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1949/05/23 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第18号
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1949/05/23 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第18号

#1
第005回国会 水産委員会 第18号
昭和二十四年五月二十三日(月曜日)
    午前十時四十分開議
 出席委員
   委員長 石原 圓吉君
   理事 小高 熹郎君 理事 鈴木 善幸君
   理事 玉置 信一君 理事 松田 鐵藏君
   理事 林  好次君 理事 砂間 一良君
   理事 小松 勇次君 理事 早川  崇君
      川端 佳夫君    川村善八郎君
      五島 秀次君    田口長治郎君
      冨永格五郎君    永田  節君
      二階堂 進君    西村 久之君
 出席政府委員
        水産廳長官   飯山 太平君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (水産廳次長) 藤田  嚴君
        專  門  員 小安 正三君
        專  門  員 齋藤 一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 閉会中の審査に関する事件
 小委員長の経過報告聽取
 漁業法案(内閣提出第一八六号)
 漁業法施行法案(内閣提出第一八七号)
    ―――――――――――――
#2
○石原委員長 これより会議を開きます。
 漁業法案及び漁業施行法案を一括議題にいたします。審査に入ります前に、諮りいたします。ただいま議題といたしました漁業法案及び漁業法施行法案は、本会期中には審査の終了は不可能となりましたが、本案の重要性にかんがみ、閉会中もこれが審査を続けたいと思います。つきましては、去る十八日の委員会において御決定願いました閉会中の審査申出書の閉会申審査すベき事件について、漁業権に関する件、水産物の生産増強に関する件とありますのを、漁業法案、漁業法施行法案及び水産物の生産増強に関する件と変更いたし、議長に申し出たいと存じますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○石原委員長 異議なしと認めまして、ではさよう決定いたします。なお手続等は委員長に御一任をお願いいたします。
 次に資材に関する小委員会の委員長より発言を求められています。川村小委員長。
#4
○川村委員 私は資材小委員長として、本委員会に付託になりました水産資材小委員会の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本委員会は、去る四月の六日設置以來、数次にわたつて会議を開きまして愼重審議し、各委員と政府との間に質疑應答がかわされたのであります。そのおもなるものの大要は左の通りであります。一、水産の重要資材の行政は、商工省にあるのは不合理であるから、農林省水産廰に移管すべきではないか。一、重要漁業資材は、單一為替レート設定によつて二倍以上の價格引上げとなるが、魚の購買力が低下して魚價引上げ困難なる今日、重要漁業資材及び燃油等に対し、補給金を出して資材の價格引上げを防止すべきではないか。一、水産資材及び燃油等の確保は完全に行つているかどうか。一、漁漁業リンク物資は甲級地、乙級地の陸揚制度を廃し、公平に配給し、増産を奬励すべきではないか。一、漁業資材の配給は、資本漁業者と零細漁民と不公平な配給をしているのではないか。一、漁業資材の横流しは多量にあるようであるが、配給制度及び配給機構等を改善し、横流しを防止すべきでにないか等であつたのであります。これらに対しまして、政府委員飯田水産廰長官、同藤田次長。同石田資材課長その他より親切に、徴に入り細にわたつて答弁または説明等があり、各委員は了承したのでありまして、右に取上げられました諸問題中、今日すでに実行に移されたものもありまして、本委員会に有意義に終了したのであります。今後とも、各常任委員を初めといたしまして、政府当局も十分協力し、水産用資材全般の確保と配給に万全を期せられんことを希望いたす次第であります。
 以上御報告申し上げます。
#5
○石原委員長 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#6
○石原委員長 速記を始めてください。ただいまの川村小委員長の御報告を承認することに、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○石原委員長 御異議なしと認めまして、さように決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○西村(久)委員 この際漁港に関する小委員会の経過並びに結果を御報告して御承認を願いたいと存じます。
 漁港に関する小委員会は、二度にわたつて小委員会を開きまして、いろいろ檢討を重ねたのでありますが、御承知の通り、漁港はその性質上商港であり漁港であるというような関係等が非常に複雑でありますので、簡單にこれを漁港なりと認定するのに相当理由が必要となるために、今日まで漁港法の設定の運びに至つていないのであります。会期も非常に短かい今日でありますので、漁業法の制定に関しまして、小委員会におきましては、その運びに至らなかつたことを、はなはだ遺憾に存じますけれども、ここで一應御報告申し上げて御承認願つておきたいと思います。從いまして次の國会に漁港法に関する小委員会を再度御設置願いまして、漁港法の制定に関してその実現を期するために、委員会においても御考慮願いたいと思います。簡單でありますが、以上御報告申し上げて御承認願いたいと存じます。
#9
○石原委員長 ただいま西村漁港小委員長の御報告は、事情やむ得ないもの認めます。これを承認することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○石原委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。
    ―――――――――――――
#11
○石原委員長 それでは漁業法案及び漁業法施行法案につきまして御質疑を願います。玉置君。
#12
○玉置委員 私は新議員でありますので、古い方に私の質問するようなことを大体おわかりであるかもしりませんが、私は國政調査その他の面から考えまして、この場合数項にわたつて、きわめて簡單に質疑いたしたいと存じます。
 ただいま議題になつております漁業法案を通覧いたしますと、非常に複雑で解釈に苦しむような点もあるわけです。もつとも詳細に檢討はいたしておりませんが……。本案の施行後において、各漁業会ないしは水産組合が、その運営の上に、漁業者との間に、法的解釈あるいは取扱い上、非常に難点にぶつかりはしないかというようなことが考えられますので、私は以下数項にわたつて一問一答の形で政府当局に質疑いたしたいと存じます。
 まず最初にお尋ねしたいことは、本法案の附則第二項において、すなわち旧漁業法は廃止するということになつております。そして本法施行法案の第一條では、新法施行後二箇月間は、新漁業法の規定にかかわらず、旧漁業法になおその効力を有するということになつておりますが、ところがこの新法施行後に、第一條の規定による現存漁業権の存続も、また農林大臣が地区を指定して、告示されたその瞬間になくなるというようなことを聞いておるのでありますが、その関係はどうなるのか。基本的な大きな問題であるますから、一應お伺いいたしたい。
#13
○藤田説明員 お答え申し上げます。漁業制度の改革は非常に複雑になりますので、経済的には施行後二年間はやはり從来の漁業権のままで存続をいたしまして、その間において漁業調整委員会をつくらして行く。そうして漁業調整委員会ができますと、そこで海区の漁業調整計画というものを、どういうふうに新しく免許するかというような根本的な問題をきめるわけであります。それから一方、漁業権の補償委員会ができまして、具体的に各漁業権の補償金額というものを算定をしてきめて行くわけであります。そういうふうな準備がいるわけであります。その準備が大体海区についてできましたときに、今度はその海区について、定置漁業者はどことどこの漁場区域においてこれを免許する、從つてこれの免許を受けたいという希望がある者に申請をせよということに相なり、申請をいたしました者の中から、優先順位と適格性に基いて審査をいたす。そうして新しく漁業権を免許すると同時に、從來の漁業権を消滅する。そうして新しく、できました部分については、現行法によつて施行して行く、こういうような移りかわりに相なるのであります。
#14
○玉置委員 そうすると、移りかわりの今の海区を指定することによつてそれさえきまれば、二箇年間という問題はそこで消滅するわけですね。
#15
○藤田説明員 これ一應各海区ごとに計画をたてなければいけません。その海区についての計画ができれば、その海区については大体進行して行く。そうして全部としては二年以内に完了するというような建前に考えております。しかし実際問題といたしましては、おそらく二年間は準備期間になり、そうして二年を経過したおりに、全海区についてそれまでに一應発表して大体許し得べきものを初めきめて、そうして從來の漁業権の消滅とともに新しい漁業経営者を決定する、そういうようなことをおそらく一方にやつて行くような結果になるのではないかと思います。
#16
○玉置委員 漁業法案第十四條の適格性の問題ですが、一項の第一号、第二号の「漁業に関する法令の悪質な違反者であること。」「労働者に関する法令の悪質な違反者であること。」この悪質な違反という定義と、これに関連いたしまして同條と第二十八條の、相続その他によつて取得したる権利の問題で御質問いたしたいのですが、もし特定の人が相続によつて漁業権を獲得したという場合に、この不適者という烙印を押されてこれを取消されるというような場合に、もしその名義者がそれによつて権利が消滅した場合に、さらにその家族である何人かの名前でこれが相続できるものであるか、すなわちかわるべき人の名義に免許、許可されるものであるか、そこで、重大なる問題はその名義者であつた者が不適格者になつて取消されて消滅したという場合に、子供で経営の能力のないものの名義になつて、そうしてその家庭の生活上、その子供が多くの人を使うことができないから、從つて悪質によつて取消されたその人が依然として名義人ではないが、実際の経営に当らなければ経営ができないというものがずいぶん出て來やしないか、こう思う。でありますが、そうした関係はどういうような解釈で免許をさせ、あるいは経営を認めるかということになるのであります。この点をお聞きしたい。
#17
○藤田説明員 この免許の適格性に関する第十四條の規定の解釈でありますが、これは非常に從來の法律とは違つた、言わば英米法的考え方で、判例的にきまつて行くというような書き方になつておりますので、実際問題としてはいかなる者が該当するかというようなことが問題になるだろうと思います。これは私どもも立法する上にそのいかなる者を適各性にするかということを、できるだけ具体的に書くということで苦労をしたのでありますが、まず漁業に関する法令の悪質な違反、これは言えば、いわゆる経済違反は含みません。つまり統制法規違反、たとえばやみをしたというような問題はこれに含みません。これは漁業に関する法令、つまり漁業法、繁殖法及び取締法、そういうような見地の法令の違反者である。それによつてたとえば長期の刑に処せられたというふうな者は、これは該当するわけであります。しかしながらその場合に何年以上の者がこの悪質な違反者になるかという問題でありますが、これは実質問題として書くことも非常に困難であります。たとえば五年以上の刑に処せられた者は、これは悪質と認めるということにいたしましても、なかなか具体的にはいろいろの場合があるであろうということで、一應この悪質ということは社会通念によつてこれを判断する。一つはやはり漁業調整委員会がいろいろの事情から判断する、そうして悪質なりと調整委員会においていろいろきめて、これに悪質であるという者がこれに該当するというように考えております。それから労働に関する違反の問題にいたしましても、これはやはり同じような問題であります。この悪質な違反というものは、私どもとしては極端なもの、たれが見ても極端だというようなものはこれを適格性なしとして落して行こうという趣旨であります。軽微なものはこれによつて落そうというよう考えは持つておりません。それからこの漁村の民主化阻害の事例でございますが、三にも「漁村の民主化を阻害すると認められた者であること。」とありますが、これも字句としてきわめてはつきりしない関係で、これにパージにされたものにこれに該当するかということがらの問題でありますが、私どもといたしましては、パージとこれとは関係なしと考えておる。やはり具体的に漁村の民主化を阻害するきわめて封建的なやり万、言わば通俗に言われておりますところの、悪い意味におけるボスというようなことを、いわば海区漁業調整委員会が討議して、三分の二がどうも極端だというようなものを適格なしというように考えておる、これはやはり具体的に個々に事実を取上げて判断して、だんだんその事実が積み重つて参りまして、おのずから一つの氣分というものがつくり上げて行かれるというような考えであります。
 それから次の相続による問題でございます。これに相続人が不適格な場合にそれはどうなるかということでありますが、相続人が不適格な場合は、これに二十八條の第二項によりまして、適格性を有するものでないということを都道府縣知事が海区漁業調整委員会の意見を聞いて認めた場合に、これは一定期間内に讓り渡さなければその漁業権を取消す、こういうふうなことをその者に通知するというわけです。從つてまた讓り渡される者につきましては、これに適格性を持つていなければならぬということに相なります。從つて適格者を持つておるような者については、その者に讓り渡すことができると考えております。そうして相続人がきわめて幼少でありまして、結局悪質な人が事実その権利を占める、当然そのはねのけられたような者が実権を握つてやるというふうな点でありますが、そういうものについてはちよつと規定がありませんが、確かに適格性がないということがあとで判明をいたしました場合には、その漁業権を取消すという規定なのであります。それによつて処置いたしたいと思つております。
#18
○玉置委員 ただいま御答弁になりました取消すということがきわめて重大な点でありまして、私質問申し上げておるのですが、そうしますと幼少である者が適格な者になつていない。それから悪質な者がこれに携わつてはいかぬから、これをさらに追放するということになると、結局その漁業経営はやつて行けないということになつて、その者が生活権を奪われることになるのですが、生活権の保護ということは憲法におきましても保障されておるところであるにもかかわらず、その者は結局路頭に迷うのですが、そういう結果になつても、なおかつこれを取消すというような方針のものであるかどうかを承りたい。
#19
○藤田説明員 その取消の規定の第三十八條に規定してございます。漁業の免許を受けた後に漁業権者が第十四條に規定する適格性を有する者でなくなつたときには取消さなければならない。それから第三項に漁業権者以外の者が事実上当該漁業者の内容たる漁業の経営を支配しており、かつその者にに第十條から第二十條までの規定によれば当該漁業の免許をしないことが明らかである、こういうことを認めて調整委員会が漁業権を取消すべきことを申請したときに、都道府縣知事は漁業制を取消すことができる、こういうことになつておりまして、これによつて判断するわけであります。それはやはり從來の漁業権を一時消滅せしめて、新しく漁業権の免許を受ける者に、一定の適格性または優先順位によつてこれを免許して行く、こういう建前である以上は、それに反するような、つまり資格のないあるいは優先順位に該当しない者を認めて行くということは、これは法令全体の趣旨がこわれるというわけであります。かりにそれによつて路頭に迷うというようなことがございましても、それに別途にこれを解決すべきものであると考えます。漁業法の関係においては、これはやはり取消して行かなければ、優先順位及び適格性を認めた趣旨が失われるというふうに考えます。
#20
○玉置委員 そうしましすと、もう一歩具体的に申しますと、主人が名義人であつて、それが不適格であつて取消された。これを調整委員会で妻の名義で認めようということになつた。ところがその妻なるものがたまたま病弱であつて経営の一線に立てない。子供はまだ幼少であつて雇いを使うこともできない。そうしたときに以前の経営をするということになれば、その主人であつた追放された者が経営に一線に立てなければ、その家は成立たない。しかしそれはこの規定によつてそういうことは相ならぬ、あくまで取消すのだということになると、結局生活権を奪われることになるのだが、そこにこの漁業法だけを適用して憲法上の保障を無視してやれるものかどうか、こういうことが問題になりはせぬかと思いますが、そういう場合に、調整委員会は適当に相談して、調整委員会が認めればそれでやつて行るかどうか、そういうところをひとつお伺いしてみたいと思います。
#21
○藤田説明員 私は憲法上の問題はあると思うでありますが、これは一体漁業権制度の改正をやるかやらないか、すべての漁業権を一應全部消滅せしめてこれを補償し、それによつて優先順位と適各性によつてやつて行く、こういうことが漁業権法の問題にならないか、その根本問題があると考えます。しかしそれについては、私どもは一定の補償をすることによつて、社会公共のいわゆる漁業の利益のためになるこういう法律を規定し、しかもこれに対して正当な補償をするという建前でありますから、これは憲法上も許されると考えております。從つてその大前提がそういうことである以上、しかも優先順位と適格性によつて処置する以上、そういうものについては憲法上の問題はもう問題にならない。そのときにむしろ主人が適格性のない場合、病弱な妻に対し、しかも事実上その主人が当然仕事をしなければならぬ環境にあるにもかかわらず、許すということが、むしろ初めに問題になる。そういう際には、漁業調整委員会としては、かりにそういう事態になるとすれば、あらかじめ考慮してやつて行かなければならぬと考えるのであります。從つてここは漁業調整委員会がそういう場合に取消すべきことを申請したときには、都道府縣知事は漁業権を取消すことができることになるわけです。調査委員会の方で取上げない場合は問題は起つては参りませんが、取上げて來ました場合について、都道府縣知事としてはやはり取消すべきものと認めたときにはこれを取消される、こういうことになるわけであります。
#22
○川村委員 ちよつと関連して……。今の藤田次長の説明によると、調整委員会がそれを認めればよい、認めなければ地方長官が取消す。ここに第三十八條に関連して記載してある以上は、調整委員会がそういう適格性のない者を認めるということはできないじやありませんか。從つてこれがきまるという確定的なものなんです。いわゆる病弱な妻や、せがれが幼少であるとか、主人が漁業に支配権がない、いわゆる実際に漁業家でないということになれば、はつきり調整委員会が認めた場合には、調整委員会が認めたこと自体が違反になるのではありませんか。どうも長官は逃れるために、調整委員会が認めれば地方長官が許可をするというようなことを言つておつたが、法律にはつきり認められない條項がうたわれているにもかかわれず、そういう迷わさせるような答弁をしては、はなはだ不可解だと思います。この点はできないのだ、できるのだとはつきり御答弁願いたいと思います。
#23
○藤田説明員 それは具体的な事実の認定が非常に入つて來るわけであります。從つてその具体的な判断については、いろいろこれに該当するか、あるいは該当しないかという判断が出て來ると思いますが、適格性というものが、たれが見ても、はつきりわかれば書いてありまして、それに該当するということがはつきりわかれば、川村委員のお説のごとく、これは漁業調整委員会自身が取上げることもできません。しかしながら先ほど御説明いたしましたように、適格性自身が一つの何と申しますか、御承知のようにある意味の抽象的な書き方になつております。たとえに先ほど例にあげましたように、二年以上の罰に処せられた者、こういうようなことがはつきりしておれば、これはもう事実によつてはつきりするのであります。從つて二年以上の罰に処せられた者が出て來た場合は当然これは調整委員会が許そうと考えましても、法律が許さぬわけであります。それはお説の通りであります。そこに解釈ということはございませんが、抽象的な字句になつておりますから、そこにおのずから調整委員会がそれを判断する問題が出て來るという意味で私は言つておるので、決して問題をあいまいにしているわけではございません。
#24
○川村委員 玉置委員が例をあげてはつきり質問しているのだから、その例にはつきり答えればいいのであつて、それをまげてくねつて、みんな聞いている。人もわからないような答弁は私は不可解だと思います。例をあげて、玉置委員はこういう場合にはどうなんた、こういう場合にはどうなんだと聞いているのだから、イエスかノーかはつきりあなたが答弁してもらえば、そうくどくどしい答弁はいらないはずである。簡單でよろしいから、要点をわれわれにつかませるように答弁願いたいのであります。
#25
○藤田説明員 適格性のないものについては、漁業調査委員はむしろこれを取上げるべき資格はございません。しかし適格性があるかないかという問題は、さつき言いましたように、規定自身が抽象的でありますから、從つてこれは適格性があるかないかということは調整委員会がやはり判断しなければならないというふうに考えます。
#26
○玉置委員 この問題はこれ以上質疑をかわしましても、法案そのものがあいまいにできているために、後日に讓りまして、次は法の第十三條第一項第三号の「漁業権の不当な集中」という文句があるのですが、この文句もきわめて抽象的な表現であつて、集中の限界の解釈にこれまた苦しむのですが、これは二箇所くらいと解してもいいのであるかどうか。さらにまたこれをもし競争者がない場合に、それ以上に認むることが可能であるかどうか、こういう点について伺いたい。
#27
○藤田説明員 漁業権の優先順位とか、適格性の問題が、本來はつきり具体的にいろいろのケ―スがありまして、書けない点に御疑問があろうと思います。この不当な集中という問題についても、やはりいかなるものを不当な集中を見るかということについての御異見があろうと思いますが、これは個々の海区の事情によりまして、またその漁業の事情によりまして、さらにまたそれに対して請願者があるかないかという事情によりまして、これは総体的にきめるべきものと考えます。從つてただ單に二箇統だからいいとか、あるいは三箇統は不当な集中になるということは、簡單にはそれだけでは言えないのであります。一つは請願者があるかないかということもよく判断いたしまして、総体的にきめて行くというふうに考えております。
 それから資源の限界の明らかなもの、そういうふうなものにつきましては、これは一つは適性規模の問題、つまり下の限界、たとえば何箇統あるいは何艘経営することが大体適正であろうというふうな適性規模の限界と、それから請願者その他を見て、それが過度に集中するかというふうな二つの限界できめて行くべきものである。これもやはり法律的には、たとえばその漁場において全部の漁業権者の半分を占めているから、必ずこれは不正な集中だということは言えないのであります。これも調整委員会によつておのずから判断をしてきめて行くべきものと思つております。
#28
○玉置委員 本法案の第六條に、定置漁業の定義があげられてありますが、これによると底建漁業は定置漁業に含まれることになつておりますが、底建にやはり從來通り許可漁業にして、普通の定置と同じようなものを禁じ、また操業区域等も制限を加えたらどうかと思われるのですが、この点が第一点。
 次は第六條第三項でありますが、さけ、ます、にしん、いわしを主たる漁獲物とするもの、水深十五メートル以上のものだけが定置漁業となる。それより未満のものは許可漁業となつておるようであります。これは私はどうかと思われるのですが、この分類であるとすれば、水深と同時に沖出し間数を考慮に入れたらどうかと思うのですが、この点について伺いたい。
#29
○藤田説明員 地方廳でこの問題についてはいろいろあるかと思いますが、一應私どもの考え方としては、水深十五メートル以上に身網の最深部が設置されているものは定置漁業、それより浅いところにあるものは第二種共同業というふうに考えております。それからまたこれに共同漁業として漁業協同組合に許しますほか、個人に許しました場合に許可漁業かように考えます。現在底建網の問題その他の問題で御意見がありましたが、こういう点については私はよく漁業者の意見を聞いて、もしもこれが不適当であれば改正も考慮する、こういうことはちつともかまわないと思います。
#30
○玉置委員 最後にお尋ねしたいことは、第十六條に第三項の規定であります。この箇所だけを読みますと、「十箇年の間において、漁業を営み又はこれに從事したことをいう」とありますが、この十年間にぽつぽつ、たとえば一年とか二年、十年間に漁業に從事したといようなものをこれで認めておるのかどうか。第二十一條の「定置漁業権又は区画漁業権にあつては五年、共同漁業権にあつては十年」ということになつておりますが、この五年というのは角種にもよりまするが、北海道のにしんのごときは豊凶によつて――この五箇年に回復しようという者があつても、回復しようとする年度が非常に生産量に惠まれそうだというときに、もつとも新たに更新は認められぬまでも、免許になればそれでいいのでありますが、こういう法が存在する以上は、業者は非常な不安な氣持になつておることは当然でありまして、これをさらに七年ないし十年にした方が適切ではないかと思うのですが、いかがですか。
#31
○藤田説明員 この十箇年間というのはこの十箇年間に経験あるものということでありまして、たとえばその間若干休んでいるようなことがありましても、これに経験がありと見てさしつかえない。それから免許の期間でございますが、御承知のように現行法では二十年になつております。しかし事実免許をいたしております実際の様子を見ますると、一期五年というような区切りで許しておる所も相当あるわけであります。それで私どもといたしましては、これは許される方から言えば、経営の計画を立てる上からいつてなるほど長期に越したことはないのであります。優先順位と適格性によつて、さらにまたやつて行こうということから申しますと、やはりそういう側から申せば、適当な期間で切ることもいいと思います。結局いろいろ判断いたしまして、一期五年ということになれば、大体それによつて計画もできる。許される人は次にまた免許も受けられるというようなことで、これは実際問題として、五年に切れば体仕支障はなかろうという見当からいたしました。
#32
○砂間委員 会期も切迫しておりまして、十分の時間もありませんので、ごく簡單に二、三の点についてお伺いしておきたいと思います。
 まず、第一にこの漁業法施法の第一條についてでありますが、この第一條の規定によりますと「同法施行後二年間に、同法の規定にかかわらず、漁業法の規定は、なおその効力を有する。」ということになつておるのでありますが問題はこの二年間という規定であります。漁業権等臨時措置法によりまして、從來の漁業権は漁業会が二箇年間はそのまま存続して持つておるということになつていると思います。ところが一方においては、協同組合が設立されて行きつつあるのでありますが、せつかくこの新しい基礎の上に民主的な協同組合が設立されましても、二箇年間に協同組合に漁業権を移すことができないということは、少し矛盾しておるのではないかというように考えるわけであります。從來の漁業会につきりまして、せんだつても三重縣の九鬼村の例をもつて私申し上げたことがあるのでありますが、実際に漁業に從事しておりながら、漁業会に加入をこばまれておるというものがあり、一方におきましては、他面漁業に從事していない人が漁業会に加盟したり、あるいは幹部になつておるというような実情がありまして、実際の漁民と漁業会とが、完全に表裏一体をなしておらない例が全國に相当あると思うのであります。今度の新しい協同組合法によりますと、実際漁業に從事しておる人たちだけで協同組合をつくるという建前になつておりまして、その点この協同組合法が一つの進歩をしておると思うのでありますが、そういう進歩した、民主化された基礎の上に立つてできたところの協同組合が、二箇年間は一番重要な漁業権を行使することができないという点は、いろいろな面において弊害があり、うまく行かない点があると思うのでありますが、この点について、協同組合が設置されて、その漁業権をほしいという場合には、この経過規定にかかわらず、この二箇年間は旧來の漁業会がそのまま持つていていいという規定を改めまして、漁業会の持つている漁業権を新しく設立された協同組合にいつでもすぐ移動することができるというようにかえていただくことはできないかどうかという点をまず第一にお伺いしたいと思います。
#33
○藤田説明員 その点につきましては、これは土地の場合と漁業の場合とそこが違うのでございまして、一定の漁区について全体的に調整計画を立てる、それからやらなければならぬわけでありますから、個々の漁業権を個々に整理して行くわけに行かないのであります。つまりこの漁業区域の中に、現在はたとえば五箇統ありまして、その五箇統というものが、はたして適当かどうか、これは四箇統が適当ではないか、あるいは六箇統が適当ではないかということをきめてやらなければなりません。それによつて現在の漁業区域というものがまたかわつて來るのであります。そういうものがきまつて來ないと、ほかの漁場との調査もできないのであります。一定の漁場について、総合的な計画を立てなければならぬというように考えますから、個々にやるわけに行かない。だからやはりやるならその海区について、一斉にすべてのものを取消す、そうして新しくすべてのものを許す、こういうやり方でやりたいと思います。
#34
○砂間委員 ちよつと私の質問の趣旨が徹底しなかつたかと思いますが、二箇年間たつて一斉に消滅さして、新たに漁業権というものを設定して、公平に、正しくやつて行くというその趣旨はいいのです。ただ二箇年間旧來の漁業会がそのまま漁業権を持つていていいという経過規定になつておりますが、ここに問題がある。何となれば旧來の漁業会に、実際に生産に從事しておる漁民でありながら、それを包含しておらない。また実際の漁民でない羽織漁民が漁業会に入つておるというような場合がありますが、その場合に、そういう漁業会に二箇年漁業権を持たしておくというところに問題があるわけです。新たに民主的な基礎の上に、ほんとうに漁業をやつておる人たちが集つて漁業協同組合がつくられて來たのでありますから、それに、二箇年間の過渡的な時期でもよいから、旧來の漁業会の待つておる漁業権を、協同組合に移したらどうかというのが私の質問の趣旨でありますが、その点について、もう一問伺いたいと思います。
#35
○藤田説明員 考えておられます漁業権が一体定置漁業権のようなものを考えておられますか、あるいは専用漁業権のようなものを考えておられますか、それによつてまた違うと思いますが、おそらく専用漁業権のようなものをお考えになつておるような感じを受けるのであります。それで専用漁業権につきましては、この法律の関係ではやはり二年間は補償の関係もありますし、一應從來の漁業会が持つておりますけれども、これはただ單に漁業会が持つておるというだけでありまして、その管理はすべて漁業権管理委員会というものを別につくりまして、その管理委員会によつて、それが理事のかわりに仕事をして行く。御質問の、從來通りの漁業会の幹部がその漁業権の管理をみなやるのじやないかというような点は、私どもも弊害があるかと考えますので、これは漁民の選出した委員がその管理に当るという建前をとつております。それともう一つは、從來の漁業会に正当な漁民が入つておらないものについては、これは過渡的な考え方としては、われわれとしてはできるだけ入つて行くようなことを指導しております。そういうことでやつて行けば、その漁業権の帰属を移すとおつしやいましたが、管理の方は漁業権管理委員会がやはり管理しておりますから、大体新しき行き方で管理がきめられると思います。所有権の消滅設定の問題は、これはやはり全部その海区については一律にやつて行く、そういうふうにいたしたいと思います。
#36
○砂間委員 その次に、調整委員会のことにつきましてお伺いしたいと思います。最初農林省の原案にありました市町正村の漁業調整委員会を、どうしておとりやめになつたかという点をお伺いしたいと思います。私どもの考えるところによりますと、市町村の漁業調整委員会を存続しておくことは非常に重要じやないか、何となれば、調整委員を実際に漁業に從事しておる漁民の間から出して行くという目的からいたしますと、やはり市町村單位に選んで行つて、初めて最も民主的な調整委員が選出される可能性が多い。これを海区で選出するということになりますと、どうしても範囲が廣くなりますから、その地方で顔の売れた人とか、あるいは有力な人とか、いわゆるボスというふうな言葉で言われる人が、出て來る可能性が非常に強くなつて來るわけです。これを狭い市町村で選出すれば、まだ民主的な、実際の漁民の代表が出て來る可能性が非常に強いわけであります。そういう点から言いまして、非常に重要な権限をもつている調整委員の選出には、やはり市町村から出して行くということが非常に重要だと考えるのでありますが、これが、今度提出された政府原案によりますと、削除されておるのであります。この市町村の漁業調整委員会を削除した理由と、これをもう一ぺん復活させる御意向はないかという点をお伺いしたいと思います。
#37
○藤田説明員 この市町村の漁業調査委員会を設置しない理由は、これに大体二点あるわけであります。その第一点に、共同漁業権というものを今度の案では認めることになりました関係上、市町村漁業調整委員会であります仕事の大部分というものは、もはややる必要がなくなつたわけでございます。それをもう少し御説明いたしますと、從來の漁業制度改革の案では、根付漁業権ということになつております。海藻、貝類等、一定のもの以外は、全部これを経営する者に免許する、こういう思想であつたのであります。從つて、同じ市町村の間でも、各種の漁業の間の調整の仕事というものが起り得るわけであります。從つてそのために漁業調整委員会を市町村に設置する必要があつたわけです。ところが今度は、共同漁業権というものを認めることにいたしました。これが一種から五種まであります。從來の根付漁業権のほかに、小型の定置でありますとか、あるいは地引でありますとか、いろいろなものを共同漁業権として與えまして、それは漁業協同組合に、一定の條件を備えるものにこれを免許する。從つてその漁業権の行使は、これを漁業協同組合の組合員の総意に基いて、自主的に組合内部の問題で決定できるわけです。そういうふうな方式でやるわけでありますから、もはや市町村漁業調査委員会の仕事というものは、全部なくなつたとは申しませんけれども、大部分はなくなつた。從つて残りの部分については、特にそのために設けないでも、海区漁業調査委員会によつて取上げればよろしいということが第一。
 それから第二点は、予算の関係であります。相当厖大な経費がかかるわけであります。しかも厖大な経費はすべてこれは免許料及び許可料の関係によつて、新しく許された者からとることになるわけです。從つてできるだけそういう経費は軽減したい、こういうような趣旨できめたわけであります。
#38
○砂間委員 市町村の漁業調整委員会を残しておいた方がいいかどうかという点につきましては、これは議論になりますから、あとでまたやることにいたしまして、さらに調整委員会の点についてお伺いしておきたい点は、第一は、ただ一般の漁民の選挙ということになつておりますが、これを農地委員の選挙の場合におけると同じように、階層別に選出させるということが非常に重要じやないかと思うわけであります。たとえば、農地委員会の場合には、小作人から代表を何名、自作農から代表を何名、地主から何名というふうに出ておりますが、こういうふうに、やはり漁業調整委員の場合におきましても、階層別に選挙するような仕組みにすることが非常に重要だというふうに私どもは考えるわけであります。しかもその場合、実際の漁民や漁業労働者の比重を相当重くするということが、漁村民主化の趣旨にかなうものじやないかというふうに考えておるわけでありますが、この政治原案によりますると、そういう階層別という規定が全然ない。從つて当該地方において、調整委員を選挙するという場合には、どうしても力のある者、有力な人が出て來るということは、これは火を見るよりも明らかだと思うのであります。從つて、調整委員会の選挙を階層別にするということが重要だと思うのでありますが、その点について政府はどうお考えになつておるかということとであります
 第二点といたしましては、この調整委員会が、権限があるようで、ない。大体いろいろなことを実施して行く場合におきましては、縣知事が調整委員会に諮問する、その意見を開いてということになつでおりますが、最後の場合にはやはり知事が決定権を持つということになつております。この点で、これまでも各委員の中で御意見が出ておりましたが、調整委員会を一つの決議機関にするということ。それから学識経験者とか、公益代表とかいう者を任命することになつておりますが、もしその必要があるならば、これもやはり選任にする――私どもはそういうものは必要ないというふうに考えておりますが、もしどうしてもするのだつたならば、これは知事の任命でなくて、全部選挙制度にしたらよろしい。私の結論を申しますと、調整委員会の構成は全部選挙制にして、決定機関にするということ、そして選挙にあたつては階層別の選挙にして、眞に勤労者の比重を重くするということが非常に重要だと考えておるのでありますが、この点について政府の御意見を聞きたいと思います。
#39
○藤田説明員 この点については、御意見のように、非常に内部でもいろいろ愼重に研究したのであります。大体結論は、漁業調整委員会というものは、これは利益代表というふうな選出方法でなしに、問題の公平な判断者というふうな意味合いで選ぶということの方が、漁村の実情に適しているというふうに考えたわけであります。それで、現実問題といたしまして、利益代表的な考え方をもし取入れるといたしますと、これにただいまお話のございました階層別だけでは足りないのであります。つまり経営者と労働者以外に、漁業については、たとえば業種別の問題がございます。つまり大漁業、小漁業、こういう関係がございます。それから入会の関係で、地域的な問題もございます。そういうところまで考えなければならぬ。しかし事実問題として、それをそういうふうにこまかく割り振ることは、とうていできないと考えます。そしてまた、かりにそういうふうに行きましても、そういう選び方で行きまして調整委員会が、どう動ぐかということもまた懸念される。從つて、現在の考え方といたしましては、これはやはり公平な判断者という意味合いで、特に地域別、業種別、階層別という選び方にさせておらないのであります。ここは農地の方と事情が違うものと考えております。
 それから調整委員会の性格でございますが、これを決議機関にせよという御意見であります。しかも内部的には考えたのでございますが、結論を申し上げますと、現在の漁村の民主化の段階、漁村の実情から考えまして、私といたしましては、漁業調整委員会というものは、これは事実は非常に重要視して、決定機関と同じような動かし方で、大体においてやらなければならぬと思いますけれども、これはやはり法律的には諮問機関であります。そうして判断はやはり都道府縣知事というものが決定するということが実情に適すると考えます。しかし、なおこれは從來、漁業調整委員会が法の所期する通りに構成され、しかも漁業調整がうまく行くというふうな場合には、私はお説のような方向にだんだんと進んで行くことが適当であろうというふうに考えております。
#40
○砂間委員 次に、補償の点につきまして、漁業補償委員会の構成でありますが、これは施行法の第十七條第四項によるますと、「委員は、都道府縣知事が漁業者及び漁業從事者の中から選任した者七人学識経験がある者の中から選任した者三人」ということになつております。これは徹頭徹尾天くだりでありまして、知事が上から選任することになつておるのであります。この補償委員会の仕事というものに、非常に重要であるのでありますが、これをただ知事の天くだり的な選任ということでは、いろいろな弊害が起る危險性がある。これはやはり選挙にする必要があるのじやないかと思うのでありますが、この点について政府のお考えを仰ぎたいということであります。
 さらに、補償の仕方でありますが、大体二十五箇年年賦かの交付公債に似たようなものになると思うのですが、これはほとんど紙くず同様なものになると思うのです。これはやはり、零細漁民と申しますか、漁民から取上げる漁業権については、これに現金でやるというふうにしていただきたいと私たち考えておるのですが、それについては、政府はどういうふうにお考えになつておるか。
 それからなお、この免許科、許可科の点についてでありますが、この点につきましても、これまで各委員からいろいろ御質問が出て來ておりますので、重複する部分は省きたいと思いますが、どうしてもこの免許料、許可料をとらなければならぬというものであるならば、これは一定規模以上の資本漁業からは累進的にとることにいたしまして、協同組合が経営する場合には免許科、許可料は免除するということが、協同組合を育成し、発展さして行く上からも非常に重要なことではないかと考えるわけであります。免許料や許可料をただ一率に、漁集権を交付した者からとるという規定を改めまして、もう小し具体的に、今申しましたように、漁業協同組合の経営する場合にはこれは免除する、そうして大資本家が経営する場合には、累進的に高くとるというふうに修正される意思はあるかどうかという点について、お伺いしたいと思います。
#41
○藤田説明員 補償委員会につきましては、十七條の第四項に、都道府縣知事が漁業者及び漁業從事者の中から選任した者が七人、それから学識経験がある者の中から選任した者が三人、こういうふうに書いてありまして、これは、いわば漁業者及び漁業從事者の中から選任する問題で、それから、どういう者を出すかということについて、漁民に選ばしたらどうかというふうな御意見もあるわけなんでありますが、私どもといたしましては、大体技術的な関係で考えますので、大体都道府縣知事が公平に補償委員を選んだら、それでよいのではなかろうかというふうに思つておるわけなのであります。しかしこういうふうな点については、ひとつ委員会でよく御研究をいただきたいと思つております。ただ私は、選挙では不適当だと思いますのはたとえば金融の頭のある者とか、こういうふうな人も入れなければならぬというふうにも考えるわけであります。選挙ということが必ずしも公平でないようにも思うわけです。そういう点はよく御審議をいただきたい、こう思つております。
 それから補償を現金でやれというお話でございますが、これはもつばら財政的な関係でございます。御承知のように、一度に現金で出しますと、たしか百七十億ばかりの支出を政府がしなければなりませんので、こういうことはとうてい刻下の財政から許されないということで、漁業権証券という形になつております。ただ私どもといたしましては、この漁業権証券をできるだけ何とか有利に活用する、これを資金化する道を開くという点について、これは金融その他の問題とにらみ合せて、將來考慮して行きたい、こう思つております。つまり、証券では出すけれども、それができるだけ、ある場合には資金化ができる、あるいは何かの制度の裏づけに使えるというふうな方向にこれを研究して行きたい、こう思つております。
 それから、免許料を一率にかけないで、つまり会社企業のようなところへはたくさん免許料をかけて、協同組合がやるものについては免許料は免除する、こういう考え方でありますが、私どもといたしましては、これは漁業権の種類によつては、そういうふうな考慮が必要かと思つております。たとえば大体免許料と補償料は見合いになるわけでありますけれども、専用漁業権の補償に要する金と、將來共同漁業権から取立てます免許料というものは、これに必ずそれだけ見合いになるわけであります。専用漁業権というふうな内容のものの保証金はできるだけ多くし、しかも零細漁業者に対する免許料のかけ方はできるだけ低くしたいということで、リンクによるものと、そうでないものと分けて、具体的に研究しております。ただ、御意見に、おそらく同じ定置漁業について、個人がやつた場合には免許料をとる、協同組合がやつた場合にはただにする、こういう御意見かと思いますが、これはやはり私どもは、優先順位についてはできるだけ協同組合を優先的に考えますけれども、そのほかの條件を差別をつけるということは、これはまた一考を要する問題と思います。やはり漁業協同組合といえども、同じ資格において競争さすべきじやないか、そうしてかりに漁業協同組合について研究すべき面があるならば、これはまた別途の方法で協同組合を維持助成すべきところの政策をとるべきじやないかというふうに考えております。
#42
○西村(久)委員 関連しておりますから、ちよつとお尋ねいたします。ただいま砂間委員からお尋ねの、賠償金に関係する漁業権証券の問題でありますが、これは、二十五年の長期にわたつておるのでありますが、特別会計法を設定するというお考えでありますか、この点をお尋ね申し上げます。特別会計でないと、二十五年の間、本省内の経理の関係を私どもは心配するのであります。この点を一應確かめるおきたいと思います。予算の建前からは、特別会計を設置すべき必要ありと私に信じますので、お尋ねを申し上げます。
#43
○藤田説明員 これはお説の通り、私どもも原案におきましては、特別会計を主張して交渉したのでありますが、結論においてに、特別会計でなく一般会計に相なつております。しかしながらこれは、それによつて得たところの免許科というもの、それに対する支出というものは、必ずこれに充てる。つまり特別会計的な約束を大蔵省との間に協定をいたしまして、形としては特別会計にとらないが、実質特別会計式な考え方に行こうということに、一應協定をしたわけであります。しかしながらこの点については、私どもも当初特別会計がいいというように考えて交渉したわけであります。そういうふうな点については、十分委員会で御審議をいただきたいと思います。
#44
○砂間委員 続けて御質問いたしますが、旧漁業権が銀行なんかの担保に入つておる場合があると思います。それを一度御破算にして、新たに漁業権が設定されて行くわけですが、この銀行なんかに入つておる担保をどういうふうに扱うか。これが旧來の漁業会の財産や債務を協同組合が継承して、漁業権に漁業調整委員会でやる。それが協同組合へ來る場合もあれば、來ない場合もある。ほかの第三者が経営するということになつた場合に、銀行なんかに入つておる旧來の担保の債務だけ背負つて行くことになりましては、協同組合の発達育成の上に非常な支障を來すと思いますが、こういうふうに旧來の漁業権が金融機関の担保に入つておるような場合の処置は、どういうふうにされるか。私どもはこの担保権は棒引にして消滅させるというふうにした方が、一番手とり早くていいというふうに考えますが、一方金融機関の場合においては、やはりそうも行かないので、いろいろ問題が起つて來るかと思います。この担保に入つておる漁業権を、旧來の漁業会が持つている場合の処置について、ひとつお伺いしたいと思います。
#45
○藤田説明員 漁業権の上に抵当金が設置されて、おりますその抵当権は、漁業権が消滅することによつて得るところの補償金の上に乗りかかつて行くわけであります。つまり補償金に対して抵当権者は権利を行使するわけであります。從つて新しく今度免許された漁業権は、何らそれとは関係はございません。
#46
○砂間委員 それは今おつしやる通りなんです。それは補償金が十分來ればいいと思います。五十万円借りてあつて、補償金が百万円も二百万円も來ればそれで債務を決済して行くこともできると思いますが、漁業権を担保に入れて、そして銀行から借りた額の方が補償をオーバーしておつた場合、あるいはその補償というものに、漁業権証券によつて一ぺんにはなかなか銀行が納得しないような形で来ると思う、そうした場合は、やはり問題が起ると思います。それを新たな協同組合がまた古いしりぬぐいの金を出し合つてやるということになつたのでは、これはうまないと思います。そういう場合はどうされるのですか。
#47
○藤田説明員 協同組合がしりぬぐいをするという事例が私にはわからないのでありますが、おそらくこういうことかと思います。漁業会が漁業権を持つておる。そうしてその漁業会が金を借りておる。漁業権も担保に入つておる。こういうふうな場合に、おそらく漁業権だけが担保に入つておりません。いろいろなものと一体になつて担保に入つております。それで漁業権に対する補償金が少ければ、いきおいほかの財産、つまり漁業会全体の財産から拂わなければならない。從つてその漁業会が持つておる設備を協同組合に移す場合に、何と申しますか、銀行の関係があるから、評価がえをして、高い財産で引取らなければならぬ。それでは困る。こういう御質問かと思います。それはわれわれとしては、これは極端な赤字は別でありますけれども、これはやはり新しい財産を引渡します場合に、從來の漁業会に対する債権者というものについても、これは相当の保護をするということでなければいかぬと思います。それによつてその財産が、たとえば帳簿價格を上まわるような價格で協同組合が買わなければならぬ、こういうふうな場合になりましても、ほんとうのそういうふうな財産の價値がまだあるということであれば、その程度は協同組合はがまんしなければならぬであろう。從來の金融機関はそのままで拂わすに済ませるということも、これは水産金融の將來から考えましても、適当ではないだろうというふうに思うわけであります。
#48
○砂間委員 その点についていろいろこみいつた問題もありますので、これは別の機会に讓ります。時間もありませんので、なお簡單に二つばかりお尋ねしておきたいと思います。
 私どもの希望としては、全体を通じて一切の漁業権を協同組合に與える。そうして協同組合に対して経営に必要な資金や資材、そういうものを全部國の方で出して行つてもらうということを、原則として希望しておるわけであります。
 あとちよつと別の問題についてでありますが、簡單に御質問したいと思います。実は北海道の噴火湾の粉援の問題でありますが、これは許可されている船の数が多いのでありまして、正規に漁業許可を受けておつた船の数は、青森が十七隻、宮城が三隻、福島が二隻というようなものが慣習的になつておつたようでありますが、現在はいつの間にか二百隻前後が出漁しておる。そのために非常にあそこで紛争が起つておりまして、昨年の五月、宮城縣の出漁船が、噴火湾で乱獲のために十数隻拿捕された。そのときには、道廳の水産課や縣の水産課が中に入つて、宮城縣側の進藤底引会長と現地の漁業会長のあつせんで、三百七十方円で現地で容認の協定を結ばれたそうであります。その後輿論が硬化して來て、前面的に入漁反対ということになつて、北海道の方では盛んに反対の機運が強い。ところが一方におきまして、千葉福島、茨城等のあぐり船が、漁業手形制度による融資を受けまして、かつお、まぐろ船に切りかえて、宮城縣に入漁しようとしました。ところが宮城縣の業者は盛んに反対運動をした。そのときに、農林省が中に入つて、北海道の入漁権を條件として解決したので、撤回したそうであります。この千葉、福島、茨城の場合においては、大体農林省が中に入つて、北海道に出漁してもいいというふうな態度をとられたように思いますが、そうすると、北海道の方の人たちとの間に何か折り合いのつかない、うまく行かないものがあると思いますが、このいきさつは一体どうなつておりますか。またあの問題はどういうふうに解決されようとしておるのか、ひとつ水産廰の方の御意見を伺いたい思います。
#49
○川村委員 ただいま砂間委員から質問がありましたが、私はそれより根本問題としてお伺いしたいことは、今回われわれに提出されておるところの漁業法は、非常に画期的な、しかもこれまでの慣習とかあるいは特徴とか官僚独善とかを一掃して、漁業の民主化と漁場の総合的高度利用のよつて生産の増強をはかるとともに、生産者の利益を均活するというのが目的なように、私は内容を考えるのであります。まことにけつこうなことでありますが、しかし現日本の漁業の段階から行きまして、漁業の民主化をねらつて、そうして画期的なこの法案に盛られたところの内容において、漁業を経営せしむるというようなことは、はたして一体その目的を達成することができるかどうかということを私は心配するものであります。過去はボスだとかあるいは官僚独善だとか、特権だとかいうようなことを叫ばれて、極端なものはむろん廃止しなければならぬのでありますが、漁業生活の増強とさらに漁業者の利益を均活する等のことができるとするならば、やはり過去の特権とかあるいは慣習とかいうようなことを、悪い点は是正しても、いい点は残して行かなければならぬ、かように私は考えるのであります。從つてただいま砂間委員から質問になりましたことは、これなくして私は絶対に解決がつかないと見ております。そこで私は一言砂間委員の質問と並行してお伺いしますることは、この漁業法案は、先ほど私が申し上げましたような内容になつておるのでありまして、すなわち先ほど砂間委員の質問した問題を解決せんとするならば、おそらくこの法案に盛られたような精神では、絶対に解決がつかない、かように考えておるのであります。從つてあの問題を解決づける場合においては、やはり過去の実績とか慣習とか増産に寄與した、そうしたりつぱな問題を頭に入れて解決づけて行かなければ、おそらくこの問題は北海道、さらに内地関係方面も納得がしがたい、納得しがたいということは、すなわち解決がつかないということになるのでありますが、この法案の精神と現在行われておる問題、すなわち複雑した問題を解決づけて行きまする上におきましては、いわゆる画期的なこの法案に盛られた精神で解決づけて行くか、また過去の実績あるいは慣習というようなことも織り込んで解決をつけて行く御意思であるかどうかということを、まずもつて砂間委員の答弁のあとにでも先にでもよろしゆうございますから、御答弁を願いたいのであります。それからさらにその御答弁によつては再び質問をいたしたいと思います。
#50
○飯山政府委員 砂間委員の御質問にお答えいたします。先ほどのお話は、多分北悔道の底引漁業の関係だと判断いたしますので、そのことについて申し上げたいと思います。御承知のように、戰時中食糧増量ということが急なために、底引漁業というものは、全國を通じて非常に増加したのであります。その当時の事情としてはこれまたやむを得なかつたのであります。終戰後これら多数の底引漁業の操業のために、全國各漁区とも非常な荒廃をいたしたのであります。ことに東北地方が最もはなはだしかつたのであります。從つて東北地方の底引船で北海道の海区に出漁するものが相当増加していつた。その結果、ただいまお話のようにその入会についていろいろ問題を起した結果、北海道は北海道漁区への入漁を拒むというような意思のもとに再々陳情をされ、また東北地方の関係の業者は、これまた北海道の海区にぜひ入漁をさせろというような陳情を継続しておつたのであります。御承知のように、以東底引の漁業の許可は、戰時中は地方に委讓したのであります。終戰後これを再び農林省にもどしまして、農林省の許可ということに相なつております。從つて農林省といたしましては、これは何らかの方法によつて円満なる調整をしなければならぬという事態に到達しておるのであります。その解決については、われわれ目下十分な檢討をいたしておるのであります。近くこれが調整の実際化に進みたい、かようになつておりますので、現在においてその紛爭の現状は、一時相当危險な状態にあつたように伺いますが、ただいまのところ紛糾中というようなことではないのであります。ことに時期も、現在は漁期の関係から、必ずしも全部多数のものが行くというような時期にもなつておりませんが、これがこのままに行きますれば、また整理できぬというようなことになると、非常な事態になる。その前において私どもはこれに対してぜひとも解決いたしたいというので努力しておるわけでありますから、さように御了承願いたいのであります。
 なお関連しております川村委員の御質問にお答えしたいと思います。漁業法の改正の精神から申しますれば、非常に革新的な精神が盛られておるのであります。しかしこの漁業法につきましては、現在当委員会においても御審議を願つておるようなわけでありまして、この法の実施については、國会の協責を経た後でなければ、この法律は行われないのであります。しかし私どもが漁業権に関する限り、現在の行政をいたしまするには、やはりかような精神に基いて行くというような方針は、これは水産廰の現在の方針として考えておるものだと思います。しかし、しからば東北、北海道の底引の入会問題についてかような精神でやることができるのか、こういうお尋ねかと思うのでありますが、私どもは要するに現在の食糧事情から見まして、それらの紛爭も増産を妨げない、しかも漁業者の安定をやはり維持しなければならぬ、こういう面から考えて行かなければならぬと思うのであります。從つて今度の入会問題の解決にあたりましては、川村委員が申されますように、從來の関係も十分に檢討を加えなければ、漁業法の精神だけでこれを解決するということは非常に困難と思つております。また私どもも漁業法の精神でこれが解決できるとは考えておりません。從つてできるだけ解決のしやすい方向にこれを進めたい。その解決の道が新しい精神で行けるならば、これはなるべく行きたい、こういう考えを持つておりますけれども、解決を最も円満にするためには從來の実績あるいは関係、こういうものを十分に考慮に加えて行かなければならない、かように考えております。
#51
○川村委員 ただいま水産長官の御答弁にありました通り、本問題はやはり過去の実績、慣習を織り込んで行かなければ解決ができないことは、私も同様と考えておるのであります。そこで私は一言この問題に触れてみたいのでありますが、私は原則的には北海道に入漁させるということは大反対であります。しかしながら、ただいま水産長官も言われました通り、戰時中この機船底引漁ばかりでなく、北海道に許されておりますところの小型手操網漁業のごときは、違反をしておることを認めながらも、奬励金を交付してまでも、一も増産、二も増産といつて、食糧増産に寄與させたのであります。從つてその当時の漁民たちは、自分の犠牲をも顧みず、あの資材が困難な、資本がなかつたときに、悪戦苦闘を続けて、勝たんがために、日本の食糧事情を緩和せんがために、漁業を継続して参つたのであります。今や食糧はやや緩和されたといえとも、まだ日本の蛋白質給源は必ずしも万全を期しておるとは申されませんと同時に、この戰爭中増産に寄與して來ましたところの漁民を、このまま放置するわけには絶対参らないと私は思つております。過去の日本でありますならば、いずこの漁場に行つても漁業を経営することもできますので、何らわれわれは苦痛を感ずることはありませんけれども、敗戰の結果はラインが引かれて、それ以上出ることはできません。從つてこのライン内で作業をさせて、漁業者の経済も生活権も保障して行かなければならないと同時に、日本の蛋白質の増産をしなければならぬという、痛しかゆしの現状であるのであります。がような自主的情勢、客観情勢からいたしまして、おそらくあの問題を何とか最善の方法で解決づけて行かなければ、とうてい漁民も納得しがたいのでありますが、その中に入つておる水産廳も、非常な苦痛な立場になるだろうと思いますし、また一方入漁を防止しておるところの道廳も、その中に入つて非常に苦しいのではなかろうか、こうしたことを考えるときにおきましては、私はいささか自分の態度がにぶるのでありまして、これを幾分か許可をして、いわゆる過去を認めて行かなければならない、かように考えるのであります。ところでただいたずらに前悔を繰返すようなことがあつてはかえつて紛優をかもすのでありますから、ここに私は一つの意見を申し上げておきたいと思います。その文を読みます。
 一、北海道の水産資源特に底魚にし
  て機船底引網漁業及び小型操網漁
  業(以下機底漁業及小型漁業と言
  う)等にて漁獲する魚族を十分に
  調査しそれに基き北海道の魚田開
  発計画を樹立すると共に前記漁業
  の操作計画を樹立すること。
 二、北海道内接属漁業及小型漁業の
  左記諸棟の隘路を打開し生産の増
  強を図り得られる様方法を講ずる
  こと。
 (一) 慨存の機底漁業及小型漁業の
    トン数並に馬力等を増加するこ
    と      ’
 (二) 慨存の小型漁家を調整統合す
    る場合は或程度数の機底漁業を
    許可すること。
 (三) 北海道内に居住を有する機底
    漁業者の操業区域制度はこれを
    撤廃し全道置沖合一円とすりこ
    と。
 (四) 終戦後北海道内に居住を有す
    る漁業者より機底漁業の出願者
    が相当数あつたはずであるから
    固漁業の操業に適当なる漁船を
    有する適格漁業者に或程度数を
    許可すること。
 (五) 同一漁業区域内において他の
    漁業と相剋摩擦を生じない様に
    十分其処置を講ずること。
 三、沿岸漁業の振興を絶対に妨げな
  い様十分なる方法を講ずることす
  なわち関係他方漁村の繁殖保護施
  設並に其他の漁業施行等の資金を
  何らかの方法にて援助すること等
  その一つである。
 四、東北関係各縣の機底漁業無許可
  船はすみやかに処断するとともに
  慨存の許可船も整備を断行するこ
  と。
 五、東北各縣より入漁する機底漁業
  の隻数及区域等は厳重なる制限を
  加えること。
 六、北海道應並に関係者縣應又に関
  係漁業者は操業の安全性を確保す
  るため侵略漁業を防ぎ資源の繁殖
  保護をはかりかつまた同漁業を恒
  久的に維持し増量に奇興せしむる
  目的をもつて適当なる監視船を相
  当隻数配給しその的を十分に達
  成すること。
 七、東北関係の監視船が監視を怠り
  無許可船を北海道沖合に侵入せし
  めまたは許可船といえども條件等
  を破り道内の漁薬を混乱せしめた
  る場合は関係各縣の連帯責任にお
  いて違反者の許可を取消すととも
  に無許可船に対しては断固たる処
  理を講ずること。
 以上であります。こうした意見をつ、け加えるおきますから、どうかこの意を十分にくんで解決あらんことを切に希望いたします。
 それからもう一つあります。さんまの漁期禁猟の問題でありますが、過般もこの問題について質問いたしましたところ、水産廳次長から答弁があつたのでありますが、あの漁期あるいは制限は、北海道並びに青森縣、若手縣は最も大きな打撃を受けるのではなかろうか。今無許可船といんどむこうした條件のもとに緩和をしなければならない、解決をつけなければならないというときに、何を苦んで一体この禁猟の條件をつけなければならないか。私にこの機会にこそ過去の慣習にとらわれず、それを許可せられて、漁場の総合的高度利用ということの一面からいたしまして、さんま漁業だけは何でとつてもよるしいというように開放しなければならないと考えますので、この二点について御答弁を願いたいのであります。
#52
○石原委員長 川村君の御発言は議題以外ですが……。
#53
○西村(久)委員 議事進行について……。川村委員の御質問の概要は、委員長の申される通りのように聞き及んだのであります。本件につきましては、水産当局よりもこれを調停する熱意のある意思表示がされておるのでありますから、この程度にして議題であります法案審議に対する質疑を続行されんことを望みます。
#54
○川村委員 それでは答弁を求めるということを取消しまして、善処せられんことを要望いたす次第であります。
#55
○石原委員長 お諮りしますが、漁業法案並びに施行法案は、わが國の漁業者にとりましてまことに重大な問題であります。いわゆる農民にとつて農地を一時取上げるということと同じ性質のものでありまして、わが國全沿岸の漁業者の死活問題であります。従つてこの見地より、この法案が編成されたものであるという点には、われわれは大きな疑問を待つものでありますから、慎重に相当の期間を費して、これに対する審議をなさねばならぬのでありまして、そのために継続審議を議会に要求し、かつ現在調査を、國政調査の形式によつて実行することを求めておる次第であります。どうかこの点はなかなか短時間に解決はできないと思いますけれども、しかしいたずらに延びることは漁民全体の苦痛を長引かせることでありまするから、お互いに委員諸君の特別なる御熱意をもつて、休会中にもし分御努力くださるようにお願いする次第であります。また水産廳当局におきましても、これが現地調査をする場合に、内容を説明するのは水産廳の関係官が出張しなければ、徹底的な説明はつき得ないのであります。ゆえにわれわれ現地を調査する議員には、必ず水産廳の関係の人々を同行させるようにここに強く要望いたしておきます。
 今期國会における本委員会は、今回をもつて多分終了するかと思いますが、最後に水産廳長官に対し、強く要望する点があります。御承知のように、本委員会はわが國の現下の水産業の不振の情勢、並びに最近の國際関係等にかんがみまして、その派生すべき影響をおもんばかり、いたずらに声を大にすることを慎んで、つとめて名を避けて実を得る方針のもとに、漁業権、水産物統制、水産資材、漁港、金融等五つの小委員会を設けまして、名委員は協力一致して、熱烈な審議を重ねられたけであります。従つて水産業政の、強化拡充、漁区拡大、金融の問題、その他重要なる諸問題につきましては、総理大臣を初め関係各閣僚に対し強く要望し、これに対してはそれぞれ責任ある言質を得て、相当の成果を得たと併するももでありますが、これが実現については、飯山長官の今後の御努力にまつもりがあるのでありまして、その責任は重大であると信ずるのであります。よつてこの際長官は極度の政治力を発揮せられて、それぞれ積極的に着々解決せられんことを望むものであります。この場合長官の御意見を伺つておきたいのであります。
#56
○飯山政府委員 ただいまば当委員会の要望を受けまして、この要望の諸点につきましては、私ども第五國公開催以來、時間の許す限り出席、たしまして、その都度詳細に御意見を承つておるのであります。いかにこれらの重大問題について委員各位が御努力されたかということは、身をもつて承知いたしております。要因のあるまでもなく、私といたしましては当然の責任であります。ただ法微力のために、人なる政治力を発揮してというような委員長のお言葉がありましたが、私は当局の責任者といたしまして、できるだけこれか解決に最善の努力を拂うことをここがお誓いいたします。しかし何と申しましても、微力なる私といたしましては、閉会中といえども有力なる委員各位の公私の御協力、御指導をいただかなければ、任柁だるものがありますので、どうか閉会中にも私どもの御援助御協力に一段の配慮をいただくことを特にお願いいたしたいと思います。
#57
○石原委員長 重ねて申します。水産廳は所管の上からは農林大臣の所管でありまするけれども、水産廳長官がいわゆる日本の水産の全体の長官であり、水産廳長官に依存するという氣持があるか。ようにも感せられるのでありまして、しかる場合は、水産廳長官は一層その責任が重大であると私は思うのであります。われわれ常任宏貧は長官のために協カすることは絶対に避けないのでありまして、ややもするとわれわれを忌避したり、あるいは避けたりする傾向がこれまではあつたかのような感じもあるのでありまするけれども、今度は本当の水と魚との関係の心持を発揮されて、十分われわれをも強力に引き入れるように希望するものであります。われわれはその点では絶対にそれを避けないという熱意を持つておる次第であります。
#58
○飯山政府委員 ただいまの委員長の重ねての御要望の中の水産廰長官がせつかくの委員各位の厚い御協力を忌還するかのごとき言動があつたというようなお言葉は、遺憾ながら私自負いたさないのでありしす。もしさような言動が私にありましたとするならば、この際進んで取消しいたします。私は努力であることを悔いますけれども、各位の誠意に報ゆる点におきましてはは、決して私することはないつもりでおりますが、しかしさようにお感じさせたことは私の不徳のいたすところと思います。どうかその点は御了承胆います。
#59
○西村(久)委員 簡單に申し上げますが、國政府調査に関する今後の取り扱いびに日程等の確定等は、委員長に一任いたしまして、きまりましたら各委員に間に合うようにお知しせが願いたい。それら諸般の関係を委員長に一任いたしたいし考えます。そうして各委員の御賛成を願いたいと存じます。
 それから次に今議会に提出になりました造船法案が継続審議になりますか、あらためて出直すかは、私ども察知するところでございませんが、その間に農林省の水産廰に対しまして、関係の運輸省から均衡があることを考えますときに、本委員会の修正意見を十二分に尊重されまして、水産廰に均衡の機会があります際には、その意を貰徹することに御努力願いたいことをここに希望申し上げておきます。
#60
○石原委員長 ただいまの西村君の御発言に対して御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○石原委員長 御発言の通りに決します。
#62
○玉置委員 ちよつと速記をとめてください。
#63
○石原委員長 速記をとめて……。
    〔速記中止〕
#64
○石原委員長 速記を始めて……ではこれをもつて散会します
    午後零時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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