疑問があるように伺われるのでありますが、しかも木炭事務所の報告のうちに多分に疑義のあるものがある。かつまたこれからの損害も三十五億に達するのじやないかという見通しをつけておる。こういう御答弁がありました。今後の調査を木炭事務所の方に依頼し、命令をしておるということの御答弁もまたあつたのであります。信頼のできないものにこの調査を委嘱して、それに基いてあなた方の檢査院の基礎を出すということに多分の危檢があるように思われるので、檢査院自体が何か信頼する方面によつて調査して、もつて國民にこの内容を信用させる方法はないかということを、われわれ今考えておるのであります。また木炭事務所の調査によるところによつて、さらに拔取りの御檢査もなさるということになりますと、相当の日数を要するようなことになるのじやないかと考えられます。その点は檢査の方法をもし明らかにするによければ、どういう方法で、今後の赤字というものの総計を把握することのできる檢査ができるかということに対して、御答弁が願いたいのであります。
#95
○小林説明員 薪炭需給特別会計の損失がどのくらいに上るかという点でございますが、現在私どもが檢査しつつある状況を申し上げますと、現物につきましては、ただいまこの一、二箇月のところはさらに拔取り檢査をいたすという予定は持つておりません。金銭方面につきましては、これは十分に書類が檢査院の方にも提出されておりまするので、それを基礎にいたしまして嚴重な檢査をして行きますと同時に、林野廳の方にも、近く今月中にも実地檢査に伺いまして、損失となるもののいろいろな因子を十分に分析いたしまして、その損失額がほんとうにどのくらいになるかという点を確めるという方法をとりつつある次第でございます。
#96
○小笠原委員長 ちよつと重ねてお伺いいたしますが、ただいまの御答弁によると、重要な書類が今手に入りつつあるから、それについて林野廳の方と連絡をとつて嚴重に檢査をする。こう仰せになりましたが、その書類はやはり木炭事務所から入つておるという意味でありますか、あるいは他の信頼のでき得るところからの書類でありますか。なお引続いて申し上げますが、もし木炭事務所の書類を信頼するということになると、多分に今日國民もわれわれも木炭事務所のやり方に疑念を持つておるのであります。なぜなれば、木炭事務所がかりに戰時中からのたな卸し勘定はできなかつたからこういう失態を出したのだということになりますと、その年度々々の職務怠慢というものはまぬがれないし、ことに本年三月までは、やみ價格において薪炭の價格は公定價格の三倍もしておつた。そういう場合に金の取立てはできなかつたという、こんなことは職務として許すべからざるものだ、一般國民もわれわれもそう思つておるのです。その連中の提出した書類を基礎にして会計檢査院は甘んずるということに相なりますと、今後いろいろな公團に対して―うわさに聞くところによれば、十何億とかまだ大きな額の損害があるように思われる。こういうことまで、檢査院がその連中の報告によつて檢査がそのままに進むのだということになりますと、会計檢査院の信頼ということも相当にそこに大きな影響があるようなことに相なるだろう。こう思うのでありまして、この際ほんとうに國民の納得の行く御檢査を檢査院の方でなさることは、今日ではゆるがせにすべからざる重大な問題だと思うのでありますが、それに対する見通しの関係をひとつ御答弁を願いたいのでありまする
#97
○中島説明員 ただいまの御質問の中で、木炭事務所からの書面ないし証拠書類の提出があつたものが信憑性が疑わしいのじやないかという御質問があつたのでありますが、木炭事務所からの報告で確実性がどうかと思われますのは、木炭事務所が現品を受取るときに、総たな卸し的に現地について檢査したかどうかという点が若干疑わしいところがあります。しかしそれや今日本炭事務所において、買上げと賣渡しという現業事務を停止しておりますから、現在においては木炭事務所はおそらく整理事務に專念しておると思います。そうすれば木炭事務所の事務員あるいは檢査員等が、現地について現品を当る余裕は生じておると思うわけであります。それは現品の問題についてでありますが、現品以外の提出されるところの証拠書類につきましては、これは大体いわゆる偽造でもない限り信用していいのじやないか。たとえば末端で支拂証を発行いたしまして、それを集計して参つて、それによつて中金との決済をして参ります。その集計が一方中金に上つて参りまして、片方は林野廳本廳に上つて参りまして、そうして林野廳と中金との決済の関係が整理されます。その点は支拂証その他の証拠書類によつて十分に確認し得るのじやないか。
 それから收入の方は、これは調定に要したいろいろな書類というものがはつきりいたしておりますから、調定した限りのものは借用していいのじやないか。金銭面の関係は、まず完全と言つていいほど、從來からもそうでありますが、檢査は行われて來ておりますし、今後もできるのじやないかと思います。ただ問題は、帳簿上の在庫数量に対して現品が正しいかどうかという点が、各木炭事務所においても、現地について檢査いたしませんと多少疑点がおるのじやないか。しかし今日の木炭事務所は買上げ、賣渡しの行為を停止して、もつぱら整理事務にとりかかつておりますので、その点でかなり信頼できる報告をとり得るのじやないかと考えております。しかしこれは今整理事務にかかつておりますので、今後木炭事務所にやはり拔取り等あるかどうか、相当廣範囲に全國的に各木炭事務所にわたつてその点を確めなければならぬと思つておりますが、金銭的な面の收支決算は、今日までの檢査、さらに近く実施いたしますところの林野廳での実地検査によりまして、相当確実なものが出るのじやないか、赤字の原因も物品が不足するということが一つの要素であります。その他にいろいろな面で要素が出て参りますので、その点は明らかになると思います。
#98
○小笠原委員長 われわれの方もいろいろ実地について調査いたしましたが、債権の確保についてもまだしつくりしない点もあるし、全面的に木炭事務所を御信用にならぬで、さらに拔取り檢査をなさると申されますから、これ以上われわれは申しませんが、しかし國民全として、またわれわれ委員会の全体としても、会計檢査院はもう一段の御努力を要するところがあるのではないかと考えられます。われわれもまた実施について研究してから、われわれの意見も申し上げ、さらにまた会計檢査院においでを願つて伺うことがあるかもしれません。さよう御承知願つてさらに御檢討をお願いいたします。
 明八日午前十時より開会することにし、本日はこの程度で散会いたします。
    午後四時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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