くにさくロゴ
1949/05/24 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第24号
姉妹サイト
 
1949/05/24 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第24号

#1
第005回国会 厚生委員会 第24号
昭和二十四年五月二十四日(火曜日)
    午後三時十三分開議
 出席委員
   委員長代理理事 松永 佛骨君
   理事 中川 俊思君 理事 大石 武一君
   理事 幡谷仙次郎君 理事 中島 茂喜君
      青柳 一郎君    今泉 貞雄君
      高橋  等君    田中 重彌君
      奈良 治二君    丸山 直友君
      堤 ツルヨ君    戸叶 里子君
      福田 昌子君    苅田アサノ君
      松谷天光光君
 出席國務大臣
        國 務 大 臣 本多 市郎君
 出席政府委員
        厚生政務次官  亘  四郎君
        厚生事務官
        (保險局長)  宮崎 太一君
        厚生事務官
        (医務局次長) 久下 勝次君
 委員外の出席者
        議     員 浦口 鉄男君
        厚生事務官   友納 武人君
        厚 生 技 官 保良 せき君
        專  門  員 井井 章知君
        專  門  員 引地亮太郎君
    ―――――――――――――
五月二十三日
 委員福田昌子君及び田代文久君辞任につき、そ
 の補欠として戸叶里子君及び徳田球一君が議長
 の指名で委員に選任された。
五月二十四日
 委員戸叶里子君辞任につき、その補欠として福
 田昌子君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 医療制度に関する件
 公務員の結核療養者整理に関する件
    ―――――――――――――
#2
○松永委員長代理 これより会議を開きます。
 苅田委員及び松谷委員より医療制度に関する件について発言を求められておりますので、順次これを許します。苅田委員。
#3
○苅田委員 最初に保險局長に対しましてお伺いいたしたいのですが、最近東葛飾医師会長の名前をもちまして、各医師のところへ健康保險の実施方についての通知が参つておるわけなんです。その通知には本会議でもつて改正されなかつた点、健康保險の家族診療の点につきまして、被扶養者の範囲は配偶者、満十六歳未満の子、孫、満六十歳以上の父母、祖父母だけになつたから、診療にあたつては年齢に十分注意をしてもらいたいという通知が來ているわけなんです。これは本國会の改正点とは違つておるわけなんでありまして、こういう通知を医師会長の名前をもつて出すということにつきましては、保險局の方で御内示があつたものか、あるいはこういう点についてご存知になつておられるかどうか、この点についての保險局長からの御答弁を承りたいと思います。
#4
○宮崎政府委員 この点につきましては誤解でございまして、実は健康保險の被保險者の範囲が今日非常に廣く行われておりまして、その者によりまして生計を維持していない者にまで廣まつているうらみがございますので、今度の改正の際におきまして、その範囲を嚴格にいたしたい、こういう意味の通達を出したのでございます。そのときに例示といたしまして、大体その者によつて生計を維持されておるという者の例として、今苅田委員の仰せになりましたものがその例に上るが、それ以外についてにできないのではなくて、嚴重にやつてほしいということでございます。そのほか不具疾病者がございます。そういうことでありまして、満六十齢未満でございましても、また十六歳以上でございましても、これは被扶養者の中へ入つておるのでありますが、ただこれが生計を維持されておるかどうかということについて嚴格にやつてほしいというのでございまして、從來ややルーズに流れておつた点を嚴格に法規通りいたしたいという意味で通達を出したのでございますが、その通達が誤つてそういうことになつたとおもうのでございまして、いずれ二十六日、七日に全國の保險課長会議を開きますので、その際において誤解のないように十分話をしておきまして、医師等に間違つた解釈の行かないようにいたしたいと存じます。
#5
○苅田委員 ただいまの御答弁で事情がはつきりいたしたわけでございますが、現にこのように東葛飾におきましては医師会長の名前でこういうふうなことが出ておりまして、おそらくこれによりまして一般の医師の方が被保險者の選定をやつておるだろうと思われる節があるわけであります。すでにこういう誤解が公然と廣がつておりますことに対しましては、至急に保險課長なりあるいは適当な責任者、監督者の立場におありになる方から誤解があるということについてはつきりした御通達をいただいた方が適当じやないかと考えるのでございますが、これは單に保險課長を集めての内示だけでなくて、こういうふうに実際行われておる点については至急に何らか特別の処置がとらなければ、間違つた解釈のもとに診療が行われるような心配があると思うので、この点は何らか特別に東葛飾医師会に対しては至急の処置をお願いしたい、かように考えるのですが、この点はいかがでしようか。
#6
○宮崎政府委員 保險医療担当者でありますお医者さんは、患者が持つて参りまする被保險者証に書いてありまする名前の人を治療すればいいことになるのでありますが、これは通達等の誤りが出たのだと思いますので、東葛飾の方につきましては何らかの通達をいたしたいと思います。
#7
○苅田委員 それから今度新しく健康保險の被保険者に対しまして、初診料に該当する分を一部負担金として課すことになつたのでありますが、そのために從來一般の民間の病院で行われておりました診察券、こういうものが廃止されて、診察のたびに何らそういう初診料に該当するようなものをとられるような傾向が現れて来た。こういう様子があることを報告を受けておるのでありますけれども、こういう健康保險の初診料を出すということになると、從来慣行として行われておりました普通のそういう診察券の廃止されるという傾向のあることに対しまして、御当局の方で何らか報告をお受けになつておりますか。もしそういう傾向があるとしますれば、こういうことに対しましては何らかの処置をお講じでしようか。これについての御答弁を承りたいと思います。
#8
○宮崎政府委員 初診料をとります場合は、この間健康保險法の改正の際に申し上げましたように、一疾病に対して一個とるだけでございまして、保險の方ではその方が間違いなく、行われておると存じますが、診察券というのは私の方でどういうことでありますかわかりませんが、保險の方としては一疾病に対して一回初診料をとるだけでありまして、今月一日から施行になりましたが、その後の運営に対しましては先ほど申し上げましたように会議等で事情を聴取したいと思つております。
#9
○苅田委員 私が今申しましたのは、これは保險関係ではなく一般の医療の場合です。從來三箇月間とかあるいは一箇月間とかは、初診料を拂うことなしに見てもらえるという券が出ることが今まで慣行になつていたわけで、こういうものが今度の健康保險法で初診料を取立てるようになつた機会に廃止されるというような傾向がぽつぽつ現われている、こういうことがあるわけであります。これにつきましてはむしろ医療関係の方の責任者に御注意願わなくちやならぬことと思いますけれども、こういう事実ついて御当局の方は何らかそういう事実をお聞きになつておりますか。あるいはもしありとすれば、こういう傾向対して何らかの処置を講じていただけるものかどうかということをお聞きしたいのであります。
#10
○久下政府委員 ただいまのお尋ねは一般医療費の問題だと思いますから私からお答え申し上げます。確かにお話のように從來開業医におきまして、一箇月とか三箇月という有効期間を書きました診察券を渡しまして、それに対しまして一定の料金をとり、その期間内におきましては他の疾病が起きましても初診料なしに見ておるという慣行があることは私も承知しております。しかしながらこれは現在の制度の建前といたしましては、一般的な医業に対しましては医療費に対する何らの制限も制度的にいたさない建前になつておるのであります。從いましていかなる事情によりましても、一般の私的な医業につきましてさような処置がもしとられたといたしましても、制度的にはいかんともいたしがたい実情にあるのであります。ただ公的な医療機関につきましては、昨年きめていただきました医療法によりまして、診療報酬に関する審議会設けることに相なつております。今ちよつと準備が遅れまして委員の任命の手続きをしておるところでありますが、これができ上りましたならば、私としてには一般的に公的医療機関につきましては、さような点について何か適当な方法がとられると思つております。公的な医療機関以外の私的な医療機関につきましては、制度的にいかんともいたしがたい実情になつております。
#11
○苅田委員 私どもが今度の健康保險の問題や、あるいは國立病院なんかの特別会計制になることに対しまして反対いたしましたときに、憂慮いたしておりましたように、こういつた國家の方で社会的な医療をやつてくださる機関全体が後退することは、一般の診療にまでも必ず差響くということを非常に心配しておつたわけでありますが、もうさつそくこういう事態が始まろうとしておる、こういうわけであります。この点がどれだけ一般に行われるようになるかどうかは今後の問題であると思いますけれども、当局の方はこういう点を十分に御考慮になりまして、そうしてこれは厚生委員会全会として希望いたしましたように、健康保險法が今度やむを得ないで一部改正された点をなるべく早く少くとも旧にもどして、一般社会医療の面へ進んで行くようにどうぞ当局の方でも努力していただきたい。これは希望ですけれども申し添えておきたいと思います。
 それからなお基金の点におきまして、今回基金を円滑に支拂うための一部法律の改正等も行われたわけでありますが、その後の健康保險の支拂い状態がどういうように進歩しておりますか。できるだけ詳しく御報告願いたいと思います。
#12
○友納説明員 ただいま資料を持つておりませんが、記憶のある範囲で申し上げます。ただいまのところ支拂い状況につきましては、二月分の支拂いをしておるわけであります。二月分の支拂いを、全國におきまして六割程度拂つておるわけであります。二月の支拂いと申しまするのは三月末に拂うべきものであります。それが二月分の六割しかまだ拂つていないという実情であります。なお一昨日健康保險の政府管掌の方から支拂い基金といたしまして六億六千万円を拂い込みましたので、これによりまして二月分を拂いまして、なお三月分を半分くらいは拂えるとうような数字になつております。
#13
○苅田委員 これは速記録を見ないとはつきりわからないのですが、支拂い基金の一部改正のときに、政府側の御答弁では三月分の保險金は拂つたというふうな御答弁があつたと思うのですけれども、ただいまお聞きいたしますと、まだ二月分が全部拂われていないというような状況だといたしますと、それでは一体正常な状態に帰るのは一体いつごろになれば正常な状態に帰つて、保險金が滯りなく保險医の方に拂われるようになるお見込みですか。この点について当局の方の計画をお話願いたい。
#14
○宮崎政府委員 この前改正の際に申し上げましたのは、二月分を政府管掌で拂つたということを申し上げたのでありますが、三月分については今友納君から申しましたように、一昨日政府管掌の三月分を支拂つた、四月分は今月はむずかしいから來月拂うことになると思いますが、政府管掌につきましては大体五月分から正常な拂いができるのではないか、そういうつもりであります。それから残りの組合管掌の分につきましては、今盛んに各組合から取立てておりますので、これが遅れておるわけでございまして、今お話申しました二月分が残つておる、この間の六億で三月分の半分くらい拂えるというのが組合管掌の遅れておる関係でございまして、政府の方は拂つておるわけでございます。これはこの前申し上げましたように、一つに事務のずれがございましたことと、それから経済界の状況等で、組合の納付が遅れたという関係でございますが、各基金の事務所におきまして盛んに徴收をいたしておりますので、これらを完全に遂行して行くにはやはりまだ二月くらいかかると思いますが、大体六月ごろからは順調にいけるのではないか。ことにこの間の基金法の改正で、一月分の予納金が一月半になりましたので、大体六月ごろから正常にいけるように努力したい、こういうつもりでやつておるわけであります。
#15
○苅田委員 そういたしますと、組合管掌の部分がとれなくなる理由はどういうところにあるのでございますか。それから政府の見込みでは実際支拂いにさしつかえない程度とれる見込みがあるのかないのか。この点をついでにお聞きしたいと思います。
#16
○宮崎政府委員 組合管掌の方が遅れておりまする理由は、先ほど申し上げましたように、大体基金の発足以來、人数あるいは事務所等の関係で仕事が遅れたことであると思います。そのずれが出ておりまして、一月くらい仕事が遅れておつた関係上、それがずれておつたのでございますが、今入りました職員も半年くらいの経験を持つておりますので、仕事にもなれて参りましたし、大体事務的の部面はそろそろいいということであります。経済界の方も基金の話を聞いてみますと大体とれそうであります。ただ若干とれないところがございますが、それらにつきましては、なお一層手段を講じなければならぬと思つております。それからどうしても見込みのない組合ということになつておりますけれども、継続してこれを実施して行くのにどうも見込みがないというものにつきましては、先般も通達を出しまして解散をさせる。そうしてそれを政府管掌に吸收して権利事務を継承して行く。こういうつもりでやつております。
#17
○苅田委員 お話を聞いていますと、大体二月くらいたてば順調に行くだろう、こういう御説明なのでありますけれども、しかしこれもはつきりした根拠があつての御説明ではない。大体事務もなれて來るだろうし、経済界の方もどうにか建直るだろうというお見込みなので、もしも依然として保險医に対して支拂いが非常に遅延するという話がありますときには、また六月の末あたりになりますと税金の第一期納金が始まりますので、こういう点に対して保險医が支拂いを受けていない場合に、税金に対して特別な何らかの処置が講ぜられるとか何とか、これに従来も保險医の方からしばしば申入れがあつたと思うのですけれども、これに対してこの際何らかの御考慮をなさるような考えがあるかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
#18
○宮崎政府委員 社会保險診療についての医師の課税の問題でありますが、これにつきましては、厚生省といたしまして税制改革の際におきまして考慮していただくように財務当局の方へお願いをしておるわけであります。政府におきましても、シヤウプ博士の來朝等によりまして税制の改革をされるのでありますが、その際御考慮を願う。こういうつもりで厚生省は準備をいたしております。
#19
○苅田委員 なおもう少し詳しくどういう御考慮をいただいておるのか。実際的に厚生省の原案としてはどういう御計画があるかということが伺えれば一層いいと思いますが、いかがでしようか。
#20
○宮崎政府委員 医師の課税のことにつきましては、第一は基金を支拂います際におきまして、源泉課税をするかどうかという点であります。今まではお医者さんに支拂いをいたしまして、それから税金をとる。こういうことになつておりますが、勤労所得のように源泉課税の道を講じるどうかという点であります。もう一つは社会保險の診療の本質にかんがみまして、医師の税金を幾らか軽減できるかどうかという問題だと思います。そういう点につきまして具体的なことはまだ話しておりませんけれども、いずれ財務当局と折衝をしまして、いろいろ具体的なことにとりかかるつもりであります。
#21
○苅田委員 特に健康保險診療に対する医者の所得に対して、從來大蔵当局と厚生当局との間でも査定に差があるということを聞いておるわけであります。実際は大蔵省が査定して、非常に高額な税金でもつて取立てられたために、保險医は不利な立場になつているということを伺つておるわけなんです。この点につきましても、今度の改正のときには十分厚生当局から現在やつている医療についての実情をお話いただいて、この点がうまく行くようにひとつお願いしたいと思います。
 さらに基金の支拂いが遅れておりますために、非常に保險医の方が困窮しておられまして、ある方面では――これは神奈川と記憶しておりますけれども、もし五月中に支拂われない場合には、六月一日からは保險を拒絶するというような意向もあるやに伺つておるわけであります。いずれにいたしましても、健康保險の報酬が支拂われないということは大きな社会問題になつて來ると思いますので、この点につきまして、政府の方でさらに一層御努力いただきたいということもお願いいたしまして、私の保險医に対する質問はこれだけにいたします。
 続いてこの前の多分五月の十四日だつたと思うのでありますが、伊豆の湊診療所の不正消費の問題につきまして、私は医務当局の方の御答弁をお願いしたのでありますが、この際に医務当局の方でも実際に不正、あるいは非常にはなはだしい不監督の行われた当の責任者であるところの黒田炊事主任が、今度会計主任にまわされたという点につきましては、厚生当局としても黒田氏個人についてはいろいろ疑義があるので、なお監督をやるという御答弁があつたわけなんです。その後の報告によりますと黒田主任は辞表を提出された、こういう状態でありまして、この問題は一應患者自治会が願つておりましたように解決されたような状態だと思うのです。ところがやはり患者自治会の本部から、この前調査に参りました際に、同じような、從來からありましたような不正事件がまた新しく発覚した。これについては療養所の委員長も立会いの上で、こういう不正事件を認めておるいうことで、患者同盟の方から報告があるわけなんです。それはどういう点かと申しますと、戰争当時から非常米として受入れておりましたお米が帳簿には記載されておりながら、六十六俵だけこれが行方不明になつておりました点、それから二十三年度、二十四年度におきまして、患者用とし配給になりました砂糖が五回分八十七斤、これが同じように行方不明になつておる。帳簿の上にはあるけれども、実際の品物がないという点、これは患者自治会の本部から調査に参りますときに、委員長との立会いの上でこういう事実が明らかにかなつたという報告を受けておるのでありますけれども、これに対しまして医務局長の方では何らかの報告をお受けになつておりますかどうか。この点をまずお聞きしたいと思います。
#22
○久下政府委員 実は前回お約束を申し上げました通り、できるだけ早い機会に係官を出しまして、現場の実情の調査をいたさせる予定で、新任の療養課長に命じたのであります。ちようど今月の十日前後から百六十五の全國療養所の所長、庶務課長を地域的にブロック的にわけまして、こちらから出向いて、本年度の事業の執行につきまして打合せをいたしておるのであります。実はまだ現在九州の方に出張をいたしておるような実情でございます。課長のみならず、主なる係官がそういう関係で出向いておりますし、ここに残つております者も、そういう関係で今仕事を離れられない実情にございますので、今月の末には帰つて参りますから、そうしましたならば、さつそくお約束を果たすようにいたさせるつもりであります。從いましてただいまのお話のことにつきましては、真偽いずれとも現状においては、御報告申し上げるだけの報告を受けておりません。数日後にさような処置をとりました上で、はつきりいたしたいと存じております。
#23
○苅田委員 湊病院にこういうような不正な事件のあつたことは、今が初めではないわけで、昭和二十一年の六月にも六百俵の米が院内の倉庫に隠匿してあつたのを摘発されておる。それから二十二年六月にも免布とか毛布の被服をトラツク二台分縣の衛生課に摘発された。こういうような事件がしばしばあつたわけです。そのほかいろいろ被服だとか、患者用の特配とか、たくさん横流しされておるようなことも患者自治会は調査しておるわけでありまして、それがたまたま一つの問題として今回の黒田炊事主任が結局辞表を出さなければならなくなつたような、こういう問題にまで発展しておる過程には、こういうような幾多の不正事件がある。この摘発された事実については、おそらく当局の方は御承知になつていると思うのでありますが、私がさつき申しました、すでに摘発された事実に対しては、当局の方はこれは御承知になつておると思うのですが、この点を一應お聞きしたいと思うのです。
#24
○久下政府委員 湊病院につきましては、二回にわたりまして実地調査をいたさせておりますが、その調査の報告によりますと、さようなことのあつたということを、私ども聞いてておらないのであります。ちようどお話もございましたので、この次にこちらから参りますときはあわせてはつきりさせたいと思います。
#25
○苅田委員 この問題につきましては、厚生当局の方から御調査は、ただいま御報告のあつたように、そうでないというわけですが、この問題については、患者自治会を代表して、しばしば厚生当局の方にも陳情に來ておられるはずだということを、私に聞いておるのです。そこでこの湊病院については、当局として從來から注意をされて十分監督される責任があつたと思うのでありますが、なお引続いてそういう、問題になる事件がしばしば起きておるというのは、やはりこれは院内に非常に非民主的な空氣が強い。そのためにほんとうに良心的な、民主的な医者はいたたまれなくてどんどん出て行かれる。ほんとうに患者がしんぼうしてとどまつてもらいたいと思うような医者は、遂にいたたまれなくて出て行くというような事情がしばしば報告されておるわけです。それで、これを機会に、ただ調査員を派遣して、不正事件を取調べるだけでなくて、從來のような、そうしたたくさんのいろいろ問題になつた点をこの際ほんとうに一擲しまして、院内を明朗にして、患者がほんとうに安心して治療できるような療養所にされるように、この際私は厚生当局の方に大きな労力をお願いしたいと思うのです。伺うところによりますと、湊病院は、設備の点におきましては、非常に完備した病院であるにもかかわりませず、そういう幾多の点からほとんど半分に近い病床があいておつたというような報告を受けておるのであります。これは今日常に結核の病床が足りなくて、片方では八万床も増築しなければならなかつたところが、本年度予算関係から一つも設備を増加することができなかつたような現状ですから、せめてある設備も最大限度に利用するという点からも、こういうふうに場所といい、いろいろな設備といい、十分な條件を持つておる湊病院を、政府の方でもつと十分監督されて、そうしてこれを百パーセントに利用できるように、そういう含みでもつてこの際ひとつ処置をしていただきたいということをお願いしたい次第です。
 それで、なお患者側の要求といたしましては、こういう幾多の病院内における不鮮明な事件調査は、本來ならば直接厚生当局がしなければならないところを、いくらお願いしてもなかなか十分にやつていただけないために、療養をしている患者さん自身が療養を犠牲にして、そうしていろいろ調査をされたり、またその調査の資料をまとめられたりするために、相当のお金を使つておられる。現在では約三万五千円ほどのものを患者自治会がこれによつて負担しておる。こういう状態だそうです。それで、こういうものに対しては、実際をお調べになつた上で、拂うべきものは厚生当局の方から患者自治会の方に返していただきたい。こういうような要求も出ておりますし、私もそれはもつともだと思うのでございますが、この点に対しまして、責任当局の方では、どういうふうなお考えでございますか。御答弁を伺います。
#26
○久下政府委員 まず第一に、湊病院について徹底的な調査をしろというお話でございますが、先ほど申したようなことで調査をするつもりでございます。私どもといたしましては、患者同盟からの指摘のみならず、投書もあることでありますし、あるいはまたその他の方面からの御注意もあることでありますし、そういう場合には、常に正不正を明らかにいたしまして、もしも不正がありましたならば、断乎たる措置をとるという方針で常にやつているつもりでございます。なお、そうしたことがございませんでも、事務の許します限り、施設を調査に参りまして、そうして指導もし、そうした調査もするというようなことを常々やつているわけでございます。何分数多い施設をかかえており、係官も人数も少うございますので、そうした恒常的な調査指導というものが徹底的に行われないことは遺憾でありますが、今申し上げたようにできるだけの努力をいたしてやるつもりであります。特に湊病院ははつきり調べさせたいと思います。
 それから空床の問題でありますが、湊病院は、行つてしまえば、いい療養所でありますけれども、非常に足場が悪いのであります。これがなかなか満床にならない理由であつたようでありますが、特にあそこは海のそばにありながら、案外動物性蛋白が入手困難であつたので、いろいろ病院当局者としては苦労をしておつたのであります。また野菜などもここ一両年前まではなかなか手に入らない場所柄であります。そういう関係で、東京あたりの患者から、行きたいという希望を申し出る者もありますが、さて行こうとしますと、非常に近い所にかかわらず、時間を要します関係などで――言葉をつめて申しますと、立地的な條件がよくありませんので、満床にならないような事情であります。最近は食糧も漸次好相して参つておりますので、この点はよくなるとは思つておるのであります。患者同盟が調査に使いました金についてのお話でございますが、私どもとしては、患者の方々に病苦を押してわざわざ東京まで出ていただかなくても、先ほど申したような建前でやつておるつもりでありますので、書面なりあるいは院長を通じてなりお話をいただけば、放置する意思は毛頭ございません。從つて三万五千円というような、相当な金額ありますが、私どもとしてはこういう費用を支拂います予算もありませんし、また支拂うべきものでもないと考えておる次第であります。
#27
○苅田委員 ただいまの御答弁で、患者自身がわざわざ調査やあるいは陳情に出なくとも、厚生省としては十分これに対して監督をやつているんだというような御答弁でありますけれども、それはとにかく、湊病院について、私が御質問した点だけの御答弁を考えてみましても、そうはおつしやつても、これは十分に監督しておいでになるようには私には考えられないふしがたくさんあると思うのであります。それで患者の人たち自身が要求しておることが正しいかどうかということを、この委員会でつと直接に――ちようど今度委員会が終りましたあとで、幸い國政調査に出かける機会がありましたので、どこか適当なところに湊病院の調査も一つ組み入れていただきまして、これだけ長い間にわたつて問題になつております病院内の紛争を、できるだけ早く、できるだけ親切に解決いたしますために、ぜひこの厚生委員会で調査團を出していただきたい。それはちようど國政調査の時期でもありますので、もしこれに組むことが不適当でありましたならば、近い所でもございますから、特別に調査團を出していただいて――もう長い間、二年越しの紛争なのですから、なるべく早く解決して、患者の人にも安心して療養一本にやつて行けるようにしなければ、これはほんとうに療養所の役目にも反すると私は思う。ぜひそういうような処置をとつていただいて、そうしてこの厚生委員会も中に入つて、この問題を解決するようにお骨を折ることを委員会できめていただきたい、こういうふうに私は思います。
#28
○松永委員長代理 ただいまの苅田委員の御発議ごもつともだと存じます。堀川委員長が折から御欠席でありますので、よく諮りまして、なるべくすみやかに御期待に沿うように御進旨申し上げたいと存じます。
 次に松谷委員に御発言を願う予定でありますが、実は委員外の浦口鉄男君より、公務員の結核療養者の整理に関する問題について発言を求められております。その御発言中國務大臣本多市郎君に対して御答弁を求められており、本多市郎君は、先ほどから出席されおりますが、他に御出席の用があつてお急ぎでございますから、本多國務大臣に対する質問の分に限り先に済ませたいと存じますので、松谷委員においては御了承をお願いいたします。
 この際お諮り申し上げます。委員外の浦口鉄男君より、公務員の結核療養者整理に対する問題について発言を求められておりますので、これを許したいと存じますが御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○松谷委員長代理 御異議なしと認め発言を許します。浦口鉄男君。
#30
○浦口鉄男君 委員外の質問を許していただいたことを謹んで感謝いたします。本多國務大臣がたいへんお忙しそうでありますので、その点だけについてとりあえずお尋ねいたします。
 結論をまず先に申し上げますと、公務員で結核のために自宅あるいは病院で療養中の人を、このたびの行政整理にあたりまして、政府当局はどういうふうにお扱いになろうとお考えになつておられるか。あるいはもし特殊なお扱いをされるような気持があるならば、具体的に、どういうふうな線に沿つてお進めになつておられるか。そういうことを結論的にお尋ねしたいのであります。実は今度の行政整理は、長期欠勤者などがまず最初に目標になるであろうと思うのでありますが、そういうことも考えられますときに、結核療養者だけを目標にして特段のおはからいを願うということは、数から申しても、何かたいへん小さな問題で、片寄つた一部の人のことのように考えられますが、御承知のごとく結核というものは日本の國民病あるいは亡國病とまで言われまして、遺憾ながらまだこれがだんだん減つて行くというふうな傾向になつておりませんで、むしろ幾分でもふえつつある。しかも國家的にはまだ、これの根本的なる対策が講じられていないという現状にあります。ただ幸いに昭和十九年の二月の次官会議の決定によつて、公務員に対してだけは特に結核予防健康管理体系というものが確立されておりまして、この実施によつてたいへん成績を上げておるのであります。ところが、あとで人事院総裁にもお尋ねることと関連するのでありますが、現在のいわゆる有給出勤停止期間が一年であるということと、もう一つは、やはり定員の中に入れられているという二つの事情がありますので、いつ首を切られるかわからないという非常な不安がありますので、ともしますと経済的と職を失うという両方の意味から、治療に当る医者の良心的立地から申しますと、とうていこれを退院させることができないという事情にありましても、無理に出勤する。出勤しなければ首になる、首になれば家庭も、もちろん自分も困るということから、むりに職場に出ます結果、御承知のように公務員は國民大衆と接する機会が非常に多いのでありまして、そこに勢い社会的に見て結核菌を振りまくというふうな結果となるのであります。なおまたこの公務員の健康管理体系の中の一つの仕事といたしまして、早期檢診ということをやつておりますが、早期檢診をして、お前は結核であるという焼印を押されると、すぐ斬首の対象になるのではないかという一つの不安と恐れのために、ともすればこの早期檢診をすら避けるという事情が事実あるのであります。こういうことが続けられますと、せつかく打建てられました結核予防健康管理体系というものがくずれて、せめて日本の現在の経済状態においてこれだけを何とか完全に守つて行くならば、消極的ではありますが、國民の結核全体に対して相当の役割を果たして行く。こう思われるその体系がくずれて行くという非常に危險がありますので、あえてこのことを特にお願いするわけでございます。差迫りました行政整理については、定員法もおそらく通過することを予想されますので、定員外から結核療養患者だけを除外しようとか、あるいは今急に現在の有給出勤停止期間の一年を三年に延ばすとか、こういうことを急に今要求いたしましても、現状からできないと思いますが、せめてこのたびの差迫つた行政整理に対して、結核患者の社会的な重大なる影響をお考えになりまして、政府は何かこれに特段の御考慮をお拂いになつておるか。あるいはもしお拂いになつておらなければ、この際特に御考慮をお願いしたい。こういうわけで御質問申し上げる次第であります。
#31
○本多國務大臣 ただいまの問題につきましては、実は結核にかかつておる方々、あるいは療養所に療養中の方々について、特に今回の整理の対象とするとかしないとかいうような方針は、ただいまのところ決定いたしておりません。一般的な考え方で、やはり定員の中にある現職の公務員ならば対象となると思います。お話の通りに社会的にもしまことに重大な影響のある問題であると思いますので、おそらくその整理をやりまする任免権者たる主管大臣が行政措置の範囲内において、でき得る限り同情的に、または適当の措置をしてくれることと存じます。また中には公務に精励したための患者と言われるような方々もあろうと思うのでありまして、そういう方々に療養中整理が行われるのじやないかという御心配をかけることもまことに心苦しく存じまするけれども、方針といたしましては、ただ長期欠勤なるがゆえにその人を整理するとか、あるいはそれが結核療養中であるがゆえに整理しないとか、そういう方針は決定いたしておりませんので、御返答できないのでございますが、ただいま申し上げました通りに、諸種の状況を勘案いたしまして、十分社会的の事情あるいはその人自身の一身上に対する同情というようなものも勘案して、主管大臣が行つて行くことになると考えております。
#32
○浦口鉄男君 実は逓信の患者同盟の方がおいでになりまして、ハンガー・ストライキをやつてまででも何とか助けて欲しいというようなお話がありましたが、そんなことは別といたしましても、健康な身体で職を失つてもたいへんなとときでありますし、繰返して申しますように、非常に社会的に重大な意味を持つておるということもすでに御了承と思いますので、何とぞ今度の整理にあたりましては、特段の御処置を重ねてお願いしております。実はこれは公務員の結核対策に対する決議案文として、その中に有給出勤停止期間一年を三年に延ばしてほしいということと、結核療養者というものを定員外として行政整理の対策から除外してもらいたいという二つの具体的な事項でこれを今案文といたしまして、当局の意向を聞いておるのでありますが、いろいろな点でまだ決裁というところに至つていないわけでありますが、非常に差迫つたことでありますので、くれぐれもそのことをお願いした次第であります。どうぞよろしくお願いいたします。
#33
○松永委員長代理 松谷委員。
#34
○松谷委員 私はこの際看護婦さんに至急されました被服の点について伺つたと思います。ことに看護婦さんの中でもレントゲンであるとか、その他危險性を持つております職種に勤務いたしております看護婦さんたちに対する作業服――これは危險作業についておる看護婦さんのみならず、一般の看護婦さん方も非常にこの被服は希求されておる状態でありますが、ことにそうしたちよつとでも薬品が飛べば破損するというような、特に消耗率の高い業種にある方々に対して、特に被服の支給をしてほしいという声が非常に強く出ておりますことは、もうどこでも十分御承知のことと思うのでありますが、これに対しまして当局がこの昭和二十四年度においてとられようとしておる処置がありましたならば伺いたいと思います。
#35
○久下政府委員 看護婦の被服につきまして、非常に廣い意味のお尋ねかと存じますが、まず第一に私どもが直接所管をいたしております國立病院、療養所の看護婦に対することを申し上げたいと思います。実は昭和二十四年度のお尋ねでございますが、昭和二十三年度の実績を御参考に申し上げたいと思うのであります。昭和二十三年度に起きまして、いわゆる看護衣というものを一人について年間二枚、予防衣を年に三枚支給いたしたいというつもりで、経済安定本部の方とも折衝いたしたのでありまするが、実際に配給になりましたものは、看護衣が三万九十枚、予防衣が二万三千九百三十二枚、こういう数字でありまして、そのうちの一部は現在原反で配給を受けまして、縫製加工中でございます。でき上りましたならば、できるだけ早く支給をいたしたいと存じております。看護婦の現在の実人員は病院、療養所を通じて、一万二千五百四十八名でございます。從つて看護衣につきましては約二枚半、予防衣につきましては一枚半くらいずつきり行き渡らないというような実情でございます。私どもといたしましては、予算の許します限り、この問題は昭和二十三年度に要求をいたしましたように同じような数量を要求いたしておるのであります。御承知のような繊維事情でもございまするので、希望通りの確保ができますかどうか、心配をいたしておるような次第でございますが、できるだけ折衝をいたしたいと存じておる次第であります。
#36
○松谷委員 ただいまの御説明で大体昨年度は看護衣の場合には、一人が二・五枚、予防衣の場合には一・五枚、こういういわゆるよく言われる机の上の数字をお出しになつたと思いますが、予防衣一・五枚ということになると、半分これをさくわけに参りませんから、一枚を配給されたのか、あるいは二・五枚という場合はこれを三枚にして配給されたのすか、あるいは二枚に削られて配給されたのか。こまかい点でありますがお伺いいたします。
#37
○久下政府委員 全体の割合いを申し上げましたので、妙な数字になつたのでございますが、私どもといたしましては、全部に一枚は少くともやりました。それから一枚半の場合には、一部の施設に二枚やるようにいたしまして、それでまわりません所には、翌年度また同じ数になるように、こういう調整をして行きます。從つて二枚半という場合は、一應二枚は平等にやりまして、一部にはまた一枚余分にやる。行かないところには翌年度またさらに追給するというようなやり方をしております。
#38
○松谷委員 ただいまの御説明で、どうもそういう点から各病院においての操作の面において、いろいろ不平等な点も出で参りましようし、あるいはまた操作の点で何らかの間違いを非常に生じやすい。これは常識から考えましても非常にやりにくい操作だと考えますので、今年にはどういう御計画を立てられたかまだ伺つておりませんが、やはりこういうような半端な数量になつておるでしようか。あるいはまたそれが昨年半端でありますから、そこを補つていただかなければならぬと考えますが、今年にどのような御計画を立てられましたか。できるだけ間違いが起りやすいようなことに、このことのみに限らず根本から改めていただきたいと希望いたします。
#39
○久下政府委員 各種の被服類につきましてこまかい計画がございますが、後ほど資料を差上げることにいたします。
#40
○松谷委員 ただいま申し上げたように、非常に間違いが出るような数量の獲得というもの自体に、いろいろ問題の紛争を起す根本的な原因があると思います。そういう点を厚生省は除いて行かれるよう、もちろんこれはいろいろ経済安定本部あるいはその他商工省などとの全般のにらみ合いも見なければならぬのでありますが、少くとも厚生省とされてそれを取除かんとするだけの要求をなさる努力をなさつてくださつたか、またそうした意思がここにおありになりますか、これも一点伺つておきたいと思います。
#41
○久下政府委員 もちろん私どもといたしましては、昭和二十三年度の実績を申しましたように半端な配給をもつて満足しておるつもりではないのでありまして、平等に、しかも十分に行き渡りますように、十分な努力をいたしておるのであります。だだ御指摘のような繊維事情もありますので、大きなわくで配給はされますが、それをいよいろ縫製加工してみますと、結局においてそういう半端な数になつてしまうので遺憾に思つております。本年度はさらに一層努力を重ねたいと思います。
#42
○松谷委員 なお一つの記憶を呼び起しましたので、参考までに申し上げておきたいと思いますが、昨年茨城縣の晴風莊で御承知のような紛争が起りましたときに、その紛争の発端になりましたものが、何か看護婦さんたちへの配給品が、今おつしやつたようにそのままそこには何人分だというので原反で配給になつた。ところがこれが一人でこのように何枚というのではなくて、何点何ぼというやはり余剰が出ておつた。そのために病院がその看護婦さんたちに配給するときに、その残りはこの次にやるということで残しておいでなつた。そういうことからやはり一つの紛争が起つたのであるというようなこともございますので、今おやりくださるという御賞明をいただきましたが、なお一層ひとつ御努力を賜わりたいと思います。
 なおこれは申し上げるでもありませんが、一年間として二枚、あるいは一枚加えまして三枚、これではあのはげしい仕事をされる方々の衣服としては当然間に合わないものであるということかはつきりいたしております。なお二十四年度の計画も伺いたいと思いますが、先ほどの御説明では、これは一般の作業についての配給数量だと受け取つておりますが、初めに伺いましたレントゲン室であるとか、あるいは細菌室であるとか、その他特に危險性を持つておりまする業種に対する看護婦さんの特配というものは、特に御計画にはないのでありましようか。
#43
○久下政府委員 ただいまのところは別段そうした業種に從事するからといつて特配を考えておりませんが、先ほど申し上げましたように、昭和二十四年度の物資需給調査表をすでに出して請求をいたしておりますものも、看護婦、生徒三万三千九百人に対して看護衣二枚づつ、それから同じ数に対して予防衣を三枚ということで要求いたしておるのであります。これが要求通りに配給を受けられるといたしますれば、そうした被服のいたみますような仕事に從事しておりますところには重点的に十分注意をして、このわく内におきまして配給するようにいたしたいと思います。
#44
○松谷委員 ただいまちよつと御説明を聞き漏らしたのでありますが、その要求なさつたもの以上が與えられた場合に、余つたものに対しては、危險性を持つたものに対する特別配給をなさる、こういう御答弁であつたのでありましようか、重ねてお伺いいたします。
#45
○久下政府委員 この要求をいたしましたもののわく内でという意味でございます。
#46
○松谷委員 昨年度の計画あるいは実績を見ましても、要求された額よりも減つておるという先ほどの御説明を伺いましだが、本年度に限つて厚生省からの要求がそのままにいたされて、あるいはまたそれ以上に與えられることは絶対ないと常識でも考えるのでありますが、要求通りに與えられましても二枚、予防衣が三枚、合わせて五枚でありますが、当然初めの計画に危險性に対する特別配給をお入れにならないところから、わく内でできれば特別支給をするという御説明には何か矛盾がある。そうして何か初めから不可能なように了承いたしますが、この点にわく内でできれば特別配給をなさる、こういう御説明であつたでしようか。
#47
○久下政府委員 昨年度の実績は先ほど申し上げた通りでありまして、看護衣につきましては、一應二十三年度分の配給としては二枚の要求に対して二枚半という配給があつたわけであります。もつともこれは先ほどお断り申し上げたように、原反で第四・四半期になつて配給しましたので、まだ縫製加工中でございます。從つて二十四年度になりましてからようやく現物が届くというような実情であります。ところがちようど問題にしておられまする予防衣の方につきましては、私どもの方としてはいたむ事も多いので、一人当り三枚ほしいと申しておりますのに、一枚半分きりしか配給されていない実情でございます。実は從来とも御承知のような繊維事情でありまして、なかなか私どもとしても所要の数を申入れいたしましても、このように希望通りの割当を受けられない実情でありますので、本年度もまだそう好転しておるとは思われませんので、そういうものを加えて要求いたしましても、希望通り來ないことは大体見当がつくような氣がいたします。從つてもしこのわく通り参りますれば、今のような点を十分考慮いたしまして、不十分ながらわく内で配給をするようにいたしたい、こういう考えなのでございます。
#48
○松谷委員 ただいまわく内で何とかするとおつしやつたのでありますが、わく内で特別支給を考えていただきますと、結局危險性のあるものに從事しない一般看護婦さんその他に当然配給されるべく計画された予防衣のわくの中から削らなければならないということになつて参りますので、これでは特別配給をする意味がなくなると考えます。三枚では普通の看護婦さんでさえ足りない数量であるので、非常に月給が安く、自分ではとてもやみの予防衣を買うだけの力のない看護婦さんの配給のわくの中から削ることなく、厚生省は何とか便法をお考えくださいまして、いわゆる危險性のあるものに從事する看護婦さんの他に特別配給がなし得られるような対策を打立てていただきたいと思います。これは今御返答いただくことは無理だと思いますので、医務局において十分御研究の上、できるだけ早く実施していただくようにお願いしたいと思います。服に対する質問はこれで打切りまして、次は二十三年度の看護婦さん方の再教育の問題について、看護課長にお伺いいたしたいと思います。まず第一に、二十三年度において再教育を終了いたしました看護婦さん方は、何名くらいおいでになりますか、お伺いしたいのでございます。
#49
○保良説明員 二十三年度に再教育した全部の数は五百六十八名でございまして、二十二年度から引続いております。今やりつつあるのと全部で千三百十名でございます。そのうち國立が四百九十九名で、一般が百四十一名でございます。
#50
○松谷委員 二十三年度の再教育の予算として確保されましたのは、三百万円と承知いたしてよろしうございますか。
#51
○保良説明員 昨年の七月看護課ができまして、医務課の方から引継ぎましたお金は二十七万一千九百方円でございます。すでに再教育を二回いたしまして、今三回目をやりつつございます。一回目のときに四万二千百九円、二回目のときに五万五千七十三円使いまして、現在十五万円の予定でやつております。これはまだ引続いておりますので、決算が出ておりません。私の承知しておる範囲では、たくさんいただきませんで、二十七万一千九百円しかございません。
#52
○松谷委員 久下次長にちよつとお尋ねしたいのでございます。私ども、二十三年度の看護婦再教育予算として百方円を厚生省は獲得されたと伺つております。そしてそのうち中央の分といたしまして七十方円を予定され、その他のものは各ブロツクごとに出張所單位によつて使用するように用意した、こういうふうに全日本医療從業員組合の婦人部の方々が医務局に行かれた際に、医務局でありましたか看護課でありましたかで説明されたと聞いておりますが……。
#53
○久下政府委員 予算の数字を持つておりませんし、明確な記憶がございませんが、少し間違つておるかもしれませんが、一般看護婦の再教育につきましては、医務課の方で昨年は所管をしておりました。その関係におきまして、看護課ができたときに引継がれました予算は二十七万円に過ぎないのでございます。これは今看護課長から申し上げた通りであります。お話の点は、おそらく國立病院、療養所の看護婦全体に対する再教育のための予算金額のことをおつしやつておられるのだと思います。その金だと大体その程度になつていると思います。しかしながらこれは國立病院以外の一般の看護婦には使えない金なのでございます。
#54
○松谷委員 看護婦再教育に対します予算の内訳、どのような御計画を立て、どのようなところにどのくらい配付されて、どのような方針でこれを消費されておられるか。できるだけ早い機会に資料をちようだいいたしたいと思います。なお、再教育に使用する予算として獲得されたものの中から、看護課の人件費に一部流用された向があるのではないかというような懸念が今日なされておるのでありますが、そのような事実はまつたく皆無であるのか。あるいはまた今日の官廰の経済状態でございますので、それの一部流用は確かにしておるという向でありましようか。この際一應伺つておきたいと思います。
#55
○久下政府委員 予算の資料につきましては、できるだけ早く差上げることにいたします。
 それから看護課は昨年の七月にできたのでありますが、そのときの考え方は、できるだけ一般的な、再教育でありますとか、あるいは看護婦の業務基凖を定めること、あるいは看護婦の養成に関する仕事は、たとえ國立病院の看護婦につきましても看護課で総括的にやるべきものである、そういう考えのもとにでき上りました。同時に、看護婦以外の保健婦、助産婦につきましても、他の局で担当いたしておりましたものを看護課に統合いたした。從つてそれに伴う人も看護課に集めたわけでございます。予算がまだ元のままになつておりましたので、兼務の形式で看護課を出発させたのでございまして、何らそれ以外の人員にございません。從つて國立病院の療養所に関する看護婦関係の人件費が流用されたのではございませんので、今のように國立病院、療養所の看護婦につきましても、看護課で一般的な指導を担当するというような意味合におきまして、看護婦再教育のための人件費が、病院、療養所を通じまして嘱託雇員の資格のものがとられることになつておりますので、それを看護課にまわしましたことは事実でありまして、兼務の形式でやつております。
#56
○松谷委員 なおこの問題は資料を頂戴いたしましてからまたあらためてとくと伺うことにいたします。
 もう一点伺つておきたいのは、今日再教育のために出て見えます看護婦さん方に対する手当を千円というふうに伺つておりますが、さようでありましようか。
#57
○久下政府委員  実は再教育のために出て参ります看護婦に対する給與につきましては、講習に出て参ります看護婦からいろいろ熱心な要求がございまして、特に國立病院の看護婦は給與が少いので非常に困る。よその者は非常にたくさん金をもらつて來ておるというようなことで、いろいろな方面に肩身の狭い思いをいたしておるようでございます。ただ予算的には非常に額が少のうございまして、打切りで一定の金を差上げる以外にないのでございます。本年の一月から、つまり昭知二十三年度のうちから大体再教育に來てもらう人には、月に千円ずつに、これでも増額をいたしたつもりでありますが、増額いたしまして給與することにいたしておるのであります。予算の許す限りやりたいと思うのでありますが、なるべく多くの人を講習を受けさせたいと思いまするし、そういたしますと、一人当りの予算が少くなる。それぞれ調和をいたして千円の程度で少いながらがまんしていただこう。できるだけ多くの人を講習に参加してもらおうというつもりでやつております。
#58
○松谷委員 ただいまのできるだけ多くの看護婦を再教育したい、この点については私どももぜひそうならなければならないし、そうあつていただきたいと希望いたすものでありますが、何と申しましても今日このインフレの中で千円というものがどのくらいの價値よりないものかということは、これはもう言わずもがなでありまして、看護婦さん方が千円だけの手当を受取り、そうしてまつたく知らない土地、数箇月の生活をされるということで、非常に苦痛を再三私どもに訴えられておりますし、私自身がそういう立場にあつても非常に心細いと考えます。ことに先ほどもおつしやつておられましたが、私立病院の方々等は非常に手当を多く受けておられる。そういうところから若い娘さんの中にいろいろまた問題が起つておる実情でございますので、できるだけこの点も何とか増額の道を御計画いただきたいと考えておりますが、現在のところではもう全然増額の見込みがつきませんでしようか。
#59
○久下政府委員 講習に参加いたします人員を極度に少くすれば、一人当りの給與はふえて参ります。それ以外には方法がないのでございます。実はこんなことを申してよろしいかどうか存じませんが、いろいろそういう問題について予算折衝をいたしたのでありまするが、大体において看護婦さんは独身で家族を持つておられる方は少いのであります。しかも大部分が宿舎に寝とまりしておるので、東京に出て來られましても俸給はそのまま差上げるのであります。それと手当と合せてお小づかいにしていただけば、普通の家族持ちの者が他に出張して講習を受ける場合と違うであろうというようなことが、実は予算が増額しない理由になつておるようであります。しかし他との比較もございまするので、私どもはできるだけいたしたいと考えます。現在のところは人員を減らす以外にございませんし、減らしますことは看護婦の資質の向上の面からも遺憾でございまするので、その程度でしばらくは忍んでいただくほかはないのではないかと考えております。
#60
○松谷委員 人員を減らすというのは、先ほども申しましたように賛成できかねますので、またこの点は私どもも研究いたしますし、厚生当局も十分御研究をいただきたいと思います。これだけで私の質問は終ります。
#61
○松永委員長代理 先ほどに引続きまして、委員外浦口鉄男君の発言を許します。なお本日午後四時より大蔵委員会との連合審査会を開く予定で、すでに定刻を三十分以上過ぎておりますので、なるべく簡單にお願いを申し上げます。浦口鉄男君。
#62
○浦口鉄男君 それでは簡單に厚生当局に御質問を申し上げます。先ほどの公務員の結核対策について、現在公務員の結核予防健康管理体系ができ上つておりますことは先ほど申し上げたのですが、これがもちろん今日の経済の状態において、これを飛躍的に完備して行くということはできないといたしましても、特に公務員の結核が社会的に及ぼす影響は非常に重大である。ひいては全國民の結核対策に大きな影響を持つということから考えまして、公務員の結核予防法あるいは健康管理体系に対して、現状においてもう一段と、どういうふうに厚生当局はお考えになつていられるかということを少し具体的な御計画があるならばお示し願いたい。
 それからもう一つは、全國民に対して、すでにツベルクリン反應に対するBCG接種をおやりになつておるようでありますが、もう一段と徹底した根本的総合的な國民の結核予防対策と申しますか、そういうふうな大きな政策を今お考えになつているか、この二つの点について一應答弁を願いたいと思います。
#63
○亘政府委員 お答え申し上げます。公務員の結核予防対策につきましては、これは御承知のように人事院の所管事項になつておるのでありまして、厚生省といたしましては、一般の國民の予防対策と相なるのでございます。御承知のように結核の予防対策につきましては、予防法が制定されましたのは大正八年でございましたが、その後の実情に適さないものが今日非常に多いのでございまして、これらの点はできるだけ早い機会に実質に伴うように改正して行かなければならない、かように考えておるのでございます。それで結核の蔓延につきましては非常に憂慮しているのであります。先ほど浦口委員が幾らかなお増加しておるというように仰せられたのを聞きましたのでございますが、本省の調べといたしましては、一般國民といたしまして、わずかではございますが、少し減りつつあるような傾向にあるが、これをさらに一層徹底的な治療をいたしまして、國民から結核を撲滅して行かなければならない、かように考えるのでございまして、現在いろいろな対策のうち、まず第一番目に病床が非常に不足しておるという点が一つの欠点になつておるのでございまして、これをふやさなければならない。現在ありますものは公私を合せまして、約六万二千の病床でございます。それを少くとも八万程度までふやすという基本方針を決めておりまして、本年度はとりあえず國立療養所と國立病院の結核病棟を一万三千床増加するということに計画を立てまして、そのように進めておる次第でございます。
 それから次にはBCGの注射によりますところの予防法でございますが、その普及をはかりますために本年七月からは從來の青少年中心を拡充いたしまして、満三十歳に至るまで約三千万人に接種する予定であります。なお第一回國会で通過いたしました保健所法の全面的改正によりまして、保健所におきましても結核治療を行うこととなりましたので、保健所の結核予防活動とともに大きな功績を立ててほしい、かように期待しておる次第であります。そのほかといたしまして今般二百キログラムのストレプトマイシンの輸入を認められたのでありまして、この結核対策の一環といたしまして利用して、あわせてまた國産品の増産にも努力をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。以上が大体本省の対策でございます。
#64
○浦口鉄男君 將來國民結核予防法というふうなものを法制化して、國民を結核から守るというような御計画は今ございませんか。
#65
○亘政府委員 ただいま申し上げましたように、大正八年の制定にかかる古い法律でございますから、これを改正いたしまして、必要であれば御趣旨のような形のものにも持つて來なければならないことも当然考えられなければならない、かように考えておる次第でございます。
#66
○松永委員長代理 先ほど浦口鉄男君から、説明の委員として政府委員人事院法制部長の岡部史郎君の御出席を求められましたが、まだ御本人の行方がわかりませんので、御出席がございません。
#67
○浦口鉄男君 では明日厚生委員会をお開きの御予定でございましようか。もしお開きの予定でございましたら、その節厚生委員会で御質問いたしたいと思います。
#68
○松永委員長代理 ただいまのところでは明日委員会を開会する予定でございます。
 他に御発言もないようでありますから、本日はこれにて散会し、引続いて厚生委員会大蔵委員会の連合審査会を開会いたしますから、委員各位の御出席をお願い申し上げます。なお本委員会は明日も開会の予定でございますが、詳細は公報によつてお知らせいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト