くにさくロゴ
1949/04/12 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第7号
姉妹サイト
 
1949/04/12 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第7号

#1
第005回国会 厚生委員会 第7号
昭和二十四年四月十二日(火曜日)
    午後一時四十二分開議
 出席委員
   委員長 堀川 恭平君
   理事 大石 武一君 理事 岡西 明貞君
   理事 床次 徳二君 理事 田代 文久君
   理事 松永 佛骨君 理事 福田 昌子君
      青柳 一郎君    今泉 貞雄君
      田中 重彌君    中川 俊思君
      西村 直己君    丸山 直友君
      岡  良一君    堤 ツルヨ君
      苅田アサノ君
 出席政府委員
        厚生政務次官  亘  四郎君
        厚生事務官
        (会計課長)  高田 正巳君
 委員外の出席者
        專  門  員 川井 章知君
        專  門  員 引地亮太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 厚生行政に関する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○堀川委員長 これより会議を開きます。
 本日は前会に審議を延期いたしておりました厚生行政の予算而について議事を進める予定でありますが、この際本委員会に専門員に就任された引地亮太郎君を御紹介いたします。(拍手)
 それではまず政府より厚生行政の予算について説明を聽取いたすことにいたします。
#3
○高田政府委員 お手もとに大分詳細な資料を差上げてございますので、これによりまして概括的な説明を私からさしていただきたいと思います。その資料の一番上の事項の欄でございますが、これは官房、各局、それぞれ各種の事項を並べてあるわけでございます。その下の欄は二十四年度予算額、これが本年度の國会に提出してある予算額の厚生省関係の金額でございます。その下の欄は前年度の予算額でございます。その下が差引増減、それからずつと最後の厚生省所管合計のところをめくつていただきますと、二十四年度の予算額が二百七十四億六千八百四十九万七千円と相なつております。前年度が三百三十七億七百六十八万八千円、増減が三十七億六千余万円でこれが増ということになつております。
 ただ前年と本年度との比較をしていただきまするために、その一番上の二百七十四億と二百三十七億だけを比べていただいたのでは適当でないのでございまして、その下に地方財政委員会予算額と、それから国立病院特別会計という二欄がございますが、この地方財政委員会予算額と申しまするのは、御承知のようにと今年度から地方財政法の関係によりまして、從來厚生省に組んでおりました厚生省関係の補助職員の経費を、地方財政法によりまして、地方財政委員会の一本に組むことに相なりましたので、予算の折衝は私の方でやつたのでございますけれども、組み方を財政委員会の方に移したのでございます。從つて二十三年度の二百三十七億の中にはこれも入つておりますので、これも足して比較をしていただかなければならぬということに相なるわけでございます。それからその下の欄に、國立病院特別会計の欄がございますが、これも御承知のように前年は一般会計の方に入つておりましたので、これも加えて御比較をいただくことに相ならなければならぬわけでございます。そういたしますると一番上の欄の二百七十四億六千八百余万円と財政委員会の欄の十一億八千百余万円と、一番下の欄の國立病院特別会計の二十二億九千百余万円、これを足してみますると、三百九億四千二百四十四万三千円ということに相なります。この三百九億と二十三年度の予算額二百三十七億を比較していただくということに相なるかと存じます。
 さらに前年度との関係を比較していただきまする場合に御考慮のうちに加えていただきたいことは、二十三年度の二百三十七億という数字の中には、予備金あるいは追加予算で成立いたしました経費も含まれております。昨年の当初予算は二百五億余万円でございます。従つて正確に申しますると、今の二百五億余万円と本年度の三百九億四千二百何万円とを比べていただけば、非常に正確なということに相なる次第でございます。大体百億円余りの増加ということに結論づけられるわけでございます。以上申し上げましたのが大体総括的な数字でありまして、その中味に入つて若干の御説明を申し上げたいと存じます。
 最初の厚生大臣官房の経費はそこに計が出ておりまするように、本年度が三億一千六十九万六千円、前年度が二千二百十二万一千円ということになつておりまして、これは相当な増額に相なつております。その中で各事項は大体数字がそこに出ておりまするので、ごらんをいただきたいと存じまするが、一、二おもなものについて御説明いたしまするなら事ば、三番の厚生行政の普及徹底に必要な経費、これは本年度は非常に多額に増額していただいた経費でありまして、御承知のように厚生省の行政といたしましては、一般の國民の方々に十分御理解をいただきますことが、非常に必要な行政でありますので、特にこの経費の増額をお願いしたわけであります。
 それから四番目の社会保障制度の企画調査等に必要な経費、これが千三百万円、昨年は三百万円でございましたが、一千三百万円ほど計上をお願いしたわけでございます。この経費は御承知の通り、先般米國から社会保障制度の調査團がやつて参りまして、各方面にわたりまして調査をいたしました結果、最高司令官の名前において、日本政府に対しまして勧告書が出ておるわけでございます。現在の日本の社会保障に関連をした現状の制度をいろいろ批判いたしまして、將來一本にした総合的な社会保障制度をつくり上げたらよかろう、それについてはこれこれの点を十分に注意をするようにという、簡單に申せばさような趣旨のものであります。從いまして厚生省といたしましては、その勧告書に從いまして、社会保障制度の全般的な企画をいたさなければならないと存じておるわけでございますが、何分にも非常に廣汎にわたりまするし、しかも経費その他につきましても非常に大事きな仕事でありますので、十分なる基礎的な調査を必要といたします。さような意味合いにおきまして千三百万円を本年お願いしたようなわけであります。
 それから七番の官房会計事務処理に必要な経費、これが二億五千八百万円ほど増額になつておりまするが、これは別に特別な経費ではございませんので、共通的な退官退職手当とか、共済組合に対しまする政府の交付金でありまするとか、賠償償還金でありまするとか、死亡資金でありまするとか、そういうような共通的な経費であつて、昨年は一番しりの方のその他というところへ組んでございましたが、それをこちらに今度は持つて参つておる、こういう関係でふえておるのでありまして、特別に内容は御説明する必要もないと思います。
 それから次は公衆衛生局の関係でありまするが、昨年は五億二千百余万円でありましたが、今年は六億八千三百万円、一億七千百七十五万三千円の増額ということに相なつております。ただこれにつきましても先ほどちよつと御説明申し上げましたように、その下の欄の財政委員会の欄の一億三千六百十六万三千円、これを加えて昨年と比較を願わなければ正確ではないということに相なるわけであります。公衆衞生局の各項につきましては、特別に御説明を申し上げるようなものもないかと存じまするが、昨年ございませんで本年特に計上いたした経費といたしまして、二十四番の屠場における原皮の取締監督に必要な経費二百九十万円ほど、わずかな経費でありますけれども、これは本年度新たに計上した経費であります。屠場におきまして食肉の方は十分なる処理をいたしておつたのでありまするが、原皮の衞生的処理に不十分な点もありましたので、その意味におきましてこの経費を地方に流しましてその万全を期したい、かような意味で新たに計上したわけであります。
 それから二十六番の鼠族昆虫駆除実施に必要な経費が六億二千五百八十四万七千円、これは公衆衞生局におきましては一番大きな経費でございますが、御承知のごとくこれは主としてDDTをまきまして、かとか、のみとか、しらみとか、さような傳染病の媒介をいたしますものを駆除いたす、それからねずみをとる、こういう経費であります。さよう申し上げまするとあるいはかとか、のみとかにそんなに金をかけるかという御疑問があるかも存じませんが、これは終戦後関係方面の強力な指示によりまして始めました仕事でありまするが、相当な成果を上げまして、終戦後非常に社会的な混乱を來しておりましたにもかかわらず、御承知のように傳染病がむしろ減つておるということは、これらの施策があずかつて大いに力のあつたことと存じておるわけであります。
 次は医務局の関係でありまするが、全体の予算額が八億四千二百余万円、前年が三千八百余万円でありまして、八億四百万円ほどふえております。この中で特に御説明を申し上げますのは三十四番、三十五番、三十八番で、これらはごらんの通りに前年度はゼロという経費でございましたが、本年新たにお願いを申し上げている経費であります。三十四番の医療法施行に伴う医療監視員設置並びに講習会に必要な経費百八十九万五千円、これは御承知のごとくこの前の國会で御決議をいただきました医療法の関係におきまして、医療監視員というのを新たに設置することに相なつているわけでございます。それの増員ではありませんけれども、現在中央、地方におります医療関係職員を医療監視員ということにいたしまして、それらの見てまわります旅費でありますとか、あるいは医療監視員として教育をいたす経費を計上いたしたわけであります。
 それから三十五番の病院管理研修所設置に必要な経費、これは病院の管理という点におきまして、わが國の病院というものは諸外國の病院、ことにアメリカの病院と比較いたしますると非常に遅れておる、かような意味合いにおきまして、病院を管理することの專門的な再教育をいたしたい、さような意味合いにおきまして、東一、これは國立第二病院でありまするが、そこにこの施設を付設いたしまして、そこで再教育をいたしたいというので、わずかな経費でございまするが、新たなる経費でございます。
 それから三十八番の歯科衞生行政に必要な経費、これもわずかな経費でございまするが、前國会におきまして御決議を願いました歯科衞生士法というのがございまするが、それによりまして御承知のデンタル・ハイジニスト、歯科衞生士というものを新たに養成をいたすことに相なりましたので、それに関連した経費をそこに計上いたしたわけであります。それから四十番の國立病院等の指導監督に必要な経費というのは五億八千六百万円もふえておりまするが、これは別途國会にお願しておりまする國立病院特別会計法案と、それから予算の方も特別会計の予算がお願いしてあるのでございまするが、それの特別会計に対する一般会計からの繰入金五億八千五百六十七万八千円をここに計上いたしたのであります。その繰入金がこの中に入つておりまするので、かようにふえておるわけでございます。
 それから四十五番の國立病院療養所の建物その他諸設備整備に必要な経費、これが一億九千百万円ほどふえておりまするが、これは後ほど御説明申し上げまするけれども、結核病床の大拡充計画を本年の予算の中に包含しておりまするので、その関係のこの臨時費が一億七千七百万円ほどここに含まつておるのであります。その関係でこの経費が相当多額に増加いたしておるような次第でございます。なお結核の病床の拡充の問題につきましては、あとで御説明を申し上げたいと存じております。
 次は予防局の関係でございまするが、予防局といたしまして総経費が十一億、昨年と対比いたしまして四億三千八百万円ほど増加をいたしております。ここにおきましても、その下の欄の五億一千万円というのをさらに附加して増減をお考えいただかなければならぬわけでございます。予防局におきましては、特に御説明を申し上げる必要のありますのは、四十八番に保健所の運営に必要な経費一億四千八百五十四万円、地方財政委員会の方に計上いたしましたものが四億百八万四千円というのがございます、これは御承知の通りあらゆる衞生行政の第一線の中核的な機関といたしまして、また國民の公衆衞生の向上のために欠くべからざる機関であるところの保健所運営に必要な経費でございます。しかもこの経費の中には、本年厚生省の最も優先的な施策といたしまして、保健所の大拡充計画を予定いたしたのでございますが、その一部が実現いたしまして、この中に含まれておるわけでございます。前年といかにかわるかということを簡單に御説明申し上げますと、十四箇所新たに保健所が増設になります。それから從來ございました保健所の一般的な分は非常に小さいのでございますが、そのうちの三百三十ほどを、定員を増加いたしまして、拡充をいたすという予算がこの中に含まつております。さよういたしますと保健所の本年度の姿といたしましては、これは昨年度やつた仕事でございますが、各府縣に一箇所ずつ、從つて全國で四十六箇所の級と申しますか非常に充実したりつばな保健所がある。それから三百三十箇所ほど本年度拡充をいたしました中間的な保健所がある。それから三百十三箇所ほどは從來通りの姿の保健所である。こういう形に相なるわけでございます。この拡充計画のために約一億七千万円ほどであつたと思うのでありますが、保健所の関係で経費が増額になつておるわけでございます。
 特に御説明を申し上げる必要のありますのは、第五十六番の傳染病予防対策強化に必要な経費、これも昨年より相当ふえておりますが、これは御承知の傳染病が発生いたしました際における防疫対策に必要な経費でございます。昨年も日本脳炎という傳染病が全國的に廣がり、相当な経費を食つたのでありますが、本年度はさらに多額の経費を計上いたしまして万全を期しておるわけでございます。
 それから六十四番に、新規経費といたしましてストレプトマイシン研究に必要な経費を、ほんのわずかな経費でありますが、四十万円ほど計上してございます。これは新規の経費といたしまして簡單な御説明を加えておきたいと存じますが、御承知の結核の特効藥といたしまして、アメリカからさきに菌子を日本にわけていただきました。それから製品も先般二百キログラムでございましたかアメリカから輸入いたしたのでございます。この予防局にストレプトマイシン研究協議会というものを設置いたしまして、研究は予防衞生研究所になり、あるいは各大学なり、さようなところでそれぞれやつていただくのでありますが、その研究をここでいろいろ情報を交換いたしましたりして、総合的に有機的に関連づけて行こう、そういうような意味合いにおいて四十万円ほどの経費を計上いたしたわけであります。なおずつとめくつていただきまして一番最後から二番目の表のところに百三十九番、國立病院経営に必要な経費、それから百四十三番に國立結核療養所に心要な経費、その中に先ほど申し上げましたストレプトマイシンの輸入の製品を合計二千五百人分買い上げまして、國立結核療養所並びに國立病院に入つております結核患者に実際施してみる、こういう経費が約五千万弱両方に入つております。
 次は藥務局の関係の経費でございますが、ここでは七十番に特殊医藥品の配給確保に必要な経費、これは昨年よりうんと減つておりまして、七億三千二百万円の減ということになつております。これは主としてDDTを政府がメーカーから買い上げてそれを府懸に賣りまして、先ほど公衆衞生の方で御説明をいたしましたような昆虫駆除という仕事でまいて参つたわけでありますが、本年はそのDDTを政府が買い上げるということをやめまして、メーカーから直接府縣の方に賣つてもらつて、その府縣の支出に対して國庫が補助をする、こういう形をとりましたので、七十番の経費はそのDDT分だけが落ちたわけであります。從つて残りました八千六百八十四万三千円というものは、これは予防接種法で使いまするワクチン類の買い上げに要する経費でございます。さような関係でこの七十番の経費が非常に多額に減少をいたしております。それから七十三番、七十六番、七十七番、この辺は本年のわずかな経費ではございますが、いずれも本年新たに計上をお願いたした経費でございます。
 次は社会局でございますが、ここでは九十二番の生活保護法施行に必要な経費百十八億二千万円、昨年と比べますと二十三億六千百万円の増加になつております。この費目が金額としては厚生省の予算の約三分の一を占めております費目でありまして、最も大きな経費でございます。これは内容は御説明を申し上げるまでもなく、先般來いろいろ当委員会においても御審議になつております生活保護法施行に必要な経費でございます。それから九十六番の傷痍者更正指導所運営に必要な経費、これも四百五十数万円のわずかな経費でありますが、本年の新たなる経費でございます。これはあるいは社会局長からすでに御説明申し上げたかとも存じますが、相模原の國立病院のすぐ隣りに傷痍者、切断患者の方々の更生指導所を國立でつくりたい、これに要する経費でございます。
 次は兒童局の関係でございますが、兒童局は本年が十億三千百万円、昨年と比較すると四億七千八百数十万円の増加に相なつております。これは一口に申し上げますれば、全部が兒童福祉法施行に必要な経費ということで御説明がいたせるわけであります。それをそれぞれわけまして、そこに上つておりますような事項に分割いたして計上をいたしておるわけでございます。ここで御説明を加えておきたいと思いますのは、百三番の経費の中に七千万円ほどの施設費が入つております。それから百四番の中に保育所給食に要する計費が計上いたされております。
 次は保險局の関係でございますが、百十二番國民健康保險に必要な経費、これが昨年より二億七千二百六十余万円の増加ということになつております。この経費は國民健康保險組合に対する政府の補助金が主でございますが、この中に國民健康保険組合の設置いたします直営診療所に対する補助金が二億五千万円ほど入つております。それから百十一番、百十三番、百十四番、この三つの中に健康保險組合に対する政府の交付金、各特別会計に対する一般会計からの繰入金というものがそれぞれその三年の経費の中に計上いたしてございます。
 それから次は引揚援護廳関係の経費でございますが、四十七億八千七百万円、昨年と比較しますと六億九千二百万円の増ということになります。非常にお氣の毒なことでございますが、四十七万人弱の方々がまだ異郷においでになるという計算になつておりますので、その方々が全部本年中にお帰りになるという建前のもとに計上をいたしてあります。百十五番から百十七番までが、引揚港にお帰りになつてから定着地にそれぞれお着きになるまで、あるいはその後の一般引揚援護に要する経費でございます。それから百十八番百十八番から百二十五番までが復員関係の経費というふうに大わけをして申し上げられるかと思います。なお、百二十二番、百二十三番特別未帰還者給與法施行に必要な経費、復員者に対する災害補償に必要な経費、これらはこの前の國会であつたと思いますが、特別未帰還者給與法、それから復員者給與法の改正といたしまして、復員者に対して公務災害補償の建前によつてごめんどうを見るということに相なりましたので、それに関係の経費を八千五百万円と六億四千一百万円ほどをここに計上いたしたわけでございます。
 以上で大体各局関係の経費が終つたわけでございますか、そのあとに各部局関係の経費がずつと計上いたしてございます。百二十七番の公衆衞生院の養成訓練に必要な経費、この中には新たなる仕事といたしまして、從來公衆衞生院では短期の衞生技術者の再教育をやつておつたわけでございますが、短期のものしかやりませんでしたのを、本年は医学科だけにして一年間の長期の再教育を実施いたしたいという経費が、ほんの若干でございますが、新たにここに加わつております。
 それから百三十九番、國立病院経営に必要な経費六億八千五百三十六万二千円、これは別途特別会計として大藏省の方から御審議をお願をいたしております國立病院特別会計に関連のあることでございますが、大体の予定といたしましては、七月から特別会計に移すということに予定いたされておりますので、六億八千五百万円というのは、四、五、六の三箇月分の経費がこの一番上の段に書いてあるわけでございます。それから一番下の欄に二十一億一千七百万円という数字になつておりますが、これが特別会計に移りましてから後の関係の経費ということに相なるわけでございます。
 それから百四十三番、國立結核療養所に必要な経費の中にストレプトマイシン関係の買上げの経費を含んでおることは、先ほど申し上げた通りでありますが、本年の厚生省の重要なる施策といたしまして、結核対策の最もおもなるものといたしまして、國立結核療養所の病床は八千七百四十四床であつたかと存じますが、約九千床に近いべツドの増床をいたしたいと存じておるわけであります。これらはいずれも新たに新築は要しませんので、建物の補修をいたしまして、設備等をいたしますれば、それだけの増床が可能に相なるわけであります。さよういたますと、國立結核療養所は約四万四千床を保持することに相なるわけであります。それに伴う経費といたしまして、約四億弱のものを増額して計上してあるわけでありますが、その四億が先ほどちよつと御説明いたしました医務局の四十五番の方に、一億七千七百万円ほど臨時費が向うの方に割いて計上してありまして、残りがこの百四十三番の方に含まれているわけであります。
 それからその次の百四十四番の國立癩療養所に必要な経費の中に、御承知の、癩の特効藥プロミンを買上げまして施します経費が五千万円ほど計上してあります。それから百四十九番の数字の一番最後の項でございますが、六億円ほど新規に計上いたしてありますが、この経費は御承知の日本医療團が解散ということになりまして、それの持つておりました療養所をすべて國に引続いだわけであります。目下その引継いだ医療團は清算の途中にあるわけでありますが、医療團から引継ぎました療養所の建物、土地というようなものに対する代金の支拂いをまだ政府としてはいたしておりませんので、ここに計上いたしまして、医療團の方に支拂うことにいたしたいと存じているわけであります。なお医療團の方の関係は、御承知のことと思いますが、清算の結果医療團として金が余りますれば、國庫に帰属することになるわけであります。
 それから百五十一番に予防衞生研究所に必要な経費七千九百二十八万円がございますが、ここに人間の増員を四、五十名だつたと存じますが、含んでおります。これは血清とかワクチン類とか、さようなものの檢定――御承知のようないろいろの問題も起りますので、國家檢定の関係を十分に整備いたしたいという意味合から、ここに増員並びにそれらに要する経費を計上してあるわけであります。
 特に御説明申上げまするおもなる点は大体以上の通りでありますが、詳細は御質問によりましてお答え申し上げたいと思います。
#4
○中川委員 こまかいことを質問するのじやないのですが、ちよつと伺いたいのであります。この三百億の中で人件費、物件費、それから設備費と申しますか、大まかにわけて大体の数字がわかりませんでしようか。たとえば人件費が幾らというようなパーセンテージでよろしうございます。
#5
○高田政府委員 正確な数字を今調べておりますけれども、出ておりません。ちよつと大体の数字を申し上げる自信がないのでございます。実は御承知の通り生活保護法関係の経費等が相当大きく入つておりますので、從つて人件費のパーセンテージが相当大きくなると私存じております。いずれ数字をはつきりしましてから御報告申し上げます。
#6
○田代委員 國立病院の特別会計の内容について伺いたい。
#7
○高田政府委員 特別会計の関係は医務局長の方からいずれ詳細にお話し申し上げる方が適当かと存じますので、私はごく概略のことを申し上げておきます。ただいま差上げました資料の一番下の欄にございますように、特別会計の歳入歳出のそれぞれの合計は二十二億九千一百九十九万八千円ということに相なつておるわけでございます。それで歳出の方の内訳を申し上げてみますと、病院管理費が千八百二万円、病院経営費が二十一億二千七百四十九万五千円、施設整備費が千九百三十万円、看護婦養成費が四千六百十九万円、義肢製作費が二千九百九十九万八千円、それから予備費といたしまして五千九十九万五千円。以上合計が二十二億九千一百九十九万八千円ということに相なるわけでございます。歳入関係から申し上げますと料金收入が十六億七千四百八十万三千円、義肢販賣及び修理收入が二千九百九十九万八千円、一般会計からの受入れが五億八千五百八十六万七千円、雑收入が百三十三万円、以上の合計が二十二億九千二百九十九万八千円ということに相なる次第であります。
#8
○田代委員 これは特別会計にすることによりまして、大体補助金というものは今までと比べて幾らぐらい減ることになりますか。つまり私たちが考えると、特別会計になると政府支出が今までよりは減るのじやないかという見当が多くなるのですけれども、政府支出としては経費が軽くなるというようなお見込ではないかという氣がするのですが……。
#9
○高田政府委員 政府支出を軽くしようというつもりで特別会計ということをお願いしておるわけではないのでございます。ただかような事業でございますので收入、支出の経理面を明確にいたしたい。從つてどうしても欠損の生ずる部分は一般会計から繰入れをするという建前で参つておるわけでございます。特に特別会計にするのは政府の支出を少くしようというのがねらいではないつもりでございます。
#10
○大石(武)委員 一つだけお伺いいたしますが、昨年度の國立病院の医療費の收入はどのくらいありましたでしようか。
#11
○高田政府委員 これはまだ決算が出ておりませんので、正確な数字を申し上げかねるのであります。
    〔委員長退席、松永委員長代理着席〕
#12
○大石(武)委員 大体本年度の収入見込の十六億七千五百万円というのとあまり違わぬでしようね。
#13
○高田政府委員 これは昨年と金額をすぐ比較するということは、なかなか不適当な点があるのでございます。たとえば昨年――たしか九月だつたと思いますが、一点單價が六円から十円に上つておるのです。そういうふうな関係もありまして、正確な決算が出ておりませんけれども、前年の收入金額と今度予想しております十六億数千万円というのと金額として比較をしましてもあまり意味がないかと存じます。
#14
○丸山委員 國立病院收入は一点單價を一体幾らにお見積りでございますか。
#15
○高田政府委員 融合保險と同じように一般が十円で、六大都市は十一円でございます。
#16
○丸山委員 一割引というのはどうなりますか。
#17
○高田政府委員 一割引はやめるつもりでございます。
#18
○田代委員 今まで國立病院には補助金は幾ら出ておるのですか。
#19
○高田政府委員 御承知のように前年までは一般会計でございましたので、今の御質問の御趣旨は結局收入と支出の差がどれだけあるかという御質問だろうと思いますが、そうしますとやはり決算が出て参らないとわからないわけでございます。特別会計になりますれば、そういう点が年度の途中においても比較的明確になつて行くわけでございます。一般会計でありますと、歳出の方と歳入の方は全然別箇に取扱われますので、ちよつと私ども正確な数字を申し上げかねるのであります。
#20
○田代委員 この問題で私がお尋ねします理由は、これは特別会計になると今まで入院されておる無料の患者とか、あるいは生活保護の形で入つておる患者の方々が、非常に不利になるのではないかというようなことからいろいろお尋ねしたいと考えておるわけですが、そういう面に対する響き方はどうでございますか。
#21
○高田政府委員 全然関係がないと思います。
#22
○大石(武)委員 私は政府委員でも何でもありませんが、國立病院にしばらくおりました関係で、そのことについて私は今会計課長の話は妥当だと思います。あとでゆつくり皆様とこの問題について懇談いたしたいと思つておりますが、原則的に國立病院に無料で入るということはないわけです。必ず國民健康保險か、あるいは生活保護法で、ほとんど全部はそういう費用でまかなわれ、本人が貧乏であつても医療保護法で十分な医療は受けられたわけです。ただ問題は無料で入つておる、多くは國立病院でわれわれが医学的に興味がある患者、勉強なり研究になる患者を無料で入れておるのが大部分でして、この前の陳情で無料で八割入つておるというのは非常な違法なのです。あり得べからざることである。不合理なやり方をやつておるわけです。それはあとでゆつくり懇談いたしますが、今の会計課長の話は当然であると考えております。
#23
○田代委員 実際に無料で入つておられる方が何パーセントぐらいありますか。
#24
○大石(武)委員 多少ありますが、それは医療保護法にも該当しないのもあるのです。当然医療費は出し得るにもかかわらず出さないで入つておる者もあるのです。そればかりでなく、病院というものの特質を考えない、病院というものは病氣をなおせばいいところなので、別に就職を世話するところでもなければ、それがなおつて回復期を過すところでもないのです。ところが一般に國立病院で無料で入つておる患者の多くは、病氣がなおつても就職を世話してもらうまでそこを自分の住家としておるという考え方を持つておる者が多い。これが今の國立病院の患者の現状です。病院というものは病氣をなおすべき所で、休養するには家に帰つて休養すべきである。國立病院のみならず世界中の病院の本質は、入院を必要とする患者のみを入院さすのであつて、入院を必要としない者は家に帰つて療養すべきで、これを勘違いしておるところに國立病院に対する不平不滿が起つて來ると思うのです。
#25
○田代委員 いずれ医務局長からこの点で詳細に御説明がございますか。
#26
○松永委員長代理 今日は医務局長が御出席ございませんので、明日十時から委員会を開催いたしまして、医務局長の詳細なる説明を求めます。
#27
○田代委員 予算問題にまで触れて十分御説明があるわけですね。
#28
○松永委員長代理 この問題に対して請願がかかつて來ますので、その際にひとつ……。
#29
○苅田委員 それでは会計に関することだけお聞きいたしたいのであります。今日私ここに二十二年度の收支決算の報告書を持つて参りませんでしたが、この間拜見したときの記憶によると、二十二年度の職員の給與が相当額残つておつたように思う。よく國立病院は病床があつても医者はいない、看護婦がいない。これはいろいろな原因があるでしようが、それについて國立病院の患者の方から訴えがたくさんあるわけです。こういうところから職員に当然出るべき給與が残つているじやないかと思うのでありますが、これをちよつと御説明願いたいと思います。
#30
○高田政府委員 職員の給與の予算が残りますることと、職員に当然支拂うべきものを出しているかいないかということとは別個な問題でありまして、職員の給與の方は別個な標準でそれぞれ法律に從いましてきまるわけでございます。そうしてそれに從つて支拂いをいたしておるわけであります。ただ予算が余りますような場合は、たとえば欠員が非常にたくさんございまするとかいうような事情によりまして、予算が余るという場合は生じて來るわけであります。從つて予算と申しますものは余つたからといつてそれを予算に計上しましたなら、全部職員に支拂うべき金というわけではないのでありまして、いかなるものをどれだけ支拂うかということは、それぞれ予算以外の他の法令によつてきまる問題でございまして、從つてただいまの御質問のように、予算が余りましても支拂うべきものを支拂わないで、予算を余したということではないように私どもは序ずるのであります。
#31
○苅田委員 私お聞きしたいのはその点なのです。つまり現状の國立病院は看護婦にしても医者にしても非常に欠員が多い。この点も私非常に問題だろうと思う。それについてやはり予算の面ではちやんとしたものを持つておりますから、これに対する御説明を伺つたわけであります。
#32
○高田政府委員 ただいま私手元に欠員関係の数字を持つておりませんので、明日でも資料を持ちまして医務局の方から御説明申し上げます。
#33
○田代委員 これは将來特別会計から独立採算制というはつきりした形になる情勢でありますか。
#34
○高田政府委員 ただいまのところ國立病院特別会計は独立採算制を建前にはいたしておりません。一般会計からの繰入れが相当額あるということを前提にしての考え方であります。
#35
○田代委員 將來はいかがでありますか。
#36
○高田政府委員 將來におきましても当然独立採算制をとるべきものだということにも考えておりません。
#37
○床次委員 八十三のみぶよもぎ生産拡充に必要な経費を今年はお出しになつておらぬが、それは何か特別の理由がおありですか。
#38
○高田政府委員 これは特別に取立てた理由もないのでありますけれども、駆虫剤といたしましては、ほかにより強力なものも大分出て参りました
#39
○床次委員 大体その方で補充がつくというお見込なのですね。
#40
○高田政府委員 なおこれだけの経費をかけてやりましてもはたしてそのためにどれだけの率の増産があるかという点も疑問でありますが、この辺で一應打切つてみたらどうか、かような意味合であります。
#41
○苅田委員 厚生省兒童局関係の百四になりますが、保育所及母子寮等に必要な経費は、厚生省の二十二年度の数字によりますと、大体現在母子寮を必要とする要保護母子家族に対してその二%くらいにしか当つていませんが、今年度の数字では大体どれくらいのものが建設されるお見込でしようか、それをお聞きしたいと思います。
#42
○高田政府委員 ただいまの御質問あるいは私が御質問の趣旨を取違えておるか知れませんが、百四番の経費の上に保育所、女子寮の増設をどのくらい見込んでおるか、こういう御質問じやないかと思いますが、その増設分の臨時費につきましては実はここに見込んでございません。保育所、母子寮の増設につきましては厚生省といたしましては、ずいぶん努力して折衝いたしたのでありまするが、思うような成果が上りません。ここには今入つておりません。しかし先ほどちよつと御説明申し上げておきましたが、その前の百三番の経費の中に、七千万円という新たに増設する費用が計上してございます。この七千万円の使い方についてはまだ十分決定をいたしておりませんので、一應そこの百三番の経費の中にはうり込んであるわけでございます。これは児童局長の万から御説明を申し上げた方が適当かと思うのでありますが、おそらく保育所、母子寮に対して重点的に使われるのじやないかと私は想像いたしております。なお別個に、厚生省所管でありませんが、安本の関係の公共事業費の中に、大体四千万円ばかりの経費を兒童局関係の施設の経費として予定をいたされておるようであります。從つてその四千万円も大体母子寮、保育所が重点ということに相なつて來るのではないか、かように考えております。
#43
○田代委員 國立病院問題でなおはつきりさしていただきたいのですが、大体営利化といような点が相当ねらわれておるのじやないかという氣がしますのでその点が第一。それからそういうことを考えますと、歳入の黒字になあない、赤字ばかりというような病院は閉鎖される危險はないかという点が第二点。それから地方財政に非常に大きく響くのじやないか、地方の負担が非常に大きくなるのじやないかという点が考えられますので、その点が第三点。それからさつきの予算の七十番に特殊医藥品の配給確保に必要な経費というのがございますが、つまりDDTを政府が今度は府縣にさせる、こうなると結局地方財政が非常に重くなるのじやないか。実際に地方財政はみな非常に困つておりますので、病虫の駆除ということがきわめて不利になつて來るのではないかという点が考えられます。こういう点に対する見通しについて伺いたい。
#44
○高田政府委員 特別会計に関連したもの三つの御質問でございますが、営利化しはしないかという御質問に対しては、これは特別会計になつたといたしましても、一般会計になつたといたしましても、その会計経理の方途が違うだけで、いずれも國の会計でやるわけでございまするから、さようなことはしないと存じます。なお厚生省として、國立病院が特別会計になりましたゆえに、これが普通の民間の営利病院のごとく相なつてはたいへんです。私とも自体がさようなことは絶対にないように努力いたさなければならぬ。もちろんさようなことは御心配ないと存じます。
 それから閉鎖をしなければならぬようなことが起りはせぬかという御質問でございますが、これも特別会計になつたがゆえに、ある病院を閉鎖しなければならぬということは考えられないのじやないか。病院として考えて、とてもこれは病院として置くだけの價値がない、あるいは不適当であるということになれば、閉鎖の問題も別個の問題として起るかもしれませんけれども、特別会計になつたから閉鎖をする、一般会計であるから閉鎖をしないというようなことは私は考えられないのであります。さように存じます。それから地方財政に非常な負担をかけはしないかという御質問でございます。これは御質問の御趣旨が十分私にのみ込めない点がありますが、あるいは生活保護法なんかの適用関係で地方財政に移つたという御趣旨じやないかと思います。これも從來とも生活保護法にかけて治療しておつた人たちをやはり生活保護法にかけて行く。特別会計になつたから、特別に生活保護法の範囲を廣げるとか、さようなことは当然の措置としては考えておりません。ただこの予算にも、引揚援護廳のところをお廣げを願いますと、百二十二番、百二十三番、これは新たに合計七億円以上の経費がここに計上してございまするが、從來國立病院に入つておいで応なる方々で、收入未済になつておる方の大部分は、これに新たに該当される人々が多いのでございます。ですからこの経費がここに計上してありまするが、そのうちの相当多くの部分が國立病院に入つて來る経費でございます。さような関係におきまして、國立病院の方の歳入が前年度よりは当然上つて來るというようなことも、この予算の面から考えられるわけでございます。特に特別会計にしたから地方財政を圧迫するというふうなことは、私はちよつと考えられないと思うのであります。
 次の御質問の、特殊医藥品の関係で、DDTの政府買上げをやめたから地方財政を圧迫しやしないだろうか、從つて地方が財政的に困窮をしておるからして、この仕事に支障を來しはしないだろうか、こういう御心配でございますが、從來のやり方にいたしましても、政府がメーカーから買上げまして、それを府縣に賣つておつたわけであります。それはなぜそういう操作をいたしましたかというと、國産品と輸入品との間に價格差がありましたり、あるいはDDTというのは最近日本で始めたものでございますので、生産計画というようなことに、いろいろでこぼこがございましたので、円滑に府縣に使えるように流すためには、政府が一ぺん中に入つて、全部買上げて、それを府縣に賣るというような、中間のプールみたいなものが必要であつた。ところがDDTの生産の仕事も相当やりましたし、また期間もたちましたし、なお府縣でこれを使うという仕事につきましても相当な経験を積んで参りましたし、もうそろそろ中間者が手を引いて直接の取引にしても、円滑に流れやしないだろうか、こういう見通しでこういうような予算に相なつたわけでございます。從つて政府が買上げて、それをただで府縣に與えておつたならば、今度直接ということになりますれば、地方財政の非常な圧迫ということになりますけれども、従來とも政府が買上げて府縣に賣つておつた。それをメーカーから買うか、政府から買うかという問題だけになるわけであります。その間いろいろこまかい点になりますると、メーカーの金繰りの点でありますとか、あるいは府縣からの回收――結局メーカーの金繰りということになるわけでありますが、府縣からその代金の回收が迅速に行かないで、生産の方がうまく行かないというような問題が起りはしないだろうかという心配もあるわけでありまして、その辺のところは厚生省といたしましても、十分関係方面と連絡をとりまして、齟齬のないように、円滑にこの仕事が流れるようにいたしたい、かように考えておるわけであります。
#45
○田代委員 そうしますと七億減つておりますね。つまり七億円あまりが、やはり政府がそれだけ肩が軽くなるわけですね。それだけやはり地方に対して補給金的な形で出ておつたということになるわけではないでしようか。
#46
○高田政府委員 七億というのは、政府が買上げの七価という歳出の予算がつきますと同時に、今度は府縣に賣つてそれだけの代金を回收するという收入の予算が同時につくわけでございます。從來のやり方は、歳出の方は一ぱい一ぱいDDTを買うだけの歳出をつけまして、歳入の方は、これを府縣が使いました場合には二分の一、それから市町村が使いました場合には、國庫に三分の二返つて來る。ということは、市町村が三分の一、府縣が三分の一、だから三分の二が返つて來る。府縣が使いました場合には二分の一返つて來る、こういう予算でやつておつたわけであります。それを今度は歳出をやめまして、府縣なり町村なりが直接アーカーから買うという形をとりまして、そうしてこつちに対して補助の予算を組んだ。この補助の予算は從來なかつたわけで、そのかわり半分で賣るとか、三分の二で賣るとかいうことになつておいたわけでありますが、その逆に今度は直接向うに買わして、そうして補助金を出すという予算を組んだわけであります。
#47
○苅田委員 最初私どもいただきました厚生省の予算、あれには政府の当初予算、それから復活要求の予算、こういうものがついておつたのですが、これによりますと厚生省の方では当初予算では五百三億あまり、それに復活要求がまだ三百二十六億幾らというようなものを付してあつたわけですが、それに比べまして、今度本ぎまりになりました予算というのは、二百九十七億というような非常に低い額になつております。今日一々御説明を聞きますと、これは日本のこういう非常に苦しい生活の状況の中で、どうしてもこれだけのものは必要だというので厚生省の方で見込まれたものだと思います。それをこういう大幅の削減を受けたということになると、これは非常なむずかしい制限があるということはわかりますが、こういう予算では、厚生省が当初考えられておつたような厚生行政を行う面について大きな支障が來るのじやないかということを考えるのですが、この点についての御答弁を聞きたいと思います。
#48
○高田政府委員 この前、当初要求額それから復活要求額というものが入つておつた資料を差上げたかと思いますが、これは御参考のために差上げたわけでございます。きまりました予算は本日御説明申し上げたような予算でございます。しからばどうしてもこれだけほしいといつておきながらこれだけに削られて、厚生省としては初め予定したような仕事ができるか、こういう御質問のように拜聽いたしたのでありますが、もちろん厚生省といたしまして要求をいたしました中には、新たに仕事を拡充いたしますとか、新規の事業を起しますとか、いろいろわれわれの理想といたしているところを盛り込んでございましたが、それがほとんど新しい仕事、あるいは仕事の拡張というようなことは一般的な方針によりましてカツトされて來たようなわけでございます。しかしながら先ほど來ちよいちよい触れて御説明申し上げましたように、ほんの若干の経費でございますけれども、新たに拡充の予算も入つてありますし、新規のものも計上されておりますから、この財政的な情のもとにおいてはこれで満足して、この金を最も有効に使いまして、厚生行政の進展に努力するよりいたし方がない、かように私どもも考えて、そのつもりで有効に使うことを研究をいたして参りたいと存じている次第でございます。
#49
○苅田委員 ただいまの御答弁は、厚生当局としての立場からやむを得ない御答弁だと思うのです。しかし私ども、そういう國民の保健行政についての責任を負つている委員といたしまして、やはりそれだけでは済まされないじやないかという氣がするのです。それでいろいろ制限はあると思いますが、こういう國の一番大きな宝である人間の、しかも働く健康、そういうものを保つて行かなければならない大きな役目を持つている委員会といたしましては、ただ削られたからこれはしようがないというので、割当てられた範囲でこれをやろうじやないかということでなく、われわれも厚生当局の苦しい立場もわかるつもりでいるのですから、もう少しざつくばらんにお話を承つて、これはもう手に負えないというところがあれば、厚生委員会としてもつと予算委員会なり本会議なりに要求を出せるのじやないかと思います。そういう点から、もう少し忌憚のない御意見がお聞きしたがつたわけでございますが、これ以上御答弁がなければ、押し問答ですが、私はそういう意味で申し上げたのであります。できればもつと内訳について御返事をいただきたい。そうなればわれわれも協力して――これはわれわれだけでなく、おそらくこういうものには日本の多くの人が関心を持つていると思います。そういう力まで借りて、もつと厚生行政がうまく行くようにやつたらどうかと思うためにお聞きしたわけでございます。たとえば一、二の例を申し上げますならば、引揚げ援護費というようなものは、從來だけの援護費ということになりますと、ただ從來の実績によつたようなことになりまして、現在の引揚げのたくさんの実例から見た不合理な点が少しも矯正されないのじやないかと思います。これによつて見ますと、やはり引揚げの方の費用も当初の要求の二十一億何がしのものから四億という五分の一にも足らないような数に削られておることから考えましても、そこに大きな支障ができるのじやないかと思うのです。そういうところが至るところにあるので、私はそういう点について、たとえば政府は外地からの全部の人の引揚げを今年中に完了するのだと言つておるけれども、この四億五千七百万円ですが、こういつた引揚げの費用でもつてはたしてそういう万全の受入れ態勢ができるのかどうかというふうなことも私はお聞きしたいのです。
#50
○高田政府委員 御指摘になりましたのは公共業の関係の経費だと存じますが、二十一億六千三百万円最初要求したのに、四億五千七百万円でははたして受入れの万全を期しておるということができるか、こういう御質問であります。二十一億六千三百万円という経費は私どもが理想的な考え方で要求をしたのでございまして、安本で大体予定をいたしておりますような私どもと折衝の結果話がまとまりました四億五千七百万円という経費がありますれば、まず新たに帰つて來られる方々の中で、縁故のない方々をお入れするところがないというような事態は絶対に起らないつもりであります。從いまして受入れ態勢が不十分だからどうもこうもならぬという問題には立ち至らないと存じます。ただ從來つくりました引揚者、戰災者の方々の入つておられる集團的な住宅その他で、若干補修もいたしたいとか何とかいうような経費が落されております。これらはわれわれは國費でやりたいという希望を持つたわけでありますが、國の財政事情その他もありますのでまず当分見送れるものは見送る、あるいは地元の経費でやれるものはやつてもらう、あるいは出し合つて自分たちで負担してもらえるものはやつてもらうということに相なつて行かざるを得ないような事情が起りますけれども、新たにお帰りになる方々で無縁故の方々がお入りになる場所がないというようなことはないつもりであります。公共業費の関係では引揚関係等よりも非常に御親切な御質問をいただいたわけでありますが、引揚関係のものよりわれわれが大いに拡充をいたしたいというものが、公共事業費のわくの関係でカツトされておるものが相当ございます。しかしいずれも新たに拡充をいたしたいという経費でございまして、それがカツトされてただちにいかなる支障が起るかということになりますれば、これはただちにこれだけの支障が起るということは計数的に申し上げるような事態にはならない、さように存じております。しかし主として公共事業費の関係では、われわれとしてもこれで満足をいたしておるというわけではないのであります。
#51
○苅田委員 引揚げのことは、單に例ですけれども、そのほか予防局の関係にいたしましても、あるいは保險局の関係にいたしましても、兒童局の関係にいたしましても、私どもから考えまして現状ではこれではならないというものが非常にたくさんあるわけであります。おそらく今年度の予算を先ほどの御説明と合せて考えましても、昨年度のそういう施設の踏襲以外に改善されるというふうなことは割合に少いのじやないかということを考えるのです。それでは厚生行政としては非常に不十分なものしか行われないのじやないか。特に今年は各般の状況を考えまして、生活困窮者というものは決して減らないのみならず、かえつて非常に増加する傾向にあるときに、各般からこうした人たちに対する援助が從前のような不完全では、大きな社会問題まで起りかねないのじやないかということを考えるのです。私はその点からもう少し厚生省関係の予算については十分な審議がしたいと思うのです。今日は先ほどから委員長の方でも時間を急いでおいでになります。それからまた見渡しましたところ、非常に御出席が悪いので、こういう状態のままこの厚生省の予算の審議を打切るということはいけないと思うのです。もう少し人員をそろえて、この予算の問題については今日もしこのまま続行されないならば、もう一回日を改めて十分審議していただきたい、かように考える次第です。できれば明日これを継続して、國立病院の特別会計制の御説明とあわせて予算の問題を時間があれば引続いてやつていただく、時間がなければ最も早い機会にこれを続行していただきたいということをお願いするわけであります。
#52
○亘政府委員 苅田議員のただいまの御心配をお持ちになつた御質問でございましたが、まことに適切な考え方であると思うのでありまして、私どもも全面的に賛意を表して敬意を表するのであります。厚生省といたしましても公共事業費はもちろんのこと、その他の一般の予質について当初大藏省との折衝において要求いたしましたものは、大体本省の行政上の理想から行きましてあらゆるものを、たとえば結核療養所にしても、その病床を増加することは八万床にするということが理想になつておるのでありまして、そうしたような形の要求をずつとして参つておつたので、その他各局においても皆そうした立場から要求して参つたのであります。從つてそれはもう厚生省行政の完璧を期する意味の要求をフルにいたしたのでございます。しかし御承知のような状態でございますために、いろいろと折衝の結果削られまして今日の結論に相なつたので、これで十分だとは決して思つておらないのでございます。しかしそう申しますとちよつと他の省に関係もございますけれども、正直な話、これは私個人の考え方も含んでおりますが、他の省と比較いたしますと、厚生省はその要求したものと現実承認を得たものとの比率が、他の省よりもまだ相当いいような立場に置かれておるということは事実なのでございまして、自己満足のようでありますが、十分できるだけの努力はして参つたのでございます。それでも、なお不十分な点もございますから、皆様方の力によつてこれが是正されるということであれば、私どもとしては一層喜ばしい立場にあると思うので、どうか御努力をお願いいたしたいと思います。
#53
○松永委員長代理 ただいま苅田委員の御希望に対しましては、ちようど堀川委員長が今御退席中でございますので、その御希望を申し上げて、できるだけさようにしていただけるように御相談いたしておきます。
 それでは明十三日は午前十時より、医務局長、予防局長出席の上で、國立病院独立会計制反対ほか十二件の請願を審議いたします。なお兒童福祉法の一部改正点につきましても、当局より説明を聽取いたす予定でございますから、明十三日午前十時よりお集りを願いたいと存じます。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後三時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト