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1949/04/20 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第8号
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1949/04/20 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第8号

#1
第005回国会 水産委員会 第8号
昭和二十四年四月二十日(水曜日)
    午後一時四十二分開議
 出席委員
   委員長 石原 圓吉君
   理事 小高 熹郎君 理事 鈴木 善幸君
   理事 玉置 信一君 理事 林  好次君
   理事 小松 勇次君
      川村善八郎君    五島 秀次君
      冨永格五郎君    永田  節君
      西村 久之君    松田 鐵藏君
      長谷川四郎君    水野彦治郎君
      早川  崇君
 委員外の出席者
        議     員 佐藤 重遠君
        農林事務官
        (水産廳次長) 藤田  巖君
        專  門  員 小安 正三君
四月十六日
 委員柳澤義男君辞任につき、その補欠として二
 階堂進君が議長の指名で委員に選任された。
同月八日
 漁港に関する小委員佐竹新市君委員辞任につき、
 その補欠として同月二十日佐竹新市君が委員長
 の指名で小委員に選任された。
同月十六日
 水産物集荷配給に関する小委員柳澤義男君委員
 辞任につき、その補欠として同月二十日二階堂
 進君が委員長の指名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月十六日
 水橋町、漁港施設拡張の請願(佐伯宗義君紹
 介)(第三七四号)
 野田村に漁港築設の請願(鈴木善幸君紹介)(
 第三七五号)
 大隅熊毛地区の港湾修築費國庫補助の請願(二
 階堂進君紹介)(第三八〇号)
 沖浦漁港修築の請願(宮原幸三郎君紹介)(第
 四一四号)
の審査を本委員会に付託された。
同月十四日
 密漁取締強化に関する陳情書(福岡縣議会経済
 常任委員長野田貫造)(第一四七号)
 漁業法並びに水産協同組合法の一部改正に関す
 る陳情書(熊本縣天草郡赤崎村松本武六)(第
 百六十五号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員補欠選任に関する件
  請願
 一 丸山漁港修築の請願(原健三郎君紹介)(
   第一三号)
 二 古平船入港の拡張並びに避難港指定の請願
   (小川原政信君外二名紹介)(第一六号)
 三 崎浜船溜築設費國庫補助の請願(鈴木善幸
   君紹介)(第三一号)
 四 牛根村に漁港築設の請願(前田郁君紹介)
   (第七六号)
 五 伊座敷港を漁港並びに避難港として指定の
   請願(前田郁君紹介)(第七七号)
 六 廣島市に瀬戸内海漁業調整事務局並びに國
   立水産試驗場設置の請願(平川篤雄紹介)
   (第一〇七号)
 七 漁港、船溜に対する國庫補助率引上等に関
   する請願(石原圓吉君紹介)(第一三九
   号)
 八 宮崎縣下の漁業者救済に関する請願(川野
   芳滿君外五名紹介)(第一四〇号)
 九 漁業法の一部改正に関する請願(八木一郎
   君紹介)(第一四三号)
一〇 通山漁港建設の請願(川野芳滿君外四名紹
   介)(第一五七号)
一一 羽幌漁港修築促進の請願(玉置信一君外三
   名紹介)(第一八七号)
一二 焼尻漁港築設の請願(玉置信一君紹介)(
   第一八九号)
一三 天賣漁港修築の請願(玉置信一君紹介)(
   第一九一号)
一四 漁業制度改革に関する請願(石原圓吉君紹
   介)(第二一〇号)
一五 假屋漁港施設拡充の請願(保利茂君紹介)
   (第二一五号)
一六 名護屋漁港施設拡充の請願(保利茂君紹
   介)(第二一六号)
一七 落石漁港修築促進の請願(林好次君紹介)
   (第二五九号)
一八 和田村の船溜築設費國庫補助の請願(奧村
   又十郎君紹介)(第三二五号)
一九 政泊船入澗拡張工事費全額國庫負担の請願
   (玉置信一君紹介)(第三三六号)
二〇 養蠣業に対する動力船用燃油のリンク制度
   復活に関する請願(冨永格五郎君紹介)(
   第三三七号)
二一 水橋町漁港施設拡充の請願(佐伯宗義君紹
   介)(第三七四号)
二二 野田村に漁港築設の請願(鈴木善幸君紹
   介)(第三七五号)
二三 大隅熊毛地区の港湾修築費國庫補助の請願
   (二階堂進君紹介)(第三八〇号)
二四 沖浦漁港修築の請願(宮原幸三郎君紹介)
   (第四一四号)
  陳情書
 一 紀伊水道を瀬戸内海海区より除外の陳情書
   (和歌山縣議会議長内田安吉)(第五三
   号)
 二 新井田川河口に船溜設置の陳情書外一件(
   山形縣会議長加藤富之助外七名)(第五六
   号)
 三 漁業法並びに水産協同組合法の一部改正に
   関する陳情書(岡山縣水産業会長永井寛次
   外一名)(第七七号)
 四 漁業手形制度実施の陳情書(福岡縣議会経
   済常任委員長野田貫造)(第九三号)
 五 養蠣水産用針金特配の陳情書(廣島縣牡蠣
   株式会社取締役社長森澤雄三外六名)(第
   一二九号)
 六 密漁取締強化に関する陳情書(福岡縣議会
   経済常任委員長野田貫造)(第一四七号)
 七 漁業法並びに水産協同組合法の一部改正に
   関する陳情書(熊本縣天草郡赤崎村松本武
   六)(第一六五号)
    ―――――――――――――
#2
○石原委員 これより会議を開きます。
 この際お諮りいたします。去る八日佐竹新市君、及び去る十六日柳澤義男君がそれぞれ委員を辞任されましたので、漁港に関する小委員、及び水産物集荷配給に関する小委員が一名ずつ欠員となつておりますので、その補欠を委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○石原委員長 御異議なしと認めまして佐竹新市君を漁港に関する小委員に、また二階堂進君を水産物集荷配給に関する小委員にそれぞれ指名いたします。
 本日は委員会に付託になりました請願並びに陳情を審査いたします。
 日程第一は紹介議員がお見えになりませんので、紹介議員の出席された分を審査することにいたします。日程第八、宮城縣下の漁業者救済に関する請願、川野芳滿君外五名紹介、文書表第一四〇号第一〇通山漁港築設の請願、川野芳滿君外四名紹介、文書表第一五七号の請願を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。
#4
○佐藤重遠君 紹介議員の一人、佐藤重遠であります。川野委員がおられませんので、私より簡單に御紹介いたします。
 第八の宮崎縣下の漁業者救済に関する請願でありますが、結論といたしまして、今年はたいへんな不漁でありまして、縣下の漁業者がたいへんな難儀をしておるについて、二つの点をお願いしたいというのであります。その一つは、救済資金としてとりあえず國庫から一億円を融資されたいということであります。もう一つは、その融資は五箇年以上の長期貸付けとしていただきたい。この二点なのであります。これはかなり大きな注文のようでありますが、宮崎縣の縣会で一致をもつて議決してこの請願を出すことにしたのだそうであります。何とぞ御採択を願いたいと思います。
 終戦当時におきましては三百五十九隻ぐらいしかなかつた漁船が、現在では九百三十三隻にも増加しておりますが、これは主として沿岸漁業の中のきんちやく網によるいわし漁業あるいはぶり、かつお漁業がおもなるものなのであります。今年は非常に海流に異変がありまして、数十年なかつた現象なのでありますが、この海流異変のためにたいへんな不漁になつたのであります。從來は五万貫ないし六万貫も一統平均入つておつた魚は、今回は一万八千貫というようなみじめな状態になつたのだそうでありまして、たいへん困難な状態であり、これを救済していただきたい、こういう趣旨なのでございます。
 それからその次の通山漁港築設の請願でありますが、宮崎縣は御存じの通り、日向灘に面し、約七十里からの海岸線を持つておるのでありますが、漁港その他ちよつとした港らしいものは、南の端と北の端とにあるだけでありまして、中央部の部分にはほとんど適当な船だまりがないのであります。けれども魚族は豊富なのであります。本請願の場所は中央部にあたる國営開田をやつておる川南原の沿岸にあたる場所で、たいへん魚族は豊富なのでありますが、不幸にして船だまりの適当なのがないのであります。でありますから、何とかひとつ國の力で築設していただきたいという請願なのであります。簡單でありますが、ぜひ御採択く、ださいますようにお願い申上げます。
#5
○石原委員長 第八、第十の二請願に対する政府の所見をただします。
#6
○藤田説明員 お答え申上げます。宮崎縣の漁業者救済に関する請願でございます。これは他の地方にもあつたのでありますが、稀有の海流異変のために思わざる漁業上の損害をこうむつておられます点は、私どももその実情はわかつておるものでございますが、御承知の通り、最近金融問題につきまして非常にきゆうくつになつておるわけでありまして、復興金融金庫というようなものも、今度はそれに頼ることは不可能になつて來たようた事情でもございますので、單なる救済的な意味の金融措置ということが非常に問題になつて参つておるわけであります。私どもとしては、できるだけ何らかの方途によつてこれを解決いたしたいということで、いろいろ研究をいたしておるわけであります。さよう御了承をいただきたいと考えております。
 次に通山漁港の問題でありますが、通山漁港は宮崎縣海岸の中部における重要な漁港基地として、修築の必要は認めておるわけであります。現在具体的な計画についていろいろ検討を加えておりますが、御承知のように公共事業費も非常に削減をされ、当初私どもの予定をいたしておりました金額よりも非常に減つております。今後財政の許す限り、なるべくすみやかに実現するように努力をいたしたい、かように考えております。
#7
○石原委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○石原委員長 ないようであります。なお審査の慎重を期するために、本日は採決を保留いたします。
    ―――――――――――――
#9
○石原委員長 次に請願二〇、養蠣業に対する動力船用燃油のリンク制度復活に関する請願、文書表第三三七号、請願紹介者冨永格五郎君。
#10
○冨永委員 養蠣水産業に対する動力船用燃油の復活に関する請願について、その要旨を簡單に御説明いたしたいと思います。
 今般高級鮮魚類の統制が解除されましてから養蠣水産業に対する動力船用燃油のリンク制が廃止されたのでありますが、戦後養殖場は浅海から深海へと移動いたしまして、かつ廣範な海域に廣まり、從つて動力船用燃油は、養蠣業者にとつては欠くことのできない重要な資材となつたのでありますから、國民の栄養食品の増産と輸出の振興のために、すみやかにリンク制を復活していただきたいというのがこの請願の要旨であります。御意見をお伺いいたします。
#11
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
#12
○藤田説明員 現在御承知の通り、燃油の配給はいわばリンク制度になつております。その一定の漁獲高を集荷いたします数量に應じて、リンクの形で出すということになつておるわけであります。請願の御趣旨は、養蠣業に対する燃油が、統制を撤廃せられましてからは、統制物資以外にリンク制度をとるわけに行かない関係上、從來のような割当が行つてないと考えておりますが、しかしこれは、私どもの方針といたしましては、燃油のような基礎的な資材につきましては、統制をはずしておりますものにつきましても、若干の割当は基本割当といたしまして配給するという考え方で進んでおります。あるいは実際問題といたしまして、配給の割当が非常に少い関係上、重要な方面から油をまわします関係上、非常に少く当つておる、こういうような事情ではないかと考えられます。われわれといたしましては、現在御承知のように、配給を受けております所要の燃料は、需要量を満たす程度にいただいておりません。規正を受けることはしかたないと考えております。しかしながら全然統制をはずしておりますから、燃油は出してならないということではないのでありまして、基本割当程度は出ておるものと考えております。なお今後とも必要な油の獲得については努力をいたします。われわれといたしましては、できるだけ必要な事業を継続するのにどうしても欠くことのできない油は、確保して行きたいと思つております。
#13
○石原委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○石原委員長 ないようであります。なお審査の慎重を期するため、本日は採決を保留いたします。
    ―――――――――――――
#15
○石原委員長 次に日程一一、羽幌漁港修築促進の請願、玉置信一君外三名紹介文書表第一八七号、日程一二、焼尻漁港築設の請願、玉置信一君紹介文書表第一八九号、日程一三天賣漁港修築の請願、玉置信一君紹介文書表第一九一号、及び日程一九、政泊船入澗拡張工事費全額國庫負担の請願、玉置信一君紹介、文書表第三三六号、この四つを一括議題にいたしたいと思います。紹介議員の説明を求めます。紹介者玉置信一君。
#16
○玉置委員 ごく簡單に請願の理由を御説明いたします。
 日程一一の羽幌漁港修築促進の請願について申し上げたいと思います。本請願の趣旨は、北海道天塩國の中央部に位しております羽幌町でございますが、羽幌は沿岸第一の海陸両産物が非常に豊富な所でありまして、主要食糧の増産並びに輸送上漁港の速成は一日もゆるがせにすることのできない実情にあるのであります。詳細につきましては、御質問等がございますれば詳しく説明いたしまするが、本日はごく要旨だけを申し上げましてすみやかに羽幌漁港修築工事を完成されるよう格別の御配慮を願いたいと思うのであります。
 それから日程一二は、焼尻漁港築設の件でございます。本請願の趣旨は、同様北海道の苫前郡焼尻村の船入澗の築設が緊急を要する事態にありますので、特に請願をいたすわけでございます。ここは日本海の離島でございまして、人口の増加と漁業の振興に伴いまして、出入する船舶も年々増加して参りまして、ただいまああところの船入澗は、船だまりと言つてもよいくらいにきわめて小規模なものでございまして、しかもこの海域は日本海中の要港として唯一の適地であるとさえ言われておる所でありますので、この村にもぜひすみやかに漁港を築設されたいというのが要旨でございます。
 日程一三は、天賣漁港修築の件であります。天賣村は焼尻村と実は相対峙しておりまして、同様日本海におけるきわめて重要な島でございます。天賣島の北端に位する所に船入澗がつくられておるのでありますが、この地域は実に無尽藏な魚田とも言われるくらいに、終年漁獲のある地域でございまして、しかも前面には武藏堆という未開の魚田がございまして、この天賣を中心として武藏堆海域に出漁しようという、目下未開魚田開発の企業体も、ここに根拠を置いておるという実情でございまして、実に港を生命として立つておる離島でございますので、この村でもぜひ船入澗の拡張工事をしていただきたいというのが請願の趣旨でございます。
 日程第一九号、政泊船入澗拡張工事費を、全額國費の負担でもつて実施をしていただきたいというのが本請願の要旨でございまするが、この政泊というのはわが領土の最北端利尻島の仙法志村という所にあるのでございまして、本村の船入澗は昭和十一燃以來滿次修築工事を加えて來たのでありまするが、何しろこの地域は風当りが非常に多いし、また繋留場所はほとんどないというような実情でございまして、一たびあらしがあれば、せつかく漁獲された魚はことごとく放棄しなければならないという現状でございます。あそこはいろいろな魚がたくさんおりますが、ことに北海道の経済を左右するとまで言われておりますにしんの漁期になりましても、わく取りができないので、二千貫くらいの小さな収容力しかない小袋を使用してとつておるというような実情でございます。從いましてこの船入澗が完成することによりまして、この小さな村だけでおそらく一億数千万円の水揚げもできるというような、きわめて恵まれた魚田の沿岸にある村でございます。しかも特に強調いたしたいことは、稚内を基点といたしまして利尻、礼文両島六箇村に定期航路が通つておるのでございますが、この仙法志村一つが取残こされておるわけであります、しかも運輸省関係の連絡港という面からいたしましても、この村だけが全部オミットされておる。しかも将來漁港法等が施行される場合におきましては、離島八箇村において、この村一つが除かれて、他の七港が実施を見るというような情勢にあるので、非常に村民といたしましてもこの点を強く要請いたしておるような次第でございまして、格別の御配慮を煩わしたい、かように思いまして、このような請願をいたしたような次第であります。
 以上はなはだ簡單でございまするが、四点に対する説明にかえる次第であります。
#17
○石原委員長 本請願に対する政府の所見を質します。
#18
○藤田説明員 羽幌漁港につきましては、本漁港はその附近の中心連絡港といたしましても重要な所でございまして、目下これは運輸省所管の一般港湾といたしまして、工事中でございます。将來漁港施設の予算につきましては、検討の上考慮いたしたいと考えております。
 次に焼尻及び天賣の両漁港、これは北海道本土との連絡港としても重要な使命を持つておるわけでございまして、運輸省所管の一般港湾として改良が加えられる予定に相なつております。
 最後に政泊船入澗の問題でありまするが、政泊の舶人間の拡張工事は漁業生産の増強上必要と考えられまするので、具体的計画に基きまして検討いたしました上、財政の許す限り、なるべくすみやかに実施いたしたい、かように考えております。
#19
○石原委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○石原委員長 御質疑はないようであります。
    ―――――――――――――
#21
○石原委員長 次に請願第七、漁港、船溜に対する國庫補助率引上等に関する請願、文書表第一三九号。日程第一四、漁業制度改革に関する請願、文書表第二一〇号、紹介者は私でありますから、この席より趣旨弁明をいたします。
 第七の問題は、漁港、船だまりに対する國庫補助率を引上げよという問題であります。從來の程度ではとうてい地元負担にたえられない。工事の促進もできないから、これを引上げよ。なお運輸省と農林省の補助率に相違があるということは、同じ國の施設であつてはなはだ不法であるから、これを同一にせよというのが請願の趣旨であります。
 次に第一四でありますが、漁業制度改革に関する請願であります。本請願の趣旨は、今回政府は漁業関係法規の改正を企図されつつあるが、漁民の社会的、経済的地位の向上のために左記事項を実施されたいというのであります。一、すべての漁業権を漁業協同組合に付與すること、二、漁業調整委員会経費は一般会計から支出すること、三、改正漁業法に政府の義務を明文化すること、四、漁業協同組合連合会規模制限を撤廃すること、五、沿岸零細漁民に対する特殊金融制度の確立、六、眞珠養殖業を内容とする区画漁業権を漁業協同組合に付與すること、七、漁業協同組合の漁業自営要件の制限を緩和すること、八、いな、ぼら漁薬を根付漁業として措置すること、以上であります。
 本案に対する政府の所見をただします。
#22
○藤田説明員 漁港、船だまりに対する國庫補助率の引上げに関する問題でありますが、この請願の趣旨に対しましては、私どもも全然同感でございまして、われわれといたしましても從來の補助率を上げることについて、極力折衝をいたしたのでありますが、財政その他の関係からいたしまして、実現を見ないのははなはだ遺憾に考えております。現在本國会に提案をしておりますところの予算案におきまして、漁港の補助率につきましては、ただ從來と異なりまして、たとえば離島においてやりますような漁港につきましては、從來よりも高率の補助をする、つまり第四種漁港につきましては最高七割五分まで補助をする。こういうふうな考え方で、その部分につきまして若干從來よりも改善されておるわけであります。なお今後とも國庫補助率の増額の問題につきましては、財政その他の面の許す限り、私どもといたしましては、努力を十分にいたしたい、なお補助率の不均衡になつております点の是正の問題につきましても、将來ともこれを改善して珍りたいと考えております。
 次に漁業法に関連いたしましてのいろいろの御意見であつたと思いますが、請願のある点につきましては、今回私どもといたしましてもその必要を認めまして、この請願の御趣旨を入れまして修正をし、目下この修正案につきまして関係方面の御承認を得る手続をとつておるのであります。たとえば寄付漁業を一般根付漁業と同様漁業協同組合に持たせる、こういうふうな点につきましては、請願の御趣旨に沿うて修正をいたしておるわけであります。そのほか眞殊養殖業の問題につきましては、これは全部が漁業協同組合に必ずしも持たせるということにはなつてはおらないわけであります。しかしながらこれにつきましては、漁業協同組合につきましても、その資格を與えておるわけであります。漁業調整委員会の審議によりまして、それが適当と認められる場合には、漁業協同組合に漁業権を付與されるということに相なることだろうと考えております。なお金融その他の点につきましては、漁業法の改正と関連いたしまして、現在この制度についていろいろ考究をいたしておるわけであります。それからそれ以外の各種の問題につきましても、私どもといたしましては、できる限りこの請願の御趣旨に沿つて、修正をいたす点は修正をして、現在折衝をいたしておるわけであります。いずれ漁業法が本國会に提案をされました際に、この問題について具体的にさらに御説明をし、御検討もいただきたい、かように考えておるわけであります。
#23
○石原委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。
    ―――――――――――――
#24
○石原委員長 それでは次に日程第一五、仮屋漁港施設拡充の請願、文書表第二一五号、第一六、名護屋漁港施設拡充の請願、文書法第二一六号紹介議員保利茂君の御説明を求めます。
#25
○小松委員 かわつて請願の趣旨を御説明申し上げます。
 まず仮屋漁港施設拡充の請願でありますが、この請願の要旨は、佐賀縣東松浦郡佐賀村仮屋漁港のあぐり、きんちやく網漁業は、「仮屋いわし」の名を高めたほどの水揚高があつたのでありますが。干場の設備がないため漁獲物を腐敗させ、また乾燥場が狭いためきんちやく網を腐蝕させた結果、支収がとれずやむなくきんちやく網漁業を一時中止して縫切網漁業に切りかえたが、これでは漁獲少量で水産食品の増産は期待されない、ついては、きんちやく網漁業を再現させるため、この仮屋漁港にきんちやく網干場、水産加工場、乾燥場等の施設を整備されたいというのであります。
 次に名護屋漁港施設拡充の請願の要旨を御説明申し上げます。佐賀縣東松浦郡名護屋漁港は、玄海沿岸最大の漁業根拠地で、名護屋きんちやく網漁業は水産界においても著名なものであるが、この港の背後は山が迫つており、海岸線に平坦な土地がないため所々を埋め立てて網干場、煮ぼし品製造場としているので、通風が悪く漁網が腐蝕する等、いまだ漁業根拠地としての施設が完璧ではない、ついては、この名護屋漁港施設を拡充されたいというのであります。何とぞ請願の趣旨を御採択あらんことを切にお願いする次第であります。
#26
○石原委員長 本請願に対する政府の所見をただします。
#27
○藤田説明員 仮屋漁港の修築は、付近の漁業振興上その必要性は十分認められまするので、財政の許す限りなるべくすみやかに実現するよう努力いたしたいと考えております。
 次に名護屋漁港でございますが、この名護屋漁港も修築の必要性は十分認められるわけであります。財政の許す限りすみやかに実現するよう努力いたしたいと考えております。
#28
○石原委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。――それでは爾余の請願は次に譲りたいと思います。
    ―――――――――――――
#29
○石原委員長 陳情第一、紀伊水道を瀬戸内海海区より除外の陳情を議題といたします。
#30
○早川委員 これは和歌山縣の問題でありますから、私から趣旨を説明させていただきます。
 漁業法案に関連する問題でありますから、当然そのときに議審議はあられることと存じますが、要するに年々問題になつておりますところの、海区の陳情でございます。今度の漁業法案においては、地図があればわかりますが、和歌山縣の約半分の海岸が、それと向い合つた特殊な瀬戸内海の内海の海区の中に入つておる。これでは困るという陳情であります。あの紀淡海峡は内海か外海かという問題でありますが、ちようど政府委員もおいででありますから、こういう問題が漁業法案審議の間に重要な問題であるということを御認識願う意味で、政府委員からもその間の事情をこの機会に御説明願えればさいわいだと存じます。陳情の趣旨は大体それだけでございます。政府委員の御説明並びに漁業法案に盛られた海区設定の御趣旨をひとつ伺いたいと存じます。
#31
○石原委員長 本陳情に対する政府の所見をただします。
#32
○藤田説明員 ただいまお話になりました問題は、漁業法案の中で、瀬戸内海に関しては、瀬戸内海の連合調整委員会をつくりまして、特別な区域としてこれを取扱つて行く建前になつておりますが、その瀬戸内海の区域の中に、和歌山縣及び徳島縣、この区域を包含するかどうかという問題でありまして、御意見のございます所はこの区域は瀬戸内海とは別個に取扱うべきももである。その関係はちようど豊後水道以南の海区と同じように見るべきであるというふうな御趣旨であるわけであります。私どものいろいろ調べておるところでは、從來瀬戸内海漁業取締規則というのがございまして、これは少し古い規則でございますが、明治四十三年に出しました当時、瀬戸内海の区域を決める際に、問題になつておりますところの和歌山縣及び徳島縣の海面を、この海洋の性質上、若干は性質が違うのでありますが、必ずしも海洋的な海区とも見られない。いわば内海と海洋と接着するところの中間的な海区でありまして、いろいろの施策をいたします場合に、これを関連して考慮する必要があるという建前からいたしまして、一應これを瀬戸内海漁業取締規則に言う瀬戸内海の海区に入れておるわけであります。今回の漁業法の改正の際も、一應從來の考え方で進んでおつたわけであります。しかしながらお話の御趣旨については、私どももうなずける点もあるわけであります。ただ私どもの考え方といたしましては一應これを海区の中に入れておきまして、ただ具体的ないろいろの対策を立る場合に、これを他の内海の方面とは事情を異にする特殊の点をよく考慮いたしまして、それに應じた特別な例外的措置をとつて行くというふうな考え方で進みたい。なおその後いろいろ調査をいたしました結果、これが全然別にしても支障がないという結論に達しますれば、そのときに、これを考慮するようにいたしたいというふうな考え方で、原案が組まれておるわけであります。なおこの点は國会に提出を見ましたあかつきにおいて、漁業法案の改正御審議の際に、十分御検討を願いたい、かように思つておるわけであります。
#33
○早川委員 この問題は藤田さんのきわめて賢明な弾力性のある御答弁でございましたが、要するに漁業法案の審議の課程において、和歌山縣の漁民、徳島縣の漁民あたりの納得するような解決方法を審議してもらわなければならぬ。この問題はきわめて重要にして、しかも漁民の生活権にも影響する重大な問題であります。明治何年ごろにできた海区の線も、決して絶対的なものではないと存じます。科学的に検討して、瀬戸内海並びに和歌山縣、徳島縣の漁民が納得する方向に、妥当な海区の設定をするようにいたしたい。委員各位並びに政府委員においても、この点よく御了承願つて、今後審議を進めていただきたいと存じます。
 陳情の趣旨は以上の通りでありますから、委員長におかれてもよろしくお願いいたします。
#34
○石原委員長 それでは請願、陳情はこの程度に止めまして、本日はこれをもつて散会いたします。
    午後二時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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