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1949/04/18 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 経済安定委員会 第7号
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1949/04/18 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 経済安定委員会 第7号

#1
第005回国会 経済安定委員会 第7号
昭和二十四年四月十八日(月曜日)
    午後一時四十二分開議
 出席委員
   委員長 小野瀬忠兵衞君
   理事 首藤 新八君 理事 前田 正男君
   理事 森   曉君 理事 加藤 鐐造君
   理事 森山 欽司君 理事 高田 富之君
   理事 金光 義邦君
      足立 篤郎君    池見 茂隆君
      小川 平二君    中村  清君
      中村 純一君    永井 英修君
      細田 榮藏君    高橋清治郎君
      横田甚太郎君    田中不破三君
      平川 篤雄君    羽田野次郎君
 出席政府委員
        経済安定政務次
        官       中川 以良君
        総理廳事務官
        (経済安定本部
        動力局次長)  田中  茂君
        大藏事務官
        (理財局長)  伊原  隆君
        運輸事務官
        (陸運監理局
        長)      小幡  靖君
 委員外の出席者
        総理廳事務官  福田 久男君
        運輸事務官   高野 武男君
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
    ―――――――――――――
四月十六日
 旅館宿泊料金に対する統制撤廃の請願(小笠原
 八十美君外二名紹介)(第四〇四号)
 絹、人絹力織機復元資金融資に関する請願(平
 島良一君外十名紹介)(第四〇七号)
の審査を本委員会に付託された。
同月十四日
 單一為替レート設定に伴う政府補償制度確立の
 陳情書(福岡縣議会経済常任委員長野田貫造)
 (第一六〇号)
 魚の統制撤廃に関する陳情書(千葉水産会長平
 岡為彦外二名)(第一七九号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 米國対日援助見返資金と昭和二十四年度資金計
 画に関する件
    ―――――――――――――
#2
○前田(正)委員長代理 ただいまより開会いたします。
 自動車の統制撤廃に関し高橋委員より質疑の通告がありますので、これを許します。高橋委員。
#3
○高橋(清)委員 戰時中に各地区の自動車会社を統制いたしまして、今日なおそのままになつておるのであります。これは今日業者の方においても、また荷主側におきましても、非常に現実においては不適当なものである。これを早く統制を解いて、元の統制前に還元してもらいたいという要望が各地にあるのであります。しかるにその解散したのち一地区、三十台なければ営業権を與えないということを、運輸省の方では各道監の方へ指令を出しているというような話でありますが、その間の消息を承りたいと思うのです。
 それからもう一つは、乘合自動車の路線の問題でありまするが、路線の権利だけ取つておいてこれを使用せず、ただその人が権利だけずつと維持しておつて、他の業者がこの路線の乘合の営業をやりたいと思つても、その一個人が路線を保持しておるためになかなかできないというような事実がありますが、これに対してもかくのごとき一業者の権利を、擁護するようなことは撤廃していただきたい。この件について当局の御所見を承りたいのであります。
#4
○小幡政府委員 お答えいたします。自動車の路線の免許の問題につきましては、これはもう皆さん御承知だと思いますが、現在道路運送法に基きまして、道路運送委員会というのが全國九ブロツクにわけて、それぞれ地方道路運送委員会というものを組織しております。各府縣から二名ずつ知事の推薦に基く委員が出まして、その委員でもつて地方の道路運送委員会というものをつくつております。それからその各委員長が中央に集りまして、中央委員会というものを組織しております。この道路運送委員会にかけて、自動車の免許というものは今それぞれ決定するわけであります。形式上大臣の諮問機関になつておりまするが、実質上はほとんど決定機関ということに相なつておりまして、道路運送委員会でもつて決定することになつております。免許の基準につきましては、まつさきにこの道路運送委員会ができましたときに、免許基準をどうするかということで一應討議をしたのでありまするが、その結果といたしまして発表いたしてありますものには、もちろん両数はいくらとかいうようなことは全然つけておりません。ただ資力、信用という点はもちろん考えなければなりませんので、相当程度の資力、信用があり経営権もある、こういう点を考慮して免許するということになつておるのであります。三十台といつたようなものを限定いたしているわけではございません。これは所にもよりますし、また路線の性質によりまして、もう少しよけいなければならぬというものもありましようし、またそれより多少少くてもやつて行ける、十台くらいあればもう十分だという路線もあるわけであります。そういう路線の性質いかんによりまして、おのずからきまつてくるのであります。ただ一両を持つているものがすぐやるといつたようなことは、これは資力信用が十分でありませんから、万一の場合に賠償責任にも應ぜられぬ、こういうことではもちろん困ります。そういう点を考慮して資力、信用というものに思きを置いておりますが、決して数字的にはつきりと、三十台以上でなければいかぬというようなことをきめていることはございません。
 それから第二の御質問の、ただ路線権だけを持つておつて、実際に営業していないというのでありますが、これは非常にごもつともでありまして、実は今までにすでにたくさん免許を受けている路線がございまして、今日非常に窮乏した実情になりましたものでありますから、実際にその全路線の運営ができておりません。昨年私の方で調査いたしましたときには、四十四、五パーセント以上というものが休止路線になつております。実際の権限を持つているものの半分近いものが、休止路線ということになつておつたわけであります。これではもちろん困りますので、これに対しましては私の方で手配いたしまして、たとえば水害等のために完全に道路がこわれてしまつて、とうていそこは運行できない、こういつたようなものは廃止路線として、免許取上げという処置をいたしました。また現在自動車の不足、あるいはタイヤ、ガソリンなどの不足もあつて、運行が実際においてできていないというようなものは、業者の方でやる意思があるかないか、やれるかやれないかということを究明いたしまして、それはとうていやれぬということならば、免許の取消しをやるという処置をいたしたのであります。今はその点で着々相当程度のかたをつけておるわけでありまして、いずれそういつた点をはつきりと確定するところまで行くと思いますが、一方そういうふうに遊ばしておく路線に、新たな業者の申請があつた場合におきましては、既得権を持つております業者の方で、ほんとうにやる意思があるかないか。またかりにあるといたしましても、やる実力があるかないか。これをよく調べました上で、新たな路線を認めた方がいいということになりますれば、当然新たなものに免許する方針でやつております。これは今まで遊ばしておく路線があるから、その路線権だけを認めて、新たな業者の方を認めないというようなことで、地方民に御迷惑をかけるということは、絶対にやらないという方針で進んでおるわけであります。もし具体的にそういう例がございましたならば、お示しいただきますれば、ここで御回答できませんまでも、すぐ調べまして御回答を申し上げます。
#5
○高橋(清)委員 今の乘合自動車の休止路線の問題はわかりましたが、私の第一にお尋ねいたしたいのは、前に申しました通り貨物自動車の問題であります。たとえて言うならば、宮城縣に大崎貨物自動車輸送株式会社というのがございます。これは大崎地区の各郡のトラツク会社を戰時中に統制いたしまして、大崎貨物自動車輸送株式会社としたわけであります。ところが各郡の業者は、今の統制された状態にあるとますます赤字になつて行く。また荷主も非常に迷惑しておる状態なのです。自家用がふえまして、企業が成り立たぬ状態になつておるのです。それで今の統制会社を、終戰前の一つの郡單位の会社に還元させてもらいたいという希望なのでありますが、それに対しまして仙台の道監の方では、それはまかりならぬ、ますますこれを強化するという通牒を過般出しておるようなわけであります。そして還元しても三十台なければ営業権を與えないということを申しておる。この方面を言つたわけなのであります。これをお伺いしたいと思います。
#6
○小幡政府委員 トラツクの関係はお話の通りで、実は戰爭中にトラツク会社の統合ということを相当慫慂してやらしております。それが今日実情に合わなくなつておるので、それを解体させてくれという、いわゆるトラツク会社解体という問題でありますが、この声は全國的に相当強いのであります。私どもの方といたしましては、解体を認めないという方針ではございません。現に廣島縣あたりを初めといたしまして、数個の会社に対しては、縣全部を統合して縣貨物自動車といつたようなかつこうでやつておりましたものの解体を認めております。この点も解体を認めないという方針はとつておりませんが、ただ解体をやたらに許しますことは、当然不当な競爭が起るということが一つと、それから資材の関係が非常に少い今日でありますから、なるべく有効に使わなければならぬというところから、これを数個にわければわけるほど、使い方が不経済になるということが言えると思います。大きなものでありますれば、要らぬところはなるべく使わぬようにやつて参りますが、わかれますとそれぞれでもつて、たとえば空車の走る区間も長くなるという問題があるのであります。從つて非常に足りないものを有効に使うためには、なるべくロスを少くするという点から言いまして、時に解体するということが第二に考えられる。さらに第三といたしまして、先ほどもちよつと申し上げましたが、小さくなりますとどうしても資力、信用という面から落ちて來るという点がありますので、その点もよほど考慮しなければならぬという問題が一つ、さらに第四といたしましては、特に労働組合の方から解体に対して相当強行な反対があるのであります。小さくわかれればわかれるほど待遇が落ちて來るという要請でありまして、これに対しても、もちろん程度の問題もありますが、ある程度認めてやらなければならぬという氣持もいたしております。そういういろいろな点を勘案いたしました上で、解体しかるべしと思えるようなものに対しては解体の方針をとつております。現に先ほど申し上げたように、今までも数個の会社の解体をすでに認めました。しかしながらやたらに解体するということは、地方の要望が非常に多いのでありますが、この要望を一々うのみにするという考え方は、とるべきでないと思つておるのでありまして、その間の事情をよく檢討した上で、認めるものは認める、こういう氣持で進んでおるわけであります。
#7
○高橋(清)委員 大体お話はわかりましたから、あと具体的な問題につきましては、いずれ省の方へお聞きすることにいたしまして、私の質問はこれをもつて打切ることにいたします。
#8
○首藤委員 今の問題に関連して、ちよつと御質問申し上げたいと思います。
 不当な競爭を避けるというようなことと、貴重な資材を濫費するというようなことから、こういう方法をとつておるということでありまして、私もそういう趣旨には全面的に賛成するものでありますが、企業許可令が撤廃され、また独禁法が制定された今日、しかもなおかつこういうことが行われるということは、企業許可令撤廃の精神に反すると思いますので、これはどういう根拠のもとに行われるのであるか、この点をお伺いしたいと思います。
#9
○小幡政府委員 御質問の御趣旨はごもつともと思います。実は今までも、主として資材の方、特に自動車関係の資材は、御承知の通り一番大事なものがタイヤとガソリンであります。タイヤとガソリンはいずれも輸入資材でありまして、九〇%以上は輸入に仰いでいるという実情にあります関係上、これの配給ということにつきましては、特にやかましく関係当局の方から注意を受け、またよほどこまかな資料をつくつた上でもつて、それに基いて配給するという行き方に現在なつているのであります。この面から濫費を防ぐということを非常にやかましく言われ、他の面から見ると、かりに免許の問題では、免許しかるべしと思われるようなものでも、それを多くつくるとそれだけ分散させることになつて、全体の輸送力の点から見るとかえつて阻害するというような関係で、今までもその面から制約を受けて参つたのであります。特に九原則が実施せられることになりましたから、その点は格別強くなつたのであります。從つて一時的に統制の必要なものはある程度統制を強化しなければならぬ。全体的には統制をなるべく早く解除して行くという方針は当然だと思うのでありますが、特別なものに限つて、一時的にある程度統制を強化しなければならぬという注意を、最近私の方では受けているのであります。もちろん、私ども袞龍の袖に隠れて云々するわけではありませんが、氣持から申しまして、この御指示は一應ごもつともだと思います。そういう面から、統制の廃止という方針には一時的にさからうことになりますが、そういう考え方のもとにある程度の統制を加えて行く、こういう行き方であります。
#10
○首藤委員 私はその趣旨は非常にけつこうで、こういう方法をとりますことは非常によいと思いますが、ただどういう根拠によつてそういうことを行われておるか。これをお伺いしたいと思います。と申すのは、実はほかの産業において、資材が全部輸入である。たとえば自動車のタイヤと同じように、その原料が全部輸入資材である。從つて濫費してはいかぬような産業におきましても、企業許可令撤廃、また独占禁止法というような面から企業の自由が認められて、新企業を押える方法がなくて実は困つておる。輸入の絶対量は少しもふえないのみならず、むしろ減つておる。しかも企業は企業許可令の撤廃からだんだんふえて、各企業体の操業率は急角度に低下している。從つて各企業体とも採算が困難な状態になつているにもかかわらず、なおかつ企業許可令の撤廃という点から、どうにもならないような状態に置かれている産業が非常に多い場合に、自動車の面にこういう方法が行われているということは、これは非常によいと思いますが、ただどういう根拠でそれが行われるか、それをお伺いしたいと思います。
#11
○小幡政府委員 道路運送法に、言葉はその通りであつたかどうかということはちよつと覚えておりませんが、不当な競爭を起すといつたようなおそれのあるものについては、免許はしないということをはつきりと示されております。この精神でやつておるわけであります。
#12
○首藤委員 そうすると企業許可令の撤廃ということは、憲法では要するに企業の自由を認められておる。その上にこういう特殊なものは、こういう特殊な法律が行われることが認められておるわけですか。
#13
○小幡政府委員 道路運送法は、一昨年の十二月だつたと思いますが、國会を通過いたしましてでき上つた法律でありまして、昨年の一月一日からこれを実施いたしておるわけであります。この法律にはつきりその点のことは示されております。それに基いてやつております。
#14
○前田(正)委員長代理 首藤さんよろしゆうございますか――それでは議事進行について横田さんから発言を求められておりますから、これを許します。
#15
○横田委員 現政府として、経済安定委員会に対して相当の法案を出されると思うのですが、それはいつごろ出るのかということをお聞きしたい。なぜかと申しますと、経済安定委員会にわれわれが参加しまして受けた感じというものは、まるで官僚が開いておるところの安本学校に入学したようなものだ。いつまでたつても祕密会とかなんとかつまらぬ話を聞くばかりだ。官僚の言われるところの言葉は、必要であるとなれば、お招きもし、またこちらからも行つて聞く。また雜誌にも本にも載つております。だから委員会としては委員会としての活動をやつていただきたい。そうしない限りにおいて、われわれが、今までやつて來られた官僚統制あるいは官僚が中心になつてやつて來た政治に対する、反対のために出て來た意味がないのです。だから早く法案を出していただいて、出されるのだつたら、どんな法案をいつごろ出されるのかということをはつきりしていただきたい。
#16
○前田(正)委員長代理 この件につきましては、私の方からも政府に対しまして、早く出してくれるように、及びいつごろ出されるかということについて、政府に取調べを求めることにいたします。なお本日はこの前の委員会におきまして、見返資金特別会計のことについて説明を聞くということになつておりましたので、今それを聞くことにいたしたいと思います。
    〔前田委員長代理退席、委員長着席〕
#17
○小野瀬委員長 去る十六日、大藏委員会において修正議決された米國対日援助見返資金特別会計法案は、法案の性質上本委員会と密接不離の関係を有し、過日の委員会においても、委員間に大藏委員会との連合審査会開会の強硬な意見も出たのでありますが、予算委員会との関係もあり、審議の時間的制約もありましたので、連合審査会を開会するに至らなかつたのであります。しかしながら本委員会といたしましては、特に本年度の資金需給計画との関運において、対日援助見返資金を檢討いたす必要がありますので、本日特に議題といたした次第でございます。それでは政府委員中川政務次官の御説明を求めます。
#18
○中川(以)政府委員 対日援助見返資金の件につきまして、ただいままでの状況について一應御説明を申し上げたいと存じます。
 御承知のごとく、本年度よりは從來のイロア、ガリオアで参りましたアメリカの援助資金がはつきり予算面に出まして、対日援助見返資金として計上されることに相なつた次第でございます。これが予算面にございます通り大体千七百五十億円を見ておる次第でございまして、これが使途につきましては、ただいまのところ細部の決定にはまだ至らない段階にある次第でございまして、ただきまつておりますることは、その中から二百七十億、これは百五十億を鉄道の建設資金、百二十億を通信関係の建設資金に出すということが決定されております。残りのものはどうなるかと申しますと、これは先般法律案として出ておりまするように、一應この援助見返資金は特別会計といたしまして、大藏省でこれを管理いたすことに相なつております。これの使途につきましては、経済安定本部におきまして、援助資金運用協議会とでも申しまするものをつくりまして、そこでこの使途にいろいろ檢討を加えまして、関係方面に差出し、いろいろ関係方面の指示を受けまして、ここで初めてこの用途が決定することに相なる次第でございます。今後は從來のような復金の融資もございませんので、この対日援助見返資金が今後の日本経済の復興のためには、最も貴重なる資金と相なる次第でございまして、ただいまのところ大体考えられておりますのは、このうち大半のものが復金債、公債償還に充てられると存じます。残りのものが産業資金にまわる。ことに建設関係の資金にこれが向けられるというようなことに相なると考えております。そこで復金債、並びに公債の償還は、日銀に保有しておりまするものを償還するか、市中銀行に持つておりまするものを償還いたしまするかは、まだ決定しておらないようでございまするが、いずれにいたしましても、銀行の手持ち資金はそれだけ出るわけでございまして、かりにたとえば八百億くらいの償還がこれに見込まれるといたしますると、それだけのものは銀行の手持ちができまするので、これは一應直接間接に産業資金として振向けられるように相なると考えております。この際に政府といたしましても、融資に対する今後の規正につきましては、かような市中銀行の資金が今後の日本経済の復興に役立たない面にいたずらに向けられましても、これは非常に大きな問題でございますので、重点的に必要なる産業に向うように、これが指導規正をいたさなければならないと考えております。なお関係方面と折衝をいたしまする資金につきましては、ただいま考えられておりまするのは、一般普通市中銀行からの融資がきわめて困難視されておりまするところの電源開発であるとか、あるいは石炭工業の面でございますとか、その他基礎産業の面に、おそらく相当な部分が向けられることに相なると考えております。この点はただいまいろいろ檢討をいたしまして、関係方面に日本の産業の実態を率直に申しまして、できるだけ合理的にこれが資金の運用をいたして行きたいと存じまして、ただいま懸命に努力をいたしておる次第でございます。
 なお細部の点につきましては、担当官も参つておりますので、御質疑によりましてお答えを申し上げたいと考えております。
#19
○小野瀬委員長 ではこの際続いて政府委員理財局長伊原隆君から御説明をいただきたいと思います。
#20
○伊原政府委員 ただいまの安本の政務次官からのお話で、私から特に申し上げる点もございませんので、御質問によつてお答えした方がいいと思いますが、いかがでございましようか。
#21
○小野瀬委員長 実はまだ委員会の方に安定本部の方から資料がまわつておりませんので、各位におかれましても質問の御用意もあるいはないかと考えます。むしろこの際は伊原政府委員から中川政務次官の御説明に対する補足的の御説明をお願いして、資料をいただいてさらに御質疑を願うようにした方がよろしいと思いますが、いかがでございましようか。
    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#22
○小野瀬委員長 それでは補足説明をお願いしたいと思います。
#23
○伊原政府委員 ただいま政務次官から御説明がございましたが、実は大藏委員会の方にお配りいたしました資料としまして、司令部から四月一日付で参つておりますガリオア及びイロア輸入による見返り円資金に関する覚書というのが、米國対日援助見返資金特別会計法のもとになつておりますが、その資料と、それから欧州諸國におきますいわゆる見返り資金のある程度の実情につきまして、資料がお配りいたしてございまするので、これをこちらの委員会にもお配りいたしたいと存じます。対日援助の特別会計は四月一日に向うから参りました覚書に基いておりまして、その覚書では、從來貿易資金特別会計で、言葉は惡いのでありますが、漫然と輸出補助金に使われておりました金額につきまして、アメリカのガリオア並びにイロアによる援助資金は、賣却いたしました見返りの円資金を特別の勘定として設けるように、そしてその特別の勘定を設けました場合に、向うからドル資金を通知いたして参りまして、その司令部からの通知によりますドル資金を、やはり司令部からの通知によります換算率で換算した円資金に相当するものを、この勘定に振り込むようにということであります。予算上は千七百五十億円ということに相なつておりますが、指令の性質によりますと、向うからドル額を示して参りまして、それに対する換算率をも示して参るということに相なつております。これの使用につきましては、欧州における各國の例と実質的には同じように、日本の政府では総司令部の承認を得て、これを使うということに相なつておるわけであります。その使い方につきましては、これも政務次官からお話がございましたように、直接に産業資金に貸し出す場合もございまするし、関接に日銀または金融機関の國債、復金債等を買い入れまして、産業資金を補充することによつて貸出しをいたす場合もあるのでありますが、ただいまきまつておりますのは、先ほど政務次官のお示しの逓信鉄道で二百七十億の公債を発行いたしまして、それを引受けることと、予算上はつきりは見えておりませんけれども、復金債六百二十四億六千七百万円というものは、交付公債を復金に交付いたしまして、復金債の現金償還をいたすことに相なつておりますが、この六百二十四億六千七百万円の復金債の償還のために、おそらくはこの援助資金によりまして交付公債を引受けまして、これで現金を得て復金が現金償還するということに相なるのではないかと、予想いたしておるわけであります。なお産業資金に幾ら、公債の償還に幾らということ、その他の点についてはきまつておらないのでありますが、大体の考え方は、産業資金につきまして直接貸出しをいたします分は非常に大口で、かつどこどこの設備というふうにきわめて特定したところであつて、かつ基礎産業に限られるのではないかというふうに今のところ考えております。しかもいわゆる復金の從來の融資のかわりというふうな、全然同じ性格のものではないと思われるのでありまして、非常に大口の基礎産業、しかもそういうふうな場合にももちろんでありますが、明確に利子を規定しかつ償還計画をつけて、その資金を使用いたしましたことによりまして、どれだけの生産が上り、どれだけの効果があつたということが、きわめてはつきりするものでなければならないというふうに、ただいまのところ言われておるのであります。小口のもの等につきましては、國債、復金債等を金融機関並びに日銀等から買い上げまして、それによつて得た資金によつて、金融機関が自分の責任において貸出しをするということに、相なるだろうと思うのであります。ただその場合におきまして、たとえば日本銀行の所有の公債は二月末におきまして六百七億ほどございますが、これは日銀の公債が償還になりますれば、よろしいのでありますが、そのままにいたしておきますと、それだけデフレーシヨンになりますので、こういうふうな場合には日銀から貸出しをいたしますなり、日銀が市中の銀行から公債その他の証券を買い入れまして、いわゆるマーケツト・オペレーシヨンによりまして産業資金を供給して行く。それからまた市中の公債が二月末で千百六十九億に相なつておりますが、この市中の公債を返した場合には、手元資金が樂になるわけでありますけれども、そのうちでたとえば二百八十三億というふうな数字は、日銀の貸出しの担保に相なつておりますので、これらの部分を直接返しますと、日銀の貸出しが收縮するという結果だけになりますので、こういうふうな場合にも日銀から再び貸出しをするということが、必要になると思うのであります。かたがた日本銀行の信用政策が非常に重大に相なりますので、別途日本銀行法を改正いたしまして、日本銀行の中に政策委員会というものが設置されるというようなことになりまして、信用政策にも遺憾なきを期するというふうなことになつておるわけであります。予算といたしましては千七百五十億を含めまして予算が均衡いたしておりますので、この千七百五十億を経済界に何らかの形で還元いたしませんと、それだけデフレ的の関係に相なりまして、この千七百五十億円の使い方がデフレ基調にあります経済界を、デイスインフレのラインにどういうふうに調整して行くかというかぎと言いますか、てこのような役割を勤めるだろうと思うのであります。お手元に差上げました資金計画においては、通貨は二十四年度を通じまして増減なしというふうな観点、それから千七百五十億のうち二百七十億を差引きました千四百八十億というものは、直接または間接に産業界に全部還元して産業資金として供給をするという建前で、資金計画を組んである次第でありまして、日本側としてはこれが全部経済界に還元されるということを望んでおるわけであります。それからこれの運用の機構については過般閣議で一應のものがきめられまして、資金計画の一環としてこれの運用についての大綱を安定本部できめていただく。そのために各省と安定本部との間に運用の協議会をつくる。そのきめられましたところに從いまして、この資金の管理者であります大藏省が、國債の償還とか貸出しの仕事を行うということに相なつております。
#24
○小野瀬委員長 伊原政府委員からただいま補助的の説明があつたのでありますが、各委員からの御質問の前に、たいへんお忙しいそうでありますから、伊原政府委員のおられる間に私から御質問申し上げたいと思います。
 この米國の援助資金の中から新規建設公債としては二百七十億にきまつておる。その他残りの千四百八十億円は産業投資及び國債買入れということに相なつておりますが、この内訳はこの前新聞でいくらか出ておつたというふうに考えておりますけれども、大体どれくらいの割合でこれが産業投資と國債買入れにまわされるのですか。おわかりになればお伺いしたいのであります。
#25
○伊原政府委員 正直に申し上げましてそのうち幾ら直接に産業にまわり、それから公債償還等を通じまして間接に幾らが産業資金となるかということはきまつておりません。ただ日本側として先ほど政務次官がおつしやいましたように、長期の設備資金の運用が、復興金融金庫がなくなりましたために非常にむつかしくなりますので、なるべく多額にこちらから長期の設備資金として電源開発とか石炭、鉄鋼、造船というふうな基礎産業に直接に貸出しがあることを望んでおります。しかし政府部内では五百億、七百億といういろいろな案もございますが、まだきまつたものはございません。
#26
○小野瀬委員長 なおお尋ね申し上げますが、ただいまの産業資金と申します方面は、大体電源開発とかあるいはその他の工業方面の設備資金と伺つたのでありますが、農業の復興資金とか災害の復興とかあるいは土地改良だとか、さような方面へまわすことはできないのでございますか。
#27
○中川(以)政府委員 農業方面にもぜひ出していただきたいものだと考えまして、ただいま努力をいたしております。
#28
○小野瀬委員長 今まで予算を拜見いたしますと、農業方面の資金が非常に少いようでございますので、安本においては総合計画を立てる上にあたりましては農業の方面――特に現今においては食糧事情が非常に逼迫しておる折柄でございますので、干拓あるいは土地改良、灌漑排水等、そういう方面に多額の融資をしていただけるように御努力が願いたいと思います。ぜひ安本といたしてはその点に重点を置いて、お考え願いたいと思います。
#29
○中村(純)委員 今度の予算の編成及び執行に伴いまして、これがいわゆる安定恐慌になるか、あるいはデイスインフレのラインで動くかということについては、これは國民として非常に重大なる関心と、ある意味において不安を持つておる事柄であろうと思います。すでに他の委員会等において質疑應答があつたことと思いますが、非常に重大な問題であると考えますので、多少重複する点があるかもしれませんが、二、三お伺いしたいと思います。
 まず資金のわくの問題でございますけれども、今一番問題になつて考えられておりますことは、資金調達の問題であろうと思いますが、その中にはまた少しこまかく考えてみますと、先ほど政府側からお話のありました電源の開発というような、將來の増産のための長期資金もあるのでございます。それもむろんけつこうであります。いま一つは、これも今委員長からお話の出ました農業方面の長期金融の問題でございます。これが今回の財政面において見ることがほとんどできなくなつておる状況でありますので、どうしても金融面においてこれを考えて行かなければならぬ、かように大体見ております。日本の農業状態から考えまして、農業金融の長期金融をすべてコマーシヤル・ベースでやつて行くということについては、あるいは今日の実情に即しない面が出て來るかと思うのでありますが、政府もこの方面について相当のわくをおとりくださることを、特にわれわれとしても希望をいたしたいのでございます。さらにまた長期金融の問題でございますが、ただいま申し上げたような將來の生産増強のための長期資金、また農業方面の資金のほかに、当面の問題といたしまして為替一本レートの設定に伴いまして、各企業の合理化の問題が必然的に起つて來るわけでございますけれども、遺憾ながらわが國の産業設備がずいぶん老朽しておるものも、各方面に見受けられるのでありますが、これをそのままにしておいて産業合理化を進めます場合には、どうしても労働強化のラインのみにそのしわが寄つて來るおそれも考えられるのであります。その場合において当面の産業合理化の観点からも、各種の産業設備の改善という方面における資金供給の面も、十分に考えていただきたいと思うのでありますが、その辺のところの御意向も聞かしていただきたいと思います。
 それからただいま申しましたのは、長期金融の面でありまするが、金融面におきまして、今日穴と申しますか、焦点的に取上げるべき問題は、今の長期金融の問題のほかに、農林、水産、また中小工業といつたような方面の特殊金融の面が、どういうふうに考慮せられておりまするか。これがまた一つの大きな問題ではなかろうかと思うのであります。いま一つは、産業合理化に伴いまする整理資金の問題、これまた相当の数字をもつて現れて來る問題じやないかと思います。この長期金融、特殊金融、整理資金の問題等大体こういう点につきまして、大よその御構想を承りたいのであります。
#30
○中川(以)政府委員 本年度の予算面を見まして、非常な金融恐慌が來、いわゆるデフレーシヨンになるのではないかということが、各方面で非常に懸念をされておるのでございます。しかしこれはドツジ声明にもございまするごとく、まず日本の経済をここで急速に安定をいたしまして、その安定の上に復興をするという考え方が、強くこの予算面にもはつきりと現われている次第でございまして、当初私どもの考え方では、日本のインフレを徐々に收束をさせまして、いわゆるスロー・ダウンさせまして、本年、明年、昭和二十五年において收束をさせる。しかも一方復興の方は、その期間十分に復興をして行く、こういう構想をもちまして、いわゆる経済復興五箇年計画を立てておる次第でございます。そこで昭和二十八年には、大体昭和五年級の水準に持つて行くべき考えでおつたのでございますが、ドツジ公使が参りましてからの構想は、ともかくも今の竹馬経済を改めて、根本的に通貨の安定をなし、経済の安定が第一主義である。それにおいてこそ初めて外資の導入も來ようし、また今後きまるべき対日為替レートの維持もできるんだということを強調しております。これはまつたくその通りでございまして、從來各企業が政府の援助にあまりにもおぶさり過ぎ、また政府もきわめて放漫なる政策をとつておつたという点には、お互いが大いに反省をしなければならぬことだと考えておる次第でございます。ただ今お話のございましたごとく、從來、ことに昨年のごときは千五百億ぐらいのものが、各公債とかあるいは日銀の通貨の増発等において、政府資金がまかなわれて参つておりましたものが、今後は通貨の増発は全然しない。また從來復興に対しまする一つの注射剤といたしまして、復興金融金庫があつたのでございまするが、これも今後ほとんど活動をいたし得ない状態になつて、今後はまつたく自己による、いわゆる産業の民間の投資と、それから一部政府の保險等による見返りのごく少数の出資、その他アメリカのいわゆる見返り援助資金等によらざるを得ない状態にある次第でございます。そこでただいまお話のございました農業方面等につきまして、たとえば災害の復旧であるとか、あるいは各農業増産に要しますところの建設資金等、非常に困ることになりはせぬかというお尋ねでございました。と同時にまたその他一般基礎産業の面におきましても、相当困難な問題が現われて來るのではないかという御質問でございましたが、政府といたしましては、本年は各産業に対する補給金も、御承知のごとくはつきり予算面に出しまして、厖大な数を出しているのでございますが、まず政府の支出につきましては、極力これを圧縮いたしまして、補給金等のごときも、これは各企業を助成する補給金ではなくて、眞に消費者の便宜のために、いわゆる物價が低位に安定いたしまして、消費者の実質生活が樂になり、これが向上して行くという意味の補給金でありまして、決して特定の産業を助成して行くという意味の性質のものではないという見解のもとから、あくまで各企業の合理化、これが経済の自立化に対しまして極力鞭撻をし、これらの企業の努力によりまして、この補給金も逐次減少をいたして参つて、國の出費を少しでも軽くいたす考え方でおります。しこうして本年の生産計画は、御承知のごとく石炭が四千二百万トン、普通鋼材が百八十万トン、硫安百万トン、石炭窒素二十八万トン、セメントが二百八十万トン等の大体生産計画を立てつつある次第でございますが、これに対しまするところの資金の裏づけというものがはつきりいたしませんことには、今後この生産計画を実施いたします上におきましても、非常な困難が伴うことであろうと存じます。
    〔委員長退席、首藤委員長代理着席〕
 そこで見返り資金の運用につきましては、一般産業の企業努力をお願いいたしまするとともに、これに対する最小限度の資金をはつきり裏づけするということに対して、ただいまあらゆる努力を傾倒いたしておる次第でございます。ただ本年は昨年と違いまして、建設資金のごときも、今後いろいろな物價が高騰するということは考え得られないのでありまして、おそらく昨年の百億円は、本年は百五十億にも六十億にも有効に使える段階に入るのではないかという期待をもつておる次第でございまして、資金計画につきましては、お手元に差上げておりますところの二十四年度の総合資金需給見込概算にもございまするごとく、大体産業資金といたしましては、ただいま経済安定本部において大藏省といろいろ御協議をいたしまして、概算的にこの程度ときめておりますものが四千七百五十二億を見ている次第でございまして、昨年の四千六十億に比べまして相当増額を見ております。しかもこのうち、先ほど來お話のございました建設資金に向けまするものは、大体一千六百億円くらいを押えておる次第でありまして、今後政府が賢明なる施策をいたしまするとともに、各企業に企業の合理化、これが自立化に対しまして一段の熱意を傾倒してもらい、また國民おのおのが刻下のきわめて重要なる時期におきまして、耐乏生活に甘んじて協力をいたす上におきましては、決してデフレーションのごときを招くことはなく、われわれの考えておりますところのデイスインフレーシヨンの状態をもちまして、日本の経済が刻一刻安定に向うものと私どもは信じておる次第でございます。
#31
○足立(篤)委員 私は三点についてお伺いします。第一は、安本でつくられました資金の需給計画、この表を見ますと、復興金融金庫の資金の配分がゼロになつておりますが、從來貸し付けました資金の償還があると思うのでありますが、これはどういうふうに扱われるのか。あるいは復金債の償還に充てられてしまうのか。そうとすれば、復金というものに対する今後のお考えはどういうように考えられているのか。開店休業のまま行くのかどうかということについて、第一にお伺いしたいと思います。
 第二はその上の欄に金融機関の投融資、これが二千五百三億という相当大きな数字になつております。これはおそらく貯金を見返るものであると思うのでありますが、これは各個ばらばらの金融機関が貸し出すわけでありますので、政府は産業資金としてわくを組んでおりましても、はたしてその通り有効適切に運用されるかどうかということは、非常に疑問であるのでありまして、これについて何らかの統制を加える御意思があるのかどうか。その方法について伺いたいと思うのであります。なお本年度は特に金融逼迫から、資金の運用については、從來に増していろいろ醜惡なる事件の起る懸念もあると思うのであります。こういつた一般銀行の融資という問題につきましては、その目的を違わざるように運用すると同時に、そういつた面についても相当政府において関心を持たれる必要がある、かように考えるわけであります。
 第三はただいま御質問があつたのでありますが、農村金融の問題であります。從來農林中央金庫の運用を見ておりますと、われわれは実際に農村においてこれをながめます場合に、ほとんど資金の吸上げ機関になつておりまして、農村は税金その他で疲弊困憊し、今日金融面で非常な窮状に立ち至つておるわけであります。土地改良その他政府の事業としてやつていただくのはもちろんでありますが、この金融につきましても特段の御考慮を願いたいと思うのでありまして、昨年あたり私ども靜岡縣におきまして、お茶の資金などは非常に困りまして、せつかく農民の健全なる経済團体としてできております農業協同組合、これはもうお茶の資金の運用で、経営上の危機に追い込まれた事例がたくさんあるのでありまして、四苦八苦いたしておるようなわけでございます。現在縣の信用連合会等におきましても、資金の運用に非常に困つておるわけでありまして、この農村の團体を最も有効に生かす見地から、特産物の集荷のための金融等につきましても、大藏省におきまして特別な御考慮を願いたいと存ずるわけであります。
#32
○首藤委員長代理 ちよつと皆さんにお諮りしたいと思いますが、きようは主として対日援助資金特別会計の方面の質疑應答ということで、政府委員の御出席を願つたのですが、お聞きの通りまだ使途が明確に決定していない。ここでこれ以上突込んで御質問申し上げても、御答弁にお困りのことと存じますので、詳細にここに総合資金需給見込概算という各款項目にわたつたものがありまするので、今中村委員の御質問もありましたように、本年の予算の全面的な問題について一應御説明願つて、その上で個々の御質問をいたした方がいいのじやないかと思うのでありますが、いかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○首藤委員長代理 それでは福田説明員より御説明願います。
#34
○福田説明員 お手元にお配りしてあります昭和二十四年度の総合資金需給見込概算について、御説明申し上げます。
 まず表の見方でありますが、左側の方は資金事情、いわゆる資金の供給力を総括して、一覽し得るようにしたものでございますが、右側の方はそれの配分でございます。二十三年度は一部推定が入つておりますが、今までわかりました範囲の実績を見込んだ上の推定実績でございます。それを対比しまして二十四年度が並べてございますが、まず項目の説明から申し上げますと、金融機関という欄では、金融機関の資金増加、具体的には預貯金の増加を主とするものでありますが、それが昨年度の三千五百三十八億に対して本年は二千三百億、約千二百億ばかり少く相なつております。この少くなつております理由は、まず第一に昨年度は右側にありますように、千億以上の財政からの支拂超過があるのみならず、産業資金の中に復興金融金庫というのが七百億以上ありますが、そのうち相当部分が実質上財政資金でありましたので、合計いたしますと千五百億以上のものが財政面から金融へ負担が轉嫁した、そういう状態であつたのが、今年度はまつたく姿がかわつておることが第一点、それと相関連いたしまして通貨の増発が、昨年度は九百三十七億ありましたものが、今年度は増発なしという前提で考えております。なおまたインフレーシヨンがありませんので、いわゆる水ぶくれ的の預金も今年度は比較的少くなる、かような観点から昨年度よりは相当少く相なつておりますので、その状態は経済の安定した時期に基準をとるべきであろうという立場から、昭和十年以前の三、四年間を基礎にとりまして考えてみたのであります。具体的に申しますと、昭和七年から十年までを基礎にいたしまして、あの当時の國民所得に対する貯蓄の割合を考えてみたのであります。ただその際に注意しなければならないことは、課税の負担状況があの当時と現在とではかなりかわつておりますので、課税の負担が重くなつたという事情を考慮するために、國民所得から公租公課を差引いた残りの、いわゆる可処分所得でありますが、その可処分所得というものを一つの基準にとつてみたのであります。具体的には國税、地方税、專賣益金というものを差引きました可処分所得に対しまして、その当時の貯蓄の割合をとつてみますと、大体一〇・六%見当になつているのでありますが、昭和二十四年度の國民所得を二兆九千七百四十二億円としまして、それに対して國税、地方税、專賣益金総計が七千八百二十四億円で、差引可処分所得は二兆一千九百十八億円となります。これに対しまして今申し上げました昭和十年以前四年間の貯蓄の性向一〇・六%を乘じてみますと、おおむね二千三百億を若干越える程度に相なるのであります。從つて経済が安定してもこの程度の貯蓄は、努力して達成し得べき目標であろうというように考えられます。大藏省におきましては貯蓄の目標額を二千五百億円と決定いたしておりますが、それは努力目標でありますので、需給見込といたしましてはそれより若干下まわる、努力によつて確実に達成し得るであろうという限度を押えたのであります。ただ昭和五年、六年を避けました理由は、あの当時は御承知のように極度のデフレの時期でありまして、通貨もむしろ收縮いたしておる状況であつたのであります。しかし本年度は通貨の收縮なしという前提から考えますと、五年、六年程度をとることは適当でないという前提のもとに、七年から十年までを一應の基礎にいたしたのであります。
 次に政府出資及び財政償還金でありますが、これはそこに表現いたしておりますように、二つの要素からなつております。一つは政府が直接産業に対して投資する部分、一つは財政から金融へ返す部分、前の方の政府が直接産業へ投資する部分は、右側の方の(2)の産業資金の(ハ)のところにあります政府投資六十九億に見合う数字でありまして、その内容は船舶公團に対する出資五十四億円と、開拓者資金融通特別会計から貸出しを行います金額の十五億円を合計いたしまして、六十九億円と見たのであります。このうち船舶公團に対する出資は、從來復興金融金庫からの融資によつてまかなわれておつたのでありますが、復興金融金庫の機能が低下いたすに伴いまして、直接政府から船舶公團に対して出資することに相なつたので、実質上は從來の復金融資に相当するものと御理解いただいてよろしいと思います。残りの六百三十六億円は、財政から金融へ返す部分でありまして、そのおもなものは復金の債券の償還金が、現金償還の部分が三百二十五億円、貿易資金特別会計の借入金返済が二百五十億円、國債の償還が二十一億円、その他印刷廳や貴金属特別会計、財産税特別会計等の借入金の返済を合計いたしまして、六百三十六億円と相なるのであります。その中で復興金融金庫の現金償還分の三百二十五億円の財源を申し上げますと、そのうち三百億円は、一般会計からの復金に対する現金出資の部分であります。残りの二十五億円は、ただいまの御質問の点に関係するのでありますが、復興金融金庫は、予算に表われておりますように、回收が七十億円、新規の貸出しが五十億円、差引二十五億円の回收超過と相なりますが、その回收超過の二十五億円は、この三百二十五億円中の二十五億円に充当されることに相なるのであります。もともとこの表は右も左も資金の純増、あるいは融資の純増で押えておりますので、復金は五十五億円の貸出しがありますけれども、純増價格としては、それをマイナスの二十五億円になる。この二十五億円を右側に立てますかわりに、左側の方にプラスとして財政償還分の二十五億を立てておるわけであります。なおついでに申し上げますが、復興金融金庫の五十億円の貸出しと申しますのは、貸出しとしては新規でありますけれども、実質的にはすでになされております。市中銀行の融資に対する復金の保障融資の肩がわりに、充当する予定でございますので、新しい資金需要の見込みを受付けて貸すというわけではない予定でございます。貿易資金特別会計の借入金の二百五十億円の返済は、一般会計から貿易特別会計に四百億円の出資をいたしますが、そのうち二百五十億円だけを借入金の返済に充てて、残りの百五十億円は貿易特別会計の増加運轉資金として使用される予定であります。このように貿易特別会計なり、その他の特別会計へ一般会計から繰入れますもののうち、その特別会計の事業資金として使われる分は、この政府出資の中に入れておりません。民間の事業の分だけを入れておりますのですが、もしそれを入れるといたしますれば、さつき申しました政府投資六十九億円の中に加算すると同時に、左側の政府出資の七百五億円に加算すればよろしいことになるわけであります。一應政府事業そのものからは、そのものの増加資金はこの中には含んでおりませんことを、御了解いただきたいと思います。
 次に直接投資の七百億円でありますが、この内容は二つの部分からなつております。一つは株式とか社債とかいうような証券の、直接個人ないし企業の投資する部分と、もう一つは企業の内部留保でございます。前者を大体三百億円、後者を大体四百億円程度と考えております。それは二十三年度の推定実績とおおむね同額程度予定しております。
 次に(4)の米國対日援助見返資金千七百五十億円につきましては、先ほど中川政務次官から御説明申し上げた通りでありまして、二百七十億円の公債買入れに充てる分は、鉄道公債が百五十億円、通信公債百二十億円でありまして、それは右側の國庫財政二百七十億円と見合うことになるわけであります。残りの千四百八十億円の使途につきましては、まだ判明いたしておりませんので、一括して計上しておりますが、いずれにいたしましても直接産業の設備資金として投資されるにせよ、あるいは國債の買入れに充当せられる場合といえども、通貨の收縮がありませんから、結局はそれだけの金は金融機関へ流れて來るという想定のもとに、千四百八十億円は右側の産業資金の(ホ)の対日援助見返資金の千四百八十億円と見合してございます。この内容が詳細になるに從いまして、この概算見込はもう少しはつきりして來ると思いますが、現状においてはこの程度でやむを得ないというふうに、御了解いただきたいと思います。かようにいたしまして合計が資金供給力は五千四百五十五億円でありまして、昨年度よりはわずかながら増加いたしておるのであります。
 次に右側の方でありますが、資金配分のところで財政資金中國庫財政二百七十億円は先ほど申し上げた通りであります。地方財政の二百三十三億円は地方債の発行見込額でございます。この二百三十三億円は予算でも御承知のように、特別会計の積立金の増加、たとえば簡易保險、郵便年金、厚生保險等の保險会計などの増加資金を見返りとして考慮されておりますので、一般金融機関にあまり迷惑をかけることにはならないのであります。その特別会計の増加資金は、預金部の預金となりますので、預金部資金の左側の金融機関二千三百億円のうちに含まれておりますので、その中から二百三十三億円が償還されるということになるわけであります。
 次に産業資金につきましては、金融機関の投融資が二千五百三億円になつておりますが、これは銀行のみならず預金部も含んでおりますし、また興業銀行のような特殊銀行も含んだ計数でございます。ただ二千三百億円の資金供給に対して、二千五百億円の投融資を見ておりますのは、結局財政からの償還金に基いておるわけでありまして、自分で貯金を集めた金以外に貸出しが行えるということを意味するわけであります。政府投資六十九億円と直接投資七百億円、米國対日援助見返資金千四百八十億円につきましては、資金供給の場合に御説明したことによつて盡きると思います。なお金融機関の現金勘定の増加二百億円を見ておりますが、これはいわゆるキヤツシユの増加を意味するわけではなく、キヤツシユももちろん一部には含まれておりますが、金融機関の現金勘定には小切手類等もありますので、それらをも包含いたしております。從つて預金が増加するに從いまして、ある程度そういう現金勘定の増加はやむを得ないところでございまして、大体二十三年度程度を見ておけばよかろうというふうな考え方で、前年度と同額を見込んでおります。なお産業資金の総額は四千七百五十二億円でありますが、そのうち一應ただいまの目算といたしましては、先ほど政務次官からもお話がありましたように、設備資金が千六百億円、残りが運轉資金と考えておりますが、設備資金につきましては、前年度の推定実績がおおむね千二百億円足らずでありまして、それに比べれば金額的には若干増加を見ております。ただ物價水準が二十三年度と二十四年度とでは若干違いますのですが、一應この程度あれば現在計画されておる生産計画は、おおむねまかなえ得るのではないかというふうに考えております。運轉資金は前年度大体二千九百億円足らずでございましたが、これで参りますと三千億を若干越えるのでありまして、昨年價格改訂によつて増加運轉資金が相当いつたという事情をあわせ考えますと、今年度これだけの資金があれば、運轉資金の面ではかなり緩和され得るというふうに考え得ると思います。
 それからついでに、今までは個別的な計数の御説明を申し上げたのでありますが、この資金計画の特長的な事項を要約する意味で、かいつまんで申し上げますと、まず第一に通貨量に対する考え方であります。先ほど來御質問がありましたように、世間では今度の予算は極度のデフレ予算だ。從つて二十四年度は非常に強い安定恐慌なり、あるいはデフレなりが起りはしないか、という懸念をされておる向きが少くないようでありますが、この通貨増発をゼロと見ております意味は、通貨を増発もしなければ通貨を收縮もしない。両方の意味を両面から理解されると思いますが、通貨を増発しないという意味はインフレをやらないという意味であつて、通貨を收縮しないということは極度のデフレをやらないという意味に解されると思うのであります。
    〔首藤委員長代理退席、委員長着席〕
 從いまして極度のデフレは起さないということが、この資金需給見込概算から理解され得ると思うのであります。
 第二の特長は財政と金融との関係であります。昨年度は先ほども申しましたように、財政からかなり金融に対して資金を要求したのでありますが、今年度は二百七十億なり二百三十三億なりの國庫財政資金、地方財政資金の需要は完全に消化し得るように、見合いを考慮しておりますにもかかわらず、財政からも六百三十三億円の償還を行い、なおその上に米國対日援助見返資金からも、相当に資金が金融界に還流するという建前になつておりますので、今年度は財政から金融の方に逆に金を持ち込むという姿になつておる。もしそれを全部持ち込まないで通貨の收縮に向けるならば、一般に憂えられておるようなデフレになつて來ると思いますが、通貨は收縮しないという意味で、この資金計画は考えておるというのが第二の特長であろうと思います。
 第三の特長は貯蓄の額でありますが、二十三年度に比べて二十四年度は千二百億円以上も貯蓄額が少い。これはインフレーションが安定することに基きむしろ当然の結果でありますが、ただ二十三年度は金額的には大きいのですが、当座預金的のものの増加が相当多くの部分を占めておるのに対して、二十四年度においてはほんとうに國民の貯蓄らしい貯蓄が、この多くの分を占めることになるだろう。額としては少くても内容は充実したものになつて來るだろうということが、第三の特長であります。
 第四の特長は、対日援助見返資金という新たな項目が生れたことであります。御承知のように対日援助見返資金はガリオア、イロアによつて入つて來る資金でありますけれども、しかしながら國内金融的に見ますると、一般会計から八百二十三億円という輸入補助金を、貿易特別会計に繰入れることになりますので、その八百三十三億円は普通歳入、つまり税收に基いてとられる。徴收される。逆に言えば一種のあるいは強制貯蓄というようなものとも考え得ると思います。そういつた実質を持つたものが財政の面に入つて來ようということが、第四の特長であろうと思います。
 第五の特長といたしましては、産業資金の質の問題であります。量的には先ほど申し上げましたように、二十三年度よりはかなり増加いたしておりますが、これを質的に考えてみますると、復興金融金庫というものがむしろ回收超過になるという形において、設備資金の調達に非常に困難な問題がある。從つて先ほどもいろいろお話がありました対日援助見返資金から、なるべく多くの部分を設備資金として供給してもらうことがぜひとも必要になつて來る。なおそのほかに金融の質の問題としては、金融の基調が健全金融の姿に一層徹することになるだろうということであります。復興金融金庫の融資が必ずしもすべて不健全金融とは言えないと思いますけれども、ああいつた行き方がかりに対日援助見返資金を例にとつてみましても、償還計画の確実に立てられたものということが條件になつておる点から見ましても、いわゆる金融のベース、経済原則に基づく金融ということが中心になつて來るだろうと思います。いわんや一般金融機関についてみますと、当然そういつた傾向が強化されるということが考えられなければならないと思います。なおその他の点について御質問がありますればお答えすることにして、一應の説明を終りたいと思います。
#35
○足立(篤)委員 先ほども質問したのですが、金融の面についてお伺いしたのは今の御説明でわかりましたから、第二に二千五百三億という一般金融機関の投融資、これはまつたく自由にまかせるのかどうかという問題でありまして、産業資金として充当するという政府の計画になつておりますが、金融逼迫の折柄この運用はもちろん各銀行の持ち味を発揮するところに、よいところがあるわけでありますが、その残りが國家目的に沿うかどうか疑問の点がありますし、かたがたやみ金融も活発に行われておる際に、つい忌まわしい事件を起すおそれもありますので、これについて政府はどういうふうに考えておるかという質問であります。第三は現在農村金融が非常に困つておる。これは土地改良その他の事業を政府がやつたことはもちろんでありまするが、それに加えてひとつ金融についても特段の御考慮を願いたいということであります。農林中央金庫がいたずらに農村の資金を吸い上げておる感じがするのであります。農村資金を農村に返して、農村の復興に充てられるような特段の御考慮を願いたいという希望のような質問であります。
#36
○中川(以)政府委員 第一点は、金融機関の投資並びに融資分の二千五百三億の問題について、御指摘がございましたが、これは一般金融機関、預金部、特に興銀、農林中金等が含まれておるのでございます。これらにつきましては、先ほどもちよつと私が申し上げました通りに、今後の金融につきましては、從來の復金のような融資ができないのでございまして、まず企業自体の努力と合理化によつて、みずから金融機関に信用をかち得るということがどうしても必要となります。また銀行は銀行の責任において融資をするということに相なる建前でございますが、しかしこれをこのまま放置いたしまする場合には、市中銀行の融資というものは、國の産業の復興、経済の再建のためにならない。いたずらな消費資材面にややもすれば流れるおそれが多分にございますので、政府といたしましても、これが融資の規制は今後とも行う考えでおります。特にすでに新聞で御承知のごとく、日本銀行におきましても政策委員会を日銀の中に置きまして、この日銀のワークに対しましても今後は十分愼重なる檢討を加えまして、國家目的に沿うよう融資をいたして行くようにいたしたいと考えておる次第でございます。
 第二点の農業関係の金融の問題でございますが、これは御指摘の通りに、私どもも非常にこの点は憂えておる次第でございます。たとえば農業水利、開墾、土地改良、干拓、耕地災害の復旧等に対しまして、当初経済復興五箇年計画におきましては相当な計画を立てまして、本年は少くも米にして百八十三万五千石の生産の効果が現われる処置を講ずべく、考えておつたのでございますが、予算の都合上、公共事業費等が御承知のごとく非常に切られておりますので、約二四%も削減をされざるを得ない状態になつております。しかしてこれに対する資材の面は心配がないのでございまするが、資金の面において相当心配をされるところがございます。このほかに林業関係においても今日山は荒廃しておりまして、これの植林その他においても相当な施策をしなければならません。また水産方面におきましても、蛋白資源の確保のためにやはり相当な計画をしなければならぬ。これらをにらみ合せまするときに、事業費として三百四十二億ばかりのものがいるのでございます。これに対して補助額が約百五億になつておりまして、二百三十七億というものは各農村、漁村、山村の負担になるわけでありますが、これに対しては國としても、やはり融資の面を相当に考慮をしなければいけないと考えておりまして、率直にこういうような点を指摘して、ただいませつかく関係方面に具申をいたしておる次第でありまして、できるだけ御期待に沿うように努力いたしたいと考えます。
#37
○足立(篤)委員 先ほどの質問に附帶して、具体的な問題を一つ御質問申し上げたいのであります。それは私靜岡縣の者でございますが、靜岡縣では昨年お茶の資金で非常に困つたのであります。こういう特産は各地にあるのでありますが、農民の健全な経済團体であるところの農業協同組合の組織が、資金ですつかり参つてしまつているわけでありまして、この金融をよほど大幅にお考え願わないと、この農民の組織は今まさに危機に逢着していると思うのであります。ある程度持ちこたえれば、値段も上るということはわかつておるのでありますが、金融の面では持ちこたえ得ないのであります。そうするといわゆる金融資本家の好餌となりまして、農民がますますたたかれて行くという結果に陷るわけであります。この点については、農業協同組合の組織を経済的に生かすという面で、特産に対する手当として特段の御考慮を願いたい。
 それからもう一点希望を申し上げておきますが、先ほどの御説明で復金の方の回收が七十五億というお話を承りました。最近私猛烈な陳情を受けるのでありますが、この復金の金の償還をいたしますと莫大なる税金をとられるらしい。七十五億を返すのに、おそらく百五十億ぐらいの金を調達せぬと、これが返せないという結果になるのではないかと思うのであります。これが回收に非常に齟齬を來す原因だろうと思いますし、また輸出産業を重点にして貸出しをやつておりますから、そういう統制物資の生産をやつている工場が、ほとんど同額ぐらいの税金を背負つてこれを償還するということは、いかに誠意があつてもなかなかできないことであります。かえつてやみを助長するという結果になりますので、これは特別にお考え願つて、大藏省当局と御折衝願うように御希望申し上げます。
#38
○羽田野委員 農業に対する資金の問題でありますが、先ほどは委員長並びに中村さんから、それからただいまも御下問がありまして、次官から農業にも出すように努力中であるという御答弁がございました。御承知のように農業の土地改良、災害復旧は、縣営以上は補助が継続されている。ところが問題になるのは團体以下の土地改良、これが全面的に補助を打切られているわけでありますが、この團体の土地改良に資金を、融資でなくて補助金として出す御意思があるかどうか。この点をお伺いいたします。
#39
○中川(以)政府委員 ただいまの問題は、一應予算面に計上されますので、いわゆる補助金、助成金を今日特にふやすということは、予算の更正をしない以上はむりと存じます。しかしながら政府といたしましては、農村、漁村等に対しまして現在預金部からの特別な融資等も考えております。それから公共事業費等につきましては、不足の分に対してはできれば対日援助見返資金の中から一部でも出してもらうべく、ただいまこれは別個に考慮されておりますが、この点まだはつきり申し上げる段階に達していない次第であります。
#40
○羽田野委員 ただいま預金部から、あるいはまた特別会計から融資を考えておるというお話でございましたが、融資でなくて補助金として土地改良にお出しになるお見込みが政府にあるかどうか、これを承りたいのであります。
#41
○中川(以)政府委員 それは先ほど申し上げました通りに、現在補助金として出すことは、予算の組みかえをせざる限り不可能な状態にございます。それから対日援助見返資金から出ます分も、先ほど大藏省の局長から御説明がございましたごとく、今後の対日援助資金から出る分は、各産業別、なお要すれば各事業別、会社別に細部の計画を立てまして、これが償還計画もはつきりさせて出すという建前になつておりますので、これから助成を仰ぐということは、不可能な実情にあることを御承知願いたいと思います。
#42
○羽田野委員 予算の組みかえをしなければできないとおつしやいましたが、予算の組みかえ、つまり追加予算に補助金を計上される御意思がございますか。
#43
○中川(以)政府委員 この点は政府といたしましてまだはつきり申し上げる段階に達しておりませんので、農林省関係にはいろいろ御希望もあるようなことは承つておりますけれども、本日は長官もおりませんので、そういう点責任のあるお答えはいたしかねる次第でございます。
#44
○羽田野委員 大臣がお見えになりませんが、次官がお見えでありますから、本質的な問題について御見解を承りたいと思うのでありますが、何せこれまで三十年とかいう傳統を持つております土地改良などに対する補助金を、團体営のは全面的に打切つたのであります。これを融資でやるという御方針のように大体うかがえるのでありますが、これは農業に対する補助金政策を融資政策に轉換するのではないか。政府において大轉換をやるのではないかと私は考えるのであります。こうなりますと、農業を自由なる私企業として見るということが前提になる。しかし自由なる私企業でないことは、私がくどくどしくここで申し上げるまでもございません。今日の農業経営はまつたく自由はないのでありまして、國家から委託された事業を農業者が労働者としてやつておるという、國家官吏と同樣の扱いを受けておるわけであります。これに補助金を出すのが当然であるにかかわらず、補助政策を打切るということは、これはもうこれから私企業として見るのだこれまではそうでないことは政府といえども御承認になるでありましよう。しかるにその前提なしに補助金を打切るということは、これから日本の農業を私企業として扱うのだということになるのでありますが、それはそれでもいいのです。そうなりますと承りたいことは、その再生産を保障できるように、農産物價格を全面的に改訂される意思があるはずである。その点についてお考えを承りたいと思います。
#45
○中川(以)政府委員 ただいま御指摘になりました点はまつたくごもつともな筋もございまして、今日土地改良のごときは、決して一私企業として見なすべき性質のものではないと私は存ずるのであります。ことに土地改良によつて増産のできました分は、超過供出までもいたしまして國が取上げております。さらに米價の決定におきましては、パリテイー計算の中にそういつた農業災害その他の部面の負担を見ておりません。こういう意味におきまして、今おつしやいます通りに、まつたく國家が農民にこれの生産を委託したという形式と見てさしつかえないと存じます。私は從來からさような見解を持つております。ただ最近関係方面でそういうような見解が表明されておりまするが、もしもさような見解のもとに今後農業経営に対処いたしますとすれば、これは價格の面その他において、御趣旨のごとく非常なる改革をせざる得ないと存じます。しかし農産物のそういう價格の大幅の改訂をいたしますことは、今日國民生活の上に、また一般産業の上に及ぼす影響はきわめて大なるものがございますので、こういう点は極力関係方面にも日本の農業の実態をよく申し上げまして、これを認識してもらつて、從來のような考え方をあくまで堅持して行くべきではなかろうかと、私は考えておる次第でございまして、今日農林省といたしましても、農林大臣はその点に非常なる関係を持つて努力をしておられるだろうと、私は存じておる次第でございます。
#46
○羽田野委員 ただいまの御説明によりますと、要は関係方面に日本の農業経営の実態が、断じて自由なる私企業でないということを認識していただく必要があるので、それを努力中であるというお話で、まことに私どもとして敬意を表するのでございますけれども、それはこの予算を組みますまで、つまり公共事業費を五百億に押えられるまでにその努力をどうしてしなかつたか。努力はしても、十分その御理解をいただけるまで努力しなかつたことは、実に重大な政府の責任であるということを断言するにはばかりません。
#47
○中川(以)政府委員 その点は極力努力をいたして参つた次第でございます。しかして土地改良のごときも全部削除をされた次第ではないのでございまして、御承知のごとく大幅には削除されておりますけれども、依然として助成はいたしておる次第であります。この上ながらその点は、私どももただいまの御見解とまつたく軌を一にしておりますので、今後十分にこれに対して誠意をもつて当りたいと思つておる次第であります。
#48
○金光委員 今の羽田野委員の御質問はすこぶる重大な問題であると私は考えますが、そうすると政府におかれては補助金政策を今後続けて行くということが打切られる限り、米價を大幅に引上げるということをお考えになつておられるかどうか。そこをもう一ぺんお伺いしたい。
#49
○中川(以)政府委員 補助金を打切つて米價の大幅の改訂をするというような考え方は、ただいまのところでは持つておらぬのでございます。
#50
○金光委員 今までの米價の中に、土地改良に関する費用というようなものは、補助金として入つて行くというふうに考えられておつたのか。今度そういうものを大幅に打切つたということの結果、米價の中にそういうことに対する費用が入つておらないということはお認めになるわけですか。
#51
○中川(以)政府委員 その点は本年度の予算におきまして公共事業費がああいうふうに切られましたので、当初の予想通りの土地改良等に対しまする助成はできなかつたのでございますが、たとえて申しますと、本土におきましては縣営の灌漑排水事業の継続分の残量、また北海道におきましては直轄継続事業を、それぞれ今後二箇年でこれをやるというようなことを考えて、予算に計上しておりますので、今後公共事業費がよけいにとれる段階に至りました際には、当初計画通りにぜひ達成いたしたいものと念願をいたしておりますので、助成金を全部打切つたという考え方はただいま持つておらない次第であります。
#52
○金光委員 そうすると米價をただいまの問題になつておる点だけ引上げるということは、関係方面に交渉されたことはありますか。
#53
○中川(以)政府委員 その点は、本日は農林省の当局の方がおられませんので、私としてはつきりお答えはできないのでございますが、私どもの知つておる範囲内におきましては、一應公共事業費が減つたという段階でございまして、今後そういうような助成金を打切るから米價を上げるのどうのということは、まだ交渉をいたしてはおらないと考えております。今後やはり公共事業費は当初の希望通りに、ぜひ國の財政とにらみ合せまして達成をいたしたいということを、ひたすら念願をいたしておる次第でございます。
#54
○金光委員 どうかその点を御盡力願いたいと思います。
#55
○森山委員 産業資金の四千七百五十二億の配分の内訳ができておりましたらお伺いしたい。
#56
○中川(以)政府委員 その問題につきましては、ただいまのところまだ関係方面との折衝が済みませんので、内訳をここに申し上げる段階には達しておらない次第でございまして、大体私どもの作業をいたしました結果は、設備資金千六百億を見ておりますが、一應私どもが作業をいたしました希望の数字を一、二御参考までに申し上げます。速記をとめていただきます。
#57
○小野瀬委員長 ちよつと速記をとめて……。
    〔速記中止〕
#58
○森山委員 この際お伺いしたいのは、大体この設備資金あるいは流動資金の基礎となります生産目標というのは、先般いただきました二十四年度の物資需給計画表に載つておるような生生計画を、基礎としておられるのですか。
#59
○中川(以)政府委員 その生産計画を基礎としておる次第でございます。
#60
○森山委員 出炭計画につきまして、四千二百万トンという計画がなされておるわけであります。この件については、昨年予算の價格差補給金においても、四千二百万トンをベースにしてやつておられるようでございますが、はたして財政上の支出あるいは金融計画上の支出においても、これを基礎としておられるわけでございますか。今後この四千二百万トン出炭の可能性という点について、安本当局としての偽らざる御意見をお伺いしたい。特に最近メリツト制その他の價格政策上の変化等も織り込まれますので、忌憚のない御意見を伺いたいと思います。
#61
○田中(茂)政府委員 私からお答え申し上げます。現在の財政難なりあるいは金融の見通しに関連いたしまして、四千二百万トンの出炭がはたしてできるかどうか、こういう御質問でございました。御承知のように三月の十日付をもちまして、炭鉱企業は石炭の價格を引上げないで企業を健全化した上で、少くとも四千二百万トンの出炭を確保する。こういつた覚書がでたわけでございます。從來の関係からいたしますれば、現在の炭價をすえ置きまして四千二百万トンの生産を出すということは、作業の過程において、私ども関係者一同はきわめて困難であるというふうに考えておつたわけであります。從いまして四千二百万トンの出炭の要請が出ました際に、その出炭を確保するための條件といたしまして、その一つに炭價の改訂を折衝いたしたわけでございますが、結果は御承知のように相なつたわけでございます。
 ところで実際の出炭の傾向でございますが、昨年の賃金三原則、今年の九原則の方針が明示されまして以後の出炭の傾向を見てみますと、逐月増産をいたしております。なお能率も向上いたしておりまして、三月になりますれば、來年度四千二百万トンの出炭の際に、私どもの目標としております能率を突破するような成績を、收めたような次第でございます。これを地区的にわけてみますと、北海道はまだその段階に達しておらないのでございますが、九州等におきましては昨年度の第四・四半期はもちろんのこと、この四月の上旬の出炭を見ましても、四千二百万トン・ベースの率を越えております。全國的に見まして、九六・六%に達しております。まだ四千二百万トン・ベースの一〇〇%を越してはおりませんけれども、四月の上旬の成績は、今申し上げたような次第でございます。これからいよいよ二十四年度に入つておるわけでございますが、司令部の覚書に要請されております通り、私どもといたしましては官民一致いたしまして、あの要請に沿いつつ四千二百万トンを出すべく、極力努めておるわけでございますが、その方法といたしましては、やはり能率の向上による出炭増ということが中心に相なるだろうと思うわけであります。そのために坑内外の配置轉換もいたしますし、採炭方法の改善もいたしますし、先ほどもお話が出ましたように、それが單に労働強化のみに行かないように、設備の改善であるとか、あるいは現在非常に減産の原因をなしております機械類の故障、こういつたような点を改善する等のことをいたしまして、日本経済の再建のために総力をあげて、四千二百万トンの出炭を確保するように努力したいと思います。それに関連いたしまして、私どもの一番心配いたしております点は、資金確保の点であります。今次官からお話のございましたように、見返り勘定が相当の額に達した場合に、石炭鉱業に対して一應算出されました額をおつしやつたのでございますが、その設備資金の使い方はもちろん從來とは異なります方法をとらざるを得ないと思うのでございますが、かりにその金額が年度内に確保できるといたしましても、御承知のように現在多額の未拂いを持つておりまして、設備の工事の継続にも骨が折れておるような事情でありますので、私どもといたしましては、一日も早く何らかの形において資金が出るように、目下努力しておるわけでございます。
 炭價の問題は、御承知のように最後的な結論が下されたのでございますが、これもできるだけ増産に向くような方法を考えて、それを裏づけるような資金の確保ができるように全力を盡しまして、四千二百万トンを是が非でも確保したい、かように考えております。
#62
○森山委員 賃金に関する三原則あるいは十日付の覚書によつて、しかもなお石炭の生産が比較的好調をたどつておるということは、日本産業再建のためにまことに欣快にたえないところでございますが、ただ政府委員も言われたごとく、その資金関係について相当問題があるようなお話も、ただいまお伺いいたしたわけであります。これに関係いたしまして、石炭の炭價が一應押えられた。ところでその炭價の押えられ方が、その炭價のわく内において炭價配分の方式で、メリット・システムにより、炭質による價格差というものが相当大きくなる迎向があるということを、聞いておるわけであります。しかも相当近い時期においてこのメリツト・システムが強行されようとするというふうなことを、耳にいたしておるわけでありますが、かかることが行われますれば、相当良質の炭鉱におきましては、事実上の價格改訂をするということになるわけであります。ところでそれらの炭鉱は炭價配分の結果によつて、事実上の炭價改訂を受けるわけでありますから、いいわけでございますが、反面において低質炭を出しておるところの炭鉱というものは、從來よりも炭價の切下げを受けるというような結果を、招來せざるを得ないと思う次第であります。そうなりますと各種の條件において惡い問題が、その当該炭鉱において生じて來るわけでありまして、少くもそのような炭鉱においては、日本炭鉱生産の幾割かを占める炭鉱は倒れざるを得ないのではないか、それだけの分は減炭にならざるを得ないのではないかということを、感ぜざるを得ないばかりでなく、さらにこれによりまして、從來の増産政策から、相当多額に補給を受けておりまする復金融資金の返済問題、返済よりもむしろ利拂いに窮するというような問題も生じて來ると思います。またそこにおる数十万の炭鉱労働者の処置を、どうしなければならないかということも生じて來るわけであります。前回並びに前々回の委員会において私が御質問申し上げましたのも、國家の政策から行つて、あるいはメリツト・システムを行うということがかりに妥当であるといたしましても、その裏にはただいま例示いたしましたような復金融資の償還、あるいは利拂いをどうするかという問題、あるいは炭鉱労務者の処置ということについての、裏づけある政策を行わなければならないと私は考えるわけでございまして、このような点についての安本当局の統一した一つの考え方を、お伺いしたいと思う次第であります。
#63
○田中(茂)政府委員 メリツトのお話が出たわけでありますが、この問題は昨年の六月に炭價が決定されました際から問題となつていた点でありまして、その際に十月からはメリツト建をある程度行わなければならないといつたような考え方がございまして、そういう考え方はその当時から関係業者には傳えられたはずでございます。從いまして企業三原則が出る以前から、そういうような処置がとられるであろうということは、わかつていたわけでございますし、特に三原則なり九原則が出た後におきましては、このメリツト建に対するある程度の覚悟はできており、またそれに対処する処置が講ぜられたものと思います。現にそういう傾向として第四・四半期に入りましてから、よく世間でどろみたいな炭という話が出るのでありますが、そういう炭は非常に減りまして、全体のカロリーとしては上つたおりませんが、そういつたような極端な惡い炭は大分減つて参つたのでございます。しかし今度の炭價すえ置きの結果、なおまた復金の事実上の機能の停止といつたようなことに関連いたしまして、メリツト建の問題を今のままに放置いたしておきまするならば、全炭鉱がその重みにたえかねて、先ほど申し上ゲました金を借りる見返り資金にいたしましても、赤字融資は行わないといつたような点とも関連いたしまして、炭鉱業全体が非常な困難な立場になり、ひいてははたして行炭の増産ができるかということにも関連いたしますので、定められた價格の中における生産者價格の炭價配分の問題は、速急に手を打たなければならないと存ずる次第でございます。その結果、お話のように、炭鉱によりましては、非常に急激な打撃を受ける次第でございます。先ほど來申し上げましたように、炭鉱としては相当の覚悟とまたそれに対する準備もして來たとはいいながら、今これをただちにやるということになりますれば相当の打撃を受ける。お話のように数十万も失業者を出すというような程度の打撃はないと思いますけれども、しかしある程度の打撃はあるというふうに考えられます。この問題につきましてはまだ最終的な結論に達しておりませんが、ただいままでの大体の考え方といたしましては、ただちにここでメリツト建にするということは事実上困難でもありますし、なおまた今のような事情もございまして、一應速急にとられるメリツト建というものは暫定的なものではなかろうか。それをやつた場合でもなおまた非常なひどい打撃を受けて、ただちに参るようなものがありまする場合には、これに対する若他の調整はやむを得ないのではないか。こういつたようなことで、これは具体的に数字を出してみなければ結論も出せませんので、ただいませつかく作業中でございます。もちろん私が今申しました考え方自体につきましても、まだ物價廳とも、また関係方面とも折衝未済の問題でございますので、そういう意味におきましてお聞き取り願いたいと思います。
#64
○森山委員 当局においては御研究中であるというお話でございますが、メリツト建をかりに漸進的にやるにいたしましても、ある程度の犠牲は避けられないと思うわけであります。從つて國家の價格政策いかんによつては、ただちに参つて來るというふうな面がありまして、少くとも現在以上にメリツト・システムを強化する方向に向うといたしますれば、その強化する方向に向うだけそれに対して裏づけをする政策というものは、常に伴つて行かなければならないと私は思うわけであります。そうでありませんと、從來價格は物價廳だけできまつて、それに伴うところの裏づけをする政策というものは、本來安本なら安本、あるいは石炭廳で考慮すべきであるにかかわらず、そういう問題について放置されている。價格政策の裏には同時に経理的な処置というものを常に伴つてお考え願いたい。こう思うわけでありまして、当局といたしましては、この間相当の苦衷がおありになることとは存じますけれども、今後の問題が中小の工業とかあるいは中小炭鉱というような、日本経済にとつて相当典型的な問題が、一番最初に大きな模型みたいな形で現われるのではないかと思いますので、この間の処置について遺憾なきを期していただきたいと思う次第でございます。研究中だというお話で結論を得ないので、結論がいつごろおつきになるのか、ちよつとお伺いいたします。
#65
○田中(茂)政府委員 業界におきましては、約五日間にわたりましてこの問題が討議されたようでございまして、ある程度の話が進んでいるようでございます。私どもその結果も聞いておりますので、私どもだけの間では、そう日にちをかけずしてある程度の結論が得られると思いますが、なおまたこれは物價廳といたしましても、出炭政策なりあるいは炭鉱全体に対する政策ということを無視して、價格だけの面でもきめられませんので、大体石炭廳なりあるいは安定本部の考え方を中心にして、この問題は檢討されることと思います。それで問題はいつごろに最終的に決定を見るかということでございますが、新聞でも御承知のように司令部の石炭担当官は、この問題につきましてはここで話が出ましたような点以上に、いわゆるメリツト建の点につきまして強硬な意見を持つておりますので、向うとの折衝でどのくらいの日にちで結論に達するかということになりますから、はつきり私としては何日の間に結論が出るということを申し上げるのは困難ではないかと思います。
#66
○森山委員 メリツト建をやつた場合に、たとえば復金からの融資の償還の延期とか、あるいは利拂いの一時的な猶予というようなことはお考えでございますか。
#67
○中川(以)政府委員 その点につきましては、メリツト建になりまして非常に大きな影響を生じ、混乱を招くような、また失業者が続出するということになりますことは、まことに日本産業全体といたしましても遺憾なことでございますので、ただいまお話のような復金融資の利拂いの一時延期というようなことも、その情勢によりましてはあらためて考えることもあるかと考えますが、できるだけ善処いたしたいと存じております。
#68
○小野瀬委員長 この際お諮りいたしたいことがあります。中川政務次官には予算委員会の分科会の方に御出席になる時間が來ておるのだそうでございます。非常にお忙しいところでありますから、もし政務次官に対して御質問があればなるべく次会におまわし願つて、その他の御質疑をお願いしたいと思うのでございますが、いかがでございましようか――そこでなおまたお諮り申し上げますが、次官もお帰りになりますと、前回の委員会で皆樣から御要望がありました要望事項について、この際申し入れておく必要があると思うのでございます。この要望事項をこの際経本当局に申し上げておきたいと思いますが、よろしゆうございますか――それでは次官のいらつしやるうちに申し上げます。
 本委員会は経済総合計画に関して審議する委員会でありますから、経済安定本部の企画立案するものについては、他の委員会あるいは新聞等に発表せられる前に、まず本委員会に対して十分なる資料を提供し、説明をされたいのであります。たとえば経済五箇年計画とか、あるいは総合資金計画とか、米國対日援助見返資金計画、貿易計画、物資需給計画、生産計画、物價対策等その他経済安定本部の関與する計画立案等に対しましては、まず他の委員会等に先だつて本委員会に御説明が願いたいと思うことが一つ。それから第二といたしましては、特にこの米國対日援助見返資金特別会計法案は本委員会の所管ではございませんが、この見返り資金の運用計画は、経済安定本部が総合資金計画の一環としてこれを定めることになつており、さらに経済安定本部は運用計画の策定にあたつて、安本に援助資金運用協議会というようなものを設けらるるということが、四月十一日の新聞にあつたように思うのですが、安本の財政金融局で発表されておられます。こういう米國対日援助見返資金運営要領案のようなものについては、まず本委員会の所管になつておりますので、経本当局から事前に御説明を願えたら、非常にけつこうだと考えておる次第でございます。なおこの見返資金特別会計法案も、大藏委員会と連合審査をするはずでありましたが、前会も時間がなく、予算委員会からどうしても今日中に審査を終らなければならないというお申入れがあつたので、実は本委員会としましてはその連合審査を中止したのでございますが、そのために本日あらためて特にこれを議題として、米國の対日援助見返資金計画、それから昭和二十四年度の資金計画に関して、安本長官から詳細な説明を徴したいと考えておつたのでございます。しかしきようは長官もお見えにならなかつたし、なおまた次官におかれましてもやむを得ない、先ほど申されたように分科会にお出にならなければならぬというようなことでありますので、はなはだ遺憾であります。私ども援助見返資金の計画や総合資金計画の全貌について、もう少し詳しくお伺いしたいのでございますが、さようなことで、安定本部の計画について最も詳細に論議しなければならない本委員会に、大臣も見えませんし、さらなまた次官はせつかくおいでになりましても、これから他の委員会に行かれるということでまことに遺憾でありますので、それでこの前当委員会に対しましては、ぜひ経本長官なり次官なりがしばしばおいでになつて、責任ある御回答を願いたいという要望がありましたので、この際強く御当局に要望いたす次第でございますから、中川次官におかれましてもこれを長官にお傳え願いまして、委員会の要望をすみやかにおいれくださいますように、御努力を願いたいと存ずる次第であります。
#69
○中川(以)政府委員 ただいま委員長から詳細にわたりまして御注意を賜わつたのでありますが、ごもつともな仰せでありまして、今後ただいま御警告をいただいた御趣旨に沿うように努力いたしたいと存じます。長官は参議院の予算委員会が本日をもつて終了の段階に相なつておりますので、そちらの方にただいま参つておりまして、こちらに伺えないわけであります。今後この委員会に対しましては長官なり私なりができるだけお伺いいたしまして、御期待に沿いたいと思いますので、さよう御了承願います。
#70
○小野瀬委員長 なお一言政務次官に申し上げておきますが、先ほどちよつと申し上げたのですが、今度何か援助資金の運用協議会――これは仮称でございましようが、こういう協議会ができるようでございますが、あの協議会の構成の内容を見ますと、ほとんど各省の関係者のみから成るようになつておりますが、ああいう協議会に議会方面からもメンバーにお入れになるようなお考えはないかどうか。そういう点についてお聞かせ願いたいと思います。
#71
○中川(以)政府委員 実はただいまの協議会につきましては、議会方面から國会議員の方もお入りいただき、また一般業界からも加わつていただいてやれば一番いいかと私どもも考えておりますが、その点は関係方面ともいろいろ折衝をいたしたのでありますが、ともかくも從來経済安定本部で資金計画を立てているので、ひとつ役所としてやれという話でございまして、さような結果になつたわけでございますが、しかし私どもは協議会をもつてこれを協議するときにおきましても、十分國会の御意向を尊重し、また各一般産業界なり学識経驗者なりの方面の意向もいれまして、あくまで民主的に、國家の経済の再建のために公正なる計画を立てますようなことに、ぜひ進めたいと考えている次第であります。
#72
○小野瀬委員長 本日はこれにて散会いたします。次会の委員会は公報をもつてお知らせします。
    午後四時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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