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1949/10/07 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第31号
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1949/10/07 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第31号

#1
第005回国会 厚生委員会 第31号
昭和二十四年十月七日(金曜日)
    午後一時三十四分開議
 出席委員
   委員長 堀川 恭平君
   理事 大石 武一君 理事 中川 俊思君
   理事 幡谷仙次郎君 理事 松永 佛骨君
   理事 福田 昌子君 理事 床次 徳二君
   理事 苅田アサノ君
      今泉 貞雄君    丸山 直友君
      岡  良一君    堤 ツルヨ君
      伊藤 憲一君
 委員外の出席者
        厚生事務官   安田  巖君
        專  門  員 川井 章知君
        專  門  員 引地亮太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 社会保障制度に関する件
    ―――――――――――――
#2
○堀川委員長 これより委員会を開会いたします。
 本日はわざわざ御遠路御苦労でございました。なお午前中理事会におきまして御了解を得ました社会保障制度に関しまして議事を進めて参るのでございますが、御承知のごとく同制度については、去る五月内閣に社会保障制度審議会が設置せられまして、すでに総会も開かれ、また各專門の小委員会もそれぞれ檢討審議中でありますので、なお近時各県社会保險の財政事情はきわめて緊迫し、この情勢のままでは、さらに社会不安を増大すると予想せられる際であり、かつシヤウプ勧告に基く諸影響もあることと存ぜられますので、対策その他御意見について厚生当局から十分な説明を聽取いたしたいと存ずる次第であります。つきましては保險局長からまず御説明を願いたい、かように存じて居る次第であります。安田保險局長からひとつ願います。
#3
○安田説明員 社会保障制度審議会の現在までに運営されて参りました状況につきましては、この前大体お話をいたしたと存じます。第六回が先月の十三日に開かれましたので、そのことをひとつ御報告申し上げたいと思います。
 九月十三日に第六回の審議会の本会議が開かれたのでありますが、そのときに議事になりましたものは、社会保障制度の原則の大綱を起草するということが、前回の第五回にきまつておりましたので、運営委員長から末高、中山、長尾、近藤、齋藤、川崎、山下七名の委員の方に社会保障制度の大綱を起草する文をお願いしたという報告がございました。
 次に生活保障制度の改善強化の件、この勧告案をすでに提出するかどうかということにつきまして、第五回からいろいろ論議が重ねられましたが、結局若干の字句を訂正したしまして勧告案を提出することに決議ができました。その場で起草の委員会を持ちまして、第六回で決議をして、九月十三日付で総理大臣に勧告をし、大藏、厚生両大臣に助言をいたしたわけであります。その内容はすでに御承知かと思いますが、読み上げます。
   生活保護制度の改善強化に関する件
  現下の社会経済情勢に鑑み政府はは社会不安を除去するため、緊急に現行の生活保護制度を改善強化し、もつて当面の緊迫せる情勢に対應するよう社会保障制度審議会設置法第二條第一項により別紙の如く勧告する。
  昭和二十四年九月十三日
    社会保障制度審議会々長
           大内 兵衛
   内閣総理大臣吉田茂殿
 これと同文のものが厚生大臣、大藏大臣に助言の形で出されたのであります。内容を申し上げます。
   生活保護制度の改善強化に関する件
 現行の生活保護制度の採つている無差別平等の原則を根幹とし、これに次に述べる原則並びに実施要領により改善を加え、もつて社会保障制度の一環としての生活保護制度を確立すべきことを勧告する。
   (原則)(一) 国は凡ての国民に対しこの制度の定めるところにより、その最低生活を保障する。国の保障する最低生活は健康で文化的な生活を営ませ得る程度のものでなければならない。(三)他の手段により最低生活を営むことのできぬものは当然に公の扶助を請求し得るものであるという建前が確立されねばならぬ。従つて公の扶助を申請して却下された者及び現に受けている扶助につき不服のある者はその是正を法的に請求し得るようにしなければならない。(三)保護の欠落條項を明確ににしなければならない。
   (実施要領)第一保護機関に関するもの
 (一)市町村に置いて生活保護に当るる職員は、別に定める資格を有する職員でなければならない。これがため国はこの職員の設置に要する費用の少くとも二分の一を負担することとすべきである。
 (二)保護事務の取扱いに際し守らるべき準則を定め市町村長及び事務取扱者の責任を明らかにしなければならない。
 (三)市町村長及びその指定するものは保護施設及び保護費の支拂を受ける医療機関を監査し得ることとすべきである。
 (四)民生委員に次に掲げる事項につき市町村長の行う保護に強力するものとすべきである。
  (1)保護を要する状態にある者を発見すること。
  (3)保護の実施に関し必要に應じ意見をを市町村長に述べること。
  (3)保護を受ける者の生活指導を行うこと。第二保護施設に関するもの
 (一)保護施設の種類及び定義を法律において明らかにしなければならない。
 (二)保護施設の設置及び廃止はすベて都道府県知事の認可を要することとしなければならない。
 (三)都道府県知事が必要と認めるときは一定の手続を経た後施設の設備の改善及び施設の廃止を命じ得ることとすべきである。
 (四)施設の保護施設に対する監督を一段と強化し、公の支配に属するものたらしめなければならない。
 (五)国は都道府県に対し、都道府県知事は市町村に対し一定の手続を経た後保護施設の設置を命じ得ることとすべきである。第三保護の内容に関するもの
 (一)保護の程度及び方法に関する原則事項は法律において規定すべきである。
 (二)保護の実施は現状ではいささか消極的に過ぎるから、更に積極的に運用し、経済厚生的施策を拡充し、防貧自立の機能を発揮するようにしなければならない。これがため第二種カードの考え方を一部復活することも考慮すべきである。
 (三)現行の五種の保護の外に新たに教育扶助及び住宅扶助の制度を創設すべきである。第四保護費に関するもの
 (一)現行の八・一・一の負担区分は地方負担過重に失し、この制度の円滑なる実施に対する障害をなしているから、地方負担の軽減を図るようにしなければならない。
 (二)市町村の保護事務施行に要する費用の二分の一を国において負担することとすべきである。
 (三)国及び地方公共団体はこの制度の実施に要する必要にして十分な金額を予算に計上しかつ支出しなければならないことを法律に明記すべきである。
 これが前回審議会の本会議でもつて決議になりまして、それぞれ内閣総理大臣に勧告を、大蔵、厚生両大臣に助言をせられた按分でございます。それからその次に第五回の総会におきまして、社会保険の給付費の一割を公庫負担とすべきであるという勧告が出ておるのでありますけれども、その後の経過にかんがみまして、この要請をさらに審議会として強化しなければならないということが論議されました。それからその次に事務局を設置すべきであるという問題が前から出ておつたのでありますけれども、その点につきまして未だ確固たる措置が政府としてとられてないようであるけれども、これをもつとしつかり押して行つて、必ず事務局を設置するようにしなければいかぬ、こういう論議がございます。
 それから最初に申しました社会保障制度の原則を起草しなければならないということで、小委員会が設けられたことは申し上げたのでありますけれども、その後九月十六日に第一回の起草小委員会が行われました。これは長尾、近藤両委員が大体の議論の種になるものをおつくりになりまして、それについて説明をしたという程度で終りました。それから第二回の起草小委員会が九月二十日に行われたのでありますが、これにつきましては先ほどの起草されました案につまして各委員から相当活発に意見と批判が述べられたわけであります。第三回が引続いて九月二十六日に行われたのであります。この日もやはり論議が重ねられまして、大体走行の形式を採用することにいたしまして、さらに逐條審議して念を入れて行こうということで別れたのであります。
 第四回が九月二十七日、翌日また開かれました。ここで逐條審議をいたしまして、起草委員の間の意見が大体わかりましたので、それに従つて長尾、近藤両委員が再びそれを加筆訂正いたしましてこの次までに案をつくつて来る、こういうことになつております。見通しといたしましては九月十日にこの小委員会が開かれまして、先ほどの直したものを、運営委員会と総合企画委員会の合同の委員会にかけまして、異見がございませんでしたならば十三日に第七回の総会がございますので、そこにかけて、そうしておそらくは私の見込みでは、皆さんにこの次の十三日の本会議でその草案をおわかちして、説明して、一月ほど御研究願つて、その次の次の総会で何らかの形にまとまるか、あるいはさらに論議を重ねるか、こういうことだろうと思つております。
 それから保険関係のシヤウプの今度の勧告につきまして、勧告の意のある所を申し上げます。これは保険だけの問題でございますが、御承知のように社会保障税という項がございまして、それを見ますと、現在厚生省でとつております保険料と労働省がとつております保険料があるわけであります。そういうふうに徴収事務が個々にわかれておりますことは非常に不便でございますので、これを大蔵省に委託しまして、一本に徴税官署で、つまり税務署でまとめて源泉課税式にとるべきであるという勧告がございました。それから社会保障税をとるといたしましても、課税の標準がいろいろ違つておつたのでは困るから、これを単一化しなければならないということが第二点でございます。第三点といたしましては右の事項の実施によりまして、社会保障計画のいかなる重要部門も危うくすることに許されないというちよつと緩和したような規定条項がございます。この点につきましては大蔵省で過日関係の省が寄りまして、第一回の下相談をいたしたのでございますけれども、いろいろまだ複雑な問題がございます。このシヤウプ勧告の社会保障税の徴収という部面がどの程度の強さを持つているか、二十五年度からすぐにやらなければいかぬということになりますか、これは事務的に申しますと、二十三年度にやることに非常に困難なのであります。徴税官庁におきましても今度は税制の改革もございますし、それでなくてもたいへんな問題を持込んでいるわけでございますから、二十六年度あたりからでも始めたいという意向もございます。私どもといたしましても、徴収の機関だけを一元化いたしましても、内容につきまして何らかの手を加えないと、それほど利益が少いのではないか。かたがた社会保険の統合ということは調査団の勧告にもございますので、もうすぐにこの次には社会保障制度審議会の日程に上つて来る問題でございます。従つてその方の御意見も聞いて、この問題を取扱うことがいいのではないかという気持もいたしております。要はこの勧告書がどの程度の強さを持つているか、ことに時間的にいつからやらなければならないということまで強い要請であるかどうかということもにらみ合わしてやらなければならないと思いますが、今のところではその程度になつております。
 それからもう一つの点は、社会保険だけではございませんけれども、例の平衡交付金の制度が新しく考えられまして、従来補助金として府県なりあるいは市町村に流されておりましたものが、大体これはほとんどやめになりまして、大部分が平衡交付金として市町村の方にまとめて流れて行くか、あるいは国の事務として国でやるか、ないしは従前通り補助として残す。これはごくわずかな、百五十億ばかりの額でございますけれども、ごくわずかなものは依然として奨励的の意味において厚生省で握つておるべきものかどうかという問題があります。保険局の関係といたしましては、国民保険だけが問題があるのでありまして、今のところまた決定はいたしませんけれども、大体のところでは、市町村に対する国民保険の事務費の補助は平衡交付金の方に入つて行くのではないかと思います。それからいろいろな施設、たとえば診療所をつくるのに三分の一補助を出しておりますし、あるいは保健婦を置くというようなことに対して補助を出しておりますけれども、これは従来通りの奨励的な意味においての補助金というところに大体今落ちついております。
 以上がシヤウプ勧告におきまして保険局に関係しておる重要な事項であります。
#4
○堀川委員長 何か御質疑はありませんか。
#5
○福田(昌)委員 社会保障制度がいろいろ審議されておりますが、結局大蔵当局との予算の面の動きがなければ、どういう案をつくりましても、これはまつたく砂上の楼閣にすぎないのでありますが、厚生当局においては、新しく審議されつつある社会保障制度というものの予算の裏づけに対して、どういうお考えを持つておられるか、どういう積極的な動きをしておられるかについてお聞きしたい。
#6
○安田説明員 先ほど申しましたように、社会保障制度の現在の審議の段階に、日本における社会保障制度をどんなかつこうのものにするかという、ごく大ざつぱな輪郭だけを先にきめて行きたい。それがございませんと、小委員会で個々別々のばらばらなことを御審議願つても、かえつて先に行つて妨げになることもありましようし、大まかな輪郭だけをきめようというのが今のねらいでございます。これがもしきまりましたならば、さらに委譲の問題をどうするか、統合の問題をどうするかというところに入つて行くだろうと思うのであります。従いまして、今のところでは国費はどの程度いるかというところまでの見通しをつける段階に至つておりません。しかし大体の空気といたしましては、現在の日本の財政の状況を見ましても、あるいは国際情勢から考えましても、社会保障制度ができたからというので、これが大部分を国が負担して一般の負担がないというようなところには、とても行かないのではないだろうかという見通しは、大体皆さんもつておられるようであります。こまかいところまではまだ至つておりません。
#7
○福田(昌)委員 今日そういうような予算の裏づけをお伺いするというのは、確かに時期尚早でありますが、しかし社会保障制度というのを新しい制度に仕立てて、それによつて今までのいろいろな態度を統合、あるいは切りかえて行くべき問題ではないのでありまして、当然今日の社会保險の問題におきましても、徐々に改良して行つてこそ、ほんとうに生きた社会保障制度の一つの動きがあるわけでありますから、従いまして、時期的に見まして、予算的な裏づけをお尋ね申し上げ、それに対して正しい御答弁をお願いするというのは、確かに早いと思いますが、社会保險の問題のみを取上げてみましても、政府がまつたく知らん顔をしておる、保險経済というものは被保險者と保險者との負担において行われておるという今日の現状は、厚生当局においても確かに不当とお認めになるだろうと思うのであります。そういう面から見ましても、来る二十五年度の厚生予算の上におきましては、何らかの積極的な動きをとつていただかなければならないと考えておるのであります。予算の話も追つて御説明があることと思いますが、こと社会保險の面に関することにつきましても、厚生当局はどれだけの大幅な活動をしておられるかということをお示し願いたいと思います。
#8
○安田説明員 御承知のように、今の厚生省で所管しておる社会保險は、大体事業主が被保險者の保險料を出しまして、それが財源になつて保險の給付をしているという組立になつております。国費が出ておりますけれども、これは事務費のごくわずかなものでございまして、とるに足らぬ程度のものでございます。将来の社会保障制度になつてそれがどういうふうにかわるかということは、先ほども申しましたようにはつきりはわかりませんけれども、しかしいずれにいたしましても、敗戦国の現在の生活状況、賃金の水準等から考えまして、これは非常に低いものだと思うのであります。そういつたように、一方におきましては賃金水準なり生活水準が非常に低い。片方で医療の給付の面は、これはアメリカの指導等もございまして、あまりよその国に負けない程度の内容の給付をいたしておるわけであります。早く申しますと、貧乏人が相当いい医療を受けているというようなかつこうになりますから、それで医療保險をやつて行きますと、今の状況でありますと、どうしても若干足りないという部面が出て来はしないかと思います。そういつた面でやはり国から出すようなことに社会保障制度としてもなつて行くのではないかと考えております。ただ当面の問題として来年度予算はどうかというお話でありますが、この前も政府管掌の健康保險のことについて御説明申し上げたのでありますけれども、やはり給付がだんだんとふえまして相当苦しい状況にございます。これにつきましてはいろいろの手を打ちまして、一応落ちついたようなかつこうになつておりますけれども、決して根本的な対策ではありません。そこで来年度の予算といたしまして私どもが要求いたしておりますのは、社会保障制度審議会の勧告もございましたので、事務費を全額国庫で負担する、それから医療給付の一割を国庫で出す、こういう線で予算を要求いたしておるわけであります。今第一次の査定では全部討死いたしたのでありますけれども、しかし最後までがんばつて行くつもりで復活要求いたしております。実は午後もそのことで大蔵省の方と折衝いたさなければならぬ問題があるわけであります。
#9
○福田(昌)委員 事務費の全額補助と医療費の一割補助に、全額でどれくらいになるのでございますか。
#10
○安田説明員 実は国民保險は事務費の八割を要求しておるのでありますけれども、国民保険は事務費だけで約十億になります。それから健康保險は政府管掌と組合管掌と両方合わせて約六億八千万円になるわけでございます。船員保險は千四百万円ばかりの事務費になります。給付の方は健康保險が両方合せて約二十七億五千万円ばかり、船員保險が四千百万円ばかり、国民健康保險が二十八億八千万円になります。
#11
○丸山委員 二十五年度は社会保障とまでは参らないのでありましようが、二十六年度はあるいはそうなつて行くかもしれぬというお話でありますが、社会保障制度として取立てることになりますと、徴税もありましようし、率もありましようが、一部負担とする場合にはどういうことになつて行くかということとか、いろいろあると思います。それから平衡交付金でありますが、これが地方へ流れます場合に、ある一定のわくをきめて、これは厚生にわされるのか、あるいは大づかみにいつてそのレートを地方が考えるという取扱いになりますか、それをひとつお伺いしたい。
#12
○安田説明員 社会保障税になるかどうかという問題は、先ほど申しましたように、実はまだはつきりわかりませんので、必ずしも三十六年度ときまつたわけではありません。あるいは二十五年度に急いでやれということになるかもしれません。その税という言葉なんですけれども、シヤウプ勧告では税と言つておりますけれども、俸給の中から強制的に一定の率のものを引くのはみなタツクスなんだという考え方で、要はまとめてとれというのが主眼のようでございます。しかし今のところでは、かりに税務署でそれをとるといたしますと、現在の主税局の方針といたしましては、やはり税以外のものは取扱わぬようなかつこうになつておりますから、おそらくそういうことになつて行くのではないか。その場合一部負担は家族の診療の問題で、国民健康保險の方の問題は何にも触れておりませんから、家族給付の問題でありますけれども、結局とる方だけが問題でありますから、一部負担の方は問題にならないと思います。源泉課税式におやじさんの俸給から引くだけで、家族がお医者さんに拂う分までをどうしようというのでにありませんから、その点には触れてないと思います。
 それから平衡交付金でございますけれども、これは実は私どもこれを読んだり、付録なんか読みましても、よくわからないのであります。大蔵省あたり、あるいは地方自治庁あたりで詳しいお話ができるのではないかと思いますけれども、結局考え方は、町村のようなものが最低経費を見積つて行く、その最低経費というものは、結局文化、厚生が幾らであるか、学校が幾ら、警察が幾らというので最低経費を見積る。同時にその町村の財政を調べて、幾らとれるかという標準の税額を出して来て、その差額を平衡交付金で出そう、こういうわけです。平衝交付金を出す要件としては、そういつた最低経費というものが見積られなければならぬということが一つの要件である。しかし技術的に見まして、その最低経費をどういうふうにしてきめるか。それから厚生省なり、農林省なり、文部省なりが各町村の末端に至るまで、一つ一つの町村の経費の内容を調べて行くということもむずかしいだろう、従つて今のところ平衡資金のわくとして、千二百億ほどのものがあるわけであります。その千二百億を現在大蔵省に対して各省から要求しておるわけです。それが大体落ちつきましたら、それが一つの基準になりはせぬかと思う。それでこの中で幾らがたとえば生活保護法の金になつているとか、あるいはこれが衛生施設の方の金であるとか、きわめて大綱別に押えて、それをせいぜい府県あたりまでを、こんなものだといつてわけて行くことになるのじやないかという予想でございます。
#13
○丸山委員 それから社会保障制度がいつごろ実施になつているか、どういう面からなつているかわかりませんが、いずれは社会保險というものが第一に取上げられる問題だろうと思います。従つてこれは結合せられて行かなければならぬ問題ですが、その機運に沿つて、現在の社会保險というものは非常にばらばらまちまちなんです。たとえば同じ政府の関係しておる組合をとつてみても、あるいは鉄道は鉄道で一つの組合を持つておる、大蔵省は大蔵省で共済組合を持つておるというふうになつてなかなか統合できないような形になつておりますが、まずこの政府機関だけでもこれを一本にして行くような動きをなさつておいでになるかどうか。
#14
○安田説明員 保險の統合の問題に非常にむずかしい同時なのでありますが、しかしこれはやらなければならぬということに、輿論でもございますし、社会保障制度の調査団の勧告にもあることでございますから、必ずそこへ行くだろうと思う。ただ社会保障制度審議会とは離れまして、現在の政府部内だけでこの統合の問題を何とかしなければならぬという動きに、今のところございません。遠からずそういつたいい案が私どもにお示し願えるだろうと思つて待つておるのであります。
#15
○苅田委員 先ほど社会保障制度審議会の経過の御説明の中に、その委員会から出しました勧告書の問題について、その他の交渉の結果、さらに強硬な勧告書を出さなくちやならぬというふうな結論に来ておるという御説明があつたのですけれども、そのことについてもう少し詳しくお話願いたいと思います。
#16
○安田説明員 いろいろ話があつたので、私も実ははつきりこまかい点まで覚えておりませんけれども、会長なり、副会長なりが、それぞれのところに行つてもつとよく説明しますとか、あるいは議員出身の方が委員さんにおられますから、そういつたような人からまたよく話をして、もつとはつきり政府が返事をするようにしろとか、そういつたことだつたと思います。漠然としたことでありますけれども、結論が得られなかつたものですから――結論と申しますのは、第五回に勧告をしたのでありますけれども、その後まだ政府からはつきりした回答がないというような状況で、それじや困るから、何とかもつとはつきりしなければいかぬじやないか、こういう程度であります。
#17
○伊藤(憲)委員 ただいまのお話だと、たとえばいろいろな保險について保險金を使用者と労働者が現実に負担しておる。そういう状態のもとで、今社会保障制度審議会が四十人で構成されて、労働者の代表に三人しか入つていない。こういうことに対して、これが主体になつておるのは労働者と使用者だと思う。この審議会自体に問題があるんじやないか。厚生当局はこれについて審議会の構成をかえるようなことを考えてないかどうか。もう一つに、たとえば厚生年金その他の掛金ですね。これは労働者の関係も含めてですけれども、ことに厚生年金なんかにまだ支給されておる面が少いと思う。掛金が相当厖大にたまつておるはずだと思うのですけれども、一体それらがどれくらいあつて、どういうふうに使われておるかというようなことをお伺いしたい。
#18
○安田説明員 社会保障制度審議会の委員の構成につきましては、昨年第四回でございましたが、国会で御決定願いました法律の中に詳しく書いてございまして、それによつてやつておるわけでございます。今のところ別にかえるつもりはございません。それから厚生年金の積立金の問題でありますが、正確な数字はあるいは間違いかもしれませんのでお許し願いたいのでありますが、大体百二、三十億のものが現在積立金としてあると思います。これに当初の計画では、全部預金部に預けることになつておりますけれども、その中の一部を特別の預金にいたしまして、管理権は大蔵大臣にありますけれども、それについて厚生省が被保険者の福祉施設なり、医療施設なんかに融資するということについて、厚生省でそれを決定して大蔵省にお願いをするというようなことになつておつたわけであります。それが戦後になりまして、例の融資について向うからメモランダムが出ておりまして大体国と地方公共団体以外には、たしか預金部資金をまわしてはいかぬということになつておると思います。それで従来のように、ある特定の会社にそれを貸して何か住宅をつくるとか、医療施設をつくるということに、現在のところできかねるような状態になつております。私どもその点たいへん遺憾に思いまして、絶えずそのことについて折衝いたしております。それから、これは性質は多少違うかもしれませんけれども、郵便年金、簡易保険の方にも同じ問題がございます。やはり同様な結末になつております。
#19
○伊藤(憲)委員 今のことでちよつとお伺いしますが、これはたしか昭和十四、五年ごろ、穴澤という保險課長がおつた時代にできて、その穴澤課長の厚生年金に関する説明では、この厚生年金法というのに、大体厚生年金によつて労働者の年とつてからの生活を保障するというのが目的も、むしろ戰費を調達するためだということを、ちやんと條文にも書いてあるということです。そうすると、戰争中に預金部に預けたものが、現実にそういうふうに使われたことがあるかどうかということを、ちよつとお伺いしたいのです。
#20
○安田説明員 御質問の御趣旨がよくわかりませんでしたが、戰時中に、そういうふうに預かつたものが戰費に使われたかということでございますか。
#21
○伊藤(憲)委員 何かそういう事実を……。
#22
○安田説明員 私もまだ新米で、はつきりそういうことを存じませんけれども、現在とにかく百三十億の積立金がございまして、それに対して利子はいただいておるのであります。
#23
○伊藤(憲)委員 それから、こういう保障制度によるいろいろなことが、大体掛金によつてまかなわれるということ、これにシヤウプ氏の言うように、実際上預金だと思うのです。それに対して厚生省では、医療給付の一割くらいを国庫負担にするというようなことを考えておられるようですけれども、一体厚生当局としては、こういうことでも社会保障と言い得るのでしようか。これでは社会保障と言えないと思うのです。それには厚生省の態度が、やはり相当問題になるのじやないかと思うのです。それをちよつとお伺いしたいのです。
#24
○安田説明員 この社会保障という言葉もいろいろあると存じますけれども、現在は別に社会保障と言つているわけではございませんので、いわゆる社会保障の、保險の積立てになつておるわけであります。その上のお話を今いたしておるのであります。将来社会保障になりますのは、どういうことになりますか、社命保障制度審議会で皆さん寄り集まつて御研究願つておりますから、それにまちたいと思つております。
#25
○福田(昌)委員 先ほど二十五年度の社会保險に対するいろいろな厚生予算のお話を承りましたが、全面的に大蔵当局からけられたというお話でございましたが、どういう理由でけられたのでしようか。
#26
○安田説明員 財政上の理由が主たるものだと思うのでありますが、もう一つは、これは私どもの推測でありまして、別にそういう話があつたわけではありませんけれども、医療の給付というのは、これもどこで落ちつくかわかりませんので、もし相当国で出すといたしますと、今数字で現われます以上のものを確保しなければならぬ。それやこれやを考え合せまして、結局は財政の問題に落ちついたのじやないかと思います。
#27
○福田(昌)委員 社会保障制度ということが盛んに人口に膾炙されつつありますが、社会保障制度というものは、新しい制度がぽかつと降つてわいて来る制度じやないのでありまして、結局堅実な社会保險の意味と、公的扶助の健全な組織とが統合して、初めて社会保障制度というものの新しい日本的なものが生れるのでありますから、社会保險というものが、今日においてはまた社会保障制度の問題になつていないというようなことは、私は、はなはだしく当らない言葉だろうと思うのであります。今日医療費のたつた一割の国庫補助でさえも、大蔵当局がそういう考えであるということになりましたならば、社会保障制度の将来ということもきわめて案じられる問題であります。その大蔵当局の反対される理由が、医療の給付金が多いとか、あるいは財政的に困難云々ということをおつしやるということに、私どもといたしましては非常に心外でありまして、医療の給付におきましても、私たちは、今日においてはまだ足らないし、ことに結核の治療においては、ほとんど重症患者だけがその恩典に浴しておるのでありまして、結核の予防としては、まだ完全ではないし、しかもいろいろな理由をもつて、退院された、家庭における治療患者に対しましての恩典というものは全然ない。そういう点から申しまして、医療の給付というものは、現実では不足であり、もつと増額されなければならぬと考えているにかかわらず、大蔵当局が現実の問題でさえもそういう理由のもとにけられるということに、実に心外にたえないのであります。社会保障が云々せられる時代において、大蔵当局がそういうふうにそつぽを向いて、社会保障制度というものに全然関心を示さないような状態にあることは、国家的に見て問題だと思います。社会保障の問題を審議する以上に、大蔵当局と関係のある大蔵委員会との合同の委員会において審議してもらいたいのであります。そうしなければ、社会保障のいろいろの案というものは砂上の楼閣でありまして、全然意味をなさないと思うのであります。厚生委員会というものは、考えてみますれば、社会保障制度の全般にわたつての問題を取扱う委員会であり、厚生委員会は即社会保障制度の委員会であろうと思うのであります。そういう重大な社会保障制度を握つている委員会が、率先して大蔵当局に働きかけて、大蔵当局の扉を開くのでなければ、社会保障制度の前途というものは非常に情ないものだろうと私は思うのです。そういう意味において、委員長も、今後は社会保障のいろいろな研究については、大蔵委員会との合同審査ということを取上げていただきたいと思います。
#28
○堀川委員長 今福田委員のおつしやつたことも、私もつともだと思います。この点につきましては、また理事会に諮りまして、皆さんの御協力を願いたいと思います。
 次に、どなたか質疑はありませんか。
#29
○丸山委員 健康保險の危機云々ということが言われておりますが、その後の状態を伺いたいと思います。
#30
○安田説明員 支拂いの状況を申し上げると、大体お答えになるかと思います。支拂いが遅れておつたのでございますけれども、その後徴収にも馬力をかけまして、大体現在七割近くまで徴収をいたしております。これは予想外にうまく進んでおるようでございます。もう一つに、六千円の標準報酬を六千六百円に、一割引上げるような目標で努力いたしております。この方はまだ数字が現われておりませんけれども、若干ずつ上つておるようであります。さらに、この基金といたしまして、国庫予備金を一時繰りかえ使用するという話が大蔵省とつきまして、すでにその金を私の方へ入れまして、基金には、十月一日付でその金を流しました。従つて、七月の末に拂うべきものを九月の二日に基金の方へ入れました。十月の一日には、八月の末に拂うべきもの、つまり七月分を基金の方へ送りました。それで二十日ごろになりましたならば、九月の末に拂うべきものを、つまり八月分が基金に対して送金できるのじやないか、こういうような状況に立ち至りまして、やや安心をいたしておるわけであります。
#31
○丸山委員 診療件数の増加の傾向はどうでしようか。
#32
○安田説明員 診療件数は今はつきり覚えておりませんけれども、七月は六月より少し上つた程度だと思います。支拂いの額で申しますと、七億六千万円くらいだろうと思いますが、またあとでもし何でございましたら詳しく申し上げたいと思います。
#33
○伊藤(憲)委員 私ちよつと聞き漏らしたのですが、健康保險の赤字について質問されたのですか。
#34
○丸山委員 現在の状況ですね。
#35
○伊藤(憲)委員 現在の未拂いの残金はどうなつておるか、ちよつとお伺いしたいと思います。
#36
○安田説明員 政府官省の方だけで申し上げますと、今申し上げましたように、七月分でございますね。七月分というのはつきり八月の末日までにお医者さんに拂う契約でございますが、それが私どもの手を離れましたのが十月一日でございます。それから二十日過ぎになりますと、八月分、つまり九月の末日までに拂うべきものが拂えると思います。従いましてそれが拂えますと、十月末日までには九月分を拂わなければならぬのであるから九月分だけが残るというかつこうになりますから、一月くらい遅れるということになるわけでございます。正確に言いますと二十日でございますが、しかし末端まで行きますとかかりますから一月遅れだと思います。
#37
○福田(昌)委員 事業主側からの保險料の未納になつております分に対しては、いろいろ罰則を設けるというような記事を新聞で読ませていただいておりますが、その後の状況はどういうことになつておりますか。またどれだけの成績が上つておりますか、お尋ねいたします。
#38
○安田説明員 大体徴収状況は先ほどちよつとお話申し上げたのでありますが、五月の末には前年の繰越しなんかもございまして、三割ちよつと欠ける程度の徴収率であつたのであります。これは毎年年度初めには少いのでございますけれども、ひとつできるだけ馬力をかけなければならぬということで、九月一ぱいを徴収強化月間にいたしまして、努力いたしました。それで大体七割近くまで行つておるような状況でございます。あとの三割が未納になつております。もちろん前年度分の繰越しましたものを入れてでございます。相当差押えもやるというようなことでやつておりますが……。
#39
○福田(昌)委員 それは昨年の二十三年度の成績に比べてどういう状態になつておりますか。
#40
○安田説明員 大体昨年と同じぐらいだと思います。それで年度末に行きましてずつと上りまして、去年はちようど九割となりまして一割だけが翌年に越しました。
#41
○福田(昌)委員 ことしも九割とれる日算でありますか。
#42
○安田説明員 ことしは百パーセントとらなければならぬというつもりでございます。
#43
○福田(昌)委員 大分強権を発動して、やつと去年は追いついたくらいでございますからね。
#44
○安田説明員 いろいろ小さい工場でありますとか、あるいは大きい工場あたりでありましても、たまつておるものがあるようでありますから、どこまで行きますか。ひとつ……。
#45
○福田(昌)委員 保險料率を五五%に上げる云々の問題はどういうことになつておりますか。
#46
○安田説明員 現在の法律が千分の五十になつておりまして、そうして必要によつてはそれを四十五に下げてもよいし、五十五まで上げてもよい、そのときは健康保險の審議会の議を経てやれということになつております。そして健康保險審議会の議を経まして御承諾を得まして、八月から五五%を実施して、八月分は九月末日までにとりますから間に合つたわけであります。
#47
○福田(昌)委員 五十五に決定したわけですが、健康保險審議会というのはどういうメンバーで構成されておりますか。
#48
○安田説明員 学識経験者もおられますし、被保險者もおられますし、事業主の代表もおられます。そういうものをうまく配分してあります。
#49
○福田(昌)委員 割合はどうなつておりますか。
#50
○安田説明員 大体同じ割合だと思います。
#51
○福田(昌)委員 御決定になつたのであれば、あとからどうということもできませんけれども、私どもといたしましては、保險経済の危機が、そういつた被保險者の負担において緩和を求められるという魂胆に対して根本から不平があるのでございますから、厚生当局におかれましても国民生活の経済的不安は十分御了解済みと思いますから、今後はそういう被保險者の負担において保險経済を切抜けるというお考えをなさらないようにお願いいたしたいと思います。
#52
○伊藤(憲)委員 われわれも法律を改悪して保險料率をふやすという話を聞いておるが、今のお話でにそういうことはないようですが、実際は標準報酬日額を上げるようなことをやつておられるわけでありまして、現実は法律を改正したと同じことになつておるのであります。こういうことはやめてもらいたいと思います。
#53
○安田説明員 引上げと申しますのは、御承知かと思いますけれども、事業主から保險官省に対して届出があるわけであります。だれのだれそれが幾らという届出に基きまして標準報酬日額を決定して、それによつて掛金をかけるのであります。ところが実際の労働統計なんか見ますと、標準労働統計の賃金平均に八千円くらいまで行つておるのであります。ところが保險の方だけが六千円であります。それで二千円くらいの差があるわけであります。従いまして決してむりにかけておるんじやなくて、実態をつかまえて見るとそれだけ上るというやり方でやつておるのでありますから、御心配になるような点はないのじやないかと思つております。つまり届出が低過ぎるのがあるので、それを直すということでございます。
#54
○伊藤(憲)委員 それはそういうことなんだけれども、私もやつたことがあるけれども、現実には、今たとえば官庁で新定員法で首を切つておる。そうして残業をやらしておると同じように、民間でも首を切つて残業をやらしておるのであります。今日の健康保險法によると、過去三箇月の実収入の九十分の一が標準報酬日額となるのであります。これを計算するとよくわかるのですが、第一番に勤労所得税がふえ、その上にまごまごすると年末調整でとられ、それへもつて来て、厚生省では御承知だろうと思いますが、最近は残業なんかで――そればかりじやないけれども結核が非常にふえて来ておるのに、それにもつて来て標準報酬日額を上げもことは、なるほど法律上はそういう建前なのですけれども、実際上はおそらく計算すると残業しなくても同じくらいになつちやうだろうと思います。大体十日残業すると三日分は勤労所得税にとられ、その上に総合所得税でとられて、保險の方で標準報酬日額が現実に上げられてしまうということになる。実際には八千円で使つておりながら六千円だと報告しておるのもありますけれども、一般的に言うと大体三十一億の赤字が出て来たのに対して、たとえば標準報酬日額を上げると同時に片方では滞納しておるのをどんどん追求する。これはさつき掛金は税金じやないとおつしやつたが、この掛金を徴収するのに税金にひとしいようなやり方で事業主からはふんだくつておる――われわれの言葉で言うとふんだくつておる。そういうやり方をやつておるわけです。そういうことのないように処置を講じていただきたいと思います。
#55
○岡(良)委員 政府の方の基金の拂込みの預託金と申しますか、六月、七月、八月あたりの基金への支拂い状況はどういうことになつておりますか。
#56
○安田説明員 基金法の方では一月半分の預託金を拂うことになつておりますが、政府の管掌の分につきましては、大蔵省あたりの解釈といたしましては、会計法がございまして、そういうふうにあらかじめ拂う預託金というものをやることができないという解釈らしいのであります。しかし実際問題につきましては、概算拂いの方法でやつておけばそれでまかなえるわけであります。結局それがうまく行かないというのは、実は金がないということに帰しておるわけであります。
#57
○岡(良)委員 とにかく法律で拂わなければならないことになつておるのだが、富士銀行の方にもちつとも入つていないというのが実情のようですが……。
#58
○伊藤(憲)委員 健康保險の具体的問題ですが、一つは結核性の失患に対しての保險給付が二年間になつておるわけです。ところが実際上医師の診断で、たとえば一年六箇月でもつてその人間はなおつた。肺浸潤だとか、肋膜炎だとかいうのがなおつて工場に出て行つて働く、あるいに事務所に出て行つて働く。そうしてたまたま半年後にまた再発した。現実にお医者さんがそういう診断をして半年後に起つた場合には、普通だと保險給付期間の継続だと考えられる場合には、切れるわけです。ところが実際には新しく発生したものとすれば、その半年後の日が最初の保險給付の開始時期になるわけですね。こういうことに対してどういう扱いをされておるのか。これは私も現実に経験したことがあるのですが、どういう見解を持つておられるか、お伺いいたしたいと思います。
#59
○安田説明員 実はきよう課長らみな予算の方の査定に出ておりまして、はつきりしたことを申し上げかねますが、私よつと承つただけで常識で解釈いたしますと、どうも切れるような気がいたします。あとでまた詳しくお返事いたします。
#60
○伊藤(憲)委員 これは非常にたくさん事件が起るのです。たとえば最初に健康保險で健康診断してもらつて、その後は大して医者に行かなくともよい程度の病気なので、うまいものを食つてぶらぶらして田舎にでも行つておる。そういうことを続けておるうちにいよいよ病状が悪化して、半年もたつてからかかるということが起ると、そのブランクの間も給付期間に勘定されてしまう。私なんかの場合だと六箇月の時代ですが、実際築地の東京都の保健館で診察してもらつた。よその病院の院長と三人くらいやつて来て大丈夫だから働いてごらんなさいというので働いてみたら、喀血してしまつた。その期間は何といつても認めない。こういうことは今現実に病気しておる人にたくさんあるわけであります。ですからこの見解を明らかにしていただきたいと思います。
 もう一つにこういう問題です。たとえば私は今でも被保險者なんです。ところが代議士で議費をもらつておるから傷病手当金の交付をしないというのです。それでぼくは、保險だからほかに収入があつたからくれないという、そんなばかな話はない。そんなことを言つたら、宝くじが百万円当つたらくれないのかというようなことを言つて、いろいろ聞いてみましたが、実際東京都内の保險出張所長の考えがまちまちなんです。現実に、いや名前をあげてくれては困ると言つて、くれておる所長もある。私の場合はけ飛ばして来た。そういうことになるとわれわれの場合はまだよいとして、たとえば区会議員をやつておる者がある。それからここにも傍聽しておられますが、社会保障制度審議会の委員をして年間いくらかの手当をもらう、労働委員ももらう、いろいろ委員がありますが、そういう公職についておるために、たまたまその公職についておる期間中にそういうものを給付されるというのに、人よりよけい労働するから給付せられるので、その期間中に病気が起つても、その期間中は傷病手当はくれないというのは、法文上もその解釈が成り立たないと思います。けれどもそういうことが現実に行われておりますけれども、これもひとつ局長の見解を聞いておきたいと思います。
#61
○安田説明員 はなはだ不勉強で申訳ありませんが、都の健康保險課長と伊藤先生と何かお話があつたように承りましたが、保險課長が言つた通りだと思いますからどうぞひとつ……。
#62
○伊藤(憲)委員 いや返事は聞いてないのです。ですけれどもこれはもう一ぺんその見解をはつきりしていただかないと、いろいろな問題が現に周囲に起つております。
#63
○安田説明員 この次はぜひ連れて来ます。
#64
○苅田委員 先ほどの勧告のことについてもう一ぺん押しておきたいのですが、つまり事前に保險料を値上げするとか、あるいは歯科診療をもう少し増すとか、こういうことについて勧告が大体うまく行かなかつたといつた場合、もう一ぺんそういうふうなことをしようということは考えておられないので、さらにその点について強硬にやる指令をしたい、現在こういうふうな状態なのでございますね。これはこの点でずつと押して行かれる見通しはおありになるわけですか、どうですか。
#65
○安田説明員 私どもの方に今申しましたように予算の要求としてはずつと押して行くつもりでございます。しかしまあ相手のあることでございますから、どうなりますかはつきり申し上げかねますけれども、一応ずつと押して行きたいと思います。
#66
○苅田委員 きようは大体社会保障制度審議会の模様を報告するからというのでお集めになつたので、私どもはこの問題はもう夏の初めごろから発足して何回も回を重ねておるので、相当内容のある勧告が開かれることと思つておりましたが、非常に漠然としておりましてはつきりつかめないのですけれども、先ほど大綱草案を書いたからそれができるだろうとおつしやつたのですが、この問題はもう少し具体的にお話し願えば、現在社会保障制度審議会がどういうふうに動いているかということがもつとはつきりするのではないかと思います。その点もう少し具体的なお話を願いたい。
#67
○安田説明員 先ほど申しましたように、一応の草案の草案みたいなものを二人の委員の方がおつくりになりまして、それは議論の種にするという程度のものなのでございます。それをまた御紹介するほどのことはないじやないか、そこでいろいろな意味から違つた意見が出まして、それを直しまして、直したものがもう少しするとでき上りますから、でき上つたものを十日にかけよう、こういうわけです。十日にかけるときには、もし皆さん方御出席でございましたらお目にかけられると考える、そういう程度でございます。それでなるほど六回もすでにやつておりますから、時間的に見ますと相当手間はとつたようでありますけれども、何しろ問題が非常に大きいものでございますから、いろいろ現状を把握していただくにも相当の時間もかかります。それからこれは私個人の見通しでございますが、この草案は大わくでございますから、さらにまたそれを細かく掘り下げて行くと、やはり相当の時間がかかりはせぬかという気がいたします。できるだけひとつ愼重に御審議いただきまして、りつぱなものをつくつていただきたいというような気持を持つております。
#68
○岡(良)委員 この機会に局長の私見でもけつこうですから承りたいのですが、シヤウプ勧告案で見ますると、政府の補助金といつたものがかなり全面的にけずられて来るようなかつこうになつておりますが、特にこれは社会関係の生活保護法において顕著な影響があるのではないかと考えております。保險関係所管の行政事務の中で、この影響を受ける。今のお話では予算の構成のためにいろいろお骨折りのように承りましたが、予算的にどういうふうな方面のものにいかに影響があつて、どういうような措置をとられんとしておるかというような点について、御説明を承りたいと思います。
#69
○安田説明員 それは先ほどちよつと申し上げたつもりでおりましたが、保險関係でシヤウプ勧告の補助金を打切つて、平衡資金の中に入れるという関係のあります部面は、国民健康保險の補助金だけであります。それで国民健康保險の補助金は年約九億ばかりございまして、このうちでまず五億が純粋の事務費で、あとの四億ばかりが診療費でありますとか、保險費でありますとか、保險施設の方で、今のところでは四億幾らの保健施設費の方は、やはり補助金の形で残ります。と申しますのは、シヤウプ勧告におきましても奨励の意味の純粋の補助金というものは認めておりまして、それが誘い水となりまして、市町村でそういう施設をやるのにぜひ必要だということになれば、百五十億円くらいのわくでもつて認めていいという段階でございます。それがだんだん市町村の国有事務費の中に溶け込んで同化して行きましたならば、それがいるわけであります。国民保險の方は四億ばかりのものがあるのです。それからあとの事務費の五億ばかりは市町村の事務費で、これは五割負担ですから、これがシヤウプ勧告そのままで参りますと、それが平衡資金の中に入つて行く、こういうような状況でございます。私どもといたしましてはせめて二十五年度一箇年でも、やはり補助金の方に入れてもらつておいた方が厚生省の方の発言権も強うございますから、そうしたいと思いますけれども、どうも平衡資金の方に入るようであります。
#70
○岡(良)委員 一般官庁の事務費全額負担というのは、国民保険組合の方でも強くおありのようでありますが、そその方面の費用はどうですか。
#71
○安田説明員 政府管掌はこれは国がやつている事務でございますから、これは問題がございません。結局一般会計から特別会計へどれだけ出すかという問題であります。それから組合会社の方は相手が組合でございますから、これはやはり奨励金の意味の補助金として残るわけであります。現在この方は事務費の約三割くらいを出しております。
#72
○福田(昌)委員 社会保障制度のことは、あしたもおやりになりますか。
#73
○堀川委員長 あしたは予算関係でやりたいと思います。
#74
○福田(昌)委員 私の希望は結核予防対策、保險行政から見た災害対策は取上げていただきたいし、その関係の政府委員の方の御出席を願いたいと思います。
 それから先ほど理事会で清瀬病院視察の話がありましたが、できたら厚生委員会で決定の上、視察に参つたらどうかと思いますが……。
#75
○堀川委員長 理事会でお諮りしたのは、ちよつと私の考え違いあつたと思いますが、陳情書は委員長ではなくて民主党で来ておりましたので、もう一ぺん理事会がありましたら、御相談したらけつこうだと思います。何かお聞きになることはありませんか。
#76
○伊藤(憲)委員 また逃げられるかも知れないけれども、ちよつとこまかいことで恐れ入りますが、健康保險でも看護婦をつけることを必要と認めた場合にはつけることになつておるが、資格者でないと看護料が拂えないことになつておる。実際健康保險でつけるのは大きなけがをしたとか、結核患者の非常に重態になつた者になるわけですが、ところが今看護婦がないのです。どこでも実際足りないので、見習者がついておるわけです。付添いのお婆さんが見習と称してついておるわけですが、そういう場合には看護料を拂わない建前ですか。
#77
○安田説明員 またどうも恐縮でございますが、そういつた場合には資格のある看護婦でなければいかぬということは医務局あたりでそういう方針がきまつているのじやないかと思いますが、よくまた調査いたしまして……。
#78
○苅田委員 保險の診療報酬の基金の会計報告は厚生省に出ておりますか。
#79
○安田説明員 そういうことでございます。
#80
○苅田委員 これの昨年度の収支決算が厚生省に出ておりましたら、その資料を出していただきたい。
 それから議事進行について、午前の理事会で、きよう、あすの厚生委員会をどう使うか御相談になつたのですが、社会保障制度審議会の来年度の予算の問題、それから私どもの方で出した湊病院のこと、あるいは共同募金のこととかいう問題は、あすの午前中ということになつているのですが、こんな三時ぐらいで人がいなくなつてしまうということになると、この前のときのように質問したくも時間がないということになるので、きようもせつかく遠方から私ども出て来て十分質疑を盡したいと思つておるわけですが、いつでも聞きたい問題が時間がないといつで打切られてしまつて、しかもこういうように時間はあるわけですが、こういうことはやはり私どもの方としては……。
#81
○堀川委員長 あすはあなたのおつしやつた人を皆呼びます。
 それでは本日はこの程度で散会いたします。
    午後二時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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