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1949/04/27 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 経済安定委員会 第10号
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1949/04/27 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 経済安定委員会 第10号

#1
第005回国会 経済安定委員会 第10号
昭和二十四年四月二十七日(水曜日)
    午後二時十二分開議
 出席委員
   委員長 小野瀬忠兵衞君
   理事 首藤 新八君 理事 森   曉君
   理事 加藤 鐐造君 理事 金光 義邦君
   理事 高田 富之君
      足立 篤郎君    池見 茂隆君
      小川 平二君    小西 英雄君
      志田 義信君    中村  清君
      中村 純一君    福井  勇君
      細田 榮藏君    勝間田清一君
      高橋清治郎君    横田甚太郎君
      田中不破三君    平川 篤雄君
      羽田野次郎君
 出席政府委員
        経済安定政務次
        官       中川 以良君
        総理廳事務官
        (経済安定本部
        生活物資局長) 東畑 四郎君
 委員外の出席者
        議     長 神田  博君
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
    ―――――――――――――
四月二十七日
 飲食営業臨時規整法案(星島二郎君外六名提
 出、衆法第三号)
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出第一三四
 号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 飲食営業臨時規整法案(星島二郎君外六名提
 出、衆法第三号)
#2
○小野瀬委員長 ただいまより開会いたします。
 これより本二十七日本委員会に付託されました星島二郎君外六名提出、衆法第三号、飲食営業臨時規整法案を議題とし、提案者神田博君の提案理由の説明を求めます。
    ―――――――――――――
#3
○神田博君 提案者を代表いたしまして飲食営業臨時規整法案を提案する理由を御説明いたします。
 御承知のように現在飲食営業は旅館、外食券食堂及び喫茶店を除きましては、昭和二十二年政令第百十八号飲食営業緊急措置令によつて、全國的に営業を禁止されております。ところがこの禁令にもかかわらず、事実は料亭、待合等の裏口営業が行われ、しかもこれを取締ることは、経済的社会的に困難な状態にあるのであります。それにもかかわらずなおこの事態を継続して行くことは、國民の生活を不明朗ならしめるのみならず、またこの裏口営業にまぎれて、主要食糧等緊急食糧の流通秩序を多分に紊乱することになるのであります。そこでこの際飲食営業につきまして、國民生活の実情に沿うような合理的な措置を講じ、もつて國民生活の明朗化をはかるとともに、主要食糧等緊要食糧の流通秩序の確立及び税收の確保に資するため、この法案を提案いたしたいと存じます。
 以上の趣旨にのつとりまして、この法律におきましては、飲食営業を全面的に再開しますが、反面主食及びしようゆ等の統制食料につきましては、その流通秩序を紊乱しないような措置をもあわせて行い、この面において緊要な食糧の浪費が行われ、あるいはやみ取引が助長されることを防止する措置をも講じているのであります。
 次に法案の内容の御説明を申し上げます。第一條は、この法律の目的でありますが、この法律の主目的が何でありますかは、以上の説明によりおわかりのことと存じます。第二條は、飲食営業の定義であります。第三條は、飲食営業を営む者はすべて都道府縣知事の営業の許可を受けなければならないことを定めておりますが、営業の許可件数には原則として制限を付さないことになつております。これは飲食営業を営む者に主要な統制食糧の業務用特配をしないからであります。しかし一般家庭配給を圧迫するおそれのある場合等には、第四項の規定により営業の許可をしてはならないことになつております。
 第三條第二項は、飲食営業を行う前提として公衆衞生及び風俗取締りの観点から、それぞれその項に掲げてある法律の許可を受けなければならないものとし、また第三項の規定は二種以上の飲食営業の兼業が行われる場合取締りが困難となりますので、この規定により兼業を制限しようとするものであります。第五條から第八條までは主要食糧等の配給秩序を強化した規定でありまして、第五條は飲食営業を営む者の委託加工を禁止し、第六條から第八條までの規定の拔け道をふさいだものであります。第六條においては軽飲食店が主食を提供すること、めん類外食券食堂がめん類以外の主食を提供することを禁止し、第七條及び第八條において喫茶店以外の飲食営業店の食事または料理の提供は、それぞれ外食券または副食券と引きかえでなければならないことを規定しております。なお第八條の副食券は家庭用配給のしようゆと引きかえに消費者にこれを交付することになつています。第十條は飲食営業者の外食券または副食券の数の報告義務を規定しておりますが、これが料飲店取締りの手がかりであり、これを基として第十一條の第二項によつて、券を用いない飲食営業者に対して、許可の取消し等の行政処分を行うことになつております。また第十二條から第十六條までは罰則でありますが、從來の政令と異り客には適用されないことになつております。
 以上が飲食営業臨時規整法案の概略であります。何とぞすみやかに御審議の上、御協賛あらんことをお願いする次第であります。
#4
○高田(富)委員 この案が本委員会に突然今日かけられたのでありますが、前々から本委員会の運営につきましては理事会において、またその都度委員会におきましても研究されまして、あらかじめ今会期中どういう法案が出るか、また法案以外にはどういうことを審議するかということも愼重審議をして参りまして、その際には何ら今日出されることについては、本委員会に提案されそうなけはいは全然なかつたのであります。しかるに突然電報等で呼び集める等のことをやり、しかもまたここへ來ましても法案の印刷さえも間に合つていないというような事態でありまして、われわれはこのようなやり方は、実際國会の審議権をみずから無視してしまうことになり、同時にこの案を一読したところによりましても、非常に複雜であるし、それが影響するところがきわめて多方面にわたる大きな問題でありますので、これをきよう一日でやれということは、まつたく道理を無視した、何としても理解することのできない乱暴きわまるやり方でありまして、いかに與党が多数であるからとはいえ、このような方法で法案を提出し、むりやりにやるということは、大きな根本的な問題であつて、絶対に避けてもらわなければならないと思うのであります。われわれはこういう重要な問題については、でき得れば業界の各層、各種類の状態をよく調べ、意見を聞き、あるいはまた主食の状況等をよくしんしやくし、そうして責任のある審議をやらなければ、これは重大な問題になります。たとえ與党が料飲再開というような言葉で公約があつたからとはいえ、それにとらわれて、しやにむにやらなければならぬという誤つた面子問題から、一切の道理を無視し、國会の権威を無視したやり方に対しては、強く反省を要望せざるを得ません。われわれは責任ある審議をやるためには、本日これを審議するのではなく、一應承つて、これから十分研究をして、そうして責任ある審議をやりたいと思います。從つて、審議を今日中にやつてしまうという御意向のようでありますが、これに対しては絶対に反対であります。
#5
○小野瀬委員長 高田委員からの議事進行についての御発言にお答えいたします。この法案が突如としてこの委員会に付託になつたことは、私どもは意外に思つたのでございます。提案者からの議案は早くできておつたのでございますけれども、関係方面との交渉が遅れたために、急にこれが提案になつたようなわけであります。しかしながら、正当にしかも合法的にこちらに付託になつた以上、この委員会としては審議に当らざるを得ないので、本日委員会を開くようなわけであります。しかして高田さんの御意見は、私どもとしてもまつたく同感でございまして、臨時物資需給調整法の審査の際にも、高田君その他から、いろいろ議事進行に関して御忠告がございましたので、十分皆樣の御意思の通りとりはかろうという約束をしたのでございますが、この法案も前の物調法と同じように、やはり期限が切れるというような関係がございまして、どうしても本日この法案の御審議を願いまして、これを明日の本会議にかけまして参議院に回付する、こういう順序になつておりますので、私もごむりとは承知しておりますが、ぜひ皆樣の御協力を願いたい、かように考える次第であります。
#6
○高田(富)委員 ただいま委員長のお言葉でありますが、すでに法案もできておつたけれどもというお話であります。しかしそういう事情にあれば、なおずつと前にこの理事会あるいは委員会にもお話を願つておいて、そうして今会期中には当然出るだろうし、何とかやりたいということであれば、十分準備をしておかなければならなかつたのであります。それを與党側で準備は進めておりながら、本委員会に対しては何らそういう親切な当然なとりはからいもせずに、突如としてここへ來てこれを出して、一日でやれ、明日の本会議に出すというようなやり方では、絶対にわれわれは承服しませんし、國民も承服しない。こんな重大なことを、ほとんどろくな審議もできないようにしてやるということでは、提案者自体にとつても國民から大きな不信を招くことになるのでありまして、ともかくこれはもつと愼重に十分に期間をかけてやるべきものと確信いたしております。しかも今まで料飲はずつと禁止されて來ておる次第でありまして、何も一日、二日の問題ではない。しかるにどうしてもここでやらなければならぬというので、強引にやられるということになると、これは政府與党の多数を頼んでの党利党略から、まつたくむちやくちやのことをむり押しするということになるのでありますから、ぜひこの点は愼重にお考え願つて、十分な責任のある審議をするようにして、きよう一日というようなことは絶対取消していただきたいと思います。
#7
○小野瀬委員長 高田君にお答えいたします。高田君のおつしやる通りごもつともではありますが、まだ十分審議の時間もございますから、できるだけ愼重に御審議願いまして、しかる後質疑が終らなければやむを得ませんから、その場合によつてはまた延びるかもしれませんが、皆さんができるだけ協力的な態度をおとりくださいまして、ぜひ十分な御質疑をお願いしたい、私はかように考えます。
#8
○加藤(鐐)委員 私は先ほどの理事会に出なかつたので、実はよくわからなかつたのですが、今高田委員からの御発言によつてはつきりわかつたことは、大体委員長は今日中にこの審議を終ろうという御方針で臨んでおられるようであります。しかし今の委員長の御言明によりますると、審議は十分盡くすという方針で行きたいというお話ですが、そうだとすると、今日一日で審議を終ろうという御方針は御撤回になつたのではないかと思いますが、その点をはつきりとお伺いいたします。
#9
○小野瀬委員長 私の申し上げました十分に審議を盡くすという意味は、皆樣の御質疑のあるところは十分に承り、質疑を盡した上で、質疑が切れれば、それで質疑はないものと考えますので、質疑を打切るのは、自然となくなつたときに打切ることにいたします。そういうふうに御了解願います。
#10
○高田(富)委員 質問をするためには、われわれは十分の研究もしなければならないし、調査もしなければならないのでありまして、突如として簡單な説明を受けて、さあ質問が切れたからこれで納得したというようなことでは、全然問題にならぬと思うのです。ですから今日は承つておくだけにして、十分愼重に研究できる余裕を與える。そうなればなお十分審議ができますから、そのときに質問が切れるまで質問をやらしていただくというふうに愼重にやりたいと思います。
#11
○足立(篤)委員 いろいろ御意見があるようでありますが、この問題は、最近長い間、社会的にもまた各政党においても、重大な問題として取扱つて來ておりまして、特に共産党あたりは、十分な研究が行き届いておると断ぜざるを得ないわけであります。いろいろなことをおつしやつておりまするが、十分この場でただちに檢討もでき審議もできるものと、私は確信するわけでありまして、決して多数を頼んで横暴をするという意味ではなく、十分御審議を盡されるよう、ただちに議事進行をはかられんことをお願いいたします。
#12
○高田(富)委員 共産党では十分審議をしておるはずだというようなことをおつしやいましたが、これはまことに乱暴な話であります。他党の内容などをあなた方から断定されては非常に困る。ことにここで言わしてもらえば、あなた方の方は料飲再開ということは大分前からよく言つておりましたが、今日のは再開ではなく取締り法でありまして、非常にこまかい問題ですから、これについては十分愼重にこの案に基いて研究してみなければ、どこからどう質問していいかもわからぬし、今日とても十分な質問ができないのです。これは当然のことだと思うのです。そういう意味でぜひむり押しはやめてもらいたい。
#13
○加藤(鐐)委員 私どもといたしましてもこういう重大な問題を審議するにあたりましては、從來料理飲食店が裏口営業をやつておつたわけでありますが、主食その他の点について政府の説明も十分承りたいと思います。それから資料もいろいろ出していただきたいと思つておるわけであります。そういうわれわれの請求する資料を十分提供していただき、政府の説明も十分承る。そうして審議は質問のある限りは決して打切らない。こういう方針で委員長が臨まれるならば、私どもは審議に入ることに賛成してもいいわけであります。先ほど委員長も言つておられました通り、臨時物資需給調整法の一部を改正する法律が、ああいう状態で非常な短時間で審議されましたときも、私どもはくれぐれも要望いたしまして、委員長としても今後はいかなる法案といえども、十分審議を盡した上で最後を決することにいたしたいということを言明されたのであります。そうした委員長の言明とただいまの委員長の態度との間には、非常な矛盾があるように思うわけであります。事情は前回と一緒だから前回同樣にと言われますが、しかし前回を唯一の例外として今後はああいうことはしないということを委員長は言われた。そういうことでは前回はただその場のがれの一時的な方便で言われたということになるのでありまして、重厚篤実な委員長のために非常に残念に思う。私は委員長がああいう言明をされた以上、委員長としては多数派の與党の委員長としてでなく、あくまでも公正なる委員長としてその言明を尊重して、臨時物資需給調整法の一部を改正する法律の審議のようなやり方は、前回限りで今後はしないという言明の線に沿つてやつていただきたいと、あくまで思うわけであります。そういう点についての委員長のはつきりした御言明がない限り、私どもはこの法案の審議に入るわけにいかないのです。
#14
○小野瀬委員長 加藤委員からるるお話がございましたが、その点については委員長もまことに責任を感じます。もとより委員長個人といたしましては、ごむりだということはよくわかつておるのでございますが、どうしても本日中にこの審査を終らなければならないようなことになつておりますので、私の方としても皆樣方にできるだけ多くの時間を差上げたいのはやまやまでございますけれども、議事進行でひまをとつておりますればますます時間が長くかかります。とにもかくにも皆樣の御意見を十分に御開陳願うと同時に、なお安本からも生活物資局長の東畑四郎君と政務次官がお見えになつておりますので、参考意見として政府から御意見を拜聽することにしたいと思うのです。
#15
○加藤(鐐)委員 こんなことは繰返して申し上げるまでもないことですが、委員長は時間的な余裕がないということを今回もおつしやるけれども、政令が四月一ぱいで切れることは、これはもうわかつておることなのです。それを承知の上で今まで政府がほうつておかれて、與党としては料理飲食店の再開法案を出すという見込みのもとに、政府に延長なり何らかの処置をとらせなかつたものと思うのです。こうした與党側の一つの政略のために、重要な法案をそうした簡單な扱い方にするということは、私は議会の権威から言つてどうしてもできないと思うのです。法律なりあるいは政令の期限が切れることは承知の上で、ほうつておいた政府の責任も重大であると思います。その点についての政府側の弁明も十分承りたいと思つております。とにかく期限が切れるから、それでそうした粗末な審議のやり方もやむを得ないという委員長の態度はけしからぬと思う。くどいようでありますけれども、期限が切れれば当然料理屋、飲食店の取締法というものはなくなるのです。そうすれば料理店、飲食店再開を希望せられる民自党の諸君としては希望通りになるわけでありまして、むしろ民自党側としてはそうなることを希望せられなければならぬと思うわけであります。とにかく政府にしても、與党にしても、さらに委員長としても、当然こういう問題が與党の中に起つておることは御承知だつたと思います。そうした各方面の怠慢を、いざという場合には党の力でもつて押し切るという考え方自体をかえてもらいたいということを、この前強く要望せられておつた。また委員長もそれを了承せられた。私はその点について委員長あるいは政府、與党側提案者の御弁明を承りたいと思います。
#16
○小野瀬委員長 提案者側から今の御質問に対しては詳しい御答弁があると思いますが、委員長としても一言加藤君の御発言に対しお答えしたいと思います。この法案は先ほども申し上げましたように、決して政府なりあるいは與党なりが期日の切迫するのを待つて、愼重な審議をさせないで、故意に質問を打切つて通してしまうというような策略的なものではないということは、皆さんにおかれてもおわかりになると思うのであります。先ほど申し上げたように法案はできましてそれを関係方面へまわしてあつた。その交渉が遅れた。それがために期日切迫の今日ようやく付託になつたというのでありますから、とにかくこの委員会に付託になつた以上、あなた方野党の皆樣におかれましても、これを審議するだけの雅量はあつてよろしいのじやないか、かように考えます。委員長横暴というような考えで、皆樣の言論を圧迫するものでも何でもありませんので、この点は廣いお考えで御協力を願いたいと思います。今の加藤君に対する提案者の答弁があると思いますから……
#17
○神田博君 加藤君にお答えいたしたいと思います。先ほど來ただいま提案いたしました法案につきましては、審議の時間がきわめてないばかりか、事柄がきわめて重大な問題であり、十分な審議を必要としたいという御意見でございました。私ども同僚議員といたしまして、まことにこれはごもつとものことでございまして、われわれ提案者といたしましても、かような短かい時間で御審議を願うというような意図は毛頭なかつたのであります。総選挙の直後、本法案につきましては、わが党が天下に公約いたしたことでございますので、この実行を急ぎまして、関係方面あるいは政府側等において、十分の折衝を続けて参りました。大体の見通しもつきましたので、今月の上旬に正規の手続を経まして、國会に提案いたしたのでございます。御承知のように、それから関係方面との正式の折衝に相なつた次第でございまして、それらの関係でいろいろ急いでおつたのでありまするが、御承認を得ることが遅れて参り、ようやく本日提案になり、御説明申し上げることになつたというような次第でございまして、はなはだ遺憾に存じております。しかしながら今日の料飲店が裏口営業と唱えられ、社会上幾多の弊害をかもしておることは御承知の通りと存じます。そこで政令の期限がこの月一ぱいに切れるのでありまして、再びこのような政令によつて、今日のような惡習慣とも申すような営業の状態を継続させて行くということは、忍びないのでありまして、そこでどうしても今月中には法律として公布いたしまして、明朗な状態に置きたい。こういう考えでございまして、遅れました理由をかいつまんで申し上げておるわけでございますが、どうかその辺ひとつとくと御賢察願いまして、すみやかに御審議をお願いいたし、御協賛をしていただきたい。かように懇願する次第でございます。
#18
○東畑政府委員 政府といたしましては、飲食営業緊急措置令が本年の四月の末で切れますことは、当然わかつておりまして、実は一月の初めからこの政令をどうするかという問題につきまして、関係方面といろいろ折衝いたしておつたのでありますが、民自党の方で公約等もありまして、民自党案として料飲法を出すという話がございまして、われわれといたしましてもその方を希望いたしまして、関係方面ともいろいろ相談した結果、民自党の提案の方を審議するからということに、大体三月の初めにきまりました。われわれといたしましては、民自党の方と下相談をいたしまして、政府として関係方面との打合せをやめまして、民自党の方からすべて折衝していただくということになつたのであります。時日が切迫いたしまして四月末に切れますので、関係方面にいろいろ民自党案の審議の督促をお願いしておつたところ、大丈夫間に合うように承認するというお話であつたために、政府といたしましては、新しくこの政令を延ばすなり、あるいは別個の法律案を出すということは、実は考えなかつた次第であります。それが大体三月の末にそういう方針できめまして、その後折衝に期間がかかつておりまして、実は今日提案になつたというような次第でございます。もしこの法案が通りません場合においては、先ほどの加藤委員の申されましたように、料飲店を規制する措置令がなくなります。しかし主食その他生活必需物資というものは自由に料飲店にやることはできません。やはり何らかここに法的規制というものが当然必要だと思います。そういう次第で政府と民自党の話は三月の初めに終りまして、その後関係方面の了承を得るのを待つておつたような次第でございます。
#19
○加藤(鐐)委員 今東畑政府委員は、関係方面からこの緊急措置令の期限が切れるまでに、必ず承認するという言明をされたということを申されましたが、これは確かにそうでありますか。その一点を明確に承つておきます。あいまいでは困ります。それからなお昨日承認されたという話でありまするが、四月一ぱいにとれなかつた場合には、どうする方針であつたかということ、それから間に合うと言つても、これは法律案でありまするから、議会において十分に審議せずして法律を通すということは、これは民主議会の建前でないことは御承知の通りだと思う。しからば関係方面がそういう言明をされたものならば、なぜもう少し早く極力請求をして、十分に審議の間に合う期間にとられなかつたか。この点について政府委員にお伺いします。
#20
○東畑政府委員 三月の初めに参りましたとき、関係方面は政府から別に法案を提出したり、あるいはこの特例の延長等について考える必要はない。民自党提案を審議せよという話があつたのであります。ただわれわれといたしまして、議会がございますので、議会を通すためには時日がかかるということを、実はその後もたびたび申し上げておつたのでありますが、もう少し待つてくれということであります。問題が議員提出案でございますので、われわれといたしましては、政府案でございませんので、それ以上のことは実は言えなかつたわけであります。関係方面といたしましては、三月の初めから民自党の案を審議しておつたということになつておりましたものですから、御了承願いたいと思います。
#21
○高田(富)委員 委員長は先ほどから委員長自身も驚いた、ごむりなことはよくわかるというようなお言葉でありますが、委員長は民主自由党に所属しておられ、そうしてただいまのお話を聞くと、三月中にすでにそういう話が政府との間にまとまつておつた。そうして十分に党内では討議もやり、また関係方面との折衝もやり、相当この間においては民自党としての討議はあつたと思う。それを民主自由党の所属であられ、しかもこの法案が付託される委員会の委員長であるあなたが、寢耳に水であつたというのは、何としても理解に苦しむのでありますが、それは一体どういう事情ですか。
#22
○小野瀬委員長 お答えします。それは法案がつくられておるということは、もちろん党員である以上はよく存じておりますが、いよいよ期日も差迫つた本日、これが出るということは意外であるという意味でございます。
#23
○高田(富)委員 そうすると、委員長としてはもつと早く出ると思つていたのですね。
#24
○小野瀬委員長 さようでございます。
#25
○高田(富)委員 そうすると、その前にこの委員会に付託されるだろうかということをいろいろ考えて見たときに、外人財産取得令の政令も、あるいは法律として出るかもしれない。ところがそれが出なくなつたということまであらかじめお示しを願つて、十分にこれに対しても予備的に考えておこうというような態度で、非常に丁重に、十分これを審議しようという建前で進んでおられた。それを知つておりながら、あなたがもつと早く出るだろうと思つておつたものを、全然われわれに対して事情を十分に話し、予備的に研究する余地を與えなかつたというのは、明らかに何か民主自由党の党利党略から、故意にそういうことをされたとしか解釈できないのであります。その点についての御返事を願います。
#26
○小野瀬委員長 もちろん知つておりましたので、私が予備審査という方法をとれば非常によかつたのでありますが、皆樣も御承知のように、非常に本委員会も多忙をきわめまして、その余裕がないと申しましては申訳ないのでございますが、その措置に出でなかつたことは、委員長といたしましてまことに申訳ないと考えております。
#27
○加藤(鐐)委員 私は委員長の態度には納得しがたいものがありますが、しかし先ほど申し上げましたように十分な資料を出していただいて、なおこれに関連した政府側のいろいろな見解を十分承るという條件を出しておりましたので、さしあたつて私は三つ資料の要求をいたします。これはただちに委員長から政府に請求せられて取寄せていただきたい。そうしてこの資料がそろつた上で私の質問をいたしたい。それまで私の質問を保留いたしておきます。
 三つの資料と言いますのは、この法案に関連しておるいわゆる裏づけとなる関係法令の法律、政令等を全部出していただきたい。
 それから次は料理飲食店の現況、つまり高級料理店、飲食店、カフエー等の現況、数その他の状況、その次は現在の裏口営業等に対する課税方針並びに徴税高、この三つの資料を取寄せていただくことを要求いたします。
#28
○小野瀬委員長 ただいま加藤君から三つの資料を出すように、政府の方へ交渉してくれというお話でございますが、この裏づけとなる関係法令につきまして、ただちに印刷をしておまわしするわけには行きますまいが、とにかく政令があるはずでございますから、この概要を皆樣に政府側からお話願いまして、御了解を得たいと思います。加藤委員いかがでございますか。
 それから次の各種料飲店の現況についてというお話でございますが、これについてはある程度の御説明をしていただけると考えます。
 それから第三の裏口営業に対する課税方針、この点についてもそれぞれの係官の方に御出席を願いまして、御説明を求めることにいたしますから、その間に質疑を進めていただきたいと思うのでございます。
#29
○加藤(鐐)委員 資料は出していただけますね。
#30
○小野瀬委員長 資料は本日中にまとめることは困難と思います。ただいま資料を出していただくように政府側に交渉いたしましたところが、政府側としては議員提出の法律案でありますので、御遠慮したいという御意見だそうでございます。
 なおただいまの御質問、あるいは資料提出に関して提案者側の神田博君から御答弁がありますから……
#31
○神田博君 現在の飲食営業の状況をちよつと……
#32
○加藤(鐐)委員 その前に今政府からは議員提出の法案だから、資料の提出を遠慮したいということであります。しかし私どもは何らの資料なくして審議に入ることはできませんから、ひとつ提案者を通じて私の請求した資料の御提出を願いたい。
#33
○足立(篤)委員 ただいまの加藤委員の要求された資料なるものは、私がその内容を聞いていますと、すでに質問に入つていると思うのであります。たとえば現在の飲食店の状況だとか、そういうことはすでに質問だと思います。すみやかに審議に入つて、今のような質問は審議中におやりになるべきものだと思います。
#34
○横田委員 大体いつもの委員会に似合わず、今日の委員会は民自党の方々がものものしく出ておる。この態度から見ておそらく料飲問題についてはおやりになるだろう。それから五月一日になつたら期限が切れる。だからこれは今日中にやつておかなければいかぬというようなものの考え方は、非常に卑怯だと思います。なぜかというと民自党は選挙中に公約している。公約しておいて五月一日を期して再開してぢやんぢやんやつたら、民自党の公約通りで嬉しいじやないか。そこまで押しておやりになる意思があるかどうかという二点について聞きたい。社会党の加藤氏の意見に対しましても、民自党の人たちはけんか腰に出られておる。これまでの委員会でこれだけ緊張した姿があるか。今日に限つてものものしくやられるならわれわれにも態度があります。親切にやるんだつたらこちらもいいと思いますが、私たちが今聞いておりますことは、この法案が審議されずに明日本会議で通らなかつたならば、五月一日を期してやつてしまう。そうすれば料飲がもともと通り再開されるという建前から、何とかこれを早く審議してもらいたいというならば、五月一日はもう日めくりをめくらぬでもわかつておるから、五月一日を期して法律がなくなつてどんどんやつたら民自党の公約通りで、選挙民も喜ぶし、民自党の諸君も喜ぶのではなかろうか。この点一つなんです。そういうような状態でもおやりになるのか。また今日はこういう会合を開いて、たくさん勢ぞろいさして、採択して、われわれが反対しようともこれの審議をやられるのか。やられる場合には私たちとしても考えがあります。なぜかと申しますと、今これを出されてすぐこれを見ただけではわからないのです。せめて一時間なり二時間なりよくこれを見て、今晩夜を徹してでもやるならやります。その点はつきりしてもらいたい。
#35
○小野瀬委員長 横田委員にお答えいたします。横田委員はあとからお入りになりましたので、その前の各委員の御発言をお聞きになつておりませんし、また私のお答えも聞いておらぬので重複いたしますが申し上げます。民自党は決して與党の多数を頼んでこの法案を押切るというような意思は、毛頭持つていないと私は考えます。また委員長といたしましても、強引に数をもつて押切るという考えは持つておりませんので、先ほどから皆樣に再三懇請しておりますように、数で行かずに、できるだけ短い時間ではありますが、質問の時間は相当まだございますから、十分に御質疑を願つて、御質疑がつきましたならばそこで採決なり、あるいは討論なりなさつて行くのは決してむりではないと思います。それを初めから時間がないから質疑に入ることはできない。討論することはできないとか、採決することはできないとかいつて、議事を進めることができないというのは少しく協調的態度がないと思うのです。委員長としては十分公平にやるつもりでありますから、ひとつ皆樣におかれましても質疑のある点は十分お盡しくださいまして、しかる後に討論でも何でも入つていただきたい、かようにお願いいたす次第であります。
#36
○神田博君 加藤委員にお答え申し上げたいと思います。関係法令、その他料飲店の現況、またこれらの課税方針についての資料の御要求でございましたが、このことにつきまして私からお答え申し上げたいと思います。
    〔加藤(鐐)委員「説明はあとだ、文書にして出してくれ。」と呼び、その他発言する者多し〕
#37
○小野瀬委員長 ちよつとお諮り申し上げますが、お互いに意見の述べ合いをやつておりますと、委員会の進行が円滑にとり運びませんから、この際野党の諸君も御同調願いまして、まず質疑に入つていただいて、しかる上にいろいろの問題が出て参りますれば、必要なものは、そのときどきに説明で資料にかえられるものは説明で資料にかえていただき、どうしても資料の必要なものはできるだけ迅速に取り寄せるようにいたしますから、かようなことで議事を進めていただきたいと思います。
#38
○加藤(鐐)委員 私は先ほどから、これだけの資料を出していただいた上で、質問に入るということを前提にしております。提案者は今まで準備しておつたが、関係方面の了解を得られなかつたから遅れたとおつしやつたが、十分準備をしておられたならば、当然必要な資料は用意しておられると思います。いくら多数を頼んでむり押しに押し切るという考えがあつても、資料くらいは用意しておられるべきものと思います。私は今要求いたしました三つの資料は、ぜひ文書として渡るように出していただきたい。これを絶対に要求いたします。
#39
○高橋(清)委員 私は今日中にこれを採決するという態度を一切なくしまして、ただちにこれが討議に入つた方がいいと思います。それからもう一つは政府に対して別個に資料の提出方をお願いしたいと思うのであります。
#40
○小野瀬委員長 それではお諮りいたしますが、必ずしも本日中に上げるということにせずに、とにかく審査に入つていただかなければ、ただ時間を空費しておつたのでは切りがありませんから、審査に入つていただいて、ほんとうに質疑が盡きた場合には、採決するなりあるいは質疑打切りなりすることにいたしまして、とりあえず皆樣の御同意を得て質疑に入つていただきたいと思います。こちらでも資料のまとめるものはすぐにも提出するように手配いたしますし、どうしてもきよう中に出せないものは説明によつて御了承願う。どうしても御了承願えなければ、時間の経過に從つて御相談申し上げて、むりに打切るような態度には出ないように、委員長としてはとりはからう考えでおりますから、ひとつその程度で御了承願つて質疑を進めていただきたいと思います。
 それではただいまより質疑に入ります。質疑は通告順にこれを許します。加藤鐐造君。
#41
○加藤(鐐)委員 私の質問は資料がそろうまで留保いたします。
#42
○小野瀬委員長 高橋君。
#43
○高橋(清)委員 提案者にお伺いしたいのですが、大体これによりまして課税の方針とかそういつたような財源はどのくらいに見ておられますか、お伺いいたします。
#44
○神田博君 その資料を今要求しておりまして、近く参ると思いますが、御承知のように課税と言いますと所得税の関係は國税でありますが、たとえば遊興飲食税のようなものは地方税になるものですから、地方税は各府縣によつて課率が違つておりまして、一應どのくらいかということは地方財政委員会では押えておるようですが、具体的なことは後ほど資料が参ると思いますから……
#45
○小野瀬委員長 高田委員。
#46
○高田(富)委員 委員長にお願いいたしますが、今の提案理由の説明を聞き、これも実はちよつと見ただけでよく読んでおりませんので、これを読んでよく打合せをして來たいと思うのですが、一時間ばかりここで休憩をしていただいたらどうでしようか。
#47
○小野瀬委員長 それでは高田委員からの御発言もございますので、この際委員の各位にお諮り申し上げます。一時間ばかり休憩をして、各党に帰つて党の意見をまとめるというようなことはごもつとものことと存じます。しかしいずれにいたしましても、先ほど事情を申し上げたように、明日中に本会議にかけていただかないと困るわけでございますから、本日採決をすることができなければやむを得ない。そのかわり、質疑だけは今日全部済ませていただく。そうして明日は討論があれば討論いたしまして、ただちに採決に入る。こういうふうに御了承が得られれば、さようなことにいたしましてもよろしいと思います。
#48
○高田(富)委員 一時間ばかり研究してみて審議に入ることには了承いたします。ただし今委員長が言われましたように、むり押しに採決とか、質問打切りとかはやらないということをはつきりしていただいて、一時間後から審議に入ることに同意いたします。
#49
○小野瀬委員長 それではとにかく野党側の意見も了承するわけですから、遅くなつてもぜひ本日中に質疑だけは終つていただきたいと思います。
#50
○加藤(鐐)委員 先ほど委員長は今日打切ることを撤回するとおつしやつたのですが、今の委員長のお話だとまた前にもどつてしまつて約束が違う。
#51
○小野瀬委員長 それでは野党側の申入れを了承しまして、これから一時間休憩いたしまして、四時十五分から再会いたします。
    午後三時十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時三十六分開議
#52
○小野瀬委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
#53
○勝間田委員 私はこの際議事進行について、ひとつ意見を申し上げてみたいと思うのであります。政令を法律にかえるこの飲食店の問題について、はなはだ私は遺憾に存ずるわけでありますけれども、この際はつきりさしておきたいと思うのは、経済安定委員会というのはもつと権威のあるものだと思うのであります。すでに為替レートが三百六十円にきまり、こういつたものがいかに日本の経済に重要な影響を持つか。この前の予算が審議せられたものとの関係から見ましても、いかにこれが重要であるかということも、われわれ見受けられるのであります。そういうものをほんとうに眞劍に討議して、國の経済政策の方向というものを明確ならしめて行く必要があると思うのであります。そういう意味から言つて、またほかにもたとえば大藏委員会に出ておるいろいろな法案にいたしましても、また予算委員会に提出されるいろいろな案についても、私は経済安定委員会ではつきりした経済施策をとつて、その上に立つていろいろな個別的な審議が行われておるような、そういう慣習が私はどうしても必要だと思うのであります。その意味で今までの経済安定委員会を見ますと、どつちかというと、何というか末梢的なといつては失礼かもしれませんけれども、ある個別的な法案だけをここへ託されて審議しておる。経済安定全体に対する権威というものは、この委員会にはないという感じを私は濃厚にするのであります。その意味で私は委員長以下全員の委員の方も御賛成だろうと思うのでありますが、この経済安定委員会が、文字通り日本の経済安定への指針を與えて行く委員会であるという形に、今後私はどうしても運営して行つていただきたいと思う。そうしてまたそういう目安をもつて審議して行くという眞劍さがあるなら、私はこういつた今日のようなささいな問題については、スムーズに行くだろうと思うのであります。その意味で私は経済安定委員会の権威という問題と、それに基いたいろいろな議案の審査の仕方というものを、今後十分に檢討して、その上に立つてひとつ運営していただきたいということを、特にこの際強調さしていただきたいと思うわけであります。なおこの問題については、私は経済安定本部長官なり、また総裁のほんとうの御意見も機会を見て伺わしていただきたいと思うわけであります。ぜひこの点政府におかれても、十分お考えをいただきたいと思つております。
#54
○小野瀬委員長 ただいまの勝間田さんの御発言は私の考えとまつたく同一でございます。私もこの委員会のあり方はぜひそういうふうな行き方でやつて行きたいというように考えておりまして、いずれ他の機会に懇談会か何か開きまして、われわれの委員会をもう少し権威のあるものにして行くことにぜひしたいと思います。あらためて運営上の根本問題に触れて行きたいと考えております。よろしく御了承願いたいと思います。
 それではこれより質疑に入ります。質疑は通告順にこれを許します。高田君。
#55
○高田(富)委員 実は非常に忙しいので、どういうふうに質問をしていいか、まだはつきりわからないのでありますが、一々あとからまた御説明に應じてさらに質疑をさせていただくことにいたしまして、ただいま二、三わからないところを御質問いたします。
 第一にお伺いいたしたいことは、この法案の第三條の二項の「前項の規定による都道府縣知事の許可は、左の各号の法律の規定により許可を受けなければならないものとされている営業については、それらの法律の規定による許可を受けた者以外の者には、してはならない。」こういうふうになつておりますので、食品衞生法、風俗営業取締法、旅館業法によつて許可されていたものでないと、新たに許可されないことになるのだと思いますが、現在実際上相当たくさんの許可されていない、廣い意味のいわゆる料飲業者が多数あると思うのでありますが、そういうものは当然この法律が出ますと、許可にならないと思いますので、その影響も考慮しなければならぬと思います。その数と大都市あるいはそのほかの方面における分布状態、それから大体それらのものの状況をまずお伺いいたしたいと思います。
#56
○神田博君 高田君にお答えいたします。食品衞生法、あるいは風俗営業取締法、旅館業法等に関連して、関係しておる業者の全國の分布状態はどうかというお話でありましたが、大体大都市が二割、それからその他が八割というような分布状態のように聞いております。なおまた今回のこの政令による許可の関係は、大体この條件にかなつたものはすべて許して行こうというように考えております。
#57
○高田(富)委員 ちよつと條文の意味がわからないのですが、これは実際現実に今ある業者の中で、この三つの法律によつて許可されていないものも相当あるのではないですか。その点はどうなるのですか。
#58
○神田博君 大体許されておると思いますが、露店営業は許可になつておらぬと思います。それから御承知のように飲食営業は全然許可になつておらぬと思いますから、これは今度の許可の対象になると思います。
#59
○高田(富)委員 これは前に一度許可になつたものならいいのでしよう。
#60
○神田博君 その通りであります。なお現にこれからやろうとするものも、全部許可しようということなのでございます。
#61
○高田(富)委員 しかしこれからやろうと思つておつても、前にこの三つの法律で許可されたことのなかつたものはだめでしよう。
#62
○神田博君 それはだめです。
#63
○高田(富)委員 そうするとこの三つの法律によつて許可されたことのないもので、現実に相当いろいろやつているわけですね。これは露店だけですか。
#64
○神田博君 大体主として露店だけです。
#65
○高田(富)委員 新聞等によりますと、相当多数あつて、八割までは現在事実上営業をしているが、零細な露店商人、そういうものは全部やれなくなるのではないかという疑いがあるわけですね。その点はどうなんですか。それをはつきり……
#66
○神田博君 御心配の点は露店営業でほとんど盡きるのではないかと思つております。露店営業については食品衞生法の適用がないことになつておりますので、影響はないと思つております。
#67
○高田(富)委員 そうすると現在やつているもので、あらかじめ届出でれば認可になるわけですね。
#68
○神田博君 その通りであります。
#69
○高田(富)委員 それからこれは総体的な説明でよろしいのですが、これの関連する法律、それから全体の法律をひとつ御説明願いたいのですが……
#70
○神田博君 ただいま條文を拔萃したものを刷らしておりますので、すぐお手元に差上げることができると思います。食品衞生法も、旅館営業の方は公衆衞生の関係上取締るという趣旨でありまして、風俗営業はいかものの取締り、こういうふうになつた趣旨はおわかり願いたいと思います。
#71
○高田(富)委員 條文の方は渡されてから御説明願うこととしまして、その次の三條の三項に「都道府縣知事は、第一項の許可をするに当つて、営業の取締上必要な條件を附することができる。」とありますが、こういう案文はこれを廣く解釈すれば廣くなるし、狹くすれば狹くなる。非常に幅が廣いので、この点をはつきりさせておきませんと、都道府縣知事の許可権の濫用とか、いろいろ問題が起るのであります。この一つの條件について大体例示的にどういうふうなものかということをはつきりさせていただきたい。
#72
○神田博君 第三項のねらいは、都道府縣知事が許可をする場合に、営業の取締り上必要な條件を付するということは、兼業を制限したいという趣旨でございます。兼業を制限しないと、主食を扱い得る営業と扱い得ない営業とがございますから、この制限をして行きたいという趣旨でございます。
#73
○高田(富)委員 そうするとこういうものと一緒の場合は許されて、こういうものと一緒ならばさしつかえないわけですね。
#74
○神田博君 第三條第一項の一号にあります外食券食堂は、外食券と引きかえに食事を提供する営業というふうに、外食券食堂の定義が出ておりますが、第四項の軽飲食店になりますと、これは主食の調理加工を許しておりませんから、これらが一人で二つの行為をやるようなことになりますと、取締りが困難でありますので、前に外食券食堂の許可を受けて、また軽飲食店の許可を申請したという場合においては、どつちかを押えて行きたい。そういう取締り上の見地から立てておりまして、主食取締り上の見地から兼業を認めないようにして行きたい。そうでないと取締りが困難なわけであります。そういうふうに御了解願いたいと思います。
#75
○高田(富)委員 たいへんはつきりして來ましたが、そうなるとこれは第三條の場合は原則的には一、二、三、四、五は兼ねられないことになるわけですか。
#76
○神田博君 その通りであります。
#77
○高田(富)委員 それからやはり同じ趣旨ですが、第四の「都道府縣知事は、経済安定本部総裁の定めるところにより、食糧の合理的消費に妨げがあるときは、第一項の許可をしてはならない。」というふうになつておりますが、これもちよつと言葉にあいまいな点があるかと思いまするので、もう少しここで説明していただきたいと思います。「食糧の合理的消費に妨げがあるときは、」というのはどんな場合ですか。
#78
○神田博君 これは大体法律でございますので、これを施行するにつきましては、運用の政令が出ることと思いますが、その際こういう点を原則として許可しないということで、ただいま考えておりますのは「一、都道府縣又はその一部の区域内における飲食営業を営む者(以下「飲食営業者」という)の数が多く、主食、しよう油等の配給操作上、一般家庭配給を圧迫するおそれのある場合
 二、飲食営業を営もうとする者の名義と実体とが異り、当該飲食営業についての責任の所在が明確でなく、ために主食その他の統制食料品等のやみ取引の取締に困難を來す場合
 三、飲食営業を営もうとする者又はその從業員等の経歴等に鑑み主食その他の統制食料等のやみ取引を行い、又はこれを助長するおそれのある場合
 四、飲食営業を営む者の申請する前條の來客予想数が低きに失し、ために、その経営が主食その他の統制食料等のやみ取引に依存するおそれのある場合
 五、特定場所で飲食営業を営むことが主食その他の統制食料等の集荷配給上又はそれ等のやみ取引の取締上支障を來すおそれのある場合」こういうふうに認めた場合には許可をしてはならない、こう考えております。
#79
○高田(富)委員 そうすると今のところは、これの既定法の運用に関する件の第三條に当るわけですね。
#80
○神田博君 そうでございます。
#81
○高田(富)委員 そうすると第三條の方ですが、これも認定がこういうことになりますと、都道府縣によつて、その縣知事のやり方一つによりまして、非常に廣くやれる場合もあるし、また重くやれる場合も出て、相当まちまちな結果が出て來ると思うのです。たとえば三條の一の場合もあるのですし、それから二の場合も名義と実体が異なるというようなことですが、現在名義と実体の異なるようなものも相当あるのではないかと思います。ことに料飲関係などになりますと、大体女の名義だとか、子供の名義だとかいろいろな場合がありますし、また華僑やなんかの場合になりますと、特にそういつた例があるのではないかと思います。そういうものをこの條文にひつかけて片つぱしからやつてしまうというようなことも、認定権がありますからなるというおそれがありまして、非常に問題だと思います。そういう点はどういうふうに理解したらいいのですか。
#82
○神田博君 この飲食営業臨時規整法案は、大体全面的に営業を認めて行こう、こういう立案になつております。そこで今第三條に列挙したような場合は許可をしない。そこでただいまお述べになられたようなことは、各府縣、方地方によつてそうしたことがあり得るだろうと思いますが、これは一應こういうような方法で取締つて行かないと、取締り方ができないのじやないか。次には規定に書くとしても、これ以上具体的に書くことは困難ではないか。そこでもし許可を與えないという場合においては、安定本部総裁に救済の申請をする方法を認めておりますから、そちらの方で爭うことになるだろうと思います。言いかえますれば、今お尋ねのような名義の実体と名義とがかわるというような場合は、かわつておるというその証拠は、もちろん許可を與える方がこれを出さなければならないことになるわけでございますから、相当愼重に考えられるのじやないだろうか、こういうふうに考えておるわけであります。
#83
○高田(富)委員 ただいまの御説明によりますと、問題は非常にややつこしく書いてありますけれども、原則的には現在やつていると考えられ、そうして希望する者は全部認めるという根本方針で、これを運営するわけですか。
#84
○神田博君 その通りであります。
#85
○高田(富)委員 そうすると最近非常にこの方面は乱脈になつておりますから、惡い言葉で言えばもぐりとかいうような言葉で呼ばれるけれども、事実上は実際問題として既得権的にやつている業者が相当数あると思いますが、こういう八條件があつても、これをたてに許可されないようなことはまずないのだというふうに、はつきり理解していいわけですか。
#86
○神田博君 原則としてはその通りであります。
#87
○高田(富)委員 当面の措置としては、これで大体既得権が認められるということでやつて行けばいい。こういう條文がありますとやはりあとでこれを運用することによつて、その権利が認められなくなるおそれも相当あるかと思いますが、特にこの第三條の三のごときは、経歴によつて営もうとするものの、つまりその從業員の経歴などからこれを判断するというような点もありますし、それから次の四のごときは、來客の予想数が低きに失し、そのために経営その他のやみ取引に依存するおそれある場合というようなことで、さしあたつては権利だと言いましても、將來こういうふうなことが運用されるような事態になりますと、これはゆゆしい問題になると思います。たとえば営業権とか憲法上認められた基本的な権利をたてにとつて圧迫するというような事態も、十分起り得るという心配があるわけでありますが、この点はどうでしようか。
#88
○神田博君 お尋ねのような御心配は予想としてはあり得るかもしれませんが、法の運用にあたりましては、十分これに氣をつけてやりたいという念願でございます。なおまたただいまお尋ねがありましたような三項の「從業員等の経歴等に鑑み」というような問題をあげ、あるいはまた四項のやみ取引に依存している、こういうことはどういうふうに判定するかということを言われましたが、大体このねらつております趣旨は、主食の取締りを強化して行きたい。一方先ほど申しましたように、原則としてすべてに営業を再開させるが、主食の取締りは同時に強化して参りたい。そこで強化する一つの対象として、今言つたようなことも案として一應考えている。こういう趣旨でございます。結局許可を受けても、いろいろ税負担の関係もありましようし、あるいはまた先ほど來から御心配になつておられたような罰則の関係もあるのでありまして、実際の結果を見なければわかりませんが、都道府縣知事が許可するにあたつて、一應今この三條に掲げておるようなことを審査して、そうして主食の統制の強化をあらかじめひとつ考慮して行くことが、取締り強化の線に沿うのじやないだろうか。こう例示的に考えたわけでございます。
#89
○高田(富)委員 それから法案の方の第五條は「消費者の委託を受けて、その持参する飲食物の調理加工をしてはならない。」ということでありますが、これはそうすると必要な場合に自分の配給になつた米を持つて、旅館に行つて炊いてもらうというようなことも、一切できないことになるわけですか。
#90
○神田博君 その通りであります。
#91
○高田(富)委員 法案第十一條の「都道府縣知事は、飲食営業を営む者が、この法律若しくはこの法律に基く命令若しくは処分に違反し、虚偽の申請若しくは報告をし、又は原料の入手その他につき不正の事実があると認めたときは、」云々とありますが、この不正の事実ということになりますと、特に「その他」とあるので、これは相当廣汎な解釈が成り立ち得る場合があると思うのです。たとえば脱税というような場合はやはり「その他」に入りますか。
#92
○神田博君 これは脱税の方は根拠が違うのでありますから、この場合かんべんしてもらえるのだろうと思つております。
#93
○高田(富)委員 脱税はかまわないのですか。
#94
○神田博君 この法律では脱税までねらつておりません、こういう趣旨でございます。
#95
○高田(富)委員 その條文の次の二のところですが、「前條の外食券又は副食券の数が、主務大臣の定める期間内に、主務大臣の定める数に達しなかつたときは、」云々となつておるのですが、ここの主務大臣の定める数というのはどういうことですか。
#96
○神田博君 ただいま考えております案といたしましては、飲食営業者が都道府縣知事に報告する数でありまして、営業開始の月を除きまして、各月ごとの外食券または副食券の数が、その月の來客予想数の五〇%に満たない月があつた場合、また六五%に満たない月が引続き二箇月あつた場合、あるいは八〇%に満たない月が引続き三月あつた場合のいずれの場合においても、都道府縣知事は正当の事由が認められないというような場合には、その営業を停止するかあるいはその許可を取消そう。それはどういうことであるかと言えば、主食の取締りを一面において強化して行きたい。今申し上げた大体のパーセンテージ程度の営業が可能でなかつたならば、それは生業としてそれに依存して生活を続けるということは困難ではないか。困難なものを続けていると称するならば、それは生業として成り立たないであろう。成り立たないものを成り立たせて行くということは不自然であるからやめたらよいではないか。その反面においては主食の取締りを強化して参りまして、そういうものが隠されておる、そこで申告が少いのだというようなことのないようにして行きたい。こういう面からも考えているわけであります。
#97
○高田(富)委員 ちよつとまだよく理解がつかないのですが、副食券の数が自分のところでは一箇月に大体どのくらいやれそうだというのを、あらかじめ申告をしておいて、そうしてその申告した数の今言われたパーセンテージに達しないと取消しになるということになると、その申告の数をあまり多くすると危いし、あまり少いと許可にならないから相当ゆとりのある業者は認められない限度よりもちよつとよけい出たくらいに申請しておいて、安全なところで申請をしておくというようなことになるわけですね。
#98
○神田博君 そういうような場合が起らないようにと思いまして、実際に客数なりいろいろきめる場合には、飲食店業者は第一弱い業者でありますので、御承知のように團体をおつくりになつておられるようでありまするから、こうした團体がやはりこの査定に十分な努力をされるだろうと思います。そこで府縣知事もその團体の適正な意見を十分取入れて、決定されると思いますので、今御心配のような点は全然考えられないとは申し上げませんが、民主的に意見を十分尊重いたしまして、なおまた都道府縣知事が自分の部下を指揮して、いろいろ実情も調査されると思いますから、実情と違つたようなものは少いのじやないか、多くすれば税がかかるとか、少くすればかからないからというようなことは、一應業者としては考えるかもしれませんが、とにかく全体の業者に対して公平に考えなかつたならば、うるさい問題が出て参りますので、業者の團体等の意見を十分しんしやくして、そうしてまた実地調査等を十分やつて考えますれば、適当なところに意見が一致しておちつくのではないか、こういうふうに考えております。
#99
○高田(富)委員 理論的にはそういうふうになつても、実際問題としては税金や何かの申告のときにも、そういう例が相当あるわけですが、組合とかいろいろ業界から申請させると言いましても、やはり相当羽ぶりのきくよいところは、組合においても有力でありますから、そういうふうな形で申告あるいは査定というようなことできめますと、やはりそれが基準になつて営業の非常に不安定なところへ持つて行かれるというようなことは、特に発言権の少いような、言わば大衆食堂的な方面の方が、被害が非常に多くなるおそれがあるのではないかという心配が多分に出て來るわけですが、五〇%に満たない月があつたとき、六五%に満たない月が二月あつたとき、八〇%に満たない月が三月あつたときというのは、これは一体何をそういう数字や月日の基準にされたのですか。
#100
○神田博君 お答えいたします。それは先ほど申し上げましたような來客予想数というものを、やはり一應わくをきめますから、そのわくに対してのパーセンテージであります。それから、もう一つその前にお述べになりました、いくら業者の声を聞くとしても、その業者の性質等によつていろいろの差がつくのじやないか、というようなお尋ねがあつたように思いましたが、そういうことのないようにと存じまして、救済規定もやはり設けられてあるわけでございます。
#101
○高田(富)委員 その次にお伺いしたいことは罰則でありますが、第十二條の場合は三年以下の懲役または三十万円以下の罰金、十三條の場合は一年以下の懲役または十万円以下の罰金、それから十四條は六箇月以下の懲役または五万円以下の罰金というような罰則がついておりますが、この罰則がその事態と比較して重きに失するか、軽きに失するか。こういう点が他の類似の経済統制法規に、たとえば鉄鋼の配給統制をみだした場合にどうだとかいうような、その他幾つかの類似の法規の違反の場合と比較して、こういうふうにきめた理由を御説明願いたいと思います。
#102
○神田博君 この十二條、十三條、十四條の罰金あるいは懲役等の点につきましては、他のこうした経済事犯の場合と歩調を合せてつくつておりますが、今のところ罰金だけは少し多くなつている。これは主食の取締りを強化したいということがねらいでありまして、罰金の方は少し重い。しかしこの主食の取締りを強化する建前上、他の関係法令の方はこの方に今度は將來右へならいするというような、大体政府の意向のように私ども承知しております。
#103
○高田(富)委員 今までの料飲禁止令によつて禁止されていたにもかかわらず、相当事実上の政令違反が公然と行われて、しかもこれに対して相当の徴税をやつているというような状態で、先ほど提案理由の説明にもありましたように、料亭や待合などの取締りは政治的、社会的に困難だということを提案者御自身も認めているのでありますが、こういうふうに政治的、社会的な理由で困難と称して事実上放任し、かつこれを徴税の対象にまでしなければならぬ状態であるとすれば、今後これによつてこういう法律ができましても、今度はもつとめんどうくさくなつちやつて、非常にこれは煩瑣なものでありますし、警察官が毎日一軒の料理屋に朝から晩までつききりでいるというわけにも、いかに警察官をおふやしになつてもそこまでは行き届きかねると思いますので、そういう状態ではこういう煩瑣になればなるほど、のがれることはますます簡單になつてしまつて、そして今までのように簡單に政令違反でびしやつと押えられるものさえ押えることができない。政治的、社会的困難性のあるものを、これによつて十分この法律の言うように取締つて行くというようなことは、まつたく不可能のことに属するように考えられるのでありますが、その点はどうですか。
#104
○神田博君 私が先ほど提案理由を述べました際には、経済的、社会的という言葉を使いましたが、政治的というようなことは申した覚えはないのでありまして、もしお聞きでございましたら、私は申し上げないのでありますから、お聞き違いだと思いますので、この点はつきりしておきたいと思います。
 次のお尋ねのございました現状でもなかなかむずかしい。そこでかような法律をつくり規定をつくつて参つたならばなお煩瑣であつて、警察官を増員してもなかなかたいへんではないかというお尋ねがありましたが、これは見解の相違でありまして、私ども今のような段階に置きますことが、きわめて社会的、経済的に不明朗なものがある。そこで料飲店を再開せしめて、もつと明朗にしたい。そして取締るべき面については十分取締つて参りたい。今日のように巡査が料飲店にしばしば顏を出して行くというようなことのないようにしたいというのがねらいでありまして、これは見解の相違と思いますので、大体今のような程度のお答えをしておきます。
#105
○高田(富)委員 そういうふうな問題はもう少し先に進めてからもう一度やるといたしまして、次に税の関係ですが、今まで料飲関係からは相当の所得税や何かもとつているようですが、かなりの成績があがつているのではないかと思う。その今までの料飲業者からの税金の徴收状況と、それからこの法律の実行された後における税の徴收の見込み、これをひとつできるだけ詳細にお願いしたいと思います。
#106
○神田博君 あとから資料が参りますので、そのときにひとつ……
#107
○高田(富)委員 それからこの法律の内容をもう少し審議してみますと、いろいろ問題もまた出て來ると思うので、当面條文その他についての疑義をお伺いしたわけでありますが、こういう点はどうでしようか。全般的に見て、今まで民自党の方からいろいろ政府その他公務員に対しましても折衝をしたり、長い間かかつて原案は練られたことと思うのですが、そもそもこれを民主自由党で國民の前に公約された当時の考えは、料飲店の再開ということであつて、非常に料飲関係としましては自由に相当景氣よくやれるという印象を持つておつたことは事実でありまして、各方面にそういう動きもかなりあると思うのでありますが、そういうようなことを根本の目標として立案されて來た過程において、いろいろと障害にぶつかり考え直しをしなければならないような事態にぶつかつて、もみにもまれてだんだんだんだんと、現在ここに出されたような取締り法案のようなものにかわつて來たのではないかと思われる節があるわけです。そこで、大体民主自由党のねらつているところ、さつきちよつと現在あるものは原則的にみな認めるのだというようなところに、その片鱗は見出し得るのでありますが、そういうとつぱなしにしてやらせたいのはやまやまだという料飲店再開イディオロギー、これがやはり九原則との間に相当矛盾を生じ、ぶつかりを生じて、今日に至つて來たのではないかと考えられるのでありますが、その点はどうですか。
#108
○神田博君 わが党といたしまして料飲店の再開ということにつきましては、この政令が拔打ちに出た当時からの持論でございまして、別にその後再開の持論につきまして、かわつた考えを持つたこともなかつたのであります。われわれといたしましてはいわゆる料飲店の業者が、政令一本ですぱつと生業を失つている。そしてその生業を失つたまま放置されているということが、新しい憲法下において基本的人権を尊重しないものであるというような基本的な考えから、料飲店というものを再開せしめなければならない。しかしながら今日わが國の食糧事情から考えまして、これらの再開に伴つて主食をもこれを許すというようなことは、われわれは初めから考えておらなかつたのであります。そこで今いろいろ前提のもとにお尋ねがあつたようでありますが、大分当らないことが多いのじやないか思います。御承知のようにやみ行為をやつて所得税をずいぶんとられておる現状だということは、われわれも耳にいたしており、これは事実でありますが、御承知のように今日所得税の査定を受けても、業者は泣寢入りしなければならない。この査定の変更を要求すれば、政令違反をもつておどかされておるというような状態である。こういうような規整案によつて。再開ができますれば、いろいろな條件がつきましても、とにかく堂々と生業としてやり得る。そこにこれらに携わつておる業者の方々の明るさというものがある。またこういうものを利用するということも――長い間これはいろいろな非常なむりによつて來ておるわけでありますから、それらを開くことによつて非常に明朗なものになる。そういうことをわれわれは前提として、この再開に邁進して参つたのでありまして、今日の段階において、この程度の再開をするということについては、やむを得ないのではないか。われわれの党として別にこれ以上のことを公約しておつて、この程度に決定したのだというふうには考えておらないのであります。一つ一つ條件が整つて参りまして、わが國の再建が逐次向上して参りましたならば、その國の姿によつて、やはりこの種業界に対する制限も逐次整理されて行く、こういうふうに考えております。
#109
○高田(富)委員 それは確かに苦しい氣持でやつておつたという点もあるかもしれない。しかしながらほとんど最近では公然たるものであつて、警察官も飲み、統制の係官も飲み、税務官も行つて飲むというようなことで、もつぱら公然と行われておるような状態でありますので、むしろ営業は禁止しておいて、なぜ税金をとるのかという一本痛いところを業者が握つておつたような関係が今まであつた。ところがこういう法律が出來ますると、今度は有無を言わさず、公然と税金をとられる大義名分が整うわけである。しかし営業の内容は、現実に今までやつて來たものよりは、はるかに十重二十重に縛り上げられまして、なかなか営業をやつて行けない事態になりますると、この業者にとりましては、こういう再開ではむしろ再開されない方がよかつた。再開ではなくて、これは取締りであり企業整備である。税金の強制徴收の方法であるということになるのではないかと思うのでありますが、この点いかがですか。
#110
○神田博君 後段の点につきましては、これは見解の相違じやないかと思つております。なおまた税務署あるいは警察官、その他取締り、徴税等に從事しておる官吏が公然と飲んでおる。そのために非常な弊害が出ておるということも、われわれは耳にいたしております。そこでこの規整法案が通過いたしましたならば、それらの官吏ももつと明朗な立場になるだろう。言いかえれば、今日の飲食業者はきわめて弱者の地位にあるのであつて、これを法的に認めることによつて、この法律の適用をする方も、受ける方も、平等な立場に立つて話ができるのでないか。そこで再開ということが業者にとつても、社会的にこれを考えましても、非常に明朗なものである。こういうように考えております。
#111
○高田(富)委員 実際には現在たくさんの零細な飲食店、廣義の飲食店に入るものがあつて、そうしてそれによつてささやかな生業を営んでおる者が非常に多い。しかしながら中に少数の高級の待合、料亭のごときものは、これは数は少くてまた利用者も限られておるのです。大体こういうふうな法律が出ますことによつて、主として小さな方面については、さつきの査定の方面から言つてもそうだし、またその他許可されなかつたりする場合の例も相当当てはまるものが多くなるから、小さいものには非常に大きな企業整備になることは明らかであると思います。その反面今までも禁止されておりながら、公然とやれておつた待合や料理屋の高級のものに至りましては、顧客は大体においてその地方における有力者であり、特に相当の肩書きのある人が多いのでありまして、普通の大衆には利用できない。そういう一部の大きなところで、顧客をその地方における有力層に持つておる部面につきましては、おそらく今まででもとうてい手入れができなかつた。当然押えなければならない範囲にあるものも押えずにあつたのですから、今後はとても押えるどころではなく、この法律を建前にして公然とこれが認められることになるのであつて、このような法律は明らかに、その一部の大きな特殊な待合や料亭にとつては有利である。しかし他の方面に対しては、徹底的なこれは彈圧的なものであるように私どもは考えるのであります。その点についてはどうですか。
#112
○神田博君 お答えいたします。大きな業者が非常によい状態になり、小さい業者がそのために困るのではないかというような御心配でございましたが、料飲店として今度は許可をいたしまして、もちろん明るい商賣になり、そうして課税も明るい対象になるのでありまして、この営業の必要とする――主食は先ほど申し上げたように、これは嚴重に取締るのでございまするが、薪炭であるとか、あるいはまた魚等につきましては、大体配給をしようというふうに考えておるのでありまして、いわば自由競爭をひとつさせて、サービスがよくて能率がよくて、そうしてぼらない。そういうところが今後ははやるのであつて、大きなところが栄えて、小さなところは滅びてしまうというような御心配でありましたが、私どもの考えにおきましては、客種が違つておるのだから、競爭をしておるというふうには考えないのでありまして、大きなのは大きいのと競爭して、やはり自分の競爭によつて生業が続けられるかどうかという問題、それから小さい方はまた小さい方の競爭においてどうなるかという問題、これは結局今後のその店の経営の問題になつて來るのではないか、こういうふうに考えております。言いかえますれば、大きな商賣と小さい商賣とは必ずしも競爭していない。そこで小さいものがすぐつぶれるのだというふうには私ども考えておりません。利用する層も違つておるだろうし、また数も違つておりますから、競爭によつてサービスをよくして、また親切に熱心にやられた方が残るのではないか。今日のような顔で栄えておるものが滅びるという言葉はどうか知りませんが、営業不振を來すではないか、こういうふうに考えております。
#113
○横田委員 議事進行について、大体この法案はきよう突然に出て來た。それを民自党の数の多いところともみ合つて、ようやくむりやり一時間の休憩をもらつて、ちよつと調べただけで、私ども質問するについてもまとまりがない。もちろんこれは民自党の公約でありますから、出されることは大体わかつておつた。それに対して共産党は十分対策をしておるはずであるし、またしておるのだが、予算さえとつちめられるのであるから、これに対してはどのくらいの手拔かりがあるものかわからぬ。それでこれからの質問は、高田君一人がやらずに、もつと能率的にやるために、社会党の方にもやつていただき、また私も質問するというように交互にやつていただきたい。そういうやり方をしてもらいたい。それから六時になつたら休憩をして食事をとるようにしたい。なぜかといいますと、工場においては一生懸命戰爭中働かされた労働者が、今や首を切られており、農村においてはどんどん供米や税金を取られておるというのに、どつかの料理屋ではどんちき騒ぎで飲もうというこの法案をわれわれが審議するのに、腹を減らしてやる必要があろうか、六時になつたら断然休まなければならぬ。
#114
○小野瀬委員長 横田委員にちよつと申し上げます。ただいまの後段の方の夕飯の問題はけつこうでございますが、質疑の方は一應質疑の通告順もありますから、それでやりまして、さらにありましたら――確かに本日の法案につきまして質疑の期間を與えなかつたという点は、ごむりもあるように思いますから、あとからまた補足的な質問はお許しすることにいたします。それでよろしゆうございますか。
#115
○横田委員 それでは社会党に一ぺん質問していただきたい。社会党になかつたら、私の順番にしてください。
#116
○高田(富)委員 私ももう一ぺん考えをまとめますから、しばらくここで休ませていただいて、ほかの方に質問していただきたいと思います。
#117
○小野瀬委員長 質疑を保留するわけですね。それでは勝間田君。
#118
○勝間田委員 まず第一にお伺いしたいことは、この政令の精神と今度の法律案の精神とは同じなのですか。別なのですか。
#119
○神田博君 これは考え方によると思います。大体この前の政令も、主食の取締りをしたいということが主であるとするならば、この法案もそれがやはり相当重要な意味をなしておると思います。
#120
○勝間田委員 そうするとこの法案の目的通りに、結局主食の取締りあるいはやみの撲滅あるいはその合理的利用、これを目的とした法律である、こういうことに文字通り解釈してよいわけですか。
#121
○神田博君 大体そのように解釈してよろしいと思いますが、しかし前の政令は禁止規定でありますが、今度のは再開ということでありますから、その点もひとつ念頭に置いていただきたいと思います。
#122
○勝間田委員 そうすると前のは禁止規定で、今度のは再開の規定だというお話なんでありますが、前の政令の場合でも禁止はいたしましたが、あとは外食券食堂それから喫茶店、旅館、この三つは許して、その他主務官廳の必要なものを許しておるという関係に立つておるわけであります。今度の法律は結局軽飲食だけを許す、こういうことになりはしませんか。その辺をひとつ……
#123
○神田博君 今度の新しくきまつたのはその通りであります。しかしここではつきり申し上げますれば、社会党あるいは民主党が、同じこの主要食糧のやみ取引を防遏するという立場にお立ちになつた場合においては禁止できる。われわれは同じ目的であつても禁止をさせないで合理的に解決して行く。こういう違いだろうと思います。
#124
○勝間田委員 ずいぶん苦しい答弁だと私は思うのでありますが、結局今度の案では目的とするところは待合いと料理屋を開かしたい、こういうことでございますね。
#125
○神田博君 前の政令は禁止によつて主食の取締り強化をお考えになつたと思います。今度のは再開によつて取締り強化をしたい、こういう見方だろうと思います。
#126
○勝間田委員 それで私は非常に不思議に思つたのでありますが、軽飲食という言葉を使つたのはどういうわけですか。非常に私はごまかしじやないかという感じがいたします。
#127
○神田博君 これはいろいろ言葉の使い方は研究の余地はあるだろうと思います。この軽飲食という言葉が熟語としてよい名前であるかどうかということについては、いろいろ人によつて見方もあるだろうと思いますが、とにかく主食を使わないという観念を一つ植えつけてみたい。よく町にも出ておりますが、お手軽料理というようなこともあるわけでありまして、そういうことだけをとつて考えたわけではありませんが、主食を使うか使わないか。そこで使わない。使わないお手軽料理である。それで軽飲食店、こういうふうに考えたわけであります。
#128
○勝間田委員 これは見解の相違かもしれませんが、軽飲食というと、いかにも料理屋と待合とを開かねばならぬが、それでは体裁が惡いので軽飲食店という名前を使つて、この際はこれだけを許して行こうというふうに皮肉にとれるのでありますが、その点は見解の相違でありますから、御質問は申さぬことにいたしたいと思います。それから再開の法律というけれども、内容を見ますと、あらゆる主食の統制の面からは当然のことでありますし、それから今度は副食券というものを出して、そしてまた後からその予定数を云云ということにもなつておる。これはすべては取締る方だと思う。先ほど神田さんがおつしやつた通りに、これは政令の精神というものから考えてみると、たしかにやみ取締り、主食の取締りをするのが目的だと言われたと思う。目的だとあなたがおつしやるなるならばこの法律も取締法じやないか。私はあなたがいかにそれを考えられて、再開法に持つて行きたいのだと言われたところで、やはり実質的には取締法だというように考えるがいかがですか。
#129
○神田博君 主食についてはこれは取締法であることは一点の疑いの余地もないと思います。ただ主食の取締りを効果的にやつて行くということを考えますと、われわれの民主自由党案はなかなか明るいじやないか、こういうことを先ほど申したのであります。
#130
○勝間田委員 明るい案だというのでは、そういう言葉の表現ではどうかと思います。私暗い案だという感じがいたします。それは別問題でありますが、それからこれはこまかい問題に入つて來ますが、兼業は許さないという御答弁があつたようでありますが、持ち込み、仕出は全然できないのでないかと思います。
#131
○神田博君 それはできます。
#132
○勝間田委員 そうするとたとえば待合いで近所の料理屋から仕出しをとつて食べる。その場合に外食券を持ち、あるいは副食券を持つていさえすれば、どこからでもとつて食べられる、こういうことになると思いますが……
#133
○神田博君 その通りであります。
#134
○勝間田委員 それからもう一つお尋ねしておきたいのでありますが、旅行者が米を持つて行つたならばつくつちやもらえない。だが外食券を持つて行けばつくつてもらえる、こういうことになりますね。
#135
○神田博君 外食券食堂や旅館においては外食券と引きかえに利用できますが、持つて行つたものは軽飲食店でも外食券食堂でも使えないわけであります。ただ碎いて御説明申し上げれば、現にすし屋なんか営業としてやつております。これは別に許可営業ではありませんから、そちらに委託加工を頼んで食べる。あるいはそれを持つて行つてどこかで食べるということについては一向さしつかえないと思います。
#136
○勝間田委員 持つて行つて加工させるということであつても、たとえば旅館に行つて自分の米あるいはその他のものを委託加工はできないのですか、できるのですか。先ほどとちよつと違うように思いますが……
#137
○神田博君 現物を持つて行つても旅館はそれはできないことになつております。それをやりますと主食の取締りがその効果を上げ得ないのじやないか。そこでどうしても大分きゆうくつな面があるかと思いますが、主食の取締りを強化するという見地に立ちまして、ここにはつきりした線を引こう、そういう趣旨であります。
#138
○勝間田委員 そうするとたとえば農民など保有米をもらつておりますね。そうした農民が東京に來て、四、五日とまるという場合には、外食券とかえてもらわなければとまれないわけですね。
#139
○神田博君 外食券にかえてもらいますれば一番けつこうでありますが、実物を持つて行つて隣のすし屋に頼むなり、近所のすし屋に頼むということで満足していただくより方法はないと思います。
#140
○勝間田委員 それは実は非常に大きな問題だと思います。特に今度は民主自由党になられたならば、陳情團も非常に多いと私は思うのであります。この点はもつとつつ込んでみる必要があると私は思うのですが、この問題はほんとうに当つてみたのですか。どうですか。
#141
○神田博君 実は主食の取締りを強化する関係上、さつき申し上げたような趣旨になるのでありますが、外食券食堂の点については十分外食券の方をいろいろと改正しようということで、今政府側では準備をしておられるようであります。今お述べになつたような御心配もできるだけ緩和したいということで、外食券についての改正をして行きたい。こういうふうになつております。
#142
○勝間田委員 先ほどすし屋に持つて行けば、農家の方が主食を持つて來ても、加工して宿に運んでもらえるのだが、宿屋でやつてはいけないのだということでしたが、私はその区別をつけることが、かえつて主食を非常に混乱に陷れると思う。むしろすし屋に持つて行つて委託加工するという方が主食の統制を乱すと思う。宿屋にとまつて靜かにしておる人間の方がむしろ乱さぬと思う。常識から考えたら逆になるべきが当然だと思う。それをあえてこういう形にするのはどういうわけですか。
#143
○神田博君 あえてそういう形にするというわけではありませんが、外食券をお持ちになれば宿屋でも十分やつてくれる。米を持つて來てもやつてはいけないというのは、米を持つて來たのがやみ米か保有米かわからないからやつてはいけないというので、それを乱すというふうにお考えになることは、私はむしろ意外なのでありまして、これが励行されれば決して乱れるものではないと考えております。米を持つて歩くのはひとり農家ばかりではなく、われわれも米を持つて歩くこともあるわけであります。一面から考えれば、宿屋に出しても加工してくれないということはきわめて不便でありますけれども、しかし今日のような食生活の際には、大きな目的を達するためにどこかで一つの線を引く。そして取締りを強化徹底させるということになりますと、今ここで規定したような形になるのでありまして、これはやむを得ないのではないかと思つております。
#144
○勝間田委員 しつこいようでありますが、それでは答弁になつておらぬと私は思うのであります。農家の方なり、だれでもけつこうですが米を持つて行く。すると旅館の方では許されない。すし屋に持つて行けば許すという区別をつけたということが、大きな線というのであるけれども、それは大きな線ではないと私は思う。主食の統制を取締るということを目的とする法律であれば、委託加工という点から行けば、すし屋その他に持つて行つた方が、かえつてはなはだ統制を乱すと私は思うが、なぜその宿屋とすし屋と区別をつけたかという点です。
#145
○神田博君 区別をつけたわけではないのでありまして、すし屋は今までやはり許可営業でなく、自由営業なのであります。区別は決してつけていない。区別をつけたのは勝間田さんが区別をつけておるので、私の方では区別はつけていない。すし屋は自由営業でありまして、委託加工をやつておるものにつきましては、あえてすし屋だけの問題ではないと思いますが、自分のものを委託加工する。そこでそれは区別をつけない。しかし傳えるところによりますと、政府の方ではこの委託加工するすし屋等については、若干何か考えておるらしいのでありますが、未だ成案は得ていないというお話であります。
#146
○勝間田委員 念のためにお聞きしておきますが、この今日出された訓令は承認を得られたものでありましようか。
#147
○神田博君 あれはまだ承認をとつておるわけでもないのでありまして、政府側のわれわれがこの規整法案をつくつた場合において、どういうような施行規定をつくるかということの打合せの参考案としてできたものでございます。ですからそういうふうにお考え願いたいと思います。
#148
○勝間田委員 御提案者はこれを承知されておるわけですか。あるいは意向といたしましてはこれよりもつと変更になる予定でありますか。
#149
○神田博君 大筋としては大体あすこに盛られておるようなことに盡きておるのではないかと思つておりますが、なおこれは承認を得るまでに多少かわるのではないか、あるいは、その段階としてもかわるのではないかという懸念なきにしもあらずでありますが、大筋としては大体その方向だろうと思います。あの方向もきまつて、規整案というものと一体になつておりますから、あれが重大にわかるということは考えられないと思います。
#150
○勝間田委員 提案者は軽飲食店の中に、その他の営業と書いてありますが、これは何を意味するものでありますか。
#151
○神田博君 一應考えておりますのは、露店あるいは新興喫茶店というようなものを対象としております。
#152
○勝間田委員 この露店の方々は非常に戰災を受けたりあるいは引揚者であつたり、氣の毒の方が多いと思うのでありますが、不幸にして現在の施設というものは非常に惡い。非衞生的であるというような面が相当多い。そういう面でもし料飲店の再開ということを、民自党の諸君が考えておられるということであるならば、これを何とかしてやらなければならぬということを、積極的に私は考えるべきではなかつたかと思いますが、この積極的な面というものははたして考えておられるのかいないのか。その点をお尋ねしたいと思います。
#153
○神田博君 お説ごもつともでございます。目下考え中であります。
#154
○勝間田委員 考え中ということでありますが、私たちは高級料飲店を先に救済するということよりも、こんな人たちをほんとうに生業として立て直すことを先に考えていただきたい。むしろそういう案を出してくれるということであれば、実は非常にうれしかつたと思うのでありますが、この点はまことに遺憾であります。
 それから罰則の面でありますが、懲役の年数につきましては前の政令とかわりがないのであります。罰金の方を特にふやしておるということを考えてみますと、またもう一つその條件に懲罰と罰金とを併用することができるということが書いてあるが、これは大体この法律のみそではないかと思います。多くの場合は罰金で済ませよう。こういう脱法ではないが、そういう道をつくつておるのではないかと思いますが、この間のお考えを承りたいと思います。
#155
○神田博君 前の露店業者のことにつきまして少し言葉が足らないので、たいへん遺憾であるというように早のみ込みをされたようであります。先ほど高田君の質問でありましたが、露店商人につきましては食品衞生法が適用されていない。その点においては非常に有利な立場になつておりますので、あまりいじることよりも、むしろいじらないことが、親切ではないかという意味で、これはしなかつたのであります。これを考えないのが不都合である、遺憾であるというようなことは、これは立場の違いでもありますが、当らないのではないかと思うのであります。
 その次の今お述べになりました罰金と懲役と併用できる。しかし実際は罰金の方をねらつておるのではないかというふうに受けとれたのであります。さような質問であるといたしますならば、それはどうも勝間田さんともあろう方が、司法権を何とお考えになつておられるのかというような氣がいたしまして、私が答弁をする問題ではなく、裁判所できめる問題でありますので、はなはだ私は答弁者としては不適当ではないかと思います。
#156
○勝間田委員 前の政令のときには、それならばやつた者もつかまるということになつておつたようでありますが、今度はお客さんの方はつかまらないで、やつた料飲店の方だけをつかまえることになるのでしようか。その辺はいかがでしようか。
#157
○神田博君 その点はやつた者だけがつかまる。ということは今まではやつちやいけないということになつておりまして、これはやつちやいけないことはみな知つておるわけであります。業者も知つておればお客も知つておる。そこでやれば両方罰する。しかし今度のはやつてもよろしい。しかしこの條件を守れということが眼目となつておりまして、やるにつきましては材料も配給しよう、薪炭も配給しよう、魚も配給しようということをしておるのでありますから、お客がもし魚を食つて罰せられるというのであつたならば、一々配給の魚であるかどうかということまで聞かないと、食えなくなつてしまうのではないかということもありますので、今度のはお客の方は罰しない。こういうようになつておるわけであります。
#158
○勝間田委員 そこで副食券を出すということですが、みそ、しようゆその他のものになつておるようでありますが、塩とか砂糖とかいうものはどうなつておりますか。
#159
○神田博君 業務配給をしないことになつております。
#160
○勝間田委員 そうすると副食券というのは、需要者側の配給量から減されるということになるわけでありますか。あるいは現物を持つて行くことになるわけですか。あるいは全然塩とか砂糖は使わぬ料理をやるということになるのですか。
#161
○神田博君 お答えいたします。副食券の方は実物ではなくて、副食券を家庭から持つて行く。今足りておるかいないかは別として、來月からは五勺配給を増そうというようなことにもなつておるようであります。なお今の砂糖の問題は、簡單に申し上げておきますが、御承知のように國内産の砂糖は統制しておらないようでありますから、この点自由販賣になつておりますので、使えるのではないかと考えております。
#162
○勝間田委員 それから魚とまきの方の配給をされるということになりますが、これは業務配給ということでやはりやつて行くつもりなんでしようか。あるいはほかに考えがあるのでしようか。
#163
○神田博君 業務配給でやるという予定であります。
#164
○勝間田委員 それと関連するのでありますが、副食券を持つて行つた分だけがみそとかしようゆとかが渡るのですか。あるいはその副食券を持つて行つた以外の業務配給というものが、いわゆる基礎的な配給というものがあるわけですか。その点はいかがでありますか。
#165
○神田博君 これは先ほど高田君の質問でありますかお答え申しましたように、どのくらい利用されているかという問題と関連して参るわけでありまして、何十パーセント利用されておるか、それにやはり比例して配給がついて行く。こういうふうに考えております。
#166
○勝間田委員 大体この程度でやめまして、また後ほど補足的な問題がございましたら、またその節さしていただきます。
#167
○小野瀬委員長 次は平川君に発言を許します。
#168
○平川委員 大体同僚委員からお尋ねになりましたことで盡きておりますので、重複を避けて、二、三の点だけお尋ねをしたいと思います。先ほど勝間田委員が言われましたように、私どももこの法律は、今までの政令をやめてまで出される必要のあるものじやない、というような氣がしてならないのでありますが、もしこれを出すとすれば、われわれというか、國民全般の受ける印象というものは、いわゆる経済の九原則の実施につれて非常にきゆうくつになつている國民生活に、何か明るいものが出て來るのではないかという自由な氣持が先に立つて來ると思う。そうなつて來ますと、一方でずいぶんやかましく社会的な問題になつている主食の取締ということについて、今までのような、放埒な、役に立たない、意味のない取締りをやられないで、ほんとうにしつかりしたものができないかということに、その意義がかかつてくるのではないかと思う。その点について行政を預かつておられる方では、はたしてはつきりした取締りの確信があるのかどうか。この点を一つお聞きしたい。
#169
○神田博君 お答えいたします。まず最初の再開をすることがいいか惡いかという基本的なことについて、いろいろ感心されないという御趣旨のようでありますが、この問題は先ほど來から私がしばしば申し上げております通り、わが党といたしましては長い間天下に公約いたしまして、今回の総選挙においてもその審判を受けた問題であります。なおまたその後において世論調査もございまして、世論調査においてもやはり再開をした方がよろしいということに、多数が意見を同じくしているような次第でございます。
 それからただいま非常に取締りが困難であるが、この規整案が出ても取締りについては非常に困難であるのではないか、というようなお尋ねでございましたが、今の場合はすべてがやみということになるのでありまして、先ほど提案理由の際にも申しましたように、社会的に経済的にきわめて不明朗をかもしているが、この規整案によつて許可営業ということになりまして、許可を受けないでやつている業者に対しましては非常な強い罰則で臨んでいるという面、それから許可を受けた業者については、とにかく業務用の配給を客数に應じてこれを続けて行こう、あるいはまたその業者の営業の状態の報告を受けよう、こういうような面でありますので、取締りの問題につきましても、経済調査廳あるいはその他の方でもおやりになつておりますが、今よりはもつと的確にやれる、こういうふうに私ども考えておりますし、政府側におきましても、この方が十分確信がある、こういうふうに承つておりますので、今後の問題でありますが、御心配のような点はないようになるのではないか。また主食の取締りの問題につきましては、さらにさらに強化されて行くことと考えますので、それらとにらみ合せまして考えますれば、今の状態より再開によりまして非常に明るくなつて來ると考えているわけであります。
#170
○平川委員 さようなことができますなら、たいへんけつこうなことだと思います。
 次に安本の当局にお伺いしたいのでありますが、高級野菜の生産配給あるいは高級魚の配給というようなことへ重心が移りまして、かえつて一般の耐乏している消費者えの供給が困難になるというようなおそれは全然ないかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#171
○中川(以)政府委員 現在の状態から見まして、さようなおそれはまずなかろうと考えております。
#172
○平川委員 この間新聞に出ておりましたところによると、今まで東京市内の全部の料理屋とか旅館で、外食券が百枚しか集まらなかつたという話であります。これはいろいろな理由がありましようが、外食券が使われなくなつた理由は、一つには、外食券を持つて行くと、うどんを食わされるならばけつこうでありますけれども、ある場合にはグリーン・ピースのうでたのを食わされたり、あるいはもつとひどいものを食わされたりするというようなこともあるのであります。さような点はもう少しゆとりがついて來なければ、うまく運用されて行かないのではないか。もしこれにパンであるとかあるいは米、麦を十分配給するということになりますと、現に私の住んでいる地方などは、かんしよを生産している地方ですが、いもと米、麦を交換してもらうことが非常にむずかしくて、ほとんど大部分いもでやつているというような農家もあり、またそういういもでないところにいたしましても、非常に主食に困つているところがありますので、そういうところから不満が起つて來て、農村の供出意欲を低下させたり、その方面から反撃が來るではないかと恐れておりますので、そういう点について、安本当局ではどういうふうにお考えになつているか、伺いたいと思います。
#173
○東畑政府委員 一般家庭の主食につきましては、今日のところ外國に相当依存している関係上、米だけを配給することができないことは、御承知の通りであります。從いまして一般家庭と同じように、一部外食券食堂の現物も、やはり米、麦、いもとならざるを得ない需給の実情であることも、またおわかりくださることと思います。從つて外食券食堂に外食券を持つて行つて、必ず米が食えるという段階には今日の事情がなつておりませんので、場合によりましては、外食券引きかえにいもやとうもろこしをやるということにならざるを得ないと思います。
#174
○平川委員 先ほどサービスを競爭するという話が出ておりましたが、おそらくあの手この手を使いまして、米ばかりを集めるというような業者も出て來るであろうと思います。現在外食券を持つて交換に行きましたときに、やはりマイロとかパンとかいろいろなものを、一般家庭と同じように配給なさることになつておるわけでありますか。
#175
○東畑政府委員 各地方の状況によりまして、おのおの混食率がかわつて來ると思います。農民が米を持つて來て外食券にかえて、それを持つて外食券食堂に行つた場合、その時期と場所によつて混食率がかわることは、今日の食糧事情上やむを得ないと思います。
#176
○平川委員 吉田総理がこのような問題について見解を述べられたときに、消費に一定の制限を加えたり、あるいは料理の最高額をきめるということは、絶対に必要だということを言つておつたのでありますが、たしかに料理屋と待合のみが栄えそうなこの法案を見ますときに、この点についてどういうはつきりした態度をお持ちになつているか、聞きたいと思います。
#177
○神田博君 総理が、ただいま述べられたようなこと考えておられたということは、私どももしばしば聞いております。実はこの点は今回の法案においても非常に氣をつけまして、その趣旨を織り込んでおるわけでございます。たとえば第九條をごらんいただきますと「飲食業を営む者は、その提供する飲食物の價格につき、物價統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)の規定に基いて定められた統制額を遵守しなければならない。」こういうように統制額遵守の規定を一條置いてあります。最高額を法律できめなかつたのは、これは北海道から鹿兒島までの距離でありますし、また東京都内にいたしましても、一流から何流までもあります。また都市と農村というように、いろいろ違つて参りますので、これはむしろ地方都道府縣知事にまかして、地方の実情に沿わしめた方がよいではないか。言いかえれば、今の規定等も地方のきめ方によつてやつて行けるではないか。その方が実情に沿うではないか。そういうふうに考えまして、吉田首相の言われましたことを十分考慮してあるというふうに、お考え願いたいと思います。
#178
○平川委員 今まで盛合せというような方法で、幾らでも高くする方法はあつたのでありますが、このような点については、十分御考慮になることとわれわれは了解したいと思います。なおこの法律がほんとうに実行せられることになりますと、喫茶店あるいは飲食店等において料理の種類が制限をせられるので、むしろ料理の名前を列挙しまして禁止するほど、きびしいものにならなくてはならないと思います。こういうことがうまく運用できるかどうか、私ども納得できないのであります。かりに申しますと、旅館等へ行くと、早く言えばてんぷらなんか出て來ることはあり得ぬわけである。外食券を持つて行つただけでは主食だけですから、てんぷらのころもをつけてもらうということを考えれば、粉を特別に持つて行かなければならない。旅館などへとまりましたら、てんぷらは出て來ないことになるのではないかと思うので、こういうような点で実現不可能な面がありはしませんか。
#179
○神田博君 いろいろとこまかいお尋ねでありますが、旅館ではてんぷらを出すことになつておりますから御心配ないと思います。それから今の價格の問題は、品数を幾つと定めた方がよいとか、あるいは一皿幾らということは、先ほど申しましたように、とにかく都道府縣知事は一應公選によつて知事になつているのでありまして、その府縣の実情を一番よく知つているだろうと思うのです。そういうような意味で、これは府縣知事にまかした方がよいではないか。今御心配になりました價格が守れるか守れないかというような問題になりますれば、それはやはり一般の物價のマル公が守られているか、守られていないかという問題と私は同じだと思います。そのきめ方は非常にむりがある。國民生活の上にむりがある。あるいはまた、需給調整の関係に非常にアン・バランスであるというような場合に、守られておるか守られておらぬかという、一番はつきりした面が出ると思います。この問題におきましても、一般の物價の場合と同じことじやないかと考えております。
#180
○平川委員 先ほど横田委員の方からお話がありましたように、六時を十分超過いたしましたので、このあたりで御休憩になつたらどうですか。
#181
○小野瀬委員長 とにかく先ほどの横田委員の御発言もありますので、六時四十分まで休憩いたします。
    午後六時十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後七時七分開議
#182
○小野瀬委員長 それでは休憩前に引続き質疑を続行いたします。平川篤雄君。
#183
○平川委員 それでは、続きまして二、三お尋ねいたします。このたび罰則がただ業者にだけ適用されることになつた点は、消費者の方の側が、こういう業者を摘発するのに非常に樂になると思うのでありますが、そういうことの含みがあるのですか。
#184
○神田博君 そういう含みは実はいたしておりません。前の政令におきましても、初めはやはり消費者には何もなかつたのであります。ところが御承知のように全面的禁止の場合でありましたので、強化するという意味で両方その後に追加したというような歴史的な関係もございます。今回の再開にあたりましても、ちようど一番初めの際に消費者にはなかつたと同じような趣旨で、今度も加えなかつたのであります。
#185
○平川委員 おしまいに消費者にも加えるようなことになつたというのは、やはりそういうふうにしなければならない理由があつたからなつたのじやないですか。このたびもそういうふうにしなければいかなくなるのじやないでしようか。
#186
○神田博君 あれは、もつと露骨に申し上げますれば、ポツダム宣言受諾に関するあの命令で参つたわけでございまして、日本人の今までの立法例にはない次第でございます。
#187
○平川委員 今度はその点はさしつかえないわけでございますか。
#188
○神田博君 御心配に及びません。
#189
○平川委員 この法律は、先ほども申しましたように、業者は非常に明朗化するというふうに一應考えられるのです。これが明朗化すればするほど堂々とやることでありますけれども、今まで通りの取締りのような状態で堂々とやられますならば、消費者にとつては実に不明朗きわまるものになるのじやないかと思うのです。要するに徴税とか主食取締りというようなものに結局責任がかかつて來る。なお地方長官は主食の需給について、相当頭をしぼらなければならぬし、責任も負わなければならぬというような状態になつて來るのでありますが、こういうふうに考えて來ますと、政府は公約だから、この法律を出して氣がせいせいするでありましようけれども、あと業者も喜ばない。消費者も喜ばない。地方長官なんかは、地方配付税を削られて、おまけにまためんどうな仕事がかかつて來るというので、たいへん迷惑を感じるような法律になるのじやないかということを心配しておりますが……
#190
○神田博君 これは見方の問題にもなりますが、今やつておりますのは、私どもの乏しい経驗から考えましても、決して堂々とやつおるのではない。業者はせんせんきようきようとしてやつておるのではないかと見ております。そこで、今度のこの規整案によりまして、いわば堂々とやれる。それは法律のわく内において堂々とやり得るのだ、こういうことでやり得る基準ができたわけでありますから、非常に明朗化するのではないかと考えておるわけであります。
 それから、今お尋ねになりました、地方におきまして例の配付税の減額等で困つておるのに、なおこういうことをやるなら、府縣知事あたりは困るのではないかというような御心配のようでありましたが、この点も、全國の知事から集めた情報ではありませんが、大体多数の意見によりますと、再開を非常に喜んでおられるようであります。さらに配付税の減額に伴いまして、歳入欠陷になつたわけでありますが、今度はこの点につきましては、地方税として遊興飲食税をとり得る、こういうことになりまして、地方財政については、少からず財政寄與になるのではないかと考えております。
#191
○平川委員 これで私の質問は打切ります。
#192
○小野瀬委員長 それでは加藤君。
#193
○加藤(鐐)委員 重複する点はできるだけ避けて質問したいと思いますが、観点の違うものは多少重複するかもしれませんから、その点は御了承願います。從來料理屋、飲食店の再開という声は、しばしば民自党から主張されておりましたが、それはきわめて明るい響きを持つておつたのであります。しかしこの法案を一見して受ける感じは、非常に暗いのであります。それはこの法案自体に、非常に大きなむりがあるということを立証しておると思うのであります。こういう非常なむりをしてまでこういう法律をつくつて、いわゆる民自党の公約なるがゆえに再開を急がれる心事というものは、これは明らかに國民を欺瞞するものだというふうに思うわけであります。私はそういう意味から、なお民自党の諸君の多数の公約が実行できない現在におきまして、しかも國民は、その公約の実行できない理由も大体知つておるのでありますから、この際この料理飲食店の再開という問題だけをこんなに急がれないで、もつと明朗な建前において再開のできるまで待たれたらどうか、こういうことを思うわけであります。その点について一應提案者の考えを承ります。
 それからなお、こういう嚴重な、しかも複雜な取締りや取扱いをしなければならない法案をつくつたということは、單に関係方面だけに対する申訳であつて、実際実施する上においては相当自由にやられるのではないかと想像いたしますが、その点について、政府当局としてこの法案を嚴重に実行する。すなわち取締りの面においては嚴重に取締りを行われる意思であるかどうか。その点について先ほど提案者に対しての御質問はありましたが、私は今後の政府当局の態度を承りたいと思います。
#194
○神田博君 民自党が大分公約をたくさんしておりながら、なかなかその公約が十分できないではないか。今日飲食営業臨時規整、すなわちこの料飲店再開についても非常にきゆうくつな法案になつておるようであるから、ついでにもつと完全になるまでひとつ見送つたらどうだという、まことに御親切な御質問のように承つたのでありますが、私ども党といたしまして、いやしくも天下に公約いたしました事柄につきましては、十分な努力をいたしまして、そうしてこの公約を果して行くということが、公党としてのあり方であろうと考えまして、この法案が完全であり、無欠であり、十分であるというふうには考えておりませんが、少くとも今日の段階におきまして、今日のような状態に料飲店を置くということ自体が、わが國の経済的、社会的観点からいたしまして改めなければならない。今日お手元に提案しておきましたこの程度の法案でもひとつ満足していただける、こういう確信を持つておりますので、良心的な考えから出しておるのでありまして、決してただいまお述べになられましたような意味で考えておるのではないのであります。きわめてまじめな考え方であるということをつけ加えまして、御答弁にかえたいと思います。
#195
○東畑政府委員 私実は取締り当局でございませんので、ここではつきりしたことを申し上げるわけには行かないのでありますが、現在の料飲店禁止政令というものは、経済調査廳と打合せますと、先ほど御提案の理由の中にございましたように、幾らか取締り困難で、必ずしも明朗でないということになつております。從いまして、この法案がかりに議会を通りました場合には、現在の政令の取締りよりは、おそらくは取締り当局は、この法案の方が取締りやすいというふうに思いますが、直接実は責任は持つておりませんので、それ以上の御答弁はさしひかえたいと思います。
#196
○加藤(鐐)委員 東畑政府委員の御答弁は、はなはだ責任のない御答弁でありますが、私は必ずしも取締り当局の意見を聞こうとは思つておりません。ただ政府が、與党の提案したこの法律案に対して同意されておりまする以上、政府としても、今後いかにこれを扱つて行くかという点についての明確な態度を示さなければならぬと思います。その点については、私は少くとも本日安本長官が出て、その点についての態度を明確にされるべきであると思うのです。私は今の東畑政府委員の御答弁では満足することはできませんので、安本長官に出席していただいて、この点についての明確な御方針を承りたいと思つております。この点を委員長にお願いいたしておきます。
 それから、先ほど勝間田君から軽飲食店という名称についての御質問がありましたが、これは私の想像では、おそらく大衆的な意味を國民に響かせよう、こういう提案者の意図ではないかと思います。その点私は、提案者におかれても、國民に対する良心的な片鱗が示されておることは、まことにけつこうだと思うのでありまするが、しかしこういう名前だけを掲げて、はなはだしく國民を欺瞞するような態度はけしからぬと思う。私どもは、今日國民が明朗な娯樂を要求し、またさらに慰安機関を要求することは、認めなければならぬと思うのであります。そういう意味におきまして、私ども社会党といたしましては、眞に大衆的な飲食店、酒場等をやらせたらどうか、こういうことを主張しておるのでありまするが、民自党側におかれても、そういうほんとうの大衆の喜ぶ――ただ一部少数の人の喜ぶ娯樂機関、慰安機関を設けるということでなくして、ほんとうに勤労大衆が喜ぶところの施設として、大衆的な料理飲食店、酒場等を許されたらどうかと思うわけであります。その点について承りたいと思うのであります。
 私は、こういう名前を掲げて、そうして戰前同樣のりつぱな堂々たる料理屋、飲食店において、一部の人々のみが樂しむ。公然と藝妓を招き、公然とこれみよがしにやれるところの、そうしたいわゆる娯樂機関あるいは慰安機関というものを許さるべき段階には、今日まだなつていないと思う。これは敗戰國としまして、そうした点に強い倫理観を持たなければならぬと思うわけであります。そういう点の倫理観が疑われるような、こうしたやり方をいたしますると、勤労階級がはたしてどういう印象を受けるか。いわゆる産業の再建、國家の再建をになつておるところの勤労階級に対して、強い責任感を持つて勤労を要求しておりまする場合に、そうした人々の利用できないところの、こうしたいわゆる高級料理店、待合等を重点とするところの料理飲食店の再開ということは、まことに提案者の倫理観を疑わざるを得ないのであります。倫理的ないわゆる責任観を疑わざるを得ないのであります。
 それからもう一つ、時間の関係で同種類の質問は一括していたしまするが、さらにわが國の食糧が、年々一千数百万石不足しておることは申すまでもありません。それに対しまして恩惠的に食糧を供給しております外國の受ける印象、これも考えてみなければならぬと思うのでありまするが、これに対しての提案者の感想を承りたいと思うのであります。
 それからもう一つ、先ほど申しました大衆的飲食店、酒場を再開して、一方におきましてはいわゆる高級料理店に使用されるところの堂々たる建物は、これを住宅に――今都市においては特に住宅の欠乏を來しておりまする際に、住宅に開放すべきではないかと思うのでありまするが、この点についての提案者のお考えを承りたいと思います。
#197
○神田博君 輕飲食店が大衆と非常に遠い問題である、大衆のための酒場と言いますか、とにかくそうしたものを考えなければならぬのじやないか、というような御趣旨のように考えたのでありますが、これは大衆酒場をみんな含んでおるわけでありまして、すべてを総称した名称でありますので、どうかその点誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
 なお、この料飲店の大きなものについて、住宅拂底の際であるから、開放せしめて、使用させたらどうかという御案もお述べのようでありますが、社会党内閣におきましても、そういうことをおやりにならなかつたのでありまして、御自分の内閣でおやりにならなかつたことを、わが党の内閣に、たいへん御親切のようでありますが、われわれといたしましては今日の段階におきまして、この程度のいわゆる國民の営業の自由というものを、できるだけ認めさせて行きたい。生業というものを與えて行きたいという考え方でございますので、どうかさよう御了承願いたいと思います。
 それからなお、倫理観についての御質問がございましたのであります。ことに勤労階級に対して、思想的な影響があるのではないかというようなお尋ねであつたようでありますが、私どもの考えをもつていたしますれば決してさようなことは御心配ない。もともとあつたことでもありまするし、ことに今日、料飲店の再開というものは天下の声でありまして、反対しておるのはむしろこれは少数の方々であろうというふうに考えております。
 かつまた、外國に対してどうか。食糧の輸入を厖大に仰いでおる今日、かような料飲店を再開することが、外國に対してどうであろうという御心配のようでありましたが、これは御心配ないようになつておりますので、御安心願いたいと思います。
#198
○加藤(鐐)委員 私は、今神田君が大衆の声だとおつしやいましたが、それははなはだしい認識不足だと思うわけでございます。大体この案の骨子というものは、先ほど來指摘された通り、高級料理店の再開ということを目標にしておることは明らかであります。そうした高級料理店というものを利用される階級というものは、きわめて範囲の狹い人たちであることは申すまでもない。これに対しまして、勤労大衆がそれを望むということは、これはだれが考えてもそういうことは考えられない。私は、民自党の性格、いわゆる民自党のよつてもつて立つておられるところの階級というものが要求しておるということは、これは言われるかもしれませんけれども、いわゆる勤労階級を含めたところの大部分の國民が、それを要求しておるという御見解に対しましては、これははなはだしく不満であると思うのであります。
 倫理観、あるいは日本に恩惠的に食糧を供給しておる外國側の受ける感じというものについて、そういう心配がないという御見解でありまするならば、これは見解の相違としてやむを得ぬのでありまするけれども、私はそういう見解こそが、今日再建途上におけるところの日本の立場を、非常に困難にするということを申し上げておきたいと思うのであります。
 それから、ひそかに営業をしておる場合と、公然と大ぴらにやる場合との國民の受ける感じというものを、はつきりと区別して行かなければならぬと思う。今までやつておつたから、これを公然とやつても同じだというのは、これははなはだしく神田君の認識不足ではないかと思うわけであります。しかしそういう見解の相違を何べん繰返して質問してもしかたがありませんから、先に進みます。さらにもう一つお聞したいことは、從來会社等がクラブ式にして経営しておりましたところの料理店と申しまするか、そうしたものに対しましては、今後どういうふうにして扱つて行かれるかお伺いいたします。
#199
○神田博君 私が先ほど申し上げましたことは、先にお手元にも飲食営業状況調査表というものを差上げまして、現在におきましてもなおかつ全國で十二万からの軽飲食店がある。東京都内においても一万六百に上る推定になつておりまするので、このうちどの程度が料理店であるかということでありますが、料理店全部が、大体今申し上げました数字の二割くらいしか該当していないというふうに私ども伺つておるのでありまして、今回のこの規整案が決して大衆を考えないで一部の者だけを考えたというふうにお考えになることは非常な独断ではないか、こういう意味でお答え申し上げたのであります。なおまた外國に対する影響云々という問題は、私どもの考えからいたしますれば、今日の段階におきまして影響はないということを申し上げたのであります。ことにこの再開のねらいは、しばしば述べておりますように、主食の取締りというものを徹底的に強化して参りたいというのが一つの念願でありますので、こういう面から考えましてもこれを必要とするということに相なつておるのでありまして、これらの点、多少見解の相違と申しましようか、あるいはまた説明が足りなかつたのに原因するのでありましようか、とにかくそういう意味であるということをひとつ御了承願いたいと思います。
 なお最後に銀行、商社等が持つておるところの寮の問題はどういうふうになるのかというお尋ねでございましたが、この銀行、商社の持つております寮がどういうことをやつておりますか。その個々の実態を見なければ断定的に申し上げることはできませんが、いやしくも商社、銀行の寮にいたしましても、該当しておるというようなことに相なりまするならば、つまり許可を受けないでやつておるということでありますならば、本法案によりまして十分取締る、こういうことに相なろうかと思います。
#200
○加藤(鐐)委員 先ほど今後自由に新設を許すという御答弁でありましたが、その点について、どういう見通しを持つておられるか。私どもの見るところでは、今日いろいろ産業の再建がまだ十分でない立場に、料理屋飲食店の営業というようなことが、割合に簡單にできるのでありまして、自由に許可するといたしまするならば、相当増加するのではないかと思うのでありますが、どういう見解を持つておられるか。その新規業者が非常に増加し、氾濫して共倒れになるというような懸念があるということ、それに対する対策をどういうふうに考えておられるか。それからそのために建築のやみが相当またふえるのではないか。從つて住宅を持たない人々の住宅の建築にまで、資材の点で影響して來やしないかという点を心配するのでありますが、その点についての見解を承りたいと思います。
#201
○神田博君 加藤君にお答えいたします。料理飲食店の営業許可を、この法律の規定に基きまして平等に行うということになりまして、將來非常にふえるのではないか。そのために自由競爭の結果、やはり共倒れというようなことが繰返されるのではないかという御質問のように伺つたのでありますが、御承知のように料飲店のために新規に建築をするということは、現在の建築制限法から参りますると、ほとんど不可能な状態ではないかと私どもは考えております。そこでこの建築制限を、規整案が通つた結果緩和するというような考えは、政府は持つておりませんから、新築に関連して料飲店がふえるということは、まずまずまれな場合であろうというふうに考えております。
 それからさらに住宅の轉用等によつて、それならば営業がふえるかということに相なりますれば、これはまたいろいろな関係法の規則によりまして、その方の許可を受けなかつたならば軽飲食店の許可を與えないということに相なつておりますので、そこにも一つの段階があろうかと考えます。さらにまた今後競爭によつて相当な脱落者も出て來るのではないか、こういうように考えます。いろいろ先ほども御説明申し上げましたように、一定の基準を設けまして、その基準に達しなかつたものについては、営業の取消しをやるというような方針でありますので、私どもの考えを率直に申し上げますれば、むしろ料飲店というものは減つて行く。減つてもふえないのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。しかしこれは私どもの考えでございますので、今日の段階においては、ある程度許可は一度にいたしますから相当な数になるだろうと思います。しかしその後將來にわたりましてはふえない、こういうような見通しでございます。
#202
○加藤(鐐)委員 一方において加工を禁止して、一方では持込を禁止しておられないのは、ここに大きな矛盾があるのではないかと思うのです。しかもそこにまた大きな拔け道があるのではないかと思うわけです。先ほど來他の委員からも御質問がありました通り、持込みを禁止しないでおきますると、相当いわゆる主食の提供を禁止せられておるところにおきましても、持込みの名によつて、やみで買い集めた主食を提供するということは、火を見るよりも明らかであると思うのであります。非常にきゆうくつな制限を設けて、そうして旅館等においても外食券がなければ提供しないというような規定にしておいて、持込みの禁止の点だけを規定されなかつたのはどういうわけか。
#203
○神田博君 食管法にも、御承知のように加工食料についての携帶というものは許しておるわけでありまして、今回の場合におきましても、加工されたものを消費者がみずから運んで食べよう。あるいはまたこれを他の者をして運ばせて食べるということは、食管法のそのもの自体が認めておるわけでありますので、これらの自由を制限するということは、はなはだこれは妥当を欠くものではないか、こういうふうに考えております。そこでそれは禁止しない。むしろ禁止することが、憲法上の問題としてもゆゆしい問題ではないかというように考えておるわけであります。さらにまた外食券の問題でありますが、これは先ほど來しばしば申し上げておる通りでありますので、以上申し上げておきます。
#204
○加藤(鐐)委員 私はこの点についても、政府当局がいかなる態度をもつてこの法律の運用に当られるか、ということを明確にお聞きしたいのは、ここにも問題があると思うわけであります。高級料理屋、飲食店は、現在におきましても、主食をほとんど公然と提供しておるのであります。それを持込みを禁止しないということになりまするならば、これはおそらくさらに公然とそこに主食の提供が行われると思うわけでありまするが、そういう点で、從來非常に外國の印象が惡かつたということは、私があらためて御説明申し上げるまでもない。それをその点に大きな拔け道を設けておくということは、せつかく先ほどの、神田君がこのように嚴重な規定をもつてやれば外國の印象は惡くない。こういうふうにおつしやいましたが、私はここにやはり非常に大きな問題があると思うわけであります。その点について重ねて御見解を承りたい。
#205
○神田博君 主食の取締りが十分な効果をあげ得るかどうかということが、結局御心配におなりになつておることじやないかと思うのであります。そこで先ほどから経済安定本部総務長官等を出席せしめて、責任ある答弁を承りたいというように伺つておつたのでありますが、私どももその御心配はごもつともでありまして、さような主食の取締りは嚴重にいたしたい。そうして明朗な経済的、社会的な面をつくりたい。こういう念願でありまして、その意味でこの規定を立案いたしたわけでございます。私が申し上げるまでもなく、今日わが党内閣でありまして、この法案の提案の署名人は吉田総裁初め、各大臣も全部賛成人として名を連ねておるような次第でございます。なおこの法案の趣旨また主食の取締りの強化の問題、そういうことにつきましては十分考えまして、またわれわれ党の留守を預つておる者といたしましても、政府を十分鞭撻いたしまして、そうしてこの法案が予期の成果をあげることができるという了解のもとに、やるわけなのでございまして、どうかその点は御了承願いたい。將來施行にあたりまして、また御批判を仰ぐ場合もあると思いますが、御安心を願いまして、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
#206
○加藤(鐐)委員 それから外食券、副食券の責任数量をきめるということでありまするが、その基準というものは、はなはだ不明確だと思うわけであります。あるいは五〇%の責任の持てなかつた場合とか、八〇%の場合とか、はなはだ幅の廣い規定でありまするが、一箇月の利用数というものがそれほど明確にきまつておるものでもありませんし、そこになお――從つてそのために非常に廣い幅を持たせてあると思うのでありますが、多数の枚数をはなはだしく超過する場合にはごまかすこともできる。こういうはなはだ根拠の薄弱な規定によつて制限を設けるよりも、それ以外にもつと明確な証拠となるものを規定せられたならばどうか。そういう点について、お考えになつたことはないかということを承りたいのであります。
#207
○神田博君 この外食券、副食券につきまして営業の基準をきめて、そしてこの取扱い方につきまして、もう少しこの案以上の方法を考えたことはないかというお尋ねでございますが、これはいろいろ実は研究いたしまして、相談もいたしたのでありまするが、最後にこれが一番よろしい方法であるということにおちついたわけでございます。なおまたこの基準をきめるにいたしましても、先ほど來しばしばお答え申し上げておるのでありまするが、業者が民主的な方法によりまして、そうしてそれらの意見を十分縣知事が参考とせられまして、また府縣知事そのものが自分の権限に基きました調査と両両相まちまして、私は十分適当な基準がきめられるということについて、確信を持つておるわけであります。法律に詳しく書き得ないということは、これも先ほど來述べておるのでありまするが、各府縣おのおの違うのみならず、また一つの都市におきましても各店舖によつて違うのでありまして、それをまとめて書くということになりますると、今書いてありますようなことが一番適当な書き方ではないか。こういうふうな結論になつたわけであります。
#208
○加藤(鐐)委員 今の御説明では、どうもその点はあまり納得行きませんが、もう一つ承りたいことは、この資料として出されました税金の問題であります。本年度は相当昨年度の実績に比較いたしまして、大幅な増額の徴收見込みになつておりまするが、これは本法施行を見越しての数字でありますかどうか、提案者の方でわかつておりましたらひとつ承りたい。
#209
○神田博君 お配りした資料のお尋ねのようでありましたが、これは本法通過を見越して予定いたしましたいわゆる徴收見込額と御承知願いたいと思います。
#210
○加藤(鐐)委員 先ほどの政府当局者に対する答弁の要求を保留いたしまして、これで私の質問を打切ります。
#211
○小野瀬委員長 先ほど質問を留保された委員があるわけでありますが、この際これを許します。なるべく簡單に願います。
#212
○横田委員 大体、質問に先だちまして、われわれが経済安定委員会に参加いたしまして、法案が出たのはたしか私の記憶が間違いでなかつたら、二つだけだと思います。すなわち臨時物資需給調整法案とこの法案の二つであると思います。両法案ともに非常に審議を急がれた。前の方は、四月の終りに出して五月になつたらあかんのだ、こう言つて急いでおられる。今度はまた、きよう出してきよう中にやらなければならぬと言つて來られた。これはいかに占領下の議会とは言いながら、われわれは非常にむちやな取扱いを民自党から受けておる。だから今後はこういうことを一切やめていただきたい。もちろん過半数を占めておる民自党ではあるが、この料飲店再開という問題に関しては、これは非常に色けのある法案であります。人民の苦しみをよそにして、女とおどつて酒を飲んで、同じお膳の上の料理でも非常に遠いところにあるよそのうちから料理を運んでもらう。非常に不便なことだと思う。敗戰後の料飲再開をするということは、非常にふしぎなことだと思う。このほかに重要な議案がまだたくさんあるのですから、いたずらに体力を冗費せずに、民自党は絶体多数を持つておるから何をやつても通るわけです。與党の大多数の威力をもつて十分な審議をされたらどうか。全部出して審議されたらどうか。そして氣持のよいやり方をやつていただきたいということを希望いたしまして、それから質問いたします。それでもしこれをきようにでも採決されるのであつたら――民自党の本性であるところの数を頼んで採決を行われるのであつたら、私は時間を延ばして、今晩十二時まで私一人でも質問いたします。いわゆる反対討論をあすに延ばすというのならば、これは協調してもよろしい。なぜならば、きよう出してきようやらされるということは、刑務所に入つておつた共産党の一員として不面目千万である。強制には断じて屈しない。そういうような点において、きようは採決をやめてもらえるのであつたら、質問は早く打切ります。
 それで第一問は、これは現在文書に飲食営業状況というのがあるのです。東京においては料飲再開を待つている。大阪においても料飲再開を待つている。全國において料飲再開を待ち望んでいるという。実にあわれむべきことを望んでおる業者が何軒あるか、その点をお聞きしたいのであります。
#213
○神田博君 先ほどお手元に差上げましたものにあるように、十二万と考えられます。これは現在の推定でありますが、政令施行の当時は十五万と書いてあるわけであります。
#214
○横田委員 それからこれは、戰爭前の全國に、これの対象になるような料飲店が何軒あつたとお考えになるか、それを聞きたい。
#215
○神田博君 戰爭前の内訳はちよつとはつきりいたしませんが、戰爭前には大体この種の業者が四十万あつたと言われております。
#216
○横田委員 それではこの四十万までは料飲を再開させる、こういうような見込みを持つておられるのでありますか。
#217
○神田博君 ちよつと言葉が足らなかつたのでありますが、それは外食券食堂、旅館、喫茶店を含めての話でございまして、トータルで四十万、その内訳ははつきりいたしておりません。
#218
○横田委員 大体いろいろなものを合して四十万の数に達するまでは料飲はやらす、四十万を越えた場合にはやらせないというお考えがあるかないかということをお伺いいたしたい。
#219
○神田博君 営業の自由ということをお考えになつておられるだろうと思いますが、私どもその見地に立つておりますので、幾らになるからもう締切りだとか、幾ら足らぬからどうというようなことは考えておりません。できるだけこれは営業の自由を尊重して行きたい、かように考えております。
#220
○横田委員 それでは全國にたくさんの料飲店ができて、飲めや歌えで毎日どんちやん騒ぎになつてもよいというお考えでありますか、制限数はないのでありますか。
#221
○神田博君 それはまことに驚き入つたお話でありますが、さようなことは常識的に考えてあり得ないだろうと私どもは考えております。第一わが國の今日の経済状態を考えてみて、先ほど來私がしばしば申し上げております通り、そういうような余裕もなければ、またそういうものずきもないだろうと思つております。
#222
○横田委員 現在の状況より考えて言われるのですが、現在の状況に対する考え方があなたのすきなところの見解の相違になつて來ますが、たとえば銀座に行けば酒もたくさん並んでおるし、菓子もたくさん並んでおります。農村から來ればびつくりするほどのものが出ております。これに対する提案者の御意向はどんなお氣持でありますか。お伺いいたしたい。
#223
○神田博君 私が申し上げましたことは、全部料飲店になつてしまう、外食券食堂もなるかというふうに聞きましたものですから、まさかそういうことはないだろう、要するに外食券食堂にしても、あるいは旅館にしても、料飲店にしても、すなわちこれは経済上の問題なのでありまして、その需給調整というものは必ず自然的に行われるだろうと思います。商賣にならないものを商賣人が考えるようなことはない。そろばんに合わないような仕事はせぬだろう。そういう意味で自動的に調整されて來る。そこでそうたくさんふえるというような心配はない、こういう意味で申し上げたのであります。
 それからもう一つ今東京の銀座その他で非常にお菓子が見えるじやないか。言いかえれば主食を使つておる面があるわけでありまして、その御心配のことかと考えますので、その意味でお答え申し上げたいと思いますが、お菓子の方面に主食が流れておるということについては、われわれも非常に遺憾に考えております。これらは取締りが將來相当強化されるというふうに考えております。
#224
○横田委員 それでは現在を判断して民自党の提案者としては非常によいと思つておられる。私たちは惡く思つておる。そこにこういうことがあるのです。たとえて申しますときようの朝日新聞の天声人語に――これは神田さんもお読みだろうと思いますが、要約いたしますと、英國においては勝つた國でありながら娘が卵の料理法も知らない。コツクは卵器の使い方も知らない者もあつて、ようやく菓子が自由に食えるようになつた。ところが負けた國において菓子がうんと並んでおるし、人民の苦しみを無視して酒を飲む法案をどんどんこしらえようとしておる。こういうような物の考え方は一体提案者のどこから出て來るのだろうかということを聞きたい。從つてこれを許されたときにたれが一体飲むのかということを聞きたい。もつと皮肉に申したならば、むろん皆さんはどこもかしこも飲み歩いて、今までこんな氣がねをした飲み方よりも、これから公然と飲めるような方法で飲めないだろうか、そういうようなことからこういうものを出したのぢやないか。
#225
○神田博君 イギリスではどうこうというお話がございました。私ども他國のことについては非常に情報を知る機会がなくて困つておるのでありますが、この法案の趣旨はイギリスが現にやつておられる切符制度をやはり十分取入れてありますので、やり方としては同じ方向にあるというふうに考えております。それから共産党はこんなものは反対だというお話がありましたが、これは私から述べる必要もないのであります。どうもいつも御賛成を願うことが少いようであります。これだけ申し上げて答弁にかえておきます。
#226
○横田委員 大体酒を飲んでそれからいもを食つて國民を樂しませようというのが、民自党のほんとうの腹ではないか。共産党はみんながゆたかになつて十分にいもも食えるということを望んでおるのであります。しかし現在の條件においては大衆がそれができずに、農村においては供米がどうのこうの、町においては首切りが起つておるのに、一方では花柳界において藝者買いをして踊つておるというような結果になるのではないかということをおそれる。民自党の吉田さんが、もう忘れた言葉の不逗のやからというような言葉を、もう一ぺん言うような状態をかもさないかということを憂えておるのであります。
#227
○神田博君 將來もその御心配は当らぬだろうと思います。
#228
○横田委員 それではまた次にもう一つお伺いいたします。この場合に慰安したところの客は罰せられないけれども、業者が罰せられる。こんなことをしておつたら業者が一人で罰を引受けて、三年とか幾らとかの罰金が書いてあるけれども、これ以上にもうかつたらよいから罰を引受けよう。お客さん何ぼでもいいから飲んでくださいという結果にならぬでしようか。
#229
○神田博君 それは常識的の考え方のわかれ目かと思いますが、私どもはさように考えておりません。
#230
○横田委員 それから副食券の問題で、これは業者が非常にごまかすようなゆとりがあると思う。これはいろいろな資料を頂戴しておりますように、副食券をこれから出すたびに家庭のみそとかしようゆとか食油が減つてしまう。御主人は奧さんの手前料理屋にたびたび行くわけに行かない。これがまた今度の料飲営業臨時規整法案のねらいでもある。そこで業者は副食券なしでごまかす手を考えるだろうし、当局の方も一箇月の見込量を申告させ、その数量に達し得ない業者は営業取消しという痛い手段に出る。こうなつております。そうすると大きな業者は有利でありますけれども、小さな業者はどんどんつぶれるのではありませんか。
#231
○神田博君 お述べになつたようなことはないと考えております。
#232
○横田委員 それでは酒を飲ましてよいような状態になつておるのだつたら、主食の中にいもなんか入れずに、はずしてしまつてからそれをやるようにしたらどうかということを私は考えるのです。
#233
○神田博君 御承知のように酒の造石数というものはもうきまつておりますので、それ以上に酒が出るということには法律の建前からはなつておらぬわけであります。それはその方のきめ方の問題だと思います。この法案とは関係ないと考えております。
#234
○横田委員 それでは酒をつぶしても、いもの量を配給から減らすというような考えではないのですか。これはむしろ安本の方に聞きたい。
#235
○東畑政府委員 ちよつと質問の趣旨がわからないのですが……
#236
○小野瀬委員長 ちよつとこの際横田委員に御相談申し上げます。先ほどあなたがおつしやられたように、この委員会の皆樣の空氣を察しまして、私としては多数をたのんで強硬に押し切ろうという考えも持つていませんし、先ほど理事会でも相談をいたしたのですが、少数党の皆さんが、本日は質疑だけにして、質疑を本日で打切つて討論、採決は明日にした方がいいというような御意見でございますので、與党の理事の方にも御了解を得まして、さようにいたす考えでございますから、あなたもどうぞ先ほどのお話のように、なるべく簡單にお願いいたします。
#237
○横田委員 それではきようは採決しないのですね。質疑だけですね。それでは簡單にいたします。最高價格制と、それから制限制というのがありますが、最高價格を一体どこまでお許しになりますか。それから制限についてどういうふうにインチキをやるのを防ごうとしておられるか。
#238
○神田博君 ただいまの横田君のお尋ねは、飲食物の最高價格をきめるかどうか、きめるとするならば、幾らにするのかというような御趣旨と考えまして、御答弁申し上げたいと思います。先ほどもお答え申し上げたのでありますが、この法案の九條にありますように、それらはすべて物價統制令、すなわち府縣知事の裁量にまかせてありますので、さよう御了承願いたいと思います。
#239
○横田委員 それでは、都内に今二万六千七百軒のいわゆる料飲店と言われるものがあるらしいということが言われておるが、これは旅館業法とか、風俗営業取締法とか、何とかかんとかいういろいろな法規に非常に牴触しておる。これは一つの形を整えた料飲店としての設備を持つておらないからやれない。こういうような場合においては、これを生かすような方法をとろうとしておられるか。やらしてやるような方法をとろうとしておられるか。建物が惡いので、これは料飲店に向かないから、つぶしてしまおうということを考えておられるか。その点を承りたいと思います。
#240
○神田博君 料飲店につきましては、何と言いますか、衞生上あるいはまた風俗上の関係、保安の関係等から、相当考慮しなければならぬだろうと思つております。露店営業につきましては、先ほど來お答え申し上げてあります通りに、食品衞生法の適用もしておりませんし、しばらくこのままにというようなことに相なろうかと思つております。
#241
○横田委員 それから何らかの機会において、この耐乏生活と料飲店の再開というものを、提案された民自党の方で人にわかるように公表していただきたい。こういうふうなことは考えてないのですか。そういうふうなおつもりはありますか。ありませんか。
#242
○神田博君 御質問の趣旨がちよつとわかりかねるのでありますが、料飲店というものを再開するが、耐乏生活を民自党は続けるのかという御趣旨でありますならば、その意味でお答え申し上げます。料飲店を再開いたしたからといつて、わが國の現在の耐乏状態が改善されるとは考えておりません。提案の理由にも申し上げましたように、わが國の現下の状態を、この面において明るくしたいのだということが念願であります。
#243
○横田委員 その点も協定に從いましてあつさりいたしまして、それでは次に原料の不正入手の点において、当局が非常に悩んでおるが、こういうものに対しての対策はどういうふうにやろうとしておられますか。
#244
○神田博君 これは先ほど來からしばしば述べておりますように、主食の面の取締りを強化して行きたい。これは食管法の問題でもありますが、今度の営業の許可をする場合においても、そういうおそれのないように考えて行くつもりでございます。
#245
○横田委員 それでは飲食営業臨時規整法案中に、主務大臣の定める期間中に一定量のものを扱わなかつたならば、それはつぶれてしまうように書いてあるのですが、この点を嚴格にやつたならば、大料飲店のみが栄えて、小さいところはどんどんつぶれると思うのですが、そういう点にはどういう対策をおとりになるおつもりですか。
#246
○神田博君 先ほど來同じ趣旨の御質問がたくさん出ておりましたが、私どもはさように考えておりません。やはりそれぞれ歴史的あるいはまた立地的、あらゆる環境によつて支配されることと考えておりまして、いずれも一長一短があるというふうに考えておりますから、大きいのが栄えて小さいのがつぶれる。そういうふうに考えておりません。
#247
○横田委員 これは社会党の方の御質問の中にあつたのですが、農民がこういうふうな料理屋にとまる場合におきまして、家から食糧を持つて來なければならぬ。これは外食券でもらいますと、百姓は損をする。三合六勺を公然食えるのに、二合七勺の割でもらうのだから損をする。だから現物を持ち出すことになる。現物を持ち出した場合におきましては、特に大阪のような氣違いみたいな警察局長のおりますようなところでは、二升一合しか出さない。それ以上はとつてしまう。そうするとおのずから農民は六日以上は旅行ができない。宿屋も六日以上は人をとめられないというような支障が起るのですが、こんな場合はどういうふうにやつて行かれるおつもりですか。
#248
○神田博君 その点、横田君の御心配はわれわれも同感でございまして、この方は、立案にあたりまして、政府側とも十分折衝いたしまして、これを契機といたしまして、今の制度に対しまして大きな改正を加えたい。今述べられたような欠点を改めるという約束になつております。
#249
○横田委員 それから政令中に料飲店からどれくらいの税金をとつておられたか。そうしてこれをやることによつて料飲店から一体どれくらいの税金がとれるように思つておられるか。民自党の公約の線に沿うてやつて行つたならば、これだけの税金だつたのだが、今度のやり方では。從來よりもつと多い税金をとれるというような見込みを持つておられるか、持つておられないか。
#250
○神田博君 これは先ほどお手元に差上げてありますが、二十三年度には十五億一千万円、今度の改正によりまして七十七億一千万円、こういうような数字になります。
#251
○横田委員 それから町の物品には取引高税があるのです。これは民自党の方が撤廃されるはずであつたのですが、まだ残つておる。こういうような場合におきましては、料飲店を利用いたしますところの偉大なるやみの成金と申しますか、こういう人たちには、戰後の名誉ある勝者として、すなわち大もうけをして、日本人民の大混乱時代に、日本人としてともに苦しまずに、非常に多数者を犠牲にして、おのれ一人が名をなしたという名誉ある税金として、この料飲店を利用される人から、どつさりと税金をとるような考えはあるか、ないか。
#252
○神田博君 それがこの七十七億の案でございます。
#253
○横田委員 それから料飲店を再開される場合に、高級野菜というものが当然必要になつて來る。とにかく農村の高級野菜というものが問題になつて來る。高級野菜が問題になる場合に、農民はそれをつくろうと思つてもつくり得ないほどの作付制限があるので、そんな場合に、色けの多い女の子のいる料飲店だけがかわいそうだというような考え方をせずに、農民も非常に氣の毒なんだから、農民にも作付制限を許して、高級野菜をどんどんつくらしてやろうというような考えは、安本の方はお持ちかどうかということを聞きたい。
#254
○神田博君 私からお答え申し上げます。御承知のように、この四月一日から野菜の統制は解除になつております。野菜は自由でございます。割当がございませんから、その点は御心配ないと思います。
#255
○横田委員 その点では、この間の安本委員会で論議があつて、神田さんはおられなかつたから御存じないのですが、なるほど賣るのは自由なんですが、つくるには制限がある。これは安本長官がはつきり言われた点です。だからそういう点におきまして、農村にもでき得るならば自由につくらせるような方法を考えていただきたい。こう思うのです。
#256
○神田博君 それは私の言葉が足らなかつたと思いますが、制限の範囲内において自由だ、こういう意味でありまして、とにかく撤廃されております野菜の作づけ面積の範囲内において十分おつくりになる。それは百姓以外には高級野菜をつくらぬだろうと思います。その点は心配せぬでもよいと思います。
#257
○横田委員 もう一つわれわれが日本人として日本の法規を守ろうとしても、経済法規が守れないほどである。もつと簡單に言えば何を食つたらよいか、何を食つたら惡いかというのがわからない。町ではややこしいものを食わせるから、これは民自党で禁令辞書でもつくつて、人民大衆にうんと宣傳され、憲法発布を喜んでみんながお祝いになるように、これだけのものは食つていかんのだというように宣傳をしてやるようにしていただきたい。これをやる意思があるかないか。(笑声)
#258
○神田博君 この法案とは関係ないようですから、答弁は御遠慮いたします。
#259
○平川委員 ちよつと一應質問を打切つてはなはだ失礼ですが、一つだけ……。外食券を持つて参ります外食券食堂、めん類外食券食堂、旅館、そのいわゆる飲食遊興税というものを、ほとんどあるかないかというほど低額に押えるということは、非常に法律をうまくやつて行く大事な点だと思うのですが、その点でどういうふうにお考えになつておりますか。それだけであります。
#260
○神田博君 東京都の例を見ましても、外食券食堂では税金をとつておらぬように聞いております。
#261
○平川委員 旅館なんかに外食券を持つて行つた場合には……。
#262
○神田博君 外食券をお持ちになつても、その旅館におとまりになり、あるいは召し上る料理の値段に関係することと存じておりますので、外食券を持つて行つたから、それには税をかけないということにはならないのではないかと思うのであります。
#263
○小西(英)委員 今横田委員からの質問中に、相当不穏当な個人攻撃的な言葉があつたと思うのですが、速記録を調べまして、この國会の席上において個人を攻撃し、あたかも侮辱したような言葉があつたならば、そういうことについて十分注意を與えてもらいたいと思います。
#264
○小野瀬委員長 小西委員にお答えします。速記録を調査いたしまして、不穏当な言辞があれば委員長において処理したいと思います。
#265
○横田委員 民自党の方とこちらとは氏も育ちも違いまして、不穏当云々についても非常に考えが違う。だから民自党の人と一緒にやるときには、これが不穏当だということを書いて張つていただきたい。もちろん私たちは刑務所の中から出て來たものでありまして、皆さんとともに席を同じうして論議をするつもりではなかつた。懲罰は覚悟の前でありますけれども、法規を乱してまで不逞なことを言う意思は少しもないのですから、民自党も現在の通念から見てやつていただきたい。本会議で民自党の方は、ちよつと氣前のよいことを共産党以外の人が質問すると、お前共産党に入れと言う。共産党に入ることは、考査特別委員会で、これは非日特別委員会に送つてやろうかということになる。これは完全に專制である。そういう点はよろしく民自党の方自身が自粛していただきたい。
#266
○池見委員 大分話は長くなりましたが、今日の明朗提案に対して、最後に横田委員の明朗なる質問を聞いて愉快に感じておる。最後に至つていささか憤慨の言葉を聞きましたが、これは氏育ちの違いかもしれない。しかし今日横田委員が採決をしないという点において非常に質問を簡單にし、そして今お話になつたことはよくわかつたから、その憤慨した言葉を取消して、円満に今日は散会をしてもらいたいと思います。
#267
○小野瀬委員長 高田委員にちよつと申し上げますが、五分くらいにしていただけませんか。
#268
○高田(富)委員 先ほど各條的にいろいろわからないところを質問して、御返答を得たのでありますが、特にここでもう一應重ねて御質問しなくちやならないと思うのは、この営業の許可あるいは許可したものを取消す権限が、地方長官に與えられておりますが、またこの法律によりますと、安本長官に委任しているわけであります。たとえば第三條の三にもありますが、四のところでも「食糧の合理的消費に妨げがあるときは、第一項の許可をしてはならない。」ということがある。こういうふうに廣汎な営業の許可あるいは許可の取消しをやる権限を委任してしまつておつて、しかもその字句が「食糧の合理的消費に妨げがあるときは」というようなことでは、この法律の文面からでは事実上わからない。食糧の合理的消費なんということは、よくかんで食えということであるか、あるいは栄養價を調和して、うまく栄養のあるように食えということであるのか、何だかちつともわからない。そこでその説明をさつき聞きましたところが、別の訓令の方にあるので、その訓令がその解釈だということでありますので、訓令を見ると、食糧の合理的な消費に妨げがあるというのとはやや見当違いな、たとえば訓令の第三條の三、四あたりを見ますと、「飲食営業を営もうとする者又はその從業員等の経歴等に鑑み主食その他の統制食料等のやみ取引を行い、又はこれを助長するおそれのある場合」とか、「飲食営業を営む者の申請する前條の來客予想数が低きに失し、ために、その経営が主食その他の統制食料等のやみ取引に依存するおそれのある場合」とか、そういつたようなことでありまして、非常にこの文面もわけのわからないものになつておるように思います。そうしてもしこういうふうなおそれがあるとか経歴がどうとかいうことで、営業が他の法律によつてちやんと認められて、正当なことをやり、業を営むことを望んでおるものを、これを禁止したりあるいは取消したりするというようなことは、明らかに憲法に保障された営業の自由に対する違反であると考える次第であります。この点についてもう一度御答弁願いたいと思います。
#269
○神田博君 先ほどもお答え申し上げたのでありますが、さらに重ねてということでありますからお答え申し上げます。われわれの考えをもつていたしますれば、やみをやるということも、食糧の合理的消費に妨げがあるというふうに考えておるのであります。これはあの政令当時から見れば、非常に樂になつて來ているというふうに考えておりますので、今高田君のお述べになりましたような一應の懸念も、なきにしもあらずでありますが、大体この法案の字句で、あとは政令に掲げているようなもので行けるじやないか、こういうふうに考えております。
#270
○高田(富)委員 しかし、この從業員が前にやつたことがあるからとか、またおそれがあるとか、やみ取引をしなければやつて行けないはずだとか、そんな少いものではやみをやつているのだろうというような、單なる推定でもつて許可を取消さなければならないというようなことは、明らかにこれは違憲だと思う。
#271
○神田博君 この「合理的消費に妨げがある」というような文句は、ずつと前の法令にも大分使つている言葉でもありますし、またかりに、府縣知事がその許可を誤つたというようなことがありますれば、救済規定も別に設けてありますので、その方で救済して行きたい。言いかえますれば大体これで行けるじやないか、こういうふうに考えております。
#272
○加藤(鐐)委員 私の質問で保留してあるものを、明日続行させていただきたい。これだけの案を大臣も出席しないでやることは、私はいかぬと思うので、明日大臣に出席してもらつて質問をいたしたいと思います。
#273
○小野瀬委員長 ちよつと速記をやめて……
    〔速記中止〕
#274
○小野瀬委員長 速記を始めてください。
 それでは法案に関する質疑はこれをもつて終了いたしました。なお明日は本案に対する討論、採決及び過度経済力集中排除法適用除外、経済統制の現況に関する参考人の招致、資金計画と單一為替レートの設定等に関する諸問題を審議いたします。定刻午前十時に開会いたしますから、時間嚴守の上に必ず御出席せられますよう特にお願いいたします。
#275
○高田(富)委員 今日は先ほど來いろいろわれわれの方の立場を申し上げ、また與党の方からもいろいろお話がありまして、審議の初まりから問題があつたわけでありましたが、われわれの方としましてもできる限り協調するために、だしぬけの法案ではありましたけれども、ベストを盡して質問等をやつて参つたわけであります。しかし今後こういうふうなことが二度と行われるようなことになりますと、これは重大なことでもありますので、この機会にこういうふうなことを絶対に前例とせず、將來またこれと同じような事態があることがあらかじめわかつた場合には、委員長として責任を持つて、予備的な研究審査のできる余裕をおいて、万遺憾なきを期するように、この機会において今日のやり方が非常に遺憾なものであつたことを、はつきりさしていただきたいと思います。
#276
○小野瀬委員長 本日は特に長時間にわたり熱心に御審議いただきまして、まことにありがとうございました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後八時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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