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1949/09/15 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第30号
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1949/09/15 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第30号

#1
第005回国会 厚生委員会 第30号
昭和二十四年九月十五日(木曜日)
    午前十時四十四分開議
 出席委員
   委員長 堀川 恭平君
   理事 大石 武一君 理事 中川 俊思君
   理事 床次 徳二君 理事 松永 佛骨君
   理事 苅田アサノ君
      青柳 一郎君    今泉 貞雄君
      丸山 直友君    岡  良一君
      堤 ツルヨ君    伊藤 憲一君
      松谷天光光君
 委員外の出席者
        法務府検事   長谷 多郎君
        厚生事務官   小沢 辰男君
        厚生事務官   小澤  龍君
        厚生事務官   楠本 正康君
        厚 生 技 官 岡崎 文規君
        厚 生 技 官 山口 正義君
        厚 生 技 官 安倍 雄吉君
        通商産業事務官 近藤 止文君
        専  門  員 川井 章知君
        専  門  員 引地亮太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 厚生行政一般に関する件
    ―――――――――――――
#2
○堀川委員長 これより会議を開きます。
 本日はまず島根県ワクチン中毒に関する医師告訴問題につきまして、丸山委員から発言を求められておりますから、これを許すことにいたします。
#3
○丸山委員 昨年の十一月京都及び島根県におきまして、ジフテリアの予防注射により死亡その他を生じました事件がございましたことはご承知の通りであります。京都におきましては、注射液の検定が不備であつたということのために、それぞれ國家の責任としてこれを処理せられ、賠償その他の道が講ぜられておるのであります。しかるに島根縣におきましてそれよりもはるかに時を経ました本年の六月にいたりまして、死亡者の最初の注射を行いたる医者八名が業務上の過失致死被疑として、送廳されたということが起つたのであります。すなわち八東郡で五名、籔川郡で一名、淵摩郡で一名、隠岐島で一名の医者であります。この事実につきまして島根縣医師会が調査いたしましたところによりますと、この検挙は最高検察側の指令によるもので、三名の検挙の指示があつたが、三名を選定するのに困難なために、死亡者関係の八名の医者全部が送廳になつたということを傳えております。御承知のようにこの注射禍は注射液の不良であることは申すまでもありませんので、当然これを使用いたしました医者に責任がないことは京都においても明らかになつておねにもかかわらず、島根においてのみかかることが起つたのは実に不思議に考えるのであります。ことにこのことが新聞紙上に非常に大きく取上げられました結果、医者の過失であつたというような印象を大衆に與えましたために、予防注射そのものに対する疑念も生じまして、また医師会方面におきましても、政府の検定した注射液を使つて事故を生じた場合に、医者が責任を負わされるということになつては、政府の選定した注射液を使つて予防注射を行うことは、考慮をしなければならないという疑惧を生じせしめたのであります。予防衛生行政について非常な危險な考え方さえも生ずるような結果を来たしたのであります。この島根縣の医師会の発表いたしました検挙は最高検察廳の指令によるという文句でありますが、この言葉は島根縣の医師会がかつてに書いたものではございませんので、島根縣の衛生部長の宮崎義則という方から島根縣医師会長日高忠男氏にあてた公文書である島医発第一二一号二十四年七月二十七日付の書類の中に記載せられております。すなわち國警本部藤本警部補は、本件は最高検の指示に從つて調査したもので云々と明記しておるのであります。最高検という言語は略語でございますが、常識的に最高検察廳を意味するものと私どもとしては不審にたえないのでありますが、これに関しまして最高検察廳は島根縣のみに対してどういうわけでこういう指令が出されたか、実際指令を出されてあつたのかどうかということを第一番目にお伺いしたいのであります。
 第二番目には、もし指令を発せられたとするならば、なぜ京都の方面においてはこれよをやらないで、島根縣のみにこれが行われたか。また実際医者が業務上の過失致死という被疑に島根縣のみが該当するとお考えになつた理由を承りたいと思います。
 第三番目には、もしそういう指令が最高検察廳から出されたということが偽りであつたとするならば、右の國警本部であるところの藤本という方の公に言われた本件は最高検の指示によつて調査したものであるというこの発言は虚偽になる。そういう虚偽の発言に対しては一体その責任はどこにあるか。あるいはそれよりも上部にあるか、どういう風にお考えになりますか。この三点についてお伺いしたい。
#4
○長谷説明員 お答え申上げます。ただいまの島根縣におけるジフテリア事件の関係で医師を検挙した事件の詳細の内容については、中央ではまだ具体的に報告に接してはおりませんので、詳細のご説明を申し上げかねるのであります。しかしながらただいまのお尋ねの三点については、一應御返事が申し上げられる資料がございますので、その限りでお答えいたしたいと思います。
 第一のこの事件について最高検察廳の指令があつたかという点につきましては、これはございました。この事件はジフテリア事件といたしまして、京都とあわせて同一の製造元から流れたものというふうに認められる関係上、また御説のように、きわめて大きな社会不安を與え、容共の大きかつた事件といたしまして、最高検察廳といたしましても、徹底的に究明するように指令を発しております。但し京都においては医師を検挙するな、島根縣においては医師を検挙せよという、しかも氏名を限定したような指令は発しておりません。但しそのような指令が参りますと、現地といたしましては、その種の事件について最高検の指令があつたということを捜査官としては考えるのが通常でありますので、この場合御説のような警察官がそのようなことを申したということが、かりにありといたしますれば、これは操作の通常の場合といたしまして、一應あり得ることではあるまいか、あつたことによつてそうとがめるわけにも行かないのではあるまいか、というふうに考えられるのであります。
 それから事件の処理の方針については、現在までに、少なくとも京都におきましても、一應医師も捜査の対象にはいたしておる関係もございまして、事件はいわば調べてみなければわからない、不良の注射液が製造元から流れて、順次医師の手元に入り、それが患者に施療されるという段階が経過したあとに死亡、傷害の結果が発生するものでありまして、結果から捜査がさかのぼります関係上、どの段階に事故の原因があつたかということは、通常の場合順次さかのぼつて調べる関係上、医師も一應捜査の対象になることはあり得ると考えております。ただ現在までこの場合の本件に関して施療にあたつた医師を処分し、検察廳のもとで有罪と認めて起訴いたしたという報告には今日まだ接しておりません。一應現在の推測といたしましては、そのような場合、医師が業務上過失などの責任に問われますことは、注射液の状況事態を医師としてアンプルを見まして、通常注意すべき程度の何らかのきずがあつたにもかかわらず、それをうつかり見落としたという事情がない限りは、医師の業務上過失罪はもちろん成立いたさないと考えております。
 なお最後に本件が京都では医師の過失らしいというような趣旨の新聞報道はなされなかつたが、島根縣の関係でこれがなされた結果、医師の関係でこれがなされた結果、医師の信用その他に好ましからざる結果を生じたという点につきましては、まことに遺憾なことだと考えておりますがそのような事情がありますれば、現在この島根縣の関係の事件は、その後の事件の全貌を大阪の高等検察廳で直接一括して指揮いたし、現在捜査をこの関係でなお進めておる事態であります。從つてこの捜査が遠からず完了いたすと考えられますので、あるいはその場合省廳で処分結果を発表いたしまして、報道による医師の御迷惑をできれば除くというような措置も今後考えてみたいと思つております。
#5
○丸山委員 ただいまの御答弁によりますと、島根縣においては新聞の記事として取上げられたからやかましくなつたので、京都においては新聞に取上げられなかつたら問題にならなかつたというような御答弁があつたように聞いておりますが、京都府医師会長より島根縣医師会長にあてました照会の返事にこういうことがあるのであります。府当局に連絡調査の結果、京都府下においては一名も送廳された医師はありませんと、こういうふうになつたおりまして、新聞の発表だけではなく、事実において京都においては送廳せられた医師は一人もいないのであります。しかるに島根縣においてはそういうことが起つておるのであります。これはどういう理由かということをお尋ねしたいのであります。
 第二番目には特に指定しなかつた、こういうお話でありますが、私どもの調査では、医師のうち三名という指令があつた、その三名を選ぶのに困難であつたから八名全部でおつたのだ、こういうふうに私どもの方では聞いておるのでありますが、その点についてもう一度お尋ねいたします。
#6
○長谷説明員 ただいまの二点は、具体的の事件といたしまして先ほど申上げましたように、遺憾ながら現在報告を受けておりませんので、正確にお答え申上げかねます。
#7
○丸山委員 私どもはこの検察当局のお考えというものは、そういうような性質のものであるとは存じます。一應全部調べなければならぬということはごもつともとは考えます。しかしこの事件の責任の帰着点は、一應政府の検定が悪かつたということはもうすでに明瞭になつておるのであります。それが時を経ました六月に至りまして、そういう明瞭に成つてしまつて、しかも賠償までもすでに政府の責任においてやられるという責任の辯着が明瞭になつたものを、さかのぼつて六月になつて検察廳に送廳しなければならぬということの必要は、どういうところからお考えになるか。そのお考えを聞いておるのであります。
#8
○長谷説明員 ただいま申しましたように、まだこの事件の報告を受けておりませんので、正確なことは申上げられないので、一應の事実を離れた意見しか申上げられないわけでありますが、想像いたしますのに、もしかりに島根縣で医師に違反があつて、問疑すべきものとすれば、いろいろな事情が考えられるのであります。これはいわば島根縣で起りました時期とか、あるいはことに製造番号などがわかつておるものでありまして、京都で行われました製造番号の前後に連なる番号の藥剤がまわつております。京都の事件があつた後の事件といたしますと、医師としてそのような状況を見れば注意すべきではなかつたろうかというような点があるいは新しくあるかもしれないし、あるいは具体的な注射液の外形とかその他で注意すべき点あつたかとも考えられる。そのような場合には、あるいは犯罪が成立するかもしれないのであります。しかし通常の場合はこの程度であれば常識的には犯罪には特にならないのではないかというふうな感じはいたしますが、この点はまだ報告に接しておりませんのでお答え申上げかねます。現在までに少なくとも検察廳では、これを有罪として処理したことはございません。
#9
○丸山委員 はなはだ不満足でございますけれども、おわかりに成らぬことをこれ以上追求してもしかたございませんから、一應打切ります。なおこの点につきましては、公衆衛生局の方にもお伺いしたいのでありますが、この席にはお見えになつておりませんので、後ほどに保留しておきます。
#10
○堀川委員長 何か関連してお聞きになる方はありませんか。
 それでは次に看護婦の白衣不正配給事件に関する件を、松谷委員から質問を通告されておりますので、これを許すことにいたします。
#11
○松谷委員 第五國会の折でございましたか、厚生省の医務局久下次長より、國立病院、療養所の看護婦さんに対する白衣の配給の点につきまして、ご説明いただいておりました。その後におきましても國立病院あるいは療養所の看護婦さん方から、一向に予防着あるいは看護着の配給がない、何と言うかこれを早く促進してもらいたいという陳情が非常に多く参つておりますが、実情を調べてみますと、厚生省の御指摘になりましたような予防衣にいたしまして年間一・五枚と当時伺つておりましたが、そうした配給すらも実情は行き渡つておらないというような状態が出て参りました。そういう原因が一体どこにあるかということをいろいろ調査いたしておりましたところが、最近になりまして、たまたまこういう事実を一つ発見いたしました。それはいわゆる白衣業者に手渡されます原反が、そのままそつくりたび業者の方に渡つたということを耳にいたしましたので、さきごろ厚生委員会の際にこれを繊維当局から説明を伺いたいと考えておりましたところが、時間の都合で正式に御回答をいただくことができず、繊維局次長といろいろお話をいたしました際、次長の御説明を私個人としてではありましたが、いただいたのでございます。そのときの繊維局次長のお話によりますと、私の懸念いたしておりました白衣の原反がたび業者にまわつたということは、ある一縣下の事実であろうかとこう考えておつたのでありますが、これは実は全國的な問題であるというはつきりした御説明があつたわけでございます。きようは局長もお見えのようでございますから、一つその事実につきまして詳細の御説明をいただきたいと考えます。次長がさきごろ御説明くださいました二十三年度の第四・四半期分の國立病院、國立療養所の看護婦向けの白衣、これに割当てられた全國百三十万ヤールの原反が、たび業者の方にまわされたという事実を局長はお認めになりますか。その点を初めに伺いまして、あとこまかな点に入らせていただきたいと思います。
#12
○近藤説明員 ただいまご質問のありました衛生白衣用に引当てられるべき綿織物が、たび布帛関係の方にまわりました事実はございます。その事情を申し上げますと、御承知のように昨年の十月以降繊維製品の輸出、特に綿織物の輸出が急速に増加いたしまして、紡績から機布に至ります段階におきまして、内地向けに引当てられます品物の現物が非常に枯渇いたしました。そこで昨年の第三・四半期の、これはすべての繊維製品の関係にまわります織物でございますが、これらのものは一旦割当をいたしましたけども、これがただいま申し上げました輸出の関係で現物が入らないということから、この割辺を打切れという命令が参りまして、第三・四半期の発券分につきましては全部これを無効にして打切りにしたのでございます。ところがその打切ります手配が多少手間取りました。これは一部分役所側の方におきましてもおきましても遅延をいたしました手続上の責任もあると存じますが、同時に業界関係におきましても、急速な徹底を欠きましたために、まだ現物化されておりません切符で、しかも打切りになつておりまするものについて、品物が引渡されるという事実があつたのでございまして、衛生白衣関係に第四・四半期分として予定されておりましたものが、たまたま第三・四半期のたびの表布地、それから布吊の切符と引きかえに品物が渡された、こういう事情がございまして、先ほどお話の百三十万ヤール、これは二十三年の衛生白衣の第四・四半期の割当の分でございますが、これにつきまして現物化ができなかつた、こういう事情があるのでございます。
#13
○松谷委員 ただいま局長は百三十万ヤールとおつしやいましたが、私はさきごろ百三十万ヤールと伺つておりますが、どちらが事実でございましようか。
#14
○近藤説明員 私の方では百三万六千九百九十六ヤールとなつております。
#15
○松谷委員 ただいまのご説明で第三・四半期の割当をしたけれども、現物が入らなかつた。この第三・四半期の割当の内容は衛生白衣並びにたびの方の原反のこともさしておいでになるのでございましようか。あるいは何かその一種のものをさされたのでございましようか。
#16
○近藤説明員 第三・四半期の打切りになりましたものは、そういつた特定の品種でございませんで、繊維製品全般に渡りまして打切りになつたわけでございます。例を申し上げますと、魚網のようなものにつきましても打ち切りがございます。
#17
○松谷委員 なおただいまのご説明の中に第三・四半期分の発券を打切つた。全國打切られたはずであるのに、いわゆる打切つた中からその発見をなお生かして原反をとり得たものがあるというふうに私は伺いましたが、そう解釈してよろしゆうございましようか。
#18
○近藤説明員 それは打切りをいたします手配が遅れまして、まだ実際には打切られなかつたものに対する引きかえの品物が渡された、こういうことになりますので、打切つてしまつたものに対して品物が渡されたのではなくて、法規的に申しますと、有効な切符に対して品物が渡されたことにはなつております。
#19
○松谷委員 そういたしますと、第三・四半期分は打切つたにもかかわらず、つまり第四・四半期分に割当てされた原反を第三・四半期分で手続上打切りの処置をとつていなかつた切符によつて第四・四半期分を受取られた、こういうものがあつたという御説明でございましようか。
#20
○近藤説明員 そうです。
#21
○松谷委員 そういたしますと、さきごろ次長から私が承りましたのは、切符というものは四半期ごとに出されて、その有効期間はその四半期を限定とするのだ、こういうことを承つたのでございますが、その御説明によりますと、特に第三・四半期分は打切つたという一つの手続をなさるまでもなく、いわゆる第四・四半期分の割当原反であるということならば、第三・四半期分の切符をもつてはとれないと私どもは常識をもつて考えるのですが、この点は手続上どういうふうになつておりますか。
#22
○近藤説明員 切符は四半期ごとに発券されるのですが、その有効期限は六箇月から七箇月ぐらい、品種によつて違いますが延長されております。第四・四半期分の割当とか、第三・四半期分の割当分とか考えておりますのは、大体品物を計画生産させますときの基準でございます。これが卸屋の倉に入つておるものに対しては、どれでも有効な切符に対しては渡せるということになつております。しかしこちらで腹づもりしておりました通りの切符と引きかえに行かなかつた結果になつたわけであります。
#23
○松谷委員 先ほど次長の説明によりますと、そうした一つの間違いが出てきたのは、出先機関の一つの過失であつて、第三・四半期分のたびやさんに渡してある切符に追加分という字を加えなければならなかつたはずが、この追加分という字を加えなかつた。從つてこれが第四・四半期分にも通用するような形になつて来たのである、そこでたびの業者の方にその原反が早くまわつてしまつたのだ、こういうふうに説明を伺つたのでありますが、ただいまの局長の御説明とはその点が幾分食い違つておるように考えますが、この点がいかがでありましようか。
#24
○近藤説明員 次長が御説明申し上げましたことと、私の御説明申し上げましたこととは決して食い違つておりません。次長の申し上げましたのは具体的な切符に記入する手続の点を申されましたので、ちよつと松谷委員の方で御了承しにくかつたと思いますが、第三・四半期分につきましては、切符を出しましたけれども、打切りになつたわけでございます。これにつきまして追加分という言葉が切符に記載されておりますれば、第三・四半期分であるということがわかりますので、そういう切符には品物を渡さないはずなんでございますが、追加分という言葉を切符の上に書き入れてなかつた。これはどういう手違いでありましたか、書き入れてなかつたのものでありますから、卸屋の方では第四・四半期分のものと同じようなつもりで引渡した。そういう手続上の過ちがございました。
#25
○松谷委員 先ほど局長のお話では手続の上で手落ちの分もあつた、こういうふうに伺いました。先ほどの御説明では全國的な手落ちとは私は承りません。いわゆる手続をとりつつあつたけれども、全國のことであるし、その中には手落ちの分もあつた、從つて第三・四半期分の切符でたまたまとり得たものもあつた、こういうふうに部分的な問題として私は御説明を伺つたのですが、ただいまの御説明によりますと、またさきごろの次長の御説明と食い違つておらないということになりますと、これはやはり全國的にその手落ちが繊維局当局におありになつた、こう解釈してよろしゆうございますか。
#26
○近藤説明員 全体がそうしたために現物が渡らなかつたのではございませんが、相当数量のものが現物化できなかつたという結果になつたわけであります。その数字を申しますと、三十三万九千ヤール程度のものは現物化されたのであります。それが大体全体の三二%、残りの六八%のものが現物化されておらぬ、こういう結果になつているわけであります。
#27
○松谷委員 そうするとさきごろ次長が御説明くださつた、いやそれは全國に対する問題であつたと言われたのは誤りであつたということになりますか。
#28
○近藤説明員 そうではございませんで、今申し上げて大体おわかりのように、約七割程度が現物化されておりませんので、全國的と申しますか、衛生白衣をつくる業者の数はあまり多くございません。その大部分のものに対してはこういつたことで現物が行かなかつた、こういう結果になつたわけであります。
#29
○松谷委員 全國の業者の数がおわかりでしたらご報告いただきたいと思います。
#30
○近藤説明員 業者の数は現在七十六社ございます。
#31
○松谷委員 しかし全体の約七割という過半数にこういう手落ちが、当局として無意識な一つの過失として行われたということは、私どもとしては常識から行きましてどうも受取れない。そこにはもつとほかに何らかの理由があつたのではないかというふうに考えたいのでございます。私業者の方々にあたつてみたのでありますが、その方々は全然とつていない。とにかくとりに行つたところが全部たび屋に渡つてしまつておつたという答えを一様に受けているのでございます。これは全國から見ればほんの一部でございますが、どうもそこにはただ單なる過失というのでは私どもとしても納得し得ない、あれは誤りであつたから、時期の来るまで待つてくれとおつしやるそのお言葉をそのまま私どもとしては伺えない。ことに白衣の来ることを一日千秋の思いで、実に不便な生活をしている数万の看護婦さんたちがあるのでございますから、その点御当局としてももう少し責任を持つて、この過失の出た一番大きな原因はどこにあるか、伺いたいと存じます。
#32
○近藤説明員 手続上に過失のございました点は、私どもも十分責任を感じているのでございますが、先ほどちよつと申しましたように、昨年の第三・四半期においては、普通の状態でない割当上の混乱があつたのでございます。それは昨年の十月ごろから急に輸出が伸びて、しかもこの輸出は再三上非常に有利な輸出でございましたので、これは統計等ごらん願えばおわかりと思いますが、急速に從来の何倍という大きな輸出が出たわけでございます。そこで國内向けの綿製品が非常に枯渇いたしまして、いろいろ司令部関係とも協議をいたしたのでございますが、やむを得ず第三・四半期は割当をしてあるけれども、全部キャンセルにするというような強硬な指令も参りまして、そのためにいろいろやつておりました從来の手続がその時期におきまして非常に混乱したわけでございます。渡りません原因はここに一番大きな点があるのでございまして、これらの品物は大体計画的につくられまして、所定のたびなり、あるいは白衣なりその他そういつた製造業者の関係の方に普通のルートで流されておりますもので、そういつた混乱が起こりませんければ、決して現物化ができなかつたということはないと思うのでありまして、一時的の現象のためにこの問題が起つたものと考えております。
#33
○松谷委員 私が二、三耳にいたしておりますことの中には、たび業者が結束いたしまして――とにかく第三・四半期に十分もらえなかつた、從つてよくあることですが、たび業者の猛烈な運動が繊維局に向かつてなされた。その結果こういうことになつたのだというようなうわさも社会には飛んでおりますが、そのような事実はございませんか。
#34
○近藤説明員 そういう事実はまつたくありません。と申しますのは、切符を持つて品物を買いに参りますものは、衛生白衣の業者にいたしましても、たびの業者にいたしましても、指定されておる問屋に買いに行くのでありまして、その切符を発券いたすのは役者が発券いたしますけれども、その切符を持つてだれが先に現物化するかという問題には、役所は全然タツチしておらないのでありまして計画的なものをつくりまして、それに合う切符を発行して、それから衛生白衣、その他の業者に流れて行くというように自然の流通にまかしております。私の方にたびの業者が運動に参りましても、現物が先に入るということはないので、その点は私どもの方にはそういつた陳情もございませんでしたし、私どもも特にたびのほうにやつたということは絶対にありません。
#35
○松谷委員 それではただいまの局長の御説明を一應そのまま信用いたしまして、なお今後に問題を持ち越したいと思いますが、当局は少くとも当局の過失であつたということをお認めになるわけでございますねそれをひとつ当局にお認めをいただきたいのです。よろしゆうございますか。
#36
○近藤説明員 よろしゆうございます。
#37
○松谷委員 先ほども申し上げましたように、この厚生関係は常に扱われ方が、すべての局においてあとまわしにされるというのが今までの常識になつておりますが、この白衣の点も、一体それではそういう過失があつた今後の対策をいたしまして、どういうふうにこれを処理しておいでになりますか。一体いつになりましたら白衣の原反を発券されることができるか。また百三万ヤールの補充をなさる見通しがあるのか。この前次長のお話では、どうも早急にそういう見通しは立たぬのだ、八月の六日の放出の中から幾分とれるかもしらぬということだつたのですが、もうすでに八月六日も過ぎておりますが、具体的な数量がわかりましたら、ご報告いただきたいと思います。
#38
○近藤説明員 未現物化の問題につきましては、私どもも極力早急にこれを埋めたいと思いまして、努力をいたしておつたのでございますが、幸い先般一億五千万ヤールの輸出滞貨の放出がございまして、その放出の分の中から、数字で申しますと大体七十五万ヤールの――これは看護婦さんの分だけではありません。診察着、手術着、そういつた白衣の関係でございまして、七十五万ヤールの放出をすることにいたしました。なお第四・四半期の未現物化の分の一助にもと存じまして、一億五千万ヤールの次に一億ヤールの放出がごく最近の機会にあることになつておりますので、その方からさらに追加割当をいたしまして、その穴を埋めたい、かように思つております。結局当日、再来月までにはこの両方の現物が白衣の業者の方に渡ることになると存じます。この方は現物が現にございますから、切符が先にということでなしに的確に渡るようにいたしたいと思います。
#39
○松谷委員 十一月までには渡るというお話ではございましたが、少くともこの数箇月間、看護婦さん方は非常な不便を受けていると同時に、やはり全國の七十六社の業者の方々も――これは私の調べました業者の方々でございますが、非常な経営困難に近い状態に陷つている業者も多々あるように聞いております。そういう場合にただ單なる繊維局の過失であつたというだけで、業者の不便、あるいは経営の問題と、また白衣が渡らないためにどうしても間に合わなくて、しかたなしに泣き泣きやみの白衣を自費でそろえて何とか破れをつくろうというような看護婦さん方も相当あるのでございます。こういう点に対して、繊維局がただ過失であつた、かんべんしてくれというだけでは、私は相済まぬ問題であろうと思うのでございますが、それに対する何か繊維局の御覚悟なり、あるいは対策なりというようなことを、今までお考えになつたことがあるかどうか伺いたいのでございます。
#40
○近藤説明員 私の方といたしましては、現物化が非常に遅れました点を一刻も早く取り返そうということで、この問題は努力をいたして参つているのでございまして、先ほど申しました一億五千万ヤール、たびの方の七十五万ヤール程度の数字はもうこれは今月中にはおそらく手元に入る予定なので、あとの口の方が十一月くらいになる、こういうことでございます。一刻も早くそういつた空白状態をなくしまして、正常な仕事ができ、また需要者の方々の御不便を除去したいと思いまして努力をいたしている次第でございます。
#41
○松谷委員 重ねて申しますが、少くともそこにはブランクが二月以上三月のものがございますので、その点に対する看護婦さんが他の切実なる嘆願が繊維局にもおそらく参ることと思います。あるいはまた業者の方からもそういう点についての直接繊維局への訴えがあろうと思いますが、そういう際には過失をお認めになる以上、ひとつ適当な責任をやはり繊維局として果たしていただきたいと強く要望いたしますが、その具体的な要求が出て参りませんければ、何ともお答えをいただけないかと思いますが、極力そういう訴えのあつた場合には、繊維局が責任をとつていただきたいということを、ご返事を伺つても同じことだと思いますが、強く要望いたしておきます。
 なお厚生省の整備課の方がお見えになつておりますから、重ねて伺つておきたいのですが、ただいま繊維局長に伺つているような事実が実はあつたわけでございます。これは厚生省と繊維局との連絡が密でないというところからも、このような事実が持ち上がつて来たということを私どもとしては考えざるを得ないのでございまして、またこういう事実があつたために、厚生省が当然責任を持つて配給なさるべき割当数量でさえも、その不足をわれわれはかねてから訴えながらやつとわずかな数量を受けておつたのでございますが、そのわずかの中からこうした繊維局の過失による配給遅延が行われていたことを、厚生省は御存じであつたかどうかを伺いたいと思います。
#42
○小澤(龍)説明員 私、実は最近整備課長にかわつて参りましたので、以前のことを詳しくお答えできないことを遺憾と思いますが、この百三万六千ヤールの件つきましては、私どもとしては、國立病院及び療養所の現在の一千五千人の看護婦さんに対する看護衣と予防衣を考えておりまして、そのほかの全医療施設に対する問題は、厚生省として大体官房の総務課が繊維局との割当その他の関係の任に当つておるわけであります。それで私どもとしても衛生白衣工業会の方が結局現物化の競争において負けたというような事情にあるものですから、その穴埋めをできるだけ早くやらなければいかぬということで、今申されたような相当大幅の割当を今回いただくようになつたと存じております。
 なお國立病院及び療養所の看護婦さんの白衣及び予防衣の件は、大体一万五千人一人一着は配給できるような数字は確保してございまして、二十三年度の分から申しますと、一般の方の割当は労務者用として二十三年度六万四千六百という数字がございます。それからそのほかに公共業務用というのがありまして、これが一万計七万四千六百という数字が二十三年度にまわつております。それからほほ同数のものを予防衣として配当を受けております。それは一般の診療所、病院の分でございますが、二十四年度は、これは原炭でなくさらに十九万七十着分の割当をすでにいただいておるようであります。これを全部府縣別に割当を決定しまして、各衛生部長に通牒をしておるという状況だそうであります。國立病院の一万五千人分に対しましては、手元に二十三年度の配給数量を持つておりませんけれども、一月から三月までに、すでに看護衣については七千二百二十五という数字を手配完了しておりますし、四月以降現在までに私どもが手配しておりますし看護衣の数は一万三千百二十八という数字がございます。從いまして、今年に入りましてから、看護衣につきましては二万三百五十三という数字を確保してございます。國立病院、療養所の看護衣につきましては、はなはだ少量ではありますが、一人一着以上渡るという数字はございますので、その点だけを申し上げておきます。
#43
○松谷委員 さきごろも久下次長から数字だけは実は伺つたのです。私ども数字だけいくら伺いましても、やはり現物が渡らない限り、その数字をもてあそぶことはできない。やはりその数字をお立てになりましたならば、ひとつ厚生省は責任を持つて繊維局との交渉をより密にされて、そして配給が即座に参りますようにおはからいをいただかなければ、せつかくの数字も私は生きて来ないと考えるのでございます。ただいま課長のお話もありましたように、衛生白衣工業会の、やはり一つの競争負けがあつたというようなこと、私も実は伺つておりました。先ほどの繊維局長のお話によりますと、いやそういうような業者間の競争で云々されるものではない、こういう御説明があつたのでございますが、やはりそこには原反をめぐりまして一つの競争があるやに私どもは聞いておりますが、原反に対する発券あるいはまた原反の配給割当につきましては、これは何々用の原反であるということ、また発券の方にも何々のための発券であるという表示がなされるものと思いますが、その点局長いかがでございましようか、重ねてひとつ伺つておきたいと思います。
#44
○近藤説明員 何々用の原反というところまで詳細な表示はいたしません。大体織物の種類別に生産計画を立てまして、たとえば白衣にいたしましても、金中であるとか、あるいは天竺であるとか、そういつた品種別の生産計画によりまして生産をいたしまして、それが卸屋に流れて参りまして、その卸屋にございます品物につきまして、白衣なりあるいは裁縫屋なりその他の業者の方が切符を持つてこれを引きかえにとるわけでございます。その場合にもありものの種類別があるだけであります。從いまして、競争負けというお話でございますが、先ほど私が申し上げましたのは、役所に対してこれらの現物化について業者が運動いたしましても、現物化かスムーズにはならないのでございますから、場合によりますとその製造業者と問屋との関係、あるいはその資金の関係、そういつたところから見まして、卸賣業者がある切符に対して物を先に渡すということが絶対ないとは申せないわけでございます。その点でおそらく競争負けという話を整備局長が今言われたのだろうと思います。そういう意味であります。
#45
○松谷委員 そういたしますと、いわゆるたびの布と白衣のものとはまつたく同一の質のものであるというように解釈してよろしゆうございますか。
#46
○近藤説明員 お話の通りでございます。
#47
○松谷委員 そういたしますと、私どもせつかく先ほど局長に説明をいただいて、一應局長の言を信用さしていただいたのですが、心配になります点は、まつたく繊維局が白衣用として十一月までに早くその不足分を完了したいと、こうお考えくださいましても、またそこに業者の競り合いがございまして、問屋に対する一つの働きかけから、せつかくのその白衣のものがまたたびになるというおそれもあるわけでございますね。
#48
○近藤説明員 切符は実は個々の業者に出ますので、たとえば衛生白衣の場合にも、数十社業者があるわけでございます。この中で現物化が早くできる業者もあれば、現物化の遅れる人もあるわけでございますから、今度の一億五千万ヤールの放出の分につきましては、現物がすでにどこにどれだけあるという数字がきまつておりましてその数字に対しまして切符が出されるわけでございます。業者の配給の関係より申しますと、これは糸から織物をつくつてそのでき上るべきものを目当に切符を発券するというふうな從来のものとは、今回の一億五千万ヤールの放出の分は性質が違います。はつきりもうでき上つた現物があるわけでございます。それに対する切符でございますから、現物化のできないということは今度は絶対にないわけでございます。
#49
○松谷委員 そういたしますと、かりせり合いがあつても、必ず白衣になるというふうに解釈してよろしゆうございますか。
#50
○近藤説明員 お話の通りでございます。
#51
○松谷委員 尚念のために伺つておきたいのは、そうして不足分を十一月までに埋めていただきますのは、二十三年度の分と私どもは解釈するのでありますが、なおその後における二十四年度の割当分がすぐ続いて出せるお見通しがおありになるのか、あるいはその遅れた分を今出すから二十四年度の配給分がまた先に伸びて行く、結局順送りになつて、白衣を受け取るものは結局それだけ消られなければならないという結果が出て来るおそれはございませんでしようか。
#52
○近藤説明員 今度はこの現物化の穴埋めをやるのでございまして、二十四年度の分は経済安定本部におきまして年間計画が決まつております。この安定本部の医療計画によりまして計画通り配給されるわけであります。決して二十四年度の分がそのために減るとか遅れるとかいうことはないわけでございます。
#53
○松谷委員 それでは局長の言を信用いたしまして、厚生省はおそらく繊維局に対しても相当弱い立場に置かれていたと私は解釈いたしまするが、どうか一番みじめな扱いを受けておる厚生省でございますから、特に御配慮を一層強くいただいて、そうした点を補つていただきたい。一刻も早くひとつ不足分を満していただきたいと特に強く要望いたします。また厚生省に対しましても、このようなことか再び起らぬように、責任をもつて御配慮いただきますように、特に次長あるいは局長にその点を強く課長からお傳えをいただきたいと存じます。
#54
○小澤(龍)説明員 先ほど数字だけを聞いても、信用ならぬとか言われましたが、これが現在すでに契約の進行中の数字でございますので、その点は御心配いらないと思います。なお繊維局の方に私ども常時連絡をとりまして、今後とも遺憾のないようにしたいと思います。相当実は数字としては非常な御好意と心配を願つておるわけで、今後は予算が足らないようなことになるかもしれませんが、そういう点もあわせて考えながら手配をして行きたいと思います。
#55
○堀川委員長 なお昨日の松谷委員及び堤委員に対する厚生省当局の答弁が保留されておるのでありまして、この際小澤國立病院課長よりその答弁をいたしたいと申出がありますので、これを許すことにいたします。
#56
○小澤(龍)説明員 昨日松谷委員から第一・四半期と第二・四半期の比較におきまして、第二・四半期の予算配賦は減少しておるのではないかというお尋ねでありますが、第一・四半期に配賦いたした予算の総額は六億八千五百万円です。第二・四半期は六億七千七百万円でありまして、約八百万円ほど配賦額が減少しております。その理由は予算配賦にあたりましては、常にその次の四半期に取扱うであろう患者の実績を推定いたしまして、それにかなう予算配賦をしておるのであります。第二・四半期からいよいよ特別会計に入るために、第一・四半期においてはその例によりませんで、われわれの配賦し得る限りの全予算を、患者数にかかわらず配賦したのであります。從いまして第一・四半期は通例受ける予算よりかも多額の予算を各病院でもらつたというわけであります。第二・四半期は通例に戻りまして、予期せる患者数に基づいて予算配賦をしたために減少したのであります。言いかえれば、第二・四半期を少くしたのではなく、第一・四半期において余計な予算を配賦したということになるわけであります。なお予算配賦は推定によつてやつておりますので、從つて実績との食い違いが出て参ります。その食い違いは次の四半期、あるいはまたその次の四半期において逐次補正をいたす。そのために病院別に、あるいは費目別に見るときには、相当過不足が出て参ります。それはそういう補正をする結果であるということを御了承を願います。
 次に昨日堤委員から、舞鶴病院は引揚病院として指定されておるについては、予算的措置その他につきまして、特に考慮せよという御希望ならびに御質問があつたのであります。その点私どもも考えておりまして、引揚病院として一時にたくさんの患者が入るときに第一に必要なのは、人手の問題であります。そのために舞鶴病院といたしましては、新しい定員としては二百九十七名の職員であるべきでありますが、現在三百四十名、四十三名の過剰になつておりますが、その事実をそのまま認めまして、つまり四十三人だけ普通の病院よりもよけい配置しております。そのほかに引揚船が入りましたたびに、日赤の看護婦を應援に出していただくことになりまして、人員配置について相当の考慮を拂つておるのであります。なお予算につきましては、第一・四半期並びに第二・四半期合せて約百十万円ほど他の病院よりもその特別の経費として配賦をしております。なお引揚げの実情によりまして、病院の当局と連絡をとりまして、万遺憾なきを期していきたいと考えております。
#57
○松谷委員 ただいまの御表明では、大体次の患者数を基礎にして割当をするというお話でございましたが、御承知のように、特別会計制になりましてから、各病院とも一番大きな主眼は、患者の増加ということに相当の目標を置いております。これは各病院ともその全体の数においては大体患者数がみなふえているような状態でございます。しかしその実情から参りまして、患者数がふえているのに、ただいまの御説明では、やはり予算の割当の方は減少している状態だという御説明であつたのではないかと思いますが、私の感違いであれば幸いだと思います。
 それから時間がございませんから、重ねてお伺いいたしますが、私が東一、千葉、所沢、横浜、こういつた病院の一箇月当りの平均を大体予算の間で伺つてみましたところが、一番ひどいのは食料費なんでございます。食料費が第一・四半期は二百八十三万四千八百九十八円になつておりますのが、第二・四半期は二百二十四万三千数円、大体そこには六十万円からの開きがあるわけでございます。この病院の入院患者を調べてみましても、入院はむしろ増加というような状態になつているのでございます。結局より患者はふえておつて、食費が六十万も減らされているということになりますと、そこに出て参ります問題は、食料の内容が悪くなる、質的な低下ということに帰着しなければならない。こういうことがまた治療に対して非常に悪い影響を及ぼしてくるのではないかという一つの懸念があるのでございます。そうなりますと、結局この特別会計制が、そうした治療に対するひとつの大きな妨害、あるいは國立病院としての性格の喪失を来す大きな原因となつているのではないかということを、指摘せざるを得ないのであります。また被服費にいたしましても、第二・四半期が第一・四半期にくらべて大体四万六千円からの減額になつております。そうすると看護婦の白衣であるとか、あるいはベッド用の敷布であるとか、そういう調度の内容がより節約されるということになりますので、衛生的にもこれは非常にゆゆしい状態に立ち至る恐れが多分にあると考えられるわけでございます。あるいは藥品購入の予算が私の調べたところでは三十万円から減つております。こういう藥品購入の金が三十万円も減らされるということは、やはりまた治療上の質的な低下ということに当然なつて来なれければならない。診療内容がまた悪くなるというような一つの心配が出てまいります。そのほか飼料費でございますが、モルモットを飼う費用などというものはまつたくゼロに今度はなつておるのであります。そういうような状態から行くと、これまた研究の上に大きな支障が来さなければならないというようなことで、予算から見ましても、どうしてもこういういわゆる支出の面の削減ということが、特別会計制のもとに行われなければならない一つの目標であるということになつてまいりますと、この特別会計制を云々いたします場合に、私どもとしてはどうしてもこれは撤廃しなければならないという結論に到達せざるを得ないことになるのでございますが、当局がごらんになつて、食料費とかあるいは衣料費、藥品購入費だとかの削減が出てきているということを当局はすでに御承知だろうかどうか、それに対するお考えを伺いたいと思います。
#58
○小澤(龍)説明員 先ほど申し上げましたように、第二・四半期はわれわれの推定患者数に基いて予算を配賦しております。入院患者で申し上げますと、第二・四半期は平均一万九千百九十四人入院するであろうということを推定にかかわらずありつたけの予算を出してしまつたことになつておりますので、第一・四半期は多いのであつて、第二・四半期が減つたということにはならないのであります。藥品費につきましてもまかない費につきましても同様であります。まかない費につきましても年間二万三千名の入院患者があるという想定のもとにとつてあるのでございますが、実際は果たして二万三千いるかいないかは経過してみなければわからない。それからなお自炊患者が今日のところ二〇%おるのでございます。第一・四半期においてはこういうことを考慮しないで、第二・四半期以降の特別会計に備えるために余分の経費をやつたということになつております。從いまして藥品費といたしましても、まかない費といたしましても、被服費は補修費だけでございますが、減少しておるのでございます。飼料費につきましてはこれは調査研究費の中に含まれて、第一・四半期は一般会計分として年間の四分の一を出しております。特別会計に入りましては、残りのものすべて第三・四半期で一括配給することといたしてございますので、第三・四半期に一括して配給いたすことになつております。
#59
○松谷委員 簡單にあと一つ。それでかりにその人員の増加によりまして必要な経費が一應立てました支出予算よりも超過いたしまして赤字になりました場合には、当局は責任をもつてその赤字になりました場合には、当局は責任をもつてその赤字をいわゆる次の四半期に補うだけの責任と余裕がおありになりますか、それを一應伺つておきます。
#60
○小澤(龍)説明員 その通りでございます。すでに第三・四半期の予算は第二・四半期の実績を考えまして、それを補正する予算を目下組みつつございます。
#61
○堀川委員長 それでは次に人口問題に関する件につきまして岡委員から発言を求められております。これを許すことにいたします。
#62
○岡(良)委員 最初に人口問題研究所長の岡崎博士らお伺いいたしますが、このたび優生保護法の一部改正が実施されましてからまだ日も浅うございますが、また年間における人口問題の専門家でいらつしやいますからお尋ねしますが、日本において、年子の場合における二番目の年子の死亡率と、そして最初の子供の死亡率との差はどういうものであるか。および子供を三人以下持つている母親と三人以上持つている母親の死亡率は、どういう程度てあるかということをもし御調査であればお伺いしたい。
#63
○岡崎説明員 まず第一には戦後の人口動態のことですね、お尋ねの点は……
#64
○岡(良)委員 優生保護法の今度の改正以後でございます。
#65
○岡崎説明員 優生保護法を改正されましたこの六月以後の経過について申し上げますれば、まだ大してそう前とかわつた点はないと存じます。ただ死産の率が少しふえました。たとえばかつてし大体出生百二ついて死産の数は四くいらでございましたが、それが今五あまりになつていると思います。これはやはり優生保護法の改正以来少しそういう妊娠中絶のやり方が楽になつたと考えた――それは悪く考えていると思いますけれども、そういうことによるのじやないかと思います。しかし、これは全体の数としてはわずかのもので、やはり出生の数は先日衛生当局から発表がございました通り、今も引続いて相当大きな数であります。おそらく人口千について三十を割ることはないと存じております。
 それから第二番目の人口統計に関する問題でありますが、わが國のこれまでの研究は非常に不十分でありまして、この第一子の死亡率と第二子以下の乳兒死亡率を比べてみましても、それがどれほどの差があるかということ、また三兒以下の子供を持つている場合と、母親の死亡率がどれほど違うかにつきましても統計が全然ないのでございます。非常に遺憾でございますけれども……
#66
○岡(良)委員 保健所の課長さんにお伺いしますが、優生保護法の改正と同時に、保健所には優生結婚相談所というふうな仕組みのものを設けまして、これが一般優生の問題についての大衆の相談を受ける仕組みにするという構想が盛られているのでありますが、これは現在はたしてどういうふうに運営をされておりますか、その間の実情をお尋ねしたい。
#67
○岡崎説明員 現在法律によりまして、保健所には優生結婚相談所を付置いたしまして、かような問題を指導いたすことに相なつております。しかし保健所全体といたしまして目下かような機能を十分に発揮いたしております。すなわち保健所には母子衛生係が各保健所にございますが、この母子衛生係が優生結婚相談と申しますよりも、むしろ避妊の正しい指導あるいは妊娠中絶の正しい指導策をいたしておるのであります。かような点に関しまして新らしい仕事でもあります関係上、先般厚生省におきましてこの母子衛生係の主任者を集めまして、これらの方法につきまして正しい講習を行いまして、目下全國六百八十九の保健所におきまして、それぞれ実施をいたしておる次第でございます。
#68
○岡(良)委員 実は最近入手いたしましたアメリカのブランド・ペアレントフッド・アソシェーションのパンフレットのパンフレットでございますが、これを拝見いたしますと、アメリカの統計といたしまして年子の死亡率は、でない場合に比べて約五%上昇いたしておると発表されております。なお三人以上の子供を持つておる母親の死亡率は、でない者に比べて約二〇%の死亡率を統計が示しておるのであります。こういうような事情から考えましても、また一名でたくさんの子供を次々と生みましては、とうていたくさんの子供を次々と産みましては、とうてい母親は産褥とお洗濯とお台所とに縛りつけられて、なかなかもつて文化的な機会に恵まれることもないと思うのであります。そういう意味から保健所優生結婚相談所の機能運営の根本の問題でございますが、私どもは人口調整の問題が單に貧しいから養つて行けない、だから人口調整をやり、あるいは受胎調節をやるという考え方ではなく、むしろ女性を解放する、あるいは母性を保護するという合理的な科学的データの上に立つた、新しいいわば文化的な運動として、この運営をやるべきが至当であろう、こういうふうに考えるのでありますが、そういう点について現在の保健所あるいは母子衛生の主任者を集めての講習会等におきましては、そういう方針のものに教育をしておられるのかどうか。また今後そういう観点からやろうとしておられるのかどうかという点について、課長の試験でもけつこうでありますからお聞きいたしたいと思います。
#69
○楠本説明員 お答えいたします。もともと保健所で実施いたしております妊娠調節あるいは妊娠中絶の指導は、人口問題に立脚したものではありません。むしろ保健所本来の使命たる母子の保健衛生ならびに文化的生活への向上というような、指導権を主といたすところにねらいがございます。たまたま、その結果が人口問題に関連があるだけでありまして、保健所の方針といたしましては、あくまで母子を社会的に保護するという政策に立脚いたしまして、かようにいたしておるのでございます。從いまして、決して妊娠調節等の指導が、單に貧困なるがゆえにというときだけに限るというようなことはいたしておりませんので、廣く希望者がありますれば、喜んで親切に妊娠調節等の指導をいたす方針であります。なおかような点が直接女性解放ならびに一國の文化運動としてつながりますことにつきましては、この点に関しましては保健所としては、あえて優生結婚あるいは妊娠調節というような問題を離れましては、いつもかような点を考慮いたしまして、あくまで農村におきましても、女性が十分に解散せられ、かつ健康でしかも文化的な生活ができるように、たとえば住宅改善であるとか、あるいはその他各種の環境改善あるいは栄養改善などを指導いたしております。つけ加えてお答え申し上げます。
#70
○岡(良)委員 たいへん私どもも御意見には同感をいたすのでありまして、そういう方針で優生結婚相談所の運営をやつていただきたいのであります。先ほど岡崎所長の御意見にもありましたように、單に法律を改正しただけでは、いまだ顯著な人口制限の数字が出ておらない問題は言うまでもなく法律改正当時にもしばしば強調されておつたように、一面では人口の制限をやり、これを契機にいわば、禍を轉じて福となすという意味において、合理的な基礎の上に立つた新しい文化運動として、女性の開放、母性の保護のための運動を展開する。こういうふうな姿をとりまする場合におきましては、どういたしましても、單に保健所に母子衛生の主任者を置くという受身の立場だけでは、この運動の効果がきわめて間違でもあり、また十分に期せられたいとも考えられるのでありますが、その点に関して二、三の私見を加えまして、当局の御方針を承りたいと思います。
 第一は、現在縣及び市町村にも優生保護委員というものが設けられておりますが、この優生保護委員の二、三の運営の実態を見ますと、きわめて女性の参加が少いのであります。石川縣のごときはわずかに一名しか参加しておりません。私どもはこの問題か、母性ないし女性に直結する問題である限りにおいて、母親の参加を大幅に認めるように厚生省として奨励する必要があるのではないか。あるいはまた労働組合の婦人部等においても、こういう問題に非常な関心を最近示しておりますが、こうした婦人團体、組合婦人部等の代表者にしてその資格ある人々を大幅に採用して、現在の優生保護委員会というものを市町村においても都道府県においても改組する必要があるのではないか。なぜならば研究を指導というよりも、きわめて事務的な点に流れておりますので、そういうふうであるべきではないか。從いまして優生保護委員会というものは結局單に許可認可の事務をとるだけではなく、今申しましたように高い文化運動の見地から、あるいは母性保護、女性の解放をはかるためのセンター、企画本部というふうな形をつくつてもらいたいということ。そうしてこれらが保健所と直結いたしまして、これらにおいて企画いたしましたいろいろなその地方の特殊な事情に発した――もちろん科学的な調査の基礎の上に立つた特殊な企画を実践し、推定する機能をこの委員会に與えるということ、同時にまたかかる問題を單に貧困のためではないという今ほどの御趣旨を、実際に廣く國民各層に徹底せしめるためには、あるいは新制高校、その他の教育機関において、この問題の本質を教育するというふうな点について、文部省その他と交渉いたしまして、その趣旨の徹底をはかること、そういつたような点についていま少しく積極的な手を打たなくては、現在のような受身の姿では、この問題がちつとも前進し、あるいは解決しないのではないかというおそれを、地方の実情を見ていると感じておるのでありますが、そういうような点につきまして、当局としていかなる具体的な御見解をお持ちかという点を承りたい。
#71
○安倍説明員 ただいまの御質問でございますが、優生保護法によります都道府縣の優生保護審査会の委員と、地区優生保護審査会の委員でございますが、これはただいま御質問にございましたけれども、代替御趣旨のように都道府縣にございます委員会のほうは、優生保護法の優生手術をやります場合の適所の審査をやるのが目的でございます。それから地区優生保護審査会の方は妊娠中絶の方の適否の審査をやるのがその目的でございます。それでただいまのお話のように、女性の委員を入れるという問題でございますが、これにつきましては、ごもつともなことでございまして、私の方といたしましても、これについては少くともこういうふうな非常に女性に関係の深い妊娠中絶の問題でございますので、一地区の委員は五名でございますが、そのうち少くとも一名は女性の委員を入れていただきたいというふうに通知をしてございます。なおただいまのようないろいろ人口問題に関係いたしましての問題につきましては、これはただいま内閣に人口問題審議会がございますので、そちらのほうでいろいろ御審議願つておりまして、その結果によつていろいろな方針を立てていきたいと思つております。
#72
○岡(良)委員 時間もありませんので、希望だけ申し述べますが、法律をある意味で改正されてもさしつかえないと思いますが、そう幾つも審議会ばかりつくつてもしかたがありませんので、優生保護委員会が都道府縣であろうと市町村であろうと、そういう機能を営むものであるということについての規定を、明確に明文化する必要があるのではないかということを私はお願いしておるのであります。どうかそういうようにいたしまして、組織的に下から盛り上る國民の代表による新しい母性の保護、婦人の解放運動のセンターをこの際つくらなければ、いかに法律を改編いたしましても、それだけでは実効が上らないという点を実は強調いたしまして、そうしたような形に優生保護委員会の基礎と機能についての新しい目標を名文の上に示すように、来るべき臨時國会等において政府といたしましても御努力願いたいと思います。
 なお実はこれは委員長にお願いしておきたいのでありますが、昨日厚生大臣に質問いたしましたところが、現在の保險財政の赤字の問題について、どういう金融措置をするかという具体的な点は、保險局長を通じて答弁せしめようというお話でございましたが、いまだ御返事もありません。そこで私実は現在の保險財政の赤字の問題につきましては、社会保障制度審議会の方でも三十一億の医療報酬の補助を、法律を改正してするようにしたいという勧告が、総理大臣あてに出ておるのであります。その問題の将来の見通しにつきまして、林厚生大臣の御意見では、きわめて困難であるという御意見でございました。昨日私は委員会の後で官房長官にお会いいたしまして、これは日本の社会保險の非常なる危機であり、また同時にせつかくの社会保障制度の前述をはばむところの非常に重要な問題であるが、政府としてはこれについて審議会の意向をくんで、その実現のために努力する意思があるかどうかということをお尋ねいたしましたところが、全幅の努力を拂うつもりであるということを話しておりました。多少厚生大臣の御意見と官房長官の御意見には食い違いもあろうかと思うのであります。問題は三十一億の赤字を医療報酬の一部負担によつて実現するということ、同時にいまだ未拂いを全うしつつ、この危機を切り抜けろというこの二つの問題は、二つとも予算に関係する問題であります。從いまして願わくば今後理事会等をお聞きの上、これは大蔵省の常任委員とともどもに現在の保險財政の赤字をいかにして切り抜けるかということにつきまして、臨時國民までに合同審査をいたされまして、現在の政府を鞭撻いたしまして、ぜひともこれらの問題については合理的な解決をいたしたいと私は念願するのでありますが、どうぞ委員長においてしかるべくお取り計らいのほどを、この際あらためてお願いいたしておきます。
#73
○堀川委員長 ただいま岡委員からお申しになりましたことは、十分私の方といたしましてもできる限り努力いたしたい、かように考えております。なお社会保障制度審議会からも相当答申があつたものと存じますが、いわゆる社会保險、診療報酬に対しましては、これは相当大きな問題でありますので、臨時國会を来月二十五日といたしますならば、まだここに一月あるのでありまして、その間にお説の通り何とか理事会及び委員会をいま一度開きたい、かようにも存じておりますが、また当局とも相談いたしまして何とか処置をいたしたいかように存じておりますことを御答弁いたします。
 なお時間もありませんが、約二十分程度――十二時二十分を過ぎないようにということが前もつて言われておりますので、その程度において苅田委員から病院課長に御質問がしたいという御発言がありますので、これを許すことにいたします。
#74
○苅田委員 大阪の國立貝塚千石莊で大体四百名の收容患者がおられるわけですが、それに対して看護婦さんは從来五十名で、從来でも非常に手薄であつた。それで過労のためにしばしば欠勤者が多くて、実際はこの五十名の方が四十名くらい常勤しておつたところですが、今回厚生省関係の馘首が発表されました際に、たまたま同所の中から十一名の看護婦さんが馘首された。これに対しまして患者さんの方では、從来でも非常に手薄であつたところにこういうような大量の馘首をされたのでは、どうしても自分たちが十分なる――十分というよりも、最小限度の手当てさえ受けられないというので、これに反対した。ところがこれに対しまして、患者の自治会に解散を命令するということをやり、さらに自治会の幹部に対しては、強制的な退院さえもいたさせておるという事件が最近起つておるわけですが、この点について病院課長は御存知であるかどうか。
#75
○小澤(龍)説明員 ただいまの御質問の千石莊は、実は療養課長の所管でございまして、私の所管外でありますので、事情を存じておりません。
#76
○苅田委員 そうすると、ただいまおいでになる厚生省関係の方では、この問題について御答弁いただく方はおいでにならないわけですか。
#77
○堀川委員長 ただいま防疫課長に保健所課長がおります。
#78
○苅田委員 そうすると私別に議事進行についてのお願いがあるわけですが、実は昨日私がいたしました質問の残りが、本日公衆衛生局長ならびに保險局長の方から語答弁していただくはずになつておりますところ、先ほど事務局の方から御説明によりますと、ただいま公衆衛生局関係の方は全員GHQの方はおいでになつて、午後でなければお帰りにならない、私の質問は結核の問題にあるわけですが、さらに公衆衛生局長がおいでになれば、当面関東の水害に際しまして起つておるいろいろな傳染病関係の……
#79
○堀川委員長 それには防疫課長が来ております。
#80
○苅田委員 それでしたならば、公衆衛生局長がおいでになれば、昨日のお尋ねにつきましてもお願いできるわけですが、本日午前中で打ち切らないで、午後会議を続行していただいて公衆衛生局長のご出席を願いたい。かように私はぜひお願いしたいわけです。
#81
○堀川委員長 それは昨日、本日は午前中ということにみなに御了承願つておりますので、公衆衛生局長のかわりに貿易課長が見えておりますから、お聞きになることをお聞きしていただきたいと思います。
#82
○苅田委員 そういたしますと、公衆衛生局長にお尋ねいたします件は、全部貿易課長から御答えいただけるわけですか。
#83
○堀川委員長 そうだと思いますが、知つている範囲についてはお答えするそうです。
#84
○苅田委員 知つている範囲の御質問というのでは、ただいまのように自分はそれは圏外だから答えられないということがあるので、私としてはやはり局長の代理の方であつても、それだけの責任を持つた御答弁をいただきたい。そうでないとこれはお聞きしても……
#85
○堀川委員長 防疫問題なら貿易課長が責任をもつて答弁するそうです。
#86
○苅田委員 結核の問題については、そういう御答弁はいただけないと思いますが、いかがでありましようか。
#87
○堀川委員長 結核問題も、現場の問題なら保健課長の責任だそうでありますから、現場の問題なら責任をもつて答弁するそうであります。
#88
○苅田委員 そういたしますと、本日の午前中で打切るということは、昨日私は所用のために午後から遅れて参つたわけでありますが、その間にきまつたことかどうか知りませんけれども、そういつたお約束だけの話であつて、ほかに理由がなければ、こちらからそういつた緊急な厚生行政の問題についての質問がある場合に、延期していただけることはできないわけでしようか。たとえばただいまの問題についても、もしも午後からでも療養所課長がおいでになれば、先ほどの千石莊の問題、これは私が昨日局長にお尋ねいたしました点とも深い関連があるわけでありますので、そういう点についてもぜひ質問したいと思いますが、今話している間にでも、それでは療養所課長をお呼び願いたいと思いますが。
#89
○堀川委員長 これはこの前から運営委員会から申し渡されまして、午前中は十二時を過ぎること二十分程度ということになつておるわけであります。それでそれを続けてやるということは、かりに三十分になつて十分やそこらの問題ならこれは別問題だと思います。それからきのうあなたがおいでにならなかつたときに私が言うたかというと、そうではないのでありまして、あなたがおられたときであつたと思いますが、最後に散会の前に私は皆さんにそう申し上げたら、たれも異議がなかつた。そのおつもりでみなきよう御出席なさつておると思うのであります。それで私は午後は本日はやらないつもりであります。
#90
○苅田委員 それでは午後はよろしゆうございます。
#91
○堀川委員長 それでいろいろの点もあろうかと存じまして、今保險局長も見えましたが、保險局長は午前中に来てくれと言つておいた関係上、今来たのだと思いますが、そういう関係もあるから、臨時國会が今からまだ一月以上もありますので、できるだけ早い機会に理事会あるいは委員会をもう一度開いたらどうか、こういうことを私は今岡委員に対しても御答弁をしたわけであります。
#92
○苅田委員 臨時國会までに理事会及び委員会を開く必要はもちろんあると思いますけれども、今日さしあたつて残つている質問につきましては、これからどういう処置をしていただけるか、あるいはこれから引続いて相当時間をとつていただけますか、あるいは十二時二十分までに打切らなければならぬのか、あと一時間なりあるいは一時間半なり――一時間半はいらないと思いますが、せいぜい三十分ぐらいはとつていただきたいと思います。
#93
○堀川委員長 とにかくそんなことを話しておるうちにお尋ねになつたらどうでしようか。私は三十分くらいまででなければだめだと思います。これはきつく言い渡されておる。職員組合からも申し入れがあるのでありまして、十二時三十分以後は長くやれないということをどうぞ御了承願いたいと思います。
#94
○苅田委員 それではどれだけできますかやつてみます。
 防疫課の方にお聞きしたいのですが、現在関東地方で起つている風水害のあと、もうすでに集團的な流行病が発生している、こういう報道を今聞いているのですが、九月九日までに東京都には二百三名、千葉縣の浦安地区には四十三名の赤痢並びに疫痢患者が出ている。これは関東地帯ではもつとあるのではないかと思いますけれども、現在わかつている状態につきまして、一應御報告していただきたいと思います。
#95
○山口説明員 お答えいたします。関東の水害地の傳染病発生状況は、さつそく災害と同時に発生を予想しまして各府縣へ連絡をとり、また特に被害を受けたと思われる場所には係官を派遣いたしまして、現地との連絡並びに指導に当たらしたわけでありますが、ただいままで私のほうに入つておりまする情報によりますれば、東京都と、それからただいま御指摘の千葉縣の浦安の水害、それ以外には別に多数の発生はございません。東京都の水害地の赤痢の発生も大体五日を最高といたしまして漸次減少の傾向をとつて参りまして、昨日は幸いにして発生がございませんでした。東京都といたしましても昨日をもつて特別な情報を私どもの方に提供するという措置は中止した次第であります。千葉縣の浦安地区も環境状態が非常に悪うございまして、いろいろな不便などで困つておりますが、これも漸次回復しつつございます。そのほかの地区には特別な発生はございません。
#96
○苅田委員 先般この夏の水害前の集團的なこういう疫痢の流行の際の原因をお尋ねしましたとき、やはりこれは水害の関係だというようなお答えがあつたのであります。これから水害のあとにはチフスなんか出て来るのですけれども、こういう問題に対して厚生省の方ではどういう処置をしておいでになりますか、この点をお聞きしたい。
#97
○山口説明員 水害後の傳染病が発生するおそれのあることは御指摘の通りでもありまして、私の方といたしましては、このたびの水害地区に対しましては、特に清掃、それからその後の消毒を嚴重にいたしまして、同時に檢病戸目調査をいたしまして患者を早期に発見し、下痢患者に対しては現在赤痢の特効藥といわれておりますチアゾール剤を十分量與えるようにしております。腸チブスに対しましては、現在腸チフスのワクチンの生産状況が非常に遅れておりまして、特にこの水害地に対しましては優先的に配給をして、そうして予防接種の励行をやらせるようにいたしております。
#98
○苅田委員 こういう病氣に対しまして、これは政府の方と市町村の方とでどういう割合でもつてやつておいでになりますか。またこれに対しては個人の負担のものがあるかどうか、そういうふうな点をお聞きしたい。
#99
○山口説明員 防役の仕事は、市町村の仕事になつておりますことは御承知の通りと思います。特に災害などで被害のひどいときには都道府縣が直接いたしまして、必要がある場合には國の方から資材その他を供給して援助しております。費用の負担につきましては、大体原則といたしまして市町村が三分の一、都道府縣が三分の一、國が三分の一という負担をいたしております。非常に災害が大きくて市町村の負担が過大に過ぎるという場合には、大藏当局と折衝いたしまして、特別な措置をいたしております。個人の負担においてどうこうさせるということは、原則としていたしておりません。
#100
○苅田委員 水害後にいろいろな施設に対しまして、たとえば家屋の修理とかいろいろなものがあると思いますけれども、そういう施設の関係は厚生省の関係でないわけでありますか。たとえば疊とかガラスとかいうようなものの災害にあつた人たちに対する配給とかの関係は、厚生省の関係でありますか。
#101
○山口説明員 それは厚生省の所管ではございません。
#102
○苅田委員 これは十分な調査ではないのでしありますが、災害地の患者さんが全額官費負担を受けていられない。こういうことも間々あるというふうなことも聞いております。それはもつと詳しく調査しなければわからないので、きようははつきりしたことを申し上げませんけれども、そういう規定があるならば、これは当然全部の責任でもつてやつていただけるものと理解してよろしいのでございますか。
#103
○山口説明員 個人の損害に対する個人の負担でありますか
#104
○苅田委員 いいえ、病氣なんです。
#105
○山口説明員 傳染病になりました場合には、市町村で隔離して治療するわけでありますが、その場合に傳染病予防法によりまして、藥價と食費は徴收することになつております。それ以外のことは市町村が負担しております。
#106
○苅田委員 防疫課長のお尋ねはこれだけであります。
#107
○丸山委員 防疫課長にちよつとお尋ねいたしたいのでありますが、先ほどおいでくださいませんので、これを初めから申しておりますとたいへん時間がかかりますので、御了解しにくいかもしれませんが、簡單に申し上げます。
 まずジフテリアの注射に対しまして、島根縣で八名の医者が業務上の過失殺人という破疑で送腸されたということは御承知の通りであります。これに関してさつき法務廳の関係の方に説明を求めたのでありますが、法務廳としては徹底的にこれを捜査せよという命令を確かに出した。しかしどういう範囲のものを捜索せよ、たとえば医者に対して捜査せよということは言つておらない。しかし向うの考えに対しては中央部は別にとがめるということはないというお答えである。しかるに実際問題といたしましては、京都においてすでに原因がはつきりしたことでございますから、医者に対しては何らの捜索もせず、何らの処置がとられておらなかつた。しかるに時を経まして責任の所在がはつきりして、しかも賠償までもすでに考えられておるこの六月になつてから、島根縣においては医者が過失殺人の被疑として告訴されておる。無罪になるか有罪になるかということはこれからの問題でわかりませんが、そういう事実が起つておる。そのために政府が出しましたものを使つて、医者が何らの過失がないということは明瞭であるのに、医者が過失の責任を問われて送検されたということが新聞に強く取扱われたため、医師会方面といたしましても、政府の出した予防注射液を使つて予防関係の注射をすることは、一應考慮するというような重大な支障を生ずる危險さえ生じて参つております。こういう事実があるのであります。そのときに島根縣の衞生部長である宮崎氏が、こういうふう検察庁方向においてそういう医者の捜査が行われるということを知つておつたということを公文書に書いてあつた。知つておつてしかもそういうことをやられては、医者にとつては予防接種実施上支障を生じるおそれがある。それは中止するように意見を述べて置いたということの公文書を出しておられる。一方においては新聞に取扱われておる。衛生部長の談として出たものは、こういうことは徹底的に取調べて責任の所在を明らかにした方がいい。あれだけの大きな事件でいろいろな疑点が起つているかもしれないから、これをはつきりさせることはいいことかもしれませんということで、医者を送應するこということを肯定することをはつきり言つおられる。これはしかしそういうことを言われたということになりますと、非常な支障を生じる、これは御承知の通りであります。またこういうようなことが実際面において非常な國民の不安ともなり、医師会方面にも動揺を與えたのでありますが、衛生部長のこういうようなやり方――こういうことを阻止しなけらばならぬ、あるいは医者というものはそういう責任がないことがはつきりしておるのだということをご努力なさるのが、当然の務めであろうと考えるのに、そんなことをはつきりさせるためにそういうことをやつた方がいいのだという発言をなされるということは、私どもはちよつと受取れない。この点はどうお考えになりますか。私はかなり影響を及ぼすものではないかと思う。
#108
○山口説明員 ただいま御指摘の新聞の記事のことは詳しく存じないのでございますが、ただいまおつしやいました事件につきまして、島根縣の衛生部の方からただいま御指摘のように大体事件の経過がわかつているのに、最近に至つて検察当局から取調べを受ける。縣の予防課長も取調べを受けた。それが新聞に大々的に報道されたために、医師会の方では非常に迷惑しておられる。しかもそれは最高檢からの指示によつて現地の檢察当局がやつたということなので、最高檢の方の意見はどういうふうなつもりなのか聞いて欲しい。自分たちの方でも非常に迷惑しているからということを私どもの方に言つて参りましたので、最高檢の方とも打合せましたところ、最高檢の方の意見といたしましては、大体京都、島根の事件を同一事件として取扱う必要上、一應所定の通りに関係された人たちを調べるようにという通知を出した。そういうふうなお話であつたのであります。もちろん現地として関係された方々に手落ちのなかつたことは明らかになつておりますので、不起訴にもなつたという話であります。ただたまたま新聞に取上げられ方が、ただいまお話にもございましたように非常に大きく取上げられましたために、現地の医師会として非常に迷惑をされ、今後の予防接種の施行についても非常に支障を来すおそれがあるというふうな御意見でありますので、私どもの方としては最高檢の意見を聽取しましたあとで、さつそく縣の衛生部長あてに最高檢の意見を傳えますと同時に、新聞にあまり大きく取上げられたために非常に誤解を招いた点を、何らかの適当な方法によつて解くようにということを衛生部長あてに指示したのであります。今後とも衞生部当局としては予防接種の施行につきまして、医師会その他関係者の協力を得るために、十分の努力をするように私どもの方で指示するつもりでございます。
#109
○丸山委員 先ほども法務廳の方から、またただいまも新聞記事に取立てたからということを言われますが、新聞記事に取上げたからではない。事実京都府の医師会長の土屋榮吉氏から來ている公文書に、府当局にも連絡調査の結果、京都府限りにおいては一名も送廳された医師はありませんと言つている。つまり同一関連のことでありながら、京都府の方においては一名も送廳された者がない。それよりもずつと時を経まして六月になつてから島根縣において医者が八名送廳せられた、こういう事実がある。これは新聞記事に取上げようが取上げまいが、そういう事実が起つている。しかも送廳せられるということは、あらかじめ衞生部長は知つておつた。しからば衞生部長というのは、こういうことが行われる場合には影響が大きいから、当然これに対して檢察当局に連絡をとつて、京都における状態を説明して、事実そういうことが起らないように努力せられるのが当然だと思う。しかるに衞生部長談として、はつきりさせる方がいいのだからというので、送廳せられることを認めておる。これは新聞記事は談として発表しているのだから、談として発表されたところに誤りがあるなら取消さなければいかぬ、それを取消しておらぬ。その点を伺つておるわけです。
#110
○山口説明員 檢察当局として取調べる、取調べないというのは、檢察当局の判断によつたものだろうと思うのであります。ただいま御指摘のように、大体わかつておりますので、衞生部長としてできるだけそれに関係された、全然過失がない、はつきりわかつた方に対して御迷惑がかからないようにということは、当然やらなければならぬことと思うのであります。ただ檢察当局としては全然白紙の立場で行きたい、だから現地の檢察当局が現地の檢察当局としての判断に基いて取調べはしたのだろうと思うのであります。ただ、ただいま御指摘の衞生部長の談として前後に食い違いがあるようでございますが、その点はよく取調べまして、私どもの方にはまだそれが参つておりませんので、よく調べまして、今後そういうことの起らないように指導いたしたいと思います。
#111
○堀川委員長 本日はこの程度で散会いたします。
 後日の委員会、理事会はまた追つて御通知申し上げます。
    午後零時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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