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1949/04/14 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 経済安定委員会 第6号
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1949/04/14 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 経済安定委員会 第6号

#1
第005回国会 経済安定委員会 第6号
昭和二十四年四月十四日(木曜日)
    午後二時三分開議
 出席委員
   委員長 小野瀬忠兵衞君
   理事 首藤 新八君 理事 多田  勇君
   理事 前田 正男君 理事 森   曉君
   理事 森山 欽司君 理事 金光 義邦君
      小川 平二君    小西 英雄君
      志田 義信君    中村  清君
      中村 純一君    永井 英修君
      福井  勇君    細田 榮藏君
      高橋清治郎君    田中不破三君
      平川 篤雄君    羽田野次郎君
 出席政府委員
        総理廳事務官
        (経済安定本部
        生産局次長)  石原 武夫君
        総理廳事務官
        (経済安定本部
        生活物資局長) 東畑 四郎君
 委員外の出席者
        総理廳事務官  村田  繁君
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
    ―――――――――――――
四月十三日
 無煙炭統制撤廃に関する請願(川上貫一君紹
 介)(第二七四号)
 絹、人絹織物統制改革に関する請願(早稻田柳
 右エ門君紹介)(第二八〇号)
 砂糖の特別價格による自由販賣の請願(今村忠
 助君紹介)(第二八一号)
 近海魚類の公定價格撤廃に関する請願(原健三
 郎君紹介)(第二八三号)
 落花生に対する統制撤廃の請願(小金義照君外
 四名紹介)(第三二〇号)
 農林用石油製品配給に関する請願(河口陽一君
 紹介)(第三四一号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 臨時物資需給調整法の実施状況に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小野瀬委員長 ただいまより開会いたします。
 これより臨時物資需給調整法の実施状況に関し当局の説明を求めます。
#3
○石原(武)政府委員 はつきり御趣旨のほどがわかりませんので、資料も大したものは用意して参りませんではなはだ恐縮でありますが、今お手元にお配りしてありますのは、臨時物資需給調整法に基く命令一覧表で、各訓令とそれの関係の各省省令でございますが、それと下にどういうことをきめておるかという内容を、ごく簡單にとりまとめて註釈を書いてございます。ただいま委員長から、臨時物資需給調整法の実施状況について、御説明を申し上げるようにということでございますが、安定本部がこの法律の運用として担当いたしておりますのは、主として統制の方針と申しますか、そうした面でございまして、安定本部としては、必要な統制をやらなければならぬと認めました場合には、原則として訓令を出しまして、それに基いて関係各省がこれを法規化し、各省省令として実施に移して行く、こういうことになつております。訓令として出ておるのが原則でございますが、中にはごく簡單なもので、訓令まで出しませんで、個別に省令が出ておるものもございます。これらについては安定本部から関係省に通牒というような形でそれを出しております。それに基いて各省が出しますので、資料にございますように、指定生産資材割当手続規程、これは主として基礎的な物資について統制をするために出した訓令であります。その基礎的物資は、その下の欄にございますように、指定生産資材割当規則というものに基いて、二百数十品目にわたつて、この規則によつて統制をいたしておるわけであります。
    〔委員長退席、首藤委員長代理着席〕
 それ以外に指定纎維資材配給規則というものがありますが、これは纎維で指定生産資材ではございますが、纎維の流通を規制いたしますために、特に登録制をとる必要がございましたので、これは別個の省令をもつてかような單独の形で出すことになつたのであります。
 次の紙の小賣業者登録規則というものは、これは普通の場合は登録業者は自由でありまして、何ら制限がないので、消費者に渡りました切符を集めて、それを生産者から現物化して参りまして、業者に渡すということをいたしますので、その間は制度の適用はございますが、資格その他何らの制限がないのであります。その業者に特に登録制をとるのであります。これは関係方面との関係もありまして、とる必要がございましたので、この規則を一應つくりましたが、すでに必要がないというので廃止をいたしました。
 次は地方公共團体の土木工事用の資材割当規則、これは特に地方の公共團体の関係でありますので、都道府縣知事にその仕事を担当してもらう関係で、一應こうした特別の規則をつくつたわけです。
 その次にありますのは、建築用板硝子割当規則、これは元來指定生産資材で同一の取扱いをしておりましたが、これについては、関係方面の意向もありまして、発券を全部都道府縣知事に行わせるということにいたしました関係上、指定生産資材と少し統制の仕方がかわりまして、これは別に規則をつくりましたようなわけであります。
 木材につきましては、薪炭以外の希材の規格檢査をいたしまして、特定の木材の使用制限をするというような関係もありますので、これも別個に取扱つておるという関係になつております。
 今申し上げましたような規則は、纎維、紙その他地方公共團体の特別な扱いをいたしますものについてつくつたのでありますが、基礎的な資材については、原則として指定生産資材割当規則一本で行くということで、統制いたしておりますが、これについてはその需要者を主管しております官廳で割当をいたしまして、それに伴つて切符を発行して行くことにいたしておりますし、メーカーあるいは販賣業者、消費者の間はその切符で順次に物を流してやるということにいたしまして、販賣業者の段階はまつたく統制をいたしておりません。
 その次にございますものは、指定生産資材の微量需要者に関する取扱要領でございます。指定生産資材は全部クーポン制をとつておりますが、家庭で少量使う場合がございます。たとえばくぎであるとか、ガラスであるとか、一般の國民が消費者である場合がありますが、これらの場合に、各主務官廳が資材の申請をとつて割当をするというのは適しませんので、ごく微量のものについてはその法令の適用を排除いたしまして、一應消費者の段階は自由の取引ができるということにいたしております。ただその需要者が買いに行きます販賣業者なり何なりまでは、一應物を流さなければならぬし、しかもそのものは一應一般的に統制されておりますので、その段階までは規制いたしますが、最後のところだけは自由にするということでやつております。これは安定本部で大体毎朝需要に充てるべき供給量をきめて、物資を所管しております主務官廳、たとえばくぎであるとかガラスでありますと、商工省でそれを各府縣別に割当をいたしまして、府縣の中においては適当な販賣業者をきめて、そこまで品物を普通の規則によつて流して行く。その後は自由に取引するということで、そういう必要からこの規則を特につくつたのであります。
 基礎的な物資についての規定は以上のようなものでありますが、その次に指定配給物資配給手続規程というものがあります。これはいわゆる基礎物資以外の一般消費物資、大体そうしたものについての割当の方式をきめておるわけでございますが、これは指定生産資材と違いまして、一般の國民を対象とするものが多いのでありまして、これらの配給の確保をはかるために、これらのものにつきましては販賣業者の段階を大体規制いたしまして、メーカーから販賣業者に流す。それから必要があれば小賣業者に流す。そうして消費者に渡す。これは主として均衡といいますか、そういうような関係から、公平に分配をするという方式で考えておるわけでございます。これにつきましては、ここにごらんの通り相当たくさんの省令が出ておりますが、これらのものにつきましては、いろいろ生産業者の状態なり、あるいはそのものの性質によりまして、必ず一本の法規で統制をいたしますことが、なかなか困難でありまして、またそういたしますと実情に適しないおそれがありますので、各物資についてある程度まとめまして、各物資について規則をつくり、その実情に沿うようにということで、さようなたくさんの規則を一應出してございます。こまかいことを一々御説明をすると長くなりますが、ごく大要はその下に書いてございます。かようなことで一應統制をしておるわけであります。それで初めの方から四つ目に、蔬菜及び漬物の配給統制規則というのがございますが、この資料は三月につくりましたので、まだ載つておりますが、これは御承知のように現在廃止になつておるわけであります。主としてこれらは國民に関係のある食料品、あるいは農産品、あるいは医藥品、あるいは農業用資材というようなものにつきまして、各物資別に規則をつくつて現在まで統制を実施して参つたわけであります。
 その次にございますのが、法律の方を先にごらん願いますと、まん中ごろに指定農林物資集荷及び割当手続規程というのがございますが、これに基きまして上繭の集荷をやつております。またその他くずでありますとか、故纎維であるとか、そういうようなものにつきましては、工場生産の同じような方式で統制することが困難でございますので、特別な規則をつくつて、集荷人というようなものをきめまして、集荷人に集荷をさせて、それから統制に乘つて行くというようなことをいたしますために、特別な規則をつくつたわけでございます。
 石油、石炭等につきましては、これは公團がございますので、公團法との調整を考えまして、各公團の配給統制と合せて統制規則をつくつておりますので、かように別の規則になつておるわけでございます。このうち石油が廃止になつたことは御承知の通りでございます。
 それから終りの方に、物資の割当に関する手数料等の徴收に関する法律の施行に伴う措置に関する件というのがございますが、これは御承知のように、今物資を割当てますときに手数料をとつておりますが、これの関係で技術的にこの法律を補うという意味でつくつたわけでございます。
 このほか特にそのところでは御説明申し上げる点はございませんが、第二号関係といたしましては、使用禁止の規定がございますが、これは重要物資の使用制限をいたしておりまして、不急の用途に使うことを禁止しておる省令でございます。その他といたしまして、熱管理技能試驗規程、これらは特殊な目的でここに掲げてございますように、それぞれの目的に從つてやる。使用禁止はそれだけでございます。
 その次に第三号関係といたしましては、生産、出荷、輸送もしくは工事の施行またはこれらの制限禁止ができることになつておりますので、それらについておのおの特別の規則をつくつておる。第一番目にございます炭鉱労務者住宅建設用資材確保要領と言いますのは、これは石炭を重点的に取扱うという趣旨からいたしまして、炭鉱労務者の住宅建設を促進するために、特別な規則をつくつております。これらの対象になりますものは、ほとんど指定生産資材、割当手続に関連する物資でございまするが、そのうち特に炭鉱の住宅につきましては、優先的に確保しようという趣旨で、他の需要に優先して炭鉱の現物化をはかるという趣意で、この規則をつくつたわけでありますが、すでに石炭の開発も相当進んで参りましたし、いろいろなほかとの均衡もありますので、これは近く廃止することにいたしておりまして、近いうちに廃止の手続きが完了する予定でございます。
 その次にございます綿紡の復元、これは御承知のように今しきりにやつてはおりまするが関係方面との関係がありまして、対外関係から無制限に復元するということは許されておりませんので、その間の調整をはかりますために、一應制限の規則をつくつておりまして、向うの示すわくを越えないようにという趣旨で、この規則をつくつてあるわけでございます。
 次は纎維製品に関する檢査規則で、これは品質の確保をはかるために纎維製品檢査規則をつくつております。
 その次は重要物資の輸送証明でございまして、これはいろいろ現在問題もございますので、その内容について目下檢討いたしておりますが、これは一つは物資輸送の確保をはかるという趣旨と、流通秩序の確立をはかり、從つてやみ等の物資の流通をこの面からも規制しようというような趣旨で、重要な物資につきまして証明制度をとつて、それがないと輸送ができないという制度をとつたわけでございます。その後の実施状況は、この規則は実施面に参りますと非常に煩雜でございまして、いろいろ弊害も出て参りますし、また一面非常に多くの人手を要するというような関係もございますので、この規則自体につきましてはあるいは廃止をいたしまして、必要な範囲内で別個な形の統制を考えるかということで、いずれこの規則自体といたしましては廃止するような方向で檢討中でございます。
 それからその次の紙でおもなものについて申し上げたいと思いますが、建築制限については臨時建築制限規則というのがありまして、これは御承知のように建築をこれで規制しております。これについても今実は再檢討いたしておりますが、一時は建築は、希望があつてもなかなか資材が追つかないというような状況でございましたが、最近におきましては、普通の住宅につきましては、新建築の申請をすればじき許可になる。少くともその裏づけとなる資材の配当はできるという状況にも立ち至つておりますので、この規則自体も相当煩雜であるという点もありますし、また一般に國民に非常に住宅が制限されているのだという感じを與えるという点もあつて、檢討をいたしております。しかしこれは関係方面等の意向もありますので、はたしてどういうことになりますか。ただいまのところはまだはつきりいたしておりません。
 第四号関係は、遊休物資活用というような関係で、遊休物資活用手続要領というのを出しております。これに基きます規則は、いわゆる過剩の在庫を正規のルートで活用しようということでございますが、この中に不正に持つておりますものにつきましては、不正保有物資等特別措置特別会計で買い上げて、公團で事実上引取りまして、一般の活用をはかつておるわけでございます。一時は既存の切符はなかなか割当が現物化いたしませんという関係がございましたので、過剩分につきましては一般の切符によつていつでも買えるということにいたしております。しかしある程度期間が経ちましても、なかなかその現物が動かぬという場合におきましては、公團で買い上げまして、さらに再割当をして必要な面に流すというような運用を現在はかつております。
 その他につきましては、これは現在実際上は実施されておるわけでございますが、違反者に対して主務官廳が、そうした違反の場合に割当の削減を制裁的にやりますようなことを、一應訓令として出しておるだけでございます。これは行政官廳の運用に面になりますので、規則は何ら設けておりません。
 最後にあります諮問委員会及び産業團体等の運用に関する件というのは、これはこの規則が出まして、以後政府で統制をやるということになつておりましたが、実際問題として政府で一挙に統制を全部やることが困難でありましたので、産業團体を一時使つておりまして、現在におきましては、もう自治的に産業團体に統制の割当権限をまかせておるものは現在はございませんが、それを根拠としてこれをつくりました次第であります。もう一つ主務官廳が割当をいたしますときに、各業種につきまして、民間の專門の方々に諮問委員になつていただきまして、それに諮りましていろいろ御意見を聞き、実情に沿つた統制をやるという趣旨で、業種別に諮問委員がやるということにいたしまして、その方針を明らかにするために訓令を出したのであります。
 以上ごく簡單でございますが、今までわれわれの方で統制を考えまして訓令を出し、あるいはそれに基いて規則の出ておりますのは、大体以上のようなものでございまするが、御承知のように情勢が大分かわつて参りましたので、これらのものにつきましても、現在統制をするか、しないかという問題、それから方法等について檢討いたしております。この前の法案の御審議のときにも、一應指定生産資材について御説明いたしましたが、指定生産資材については、この間御説明いたしましたように、さしあたり二十品目ばかりは手続を済まして統制をはずし、この第三・四半期から実施することになりました。なお十七品目につきましては、大体司令部の了解を得てするというような状況でございます。その他なお五、六十の品目については、個別的になお折衝を続けておるような状況でございます。以上非常に簡單でございますが、なお何か御質問がございますれば、それによつてお答えいたします。
#4
○首藤委員長代理 それではただいまから質疑に入ります。多田委員。
#5
○多田委員 二、三お伺いいたしたいのですが、これは先般の物調法の改正の委員会でも申し上げておいたのですが、物調法に基いてつくられておるいろいろな規則が、各省の各主務大臣がつくられる関係上、形体においてもあるいは内容においても、一貫しないものが多分にあるのではないか、というようなことも考えられると同時に、ことに配給の部面については、一般消費者にも非常に大きな関係がありますので、そのために一般消費者のこうむる迷惑というものを、相当考えなければならないというように考えておりますが、いろいろな規則を制定する場合に、経済安定本部で一應規則の最終的な同意を與える際に、その規則について一つのわくの範囲で、はつきりとした指示を與えるというような方法をとつて、各規則を大体同じような形においてつくり上げることが、必要ではないかというように考えますが、これに対しての御意見を伺いたいと思います。
#6
○石原(武)政府委員 ただいまの御趣旨はごもつともでございまして、われわれの方といたしましても、先ほど御説明いたしましたように、訓令ということで大体のわくをきめて出しておるわけでありますが、ことに配給物資等は非常に規則が多いものでありますから、お話のように、その間必ずしも統一がとれておらない点が実際あるようでございますので、それらの点につきましては、よく檢討いたしますし、今後もお話のように安定本部では、できるだけその間の調整をはかりまして、御趣旨に沿うようにとりはからいたいと存じます。
#7
○多田委員 これはたとえば具体的の例を申しますと、最近つくられます石けんの需給調整規則の中に、卸と小賣と生産者との兼業はいかぬというような規定が盛られておりますけれども、その他の需給調整規則の中には卸、小賣兼業に対しては制限を加えていない。制限をすることはまかりならぬというようなことで、今日まで進んで参つたのでありますが、今日の石けんの場合には、そういつた一つの制限を加えた規則が出るように聞いております。今後実際の配給部面で、生産者と卸と小賣といつた、生産から配給までの各段階についての兼業を禁止するというような意向のもとに、今後新しく出る石けんの需給調整規則を、そういつた線できめられているかどうか。あるいはまた聞くところによりますと塩につきましては、これは物調法で出るかどうか知りませんけれども、最初卸あるいは小賣の兼業を認めておつて、その直後に元賣あるいは小賣の兼業はいかぬということで、再登録をさせたというような事実があるにもかかわらず、最近におきましては、七月の登録の更改期にはその兼業を制限することを認めないというような形で、実際に登録させたような行き方をとるというような話を聞いておりますが、そのために一般業者は非常な迷惑と不安を抱いておりますので、こういつた面についても一つの方針をはつきりきめていただきたいと思います。それといま一つは石油の配給規則が最近公布されたのでありますが、これは外社が入つた関係かもわかりませんけれども、いわゆる元賣業者に非常な権限を與えておつて、一般需要者あるいは販賣業者が、石油の購入券を持つて元賣業者から買いたいという場合でも、元賣業者の承認なしには現物を手に入れることができないというふうに、元賣業者の権限を非常に強くしたような規則が出ているようであります。こういつた考え方が今後の統制の行き方であるかどうか。これは実際の統制の方法から見ると、非常にかわつた形の統制規則でありますけれども、こういつた各規則が非常にばらばらで行われることは、一般業者が非常に迷惑をこうむりますので、この点について一つの方針として、石けんのような行き方が今後の統制形態の行き方であるか。あるいは石油の行き方が――石油は外社といいましても、鈍粹の外社は二社でありまして、その他は内地の小賣業者でありますので、その点について今後の配給物資の統制方法についての見解を、お話願いたいと思います。
#8
○東畑政府委員 ただいま石けん配給規則の問題が御質問の中心であつたと存じます。石けん、配給規則はこの十五日から一應公布する予定にしております。省令は商工省令でありますが、安本といたしましては、石けん配給規則の方式をもつて、全部配給物資の基準であるというようにも考えておりませんし、石油の方の方式で今後やるというようにも、考えていないような次第であります。
    〔首藤委員長代理退席、委員長着席〕
 問題は規則の根拠が安本の訓令の第三号というわくがありまして、そのわくの範囲内で各省が個々の配給物資の需給の状態、それから生産配給の実態なり状況に應じまして、それぞれこの規則を制定しておるわけであります。ただいま申されました石けんの問題等につきましても、実は私は詳細を存じておらぬのでありますが、ある大きな小賣のかたまりでありますれば、直接生産者と結びつくというような例外的なものは必ず多いのでありまして、いつも小賣、御賣というような段階の間に、一定の数に達した場合は御を拔いて生産者に結びつくとか、そういうことが必ずそれらの制度には置いてあるのが例であります。しかしそれをもつて、今後の段階とすればこういうふうにやるのだというような確たる方針は、実はただいまのところ持つておりません。
#9
○多田委員 今の石油のことについて、あるいは詳細おわかりにならないかもしれませんが、民間の元賣業者に非常な大きな権限を與えている。それは要するにさつきお話申し上げましたように、購入券を持つて行つても元賣業者が品物は賣らないということで、元賣業者の承認なしには品物をとることはできないというように、元賣業者に非常に大きな権限を與えておるわけなのですが、先ほど政務次官からそういつた民間團体の統制はなるべくはずしたいし、現在はあまりやつていないというようなお話がございましたが、最近できた石油の規則の面では、そういうことが非常に強く取上げられておりますが、この点についてひとつ御見解をお伺いいたします。
#10
○石原(武)政府委員 石油は私直接担当いたしませんのであれでございますが、私の聞いております範囲では、この規則は御指摘のような点が大分あるのであります。これは石油は、ほかの物資につきましても同樣でございますが、特別にこれはほとんど輸入している。しかも非常にやかましく統制をせられておりまして、こうした法規につきましても関係方面で特段の考慮を拂つておりますので、そうした関係で石油については他の規則と少し違うような規則ができるのじやないか。御指摘のように外社の関係の問題もありますし、こうしたものについても向うの指示によつて規則をつくつております関係で、さようなことになつたものと思います。
#11
○多田委員 向うとの関係については十分わかるのでありますが、これは各省ばらばらでやつている関係上、各省がそれぞれ各省の立場において交渉されているというような関係で、違つた形が生まれて來るのだと思います。石油の場合にはたしてこういつた統制方式がそのまま許されるかどうかということについては、今後相当問題になるということも聞いておるのでありますけれども、そういつたことのないように、最初に申し上げましたように、物調法が制定されました当時の第一條の関係については、その後改正されていないと思うのでありますが、その当時の星島商工大臣から、物調に基く規則を制定する場合には各省で民間團体の意見を十分に取入れて、具体的には民間業者を入れた委員会をつくつて、その委員会で一つの成案を得て、主務大臣がこれを内定して、しかもその上で安本の委員会に正式をかけて決定するという方式をとることを、はつきり言われておるのでありますが、実際問題といたしましては、その後そういつた手続がほとんどとられてないというようなことも聞いております。そういつた関係でばらばらな規則ができるのじやないかと思うのでありますが、最初物調法を制定されました当時の考え方で、最終的には安本の委員会で同意を與える際に最終的な決定をするというような方法をとつて、あまりちぐはぐのない統制規則をつくり上げることが必要だと考えますけれども、それに対して、そういう方法をとる考えがおありにならないかどうか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
#12
○石原(武)政府委員 今お話がございましたように、物調法制定当初におきましてはお話のようなことを考えておりまして、たしかこの國会におきましてもそういうような御趣旨の御説明もあつたかのように私も聞いておりますが、政府といたしましてはさような方向で進むことにいたしておりましたのですが、関係方面との了解が得られず、形式上はさようなことにはならなかつたことは今お話の通りでございます。われわれといたしましては形式的なそうした協議会でありますとか委員会とかいうものは、これはちよつと問題がなかなか困難でありますので、できるだけ事実上は関係業界の御意見を尊重するようにわれわれの方も考えておりますし、各省にも大体そういう方向でやつていただくようにお話はしておりまするが、今までの実例が必ずしもその通りに行つておらぬ面もあるかと思います。それで今後どうするかという問題につきましては、先般法案の審議の際にもいろいろ御意見を承りましたし、われわれといたしましても、何らかの形ができれば非常にけつこうだと思つておりまするが、從來の経過から申しますと、関係方面との関係はそう簡單にその点が片づかぬかとも思います。しかしこの点はわれわれとしてはできるだけ努力をしてみたいと思いますし、そうした形式上のものができません場合におきましても、十分業界とは連絡をとつてやるように心掛けて参るつもりでございます。御指摘の点は從來のやり方につきましては、たしかに反省しなければならぬという点はわれわれも十分考えております。ことに今お話のように、各省関係でそのために統一がとれぬというような点につきましては、十分注意して参りたいと思います。
#13
○多田委員 その次に最近できる需給調整規則を見ますと、ほとんど登録制いわゆる注文制度をとつておりまするけれども、今後注文制度をあらゆる物資について行うかどうか。注文制度を行つた場合に、配給部面においてもあるいは生産部面においても、業界の非常に大きな動搖と不安がかもし出されることは、現在行つている注文制度を見てもはつきりしておると思うのであります。また石けんの話が出ますけれども、石けんの生産業者の資格を得るための注文制度というものが非常に苛酷な制度であつて、おそらく現在考えておられる線で注文制度をとつた場合には、石けんの生産工場はほとんど崩壞に瀕する危險性があるように心配されておるのであります。ことに輸入物資の生産をいたします場合には、むしろ注文制度をとるよりも、政府が直接生産工場の生産状況を檢討して、政府自体が生産資材の割当を行うというような方法によつて、日本の生産工場の利益をはかることが必要ではないかと考えますけれども、この点について御見解を伺いたいと思います。
#14
○東畑政府委員 根本的な注文制度のことにつきましてはまた別個の問題でありますが、石けんの問題としましては、ただいま御意見がございましたように、われわれもこの制度の運用いかんによりましては、御質問のような事態が起ると思うのです。問題は要するに石けんの原料でありまして、注文制度をやるにいたしましても、原料をどれくらい割当ができるかということが、根本的な石けんの生産いかんという問題になると思います。現在の石けんの生産工場は、その生産から見ますと相当の操業率が殖えたので、そういう点から考えますと、今の石けん工場全部に対しまして、石けんの原材料を割当てるだけの資材というものは、相当に多量を要するのであります。現在の需給状況から見ますと、とうていこれだけの資材がない。そこでやはり方法といたしましては、安い良質の石けんを能率的につくつて行くために、いつまでも官僚的な割当方式をとつたがよいか、あるいはもう少し民間の意見によつてやつたがよいかという問題になりますと、どうしても後者にならざるを得ない。ところがかりにこれを卸の注文というものに急に切りかえますと、從來生産者と卸との結びつきというものが、まだそう明確でないときに切りかえますことは、御質問のような混乱が起るかとも考えております。幸いに配給規則が公布されましても、小賣の登録、卸の登録等に相当時間的余裕がありますから、その間各生産者と卸との努力によつて、恐れられるような結果に必ずしもならないのではないかという希望を実は持つております。また根本的には石けんというものが、ただいま三箇半程度のわずかな量でありますが、これを本年度は少くとも八箇程度の油脂原料の輸入を向うに懇請いたしまして、それくらいの石けんの生産があがるだけの資材は配当をいたして参りたい。そうすればメーカーの努力と卸との結びつきによつて、いわゆる集中生産という結果が必然來るというように実は考えておらないのであります。われわれといたしましては、関係方面との折衝の経緯もございまして、これはまた今のように官吏が資材をメーカー別に割当てるということは、石けんに関する限りにおいてはなかなかとりにくいのではないかというふうに、実は考えておる次第であります。
#15
○多田委員 石けんは單に一つの例として申し上げたのでございますが、注文制度を全般的な物資について今後とつて行かれるかどうかということについて、一應お伺いいたしたいと思います。それといま一つは石けんの場合、今お話のように必ずしも集中生産にならないのではないかというような御意見でございますが、石けんの場合には私ども最初は一流メーカーのみの集中生産になつて、ほとんどの石けん工場がつぶれてしまうのではないかというようなことを心配いたしたのでありますが、実際今考えられておるような線で参りますと、集中生産よりも、逆に一流メーカーがつぶれてしまうのではないかというようなことが、非常に心配されるわけでございます。そこで現在のような方式で石けんの資材の割当をするということになつたために、各メーカーが非常な資金と労力を浪費して、注文をとるために非常な努力を現在されております。ある会社のごときは相当程度の廣告を使い、あるいは見本の石けんと称して相当程度の石けんがばらまかれておる事実もございますので、こういつた不当な競爭が激甚に行われるというような弊害があり、今後外國から資材の供給を受ける場合に、その資材を一つの競爭の材料にするというようなことがもしかりにあつたとすれば、これは今後非常に大きな問題になると思いますので、注文制度をいま少し檢討していただくようにすることが、必要ではないかというように考えられますが、全般的な問題について御答弁を願いたいと思います。
#16
○石原(武)政府委員 今後の資材の割当につきまして、注文制をどういうように取入れるかという御質問だと思いまするが、今までは御承知のように、注文制度というものをとつて割当をやつております例は、ほとんどないのでございますが、今後は御承知のような状況で、できるだけ生産の能率をあげ、あるいは輸入物資の完全な利用をやつて行くというような状況になりますと、どうしても今後は能率のよい企業で生産をやつて行く、能率本位で生産を考えて行くということにならざるを得ないと思いますので、その一方法として注文制度ということをわれわれも考えておるわけであります。これは先ほど東畑局長からお話がありましたように、從來のやり方でしかもそうしたことを考えて参りますと、どうしても役人が役人の判断で企業の優劣を判定してやつて行くということになるのでありますが、これは適当ではないのじやないかというような考えからいたしまして、注文制度によつて役人が判定するよりも、消費者に選択をしてもらおうという趣旨で、注文制度を考えておるのであります。しかしこれをあらゆる物資に一律に適用して行くかということになりますと、中には技術的に不可能だというものもございますし、あるいは日本の産業全体をながめまして、その將來ということを考えて、さようなことで整理が行われるとすれば、これは望ましくないというものもあると思いますし、また業態によりまして、それが必ずしも適当でなくて、ほかの方法の方がより効果が上るという場合もあると思いますので、原則的にはなるべくこの制度を適用して弊害がない、むしろこれの方がよろしいという品目につきましては、なるべく消費者選択ということを考えて行きたいと思つておりますが、各業種によりまして、もちろんこれにこだわるつもりはございませんで、現在やつております管理制度という制度によりましても、ある程度優劣な企業に資材がよけいに集まつて行くという実例もはつきり出ておりますので、むしろそうしたものの方がよろしいというような場合につきましては、多少企業の操業度を上げるのに時間がかかるかとも思いますが、何でもかでも注文制度を強行して行こうというような考えはございませんで、各業種の実情に應じてほかの方法をとつて行くということを考えて、その一つのケースとしてこの注文制度というものを適用して行きたい、かように考えております。
#17
○多田委員 最後にいま一つ、これは安本の方にお伺いするのはどうかと思いますけれども、この規則に関係がございますので、もしおわかりでございましたらお伺いしたいと思いますが、建築及び設備の制限に関する措置でございますけれども、実は競馬場あるいは競輪場の建築が制限されて、せつかく競馬法ができ、あるいは自轉車競技法ができましても、そういつたものに対して設備をすることはいかぬというような制限が、最近行われたというような話を聞いておりますが、法律によつて認められた設備を不急な設備として制限するということになりますと、せつかく一つの法律をつくつた趣旨にもとりますので、他の法律において認められたものについては認めて行くというような考えはないかどうか。競馬場あるいは競輪場の制限をした理由を、もし御説明できましたらお伺いいたしたいと同時に、そういつた別の法律によつて認められたものについて、建築物を制限しないというような行き方をとることはできないかどうか。この点についてお伺いいたします。
#18
○石原(武)政府委員 これも私直接担当しておりませんので、詳しくは存じませんが、今建築制限は一律に適用いたしておりますので、お示しのような事例が起るだろう思います。しかし競馬場にいたしましてもあるいは自轉車の競技場というようなものは、法律で認められておりますが、そういうものをつくります場合には資材も割当てておりますので、そういう資材の割当をいたしておるものにつきましては、たしかに許可規則に引かかりまして手続を要しまするが、そうした法律に認められておるものについて不許可になるということは、やつておらぬはずであります。これは競馬場につきましても、あるいは自轉車の競技場等も相当つくつておりますが、これらのものについては資材の割当もやつておりますし、從つて建築の許可もやつておるわけでございます。なお形式的に同じ法律で許しておるものについては、ひとつ適用を解除してもいいじやないかということが当然言えるかと思いますが、それらの点につきましてはよく研究いたしまして、できるだけさような方法を考えて行きたいと思います。建築制限をやつておりますのは、資材のない、やみ資材でやつておるようなものを押えようという趣旨でございますので、当然法律で許され、あるいは資材割当を当然すべきものにつきましては、現在まで許可はいたしておるはずでありますが、さようなめんどうな手続をしないでいいじやないかということも当然考えられますので、これらの点につきましては、よく担当方面を打合して研究して行きたいと思います。
#19
○多田委員 石原さんは多分御存じないので、今のような御答弁だと思うのですが、自轉車競技場につきましても、実際問題として資材の割当をもらつておるのは一箇所もないわけでございます。從つて建築の許可になつたものも一箇所もなくて、現在やつておる自轉車競技場は資材の割当をもらう、あるいは建築の許可をもらうという前提のもとに設備をしておつて、建築に対して制限をするということになりました関係上、自轉車競技場を運営すること自体が非常に困難になつて來ておるわけであります。從つてこういつた場合に今お説のような方法でぜひとも建築ができるように、御配慮いただきたいと思います。
#20
○石原(武)政府委員 どうも私は事情をよく存じませんで、はなはだ恐縮でございますが、自轉車競技場につきましては、全部あれを鋪装するという問題で、非常に資材が多量にいりますので、御要望のようにはなかなか参らぬことは事実でございますが、ああいう法律もできておりますし、簡易な方法で何かそれほど大量の資材を使わないでやつていただくという方法がありますならば、われわれの方としてもああいう法律ができておりまするからには、考えてみたいと思います。御趣旨は了承いたしましたので、できるだけさような方向に努めたいと存じます。
#21
○多田委員 今のお話だと非常に有望なことになつて参りますが、実際問題とすると、一地区もまかりならぬというような非常に強い制限を加えられておりますので、商工省としてもいろいろ折衝されておるようでございますが、安本としてもせつかく自轉車競技法をつくつても、自轉車競技ができないということになれば、國の財政收入も減るということになりますので、その点お骨折りいただきたいと思います。
#22
○前田(正)委員 少しお尋ねしたいのですが、ただいまの説明の中に近くさらにたくさんの業種について関係方面からも了解を得て、統制をはずすつもりであるというお話でありますが、実はこの規則の中にも、私などから見ましてマッチであるとか加工水産物であるとか、いろいろと統制の必要のないようなものも相当あるように思います。実はこういう大きな規則は、最近は蔬菜につきまして廃止されたのでありますが、そういうことにつきまして、統制をできるだけ簡素化するという点から、必要でない規則は廃止して行こう。こういうことについての具体的な各省との折衝の委員会とか、あるいはそういう交渉をどういうふうにおやりになつておるか、ひとつお伺いいたしたいと思います。
#23
○石原(武)政府委員 ただいままで統制をいろいろ簡素化するように考えておりますのは、主として安定本部でやつておりますが、各業界といろいろ相談をいたしまして、その品目をはずすかはずさぬかということをきめております。業界の方からもつと大幅にはずしてもらいたいという希望のものもございまするし、業界の方では最近ではむしろある程度統制を残しておいてもらいたいという希望もございまするが、それらの希望あるいは意見を聞きまして、主として安定本部で今まではまとめております。また関係各省にも御相談をいたしておりまするが、関係方面との関係もありまするし、民間とかあるいは関係各省にいたしましても、率直に申しますと具体的にそれを扱つておりますところでは、その面からのいろいろな御要求がございまして、たとえばその業界からはぜひはずしてもらいたいという希望がございましても、消費者の立場からまだ統制をはずされては困るという御要求のあるものもございます。從つていろいろな方面の御意見を聞いて、現在では安定本部で品目の整理の案をつくつておるような状況でございます。
#24
○前田(正)委員 そうしますといろいろ意見を聞いてやつておられるようでありますが、何か安本が中心になつて関係各省を集めたような、統制を簡素化し整理するようないろいろな具体的な打合せの委員会というようなものもできて、そうして定期的にその会合をやつておられますか。それについて特にお伺いいたします。
#25
○石原(武)政府委員 現在はまだお話のような委員会とかあるいは協議会というものは置いてございません。ほとんどまだ私の試案で、安定本部としてどうするかということは、まだはつきりお話を申し上げるところまで行つておりませんが、統制の簡素化の問題といたしまして何らかの非公式な協議会と言いますか、そうしたものは考え、あるいは現在の統制を残しておりますものにつきましても、当分統制は残すということにつきましてこの際もう一度檢討して、同じ統制をやるにしても、ある程度これを変更するというようなことを当然考えるべきだと思いますので、これは私個人の意見ではなはだ恐縮でございますが、あまり表だつたことにならぬかもしれませんが、そういうことで既存のものにつきましても、もう一度檢討するということを考えた方がいいじやないか、かように考えております。
#26
○前田(正)委員 ただいま御説明のように統制の簡素化という点から、資材の配給の割当につきましても、また注文生産制その他指定生産資材の配給の規則もかわるでしようし、あるいはまた実際のやり方もかわつて來るわけでありますから、これを機会に残るものにつきましても、たとえば衣料の生地あるいは纎維問題であるとか、あるいはまた農機具、そういういろいろなことにつきましても、また私たちは考えなければならぬ問題がたくさんあると思います。そこでひとつそういつた残りましたものに対する配給の方法、及びその注文生産制であるとか、あるいはまた卸の店とか小賣店とか、そういう整理についての問題等、これに対する簡素化の問題に対しましてもひとつ御研究を願いたい。また同時にできるだけ統制の廃止等につきましても、ぜひ御研究を願わなければならぬと思いますので、今お話のようにひとつ個人的な意見とされないで、安本で正式の手続をしていただきたい。安本にそういう統制の簡素化、及び撤廃の再檢討をするところの協議会式のものを開いて、定期的にひとつやつていただきたい。これを切にお願いする次第であります。私たちの方におきましてもできるだけこの問題につきましては、業界全体に影響のあるところでありますので、愼重に研究考慮いたしたいと存じますので、政府側におきましても取扱いの立場上、愼重な研究の機関を定期的にひとつ開催していただくように、そういう機関の設置について御努力を願いたいということを要望いたしまして、私の質問を終ります。
#27
○志田委員 先ほど御説明いただきました中に、建築及び設備等の制限に関する処置の問題について、檢討中というお話がございましたが、私たちの業界の立場からいたしますると、不急建築は禁止しておるという、その不急建築に対しましていろいろな問題があるのでありまして、今日に至りましてはすでに不急建築という立場が、相当歪曲されておると思うのでありますから、この状態からいたしますと、至急に住宅を建築するのに今日は支障があるので、できるだけこの規則をやめていただきたいということを御要望申し上げるのでありますが、安本においてはどういうお考えを持つているか。檢討中というお話でありましたが、御説明をいただければ仕合せだと思います。
#28
○石原(武)政府委員 今ちよつと御趣旨が十分伺えなかつた点もありますので、答弁は御了承願えないかもしれませんが、一應われわれの方で考えておりますのは、現在のような情勢でありますと、全然統制をはずすというところまで行き得ないのであります。優先的に住宅に資材をまわさなければならぬものが残つておると思いますので、これを全廃するというところまではもちろん考えておりません。しかし御承知のような状況でございまして、現在の小住宅についてそれほど資材が不足しておるかと申しますと、絶対量から言うと当然さようなことになるわけでございます。これだけ住宅難ではございますが、住宅を建てようという希望は現在はそれほど多くないので、希望の方に大体資材の割当ができるというのが現状であります。從いまして、ある程度手続を簡素化するということは、考えてしかるべきではないかと思います。
 それから修繕等についても、今の規則で申しますと、許可を要するという面が相当廣いわけであります。これらにつきましても、ある程度建築に対する許可ということは、してやらなくてもいいのではないかと思います。おのずからある程度の小住宅というものは当然やらなければならぬと思います。それをいかぬという趣旨ではないが、おのずから限度があると思います。それらのものについては、現在の規則について再檢討すべきではないかということで、現在檢討中でございます。但しこれは先ほどもちよつと申し上げましたように、いろいろ政府の方にも意見がありますので、どういう結果になるかちよつと現在のところわからないのでありますが、われわれの方ではそういう意味で檢討しております。
#29
○志田委員 ただいまの御説明の中に、不急建築というのは喫茶店その他というような御説明がございましたが、実は最近の実情を見ますると、喫茶店、あるいは旅館営業と料理屋を兼業しようとする目的のもとに、不急建築の取締りを逃れるという建前から、共同住宅の形式で許可をとつて、しかる後にその用途を変更してこれら不急住宅と同樣な結果を招いているのが実情であります。從つて当局は不急建築を禁止しておるということを言明しながら、事実においては不急建築のみが許可されておるというのが実情でありますから、その点について十分御考慮くださいまして、そういうような結果を招くようなことについては、十分な御監督をなされることが必要ではないかと思うのですが、いかがでしようか。
#30
○石原(武)政府委員 ただいまのお話は私も実情をよく存じませんし、私個人はこの関係は担当しておりませんので、詳しくは存じませんが、一應法規の建前といたしましては、共同住宅等をそういう目的に轉用する場合には、許可を要する規定になつております。しかし実際問題としては、お話のような政府が押えるつもりでおるところの建築が、相当建つているということもあると思いますので、実施の面では法規の目的としているところと相当食い違つている事情にあると思いますが、建前としてはそういうものは一應抑制して行くということを、現在ただちに撤廃することはできませんが、ただ実施の面においては、お話のようなことは法規の趣旨を沒却することになるので、そういう点については今後十分留意いたしたいと思います。
#31
○小西(英)委員 今承つたところから行きますと、今なお統制が強化の状態にあるので、私たちの党の方針からいたしましていろいろ考えられるのであります。そこで今の政府委員の答弁から、なされた統制をはずす場合は業界と話すということを聞いたのでありますが、業界とはどういう部類の人を業界とされているのか。現在がんになつているのですが、一部業界の幹部が指導権を握つておつて、それと政府の役人の一部の人とが話合いの上で、統制をはずしたらそれらの者が自分たち自身の利益をなくするということから、いろいろの問題が各地に相当起つております。それはとりもなおさず統制官僚と組んでいる業界の者でありますが、そういうことのためにこの統制をはずせないということになると、われわれとしてまことに遺憾であります。ドツジ案に示された線は経済的な原則であつて、輸入していただいているものについては、統制をある程度深く檢討しなければならないが、日本の國内にあるものなのに今なおいろいろなりくつの上から統制を受けておるのであります。たとえば都市計画で道が三十メートルになつているが、その道路ばたに制限された十二坪や二十坪のマッチ箱みたいな家が建つているのであります。それらも結局三年か五年かしたらまたやり直さなければいけない。國民もほんとうに心からの復興の建設ではなくして、ほんの腰かけ的なバラック的な建築にして建てているのでありますから、安本当局あたりはむしろ統制を強化するよりもはずしたらいいというように、考え方を根本的に直してもらわなければ、われわれの党の目的も達せぬと同時に、日本の産業の再建はでき得ないと考えております。そういう点について当局の指す業界とはどういうものかということを、ひとつお尋ねいたします。
#32
○石原(武)政府委員 先ほど業界の方の御意見を伺うということを申し上げましたが、それはどういうものを指すかという御質問であります。お示しのように、各業界に團体がございまするが、主としてそうした團体の意見をわれわれ聞いております。從つて今、業界としては統制することを希望して、それが官僚と結託するのではないかというお話がございましたが、われわれとしては、統制が不必要であるとか弊害があるとかいうものは、できるだけはずすもので考えております。業界で自己の利益のために統制を存続することを希望する向きもありますが、われわれ統制をはずすかどうかについては、もちろん業界の意見に從つているわけではございません。われわれとしてはできるだけ不必要な統制をはずすという見地から、ただ業界の実情を聞くという意味で言つているのでありまして、その点では業界の意見に左右されておらないつもりであります。われわれといたしては、再近経済情勢がかわつて参りましたために、今までやつて参りました統制が、今後そのまま存続することの不必要な部面が相当多くなつて参りますので、現在の実情に合うようにできるだけ統制を簡素化して行くという方針を、根本の方針にしておりますので、一部業者の利益のために統制を存続するという考えは毛頭ございません。できるだけ実情に合つた統制に切りかえる、あるいは不必要なものはできるだけはずして行きたいということで、檢討をいたしております。
#33
○小西(英)委員 統制の限界点でありますが、太平洋戰爭以前から始まつた統制は、その業界の大きいものから代表者が選ばれておりますが、現在なおその根が断たれておらない関係上、中小企業とか下つぱに位いする業界の者は、配給の面でも非常に不利益を受けている。また今度の集中生産の目的から言つても、その点は十分に監督してもらわなければ、また戰爭中のように上の方のみに特に偏して生産のが片寄り、中小企業者が非常に困つて來るというような状態であるということを再再われわれは陳情を受けておるので、特にその点を御考慮願いたいと思います。
#34
○石原(武)政府委員 御趣旨の点は十分考えておきます。
#35
○小野瀬委員長 この際皆様にお諮り申し上げます。ただいま大蔵委員会におきまして、米國の対日援助見返資会特別会計法案に関する質疑を行つておるのでありますが、本委員会もこの法案につきましては、非常に関係するところが多いのでありまして、こちらでもこれに対する質疑を行いたいと思つたのでございますが、予算をどうしても十五日までにあげたいというような政府の意向でありますので、大蔵委員会としては非常に急いでおられるそうでございます。当方といたしましては、連合審査というような形式をとりたかつたのでございますが、右のような事情でこの審査ができませんので、もし本委員会におきまする委員の中で、質問したいというようなお方がございますれば、この際委員外質問としてやつていただくことはさしつかえないからというような、大蔵委員長からのお話がございますので、この際、もし同法案について御質問の御希望がありますれば、この委員会からあちらへおいでになつて質問をしていただきたい、かように考えますが、いかがいたしましようか。
 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#36
○小野瀬委員長 それでは速記を始めて……。
#37
○羽田野委員 ちよつとお尋ねいたしますが、肥料の統制を撤廃する時期の見通しについて承りたいと思います。
#38
○東畑政府委員 肥料は御承知のように最近の國内の生産は硫安、過燐酸、石灰窒素ともに相当増加して参つたのでありますが、なお技術的に考えまして、窒素質、過燐酸等は所要量に対しまして國内生産が伴わない状態であります。從いまして、ただいまでも相当硝安等につきましては、外國から援助資金を得て輸入をしておる次第でありまして、化学肥料全般につきまして、まだまだ統制を撤廃するという段階には至らないであろうと考えておりますが、有機質肥料、たとえば骨粉でありますとか、これは肥料ではありませんが、石灰だとかいうようなものは、なるたけはずして行きたい。特に有機質肥料等につきましては、飼料との競合となるのでありますが、飼料等もなるたけ品目を整理いたしまして、こういうものはなるべく統制を撤廃して行きたい、こういうふうに考えております。
#39
○羽田野委員 肥料公團の不必要性が農村では強調されておりますが、なおこれが存続しております理由について承りたいと思います。
#40
○東畑政府委員 肥料公團はただいまのところ、主として化学肥料の國内のものを全部一ぺんに買い上げる。もう一つは輸入しました硝安それからカリ等につきまして、これを買い上げまして配給いたしておるのでありますが、先ほど申しましたように、肥料全体の需給がまだ統制を撤廃する段階でないものでありますから、どういう形で統制を継続するかという場合に、肥料配給公團そのものがいるかどうかという問題になるのでありますが、各生産工場からの運賃プールの問題等もございまして、やはりここに一手買取りという一つの機能は、ただいまのところなくしてもいいという確信が実はまだないために、統制をやるといたしましても、一手買取り機関というものをなお存続していいのではないかという点が、肥料配給公團存続の一番主たる根拠になると、考えている次第であります。
#41
○羽田野委員 よくわかりましたが、そうすると、結局農村におきまして肥料公團に対する非難の非常に多いことは、何でも同じような問題になるのでございますけれども、末端の公團の地方の機構の運営が非常にまずいということにつきましては、今後あなた方から特別な指導をしていただきたい。大体今人間が多いということを言つておりますが、一体肥料公團関係の職員はどのくらいいるでしようか。そしてただいま経費をどのくらい食つているか。それからそれを廃止して何か別個の方法で、たとえば農村の肥料は指定業者が――農業協同組合だけでありませんで、協同組合というのは全國の團体にも購買組合連合会がありますが、ああいうのと生産者が直結するようなことになつた場合、肥料の消費者に対する價格がどういうふうに違つて來るか。そういうことをひとつ伺いたいと思います。
#42
○東畑政府委員 ただいま御質問になりました肥料配給公團の人員経理の面は、大体四、五千名かと思いますが、的確な資料を実は今持つておりませんので、次の委員会で資料をすつかり整備しまして、お渡ししたいと思います。問題は購買組合連合会というものを育成して來た場合と、それを卸的なものにやらす場合と、今の肥料配給公團でやらす場合と、どちらが安くつくかという問題だろうと思いますが、そういう計算を私しておりませんので、どちらがコストが安くつくかということは、はつきり申し上げる資料を持つておりません。問題は金融方面で相当運轉資金等が困難なために、肥料の前渡し等を購買組合などでごむりを願つて、春肥などを取つて帰つた。そのために肥料配給公團というものが、最近ほとんど融資を受けておりますので、從つて從來相当金利を拂つていたのですが、末端の配給機関においてそれだけの金利を持てば、協同組合そのものに損失を押しつけるということになつてはまずいというので、本年は金利分だけの赤字を肥料配給公團が持つということになつている。將來この赤字というものはどうなるか。政府がこれを持つか、あるいは肥料配給所の経費として、これを肥料價格に將來かぶせるのかどうかという問題が、どちらが安いかという問題に関係すると思います。われわれといたしまして、ただいまのところそういう金利等の負担は、実は政府があるいは持つかという心づもりで、赤字を出しているというかつこうになつております。それと規則をどうするかという問題は、コストというものにも影響していると思います。具体的にどちらが安いかという計算はむずかしい問題でありますが、的確な御答弁を申し上げる資料は持つておりません。
#43
○羽田野委員 その点はこの次でもよろしうございますから、大体の御見当をお願いいたします。
#44
○志田委員 石油のうちの原油の賣渡し價格を上げてくれという要望が、業界からただいましきりと出ているのでありますが、安本ではこれをどういうふうにお考えになるか承りたいと思います。
#45
○石原(武)政府委員 原油関係の方は私担当いたしておりませんので、今の御質問にお答えいたしかねます。はなはだ恐縮でございますが、次に調べまして担当者に來てもらつて、答弁させていただきたいと思います。
#46
○村田説明員 ただいまの御質問の原油の價格の問題でありますが、御承知のように四月一日から例の石油配給公團の廃止を契機といたしまして、石油製品の價格を補正いたしまして、ガソリン、機械油その他では若干の値上りを示したのであります。重油その他の関係では一部値下りのようなものがありましたが、とにかく二十四年度は新しい時代に應じての價格という観点から、ああいつた價格の改訂が出たのでございますが、それに関連いたしまして、ただいまお話の原油の問題につきましても、かなり國際價格との関連から見ましても、現在の原油は非常に割安になるということになつておりますので、その國際價格へのさや寄せというような関連から、ただいま檢討しております。関係方面ともこの四月以來折衝いたしておりまして、近くある程度値上りを実現させたいと存じております。
#47
○小西(英)委員 私二、三の硫安工場を見て参つたのでありますが、一昨年は九十六万トンだと思いますが、今年の計画として百十六万トンを生産目標にしているのでありますが、電力その他の資材において大体業界の方としても見通しがあるか。この問題になるのは硫化鉱の問題である。硫化鉱について政府の増産措置、また輸入に対してどういうふうな見通しをもつておられるかということをお尋ねいたしたい。
 もう一つは砂糖、酒の自由販賣をやるということを聞いているのでありますが、それについて政府の意見をお聞きいたします。
#48
○石原(武)政府委員 硫安に関連いたしまして硫化鉱の御質問でございますが、硫化鉱は硫安の肥料のほかに、人絹とかそういうところの硫酸の使用量を合せまして、一應來年度の計画を百五十万トンということにいたしております。本年度の計画は百三十万、百三十万と申しますのは貯藏がございますので生産が百二十五万、貯藏を拂い出しまして百三十万計画をいたしておつたのでありますが、これはほぼ計画通り行つているようであります。生産が百二十四万くらいまで行つておりますので、大体本年度は百三十万トンの計画はほぼ達成したと考えておりますが、明年さらに二十万ふやしまして、百五十万という生産計画を一應立てております。これがはたしてできるかどうかという問題だと思います。あるいは御承知かと思いますが、今硫化鉱の生産につきましていろいろ問題があるかと思います。一番大きな問題は價格の問題であります。これは石炭等の問題になつておりますので、同じように昨年末以來たびたび問題になつております。いろいろこれにつきましてもわれわれの方も努力をいたしておりますが、現在のところまだはつきりしたことになつておりませんが、現在物價廳である程度の値上げを向うに折衡しております。その結果はまだわかりませんが、われわれとしてはできるだけ適正な價格で、硫化鉱が百五十万という数字がとれるようなかつこうに持つて行きたい。なお百五十万にもつて参りますためには、ある程度設備資金の問題もございまして、これがどうなるかという点はまだ産業資金が全部きまつておりませんので、その必要な資金がどうなるかという点が、まだ見通しがはつきりつきかねている状況でございます。しかしもし輸入をいたしますと、運賃の関係もございまして、高いものにつきまして國内の價格を上げましても、輸入のその代金を國内價格にふりかける程度でも、相当増産ができるという計算も出ておりますので、われわれとしては必要があれば價格を改訂しても、國内で生産をいたしたいと考えております。
 なお輸入の問題につきましては、輸入するなら國内で増産した方がよろしいという結果は明らかでございますが、いろいろそういう問題がすぐに打開できるかどうかという問題もございまして、さしあたり春肥の生産あるいはこれからの豊水期にかかります肥料の増産に対應する硫化鉱が、はたして十分供給できるかどうかという問題と、今の生産は二十三年度につきましても、ほとんど計画通りの生産は硫化鉱としてはしているのでございますが、肥料工場でも非常にストックが少い。二、三日分しかストックを持つておらない。現在非常にランニング・ストックが枯渇しておりますので、あわせてある程度の輸入を一應考えております。これは向うの関係もございますので、はつきりしたことにはなつておりませんが、十万トンくらいのものは國内で増産もいたしますが、今ランニング・ストツクが枯渇している意味から申しまして、肥料増産が順調に行くようにということで、輸入を一應向うに墾請することにいたしております。
#49
○小西(英)委員 大体わかつたのですが、現在ストツクがないために、せつかく工員もおるし工場の設備もあるのに、硫化鉱がないために硫安ができぬから休んでおるという現状なんです。そういう点は安本の方の所管かあるいは商工省の所管か、ちよつと私わかりかねるのですが、そういうことについて早急に処置を願いたいと思うのであります。そうしてもう一つは硫化鉱は、御承知のごとく戰爭中にいろいろな爆藥の関係も深かつたので、相当濫掘されたために、現在新しく手をつけておるところの優秀な鉱山二社が非常に能率が上つておるし、價格も安く出ることになります。ところで濫掘で順次坑道が深くなつたために、十何工場のうち優秀と称せられるこの二社だけに、厚生物資として硫安をその從業員用として渡して――野菜のバーターに使うのかと思いますが、そういうものを二社だけに打切つて、ほかの小さな山に対しては硫安の割当を打切られたのでありますが、そのために相当強硬な陳情が來ておるのでございます。それは安本の方の所管であるか、また農林省のどういう所の所管になつておるか、ひとつそれもあわせてお尋ねしたいのです。
#50
○石原(武)政府委員 今初めにお話のございました点ですが、硫化鉱は現在でも不足しておる点は、われわれもそういう事情は伺つております。できるだけ硫化鉱の國内の増産に――これは主として商工省でやつていただけるわけですが、今できるだけの努力をいたしておりまして、それに必要な價格の改訂というようなことも、物價廳を通じて今しきりに折衝中でございます。さような問題もありますので、輸入という問題も同時に取上げて折衝しておるような次第であります。それからあとでお話がありました硫化鉱の山へ硫安をやつておる、それを一部で打切つたというお話ですが、それはちよつと私その辺の事情を承知いたしておりませんので、いずれ調べまして、次の機会にでも御報告いたします。私の方では別にどの山の硫安を渡すというような計画はつくつておりません。どこか農林省あるいは商工省でやつているのかと思いますので、ちよつと事情がわかりません。
#51
○東畑政府委員 ただいまの酒の統制撤廃の問題は、酒類配給公團法が通りましたのですが、それは三箇月後には酒そのものの統制を廃止しようという前提で、議会の御承認を得た次第でございます。三箇月先の七月一日以後どうするかということは、ただいまのところはそういう方針で参つておるのであります。ただ労務者用の酒というものは、やはり石炭山にしても確保する必要がありますので、そういう方面につきまして関係方面の御意見を聞いておるような次第であります。
 もう一つの問題は砂糖という話でありましたが、タバコでございましたか。
#52
○小西(英)委員 農林大臣は、砂糖の日本國内産の白下というのですか、ああいうものもはずそうという予定もあるということでしたが、それはどうですか。
#53
○東畑政府委員 それは黒糖は現実にはずしておるわけであります。北海道のてん菜はただいまのところろははずす予定であります。國内の黒糖だけをはずすと農林大臣がおつしやつたのではないかと思います。
#54
○田中(不)委員 私纎維品の統制についてお伺いいたしたいわけでございます。緊要度あるいは供給度と需要量から見まして、依然として統制を続けて参らなくてはならないものも、纎維製品の中にはあるわけでございますが、綿、スフ等のごとき纎維品の中のあるものは、今の情勢から見まして統制をはずしてもよろしいものがあるのではないかというふうに考えるのでございますが、その点についての御当局の御説明を願います。
#55
○石原(武)政府委員 各物資の統制を簡素化することを考えているうちに、その一つとして纎維製品につきましても今われわれの方で一應の案をつくつて、向うと折衝することにいたしております。今お示しのように衣料の中におきましても、纎維品で向うから輸入しておるようなものにつきまして、木綿とか毛とか麻とかいうようなものにつきましては、これは当分の間統制を撤廃することはできないのであります。これらにつきましては当分まだ存続して行くつもりでございまするが、國内のくず等から出て参ります御承知のガラ紡でありますとか、ああいう品物、もう一つは國内でできます絹、これにつきましては統制をある程度緩和するように、案をつくりまして向うと折衝中でございます。これがどうなるかにつきましては、まだはつきりした通見しはございませんが、われわれといたしましてはお話のようなさような物資については、纎維につきましても一部解除して行きたい、かように考えております。
#56
○田中(不)委員 ただいまのお話で、あるものにつきましては緩和されるような御樣子でございまするが、大体の実施期の見通しがほぼつきまするならばお話を願いたいと思いますが、どんなものでしようか。
#57
○石原(武)政府委員 政府部内といたしましては大体案ができて向うと折衝しておりますが、向うの内部にも両論があるのでありまして、はつきりした見通しはちよつと申し上げかねるのであります。
#58
○田中(不)委員 実施期につきましてはなかなか見通しもつきかねるようでございますが、御説明で了承いたしました。
 次に纎維製品の販賣業者の登録の問題でございまするが、これはもちろん纎維品の統制とは関連いたしておりますものの、一方考えましたならば、別に考えてもよいものではないかと思うのでございますが、実情を見てみますと、この登録をいただきますのに現在の業者が主体になつておりまして、それに年々綿につきましても毛につきましても、あるいはその他の各纎維につきましても、ごく少数の業者が辛うじて追加をさしていだいておるというふうな実情でございまして、しかもその追加の中に入りますのにも御承知かと存じますが、非常なる競爭と申しますか、あらゆる運動方法を試みてでないと、なかなか新規追加の中には入れないというようなことで、もとより限られたる纎維品の販賣でございまするから、業者の濫立ということはその方面から見ましても、できるだけ手控えなければならぬとも存じまするが、しかし現在の業者に比べまして、非常に不非な條件で新規の追加が行われるというふうな実情でございますので、この点につきましてこの登録制を緩和される御方針があるかどうか、また先ほどのお話のように、あるものについての撤廃になる。その統制が撤廃になつたにつきまして登録制がなくなるのはもとよりでありまするが、統制が残つておる品種につきましても、販賣業者の登録について相当の緩和をされる御意思があるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
#59
○石原(武)政府委員 登録の問題につきましては、どの程度の登録業者を認めて行くか、あるいはどういう方法で追加を考えて行くかということは、実は安定本部としては関與いたしておりません。主として商工省の纎維局の方針でやつておるので、今ただちにお答えはいたしかねるのであります。次の機会にでも内部で相談をして一應の方針を立てて、政府としてはこういう方針だという程度の答弁だけは、申し上げたいと思います。
#60
○小野瀬委員長 先ほど多田委員から肥料に関する関連質問がありました。失念して申訳ありませんでしたが、多田委員に発言を許します。
#61
○多田委員 先ほど肥料の話が出ましたので、具体的なことについては農林省は見えられないので、はつきりした御答弁は得られないかと思いますが、輸入されておりまする燐鉱石が相当滯貨しておるという話を聞いておるのでありますが、せつかく輸入された燐鉱石がどういう理由で滞貨しておるか、この点についておわかりになりましたら御答弁願います。
#62
○東畑政府委員 輸入している燐鉱石が滞貨しておりますのは、一昨年が非常に多くございまして、昨年はその事情を向うに申入れまして、相当輸入量を減らしたのであります。今年度は大体滞貨しておる燐鉱石等を使いまして、さらに輸入を続けて行く段階までストックが減つて來たように考えております。
 今まで滞貨いたしました理由といたしましては、御承知のように過燐酸石灰をつくりますところの燐酸、先ほど申し上げましたように、硫化鉱の問題でも、硫安と過燐酸石灰の資材に硫酸を必要とするために競合をいたしまして、硫酸不足のために輸入されました燐鉱石を消化できなかつた。こういうのが一番大きな原因だと考えております。
#63
○多田委員 肥料以外でお伺いしたいのですが、先ほど砂糖の黒糖の統制をはずしたというお話がございましたが、黒糖といわゆる白下糖の統制が二月ごろ解除になつておりますが、どういう理由で一般の砂糖を統制しておきながら、國内産の黒糖あるいは白下糖を統制解除されておるか。國内産の砂糖の統制を解除するならば、北海道産のビート糖も当然解除すべきであると思うけれども、それに対して安本としての考えをお伺いいたしたいと思います。具体的な数字は、黒糖の昨年度の税務署に拂つた消費税の額が、むしろ北海道産のビート糖の数量よりも多かつたというように聞いているのでありますが、おわかりになりましたら……
#64
○東畑政府委員 むずかしい御質問でありますが、北海道のてん菜糖というのは、從來そこに一つの独占的な企業がありまして、その製品が主として乳幼兒等の粉乳に混入をされまして、これを使用しておつたという從來の長い歴史等がございます。しかも一つのりつぱな工場製品となつた砂糖でありますので、統制も比較的しやすいというために、これを統制しているのではないかと考えるのでありますが、一般の内地における黒糖は、農村において現在作付統制をやつておりませんために、農民全体が自家用といて、糖分欠乏を防止するために、相当各地で砂糖きびを植えておつた。しかもその地区が非常に各方面にわたりまして、しかも非常に小さい。そのためにそういうものを集荷して、これを一つの企業的にやるという方法がないために、これを全國的な商品としてうまく集荷利用するという企業なり組織もできていなかつた。それでこれをむりに統制いたしましても、いたずらに経費がかかり、はたして集荷の実があがるかどうかということを非常に疑問としまして、これは自家用という意味に考えまして統制を解除いたしたのであります。北海道糖は地区も限られ、工場製品であるということがはつきりいたしておりますために、砂糖を外國から入れる等の関係から統制をいたす。こういうように考えている次第であります。
#65
○多田委員 別に統制解除に反対するわけじやないのですが、ビート糖よりも黒糖の生産高の方が多くて、ビートが統制されて黒糖が統制されないという理由が、はつきりしませんからお尋ねしたのであります。それに関連しまして、統制を解除した以上は、統制價格も当然撤廃すべきじやないかと考えますが、これに対して物價廳の御答弁を願います。
#66
○村田説明員 ただいまの点は実は私の所管でなく、物價廳の二部の関係でございますので、ただいまの御答弁は連絡をいたしまして、次の機会にいたしたいと思います。
#67
○多田委員 砂糖だけの價格でなしに、統制されてないものの價格を統制すること自体が非常に困難だということは、はつきりしていると思うのでありますが、安本としまして統制物資以外の價格統制を撤廃する御意見がないかどうか。その点についてお伺いいたします。
#68
○石原(武)政府委員 ちよつと今の御質問に責任あるお答えはいたしかねるのでありますが、われわれが今後統制を大体解除して行こうというものについては、われわれの希望としては價格も原則としてはずして行くというのが、われわれの氣持でございます。しかし現在統制してあります品目とマル公の品目と比べますと、なおマル公の品目がはるかに多いかと思いますので、物資の方の立場から統制をはずすと、價格の統制もはずすというふうには申し上げかねるかと思いますが、われわれの立場で今後統制をはずしましたものにつきましては、大体マル公もはずして行くということがいいのではないかということは、われわれとしては考えております。ちよつと責任あるお答えはいたしかねます。
#69
○多田委員 最後にお伺いしたいのは、今後統制する予定の物資があるか。ありましたらその物資を御説明願います。
#70
○石原(武)政府委員 いわゆる基礎資材と申しますか、指定生産資材で統制しておりますものについては、これを解除して行くという方向で考えておりまして、新しく統制する品物は原則として今のところは考えておりません。ただあるいは農林物資で集荷をある程度規制して行く必要のある品物が、ごく一部あるかとも思いますが、まだきまつておるものはございません。そうした農林物資集荷の場合何か規則を今後必要とするものが、あるいは出て來るかと思つておりますが、それ以外のものについてはむしろできるだけ大幅にはずして行くということで、新しい品目のものは考えておりません。それ以外に一般の消費物資につきましては、これは今まで事実上は戰時中、終戰後を通じまして、統制はしておりますが、いろいろな関係で法的に統制しておらぬものもございます。先ほど來問題になつております石けん等も、最近までは法的統制はいたしておりませんで、事実上統制しておりました。さような品目がたとえばゴム製品――ゴムぐつ、タイヤ、チューブ、地下たび等は、事実上の統制は、ずつと行つておりましたが、今まで法的統制にはなつておりません。これらのゴム製品等につきましては、今後石けんと同樣に法的統制になるかと思います。それ以外にそう何品種も新しく統制するということは考えておりません。
#71
○小野瀬委員長 大分皆樣から質問が多いようでありますが、この際一時質疑を中止いたしまして、緊急に皆樣にお諮りいたしたいことがございます。ちよつと速記をやめてください。
    〔速記中止〕
#72
○小野瀬委員長 ただいま速記中止中に皆樣と懇談の結果、今回大藏委員会に付託されております対日援助見返資金特別会計法案は、本委員会と関係するところきわめて大なるものがあるにかかわらず、本委員会がこれにタッチしないということは、まことに遺憾であるというような皆さんの御意見のように拜聽いたしましたので、さつそく委員部並びに前田理事を煩わしまして、大藏委員長に連合審査の交渉をいたしましたところ、大藏委員長は自分の方はよろしいが、ぜひ明日中に予算を上げなければならないので、できることなら本日のうちに同法案を上げるようにという、予算委員会からの希望もあるような次第であるから、一應予算委員長の方に交渉してみてくれというお話がありましたので、前田委員が予算委員長に面会いたしまして、こちらから申入れしたわけでございます。その交渉の結果につきましては前田委員から御説明を願いたいと思いますが、その説明につきましては速記を中止していただきます。
    〔速記中止〕
#73
○小野瀬委員長 それでは速記を続けて下さい。ただいまの懇談におきまして、連合審査ということは一應とりやめまして、それでは月曜日にあらためて経済安定本部から長官並びに次官の御出席を求めまして、本日皆樣から御要望のあつた点につきまして申入れをすると同時に、質疑を行うことにいたしたいと思います。
#74
○志田委員 安本当局に対して好意ある御忠告を申し上げたいと思いまするから、今一應速記をやめていただきたいと思います。
    〔速記中止〕
#75
○小野瀬委員長 それでは速記を始めてください。
#76
○田中(不)委員 先ほど御質問申し上げた纎維品のことについてでございますけれども、質問が一つ漏れておりましたので、あらためてお伺い申し上げたいのでございまするが、先ほどの御答弁の中に纎維品につきまして、あるものについては統制を緩和するという御方針を伺つたのでございまするが、その御答弁の中に綿あるいは毛あるいは麻等については統制を存続するが、ガラ紡等については緩和をするつもりだというような御答弁であつたのでございますが、絹とかあるいは人絹についての御説明が漏れておつたように存じまするので、あらためてどういうふうなものについて一應存続し、どういうものについて緩和されるかということを、御説明願いたいと思うのであります。
#77
○石原(武)政府委員 ただいまの御質問にお答えいたしたいと思います。一應現在考えておりますのは、ガラ紡製品と、特紡製品、手紡製品あるいは雜纎維製品等、主としてくずを原料に使つておりますものにつきましては、統制を撤廃するつもりでございます。從つてその原料のうち、故纎維でありますとか、國内において発生するものは、一應自由にいたしたいと思います。ただそのうち落綿でございますが、これは輸入の原料でもございますので、これは統制を継続したいと思います。その他のものにつきましては、くずあるいは古いものは自由にいたしたいと思います。それから先ほど申しました落綿と、なお輸入のくずや故纎維というものが入つて参ります。これは割当制度を存続して行くつもりにしております。それから羊毛とスフ、これも割当を継続するつもりでございます。それから絹につきましては、絹製品、絹紡製品、絹紡紬糸製品というものは、一應統制をはずすことにいたしたいと思います。現在考えておりますのはそのような程度でございます。
#78
○首藤委員 私はこの統制法に基く一覧表を拜見いたしまして、物調法を基礎とした法規統制が、いかにたくさんできたかということに驚いておるのでありますが、これらの法規統制が、各主官管廳の意見を聞きますと、ことごとくがその筋の関係によるものであるということを、異口同音に言つておりますが、はたしてこれらの法規統制がことごとくその筋の関係によつて、各省が立案実施したものかどうか。もう一つは、この法規をつくりまする場合に、各省が個々に関係筋と折衝して法規をつくるものであるかどうか。これに対して安本がタッチしておるかいないかという点を、一應お伺いしたいと思います。
#79
○石原(武)政府委員 これはちよつと速記をとめていただきたいと思います。
#80
○小野瀬委員長 速記をとめていただきます。
    〔速記中止〕
#81
○小野瀬委員長 速記を始めてください。
#82
○首藤委員 今石原政府委員の御回答を聞きまして、われわれも多分そういうことであろうとは想像しておつたのでありまするが、最近各主官管廳の官吏が、あまりにも関係筋の意向に便乘すると言いますか、あまりにもそれを看板にし過ぎるのじやないか。しかもそれをしなければならぬというところに、國民としての一つの大きな悩みがある。これはもしある統制をする。それがほんとうに実情に沿うた統制、要するに納得の行く統制規則をつくりまするならば、各業者も十分納得すると私は思うのであります。ところが最近法規統制になつておりまする各業種別の実情を見ました場合、ことごとくが実情に即していない。ドツジ氏が來て、最近竹馬ということを言いましたが、この竹馬こそ、最近できておるあらゆる統制規則にあてはまる言葉だというふうに、私は考えるのでありますが、これがために各業者はことごとく大きな反対な氣持を持つておるのであります。この反対な氣持を押えるために、特に関係筋という言葉が各官僚によつていかに多く使われておるか。かようなことは、私はできる限りやめてもらいたい。しかも國民はかりにその筋が関係いたしたいといたしましても、アメリカは民主主義じやないか。要するに國民の納得しないような法律は断じて出さぬはずだ。にもかかわらず、ことごとくが國民の意思に反したところの法律ができる。ここに國民一般が非常に不可解な見解を持ちまするとともに、日本の官僚に対するところの大きな疑惑を持つておるのであります。関係筋はそうでないにもかかわらず、官僚が自己の都合のために、しかも自分の不明をおおわんがために、特に関係筋をかさに着てやるのだというような疑惑を持つておる者は、私は相当多数に上ると思うのであります。從つてそういうことはなるべくやめていただくとともに、よく各業界の実情をきわめて、その業界に適するような法律をつくつていただくということに、ぜひしてもらわなければならぬと思うのであります。と同時に、今日まで要綱統制で配給上何ら支障のなかつたものを、特にこの調整法に基いてわざわざ法規統制にする必要が那辺にあるか。むしろ事態は、昨年來生産はあらゆる面を通じて非常に上昇しております。しかも金融はだんだん梗塞して参る。むしろ最近の経済界の実情は、デフレ的な傾向がはつきりして参つておるのであります。ために物の價格もあるいは物の流通も、だんだん改善されて行きつつありまして、このまま放任しておきましても何ら支障のないものを、かえつて配給を阻害するような、しかもまた國民を法律で強く束縛するというような線に持つて行くということは、時代に逆行したやり方じやないかと私は思うのであります。むしろ要綱統制でうまく行つておるならば、次に來るべきものは統制の解除であります。一日も早く統制を解除しなければならぬ。また幸い情勢もそういう方向に向つておるのにもかかわらず、それをわざわざ逆行したところの方向に推進するということ自体が、どうかと思うのであります。そこで私が聞きたいと思いまするのは、要綱統制でうまく行つておるにもかかわらず、なおこれを法規統制にしなければならぬか、またそうしたいという氣持を持つておるのかどうかという点を、ひとつお伺いしたいのであります。
#83
○石原(武)政府委員 ただいま首藤委員のお話の前段はよく了承いたしました。十分その御趣旨を各方面に傳えるようにいたしたいと思います。
 それから後段の要綱統制の問題でありまするが、これもまた関係筋のことを申し上げてはなはだ恐縮でございますが、統制をするかしないか、はつきりしろ、中間的な統制はいかぬ、全部統制をしなくてまつたく自由にするか、それでなければはつきり統制をするか、こういう二者択一、どちらかということで言われております。今まで配給物資につきましては、相当要綱統制でずつとやつて参り、ある程度の実効も上つておると思うのでありますが、御承知のように石せん等も事実上の配給統制をやつておるし、その他ゴム製品についてもやつておつたのでありますが、そうしたものは、えてだれが責任を持つか不明確になるし、その間いろいろな團体とかその他のものが実権を握つてしまう。そういうことは現在関係筋が考えておりまする統制方式に違反することになるということで、最近に至りまして、どうしてもどちらかにはつきりしなければいかぬということになりましたので、われわれといたしましては、できるだけ今までさような要綱統制をやつておりましたものをやめるということに方針を考えております。先ほど申しましたように、現在すでに御承知のように石けんあるいはゴムにつきましては、これは全部輸入品でありますので、さような関係でこれは法規統制にせざるを得ない、かような事情にあるわけであります。
#84
○首藤委員 要綱統制はなるべく撤廃するか、あるいは残るものは法規統制にするという御趣旨は、一應私もうなずけるのでありますが、しかしながら今の石けんの問題にいたしましても、さらにまた近く御計画になつておるらしいゴム製品にいたしましても、もし今商工省当局が考えておるような線で行きましたならば、必ず業界は混乱いたしますとともに、各企業体は急角度に弱体化して参るのであります。と申しますのは、たとえばゴム製品で申しましても、地下たびあるいは運動ぐつ、あるいは総ゴム、およそこれに対するところのクーポンは数千万枚を必要とするのであります。傳えるところによりますと、これは還流クーポン制をやつて、そうして需要者の選択買いをやるということでありますが、今石原政府委員は各團体がやることに弊害があるということでありますが、すでに御承知のごとく、事業者團体法と独禁法によつて、各團体は一つもこういうものにはタッチできないことになつておりまして、物調官という新しい制度ができて、ほとんど各主管廳はこの物調官制度によつて、配給も割当も全部やつておるのが現在の事実だと思われるのであります。團体は何らこれに関知していないのであります。從つて要綱統制といいながらも、実際は主管廳の出荷統制あるいは割当というようなことによつて、法規統制と同じように、要するに官廳が全部やつておるのでありまして、それをさらにまたそういう方向に進んで行くことに、私は大きな疑問を持ちますとともに、今申し上げましたごとく、もしも傳えられるごとく還流クーポンによつて需要者選択買いをやるということでありますならば、今日までの役所のクーポンの発行期日から推算いたしまして、おそらくこれが安本、商工省、地方廳、地方事務所、町村、さらにそこから適正な需要者を発見いたしましてそれにクーポンをやる。これがまた還流するということになりますと、各生産家にクーポンが返つて参りますのには、六箇月以上を必要とするのであります。この六箇月間に各生産工場が手持の品物を、クーポンの來るのを待つためにむだな六箇月を経過するということは、口にこそ言えば簡單でありますが、この金融梗塞の折柄、自分の生産品を六箇月間も保管するというようなことが、実際上できるかどうか。もしこれをぜひとも強行するというお考えでありますならば、六箇月間ストックいたしましても運営にさしつかえないような資金の融通が前提となる。しかもこれを換算いたしますると、その資金は厖大な金額になるのであります。のみならず、この何千万というクーポンが発行されると同時に、ただいま申し上げましたごとく、非常に時日を必要といたしまするので、その間に第三國人あるいはその他の方面から必ずや偽造切符が乱発されることは、今日までわずかに指定生産資材にクーポン制を実施して以來の事実によつても、きわめて明確だと思われるのであります。しかもただいま申し上げたごとく、厖大な金融を必要といたしまするが、この予算あるいはその他の事情から見て、かような金融というものは私は不可能ではないかと思われるのであります。從つてしかもそれが需要者選択がほんとうに行われればともかくでありまするが、大体ゴム工場のごときは工場数が八百からもありまして、どこでどんな製品ができるかということを需要者で知つておるものは、おそらくおらないと思うのであります。ただ自動車のタイヤに関する限りは、特定の需要者であり、また生産工場もわずか五工場にすぎませんから、どこの製品がどういう規格のものであるかということは大体認識されておりますが、その他のものに至つては、全然需要者は認識していないのであります。從つてこれがためにこれを実行いたしますと、当然業界には猛烈な競爭が行われ、そうして必ずしもよい製品でないところの工場に、競爭の結果クーポンが集まつて行くという傾向が多分にありまして、所期の目的を達し得ないのみならず、この猛烈な競爭が企業全体の弱体化を招來する。これもきわめて明確なのであります。從つて結果的にすでにその統制方式が惡いということが、はつきりいたしておりますにもかかわらず、なおかつこれを強行する意図を持つておるのかどうか、この点をひとつ私はお伺いしてみたい。
#85
○東畑政府委員 ゴム靴、地下たび関係のはきもの類の統制でございますが、先ほど石原政府委員の申されましたように、現在は要綱統制でやつておるのでありますが、原料が主として輸入品であるために、統制を撤廃するというだけにまだ需給上緩和いたしておりませんために、ここに何らかの統制措置というものがいるのであります。目下商工省におきまして、ゴム製品の配給規則というものを予定いたしまして、審議中であるということを私聞いておりますが、まだ安本の方に具体案が実は参つておりません。私自身直接商工省から、こういう問題についてどうこうするというお話はまだ承つておりません。そういうものの統制をするという話だけは間接的に聞いておりますが、しかし具体的にどういう規則になつて、どうなるということの商工省としての最後案は、まだ安本の方にお示しがないために、この点についてどういう案があるかということにつきましては、安本としては商工省の関係でございますので、その案を待ちました上で審議をいたしたいというので、実は今準備はいたしておるのでありますが、ただいまいろいろ御意見がございました点等は、地下たび等におきましても厖大な多数のものにかかる商品でありますから、御意見通りこれを配給切符でいたしたことが、はたして配給が合理化され、迅速に行くかどうかということにつきましても、またやみ取引がなくなるかどうかということにつきましても、相当愼重に考えなければならないと考えておりますが、ゴム製品配給規則というものは、安本としては実はただいま具体的に取上げてはおりません。
#86
○首藤委員 なおこれに関連して一應希望を申し上げておきたいと思いますのは、最近安本が指定配給物に対しましてすべてに関與をされて――関與されてもいいのでありますが、非常に小さい点までも関與されておる。たとえば地下たび一足までも安本の方で関與して、切符を切るというようなことをされておりますために、配給計画に非常な日時を要しておる。從つてごく少い日数の間に配給ができるにもかかわらず、安本がこういう煩雜な事務手続をやつておりまするために、配給が非常に遅れるということになつておりますので、この点はもう少し簡素化して、しかも安本自体は大綱を指示するという程度に改めた方が、本來の安本の性格に合うのではないかというふうにも考えまするので、この点とくと私は御考慮を願つておきたいと思うのであります。
 もう一つは物調官制度であります。われわれは物調官制度をとりまする場合に、必らずやこれは結果的に失敗するであろう。むしろ役所本來の、官吏自体が迷惑しやしないか。信用を落しはせぬか。あるいはその他の面におきましても、全官吏のためにも物調官制度をとることが、結果的におもしろくないのではないかと考えるとともに、また事務的に考えても、生半可通なこれらの者が事務に全責任を持つてタッチすることによつて、また業界も非常に迷惑することがしばしばあるであろう、ということを予想したのでありますが、実際実施いたしまして一年半ばかりになりまするが、予想以上にその結果は不良なのであります。ことに各主管廳は本來の仕事があつて、企画あるいは指導という面が本務でなければならぬにかかわらず、この物調官制度を始めて以來の各官廳は――現業官廳でありますが、大体割当官廳その他本來の事務が閑却されて、全力をあげてやつたのが割当事務だけだというようなことにもなつております。と同時にまたいろいろな好ましくないところの事件が、物調官を設置して以來ひんぴんとして起つておるという事実に徹しましても、こういう物調官制度は一日も早く廃止すべきじやないか。ことに行政整理が公表されております場合に、まつ先に整理すべきものは物調官制度ではないかと考えておりまするが、今日までの経過に対して、安本としてはどういう御感想を持つておるかどうか。この点について一應私は承つておきたいと思うのであります。
#87
○東畑政府委員 ゴムぐつ、地下たび等につきまして、安本がこまかい点までタッチしておるという点につきましては、安本としましては企画面、特に生活必需物資等におきましては、大きなわくは安本で決定されておるのでありますが、個々の問題につきましてはタッチしていないはずになつております。從つて切符を切るとか、あるいは個々のものにつきまして割当てるとかいうようなことは、一切いたしておらないはずでございますが、さようなこまかい点までタッチしている点がございましたら、今後とも十分注意しまして、大きな基本業務計画だけを持つて行きたいというふうに考えます。
 物調官制度につきましては、これは行政整理等の関係におきまして、内閣で今審議中でございますが、根本的には、國の統制をどの程度に強化すべきものは強化し、廃止すべきものは廃止するかという根本の政策というものと、物調官という一つの関係業者からの官吏があるのでありますが、國がやはり統制をする。その統制の方式といたしまして、いろいろ方式の内容がかわることによつて、役人の必要な数も減つたりふえたりするのでありますが、今の方向としましては先ほどからたびたび石原政府委員から申し上げましたように、なるたけ民間の意思をそんたくして、能率的な統制方式で行きたいということになりますと、物調官的な國のものもだんだん小さくなつて行つて、そのために官吏の数も減つて來るという方向には参りますが、根本的にまだ國家的な官吏に、切符を切りますとか割当とかいう権能があります以上、これを担当する人間がいるということは避け得られないのじやないか。問題はこれを國があくまでやるか、あるいは國家事務として、その一部を地方長官に委讓するかという問題が問題であります。指定配給物資等につきましては、集荷等の関係がありまして、地方廳に実はこれを委讓しておるものが多いのであります。地方廳に委讓しましても、やはり地方廳における一部の公務員というものが、そういう権限を持つておるということに実はなるのであります。問題はこういう統制というものを、物の需給面あるいは有効需要の面、その他の面から緩和して行くという方面に即應して、こういう機能も衰退して行く、こういうことと関係があるのではないかというように、考える次第であります。
#88
○首藤委員 私は統制自体は寡少物資であるがゆえに、適正な配給を期する必要がある。ここに統制の目的があると了解しておるのであります。從つてできたものは一日でも早く需要家の方に渡すということでなければならぬと思うのであります。しかるにそれがこういう統制あるがために、当然早く出るべきものが非常に遅らされるということで、統制の目的と相反することになつておると思うのであります。しかしながら統制をやつておりまする以上は、その範囲内においてできる限りすみやかに流して行くという方法をとらなければならぬと思うのであります。この点につきまして、本來事業者各團体が主としてこれにタッチしておつた。ところがどういう理由か、全部これは政府がやるのだということになつたのでありますが、今日になつてみましても、團体でやりますれば、全部が経驗者であり、同時にまた関係業者でありまするから、不正なことをしようといたしましても、絶対にそれは不可能なのであります。しかるに政府がやるということになりますると、いわゆる物調官が当つておるのでありまするが、これが民間との関係を一應切離されまするために、そこに裏面的な好ましくない事件がひんひんとして起つて参りまして、これが統制の目的に反する行為が、非常に多くなつておるのであります。從つてこの面からも、ただいま地方廳に委讓するということでありまするが、われわれは正確にしかも迅速に統制の趣旨に合致するためには、やはり事業者團体にこれらの仕事をまかせることが、一番いいのではないかというふうに考えております。同時にただいまの安本が小さい面にはあまりタッチしていない、クーポンは切つていないということでありますが、クーポンはなるほど切つていないと私も思います。しかし一足二足というような小さいことに全部配給指示をしておりますことは、今日も依然としてやつておるのでありまして、日用品課第二課をおこしらえになつたならば、この間の事情がはつきり私はわかつて來ると思います。ところでこういうことは今東畑政府委員が言われたごとく、安本は大綱を指示するものであるというが、大綱をつかんでだけおればいいと思われるのでありますから、こういう小さいことにタッチして、いたずらに日にちを延ばすというようなやり方は、断固私はやめてもらわなければ相ならぬというふうに確信するのであります。
 もう一つは関係筋でありますが、無論占領下に置かれておりますから、関係筋の指導監督を受けることはやむを得ないと思います。しかしながら実際におきまして、その指示に從つてつくつた法律は、國民の守らんとしても守れないようなものがしばしばあるのでありますが、これがために経済の復興あるいは國民生活がいかに悩んでおるかということは、御当局においても十分に御理解になつておると思うのであります。この間におきまして向うさんとしましては、やはりアメリカの事情が主観的に頭に入つております。日本の事情がわからぬから、やむを得ないとは思いますが、このやむを得ないのを日本の実情に沿うように調整するのが、いわゆる関係当局の使命だ。占領下に置かれましての各御当局の使命は、これが一番大きいのではないか。そうして関係筋が主観的にアメリカの事情を基礎とした指示を出しましても、日本の実情を向うの納得の行くまで説明して、そうしてむりな法律はなるべく出さないように、かりに出す場合にはそれを日本の國情に合うようにコントロールしてもらう、そうでなければいかに経済の再建を叫び、あるいは民心の安定を叫びましても、結局はできるかもしれないが、その間には時間的な大きなずれがあり、非常に大きなむだがあるのみならず、罪人にならぬでもいいところの國民が、かようなむりな法律のために罪人にならざるを得ないというような、思想的に、道義的に関係するところはきわめて大きいと思うのであります。こういう面には格段の御注意と御努力をお願いいたしたいと存ずるのであります。同時に私がこの機会に委員長にお願いしておきたいと思いますのは、この安本の委員会に対しまして、安本長官なり副長官というものがきわめて御出席が惡い。もう少し委員会に対しまして長官なり副長官は、できる限り都合して出席していただくべきだと思うのであります。われわれはまた長官あるいは副長官の御出席によつて、もつとお尋ねもし、またこちらの意見も述べてみたいという点も数々ありますので、今後は長官なり副長官なりにぜひ出席するようなお手配を、お願い申し上げておきます。
#89
○森山委員 前会質問を留保いたしました石炭の問題について、安本当局の御意見をお伺いいたしたいと思います。なおこの問題に入るに先だちまして、この委員会の運営について二、三委員長に御注文をいたしたいと思います。
 第一の石炭問題につきましては、前回の委員会において次会に質問を留保いたしたわけでありますから、できるだけ早く質問の機会を與えていただきたい。そのために関係官も長らくお待ちになつたと思うのであります。ところで委員会は御意見をお待ちの方が多くて、一体いつごろになつたら発言の順番をまわしていただけるかと思つておりましたところ、委員が残るところわずか五名というところまで來ても、今もつて発言の機会をつくつていただけないという状況でございますので、前会から引続きの質問を留保しておつたという問題については、今後できるだけ早い時機に質問並びにその御返事をいただけるように、おとりはからい願いたいと思います。
 次にこの委員会の運用を見ておりますと、経済安定本部の仕事の間口が、経済の基本ばかりでなく相当細部にわたつてはなはだ廣うございます。どうもこの委員会の運営は行き当りばつたりという感じがある。とかく一言述べざるべからずという方々は、われわれも含めてそういう感じでございますので、次から次へとその尾を引いておつてまとまりがない。惡く言えば井戸端会議になるというような結果にもなるんじやないか、ということをおそれるわけであります。つきましては、今後議題をある程度明確にいたしまして、その議題に対して委員の論議を集中するということで、おとりはからいをお願いいたしたいと存じております。そうでありませんと、わずか数名の政府委員あるいは公務員の方々がお出になりましても、返事に苦しまれるということが非常に多いことを感じた次第でございます。
 さて本論に入りまして、石炭問題について前会御質問いたしたことは、さきに需要者の側から見て、低品位炭の不要論あるいはそれに類似の問題が提起されまして、それについて生産者價格の問題についてもメリット・システムによるか、あるいは生産者原價主義によつてきめるかという問題が出て参つたわけでありますが、この際私がお聞きいたしたいのは、かりにそのメリット主義が、消費者の側から見てそういう低品位炭はいらない。そうして商品位炭を出すために、ある程度商品位炭についてはメリットによつて高い價格をつけてやる、こういう御希望も出たかのごとくであつたのでありますが、かりにそういうふうにメリット・システムによつて今後の石炭價格を決定した場合には、低品位炭はその経営がきわめて困難になつてしまうという実情があるわけであります。それによりまして炭鉱の閉鎖という問題が起きて参ると思います。そして特に從來まではつくれつくれと言つておつて、復金その他から相当の融資を受けておつた。そういうような融資の問題をどうするとか、あるいは宇部及び常磐地区におりまする数十万の炭鉱労働者の処置をどうするというふうな、具体的な問題についてめどを持つて、メリット・システムに入るかどうかということを、お伺いいたしたいと考えておる次第であります。從つてこの物價廳の價格行政はあまりにも厖大でありまして、今後日本の経済生活の、何と言いますか、端的な一つの見本のような形を呈するのじやないか。こういうように思うわけでありまして、もしメリット・システムをとられる場合においては、そういつた企業の経理問題、特に復金融資問題の処置あるいは今後生ずるであろう失業者問題について、どういうようにして行く御見解をもつておられるか。表藝としてメリット・システムをとられれば、裏藝としてそれに付随するだけの御準備を、質問される方もあるいは御答弁になられる官廳側の方も、持つておられるのかということを私はお聞きしたい。かく考えておる次第であります。
#90
○村田説明員 ただいま森山委員からの御質問の趣旨は、まことにごもつともなお話でありまして、一物價廳からのみ答弁いたしましても、十分に御満足の行くような答弁はとうていできないと思いますが、ただいまのお話に関連しまして、物價廳としての立場から一應の答弁をいたしておきたいと思います。
 御承知のように、現在の價格は昨年の六月に補正されまして、その当時におきましても、やはり石炭の生産はまず量を確保するという観点から、特に問題の生産者價格につきましては、原則として補正主義、しかもそれを個別にというようなことは、今の炭鉱数その他から見まして、非常にむりがあるという関係上、その当時全國を十地区にわけまして、集團的の單一價格という形をとつておるような次第であります。しかも先ほど申し上げました量確保の見地から、その單一價格でもまかなえないものにつきまして、赤字加算という制度をとつて、とにかく相当の低品位炭を出しておるような、また高品位炭を出しておつても、能率の非常に低いところも、とにかく出炭をするからにはある程度見合う見通しのある價格をきめる、という処置を講じて來た次第でございますが、最近の情勢におきましては、かなり需給関係も緩和いたしておりまして、先ほど來御質問の趣旨の中にもありましたように、現実に配炭公團が処分している炭のうちで、低品位炭は若干余つて來るというような情勢もあり、かたがた需要者側からは、非常に強い高品位の炭に対する要求もあるやに聞いております。もちろんこの点につきましては、一つには販賣者價格自体におきまして、いろいろな観点から高品位炭が比較的割安になつて來て、低品位の炭がある程度割高になつておるという面が、今の低品位炭の処分に相当停滯を來すという原因の一面とも見られます。この点につきましては、物價廳といたしましては石炭の價格の値上げ、特に販賣者價格の値上げの他物資に対する影響というものが、相当廣範囲にわたる関係上、今の物價は原則としてかえないのだという現下の情勢におきまして、なかなか思うような形における販賣價格の合理化ということは、非常にむずかしいと思つておるのですが、そういつた面の矛盾の調整はできるだけ近い機会においてやりまして、低品位炭の処分の円滑をはかつて行くということを、販賣者價格の面でまず考えて行きたい。こういうふうに考えております。同時に高品位炭に対する需要が非常に強い。しかもその生産を促進するがために、高品位炭ができるだけたくさん出るように、今度は生産者價格の方でもある程度調節しなければいけない。それが先ほど申し上げましたメリット主義をさらに徹底しろというような形において、現われて來ているのでありまして、これをどの程度生産者價格に今後織り込んで行くかということが、問題になるのであります。もちろん最近の情勢下におきまして、諸物資がいろいろな形において値上りを見せ、それが直接に炭鉱の負担の過重を來しておる。相当経理面において苦しいという実情を聞いております。私たちといたしましてもまず生産者價格のペースの値上げというような問題につきまして、その面からある程度経理面の改善をはかりたいと思つたのでございますが、その問題は御承知のように三月十日付のメモランダムの趣旨によつて実現できませんでした。こういう観点から見まして現在の價格でやつておつても、高品位炭の炭鉱も低品位炭の炭鉱も、一樣に経理面が非常に苦しいという問題がある。それが先ほどのような要請からメリット主義を徹底するということになれば、低品位の炭鉱は、そうでなくてさえ相当苦しいものがさらに苦しくなる。こういう事情もうかがわれるわけであります。それから低品位炭鉱に対しまして今のメリット主義を強行する結果、さらに苦しくなる。あのメモランダムの線に沿つて合理化することによつて苦しくなるのを、どの程度調整して行けるかということと、それから今の高品位炭を出しやすいように、生産者價格の面である程度緩和して行くことと、この二つの調整をどの程度に妥協点を見出して、今後の生産者價格の配分の問題について考慮して行くかということが、今非常に私たちとしましても一番大きな課題になつております。從いまして先ほど森山委員からお話のありましたメリット主義というものを実行するにいたしましても、一挙にコスト主義をやめてメリット主義一本で行くことは、先ほどのような観点から非常に困難だと思います。できるだけその影響が漸進的に來るような形において、考慮して行きたいと思つております。具体的にそれをどの程度に小刻みにしてやつて行くかということにつきましては、二十四年度の生産計画四千二百万トンという数量の確保が、どの程度の強さをもつて來るかということとも、重大な関連があるのであります。それとの関連におきまして安本、石炭廳と緊密な連絡をとつて目下檢討中でございまして、具体的にこういつた線で進んで行きたいという具体案を、今申し上げる階段に至つておりません。その点は御了承を願います。
#91
○森山委員 今の物價廳の動力課長の御返事では、檢討中であるということでありますけれども、どうも從來この問題に対する政府のやり方を見ておりますと、安本当局において確固たる原案がない。きわめてあいまいである。あいまいなことしている反面、石炭の價格は何百何十円というふうにぴたつときまる。そして最後のしりぬぐいは物價廳に持つて來られるという、從來のやり方があるわけでありますが、私としましては價格をきめること自体は物價廳の任務かもしれないけれども、その價格をきめる基本方針、またその基本方針によつてこうむるであろう産業の処置については、安本当局において確固たる見解があつて、初めてきまるべき問題ではないかと思うのであります。從つてメリツト・システムによるか、あるいは原價主義によるかという問題は、單なる價格問題ではなくて、これは大きな生産行政の一翼として、物價廳が技術的な價格計算をやるのだ、こういうふうな考え方をもつて私は見ておるのでありますが、そうすると今年も今のような状況では、安本の腰がまだまだきまらない状況であるというふうに、考えてよろしいわけですか。
#92
○村田説明員 ただいまのお話でございますが、メリツト主義の要請といつたような点につきましては、あるいはこの委員会の席上で、安本の動力局の方から御説明があつたと思いますが、今度の四千二百万トンの生産計画を達成するにあたりましては、相当高品位高能率の炭鉱に重点をおいて政策を進めて行きたい。從つて資金面その他においてそういつた配慮をするだけでなく、價格の面においてもその要請に應ずるように調整して行きたいということは、安本の方からもはつきりお話があつたかと思いますが、もしなければ今後の機会においてあることと存ずる次第であります。その場合に、そのベースはかわつておりませんで、價格の面でそういつたところに特別な配慮をするようなことになつた場合に、それに反比例をしてと申しますか、それに並行してある程度低品位の炭鉱が圧力を受けるということも十分承知しております。しかもそれについてはどういつた形においてこれを調整するかということについて、相当私たちは事務的に折衝している過程におきましても、安本でも考慮を加えておる、こういうふうに考えているわけであります。さよう御了承願います。
#93
○森山委員 動力課長のお話は物價廳の御意見としてはわかるのですが、一体安本はこれについては何を考えておるかということはどうもはつきりしない。その意味で今日先に委員長にも申し上げたのでありますが、生産当局の御出席を求めたのです。私はこれは動力局長ではないかというお話をしましたところ、生産局長だというようなお話でありましたが、生産局長はこの件について何かおわかりでありましようか。
#94
○石原(武)政府委員 お話のように安定本部には動力局がありまして生産局とわかれておりまして、石炭、電力、石油というようなものはそちらで所管しておりますので、今のお話の通り私の所管でありませんので、ちよつと申し上げかねるのであります。
#95
○森山委員 では次会に動力局長の御出席をお願いいたしておきます。
 実はたとえば石炭行政というような問題でございますが、これは生産体系あるいは價格体系の基本をなす重要問題であつて、こういう問題はまた日本の全産業の一つのモデルにもなるわけでございますから、もつと網羅的と言いますか、單に物價廳はかく考える、生産方面はかく考える、石炭廳はかく考え、物價廳はかく考える、どれもそれを総合してまとめるというようなところが、どうも役割としてはあつたのでありましようが、実際は果して來なかつたということについて、この際ある程度はつきりしておく必要がある、こう考えて私質問申し上げた次第であります。
 次に質問申し上げたいのは、今度の予算案につきましては價格調整費が二千二百億ばかりだつたと思いますが、その中に安定帶物資の関係として本年度約千二億であつたか計上されておるわけでございますが、こういうものに織り込まれてある生産計画の数量というものと、また物價廳が價格行政の場合に基本となつておる生産計画の数量と、先にいただきましたこの二十四年度の物資需給計画の数量と、一体どういう程度の関連があるかということについても、ひとつお伺いいたしておきたいと思うのでございます。というのは石炭の四千二百万トンだけはわかつておるわけでございますが、それからあとは價格に対する場合、補給金に対する場合、あるいは物資配当をする場合、資金計画をする場合、どうも数字が同じになつておらないような感じを受けるのでありまして、こういうようなことでは安本の数字に対しまして、非常にわれわれが不信を表明せざるを得ないわけでございます。少くとも予算、あるいは價格、あるいは資金、その他の物資の配当面について、統一した一つの数字のもとに運用されるのが、しかるべきであると考えるわけでありまして、これについての安本当局の御意見を伺います。
#96
○石原(武)政府委員 今のお話の予算面に出ております安定帶関係の補給金の基礎になる数字は、お話のように実はわれわれの方は需給計画をつくりまして、物價廳その他に連絡してございますが、予算に組みましたと言いますか、安定帶物資の補給金を算定した場合に組みました数字が、その通りであるかどうかちよつと私実はまだ知りませんので、はつきりその通り完全に一致しているのか、あるいは食い違いがあるのか、どうもはつきりとした御答弁をいたしかねますが、もちろんお話のように一致しなければならぬ筋のものだと思います。ただちよつと問題でございますのは、この前いつかその計画をお話申し上げたときに、ちよつとお断り申し上げたのでございますが、肥料等一部その後にその筋との関係もあつて、多少現在の数字が動くことになつておるものもございます。あるいはそれらのものにつきましては、私ども物價廳の方の数字は存じませんが、あるいは最近関係方面と打合せておられるかもしれません。私の方の計画は少し前につくりましたので、そういう新しいものはまだそのままになつておりますのであるいは……。ちよつと私が考えて氣がつきましたのは肥料だけでございます。それ以外にはわれわれの方としては計画数字を動かしておりませんので、大体物價廳と一致しているものと私は考えております。いずれそれは打合せをいたしますればはつきりいたします。
#97
○森山委員 現在の時期において発表しにくい数字もあるかと思いますけれども、できるだけ近い時期において、この数字が明らかに違つている面があるということがはつきりして來る時期も参るかと思いますので、こういうような問題については後ほど明らかになりました時期において、御説明をお願いいたしたいと思います。
 次に生活物資局長がおいでになつておられるので、先ほども酒の自由販賣の問題が出たと思いますが、この際これについて、さきに酒類配給公團が三箇月間だけ延長してから大体事務を廃止する、こういう予定になつているそうですが、この問題について私檢討いたしましたところ、この公團の廃止によつて税が大体五十億ないし百億事実上減收になるのであろうということが、ほぼ予想されております。また酒の配給計画といたしましても、資金繰りその他の関係において、きわめて円滑を欠くという状態が起り、またこのような公團組織がなくなることによつて、家庭特配というものが停止されるという理由の一つになつているということを聞くわけでございますが、最近公團の廃止ということが一般に称えられている。われわれはこの公團の廃止自体に対しては必ずしも反対ではないのでございますが、今日の財政、企業あるいは家計の実情から見まして、この廃止ということに対してはそれぞれ実情に即した廃止の始末をしなければならぬ。ところで最近の公團廃止に対する政府の態度は、あまりにイディオロギー的な態度が見られる。特に酒の場合においてはこれが見られるということを感じている次第でございます。これについて生活物資局長の御意見を伺います。
#98
○東畑政府委員 酒の配給公團の問題につきましては、先ほど申し上げましたことは三月十四日の閣議決定のことを、私は申し上げた次第であります。酒の配給公團につきましては、存置についていろいろ御議論のある点は十分承知いたしております。ただ物的な需給関係から申し上げますと、酒の配給統制をするだけの必要はないという考えを実は私持つております。というのは酒そのものが非常に豊富であると言うのでは決してありませんで、酒が一種の税の対象になつているために非常に高い。そのために有効利用がだんだん減つて参りまして、むしろ余つて來た。こういう関係において需給が緩和されているのは、遺憾と言えば遺憾でありますが、そういう面におきまして配給統制をするだけの物のバランスはとれてないというものでないことは、はつきり申し上げることができると思います。ただ今の御意見の通り、これは別箇の税の問題が実はあるのであります。税の方としてはたして配給公團制度がなくなつた場合に、どういう形で酒の税が予算通りとれるかどうかという問題につきましては、主として主税局の方で檢討していただいておる次第であります。從いましてただいまのところ、私といたしましては閣議の方針に即して、三箇月後は酒の配給公團はなくなるものである。こういう前提でお話を申し上げておる次第であります。さらに政府の方針等が税の関係においてかわりますれば、これはまた別個のことになります。生活物資局長としての関係におきましては、統制をする必要はない。こういうふうに実は考えている次第であります。
#99
○森山委員 公團を廃止することによつて、家庭配給というものが大体なくなるというような傾向にあるということは、ある程度家計に対して負担になるという点はございませんか。
#100
○東畑政府委員 酒につきましては、御承知のように実はいろいろな價格がございます。ただいまの大藏省の一部の意見としましては、そういう價格を全体をプールしまして、平均的な價格で行く。こういうような考えを持つているようであります。そういたしますと、家庭用も一般用も別に價格の差はないのであります。統制を撤廃する上におきましては、実はそういう考慮がいるのであります。そういたしますと問題は、労働者用の酒をどうして確保するかという問題でありますが、労働者用につきましては、庫出税だけを課して、あとはとらないというような考え方もできると思います。そういう考え方も一應できると思います。そういう考え方で労働者用のものだけは、何とかしてこれを確保することも必要があるのではないか。その場合におきましても、はたして公團そのものがいいかどうかということになると、公團がなくともそういう労働者用のものを確保する措置はできるのじやないか。こういうふうに考えた結果、一應物の面からは酒の配給公團は廃止してよいのじやないかという結論に達したわけであります。ただ徴税関係におきまして、はたしてそれがいいかどうかという問題になりますと、これまたおのずから別個の意見があると思いますが、その点は私どもといたしましては、閣議の次第もありまして、ただいまのところ酒類配給公團はなくなるものであると考えて、立案をいたしておる次第であります。
#101
○森山委員 閣議の御決定の線に沿つた御説明を拜聽いたしました。ただ消費者の立場ももちろんあり、さらにその上に税源として百億ないし六十億程度の減收が事実上あるとするならば、この公團廃止はきわめてこの議会開会中のどたばた騒ぎの中に、愼重な研究なく過ぎたという感じを受けるものであるということを、私は申し上げておきたいと思います。それに関連いたしまして、この公團制度というものが二、三年前に唱えられて実施に移されたわけでございますが、この公團制度をつくつたときに、やはり安本が中心になられてこういう制度をお考えになられたと思いますが、これを廃止する場合に統一的な見通し、あるいは全体的な調整というようなものを考えておられるのですかどうか、ちよつと伺いたいと思います。
#102
○東畑政府委員 公團を廃止するかどうか、その全体の調整をどうするかという御質問でございます。公團制度というのは、各公團によつていろいろ存続期間は相違がございます。大体配給物資につきましては、おおむね一年間の期限を切つて今までやつておつたのでありますが、今回はいろいろ統合問題等が起りましたために、全部一應三箇月間の延長をする。そしてすみやかにあとの統合なり廃止等をきめまして、議会の審議を経るということに実はなつておるのであります。從いまして今後の公團につきまして、それをどうするかということは、各物資によつておのずから違いまして、あるいは各公團制度というものはまた存続さして、統制をして行かなければならぬ。たとえば主食のごときものがあります。あるいはだんだんと緩和して行くものもありましようし、また今までの公團物資から落して行く品目等もありまして、基本的にはこうするという一つの方式はないと思いますが、廃止するにあたりましては今後政令をきめまして、安本といたしましては閉鎖機関的にこれを扱つて処理して行く。閉鎖したときにはなるたけ簡單な清算に終るような考え方で、今後も行きたいと考えております。
#103
○森山委員 私先ほど石炭問題あるいは公團問題についていろいろ申し上げましたことは、要するに、たとえば統制を撤廃するにしろ、あるいは何らかの措置をとるにしろ、その反面において必ずいろいろな影響がある。その影響に対してある程度の手を打つなり何なりということを考えておるのかどうかということが、私の質問の要旨であつたのでございまして、石炭の問題にいたしましても價格改訂をしてはならぬ、赤字融資はしてならぬというような三原則の線に沿つて、一應石炭價格は動かないということになつておるのでありますが、事実高品位炭にはメリット・システムの採用をいたし、價格改訂が行われる。その反面に低品位炭は價格の値下げを受ける。それによつて経済が成り立つて行かない場合においては、強いものはその資本の力その他にまかせてどんどん伸びろ、弱いものは倒れてもよろしいというような考え方をもつて、今後の経済政策を律すべきものではないということを深く考えて申し上げたわけであります。酒の問題にいたしましても公團を廃止するという基本方針はかりにいいといたしましても、廃止することによつて生ずるところの大きな弊害というものに対しては、よほど政府において愼重に考えておいていただきたい。いたずらに自由々々と叫んでおつても。その自由の反面に伴うところの今日の時勢における弊害というものを、愼重に考えていただきたいということでございまして、安本当局におかれましても今後の企画立案において、そういう総合的な御見解をお持ち願いたいと思う次第であります。
#104
○小野瀬委員長 それでは私から森山さんの冒頭の発言に対しまして一言申し上げておきます。先ほど森山委員から委員会の運営状況について御意見があつたのでございますが。まことに適切な御意見と私傾聽いたしました。本委員会の運営状況がどうも行き当りばつたりのようである、これから議題を明確にして審議してはどうかというお話でございますが、私もさように考えますので、今後はでき得る限りさようにいたしたいと考えております。ただ私最初の打合せのときにも申し上げました通り、この委員会独自の法案がないために、その議案がまわつて來るまではまとまつた問題がないので、その間を利用いたしましてでき得るだけ皆さんの御質疑をしていただいた方が適当ではないか、かように考えまして実は今日まで運営して参つたのでございますが、御意見はまことにごもつともだと存じますので、でき得る限り御意見に沿いたいと思いますから、さよう御了承を願います。なおまた委員長に対する御注意がございましたが、前会から御発言がありましたのをあとまわしにいたしました点、まことに申しわけございません。あしからず御了承願いたいと思います。ほかに御質疑はございませんか。
#105
○永井(英)委員 私はこの次の機会に、配炭公團の廃止によるその後の配給機構について質問いたしたいと思いますが、配給機構に関係ある政府委員の方に、この次に御出席願いたいと思います。
#106
○小野瀬委員長 了承しました。ほかにございませんか――それでは本日の委員会はこれで散会いたします。次会は十八日午後一時から開会いたします。
    午後五時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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