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1949/04/28 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第14号
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1949/04/28 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第14号

#1
第005回国会 厚生委員会 第14号
昭和二十四年四月二十八日(木曜日)
    午前十一時二分開議
 出席委員
   委員長 堀川 恭平君
   理事 大石 武一君 理事 幡谷仙次郎君
   理事 松永 佛骨君 理事 福田 昌子君
   理事 床次 徳二君 理事 田代 文久君
   理事 逢澤  寛君
      青柳 一郎君    今泉 貞雄君
      高橋  等君    中川 俊思君
      奈良 治二君    西村 直己君
      畠山 鶴吉君    原田 雪松君
      丸山 直友君    岡  良一君
      堤 ツルヨ君    苅田アサノ君
 出席國務大臣
        厚 生 大 臣 林  讓治君
 出席政府委員
        厚生政務次官  亘  四郎君
        厚生事務官
        (保險局長)  宮崎 太一君
 委員外の出席者
        專  門  員 川井 章知君
        專  門  員 引地亮太郎君
    ―――――――――――――
四月二十七日
 兒童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一三六号)
 医療法の一部を改正する法律案(内閣提出第七
 七号)(参議院送付)
 医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第七八号)(参議院送付)
 健康保險法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一〇一号)(参議院送付)
 厚生年金保險法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一〇二号)(参議院送付)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 兒童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一三六号)
 健康保險法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一〇一号)(参議院送付)
 厚生年金保險法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一〇二号)(参議院送付)
 厚生行政に関する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○堀川委員長 これより会議を開きます。
 本日は昨日に引続きまして健康保險法の一部を改正する法律案、及び厚生年金保險法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 なおこの際お諮りいたしまするが、昨日夕刻に兒童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出第一三六号)が付託になりました。これを日程追加といたし、審議するに御異議がありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○堀川委員長 異議なしと認め、同件を議題といたし、提案理由の説明を承ることにいたします。林厚生大臣。
#4
○林國務大臣 ただいま議題となりました兒童福祉法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げたいと考えます。
 兒童福祉法は、廣く十八才未満の兒童の健全な育成をはかるため、昭和二十三年一月一日より施行され、國、公共團体、各兒童福祉施設関係者及び保護者の努力と協力によりまして、次第に福祉の実効をあげつつあるのでありますが、施行後の経驗に徴し、次のような理由によつて、その一部を改正する必要が生じて参つたのであります。
 今回改正をいたしたい主要な点は、第一に少年法との調整であります。御承知のごとく、兒童福祉法は、満十八才に満たない兒童の福祉を目的としながら、刑罰法令に触れる行為をした十四才未満の児童と、満十四才以上十八才未満の児童であつて、その性格又は環境に照らして、将來罪を犯すおそれのあるいわゆる虞犯児童は、いづれも少年法によつて取扱われることになつておつたのであります。
 しかしながら、兒童の犯罪を予防するとともに、その不良化を防止し、これが保護指導を全うするためにに、兒童に対する豊かなる愛情をもつてする医学的、心理学的及び精神医学的判断を内容とする鑑別と、その結果に基く適切な指導あるいは性格矯正のための施設への送致という一貫した措置が必要であり、そのための施設と人員が系統的に備わつている児童福祉法による処理に移すことが、より適切と考えられたのであります。このような理由から、刑罰法令に触れる行為をした十四才未満の兒童は、これを兒童福祉法によつて扱い、満十四才以上十八才未満の虞犯児童は、これを兒童福祉法と少年法との双方によつて扱えるように、少年法との間に調整をはかり、児童福祉法の適用範囲を拡げて、児童の福祉を徹底するようにいたしたいのであります。
 第二には、新聞で報道された栃木、福島両縣下における、いわゆる兒童賣買事件についてでありますが、これらの事件は農家における経済的貧困を理由とするものではありますが、やはり子を親の私物と見る因襲的な家族制度の欠陥と、兒童に対する基本的人権の観念の低さとを露呈したものとして、きわめて遺憾なことと存ずるのであります。しかもこのような不合理な慣行は、たんに栃木、福島同縣下のみでおりませず、廣く全國にわたつて見られる現象であることが指摘せられておるのであります。児童の自由、人権を保障し、その福祉をはかるためには、営利を目的として他人の兒童の養育をあつせんすることを禁止するとともに、法令により児童を委託された場合、及び児童を單に下宿させる場合のほか、他人の兒童をその家庭におく者に届出の義務を課し、その届出に基いて必要な指導監督ができるようにいたしたいのであります。
 第三には、児童福祉を地方行政の面でさらに一段と推進いたしますため、市町村長の地位を明らかにし、その機能の強化を促したいのであります。すなわち市町村長は、児童福祉司及び児童委員から状況の通報及び資料の提供を求めることができるほか、児童福祉司に対しては、必要な援助を、児童委員に対しては、必要な指示をすることができるようにするなどの改正を行いまして、なお市町村における児童福祉の円滑な運営をはかるため、從來中央及び都道府縣のみに設置せられていました児童福祉委員会に準じ、市町村児童福祉審議会を置くことができるようにいたしたいのであります。
 次に現下の世状にかんがみ、家庭と並んで社会環境の整序が、児童の健やかな育成の見地から特に要請せられるのでありますが、とりわけ児童の精神的環境とも申すべき芸能、出版物、玩具等のあり方は、兒童福祉の上から特に重視しなければならないわであります。中央及び都道府県児童福祉審議会は児童福祉の問題について、廣く專門的知識を有せらるる民間の方々を中心として構成せられており、もともとこの問題について深い関心を拂い、研究をいたしておるのでありますが、今般この審議会がこのような文化財の製作者等に対し、その自主的な改善を促進し得るよう規定を整備し、この面からも兒童の福祉に遺憾なきを期して行きたいのであちます。
 以上のほか、児童の不良化を防止するため児童の背後にあつてこれを不当に支配している者に対する取締りの規定を加えるとともに、この法律にいう児童相談所または児童福祉施設でない児童福祉事業を行う施設について、その指導、取締りを行うための規定を追加し、その他從來療育施設の中に含まれていた盲、ろう、あ児施設を新たに児童福祉施設として独立せしめる等、法條の整備をいたしたいと考えるのであります。
 今日児童の問題が國家の切実な関心事となつております実情に照らしまして、この法律案の意味するところは、きわめて重要なことと思料いたすのであります。何とぞ御審議の上御可決あらんことを切に希望いたす次第であります。
#5
○堀川委員長 この際お諮りいたしまするが、先日來審議中の健康保險法の一部を改正する法律案、厚生年金保險法等の一部を改正する法律案の二法律案が、本日午前中の参議院本会議において可決されて、ただいま本委員会に送付されました。よつて本審査に付することにいたしたいと存ずるのであります。
#6
○松永委員 この保險二法案に、すでに予備審査で十分質疑を盡されたことと思いますので、この際本委員会は、二法案の質疑を打切りまして、一括してただちに討論に入り、採決せられんことを望みます。
#7
○堀川委員長 ただいまの松永委員の動議の通り、両案の質疑を打切ることに御賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#8
○堀川委員長 起立多数。よつて両案の質疑を打切ります。
 これより討論に入ります。それでは通告順によりまして大石武一君。
#9
○大石(武)委員 私は民主自由党を代表いたしまして、ただいま上程せられました本法案に賛意を表するものであります。わが國の勤労者、一般大衆の医療機関は、健康保險にその基礎を有することはどなたも御存じの通りであります。勤労者一般大衆に、この健康保險の存在によつて、安心してその業務に從事し、病氣の場合には十分に予防治療を受けることができておるのであります。從つてわれわれはこの勤労者の福祉増進のためにも、健康保險を長く継続せしめて、近き将來において完全な社会保障にまで発展せしめるように努力しなければならぬと信ずるのであります。しかるに最近の社会的、経済的な急激な変化によつて、ことに保險経済の逼迫によつて、今や健康保險は崩壊の危機に直面して参つたのであります。健康保險が円滑に運営されておりました昭和三年より十年の間の期間と、この昭和二十三年とを比較いたしますると、保險料の基礎となる標準報酬、すなわち賃金は、約百七十倍の増加を示しておるにすぎないのでありますが、医療費は実に四百五十倍以上の増加を示しておるのであります。この賃金と医療費のアンバランスによつて、昭和二十三年度においてはすでに八億円の赤字を出しておる状態であります。もしこのままにこの健康保險の制度が推移されて行きましたならば、昭和二十四年度において、健康保險が崩壊いたしますことは必至であります。もし保險経済が破綻いたしますならば、ここに勤労者の医療保護の道はとざされて、重大なる生活の脅威を來すことに相なるのであります。ここにおいてわれわれはこの制度を確保継続するために、今回上程せられた保驗料率の引上げ、初診料の一部負担制度の復活ということを認めざるを得ないということに相なるのであります。われわれといたしましても、この改正にひとり事業主のみならず、特に勤労者の負担を増加することになりますので極力避けたいところであります。しかし健康保險、厚生年金等の制度が社会保險の形体をとる以上は、その收入を確保するためにに、ぜひともこの改正を承認せざるを得ないのであります。このたびの改正は保險料率の千分の四十四を千分の五十に引上げることでありまして、これは六千三百円ベースの場合においては、ほとんど一箇月四十円たらずの増加にすぎないのであります。また初診料の一部負担は四十四円あるいは四十一円でありまして、これまた一年に一回か二回かの負担にすぎないのであります。この点から申しましても、このたびの改正によつてさほどひどい負担が勤労者の上に加えられるとは言い得ないのであります。いわんや健康保險の保險料日歩は千分の五十であり、厚生年金の料率は千分の三十、失業保驗の料率は千分の二十、すなわち合計いたしまして勤労者の月收の一割というものがかかかる保險事業に使われるのであります。しかしこのうちの半額は事業者の負担と相なりますので、勤労者の月収の五分のみかかかる福祉事業の基礎となる保險の料率となるのでありまして、この負担によつて勤労者がその健康を保持し、病氣をなおし、老年の備えをし、失業した場 十合には年金手当を受けるということができるのであつたならば、まことに私はけつこうなことだと思うのであります。この際健康保險の経済の維持確立のために、私は今回の改正を万やむを得ぬものとして賛成をいたす次第であります。
 なおこのほかに、健康保險に対しては事務費として國庫の補助が三割あるのであります。さらに昭和二十一年には一割であり、二十二年には二割であることに比べますと、わずかでありますけれども、その進歩を認めるのであります。
 以上の理由によりまして、われわれはこのたびのこの法案の通過に賛意を表するのであります。しかし労働者の現在のような生活のきわめて困難なる時代におきましては、できるだけその生活を樂にするために、政府においても将來保險財政を健全化する運営措置を講ぜられて、その好轉次第、できるだけすみやかにこれを低減いたすことができるように十分に努力あらんことを切望する次第であります。
#10
○床次委員 私は民主党を代表しまして、この法案に賛成するものであります。しかしながらこの法案自体、この改正は私はまことに、不本意なもので、でき得べくんばこれを他の方法によつて行いたいと考えるのでありますが、すでに政府の財政計画、予算等もきまつておりますので、やむを得ないと存じまして賛成いたすものであります。
 但しこれに対しまして私は強く三点要望いたしたいと思います。その二点は青柳委員からさらに希望されますから、私に簡単に申しますが、なるべくすみやかに今回の不合理な初診料の徴収あるいは保險料率の引上げということに対しましては、今後これを中止するようなな方法をとつていただきたい。第二点といたしましては厚生年金の積立金の運用に関しまして、政府に要望いたしたい次第であります。それから第三としてお願いいたしたいのは、今日の時局におきましては将來健康保險の被保險者におきまして、失業をするおそれなしとしないのであります。また現に健康保險にかかつておりましても、初診料の支拂い等につきましては、あるいはこれを苦痛に考える者も出て來ると思うのであります。この者に対しまして医療が行われないということのないように考慮していただかなければならないと存じます。
 なお社会保險の一部として行われる國民健康保險につきましても、この際触れたいのでありますが、國保につきましては一部負担の制度が行われておりますが、現下の生面難の状況におきましては、次第々々に被保險者がその一部負担を苦痛に考えることになると存ずるのであります。これに対しまして私は何と申しましても、最後において國民の医療を完璧ならしめるものは何かと申しますと、結局生活保護法による医療であると私は考えるのであります。私はこの点におきまして特に生活保護法の施行にあたりまして、遺憾のない施行をやつていただきたいと思います。今日まで、さきに國立病院の特別会計の問題につきましても、すでに議論がかわされたのでありますが、生活保護法はわが國の医療の体系の根本をなしておるのでありまして、これが適正に行われるよう、でき得べくんば生活保護法をこの際積極的に運用されまして、医療に悩む者をなからしむるため、一部需給その他の問題があると思いますが、かかる問題に対しましても、民生委員その他関係者に対しまして、十分な法の徹底を期せられまして、國民保險、健康保險あるいはその他の問題におきまして、十分の法の徹底を得られないものは、生活保護法の最後の線におきまして、十分にこれを救済し、國民の健康を確保するの決心を持つていただきたいと思う次第であります。過般生活保護法その他に関しまして御説明を得たのでありますが、しかしながら非常に消極的な態度をもつてこれに臨んでおられるような印象を受けたのでありまして、私はまことにその点遺憾に考えておる次第であります。ぜひこの機会におきまして生活保護法を十分活用せられまして、他の法規の欠陥を補うようにせられたいことを要請するのであります。ただいまの最後の点は、いずれ青柳委員から要望せられます二点とともに、本委員会の要望としまして御決議あらんことをお願いする次第であります。
#11
○福田(昌)委員 私は社会党を代表たしまして、この改正案におきまして「第四十三條ノ二に次の一項を加える。」この條文の削除を動議として提案いたしたいと思います。
 健康保險が勤労階級の唯一の医療の安易なよりどころであるということは、だれも認めるところでありますが、その勤労階級にとりましての唯一の医療施設であるところのこの健康保險なるものが、さなきだに物価高に生活苦にあえいでおる勤労階級の負担におきまして、その健康保險経済の赤字の補填がなされるということは、何と申しましても黙認するに忍びない点でございます。保險料率を引上げ、さらにまた被保險者に、一部負担金としての支拂いを課するということは、負担が勤労階級にとつて二重に加重されて参るのであります。その意味におきまして私ども社会党といたしましては、この「四十三條ノ二に次の一項を加える。」この項の削除方を要求する次第でございます。委員長におかれましては、この委員会においてただいまの動議の採決をおとり願いたいと思います。
#12
○苅田委員 日本共産党は、ただいま上程されております健康保險法の一部改正に対して、反対を表明いたします。その理由は、問題になつておる健康保險資金は赤字なのでありますが、この赤子がどういうふうにしてできたかということは、從來からの政府の御説明によりましても、またただいまの民自党の代表者からの御発言によりましても明らかなように、一番根本の原因は、今日勤労大衆の生活が非常に逼迫しておるということから來ておるのであります。しかるにこういうような勤労大衆の生活の逼迫からやむをえず健康保險にかからなければならないというような状態を無視いたしまして、かえつて勤労者の生活を樂にするということではなくして、この上にさらに治療に対しまして初診料をとるとか、保險料を引上げるとかいうような方向に持つて行つて、さらに勤労者の生活を重圧するという方法で解決しようとすることは大きな矛盾であります。こういう点から私どもはこの法案に反対するものであります。
 それからまた、保險料の査定の基礎になつておる賃金の値上りよりも、医療費の方がはるかに値上りをしておるために、同じように赤字が出ておるということは、やはり政府や民主党の代表の多の御説の通りなのでありますが、ここで明らかなことは、労働者の賃金があまりにも安過ぎるということが問題なのであります。ところが賃金を引上げる方はそのままにしておいて、この上に労働者からお金を取上げようとしておる。これは明らかに矛盾しておるのでありまして、今日労働者の低い賃金の支給に対しまして、この健康保險が賃金を上まわる医療費を出すことによつて不十分ながら健康保險が、現在社会保險制度の一つとして役割を果しておるというこの現状を無視して、わが國に社会保障制度を確立しようという要求とまさに逆行するような方面がとられんとしておりますので、日本共産党は、今回の改正に対しまして反対するものであります。
 また、新たに労働者に加えられます負担が、四十五円というような軽少なものであるということを理由に、これを強行しようとしておられますけれども、しばしば申しまするように、現在の給料の遅配欠配によりまして、勤労者は百円とか五十円とかいうような賃金を飛び飛びにもらつておるという、まさにようやくにして飢餓を防いでおるというような状態にありまして、これが労働者にとつて大して負担でないということは、非常な暴言であると思うのであります。これでは労働者は安心して医療にかかれない。それでなくても、労働者が最近慢性的な栄養失調状態にありまして、そのために從前は四日か五日でもつてなおつておつた病氣が、一月も二月もかかる、こういう現状にある労働者に対しまして、これではもう健康はますます破壊され、そして國家の医療の機関は、これに対してますます道がせばめられるということになりまして、これは特に國家再建の基礎になつておる勤労者の健康を守るという点に対しまして、大きな問題であると思うのであります。政府は從來から、國立病院特別会計法案によりましても明らかなように、また今後上程される予定であります社会保險珍療報酬支拂基金法の改正に見ましても明らかなように、九原則あるいは予算の要請ということを名にいたしまして、勤労者や貧困者の、それでなくても生活の窮乏のために健康の不安におびえておるこういう人たちに対しまして、大きな重圧をかけようとしておる。ただこういう経済的な破壊ばかりでなくて、健康や生命までも破壊されようとしておるような一連の政策が本國会において行われようとしておる。こういうやり方に対しまして、日本共産党は根本的に反対を表明するものであります。
 なお厚生年金保險に対しましては、私どもは厚生年金保險がその時期の点から言いましても、また保險料率の点から考えましても、非常に欺瞞的な性質を持つておるということを承知いたしております。そうしてこの点につきましては、厚生年金保險の根本的な改正がなされなければならないということを前提といたしました上で、今回の一部改正は、積極的な改悪の点が見られず、わずかではありますが、給付について改良の点が認められますので、條件をつけました上で賛成をいたすもりでございます。なお昨日問題になりました厚生年金の使途並びにそれに加えられます利子の引上げにつきましての要件は、わが党からもこれを希望條件として付加することを要望いたします。
#13
○青柳委員 民自党の態度につきましては、先ほど大石委員からお話がありましたので、私それに何もつけ加えることはございません。またただいま共産党の代表苅田委員からのお話も承りましたが、大石委員のお設で、私は盡きておると思います。別にここにあらためて反対の意をこまごまと表する必要はないと思います。
 ただ、この委員会がこの態度を決するに際しまして、要望の点につきまして、再確認をしていただきたいと存じます。一つは、ただいま苅田委員の御発言がありましたし、昨日は田代委員、私からも要望申し上げた点であります。厚生年金保險の積立金は百億という、実に多額に蓄積されております実情にかんがみまして、これを労働者の福祉施設に運用する措置を講ぜられますとともに、現在の運用利率は、実に三分五厘という低い率であります。この率はあまりに低過ぎますから、これを引上げることを政府に御努力を希望いたします。
 第二は、健康保險法の改正法についての問題であります。これまた昨日の委員会におきまして、私からも強く要望しておつた点でありますが、この法律案中に、保險料率の引上げ及び一部負担金制度の復活があるのであります。現在の健康保險の経済上、財政上より一應やむを得ないものと認められますけれども、ただいま苅田委員からお話がありましたように、勤労者の生計はきわめて困難な実情にあるのであります。それにかんがみまして、私どももでき得る限りこれは避けたいのであります。政府におきましては、何とぞ将來保險財政を健全化する運営の措置を講ぜられまして、その好轉次第、可及的すみやかに保險料率の引上げ、一部負担の復活に関しまして、これを低減し、または廃止する措置を講ぜられるように要望をいたします。
 第三の点につきましては、生活保護法の運用につきまして、床次委員からお話がありましたが、これを第三に入れたいと思います。ここに委員長におかれまして、この二法案を決するにあたりまして、この委員会の態度をきめるに際して、そういう要望があつたということを、たしかに御承知おきを願います。
#14
○堀川委員長 これにて討論は終局いたしました。
#15
○福田(昌)委員 社会党としては、修正動議の採決をお願いいたします。
#16
○堀川委員長 それでは、ただちに健康保險法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の御起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#17
○堀川委員長 起立多数。よつて本案は、原案の通り可決いたしました。
 次に厚生保險法案の一部を改正する決律案につきまして、採決いたします。本案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔総員起立〕
#18
○堀川委員長 起立総員。よつて本案は原案通り、全会一致をもつて可決確定いたしました。
 次に先刻青柳委員より提案のありました厚生年金の積立金に関する要望事項について、これを決定するに賛成の委員は御起立を願いたいと存じます。
    〔総員起立〕
#19
○堀川委員長 起立総員。よつて本要望事項は、協議決定いたしました。右の取扱いの手続に、委員長においてしかるべく取扱いたいと存じますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○堀川委員長 それではさよう決定いたします。
 なお、ただいま可決確定いたしました両案に関する議長に提出する報告書の作成に関しましては、委員長に一任されたいのでありますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○堀川委員長 さよう決定いたします。
#22
○福田(昌)委員 先ほどの討論と前後いたしまして申訳ないのでございますが、私ども社会党といたしましては、「第四十三條ノ二に次の一項を加える」のこの項の削除がない場合におきましての態度というものは、まだ申し上げてありませんから、そのことにつきまして申し上げたいと思います。
 この削除がない場合におきましては、私ども社会党といたしましては、この法律案に対しまして、反対するものでございます。健康保險の適正な運営ということを考えまする場合、ことに保險経済の確立というものを願いまする場合におきまして、私は健康保險の改正に当りまして考慮しなければならない点は、ほかにあるだろうということを考えるのでございます。今日の健康保險の運営の基礎をなしておりまするところの点数料金制度というものが、今日におきまして最高、最良、唯一無二の良策であるかどうかということに、この際において新しく檢討しなければならない問題ではないかと思います。料金制度、点数制度ということに対しまして、私はこの改正案、ことに勤労者階級の負担を過重にするような改正案を考える前に、新しい考慮を拂わなければならない点が先に考慮されなければならないということを痛感するものでしあります。
 また今日医療費が非常に高騰して参つておる。それによりまして、保險経済というものは危機に瀕しておる。医療費の高騰が、保健経済の一つの危機をもたらしたところの原因であるということが言われております。しかし医療費の高騰ということを考えまする場合に、その前に考えなければならないものに、医薬品の高騰があると思います。医薬品の値上りというものに対して、何らの積極的な政策を打つことなくして、医療費の値上りにより、ひいては二次的に起りますところの保險経済の危機ということのみを考え、医薬品に対する対策を忘れておるということは、大きな失態であろうと思うりであります。医薬品の値上りといもものに、昭和九年から十年ごろに比較いたしまして、今日におきましては、普通医薬品においては約三百六、七十倍の値上りを來しておるに反しまして、医療費の値上げというものは、保險料金が單價で十円になしました今日におきましても、五十六倍、六十倍前後の値上りにすぎないということを考えました場合におきまして、健康保險の経済の危機の大きな原因をなしておるものは、医薬品の高騰にあろうということが考えられるのであります。從いまして、健康保險の経済の赤字の補填をするための一部改正であるならば、医薬品の高騰に対しまする適正な対策というものが、まずなされなければならないと私は考えるのであります。
 保險の料金制度の問題、また医薬品の高騰というものを捨ておきまして、ただ單に保險経済の赤字の補填のために、ことにこの危機を救うために保險料率の引上げ、その上にまた被保險者の一部負担金の制度というものを設けることは、私たち勤労階級の今日の生活の窮迫した状態をつぶさに見ております者としましては、絶対に賛成しかねるものでございます。この点におきまして、私ども社会党としましては、健康保險の一部改正のこの法律の原案に対しまして反対するものであります。
#23
○堀川委員長 大臣がせつかくお見えになつておられますから、大臣に何かお聞きしたいことがありましたら、御質問願います。
#24
○岡(良)委員 この機会にお伺いいたしたいと思います。実は先般國民保險組合の方々がお見えになりまして、今度の社会保障制度審議会の中に、われわれの代表が参加させてもらえないのではなかろうかという、懸念をるる申し述べておられました。現在活動状態にある國民健康保險組合の被保險者も約二千七百万名を数えられておるのでありまして、将來の社会保障制度においては、重要な役割を期待されており、この國民健康保險組合系統の代表者を、この社会保障制度審議会の委員にお加えになつておらないならば、ぜひとも加えてやつていただきたいということをまず第一点として伺います。
#25
○林國務大臣 お答えいたします。國民健康保險組合関係の方が、この委員会の委員のうちにたしか一人は入られたと考えております。
#26
○岡(良)委員 重ねてお尋ねいたしますが、先般衆議院におきまして帆足さんが人口調整の問題について、厚生当局の御見解をお尋ねになりましたときの大臣の御答弁では、現在人工妊娠中絶等が相当廣汎に自然のままに行われておるようであるからというふうなお話でございまして、厚生当局といたしまして積極的な手を打つ意図について十分な御言質が得られなかつたように考えておるのであります。この点につきまして、私どもも小委員会を設けまして、人口対策問題についてはいろいろ苦慮いたしておるのでありますが、厚生当局の御方針を伺いたいと思います。
#27
○林國務大臣 人口問題はきわめて重大なものと考えまして、先般参議院の帆足議員からの御質問に対してもお答えいたしたわけでありますが、これを厚生省がどういうように指導するかということは非常にむずかしい問題であると考えまして、まず今日の程度におきましては、妊娠を避けようとするその人のお氣持になつて解決することの方がよいのではなかろうか。こう考えまして先般参議院で帆足議員に御答弁申し上げたわけであります。今日私どもの方でどういう指導をするか、まず妊娠を好まない者に対して間違いのないようにということを保健所などにおきまして指導――指導と言つては少しおこがましいかもしれませんが、万遺漏ないような方法によつてやつて行きたい。そういう方向によつて現在では選んで行きたいと私どもは考えておりまして、政府といたしましてこれをどういうふうにした方がよいかということにまで進むことは今日いかがであろうか。こう考えておるわけであります。
#28
○岡(良)委員 これは一事例でございますが、私の隣縣の福井縣の軍政部の衛生関係の顧問をいたしております厚生関係の專門家の博士がございます。これが先だつても私のところに訪ねて來まして、実はある漁村の婦人團体から衛生講話をしてくれと頼まれた。そこで出かけて行つたところが、産兒調整の問題を話してくれと言われたので、その話は自分の専門であるので一時間ばかりるるお話いたしましたところが、各漁村の婦人團今から連日その講演に引つぱり出されて、自分の本職も忙しくてやれない状態にあるということをしみじみ話しておりました。このろうに現在漁村といわず、農村といわず、また一般労働者の家庭等におきましては、産兒調整の問題は切実な生活の問題として大きくクローズ・アップされております。從いまして、今般参議院あるいは衆議院におきましても、優性保護法等については、政党としても何らかの意図を持つておりますが、厚生省当局におかれましても、こうした國民大衆の切実な生活の要求があるということをお認めいただきまして、積極的な御方途を講ぜられんことをこの際特にお願いをいたします。
#29
○苅田委員 厚生大臣は神経痛がおなおりになりまして、初めて本委員会に姿をお現わしになりましたが、われわれは今後の委員会にに定めし万難を排してお出でいただけると思いますから、本日はこまかい法案の御説明はお願いしないで、現在厚生省がやつておられる厚生行政大方針についてちよつとお聞きしたいのです。
 それは御承知のように、さきに國立病院特別会計法案が國会を通過いたしました。この際にも私どもは、これは必ず困窮者を國家医療の中から締め出すことになるし、これによつて医療も低下する。非常に日本の大衆の健康上にとつて大きな問題だということを警告したのであります。今回の健康保險法の改正につきましても、これはもうすでに政府並びに與党の皆さんもおつしやるように、労働者のそれでなくても苦しい生活の上に重圧を受けるものだと言つて、これに反対しておられるわけなのであります。しかも現在の日本の状態におきまして、こういうものを通過させようとしておる。また今後出される社会保險診療報酬支拂基金法の一部改正する法律案につきましても、同様な医療の制限というふうな方面に大きな危惧を持つておるわけである。こういうふうに一連して今勤労大衆、生活困窮者の健康の破壊の方向に大きな不安が高まつておるわけなのであります。これに対しましては産別を初めあらゆる労働者の組合が反対しております。それから全國の國立病院の患者や、これの医療の担当者もあげて反対しておるような状態なのでありますけれども、これを押し切つて政府が強化しようとしておることに対しまして、國民の健康の責任を持つておられる厚生大臣として、こういう状態に対してどういうお考えを持つておられるかについて御答消をお願いしたい。
#30
○林國務大臣 仰せのことにはごもつともと存じます。先ほどお話もありましたように、國立病院特別会計の問題なとにつきましては、これは独立採算制でやるつもりでおりませんので、その点にとくと厚生省といたしましては考えまして、決して勤労大衆、貧困者というか、そういう方々に対しましての療養につきましては、万遺漏なきを期したいと考えておるわけでありますもなおその他の問題につきましては今日の制度によりまして、そういう方々に対しまする医療の点につきましては十分考慮いたしまして、大衆の方々の御満足の行くような療養のできますような方向に指導いたして行きたいと考えておるわけであります。
#31
○堀川委員長 苅田委員に申し上げますが、実はこの室を一時から他に使うことになつておりますので、できるだけ簡単に圧縮してひとつお願いいたしたいと思います。
#32
○苅田委員 承知いたしました。ただいまのは厚生大臣としてごもつともな御希望と思うのです。しかし実際上は、政府やあるいは與党の方の言つておられるように、明らかにこれが勤労大衆の生活の負担になるということ、これによつては自然にどうしても勤労者は医療法の中から締め出される結果になるということについては、厚生大臣としてはどいうふうなお考えか、そういうふうにならないとお考えなのでありましようか。この点もう一ぺんあらためてお願いしたいと思います。
#33
○林國務大臣 御説の通りに、次第次第に医療の点について、生活の困難になるにつれてきゆうくつな状態になるということは、私ども考えております。しかしながらそれに対しまして、政府といたしましては、そういう方々には遺漏なきように、また遺漏な点がございましたならば、御指摘を仰ざまして、その欠点を補つて行きたいと考えております。
#34
○苅田委員 私どもは法律ができる前にそれを改めていただきたいとお願いしているわけなのですが、どういう場合に改めていただけるのでしようか。
#35
○林國務大臣 どういうようなときに改めるかというのですが、別に改めるというようなことも考えておりませんが、そういうような方々がありましたときには、負担を軽からしめるような方法によつて、治療を完全にやつて行くつもりでおります。特別にどうこうという考えは持つておりません。
#36
○苅田委員 それでは現行の法律によりまして、明らかに勤労者、生活困窮者が非常に不便を來すということがわかりました場合には、本年度中におきましても、できました法律につきましてこれを改正することを考えておいでになり、あるいは追加予算を組むなりして、その不備の点を補うという考えでありましようか。
#37
○林國務大臣 もしそういう重大な問題に立ち至りましたような場合においては、今後の機会などにおいて、これを提案するというようなこともあるかも知れません。しかしながらただいまのところでは、別にそういうことは考えておりません。今の特別会計などの問題につきましても、これはおよそ從來からの経験に基いて、大蔵省とも折衝いたしておりますから、その点については現在の制度における程度において遺憾なきを期するということはもちろんのことでありますが、なおさらに後において、非常に大きな問題が出るような場合におきましては、厚生省といたしましてはとくと考えまして、大衆の方々に累を及ぼさない、また完全なる治療をし得られるように努力いたしたいと考えております。
#38
○苅田委員 厚生省といたしましても、おそらく予算の面では非常に御苦心なすつたと思うのであります。やはり厚生省の責任ある地位の方といたしましては、できるだけ國民の健康、あるいは生活の安定のためにたくさんの予算をとるために努力せられたことと思うのでありますが、私どももその点では、できるだけ厚生省の医療制度に協力したいと考えておつたのであります。それで予算の審議に対しましても、ぜひこの予算をもう少し時間をかけて十分討論伸してきめたいということをお願い申し上げまして、実は委員長の方でも、予算をあらためてまた審議の継続をするという御格言があつたままで、予算の審議が実行されないままに本予算は一括して通つてしまつたわけであります。厚生大臣はその間中、一回も姿をお見せになりませんので、ここの合同委員会でそういうような予算の審議をなされておつたなら、そのために厚生省としてはもつととれたかも知れない、これはわかりませんが、われわれがもつと十分の検討の上で、これを審議して意見を出したいと思つておりましたが、十分なされなかつたということに対して御承知であつたでしようか。それともそういうことに対してどういうふうにお考えになりますか、この点だけお伺いいたします。
#39
○林國務大臣 御承知の通り私も予算につきましては、こまかい問題はよく存じませんものですから、せめて予算の総額の上において、從來はに四%か五%足らずだということを就任早々聞きしたので、私どもはそれ以上に努力をしてせめてその予算額でも大きくとりたいものと考えまして、相当に係官その他とともに大蔵省、安本その他に折衝をいたしてわけであります。総計いたしますと、やはり結論は五%に足るか足らぬくらいな、同じような結果になりました点、はなはだ微力であつて、みずから遺憾に思うばかりでなく、相済まないような感じをいたしております。しかしながら幸いにいたしまして、諸物価が上りましたような関係もありようけれども、金額の上においては若干の結果は現われた。その現われた結果、その金額、その他に基きまして最善の道を講じまして、できるだけの能力を発揮するように今後とも進めて行きたいと考えておるわけであります。
#40
○苅田委員 もう一点、御返答をいただかない点があるのですが、つまりこの委員会で予算の審議がそのように行われたということを御存じであつたのですか。またそういうことについてはどう考えておられるのですか。
#41
○林國務大臣 委員会の状況は絶えず政府委員その他から承つて今日まで進んでおります。
#42
○苅田委員 それについてはどういう考えでしよう。
#43
○林國務大臣 できるだけ努力をいたしたいつもりであります。
#44
○床次委員 私が伺いたいのは、國民の健康の積極的増進方法で、体力向上の問題でありますが、この問題に文部省の体力局におきまして所轄しておられた。私は必ずしもそれで満足していたものではなかつたのですが、今回体力局が整理されまして、各局に分散されるかのように聞いておりまして、非常に残念に思つておるものであります。今日青少年の訓練と申しますか、積極的な体力の増進というものが比較的閑却されておりまする一方、青少年の犯罪が非常に増加しておる。児童福祉法あるいは過般決定をみました少年法があるにもかかわらず、当局においては青少年に対しまする積極的な指導がないことを痛感しておるのでありまして、この機会におきまして、國民の健康の積極的増進を職務としております厚生省の立場において、大臣のお考えを承つてみたいと存じます。
 第二に過般厚生委員会におきましては、衛生行政の重要性にかんがみまして、各地方廰におきまする衛生部は必ずこれは存置して、大いに國民医療のために活動させてもらいたいという強い要望をいたしたのであります。これに直接当委員会の問題ではありませんが、地方自治法に関係しまして、そういう申入れを委員長よりお願いしておるのでありますが、これに関しまして大臣の御意見を承りたいと思います。
 第三に、ただいまですでに数回の議論によつておわかりになつておることと思いますが、生活保護法というものは今後わが國り社会問題として、非常に大きな役割を果すものだと感ずるのであります。特に今年あるいは近き将來において、生活保護法をもつてほとんど國民の苦悩の最小限度が確保されるか、あるいはできないかという大きな問題になるのでありまして、これは形式的な法規の施行のみならず、関係者に対しましては特に慎重な態度をもちまして、円満にあるいは十二分に國民に対してその手が届くよう御配慮をお願いしたいと存ずるのであります。
#45
○林國務大臣 ただいま床次委員からのお話の通りに、保健の問題は、ことに子供らにつきまして、あるいは青年と申しますか、そういうものにつきましては、大いに注意をしなければならぬと考えております。そのうちに文部省の体力局あたりが整理さられたようなお話でありますが、これは今日の行政整理の上において、よんどころなかつたかと考えますが、その実施につきましては、文部省といたしましては相当のお考えがあろうかと考えます。その点につきましては厚生省といたしましては、今後よく連絡をとりまして、厚生行政の目的を達するように努めて行きたいと考えております。
 それから、一番目は、私つい御質問の点を聞き漏らしましたから、第三点につきまして申しますと、生活保護法の問題について、私どもよく耳にいたしますことは、地方で負担しなければならないために、どうも地方から保護すべき者の証明を出さないようなうわさを聞いております。そういうようなことは、われわれ監督の立場といたしまして、今後決してないようにいたしまして、その必要に應じましては進んでこれを指導いたすように努めて参りたいと考えております。
#46
○床次委員 第一番目の点は、各地方廰におきまする衛生部存置の問題であります。当委員会でも強く要望いたしておりますので、ぜひ存置方に対しまして御努力を願いたいと思います。
#47
○林國務大臣 ただいまのお話の衛生部の問題につきましては、しきりに厚生省の方にも、電報その他書面によりましての陳情、そのた上京して來られる方々にお目にかかることが多いわけであります。この点につきまして幸いにいたしまして、今度の國会におきましては問題になつておりません。從つて地方の問題としてそういうようなことが起きることがあり得るかと思われることに、私どもも行地方において、民生と衛生と一緒になつて、中央の厚生省でやつておりますと同じようなぐあいに地方でもやられるのではないかというような議論も、いずれ起つて來るような場合があるかもしれぬと考えます。しかしながら昨今衛生の問題につきましては、特にわれわれ考えなければならね立場にありますのと、ことに予防の問題につきまして、昨今において非常にいい成績を得まして、前年から見ますと約四分の一にまで傳染病患者が減つているというような点につきましても、これは衛生部が相当に活躍せられた功績であろうかと考えます。從いましてわれわれは、そういう問題が起りましたにつきましては、極力衛生部というものを地方に存置いたしまして、地方の衛生の完全を期するようにいたしたい。私ども厚生省におります間は、この点については今後整理の問題がかりに起きたといたしましても、極力これを存置いたすように努力をいたしたいと考えております。
#48
○田代委員 京都のジフテイア問題でありますが、承るところによりますと、この責任は政府が負わなければならぬというので、過ぐる國会において國務大臣が謝罪するということを明言されたやに承つております。ところが現地におきましては、その後何らの謝罪というようなことがなされていない。これは大体どういうことであるかという声が盛んに起つておるのでございますが、これに対してどういう処置をされたか。それから依然として責任の所在がはつきりいたしていないということが、現地から強く言われておるのであります。経済的な面から申しますと、この前の報告を承りますと、大作死亡者に対しましては五万円、死亡されない罹災者に対しましては一千円から三千円ばかりの見舞金が出ております。ところが実際に承りますと、島根なんかの例におきましては、五万円出すと言つておりながら、まだ実際においてに一万円しかもらつていないというような話もあるのであります。かりにまるまる五万円お出しになつたといたしましも、これは私たちが強く主張しておりますように、とても人の命を五万円なんかの見舞金で見過ごすことは言語道断の話でありまして、現地の実際における罹災者の遺族の方々は、大体三十万円くらいを要望されておる。そしから被害者の方々は十万円見当を要望されておるというように承つておりますが、これに対して政府はどういう処置をとらんとしておられるか、またとつておられるかという点であります。
 それから責任者の問題でありますが、大体薬の製造業者だけに苛酷に責任を追求されておる。むしろ政府自身が中心的な責任を負うべきではないか。むしろこういう事件が発生いたします根本原因は、ただそういう業者の操作が非常に間違つておつたとか何とかいうことでなくして、現在の官僚機構それ自体の腐敗堕落、業者とあるいは納托するとか、不正な政党ボスと結托して、そこに非常な不正事件が行われるというようなことから官紀が非常に弛緩するのでありまして、そういううわさを私たちはひんぴんとして承つております。そういう官僚機構の腐敗堕落というような点が是正されないことには、こういう事件は頻発する危險があるのであります。こういう点に関しましては政府はどういうふうにお考えになつておるかという点であります。
#49
○林國務大臣 ジフテリアの問題は、私が就任いたしまて一番遺憾に考えた問題であります。しかしながら私はそれについて、謝罪をいたすがごとき言辞をはつきり申上げたことはございません。責任をとるにおきましては、もし私どものときにおきましてそういう問題が起きたものといたしまするならば、私もちろん責任をとります。しかしながらできました事柄が、私どもの就任いたしまして早々できた問題でありまして、製薬その他の責任につきましては、私ども就任以前の問題であつたのであります。
 それからなお責任の問題につきましてお話がありました。つまり製薬その他については、今刑事問題になつて、私の名前によつて起訴になつております。從つてその結果を見るにあらずんば、私どもとやかく申し上げることはできません。しかしながらこの予防、その他の関係に基きまして、その責任をとるべき経路にあられる人は、すでに責任をとる意思表示をいたしております。その結末につけられた上において、本人が責任をとられることになつております。從つて私どもがこれが責任をとることは、自分の時であれば当然のことと考えますけれども、たまたま起きたのは私が就任をいたしたということによつてそういうことになつておりますだけ、私ども責任をとる必要はあるまいかと今日考えておるわけであります。
 なおジフテリヤの問題について、患者の問題でありますが、もちろんかわいいお子さんの御生命のことでありますから、金額によつてこれは云々すべきところの問題ではございません。しかしながら今まで種々の方面で起きました事情を十分斟酌いたしまして、今まで政府から五万円、そのほかから出ましたものが二万五千円、それで七万五千円のものが出ております。それからなお府、市その他に対しては多大の御迷惑のかかつたことを考えまして、でき得るだけの方法を設けまして府、市に多くの負担のかからないようにということにつきまして努力をいたしました。なお今日大蔵省の方に対して努力をいたしております。なお予算にも物質上にも関係する問題でありますので、ただ厚生省の方といたしましても大蔵省との折衝もございましたので、これを全部打切つてしまつた問題にあらずして、事務的に今日におきまして、何とかしていま少し出し得られる問題ではなかろうかということで折衝いたしておる今の実情になつております。それはせめて総額で十万円くらい與えられるようになればという気持で、私どもは大蔵省といまなお折衝中にあるわけであります。
 それから島根縣の方のお話があつたようでありますけれども、決して一万円くらいしか行つておらないということは、役所の方ではないはずであります。その点は御注意もありましたので、とくとさつそく調べまして、先般もそういうお話を京都とそれから島根縣の罹災者の父兄の方が見えられましてお話がありました。さつそく調べてみましたところが、島根縣において決してそういうことはない、こちらの方としてはすでに金をやつておるはずだ、こういうことでありましたので、今間におきましてはそういうお話までもなく、当然われわれの支出すべき今日の立場の金額というものはすベて出ておる。なお懸案になつているものだけは少し残つているかと思いますが、京都と島根縣と区別をいたしているようなことはございません。それですから、もし御本人のところへ届いておらないものとすれば、厚生省としては島根縣の方に渡し、島根縣の方の関係においてまだ渡つておらぬということでありますれば、なお取調べをいたしまして、ただちに罹災者の方々にお手渡しのできるようにとりはからいたいと考えております。
#50
○田代委員 十万円というのに死亡者ですね。
#51
○林國務大臣 そうです。
#52
○田代委員 死亡されない方に対しましては、どれくらいの金額でありますか。
#53
○林國務大臣 それはおよそ一人のところへ一万円くらいであつたかと思いますが、重傷者も軽傷者もいろいろありますから、その点について京都の方刀の当局もよく打合せまして、こちらの出し得られるだけのものを出してさしあげたい、こういうつもりでいるわけであります。
#54
○田代委員 責任をとられるという心持を持つておる方がおありだという御答弁でございましたが、それはどういう方でございますか。
#55
○林國務大臣 それは予防局長が責任をとられているわけであります。それから次官の問題もお考えになられるでしようが、次官に就任いたしましたのがそういう事件から後であつたというので、すでにその当時の方々は役所におられなかつたようなわけであります。
#56
○堀川委員長 なお本日は民生委員連盟の方々がお見えになつておりますので、午後一時からこの部屋で懇談いたしたいと存じております。委員諸君の方々もできるだけ御出席を願いたいと存じます。
 本日はこの程度で散会いたします。
    午後零時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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