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1949/04/02 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 人事委員会 第5号
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1949/04/02 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 人事委員会 第5号

#1
第005回国会 人事委員会 第5号
昭和二十四年四月二日(土曜日)
    午後二時二十一分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 藤枝 泉介君
   理事 天野 公義君 理事 南  好雄君
   理事 逢澤  寛君 理事 松澤 兼人君
   理事 土橋 一吉君
      小平 久雄君    關内 正一君
      高橋 權六君    田中 啓一君
      二階堂 進君    福田 繁芳君
      成田 知巳君    加藤  充君
      平川 篤雄君    北  二郎君
 出席政府委員
        人事院総裁   淺井  清君
        人事院事務官
        (法制部長)  岡部 史郎君
        人事院事務官
        (俸給課長)  蓮見 太一君
        文部政務次官  柏原 義則君
 委員外の出席者
        專  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 公務員の勤務條件等に関する件
    ―――――――――――――
#2
○藤枝委員長代理 これより人事委員会を開会いたします。
 本日は委員長にさしつかえがございますので、私が委員長の職務を代行することにいたします。
 前会に引続きまして公務員の勤務條件等に関する件を議題といたしまして、その調査を進めたいと思います。質疑を継続いたします。
#3
○松澤委員 昨日私質問申の上げておつたのでありますが、ちようど時間も参りましたし、他に用件もあり、途中で切れておりますので、引続いて簡単に御質問申の上げておきます。
 一昨日人事院規則が発表になりまして、職員の意に反する降任及び免職の実際上の手続が規定されたわけであります。これを私読んでみましていろいろと疑義のある点があると思うのであります。
 第一に第一項の職員をその意思に反して降任または免職できる場合は、考課表その他勤務成績を評定するに足ると認められる客観的事実に基き、勤務実績の不良なことが明らかになつた場合に限られることになつているのであります。しかしこれはきわめて漠然たる規定であります。はたして今日その人が勤務成績が佳良であるか、不良であるかということを、客観的に立証する材料が、各官廳に備えつけられているのかどうか、どの程度まで科学的、合理的な調査研究がなさけ、これが保存されているかということを、まず第一にお伺いしたいのであります。
#4
○淺井政府委員 ごもつともの御質疑と存じております。國家公務員法におきましてはきわめて科学的な勤務成績の測定という制度を採用いたすことになつておりますことは御承知の通りでございますが、この制度はまだ完全に実施されておらないのでございます。しかしながらさればと申しまして、この点に関しまして、官衙側に何もないのだ、いいかげんな、でたらめでこれをやる、そういうふうには了解できないのでありまして、それぞれ官衙側におきまして、こういう條件のもとに誠実に成績の評定ができる、私こう確信をいたすものでございます。
#5
○松澤委員 もちろん國家公務員方の精神から言えばそうあるべきが当然でありますけれども、現在においては客観的な事実を立証するに足る考課表、その他の勤務成績というものがない。從つてもし七十八條をこういう規定によつて実施することになれば、任命権者の意思によつて、客観的な事実に基いて、本人の意思に反する降任あるいは免職ができることは事実であろうと思うのでありまして、將來こういうことをすることはもちろん私も了解がきるのでありますが、現在の段階においては、この第一項は、人事院が考えているように科学的、合理的に行い得ないものがあると了解するのであります。この点はいかがでございますか。
#6
○淺井政府委員 ごもつともの点と存じております。これにつきましてはこの七十八條を動かすに至りました原因につきまして申し上げたいと存じます。この七十八條の規定は、從來適用されることになつておりましたが、この人事院規則が出ませんために、まつたく動かない状態になつたのでございます。そういたしますると、どういう場合においても免職等ができないという現状になつておるのでございます。松澤さん御指摘のように、完全な科学的な勤務評定という制度はまだできておりませんし、人事院といたしましては、それを確立する準備をいたしておるのでございまするが、さればと申しまして、こういうふうに人事院の規則を決定いたしませんければ、現在におきましてますます官衙側がかつてなことをする。つまりこれは官衙側に一つの大きな制限を加える、そういう意味でどうぞ御了承願いたいと存じます。
#7
○松澤委員 現在ではそういう客観的な事実を証明するものがないから、そういうふうにする方がよいということはよくわかりました。
 第二点は第四項の点であります。こけは申すまでもありません。七十八條を動かすためにこの人事院規則をつくつたということでありますが、なぜそれでは三月三十一日という日を限つて人事院規則をつくつたかと申しますこては、すでに推測できると思うのであります。政府の行政整理ということがやかましく言われており、先日來淺井人事院総裁は、この政府の整理は政治的整理であつて、人事院ではこれに関與しないということを明確にしておられる。しかるに三月三十一日にいたつて、この人事院規則をつくつて、そうして七十八條の本人の意思による降任または免職を動かすということになれば、人事院総裁はどんなきれいなことをおつしやつても、結局政府の行政整理に協力するという結果が出て來る。われわれは赤松君あるいは成田君を通じて、あなたにお聞きしたことは、人事院においてはこの今回の行政整理には関與しないという、はつきりした態度を聞きたかつたのでありまして、現にそれを聞いている。しかるにこういう人事院規則ができれば、人事院も政府の政治的な、不合理かつ非科学的な行政整理に協力しているという結果が生れて來るのであります。これはあなたの先日來の御発言と非常に違う結果になるのでありまして、今まであなたの御人格なり、あなたの御発言なりというものにわれわれは信頼して参つた。事実上の結果としてそういうことになると、今後はあなたのおつしやることも安心して聞けないということになる。その点について御答弁願いたい。
#8
○淺井政府委員 これもまことにごもつともな点と存じますので、若干御説明を申し上げる必要があると存じております。
 第一は、國家公務員法のいかなる規定も、この大量の行政整理というものを予想してできた規定ではございません。すなわち國家公務員法においては、その意に反して免職された、すなわち不利益な処分を受けた場合は、人事院へ訴えて出ることができるという規定のあることは、御承知の通りでございます。行政整理において数十万人の人間がこの不利益な処分を受けるということになれば、ことごとく人事院へ訴えて來た場合は、これは何年かかつても、とても審査のできるものではないと存じます。すなわちこれは國家公務員法が、そもそも基礎において、行政整理というようなことを考えていなかつたということの証拠になるだろうと存じまするし、また國家公務員法の審議には、松澤さんも御関係でございますから、この間の消息はよく御存じであろうと存じます。
 その次に御説明申し上げなければならない点は、この行政整理を主張せられる向きにおいて、第七十八條の人事院規則が、あまりに魅力があり過ぎておる傾向を私は看取しております。すなわち、この人事院規則によつて行政整理ができるのであつて、人事行政を司る人事院は、なぜこれを動かして行政整理をしないのであるかというような議論が、世間のどこかにあるように存じます。すなわち私の看取するところでは、第七十八條第四号、これに伴うところの人事院規則が、あまりに大きな魅力をその人に與え過ぎておるのではないかと存じますから、人事院としてはこの規則の手のうちをはつきりと、ここに示すことが必要であろう、こういうふうに私は考えるのでございます。すなわちこの人事院規則は、行政整理を奨励するいかなる規定をも含んでおらないのでございまして、かえつて反対に二つの警告を発しておるのでございます。
 第一は、憲法の、法のもとの平等に根をおろしておるところの、國家公務員法第二十七條、すなわち國家公務員が不平等の取扱いを受けてはならない、もしそのような取扱いをした場合は罰則の規定が適用される、それをここに繰返しておりまして、もしも官衙側で國家公務員を罷免するときに、この平等の取扱いの原則に反する、たとえば女子であるから首を切る、特定の政党の党員であるから首を切る、切らない、このような事実があつたときには、人事院はこれに断固たる態度をもつて臨むものであるという警告を、ここに発しておるのであります。
 第二の警告は、すなわち労組法第十一條と同じ意味でございまして、適法なる組合活動をいたしましたために、何らの不利益な取扱いも受けないという第九十八條の第三項、もしこの取扱いに反した場合は、同じく罰則の適用がある。彼は組合の幹部であるから首を切る、彼は毎日交渉に來てうるさいから首を切る、すなわちそのようなことがないように、二つの警告を発した意味でございまして、松澤さんのお疑いはごもつともと存じますが、どうぞ人事院の意のあるところを御了承願いたいと存じます。
#9
○松澤委員 ただいま御説明を聞きますと、いかにもごもつともなところでありまして、日ごろの御発言にかかわらず、断固たる警告を発していることは、まことにけつこうなのであります。しかし私前日の質疑應答を聞いておりまして、人事院としては、あるいは人事院総裁としては、行政整理の問題について政府側と会つたことはないというふうにお話をなされた、と私は思つておりますが、その当時大野木次長とか、あるいは最近において郡次長などが人事院をたずねて、打合せられたとか、懇談されたという新聞記事があつたのであります。その新聞記事が事実でなければそれまででありますが、もし人事院にこういつた政府の代表者がたずねて行つて、話をされたということが事実であるとすると、ただいま淺井人事院総裁が、たいへんりつぱな御答弁をなさつたのでありますが、やはりそこに何らかの関係があつて、政府側から話があつたから、これを動かすようにしたという結果になつているということを想像されてもやむを得ない、こういうふうに考えるのであります。そこで行政整理の問題に対して、実際に政府側と人事院側とが、何らの打合せも、懇談もしておらない、あるいは要望も來ておらないかどうかということを、重ねてお聞きしたいのであります。
#10
○淺井政府委員 政府の代表者という御発言がありましたが、私はただいま名前をあおげになりましたような属僚を、政府の代表者とは存じておりません。もしも行政整理について人事院へ正式にお申入れがありたければ、なぜ本多國務大臣がお出でにならないかということでございまして、新聞紙等においていろいろと話も出ておりますが、決して御懸念のような点はございません。
#11
○松澤委員 政府の代表者という言葉を私が使つたのはいけなかつたのでありますが、本多國務大臣には会わないけれども、大野木君や郡君にはお会いになつているということがあるならば、それをお聞かせ願いたい。また淺井総裁がお会いになつておらないで、ほかの方が会つていらつしやるならば、そのこともお聞かせ願いたい。
#12
○淺井政府委員 第一点でございますが、大野木行政管理廳次長はたびたび見えまして、人事院においてもこの行政整理に協力せられたき旨の懇請は受けております。しかしこれに対して私の答えましたことは、國会において私が責任をもつて申し上げました答弁と少しも違つておりません。それから郡官房次長がお出でになりましたのは、最近の新聞の記事についての御質問と存じますが、これは主として夏時刻法の実施についての報告に見えたものでありまして、行政整理ではございません。どうぞ御了承願いたいと存じます。
#13
○加藤(充)委員 昨日に続いて質疑をいたします。結論から申し上げますと失礼ですが、結局人事院としましては、國家公務員法の十二條の末項の方だと思いますが、人事院の権限なり職責を書いてあります。そういうふうなものと関連して人事院の御答弁を承りたいと存ずるのであります。
 まずまつ先に、憲法並びに労働基準法に保障された、健康にして文化的な最低限の生活の保障ということは、労働者としては、やはり賃金でそれを裏づけて來られなければならないのでありまして、結局賃金や給料の質的、量的な基準というものは、まさしくそこになければならないと思うのであります。しかしながらそれがはつきりと保障されるためには、いわゆる合理的な税制の問題も出て來ましようし、適正なる價格の体系も問題になるでありましようし、完全なる配給機構の問題、あるいはさらに、それをまた裏づけましたものとして、完備した社会保險制度というようなものが、その前提的な諸條件をなすわけだと思うのであります。しかしながら先日の御答弁によりますと、六千三百円の新給與水準に関しまして、年末調整金というようなものがさつ引かれるというようなことは、人事院としてもこれは予想外のことだつたということになつているのであります。人事院として予想外の年末調整金、しかもこれは現在のいわゆる資本主義的な課税原則から申し上げましても、最小限の生活を維持するための、ぎりぎりの給與というようなものについては課税をせざること、免税をするというようなことが原則になつておるやに聞いておりまするが、そういうふうな面から見て、六千三百七円ベースというもの、年末調整金を引かれたもの、しかもそれは課税の資本主義的な原則からも、人事院においても予想外だつたとしたようなものを、さつ引かれて、ベースがこわれてしまつたというようなことが行われておりまするが、これについてさらにその後の経済的な諸條件、社会的な諸條件、とりわけてインフレの高騰に伴つて出て來ましたところのこの生活條件と関連しまして、先ほど申し上げました人事院の権限、職責というような面から、ベース改訂というようなことについて、人事院として何か考えたり、あるいは準備をしておることはないかどうか、その点を承りたい。
 それからなお第二点には、そういう点で六十三百円ベースの質的、量的変化と関連いたしまして、勤労所得税というような問題、これもまた年末調整金の原因になりましたもの、そういう税金関係でありますが、そういう点についての人事院並びに人事官としての、腹藏ない御見解を承りたいと存ずるのであります。
#14
○淺井政府委員 御論旨まことに御同感に存ずる次第でございます。第一点といたしまして六千三百七円ベースの問題でございますが、人事院といたしましては、この六千三百七円ベースを常に監視しておるところの義務が、國家公務員法において課せられておるのでございまして、もしこれを百分の五%以上動かさなければならぬと認めました際は、人事院の義務といたしまして、國会及び内閣に勧告しなければならぬ、こういうことに國家公務員法の規定それ自身がなつておるわけでございますから、人事院といたしましてはこの点についと決して等閑に付しておる次第ではございません。ただはたして百分の五以上動いておるかどうかということについては、いろいろ調査を必要といたすのでございまして、ただいま人事院の俸給課におきましてこの調査をいたし、だんだんと結論に近づきつつある次第でございます。今日その結論をここに申し上げる時期に達しておらないのは残念でございますけれでも、そのようになつておりますから、どうぞあしからず御了承願いたいと存じます。
 次に税法の関係でございますが、税法に関しましてはこの六千三百七円ベースを採用いたしまするときに、國会におきましても多々御論議があつたと承知いたしております。すなわちベースを上げましても、勤労所得税の方を何とかいたしませんければ、結局実効を収めにくいという御論議もありましたが、それは間に合わなかつたと存じておりますし、この税法に関しましては、これは財務当局のやるべきことでございまして、人事院といたしましては直接にこの問題について手を出すということはできない状態でございます。どうぞその点もあしからず御了承願いたいと存じます。
#15
○加藤(充)委員 私はその六千三百円について、刑務所の番人のような監視をやつておるかどうか、それがはつきり適切な、合理的な、科学的な監視をやつて、ぬかりがないかどうかということについて問題がありますが、それはすでに人事院においても御承知の通りで、幾多の実例をもつて陳情その他の形で出さてれおると思いますから、その点はきようは触れません。私が聞きたいのは、監視ということよりも、進んで積極的に人事官は、二十八條の所定の問題について――その中にははつきりと給與の問題、それからこれを変更するというような問題、一般的情勢に適應させるというような問題について、人事官に権限が十二條にうたわれておると思うのでありますが、そういう点について積極的な活動についての考え方、あるいはそれに対する調査その他の準備いかんということを承りたいのであります。
#16
○淺井政府委員 監視と申し上げましたのは形容詞にすぎません。刑務所の番人のような監視と仰せられましたけけども、私どもは善良なる管理者の注意と了解いたしております。絶えずこのベースを監視いたしておりまして、もちろん百分の五以上上げなければならぬ状態に立ち至りました際には、決して怠るものではないということを申し上げたつもりでございます。
#17
○加藤(充)委員 それでは答弁になつていないと思うのですが、大体私の言つた刑務所の監視、これはあなたのおつしやるように善良な監視ということになつて、ますます人事院としては監視の職責が重くなつたわけでありますが、そういう点について十二條の職責を全うしておるだけの監視をやつておるかどうか、活動がどうかということなのであります。
#18
○淺井政府委員 それはただいま繰返し申したように、やつておるということ、ただやつておるだけではわからない、ここで話せという御趣旨であろうと思うのでありますが、その点はまだ調査が完了いたしておりません。國会に対する人事院の責任ある発言といたしましては、この調査の完了をまつて申し上げるのが当然だと存じますので、それをただいま申し上げかねると申した次第でございます。
#19
○加藤(充)委員 それではその面からお聞きしても、これはのれんにうで押しということになるから、それは一應それで不満足でありますが、別の方からお聞きしたいと思います。
 そうすると私は勉強が足りないのかもしれませんけれども、臨時人事委員会の発表という昭和二十三年十一月九日付の冊子をいただいて、これを入手して勉強させてもらつたのですが、その末尾の方に、近く國会及び内閣に対して勧告を行うはずであるというような、きようの答弁と同じような趣旨のことがこの文書にも表われております。その文書の末尾を一旦とらえただけでありますが、文書中にもそういうことがほかに一、二点散見しております。そういうはずであるというような事柄を具体化した活動を、この昭和二十三年十一月九日付の委員会の発表以後において、具体的にとられたことをひとつお聞きしたいと思います。
#20
○淺井政府委員 ただいま御指摘の事実は、二十三年十一月と存じておりますが、その後人事院が國会及び内閣に対しましてやりました重大な仕事が、すなわち六千三百七円ベースの法案の勧告でございます。これは決してはずではございませんで、すでに明確にこれを勧告いたし、明確に國会で御制定を願つておりますので、どうぞそのように御了承を願います。
#21
○加藤(充)委員 十一月九日付の御承知の六千三百円ベースの御勧告があつたことは了承いたします。ただそれから言うと数箇月ここにたつておりますが、その後において六千三百円の給與の問題について、あるいは事事院が指令その他規則の問題で出しました事柄は、全部下級のいわゆる一般職員を拘束するようなこと、労働條件を過重させるようなことばかりについて出されたものと拜見かるように、私どもは記憶いたしておるのでありますが、積極的に給與改善というような面について、人事院が御行動されたことについて承りたいと思います。
#22
○淺井政府委員 その点について申し上げます。それ以後におきまして、人人院の行動は四十八時間制を初め、すべて下級公務員を圧迫することばかりであつて、何ら積極的にやつたことはないとの仰せでございますけれども、ただいま松澤委員の御質問に應じまして御説明申し上げました免職の規定の第四項における平等取扱いの原則と、組合活動によつて首を切られないというこの二つの原則を出しましたことは、共産党におかれましても、おそらく双手をあげて御賛成のことと存じますので、決して下級公務員を圧迫することばかりに努めていないと存じます。
 次に再計算の問題につきましても、人事院の記録において御承知のごとく、人事院はどうすば國家公務員を保護することができるかという立場においてこの審議を進めておりますことは、速記録において御承知のことと存じます。
#23
○加藤(充)委員 そうすると、給與その他のことについて、人事院のお集めになつておる最近の資料というものは、いつごろの資料でしようか。
#24
○淺井政府委員 いつごろと仰せられますけれども、それはそれ以後ずつといろいろな資料を集め、またいろいろなデーターを集めておる次第でございます。
#25
○加藤(充)委員 それではその面もまた別にほかのところから承ることにして、次の問題を伺いたいと思います。政府の職員は一般の労働者に比べて、特別な不利益も受けてはならないし、特別な利益もあつてはならないというようなことは、なるほどけつこうなんですが、民間從業者における從業員の給與の問題と、官公廳の人たちの給與との間には、特別に利益もなければ、特別に不利益もないと現在お考えでしようか。
#26
○淺井政府委員 それは数字的に申しますと、あるいは加藤さんの仰せでは、民間より低くはないかとの仰せでございますけれども、六千三百七円にいたしましたのは、この民間給與とつり合いのとれたものであるという趣旨によつてなされておるものと存じます。ただ数字的に一銭も違わないのだということは、もとより不可能なことであろうと存じます。
#27
○加藤(充)委員 それでは人事院としてはある過去の一定の時期において、つり合いがとれるというような努力並びに結論を得たでしようか。その後数箇月のずれがありますが、その間においてなおこうというような問題は維持されているという御見解ですか。
#28
○淺井政府委員 加藤さんの御論旨を進めて参りますと、結局これはスライデイングのシステムをとらなければ到達し得ないことと存じます。國家公務員法の二十八條におきまして、百分の五以上違つた場合は、勧告しなければならないということを規定いたしましたのは、加藤さんの仰せと同じ意味で一種のスライドの考え方がそこに入つておるのでございまして、その点はどうぞ御了承を願いたいと存じます。人事院といたしましては、決して怠つておるものではございません。給與法は一々國会の承認と國会で制定を願はなければなりませんし、またこれに伴う予算上の措置を必要といたすものでございまして、この点におきまして民間給與を簡單に一つ考えて、上げ下げをするというようなぐあいに参りかねるのでございますから、國家公務員の方があとから遅れて行くという御非難は、これはやむを得ない点かと存じます。
#29
○加藤(充)委員 そうすると六千三百円ベースがきまつた後に、給與の改訂その他について勧告をやつたことはないのですか。
#30
○淺井政府委員 それは國会で一番よく御存じの通り、まだございません。
#31
○加藤(充)委員 これは水かけ論になるかもしれませんが、十二條の人事院の権限活動の職責というような問題に関連して、六千三百円ベースの最低給與水準というものを維持するために、善良なる万全の監視者なり監視員としての職責を、人事院の規定通り、権限通り、職責通りにおやりになつておるという自信をお持ちでしようか。
#32
○淺井政府委員 もし國会がイギリスのごとくに年中開かれておりますものならば、加藤さんの御非難も甘んじて受けなければならないと存じまするが、御承知のように会期というものが國会にはございますから、その後初めて開かれた國会がこの國会であるということを御了承願いたいと思います。
#33
○加藤(充)委員 それだつたら、この國会にまつ先かけて行政整理や何かの問題と関連いたしますし、――この質問は関連いたしませんが――まつ先かけて人事院から内閣に勧告あるいは國会に勧告の問題がなされてもよかつたと私は思うのであります。人事院の見解といたしましては、國会が常置されていないために、ひんぴんに開かれないために、その機を逸した、從つて出してなかつたという御答弁の趣旨に承つたのでありまするが、そういう点から見て、まつ先に人事院は何らかの國会に対する勧告があつてしかるべきものではなかつたか、勧告がなかつたということについては、私どもが集めたり勉強しました資料から見れば、どうしても結論的に人事官は國家公務員法第十二條の権限、職責を十分に果し得ない。從つてこれは松澤君の質疑の中にも意味されていたことだと思うのでありますが、上からのわく、上からの指図通りで、どうも最初に問題になりましたような、人事官の看板を出した意味がなくて、一般職員、とりわけ下級の職員を上の方からの指令通り、でくの棒にさらて押えつけることばかり、そうしてやがては行政整理というようなことになつても、いわゆる予算のわくであるとか、あるいはまた上の方の方針であるとかいつて、やはりチープなサービスだとか、能率だとか、あるいた全般の厚生の問題とか、待遇の問題とかいうようなことがうたわれておりまして、看板には掲げられておりますが、結局はごむり、ごもつともの、上からの圧制で、下の方を押えて引まわすということに相なりはしないかという危惧感を多分に持つものであります。その点について率直に準備をしておつた、あらゆるデーターを集めておつたが、國会がひんぴんに開かれないために、それが具体的な形にかつて現われなかつたということでは、一般的な何か弁解みたになものですが、積極的に進んでひとつそういう点についてのあれを答弁してもらいたい。それでよかつた、万全だということになれば、私どもは機会をあらためて、万全だと考えている人事院の職責を、不十分なりと指摘する材料をどんどん提供いたします。
#34
○淺井政府委員 率直に申せという仰せでございますから、率直にお答えをいたしますが、加藤さんの御論議は少しく的をはずれているのではないかと考えております。なぜ國会へ勧告しなかつたかという仰せでございますが、それはすでに百分の五以上動いているという前堤をお持ちになつてのお話だろうと存じます。私どものただにま調査いたしておりますのは、それが百分の五以上動いているかどうかということでありまして、この点におきましては加藤さんの持つておられるデーターと、私どもの持つておりますデーターがあるいは相違をしておるかも存じませんから、これは結局論議の相違でございまして、やがて私どもが國会へそのような勧告をいたしました場合に、ひとつお取上げになつて十分御論議を願いたい。どうぞ加藤さんの満腔の御賛成を得たいと私どもは存する次第であります。その他にこの人事院が上からの圧制で動いているという御指摘でございますけれども、その上とはどの上をおさしになつておるのでありますか。人事院は國会で非常に御非難を受けたほど上がないのでございます。從つて私どもは十分に自分の責任を自覚して活動いたしておるものでありまして、共産党の方からごらんになりますと、はなはだ御不満の点もあろうかと存じますが、どうぞあしからず御了承願いたいと存じます。
#35
○加藤(充)委員 この給與の問題に関連するのですが、職場によりましては予算の管理者というような者が、ずいぶんかつてなふるまいをして、そうして超過勤務手当その他の問題に便乗し、結局自分の方の給與の穴埋めにして、末端に非常な重圧を加えて犯罪的なことすらやつている、というようなことがひんぴんと現われておりまするが、そういうふうな問題について、いわゆる四十八時間の勤務制度の問題もさることながら、結局政府職員のこの勤勉性というようなもので、下級の労働者を押えつけて行くというようなことになつている点があるのであります。たとえてみれば、ここに一例を申しますならば、全逓労働組合の東京地区本部を代表した大塚欣藏さんが、東京の中央電話局長を相手取つてやつて超過勤務手当の不正横領問題、これは調べますと三百六十九万五千九百五十円を不当横領した。それからまた女子從業員にかかわる衛生綿の配給をごまかして、そのさやを利得している。そけからまた月経帶の無償配給というようなことにして、その單價をごまかして総計二十五万三千二百二十七円ほどをどつかにやつてしまつた。その他いろいろな問題がありまするが、そういうふうな問題をやつておるということで、年末調整金なんかの問題についても、高級官僚、予算の管理者なんかは、出張手当、その他いろいろな名目で、表面には給料袋には、同じような平等な数字になつて表われているけれども、実質の手取りがうんと違うというようなことになつておつて、六千三百七円ベースをゆがめて、上の方が握つてしまつて、下の方はそれだけ過重な労働強化をされているというようなことになつておるという事実は、たくさんの官廳にある。ここに取上げたのは一例だけですが、そういう点については十分なるデーターその他をお集めになつておりますか。
#36
○淺井政府委員 まことに残念でございますけれども、ただいま仰せになりましたような事実が、若干あるということを承認しなければならぬと思つております。それは結局御指摘までもなく、人事院の方へもそのような訴えが入つておるのでございます。ただいまお示しの点は私まだ存じません。その他にもかような事実がございまして、このようなものに至りましては、たといそれが匿名で参つたものでございまとようとも、私の方の調査部におきましてこれは十分調査いたしております。その結果その事実があるものにつきましては、官衛側に対して適当な措置をとつたこともあるのでございまするが、またそれが事実無根であるような場合もあつたように思います。結局私は加藤さんの御指摘になりましたような事実が若干あるということを承認いたしますし、それに対しまして私どもが、決して職責を怠つてないということも御了承願いたいと存じます。
#37
○加藤(充)委員 人事院の指令の第一号に基いて、いろいろな勤務條件をお調べになつておりますが、勤務状態の成績が上つたというような御答弁を先日承つたのであります。表向きの数字、統計の上で表わされて報告されておりますが、その半面には、四十八時間や、この俸給の再計算、号俸切下げの問題なんかで、至るところに、はなはだしきは一家心中、あるいは自殺、あるいは疲労のあまり障害を受けたというような事実があり、あるいはさらに進んでは、私のところへは、これは一つ一つ読み上げませんけれども、数字が上昇している半面において、勤労しながら学んでおるいわゆる昔の夜間の学生、こういつた人たちの通学條件が非常に惡くなつた。あるいはまたいろいろな意味合いで、健康障害者がたくさん出ているというような事柄については、表立つた数字の集計、データーの集め方の裏づけに、こういう事実の材料をお集めになつておることがあるかどうか。そういうことを承りたい。
#38
○淺井政府委員 ごもつともと存じます。その点につきましても私どもとして調査を怠つておりません。たとえばこの四十八時間実施後の健康状態が大体どういうふうになつておるかという点でございます。ただいま四十八時間制のために、一家心中が起きたとかなんとか例をお引きになりましたが、これは刑法上の因果関係でもございますように、平常な原因結果によつて御推理くださいませぬと、結局風が吹くと樋屋が喜ぶというようなところに参りますので、どうぞこの点は加藤さんにおかれましても、十分御了承願いたいと存じます。決して加藤さんの仰せになりましたようなことがないと申すわけではございません。從いまして先日も申し上げましたように、四十八時間制は緊急の措置である、こういうことを申し上げました。ゆえに私は日本の経済状態が改善いたされまして、もつとほかの勤務時間が採用されるような日の來ることを一日も早く希望する次第でございます。
#39
○加藤(充)委員 その勤務條件が過酷になることについては、いわゆる緊急の措置をおやりになることが非常に得意らしいのですが、その他の給與一般のスライドというところまで行かなくても、いわゆる再計算に伴い、あるいは物價の高騰に伴い、圧迫されて來た給與一般の問題について、緊急措置をなぜおやりになれないのですか。そういう点で緊急措置がやれるかやれないかは別問題といたしましても、私はやれると思うのですから、そういう点もさつきの点に関連して、どうも人事院の職責を全うしてないというわれわれの非難が、あながち我田引水の、かつてな結論でないということを、人事院はこの際聞き届けていただきたいと思う。この問題についてはいずれいろいろな審議が、当人事委員会においてもなされましようから、十分に問題にしていただきたいと思います。
 最後に地域給の問題ですが、この当時きめられた地域給の区別あるいはああいうような区分の標準というものは、その後における諸條件の変化があるが、昔とられた地域給の区分の標準を崩してはならないというふうに考えておられるかどうか、こういう点について承りたい。それから地域給の中には寒冷地の勤務手当が出ておりますが、これも結局地域給の手当の中に食いこまれて、寒冷地手当というものを受けた実質をもたないというような不平が、方々から巻き起つて参つております。人事院においてもすでに御承知のことだと思いますが、この寒冷地手当の問題を、地域給の問題と関連して御見解を承りたいと思うのであります。
#40
○淺井政府委員 この点につきましてはくわしく申し上げる必要がありますので、それは重ねての重質疑に譲りたい。ただいま簡單にお答えいたしますから、あしからず御了承願いたいと思います。地域給は全然やり直ししたいと思つております。すなわち全國を役七十幾箇所の地域にふやしまして、そこで精密にこの五月に全國的に調査いたしたい。その結果によつて、全部ほんとうに合理的な地域給を出したいと思つておりますので、從來の区別を固守する、こういうふうな考えは持つておりません。寒冷地手当はぜひ確保したいと存じております。これはそもそも人事院の勧告の中にも、すでに頭を出しておるものでございますから、これはぜひ実現したいと思つておりますが、ちよつと今申し上げられない事情もありまして、相当の努力を要すると思つております。
#41
○加藤(充)委員 やり直したいという考えを持つたんですからデーターが集まつていると思うのですが、私どもはそういうふうな一般的な、いつの答弁の中にも承れるような答弁を、ここで聞きたいのではなくして、そのやり直したいという材料が集まり、結論が出て來たことを、いつ行動に表わすつもりか、そういうふうなことをいつ権限、職責として全うされるかということを承りたいのでありまして、これは最初の質疑と重疊して参りますが、私どもが最初から最後まで聞きたかつた点は具体的行動であります。そうしてそういうふうな間にやり直したい考えがある、準備中である、そのやり直したいという結論が出たことについても、それを現実にやり直すまでには時間が相当たつて來る。その間にさきも申しますように從業員、労働者は一枚々々脱ぎ捨て、最後には脱ぎ捨てるものがなくて、命を捨てたり、子供を賣つたり、子供の教育を犠牲にしておるということがある。こういうことでやはりやり直したいという結論が出て來るまでには、ずいぶん時間がかかると思います。しかしやり直したいという結論が出てからさらに行動に出て來るまでに、非常に期間がずれて來るということになりますれば、たいへんなことであります。しかもそういうふうな、愼重をあまり期するために、行動性を欠いたために出て來た時間のずれから、勤労者が、労働者が、職員が受けた現実の犠牲というものについては、予算その他の点について積極的に、その後の事態が他官廰の権限に属することであつても、ひとつそういうものに刺激を與え、その他官廰の活動を合理的に、科学的に、妥当的にならしめるために、人事院は独自の看板をかけただけの行動が要望されてやまないということを言つておるのでありまして、最後にお聞きしたいのは、そういうふうな間にずれて來た犠牲をこうむつた労働者に対する現実の犠牲の損失補填というようなことについて、人事院が何かお考えになつておることがあれば承りたい。
#42
○淺井政府委員 ただ考えておるだけではございませんで、五月に調査をいたしましてその結論は八月に出るのでございます。これは非常に長いようでございますけれども、全國的にやり直しますためには、どうしてもこれだけの時間をとります。さてその出ました結論によりまして、いつからこれを実施するかということが、加藤さんの言われる犠牲を償うか償わないかという問題であろうと思つております。すなわちさらに進んで申しますれば、これを遡及して適用できれば、その犠牲はなくなるじやないか、こういう御趣旨でございましようが、この点はまだここで申し上げる段階に達しておりませんが、御趣旨はよく了承いたしました。
#43
○加藤(充)委員 いつでも予算のわくの問題が問題になつて來ると思うのでありますが、人事院は予算のわきをきめることはできないにしても、その予算が妥当に決定されて來るような材料を、政府、官廰の一部として、積極的に人事院の本來の権限、職責の中に全うされるような積極的な活動を私は望みたい。その点からどうも人事院のやり方は、先ほどの比喩は妥当でありませんが、上の方からのわくで引きまわされて、結局正当にきめられた給與、その他、待遇一般問題でも、それは予算のわくにはずれるから、それをやみ給與であると称したり、やみ賃金であると称したり、そうして結局それを再計算してしまつて、このわくの中に押し詰める、そうしてわくからはずれたものは、正当な生きるための最低賃金の保障であり、あるいは憲法で保障され、労働基準法で保障され、かつかつの、十分で制ないところの、生きるための最低の水準の給與でも、それを涙もなく、当然の法律的な人事院の権限、緊急措置、應急措置というような形で合理化して、これを押しつけて來ることが今まであまりに多かつた。そうじやないという御見解、御弁解でありまするが、われわれは客観的にやつて來た事柄を、系列的に系統的に勉強いたしまして、把握いたしまするときにおいては、どうもそれ以外の結論は出て來なかつた。たとえば人事院が看板を揚げている以上は、私どもも、その人事院が看板通りに、しかも公務員法が人事院の栄誉ある職責、権限を規定しているところを、ひとつ人民の公僕として、いわゆる文字通り完全に行かなくても、ひとつ淺井人事院総裁の人格に相まつて、少し氣魄を持たせて、氣力をもつて、馬力をかけてやつていただきたいと思うのであります。それくらいのことにいたしまして、私はまだ聞きたいことがありまするが、きようはほかの人の発言もございまするから、私はこれで打切つておきたいと思います。
#44
○藤枝委員長代理 平川篤雄君。
#45
○平川委員 政府委員の方でお急ぎでありますので、便宜上全部一まとめに質問をいたします。文部省、人事院、給與実施本部その他で御関係のところをお選びの上、御答弁をお願いしたいと思います。問題は教育公務員の特別俸給表の問題と、行政整理についてお尋ねをいたしたいと思います。六千三百七円の給與法によりますと、人事院は、教育公務員の特別俸給表について、すみやかに勧告する義務があるように定められておるのでありますが、今もつてそれが出ていないのであります。教育公務員特例法によりまして、大多数の教職員は、地方公務員たるの身分になりましたので、それらの俸給について、どういうふうになるのか、みんな一般は不安に思つておるのであります。これについて人事院が勧告する義務があるのかどうか、またそうでないとすれば、一体どこにさような権限があるのであるか、なお教育公務員の俸給表をつくる基礎になります職階の問題について、まだはつきりしていないのならば、その経過について御答弁をお願いしたいと思います。なおこれは非常にむずかしいことになるかと思いますが、地方公務員法が現在いろいろ檢討中であろうと思うのでありますけれども、もしお知らせ願えるならば、これの給與を定める権限というようなものについて、どういう方法にきまりつつあるか、情報を示していただいたら、たいへんありがたいと思うのであります。なお地方の教育委員会が俸給を定める権限を持たせられるような見込みがあるかどうか、またその全部に関連いたしまして、この特別の俸給につきまして、從來の檢事、判事と同じような單行法を出す意思があるかどうか、あるとすれば、どちらからそれが出て來るかという問題であります。
 次に教育公務員の行政整理についてでありますが、先だつて教育公務員におきましても、一割の行政整理を実施するとことになろうということが、各新聞に大きく傳えられたのでありますが、一体それは具体化しつつあるのであるかどうか、それをはつきりさせていただきたいと思います。なおこの行政整理が行われないにいたしましても、定員、定額を定められることによつて、事実上の行政整理が行われるということが出て來るわけでありますが、その点について、一体どういうふうな見解を文部当局、あるいは大藏省の方ではお考えになつておるか。なお、その定員、定額を定められましても、それ以上のものを地方自治体において増員、増額することまではばむものであるかどうか。この点はつきりさせていただきたいと思います。
 それから、同じくこれは行政整理とやや関連を持つのでありますが、先日関係方面の一課長から、共産党員が教員として不適格があるというような声明があつたように新聞に出ておつたのであります。これは一体文部省の方で取上げておいでになつて、將來何らかの措置が講ぜられるのであるか。あるいはただいま研究をしておいでになるとすれば、その御意見をはつきりと承りたいのであります。
 それから師範の卒業生に対して、從來就職の義務があつたのでありますが、これが今回解除せられた。これは当局においてあまり好ましくないと判断したものを、本人の意思に從つて就職せしめる義務までを、あるいは当局が放棄することになるのではないかということを心配しておるのであります。この点についてどういうことになつておるか。以上の諸点について各関係の方面からお聞きしたいと思います。
#46
○淺井政府委員 私のお答えいたすことは、最初の問題だけでございまするから、先に申し上げたいと思います。
 さいぜん加藤さんからも御指摘がございましたように、今もつていろいろのことが遅れておるというようなことでございまするが、ただいま御指摘の点は、まことにその一つでございまして、この給與法の十五條三項というのは、國会の御意思でできたところの修正でございまして、人事院が教育公務員のことについて勧告をしなければならないという、その勧告が今日までここに出ていませんことは、まことにおわびをしなければならぬと思つております。その理由はちよつとあとにまわしますが、私の考えを率直に申しますれば、教育公務員に一般俸給表を適用するのはむりだと存じております。そのために、たとえば小学校の助教諭は三級である。その三級とは何ぞや。官聽の内部において物品を運搬したり、内外を掃き掃除をする者であると、こういう定義がございまして、まことにこのうよなことは、教育の重い責任を持つておりまする教員にふさわしからぬことと存じておりまするので、これはどうしても俸給表を別にしたい。ここに文部当局がおられますが、なぜ今日までにそれをおやりになつていなかつたかとさえ、人事院としては思つておる次第でございまして、十分この点について考えておる次第でございます。また職階制――あの十何級にわたる職階制を教員に適用いたしますることは、最も不適当と存じております。ただここで重大な問題を起しておりまするのは、この教育公務員の大部分を占めておりまする者が、地方公務員になつてしまつたという実情でございます。そうして同時に、その俸給問題につきまして、やれ、やみ昇給であるとか、あるいはその再計算であるとかというような、混乱状態に陥つておるという状況でございまして、從つて人事院がまずこの問題を何とかいたしませんければ、さて教員の俸給をどうするかということについて、非常な支障を來しておる。そのためにこのことが遅れておるわけでございまして、まことにこの点は遺憾に存じておりまするが、できるだけすみやかに、この前の國会で私が言明いたしましたように、國会の御意思に沿いたいと思つております。
#47
○柏原政府委員 教育公務員の行政整理の問題についてお答えいたします。教育の定数は、まだ予算はきまつておりませんが、二十四年度の予算の大体の見当では、昨年度より少しきゆうくつになつております。これは予算は確立しておりませんが、小学校においても、中等学校においても、前より多少きゆうくつになつております。この結果教員が不足して困ると思いますが、現在数を整理して減らすというようなことはないと考えております。定額、定員の内容につきましては、まだ本格的に予算がきまつて提出されたわけではありませんが、今までの文部省の見通しでは、現在勤めておる先生をやめてもらうというような結果にはならぬと、安心しております。定員、定額上、事実上先生は非常に不十分な状態でありますが、これによつて先生方に、從來よりももつとよけい働いていただかなければならぬという結果になると思うのであります。これは学校の教職員だけでなしに、一般労働をなさる方も、從來よりもよけい働いていただかなければならぬことになると思うのでありますが、これは一般の官公吏も同様な影響を受けることだろうと思うのであります。
 次に、自治体におきましての増員は、定員、定額で押えて行くと、自治体では増員ができぬだろう、事実はそういう影響を持つと思いますが、定員、定額必ずしもそれを阻止するというものではありません。地方でしつかり雇つて、たくさん月給を上げたければ、これはじやまするものではありませんが、しかしながら地方財政の現状から考えますると、増員、増額は非常に困難だろう、こういうふうに考えるのであります。
 それから、共産党の方々が、教職者としてその地位にあることが不適格であるということについて、ある方面から発表なさつたということでありますが、このことにつきましては、文部省といたしましては全然関知しておりません。どんな宗教を持つた人でも、先生になれる。クリスチヤンだから教育者になるべからずと言えないのと同じように、どの党派の人でも、教育者としては不適格というようなことは、そう簡單に言えぬだらうと思うのであります。從つてこのことにつきましては、文部省といたしましても、あまり突つ込んで研究はようしておりません。その発表につきましても、また関知しておりません。
 次に、師範学校の卒業生が、労働基準法の関係で、卒業後一年だけは就職の義務があるが、一年後においては、就職は、やろうとやるまいと自由である。これは、雇う側においては、師範学校卒業生は必ず雇わなければならぬという義務はないようでございます。たとえて申しましたら師範学校を出た、おれは出たんだから、必ず雇え。けれども君は肺病でからだが惡い、あるいは素行が惡いという場合、師範学校を出た者は雇うべき義務があるじやないかといつて押しつけても、雇う側では雇わぬということもあると思います。必ず雇わなければならぬという義務はないだろうと考えるのであります。以上であります。
#48
○平川委員 大体了承いたしましたが、議論はやらないことにいたしまして、ちよつと二、三今のうちではつきりしないことをお伺いしたいと思います。昨年よりか定員、定額がきゆうくつになつておる。現在数を整理して、教職員を少なするようなことはない。しかし働くのは相当つらくなる。ちよつとよくわからないのでありますが、そこらの関係をひとつ……。
#49
○柏原政府委員 生徒が毎年ふえます。小学校の方で三十何万、中等学校で五十万くらいふえますので、その増を見積つて予算をとつてありますので、現在の先生の数で、少し時間をよけい持つてもらえば、別に整理しなくても間に合つて行くだろう、こういうふうに考えております。
#50
○平川委員 結局自然増というものを認められないということになるのですか。
#51
○柏原政府委員 本年度は少し予算がきゆうくつになつておりますので、自然増によつて新しい先生を入れるということが、ちよつとできなくなつて來るのです。
#52
○平川委員 そういうことになると、よく言われている六・二制ということに関連を持つて來ると思いますが、その点はどうなのですか。
#53
○柏原政府委員 この予算と六・二制とは関係ないと思います。
#54
○平川委員 文部省では別段六・二制にするなどという意見はないのですか。
#55
○柏原政府委員 まだ考えておりません。
#56
○平川委員 人事院総裁の方にちよつとお伺いしたい。國家公務員たる教育公務員の俸給について、基準を定めて特別俸給を出されることはすぐできると思うのですが、そうなりましたときに、地方公務員であるところの教育公務員の俸給まで、そので縛るということになるわけでありますか。地方公務員法ができましても……。
#57
○淺井政府委員 その点につきまして率直に申し上げたいことがありのでございます。一体給與の再計算等におきまして、私は給與実施本部なり、あるいは内閣の、地方公共團体に対してとつております態度につきまして、若干疑問の点を持つております。つまり憲法が保障いたしました地方自治の本旨ということを越えまして、國家公務員と同じようなことを地方公務員に非常にやかましく言つていやしないかという点があるのでございまして、もし私がきわめて露骨な言葉を使つてもよろしゆうございますけば、これは國家権力の濫用ではなかろうかとさえ思つておる点がございます。これは給與実施本部長あたりから、地方公共團体の長に対しまして、官吏の俸給と同じように地方の吏員もやるのだという趣旨で、いろいろな通牒、勧告、いろいろなものをやつておるのでございますが、これは私どもどうかと考えております。これは少し言葉が率直に過ぎましたから、どうぞお聞き流しを願いたいと存ずるのでありますが、その見地から見ますれば、私は地方教育公務員の俸給を國家公務員の俸給と同じにしなければならないものだ、このようには考えておりません。但し國家公務員法でも、人事院が三年間は地方公務員の人事行政に対しておせわができる、技術的助言ができるという規定がございますので、この点について助言だけはいたしたい。反対に申しますれば、今度は私どもは、地方公務員となられた教員諸君の御利益になるような点につきまして、なるべくいい助言を人事除としていたしたい、このように考えております。
#58
○平川委員 教育公務員の特別俸給表、ないしはそれに類似したものにつきまして、早急にこれを解決するように要望をいたします。なお教育公務員の行政整理については、ただいま整理を行わないという御意見は了承いたしたのでありますが、予算に縛られて定員、定額も、きゆうくつになり、どうもまだはつきり数学的に示されませんので、了解しがたいところがあるのでありますが、お示しのように地方自治体はこれによつて非常に困つて來るわれであります。ひいてはそれが教職員の一人々々の身分にも関係をして参ります。文部省の側では、ただいま申せれたことを強力に、できるだけ多くの定員定額を獲得するように御努力相なりたいという希望だけを申し上げまして、質問を打切ります。
#59
○成田委員 松澤委員と加藤委員の質問に関係いたしまして、簡單に二、三淺井人事院総裁にお尋ねしてみたいと思います。
 最初は人事院規則の問題でありますが、先ほど國家公務員法第七十八條四号の規定は非常に魅力があり過ぎる、むしろ警告の意味でこの規定を出したという御説明でございましたが、この四号は、本文は何と申しましても、官制もしくは定員の改廃、または予算の減少によつて廃職または過員を生じた場合の規定なのでございます。今申された平等取扱いの原則によつて、九十八條の第三項というものは但書になつておるわけです。法律の建前から行きましたら、何といつても、本文が生きるのではないか。但書はあくまで例外規定ではないか。從つて淺井さんのお考えになつているような、一つの忠告規定と申しますか、そういうような働きはしないのではないか。本文が強く生かされるのではないかという心配があるのでありますが、その点について、どうお考えになりますか。
#60
○淺井政府委員 但書になつておることは御承知の通りでございますけれども、それは單に立法の言葉の技術の問題でありまして、その点は私はここで決して御心配はないのであるということを申したいと存じますが、この人事院規則を施行いたします責任は、人事院にあるわけでございまして、御承知のように、人事院に対しましては、國会においても相当大きな権限をお與えくだすつておるわけでございますから、その点は運用上においての、ただいまおただしになりましたような御懸念はないように努力いたしたいと思つております。
#61
○成田委員 きのうのある新聞を見ますと、この人事院規則が出たのは、三月三十一日に廃止された公團の職員に、懲戒処分の法的な根拠を與えるために出されたのではないかというような報道があつたのでありますが、そういたしますと、やはり行政整理の法的な裏づけになるのではないかという感じがいたすのであります。その点に関する御見解を伺います。
#62
○淺井政府委員 お示しのように、解散されました公團の職員にこの規定は適用されるのでございますが、ただ私どもはこの問題を行政整理とは考えておりません。これは初めから予定されました当然のことでございまして、これから引きまして、行政整理一般にもこの規定が動いて行く。言葉をかえて申しますれば、この人事院規則で行政整理をやらせるというような考えに対しましては、あくまでも反対でございます。
#63
○成田委員 そういたしますと、政府の考えている二割あるいは三割の行政整理が行われるといたしましたならば、この人事院規則によつてやるのでなくして、行政整理法というものによつてやられるのだ、そう解釈してよろしゆうございますか。
#64
○淺井政府委員 私はその点を強く内閣に要望いたしておる次第でございます。それは文書をもつてではございませんけれども、その意向を強く内閣に要望いたしております。
#65
○成田委員 今淺井さんが極力内閣へ要望されたというのは、昨日の新聞紙の報道によりますと、郡官房次長に御面会になりまして、この人事院規則は、政府の考えている行政整理に適用してはいけないという申入をされたという意味でございますか。
#66
○淺井政府委員 それはまつたく違うのでございまして、ちよつと新聞記事におたよりになり過ぎておるのではないかと思います。それはずつと前からの問題でございます。
#67
○成田委員 郡官房次長とお会いになつて、その申入れをされたことは事実でございますか。
#68
○淺井政府委員 それは郡氏が夏時刻法の報告に参つたのでありまして、そのあとで若干の雜談をいたしました。そのときに私の方から、これは行政整理を目ざしてやつた人事院規則ではないから、さように承知しておいてもらいたい、こういうふうに申しました。
#69
○成田委員 了承いたしました。先ほど松澤さんが御質問になりましたときに、大野木あるいは郡というような属官を相手にしてやらないというお話だつたのですが、このお話につきましても、内閣総理大臣あるいは相当國務大臣に、十分強く御折衝願いたいと思います。
 その次に四十八時間制実施の問題と給與の再計算ということについて、二三お尋ねしたいと思います。この前の委員会でも、私たち立場を表明いたしたのでありますが、基本的にはこれに絶対反対であります。しかし問題はすでに四十八時間制が実施されており、あるいは給與の再計算が行われておるわけでありますから、その範囲内において、いかにして國家公務員の利益を擁護するかということが問題になると思うのでありますが、淺井人事院総裁も、四十八時間の問題というものは臨時措置で、あの六千三百七円ベースをきめたときには予想していなかつたという御答弁があつたと思います。そういたしますと、六千三百七円ベースを設定したときの労働時間である三一六・五が、今度は四十八時間になりましたが、これに対しましては、同一労働時間、同一賃金という原則から行きまして、当然これだけの労働時間延長に伴う賃金は増額されなければいかぬ。そうしないと六千三百七円ベースが、実質においては約五千円くらいになつてしまつて、給與の切下げになつておるわけでありますから、淺井さんも何かこれは改正をしたい、善処したいという御意見を表明されておつたと思いますが、四十八時間に見合うだけのベースの増加を、今具体的にお考えになつているかどうかお伺いたしたい。
#70
○淺井政府委員 その点は非常にいろいろな点に関係がありまして、ここではつきりどのようにするということは、まだ申しかねまするが、ベースの内部における不均衡が生じておることは、お示しの通りでありまするから、これに対して努力をいたしたいと思つております。
#71
○成田委員 今の不均衡というのは、職域間の不均衡でございますか、それとも基準の労働時間が三十六・五であつたのが四十八時間になつたから、それだけの労働時間に対して、給與を増額しなければならぬという意味の不均衡でありますか。
#72
○淺井政府委員 それはあとでお述べになりました方の意味であります。つまり時間の増加による給與の不均衡、こういう意味でございます。
#73
○成田委員 それから今加藤さんの御質問があつたのでありますが、寒冷地手当の問題であります。確保しなければいかぬという御答弁があつたと思うのでありますが、これは從來一時的な処置として行われておつたのです。確保の言葉の意味でございますが、制度化するとか、法制化するというような意味で言われたかどうか、お尋ねしたい。
#74
○淺井政府委員 ただいまの御質疑に対しましては、この寒冷地手当は法制化するという努力をいたしたい、そういたしませんければまた意味がないことだと思つております。
#75
○土橋委員 先ほど松澤委員も、加藤委員も、いろいろ御質問申し上げたのですが、淺井さんは、行政整理のような問題については、これは多量的なものだから、人事院としては、そういう問題については関與しないというようなお話があつたわけであります。しかし第三條の規定の第一号をごらんになりますと、人員の減少というようなことについても、人事院はいろいろな調査を行つて、そうして行政なり國会に対して勧告すべき義務があると、第十二條の規定で明確に書いてあるわけです。そうして國家公務員の利益を守るために、人事院では六千三百七円ベースが至当であるということを御決定願つて、そうして政府なり國会へ勧告されたわけであります。そうすればやはり多量に首を切られるという問題についても、人事院が人事政行に対して、人の面とか、仕事の量の面とか、人の関係については、一番よく承知されているわけでありますから、行政整理についても、人事院としてはどういう態度で、どういうものを表明しなければならぬか、それが公務員諸君の利益を守ると同時に、能率運営については、最も正しいものであるという確信なり、見解があるはずであります。そうすれば人事院会議を開いて、そうしてその決議に基いて政府に勧告するなり、ただいま國会が開会中であるから、人事院としては、人事行政の面を担当する責任官廳として、当然そういう意見の発表なり、――政府がかりに五割切ろうとか、二割切ろうとかいうことを、財政の問題とか政治的の問題から言われましても、人事院としては、これについてはこういう見解をもつているということが表明されなければ、人事官として、第五條に規定してあるような、人格高潔云々の條項には当てはまらないわけです。この点を明確に御答弁願いたい。
#76
○淺井政府委員 ちよつと言葉を返して申訳ないのですけれども、この國家公務員法を制定いたしましたときに、土橋さん、御関係になつておりませんでしたが、人員減少とここにございますのは、その当時も明らかになつておりますように、行政整理は含んでおりません。これはある一つの部局その他について、職階制を施行いたしております上において、余つた人間が出て來たとか、そういう場合をさしておりますので、この國家公務員法は、行政整理というような何十万という人間をやめさせるというようなことを予想してできた法律ではございません。そのはつきりした一つの論証は、さいぜんも申し上げましたように、何十万の訴願の道が開かれている。この規定から見ましても、そのようなことを予想していなかつたのだということはどうぞ御了承をお願いしたいと思うのでございます。そうしてただいまお話のように、人事院が行政整理に対してどのような立場をとるかということは、土橋さんは、はなはだもどかしくお感じのようでございますが、私どもといたしましては、私どもの判断に基きまして、適当の措置をとるつもりであり、またとりつつあると存じますが、どういうことを今やつているかということを言えと仰せられましても、それは申上げかねる筋もございますから、どうぞあしからず御了承願いたいと存じます。
#77
○土橋委員 それならば私お聞きしたいが、法律をつくつたときの精神は、そういう行政整理には関係しておりない、そういう條項の意味は、はいつていない、こういう御答弁なんですが、事実そういうものが起つて來た場合に、後者のあなたの御説明によつても、何かの措置を発表するなり、何かの方法について今考えておるということであるならば、当然國会に対してもあなた方の今お考えになつておるその考え方について意見を表明してもらつて、その氣持なり、そういう状態についていろいろお話くださることが、われわれ人事委員会に対する最も正しい行き方ではないかと思うわけであります。それを御発表になれば、人事委員の皆さんの方でも、政府が出されるものについても、人事院はこういう見解を発表されておる。こういう御意見のようである。從つて政府はどういうお考えでおられるかという意見の資料にもなると思うのであります。從つてあなたの方が、最もよく人事行政の関しては御了解になつておるのであるから、そこで発表せられる方が私は一番正しいと思うのであります。そういう意味も含んで、できることならばここで発表していただきたいというふうに考えておるのであります。これはそうむずかしてことでもありませんので後ほど意見を発表していただきますが、なお大きな問題で、私は一体この前の予算のときに、これは昨日も山下人事官にいろいろ御質問を申し上げたのでありますが、遺憾ながら天候の関係か、御本人の健康状態か存じませんが、山下人事官からは、適切な御説明がなかつたので、本日さらに私は最高の責任を持つておられる淺井総裁に、とくとお尋ねしたいと思つておるわけであります。あなたの方で六千三百七円ベースを発表せられたときに、当時國会においては政府及び與党の方では、五千三百円というような案も出ておつたことを聞いております。そういたしますとあなたの方では六千三百円ベースは正しい。一般の状態から当然支給すべきであるという見解を表明せられて、政府その他に勧告せられたと思うのでありますが、実際に國会では追加予算として一月、二月、三月までの人件費としては、二百六十五億を見積つておる。こういうことについては新聞、ラジオを通じて皆さん御了解になつておつたと思います。ところが國会議員の方ではそれは不都合だ、十二月から支給してやれという意見がいろいろ出まして、そういう審議をすれば、人事院としては二百六十五億の予算の範囲内で、もしこれが十二月から実施するということになれば、当然六千三百七円ベースの支給は困難であるということが了解せられておつたかどうか。もし知らずして結果、たとえば給與実施本部等がやつた内容について、当然年末調整金が徴收されるとか、あるいは七千三百九十一円ベースから六千三百七円ベースに切りかわる各職階制の格づけ、あるいはあてはまり関係等について、不都合なものがあるということを承知しておられたならば、公開審理として三月四日にあなたの方でお聞きになつた――おそらくこれは第十七條の規定でお聞きになつたと思う――その中身は、さらに九十二條あたりの適用も併用されて、あの公開審理が行われたと思うのであります。これはただ六千三百七円が正当に支給されておるかどうかということを、勤労階級なり國民に見せる一つの手段であつて、常識あるものであるならば、当然十二月から支給すれば、六千三百七円ベースは二百六十五億の予算ではとうていできないことはわかつておつたはずである。当時人事官会議を開いて政府なり國会へ勧告して、もう一箇月分の暫定的な予算を加えなければ、六千三百七円ベースは完全に支給されないではないかというような勧告なり、声明をなすべきであつたのにかかわらず、なぜなさらなかつたか。きのうの山下人事官のお話によれば、そういうことは知らなかつた。年末調整金をとられることは、とられて初めてわかつたというような、こういうもう答えにならないような答えをしておられたわけであります。当時の状況から見て、あなたの方はそういう國民大衆に六千三百七円ベースを支給したぞというような立場において、実際に給與実施本部が予算がないのに、十二月から支給すれば年末調整金も引かれれば、当然こういう結果が招來されることを知つておつて、何ら手を打たなかつたということがきのうの御説明であつたのであります。それに対してどういう手を打たれたか、ただ三月の四日、五日に公開審理を開いて政府の担当官を呼んで調べて見ても、全官公の諸君にとつては、何にも賃金のふえることにならないということを、私は遺憾とするのであります。
 私最後にお聞きしたいのは、私の方の加藤委員からいろいろ御質問したら、まだ調査中である。一月の下半期、二月の上半期の給料がそういう状態であるのに、もうきようは四月二日であります。まだ調査が終らないから、政府に何も勧告はできない。人事院の方ではおやりになつておるか。こういう点はきわめて不明確でありますので、率直に、当時の状態から公開審理を行つた過程について、お伺いいたしたいと思います。
#78
○淺井政府委員 さいぜんから土橋さんの御質問を承つておりますと、私は実にふしぎな氣がいたすのでありまするが、土橋さんは一体國家公務員法の第何條によつて、人事院が予算に対する勧告ができるとお思いになるのでございますか。もしもそのような條文がありましたならば、御指摘を願いたいと思つております。人事院は給與予算に対して何らの権限も持つておりません。予算に関することは内閣及び國会がおきめになることでございまして、もしもあのとき人事院が予算に関する勧告などいたしましたならば、國会においてはそれを越権としてお叱りになるか、こつけいとして嘲笑されるか、いずれかであろうと存じております。一箇月分の予算をなぜ請求しなかつたかと仰せでございますが、一箇月はおろか、二百六十五億の予算全体について人事院は何も申しておりません。人事院のなし得る勧告の権限は、ただ六千三百七円ベースにせよということでございまして、これに対する予算の措置は、当然國会及び内閣の御責任だと私は確信をいたしておりますし、そのようになつておる次第でございます。その点については土橋さんは誤解があるように思う。もしも國家公務員法のどの條文によつて予算の勧告が人事院にできると仰せでございましたならば、ここで條文をおあげを願いたいと思います。
#79
○土橋委員 淺井さんは私の質問があなたの方のきわどいところに來るものだから、そういうふうに初めからへんに曲げて御答弁になつておるのですが、私はあなたの所に六千三百七円ベースのときに交渉に参つて、七千三百円を支給するのが妥当ではないかということを申し上げたときに、いや、事はすべての関係、ことに民間のものも研究し、また政府筋の財政の面もいろいろ承知した上で、われわれは最も皆さんに妥当であるというものに――ここでは言えませんけれども、しなければならぬ、こういう意見をあなたは発表になつておるわけであります。私は予算をなぜ請求しないかということは一口も言つていない。速記緑をごらんになればわかります。なぜあなたが勧告しないか、六千三百七円が國家の予算と関係なしに、あなたの方で基準をきめられておる。常に國家の財源のあらゆるものを見通し、インフレも見通し、あなたの方で六千三百七円が至当であるということを御決定になつて発表されておるはずである。そうすれば六千三百七円を支給すべしということを勧告した際に、政府の現状を見た場合に、國会においては二百六十五億した予算を組んでいない。それは一月、二月、三月の給與である、こういう計画を発表して國会でいろいろ討議せられておる節に、これが十二月から支給するということになつて來ると、どうしても常識上から考えて、人事院は六千三百七円ベースが支給できないではないかという疑問が起らなければならぬと思うのであります。そうするならばそれに対して人事信としては、六千三百七円ベースを支給せよと言つても、実際に六千三百七円ベースは支給されないことを承知しておつたではなかろうかというのです。それならば何とかの方法を講じて、予算をふやせとか、何とか言えないならば、当然六六三百七円ベースは、実際はわれわれの見るところでは、今の政府の動き、國会の動きでは、当然支給させないということを承知していたのではないか。それならば当然もつとベースを上げるような基準をつくらないか。また國会に対し、政府に対して勧告を行わなかつたかということを聞いておるわけであります。これはどなたがお聞きになつても、一月、二月、三月の三箇月分で二百六十五億であるならば、これに十二月一箇月加われば、当然六千三百七円が支給されないことを知つておつたはずであります。それなのに國民に対しては人事院は六千三百七円を支給することが妥当であるということを勧告した。事実できない相談をあなたの方で御予定になつておつたかどうか。御予定になつておつたならば、勧告なり、申入なり、何かの方法をとらなければならなかつたのではないかということを申し上げておる。何も予算を追加せよというような意見でなく、もつと適切な方法があるのではないか、こういうことをお聞きしておるのであります。この二点より総括的に見たならば、非常にそういう疑問がある。給料袋が七銭とか、十銭とかいう結果を招來することは、素人が考えても、総裁がお考えにならなくても、たれでもわかることである。そういうことをあらためてあなたがお調べになつておるわけです。四日間もかかつてこういうものを四册も出しておる。何をしているかと言えば何もしていない。調査未了である。國会が四月二十日に終るというのに、何らの指示も、勧告も政府に対してできないというのは、どういうわけであるか。こういうことを私はお聞きしているのであります。私は何も予算を組むということを、あなたに申し上げていない。ただ常識上考えて、何かの声明なり、態度を決定すべきでなかつたか。それをなぜやらなかつたかということを申し上げておるのです。
#80
○淺井政府委員 その意味ならば、ただいまもうすでにお答えを申し上げておるのであります。私は土橋さんが、なぜ一箇月分の予算について勧告しないかというような御質疑に承つたから、そのような権限はないということをお答えした次第でございまするが、まだ調査の結果ができておらないということはその通りでございます。しかしながらこれはいろいろ重大なる問題がありますので、鋭意進めておりまするけれども、今日までのところ、まだできておらぬ。これは事実でございまするから、もしこれが遅れたというお叱りであれば、甘んじてお受けいたしまするが、決して怠つているのじやないということは、どうぞ御了承を願いたいと存じます。
#81
○土橋委員 そうすると、あたなの話では、予算に関係しては文句は言えないが、結與の基準についてはあなたの方が適切だという考えで、どういうようにでも政府に勧告なり、あるいは國会に対して御要請願うことができるわけでありますね。
#82
○淺井政府委員 その通りでございます。
#83
○土橋委員 そういたしますと、実際に運用した場合には、こういう不都合が生ずるのではないかということは、すでに事前にあなたの方でもおわかりになつておつたと私は思うわけであります。それに対して何ら手を打たないということは、私はまことに心外だと思うのです。またその結果についても、もうすでに一月下旬あるいは二月初旬の問題が、四月になつてなお書類がそろわない。われわれの見るところでは、各官廳の代表者、從業員諸君の大体の数は、すでにあなたの方に六万数千件も苦情処理が持込まれておるので、大体御承知になつておるはずである。それで結論が出ないというのは、なぜ結論が出ないのか。これについてもつと重大なる問題があるけれども、答弁ができないというお話の内容であるが、これは即刻にでもあなたの方で結論を出していただいて、人事委員会に御答弁願い、こういう不祥小件を早く解消するようにして、從業員諸君が勤労意欲を上昇するような途を、あなたの方で卒先躬行することが、やはり人事官の務めであると私は思うのであります。ですからこの点をもつと明確に、だれが聞いてもわかるように、きちつと説明していただきたいと思うのです。
#84
○淺井政府委員 もう繰返す必要はございませんが鋭意それに調査を進めておるということを申し上げる次第でございます。
#85
○加藤(充)委員 四十八時間制の問題で、電話局の交換手やその他の問題ですが、電話通信作業についての勤務時間の問題については、労働科学研究所の桐原博士や、逓信医事研究所の宮川博士の多年にわたる研究の結果、四十八時間制の勤務は、結局命取りであるということが発表されております。それでも過去の日本と同じように、命令通りに戰死するまで、あるいは倒れて後やまんの氣概で、働かなければならない四十八時間制の暫定措置の緊急の命令でありましようけれども、そこまで命令する権威というものがあるのか、どうかということを、人事院総裁から承りたい。
#86
○淺井政府委員 ごもつともの御質疑と存じます。この逓信從業員の問題につきましては、四十八時間のわくということがございますけれども、休息時間その他を十分加減いたしまして、これは緩和されております。この点はここで詳しく述べませんが、そういうよよに実際の取扱いがなつておるのでございますから、どうぞそのように御承知を願いたい。
 それから先日來申しましたように、四十八時間制は緊急の措置でありまして、私はそうでない勤務時間の一日も早く來ることを祈るものであるという私の考え方については、何ぶんにも御了承願いたいと存じます。
#87
○加藤(充)委員 全逓のような労働組合ないしほかの力の強いところは、緩和の処置が積極的に講ぜられるでありましようが、弱いところでは、やはりさつき言つたように、命令はやはりその通り実行されて、たくさんの健康障害者などか出ておる。こういうふうな状態は現実の状態でありますが、四十八時間制の緊急措置のこの命令は、そこまで権威のあるものかどうか。それでもう発言することもできず、形の上で緩和することができずに、命を失つてしまうという氣の毒な者が出ているという状態のときに、どこまで命令の権限、権威があるのかどうか。そういうことについて承りたいと思う。
#88
○淺井政府委員 少しくお言葉が極端のように存じまするが、全逓の組合が強いからこのような取扱い方をいたしたわけでは決してございません。これは土橋さんもよく御存じの通り、從業員の勤務の実質から例外を認めたわけでございます。ほかの方は認めておらないかとの仰せでございますれば、私は学校教員に関する取扱いを申し上げたいのでございまして、学校教員は四十九時間のわくを維持しておりますけれども、その割振りは学校の授業時間、その他の課外の活動全部を含めまして、その割振りを学校長に一任をいたしておりまして、十分その点教員のために考えたつもりでございます。その他の官廳がどうなつておるかと仰せでございますならば、それは四十八時間制が施行されておりますが、この点につきましても、例外規定を設け得るものがあれば考えるつもりでございますけれども、今日までのところはそのようになつておりません。
#89
○松澤委員 先ほど加藤君及び成田君から質問をいたしまして、人事院総裁が、寒冷地手当の問題は制度化する考えであるというお答えがあつたのであります。そこで先ほどからいろいろお話がありまして、人事院にお任せしておきましても、これは單にそれだけではなかなか困難なこともあろうかと存じますので、人事委員会におきまして寒冷地手当支給に関する法律なり、あるいはこれを制度化する研究、調査をするということをひとつお考え願いたい。
#90
○藤枝委員長代理 ちよつと速記をやめて……。
    〔速記中止〕
#91
○藤枝委員長代理 速記を始めてください。
 この際本日の理事会におきまして決定を見ました参考人に関する諸事項について御報告申し上げたいと存じます。
 まず参考人より意見を聞きます問題は、三項目といたしまして、四十八時間勤務制について、六千三百七円給與ベースの際における俸給の再計算について、その他國家公務員の勤務條件について、この三つといたしまして、参考人の数は八名、國鉄、全逓、日教組、全官公、財務労組、都労連、自治労連、大藏三現廳、この八労働組合から、それぞれ一名ずつを推薦せしめることといたしました。
 なおその際に政府委員側より淺井人事院総裁、今井大藏省給與局長並びに文部、運輸、逓信各省の労務及び給與に関する係官代表の出席を要求することとしたします。日時は來る八日午前十時より開会と決定いたした次第でございます。なお参考人から意見を聽取するに先だちまして、次回の委員会、すなわち來る五日午後一時から開会いたしますが、その際淺井人事院総裁及び今井大藏省給與局長より、六千三百七円給與ベースに至りました経過について説明を聽取することと決定いたしました。以上御報告いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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