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1949/03/26 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 経済安定委員会 第3号
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1949/03/26 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 経済安定委員会 第3号

#1
第005回国会 経済安定委員会 第3号
昭和二十四年三月二十六日(土曜日)
    午後二時三分開議
 出席委員
   委員長 小野瀬忠兵衞君
   理事 多田  勇君 理事 森   曉君
   理事 加藤 鐐造君 理事 高田 富之君
      池見 茂隆君    小川 平二君
      中村  清君    中村 純一君
      永井 英修君    金光 義邦君
      高橋清治郎君    田中不破三君
      勝間田清一君    横田甚太郎君
      羽田野次郎君
 出席國務大臣
        國 務 大 臣 青木 孝義君
 出席政府委員
        経済安定政務次
        官       中川 以良君
        総理廳事務官
        経済本部生産局
        長       菅谷 重平君
        農林事務官
        食 品 局 長 三堀 參郎君
        商工事務官
        総 務 局 長 山本 高行君
 委員外の出席者
        総理廳事務官  石原 武夫君
        総理廳事務官  鵜崎 多一君
        運輸事務官   小田卯一郎君
        運輸事務官   富岡 延一君
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
三月二十四日
 委員圖司安正君辞任につき、その補欠として森
 山欽司君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 國政調査承認要求に関する件
 臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第一号)
    ―――――――――――――
#2
○小野瀬委員長 ただいまより開会いたします。
 これより前会保留のままになつておりました理事一名の互選を行います。前会同樣互選を省略し、委員長において指名いたすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小野瀬委員長 御異議なしと認めます。それでは金光義邦君を理事に指名いたします。
 なおこの際お諮りいたしますが、本委員会におきましても、委員会の運営の進展とともに、経済安定の諸問題その他に関し、当然國政調査の必要を生じて参りますので、衆議院規則第九十四條の定めるところにより、議長の承認を求めたいと存じます。ただいま國政調査承認要求書を朗読いたします。
   國政調査承認要求書
 一、調査する事項
  公團公共事業、物價統制等に関する事項並びに物資の生産、配給及び消費、その他経済の綜合的計画に関する事項
 二、調査の目的
  経済安定、経済調査、物價統制、公正取引等に関する諸調査のため
 三、調査の方法
  小委員会の設置、関係各方面より意見聽取、報告及び資料の要求実地調査等
 四、調査の期間 本会期中
  右によつて國政に関する調査を致したいから衆議院規則第九十四條により承認を求める。
  昭和二十四年三月二十六日
     経済安定
     委 員 長 小野瀬忠兵衞
   衆議院議長幣原喜重郎殿
以上により國勢調査承認要求書を議長に提出いたすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○小野瀬委員長 それではそのように決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○小野瀬委員長 引続き内閣提出第一号、臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案の質疑に入りたいと存じます。質疑は通告順にこれを許します。
#6
○加藤(鐐)委員 議事進行に関して発言したいと思います。前回の会議におきまして、すでにこの意見が出ておつたのでありますが、この臨時物資需給調整法は申すまでもなく経済政策の基礎をなすものでございます。從つてわれわれはこの法案の審議に当るに際しましては、吉田内閣の経済政策の全体について承つた上でないと、審議に当ることは無意味ではないかと思うのであります。吉田内閣におかれましては、まだ施政方針についての御発表もございません。それから経済政策についてもまだ御発表がないのであります。從つて私どもは吉田総理の施政方針全体についての御意見を承り、さらに経済政策全般についての詳細なる御発表をまつて、この法案の審議に入りたいと考えております。委員長におかれましては、さようおとりはからい相なるよう希望いたします。
#7
○小野瀬委員長 加藤委員にお答えいたします。加藤委員からただいま議題に供しました臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案の審議は、未だ首相の施政方針も聞いておらないし、また経済政策等についても何ら聞いておらないので、施政方針なりあるいは経済政策なりを聞かないうちにこの審議を進めることは、当を得ないではないかというような御発言でございます。これは前会高田委員からも同樣の趣旨の御発言がございましたが、各委員御承知の通り改正の趣旨は單に期限を延長する。しかもこの法律の有効期間がわずかに四日しかない。そういう時間が非常にないものでございまして、もしこの審議が終らないようなことになりますと、法律の空白ができてしまうということになりまして、新しく今度は法律をつくりかえなければならぬというように相なります。そういう心配も非常に多いものでございますから、この際御意見はごもつともでございますが、御質疑を願いたいと思うのでございます。
#8
○加藤(鐐)委員 今委員長からこの法案は單に一箇年延長するというだけの問題であるからというお話でありまするが、私どもは、この法案はもちろん單に一箇年延長するというだけの問題でありまするけれども、この法律は今申し上げましたような、今後吉田内閣がいかに経済政策を遂行せられるかというその基礎をなすものでありまして、私ども聞くところによりますると、吉田内閣におきましてもあるいは與党である民自党におきましても、統制の大幅撤廃を行うとか、あるいはまた新聞等に散見するところを見ましても、相当統制上に変更を加えられるように聞いておるのであります。從つて私どもは、この法律はその変更を加えられた内容と一致したものでなければならないと思うのであります。変更された経済政策の、あるいは統制方式の内容とこの法案が一致しない。そういうものを私どもが簡單に通過させたということになりまするならば、これは私ども委員全体の責任だと思うのであります。そういう意味において、私はまず吉田内閣の経済政策、ことに各種物資の統制上におきまするところの御方針について十分に承つた上でなければ、審議を進めることは意義がない。こういうことを申し上げておるのであります。それからまた期間があとわずか四日しかないからとおつしやいますけれども、この期間の三月三十一日限りであることは一年前からわかつておるのであります。從つてそれに対して吉田内閣は万全の対策を講じて、間に合うように十分にわれわれに説明をして、そうして審議が可能であるような処置をとられるのが当然であると思うのであります。私は期間がないから説明はあとにして審議をしてくれと言われることは、どうしても納得が行かない。私はそういうことを申されるならば、なぜ総理大臣の施政方針の演説が本会議においてできないか。あるいはまた経済政策全般についての説明がなぜできないかということを、責任のある総理大臣から承りたい。総理大臣は御病氣だというお話でありまするけれども、それは私は総理大臣の代理のできる人から十分にその理由を承りたいと思う。どうしてそれができないかということを十分承つた上でなければ、私どもは納得して審議に入ることはできないのであります。
#9
○小野瀬委員長 加藤さんの御発言は確かに理由のあることではございますが、委員会といたしましては、この法律だけを審議するに必要な政府当局からの説明を願えば、審議には何ら差支えないと考えるのでございます。なおまた四日の期間があれば十分審議期間はあるというお話でございますが、これもいよいよ日にちがなくなつてから皆さんから御審議を願うことになりますと、せつかくの御質問も十分質すことができないことになりますので、むしろ私は十分余裕のある今日におきまして質疑を行いまして、これを参議院に回付する手続も必要なのでございますから、前もつて質疑を終つておくことが、むしろ委員会の運営上から言つてもいいのではないかと考えまして、本日御審査を願いたい。かように考える次第でございます。
#10
○加藤(鐐)委員 委員長は質疑々々とおつしやるけれども、私どもは十分説明を承つて、納得できれば必ずしも質疑の必要を認めないかもしれないのであります。私は十分な御説明なくして質疑をすることはできないということを申し上げている。先ほどから私の言つていることは、委員長はよくおわかりにならないじやないかと思いますが、私は今日総理大臣が御病氣だとおつしやることについて、しいて総理大臣に出ていただきたいということを申し上げているのではない。総理大臣の代理のできる方から十分の御説明を願いたいので、前回の会議においても御説明がありましたけれども、あれだけでは不十分でありますので、私ども質疑に入るわけに行かない。だから総理大臣の代理のできる方から、どうして本会議において一般方針の説明と経済政策全般についての御説明がなかつたのか、なぜ延びているのかということをまず承つて、それから私どもの態度をきめたいということを先ほどから申し上げている。
#11
○小野瀬委員長 加藤君にお答えいたします。加藤君はあくまで現内閣の施政方針あるいは経済政策がわからなければ質問ができないから、最初にかわつて説明のできる方の説明が願いたい、こういう御意見ですね。
#12
○加藤(鐐)委員 私は時間もそんなにとりたくないので繰返して申し上げたくないのでありますが、なぜ施政方針の説明と経済政策全般についての御説明が政府によつて行われないかということを、まず先ほどからお聞きしているのです。
#13
○小野瀬委員長 それは委員長としましてなぜ首相の施政演説が行われないか、経済政策の発表がないかということはお答えする限りでありませんので、私からはお答えができませんが、いずれにしましても現在の内閣が持つておりまする施策と申しますものの……。
#14
○加藤(鐐)委員 私は委員長からそれをお答えしていただこうと思つておりません。総理大臣の代理のできる方から御説明が願いたいということを先ほどから申し上げている。
#15
○小野瀬委員長 そのために大体安本長官がかわりまして御説明申し上げたらということで、安本長官に來ていただいておるのでありますが、安本長官の御説明では納得できませんか――その他続いて御意見のあつた政府委員の御意見を……。
#16
○加藤(鐐)委員 私は安本長官はいけないとかいいとかいうことは申し上げません。総理大臣の代理ができる方から承つて、それで納得行けばけつこうです。
#17
○小野瀬委員長 それでは安本長官がお見えになつておられますので、安本長官からできるだけ御納得行くような御説明をお願いいたしますから、どうぞさよう御承知願います。
#18
○青木國務大臣 ただいま加藤委員からの御質問の点、御希望の点はごもつともであると存じます。私が吉田内閣の経済政策全般について申し上げて御満足が行くことになるかどうか、それは私にも自信があるわけではございません。しかしながら本日のところなお吉田総理は御承知の通り数週間以前から病床にありまして、幸い全快の方向に向いまして、ただいまは外相官邸の方に参つておりまするけれども、なお毎日せきが出まして、そのために数日を靜養しなければならぬというような状況にありまするために、今日御希望ではございまするが、残念ながら出席ができないという状況にあるのでございます。ことに吉田内閣が議会に臨みまして、全体の施政方針について御説明を申し上げます機会は、必ずしもそう遠いことではないと思いまするが、御承知の通り予算もまだ細目についての司令部との折衝も終つておりませんし、また全体的な問題から考えましても、なお折衝中に属しておりまするために、施政方針の演説も数日延びるという状況にあるのでございまして、この際最も重大な予算の問題が一應その点におきましての折衝が終りません限り、御希望に沿いまするための施政方針の演説はない。施政方針の内容について御了解を得るということができかねておる次第でありますので、その点はひとつ御了承を願いたいと存じます。
 それから私はわが吉田内閣がどういう経済政策をもつて議会に臨むか、こういう問題について一々詳細な御説明を申し上げるところまでもちろん参つておりません。しかしながらわれわれが経済九原則、その後のドツジ声明、引続いてのドツジ・ミツシヨンを通じての二十四年度の予算の方向というものから考えてみまして、われわれとしてもなお十分檢討しなければならぬところが多々あるのでありまするが、しかしここに問題になつておりまするところの経済統制の廃止、縮小という問題に、問題を集約して考えまするならば、われわれが野党当時におきまして、いろいろと主張して参りました点から考えてみましても、また御承知の通りに経済統制をどの程度に、どんなふうに廃止して行くかという事務的、技術的な問題につきましては、もちろんなおいろいろ考究すべき点が多々あるとは存じまするけれども、しかしわれわれは從來主張して参りました嚴格な全面的統制というようなことをもつて、今日の日本経済を推進せしめることは、実は不可能に近いのではないか。ゆえにやつてもむだであり、やることがかえつて國民の生活を圧迫するというような統制は、どうしてもこの際解かなければならぬという大きな方向を土台といたしまして、まず経済統制に関する諸項目を漸次排除して行くという考えをもつて臨んでおるのでありまして、從つてここに提起いたしましたところの臨時物資需給調整法の一部を改正するということは、もちろん御了承のごとくに現在ただちに一切の統制を解くというようなことが、考えられるべきはずのものでもございませんし、かつまたわれわれはさようなことは考えておらぬので、ぜひわれわれが各種の関係から見て、國民生活にとつて、かえつて迷惑千万であるとか、あるいはまたやることが効果がないというようなものについては、順次各種の関係を考祭いたしまして、排除して行くという方向を持つておりまする限り、ここに臨時物資調整法の一部を改正する必要があることを認めまして、そうしてこれを今日提出いたしておるのでありまするが、何しろこの法律は、提案の理由として御説明申し上げました通り、必要な経済統制を実施いたします根拠法規として、二十一年の十月制定せられましたもので、しかもそれが二十三年三月末日または経済安定本部廃止のときに、いずれか早いときにその効力を失うというような点にありまするので、この際なおこの法律の存在が必要であるということは、一般的に原則的に認めるのでありまするし、かつまたこの統制を順次やつて参りまする過程といたしましても、どうしてもこの三月をもつて期限が切れまするこの法律を、なお一箇年間延期をしておくということの問題を一應きめておかなければ、今後経済統制を順次解いて行くということができませんので、一應今後の統制を解いて行くという方針のもとに、これを一應延期しておくということを御承認が願いたい。そのための御審議をいただくという趣意で、これが提出されておる次第でありまするので、加藤委員におかれましても、よくこの間の消息を御了承いただきまして、これを御審議を願いたいと存ずるのであります。
 そこでなお今後いろいろと御質問がございまする点について、私をもつてお答えすることのできる点は、順次にお答えをいたしまして、御納得の行くようなところまで持つて参りたいというのが私の考えなのであります。從つて全体的に吉田内閣の施政方針というようなことは、これは御希望にただいまのところ沿いませんけれども、しかしその点を内容的に逐次申し上げて参りましたならば、だんだん御希望に沿い、また御質問に答え得るというふうに自分も考えておりますので、何とぞその点御了承をいただきたいと存ずるのであります。
#19
○加藤(鐐)委員 ただいまの青木安本長官の御説明はきわめて抽象的で、私の希望いたしました吉田内閣の経済政策の片鱗をも伺うことができなかつたのである。今青木安本長官は、まだ予算の成立がいわゆる関係方面との折衝のために完全にできておらないという話でありますけれども、しかし私は一歩讓りまして、大体吉田内閣の経済政策というものはでき上つておるものと思うのであります。ことに私の平素がら尊敬しておりまする青木安本長官は、みずから経済政策の立案に、陣頭に立つて当つておられると思うのであります。從つて私は関係方面との折衝によつて、予算の面において多少変更が加えられても、今経済政策の根本の点において大きな変更が加えられることはないと思うのであります。大体そのように私は承つておるのであります。從つてもつと具体的にお話があつてしかるべきだ。私は今のお話では私の希望に対する点については、全然お答えがなかつたものであると思う。從つて私はそうした抽象的な御説明だけでは納得することができないのであります。なお詳細に具体的に御説明があればよろしいけれども、それでなければ私はどうしてもただいまのお話だけでは、この法案の審議に入ることについては賛成いたしかねるのであります。
#20
○小野瀬委員長 加藤委員に御了解を得たいと思うのでありますが、安本長官からの御説明はきわめて抽象的であつたとおつしやいますが、もちろん長官が全般にわたつて御説明するとすれば、もう少し具体的の御説明があつたであろうと思つていたのでありますが、長官の御意思が、その審議を進めて行く間にお互いに質疑應答して行けば、内閣の考えておる経済政策というようなものもおわかりになるのではないかというようなお話なので、できることならばこの際あなた方のお考えになつております点を、十分納得の行くまで御質問をしていただいて、その間に全般をわかつていただきたい。かように考えますがいかがでございますか。
#21
○加藤(鐐)委員 私は先ほども申し上げた通り、十分御説明があればたいした質問をしなくとも審議は終り得るのではないかと思うのです。ところがほとんど経済政策についての御説明がなければ、一々その点について質問をしておれず相当時間がかかつて、かえつて委員長の希望せられるように短時間に審議が行えないということになるのではないかと思います。私はそういう点からも、政府の方から最初に一括して詳細な具体的な御説明があつた方が、かえつて審議が促進されるのではないか。こういうふうに考えて申し上げたのであります。
#22
○青木國務大臣 ただいまのお言葉はそのお言葉自体としてはよくわかるのでありますが、今後数日の後に施政方針の演説及び経済政策に対するわが内閣の主張はいたす予定になつておりまするし、その際には十分お聞取りを願えると考えまするが、ただいま率直に申し上げますれば、私自身も準備中ということにあるのであります。ことに今申し上げました九原則、これは昨年以來われわれの了解をいたしておるところでありまするが、ドツジ声明後における二十四年度の予算というものは、われわれの從來唱えて來た経済政策というものに対して、どういう結果になつたかというところに、おそらく御注目になつておられると私は判断をいたすのであります。從つてこれらの点につきましては、もちろん数日後に明瞭にいたすことでありまするので、どうか今日のところはその点を御了承をいただきまして、御審議をお進め願いたいと存じます。
#23
○小野瀬委員長 いかがでしよう。ちよつと速記を中止して、懇談したいと思います。
    〔速記中止〕
#24
○小野瀬委員長 それでは速記を始めてください。
#25
○加藤(鐐)委員 私どもいたずらに審議を延ばさせるとかあるいは会議を混乱させるというために、こういうことを申し上げておるのではないのです。私どもの態度をはつきり銘記していただきたいために、採決を要求したのでありますけれども、委員長は慣例もあまりないからというお話で、委員長の心情もよくわかるのでありまするから、私は最後に一つの警告を政府当局に発しておきたいと思う。私は先ほど青木安本長官からいろいろお話がありましたけれども、今日の情勢を見ましても、今経済政策の全体について御説明のできない状態であるとは私は認定しがたいのである。しかしまだ用意がないということでありまするので、本日のところ私はその点そういうふうに了承いたしまするが、私はこうしたやり方というものは、民主議会においてきわめて不合理なものだと思う。ひとつの期限のわくがあるからということで、しやにむに十分に議員の納得のいかない方法において審議を進めるということは、これはきわめて非民主的のことだと思う。こういう行き方がしばしば行われるということになりますれば、これは戰時中の翼賛議会にもひとしい行き方となると思う。一方において與党の多数を頼むというような氣持すら私どもは疑われる。そういう氣持があるとは私は断定いたしませんけれども、しかしながら私どもに十分納得を求めずして、そうしてこういう行き方をあえてしようとせらるる裏には、そうした與党の多数を頼んでおるところの氣持がありはしないかということを、私どもは疑うのである。私はそういうやり方では、今日の日本の再建の途上においてはいけないと思う。今後政府におかれても、十分こうした重要な問題の審議にあたつては、われわれの納得の行くような方法で、できるだけわれわれの希望も入れる方法において、審議が円滑に進められるような態度をとられたいということを強く希望いたしまして、私の動議は撤回いたします。
#26
○横田委員 私たちはほかの委員とは非常に立場を異にしておりますので、休憩中にやられたことなんかは一向にわからない。たとえて申しますと、ことがきまらない場合においては、大体採決に行つたらいいんじやないですか。その結果われわれが少数であつて負けてもかまわぬ。共産党、社会党が四各、他党が二十一名、他党が勝つのはわかつておるじやないか。こういうことを言われるのであります。負けるのはあたりまえであります。しかしそんな横暴なことをやられて、日本の政策を誤つた結果は、次の選挙で民自党がひつくり返つてしまう。今度は別といたしましても、これ以外のときには、明確にすべてのことを採決できめてもらう。今までのことに煩わされないということにしてもらいたい。それから同時に長官にお願いしておきたいのですが、少くとも私たちに答弁される場合には明確にやつてもらう。明確とは、新聞なんかに出ている、そして日本人が読んでわかるところの通念による明確なんです。それは何かと申しますと、たとえば吉田首相がかぜをひいておられたと言われる。しかし事実はそうではないんです。かぜは大したことはないんです。しいてかぜだと言われるのだつたら、われわれは診断書をもらわねばならない。そうではないのである。民自党の公約にひびが入つたんです。それならそうとはつきり言つてもらえばわれわれもよいのです。それを承つて、共産党といたしましても、社会党といたしましても、民自党といたしましても、日本民族の一員として、掲げておるところの各党の政策を再檢討して、外國の人たちに笑われないようなりつぱな討議ができるのです。その点よく御明確になさいまして、今日の場合はもちろん、施政方針演説がやられる前に、これをどうするか、こうするかというような手続の問題ではないのであつて、本法の精神を表わすのが基本でありますから、加藤委員の言われたように、同調はいたしますけれども、今後においては答弁あるいは採決において、すべて明確にやつていただきたい。くれぐれもお願いいたします。
#27
○小野瀬委員長 了解しました。加藤委員にちよつと申し上げておきます。幸いに加藤委員から御了解をいただきましたので、これから審議に入りたいと思いますが、加藤委員から御要望のありました点については、十分に政府に申し入れておきます。
 それではただいまから本日議題に供しました臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案の質疑に入ります。質疑は通告順にこれを許します。勝間田清一君。
#28
○勝間田委員 先ほど安本長官は、経済の九原則に從つて重大な関係もあり、また同時に民主自由党も、また現内閣の政策の遂行の上から見ても、重大な関係を持つておる法案であるとお話しになつたわけでありますが、経済九原則の中には、必要なものについては統制を強化して行けということが、よく主張されていると私は思うのでありますが、それとともに民主自由党並びに現内閣の方では、漸次統制を撤廃して行きたいということをお考えになつておるようでありますが、その間のけじめをどうきめて行くか。この点をまず第一に御質問さしていただきたいと思います。
#29
○青木國務大臣 勝間田議員の御質問にお答えいたします。民主自由党も吉田内閣も、その点においては今日九原則に矛盾した政策を主張したということは、これまでないと私どもは考えております。ただ、ただいまの御質問によりますると、必要なる統制、こういうことでありますから、私どもも必要な統制はこれを解こうと考えておるものではありません。不必要な、やつてもむだな統制を解くというところに私どもの考え方があるのでございます。
#30
○勝間田委員 その必要なる統制と不必要なる統制の基準はどこに置かれるか。その点をお伺います。
#31
○青木國務大臣 たとえて申し上げますれば、現に生産が相当に上つておつて、いわゆる需給度が一致する。すなわち具体的に言えば、マル公以下で現実に物が賣買されている、あるいはまたやつている統制が――たとえば生鮮食料品の問題等を考えてみましても、もうこれをやつておつても、また統制で追いかけてみても、むしろかえつて國民生活を圧迫する。こういつたものは、これは不必要な統制であるからやめる。あるいはその他從來の物資の需給度から見て、生産が上つて來ればそれだけ緩和されて行く。しかもそういう消費物資の中には相当な数に上つたものがあげられておりまするが、そういうものをむりに統制しておくことによつて、かえつて消費者にとつては不利益である。そういうものはやはり不必要な統制ということになりますので、原則的に言えば、需要供給、いわゆる需給度が大体バランスがとれるといつたようなものは、むりに統制しておかない。こういうことでありまするし、抽象的に言えば、統制をしておることがかえつて國民をむりにやみに追い込んでおるとか、そういうことで國民生活を圧迫するというようなものについては、われわれは統制を解きたいという考え方であります。
#32
○勝間田委員 非常に抽象的なようでありますが、さらにお尋ね申し上げたいと思うのであります。対外的な援助を受けておる物資が國内生産の物に加わつて、一つの需給度を保つておるようなもの、こういつたようなものは大体統制からはずす考えですか。あるいはそういうものは統制すべきものと考えていらつしやいますか。
#33
○青木國務大臣 今おつしやるような外國から原材料を仰いでおるというようなものについては、統制を解くことは、われわれもなるべくしたくない。やはりこういう貴重な資料が横流れしたり、あるいはやみで取扱われたりするというようなことは、ぜひ避けて参りたいと考えております。
#34
○勝間田委員 これは直接物資調整法と関係はないかもしれませんが、たとえば民主自由党が從來約束された中で、供出後の自由販賣ということをよく言われておるのであります。現在ガリオア・フアンドで相当の援助を外國から受けておるわけであります。そうしますとこれは結局今の趣旨から行けば、相反するということになるだろうと思いますが、その点をお尋ねいたします。
#35
○青木國務大臣 從來私ども自由党以來、供出完了後の米を自由販賣にすべしという一つの項目があつたのは、ただいまおつしやる通りであります。これらの政策を急速に具体化し実現する。こういうことはわれわれも考えて参りましたけれども、実際には御承知のように食糧はアメリカの援助によつて、ようやく日本の國民の日常の生活を満たして行くというところにありますので、私は政調会長当時においては次のような考え方を持つて、この点を御説明しておつたのであります。政策はできるだけ早くこれを実現するということは、もとより各党ともその理想であります。しかしながら事態がさように適應しない場合においては、なお將來に残されるということも、おそらく各党の政策の中に多分にあると存じますので、私といたしましてはもし米の自由販賣ということを的確に実現するというためには、次のような條件が必要ではないか。國内でその食糧生産が満たし得るという状況のもとにおかれておるか、しからずんば海外から日本が食糧を自由に選択して、輸入することのできるような時期が到來いたした場合においては、このことが確かにできるだろう。しかもそれがやれるならば、きわめて國民心理をうまくつかんでやつて行けるという方策として適当なものであろう。しかしながら今日のように絶対量が足りない。しかもアメリカからしいて懇請してこれを供給していただいておるような現在のような時期においては、むしろこれを二重價格制とか、あるいはまたそのことが適当に行われ得ないとすれば、國民の心理をうまくそこにつかんで、ことに國民というよりも農民の方々の心理をうまくとらえて、そこに多少でも供出関係を緩和するというような考え方のもとに考える以外に、このことは今のところでは方法がないのではないかというような考えを、私は持つておるのでありまして、この私の考え方がはたして適当なものであるかどうかは、御批判を願いたいと存じますけれども、私の現在の考え方としては、供出完了後の米を自由販賣すべしというこの條項については、以上のような考え方を持つておる次第であります。
#36
○勝間田委員 そうすると國内で需給が保てて、外國から食糧の輸入が選択自由でできるような時期が來るまでは、なかなかむつかしいというお話でありましたが、そういう時期は私の考えをもつてしてはそうなかなか早急には來ないと思います。民主自由党のお約束になつておる供出後の自由販賣ということは相当將來までできない。こういうように考えてよろしゆうございますか。
#37
○青木國務大臣 この問題は現在これを実行しようとしても、今のところでは実行しがたいような状態のもとに置かれておると、私も一應考えておる次第であります。
#38
○勝間田委員 現在そういうような状態であるということと、今のお言葉から行けば將來もこういうことはできないのだ。そうお認めになつたように私は感ずるのでありますが、聞くところによりますと超過供出を法制化すということを、今度は逆にお考えになつておられるようでありますが、この点はいかにお考えになつておられましようか。
#39
○青木國務大臣 その点は私はまだはつきりと農林大臣等からも承つておりませんし、閣議においてもさようなことはまだ承つておりません。
#40
○勝間田委員 まだ承つておらないとおつしやるようでありますが、すでに新聞紙上等においては、この法制化が盛んに現政府において考えられておるということも見ておつたのでありますが、全然問題になつておらないという意味でしようか。現在まだはつきり申し上げる時期に到達しておらないという考えでありましようか。
#41
○青木國務大臣 私はただいまそれを承知いたしておりませんが、そういう考え方が別にあるかもしれません。その点は私が明瞭に申し上げるわけには参りません。
#42
○勝間田委員 それからやはり関連をいたしておる事柄でありますから、この際明確にさせていただきたいと思うのでありますが、例の生鮮食料品の方の統制撤廃ということも、從來主張されておつたようであります。特に水産物並びに蔬菜類の統制の撤廃ということも、民主自由党並びに現政府がお約束になつておることでありますが、これらについてはわれわれも早急にこういつたものの撤廃というところに到達する時期が來ることを、希望いたしておるわけでございますけれども、現政府のお考えになつておる案はどのようなものでありましようか。その点を伺いたいと思います。
#43
○青木國務大臣 お答えいたします。私どもといたしましてもせつかくその点は準備中でございますが、魚の方の統制は今のところまだ見通しがついておりません。蔬菜類については大体見通しがついておる状況でありまして、いつ何日とははつきり申上げられませんが、大体見通しがついております。
#44
○勝間田委員 蔬菜の方の大体の見通しがおつきになつたということは、非常にけつこうなことだと考えるのであります。現在の都市の蔬菜の配給の状況は、最近よほど改善されておるように聞いておるのでありますけれども、この点はいかがなものでしようか。六大都市等についての状況をまず伺いたい。
#45
○青木國務大臣 これは数日來何となく出回りが少し惡いというようなことも聞いておるのでありますが、全体から申し上げますればだんだんよくなつて來たというふうに申し上げることが適当であると考えます。
#46
○勝間田委員 こまかいことにわたるようでありますが、蔬菜方面に対する肥料の割当の方は、ことしはどんな計画になつておるでありましようか。
#47
○青木國務大臣 その点は事務当局からお答えをさせることにいたします。
#48
○中川(以)政府委員 ただいまの御質問についてお答えを申し上げます。蔬菜の撤廃をかりにいたしましても、生産出荷の面はできるだけ確保いたします措置をとる所存でございます。すなわち農村から都市には一定の量が入るようにできるだけの措置を講じまして、そのかわりに蔬菜に対します肥料あるいは生産確保に必要な農藥品でございますとか、あるいは生産資材等については、できるだけ農村に確保できるような特段の措置もとるつもりで、考究中でございます。
#49
○勝間田委員 現在の都市への入荷状況があまりよくないとおつしやいますが、これはどういう状況でございますか。大臣どうお考えになつていらつしやいますか。
#50
○青木國務大臣 御承知の通り例年の端境期に近くなりましたのと、統制が解かれるというようなことが新聞に出たと思いますので、そんなことからかと存じますけれども、多少出回りが惡いというようなことをちよつと新聞で見たので、まだ私実情調査をいたしておりませんが、その程度で御了承願いたいと思います。
#51
○勝間田委員 魚の方も現在まだ統制が撤廃できないというお話を、先ほどお聞きいたしたのでありますが、その理由を明らかにしていただきたいと思います。
#52
○鵜崎説明員 説明申し上げます。今まで生鮮食料の中で水産につきましては、いろいろ資材等を増配いたしまして、生産は若干上つて参つたのでありますが、しかし消費者に見合いますような生産の向上ができないのと、それからまた資材につきましても、特に燃料であるとか、マニラ麻その他漁網等におきましても、まだ相当多量の外國の援助資金で購入しておるというような状況もありまして、統制を解く段階に至つていないのであります。
#53
○勝間田委員 次に若干関連した問題といたしまして、料飲店の再開の問題が考えられておるようでありますが、この問題については大臣いかにお考えになつていらつしやいますか。お尋ねいたします。
#54
○青木國務大臣 お答えいたします。料飲店は御承知のようにいろいろ主食の問題と関連いたしまして、どうもそういうところに主食が流れては困る。それがひいては主食の配給その他食糧に配給に、大きな影響があつては困るというような趣意で、これまでまだ解かれない状況にあるのでありますが、しかしいろいろと折衝いたし、御了解を得ました結果、大体主食をのけて料飲店の再開を許す。こういうような状況にありますので、こまかい点につきましては私もあまり存じませんが、主食をのけて國民生活の部面にあまり生活上のいろいろな影響を與えないというようなことから考えますれば、こういう料飲店の再開されることは、われわれとしては從來も希望しておりまするし、今日もきわめて強く要望いたしておる次第でありまして、現在の状態ではまずそれを議員提出の形で、法律案を提出いたしたいという考えを持つておる次第でございます。
#55
○勝間田委員 料飲店の方は議員提出でおやりになるというようでありますから、その程度にしておきたいと思うのでありますが、それで今まで民主自由党の方々のお約束している問題について、大体明確になつたように思うのでありますが、なお先ほどの原則に基いて、統制を撤廃して行きたいと考えておるもので、御発表できますものがあれば御発表していただきたい。
#56
○青木國務大臣 お答え申し上げます。現行の統制品目二百五十二品目のうち九十二種類ほどは、この統制をできるだけ早く解きたいということで、いろいろと準備をいたしておりますから、なおそれができればさらに漸次研究を遂げて、実態に即するように統制を解きたいという考えを持つておる次第でございます。
#57
○勝間田委員 九十二種類とおつしやいましたけれども、從來の政府なり、民主自由党の方は期限を考えずに、やがて統制が撤廃されるだろうというようなことを考えて、二年、三年先のことをよく言われるくせがあるようでありますが、そういう意味でなくして、その九十二品目というのはごく最近において撤廃するというお考えですか。
#58
○青木國務大臣 お答えいたします。すでに三十三種類は最近統制が解けることになつております。從いましてその第二段階としては、あとのものも順次解いて行くような準備をいたしておる次第でございます。
#59
○勝間田委員 その三十三品目というのは、別の機会にでも御発表できることになりましようか。
#60
○青木國務大臣 お答えいたします。この三十三種目につきましては、なお多少先方との関係で御了解を得なければならぬところがございますので、最近において発表いたしたいと存じております。
#61
○勝間田委員 その品目は生産資材の方でありますか。消費材がおもでありますか。両方ともどの程度の内容のものですか。
#62
○青木國務大臣 ただいまのは全部生産資材でございます。
#63
○勝間田委員 それからもう一つお尋ねいたしたいと思うのでありますが、これはある程度しか御発表できないかもしれませんけれども、現在の進駐軍のいわゆる占領費用に見返る資材の主要品目について、どういうような形で改善の余地があるか。その点を御発表願えれば御発表願いたいと思います。
#64
○石原説明員 ただいまの御質問は資材面における進駐軍のあれが、どの程度になつておるかということでありますが、ちよつと具体的な数字を持ち合わせておりませんが、次の機会に御報告いたしたいと思います。二十四年度につきましては、ある程度推定でございまして、正確な数字はお答え申し上げかねますが、二十三年度あるいは二十四年度の大体の推定の数字を、次の機会に御報告いたさせていただきたいと思います。
#65
○勝間田委員 これで質問を終ります。
#66
○小野瀬委員長 それでは高田さんに質問を許します。
#67
○高田(富)委員 先ほどの長官の御説明の中にもあつたのですが、統制のやり方を今度は相当かえて行きたいというような御発言があつたように思うのですが、統制の方式のどういう点がかわつて行くかということを、まずお伺いいたしたい。
#68
○青木國務大臣 お答えいたします。私の申し上げたのは統制の技術的な面、その方式と申しますると、たとえば今度の予算を通して考えますると、これは必ずしも新聞でも明確になつておるとは存じませんけれども、われわれの知り得ておる範囲で考えてみまするならば、資金統制、そういうところでいろいろとこれまでやつて來たものでなしに、なお統制を強化しなければならぬようなものが起つて來るのではないかということを考えましたので、そういう点をちよつと考えたので、方式云々ということを申し上げたのでございます。それからまたその統制を強化しなければならぬ。九原則の中の必要な場合には、統制を強化しなければならぬということもございますので、そういう意味で多少統制についての考え方を今までやつて來た。しかしながら今後はこの面で、今までは統制を少しゆるめてあつたものを、統制しなければならぬといつたようなものが起るのではないか。その場合においては、技術的にもその点を考慮して、統制強化の実に沿わしめるということを考えましたので、先ほど申し上げたような表現の仕方をいたした次第でございます。
#69
○高田(富)委員 私の質問は、そういう点と、それからさらに統制の意図する方向ですね。たとえば基礎物資の生産資材の割当の方針というようなものに、相当大きな変化が出て來るように――これは白書の中にも若干出ておつたと思いますが、その点、たとえば鉄鋼、石炭、その他の例をあげて、どういうふうな方針で今後物資の割当をやつて行くか……。
#70
○青木國務大臣 そういう点では、たとえば予算の中で價格調整金というようなものがございますが、この使い方と申しますか、安定帶物資の價格調整を行つて参りまするために、約一千億の予算が出ておるのでありますが、その場合にこの價格調整補給金といつたようなものを節約しなければならない。しかし節約することのためには、その一方において物價の体形を維持しながら、しかも一方において合理化を行う、あるいはむだな費用を使わせないといつたように、できるだけ監督を嚴重にし、しかも生産されたものが有効に使われるというようなこと、あるいは今申し上げたように経営面の合理化をも勘案いたしまして、できるだけこの調整金を節約して、將來價格調整金というようなものは、経済安定の曉におきましてはできるだけ少くする。あるいはできるならばこういうものはほとんどなくなることを理想といたしまして、まずこの二十四年度においては、價格調整補給金の節約を実行いたしたいということであります。そういう考え方からわれわれはこの予算を、ただいま上程して行きたいというふうに思つておる次第であります。
#71
○高田(富)委員 そうするといわゆる集中生産ということが言われておるのですが、それを強化して行くということになると思うのですが、そういうふうな割当の資金面でもあるでしようし、ことに物資の割当をたとえば注文制ですか、ああいつたような方法に改めまして、集中的に一部のところへ入れて行くというような統制の方式に、大きく轉換いたして行くように考えられます。そういうことになつた場合、一つの産業の中で相当多数の犧牲になる部門が出て來る。また産業部門全体としても、相当大きな打撃を受けて來るものが出て來るのではないか。そういうことが結局今後の日本の経済のあり方の上に、非常なひびを入れるような、形の大きくかわつて來る面が出て來るのではないかと思うのでありまして、この点ちよつとこの物資の割当なども、單に一片の法律ではありますけれども、運用のいかんによつては実に大きなかわつた結果が出て來るのであります。たとえば從來行われておつた資材の割当方針などでは、比較的そこの産業の全体を生かして行くとか、あるいはいろいろな條件でなるべく公平にというふうなことが主眼になつておつた点も相当あつたと思いますが、今後そういう部面が相当大幅に容赦なく落されて行くというような結果になると思うのでありまして、この点について主な産業部門の例をあげて、その見通しを述べていただきたいと思う。
#72
○青木國務大臣 お答えいたします。もちろんこれはきわめて一般的なことになると存じますが、まず初めの方の御質問の要旨から考えますと、資材の割当という問題になりますれば、当然その企業の合理化に伴いまして、企業コストの採算の問題が起つて参りますが、割当てられた資材を完全に生かし、しかもよりよい製品をつくつて出すというような面に重点を置いて、できるだけこの割当を調整して行くという考え方は、抽象的な考え方でありますけれどもあるのであります。それから一方製品のよしあしといつたような問題は、やはり需要者側にとつての需要面の要求というようなものをも勘案をいたしまして、資材の割当を適当に調整して行くというようなことを、今日は考えておる次第でありまして、おつしやるように今度のこの予算というものを基本といたしますれば、相当にわれわれは決意をいたさなけらればなぬ。それはまずわが國の從來インフレの進行過程において営んで來た企業が、インフレがいよいよ終熄するという段階に到達し、しかも経済が一應安定するということになりますれば、企業それ自身の立場もおのずからかわつて來ることは、必然であると思うのでありまして、從つてその合理化は相当に強くしいられることになると思います。企業間のいわば合理化といつたような問題も、当然そこに現われて來ると考えます。從つて企業の操業度であるとか、あるいは能率であるとか、そういう問題がこの場合当然如実に現われて來ることを予想いたしますれば、やはりその場合における集中生産の過程といつたようなものが、おつしやるように考えられて來なければならぬというふうに、私も考えておる次第であります。
#73
○高田(富)委員 そうしますと、この物資の割当は企業の生殺與奪の権を握るものであり、また日本の経済の今後のあり方を大きくかえる非常に重要なものになると思います。從來日本におきまして中小工業の比重は非常に大きいし、これが維持せられまた発展することによつて、一般の國民の購買力というものも高まつて來た。相互に産業も発展するという形をとつて、今日まで進んで來たと思うのであります。それがここで本法の運用をそういう方向でやられるということになると、そのために、まず中小商工業の大きな破壞の問題が起つて來ることは当然予想されます。最近ではすでに纖維工業方面においても、紡績業との一貫作業をやつておるような部面については、重点的な割当を期待しておるようでありますが、その他の中小企業の方面においては、すでに倒懷するのではないかということを業界でも憂えまして、大きな問題になりつつあるのであります。こういうふうなことが各産業に相当廣汎に起りますと、ますますいわゆる相対的過剰生産というか、一般的な購買力の低下になり、大きな社会問題をも惹起するような、非常に大きい國の経済の混乱と破懷とを結果するようになると思うのであります。これらの犠牲になる諸産業に対する対策は、同時にどうしても考えなければならぬと思いますが、この点についてはいかがですか。
#74
○青木國務大臣 お答えいたします。それはもちろんわれわれは生産面についても金融面につきましても、できるだけおつしやるような破懷の到來しないような措置を、今日講じて参りたいというのであります。ただいま御承知のように、資金面におけるところのいわゆるガリオア、イロア等を通じてできる資金というようなものが、新聞あたりにも出ておりますが、千七百五十億くらいがこの資金でありますが、これをどういうふうに國内生産の面にまわしてもらえるかどうかといつたようなことについても、今日のところ必ずしも明瞭ではございませんし、またこの予算の実行上において、民間金融機関の資金をできるだけ豊富にするという建前のもとにおきましては、さらにその資金がどう適切に配分されて行くかというようなことを、どの程度自由に金融市場にまかせるかというような問題をも加味して、企業が今日当面しておるところの企業資金難等について、できるだけ困難な状況を排除して行きたいというような考慮をもいたしておる次第であります。ただいまの企業本來の行き方という本質的な問題になれば、御説のように相当われわれも杞憂をいたしておりますが、しかしこれはやはり資金、資材の運営という問題から考えて参れば、またこれを相当にカバーして行けるということをも考えておりますので、われわれとしてもその点に全力を盡して参りたいという考えでございます。
#75
○高田(富)委員 資金の面というのですが、やはり物資の面と資金の面とを切り離しては、考えられないと思うのであります。物資の面で重点的な集中生産の方式による割当を行うときには、どうしても資金の面が、それに伴つてそちらに行かざるを得ないのでありまして、ことに最近は一般中小商工業に対する金融はますます逼迫しておるし、今後いよいよそういう傾向にあることは、常識的にも当然予想せられます。もしそういう方法で進めば、倒懷破産し、相当荒廃する一般の大きな産業部門のあることを知りながら、対策がほとんどないというふうに理解されるのでありますが、その点を重ねてお尋ねいたします。
#76
○青木國務大臣 お答えいたします。おつしやるように、物と金というものは、われわれはやはりこれを関連的に考えて参りたいと思います。しかしわが國の戰後の企業形態というものは、インフレの進行過程として、いわば相当変態的な形で進んで來たということが言える。その点はドツジ声明によつて言われておりますように、わが國の経済は依然として竹馬経済であるということは、われわれもよく了承をいたすところであります。從つてこの経済に企業面においては自主性を持たせる。さらに自主性を持たせるということは、能率なり製品なりにも今後まつたく合理的な措置を講じて行かなければならぬということが、強いられておるとも考えます。もちろんこれまでインフレを契機として、しかもインフレの上に立つた一つの企業経営、そういうものが安定した経済のもとにおいては、やはり相当脆弱性を暴露することは、当然考えられなければならぬことだと思います。從つて各種の犠牲が起つて來るが、それに対してどうするかという問題については、やはり立ち行く見通しがつき、しかも立ち行かせなければならぬといつたものについては、われわれとしてはできるだけ援助の手を差伸ばさなければならぬし、またそうでないようなものに対しては、自然に倒れるようなことも甘受しなければならぬような状態が起つて來やしないか。こういうことが考えられるのであります。從來傾斜生産方式あるいは重点生産方式という形で行われて参りました過去のプロセスから考えますれば、やはりここで中小企業というものはきわめて脆弱な基盤の上におかれていたということは、否むことのできない事実であると存じます。從つて問題は、中小企業金融あるいは資材の割当面において、どんなふうにこれに対して考慮すべきであるかといつた課題があると思いますので、それらの点は安定本部としても現在研究をいたしておりますが、さらに決定的な結論を得たいと、今日非常な努力をいたしておる次第であります。
 右ようの次第でありますから、いろいろ高田委員の御質問の要点もよく了承できるのでありますが、的確にこれをこうする、これはああするということについては、今のところなお細部にわたつての予算の決定に伴つて、そのこともお答えできるような事態に立ち至ると考えますので、以上のようなお答えをいたした次第であります。
#77
○高田(富)委員 それでは本件についての質問は打切ります。大体今後研究すべき課題である、安定本部としても研究するということでありますので、一應打切りますが、これはわれわれとしても非常に大きな問題でありますし、今後の貿易を中心とする集中生産、これに伴う資材の重点的な配当を通じて、非常に大きな変化がもたらされ、大きな問題がそこにあることははつきりしたと思うのであります。これにつきましては、なおこの委員会としてももつと部門別にこまかく檢討をし、さらにその節もう少しこまかい点についての御質問をさしていただきたいと思います。これで一應終ります。
#78
○小野瀬委員長 横田君。
#79
○横田委員 提案理由を見ておりますと、非常にけつこうなんです。ところがやられている結果が非常に違う。だから私たちとして聞きたいことは、だれのためにこの統制をされ、だれのために統制を撤廃されようとしているか。これをはつきりしてもらいたい。これが第一問です。今度安本長官が提案されたその中におきましても、戰後の窮迫せる経済情勢に対処して、わが國産業の回復振興をはかるために必要な経済統制を実施いたします根本法規というものが、はつきり明記されております。それから敗戰によつて破懷されたわが國経済の建直しのための非常立法であり、あくまで暫定的の立法でありますということも明記されております。最近わが國の経済は漸次安定の度を増して、物資の生産も相当回復を示して参つたのでありますが、未だ全般的には物資需給のバランスを回復するには至りませず、わが國経済の急速な安定回復をはかるためには、今後少くとも一箇年間は、引続き有効適切な統制を実施する必要があると認められておるのでありますとも書いてあります。しかもこの法規については、昭和二十一年九月一日の國務大臣星島二郎さんの御説明におきましても、経済危機を克服して、産業の回復をはかるために、各産業の基礎資材、見返り物資、食糧その他の物資に関する重点的な計画生産を行い、またそのために合理的な配分計画を実施する。そのために物資需給に関する基本的な総合計画を策定する必要がある。次にその実施においては、経済民主化の理念に一貫しておる。すなわち本法に基く命令は最も民主的な組織を有する官廳であるということが書かれておる。さらにこの法は、法三章の簡單なものであつて、大幅な委任立法である。これが通過を見た場合においては、戰時中の総動員法の運営において見たごとき惡弊を、惹起するようなことがあつてはならないということが危惧される。それから星島さん、さらに膳國務相は過去の総動員法の轍を踏むことなく、あくまでも民主的に運営すると言明されて、それは非常にけつこうだという意味合いのことが書かれておるのであります。これから見たならば、至れり盡せりの法の運営のわくがきめられ、日本再建を中心にしてやられておるにかかわらず、やられておる結果から見ると非常に惡いのであります。その一例をあげますと、これは新聞紙に傳うるところでありまして、正確という点においては保証しがたいのでありますが、おそらく十八日に閣議で決定したものとして、読賣紙に報ぜられております。おそらくこの法規によつてやられるのでありましようが、酒類の家庭配給を廃止するということが出ている。合成酒の一級酒の現在の自由販賣價格が七百八十八円八十五銭である。これが配給では三百六十六円四十五銭で配給されておる。この配給をやめて、そうしてやみと配給の中間の價格で自由販賣にしようじやないかということが言われておる。配給の方は大衆がしんぼうしてやめて、やみと配給の中間に値段を置いて、そうしてわれわれが自由に買えるという段階になつて來ると、大衆は非常に損をするのです。二百十一円二十銭損するのです。また学校のガラスの場合においてもそうです。学校のガラスがいつまでたつても入らない。喫茶店のガラスはいつでもきれいに入る。電力においてもそうである。家庭の電力は夕方消える。しかもネオン・サインはついておるという場合がある。それからさらに言われることは野菜の統制撤廃も今問題になつておるのですが、その場合におきましても、しかも農村に対しましては、見返り物資をやつて、そうしてその作付制限あるいはまた出荷制限を置いて、統制をするということが言われるのであります。今までわれわれ農村におりました立場から見ましたならば、見返り物資はあてにならない。よしもらつても、もらわぬでもよいところがもらう。むしろこれはもらわぬでもよいところ、人糞の多いところで野菜をつくる場合が多いのでありまして、これは空文にすぎない。しかも國際新聞などの報ずるところによりますと、統制撤廃の結果は、一時は野菜が出にくくなるであろうが、やがては高級な野菜がどんどん出るようになるだろうということが言われておる。われわれは高級な野菜を買う力はないのであります。ちようど白書とは逆になつておる。経済白書によると、賃金が跛行的に上昇しておる。しかも経済白書においては十二月までの経済現象をとらえて言つておるが、実際においては十一月から給料の遅配が始まつておる。それは新聞紙に報ぜられておるが、それをしかも故意に書いておらないのであります。高級な野菜を多分に出されても、ふところの乏しくなつた大衆には食えるはずがない。この統制撤廃の結果は大衆自身が損する。しかしわれわれはあくまでも不必要な統制を置けというのではないのであります。ですからどうしても野菜の統制を撤廃するならば、農村における一切の強制的な、懲役労働にひとしい、強奪にひとしい作付統制、出荷統制を全廃して、自由なる形においてやつていただきたいのであります。そうしない限りにおいてはこれはだめだと思います。これも一つの現象である。魚においてもそうである。われわれは協同組合の魚の方を扱つておりますが、そこで配給しろと言つておつたものでも、この法規に基いて買つた魚は腐つており、魚屋は損する。その結果高級のやみ魚を渡して、こういう高いものを大衆は賣りつけられて、やみ買いをして赤字を出しておるというのが現状であります。このようにして民自党の言われておる統制強化あるいは撤廃、この二つともに大衆を犠牲にしておる。この結果提案理由とは非常に齟齬した結果になる。これは一体どこに缺点があるかということを一應お尋ねしたいのであります。
#80
○青木國務大臣 ただいまの御希望の点は了承いたします。なおこの統制を撤廃するということは、今までの配給が必ずしもうまく行かない、ということで、配給ではむしろ國民の一般には行き渡らないのだ。ことに野菜のごときものは季節的のものでありまして、貯藏のきくものもありますけれども、貯藏のきかないものもあるので、そういうことになりますると、先ほどおつしやいました、一時は出て來ないだろうということもございましようし、結局野菜というものは相当出まわつて來て、しかも賣らなければならないのだということになれば、その市場における自由價格というものは、比較的公正に現われて來ることによつて、需給度を高めて來ることができるであろう。そのねらいをもつてぜひ野菜類の統制はなくしたいということであります。また出て來たらば高級野菜、あるいは下級野菜というものがあるか――あるでございましようが、大体におきまして高級なものは買えない。こういうとでこありますが、われわれ一般に野菜類のようなものは一ぺんに値段が下るということは考えられませんが、大体において今日の状況では、その生活状況さえ大きな変化がなければ、また出まわつて來るという全体的の見通しから、この挙に出るものでありまして、やはり私が今の状況を見まするならば、野菜はマル公以下で配給され、あるいは統制される。そういうものが数多く出て來ます以上は、やはりむりに統制をしておるために、一般の需要者が高いものを買わなければならぬという実態に即しての一つの考え方であつて、その点においては矛盾がないと信じておる次第であります。
#81
○横田委員 野菜も魚も一緒ですが、特に魚の方には解けないものがあると言われましたが、その統制の解けない理由として、先ほどのお話に、外國から資材をいただいておるものは解けないと言われておりました。そうすると現在の高級魚をとるのには、外國から資材をいただいておらないのか。統制されておる腐つた魚だけが日本の資材によつてとられておるのか。その点を聞きたい。
#82
○青木國務大臣 お魚の統制もわれわれはできるだけ早急に解きたいという考えを持つておる次第であります。
#83
○横田委員 魚の方は全部ですね。そのことが一つ。それから野菜の場合においても統制を撤廃されるのであるならば、農村における非常にひどい農村の生産を阻害するような統制も、やがて撤廃されるかということも聞きたい。
#84
○青木國務大臣 その点はまだ明確でございませんけれども、できるだけそういう矛盾は解いて参りたいというふうに考える次第であります。
#85
○横田委員 いわゆる民自党公約の第一であるところの供米完了後におけるところの米麦の自由販賣、これは一体供出を完了して後に、なお米は残るように思つておるのであるか。その基礎條件を承りたい。
#86
○青木國務大臣 その点でありまするが、農業が米を供出いたしまして、そのあとに一体何が残るか。こういうことが一つの問題でありまするが、しかし今日供出が一應済んだ。その次にまた追加供出が行われなければならぬ。こういうことが行われております。これは輸出してくれる外國から見れば、供出を完了してしまつて、なお剩余米があるのならば、それもひとつ供出してもらつたらいいじやないか。自由販賣するような米があるのならば、それは供出してもらつたらよろしいではないかというような、一つの観念があるのであります。そのためにやはり私どもが主張して來ておるところの、供出完了後の米を自由販賣すべしということが、現在のところ行われていないという状態にあるのでございます。
#87
○横田委員 農村の剩余米ですね。これは一体供出制度があるのに、なぜこんなものがあるのかということを聞いておる。ないはずだと思つておるにかかわらず、今まで農村の民主化を徹底的にやらない、非民主的にやつておつたために供米が出なかつたのを、共産党がうるさく供米の阻害をしたからだと言う。共産党は供米を阻害した例はない。われわれはがんばつて供米が出るようにやつたのであるが、それを警察が阻害した。大阪府の官僚がじやました。しかも供出が完了された後において、なお供出米が残るということを前提に考えておられる。そうして民自党の経済の一つの公約が、米麦の供出完了後において自由販賣を云々しておられる。その基礎を聞きたい。
#88
○青木國務大臣 主食の供出は、御承知の通りにこれは事前の割当でありまして、そのほか天候の関係とか、種々な自然現象から起つて來るいろいろな関係から、やはりそこに供出の適正云々といつたような問題がしばしば起つておりますように、そこいらのところが、なかなか予定通りに参りませんことから、そういうおつしやるようなことが多いのではないかと思います。
#89
○横田委員 今後はそれに対して、どういうような態度をおとりになるつもりかということを聞きたい。
#90
○青木國務大臣 できるだけ的確な、いわゆる適正な割当をやりたい。それから地方と言いますか、地方等も十分勘案し、肥料等もできるだけ必要を満たしまして、その目的を貫徹いたしたいと存じます。
#91
○横田委員 農村における地方の檢査に協力的な諸官廳はほとんどないのであります。しかもそれをただ一本の基礎にしてやられるというようなことでは、供出後においてなお米が残るという現象をやめにすることはできないのであります。
 それからいま一つは、供出後の割りつけは、事前に割りつけができておる。種をまかない前にすでに割りつけしておいて、後においてなお超過供出を言いつけなければならないというようなふしだらなことになつておるが、こうということを聞きたい。
#92
○青木國務大臣 それはごもつともなことのようでありますけれども、しかし災害等各種の米の生産面に大きな影響があつた場合におきましては、やはり供出を減じておるというような事態から考えていただきますれば、その点は御了解いただけると存じます。
#93
○横田委員 そういたしますと余剩米というものは、とれるところはたくさんとつたところからとれる。とれないところは、これは天災地変だけではないのでありまして、なまけてとれないのもある。惰農はとれないのであります。それで惰農でとれない部分を精農、しかも事前によけいに割りつけしておいて、とるようなことでは、かえつて農村の供出の阻害になるのではないですか。これは安本長官だけに追究するのは卑怯でありますから、農林省の精鋭をすぐつてお答え願いたいと思います。
#94
○青木國務大臣 ただいまのお言葉ですが、なおこのことは科学的に研究することに努力をいたすつもりであります。
#95
○横田委員 大体このくらいにしておきます。
#96
○小野瀬委員長 それでは多田さん。
#97
○多田委員 先ほど來非常に活発な質疑がございましたので、私は簡單に基本的な問題について、安本長官の御見解をお伺いいたしたいと存じます。先ほど横田君からお話がありましたように、物調法が制定されました当時は、総動員法の有効期間が切れる関係上、暫定的な措置としてこの法律をつくるということを建前にしたと聞いております。從いましてこの暫定的な法律が、今日まで再三有効期間が延長されて参つたのでありますが、自然政府におかれましては、物調法を一箇年間延長しておりまするその期間内において、根本的に再檢討する考えはないかどうか。この点についてお伺いいたします。
#98
○青木國務大臣 お答えいたします。御説のようにわれわれもぜひこれを根本的に研究いたしたいと存じております。
#99
○多田委員 それからいま一つは、憲法との関係でありますが、本法は委任法でありまして、行政府の考え方によつてものを統制したいという場合には、議会の協賛なしに物の統制ができる。一般國民の権利あるいは職業の選択の自由を、非常に制限するような疑いが多分にあるのでありますが、この点について憲法第二十二條に違反するような点がないかどうか。政府の見解を伺います。
#100
○青木國務大臣 この法律は、敗戰によりまして極度に荒廃したわが國経済の早く立ち直りすることを目的としたものでありまして、乏しい物資を最も有効適切に配分するために制定されたものでありますが、現在のように経済情勢の変化が急激であり、なおインフレが緩慢になつたとは言え、なおその危險さえ予想されておる現状でありますので、ことに占領下の諸制約のもとにおきましては、簡易な手続でこれを改め得るのでなければ、統制を迅速適切にやつて行くという目的を果し得ない。すなわち、その効果を收め得ない。ことに変化して行く時代に應ずる正常的に経済活動を阻害することになりまするので、これを命令に委任しているのでありまして、しかもその命令の発動につきましては、ことごとく経済安定本部の指示または承認のもとに行われる建前になつておりまして、その命令の内容については、ときに関係方面と緊密な連絡をとつて、民意の反映と民主的な手続の採用によつて、万遺憾なきを期するということであります。憲法に及ぼすことはないと存ずる次第であります。
#101
○多田委員 憲法の問題は見解の相違でありますので、この程度にとどめます。
 ただいま安本長官から御説明のあつた趣旨はよくわかるのでありますが、実際問題として物調法を基本にして、あらゆる物資の統制が今日まで行われて來ました経過を顧みますときに、非常にむりな方法が行われて來たような感が、なきにしもあらずであるのであります。本法が成立されました当時は、たとえばこの法律によりまして、需給調整規則をつくる場合には、民主的に民間業者の意見を十分に聞いた上で、主務大臣が規則の原案をつくり、そうして経済安定本部の委員会によつて最終的な決定を見るということを建前にされておつたのでありまするが、私どもの知る範囲内におきましては、あらゆる物資の需給調整規制が、單に主管官廳の考え方によつて、業者の意見を公式に十二分に取入れることなしに、ある物資についてはむしろ業者の意見を極度に排除するような考え方か、あるいは民間の意見を極度に制限するような考え方で、需給調整規則ができ上つておるようなものがあるように聞いておるのであります。たとえば現在商工省の主管になつておりまするゴム製品、地下たびあるいは被服等の統制を近く行なうという予定で、商工省において需給調整規則の原案がつくられておるやに聞いておるのでありますが、商工省の主管課長は業者の意見あるいは民間の意見を度外視して、自分の職をかけても自分の考え通りの需給調整規則をつくるのだ。具体的に申し上げますれば、從來生産、卸、小賣というような段階において、ゴム製品が完全に流れておつたのでありまするけれども、それを生産と販賣と二段階という形において、一部の生産業者の利益を擁護するためのような感のある需給調整規則を立案されておるような話を聞いておるのであります。こういつた需給調整規則、実際に統制を行う場合の行政廳の手段については、物調法の立法当時の精神が完全にほうむり去られておるというような感がいたすのでありますが、これに対して安本並びに商工省の関係者がおられましたら、考え方をお伺いいたします。
#102
○青木國務大臣 安定本部といたしましては、さような立法の企てがあることはまだ承知しておりません。但しわれわれもしばしば民主的運営をはかるということについては、考えて來た者の一人でありまするし、ぜひこれを民主的に運用するというのならば、たとえば経済安定会議というようなものでもつくつて、何とかしたらばというようなことを、司令部にお伺いしたこともあるのでありますが、それが了解を得られなかつたということもありまするし、また今後関係方面とも了解ができますれば、そういつたことも考慮して行つたらばよろしかろう、というような構想を持つておる次第であります。
#103
○多田委員 公團法が制定されました当時、公團が官僚的に流れることがあつてはならないという危惧から、公團の民主的な運営をはかるという建前で、各公團に公團の運営委員会が設けられたはずであります。この各公團の公團運営委員会が、どの程度に公團運営に対して発言をされておるか、あるいはどの程度に活用されておるか。おわかりになりましたら御説明願いたいと思います。
#104
○青木國務大臣 お答えいたします。公團運営委員会がどの程度の発言権があるか、力があるかということについては、私もただいまのところはよく了解いたしておりませんので、なおよく調べましてお答えをいたしたいと思います。
#105
○多田委員 先ほど來の長官の説明で、ある程度の統制はやむを得ない。要するに経済九原則を実行するためのやむを得ざる統制は、強度に行わなければならないことは、私どもも了承するのでございますが、その場合に現在消費物資の配給について、消費者の登録制あるいは業者の登録制、いわゆる選挙によつて自分の買う店を選定するというような方法がとられておるのでありますが、これはいろいろな面で業者たちの非常な競爭、あるいはいろいろな弊害が伴つているのでありますけれども、これに対して何らか別の方法で改善する考え方がないかどうか。それといま一つは消費物資の配給につきましても、各府縣までの現品の流れ方については、やはり同じような選挙の形において流れて行つているのでありますけれども、生産と各府縣との消費のバランスをとるためにも、各府縣に荷受け團体といつたようなものを指定して、現在生産物資については各協同組合を安本が指定されて、その組合が物資の采配をしているというような手続がとられているのでありますけれども、そういつた手続をとつて、少くとも統制されている物資については、いささかの混乱することもなしに各府縣に品物が完全に流れ、消費者に完全に配給されるような方法をとることが至当であると思いますけれども、これに対して当局の見解をお伺いいたします。
#106
○青木國務大臣 おつしやることはきわめてごもつともでありまして、私も同感であります。その点についてはわれわれの方もただいませつかく研究をいたしている次第でございます。
#107
○多田委員 最後に一つお願いしておきたい点でありますが、閉鎖機関に指定された会社團体が相当多いのでありますけれども、この閉鎖機関の清算が非常に遅れておりまして、こうむる影響は非常に大きいだろうと思います。閉鎖機関の清算については、一日も早く清算されるよう希望を申し上げますと同時に、最後にこの物調法を実行するためには、あくまでもこの法律の立法当時の精神を尊重して、民主的な行き方をとつていただきたいことと、むりな手段による統制は徹底的に排除していただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終ります。
#108
○青木國務大臣 その点はごもつともでありまして、ただいま六月末までにはそれを調整いたしたいというわけで、いろいろと努力をいたしている次第であります。なお関係方面との折衝がいろいろと手間取つておりますので、それらのことをなるべくすみやかに推進をいたしまして、御希望に沿いたいと存じます。
#109
○小野瀬委員長 前会高田委員から運輸問題につきまして、直接運輸省の当局から説明を聞きたいというようなお申出がありました。ちようど先ほどから運輸省の小田事務官ほか二名のお方がお見えになつておりますので、この際質問を許します。
#110
○高田(富)委員 前会経済白書の御説明をいただきましたときに、現在の破壞されつつある実情という中に、國鉄の補修並びに工事用の数字が載つておりますが、これでは実際に破壞されている実情がよくわからない。むしろあまり破壞されておらないような数字になつている。こういうことでなくて、どれだけの必要量があるか。必要量に対してどれだけしか工事が進んでおらないということを、示さなければならないという質問をしたのに、今日資料をいただいたのですが、船の方だけで、鉄道の方はございませんので、ついでに船の方を御質問いたします。この数字を見ますと需要量と実際充足される数の開きが大きいようですが、マニラ・ロープとか、帆布のような――纖維類に至つては二十三年度では需要量の三分の一、帆布のごときは七分の一という状態でありまして、こういう不足が累積されて來ていると思います。本年度のところを見るとやはり見込量との開きがばかに大きいようですが、こういうように需要と充足の開きがあまりに大きいのはどういうふうになるのですか。事実上不可能になるわけですね。
#111
○小野瀬委員長 運輸省の方の御説明の前に皆樣にお諮りいたします。
 青木総務長官は三時からほかにやむを得ない御用事があつたのでございますが、本委員会のためにただいままで御答弁を願つておつた次第であります。もし総務長官に御質問がございますればこの際御質問ください。
#112
○高田(富)委員 けさ何新聞だつたですか、ちよつと見ますと、今度の予算の内示に関連して計画委員会ですか、あれが解散されるというような記事が出ておりましたが、それはどういうことですか。五箇年計画か何か立てる委員会か何かあるのですが、それが無意味になつたので解散をするというような記事が出ておりましたが、その点お伺いいたします。
#113
○青木國務大臣 お答えいたします。どの新聞に出ておつたか存じませんが、安定本部としてはさような事態は何も起つておりませんし、そんなことは耳にいたしたことはございません。
#114
○小野瀬委員長 それでは総務長官にお帰りを願います。
 それでは運輸事務官の方から先ほどの高田委員の御質問に御答弁を願います。
#115
○富岡説明員 ただいまの御質問に対しましてお答えを申し上げます。お手元に差上げました需要充足の表を作成いたしました基礎を御説明申し上げますと、特に今御指摘に相なりました修理用の資材につきまして、大体この表の品目を選定いたしましたのは、補修のために最も必要であり、カフネツクになつているような品物を抽出いたしまして、指定生産資材の全品目のうちから、大体主要なものだけを取上げて作成いたしました次第でございます。この表にございますごとく、帆布あるいはマニラ・ロープにつきましては、非常に所要量に対して配当の実績の開きが大になつております。この所要量の算定は帆布につきまして、一例を申しますれば、所要量を一應耐用年数を二年なら二年というふうに押えまして、そういう観点から算定いたしますと、結局このような数字になりますが、実際は二年三箇月なり二年半なり、あるいはもつと早く痛むものもあるかもわかりませんので、この修理用資材につきましての的確な所要量の把握というものが、性質上実に困難でございまして、一應所要量は相定でございますので、その点配当との開きが相当ございます点と、それからマニラ・ロープについては御承知の通りマニラ麻は全部輸入物資でございまして、今日の供給量の関係から安定本部から配当を頂戴しておる数字はこのようになつておりますが、このほかに代用索なりで代用しております。また先ほども申し上げましたように、耐用年数の関係から、数字上の算定の場合に、通常の状態におけば耐用年数を二年なら二年という場合でも、実際はそれを非常にむりをして長く使つておるというような状態もございますので、このような物資につきましては多少消費的な性格もございますから、そこに直接材料のように、船をつくる場合に鋼材がトン当り〇・七トンいるというように算術式に直ぐ出ないために、表の上におきましてはこのような数字上の相当な開きが現われておるんじやないかと思われます。
 これは今の御質問に対して余談ではございますが、マニラ・ロープとか帆布以外のものにつきましては、二十三年度の実績をごらん願いましてもおわかりのように、所要量と配当量との間にはそうひどい差もございません。副資材的なものでなく、直接構成材料は、その計画とそのトン数を算定する際においても正確な数字が把握できるが、御指摘のロープとか帆布のごときについては、かような事情から所要量として算定した数字と実際配当との面において、相当差を生じておるような状況でございます。
#116
○多田委員 おいでになつた序でと言つては申訳ないが、保安廳におきましていろいろな統制違反の物資その他を摘発し、あるいは取上げた数量とその処理について、簡單に御説明を願いたいと思います。
#117
○小田説明員 お答えいたします。今申されたように、司法警察権をもつて海上の取締りをやつております関係上、摘発物資も相当あるのですが、それは現在のところつかまえましたならば府縣当局、あるいは陸上の警察と連絡しまして、陸上の処理と同じように、そこに引き渡すだけのことを海上ではやつております。
#118
○多田委員 その物資の明細がおわかりになりましたら、あとでけつこうですが、お示し願いたい。
 それと、もう一つは、朝鮮との密貿易が相当活発に行われておるという話を聞いておるのでありますが、実際問題として、最近の状況について御説明願えましたら、お聞かせ願いたい。
#119
○小田説明員 ただいま朝鮮との密貿易、密航その他相当ございますが、本日は補修用資材の説明ということで、その方面の資料を持つて参りましたので、具体的に件数は上つておるのでございますが、正確な記憶はございませんので、あとで持つて來て御説明申し上げたいと思いますから、次会までお待ち願いたいと思います。
#120
○小野瀬委員長 ほかに御質疑はございませんか。――御質疑はないようでございますから、本案に関する質疑は本日をもつて終了いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○小野瀬委員長 それではそのように決定いたします。
 次会は三月二十八日午後一時より、本委員室において開会いたします。なお次回の委員会においては、本日議題に供しました臨時物質需給調整法の一部を改正する法律案の討論採決をいたす予定でありますから、委員各位は時間嚴守の上、必ず御出席くださるよう、特にお願いいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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