くにさくロゴ
1949/04/08 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 人事委員会 第7号
姉妹サイト
 
1949/04/08 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 人事委員会 第7号

#1
第005回国会 人事委員会 第7号
昭和二十四年四月八日(金曜日)
    午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 星島 二郎君
   理事 天野 公義君 理事 木村 公平君
   理事 藤枝 泉介君 理事 南  好雄君
   理事 松澤 兼人君 理事 土橋 一吉君
      小平 久雄君    關内 正一君
      高橋 權六君    田渕 光一君
      玉置  實君    二階堂 進君
      藤井 平治君    赤松  勇君
      成田 知巳君    加藤  充君
      北  二郎君
 出席政府委員
        内閣官房長官  増田甲子七君
        人  事  官 上野 陽一君
        人事院事務官  岡野 史郎君
        人事院事務官  蓮見 太一君
        大藏事務官
        (給與局長)  今井 一男君
        遞信事務官
        (労務局長)  浦島喜久衞君
 委員外の出席者
        文部事務官   松下 寛一君
        文部事務官   清水 康平君
        運輸事務官   小林 重國君
        参  考  人
        (全國官公廳職
        員労働組合協議
        会中央執行委 
        員)      上野 兼敏君
        参  考  人
        (國鉄労働組合
        中央執行委員) 大西  要君
        参  考  人
        (日本自治團体
        労働組合総連合
        書記長)    岡田 安藏君
        参  考  人
        (日本教職員組
        合中央執行委 
        員)      木島喜兵衞君
        参  考  人
        (全國專賣局職
        員組合中央執行
        委員)     住谷 誓一君
        参  考  人
        (全國財務労働
        組合中央執行委
        員)      高島  清君
        参  考  人
        (全逓信労働組
        合副委員長)  高原 晋一君
        專  門  員 安倍 三郎君
四月七日
 委員逢澤寛君辞任につき、その補欠として山崎
 岩男君が議長の指名で委員に選任された。
四月八日
 理事逢澤寛君の補欠として山崎岩男君が理事に
 当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 公務員の勤務條件等に関する件
    ―――――――――――――
#2
○星島委員長 これより人事委員会を開会いたします。
 議事に入るに先だちましておはかりいたします。昨七日逢澤寛君が委員を辞任せられ、新たに山崎岩男君が委員となられました。委員を辞任せられた逢澤寛君は理事でありましたから、理事一名の補欠選任を行わねばなりませんが、これは先例によりまして選挙の手続を省略して、ただちに委員長において御指名申し上げたいと思いますが、これに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○星島委員長 御異議ないものと認めましてさよう決しました。それでは山崎岩男君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○星島委員長 ただいまより前会に引続き、公務員勤務條件等に関する件を議題として調査を進めます。本日は四月一日の本委員会の決議によりまして、本日出席を求めました参考人の方方より、四十八時間勤務制及び六千三百七円給與ベース支拂の際における俸給の再計算、その他國家公務員の勤務條件等の問題につきまして御意見を承ることにいたします。
 この際、委員長といたしまして参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。本委員会におきましては、今、國会開期中に、人事行政の実態につきまして、國政に関する調査を実施することと相なつておるのでありまして、目下その第一段階といたして、調査の対象を公務員の勤務條件にとり、鋭意これが調査を進めておる次第であります。本委員会といたしましては、この調査を推進するにあたりまして、直接その実情を精査し、本委員会の調査に遺憾なきを期するため、本日この挙に出た次第であります。本日御出席の参考人各位は、公務員といたしまして、また労働組合の幹部といたしまして、多年給與その他勤務條件につきましては、深い造詣と豊富なる御体驗を有しておられる方々でありまして、各位の貴重な御意見は、必ず本委員会の調査によき参考と相なると信ずる次第であります。つきましては、各位におかれましては、意見を聞く問題につきまして、あらゆる角度から、忌憚のない御意見を御開陳願いたいと存ずるのでありますが、なお参考人の御発言時間は、はなはだ、こちらから御制限申して相済みませんが、時間の都合もありますので、お一人当り二十分といたされたいと思います。御発言はこの前の発言台でお願いいたします。なお発言順位、その他議事進行につきましては、委員長に御一任を願つておきます。
 なお今理事各位の御相談で、発言者に対しまして質問のあり場合も、大勢のことでありますから、約十分を限つて質問をいたされたい。しかしそれで盡せぬ場合は、一應全部御発言が済みましたあとで、また特に時間を設けまして、御質問等を承りたい、かように考えております。さよう御了承を願います。
 本日おいでの方は、ただいまそこにお配りしてあります通り、國鉄労働組合の大西要君、全逓労働組合の高原晋一君、日本教職員組合の木島喜兵衞君、全國官聽職員労働組合協議会の上野兼敏君、全國財務労働組合の高島清君、東京都労働組合連合会の重盛壽治君、日本自治團体労働組合総連合の岡田安藏君、全國專賣局職員組合の住谷誓一君、この八名の方でございますが、順序といたしましては、前例もありますし、イロハ順によつて順次お願いいたしたい、かように考えておる次第であります。つきましては、最初に全國官公廳職員労働協議会の上野兼敏君にお願いいたしたいと思います。上野兼敏君。
#5
○上野參考人 全官労の上野兼敏であります。
 ただいまから衆議院人事委員会における人事行政の実態に関しまする國政調査の参考といたしまして全官労の意見を開陳したいと思います。
 まず第一に、今日の議題に従いまして、四十八時勤務制の問題から始めて行きたいと思います。四十八時間の勤務制につきましては、全官労といたしましては、絶対反対を表明いたしております。一日実働七時間、一週四十時間というものを要求いたしたいと思つております。そのおもな理由といたしましては、皆様のお手もとにわたつておると思うのですが、資料を見ていただきたいと思うのであります。四十八時間の勤務制というものは、労働強化をもたらすものであるということが第一に言えます。この点につきましては、厚生省並びに全官労の家庭厚生実態調査というものを行いまして、四十八時間制というものが、健康上からも、また経済上からも、事務能率の面からも、いたずらに労働強化を來すのみである。百害があつて一利がないという結論に到達しておるのであります。これは参考資料があるわけですが、時間の関係上省略いたします。なお四十八時間制によりまして、労働強化は、非現業の官聽におきましては、一箇月間におきまして約五十三時間ということになります。從來の勤務時間は一箇月百五十二時間でありました。それで四十八時間制になることによりまして、一箇月二百五時間ということになるわけであります。
 第二番目に、四十八時間制というものは、実質賃金の低下をもたらすものであるということが言えます。これは大体六千三百七円ベースの本俸と、勤務地手当を足したものを、一箇月の勤務時間で割つて出すわけでありますが、千九百五円というものが、大体一箇月の実資質賃金の低下になるわけであります。ところが超過勤務手当は大体十時間という割当でありますから、三百五十九円六十銭というものが低下するわけであります。それから一時間当りの單價にしましても、百五十二分の一から二百五分の一に減るというようなことで、勤務時間が延びるに逆比例いたしまして、いわゆる実質賃金ガ低下しておるという状態になるわけであります。
 それから三番目に四十八時間勤務制というものが、首切りを促進させる、すなわち三割四分の労働強化になりまして、これが政府の言つておりますところの、いわゆる現業三割、非現業二割というような音切りの裏づけになつておるというよいな理由からも反対をするわけであります。
 それから第四番目には民間の労働時間、これは実際は七時間であります。これはここに人事院の方もお見えになつておると思いますが、人事院でも大体お認めになつておる。それからわれわれの方の調査、労働調査協議会の調査、こうしたところの調査によりましても認められておるのであります。それでいわゆるこうした時間の問題、われわれの賃金は初めは六・六時間ということで、民間は八時間ということで計算したものでありました。そうした今までの経過、その他の金額の面、こういつた面から考えましても、四十八時間制というものを俸給表を改正しないでやることは、無暴であるという意味において反対するものであります。それで國会は結局マッカーサー元帥の書簡の中にも示されております通り、政府職員に対する保護責任というものがあるのでありますから、すみやかに四十八時間制を撤回してもらいたい。しかしながら政府職員といたしましては、働くことを忌避するというのではないのでありまして、奴隷的でないところの、合理的な、いわゆる実働七時間制というものを行つてもらいたいというのが官労の要求であります。
 それから第二番目に六千三百七円ベース支給の際における俸給の再計算の問題でありますが、これにつきましても、現在勢府職員は、非常に苦しい状態に追い込まれております。それで一般にこの原因というものが、俸給の再計算の結果にあるということが言われております。ところがそれが本質的な原因ではない。原因はほかにもたくさんあるのだということを知つてもらいたいと思うのであります。第一に六千三百七円ベースというものは、最低賃金でないということであります。われわれといたしましては、六條件付の七千三百円というものを要求して参つて來たわけでありますが、それが受入れられなかつた。この原因についてはいわゆるポツダム政令というような、われわれに言わせれば幽霊政令、こういうようなものを出して打切りにしたということが考えられるわけであります。
 それから第二番目には六千三百七円ベースというものを一應認めるとしても、この算出基礎が七月であつた。それを十二月から実施した。それまでは三千七百九十一円ベースでしか支給しなかつた。それから國鉄は一部の幹部のもが参画したものでありまして、これは経過を話せばよくわかりますが、きわめて不合理なものであります。それから一月から四月までの暫定措置としてわれわれは承認しておつたのでありましてが、その後もなおこれが実施されまして、上に厚く下に薄い職階制が適用されておるのであります。第三番目は六千三百七円ベースと三千七百九十一円ベースの差額を十二月に出すことによつて、いわゆる生活補給金をたな上げにしておるということです。生活補給金というものは、正月のもち代というような上ついた氣持で要求しておるのではないのです。これは民間の給與等の関係であるとか、年末に行われる年末調整、こうしたものとの関係から、当然要求すべきものを要求ししておるのでありまして、こうした要求を、時期をずらすことによつて、そして十二月に支給することによつてごまかしてしまつたということが言えるわけです。それから六千三百七円ベースが、現在実施されておるというように世の中に宣傳されておりますが、実際は実施されていない。一月も二月も五千二百三円ベースでしか支給されてない。これは法律の三十二條にそういうようにきめられておるわけです。
 第五番目には、年末調整が三千七百九十一円ベース当時の税金表で行われたのでありまして、これは六千三百七円ベースになれば、当然免税点が上らなければならないわけであります。ところがそれを相かわらずこの税率表をそのまま適用しておるというわけでありまして、この税金表による年末調整が行われた結果、非常な悲惨な状態が起つたわけであります。これも参考資料がありますが省略します。
 第六番目には必要な調整を伴うわざる俸給の再計算が行われたという点であります。從來しばしば実施本部や人事院に対して要求して來たのでありますが、これがまだ実施されてない。その怠慢は強く責められなければならないのではないかと思われます。これは法律によりましても、必要な調整は一月南にやらなければならないというのにやつていない。また人事院におきましても二月中には腹を切つてもやると言明したにもかかわらず、やつていないという状態でありまして、これは政府職員二百五十万を代表して私は嚴重な抗議を申し込みたいと思つている次第であります。
 われわれとしては大体以上のような点において、政府職員が非常に悲惨な状態に陥つたという原因を述べたわけであります。われわれとして要求することは、まず第一に最低賃金法をつくつてもらいたい。第二に四月以降には六千三百七円ベースを当然廃止してもらいたい。そうして最低賃金を算出してもらいたいということであります。それから暫定措置として俸給の再計算を一方的に行うだけでなくて、必要な調整もすみやかに行つてもらいたい。非現業官應は、大体五号ないし六号の昇給を当然行われなければならないことになるわけであります。これも参考資料の方に書いてありますが、省略いたします。
 次に危機突破資金でありますが、これは二箇月分、最低一万円を四月中にぜひ支給してもらいたいということを申し上げたいと思います。算出の基礎は別につくりませんが、これは昭和二十三年度の生活補給金も、越年資金も出さなかつたという点から考えましても、最低の要求であるということが言えます。これは民間の給與のバランスから言いましても、大体一万五千円出さなければならぬという結論になつております。これも資料がありますが省略いたします。
 次には地域給の問題でありますが、これは最高最低四割の幅にしてもらいたい。これは地域給審議会の決定でもありまして、また五千三百二十円ベースを去年政府が行おうとしているときに、やろうとしておつたのでありますが、六千三百七円でこれをやらなくなつたのであります。これは当然やつてもらいたい。それから寒冷地、僻地手当が違法な手続によつて行われております。ところがこれは当然出すべきものでありまして、寒冷地給、僻地手当は制度化してもらいたいということを要求したいと思います。
 それから七番目には税制の改革、これをぜひやつてもらいたい。そうして最低生活を保障し得るまでは、少くも免税点としてもらいたいということを述べたいと思います。
 次に、最後でありますが、暫定措置として政令とか規則、こうしたものが、いわゆる臨時給與委員会の級別区分表の本文と違つたやり方で、しばしば行われているのであります。從いましてこうしたものの修正を急いでしてもらいたいということであります。これはすでに去年の九月から要求している問題でありまして、これがいまだに実施されていないという状態であります。
 それで先般フーバー氏から人事院あてに寄せられました書簡によりますと、政府職員は六千三百七円の原則が確立されまして、ここ数箇月初めて必要な生活資材が買えるようになつたというようなことを言われております。それはこの六千三百七円ベースというものが名目賃金でなくて、一年も前の、われわれの六條件付の五千三百円を要求しておつた当時の賃金でありますならば、まことにその通りであります。しかしながら実際は一家心中が出たり、あるいは首つりが出たり、あるいは賃金では首のまわらないというような政府職員が大部分であります。これはこのフーバー氏の言というものを、名実ともに行わなければならないところの責任者が、その責任を果していないからであるということが言えるわけであります。この点につきましては政府、國会、それから人事院、こうしたものに対して、公務員法の通過に際しましてマッカーサー元帥の声明が出まして、この声明におきましては、当然これは政府職員に対する保護責任を果すべきものであるというふうに書かれているのでありますから、この意味におきましても、われわれの最低要求をぜひ通してもらいたいということを私は主張したいと思うわけであります。
 それから三番目に國家公務員の勤務條件の問題でありますが、この問題について簡單に申したいと思います。國家公務員の勤務條件は、待遇の改善ということを口実にしながら、待遇改惡を行うために漸次劣悪者して來たということが言えます。それでこの点につきましては労働者の経済上の権利というもの、こうしたものはいわゆる罷業権とか、團体交渉権とか、團結権とかというふうなものが認められておりました。ところが昭和二十一年度に、いわゆる労働関係調整法によりまして、爭議権だけが剥奪されたわけです。ところが待遇は何ら改善されない。そして年末には、民間給與よりもはなはだ低いので、二箇月分の生活補給金というものを出したわけです。それから昭和二十二年度におきましてもますます待遇が悪くなつた。それで全官公廳の八組合は、最低賃金制の要求を中労委に提訴したわけです。ところが、二・八箇月の生活補給金、その計算は少な過ぎたのでありますが、一應生活補給金を出さなければ、民間とのつり合いが合わないというような状態になりました。それから二千九百二十円ベースの実施、こうしたものにつきしては、臨時給與委員会でいわゆる技術的な繰作をするというだけの話であつたものが、体系までもつくつて職階制までもつくつてしまつた。それで下の方の職員というものは、ますます苦しい状態に追い込まれて來たというような点があるわけであります。それで全官公廳といたしましては、昭和二十三年度に三月闘爭というものを起しまして、政府の違約を攻撃したわけです。その結果、一應法律できまつたわけで、のんだわけでありますが、しかしながらこれは芦田内閣がちようど厖大予算を組みましたときに、マル公の引上げであるとか、鉄道、通信料金に二倍引上げであるとかいうようなことを行つた。そのときに結局二千九百二十円ベースをそのまま踏襲した三千七百円ベースというものを実施したわけです。ところがこの三千七百円ベースというものは算出の基礎に誤りがあつた。それから労働基準法の第二條で、組合側と協議してこうした重大なことはきめなければならぬ、ということになつておつたのに、それを行わなかつた。それからいわゆる職階制というものは、一月から三月までの暫定措置というふうに了承しておつたのに、それを全然改めないで、そのまま行つているというような点で、きわめて労働者に対しまして踏んだりけつたりの処置であつたわけです。そこで組合側といたしましては、四月一日現在で五千三百円の最低賃金というものを、中労委に提訴したわけです。ところが中労委におきましては、以上の経過から見てもわかります通り、政府側の勝味というものは客観的に見ても、きわめて少なかつたということが言えます。そうしてマッカーサー元帥の國家公務員法の改正に関する書簡に便乗いたしまして、法治國家の原則を破つて、いわゆる幽霊政令、ポツダム政令というものを出しまして、組合の團体交渉権というものを剥奪した。さきには待遇改善を條件として爭議権を剥奪し、次にはいわゆる待遇改善を條件としながら、今度は團体交渉権までも剥奪したというような状態であります。そこで次に人事院ができたわけです。ところが人事院ができて七月中に公務員の給與を算出するということになつておつたのに、算出しない、結論を見たのは九月二十日であつたと私たちは聞いている。ところがこれを発表しない。六千三百七円というものの発表を見たのは十一月九日であつたと思います。そこでその発表が遅れた原因がどこにあるのかといいますと、これは職員の給與をなるべく三千七百円の低賃金で押える。そして年末には民間給與との均衡から、当然出さなければならぬ生活補給金というものを、十二月の差額だけですりかえてしまう、というような意図があつたと思われるのです。そこで政府の要望によりまして発表の時期が遅れたのだということも、私は一部から聞きました。このような惡辣な、いわゆる待遇改善を條件として公務員法が改惡された。そうしてあとは、組合に團体交渉権がないのをよいことにいたしまして、四十八時間制を一方的に実施して來る。それから号俸切下げを行つて來る。さらに七十八條によつて、官公廳の職員を、自由の首切ることができるようにするというような事態に立ち至つているわけであります。
 これを要するに、この公務員法が改惡されたということによりまして、労働諸法規というものも改惡されております。それから四十八時間制が実施されるということによりまして、民間の勤務時間というものも延長されて参ります。これかむ公務員の首切りによつて民間の首切りも同様促進されて参ります。そうして公務員の賃金が安くなるということ、このことは民間の賃金も安くなるということであります。こういつた実態が勤労者全体にもはつきりわかつて参りまして、公務員が勤労者全体の搾取のモデルになつているということがはつきりわかつて参りました、現在は首切りの問題を中心といたしまして、いわゆる統一戦線の結成に進みつつある状態であります。そこでわれわれといたしまして要求いたしたいことは、闘うために闘うということは、もとより望んでおらないのでありまして、公務員法を撤回してもらいたいということ、次に労働諸法規の改惡を行わないでもらいたいということ、これを第一に要求したい。第二には、行政首切りを行わないということ。勤労の権利、完全雇用の原則、こうしたことは憲法の精神から申しましても当然であります。そういつた点からこれを第二番目に要求したい。そうして最後には公務員の保護責任者として、これができないときには、政府も議員も、人事官も辞職してもらいたいということを要求したいと思うわけであります。
 はなはだ簡單でありますが、時間の都合上これで終ります。
#6
○星島委員長 今の上野君のお話に対しまして、何かお尋ねがありますか。――今すぐありませんければ、全部お聞きしたあとでもけつこうであります。
 それでは次に國鉄労働組合の大西要君にお願いします。
#7
○大西參考人 私國鉄労働組合の執行委員の大西でございます。ただいまから國鉄職員の給與の実態につきまして説明申し上げます。なお裸計算の結果、いかにこれが不合理であるかという点を説明申し上げたいと考えます。
 まず順序といたしまして、裸計算の措置をとられた職種、あるいは人員等につきして、前もつて数字を御説明申し上げたいと思います。御承知の國鉄職員は一般俸給表によりますものと、鉄道現業職員俸給表によりますものと、それから船員俸給表によりますものと、この三つにわかれております。そして一般俸給表によります職員は、大体概数でございますが、八万人をちよつと欠けるかと考えます。それから鉄道現業職員俸給表による職員が五十三万五千人をちよつと上まわつておるのであります。それから船員俸給表によりますものが五千二百人余になつております。そのうち例の実施本部の通牒に基きまして、裸計算をせられたものが、この一般俸給表、俗に言われておる非現業というものが四万人をちよつと欠けると思いますが、これらのものが号俸をそれぞれ大体一号ないし二号切り下げられておるわけでございます。次に鉄道現業の五十三万五千何がしのうち、主として中堅であるところの、俸給表で申しますと、六級ないし八級、國鉄といたしましては、実に第一線に立つておるこの中堅の位置に位する人でありますが、これらが一号下げられる措置をとられたのであります。それの人数が大体十三万をちよつと欠ける人数でござにます。船員俸給表によりますものは、切下げ措置はとられておりません。これは裸計算の結果とられました状態でございます。
 次に國鉄給與が二千九百二十円ベース以後いろいろな段階を経まして決定されましたその経緯につきまして、御説明申し上げたいと思うのであります。まず私はセクト的に申し上げるのではなにのでありますが、國鉄の給與がいろいろな方面において一つの焦点になつておると考えます。國鉄の給與と比較して伝々しいうような問題が、あらゆる方面で論議されておると考えるのであります。この國鉄給與の決定されましたことを御理解願つて、そして御批判を受けなければ、誤つた観点から批判されておる点も相当あると考えますので、この点を十分に御了解を願いたいために御説明申し上げたいと思うのであります。御承知の國鉄の特異性とよく言われまするが、われわれは勤務時間が長いということだけをもつて、決して國鉄の特異性があるという考え方を持つておるのではないのでありまして、申し上げれば、御承知のように、國鉄の職務の内容は四百数十種類にもわたつているような、実に厖大な職務内容を持つた人間を擁しておるわけであります。その職種の中にはにわゆる階梯職、だんだん下から上に上つて行くという職種ももちろんありますけれども、そうでなく、たとえて申すならば、工場に働いている技工のごときは、入つたときから三十年勤続してやめるまで、技工という職にある。つまり一生その職に奉仕するというような、いわゆる階梯職でなく、雇から元の判任官になり、それが二級官あるいは一級官に進んで行くというようなことではなくして、つまり階梯職でない職種は相当多いことは言えるのであります。
 次にまたいろいろな職種の中には、労務の需給関係によつて必ずしも円滑に人間の配置ができないという点が、またこれ給與その他にも大いに影響があるということが言えるのであります。たとえば線路工手というような職名をある都会地附近において求めようとするならば、非常に困難が伴うということが言えると思いますが、こういう点が國鉄の職務の内容から言いまして、官吏の中でも他のものにくらべて非常に多いということが言えると思います。今回実施本部でとられましたところのいわゆる職務内容によるところの給與と言われておるものが、主として学歴別あるいは勤続年数別によつて処理されておりまするが、國鉄の職務の内容から申しますると、御承知のようにこういうものによらないで、経驗と申しまするか、もちろん勤続年数というものは経驗を多分に含んでおりますが、とにかくそういう独自の経驗というものに、相当ウエートを置かなければならぬ職種があるということも言えるのであります。また國鉄の非現業は、必ずしも他の官廳とかわらぬじやないかということをよく聞くのでありますが、これとても現業の経驗を持たないものが非現業職の監理者の立場に立てないというような面が多々あるのであります。これは機関車の運轉の経驗を持たないものが、列車の運行計画ができないという例でもわかるように、つまりこういうふうに、國鉄の職種の内容が非常に多いしいうことと、勤務時間が長いということだけでなく、非常に特異性という点があるということを、十分御認識願わなければならぬと考えるのであります。
 次にしからば國鉄の給與は政府の言う職階給與に切りかえられましたときに、どういう方式でやられたかと申しますると、まず四百数十種類の職種を、十三のグループにわけたのであります。そうして分類方式と申しまするか、そういう方式をとりまして、それをまた級にあてはめて行くという、いわゆる二段切りかえを行われたのであります。これが他の官廳との、つまり政府の言う職階給與に切りかえる時に根本的に異つた方法をとつたのであります。この方法はいろいろな批判もあります。またわれわれも必ずしも満足いたしておりませんが、少くとも職務の内容に從つた給與を拂うというこの考えは正しいと、われわれは考えておるのであります。その点に立つならば、現在の実施本部で実施されましたところの勤続年数あるいは学歴別によるところのこの職階給與というやり方よりも、國鉄のやつたやり方は一歩進んでいるということは、私は言えると考えております。こういう点についてはいろいろな批判があるようでありますが、われわれはこの点は進んでいると、固く信じて疑わないところであります。そこが他の官廳と違つているところでありまして、ここにつまり無理が生じた原因があるのであります。
 次に、しからば國鉄給與の裸計算による実施はどうなつておるかということを、数字をちよつと申し上げておきます。本俸が四千八百六十九円三十七銭となつております。これは全部の現業、非現業の平均でございます。それから家族給が八百四十九円四十銭、他域給が一人当り七百八十九円、それから特別勤務手当が四十三円八十七銭、合計六千五百五十一円八十三銭という実態でございます。六千三百二十円というのが、大体の裸計算の結果の全官吏の平均給與であるということが、実施本部で言われておりまするが、しからば大体三百円以上違つている。それであるから國鉄の給與がいいという結論になるのだ、こういうふうなことをまず考えられるだろうと思います。しかしこの六千五百五十一円の内容の重要な点だけを御説明申し上げて、これが出て来たところの基礎を御了解願いたいと思うのであります。し申しますのは、御承知の國鉄の勤務の状態から申しまして、特殊勤務手当というものが、國鉄には從来から大体三十八種類ほどあつたのであります。これが先ほど申し上げました國鉄給與の切りかえのときに、いわゆる職務の内容に應じた俸給にするという考え方からいたしまして、これらのものがほとんど大部分、ごくわずか残つてはおります。本俸に繰入れることの至当でないものは残つたはおりますが、大部分のものが本俸に繰入れられる措置をとられておるのであります。ここが重要なのであります。二千九百円ベースの当時におきましては、本俸に比較して約八%以上の特殊勤務手当というものがあつたのでありまするが、先ほど申し上げました特別勤務手当四十三円八十七銭という数字は、一%に足りない特殊勤務手当として残されているだけで、つまり大部分のものが本俸に繰入れられているということに相なりまるので、ただこの六千五百五十一円という数字だけで、國鉄の給與がいいというこうな考えを持つ者があるとするならば、これは間違いであるということが言えると考えます。次に家族手当等におきましても、國鉄の年令に比較いたしましては家族給が少し多いのでありますが、これなんかは当然のものでありまして、こういう点を別途考慮されなければならないということが言えると考えます。
 次に直接裸計算には関係はございませんが、ここで触れさしていただきたいのであります。國鉄には夜勤加給というものがあるのでございます。これはつまり國鉄の職務の性質上、夜勤務する者の、大体現業の中の約五〇%がこの夜勤加給の手当を受けておるのであります。ところが今回制定されました給與法によりまして、これが大幅に削減されてしまつたのであります。と申しますことは、三千七百円ベースにおきましては、数字を申し上げますと五級一号あたりの人が、大体一日の夜勤加給は六十二円なにがしの夜勤加給をもらつておつたのであります。それが六千三百円ベースになりまして、ベースが相当大幅に上つたにかかわらず、二十一円という実数になつて参つたのであります。それはどういうわけかと申しますと、つまり法第二十三條に基きまして、われわれが労働協約でかちとつておりましたものの勤務時間、つまり八時からが十時になり、あるいは率が百分の五十というものが百分の二十五になつたというような結果から、こういう不思議な数字が出て参つたのであります。これなどにつきましては國鉄の給與を考慮願いますときに、当然考えていただかなければならぬ問題だと考えております。
 次に四百一号の例の昇給政令でございますが、これが他の官廳においてははだか計算その他の問題もやかましかつたので、ほとんど完全に実施されたと聞いておるのでありますが、國鉄は予算がないという理由によつて、この四百一号の昇給が、十二月三十一日にそのうちのわずかのものが実施されたのみで、今日に及んでおります。この三十五億の予算削減が原因して、われわれの昇給はごく一部実施されたのみで、実施されていないというような状態になつておるのであります。いろいろな問題がとにかくひそんでおりますが、結論としては、このはだか計算は早急に復元されなければならない。復元されるときには、―これは実施本部等において強く言われておると聞いておるのでありますが、勤務時間が延びたということが、國鉄の特異性の消滅した理由であるかのごとく言われて、國鉄の給與にさや寄せするというような考えを、かりに実施本部あたりで持たれておるとするならば、とんでもない間違いであります。
 以上私が申し上げたような國鉄給與のいろいろな内部を十分檢討されて、その上に立つて初めてこれらが再檢討され、復元あるいは補正の措置がとられなければならないということを私は申し上げたいのであります。
 次に四十八時間制実施の結果について、プリントも差上げておいたのでありますが、私の方で差上げた國鉄職員勤務時間実態というこの表の一番右の下に、改正前と改正後の数字が出ております。つまり官廳執務時間によります國鉄非現業の者は四十八時間、現業の者が五十一時間三十一分という、改正後における勤務時間の実態が出ておるのであります。これらは非現業の勤務時間が延びると同時に、現業も幾分延びております。こういう点を御理解願いたいと考えるのであります。それから私の方では、非現業で勤務時間の延長を受けた者は、数から言うと非常にわずかでありますが、これが從事員にいかに悪い影響を與えておるかということを、実は数字をもつて説明申し上げたいと思うのであります。國鉄の本省の中に医務室があるのでありますが、それの統計を見ますと、一日平均患者が、二十一年度、あるいは二十二年度、二十三年度の初めにおいては、大体三十人から六、七十人くらい、これが一日の患者数であつたのでありますが、四十八時間制に移つてから、これが約倍にふえておる。しかもそれが内部疾患と申しますか、そういう患者がふえておるというような点から言つても、さつき上野君が申したように、非常に能率の低下になつておる。つまり勤務時間の延長ということが、即公式的に能率の増進になつておらないということが言えると思います。
 以上まことに粗雑な参考でございましたが、これで私の発言を終らせていただきます。
#8
○赤松委員 参考人に対する質問ではありませんが、この際人事院総裁と、今井給與局長の出席を要求したいと思います。
#9
○星島委員長 人事院総裁は関係方面へ行かれておるので、それが済んでから御出席になるそうです。
 それでは次に日本自治團体労働組合総連合の岡田安藏君にお願いいたします。
#10
○岡田參考人 私は日本自治團体労働組合総連合を代表して、皆様方に率直に四十八時間制並びに六千三百七円ベースの切かえについての意見を申し上げます。
 まず最初に四十八時間制でありますが、その前にはつきりさしておきたいのは、われわれ地方自治体の職員については、國家公務員法は適用されていない。労働三法が嚴として適用されておる。この事実を御認識の上話を聞いていただきたいと思います。四十八時間制については、政府は一方的に地方理事者に強圧を加えて実施させました。この点が労働基準法第一條、第二條に違反していることは明白であります。この違反しているところの一方的な労働強化を、何ら組合に相談なく実施した。この点についてわれわれは多大の不満を持つております。
 その次に四十八時間制の影響でありますが、われわれ地方自治体の職員は、單に一般職員ばかりではありません。これはいろいろな作業をやつております。水道事業もやれば、土木事業もやり、交通事業もやる。その職種においてもいろいろな職種を包容しております。たとえば水道事業ならば、汚水処分あり、淨水場あり、これらの面においては鍛冶場を持つており、いろいろな金属工も用意しております。これらのものは一体四十八時間制によつてどのような影響をこうむつたか、この点をまず具体的に申し上げます。たとえば私たちの方では、労務者に対しては六百カロリーの加配米が割当てられている。しかしこれは四十二時間制をあくまで基礎にしているものであります。一例を申し上げますと、最近労働課学研究所に依頼しまして、東京都水道局が三十五万円の金をかけて、綿密に調査した結果によれば、四十八時間制に対して、大体三百十カロリーから四百七十カロリー加配米が増量されなければならないという結論が出ております。東京都水道局長は久保讓氏と申して技術屋出身でありますから、綿密な調査に基いた数字によつて非常にびつくりして、これでは能率が落ちるのは無理はないと言つております。こういう点についてもこの四十八時間制が非常に無理なものである。さらに作業能率が落ちる。今政府がわれわれに配給している量は、わずかに千四百カロリー、これは魚や野菜を含めてのものであります。これにいまの加配米の六百カロリーを足しても二千カロリーの配給量であります。しかも労研の調べた数字によりますと、簡單な私設下水のます一つを取りつけて、二メーター程度の小管を敷設する仕事をして、帰つて來る労働者の使うカロリーが四千七百カロリーであります。二千七百カロリーをやみで買わなければならぬ。その点からいつても、そういう労働強化が今までの不足量にさらに輪をかけて、われわれを非常に窮乏の生活にたたきこむのであつて、それ以外の何物でもない。さらにこれは労働能率を非常に低下させている。このことを皆さん方は十分お考えを願いたいと思うのであります。これは何も現業方面ばかりでなく、非現業方面、頭脳労働者においても、おそらくはカロリー不足ははつきりしていると私は考えるわけであります。
 さらにこの時間制の問題でありますが、この時間制を非常に地方の理事者は強圧しております。われわれは國家公務員でないから、絶対に政府の言う通りでなくて、地方自治の自主性の上に立つて時間をきめればいいということを、組合側は強く要求しているのでありますが、政府側の強い意思によつて、すなわち全國知事会議その他の会合を通じての政府の圧力によつて、地方自治体は一方的に從つている。この点は基準法に明らかに違反している。こういう点も十分お考えを願いたいのであります。
 さらにもう一つ言い落しましたが、われわれの方としては、この時間が非常に法的にも違反である。われわれとしても不満である。それで爭闘が方々に起きております。しかしこの爭闘に対する彈圧としては、たとえば京都市の四十八時間制反対闘爭に対する彈圧は、あの京都市の市労連の委員長の梅林さんを、政令二〇一号反として首にしたのであります。こういつた彈圧をして四十八時間制を強行したということであります。この点も十分お考え願いたいと思うのであります。
 次に六千三百円の切りかえでありますが、この切りかえにつきましても、政府は、地方の自治体が縣会や市会で堂々と承認したのも、あるいは労働組合が闘い取つて、はつきりと労働協約の上できめたもの、こういつた給料に対してそれはやみである。政府なみに全部引きおろせ、地方自治体の自主性いとうものは全然無視して、それはやみだから政府の方針通り行けというわけで切りかえをした。ひどいのになりますと、ツー・グレード下つて、しかも号俸において九号俸程度下つておる。こういうようなひどいことがある。このためにたとえば岩手縣廳の一月下半期の手取りはほとんどないにひとしい。だから必然的に労働爭議が勃発するのです。職組は四十日間も給料を一銭ももらわないで闘つております。こういうようなことは、あまりにもむちやであるということで、われわれは怒りを発しておるわけである。こういう点も十分お考え願いたいと思うのです。
 さらにわれわれが不思議に思いますのは、われわれは去年からずつと最低賃金を要求して闘つておる。しかし政府は最初去年の暮五千九百円というペースを考え出した。その予算の二百六十三億で、今度は六千三百円だ。そうなればどつかにむりが來るのは当然だ。そのむりが私はこういうことだと思う。さらに一月と二月は現実に六千三百円もらつていない。しかも地方自治体に対してもつと御注意願いたいのは、町村等においては、五千九百二十円ベースがたくさんあるということです。政府が地方自治体に全部政府なみにやれと言つて、それよりも高ければ下げろと言いながら、なぜ低いものは上げないのか、こういう点について、何らの処置も講じてない。こういう点も十分御留意願いたいと思うのです。
 さらにこの六千三百円でありますが、今までの職階制を皆さんはどうお考えになつておるかしれないが、ほんとうの職階制ではない。これは單なる身分給であります。ですから作業の内容とか、能率、能力、そういうものを十分吟味した職階制ではない。それが証拠には、たとえば現場等で使つております金属工の給料を、一般非現業の給與と同じような切りかえ処置でこの職階制をつくつた。ですから一般他産業の金属工と比べますと、最低、中ほど、最高とありますが、最低よりさらに低い。一例を申し上げますならば、ブリキ屋が、一般は最高八千八百円くらいの給料をとつております。最低は五千円くらいとつておる。ところが役所で使つておる金属工は、四千七百円程度、これは勤続が六年で、年令が二十六歳で、金属工としては一人前です。それで家族が一人ある。そういうものがこういうような比較になつておる。こういうことから見ても、全然他産業労働者との嚴密な比較の上に立つたところの職階制ではない。そういうところは全然無視しておる。ただの身分給だ、われわれはこう言いたいのです。その身分給を今度はずつと昔に戻して、千六百円当時に戻して、再切りかえをする。ここに矛盾が起らないでおるはずはない。しかもその後われわれが労働組合とて、いろいろな観点からいろいろな数字をあげて、地方自治体に対して要求し、認めさした適正な給與水準をやみだと言つて、全部ぶつた切つてしまう、こんな乱暴な話はどこにもないと私は考えるわけです。
 それからなおここで皆さん方に申し上げたいのは、地方自治体に対しては、すでに首切りがどんどん行われておるということです。これも政令二〇一号以來政府の強圧でわれわれのあらゆる権利を奪いとられ、首切りも天くだり的に強行されている。たとえば徳島においてはわずかに六百名足らずの役所でありながら、百五十名も首を切つておる。これはしかも青年婦人部なんかが多いのですが、そういう首切りが徳島に限らず、あるいは岐阜縣においてもあるいは高知縣においても方々において、もう地方自治体は、政府の方針をまつ先に守つてどんどんやつておる。このしり押しをしておるのは、おそらく政府ではなかろうかと私は考える。過日の全國知事会議においても、すでに政府の案に從つて、縣では何名切る、市では何名切る、町村では何名切ると、具体的な数字さえも新聞には発表されておる現状であります。こういう点についても、この四十八時間制の労働強化、さらに六千三百円の低賃金への切下げ、そうして今度は首切り、こういうような強圧は、われわれのような弱い地方自治体に対してはどんどんやつて來る。この地方自治というものは非常に自主性があるにもかかわらず、なぜこのようになるかということをお考え願いたい。それは地方財源の有利なものを全部政府は独占して、地方は財政的に行き詰まつておる。さらに今度は配付税なんかも切られようとしておる。起債も認められない。公共事業費も減らされる。いろいろな重圧を地方自治体は全部かぶつてしまう。しかもそれを大藏省あたりが握つているから、首切りにも、はいさようでございますか、四十八時間制も御無理ごもつともと從わなければならぬ。六三ベースにしても、法律的には何ら從うべき必要がないのに、そうでございますかといつて、縣会できめた給與を、やみだといつて政府から突つつかれてそれを下げてしまう。こういう自主性のなさ、それは結局財源を國家が独占して、最も弱い自治体にかぶせて來る。こういう点も十分お考え願いまして、われわれはあくまでも働ける賃金を要求する。そうしてわれわれは完全雇傭してもらいたい。地方自治体には仕事はたくさんあります。河川は痛んでおり、橋梁もこわれておる。こういうように地方自治体はあらゆる部面にわたつて疲弊しておる。それらを防ぐには人はいくらもいる。ですからわれわれに働ける賃金の要求並びに今の六千三百円ベースの撤廃、さらに四十八時間制については、もつと御考慮を願いたい。おそらくこれを撤廃すべきであると私は思うわけであります。
 簡單でありますが、要点を述べて終ります。
#11
○星島委員長 別段御質疑がありませんければ、次に日本教職員組合の木島喜兵衛君にお願いいたします。
#12
○木島參考人 日本教職員組合の木島であります。前お三人におつしやつたこととなるだけ重複をしないように、しかもできるだけ客観的な立場から申し上げたいと思うのであります。資料が参つておるだろうと思いますから、それを御参考に願います。
 最初に再計算のことについて申し上げたいのでありますが、再計算の條項が二百六十五号の第十條に入つておりますが、この條項、それからその実施細目であるところの通牒も、これはこの法律の経過あるいは趣旨をまつたく無視したところのものである。官僚政治の典型的悪例であると断ぜざるを得ないと、結論として考えるわけであります。この意味において、國権の最高機関たる國会において、その責任においてこれを抹殺していただきたい、これを最初に申し上げたいと思うのであります。その理由の一、二を申し上げたいと思うのでありますが、二百六十五号の原案作成者であるところの人事院も、これは淺井さんがこの條文についてはあずかり知らぬと弁明しておられるのであります。また再計算がなされて多くの不満が公務員の中にわき起つたころに、社会党においては実施本部に嚴重な抗議を申し込まれたと私は新聞で見ております。これはここにおいでになります赤松先生もおいでになられたそうでありますが、赤松先生はその審議をなさつた方なんです。その方がこの実施本部に抗議を申し込まれたということは、そのことから察しても、これは立法の趣旨に反したものであると想像できるのであります。新給與実施本部は知らないと言つておりますが、少くとも今井給與局長は関係があつたはずだと私は当時の経過からこれを認めざるを得ないと思うのであります。しかもその條項を最大限度に幅を廣めて解釈し、あるいは法を逸脱して適用をして、既得権を大幅に侵害しておるということは、まつたく立法の趣旨に相反したるところのものであります。官僚独善の現われであり、國会無視の暴挙と言わざるを得ないのであります。この結論からしても、この條文はすみやかに國会の権威において、責任において抹殺していただきたいと思うのであります。さらに立法の経過から申し上げましても、私はこの條文は不要であり、抹殺さるべきものであると考えるのであります。六千三百七円ベースをきめるときに、二十三年度分の追加予算として二百六十五億が計上されたのであります。これを法三十條ですか、一月一日から施行するが、現金を十二月一日から支給する関係上、これをいかにするかということが、あの当時ずいぶん愼重な審議がなされたはずであります。そうしてその結果、一月、二月を一七・五%差引くということを、給與法の中では前例がないと思われるような方法によつてなされた。これは十二月一日現在の給與をそのまま切りかえたる予算であつたということを、皆様がおきめ願つたものだと思います。その意味から言うならば、二百六十五億の予算で間に合うものを、なぜ再計算しなければならないか。ここに私はこの條文が抹消さるベきものであると断ぜざるを得ないのであります。このことは今井給與局長も、先般人事院で行われましたところの給與問題審理会においても、予算が余ると言つた。切りかえにおいては予算を余す必要は一つもないわけなのであります。それから立法の趣旨、あるいは実施本部の意図に対して、再計算によつて各官廳間の、あるいは各府縣ごとのアンバランスを修正しようというところの意思があつたと、もし考えるならば、これはまたきわめて不可解なことであると言わざるを得ないのであります。なぜならば、二十三年一月一日を起点にして再計算することによつて、アンバランスが直るというならば、すなわちそれは二十三年一月一日以前が、より均衡のとれないところの給與であつたという前提がなければ、この論は進められないのであります。しかしながらこれはまつたくこれを証明するに足るところの資料はあるはずがないのであります。かつ昭和二十三年度の昇給においてこそ、各官廳、及び各府縣は、そのアンバランスを修正しておつたものであります。これをわれわれの日本教職員組合の例にとつて、各府縣の最低と最高を、昭和二十二年の十二月二十日と、それから三千七百円になりました昭和二十三年六月一日の給與で比較するならば、小学校においては、二十二年十二月二十日では、最低を一〇〇としたときに最高が一七七、すなわち七割七分の開きがあつたのであります。これが二十三年六月一日には一四四、四割四分に下つておるわけです。すなわちアンバランスがなくなつておる。これを中学校で言うならば二十二年十二月二十日には最高が一八四に対して、二十三年六月一日は一三一であります。ほとんど非常に大きなアンバランスをなくしておるわけであります。これらの意味から言いましても、不均衡是正のために、この再計算の條文を入れたということもまた考えられるのであります。これらの意味から言いまして、立法の趣旨、あるいは経過、あるいは予算面から言いましても、この再計算という言葉をこの十條の中に入れること、このものの意味がまつたくあり得ないと断じ、皆様の責任においてこの條文をただちに抹殺していただきたいと思うのであります。
 次に再計算による既得権の大幅の侵害は、法二百六十五号に再計算の條項を挿入したこととともに、再計算の実施細目であるところの通牒が、非常にむりに法の範囲を拡大しておること、及び法を逸脱して不利益を増大していることにあつたのであります。そのためにわれわれの既得権が大幅に侵害されたと思うのである。これまたわれわれは次の理由のもとに申述べるのでありますけれども、かかる通牒はただちに取消すように皆様にお願いしたいのであります。その理由といたしまして、法二百六十五号十條の再計算は、法四十六号によつて再計算することを規定しておるわけであります。この法四十六号は、昭和二十三年一月一日からの給與を規定しておるものでありまして、二十二年には効力が及んでおらないものであります。ところが再計算の実施細目には、発令日のいかんを問わず、昇給した金額の最初の支給が昭和二十三年一月一日以降のものは排除される発令日でなく、支給日をもつて排除するということなのであります。このことは俸給の法的効力の発生の基礎は、正式辞令の発令日ではなくして、支給日であるということなのであります。これは明らかに法を逸脱したところの通牒といわざるを得ないのであります。たとえばわれわれの辞令にしましても、すべて正式発令のこの期日をもつて法的根拠になつておるわけであります。これを支給日をもつてするということは、明らかに法を逸脱するものであると考えられるわけであります。また二百六十五号十四條の俸給の支給に関しては、官吏俸給令の例によるとあるわけであります。この官吏俸給令の第三條に、俸給は新任、増俸、減俸とも、すべて発令の翌日より計算すると書いてありますので、それを昭和二十二年十二月三十一日附昇給した者は、当然昭和二十三年一月一日以降から支給を受けるわけであります。ところがこれを二十二年中の発令は排除されるという、すなわち法四十六号が昭和二十二年に効力の及ばないにもかかわらず、その二十二年の給與を排除するということは、これまた明らかに法を逸脱するものであるのであります。その意味においてこの通牒はただちに取消さるべきものであると考えるのであります。また法四十六号は、二十三年五月三十一日に公布施行されたものであります。從つて昭和二十三年一月一日から五月三十一日までの昇給までも、しかも発令日を二十二年にさかのぼつて正式に発令したものまでも排除するということは、これもまた立法の趣旨に相反する。まつたく理不盡というほかはないと考えるのであります。かかる理由から考えましても、國会はただちにこの通牒の無効であるという、取消しの手続をとつていただきたいとお願いするのであります。
 第三番目に、再計算は直接國家公務員についてなされるものでありますけれども、法二百六十五号と地方公務員、あるいは教育公務員との関係が明確でないために、不当に利益が侵害されておる。この点に関してこの関係を明確にしていただきたいと思うのであります。先般の人事院の公開審理会において今井給與局長は、地方公務員の場合、再計算の趣旨は、オーソライズされないものを排除することにあるから、地方公共團体の場合、知事がオーソライズした場合は、地方公務員の昇給は排除し得るかどうか疑問である、こう言つておるわけであります。にもかかわらず今自治労の岡田さんのおつしやつた通り、きわめて多くの再計算によつて既得権が排除されておる。これはどこにあるかというならば、地方自治法施行規則の中に、地方公務員の給與は國家公務員の給與の例によるという規則がある。これを形式的に押しつけておるがゆえであります。しかしながらこれは例によるということは、決して形式的に押しつけるべきものでないと思う。しかるにもかかわらず、この例によるという言葉の法律の解釈が非常に不確実のために、総理廳自治課あるいは地方財政委員会等のいろいろのことが地方に及ぼして、その結果再計算をなされなければならない。そのために地方自治の本旨にもとるような数々のことが起つて來るのではなかろうか、これはまさに私は中央官廳の横暴と断ぜざるを得ないと思うのであります。また教育公務員の場合を申しましても、教育公務員、すなわち教員は、二十三年七月一日まではこれは身分から申しまして官吏でありまして、七月一日から二十四年一月十二日までは國家公務員なのであります。そうして教育公務員法特例法が出るに從つて、すなわち二十四年二月十二日から地方公務員になつた。かく非常にめまぐるしく身分が変化しておる。ところが給與の責任者は、教育委員会ができました二十三年十一月一日をもつて、それ以前は知事にあり、それ以後は教育委員会にあつたわけであります。この教員の身分と給與の責任者の変化したことと、それからその時間的なずれであります。その間が再計算の解釈を非常に困難にして、現在われわれが非常に苦しんでおるという状態であります。今井給與局長は、教員は昭和二十三年十二月一日当時國家公務員であつたから、再計算は当然なさるべきであると、再計算をされる方をそう規定しておりますが、再計算をする方は、教育委員会である、その教育委員会は、教育委員会と実施本部の権限と責任の関係に多くの疑問があると言つておるのであります。すなわちされる方はされなければならないが、する方はしてよいのか、しなくてもよいのかわからない。ここに非常に不明確な、もやもやしたものが存在するわけであります。元來教育という仕事は、地方の固有事務であります。これは教育委員会法の精神でもあるのであります。このことをまた給與のことから申しましても、二千九百二十円になつたから、法律第四十六号によつて、労働の報酬として受けることになつております。それ以前は官吏としての身分云々ということであつたと思うのでありますが、にもかかわらず、國家公務員であるとするならば、われわれは当然國家から俸給をその労働の報酬として支給されなければならないはずであります。にもかかわらず新制高等学校の教員は、一銭も國家からは給與を受けておりません。かかる國家公務員が存在するかという問題であります。あるいは小学校、中学校においても俸給を支拂うのは縣であります。國庫は半額を補助しておるだけであります。当然これを國家公務員にしたということにおいて、すでに間違いがある。これを二十三年七月一日にさかのぼつて、今から教員は地方公務員であるとするならば、する方もされる方も、明確に法律的な筋道が立つて、ここに再計算の問題が解決するわけなのであります。これもまた國家公務員法、あるいは法第二百六十五号の人事院規則その他によつてできるわけでありますから、この点は形式にとらわれず、実質にふさわしいところの取扱いをされるようにお願いしたいと思うのであります。
 時間がございませんので、なお四十八時間制その他の勤務條件について簡單に申し上げます。先ほどから多くの方が申されましたように、四十八時間制については申すまでもなく労働強化である。それがただちに行政整理に連なるものであつて、われわれのまつたく反対するところであります。ことに教員の場合は、教員の特殊性にかんがみて、四十八時間は一律にやれないけれども、個人々々にはやつてもよいとは言つておりますけれども、この四十八時間制の関連において、教員の定数を四月から削減することになつております。そのために一人当りの授業時間を多くするとか、あるいは学級数を減じなければならないとか、あるいは一学級の兒童、生徒をよけいにして受持たねばならぬということが起つて参りまして、この結果当然教育の低下ということは申すに及ばないことであります。もしこれが人事院指令の中に言つておるがごとく、内閣総理大臣あて連合國最高司令官の書簡の趣旨に即應したものであると言つておるわけでありますが、これについてもわれわれは便乗しておるのではなかろうかと思うのでありますが、そうであつたにしても、この勤務時間の増加に伴うところの賃金の増加は、当然考えられなければならないのに対して、なされておらないということは、われわれのまつたく不満とするところなのであります。公務員法によつて與えられた範囲内において不利益の面だけは常に早くいたしますが、利益の面の着手がきわめて遅いということは、どうしても言えると思うのであります。これらのことは最近出ましたところの國家公務員法に基く職員の意に反する降任及び任免に関する人事院指令というようなことについても、たとえば人事院が六千三百円のときに勧告したところの、優秀なる政府職員を誘致、確保し、あるいは能率を増進させることを得せしめるということが書かれておるにもかかわらず、それらの施策が何らなされておらないということが言えると思うのであります。また法律二百六十五号の中においても、第二條に人事院の権限が列挙してあります。これらを見ましても、その中のほとんどがいまだなされておりません。資料の七ページにこまかく書いておきましたが、その第二條は、「人事院は、この法律の施行に関し、左に掲げる権限を有する。」第一は「この法律の実施及びその技術的解釈に必要な人事院規則を制定し、及び人事院指令を発すること」とありますが、審議会が開かれて一箇月になるにもかかわらず、いまだその結論を出しておらぬ、あるいは第二番目の「第九條に規定する俸給表の適用範囲を決定すること」とありますが、現行職階制の不合理は実施本部すら初めから認めておることである。これらについて何ら手を打たれておらないということ、第三番目には「職員の給與額を研究して、その適当と認める改訂を國会及び内閣に勧告すること」云々とありますが、これについても國家公務員法第二十八條にあるごとく、人事院は毎年、少くとも一回、俸給表が適当であるかどうかについて國会及び内閣に同時に報告しなければならない。給與を決定する諸條件の変化により、俸給表に定める給與を百分の五以上増減する必要が生じたと認めたときは、國会及び内閣に勧告することになつています。しかもこの六千三百円は、昨年の七月に調査されたものであり、当然五%増減すべき時期がすでに來でおるにもかかわらず、何らもだ調査に着手されておらないという点、あるいは第四番目の「昇給の基準に関し人事院規則を制定し、及び人事院指令を発すること」とありますが、法第四十六号によるところの昇給、昇格のこととは、いわゆる政令四百一号でありますが、これはきわめて悪法であることは、皆さんすでに御存じのことであると思います。その惡法であることは、人事院も認めながら、いまだに示さていない、あるいは五番目の「勤務地手当の支給地域及び支給割合の適正な改訂につき」云々とあることについても、法第二百六十五号、第十七條によつて、現在の不合理な地域がそのまますえ置きになつておつて、それらの改訂がいまだになされていない、あるいは研究がなされておるかどうかわかりませんが、聞いておらないということ、それから人事院の権限においてもいまだなされねばならぬことがなされておらない。そうしてわれわれの不利益な点だけが多く取上げられておるように思うところに、われわれの大きな不満があるわけであります。それで國会にお願いいたしたいことは、この二百六十五号第三十條に「國会は、給與の額又は割合の改訂が必要であるかどうかを決定するために、この法律の制定又は改正の基礎とされた経済的諸要素の変化を考慮して、人事院の行つた調査に基き、定期的に給與の額及び割合の檢討を行うものとする。」と國会がなすべきことが載つておるわけであります。このこと及びこの趣旨に沿つかこれらのことがこの法律の中にあることだけでも、せめて的確になされるように、皆様から督励し、あるいは監視していただきたいと思うのであります。なおこれらの法律の中には、あるいは罰則の適用と言い、あるいはいかなる給與も、法律または人事院規則に基かず支給されないというようなこと、その他多くの矛盾を含んでおることについても十分今後お考え願いたいと思います。
 以上日教組の態度あるいは意思を申し述べたのでありますが、十分御斟酌願いまして、われわれが喜んで仕事に励むことのできますように、給與あるいは勤務條件について、特に御努力を願いたいと思うのであります。
#13
○松澤委員 ただいま日教組の方からお話がありまして、たいへんごもつともなお話ですが、一つ簡單にお尋ねしたいのであります。再計算の結果、府縣によつて非常に犠牲が大きかつたところと、犠牲の少かつたところがあると思うのですが、これはいかなる理由によりまいてそういう結果になつたのか、あるいは知事が非常に強く出たところは、割合に再計算は犠牲少く済んだというようなことも言われておりますし、あるいはまた教育委員会が非常に強いところは、再計算の犠牲が少かつたというようなことも言われていますが、この点一つ…。
#14
○木島參考人 再計算をなすところのものは教育委員会の責任においてなされるわけであります。でありますので教育委員会がいかに考えるかということによつて決定すると考えられるわけであります。しかしながらどの縣も再計算はやはりやつております。なぜこのために凹凸が大きくなるかと申しますならば、期日を二十三年一月一日という機械的に切つているところに問題があるわけであります。すなわち二十二年中に昇給したものはどこまでもかまわないが、二十三年になつて昇給したものは一切いかんというところに問題があると考えております。
#15
○松澤委員 それでは文部省の政府委員の方にお尋ねしたいのでございますが、この再計算の犠牲の大小ということは、どうしても府縣関係のアンバランスということだと思うのであります。これを是正する方法は一体どういうところにあるのでありますか、あるいはその責任はどこにありのか。これをもし文部省が再計算を指令されたといたしますと、その是正もまた文部省の責任であるというふうにも解釈されるのでありますが、この点はいかがでありますか。
#16
○松下説明員 ただいま御質問がございましたので、私からお答え申し上げます。再計算の指令権は文部大臣にございません。これはあくまでも新給與実施本部長であります。從いまして現在かりに起つておるといたしますれば、アンバランスの点の是正権も直接には文部大臣にございません。新給與実施本部において何とか考慮すべき問題だと思います。
#17
○松澤委員 形式的に言えばそれは実施本部長でありましようが、しかし再計算の指令を全然出しておらぬということは、ちよつといかにも教育を担当する官應としては受取れないのでありますが、少くとも今井給與局長が実施本部次長として、全般的な指令を出されたということはよくわかるのでありますが、しかし個別的にやはり教職員の問題は文部省で関與していないというそのわけがわからない。実際でございますが。
#18
○松下説明員 ただいま私の申し上げましたことはやや形式的でありましたので、いかにも文部省が無関心だというふうにもお聞えになつたかもしれませんが、教員の給與を始めとしまして、一切の待遇その他につきましては、文部省として十分その責任と義務を感じまして、事務的にも相当努力いたしております。今回の問題につきましては非常に各地の官應におきましても、いろいろの法律の適用や解釈、その他について問題があります。われわれは今せつかくできるだけ教員のためによくなるように努力いたしておるわけでありますから、どうかその点は御了承願いたいと思います。
#19
○松澤委員 そういつてくれればそれでよくわかるのであります。何にも関與しないようなことを言われるから、へんに思うのです。
 それではもう一つ文部省の方にお伺いしたいのでありますが、再計算を一應やつたけれども、しかも二十三年度中の昇給が、正当な理由に基くという府縣知事の確認なり、あるいは証明なり、そういつたものがあれば、この是正がある程度可能であるという見通しがあります。
#20
○松下説明員 お答えいたします。実は再計算の結果につきまして、具体的な府縣からの報告が全部出そろつておりませんので、それらを全部はつきりつかみまして、その上でただいまお示しのような結論が出るやいなやを十分検討いたして、なるべくその線に沿つて考えて行きたいと思つております。
#21
○松澤委員 教育職員は、いろいろそれぞれの職種によつて違うと思うのでありますが、少くとも職階制の適用ができない。あるいは試験制度の採用ができない。あるいは研究は單に学校の勤務時間だけではなくて、自宅に帰つてもしなくてはならないという、その特殊な性質から考えて、教育職員の特別俸給表というものをつくるように、われわれも考えて努力しておつたのでありますが、これは人事院におきましてはどの程度までそういう方面の研究が進んでおりますか、お伺いいたします。
#22
○蓮見政府委員 昨年國会の御意思によりまして御決定をいただきまして以來、われわれ今日まで十分各方面の意向を徴しまして検討中でございます。ある程度まで進んでいるのでございますが、ここに発表し得る段階に至つていない。かように存じております。
#23
○松澤委員 発表していただかなくてもいいんですが、いつごろそういうものが発表できる段階になるか、あるいは法律改正等の手続がいつごろとられるか、見通しを伺いたい。
#24
○蓮見政府委員 ただいまの件につきましては、私一属僚でございますので、これは人事院会議にかけて決定していただかなければ…。
#25
○松澤委員 かけるところまで行つているのか。
#26
○蓮見政府委員 今私のところでやつているので、まだ提出まで至つておりません。しかし一部につきましてはお話し申し上げております。
#27
○赤松委員 私先般人事院総裁に対しまして資料の提出を要求して、三点のうち二点参りまして、一点は残つているのです。これはどういう資料であるかといえば、ただいま日教組の方のおつしやいました地方公務員に対する政府津牒が、一体どういう法理的根拠に基いて出されているのかという点について、人事院で至急調査して出してもらいたい、こういう要求をしておいたのでございますが、その後調査されたかどうか。もし調査された結果、ただいま日教組の参考人のおつしやつたような、地方公務員の給與は國家公務員の給與の例によるという、地方自治法施行規則という規則を、形式的に押しつけているということが判明したかどうか。この点ちよつと後ほど参考人に御質問をする参考のためにお伺いしたいと思うのであります。
#28
○星島委員長 それでは今日は午前中八人の参考人の方に來ていただきまして、四人の方をお聞きしたのでありますが、今ちようど十二時過ぎましたから、一時まで休憩いたしまして、一時から続いてお一人欠席でありますから、あと三人の方にお願いすることにいたします。ただいまの赤松君の御質問に対して御用意ありますか。
#29
○蓮見政府委員 資料をここに提出するまでには至つておりませんが、俸給課といたしましてはこの問題についての結論には達しております。しかしこれは憲法の第七條にも関係するし、各方面に影響する大きな問題でございますので、人事官のところでこの問題について十分審議した上で、結論を出したい。もう少しつけ加えますならば、再計算の、また政府職員の給與調査の結論の一つとして出すようになるのではなかろうかと考えております。
#30
○赤松委員 その点は後ほど淺井人事院総裁が御出席になりました際にお尋ねすることにしまして、ただいま松澤委員の質問に関連して文部省の方にちよつとお尋ねしたい。文部省の方は、まだ地方の再計算のいろいろな資料が全部出そろつてないというお話でございましたが、私の知る範囲におきましては、すでに地方ではほとんど再計算が終つておる。しかも問題は文部省がそれに対して全然無関心である。タツチしていない。むしろ府縣の教育委員なり、あるいは知事は、地方財政委員会と折衝を進めておるという実情でございまして、この地方財政委員会がいわゆる政府の意を体して、きわめて機械的な再計算をどんどん行つておるという実情でございます。そういう点について私はあえて文部省の責任を問おうとするものではありません。しかしあなたは全部出そろつてから態度をおきめになるということをおつしやいましたが、地方ではすでに再計算がどんどん行われて、教員組合と知事の間にそういう折衝が行われている。あるいは知事と地方財政委員会との間に折衝が行われている。事務的にもそういう問題が、具体的にどんどん進行もしくは終結しておるというような実情なのですが、それに対してあなたはそういう実情を御存じありませんか。
#31
○松下説明員 ただいまのお言葉でございますが、出そろつてからということでなく、ただいまでも、どんどん進行いたしておるわけです。遠からずしてその結論はわれわれとして得られると思つております。全然無関心と仰せられましたが、そういう点はございません。教育委員会の方々がたえず参られまして、教員のためにこれを何とか有利に措置する方法がないかということは、われわれとしても御一緒に連絡しましてやつておるのですから、そういう点をひとつ御了承願います。
#32
○星島委員長 午前中の議事はこの程度に止めまして、午後は一時より続行することにいたします。
 なおただいま御出席の政府委員並びに参考人各位は、午後も引続き御出席くださるよう念のため申し添えます。
 それでは午後一時まで休憩いたします。
   午後零時一三分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十八分開議
#33
○關内委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。
 星島委員長は午後おさしつかえがあつて出席できないとのことでありますから、私が委員長の職務を行います。
 それでは午前中に引続き、参考人より意見の陳述を求めます。
#34
○成田委員 四十八時間制の問題について午前中参考人から御意見を承つたわけでありますが、この際ちよつとお願いしたいと思うのは、午前中の参考人の方も、全面的に四十八時間制に反対された意見が多かつたのであります。では具体的に何時間制を主張されるかという問題については、全官公の上野さんは一日七時間、一週四十時間ということを具体的に言われたのでございますが、法の方は、私の聞き落しかもしれませんが、まだ具体的に言われていないように感じましたので、午前中の上野さん以外の方に、その点につきまして具体的に、何時間制を主張されるか、これから発言される参考人の方も、四十八時間制に反対すると同時に、何時間制を主張されるかということを、発言の際に言つていただきたいと思います。
#35
○關内委員長代理 それでは全國専賣局職員組合の住谷誓一君に発言を願います。
#36
○住谷參考人 専賣職組の住谷であります。ただいまから参考として、二、三のことを申し上げます。
 四十八時間制が実施されたということが、今年の一月二日の指示によりまして、われわれに襲いかかつたということになつておりますけれども、四十八時間の問題はあとに述べます六千三百七円の問題と、まるつきり関連性のない、しかも一方的なるものであるということに対して、われわれはまず反対を表明しなければならないと思います。淺井人事院総裁の談話といたしまして、一月二日に、この四十八時間制は、九原則の実施のために、人の力を最高度に活用するという意味において実施するのだということを言つておりますけれども、少くともわれわれ官公吏に対して、人力を最高度に活用するために四十八時間制を実施したということに対しては、まつたくわれわれの勤務條件そのものを無視した一方的なことであるということを、まず第一にお話したいと思います。六千三百七円ベースが昨年の議会を通過した後において、あるいはその前における人事院の勧告というものを考えてみたときにおいて、四十八時間制の問題は、私たちの想像では全然考えられていなかつたということが言えるのではないかと思うのであります。人事院の勧告と、それからその後に起つた経済情勢の動き、あるいは國会の審議状況、予算の問題、こういうものと関連いたしまして、いわゆる数字的なつじつまを合せるために、六千三百七円というものを決定して法律は出されたのでありますけれども、こういう問題と関連しまして、四十八時間制の問題はもう一度審議されまして、そうしいわれわれ官公吏に最も適した時間制というものを、この際とるべきではないかというふうに思つております。四十八時間制の問題が、先ほども申しましたように一方的であり、しかもそれが九原則を履行するために、人力の活用であるというような考えのもとに実施されるということに対しては、われわれは最も遺憾の意を明明するものであります。官公吏の時間については、人事院なり、あるいはその他の機関において、相当愼重に檢討されまして、この問題はわれわれ全官公の線なり、あるいは組合の主張として四十時間前後、こういうものが最もよいのではないかと思つております。四十八時間制が実施された後において、われわれははたしてこの四十八時間制が妥当であるかどうかということを、組合員全体にわたつて調査した結果によりますと、四十八時間制そのものは、きわめて勤務條件を悪くするものであると同時に、いたずらに作業時間を長引かせ、あるいはこれによつて能率の低下を來すものであるというふうな結論に、大部分が到達しております。画一的に四十八時間制の実施ということは、もう少し愼重に檢討されまして、少くとも人事院が、六千三百七円の官公吏の給與を勧告したと同じような形において、勤務條件はあらゆる角度から檢討しまして、新しき問題を提起すべきだと思います。われわれ組合としては週四十時間前後を主張し、またこれにおいて最も能率的な官公吏の執務ができるのではないかというふうに意見を表明しております。
 それから六千三百七円でありますけれども、先ほど申しましたように当時の國家予算の残高、そういうものを勘案しまして決定されたというふうに聞いておりますけれども、一方人事院の勧告そのものを尊重するということが、つけたしみたいになつておりまして、この点に関しては、つけたしというような感じを持たないで、少くとも当時の状況を考えて、もつと國会の審議なりあるいは政府の意見を表明し、また組合の主張する時当の七千三百円ベース、あるいはこの六條件というものを、もつとくんで実施しなければならないと思うのであります。人事院の態度も六千三百七円ベースを勧告したにとどまり、そうしてそれが七月を基準にしたにもかかわらず、十二月あるいは一月の実施というようなところで今日まで來ているということは、官公吏を保護する立場にある人事院として、われわれはこれに対して最も強い意見を表明すべきではないかと思つております。六千三百七円の実施そのものが根本的に改正されるべき立場にあることを、私は二、三の例をもつて申し上げたいと思います。それは昨年の七月を基準にして組立てられているということは、少くともその後の情勢においては、新しい給與の勧告がなされるべきであるというふうに思つております。これに対してはただ單にCPSなり、あるいはその他の物價指数が五%上つたから、これに対して調査を始めるというようなスローモー的なものではなく、勧告したときはそのものが次のものを勧告すべき状態に至つているということを考え、われわれ組合の意見なり、あるいはその他の情勢を考慮しまして、もつと科学的な問題をこれに加えまして、賃金ベースをきめて行かなければならないと思います。
 われわれ組合といたしまして今後の四十八時間問題、あるいは六千三百七円ベースに対する要望といいまするか、それを申し上げますると、今後においては最低賃金制を確立して、それに立脚するところの同一労働にする同一賃金の制定、こういう方向に強く向くべきではないかと思います。それから賃金水準の確立については、すでに予想されておるように、今度の四月、五月に物價も上るというようなことが考えられておりますけれども、こういうことに対処しまして、現在よりこの賃金水準の策定なり、そういうものを強力に推し進めて、そうしてなるべく組合の意向をくむなり、あるいは廣く意見を聽取して、これらの問題に対処すべきことを特に要望いたします。それから現在六千三百七円ベースでわれわれが苦しめられておるということは、そのものが最低賃金制を確保していないということにもありますけれども、これらに加えて勤労所得税の問題なんかも、やはり相当われわれに過重の負担となつて來ております。税制改革の問題なんかもありましようけれども、こういうものとまた別個に、勤労所得税の問題は、われわれ官公吏として当然考えらるべき問題であり、また今後における重要な課題となつておることをここに強調しておきます。それから根本的な問題でありますけれども、官公吏において官公廳の組合が、國家公務員法の改正により罷業権を失い、あるいは團体交渉権を弱められたということを考えまするときにおいて、必然的にこれにかわるべき給與の優遇という点が考えられなければならないと思うのであります。これに対してはどうかということを考えますると、きわめて放任されておるということに盡きるのではないかと思います。民間の給與の問題を考えてみましても、罷業権を持つておるというこの事実、これは労働者にとつてかけがえのない武器であります。これを持つてこそ初めてわれわれは強に立場をとり、あるいは労資対等の立場に立つていろいろな問題を処理するのでありますけれども、これも抹殺されていて、その反面給與はきわめておそまつなものであるということは、政府そのもの、あるいはわれわれの給與を見るべき人事院の態度として、はなはだ一方的なものであり、また一面が脱けておるのではないかというふうに考えられております。こういう基本的な問題をわれわれ官公吏からとつたということに対して、必然的にそういうものがなくてもよいような給與水準の確立が、特に要望されるのではないかということを附言しておきます。それから六千三百七円の問題、あるいは四十八時間の問題に関連いたしまして、人事院の出しておる人事院規則なり、あるいは人事院指令というものは、われわれ官公吏を拘束するものである。拘束するものばかり出しておるということであります。六千三百七円の不平あるいは矛盾そのものがきわめて明白になつている今日において、人事院なりあるいは政府は、これにかわるべき幾多の問題をただちにやらなければならないと思うのであります。たとえば厚生施設の問題もありましよう。あるいはその他の面でわれわれ官公吏に対して幾多の改善問題があると思います。こういうものが、今日まで相当の人事院規則が出ておるのにもかかわらず、ほとんど考えられていないということは、また今日われわれの取上げる大きな問題でありまして、こういう給與水準に対する矛盾あるいは四十八時間制の不合理というものに対しては、この際徹底的に改めて進むべきだということを、私は思つておるのであります。われわれ組合としましては、昨年から六條件つき七千三百円ベースを要求しており、またこの問題は五月にさかのぼりわれわれは主張したのでありますけれども、こういう問題が当時の状況によつてほとんど葬むられたというような形になつておりまして、人事院そのものに対する強い要望は、われわれの最低賃金制の確立という方面に向つておりますし、政府としては現在の給與水準をこの際根本的に修正しまして、最低賃金制を確立した上における完全なる同一労働に対する同一賃金の方向を、強くとるべきであるということを特にこの際申し上げたいと思います。
 四十八時間制に対する意見はわれわれとしては絶対反対だということを、まず第一に表明いたします。それから六千三百七円ベースに対する再計算の問題も、やはり当時の状況から考えて、われわれは國会の審議過程を考えますと、政府の一方的なものであつて、これが何ら討論もなされないで挿入されたという感じをもつております。これに対する矛盾その他は、前に全官公の上野さん、あるいは日教組の方から申された通りに、われわれもまつたくこれと同じ考えをもつております。以上簡單でありますけれども終ります。
#37
○關内委員長代理 何か御質疑がありましたら…。
#38
○土橋委員 政府の責任者も人事院の責任者もお見えになつておりますので、今まで五名の方からいろいろ再計算の問題、四十八時間制の問題を御説明願つたわけでありますが、ちようど機会がよろしいので、官房長官と人事官にちよつと御質問したいと思います。
 昭和二十四年三月五日の人事院における公開審理の議場において、今井給與局長はこういうことを言われております。内容をかいつまんで申し上げると、このたびの再計算による不都合というものは、結局國会における法律案の制定が、きわめて不十分であるという点から考えなければならぬという趣旨が書かれておるわけであります。しかしこの原文を読み上げた方が趣旨が明確になりますので、まずその点を読み上げまして、法律第二百六十五号がどこで立案され、だれが國会へ提出したかという点の説明をお聞きしたいと思つております。今井さんの証言によりますとこう書いてあります。「新給與法の今回の法律二百六十五号の制定に伴いまして、とにかく二十三年一月一日以降のそういう承認されない処理というものは一應全部裸にする、そうして各省に共通の昇給基準、即ち昨年十二月の政令四〇一号による昇給を当てはめて、新しい六千三百七円ベースに切りかえる、斯ういつた御指示を受けまして私もこれをよく考えて見ますと、とにかくこの分科会におきまして、協定を遂げ、実施本部におきまして正式に承認した限りのものは全部確保されている建前であるが、それ以外にいわゆる法律の根拠のない不当な部分だけが一度裸にされるということは、筋も通つていることでありまするがゆえに、その点は私も御賛成いたしたのであります、」こういうことを書いておるわけであります。そうして六ページですが、その下の段で淺井人事院総裁がこういう質問をしております。「今井さんに御伺い致しますが、政府が最初五千三百円の給與法案を出しました時に、再計算に関する規定を含んでいましたか、」これに対して今井給與局長は「おりません。そういう再計算のことは考えておりません」と答弁をしておるわけです。そこで淺井調査官は「唯今の御説明によりますと、再計算の必要の妥当な事をおつしやいましたが、それならば大藏省は何故五千三百円の法案を出した時に、その規定を入れなかつたのですか、」こう聞かれておるわけです。そこで長官にお尋ねしたいのですが、あなたの方では昭和二十三年十二月二十九日に、六千三百七円ベースにおける俸給額決定について、給本甲第三号という指令を発して、再計算をするように命じておるわけです。そうすると二百六十五号の法律というものは、事前にこういう内容になつて摩擦が起るであろうということを承知しておつて、この法案をだれが立案をして、だれが國会へ提出したかということを、まず私はお聞きしたいと思つております。
#39
○増田政府委員 土橋さんにお答え申し上げます。この法律第二百六十五号は、第二次吉田内閣の当時の第四國会において、当時のいわゆる野党側から提案せられまして、それが多数をもつて通過した法律でございます。まず一應そのことを申し上げます。
#40
○土橋委員 官房長官の今御説明ありました点は、野党側が立案をして野党側が國会へ上程した、こういうことでございましようか。それで間違いございませんか。
#41
○増田政府委員 さようであります。
#42
○土橋委員 それでは重ねてお尋ねいたします。ただいまの日教組の木島参考人の御説明によりますと、これは人事院において立案をして、こういう法律をつくつたというパンフレツトを、ただいま私は頂戴したわけでありますが、この点をちよつと日教組の木島さんにお聞きしたいと思います。木島さんの御説明によると、淺井人事院総裁は、この法律の初めの原案作成者であるというふうに説明が加えられておるわけですが、間違いございませんか。
#43
○木島參考人 その通りであります。
#44
○土橋委員 そうしますと片方では、人事院がこういう法律をつくつたと的確な意味からの公の席上でお答えになつておるし、官房長官は当時の野党がつくつたと言われる。非常に了解に苦しむのですが、そうすると当時の野党としては、おそらくこういう法律をつくつて、十條のような再計算をすればこういう摩擦が生じて、しかも非常に困難だということを、当時の野党は承知しておつたかどうかということを、もう一ぺんお聞きしたい。
#45
○増田政府委員 法律関係のことは、私は当時の第二次吉田内閣の閣僚でもありますし、また國会議員としても承知しておりますが、政府案が破れて野党の提出した法案が通過して成立したのが、この法律第二百六十五号でございます。そこで野党の諸君が、出すときに、土橋さんの今御指摘の摩擦を予想しておつたかどうかということは、私の答弁し得る限りではありません。
#46
○土橋委員 今井さんは給與に関する方面の権威だと私は承知しておりますが、その方が、今私が読み上げましたような、もし五千三百円ベースならば再計算の問題は必要はない。しかし六千三百七円ベースになつたから再計算の問題が起つて來るというように、あなたは確かに証言されておる。そうすると当時の政府の考えでは、一月、二月、三月に二百六十五億の予算を計上して、三千七百九十一円ベースから六千三百七円ベースに上げる差額を支給すべく努力しておつたわけです。ところが人事院の方では十一月九日に、正式には十日に勧告案を出して、六千三百七円ベースを支給しなさいというように、國会にも、政府にも要請した。ところが在野党の諸君がこういう法律をつくり上げて、二百六十五億の予算では、当然結果においてこういうような一月下半期には不都合が起るということについて、給與実施本部長並びに次長は、なぜ國会に明確にそういう点を指摘しなかつたか、この点を私はお聞きしたいと思う。
#47
○今井政府委員 私に関係しておるようでありますし、土橋委員少し誤解もありますようでございますから、順序を立てて若干お話申し上げます。
 御承知の通り、六千三百七円の人事委員会の政府への勧告は、十一月の九日に出ました。これに基きまして、さつき木島さんからも言われました、この二百六十五号の原案になつた人事院でおつくりになつた法律案、これは十二月三日の日に初めて内閣の方にお示しになつたのであります。それは大体この骨子になるものでありまして、ささいの点においてかなり変化はございますが、この案が二百六十五号の土台になつております。その点におきましては、木島君の言われた通りであります。ところが政府はそれに対しまして、当時なるべく早く給與法案を國会へ出さなければならぬという立場にありました関係と、その人事委員会の原案というものが適当でないと考えました。かつまた二百六十五億という給與予算しかないという見通しから、五千参五三十円の法律案を作成して、それを國会に御提案したのであります。その中には再計算のことは一言も入つておりません。その後國会で審議中でありましたが、十二月十五日、御承知の客観情勢の変化によりまして、急に人事院の案を中心とする法律案をつくらなければならぬことに相なつたのであります。当時たまたま野党三派におかれては、人事院の案を中心にいたしまして、六千三百七円につきましての交渉を関係方面と持つておられました。それと並行して政府も十六日から同じく六千三百七円につきましての法律案について、関係方面との折衝を開始いたしました。それでその折衝中に政府案につきましても、野党案につきましても、人事院の原案にもなかつたこの十條の再計算の文字が、交渉の結果入れられたのであります。その点は昨日懇談会の席上で詳細申し上げた通りでありますが、その両方の案が國会にかかりまして、しかも押し迫りまして、あまり遅れますと、年末の職員への給與の追給が間に合わぬといつた情勢下におきまして、取急いで御可決願つた関係から、いろいろの点につきまして、政府側も十分御説明申し上げる機会はなかつたのでありますが、結局政府案の方は否決されまして、野党案の方が可決になつた。しかしながら両方とも、この原案の中には、そういつた文字が挿入されたものがあつた。從つて人事院は、おれの原案に入つておらなかつたと言われるのもその通りでありますし、また野党案が、この二百六十五号で通過したということもその通りであります。ただその間にそういつたいろいろのこまかい事情が入りましたために、一つずつ取出しますと、土橋委員の誤解されるような、いろいろな事態が含んでおつたというふうに御了承願いたいと思います。
#48
○關内委員長代理 土橋委員にちよつと御相談申し上げますが、増田官房長官は非常にお忙しいようでありますが、まだ官房長官に御質問がありますか。
#49
○土橋委員 ちよつとまだあります。簡單にいたします。ただいま今井さんの御答弁を伺つておると、何か私が誤解をしておるように御説明があつたようでありますが、私は誤解していない。私はあなたの方の行動なり、政府の万全の措置について、どういう御手配があつたかということを質問しておつたのであつて、あなたが御証言になつた内容から見ても、当時政府としては二百六十五億の予算を、一月、二月、三月と、三箇月で支給すれば、五千三百円の支給ができるという確信を持つておられたものが、人事院の十一月九日の勧告によつて、六千三百七円ベースを支給するもまた妥当であるというような考え方で、いろいろ行動をされ、しかもあなた自身が、給與表の甲号をお出しになつたときには、すでにその当時の確信から行くと、いわゆるやみ昇給は全部裸にしてやることも、また正しいということをあなたが証言された点から考えて、政府の、給與実施本部の責任において、こういう摩擦が生ずることを知つておつて、國会へこういう法律を、政府の責任において出したかどうかということを私は聞いておるのであります。官房長官は今これは野党がやつた、こう言われた。ところが木島さんの方の話は、人事院が原案をつくつて持ちまわつた結果、政府も知らない。野党も知らない。そういう第十條の法文が入つた。こういう御説明のようでありますが、第十條の規定はわれわれあまり法律に親しまない者が見ると、意味が何だかわかりません。第十條の規定を読んでおそらくわかる人は特別の人で、こういう意図を持つて、この法律をつくつた者でなければわからない條文であります。おそらく普通常識を持つておる人が第十條の規定を見たならば、何のことかわかりません、こういうわけのわからない規定を設けて結論的には摩擦の生ずることを知つておつたということについては、政府は責任を負わなければならない。給與実施本部は責任を負うべきじやないかということを、私はあなた方にお尋ねしたいのでありますが、責任がないということなら、なぜないか、その点明確にしていただきたい。
#50
○増田政府委員 先ほど申しました通り、法律第二百六十五号は、野党の提案が多数をもつて通過して成立した法立であります。その第十條の括弧の中にいわゆる再計算の文句が入つております。これは摩擦を起す、よろしくないといつたような見地からの御意見だと思いますが、そういうようなことに対しては、もちろん法律を執行するのは政府の責任でありますから、これは再計算なりその他のことはしなくてはなりません。從つて当時の給與本部長が、十二月二十九日に通牒を出したということも、これは法律執行の責任ある行政府としては当然のことであると思います。ただこの法律はあくまで立法府がつくられた法律でございますから、その点まで行政府に御質問になつても、ちよつと私どもは答弁能力もない。責任があるという点は法律執行の責任は十分ございます。しかしこの法律のそもそも作成過程が惡いじやないか、というようなことについては、政府提案の法律でないことでございまするから、この点は答弁能力は何と申しましてもないと言うよりいたし方がないと思います。
#51
○土橋委員 上野人事官にお尋ねします。今お聞きの通りでありますが、そういう内容の原案をあなたの方でお出しになつて、この前も私はあなたにいろいろお尋ねを申し上げたのでありますが、あなたの方ではそういう事態は起きるであろうということをあらかじめ察知されておつたと思います。なぜその時に人事院として、國会なり政府に、こういうことになりますと、こういう結果になつて非常な不都合を生ずるが、あなた方それでよろしいかということを勧告しなかつたかという点を、私はもう一回御答弁願いたいと思うのであります。
#52
○上野參考人 先ほども官房長官から答弁がありましたように、人事院の提出しました新給與法試案の中には、再計算の文字はなかつたのでありまして、最後に今私どもの感じを言えば、いつの間にかそういう言葉が入つたということをあとで発見したのでございます。從つて再計算ということが入れば、どんな混乱が起るかということを予想して、それを政府に勧告するというようなことはできなかつたわけであります。
#53
○土橋委員 上野人事官の御説明はまつたく奇怪千万で、この前も私は申し上げた。きのうは淺井人事院総裁から速記をやめられて、一般的な御説明があつたわけです。その内容を私どもお聞きしないで、御質問申し上げておるならばこれは非常に不十分でありますけれども、きのう淺井人事院総裁が、いろいろ御説明下さつた内容を承りますと、今あなたが御答弁になつたのと全然反対であります。全然そういうような御答弁では、きのうの淺井人事院総裁のお話ではなかつたわけです。一應私は淺井人事院総裁の言われたことを筆記をやめまして、というお話がありましたから、公開いたしませんが、ただいまのような御答弁では非常に不十分であります。私はそれでは上野人事官にお尋ね申し上げますが、この前も私はしつこくあなたに御質問申し上げたように、少くとも國家公務員法の第五條の規定は、人事官は、人格が高潔で、民主的な統治組織と成績本位の原則による能率的な事務の処理に理解があり、かつ人事行政に関し識見を有する人事官が任命されているわけであります。そういう法がこういう事態に至ることを御承知なかつたということは、遺憾ながら人事官としての職務の完全なる遂行ではないと考えておるのでございます。そこで、政府の方に聞けば、いやこれは國会で決定して、私の方ではそれに從つて実施しただけだと言うし、人事院の方では、原案をつくつたので、どこからそういう法文が入つたのか知らないと言う、そういうことでこの責任を國会に轉嫁するということは、まことに不都合千万であつて、國会がもしさようなことを知らなかつたならば、人事院なり、給與実施本部なり、当然知つておる専門家の諸君が説明をして、こういうことになりますと、こういう結果になりますが、それでもよろしいかと、なぜ注意しないか。どこからそういう法文が入つて來たか、こういうことについて、その責任をのがれるような態度が見受けられて非常に遺憾でありますので、これは政府、人事院共同の責任において、六千三百七円ベースが完全に十二月、一月、二月、三月に支給せられるような手配を講じていただきたいということを、私は特に申し上げるが、これについて増田官房長官と上野人事官の、明快なる御答弁を願いたい。
#54
○増田政府委員 何べんお答えしても同じでありまして、要するに立法府の法律を忠実に執行するのが行政府であるわれわれの責任でございます。それで十二月二十九日に当時の実施本部長の出した通牒は、國会において議決された法律を忠実に施行する責任ある本部長としては当然の通牒である、こう思う次第でございます。そこで今度は法律自体の、あるいは土橋さんが攻撃をしたいとおつしやる点でございましようが、この点はどうか、当時の立法府の関係について当つていただきたい。すなわち当時の社会党なり民主党の諸君が、こういう法案を出したのでございますから、その方面についてどうか御追究を願いたいと思います。
#55
○土橋委員 官房長官の御説明では、立法と行政があたかも全然権限において別であるというような、一片の概念的な方より見ている御説明でありますが、およそ政府と國会というものは、そういう官公吏の給與に関する実施の問題について、立法府がきめたから、そのきめた範囲内において給與実施本部がやるというような冷淡な問題でない。さような國会と政府との不十分なる了解なり摩擦のために、全官公廳二百八十万の諸君に、かような犠牲を生ずるということは、私はまことに遺憾だと思う。特に給與実施に関する最高の責任を持つている給與実施本部長である官房長官が、人事委員会へ出られて、こういうことになると、こういう結果になりますが、それでもよろしいかどうか、こういうような勧告なり、政府の誠意を示すことが、決して権限の干犯でないと私は思う。それをやらないで、こういう事態が生じた後に、その責任を免れんとするような官房長官の御説明では、私は善良なり國務大臣なり、あるいは官房長官の職責を盡すものとは考えられない。こういうことをやるからして、政府の方へ行けば人事院だ。人事院へ行けば政府だ。こういうことで、私は労働組合の役員をやつて苦い経験をなめているのであります。ただいまの御答弁でもよくわかりますが、人事院へ行つても同様です。人事院はそういう原案は出したがあとは知らないという。知らないのだつたら、なぜ三月四日に公開審理をやつて今井給與局長を取調べて、あなたの方もお忙しいのにこんな資料を書いて、何をやつているか。こういうような態度が、全官公廳の諸君が非常に不安に考えいるのでありますから、この点についても私は人事院が、第五條の規定に沿う人事官であれば、こういうさる芝居にもひとしいような行動をやるべきでないということを御忠告申し上げて、終りたいと思います。
#56
○成田委員 ただいま官房長官が土橋委員の質問に対しまして、当時の野党である社会党と民主党に責任があるのだから、そこを追究しろと言われたのでありますが、私当時の野党の一員として申し上げてみたいと思います。今官房長官が、行政廳というものは、法律を忠実に執行するのがその責任である、こういうことを言われたのでありますが、それで今回の再計算が法律を忠実に実行したかどうかという問題であります。この給與法の第十條の問題につきまして、淺井人事院総裁も言つておりますし、当時この立法に参加した者は、すべてこういう裸計算、再計算をするということは、全然予想していなかつた、でこぼこ調整ぐらいはあるかもしれないが、再計算が行われるということは全然予想していなかつた。といたしますと、法律の立法精神を忠実に行うという意味においても、再計算はやるべきでない、そういうふうに考えております。立法精神に違反している私どもは言わざるを得ないのです。
#57
○増田政府委員 成田さんにお答え申し上げます。この法第十條の括弧の中には「再計算せらるべきものとする」とあつて、再計算しないと法律違反になるのでございまして、法律の執行を職責とする政府としては、当然再計算をしなくてはならないのであります。
#58
○成田委員 再計算というのが裸計算を意味するものではなく、あの当時の審議の状況から見ましても、二百六十五億というわくが與えられまして、それに対して政府の五千三百円ベースをとるか、六千三百七円の野党案をとるかということが問題になりまして、六千三百七円ベースをとると、一月一日から実施したければいかぬ、十二月一日から実施すれば、一、二月については十二月のものを減額しなければならぬということだけが問題だつたのでありまして、再計算というような、こういう裸計算というものを予想したものではないということは、当時の立法に参加した者はすベて了承しておると思う。あの当時の立法の状況を無視して、再計算という言葉を曲解いたしまして、こんな大幅に裸計算をやつたということは、立法精神に違反しておる。そういう意味におきまして、忠実なる行政機関に職務遂行じやないと言わざるを得ないのです。
#59
○増田政府委員 成田さんにお答え申し上げます。この括弧の中に、改正前のこの法律云々に基いてとあるのは、一月一日において施行せられておるところの法律で、しかも一月一日から再計算する、こういうことでございまして、もちろんおつしやるように、再計算は妥当なる再計算をしなければならぬと思つております。從つて再計算の経過について、はたして各省が妥当であつたかどうかということは、私ども檢討はいたしております。また人事院も協力されておることは、土橋君の御指摘の通りであります。妥当なる再計算をする。しかしながら再計算はあくまでこの法律にのつとつてやらなくてはならぬのであります。
#60
○成田委員 私が申し上げているのは、妥当なる再計算かどうかという問題でありますが、きようの参考人の御意見を全部聞きましても、この再計算というものは逸脱しているという一致した御意見であります。それから人事院総裁におきましても、こういうような再計算が行われるとは思つていなかつた。すべて輿論は一致してこの再計算が行き過ぎであるというように結論が出ておる。その意操におきまして、今回の再計算の問違いであることをお認めになるかどうか。
#61
○増田政府委員 再計算が妥当なりやいなや、今檢討中でございます。
#62
○成田委員 今檢討中だというお話でございますが、もしこれが妥当でないという結論に達しました場合には、どういう御処置をとるか、復元されるかどうか。
#63
○増田政府委員 復元するかどうかということについては、私は復元ということは考えられないと思います。要するに再計算は法律にのつとつてやつたものでございまして、それがはなはだしく常識上から見て不妥当なことになるようなことになると、今度は調整をはかるという第二段目の問題になると思つております。そこで検討してまずいものがあるならば、調整をはかる余地が残されておるのでありまして、この調整問題について政府はせつかく努力中でございます。
#64
○成田委員 調整の意味でございますが、いろいろあるだろうと思います。まず第一番に考えられることは、はなはだしく妥当を失した場合に復元するかどうかという問題でありますが、今の官房長官のお話では復元というところまでお考えになつていないらしいのであります。次に考えられることは、労働時間との関係でありますが、一週三十六・五時間という建前で六千三百七円ベースは実施されたと思うのでございます。それが今度四十八時間になつた。そういたしますとこの時間の差だけ六千三百七円ベースを上げるかどうか、これが第一の問題であります。
#65
○増田政府委員 野党から提案したこの法律の中に、勤務時間は四十時間ないし四十八時間とすると書いてしまつて、しかも六千三百七円というこの二つのわくを野党が提案された。しかも過半数をもつて通過したのであります。その四十八時間を、成田さんなんかは当時あらかじめ御承認の上出されたものとわれわれは承知しております。政府案としましては前々から申した通り、当時の状況は成田さん御存じの通り、われわれはこの法案に対しては不本意であると思つておつたものでございます。
#66
○成田委員 官房長官もう少し御勉強願いたいと思うのであります。もちろん法律には四十八時間を越えざるということになつておりますが、当時の立法の状況から行きますと、当時の勤務時間時間である三六・五時間というものを標準にして六千三百七円ベースをきめた。それが一片の人事院規則によりまして関係方面、あるいは九原則という関係から、四十八時間に上げたのだ。情勢は全然かわつているのです。三十六・五時間に対する六千三百七円であつて、増田さんのおつしやるように法律條文からはそうなるのですが、一方当時の状況はそうじやないのです。三十六・五時間を標準にして六千三百七円ベースをきめた以上、四十八時間に労働時間が延長されたならば、同一労働に対する同一賃金の原則から言つて、当然これはそれだけ上げなければいけないのだということは常識だと思う。増田さんはどうも当時條文の形式だけをごらんになりまして、立法当時の状況は十分御了解になつていないのじやないか。実情はそうなのでありますが、労働時間が長くなつただけ賃金は上らなければいけない。從つて調整の第一の意味はそれだけの賃金を増加するかどうか、六千三百七円を増加するかどうか、そういう調整をするかどうかという点であります。
#67
○増田政府委員 当時この問題を論議されておるとき、私ども労働省の当局として、非常に心配しておつた者であります。また答弁の責任にたえず当つておりました。從つて勉強のことについて御指摘になりましたが、当時政府委員として答弁し得るだけの勉強はいたしておつた次第でございます。その後実はあまり勉強しておりませんが、要するに第一條には、六千三百七円と書いてある。他の條文に四十時間ないし四十八時間と書いてある。こうなつておることは成田さん御存じの通りであります。そこで両方の條文は同じ法律に書いてあるのでありますから、三十四時間半と思つておつたということは、あなたの御勉強の不足の結果であると思います。
#68
○成田委員 これまた水かけ論になりますが、そうするとどうも現在の官房長官の御趣旨としては、労働時間が延長されたから、それだけ六千三百七円ベースを上げる意思はないように私承つておきます。
 次に調整の方法といたしまして各官廳間のアンバランスの問題があると思います。このアンバランスを調整するときに低い方に一致させるかあるいは高い方に一致さすか、ひれは当然高い方に一致さすのが正しいと思うのでありますが、その点についての御見解を承りたい。
#69
○増田政府委員 給與はできるだけよくしたいというのが私の念願であります。それから大体私の見解を申し上げますと、四十八時間になり、しかも六千三百七円というわくが固定しておるということは、非常にお氣の毒だと私は思つております。
#70
○成田委員 今の御答弁はわからないのでありますが、私が申し上げたことは、各官廳の給與のアンバランスというものを、どう調整するか、一番いい方に引きつけるか、あるいは低い方に引きつけるかという問題なのであります。
#71
○増田政府委員 なるべく高い方、つまり給與をできるだけよくしたい、なるたけ高い方に、でこぼこを整理したいという意味であります。
#72
○成田委員 それから二百六十五億のわくでありますが、巷間傳うるところによると裸計算の結果、六十億あるいは百億の残があるというような話も聞くのですが、実際計算の結果どういうことになつておるか御答弁願いたい。
#73
○今井政府委員 巷間傳うるところによりますと、六千三百七円とは言いながら実際は五千六百、五千七百円というような話も私ども確かに小耳にはさんでおるのであります。実際は六千三百円になつております。從つまして二百六十五億円のわくは余るということは、人数の関係でございますから逆算はその辺でわかりませんが、少くとも六千三百円を確保しておるということは責任を持つて申し上げられます。六十億とか百億とかそういう大きな金が残るという氣づかいは絶対ありません。
#74
○土橋委員 私ちよつと加藤君にかわつてお尋ねしたいと思いますが…。
#75
○關内委員長代理 なるべく簡單に願いまして、参考人の陳述が終りましてから、ゆつくり質問願いたいと思います。
#76
○土橋委員  もう一回官房長官と上野人事官にお聞きしたいと思います。今の御答弁で上野人事官は聰明ですからお氣づきになつたと思いますが、こういうようなやりとりが政府と國会において行われることについて、人事院は専門家がおられるわけでありますから、こういう法律がこういう結果になるということについて、なぜ事前に政府なり國会に対して、暫定的処置なり、そういうような基準について、勧告なり指示をしなかつたかという点をお聞きしたいのであります。今あなたがお聞きの事情は、人事行政に関する最も賢明な人事官ですから承知のはずと思いますが、なぜそういうことについて政府なり國会なりに御勧告にならなかつたか、そういう点お聞きしたい。
#77
○上野參考人 お答えいたします。この再計算をした結果、どういうことが起るかということについて、予想すべき責任者は給與本部自体でありまして、人事院はもしそれが実施されたあかつきに、何らか不公平な、あるいは間違つた措置が実際に行われた、あるいは非常に氣の毒な状態が発生したというときには、それはどういうわけでそういうことが起つたかよく調べ、そうしてその調査の結果に基いて、ある措置をとるということは考えられますけれども、その責任者がおるにもかかわらず、將來起り得べきいろいろな事件を予想して勧告するということは、人事院としてはやるべき地位にいないと私は考えます。
#78
○關内委員長代理 土橋君、あと参考人が終りましてからゆつくりお願いします。
 次は全國財務労働組合の代表高島清君にお願いいたします。
#79
○高島參考人 私は全國財務労働組合高島清でございます。本委員会の御依頼によりまして、ただいまからお申越しの四十八時間と六千三百円の再計算その他につきまして意見を簡單に申し上げてみたいと思います。
 四十八時間につきましては、ただいままで数々の参考人が申し上げましたように、私ども非常に不可解な点があるのでございまして、私どもは先ほども委員の方からの質疑應答にもございましたように、大体におきまして形式的な法律の解釈はとにかく、今まで働いていた時間で六千三百円もらえる。かようにみんな思い君んでおりました。ところが一方的に四十八時間にされたということは、非常に私どもびつくりしまして、寢耳に水でございました。大体書物に見ましても、このように賃金に関係なしに、一方的に勤務時間を延長するといつた例は、あまりないようでありまして、承るところによりますと、ソビエトが戰争前からの非常事態におきまして、一日八時間勤務を六時間に一方的に延長したということがあると承るのでありますが、ほかには世界中にあまり例がないというお話でございます。
 次に私どもが非常に四十八時間に反対しましたことは、大体非現業の公務員といたしますと、一日実働八時間、一週四十八時間は三割実動時間が増すことになります。大体今までと同じ勤務で、三割増しの時間でやられるとすると、簡單に言つて三割は人間が余つているのではないかというような計算をされてもいたし方ないのでありますが、そういたしますと、とたんに非現業を三割首を切れという声が起つて來る。こういうように四十八時間制は、やはり三割の首切につながるというふうな感じを、われわれは受けざるを得ないわけであります。そこでわれわれは一齊に反撃した。と申しますのは大体行政整理を盛んに言われておりますけれども、何のために、行政整理をされるのかという点が、明らかに示されておらない。たとえば財源にしても必ずしも財源が浮いて來ない。それはただいまの國会に提出されておりまする予算案をごらんくだすつてもわかることと思います。私どもまだ詳しい資料はいただいておりませんけれども、承るところによりますと、三割首を切るとおつしやつてはおりますけれども、予算定員はあまり削つておられないということでございまして、一体何のために首を切られるのか、公務員の首を切りまして、公務員の給與の予算を減らしましても、退職金とか、失業手当で、必ずしも予算は減らない。しかもその失業に伴う一般的な社会不安と申しまするものは、これは皆様も十分お氣づきのことと思います。その行政整理の反対ということと、四十八時間働いてもそれに対する賃金がもらえないという非常な不合理、これをもちまして私どもは四十八時間制に反対をとなえますとともに、四十八時間働いた分に対しては、賃金をくれということを一月以來申し上げて参りましたのですが、いまだにその措置がとられていないということは、これはやはりわれわれ二百七十万の公務員を使つておられる政府そのものの大きな責任ではないかと思つております。聞きますと、新給與実施本部の方でもこの不合理を認められて、四十八時間に延びたための賃金の増を考えておられるようでありますが、それもすでに四月になつておりながら、まだやつていただけない。これは一月から今まで三箇月以上もただ働きをさせておくということでございまして、これはどなたが聞きましても、明らかな不合理だろうと思つております。
 これに引続きまして俸給の再計算でありますけれども、昨年中にわれわれが各当局から賃金を上げてもらつた、その上げたのは各省の不均衡を直すというふうな意味で上げたのだとわれわれも了解しておりますし、実際上げてもらつたときにもそのようなお話で上げてもらつたわけであります。当時昨年中の不均衡を直すということは、結局二千九百二十円ベースの当時の、はだかに直すというふうなことでございまして、二千九百二十円ベースをきめたとき、それは國鉄だけが臨時給與委員会に労働組合の方から入つたわけでありますが、その時も当時の官房長官からも、労働組合側からも言われましたように、二十三年一月一ぱいに新しい給與ベースをきめろということで、拙速と言えるかどうか知りませんが、とにかく早くやるということで、あとで不均衡ができたならば是正するという了解事項が暗々裡についておつた、かように私は承つております。それを、それぞれの各省によつて違いますけれども、昨年中それぞれの関係当局で是正したというふうに、われわれは受取つておるのでございまして、これが不適当というわけで、一ぺんに削られてしまうということは、私どもとしてほんとうに了解に苦しむところであります。これもひとつ実施本部の方々で、この四十八時間に対する是正と、各省のアンバランスを是正することと両方含めまして、ただいま研究中のお話を承つておりますけれども、私ども賃金生活者は、一月の賃金をもらつて、その一月を食つて行くのでありまして、これをただ研究中というのみで、のんべんだらりと一月、二月、三月、四月と延ばされていたのでは、何かを獲得をして食うか、あるいは借金をするか、あるいはたけのこに頼るほかないのであります。それではまともな勤務ができないということは、皆様おわかりくださると思います。
 次にこの再計算に基きまして、一月下半期、二月上半期のわれわれの賃金というものが、いかに悲惨なものであるかということは、逓信省初め國鉄の方々、あらゆる各組合から十分な資料が出ておりまして、中には氣が狂つた者もある。奥さんが家出した者もある、自殺した者もある。実に悲惨な、まともには聞けない話が多いのでありまして、大体私ども賃金生活者は、一月の下半期二十五日にもらえば、來月の上半期十日か十五日までの間はそれで食つて行かなければならぬ。非常な赤字で、一銭もない。百円、二百円、三百円という金ではどうしても食つて行けない。こういう状態で、法律でこうきめられておるから、これでよいというので、こうした状態にほうつておくということは、人道上から言つても、ゆゆしき問題だろうと考えております。これを救うものはやはり私どもの前から言つておる最低賃金制というものが確立されなければ、これは救えない。生活保護法を受けておる者でも、やはり幾らかの金は必ずもらつておる。しかるに官公廳職員は、六千三百七円もらうことになつておるけれども、法律的な計算で一銭ももらわなくても、それはしかたがないというようなところを救うのは、やはり何らかの最低の保障がなければ、われわれとしては安心して働けない。われわれの知らない間に、政府の官吏の最高責任者であるところの人事院も知らない間に、こうした法律がきまつて、それのおかげでわれわれが一銭ももらえない。しかも保障するところが一つもないということは、これはまつたく行政当局の責任だろうと、かように考えております。これにからみまして、やはり一月、二月に一銭もないというふうなことの一つの大きな原因は、やはり税が高いということでございます。これは年末調整というもので、その俸給は、昨年中の昇給は下げられた、その間の年末調整が一ぺんに來たというわけで、非常な苦しい目にあつたわけですが、大藏省当局は、日本の租税はまだ大丈夫だとか、あるいは國民所得に比較して、租税率が二〇%だから大丈夫だと盛んに言われておりますけれども、やはりわれわれは税のために引かれて、一銭の金もないというのが現実でございます。なるほど國民所得の二〇%というふうな率もありまするけれども、アメリカと私どもと比べてみますと、賃金生活者の税率が、まるで問題でなく高い。これは今こまかい数字は持つておりませんけれども、アメリカでは平均賃金が年收二千五百ドルとして、税金は大体九十ドル余というところで、三%ないし四%でございます。ところが日本では賃金生活者四千円から五千円とつておる人が、やはり二〇%くらいとられておる。全体としては税の負担は大体二〇%くらいだといつても、個々の賃金生活者だと、片方アメリカは四%、日本は二〇%というのでは、われわれはたまりません。それで新聞の発表によりますると、本年度の予算を見ますると、またまた源泉所得税が大体昨年度の二倍になつております。賃金は二倍も三倍も上りもしないのに、税金だけは二倍とるということになつておるのでは、私どもは今年もまたまたとられはしないか、非常な不安があるわけでありまして、この点につきましては議会のお方も、予算審議の際に十分御檢討になつていただきたいと思つております。
 國家公務員の勤務状況につきましては、先ほどから各参考人並びに土橋委員の方からもいろいろ御質疑がありましたように、私どもは、國家公務員法によつて私どもの実際の相手がどこにおるかわからない。使用者は國民全般だ、國民全部がわれわれの使用人であると言つたところで、われわれは相手はだれだと言いましても、八千万人一人々々を一々あたるわけには行かない。人事院に行きますと人事院ではないと言い、政府に行きますと、政府は國会で野党がきめたのだと言われるし、また國会に行きますと、これは人事院だと言う。われわれはどこに行つたらよいかわからない。しかも國家公務員法には、官公吏の十分保護さるべき規定がたくさんございます。しかしながら保護する規定はなかなか実施されないということがここにもございます。國家公務員法施行以來、われわれはちよいちよい首を切られております。そつちの規定は人事院規則で出ております。今までは官吏懲戒令というのは、官吏の首を切る場合には、懲戒委員会というものをつくつて、そこで審議して一應首を切つた。ところが今度の人事院規則では、懲戒、首切りは各省の権限でやるのだということで、相手がいかぬということにきまつたら大臣が首を切る。ところが國家公務員法には、それに対する審査の請求をする権利が認められております。そこで國家公務員法施行以來、まず第一に四十八時間制に反対した理由で、用紙割当廳の一事務官が首を切られました。次に大藏省の職組で三名首を切られました。それから全財では反税運動というわけで一名首を切られ、さらに二月に入つて五名切られました。そのほかどうもあいつはうるさいからというわけで、やめろと言わぬばかりに轉勤させた例が実に多い。こういうのがどかどか文句を言いに行きますと、人事院の方で審査してくれるから、そつちに文句を言いなさいというわけで、われわれ審査請求を出しておるが、それに対する施行規則というか、訴願を受付ける規則がまだ発表されておらない。一月に首を切られたのが、まだその裁定がない。そこで裁定があるまでは、首がつながつておることにしてもらえないかと言つても、首を切つた効果はすぐ現われるというわけで、賃金は首を切られた日からくれない。実際首か、そうじやないかということがきまるまで、三箇月も四箇月も賃金をくれないでほうつて置くということは、社会保障が完備していない現在では、死ねということと同じじやないかと思います。この点は明らかに片手落ちだということは皆さんも十分に御納得が行くだろうと思います。私は時間もありませんので、これだけでやめておきますが、実に片手落ちの規定が多い。これでもつて國家公務員は國民の公僕だ。働けと言つたところでそう簡單に働けるものじやないということを申し上げて、私の意見を終ります。
#80
○關内委員長代理 ただいまの参考人の陳述の範囲内で、何かお尋ねを願います。
#81
○土橋委員 高島参考人にお尋ねいたしますが、今あなたが御説明した中で、岡山方面でもたくさん首を切られておるということですが、その人たちはどういう理由で首を切られたのか、もつとこまかしく例を一々あげて、われわれに説明していただきたいと思います。
#82
○高島參考人 お答えいたします。一例は反税運動の理由で首を切られました者が、昨年の―期日ははつきり覚えておりませんが、秋でございます。荒川方面の中小商工業者の方が更正決定が非常に高いというわけで、財務局長のところに陳情に行つたことがございます。その席上たまたま荒川税務署員が財務局に行つておりまして、それはもつともだというので、局長のところで、その陳情團の方の陳情に大いに味方をされたわけであります。それが許可を受けずに……。
#83
○土橋委員 今の話は人事官が來るまで待つていただきたい。
#84
○關内委員長代理 それでは次に全逓労働組合の高原晋一君にお願いいたします。
#85
○高原參考人 全逓の高原でございます。
 まず第一に考えていただきたいことは、何がどうあろうとも、いかなる理由があろうとも、どだい常識はずれのことが起つておるということを頭に入れていただきたい。それは一箇月働いて給料袋がからであつたということは、神武天皇以來ないのであります。そういうことが起つておるのであります。配達する人は、別途な收入というものが全然別途にないのであります。しかしほんとうに一箇月せつせつと働いて給料袋がからだつた。それからまた一箇月働かなければならぬという心情を、まずはつきり身につけて、抽象的にかわいそうだというようにお思いになるのでなくして、具体的にかわいそうだということを、まず念頭において考えを願いたいと思います。
 大体今度の再計算はそういう非常識のことが起つたのでありますが、これはこの前私が六千三百円がきまる二百六十億の予算を審議したときの公聽会で、同じこの席で申し上げたのでありますが、二百六十五億のわく内で、千円ばかり上げたというところに、大体むりが出て來たのだろうと思います。それはあの当時野党の方々が言つておつたように行けばよかつたのでありますが、それが私がここで御注意申し上げたように、わくがぴちつととまつておつて、むりがありましたので、実施本部の方では、適当に労働者を困らせる方向にのみこれを切りかえてしまつたのであります。その点がこの再計算の一番おもな動機であろうと思うのであります。そこでこれは通信の例でありますが、どういうことが実際に一月下旬の給料袋に現われたかということについて、少しく簡単に御説明申し上げてみますと、大体マイナス二千円という給料袋があつたのであります。これは非常に特殊なひどい例でありますが、極端なのはマイナス二千円ぐらいから大体プラス五千円くらいまでの給料袋をもらつた人が、十三万人ぐらいあると考えていいだろうと思うのであります。これは全逓の調査ですが、これを全員にあてはめてみますと、大体十三万人ぐらいが五百円しか給料が入つていなかつた。もちろんマイナスの人はたくさんあります。それから千円から千五百円ぐらいまでもらつたと思われる人がある。これは年齢にしますと、二十五歳以上四十五歳まででありますから、大体勤めている人間がほとんど全部網羅されております。從つて家族も相当多いのであります。だから大体この人たちは五千円以上もらわなければならぬところが、最高千五百円もらつたというふうな方々が、やはり十万人内外あるのであります。それから二月の上旬がそれよりややいいのでありますが、それと同じように再計算の被害が來ているのであります。從つてこれらの人たちは、一箇月働いて結局これだけのもので、また次の月を働かなければならぬという苦しい生活をして來ているのであります。
 なぜこういうことが起つたかということについて、大きくは予算のことをちよつと申し上げましたけれども、もう少しさかのぼつて御説明したいと思うのであります。その前に四十八時間の問題とこの再計算の問題とを、一緒にしないようにしていただきたいのであります。四十八時間の問題は別途の問題でありまして、さつき代議士の方から御質問が出たように、四十八時間になつたことから來る分は、すべての官廳が当然四十八時間に上つた分として昇給さるべきものであるのでありますが、再計算はそれ以外に、千八百円ベースから二千九百二十円ベース、三千七百円ベースへと、だんだん変化して行つた際に起つて來た問題なのであります。そのときに業種別平均賃金のいわゆる時間給の観念が、上部の今井給與局長あたりにあつたためと、それから各省がおのおの分科会を持つてやつておりましたので、足並みがそろつていないのであります。これはこまかく申し上げても、おわかりにくいでありましようから、この程度にいたしますが、要するに足並みがそろわないままに昨年の十二月になつたのであります。そのころどういうことが起つておつたかと言いますと、次官会議で、足並みをそろえないと不合理であるから、足並みをそろえるようにしようという話が大体まとまつて、具体的な案ができておつたのであります。これは当然なことであります。そうして二千九百二十円ベースをきめる去年の三月闘争のときに、足並みはあとでそろえるというようになつておつたのであります。從つてわれわれがやつて來たやみ昇給と称せられておるものは、決してやみではないのであります。法律的にもちやんとそろえるということになつておるのであります。そこでこの次官会議で、昨年のたしか十二月の二十八日ごろほとんどきまつたものが、情勢の変化と遞信省のパンフレットには書いてありますが、情勢の変化でひつくり返つたのだそうであります。それが先ほど土橋代議士から質問になつたように、國会も人事院も知らない間に、だれが挿入したかわからない條文が入つておつたということと結びつくだろうと思うのであります。
 そこで大体この再計算について、それではどういうふうにすればこの問題を解決することができるかということについてお話ししたいと思うのでありますが、こまかいことはここで申し上げる必要はないと思うのでありまして、十二月の次官会議で話がついて具体的な案ができておつた、そこへもどしていただけばけつこうなのであります。國会としてはそれに必要な法的な措置をもつて、ちよつと一行ほどこうしていただければ、けつこうそれでなり立つて行くのだろうと思うのであります。ですからぜひ皆様方の方では、去年の十二月二十八日の次官会議で調整をやろうとしておつた、そこへ話を持つて行くようにしていただきたいと思うのであります。
 そこでそれだけでこの給與問題が片づくかと申しますと、決してそうではありません。それは四十八時間になつたという問題があるのであります。この調整の上に、勤務時間が全般的に殖えているということを勘案しての割増の給料は、別に予算を組まなければならないのであります。しかもそれだけで話が落ちつくかというと、決してそうではないのでありまして、われわれは六千三百七円がきまるときにも申し上げました通りに、最低賃金制をしいていただかなければ、こういう問題は、次から次にと絶えないのであります。どうかそれらを合せてやつていただきたいと思うのであります。
 そこで先ほど官房長官から、非常に規則正しいというか、法律にきまつたのをきちんきちんと行うのが政府の責任であるとおつしやられている以上、この再計算のあとの調整は、同じ十條の五のところにあるのでありますから、当時の佐藤官房長官はすでに刑一年に処せられておると思います。それは一月中に調整をしなければならないことになつているからであります。それがもし刑一年以下の罰則が適用されていないのであるとすれば、これは一方的に官吏の食えないということのみをひしひしと実行して、その他のことはしごくうかつであるということの証拠なのであります。もう一つは、土橋さんから、人事院はそういうことを予測しなかつたかという質問があつたのでありますが、これは人事院は予測する能力はないと思うのであります。なぜなら私はここで皆さんにあの人事院の実体調査に行つていただきたいということを要求するものであります。人事院においでになりますと、実に廣大な面積をとつておられますけれども、その中には人はいなくてがらんとしている。局長もいない。ましてわれわれの福利施設に関する部門においては、ほとんど人がいなくて手がまわつていないのであります。しかも全逓あたりに資料をほしがつて調査に來られることはけつこうでありますが、その調査をなさりに來られる方々は実に幼稚なのであります。こういう人事院では私たちは実に頼りがなくてしようがない。一方的なことばかりやられて、福利的な問題、マッカーサー書簡にもあつたような、あのわれわれが保障されるべき性質のものは、一向に行よれない実情であります。この点は公務員法に基く人事院が悪いのだとすれば、人事院をやめるようにやるか、あるいは強化するのであれば、もつと本式に強化するように、そうしてわれわれの福利の面を充実さして行くようにやつていただきたいと思うのであります。
 次に四十八時間問題でありますが、先ほど私が四十八時間についての割増分をもらいたいと言つたのは、一、二、三、四月でありまして、五月からは四十八時間はやめていただきたいのであります。なぜならば、前の勤務時間でさえ、電話の交換手、電報のキーをたたいている人たちは、約三割ぐらいが休養を要する人たちであります。これは嚴密にレントゲン写眞をとつてやりますと、あぶないものですから、遞信省はなかなかやらないのでありますが、一度やつて、そのレントゲン写眞を透かして見るお医者を、頭のへんな人にしておきますと、少しかわつて來ますが、そのレントゲン写眞をわれわれの方で調査したところによりますと、約三割の胸の患者があります。そういう状態において八十八時間にして、また御存じのように日本のような状態で四十八時間にして、しかもついでにサンマー・タイムまでにされますと、もうこの方々が倒れて行くというのが時間の問題になつて來ておるのであります。こういうものは、きようやつたからあしたからぱつと効果が現われるのではありませんで、体内のカロリーを消費しつつ、われわれの労働というものは徐々に能率が上らなくなつて、遂には妙れて行くという結果が、もうぽつぽつ現われておるのであります。この四十八時間の問題は、逓信省でもむりだということを言つておるようでありますし、大体人事院も考え始めておるようであります。大体人事院は、先ほど申しましたように、手がないために、調査が非常に鈍いのでありまして、その点を考えますと、もうほんとうはやめてしまわなければならない問題だと思うのであります。
 大体この四十八時間の問題と首切りがつながるということについて、先ほどの参考人の方も申されましたけれども、四十八時間にして、長い時間一人の人がよけい働くから、人間が余つて來る。そこで首を切るのだというのが、今まで普通に考えられる方法でありますが、それでなくても電話のごときは、皆さんかんしやくが起きるくらいにうまく行かないのは、人が足りないし、機械が足りないし、うまくないのであります。從つてこれ以上手を抜いて、しかも建設予算を減らしてやりますと、老朽した機械は、これ以上もたないのであります。人間を今減らすというようなことはもつてのほかでありまして、しかも四十八時間で人間をこき使うということは、逓信の運営をがたがたにするということにほかならないと思うのであります。
 結論的に申しますと、四十八時間の問題は即時元にもどしてもらいたい。そしてわれわれが言つておる四十時間にまで待遇を改善していただきたい。
 それから首切の問題は首を切つては困るというのであります。
 それから給與の問題でありますが、給與はまず最低賃金制というものが根本であります。しかも再計算の問題に関しましては、去年の十二月二十八日当時の次官会議で話がついておつた。そこへもどしていただくようにしてもらいたいのでありますが、この点に関しましては、今井給與局長のものを見ますと、大体われわれと意見が一致して、われわれの組合の言つておることの方が正しいということを、給與局長も認めて、人事院あたりにも働きかけておるというようなことがうかがわれるのであります。
 それから人事院の不備な点は、先ほど申し上げた通りでありますから、ぜひ國会から実際を調査におでかけになつて、それを充実させるように、あるいは不合理な点は改めるようにしていただきたいと思うのであります。大体以上であります。
#86
○關内委員長 高原参考人に対しましての質問はございませんか。
#87
○成田委員 ちよつとお尋ねいたしますが、十二月二十八日の調整が妥当だと言われたのですが、大体どういう内容のものですか、御回答を願いたい。
#88
○高原參考人 大体三千九百二十円になりましたときに、國鉄、逓信その他にいろいろなでこぼこが起つておつたのでありますが、それを大体是正するように話がついておつたのであります。それがどういうふうになるのかということに関しましては、数字的にここで申し上げると非常に複雜だと思うのです。大体の方向だけを申し上げますと、大体國鉄の給與の線、それはいろいろ理由がありますから、完全に國鉄と同じになるかどうかはまた別問題であります。しかし大体理論的に言つて國鉄と同じだということですから、同格ということにはならないかもしれません。そういう意味で、その線に―先ほど御質問になつたときの高い線に合わしていただくということが一番いいのであつて、十二月に、もうすでにそういうふうな話合いが各省間についておつた。その状態を始めていただけば、けつこうだと思います。
#89
○土橋委員 高原さんに一つ御質問したいのですが、今あなたの御発言によりますと、人事院の内部で、ほとんど機構が拡充をしていない、こういう御発言でありましたが、実際に何かお調べになつて、たとえばどういう部がどういうふうになつておる、あるいは人員がどういうふうになつておる、そういう点があつたら聞かしていただきます。実際あなたが行つて折衝せられて、人事院でわからないという点があつたら、國会のために聞かしていただきたいと思います。
#90
○高原參考人 たとえばレクリエーシヨン部とか、そういうところに行つてみますと、局長初めてそういう人はいないで、机だけはあつて、がらんとしておる。大体私はあそこへ参りまして、各室の様子をうかがうために行つたことがありますけれども、大体どこの部屋もあんまり整備されていない。人がいない。具体的にそれは何課と何課に局長がいないで、どうなつておるかということを、ここで申し上げる資料を持つておりませんけれども、何でしたらすぐ資料がととのうことだと思いますから、届けてもよいと思います。そういうふうに、実際にこれはぜひ一度ここの委員の方々は行つて、ごらんになることを私はお願いしたいのであります。
 それから私どもの方の組合に調査に來られることはけつこうでありますけれども、その調査に來て、私たちも協力したいと思うのでありますけれども、その來られる方々あたりは、あまり、いわゆる常識がなさ過ぎて、何から説明申し上げてよいかわからないような方が調査に來られるので、あれではつかめないだろうというふうに感ずるのであります。
#91
○加藤(充)委員 人事官に質問したいのですが、お見えにならないので、その間に時間をむだにしないために参考人の方にお聞きしたいのですが、どなたでもけつこうです。人事院からの指令の第一号でしたか、ああいうようなもので、四十八時間勤務制を実行すると同時に、出退時間などの実態を人事院の方で調査しておるようですが、その結果非常に成績が上つたというようなところがある。非常に出勤率の成績がよくなつたというふうな報告があつたのであります。私どもが聞き知つておる範囲におきましては、その数字自体が、報告数字として信憑することができるかどうか、まことに疑わしいと思う材料を持つておりますが、それはさておき、ああいう勤務制がしかれましたのちに、これは鉄道の関係の方がおつしやつたのでありますが、いろいろな障害が起きておることを、ひとつ具体的に、健康その他の方面にどのようなことが起きているか。從つてまた数字の上から勤怠の成績が上つていることがあるかないか、そういうことについて一、二の方から聞いておきたいと思うのであります。
#92
○關内委員長代理 ちよつとみなさんにおはかりいたしますが、委員から参考人に対する質疑の時間は十分と限られております。その点をお含みの上お願いいたします。
#93
○北委員 今の質問と一緒に答弁していただけばいいのですが、私は実は北海道の方でありますが、國鉄あるいは全逓、日教組などにおいて、寒冷地に対するいわゆる特別給與というような方法を考えたことがありますか。またあれば具体的にどういう方法でやつた方がいいかということを聞きたいのであります。
#94
○木島參考人 私、日教組でありますが、今の寒冷地給のことのみについては、私も新潟でありますので、寒冷積雪地の生計費の高いということは十分存じております。日教組の態度は、やはりこれを今までのような積雪寒冷地手当というようなものでは、たとえば二十三年度のように非常に困つたことになる恐れがありますので、これはどうしても制度化をしていただかなければならないということであります。その制度の内容はいろいろありましようけれども、ちようど今の勤務地手当、地域給のような制度をつくつていただきたい。これが日教組の寒冷地域給に対する態度であります。
#95
○大西參考人 國鉄の大西でございます。先ほどの勤務時間の問題について、人事院のやりました調査についての状態と申しますか、それにつきまして私人事院に参りまして、公平部の世話課長といろいろ請願と申しますか、事情をうつたえたことがありますので、参考になると思いますから申し上げたいと思います。
 実はあの規則が出まして、われわれは非常に困つた。それから全國から集まつて参りまして、いろいろ陳情し、内情をうつたえて、何とか緩和していただけないかということを、るる説明いたしたのであります。実は人事院規則が制定されたとき、東京を中心といたしまして、全官聽に対して実際に調査に出られた。それがはたして守られているかどうかということを調査されているし、あるいは地方からは文書によつて毎日それを何時までに届けよという司令が出ておつたのであります。それに対して各官聽がやつておられたのが、だんだん成績が上つたということを聞きましたが、私はそのときに、たとえば列車が遅れたために三十分遅れたということも認められない。それは給料を拂う、拂わぬの問題は別であるが、とにかく遅参したという扱いを免除することはできないかと言うと、できないということの一点張りでありました。ただそのときに、たとえば夜間の学校に行ついる者においては、同じ日本人であるから、所属長の裁量によつて云々と言うと、世話課長はしかるベく…。こう言われたと私は感じたのでありますが、聞き直つてそうやれと言われでもできないということの一点張りでありましたが、私は所属長の感覚によつてこれを認める認めないということができた場合には、非常に混乱が起きて來るじやないかと思う。そういうことを認めたならば、たとえば列車が遅れた場合には、遅参という扱いにしないという処置をとつてしかるべきじやないかということを申し上げたのでありますが、それはしかるべくという、言外の言葉が含まれておつたのでありまして、私はおそらく勤務成績が上つたというデーターが出て参つたのは、つまり勘が働いて來たデーターの結果であつて、実情は区々まちまちになつて、混乱が起きる大きな原因になると警告をいたしたのであります。その後人事院規則あるいは実施本部の通牒が出まして、もちろん給與の支拂いというような点については相当緩和されておりますが、相変らず扱いについては遅参ということに扱われていると私は考えております。それでわれわれは、給與を減額されるということよりも、まじめな勤人は、つまり出勤簿に遅れた場合には黒い判を捺される、これを非常に残念に思うという、実にまじめな考え方から、いろいろ請願して参つたのでありますが、こういう点は杓子定規にやられておるということが言えると私は思うので、ぜひ御考慮願わなければならぬと考えます。
 それから、勤務時間の延長に伴いまして、私先ほどちよつと公述のときに申し上げたのでありますが、私の方で調べましたのは、ごく一部の例にすぎませんので、これがはたして全部にわたつておるかどうか知りません。しかしながら大体いろいろむりがあるということは言えると思います。そのデーターといたしましては、二十一年度におきまして本省の内部にあります診療所で扱つた一日の患者数が三十七人であります。これが二十一年度中における一日の平均であります。それから二十二年度中におきましては、七十人の一日平均の患者数を扱つております。それから二十三年の上期と申しますか、前半においては、九十二人というような人数になつております。それが二十四年の一月、縱月ごろから百人―百九人、―これは毎週調べたのでありますが、一月の終りには百二十八人になり、二月に入まして百三十五人、百四十人、百四十五人というふうに殖えて参つております。こういう点からして、非常に通勤のむりが原因いたしまして患者がふえているということが言えるのではないかと考えておる次第でございます。
 もう一つ、ついででありますからお答えいたしますが、寒冷地給の問題につきましては、組合の全官廳の下部の一つの機関といたしまして、運輸省の中に事務所を持ちまして、そしてこれを制度化してもらう運動をわれわれは続けておりますが、それの具体案が大体でき上つたところでございます。これを各議員にもお配りいたしまして御批判を受けて、ぜひ御協力を得まして、今年は雪の降らない前に制度化された方向に進んでいただきたい、かように考えておりますので、近く私の方でまとめましたものを議員にお配りいたしまして御檢討を願いたい、かように考えておりますので、よろしくお願いいたします。
#96
○土橋委員 まず上野参考人と高原参考人にお聞きしたいのですが、あなた方の御証言によりますと、最低賃金制を確立しないからこういう問題が起つて來るのだ、最低賃金制を確立することが第一の問題だ、こういうような御発言があつたわけです。その最低賃金制を確立しないために、こういう欠陥が出て來るという点について、われわれ國会議員に、簡單でよろしいですからひとつ御説明願いたいと思います。上野さんでも、高原さんでも、どちらでもけつこうです。
#97
○上野參考人 要点だけ申し上げます。まず最低賃金制を確立するためには、お手元に資料が回つておるのでありますが、まず最低賃金法というものをつくつていただきたいと思います。これは資料の中に、参考資料としましてIというのがございます。それを見ていただくとわかるのですが、ここにまず賃金委員会が設置されなければならない根拠は、労働基準法の第三章に書いてあるわけです。それからすでに昭和二十二年八月には政令も出ているわけであります。ただ賃金委員会の官制につきまして、これは非民主的であるということがこの中で見られるわけでありまして、もつと組合側の委員を入れて、また國会議員の参加した民主的な委員会によつてつくつてもらいたい。それでこうした根拠に基きまして、まず最低賃金法というものをつくつていただきたいと思うわけであります。最低賃金法につきましては、参考資料のJの方の全官労といたしまして決定いたしたものがございます。これが大体賃金法の要項になつております。こうした要項案に傷きまして、最低賃金法というものを國会においてきめていただきたい。すでにアメリカを初めといたしまして、先進諸國においても最低賃金法というものは立案を見ておるわけであります。わが國におきましても、このような経済状態の困難であるときにおいては、その必要がことに強いわけでありますから、まず最低賃金法をつくつていただきたいというのが第一であります。それから最低賃金法の中におきまして、いわゆる最低賃金の算出の仕方、そういつたものも具体的につくつていただきたい。ただ申し上げたいのは、最低賃金制の確立と職階制とは、相矛盾するものではないということです。それで最低賃金制の上に、合理的な職階制というものを加味してつくつていただきたいと思うわけです。それで最低賃金につきましても、今まで六條件つきの七千三百円というものを要求しておつたわけでありますが、それと同じような、今の六千三百円ベースを改訂しなければならないときになつておるのでありますから、やはりこの際にそうした最低賃金を算出いたしたい。かように思つておるわけであります。
#98
○加藤(充)委員 人事官が來ないのでどうも質問しようがないのですが、民問給與と、全官公の人たちの給與との高低があつてはならないということがきめられておる。そういう点で民間給與は、自分たちの給與に関連して、自分たちの方がどうも低く過ぎるとかいうようなことについては、あまり詳しくもないのですが、一、二の事例で全豹のわかるようなものがありましたならば、その点についてお伺いいたしたい。
#99
○上野參考人 お答えいたします。これも参考資料のFの中に書いてあります。これは毎月勤労統計からとつたものであります。これによりますと全國工業平均をとりまして、これと比較したわけであります。官公吏の給與は御承知のように、毎月々々統計的に上つて行くというものでなく、階段を描いて上つて行くわけです。そういうわけでありまして、去年におくまして二千九百二十円というのが一月から実施された。三千七百円は六月からである。それから十一月になつて、実質的には五千三百三十円、十二月も五十三百三十円という形で、六千三百七円とは申しておりますけれども、実はそうなつていないという状態の比例をとつております。これは参考資料のFを見ていただけばはつきりわかると思います。これは労働省の調査です。
#100
○加藤(充)委員 東京都労連の方に伺いたいのですが、あるいは自治労連の方でも結構です。地域給の問題ですが、いわゆる特地、甲地、乙地、丙地ということになつて、大体六大都市、中都市、小都市にそれぞれ基準があると思います。地域給のいろいろな等級別の基準をきめられた時期、あるいはそれから後に、なおそれを基準並みに、いわゆる等地、甲地、乙地というような都会、あるいは村落、勤務地、そういうものを維持して行くことが、私どもいろいろ集まつた材料や陳情をお聞きしますと妥当でない。前の級別の基準が崩れてしまつておるというふうに思うのですが、そういう点についてあなた方の方にまとめたいろんな材料、あるいはそういうことが問題になつたことがありましたらお聞かせ願いたい。なおその際にたとえばこの東京都内において、伊豆大島の東方で、何か今まで與えられた地域給のようなものが、このたびの切りかえのときに切捨てられてしまつた。島なるがゆえにたいへん困つたことが、同じ東京都内において起きているというような陳情を私ども受取つておるのでありますが、そういうことに関連して御意見をお聞かせ願いたい。今井さんにもその点伊豆七島その他の給與の問題について御答弁を願いたい。
 ついでですが寒冷地給に対しても、両方からひとつ御意見を承りたいと思います。
#101
○今井政府委員 東京都の大島の問題は、私実はまだ聞いたこともございませんが、あすこは從來は地域給といたしましては指定地のうちに入つておりません。ただ僻地手当というものが離島のうちには支給されておるのでありますが、僻地手当は一時各省ばらばらでやつておりましたものを、現行法、昨年の法律第四十六号制定の機会に整理いたしました際に、別に現在もらつておるものを、特にいじるという考え方でやつたわけではございませんが、一定の点数によりまして、船が何日に何回ある、学校の距離はどうだ、こういうようないろいろなものさしで点数をとりまして裁定した結果、全國の権衡をはかりますと、八丈島以下の所は全部該当いたしますが、大島はたしか脱けたように記憶いたしております。但し東京都限りおきましては、あるいは特殊な給與、地域給のようなものをやつておられたとかいううわさがございますので、それと國家公務員の給與との混同等も、あるいはあるじやないかと思いますが、もう少し調べました上で……。
 それから寒冷地給の問題につきましては、実は昨年実施本部の方でも、今回組合側で立案されておると伺つておりますのと、あまり違わないような範囲におきまして立案をいたしまして、昨年の九月以來関係方面と折衡を重ねまして、ある部局までは了解を得たのでありますが、あとの方でとうとう実現できないようになつた経過もございますので、われわれの方の技術的な立場から申しますれば、大体先ほど木島参考人、大匹参考人のおつしやつたラインと、われわれの今まで考えておつたラインとは食い違つておらない、かように存じます。
#102
○關内委員長代理 おはかりいたしますが、参考人に対する質疑は終了いたしたいと思いますがいかがでございますか。
#103
○加藤(充)委員 今井さんからは答弁をされたが、その前の組合の方に基準のずれておる点について聞かしていただきたいと思う。
#104
○木島參考人 こまかい資料を持つておりませんのでこまかいことは言えないのでありますが、ただ現在の地域を指定されておるところが、相当むりがあるということについて申し上げたいと存じます。これは昭和二十一年八月から、二十三年六月までの間の生計費を修正した。すなわちフイッシャーの理想的な算式によつて修正したところの、東京を一〇〇としたときの特地、甲地、乙地の地域の平均を比較しますと、特地の東京を一〇〇とすると、一番高いところと低いところと、甲地の東京を一〇〇とした一番高いところと低いところ、この幅を申し上げますと、特地の幅が一〇七・一から七八・四であります。それから甲地は九三・五から七六・二であります。乙地は八八・九から六九・三であります。でありますから特地の最低が七八・四であり、甲地の最低が七六・二であるということは、ほとんど特地の最低の部分よりも、甲地の部分が上であるということを示すものである。甲地と乙地と比較してみても、甲地の最低の七六・二は、乙地が八八・九から六九・三の間でありますから、乙地の大部分もまた甲地の最低のところよりも上であるということが言えるわけです。このことだけで、すべてが不合理であるかいなかということはおかしいかもしれませんけれども、この資料から言うならば、現在の地域給を規定しているところのものは、非常に不合理であると言えます。
#105
○土橋委員 大西参考人、高島参考人、岡田参考人にちよつとお尋ねします。今日御証言くださつた内容にはないのでありますが、私が現に今朝も携わつた問題で、國鉄管理者側において、たとえば今のうちやめれば給與が非常によく出るのだ、しかも現金で最高限出るのだから、やめたらどうかというようなポスターをはつて、それにうつかり乗つた職員が辞職願いを出した、ところが政府の最近の情勢を聞くと、どうも当初、区長なりあるいは事務助役等が宣傳をしておつたような内容ではなくして、相当困難な情勢に今あるので、辞表を撤回したいというような人が、今朝も私のうちにたずねて來られました。そういうような欺瞞的なことを管理者側で発表して、辞表だけとりまとめてやめさすというような問題が起つておるように私考えておりますが、そういう事実があるかどうか。なおまた組合側がそういう問題について、どの程度まで國鉄、運輸当局にいろいろお話の内容をお聞きになつておるか、これをひとつお答え願いたいと思つております。
 第二番目の岡田さんの先ほどの御証言の内容をお聞きしますと、府縣の條例の施工規則の中で、國家公務員なみ、官吏なみの例によるという規定があるということについて、あなたの方では非常に不満の意を表明せられておるわけですが、その官吏の例にならうということは、嚴格にまだ規定も規制した法律もありませんけれども、だれがそういう給與実施に関して再計算の指令を出したか、どの官廳がそういうものを出しておるかという点について、もし御承知ならば聞かしていただきたいし、そういうことについてだれが強制をしているか。それからまた実際には府縣知事なり、あるいは縣の委員会が、そういうことをやつていると思いますが、そういう事例があれば聞かしていただきたい。先ほどの全財の高島さんの御意見でありますが、具体的な例をあげられて、たとえばどういうために首を切られたかという例を―先ほどの続きでありますので、一、二具体的に聞かしていただきたい、こういうふうに考えております。三名の方にお願いいたします。
#106
○大西參考人 土橋議員のお尋ねの、最近の國鉄の主として永年勤続と申しまするか、高齡者の退職の問題が、退職金の問題をめぐりまして起きておることは事実でございます。実は三月の初めごろからその問題が起きて参つたのでありまするが、御承知のようにこの退職金の制度が、いろいろ國内的にも、また関係方面との間にも、問題が生じておるということをわれわれは聞いたのであります。それで当局といたしましてはいろいろその実情を下部に流しまして、今辞表を出すならば、現在の内規通りに支給されるということがはつきりしておるが、先になると責任を持てないというような――これは書類では出ておりませんが、当局の傳達があつたのであります。これによりまして、下部では非常に老齡者が動搖をいたしまして、そしていろいろ組合にもその眞相を聞いて来られ、組合としての態度はどうかというような点につきましても、下部から聞いて参つたのであります。でわれわれといたしましては、あらゆる方策を講じまして、いろいろの面に折衝を持ち、探つてみたのでありますが、とにかく当局の言つておるところの、現在は確保できるが、將來のこといついては云々ということにつきましても、われわれは全然見通しがなかつたのであります。それで実はこの点につきましては、組合も問題が非常にデリケートでありますので苦慮いたしたのでありまするが、とにかく見通しという点については、必ずしも樂観はできないというような意見は、個人意見としては組合の役職員の中から相当出ておるかとも思います。しかしながらそれらの問題をめぐりまして、当局にいろいろ折衝したのでありまするが、とにかく今回行われんとしておるところの行政整理と関係がないということは、はつきり当局が言つておりますので、われわれとしては、その点について全面的にそうであるというふうには納得できない節もあつたのでありまするが、といつてまたいろいろ退職金の見通し等につきまして考えた場合には、またそれほど神経過敏になる問題でないというふうにも考えられますし、その点が非常に問題でありましたが、とにかく現実の姿といたしましては、三月三十一日までに老齡者、五十五歳前後の者が主でありまするが、辞表を出しておりまする者が約八千名程度だと聞いております。そうして予算の関係その他の都合がありまして、現在は辞表は受け付けないというような段階になつておると聞いております。この問題は國鉄として組合におる者も非常に苦慮したのでありまするが、そういう点が実情でございまして、われわれも行政整理の一環という結果になつて現われるということにつきましては、非常に心配をいたしたのであります。その見方につきましては、はつきりここで申し上げられないので、おのおのの感じた点で多少の差異があるというふうに御了解願いたい、かように考えます。
#107
○岡田參考人 土橋委員の御質問に対してお答えいたします。これは自治法の施行規則の五十五條、あるいはその他の條項に、勤務時間とか、給與について、官吏の例によるとか、準ずるとか、こういうような文句があります。これをたてにとつて非常に強制して來ている。それから通牒は自治課を中心に流れて來ております。内閣官房長官の名前で、都道府縣あてに通知を出しておる。そういうふうな方向で田舎にやつて來ております。但しこの自治法施行規則に基くこれらのものが、はたしてわれわれの上に適用されておりますところの、労働基準法に優先するものであるか、いなかということについて、われわれは法的に非常に疑問を持つております。しかし理事者の方では、一方的に基準法を無視して自治法に基いてやつて來ている、こういうことであります。
#108
○高島參考人 お答えします。私どもの例を一、二申し上げます。一つは荒川税務署員でございますが、これは昨年の秋、荒川方面の中小商工業者の方がお集まりになられて、昨年の秋の更正決定が非常に高過ぎるから、何とかしてくれと言つて財務局長の所へ参りました際、たまたま財務局に來ておりましたその職員が、それはもつともだというわけで、その陳情團の方に協力して、財務局長に陳情をしたわけでございます。ところが局長は、お前は下れと言われたのだそうですが、入つちやいかぬというのを入つたというかどで、不許可にかかわらず押し入つたという点で、公務員法に第八十二條第一号、第二号に該当して、その情状最も重きものというわけで馘首。岡山の件は、やはり五名同じようでございますが、これは馘首の理由は、大体組合員で組合事務専從をしておりました、ところがあのポツダム政令二百一号以來、専從の問題は、とかく官側と組合側との意見の一致を見ないままに、ずつて來たわけでございますが、それを不許可にかかわらず専從と称して、みだりに職場を離れたという点と、さらに二月の五日に職場大会を岡山税務署でやりまして、その職場大会が時間中だつたというわけで、執務時間中にかかわらずやつたというわけで、これも同じく八十二條第一号、第二号に違反して、その情状最も重きものであるということで馘首せられました。以上二件、それぞれさきに申しましたように、人事院に審査の請求をする権利を留保されておりまして、請求をいたしたのでありますが、やはり審査の請求の手続に関する人事院規則が出ないという理由で、ほつたらかしております。これはまことにゆゆしき事態でありまして、一名は他に收入の道がありますからよろしゆうございますけれども、あとの五名は收入の道がない。結局組合に残りまして、組合の方でただいま事務をやつて、組合の方からもちろん給與を支給しておりますけれども、このようなことが今後ますます起きますと、審査が決定するまで本人の動きがとれない。もしよそに就職しても、審査の結果その処分が取消しになつた場合には、補償ができないというようなことで、不安定な状況にありますものですから、この点は皆様に特にお訴えいたしたいと思います。
#109
○土橋委員 ただいま岡田さんの御説明によると、官房長官の補佐ということで給與の実施に関する問題は、今井給與局長が担当されておりますから、官房長官からそういう指令を出されたのは、給與実施本部として出されたのでなくして、單は官房長官として出されたのかどうかお聞きいたしたい。
#110
○今井政府委員 御想像の通りこれは実施本部で扱つておりますものは、國家公務員だけでございます。地方公務員の方は全然所管外であります。
 ただいま岡田さんの証言の意味は、府縣のいろいろの調整をやつております自治課がたまたま内閣総理應に属する関係から、総理應の事務の主管である官房長官の名前で通牒を、自治課から出しております。その自治課が自治課長の名前よりは、もう一つ上の官房長官の名前で通牒を出しておる。こういうかつこうになつております。
#111
○土橋委員 そうしますと、あなたの方で、給與実施に関する問題については、官房長官が給與実施本部長で責任を負う。しかしながら給與の実施の実際の具体的な面については、やはり政府職員についてはあなたの方で責任があるわけなんです。ところが問題は地方公務員に関する問題で、自治課がやつた、こういうふうに仰せになつておるけれども、自治課というものは、結局給與実施に関する問題についてそういう指令を発する権限があるのですか。これは政府職員についてはあなたの方が御存じですが、総理應の自治課というものは、地方公務員の各給與に関して、都道府縣知事に指令を出す権限があるのでございましようか。お聞きいたしたいのです。
#112
○今井政府委員 これはどうも私所管でございませんので、何とも責任のあることを申し上げかねます。
#113
○土橋委員 岡田さんにもう一回お尋ねしたいのですが、一体総理應の自治課というものは、あなたの方に給與その他の問題について、そういう指令を出す権能があり、また官房長官はそういうことを発令する今までの例があつたでありましようか、ちよつとお聞きいたしたいのであります。組合としてそういうことがあつたかどうか……。
#114
○岡田參考人 これは地方應は、新しい憲法のもとで完全自治で、われわれ自主権があると思つているのですが、内務省の形態がかわつたと申しましようか、自治課というものがあつて、総括的に今でもいろいろな指図をしておる。このことは法律的にどうこうという点については、私はそれだけ向うが絶対権を持つているとは考えられないのですが、何分にも財政面を地方財政委員会その他において押えられておる。さらに配付税その他によつて地方予算をまかなわれておる。そういう弱みがあるものですから、自治課あたりの通牒に対して、非常に知事はこれを守るという慣習というか、昔の内務省以來の慣習が強いのではないか。それに便乘して指令その他についても、法律的に逃げられるようなあいまいさはありますが、非常に強い表現によつて押しつけて來ておる。それが実態です。また地方の知事あるいは市長が、自治課あたりから流れて來るものを、非常に大きな強制力あるものとして組合に押しつけて來る。これを裏から言えば、過日の公開の審査の席上においても、今井さんは地方の縣や市できめました給與は、やみではないということをおつしやつておられます。こういう点、ほんとうはそうなのですが、しかしその蔭において、たとえば政府の今國家公務員法でやつておるような給與の切りかえその他をやらないならば、今後起債その他において、あるいは配付税その他において手加減を加える。こういうおどかしが、たとえば全國人事主官者会議においても、知事会議においても自治課の方から流れておる。ですから、その線で押えられてどうしてもやらざるを得ない。これが実態です。
#115
○土橋委員 大西さんにちよつとお尋ねいたしますが、私は今朝、こういうことを囲いております。神奈川電車区の角田悦治郎さんという五十六歳の方でありますが、この人がおつしやることには、この電車区の区長と事務助役が二時間ほど、私今申し上げたように、今のうちやめれば最高限の現金で給與を支給するというポスターを張つて、そうしてやめたらどうかという勧告をして、御本人はその勧告によつて辞表を出した方なんです。それで今あなたの御報告によると、八千人あるといううちの一人だと思うのですが、後にいろいろ聞くと金をもらえない。当時の情勢を聞くと、おそらく職員の中からうわさが出たかどうか知りませんが、勤続二十三箇年だそうでありますが、角田悦次郎さんは二十三万円はもらえるだろう。ところが最近の話では、その半分ももらえない状況になつてしまつたということからお見えになつたのでありますが、ポスターを張つたという事実がありますので、國鉄労働組合では神奈川の電車区長及び事務助役の方に、もう一回確かめていただきたい。そういう事実があつて、二時間ほど張つて辞職の勧告をして取つてしまつたら、あとはもう情勢いかんによつて、どうにもならぬというような情勢にあるように、私は御本人からけさ報告を聞いておるわけです。そこでこれは人事委員会でも、そういうような運輸省当局の幹部の方の思惑をしておいて辞表を取上げて、あとは風次第、情勢次第ではしようがないということであれば非常に問題でありますので、きようは運輸当局もお見えになつておりませんからお聞きすることはできませんが、ぜひ國鉄の労働組合でもこの点を十分お調べを願つて、さらにまた後日國会の方へも御報告願いたい。こう思う次第でございます。
#116
○大西參考人 ただいまの問題は、もし土橋議員がおつしやる通りであるとすれば実にゆゆしき問題であります。組合といたしましてもその点は今初めてお聞きするのでありまして、私は今まで八千人出た中にはそういう事例はないと承知いたしておりますが、もしかりにそれがそうでないということがあるならば、これは非常に問題でありますので、よく調査をいたしまして、何分の回答を人事委員会の方にいたすことにいたします。その上でもし間違つているものがあれば御協力を願わなければならぬということを申し上げておきます。
#117
○加藤(充)委員 さつきの伊豆七島の問題を蓮見さんの方から御答弁をお願いしたい。それからあわせて地域給の繰上げやその他の問題については、各方面から請願なども來ていると思うのですが、大体どんな理由で、代表的にはどんな所から請願が参つているか。これにあわせて人事院としての意見を聞かして欲しいと思います。
#118
○蓮見政府委員 それでは現在勤務地手当につきましてどのような進行過程にあるかということを昨日も御質問がございまして、淺井総裁の方から御答弁がございましたけれども、やや深く御説明申し上げたいと思います。法二百六十五号によりまして人事院が科学的な見地に立ちまして資料を國会に提出し、御決定をいただく、こういうことに相なつております。そこで人事院といたしましては、御決定をいただきました直後、ただちに人事院会議を開いていただきまして、勤務地手当の支給地域並びに支給方法、どういう方法によつて決定するかということにつきまして御決定をしていただきまして、まず各省、なかんずく統計局あるいは労働省の御協力を得て、その資料によつて参りたいかように存じまして、いろいろ折衝をいたしました結果、費用の点その他もございますし、また統計委員会の関係もございましたが、三月の始めに大体の調査の方法が確定いたしました。それは新たに現在の二十八都市のCPSの調査地域を三百五十三市町にわたりまして拡大し、五月に一齊調査をしよう、こういうことに相なりました。從いまして各縣におよそ七箇所、少いところは四箇所あるいは五箇所になりまするが、多いところは十数箇町村にわたりまして、いわゆるお手がかりの町というもの、あるいは市というものを求めまして、それによつて勤務地手当を新たる観点に立ちまして、支給すべき地域並びに支給すべき制合を決定して参りたい。かように存じて今せつかく進捗中でございます。調査に当りましては、でき得べくんば季節的な変化というものを十分見きわめなくちやならないと思いまするので、長い期間やりたいのでございまするが、費用の関係、統計の收集の関係その他もございまして、五月にただいま申し上げました三百八十一町村につきましてやろう。こういうことに決定いたしました。そしてこの集計その他も、一昨日淺井総裁もたしか八月ごろにはできるだろう、こういうふうに答弁されたと記憶いたしておりますが、私どもも一日もすみやかに結論を出したい、かように存じております。
 なおこの支給地域の支給すべき割合、これをいかにすべきかという問題、また支給地域をどのような方法によつてきめて行くかという問題になりますると、御存じのように生計費によつて行方法と、いま一つは政府職員の実質賃金を、どの地域に参りましても同じように確保しようという、いわゆる実効價格によつて比較して行くという二つの議論が、今日対立して参つているのでございまするが、この問題もまた私ども十分今檢討いたしているのであります。この問題が確立しませんと、寒冷地給をどうするかという問題がきまらないのであります。もし生計費によつてやるということになりますると、寒冷地給もやはりそうした観点に立ちまして行く、もし実効價格によつて行くということになりますると、地球の変化しない限り、北海道はいつまでも寒いのですから、実効價格数的に寒冷地給というものを制度化して行かなくちやならぬじやないか、かように考えております。なお寒冷地給の設定につきましては、まだ人事官会議におきまして決定いたしておりませんが、私どもといたしましては、今まで國鉄にしましても、また逓信省におきましても、何らかの形におきまして、特に北海道につきましては、寒冷地に相当する手当をいたして参つておるような経緯にかんがみましても、これは制度化する必要があろう、その形はいかようになろうとも制度化する必要があろう、かように私は考えております。
 次に大島の問題でございますが、先ほど今井政府委員からも御答弁がございました通り、私も当事者側からは伺つておりませんけれども、組合の方がお見えになりまして、私のところに、しばしば大島あるいは伊豆七島の地域を、東京都なみにしてもらいたいというお話がございます。この点につきましては、僻地給と合せてどのように処置して行くかということを、私どもとして十分考慮いたしたいと存じております。
 それからどの地域から陳情が来ておるかというお話でございますが、南は九州の方から、北は北海道の果てまで、多い日には実に二十箇所も参つておる状態でございます。
#119
○赤松委員 議事進行について―本日の参考人に対する質疑はこの程度で打切りたいと思いますが、この際委員長にお願いしておきたいことは、ずつと出席しておるのは委員長代理とこの方と、あと社会党、共産党で、民自党の人がおられないようであります。少くとも委員会は委員会の権威にかけて、こうして労働組合の代表諸君に來ていただいていろいろお話を聞く際に、人事院総裁は一回もお姿を見せない。また委員諸君のこういう不熱心であるということは遺憾である。こういう点は議会の過半数を占めておられる絶対多数党でございますから、そういうことのないようにお願いしたい。なお本日の参考人の参考意見を聞きぱなしにするという意味でなくて、この参考意見に基いて、さらに私どもは政府当局に対して質疑を続行したいと思います。つきましては、この次の委員会に、淺井人事院総裁、労働大臣、官房長官、地方財政を御担当なさつておる木村國務大臣に御出席を願いたい。特に官房長官は、先ほど参考人の御意見がありましたが、総理廳の自治課の方でこういう重大な通牒なり指令なりを、地方自治体に出されておるということはゆゆしき問題である。從つてこの点について議会としては徹底的に糾明したいと考えておりますから、以上の四人の大臣の出席をお願いしたいと思います。
#120
○加藤(充)委員 行政整理の問題がいろいろ問題になつたようですから、行政管理廳の本多國務大臣も呼んでいただきたいと思います。
#121
○關内委員長代理 ただいま赤松君等よりの御動議、御意見等がございましたが、さよう決定して御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○關内委員長代理 御異議がなければさよう決定いたします。
 参考人に各位におかれましては、御多用のところそろつて御出席の上、いろいろ貴重なる御意見の御発表をいただきまして、委員長としてあつく御礼を申し上げます。これをもつて御引取りを願いたいと思います。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後四時八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト