くにさくロゴ
1947/09/29 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 本会議 第33号
姉妹サイト
 
1947/09/29 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 本会議 第33号

#1
第001回国会 本会議 第33号
昭和二十二年九月二十九日(月曜日)
   午前十時二十九分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第三十二号
  昭和二十二年九月二十九日
   午前十時開議
 第一 自由討議
    ━━━━━━━━━━━━━
  一、所見開陳範囲
   水害対策
  二、発言者の数十三人
   緑風会五人、社会党、民主党、自由党各二人、無所属懇談会、共産党各一人
  三、発言の時間
   発言の総時間  二時間三十分 一人の発言時間 十分間
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は御異議がなければ朗読を省略いたします。
          ―――――
#3
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。この際お諮りいたします。町村敬貴君より病気のため二週間請暇の申出がございました。許可をいたして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。
          ―――――
#5
○議長(松平恒雄君) 二十六日、本院に予備審査のため送付せられました臨時石炭鉱業管理法案に関しまして、特にこの際商工大臣の説明を求めたいと存じます。御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。水谷商工大臣。
   〔國務大臣水谷長三郎君登壇〕
#7
○國務大臣(水谷長三郎君) この際参議院のお求めによりまして、臨時石炭鉱業管理法案の提案理由を御説明申上げます。
 政府は先般來炭鉱國家管理につきまして鋭意愼重な檢討を進めて参つたのでございまするが、只今漸くその成案を得ましたので、ここに臨時石炭鉱業管理法案を國会に提出して御審議を仰ぐ次第でございます。申すまでもないことでありまするが、石炭は産業にとつての食糧にも比すべきものでございまして、その増産は、産業の復興及び民生の安定の鍵であると申しても言い過ぎではないと思う次第でございます。從いまして政府におきましては、從來から乏しい國力を割きまして、最も優先的に炭鉱の必要といたしまする資材、資金及び労働者用品等を供給して参つたのでございまするが、既往の実情と、近き将來の見通しとに鑑みますときは、遺憾ながらその効果は必ずしも十分なものと申すことができないのでございます。一方インフレの前途は容易ならんものがありまして、このまま放置するならば、我が國経済の前途は重大なる事態に立ち至る虚れがあるのでございます。而して経済安定の手掛りといたしましては、石炭の増産をおいて外にないと信ずるものでありまして、この故に石炭増産のために格段の措置を講ずることが必要となつたのでございます。即ち現状におきましては、十分でない政府の現場把握を強化いた甘まして、増産第一主義の障害となる事情を除きまして、増産の推進力でありまするところの経営者及び從業者の生産意欲を増大するということが、絶対に必要であると考える次第でございます。炭鉱の國家管理は、このような実際の必要を満足させるために緊急の措置として考えられたのでありまして、世上往々にして取沙汰されまするように、何らか特定のイデオロギーを押附けようとするものでは断じてございません。これを初めにはっきりと申上げて置きたいと存じます。
 從いまして今般提案いたしました臨時石炭鉱業管理法案の目的といたしまするところは、第一は、石炭の増産に対する各般の施策を、石炭生産に関與する者に十分に滲透徹底せしめることでございます。即ち政府はみずから生産の実情を迅速、的確に掴み取りまして、國の責任において事業運営に関する計画及び実施を十分に指導、援助いたし、且つ増産を制約して参りましたもろもろの條件の拘束を取除きまして、増産体制を確立いたしますと共に、國家の要請を現場の末端にまで滲透せしめることができるようにいたしたいと存ずる次第でございます。
 第二は、行政と経営と労働の三者が渾然一体となりまして、増産第一主義を実行することができる民主的体制を整備することでございます。即ち事業運営に関する重要事項に関しましては、すべて経営者の発案権を十分尊重いたしますと共に、政府意思の決定に当りましては、当事者並びに各方面の経験者が、直接間接にこれに参画することといたしまして、更に現場の労働者も亦事案の決定実施につきまして、みずから關與することとした次第でございます。かくして決定された計画は、現場の責任者を中心といたしまして、経営者も労務者も相率いて一体となってこれが完遂に邁進するようにいたしたいと存ずる次第でございます。
 第三に、資材資金等の生産諸要素の最も効率的な活用を図ることといたします。政府は從來より石炭超重点主義を採用いたしまして、乏しい國力の中から、他産業及び一般國民生活に相当の犠牲を強いつつ、最大限度の生産諸要素を投入して参つたのであります。從つて政府並びに石炭生産の関係者は、一般國民に対しては、これらが石炭の緊急増産に対し最大の効果を挙げるように十分な措置を請ずる責務を負うておるのでございます。勿論今後も亦窮迫した國力の中から、この上、尚多大の資材、資金等を必要とするものでありまして、この見地よりいたしましても、これらの有効なる活用を図ることは絶対的な要請であると考えておる次第でございます。
 以下法案の概要を申上げたいと存じます。
 炭鉱の管理の内容は、低度の管理と高度の管理の二つに分れております。先ず一般の炭鉱に対しましては低度の管理でございまして、主としていわゆる監査というべきものでございます。この場合、事業主は、その事業計画を政府に提出いたしまして、その監督の下に生産の遂行に当りまして、政府はその状況を監査いたしまして、増産上必要な指導を行うのでございます。この程度の監査を超えまして一層綿密な管理を行う必要のある炭鉱につきましては、政府はその都度、全國炭鉱管理委員会に諮りまして、これを指定いたします。指定炭鉱の範囲は、増産の見地からこれを決定することといたしまして、これに管理機構の整備の状況をも勘案いたしまして、具体的に炭鉱を指定して参りたいと考えておる次第でございます。即ち現在石炭生産の大半を占める大きな炭鉱より、順を逐うて管理の範囲を拡充して参りたいと考えておるのでございますが、この法律施行に当りましては、全國炭鉱管理委員会に、指定の方針及び具体的の指定につきまして十分審議をお願いした上で、最後的に決定いたしたいと考えておる次第でございます。この指定炭鉱の管理は、法案の中核を成すものでございまして、事業の運営に関する計画の作成及び実施、計画の実施を担当する責任者の選任及び権限、從業者の協力を確保する現場組織の構成及び運用等につきまして、詳細な、規定が設けられておるのでございます。
 第一に、計画の問題でございまするが、この場合におきましては指定炭鉱の事業主は政府の全般的な方針に基ずきまして、炭鉱業務の諸計画案を作成して政府に提出し、政府はその責任において、その業務計画を決定指示する外、その実施上必要と認める場合には適切なる指導をなし得ることとなっております。この場合、諸計画の策定に当りましては、一々炭鉱の生産協議会の議を経るのでございまして、これによって計画の作成についての現場の意見が十分織込まれ、いわゆる全山一致の体制が確保されると思うのであります。又政府の指導は、地方炭鉱管理委員会に諮つて行われるのでありまして、これによっていわゆる官僚独善の弊を防止し得ると考える次第でございます。
 第二に、実施責任溝の問題であります。炭鉱の日常業務の運営は、前に申した業務計画によって行われるのでありまするが、この実施を担当する者といたしまして、炭鉱管理者が選任せられるのであります。事業主が企業全体の責任者であることは、この場合におきましても何ら変更されるものではないのでございまするが、生産現場に一切の努力を集中いたしまして弾力性のある運用を行いますために、特別の責任が必要となるのであります。而してこの炭鉱管理者は、從業員の支持を受け得るものを以て充てるようにいたしておる次第であります。
 第三に、現場組織の問題であります。指定炭鉱につきましては、労資同数の委員より成る生産協議会が設けられ、業務計画実施上の必要事項について議することになっております。この協議会は実質上從來の経営協議会の機能を継承するものでありまするが、從來のものと異なり、主として生産面から各般の問題を取上げまして、経営者及び從業員のおのおのの立場を十分に活かしながら、増産に寄與しようとするものであります。労働者の経営参画は、これによって法的に確認されるのでありまして、石炭生産の最も大きな要素である勤労意欲の格段の増大と、その責任の明確化とが期待され得ると考えるのであります。
 次に法案におきましては協力命令の章が設けられております。石炭の増産のためには、炭鉱の設備の補修が急速に行われ、所要資材の供給が適切になされ、所要物資の輸送等が円滑に営まれることは、不可欠の條件でございまして、このため石炭の生産に密接なる関連ある事業に対しまして、必要な命令を発動し得ることといたしまして、炭鉱國家管理の効果を確保いたします上に万全の体制を整えたわけでございます。
 炭鉱國家管理の政府機構は石炭局でございまして、國家管理の運営を民主的にする機関は炭鉱管理委員会であります。石炭局は主要な石炭生産地帶に設けられる商工省の地方機械でありまして、炭鉱に密着してその実態の把握と適切なる指導とを任務とするものでございまして、委員会は全國及び地方委員会に分れまして、國家管理に関する重要事項を調査審議するものであり、行政官廳と二位一体の形で運用さるべきものと考えております。管理が成るか成らないかは、これらの機構に俟つところが極めて大でありまして、その人的構成につきましては民間各方面に亘るエキスパートの動員と、労資双方の公平なる代表を確保いたしますために、特に必要な規定が設けられておる次第であります。これによりまして官廳組織及び運営の民主化と行政面と経営面との合理的な調整一元化が爲され得ると期待しておる次第でございます。
 以上法案の大まかなる骨組を申し述べたのでございますが、法案は本來生産のための組織法ともいうべきものでございまして、その実施は具体的な増産手段によりまして肉附けされなければなりません。即ち石炭の生産を劃期的に増大せしめますためには、政府の責任と支援の下に、從來の企業によって経営の困難な事業、例えて申しまするならば、新坑の開発であるとか、坑道の掘進であるとか、設備の整備拡張というような事業を行い、或いは労務者の福利施設の充実を図るために、病院、託児所等の建設も行い、更に炭鉱所要資材の委託による調達及び供給を行うことが必要となるのでありまして、政府は從來このような事業を営む政府機関といたしまして炭業公團というものを考えていたのでございますが、諸般の事情よりその実現が困難となりましたので、新鉱調査の事務は政府みずからこれを行い、新鉱の建設の関係につきましては、産業復興公團の機能を活用いたし、資材の関係につきましては、政府みずからこれが斡旋を行うという方向におきまして代案を準備いたしております。この点予めお含み置きをお願いする次第でございます。
 以上申し述べました通り、法案はこれに関連する措置と供に石炭増産の緊急な要素に應ずるものでありまして、刻下の経済危機を打開するための政府施策の重要な一環を成すものに外なりません。
 尚この法案自体は、作案の経過におきまして各方面から受けました御意見と、御批評とを廣く吸收包攝したものでございまして、この法案の一日でも早い実施によりまして相應の効果あるべきことを確信する次第でございます。何卒政府の意の存ずるところを諒とせられまして、大局的見地より御審議御協賛あらんことを切望する次第でございます。(拍手)
          ―――――
#8
○議長(松平恒雄君) 内務大臣、逓信大臣、厚生大臣より今次水害状況報告のため発言を求められております。この際許可いたします。木村内務大臣。
   〔國務大臣木村小左衞門君登壇〕
#9
○國務大臣(木村小左衞門君) 去る九月十八日の本会議におきまして取敢えず今次水害の概況とその應急対策について御報告いたしたのでありまするが、その後の状況につきまして御報告申上げたいと思うのであります。
 今次水害は関東を中心とし、東北信越地区に及ぶ廣汎な地区に亘り近年にない大規模なものでありました。特に利根川筋栗橋上流地点の堤防決壊による東京、埼玉の被害は極めて大きいものであります。その他群馬、岩手、栃木、茨城、宮城、山梨等の諸縣におきましても、土木災害のみにてもそれぞれ四五億円乃至十四五億円に及ぶ大災害でありまして、その被害は極めて深刻であります。右の中、岩手縣北上川流域の縣南地方、宮城縣の北上川、迫川、江合川、鳴瀬川流域の縣北地方が被害が激甚であったのでありまするが、この地域は去る七月の水害にも大打撃を受けた地方でありまして、引続く災害に対し眞に御同情に堪えないものがあるのであります。以下特に甚だしい埼玉、東京地区の水害の状況とその後の経過について申上げます。
 栗橋上流地点において決壊した利根川の氾濫水は刻々埼玉を経て東京都に迫り、東京都においては葛飾区地内の小合溜及び大場川の線、いわゆる櫻堤において必死の防衛に努めたのでありまするが、氾濫水は刻々増水いたしまして、遂に江戸川の水位よりも高くなつたことを確認いたしまして、東京都におきましては、直ちに江戸川堤防切開の非常なる措置に出たのであります。
 現地作業は極めて困難を極めまして、遂に櫻堤の決壊を未然に紡ぐことを得なかったことは誠に遺憾に堪えない次第であります。
 更に中川、次いで綾瀬川が刻々増水して参りまするや、東京都におきましてはこれらの氾濫水位と荒川の水量との関係を愼重に判断いたしまして、荒川堤防切開を行うためにあらゆる手段を盡し、不休の作業を続けて参つたのでありまするが、自然の猛威は人爲を絶しまして、櫻堤に次いで中川右岸も亦決壊し、濁水は江戸川及び綾瀬川の中間たる葛飾、江戸川両区一帶を南下し、遂に新川堤防に到達し、ために葛飾、江戸川両区一帶は水深平均四、五尺にも及んだのであります。併しながら各所堤防切開の効果も現われたのでありましようか、二十一日頃を頂点といたしまして、漸次減水し始め新川堤防は遂にこの危機を脱したのであります。
 以上のごとく今次水害は関東において最も激甚を極めたのでありまするが、その被害は東日本一帶に亘つておるのでありまして、その全國の被害の状況につき目下全國に亘り判明しておる点につきまして説明いたしますると、人的の被害、死者が一千五十七名、傷者が一千七百五十一名、行方不明が一千八百五十三名、家屋、倒壊が五千三百一戸、流失が三千九百九十七戸、浸水が三十八万四千七百四十三戸であります。又田畑、田の流失が七千四百十八町歩、冠水が十八万九千百九町歩、畑の流失が七千四百十六町歩、冠水が九万四百十四町歩でありまして、道路の決壊破損九千二百八十八ヶ所、橋梁の決壊破損が二千六百九十六ヶ所、河川の決壊破損一万六百一ヶ所、砂防の決壊破損が七百三十ヶ所、海岸堤の決壊破損が二百二十六ヶ所で、その他、鉄道の不通等その被害は各方面に亘り、目下これが損害と実情の調査に力を盡しております次第であります。
 次に、政府の目下取りつつありまするところの緊急対策について申述べたいと思います。以上のごとき水害に対し、その万全の方策を講ずるため、中央においては先般御報告申上げましたるごとく、内閣に應急救助対策委員会と災害復旧対策委員会を設けまして、各省間との緊密な連絡を図り、係官を総動員いたしまして、その対策を講じつつあるのであります。先ず水害に際しての應急措置でありますが、これには被害の甚だしかった都縣におきましても、進駐軍と緊密な連絡を図りまして、避難者の救出、給食、給水等に警察、消防隊の総力を集中し、又舟艇等も多数出しまして、應急救護措置に全力を傾注いたしましたのでございます。併しながら浸水地区が乾水し、平常の状態に復帰するには尚相当の期間を要するものと思料せられまして、一時的、彌縫的対策のみに終始するときには、事態の收拾が困難となりまするので、これが綜合的、計画的緊急対策を講ずるの必要があるのであります。政府は先程申上げました委員会において、綜合的緊急対策の立案とその具体化に鏡意力を注ぎ、その対策の万全を期しつつあるのでありまするが、以下内務省所管に属しまするところの緊急対策の概要を申上げます。
 最初に應急復旧工事について申上げます。應急復旧工事は各地においても始められておるのでありまするが、先ず利根川の決壊個所及び櫻堤、中川堤防等の決壊個所を復旧し、滞水の処理に努めることが緊急と認められましたので、これが復旧工事を速かに講ずることに決定いたしたのであります。同時に全水害地区についてこれら決壊個所の復旧に要する期間及び現在の浸水地区の乾水に要する期間を専門的に調査せしめることにいたしました。利根川の應急復旧工事につきましては、直ちに先ず所要資材の蒐集に全力を集中いたしまして、空俵、杭、鉄線、蛇籠、丸太、石材等の手当を了しまして、すでにその大部分が現地に到着いたしておるのであります。尚資材について特に申添えたいことは、セメントその他の重要資材等につきまして、進駐軍の好意ある援助を仰ぐことを得ることになりましたことであります。誠に感謝に堪えない次第であります。資材の到着と睨み合せまして、去る二十一日から締切工事に着手いたしたのでありまして、工程もすでに軌道に乘つたのであります。即ちその工程は第一及び第二の締切工事であります。第一締切工事は上流側川岸から長さ八十メートルの水刎ねを出すと共に、決壊口の最前線部に弓型に杭打ちをいたしまして、杭の間に蛇籠を敷き並べますが、本工事は九月二十一日に着手いたしまして、出水等の大きな支障のない限り、十月三日までに完了の予定であります。これによって流入量は三割以内に減少する見込であります。第二次の締切工事はその後方に弓型に杭打ちをいたしまして、土俵を詰め、更にその中に泥を詰めるのでありますが、本工事は九月二十七日に着手いたしまして、大なる支障のない限り、土俵詰めを十月十五日までに、土詰めを十月三十一日までに完了する予定であります。從つて十月十五日までに流入水を止めることができ得るかと見込んでおりまするのであります。尚東京都内における櫻堤、中川堤防等も、東京都におきまして去る二十三日以來締切工事に着手いたしまして、今月中に締切りを完了する予定の下に、晝夜兼行の状況であります。又江東地区一帶の滯溜水も、排水樋門の修理が完了いたしまして排水能率を高めましたのと並行いたしまして、一方排水ポンプを総動員いたしまして排水に全力を注ぎましたる結果・先程申述べましたるごとく、氾濫水は二十一日頃を頂点といたしまして減水の一途を辿つております。尚この際、この締切工事が一日を争う重大工事なるに鑑みまして、内務省直轄の盗難防止等につきまして、関係警察において最善の措置を講ずべく指示いたしておるのであります。
 最後に地方国体に対する金融措置に工事の外に、十分に民間建設力の協力を得て、死力を盡して工事の促進に邁進いたしておるのであります。
 次に今次災害によりまする全國の土木関係災害復旧費は、調査が進むに連れましてまだ若干増加の見込でありまするが、現在までの報告を綜合いたして見ますると、直轄工事として約十億円、都道府縣工事として約八十二億円、合計九十二億円に及んでおるのであります。これに本年四月以降八月までの全國各府縣の災害復旧費約五十四億を合しますれば、実に百五十億になんなんとするところの巨額に達するのであります。
 更に二十七日午後二時現在で浸水地域内における人員は、警視廳管内において約六万人、埼玉縣下において約六万七千五百名でありまして、全國的には更に多数に上る罹災者がありまして、これら罹災者の給食、給水、防疫、集團避難等につきましては、関係各省があらゆる手段を盡し、あらゆる機関を通じてその対策に腐心いたしておるのでありまするが、内務省といたしましては、立退き後の残置家屋家財の盗難防止につきまして、関係警察において最善の措置を講ずべく指示いたしておるのであります。
最後に地方團体に対する金融措置について申上げます。災害のため必要な資金につきましては、取敢えず地方の金融機関より融資せしめることとし、これが余力のない場合には日本銀行より資金を廻すことにいたすべく、関係機関とすでに連絡済みでございます。又災害復旧につきましては、災害の状況、地方團体の財政の状況を勘案いたしまして、災害対策委員会において十分審議の上、國庫補助をするように只今考慮いたしております。更に災害復旧のための起債につきましては、大蔵省等とも十分に連絡の上、遺憾のないよう最善の措置を講ずる考えであります。
 以上今次災害の状況につきまして、今日までの経営並びにその対策の概要について御報告を申上げましたる次第でございます。(拍手)
   〔國務大臣三木武夫君登壇〕
#10
○國務大臣(三木武夫君) この機会に、先般の台風による通信機関の被害状態と、その後の復旧状態を御報告申上げたいと存じます。
 通信機関のうち最も被害の多かったのは、電信電話の施設であります。我が國電気通信綱の根幹を成しておりますケーブルは、西は東京より大月、甲府、松本、名古屋を経て関西方面に通ずる國際ルート、これを俗に中仙道ルートと申しております。これが一本と、東京より静岡を経て名古屋より関西へ通ずる東海道ルートのこの二本、北の方には、東北、北海道方面へ通ずる東北ルートと常磐ルートの二本、都合、西へ二本、北へ二本の四大幹線ケーブルによって我が電気通信事業が運営されておるのでありますが、今回の台風によりまして、十五日午後一時、國際ルート即ち中仙道ルートは、大月、甲府間におきまして崖崩れのため五箇所断線し、更に常磐ルートにおきましては十五日午後九時頃、本田、荒川仲間外九箇所において相前後して断線、その他にも部分的な障害を生じ、東北ルートも亦同日の午後十時頃栗橋外二箇所において断線又は不通個所を生ずるに至りました結果、東京以西におきましては遂に東海道ルート一本のみとなって、東北、北海道方面は無線連絡以外通信の途が全く杜絶するに至つたのでありますが、かかる幹線ケーブルの大部分が障害を受けましたことは、我が國電気通信事業始まつて以來のことであります。
 逓信省におきましては、取敢えずの処置といたしまして冠報の一時受付を制限いたしまして、又電話については緊急通話に限るような指令を発しますと共に、一方においてはケーブル復旧並びに應急臨時の裸同線の架設に全力を注いだのでありますが、先ず國際ルートの復旧模様でありますが、大月、甲府間における傷害現場には、東京逓信局員並びに甲府、八王子工事局員が参りまして、十六日の夜より徹宵作業を開始いたしまして、惡路を冒し、ケーブルを肩で送る等のような非常な困難な工事を続けました結果、去る十九日の午後九時に至って六十四回線、更に二十四日午後四時に七回線、更に二十八日午前三時三十分に百三十四回線、合計二百五回線を復旧することができまして、障害前の收容ケーブルは二百五十回線でありましたので、大半が今日復旧した次第であります。これによりまして中部・関西方面における電報の停滯は一掃さるれことになりました。次に東京より水戸、仙臺方面に通ずる常磐ルートにおきましては、荒川沖の断線と、東京より宇都宮、仙臺以北に通ずる東北ルートにおける栗橋の断線は、洪水によりまして、工事局員の懸命な努力にも拘わらず容易に復旧の見込が立ちませんので、應急の措置といたしまして、十六日以來、宇都宮、水戸、仙臺、札幌向けの裸電信線六本、又仙臺、青森向け裸電話線九本を臨時作成いたしますと共に、宇都宮、仙台、札幌向けの國内無電を強化活用いたしまして、電信電話の疏通に努めて來たのでありますが、これを以てしては、東北、北海道方面に対する通信は甚だしく停滯を免れなかったのであります。併し十九日に至りまして、荒川沖断線個所の修理が、仮開通の見込みが付くに至つたので、非常に望みをかけておつたのでありますが、又々常磐ルートの中継所でありますところの本田中継所が中川堤の決壊により、局員が全く不眠不休の防水作業にも拘わらず浸水の厄を受け、再び開通の見込を失うに至りましたが、栗橋附近の東北ルート断線個所修理班が、是が非でも東北ルートを復旧せしめなければならんと、幸手附近より濁流中を舟艇を操つて修理用ケーブルを運搬し、文字通り決死的作業を強行いたしました結果、一昨二十七日に至り、百三十回線中八十一回線の復旧修理に成功いたしました。(拍手)これによりまして電報の疏通状態は概ね平常に復しました外、電話についても漸次良好なる状態に向つておる次第であります。以上申述べました電氣通信施設の蒙りました損害は極めて莫大な額に上るものでありまして、これが復旧には数億円を要するものと思料せられ、これにつきましては各位の絶大なる御協力を念願する次第であります。
 最後に今回の洪水によりまして我が逓信從業員の被害といたしまして判明いたしましたものでは、死者十一名、行方不明四名、家屋流失又は全壊七十五戸、半壊三十六戸、浸水一千七百七十四戸でありますが、被害は漸次増加の傾向にあります。これらの人々に対しては、取敢えず家屋、家財の被害に対しその程度に應じて共済組合より非常貸出を行うことにいたしました外、でき得る限りの善後処置を講じておる次第であります。以上を以ちまして逓信省関係の主なる台風被害状態と復旧状態を御報告申上げた次第であります。(拍手)
#11
○議長(松平恒雄君) 一松厚生大臣。
   〔國務大臣一松定吉君登壇、拍手〕
#12
○國務大臣(一松定吉君) 過般御報告申上げました続きの私の所管事務に関しまする御報告を申上げます。
 先ず救援物資の方面から御報告を申上げまするが、厚生省といたしましては、罹災府縣の要請を俟つことなく、一應の見込数量を農林商工両省に要請をいたしまして、その準備を願い、府縣の要求に感じて逐次放出をいたしまして、今日では相当のものが放出されております。又第二復員局に対しまして毛布十二万枚の放出を相談いたしまして、それらのものはそれぞれ今日各方面に配給されております。この外厚生省として取りました措置を後に列挙いたしまするならば、前回に申上げました被服、ズボン下類が約四万点、食器類約一万七千点は、二十日トラツクにで関東方面の四縣へこれらの品物は配達済みでございます。又ララ物資は食糧四十九万二千五百余ポンド、石鹸二万二千五百ポンド、衣料二十七万九千点で、ララ委員会の好意によりまして二十二日から逐次発送されておりまして、近縣にはその日にすでに到着をいたしております。併しこれだけでは町多数不足しておりまするりで、それらの点に対しましても急速に配給の手を打つことに努力いたしております。殊に群馬、岩手方面からは毛布十数万枚の要求がありましたので、これに対しまして急速に適当の処置を取ることにいたしております。
 給水の点を御報告申上げますが、冠水地帶の救護の実情からいたしますと、残留しておりまする人々の要求は、先ず何よりも飲料水だということでございます。これには特に力を注ぎまして、殊に東京方面におきましては都廳、警視廳がそれぞれ給水班を特設して活躍いたしております。埼玉縣に対しましてもでき得る限りの手配をいたしております。
 次に住宅問題について御報告を申上げますが、水害地における人家の流失いたしたものが非常に多数でございまして、これらの被害民の住宅には各地とも余程困っております。昨日私が視察いたしました群馬縣の赤城山下における富士見村、南橘村、大胡町、桐生市等において特にひどいように看取いたしました。これに対しまする應急処置といたしまして、各地においては寺院、学校、工場、親族故旧等に收容いたしておりまするが、なかなかそれらのことをいつまでも続けるわけには行きませんので、至急に仮小屋その他應急的の住宅を建設して、これらの人を救援する必要があることを痛感をいたしました。
 罹災者の救護に対しましての御報告でありますが、埼玉、東京の罹災者の一部は千葉、茨城両縣下に避難しておりますので、両縣知事にそれぞれ指令をいたしまして、救護に協力方遺憾なきを指示いたしまして、各縣とも非常なる勢を以て、これら救護事業に活躍いたしておりますのは、誠に涙ぐましいような状態でございます。千葉では約七万人の東京の罹災者を收容して、これらの救護に手を盡しております。
 滯水地帶の罹災者に対しまする避難勧奨処置を御報告を申上げます。東京及び埼玉の罹災者の中に、相当期間滯水の中に屋根若しくは二階等に孤立して、引続いてそこに救援を待っておる者が多数ございます。政府は東京都、警視廳及び埼玉縣廳と連絡をいたしまして、これらの人々のために避難所を設けて、これに避難を勧奨することにいたしておりまするが、なかなか容易に勧奨に應じない者のあることに対しては、今余程困っておりまする。併しながらでき得る限りそういう場所にいつまでも滯在しておるということの不利益であり、且つ保健衛生等被害の多いことを、説得いたしまして、これらの救い出しに万全を期すると共に、給食、給水その他救護及び防疫の対策に遺憾なきを期しております。これがため東京都に対しましては、避難所用として早速東京都手持ちの毛布二万三千枚を放出せしめますと共に、数日前商工省より毛布六万枚を出して貰いました。埼玉縣に対しましても、すでに所要の物を配布いたしております。
 ここに附言いたして御報告申して見たいのは、昨日私は群馬縣の館林町に近い所の伊奈良村、西谷田村、海老瀬村、これらを視察いたしましたが、浸水実に二千町歩、二ヶ月ぐらいは水が引かない見込であるそうでございましてそれらの浸水地内に含まれております稲作というものは、全く無收穫であります。埼玉縣におけるウクライナと言われた場所がこういう状況でありまして、実に驚いた有様でありまして、これには急速に復興の手を差伸ばさなければならないと痛感をいたしたのであります。
 次に風水害應急救助委員会のことを御報告申上げますが、去る十八日に内閣に設置せられました関東、東北風水害應急救助対策の委員会並びに同幹事会は、厚生省が幹事役を勤めておりまするが、関係各省の措置の連絡調整を図つておりまして、議案によりましては会同の席上で即決して必要な措置を講じております。尚厚生省におきましては、晝夜ぶつ通しで各方面との連絡を取つて懸命の努力をいたしておりま了。又罹災地縣廳と中央各省間の連絡を敏速緊密にするため、厚生省の社会局内には各縣の駐在員の詰所を設けまして、詰切つてこれらの点に從事を願つております。去る二十日の第一回幹事会において、たまたま上京中の岩手縣の総務部長から同懸三陸沿岸地方の食糧急迫の事情が訴えられましたので、大船渡港、釜石港、鮫港へ二千五百トンの食糧を海上輸送をいたして置きました。又各縣で必要な織維製品、厨房用品、日出品等の救済用物資は産業復興公團が調達に当りまして、敏速を期することになっております。
 次に各團体の協力の状況を御報告を申上げます。日本赤十字社、同胞援護会、キリスト教團等社会事業、宗教團体、各地青年團、婦人團体等の救護班の派遣、手持物資の放出等全力を挙げて協力を願つております。
 ここに一言附加えて御報告の光栄を有しますが、昨日群馬を視察いたしましたときに、前橋刑務所の囚人が群馬縣知事の要請によりまして、それらの被害場所に進出いたしまして、熱心に民衆の中に交りまして、救護事業に從事いたしておる状況を見まして、私は誠に嬉しく感じました。前橋刑務所が戰時中に木造船を拵えまする時に、前橋の刑務所の既決囚八百人が全力を挙げてこれらに從事したその当時の状況を思い出しまして、私はこれらの囚人の人々が、この同胞の危急を救うべく非常な努力をいたしたということを考え出しまして、昨日のその実情を見て実に涙ぐんだのでありました。これにつきましては、本日司法大臣にも相談をいたしましたが、司法大臣も全國的にそういうように一つ働いて貰う考えであるということを申されておりましたので、非常に心強く感じたのであります。
 尚日本赤十字社は民間有力者、社会事業家、宗教團体等に呼び掛けまして、共同して義捐金の募集を全國的に展開いたしておることは又喜ばしく存じました。ただここに注意しなければなりませんことは、義捐金募集に名を籍りまして、そうして私利私欲を悠にする輩なきにしもあらずと考えまするから、かくのごとき点に対しましては、政府といたしまして十分に注意して、さようなことのないように取計らうことに努力いたす考えでございます。
 次にGHQとの関係を御報告を申上げますが、GHQとは常時連絡を取りまして、すでに船、物資等の配慮を得まして、救援に非常な力を得ておるような次第でございます。
 この際特に申上げたいことは、これらの関係者の方の中で、群馬縣におきまして米兵が二名だけ救護活動中に殉職された事実がございます。私はここに謹んで感謝と哀悼の意を表したいと考えます。
 次に防疫対策でございますが、傳染病患者の発生はまだ至って僅少でございます。下痢患者は漸く増加して参り、埼玉縣方面には約三千名の下痢患者の発生を見ておりまするが、診断の結果によりますると赤痢、膓チブス、パラチブス等の患者と決定された者はまだ数十名に過ぎません。今後十分なる警戒を要することと考えます。群馬縣ではまだそういうような患者は一人もありません。ただ私はそれらの点に対しまして群馬縣知事ともよく話し合つたのでありますが、十分にこの防疫の手段を講ずるように協議をいたし、昨日私は予防藥等を現地に携帶をいたしまして、それぞれ配給して、かくのごとき悲惨の状況の起らないことを要請をいたして置きました。
 尚これらの予防藥配給の実情を具体的に申上げまするならば、晒粉三十トン、石灰四トン、浄水錠百二十万錠、クロールカルキ三十トン、クレゾール十トン等を東京、埼玉、栃木、茨城、群馬等に飲料水の消毒と住宅の消毒のため送付いたしました。下痢及び赤痢の特効薬としてズルフアチアゾール錠五十七万錠配付済であります。DDT液剤を四万三千ガロン、DDT粉末四万ポンド、発疹チブスワクチン百五十万人分、ウイルス血清、ガス壊疽血清、破傷風血清等三十万人分等も亦それぞれ送付済みでございます。この外二十四日に、片山総理が東京の水害地を視察いたしまする時に相当量の予防藥、又一昨日林國務大臣が東北の観察に出張せられまするに託しまして、これ又相当量の予防薬をそれぞれ現地に持参をして頂きました。次に下痢患者に対しては簡易隔離所を設置いたしますると共に、今後実施する収容者に対しては健康診断を嚴重にいたしまして、健康者と下痢者とを区別して取扱うように指示いたしました。
 次に腸チブス、パラチブスの予防のために腸チブス予防接種を全水害地に実施中であります。救護班につきましては厚生省の國立病院、療養所等から二十一班を各縣に派遣いたし、別に各縣別には日本赤十字社を初め地元医師会、病院等それぞれ救護班を編成して、これが救護に万全を期しております。厚生省としましては事態の重大性に鑑みまして、予防局長以下事務官三名、技官二名が埼玉、東京方面に、又事務官二名が群馬縣に現地指導のために出張し、詳かに状況を視察いたしております。又これより先災害突発と同時に防疫官七名、事務官五名を埼玉、茨城、群馬、栃木、宮城、岩手に出張潜在せしめまして、現地において指導中でございます。これと並行いたしまして、防疫自動車を取纏め、重点的に防疫に從事中でございます。去る二十五日からGHQから水の消毒藥浄水錠約七百万錠、浄水用晒粉百五十万本の放出を受けまして、水害地の各家庭に配付いたしました。その場合に防疫課としては、消毒藥の使い方をリーフレツトとして十五万枚配付いたしました。尚今後も引続いて傳染病その他につきまして、適時に宣傳、啓発を行う予定でございます。現地におきましてはビタミンの不足、動物性蛋白の不足のために栄養障害を起す可能性がありまするので、目下ビタミン剤、魚粉、身欠きにしん、そういうようなものの配給をいたしますために、各地にこれらの取纏めの計画中でございます。この段御報告を申上げます。(拍手)
          ―――――
#13
○議長(松平恒雄君) この際、先に本院の議決に基ずき、関東地方の水害地調査のため派遣いたしました議員團の各班の報告を求めたいと存じます。先づ埼玉縣調査班の報告を求めます。平沼彌太郎君。
   〔平沼彌太郎君登壇、拍手〕
#14
○平沼彌太郎君 今回当院の議決を以ちまして、私共は三日間に亘つて埼玉縣の水害視察をいたしましたので、その大要を御報告申上げます。埼玉班の人名を申上げますと、荒井八郎、小林英三、石川一衞、天田勝正、川上嘉と私の六名であります。
 一行は二十日午前十時に縣廳に集合いたしまして、先ず荒川の河川に沿うて水害の現状を視察しつつ北上し、次いで利根川の上流より漸時下流に向つて、二十二日の午後七時川口市において解散いたしたのであります。埼玉縣の四分の一は秩父の山嶽地帶でありまして、田川の上流たる荒川は源をここに発しております。然るに利根川は遠く群馬に発しまして、本縣の東北の境を流れて、霞ヶ浦より銚子に注ぐ日本一の大河でありますので、自然利根川と荒川の被害情勢は趣を異にしております。十四日の夜半より関東一円を襲いたるところのキヤザリン台風は、十五日の夜半までに三百乃至六百ミリの豪雨を伴いまして、そのため最高水位は、明治四十三年の水害における利根川が六・三二メートルに対し、今回は八・九五メートル、又秩父親鼻橋は九・七メートルに対し、今回は一〇・六メートルでありまして、遂に未曾有の災害を惹起したのであります。
 次に被害の大要を申上げますると、市町村数が百三十、戸数七万六千、丙、流失家屋四百四十、人員四十三万、丙、保護を要する者が二十七万、行方不明が四百九十、死者が八十三、耕地では田が三十万町歩、畑が十七万町歩で、農作物では水稻五十四万石、これは埼玉縣の供出量と同じであります。陸稻、雑穀三万六千石、甘藷、蔬菜二万七千貫、家畜二千頭、鶏が六万羽、又学校は二百校、工場は一千、工員凡そ一万六千、橋梁三百二十六、堤防の決壊四十八、道路決壊が三百二十三で、林野の崩壊は一千五百五十八、その面積二百四十町歩、林道の崩壊は百三十八、延にして五万メートル、林道橋も二百三十五、木材の流失は三万二千石、木炭が八千俵、薪五万束、炭窯は八百基で全数の九〇%、殆んど全滅しております。次に被害金額を概算して見ますと、堤跡、河川、道路、橋梁が約二億二千万円、農作物、家畜関係で約十三億円、工場関係が約一億円、合計十七億余円に達しておりまして、これに家屋とか家財、商品、その他を合しますると、実に想像に余りあるものがあります。以上の中で九割までは栗橋の上流の東村の決壊によるものでありますが、その他にも渡良瀬川の下流の川辺、利島及び利根川の上流の男沼村、荒川では久下及び荒川と入間川の合流点等の決壊による被害も、四十三年の水害を超過しておるとのことであります。又小さな河川及び野水が本流の増水のため逆流しまして冠水した面積も、今回は非常に多いのであります。
 次に東村の決壊状況を申上げますると、幅四百メートル、深さ九十六フイートに達するところの決壊口より利根川の全水量が流入しまして、その上、荒川の久下及び田間宮の決壊による濁流と合して、埼玉のウクライナと言われておる二合半領その他の豊饒の耕地を、幅二里半、長さ十余里の間、約三十余万町歩の田畑と四万余戸の家屋を呑みつつ、四日間にて縣境櫻堤に到着いたしまして、そうして同所を決壊して東京都三区に侵入したのであります。私共は現場に臨みまして、初めてその被害の甚大なるに驚歎した次第でありまして、豊年を喜びつつありし罹災民が、心血を注いだる田畑が一夜にして渺々たる湖水と化し、水面に家屋の屋根のみ見ゆる我が家を眺めて、呆然自失しておる有様を見るとき、全く涙なきを得なかったのであります。
 何故このような大災害を惹き起したかといいますると、勿論天災の止むを得ない点もありまするが、併し大自然を無視したる人爲による災害の方が遙かに大きいということを、今回の災害において認めざるを得ないのであります。東村の場合におきましても、次のような人爲的原因があります。
 その一つは、東村の下流一キロのところに渡良瀬川と利根川の合流点があります。内務省では、渡良瀬川の上流は足尾銅山の煙害により山林が荒廃しておる等のため、利根川の合流点において五六時間早く流出するという計算であったところ、利根上流の濫伐のために、最高水量が同時に合流したとのことであります。これは荒川とその支流人間用の合流点にも同様の結果をもたらしておるのでありまして、三箇所の決壊をしております。次は、東村の下流二キロのところに東北本線の鉄橋並びに國道橋があります。そうしてその上と下では一メートルくらいの水位の差があったとのことであります。第三に、利根川は昔、東村の上流八キロのところから古利根を、流れて東京湾に注いでおつたのでありますが、今より三百年前、永禄三年に、江戸を救うために河川を改修しまして、霞ヶ浦に放水したもので、旧河川は今尚古利根として現存しております。又荒川も熊谷下流五キロの所より荒川を新設したので、今尚元荒川として現存しております。この二点は決壊すべき弱点として恐れられておつたところ、今回二箇所とも決壊いたしまして、昔の流れに沿うて氾濫したのであります。第四に、内務省では、四十三年の大水害に驚きまして、第一期、第二期の治水計画を立てて工事を継続しておったところ、戰争のため中止の止むなきに至つたのでありまして、東村の堤防もそのため工事が中止せられた町であります。以上申上げました通り、東村堤防決議は、いろいろと自然を無視してなされた当然の結果であります。
 次に埼玉における開墾は、二十一年度より現在までに約二千町歩を完成しおります。然るに今回の豪雨によりまして、兒玉郡梳引ヶ原の約七百町歩の開墾地から思わぬ大水が出て來て、土砂と共に深谷町を襲い、町民は戰々兢々としておりました。又その他数箇所の飛行場跡の開墾地でも、今回の豪雨により附近の部落民を悩ましておる事実を聞いております。殊に傾斜地の開墾が豪雨に遇うと、五尺も一丈も谷か出來るまで土砂を掘り、その土砂によりその下の樹木は大被害を受けた例は、私は度々体験しております。(拍手)
 次に大森林を以て蔽われておる流域は、たとい台風に襲われましても水は濁らず、被害は少いのであつて、大自然はかくのごとくおのずから調和を保つておるのであります。然るに埼玉では、最近四ヶ年で杉、檜の伐採面積が四千七百町歩、これに対して未植林地が一千三百町歩ありますし、雑木伐採面積も四万七千町歩あります。豪雨はこの斜面を土砂を押し流しつつ矢のごとく下るのであつて、そのため下流では、今まで五時間で來た水が二時間半で來たといって被害地の人たちが非常に驚いておりますのも、かくのごとき濫伐の結果であると言い得るのであります。次に林道は多く急峻なる渓谷に構築せられる関係上、切り取りの斜面も非常に強い角度でありますが、予算の関係上鋪装工事も粗漏で、又側溝も作りませんため、埼玉縣では全林道の約三割も崩壊しております。次に水害は、水に含まれた土砂の量によって差があるのでありまして、水一升四百五十匁が濁水は六百乃至六百五十匁となり、この土砂を含みたる水は、土地を削り、海底を高め、且つ堤防に非常な圧力を加えるものでありまして、濫伐及び開墾が土砂を流出せしめて災害を一層助長せしめておることは、学理的にも証明し得るのであります。
 次に救援状況を簡單に申上げますると、縣廳では直ちに水害対策本部を設けまして、知事以下職員全員、全く不眠不休の努力をなしております。人命救助は、進駐軍及び千葉縣の舟艇の救援を得まして各所に配置し、罹災民の救助に全力を盡しております。食糧は應急的にパン、罐詰等毎日二十余万食以上を配給しておりまして、現在は毎日一千石以上の米を炊き出しており、その他日用品の配給に至るまで万全を期しております。次に医療救護は、縣下の衛生施設を動員いたしまして防疫医療に努めておるため、傳染病患者は現在のところ非常に少いようであります。防犯は、縣警察部では警視廳の應援を得まして、各種の犯罪防止並びに救護に不眠不休の努力をしております。
 次に東村の決壊は、これを修理しない以上多くの減水を期待し得ないのみならず、万一その間豪雨がありますると惨害は一層甚しさを加えるのでありまして、一刻を争う大問題でありまするが、今回、間、鹿島の両組にこの應急工事を請負わせたということでありますが、その完成の速かならんことを念願する次第であります。
 次に千葉、茨城に近接しておる地方で埼玉の手の届かぬ所は、両縣において救援に挺身しておりまして、罹災民を感激させております。特に進駐軍の御援助は実に積極的でありまして、又実に細部に亘つて行き届いておりまして、罹災民は勿論、國民ひとしく感謝せねばならんことと思います。
 当局は、災害当時は治山治水の重要性を唱えながら、日が経つに從つて目先のことに追われて、造林及び砂防費の削減にのみ努力し。又林野局もこれを押し切るだけの迫力なく、知らず知らずの間に日本の山林を荒廃に導き、河川工事にも支障を來した点が多いと思います。私は常に治山治水に重きを置かざる食糧増産計画は画餅にひとしいと絶叫して参りましたが、遂にこれがここに実現したことを遺憾に思っております。
 最後に申上げたいことは、水害防止のために荒川に幅二里半、長さ十里余りに亘る遊水地帶があります。その堤防内には官有地が約一千町歩、民有地が七八百町歩ありまするが、増水の場合その農作物は殆んど全滅するのであります。又川口市内を流れております芝川は、これは荒川が増水しますると門扉が閉塞して、その逆流によりまして今回も浸水家屋六千四百に達しております。殊に利根川の決壊による大被害も、元は江戸を救うための人馬的工事が不完全であったためであり、水害がある度に埼玉は東京の犠牲になっておることが非常に多いのであることを考えまするとき、國家は今回の埼玉の災害に対し積極的救援をなすは勿論、これが復旧に対しても全責任を負う義務があると私は思うのであります。(拍手)又埼玉の山林は東京の水源林であり、備蓄林であり、又保健林であります。それなのに東京では左程に関心を持っていないことは遺憾であります。今後は東京都では埼玉に協力して治山治水計画を立て、これに援助を與うべきであろうと思います。簡單でありますが、以上を以て御報告を終ります。(拍手)

#15
○議長(松平恒雄君) 茨城調査班、板野勝次君。
   〔板野勝次君登壇、拍手〕
#16
○板野勝次君 院議を以ちまして茨城縣水害地調査のために派遣されましたのは、民主党の小林勝馬君、自由党の柴田政次君、緑風会の大山安君と共産党の私の四名でございました。九月十九日より二十二日まで調査目的達成のために行動したのでございまするが、併し水害直後の混乱の際でもあり、加えて通信、交通、連絡等極めて困難な時でございましたので、更にその上に我々一行の自動車事故もありまして、不十分にしか調査できなかったのでございまするけれども、調査班各人の調査結果をここに綜合いたしまして、概要を御報告申上げたいと存ずるのであります。
 私たち一行の調査目標と現地調査の範囲は、第一にその調査の目標を、應急金融措置の問題、復旧救済費の問題、生産用及び生活用必需物資の特配の問題、主食供出割当の減免、租税の減免、治山治水の根本対策、対策機関の構成等、七項目を中心調査目標としたのでございまするが、この線に沿いまして縣当局並びに調査地の地方事務所に資料の提出を求めまして、不備の点には要望して置くに止まつたのでございまするが、眞に我が調査班が民間の率直な声を聴く機会を得なかったのは、誠に私たち残念に存じておつたのでございます。現地調査の範囲は、水戸市、久慈、眞壁、猿島、新治の四郡でございました。
 次に被害の状況でございまするが、縣当局の説明を中心にいたしまして御説明申上げますると、茨城縣は本年六月中旬より約七十日の長期間に及びまするところの旱魃で、縣下農作物に甚大なる旱害を受けておりまして、その被害面積は約七万町歩に上りまして、これがため減收によります損害総額は実に六億六千万円に達しまして、この中、米の減收高は約四十七万石を見込まれていたのでございまするが、九月十五日夜半より台風の影響を受けまして、風速十六メートルの強風に加えて豪雨となりまして、利根那珂、久慈、小貝、鬼怒、藤井、園部、戀瀬その他の大小の河川は急激に増水氾濫いたしまして、縣下全般に亘つて水害を蒙つたのでございました。その被害は道路七百七十三箇所、堤防一千百十一箇所、橋梁二百五十七箇所の流失、決壊を見まして、田畑の冠水は三万八千三百六町歩に及び、田畑の流失、埋没も少からざる数字を示しまして、流失家屋は二百九十四戸、全壊家屋百二十四戸、半壊家屋百四十八戸、床上浸水一万一千九百九十六戸、床下浸水九千五百十三戸、罹災戸数合計二万二千戸に達したのでございます。これらの損害見込総額は十五億余万円に達するのでございまして、又死傷者、行方不明者合計七十八名でございまして、その被害は実に莫大なものがございました。
 先きの旱害と今回の水害との総損害額をあらゆる面から合計いたしますると、実に二十二億円の多額に上るものと予想されるのでございまして、被害状況は実に惨憺たるものがございました。殊に猿島郡地方の穀倉地帶の農作物被害の甚大なる点は、眞に憂慮すべきものがあると思われたのでございます。先般の本会議におきまして、丙務、農林両大臣の水害状況報告の際におきまして、縣当局よりの報告が遅れましたためか、茨城縣のみは不明と報告されたのでありまするが、被害は以上のごとく大きかったのでございました。
 今救護應急対策の状況を御報告申上げますると、罹災者に対しまするところの救護物資が少く、ただ晒粉等の消毒剤の配給はやや良好なるもののごとく傳えられたのでございまするが、その他の諸物資はいずれも備蓄が少くて應急対策ができていなかったのでございます。主食のごときも警察署長の証明を得て一人一日二合三勺を配給する、その配給期間は僅かに三日間を原則としておるのでありまして、情勢に應じましてその都度決定する程度の官僚の独善的な措置に止まつておつたのでございます。從いまして罹災者として最低限度の満足を得る程度のものは保障されていないごとくに見えたのであります。食糧営團保管米の一千二百二十八俵、政府手持米一千五百三俵、合計二千七百三十一俵の被害に加えまして、輸入食糧の半数以上が水浸しとなつたことは誠に遺憾の極みでございまして、この責任の所在は当然明らかにされなければならないものと存ずるのでございます。
 罹災地に対しまする應急諸対策も、例えば民族自衛上の軍備があり、民間の民主的結合組織が眞に活動し得る機会が與えられておりましたならば、不十分ながらも救護諸物資、應急処置資材の運搬、應急対策作業等も迅速果敢に行われたのでありましょうが、官僚独善の弊はここにも現われて参りまして、災害現場は政治の香りはどこにも漂ようことなく、当時そのまま放置され、ただ浸水家屋の跡片附けに懸命な罹災民諸君が、農民諸君が冠水地に舟に乗りまして稻の刈取りに忙しく、又膝まで没する泥水の中で懸命に働いている涙ぐましい努力の姿が目に映じたのであります。(拍手)
 以上の状況から緊急に要請されまするものは、茨城縣罹災者一万六千世帯及び茨城縣において救済しなければならない埼玉縣側罹災者四万七千人に対しまするところの日常生活必需物資の無償特配、懸念住宅六百戸の建築並びに一万二千戸の修繕に要しまするところの資材の特配、消毒剤及び予防剤等の医藥品の特配、復旧並びに再生産に要しまするところの食糧の確保、被害有畜農家に対しまする飼料の確保、作業衣、收穫用農具、資材及び運搬用具の補給、流失肥料、種子の無償特配、電力の供給等は勿論のこと、租税の減免、金融措置、殊に農家復旧資金に対しまするところの特別低利長期融資、更に主食供出割当の減免のごときは、收種時におきまして被害現状以上の減收が予想されるので、特に愼重適切になされなければならないと思うのでございます。かくして急速なる復旧がなされなければならないのでございまするが、この際地位を利用し、災害時を利用して利益を貪らんとするがごとき行爲は断乎排除されなければならないと考えたのでございます。
 治山治水等に対する対策について申上げまするが、我々一行の調査範囲におきまする堤防の決壊個所は河川が蛇行しておりまして、その水勢が当るところの脆弱なる部分がいずれも破壊されまして、その堤防の土質はいずれも砂質でございまして、堤防構築の際土質水系について十分科学技術的な研究がなされなければならないことが痛感されたのでございます。久慈郡佐都村の堤防は、その蔭堤の破壊個所を見まするに、幅員約一間以上、長さ約十間ほどのところは、徑五六寸より尺五寸ぐらいの大石を以ちまして、それに目潰しの砂利を入れて積み上げた程度でございまして、破壊されなかった両側はコンクリートで施工してあったという点よりいたしまして、復旧資材は水勢に対し耐久力あるものが必要とせられることを示しておったのでございます。又利根川沿いの猿島郡中川村の二百メーターに及ぶ決壊個所から逆流しました水は、中川村、長須村、森戸村、七重村、岩井町、猿島村に及んでいたのでございまするが、この堤防は、從前は完全であったそうでございまするが、内務省が干拓のために堤防を切り開きまして排水口を作つたのでございまするが、その排水工事は、枠はコンクリートでございましたけれども、排水扉は未完成のままで、板切れに土俵が当てられてあった程度のものでございまして、破堤の現場より見まして誠に遺憾の極みであったのでございます。而も内務省の直轄であるというので、濁流が逆流するままに委せられて、何ら應急措置が講じられていなかったという有様でありました。猿島郡五霞村は利根川を隔てて埼玉縣に隣りしておる村でありまするが、この場合は権現堂川に通じた用水口を同時に排水口に使つておりましたために、それを閉鎖することができないで、権現堂川の水がこの排水口より流入しまして田畑が冠水したのでございました。以上の諸点よりしまして、今回の大水害は單なる天災とのみ見ることはできないのでございまして、國並びに縣の負うべき責任の重大でありますると共に、治山治水対策の万全が期せられなければならないと存ずるのでございます。今回の茨城縣におきまする被害に鑑みまして利根川、那珂川、久慈川等の水系治水計画の急速な樹立実施、中小河川改修の進行、霞ヶ浦、北浦の洪水位を低下するために北利根川、常陸川筋の改修、その他治水遺憾なきを期するためにも國庫助成の緊要なるものがあることが痛感され、尚水害頻発の状況よりいたしまして、予め破堤個所となる危險ある地域には土嚢、土俵等が常時水害に備えられていなければならないことが考えられるのでございます。
 次に、新治郡柿岡町で七ヶ町村の村長若しくは有力者の会議に列席した際に、そこに居合せておりました人々はいずれも地主層の人々であったように見受けられたのでございまするが、今回の水害が偏に山林の濫伐にあることが言われまして、山林の濫伐は、山林原野が第三次農地改革の対象となって解放しなければならなくなつたという宣傳のために、すでに耕地は解放させられたのに、今又山林原野が解放されるならば、今の中に伐り倒して売つた方が利益であるというのでどんどん伐採した。これが大きな原因であると主張されたのでございます。山林の濫伐もその一原因には相違ないのでございまするし、治山対策も亦重要でございます。調査班も、山林原野の解放はしないという農林大臣の言明があるのだから安心して濫伐をしないようにしたいという意見もございましたし、私のごとく、山林原野が大地主温存の拠点となっておるから、かくのごとき濫伐が行われたのだから、國有化こそ治山対策を講じ得る唯一の途であるという意見に分れておつたのでございます。以上簡單に報告を終りまするが、水害状況の詳細は議長のお手許まで資料を提出して置きまするから、それについて参照され、尚関係常任委員会におかれましても慎重に諸般の復旧対策を考究されまして、尚本年度追加予算決定に当りましても復旧対策上万遺憾なきを期せられますることを切にお願いする者でございます。
 最後に私は今回の茨城縣に派遣されました私たち一行に対しまして、紙上我々の不始末が宣傳されたのでございまするが、それは明らかにデマ宣傳であることをここに御報告申上げたいのでございます。尤も私たち一行の中の大山安氏一人残りまして、これは軍政部長並びに縣当局に報告の責任があるというので参られました。併し一行が参っておりまする間におきましては、何ら非常識なる行爲がないばかりか、我々は何ら追究されても公明正大であったと申上げることができるのでございます。ただ大山安氏が茨城縣会を訪問いたしました際の態度は、私たちは存じておりません。併しながらあの人が一風変つた、非常に変つた性格を持っておられたという点は我々一行の認めるところでございますけれども、酒を強要するがごとき卑劣なる性格でなかった(拍手)ことを、私はここで皆さんに御報告申上げます。茨城縣会がかくのごとき問題を取上げる前に、今回の水害対策について万全の処置を講ずることこそ、今日罹災民の上に、罹災民を救済しなければならない上に課せられた茨城縣会の大きなる任務ではなかろうかと存ずるのでございます。(拍手)從いまして私たち一行にして若し誤つたところがありまするならば、我我は喜んで懲罰を受けることを甘んじて受けるのでございます。併しながら省みまして私たちは何らやましいところはございませなんだ。大山安君が参議院の名誉のために何を言つたかは存じませんけれども、このことはただ上手な言葉を言つたか、率直に責任を追究したかという、その態度の問題でございまして、國会議員の体面が云々されるべき問題ではなかろうと存ずるのでございます。以上の報告を附加えまして茨城縣の水害状況の報告を終らして頂きます。(拍手)
#17
○議長(松平恒雄君) 尚群馬班及び栃木班の報告が残つておりますが、明日に醸り、本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。次会は明日午前十時より開会いたします。議事日程は公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午後零時七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト