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1949/05/18 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第15号
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1949/05/18 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第15号

#1
第005回国会 水産委員会 第15号
昭和二十四年五月十八日(水曜日)
    午後一時三十二分開議
 出席委員
   委員長 石原 圓吉君
   理事 小高 熹郎君 理事 鈴木 善幸君
   理事 玉置 信一君 理事 松田 鐵藏君
   理事 林  好次君 理事 砂間 一良君
   理事 小松 勇次君
      川端 佳夫君    川村善八郎君
      五島 秀次君    出口長治郎君
      永田  節君    夏堀源三郎君
      二階堂 進君    西村 久之君
      奧村又十郎君
 出席國務大臣
        農 林 大 臣 森 幸太郎君
 出席政府委員
        総理廰事務官
        (経済安定本部
        生活物資局長) 東畑 四郎君
        総理廰事務官
        (物價廰第二部
        長)      長谷川 清君
        水産廰長官   飯山 太平君
 委員外の主席者
        農林事務官
        (水産廰次長) 藤田  巌君
        農林事務官
        (水産廰経済課
        長)      久宗  高君
        專  門  員 小安 正三君
        專  門  員 齋藤 一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 閉会中審査に関する件
 漁業法案(内閣提出第一八六号)
 漁業方施行法案(内閣提出第一八七号)
 水産行政に関する件
    ―――――――――――――
#2
○石原委員長 これより会議を開きます。
 漁業法案、漁業法施行法案、水産行政に関する件、以上三件を議題といたします。
 議事に入る前にこの際、お諮りいたします。まず、閉会中の審査に関する件でございますが、本委員会におきましては、今会期の初め國政調査の承認を得まして漁業権に関する事項、並びに水産物の生産増強に関する事項の二項に関連する諸問題につき、あらゆる角度より種々調査研究をして参つたのでありますが、会期終了も迫りましたので、この際國会法第四十七條第二項により、閉会中もなお継続して、審査をいたしたいと思います。よつてこの旨議長に申し出ることに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○石原委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。
 次に、かねて御相談いたしておきました、漁業権に関して各漁区、各業種別における実態調査のため、現地観察を行いたいと存じますが、委員派遣の承認申請はさきに協議決定を願いました継続審査が院議で議決せられたのち手続をいたすのでありますが、本日あらかじめお諮りいたしておきます。委員派遣の人選、派遣地、期間、期日及び申請の手続き等につきましては、委員長に御一任願うことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○石原委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。
 これより漁業法案、漁業法施行法案、水産行政に関する件につきまして審議に入ります。順次御質疑を願います。
#5
○鈴木(善)委員 漁業法の一部改正法律案の内容につきまして若干質疑をいたしたいと思います。まず第一点は、漁業調整会の性格についてであります。この漁業調整委員会は、行政機関であるか、あるいは行政機関でなく、単なる行政官僚に対する民間の諮問機関たる性格を持つものであるか。この点を明確にしておきたいと思うのでありますが、当局の見解はいかがであるか、お伺いいたしたいと思います。
#6
○久宗説明員 漁業調整委員会の性格でございますが、これは行政機関でございます。いわゆる法律によらない単なる委員会というものではないのでございまして、行政機関としての性格を持つておるものでございます。
#7
○鈴木(善)委員 漁業調整委員会が行政廰としての性格を持つものであれば、この行政廰たる漁業調整委員会の運営に要する費用は、当然國家の経費でまかなうべきものと考えるのでありますが、さきに当局の説明を聞きますと、漁業権等の補償と、漁業調整委員会の運営に関する費用は、免許料、許可料でこれを支弁するということには、そこに大きな矛盾が存在するわけでありますが、この漁業調整委員会が行政廰であるという見解と、この運営の費用を許可料、免許料でまかなうということの矛盾を、当局はいかに考えておられるか。この点をお尋ねしたいと思います。
#8
○久宗説明員 漁業調整委員会の費用をまかなうことにつきまして、免許料でとりました財源をこれに充てるということにつきましては、再々御質問が出ておるわけでありますが、農地改革におきましては、農地委員会の費用その他農地改革全般の費用につきましてて、國庫で支弁しておるわけでございます。それに対して漁業制度改革においては、なぜ委員会の費用を國で負担しないのかという御質問だと思うのですが、漁業改革におきましては、制度の切りかえをいたしますのに大体二年間の準備期間がいるわけでございます。この間において新しい漁業制度の組立てができるわけでございまして、この間の費用というものは、やはり國がまかなうことになつております。そういたしまして、いよいよ制度が実施に移され、漁業整理が行われましてからの費用というものにつきましては、免許料がまかなつて行くという二段構えになつておるわけでございます。この考え方は、制度改革そのものにつきましては、これはもちろん國で見るのだが、その制度改革の結果について、それをどう押し進めて行くかという問題につきましては、漁業調整委員会の性格が、單に農地のように、農地を買い上げて、それを賣り渡して行くということの、その切りかえのための措置ではなくて、一旦漁業権というものを受理いたしましたあと、新たに漁業権を與える。それを調整して行く恒久的な機関と考えておりますので、漁業を整理いたしましたあと、調整委員会の費用というものは、そういう恒久的な費用と考えまして、それによつて受益する関係者の負担というふうに考えたわけであります。ただこれを全額負担すべきかどうかという問題につきましては、いろいろ御議論があると思うのでありまして、特に租税その他におきまして、一般の費用をすでに持つておるのであるから、その関係はどうかという点が問題になるかと思います。また免許料が非常に経営そのものを脅かすような負担になつて行くというような場合においては、時に考えなければならぬ問題だと思います。考え方といたしましては、農地改革の場合に非常に金がかかつたということと、その後いろいろ経済情勢が非常に変化いたしまして、ことに九原則その他の問題になりましてから、そういつた制度改革というものはもちろん必要であつて、それが非常に、國費をとるというような場合に、その関係者においてこ、これを一應まかなつて行くという考え方も出て来たわけでございます。そういうような考え方から、免許料で負担をして行くという考え方をとつたわけであります。
#9
○鈴木(善)委員 今農地委員会と比較されての御答弁があつたのでありますが、かりに二箇年間の改革期間を経たあとにおきましても、当然これはれ行政廰の経費は國庫から支弁することが妥当である。こういう見解には何ら間違いがないと確信するものであります。今日まででさえ、水産廰におきましては漁業権の更新免許にいたしましても、その運用上の費用は官僚が國費をもつてこれをまかなつて来ておるのでありまして、受益者にはこれを負担せしめていなかつた。今回の漁業権改革を実施するために、あらためて性格がかわつて来たものではないとわれわれは考えるのであります。この漁業調整委員会が行政廰でなくて、單なる民間諮問機関でありますならば、受益者がこれを負担するということの理論も成立つわけでありますけれども、行政廰としての性格を持つものでありますならば、当然これは國家の経費で支弁するのが当然であります。この点は本委員会としてはとうてい納得の行かない点でありますので、今後の委員会の審議にあたつて、十分慎重に考慮すべき点だと考えるものであります。
 次に漁業調整委員会の機能でありますが、漁業調整委員会はこれは単なる諮問機関なのか、それとも実質的には決定機関であつて、地方長官はその調整委員会の決定したところの議に基いて、單なる事務手続、行政手続をやるというように、実質的にはこの調整委員会が決定機関たる権威を持つものであるかどうか。この点を明らかにしていただきたいと思います。
#10
○久宗説明員 漁業調整委員会は、法律的に申しますると決定機関ではなくて諮問機関でございます。しかしながら実質問題といたしましては、ただいまお話のありましたように、実質的な決定権を持つ権威のあるものでありまして、この決定の線に沿いまして、行政官僚のそれぞれの行政処分をするというようにお考えになつていいと思います。
#11
○鈴木(善)委員 次に漁業調整委員会が調整すべき事項は、今回の漁業権に関する調整だけでなくて、その海区におけるところの許可漁業につきましても、全般にわたつて審議するところの機関と解釈してよろしいのであるかどうか。この点も明確にしておきたいと思います。
#12
○久宗説明員 漁業調整委員会は、漁業権の免許というような場合に、それに対して意見を述べるという問題は漁業権に限られておるわけでありますが、その漁業調整の仕事といたしましては、その海区に関する漁業の一切について権限を持つわけでありまして、それは指示というような方法によりまして漁業調整にあずかるわけであります。それでありますから許可漁業についても、また自由漁業についても同様であります。
#13
○鈴木(善)委員 次に漁業調整委員会の構成の点でありますが、漁民委員は漁民の選挙によつて選任する。これは依存がないのでありますが、学識経験のある公益代表委員、これらの選任にあたりまして、知事が天くだり的に選任する方法はいかがかと考えるのであります。これを知事が天くだり的に選任をせずに、直接選挙によつて選ばれましたところの漁民委員の推薦者の中から、知事がこれを選任するというような民主的な方法をとつてはいかがかと考えるのでありますが、当局はさようなぐあいにこの選任方法を改めるご意思があるかどうか。この点をお伺いしたい。
#14
○久宗説明員 学識経験委員の選任方法でありますが、現在法文上この点を明確にするところまで考えておりません。ただ当然御趣旨通りであるべきであつて、学識経験委員を漁民のもつとも支持する学識経験者の中から選任すべきであると思つております。
#15
○鈴木(善)委員 次に漁民委員を選挙する場合の選挙権及び被選挙権を有する者の資格條件であります。本案によりますと、一年に九十日以上漁船を使用する漁業を営み、またはこれに従事する者、こういうぐあいに限定しておるのでありますが、漁民の中には申すまでもなく漁船を使用しなくても、磯浜におきまして海藻とかあるいは貝類とか、そういうようなものを採取する漁民もあるのでありますが、そういう漁民諸君には選挙権及び被選挙権はないかどうか。この点をお尋ねいたします。
#16
○久宗説明員 ただいまの調整委員の選挙権及び被選挙権の問題でありますが、漁船を使用するという言葉を使つておりますが、これは漁船を所有しているという意味ではないのでありまして、漁船を使うという点をここに明らかにしているわけであります。ただこの場合今のお話のように、漁船を使用しない場合はどうなるかという点につきましては、八十六條の二項におきまして、ある海区で特殊な事情があります場合には、その海区の委員会の意見を聞きまして、第一項にきめましたような選挙権及び被選挙権の範囲を拡張し、または限定することができるということになつておりまして、たとえば今お話のあまのようなものにつきましては、当然こういう規定の適用によりまして、その範囲が拡張されまして、選挙権、被選挙権を持つことになると思います。
#17
○鈴木(善)委員 当局が言うように、選挙権、被選挙権の解釈を、当然漁民である限りは、船を使おうと、使うまいと、與うべきであるという見解をもつていたしまするならば、この漁船を使用するとい限定條権は削除して、漁民である以上選挙権、被選挙権を與えるべきであると思いますが、この点を修正なさる御意思はないかどうかということを重ねてお伺いいたします。
 次に共同漁業第一種の漁業のようなものにつきまして、その共同漁業権を免許されたところの協同組合員と協同組合に加入しないところの非組合員たる漁民との間に、何らかの組合の規定なりあるいは内規なりによつて、制限を設けるというようなこと等が行われはせぬかということを憂慮するものでありますが、これに対する当局のお考えはどうであるか。この点をお伺いしたいと思います。
#18
○久宗説明員 第一のご質問の、漁船を使用するという点を修正する意思があるかどうかというお話でございますが、この点につきましては、たとえば農業のようにはつきり何町歩持つているとかいうような明確な規定ができませんので、従事日数と漁船という一つの基準を置いたわけであります。ここで考えますのは、いわゆる純粋な漁民というものを規定するために、こういう字句を用いて、それによつて非常に不都合が起こります場合に、それを緩和する規定をあとへ設けたわけでございます。一応現在のままでいいと考えております。
 それから第二の点でございますが、それはこういうご質問であつたと思います。すなわち共同漁業権その他の漁業権につきまして、協同組合が與えるという規定がございます。そういう場合に、協同組合に入つていない者の保護に欠けやしないだろうかというご質問であつたと思いますが、この点につきましては、漁業権が分割できませんので、どうしても基本的な地元の漁民というものの團体に與えようといたします場合に、協同組合ということを考えざるを得なかつたわけでございまして、ただそれが加入、脱退の自由であるという点をどう調整するかということが問題であつたわけでございます。そこで今度の法律によりましても、たとえば根付漁業といつたようなものにつきまして、当然組合に入らぬものでもとつている場合があるわけでございまして、そういうような組合員と組合員以外の人との関係については、これは当然漁業調整委員会が直後に指示を、いたしまして、その間を調整して行くということを考えているわけでございます。
 そのその他漁業協同組合が免許をとつて参ります場合に、免許をとつたあとそれに入りたいというような問題が出て來た場合とか、あるいはある組合だけが持つておつて、他の組合がむしろ共同して持ちたいといつたようなものが必要なのでございまして、この点は各漁業権の内容によりまして、一部のものが独占すること、あるいは組合員と組合員外の者との間に非常な差別待遇が起こるというような面についても、調整の規定を置いているわけであります。
#19
○鈴木(善)委員 この根付漁業の漁業権を協同組合に與えるという当局の御趣旨は十分わかりますが、その協同組合が漁業権を獲得いたしました場合に、その運用にあたりまして、組合員たる者と非組合員たる者との間に差別待遇を設けることになりますと、協同組合に対する漁民の加入脱退自由の原則が制約を受けることに相なるわけでありまして、これは海区漁業調整委員会の指示によつて、初めて非組合員たる漁民が擁護されるのでなくて、当然非組合員たる漁民といえども、根付漁業権等の行使はできる、こういうぐあいにやるのが法の精神であるべきであると考えるのでありますが、重ねてこの点を明確にしておきたいと思うのであります。
#20
○久宗説明員 ただいまご質問でありますが、協同組合の規定の中自体に、正当な事由がなければ、加入脱退を拒んではいけないという規定がありますので、一般的にはその問題で片づくわけであります。ただこの場合に、権利と直接結びつきますので、その点をもつとより明確にしなければならぬということであります。たとえば根付漁業のようなだれでも実際やつているものを、権利として第三者の侵害から守るために、特に権利化しなければならぬ、そのためにこの共同漁業権の中に繰入れられてありますので、その場合の問題につきましては、権利主体を明確にしておく必要があると思います。ただその場合に、なおかつ今おつしやいましたような組合は、海区の関係でどうなるかという点につきまして問題が起こりますので、これも一般的には漁業権の行使が適切であるかどうかという点で、委員会が指示できるわけでありますが、特にその際には法文の中にうたいまして、條文は第十四條の八項でございますが、そうい場合には、組合員と組合員でないものとの関係において、共同漁業権の行使を適切にするために必要な指示をするかという点を――これは法律的に申しますと、一應二重になつておりますが、特に明確にその條文の必要に近いところで規定したわけであります。
#21
○石原委員長 ちよつと鈴木君にお諮りいたします。今安本の生活物資局長と物價廰第二部長が出席されておるのでありますので、漁業法案の方を一時中止して、この方面の質疑をやつていただいたらと思います。――御異議がなければ、どうか安本の生活物資局長並びに物價廰第二部長に対して御質疑を願います。
#22
○奧村委員 農林大臣にも質問があるのです。
#23
○石原委員長 では農林大臣に願います。
#24
○奧村委員 農林大臣に漁業法及び同施行法に対する政府の根本的な方針について承りたいと思います。
 申すまでもなく、漁業法はわが水産行政についての憲法とも言うべきものと思うのであります。旧漁業法はこの法施行によつて改正される。この漁業法の精神について、一つは民主化を促進する、一つは生産力を向上させる、こういうふうに言われておるのであります。しかし民主化と生産力増進とは、必ずしも両立はしないと思うのであります。この法を作成するにあたつて政府としてはいたずらに机上のプランに堕しておるのではないかという疑念を持つのであります。その一つの具体的な問題として、私は漁業協同組合の問題についてお尋ねいたしたいと思うのであります。それはすなわち、従来の漁業権は一応消滅させる。そうして特に定置漁業などについては、まず漁業協同組合の自営をもつて第一優先順位をを與える。すなわち従来の個人的な資本家をボイコツトして、漁業協同組合に優先的に漁業権を與える。これが漁業の民主化であり、生産力の向上である。これが漁業法のまず一番大きな今度の変革であろうと思うのであります。しかし必ずしも協同組合が民主化であり、生産力向上であるとは私は考えない。今日まで漁業協同組合の漁業自営については、たびたび自営を望む声があつたのでありますが、政府としては、漁業協同組合の自営は特定の場合でなければ許可しなかつた。なぜ許可をしなかつたかと言えば、漁業のような危険性のある事業を協同組合に自営さしたならば、もし不漁などで大欠損を起こすならば、漁業自営よりも、むしろ協同組合そのものを破壊してしまう。こういうおはからいのもとに、協同組合の自営を許さなかつた。今度は協同組合の自営をまず第一優先順位において、これを進めようとなさるのであります。今までの政府の方針と根本からかわつた。そうすると今日政府におかれて、自営が協同組合の漁業の経営に対して適当なものとお認めになるようになつたのであるかどうか。この点をお伺いしたいと思うのであります。そこでいささか私の考えを申し上げ、なおご意見を承りたいと思うのであります。
 大体今日の漁業協同組合は、以前の漁業会でありますが、この漁業会なるものは、非常に強固な統制規定がありまして漁村における非常に強固な團体であつた。しかるに今度漁業協同組合にかわつて、加入、脱退が自由になつておる。また漁民のみに限られておる。また役員は一年ないし二年、非常に短期である。また民主化の規定のために、役員の改選は何どきでも行われる。また総会においては議長は組合長でない。從來の漁業会と比べますると、民主的ではあるかもしりませんが、非常に弱体なものである。こういう漁業協同組合が、相当大規模な定置漁業などをはたして満足に経営できるかどうか。特にここに指摘して申し上げたいことは、この漁業法の第十六條、十一項によりますと、漁業協同組合が自営する場合、地元の漁民たるものは協同組合に加入したい場合はいつでも加入できる。これを正当なる事由なくして組合は加入を拒むことはできない。また脱退も自由であります。としたならば、こういう漁、不漁の非常に差別のある場合において、大漁で組合の内容がよくなると、さつと入りたい。われも入りたい、かれも入りたい。不漁が続くとみんな出たがる。景気のよいときは入る。悪いときはみな出る。そういう弱体な協同組合でもつて、はたして漁業経営ができるか。今までのように相当制限規定を設けて、統制の強かつた漁業会ですら、漁業自営が不適当なりと考えられていた。それが今回弱体な協同組合組織でもつて、漁業自営をやらせる。この点に漁業の実態に沿わない考え方でなかろうか。しかもこの漁業協同組合に優先順位を持たせようというのは、この漁業権の改革において、政府として最も大きく取上げた問題である。そこで実は私は過去約十箇年漁業会長をやつておりましたもので、またこの法に規定された漁業会の自営を過去五箇年やつて来た者であります。一番困ることは、この民主的運営において、大漁のときはよろしいが、不漁のときは、もう組合の統制がとれない。またそういう統制がとれないからこそ、金融面においても非常に困難である。現在長年続いて來た漁業会が、すでに不漁のために破産しかかつておるのであります。こういう体験を持つておりますと、一概にただ協同組合であれば、ただちに優先順位を與える、これははなはだ漁業の実体に沿わない規定であると思うのであります。もちろん漁業協同組合を育成することはけつこうです。しかし漁業権をまず優先順位に協同組合に與える規定は危険である。この規定はまず排除して、協同組合の育成はまた別途の方法で育成せられる。またまだどういう協同組合であろうとも、一応法規上書類さえ整つたらこの協同組合に漁業権を持たせるということは、非常に危険であると思うのであります。この点ご意見を承りたい。ということは、どうも農林省の案というものは、漁業の実体に沿わずに、机上プランが多いのではないかそういう不安がありますから、お尋ねを申し上げるのであります。
#25
○森國務大臣 お答えいたします。奥村議員が、專門の立場からのご意見をつけての御質疑でありましたが、決して農林省は机上の空論を描いておるわけではないのであります。從來の漁業の経営があまりにも非民主的であつたことから考えて、この法案の構想しておることが、今日の民主主義の立場から妥当である、こういう考えを持つておるのであります。つきましては、協同組合に自営さすことははなはだ危険である。なるほど大漁が続いた場合においては何ら文句はあるまい。しかし不漁続きの場合には自営が危険になつて、いろいろの障害が出て来ることと思うのであります。これは個人経営をいたしておりましても、共同経営をいたしておりましても、漁、不漁ということはどうも天然自然の力に支配されることが多いのでありますから、これは一概に論ぜられないのでありまして、ただ協同組合というものに第一の特権を與えて自営せしめるということにいたしましたことは、民主主義的な立場から協同組合というものが、眞に漁業者が打つて一丸となつて、同一の目的を遂行するために協同の力を持つて進もうというこの力強き結果、この姿こそ今日の漁業を経営する第一の條件として、これを第一位に置いたわけであります。漁業協同組合のその幹部が、專横に事業を経営するということではなしに、この協同組合は漁区民の三分の二以上の同意がなければならないのでありまするから、決して幹部が横暴をいたして、組合の迷惑も顧みないという、そういう專断的なことはないのであると私は考えておるのであります。なおこの協同組合に加入脱退が自由ではないか、よければ集り、悪ければ去るというような状態のものに重きをおくことはいかんではないかという御意見ですが、加入脱退にもおのずから制限があります。そうほしいままにいいときには入り、悪いときには去るというような自由は許されないのでありまして、自由な意思でありましても、加入するには加入の手続があり、脱退するには脱退の手続があるのでありますから、そういう氣まま勝手に、いいときには入つてやろう、悪いときには出てやろう、そういういわゆる共同経営の観念のない人は、もとより協同して一緒に漁業を営む資格のない人であると考えるのであります。眞にその漁場を守り、漁業権を獲得するという権利を得られた場合には、漁業者が一丸となつて漁業の増産に励むという気持を協同組合に植え付けて行かなければならない。またさように指導して行くことを、われわれは考えておるわけであります。決してこれが非民主化でもなければ、今日の場合おいて、こういうふうにやるべきことが最もいいのでにないかという信念のもとに、この法案を作成提案いたしたわけであります。
#26
○奧村委員 まことにくどいようでありますが、この問題は一番重大な問題でありますし、なおつけ加えてお尋ねいたしたいと思います。農林大臣のただいまの御答弁は、やはり農林省のこの法案を種々準備された方々の御意見と同じであります。私は必ずしも漁業協同組合の自営が悪いとは言つたのではないのであります。私どもの福井縣とか京都府においては、漁業協同組合自営の方が多いのであります。しかしこういう自営が自然的に発生して來ましたのは、非常に優秀な漁場であつて、大体年平均悪くいつても損はいかない、そういう漁場に限られておるのであります。ところが最近におきまして、定置漁業の情勢が次第に悪くなりまして、こういう特に優秀な漁場はともあれ、一般の漁場としては非常に危険がある。そこでただいま農林大臣が言われましたが、加入脱退の場合において、それを簡単に入れたり出したりするのを許すということにしないと言われますが、この條文には、加入の場合には正当な理由なくしては加入を拒むことはできないというように書いてあるのであります。従つて組合員に入りたいという場合に、豊漁が続くから入れられませんとは言えないはずと思う。もしも大漁の場合に入りたいというのを断ることができるならば別問題でありますが、法文では、そういう解釈はできぬと思います。そこでつまり協同組合自営につきましては、優先順位ということは、全目的一律にこの條文を置くということは、いたさないことにしたらどうかと思うのでありますが、重ねてお伺いします。
#27
○森國務大臣 特殊な地域に限つてそういうことを設けるというようなことは、法の実態からでき得べきものでありません。また加入脱退はもとより自由であります。自由でありますけれども、あなたも長く漁業のお世話をなすつておられたように承つておるのでありますが、加入金もとられ脱退処分も受けるのですから、事実問題として、同じ漁村に住んで漁業に従事しておる組合員が、今年はとれそうだから入つてやろう、今年は不漁だから出てやろうというようなことは、事実できることではありません。そう土地のものが出たり入つたりすると、その人は信用がなくなる。これは考えられることは考えられますけれども、事実問題としてはそんなことにないと思います。漁業協同組合が三分の二一以上の同意がなければ、自営できないといえばできないで、その漁業権は他の人が経営すればいいのであります。あなたのおつしやるように漁業は危険が伴うのでありますから、漁業協同組合にやらすことについては非常な損害を分担せしむる、あるいはその経営が困るというようなことに、事実をよくお知りの奥村君でありますが、また私も知らぬでもないが、そういうことはおそらくないと考えております。
#28
○奧村委員 この問題はこれ以上お尋ねしてみましても議論になりますので、要するに協同組合の自営は必ずしも全部にふさわしいというわけではないということを意見として申し上げます。
 それからいま一つ、これは以前にも鈴木委員から指摘されましたが、この規定以外の漁業に対して、この漁業法の規定においては大きな問題があると思うのであります。それはここに規定された区画漁業権、定置漁業権、それから共同漁業権、この漁業権のほかにあるものできんちやく網漁業、あぐり網漁業、底引網漁業、これらの沿岸漁業については、何の規定もないのであります。ただ単に地方長官が海区調整委員会に相談をかけて制限をするということであります。しかし漁業の実態は次第にかわつて來ております。今日沿岸漁業の主力は、定置漁業のような比較的非科学的な漁業よりも、機動的なきんちやく、底引、あぐりというようなものに重点が移つておるのであります。この重点が移つた漁業に対しては、ほとんど規定がされない。もう一つつつ込んで言えば、こういう重点の移つた漁業に対しての免許、許可などの優先順位、適格順位、これらの規定は何もなく、またこれらに対する免許料、許可料をとるということも、明らかな條項はない。この点はいかがでしようか。
#29
○久宗説明員 ただいまの、許可漁業について全然触れていないではないかというお話でございますが、許可漁業につきまして、これを現在漁業権と同じように、全面的に切りかえるということは考えなかつたわけでありまして、実際問題といたしまして、委員会がそういう十万件に上りますような許可を全部そのまま扱つて行くことは、事実上もできないのであります。そこで基礎になつております漁業権のやり方が、この二年間に大体具体的に固まつて行くわけでありまして、それと並行いたしまして、各地方々々において、いろいろ許可の事情も違うと思いますので、それと関連いたしまして二段の措置が必要であろうと思うのであります。その場合に、一齊の切りかえということはおそらく必要ないのではないかと思うのでありますが、いずれにいたしましても、機械的に非常に差異があります点と、件数が非常に多いという点から、個々に取上げて考えて行くというよりは、もう少し漁業権を中心といたしました漁業の行使方法と関連いたしまして、各一地方の委員会ができて参りました場合に、これから具体的な意見が盛り上つて参りました場合に、これを取上げて制度化して行くという、二段の構えが必要化と思つておるわけであります。今度の場合におきましては、ただ地方漁業調整委員会がそういう関係について指示ができる。また一般的に地方長官が取締り規則をつくりますます場合に、関係の委員会の意見を聞くという二点だけを、法律の上では基いておりますが、具体的に申しますと、今言つたような見通しをもつて進めて行こうと考えておるわけであります。
#30
○奧村委員 ただいま御答弁少し不満足に思います。かりそめにも漁業法として、従来の漁業法を廃止して新たに漁業法を――その沿岸漁業の分野におきまして、これは正確な統計ではありませんけれども、定置、区画及び共同漁業権をこの漁業法で規定した漁業権を除きますと、沿岸漁業の分野におきまして、この漁業法に規定してない分の漁業は、おそらく六割、七割を占めるだろうと思うのであります。この問題が何ら規定してない。しかも漁業法の精神は民主化であり、生産力向上である。その規定してない分にこそ民主化をせなければならぬし、生産力を向上しなければならぬ。その点について何らの規定を触れておらぬ。たとえば民主的に優先順位、適格順位をこしらえなければならぬが、これに何の規定も触れておらぬということについては、漁業法として規定する以上、しかも今までの漁業法を廃止する以上、非常にこの法としては不備である。どうしてもこれはこの際この規定をつけて出さねばならぬ。またいま少しく海区調整委員会にこれに関する権限をつけて行かなければならぬ。また免許料、許可料を取るならば、これもはつきりつけて行かねばならぬと考えるのでありますが、大臣の御意見をお伺いいたしたいと思います。
#31
○久宗説明員 先ほどのご説明が少し不十分だつたかと思いますが、もう一回申し上げます。許可漁業には全然触れていないのではないのでありまして、地方の許可、取締りの根拠規定は、もちろんこの法案の中に書いてあるわけであります。それはこの法律を施行いたします場合に、当然地方の許可規則もかえなければならないわけでありますが、具体的に現在許可されております十万何件かのものを、一々当つてこれをどうする、ああするということをやりますことは、現在の委員会の出発当初において、事実問題として考えられないと思うのであります。もちろんその場合に許可の方針その他について、ほつたらかしというのではないのでありまして、漁業権制度の行き方と大体同じような考えで、漁場の総合的な漁という点から見まして、これを規定して行かねばならぬわけでありますが、それを一々法律で、この規定の中に、全國一律に一つの優先順位なら優先順位の規定を設けるということに、かえつて実情に即さないと考えまして、それはもつと各地方で漁業調整委員会が具体的にできて参りまして、その優先順位一つの標準というものができました場合に、それを法案の中に繰り込む。そしてそれ以外のものを各地方の実情に応じてつけ加えられるような措置が必要かと思うのでありますが、現段階におきましては、全國一律に許可の内容を規定してしまうということは、事実上できないと考えておるわけであります。
#32
○砂間委員 ちようど大臣がご出席になつておりますので、四つばかりの問題について、大臣に御質問申し上げたいと思います。
 第一点は漁業権についてでありますが、この漁業法案のこまかな点につきましては、あとで一問一答式に別の政府委員の方から詳しくご説明を聞きたいと思いますから、大臣には総括的にひとつお伺いしたいと思うのであります。先ごろ大臣は、この漁業法案の提案理由の説明につきまして、国内各分野における民主化を達成し、この基盤の上に生産力を発展させる。そういう趣旨からいたしまして、今度の漁業法案を提出されたというふうにご説明なさつたのでありますが、しかしこの法案の見せかけは、一見民主的な装いを凝らしておりますけれども、これを実際に運営して行く上におきましては、まさにその正反対になるおそれがあるというふうに私は考えるのであります。その理由といたしましては、第一、これまで專門漁業権の中に含まれておつたところの浮魚をみなはずしてしまつたという点、しかもその残つておるいろいろな漁業権を、優劣順位や適格性の点からいたしまして、協同組合に第一義的に優先的に與えて行くという仕組みにはなつておりますけれども、しかしその協同組合というものが、現在の状況におきましては、資金と力が非常にないのであります。そうしてまた今度の漁業法案におきましては、漁業権の賃貸しとかまた貸しというふうなことが禁止せられておる。そうすれば協同粗合に優先的に與えるというような形にはなつておりましても、実際に協同組合が自営できないという結果になるのであります。従つてその漁業権は、結局資力のある者、結局資本漁業に行くということにならざるを得ないと思うのであります。この点につきましては、先だつて藤田次長の説明を聞きましても、金融の問題につきましては別途考慮するというふうなことは申しておりましたけれども、別途考慮するような具体的な措置は何ら講ぜられておらないのです。從つて資力のある者に実際上行くことは、明白な事実だと思うのです。しかも漁業権を付與するについて、有力なる諮問機関になつておる漁業調整委員会というものの権威が、一應選挙制にはなつておりますが、これは海区から出すことになつておる。海区から出せば、大体その海区で顔の知れた、そうして資力のある者が出て来るにきまつておる。市町村の漁業調整委員会というもまして、海区漁業調整委員会というものにして、その漁業調整委員会も、本質的には知事の諮問機関みたいになつておつて、最後の権利は知事が握つておるというような、まつたく官僚的な仕組みになつておるのであります。そうした実情におきまして、これまで漁業会が持つておつた專用漁業権の中から浮漁をはずしてしまい、そうして協同組合に與えるということになつておるけれども、その協同組合は力がないために自営できない。漁業調整委員会の構成からいたしましても、これがきわめて官僚的なものになつておるという点からいたしまして、このすべての漁業権が、事実上において有力なる資力のある者に行くということに、これは実際の運営において明白だと思う。しかも他方におきましては、非常にべらぼうに高いところの免許料や許可料を取られる。これは漁があつても不漁でも取られるということになるとしましたならば、これまで漁業権を持つていろいろ漁業やつて参つたところの沿岸の零細漁民というものは、まつたく漁業権は取上げられてしまつて自営できない。どうにもこうにもならない窮状に追い詰められて行くことは、はつきりしておると思うのです。そうして見れば、この提案理由や、あるいは漁業法案の中の一見民主的な装いを凝らしておるというその見せかけにもかかわらず、事実において沿岸の零細漁民から漁業権を取上げてしまつて、これを破滅に導いて行くという結果になると思うのです。従つて私どもといたしましては、もし眞に大臣が先だつて説明いたしましたように、日本の民主化ということと、その民主化の基礎の上に立つて生産力を発展さして行こうという意図がほんとうにおありであるならば、一切の漁業権を協同組合に與えて、協同組合は賃貸しやまた貸しをしてもよろしいとかえること、そうして協同組合の自営を助けるために、必要な資材や資金を國家が十分保障すること、それから漁業調整委員会の構成は、実際の漁民の代表を階層別の選挙によつて送つて、それを決定機関とすること、これらの措置を構じなかつたならば、日本の漁業の慎の民主化はできないと思うが、そういうふうに改正される意思はないかどうか。今度の非常に中途半端な、不充分な漁業法案を撤回されまして、私が申したような趣旨に改めて、もう一ぺん法案を練り直す意思はおありにならないかどうかという点を、まず第一にお聞きしたいと思います。
#33
○森國務大臣 りくつはどうでもつくのでありますが、決して私はこの法案が民主主義に逆行するものとは考えておりません。
 なお知事の取扱いが官僚的であるというお話でありますが、すでに知事は皆さんの知事であり、皆さんがお選びになつた知事でありまして、あくまで官僚にあらざる知事が行政しておるのでありますから、知事が法律の定める範囲内において行うことは、決して官僚式ではないと思います。さような立場なら、この法案をあえて再提出するような意思は持つておりません。
#34
○砂間委員 漁業法案の点については、いろいろ問題はありますけれども、あとに別の機会にお尋ねするといたします。
 第二に漁区拡張の点について大臣にお尋ねしたいと思います。漁区を拡張してほしいという要望は、西は長崎、九州のはてから、北は青森、北海道のはてまで、全漁民の切実なる要望であります。またこの水産委員会におきまして、しばしばの懇談会の席上などにおきまして、ほとんど全委員が一致して、漁区を拡張してほしいという要望をしておるのでありますが、私どもといたしましては、東支那海及び黄海を初めとし、太平洋から北洋漁場方面で、全面的に漁区を拡張していただきたいという要望を持つているわけであります。関係國といたしましては、単にアメリカばかりでなく、廣く中國、ソビエトその他関係系列國を含めまして、もつと民主的な基礎の上に、漁区を拡張してほしいという熱望を持つておるのでありますが、これに対して政府はどういうお考えを持つておられるか、またどういう措置をとつておられるかという点について、大臣にお尋ねしたいと思います。
#35
○森國務大臣 この点については、かつてこの委員会で私の考えを申し上げたと記憶いたしておるのでありますが、漁区の拡張については、政府は今お述べになりました御熱意以上の熱意をもつて、その実現に努力いたしておるのでありますが、御承知の通り、今はある一定の限度を示されておつて、動きたくともそれ以上にどうにもこうにも動けないのが日本の漁業であります。しかも何としてでも漁区を拡張してもらいたいというのは、業者だけの希望ではありません。日本の食料事情から申しましても、当然われわれに起る要望であるのであります。政府といたしましては、すでに閣議でもこの問題に取上げまして、関係方面に漁区の拡張を懇請いたしておりますし、私もこの問題について、関係方面に直接交渉もいたしておるわけでありますが、ご存知の通り、日本人は非常に道義を守らない点が多いのであります。日本の現在置かれている位置は、今さら申すまでもないのでありますから、ようやく許されている範囲内において、つつましやかに漁業を営んでおるのに、漁獲がない、しかし食糧問題はむずかしい、何とかしてわれわれはもう一歩でも外へ出してもらいたいという苦衷を訴えて、食糧問題に関心を持つている連合國の立場として、なるほどそれはそうだという了解のもとに、初めてこれが許されるのであります。しかるにこちらから要望するまでに、すでに領域外に逸脱しておるのであります。そうなると、ここから出てはならないというのに、その約束を破つた、こういう國民にさらにある程度の漁区の拡張を許せば、たとえそれ以上逸脱して行く、どこまで行くのか日本の漁業者のやり方はわからない、そういう不道義な立場におつては、今日の國際情勢から言つても、とうてい漁区の拡張をすることは許されないというのが、一応連合國の考え方であります。そこで今回政府におきましても、われわれは中國の人と一緒に共同してやつてもいいのだ、決して中國の人の漁業をじやまするものではない、そうして今回許された区域においては、断じて逸脱しないように政府みずから責任を持つから、どうか漁区の拡張をしてもらいたいということを、今懇請いたしておるのであります。なおまた捕鯨の問題につきましても、現在二船隊が許されておるのでありますが、さらにもう一船隊許してもらえぬかということを懇請しておるわけであります。今連合國においても非常に同情せられまして、この捕鯨の回数をさらにも一回ふやすように何とか努力しようと非常な好意を示されているのでありますが、政府は今お述べになりましたようなことに決して冷淡ではありません。一日も早くこの水産業の発達、われわれの食糧問題の解決のために、漁区の拡張についてはあらゆる手段を講じ、われわれのなし得られる範囲においての努力を傾中いたしておることを御了承願いたいと思うのであります。
#36
○砂間委員 漁区拡張につきましては、政府もいろいろ努力しておるようでありますが、ある特定の一國に頼るということでなくして、私どもは全面的に拡張することを、日本国民の懇意として政府に当たつていただきたいと思うのであります。そのためには、たとえば北洋漁第におきましても、従来の日魯漁業や何かのような大きな資本家が独占的にもうけるというやり方ではいけない場面もあるのではないか。やはり民主化した基盤の上に立たなければ、そういう要望もいれられないのではないかと思うのでありますが、そういう点について、さらに政府が積極的に努力されんことを切望しておきます。
 その次は第三の質問でありますが、旧漁業会の資産処理についてでございます。この問題につきましては、私はさきごろ千葉縣水の問題等を例にあげて、水産廰長官にも質問したことがあるのでありますが、そのとき長官は、まことに遺憾であつた、千葉縣水では資産の不当処理という省令違反の事実があつた、今後なるべくそういうことがないように氣をつける、またあの問題の善後処置については、しかるべく善処すると申されたのでありますが、今度はまた東京の葛西漁業会におきましても、先般の解散総会において、実にでたらめな資産の不当処理の事実が暴露されたのであります。たとえば帳簿組織などにしても実に四重の帳簿がある。これはまつたくやみのでたらめの帳簿組織でありまして、たとえば漁業会の交際費などにいたしましても、総会において交際費の予算として決定された額は三十六万円でありますが、解散総会において実際に報告された交際費は、六十四万三千百二十一円七十六銭というふうに、不当に余分に使つておる。ところがその帳簿をだんだんと調べて参りますと、実際には百二十四万六百三十五円七十六銭というふうに、三倍も四倍も使われておる。しかもその他使われておる内容が、はなはだもつてのほかの方法に使われておる。たとえば税金関係などにいたしましても、漁業権税が六十三万円かかつて来た。これを四十六万円にまけてもらうために、二十七万円の接待費を使つておる。最初は村役場の税務官吏に三万円ばかり遊興や賄賂を使つてやつたのでありますが、それではなかなか目的を達せられないというので、今度は都廰の主税課の係の管理に五万円ほど御馳走して、まけさせることにかかつた。それで係だけではなかなかうまく行かぬというので、主税課の役人を全部招きまして、十二万五千円の遊興費を使つて、船に乗せて、芸者を乗せて三日間どんちやん騒ぎをやつた。こういう事実もあるので、あります。一例にすぎないのでありますが、かようなことに関しまして、漁業者のまつたく……。
#37
○石原委員長 これは農林大臣にお尋ねの要旨と違うではありませんか。時間の関係上、もう少し要点だけを述べてください。
#38
○砂間委員 そういう事実があるのでありますが、それはそれでおきまして、そういうふうに漁業会の施設の処理というものは、まつたくむちやくちやになつておる。こういう事実がすでにあちこちでたくさん暴露されておるのであります。そういうことになりますと、せつかく今、協同組合の設立の過程にありますが、この協同組合の受継ぐべき旧漁業会の施設というものが、まつたくからつぽになつて来ておる。元来この漁業会の施設というものは、ほんとうに漁民の血と汗の結晶になるところの蓄積された財産であります。それが一、二の幹部的ボスによつて、こういうふうに不当に処分されるのを監督するところの水産廰や、農林省あるいは農林大臣が、何らその監督の責任を果さなかつたということにつきましては、これは重大なる政治的責任が大臣にあると思うのであります。この点について、大臣にいかなる責任を負おうとしておるか。また実際に損失をかけたところの漁民に対して、これをどうやつて補償し、賠償しようとしておるか、またこういう事実の善後処置を、どういうふうにされようとしておるかということにつきまして、明瞭なる御答弁を聞きたいと思います。
#39
○森國務大臣 なかなか詳しくお調べになつてのご質問でありますが、單位組合の監督は、都道府県知事が責任を持つておるわけであります。もし都道府県知事においで調査いたしました場合において、そういう不正なことがありましたら、それに摘発いたします。不正なことはどこまで行つても不正でありますから、ただちに摘発されます。
#40
○砂間委員 次は愛媛県八幡浜の水産業会に関する不正問題でありますが、この点につきましては、参議院の法務委員会においても問題になつておりますし、また法務委員会の方からも、國鉄調査に出かけて参りまして、その結果は、昨年暮れの官報でも発表されておる。書類だけでもこんなふうにたくさんありますので、農林大臣によく御存じだと思うのでありますが、大体あの八幡浜の不正問題というのは、縣水産業会と、トロール業者と、かまぼこ組合だとか、こういうふうなのが結託いたしまして、まつたく魚の統制違反をやつておるのであります。この点についてのいきさつと、それから……。
#41
○石原委員長 要点をどうぞ。
#42
○砂間委員 この問題についての善後処置をどういうふうにされるつもりかという点について、大臣にお尋ねしたいと思います。
#43
○森國務大臣 いつの事故でありましたか、私は存じ上げないのでありますが、農林大臣として責任のあることは、責任上これを処理して行きます。
#44
○夏堀委員 前委員会において、私の質問に対して農林大臣から御答弁を願うことになつておりましたが、水産廰長官から何かお聞きになつておりますか。まだお知らせになつておりませんか。――問題はすこぶる簡単です。奥村委員、砂間委員からの質問の中にもあつた通りであります。漁業は資本を要するものであつて、この金融の裏づけがなければ、この目的を達することはできないのであります。この点をお伺いしたのであります。それは並行してやる、こういう御答弁でありましたので、単に並行してやるということだけではわかりませんので、たとえば漁業保険のようなこと、あるいは災害保険のようなこと、またその他の金融措置を実際にお考えになつておるかどうか、この点をお伺いしたのであります。これに対する具体的な御答弁を農林大臣より御伺いしたい。こういうことを願つておるわけであります。
#45
○森國務大臣 この金融問題につきましては、ひとり水産業だけでなしに、農林、水産一般について、非常な難局に立つておることは、御承知の通りであります。復金がああいう情勢になりまして、昨年は復金より三十一億、農林中金より約五億の融資があり、相当のお役立ちができたわけでありますが、本年は、復金がその働きを中止いたしておりますために、農林、漁業の金融問題につきましては、政府におきましても、どうしてその手段といたすべきかということについて、今成案を急いでおるわけであります。御承知の中金におきましては、出資金が四億円でありますので、八十億円が中金融資の責任額、俗にわくになるわけであります。それが二十億ばかりの融資がすでに行われておりますから、残り六十億しかいわゆるわくが許されないという情勢であるのであります。それでは、とうてい今日物價高等の事業分量等からいたしましても、不足をいたしますので、何とかしてこの中金のわくを拡張するということが考慮せられなければならぬのであります。しからば、小金の出資を増額するか、あるいは漁業協同組合あるいは農業協同組合等の預金をするか、こういう問題でありますが、預金の余裕があり、出資の余裕があるならば、あえて問題はないのでありますが、今その余裕を持たない農林水産業に対する金融の道でありますから、特別の処置をはからねばならぬ。こういう立場にあるのでありまして政府は少くとも百四、五十億の資金を農林水産業の各般にわたつて獲得いたしたいという当初の希望を、いまだに捨てておりませんので、この方面に今度成案を急いで行きたいと、今関係者寄りまして、協議を進めておるわけであります。なお昨年度からやりましたあぐり漁業に対する補償手形の問題でありますが、これも今日の成績から見まして、今後相当これを拡張して行つていいのでにないかというようなことも考えられますので、この問題についても研究を進めていきたい、かように考えておるのであります。いずれにしましても事は急を要するのでありますので、できるだけ早くその方針をきめまして、業界の安定を期したい、かように努力をいたしておるわけであります。
#46
○夏堀委員 大臣もおつしやつた通り非常に急を要しておるのでありまして、現在漁業者は、せつかくアメリカの援助にあずかつての漁業資材も受取ることができないという状態になつておりますので、これに本委員会においても、すでに金融関係は決議案として大臣のお手元まで差上げてありますので、非常に重大な問題でありますからして、急速にこの問題を何とか具体的に早く結末をいたしたいということを、あらためてお願いしておきます。
#47
○石原委員長 ちよつとお諮りいたします。安本に対する生活物資局長が見えておりますから、この配給統制等の問題を主として御質疑を願いたいと思います。その意味でご発言を願います。
#48
○夏堀委員 配給統制の面では、しばしば本委員会で意見を申し出ておるのでありますが、政府としては、これに対してどうしようというような結論がまだないのでありまするか。またそれとも具体的にこうせよ、あれはああせよという案が出ておるのでありますか。これをお伺いしたいと思います。
#49
○東畑政府委員 配給統制の現実必ずしも満足な結果ではかいと思いまして、従いましてわれわれといたしましても、関係方面に対していろいろな面からこの点の是正につきましては研究をいたしておるつもりであります。しかもどういう点が問題であるかという点につきまして、前会も申し上げましたように、最近拒否が非常に多いというとかく議論があつた点でありますが、三月までの現地においては、末端における消費者価格の実行価格は必ずしも下つていない。にもかかわらず、荷受け卸等の点に関しましては、場合によつてはマル公を割るというような点が生鮮魚類においてあります。また加工水産物につきましては、非常に物によりまして値が下つて來ておるという面もありまして、そういうものを根本的に検討いたしまして、統制すべきものは統制し、統制をはずすべきものははずす。こういう方針で案ができておるのでありますが、いまだ拒否品が多くて、それの市場における分荷という点につきまして、これを登録制による人頭割の配分というものを、やはり現地でやつた方がいいか、あるいはこの点はひとつ思い切つて、より自由的な方向でやつた方がよいかというような点につきまして、目的は同じでありますが、技術につきまして、いまだはつきりと申し上げる段階に至つておりませんし、またこれは関係方面等からの意見といたしましては、水産物は前回、農林大臣が申されましたように、相当海外からの資材等に依存しておるのであるから、現実價格的に下つていない。また配給許可制度でやるという点にわれわれの要請すべき点があるのであります。強化すべきものは強化し、統制を撤廃するものは撤廃するという線に沿つて、関係方面の納得行く案を至急練つておるという段階でございます。さよう御了承願いたいと思います。
#50
○玉置(信)委員 配給統制、出荷統制の問題については、しばしば質疑応答もされたのではありますが、ただいま安本側の答弁によりますと、先だつてのお話より一歩も出ておりませんが、関係筋で、今にわかにはずすことはよろしくないと申されるその主要なる点に、ただいまお話の、ただ単なる配給量の問題のみを取上げて言われておるかということが第一点、それから次は、関係筋等を考慮いたしまして、さしあたり鮮魚の配給統制のわくをはずすということができないとしたならば、この八品目ないし、加工方面を合せまして九品目以外のものは、すべて統制をはずしてもいいのではないか、かように思うのであります。この問題につきましても、先般来いろいろと委員側から資料、統計等に基づきまして要望したのでありますが、今日の御見解はどうか、少くとも物價廰の部長でありましたか、この前の私どもの質問に対して、昆布製品、あるいはするめいか製品のようなものは、もうはずしてもいいのだというようなお話があつたのでありますが、少なくとも昆布のような製品、それからいか製品というものは、即時統制を撤廃してもいいと思うのでありますが、それに対する御答弁をいただきたいと思います。
#51
○東畑政府委員 御質問の第一点の、関係方面の意見についての御質問でございますが、これにわれわれが関係しておる担当官の意見と御承知願います。はたして関係方面全体の意見、最高の意見であるかどうかにつきましては、これは別問題であります。私が知つております担当官の意見を申し上げますと、結局実効價格が消費者價格を圧迫する。その間においては統制をはずしたらいいではないかということに盡きると思うのであります。前に野菜の統制撤廃の問題につきまして、私がいろいろ折衝しました経験から申しますと、問題はいつもそこに出るのであります。野菜につきましては、だんだんと生産が回復して、実行價格がこの前申しましたように下つて来る、賣れなくなつて来る、五月以降の状態も非常にいいという一つの見きわめ、資料的判断のもとに統制撤廃をいたしたのでございます。水産物につきましては、配給関係からまだその時期でなく、これは前に申し上げましたCP8の実効價格というものから考えて、さように確信をいたしたのであります。四月、五月はだんだんわかつて來まして、魚が豊富になり、家計が楽になるという方向があれば、これはおそらく統制撤廃の方向につきましても、もちろん異議はないものというふうに私は確信をいたしておるのであります。個々の品目につきまして、需給のあるものにつきましては統制を撤廃し、比較的苦しいものにつきましては継続するということにしてはどうかという御質問につきましては、私もそういう方向において案を立てるということを、考えておる次第であります。價格の点につきましては係りの者から申します。
#52
○長谷川政府委員 ただいま生活物資局長からお話がありました、いわゆる需給関係から見れば、統制をこの際継続することは不適当であると思われるものにつきましては、統制をはずして行くという考え方につきましては、われわれ大体一致いたしておりまして、そういう線で一つえようということでやつておるのでありまするが、先ほどもお話のありましたように、全般的の税制問題とからんでおるのであります。統制を全面的にはずすものについて検討をやつていないために、進んでおりません。ただ時期のあります昆布でありますとか、寒天等につきましては、出荷時期等の関係もありますので、それだけを取除いて、相当以前に具体的の資料に基いて話合いを進めておるのでありますが、ただこれも相当官の意見といたしまして、大体われわれの考えを了承していただけたと思つておるのでありますが、例の為替一本レートに関連いたしまして、今後の物資情勢上、物資統制をどういうふうに考えるかという問題等とからみ合いまして、今すぐ正式の許可をいただけるという状況に至つていないのであります。われわれとしては、時期の関係もありますので、機会あるごとに督促をしておるのでありますが、いろいろ物價一般の問題と関連いたしまして考えておるようでありまして、最後の許可を得るまでに若干時間がかかるのではないか。こういうふうに考えております。
#53
○玉置(信)委員 先ほど関係筋において、CP8の問題として、何と言いますか、はつきりと統制に対しての了解を與えないというお話でありましたが、この消費統計は先だつてもお話したように、今日拒否品があつて、そうした実際表に現われた消費統計数字が少いにいたしましても、実質上家庭配給される量は相当あるのではないか。また拒否するというそれ自体が、かつてのように品物がないときであれば、拒否ということはなくて、品物があるということと、一面に購買力が低下したというこの二面から、製品拒否が出て来るのではないかと思います。しかし総体的に見まして、國民の家庭には相当量が配給されておる結果、こうした現象を来たしておると私解することができるようにも思われるのでありますが、この消費統計の表面的の数字の少いということにつきまして、関係筋に対して説明され、了解を得られたことがありますかどうか、この点をひとつ……。
#54
○東畑政府委員 消費者統計は、御承知のように配給價格と非配給價格と両方から来ておるのであります。従いまして月給價格はマル公を基礎といたしまして、現実に消費者が受けた配給價格と配給量、それから現実にやみ買いしました購入量とそのやみ買い價格、その二つが消費者の家計調査によつて現われて来る。それの量と價格とを平均したものがいわゆる実効價格であります。それが安くなりませんと向うとしては納得しませんし、また現実物資というものは統計で動いておりますから、なまの数字でやつて行く。野菜のごときものは、配給價格と非配給價格、やみを合したものが大体マル公に近い。こういう数字が現われております。その点で水産物の生鮮魚介類は違うのであります。遺憾ながら統計的の集計が遅れまして、ただいまのところはどうだと言われましても実はありません。従つてわれわれのわかつておる数字については、三月までのものとそれから四月、五月というふうで、現実はどうだと言われますと、これを現実的な意味においてわからす方法にないのであります。そのへんのことをわからせるには、当面の問題としては、なかなか関係方面でも苦しいことになるのではないかと思つております。
#55
○松田委員 私は議会政治、つまり今日民主主義政治と言つて論議をされており、またわれわれもその線に向つて議会政治をモツトーとして代議士に出て来たものであります。しかしてこの水産委員会はすなわち議会政治であり、ここに論議をされておる。たとえば今の鮮魚の統制問題にしても、この委員会はじまつて以来論議され、もはや盡されておるのであります。水産廰の案もある程度まででき、われわれ委員会としての案もできて、ここにもはや論議の余地がないようにまででき上つたと私は考えておるのであります。ところがいつもの委員会において物價廰、安本の方々のご意見は、ややもすれば関係方面の意見であり、関係方面の支持であるという言葉を使われておるのであります。占領國家としてやむを得ない事情があるとは存じますが、民主主義議会において、この委員会が成案を得た場合においては、これを忠実に関係方面に具陳してこそ、初めて委員会の存立が成立つものであり、議会政治が満足に運営されるものと私は考えておるものであります。しかるに今までに論議が盡されておるにもかかわらず、ただいまの物價廰及び安本の御意見を聞くときにおいて、幾たびも幾たびも同じことを繰返されておるというように考えられるのであります。この点に対して、どうかわれわれ民主自由党の大臣としての農林大臣は、この委員会を尊重されて、あなたの委員会であるというようにお考えを願いまして、一日も早くこの委員会が議決されることを関係方面に要望されて、國民もひとしく願つておる統制の撤廃を期していただきたいと、私はお願いする次第であります。
#56
○森國務大臣 お答えいたします。して関係方面がどうこう言うからということを、特に強調いたしておるわけではないのであります。國家の最高機関としての國会の意見、意思の結合されたものが國民の輿論であることは、申し上げるまでもないのであります。ただその全部は受入れることのでき得ないという今日の日本の態勢にあることも、御承知の通りであるのであります。しかし政府といたしましては、國会の御意見、委員会のおとりきめになりました御意見に対しましては、あくまでもこれを尊重いたしまして、その実現に努力いたすのであります。関係方面、関係方面と申しましても、わが日本のほんとの姿を了解していただきまして、そうして示めされておるところの九原則に違反せず、連合國の好意を無視したような態度に出ることなく、われわれは皆様の御意見、いわゆる國民のすべての御意見としてこれを尊重して、実現に努力いたすつもりであります。しかし今申しましたように、ある程度の限界はお認め願わなければならぬと思いますが、それとてもこちらの事情を十分に傳えまして、そうして皆様の御意見が必ず実現することができるように、できるだけの努力を今後も続けて行きたい。かように考えておるわけであります。
#57
○永田委員 この統制の問題は、もうずいぶん委員会を始めてから議論されまして、もう今日決定を見ていなければならぬような、時間的にも非常に延長して歩つておるわけであります。ただいまの松田委員の質問に対しましての農林大臣のご説明は、まことにけつこうな御説明でございましたが、その大臣の御説明と安本の局長さんのお話とに、多少食い違つておるのじやないかと考えられるのであります。そこでわが党の出身である大臣にそのお気持があつても、その当局の政府の方において、そのお気持ちがさほどになかつた、あるいは皆無で、あつたというような場合にはどうするか。そういう疑念がちよつと湧いて、参つたのであります。そこで私は率直に、きようのお話を願いたいと思いますのは、局長さんに対して、どういうふうに向うのセクシヨンと御交渉なさつておられるのであるか。その過程においてのお考えを、たとえばこれこれの理由によつて日本國民に統制の撤廃を許されないというふうな、交渉の段階におけるところのありさまを、一応おさしつかえない程度、あるいは秘密会にしてもけつこうですが、統制撤廃に向つて安本にかくのごとく努力しておるんだ、みずからの職を賭して國民のためにやつておるのか、おらないのか。それを明らかにしてもらいたい。言葉短くやつてもらいたい。
#58
○東畑政府委員 農林大臣と私の答弁が違つておるとのことでありますが、決して農林大臣と食い違つておりません。ただ政府といたしまして、統制撤廃の問題はもちろんけつこうでありますが、あらゆるものを統制撤廃するということではないのであります。水産物につきましても、これを統制撤廃するという方向については、われわれ何ら異存ないのであります。今日のところ日本政府だけでそのことはきまらないために、向うと折衝して、その上できまつたことを申し上げておるのであります。向うとの折衝はどうであるかということにつきましては、実はこう言つてはどうかと思いますが、向うの担当官が実はたびたびおかわりにたります。最近もまたおかわりになりました。われわれ一生懸命で努力していろんなことをやりましても、相手の担当官というものが、私がやり出しましてからでも三度実はかわつていられます。ごく最近また新しい方がおいでになりました。折衝し出してからまだ一週間にならないのであります。その方が直接の担当官でありまして、その他課長の方々にもいろいろ事情を申し上げておるのでありますが、具体的の水産配給統制をやつておられる方が、実は一週間ぐらい前におかわりになりましたというような事情で、また元に返つてよく御説明申し上げております。もちろん今度は相当專門家のお方のようでございますから、おわかりが早いのでございます。そういうような事情でありまして、政府としてきめたことに対して、われわれ事務当局はベストを盡しておると考えておる次第であります。やはり一つの順序、段階を経て到達したい、こういう実は熱意をもつて、折衝いたしておることを御了承願いたいと思います。
#59
○永田委員 局長さんのお話は、常にそういつたようなお話で、そういう段階でない、段階でないということで今日まで参つておるのでありますが、どうしてこういう重大な問題が、今日まで進捗を示さないで停頓しておるのかということにつきまして、私今日なお合点が行かないのであります。承るところによりますと、関係方面と政府の法制局との間でとりきめたことに対しては、他のセクシヨンはあまり干渉してはいけないのだというふうな一つのラインがある、かように承知いたしておるのでありますが、これについて森農林大臣に承りたいと思います。そこで民主自由党の内閣である、要するにわが党のイデオロギーを実施すべきこの内閣において、何ゆえに今日かようなたくさんな不必要な統制が存置されておるのか。これに対して安本長官でも大臣でもよろしい。もう少し納得の行くような御説明を承りたいと同時に、何とかして統制を暫次撤廃するという方法におきまして、先般十品目のものをやむを得ざる場合は残す。その中にはいわしであるとか、あるいはさばであるとか、要するに大衆魚を統制する。こういうふうに示されておるのでありますが、私にむしろ大衆向きの魚類は、他の高級の魚類に先がけしまして、統制を撤廃すべきじやないか、かように考えるのでありますが、これについても、あるいは主食に類似するものであるというような御意見のもとに、あえて大衆魚の統制を厳重にする御意見のように承つておりますが、そのいきさつもついでに承りたいと存じます。
#60
○森國務大臣 あまり関係方面のことについて、かれこれ批判をすることはお避けを願いたいと思うのであります。何を申しましても、連合國といたしましては、日本の再建にまずもつて食糧の確保、國民の保険ということに非常な力を入れておつてくれるのであります。主要食糧の輸入はもちろんのことでありますが、先ほど申し上げました漁区の拡張等につきましても、非常な関心を持つておつてくれるのであります。ことに漁業に対しましては、その主要なる資材といたしましての石油、魚網等は、全然関係筋の好意によらざればでき得ないという日本の事情から申しまして、日本の国民の保健上、ある一定量の蛋白質を與えてやらなければならないという氣持で、この魚類の統制が行われておるのであります。すべて日本の仕事が大まかな第六感式に批判されることが多いのでありますが、連合國の立場といたしましては、これははつきりと科学的に説明せられなければ結論を得ないという方針を持つておられるのでありまして、價格の問題におきましても、統計に現われた價格、財界において権威ある日本銀行等が調査いたした統計数学というようなものを根拠として、物資の状況を察知し、はたして公定價格よりもやみ價格の方が安いか。そういう場合においてはマル公というものは必要はないのだというような需給関係も考えられるのでありますが、今日の魚類の販賣状況が、拒否されるということを一概に述べられておりますけれども、はたしてこれが一般消費者のふところ勘定から、あるいはその他の事情から、そう魚は配給を受けなくてもよろしいからというふうにこれが拒否されたのか、あるいは卸賣、小賣等の價格の点、あるいは生鮮魚魚介等のその性質、いわゆる鮮度を考えての立場から、遂にこれが拒否されたと称せられているのか、こういう点もはつきりとつかまなければ、結論が出ないのであります。しかし事実はあくまでも事実でありまして、今日どこの賣りさばき店へ行きましても、魚が自由に店に出ておるというこの姿を、あえて理論上から統制を推し進めて行くということは、そこに矛盾も考えられるのであります。しかし一つの統制をやる場合においては十の統制をやつて行く。十の統制をやつて行くには百の統制が行われるということで、われわれは統制に反対しておるわけでありますから、一つの統制をはずそうと思えば、十の統制をはずして行かなければならない。こういうことに推論されるのでありますが、できるだけ統制撤廃というよりも、むしろ統制の方式を変更いたしまして、現実に即応した配給と申しますか、物資の流れぐあいをつくり出したいと考えるのであります。そうしますことが、一面においては統制撤廃とも名づけられましよう。あるいは蔬菜のごときは、統制撤廃と言つておりますけれども、決して統制の撤廃ではない。あれは統制の方式をかえ、そしてある程度これが自由に購入されるのでありますが、やはり生産地に対しましては、肥料等の考えも持つておるのであります。そういうふうな立場に今日本の現状が置かれておりますから、この生鮮魚介類を全部はずすということは、簡單に結論は得られないのでありますが、その品物の性質等によりまして、できるだけその統制の方式を緩和し、変更して行きたいと、こういう努力を続けて行きたいと思うのであります。何分先ほどもうしました漁業に対する油、魚網綱というものは、連合軍の格別の好意として日本にもらつておる事柄がありまして、また連合國が日本の國民の生活上、蛋白質の給源ということに非常な好意を持つておつてくれるので、この点から申しましても、あながちこれを全然拒否するということはでき得ないのでありまして、相当の手続と、相当の期間を要することを覚悟しなければならぬと思うのであります。しかし私どもといたしましては、できるだけ國民のその目的である蛋白質の給源をそこなわない、これを減退させないということによつて、統制というものをその方式をかえて行きたいというふうに、連合國との了解を求めるというふうに努力いたしたいと考えておるわけであります。
#61
○永田委員 ただいま大臣の御説明でよくわかりました。これ以上は、大臣とまたいずれ党内へ帰りまして懇談申し上げたいと思います。そこで再び安本の方へ御質問申し上げてみたいと思いまするが、交渉の過程におけるその内容の、たとえばかような考え方を持つて、かような方針のもとに交渉しておるのだということで、何かお話のいただけることはございませんか。また委員会の方としても、あなた方政府の方の措置に対して、努力するところができれば努力してもいいわけなんでありますが。
#62
○東畑政府委員 実は関係方面の了解を得ませんまでは、なかなか政府がこういう案を持つておるということを申し上げるわけには行きませんので、方向につきましては、農林大臣が申されました方向に從いまして、われわれとしては最大の努力をいたしております。内容につきましては私から申しあげることは差控えたいと思います。
#63
○玉置委員 私はこの場合價格統制の問題について質問を申し上げたいと思います。先だつて來、二回にわたつて肥料の統制解除の問題について大臣に質問いたしましたところ、最初の大臣のお考えと違い、その後の客観情勢によつてにわかにわくをはずすことができなくなつた。しかし気持においてはかわりがないという大臣の御答弁でありましたので、了承しておりますが、統制を撤廃しない場合には、價格の面において訂正をしなければならぬことは何人も承知しております。また物價廰、安本等においても御了承のはずでありますが、この前物價廰の長谷川第二部長さんにお尋ねしたはずでありますが、肥料の價格形成の根本をなすところの原料使用量、すなわちかりににしんの場合を引用いたしますと、建一本二十四貫に対するにしんの原料使用量、それから鮮度が落ちた原料を使つた場合の油の歩どまり等を、原價計算してということに、なるかということを私、質問をいたしましたが、これに対しては調査をしてお答えするという御返事でありまして、今日までそのお答えがなかつたのであります。いつも政府において、鮮魚にいたしましても、あるいは加工品にいたしましても肥料にいたしましても、盛漁期が過ぎた、しかも肥料のごときは農家において使つた後に價格が発表されるということで、非常にその間に矛盾を来し、のみならず價格違反等が起つて、非常に取締りの面においても手数を煩わされておる現実でございますが、今年は鮮魚の面においては、現政府におかれましてましては非常に努力をせられて物價廰におきましても、私どももたびたび行つて要請したことについて、熱心に関係筋と御交渉くださいました結果、幸い終漁期前に價格を発表されて、業者も價格の高い安いは別といたしまして、非常に満足いたしておるわけですが、ひとり肥料の間においてはいまだに價格が決定されない。しかも肥料はどんどんできておる。このままで推移するならば、往年のごとき事態が発生しはせぬかと思いまして、私、非常に憂慮をいたしておるのでありますが、農林大臣におかれましても、特にこの点に留意されまして、早急に價格を決定発表せられるようにお願いいたしますと同時に、これに対する農林大臣のお考えをお聞きいたしたいと思います。同時に長谷川物價廰第二部長に対して、この前質問いたしましたことに対する御答弁をお伺いしたいと思います。
#64
○森國務大臣 この問題についてはかつてお答えいたしたのでありますが、價格の制定が、魚肥として考えられたときに非常に漁價というものとの食い違いが多い。すなわち魚肥にした方が非常に利益であるということを考えられた場合において、食糧になるべきものが魚肥として出まわりはしないか、ここに一つの懸念があるのであります。しかしこれは実際問題といたしましては、食糧になるものは当然食糧になり、いろいろの事情――漁獲高の状況あるいは何かの関係から、どうしてもこれは食糧として輸送ができないというために、やむを得ず肥料にするというのが、今日までの魚肥の生産された情勢であるのであります。しかし今日食糧問題から肥料が非常な欠乏をいたしておりまして、肥料というものに農業生産者が非常に熱望を持つております。ことに魚肥というものは、従来の食糧問題が今日みたいにやかましくいわれなかつた時代には、相当分量が全國に使用されておりまして、また農業経営の上から申しましても、魚肥は非常な効果を持つことは申し上げるまでもないのであります。そういう関係から、今日科学肥料によつて、土質が荒廃いたしました結果、有機質肥料に還元したいということで、農業者が魚肥を熱望することは当然の結果でありまして、従つてその魚肥が非常に生産が不足するという結論が出ることとなるのであります。しかし今日は御承知の通りの食糧事情でありますので、できるだけ水産物も食糧としての面を考えることが主位にされておるのであります。そういう関係から、実際に引合せない價格によつて魚肥が生産されておる、こういうことになつておると思うのであります。しかしこの問題は、ひとり魚として食べるか、あるいはそれが主要食糧肥料としてわれわれが食糧を確保するか、いずれにしても結論は食糧でありますので、この生産に対しましても、需要に応ずるだけの生産ということを希望するわけでありますが、しかし價格の点におきましては、そういうふうな事情に支配されておりますのが今日の実情であります。今日、物の値段というものは、需給関係によつて支配される、これは原則であります。それをむりにマル公をもつて押えているということは、一つの價格政策でありまして、これは不自然な姿であります。この不自然な姿をあえてせなければならぬというのに、今日の食糧事情なり、肥料事情がさようにさしておるのでありますが、今後食糧事情の緩和と、肥村事情の窮迫等の事情から申しましても、魚肥の成案は、ある許せる範囲においてこれが増加を見なければならぬと思うのであります。そういう立場によりまして、マル公の構成についても十分検討を加えまして、必要なる肥料が安く評價されるということのないように、足止の道を開いて行くように努力いたしたい、かように考える次第であります。
#65
○長谷川(清)政府委員 にしんの價格を引上げますのに関連いたしまして、魚かすの價格の関係でありますが、ただいま農林大臣がお話になりましたように、まず魚を食糧として配給をするということを重点に考えました場合におきまして、今日のにしんの價格の引上げも、結局は今年の生産量が例年に比較して非常に不漁だろうということが、まず第一の理由になりまして、若干ではありましたけれども魚債の改定が行われたというような事情にあるのでありまして、從つて鮮魚の数量を確保するということが中心であるのであるから、この価格が上つたからということによつて、魚かすの價格を当然引上げることにはならないという見解が強くありまして、これの折衝内容は別にいろいろあるのでありますが、結果的には、今年は製品の價格には手をつけにあということになつたのであります。もしそうなりますと、從來の製造業者に対しては、たいへん御迷惑をかけることになりますので、実はその前だつたと思いますが、北海道の長官なり、あるいは関係方面には、文書で通知を出しまして、その辺の誤りのないように措置をしておいたつもりでございます。
#66
○玉置委員 ただいまの大臣の御答弁で非常に私満足したわけですが、ことに鮮魚も、前提で申しましたように、過去二代内閣の当時、業者が大挙して政府に要望いたしましたが、遂に盛漁期に間に合わなかつた。今年初めて間に合つたわけです。この点非常に業者は満足しておるのであります。ただこの肥料の價格形成の点でありますが、ただいま第二部長の御答弁によりますと、すえ置きのようなお話でございますが、私は今年のにしんの價格通りにしやにむにやつてくれという要望ではなくして、昨年のにしんの價格によつていたしましても、先般私が御説明申し上げましたように、非常に價格の差がひどいわけである。去年のにしんの價格にいたしましても、今まで肥料はたしか三千五、六百円にしかなつておりません。これは去年の價格ではなくして、その前のにしんの價格です。昨年の格を見ますと、もつともつと上げなければならぬことは、先だつて数字をあげて御説明申し上げた通りでありまして、少くとも今年の價格でなく、せめて昨年のにしん價格を基準にしたものまででも上げるべきではないか。それと、今年の價格との中間をとつて、價格の形成をすることがきわめて妥当ではないか。業者自体としては、今年の價格をもつて價格形成の基準を要望いたしておりますが、私個人といたしましてはさように考えるのでありますが、なおかつこれをすえ置きとするお考えであるかどうか。これを改訂するの御意思はないかどうか。ただいま大臣の御答弁によりますと、鮮魚並びに肥料の需給状況等によつて、できるだけこれを是正するというお話でありますが、物價廰としては、そういうようなご努力を振う御意思がないのかどうか。この点を重ねてお伺いいたします。
#67
○長谷川(清)政府委員 魚かすの昨年の値段が割安であるので、これを根本的に考え直す意思はないかというお尋ねでございますが、これにこの前もお話申し上げましたように、魚かすは魚油と同じものからできる関係上、魚かすと魚油との均衡をとつて價格ができておるのであります。その具体的の内容につきましては、実は資料がありますので、後ほどお渡しいたしたいと思います。なおこの内容につきましては、さらに検討を要する点があるというふうに考えておりますが、御承知のように、現在の價格は去年の八月の物價体系全般の一つの方針のもとに立てられておりますので、これを今一つのものだけ取上げまして改訂するということは、非常に困難な事情にあります。実は鮮魚の價格につきましても、最近のいろいろの経済事情等を勘案いたしまして、若干調整を加える必要のあるものもあると考えておるのであります。鮮魚の價格お呼びその製品の價格の改訂等につきましては、早晩考えられますところの配給統制の改善とにらみ合せまして、その時期に何らかの措置を考えたい、こういうことで、いろいろ研究はしておるのでありますが、この際昨年の魚かすの値段をかえるということに、今ただちには実行困難であろうと考えております。
#68
○川村委員 今までずいぶん各委員が質問するけれども、答えはまことに上手だが、どなたがやるのか、やらないのか、私はまつたくそう言いたい。今部長が、原價價格云々といつたようなことを申しておりますが、あの当時あなた方がつくつた原價計算であつて、眞の漁業者、ほんとうに魚かすを生産する生産者がつくりた原價計算でなかろう。従つてこれに今あとから示すということでありましたから、これは玉置君にも特にお願いいたしますが、この際原價計算を厳重に調査をいたしまして、――どちらかに違いがあると私は思います。あなた方が違つておりましたならば、今ただちに直してもらいたい。漁業者はこの魚肥の生産には、價格が引合わないでやれないという現状でありますから、どうか漁業者の叫びも十分あなた方が御了承の上で改訂をしていただきたいと思うのであります。なお魚肥ばかりではありません。すべての原價計算というものは、当時の情勢、去年の八月からとはまつたくかわつております。どうかその意を含んで、ただちに改定をしていただきたいと思うのであります。統制は現段階においては撤廃はできないまでも、大改革をしなければならぬということは、はつきりしておるのであります。私らはここで議論するよりも、まずひざをつき合わせて再検討をして、成案を得て、この議会中に実施をしたいということを、再三水産廰に申し入れてあるのであります。しかるに昨日もそれがお流れ、その前にもお流れ、お流れづくしで、まつたくこの議会というものを何と見ておるかということを、私は疑わざるを得ないのであります。現に某課長が私にこういうことを話しました。この統制に関する限りは、議員に支配されてはいかぬ。特に民自党の政策通りやつちやいかぬということを、某関係方面で言つたということをはつきり言われたのであります。私はまことに遺憾千万だと思うのでありますが、はたして言つたかどうかということを、今度の委員会において私は質問をしたいと思いますから、どうかその課長をこの席上に連れて来るように、委員長でおとりはからいを願いたいのであります。
#69
○石原委員長 川村君のただいまの某課長では生ぬるい話でありまして、これははつきりと明言しなさい。
#70
○川村委員 坂村統制課長であります。
#71
○永田委員 どうもこの統制撤廃、あるいは改善でもよろしい、これはわれわれの政策にどうもぴつたり合わない。聞けばその筋と協議中である。あるいはその筋の御意向である。さらにまたその内容は決定するまで発表することはできないということは、各省各課で口をそろえてそのように打合せておるかのごとくに発表されるということは、まことに私どもはふに落ちない。そこで、この問題はどうしても秘密会を開いていただきまして徹底的に協議していただきたい。そうして場合によつては、本委員会の方でも態度を決定したいと思うのであります。いつもうやむやに葬つてはいけない。この際どういうふうな方面と、どういう交渉を続けて、どういう過程にあるということを、ここに明瞭に示してもらいたい。
#72
○鈴木(善)委員 ただいま永田君、川村君から御意見が出たのでありますが、今日まで数次にわたる統制問題に対する政府の御答弁は、ほとんど捕捉することができない。そこで委員長におかれまして、この会期中可及的すみやかな機会に水産廰、安本、物價廰の意見をとりまとめまして、関係方面その他に対して折衝中の、具体的内容、明瞭にするところの案を要請されまして、近い機会に秘密会を開いて、当委員会に十分その経過の内容を報告し、委員会と協力して、今会期中にこの統制問題に結論を與えられるように、委員長においてとりはかられんことを頼みます。
#73
○石原委員長 この場合、一言申し上げます。物價廰並びに安本、水産廰、この三つの役所においては、われわれ常任委員会が統制を撤廃するか、あるいは撤廃しない場合には價格の改訂をするかという要求を、委員会開会以来叫んでおるものであります。しかるにいまだ誠意のある、熱意のある、納得のできる御答弁はないのであります。私がここに尋ねたいことは、この安本、物價廰及び水産廰が、價格の統制撤廃もしくは價格の改定等について、熱心に三者打つて一丸となつて、日本の水産のために、漁村のために、熱意ののある、合理的な協議懇談が重ねられたかどうか、またどの役所においても、省廰をもつてこの議会中にきめなければならぬ点があると思うのでありますが、それが省議をもつて、物價廰は物價廰の廰議、安本は安本と、それぞれの論議でそれぞれきめられておるかどうか。どういう方針になつておるかということを、秘密会において承りたい。それは日をあらためますから、必ず方針をよくただして御出席あるようにお願いをいたします。
#74
○砂間委員 水産物の統制について、いろいろな弊害や欠陷があるということは、私も認めております。しかし今すぐ統制を撤廃するということについては、共産党は別の見解を持つておるわけであります。たとえば高級魚なんかは統制を撤廃しましたけれども、しかし生産者の、実際たいやいろいろな魚をとつておる人たちの賣渡し價格というものは、決してそういい値段では買われておらないのであります。そこはやはり申請に立つておる魚市場だとか、仲買いだとか、問屋だとか、こういう中間機関が非常に権力を持つていて、それが買いたたいて、そうして片方で賣るときには、非常に小賣價格を高く賣るという、いわゆる中間機関の搾取が多い。この点やはり生産者は、資金の面において、あるいはいろいろな面において非常に力が弱い、そこに問題があるわけです。ですから、その方へ資金やなんかを十分に潤沢に供給してやるとか、あるいはせつかくつくり上げて来たところのこの協同組合をもつと育成しまして、もつと強化して行く、こういう処置をとらずして、今ただちに統制を撤廃するということについては、私は相当疑問を持つわけであります。それで、その統制の問題に関連してお伺いしたい点は、寒天原藻の統制の撤廃の問題であります。つまりてんぐさですが、聞くところによりますと、物價廰、安本におきましては、この寒天原藻の統制を撤廃するという御意向があるそうですが、はたしてそういう意向があるかどうかという点をはつきりお伺いしたい。
 それからこのてんぐさは今すでに採藻期に入つておるわけですが、この場合、今すぐ統制を撤廃され、そうして加配米、リンク物資も来ないということになれば、業者は非常に大きな混乱に陥るわけです。これにちようど石炭の場合、四千カロリー以下の石炭は、配給公團の扱いから除外するというのと同じ結果をもたらすものです。これはやはり賣行きが悪いとか、あるいは輸入品のストックが非常に激増しておるとかいうことが言われておるらしいのですけれども、これには日本の寒天の品質が粗悪であるとか、いろいろな点がありましよう。しかしそうだからといつて、たとえば中國との貿易というような方面に、輸出場所を開拓して行くならば、まだこの輸出の方面についても相当開拓の余地はある。それから原藻の捻出を許すという点について、政府ではそういう原藻の輸出をする意向はないかどうか、これは外國バイヤー筋の権威ある言によつても、日本政府は原藻輸出を拒むならば、将来日本の寒天原藻はその特産物であるにもかかわらず、世界の市場から締出される結果を招くだろうというようなことを、ある外國の有力なバイヤーの権威ある筋では言つておるということを聞いておるのであります。こういう点からいたしましても、この寒天原藻の統制を今ただちに撤廃するということに、てんぐさを採集する実際の漁民にとつて、非常に大きな打撃と混乱を與える。この問題をいろいろ論じて行くと長くなりますけれども、單に寒天原藻という点でありますから、また別の機会に申しあげることといたしまして、これだけお伺いしておきたいと思います。
 それからもう一点は、加配米やリンク物資の問題でありますが、この点につきましては、過日森農林大臣にも質問いたしまして、そうして沿岸漁民がリンク配給を受けておる点が、非常に不合理であるという点は大臣も認められた通りであります。たとえば二十トン以上の漁船については基本配給をやつておる。ところが零細な漁民に対しては基本配給をやらない。なかんずく加配米は重大な問題である。今この沿岸の零細漁業も加配米のために非常に大きな困難に陷つておるわけです。これを安本や何かの方で聞くと、いろいろ理由があると思いますけれども、これに技術的にも決して困難なことではない。たとえば漁船船員手帳というもの発行して、実際に定置なら定置に從事している漁業労働者や漁民に手帳をやる。そうして定置許可をやつて、あとはどこへ行つて働くというような制度にすれば、加配米に決してこの制度でできないことはないと思う。そして大きな資本に対しては基本配給をやつておりながら、零細漁民に対しては、加配米でも資材でもリンク制度にしておる。これはまつたく漁業の生産を不可能にさせるものです。せつかく沖へ出て行つても、漁のことですから、とれない場合もある。しけを食う場合もある。にもかかわらず、魚をとらないから、配給しない、こんなむちやなことはない。こういう点についてに、ぜひ船員手帳をつくるなり、しかるべき技術的な方法を講じまして、基本配給をやつてやるというようにしていただきたいと思うのです。この寒天原藻の問題とただいまの基本配給の点について、もう一ぺんお伺いしたいと思います。
#75
○長谷川(清)政府委員 寒天は、お話のように輸出水産物でありますので、外國市場の價格いかんということが内地の價格に敏感に影響いたしますので、現在の價格をもつて將來を律するということは、必ずしも適当でないと思うのであります。しかし從來の経過から見ますと、大体現在のレートは三百三十円レートであります。それが今度爲替一本レートになりますと、三百八十円ということになるのであります。この場合公定價格を置いておくことになりますと、生産者價格とできた製品との間に相当の開きができて参ります。その辺の調節はむろんわれわれ例外價格等の処置によつてやつてはおりますが、これはいかにも不自然なやり方でありまして、先ほど來お話のありましたように、需給事情が一応安定したものについては、價格の統制をはずすという考え方がいいのではないかというふうに考えておりますので、現在のところ寒天原藻、及びできます製品であります寒天につきましては、関係方面の許可が得られますれば、統制をはずしたいという氣持でございます。
#76
○東畑政府委員 リンク配給の問題についてお答えいたします。生産資材等につきましては、仰せの通りわれわれといたしましては、できるだけリンク的な配給をやめ、農民の個々の実態に即応して配給する方向に行くことにつきましては、異存はありませんが、必需物資につきましても、われわれといたしましては、なるたけ基本配給の方法をとりたいのでありますが、遺憾ながら水産の業種によりまして、完全な漁民の人口把握がむずかしい問題等がありまして、一部基本配給をやり、一部リンク配給をやるというのが、特に沿岸漁民の方には多いと思います。これらの点につきましても、われわれに基本配給的方法をすみやかにとり、漁民人口の科学的調査が確立いたしますれば、そういう方向に参りたいと思うのであります。本年からは基本配給とリンク配給と二つの方法を並行してやつて行きたいと思つております。
#77
○松田委員 農林大臣と水産廰長官に対して御意見を伺います、私聞くところによりますと、今月の十日ころに北海道廰において、従来かにカン詰に限つてに農林省の許可になつていると聞いているのでありますが、北海道廰において、北海道の某工場に対して、二工場またはその他に対してこの許可を與えたと聞いております。私ども北海道におきまして、このカン詰工場の許可は北海道長官がすることに対しては、これに越した幸いのことはないと存じているのでありますが、かにカンに限つては農林省の所管になつているように聞いているのであります。また現在の北海道のかに漁業については、資源維持の建前から、永年の歴史を考えて、現にこの資源維持をして、貿易品に持つて行かなければならないという農林省のお考えかと承つているのであります。しかるに今回北海道廰において、水産廰と打合されたのか、独断で許可されたのか、某工場に対して許可されたということを聞くのであります。今までの農林省のやり方がここにくつがえされたのか、またはどういう事情によつてこの問題が許可されたのか、この点農林大臣、水産廰長官に対して、今までのその経過を詳細ご説明願いたいと思います。
#78
○森國務大臣 詳細な点は他の政府委員よりお答えいたさせます。たらばがにの漁業許可については、道長官に委任いたしているのであります。しかしこの許可をする場合におきましては、農林大臣と一応打合せて、了解をした上においてこれを処置するという手続をとつてもらつているのであります。今日問題になつております許可云々につきましては、そこになおまだ少し不鮮明な点もあるようでありますが、道廰、知事より本省へ伺いを立てましたときには、漁業者に許可すべきだということを支持いたしておつたわけであります。御承知の通りカン詰会社が従来許可をもらいまして、そしてカン詰会社がさらに漁業の機構を持つということになつているのでありますが、今回の許可申請に対しましては、特に漁業者にこれが許可すべきものであるという意思表示を農林省としていたしているわけであります。しかしいま少し不鮮明な点もあるので、目下調査をいたしておるのでありますが、もしも農林省と打合せをいたしまして、農林省の石に反してこれをやつているということになれば、これはまことに不都合な次第でありまして、取消しを命ずるような手続をとらなければならぬ。なお内容については他の政府委員からお答えいたすことにいたします。
#79
○飯山政府委員 ただいまたらばがにの問題について農林大臣から大体の御答弁を申し上げましたが、この経過について一應私から御説明申し上げます。先般北海道の水産部長が参りまして本年においてたらばがにの許可を新たに全農食品株式会社、もう一つは北海道罐詰株式会社、この二つの会社に対しまして、特に紋別地区においてこれを許可する、こういう案を持つて來られたのであります。水産廰といたしましては、ただいま松田委員からお話がありましたように、かにの問題は長い歴史がありまして、しかもこれが輸出関係であるため、從來輸出水産物取締という法律によつて、これが許可を農林大臣がやつておつたのであります。しかるに終戰後輸出水産物取締法が廃止になりまして、直接カン詰業に農林大臣の認可を要することがなくなつたのであります。しかしながら輸出物であるという点と、しかも繁殖の点から非常に問題なので、やはり今後の許可については、ただいま大臣からお話がありましたように、農林省の承認を受けてやることになつております。先般そういうふうに案を持つて来ましたので、一應水産廰としては、関係係官の間において見当をいたしまして、本年はとにかく一應が中止すべきものである、さらに繁殖の状況なりを詳細に調査をいたしまして、大体これならば支障がないという見当がついた上で実施すべきであるという見解のもとに、一應その案を拒んだのであります。ところがその後北海道長官が見えまして、実はあれは内諾を與えたのだ、こういうお話であつたのであります。内諾を與えたということは、結局漁業の許可が北海道長官の権限になつて、いるのであります。内諾をを與えたということになりますと、ただちにそれを私どもとして取消すことはできかねる、その結果が非常に支障を來したという場合においては、先ほど大臣も説明されましたように、対策が立つのであります。その際に私どもといたしましては、しかし内諾はされたけれども一年待つてほしい、そして一年の研究をいた上でひとつ善処しようではないかと再考を求めたのでありますが、長官としていろいろな観点を考えてそれが対処できる繁殖の上においてもまた沖合における漁獲において非常な混乱が起こつた歴史があるのであります。そういう点を交渉しましたところが、これらに対しては万全の対策をもつておる。こういう説明でありまするので、私の力といたしましては、しかし今後許す場合にはカン詰工場というこれは許可の制度でありません幾らでも自由にできるので、カン詰工場には許可をするということになれば結局これを統制するという道がなくなる。従つてこの漁業の許可は漁業者にこれを移すという根本原則を立てなければならぬ、こういうことを主張しまして、その点には長官も異存がなかつたのであります。もしこれを許すならば原則に基づいてやつてほしい。その出願に対して八艘、全農食品株式会社に五艘北海道罐詰株式会社に三艘こういう案になつております。しかしわれわれといたしましては、内諾を與えたという事実に対して、とにかく全部行われるようなにとでは困る、もし許すならば、それを五艘範囲にして、これを漁業協同組合の推薦するところの漁業者に許してもらいたい、こういう條件をつけて話しましたところが、長官はその際にひとつ考えさしてほしいということで帰られたのであります。ところがその後私の方には長官は見えられないのであります。しかるに巷間にはすでに許可をされたというようなうわさが飛んででおりますが、その賛否についてはいまだ私の方には確報を得ておりません。しかしこれは重大なので、北海道廰に対しては私の方では調査をさせることにいたしておるのであります。いずれ水産部長の上京の機会もありまするので、その際に私どもとしては詳細に調査をいたしたいと思います。
#80
○松田委員 大臣及び長官の御答弁によつて、大体においてその経過、また今後とつて行かれる農林省の態度はわかつたのでありますが、現在許可されたという工場が、もし現に漁業を営んでおるということであるならば、非常な大きな問題が惹起するのではなかろうかと存ずるのであります。何ゆえならば、私ども水産委員会としまして、この資材の配給に対して、共産党の砂間議員から痛いところを突かれておるのであります。しかるにもし現在漁業を営まれておるといたしましたならばこの許可はいつ許可をされたか、しかも資材の点に対しては、一・四半期ごとにこの交付に配給されるのであつて、許可以前に農林省の資材調整事務所からもし資材が配給されたということであつたならば、北海道の資材調整事務所は、どういう手続をもつてこれを配給されたかという問題が起ると同時に、また許可のない資材を配給したということになつたならば、これまた資材の横流しということが起るのではなかろうかと考えるのであります。現にこの点は、漁民を代表として出ておるわれわれ議員は非常に関心を持ち、これを警戒し、これを注意し、しかして万全なる漁業の発展を期そうとして懸命に努力しておるものであります。この点私はこの機会において、現に漁業を営まれておるということがあつたならば、非常な大きな問題が惹起されるということを一言申し上げたいと思います。
#81
○川村委員 先ほど松田委員からの質問に対して、大臣並びに長官からそれぞれ御答弁がありまして、了承したのであります。実は私はこの問題を質問せんとしたのでありますが、幸いに同僚松田議員から質問がありましたので、質問は省略いたしますが、一点だけぜひこれを実行してもらいたいということは、大臣にもし不正な不純なことがあるならば、取消の決意をとるということを御答弁あつたのであります。また長官は漁業者に許可するという意見であつた。その答弁を待つて來ないうちに許可したというようなことであつたとするならば、まさにこれ不純があつたということは言えるのであります。今や御承知の通り、この國会において漁業法が提案されまして、漁業種は全部漁業者に許可すべきであるということが示されておることは、おそらく北海道知事として知らないことはなかろうと思うのであります。こうしたような機会において、カン詰工場に許可をするならば、私はこの際ぜひただちにその許可を取消されんことを要求するものであります。
 次に大臣並び長官にお伺いしたいことは、聞くところによりまするとさんまの漁獲について、これは政令で近く出そうとしておるということでありますがその内容におきましては、棒受網をもつて漁獲するものは七月から十月まではできない。その他の漁具で漁獲する場合は、七月から九月は漁獲ができないというようなことを政令で出そうとしておるということを耳にしたのであります。これが眞実であるかどうかということを、まずもつてお伺いしたいのであります。
#82
○藤田説明員 さんまの問題につきましてお答えを申し上げます。御承知の通り從來さんま漁業については、漁期の制限をいたしておるわけでありますが、しかしながらその対象といたしますものは、棒受網を対象といたしておりません。流し網になつておる。ところが最近におきまして、いわば棒受網利用というものが非常に急激に増加して参つております。從つてわれわれといたしましては、さんまの対策を立てる場合に棒受網を除外することはできない。從つて何らかの方針を立てます場合は、流し網も棒受網も全部包含したところの対策を立てなければならぬというふうに考えております。ただそのやり方をどうするかというふうな点について、現在いろいろ研究いたしております。しかしただいまお話のございましたようなことを決定しておるわけではございませんので、この点については、近く開かれます主務課長会議において、十分関係各縣の意向を聽取して、いかにしてさんま漁業の調整をはかつて行くかということを審議したい。その審議の結果に基いて対策を立ててやつてもらう、そういうふうに申し上げておきます。
#83
○川村委員 さんまの漁期に制限のあつたことは私もよく知つております。ただいま流し網の問題を取上げておりましたが、これは北海道と東北において、特に青森縣等が問題になつたのでありますが、過去にほとんど流し網でさんまを漁獲しておつたのであります。その流し網は大羽いわしと同じものであります。従つて大羽いわしの漁期とさんま漁期とに、大体においてある一定の期間同じときがあるのでありますから、これに対しましては混獲はさしつかえないという條件があつたように私は記憶があるのでありますが、その混獲するところの流し網の制限であるならばまだしもあれ、特に今度はまだはつきりはしておらないというけれども、棒受網を制限するに至るならば、まつたく北海道並びに東北、特に青森縣、岩手縣方面のさんまの漁期を失するということに相なるのでありますから、今度の主務課長会議で決定する場合といえども、單に課長のみの会合ではなく、その場合再びこの委員会にも是非をはかつていただきたいということをここに要望して、私質問は終る次第であります。
#84
○小松委員 先ほど砂間君から寒天原藻の統制問題について質問があつたのであります。私もこれに関連して簡単にお尋ねしたいと思います。私どもは統制撤廃をすることを決して反対するものではありません。けれどもおよそ統制を撤廃するのには、撤廃すべき準備があると私は思うのであります。寒天原藻の実情を見ましても、零細漁民はその貸金あるいは資材、あるいはその加配米等に非常に今日不自由を感じております。こういう準備が万事整つてこそ、初めて統制が解除されてしかるべきだと思うのであります。ゆえに統制を解除するならば、かような統制を解除する準備を十分に盡して、そうして業者に大きな影響のないようにしていただきたいということを、強くお願いしたいのであります。それから原藻に対して統制を撤廃するならば、当然その製品の寒天に対しても撤廃されることだと存じます。この寒天の統制撤廃に対しては、どういうようなお考えを持つておるか、同時に現在寒天に製品された輸出品たるべきものが、輸出品の規格が判然しておらないために、その一部にいまだ業者に代金が支拂いが渡つておらぬというような実情に置かれております。そのために、製造業者と生産業者と同様に、非常な資金難に承つておるのであります。こういう点に対しましては、いかなる御処置を政府としてはおとりになるお考えであるか。その点を簡單にお伺いしたいのであります。
#85
○飯山政府委員 ただいま寒天原藻の統制の問題と、これが統制撤廃の場合における施策についてのお尋ねに対してお答えいたしたいと思います。統制の撤廃につきましては、長い間これは業者の要望であつたのであります。私どもはこの要望にこたえようとして、今日まで相当の努力を拂つて来ておつたのであります。そういうことで業者の要望を達成せんとするがために相当の努力を拂つて――その時期が遅れたために支障を来すというような状態になつておつたのでありますが、しかしこれはもちろん統制を撤廃するにあたつては、万端の準備をなすということが当然の実務であります。従つて二十三年度の第四・四半期におきまして、寒天に対しては一億円の復金の融資は内定したのであります。しかるに復金はドツジ氏來朝以来の政策の変化によつて、遺憾ながら一億の内定しました融資ができなかつたのであります。もしあの一億が実際に貸し出されておれば、今日の悲況はもちろんなかつたのであります。しかしながら現実はいかんともいたしがたいので、この第一・四半期に入りまして、わずかではありますけれども、日本銀行の融資あつせんを通じて一千万円の融資が出たのと、それから中小企業廰の中小企業融資の面から、寒天製造の方に一千万円、かような金が最近決定いたしておるのであります。さような事情で資金の面においては、あらかじめ統制の撤廃に対して用意をいたしたのでありますけれども、かような事情でこれが実施できなかつた。従つて今これを時期でないというようなことで、先ほどもいろいろ問題があつたようでありますけれども、関係の方面に要望を長い間して來て、ようやくそれが実現する場合に、今度は都合が悪いからこれを延ばしてほしいというようなことは、遺憾ながら私どもとしては、今後の統制の撤廃に対して重大なる影響を與える、かように考えておるのであります。從つて業者の困ることについては、決して私はこれを軽視するものではありません。しかしながら先ほどもあげて委員各位からの熱望のある統制の問題に対して、撤廃しようという根本問題に影響するところを考えますると、今小松委員からの要望に対しまして、ただちにその処置をすることは非常に困難であるということだけをお答えしておきます。
#86
○砂間委員 ただいま水産廰長官のお話によりますと、業者の方から統制撤廃の要望があつて、その要望に従つて政府としては動いて来たのであつて、いまさら撤廃反対といつてもそれはまずいという話であつたのでありますが、しかしその間におきまして、客観情勢が大きな変化をやつておる。なかんずく三百六十円の單一為替レートの設定ということが非常に大きく響いておるわけなんです。これまで復金や政府からいろいろ資金が出ましても、それが主として寒天製造業者に出されておつて、ほんとうの生産者である漁民に直接貸出されたのではなかつたのであります。そのため寒天製造業者が資金を持つて、それを漁民にやつて、それから寒天原藻を集荷して製造して輸出するということをやつておるのですが、その輸出がばつたりとまつて、ストック品が莫大に蓄積したというので、原藻生産者である漁民にさえも、半年も一年も経つてもまだ金が渡らないので、生産者が非常な苦境に陷つておるわけであります。そして輸出の振わないとか何とかいうことの原因は、一つには製造した寒天が粗悪品である点も、非常に大きく影響しておる。静岡縣などにおきましては、最近粉末にしたものができておるのでありますが、ああいうものにすればまだ輸出の見込みがある。製造の技術改善という点も非常に問題があると思うのでありますが、そういう製造業者、輸出業者の見込み違いというか、そのために生産者が不当に不利をこうむつておると思うのが現状であります。そういう現状のもとにおいて、今すぐに統制を撤廃するということに、生産漁民に対して重大なる形を與える。もうてんぐさをとり始めておるのでですが、その着業資金もない。加配米も來なくなるということになつたら、日本の寒天原藻の採取ということは、まつたくつぶれてしまう。なかんずくそれに從事しておる漁民の生活は、まつたく破壊されてしまうという重大なる事態が起るわけであります。この際ぜひ統制撤廃はことし一年くらいは見送つてもらいたい。そして生産漁民に対して着業資金、加配米や資材の配給をひとつどんどんやつてもらいたい。こういう準備的な措置なくして、いまただちに撤廃することは、重大なる結果をもたらす。それは前からそういう要望だつたということがありましても、客観情勢の大きな変動があることを見なければだめだと思う。その意味において、私はいまただちに寒天原藻の統制を撤廃することにつきましては、再考慮を要望したいと思います。

#87
○小松委員 私が先ほどお尋ねいたしたことは、統制を撤廃するのには撤廃する準備を整えてもらいたいということを要求しておるのでありまして、統制を撤廃することに全面的に反対の意を表したのではありませんから、水産廰長官はその点ひとつ誤解のないようにしてもらいたい。なお統制撤廃の準備としては、今日ははたして時期を得ておるかどうかということについては、いささか私どもは疑点を持つのであります。その点私は砂間君の意見には同意をいたします。どうかその点に十分御考慮を願いたい。それからなおお尋ねした寒天の輸出に対する私の質問に対して、お答えがなかつたのでありますが、水産廰の方でおわかりでしたら御答弁を願いたい。
#88
○飯山政府委員 砂間委員並びに小松委員の重ねての御質問でありますが寒天は御承知のように大体輸出重点の商品でありまして、輸出の梗塞するという事態に至りますれば、これが原藻関係にも大きな影響を與える。先ほど資金の問題がありましたが、この資金は、原藻採集者の原藻代金を製造業者が拂うためにやるのであつて、これは決して生産業者が自分のための資金ではない。原藻業者に原藻買入のため出した資金、そういうことでやつておるのです。そういう建前であります。
 それからすでに粉寒天が清水において行われるというので、これに一千万円の中小企業の融資から出た。こうい実情にもあるのであります。私どもといたしましては、要するに輸出の不合格品ができたことが、今度の問題の一番重要な点だと思うのであります。これが輸出製品の改善に対しましては、特に検査機構までつくつて、そうしてこれが改善に務める。どうしても寒天がもし輸出ができないということになれば、原藻業者も寒天業者もまつたく破滅するような状態になりますので、輸出の増進については全力をあげてやらなければならぬ、かように私は考えております。
#89
○小松委員 寒天の問題は善処方を要望して、この程度において質問をとめます。
 この際にお尋ねしたいことは、以西底引網並びに機船トロールの問題についてであります。最近承りますれば、水産資源の保護のためでありましよう、これらに対して減船問題が、水産廰を中心にしていろいろ御指導をなさつておるそうでありますが、その減船するについてはどういう方法によつて減船するかということの科学的な基礎を、水産廰はお持ちになつて御指導になつておるかどうか。まずこの点を伺いたい。そしてどういうような策の減船をするのか。それをいつまでに完了するのか、また減船されたものについては、どういうふうな國として補償があるか。そういう点をちよつとお尋ねしたい。
#90
○飯山政府委員 以西底引の調整の問題については、これは最近の問題ではなくして、昨年の六月二十四日長崎における以西底引網業者の臨時総会においてこの問題が起つたのであります。漁区拡張の問題はただいまより二年も前から起つておるのでありますが、その漁区拡張に関連してこの問題が起つたのであります。その際に漁区拡張の要望に対して司令部のヘリングトン水産部長は、漁区を厳守するにあらざればこれは得られない。まず漁区の厳守をせよ、こういうことを言われたのであります。その際に以西底引業者は、こぞつて自主的にこれを行うという言明をされて、相当の間これが自粛に努力されたのであります。しかしながら御承知のように、すでに九百三十艇も許可がされておりますので、現在の限られた漁区においては、これらが経済的に経営ができないという実情は何としても認めざるを得ないのであります。その結果制限の区域を侵すものがあるというようなことで、現在まで幾たびか私どもはこれが励行を要請されておつたのであります。しかしながら一面取締りの面におきまして、現在の水産廰の設備、つまり取締船の不足というようなことから、これが完全なる取締りができない。そのために追加予算の要望をいたしましたけれども、これが財政の関係でできなかつた。この点については水産廰にも非常なる責任があることと、私どもは非常に遺憾に存じておるのであります。さようなわけで、どうしてもこれが調整という意味は、減船をしなければならぬという強い意思が最近において表示されたのであります。従つてわれわれとしましては、この減船はどうしてもやらなければならぬようなはめになつておるわけであります。今小松委員から、その内容について詳細説明しろということでありまするが、過般水産廰としましては、以西底引き業者に水産廰の考え方をお知らせしたのであります。その案について、以西底引き業者の各位がいろいろ御検討をされておるのでありますが、水産廰の大体の考え方としましては、現在の九百三十隻がそのまま経営が続けられるとはどうしても考えられないので、少くも三割程度の減船はやむを得ないのではないかと思います。現在稼動しておるものは、資材の関係から見て約七百隻に近いのでありまして、二割五分以上稼働しない船があります。これは資材があればもちろん稼動できるのですが、資材の関係でそうなつております。從つてわれわれとしましては、稼働の数をなるべく出血しないように考えなければならないという考え方で、大体三割程度に考えております。ところがこの三割というのは隻数で行つておりますので、トン数にすると、相当大型のものが残つて、小さなものが減らされる結果になると思いますが、トン数の割合ははつきりいたしておりません。大体隻数で二割程度に考えております。なおこれは、われわれとしては、もちろん当委員会の御意向も伺いたいと考えておりまするので、決定案とはいたしておらぬのであります。ただ草案として今持つておいておるような状態でありますので、これを一般所有者あるいは多数の所有者について、どういう割合になすべきかということは、最も愼重を期さなければならぬのであります。これをやるについては、各関係業者の意向も質し、また当委員会の意向も伺つて、決定案をつくりたいと考えております。
#91
○小松委員 そうすると、減船問題に対しては水産廰だけの單独の意思で御決定にならないで、当委員会にお諮りになつて御決定になると考えてよろしいのでございます。
#92
○飯山政府委員 さように考えております。
#93
○小松委員 その時期はいつごろまでに完了しようというご方針でありますか。
#94
○飯山政府委員 御承知の通り底引きの盛期は大体十月から翌年の四、五月であります。従つて七月、八月は底引きの閑散期であり、大体ドックの時期、修理の時期となつておりますので、われわれといたしましては、この期間にできるだけこれを決定するように進めたいと思つております。
#95
○小松委員 水産廳の整理要綱として示されておるのを見ますると、私どもは非常に不可解な感を持つのであります。水産廰ではたして三月三十四日にこういう案をお示しになつたのかどうか。これを見ますると、三割の減船の方針でありますが、その三割の減船方針というのは、多数の許可を持つている者に対しては、一割の減船しかしないということを示されたものが水産廰の案として與えられているのであります。この点は私どもは非常に矛盾をしていると思う。これは多数の人に多くの犠牲を拂つていただいて、少数の人を救い上げるという方針をとらなければならぬと思う。ことに一組業者のときは、整理されたら全生活権を奪われることになるのでありますから、この点は絶対に保護しなければならぬと思いますので、十分に御考慮を願いたいと思うのであります。そうして三割の整理をするならば、一組業者は別にして、たくさんの許可を持つているいわゆる大規模業者に多くの犠牲を拂つていただくという方針で、進んでいただきたいと思うのであります。
#96
○飯山政府委員 今の三割という案に対して、多数の者が一割という数字が出ておるので、三と一というようにお考えになるかと思うのですが、この内容について御檢討願えば、大体五十トンという小型の船が相当数あるのでありまして、これに以東底引きとの関係もありますけれども、これらの相当の数はまとめて、以西底引きから以東底引きの中に加えよう、こういう考え方が入つているために、この割合は出ておりまするので、決して大きなものを一割にして全体を三割にするという考え方ではないのであります。私どもも、少数の所有者に対しては、多数持つている者よりも、なるべく犠牲を少くしなければならぬという考えは持つておるのであります。
#97
○砂間委員 関連して質問いたします。以西底引きの狹い漁区に対して、多数の船が建造されているために、現状のままをもつてすれば、あり漁区がまつたく荒廃してしまうことは事実であります。こういうことがわかつておりながら、終戰後轉換資本や何かに対して、どんどん製造許可を與えて行つたということは、水産廰の無定見を明白に示しているものだと思うのであります。そのためにこういう事態が起つたわけでありますけれども、過去の責任を追究しても始まりませんから、これは一応おきますが、この整理をするにあたりましては、船をたくさん持つている大きい者を整理して、一隻や二隻しか持つておらぬような者に存続させて行くという今小松委員が述べられたような方針がとられなければならないと、私どもは考えております。そこでこの漁船を整理する場合において、さしあたり問題になるのは船員、漁業労働者の処置の問題でありますが、これがもし失業するということになりましたならば、この人たちの生活権は非常に重大なる脅威にさらされるわけであります。この漁業労働者の生活をどういうふうに見て行くかという点について、水産廰はどういう考えを持つておられるかということを、第一に御質問申し上げたい。
 第二に越境の問題であります。つまりラインを侵して協定を破つて行くという問題でありますが、これは乘組船員の責任というよりも、漁業資本家の責任であるということを、この際はつきり申し上げておきたい。やはり船員でも、漁がないと歩合が低いというので、他へ越境して大漁をやつて行きたいという氣持も動いておるのでありますが、それは日本の漁業労働者の最低賃金制が確立されておらないというところに原因があるのでありまして、こういう点については、一方において最低賃金制を確立すると同時に、漁業資本家に対して嚴粛なる警告を発する必要があると思う。大体以西底引あたり大型船に乗つているところの船員は労働組合を組織していて、きのうも海員組合の委員長が参つたのでありますが、海員組合といては、大いに組合で自粛自戒をしている。もし労働組合員の中で、しいてラインを破つて行こうという者があれば、これは組合から除名して下船させてしまう。そういう決意を持つているということを表明しておりました。ですから越境の問題については、漁業資本家の責任であるということをはつきり言つておきたいと思います。
 第三の問題は、停船させた場合の漁業労働者の生活の点等にも関連して来るわけでありますが、この底引きをやめた船や船員を政府の監視船に振り向けて行けば、船もその方に使われるし、船員も失業することなしに、またラインを越えて行くことを監視するという一石三鳥くらいの効果があるのではないかと思うのですが、そういうふうに活用して行く意思はないかどうか。これは特殊漁区が拡張された場合においては、それをただちに拡張された漁区へ持つて行つて利用することができる。やはり水産技術という点は、日本の非常に重要な特徴でありまして、これはやはり將來に生かして行くことが必要である。ルンペンとして生活を破綻させてしまうことは、日本の國策としてもとるべきものではないと了解しておりますが、これらの点について、水産廰長官の所信を伺いたい。
#98
○飯山政府委員 今砂間さんから、三点について御意見があつたように思います。
 第一点の從業員の問題でありますが、これは過日私の方にも海員組合の漁船関係の方々がお見えになりまして、停船はやむを得ない、停船にはわれわれも協力せざるを得ない。しかし今お話のように、自らの生活の保障という点について考慮を拂うべきだという、ただいまの通りのお話があつたのであります。その際に私はかようにお答えしておいたのであります。普通の場合には、こういうふうな整理をする場合に、國家的に何らか財政的か処置が従来はあつたはずであり、またあるべきだと私は考える。しかしながら現在の情勢においては、これが積極的に國家財政をもつてまかなうことが許されない状態にある。従つてわれわれに、整理された場合には、整理されなかつたところの人々によつて、これらの経営者及び従業員の問題の解決に協力を仰がなければならぬ、こういうふうに私どもは考えておる。こういうことをお答えしたのであります。ただいまのように、これが具体的にいかようにしてその人たちの生活を保障するかという点については、今後整理の場合において、整理される者と残る者との関係において、それをきめなければならぬ問題でありますので、今ここで具体的に私から申し上げ資料は持つておらぬのであります。しかしながら最後にお話の、監視船としてこれを使うことはどうか、一石三鳥の方法ではないか、こういうお話に対しましては、これはきわめて賢明なことと私どもも考えますので、もしわれわれの方の取締り費用の額が許すならば、できるだけそういう方向にこれを差向けるようにはいたしたいと考えております。
#99
○石原委員長 本日はこの程度にとどめたいと思います。
 つきましてはお諮りしたいのでありますが、かつて本委員会より政府に要望する事項を決定したわけであります。それは水産物の統制改善に関する件、漁業災害保障制度の確立の件、漁業用資材に対する補給金支出の件、水産金融対策に関する件、このほかにもう一つ追加をしたいと思うのであります。それは
   漁業用燃油確保に関する件
 一、近時漁業用燃油の割当は少量のため生産円滑を欠きつつあるので政府はこれが事態を認識し燃料確保について速急に適切なる措置を採るべきである。
 この一つを加えたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○石原委員長 御異議なしと認めます。さよう決します。
 これでもつて本日は散会いたします。
    午後四時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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