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1949/04/13 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第8号
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1949/04/13 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第8号

#1
第005回国会 厚生委員会 第8号
昭和二十四年四月十三日(水曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 松永 佛骨君
   理事 福田 昌子君 理事 床次 徳二君
   理事 田代 文久君 理事 逢澤  寛君
      青柳 一郎君    今泉 貞雄君
      田中 重彌君    中川 俊思君
      西村 直己君    丸山 直友君
      岡  良一君    堤 ツルヨ君
      苅田アサノ君    河野 金昇君
 出席政府委員
        厚生事務官
        (会計課長)  高田 正巳君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  東 龍太郎君
        厚生事務官
        (医務局次長) 久下 勝次君
 委員外の出席者
        専  門  員 川井 章知君
        専  門  員 引地亮太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 厚生行政に関する説明聽取
  請 願
 一 國立病院独立会計制反対の請願(船田享二
   君紹介)(第一四六号)
 二 帰還者更生に関する請願(岡良一君紹介)
   (第一八三号)
 三 國立冨士病院施設拡充の請願(宮幡靖君紹
   介)(第二号)
 四 藏王山を國立公園に指定促進の請願(庄司
   一郎君紹介)(第六号)
 五 おむつ資材配給に関する請願(近藤鶴代君
   紹介)(第五三号)
 六 公衆浴場用燃料費補助に関する請願(松浦
   東介君紹介)(第九九号)
 七 妙高高原一帯を國立公園に指定の請願(塚
   田十一郎君紹介)(第一〇五号)
 八 看護婦会の営業継続等に関する請願(田口
   長治郎君紹介)(第二〇号)
 九 保健婦檢定試験に臨時特例設定の請願(吉
   田省三君紹介)(第一一一号)
一〇 藏王山を國立公園に指定促進の請願(庄司
   一郎君紹介)(第二八号)
一一 片山病撲滅対策に関する請願(森戸辰男君
   紹介)(第一三七号)
一二 保健婦檢定試験に臨時特例設定の請願外三
   件(吉田安君紹介)(第二〇七号)
一三 社会本事業基本法制定に関する請願(堀川
   恭平君外二名紹介)(第二六四号)
    ―――――――――――――
#2
○松永委員長代理 これより会議を開きます。
 まず本日は日程に掲載してあります請願について順次審査いたす予定でありますが、紹介議員の御出席の関係で、審議の順序に変更があるかもしれませんので、右御了承願います。
 まず請願日程第三國立冨士病院施設拡充の請願、文書表第二号、紹介議員宮幡靖君。紹介議員より説明を聽取することにいたします。
#3
○宮幡靖君 ただいま議題となつております請願は、静岡縣冨士市長小室鶴松外十八名にかかる請願でありまして、その請願書の内容は関係町村長が六名、地元の縣会議員が二名、その他農林省の中央開拓講習所長及び縣立冨士修練農場長その他この地区に関係のあります公共的施設の代表者の面々でありまして、請願の要旨は、本國立病院は終戦直後の昭和二十年十二月一日に國立に移管せられましたもので、冨士山の西南麓、静岡縣冨士郡上井出村上井出と申す所にあります。大体病院の規模は二百五十名以上の患者を収容できる病舎の設備を有しておるものでありまして、業務の内容はただに疾病の治療だけでなく、民衆の保健衛生並びに疾病の予防という方面に重点を置きまして、診療科目としましては一般内科はもちろん呼吸器病科に重点を置き、外科、整形外科、産婦人科、耳鼻科、泌尿性病科、理学科、傳染病科、X線科、歯科等あらゆる診療科目を網羅いたしておりまして、優に民衆衛生並びに疾病の予防に関する公益的な役割のほかに、直接治療におきましても二百五十名以上を収容する能力を持つておるものでありますが、厚生省の患者予定定員と申しましようか、それがわずかに七十床にしかすぎない状況でありますが、本院に携わりますところの医師並びに係員の特別なる努力によりまして、目下九十床内外の入院患者を収容して活動いたしておるわけであります。このほかに外来患者として一日百名以上の診療がある。御承知のようにこの地区は冨士山の高原地帯、海抜五百メートルの地点にありまして、紫外線に富む島原的な條件、気候の特異性を備えている所でありまして、結核病の予防、治癒等については特に好適な條件を持つておるのであります。しかも附近には岳麓一万町歩開拓の対象となる農地開拓に関しますかつての開拓営團、その他これに附帯いたしますあらゆる農業的の修練道場というものが幾多ございまして、これらは廣い野原の中に密集いたしました一部落をつくつており、あたかも無医村の状態に置かれてあるわけであります。しかもこの地域をめぐりまする関係町村は府縣境を越えまして山梨孫方面まで、交通の関係上、この病院に頼る状況にございまして、どうしてもこの病院を拡充していただきまして、幸い診療の設備もありますし、その医療技術と申しましようか、医師その他の附属の從業員も充実いたしているのでありますから、能力に相応いたしました治療の行えますように、せめて百五十床か二百床くらいまでの入院患者を収容できる程度に拡充してもらいたいというのが要旨であります。しかもこの病院の出先といたしましては、遠く清水市にあります清水保健所、吉原市にあります吉原保健所、及び請願代表になつております富士宮市の保健所の三つにおきまして、出先診療いたしまして、呼吸器病患者はこの病院に収容いたしまして、根本的治療を志している状況であります。時あたかも国立病院が廃止せられるとか、あるいは地方に移管せられるとか、あるいは町村組合に移管せられるとかいう声もありまして、それぞれの方面に少からず衝動を與え、動揺もありますが、この冨士山の國立病院というものは、他の國立病院のそれに比しまして、きわめて特異的な存在でありまして、大なる國家的の財政的な施設を行わなくとも、診療の目的を達し得る特異條件にあるのでありますから、ぜひとも本委員会におきまして、この請願の要旨を御採択くださいまして、すみやかに現在九十床程度の入院患者のありますものを、二百五十床までお引上げを願いたいと存ずるものであります。何とぞ本委員会において御審議の上、すみやかに御採択、内閣に送付せられんことをお願いいたします。
#4
○松永委員長代理 ただいまの宮幡靖君紹介の請願に対しまして、政府の御意見を伺います。
#5
○東(龍)政府委員 國立富士病院の設備拡充についての請願でございますが、お言葉の通り冨士病院のみならず現在の國立病院のうちには、相当の廣さの建物を持ちながら、設備あるいは人的要素の不足のために、それを十分に活動し得ないでいる病院が多々ございます。これははなはだ遺憾なことであると存じまして、でき得る限りそれらの病床整備については努力して参つたのでありますが、各方面ともまだ御満足の行くような成果を得ていないのはまことに汗顔の至りであります。幸いにただいまも請願になりました通り、冨士病院はその立地條件として結核療養の方面に好適な條件を備えておると存じます。二十四年度の國立病院並びに療養所の計画のうちに、結核対策として結核病床を増床するということが計画せられておるのでありまして、そのためには在來の國立結核療養所以外に、國立病院のうちでも、その條件が結核療養所に好適と思われるものについては、でき得る限りその病床を結核病床として整備するということに相なる。そのために予算的措置も講ぜられております。具体的に申し上げますと、國立病院全体といたしまして、約四千三百床の結核病床を増床の計画でありまして、そのために三千五百万円の予算が計上せられておりますので、この冨士病院につきましても國立病院における結核病床の増床計画の一環といたしまして、その予算の範囲内においてでき得る限り請願の趣旨に沿いまするように努力いたしたいと存じます。
#6
○宮幡靖君 なおこの際政府当局に一言お願いしておきますが、冨士國立病院の方は医師その他の要員がほとんど現在のままで二百五十床に拡充できる。これはおのおのが働いてもそうやろうと、悲壯な決意をもつてやつているわけでありまして、人的要素等につきましては、あえて多数の補充もいらぬと考えております。特に四千三百床に拡張しようということについての格段の御配慮をいただきたいと存ずるのであります。
 なお私は大藏委員会の委員でありますが、國立病院の独立会計ということにつきましてなかなか請願がたくさんやつて参ります。請願というよりは陳情、苦情の方でありますが、この独立会計を設けることにつきまして、政府はどうも誤解しておりまして、一挙に独立採算制にもつて行くのだ、病院の経営はそれ自体でやるというような気運があるようであります。私どもの知りました範囲におきまして一般会計からの繰入金も相当額計上せられておりまして……。
#7
○松永委員長代理 御発言中でございますが、ただいまのあとの國立病院の独立会計制の問題につきましての宮幡君の御質問は、あとで國立病院独立会計制反対の請願が次にございますので、その際一括御答弁を願うことといたします。
 ただいまの國立冨士病院施設拡充の請願に対する御質疑はございませんか。―別に質疑がなければ次の議題に移りたいと存じます。
    ―――――――――――――
#8
○松永委員長代理 日程第一、國立病院独立会計制反対の請願、文書表第一四六号、紹介議員船田享二君の御紹介によりまする請願の御説明を求めます。船田君。
#9
○船田享二君 國立病院独立会計制反対の請願につきまして、紹介議員としてその趣旨を簡単に御説明申し上げまして、御審議をお願いしたいと思います。
 申し上げるまでもなく國立病院の主たる利用者は、少くともこれまで生活困窮者、勤労者等医療費を高額に出すことができないために、開業医にたよることのできない人たちが多かつたのであります。中でも外地からの引揚者またことに傷病兵が國立病院を利用しているような状態にあるのでありますが、このたび独立採算制を原則とした特別会計制が立てられそうだということにつきまして、そうなりますと、普通の開業医と同じように営利事業的になるのではないか。そうなつてはこれまで國立病院を当てにしていた今申し上げましたような利用者たちが締め出されるおそれがあるのではないか。從つてそうでなくこれまでの通りに一つの厚生施設として続いて行くようにお願いしたい、というのがこの請願書にあります趣旨であります。
 この問題となつております請願書は全國國立病院患者同盟関東地区の栃木縣支部から出ておるのでありまして、その責任者は傷病兵なのでありますが、しかしかようなことを考えておりますのは、必ずしもそうした現に入院しております傷病兵にとどまらないことは、過日三月末のある東京の新聞にも、宇都宮市の塩沢某という商人が投書をいたしておりますが、きわめて短いのでちよつと読んでみます。その投書は「貧者の憂い」と題しまして「日常の暮しに追われている者には病氣になつても普通の病院にはかかれません。貧しい者には國立病院で安くみてもらえるということは、非常な心頼みだつたのです。現に当地の駅前から出る國立病院方面行きバスの朝夕の乗降客のほとんどが、國立の受診者で占められている事実をみても、國立病院を頼りにしている者がどんなに多いかがよくわかります。國立病院は今度特別会計制になるそうですが、そして國立病院の運営の円滑と、経理の適正化のためにそうなるのだそうですが、いずれにしても今後は高い料金を拂わねばならなくなるのに違いないと思います。病氣になるのを待ついるわけではありませんが、その日の生活で精一ぱいの私たちも、普通の開業医にかかるのと同様の高い料金を拂うことになるのだと思うと、國立を頻りにしていただけに、急に世の中が暗くなつたような氣がします。きまつた方針はもうかえられないのでしようか。國立病院を現在のままで置いてほしいと願う私と同様の境遇の者は、非常に多いと思うのです。」というのでありまして、この國立病院の独立採算制採用ということにつきましていろいろ誤解もあるようでありまするし、請願の趣旨をおくみとりくださいまして、本委員会におきまして御審議を煩わし、また、誤解のあるところを誤解のないようにはつきりと政府側からお示しを願いたい、こう存ずるのであります。よろしく御審議を願いたいと思います。
#10
○松永委員長代理 ただいまの船田君の請願に対しまして政府委員の御説明を求めます。
#11
○東(龍)政府委員 國立病院の特別会計の問題が世の中に知れまして以來、ただいまの請願にございましたと同じような趣旨のことが全國の各方面から出て参つておりますことは、この問題に対して國民全般が非常な関心を寄せられておることの証左と存じます。しかもその特別会計に対する反対の声が、すべて比較的恵まれない階級の方々が國立病院において満足すべき治療を受けておるのに、それが受けられなくなることが困るというところにあると伺つております。昭和二十年の末に軍事病院としての性格を一擲して、廣く國民一般のために医療を施すべき國家の機関として開かれましたこの國立病院は、完全なものではありませんが、とにかくある程度までその所期の目的を達しておるということを知りまして、私どもは國立病院において直接診療に当る医療関係者諸君の御努力に対して、実に感謝の念にたえない次第であります。ただしかしながらこの特別会計に対する反対の声の根本になつておりまする事柄は、特別会計になつたとたんに、今までの國立病院と性格を一変するのではないだろうか、またその性格を一変させるためにかような事柄が行われるのではないかという点にあると存ずるのであります。この点に関しましては明らかに申し上げたいと存ずるのでありますが、國立病院はその性格は特別会計になりましても、あるいは一般会計になりましても全然これはかわるところはないはずでありまして、またかえる考えは毛頭持つておりません。國立病院の性格はいずれ國会において審議を経るであろうと思います厚生省設置法案の中に、明らかに盛られておりますように、一般國民に対して平等に適正なる医療を行う機関であるという事柄があります。從つて国立病院が一般会計から特別会計に移りましても、それは國立病院の歳出歳入の関係を特に抜き出して、それを明らかにするということが一般会計とかわるところであります。またこの点は特別会計の利点の一つでもあると思うのでありますが、そういう相違はありますが、今の性格をかえる、すなわち一般國民に平等に適正な医療を行うことをやめるとか、あるいはそれを阻害するというような方向に参ることは絶対にないのであります。あくまでも國家の行います医療行政に対する責任者は厚生省でありまして、直接その事務を担当いたしております私どもといたしましては、その方針のもとにこれを進めて行くのであります。もちろん刻下の財政の面からして財政的の制約を受けることは当然でありますが、しかしながらその方針なりその方向というものは、私どもが正しいと信じておりますこの国立病院の性格を堅持して行くつもりでございますので、ごく結論的に申し上げますれば、ただいまの請願にもございましたように、あるいはまた新聞の投書等にございましたように、あるいは各所からあがつております反対の声の中にありますが、そのために國立病院が営利化する、あるいはまた今まで医療を安心して受けられた方々が受けられなくなる、さようなことが起りませんように、また絶対に起らせないつもりであることを申し上げたいと存じます。
#12
○松永委員長代理 御質疑はありませんか。
#13
○田代委員 昨日もこの問題は少し出たのでありますが、今までの会計のやり方から、特別会計になぜしなければならなかつたかという点が今の御説明でもまだはつきりいたしませんので、特別会計にせざるを得ないその理由をまずはつきりしていただきたいと思います。それから昨日將來独立採算制をとるのではないかというような質問をしたのでありますが、厚生省側の御説明によりますと、それに対しては全然そういう意思はないし、またやらないということを説明なされましたが、承りますと大藏省の方では独立採算制を將來とるのであるというふうに言つておられることも耳にするのであります。その点もひとつはつきりしていただきたいと思います。まずそれだけ一つ伺います。
#14
○東(龍)政府委員 何ゆえに一般会計であつたものを特別会計に移すかという御質問でありますが、これに対しましてはもしこの國立病院というものが、最初から國において計画せられて、そうしてこれを始めたとするならば、おそらく当初から特別会計としてでき上つたものだろうと存じます。御承知の通りわが國の國立病院は結果としてまことに喜ぶべきことでありましたが、おそらく國においても意図せず、はからずも昭和二十年の暮に、とたんに國立病院として運営しなければならないような多数の病院ができた。すなわちその発生におきましては、いわゆるその周囲の情勢から、あるいは社会の必要から、その意味における自然発生的に起つたものではなく、突然変異のような形でできた病院であります。從つてその予算的措置等につきましても、おそらく特別の考慮を拂うことなく、一般会計でとにかくやつて行こうということで進んで來たものと存ずるのでありまして、私は本質的にこれはおそらく最初から計画されたならば特別会計のものとしてでき上つたのだろうと存じます。從つて今日これが一般会計から特別会計に移るということは、私はこれは大勢のいたすところである。天下の大勢であるとさように了解しております。
 それから独立採算制の問題でありますが、私は会計のことはしろうとでまつたく暗いのでありますが、特別会計といえば、それは独立採算制のものだということをおつしやる方もございます。しかしながら私はこの問題は、最初から独立採算制にあらざる特別会計があるかどうかということをまず考えたのでありますが、明らかに独立採算制にあらざる特別会計は、目下の日本の特別会計の中にもあるそうであります。從つて特別会計の中には独立採算制を予想せざる、またそれを目的とせざる特別会計のあるということが私にも信ぜられましたので、問題の当初から病院の特別会計は独立採算制にあらざるものである、大藏当局との話合いにも私はこれを言葉に出して申しました。今回の國立病院の特別会計については、これは一般会計からの繰入れということが必要であるし、またそれを適当な限度においてやるということをはつきりいたしました。そうしてこの新しい特別会計の事務的な折衝に入つたわけでありまして、今日この案ができ上つておるような次第であります。
#15
○田代委員 今のはそうしますと、大藏省の方もまつたく御同様の意見でございますか。
#16
○東(龍)政府委員 私が了解しておりますところではその通りであります。
#17
○田代委員 それから今の御説明によりますと、突然変異の形でこういうのができたのであつて、自分たちは予想しておらなかつたけれども大体こういうふうになつたというお話でありますが、この点は私どもは非常に了解に苦しむのでありまして、こういう社会保障として絶対にやらなければならぬような問題は、当然突然変異というような形でなく、從前通り社会全体の問題としてこれはなさるべきであつたのでありまして、大体そういうふうに理解していただくことの方が正しいのではないかと考えますし、また考え方といたしましても將來そのように生かしていただきたいという問題であります。それから特別会計にされたことは天下の大勢であるというような御説明でございますけれども、その点がはつきりいたしませんので、どういう利益があるのか、財政面においてどういう國家としての利益があるかという点もはつきりしていただきたいと存じます。
#18
○東(龍)政府委員 妙な言葉を使いましてはなはだ恐縮でありますが、突然変異という言葉を使いましたが、結論においては今の田代委員のお考えとまつたく同様であります。從つて私は結果においてはまことに喜ぶべきことだと附け加えて申し添えたのでありますが、とにかく終戰後の混沌たる状態において、多数にあつた陸海軍の病院がどうなるかということは、その当時の当事者の間においてもおそらく御承知の通り見通しは困難をきわめたのではないかと思います。とにかくこれら陸海軍の病院は全部をあげて國において経営すべきものと決定いたしまして、今まで長い間日本の医療方面において、政府においては今まで実現しなかつた國立病院が一ぺんに多数にできた。從つてその結果としてまことにけつこうなことでありまして、今日のごとくこの特別会計にするという私どもとしては、本質的に何らの変化のない事務上の問題と考えられることに対してすら、多数の國民からこれに対する將來こうなつては困るというようなことについての反響があるくらいに國民の病院として役立つているわけでありまして、このことはまことにけつこうでありますし、この方針は正しいのでありますから、國立病院を現在のように國において運営いたして行く。ことに社会保障に関する問題が取上げられております今日、將來社会保障法が実施せられましたあかつき等を考え合せまして、國立病院をますますその所期の目的を達するように運営いたして参るつもりであります。なおその次の特別会計にしたならばどういう具体的の利益があるかというようなことにつきましては、多少数字にわたりますので、久下次長からお答え願うことにいたします。
#19
○久下政府委員 後段のお尋ねに対しまして、私から申し上げたいと思います。まず特別会計にしたらどういう利益があるかというお尋ねでございます。これは一般会計でやつておりましたときとの比較をして申し上げますとよろしいと思うのでありますが、一般会計でやつておりました昭和二十三年度すなわち前年度の実績を申し上げますと、國立病院に支出いたしました金額総計は大体二十三億一千六百万円、歳入は十三億四千八百万円という数字に相なつております。もつともこの歳入の方はまだ決算になつておりませんので、最近のものは推定をいたしております。そういたしますと歳出に対する歳入の比率は五八%ということに相なるわけであります。この数字は從來入院患者につきましては一五%の割引をいたしております。社会保険の医療費の單價に対しまして一五%の割引をいたしております。外来患者につきましては一〇%の割引でやつておつたのであります。このことは実は國立病院といたしましては、実際は割引をいたしましても事実上相当の費用を使つて割引をしない、あるいはそれ以上の金を使つてやつておりました実情でもありますので、昭和二十四年度におきましてはこの割引をいたさずにやるつもりでおるのであります。從いまして今申し上げました五八%という数字を割引をせざるものとして入院、外來別々の概算をいたしますと、約六七%ほどの収入が年間を通じてあつたということに相なるわけであります。なおこれにつきましてつけ加えて申し上げたいと思いますことは、御承知のごとく最近特別未帰還者給與法でありますとか、未復員者給與法でありますとか、そういうような法律ができまして昨年の暮から実施されておるのであります。この種の法律の適用を受けます患者は國立病院には比較的多数ありまして、そのために國立病院としては、この法律の適用によりまして非常に最近病院としての収入が上つて來ておるのであります。年間を通じて六七%でありましたが、最近におきましては七〇%をやや突破するのではないかというような成績に相なつておるのであります。なおさらに本年の三月末までは今申し上げた二つの法律に基く医療給付のうち患者まかない費につきましては給與法が実際行われておらなかつたので、從つてまかない費の拂えないこの種適用の患者につきましては、一部生活保護法の適用を受けて病院としては收入をしておつたのであります。四月一日から患者まかない費も全面的にきまり、病院に入つております患者につきましても、医療費のほかにこの二つの法律に基いてまかない費までも給與されることに相なります。從つてその面から病院收入としては若干の向上が期待できると考えるのであります。と同時に從来は一般会計でやつておりますと直接病院経営上は収入という問題についてあまり響きがありませんので、当然収入を上げ得る患者に対する医療費の督促等も必ずしも熱心に行われておつたとは申せない事情があるのであります。もちろん私どもといたしましても決してこれを苛斂誅求するというようなつもりは毛頭ないのでありますが、実際問題といたしまして、当然請求をすればとれるような対象に対しましても、あまり請求が熱心でなかつたというようなことも、私ども関係者といたしましてはいなめない事実であるのであります。それらのことをかれこれ考え合せますと、大体本年七月から國立病院の特別会計が実施せられる予定でございますが、総額歳入出とも予算二十二億九千百万円、こういう数字になつておりますが、これに対して一般会計の方から五億八千五百万円の繰入れが行われることに今予算案としてはなつておるのであります。そういたしますと歳出総額に対しまして一般会計からの受入れは二六%弱、二五%六ほどに相成るのであります。言いかえますと、國立病院といたしましては七月から特別会計に入りまして、歳出総額に対しまして七四%強の歳入を上げ得ますならば、採算がとれて行く、こういうことに相成るわけでありまして、この一般会計の受入れの趣旨は、先ほど医務局長から申し上げましたように、病院の特質上医療費の支拂われない人が事実あります現状におきまして、その意味において一般会計からの受入れをいたすのであります。今申しましたような從來の実績から見まして、特別会計になりましても病院の本質を何らかえずして、数字的に私どもとしてはやり得る見込を持つております次第であります。これはお尋ねのどういう点に利益があるかという点に少しはずれたようなお答えのようではございましたが、結局國立病院の経営はやはり当然医療費のとれる人からは医療費をいただいて医療を行つて行くというのが建前であります以上、そういう面における能率の増進ということが、特別会計をやることによつて相当期待せられるということは大なる利点であると思うのであります。そういたしますことは、同時に病院の歳出の面におきましてもむだを省いて行き、あるいは職員の勤務につきましても適材を適所に配置いたしますとかいうようなことが、当然特別会計の実施によつて期待をせられますので、それらの点から病院全般が能率的になつて行くということは、國立病院の運営上特別会計制をとる利点であると考えるのであります。もつぱらこの問題は從つて財政上の会計経理の問題に属しまするので、私どもとしてはそれだけの問題によつて、先ほどから申し上げておりまするように、國立病院の本質がこのためにかわる、このために病院がよりよくなると申しますとちよつと言い方がおかしゆうございますが、会計経理の問題でありますその面からは、むしろ國立病院の運営上非常な利益があるのではないかと考えておるのであります。これは予定されました収入以上の收入が上つたといたしますれば、いずれ御審議をいただくことになりましようと思います特別会計法によりましても、將來の積立金としてこれを國立病院の運営に充てますとか、あるいは歳出にこれを充当して、そうして病院の整備をはかるというようなことが、特別会計を実施することによつて可能性が從来よりも増して参ります。これらの点も特別会計をつくります利点であると考えている次第であります。
#20
○田代委員 今の御説明で大体昨日來ぼやつとしておりました点がかなりはつきりしたのでありますが、やはり昨日非常に心配しておりましたことがはつきり出たわけであります。もちろん営利の立場からおやりにならないということは御趣旨の通りでありまして、もちろんかくあるべきでありますが、実際の内輪を割つて非常に生活に困窮されております患者さんだけの立場から申しますと、かなり営利的な気持が働いている。別な言葉で申しますと、黒字を出すということが重点であるというふうに理解いたされます。現在とれる患者からはとつてよろしいということはもちろんでございますが、この國立病院の患者さんたちは、実際内容的に申しまして、総括的にこれはとれる患者の方々がほとんど少いということは私が申し上げるまでもないことと思つています。大体八〇%以上の方々は、もしかからなければ生命、身体を放棄しなければならないという方々が多いのであります。一部あるいはとれるというのがあるというのをいろいろ私たちが調査いたしますと、たとえば民生委員と結託というわけではないでしようが、非常に眤懇であるということによりまして、そういうような方々から―つまりボス的な関係によりまして保護法の適用を受けて、そしてその有利な点を自分の利益のために生かすことによつてやる向きの一部にあるということを承つておりますが、全体的な立場から考えますと、とれる人はほとんど私はないと見てよろしいと思います。現在御承知のように、社会保障制度審議会をつくつて、全國的に社会保障をやらなければならないという氣運ができまして、そういう機関が設置され、全社会的な立場からそういう社会保障、保護という点を強調しなければならない段階におきまして、一面においては、こういうふうな形で問題が提出される、あるいは法案が出るということは、その社会保障制度審議会をつくらなければならないという、それこそ天下の大勢に逆行するものと言わざるを得ない、こうわれわれは理解する次第であります。なおこれを具体的に申し上げますと、結局医療費の値上げとかいうことは当然起つて來るのではないかと思います。またお医者さんなんかにおいても、國立病院においては非常に研究心の旺盛な、そして基礎医学、日本の医学、医術を非常に高めるという立場で貢献されておられる方々が、こういう黒字をいかに出すかという立場から締め上げられますと、研究費という面が窮屈になつて來る。そこでそういう氣持の方から、いわゆる営利的な実績をあげるという傾向に向きますので、そういう日本の医術を高め、あるいは基礎的な医学を十分発展させるという面がだんだん消極的になつて来る危險が当然出て來ますし、また全体の予算から見まして、三十三億足らずの金に対して一般会計から六億ほど繰り入れるといたしますと、十七億程度の金額が問題でありますが、他の全日本の今年度における七千四十九億という厖大な予算の一面から見ますと、とるに足らないわずかの額であります。しかもこれにかかる人の立場というのは、今申しますように日本の社会において最も同情すべき、当然社会が全面的に保障しなければならないという苦しい人たちの結集であります。そういう方々に対しましてわずか二十億足らずの金を削るということで、そこに大きな利益を見ておられるということは、とうていわれわれには了解できないのでありまして、厚生省といたしましては、むしろ私は逆の立場でこいう折衝を大藏省とやられたかどうか。もしそういうことをやられないならば、社会保障制度審議会というようなものをつくつても全然有名無実であつて、むしろ人民を欺瞞するものであるというように私たちは理解いたします。そういう点に関しまして、とりあえず御答弁を願います。なお他の問題に対しましては、次々に発言をさせていただきたいと思います。
#21
○久下政府委員 まず最初に私が、とれる人から收入をあげるということを申したことでありますが、國立病院の二十三年度の実績を御参考までに申し上げますと、半数は生活保護法の適用を受けておる患者であります。それから社会保険の患者は約一八%ほどになつております。この二つで全体の患者の約七〇%を占めるという実情でありまして、自費患者はごくわずかなものであります。そういう意味合いで、つまり病院の立場から見たところの收入のとれる人からとるというのは、あるいは生活保護法の金をもらい、あるいは社会保険の方から支拂いをしてもらうというような意味で申しておるのでありまして、決していわゆる自費患者を歓迎するというような趣旨は毛頭ないのでございます。なお予算外の折衝について交渉したかということでございますが、私どもといたしましては、かような意味合いにおきまして、いずれにしましても現在の医療保護に関する一般制度との関係におきまして、今申し上げましたように、病院の立場から考えますれば、その支拂われる元がどこでありましようとも―市町村から受ける生活保護でありましようと、あるいは社会保険の組合なり何なりから受取る金でありましようとも、少くとも病院の立場と一般の医療保護の制度との関連におきましては、病院としてはそういう筋から適当な医療費を受けとりまして、そうして病院の運営をして行くのが筋であると考えておるわけであります。ただこういうことを私が申してよいかどうかわかりませんが、國民保険にいたしましても一部負担があり、生活保護法にいたしましても必ずしも医療費に困る人が全部生活保護法の適用を受けるとは限つておりません。そういう方面におきまして國立病院が実際問題として相当な歳入欠陥を生じておることは、先ほど來数字によつて申し上げた通りであります。それで私どもは現状をそれなりに直視しまして、そうして繰入金が少しでも多いことを建前として折衝いたしたのであります。先ほど來申し上げておりますような趣旨から、結論におきまして二五%余の繰入れということに相なりましたけれども、從来の実績は先ほど來申し上げたような実情でありますので、むりをせずに國立病院の運営ができるものと考えまして、一應そういう数字を了承いたしております。
#22
○田代委員 そういたしますと、厚生省並びに御当局は、結局社会全体といたしまして、特別会計に持つて行くということは天下の大勢であるというふうに御理解しておられますか。先ほどそういうお言葉があつたようであります。つまり大勢としてこういうふうな方向に持つて行くのが正しいのであるというふうな御説明があつたようでありますが、間違いございませんか。
#23
○東(龍)政府委員 私の先ほどのお答えの中で申し上げた通りでありまして、先ほども申し上げましたように、もともとそういうふうにして國の運営する病院については、特別会計というふうな收支のバランスを明らかに見える形にして運営すべきものであるということから考えますと、今日特別会計に國立病院を移さなければならぬということは天下の大勢である。さように申し上げたわけであります。
#24
○田代委員 これははなはだ私たちには了解に苦しむお言葉でありまして、病院における特別会計の大勢は、私たちの宿舎あたりにも電報あるいははがき等が頻々として参つておりまして、むしろこの天下の大勢自体というものは、社会の大勢はあなたの御理解とまつたく反対であります。その点はまず日本全体の非常に窮乏されておるこういう患者諸君のお氣持を理解していただきたいと思います。それから大体七四%強の收入をあげれば採算が合うということでありますが、そういたしますと、少くとも七割見当の收入を予定しなければならないことになるのでございますが、はたしてそういうことが可能であるかどうか。現在のごとく非常に生活窮乏し、その日の糧にも困つておられる方々が病氣をされて、当然自分の治療もしなければならないのに医者にもかかれない、このような人がちまたに満ちておる現状において、この七割増牧ということがはたして可能であるかどうか。
 それから生活保護法の問題について御説明がございましたが、生活保護法の医療給付というものは無制限でないこと、やはりこれはちやんとわくにはめられておるというような点も、私には先の御説明では納得ができないのでありまして、とりあえずその点につきましてお伺いいたしたいと思います。
#25
○東(龍)政府委員 この問題について、国民の非常に多数の人たちの声が特別会計に反対である。従つて天下の大勢というようなことは承服できないということでありますが、なるほど非常に多数の方がこれに関心を持ち、また反対の意見を表明しておられるということは、私もよく承知いたしております。しかしその多数の方々は、何によつてそのような反対の意思を表示されておるのかと申しますると、特別会計になればかようなことがある、かような不利益がある、日本の医療を危殆に瀕せしめるようなおそれがある。かような前提をもつてすれば、それはたいへんだ、それは反対だと言うことは当然だと思います。私は決ししてここでそれらの多数の声に対して、その声がむりだとか、それが間違つておるということを申し上げるのではないのでありまして、私でも、そうなるのだということでありますれば、それはけしからぬ、反対だということになるのは当然のことと存じます。しかし私が先ほどから申し上げております通り、特別会計になつたからといつて、今までと急にかわつたことになるのではない。一般会計でやりましたときと同様にやつて行くつもりであります。またやれる自信もあります。從つて御心配はくださいませんようにという意味におきまして、それらの反対の声に対してあたかも耳をふさいでおるような態度をとつておるわけであります。なお極端に申し上げますと、これらの問題は、一般会計でありましても特別会計でありましても、ひとしく考えられなければならない問題であります。從つてこの問題につきましては、特別会計になつたからそれが特にひどくなるだろうという意味においての御心配と存ずるのでありますが、そういうふうにはいたしません。またいたさないつもりで努力いたしておるのが、われわれの現在の心境であるということを御了承願いたいのであります。
#26
○田代委員 それで医療費は値上げするのではないかというような点に対しては、どうでしようか。
#27
○久下政府委員 国立病院の医療費につきましては、先ほど昭和二十三年度までは社会保険の單價に対して一定の割引をしておられるということを申し上げたのでありますが、これは從来はなはだ形式的な考え方から行われておつたのであります。実際の病院の支出は、数字で申し上げたように、また個々の患者につきましても割引以上のことをやつておつたのであります。割引をやりました理由は、國家の施設であるがために税金も拂わないでよろしいのではないか、あるいは建物等の減價償却もいらないのではないかというような面から、一般開業医との比較におきまして割引をしたらどうかというような趣旨の割引にすぎなかつたのであります。私どもとしては國立病院の運営上、患者からいただく医療費につきましては、あるいは患者の生活保護法の方から來るのも同様でございますが、とにかく病院がいただく医療費につきましては、それに十分応ずるだけの満度のサービスをするというような考え方でやるつもりであります。その意味から、割引こそ今度はやめますけれども、実体的には個々の單價も相当増額されておりまするし、十分なサービスができるものと考えます。と同時に、それ以上医療費の値上げをする意思は毛頭ないのでございます。大体実績から申しますると、今年度は入院患者が社会保険の点数にいたしまして二十六点、外来は大体九点というサービスをするつもりでおります。ということは、入院患者につきましては一点の單價が十円でございますから三百六十円、外來の患者につきましては一人当り九十円ということになるわけであります。私どもとしては、そのサービスをするだけの医療費はいただく。しかしながらいただけない方からは、一般会計の繰入れをもつて運営をして行くというような考えでございます。
#28
○田代委員 さつきの質問の焦点にまだ触れませんが、そういうことから大体七割強の收入は十分確保できるというような見通しでございますか。
#29
○久下政府委員 先ほど來数字をあげて申しましたように、私どもとしては七四%強の收入はあげ得ると考えておるのであります。
#30
○田代委員 それから先ほどの社会保障制度審議会というような全面的な保障制度の方向とこれが逆行しないかという点に対する御回答を願いたい。
#31
○久下政府委員 私どもとしましては、社会保障制度につきまして、國立病院の特別会計制度は決して矛盾するものではないと考えておるのであります。と申しまするのは、先ほど触れて申上げましたように、現在生活困窮者に対する保護制度、これは御説の通り生活保護法がございます。またその他には社会保険の制度がございます。これらの制度によりまして、自費をもつて医療費を支拂えない人につきましては、これらのところから医療費が病院に対して支拂われるという関係になるのでございまして、現在のこれらの制度が必ずしも十分にすべての國民を包含しておるとは限らないのであります。おそらく社会保障制度と申しましても、今申しましたような生活保護法の保護の制度でありますとか、あるいは社会保険の制度というものが一層拡充せられまして、そうしてすべての國民はこの社会保障制度のわくの中に入つて行くというようなかつこうになるのではないか。そうすれば病院といたしまして、やはりこの制度に基いた医療費を受け入れまして、そうして一般の國民に対する医療を行つて行くという関係になるものと考えております。そういう意味合いにおきまして、むしろ社会保障制度になりますれば、病院の收入は、より確保せられて行くというふうにさえ考えておるのであります。
#32
○松永委員長代理 ちよつと田代委員に申し上げますが、まだ質問の御希望者が多数ございますし、あと多数の請願も残つておりますので、御発言をなるべく簡単にお願いたします。
#33
○田代委員 もちろん簡単にやつておりますが、これは実は重要な問題であります。―そういたしますと先ほどの国立病院におけるお医者さんの研究心が低下するのではないか、この点の御意見はどうでございますか。
#34
○久下政府委員 病院に働いております医師、その他の医療技術者につきましては、私どもとしてはむしろ特別会計になつて研究意欲が萎えることのないように大いにやつていただきたいと思つております。予算の面から申しましても、昭和二十三年度は國立病院の医師に治療研究費という名目でやつておりますものが三百万円でございました。予算の折衝で本年度の予算では一千万円が計上せられておるのであります。そういうような面だけでも促進をせられるものと考えております。
#35
○田代委員 この請願につきまして、請願者の方からぜひひとつ発言させてくれという御希望がございますが、御承認していただきたいと思います。
#36
○松永委員長代理 ただいまの御発議がございましたが、まだ委員の方の御質問もございますので、一應これを済ませたいと思います。
#37
○堤委員 先ほどからお話を伺つておりますと、実は私もこの間予算委員会を拝見いたしたのでございますが、大藏大臣のお口ぶりでは七月から実行するので、國立病院による会計は心配はなくなつたというような態度を私はありありと見てとつたのでございます。今の御説明によりますと、七〇%の要保護者でない者の中に、とれる者からとつていないものがあるから、それを徴收して、いらぬところの支出を防いで行けばよいという御説明でありますが、しかとしたデータをお示し願いたいと思うのでございます。わずか三〇%の患者が全部とれていないわけはないだろうと思うのでございまして、とればとれるのだがというようなものはせいぜい一〇%ぐらいしかないのじやないかと思います。わずか一〇%にすぎないものを当てにして、今その御説明があつたのでありますが、そこが政府の逃げどころじやないかという氣がしたのであります。こういう口実のもとに、今のところこういう会計の道をたどつておいて、だんだんそのうちに従業員を整理し、患者に当たつて行くという方法で埋め合わせて行けばよいというような腹をお持ちになつておるのではないかという疑心暗鬼を起さざるを得ないのであります。それでありますから、ひとつここではつきりと特別会計になつても、ほんとうの最下層の人たちに圧迫を加えるものでないというしつかりしたところの言質と今までとれるものからとれていないというはつきりしたデーターをお示し願いたいと思うのでございます。
#38
○東(龍)政府委員 ただいまの御質問の半分だけ私から御説明させていただきます。先ほどから繰返して申し上げております通り、特別会計になつたから、今までの國立病院の性格をかえるようなことは絶対にございません。と申しますのは國立病院は一般の國民に対して平等に医療を行う機関である。この國立病院の本質が、國としてそれを守つておる限りさようなことは絶対にないことを私から申し上げます。
#39
○岡(良)委員 今の政府委員の御説明で、入院患者、外來患者の各單價の引上げが実現されたことは非常に多といたしますが、現在の國立病院の財政を見ましても、支出の最大を占めるものは医薬品衛生材料費であります。この医薬品衛生材料費は昭和九、十、十一年に比較いたしまして厖大な騰貴をいたしておるのであります。特にここ三、四年の騰貴はものすごいものがありまして、たとえば重曹とか、苦味チンキ、アルコールとかいうような必需資材はここ四、五年の間に五百倍、七百倍にも騰貴しております。かかる状況において国立病院の支出の中でも最も大幅な医薬品衛生材料の騰貴をそのままに放置しておきますならば、そうした予算單價をきめられてわくをきめておきましても、医薬品衛生材料の騰貴によつてそのわくを打破らなければ適正な運用ができないような單價になるのではないかと考えますが、そういう場合の政府の処置についてまずお伺いしたい。
#40
○久下政府委員 まず最初に堤委員の御質問に対してお答え申し上げます。先ほど申し上げましたように最近の実績と予算上の予定とは多少開きがあるのであります。これは特別未帰還者給與法の実施と、ごく一部ではありますが、徴收にあまり熱心でなかつたために徴收実績が上つていなかつたというようなことを申したのでありまして、それを数字的に申せというお話でございますが、先ほどから申し上げておりますように、六八%にあたるものは市町村なり社会保険、健康保険、組合等から收入を受けるのであります。これは相手が相手でありますので、最近の状況では少し收入の時期が遅れるだけでありまして、大体確実に入るのでありますが、問題となりますのは約二割余を占めます自費患者であります。これはお金を持つておりましてすぐ拂つてくれればよろしいのでありますが、あとで拂うからというようなことで、請求をすれば拂つてもらえるような人が、請求が必ずしも熱心でないために收入実績が上つていなかつたということを申したのであります。これに該当しますものは、昭和三十三年度の実績から申しますと、二二%自費患者があるのでありますが、そのうちの一部のものに徴收不能に陥るものがあるのであります。なおそのほかに入院患者の一割に当るものは経費の減免というようなものがありまして、これは問題にならないのであります。さような点で御了承をいただきたいと思います。
 それから次のお尋ねの医療費特に医療薬品衛生材料の非常な値上りがあつたがどうするかというような意味のお尋ねでございます。從來私どもとしてはこれらの物價の改訂に伴いまして、その都度医療費の支出の額を増額してもらつておるのであります。その結果昨年の後半の予算の建前では、國立病院の入院患者の、医療費、これは医薬品衛生材料が主でございますが、三十六円、外來患者につきましては当初十二円でありましたものが二十一円に増額をせられております。その後は医薬品の公定價格の値上げがございませんので、大体その数字でやつて來ておるのでありますが、これに対して昭和三十四年度は入院患者につきましては三十六円を五十円、外來患者につきましては二十一円を三十五円に歳出の單價を上げておるのであります。これは物價が変動がございませんのに結局病院の医療内容をよくするというような考え方からさような予算が組まれておるのでありまして、今後の物價変動に対してどうするかということを含めてのお尋ねでございますが、これにつきましては、私どもとしてはさしあたり予備費が五千万円ほど計上されておりますので、一時はそれでまかなつて行くようにいたしたいと思つております。しかしながらこれが根本的には社会保険の医療費の單價の改訂ということになつて現われなければならないと思いますが、そういうものが行われるまでの措置については、そういう際にあらためて財務当局と折衝することによつて解決いたしたいと思つております。
#41
○岡(良)委員 医薬材料の点に関連して申し上げますと、最近はペニシリンを最初として、種々の特効薬が盛んに出ておりますが、こういうものは常に非常に單價が高いのでございまして、こういうものを十二分に國立病院が使用することになると、現行の單價をもつてしても追いつかないのではないかということも考えられるのであります。從つて五千万円の予備費をもつてしてはまかなえないというふうな事態になつた場合に、どういうふうな処置を考えておられるか。
#42
○久下政府委員 ペニシリンについてのお尋ねでございましたが、ペニシリンの問題は、今申し上げた医療費一人一日の單價でございます。從つて相当の増額になつておりますので、ペニシリンは大体この費用でまかなえるものという見込をつけております。そのほかに最近結核の特効薬としてストレプトマイシンという薬が輸入せられております。これを國立病院の患者に使うために、別に予算が計上せられております。從つて今申し上げた五十円のわくのほかになつておるのであります。
#43
○岡(良)委員 未復員者特別給與法によつて、これまで療養費のみであつたものが、給與の点にもまかない費が支給されることはまことにけつこうでありますが、一日の單價はいくらでございましようか。それから國立病院の営繕改修費、それから現在予算定員に満たないで、看護婦のごとき晝夜二交代で勤務しておるが、超過勤務手当も十分にないということでございますが、こういう事務的な面の充実について、予算面においてはどういうふうな考慮を拂つておられるか、お伺いいたします。
#44
○久下政府委員 未復員者給與法の單價は生活保護法の單價と同じに大体受入れられる見込であります。從つて社会保険の單價ということになるわけであります。
 それから職員についてのお尋ねでございました。私どもとしても医療の内容を上げますために、優秀な医師をもう少し増員したいという希望は、熱烈に持つておつたのであります。御承知の通りの一般の行政整理というようなことから、新規増員が認められませんでしたが、さしあたつて現在の予算定員をそのまま承認をしてもらつておるのであります。しかし一般行政整理を適用されて減員をされることは、病院には致命的な問題でありますので、私どもとしても各方面と折衝した結果、ただいまのところでは行政整理はほとんど行われないで済むような見通しを持つておるのであります。
#45
○岡(良)委員 米復員者の國立病院で療養しておる方のまかない費が現行生活保護法と同様であるということでは、特に栄養失調や結核等の長期療養の方々に対しては、まことに乏しい給與といわなければなるまいと思うのでありますが、そのまかない費の中から、なおまた現在は收入率が五八%であるのを、七四%に上げるための大きな見込を、そういう乏しい給與の、俗に言えば頭をはねて、收入に見込んでおこうという考え方については、私どもは非常に異議を申さざるを得ないのであります。またその予算定員まで充実をして看護婦さんに対して三交代及び超過勤務手当の厳正実施をやるという点についても、予算的な考慮があるかどうかということをお尋ねしたのでありまして、その点について明確な御答弁をお願いいたします。
#46
○久下政府委員 まず未復員者給與法についてのお尋ねでございますが、実際問題といたしまして、あの法律が施行せられるようになりましてから、事実病院の收入状況がよくなつておりますので、私どもとしてはそれを一應の材料として申し上げたのでございます。
 單價についてのお尋ねでございますが、生活保護法の單價と申しましたが、病院としては医療費として受入れるわけでございます。先ほど申し上げた入院患者平均一日一人当り二十六点、これに單價十円をかけた二百六十円という数字で受入れるわけであります。從つてそのために一般患者と何ら差異のない待遇が與えられるわけであります。
 それから職員の充実についての重ねてのお尋ねでございましたが、私どもといたしましても、もつと職員を先ほど申し上げたように、國立病院をほんとうにやつて行くためには、現在の定員の程度では十分でないことは感じておるのであります。またその線に沿つて予算上の折衝をいたしたのでありますが、何分にも一般の行政整理という方針がございましたので、とりあえず本年度は従前の予算定員そのままでやつて行かざるを得ないことになつたのであります。これは十分な結果ではございませんけれども、何とか努力をすれば從來通りやつて行けるものと思つておるのであります。
#47
○苅田委員 岡委員と同様な質問でもう少し私はお聞きしたいと思うのです。それは未復員者特別給與法が実施されてから多少病院收入はよくなつたようですけれども、先ほどお話になりました二十三年度推定の歳入が五八%だという中には、確かに未復員者特別給與法が実施されてから改善された分をも含んでおると思いますが、どうでしようか。
#48
○久下政府委員 お尋ねの通りでございます。
#49
○苅田委員 そういたしますと、結局二十三年度の実績によれば、五八%しか実際の收入がないということになるわけで、これを七四%まで見込むためには、第一番目に入院患者に対し一五%の従來の割引を廃止することと、外來患者に対して七%の割引を廃止することによつて、六八%の收入を出すという点は、これは確かに最初の船田紹介者相のお話にあつたように、これによつてやはり一般の患者が、非常に從來の安い金をもつて治療を受けられていたのが、受けられなくなるという心配は、まさに該当すると思います。なおそのほかに、今までの未払いの人から当然とれるお金をとるという御説明の中に、最初これは健康保險法とか、あるいは生活保護法の適用を受けた人たちのものがあるのだから、これをとるのだと言われたのですが、実際國立病院の現状から申しますと、從來生活保護法の適用を受けた人に対してさえ、現在政府の方針で生活保護法は非常に人数を制限しようという傾向にあることは、昨日の小委員会でも発表されたわけです。それを反映して、現在では、地元の縣から生活保護法で從来出しておつたものを打切つてほしいという要求がたくさん出ておつて、病院の方ではしかたなくそういう人たちを無料患者に移しておるわけです。ですから五〇%を占めておる、生活保護法の患者から從來よりももつと收入を上げるというふうな考えは、明らかに逆行だと思う。この点について一應御答弁願いたいと思います。
#50
○久下政府委員 生活保護法の患者が二十三年度の実績から全入院患者の半数を占めておつたのでおりますが、私どもとしてはこれは二十四年度におきましても大体その率であろうという推定をいたしておるのであります。これより減じますか。これは大体予想でございますから実際の数字はどうなるかわかりませんが、少くとも過去の実績から見まして、大体そのような割合で参るものと予想をいたしておるのであります。ただ生活保護法の適用を打切られる者が多いということでございますが、私どもとしてはさようなことはいまだ聞いておりませんので、もしも何ら理由なしに生活保護法の適用を打切られるようなことでありましたならば、私どもとしては患者の医療のためにも、関係の筋と十分御連絡をお願いするつもりでございます。
#51
○苅田委員 生活保護法の患者が打切られておる現状というのは、本日おそらく請願の中からも國立病院の関係者の方もおいでになると思うので、その方からあらためて私は実情を発表していただきたいということをお願いしたいのであります。それから生活保護法の適用の患者は從來通りの人数を見込んでおるということでございますれば、ここからは特別に本年度收入をあげる余地はないと思うのです。大体そう考えられるのです。その点はどうかということと、それからなお先ほど申しました入院患者一五%の割引、それから外來七%の割引が非常に病院收入を上げる計算になつておるわけですが、これは一般の患者さんたちに対しまして決して安い医療を受けられなくなるのではないという御説明はなかつたわけなんで、その点を御説明願いたいと思います。
#52
○久下政府委員 生活保護法の患者からの收入は、あまり多くを患者からと申しますか、患者を扱うことにより收入はあまり多くを期待できないということは大体私もお説の通りに考えております。從来のような程度で行くのではないかと思つておるのであります。それから割引を廃止することにいたしておりますために、実際医療費も出せぬのではないかということは仰せの通りでございますが、ただこれは先ほど申し上げましたようにはなはだ実質に合わない、単なる形式的な理由からの割引でございましたので、実質の医療のサービスに応じた費用だけは支拂える方からいただくのが法律上の建前からも当然であろうということを考えまして、かような措置をとりましたようなわけであります。
#53
○丸山委員 先ほどからの質疑応答を承つておりますと、病院が特別会計になりまするために、その收支状況をよくするために、その患者の六八%を占めておる生活保護法あるいは社会保險を利用する者を忌避して一般患者を歓迎して、そういう支拂い能力の少い人たちが、不利な立場になるのではなかというような意味の質疑応答がたくさん行われておるように私には承れたのであります。私が考えまするのには、生活保護法を適用せられまする患者は、生活保護法による金を本人からもらうのではなくて、法律によつて当然その病院は受入れるわけであります。また社会保險におきましても、当然社会保險の支拂い基金の方から受け入れておるわけで、病院の負担というものは実はないわけになつております。そういうような観点から病院が普通患者を收容する方が有利であるから、これをおもにとつて、こういう人たちに不利を與えるのではないかというお考えの方が多いといたしますれば、今まで病院は生活保護法や社会保險によつて受け入れる單價より高い單價で普通の患者を取扱つていましたかいかがであるかということであります。それをお伺いしたいのであります。もしそういうようなことがありまするならば、あるいは今のような御懸念の普通患者の方を歓迎するということがあり得るのであります。私ども常識で考えてみますると、東京都のごとき一流の有名な方は、生活保護法や社会保險の單價より高い料金を御徴收になつておるのであります。地方においては現在その單價は同一であります。すなわち普通患者から得る收入も、社会保險によつて得る收入も、その一点の單價においては差異がないのが普通なんであります。そうすると特別に普通患者があるがゆえに收入を増すという現象は起こりませんので、その間に差別の行われたことはないのであります。そういうお話が先ほどからたくさん出ておりますのを見ますると、あるいは國立病院においては普通患者に対しては多額な收入をとるような方法を、おとりになつておつたかどうか、その点をはつきりひとつお伺い申し上げます。
 それからもう一つの割引の点でありまするが、この割引は私の承つておつた範囲では、社会保險その他における一点の單價を一割引でおとりになつておつたということは前から承つております。これは社会保險支拂い基金の方の損得になる話で、患者にとつて何らの影響がないものと考えておりまするが、その点はたしてその通りに解釈してよろしゆうございますか、その点をひとつ承りたい。
#54
○久下政府委員 まずお尋ねの医療費の単價の問題でございますが、私どものやつております國立病院の医療費はすベて社会保險の單價を基準としております。一割引をいたします場合には、社会保險の患者でも、あるいは生活保護法の該当者でも、それらに該当しない一般普通患者でも、みな同じ単價で扱いをいたします。今度割引をしないことになりましても、やはり同様の取扱いをするつもりでございます。従つて第二段のお尋ねでございます、割引を廃止することが社会保險支拂い基金であるとか、あるいは生活保護法を扱う市町村、あるいは國、府縣の負担だけではないかというお話でありますが、大体先ほどから申し上げておりまするように、七割近いものがこれらの該当者でございます。ほとんど國立病院で割引を廃止いたしましても、その方面の負担になるのが多いわけであります。ただしかしそれと同じ率で一般患者を扱いますので、その面から見れば一般患者に対しては少し負担を増すというようなことにはなるかと思います。
#55
○丸山委員 それから先ほど御質問の中でちよつと出たのでございまするが、生活保護法の医療はあるわくをきめてあつて、自由診療ではないという御発言が先ほどあつたように思いまするが、私どもはそういうふうには了解しておらぬのであります。健康保險、いわゆる一般の社会保險、あるいは生活保護法による診療も、必要な最低の治療は必ずやれというように医者としては指示を受けておりまするので、私どもはあるわくをきめられて不自由な治療をするとは考えておらないのであります。先ほどこれに対しては何ら御答弁の中にお触れになりませんでしたのですが、國立病院その他においてはやはり生活保護法の医療社会保險による医療はある一定のわくにはめられて、不自由な治療をやつておるとお考えになつておりますかどうか、それをひとつ承りたい。
#56
○久下政府委員 私どもの方針といたしましては、患者によりまして医療の程度の差をつけるということは絶対にいたさない方針であります。
#57
○福田(昌)委員 ただいまの御質問の数々におきまして、ある程度私も了解できたような氣がいたすのでございますが、結論におきまして私といたしましては特別会計にしなければならないという理由が全然見出せないのであります。ただ特別会計にすることによつて、收支という面からいたしまして、当事者が非常に眞劍になつて來る、このことが一つの大きな理由になつていると思うのでありますが、收支というようなことを観点として特別会計の一つの理由にするならば、收入を上げるために、また支出の面をよく調査いたしまして、その面を厳重にすることが別の方法でとられてしかるべきであると思います。このことのためにわざわざ特別会計をしく必要は私は認められないのでございます。何と申しましても、政府委員の答弁によりますると、特別会計をしいても現状維持のままでやる、また患者に特別負担をかけるようなことはないとおつしやつておりますが、当面の御趣旨はそうでありましても、年月の推移のもとにおきましては、当然営利的な医療行為に堕することは当然であると私は考えるのであります。從いまして私としては特別会計の制度をしく前に、現状においてとられている病院の運営方面において、收入と支出の面を何とかもつと合理的に監督し、そうして收入を上げ、支出を制限する方法があり得るだろうということをまず考えていただきたいと思うのでございます。先ほどいろいろと質問並びに御答弁を承つておりますると、一般患者というのが三割であるから、この三割の方からある程度の増收が得られるという御説明もあつたのでございますが、この三割の方には、私は今日いわゆる減免、無料といつたような患者も含まれておると思います。こういつた減免あるいは無料の待遇のもとに置かれている患者から、こういう特別会計制度がしかれて参りますと、当然ある程度強制的に治療費を請求なさるのじやないかということが考えられるのでございます。從つて減免とか、無料とかいつたような制度が有名無実の制度になつて来るのじやないかということを心配するのが第二点でございます。
 それからまた生活保護法あるいは社会保險の患者が七割強を占めているというお話でございます。さきほど苅田委員からも質問がおありだつたのでありますが、私も、生活保護法を受けて入院している患者が、その出身町村から、生活保護法で入院されているのはかなわないから、いいかげんのところで何とかしてくれということを言われて困つているということを再三聞くのであります。生活保護法で入院している患者自身、自分の自腹は切らない費用でありましても、市町村の負担において、市町村からそういうような督促を受けているという面において、非常に苦しい立場に置かれる患者がたくさんあります。從つて現在は約半数が生活保護法の患者であるといいましても、この半数がどの程度に維持できるかということが非常な問題であると思います。從つて生活保護あるいは社会保險法によるところの患者の七割というこの定数が、いつまで保たれるかということを一應考えに入れなければならないのです。現在のままで推移しようと思いますならば、一應市町村に対しても生活保護法の患者、ことに医療の給付を受けている患者に対しては今までのような考えを捨てて、特別な温情をもつて、こういう患者にはなお今後引続いて生活保護法の適用を受けるようにはかつてやるというお達しがなければ、現状の維持は保てないのじやないかと考えます。これが私の質問の第三点であります。
 次に第四点は、この間読賣新聞を見ておりましたら、参議院の平岡氏の質問―國有財産拂下げに関する質問でありますが、それに対して池田蔵相が國有財産の賣拂いの予定は四十二億ある、その中には当然國立病院も入つている、國立病院も賣拂うのだということをはつきりおつしやつております。私はこういう特別会計制をとられたこのことと関連があるかどうかは断定できないことでありますが、結局國立病院を特別会計にし、從つてその收入をはからなければ支出が制限されて来るということになつて参りますると、結局採算が合わない。やはり賣拂うような病院も出て來るのじやないかということも一應臆測されるのでありまして、池田藏相の答弁と相まつて、こういう制度をしかれたその時期において、また國立病院の賣拂いということもどんどん行われるのではないかと想像されるのであります。國立病院を賣却することが厚生当局の御趣旨であるかどうか存じませんが、こういつたことについての御答弁をお願いいたします。
#58
○東(龍)政府委員 ただいまの福田委員の御質問の最後の点でありますが、これは読賣新聞のたしか地方版に載つておつた記事だと存じますが、私ども初めて記事を見て、寝耳に水のことであります。その後厚生次官を通じて、大藏大臣の答弁に関する内容について実情をただしていただいたのでありますが、そのことはどういうふうな言葉で答弁されましたか、あるいは新聞にあることがあつたにしても、國立病院を賣り拂うというようなことは厚生省はもちろん考えておりません。また大藏省の事務当局においても、その言葉の現わすような意味において、あれを賣つて財源にする云々というようなことは考えておらぬという返答を願つておりますから、このことは不幸にして新聞に現われた一連のうわさとしてお聞き流しを願いたいと思います。
#59
○久下政府委員 その他の問題について私からお答え申し上げます。第一点は、当面の問題は別として、將來は営利的になるのじやないかというお尋ねでございました。私どもといたしましては將來とも國立病院の任務として、最初に医務局長からお答えを申し上げましたように、営利的なものになつてはならないということを嚴重に戒めて経営をして行きたいと思つておるのであります。具体的に申し上げますれば、できるところからは医療費の受入れをいたしまして、しかしその受入れの額は國立病院が行いました医療のサービスに応ずるだけの限度のものをいただくという建前で参る。從つて実際医療費の支払いができない、あるいは生活保護法の適用は受けられないというような人については、從前通り実質上の減免をやつて行くつもりでおるのであります。
 第二の、特別会計をやることになつて、收支のことを目安に置けば、必ず医療費の徴收を強制するようなことにならないかという御懸念でありますが、ただいま申し上げたような趣旨でございます。病院それ自身が何ら医療費徴收の強制権もございませんし、また建前といたしましても、私どもとしてはむりやりに收入を上げるようなことは絶対にいたさないように、各病院を監督指導いたしたいと思うのであります。特にこの問題につきましては第一の問題にも関連いたしますが、國立病院特別会計と申しましても、各病院ごとの特別会計ではございません。厚生省が全部一本にまとめた経理をいたすつもりであります。從つて病院だけがかつてに收入を上げ、使つて行くというようなことはその点からも抑制できます。そのかわり合理的に成績をあげておるというようなところにつきましては、その労に報いるだけのことはいたし得ると思つておるのであります。
 生活保護法の患者は現在半数であるが、この数字が維持されるかどうか懸念があるがどうかというお尋ねが第三点でございましたが、私どもといたしましては、生活保護法の適用患者は從來より以上にふえるように実は社会局その他にお願いしておるのであります。いわゆる一定のレベル以下の人にのみ生活保護法が行われるのであります。從つてその該当者にのみ医療法は與えられるというような扱いで、大きな数字になつておるようでありまするが、私どもといたしましては、いろいろの病氣というものの特質上から、医療費の負担の性質上、それだけでは必ずしも生活保護法のほんとうの目的を達しないのではないかというような意味合いから、一般の生活扶助の問題以上に、医療保護の面は範囲を廣げて適用をしていただくようにということを再三打合せをしているような実情でございます。從つてこの数字は從來の実績でもございまするし、そう減るものとは考えておらない次第であります。
#60
○福田(昌)委員 特別会計法をおしきになりまして、医療保護の面をただいまのような御趣旨でお進めになるのでございましたならば、十分の監督をなさらなければ、現状の生活保護法の適用者の半数が落伍するのじやないかということを私は懸念いたしまするから、その点再三の御注意をお願い申し上げたいと思うのであります。
 それからこの特別会計制というものは、個々の病院でなくて、國立病院全体をまとめた特別会計制というお話でございましたが、そうなりますると、收入の多い病院と少い病院が当然出て参りまするが、收入の上つた病院に対しましては、どういうおとりはからいがあり、また收入の悪い病院に対してはどういうおとりはからいがあるか、そういう点について説明を求めたいと思います。
#61
○久下政府委員 まだ具体的な方針は私どもとしても一定をいたしておらないのであります。大体の考え方といたしましては、御承知の通りに國立病院はいろいろ病院によりまして、立地條件その地建物の良否等の非常な差がございます。從つて病院そのものが努力をいたしましても成績の上らない病院と、現在のところ相当成績を上げておるところとあるのであります。これらの点につきまして私どもといたしましては、特別会計になりましたならば、各病院ごとに從来の実績を基礎といたしまして、十分各種の資料を検討いたしました上で、その病院の努力目標というようなものを各病院ごとに示したいと思つております。そうしてその努力目標に対しまして、その病院がそれ以上努力をし、成績を上げるということでありますれば、それに対しまして、何らかの報奨的な措置を講じ得るようなはからいをしたいと思つておるのであります。それをどの程度の率にするかというようなことにつきましては、まだ全然具体的なものをきめておりませんが、考え方といたしましては、努力した病院に対しましては、それだけの報いをするようにはからいたいと思います。
#62
○松永委員長代理 先ほど來時間も大分経過いたしましたので、質疑はきわめて簡単にお願いしたいと思います。
#63
○苅田委員 私の質疑は中途になつておりましたのでそれを続けることにいたします。御説明によりましても、昨年度の五八%の病院收入に対しまして、これをむりやりに七〇%まで上げるための負担は、結局患者自身にかかるか、あるいは未復員者特別給與法によつてそちらから出るか、あるいは生活保護法によつてその方の関係から出るか、あるいは社会保險のいろいろなところから出るか、これ以外にないと思います。それを一々考えてみますと、先ほどから政府の方の御説明でも、生活保護法からはこれ以上の收入が出ることは少しむずかしいと思われます。ただいま医療給付についての交渉をしておるとおつしやいましたが、しかし昨日來の小委員会の経過から考えましても、生活保護法から昨年以上の大きな繰入れが考えられるということは絶対にないと思うのです。それから保險の方を考えてみましても、昨年までの社会保險のいろいろな決算から考えましても、保險の面ではすでに赤字が出ておつて、そのために今度はさらに今までとつていなかつた初診料をとらなくちやならぬというような現状が來ておるので、ここから政府が全收入の一二%にあたるような大きな金を捻出することはとうてい不可能だと思うのです。そういたしますと、未復員者特別給與法がどれだけたくさんの基金を持つておるかわからないのですけれども、そのあとは全部患者の負担にかかるということはやむを得ないと思うので、やはり政府の関係当局者から御説明があつたのですけれども、私どもとしましては、こういう收入を出す面において、患者自体の負担にならないということの確証はここに一つもいただいていないと思うのです。今まで御説明になつた以外に、立案当局としてどこからどれだけの收入を上げる見込みという、もつと具体的な説明を伺いたいと思うのです。それが一つと、それからこれは最初の田代委員の質問に対します御答弁で、將來國立病院を独立採算制にする意図は全然ないという御返答があつたのですけれども、これは全医労関係の代表が大蔵省の主計局長並びに厚生省関係の予算を扱つておる第四課長と面会いたしました際には、はつきりと本年度は三〇%の補助を出すけれども、来年度は二〇%、次には一〇%というように減額して、將來は独立採算制にするつもりであるというはつきりした説明があつたわけです。これを聞いておるのです。この点について医務局の関係の方は全然これを御承知ないのか。もしも御承知ないとすれば、本委員会にあらためて主計局長あるいは第四課長なりの御出席を願つて、はつきりしたそういう意図はないという御証言をいただきたいと思います。この二点についてお伺いいたします。
#64
○久下政府委員 最初の数字についてのお尋ねについて私から申し上げます。先ほど申し上げましたように、本年度の推定実績が五八%と申し上げたのでありますが、これは一割五分ないし一割の割引きをしておりましたので、これを換算いたしますると、先ほど申し上げたように、年間を通じての実績は、六七%強になるわけでございます。しかも先ほど申し上げたように、最近は病院の特別会計になる前から、すでに一月、二月ごろから非常に成績が上つております。月々の歳出が非常に月によつて浮動がありますので、その月の歳出額とその月の收入額とを比較してみましても、それは数字にならない。結局は年間を通じた数字で見なければならないのでありますけれども、しかしながら、予定をしておりました收入額に対しましては、最近は非常に成績がよろしいでございまして、この分ではまず七〇%を突破するのではないかというような実績を示しておるのであります。その意味で申し上げておるのでありまして、五八と七〇ということをそれ自身で比較をしていただきますと御説のような御懸念があるかと思いますが、私どもとしては、さような今申し上げましたような考え方から、そうむりをしないで行けるかと考えております。
#65
○苅田委員 その点について、その割引の負担は結局患者自身に乗るか、それとも生活保護法なり社会保險なり、あるいは未復員者給與法なりの会計から出るか、どちらからか出るしかないと思うのですが、そうじやないのですか。
#66
○久下政府委員 それは御説の通りであります。
#67
○苅田委員 そういたしますと、この割引をするためには、結局そういつた保險関係からもこれ以上の支出が望まれない、あるいは生活保護法からも望まれないということになれば、結局これは患者の負担になるのではないかと思うのですが、その点はどうなんです。
#68
○高田政府委員 生活保護法のことにつきまして、お話がございましたので、社会局長がおいでになりませんので、私が予算の面からお答えいたします。いろいろ御心配になつておるようでありまするが、昨日御説明申し上げたように、生活保護法に要する経費は約二十三億円前年と比べて増加して、百十八億数千万円というものを計上してございます。しかもこれは昨年の当初予算と比べますると、ずつとそれ以上にふえておるのでありまして、その増額の一番大きな要素は医療費であります。前年度の趨勢を見ますると、先ほどどなたかの御質問の中にお触れになつたようでありますけれども、生活保護法の対象人員をだんだん減らして行くとか、減つて行くとかいうようなお話がございましたけれども、これは主として医療以外の分でありまして、医療の関係は前年度もぐんぐん伸びておる。前年度中に約十数億の追加をお願いいたしましたのでございますが、この原因も医療が予想以上に非常に伸びておるために、十数億の追加を前年度中にお願いいたしたわけであります。そういうふうな関係でございまして、予算の面から見ますれば、今御心配のような点は私はないと思うのであります。從つて今日までの國立病院の入院患者その他における生活保護法適用者のパーセンテージというものは、今後私はふえこそすれ減らないのじやないだろうか。これは私個人の一つの推測にすぎませんけれども、さように私は考えております。御参考までに申し上げます。
#69
○苅田委員 その実数において多少ふえておるということは私も了解しておるわけです。しかしこれはこの間の予算委員会においても、そういう討論があつたわけでありますが、昨年三月と今年の二月では一般物價の値上げが三割になつておる、そういたしますと、実数がふえるということは、それだけではただ去年以上に十分な処置が、とれるということにはならないと思うのです。それからまた生活保護法は全部國家が負担しているのではなくして、府縣の負担があるのです。御承知のように今年度は地方財政の分與される額が非常に削られておつて、府縣の負担というものが從来以上に期待できないと思うのです。そういう状態にある生活保護法からの病院收入が、よけい昨年よりも上るということは、ちよつと私たち考えまして非常に期待できないと思うのですが、いかがでしようか。なお申しますれば、そういう関係から府縣では現在入院中の生活保護法適用患者に対して打切つてもらいたいということが、非常にたくさん來ておるのです。これが現実なんです。これは今日請願においでになつておる病院関係の方にお聞きになれば、その実情が政府の考えている以上にはなはだしいということがおわかりになると思うのです。
#70
○高田政府委員 先ほどは國家予算の面からだけのぞいてみた私の一つの観察を御参考までに申し上げたのでありまして、國家予算以外にいろいろな要素があることは、御指摘の通りであります。從いまして、ただ國家の予算の面だけから見て結論をするということは、これは早計かもしれないと私自身も考えます。しかしながらなるべく地方の財政の逼迫その他の事情によりまして、だんだんと引締められて行く傾向が出て來るということは、ある面から申せばこれは事実だと思いますけれども、少くとも前年度の実績と申しまするものは、医療はぐんぐん伸びているのであります。これはやはり町村といたしましても、苦しい財政からも、町村の困つた方々の生活状態と医療費との関係をよく検討いたしまして伸ばさざるを得ないという、一つの全体的な社会的要請に基いて実績は伸びて來ておる、この伸び方というものは非常に顕著な趨勢を示しているのであります。從つてその実績を押えて、抽象論でなく実績の観点から考えますと、御心配のように國立病院に入院しておる生活保護法適用患者がぐんぐんとパーセンテージが減つて行くということは、私は少し御心配が過ぎるのではなかろうか。これはあるいは意見にわたりまして、お答えにならぬかもしれませんけれども、そういうような氣がいたすのであります。
#71
○苅田委員 私もあなたが主張しておられる実際の面から言つて、現在そういうような患者が実際において打切られつつある現状だということを、それではどういうふうに御説明なさるのですか。それから医療費が実際上つているということは、これは事実だと思うのです。それが上つておつてもまだまだ十分でないというような現在の社会的な環境をもし御認識になれば、それだけでこの面の心配はないということの答弁にはならないと思うのです。ちよつと考えましても、本年は企業整理によつて失業者もふえますし、そういうものが結局病気になつた場合に、御承知のように失業対策費が十分出ていない関係上、國立病院に行つて安い医療を受ける以外に方法はないわけで、それはもう少し慎重に考えなくてはいけないのではないかと思うのです。
#72
○東(龍)政府委員 特別会計によれば、近い將來に独立採算制をとるのではなかろうかという御質問もございましたが、この点につきましては、先ほど來申し上げております通りに、現在とにかく自費ではもちろん負担能力はなし、その他の方法をもつてしても医療費を支払えないという方々が國立病院関係においても二割とか三割とかいう数が現在存在している現状でありますので、かような現状を前提といたしますれば、國立病院が独立採算制を意図した特別会計を置くということは、これは全然現実を無視したことになります。私どもとしては、それよりも大事なのは、國立病院はとにかく一般の國民に平等に適正な医療を行う機関としての本質を保つことでありますので、これを保とうとすれば、独立採算制をとり得ないことは当然であります。從つて私どもといたしましては、いろいろこういうことを聞いた、ああいうことを聞いたというようなことは、私も薄々聞いておりますが、私は直接にはさようなやりとりはいたしておりません。また私はあくまでも独立採算制を前提としない特別会計という一本で進んでいることを申し上げておきます。
#73
○苅田委員 その將來の問題につきましては、医務局長の御説明を承りましたので、次の厚生委員会に大蔵省主計局長か、あるいは第四課長をお呼びいただいて、はつきり大蔵省関係の方の御答弁を承りたいと思います。これをお願いいたします。
 それから次に会計課長の御答弁に対しましては、私はまだ御答弁いただきたいと思うのでありますけれども、非常に時間も過ぎておりますし、それよりも請願人の方の発言を許していただいて、そちらから実情をお訴え願つた方がよいと思いますので、私の質問を打切りまして、どうぞ請願人の方から、この問題等につきましての発言を許していただきたいと思います。
#74
○床次委員 各委員の質問の中に漏れたことを質問申し上げます。今の自費その他の患者において、生活保護あるいは社会保險あるいは未復員者給與法等の法規による患者以外の患者の医療費につきましては、減免とか、徴收不能になることを予想されている額は、これは從來の実績に比べまして、どのぐらいの余裕を見込んでおられるかということをお尋ねしたい。ぎりぎり一ぱいこれを考えておられましたならば、来るべき二十四年度におきましては、これは経理が苦しいのじやないか。二十四年度においては、特にこの点については相当幅を残した数字を計上されなければ、経理が困難になると思いますが、どの程度の余裕を見込んでやつておられるか、この点だけをお伺いいたします。
#75
○久下政府委員 見通しの問題になりますと、正確な数字を上げてお答えができない部分がございますが、先ほど來申し上げておりますように、一般会計からの受入額が二五%ということになつております。これは結局二五%というものが、病院経営上の赤字、いわゆる收入のとれない部分というふうに考えておるわけであります。それで先ほど來申し上げておりますように、二十三年度の実績から申しますと、生活保護法が五〇%、社会保險適用者が一八%、合計して六八%がございますが、これはいずれも生活保護法であり、あるいは社会保險制度でありますので、大体において確実に収入できるものであります。そのほかに病院限りの減免が從來一割ぐらいあります。残るものはやはり自費患者という割合になるのであります。自費患者と称せられるものにつきまして、どのぐらい收納できるであろうかということが、ちようどお尋ねの問題に触れた核心だと思つております。約三割強の自費患者というものの從来の実績でございますが、これはまず一つには先ほど來から申しておりますように、國立病院としてはごく最近までは、引揚患者、復員患者、こういう人々につきまして減免を余儀なくされておりましたものが、未復員者給與法、特別未帰還者給與法の施行によりまして、相当部分入つて來るということが、一つの安全瓣として考えられるわけであります。それから自費患者につきまして、どのぐらい收入が上つていないかということは、実はその内訳にわたつたこまかい実績がございませんので、数字的に申し上げられないことは申しわけがないのでありますが、全般的に申しますと、本年度の推定実績は、年間を通じて六七%ぐらいに見なければならぬと思つております。これらのおもなるものは自費患者と減免患者によつて占められているということであります。その中の減免患者としてまず減免をされておりました患者が、先ほど申しましたことでカバーされて來る。さらにいわゆる自費患者につきましては、できるだけ徴收成績を上げるようにいたしますれば、そう大きな余裕はございませんけれども、予算案に計上されております程度の経費でやり得ると思つております。それは決して御意見のような余裕のある考え方とは申せないかも知れませんが、今申したような理由から、大体においてこれでやつて行けるものと考えております。
#76
○福田(昌)委員 傍聽人から公聽会を要求する申出がありますが、ひとつおとりはからいを願います。
#77
○松永委員長代理 ただいま福田委員からお申出でございますが、今日は委員長が欠席中でございますし、小委員会開会の時間が迫つてもおりますので、委員長並びに理事会議の上、その時期等を決定させていただきたいと存じます。
#78
○福田(昌)委員 なるべく早い機会にお願いいたします。
#79
○松永委員長代理 なお、先ほど田代委員、苅田委員から、傍聽人から本件に関して発言の希望がある旨お申出がございましたが、御承知の通り公述人、証人、参考人以外の発言は、成規の手続によつて國会がこれを承認するにあらざればできないことになつておりますので、これを許すわけには参りません。
 なおお諮りいたしますが、本日審議いたしました各請願の決定に関しましては、後日に延期いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○松永委員長代理 御異議がなければさよう決定させていただきます。
 それでは小委員会もございますし、残余の日程は延期いたします。本日はこの程度にて散会いたします。次会は公報にて御通知いたします。
    午後零時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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