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1949/05/19 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 経済安定委員会 第18号
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1949/05/19 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 経済安定委員会 第18号

#1
第005回国会 経済安定委員会 第18号
昭和二十四年五月十九日(木曜日)
    午後二時五分開議
 出席委員
   委員長 小野瀬忠兵衞君
   理事 前田 正男君 理事 森   曉君
   理事 加藤 鐐造君 理事 高田 富之君
   理事 金光 義邦君 理事 森山 欽司君
      足立 篤郎君    小川 平二君
      小西 英雄君    中村 純一君
      永井 英修君    福井  勇君
      高橋清治郎君    横田甚太郎君
      平川 篤雄君
 出席國務大臣
        國 務 大 臣 青木 孝義君
 出席政府委員
        経済安定政務次
        官       中川 以良君
        総理廳事務官
        (経済安定本部
        財政金融局次
        長)      渡邊喜久造君
        総理廳事務官
        (経済安定本部
        生活物資局長) 東畑 四郎君
 委員外の出席者
        議     員 神田  博君
        持株整理委員会
        委員長     笹山 忠夫君
        総理廳事務官  清島 省三君
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
五月十七日
 委員春日正一君辞任につき、その補欠として高
 田富之君が議長の指名で委員に選任された。
同月十九日
 委員勝間田清一君辞任につき、その補欠として
 坂本泰良君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 高田富之君が理事に補欠当選した。
同日
 中村清君及び羽田野次郎君が理事に追加当選し
 た。
    ―――――――――――――
五月十八日
 寒天原藻の統制撤廃反対に関する請願(石原圓
 吉君紹介)(第一七四〇号)
 同(砂間一良君紹介)(第一七九九号)
 映画入場料金統制撤廃に関する請願(志田義信
 君紹介)(第一八一九号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 委員派遣承認申請に関する件
 閉会中の審査に関する件
 過度経済力集中排除法適用除外に関する件
 飲食営業臨時規整法の実施状況に関する件
  請 願
 一 東京芝浦電氣株式会社に対する過度経済力
   集中排除法適用除外に関する請願(中西伊
   之助君外八名紹介)(第五〇二号)
 二 東京芝浦電氣株式会社網干工場存続の請願
   外六件(堀川恭平君外一名紹介)(第六四
   八号)
 三 東京芝浦電氣株式会社松川工場を集中排除
   法適用除外の請願外三件(今泉貞雄君紹
   介)(第一二五七号)
 四 東京芝浦電氣株式会社網干工場存続の請願
   (松澤兼人君紹介)(第一二八一号)
 五 東京芝浦電氣株式会社網干工場存続の請願
   (大上司君紹介)(第一四一七号)
 六 東京芝浦電氣株式会社今治工場存続の請願
   (小西英雄君外三名紹介)(第一四一八
   号)
 七 旅館宿泊料金に対する統制撤廃の請願(小
   笠原八十美君外二名紹介)(第四〇四号)
 八 紙の統制方式及び公定價格撤廃に関する請
   願(渡邊良夫君紹介)(第六七三号)
 九 無煙炭及び煽石の統制撤廃反対に関する請
   願(松井政吉君紹介)(第一四一三号)
  日程追加
 一 寒天原藻の統制撤廃反対に関する請願(石
   原圓吉君紹介)(第一七四〇号)
 二 同(砂間一良君紹介)(第一七九九号)
 三 映画入場料金統制撤廃に関する請願(志田
   義信君紹介)(第一八一九号)
    ―――――――――――――
#2
○小野瀬委員長 これより会議を開きます。
 去る十三日の議院運営委員会の申し合せにより、本委員会に民主自由党及び新政治協議会より、おのおの一名の理事を追加選任いたすことに決しましたので、ただいまより理事の互選を行います。
 先例により委員長に御一任願うに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小野瀬委員長 それでは中村清君、羽田野次郎君を理事に指名いたします。
 なお去る五月十四日理事高田富之君が委員を辞任されましたので、これより理事の補欠選挙を行いたいと存じますが、先例により委員長指名ということに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○小野瀬委員長 それでは五月十七日高田富之君が再び委員に選任されましたので、同君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○小野瀬委員長 続いて過度経済力集中排除法適用除外に関する件を議題に供します。持株会社整理委員会の笹山委員長が出席されておりますから、御質疑があればこれを許します。
#6
○加藤(鐐)委員 私は東芝に対する持株整理委員会の指令には非常に大きな矛盾を含んでおり、われわれの納得しがたいものがあると思うのであります。私は主としてその点について、笹山委員長にお伺いしたいと思うのであります。
 まず第一に、「東芝は日本の重電機業に於て競爭を制限し他のものが單独に之に從事する機会を妨げる生産能力をもつてゐる」これはいかなる根拠に基いてそういう認定をせられたか、こういうことをお伺いしたいと思うのであります。重電機業の集中事情のみを認めながら、一方においてはその指定された二十八工場のうち、いわゆる重電機業と目されるものは松川工場、網干工場その他五つか六つではないかと思うのでありまして、その他はおおむね軽電機工業であります。いわゆる重点はこういう重電機業の集中事業を認めて指令を出されたと思うのでありますが、しかし実際は軽電機業までも含めて指令された。その間の事情を一應承りたいと思います。
#7
○笹山説明員 お答えいたします。東芝が過度経済力の集中に該当する会社であるというふうに認定いたしましたのは、同社の重電機関係だけを対象としたのではございません。「事実の認定」の冐頭の文句に重電機の「重」の字がついた表現になつておりますので、そういつた誤解を招きやすい表現になつておつたことは遺憾に存じますけれども、「事実の認定」全体の調書をごらんくださると御理解が行けると思います。東芝は重電機のみならず軽電機方面において、あらゆる電機の各部面にわたつて、それぞれ全國第一位、第二位、第三位といつたような、強力な能力を持つておる。一、二例をあげますならば、発電機の生産能力においては業界の第一位であります。制御装置においても第一位、受信管においても第一位、また変圧器、水銀整流器、配電盤及び開閉機器においては第二位または第三位、電動機において第三位、その他電氣計測器、無線機等においても一流の能力を持つております。そういつたふうに電機関係のほとんどあらゆる事業分野にわたつて一位または二位、あるいはそうでなくても第一流といつたような大きな力を持つておる。その総合した力が他の同業会社に比較いたしますと、格段に大きい。それで他の競爭を制限するだけの潜在能力を持つておるという点を取上げて、その点が対象にされて過度経済力の集中であるという認定をいたしたわけであります。ただ事実認定の多くの点に少し不十分な点がありましたので、ただいまのような誤解を來しやすい表現になつておつた点については、われわれも遺憾だと思つておりまするけれども、これは事実の認定調書全体をお読みくださると、ただいま私が御説明申し上げたようなことが、十分御了解できるのじやないかと思つております。
#8
○加藤(鐐)委員 笹山委員長は東芝の各生産部門のわが國の生産界における地位を、いわゆる第一位、第二位、その他重要な地位にあるから指定した、こういう御説明ですが、これは私は納得しがたいのであります。ただ一位、二位であるから指定した、こういう抽象的な説明では、納得しがたいのであります。たとえば一方において三菱電機のような、やはり相当重要な大きな生産力を持つておるものに対しまして、すでに指定が解除されております。この三菱電機と比較して違うものはどういうところにあるかということを、一應御説明願いたいと思います。
#9
○笹山説明員 三菱電機は重電機の力においては東芝とほとんど拮抗いたしているように、われわれは調査した結果認めるのであります。しかし重電機以外には車両関係の仕事がありまするが、その他にはミシン程度で、軽電部門の方には終戰後手をつけ始めてはおるようですが、まだ力としては微々たるものであります。東芝の場合はただいま申し上げましたように、重電機の部門で三菱と拮抗するだけの力を持つておるのみならず、軽電部門等においてさらにこれまた他の追随を許さない日本第一というだけの強力な力を持つておる。そういつた総合した力になりますると、三菱電機とは格段の開きがあると思います。その点を考慮いたしまして、三菱電機の場合は重電だけで他の部門がたいしたものでない。これは重電機だけで比較しますと日立製作所もほぼ同樣の力と思いますが、日立製作所はそれ以外に御承知のように車両部門とか、あるいは製鋼部門といつたような強力な力をもつておりまするし、それから東京芝浦は重電機以外に軽電部門として非常に有力な能力を持つておる。その間三菱電機と日立並びに東芝二者との間に格段の相違がありますので、三菱電機は取消しということに相なりましたが、あとの二社は過度経済力の集中であるという認定をいたしたわけであります。
#10
○加藤(鐐)委員 私はこの二十八工場の分離を指定されたのは、それぞれの生産分野において集中生産の疑いがあるという認定のもとに、やられたのであろうと思うのであります。今委員長は軽電部門においては、東芝が三菱に比較して優位にあつたが、重電部門においては大体同じような地位にあるという御説明でありました。私は東芝全体の総合的な生産力というものに対して、いわゆるそれを分割する必要を感ぜられたものではなかろうと思います。それぞれの重電機、軽電機あるいは工機、それぞれの生産分野における集中生産事実を認めて指定されたものであろう。また法の趣旨から言つてもそれでなければならぬと私は思うのでありまするが、三菱電機と東芝の重電機部門とが同位にあるにもかかわらず、一方は指定を解除し、一方は分離を指定された理由が納得しがたいのであります。その点もう少し具体的に御説明が願いたいと思います。
#11
○笹山説明員 ただいま申し上げましたように、重電機部門だけであれば似たような力でありますけれども、しかし東芝の集中排除を認定したのは、電機の全面的な部面にわたつて非常な力を持つておる。格段な力を持つておる。その集積した力を対象としたのでありますが、これを集中排除する場合にも、その集積した力を排除することができれば目的を達するわけだと思います。かりにお話のように重電機の方は三菱電機とほぼ同じであるから、その点さわらないでよくはないかということになれば、軽電部門を大幅に切るとかいつたような措置になると思いまするが、それは最初の事業形態としてもはなはだ現在よりかたよつた形になると思いまするし、集積した力の各部面にわたつて適当にその力を減殺して行くということによつて、より効果的な排除の目的を達すると思われますので、そういつた措置をとつたわけでございます。
#12
○加藤(鐐)委員 どうも抽象的でわからないのでありますが、なお全体質問いたしました後で重ねてお伺いいたして次に進みます。それではそういう御説明でありますと非常に大きな矛盾があると思います。いわゆる東芝車両会社の株式を東芝電機が取得してもいいという指令が出されたことは、そこに大きな矛盾があるのではないか。申し上げるまでもなく東芝車両は、わが國の第一の大メーカーであります。そうしたこまかくわける一方においては、重電機部門の特に大メーカーたる東芝車両を合併してもいい、こういう指令は、これは三歳の童子が考えても、矛盾もはなはだしいものであると思うのでありますが、その認定を下された理由をお伺いいたします。
#13
○笹山説明員 東芝車両は一應形の上では東芝と別個の法人になつておりますけれども、実体的に見れば、これは東芝の一車両部門だということができると思います。もともと東芝の車両工場であつたものを、戰爭中特殊の事情から東芝車両株式会社という看板を上げただけのことであります。工場の実情も東芝の普通工場と同一敷地にあり、事務所、厚生施設等共通的に使つておる部分もあるような状態であります。株も東芝で百パーセントから持つております。実質的に見て東芝の一車両工場にすぎないということが言えると思います。これは合併をしろということを指令案でさしずしておるのではありませんので、そういつた実情にありまするし、なお競爭会社である三菱電機においても、車両関係の仕事を相当やつておりますし、また日立製作所においては、ことに車両関係の相当大きい力を持つております。そういつた競爭会社と同樣な、なるべく近いコンデイツシヨンにおいて、新しく自由競爭を始めて行くというためには、もし会社当事者が合併を希望するものであるならば、それは集排法の面から見て支障ないという意味のことを表明しておるわけであります。もちろんその合併の場合には独禁法に基いて、その手続を進めて行かなければならないことは当然であります。その場合に集排措置としてそれに対して別に格別の異議はないという意味の表現であります。東芝車両の能力はただいま全國第二位というお話でありました。なるほど電氣機関車とか電車といつた部門だけに限つて見ますれば、日立に次ぐ力になると思いますが、車両、蒸氣機関車あるいは貨車等を含めた車両製作上の面から見ますと、全國第二位といつたような強力なものではございません。かりに從業員の数から比較してみましても、東芝車両は約二千人だと思いまするが、日立の笠戸工場、水戸工場を合せますると六千七百人くらいの從業員がおります。また三菱の三原工場も御承知のように車両関係でありまするが、四千三百人の從業員がおります。独立の会社としては日立汽車製造は五千人、日本車両は六千百人くらいの從業員を擁しております。從業員の数から比較しましてもこれらよりは大分格差があるわけです。資本金から申しましても、東芝車両はただいま二千万円と思いまするが、汽車製造は一億二百万円、日本車両は二億二千万円といつたような資本金にもなつております。もともと東芝の一車両工場であつたものを、便宜別個の会社の形体をとつておつたというだけでありまするし、敷地その他の関係、立地條件から言いましても、これを東芝と離しておかなければならない、東芝の経営体の中に置くことははなはだ不都合だというほどのものではないと思いますし、また先ほど申しましたように、競爭会社である日立がただいまのような強力な車両部門を持つており、三菱電機もこの方面の仕事に関連しておるといつたような点から考慮しまして、当事者が合併を希望するものであるならば、それは集排の面から見て別に異存を言うほどのことはない、こういうことを表明しておるわけであります。さように御了承願いたいと思います。
#14
○加藤(鐐)委員 ただいまの御説明ですと、私としては他の分離された二十八工場の内容について、一々御説明願わないと納得しがたいのであります。この大きな矛盾した二つの指令に対しまして、われわれは納得しがたい点を十分に御説明していただいて、納得しなければならないと思うので、納得できるように御説明願いたいと思うのでありまするが、今東芝は私が第二の大メーカーだと言つたのに対して、第二は第二であつても、第一と大きな開きがあるというような御説明だつたと思いますが、二十八工場はそれぞれの分野において非常に独占的な傾向がある、東芝車両はそうではない、こういう区別をされたところが私はわからない。そういう御説明ですと、はなはだごめんどうでも、分離をされた二十八工場について大体どういう状態であるから集中生産の認定をした、こういう御説明を願いたいと思います。
#15
○笹山説明員 先ほど申し上げましたように、電氣業の全面的な方面に東芝の食指が延びておる。これをある程度減殺するのに一、二の工場を処分させるということだけで目的は達成しがたいのであります。四十三の工場、各工場でいろいろな方面にそれぞれ分野を持つて仕事をやつておる関係上、一つ一つを取上げればさほどでなくても、これを総合してある程度の能力を東芝から排除するという措置をとらざるを得ない。それ以外のことは方法もなかなかないのでございます。結局東芝の能力を約二割見当減殺する。ただいまの二割というのは車両部門を含めた東芝の能力から、二割程度のものを減殺するということによつて、一應法の目的を達成することができるのではないかというふうに考えているわけでありまするが、この二十八工場の処分によつて、東芝の総合的能力が約二割減殺されるわけであります。そういう観点で各工場をとられたわけでありまして、一つ一つの工場について一割なり二割の力をさくということは非常にそこに困難性もありますし、また企業体としてのむりも生じます。各種の事情を勘案じて、あるいは中央監理の不便とか、また東芝内部における仕事上の関連、いろいろな面から勘案しまして二十八工場を処分の対象にあげたわけです。これによつて東芝の力がもし車両会社を合併するとしても、現在の二割程度の能力減少になるという実情であります。
#16
○加藤(鐐)委員 この東芝車両の問題でありまするが、私ども聞くところによりますると、東芝車両は大体非常に赤字であつたから、これを捨子するように切り捨てた。しかし最近非常に能率が向上して黒字が続いておつて、また拾いたくなつた、こういうような会社の意向に基いて、この株を取得してもよいという指定をされたのではないかということをしばしば聞くのであります。しかもこの東芝車両会社の内部における、たとえば從業員諸君の意向というものが、この合併に反対である。しかもその反対の意思は相当強固なものがあるようであります。申し上げるまでもなく、今それぞれの生産事業におきまして、從業員の協力なくしてその成績をあげることはできないのでありまするが、そうした從業員のほとんど大部分の反対を押し切つてまで、この会社の合併を企図せられる意図を一應承りたいと思います。
#17
○笹山説明員 先ほど申し上げましたように、合併をしろということを命令しておるのではないのであります。会社当事者の方で合併をしたいということであれば、それについて何ら異議を言わないということでありますので、その点重ねて誤解のないように申し上げておきますが、そういつた合併を希望するのであれば、それに対して異存のないということを考えました原因につきましては、さつき申し上げたように、東芝車両と東芝との経営上の一体的な関係、從來の経緯また同業会社とのバランスといつたような面等を十分考慮したわけでありまするが、さらに東芝車両会社としては電氣機関車、電車をもつぱらやつております関係上、技術的に將來東芝の使うことのできまするGEのいろいろな特許といつたものを十分使用して行くことができないと、將來経営上にもいろいろ御不便があるのではないかと思つております。從來のように別会社であるとはいつても、百パーセント東芝が持つておる。事実上東芝の一部門であつたのであります。さような場合は何ら支障なくこういう特種な技術を使うことができたでありましようけれども、これがまつたく別個の、つながりのない独立会社になつたあかつきにおいては、必ずしも從來のように十分そういう特種の技術を使うことができるかどうか、はなはだ疑問だと思うのであります。さようなことになつて、もし経営が困難ということになりますれば、かえつて從業員の方がお困りになるような事態にも相なるのではないか、さようにわれわれは考えており、日本の現状は特別の事情下にありまして、外國技術に依存しておるところがはなはだ多いのがが実情であります。そういう点も十分考慮した上でかような措置をとつておるわけであります。さように御了承願いたいと思うのであります。
#18
○加藤(鐐)委員 この分離を指定された二十八工場の中で生産されるものは、日本の輸出貿易の面から見ましても、相当重要な地位にあるものであると思いますが、輸出貿易を大いに促進しなければならない際に、しかも一方において独占禁止法を大いに緩和しても、輸出貿易の振興をはかろうという意図のある際に、こういう輸出貿易振興の面から考えても、大いに憂うべき結果になるような処置をとられた理由、そういう点からなおあらためて考慮される意思はないかどうか。言葉をかえて申しまするならば、この指令を撤回される意思はないかどうかということをお伺いいたしたい。
#19
○笹山説明員 輸出貿易に非常にこれによつて支障を來すというふうには私ども考えておりません。具体的にどういう点か、それを承らしていただけば非常にけつこうだと思いますが、二十八工場の処分ということは、この工場の生産をとめる、これを閉鎖してしまうという意味では毛頭ないのであります。できるだけこれは生きて行く方法を会社当事者とも考えてもらいたい。われわれの方としてもそういうふうに指導したいと思つておるのであります。二十八工場をただちに閉鎖するということは全然違つております。ただいまのところこの指令を取消してしまうということは考えておりません。
#20
○加藤(鐐)委員 委員長のただいまの言葉は、はなはだ詭弁ではないかと思うのであります。今まで委員長の言われたように、東芝全体として大きな資本の力、いわゆる集中的なあらゆる面における生産力をもつてやつて來たこの総合的な関係にある、相互依存的な関係にあるこの会社を個々に分離すれば、当然そこにいろいろな障害を來すことは申すまでもないと思うのであります。その点から生産の減退を、あるいは経営の困難を今までよりも來すことは、当然だと思うのでありまするが、そういうふうにお考えにならないのかどうか承りたい。
#21
○笹山説明員 これによつて一時的には生産の落ちるところもありましよう。しかしまた逆にある時間を経過した後においては、生産の上るところも出て來ると思いまするし、小し長い目で見れば、この結果生産力が総合的に見て、つまりこの処分される二十八工場も含めた意味ですが、現状より非常に落ちるというふうには、私どもは理解できかねるのであります。
#22
○加藤(鐐)委員 ただそういうふうに認定するとおつしやつても、これはだれが考えても常識的に相当経営上困難を來すことは当然であります。從つて今相当の期間がたてば回復するであろうとおつしやつたが、しかしそれについて具体的の方策があるかどうか。いろいろ資金の面その他資材取得の面、いろいろの点で、ことに電球、眞空管その他同一品目を生産する工場がありまして、相互依存の関係にあつたと思います。それが分離されたあかつきにおいては、相当いろいろな障害があると思いますが、そういうような点について具体的にどういうふうにして更生させるお考えであるか、承りたいと思います。
#23
○笹山説明員 指令案では大体復興の大きい点について基本的な決定をするわけであります。それに伴ういろいろの細目の点については、その後の編成計画に讓るわけであります。そうしませんと非常に時間を要しまするし、かえつてその間会社当事者も不安を免れませんし、またひいて財界全体にも不安定な氣分を與えるという意味で、ごく骨組み的な点をまず決定しまして、その骨組みに沿つたいろいろの個々の措置は、その後の檢討にゆだねるわけであります。基本的な行き方をきめますれば、その線に基いて会社当事者も個々の具体的な実際措置を十分檢討されるでありましようし、われわれとしては大体の行き方を、この処分される工場もできるだけ生かして行こうということをねらいといたしまして、その目的に沿うように個々の具体的な問題は、今後会社当事者を指導し督励して行くつもりであります。ただいま各工場の金融をどうするか、何をどうするかといつた一々のこまかい点にまで御説明申し上げることは、困難な次第でございます。
#24
○小野瀬委員長 この際委員各位に申し上げます。目下会期末で委員室もふさがつておりますし、また速記者も非常に不足しておりますので、先ほどより他の委員会から速記者を讓つてもらいたいという御要求が参つておるのでございます。さようなことでございますので、委員各位にはできるだけ御質問は重点的に、簡潔にお願いしたいと思うのでございます。なおこれから御発言なさる方も、前質問者と重複するような御質問は、できるだけお避け願いたいということをお願い申し上げます。
#25
○加藤(鐐)委員 どうも簡潔にしたいと思いますけれども、お答えが抽象的で、つい繰返してお伺いしなければならぬようなことになりますが、一應私はあとの質問を保留いたしまして、最後に一つ承りたいことは、実は私どもがなぜこの東芝問題に非常な関心を持つか、この問題であります。巷間傳うるところによりますと、会社の企業整備案を実行するために、この集中排除によつて裏づけしよう、合理化しよう、こういう意図があるということであります。私どもはこの現われた事実、なお今笹山委員長の御答弁になつた程度では、この疑問を氷解するわけに行かないのであります。笹山委員長はこの問題についてどういうふうにお考えになるか。そうしてさらに先ほど申し上げましたように、日本の輸出貿易の振興という点から、あらためて再檢討される意思はないか。一應撤回して再檢討される意思はないか。この点を最後に承りたいと思います。
#26
○笹山説明員 企業整備を裏づけるためにかくのごとき指令案を出したなどということはございません。私どもとしては集排措置という面からのみ考えて、その措置についてどういう方法をとることが最も東芝の場合実際的であり、また集排法の目的を達することにもなるかということを種々勘案した結果、二十八工場を東芝から切り離すという結論になつたわけであります。企業整備の場合とは趣きを異にする点が非常にありますし、また集排も一つの企業の合理的再編成でありまして、この場合にも経理の健全性ということが特に法律にもうたわれておりますので、企業整備と集排措置とまま似た面ももちろん出て來ると思いますが、しかしわれわれとしても純粹に集排の措置という面から考えた結論であります。かりに二十八工場を企業整備で処分するという場合でありますれば、二十八工場の中にある機械設備等は、東芝の方で自由に動かすこともできるわけであります。その機械は全部残存工場の方に移動さして、能力という面においてはちつともかわらないというような措置をすることもできると思います。しかし集排措置で二十八工場を処分するという場合は、原則としてその中の機械に手を触れることができないわけであります。明らかに二十八工場の設備が持つております能力は、東芝自体から減殺されるわけであります。この点は企業整備の場合と根本的に相違しておる点であります。われわれはそういう観点から、この二十八工場の処分というものを、集排措置として誤りのないものだ、かように思つております。
 それからただいまこれは指令案として出ておりますので、決定指令としてこの場合にどういうことになりますか、それはまだ檢討中であります。今のは指令案でございます。なお決定指令についてはただいま関係方面等ともいろいろ協議中であります。
#27
○加藤(鐐)委員 單なる指令案だとおつしやいますが、大体指令案が決定指令になるだろうと思いますが、私はこの問題につきましては十分再檢討せられて、今私の申し上げたような点から善処されんことを強く希望しておきます。
 多小まだ聞きたいことがありますが、一應この程度で打切ります。
#28
○高田(富)委員 ただいまの加藤委員の御質問に答えられて、笹山氏は重電機の部門における競爭を制限するために、という文句はまずかつたというような御答弁でありますが、これは單なる誤解を招く文句という程度のものではないと私は思うのであります。この指令案に付記されておる事実の内容を見ますと、最初に「持株会社整理委員会は、東京芝浦電氣株式会社の事業並びに日本の重電機業における同社の地位及び事業に関し会社が提出したすべての書類及び資料を調査しかつ独自の調査をした結果下記の項を認定する」と、明らかに書いてありますし、第一項は「東芝は日本の重電機業において競爭を制限し、他のものが單独にこれに從事する機会を妨げる生産能力をもつている」と明らかに書いてあるのであつて、これは重電機の方が過度の経済力集中であるとみなされたものであるということは、一目瞭然であります。それをあなたは、そうではない、全部読んでみれば、これは重軽全部ひつくるめた全体の生産力が多いということを言つておるのだから、誤解しないでくれと言つておるのですが、これは單なる誤解ではありません。明文をもつてその通りちやんと書いてある。これは全体が非常に簡單過ぎて、しかも粗雜でありまして、何が何だか事実わからない。わからないからこういう紛糾が起るのであつて、今日こういうような大きな問題になつたのは、指令案そのものが非常な誠実さのない指令案であるところから來ておるのであります。從つてこの最初に書いてある文句は、明らかに重電機ということを、明文をもつて、二段に、前文でも書き、また項目別にも書かれているのですが、この点について、それならばこれは間違いだということで、文句そのものもはつきりこれを訂正される意思がありますか。
#29
○笹山説明員 これは指令案でなく、ただいまのお話は事実の認定の中に書いてある文句でありますが、事実の認定の実態は、その中にいろいろ数字等をあげて能力を示してあります。その実態の要点を前に言葉で書いてあるわけでありますが、このあとの事実の認定の調査自体を全部ごらんくださると、これは重電機だけを対象としているのでなくして、東芝の電機全体を問題にしているのだということは、よくおわかりくださると思う。われわれはそういつた意味で前文も書いておつたのでありますけれども、重電機、軽電機あるいは強電、弱電、いろいろ同樣な言葉を使つておりますけれども、この事実の認定全部から現われているものは、電機業だという氣持で書いたものであります。「重電機業」という表現になつて「重」の字が一つ入つておつた点は、非常に表現はまずかつたと思つております。ですから事実の認定のこの字句については、修正すべきかと思つておりますけれども、それは結局字句の点だけでありまして、この事実の認定全体に現われている精神そのものは、何ら変更する必要はない。かように考えております。
#30
○高田(富)委員 非常にまわりくどい御説明でしたが、要するに要点を初めに書いたのですね。そうすると要点が重電機ということをここに書いてある以上、これははつきり矛盾しておるわけです。あとの内容と初めに書かれた要点とは明確に矛盾しておりますから、これは間違いであるならば率直に――大体そういう重要な指令案を出すのに、とんでもない間違いの文句を書いておくということは、はなはだ不誠意であるし、また職務怠慢だと思う。そういう内容と、冐頭に要点をつまんだものとが、むしろ逆になるようなことを書いて、それが通るというような無責任なことは、私ははなはだ遺憾だと思います。はつきりとこれは事実と違つておる。冐頭に書かれた点は内容と沿つておらないということを明確にお答え願いたいと思う。
#31
○笹山説明員 指令案の中の言葉ではない点を重ねて申し上げておきます。それからこの事実の認定の内容に盛られている点は、何ら変更する必要はないと思つております。内容の表現が若干まずかつた、誤解を來しやすいと思いますので、その点だけは、これは私一存では参りかねますけれども、なお誤解のないような字句に修正する方がよくはないかと思つております。しかし内容自体については、何らかわつてないわけでありますから、それによつて指令案自体に変更を加える必要は、現在の段階においては、この点からは起らないのではないかというふうに考えております。
#32
○高田(富)委員 それでは質問を次に移しますが、この集排法の運用につきましては昨年九月十一日に、総司令部から実施上の根本原則という四つの原則が提示されている。その原則の第一によれば「当該会社が競爭を制限し、または事業の重要部分について他の者が独立して事業を行う機会を妨げた明白な事実がない限り、集中排除法による命令は出すことはできない」と、こうなつておるのでありますが、この事実の認定その他を読みましても、そういう機会を妨げた明白な事実というような点について、何らの論証がないと思いますが、その点はどうですか。
#33
○笹山説明員 ただいまお話のいわゆる四原則と申しまするものは、これは私から御説明するまでもないと思いますが、集中排除審査委員会、いわゆる五人委員会の方が見えられて、從前この集排法がいろいろ誤解せられておつた点もあり、あまりに極端に走るような懸念はないかということを世間がおそれて、不安を持つておりました関係上、その運用についての一應の指針といつたようなものを、五人委員会が示されたわけであります。しかしこれは相当幅のあるものでもありますし、これは集排法運用の一つの手引きといつた程度のものでありまして、この解釈はこれをこしらえた五人委員会自体が権威を持つていると言つてよろしいと思いますが、この四原則の第一の場合も現実にそういつた事実があげられなくても、他の競爭を制限し得る、独占的地位を占め得る、そういつた潜在能力のある場合、その場合もこれは十分集排対象として審査しなければならないということは、五人委員会自体においても認められております。また私の方にもそういつた書面が参つておるのであります。東芝の場合も先ほど申し上げますように、集積した能力が非常に大きいのであります。もしこれを放任しておきますると、独占的地位を占めて、他の競爭を制限するに足る、そういつた潜在能力を持つておるものというふうに認定されたわけであります。
#34
○高田(富)委員 ただ列記的に何が第一位だとか、あるいは重要だとかというようなことが書いてありますが、そういうような程度の事実の簡單な羅列だけでは、他の独立して営業することを妨げるとかいうような明確な論証には何らならない。何は全國で二位だとか、何はかなり重要だとか、何パーセントつくつておるというようなことを羅列しただけでは、何ゆえにそれが独立した新規の営業をやることを阻止するような大きな能力があるか。あるいは独占的な、他の競爭者を不当に圧迫するということは論証にはならないと思う。そういう点から言つてもそうです。
 もう一つお伺いしたいことは、もしかりに総合的にまた能力が大きいということになれば、その場合ちやんと事実の認定の中に、支配しておる会社がたくさんあるということは羅列しておる。その中に東芝車両株式会社が全國第二位だということがちやんと書いてある。そういうような他会社を支配しておる状態にあるからこそ、これが相当な競爭力を持ち独占的な潜在力を持つ。このことは認定の資料の中に入つておる。その認定された資料の中に入つておる東芝車両株式会社が、これがあるからこそそういう大きな力を認められておるのに、逆にまたこれを合併してもよろしいという指令を出すのはどういうわけですか。矛盾しておりませんか。
#35
○笹山説明員 東芝車両に対する措置の点については、先ほど詳細御説明を申し上げましたので、できれば御容赦願いたいと思います。
#36
○高田(富)委員 矛盾しているか、いないかということをお話願いたい。
#37
○笹山説明員 矛盾はしていないと私は思つております。先ほど申し上げましたように、東芝車両というように別会社になつておりますが、事実上は東芝の一車両部門にすぎないというふうにわれわれは考えております。そうしてそういう別個の会社の形態はしておりますが、その車両部門も含めた意味で二十八工場程度のものを処分することが、正当であるというふうに考えたわけであります。そしてこの車両会社を形式的にも東芝の経営の中に含めてしまいたいということであれば、強いてそれを排除する必要はない。こういう考えをしておるわけであります。別に矛盾しておるとは考えておりません。
#38
○高田(富)委員 もし会社が一緒にしたいという希望があれば、一緒にしてもよろしいということは、一体集中排除法でそういうことを指令の中に入れる必要が何條によつてありますか。集中排除法の何條によつてそういうことをやらなければならないのか。会社の希望をいれて集中するようなことを、指令し得る根拠はどこにありますか。
#39
○笹山説明員 合併の場合は公取の認可を要することに從來なつておりました。今度の改正の内容等については私どもまだよく承知いたしておりませんが、いずれにしても会社の合併の場合は公正取引委員会においてこれに関與する。その場合に東芝は集排の指定会社として集排措置を受ける会社になるわけでありまするから、そういう場合は一般の普通の会社のように、特に会社の合併の場合に特別の考慮を拂わなければならないのじやないかといつた、固定的な考え方をしてもらう必要はない。集排法の面から見たときは会社が合併を希望する場合、先ほど申しましたように、公正取引委員会の方に対して適当であれば認可をとらなければならないわけでありますが、認可なりあるいは事前の報告をする場合でも、別に集排関係にとらわれることなく考えてもらつてけつこうだということを附記しておく方が、誤解を來さないでいいのではないかという点を考えたわけであります。かりに両者が希望して合併する場合、あるいは増資の場合もありましようし、また減資合併をする場合もあると思います。減資合併の場合であれば、委員会で持つておりまする東芝車両の株を東芝の方に再取得さして、買入れ償却に充てさせることがありますが、そういう方法もでき得るということを念のために示しておくことは、妥当だというように考えたわけであります。法的の根拠としては第一條の「國民経済を合理的に再編成することによつて、民主的で健全な國民経済再建の基礎を作ることを目的とする。」という、これに包含せらるるものであると信じます。
#40
○高田(富)委員 この目的は総合的に大きく大目標を示したのである。一々指令を出す場合には、どういう根拠で、どういうふうな事項を記載して指令を出すべきかということがあるわけです。たとえば集中排除法の第八條を見ますと、第八條にちやんとそのことが書いてある。第八條の二項には「前項の規定による指令案の文書(提出された計画書の承認に係るものを除く。)には、処分の基礎となつた事実の認定を附記しなければならない。この場合において、その事実の認定は、指令案の基礎となつている経済上、生産上その他の資料を詳細に示し、又はその事実の認定には、これらの資料に関する説明を覚書として添附しなければならない。」というふうに懇切丁寧にこのことが書いてある。ですから集中排除のためにやる場合には、これこれの理由でこれは経済力が非常に集中し過ぎておる。そのためにこういう弊害があるのだという事実を示して、それなるがゆえに分離しろとか、これはどうしろということを具体的に指示するのが指令であり、指令案である。それが第一條の目的に沿うように行われればよいわけである。第一條の目的に合えば何をしてもよいということになれば、何事もよいことになる。第一條の目的は、あなたの見解では民主的な國家を再建しろということになるから、持株整理委員会の権限外の何をやつてもいいことになるが、そういうものではない。持株整理委員会の與えられておる仕事は、その大目的に沿い得るように特に與えられた一定の仕事をやる。ところがあなたのやられた指令は、集中排除の指令とまるで違う。あるいはあなた方の民主國家の再建という大きな目標の中にあるかもしれないけれども、集中排除のための特定の指令案の中に、集中を強化するような現実の事実の認定の中に、これこれの株式会社の株を持つておるから集中をしておるのだと書いてある。集中の証拠に上つておる会社を合同してよろしいという指令を入れるのは、明らかに越権行為である。これは職権濫用である。そういうふうに業者なり、会社がはたして希望しておるかいないかということを一々そんたくする必要はない。会社の希望に沿うようにしなければならぬといつても、あなたは会社が希望しておるかいないか知らないはずだ。それを希望しておるものと考えるのは――あなたは非常に頭がよいと考えますが、希望しておるものと認定して、その会社は合併してよろしゆうございますというような、まるで集中を強化するような指令までも入れることは、明らかに法にも違反するし、また大体経過が非常におかしい。会社の意思をそんたくして、特定の会社が合併したい意思があるそうだから、合併してもさしつかえないと書いておけということは、ほんとうに嚴正な立場から集中排除の重大な任務を果すべき持株整理委員会としては越権行為であり、職権の濫用であると考えます。この点についての見解をはつきり述べていただきたい。
#41
○笹山説明員 集中を強化するという意図はありません。もちろんここに東芝車両以外にいろいろな会社も羅列してありますが、そういつたものはみな東芝車両から離させるわけであります。東芝車両だけは先ほど申し上げたように特殊の事情にありますので、これは形式的にも同一形態にしてもさしつかえないということを表明しただけであります。私はその会社当事者が希望しておるかどうか存じません。それをそんたくしてこういう指令を出しておるということではありません。東芝車両の場合は、先ほども申し上げましたように技術的に、これは電氣の技術と非常に関連の深いものでありまして、これだけは離さないでも一緒にやつて行こうということであれば、それでさしつかえないというだけであります。その他の多くの部分を切り離すわけでありますが、それも企業整備の場合と違つて、集排の場合は、機械設備等を、それによつて残る工場に附加するわけにはいかないのでありますから、集中の強化にはならないわけであります。明らかに二割減るのであります。ですから集中の強化にはなりません。
 それから先ほどの法律の点でありますが、第一條の目的に從つて、それに沿うように実質的の措置をしておるわけであります。それで基本的な法律的根拠といえば、第一條になりますが、なお具体的なこまかい條項から申しますれば、第七條の十号、「その他第三條の規定により指定された過度の経済力の集中を排除するのに必要と認められ、且つ、この法律の規定に適合する行為をすること」という、これにも該当すると思います。十一号の「前各号に掲げる事項を実施するために、必要な指令をし」云々といつた点にも包含せられると思います。大体さように御了承願いたいと思います。
#42
○高田(富)委員 非常に私遺憾に思いますことは、何か非常に詭弁的な御答弁が多いように思うのですが、これは常識的に考えても、何としても集中排除の指令の中へ、あなたの言うように明らかに東芝車両を入れて考えて、集中している人だ、これは東芝は当然車両も一つのものと見て、そうして集中しているんだと言いながら、せつかく別になつておるものをわざわざくつつけるというような必要はない。せつかく別になつておるならば、別にしたあとのものを考えて、これがはたして全体として独占的になつておるかいないか、過度の集中排除になつておるかいないかということを考えるべきであつて、別になつたものを一緒にして考えて、そうして云々して、これで多いと言つておきながら、一緒になつた方を切捨てさせ、別になつた方をくつつけさせるような指令は、何としても常識では考えられない。私はただいまの答弁は不満であります。さらにそれではお伺いしますが、総合的な経済力が軽電、重電を通じて非常に過度に集中しておると言いながら、札幌工場の建設を許可している事実、それから軽電氣としても、その大半を占める眞空管、電球部門が明らかに日本における最大の製造業者であるにかかわらず、さらに巨大な横須賀工場の建設を許可し、着々進行中の事実、これは非常に矛盾しておると思いますが、その点はどうですか。
#43
○笹山説明員 ただいまの札幌工場、それから横須賀工場の許可は、東芝がまだ持株整理委員会の対象になる前に、日本政府の方から許可されたことだろうと思います。私どもは直接にはタツチしなかつたところでありますから、その点念のため申し添えておきますが、現在の段階においては、横須賀に関しましては從業員が非常にわずかなものでありますが、詳細の数字は調べますればわかりますからのちほど申し上げますが、約百三十人程度のように承知しております。当初大きい計画は持つておつたかもわかりませんけれども、現在の段階ではその程度であります。これを拡張することはなかなか早急にはでき得ない事柄ではないかと思います。集排の措置をするときには、一應今日までの段階、現状を基礎としてやりますので、先のことまではなかなか予測困難だと思われます。数字としては現在の能力以外は処置の対象にあげるわけには行きませんので、現状を基としてわれわれは考えて行つたわけであります。
#44
○高田(富)委員 そうすると今の御答弁は、その両工場は、かりに竣工して始めても大した生産力がふえるとは認められないというわけですね。
#45
○笹山説明員 將來のことはちよつとわれわれも予測いたしかねます。現状から見てなかなかそう簡單に、どんどんこれを強力に拡張して行くことはできにくいのではないかと思います。かりにこれを強力に拡張することによつて、他の業者との間に非常な勢力の格差を來す、独占的な脅威を持つて來るおそれがあるという場合には、当然これは独禁法の面から公正取引委員会で対象として取上げるだろうと思います。
#46
○高田(富)委員 集中にはならないということを企業整備の場合と比べて言われておりますが、この中には進駐軍の必要とする何とかという文句がありましたね。占領軍が必要とする機械設備及び工器具を除いたという條件がくつついております。ところでこれは解釈のしようによりましては、どういうふうにでもなるので、結局会社側でもつて、この設備ならばこの設備は必要だということになれば、幾らでも重要施設は持つことができるのであります。だから結果においてこれは企業整備とまつたく同じ効果を事実上、常識上持つことは明らかであります。今度のこれは先ほど加藤委員も質問されましたが、会社側の企業整備の案に巧みに集排法を乘りつけて強化したものであるということは、世間一般の常識的な意見になつております。この会社の企業整備につきましても、ずつと前からの会社の企業整備案などを見ても、今回指定されておる工場がその中に相当数入つております。それから会社の企業整備の方針なども、從來傳えられるところをいろいろ調べてみますと、ほぼ企業整備の――ほぼどころじやない。完全に会社の企業整備の案そのままなのである。しかもこの中には指令案を見ましても、会社の方で企業整備の案を出せば、それをもつて指令にかえるとかいうような意味の文句が確かあつたと思いますが、そういうふうに会社側が企業整備の都合上考えて出す案をそのまま丸のみにして、これを指令案にかえて行くというようなことも、この趣旨にちやんと明確に盛られておりまして、また今までの経過から見てもそうでありますし、事実上今回の二十八工場が処分されなければならぬという工場の選び方にいたしましても、まつたくこれは会社側の案そのままだ。これは企業整備を完全に集排法でやつたものだ。その証拠には先般労働協約の停止についての訴訟を会社側でやつておる。それを見ますとその訴訟の中にも――これは昭和二十四年四月三十日横浜地檢に対する経営権保全の仮処分、これには労働協約を無効にしてもらいたい。それは企業整備をするのにぐあいが惡い。何となれば、これは過度経済力集中排除法によつて指令案が示されておる。だからどうしてもこの仮処分をしておかなくてはいかぬ、こういうような申立ての理由がちやんとついている。だから会社側としましては企業整備について從來計画を立て、着々実施に移して來たけれども、いろんな点で強力な法的なバツクを必要とする。ついてはこの案が非常にぐあいがいい。この案を立ちどころに活用いたしまして、これをもつて仮処分の申請をしておる。これらを見ても実に明確であります。だから企業整備の方便として集排法を利用した。先ほどの東芝車両の合併のごときもそれと合せて考えれば、それが会社の願望でありましよう。最近においても、一ぺんはつつぱなしてみたけれども、最近はまた東芝車両をくつつけたいというのが願望でありましよう。それらのものをくつつけて、これを集中排除の仮指令案ということで出したことは、常識的に判断して一点の疑いをいれる余地がない。今企業整備のために各地において――ただいま配付されました中にも、その中のある工場について、地元から相当有力な方々が陳情されておるというようなことでありますが、この企業整備と集排法とをこういうふうに混同して、ほとんど事実についても、この法律の第八條の第二項にあるような誠実なる事実認定に関する資料、またはその資料に関する説明というようなこともほとんど出ておらずに、しかもさつき言いましたように文句が違つておる。初めに書いてある文句とあとの文句が違つておるというような状態のずさんきわまる指令案を出して、ためにこの通り大きな問題を出してしまう。この三十二工場の問題については、さらに一々の工場について相当事実認定に誤りがあることは、調査された資料によつて明確であります。この一々の工場について、これから時間があれば御檢討を願つてもいいわけでありますが、二十八工場を選んだその認定においても、きわめて大きな事実との相違がある。この点については先般御質問したときにも、事実については問題があるので、また調べてみるというようなお答えもあつたかと思いますが、事実についてここにあるように独自の調査をしたということが書かれてはおりますが、はたしてどれだけ会社側の出した資料、会社側の希望以外に、独自に、客観的に、誠実に、詳細に、これら二十八工場について調査したかいなかはきわめて疑問であります。何ら誠実なる、客観的な、徹底的な調査なしに簡單な案を出しまして、このような大きな物議をかもすようなことは、これは重大な持株委員会の失態であります。そういう点からいつて、はたしてそれではそこの二十八工場に対して、あるいはその他全般について、二十八工場を指定するための全工場にわたつて、どれだけ詳細に、どれだけの日数をかけ、どういう方法で、どれだけの費用をかけ、人数をかけて、いかに誠実に調査されたかということをここで立証していただきたいと思います。われわれは全然お座なりにやつたかあるいはやらなかつたかというふうに疑つておる次第であります。この点について明確な御答弁を願いたい。
#47
○笹山説明員 会社の企業整備案をそのまままるのみして、集排指令案として出したというようなことはございません。会社の企業整備の案というものも、そのときどきによつていろいろ変化があつたように聞いておりますが、これをまるのみにしたということは想像であります。もちろん先ほども申したように、企業整備も企業体の再編成でありまするし、集中排除もまた別個の観点からの企業の再編成を意図するものでありまして、その間には重複する部分もあります。会社の企業整備の案というものも、参考にはもちろんされておりまするが、それをそのままうのみにして、集排措置をとるための調査は何らいたさなかつたというようなことは断じてございません。調査の内容につきましては、もちろん非常な経費と、非常な人員と、非常な年月とを要すれば、こまかい点まで十分の調査ができると思いまするが、しかしさようなことをいたしておりましては、いつまでも会社が不安定なわけであります。集排措置はできるだけ迅速に完了することが、國民経済全体の上から望ましいことは、國内輿論でもあるというような観点から、できるだけ最少必要限度の日数の間に、これをいたさなければならないと考えて、われわれは鋭意努力したわけであります。限られた人員と限られた経費、限られた期間の問にやつたことでありますから、こまかい点については不十分な点もあろうかと思いまするが、なおこの集排措置をとるに、認定に必要にして十分なだけの調査はいたしておるつもりであります。
 なお先ほど御質問のございました占領軍が必要とする云々という字句の解釈につきましては、これもいろいろ誤解もあるようでありまするが、これはごく例外的な場合を考えたのでありまして、工場処分が占領軍の受注に惡影響を與えるというようなことのないように、という意味に解釈すべきものでありまして、この点については会社も、組合連合会に対しましても疑問のないようにするために、組合当事者とも御相談の結果、組合から照会状をいただきまして、それに対する回答書を差上げてありまするが、指令案第四項にある占領軍が必要とする云々は例外的説明であつて、工場処分が占領軍の受注に惡影響を與えないという狹い意味に解釈すべきであり、これを経営者が拡大解釈し惡用することはいけないという回答を差上げてあります。この回答の内容についても関係方面とも了解済みでありまして、あの字句を濫用するといつたようなことは、会社当局においてなし得ない次第であります。その点は今後十分われわれとしても監督を嚴にするつもりであります。
#48
○高田(富)委員 今質問しましたうちで、まだお答えがない部分があるのですが、本法の第八條の第二項によりますと、「指令案の文書には、処分の基礎となつた事実の認定を附記しなければならない。この場合において、その事実の認定は、指令案の基礎となつている経済上、生産上その他の資料を詳細に示し、又はその事実の認定には、これらの資料に関する説明を覚書として添附しなければならない。」こうあるのでありますが、この中にはその説明の覚書も何もないと思うのですが、この点はどうですか。
#49
○笹山説明員 資料としては非常に厖大な資料をとつておりますので、それをことごとく他に示すということは事実上非常に困難であります。要するにこの事実の認定としてしたためてありまするところに要約してある。この奧に多数の資料があるわけでありまするが、この法の精神に沿うためには、実際的に考えるところでは、この事実の認定として示してある、この程度で十分ではないかというふうに考えております。
#50
○高田(富)委員 それではお尋ねしますが、この案を見ますと、製品名と昭和二十二年の生産能力、昭和十二年の生産能力、昭和二十二年の全國比、昭和十二年の全國比というような区分になつておりまして、そこを見ますると昭和十二年の全國比というところは、不明というのが大分並べてある。しかも重要なところです。発電機、電動機、整流機、電圧機、開閉機というようなところに不明というのが大分ありますが、こういう重要なところで全國比が不明というのはどういうわけですか。
#51
○笹山説明員 このいろいろな資料が、戰爭のためにあるいは滅失しておりましたり、あるいは整理が非常に不十分になつておりまして、全國的な統計というものをとることに非常に困難性があることは、十分御承知くださることと思います。從つて戰前の能力というものを数字にはつきり示すことは非常に困難性がある。しかし不明ということは、力の程度が全然わからぬということではもちろんないのでありまして、これも全國的に見て非常に強力な力を持つておるということは、これは察知できるわけであります。しかし数字に出す以上、はつきりした資料がありませんと、かえつて誤解を來しやすいことになりますので、それでかように処分をいたしておるわけであります。
#52
○高田(富)委員 これもその前文にありますように、工業会の数字とは若干異なるが、会社の提出した数字をそのまま採用するというようなことが書いてあります。これは若干といつてもどのくらい違うかわかりませんが、会社の提出した数字をそのまま採用したのでは、客観的な信憑性、眞実の証拠にはならない。利害関係者が出したものでありますから、どういう作意的なものかわからないと見ることは当然であると思う。從つてこれよりほかにないならば、他の機関が持つておる資料、特に官廳等にも相当の調査があるだろうし、業者の團体にも相当あるだろう。そういうものをどのくらい使つてあるかということを示されなければ、会社が一方的に出しただけで、しかも不明なものが並んでおるものを、客観的な信憑し得る証拠として出すということは、まつたく当を得ておらぬと明らかに断定し得ると思う。それからその前に並べてある資料を見ましても、この会社が非常に独占的になつておるということの証拠としては、これはただ発電機の場合は第二位であるとか、何%であるとかいうことが並べてある。一割五分とか二割一分であるとか、あるいは一割一分だとかいうことが並べてありますが、これだけでは何にも証拠になつておらぬ。だからこそこの第七條にあるように、そういうことだけでなく資料を使つて説明をして、これこれのことであるからこれがこういう断定になり得る、証拠になり得るのだという説明がなければ何のことだかわからぬ。これが並べてあつても、他の営業を妨害することになつておるのか、実際公正な取引を阻害することになつておるのかわからない。二割ぐらいあつてもさしつかえない。中には過半数を持つものもたくさんあります。こういうふうに七分、九分占めている、一割占めている、二割占めているということを並べてみたところで、これだけでは決して証拠にはならぬ。これに対する必要なる説明を覚書としてつけろということが第八條の明文にある。明らかにこの指令は第八條違反である。こういう明確なる違法の指令案を出しておるということがりつぱに断定できる。この点についてのはつきりした御回答を願いたいと思う。
#53
○笹山説明員 先ほど申し上げましたように事実の認定だけが資料ではないので、資料はもつと厖大なものがあるのであります。それを要約して説明したものが事実認定であります。それで違法とはわれわれは考えておりません。それから数字は、もちろん会社以外のそれぞれの同業の会とか、あるいは官廳等にも数字はもちろんある場合もありますが、官廳の数字も相当戰爭のために散逸しておるようであります。それで集中排除の基礎的資料としまして、これも法律に基いて別個に手続規則等がきめられておりまするが、それにこれこれの資料を提出するようにという一定の資料が規則できめられております。その規則できめられた資料を会社当事者から要求するわけであります。一應会社当事者から提出する資料をわれわれは基礎として、それに参考的にその他の資料で手に入り得るものは極力入手をして、調査しておるわけであります。部分的に工業会の数字等と違つておるものも若干あつたならあつたというように書いておるわけでありますが、これは別に事実の認定の基盤に影響のあるほどの大きい相違ではありません。一應そういつたことを参考に書いてあるわけであります。大体会社の全部にわたるような総合的資料はなかなか得られませんので、各当該会社の資料をもととして、一應それを基準にして調査しておるわけであります。その他の資料に全然手をつけないということでは絶対にありません。
#54
○高田(富)委員 資料が散逸したとか何とか言われますが、重要な事実認定の資料としてこの指令案に明記されておるものが、会社の提出した数字をそのままに採用して、しかも不明というようなことが羅列しておつて、今申しましたようにただ何%であるかということが並べてあるだけで、ほかにどんなことについての資料を持つておるかわからない。このほかに隠した資料があれば何にもならぬ。この法律の明文に「指令案の文書には、処分の基礎となつた事実の認定を附記しなければならない。この場合において、その事実の認定は、指令案の基礎となつている経済上、生産上その他の資料を詳細に示し、又はその事実の認定には、これらの資料に関する説明を覚書として添附しなければならない。」こうはつきりうたわれておるのに、これを読んだだけでは何のことだかわからないような指令案でそのままやられてはかなわない。こういうふうに一一%になつているからこれを排除しなければならぬのだということがわからぬ。一割や六分の生産力を持つている会社はいくらでもあります。こういうようなことで事実の認定はあやふやである。それからさつきの質問に対するお答えが、非常にあやふやだつた点をもう一回お伺いいたします。金と人員のある限りは調べたと言われましたが、二十八工場を選ぶのは重大なことで、たくさんの工場の中から二十八工場を特に選び出すためには、全体の工場について詳細な間違いのない認定がなければできることではない。その二十八工場を特に選び出すための現地調査、その他資料による調査、現地直接の調査、こういうことではたしてどれくらいやつたか。実際全工場の現場について調べてみましたか。
#55
○笹山説明員 全工場ことごとく――全國四十三工場ありますが、東芝だけでなく、ほかの事業会社の工場等も非常にたくさんありまして、これを限られた人数で限られた時間内に一つ一つしらみつぶしに見るということは、委員会の現状としては物理学的に不可能なわけで、全工場は見ておりません。大体はこの資料を基礎として調査を進めて來たわけであります。しかし必要に應じて相当程度の工場も実査しておりますし、それによつて他の工場の実情を推定することもできます。與えられた時間において、與えられた人員において、できるだけの調査はわれわれとしては進めたつもりであります。
#56
○高田(富)委員 おそらくこれは、個々の具体的の條項については、ほとんど調査はやらぬといつていいものと、われわれは推定せざるを得ないのであります。その証拠には、労働組合側が指摘しておるところはたくさんありますが、その中の一つだけを伺つておきたい。たとえば事実認定の第十項、これははなはだ作意的だと見ておりますが、「製品別工場区分表において、柳町、富士両工場が機器部門の親工場であり中心工場であることは万人の認めるところであり、はなはだ明確なる事実であるにもかかわらず、これを故意に眞空管電球部門の部品工場であるごとく表示している」こういうことになつておりますが、その点はいかがですか。
#57
○笹山説明員 この分類等、これは多少訂正した方がより正確ではないかという点はございます。しかしただいまの柳町、富士、そういつたものについても十分資料をとつて、できるだけの調査はいたしておつたわけであります。
#58
○高田(富)委員 そうすると、今の柳町、富士の場合はどうですか。この点についてはここには、万人の認めるところではなはだ明確だと書いてあるのですが、それほど明確なものであるのに、これを間違つておるというようなことでは、調査したとは考えられない。この点についてだけでもいいですが、これは間違いだということを認めますか。
#59
○笹山説明員 ただいまの柳町、富士等は、機器部門に入れる方がより妥当ではないかというふうに考えております。しかしこの眞空管、電球といつたところに入れておつたのは、必ずしも理由がないのではないわけでありまして、電球の口金は富士工場で相当大規模にやつておられるように聞いております。そういつた関係で電球工場に関係の工場というふうにも考えられるので、この辺が会社の方での分類の仕方と、われわれの方で考えたところと、これは多少しろうととくろうとの差もありましようが、分類の仕方で幾らか観点の違つておる点もあるのでありまして、われわれとしては電球工場の方に、やはり電球関係の業務をしておりますので、入れておつたわけでありますが、しかし会社のあり方としては、機器工場に入れておるとすれば、その方に入れた方がより妥当じやないかと思いますので、この点は事実の認定としては修正することになるかもわかりません。しかしこれまた、これによつて非常に根本的に影響するほどの問題ではないと考えております。
#60
○高田(富)委員 事実の認定につきましては、まだそのほかたくさんあるわけですけれども、二十八工場ほとんど全面的に間違いだというような状態にあります。今一つだけお伺いしてみましたが、やはりあまり自信がないような御返答でありました。おそらく他の二十八工場一つ一つお伺いすれば、全部自信がないことになると思う。それではもう一つこういう点をお聞きしたい。二十八を選ばれるについて、さつきも加藤さんの御質問に対してのお答えの中に、これはつぶすのは別に目的ではない。集排法の趣旨からいつても、集排法は別につぶすのが目的ではない。やはり何かの形でやつて行くのが望ましい。ただ経済力集中が排除されればいいので、つぶすのが目的じやないということがあつたのでありますが、そういう点からいえば、二十八工場の選び方はつぶすことの選び方である。二十八工場のうちで單独でやつて行けるというものはない。單独でやつて行けるという見地からすれば、別に工場がたくさんある。独立採算でりつぱにやれると自他ともに認めているものがたくさんある。そういうものは手をつけないで、むしろつぶれる危險性のはなはだ多いものを、どんどん切つ飛ばしてやつて行くということが、今日社会的に重大な問題を起している原因だ。あらゆる地方において、その地域の重要産業としてなくてはならない、しかも最近は成績も上つている、そういうもので、しかも全体の関連性から見て切り離されてはつぶれてしまう。これがつぶれたらたいへんだ、國家の一大事だというような事態が今來ているわけです。それらの点については、二十八工場を選ぶ点においてどの程度考慮されたか。全然考慮されなかつたか。あるいはつぶすように考慮されたか。その点をどういうふうな基準で、今後の経営という点からどういうことをそこへ織り込んで考えられたかをちよつと伺いたい。
#61
○笹山説明員 先ほども申しましたように、これはつぶすという意図ではありません。二十八工場の中にはただいまのお話にもありましたように、独立してやつて行けるものも相当あると思います。またその工場が独立会社としてやつて行けなくても、他の企業と一緒になつて操業を続けて行くというところも出て來ると思います。その個々のものをどういうふうに処置するかについては、会社当局者に鋭意檢討さしております。会社当事者の方で組合の方とも十分協議の上、だんだん案が具体化して來ると思います。ただいまのところはまだ固まつたものには至つていないようであります。それから事実の認定に一、二修正する方がより適切ではないかと思う点の御指摘があつたわけであります。率直にそういつた点についてはお答え申し上げたわけでありますが、一、二点でこの程度だから、その他もみなしかりだろうという御意見でありますが、そういうわけではありません。一、二修正を要すると思われるような点についての御指摘があつたわけで、大部分の点において別に認定の基礎に影響を與えるような誤りはない、こういうふうに私どもは考えております。
#62
○足立(篤)委員 議事進行について……。私はきようの議事を聞いていまして、非常に奇異な感じにうたれるのです。この問題が委員会に取上げられたこと自体が、当初からふしぎに思つたのです。なぜかならば、このような具体的な問題を國会が取上げて行くということになりますと、先ほども参政官の問題について、本会議で三権分立の問題をやかましく言つておられましたけれども、非常に大きな制肘を加えて、國会の権限を逸脱するように考えられる。ことに聞くところによりますれば、まだ指令案であるというこの状況下において、先ほど來の質疑應答を聞いておりますと、質疑のみならず意見も交え、ときには難詰するかのごとき御発言もあつたように思うのであります。これは非常に惡い前例となるのではないか。遺憾ながら本委員会の大きな失態であるということを認めざるを得ないと思う。委員長はこの問題についてどういうふうにお考えになつておられるか。私は先ほど來の質問を聞いておりますと、すでに水かけ論に入つておると思うのでありまして、單なる事情聽取ということの域を著しく逸脱しておると思うのであります。ことに本日は忙がしいようでありますので、この程度で打切られて、次に進まれんことを希望いたします。
#63
○高田(富)委員 今議員総会があるけれども、質問を継続してよろしいということでありますから、ちよつと申し上げます。今の御意見ですが、難詰するようなことがあつたとすれば、私の不徳のいたすところで、別に難詰でも何でもない。それからこの問題は非常に重要な問題であつて、しかも案とは言いながら、案が出たためにすでに相当大きな問題が各所に起き、陳情等もそれぞれの工場関係の方から、あるいは自治体からも來ておる。また從來相当重大な権限を持つたこの持株委員会等の活動につきましては、國会としまして十分な行政上の監督と言いますか、そういう方面を見ておらなくてはいけない。また一般の世論というものも十分ここで檢討して、その趣旨に沿うように正しく運用させなければならない重大な使命を持つておる。現在案とは言え、案だからいいというのではなく、案なるがゆえに、案のうちに今のような訴訟も起き、案のうちに企業整備も起き、現実に大きな問題になつてしまつている。ですからこれを本委員会が取上げて、そうして実情を十分に調査をし、正しい方向へ行くようにわれわれとして心配するのが当然の義務であつて、本委員会としてはいまだかつてないりつぱな仕事に取りかかられたものとして、欣快にたえないのであります。ざつくばらんに言いますが、今まで持株委員会のやり方は権限が非常に独立して大きいことでもありますので、とかく世間からいろいろなうわさが飛んでおる。いろいろな雜誌等を見ても出ておる。そういうようなことから言いましても、事態を明確にして、確信のあるところをどんどん率直にお答えを願えれば非常にいいと思う。それを弁解のための弁解的なことでなく、率直にでき得る限り誠実に内容を――持株整理委員会で、どういうような方法で、どういうふうに対処して、工場へどのくらい行つた、何日くらい行つたとか、どういう処分をとつたというようなことの実情を、何でもざつくばらんにお話願つたら、事態が明確になると思います。そういう点をぜひ誤解のないようにお願いしたいと思います。
#64
○小野瀬委員長 ただいま議事進行について足立委員から委員長に対する質問がありましたから、一言お答え申し上げます。與党側の委員から、この委員会がとつて來た行動は、委員会の権限を逸脱したものであるというように考えられるがどうかというお話でございますが、この点に対しましては、本委員会の権威にも関することでありますので、一應明確にお答え申し上げておきます。常任委員会は國政の調査という権限を持つておりまして、当委員会におきましても、三月の二十六日に國政調査承認の要求をいたしまして、二十八日にその承認を得ておるのであります。本委員会は國政調査の権限に基いて本問題を取上げたのでございまして、決して逸脱行為ではないと信じておりますから、さよう御承知願います。ただ運営上において多少遺憾の点があつたということは認めます。
#65
○高田(富)委員 もう一度申し上げます。全体を通じて見まして、私の今まで質問申し上げたことで大体おわかりになつたと思うのですが、この指令案を見たときに、普通考える考え方は、今私が御質問申し上げたようなところにある。結果的に見ても集中にならぬと言いますけれども、これは事実は集中になる。これはせつかく各地方へ工場が分散しまして、そして地方の協力を得て相当程度復活して、よくなつて來つつあり、これは國土計画的な見地から見ても、非常にいい傾向になつているのに、むしろ逆に、今度は中央の大都会の大工場の方へ生産を集中せしめる結果になることは、火を見るよりも明らかであり、工場会社側の意図するところもまたそこにある。ですから、集中排除ということから言えば、まつたく逆行している行き方である。だからこそ、單に違法である、違法でないの問題のみならず――その問題もありますが、実質上経済的な影響等を考えても、これはきわめて重大だと思う。むしろ地方産業を振興せしめるという方面に今こそ重点を置いて、中央の過度の集中を排除すべきが当然なんだ。これで行きますと、ますます集中生産を強化しまして、経済力はより一層強くなり、強制力も一層強くなり、そして独占的な力も一層強くなることの明らかなことだけは事実と考えます。最後にその点だけお伺いしておきます。
#66
○笹山説明員 先ほども申し上げましたが、集排法の措置は、一應現状に対して行うのでありまして、措置された後において、その会社の企業体がそれ以上大きくなつてはいかぬという、そこまで抑える力はないので、自由競爭をするのに適当な程度の規模にまで排除して、そこから新しく公正な自由競爭をするように、一應スタート・ラインに並べるというのが、集排法の意図するところであります。その後努力するところは、他よりは大きくなつて來ましようけれども、そこまでは集排法では抑えることのできない問題であります。ただしかしそのためには別個に独占禁止法という嚴然たる恒久措置がとられているわけであります。これは公共の利益に反するような独占的過度の集中になりそうだという懸念があれば、ただちに公正取引委員会の方で行動を起すことになるだろうと思います。別個にそういつた独禁法という恒久的な法律がありますので、この集排法というような暫定的な法律では、一應現在の力を適正な規模にまで措置するということで、目的を達しているというふうに考えております。
#67
○高田(富)委員 中山さんに、これは独禁法の違反ではないかということをお伺いしたところが、まだその方はよく調べておらぬというお話でしたが、この点については持株委員会の方との間で御相談をしたのですか。しないのですか。
#68
○笹山説明員 委員会総会には必ず公正取引委員会の委員長が列席して、必要があれば発言ができるような組織になつておりますし、その他公正取引委員会とは密接な関連があるのであります。この集排措置をとりました場合の独禁法との関係におきましては、集排法の第十條に「公正取引委員会は、指令案が昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下私的独占禁止法という。)の規定に反すると認めるときは、その旨を持株会社整理委員会に対し指示しなければならない。」ということになつておりますし、この公正取引委員会と集排法関係との関連は、他にも條文の出ているところがあると思いますが、これは公取の権限を侵すことは決してないのであります。公取は公取として、独占禁止法の立場で何か措置する必要があると認めた場合は、措置ができるような仕組みになつております。指令案を出したとき、あるいは決定指令を出したときは、もちろん公正取引委員会に連絡いたしております。
#69
○前田(正)委員 先ほど來この問題について質疑が継続されているようでありますが、要するにその調査等について十分なところがなかつたとか、あるいは一部訂正したらどうかといつた御意見があるようであります。本案は指令案として出たように聞いておりますので、決定までには持株委員会としては、各方面にわたつて調査を継続して行かれることと私は期待するのでありますが、現在どのように調査しておられるか。
#70
○笹山説明員 指令案を出しますまでに、入手し得ます限りにおいて極力資料は集めて参つたのでありますが、それに基いて指令案を出したのであります。聽聞会のときに組合の方々等からもいろいろ御意見もありました。さらにその後も資料は極力集めるようにいたしております。また会社からも一番最初法の定めるところに從つて、昨年三月に基礎的な資料をいただいたわけであります。その後も随時実情の変化に伴つて、その都度々々資料をいただいております。指令案を出した後も、引続きその後の推移については資料を頂戴いたしております。そういつたものについて十分檢討を進めております。また関係方面のそれぞれの担当の部課並びに五人委員会等とも、引続き檢討を進めている状態であります。関係方面は関係方面として、委員会から提出します資料以外に、また独特の資料も徴集しておられることと存じます。
#71
○前田(正)委員 どうも意見の食い違いもあるようでありますから、できれば実情調査等もさらに継続を願いまして、十分な調査をしていただきたいと思います。特に法律の性格上、持株整理委員会は特殊の権限を持つているわけでありますから、いろいろな点について十分な調査の上、最終的な決定をしていただきたいと思います。大体いつごろに決定される予定か、まだ時期の見込みはつかないのでありますか。
#72
○笹山説明員 決定指令を出します時期については、これはまだ関係方面とも十分協議を重ねませんとわかりませんので、ただいま今日の段階においてはまだ十分予測はついておりません。なおただいまお話のありましたように、調査は今後十分進めた行くつもりでございます。
#73
○前田(正)委員 先ほどわが党の委員からの緊急動議にもあつたわけでありますが、わが党としては、この問題を國政調査の立場から取上げたことについては、まことにもつともだと思うのでありますが、集中排除法の性格からいつても、関係方面とも非常な関係があるのであります。また持株委員会は特殊の権限を持つていますので、決定前にわれわれがその調査に対して疑義の点をいろいろ問い合せたり、あるいは十分な調査をお願いすることは、まことにけつこうだと思いますが、これに対してわれわれ委員会においてああだ、こうだというような意見がいろいろ出たようでありますが、この点については先ほどのわが党の委員と同樣、この指令案そのものに対する正当の意見を明明することは、少し穏当を欠くものと私は考えているのであります。この持株整理委員会の持つ特殊権限から見て、また集中排除法の性質から見て、私たちの考えでは、指令案の調査等についていろいろ意見を述べたり、調査の不十分な点、食い違い等について説明を求めることは、はなはだけつこうだと思いますが、指令案自身が正当を欠くとか、そういうことについてのわれわれの意見の表明ということは、法律の精神に多少反するのではないかと私は思つております。なるほどこの問題については、請願、陳情等もわが党の代議士の紹介で出ているのであります。しかしながらわれわれの考えているところでは、現在のところこの調査を十分にしていただくことをお願いいたしまして、この特殊的な性格を持つている集中排除法の性質上、こういつた問題についてこの委員会が行き過ぎた質問をすることは、愼しまなければならぬと思つている次第であります。
#74
○高田(富)委員 私はいろいろ考えてみて、これは全体としてこの資料だけでは、過度に集中していると見る説明が足らないと思うのですが、かりに百歩を讓つて、いろいろな事情を調査した結果、全体として総合的には確かに過度だということに万々一なつたと仮定しても、その場合の方法としては、むしろ前に合併したマツダ・ランプと芝浦ですか、この重電と軽電をすつきり二つに分けるのであれば、両方とも成り立つて、しかも過度集中排除の目的も達し得ると考えます。事実上現在の実情等を聞いてみても、この二つの間にはまだ感情的にしつくり行かないで、お互いに試作の競爭なんかして、感情的にも別の二つの分派にわかれているような形跡さえある。ですから、軽電と重電をはつきりわければ、両方とも成り立つてその目的を達し得ると思う。今度のようなやり方は、先ほど申したように相当たくさんつぶれてしまつて、これは産業の將來にとつても問題であるし、また全体の日本の経済の分布の状態からいつても、國土計画的な見地からいつても、地方産業の荒廃となつて大きな問題になる。つぶれるわけです。ですからどうしても一番適当な方法は、万一どうしても排除しなければならぬということが出た場合においても、軽電と重電を分ける方が納得が行くと思うのですが、この点についての見解はいかがですか。
#75
○笹山説明員 ただいまのお話のように、重軽両部門に二分割したらどうかという点は、東芝の場合によく考えられるところでありまして、私どももまず最初に排除の方法として檢討したのは、その点でありますが、これは私しろうとで詳緒な技術的なことは御説明できかねますが、その道の方等に伺いましても、重電機の技術、軽電機の技術、これが別個にそれぞれ働く場合ももちろん多いわけでありますが、しかし両方の技術をかみ合せて、総合的に働かせることが有意義な場合、そういつた方向に現在海外の電機工業界等は向いつつあるように承つております。もちろん両者合併後まだ年月が浅いので、その問感情的その他で渾然一体になつていないという点はあるかと思いまするけれども、さればといつてせつかく重電軽電両方の技術を綜合的にやつて行くことのできる形態になつているものを、元の形に分離した方が合理的であるという結論にはなりかねると思います。重軽両部門にかりにわけた場合においても、重電機專門の会社、軽電機專門の会社は重軽両方を綜合経営する事業体よりも明らかに弱体になりますので、その場合それぞれの部門において、それぞれまた工場を処分しなければならないことに相なるだろうと思つております。重軽両方の綜合体として残して行ける方は、多くの人を包容し得るわけであります。かえつて二分割する方が、より多くの出血を來す縣念があるのではないかというふうにも考えられるわけであります。結局そういつた世界的な電業界の趨勢といつたような点も考えまして、またこれによる出血をなるべく少くするといつたような点からも考えまして、今度の指令案のような措置をとつたわけでありまして、重軽両部門に二分割すれば一切犧牲者を出さないでやつて行けるという現状では、東芝の場合においては決してないようであります。
#76
○高田(富)委員 いろいろお伺いしてありがとうございました。しかし私は全体を通じまだ実は納得が行かないのですが、これは非常にむずかしい問題でもありますし、今の両部門にわけるという問題でも、詳細な資料といろいろ各方面の意見を聞いてみないとまた納得が行きませんが、今日はこれくらいにいたしまして、一應質問はこれで打切りたいと思います。
#77
○小野瀬委員長 ほかにまだ質疑の通告がございますが、速記の都合もありますし、残余の質疑は次会に継続することといたします。
    ―――――――――――――
#78
○小野瀬委員長 緊急質問の通告が二件ありますから、まず高田委員に発言を許します。
#79
○高田(富)委員 先般本委員会で審議して成立いたしました飲食営業臨時規整法案の運用の問題ですが、新聞を見ますとさつそく警視廳あたりが、露店営業その他について許可しない方針を明らかにしておるようであります。ところがあれを審議するときに、われわれが提案者によく念を押して質問をいたしましたところが、提案者は、当面今やつているものは全部一應認める方針にして、その後のチケツトの集まりぐあいとか、いろいろな違反とかによつて、順次不適格のものは整理して行くというふうなお客えであつた。ことに露店の方は幸い法律による許可を必要としていなかつたので、あれはあのまま合法的に今度も届出ができることになる。心配ないと、われわれが特に零細な失業者や引揚者のやつている小さな料理飲食業者が、この法律によつて一ぺんに整理されてしまうのではないかという点を質問したときに、明確にそういうお答えがあつたわけです。しかるに通過したら、先般の新聞紙上におきましては、警視廳において立ちどころにそういうものを整理するような方針が、明らかにされておるというふうな記事が出ておるのです。それはあの法の精神と非常に違うと思うのですが、どういうものでしようか。
#80
○青木國務大臣 高田委員の御質問は東畑局長からお答えいたさせます。
#81
○東畑政府委員 御質問にお答えいたします。料飲再会に関する関律は七日に両院を通りまして、即日施行いたしました。安本といたしましてはこれに対する訓令を出しております。その訓令に基きまして農林省が省令を出す。省令の運用解釈は、訓令をもちまして全部農林大臣の責任ということが明確に規定してあります。從いまして省令も農林省令ということになつております。安本といたしましては議会の御審議の事情を政府側として聞いておりまして、その後國家地方警察本部、農林省等と打合せをいたしまして、議会の御意思に即する運用をやりたいというので、審議をいたしております。今御質問になりました特に露店の問題等は、議会における民自党の神田議員の御提案の理由、参議院における御意見等を私現実に聞いておりまして、現在の法規の面内において、そういう解釈ができるかどうかいろいろ審議いたしております。法務廳の御意見も聞きまして、現在のいわゆる移動式の露店は物品の販賣業で、料理を提供するというのではないと解釈をもちまして、飲食営業臨時規整法案には含まない。從つてこれは自由営業で、東京都の條例でやつております取締規則がございますので、こういうものの適用を受けるという解釈で行けると思います。一般マーケツトなどのああいう固定設備を持ちますものにつきましては、やはり飲食営業臨時規整法案でやる。その運用につきましては特にマーケツトの露店であるがゆえにこれをやめさす、そういう解釈はとらないという根本方針を取締当局、農林省等と打合せまして、法律が出ますと必ず実施官廳の責任上から解釈通牒を出すのでありますが、今週中にそういう趣旨を盛りました通牒を農林省から出すことになつております。現実には副食券というものがいるわけであります。副食券を法律が通つてから実は出すのでありますが、多少時日が遅れまして、すでに印刷が完了して遠い北海道、九州方面は縣の役員が上京しまして渡しております。近いところもだんだんと渡しておるのでありますが、東京都のごときは大体二十五日から申請を受付け、六月一日から順次許可して行くという方針のようであります。先般の新聞記事等につきましては、法律が施行されてすぐああいう解釈をしたのかどうか私はわかりませんが、これは農林大臣が責任者でありまして、農林大臣の解釈通牒は今週中に出ることになつておりまして、その通牒の内容は今言いましたように関係当局と話合い中であります。どうぞ御了承を願います。
#82
○前田(正)委員 先ほど提案者の趣旨についていろいろとお話がありました。私たち提案者の民自党にいたしましても、提案にときに説明いたしました趣旨に基きまして、われわれはそれについては誤解のないようにするつもりでありまして、皆樣の御要望の通りますように考えておりますから、その点ひとつ御了承願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#83
○小野瀬委員長 それでは高橋委員に緊急質問を許します。
#84
○高橋(清)委員 見返り資金の配分計画について、まずお尋ねしたいと思うのであります。四月の十五日に安本案として日本経済新聞に詳細にわたつてこれが出ておりますが、これは安本で発表したものでございますか。それについてお伺いいたします。
#85
○青木國務大臣 対日援助見返資金の取扱いは、これは御承知の通り安定本部が大体のわくをきめるということになつておりますが、まだ作業の過程にございますし、御承知の通りそれが明確にきまつたということもまだございませんし、これまでも皆さん御承知であります千七百五十億のうちで、二百七十億という逓信、鉄道関係のもの、その程度のことは大体きまつたということになつておりますが、その後の経過につきましては依然として作業中であり、また先方と交渉中でもあります。その内容はただ何か案をこちらとしては一應何とか考えておかなければならぬというようなものが、うつかり抜かれたということであると私は考えておりまして、われわれとしてはそういうものをきめてまだ一度も発表したことはございません。内容については私自身といえどもつまびらかにいたしません。そのような次第でございますので、さように御了承を願いたいと思います。
#86
○高橋(清)委員 われわれは委員会におきまして、できるだけ早くその安本の配分案なるものを知りたいと思いまして、早くその案をおつくりになつてわれわれの手元にくださることをお願いしてあつたのであります。しかるにそういうものができておつたにかかわらず、抜かれて先に新聞に発表されたということであるならば、すでに安本にそういう案があつたものと思うのでありますが、そういうものがあつたならばわれわれ委員会において、早くお見せ願つておけば幸いと思います。そしてこの見返り資金の千七百五十億という金が、いかに日本の産業復興に重大な関係があるかということは、皆さん御承知の通りであります。從つてこの金がいかに配分されるかということは重大な問題でありますから、それが閉会になつてから、今度はただ官僚だけになつて陳情とかいろいろな申込みによつて、それが歪曲されて配分されるようなことがあつたならば、これは日本産業復興のために重大なる問題であると私は思うのであります。そこで今度できるならば、この安定委員会の中にそういう小委員会でも閉会中にでもつくつて、そしてこれによく協議をして配分計画に当られるような処置をとつたらいかがかと思うのですが、そういう御意向があるかどうかお伺いいたしておきます。
#87
○青木國務大臣 御質問でございますが、もちろんわれわれもそういうものが何とかはつきりきまりますれば、あるいはきまるという見通しがついて参りますれば、即時にでも一日も早く発表をいたしたいという考えであります。あのお手元に出ておるようなものは、これは実は担当事務官の一私案でありまして、経済安定本部としてさようなものはわれわれ取上げてはおりませんので、それは一つの考え方というような意味で出ております状態であります。われわれとしてはお説のように、その方向がともかくも一應はつきりときまつて参りますれば、すみやかに特に委員会等におきまして、皆樣にお諮りをいたしたいと考えておる次第であります。
#88
○高橋(清)委員 そこで委員長に動議を提案いたしますが、今のような状態において、この閉会中においてそういつた小委員会を設くることの可否を、ひとつ皆さんにお諮りをお願いいたします。
#89
○小野瀬委員長 各委員にお諮り申し上げます。ただいま高橋委員から動議がございまして、ただいまの見返り資金に対する小委員会を設けたらどうかというような御意見でございますが、それに対しまして委員のお考えはいかがなものでございますか。
#90
○前田(正)委員 今議会において審議するひまがないようであるということを私は聞いたのでありますが、もしそうであるならば次回の國会にでも設けるか、あるいは休会中に継続して委員会を開く御意思がおありであれば、そういう委員会を持つてもいいと思うのでありますが、それを先に明らかにしていただきたいと思います。
#91
○加藤(鐐)委員 私は高橋君の御提案に賛成いたしますが、今聞いておりますと、青木安定長官は日本経済新聞その他に出た見返り資金安本案というものは、全然経済安定本部が関知しない案で、一担当官の私案が発表されたという話ですが、これは実に奇怪千万な話だと思います。私はこれは安本長官のおつしやる通りに、そのまま了承していいかどうかということをはたはだ判断に苦しむものであります。往々にしてこういうことが從來あつたのでありますが、むしろ一担当官が私案をつくつてそれが漏れたというようなことは、これは軽々にみなすことのできない問題であると思います。そういう点について十分監督者の立場にある大臣あるいは長官においても御注意願いたいと思いますが、この見返り資金千七百五十億の問題は、日本産業再建の上にも重大な役割を持つておりますし、また全國民が非常に関心を持つ問題でありますから、これの配分案ができましたならば、ただちにこれを発表していただきたい。議会の開かれておらない際にどういうふうに取扱うかという問題でありますが、私はできるならば小委員会を設けておいて、これを小委員会において取扱うという行き方が一番よいのではないかと思いますので、高橋委員の提案に賛成いたします。
#92
○小野瀬委員長 高橋委員の御意見はしごくもつともと存じますが、いろいろ各党によつて意見も違うようでございますから、後刻理事会に諮りまして決することにいたします。
    ―――――――――――――
#93
○小野瀬委員長 この際閉会中の審査に関する件についてお諮りいたします。本委員会におきましては、今会期の初めに國政調査の承認を得まして、公團、公共事業、物價統制等に関する事項、並びに物資の生産、配給及び消費その他経済の総合的計画に関する諸問題に関し、種々調査研究いたして参りましたが、会期終了も目前に迫つておりますので、閉会中もなお継続をして審査をいたしたいと存じます。ことに重要物資の需給計画その他経済の総合的計画に関連する諸問題に関しましては、各地の炭鉱、油田、水火力発電択、管区経済調査廳、地方経済安定局等に対し実地調査を行いたいと存じます。つきましてはかねがねお打合せをいたしておきました通り、閉会中を利用いたしまして六月上句に実地調査をいたしたいと存じますが、委員派遣の承認を申請いたす前に、國会法第四十七條第二項の定めるところにより、重要物資の需給計画その他経済の総合的計画に関する諸問題につき、閉会中も継続して審査することを院議に諮る必要がありますので、その旨議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。
#94
○前田(正)委員 その派遣の時期につきましては六月上句と言われましたが、いずれ許可を得ましてから理事会その他で相談することにしていただきたいと思います。
#95
○小野瀬委員長 ただいま前田委員から視察に参る時期については留保しておいたらいかがか、というような御発言がございましたので、これは理事会の議にかけて決することにいたしたいと思います。
#96
○福井委員 理事会だけでは困るのです。他のいい方法でひとつみんなに意見を聞いてもらいたい。全員が一緒になる必要も私は別に認めないのですが、理事会だけの人数できめてもらつては困るということです。
#97
○小野瀬委員長 福井委員からの理事会では困るというようなことでございますので、それでは委員会に諮ることにいたします。ただいま申し上げましたことに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○小野瀬委員長 御異議なしと認めます。なお手続等につきましては委員長に御一任願いたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    ―――――――――――――
#99
○小野瀬委員長 次に委員派遣の承認申請の件につきお諮りいたします。閉会中の継続審査が許可になりましたならば、さつそく委員派遣承認の申請をいたしたいと存じますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○小野瀬委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。なお派遣地、派遣期日、派遣委員の人選、申請の手続等につきましても、これまた委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○小野瀬委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#102
○小野瀬委員長 次に請願の審査に入る前にお諮りいたします。昨十八日委員会に付託されました寒天原藻の統制撤廃反対に関する請願、石原圓吉君紹介、同じく砂間一良君紹介、映画入場料金統制撤廃に関する請願、志田義信君紹介、以上三件を本日の請願日程に追加いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○小野瀬委員長 御異議ないようでありますから、日程を追加いたしまして以上三件を一括議題とし、紹介議員の説明を求めます。
#104
○前田(正)委員 紹介議員が欠席のようでありますから、私がかわつて説明申し上げます。
 まず第一の寒天原藻の統制撤廃反対に関する請願であります。これは東京都の水産業会の佐野寅雄氏から請願いたしておりまして、石原圓吉君の紹介であります。本請願の要旨は、今般政府は寒天の品質改良、原藻輸出、新市場開拓等のために資金、資材、加配米等の的確なる裏づけを保障する自信を失い、原藻に対する統制撤廃をはかられているが、そういうことになれば、採草漁民はリンク制物資が配給の対象から除外された上、採草時期と原藻の消費時期とのずれにより徹底的にこれに拍車をかけられ、漁民はその犠牲によつて生産物を全面的に收奮されることになるから、急激なる撤廃措置をとりやめること。生業資金を生産漁民に與え、原藻の増産、輸出に資する措置を講ぜられたいというのが大体の趣旨であります。
 なお同樣の趣旨のものといたしまして、東京都の水産業会会長の松原茂一氏より、紹介議員砂間一良君をもつて出ております。
 次に映画入場料金統制撤廃に関する請願につきましては、東京都の日本映画連合会長渡邊銕藏氏より請願され、紹介議員志田義信君をもつて提出されておるのでありますが、本請願の要旨は第七〇一号に関する請願と大体同じでありまして、映画入場料金の統制撤廃に関して請願しておる次第であります。
#105
○小野瀬委員長 政府当局の意見を求めます。
#106
○中川(以)政府委員 ただいまの寒天原藻の統制撤廃反対に関する請願は、その要旨においてまことに同感ではございますが、寒天原藻は十一月より製造せられる寒天の原料に大部分が使用されるもので、目下その採集の時期に当つているのであります。寒天原藻はその需給関係もほぼ安定し、物資の性質から見ても國民生活上比較的重要性に乏しく、すでに價格統制を続ける実益に乏しいものとなつて來ておる現状でありますが、政府といたしましてもさらに請願の趣旨について檢討いたしたいと存じます。
#107
○小野瀬委員長 追加日程の第三、映画入場料金の統制撤廃に関する請願については、前回の委員会において審査いたしました七〇一号の請願と同趣旨のものでありますから、当局よりの意見聽取を省略いたします。他に御質疑はありませんか。――なければちよつと速記を中止してください。
    〔速記中止〕
#108
○小野瀬委員長 速記を始めてください。
#109
○森(曉)委員 本日の請願日程中第七、第八及び追加日程第一、第二、第三の各請願は、いずれもその趣旨におきまして至当と認められますので、政府におきましても適当にその措置を講ずべきものと存じます。從いましていずれも議院の会議に付しまして採択の上内閣に送付すべきものと議決し、日程第一より第六、第九の請願につきましては、さらに愼重審議いたす必要がありますので、委員会としての態度をこの際留保されんことを望みます。
#110
○小野瀬委員長 森君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○小野瀬委員長 御異議なしと認めます。よつて日程第七、第八及び追加日程第一、第二、第三の各請願はいずれも議院の会議に付して採択の上内閣に送付すべきものと決定いたします。なおその他の各請願については、本委員会においてその趣旨を了承いたすことといたしたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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