くにさくロゴ
1949/09/08 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第24号
姉妹サイト
 
1949/09/08 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第24号

#1
第005回国会 水産委員会 第24号
昭和二十四年九月八日(木曜日)
    午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長 石原 圓吉君
   理事 小高 熹郎君 理事 鈴木 善幸君
   理事 玉置 信一君 理事 松田 鐵藏君
   理事 林  好次君 理事 砂間 一良君
   理事 小松 勇次君
      川村善八郎君    田口長治郎君
      冨永格五郎君    夏堀源三郎君
      足立 梅市君    長谷川四郎君
      奧村又十郎君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 池田 勇人君
 委員外の出席者
        水産廳長官   飯山 太平君
        農林事務官  松任谷健太郎君
        農林事務官   久宗  高君
        農林事務官   十川 正夫君
        農林事務官   松元 威雄君
        通商産業事務官 馬越 善通君
        專  門  員 小安 正三君
        專  門  員 齋藤 一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 漁業法案
 漁業法施行法案
 水産資材に関する件
    ―――――――――――――
#2
○石原委員長 これより会議を開きます。
 前会に引続き、漁業法案並びに漁業法施行法案を議題として質疑を続行いたします。
#3
○砂間委員 本法案の目的が漁業の民主化にあるということは、昨日來しばしば言われたところであります。漁業の民主化ということに、漁業を一、二少数の有力なる個人の独占に帰させて、そうして多数の漁民をその抑圧隷属下に置いて搾取するということを排除して行つて、たくさんの漁業に從事する人たちの生活條件を高め、あわせて生産力を高めて行くということが、漁業民主化の根本であるというふうに考えるわけであります。ところが本法案によりますと、これまで專用漁業権で守られていたところの水面を一應解放いたしまして、そうして浮魚は自由漁業にするということになつております。自由漁業になつておるという点から見れば、だれでも平等に漁をやつていいということになりまして、一見そこに何らの障害や拘束がないように見えるのであります。しかし他方免許料、許可料等の点を考えてみますと、これでは地先の海において自由に漁業ができたのですが、今度は鑑札を受けるとか、あるいは許可を受けるとかいうようなことで、料金を出さなければ漁業ができないということになると思います。この料金を出すということは、從來專用漁業権において自由に出漁できた漁民に対しては、そこに一つのそういう拘束ができるわけでありまして、こういう点からするならば、漁業の民主化という点と矛盾するのでにないかと考えるわけでありますが、この点についての長官の御所見を承りたいと思います。
#4
○久宗説明員 ただいまの御質問は、從來專用漁業権において守られておつた浮魚が、自由漁業になるので、零細漁民の保護に欠けるのではないか。なおかつそれに料金がかかるのではないかというお話であると思うのであります。これは從來専用漁業権の中に、いわゆる回遊性の浮魚が入つておりまして、これを非常に狭い部落とか村の地先に割拠制をとつておつたわけであります。根付の漁業でありますと、これは繁殖、保護といつたような点もありまして、その部落にその管理をまかせるのかいいと思うのでありますが、浮魚という関係は、当時最初に專用漁業権が出ました際の、つまり明治来年でありますが、それ以後漁船も動力化いたしまして、行動半径も非常に廣がつたということ、それから人口構成もいろいろかわつて参つておりますので、当時の慣行というものを主として基礎に置きまして、非常にこまかく組分いたしましたわくを、こういう浮魚のようなものについて設けるということは、零細漁民相互間の関係におきましても公平を欠くと思うのであります。それでもりと現状に即しまして、これに新たな秩序を設けるという考え方でありまして、決して從來の浮魚ま全然野放しにしてしまつて、だれでもかってにとつていいというのではないのであります。いずれにいたしましても、それを権利ということで、ごく小さな部落なら部落というわくにはめてしまうというのは、漁業の管理上不適当であると考えますので、これを委員会の指示によりまして、新しい人口構成、あるいは漁業の状態というものを考えて、合理的な秩序をつくりたいというふうに考えるわけであります。從つて決してこれに野放しになるわけではないので、浮魚と申しましても、やはりつり場が限定されますから、その漁場で漁民がどれだけの漁業ができるかということも当然限界があるわけでありますので、官廳側から見ました制度としては、自由漁業という形をとりますが、その操業の内容につきましては、海区の調整委員会が指示をいたしまして、一定の人間に限るということも行うわけでございます。またその際に大きな漁業が入つて来て、その場を荒らすというような問題につきしてに、委員会の指示によりましてそれを制限するということによつて、漁そのものの合理的な信用と、零細漁民の保護ができると考えるのであります。またお話の中に、免許料、許可料をとるから、こういうようなものについても相当な負担がかかるのではないかというお話でありますが、主として零細漁民のやつておりますつり、はえなわというものにつきましては、これは料金をとるために、特に許可制度をとるというのてはないのでありまして、許可というものは、別な形からどうしても許可制度が、必要ならば、一部入ると思いますが、大体においてこれは許可制度をしかない、いわゆる自由漁衆という形になりますので、料金をこういうつり、はえなわなんかにまでかけるということは、大体においてないと考えられるわけであります。
#5
○砂間委員 これはきのうも問題になつた許可漁業の点についてでありますが、現在におきまして機船底びきなどが非常に沿岸漁場を荒らしている。これは資源保護の点と関連して来るわけでありますが、非常に漁獲になつていて、沿岸の方に魚が寄つて來ない。最近の不漁の原因も一つはそこにあろと思いますが、一例を申し上げますと、あの九州の有明湾におきまして、これまではしけのあとはたいがい非常に漁があつたもので、それを当て込んでみんな小さい漁師が出て行つたのですが、最近ではしけのあとになると、大型の機船底びきなどかやつて來てごそつととつて行つてしまう。こういう現象は瀬戸内海でもそのほか沿岸の至るところに見られるわけでありますが、こういう点について何らの保護規定がない。あるいは一應取締規則にありましても、それが全然有名無実になつておる。そのために狭い沿岸漁場がそういう大型の資本漁業に荒されまして、とうてい零細漁民がたち打ちできないような形になつて行つておる。これに対して今度の漁業法案を見ますと、全然その規定も何もないわけですが、こういう点についてどういうふうに対策を考えておられるか伺います。
#6
○飯山説明員 ただいまの砂間委員の御質問は、沿岸の漁業者にとりましてはまことに重大な関係を持つておるわけであります。しかしこの漁業法に取締りに関する規定が特に好られていないという点についても、この漁業法自体として十分でたい点は、私も認めておるりでりますが、しかし現在は、今有明海の例をあげられたようでありますが、以東底びきに関しては、いわゆる近海の底びきに対しては取締規則があるのでありますか、御承知のように戦争中に各府県の取締船並びに農林省の取締船が大小徴用され、そうしてそれが喪失され、終戰後各府縣並びに農林省においてもこれが復活に努力はしておりますが、予算の関係で遺憾ながらそれがまだ再建されていない。そういうために、取締規則はありますが、十分に取締りが行われていたいために、今の有明海のような事態が起きておるのであります。実は二十五年度におきましては、建造は現在の財政状態上許しかねるというような事情にあります。但しわれわれとしては二十三年、二十四年ともこの取締船建造の予算に出してにおります。しかしながらこれが遺憾ながら通らないのであります。それで二十五年度においては、建造を一搬控えて民間の以西底びきで減船された相当優秀な船がありますので、これを七艘チヤーターして、もつぱら近海の底ぴき漁業の取締りに使用するという計画も立てております、なおその他北海道に関しては特に從來おつとせい監視船を恒久的に最締船にするというよう心対策を立てておるのであります。しかし根本はやはり資源保護というような確立された法律が必要だと思いますので、さしあたつてはこの臨時国会にも提出の運びにいたしたいと思つておりますが、とり行えず資源枯渇防止法というような法案をつくりまして、この沿岸の資源の保護を十分にはかりたい、こういう考えを持つております。
#7
○砂間委員 取締りの船がないということも一つの原因かもしれませんが、私は取締る意思がないというふうに見ておるわけであります。たとえば山口縣能毛郡山関の漁業会におきましては、瀬戸内海に入つて來た違反船をつかまえまして――このつかまえるときにも、非常にたくさん出かけて行つて、やつとつかまえたわけでありますが、その漁具や漁船や魚を没収して処罰しようといたしましたところが、検察廳におきましては没収することを得という取締り規則にはなつておるが、することを得であるからして、しなければならぬというのではないからといつて、それをみすみす逃がしてしまつた。また現在の罰則なんかによりますと罰金が非常に安いのです。ですから千円や二千円くらいの罰金なんかへいちやらで、罰金を出して公然とそこらを荒して行くというような事実がある。検察当局なんかが、せつかく漁民がそれでは自分たちの生活がおびやかされてやり切れないいうので、みんなでつかまえましても、それを釈放して行くというのが事実であります。従つて規則はありましてもそれが励行されてない。また今の官僚と言いますか、役所においては、それを積極的に取締る意思がないというように思われる。これは具体的な事実によつて私たちはそう判断するわけであります。從つて今後におきましては、一方において取締り規則を嚴重にし、その罰則等も強化すると同時に、これを漁民の自主的な警備と申しますか、そういうものを法的に認めまして、具体的に言うと、たとえば漁業調整委員会でもよろしいと思いますが、そういう民主的な械関に権限を持たせて、そして漁民自身によつて徹底的に取締つて行くというふうな規定を設けなければ、今後の違反についても徹底的な取締りができない。單に監視船をふやすというだけでは十分にできない。こう考える次第でありますが、この取締りの点につきまして、今申しましたように、調整委員会なり、あるいは民主的な漁民組織に自主的な警備取締りの権限を付與して行くということについて、長官はどういうふうにお考えになりますか。今後の違反の取締りについて、何らかほかにもつと積極的なお考えがあるならばお伺いしたいと思います。
#8
○飯山説明員 ただいまの漁民みずからの取締り制度をつくるかどうか、こういうふうなお尋ねでありますが、現在の制度におきましては、ただちに漁民、いわゆる民主的な機関に取締りをさせるという考えは持つておりません。しかし御承知のように、近海の取締りについては、海上保安廳がこれを担当するということになつております。ただいま瀬戸内海の、山口県の熊毛郡の漁村の例をあげられました事実を私は否定できないけれども、しかしそういう取締りの意思が政府にないということについては、私は承服できないのであります。先ほども申し上げましたように、予算を計上し、あるいはチャーターによりてこれを実施しよう。こういう計画を立てておることはただ看板でにないのであつて、ほんとうに取締ろう、こういう意思に基いておるのであります。なお保安廳との取締りの関係につきましては、これは水産廳といささか権限の問題で解決して入ない点もあるのであります。われわれとしましては、沿岸の漁業の取締りも水産廳においてやりたいという意思は持つておりますけれども、これは法律上保安廳の所管になつております。できるだけ密接な連絡をとつて、保安廳とともにこれを完全に取締るという行き方を現在も將來においてもとり、またとつて行こう。こういう考えを持つておるわけであります。
#9
○砂間委員 取締船などもふやすのだから取締りの意思はあると申されましても、実際の海面において実行されていないといところに問題点あるわけであります。そういうあれやこれやをいろいろ考えますと、この法案全体を通じまして、民主化すという線が一つも貫かれていない。たとえば浮魚につきましても、その狭い封建的な領海の地域を撤廃するということには私どもあえて反対しませんけれども、それが自由漁業になつた場合において、大型の船に圧倒されるということは明らかなことだと思う。また定置などの場合につきましても、きのう奥村委員がいろいろ申されましたように、法文の上では優先順位などをきめて、協同組合に優先的にやり、次には生産組合にやるということになつておりますけれども、その組合が弱体であつて事実上資金も資材もない。長官は自営の実力のある者に優先順位をやつて行くことになるというふうにきのうも答弁されました。そうすれば法文は民主的にやつて行くように装つてにいるけれども、そういう民主主義の仮面に隠れて、一切の権利をみんな零細漁民から剥奪して、資本化がかつて氣ままにやつて行けるというようにするのが、この法の目的になつている。從つて民主化の線という点が少しも貫かれていないというふうに考えるわけであります。なお昨日以来、漁業調整委員会にいろいろと大きな権限を持たせまして、この調整委員会がほとんど一切の漁場の調整をやつて行くというふうに説明されておるのであります。この調整委員会も、一様この漁民の民主的な線という形はとつておりますけれども、現在の状態におきまして海区から調整委員会選挙することになれば、その地方で相当顔の賣れた資力のある有力者が出て来ることは必然でありまして、ほんとうに勤労している漁民の意見がここに反映されるとは思われない。しかもこういう機関であるところの調整委員会が漁業権を與えて行くとか、漁場の調整を具体的に実際にやつて行くとかいう、大きな実際上の権限を持つているわけでありますから、これはどうしても資力のある人たちに有利なように運営されて行くことは、今からはつきりしていると思う。從つてこの調整委員会をほんとうに民主的な機関にして、漁民の利益を守るととができるようなものにするためには、委員の構成及び選挙についても、もつと別の規定を設ける必要があるのではないか。たとえばこの調整委員の選挙について、階層別に漁業労働者とか、自分で船を持ち網を持つている自作農的な漁民の代表とか、資本家の代表とか、綱元や船主の代表を一定の率をもつて出して行くのであります。こういう階層別の選挙にしまして、実際に働いているところの漁業労働者や勤労漁民にウエートを重くするような行き方でしない限り、この漁場の調整ということを、民主的に運営するという法の目的は達せられないといふうに考えるわけでありますが、この点につきまして、調整委員会の構成について、この法文の中ではただ漁民の一般的な選挙ということになりておりますか、もう少しつつ込んで、今言つたような規定を加える意思はないかどうか。さらに知事の三名の任命でありますが、これも全部選挙ということに改めて、この調整委員会を決定機関としてはつきり権限を持たせる。そういうことについてどういうふうにお考えになつておられるかという点をお尋ねいたします。
#10
○久宗説明員 ただいま調整委員会の構成につきましてお尋ねがあつたわけであります。すなわち階層別の代表という形をとらなければ、勤労漁民の意思が反映しないではないかというお話であつたと思うのであります。これにたびたび御説明いたしたように、委員会の性格上、これをもし階層別というふうにいたしました場合でも、いずれにしても何らか利益代表機関という形になるだろうと思うのであります。つまり雇われている港の階層から出た者は、雇われた者の利益を代表するという形になつて、ある議題について投票できめて行くという形になると思うのでありますか、その場合に漁業の実際の問題を考えてみますと、漁場の構成その他から考えまして、地域的な問題、ある町とある村の関係というようなもの、それから定置とつりというような業種の関係、それから今お話の出ました雇い主と労働者というような問題も出て來るわけでございます。いずれにいたしましても、そういう場合、この三つの問題が出て来ると思うのであります。それをいかに比例代表いたしましたといたしましても、その委員が何らかうしろに選挙母体を持つておりまして、その利益を代表して発言しなければならぬということになりますと、その漁業の一つの事件につきまして公平な判断をすればこうだという場合でも、かりに甲村を代表しておる場合には、かえつて全体として見ればそれが正しいと思つても、甲付を代表して部落代表という形で出ておられれば、一應反対と言わざるを得ないだろう。また業種代表という形で出ておられれば、いかにつりの業者の意見が正しいと思つても、定慣の国民の方は一應反対せざるを得ないであろう。こういう形になるだろうと思うのでありまじて、それがしかも三つの要素、地域と業種と階層ということで委員が出ておるということになりますと、投票した結果は非常に妙な形になるだろうと思うのであります。これはいずれにしても、利益代表という形で、選挙母体の利益を直接代表して投票しなければならぬということになつて、それでもつて決をとるという形では、とうてい協業の問題は評決しないという考え方をとりましたので、あくまで利益代表というかつこうをとらずに、直接選挙に訴えまして、漁民としての公平な判断をするということを主体として、委員会の構成をとつたというわけであります。從つてその場合、現段階におきましては決定機関というところに持つて行くのは、行政官廳としては非常に無責任ではないだろうかということから、これを法形式上は諮問機関といたしまして、その意見を聞いて最後の決定は知事が責任をもつてするという形にしたわけでございます。この関係で形式的に申しますと、決定機関でないということが、從來の諮問機関というものの扱い上、非常に非民主的なというお考えをお持ちになるかと考えるのでありますが、実際問題としては、むしろそういうような構成を持つている委員会に、いきなり決定機関というふうに持つて行くことは、その結果が直接漁民の生活に響く問題でありますので、これはむしろ行政官廳としては非常に無責任な形になるだろう、こう考えるのであります。それでそこを二重の形にいたしまして、委員会としてはそういうような利益代表的なかつこうではなくて、公平な全体の常識を代表して、ある問題についての意見を出す。その意見を十分お聞きした上で、知事が行政的な責任をもつて決定するという形にしたわけであります。
#11
○砂間委員 説明だけ聞いておると、まことに役人が考えそうな、非常に抽象的な公平とかいうことを言つておりますが、そんなものは現実にはありつこないです、知事が決定すれば一番公平に行くと言つたとて、その知事がやはり現実にはどの階級かの利益を代表して出ておるのですから、調整委員会の構成にしましても、業種代表ということであれば、あぐりの業者はあぐりの利益ほか主張する、定置の業者は定置の利益ばかり主張して、なかなか折合いがつかない、あるいは地域の代表という点に重きを置けば、やはり從來の部落対立という点が出て來てうまく行かないかもしれない。しかし階層別の選挙ということにすればそれらの矛盾はすべて解決されると思う。実際に漁業に従事して、魚をとつて来るのは漁業労働者や漁民なんです。これらの人たちの発言権を強くすることなくして、漁業の民主化も漁業生産力の発展ということも考えられない。知事が最後の決定権を持つておるから公平に行くだろうとか、地域別や業種別もいけないが、それと同じように階層別もいけないという考え方はおかしい。観念的な抽象的な考え方である。現実の場合には、やはり今のような行き方で行けば、漁民の漠然たる代表ということになれば、その地方の有力なる業者か出て来ることははつきりわかつておる。そういうことになれば、これが実際上の非常な権限を持つておるのですから、自分たちの都合のよいように運営して行くことはきまつておる。零細漁民はいつまで任つても浮ばれないで、いくら法文の上で定慣の優先順位をきめて行つたとて、因縁をくつつければ有力個人にみんな渡して行くにきまつているそれを守るためには、そうしてほんとうに漁業の民主化を達成し、あわせて漁業の生産力を伸ばして行くという観点からすれば、どうしても階層別に出して行つて、現実に働いて魚をとつて來るこの人たちの発言権を強くすることなしにはできない。そういう点につきまして、もう一ぺんあらためて御意見をお聞きしたい。
#12
○飯山説明員 大分意見の相違が出て來たように私は感ずるのでありますが、現在の水産廳といたしましては、原案をもつて最も民主的である。こういう考えのもとにこの案を提出いたしておりますので、これ以上は御意見として伺つておきたいと思います。
#13
○田口委員 今回の改正法案で、私らが考えて最も重要な点に二つあるように考えるのでございます。その一つは、昨日から質疑あるいは議論がありました漁業権の所属の問題であります。御承知の通り、日本の漁村は大部分漁業権ということを中心として、あらゆる施設が成つております。これは自営しておる者、自営していない者両方を通じまして、いろいろな形におきまして、漁業権によつていろいろな洗通事業ができ、あるいはその漁村の文化施設あるいは道路、あるいはその他のいろいろな施設というものが、間接あるいは直接に漁業権によつてできておる。こういう点から申しまして、この漁業権をなるべく漁業協同組合に與える、こういうお考えであられると思うのでありますが、その結果は、昨日からいろいろ論議がありましたように、どうも漁業協同組合と漁業権が離れてしまうというような結果になるように考えるのであります。これは團体加入の自由の原則、あるいは組合長の任期あるいは現在の金融、こういう方面から申しましても、あるいは事業が非常に迅速果敢を要する点から考えましても、ほんとうに安心をして漁業協同組合に自営をさせる漁場は、全国で非常に少いのであります。その点から申しまして、私はこの漁業権を中心にして漁業協同組合の発達を期するというふうに政府で考えておられることが、おそらく結果としては反対になる、こういう点から考えまして、漁業協同組合と漁業権の問題、これが将来どうなるかということにつきまして、政府と職員と言いますか、あるいは國民と言いますか、これが氣持が違つておる。この点は昨日いろいろの方面から論議をされまして、これ以上は意見の相違で、結局あとに残る問題はその筋との関係、あるいは國民の希望あるいは政府の考え、この三つをいかに折衷するかという問題だけが残つておるようでございますが、この問題につきましては私これ以上は申さないのであります。
 第二の重要なる問題はこの免許料と許可料の問題であります。漁民の大部分はまだ免許料あるいは許可料がいかなるものかということについてはほとんど存じておりません。おそらく大部分の者に免許料なるがゆえに、あるいは許可料なるがゆえに、その免許の際あるいは許可の際一回だけ納付すればよろしいのだというふうに考えておる者が大部分でございます。毎年納めるのだということを知つた漁業者は全部――これはひとり指定遠洋漁葉者ばかりでなしに、定置関係その他沿岸漁業者も愕然としておるような状態でございます。この点から申しまして、日本の水産業を一大阻害するものはこの免許料あるいに許可料にある、こういうふうに考えるのでございます。この漁業法か民主化をねらい、生産の増強をねらうという点から考えまして、この問題はこの法案中で最も重要なる一つの眼点と考えるのであります。私はこの免許料あるいは許可料につきまして、たとえば内水面漁業につきまして、増殖のため必要なるところの経費、これは当然けつこうであると考えます。それから漁業権の補償、この問題につきましても、これは全部御破算にしてそうして新たにやる、この問題は別にいたしましても、この方面に使われる最小限度の金はやむを得ないと考えるのでございますが、そのほかの各種委員会の経費その他の行政費をこの免許料及び許可料からお出しになる、このことについて大きな疑問を持つておるんのであります。漁業者の意見といたしましては、先ほど申しました最小限度の経費以内にひとつ何とかしていただきたい、こういうことを申しております。またわれわれが知り得た範囲内におきましても、農地改革においてはいろいろな委員会の経費その他の行政費というものをすべて國費でまかなつておる。こういう点から申しまして、漁業関係においてもこの二つの経費たけは業者がまかなうのでなしに、農地改革と同じようにどうしても国費でまかなわなければならね、こう私らは考えるのでございますが、もし水産関係で特殊の事情があつて、農地ではそうであるけれども、水産の場合においては業者が負担すべきものである、こういうような理由がありますれば、その理由について承りたいのであります。
#14
○久宗説明員 ただいま免許料と許可料の問題につきまして、特にその内部で行政費負担という問題が、何か水産について特殊な理由があるというお尋ねであります。免許料と許可料の関係につきまして、またこれと補償との関連につきましては、たびたび御説明したわけでございまして、その際にも若干申し上げたのでございますが、この行政費負担の問題についてはいろいろ経緯があつたのであります。当時御承知の通り、農地改革で非常に厖大な経費がいつたということから、遅れて出発いたしました漁業制度の改革におきましては、財政関係の方からこれについて非常に関心を持つておつたわけであります。行政費負担の問題につきまして議論になりました点は、われわれといたしましても、これは農地改革と同じようなものであるし、当然國の費用としてまかなつてもらわなければならぬと主張したのでありますが、農地改革の場合には、二年間に農地の買上げ賣渡しをしてそれで一日終るということでもりましたので、それとは澁うりではないか、つまり漁業調整委員会というものをかりに考えました場合、それは二年間のやり方が違うけれども、その間の問題は農地と同じであろう、しかしそれによつて終るのではなくて、あと続いてずつと漁業の調整をやつて行くんだ、これは個々の人間がやれない問題をやつて行くことであつて、その結果の受益者とは漁民ではないか、それでこれを漁民が全然負わないということはない、こういうことが議論の中心であつたわけであります。それに対しましても、私たちとしては、それは一部受益が相当明確であるということも考えられないことはない、しかし全額を負うことはないということでずいぶん争つたのでありますが、結局その際には、農地委員会の方は二年間たてば終るのだという前提で話しておつたのであります。しかしその後になりまして、農地委員会の方にまた性格がかわつて参りまして、最近われわれの聞いておるところでは、これが土地の改良とかこちらの調整に類するような仕事もして続いておるわけであります。これは依然として国費によつてまかなわれておりますので、その間の財政関係者の方の説明その他とも大分食い違いができておるのであります。それで実際の負担から申しますと、行政費が補償の上に加わりましてこれがかかつて参りました場合に、補償金の方はいいといたしまして、行政費の面を考えますと、これにたとえば許可料を拂いました場合に、当然経費としてこれが差引かれるわけでありまして、いわゆる所得税のほかにこういうようなものがさらに追加されるということに理論上はないのであります。つまり所得の計算におきましては、この免許料を拂いました場合、これが経費として差引かれるので、その残りに対して他の所得税の税率がかかつて來るということで、所得税の徴收方法が法律に書きました通りに行われました場合には二重にはならない。それで國の方から出しますと、それが所得税として一般に入つて来て、それを使うということではなしに、免許料という形で、その中にわくができるわけでありまして、これが二つにわかれて、水産内部では直接沿岸関係のものに行くのと、その使途がきまらないで、何らか水産行政に金が要る場合に、それをもとにして引き出して来る、こういう二つの関係が出て来ると思うのでありますが、これにはつまり二つ前提がありまして、今のように徴收方法が経費をはつきり落して、それに対して公正にかかつて来るというのが前提なのど、もう一つは実際の負担関係が、率においてに現状とあまりかわらないというようなことであつても、将来漁業経営が非常に不安定になりました場合に、これが重い負担になるということ――つまり資材、資金その他の関係から行つて、漁業経営が非常に詰まつた場合の問題が出て来るわけであります。いずれにいたしましても、この行政費負担につきましては、そういうような経緯か入つて、ここでこういう形に固まつておるのでありますが、他に例もございませんし、これを漁民が負わなければならないということについては、確かに矛盾があろうかと思うのであります。
#15
○田口委員 ただいまの御答弁によりまして、農地改革の場合の事務と今回の事務費に関しましては、大体農地改革は二年で終る、これは継続的である、こういうことで漁民の負担になつたように承知するのでございますが、今日農地委員会というものも、いろいろな耕地の分合だとか、あるいは土地改良だとか、いろいろな別の仕事を始めることによつて常置機関の性質になつた。その常置機関になつた農地委員会関係の経費が、この事務費を負担していない、こういう点から考えまして、この水産の場合におきましても、少くとも各種委員会費及びその他の法律及び漁業法施行法の施行に伴う費用は当然出すべきものでない。こういうふうに私ども考えるのでございます。
 さらにこの補償費の問題でございますが、この補償費をできるだけ最小限度にとめていただきたい、こういうことをぜひお願いしたいのでございます。それには昨日から川村委員も御議論なさいましたように、いろいろな意味において休業をしておる、こういう漁業権が非常に多いのであります。またこういう漁業権については、法律によつて取消すことを得という言葉を使つておりますけれども、とにかく漁業率が負担に苦しんでおるこの際に、何かこの取消すことを得という宝刀を利用されて、できるだけ補償をする漁業権の数を少くしてもらいたい。それからさらに負担を少くする方法といたしまして、昨日から、委員で何でもかんでも根本的にたたきこわして、そうしで組立てなければできないのじやないか。何か善良なる経営者というものはそのまま継続されるだろう。この二つの意味を考えて見ますと、善良なる経営者か継続をするその漁業権についても補償する必要がないような氣もいたしますし、こういうものについて少し、ごくふうを願つて、休業している漁業権あるいは継続すべき漁業権、こういうようなものから考えまして、補償金額全体も、あるいは相当減額になるのではないか、こういうことを考えますから、この補償金額を減額するということと、事務費を漁民に負わせない、この問題につきましては相当理由もありますし、またやり方もあるととと考えるのであります。こういう点から申しまして、何とかの点について特にこくふうを願いまして、漁民の負担を軽減させるようなお気持はありませんか、その点をお伺いしたいと思うのであります。
#16
○久宗説明員 ただいま補償費を少くせよ、そして漁民の負担を軽くせよというお話があつたりであります。この補償の問題につきまして、昨日休業の問題が出たわけでありますが、これは昨日もお話いたしましたように、休業内容がいろいろ違いますので、それをいかにすべきかということは、補償を受ける方も漁民でありますし、またそれの負担を負う方も漁民でありますから、その代表といたしまして、中央審議委員会の御意見をよく伺つた上で、一律ではなしに、相当具体的、詳細なものにいたしまして、この計算をする必要があるだろうと考えるわけであります。
 また補償全体の額の問題といたしましては、これは現在の漁業権の所有関係から見ますと、専用漁業権はもちろんこれはほとんど大部分が漁業会でありまして、その他の漁業権を合ぜましても、相当大きな部分が漁業会の所有になつているわけであります。これは一應漁民の團体ということで考えられますので、その批判を漁場の調整上一旦消滅させるということになるわけでありまして、またそうしなければ、次の段階に移れないということにこの業では考えておりますので、その際補償ということを考えたわけでありますが、ただその補償の内容を通じまして一つの制約があるわけであります。從前財産税といものを徴收しておりますので、それとのバランスは当然考えなければならぬということが一つ、もう一つは、これは大事なことだと思うのでありますが、専用漁業権というものの内容が、あのままにしておつたのではいけないことに、別の機会に申し上げたわけでありますが、それを一旦打切るという場合に、これはまさに零細農民の権利なのであります。そしてこの権利の内容は他の漁業権とは違いまして、一定の水面を専用してやるということが権利の主体であります。しかもそれは慣行その他によつて、非常に長い基礎を持つたものでもあり、これを打切らない限り新しい漁場の調整はできないということから、本來入会権とも申します基本的な権利でありますので、これの補償については、相当厚く補償する必要があるだろうということを考えたわけであります。その結果補償額の内容をごらんになつていただきますと、專用漁業権の補償の額が非常に大きくなつているわけでありまして、そのほかに定置その他の補償を考えますと、結局漁業公を通じまして、零細漁民に渡ります補償の金というものは、全体のバランスの中で非常に大きな割合になるわけであります。それと免許料との関係でありますが、免許料の方の徴收におきましては、これは新しい漁業の負担度合ということから考えられて割りつけられて行くわけでありますので、結果におきましては、零細漁民のところには補償関係で相当大きな金が行つて、そして免許料の関係では、負担度合の関係から非常に低い負担で済むということになろうと思うのであります。ただ七月をあいまいにいたしますのは、行政費負担というものが入つて参りました場合に、これは物價に應じてかわつてまいりますので、補償だけの関係で申しますと、免許料の額が固定してそれが明確に言えるわけでありますが、行政費の部分が入つて参りますと、経済状態の変かに應じまして、それが非常に不確定な要素が入つて来るということが、一つ不安の問題として考えられると思うのであります。なおその場合に、同じわくの中で片方に非常に厚くつ行つて、次の免許料の関係では低く行くということになれば、どこかが非常に大きく負担することになるのではないかという御質問が出ると思うのでありますが、これにつきましては、漁業権漁業でありますと、たとえば定置というようなものを考えました場合、一定の自然を独占いたします関係で、普通の同じ経費を投しましても、ある漁場では常に利益が大きく出るという形になるわけであります。これが農業関係では地代というような形で、その土地所有者にとられるということになるわけでありますが、漁業権の場合には、免許の際に何らそういう特権料的なものが從來とられていなかつたわけであります。これにかわつて結局漁業権所有者が漁場の優劣によつて漁場代金というものをとる形になつたのでありますが、こういうものが今度の形で経営者にそつくり行つてしまうということになれば、当然これは特権料としてとるべきでないかという議論が出て来るわけであります。そこでこの免許料負担の場合におきまして、総額を割り振ります場合に、そういう漁場ごとの優劣というものも、ちようど補償の場合に点数制をとりました場合と同様に、その漁場ごとに――たとえば定置漁業の負担度合について、漁場の優劣に從つてその免許料も違つて來るというのが当然であろうと思うのであります。ただその割り振りました結果がどうなるかと申しますと、従前は大体漁獲高の六%程度というのが全国平均でしたが、そのような負担に対しまして、今度は補償の額が一定しております関係で、現在の價格水準を一應固定したものとして考えますと、免許料全体としては平均三・七%程度ということをお話いたしましたが、定置漁業のような場合には五%ちよつどういうことになると思うのであります。これに現在の價格をそのままと考えまして、而もかたく計算した場合でありまして、実際問題から参りますと、この負担度合は、從前実質的に負担しておつたものよりも軽くて済むということが言えると思うのであります。つまり補償の額が基準年度の賃貸料を基礎として計算され、しかも一定しておりますために、從前の定置漁業が負つておりました賃貸料の実質的な負担度と、新しく割つけられた免許料の実質的な負担度を比較してみますと、その間魚價の値上りがありますので、共同負担分が追加されるので絶対額はあがりましても、実質的な負担度はむしろ軽減されると考えられるのであります。而もこのような措置によつて零細漁業に対する負担を軽減し得ることになるわけであります。それで一人の定置経営者にかりに権利がそのまま行つた場合には、補償金の方より免許料の方が絶対額は高いが、実質的な負担は從前賃貸料として負つておつたものよりも低くて済むであろうと考えておるわけであります。
#17
○田口委員 この免許料及び許可科の軽減の問題につきまして、なぜ私がそういうことを強くお願いするかといいますと、昨今漁業は、沖合漁業も、沿岸漁業も非常な経営難に陷つておるのであります。その原因は漁況が非常に不況であるということもありますが、資材だとか、漁船の修理などに要する價格が、魚價とアンバランスになつていることと、また金融面から申しましても、非常にむずかしい状態になつておる、一面税金の構成がある。こういうようなことで、各笹の漁衆がとむに経営が非常にむずかしくなつておるのであります。この状態から申しまして、もしこの免許料及び許可料がさらにこの上にわれわれに圧迫を加えるとすれば、漁業の経営は不可能であると考えますがゆえに、あらゆる方法を講じて漁業者の経済的圧迫を緩和する、こういう基礎観念に立つてこの二日をぜひ考えていただきたいと考えるのであります。
 第二には、税金と、免許料及び許可料ということが二重になるのではないかということを漁業者全体が非常に心配をしております。ただいまのお話で大体二重にならないということでございますけれども、今の國の収入に対する執着の問題から考えまして、あるいは末梢の税金をとる連中のやり方という点から考えましても、たとえ農林省と大藏省がある程度の了解が得られましても、いろいろな事情から結局これと税金が別々で、二重の負担をかけるようなことになるのじやないかという点を非常に心配しているわけでございますが、この点について、今まで農林省と大藏省と折衝された経過がありますれば、お伺いいたしたいと思います。もし今から折衝するというお考えでありますれば、そのお見込みについてぜひはつきりとお伺いいたしたいのでございます。
#18
○久宗説明員 税金と免許料、許可料との関係は非常に重大だと考えておるのでございます。ただいままで大藏省とどのように交渉したかというお話でございますが、これにつきましては、お話の中にありましたように、法律の問題としては、税法そのものにも経費として差引いてかけるのだというようになつておつて、これは法律上の問題ではなくて、むしろ問題は法律に書かれておる通りに、実際に徴收が行われていないということだと思うのであります。またこれが実際に漁業者が現在一番困つている問題だと思うのであります。それに対して、われわれといたしましては、税金だけの問題といたしましても、しばしばその話を持つて行つておるわけでございます。今度の税制改正におきましても、税の徴收方法という問題が非常に大きく問題にされているという点があるわけでございますが、この免許料の問題は、その問題と直接関連があるわけでありまして、もし免許料として払いましたものが経費として差引かれない、あるいは免許料、許可科だけは経費として差引いたけれども、経費総額につきまして、その査定において当然経費として計上すべきものを落すとか、あるいは、はなはだしきは、そういうような経費を考えに置かず、一定の金額を頭から割りつけるというようなことが、もしかりに二年後において行われるといたしましたならば、これはまさに二重課税になるわけであります。そういう場合には、政府としては二重の矛盾を犯すわけであります。その点でまだここに二年間の余裕があるわけでありますが、この許可料の問題を通じまして、実際の税の徴收方法という問題について、最末端に至るまでの具体的な税の取り方につきまして、詳細に打合せをなさなければならぬと思うのであります。ただ現在までのところでありますと、これを持つて参りましても、税制改正以前のことでありますし、実際問題としてできないことであつて、水かけ論になりまして、その間にもどんどんそういうような徴收方法が行われておつたのでありますが、今度われわれといたしましては、許可料をそういう形でとるということになれば、明確にこの線を引かなければならぬ、こう考えるのであります。もしそれができないということになりますと、おつしやいましたような実質上の二重課税という形にならざるを得ないのであります。またさらにこれは所得税の場合の問題でありますが、地方税において漁業権税というような税があるわけであります。こういうよなものにつきましては、まさに実質的な二重のものになりますので、これは今度の税の問題とも関連いたしまして、当然この問題を削切らなければならぬと思うのであります。たたその問題に二重にになりますけれども、納局それをきめますのは地方の議会であります。免許料にとられておる。しかしそのほかにそれと同じものをとつても、地方財政の関係上、漁業者にそれだけの負担を負わせてもいいかどうかという判断は、最終的には地方議会がするわけでありまして、それに対しましてはそれをとるなということを有権的にやるわけには行かないのであります。もちろん漁業権税の問題につきましては、税の内容が二重であるからこれを落そうという話合いはできるのでありますが、ただその場合に、それでは免許料は漁業権税でとるのと同じようなもの、あるいはそういう余剰を全部なくしてとつているかというような点が問題になりまして、なおかつ負担能力かあるとかりに地方議会において考えました場合には、これを阻止するわけに行かないのであります。ただいずれにいたしましても、この許可料の内容を詳細に話すことによつて、漁業権税というものとははつきり競合いたしますので、これをどうするかという問題は明らかにしなければならないわけでありますが、これは現在までのところ、まだ事務的な折衝でにそこまで行つておりません。今後この免許料の問題を十分御議論していただきます際に、そういうようなことを漁民の声として強く出していただくことによつて、初めて解決する問題じやないかというふうに考えております。
#19
○田口委員 ただいまの問題につきましては水産業の発展あるいは漁民の生活という問題からいたしまして、非常に重大なる問題で、これが二重課税になるかどかということは実に由々しき問題と考えるのであります。われわれといたしましてもこの点につきましては、大藏当局その他とよく内容を確めるつもりでございますけれども、水産省といたしましてもそういう事情でございますから、特に御留意を願いたいと思うのであります。
 次に私はただいまお考えになつております全体としての金額の率が三・七%、こういう数字について少し実情を申し上げてみたいと存ずるのであります。水産省におきましては、特権漁業とお考えになる以西底びきを一例に引きますと、現在あの底びきの各事業者が、特にいろいろな方法でよけいに魚をとつて來た、そういう人は別でございますけれども、大部分のまじめな業者の経営にうまく行つて大体一組について三十万か四十万程度残るか残らないかというような実情にあります。あの漁業で一航海大体どのくらいとれば赤字にならないかという限度は、各漁船の種類によつて多少違いますけれども、およそ百五十万円から百七十万円程度とつて來なければ赤字になる、こういうような実情にあります。かりに百五十万円ぎりぎり一ぱいの漁獲をして來た、こういうときの計算をいたしてみますと、この三・七をかりにとつてみますと五十五万円程度一年に納めなければならない。実際に現在におきましても三十万円、四十万円残りますといい方であります。残らない船が非常に多いのでございますけれども、やや成績よく経営した漁業がその程度でございます。その最低限度の漁獲をとつて來ましても、一年に五十五万円の許可料を出さなければならぬ、こういうことになつております。世間から考えて大体有利な漁業であるといわれておる以西底びきにおいてなおかつしかりでございまして、現在の定置あるいはあぐりその他の、漁業では、なおこれよりも苦しい点があると考えるのであります。從つて私はこの三・七を何とかして切下げなければ、せつかく予算を計上されて施行されても、それが実行できない、こういうことも考えます。むりに実行しようとしますと、三百万の漁民をこの方面から非常に圧迫して、仕事の継続ができない、こういうような結果になるのじやないか。その点をはなはだ憂うる次第でございます。
 さらに第二の問題といたしましては、この免許許料及び許可料は、赤字になつた際も納めなければならぬという原則になつております。第七十六條にはこの特殊の事情の場合の軽減規則がございますけれども、原則としてはとにかく百五十万円でちようど経営が成り立つという場合に、百万円とりましてもなお現在では出さなければならぬ、こういうようなかつこうになつております。言いかえますと、もしこれを税金としますと最も惡税でございます。純所得についてかける、こういうことであればまだいいのでありますけれども、赤字の場合、業者が損をした場合、それでもなお出さなければならぬ。もし納め切れないというふうなことになりますと、この第七十六條によつていろいろな手続をしなければならないのでございますけれども、今の税金の末梢的な点から考えまして、こういう手続をたりましても、なかなかそれが徹底するということはむずかしいと考えるのでございます。こういう点から考えまして、赤字であつても出す、この原則を何とか修正する方法はありせんか。あるいは別に撤收技術として、そういうことをお考えになつていないのじやないか、こういうことも考えますが、その点について明快なる御答弁をお願いしたいと思うのでございます。
#20
○久宗説明員 ただいま免許料の負担が三・七%であるということが、以西底びきの具体的な例から見て非常に問題である、また一般的にこれを引下げるへきだ、こういうお話でございます。この三・七というものがいろいろ説明の関係で非常に誤解されておるのではないかと思うのでありますが、これは毎年々々の漁獲高に対していきなり三・七をとるというのではないのであります。これは補償の額がきまつて参りますと、それを割振るわけでございますが、補償の額の方は大体すでに推定がついておるわけでありますので、これを割振つた場合行政費も今年の予算の單債でもつて考えまして、それを現在今年の魚價について割振つて見ると、このくらいになる。つまり割振られる免許料というものは何円という絶対額で行くわけであります。その結果が、今年のそういうような條件で考えて見ると、三・七%程度である、こういうのであります。毎年三・七%をとるというのではないのであります。從つて見通しといたしましては、現在すぐにかかるのではなくて、二年後に漁業制度の切かえが行われた場合、その後にかかるわけでありまして、その一應の見通しといたしましては、また長期の見通しといたしましては、現存の特殊なデイスインフレの傾向というものがございますけれども、これが日本の経済を長期に観察いたしました場合、魚價の絶対額は漸騰して行くであろうというふうに考えているわけであります。それに対して補償の額は固定しているということから、この実際上の負担能力、負担度合いはむしろ減る、三・七%ということではなしに、実際負担して見るともつと減るということが考えられるであろう。それから現在これが魚價の三・七%になるだろうというふうに考えております全体の漁獲高というものは、悲常に内輪に、つまり固く見積つておるわけでありまして、実際の漁獲はこれは統計上の数にいろいろな誤診があるわけでございますが、われわれの実際に常識的に考えて見まする額よりは、よほど固い数字でございまして、決してこれがいよいよ二年後実施します場合に、実質上これくらいになるとは実際問題としては考えていない。むしろもつと減るであろう、こういうふうに考えているわけでございます。それから赤字の際の問題でありますが、これにつきましては、減税のところに規定がございますが、結局これは減税の規定を入れました際に、非常に問題になつたわけであります。これの内容をもつとこまかく規定しろという問題があつたのでありますが、現在の漁業経営の内容というものが從來までの関係で申しますと、統制とやみ税金という問題から考えまして、明確になかなか把握し得ない。いろいろすでに出た数字はございますが、それによつてこれを事実として考えました場合には、非常に実態とは違うのではないかということが考えられます。そこで実際これをいたしますまでの間に、まだ時間的の余裕があるわけでございますから、その間に漁業経営の内容というものをほんとうに具体的に把握いたしまして、今の負担度合ということを明確にして規定し得れば規定して行きたい。その場合にすでにはつきり根拠規定を置いておかないと、そのときになつてまた減税ということでもいかぬと思いまして、ここに減税の規定を置いておるわけでありますが、その内容はどういう場合にどこまでというところまでは書いていないわけであります。しかしながら赤字になつても免許料を出さなければならなくなるというような形になるのではまずいのでありまして、そういうふうにしてはいけないのでありますが、また一方それは補償の方にまわさなければならぬということになりますと、結局この漁業経営の安定ということに対して、当局といたしましては、從來のようにそれをいいがげんにしておくわけには行かない。漁業経営の内容というものにつましては、赤字にならないでこれが拂える程度の漁業経営を維持し得るような施策というものが、当然これによつて伴わなければならないのであります。これは免許料をとるというのだから必然的に超ることでありまして、そういうような漁業経営の内容の安定をはかることがむしろ今後の水産行政の最も大事な点になります。ことに二年間の準備におきまして、それまでの間まだ実質的な経済関係を生じないわけでありますから、その間に漁業経営を脅かす一切の問題について、できるだげ排除する方向にこの法案自体によつて押し進まざるを得ない。こういうふうに考えておるわけであります。
#21
○石原委員長 お諮りします。内水面の問題につきまして、お手元へ配りました陳情に参りました方々は、神奈川縣、栃木縣、埼玉縣、群馬縣榔、長野縣、山梨縣、東京都であります。埼玉縣は山口好一先生の御出身のであります。また群馬縣――長谷川四郎君はわが常任委員の御出身であります。なお遠方からお見えになつておる多数の方々はことに消費地の御関係が非常に多いのであります。一應この場合休憩してこの陳情を聞きたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○石原委員長 御異議がなければ暫時休憩いたします。
    午前十一時五十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時八分開議
#23
○石原委員長 休憩前に引続き開議をひらきます。問題でありますから、奥村君に一回だけお許しいたします。
#24
○奧村委員 先ほど田口委員の御質問に対する久宗説明員の誤答弁はまことに不満足であります。久宗説明員は非常御熱心に、また御丁寧に御説明になつておりすすか、御質問の要点にはお答えになつておりません。これはおそらくも田口委員も不満足であろうと思います。私も今まで各種法案の審議に携わつて來ましたが、こんな御答弁では法案の審議は進められません。すすなわち一つは免許料、許可料において行政費及び漁業調整委員会の経費を、特にこの水産において負担するという理由、ふれは久宗説明員においてもその理由が明らかになつておらね。説明員のお言葉によつても、これを免許料、許可料に含ませることは不当であるかのごとき口吻である。それならばそれをすなおに認めて改められるかどうか。この点がはつきりしておりません。
 いま一つ、免許料、許可料と税金との関係において、これまだ御当局の答弁でははなはだ不満足である。すなわち御当局の答弁は、はなはだ自信のない答弁であります。大藏省その他においてまだ十分な折衝はできておらぬ。こういうような答弁で、これでは審議が進められぬ。大体こうい政治的な大きな問題を課長級の方々にお任せになつて、長官あるいは農林大臣が責任をとるべきことを、そういう方々が御答弁になつておらぬ。ここに問題があると思うのであります。
 もう一つ申し上げますれば、免許料、許可料と、各府縣における漁業権税の関係であります。各府縣の漁業権なるものは、免許料、許可料において含まれるであろうところの漁業の行政費、これらの経費を見ての漁業権税であろうと思うのであります。つまりそういう漁業行政費を負担する意味においての漁業権税であろうと思うのであります。從つて今回免許料、許可料をこの法案によつて認めるとすれば、少くとも府縣の漁業権税は、これは廃止すベきであります。ところがこの点において廃止するとするか、しないとするか、何らまだお話に相なつておらぬ。從つて御答弁がはつきりしておらぬ。はつきりしておらぬということは、このままで行くならばおそらく漁業権税はかかるものとみなければならぬ。ところが免許料、許可料なるものは、水揚高を水産関係の係官においてお調べなつて課税される。今までの税務当局のかけられるのとは、かけるやり方が違うはすである。それが重複してかかつて來るということになれば、これは漁業者としてたいへんな問題である、その問題が明らかになつておらぬ。さようなことでわれわれは審議を進めることはできぬ。われわれはこの漁業調整の根本問題において、この法案と意見を異にするからして、免許料、許可料、あるいは税の問題においては、いまだ審議する頭には十分なつていない。從つて取上げてはおりませんが、この法案を審議終了して決定するということについては、今までのような御答弁ではとうてい審議は進められぬ。從つてこの法案の審議終了までには、その点いま少しく政府御当局で責任ある答弁をしてもらいたいと思います。その点の御用意ありやいなやお尋ねいたします。
#25
○飯山説明員 奥村委員の御質問にお答えします。先ほど來田口委員の質問に対して、久宗課長を説明させたということについて御不満があるようであります。私はできるだけ詳細にその内容を述べたい、こういう考えのもとに、その立案に当りました課長に説明をさせたのであります。責任を回避するという考えは毛頭ありません、しかし現在の水産廳の考えといたしましては、今奥村委員から審議を進めることはできないというお言葉がありましたが、これは私の申し上げる範囲ではありません。私どもといたしましては、現在それらの関係官廳と交渉を進め、また田口委員の申されるような意味において、関係当局とも折衝いたしておりなす。しかし今日までそれが明確にお答えができないという点についてはまことに相済まぬのでありますけれども、それができなければこれを進められないということになりますと、私どもといたしましては、解決しない点を解決してから案を出し直すということにできないのであります。すでに出しておるのでありますから、水産廳といたしましては御誠意のあるところは十分に了承しておりますので、できるだけそういう方向に努力をするということ以外に、現在としては申し上げることはできないのであります。
#26
○砂間委員 この免許料、許可料の費用の使途内容は、行政費と補償の費用であると思いますが、この行政費を免作料、許可料で負担することが不合理であるという点につきましては、これまで他の委員諸君がしばしば言われて來た通りであります。また久宗課長の説明によりますと、これに将來継続的にやつて行く補償の費用であつてその受征者は主として漁民であるというようなことを申しておりますが、しかしわれわれは他方において税金を納めている。税金にそういう方面に使うために納めているのでありますから、その税金をもつてまかなわずして、別に取立てるなんてそんな不合理なことはない。この行政費をまかなうという点につきましては全然筋が立たない。
 それから第二点といたしましては補償の問題でありますが、これにつきましても、昨日以來川村委員その他によつていろいろ申されて來た通りでありますが、先ほど來久宗課長の説明によりますと、零細漁民のかふところにたくさんころげ込むことになるだろうということを申しておりましたが、実際は專用漁業権などを持つている漁業協同組合に大部分行つてそのようにはならないと思う。北海道なんかで七千も漁業権がある中で四千も休んでいる。この四千も休んでいる連中がいろいろな政治的活動をしまして、補償金をよけいふんだくろうというようなことを考えておるのでありまして、そういう連中がいろいろなせ政治的行動をやつて、そちらの方に行く可能性の方が多い。もしろわれわれとしては、漁場は魚民の總有であるというような点から考えなすならば、補償金なんかあまり必要ではない。補償料を全廃いたしましてそれと同時に免許料、許可料を全廃するということが合理的だと思う。この補償料と免許料、許可料の両方とも全廃するという点について、当局ではそういう考えを持つておるかどうかという点を簡單に御質問いたします。
#27
○飯山説明員 ただいまの砂間委員の免許料及び許可料を全廃する意思ありやいなやという御質問に対しては、遺憾ながらそういう意思はないということだけを申し上げます。
#28
○小高委員 本法は過ぐる第五回國会のおいて最大の法案に属する、けだし百四十五條からなる大法案であると同時に、またこれが漁業の憲法であるから、しつかり委員は審議してもらいたいというような意図が政府にある以上、私どもはこの百四十五條に対して詳細なる檢討を試みつつあるのでありますが、その間において幾多疑義を生じている。この疑義が解決しない限り、私どもも責任上はなはだ困ることでございまして、かような感覚からすべてを見ますと、この目的が眞の増産であしり、あるいは民主化でありとするならば、ただその言葉にとらわれたいろいろの條項にあらずして、金融の確立とか危險保障とかいうような條項が入らなければならぬはずであります。とる方ばかり考えておつて、板子一枚下地獄という、この板子一枚に運命を賭し、身命を賭して闘つておられる漁民に対するところの危險保障というものが強くこの法案に盛り込まれて、増産と危險保障と、またそれに伴うところの金融の確立、この金筋が入つてこそ初めてりつぱな法案と相なるのではなかろうかと私は考えておるのであります。あたかもオーケストラを演奏するがごとく、名楽器一つ一つをことごとく鳴らして漁業というものが成り立つのではあるまいかと思う。そこに不備がある。狂いのある音色がここに現われておるということを総体的に私は考ておるのであります。時間がございませんので、詳細は逐條審議の際に、いろいろ一問一答の形でつつ込んでお尋ねいたしたいと思うのでありますが、これらの金融の確立とか、あるいは危險保障制度の確立とか、あるいは増産上最も必要なるところの繁殖保護、これらが中央漁業審議会の字句がございまするが、これらの面において審議檢討せられるものであるかどうか、またせられないとするならば、他にこれらに対する設置方法を考えであられるかどうか。この点を尋ねいたしたいのであります。
#29
○飯山説明員 小高委員の質問にお答えいたします。
 ます全体としての構想において危險に対するところの、実際に働く人々に対して何らの保護の対策もないじやないか、こういう御意見と存じます。漁業法の内容は、御承知の通り漁業権を主体として考えた案でありまして、それらの保險あるいは共済の制度、あるいは資金の対策というようなものは、これに盛つておらぬのであります。從、つて現狂の水産廳の考えとしましては、その災害補償制度の実施を練ねなければならぬという考えについてはまつたく同感であります。從つて二十五年度の予算におきましても、実は災害保障制度の資料、この制度を実施するためには完全なる正確なる資料を必要とするのでありますが、その資料が現在においては遺憾ながらありませんので、そういう基本的の調査をするというので、この基本調査の経費を計上しているようなわけであります。
 それから金融に対しましては、從來水産当局としましては、農林とともに水産業に対して何らか独立の金融機関を欲しいという要望を続けているのでありますが、いろいろな関係から、今日までいまだに実現しておらぬのであります。從つて現在の金融対策といたしましては、団体関係においては中金の融資による、また企業体に対しますのは、これは日本銀行あつせんを中心にして市中銀行による。その間に御承知の通り、すでに実施になつておりまする漁業共済基金積立制度、つなぎ融資制度並びに漁業手形制度、この一連の制度によつてまず運轉資金の確保をはかつている。現在におきましては、なお具体的な数字は遺憾ながら十分に申し上げかねるのでありますけれども、ただいままでわかつているところでは、中金が今度の債券発行の増額、資本金の増加というようなことによりまして、それよつたところの資金を水産部面に向ける。現在までに大体予定されておりますのが約六億ばかりある。しかしもちろんこの程度では、團体関係といえども十分でないのであります。これは先般も砂間委員からも御指摘があつたのでありますが、零細漁民に対する運轉資金というものが出ていないのではないか、こういうお話がありました。まつたくその通りでありますので、この運轉資金の面につきましても、中金が融資ができるようにということを今要望しつつあるのであります。一般企業に対しましては、現在のところ市中銀行に依存する以外に特別な施策は今持つておりません。これはもつぱら日本銀行の政策委員に対して、われわれは一般企業に対する金融もいろいろ要望はいたしておりますが、まだ実現しておりません。かようなわけでこの漁業法にはこれらの共済あるいは災害保障資金というような面をもつておりませんけれども、漁業法の改正とともに、これらの点をさらに拡充して行くという考えを持つておるのであります。二十五年度の予算にも、ただたいま申し上げたような点については相当の経費の計上をいたしておるようなわけであります。
#30
○小高委員 ただいま水産廳長官から、かなり熱意のある御答弁がありましたので、他に二、三質問いたしたいこともございますが、時間の関係もありますので、時を移して御質問いたすこととしまして質問を打切つておきます。
#31
○石原委員長 この場合川村委員より発言を求められております。
#32
○川村委員 私の発言を求めておりますことは、漁業法とは関係がありせんが、過般すななわち八月の十一日に飯山水産長官は東北方面の機船びき網が北海道沿岸に入会をするということから、北海道の業者と膝を交えて懇談をしたいという趣旨のもとに、札幌で開議を開きました際、その会議の席上で、北海道機船底びき特別漁業会本部嘱託松浦榮氏が、われわれ北海道の水産関係の議員を侮辱した言辞を弄しており、さらにこれを大きく取上げるならば、水産常任委員会を侮辱しており、國会を侮辱しておるということがはつりきりしたのであります。そこでこれに対して私ら北海道出身の五人の代議士が、かく侮辱されまして黙つているということは絶対できないという立場に相なつておるのであります。從つてこの場合長官にその当時の状況を承り、さらに私らは、かような國会を侮辱するような言辞を弄したるところの松浦榮氏、しかも松浦氏は御承知の通り前代議士であります。その代議士たる者が、國会の内容等も知つており、また彼も北海道の出身であつた以上は、北海道の議員すなわちわれわれの行動もよく知つておるにもかかわらず、ああした言辞を弄して侮辱したということについては、絶対この際黙視ができないのでありますから、この場合長官の意思もあるでありましようし、また水産常任委員会の意思もあるでありましようが、とにかくわれわれといたしましては、この席上に呼んで、あの流布されたるところの問題がどこから出たか、もし出た所が明らかでないというと、松浦氏がつくりごとをしたのだということになるのでありますから、このままに放置しておくわけに行きません。何らか方法をとらなければなりぬということで発言を求めたのであります。大体その当時の様子だけを御参考に朗読しまして、さらに長官のそれに対処したお言葉並びに水産常任委員会としてとられることについて御協議を願いたいのであります。
 前のことは略します。間、北海道機船底びき特別漁業会本部嘱託松浦榮氏の発言。私は本問題の質問に入る前に重大なる問題として次の二点を明確にいたしておきたいから御答弁を願いたい。第一は、本道選出の水産常任代議士が入会問題に関して数隻の底びき漁業許可を得たとか、あるいは得んとしているとかとのうわさが流布されておるが、本件につきかかる事実ありしや、また將來かかることあり得るや否か。第二に、われわれは本道代議士と東北代議士間に、入会問題にからんで一人五十万円当ての贈收賄があるとのうわさがあるがいかん。ここに集まれる多数の業者は皆疑惑を持つて見ているががゆえに、ことさらに入会問題は複雑化しているゆえ、本件はきわめて重大であつて明瞭にするためにはり考査委員会または險察廳の活動に待たねばならぬほどの問題であると考えるが、長官の考えはどうであるか。
 次に無許可船に対する許可方針、これが関係の事項であります。それに対して長官のお答えは、実際は答弁の限りでいうと思う。なぜなれば、貴下の常識を疑う。またかかる單なるうわさをもつて疑惑のゆえをもつて公開の席上で質問されたことに対しては答弁の必要はない。はなはだ遺憾千万である。ただ参考までに申し上げるが、そのうわさはだれが言つたのか、貴下に出所を突込んで聞いた場合何と答弁されるか。私としてははなはだ心外の至りであり、取消してもらいたい。それに対して反駁の問があります。これは松浦氏であります。私はかかる問題は絶対ないと考えるから取消さない。長官から絶対にないと確答されればそれでよい。それに対して長官の答えは答弁の限りでない。こうなつております。そこで第一の問題といたしましては、たとい水産常任委員の代議士であろうと、機船底びき網の許可を得るにつきましては、適格性であるならば私は何ら支障のあるべきものではない、こう考えるのでありますから第一は問題になりません。
 第二の問題については、北海道の出身の代議士と東北の代議士間において、入会問題にからんで一人五十万円の贈收賄があるとのうわさである。これが問題であります。これは單なる北海道の出身のわれわれだけでなく、東北代議士と言えば廣範囲になるのであります。しかもやや半数を占めております。こうしたような、いわゆる水産常任委員会の委員の代議士諸君が、かく侮辱されたということは、とりもなおさず水産常任委員会が侮辱された、大きく言うならば國会が侮辱された、かようになりまするので、この場合長官の御意志も伺つて、さらにわれわれはこれに対して何らかの方法を講ずる必要があると思いましたので、発言を求めたような次第であります。委員長におかれまして、これに対する善処方をお願いいたします。
#33
○石原委員長 この問題は非常に重大でありまするから、一度この程度にとどめて懇談の上、さらにここの本会議の問題にいたしたいと思います。
#34
○飯山説明員 ただいま川村委員から北海道の底びき入会に関する懇談会の際における言論が取上げられたのでありますが、その記録だけでは水産長官がいろいろ申し上げることはどうかとも思われますけれども、私のその際に耳にしましたことは、水産廳の数人がそれとぐるになつてそういうことをやつておる。こういう言葉が入つておつたのであります。それで私といたしましては、私に関する限りにおいては絶対にそういうことはない、それで水産廳としましても非常に重大なことであり、影響するところが大きいから、それはひとつ取消された方がよかろう。それからもう一つ、國会議員は日本最高の機関の方々であるからかような席でそういうことを言われることはあまり適当でない、御参考までにお取消しになつた方がいいではないか、こういうことを私は申し上げたのであります。そのほか別に附言することはありません。
#35
○石原委員長 お諮りいたします。本年に漁村の災害がまことに多数でありまして、六月にデラ台風、フエイ台風、七月にヘスター台風、八月にジユイス台風、九月にキテイ台風がありまして、これらの台風はいずれも漁村の船だまり、定置漁業の設備の流失、その他多数の損害をこうむりましたので、普通の手段ではとうてい復活ができないと思うのであります。これをこのままに捨て置いたならば、一時わが國の沿岸漁業は休止同様の結果を見ると思うのであつて、まことにゆゆしいことであると思うのであります。ゆえにこの際水産常任委員会におきましては、災害に対する小委員会を設けてこれが対策を講じたいと考えましたので、それに対する法的関係を調査いたしましたところ、水産委員会としては小委員会をつくることに疑義があるのでありまして、今ただちに小委員会をつくることにいかないのであります。そこで考えまするに全体の災害地対策委員というものができております。これは四十五名の委員より構成されておりまして、委員長は大内一郎君であります。そしてその委員のうちに水産常任委員の方が五名参加しておられるのであります。それは川端佳夫君、砂間一良君、央村又十郎君、長谷川四郎君、鈴木善行君、以上五名の方であると思うのでありまするが、この五名の方に全力を注いでいただいて、災害地対策委員会の方に織り込んで活動してもらいたいと思うのであります。なおこれには北海道、九州等最近の大きな災害地の水産常任委員は加わつておらないのであつて、これらの方面からも追加を求め、かつたこの常任委員の方々よりは理事の方が出てないのでありますが、最近奥村君が久野忠治君と交代されました。久野君は前の理事でありますから、ぜひ奥村君を理事に充当するようにしてもらいたい。なおその他の諸君のうちからも理事を選んでもらつて、まず國会開会まではこの方々が小委員会のつもりになつて、そうして他のわれわれ委員も参加して最善の方法を講ずるようにお願いをいたしたいと考えるのでありまするが、いかがでございましよう。
#36
○川村委員 ただいま北海道が脱けておるから北海道からも入れるということについては、まことにその通りと私は賛成するのであります。私はできておることをこの間の役員会で承知しましたので、委員長から特に災害の最も多くこうむつておる噴火湾地帯から私をぜひその委員として中に入れていただくようにと御要望申し上げたのでありますが、これに対して委員長はお運びになるでありましようが、そういうふうな取運びをしていただけるかどうかということをまずお伺いしておきます。
#37
○石原委員長 ちよつと速記をやめてください。
    〔速記中止〕
#38
○石原委員長 速記を始めてください。
#39
○小松委員 休会中でありまするから、そういう法律上の疑義の生じた点はお控えになることもけつこうでありますが、この水産関係の災害につきましては、なるべく水産委員会においていろいろ御研究を願つて、そうしてその結論を得て、それを委員の諸君にひとつ実現するようにお骨折りを願うように、この委員会全体がいろいろの御相談をするような方法をとつてもらいたい、私はかように思うのであります。ことに必要なのは、最近の台風等においての実情を知る私としては、緊急に何とか救済策をしなければならぬということが差迫つた問題だと思います。こういう点をまず第一に取上げていただきたいということをお願いいたします。
#40
○石原委員長 了承しました。
#41
○田口委員 災害に関しましては、九州では今年もうすでに三回起つております。ほんとうに災害の特殊地域というような実情になつておりますから、九州の議員といたしましては、災害対策協議会をつくりまして、全部の議員が委員になつており、そのうちで小委員をつくつておりますが、小委員には私も入つておりますから、もし対策委員になお余裕がありますれば九州の一員として田口をひとつ委員の候補者としてあげていただきたい。
#42
○石原委員長 これは午後にまたさらに協議会の形で御相談をいたしましよう。
 午前の会議はこれをもつて一應終ります。
    午後零時四十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時五分開議
#43
○石原委員長 これより会議を開きます。
 水問題に入るに先だちまして、水産廳より生産部長、通商産業省より綿糸に関する事務官馬越善通君がお見えになりましたから、この御両人よりさしあたり綿糸の配給状況の現実の偽らざる実情、並びに最近の見通しを御説明を願いしたいのであります。これにはこれまでいろいろ役所的のかけひきがあつたり、またメーカー等のごまかしに乗せられたりして、当業者が非常に迷惑をしたことが多々あることは御承知の通りであります。漁業は非常なる窮状に今日では陥つておりまして、そのしたびたび風水害、災害がありまして、まつたくこの綿糸その他の資材には窮しおりますから、この際一歩進んで、どうしたらこの危機を切り抜けることができるかという点までも協力的な御意見御説明を承りたいのであります。生産部長より御説明願います。
#44
○十川説明員 昭和二十四年度の綿糸の供給量は三千万ポンドでありまして、これを昨年に比べますと大体四百万ポンドばかりの減少になる実情であります。最近デラ台風とかイオン台風とかいう災害がしばしばありましたために、これに配給をいたしました関係から、綿糸の供給の実情は前年に比較いたしまして必ずしもいいというわけには行かないと思います。これは從來GHQの水産部等とも十分に協議いたしまして、その数量を増すようにしばしば交渉いたしたのでありますけれども、決定いたしましたところは今のところ二千万ポンドになりまして、この二千万ポンドを配給いたすにつきまして、各縣相互の不均衝を是正いたしますために、先月ブロツク会議を開きまして年間の需要量を一應定めまして、そうしてその年間の需要量のわくの中で、漁業の時期に應じて緩急をあんばいいたしまして、毎四半期の量をきめるというふうな考えをとりまして、配給計画を建てております。マニラ廳につきましては、これは綿糸ほどきゆうくつではございません。それから最近に起りました問題は、第三・四半期から今までの見込み生産をやめまして受注生産に切りかえたわけであります。この受注生産にいたしました関係からと、もう一つの原因は、世上うわさされております補給金の問題で、下半期から綿糸の値段が上るのではなかろうかというような危惧から、業者が製造業者に注文を出しました場合に、製造業者が注文を受けつけないという事実がございます。それで現在さしずめの問題といたしましては、全体の数量の問題、根本的な問題ではありませんで、困つておりますのは、漁業者から製造業者に注文を出しました時分にこれを引受けないという問題でございます。それでこの問題はかねて予期しておりましたために、――これをもう少し詳しく申し上げますと、從來は見込み生産でありましたために、水産廳から漁業者に切符を切りますし、それから商工省は実績等に應じまして、現物をメーカーにやつておりましたために、その間の全体の総量は一致するわけでありますけれども、メーカーにはストツクのできるところと、ストツクのできないところとあるわけであります。それでそのストツクを持つておりますところは今年下半期以後は、受注生産になるとこれは漁業者切符を持つて來ました数量に應じまて、商工省から原料をもらえますからこれは問題はないのでありますけれども、第二・四半期以前、大部分は第二・四半期でありますが、第二・四半期のものにつきましては、メーカ―は自分の從來持つておりましたストツクが減ることと、そのものの値段が上るかもしれないという予想のもとに、現在それを出し渋つておりまして、実際漁業者が適時に自分の必要とする漁網を入手できないという現状で困つておるわけであります。このことを知つておりましたために、九月の十九日現在のメーカーの在庫数をまず調べてこれを決定いたしまして、そうして今まで幾ら持つておつたかということを明らかにいたしまして、先はども申しましたように、理論的にはメーカーの持つておりますストツクと、業者の持つております切符とは一致するわけであります。しかしそれはいろいろの事情で一致せぬ事情もあるかと思いますが、理論的にはまず一致するわけでありますから、そこでまずメーカーの持つておりますストツクを明らかにいたし、そうしてその報告も大部分参つておりまして、集計するばかりになつておりますが、そのストツクを集めて、もしメーカーがこれを拒みました場合は、業者から切符を集めまして、指定生産資材配給統制規則に照して、その供出命令を出すということにいたしまして、今日も実は商工商の当局と係員が参りまして協議中でございます。
#45
○石原委員長 通産省の御説明を願います。
#46
○馬越説明員 私、通商産業省の繊維局の綿業課で漁網をやつております馬越であります。ただいま部長から御説明がありましたように、第三・四半期から受注割当になりましたために、第二・四半期までに持つております原料をメーカーが出し渋つておるという実情にわれわれとしてはよく調査いたしまして、これに対して手を打ちたいと思つております。現在までに通商産業省として手を打ちましたことに、御承知のように、漁網をつくりますためには、最初に漁網用撚糸をつくります。從來この非一貫の網屋さんに渡す漁網糸と、それから撚糸業者がつくります漁具糸との関係が慣習的に混用されておりましたので、八月十日の還元をもつて打ち切りまして、結局漁網用撚糸として綿糸をもらつた者は必ず漁網用撚糸として非一貫の製造業者に渡して網をつくれ、漁具糸としてもらつたものは漁具糸を業者に直接渡す、その段階をはつきり区別するようにこれを通牒として、各メーカーに通知したのであります。
 それから第二点でありますが、第二点は在庫の調査の点であります。これは結局漁具糸と漁網の還元は水産廳の方に行きます。それから漁網用の撚糸還元は通産省に直接に参ります。この点はさつきも部長が申されましたように、水産廳の係官と連絡をとりまして、漁網糸に関しましては八月二十日、漁具糸につきましては九月十日で還元を全部いたしまして、各メーカーの手持ちの原料を調べております。各メーカーの手持ち原料は新聞なりに公表しまして、メーカーのどこに原料があるかという調査の便に資したいと思つております。
 次に第三点として手を打ちたいと思つておりますことは、結局第二・四半期までに出します農林省の購入予約券は、十一月十日をもつて予約期限が切れるわけであります。それでありますから、十一月十日までにメーカーと予約できない場合には、さつきも部長が申されましたように、在庫があれば、購入券を持つて來れば必ず予約しなければならない。これは指定生産規則のあり方からいいまして当然でありますが、これを拒む場合には議渡命令なり何かの処置をとる。でありますから十一月十日までには、メーカーと業者との間に契約ができるはずであります。しかるに十一月十日になつてもなおかつ契約がとれない、そういうメーカーに対しては結局第四・四半期以降原料の割当をしないとか、削減をするとか、そういう手を打ちたいと思つております。以上三点の設置をとりまして、第二・四半期までに原料が非常に行き詰つておつたという点を打開して、業者の便宜をはかりたいと考えております。
#47
○奧村委員 実は、けさ私がこの問題について御要求を申し上げておきましたことは、第二・四半期の綿糸のチケツトが、全國的に現物化が困難になつておるということからしまして、水産廳の係官の説明では、どうにもこの問題は解決はつかぬということからして、この水産常任委員会で大きく取上げて、とことんまで解決のつくような、われわれの納得し得るような対策を講ぜられたいと思いましてお願いした次第であります。ただいまのお二人の御説明ではなお満足いたしませんで、二、三お伺いいたしたいと思います。大体これは綿漁網の生産並びに配給については、水産廳において一本で管轄するということに、大体政府において方針が一決して、その通りに行われることになつておつたのでありますが、どういう事情でおるかそれがその通りに行われておらぬ。これが今回の問題を生じたまず根本の原因であろうと思う。從つてこの問題を明らかにしなければ、問題の根本的解決はできぬと思いますが、しかしこれを取上げて審議しますならば、おそらくきよう中にも片がつかぬくらいの問題だと思いますので、これはさておいて、さしあたつてこの第二・四半期のチケツトの処理についてお尋ねいたしたいと思います。
 それで水産廳の生産部長の御答弁によりますと、一應各メーカーの保有の綿糸を調査して、そうして新聞などに発表して、業者はそこヘチケツトを持つて行く、こういうことを言われますが、それでは十分の対策にはならぬと私は考えます。すなわちメーカーの腹のうちは、これ商費人でありまするから、なるべくチケツトと引きかえに現物を渡したくない。第二・四半期のチケツトと交換して現物を渡したところで、その第二・四半期のチケツトなるものは、これは商工省へ持つて行つても全然現物化せぬ。チケツトと交換したらしただけ自分の方の保有綿糸がなくなるから、なるべく保有綿糸を蓄えようという氣持で、なるべくこれは避けるでしよう。それで單にさようなことで問題は解決しない。それよりももつと根本に行つて、この保有綿糸なるものが、一体商工省においてそれをどう御処分になるか。第三・四半期からは受注生産制になり、保有綿糸というものはない。今までの保有綿糸がどれだけ渡してあつて、それをどう処分せられるか、これは水産廳の係官ではそれを処分してどうしますと言うてみたところで水産廳は今管理しておらぬ。工場の管理は商工省なのである。從つて商工省の綿粟課の御方針をお聞きしなければまず納得は行かない。こう思うのであります。
#48
○十川説明員 商工省の御質問でありまするのですが、私の方にも多少関係がございますものですから、私どもの知つておりますことを便宜上御説明申し上げた方がよかろうと思います。
 帳面の上では各メーカーのストツクはわかつておるわけでございます。還元切符は水産廳へ返つて参ります。それから商工省から何ぼ渡したということはわかつております。それですから帳面の上でそのメーカーは何ぼのストツクがあるということはわかつております。ところがいろいろの事情で、実際問題といたしましてそれがはたしてそれだけあるかどうかということ、これが非常に疑問があるわけてす。それで先ほど申し上げました、実際そのメーカーの持つておりますものを漁業者に周知せしめまして、そうしてあるところへ注文せしめる。それより前にストツクを持つておるべきはずのメーカーは帳面の上でわかりますから――そこへ業者が注文しているのに渡さぬということがあるわけです。そのような場合には、これは指定生産資材配給規則に基きまして渡せということを命令いたすわけです。なおまたわれわれの考えとしては、これはまだ商工省と十分打合せておりませんが、もしそういうことを出せといつても聞かない場合には、第四・四半期の配給をそのメーカーには止めてもらうというふうにすれば効果があるのじやないか。かように私どもは考え、そうしてきようその案をもつて商工省と折衝いたしております。
#49
○奧村委員 まだどうも不満足であります。こういう問題は今回初めてではない。メーカーがときどきチケツトを受取るのをいやがることがある。單に命令を出して解決はできません。すでに法規によつてチケツトを持つて行けば、それを現物化するのはメーカーに義務ずけられている。今それを全國的に拒否しているんですから、命令一本でてきるんなら、そうわれわれ苦しむのじやない。その根本にさかのぼつて、第三・四半期からは受注生産制になる。從つて、きようまでにメーカーに渡した保有綿糸、これがどれだけ渡してあつて、第三・四半期から根本的に制度を切りかえるについては、今までに渡した保有綿糸を、一体商工省はどう解決をせられるか。この根本方針をお聞きしなければ解決できぬと思う。
#50
○石原委員長 この問題は通産省より明快いなる御答弁を願います。通産省に対しては綿業課長の出席を求めたのでありますが、馬越氏が御出席になりましたので、十分お打合せの上御出席のことと思うのであります。なお本日ははからずもこの綿糸、マニラ製品その他資材を使用するところの各種漁業の代表者の方々がお集まりになつたのでありまして、この機会にメーカーとどうとか、いろいろな疑惑を一掃するのには最もよい機会であると思うのであります。どうかその意味合いにおきまして、また水産廳が独立し、今度通商産業省が商工省より独立したのも、それら産業を助長をすみやかに有効にやらしむべき趣旨より出たのでありますから、その点をよく御了解の上、この際納得の行くように御答弁あらんことを切に委員長より要望をいたします。
#51
○馬越説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。本日は綿業課長が來るはずであつたのでありますけれども、御連絡がありましたのは十二時過ぎでありまして、綿業課長はどうしても來れない用事がありましたので、私と打合せして、私が代理で参つたわけであります。その点御了解をお願いします。
 では先ほどの御質問にお答えします。保有綿糸の点でありますが、そうしますと結局さかのぼりまして第二・四半期の割当ということになりますが、第二・四半期の割当方針は結局五月末に期限をとりまして、五月末に在庫が五箇月以上ある場合は割当をしない。在庫が五箇月以下のものに対しましては、それを第二・四半期のわくでの二万梱を結局各メ―カーに按分してやつたわけであります。でありますから、結局第二・四半期の割当を行いましたのは七月の終り、結局メーカーの手元には七月の終りから八月の初めに現物化されているはずであります。從いまして九月末の在庫というものを考えてわれわれは割当をしたのでありますから、各メーカーの手持は結局第二・四半期において割当をもらわなかつた人、第二・四半期において割当をもらつた人もあわせまして、結局十月まで出荷するものは持つておつたわけであります。七月に割当をしましたときまでの在庫と、四半期にもらつたものを合せました各メーカーの在庫は、きようは一覧表を持つて來ておりませんがつくつてあります。でありますから、七月の四半期の割当のときに、正規の人は十月まで出荷し得る手持を持つておつたわけであります。各メーカーが順調に出荷して行けば、受注割当に切りかえたから原料の割当が止まるということはない、そういう見通しをもつて第二・四半期に割当てたのであります。
#52
○奧村委員 どうもその御答弁でも満足できません。私のお尋ねいたしましたのは、第三・四半期からは受注割当制になる。それで今まで保有綿糸を各工場に商工省から現物を渡してやつたが、この制度切りかえにおいて、その保有綿糸をどう処分されるか、その根本方針をお尋します。あなたの言われるようなことになれば、業者はチケツトを喜んで現物化すべきはずであるのに、全國的にそれを拒否するのは、保有綿糸の処分について、商工省が明確な方針を徹底させていないからであります。まずその問題を明らかにしなければ納得ができぬ、こう考えます。
#53
○馬越説明員 ただいま落しました第二・四半期以前の保有綿糸の処分について御説明いたします。第二・四半期以前の保有綿糸の処分につきましては、第三・四半期から受注割当に切りかえるという方針を明示しましたときに、もし一月と三月の出荷期限までに出荷できない人は、結局その以後でありますから、來年の一・四半期からは受注割当の資格がない。要するに來年の一・四半期以後は幾ら注文を持つて來ても、原料を割当てない。だから一・四半期まで原料をもらつた人は、必ず來年一月、三月にその保有綿糸を処分しろということは明言してあるはずであります。でありますから、この点一月、三月と若干時間的ずれがあるというので、メーカーは樂観しておるのではないかと思います。それについて、これではメ―カーの方も生ぬるいから先ほど私が申し上げましたように、十一月一日でもつて予約という点で期限を切つて、予約ができないというのが原料をストツクするということを考えておるのであります。
#54
○奧村委員 あなたの言われますように第二・四半期のチケツトの分の現物は、各工場に対しては七月までに行つておるはずであります。ところが実際のチケツトは、このごろになつて全國の漁業者に割当られて、そのチケツトがどのメーカーへ行くかはこれからの問題であります。從つて各工場の能力と、保有綿糸の量とチケツトの集つて行く量とうまく合致しないということに、初めからわかつておることだと思います。第三・四半期からは原則として保有綿糸はなくなるでしよう。今までの保有綿糸のよけい出過ぎた工場、あるいはチケツトをあまり拒否して保有綿糸をよけい抱き過ぎた工場の解決をどうするか。今まででも保有綿糸は、水産廳の出したチケツトの回收率に必ずしも比例して各工場に出ておらぬ。私は各工場別のチケツトの集荷量と保有綿糸の在庫量を調べましたが、必すしも一致しておらぬ。一致しておらぬからこそ工場では水産廳の出した綿糸のチケツトを必ずしも喜ばぬ。つまりそこに商工省が幾分手を出す。そこにこの問題の根本の原因がある。大体保有綿糸は全部でどれだけあつてどういう生産をつげるかそれをお尋ねいたします。
#55
○馬越説明員 説明を補足します。先はど申しましたように、二・四半期以前の保有綿糸は、漁網用に関しては一ぱい、漁糸に関しては三月一ばいに出荷する。農林省の消費切符との関係でありますが、二・四半期までの割当方針は、農林省の発行している漁業資材購入券を還元した実績で割当てたのであります。でありますから、たくさん還元した人はたくさん原料がもらえる。次の段階でそれを出荷しないで在庫で持つている人は、一時的には多いという現象ができてくると思います。でありますから、現在の段階においては農林省のチケツトをとらない方か必ず在庫が多いという現象が生じているかもしれません。しかしそれも二・四半期の割当で調整しまして、そういう在庫を五箇月以上持つている人には全然割当をしません。今まで五箇月以上在庫を持つている人は原料をもらえなかつたわけでありますから、大体五箇月内外の在庫であります。でありますから、通産省で第二期の割当をしたときに在庫を持つていて、それ以上に農林省のチケツトを持つている人、在庫以下、農林省のチケツトを割当てていない人、そういう問題が起ると思います。しかし在庫は持つておつても、農林省のチケツトを割当てていない人はさらに割当てればよいわけでありまして、在庫以上に農林省のチケツトを持つている人は在庫以上に余つているので、農林省の購入券は他の業者にまわすなり、一般業者に返還してもらわなければ一月、三月の線は打開できない。そういう手は結局メーカーと業者の間の話でやつてもらわなければならねと考えております。
#56
○奧村委員 あなたの御答弁によりますと、窮極において來年の一月なり三月のチケツトにより保有綿糸の生産をつける、こういうお言葉でありますから、一應筋が通つておるようであります。しかし各メーカーにほんとうにその精神が徹底し、メーカーがそれを尊守すれば、今日かような問題は起つておらぬはずである。第二・四半期のチケツトが全目的に拒否されるということは起つておらぬでしよう、從つてその御答弁ではまだ満足できません。しかしこれ以上お尋ねしましても同じでありますから、委員長に要求いたします。綿業課長の主席を願います。
#57
○砂間委員 率直に言うと、一つは値段の点だろうと思うのです。これが補給金を減らすとか何とかいう問題にからんで、先行き値上りになるという点を見込みまして、メーカーは品物を持つておりながら、購入券を持つて來ても渡さないということのなつておりますから、通産省の綿業課としましては、また水産廳の生産部におきましては、まだ値上になるか、ならぬかわからないのですが、値上りになる以前に渡した原料及びそれでできた製品については旧價格でこれを現物化する、渡せという命令を一本出したならば、購入券を持つて行つても業者が渡さぬという事はどこでもなくなるのではないですか。やはり業者はみなそろばん勘定でやつておるわけですから、値上りの不当利益を取得しようとする。そこに出し渋つている大きな原因があると思うのです。またそういうところに、資材の割当、配給をめぐつていろいろな官僚の不正や腐敗が出て來る。現にこの前の國会に顔を出しておりました民自党の五島委員にいたしましても、いろいろ問題がありまして、刑務に收容されているというようなことになつておりますが、こういうふうな問題が起りますということも、結局そういうふうな点に関連しておるわけでありますから、この点明確にする必要があると思う。そこで途中で値上りになつても旧價格で渡すことができるかどうかという点について、はつきりした答弁をお伺いしたい。
#58
○奧村委員 この問題は、このままでは解決にはならぬと思うのでありまして、綿業課長を呼んで審議しますよう、何とか方針を決定していただきたいと思います。
#59
○石原委員長 この問題は一時中止して、綿業課長を招致するように手配をいたしたいと思います。ではとりあえず生産部長の説明を願います。
#60
○十川説明員 メーカーが業者に対しまして現物を渡さぬという事実が起つておりますのは、第二・四半期のものについてでございます。
#61
○奧村委員 第二・四半期もそうです。
#62
○十川説明員 第二・四半期を含めてのつもりなのであります。第三・四半期以後になりますと、これは受注生産になりますから、もしこれを引受けないことになりますと、自分の商資が止まるから、そういうことはないわけです。ですからその問題の起りますのは、第二・四半期を含みます第二・四半期以前のことであります。それで第二・四半期以前のものの値上りは考えられないわけでありましてこれはすでに補給金をもらつた原綿を使つて製造したものでありますから、それが値上りをするであろうということは想定できないわけです。
#63
○川村委員 部長はただ考えられないと言つておるが、これは実際にある。私は名前を指すことは控えますが、現に石川縣で私は網を買つたのだが、当時私は二百万円の手付金を打つてはつきり網を契約したところが、ずつとずれて、ついに前回値上りしたその價格で漁網の代金を拂つたという実例がある。私らは漁具がなければ漁業ができないのだ。しかしそれをとやかく論議しておつたのでは魚に逃げられるから、しかたがなく拂つてとつたという実例がある。それからこれは昨日、一昨日の話ですが、ある会社にワイヤーを注文しております。これは綿糸とは違いますけれども、五月一ぱいに渡すという契約のもとに私は注文したのに、いまだにその現物が半分より渡らぬ。ところが一昨日行つたところが、今まで渡しただけは旧價格で渡しましようが、この後のは七日から値上りするというその價格で渡す、こういうことを言われたので、私は嚴談をした結果、もしそうしたようなことで値上りした價格で渡すとするならば、契約違反で私は相当の手続をするからさよう心得ろ、とにかく行つて重役と相談してしかるべく返事をしろということで、また取残されている問題がある。これが実際あるから、おそらく今奥村君も砂間君も言つたのだと思います。現実にこれをやられておるからそういうことをここで取上げたのであつて、これを解決するには、ここで議論をしておつてもどうにもならぬから、ある機会にあなたの方と水産廳とまたわれわれの側と、私は特に資材の小委員長をしております関係上、十分話合つて、メーカーに対して嚴重な警告を発して、もしそれに從わない者は、断固としてこの際割当を拒否するとか、停止するというようにしなければ、この問題は解決がつかないのである。部長はただあり得えないと言われるが、あなた方が机の前にすわつていればそうかもしれないが、われわれは現実にあつた。だから私はあとでこの資料も提供します。この委員会の席上で会社の名前をたくさん出すということはけつこうなことではないから、あとから資料を提供しますから、その資料に基いて再檢討をして、この問題の解決をつけるようにお願いいたします。
#64
○石原委員長 委員長より馬越説明員にお尋ねします。先刻馬越説明員はメーカーが出ししぶるということを申されましたが、その出ししぶるメーカーの氏名が今おわかりになつておりますか。わかつておれば御説明を願いたいし、わかつていなければ、明日中に調べてここへ御提出を願いたいのであります。これに対してお尋ねします。
#65
○馬越説明員 ただいまの委員長の御質問にお答えします。通産省としましては、メーカーを管轄しておりまして、通産省の方に業者の方がどういうメーカーの方が出し渋つているという陳情なり御質問なりは出ておりません。
#66
○石原委員長 そうすると、出し渋つているということをはつきり申されましたが、それに事実無根のことを申されたのでありますか。
#67
○馬越説明員 私たちでお聞きしているのは、どこのメーカーが出し渋つているというのでなしに、二・四半期以前の切符の現物化に非常に困つているという話は水産廳を通じてよくお聞きしているわけであります。
#68
○石原委員長 メーカーは水産廳及び通産省の支配下にあるものであります。それがわからないというりくつはないのでありますから、私の方は明日一ぱいと切つてそれの資料の提供を強く要求したのであります。
#69
○奧村委員 これは私どもの福井縣定置網協会からのけさの電報です。「二・四チケツト現物化困難、手配請う」というのでありまして、これですぐ水産廳に参りましたところ、水産廳では全國的にその抗議を聞いているということでありますから、これは全般的の問題で、いずれ綿の方もお調べを願いたいと思うのであります。それでこれはあまりけんか腰になつてもどうかと思いますので申し上げますが、綿業課長に出ていただいてお話をするならする、あるいはまた馬越君に來ていただいてからここでこの問題を解決するなり、どちらか方針をきめていただけば、そのつもりでもう少し突込んで具体的な対策について申し上げたいと思います。
#70
○石原委員長 この問題は本日はこの程度にとどめて、綿業課長の出席を求めてさらに再開いたします。
 暫時休憩いたします。
    午後二時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時二十分開議
#71
○石原委員長 これより会議を開きます。
 午前に川村委員より御提案になりました北海道機船底びき特別漁業会本部嘱託松浦榮氏発言に関する件につきましては、考査特別委員会の委員長とも相談をいたしまして、十分これの処置に対する研究をいたした上、さらに本会議に諮りたいと思いますが、さようとりはからつて御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○石原委員長 ではさよう決します。
 次に午前におきまして漁業法案に対する総体質問はほぼ終つたのでありますが、玉置君が欠席でありまして、補足的な質問があるようでありますからこれを許します。
#73
○玉置(信)委員 ごく簡單に松元説明員にお伺いしてみたいと思います。それはこの漁業法が漁業憲法である以上、法の一貫した精神をはつきりしておかないと、今後のこれが修正その他に非常な関係を及ぼして來る。なかんずく先ほど陳情の筋から、この漁業の運営方法が國家管理である、あるいは國営ではないかというような意見が出ましたので、ひとしおその点を痛感いたしました。それで一言だけ質問いたしたいと思います。それは昨日奥村委員の質問に対し、あるいは鈴木委員の発言の端緒によりまして、漁場の総有という言葉について松元説明員はこれを説明明するにあたりまして、総有という意味は嚴密に申しますと二つに使つておる。その一つは法律的意味で、所有の形態としての総有という形態、これは日本の法律ではない概念であつてゲルマン法の概念であります。この総有と申しますのは、物を集團的に所有いたします場合にローマ法流の概念では法人という形でしか持てないし、総有という形しか持てないわけであるということからいろいろと説明されまして、最後に沿岸漁業あるいは國民全体の所有という点と地元地区組合の所有という点、これは極端に申しますれば、あえて漁場に限らず農地であろうとあるいは工場であろうと、これはすベて國民全体の利益に帰属せしむべきものである云々ということを答えておるのであります。私はこれを概念的に考えまして、漁場あるいは土地、これは自然発生のものでありまして、一度國民全体の所有に帰すべしということに納得できます。かつて戰争当時は、國家がすべて民法によつて割当てその所有権を認めておつた。それが戰争が始まると同時にすべては天皇のものである、からだも土地も財産もすべて天皇に帰属すべきであるという、非常なかわつた意見が犠頭したことがありますが、しかし工場そのものが國民に帰属すべきであるという観点は、工場そのものは自然発生でなくして人為的にできたものでございます。あなたはこの法を立案した一人でないかと私は想像いたしますが、その立案者の根本思想というものがどこにあるか、こういうことを一應考えるときに、私は総有から発したこの新しい言葉が、イデオロギー的に言つてイズムをどの方面に與えるべきものであるかどうか、かようなことに非常な疑問を持つものでありますから、一應これに対する定義を下しておいてもらいたい。同時にこれを分析し、あるいは科学的に、あるいは哲学的に、その他の方面からいろいろと分析して、その流れる考え方がどのイズムに属するものであるかということを、この場にはつきりしていただきたいと思います。
#74
○松元説明員 昨日の私の説明がいささか未熟で、多分に誤解を招いたらしいので、もう一度御説明申し上げます。昨日奥村委員の御質問でありましたか、総有という意味はその部落の総有であるか、沿岸漁民全体の総有であるかという御質問であつたのであります。それに対しまして私の答弁といたしまして、一應その行使方法は沿岸漁民、さらに廣く言うと國民全般の利益に帰するように使わるべきである、しかしそれが具体的な方法としては地元の組合へまかされる、こう申したのであります。と申しますのは、すべて私有財産権と申しますものは、少し古いのでありますが、ワイマール憲法以來私有財産絶対というのでなくして、財産権は公共の福祉に適合するように云々ということがうたわれまして、それが現在の新憲法でうたわれております。そのことを表現いたしまして、地地元の漁民といえどもそれだけの私的利益のために行使すべきではない、常に公共の福祉に合するように行使すべきであるということを、少し表現が惡くてあるいは誤解を招いたのではないかと思いますが、氣持はそういう氣持であつたのであります。
#75
○玉置(信)委員 ただいま松元説明員の御答弁で大体わかりましたが、ワイマ―ル憲法については私も多少研究しておる一人であります。その問題はさておきまして、こうしたことはすべて民主化を第一義とし、第二義的に生産増強をはかるということを目標として、この漁業制度の改革は行われておるわけであります。そこで水産廳長官がおいでにならぬので部長にお伺いいたしますが、民主化ということについてもいろいろありますが、基本的にはつきりしておきたいことは、民主化の問題についてもアメリカ式、ソ連式、いろいろありましよう。一体現状の民主化をどの線に沿うて行つた方が一番いいと思いますか、その点を御説明願いたい。
#76
○松任谷説明員 ただいま玉置説明員より、日本の現在行われておりまする民主化というものはアメリカ式であるか、ソ連式であるかという御質問でございますが、現在日本で行われております民主化と申しますのは、御承知のように、敗戰によりまして日本が新しい國家として立ち上り、復興しまするために、いろいろと從來の何と申しまするか、封建的ないろいろの要素がある、そういうものを民主化の線に沿つてなるべく直して行くというようなことに考えなければならぬというような意味で、わが國の実情に即した民主化というものを具体的に考えて参らなければならぬ、こういうふうな意味合いではないかと考えるのであります。從いまして、アメリカ式とかあるいはソ連式とかいうふうに、一概に形式でもつて、何と申しますか、一つの型によつて律するというような意味に考えておらないということだけ御了解願いたいと思います。
#77
○玉置(信)委員 第五國会以來いろいろと質疑應答をいたしております民主化の問題につきまして、特に昨日各委員から、この点についていろいろと質疑應答をかわされました。以後に部長からの御答弁ではつきりいたしました。いわゆる現在日本で行わるべき、ほんとうに日本の現状に即したところの民主化をはかる線にこの漁業法を持つて行くべきであるという結論を得ましたことを満足に思いまして、私の質問を終ります。
#78
○石原委員長 これをもつて総体質問は終りました。
 お諮りします。午前中の総体質問のときに、奥村君より政府の本案に対する説明の不満足なる点を指摘されまして、審議ができないということまで発言されたのでありまして、その点にはわれわれも同感するところが多々あるのでありまするが、この場合審議は逐條の方法で進めてきまして、奥村君の御意見に対しては最後的に尊重すべき点は尊重したいと思うのでありまそ。うういう意味から、第一條より逐條審議を進めて行きたいと思います。さよう御了承願いたいと思います。
#79
○川村委員 議事進行について……。ただいま委員長から逐條審議の言渡しがあつたのでありますが、まことにけつこうだと思つております。ただこの場合審議を促進する無味におきまして、全般にわたつてあつち飛びこつちへ飛びして審議をするということは、どうもこれまで多々繰返されたのであります。一例を言いますと、きよう出席しておつた人があしたになると休んでおるとか、あるいはきよう欠席してあしたは出て來て、また同じことを繰返すというようなことがあつては、かえつて議事の進行を妨げるものでありまするから、その点そうしたことのないように、第一章なら第一章を大体まとめるためには、つまり質問者と関連する問題について質問の追加をする場合はそれを許して、一括して答弁を願つた方が進行上いいと思います。この点お諮りを願います。
#80
○石原委員長 ただたいまの川村君の御意見は、一章ずつを総括してという御趣旨でありますか。
#81
○川村委員 一章という例を引いたのでありますが、一條ずつでもいいのであつて、つまり前にまたもどつて質疑をするというようなことをしないで、結局欠席した人は棄権をしたというふうなかつこうにとつて、片つぱしから片づけて行つた方がいいのじやないか、こういう意味であります。
#82
○石原委員長 了解しました。それでは第一章総則第一條より第五條までを一括して議に付します。
#83
○冨永委員 第一條のずつと最後の方に「漁業調整機構の運用によつて水面を総合的に利用し、」というふうに書いてありますが、これはどんな操作をもつて水面の総合利用をなすのか、これをを具体的に承つておきたいと思います。
#84
○久宗説明員 第一條の中で「水面を総合的に利用し」というふうに規定しているのでありますが、これは結局現行制度の欠陥を改正いたしますので、その改正の設目をうたつたわけでございます。現行制度におきましては、御承知の通り本來多数の漁民が入り会つて操業する漁場というものを、個々の漁業権を中心に規律いたしております。しかもその漁業権の設定にあたりまして、從來の慣行を基礎に置きまして、それに基いて権利が與えられる、なおその後は個々の申請に基いて個々の権利を設定して行くわけでございます。從いまして、当時におきましては、あるいはそれが合理的であつたかと思いますが、これは明治三十四年のことでありますので、その後明治四十年以降漁船も動力化いたしましたし、その他ここに長い年月がかかつておりますので、海況その他も変化いたしているわけであります。それに対して慣行を基礎に置き、しかもそれを固定したわけでありますので、なをその上に先ほど申し上げましたように、一つ一つ権利を設定して行くということから、前に権利が設定されておりますと、それとの関連において、ここが一番いいと思つても、そこ人権利が設定できない。一應すでにある権利者との関係を調整して行かなければならぬことになつたわけであります。そういう意味におきまして、漁場の計画性というものがまつたくない。つまり本來漁場というものは総合的に利用されます関係で、これを分割できない。そこで水面の利用方法といたしましては、魚種と漁法、漁期というふうにわかつてこれを権利化したわけであります。その権利が独占排他性を持つことは漁業の技術上当然なわけでありますが、またそれが何らの調整なくして放置されたというところに、現行漁業法の根本的な欠陥があると考えますので、それを直しますのには、一定の水面の生産力の絶対量をあげますためにも水面利用を計画化しなければならない。つまり漁場を初めからどういうふうに利用するかというところから始めなければ、ほんとうの意味の生産力はあがらないということが第一点になるわけであります。また同時にその総合的利用という場合には、漁場そのものの漁獲の絶対量だけではなしに、そこの漁業資源が長期にわたつて維持され、増加されなければならないというところから、それが個々の経営によつてかつてに利用されたのではいけない、他の漁にも影響いたしますし、ある能率的な漁法で一挙にそこの資源を全部洗つてしまうというようなことも、これは総合的な利用ではない、そういうような意味から、経営内容にまで立ち入つて考えて見なければやはり生産力はあがらない。つまりその場合生産力という言葉がここに出て参りますが、これは漁場の生生産の力ということになるわけでありまして、一回限りのものではない、そういう経営内容の問題まで含みまして、水面を総合的に利用して行くというのが、この法案の趣旨なのであります。ここに書いてあります生産力というものもそういう意味でありますし、それをいたしますのに当然に現在の漁業権制度につきまといますような、生産力そのものを阻害しているいろいろな封建的な残滓物というようなものに排除しなければならぬ。それが民主化の内容になるわけでございます。
#85
○冨永委員 大体ただいまの説明によつて、水面の総合利用ということは御説明になつたようでありますが、きのうの長官に対する質問の場合でも、結局今のような非常に高遠な理想をもつて臨むことは、あるいは看板の塗りかえになつたり、極端に言えば、角をためて牛を殺すような結果になるのではないかという問題や、このあとで質問をいたしますが、随所にこの高遠な理想と矛盾する点を発見する場合が多々あるのでありますが、しかしここでは一應この程度にとどめまして、その次の第三條、第四條に水面という言葉が使われておるのであります。それで、これはまだ議題に出てはおりませんが、関連していますから、ここで聞いておかないと、あとでまた前をひつくり反すことになつて、結局むただと思うので聞いておくわけですが、第八十四條には、海面及び海区、内水面という言葉が使われているのですが、この水面、海面、海区、内水面、これらの法律の定義を承りたいと思います。なおこれは私もます。
#86
○松元説明員 この法案では、水面という言葉と、海面、内水面という言葉と、海区という言葉を使つております。水面と申しますのは、現行法の字句をそのまま跡襲いたしまして、もちろん面と申しても水中も含むわけで、それをさらに海と内水に区別して、内水面及び海面、二様に使つておるわけであります。海区というのはそのうちの部分的な区域を取上げて海区と称しておるわけであります。從つて海区とは海面の一定の区域内の部分であるというふうに御了解願いたいと思います。
#87
○砂間委員 三つ四つの点についてお尋ねしたいと思います。まず第一に第一條についてでありますが、第一條の中に、この法案の骨子としまして、漁業生産力の発展ということと漁業の民主化ということが書いてあります。この民主化の点につきまして、昨日來総有であるとか、あるいは自営であるとか、あるいはイデオロギーがどうとかいうことで、いろいろ論議され、またこの民主化と生産力の発展とか食い違うとか食い違わないとか、どつちが先だとか後だとかいうふうなことも論議されたのでありますが、私の理解するところによれば、民主化ということは生産力の発展ということと何ら食い違わないといういふうに考えております。民主化ということの内容は何とか言えば、少数の有力な人たちが独占排他的に利益を食つて、多数の生産に從事しておる漁民を隷属させ、搾取し圧迫して行くということを排除し、そしてこの実際漁業に携わる人たちの生活を向上し、発展して行くということが民主化の主要な容をなしていると思う。実際魚をとつて來るのは働く漁師なんですから、その人たちの技術や生活や熟練や経驗というものを向上し発展して行くことなしに、生産力の発展ということは望まれない、こういうように考えるわけでありまして、この生産力の発展と民主化ということは何ら食い違うわけのものではないというふうに考えるのであります。ところでこの第一條に本法案の眼目がこうやつてうたつてあるのでありますが、これはただ一つの看板にすぎないのでありまして、この言葉の内容が一貫してこの法案の中に書かれていない。先ほど玉置君は、イデオロギーの点は本法案を審議する骨子になる、精神になるのだから、非常に重要だということを強制されたのでありますが、私もその点については同感であります。けれどもこういうふうに、看板は民主化というふうなことが掲げられてあるけれども、何も貫かれていない。その点につきまして、これまでも断片的に触れて來たわけでありますが、たとえば定置の漁業権にしましても、一應協同組合に第一優先順位を與えるということになつている。第二に生産組合ということになつておりますけれども、きのうの長宵の説明にもありますように、しかしその協同組合がもし弱体であるならば、これは実際に実力のある、賛力のある、経営能力のある人に交付することになる、こういうふうな御説明があつたわけでありますが、そういうふうに実際上はみなこの資力のある人に渡つて行くような形になつて行く。これはに定價ばかりではなくて、ほかに例をあげればたくさんあるのでありますが、省略さしていただきます。それで、これが何ら実体を持つていない單なる言葉の表現に終つている。その点について、当局は何らの矛盾を感じないかどうかという点を第一に御質問したい。ほんとうにこの民主化の線を貫いて行くならば、これは漁業調整委員会の機構にしましても、それからいろいろな漁区漁業の点にしましても、あるいは海上の取締りの点にしましても、いろいろな問題が、これとは違つた形で後に展開され、出て來なければならぬことだと思う。ですからこれは極端に言えば、民主主義の仮面を襲うて、そういう発展をいたしてカモフラージユしましても、実際には零細漁民から漁業権を取り上げてしまう。そういうまつたく資本家擁護の法案になつておる。(「ノーノー」)その点について当局は矛盾を感じないかどうかという点、これを第一に質問したい。
 それから次に第二点としましては、第一條の中に、やはり魚族の繁殖保護、責潔保護という点を適当な文句で入れる必勝はないかどうか。私はそれを入れる心要があると思う。ただいま久宗経済課長の説明によりましても、生産力の発展ということは、何も一度にごつそりととり切りでとつてしまえばいいというのではなくて、再生産をという点から考えなければならぬということを申さねましたが、今のような、たとえば沿岸焼漁業にしましても、機船底びきや何かが沖の方で荒しまわつておるというふうな状態のもとでは、生産力の発展、漁業の発展ということは必ず行き詰つてしまう。これについてやはり資源保護、魚族の繁殖保護という点を一項目入れる必要があるというふうに私は考えるのでありますが、そういうふうに修正する意向はないかどうか。これが第二点であります。
 それから第三点としましては、第二條の第二項についてでありますが、ここに漁業者及び漁業從事者というふうなことが書いてあります。あるいは後の方に漁民どいうことがあると思うのですが、この漁民あるいは漁業者というのは、実際にはどういう人を漁業者と見るかという点、この定義がきわめてあいまいである。これは水産業協同組合法を見ましても、この協同組合に加盟する資格は、大体実際に漁業をやつておる人、それについて三十日以上九十日とかいうふうなことがありますが、法の精神は非漁民を排除して、災際漁業に從事している者をもつて構成し、この協同組合に共同漁業権その他のものを優先的に考えて行くということになつていると思うのですが、最近組織結成されつつある漁業協同組合の実情を見ますと、必ずしもその通りになつていない。たとえば千葉縣の勝浦の漁業協同組合なんかを見ますと、漁業者であるという名目のもとに、加工業者やその他の人たちが入つて來て、組合をつくつておる。それを千葉懸の水産課では認めておるというふうな事実もあるのであります。ある一つの任意組合みたいな、あるいは法人みたいな組合をつくつて、そしてそれに加工業者やほかの人たちが出資している。たまたまその法人、その團体が若干の漁業を営んでいるというので、その構成員も漁業者であるというような、こういう非常なこじつけの解釈をいたしまして、こうしてそういう人たちが協同組合の中にも正式員として入つている。こういう事実があちこちにたくさんあるのであります。たとえば三重縣の九鬼村漁業会にしましても、私は休み中に実際あそこに行つて調べて參つたのでありますが、從來の旧漁業会の会員の人たち、今は実際は山林をやつたりなんかして、今度の協同組合に入る資格のない人たちが、やはり三十口以上に何らかの形で漁業に関係しているというようなな、そういう口実をつけまして、実際には漁業を本案としていない、ほとんど関與していないような人たちが、あそこの協同組合に現実に入りておるわけです。それを排除して行かなかつたならば、ほんとうに漁民のための漁業協同組合というものはできやしない。漁民のための漁業協同組合でもないのに、いろいろ優先的な漁業権を與えて來ましても、漁業の民主化という点に反するわけでありますから、この定義がはつきりしないということと、それからかりに法り上ではそういうふうにはつきりいたしましても、現実においてそれに実行が伴わないときには何にもならない。その現実の監督や、そういことで非漁民が入つて來る場合、これをどういうふうに措置して行くかという点、この点は法の実際の運営上非常に重要であると思いますので、この点について、どういうふうな対策なり措置なりお持ちであるかということをお聞きしたい。以上三点についてお尋ねいたします。
#88
○飯山説明員 砂間委員の御質問にお答えいたします。第一点は民主化と生産力の増強、この関係であります。この関係につきましては、昨日の委員会におきまして速記を中止いたしまして詳細にお話を申し上げてありますので、その点で民主化と生産力の関係につきましては御了承を得たいのであります。それから今の法の全般に対して民主化という線が現われておらぬ、むしろ魚業権は資本家の援護のために、この法律をつくつたのであると言われることは暴営だと考えらのであります。この法律は御承知の通り、輿論から見ましても民主化であるということは確実な事実でございます。むしろ民主化を高調するために、日本の漁業者がいろいろな問題で紛糾しておるという事実から見ましても、いかにこの法律が民主化を強調しているか説明の要はないのであります。從つて法の精神は法の全面に貫いている、かような見解を私は持つております。
 それから第二の資源保護の條項を入れたらどうか、この点についてお答えいたします。御承知のように資源の保護という二字を入れただけでは、これに実際の効果は出せられないのであります。先ほど申し上げましたように、資源の保護をはかるためには資源の実在が明確にならなければならないのであります。ただ個々の法文の上で資源といいましても、これは内容はないのでありまして、われわれといたしましては、基本調査によりまして資材の実態を把握して、それに基いて資源保護の策を立てたい、かような考えを持つておりますので、現在においてはこの中に座るということは非常に困難と考えるのであります。
 それから第三の漁民、非漁民という問題でありますが、これは漁業法に定められてある事情が、非常に法では明らかであるが、実際に沿わないのではないかという御意見のように拝聽いたしますが、この点は相当これらの事情を勘案して、実際にも調査をいたしまして、そうしていろいろな方面から研究の結果、かような法文ができたのでありまして、決してこれは單なる架空の法文ではないのでありまして、私どもはこの法文によつて、明確に漁民、非漁民を区別することができると考えております。
#89
○小松委員 この法案の骨子はただいまいろいろ御議論にたなつておられます通り、漁業の生産の発展であり、民主化であるという点にあることは、何人も異議のない一致したことであると思うのであります。しかしながらその一致したはずの目標に到達するその手段、方法において、いろいろの御議論があり、全然反対したところの御議論があるということは、この法案を今後審議して行く上において、なお私は明らかにしておきたい点がありますから、ここにお伺いしたいのであります。要するに生産を発展させるということは、いろいろ御議論のある点を要約してみますると、制限された漁場から漁獲を増加して、そしてなるべく多くの魚を消費者に供給するということが一つと、いま一つは労働の生産性を高め、資材、機械力を取入れて大規模な経営を伸ばすということ、いま一つは、零細な漁民の経営を組織化して、そしてその力を伸ばすというような、この三点に要約されるように私は考えるのであります。從つてその生産力を発展させるというこの法文の骨子は、この三つのうちのいずれの根本原理をお選びになつておるのか、まずこの点を私はお伺いしたい。そして漁業の民主化をはかるということについて、いろいろお話もあつたが、その民主化をはかる上においてどこに重点を置かれておるか、この点を伺いたい。そしてなおまた漁業の生産を発展させ、民主化をはかるためには、生産の発展と民主化とともに、私は漁民の生活向上ということを考えて、この三位一体でなくてはならぬと思うが、これらの点についてのお考えはどうか、この点を伺いたい。
#90
○飯山説明員 小松委員の御質問にお答えいたします。最初に制限されたる漁区からの最高度の生案力を増加するということと、それから労働力を高度に利用するということと、零細漁民の組織化によつて生産力を増強する、この三点は同感であります、さような考えをもつてこの生産力の増強としておるのであります。その点には異論はありません。それから民主化の重点ということは、御承知の通り從來の漁業法には慣行によるということがあります。もう一つはその慣行というような封建的な行き方、それから漁業経営におきましても、たとえばただいま労働力の高揚というようなお話がありました通り、從來の漁業の経営の中に、労働力の高揚をし得ないような組織があるのであります。そういう封建的な部面をこれによつて是正するというこちが重点であります。
#91
○川村(善)委員 私の伺わんとするところは、皆さんの質問で大体わかつたのでありますが、ただ昨日民主化が先か、生産の増強が先かということに対して、民主化が先である、絶対的のものであるという御答弁があつたのでありますが、そうしますとこれは字句にとらわれるように考えますが、「あわせて漁業の民主化を図る」伝々となつておるが、これをどうして先に一体「民主化を図り」云々とやり、あとに「出産力の発展を図り」というふうに入れなかつたか、これは字句の問題でありますが、この点をまず伺いたい。
 第二点は、第三條、第四條に「水面」という言葉を使われております。第二十四條には「漁場は定着した工作物は、」云々と、漁場と水面を使いわけておるのでありますが、一例を言えば、現在の定置漁業の免許の申請は漁場となつております。これを変更する場合漁業区域の変更となつておりますが、水面というものは、廣く内水面もあれば海もあるといつたようなものですが、海の場合は水面と漁場とどう解釈したらいいかという問題です。現行法は漁場区域の変更ということは海を指しておると考すます。ここでは水面となつておるが、どちらをとつたらいいですか。これは法文の解釈です。
#92
○石原委員長 お諮りいたします。大蔵大臣が見えられましたから、審議を中止して、大藏大臣にかねて懸案になつております漁業資材補給金の問題につきまして、御説明を求めたいと思います。この問題につきましては、先日來大藏大臣とわれわれとの間に相当意見の相違がありまして、それがために、ややもすれば観念的な意思の疎通を欠くというような点がないとは言えないのでありますが、しかし当面の漁業資材の窮迫の問題の解決は、われわれとしてはある程度隠忍自重を要すると思うのであります。そういう意味合から、本日は單に大藏大臣の補給金に関する御説明に止めて、その範囲内のお話を願いたいと思います。
#93
○池田國務大臣 補給金全体につきましては、前議会でも私の考えとして申し上げておつたのでありますが、御承知の通り七千四十億の歳出のうち、價格補償金に相当するものが二千二十二億円ございまして、どうしても日本の財政の健全化並びに國民の負担の軽減等から考えまして、早い機会にできるだけ補給金を削減いたしまして、財政の規模を縮小すると同時に産業の合理化をはかり、負担の軽減に充てるべく努力いたしておつたのであります。最近に至りまして、こまかい問題はまだきまりませんが、大体その目鼻もつき、三百四、五十億円の補給金の削減が本年度においてできる段階に相なつたのであります。これはまだ全部閣議決定を受けたわけではございませんが、その中のおもなるものについて申しますと、御承知の通り配炭公團を廃止いたしまして、石炭に補給金を出さない関係上、鉄鋼が三割六分程度上りました。これがために百四十数億円本年度の歳出の削減ができたような次第でございます。また銅におきましても、年間二十八億円に達します價格補給金を十月から全廃いたしまして、これによつて十四億程度の補給金の削減、また外國市場におきます物價の下落に伴います輸入補給金の減少も七十数億円ございます。その他コークスあるいはいろいろな雑品につきましても、價格補給金を極力削減する方法をとつておるのであります。衣料の問題につきましても、また一般輸入繊維製品につきましても、極力早期に補給金を少くいたしまして、減税財源あるいは災害復旧等に充てるべく努力いたしておるのであります。本委員会に直接関係のありますのは漁網の問題だと考えております。從來輸入補給金につきまして、マニラ麻等で三十数円の補給金を年間見込んでおります。また漁網の原料になつております原綿につきまして、十五億程度の予算を計上いたしておるのであります。マニラ麻等の分は全部が漁網に行くわけではございません。ロープとかその他の用途に向つて行くのもあるのであります。漁網に向うマニラ麻、タンニン等につきましては、先ほど申し上げた金額より少くなつて参りまするが、原綿も十五億三千万円というものは、これは全部漁網に行く分に相なつておるのであります。しこうしてこれは予算上上半期だけ、すなわち九月まて認められておるのであります。從つて予算の問題で補給金を削減するということは、マニラ麻、タンニン等の問題に相なつておるのであります。このマニラ麻、タンニン等につきましての補給金の廃止ということは、一應了解ができておるのでありますが、まだはつきり決定というわけには参りません。また予算上認められていない。すなわちなくなつてしまつた原綿の補給金に新たに補給金を認めて行くか、すなわち予算上新たに要求するかという問題につきましても、ただいまのところきまつておらないのであります。私といたしましては、先ほど申し上げましたような趣旨によりまして、できれば早期に漁網等に対する補給金をなくして行くか、あるいは少くして行く方針で檢討を続けている状況であります。
#94
○夏堀委員 漁業資材の補給金の打切の問題は、わが日本の漁業の最重大問題でありまするので、本日かくのごとく全國の代表者がこの水産委員会に参つて陳情している次第であります。ただいま大藏大臣よりはつきりした答弁はありませんけれども、大体においてこれは打切りになるではないだろうか、あるいは相当思い切つたいわゆる少額にするというような御説明で、私は大藏大臣の日本の水産に対しての御認識は十分ではないと存じますので、日本三百万漁民の代表の声として、この機会に一應この重要性を大藏大臣に訴えて、補給金の打切りは、大藏大臣のお考えになつているようなそう簡單なものではないのだ、こういうことを申し上げたいのであります。私申し上げるまでもなく、大藏大臣はドツジ・ラインによるところ日本の自立経済に対するあり方を明確にする、そうした意味での御発言であつたと思います。けれどもこの漁業用資材は、日本の全体の補給金の打切りによる日本の自立経済の面とは違つたものではないかということを私申し上げたいのであります。漁業の経営の困難ということは、今さら申し上げるまでもなく、すでに昭和七、八年でありましたか、当時為政者がこの漁業生産のために、思い切つて鉱油課税の設置をとつたこともあつたのであります。戰争によつて敗戰となり、そうしで結果においてアメリカよりすべて輸入を受けなければ成り立たないわが國の漁業の状態、そうして輸入資材すべてがアメリカに依存しなければならないのであります。これが日本の生産による資材であれば、生産コストの引下げとか、企業合理化、いろいろなことによつて何とかなるではあろうと考えますけれどもその面だけではそれは不可能でありますので、どこでもアメリカに依存しなければならぬのであります。しからばアメリカがこれをどういうことに考えておつたか。これは申すまでもなく、アメリカが日本の漁業者に魚を一匹でも多くとつてくれるようにというので、この貴重な資材をアメリカが対日援助物資として、われわれにこれを供給しておると考えております。それが日本の経済自立のためではないだろうか。ここに大藏大臣のお考えになつておるドツジ・ラインによる経済の自立という一般的な補給金の打切りとかわつた点は、アメリカの好意による対日援助物資、特に日本漁業者にこうして多くの魚をとつてくれるようにとして與えてくれた、それが、日本のいわゆる政策上、特に大藏大臣が所管の財政面だけから見て、それによつてこれを打切るということになれば、せつかくのその好意は、結局生きた活動としてわれわれに與えることではなくして、アメリカの好意を無にするという結果にもなりはせんか、そのようにも考えられるのであります。しかしそれは大臣の御方針として、どこまでも全体の補給金打切りの面で御処理なさるということであれば、やむを得ないのでまりますけれど、これは本委員会に参つております代表の方々も、おそらく同じ意見であると思いますが、結果において現われるのは何か。三百万漁民のうち失業者はおそらく大半――私六〇%と計算しておりますが、漁船が減船され、そうして六〇%の生産減となる。從つて六〇%の人の失業状態になる。私三百万漁民と申しておりますが、大体五人家族として千五百万人となりますが、これの六〇%とすると大体一千万人ということになります。この失業の状態、生産六〇%減ということは、日本の漁業にとつてゆゆしき問題であるばかりでなく、アメリカの援助を受けておる食糧問題の解決点に最も役立つておる水産食糧に、非常なる打撃と、今後の憂慮すべき事態の招來することを恐れるのであります。よつてまだ未決定であるという御説明に対して、私ここに大藏大臣に対してきつく申し上げることはどうかと思いますけれども、かくのごとき事情のもとに立つておる日本の漁業状態、漁業経済というものが、政治的に見て將來恐るべき事態に突入するであろうということを憂慮しておるのであります。財政面から見た大藏大臣の御処置、これは一應御苦心のほどは御推察申し上げますが、日本の政治のあり方の大局から見て、財政面から見ただけによつて、補給金の打切りの御方針を同一に扱つて御処理なされることに対しては、日本三百万漁民は反対するであろうということを、ここにはつきり申し上げておきます。大藏大臣は、特に輸入資材によつてのみまかなわなければならぬわが日本の漁業の現状を十分に御賢察になつて、過般來私も大藏大臣よりお伺いしたお話の中には、私個人的に見ても、まことに不満にたえないものがありますけれども、しかしこれは感情は感情として、大きく日本の政治のあり方、そして三百万漁民の失業状態、経済状態、こうした面を大きく見て、大藏大臣のこれまでお考えになつておつたことに対して、できるだけのお考え直しを願いたい。そうした意味でわが日本経済の自立は、全体の補給金の打切りの面とはかわつた漁業資材の面のお取扱いを要望する次第であります。私のただいま申し上げたことに対して、大藏大臣はどういうお考えを持つておられるかを、この機会にお伺いしたいのであります。
#95
○池田國務大臣 補給金の削減に対する方針は、ただいま申し上げた通りでありますが、なお附加して申し上げますと、とにかくあらゆる補給金を全部一度にさつと切るというふうなことは考えておりません。やはりそれが國民生活に及ぼす影響、わが國の産業に及ぼす影響、あるいはまた一般物價面に及ぼす影響などを十分考慮に入れまして、はずし方を檢討いたしておるのであります。お話の通りに、この漁網に対するものは、原料が全部アメリカあるいは南洋から來るものでございまして、この問題が相当むずかしい問題になるのも、これがゆえであるのであります。国内産の銅等につきましては、少々の問題はございましたが、もう大体きまりました。從つて先ほど申し上げたような状況と、また國民の負担の状況を考えて、適当な設置をとるべく苦慮いたしておるのであります。財政当局の考えばかりでももちろん行けません。從つて閣議の重要事項として檢討を重ねつつあるような状況であるのであります。この漁網等の問題につきましては、これがはずれた場合に、漁民の方にどれだけの影響があるか、あるいは今の統制の魚にどれだけの影響があるか、またその統制の魚が上つたとした場合に、一般物價にどういう影響があるか、そして統制の魚をはずす時期いかんというようなことも、あわせて檢討いたしておる状況であるのであります。お括の点もありますので、十分あらゆる面から檢討を加えまして、善処いたしたいと考えております。
#96
○夏堀委員 よくわかりましたが、ただいま統制の問題にお触れになつたようであります。鮮魚の統制撤廃論もありますけれども、現在公定價格をほとんど割つております。一、二の魚はどうにか鮮度のいいものは維持しておりますが、大体九〇%は公定價格を割つております。これは購買力が減じた関係であります。統制を撤廃すると同時に、この補給金の打切りを交換とするということは、私ども專門的から見た目では、それはあまり賛成しかねるのでありまして、統制を撤廃するときは、かえつて東北、北海道の魚價は現在より低落するという予想さえ持つておるのであります。そうした意味で統制撤廃と補給金打切りを、その関連性においてお考えになることは、私どもはあまり賛成しかねるのであります。なおもう一つ、補給金の打切りは、これはいわゆる大方針でありましよう。けれども先ほど申しましたように、漁業資材は全部特別輸入品でありまして、日本の生産ではありませんから、この面において、大きく何かの事情によつて、日本の漁業資材の入手に対する経済状態が変化を來して、補給金の打切りにあつても、どうにかやり得る事態が生じたならば別ですが、この補給金の打切りということは、当分今の御方針ではなく、やはり日本の生産の維持ということよりも、大きな政治問題として展開するおそれもありますので、この点私ども御考慮を願つておきたいと、この場合に申し上げておく次第であります。
#97
○松田委員 大藏大臣も、三月の総選挙には私同様に日本の國の自立経済を立て、日本経済を立直すべく、われわれはこれをモツトーとして國民に訴えたのであります。しかも私どもは、ただいまの大藏大臣のお話同様に、補給金というものに対しては、おそらく全部の補給金をはずして、そうして税の軽減をはかるということを、われわれは念願とするものであります。しかしただいま夏堀委員のお話にもあつたことく、今日の漁業の実態は、大藏大臣にはさほど詳しくお調べになつていないように考えられるのであります。しかしこれもやむを得ないことと存じますが、ただいま夏堀委員からるるお話があつたことく、また現在の水産業の実態というものは、漁獲されたる漁獲物も、ただいまの統制経済により、びつこの経済によつて、現在は販賣されておるのが実態であります。われわれは二月以來第五國会を通じて鮮魚の統制撤廃を叫んだものであります。現在においてはまだ統制の撤廃は実現しておりませんが、しかもただいま夏堀委員が言われているように、東北、北海道の水産業者は、統制を撤廃されたあかつきには、必ずや魚價が低廉になり、むしろ現在よりも苦しい立場になると思うのであります。だがそこにお互いが良心的な、また研究によつてわれわれの水産経済を立て直すべく、初めてそこに生れる構想を現在お互いにわれわれ考えておるのが実態であります。魚は安くなるだろう、肥料においては、われわれも二月から第五國会においていろいろと陳情、まだ議論を申しましたが、いまだ魚肥の統制は強化されこそあれ、その原價にも及ばないような價格において吸收されておる実態であります。かような漁民の犠牲において今まで強いられておる現在、これを自主的なわれわれの創意くふうによつて日本の経済自立をにはからんとするときにおいて、われわれはわが民主自由党の内閣において、びつこな統制経済を一人前の自由経済に建て直すことを大藏大臣に特に水産業者としてお願いをする次第でございます。またわれわれはたとい補給金が全面的にはずされる、なくなるとしても、日本の食糧の絶対量が足りない、米、塩においては必ずこれは補給金をもつてまかなわなければならないものでなかろうかと考えるものであります。さてその米に次ぐ魚であります。日本民族も最も必要とする魚が、もし補給金なくして自由経済になつて、創意くふうをもつてわれわれが水産の事業を経営するにあたつて、常にそこに非常な打撃をこうむるならば、米に次ぐ魚がもし減退するような場合においては、ゆゆしき問題が惹起するものではなかろうか、水産漁獲物と日本人の最も必要である食糧、米、塩というものとは不可分な事柄である。これをよくお考えになつて、今後における漁業用の重要な資材に対する補給金に対しては、御考慮を願いたいと存ずるものであります。われわれもまた安本長官を委員会においでを願つて、一課長や部長の考え方でなく、長官の意見も聞き、われわれの意見も聞いていただきたい、こう考えるものでありまして、大藏大臣からも、閣議を通して安本長官にも、われわれの水産委員会に御出席になるようにお話を願いたいと存ずるものであります。
#98
○鈴木(善)委員 大藏大臣の御説明によりまして、この漁業用資材に対する補給金の問題がきわめて重大な問題であるために、現在いまだ愼重に研究中である、しかもわが國の漁業並びに國民生活に重大なる影響を持つ問題であるから、愼重にこれを取扱わなければならないという趣旨の御説明があつたのであります。私どもまことにさもあるべきだと感ずる者であります。この漁業用資材がもし補給金を今の段階において一挙に打切りに相なりますならば、夏堀委員からも御説明のありましたように、ほとんどわが國の全漁業に重大なる結果をもたらすものであります。たとえばわが國の以東底びき約二千九百隻以上に及ぶところのものを例にとつてみましても、その経営費は補給金の打切りによりまして三五%以上の経営費の値上りを來すのであります。もしさような結果になりますならば、おそらく四百隻前後の赤魚を対象とする底びき網はどうにか、経営が成立つといたしましても、ほとんど大部分の底びき網は壊滅状態になるのであります。その他漁業用資材を大量に使います定價漁業におきましても、あるいは巻網漁業等のおきましても、底びき漁業に劣らざる大きな打撃をこうむることは今日の経済状態から見て明らかな点であります。先ほど大藏大臣の御説明中に、肥料等の重大なる物資についても補給金の削減について考慮を拂つておるという趣旨の御説明がありましたが、肥料等につきましては、その対象になるところの米價はバリテイー計算によつて改訂いたすのでありまして、当然肥料に対する補給金の打切りによる部分は、米價においてこれを吸收して農家を救済する道があるでありまするけれども、今日の主食に次ぐところの重大な、國民生活に関連を持つところのこの魚におきましては、公定價格の改訂によつてこの補給金打切りの打撃を緩和することができない、救済することができない。と申しますことは、先ほど夏堀委員から申し上げましたように、今月統制を撤廃いたしましても、これ以上の魚價の値上りを期待することができない。現在においてさえマル公を割つておるような状態でありまするからして、價格の改訂によつてこれを補正することができないのであります。このような特殊な関係に相なるのでありまして、私どもも大藏大臣がおつしやるように、できるだけ早い機会に漁業経営の合理化を促進し、あらゆる対策を練つて、補給金等の設置を講じなくとも、わが國の魚業が自立できる態勢に持つて行くことを念願し、努力しておるものであります。しかしながら今日はこれらの資材が全部輸入物資であり、その輸入物資の價格と魚價との間には大きなはさみ状の價格差が存在しておる。これをこのままに放置するならば、わが國の漁業は壊滅し、食糧の大きな部分を占めておる魚肉蛋白の確保にも重大な支障を來すという点を十分御研究の上に、大藏大臣の御同情ある御善処をお願いしたい。そのためには当委員会においても、全力をあげてこれに要するところの関係資科――補給金を打切つた場合に漁業経済に及ぼす資料をあまねく収録いたしまして、大藏大臣に提出いたしたいと思います。それらの資料に基いて愼重の上にも愼重に、三百万の漁民諸君と國民生活全般に及ぼす影響を御考慮の上、善処されんことを切に希望するものであります。
#99
○田口委員 補給金問題の処置いかんにつきまして、漁業あるいは國民食糧問題その他に関しまして重大なる影響あることにつきましては、前の各委員からの街発言がございましたから、私に特に見方をかえまして、日本の自立経済がいかにあるべきか、いかに考えて行くか、こういう点からいたしまして、この補給金問題について、特に大蔵大臣の街同情と御配慮を願いたいと存ずるのであります。私の考えによります日本の自立経済は、輸出の増進、これの推進と輸入をできるだけ少くする、この二面から推進して行かなければならぬと考えるのであります。日本の輸入ということにつきまして考えてみますと、食糧の輸入代金が相当大きな金額を示しております。從つてこの大きな輸入金額を少くし、あるいはなくするということは、他面において輸出を増大する効果とほとんど同じと考えるのであります。この点のつきまして、われわれ三百万の漁民がいかなる程度の貢献を國家にしておるかということについて、私は多少の数字をもつて大藏大臣に申し上げたいと思うのであります。昭和二十三年に日本が外國から輸入いたしました食糧は、大体二億四千万ドルであります。そうして二百十八万トンを輸入しております。この金額とこの数量から計算いたしますと、外國輸入食糧の一トン当りの輸入金額は百九ドルに相当しております。水産界で一つの例をとりますと、支那東海で操業しております以西底びきが、二十三年度におきましてどれだけの輸入資材を使つて、どれだけの生産をあげたかということを計算してみますと、輸入資材は三百七十万ドル使つております。それであげました魚は二十二万トンでございます。これを一トン当りの生産費を計算してみますと、大体十六ドルに相当しております、輸入食料品は一トン百九ドル要しておりますし、われわれの力で生産いたしました魚は一トン十六ドルで生産しております。これは見返り資金の中から出ておる。從つてこの経費が日本國民の負担になるかならないか、この点ははつきりいたしませんけれども、少くとも日本の將來の自立経済のあり方というものは、この輸入に要する代金をできるだけ少くする。少くして國内生産にまつ、こういう点から言いまして、今日いろんな雑穀類の輸入が一トン当り大体百九ドルかかつておるのが、いわゆる高級なる蛋白質の供給源たる魚類は一トン十六ドルで生産しておる。この点から申しまして、われわれは食糧問題あるいは漁民の生活こういう問題のほかに、日本の自立経済を確立する。こういう点におきまして大きな貢献をしておるんじやないか。從つてこの補給金を簡單に打切られるということは、日本の自立経済の確立という点から言つても非常に遺憾に存ずるのであります。この点からいたしましてこの問題については、非常に愼重なる思慮と御配慮をぜひお願いしたい、いういうことを考えておるものであります。
#100
○石原委員長 大藏大臣ちの約束の時間はもう過ぎましたから、本日はこの程度で終り、次回も機会にお願いします。前の川村さんに対する答弁が残つておりましたから……。
#101
○松元説明員 先ほどの御質問のうち、第二の水面と漁場の関係につきまして御説明いたします。これは現行法と違えておりません。現行法でも水面という言葉を用い、漁場という言葉をやはり用いております。
#102
○川村委員 そうすると二十四條で詳しく質問しますが、漁場ということは海だと解釈していいですか。
#103
○松元説明員 漁場と申しますのは、現行法で使つておりまするあの意味でございます。現行法の施行規則で定價の漁場とはこれを言う、船びきの漁場ちはこれを言うと規定しているのですが、それを指すので、これはこの内水面という言葉と別に関係はなくて、内水面は含まぬ、海面に限るというのではなく、現行法でも内水面について、あの漁場という言葉を使つております。
#104
○川村委員 私の聞かんとするところは、水面とか海面とか海区とか、いろいろ法案に使つておりますが、現行法では漁場とこう使つているわけです。漁場の総合利用というような言葉で使つておるわけです。そこで漁場というものは、海に関する限りは、漁場というものと水面というものとをどういうように法的に解釈したらよいか、また当法案の水面、海区、内水面とかいつたようなことは、どういうように法的に解釈したらよいかという問題です。
#105
○松元説明員 もう一度繰返しますが、水面という言葉及び漁場という言葉は、現行法と同じであります。新しく用いました言葉は、海面という言葉、内水面という言葉、及び海区、この三つであります。海面、内水面と申しますのに、海といわゆる内水とわけて区別して呼んだわけであります。新しい概念は海区という言葉でありますが、これに水面というのは廣い概念で、その中の一定の区域、つまり海区漁業調整委員会が管轄いたします区域、これを海区と申しております。
#106
○川村委員 松元君にぼくの聞いておることは、ちよつとぴんと來ないようですが、漁場という言葉を現行法では使つておるのだ、例を引いて言えば、漁場区域の変更と言つて、海の中の区域を変更する、こうなつておるのですが、その場合に水面というのは、もちろん海面もありましよう、内水面もありましよう。漁場というものを海面と解釈していいか、あるいは海面というものを漁場として解釈していいか、この解釈をどうするかということです。
#107
○松元説明員 ちよつと私には御質問の意味がぴんと來ないのでありますが、今の海面と言われたのは、海に関する限りですか――一應海につきましては、内水面は別といたしまして、水面を海につきましては海面と言つております。海面というのは、海の上であると、こう御了解願いたい。定置を張る区域、現行法でも使つております免許の漁場区域、これを漁場と言つております。從つて二十四條で、この條文は現行法と同じでありますが、これで漁場という言葉を使つておるのは、定置の漁場は網を張る区域、特別漁場の場合は、一定の引揚げのある区域、そういうように使つております。
#108
○川村委員 それでは二十四條で私詳しく質問しますが、漁場の定置物というのは、海の中に網を張つたものを意味するのですか、どうですか。
#109
○松元説明員 ただいまの御質問は、定置する工作物の意味の質問と思います。網等は一般に工作物とは解釈されておりません。これは漁場の工作物というように解釈願います。
#110
○川村委員 それでは他の時間に讓ります。
 もう一つこれは字句の問題と思いますが、どう解釈するか、立法の方はどう解釈しているか。長官が漁業の民主化ということが先なんだ、絶対的なんだ。懇談的なお話の中にもこれが先だ、少しくらい生産が減つてもいいというようなことを言つておるが、それならばなぜ一体この法律に一番先に漁村の民主化をはかるんだということをうたつて、それから水面を総合利用するということを書かなかつたか。そこに一体何か複雑した事情があるかどうかという問題です。
#111
○久宗説明員 それではお答えいたします。漁業の生産力と民主化ということにつきまして、昨日來非常に議論があるわけでございますが、どうも内容がはつきりしないためにいろいろ誤解があるのではないかと思いますので、ここで「あわせて」というふうに書いておりますので、それと関連いたしまして少し簡單に御説明いたします。この法文の上で申します「あわせて」というのは、漁業生産力を一方で発展させて、何と申しますか、副次的にという意味はございません。これは法律的に申しますと両方並行するものでございます。この点が昨日からいろいろ議論はなつておりますので、もう一度はつきりと生産力と民主化という問題について、内容的に御説明したいと思います。
 この漁業生産力と民主化というものにつきまして、これは矛盾しないとわれわれは考えておるわけでございます。そこで申しております漁業生産力というものにつきましては、これは漁獲の絶対量の増加というものももちろん考えておりますし、先ほど他の委員の方からお話のありました労働の生産性ということも当然に含まれるわけでございます。それで漁獲の絶対量という意味におきましては、水面の総合的な高度利用によつてこれをはからなければならぬというふうに考えておるわけでありまして、一つの経営單位についての生産力ということではないと考えるのであります。これは漁場そのものの特殊性から見まして、一つの網の内容が他の漁業に影響がありますので、それをひつくるめた水面の総合的な利用ということによつてはかつて行きたい、これは免許の事前決定と申しますか、漁場の計画化ということと、調整委員会による調整によつてはかりたいというふうに考えるわけであります。
 第二に漁業の労働の生産性の向上という問題につきましては、これまた漁場そのものの特殊性、つまり水面の利用の特殊性から見まして、これをただ一経営体内部の労働の合理化、非常に少い労働者でそれをやつてしまうということでは必ずしもないのであります。これは結局、その場合に限られた漁場の資源というような問題とも関連いたしまして、その一つ一つの漁民の生活が確保されなければ、労働の生産性というものも長期にわたつて確保できないという考え方をとつておるわけでございます。そこでそれと漁業の民主化とどういうふうに関連するかという問題でございますが、これが両者並行して行くということは、まず生産面、生産の実体、それから労働面、流通面その他漁村生活全般にわたつて、また行政面についても言えることでありまして、そういうような複雑な内容を持つたものだと思うのであります。しかしその性格は先ほども部長からもお話がございましたように、当然日本の現実の漁業の実情の中から、当然に考えられなければならないということは申すまでもないことであります。そこでまず生産面から申しますと、これを漁場そのものの内容から見まして、そのうちの大きな経営というものが入会漁場の中に入つて來るというような関係から、この大経営と小漁民との調整ということが、生産力の面からも民主化の面からも当然にとられなければならぬわけでありますが、現行法においてはそれがとられてない。それを当然今度の調整委員会その他の設置によりまして、あるいは漁場の計画化というような形によつて調整して行く必要がある。また小漁民同志の旧來の慣行その他によつて專用対人漁というような争いにつきましても、これを封建的なわくそのままにしておくのではなくして、もつと合理的に、つまり民主的にそれを調整して行く必要がある。それは生産力の面からも要求されることだ、こういうふうに考えるわけであります。もちろんこの場合ある一部の個人の業者が大きく、たとえば慣行專用漁業権をもつて他の入漁を排除するといつたような問題も、この意味から言つて排除されなければならないということが考えられると思うのであります。
 なおこれと関連いたしまして、漁場そのものがどうしても漁業そのものの性格上漁場を独占しなければならぬというのは、これは技術的にも必要なわけでありますので、それ自体に問題はないのでありますが、それが無制限に行われておるということからいろいろ問題が起るわけであります。ことに定置漁業なんかにかりに例をとつてみましても、相当大きな網になりますと、それによつそこの漁業関係というもには非常に影響されるわけでありまして、それに対して他の小さな漁ができなくなり、その網にどうしても乗らなければならぬというような場合が多いのであります。これは普通の工場などにおきますような労働者と資本との関係が、自由な労働力の賣買というようなかつこうにならない場合が多いのであります。それでどうしてもその網に乗らなければならぬというようなことから、いわゆる身分的な隷属関係が生ずることがあるわけであります。こういうようなことも当然いわゆる封建的な残滓物とう問題と関連いたしまして、民主化という点からは問題にされなければならないだろう。そうしなければ、やはりその地元零細漁民の生活というものが確保できないではないかということが考えられるわけであります。なお流通面に関連して申しますと、漁獲物というものは腐りやすいというような性格から、いわゆる流通部面におきまして、封建的な商人あるいは高利貸しというようなものから不当に安く買いたたかれる。あるいは仕込みを受けて、そのために債務的にも隷属いたしまして、いわゆる自由な商品取引ができないという形になる場合もあるわけでございますが、こういうような問題がやはり漁業の実際の面から起つて來ているわけであります。また漁業権の独占性に基きまして、いろいろ村のいわゆる古い村落構成、家族制度と関連いたしまして、いろいろな身分的な関係、あるいは差別待遇といつたような問題も起つて参ります。しかもこれらが漁業権と複雑な関係をもつて結びついているので、こういう封建的な残滓物の排除が当然に問題にされなければならない。また同時に行政面から申しますと、そういう免許、許可というような非常に重要な問題が、行政官廳の一方的な設置にまかされておつたというような点から、総合的に考えまして、いわゆるここで問題になる民主化ということが言われるわけだと思うのであります。こういうようなものをその意味で民主化いたしませんと、生産力はほんとうに伸ばして行く基礎が養われないという意味において、これは両者並行して行くものだと考えるわけであります。なおここで特に申し上げておきたいのですが、漁業の民主化、生産力の発展は、漁業が現在國民経済の中で置かれているゆがんだ位置をそのままにしては、とうてい期し得ないのであつて、この制度改革をてことして、漁業全体の産業としての確立を期することこそ制度改革の最高のねらいであると思うのであります。
#112
○川村委員 わかりました。
#113
○石原委員長 本日はこの程度にとどめたいと思います。つきましては総体質問にかなりの時間を費やしまして、大体もう補足的な質問も終つたのでありますけれども、逐條審議に入りましても、第何條を基礎としての質問が少いのでありまして、その関係が非常に時間を要すると思うのであります。願わくば明日はその一條ごとに條項を指摘した質問を願いたい。時間の関係上、特にそれを希望する次第であります。なお願わくば大体明日ぐらいに逐條審議は終りたいという希望を持つておる次第であります。
 明日は定刻より開会することといたしまして、本日はこれをもつて散会いたします。
    午後四時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト