くにさくロゴ
1949/05/11 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第11号
姉妹サイト
 
1949/05/11 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第11号

#1
第005回国会 水産委員会 第11号
昭和二十四年五月十一日(水曜日)
    午後三時十六分開議
 出席委員
   委員長 石原 圓吉君
   理事 小高 熹郎君 理事 鈴木 善幸君
   理事 玉置 信一君 理事 平井 義一君
   理事 佐竹 新市君 理事 林  好次君
   理事 砂間 一良君 理事 小松 勇次君
      川崎 佳夫君    川村善八郎君
      五島 秀次君    田口長治郎君
      冨永格五郎君    永田  節君
      夏堀源三郎君    二階堂 進君
      西村 久之君    松田 鐵藏君
      奥村又十郎君    早川  崇君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 森 幸太郎君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (水産廳次長) 藤田  巖君
        專  門  員 小安 正三君
        專  門  員 齋藤 一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した要件
 水産業解体整理特別措置法案(内閣提出第一八
 二号)
 水産金融に関する件
    ―――――――――――――
#2
○石原委員長 これより会議を開きます。
 審議に入ります前に水産金融に関する小委員長夏堀君より小委員の経過の御報告を願います。
#3
○夏堀委員 水産金融小委員におけるこれまでの審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
 水産金融小委員会は二回にわたつて会議を開きまして、愼重審議を重ねたのであります。結果として現われたのはお手元に差上げておきました案の通り決定をみたのであります。この考え方は水産金融の重要性とそうして金詰まり一日も早く打開しなければ、水産漁業方面は成り立たないのでありまして、そのためにここに二つの考え方を持つて行つたのであります。その一つの考え方は財政的援助ということであります。これは貿易見返し資金の中から若干援助を受ける。そうしてこれを基金として漁業手形の見返り担保というような運用の方法によつて活用をしたい、こういう考え方が一つ。それから預金部からも若干の融資を受けるという考え方であります。これは漁業とか船だまり、製氷、冷藏施設、そうした方面に向けます。この両方で四十億円程度を必要とするというようなことでこの案をまとめてみたのであります。一方漁業手形の拡張と保証財源の確保ということであります。これは経済九原則の現在のあり方と水産金融もこの面に従つて、できるだけ自分の力によつて白力更生のもとに発足いたしたいということで、一應何パーセントかの漁業の自己資金の積立てによつて基金をつくり、共済基金というような考え方をもつて信用を向上しよう。こういう考え方であります。一方漁業手形に日銀あるいはその他の金融機関に対するスタンプ手形というような手形の活用によつて、金融を活発に運用いたしたいという考え方をつて参つたのであります。ただその基金の取扱いはどういう金融機関が適当どうであるかということは、これは審議中にいろいろ議論されたのでありますけども、これに対してはまだ結論を求めてはおりません。なお今後これは政府当局の方と議会の方との協力によつて適当な方法を考えたいと存じております。なお仕込み資金等の借入れに対しては、基金によるほかに適当な金額を手形によつて借入れすることになりますので、これは別に償還の方法は―まだパーセンテージは決定しておりませんが漁業高の十五パーセント程度、これら組合等の協議会において決定すべきである、こう存じております。そのパーセンテージの数字はここに示しておりません。そうしたよう方法によつて返済の方法を短期間に決済いたしたいということは別に考えておりますので、基金の方法、これは信用の向上をはかること、そしてみずからの力によつて起る上る方法を考えたい。一方は金融を受けた場合に、できるだけ早く決済の方法をとりたいというような意味でここに立案をいたしたのであります。ここにこの案文を朗読いたします。
    〔専門員朗読〕
  水産金融緊急対策に関する件
  わが国の水産業は清流異変及び現下の金詰り等より破滅的状態にある。まずこれが打開策として、急速に金融措置を講ずる要あり。左の事項をすみやかに実施せられんことを政府に要求する。
 一、財政的援助 連合放出水運用資材を漁業者が引取るに必要な運用資金の金融円滑化のための特別措置、(二)漁業の継続維持に必要な設備資金すなわち漁港、船だまり等の公共施設、代船難建造及び小型船建造、冷凍冷藏施設資金等長期にわたる資金にして一般金融機関の貸出対象となりがたい資金(預金部資金と合せて四十億円、但し捕鯨を除く)に関する特別措置右をその筋へ懇請すること。
 二、預金部資金の運用、財政的援助資金と合わせて四十億円を漁業用設備資金に運用すること。なお、中小漁業に沿岸漁業用設備資金については、農林漁業復興融通に関する暫定措置のごとき特別制度の確立及び拡充をはかること。
 三、漁業手形の拡張と補償財源の確保、経済九原則下において漁業者は自立を原則とするがゆえに、漁業者は自力による共済積立資金をつくり、信用保証制度を確立し、これを漁業手形の共同見返り担保として全国漁業者の金融の活発円滑化をはかり、漁業経済の健全なる発達をはかることを計画して制度化すること。但しこれが実施にはなお時日を要するため地区別または業種別に左の要領による漁業手形制度を創設すること。(一)漁業者は地区別または業種別に共済積立基金をつくり、漁業手形の共同見返り担保とすること。(二)漁業資材等の資金調達のため、生産地の出荷機関等が保証する手形は日本銀行の適格担保手形とするとともに割引資金の確保につき特別の措置を講ずること、(三)返済の方法については、漁業者が出荷機関と契約の上出荷の仕切金について優先的に何パーセントを上市ごとに、差引返済に充当すること。他港に移動する場合一定の根拠地を指定し、指定せる根拠地の出荷機関と契約に基く委任状により一定の額を差引すると。(四)漁業手形を融資料規則上順位を甲とすること。
#4
○石原委員長 ただいま夏堀小委員長よりの報告並びに斉藤專門員の朗読によりまして御了承と思います。この水産金融緊急対策に関する事項は、名委員とも御異議のない対策と考えますので、本委員としてはこれが趣旨を全国的に承認し、本委員会としての対策を決定いたすことに御異議はありませんか。
    〔「異議あり」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○砂間委員 ちよつと異議を申し述べたいと思います。ただいまの夏堀小委員長の報告はつきまして、私は二つの点について修正の意見を申し上げたいと思います。
 その第一点は、ただいま朗読されました小委員会案の第三項漁業手形についてありますが、この自力による共済積立金の点についてであります。水揚げのうちから何パーセントを積み立てて、これを保証基金にするという案についてでありますが、こういうことをやりますと、実際上におきまして零細の基金の方では水揚げのうちから何パーセントというものを積み立てるわけでありますが、積み立てる方では零細漁民もみな一率にそういうふうに積み立てるわけでありますが、その資金を実際に利用するあるいは運営する人に大抵資力のある、顔の売れた大きいところにきまつている。從つて零細漁民がその下敷になり、馬の足に使われるという結果になることは明らかだと思います。ですからこの自力による共済積立基金という点はひとつ削除していただきたい。もしそれが削除できなければ、ひとつ積立の基金を累進的に積み立てることにいたしまして、資力の弱い下の方の零細漁民は、積立ての率をごく少くする、そうして大きい所にたくさん出してもらうというふうに、累進的に基金を積み立てるというふうにしていただきたいと思います。しかし私は原則としてこういう漁業手形の保証債券に関しまして、これは当然國がなすべきものである。現に昨年の関東、東北地方のいわしあぐり網の漁業手形につきましても、復金の半額融資という点で國が半額の保証をやつておるわけであります。また他の産業を見ますと二十四年度の予算おきまして二千何十億というような莫大なる價格調整金が出ておる、他の産業に対しましてはそういうように莫大な、大きな資金の援助をやつておきながら、水産業だけに対して國の方からそういう援助が見られないという道理はないのであります。從つてこの漁業手形の制度については、これはけつこうと思うのでありますが、その保証積立金について、これは自力による積立てというのでなく、全額國の方で保証はやつてもらいたい、こう考えるわけでありすす。それが第一点。
 第二の点につきまして、水産業協同組合に対しまして特別な融資の措置を講じていただきたい。この項目を第五項目として一項つけ加えていただきたいと思うのであります。この案全体を見ますと、別に協同組合金融を除外したという点はありません。協同組合でもこの案によつて融資の道は得られるようには、一應内容的になつておりますけれども、しかし協同組合は今後非常に重要であります。昨年協同組合が制定されまして、そうして本年になつて実施されて、現に協同組合は設立準備中でありますが、協同組合が漁業民主化の一つのてこみたいに扱われておるわけであります。しかし協同組合に対しまして、金融方面ついて資金の裏づけというものが何にもできておらぬ。ことに今度漁業法の改正によりまして、協同組合に大きな漁業権などを與えて行くしいうことにはなつておりますが、しかし法案の上で、形の上だけそういう感じを覚えても、実際金融、資金の面において裏づけがなければ、これは実際何もできぬ。絵にかいたぼたもちみたいなようになるので、そういう点からいたしまして、協同組合に対する特別な融資の措置を講じていただくように、特にひとつ政府に要求したいと思うのであります。その点に一項目を加えていただきたいというのが私の意見であります。
#6
○夏堀委員 この案文の骨子は、漁業者自体の自己の積立てによつて、漁業者の金融上の現在の不信用を回復して、その信用の力を向上して金融を求めようということが眼目になつておのであります。この項目を削除するということに絶対にいかないのであります。協同組合に対しては、これは組合精神を生かしてやるということは、これは砂間君がおつしやるまでもなく、すでに協同組合の組織の上においてそういう運営しなければならないのであつて、今後の金融面もその線に沿うて進むということは論議の余地はないのであります。特にこの案文に漁業協同組合のためにという一項目を入れなくても、すベてがこの案文に織込まれてあるのでありまして、私にあらためてそうした協同組合に云々というこまかい文をここに織込まなくとも、今後の組織の上において、運営の上において、万全を期するような方法をもつて行くことは、すでに漁業協同組合及び漁業権等の案文の法案うちも多分に織込まれてありまするので、あらためてその必要はないと存じます。私は不賛成であります。
#7
○石原委員長 ただいま砂間君の御意見並びに夏堀小委員長の御説明によつて、それぞれ了承いたしました。その意を含めて善処することといたしまして、この報告通り本小委員長の報告を承認することに決したいと思います。
    ―――――――――――――

#8
○石原委員長 次に水産解体整理特別措置法案を議題として審議に入ります。前会提案理由の御説明を聽取いたしておりますので、これより質疑に入ります。質疑は通告順にこれをお許しします。砂間君。
#9
○砂間委員 この水産業解体整理特別措置法は、この前の国会で通告しました水産業協同組合の制定に伴う水産業団体の整理等に関する法律案、これに基いて協同組合ができた場合に、水産団体の資産を移轉するについて、いろいろな特別措置を講ずるというのが本案の趣旨だと思うのであります。ところで問題は、旧水産業團体の資産をいかに保全されておるかということが第一の問題だと思うのであります。この保金の点につきまして、水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律案という特別の法律をつくりまして、またそれ以前に農林省におきましては、農林省令の七十三号をもつて、この水産業團体の資金を保全するについてのいろいろな措置を講じて來たと思うのであります。ところが、この措置が十分実行されておらないような面があるように思われるのであります、この点につきまして、私は五月九日の本委員会におきまして、千葉縣水の一つの例をあげまして、水産業の飯山長官に御質問したのでありますが、そのとき飯山長官は、そういうことはよく調査した上でなければ御返答いたしかねる、十分調査した上でしかるべく回答し、報告するということを約束されておるのであります。私はいろいろ資料や問題を持つておりまして、順々に御質問してみたいと思うのであります。
 まず第一にこの省令の実行が嚴正確実に行われておつたかどうかという点を第一に御質問したいと思うのであります。あとは少し問答式になりますが、順を追って御質問申し上げて行きたいと思います。まず最初の点からお尋ねして行きたいと思います。
#10
○藤田説明員 お答えを申し上げます。從來も水産團体の資産につきましては、これは新しい協同組合が設立されました際に、できるだけこれを新しい協同組合に移して行くというふうな考え方からいたしまして、私どもといたしましても、処分についてに許可制度を採用して、具体的な問題については、いろいろと注意をいたしまして認可をいたして参つておる次第であります。ただ本委員会においてもいろいろと御指摘のございましたように、多数あります中で、たとえば千葉縣水の資産の限度が認可にした事実と違うとか、あるいは趣旨が非常に違っておる、こういうふうな点の御指摘もあつたのであります。私どもといたしましては、十分注意をいたしてやつておるつもりでございますが、これは絶対にないということもそれは申せないのであります。現に千葉縣水の問題につきましても、いろいろその後問題がございましたので、詳細に調査をいたして、調査をいたしまた結果は、私どもの認可いたしました点と若干違つておりますような点が現実に発見をされましたので、その点に十分に改めるように通知をいたしまして実行をさせるようにいたしております。今後ともこういうふうな問題については、遺憾のないように全力をつくして措置をいたすというふうな考えでおりますわけであります。
#11
○砂間委員 旧水産業團体の資産の保全につきまして、そういうふうな手落ちがあつたということははなはだ遺憾であります。何となれば、水産業團体の資産は勤労漁民の長い間の血と汗の結晶によるところの非常にとうといものであります。これを今度新しい協同組合が設立されまして、それに移転する場合において、それが完全なものして受継がれないということになることは、農業会の場合においてもしばしばあたつことでありますが、非常に遺憾であります。特に認可しておきながら、認可の条件が十分実行されなかつたという点につきましては、監督官廳として監督上の大きな責任があると思うのであります。今藤田次長の御報告によりますと、千葉縣水の場合などにおきましては、明かに認可に違反した事項のあつたように承ったのでありますが、そういう事実に対しまして、監督官廳は今後どういう処置をとられてようとしているか。たとえば不当に讓渡したりあるいは賃貸したりしたものに対して、それを原状に復帰させるような、そうして新しく協同組合の連合会が成立した場合におきまして、それにその権利や資産を返させるような処置を講ずる意見があるかどうか。言いかえれば、これまでの不当な契約を無効といたしまして、原状復帰をさせる意思があるかどうか。もう一つ、不当に讓渡または賃貸しして、原状に復帰して新しい水産業協同組合連合会に復帰させたといたしましても、すでにこの一年なり二年の間その設備や責任を他の團体、たとえ千葉縣水でいえば、房総漁業などが使用いたしまして、十分な利益を收めているが、水産あるいはそれに加盟している漁民は、不当な損害をこうむつているということがいえるわけであります。この損害に対してどういう処置をとられるか。その損害を賠償するような意思があるのかどうかという点をお伺いしたい。
#12
○藤田説明員 從來暫定的に水産業会が資産を処理いたしました場合に、認可したもの相当あるのでありまして、これは御承知の通り水産業会が半身不随のままで、ずつと長く協同組合法ができませんままに経過して來ております。その間職員の問題等もございまして、いろいろやむ得ないような措置もあつたと思うのでありますが、そういうふうな水産業会、その他資産内容の非常に不良でありますような水産業会、いろいろうわさの出ておりますような水産業界につきましては、私どもといたしましても、嚴正に監督をしなければならないのでありますから、われわれの事務の手の及ぶ限り、できるだけ実施監査その他の方法によつてこれを調べて、もしも改むべき点がありますならば、これが解決方法を具体的に考えしてお話のように当初の認可をいたしました趣旨、また水産業会の財産はできるだけ漁民全体に円滑に引継ぐという根本精神に照らしまして、具体的に解決して行きたい。いろいろこまかい解決の方法につきましては、その場合によつておのずからかわるところも出て來ようと思つておりますが、そういうような精神で私どもとしては善処して参りたいと思つております。
#13
○砂間委員 私は單に千葉縣水だけの問題として問題にしておるわけではない。こういうよう事例が全国に相当あることは、私確信を持つて言えると思う。その一例として言つておるわけでありますから、決して小さな問題ではない。さような意味におきまして、今の藤田次長のお答えはきわめて漠然としておりまして、善処するとか何とか言つて一向要領を得ておらぬ。千葉縣水のごときは、明らかに認可の条項に違反しておるし、省令の精神とも相違しておる明瞭な事実であります。これに対して、千葉縣水が房総漁業その他に対して結んだ契約が有効か無効か、省令違反の契約が無効であるかどうかという点を、はつきりお伺いしたい。それから原状に復帰させるという意見があるかどうかという点、それからその間漁民がこうむつて來た損害に対してどうするかという点、それを賠償さす氣持があるかどうかという点、あるいは千葉合同というような銀行に担保に入つているとしたならば、その担保権がどうするかという具体的な点について、明確なる当局のお考えを聞かしていただきたいと思うのであります。
#14
○松田委員 ここに水産業協同組合法制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律、その第二條、第三條にこれがはつきり明記されておりますから、次長の答弁は無用だと思います。
#15
○藤田説明員 ただいま砂間委員から認可に違反した契約は有効であるか無効であるかというお話であります。これは法律問題としては、もつといろいろの点を考究しなければ、有効無効の判断はくだせないと思います。ことに千葉縣水の場合に、いわば認可の條件として示しました点を実行しない場合に、その認可処分が無効になるかどうかという点であります。私どもにおきましては、なおよく研究したいと思いますが、大体の私の感じといたしましては、やはり契約をいたされておることに一應有効である。それによつて善意の第三者に損害を及ぼすわけにはいかないだろう。法律論としてさように考えております。しかしなおその場合については、さらに十分研究をいたして見たいと思つております。なおその場合に損害賠償を提出すべきかどうかという問題でございますが、これも先ほど申し上げましたように、現在私どもが調査をいたしました結果、認可をいたしました際の條件がまだ行われていない点が現状であるわけであります。その点について現在実行するようにということの指示をいたしております。それ点を見まして、その後具体的な問題をどういうふうに話合いをするかということについて、やはり具体的に話合いをしないといかぬわけでありますから、ただ単に損害の賠償をするとかせぬとかいうふうな点につきましても、もう少しいろいろと研究をし、話合いをいたしました上でございませんと、今まだ私としても御返事ができないわけであります。ただ先ほど申しましたように、この問題につきましても、われわれといたしましては、あくまで法の根本精神にのつとつてこれを解決して行くというふうな考え方で、指導をして参りたいと思つておるわけであります。具体的な解決方法がきまりました際に、また御報告をいたしまして、それに対する御批判も仰ぎたいと考えております。現在ではその程度しかお答えできません、ことを御了承いただきたいと思います。
#16
○砂間委員 この水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律の第二條の三項には「第一項の規定に違反する処分は、これを無効とする。」という点がうたつてありますが、ただいま藤田次長のお話によりますと、この認可の條件に、省令に違反した契約であつても、何か法律的に有効であるというふうなお話であつたのでありますが、もしこの不当な処分についての契約が有効ということになりますと、これは千葉縣全体の漁民にとつて莫大なる損害を與えることになるわけであります。これ実にゆゆしい問題であつて、今度の水産業團体整理特別措置法案等によりましても、資産の保全ということにつきまして、それが協同組合へ行くようにという点でいろいろ法的措置は講じてありますが、しかし紙の上に書いたものがいくらりつぱであつても現実に行われている事実がこういうでたらめなことになつておりましては、何もならないのであります。これがもし契約が有効とすれば、この漁民に対して不当な損害をかけた責任は監督官廳にあるわけでありますから、監督官廳として負うべき責任は、さらに重大なものが出て來るのじやないかと思うのですが、これ対して一体農林大臣はどういう措置を講ずるつもりか。これは小さな問題じやないのです。大臣の責任ある答弁を聞きたい。
 さらに帳簿監査などにいたしましても、実に四月十四日の解散総会におきまして、まつたく財産目録なんかでたらめであつたということは、水産業の方から役人が出張して、現に見て來た事実だと思います。こういう点についても、帳簿監査や資産の監査についても、もう一ぺん民主團体を協力させまして嚴重に検査をやり直すという意見があるかどうか。この根本的な点を十分糾明することなしに、單に特別措置法や法律の條文だけ、紙の上に書いた文字だけをいくら審議しても大した効果はない。大臣の責任ある答弁をお伺いしたいと思うのであります。
#17
○藤田説明員 ちよつと砂間さんに御参考までに申し上げたいと思いますが、先ほど御引用になりました水産業協同組合法の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律の第二條第三項は、御趣旨のように「第一項の規定に違反する処分は、これを無効とする。」と書いてございます。しかしながらこの千葉縣水の問題は、実はこの法律の施行される以前の問題であります。
#18
○砂間委員 以前でも農林省令が出ておりますよ。
#19
○藤田政府委員 それは農林省令で出ております。その規則には、これは省令でございますので、この規定がないのであります。從つてわれわれといたしましてその趣旨が非常に問題になるわけでありますが、われわれといたしましては、先ほど申し上げましたような契約を結んだ場合に、その善意の第三者はこれに損害を與えることができないのじやないかというふうな解釈を一應とつておるわけであります。なおこの点につきましては先ほども申し上げましたように、今後十分もう一度研究をいたしたい。こういうように考えております。
#20
○石原委員長 ほかに発言はありませんか。
#21
○夏堀委員 協同組合に資産の讓渡をする場合に、公定價格の場合もあり、あるいはしからざる場合もある。公定価格によらざる場合は入札及び競賣に付すということが明記してあります。公定價格の場合はこれを二以上の場合がいずれもほしい、そうした場合はいかなる処理によつてこれを行うか、これを伺いたい。
#22
○藤田説明員 公定價格のございますものはこれを公定價格以上に落させるということは、公定價格にひつかかるわけであります。私どもといたしましてはそれはできないと考えております。それでただそういうふうな場合は法律としては実は予想しておらないのであります。われわれも実際問題といたしましては、やはりその間行政官廳がいずれに渡すのが正しいかというふうな判断、考え、そういう点をいろいろ参酌をいたしまして決定いたして行く以外に方法はなかろうかと考えます。
#23
○夏堀委員 これは非常に將來大きな問題になるだろうと存じます。こうした点から協同組合は摩擦を生ずる。どつちもほしいのだ。けれども同じか格だから、價格によつて爭うわけには行かぬのであつて、しからばこれを抽せんにするとか何とかいうことに明確にしておかなければ、必ずあとでこれは問題が起るだろうと存じます。この際これを明確にしておきたいと存じますが、もう一回これに対する御答弁をお聞きいたしたいと思います。
#24
○藤田説明員 大体漁業会の持つております資産につきまして、重要な資産に公定價格のございます資産と、それから公定價格のないような資産と二つあるわけであります。たとえば建物その他重要なものについては、大体大きなものについては懸念のような場合もそう起らないかと思うのでありますが、しかしながら公定價格のあるような問題について、さようなことが起りました場合には、やはり私どもの考え方といたしましては、同じ二つの水産業協同組合が出て参りましても、おのずから地元の事情で、その協同組合を構成いたしますところの組合員が、從來の漁業会その他の水産業團体との関連がどうであるか、あるいはそのほか漁業会の資産をどちらに渡したら、從來の経緯から考えてあるいはその利用関係その他から考えて適当であろうかというような、いろいろの経緯もあろうかと思います。そういう点を勘案いたしまして、これを決定いたして行くという以外には、方法はなかろうと思います。なおこの点につきましては、私どもといたしましても、法の不備な点は、通牒をもつてはつきりと明示いたして参りたいと思つております。
#25
○夏堀委員 藤田次長の説明は何かしらこの問題を明確にすることを躊躇しておるのでありますけれども、そのときにはそのときの場なりで、適当に処置するということでありますけれども、こうした問題は、いわゆる協同組合間の大きな問題になることにははつきりしております。非常にこれを軽視するということは遺憾であります。その都度水産廳の方で何か通牒等によつてこれを処理するということでありますが、その通り考えてよろしゆうございますか。
#26
○藤田説明員 この点は追つていろいろ研究いたしまして、通牒で明確にいたしたい。かように思つております。
#27
○西村(久)委員 今のことに関連して御質問いたしますが、通牒で明らかにされるならば、法文で明らかにされた方が、私は賢明ではないかと思います。夏堀君の言われるのは、同じ資格を持つた協同組合が二以上同じ價格で入札をした場合に、それをどつちの組合に渡すかという関係の法文が明記されておらない。從つて抽せんによる方法をとるか、再入札の方法をとるべきかということを、法文に明文がほしいという意見だと考えますので、当局の方でもこの意見をはつきりされた方がよろしいと思う。
#28
○森國務大臣 今夏堀委員、西村委員から御発言がありましたが、これは実際問題として、公定價格のあるものは、それを使用いたしておるものでも、評價する場合において、公定價格以上に上げ得られないということを、今日常識として考えなければならないのですが、水産業会が漁業組合に資産を引渡す場合に、公定價格によつて考えなければならぬというものは、実際にどういうものがあるかというと、建物であるとか、あるいは漁船であるとか、あるいは諸設備であるとかいうようなものは丸公は何もないわけであります。実際の帳簿價格で行く、あるいは審査会の時價で行くということでありますから、統制品なれば丸公として考えられますけれども、実際問題としてどういう点を想像されて、そういう心配をされておるのか、ひとつ参考にお示し願いたいと思います。
#29
○夏堀委員 私は現在の複雑しておる統制時代では、いかなるものがいわゆる統制品として漁業会にあるか。確かに何かあると存じます。あるないということを予想して、農林大臣が私に質問をするのはどうかと思いますけれども、これほどうるさいいわゆる統制時代に、これを非常に軽視して、あるかないかということは、あるということはわかつております。しからば何があるかということは、これから調査しなければわからない。調査してこれからお答えするということでは非常に煩わしいのであつて、あるということを予想して、その場合には抽せんによつてこれを処理するということを明確にするのが、むしろよろしいではないかと思いますが、まだ私もどこにどういうものがあるかということは調査しておりません。さよう御了承を願います。
#30
○藤田説明員 夏堀委員の御意見でもつともであるわけでありますが、ただそれを抽せんによるとか、あるいは再入札と申しましても、入札ということは、先ほど申し上げましたように、公定價格の関係上これは高い方に落とすわけには行かないわけであります。從つて抽せんということになるわけであります。ただ実際問題といたしまして、そういうふうな統制價格によるもので、はたしてせり合いになつてどちらに落とすかという場合がかりにあるといたしましても、具体的な場合には、やはり事実についてきめるということよりも、その協同組合の成立ちぐあい、その他から判断をしてきめて行つた方が適当だという場合が、私はあるのではないか。どうしてもそのようなことがきまらぬような場合には抽せんということで、これは最後の方法としてやむを得ぬことであろうと思うわけであります。從つてそういうようなものを、法律の條文としていろいろな場合を予想して書くということは、非常に困難な場合がありまして、形式的にそう書くことによつて、実際上変な場合が出て來やしないかということも予想されますので、私どもといたしましては、個々の扱いを明確にするということで処置して参ることによつて、大体御懸念のような煩わしい紛爭も起らずに済むのではないかというふうに考えております。
#31
○夏堀委員 どうもわかりません。藤田次長が現場においでになつて、あなたの非常に明晰な、いわゆる判断のもとにこれを処置するということを、あなたたちは、あるいは考えておるかもしれませんが、そう簡單に行きません。入札競賣ということは、すなわち物を高くして引渡すということを意味するのであつて、協同組合に引渡す場合に、むしろ藤田次長のおつしやるような正しい判断のもとに評價するということになれば、それは一應理論的には成り立つことではあると存じますけれども、しかしその処置は非常にむずかしいのである。だから思い切つて高くすることを覚悟で競賣入札するということが法律の中に織り込んでありますので、むしろこれはあなたのお考えによれば、この評價の方法を高くせずして、最も正しい、これならば第三者がうなずかれるという價格でこれを讓渡するのがほんとうではないか。そうではなく、高く得る方法がここにはつきりしておりますので、そうであれば、あなたが公定價格の場合に常識で考えて見て、まずよろしいだろうという判断のもとに解釈をつけることは非常に困難な場合があるだろう。そういうことを予想する場合に、あらかじめそうした問題をできるだけ円満に解決するがために、入札競賣ということを明記しておるだけに、これに対して競賣によつてということを明らかにすることは、かえつて將來のためによろしいのではないかと考えておりますが、次長は一体どうお考えになりますか。
#32
○藤田説明員 これは率直に申し上げますが、公定價格のございますものを、こういう場合に入札によつてそれより高い値段で賣ることは、價格違反をはたして構成しないか、あるいはまたこれは特別の規定であるから、公定價格のあるものについても、入札の規定を許して、そして公定價格以上に賣らすということを特にこの法律によつて認めた、こういうふうな解釈がつくかどうか。こういう問題なのです。この点は私どもとしても若干疑問があるわけでありまして、その点について先ほども申しましたような意見を申し上げたのであります。私どもといたしましては、一應そういうふうに考えておるわけであります。研究いたしました結果は、先ほど申しましたように、公定價格のございますものはやはり公定價格以上に落とすということはいけなかろうという解釈にならざるを得ない、さように思います。
#33
○玉置委員 二、三点逐條的にお伺いいたしますが、先だつて大臣の御説明された中に、もちろんこの法案にもありますが、大体水産業團体から協同組合へ財産を委讓する場合の財産價格の評價については、帳簿價格と時價の範囲内ということにきめられておりますが、農業團体は時價ということははつきりしておりません。この相違せる根本精神はどこから來ておるものか。
 次にこの説明の内容から見ますと、主として水産業会を対象としておるようでありますが、水産業製造業会も含むのではないかどうか、まず最初にこの二点をお伺いいたします。
#34
○藤田説明員 お答え申します。第一点の帳簿價格と時價の範囲内できめるということになりました点は、農業團体の場合と異なるのであります。私どもといたしましては、むしろ農業團体の前例から考えまして、それよりもこういうふうにきめました方が、より妥当ではないかというふうな結論からこれを改めました。その趣旨は、水産業團体の財産というものは、これは大体漁民蓄積によつてできておる。それからまた中には國の補助金によりまして立てました設備もあるわけなのです。そういうふうな考え方からいたしまして、これを時價でもつて賣り渡すということになりますと、せつかくできました協同組合が、当初から大きな負担を持つて出発しなければならぬことに相なるわけであります。從つて私どもといたしましては、できるだけ新しい協同組合が、発足にあたつて大きい負担を持たないように、つまり健全に発展して行けるようにさせたいと考えたのであります。その趣旨に從つて、できるだけ帳簿價格によつてこれを処置したい。しかしながら從來の團体の中には、経理上非常に赤字でもあるというふうな場合には、少くともその赤字を補償する程度の評價額をいたしまして、そうして赤字にならない程度にやる。しかもこれは時價を上らない範囲内において適当にきめるというような場合も、実際問題としてはあり得ようが、そういうふうな大体の根本方針として、この價格を資産処理委員会がきめて行くというふうに考えております。
 それから第二点の御質問でございますが、これは当然水産業会というものの中には、製造業会を包含いたしております。
#35
○玉置委員 お伺いいたしますが、製造業会が包含されておるとしますると、製造業会が解体される場合の資産処分の問題でございまするが、水産業会と製造業会との組織メンバーはおのずから異なつております。すなわち水産業会は、主として單位漁業会が構成メンバーに入つておるように記憶しております。製造業会の方は加工業者がその大部分を占めておるように記憶いたしております。そこで財産を処理する場合に、製造業会は加工協同組合に委讓する、あるいは地域的に、加工協同組合にかわつて、その希望によつて移動委讓ができるものも考えられまするが、全然そうした加工協同組合がない場合には、この解体による資産の処理をする際にあたりまして、債務を時價の範囲内できめるために赤字が残る。從つて從來の構成メンバーである組合員が、今日のこの物價高その他による借入金、その他の負債を背負い込まなければならぬ。しかしこれを時價に見積もれば、この赤字が克服できて、また財産の賈取りも希望通りにやつて、お互いに円滑に処理ができるというような場合ももちろん出て來るのではないか、こう思うのでありますが、この規定によりますと時價の範囲でありまして、時價ということはできないのでありますか、これらに対してのご説明を伺いたいと思います。
#36
○藤田説明員 この時價との範囲内というのは、時價まではいい、こう言うのであります。ただわれわれの考えといたしましては、從來の團体が少くとも赤字を補償する程度の價格をつけて、それによつて新しい團体に移す。こういうことがその本旨というふうに考えております。
#37
○玉置委員 製造業会の場合は水産業会と違いまして、單位加工協同組合でなくとも、一般希望の向きにこれを処分してもいいというように解釈してさしつかえありませんか。
#38
○藤田説明員 もちろんそれは他の者に賣ることを禁止されておるわけではございませんが、しかしながらここにございますように、この法律に從つてその製造業会の地区の全部、または一部を地区とする生産加工業協同組合、またはその連合会から、この法律に基いて財産の讓り受けの問題が出て來まする場合には、この法律でもつて処理しなければならないというふうに考えております。
#39
○鈴木(善)委員 この特別措置法案は、ただいままでの政府の説明によりまして、十分審議を盡くしたわけでありますが、ただ夏堀委員から質疑がありましたところの、二つの協同組合が公定價格のあるもの等について讓り受けの希望があつた場合どうするかという点が、この法律案では不明確に相なつておるわけでありまするが、この点は政府の答弁もありましたように、抽せん等によつて簡單に処理すべき問題ではない。同じ協同組合であつても、組合員の数が一方は非常に少くて一方は圧倒的に多いというような問題等もあるわけであります。あるいはまた業種別組合と地区組合との関係もありまして、協同組合の性格もおのずから違うものも出て來る。いろいろなことを勘案いたしますと、やはり政府が答弁されましたように、これは十分その事態に即應するような審査を加えて讓渡するほかないと思うのであります。そこでこの法律でその点を明確にし得ないことはきわめて遺憾でありますけれども通牒を政府が出します場合に、その通牒案を本委員会にあらかじめ諮りまして、これを了承、承認を受けた上で通牒を出すという條件付で本法律案を議決すべきであると考えるのでありますが、それによつて御承認願いたいと思います。
#40
○冨永委員 ただいま鈴木委員の発議に対して賛成の意を表するものであります。ただその通牒をわれわれ委員会にお諮りになる場合に、今大体公定價格のあるものに関連した夏堀委員の御発言と鈴木委員の御発言がありましたが、公定價格のないものについても、やはり第三條では時價を基準とした資産処理委員会が價格を定めるとあり、第四條においては、落札は高いものに落ちるというようなことになつておりますので、今鈴木委員が言われた通り、故意に落札金額にいろいろな工作を加えるような場合もあり得るわけでありますから、公定價格のある場合、公定價格のない場合、または資産処理委員会の決定必ずしも適当でないことがあるかもしれないというようなぐあいに、いろいろな角度から考慮を加えられまして、通牒をおつくりになり、われわれ委員会に御提示願いたいことを希望申し上げまして本案に賛成いたすものであります。
#41
○川村委員 一点だけお伺いいたします。水産業協同組合法の制定によりまして、二以上であれば連合会が各所にできるということに相なります。從つて今後市町村に二以上の漁業協同組合が成立いたしました場合に必ず連合会ができるものと思います。この法律案で行きますと、第十一條にありまするが、漁業協同組合連合会は都道府縣の水産業会に対し、それから水産業加工業組合は、先ほど次長の説明にありましたが、その場合の町村の連合会、すなわち二以上の連合会ができまして、水産業團体、いわゆる水産業会に財産の移讓を要求した場合に、これをどういうふうに処置をするかという問題を一点だけお伺いいたします。
#42
○藤田説明員 私どもの考えといたしましては、一町村内に幾つかの協同組合ができて、さらにその一町村を区域にするような連合会というような非常に小さい連合会でありますが、そういうふうなものは予測しておりませんし、また連合会というものは、大体その目的からいたしましてかなり廣い区域にできるべきものではないかというふうに考えておるわけであります。從いまして大体ここの規定は、漁業会の財産というものは新しくできる協同組合または生産組合が讓り渡しを受ける場合に考える、それから水産業会の財産は、これは大きな業種別の協同組合でありますとか、あるいは連合会、こういうふうなものが讓り渡しを受ける場合に考える、こういうふうな大体の原則を考えておるわけであります。しかしながら具体的にそういうふうなものが出ました場合につきましては、これはやはりその具体的なできぐあいを勘案いたしまして、私どもといたしましては処置をして行くというように考えております。
#43
○川村委員 ただいま次長の説明は予想されないというようなことでありますが、実は私本日北海道の状況を持つて來ております。かばんに入つております。その状況から見ますと、一箇町村に七つくらいできるところがあります。これは必ず連合会ができる。四つ、五つ、三つというのはざらにあります。そうしたようなことから考えますと、次長の予想していないということは当を得ないのであります。從つて先ほど夏堀委員の質問に対して、鈴木委員が通牒をもつて云々といつたような発言もありましたが、これからも通牒かあるいはここに法に明記するか、いわゆる市町村内の連合会はだめだとか、あるいはどこそこの地区あるいは郡單位とかいうふうに明記した方がいいじやなからうかと思いますが、その点について御意見を伺いたいのであります。
#44
○藤田説明員 北海道は大きな区域でありますので、あるいはそういうふうな問題があるのだと思います。一般に内地ではそういうふうなことは問題ではないだろうというふうに考えております。ただそういうふうな問題につきましては、お話のございましたように、ひとつ具体的に通牒で考えまして、その際に詳細な指示をして、それによつて補つて行きたいというふうに考えておりわけであります。
#45
○小松委員 一点お尋ねしたいのであります。水産業團体は解散團体であります。この解散團体が新たにできまするところの水産業協同組合なり、そのほかのものに財産を讓渡し、あるいは賣却したというような場合に、公定價格で得たのもを公定價格で賣却するという場合には、あるいは税の対象にないかもしれませんけれども、そのほかの財産を評價がえをしてこれを賣却とか讓渡したというような場合に、双方の團体に対して税金がかかるのであるかどうか、税の対象になるのであるかどうか、この一点をお伺いしたい。
#46
○藤田説明員 ただいまの問題は、財産を承継いたしました場合の財産の移轉に対する地方税の問題でございますか、あるいはそうでなく――從來の團体が新しい協同組合に移ります場合の課税の問題については、農業團体と同樣にいろいろの法制上減免をするという規定はあるわけであります。しかしながらたとえば、從來の財産が帳簿價格以上に評價されまして、評價増となりました結果そこに利益が産み出される、その利益は結果持分の形においてこれが拂いもどされるわけであります。そういうようなものによる金額につきましてこれは税の対象のなる。それはわれわれといたしましてもやむを得ないことではないかと思つております。
#47
○西村(久)委員 法文の関係について一、二お尋ね申し上げたい。四條の第二項の但書は二週間という文字が使つてあるのでありますが、五條の但書は十日という日にちははつきり明記してあります。法律でありますから日にちを明記して十日とするなら、十四日となされるのが妥当ではないかと考えますが、これを二週間という字を使いましたのはどういう理由でありますか。
#48
○藤田説明員 これは大体從來の法律の例文をそのままとりましたので、特にこの法律で異つた字句を使つておるものではありません。しかしながら大体從來の法令では一箇月とか一年とかいう用例が通常でございます。ただそれを十日という場合にはほかに呼び方がございませんから、十日と例外的にいたしたわけであります。むしろ書き方としては、先ほど申しましたような年、月、週というきめ方で行くべきところだと思つております。
#49
○西村(久)委員 なるほど一年という長い日にちは一年を土台としてきめられるのもよいかもしれませんが、短い日にちは二週間、三週間というのはまどわしいのであります。十五日なら十五日とはつきりして、日にちで両方とも統一した方が、私は法律としてはよいのではないかと考えましたので申し上げたわけであります。
 次にお尋ねを申し上げたいのは、第五條の第一項、第二項に、「入札の方法をもつて水産業團体」云々とこうなつておりますが、この水産業團体の財産を入札の方法をもつて賣却するにあたつて、前後するのが法律の建前からしますと語呂もよいように思いますが、この点の御見解を承つておきたい。
#50
○藤田説明員 これはその次に來ます文句のぐあいによりましてこういう文章になつたわけでありまして、ちよつとそういうような書き方にいたしますと、続きぐあいがどうだろうということでございます。
#51
○西村(久)委員 何ら続きぐあいは変更してもかわりないと考えるのであります。ただこの水産業團体の財産を処分する関係上これが主となつて上に出るべきような感があるのであります。
 次にお尋ね申し上げます第四條の第四項の文句はなかなか複雑で、かくのごとき複雑な文句で表さないでも、もう少し簡明率直にした方が法律としては体裁がよいように思いますが、その点に関する御見解を承つておきたい。
#52
○藤田説明員 非常に字句がむずかしいという御意見でありまして恐縮いたしておるのでありますが、いろいろ各方面で御審議を受けておるうちに、結局こういう文章になつたわけで、非常に難解な点もあるかと思つておりますが、字句の点は御了承願いたいと思います。
#53
○西村(久)委員 次長の御説明はわかるのでありますが、法律が長い混雑した文章になりますと、これを読んで判断する側は非常に頭を悩ますのであります。趣意がはつきりわかりますれば、簡單明瞭にすべきものであると私は考えております。この点は見解の相違になります。從いまして本案を処理いたします際に、文句の修正等があつて、語呂が簡單明瞭になつて趣意を徹底することになれば、その際に修正でもいたしたいと存じます。
 もう一つお尋ね申し上げます。この第二條の第二項でありますが、この二項はつくりかえて、一定の期間というところに一箇月を下らないという文字で表わした方が簡單でよいような感じがいたしますが、いかがでありますか。
#54
○藤田説明員 そのことも御趣旨ごもつともだと思います。これを一箇月を下らない一定の期間内というようにいたしますれば、どちらでも同じかと思つておりますが、これはおそらく從來の各法律にこいいう前例があつたのを踏襲した結果だろうと思います。
#55
○西村(久)委員 私の疑義の点はみな過去の踏襲だということでありますが、私は法律はなるべく簡單にしてわかりやすいものにつくつて行くべきものだと存じますから意見を申し上げたわけであります。これ以上質疑はいたしません。從いまして今後討論に入りますれば修正の意見のあるところをはつきり申し上げます。
#56
○藤田説明員 この印刷物に正誤訂正する箇所が三箇所ございます。これは、今正誤の訂正を手続中でありますが、念のために申し上げたいと思います。第一点は第三條の第三項「資産処理委員会の認定した價格によるものとする」とあるのを「資産処理委員会の定める價格によるものとする」。第二点は第八條の最後に「第十一條第一項の規定による認可の申請」とあるのを「第十一條第一項の規定による財産移轉の認可の申請」。もう一点は第九條の「帳簿價格と時價の範囲内で」とあるのを「帳簿價格と時價との範囲内で」と、「と」の字が入ります。
#57
○石原委員長 他に発言の通告もないようですから、これにて質疑を打切りたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○石原委員長 では本案の質疑はこれにて終局いたしました。
 ちよつと速記を止めてください。
    〔速記中止〕
#59
○石原委員長 お諮りいたします。本案に対して別に異論もないと思いますので、討論を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○石原委員長 では討論を省略し、本水産業團体整理特別措置法案を議題として採決に入ります。原案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕

#61
○石原委員長 起立多数によつて本案は原案の通り可決いたしました。
 この際お諮りいたします。本案に対する衆議院規則第八十六條による報告書の件は、委員長に御一任願うことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○石原委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト