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1949/05/12 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第18号
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1949/05/12 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第18号

#1
第005回国会 厚生委員会 第18号
昭和二十四年五月十二日(木曜日)
    午後三時三十三分開議
 出席委員
   委員長 堀川 恭平君
   理事 福田 昌子君 理事 床次 徳二君
   理事 田代 文久君 理事 逢澤  寛君
      青柳 一郎君    今泉 貞雄君
      田中 重彌君    中川 俊思君
      奈良 治二君    西村 直己君
      畠山 鶴吉君    丸山 直友君
      岡  良一君    堤 ツルヨ君
                苅田アサノ君
 出席政府委員
        厚生政務次官  亘  四郎君
        厚生事務官
        (保險局長)  宮崎 太一君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  東 龍太郎君
        厚生事務官
        (医務局次長) 久下 勝次君
 委員外の出席者
        厚生事務官   友納 武人君
        專  門  員 川井 章知君
        專  門  員 引地亮太郎君
    ―――――――――――――
五月十二日
 死体解剖保存法案(内閣提出第一六五号)(参議
 院送付)
同月十日
 國民健康保險法の一部改正に関する請願(床次
 徳二君紹介)(第一四七〇号)
 乳兒院及び託兒所増設の請願(戸叶里子君紹
 介)(第一四七一号)
 未亡人の保護に関する請願(戸叶里子君紹介)
 (第一四七二号)
 社会保險診療報酬支拂基金法一部改正に関する
 請願(江崎一治君紹介)(第一五〇六号)
 保育施設増設に関する請願(苅田アサノ君外三
 名紹介)(第一五四四号)
 厚生年金保險の積立金運用に関する請願(松谷
 天光光君紹介)(第一五四五号)
 伊豆逓信病院職員の待遇並びに厚生施設改善に
 関する請願(白井佐吉君外二名紹介)(第一五
 四六号)
 遺族に対する援護対策確立に関する請願(岩本
 信行君紹介)(第一五四七号)
 同(薬師神岩太郎君外二名紹介)(第一五四八
 号)
 同(澁谷雄太郎君紹介)(第一五四九号)
 同(青柳一郎君紹介)(第一五五〇号)
 社会保險行政職員の身分を地方自治体に切替の
 請願(田代文久君外二名紹介)(第一五六二
 号)
 同(門司亮君紹介)(第一五六三号)
 國立療養所高山莊独立に関する請願(岡村利右
 衛門君紹介)(第一五六八号)
 身体障害者福祉法制定促進の請願(岡良一君紹
 介)(第一五七四号)
同月十二日
 國立病院独立会計制反対の請願外一件(羽田野
 次郎君紹介)(第一五七七号)
 多井畑結核療養施設國営移管に関する請願(首
 藤新八君紹介)(第一五七九号)
 保育施設増設に関する請願(苅田アサノ君紹
 介)(第一六二三号)
 戦災遺家族の保護に関する請願(苅田アサノ君
 外一名紹介)(第一六四三号)
 付会保險行政職員の身分を地方自治体に切替の
 請願(松谷天光光君紹介)(第一六五九号)
の審査を本委員会に付託された。
同月十日
 兒童福祉法一部改正の陳情書(大阪府知事赤間
 文三)(第三七八号)
 遺族の援護対策確立に関する陳情書(福岡縣遺
 族請願委員長中尾光造)(第四三六号)
 厚生年金保險積立金の融資再開に関する陳情書
 (都道府縣会議議長会代表石原永明)(第四三
 九号)
同月十一日
 罹災者の生活資金補給に関する陳情書(千葉縣
 野田町高木虎尾)(第四六〇号)
 兒童福祉法一部改正の陳情書(東京都港区芝公
 園二号地東京保育連合会長青柳義千代外百三十
 四名)(第四七四号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 社会保險診療報酬支那基金法の一部を改正する
 法律案(内閣提出第七四号)
 死体解剖保存法案(内閣提出第一六五号)(参
 議院送付)
 一 國立冨士病院施設拡充の請願(宮幡靖君紹
   介)(第二号)
 二 國立都城病院施設拡充の請願(瀬戸山三男
   君紹介)(第四四六号)
 三 國立國府台病院施設拡充の請願(澁谷雄太
   郎君紹介)(第七五一号)
 四 國立湊病院の不正事件解決促進に関する請
   願(田代文久君外二名紹介)(第一三三一
   号)
 五 山形市に國立結核療養所設置の請願(小野
   孝君紹介)(第三五四号)
 六 國立病院看護婦の勤務に関する請願(田代
   文久君外一名紹介)(第九一二号)
 七 同(松谷天光光君紹介)(第九一三号)
 八 國立病院看護婦の勤務に関する請願(大石
   武一君紹介)(第一二〇七号)
 九 國立療養所高山莊独立に関する請願(岡村
   利右衛門君紹介)(第一五五六八号)
一〇 國立療養所予算増額に関する請願(丸山直
   友君紹介)(第九九二号)
一一 香川縣立病院の施設拡充費國庫補助及び起
   債認可の請願(福田昌子君紹介)(第一二
   八六号)
一二 看護婦会の営業継続等に関する請願(田口
   長治郎君紹介)(第一一〇号)
一三 兵庫縣看護婦協会並びに看護婦共同宿舎認
   可に関する請願(原健三郎君紹介)(第九
   一四号)
一四 保健婦檢定試験に臨時特例設定の請願(吉
   田省三君紹介)(第一一一号)
一五 保健婦檢定試験に臨時特別設定の請願外三
   件(吉田安君紹介)(第二〇七号)
一六 患者自治会解散指示撤回に関する請願(松
   谷天光光君外四名紹介)(第四五一号)
一七 結核回復者の後保護に関する請願(松谷天
   光光君外四名紹介)(第四五二号)
一八 朝鮮引揚医師及び歯科医師の受験資格に関
   する請願(四脇勝太郎君紹介)(第六二一
   号)
一九 興亜医学館卒業生に医師免許証下附の請願
   (大石武一君紹介)(第三九三号)
二〇 柔道整復業者の追試驗施行に関する請願(
   塚原俊郎君紹介)(第八一九号)
二一 療術行偽者に檢定試驗施行の請願(岡村利
   右衞門君紹介)(第一一二二号)
二二 あんま、はり、きゆう、柔道整復等営業法
   の一部改正に関する請願(庄司一郎君外四
   名紹介)(第一二八八号)
二三 あんま、はり、きゆう、柔道整復等営業法
   の一部改正に関する請願(田代文久君紹
   介)(第一三三四号)
二四 傷病者の給食費國庫負担徹底に関する請願
   (岡良一君紹介)(第五三四号)
二五 帰還者更生に関する請願(岡良一君紹介)
   (第一八二号)
二六 引揚者受入体制強化並びに遺
   族救済に関する請願(立花敏男君紹介)(
   第三五六号)
二七 社会事業基本法制定に関する請願(堀川恭
   平君外二名紹介)(第二六四号)
二八 社会保障制度確立に関する請願(松谷天光
   光君紹介)(第八一八号)
二九 生活保護法改正に関する請願(松谷天光光
   君紹介)(第九一八号)
三〇 消費生活協同組合法の一部改正に関する請
   願(松澤兼人君外三名紹介)(第一一〇四
   号)
三一 消費生活協同組合育成に関する請願(足立
   篤郎君紹介)(第一三〇二号)
三二 蔵王山を國立公園に指定促進の請願(庄司
   一郎君紹介)(第六号)
三三 蔵王山を國立公園に指定促進の請願(庄司
   一郎紹介)(第一一八号)
三四 妙高高原一帯を国立公園に指定の請願(塚
   田十一郎君紹介)(第一〇五号)
三五 十二湖を国立公園に指定の請願(清藤唯七
   君紹介)(第二七五号)
三六 徳山湾を國立公園区域に編入の請願(受田
   新吉君外二名紹介)(第三一五号)
三七 出羽三山一帯及び庄内海岸地帯を國立公園
   に指定の請願(上林與市郎君紹介)(第一
   〇八八号)
三八 屋久島を國立公園に指定の請願(岩川與助
   君紹介)(第一二八七号)
三九 屋久島、櫻島一帯を國立公園に指定の請願
   (床次徳二君紹介)(第一三一五号)
四〇 おむつ資材配給に関する請願(近藤鶴代君
   紹介)(第五三号)
四一 兒童厚生施設費國庫補助の請願(青柳一郎
   君紹介)(第三二七号)
四二 孤兒及び浮浪兒等の育英事業振興に関する
   請願(大石ヨシエ君紹介)(第一四二一
   号)
四三 乳兒院及び託兒所増設の請願(戸叶里子君
   紹介)(第一四七一号)
四四 保育施設増設に関する請願(苅田アサノ君
   外三名紹介)(第一五四四号)
四五 片山病撲滅対策に関する請願(森戸辰男君
   紹介)(第一三七号)
四六 岩ヶ崎町のワクチン注射による躍病兒の診
   療に関する請願(高橋清治郎君紹介)(第
   六六四号)
四七 クリーニングの大衆化等に関する請願(佐
   伯宗義君外一名紹介)(第三七六号)
四八 温泉湧出口保護施設に関する請願(林好次
   君紹介)(第八六五号)
四九 天人峡に温泉町設置の請願(林好次君紹
   介)(第九一九号)
五〇 國民健康保險法の一部改正に関する請願(
   保利茂君紹介)(第一二〇八号)
五一 社会保險行政職員の身分を地方自治体に切
   替の請願(田代文久君外二名紹介)(第一
   五六二号)
五二 同(門司亮君紹介)(第一五六三号)
五三 公衆浴場用燃料費補助に関する請願(松浦
   東介君紹介)(第九九号)
五四 伊豆逓信病院職員の待遇並びに厚生施設改
   善に関する請願(白井佐吉君外二名紹介)
   (第一五四六号)
五五 國立病院独立会計制反対の請願(船田享二
   君紹介)(第一四六号)
五六 國立病院独立会計制反対の請願外二件(田
   代文久君外一名紹介)(第六六一号)
五七 國立病院独立会計制反対の請願(澁谷雄太
   郎君紹介)(第七五二号)
五八 國立病院独立会計制反対の請願(田代文久
   君外三名紹介)(第八二六号)
五九 國立病院独立会計制反対の請願(池田峯雄
   君外一名紹介)(第九一五号)
六〇 同(田代文久君外一名紹介)(第九一六
   号)
六一 國立病院独立会計制反対の請願(田代文久
   君外一名紹介)(第一一五四号)
六二 同(林百郎君紹介)(第一一五五号)
六三 國立病院独立会計制反対の請願(福田昌子
   君紹介)(第一二四一号)
六四 遺族の援護対策確立に関する請願(降旗徳
   弥君紹介)(第三七七号)
六五 遺族の援護対策に関する請願(床次徳二君
   事紹介)(第四三三号)
六六 遺族の援護対策確立に関する請願(川野芳
   満君外四名紹介)(第五〇五号)
六七 遺族の援護対策確立に関する請願(益谷秀
   次君外三名紹介)(第八一〇号)
六八 遺族の援護対策確立に関する請願(池見茂
   隆君紹介)(第一〇七三号)
六九 遺族の援護対策確立に関する請願(福田昌
   子君紹介)(第一三〇一号)
七〇 遺族に対する援護対策確立に関する請願(
   岩本信行君紹介)(第一五四七号)
七一 同(薬師神岩太郎君外二名紹介)(第一五
   四八号)
七二 同(澁谷雄太郎君紹介)(第一五四九号)
七三 同(青柳一郎君紹介)(第一五五〇号)
七四 戰争未亡人及びその遺兒に対する最低生活
   保障の請願(井出一太郎君外一名紹介)(
   第三九二号)
七五 戰争未亡人及びその遺児救済に関する請願
   (岩川奥勤君紹介)(第一三一七号)
七六 戰爭未亡人の生活保障に関する請願(志田
   義信君紹介)(第五三二号)
七七 未亡人の保護に関する請願(戸叶里子君紹
   介)(第一四七二号)
七八 厚生年金保險の積立金運用に関する請願(
   前田種男君紹介)(第六二二号)
七九 厚生年金保險の積立金運用に関する請願(
   田代文久君外一名紹介)(第一二三五号)
八〇 厚生年金保險の積立金運用に関する請願(
   松谷天光光君紹介)(第一五四五号)
八一 健康保險組合事務費全額國庫負担の請願(
   青柳一郎君外一名紹介)(第六二六号)
八二 健康保險組合に対する國庫補助増額の請願
   (福田昌子君紹介)(第八六三号)
八三 健康保険組合に対する國庫補助増額の請願
   (青柳一郎君紹介)(第一三三三号)
八四 健康保險法の運営に関する請願(田代文久
   君外一名紹介)(第一二三四号)
八五 國民健康保險法の一部改正に関する請願(
   寺本齋君外一名紹介)(第一二八五号)
八六 國民健康保險法の一部改正に関する請願(
   坂本泰良君紹介)(第一三三九号)
八七 國民健康保險法の一部改正に関する請願(
   床次徳二君紹介)(第一四七〇号)
八八 社会保險診療報酬支拂基金法一部改正に関
   する請願(丸山直衣君紹介)(第一〇三一
   号)
八九 社会保險診療報酬支拂基金法の一部改正に
   関する請願(江崎一治者紹介)(第一二三
   三号)
九〇 社会保險診療報酬支拂基金法一部改正に関
   する請願(江崎一治君紹介)(第一五〇六
   号)
九一 健康保險法及び生活保護法による診療報酬
   支拂促進等に関する請願(松永佛骨君紹
   介)(第一二三六号)
九二 健康保險法及び生活保護法による診療報酬
   支拂促進等に関する請願(田代文久君外四
   名紹介)(第一三三五号)
九三 同(冨永格五郎君外一名紹介)(第一三三
   六号)
九四 同(堤ツルヨ君紹介)(第一三三七号)
九五 優生保護法の一部改正に関する請願(武藤
   運十郎君外一名紹介)(第一一二一号)
九六 船員失業保險料引下に関する請願(闘谷勝
   利君紹介)(第一一三五号)
九七 優生保護法の一部改正に関する請願(床次
   徳二君紹介)(第一〇六二号)
九八 優生保護法の一部改正に関する請願(松永
   佛骨君紹介)(第一三三八号)
九九 國立身体障害者更生指導所設置法制定促進
   の請願(岡良一君紹介)(第一五七四号)
  日程追加
 一 國立病院独立会計制反対の請
 願外一件(羽田野次郎君紹介)(第一五七七
 号)
 二 多井畑結核療養施設國営移管に関する請願
 (首藤新八君紹介)(第一五七九号)
 三 保育施設増設に関する請願(苅田アサノ君
 紹介)(第一六二三号)
 四 戦災遺家族の保護に関する請願(苅田アサ
 ノ君外一名紹介)(第一六四三号)
 五 社会保險行政職員の身分を地方自治体に切
 替の請願(松谷天光光君紹介)(第一六五九
 号)
  陳情書
 一 寒冷雪害地の生活援護に関する陳情書(新
   潟縣議会議長兒玉庵太郎外七名)(第一〇
   号)
 二 遺族の援護強化に関する陳情書(奈良懸遺
   族厚生会長坂口義一)(第三二号)
 三 引揚者援護に関する陳情書(高知懸協議会
   長桃井直美)(第四四号)
 四 成人体質檢査法並びに懸條令設定の陳情書
   (和歌山縣議会議長内田安吉)(第四六
   号)
 五 民生委員に対する手当増額の陳情書(北海
   道廳留萌支廳官内町村会長新保福治)(第
   六三号)
 六 兒童福祉法一部改正の陳情書(岡山縣社会
   業協会長西岡廣吉)(第八七号)
 七 母子保護施設に関する陳情書(東京都新宿
   区原町三丁目八番地山田わか)(第九二
   号)
 八 保健所の拡充強化に関する陳情書(愛知縣
   議会議長大見爲次外六名)(第一〇三号)
 九 神辺町に片山病研究所建設に関する陳情書
   (廣島縣深谷郡御幸村長三好與一郎外八
   名)(第一〇九号)
一〇 遺族の援護強化に関する陳情書(山梨縣東
   山梨郡岡部村松木内藤勝三郎外六千六百二
   十名)(第一二一号)
一一 國立病院に対する特別会計制度実施反対の
   陳情書(全日本國立医療労働組合中國地方
   協議会長林國治)(第一八八号)
一二 遺族の援護強化に関する陳情書(静岡縣庵
   原郡袖師村字嶺千四百六十番地長島銀藏外
   十二名)(第二二八号)
一三 優生参保護法一部改正の陳情書(京都市左
   京区田中樋の口五十一番地近畿婦人團体協
   議会代表渡辺あい子外一名)(第二三二
   号)
一四 國立病院に対する特別会計制度実施反対の
   陳情書外二件(函館市長宗藤大陸外三名)
   (第二四二号)
一五 クリーニング業の大衆化等に関する陳情書
   (東京都中央区銀座西八丁目五番地全國ク
   リーニング協会内高橋保之)(第二四六
   号)
一六 癩特効藥プロミンの癩患者施療に関する陳
   情書(群馬縣吾妻郡草津町藤田武八外五百
   十名)(第二六五号)
一七 京都市のジフテリア予防注射事故に関する
   陳情書(京都府知事木村惇外三名)(第二
   六八号)
一八 保健婦檢定試験に臨時特例設定の陳情書(
   日本助看保協会佐賀縣支部保健婦部長桑原
   つたえ)(第二六九号)
一九 民生委員法一部改正の陳情書(全國町村会
   長伊藤幟)(第三四七号)
二〇 兒童福祉法一部改一正の陳情書(大阪府知
   赤間文三)(第三七八号)
二一 遺族の援護対策確立に関する陳情書(福岡
   縣遺族請願委員長中尾光造)(第四三六
   号)
二二 厚生年金保險積立金の融資再開に関する陳
   情書(都道府縣会議議長会代表石原永明)
   (第四三九号)
日程追加
一 罹災者の生活資金補給に関する陳情書(千葉縣野田町高木虎尾)(第四六〇号)
二 兒童福祉法一部改正の陳情書(東京都港区芝公園二号地東京保育連合会長青柳義千代外百三十四名)(第四七四号)
    ―――――――――――――
#2
○堀川委員長 これより会議を開きます。
 まず社会保險診療報酬資拂基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑を許します。岡委員。
#3
○岡(良)委員 宮崎さんにお尋ねいたします。不勉強で恐縮でございますが、予託金の納入の期日は大体全國的にどういうように取扱われておりますか。
#4
○宮崎政府委員 予託金は前三箇月の最高の報酬額を元といたしまして、前の月にいただいておるわけです。
#5
○岡(良)委員 そうしますと、この間改正になつた支拂の遅延に対する延滞利子は、そのきめられた日に納入しなかつたら、その日以後延滞利子が課せられるのでありますか。
#6
○宮崎政府委員 さようでございまして、督促状を出しまして、その督促状が到着しましてから延滞利子を拂うわけでございます。
#7
○岡(良)委員 保險料率が引上げられましたし、また標準報酬も改正になつたり、初診料も徴集する等、いろいろ改正になつたわけでございますが、そういうふうにいたしまして保險料の収入も相当増すかと思いますが、本年度における健康保險の財政面から見まして、大体収支の点につきましてどういうふうなお見通しを持つておられますか。
#8
○宮崎政府委員 大体本年度といたしましては、標準報酬を五千円と見まして、保險料率を五%と見まして年額が九十五億円くらいになつておりますが、医療費はそのうち八〇%ぐらいを見込んでおります。そういたしますると、年に七十五億になりまして、月に六億余りになるわけでございますが、それくらいの医療費を見込んでおりまして、大体今までの計算によりますると、一番高いので五億六千万円くらいになつておりますので、この調子で参りますと、一部負担等もございますが、大体その関係で間に合うのではないかというふうに思つておりますし、また最近の調査によりますと、診療費の上り高も大分固定して参りまして、今までのように月を重ねるごとに一億増すというような上昇率でないようになりましたので、大体まかない得るのではないかと信じております。
#9
○岡(良)委員 そういたしますと、大体毎月保險料と支出とバランスがとれるというふうなことでありますと、予託金を一箇月半分いただくということは、中小の工場に対しては苛酷ではないかと思うのですがいかがですか。
#10
○宮崎政府委員 大体今のままで参りますと、六億くらいで予算ができておりまするが、診療費の方が五億六千万円くらいでございまして、それが上つて参りますると、一月では間に合わない。こういうことになりますが、上つて参りませんと仰せの通り一月で間に合う、こういう情勢でありますが、從来の経過等から見ますると、予託金が全部入ることはほとんど皆無でありまして、若干のずれがございまするし、それから今診療の件数、点数等の増加がやや頭打ちいたしておりますけれども、まだ若干上る形勢も見受けられますので、一月半をもらつておきますれば從來のように停滯することがない。こういう考えで一月半にいたしたのでございます。
#11
○岡(良)委員 從來の保險料の支拂いが、大体月中均六割前後というようなことを承つたのでありますが、そこへ今度は延滯利子を國税と同程度に課して、その上一月半の予託金をやつてもらう。これで政府の方といたしまして、昨年保險料が收入見込みの六割にも満たなかつた根本的な原因がどこにあるか。その点をどういうふうにお考えでございましようか。
#12
○宮崎政府委員 ただいまの岡委員の御質問でございますが、これは二通りありまして、一つは政府管掌の分にいたしますと、工場からの保險料の問題が一つと、それからその保險料が集まりましたならば、それを政府がもらつで、政府が基金へ一箇月半納めるわけであります。それから組合管掌の分になりますと、組合で保險料を事業主からとります。そうして基金へ予託金を納める。こういうことになつておりますので、岡先生の今のお話は基金の手証金と保險料の取上げと両方のことがやや混同しているのではないかと思いますが、保險料の取上げの方は、政府管掌においては政府の責任でありまして、それが遅れましたときには、國税と同じような延滯料をとるわけであります。それから組合の方の基金に納めまする予納金につきましては、國税と同じように扱います。ただ組合から基金に納めるのが督促状をもらつてから遅れておりますと、契約によりまして利子をとるこういう形になつているわけであります。そこで保險料の滯納状態でありますが、大体保險料と申しますものは、從來の経験によりますと年度の当初がなかなか納まりませんで、六〇%、七〇%、七五%というような調子で普通の月はありまして、それから一月以後においてだんだん納める方が増して参りまして、そうして年度末にはこれを大部分事納める。こういう形になつておりますが、二十三年度におきましては、今の計算では九五%保險料は政府に納入済みでございます。
#13
○岡(良)委員 審査委員会のことについてお尋ねいたしたいのでありますが、聞きますると社会保險診療協議会というような名前の組織が都道府縣にできたそうでございまして、これがその後もできて今はどういう人がお仕事を今日までやつておられるのでありますか。
#14
○宮崎政府委員 診療協議会につきましては、中央におきましては診療協議会を開きまして、そうして今後の方針等を決定し、診療方針につきまして小委員会を設けて、保險診療の方針を先般決定いたしました。地方は中央の方針に基きまして、地方の協議会におきまして、いろいろその孫におきまする診療方針等について協議をいたしております。それが一つと、先般監査等を行つたのでありますが、保險医の監査等につきまして、縣当局からの諮問を受けまして、保險医の現状をよく調査し、あるいは不当なるものにつきましては、これに戒告を加え、不正なるものについては除名等の処分をするというような点を審議いたしておるような次第でございます。
#15
○岡(良)委員 それで保險料の指導あるいは診療の適正化、方法、宣傳というようなことがあの規定にはうたつてあるようでありますが、私どもの考えではやはり都道府縣の社会保險診療協議会、こういう組織が具体的に、指導的には年一度の大ざつぱな監査というようなことももちろん重要なものでありますが、やはりかなり頻繁に診療内容の適正化のための監査を行い、ひいては診療のための医療報酬の適正化のための監査に、その組織体がみずから営んでデーターを得て、そのデーターを基礎として保險診療の適正化指導というふうなことに乘出して行くというふうな組織になるのがほんとうじやないか、こう思うのですが、いかがですか。
#16
○宮崎政府委員 診療協議会は政令で規定してありまする通りでございまして、保險医の指導監督をやる機関でございますが、それは厚生大臣または地方長官の諮問を受けまして、保險医の診療の内容につきまして、適正をはかるような調査研究をするのでございまして、大体におきまして私どもの考えといたしましては、診療協議会は社会保險診療の方針を決定する。その方針に基きまして、保險医が保險診療を担当されて、そうしてでき上つたものについては請求書を基金へお出しになる。請求書はその基金の方におきまして、適正なりや否やを調べまして、そうしてすみやかに診療報酬をお支拂いをする。こういうことになつていると信じておるのでございます。
#17
○岡(良)委員 ただ私ども非常に懸念いたしますのは、やはり指導と、そうして実際具体的な審査、指導行為というものと審査というものとは、切離して実際面において考えられないことだと思うのであります。今度の改正案によりますると、支拂いと審査がきわめて密接しておる。指導と審査、監査が統一されて、そうして協議会がそういう基盤の上に立つて十分な医療の指導に乘出して行くという形が健康保險の民主的運営という観点から見て一番望ましいのではないかと思います。そうして私どもこの審査委員会に対して、どうもうなずきかねる点を率直のところ感じておるのでございますが、どういうものでございましようか。実際問題といたしまして、地方でこれまでいろいろな委員会のようなものが他の部面でできておりますが、しかしたとえばこの改正法案に盛られている審査委員会につきましても、常時不断に專門的に多くの時間をさいて審査にあたることはできないわけでございます。從いまして結局事務職員の方々の形式的な審査というものが審査委員会をうのみにするというような形になるのでありますが、そういう観点からいたしますると、社会保險診療協議会が地方における具体的なデーターを持つて指導に積極的に乘出して行くというような機能がはばまれて、今申しました支拂と審査だけが直結し、しかもこの審査が事務職員によるきわめて官僚的なと申しますか、形式的な審査に終つてしまうということでは、せつかくの審査委員会を設けましても、きわめて遺憾のように考えるのですが、そういうような意味で私どもの一医師としての立場から考えますと、やはり社会保險にもいろいろな認識を持ちまた医者としても医療の経驗を持つ人が審査事務所に配置されまして、この方たが経驗を生かしながら能率的に審査をやつて行く、そうしてそこで疑義を感じた場合に、その疑義を保險診療協議会の方に提出していただいて、その場合には保險医に対する医療費の報酬の支拂いは停止してもけつこうでございますから、そこで保險診療協議会がその問題を取上げて、そうしてその疑義について事実を判定いたしまして、事務所の方に通告をし、また必要ならば理事会全体なりに、忠告なり戒告なり、時には介入もいたします。こういうようなことで、支拂いよりも審査は保險診療協議会の医療の指導という線にくつつけまして、支拂いはその方に結びつけないというふうなことが、保險診療の運営上かえつてよいのではないかというふうに私どもは医者の立場から感じておるのでございますが、保險局長としてどういうふうにお考えになりますか。
#18
○宮崎政府委員 ただいまの御意見でありますが、私どもはその逆を考えておりまして、社会保險診療協議会と申しまするものは、御承知のように保險者を代表する者が六名、被保險者及び事業主を代表する者が六名、医師及び歯科医師を代表する者が六名、公益代表が六名ということで、医師、歯科医師が六名いるわけでありまして、あとの十八人というものが大体医師、歯科医師以外になつているわけでございます。そうしてこの二十四人の委員の方々が集まりまして、診療の大きな方針をきめるという一つの諮問審議の機関でございまして、言葉をかえて言えば、一つの國会のような形になると思うのであります。それから基金の審査委員会は、これは診療報酬の請求書を見まして、診療協議会できめました方針に合つているかどうか、間違いがあるかどうかということを審査しまして、適正なる支拂いをする。こういう意味で支拂いをする側において請求書の審査をして拂うという形になつておりますので、基金の方が、どちらかと申しますと一つの執行機関――さつき國会ということを申しましたが、國会に対抗するものといえば行政廳、こういう形になつて運用をいたしているのでありまして、しかもこの基金の審査会というのは、これまた診療協議会の下級機関になつておりまして、基金審査会でいろいろ決定いたしましたことについての疑義は診療協議会に持ち出しまして、診療協議会の御審議によつて決定する、こういう形であります。また一方、保險医の監査等をやつたときにおきましても、その処分については診療協議会に知事からこれを提出して、そこの審議にかけて決定する、こういうかつこうをとつておりますので、今の岡先生の言われる診療協議会に審査を全部持つて行つて、そういう事務的なことをやらせるということは考えておらないような次第であります。
#19
○岡(良)委員 私の申し上げたのは、基金の事務所には審査の專門家がいる、こういう人は今改正案に示されているような委員会というような組織を持つてみたところで、常任不断に審査業務をやるわけには実際問題としてとうてい行くまいと思うのです。そこで社会保險にも理解があり、また医療從者としても体驗があるというような方が、その事務所の事務職員として現在のように審査事務に從事せられて、そこであるいは濫診濫療のきらいがあるのじやないか、不当な請求じやないかというような疑義が起つたそういう案件につきましては、それのみを保險診療協議会の方にまわす。保險診療協議会の方では、別にその全員が御相談にならないまでも、審査機能は保險診療協議会が持つて、そうしてその是非の判定は協議会に持たす。こういう仕組の方がこの保險診療の指導というものを担当する診療協議会としても当然の任務であり、また將來指導するための材料を、その審査の過程において持つて行けるというような観点からも、そういう仕組の方がいいのじやないかというように私は考えられてしようがないのですが……。
#20
○宮崎政府委員 基金の方に務職員を置いて務的なものを基金で見て、それからもう少し進んだ診療の内容等については診療協議会で見たらどうか、こういう御意見だと思いますが、基金の方におきまして務職員が請求書を見るという形は私どもはとらないのでありまして、基金の方におきましても、その請求書の内容のよくわかります者は医学上の知識を持つた人でなければならないと思います。そういう意味で今日におきましては医師、歯科医師の方々が審査委員として、毎月参りますあの厖大な請求書を見まして、そして現在法律で委員会もございます、その委員会にこれを諮りまして、おのおの担当する審査員がこれを審査して、その決定によつて支拂いをしているわけであります。そこで判断のつかないような、きわめてむずかしい問題については別問題でございますけれども、普通の場合は、その審査委員会で見ているというかつこうであります。それから診療協議会は縣廳の一つの諮問機関であります。そこでは大方針を決定するということでありますし、それからお医者さんにしましても、六人のお医者さんが見ているのであります。ところが、基金の方は今度の改正によりますと、二十一人の審査員が選ばれるという形でありまして、その二十一人の審査員の方々が幾日かこれにかかられて、愼重な審査をされる、こういう形になつておりますので、現在の形の方が私どもはいいと存じているのでございます。
#21
○堀川委員長 丸山委員。
#22
○丸山委員 社会保險診療報酬支拂いの改正を企てられましたことを地方の医者が聞きまして、かなり強い不安感を持つたと見えまして、いろいろなことを私どもの方に言うて來ておりますので、少し長くなるかもしれませんが、箇條的にぽつぽつとお伺いいたしますから御返答を願いたいと思います。
 第一番目は、この提案の理由でございますが、支拂基金の潤沢化と審査の適正化ということが二つの表題になつておりまする基金本來の目的を達成する、かようになつております。この基金本來の目的ということは、この前この法が初めて制定せられましたときに、友納課長の名前で書かれたものがあるのでございますが、これは政府の強力な監督下にある特殊な金庫であるという言葉、ばらばらになつている支拂いを一括できないものかといろ要望が多かつたから、これが金庫を制定したゆえんである、支拂いの迅速、簡素化ということと、資金プール機関であるということであつて、審査はただ数字の間違い、あるいは業務上の誤りを正さしめるということで、診療方針にまで立ち入ることは重点にこれを置かないというように解釈しておつたのですが、現在でもそういうふうに解釈してよろしいのでありますか。
#23
○宮崎政府委員 ただいま丸山委員の仰せになりましたように、基金本來の目的と申しますのは、診療報酬の迅速適正拂いであります。これを迅速に拂うことが一つと、適正に拂うことが一つであります。そこで、基金に審査委員会が設けられまして、請求書の審査をして適正なる支拂いをなすことになつているのであります。審査の目的は間違いを発見する、あるいは労働省所管の労災法の業務上のものが間違つていないかというようなことを調べるのが主である、こういう仰せでございますが、基金の審査委員会はもちろんそういうことを見ることが一つの大きな問題でありますが、同時に診療が診療方針に合つているかどうかという点をよく見ていただきまして、そして診療方針に合致したものにつきまして支抗いをする、こういう使命を持つと思います。
#24
○丸山委員 さようにいたしますと、今度の提案は、その支拂いを迅速にするということが表題となつております、そのために資金を潤沢にするために、一箇月分の予託金を一箇月半に増されるということで、一應ごつともと考えるのでありますが、今までの收支の状況を伺いますと、先般の御説明では、收入が約三十二億余万円に対して、支出が四十億七千余万円、赤字が八億六、七千万円になつていると思いますが、その赤字の四〇%の未納が入りますと、ほぼ完済できる形になつているのでありまして、さつきちよつと岡さんからもお話が出たように、未收を完全に取立てて行くということだけで相当に完全に支拂いが行われるかと思われるのであります。それを一箇月半分に増されますというと、未納の方の原因が業主の金詰りの深刻と、保險組合の財政困難のためというふうに、この前の審査委員長会議のときにお話になつております。その状況は今後もちよつと改善せられる見込みはないと考えますので、一月分でも納めきれないものが一月半分であるならば、今まで一月分を納めることができた人も今度はできない状況になつて、未納率がかえつてふえるということをお考えになりませんか、いかがでしようか。
#25
○宮崎政府委員 一月分につきまして十分納めきらなかつた原因は、丸山先生の言われたように、事業主の金詰まりで賃金も抑えないというのであるから、保險料を集めて、そして基金に送ることがなかなか困難であるという点は確かに一つあると思います。もう一つは、これは基金の事務上の欠陥でありまして、基金の発足が八月から準備をいたしまして、九月から始めたのでありまするが、創立早々は職員もなかなか集まりませんし、またふなれでありまして、それから仕事についての事務所その他の関係がございまして、正常な歩みをすることがやや遅れたのであります。その関係で今日におきましては職員も充実し、また事務にもなれて参りましたけれども、当初二、三箇月のずれがまだ響いておるという関係で、請求書の出し方が遅いとか、あるいは請求書に間違いがあるというようなことのために、組合から金をとることが遅れたというものも相当あつたのであります。今日におきましては、それらの点につきまして、基金当局が非常に改善を加えられましたので、その件数は非常に少くなつて参つたのでありますが、そういう点も入りまして、基金の予納金の收入が遅れるということがあつたのでございます。それで事業主の金詰まりのために組合から金が入らないという分は確かにあることではあるのでございますけれども、大体御承知のように組合と申しますのは、日本の大工場または中工場をもつて組合を組織しておりますので、政府管掌のような小さな工場ではないのでありまして、経済界の変動等における打撃は組合管掌のものよりもむしろ政府管掌のものの方が大きいと思われるのでございます。事務のやり方が改善されることによつて、從來のような予納金を徴收することの遅延ということが少くなつて参ると思うのであります。そこでそういうように観察いたしまして、大部分の工場が経済力を持つておると見て参りますと、一月が一月半になりますと、総体的に予納金の收入が増すことは自明の理だと思うのであります。そういう意味において、今度の改正をお願いしたのでありますが、もちろん若干不良の組合あるいは成績不振の組合等がございまして、一月分すら納められないものが一月半になるという点は、あるいはそのために困る場合もあろうかと存じますけれども、その点は組合の監督等を嚴重にいたしまして、何と申しましても、社会保險というものは診療担当者に不満足を與えるようであつては円満なる運用はできないのでございまして、その点の努力を続けたいと思つております。
#26
○丸山委員 なおあわせまして政府共済組合は、從來非常に納入が不良であつたようでありまするが、現在もやはりさようになつておりまするか。共済組合の納入状況をお伺いいたしたいと思います。
#27
○友納政府委員 共済組合は仰せの通り、從來非常に惡うございまして、困つたのでございますが、最近におきましては逐次改善されまして、最近の状況におきましては、大体健康保險組合と同じ状況くらいまでに改善されております。
#28
○丸山委員 基金法の十三條の一の予託金と言われておりますが、元來これは委託金でございまして、強制徴收力がないのでございますが、納入を督促するとしても、強制力がない場合においては、どうしても不納がありがちと考えられるのでありまして、これはどうしても少し強制徴收力があるようなふうに、予託というような意味でないような徴收の方法におかえになるお考えはありませんか。
#29
○宮崎政府委員 御承知のようにこの支拂基金は特殊法人でございますので、そういう強制徴收力を持たすほどのことができない関係がありまして、いたさなかつたのでありますが、この中で問題になりますのは、政府の方の健康保險は政府から拂いますので、問題はございませんが、組合の分につきましては、組合連合会の会長と基金の理事長が契約をいたしまして、この予託金の納入状況について、いろいろなことをきめておるわけであります。最近におきましてはこういう契約をかえまして、遅れておる場合には延滯利息をとるというようなことをいたしましたり、この予納金をあるいは概算的に扱うとか、いろいろな契約を目下支拂基金と連合会との間に相談中でございますので、それらのことによりまして惡質で納めないものにつきましては、適当な措置がとれると思うのであります。
#30
○丸山委員 次にこの支拂の遅延しております理由の中に、結局これは基本の資金枯渇ということが原因でございましようが、保險経済のアンバランスがそういうふうになつておるということは、件数の増加ということが原因であると言われておるのでありますが、支拂いを迅速にする対策として、件数の増加というものは抑制すべきものとお考えになつておるのでございましようか。これは歓迎すべき状態であるとお考えになつておるのでございましようか。
#31
○宮崎政府委員 件数の増加につきましては、私はこれを原則的に歓迎すべきものだと思います。と申しまするのは、從來健康保險の利用率が悪かつたのは、いろいろな原因がございましようけれども、健康保驗を利用しようということが盛んになつて來て件数が増して参るのでございますので、原則的には歓迎すべき問題だと思います。ただこの際原則的にと申し上げましたのは、被保險者章の不正利用というような意味において件数の増加があるのであります。すなわち被保險者にあらざる者が被保險者章を用い、あるいは被保險者の家族にあらざる者が被保險者章を用いて診療を受けるというようなことによる件数の増加、これは最も歓迎すべからざる問題であります。もう一つ、これは日本人の習慣といたしまして、一人のお医者さんで診療が済む場合でも、四人も五人ものお医者さんのところへ行く、そうして同じ問題について何べんも診療を受けるというようなことがございます。これは日本人の保健思想と申しますか、医学常識と申しますか、そういう点の改良にまつべきものでございまするが、今日の情勢といたしましてそういう点は歓迎すべからざる問題でありますが、原則としては件数の増加は保險利用のいい面だと存じております。
#32
○丸山委員 次に件数の増加を防止するというような意味で審査の適正化ということが言われておると考えまするが、この審査の適正化ということは、結局診療方針というものを強行するということになりますが、これをあまりに意識的に強行して審査をいたしますると、制限診療に堕する危險があると考えられるのであります。たとえばごく卑近な例を申しますると、ちよつとかぜを引いて熱があり、のどが痛く、頭痛がするというような患者がある場合には、その患者に対して治療いたしますのに、単純な頭痛のとれる解熱剤を一服か一日分やつて、それでよろしいと考える医者もありまするが、そのほかにうがい藥をやつたり、のどに藥を塗つたり、あるいはズルフアミン剤を使うとか、いろいろな方法をとる人もあります。それはおのおの自分の信念によつてやつているのであつて、いずれが適正であるかということは第三者が批判する場合において意見がわかれるのでありまして、そういう鳩合に審査の適正化というような名目をもつて意識的に診療内容に制肘を加えるというようなことになりますと、これは一種の制限診療に堕する危險があると考えまするが、その点はいかがでございましようか。
#33
○宮崎政府委員 丸山先生はその道の大家でありますので、私から申し上げることもどうかと思いますが、この診療報酬につきまして、点数の増加を抑制することに努力いたしますると、まつたく制限診療に陥ると思います。しかしながら、私ども診療協議会で診療報酬を審議する際におきまして、その点を最も恐れたのでありまして、点数の増加を防止することにより、保險診療が制限診療となり、過去の差別待遇を招くようであつてはいけないという考えで、特に診療協議会におきまして、は小委員会を設けて、診療報酬を決定するにあたりましては、その道の大家の方たが何回も重ねて会議を開きました。そうして普通のお医者さんから見まして、これが通常であるというような診療報酬にして、非常に過剰な、やらぬでもいいような診療は防止したいが、しかし学問の進歩に伴いまして、どうしてもそういう特殊な療法を設けなければならぬという場合には特に考慮することにいたしました。われわれの常識でなく、お医者さんの常識で判断いたしまして、大体通常妥当な診療であるというもので抑えて、なお学問の進歩によつてどうしてもそうしなければならぬものは特例に考える。しかしだれが見ても過剰であり、不当であり、不正であるというものは排除することになつたわけでございます。
#34
○丸山委員 次に第十四條の二で審査委員会に学識経驗者を加えるということになつているのであります。もし審査委員の数が不足であるならば、たた人員の増だけでけつこうだと思いますが、新たに学識経驗者をお加えになつたことは、どういうふうなお考えであるかということを伺いたいのであります。関係当局の意向では、医師以外の者が医療内容に口をいれることは誤まりであるように言われておると聞いておりますが、学識経驗者とは医師あるいは歯科医師たる学識経驗者と解してよいでしようか。あるいは、ある筋の心配しておられるような、医師以外の者が医療内容に口をいれるということにあたる学識経驗者でありますか。
#35
○宮崎政府委員 学識経驗者というのを加えましたのは、この種の委員会におきましては、大体医療担当者と保險者の代表、それから公益代表と申しますか、中立代表と申しますか、そういうふうな方が入る形になつておりますので、今回これを加えたのでありますが、この学識経驗者と申しまするのは、保險診療に経驗あるいは学識のある方でありまして、大体において医師、歯科医師でなければこの種の仕ができないと私は思うのであります。ただ特殊なる保險診療に経驗を持つ、あるいは学識を持つという人がありまする場合は、これを例外といたしまするが、大体医師、歯科医師の資格を持つている人が適当ではないかと思うのであります。
#36
○丸山委員 次に第十四條の二に、基金の從たる事務所の幹事は、審査委員会に出席して意見を述べることができると書いてありますが、幹事が出席する場合には幹事長も出席できると考えますが、幹長が自分の委嘱した審査委員で構成せられている審査委員会に出て來て意見を述べるということは、幹長の意向が審査内容に制肘を加えるという危險をお感じになりませんか。あるいは支拂基金は、本來の目的はプール機関である、あるいはサービス機関であるということでありますが、その範囲を拡張し、あるいはその権力を強大化して政治機関に移行する危險があるとお考えになりませんか。
#37
○宮崎政府委員 基金の從たる事務の幹事は、審査委員会に出席して意見を述べ、あるいは説明を求めることができるということはございます。そしてその幹事の中には幹事長は含まれております。幹事長がそれに入ることにつきしまして、政治上の権力を持つのではないかという御質問でありまするが、実はこの審査委員会と申しますものは、任命の際においては幹長の行為を伴いますけれども、任命されてしまえば審査委員会は幹長から独立した形に立つておるのでございます。それで從來地方におきましては、審査委員会開催中におきまして、幹事立入るべからずという立札が立つた、そして幹事は何らそれに入ることもできなければ話もできないというところがあるということを聞いておるのでありますが、幹事が自己の所信を述べたり、あるいは審査の内容について意見を求めたりすることができないようであつては、あまりに幹事あるいは幹事会と審査委員会とが離反した形になるのではないかという考えから、幹事は審査委員会に出席して意見も逃べられるし、不審の点については一應幹事の立場として説明を求める程度のことはできるようにしなければならぬのではないかと思つて、法案に改正を加えたのでありまして、議決に参画したり、あるいは審議を左右するがごとき政治的な力を発揮するという意味でできておるのではないのであります。しかし通用にあたりましては、医師等をもつて構成しておる審査委員会に対しまして、幹事が、仰せになつたような力を発揮するがごときことのないようにしなければならぬことは、私も同感一ございまするので、運用につきましては、今の丸山委員の仰せになつた点は私どもよく徹底させたいと存じます。
#38
○丸山委員 幹事が立入るべからずの札をはられた例があるということを初めて承つたのでありますが、私は実は反対の例も承つている。幹長が支拂いの義務を持つており、同時に關與しておる診療内容に対して一つの指導権のようなものを持つているため、証地方の府縣の保健課の指導監督と権限が衝突して、その間に反目があるという反対の例をよく聞いておるのでありますが、そういう心配はございませんか。
#39
○宮崎政府委員 今の丸山委員が仰せになりました点につきましては、実は大きな府縣については幹事長は專任でございます。ところが中小の縣においては、幹事たる幹事長が縣廳の課長を兼ねている場合があつたかと存じます。そういう点につきましては、私どもは十分注意をしてこの運用にあたりたいと存じます。
#40
○丸山委員 次に第十四條の三に、出頭説明を求めることができるというのが加わつたのでありますが、実は今までも保健課から來られる軽い監査の場合に、かなり不当だと考えられるような実例を私どもは実際見たのであります。それは実例を申し上げますが、町から一里はかり離れたある工場で食中毒があつて、夜中に十数人の患者が出た。そのとき患者が非常に苦しむので、医者を求めましたところ、夜中でありかつ交通の不便な所であつて、なかなか医者が見付からなかつた。そのときにある医者が、自分で自動車が運轉できるために、その人がかけつけて治療をした。注射をするとかいろいろなことをやつた。多数の患者がそこに呻吟しておりますから、こつちもそこで記録をとるわけに行きませんので、その工場の看護婦に記録をとらした。そうして相談した。しかるにその場合に甲の患者に注射をして乙の患者には注射をしなかつた。それを間違つて乙の患者に注射をしたことにして、請求書を出し、甲の患者の方は注射をしなかつたことにしてしまつたから、請求書を出さなかつた。その事実が見付けられました場合に、乙の患者に注射をしなかつたのをしたと請求したのは不正なる請求であるがゆえに始末書を出せ、甲の患者には注射をしたのに請求書を出さないのは債権の棄権であるから、それはお前が勝手に棄権したのであるから、こんなものは認めないというので、その人は始末書をとられた。そのためにその人は保險に対して協力する意思を失つてしまつた。あれだけ田舎に行つて努力して治療したのに、ただ一つのそういう間違いがあるために、こういう始末書をとられるという不愉快な事実があるのであります。出頭ということは当然と考えられますが、これを濫用せられたり、末端における取締や何かがそういうぐあいであると、保險医が保險診療ということに協力する意思も熱意も失う。こういうことでは困るので、その点運営について十分御注意を願いたいと考えるのでありますが、出頭を求める場合にはどういう手続をおとりになりますか。文書によるのでありましようか、あるいは呼出しの形式でおやりになるのでありますか。その点お伺いをいたします。
#41
○宮崎政府委員 ただいま例をあげての御質問でありますが、確かにそういう行き通ぎがあるかとも存じますので、その運用については十分な理由があるかないかということの判定はどなたがなさいますか、その判定に対して不服があります場合は訴願権のようなものはあるのでございますが、今後注意いたしたいと存じております。
 それから出頭の要求でございますが、文書をもつて事由をあげて出すことになつております。
#42
○丸山委員 出頭を拒みました場合には支拂いを停止すると書いてありますが、出頭を拒むのには正当な理由があればよろしいことになつておるが、正当なる理由であるかないかということの判定はどなたがなさいますか。その判定に対して不服があります場合は訴願権のようなものはあるのでございますか。
#43
○宮崎政府委員 正当な事由はもちろん審査委員会が決定いたします。しかしその審査委員会の決定に不服のあります者は、その縣の診療協議会にこれを申し出ていただきますれば、診療協議会においてそれを審議して決定する考えでございます。
#44
○丸山委員 次に正当なる理由ということは、かなり判定がむずかしいと考えますが、呼び出されるために相当の日数を空費するということは、現在診療中の患者に不良なる影響を與えるとか、診療に支障を生ずるということになるが、これは正当なる理由としてお認めになるかどうか。
#45
○宮崎政府委員 その点はデリケートでございまして、現存診療中の患者を持つております場合に、たとえば手術のあとであるというような場合に、請求書が参りました場合に参らなかつたときには、これは正当なる理由と存じますが、あるいは患者を持つておるということに藉口いたしまして、幾日も出て來られないという場合は、正当なる理由がないと認める場合もあると思います。個々の具体的な事例にあたりまして、大体判断がつくと思いますが、普通の場合におきましては、大体審査委員会というものはお医者さんの集合でありますので、こういうものはどうも正当と認められないじやないか、あるいは正当と認められるじやないかというような点は、何というかそのお医者さんの平生の人格にもよりますし、それからまた同僚のお医者さん方の観察にもよりますので、適当なる制断が下されるものであると信じております。
#46
○丸山委員 次に先ほど私が例を申し上げましたように、診療内容が適正であるか不適正であるかということは、これはデリケートな境い目があると思う。そういうような場合、説明を求められた場合に、診療しました医師と、それから審査委員会の考えと主張が合致しない場合もあると考えます。お互いに主張して讓らぬ場合もあると考えます。こういうときはどういうふうに御処置なさるのでありますか。査定減点ということが以前行われておつたのでありますが、本人の主張にかかわらず審査委員会が査定減点する権限がある。あるいはそういうふうに運ぶべきであるとお考えになりますか。あるいは将來の指導を主としてやり得るのであつて、その支拂いに対しては認められるのであるか。あるいは自発事的にそれを是正させて、もう一ぺん請求書を書き直させるというような処置をおとりになるか、その場合の支拂方法等をお伺いいたします。
#47
○宮崎政府委員 仰せの通り非常にデリケートの問題でありまして、來ましたときに審査委員会の方はこれは不当である、本人は正当であるという場合の争いのあつた場合でありますが、普通の場合は軽い意味のものにつきましては支拂いをすると思います。しかしその人の從來のいろいろな経驗から見まして本人は正当と信じますけれども、審査委員会の方ではどうしてもあの人はいつもこういうことをやつておつて、これはどうしても正当と思われないというような場合が起りますと、やはり支拂いを差しとめる、あるいは減点するという場合もあろうかと思いますが、その際におきまして本人はこれを診療協議会に申し出まして、診療協議会の決定を仰ぐことは私はできるようにいたしたいと思つております。
#48
○丸山委員 お話のような場合、及び出頭を拒んだために支拂いを停止せられる場合があります。その場合には正当な請求書と認められる部面に対しては部分拂いをなさいましようか。あるいは全部の支拂いを停止なされるのでありますか。
#49
○宮崎政府委員 今の場合は、大体出頭を求める場合は相当な問題があるの事だと思いますが、出頭を求めましてもとうしても來ない。その人の御説明を聞かなければその請求書が正しいかどうかとわからないというような場合には、私は支拂いは事実上できないと思います。しかしながら五十枚の請求書があつて、そこに一枚か二枚のどうも不正なものがあるというような場合につきましては、その不正な部分を除いて拂つていいじやないか、こういうふうに思つております。
#50
○丸山委員 部分支拂いをなさいますか。
#51
○宮崎政府委員 それでいいと思つております。
#52
○丸山委員 大体了解いたしました。
#53
○堀川委員長 苅田委員。
#54
○苅田委員 この法律の改正案が出ましたときに、御存じのように非常に全國の医師会の方から反対が出ておつたのですが、その重要な点は、今まで委員の方が質問されましたことと同じように、今度基金にもつて來て審査委員会というようなものができて、ここで診療の内容を審査するということに対する非常な反対で、そういうふうな方法ではほんとうに医師が自分の責任を持つた診療がやりにくくなるじやないかというこの反対が大部分だつたわけです。私もやはりこの点を今度の改正では最も反対したいと思うので、先ほどからの御説明を聞きますと、審査委員会なるものは、診療協議会の下部の組織である、こういう御説明があつたと思うのですけれども、もしそういうふうな、審査委員会でもつて一應決定した後、診療協議会でもつてさらにその意向を尋ねるというようなことが行われるものでしたならば、これを基金に附属した審査委員会にしないで、社会保險診療協議会の中に診療報酬請求の委員会というふうなものを設けて、ここで必要な人員をふやしてそれをやつた方がもつと法に適つておるのじやないか、かように考えるのですが、この点いかがでしようか。
#55
○宮崎政府委員 ただいまの問題は丸山委員にお答え申し上げたように、診療協議会と申しますものは、審議機関、いわゆる諮問機関でございまして、審議をするのを本体としておるわけであります。それから基金の方は執行をやりまして請求書をもらつて、それを調べて金を拂うという、適正な支拂いをするために調べる機関でありまして、一つの執行機関であります。そこでそういう執行機関を諮問審議機関に移すということでなくして、金を拂うものに直結しておきましてなるべく早く拂う、調べてすぐ拂う、こういう意味におきまして、基金にあるわけであります。それからその中にきまらぬものがあるならば、診療協議会へ持つて行くということになつております。きまらぬものがあるならば診療協議会へ一ぺんに持つて行つたらいいじやないか、こういうお話でありますけれども、こういうものは御承知のように二段、三段になる方が最も正確なのでありまして、大体において基金の審査委員会が審査をする。そこで定まらないもの、あるいはまれに見るもの、判定しかねるというものを診療協議会が見る。そうしてそれでおさまらぬものは裁判所へ持つて行くという形になつておりますので、第一審制度、第二審制度、第三審制度と申しますか、そういう形になるのであります。何もかも基金から離して診療協議会に持つて行くということとは違うと思うのであります。
#56
○苅田委員 ただいまの御説明は從來からよく承つておつた説明なのであります。それは大体諮問機関の中に執行的な委員会を設けるのはおかしいとおつしやるのでありますけれども、そういたしますれば、基金というふうなものの任務は、これは大体が社会報酬の方を迅速に支拂うべき機関であつて、ほんの事務的な機関としてあるべきだと思う。そういうふうなところへもつて來て、診療内容を審査するというようなまた違つた機関の仕事を持つて來るということの方が、私はむしろ矛盾が多いと思うのですけれども、その点いかがでしようか。
#57
○宮崎政府委員 基金は迅速に拂うということでありますが、同時に適正に拂うということでありまして、迅速適正に拂うということが基金の使命であります。そこでただ早く拂うのではなしに、正しい金拂いの仕方をする。金勘定が正しいということではなくて、請求の仕方が正しいかどうかを調べて拂うのでありまして、これは御承知のように、金を拂う以上は正しい拂い方をしなければなりません。そういう意味で審査委員会というものが、今日の法律にも載つているわけであります。ただそれを強化する、こういう意味で御改正を願つているような次第であります。
#58
○苅田委員 そういうふうな、簡單に御説明になつたような官僚機構の一部が、医療機構の中に非常に強い統制と申しますか、命令権を持ち込むということは、結局やはり全國の医師会の人たちが御心配になつておるように、この機関の支拂いを通じて、医療の内容をいろいろ制限するというような危險性がどうしても出て來る。こういう点がやはり非常に私どもは心配になるわけであります。この点はただいまの御説明たけではやつぱりどうもわれわれとしては納得行かないところであります。それでかりに審査委員会を持つたといたしましても、これには保險者の代表と、新たに公益者の代表が加わつたという先ほどからの御説明でありますけれども、これに被保險者の代表も加わるのが当然ではないか。われわれはこう思うのでありますけれども、被保險者の代表をこれにお加えにならなかつたその理由はどういうわけですか、この点を質問いたします。
#59
○宮崎政府委員 この保險者の代表を加えると申しまするのは、これは先ほども申し上げましたように、審査委員会というのは医療経驗者をもつて充てているわけであります。お医者さんが主になつてやるものであります。そこでお医者さんを選ぶにあたりまして、被保驗者の代表ということになりますと、おれはお医者さんではございません。そういう考え方がありましたので、学識経驗者を加えましたけれども、被保險者の代表を加えなかつたのであります。大体お医者さんをもつて構成するでありまして、被保險者は、もちろん医師の免状を持つて会社工場等に働いている被保險者はあると思いますけれども、そういう意味で被保險者代表ということがどうもぴんと來ないので、公益代表ということにいたしたわけであります。
#60
○苅田委員 私が申しました被保險者の代表ということは、もちろんそういうふうな医者の免状とか何とかいうのではなくて、医療が最も適切に言われたかどうかということを自分自信の体でもつて経驗した被保險者が、やはりよく発言することができると思います。そういう意味でやつぱり被保險者もそういう審議会には当然発言しなければ――一番それが直接的な利害関係もあり、また直接自分の体でもつて適切に行えたかどうかということを言い得る立場の人だと思いますから、これは入れるのが当然だと思います。
#61
○宮崎政府委員 今苅田委員の仰せになつたような点は、被保險者と申しますると、どうしても医者以外の者というものが主だと思います。その点につきまして大体御承知のように、医療というものは專門の知識を持つておりませんと、正確を期し得ないという関係で、医師、歯科医師等を主にしているわけでありますので、被保險者代表というのは基金の幹事会におきまして被保險者の代表が入つてわります。これからまた診療協議会も被保驗者の代表が入つておりますけれども、審査会におきましては医師、歯科医師という專門家を主として考えておりますので、これを被保險者代表といたしますと、私はどちらかというと医師、歯科医師以外の被保險者というものが主になると思いますので、その点を認めなかつたのであります。
#62
○苅田委員 私はやはり医療をまず民主化するためにも、また実際自分でもつて保險料を拂い、医療を受けておる立場から、公平適切に医療が行われたかどうかということを医学上の見地以外に十分適切な発言をする可能性がある。ぜひそれは入れていただきたいと私は考えるわけです。しかしただいまの御答弁以上のことはお聞きしてもむだだと思いますので、その点はこのぐらいにいたしまして、その次に、先ほど保險局長が原則としては保險の点数のふえるのは喜ぶべき現象だというふうに言われたのでありますけれども、伺うところによりますと、最近は保險料の点数の制限をする傾向があるということを聞いておるのであります。こういう点はいかがでしようか。
#63
○宮崎政府委員 私が先ほど丸山委員に申し上げましたのは、点数が増加することについては喜ぶべき現象である。点数の増加につきましては医学上の常識がございまして、その常識に合つた点数でありまするならば私どもも歓迎しておるわけであります。点数の増加必ずしもいいわけでもございませんが、また惡いとも言えません。要するに診医の内容が適正であるかどうかということであると思うのであります。
#64
○苅田委員 次にそれではお聞きしたいのですけれども、今度いろいろ政府がやつております集中生産の当然の結果といたしまして、一般の中小企業が非常にやりにくくなりまして、その方面から工場の閉鎖だとか、あるいは倒産だとかいうようなことが頻繁に行われる結果がありまして、すでにそういうものがどんどん行われているわけであります。そういたしますと保險料に対しまして、大きな未納な分が出て來ると思います。こういう部分に対しまして、政府の方でどういう処置を講じようとしておりますか、これについてお聞きしたいと思います。
#65
○宮崎政府委員 先般の健康保驗法の改正によりまして、大体保險経済が保つて行くのではないか、こういうふうに思いますが、九原則の実施その他によりまして、工場の倒産等があつて、保險料の未納がある場合はどうか、こういうお話であります。これは予想による問題でございますが、私どもといたしましては、工場が倒産してそうして労働者が工場から出てしまうということになりますと、被保險者の資格がなくなつてしまいます。そうなりますとこの保險診療がそこに及ばないということになります。ただ保險料の未納のままで工場が倒れた場合の点だろうと思いますが、この未納のままで倒れるところのないように、從來は年度末に力を入れて参りましたけれども、今度は毎月毎月徴收をうまくやつて行くようにいたしまして、探險料を滯つたままで工場の倒れることのないようにいたしたいと思いますが、それでも若干そういうものがあるかも存じません。そういう場合には、政府の健康保險の大きな会計で何とかうまく行くような努力をいたしたい、こういうふうに思つております。
#66
○苅田委員 それは健康保驗の場合にもお聞きしたのですけれども、ちようど昨年度では企業家の方の未拂い分だけが、今年度の一般の被保險者から徴收する初診料に相当するくらいの額が出ていたと思うのです。八十万円でございますか、八百万円でございますか、とにかくそれに相当するくらいの額が出ていたと思うのであります。これは今年の経済情勢を考えてみますと、いろいろ取立てに努力されましても、やはり昨年以上の困難な状態が來るのではないかと思うのであります。そういうときにただいま政府の方でも、保險経済の中から何とかしてまかなつて行くというお話であつたのですけれども、大体今のお話によりますと、保險経済は非常に困難で、その結一部の改正をやつているわけで、どうしてもこれはもつと廣いところからそういう赤字部分に対する補填が考えられないとやつて行けなくなるのではないか。この基金が今年度だけでありましても、三箇月も半年も医者に拂えない、こういう状態が來るのではないかと思うのですけれども、そういうところの見通しに対して、政府に努力なさる余地があるかないか、この点をお聞きしたいと思うのであります。
#67
○宮崎政府委員 この点につきましては相当大きな問題でありますが、私どもといたしましては、そういう際においては何らかの方策を講じて善処したい、こういうふうに思つておりますが、それ以上私としてはお答えできないのであります。
#68
○苅田委員 ついでにお聞きしたいと思いますけれども、現在これの事務費の方ですが、政府の負担しておいでになるのは一体どれくらいになつておりますか。
#69
○宮崎政府委員 基金の事務費は一件当り一・五分でございます。なお補足いたしますが、二十三年度は三千万円であります。
#70
○苅田委員 本年度の事務費の予定はどのくらいになるのですか。
#71
○宮崎政府委員 本年度は二億四千万円になります。
#72
○苅田委員 この事務費だけでも一般会計の方から全額國庫負担ということになれば、相当保驗経済の方は明るい見通しがつくのではないかと思うのです。こういうことについて政府の御考慮はいかがでしようか。
#73
○宮崎政府委員 支拂基金法につきましては、これは基金法成立の際におきましての問題でございますが、一切政府から金は出さない。すなわち健康保險の保險者であります政府及び各組合、國家公務員共済組合というような意味の政府は出しますけれども、一般会計を持つております政府は一切出さないということでこの法律ができております。要するに保險者から保險料を取上げて、そうして保險の診療担当者であるお医者さんに拂う、そういう形になつております。その事務費も保險者が負担する。こういう体系において支拂基金というものはできておりますので、事務費を一般会計からもらうということは考えられないのでございます。
#74
○苅田委員 今度の改正では第十四條の三にいたしましても、それから第十四條の四にいたしましても、医者に対して非常にたくさんの義務を要求していると思うのです。そしてこの点については先ほどからもその方の権威だという丸山委員からもいろいろ話があつたのですけれども、実際このように数々の義務を保險医に対して要求する反面、政府の方ではかつてに基金の支拂いを三箇月も半年も遅らしておる。しかもそれに対して保險医の方から何しらの請求する権利がないのだということは、私は非常に片手落ちだと思う。こういう政府の滯納に対して、ある医師会のごときは、やはり当然に政府は滯納料をつけて拂うべきだ、こういうふうに要求しているのは私まつたくその通りだと思うのでありますが、こういう点に対して政府のお考えを聞きたいと思います。
#75
○宮崎政府委員 基金の支拂いが遅れておりますことは事実でございます。この点につきましては先ほども申し上げましたように、基金の発足後、いろいろ不なれな点がございまして遅れたような場合もあります。また苅田委員の先ほど言われました経済界の情勢等によつて、保險料の納入が遅れたという点もございます。それからもう一つは基金の責任ではなくして、医療費が予想よりも非常にかさみまして、そうして保險経済が予算をもつてまかない切れないほどの医療費になつて來た。これに対する手当が十分に行かなかつた、こういう点があるのであります。これにつきましては保險といたしましては保險料の値上げとか、あるいは若干でございますけれども政府の負担金の増額とか、いろいろな方法を講じまして保險経済をゆたかにして行かなければならぬわけでございます。この間の改正によりまして、保險経済のバランスを保つような改正を願つたのでありますが、今後におきましては保險経済の調整をうまくやりまして、基金が支拂えないとか遅れることのないようにいたしたい、こういう努力をするつもりでおります。過去におきましては基金の故による支拂いの遅延もございますし、それから保險経済から起つた遅延もございます。そういうような点につきましては十分改善を加えて行きたい。それからもう一つは先ほど問題になりました保險者が予納する金額が一月であつたのを一月半にいたしまして、基金そのものが前よりも潤沢な金を持つております。そうして支拂いをするに際しまして遅延しなくて済むような措置を講ずるということが今度の改正の趣旨でございます。それから審査委員会の強化によりまして、医師にいろいろな義務を課しておるというお話でございますが、これは法文の上に新たに義務を課したのでありますけれども、基金の本來の性質から見ますと、この程度のことは必要であつたわけであります。從來ともこれを行つておつたと思いますけれども、法的にこれを正確に規定したということに当るわけでございます。
#76
○苅田委員 基金の支拂いに努力していただくようにぜひお願いしたいのであります。その努力をいたしましても、本年度のような滯納を來して、そのために医者が税金が抑えなくて病院を閉鎖しなければならないというようなことがありましたり、有名な健康保險の病院でありながら、政府の支拂いがあるまで一時実費だけ出してもらいたいと言つて、労働者から診療費をとつて診療しなければならないという不都合を來しておるところもあるので、今後もし滯納が行われた場合には、政府はこれに対して何らか責任をとらなければならぬと思うのですが、その点はいかがですか。
#77
○宮崎政府委員 政府の支拂いが遅延したために迷惑をかけておる点は、私ども相済まないと思つておりますが、一番困りますのは税金の問題であります。それらにつきましては税制の改革等の際におきまして、保險医の税金の問題、あるいは基金の支拂いと税金との関係を源泉課税にするとか、そういうような方法を講じてみたいと思つております。遅れたものについて利子を拂うかどうかというところまでは、今日の情勢としては私どもまだ考えておらないわけであります。
#78
○堀川委員長 田代委員。
#79
○田代委員 この法案の提案者といたしましては、保險経済のバランスを十分とつて、黒字一本建でやれるようにすることがねらいであろうかと思つておりますが、大体この法案が通過して運営される場合に、これによつて保險経済が安定するという見通しがつくのでございますか。その点をお尋ねいたしたいと思います。
#80
○宮崎政府委員 これによつて保險経済が安定するというのではございません。保險経済の方は、健康保險法の改正によりまして安定をはかりたいというのでございます。基金の方はこれによりまして早く拂い、同時に、適正な拂いをするということで、この改正をお願いしたいというのでございます。
#81
○田代委員 そうすると、現在までは早く拂われていないし、不適正にしか行われていない、こういうことでございますね。
#82
○宮崎政府委員 現在までは早く拂うことになつておりますけれども、遅れております。たとえば今日におきましては、三月分の報酬を拂わなければならぬのを拂つておりません。そういうことで、遅れておりますことは事実であります。それらの原因は、先ほども申し上げましたように、保險経済の点が一つと、予納金の少なかつた点が一つ、そういうようなことで遅れておるわけであります。それをこれによりまして、前の健康保健法の改正とあわせて早く拂うようにしたいということであります。それから適正にしたいというならば、今までは不適正であつたかということでありますが、今までも適正でありました。しかし若干不適正な点もありましたので、これはその都度直しております。そういうわけで、從來審査委員会が不適正なものを発見してこれの是正に努めておりますが、この改正によりまして、それらの仕事を法的に明らかにして実施をしたいという意味であります。
#83
○田代委員 私が申し上げるまでもなく、國民の健康あるいは医療というようなことは、社会保障の問題でありまして、法律ずくめによつてこれを解決するというような態度は非常に危險でもありますし、そういうことは意図すべきでないと考えるのでございます。この法案では、今御説明もありましたように、診療医の方におきましても、非常にきびしくなつて來る。事実また第十四條の四などにおきましては、場合によつては「診療報酬の支拂を一時差止めることができる」というような、非常に圧迫感を與える條項までも入つておるのであります。こういうことになりますと、お医者さんの道徳的な立場から、適正な治療あるいは診療に対しまして制限を受けるし、また実際審査委員会が、できるだけ早く金をもらいたいというようなことから、自分の意思に反して診療に制限を加え、あるいは不正診療でもすることになると思います。これは医者の立場から申しましても、また治療しなければならない患者の立場から申しましても、社会保障を根本的な観点としなければならない場合におきまして、こういう法律ずくめで絞め上げるということは、まつたくそれと方向が相反しておるように考えられるわけでございますが、この点いかがでしようか。
#84
○宮崎政府委員 法律ずくめでがんじがらめにして行くことが、社会保障の精神に反するというお話でございますが、お医者さんが正しい治療をしております場合には、何らの束縛も何らの制限もないわけであります。まま、まれではありますが、いろいろな事件が出て参りますので、法律の必要を認めておるわけでありまして、社会保障制度のとういう法律ができるにいたしましても、法的には完備した法律を制定しなければならないのでありまして、慣習あるいは運用等によりまして、正すべきものを正さなければならぬ場合もございますけれども、根本的には法律制度が正しくなければならぬと存ずるのでございます。ただ法律万能でそのことを片づけられないということは御説の通りでありまして、私どもはこの程度の法律によりまして、あとは正しい運用でこの問題を解決して行きたい。お医者さんを法律によつて圧迫し、制限して、保險診療の内容を低下させる考えは一つも持つておりません。正しき医師が正しき治療をなさいます点につきましては、何らの制限も何らの不自由もないと思うのであります。
#85
○田代委員 正しき治療ということは、言葉の上では容易に言えるのでありますが、もしこれがあなたの仰せになるように理解されますならば、全國の医師会から、私のところにも、他の委員のところにも全面的に反対の陳情、あるいは請願をなさることはないと思います。また今御説明のように、今までのやり方によつても、不適正という点は部分的にはあつたけれども、それほどあつたわけではない。今までのやり方によつても十分適正な方向に進んでおると説明なさつたのでありますが、それであるならば、なぜ今こういう法律をつくらなければならないかということになつて参ります。その点いかがでございますか。
#86
○宮崎政府委員 今までの実際の経驗によりますと、審査をいたす際におきまして、その権限を明確にいたしておきませんと不便があるという意見に基きまして、私どももいろいろ檢討した結果、今日の保險診療におきましては、この程度の規定を置かなければ、審査等が困るのではないかという意味でいたしたのであります。全部のお医者さんにつきまして、呼び出したり、あるいは支拂いを停止したりするわけではございませんので、若干あります方につきまして、そういう措置をとらなければならぬという意味において、この法規の存在があるわけでございます。私どもこれによりまして、從來以上に強く保險担当のお医者さんを圧迫したり、制限したりする考えがないことを重ねて申し上げます。
#87
○田代委員 でございますれば、すでに健康保險法によりまして、そういう取締り、あるいは指導という点は相当詳細にできておるのであります。これは私が説明するまでもないのでございまして、それを正しく運用されれば十分足りると言えるのであります。どうしてもこういうものをつくらなければならないという理由が、今の説明自身におきましても非常に薄弱でありまして、この健康保險法の現行法律を活用することだけでも、相当いろいろ医師の診療内容に対する審査などにつきましても嚴しく、出ておるのでありまして、この点が結局私どもは、こういうことをやることによつて医療が制限を受ける。また支出をとにかく食いとめればいいというようなことがねらわれておるのではないかというような氣がします。そういうことになりますと、治療自身が非常に制限される、あるいは差別診療ということになる。かつ患者もかかりにくいし、お医者さんの方でも十分診療して上げるという氣持に制限を加えなければならないということになることが非常に心配になるわけです。その点なお健康保險における取締りとの関係につきまして御答弁願います。
#88
○宮崎政府委員 健康保險法におきまする審査、監査等は、これは行政廳がやる場合でございまして、すなわち厚生大臣または縣知事が健康保險法の規定に承きまして、お医者さんを監査する、こういうときの規定でございますが、ただいまの改正案は、支拂基金の審査会の問題でございます。行政官廳がそういう権限を持つているのに、なぜ基金にそれを置かなければならぬか、こういうことになりますと、先ほども申しましたように、基金というものは、金を早く拂わなければならない、早く拂うためには適正な審査を早くやらなければならない、適正な審査を早くやるためには、審査会というものがある程度の権限を持つて、そうして早く調べて早く拂うような措置を講じなければならない。こういう意味でこれだけの権限を審査委員会に與えるのであります。行政官廳あるいは行政廳がやります場合におきましては、これは支拂いを早くするという意味ではなくて、適正にこの保險診療が行われているかどうかという点についての措置を講ずるのでございまして、支拂基金というものは、金を早く拂う意味において早く調べる、こういう適正、迅速拂いという趣旨においてこの條文が置かれておるのでございますので、行政廳に権限を與えた健康保險法と規定において同様なものがありますけれども、趣旨が違うわけでございます。
#89
○田代委員 先ほど御説明がありましたように、すでに今までの機構のもとにおきまして、それほど不適正でない運営がされておるということを説明されたわけでありまして、私はこういうことをやらなくても、今までそういう運営の上に不備な点があれば、それが十分除去されれば、これで片づく問題であるということを確信いたしておるわけであります。私は先日、実はこういう点がどこまで眞実であるかどうかという点で、厚生省の方へ直接に参りまして、あそこに勤務されている方々にお会いしまして、いろいろ伺つたのでありますが、支拂基金などが非常に遅れているというような面においても、実は厚生省の事務をやつておる職員の数が非常に足りない。不足しておる。それで超過勤務などを盛んにやつておるけれども、最近いわゆる四十八時間制が実施されて、超過勤務に対しても、それに対して支拂いがなされない。ところが仕事はどんどん持込まれるということになつて、せつかくしたいと思つても仕事ができない。そのために基金を納めるというようなことも澁滯して來るというようなことが言われておるのでありまして、もしこれが事実であるとすれば、これは法律によつて解決されるものではなく、そういう運営面、そういう実際的な面における手が打たれるならば、それで私は解決すると思うのでありますが、この点いかがでございましようか。
#90
○宮崎政府委員 ただいまのお話は、多分厚生省の政府職員共済組合のお話だと思うのであります。職員の数が足りなくて、いろいろな計算が遅れ、同時にそれがために基金に対する支拂いが遅くなる、こういうようなお話だと存ずるのでありますが、それらの点につきましては、この行政の実際にあたりまして、仕事をよく考えて十分うまく行くように努力しなければならぬと思うのであります。今日においては、行政整理等を行うという段階になつておりまするので、仕事の仕方等につきましては、今少しくいろいろな方策を講じまして、仕事が早く行くように、私どもとしては努力したいと思います。
#91
○田代委員 先ほど苅田委員の質問のときにも御答弁なさつたのでございますが、基金支拂いが澁滯しているということは事実である。その中の第一の原因として、今まで非常に不なれであつた。そういう点が支拂いの澁滯の原因の一つになつておるということが言われておるのでありまして、たとえばそういう不なれな点をなれるようにするというようなことによつても、こういう問題は解決するのであつて、これを法律的にこういうふうに締め上げることによつて解決するということは、むしろ非常に弊害があるように考えるのでありますが、この不なれな点が現在ではどの程度までなれられたということになつているのでございますか。
#92
○宮崎政府委員 ただいまの点でありますが、不なれなために遅れたというのは金をとる方であります。それらを調べる方につきましては、審査委員会の仕事でございますが、審査委員会につきましては、今度の改正によりまして、審査委員の数が從來は十名であつたのが二十一名になる。もつとも、從來は省令で臨時委員を置いておりますから、そういう関係で正式の委員が今度二十一名に増員されるごとによつて、審査が早くなる。それからもう一つは事務の方でございますが、金を拂う方、あるいは金をとる方、その方につきましては、從來七百二十名の定員であつたのでありますが、今度の基金の予算によりまして九百九十九名――もう一名で千名になりますが、九百九十九名の職員になりまして、それで現在一人で二千三百件を扱つておりますのが、九百九十九名になりますと千六百件にかわりますので、受持の件数が減つて参ります。その点で労働過重というような点が省かれると思います。それから不なれでありました者は、大体九月から始めまして、今は五月でございますので、そのとき入りました職員が相当なれて参りまして、先般も私東京の基金へ参りましたが、ずいぶんなれて参りまして、そろばん等の間違いもございませんし、それから請求書を調べるにあたりましても、あるいは保險の予納金をとるものにいたしましても、ずいぶんなれて参りました。若い人が多うございますけれども、非常に張切つて仕事をいたしておりますので、この点につきましては、末年からは面目を一新できるのではないかと思いまして、東京の支拂基金から私帰りまして、これならば大体うまく行くと言つて喜んでおるような次第であります。
#93
○田代委員 重ねてお尋ねいたしますが、この法案の施行によりまして、この基金が診療医を圧迫するというふうにはお考えになりませんか。
#94
○宮崎政府委員 この法案によりまして圧迫することはないと思います。正しい治療につきましては、何らの問題も起らぬと思います。
#95
○田代委員 それから、これは根本的な問題でありますが、結局こういう医寮とか國民健康に関すも問題におきましては、当然國家が、また社会が保障するという憲法二十五條の精神をまず第一番にいかに生かすかという立場から問題が解決されないことには、ほんとうの解決にならないと思います。そういう立場を実際の立案者が嚴として持つて、そうして立案されますならば、こういうふうな法律はできないのじやないか。なお申しますと、先ほどからの御説明にありますように、一般会計からは全然入れぬように法律はなつておる。なつておるのだから、そのなつておることに從つてこういうことをやつたのだというような御説明でありました。そういうような社会保障の方面に向いて行かなければならないときに、なつておらなければむしろそれを一般会計から入れて、そうして國民の健康を護るという立場からこの法案を改正されるというようなことに努力されるべきであります。そういう方面における國家保障とか、被保險者に対する治療を国家が十分責任を持つという点からこれが解決されなければならないのに、むしろ反対の方向へこれがなさしれつつあるように考えられるのでございますが、その点お尋ねいたします。
#96
○宮崎政府委員 決して反対の方向に向つているわけではございませんが、正しい審査をして正しい支拂いをするということでありますので、反対の方向に向つているのではございません。ただ先ほど苅田委員も仰せになりましたが、保險経済が苦しくなつた。これに対して一般会計から幾らかの資金を導入するという問題でありますが、この問題につきましては、今日の国家財政の現状においては、なかなかそうは行かなかつたということを申し上げておるのでありますが、近く社会保障制度審議会等も開かれますので、將來の社会保障ということにつきましては、憲法二十五條の精神に合うような御審議、御決定をなされるものと私どもは信じている次第でございます。
#97
○田代委員 今日の國家財政から大体これができなかつたというようにおつしやいますけれども、実際においてこれができなかつたかどうか、私ははなはだ疑問であります。また事実そういう立場から折衝をなすつたかどうか。こういう治療に関する問題に関して、事務費をこの中から二億数千万円もとるということをしますならば、治療費の支拂いなんかに響くことは当然であります。こういう点は必然國家が保障すべきでありまして、これはとるべきではないと私たちは感ずるわけであります。そういう点から、私は立案者なり政府当局がそういう確信を持つておやりになつているかどうか。これがいつも一番心配になるのでありまして、これをやつていたのでは、こういう問題は根本的に解決しないと考えます。実際において、こういうことを折衝なすつたかどうかということを御答弁願います。
#98
○堀川委員長 質問者の委員の方も政府委員の方も、時間が相当進んで参りましたので、簡單にお願いいたします。
#99
○宮崎政府委員 その辺の努力につきましては、健康保險の特別会計の事務費につきまして相当努力いたしております。基金については根本的な立法の精神によりまして、いまだいたしておりません。
#100
○田代委員 事務費についての努力が具体的にはどういうふうに現われておりますか。
#101
○宮崎政府委員 大体事務費の三割を國庫が持つということで、健康保險の特別会計はなつております。
#102
○田代委員 以上で終ります
#103
○堀川委員長 それでは本法案の質疑も終了したと存じますので、質疑を打切りましても御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○堀川委員長 御異議がなければ本案に対する質疑を打切りまして、討論に入ります。丸山委員。
#105
○丸山委員 私は民主自由党を代表いたしまして、本改正法律案に賛成の意を表します。本改正は從前の支拂いの遅延を改善せんとする趣旨に出られたものでありまして、その点において妥当なるものと考える次第でございます。ただ箇條的にこれを檢討いたしますと、今までの多数の質疑應答に示されておりましたように、ややもすれば制限診療に陥り、あるいはいたずらに事務を煩雑にする。そのために不協力な状態を惹起する危險があると考えられるのであります。よつて本法案の運用につきましては、その点に当局は万全の注意を拂い、もつて社会保險医療をあらゆる面から円滑万全たらしめるように強く要望いたしまして、賛成の意を表するものであります。
 なお附則の五月一日というのを六月一日に訂正すべきものと考えます。
#106
○堀川委員長 床次徳二君。
#107
○床次委員 本案については、民主党としては賛成の意を表します。
#108
○堀川委員長 田代委員。
#109
○田代委員 共産党といたしましては、苅田委員、それから私が質問いたしました中にはつきり現われておりますように、反対であります。理由は説明するまでもなく、今まで質問した中に出ておりますので、反対の意を表明するものであります。
#110
○堀川委員長 これに討論は終局いたしました。
 ついで社会保險診療報酬支拂基金法の一部を改正する法律案の採決に入ります。まず丸山委員より提出された修正案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#111
○堀川委員長 起立多数。よつて本修正案は可決せられました。
 次に修正部分を除く残りの原案につきまして、原案の通り可決するに御賛成の諸君脚贈爵州の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#112
○堀川委員長 起立多数。よつて本案は修正議決いたしました。
#113
○堀川委員長 次に死体解剖保存法を議題といたしまして、質疑を許します。丸山委員。
#114
○丸山委員 時間がありませんから、簡単にお伺いいたします。第七條の一というところに「死亡確認後三十日を経過しても、なおその死体について引取者のない場合」というのがございますが、三十日という期間は相当長い期間だと考えます。それから第九條の「保健所長の許可を受けた場合」とありますが、その許可に対しては何らかの規格、基準をおつくりになる御意思がありますかどうか。それから第十四條一の「死亡の確認後三十日以内に引取者から引渡の要求があつたときは、その死体を引渡さなければならない。」とありますが、これもはなはだ長いように考えます。二十九日目に引渡しを受けても、そのときの死体の状態は、引渡しをするのにはなはだ不適当な状態になつているとも考えられますが、いかがでしようか。それから第十五條の「引渡の要求があつたときは、その死体の全部又は一部を引き渡さなければならない。」という除外規定がありますが、これは実はけがをした死体より手足を切断したり、指を切つたりしたのを見た患者がおるということを私ども聞いておるのでありますが、そういうようなことが起る危險性はありませんかどうか。まさか死体に対してそれほどのことはしないと思いますが、場合によつてはそういうことも考えられると思います。
#115
○東(龍)政府委員 ただいまのお尋ねの中で、一部分私からお答えさせていただきます。第七條の一にあります三十日を経過して云々、それから第十四條の同じく三十日というような日が書いてある、これがいかにも長過ぎるということで十が、この三十日という日切りは、別に三十九日であつては早過ぎるとか、あるいは四十日では長過ぎるというほどこれに大きな意味のあるものではございません。ただ大体一箇月という期限で引取人がない死亡者がありました場合に、これを告示して、そうして告示せられたことによりまして、これは自分の身内であるというようなことを確認するという場合には、相当の日数がかかるわけであります。そこで大体一箇月以内には、遅くともそういう人があれば出て來るであろうということが見当でありまして、從いましてかように三十日も死体として保存しておきますようなものは、申すまでもなく病理解剖等の役にはとうてい供せられないと思うのでありまして、大学等における衛生解剖用の死体として適当な保存液の中に入れて保存しておくものであります。從いましてその死体としてこれが研究並びに教育の方面に利用せられますにつきましては、三十日は決して長過ぎないと存じます。それ以上何年でも保存し得るというつもりでございまして、結局三十一日では長いか短いかということはいろいろ御意見もございましようが、大体常識的と申しますか、それと死体の告示を周知せしめるのに大体十分な日数というものを考慮したつもりであります。
#116
○久下政府委員 私からその他の点をお答え申し上げます。まず第一は、第九條の保健所長の許可について基準を設けるかということでございますが、この除外例を設けました趣旨は、病理解剖など、ごく身体の一部を解剖いたします場合のことを予想して設けたのであります。從つて大体運用上の基準は、通牒をもつて示すつもりでございます。それから十五條の死体引渡しについて、いろいろの問題が起るのではないかということでございます。この問題がございまするために、実はかような規定を設けたつもりでございまして、死体を解剖いたしましたものは、あとの十七條、十八條によりまして、その全部または一部を保存いたすことができるように積極的に認めておるわけであります。しかしながらそういう場合でありましても引取者が出たならば、但書の條件に該当しないような場合には引渡すようにしたいという趣旨でございます。從來何らこの規定に関する積極的な規定がありませんでしたから、御指摘のような問題が起ると思いますが、この法令が出ますれば、その問題はなくなると思います。
#117
○丸山委員 これは希望でございますが、保健所長の許可についてある一つの基準をお示しになる場合、なるべく病理解剖を簡易にし、普及させる意味において緩和して、普通の医者の手術室その他の方でできるようにお示し願いたいと思います。
#118
○堀川委員長 ほかに御質問はありませんか。お諮りいたしますが、本案に対する質疑は終了いたしたと存じますので、この際質疑を打切りたいと存じまするが、御疑義はありません
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○堀川委員長 御異議がなければ、本案に対する質疑を打切ります。
 ついで討論に入るのでございまするが、本案の討論に関しては別に通告がございません。よつてこれを省略いたしまして、ただちに採決に入りたいと存じます。御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○堀川委員長 御異議がなければ死体解剖保存法案の採決をいたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#121
○堀川委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
 この際お諮りいたしまするが、本日の審査を終了いたしました各案に関する議長に提出する報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいのでありまするが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○堀川委員長 なければさように決定いたします。
#123
○堀川委員長 なおこの際田代委員から緊急質問が出ておるのであります。これを許すことにいたしまするが、御承知のようにまだ百余件の請願と二十何件の陳情がありますので、時間を制限いたしましてお許しすることにいたします。政府委員の御答弁と両方合せて、約十五分としてやつていただきたいと存じます。そのおつもりで田代委員に許します。
#124
○田代委員 これは早くから通告しておつたわけでありますが、大阪の國立の療養所厚生園の事件であります。御承知のように、大阪の新聞は非常にたくさん書き立てておるのでございまするが、この厚生園におきまして不正事件が起つて、そうして園長それから事務長、炊事係長というような人たちが取調べを受けておるというようなことが新聞に出ております。これを当局は御承知であるか。またこれに対してどういう処置をとつておられるか。またこれにからみまして、こういう不正事実を病院の幹部諸公がやつたということを、そこにおります患者さんがはつきりこれを暴露したということにひつかけまして、非常に間違つた行為でありまするが、そういうことをやつたというのでその中におる三人の患者さん、しかもその患者さんは結核患者で相当重い患者さんでありますが、その三名を強制退院させたという、人権を蹂躙するような件が発生いたしました。この点につきまして現地からも再三参られまして、現在厚生当局はこれに対してどういう処置をとつておられるか、十分この正しい解決を得られるようにしてもらいたいというような陳情が参つておるわけであります。こういう実に対して当局が知つておられるかどうか。知つておられるならば、こういう不正事実並びにそういう患者を強制退院させるというような人権蹂躙に対してどういう処置をとられたかということに対しての御答弁を願いたいと思います。
#125
○久下政府委員 田代委員の御質問に対しまして、私からお答えを申し上げます。ます第一に病院職員の不正事件の事実でございまするが、これにつきましてはかねてからさようなことを指摘されておりまして、私どもとしては、その問題のあることをすでに数回にわたりまして直接調査をいたしておりまするし、また出先の医務出張所を通じまして、詳細な調査をいたさせておるのでございます。問題は今日すでに檢察廳の手に取上げられておりまして、その方のとりはからいを待つて私どもの方の行政上の措置をいたしたいと思つておりますが、司直の手による適正なる解決を待ちまして措置をいたすつもりでございます。ただ私どもが今日まで承知いたしておりまするところでは、確かに御指摘のように不正な事実はございますが、この点は監督の責任を持つておりまする厚生省といたしましてはたいへん申訳なく思つております。司直の手による解決を待ちまして、それに適應する行政上の措置を講じたいと思つておる次第であります。
 第二の患者の強制退所に対してのお尋ねでございまするが、患者の強制退所の問題は、その不正を摘発したためにやつたものではないと、再三の調査によりまして承知をいたしておるのでございます。
    〔委員長退席逢澤委員長代理着席〕
 患者の強制退所をいたしましたのは、ここに詳細な報告も來ておるのでございまするが、所内の秩序を乱し、所長の指示に從わずに患者として適当と思われないような行動がございましたので、その意味におきまして退所をさせることにいたしたのであります。ここに至りますまでには、病院側におきましても再三注意もいたしまするし、また身元引受人を呼びまして、そうして勧告をいたしたり、いろいろと手を盡しておるのでございまするが、依然としてそれを改むるところがありませんで、最後の手段といたしまして、強制退所をしてもらつたのであります。これは療養所の入所規定にも明らかにしてある点でありまして、その入所規定の定むるところによりまして、かような措置をとつたのでございます。ところがこの強制退所を命じました後におきまして、今の不正の事実の摘発というようなことはむしろあとで起つておるのであります。さような意味合いにおきまして、問題はおのずから別であります。先ほどから申しております通り、患者の強制退所ということと職員の不正事実ということは、これは確かに別個の問題でありまして、おのずから別の問題として以上申し上げましたような取扱いをいたしたいと思つております。
#126
○田代委員 秩序を乱し、適当と認められないような行為をやつた。それに対しては詳細な調査をして來ておるとおつしやいましたが、その内容をひとつ御説明願いたい。抽象的で、これだけでは理解できないのであります。
#127
○久下政府委員 ここにございまするのは、大阪厚生院の所長からの報告でありますが、報告の内容は私どもの方から直接調査をいたしました事務官の報告並びにまた医務出張所の事務官の報告によりましても、同様に肯定をされておるのでございます。無断外出、無断外泊、あるいは喫煙、飲酒等をなした、おるいは入室を禁止されておりまする場所に出入いたしまして、他の患者の安静を妨害いたしました。さらにまた直接の動機となりましたことは、所内の患者にいろいろな事項を傳達いたしまする放送の設備があるのでございます。これはどこの所でも同じでございますが、療養所が責任を持つて、療養所の職員が必要な場合にこれを使用することにいたしておるのであります。この所におきましても、さような方針で、放送室が設けられておるのでありますが、患者が自分で放送させてくれというような希望でありました。結核患者のことでもありまするし、必要なことがあれば所において、職員のものが放送をするからと申しましても、聞かずに、制止に應せずして放送室に入りましへもこれがたび重なりまして、だんだんには政治的、思想的な、直接療養に関係のない事柄まで所内に放送をするようなことが行われ、それもたび重つておりますので、さらに懇篤に指示をいたしたのでありまするけれども、暴力をもつてこれを排除し、さらに制止せんとした職員の事務室に闖入して、職員に対して聞くにたえない暴言を吐いたというようなことがございましたので、やむなく三月十日に口頭をもつて退所するように命じたというのが事実でございます。
#128
○田代委員 その問題は、実際そのときにおつた患者さんの方もお調べになりましたのですか。今の説明では患者さんを調べられたということは一言もないのであります。はなはだ一方的にしか聞えないのであります。
 それからなお申し上げますが、この件はこういう院長、事務長、あるいは炊事係長なんかが警察に逮捕されるというような不正事件が起つたことがこの事件ののちであつて、これと関連がないようにおつしやいますが、これははなはだ認識不足であります。こういうことが非常に長い間なされておつたので、ここにおる患者さんたちがいろいろこういう不正なことが行われつつあるということをだんだん取上げて、ほんとうに住みいい病院にするために、こういう所長をはつきり反省させなければならないという運動が長く続けられたことだろう、そういうように私たちは考えるのであります。その結果、ほんとうに最後のどたんばになつて退所させるということになつておるのでありまして、これと本事件との間において関係がないというふうにおつしやいましたけれども、これははなはだ認識不足であると感ぜざるを得ないのでありまして、なおこの点に関しましては、はつきりした御調査をお願いしたいと存じます。
 それから今申し上げました点につきましての御説明をお願いいたします。
#129
○久下政府委員 ただいまのお尋ねは患者も調べたかどうかということでありますが、たいへん申訳ないのでございますが、調査をやりました相手を一々確認いたしておりませんので、お答えできないことを申訳なく思いますが、私どもの方といたしましては、單に一人のみの報告でなしに、医務局の方からも再三にわたつて現場に参つて、この問題を調査いたしておりまするし、また地元の大阪にありまする医務出張所からも、所長、あるいは所の事務官がたびたび参りまして、その事実を確認いたしておる、こういう報告でありますので、これを事実として承認をいたしている次第であります。
 それから私が先ほど申し上げた点が、言い方が惡うございましたか、誤解があるようでございまするが、私は強制退所を命じましたことは、決して不正を摘発したからという理由でやつたのではないということを申し上げたつもりでございます。お話の通りに今日私どもが以上申したような調査報告によりまして承知しておりまする職員の不正事実は、この問題が起つてからのちだけのことではない。しかしながらこれを摘発したから、そのために強制退所を命じたのでないということだけを御承知いただきたいのであります。
#130
○田代委員 その点依然として不十分であります。時間がありませんので、なおこれは機会を得まして、責任ある調査の結果を御回答願いたいと思いますが、先ほどスピーカーを使つたというようなことで、これが直接の命令退所の原因になつたというふうにおつしやいましたが、承るところによりますと、また新聞などの報道によりますと、スピーカーはすでに昨年の十二月ごろから自由に使わしておつた、それが一種の慣行としていたされておつたのであります。それを最近になつて、この不正事件が非常に社会的にふくれ上つて來てから、初めて院長がスピーカーを使つてはいかぬとか何とかいうことを言い出したということがはつきり出ているのでありますが、この点も院長の報告、あるいは事務官の報告などを基礎にされて、今御答弁なさいましたけれども、非常に一方的であります。はつきり正しい立場からこれを取上げておられるというふうに、私たちは理解できないのであります。しかもこれは社会的な立場から考えましても、実際において結核患者の非常に重い患者に対しまして、新聞なんかによりますと、当日は警官なんかが動員された。警官附きでそれを無理に退所させた。そして自宅に届けたというようなゆゆしい事件が発生いたしておるのであります。もしこういうことが行われますならば、國民が病氣になつたときに、安心して療養所に入れるかどうか。またこういうことをなさつて、その後にこういう患者さんたちに対しまして、どういう適切な措置がとられたか。そのまま放置されておるかどうかという点の御答弁をお願いいたします。
#131
○久下政府委員 関係の患者さんに退所していただきますために、警察権を用いたのではないかというお話でありますが、私どもといたしましては、さようなことは承知をいたしておらないのであります。
 それからその後の患者の療養について、どういう手を打つているかということでございますが、問題は何分檢察廳の手にかかつており、その是非の判断がただいまのところとしてはつかない現状であります。從つて根本的なる意味における建直しということにつきましては、むしろ問題が今後にあるものと思つております。しかし私どもといたしましては、もちろん入所しておられる患者の治療に少しでもこと欠くような事態が起きますことは、たいへん申訳ないことでしありますので、一方におきまして、一日も早く司直の手による問題の是非の判定が下りますことを希望いたしますとともに、また所に対しましては、医務出張所を通じまして、そういうような点に遺憾のないように、再三嚴重な注意をいたしておるのであります。
#132
○逢澤委員長代理 田代委員に申し上げますが、あとの時間の都合がありま中から、簡單にお願いいたします。
#133
○田代委員 そしれではこれは保留いたしますが、これは実際におきまして最も留意をしなければならない結核患者、そういう社会的に私たちがあらゆる犠牲を拂つてもお助けしなければならないような方たが、そういう形で退所せられるというのは黙視するに忍びないのであります。そういう一切の私情とか何とかいうことを離れまして、これが復帰されるように対処していただきたいと思いますが、この点に対するお考えはいかがでございますか。
 なおこれつきりで私は質問を一應打切りますが、今の御説明によりましても、先ほど申しましたように調査が非常に一方的であり、また納得できない点がたくさんあります。もしこういうことがうやむやになるということは、厚生本省自身の権威に関することでありますので、黒白をはつきりいたし、そして社会保障は社会保障というような立場、人道的な立場を明確にされて善処されることを希望いたしまして、なお中心的な問題についてはまたの機会に讓ることにいたします。
#134
○東(龍)政府委員 退所を命ぜられました患者が正しく扱われておるかどうかということについて御懸念があるようでありますが、私が知つておる限りでは、三人のうち一名は近所にある療養所の方に移したはずであります。また一名は療養所の官舎におられる親戚の方の所へ身を寄せられておるはずであります。なお一名は大阪にあるその人の本居に帰られたという報告は聞いております。いかにも結核の患者をまだ完全になおつていないのに、かような理由で所からのいてもろうようなことは私どもとしてはまことに遺憾であります。しかしながら三人の患者のために何百名かの患者の療養に支障があるという場合には、やはり所の運営に当る者としては、いわゆる泣いて馬謖を切るということもやむを得ないのでありまして、かようなことの起りますことは私どもとしては決して好みません。絶対にかようなことのないことを希望いたしておりますが、さような所の全般に対して影響のありますような、多数の患者の療養に妨げのあるようなことが起りました場合には、まことにこれはやむを得ない処置であると思うのであります。しかしその際におきましても、療養の必要のある患者を街頭に放り出すというふうなさような無慈悲といいますか、あるいは非科学的と申しますか、さようなことは絶対にいたすつもりはございません。また先ほど人権蹂躙云々の言葉もございましたが、それが人権蹂躙というふうな大きな問題になるようなことでありますならば、私どもは絶対にとらないのであります。そのことが人権蹂躙であるかいなかは、いずれはつきり黒白をつけていただきたいと思うのでありまして、もし御指摘のような結果がありましたならば、これは厚生当局といたしましては全面的に責任をとらなければならないと存じております。
#135
○田代委員 今のような御説明でありますと私ははなはだ遺憾でありまして、実際においてこの問題の根源は、院長とか療養所の最高幹部が結核患者たるや加配米に対する不正をやつた、またはテラ物資を不正に流したとか、いわゆる全患者に対する治療を犠牲にするような悪辣なことをやつておるのであります。そういうことを厚生当局はいかにも弁護するような態度ばかりとりましで、そうして患者がスピーカーでやつたとか何とかいうような理由不明なことによりまして、これが療養所内における治療に悪影響を及ぼしたというような発言をされることは、はなはだ遺憾であります。私はそういう点に対しましては他日を期しまして徹底的に追究いたします。
    ―――――――――――――
#136
○逢澤委員長代理 これより請願の日程の審査に入るのでございまするが、國立病院独立会計制反対の請願外一件(羽田野次郎君紹介)(第一五七七号)、多井畑結核療養施設國営移管に関する請願(首藤新八君紹介)(第一五七九号)、保育施設増設に関する請願(苅田アサノ君紹介)(第一六二三号)、戰災遺家族の保護に関する請願(苅田アサノ君外一名紹介)(第一六四三号)社会保險行政職員の身分を地方自治体に切替の請願(松谷天光光君紹介)(第一六五九号)を日程に追加するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#137
○逢澤委員長代理 御異議がなければただいまの日程は追加いたされました。
 次にお諮りいたします。当委員会に現在付託になつております請願は会計百四件でございまして、この審査に愼重を期さなければならぬことは当然でございますが、おのおのの請願を一々委員会におきまして愼重審査をいたす場合におきましては、会期その他の関係上審議未了になるおそれがあるのでありまして、これが審査の方法につきましては、先刻理事会におきまして協議決定いたしました通り、紹介説明、質疑その他の手続を省略し、私が件名及び文書番号を朗読いたし、ただちに決定いたしたいと存じまするが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#138
○逢澤委員長代理 御異議がなければ本日の日程にあります請願及び陳情書の審査に入ります。日程第一、國立富士病院施設拡充の請願(宮幡靖君紹介)(第二号)ないし日程第三十三あんま、はり、きゆう、柔道整復等営業法の一部改正に関する請願(田代文久君紹介)(第三三四号)を一括議題といたします。この際時間の関係上、一々の紹介説明及び政府側の意見は略して、ただちに議決する手続をとりたいと存じますが御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#139
○逢澤委員長代理 御異議なしと認めてさようとりはからいます。それでは日程第一ないし第二十三の各請願を採択するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#140
○逢澤委員長代理 御異議なしと認め、いずれも採択と決しました。この際苅田委員よりただいま議題中の國立湊病院不正事件解決促進に関する請願に関して発言を求められておるので、これを許します。苅田委員。
#141
○苅田委員 医務局長がおいでになるまでほかのものを審議してください。
#142
○逢澤委員長代理 ちよつと速記をやめてください。
    〔速記中止〕
#143
○逢澤委員長代理 速記を始めてください。
#144
○苅田委員 それでは不本意でありますけれども、医務局長はいずれおいでになると思いますので、質問いたします。國立湊病院の不正事件解決促進に関する請願が出ておりまして、これは厚生委員の皆さんのお手元には全部渡つておりますので、あらためて内容を御説明申し上げるのは省きまして、また時間の制限もありますので、私は簡單にそれにとられました処置につきまして、御質問だけしたいと思います。
 第一番に二十二年度の食費の不正消費の問題について、厚生省ではわざわざ加藤事務官が出張されて、これをお調べになつて、そのあとに患者自治会に対して確約書というものを出しておいでになるわけです。これは厚生当局の方にも定めし控えがあると思うのですけれども、この確約書によりますと、「一、國立療養所湊病院昭和二十二年度まかない費に関する諸帳簿は非常に不備なるものである。二、この帳簿を正確なるものとして算出しても、まかない費には実給食高と基調給食高との間に大きな差額がある。三、右差額については当時の責任者を徹底的に糾明する。四、ロスを生じた一つの原因である倉庫は至急修理または増築する。」こういうような確約書が加藤事務官から患者側に手交したものがあるということが報ぜられておるのですけれども、この点は間違いございませんでしようか。
#145
○久下政府委員 私どもの方の書類の控えには、國立療養所湊病院の白友会から加藤事務官殿として、二十三年十二月二十三日に確約書が出ておりますのが残つております。しかしながら加藤事務官はなおさらに十分に調査をするということを約束したものと、私ども承知いたしております。
#146
○苅田委員 私が今お聞きしたような、加藤事務官が患者側に手交した確約書というのは、厚生省欄に責任のある何ら控えもないわけですか。
#147
○久下政府委員 これは実は加藤事務官が急に大阪の方に出張をいたしましたので、この辺の細部の点について私は承知いたしておりませんが、私どもの方に残つておりますのは、確約書という表題で、ただいまお読みになりましたような内容のことが書いてありますものが、國立療養所湊病院白友会の名をもつて、加藤事務官殿としてあるものが、控えとして残つております。
#148
○苅田委員 そうすると加藤事務官が病院側を御調査になつた上で、そういう確約書を白友会の方に置いて來られた、それの写しをなお白友会の側から厚生省側に控えとして一通送られた、こういうふうに考えるのですけれども、厚生省側のお考えもおそらくさようにお考えになるものと思うのですが、その点いかがですか。
#149
○久下政府委員 たいへん申訳ございませんが、当面の責任者でございます加藤事務官が、先ほど申したような事情で出張いたしております。またこの主務課長であります尾村療養課長が、これもまた全國の療養所長会議を各ブロツクでやつておりますのに出ておりますので、後ほど正確にお答えを申し上げたいと思いますが、それで御了承いただけませんでしようか。
#150
○苅田委員 それじや加藤事務官は、その病院を調査されて、すぐその足でどこかに行かれて、まだ本省の方には帰つて見えないのですか。
#151
○久下政府委員 そういう意味ではございません。加藤事務官が湊病院に参りましたのは昨年の十二月八日に出発をいたしまして、十二月十三日ごろに帰京しております。その確約書につきまして、どういう形式でこしを交換しておるかということにつきまして、実は申訳ございませんが、私は細部の確かなところを存じておりません。主任の療養課長はこの報告を受けておるのでありますが、これまたただいま出張をしておりますので、その意味で申し上げたのであります。
#152
○苅田委員 そうすると、おそらく加藤事務官が厚生省を代表して御調査に行かれたのだと思うのですけれども、その人がこういう大きな問題について、患者の自治会に手渡された確約書というもの、これはなお将來の問題を非常に含んでいるわけです。この問題については当時の責任者を徹底的に糾明するとか、あるいはこの事件の原因の一つである倉庫を至急に修理または増築するということで、これでもつて事件が落着したのではない。今後こういうことをするということを明らかに患者側に対して約束されておつたにかかわらず、そういうことに対して厚生省の上司にも報告もせず、またそれに対して何ら約束したような処置が講じられていないとすれば、一体この責任はどういう方面に持つて行つたらいいものか、こういう点について御質問いたします。
#153
○久下政府委員 ただいま確約書について、どういう形式で交換されておるかという点について限局されてのお尋ねでございましたから、以上のようなお答えを申し上げたのであります。加藤事務官が帰りまして、自分の所属の課長に報告をし、その課長からの報告は私どもとしては聞いておるのであります。從つて他の点につきましては、大体の筋道を承知いたしておりますし、またその後におきまして、その線に沿つて私の方から事務官二名を四月一七日から、二十三日までの間病院に出張させまして、詳しい報告も來ておりますし、他の点につきましては大体御答弁ができると思います。
#154
○苅田委員 そうしますと、この病院で二十二年度の食費が、ここに加藤事務官も言つておられるようにロスが六四%にも上つておるということは、これはほかの療養所などと比べて正常な状態であるかどうか。この点について御当局側の御答弁をいただきたいと思います。
#155
○久下政府委員 六四%というようなロスが出ておるということは、私どもとしては正常なものとは考えておりません。ただこのお答えを申し上げける前に、この点につきましては私どもとしてはあまりに維持管理が不適当であるということを感じまして、先ほど申しましたように再三の調査もいたしました。さらにまた地元の警察署にもこれは患者会の方から要望されておつたようでありますが、警察署の報告によりましても、この問題は事務上の過誤はあるけれども、別に不正は認められないという報告であるのであります。特に最近明瞭になりましたのは、その計算の基礎になりました献立表の記録でございますが、これが何らその当時の事実に基いてできたものでなく、後におきまして架空の献立表をつくつた。言いかえれば、その当時には正確な献立表はつくられておらなかつたということでございます。從つてそのロスが非常にたくさん出たというのは、架空につくられた、眞実にあらざる献立表を基礎にして言われているものであるということを、私は最近報告を受けておるのであります。從いましていずれにいたしましても精細な各方面からの調査、特にこの問題につきましては國立病院療養所の労働組合であります全國立医療労働組合の東海北陸地協の鬪爭委員長から中央鬪爭委員長に対して報告したものを私どもも持つておるのであります。それらによりましても、湊療養所につきましては精細な調査をした結果、不正と認められるものはない、ただ事務上帳簿の不整理でありますとか、あるいは購入をいたしました材料の保管が不適当でありますとかいうようなことがあります。言いかえれば事務上の処理の不完全な点は認められるというような報告に、いずれも一致いたしておりまして、その後関係者に厚生省に來てもらいまして、話し合いました結果も、今日におきましてはすでに問題はそうした事柄に意見の一致を見まして、將來にわたつて一層そうした事務上の不整備は改善をいたしまして、病院を明朗にし正確な帳簿書類の整理をするという方面に努力をすることで、今日のところはすでに円満に解決をしておる実情でございます。
#156
○苅田委員 六四%のロスが不正であつたか、あるいはこれが過失であつたか、この点につきましては、それも一割とか二割とかいうロスならば考えられるけれども、こういうたくさんのロスが單に善意から出ておりながらの過失であつたということは認めがたいのですけれども、一歩讓つてそれが過失であつたとしても、こういう過失はおそらく関係当局としてはそのままでは済まされないと思う。なぜかと申しますと、この給與になつております金は、われわれ國民が税金をもつて納めたところの金からまかなわれている。これは生活上もあまりゆたかでない人たちの治療のために、給食のために充てられる金として、向うへ出されておるものが、こういう一部の人たちの不注意というか、よしかりに不注意にしましても、こういう事務のとり方をする人に対しましては、やはり加藤事務官が約束されたように徹底的に究明していただかなければならないと思うのですけれども、最近聞くところによりますと、この陳情書にもありますように、当面の炊事の主任であつた黒田という人は、今度あらためて会計課長に任ぜられた。こういうことに対しまして患者の一同が非常に憤懣を感じている。あなたは今円満に解決したとおつしやいましたけれども、それはおそらく現地の御調査に基いての御判断でなくして、先ごろ患者の代表が参りまして、こういうことをやられて、しかもこの問題について厚生省の方で善処を約束されておりながら、その当の責任者であるこの炊事の主任を、今度は非常に重要な会計課長にまわすというようなやり方をされたのでは、われわれとしてはハンストをしてもこういうやり方に対しては反対するというような、非常にせつぱ詰まつた申出に対しまして、私は極力慰撫いたしまして、これは必ず厚生委員会でもつてこの責任の所在をわれわれから追究するから、あなた方が病躯を押してそういう暴挙をすることはぜひ待つてもらいたいということで、私どもなだめておるわけですもこれはだれが聞きましても、そんなに六四%のロスを出す事人間、それから同時に大切なる病人を預かつておきながら、献立表もつくらないで、國家から預かつた金を使つておる、こういういわゆる事務能力の全然ない人が、どういうわけで今回あらためて会計課長に推されることになつたか、この事情を厚生当局としても御存じかどうか、この点について御答弁願いたいと思います。
#157
○久下政府委員 黒田という炊事主任が当面の直接の責任者であることは、私どもも承知いたしております。しかしながら先ほどから申し上げております通り、屡次の調査によりまして、別段不正がないということでございましたので、將來を戒めると同時に、今後においてさような事態が発生しないようにいたしますために、会計課長でございません、会計主任に轉任をいたしたのでございます。これは会計主任にさせるか、炊事主任にさせるかということは、病院長の権限に相なつております。院長の権限におきまして少くとも職場をかえろということを私どもは注文をいたしたのであります。しかしながらそれをもつて問題が全面的に解決しておりませんことは、私どもの方で先ほど申し上げました四月十七日から二十三日の間にわたつて事務官三名を派遣いたしましたときの報告にもあります。私どもとしては不正もないことでありますし、もし本人がその職場をかわることによりまして、十分反省もし、將來を戒めることができますならば、この程度で問題を解決いたしたいと思つておるのであります。もしも御指摘のように依然として所内において、係ががわりましても、何ら実態が改まらないようなことでございますれば、そのときにおきまして十分善処いたしたいと考えております。
#158
○苅田委員 今の御答弁ははなはだ私矛盾しておると思います。なぜかと申しますれば、不正がないと言えば、この黒田事務官は、一生懸命自分が職務に精励しても、このようにはなはだしき不経済をしなければならないほど、事務的の才能のない人間だと断ぜざるを得ないのであります。こういう人物をいかに他に轉職いたしましても、非常にきちようめんな事務を必要とする会計課にまわして、これがうまくやつて行けるというお考えは非常におかしいと私は思います。それにこの陳情書にありますように、病院には從來から非常にたくさん不正事件もあつた。すでに摘発も受けたようなこういうような事実が伏在しておつたところに持つて行つて、この事件についても私は時間があれば一つお聞きしたいのですけれども、きようは時間も制限されてありますので、その点は触れませんけれども、そういう摘発を二度ならず受けたことがあるというような病院の、しかもそういう事件のあつたあとにそういう無能力な会計主任を持つて來て事態がうまく行くというふうに考えることは、これは私は監督官廳としては非常におかしい考え方だと思います。特に先ほどからのお金の問題では、御存じのようにわずかの金のためにいろいろな規則が設けられまして、その金が経済に使われるということのために、本年度にもたくさん法律が改正されておるというのに、こういうようなむだをして、しかもそれが惡意じやなくて善意でやつても、こういうようなむだをする人に対しまして、これがまた会計主任につくなんということは考えられないことなんです。厚生省の方のお考えはどうですか。
#159
○久下政府委員 私が会計主任という一般的な言葉で申し上げて恐縮でありますが、黒田事務官は、物品取扱い主任の通常物品だけを扱つておるようにいたしたのであります。いろいろ医療機械器具であるとか、藥品とかいうものは、それぞれ他の職員をもつて担当させるようにいたしました。正確な意味においての会計主任は別の者がやつておるのであります。
#160
○逢澤委員長代理 苅田さんにちよつと申し上げますが、もう二十分になつておりますので、ひとつ簡單に願います。
#161
○苅田委員 そういたしますと、厚生省当局では、このたびの病院長がした措置について遺漏がなかつた、これで監督官廳として十分であるというふうにお考えでしようか。この点についてひとつ御質問したい。
#162
○久下政府委員 私どもといたしましては、一應これで問題が円満に解決し、今後の粛正が期待し得るものと考えておりますが、ただ先ほど申し上げました通り、ごく最近の調査報告によりますと、御懸念のようなことがないでもないという報告を受けております。從つてこの点につきましては、私どもは当初予期したところと違う点もございますので、なおひとつこれは先ほどから申し上げております通り、十分実態を監視いたしまして、物品取扱い主任としてそこに置くことが不適当であるということでありますれば、そのときに善処いたしたいと思つておるのであります。
#163
○苅田委員 ただいまの御答弁の中にありましたそういう懸念がなくもないということは、具体的に申しますとどういうことになるでしようか。
#164
○久下政府委員 なくもないという程度以上に実は申し上げられないのでありますが、黒田事務官という人柄が適当でないように思われるという報告を受けておるのであります。そのことからやはりその部内におつて今のような地位にあるということでは、問題の根本的な解決にならないかもしれないという意味の報告を受けております。そういう意味合いにおいて申し上げたのであります。
#165
○苅田委員 そうしますと、この問題について政府の方も、至急黒田氏について調査を進められて、適当なる解決をなさるという御意向がおありだと判断してよろしゆうございますか。
#166
○久下政府委員 調査と申しますか、この点は先ほどから申し上げた通り十分監視をいたしまして、私の方から出ます場合には庶務課長の報告を徴しましすか、いずれにいたしましてもいずれかの方法によりまして、そうして將來私どもの期待し得るような改善の道がとれない、あるいは逆行するようなことでありますれば、そのときに善処をするつもりでおります。
#167
○苅田委員 問題はそういうふうに政府委員のお考えになつておるほどゆつたりしたものでなく、現に患者の方は、ここで取上げてくれなければ、自分たちが食を断つてでも、この問題に対して抗議しなくちやならぬというところまで、事態が來ておるわけです。それをたれか報告するのを待つて判断するというのでは、非常に手ぬるいと思うのです。政府の方もこの問題の調査のために調査員の派遣をしていただく、あるいは厚生委員会としても調査委員を正式に向うへ送つていただく、どちらかで至急にこの問題についての御調査を願いたいと思うのです。それはこの委員会に別にお諮りするとして、患者の方では、そういうふうに非常に危急な、非常にせつぱつまつた感情で、この問題を抑えておるのですから、それだけのことはしていただけると思うのですが、この問題についてはいかがですか。
#168
○久下政府委員 実は多少あいまいなことを申し上げて恐縮でありますが、こういういきさつがありますので、申し上げておるのであります。本年の二月に院長、患者代表を厚生省に呼びまして、この問題につきまして、將來に向つてのいろいろな改善の方策について打合せをいたしました。療養課長が中に入りまして、それではお互いに協力をして、そういうことにいたしましようということで、患者代表もこれを十分了解をして帰つておるのであります。ただその後依然として問題の解決がされませんので、先ほどから申し上げておりますように、四月の中頃に私の方から事務官を派遣いたしまして、その報告が、今何度も申し上げておりますように、今即刻黒田事務官を退職させなければならない、あるいは他に轉任させなければならないというような緊迫した事態であるという報告でもないので、そう申し上げておるのでございます。しかしながら、そういう御懸念のことがございましたならば、できるだけ早い機会に係官を派遣して調査をするようにしたいと思います。
#169
○苅田委員 それではどうぞ政府の方でも、適当な調査員をできるだけ早い機会に、湊病院に送つていただきたい。これは私の申し上げることを御信用にならなければともかくですが、私のところに直接患者の代表が來て、この問題のせつぱ詰まつた状態を訴えたものですから、このことを申し上げるので、事態は決して患者の人たちが満足しておるわけではなく、かえつてそういうせつぱ詰まつた感情が、療養所内にみなぎつておるということを申し上げたわけであります。政府委員に対する質問は、私これでやめます。
 なお委員長にお諮り願いたいのは、この席はこういうふうに人数が少うございますので、この次の委員会にでも正式にこの湊病院の問題――この問題は一年余りも係争されて、はつきりした解決がついていないわけですので、委員長から、調査員を派遣していただきたいということを委員会に諮つて頂戴したいと思うのです。
#170
○逢澤委員長代理 堀川委員長に申出の由をお傳えいたしておきましよう。
 続いて請願の審議に移ります。先ほど採択に決しました請願以下日程第二四、傷痍者の給食費國庫負担徹底に関する請願(岡良一君紹介)(第五三四号)ないし日程第五四、伊豆逓信病院職員の待遇並びに厚生施設改善に関する請願(白井佐吉君外二名紹介)(第一五四六号)日程追加第五、社会保險行政職員の身分を地方自治体に切替の請願(松谷天光光君紹介)(第一六五九号)を一括議題とし採決に付します。
 以上の各請願を採択するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○逢澤委員長代理 御異議なしと認め、いづれも採択と決しました。
 次に、日程第八五、國民健康保險法の一部改正に関する請願(寺本齋君外一名紹介)(第一二八五号)ないし日程第八七、及び日程第九一、健康保險法及び生活保護法による診療報酬支拂促進等に関する請願(松永佛骨君紹介)(第一二三六号)ないし日程第九四、同(堤ツルヨ君紹介)(第一三三七号)並びに日程追加第二、多井畑結核療養施設國営移管に関する請願(首藤新八君紹介)(第一五七九号)同第三、保育施設増設に関する請願(刈田アサノ君紹介)(第一六二三号)を一括議題とし採決いたします。
 以上の各請願はこれを採択するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#172
○逢澤委員長代理 御異議なしと認め、いづれも採択と決しました。
 次に日程第五五、國立病院独立会計制反対の請願(船田享二君紹介)(第一四六号)ないし日程第六三同(福田昌子君紹介)(第一二四一号)及び日程第七八、厚生年金保險の積立金運用に関する請願(前田種男君紹介)(第六二二号)ないし日程第八〇同(松谷天光光君紹介)(第一五四五号)、日程第八四、健康保險法の運営に関する請願(田代文久君外一名紹介)(第一二三四号)並びに日程第八八、社会保險診療報酬支拂基金法一部改正に関する請願(丸山直友君紹介)(第一〇三二号)ないし日程第九〇同(江崎一治君紹介)(第一五〇六号)、日程第九六、船員失業保險料引下に関する請願(関谷勝利君紹介)(第一一三五号)及び日程追加第一、國立事病院独立会計制反対の請願外一件(羽田野次郎君紹介)(第一五七七号)を一括議題といたします。
 お諮りします。ただいま議題といたした各請願は、いづれも法律案として議決いたされたものと同一趣旨でありますので、本委員会の報告としましては、議院の会議に付するを要しないものと議決したいと存じますが御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#173
○逢澤委員長代理 御異議なしと認め、各請願ともさように決しました。
 次に日程第六四、遺族の援護対策確立に関する請願(降旗徳彌君紹介)(第三七七号)ないし日程第七七、未亡人の保護に関する請願(戸叶里子君紹介)(第一四七二号)及び日程追加第四、戦災遺家族の保護に関する請願(苅田アサノ君外一名紹介)(第一六四三号)を一括議題といたします。
 お諮りいたします。御承知の通りこの請願は、各派共同提出に相成つておる遺族援護に関する決議案として近々上程されるものと同趣旨であります関係上、本委員会の報告としましては、議院の会議に付するを要しないものと議決したいと存じますが御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#174
○逢澤委員長代理 御異議なしと認め、各請願ともさように決しました。
 なお本日採択の各請願はいづれも議院において採択の上は内閣へ送付すべきものと議決いたしたく存じます。右御了承を願います。
 最後に陳情書の審査に移りたく存じますが、この際その説明及び意見の開陳を省略して進行したいと思います。別に御異議もないように存じますのでさようにいたします。
 本日の公報に掲載いたした日程第一、寒冷雪害地の生活の援護に関する陳情書ないし日程第二二、厚生年金保險積立金の融資再開に関する陳情書は、いづれも了承と決するに御異議はありませんか
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#175
○逢澤委員長代理 御異議なしと認め、さようにとりはからいます。
 次に日程追加第一、罹災者の生活資金補給に関する陳情書(第四六〇号)及び第二、兒童福祉法一部改正の陳情書(第四七四号)についても了承と決するに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○逢澤委員長代理 御異議のないものと認めて、さように決します。
 時間も大分経過いたしたので本日はこの程度で散会いたします。
    午後六時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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