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1949/09/13 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 経済安定委員会 第22号
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1949/09/13 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 経済安定委員会 第22号

#1
第005回国会 経済安定委員会 第22号
昭和二十四年九月十三日(火曜日)
    午後一時五十三分開議
 出席委員
   委員長 小野瀬忠兵衞君
   理事 首藤 新八君 理事 多田  勇君
   理事 前田 正男君 理事 森   曉君
   理事 加藤 鐐造君 理事 高田 富之君
   理事 金光 義邦君
      小西 英雄君    志田 義信君
      中村 純一君    福井  勇君
      細田 榮藏君    勝間田清一君
      高橋清治郎君    横田甚太郎君
      平川 篤雄君
 委員外の出席者
        議     員 庄司 一郎君
        経済安定事務官 田中  覺君
        経済安定事務官 湯川 盛夫君
        経済安定事務官 佐藤 健輔君
        経済安定事務官 藤瀬 五郎君
        通商産業事務官 松尾泰一郎君
        通商産業事務官 榊原 二郎君
        通商産業事務官 前島 敏夫君
        通商産業事務官 前野 直定君
        農林事務官   森  茂雄君
        農林事務官  松任谷健太郎君
        農林事務官   十川 正夫君
        農林事務官   奥田  孝君
        農林事務官   志道 吉次君
        農林事務官   石川 東吾君
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 本年度輸出入計画に関する件
 水産統制に関する件
 栄養食品の生産配給に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小野瀬委員長 それではただいまより会議を開きます。
 前会に引続き、本年度輸出入計画について質疑を続行いたしたいと存じます。特に本日は通商白書との関連において本問題を取上げたいと存じますので、まず通商白書について当局より説明を聽取することといたします。通商産業省調査課長前島敏夫君。
#3
○前島説明員 私は通商産業省調査課長の前島であります。今度通商産業省から発表いたしました通商白書につきましては、十六日の新聞に出ましたので、内容等についてはすでに御存じであります通り、これは簡單に輸出の現在の状況と輸入の現在の状況、それをめぐるわが國の経済状況と、同時にその輸出と輸入をしなければ、日本の経済というものが立つて行かないのだということを述べまして、それによつて輸出をさらに増進したい、こういうふうな意図のもとに立案を命ぜられまして、事務当局において起案いたしまして、関係筋等の了解も得て一應発表の運びになつたようないきさつのものであります。この内容といたしましては、まず第一にわが國の経済が海外の経済にいかに依存しておるかということを、輸出、輸入の両面にわたりまして具体的な数字をあげて説いて行つたわけであります。わが國の経済の内部からこれを観察いたしますと、まず輸出について申し上げますれば、國民所得に対しまして輸出額は、昭和五―九年を平均いたしますと大体一七・三%に達しておりましたものが、昭和二十一年にはわずかに三・三%、二十二年は三・九%、二十三年は三・二%と非常な低下を示しておる状態であります。一方輸入額の國民所得に対しまする比率は、戰前におきましては大体一八・八%程度でありましたものが、戰後は各年度とも大体一割前後でありまして、これも多少比率としては減つて來ておるわけであります。ところが輸入の方は、今申し上げました輸出に比べますと、非常に減り方が少いというふうに見ることができますので、結局この差額というものがガリオアとかイロアとかいう資金によりまして、アメリカ経済というものに依存した姿で日本の今の輸出、輸入というものが行われておる、こういう見方が数字の上からできるわけであります。それからこれを鉱工業とかあるいは農林、水畜産等のいわゆる生産に対比いたしてみますと、二十一年におきましては生産は戰前の五一・一%、二十二年は五六・二%、二十三年は六七・四%と、だんだん回復して來ておるわけでありますが、各年度の輸出の生産に対しまする比率は、戰前におきましては平均して生産の約三八%が輸出せられておりました。二十一年におきましては六・六%、二十二年は七・九%、二十三年は九・二%と漸次増加はいたしておりますが、生産に対する輸出の比率というものは戰後非常に少くなつておるわけであります。こういうような点に輸出をさらに増加をしなければならない。少くとも戰前までの経済状態に返すのには、こういうふうな点を考えなければならない。こういうような意味でこの数字があげられておるわけであります。
 次に輸入高と、國内生産と輸入を合せました総供給高に対しまする比率、つまりわが國の経済が輸入品に何パーセント依存しているか、こういうふうな数字を見ますと、二十一年におきましては一六・二%、二十二年におきましては一九・四%、二十三年におきましては一九・六%となつておりまして、輸出と比較して比較にならないような大きな数字を示しておりますが、これはわが國の経済生活が、いかに多くの輸入物資を必要とするかというふうなことが、この面からも見られるわけでございます。こういうふうな問題を、わが國の経済の海外依存度として具体的な数字により示しまして、その次の通商の推移というところにおきましては、わが國の通商の規模あるいは内容というものを、商品別あるいは市場別に戰前と戰後とを比較いたしたわけであります。これを簡單に申し上げますと、通商の規模といたしましては、輸出、輸入金額はそれぞれそこの十四ページの第一表に掲げてありますような数字でありまして、これは以前にも数回御説明をしたことがありますので御存じの通りでありますが、これを昭和五年から九年までの物價指数に換算してみますと、そこに出ておりますように、たとえば昭和二十三年の二億五千八百万ドルの輸出というものは、昭和六年價格に換算いたしますと一億一千四百万ドル程度でありまして、これを戰前の輸出額に比べますと約一六・二%になるわけであります。一方輸入額の方は実額は六億八千二百万ドルに達しておるわけでありますが、これを昭和六年の價格に換算いたして比較いたしますと約三億ドルになるわけでありまして、これは戰前に対しまして三九・七%というような数字になつておるわけであります。こういうふうな通商の規模を持つておりますわが國の貿易というものが、内容的には、次にあります商品別構成のところでごらんいただきますように、纎維とかあるいは機械器具とか、医藥品、化学品、陶磁器、ガラス、雜化、こういうようなものとか、あるいは金属類、農水産物、木材、紙、このような全製品とかあるいは半製品というようなある程度加工したものが、輸出総額の八割を占めている状態でありまして、この中から金属機械及び化学品等を除きますと、大部分が消費材である、消費材を輸出しているのだ、こういうことが言えるわけであります。この軽工業あるいは消費材中心の輸出の商品機成は、戰前とそう大きい変化はないわけでありまして、これがそこへ出ております第二表に示しているわけであります。ところが戰後におきましては、この消費材中心の一つの方向いうものに対して、ある程度かわつた状況も看取することができるわけでありまして、これは最近の機械金属の輸出の増加とか、あるいは化学品の輸出の増加というふうな面に、多少の変化が見られるわけであります。この理由は海外の需要が変化したこと、言葉をかえて言いますならば、インドか中、南米諸國というような、わが國に対してはどちらかというと工業的に後進國が比較的工業化の方の努力が進んで來た。これが戰爭中並びに戰後におきましてこういうふうな方向をとつて來ましたので、その市場においてわが國の從來こうした市場に出しておつたような商品の需要が減少して來た。同時にたとえば機械関係等を所要いたします関係で、そういうようなものに対する需要が起つて來た、このように見ることができるわけであります。
 次に輸入について申し上げますと、輸入の内容といたしましては、戰前と比べて食糧関係が非常に多くなつておりまして、これに比べて輸出用の原材料であります綿花とか羊毛、生ゴムとかいうものが、戰前に比べまして非常に比率としては少くなつて來ておる、こういうことが言えるわけであります。輸入の方は簡單に申しますと消費材中心である。消費物資が非常に多いというふうなことが言えるわけでありまして、この第三表の輸入品構成の変化というものをごらんいただきますと、たとえば昭和六年におきましては食糧は二八・四%であつた。これが昭和二十一年度、二年度、三年度、四年度、それぞれ五五%、六%、あるいは四六%余りというような、非常に厖大な数字になつておるわけであります。これに比べまして、そこへ出ております纎維原料の方をごらんいただきますと、戰前におきましては約三八%に相なつておりましたものが、戰後は二十二年あるいは三年あたりをごらんいただきますと、わずかに一六%あるいは二三%足らずというふうな状況に相なるわけでありまして、このほか金属、鉱産物の数量の減つていること、あるいは塩とか油脂原料、こういうようなものが減つていることをごらんいただきましても、その表によりまして非常にはつきり出て來るわけであります。
 次はこのような輸出入の大体の状況というものは、あとは輸出品、輸入品につきまして、各商品別にわが國の生産の数字と対比しながら、同時に戰前と戰後の状況を数字によつて比較しながら述べているわけであります。
 次に市場別の問題といたしましては、戰前におきましてはアジア諸國というものが、輸出におきましても輸入におきましても、近距離市場である関係もありますし、同時に政治的にも経済的にも特殊な関係がありました関係もあり、特に韓満中等が相当大きい幅を占めておりまして、たとえば輸出について見ましても、戰前におきましては韓満中というものは大体二割以上占めておつたことがありますが、これが戰後は非常に減少しておりまして、たとえばアジア全体をとりましても、戰前におきましてはこれが非常な大きい比率を占めておりまして、五二・六%というふうに輸出市場の中ではなつておつたわけなのであります。それが戰後は、二十一年のごときはわずかに二四・一%にすぎなかつた、こういう状況になつておる次第であります。それが二十二年が約六九%、二十三年は五四・六%と、大体輸出関係では市場別の構成というものが、戰前の状態にだんだん帰つて來ておることが感知されるわけであります。しかしそのアジアの内容といたしましては、韓満中というものは依然少くて、マレーとか蘭印とかいうような場所が、非常にこれを補うようなかつこうに伸びて來ておる、こういうふうなことが言われるわけでありまして、韓満中は依然減少しておるわけであります。
 次に輸入市場の構成におきましては、戰前においては輸出と大体同じような比率で五二・七%になつておつたものが、二十一年におきましてはわずかにアジアの方は二・四%、それが二十年には五・九%、二十三年になりましてようやく一六・二%というところまで回復して來ておりますが、これはいまだ戰前の姿を去ること非常に遠いというふうなことが言えるわけであります。あとはこの内容というものを商品別に、地域的には米州諸國との関係のもの、もう一つの概念としては英國等のスターリング地域関係の貿易、第三といたしましては対東亞及びその他地域の貿易というものを、重要なる國別に御説明申し上げておるわけであります。こういうふうな國別の並べ方をいたしますと同時に、地域別にこれを別の面から振り返つて見ておりますが、この内容というものは今のスターリング協定地域と米州地域というものと、ある程度共通した面もあるわけであります。これが市場別の内容であります。
 次に本年の通商状況といたしまして申し述べておりますところは、本年の一月から六月までの状況をとりまして、大体本年度の輸出計画は一應五億七千七百万トンということをかつて説明されたことがありますが、この五億七千七百万トンというものに対比して、どういうふうな状態になつておるかということを、具体的に各月別の変化を商品別、市場別にわけまして御説明申し上げたわけでありまして、この大体の経過を申しますと、上半期の輸出契約におきましては、契約だけをとりますと約三億ドルに帰するわけでありますが、契約されましてからあとでキャンセルされましたものとか、そういうふうなものを考えますと、約二千万ドル見当になるわけでありまして、上半期の輸出契約の中で有効なものは大体二億八千万ドル程度、これが昨年一年間の輸出額であります。二億五千八百万ドルを少し超過することになつておりますが、輸出品の船積みというものは、契約からときには相当遅れることがありますから、実際の輸出額はこういうふうな契約額を相当下まわるものと見られるわけでありまして、これを関係方面の発表によりますと、一月、二月はいずれも三千七百万ドル程度、三月は約四千六百万ドルでありまして、四月以降の実績は関係筋からはいまだ発表されておりませんが、為替取組状況からこれを推断いたしますると、四月は約五千万ドルとなりまして、五月が四千六百万ドル、六月は約四千二百万ドル、こういうふうなことになつておりますので、大体船積み実績の数字に近いと思われます。これを合計いたしますると、上半期で全体といたしまして約二億六千五百万ドル見当になるという状態でありまして、この面から見ても、昨年の輸出額をすでに半年にして突破しておるということが言えるわけであります。なお七月と八月の輸出の実績につきましては、さきに新聞等でも発表いたしておりますが、御参考までに申し上げておきますと、七月が二千九百万ドル、八月は大体三千二百万ドル見当という状態でありまして、上半期の状況に比べて、あとで白書の中で述べておりますようないろいろな問題の点が後半期に相当響いておりまして、こういうふうな状況に落ちて來ておるわけであります。一方輸入関係におきましては、輸入計画が現在関係筋の方で正式には確定されておりませんのと、もう一つは輸入の内容については発表を禁止されておりますので、この白書には輸入契約については具体的なことを申し上げませんでした。ただ一月から六月までの状態において、どういうふうな金額になつたかということを簡單に申し上げる程度にいたしまして、一月から六月までの輸入契約を合計すれば約三億七千万ドル見当になる、從つて昨年一年間の輸入実績の五四%余りになつておる、こういうことを具体的な数字によつて申し述べておるわけであります。次の通商協定の現状というところにおきましては、現在通商協定が各國との間に昨年の下半期以降逐次結ばれておりまして、最近中南米との通商協定の発表があつたわけでありますが、こういうような内容について、これも商品別には通商協定の内容の発表は関係方面から禁止されておりまするし、同時に協定の締結の際、相手國との約束によりまして発表をしないことになつておりますので、この点についても詳細は発表いたしませんで、ただ概況をここに書いたという状態であります。次の最後の通商に関する諸問題といたしましては、現在わが國の貿易を遂行する上におきまして、輸出と輸入の両面において最も障害となつておる問題でどういうものがあるかという、その障害となつておる問題だけを取上げまして、その状況を國民によく知つていただくという意味で申し述べたわけであります。その第一は國際通商の動向の問題でありますが、わが國の貿易は今度協定貿易あるいは関税同盟とか、いろいろの方法によりまして伸ばさなければならないと思いますが、現在の実際の状況は、こういうふうな協定を必要とするほど各國が相当高い関税障壁を築き、あるいは輸入制限を定めまして、実際の方向というものはアメリカの企図いたしましたITOとか、國際通貨基金とか、國際復興開発銀行とか、こういうようなものの精神とは相当違つた方向に行つておる。これが戰後ことにアメリカ以外の各國のドル不足の状況に拍車をかけられますます深刻になつておりますので、協定というふうな方式によつてこの世界的な市場の梗塞状況を打開する以外に方法がないということを、ここで申しておるわけであります。次の單一為替レートの設定と企業の合理化のところにおきましては、さきに四月二十五日に單一為替レートの設定がありましたので、その後從來高い比率で政府が買上げをいたしておりました輸出品につきましては、たとえばメリヤスとか毛織物とか纎維雜品とか、鉄鋼の第二次製品であるとか、こういうような高度の加工品につきましては、概して輸出が非常に困難になつておる。同時に三百六十円以下で從來政府が買い上げておりました綿糸とか毛糸、人絹、スフとかいうような輸出品につきましても、輸出がかえつて簡單になつて來たというような影響がありますし、輸入の面につきましては、從來の輸入原材料の拂下げは大体平均百三十円というふうなことを言われておりましたので、これが三百六十円に上げられることになりますと、食糧とかその他の拂下げ價格の高騰が國民生活に非常な圧迫となり、同時に産業面からいたしますと再生産産業の基礎資材の値上りが、企業のコスト高と採算割れというものを惹起いたすことになりまして、この面からも企業の合理化というものを促進するような事情にあります。從つて輸出と輸入の両方の面から企業の合理化というものが促進されるわけでありまして、企業の合理化を促進しなければ國際的な物價水準に歩調を合せることができません。そういう点から企業の合理化というものが要請される。それでこの例としてそこに二、三の例がありますが、これはわが國の輸出品が技術的にもあるいはコストの面からも、いかに外國の技術あるいはコストに立ち遅れておるかという顯著な例を一、二思いついたままに拾つたのでありまして、この点についてはさらに詳細な研究がいると思われますが、一應そういう問題があるということを想起していただきたいということであります。
 次の貿易金融の面におきましては、終戰後貿易金融については逐次改正いたしまして、いろいろの進歩が手続の上に現われておるわけでありますが、それでも現在ドツジ予算を施行されまして、一つのデフレ状況が現われております場合には、これのみをもつてしてもなお足りませんので、結局貿易手形制度の改正という方向をとつては、この貿易金融という問題は行詰まりになつて來まして、これ以上の進展は期待できないという状況になりますので、ここで輸出信用保証制度というような、英國でとつておりますような制度が思いつかれるわけでありまして、この間の具体的な金融の状況を述べておるわけであります。
 次の海外市場の把握という項におきましては、わが國の貿易は盲貿易であると言われる状況、從つてこれによつて通商上非常な不利を受けておるわけでありますが、こういう問題と戰後わが國の官民の渡航が漸次変化をして來ておりまして、より容易に海外に行けるような状況に変化はして來ておりますが、なおこれだけをもつてしては足りない。從つてわが國民の海外の渡航はさらに容易になることと、なお各國の例をとりますと、イギリス等においては海外調査機関のベトロというものの活躍が顯著でありますので、こういうようなものがわが國においても必要ではないだろうかというようなことを、ただ示唆する程度に書いたのであります。
 次の貿易手続の簡素化、これは現在の管理貿易下におきましては、統制経済による制約と相まちまして、貿易手続が非常に複雜になつておりまして、これが輸出振興を妨げることが非常に多いという批判がありますことは皆さん御承知の通りでありますが、こういうような状況について現在どの程度まで貿易簡素化が実施され、なおこれが今後いかに必要であるかということを書いたわけであります。
 次のクレーム及びキャンセルの処理の問題、これは現在盲貿易であるということも一つの原因でありますが、クレームとキャンセルが非常に多いのでありまして、この件数がいかに多いかという状況、なおこれを防止するためにはいかにすればよろしいかということで、檢査制度の改善の問題に触れておるわけであります。
 次のCIFとFOBの問題におきましては、わが國現在の契約方式は輸出においては、FOB、輸入についてはCIFというふうな状況でやられておりますが、これは戰前あるいは普通商慣習の契約締結の方式とは非常に違いますので、こういうような点から相当の輸出輸入両面における不利があることを書いておるわけでありまして、これはたとえば輸入について言いますと、船賃がそこに掲げてあります表のようにいかに高いものであるか、その高い船賃を拂わないで買うような方法に持つて行くのには、船の利用をさらに考えなければいかぬのではないかということから、戰前の海運收入の問題、戰後の状況等をここにあげたわけであります。
 こういうふうに戰後の國際貿易を阻害するいろいろな問題を具体的に重要項目だけを取上げまして、あとの部分につきましては、政府としましては、一應理論とかあるいは判断にわたる部分は比較的避けまして、具体的な数字によつて現在の貿易の姿を國民に説明をするというふうな立場から書かれたわけでありまして、まだここにあげております数字とかその他について相当檢討の余地もありますし、現在いろいろ檢討しておるわけでありますが、とりあえず現在判明いたします限りの正確であると思われる数字によりまして、実情を御説明したわけであります。簡單ではありますが、白書を書きました大体の趣旨であります。
#4
○小野瀬委員長 通商白書につきましては、ただいま前島課長からお話があつたので大体御了承されたことと存じます。
 次に本年度の輸入計画について、湯川安本貿易局次長より御説明を願います。
#5
○湯川説明員 本年度の輸入計画について簡單に御説明を申し上げます。輸入計画はアメリカの援助資金等の関係から、実際問題としてはアメリカの会計年度によつて関係方面と折衝中で、それで今年の七月に始まつて來年の六月末で終ります一九五〇年のアメリカの会計年度で、日本の輸入計画といたしましては、総額大体八億ドル余りを予定しております。その内訳は、これはまた折衝中の数字でありまして確定したものではありませんが、大体主食及び肥料として三六%、纎維原料として一九%、金属鉱産物として一〇%、石油及び石炭類として一四%、油脂類として二%、ゴム及び皮革類として三%、工業藥品として一%、その他一五%、大体こういつた見当で連絡しております。この輸入資金としましては日本の輸出資金の代金としてまかなうものと、それからアメリカのガリオア及びイロア資金によつてまかなうものとあるわけでありますが、この援助資金によつてまかなう額は、ただいまの予定では大体四億七千万ドルというふうに予定しておりますが、これはアメリカの議会でもまだ確定しておりませんので、若干減るかと思われます。こういつた輸入物資をどこから輸入するかという大体の地域別につきましては、これもまだ暫定的なものでありますが、大体ドル地域から六五%、ポンド地域から一八%、その他から一七%ということに予定しております。さきに申し上げましたように、この全部がまだ固まつた数字ではございませんので、今後若干変動があるかと思いますが、大体大きなわくとしてはこういつたところにおちつくものと思われます。これが大体輸入計画の全貌であります。
#6
○小野瀬委員長 次に、榊原輸入第一課長と安本の藤瀬貿易局計画第二課長さんは、午後三時までに関係筋の方に参らなければなりませんので、両君に対して御質問のある方はこの際質疑を許します。
#7
○前田(正)委員 輸出のことについて御質問申し上げる前に、輸入のことから御質問させていただきたいと思います。現在輸入した品物におきまして滯貨しておる品物の大体の品目、数量及び滯貨理由がわかりましたら、ひとつ御説明願いたいと思います。
#8
○榊原説明員 お答えいたします。大体現在滯貨と申しましても実は二つの意味がございます。一つはいわゆるランニング・ストックと申しまして、大体日本の生産の運営に必要な形状のもの、それからもう一つは賣れないもの、いわゆるデッド・ストック、この両方であります。双方合計いたしまして約四百三十七億ばかりでございます。それを纎維関係の方で申しますと約二百八十五億でございます。
#9
○前田(正)委員 ランニング・ストックとデット・ストックをわけたらどうなりますか。
#10
○榊原説明員 それを二つにわけますと、概略ですが、デット・ストックに相当するものが約六十八億で、ランニング・ストックに相当するものが約三百六十九億ばかりでございます。
#11
○前田(正)委員 それは纎維だけですか。
#12
○榊原説明員 全体であります。
#13
○前田(正)委員 項目別に大体わかつたらひとつ教えていただきたいと思います。
#14
○榊原説明員 四百三十七億のうちの全体の項目を申し上げますと、化学藥品関係が四十二億ばかりでございます。鉱産物関係が六億八千万円、農産物関係が六十八億、皮革及び同製品が五億六千万円、ゴム及び同製品四億六千万円、金属類が十億、その他が十二億、合計いたしますと大体百五十億でございます。それから綿花が百九十一億、羊毛が六十四億、麻が十三億、その他が十六億でございます。これはランニング・ストックの分も含めた数字でございまして、実は工場に持つて來ておりますが、われわれの方でまだ金をとつていないというものが入つておるわけであります。なぜ金が入つておらないかと言いますと、結局現在の金融難に基く金詰まりということが原因しておるのでありまして、そういつたものも一應われわれの方のストックとして計上してあるのであります。それからデッド・ストックの方は六十八億ございますが、この方もやはり品物は渡してありますが、金がとれないものも入つております。その生じました理由を申し上げますと、大体この四月一日以降三百三十円のレートによりまして、國内に販賣することになつたわけでありますが、実はそれ以前の段階におきましては、輸入したものを輸入した價格に関係なしに、マル公で拂い下げておつたのであります。ところが四月一日以降は輸入しました價格が三百三十、四月二十五日以降は三百六十ということになりましたために、販賣が非常に困難になりました。それでデット・ストックになつている次第であります。これらのものにつきましてはそれだけ國内の販賣可能の金額まで引下げるといたしますと、相当一般会計からの負担を要求しなければなりませんので、関係方面と折衝中でありますが、大体了解を得まして、近くこれを國内の販賣可能な價格で拂下げをするという方針に決定したわけであります。
#15
○前田(正)委員 それは幾らぐらいになりますか。
#16
○榊原説明員 約二十億でございます。
#17
○前田(正)委員 このデッド・ストックとランニング・ストックの項目別の内容について、後ほどでよろしいですから、もう少し細目の表を出していただきたいと思います。
 それから輸入の問題について少しく聞きたいのですが、輸入の品物の買付の方法について、現状を御説明願いたいのであります。
#18
○榊原説明員 現在フアンドによりましていろいろ買付の仕方がありますが、御承のようにイロア・フアンド、ガリオア・フアンドというものによる買付は、その大部分をワシントンの陸軍省が買付いたしております。この場合の買付は、買付しましたという通知が参りまして、船がこちらへ着きまして以降が日本側政府の受渡しの仕事になるわけであります。そのために、そのうちの援助資金の一部につきましては、現在関係筋の方で買付いたします。その場合には、いろいろの海外の商社が関係方面に参りまして、関係方面の担当官と話合いをして買うということがあるわけであります。そのほか、いわゆるコマーシアル・フアンドと申しますか、日本側資金によつて買付をする場合がありますが、その場合におきましても、一部関係筋の方の担当官が、海外の商社と話合いをして買付をする。その他はわれわれ日本側政府におきまして、いわゆる入札方式によつて買付をいたしております。入札方式によつて海外の商社が提供いたしますと、その具体的な内容を関係方面に示してレコメンドいたしまして、それによつてその筋がOKをする。それによつて契約を締結して輸入をするという形式になつております。
#19
○前田(正)委員 その買付にしましても、コマーシアル・フアンドにしましても、日本の需要、あるいはまた仰せになりましたような日本の價格の問題ということについて、日本の現状からにらんで買付をしておるのではないかと思うのでありますが、その点を聞きたいと思います。
#20
○榊原説明員 大体日本の現状を見て買付をしてもらつておることになつておりますが、通信関係その他で若干現状に沿わないものもあるわけであります。
#21
○前田(正)委員 今回通産省として、貿易庁も一緒になられて発足したものでありますから、國内の産業を起した方が、輸入にまさるものが相当ある。またそれが日本の産業発展上ぜひ必要であるというものが、相当あるのではないかと考えられるのであります。こういう点についてもぜひ御考慮願いたい。たとえば硫化鉱であるとか、あるいはマンガン鉱とかいう問題については、前からやかましくそういう話を聞いております。輸入よりか、國内で産出すべきではないかというような意見が、政治的にいろいろ持出されて來ておるのでありますが、こういう方面に対する御考慮をぜひお願いしたいと思つております。詳しいことはまたあらためて質問さしていただくことにいたします。
 次に日本側のコマーシアル・フアンドで買い得るものにつきまして、民間の輸入貿易というものを認めてはどうか、こういうことが新聞その他で報道されてはおるのでありますが、それの大体現在までにおきまする政府側の考えをひとつお聞きしたいと思います。
#22
○榊原説明員 実は先ほど御指摘のございましたように、買付と申しますか、いわゆる現在の政府の買付につきましてはいろいろ非難もございますし、欠陷もございます。その欠陷のおもなものは、買いつけました品質が日本側のメーカーの希望に沿わないということ、あるいは價格が輸出その他から見まして合わない、あるいは時期なり、数量等が希望に合わないという点が多多あるわけでございます。御承知のように一本レートが設定されて以來、いわゆる生産、輸出の責任が全部民間に移されました現状でございますので、輸入の面につきましても原料の選択権というものを、メーカー――需要者と申しますか、需要者に選択権というものを與えてもらわなければ困るということをるる陳情いたしたのでありますが、そういうものを基礎にした民間輸入の手続を、六月に関係方面に提出いたしております。その場合関係筋の方もわれわれと協力いたしまして、生産の情勢を檢討いたしましたわけでありますが、大体事務当局の理解を得まして、ESSのマーカット局長の手元まで出たわけであります。その際に実は相当手続が複雜になつておりますので、マーカット局長からその手続をもう少し簡素化しろという要望がございまして、目下その簡素化のためのいろいろ手続をとつております。その際簡素化しろということの要点は、ポンド資金のコントロールを日本側にまかすということを前提として考えろということでございました。そういたしますと日本側の銀行では、いろいろ態勢の整備その他について時間がかかりますので、そういう態勢になりますのはおそらく來年の四月ごろじやないかと考えられております。それまでの暫定的措置として適当な方法をとりたいということでありまして、実はわれわれの方で目下関係方面と相談いたしておりますのは、いわゆる制限付民間輸入貿易と申しますか、一應実際の話合いと申しますか、ネゴシェーションは民間同士でやる。それを表向きは、政府の契約という形といたしまして、その引取りその他は全部民間側にまかす、そういう制度を研究しております。そういたしますと、品質の点につきましても、價格の点につきましても、民間側の希望いたしますものの買取りができるということになつております。なおその際從來アメリカの陸軍省でやつております買付につきましても、なるべく日本側の方でやらしてもらいたいということを申しそえておる次第であります。
#23
○前田(正)委員 次に日本側の商社の輸入の問題につきましては、大体どの程度まで助成されるか。援助せられて行くおつもりであられますか。その点ひとつ……
#24
○榊原説明員 輸入業者の需要という点でございますが、大体私がちよつと申し上げました手続の詳細を申し上げますと、輸入すべき物資を輸入の前に各需要者に一應配当いたしまして、その配当を受けました需要者がいろいろ輸入業者を利用しまして、輸入業者に注文するとか、あるいは委託するということでこれを買付する。御承知のように現在では海外の商社が相当日本に参つておりますので、日本のインポーターとしては圧迫を受けております。從來から海外のコネクションと連絡のとれておる日本の優秀な商社が相当ただいまおりますが、結局インポーターの選択を日本側の需要者にまかすという形が、日本の輸入業者の温存、培養と申しますか、それになると考えております。なお金融の点につきましても、相当現在弱体になつておりますので、輸入金融という特別な方法を研究いたしまして、それによつても日本のインポーターの弱体を補いたいと考えております。
#25
○高橋(清)委員 お伺い申します。硫化鉱を輸入したときの理由、当局の方針、それから今後どれだけまだ輸入の見込みであるか。それとも打切る見込みであるか。それについてのいきさつを承りたいと思います。
#26
○榊原説明員 硫化鉱を輸入いたしましたときの理由を申し上げます。実は本年の三月ごろでしたか、いろいろ輸入計画をつくります際に、肥料の生産計画に要します硫化鉱が――ちよつと数字の点ははつきり記憶がないからわかりませんが、約百五十万トンくらいの生産が必要である。それに対しまして國内の硫化鉱の鉱山からの生産は約二十万トンくらい足らない。そうしますと結局肥料の生産の方が間に合わないというような点で、どうしても不足分を若干輸入しなければならない。しかし相当國内の鉱山の生産が増強される可能性もあるということでありまして、結局十万トンくらいは輸入しなければならないのじやないかということになりまして、十万トンだけ輸入を要請することにいたしたわけであります。その後いろいろ情勢がかわりまして、さらに増産は可能であるというような意見も出て参りまして、関係方面と連絡いたしたわけでありますが、関係筋の方ではすでにワシントンで買付が済んでおるというようなことで、それだけのものは近く輸入されることになつております。
#27
○高橋(清)委員 日本の硫化鉱の大体の生産計画は百二十五万トンになつておるようであります。需要が百三十五万トン。そこに十万トンの差がある。けれどもその價格において非常な相違があつて、横浜の價格が七千九百円。こういうように入るときには約九千円で入つておりまして、そうして補給金を四億五千万円出すというようなことで、それを内地の鉱山に出せば優に十万トン以上のものは増産できるというのが大体鉱業界、業者側の意見でもあり、また一致しておるところなのですが、これに対して、最初の輸入する計画だけは別として、今後それ以上輸入するような方針があるでしようか。ないのでしようか、その点をひとつ伺つておきます。
#28
○榊原説明員 今後硫化鉱を輸入する計画は全然ございません。
#29
○首藤委員 輸入の民間移讓の問題は前田委員から御質問いたしましたので大体わかりましたが、なお二、三のことについて御質問してみたいと思います。この民間輸入は非常にけつこうでありまして、一日も早く実現していただきたいという強い希望を持つておりますが、しかしこの場合にその輸入品が内地で統制されておる。原料が統制されておる。あるいはマル公が設定されておるというような場合に、各輸入買付値段と相当相違して來ると思うのであります。必ずしもこれはマル公と一致しない。マル公を上まわつたり下まわつたり、同時にまた輸入者個々の買付値段も相当相違して來ると思うのであります。さらにもう一つは政府がその原料についての券を発行しておるというようなことも考えますと、相当この調整が困難じやないか。從つてその対策に対しましては万全を期さないと、かえつて混乱するおそれがあるというふうにも考えるのですが、そういう点についてはどういう対策を考究されておるか。この点を一つお伺いしたい。
 それからただいまなるべく日本人が進出するように需要者の選択制を採用するということ、これも非常にいいと思います。但し國内ではそれは非常にいいのでありまするが、海外各地にコネクションを持たない――今そういう関係が断たれておりますのと、さらにそれに乘じて外國人が、近く輸入が民間に移讓されるであろうということを期待して、相当もう入り込んでおる。そして虎視たんたんとしてこの民間移讓の到來を切望してその準備を進めておる。從つてこういうことを考えますと、せつかく民間に移讓されましても、実際は海外からの輸入は外人がほとんどその衝に当つて、日本の輸入商は單に日本の需要家から選択されたというだけで、実際は下請的なことに終りはせぬかというようなことが危惧されるのでありますが、これに対してはどういう対策を持ち、海外との契約が自由にできるような対策があるかどうか、この点をひとつお伺いしたい。
 もう一つは最近聞きますと、かりに民間輸入に移讓されても、それはコマーシャル・フアンドだけで、ガリオアあるいはイロアの資金は、やはり從來通り政府が直接やるんだということをしきりに言われておりますが、これが事実かどうか、この三つの点についてお聞きしたいと思います。
#30
○榊原説明員 輸入價格の問題でありますが、民間輸入になりまして、一番大きな困難のある問題は價格の点でありまして、実際おつしやる通り重大問題であります。現在私どもが物價庁と相談いたしております内容を簡單に申し上げますと、大体海外の物價はいろいろフラクチュエーションがありますので、そのフラクチュエーションを直接反映いたします輸入價格となりますと、物價体系と相当矛盾を來して参ります。それにつきまして、現在われわれの方で物價庁と話合いをしておりますことにつきましては、國内の統制價格を撤廃するということは困難でありますけれども、結局輸入直後の面におきましては一應價格をはずす。しかしそれを現状としてつくりました製品の面におきましては、一應統制價格を残しておく。それは結局全体といたしまして、輸入されたものの配給の統制の面はあるが、價格の統制の面はないということであります。結局輸入されたものはどこへ行くかということはわかつておりますので、その行くレートだけがきまつておりますが、値段はきまつてない。しかしそれによつてできた價格だけは一應統制して行くという考えであります。なお纎維製品の價格を統制します場合には、ある程度海外の相場のフラクチュエーションを吸收できるような処置をしていただくという方針を今研究しておりますが、各物資別に具体的にどの程度のアラワンス――余裕を見るかということを物價庁の方で現在研究しております。
 次に海外のコネクションの問題でありますが、大体先般來の新聞紙上で御承知のように、優先外貨による海外渡航ということを言われておりますが、輸出ができました場合に、その輸出代金の何パーセントかに相当する外貨の利用ができることになつております。その利用する目的としましては、輸出原料その他海外渡航ということを一應認められております。またそういうことについて、現在計画しておる商社もあるようであります。なお從前から海外とコネクションのあります商社は、海外の商社から旅費その他を送金してもらい、あるいは向うの方で調達してもらうということで、海外渡航の道をはかつておる向きもあるようであります。実際のところ輸入の面だけについて見ますと、実際の輸入の能力という面と、金融の面から行きますと、大体技術その他の面から見まして、海外の商社よりも日本の商社の方が技術的に優秀であるということを考えておりますので、われわれとしましては一應経済情勢がノーマルな状態にもどつて参りますれば、日本の商社が相当進出できるじやないかと考えております。それからなお援助資金の貸付についての民間輸入の関係でありますが、現在われわれの方で関係方面と折衝しておりますのは、大体イロア・フアンド、ガリオア・フアンドというようなアメリカの議会を通りました資金を、日本の政府がかつてに民間に割当をするということは困難であろうと思つておりますが、こういう点は先ほどちよつと触れましたが、一應実際の貸付の交渉をやりまして、表向きは政府の買取りで貸付をする。しかし民間の希望する品物を民間の交渉によつてきめまして、それを政府が貸付するような方向に持つて行きたい。そういうことによりまして値段の点なり、あるいは品質の点については、民間の情報をアレンジして行きたい。さように考えております。
#31
○首藤委員 今の三つの問題は了解いたしました。ただ價格の問題で輸入品と内地の統制價格の関係でありますが、内地の統制價格は御承知の通り運賃は全部プールされております。從つてもし輸入價格を撤廃するということになりますと、当然運賃プールが上つて來る。そうすると輸入港の近くの生産者と輸入港から非常に距離的に離れておるところの生産者との間には、原價的に大きな違いが生じて來る。これはまた相当大きな問題であると思いまするので、なおつつ込んだ御檢討を願つておきたいと思います。
 それから今の外商の進出と内地輸入商の問題でありますが、内地の輸出業者の資金を利用し得るということでありますけれども、一般的な輸出をやつておる商社でありますとそれは可能であります。しかしながら戰前から特定の商品の輸入のみに專念しておるという貿易商がまだ相当あるのであります。從つて輸出をやつている商社はそれでいいかもしれませんが、過去において輸入のみをやつている、また現在もそれをやろうとしておるという商社におきましては、今言われたような便宜は與えられないと思うのでありまするが、これらについてはどういうお考えを持つておるか、この点をお尋ねしておきたいと思います。
#32
○榊原説明員 運賃プールの問題につきましては、実は相当深刻にいろいろ議論されておりまして、各業界においてそれぞれこれに対する対案を研究しておるということになつておりまして、われわれとしての結論は現在持つておりません。しかしある程度業界の内部における保險制度と申しますか、そういう面を活用するような方向に行くのではないか。業界のいろいろの議論なり何なりを見ますと、そういう方向に動いておるようであります。われわれとしましては大体港に近い所は何とか行くが、立地條件がよいからやろうとしても、運賃が高い。港から遠い所は運賃が高いとか、それぞれの特色もございますので、業界の意向を総合いたしますと、大体そういう点は相殺されると見てよろしいのじやないか、そういう意向が強いようであります。この点はまだ完全な結論は出ておりません。結論が出ましたら、すみやかにお答えいたしたいと思います。
 それから輸出のコネクションのないという問題でございますが、この点につきましては優先外貨の利用方法について、直接輸出をしなくても、それに関連のある場合には、一應優先外貨の利用ができる建前になつておりますので、利用しようという場合には、そういうコネクションも若干利用できるのではないか。そのコネクションが全然ないというときにはやはりできないことになります。現在われわれは関係筋といろいろ話をいたしておりますが、海外にいろいろミッションを出します場合には、そういう特異性のある商社の海外ミッションは、優先的に出ていただくというように考えておる次第であります。
#33
○高田(富)委員 見返り資金の積立ては、向うから実際のものが入つて、すぐに計算書を見て積み立てるのですか。それとも現業に賣り渡してから積み立てられるのですか。
#34
○榊原説明員 大体見返り資金で買いつけましたものが入つて参りましてから、いろいろ手当その他がありまして、その受渡しの統計その他に四十五日ぐらい実はかかつております。大体四十五日たちましていろいろ計算ができまして、それから拂込みをいたしております。
#35
○高田(富)委員 そうしますと、計算書でやるわけですね。現実に賣り渡さなくてもいいわけですね。
#36
○榊原説明員 そうです。
#37
○横田委員 ちよつと伺いますが、そうするとそのフアンドで入るものでも現金が拂えないものとか、引取り手のないものとか、そういうものは現実にはありますか。
#38
○榊原説明員 実は入つたもので賣れないものがありますが、そういつたものにつきましては、賣れただけの金額を入れさしてもらうというふうに、関係筋の方で了解してもらつております。
#39
○横田委員 米並びに麦の石当り値段を聞きたい。アメリカ渡しで何ぼ、日本の横浜渡しで何ぼ……
#40
○榊原説明員 実はちよつと今石に計算ができないのでございまして、一應トンで説明いたしますが、大体米について見ますと、アメリカ渡しのものは百五十ドルになつております。それをこちらにつきまして百六十ドルになるわけであります。
#41
○横田委員 これはややこしいから、こちらの方でもう一ぺん計算してあなたの方に聞きに行きます。
 次に石炭の生産目標は、二十四年度は四千二百万トンでありますね。それから今度集中生産を縮小するということが言われていますね。このような場合に石炭が非常に國内で滯貨になつておる。この間も小樽で三千トンも燃えておつた。また九州や東京あたりでせつかく山から掘つたものを海の底に沈めているらしい。こういうような状態のもとでも、外國の石炭をどんどん買つて行かれるおつもりですか。
#42
○榊原説明員 それは先ほど通商白書の際にもお話申し上げました通り、石炭の輸入は粘結炭だけでございます。粘結炭というと、結局製鉄所でコークスをつくります石炭でございますが、日本では粘結炭の生産は長崎の近所の松浦とかその他に、ごく少量しか出ないのであります。大体年間にいたしまして十四、五万トンしか出ないのでございます。これに対しまして、実際の粘結炭の所要量は、百六十万トンぐらいになつております。その不足をどうしても輸入しなければならない、こういうことになつておるわけであります。なお今われわれの方で研究いたしておりますのは、海外の粘結炭によらずに、國内の普通の瀝青炭で、粘結炭にかわるべき方法はないかということを現在研究いたしております。大体そういう見通しがつきかかつておりますので、今後石炭の輸入は相当大幅に減る予定になつております。
#43
○横田委員 日鉄釜石でやつておりますね。低品位炭の製鉄の問題ですが、その成績を近い機会に発表してもらいたい。
 次は現在協定貿易を云々されておつて、協定貿易のもとでいらないものを買い過ぎておるのではないか。それが滯貨の原因になつておるのではないか。これはどうなつておるのですか。
#44
○榊原説明員 実は協定貿易と申しますと、一番大きい問題がスターリング地域その他になつておりますが、若干関係方面で買いつけましたものの中には、それに近いものもございます。ハンダであるとか鉛であるとか、そういつたものもバーターで滯貨になつておるものが若干ございます。しかし大体においてスターリング地域の関係におきましては、若干まだ買い足りない点がございまして、スターリング地域関係のものにつきましてはそう滯貨になつておるものはありません。
#45
○横田委員 次に南鮮からのりをお買いになつた。正確な数字は忘れましたが、十数億買われたと思うのですが、こんなものは賣れる見込みがあるのですか。こんなものは滯貨になつておるのではないか。さばけるのですか。
#46
○榊原説明員 滯貨になつております。実はこの南鮮ののりの買付につきましては、米を買いつけることになつておりますので、米だけ買われては困るというので、結局米とのりとの抱合せになつてしまつたわけです。抱合せでのりを買わされたもので、現在滯貨になつております。
#47
○横田委員 これは一体どういうふうにしてさばいて行くのですか。
#48
○榊原説明員 結局國内で販賣可能な値段まで、値段を下げてさばくよりしかたがないと思いまして、現在値段を下げる点につきまして関係筋の了解を得ております。
#49
○横田委員 それからアルゼンチンからとうもろこし、ふすま、牛乳なんかを今度お買いになつた。こういうような結果として日本の畜産業を圧迫しはしないかと思いますが……
#50
○榊原説明員 アルゼンチンからそういう計画はまだ一つもありません。
#51
○横田委員 それから現在の輸入滯貨は、それが大体日本の消費量の何割くらいに当るおつもりですか。
#52
○榊原説明員 大体消費量は全体のことはわかりませんが、輸入総量にいたしまして約十二、三パーセントであります。先ほど申しましたランニング・ストック全部を含めまして輸入総量の十二、三パーセントであります。
#53
○横田委員 それから日本の農業生産は、昨年は戰前の八四%回復したと言われておる。今年度はとらない先から勘定しておられるのですが、九〇%まで回復するだろうと言つておられる。そうすると日本の國内における食糧が多少ふえるわけである。こういうような條件のもとにおいてやはり外國の米を同じような数量によつて買われるのですか。
#54
○榊原説明員 この点につきましては、大体國内の需給状況とにらみ合せて買付いたしておりますのと、米の使い方についてはなるべく経済的に使うということにしまして、國内の生産によりまして種目の買付数量をいろいろかえております。
#55
○横田委員 これはどこまでほんとうかわかりませんが、たとえば日本に食糧が足りなかつたときに食糧のせわをアメリカに頼んだ。それで送つてやるが、そのかわりに日本の農業生産が回復しても、その当時に送つただけの量はとれという密約があつたとか、なかつたとか言われておるが、それは一体どうなのですか。
#56
○榊原説明員 私の関する限りはその密約は聞いておりません。
#57
○小野瀬委員長 それではこれより一般質疑並びに輸出に関する質疑を許します。前田委員。
#58
○前田(正)委員 まず第一に通商白書をつくられた方からお聞きしたいと思うのですが、この通商白書に特にわれわれとして輸出をしなければ日本は成り立たないということを書いてあるのでございますが、その中に現状におきまして一番私たちの問題になつておるのは、輸出滯貨の問題であるのですが、輸出滯貨の問題についてこれが書いてない。それから次の通商に関する諸問題におきまして、当然フロア・プライスの問題が出て來ると思うのですが、その問題についても書いてない。ことに新聞にも出ておりますが、リベートの問題についても書いてないが、書かなかつた理由を説明していただきたいと思います。
#59
○前島説明員 前田委員の御質問にお答え申し上げます。今の輸出滯貨の問題につきましては、八ページのところの註に入れて概略書いてございます。
 それからフロア・プライスの問題につきましては、現在政府の方とフロア・プライスの廃止の問題についていろいろ檢討いたしておるわけでありまして、この問題については是否の議論がいろいろありますので、そういうふうな交渉の経過に影響するところも相当大きいと思われますし、同時に日本文の通商白書も同じように英文に翻訳されまして、海外の諸國に渡される点がありますので、そういう点を考慮してこれはオミットしたわけであります。
#60
○前田(正)委員 なるほど註に書いてありますが、実は輸出滯貨の問題は輸出を論ずるにつきまして、一番当面した大きな問題であると思います。そこでまずぜひお願いいたしておきたいことは、輸出滯貨の総量とか、それから公團の滯貨品の明細にわたりましたものを、ことにランニング・ストック、デッド・ストックに対して政府として見わけがつくならば、その各別の明細をぜひいただきたい。なお民間の滯貨につきましても大体見通しがおつきになりましたならば、その見通しの明細についてもひとつ御説明願いたいと思うのでありますが、本日御説明ができなければ、そういう資料を出していただいてもけつこうであります。輸出滯貨の問題をお話していただかなければ、輸出の問題に入つて行つても、まず第一問のスタートは切れないと私は思つております。もし詳細の資料が現在なければあとでいただくことにいたしまして、大体の御説明だけでもいただいたらけつこうと存じます。
#61
○前島説明員 今の輸出滯貨の問題でございますが、白書にも出ておりますように、纎維関係につきましては二百八十億、鉱工品につきましては七十八億、こういう数字が五月末の統計で出ているのであります。ところがその際の統計が非常に急でありましたので、鉱工品の関係につきましては賣先のきまつておるものも入つておつたのでありまして、それを差引きますと、二十八億という数字が出ております。明細につきましてはこちらにありますので、後ほどつくりまして御連絡いたしたいと思います。それで六、七月にこのストックにつきましては関係方面と相談をいたしまして、輸出に向くものにつきましては極力輸出に向けるということににいたしております。それからどうしても輸出に向かないものについては、國内処分をするというふうにいたしまして、全商品につきまして分類をいたしておるわけであります。現在はここの白書にも書いてありますように、日本貿易館に展示会を開いております。そこで輸出のもの及び國内のものの放出の賣上げの促進に努めておるわけであります。はつきりした数字はまだ出ておりませんが、大体の数字をわかつたところで申しますと、六、七月に國内処分をいたしましたものが約六億ございます。輸出をいたしましたものが千万円ございまして、トータルいたしまして鉱工品では現在二十五億、纎維公團では二百八十三億という数字になつておるわけであります。但し纎維公團につきましては、そのうち一億五千万ヤールの放出が近く行われるはずでありましてこれが七十五億、そのほか八月に丸首シャツを放出しておりますので、これらのものを引きますと、さらに相当の数量が減つておると考えられます。それから輸出につきましては、この展示で賣りましたのがただいま申しました一千万円ばかりでありますが、約十万ドル見当はそのほかに輸出されているというふうに見ているわけであります。それから民間の滯貨につきましては、キャンセルをいたしたものが滯貨になつているわけであります。この数字につきましてはただいま計算を急いでおりますので、近日中に集計を終ることになつているのであります。でき上りましたらお配りいたします。
#62
○前田(正)委員 明細につきましては、ぜひ輸出滯貨の公團の在庫品の品目別に――もしおわかりになりましたらデッド・ストックの原因とその品目別、金額別にいただきたい。民間の滯貨につきましては、キャンセルされた滯貨以外に、民間の賣行き不振あるいは海外の市場変動等によるいろいろの滯貨もあるのではないかと思いますが、そういうふうな原因別にできましたら一つ出していただきたいと思います。滯貨の内容につきましてはその明細をいただきましてから、御質問さしていただくことにいたします。
 公團の滯貨の処理方針について、一應責任者から聞かなければならぬと思つているのでありますが、公團の滯貨というものと民間の滯貨というものとは、競合する場合が相当あると思うのであります。しかしながら公團の滯貨というものは、國民の負担になります一般会計の損失になつて現われて來るという点があると思いますので、どうしても公團の滯貨処理と民間の滯貨処理との競合する点について、政府は一体どういうふうに考えられるかという点について、根本的な方針から聞いて行きたいと思います。
#63
○小野瀬委員長 前田さんに申し上げます。主管の振興課長がお見えになつておられませんので、答弁できないそうであります。御了承願います。
#64
○前田(正)委員 この問題についてぜひお聞きしないことには、話の順序上困るのでありますが、輸出計画について委員会で質問するということになりますと、もう少し輸出の全般にわたつてお話のできる責任者の御出席を願うというわけに行かないものでしようか。
#65
○小野瀬委員長 実は平井振興局長がお見えになられるわけであつたのでありますが、今日都合により御出席になられませんので、はなはだ遺憾に思つているわけであります。ただいま政府側から御答弁なさいます滯貨の問題につきましては、所管が振興局になつておりますが、今日は御出席がないのでお答えできないそうです。しかし輸出に関する問題につきましては安本関係からもお見えになつているし、十分お答えできるそうでございますから、本日は輸出に関して一つ御質疑を願います。
#66
○前田(正)委員 それではこの問題につきましては、実は輸出の計画をここにもいただいているのでありますが、輸出計画に滯貨処理の問題が入つて來ると思いまして、滯貨の問題から入つたのでありますが、これを考えないで輸出計画を立ててみたところで、ほんとうの計画でないと私は思います。しかし主管の方がおられないならば、輸出の問題について話をお聞きしたいのであります。
 まず輸出の問題について一番問題になるのはフロア・プライスの問題であると思いますが、この点について政府は今後どういう処置をされるか、その点からひとつお聞きしてみたいと思います。
#67
○松尾説明員 お答えいたします。フロア・プライスの問題につきましては、実はまず業界からの要望という点から申し上げますと、半年ぐらい以前におきましてはフロア・プライスがあることが輸出の障害である、こういうものは撤廃した方が輸出の振興になるというふうな御意見が強かつたのでございますが、今日の状況といたしましては、國内の方でいろいろ経済的な非常な変化が起つて参り、あるいは海外におきましても賣れ行きが芳ばしくないというようなことから、どちらかと申しますと非常に競爭が激化しておるような現状でございまして、そういう点から言いまして、かえつて過度の競爭を防止するという意味におきまして、フロア・プライスを原則としては存置した方がいいというふうな意見が非常に強いのでございます。しかしながら現在のところフロア・プライスといたしましては、商品の分け方にもよりますが、大体七万くらいに数が達しておるのでございまして、いわば輸出品のドル丸公とでも言うべきものが七万もあります。これを変轉する世界の経済情勢に即應するように改訂するということも、非常に困難な問題でございます。從いましてできるだけ早く正常貿易の方に移行するという観点から考えますれば、かかるものはできるだけ早くやめた方がいいということも言えるのでございますが、先ほど申しましたような業界からの最近の強い要望にもかんがみまして、今にわかにこれを大規模に廃止するということは非常に困難かと思つておるのでございます。しかしながらこれにつきましては関係方面にも御意見がございますので、われわれとしましてはできるだけむりのないような、言いかえてみますれば合理的な改訂というふうな線で進みたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#68
○前田(正)委員 フロア・プライスの撤廃ということは、將來の自由貿易として考えられる点であると私は思うのでありますが、しかしながら今の制度下においては、産業界の立場からもむりなるダンピング等の競爭を防止するという点も考えられると私は思います。しかしながらこの改訂ということは早急に現在行わなければならないと思われることは、皆さんすでに御承知だと思うのでございますが、現下の日本の貿易の現状から見まして、リベートがほとんど全面的にわたつて行われておる。初めは纎維品のみでありましたが、現在はほとんどの輸出品にわたつて行われておるという点から見まして、これが改訂は急がなければならぬのではないかと思うのであります。このリベートの問題に対しまして現在政府はどういうふうなお考えを持つておられるか、ひとつ聞きたいと思います。
#69
○松尾説明員 御指摘のように、リベートということと、フロア・プライスということは密接な関連を持つ問題でございまして、フロア・プライスがあるからこういう問題が起るではないか。リベートが行われるくらいならばフロア・プライスはやめた方がよいというふうな議論も成り立ち得るのでございますが、一應われわれとしましては、今日現在のところはフロア・プライスがあるということを前提にしまして、できるだけリベートが行われないような措置を講ずるというラインで考えておるのでございますが、何分リベートというものは実体の捕捉が非常に困難な事柄でございまして、いわばやみ行為なんでございまして、やみ行為を的確につかむということは実際むずかしい事柄なんであります。しかしながらこれをこのまま放置するということもできないので、非常に困難な事柄ではありますが、あらゆる方法を盡しましてリベートのないような措置を講じなければいかぬわけでございます。ところがどういう方法をとりましても、なかなか効果のある方法が実はないのでございますが、今われわれといたしまして研究もいたし、関係方面の御意向も打診をいたしておるラインを申し上げますと、まずバイヤー等のいわゆる外國人に対しまする司令部のサーキュラーにおきましては、バイヤーは円貨の所持が禁止をせられておるのでございます。從つて日本の業者がバイヤーに円でもつてリベートをするということは、言いかえてみれば、そのサーキュラーに違反をすることをバイヤーがやつておるわけであり、また日本の業者としては、その違反行為を幇助しているというふうな関係に立つわけでございます。從いましてまず第一の手段といたしましては、司令部におきまして、そういう事柄が違法であるのだ、アンロウフルなアクトであるというふうなことを宣言をしていただくということが、まず第一に必要ではなかろうかということを考えておるのでございます。それはもうすでに申し上げるまでもなく、サーキュラーのあることでございますので、賢明なるバイヤーは知つておられるはずなんでございますか、あるいは中にそれを失念しておる人なり、あるいは若干それらの事柄について感覚のうとくなつておるバイヤーの方も見受けられるのじやないかと思われるので、まずそういうバイヤーがリベートをとるということが不法な行為であるのだということを再認識していただくために、司令部におきまして、そういうサーキュラーをリファーして注意を喚起していただくことが、まず第一の手段ではないかと考えまして、そういうラインで関係方面にお願いをいたしておるのでございます。それから第二点といたしましては、日本側の業者がバイヤーにそのリベートを提供するということでございますが、これを禁止する法制的な根拠は、現在のところの解釈といたしますれば、貿易等臨時措置令に基く行政処分なり、あるいは大藏省令でありますところの第八十八号省令なりで、若干の措置もとれるのでございますが、これもいずれも不備でございますので、もう少し明確な立法的な措置を講じて、日本側の業者がリベートを出すことを禁止する手段について、目下考究をいたしておるのでありす。
 なお第三点といたしましては、輸出許可申請書を提出するいわゆるサプライヤーが、許可申請書の中に、この輸出に関連してはリベートはいたしませんという誓約書を添付するような事柄につきましても、研究をいたしておりまして、この点につきましては輸出許可申請書の交付の改正ということに相なりますので、それらの点につきましても関係方面と打合せをいたしておるような次第でありまして、近く結論に到達するのではないかというふうに言つております。なおこういう手段をとりましても、たとえば現在絹織物に現われておるがごとく、フロア・プライスと國内價格との差がありまりにも大きいような商品につきましては、これらの措置をとりましても、実際問題としての効果は困難ではなかろうかというふうに考えられるのでありまして、この点につきましてはできれば政府がサプライヤー、バイヤーの間に入りまして、サプラィヤーから一旦政府が買い上げてそれをバイヤーに賣るというふうな、いわばトンネル式の賣買の中に政府が入ることによつて、そのリベートの発生する余地を防止するという案も実は研究いたしておるのでございます。この点については非常に実行困難のように考えておりますが、一應そういう案も考慮しております。大体ベートの対策については以上のようなものであります。
#70
○前田(正)委員 リベートの件につきましては、これが行われるということは正常の貿易を非常に阻害するものと私たちは考えますので、できるだけの手続をもつてこれを禁止されるように努力願いたいと思うのでありますが、このリベートが行われておるという現状から見ましても、先ほどお話がありましたように、フロア・プライスの改訂ということは必要であると思います。そこでこのフロア・プライスの改訂を現在どの程度まで考慮しておられるか。その点の見解と、現在考慮されておる現状をお聞きしたいと同時に、もう一つは今までこのフロア・プライスのないものとか、あるいは多少形式のかわつたものにつきましては、輸出する價格についていろいろめんどうな書類を何度も出さなければならない。非常に手続上困難の点がたくさんあるように私は思うのであります。そういうような手続の簡素化についても考慮しておられるかどうか。この二つの点についてお聞きしたいと思います。
#71
○松尾説明員 まず現在のフロア・プライスのない商品につきまして新しくフロア・プライスを設定するという件でありますが、先ほど申しますように七万にもフロア・プライスが達しておるのでありまして、なおお化学藥品等の最近になつて新しく輸出を見んとするような商品につきましては、大体フロア・、プライスはないのであります。從つてそういうふうなものにつきましては、最近ほとんど毎日のようにフロア・プライスの設定を関係方面にも続々申請をしておるのであります。この設定の手続につきましては、いささか関係方面との関係がありまして、もちろん現在までのところ非常に手間取つたこともございますが、最近はよほど敏速になつて來ておるようでありまして、別にこれといつてきまつた手続があるわけではないのであります。関係筋との間に事実上そういう了解を得てやつておる事柄でありまして、最近はこの設定手続につきましてはあまり問題にする必要もなかろうと思つております。それから第二のフロア・プライスの改訂の問題でございますが、これも必要に應じて案を具しまして、関係方面の承認を得べく努めておるような次第でございまして、從來ほどの困難はないのではないかと思つておりますが、何分にもフロア・プライスの設定なり改訂というものは、言うべくして実現がむずかしい問題でございまして、海外の市場の状況を的確に把握しなければならぬのと、またすでに相当多量に日本品を買い込んでおる業者なり、あるいは非常に既契約を持つておるバイヤーの立場も考慮いたしませんで、いつも簡單に変更するということでございますれば、危くてバイヤーなども取引ができぬわけでございますし、またストックを持つておるバイヤーに対しましては損をかけるというようなことになるわけであります。これらの問題は非常に愼重を期さなければならぬことは申し上げるまでもないことであります。從つてこれらの設定なり改訂についてそういう研究をし調査をする間、若干の日時のかかることもある程度はやむを得ぬのではないかと考えておりますが、できるだけ早くこれらのことができますように、努力をしておるような次第であります。
#72
○前田(正)委員 今のお話の中にありました通り、フロア・プライスの改訂は滯貨の問題に非常に関係がありまして、特に日本の一般國民の立場から見まして、公團に滯貨しておる品物については非常な影響があると思います。しかもそれが國民の損失という点にまで現われて來る可能性があるのでありまして、滯貨処理の問題と非常に関係があると思うのであります。これは滯貨処理の関係の人からもその点について御意見を伺いたいと思います。しかし今申しました通り、リベートがある程度行われておるだけじやなしに、御承知の通り産業の合理化というものは政府も非常に奬励いたしまして進めました結果、石炭等におきましても一人当りの出炭量もふえております。その他各方面の産業界において一人当りの生産量の増加しておるものも相当あります。そうしますと当然生産のコストはかわつて來ておるわけでありますから、全面的に檢討する必要があるのではないかとわれわれは思います。特にリベートの問題にからみまして、ぜひこの際フロア・プライスの改訂の委員会をつくるとか、あるいは省の中で特別に会を開かれるとかいうような手続は、すでに終りになつておると私は思つておるのでありますが、そういうような全面的な改訂の手続をしておられないならば、今後どういうような方法でもつてフロア・プライスを檢討されるかという方針を聞かしていただきたいと思います。そのほかフロア・プライスについてもう一つ考えていただきたいことは、政府の今までねらつておりました線は相当良質な物を賣りたいというような、今までの日本の輸出の経驗から見ましてまことにもつともな話でありますれども、しかしながらそれはただ單る会社が軍需品がなくなりましたから良質のものをつくらして、そうして相当高い値段で日本から出して行こう、そういうような考え方ではこれは当然出て行かないということは、対米貿易の終戰後の経過を見ておつたらおわかりの通りだと思います。一時はアメリカにおいても良質の物は買つたと思いますし、もちろん日本から出て行く物は良質でなければなりませんが、その用途はアメリカとかドイツとかフランスとか、そういうところで製造されるものとは購買力の方面が違うわけであります。この方面から考えましても、私たちはまだ相当フロア・プライスの問題についても考えなければならぬ。また東亞向けのいろいろな需要におきましても、需要先というものの程度が違うのであります。ことにそれを明らかに言えば、この前私たちの経済安定委員会から視察に派遣いたしましたときに、その報告といたしまして、ここにおいでの首藤君からお話もありましたが、相当優秀な陶磁器を出そうというようなことを考えておやりになつたけれども、実際の問題としては、相当安い一般的な中小の陶磁器の品物をつくつておるものに、注文が殺到しておるという視察報告があつたのであります。こういつた現状から見まして、私たちはやはりフロア・プライスについて日本の産業のどの方面の品物を特に輸出に充当するか。特に中小工業が過去におきまして最も中心であつたのでありますが、終戰後においては大企業に産業の中心を置きかえようとしておる傾向がありますが、そういう面から考えましても、フロア・プライスに対して全面的に考え方を直していただかなければならぬと思うのであります。それについてはひとつ政府はどういう方針で、フロア・プライスについて全面的に協議されるかという方針だけをお聞かせしていただいて、あるいはまたいつごろ始められたか。また始められるという考えを持つておられるか。その点についてのお話を聞かしていただきたいと思う。
#73
○松尾説明員 フロア・プライスの改訂につきましては、るる申し上げておりますように、國際情勢に即應しまして合理的な改訂をやるという、はなはだ抽象的なことを申し上げるほか、実は今日のところできないのでございまして、この問題は申し上げるまでもなく非常にデリケートな問題でございまして、ちよつとこの席上で今やらんとしている事柄を率直に申し上げにくいのでございます。実を言いますと、最近非常に急テンポをもつてこの問題を解決せんとしておりますが、ちよつとこういう席上で申し上げにくい点をひとつ御了承願いたいのであります。またあとで委員長の方に申し上げます。
#74
○前田(正)委員 その点につきましては委員の皆さんと御相談願いまして、また別の方法でお話を伺うということでいいと思います。
 もう一つ聞きたいことは、この間朝鮮の貿易を司令部で買いつけるということがありましたが、そのほか各方面において輸出のものを買いつけるにあたりまして、入札制度を行つております。ところが入札制度というものはフロア・プライスがあつて運賃の協定があつて、それで入札をするというのはどういう考え方から入札制度を採用しておるのか、私は実はわからないのですが、その点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#75
○松尾説明員 お尋ねの朝鮮向けの輸出物資につきまして、入札による買上げをいたしておるという問題でありますが、これは実はアメリカの経済協力局すなわちECAの東京の事務所が、朝鮮向けの援助物資の買付を日本でやられます場合におきまして、買付の方法としまして入札の方法をとつておられまして、日本側におきましてやつておることでないことを御了解願いたいのであります。御指摘のECAが朝鮮向け物資を買いつけられる場合に、入札によつておるわけでございます。今御指摘のフロア・プライスがある場合におきまして、入札の意味というものがないのではないかという御尋ねでありますが、現在の実情を見てみますと、確かにフロア・プライスについてはその通りなんでありますが、今の入札の條件は、大体現地渡しと申しますか、釜山CアンドFでもつて入札をされておるわけであります。CアンドFでもつて入札をしておる。從いましてCはフロア・プライスであつて入札の余地はないわけでありますが、フレイトにおきまして競爭されておるというのが実情であります。ところがフレイトにつきましてもいろいろ運賃同盟等の関係もあつて、それが入札の対象になるということがおかしいじやないかというお尋ねもあるかと思いますが、現実の問題といたしまして、相当船会社の方で安く引受けられておるような実情でありまして、正直なところフレイトの面において入札の爭いがあつて実行されておるという現状でございます。ただ現状を申し上げるほかちよつと的確に御説明し得ないのであります。その点御了解願いたいと思います。
#76
○前田(正)委員 その他いろいろお聞きしたいことがあるのでありますけれども、どうしても輸出滯貨の問題から入らなくてはできませんので、私の質問は輸出滯貨の問題の御説明を受けましてからにして、保留いたしておきます。
#77
○首藤委員 私は輸出の面において二、三御質問したいと思います。要するに外貨獲得の面から輸入はFOB、輸出はCIF、これが一般民間の絶対的な要望になつておるわけであります。戰前におきまして運賃はその商品の大体一割内外、あるいはそれ以下というふうになつていたものが、戰後におきましてはこれが三割内外までになつておると聞くのでありますが、はたして外國船を使用するためにさように高い比率になつておるかどうか、その点を一應お伺いしたい。
 それから生糸の輸出でありますが、何と言つても戰前長い間日本の貿易は生糸でありましたし、また日本経済も生糸の輸出に依存しておつたのでありますが、これが戰後予想以上に輸出が不振になつた。今日では生糸でなく、むしろ纎維の輸出に依存しなければならぬというふうな状態になつておりますが、いずれにしても生糸は、日本としては長い間農家経済に最も大きな寄與をした産物であります。またそれが日本経済に大きな影響を與える商品でありますので、これが推移に関しましては、おそらく國民全般が深い関心を持つておると思うであります。そこでアメリカその他の需要國におきましては、値段を非常に安くしてもなおかつ需要の喚起の望みがないのか、あるのか、その点を私は一應伺つてみたい。
 それからもう一つは、今前田委員から非常に詳細に質問されておりましたフロア・プライスであります。今般政府のお考えを聞きますと、フロア・プライスを何とかして維持したいというお考えのようでありますが、われわれはフロア・プライスのごとき弊害の多いものは一日も早く廃すべきだ、そうして自由にすべきだと私は主張したいのであります。今の御説明によるとリベートの行為はやみ行為であるからなかなか捕捉しがたい。その通りであります。しかもこれをGHQにお願いして、バイヤーに対しては違法であることの再認識を求め、あるいは内地の業者に対しましては、あらためて法律をつくるというようなお考えのようでありますけれども、かような裏面行為に対して法律がどれだけの効果があるかということは、今日までの日本経済におけるやみ行為が、いかに強力な法律をつくりましてもそれが根絶できないという事実によつて、まことに私は明確だと思うのであります。それにもかかわらずかような捕捉しがたいものを、今日においてもなおさようなお考えを持つて、かような法律をつくろうという意図が、私はわからぬのであります。言うまでもなく商行為は競爭であります。また生産者も競爭であります。從つて、一つのフロア・プライスをつくりましても、あるいは日本の商人はその商品に対して口銭は一つもなくても、それをサービスしてほかの商品で大いに利益を得たい、あるいはまた生産家も創意くふうによつて、他の工場よりも非常に安くできるところはたくさんあると思うのであります。そういうものは、むしろ自分の安い製品を大いにたくさん販賣したいということから、ついリベートをつけるということになつて來るのだと私は思うのであります。しかもこのフロア・プライスがあることによつて、だれが一体もうけておるかと言いますると、バイヤーが不当な利益を獲得しておるのであります。日本においてすでに多額のリベートをとつておりますのみならず、海外におきましては、それが一つの日本における買付の公定價格だ、定價だというようなことになつておりまするので、海外の値段はあくまで日本のフロア・プライスが標準になつて販賣される。從つてせつかく日本の商人が大きな犠牲を拂つて、あるいは生産家が非常な創意くふうをして安いものができても、それがそのまま海外に反映しない。もしそれを自由にいたしますならば、値段の点において初めて海外各地の需要を喚起し刺激する。今まで買わなかつたところも、初めてそれによつて購買力が起つて來る。あるいは今日まで買つておつたところも、値段が安くなることによつて、さらにそれに対するところの購買力が非常にふえて來る。ここに私は貿易の増進ということが望み得ると思うのであります。これを放置しておりましたことは、一面において貿易の振興を叫びながら、一方においては貿易の振興を阻害しておる。かように断じても私はさしつかえないと思うのであります。ただ憂いまするのは、これによつて値段を非常に競爭する。從つて競爭の結果は、海外において日本品を買うことによつて損をするというような不安を與えることが、かえつて日本品の輸出を阻害するという点があると私は思うのであります。戰前においてそれは非常にあつた。たとえば十円のものを九円に、また八円に賣るというような無謀な競爭をしたことによつて、かえつて海外の販路を阻害したということがありますので、これは何としても防がなければなりませんので、これは不当競爭の防止をやる。これで一番効果的な対策はできると思うのであります。不当競爭を防止するために、たとえば價格委員会をつくる。そうして輸出業者なり生産家が賣つておる價格は、ほんとうに採算のとれる價格であるかどうか。これは少くともその業界について檢討いたしますれば、すぐに判明するのであります。戰前においてはそれが放任されておつた。從つて五円を三円に、二円五十銭に賣るというようなことをやつておりましたが、今日はそれは許されませんし、またあくまでも防止しなければならぬ。それには不当競爭の防止策をやる。これは私は、今のリベートを取締る法律をつくるよりも、表に現われることでありますから、しかも業界では、その契約値段が不当であるかないかということは、すぐにはつきりするのであります。証拠は明確になるのであります。そういう根拠のあるところの基礎をもつて対策を練るということによつて、初めて効果がありまするとともに、一面において生産家の創意くふうを助長し、そして製品をできるだけ安くつくらせるというような指導方針にあくまでも持つて行かなければならぬ。現在では片方でそういう制度を持ちながら、片方ではそれをとめておるというような、矛盾した制度をとつておるのでありますから、私は一日も早くフロア・プライスは撤回して、そうして各人の自由にまかせるという制度をとつてもらいたいと思います。
#78
○松尾説明員 まずお尋ねの第一点の、運賃の問題についてお答えいたしますと、これはまあ計画のとり方によりまして若干の狂いはございますが、お配りしておりまする通商白書の八十三ページ、八十四ページに書いておりますように、輸入につきましては約五%程度に運賃の割合がなつておるように考えられるのであります。特に運賃がシフ價格のうちにおきまして大きな割合を占めておりますのは、八十三ページの第十七條に書いておりますように、石炭なり銑鉄あるいは鉄鉱石あるいは塩等で、この表でごらんいただきますればおわかり願えると思いますが、塩のごときはFOB價格の約三倍にも運賃がなつておる。あるいは石炭で言いますれば、五割近いものが運賃であるというふうに、相当大きな割合を占めておるのでございます。
 それからお尋ねの第二点の、生糸の輸出の見通しの問題でありまするが、私がお答えするよりも、経済安定本部の方からでもお答えを願つた方が適当かと思います。しかし要するにアメリカにおきますナイロン等の化学纎維の発達によつて、需要が激減したということに盡きるわけでございまするが、いま少し執拗にアメリカその他の地域に対しまして宣傳を繰り返すことによりまして、いま少し輸出を改善し得るのではなかろうかと考えておるのでございまして、生糸輸出の前途ということにつきましては樂観を許しませんが、今ほどのことはないのではなかろうか、いろいろの努力をすれば、もう少しよくなり得るというふうに確信をしております。
 それからお尋ねの第三点であります。フロア・プライスの廃止をした方がよい、リベートの防止措置よりも、不当競爭による弊害の防止措置をとつたらよいではないかという点につきましては、ある面につきましては、われわれといたしましてはしごく共鳴をする点も多いのでございますが、特に不当競爭による弊害の防止対策につきましては、いろいろ研究もいたしておるのでございます。申すまでもなく、リベートとフロア・プライスとは一環の問題でありますが、先ほどの御質問に対してお答え申しましたように、この席上で実ははつきり申し上げられませんことを、はなはだ遺憾と思うのでありますが、またあとでも申し上げる機会があると思います。
#79
○首藤委員 フロア・プライスの問題については、まだ私もいろいろ申し上げたいことがありまするが、これは他の機会に讓りたいと思います。
 今の生糸の輸出振興の問題でありますが、最近アメリカ側の情報といたしまして、非常に生糸が安くなつた。そこでナイロンを製織しておつたところの業者も、相当生糸に轉向したいという希望を持つておる。しかしながらこれには相当費用がかかる。しかも轉向したことによつて日本の生糸の消費がふえる。ふえるとたんに日本の生糸の値段が上つて行くということになれば、またナイロンとの競爭ができないようになつて來る不安が、日本の生糸の需要がふえることによつて急速に起るかもしれない。これが一番大きな隘路となつておるというようなことを聞くのでありますが、もしさような傾きがありまするならば、こういう面にこそ私は生糸の價格を安定させる。これこそ嚴重なマル公でも付して、アメリカの消費家の心配のないような対策を講ずる必要があると思うのでありますが、政府の方ではそういう情報がありませんか、あるか。この点もひとつあわせて聞いておきたいと思います。
#80
○松尾説明員 生糸の輸出價格につきましては、一般的にはフロア・プライスをやめるという議論、あるいは合理的に改訂した方がいいという議論、いろいろあるのでございますが、どちらになりましても、生糸の價格につきましては動かさないという方針で大体進んでおります。
#81
○小野瀬委員長 この際お諮り申し上げますが、ただいま通産省振興局の経理部長がお見えになられましたので、前田委員に発言を許します。
#82
○前田(正)委員 先ほど御質問申し上げたのでありますが、輸出の滯貨の現状につきまして、いろいろとお聞きしたいことがあるのであります。まず第一にお聞きしたいことは、この輸出滯貨の処理にあたりまして、民間に輸出の滯貨があるわけでありますが、これと公團の輸出の滯貨との間におきまして、相当競合する点があると思うのであります。國民の立場から申しますと、公團の在庫品は一般の國民の負担になるわけでありますから、当然公團の滯貨を優先的に処理しなければならないと私は考えるのでありますけれども、政府のお考え及び産業界の要望等は、御承知のように民間の滯貨を適当に保護し、あるいは処理してくれということを要望しておるようでありますが、これに対する政府のお考えを根本方針から聞かしていただきたいと思います。
#83
○前野説明員 お答えいたします。公團の滯貨につきましては大きくわけて鉱工品関係公團、纎維貿易公團の滯貨と二種類あるわけであります。公團の滯貨につきましては、総額で大体七十億見当になつておりますが、その中で約五十億というものは、滯貨と申しますよりもむしろ船舶と車両関係でありまして、生産過程――まだでき上るまでの期間中公團から部分的に金を出しておるという関係で、純粹な意味においては滯貨の中へ入れるべき性質のものではないわけであります。從つて純粹な意味におきます滯貨は、約二十億と考えていいと思いますが、二十億の中では品質的に新規の生産と競合すると考えられますものは、双眼鏡以外にはないとわれわれは考えております。双眼鏡につきましては、大体新規の生産と公團にありますものとを合計いたしまして、將來の見通しとしましてはさばき得るという見通しを持つておりますので、この点につきましても國内製品との競合の問題はあまりないのではないか、こういうふうに考えております。それから纎維公團のものにつきまして競合の問題の考えられますものは、軽目の羽二重でありますが、これは國内に賣ろうとしましても賣れない品物でありまして、これにつきましてはおそらく実際問題としては、こういう問題は起らないのではないかというように考えております。
#84
○前田(正)委員 鉱工品公團が二十億というのは、実は私先ほど要求もしたのでありますが、公團の輸出滯貨、民間の滯貨の細目をいただきたいと思うのであります。私の聞いておりますものでは、その他に電氣関係のいろいろなものにおいても、相当滯貨品があるように思うのであります。しかしながらそれは民間の製造滯貨と競合すると思いますが、しかしまず第一に例をおあげになりましたように、双眼鏡についても実は政府の見通しは非常に誤つておるのではないか。ちよつと私の考え方を説明させていただきますと、双眼鏡の滯貨は必ず賣れるというお考えを持つておるようでありますが、なるほど賣れることは賣れると思います。しかしながらそれを賣るにいたしましても、当然フロア・プライスの問題というものがかかつて來るのでありまして、現状の公團に滯貨しておるものを現在のフロア・プライスの價格で賣れるという考えを持つておられるか。その点からひとつお聞きしたいと思います。
#85
○前野説明員 双眼鏡の問題については、大体現在のフロア・プライスは二十一ドル見当になつておりますが、お話のようにこれを海外に出しますと、若干フロア・プライスの点については高いのではないかというふうに考えております。從つて今説明いたしましたように、これを賣りさばくといたしますれば、お説のようにフロア・プライスを若干考慮しなければならないのではないかというふうに、われわれは考えております。
#86
○前田(正)委員 このフロア・プライスの改訂を行わなければならぬということは、民間の在庫品及び今後の生産品に相当影響がありまして、これが民間との競合と簡單な言葉で話しましたが、相当民間の在庫品その他にも影響を及ぼすということは競合の一つであると私は思います。しかしながらもしこれを改訂されて出されるにいたしましても、皆樣よく御承知と思いますが、こういう双眼鏡とか鉱工品公團の製品の場合においては、滯貨を持つておりますとその品物の品質は低下する。ことに双眼鏡においてはかびが生えます。その他一般の鉱工品公團のものについては、輸出するために必ず相当の改良をバイヤーの方から申し込んで來るものでありまして、滯貨中におけるいろいろな破損あるいは塗りの色の変化等が起るばかりでなく、双眼鏡においてはガラスにかびが生えたりいたしまして、相当の手入れ等も必要になつて來るのであります。また一般の公團の在庫品においては、今申しました通り非常に型が古くなつておりまして、毎年々々何回か型の改訂が行われておる品物が相当あると私は思うのであります。そういう点から申しますと、この品物をさばくということになると相当困難がありまして、政府のお考えになつておるように簡單にこれはさばけるというものではないと私は思います。しかしながら相当のフロア・プライスの改訂をされまして、相当値引きをされて極力さばくということになりますと、今申します製造家の持つております在庫品あるいは製造家の今後の製造品につきましては、相当これが重荷になつて來るのでありまして、今後外國との貿易における日本の円價格というものに、相当の影響を私は與えるものではないかと考えるのであります。そこで私たちの考え方によりますと、どうしてもこの際日本の國を正常貿易に移さなければならぬという点から考えましたならば、当然滯貨品を処理しなければならぬと思います。この際フロア・プライスの改訂の時期等にも関係があると思いますが、公團の在庫品と同時に一般のフロア・プライスを改訂されるならば、公團の在庫品は必ずあとに残ることは明瞭であります。そこで公團の滯貨品を先にさばくようにしてから、フロア・プライスを改訂される。そういうような考慮を持つてやつて行かれたらどうか。フロア・プライスの撤廃の方法にも関係しますが、優先的に公團の在庫品をさばくようなフロア・プライスの改訂の考えを持つて行かれるのかどうか。そういう点をひとつお聞きしたいと思うのであります。
#87
○前野説明員 その点につきましては、公團で持つております品物は大体終戰後、いわゆる鉱工品公團の前身時代からの滯貨が大部分でありまして、現在残つております滯貨というのは、最近できます品物に比べまして規格等において惡いものでありまして、同じ製品のレベルにおいて考えられないような品物ではないかというように考えております。從つて現に國内放出等をして極力賣りさばいておりますが、これを外國へ出すとしましても、品質等の点において若干將來の輸出に影響する点もありますので、その点は品質的に今後できるものあるいは最近においてできるものに比較して、惡いものだということをよくバイヤーの方にも話をした上で、フロア・プライスを切つて賣るというようなことで努力をしておるのであります。これは現在のフロア・プライスを下げて賣るということでなしに、品質的に惡いから安く賣るのだということで、現在のところは賣つております。
#88
○前田(正)委員 今の御説明の通りに、公團の滯貨品につきましては品質その他形式等、型が古いとかいろいろな点から相当の値引きをしなければならぬものがあると思うのであります。そこでフロア・プライスの改訂にあたりましては、まず第一に公團の在庫品の値引きをして、これを処分し得るという見通しの價格において、まず先にその方面の檢討をされてから、一般のフロア・プライスの改訂に手をつけるべきではないか。そうしないことには、公團の在庫というものは將來いつまでも國民の負担となるべきものじやないか。製造家の立場から言いますと、そういうことをされては困る、先に民間の滯貨について処理してもらいたいという陳情をしておる。私たちも民間の産業の立場から申しますとそう考えるのでありますが、しかしながら政府といたしましては、当然公團の在庫品については責任を持たなければなりませんし、われわれ政治に関係しておるものは、國民一般の負担に対しては相当重大な責任があると思いますので、フロア・プライスの改訂の仕方について、優先的に公團の價格の方から処理される考えであるかどうか、ひとつお聞きしたいと思います。
#89
○前野説明員 その点につきましては先ほどお話したように、全般的なフロア・プライスの問題と、この公團の持つている滯貨を賣るという問題については、別の問題のようにわれわれは考えております。公團の品物につきましては先ほどお話しましたように、同じ品物でありましても、これは技術的にもまだ復活してない終戰当時の製品が多い。なお期間的にも相当長くストックしている。そういう原因で値段を安くしなければいけないということで、現在値段を安くして、外に賣り得るものについては極力努力いたしております。
#90
○前田(正)委員 今のお話で大体のことはわかりました。公團の処理については特にひとつ御考慮願いたいと思います。
 先ほどの説明の中に、纎維公團においては軽目の羽二重が民間と競合して、それ以外は大して競合しないだろうというお話でありましたが、私の聞いている範囲におきましては、纎維公團の中においても軽目の羽二重は約十四億、それを含んで絹製品は約九十億の滯貨があるように聞いているのであります。その滯貨している絹製品については、当然現在の價格から見ても、政府としてこれをさばくについては相当の値引きをしなければ、國内に出すにしても海外に出すにしてもできない。これまた一般國民の負担になるわけでありますが、同時にこれを値引きしてさばかれた場合、当然民間との競合が出て來ると思いますが、この纎維業者に対する、ことに生糸方面の滯貨処理に対するお考えをお聞きしたい。
#91
○前野説明員 お答えいたします。纎維公團の方で持つている数量九十九億というのは全体の数量の総金額でありまして、絹織物についてそのうち約三十二億を占めております。從つてこの三十二億が問題になるわけでありますが、この三十二億のうちで國内放出を予定しているのが二十九億、これについては大体今までに約三回の入札をして賣却いたしておりますが、その点については、國内の業者との競合の問題等についてはあまりわれわれとしては聞いておりませんので、そう競合の問題はないのではないかと理解いたしております。
#92
○前田(正)委員 私はただ例をあげてお聞きしたのでありますが、今申したような放出にいたしまして、あるいは綿製品の放出にいたしましても、全然競合しないという考え方はないと思います。絹製造家が現在困つている現状から見まして、当然これは競合しているのではないかと思います。しかしこういうこまかい一品づつの内容については、いずれ皆さんからいただいた細目の表に基いて、いろいろ私の方も民間の事情を調査してお聞きしたいと思うのであります。
 ところで本日ここでお聞きしたいと思いますのは、輸出計画というのが私らの手にも渡つているのでありますが、こうした輸出計画を立てられるにあたりまして、先ほどから聞いておりますと、輸出の滯貨問題の処理の方針等について、それにからむフロア・プライスの撤廃あるいはそれを改訂する問題について、相当の研鑚を積まれてからこの輸出計画というものはできておるのではないかと私どもは考えておつたのであります。本日は実は輸出計画のことについての質疑をする予定であると私は思つておるのでありますが、しかしながらこの輸出の滯貨処理あるいはフロア・プライスの問題、こういうものはこの輸出計画の中にどういうふうに含まれてできたものであるか。このフロア・プライスというものを改訂しないつもりでおるのか。あるいは改訂するつもりであるか。あるいはまた公團の滯貨処理についてどういうふうに処理する方針であるか。あるいは民間の輸出滯貨につきまして、いろいろ金融してくれ、あるいはいろいろとさばいてくれ、こういつたようなことを相当民間の方からも陳情しておるのでありますが、そういうものが含まれている輸出計画であるのか。あるいはまた全然現状に基いて考えられた輸出計画であるのか。その辺からひとつ話を持つて行きたいと思つて、具体的な問題についてはごく簡單に話を進めたいのでありますが、この計画立案のよつて起つた基礎條件をひとつ御説明願いたいと思います。
#93
○佐藤説明員 お答え申し上げます。けさほどだつたと思いますが、お手元に差上げました二十四年度の輸出計画表と言いますのは、大体ことしの三月に諸般の事情を考慮いたしまして計画いたしたものでございまして、お手元に差上げてあると思いますが、その後の輸出の現状、実際の船積み状況並びに契約状況から見まして、この五億五千七百万ドルという一應の目標でございますが、これは多少目標を下げまして、もう一ぺん計画を立て直さなければという時期に到達しておるのではないか、こういうふうに考えておるのであります。ただ現在の滯貨と申しますのは、先ほど経理部長からも御説明申し上げましたように、主として公團ができます前に見込みでもつてつくつておつたものが、現在なお相当たまつておるという状況でございまして、この表をつくりますときには、そこにありました滯貨というものは一應除外して、新しくこれをつくつて出す、こういう考え方でこれを立てたわけでございまして、もし幸いに滯貨が賣れるということになりますれば、それだけよけいになるというふうにも考えられるのであります。
 なおフロア・プライスの点でございますが、三月とただいまの世界的な一般の價格水準が相当違つて來ておる関係もございまして、そういう関係から最近の輸出は予定通り契約ができておらない。多少下まわつておるという状況になつております。フロア・プライスの改訂ないしはフロア・プライスを撤廃するという問題もからみ合せまして、再度計画を立て直す必要がある、こういうふうに考えております。
#94
○前田(正)委員 なるほどいただきました表は総括表であるようでありますけれども、下半期におきまするところの月別の計画とか、あるいはまた全体の品目別の計画とか、そういうふうな改訂された計画というものは現在おつくりになつてなくて、ただことしの三月におけるところのその計画のもとにだけ進んでおつて、現在の実情としては、いろいろな諸般の條件がかわつて來るのに対して、貿易の下半期の輸出計画あるいはまた月別の品目の計画との調整等は、現在のところまだでき上つていないという御返事のように私思うのでありますが、そういうふうなことで、大体輸出入の為替のバランスでありますとか、代價の問題でありますとか、そういつたことは輸出計画という立場から、私はどうも考えられないように思うのであります。これだけの滯貨が出ましたことについては、すでに相当前からの話であります。フロア・プライスの問題等につきましても、これは相当前から言われておる問題でありまして、当然現在改訂された計画等があつて、その数字に基いて輸出の許可等が與えられておるのではないか。あるいは為替の管理等がされておるのではないか。私はこう考えるのであります。そうしますと、どうも政府がせつかく為替管理あるいは輸出の関係、いろいろな方面に対して輸出の許可等について、民間の陳情等に対しまして一々いろいろの指図をしておられるようでありますが、今の現状から離れたことしの三月の計画に基いてそういう指示をしておるのだ、あるいは許可をしておるのだというのでは、私はどうも現状に合つていないと思うのでありますが、この点についていかが考えておられますか。あるいはまた改訂された計画があるならば、その改訂された計画はどういうふうな考えのもとにできておるのか。その点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#95
○佐藤説明員 先ほど三月に立てた計画をお手元に差上げたと申しましたが、実は安本内部におきましてはその後改訂した一案があるのでございますが、それはまだ関係省との間に最後的な打合せができておりません関係上、お手元に差上げなかつた次第でございまして、その安本によりますと、大体五億ちよつと下まわる計画は一應持つております。
#96
○前田(正)委員 実は私がこの計画をお聞きしたいのは、改訂された計画が皆さんの方にあるならお聞きしたいのでありますが、実はこういうふうな計画に基きまするところのいろいろな許可を與えられるにあたりまして、私たちが見ておりますところのフロア・プライスの問題とか、滯貨の問題とか、こういうものはもう早急に当然解決していなければ、輸出をこれだけやかましく奬励されておる現在の日本におきまして、それが一向に、何ら――私たちの聞いておる範囲におきましては、考慮中であるとか、今交渉中であるとかいうようなことになつて來ておるように思うのですし、こういうような具体的な問題の早期の解決をはかるにあたりましても、どうしてもその輸出計画自身がもう少しく早く調整されて、そして関係省の皆さんの御意見を聞いて、そのよつて來るいろいろな立地條件を早急に解決されるという問題は、フロア・プライスはこうするのだ、滯貨はどうするのだ、民間の輸出滯貨に対してはどういうふうな金融措置をするのだ、こういうふうな当然の考え方というものが、私はもつと早急に行われなければ、ただ輸出の許可とかあるいは輸出の指導性を政府が握つておるのだというふうな考えでは、一般の民間の業者に対してはあまり無責任ではないかと私は思うのであります。今日は担当しておられます皆さんにいろいろなお話を聞きましたので、私自身としましてはこういう問題についてのもう少し責任のある立場の人から、一体政府といたしましてどういうふうにこれを早急に解決しておるのか、また解決する方針でおつたのか、こういつた問題について努力しておつたのだができなかつたのか、そういうふうな具体的な方式を聞かしてもらわぬことには、ほんとうの輸出の計画のお話にはならぬ、私はこう思います。関係の事務当局のお話で、現状をお聞きいたしましたが、しかしながらそれは私の今まで聞きました中では、そう解決もされたように感じないのであります。この点について委員長におかせられましては、ひとつもう少しく責任ある立場から、現在までこれだけ問題がやかましくなるまでの間に、政府としてはどういうことを考え、またどういうことをやつて来たか、こういう話を聞かしてもらえる機会をつくつていただきたい、こう思つております。
#97
○小野瀬委員長 了承いたしました。
 それでは横田委員に発言を許します。
#98
○横田委員 アメリカ綿花の先物安のために、日本の綿製品の賣れ行きが非常に惡く、輸出計画がくずれておるのじやないかと思うのです。もしそういうふうなことであつたら、それに対する対策はどうなつているか。それを聞かしてもらいたい。
#99
○佐藤説明員 纎維製品の輸出実績並びに輸出の契約の実績が、お手元に差上げましたように計画を下まわつている。これの大きな理由が、例のポンド地域との協定が継続交渉中でございますために、今年の四月以降おもな市場であつたインドその他のポンド地域からの引合いがとまつている。これが大きな事情でございまして、早晩その方の解決がつけば予定通り再開されるものというふうに考えております。
#100
○横田委員 アメリカ棉花の先物安というものは影響していないのですか。
#101
○佐藤説明員 私の知つている限りにおいては影響していないと思います。
#102
○横田委員 先ほどの答弁の中に、朝鮮から十数億ののりをなぜお買いになつたかということを言つたら、あれは朝鮮米と抱合せで買うたのだと言われた。抱合せなんというものは往々にして、本であろうと何であろうと惡い。だから南鮮ののりはどのくらい惡くて、米がどのくらいのトン数に対して十数億ののりが抱き合されたか。これを一ペンはつきりしてほしい。
#103
○佐藤説明員 それは主管の課長が今関係方面に行つておりますので、私からちよつとお答えできません。
#104
○小野瀬委員長 お聞きの通りただいま発表の時期でないそうでございますから、適当な時期に御回答をいたすようにいたします。
#105
○横田委員 別に食い下るのじやないのですけれども、今適当な時期ではないとか、あるいはまた適当な時期に発表するとか、そういうようなことばかり言つておられるが、先ほどから御質問しても係の人がおられない。今日だけでなしにいつでもそうだ。これでは経済委員会というものはいらない委員会のように私たちは思う。何をやつてもいつでも片がつかない。出て來た大臣は一時間おつたらいい方でほとんど出て來ない。よその委員会にはいつも出ている。私たちは何がために委員会を開いて、何がために日本の國政を議しているのかわからない。大体これが発表の時期であるとか時期でないとかいう認定は、一体だれがどうやつてするのか、それをはつきりしてもらいたい。
#106
○小野瀬委員長 ただいま佐藤第一課長の言われるのは、その報告書が関係方面に行つているので、ただいまちよつと申し上げられぬ時期と私は考えたのです。
#107
○横田委員 そうすると、関係方面に行つた場合には、十日なら十日すれば必ず返つて來る。質の惡いものに対しては十日でできないから半年くらいかかる。そういうような見込みがあるのですか。もしあるとするならば、朝鮮ののりと米との抱合せについては何日くらいかかつて発表願えるものか。同時にまたこれは次のことにかかるので言うのですが、いわゆるアルゼンチンと日本との貿易協定はあると私は思うのです。その協定も発表していただきたい。発表されるとするならば時期はいつか。その内容は一体どんなもので、全部発表されるのか。またこれは適当の時期に発表されると言うがいつ発表されるのか。これをはつきりしてもらいたい。
#108
○小野瀬委員長 横田委員にお答えします。お答えができる問題であれば、祕密会を開いてもお答えいたしますが、ただいまはそういうわけでお答えができないことになつております。結局資料が向うに行つているのでお答えができないのだそうです。ですからそれが返ればお答えできるということです。
#109
○横田委員 私の考えはちよつとひがんでいるかもしれませんが、政府が発表されました通商白書の中においては、この部分は向うに持つて行つたら長くかかるという意味合いにおいて不利なものは残つている。それを間引いての、いいものばかりに対する今の通商白書ではないのでしようか、それは一体どうですか。
#110
○前島説明員 通商白書を書きますときには、そういう顧慮は全然入つておりません。日本としては國民に知らせるべき事項は全部入つているつもりであります。ただ貿易協定等のごとく、相手國との約定によりまして、内容の発表のある程度禁止されておりますものについては、関係方面とか、あるいは相手國との関係から出ていないものが相当あるわけです。こういう点の考慮は入つておりまして、それ以外のものは入つておりません。
#111
○横田委員 南鮮の米と、のりとの問題は可能な限り早くやつてもらう。アルゼンチンとの貿易協定も早くやつてもらいたい。
 第四問として日本にバイヤーは何人ほど來ておりますか。その人たちはどういうところを中心にして活動して、それからバイヤーが移動する長短の率を発表していただきたい。小さいことですが、私たちが東海道線に乘る場合に、寢台車を申し込んだりすると、バイヤーに一番先に乘られるのであつて、われわれはその次。私は乘つたことがないから大したことはありませんが、バイヤーは東海道線を基準にして寢台車に乘つているから、そのお拂いになる金額はすぐわかると思います。これもちよつと発表していただきたい。
#112
○松尾説明員 バイヤーの数なりまた彼らが落しております金額は、ちよつと今持ち合せておりませんので、次の機会に御報告いたします。
#113
○横田委員 重ねてお尋ねいたします。今まで返事をしてもらつたことがないので、委員会では非常に御親切なんですが、あとは冷淡で、もし資料がおありならば……
#114
○松尾説明員 ございます。
#115
○横田委員 もしあるといたしましたならば、明日でもわが党から参りましたならば知らせていただけますね。
#116
○松尾説明員 はい。
#117
○横田委員 第五問といたしましては、貿易外收支のほかに占領下においては特殊な貿易外收支がある。たとえばPX関係の問題、あるいはまた國営ホテルにおける外國人にみやげものを賣る問題、あるいはその他いろいろなものがある。その他外國船が輸入品を積んで來て、もし日本の港において停船した場合において、一日長くとまつた場合には、何トンに対してなんぼの損害をどこの國がどうして拂うか。外國船に石炭、水を供給した場合、それに対してどのくらいの利益があるかということを知らせていただきたい。
#118
○松尾説明員 今お尋ねの点につきましても、資料はつくつているのでございますが、持ち合せて來ませんでしたので、ここでお答えはいたしかねますが、次の機会にでもお知らせいたします。
#119
○横田委員 次の問題に移る前にお聞きしますが、いつの場合においても漏れておるのが多い。占領下においていろいろな報告書とか発表のうちにおいて漏れたものを、あとで全部総ざらいで発表してもらうような機会を政府の方において考えておいていただきたい。
 次に輸入石炭の運賃が非常に高くつく。こういう場合において中國炭は非常に運賃が安くつくし、品質もいい。これを切りかえるというようなことについて努力されているかどうか。
#120
○佐藤説明員 輸入の問題は直接の関係ではありませんが、一應お答えいたします。ただいま中國からの石炭を買つた方が、日本のために有利であるという御指摘がありましたが、実はアメリカから買つております強粘結炭が、ただいまFOBで二十三ドル二十セントから三十セントだと記憶しています。先般開らんの方から日本に対していろいろ輸出希望がございましたが、それを專門家の方で当つてみましたところが、開らんからの炭は選炭がしてない。カロリーの点も多少低うございまして、アメリカ炭の二十三ドル二十セントないし三十セントの炭に比べますと、日本にもし開らん石炭を入れますと十四ドル四十セントか八十セントでないと日本側としては引合わぬ。そういう計算が出ましたので、目下開らんの方にそこまで下げ得るかどうか、また下げ得るとすればどこまで下げ得るか、これを問合せ中で、それによりましてきめてみたい、こういうふうに考えております。これは私の專門外でございますが、一應承知しておる程度のことをお答えいたします。
#121
○横田委員 粘結炭はおもに何にお使いになつておりますか。
#122
○佐藤説明員 製鉄でございます。製鉄のガスを発生する……
#123
○横田委員 そういたしますと現在釜石で日鉄が低品位炭によるところの製鉄ということを実驗していますが、あの結果はまだわかつておらないでしようか。
#124
○佐藤説明員 ただいま実驗的には成功しておるそうでございますが、まだほんとうの鉱炉に入れて使つてはたしてできるかどうか、研究中だそうでございます。
#125
○横田委員 それから中日貿易について、このごろ内外のあらゆる人たちが中共との貿易は不可能だ、こういうことを言つておられるのですが、たしか私の記憶に間違いなかつたならば、戰前においても日本と中國との貿易は四三%をやつておつたと思う。現にこの前の貿易をやつておつたときは蒋介石が盛んなときであつたが、ほとんどのものが入つて來ておらないじやないかと言われるが、それは中國に対する非常な認識の相違ではないかと思う。なぜかと申しますれば、中國は蒋介石が上海とか廣東とかそういつた都市を押えておつても奥地を持つておらなかつた。そういうような実績を基礎にして、今日中共が上海をとり、もうじき廣東を押えようとしておるにもかかわらず、中國との貿易は損だ、あんなことは不可能だ、こういうことを言つておつたら日本としては損だと思う。こういうことについて中日貿易に対して考えを新たにしてもらつて、國会として、政府として、大きな手を打つて促進できるようにしていただきたい。われわれはイディオロギーにとらわれるのでなく、外國から安いものを買つてこちらのものをどんどん外國に買つてもらわなければならぬ。そしてわれわれは必要な借金は拂わなければならぬと思う。そうであるにもかかわらず往往にしてソビエトがいけない、あるいは中國共産地区がいけない、共産主義のやつはいけない、こういうものの見方は非常に間違いだと思う。私はきのうまでは北海道におりましたが、北海道においても非常に魚がとれなくなつておる。統計なんかを見ると、樺太とか沿海州において魚がよけいとれる。もし地球の上ににしんとかますとかがおらなくなつて、漁師が網を張つてもとれぬならあきらめますが、地球の上には魚がおる。それさえとりに行けない。こういう嘆かわしいことはないのであつて、よろしく政府においても、ことに民自党の先生方は絶対多数ですから、どうかイディオロギーにこだわらず、日本を太らすという大きな腹で、蒋介石や毛澤東は同じ中國人である。中國と日本との貿易であつて、中國に対して日本がファショ的な思想をもつてこつちから逆輸出するのではない。この点をはつきりしてもらつて、中日貿易に対する見解をはつきり述べていただきたい。そうしなければ白書において盛られておるような、あるいはこのごろ特にやかましく言われておる中日貿易はだめだだめだ、あれは空想だというようなことを言われておつたら、私は非常に遺憾である。特にアメリカの独立戰爭の当時を見てごらんなさい。アメリカが独立戰爭をやつたときに英國がどんどん攻めて行つた。ワシントンが危くなつたとき助けたのはだれか。フランスの國民である。そうしてフランスが助けてアメリカが勝つてしまつた。その当時の史家は何と言つたか。こういうようなことを言つたことを私は記憶しておる。見てみい、あんな大きなアメリカを失つたら英國はいかぬ、といつてジェームス三世は笑われた。それにもかかわらず英國のやり方がよかつたために、かえつて助けたフランスが米國との貿易において問題にならず、お茶をひいてしまつた、そうして英國とアメリカとの貿易がかえつてうまく行つたと思う。こういう歴史的な教訓もはつきり記憶してもらつて、アメリカには助けてもらつたかしらぬが、それにはいろいろなお礼をしたらよいのであつて、中國と日本との貿易は重大な問題である。しかも中國は工業化しようとしておる。そこに日本の物を入れて、日本の工業生産を高めたがよい。現在その形で行けない場合は、大きく中國が資源と人口をもつて立ち上つて來たとき、日本は首をくくらなければならぬようなみじめな状態になつて、かつて地球と高天原があつたというようなことになつてはいかぬ。そういう意味において、イディオロギーでなく、実利のある貿易に展開してもらいたい。その点についての見解を承わりたい。
#126
○松尾説明員 中國との貿易につきまして一言お答えを申し上げます。通産省といたしましては、対中國の貿易の重要性ということにつきましては、今御指摘のように、過去におきまして日本の大きな輸入市場でもあつたし、また大きな輸出市場でもあつたのでございます。また地理的にも非常に近い地域にあるという点にかんがみまして、対中國の貿易の回復を願つておるような次第なんでございますが、何分現在のところは御存じのような状況下にありまして、正式に貿易協定をやるとか、あるいは決済の協定をやるとかいうことができない。そのために現実の問題といたしましては、あまり大した貿易が行われておらないことは御存じの通りでありますが、戰後から現在までのところを見ましても、坑木とか機関車とか貨車その他通信機械あるいは人絹等の輸出がせられましたし、向うからは塩とか鉄類あるいは大豆、大豆粕とかふすま、桐油等も輸入されておるのでありまして、今日におきましても若干の輸出入の取引についての申出がございます。それらに対しましてはわれわれはできることならば、それを成立せしむべく努力をいたしておるのでございますが、何分この支拂い手段の確保せられていない現在の段階におきましては、どうしても輸出と輸入とをバーター的に処理するほか方法がないような実情にございますので、今申したようなバーター的な契約であつて、輸出物資に対する支拂い手段が確保せられるようなものにつきましては、できるだけ貿易が成り立つように盡力をいたしておるつもりであります。もちろんバーター取引と申しましても、價格あるいは品質等の点につきまして、アメリカその他の市場より不利であるということはもちろんいけないわけでありますが、一般的に考えましてそれが有利な價格であつて、あるいはまた品質においても問題がない場合におきましては、その物資の受入れについてもできるだけ輸入ができるように努力をしておるつもりでございます。輸出物資につきましては、現在のところ先方の特殊な関係上、何でもよいというわけには行かないがために、一部制限されておる商品もございますが、その他の商品につきましては、大体バーター物資として何でもよいというような態度で処理しておる次第であります。決して中國貿易をやらぬというつもりではないのでありまして、コマーシャル・ベースに立つて、有利なるものはやはりあくまでやるという方針で、具体的にケース・バイ・ケースに処理しているという現状でございます。
#127
○横田委員 アメリカは戰前においては日本の競爭相手であつたが、それが今日保護者になつておる。それは何を根拠にして保護者と言つておるか聞きたい。その保護のもとに日本の正常貿易がどんどん発展して行くか。このことを聞きたい。
 それから中共との貿易において、それを可能なる限り早く全部発表していただきたい。
 それから次には明日か明後日党から資料をもらいに行きますから、内外の滯貨の内容それから各品目、金額、ことにこれらのものは何を目当に輸出入されたか。これを賣つたならばどれだけの利益があつて、それがいつ入つて來るものであるか、これはいつ解決つくものかをはつきり聞かせていただきたい。それと同時に為替レートの問題においてはうるさいので、米の一石当りが何ぼになるかということを聞かしていただきたい。われわれが聞いておるところに間違いがなかつたならば、外國から米を買う場合には一石七千八百円で、日本の農民から買い上げる場合には一石三千五百七十八円であると昨年は聞いたのです。これがうそかほんとうかということです。
 次に日本全國における農業生産は計画通りに実行しておるかということです。これについては非常なる疑問がありますが、豚の例をとると、豚は昭和二十年の終りごろには、子豚が安くて百匁二百五十円だ。その豚が大きくなつて賣る場合には、成豚で百匁が五十円から高くて七十円です。百姓が一生懸命飼つて働いておるにもかかわらず、三貫目の豚を五倍にしても値段は安い。こんなばかばかしいことでやつて行けるか。あるいはまた米の場合においてもこのことが言える。去年は戰前の八四%、先ほどの発表によると、本年の農業生産は九〇%まで回復しておると言われておる。それでわれわれが日本の食糧は幾ら足りないかと聞いたときに、二百五十万トンから三百万トンであると言われた。この食糧は一体日本の生産が何ぼに回復したら足りるのか。この三百万トンというのは、その比率は、戰後の疲弊時代における三百万トンと同樣なものであるかを聞きたい。やがて経済五箇年計画の樹立ができ、農業において九〇%の回復をした場合には、三百万トンないし二百五十万トンの食糧が倍になつて來るのか。もしこれが倍になつて來ても輸入が必要であるならば、どれくらい必要であるのか。その場合に世間で言われる和田密約なるものがあつて、食糧の足りない場合には米のかわりにいも粉を食わし、とうもろこし粉を食わして解決つけるのか。ことしは去年のようにいもをたくさん農民から買い上げるが、惡いいもは町の人は食わない。腐らせてしまうことになる。これでは百姓は困る。これでは米をつくつたり豚を飼つたりするなどと同じである。日本人は何を目当に生産し復興するか。一例を河川にとつてもわかる。あるいは汽車においてもそうです。東海道に一両か二両か知りませんが、六百万円もするようなばかな展望車が走つておる。アメリカにもないような汽車に乘るような時代になつておるのか。農村を見ても近代的な農村になつておるのではないのであつて、羊も惡い、やぎも惡いというので飼おうとしない。開放された農地をどういうふうにして解決つけようか、やりくりしようかと一生懸命になつておる。非常に近代的な農業としては遅れて、耕作放棄の形が行われておる。こういう條件のもとにおける農業生産減退の折柄、管理貿易下における國内資源の需給はどういうふうにまわつて行くかという点について、ひとつ見通しを述べていただきたい。
#128
○小野瀬委員長 横田君に御相談ですが、食糧問題は非常に重大で、輸出入計画との関係もございますが、ただいまおいでになつている方は直接その方の関係の方でありませんし、また生産面は農林省の問題ですし、また質疑に対して機密に属すること、あるいは資料の関係でお答えできなかつた点もございましたが、そういう点を次会に継続して質疑を願いたいと思いますので、本日は保留していただきたい。
#129
○横田委員 それならそれでけつこうです。
#130
○高田(富)委員 議事進行について発言したい。今まで横田君からこまかい質問もありまして、重要な点もありましたが、きようは実は事務当局から一應聞く程度にとどめて、重大な今後の対外為替の当面の問題とか、あるいはいろいろ対外関係等において非常に不安定な状態に今ありますので、特に安定本部関係としては、総合計画がほとんどくずれており、貿易計画等の見通しも立つておらない。從つて生産計画等においても非常に重大な段階に今あります。金融の問題についても先般ほとんど見通しが立たないということは、安定本部の局長も言明しておる通りです。これは國家的に非常に重大な問題であつて、國民の非常に関心の的になつておると思いますし、どうしても関係大臣あるいは総理大臣に御出席を願つて、この金詰まりの問題や、將來の復興計画の根本がくずれるかもしれない重大な段階にある今日、どうやつてわれわれはこれを打開するかについて、十分政府の確信のあるところを問いただし、われわれとしても考えておるところを述べたいのです。貿易問題については事務当局の御意見等は、これによつて一層よくかわると思いますが、問題はそれよりも当面の対策並びに將來の根本的な方針であると思うので、この点についてぜひ必ず大臣の出席を得て会議をやることを、ここで決定していただきまして、私の質問は保留して、次の議題に移つていただいたらどうかと思うのです。
#131
○小野瀬委員長 高田さんの御意見ごもつともであります。高田君の動議に御異議ございませんか。御異議がありませんければ、輸出入計画に関する質疑はこの程度でとどめまして、次の議題に入りたいと思います。よろしうございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○小野瀬委員長 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
#133
○小野瀬委員長 それでは引続き水産統制に関し、政府当局から説明を聽取いたします。まず安定本部の田中食品課長から御説明願いたいと思います。
#134
○田中説明員 水産物統制改善の措置を講じますために、本年の五月以來関係方面と折衝を続けて参りまして、最近に至つて大体の見通しがつきましたので、その間の経過を簡單に御説明いたします。
 第五國会における御要望等もございましたし、また水産物統制の実情等も勘案いたしまして、政府においてはこの五月以來、水産物統制改善要綱というものを立案いたしまして、関係方面と折衝いたして参つたのであります。その考え方の要点は、從來生鮮水産物と加工水産物とを、二本の規則によつて別途の統制をいたしておりましたものを、一つの統制に切りかえまして、相互関連的に統制をすることが一つの改善の要点であつたのであります。それから次は、從來統制をしておりました魚の品種につきまして、ある程度整理をいたしまして、非常に嗜好品的な色彩の強い物であるとか、あるいは統制そのものが大して意味がない、あるいは統制しなくても需給の安定を得ているといつたような種類の魚種につきましては、價格統制及び配給統制を撤廃をする。すなわち統制品目の整理をすることが統制の第二の眼目であつたのであります。それから第三は、市場に入荷いたしました魚につきまして、從來は一律にこれを家庭配給にまわすことに相なつておつたのでありますが、その方式がはなはだ実情に沿わず、最近におきましては、形式の上では引取り拒否というような形になつておりまして、水産物の統制の実をあげておらないというようなことがございましたので、これについて新たに市場入荷品を割当配給品と一般配給品とに分けまして、割当配給品については鮮度の新しい、しかも家庭配給に好適なものを優先的に分荷、さしずいたしまして、これについては小賣高がその引取りを拒否することが原則的にできないという形で、配給品が適確に消費者に渡るような区分をいたすことにいたしたいのであります。かような考えのもとに統制改善の要綱案について、関係方面と折衝いたしておつたのでありますが、その間いろいろの意見がございまして、ようやく最近に至りまして関係方面の意向が、われわれの原案にほぼ近づいて参つたということに相なつたのであります。しかるにそういう段階になりましたときに、はからずも本年度の予算の緊縮の問題と関連をいたしまして、補給金を切るという問題が新たに登場して参つたのであります。ことに大藏省当局の意向が、漁業用の資材に対する輸入補給金を、相当大幅に切るという御提案がありまして、從つてそういうことになりますると、私どもといたしましては、水産物の統制と補給金を切る、切らないということとは必ずしも関連することではございませんが、実質的には大いに関連をするという建前から、もし補給金が切られるようなことになりまする場合には、せつかく数箇月を要して関係方面と交渉して参りましたこの案を実行することについて、やや躊躇を感ずるというような意思表示を先方にいたしたのであります。これに対しまして関係方面の意向は、補給金を切る切らないということと、水産物の統制をするしないということとは全然別箇の問題である。ことに関係方面としては、水産物の統制はあくまでも堅持すべきものであるという明確な意思表示がございました。その理由とするところは、本年の四月生鮮野菜の統制を撤廃いたしましたが、その撤廃後における生鮮野菜の價格の動きその他から見まして、関係方面としては、この生鮮野菜の統制撤廃は必ずしも成功とは考えていない。それから第二点といたしましては、現在総理庁の統計局におきまして消費者價格の調査をいたしております。いわゆるCPSと称するものでございますが、このCPSの結果に徴しますると、消費者が現実に買つておりまする魚については、配給品以外に非配給の魚をかなり買つておりまするし、また價格についても、一部配給品のものによつてはマル公を上まわつておるものがある。いわんや非配給のものについてはかなりマル公を上まわつておるのであります。その結果として消費者が支拂うところのいわゆる実効價格というものは、マル公の数倍になつておるというような実情に相なつておりまするので、從いましてこういう状況のもとに統制をはずすことは危險であるというようなことが、第二の理由であつたのであります。それからなお補給金をかりにはずしましても、そのことによつて魚價を上げることは困難であろう。すなわち補給金撤廃によるところの漁業経営費の増嵩を、一般消費者に轉嫁することは困難である。そういう建前からむしろ補給金をはずしても統制は継続しなければならぬというのが、大体の理由であつたのであります。そのような関係で関係方面としては補給金撤廃の有無にかかわらず、生鮮魚介あるいは加工水産物の統制は継続すべきであるというのが、ほとんど決定的な意見であつたわけであります。そこでわれわれといたしましては、しかしながら補給金の撤廃問題というものは漁業に対する重要な問題であるばかりでなく、水産物の統制と実質的に関連を持つという建前から、でき得るならば水産物統制に関する基本的な問題は、補給金撤廃問題が決定されたあかつきにおいて再檢討をいたしたい。とりあえずこの五月以來折衝を続けて参りました統制改善要綱案の内容そのものは、確かに改善の方向に一歩前進であることには間違いがないわけでありまするから、その内容はとりあえず事務的な改善として実行する。すなわち形の上におきましては、從來の改善の案では、最初に申し上げましたように、生鮮魚介の統制規則と加工水産物の統制規則を一本にいたしまして、新たに一つの規則として統制をやり直す。從つて出荷機関、荷受け機関あるいは小賣商についても新しく登録のし直しをするというようなうるさい手続があつたのでありますが、そういうことは全部やめにいたしまして、実質的に先ほど申しましたように、割当配給品と一般配給品を区分するといつたような重要な問題、あるいは統制の品種を整理するというような問題は、現在の水産庁の二本建の規則の改正によつて実行する。あくまでも改善そのものは事務的にも処理して進めて行き、そのかわりに水産物の統制に関する基本問題は、補給金の決定後にあらためて檢討し直すということを関係方面に話しましたところ、大体私どもの意のあるところもわかつてくれまして、ただいまのところではかような意味合いにおきまして從來の二本建の規則を改正して、先ほど申し上げましたような改善の内容をもつて実施をするというようなことで、水産庁において具体的に條文の作成その他をやつておられまして、ただいま関係方面に出してあるところでございます。なお補給金につきましては御承知と思いまするが、ただいまのところまだ最終決定は見ておらないのでございまして、経済安定本部といたしましては農林省等の御要望もございまするし、でき得るならば少くとも本年度は補給金の継続をいたしたいという考え方で、大藏大臣、農林大臣それから私の方の長官の三人の間で、今なお協議をしておるという段階でございます。私から御報告申し上げることは以上の通りでございます。
#135
○小野瀬委員長 それでは次に水産庁の奥田統制課長さんから、補足する点がありましたらひとつ御説明を願います。
#136
○奥田説明員 別にございませんが、御質問でもありましたら……
#137
○小野瀬委員長 それでは質疑の通告がございますので通告順にこれを許します。福井勇君。
#138
○福井委員 八月のこの前の委員会において各委員からの希望があり、水産関係に要するところの漁網、この件についての最近の情勢をお尋ねするということが提案されてみな了承されたわけでありますが、まず前提として漁網に関する綿糸等の関係から、通産省の纎維局関係の人がきよう呼んでありませんので、この関連事項で通産省関係のことがありましたら、もちろん省いてお話をいたします。なお前回の委員会があつて以後、私個人の立場で資材部長に会見しました際には、非常に親切な御説明がありましたので、私としてはある程度の納得の行つた点がありますから、部長としては重複する点があるかもしれませんが、全体の委員としては今日が初めてでありますので、お尋ねの点を御説明願いたいと思います。
 最近國会の議員間の話題となつておることでも、あるいは市中の話題の中心となつておることでも、漁網の原糸の横流しというようなことについては、すでに摘発されてその筋で調査中でありますが、その違反事件が相当たくさん起つておるようであります。それに関連しましてこの日本の漁網が現在業者間に相当不足しておる。その声は依然として継続中であります。配給の立場にある農林省並びに通産省関係、これらの窓口ではもちろん公正な配給をしておられるということを私は信じてやみません。またそうでなくてはならないのでありますが、公平に配給されたと思われるその物がその後いろいろいろぐり道を経て、漁網をほんとうに欲するところの漁業家に渡らずに、織物に変じあるいはその他の漁業に使われない面に流れるということは、すでに御承知の通りであります。私はたまたま考査委員を兼ねておりますので、考査委員の方にもその投書があつたり、あるいは調査の依頼というような面もないではありませんが、そちらへ持つて行くということははなはだまだ穏やかでないように思います。またすでに調査されておるという関係当局の手から離れておらぬような面もありますので、私が今ここでお尋ねするのを誤解のないように願いたいのは、そういうふうな配給されたものが市價にいろいろな惡影響を及ぼして、経済安定に惡い影響を及ぼしておるという面からお尋ねするのでありますから、考査委員的に質問するというような感じをお受けにならぬように、特に私は立場が経済安定委員でありまた考査委員であるから、双方を惡い意味にとられぬようにお願いしたいと思います。前提が長くなりましたが、水産庁の関係課長に会いに行こうといたしましても、なかなかこのごろは漁網関係は面会者が多い。ここに見えておる課長などに会おうとすると、私たちは相当の時間待たされるというようなこともあつて、十分ルートというものがわかりませんので、この機会に通産省とどういうふうな関連でもつて、どういうふうな申請によつて、どういうふうな配給の仕方をしておられるかという筋道を、ひとつ丁寧に知らせていただきたいと思うのであります。質問の要旨は大体それだけであります。
#139
○石川説明員 ただいまいろいろ漁網の横流し事件その他に関連しまして、漁網関係の配給機構についての御質問がございましたので、大体の機構を御説明申し上げます。
 一應水産庁が中心になりまして経済安定本部と関係方面に折衝して、毎四半期ごとにわくを決定して通知をもらいます。それで水産庁は地方の各府縣の資材調整事務所に対して、その四半期ごとにわくを通知して、地方の資材調整事務所は縣内の漁業の重点度を見て、それぞれ関係漁業者に購入券の発券をいたすわけであります。それから一方以西底びき網漁業、それからかつお、まぐろ漁業等の特別に中央できめました漁業につきましては、直接切符を切るわけであります。それで漁業者はその購入券を持つて販賣業者を通じて、製造業者に行つて現物をもらう。言いかえますと水産庁関係は消費部面の割当事務をやつておるわけであります。一方通商産業省、これは纎維局の――綿糸にあつては綿業課、マニラ麻にあつては特纎課でありまして、それぞれ所管の課がありますが、この昭和二十四年度の第二・四半期までは――第三・四半期はかわりますが、一應現在までの第二・四半期までの関係を申し上げますと、通商産業省は各メーカーに対して從來のいろいろ出荷しました数量だとか、あるいは在庫量だとか、その他の基礎をもちまして、各メーカーに対して原料の割当をするわけであります。そのメーカーは一應見込み生産または注文によつてつくる。そのほかいろいろなつくり方がありますが、漁業者からの注文によつてその品物を引渡す、こういうような関係になつております。それから第三・四半期からかわりました点は、いわゆる原料の面からいいますと受注生産制、注文者側からいいますと発注生産制に切りかえられたのであります。それは第二・四半期までは注文のいかんにかかわらず、ある一定数量の原料を割当てられたのでありますが、第三・四半期からは農林省の系統から出ました切符をメーカーのところに持つて行きまして、そのメーカーはその注文した切符の数量に應じて通商産業省の方に申請をして、その注文量だけの原料をもろう、こういう制度に切りかえられたのであります。なおもう少し詳しく申し上げますと、マニラ麻の関係と綿の関係は多少違うのでありまして、綿の関係はメーカーのところに集まつた購入券のうち発注券をとりまとめて、地方の通商産業局に申請をして、それから原料の切符をもらつて現物化をする。一方マニラ麻の方は、各メーカーのところに集まりました発注券を集計してある一定の形の表にまとめまして、それを水産庁に出す。水産庁はこれをたしか毎月だつたと思いますが、とりまとめて通商産業省の方に通知する。通産省は水産庁の通知に基いて各メーカーに対して原料の割当をする、こういうような機構に第三・四半期からかわつたのであります。それで先刻御指摘のありましたいろいろな違反の問題は、少くとも現在までの点では大体メーカー側の方の違反事件が非常に多いのであります。それで私ども考えますところは、要するに水産庁の方で割当します地方の資材調整事務所も含めました、いわゆる農林省の系統から出しました切符と通商産業省の方の原料割当は、その四半期の総数量は合つておりますが、末端に行つて非常にちぐはぐなことになつて、各メーカーへの現実にもらつた原料とそれから出た製品の数量と、それから最後に原料が幾ら残つているかというような点をはつきり把握してない点に、いろいろな問題が起きて來るのじやないかというふうに考えております。大体今の配給機構はそのようになつておりますから御承知願います。
#140
○福井委員 大体大綱はわかりましたが、それではきようは大分遅くなりましたので、かいつまんで意見を尋ねたいと思います。もちろん横流しする者はメーカーであつて、あなたたちの責任では全然ないわけでありますが、しかしこういうことをほうつておくということもできない。そこで今後部長、課長の方あるいは長官の方でも特にこのごろ多いこの事件について、取締りの官庁ではありませんが、いい方法を今考えておられるかどうか。あるいはあればいかなる方法で行かれるかということを承りたい。
#141
○石川説明員 ただいまお話のありましたように、私どもの方でも漁網の横流し事件は非常に遺憾に存じております。それで問題の出どころは製造業者側でありますが、よつて來たる結果は、漁業の生産に非常に大きな影響を及ぼしますし、またいろいろ他の官庁に対する関係、または関係方面に対するいろいろな折衝の関係に非常に支障を來たしておりますので、私どもの方面でもいろいろ努力いたしております。で、第一点は各資材調整事務所が漁業者に対して発券をいたす場合に特に考えなければならぬことは、最近御承知の通り日本の沿岸はいわしの漁業の非常に不振なために、相当金詰まりの状態になつております。そのために漁業者側にもいろいろほかから誘いがあつた場合に、これに應ずるようなすきがしばしばあるのでありまして、結局各資材調整事務所の割当が適正であるということが絶対の條件なんであります。從つて、從來は大体各漁業者の必要の程度に應じて資材の配給を考えておつたのでありますが、最近では特にその漁業者が資材の購入資金があるかどうかというような問題を嚴密に考えて、割当をするように注意をいたしております。なお從來この購入券は漁業者から製造業者に渡りました場合に、製造業者はその済んだあとの購入券を水産庁の方にもどして來るというような仕組みになつておつたのでありますが、この制度の欠陷は直接購入券を発券した資材調整事務所が、どれだけ自分の方で発券した購入券が事実上製品を買つて使われておるかということが把握できないところにありますので、八月二十二日付でこの関係の規則である漁業資材配給規則を改正したのでありますが、そのときに今度はメーカーのところに行きました切符を、一度購入券を発券しました資材調整事務所に返すというような制度に切りかえました。そのことによつて資材調整事務所は自分のところで発行した購入券が、現実にどこのメーカーの手に渡つていつ現物になつたかということがはつきり把握できるわけであります。從つて、その後に漁業者に対して割当をする場合に、はつきり從來の実績がつかめますから、資材割当は從來よりも数等適正に改善されるわけであります。そういうようないろいろの方法を講じておりますが、なお今後資材調整事務所に対しては、十分資材の割当について注意をして行きたいと考えております。
#142
○福井委員 あなたの御答弁で非常によくわかりました。最後に今回の台風その他による災害によつて、漁網資材が流失したとかいうことについて地方から申入れがあつたかどうか。あるいはまたそれについての多少対策と言いますか、具体的に言えば資材の融和的な保留というようなものを、あなたの方で考慮しておられるかどうか。ちよつとお伺いします。
#143
○石川説明員 最近の大きな台風はデラ台風とキテイ台風でありますが、デラ台風に対しましては一應從來ありましたわくの中から繰上げ配給をして、急場を切り拔けたのであります。今回のキテイ台風に対しましては、マニラ麻関係は多少保留分がありますので、これに対して一應割当はできると思いますが、綿糸に関しては手持の余裕がございませんので、ただいま経済安定本部並びに関係方面に折衝中であります。
#144
○横田委員 簡單ですが、安本が経済復興計画をどういうわけで発表されないかということをお尋ねいたします。きようここで御答弁してもらわぬでもよいのですが、これは閣議で何べんも問題になつておるのに発表されない。しかもこれには厖大な人員と金がかかつておる。その発表されない原因を今度の委員会で具体的に答えていただきたい。
 それからもう一つ、私たち地方をまわつてみたときに、農林委員会とかほかの委員会だつたらすぐ相手にするのですが、経済安定委員会なんか相手にする者がない。実際経済安定委員会のやつておるのを見るとまつたくくだらぬことをやつておる。安本というものは憎まれ者の集まりです。ですから安本が前のように和田時代には非常に元氣があつてむちやくちや官僚であつて、非常に幅をきかしていたのですが、ごく最近の政界演説などを聞いていても氣息奄々として何をやつておるかなつておらぬ。そういう意味において経済委員会は何をしたかということが問題になるのです。時間がないので簡單にやりますが、本委員会において経済安定本部を置けというのであれば、もつとけつをたたいて元氣をつけて、人に笑われないような委員会にする。吉田総理大臣の考えでは日本では置く必要はないのだが、アメリカの考えによつてあえて置いておくのだと言われるならば、やはりこれを置いておくためには少しけつをたたかなければならない。その要点はいつかの委員会において理事が御相談になつて、経済安定本部を一体どうするかということについて一ぺんわれわれにやつて來た内容、今後やるべき目標をはつきり示してもらいたい。たとえば安本が立てました賃金十一月黒字ベースなども物笑いの種だつた。それから配給計画においては遅配、欠配、計画配給のいも粉を食わした安本には大きな責任がある。それから米麦供出においてやみ米の現存しておること、また米麦供出後の自由販賣をとられたのは、安本の現在の親分であるところの青木安本長官が張本人であるということを聞いておる。それから米券の発行、米價パリティー計算におけるところの農民への不当に安い米價の押しつけ、本年度米價決定に際しての都道府縣会館における非公開でやられたくらやみ会議、これに長官が出ておられる。やみ取締における不公平、物資配給に際しての納得しがたいやり方、見返り資金計画に対しての恥さらし、常に大藏省の長官からやつつけられて引込んでしまう。実際なつていない。見ていても私ははずかしい。料飲再開における副食券発行とその後のばかげきつたやり方、副食券は一体なんぼ発行して、だれがなんぼ使うたかということを考えたらばかくさい。石炭は目標を仰せの通り掘つたら、これはボイラーで燃えずに海へほうり込まれたり、道に積まれて燃えておる。これは実際いけない。そういうような例をいろいろあげたらいいのですが、時間がありませんから申し上げませんが、そういうような経済安定本部の氣まま千万なやり方、第三官僚と言われた安本のやり方について、われわれはけつをたたくために何をやつたかというと、ここにも書いてあるように物調法の一部改正、あるいは飲食営業の臨時規正法、あるいは價格調整法の一部改正、ほとんどこんなものしかやつておらないのですね。まじめに考えていつか理事会において――実際に否決されてもしようがないが、経済安定委員会において経済安定本部はやつかいなものになつておる、だからこれは経済安定委員会の委員にやつてもらわなければいかぬのだということを知らしてもらう。それでなかつたら経済安定委員自身がやめてしまえという意見を持つておる。これを委員会で論議してください。
#145
○小野瀬委員長 御趣旨の点は今度ゆつくり他の機会に懇談会でも開いて、あなたの御意見についても協議したと思います。
#146
○小西(英)委員 この鮮魚の統制撤廃は、わが党が選挙戰に臨みまして、公約の一つとして非常に國民の人氣をとり、今日絶対多数を得た大きな役割をなしたものでありますが、それを今日まだ一部の統制整理、あるいは改善程度にとどめるという報告なのでございます。そこで私がまず聞きたいことは、この統制を撤廃できないという理由の一番主たる原因は輸入物資の漁網を使つておるとか、あるいは油を使つておるためなのかどうか。あるいは國内の全体の輿論の示すところによるものであるか。いずれの見地からか。先ほど説明のあつたときには近畿、中國、四國を実際に調査して参りました結果において、野菜の統制なんかも失敗に終つておる。あるいは値段の問題等で非常によくないというふうに、関係方面から言われておることを聞いたのでありますが、それはまつたくそういうことを考えられるならば、これは現実の状態とは相反しておるので、まず第一にこの統制解除ができない理由は、輸入物資の漁網であるとか、あるいはマニラ麻とか油の関係であるかどうかということをお伺いしたいのであります。
#147
○田中説明員 私からお答え申し上げます。水産物統制が全面的にはずせないのは、決して漁業に必要な資材、漁網あるいは石油といつたようなものが、輸入にまつておるからということではございません。これは実は関係方面とも数次にわたりまして話合いをいたしたのでありますが、かりに水産物の統制をはずしたからといつて、漁業経営に絶対必要な資材で、しかも輸入にまたなければ供給できないというようなものは、当然供給されるわけでございまして、そのことと水産物統制のできる、できないということとは関連して考えておりません。
#148
○小西(英)委員 それではつきりわかつたのでありますが、國民の実際の輿論のおもむくところまた実生活の面から見まして、われわれ各安本支局あるいは経済査察庁、あるいはその他各種の輿論を総合した結果におきますならば――野菜の統制撤廃は、全体の國民の数から輿論を正確に徴するならば、これも成功いたしておると私は確信いたすものであります。それと同時にこの野菜よりも鮮度の状態に非常に重きを置くところの魚においておや。今日一部の整理等においてお茶を濁そうとするがごとき考えは、断じてわれわれの政府として、またわれわれ絶対多数を持つておるところの党として、これは許されぬ問題と私は思うのであります。何とならば、現在地方においていろいろな魚がとれて、はたして公定價格でいずれの家庭に配給されているのか。これは都会地の一部においては、そういうものがあるいはルートに乘つて多少配給されておりますが、日本全体八千万人の國民の口から総合した輿論を正確に徴するならば、それらの者は少数でありまして、これをはずさないために損をするのは多数の國民であります。これをはずさないで置いておくという考えは、また関係筋の一部の意見が強硬に統制を残すと言つておる原因は那辺にあるか。われわれ考えますならば、関係方面においては思想とか情報の面においてはCICとか多少の機関がありますが、いずれも実際に日本の実態を調査している機関はないのでありまして、それに説明するには、この数字官僚、今まで非常に國民からきらわれておつた統制官僚の一部の者が、総合的数字をもつて説明しておる観念のもとにおいて、こういうような論が出たものと思いますから、われわれは断じてもつと懇切丁寧に輿論を調査し、これらの生鮮魚類の統制撤廃を一日も早くして、この安本の委員会の最大の美として飾るべく、あらゆる面より調査して努力願いたいというのが私の意見であります。
#149
○小野瀬委員長 他に御質問はございませんか。
#150
○小西(英)委員 この配給統制も價格統制もでありますが、関係筋の方に非常に強硬な意見が出るということは、関係筋がどういう調査のもとにやつているか。具体的な調査ではなくて、おそらく各役所等の現在統制しておつた方面よりの数字を見てのみ判断しているのでありまして、現在輿論調査として各家庭に正確にこれらのよしあしを問うならば、必ず統制撤廃に賛成する人間が多いということを私たちは確信しているので、そういう点を特にお願いしたいという意見であります。
#151
○小野瀬委員長 それでは委員会として何かの方法をとるように希望するというわけでありますか。
#152
○小西(英)委員 そうです。
#153
○小野瀬委員長 それでは次回の委員会は大体十月四日ごろ開かれる予定でありますから、その際に懇談会か何か開きまして方法を考え、正式の委員会にかけて決したいと思いますから、さよう御承知願います。
    ―――――――――――――
#154
○小野瀬委員長 それでは引続き栄養食品の生産配給計画、特にみそ、しようゆ関係について、経済安定本部の生活物資局食品課長田中覚君から説明を聽取します。
#155
○田中説明員 私から簡單にみそ、しようゆの生産配給の実情についてお説明を申し上げます。まずしようゆから申し上げますが、御承知のようにしようゆは日本國民の必需的な調味料といたしまして、大体戰前におきまして年間四百万石ないし五百万石の生産がございまして、一人一年あたりおおむね七升ぐらいの消費をいたしておつたのでございます。それが戰爭に入りましてから、原料の制約によりまして漸次減少をして参つたのでありますが、終戰後司令部の好意によりましてアメリカから原料の輸入がございまして、爾來年一年と生産及び配給も回復をいたしまして参つたのでございます。その大体の状況を申し上げますと、大体平時に四、五百万石の生産でありましたものが、終戰時の二十年には二百七十二万石、二十一年には二百二十二万石、二十二年には百八十六万石、二十三年には三百三十七万石、それから本年は計画といたしましては三百七十六万石、大体指数にいたしまして戰前の七十四、五パーセントに達する生産を見るように相なつたのであります。從いまして國民一人一年あたりの消費量も、先ほど申し上げました七升程度から最低が二十二年の二升三合でございましたが、それが本年は計画上は四升八合というところまで回復を見ているような次第であります。ただこのしようゆにつきましては、ただいま数量的に生産及び消費量の概観をいたしたのでございますが、特に御説明申し上げたい点は、一口にしようゆとは申しましても、その品質が相当劣つておるということを申し上げたいのであります。しようゆの品質はしようゆの持つている味なり、かおりなり、いろいろな複雜な要素によつてきまるのでありますが、ただいま政府において計画上きめております規格は、しようゆに含まれている窒素のパーセンテージによつております。ただいまの規格は全窒素が〇・七%ということにいたしておりますが、戰前の消費においては大体一・二あるいはそれ以上の優秀な品質のものを消費いたしておつたのでございまして、そういう点をあわせ考えますと量的にはかなり回復いたしておりますが、質的にはなお平時の良質のしようゆに、はるかに及ばないという結果に相なつておるのであります。特にしようゆに関しましては原料が大部分を輸入に依存しておるという関係から、常に関係方面から原料の使用効率を高めることについて非常な要望がございますので、その建前から施策を進めまして、從來原料使用効率の比較的劣つておつたしようゆについても、漸次技術の改善その他によりまして引上げる努力をいたして参りました。またしようゆと相並んで同じような役割を果すアミノ酸というものがありますが、これについてもある程度生産の分野を廣げまして、そして全体として原料の使用効率を高める努力をいたして参つたのであります。最近におきましては、ことに消費者の声もございまして、しようゆの品質も漸次向上を見て参りまして、現在配給されておるものについては、ほぼ規格通りのものが配給されておるというふうに確信しておりますが、なお最近における消費者の嗜好の向上ということもあわせ考えまして、まだ確定はいたしておりませんが、來る一月ごろからはさらにしようゆの規格を、全窒素について〇・七から一・〇ぐらいに引上げて、いいものにして配給する。そのかわりに配給の量につきましては若干減少をするという形で、消費者の食生活の実態に即するような策をとりたいと考えております。
 次にみそでございますが、みそはしようゆのように調味料的役割もございますが、同時に重要な蛋白の食料としての價値もございますので、特にこれの供給については意を用いて参つたのであります。大体戰前におきましては、年間一億五千万貫程度の生産がございまして、一人一年当り約三貫目内外、すなわち一箇月二百五十匁内外の消費をいたしておつたのでございます。これもしようゆと同じように原料が大豆であるというような関係から、同じように原料上の制約を受けまして、戰爭中から漸次生産の減少を見て参りました。それが終戰後は同じようにアメリカからの原料の輸入によつて、漸次回復をして参つたのであります。すなわち数字的に申しますれば、大体終戰時におきましては戰前の一億五千万貫の約半分、すなわち七千五百万貫程度に生産が落ちておつたのでございますが、それが漸次回復をいたしまして二十三年は九千一百万貫、本年は計画としては一億一千六百万貫程度の生産をするということにいたしております。大体これも指数にいたしまして、本年度は平時の生産に比べまして、約七七%程度に回復をいたしておるのであります。また一人当りの年間の消費量にいたしましても、戰前年間三貫目当りのものが、二十四年度には大体二貫百匁というような程度にまで回復をして参つたのであります。ただみそについて特に申し上げなければならないことは、一應数量的には終戰以來漸次生産の回復を見て参つたのでありますが、その原料の品質が平時のものに比べますると非常に劣つているのであります。すなわち平時におきましては、みその蛋白の原料としては、油をしぼらないところの丸大豆を使い、これに澱粉質原料として米、麦等を使つておつたのでございます。ところが終戰後は、アメリカから來るところの油をしぼつた大豆フラワー、あるいは大豆ミールを蛋白原料に使つておりました。國内産のものでも、あるいは輸入された大豆のものでも、油をしぼつたあとのかすをみその原料として配当し、澱粉質の原料にいたしましても、主食も逼迫しておりますために、米・麦等はほとんどみそ用としてまわすことができないで、昨年ごろまではほとんど澱粉質の原料は蛋白の原料に使用するほど出ていなかつたのが、最近に至りましてようやく輸入のとうもろこしをこれに使うというようなことになりました。それから御承知のように、昨年度まではみその生産量が少いために、いもでこれを薄めるというようなことをいたしたのであります。これらのことが、原料面から特にみその品質の惡化を來しまして、最近におけるような配給辞退をかなり発生しておるのであります。加工段階が低いためにみその品質はほとんど原料によつて決定されますので、原料の品質の改善につきましては、でき得る限り努力をいたしたいと思つております。ただいまの見込みでは、一應とうもろこしを澱粉原料に全面的に出すようにいたしましたので、これが最近に配給みそとして出まわつておりますもので、一時の不評は、若干これによつて回復できると考えておりますが、なおかんじんな蛋白原料については、丸大豆をみそに配当することができないような実情に相なつておるのであります。これは一面油の需給事情の苦しいことから來ておるのでありまして、どうしても大豆から油をしぼらなければならないというところに原因があるのであります。しかし今後は、かりに油をしぼつたかすについてでも、でき得る限り品質の向上について新しい施策をとつて、全般としてみその品質が大いに向上するように、努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
 なおみそとしようゆの配給基準は、全國を甲乙丙の三地域にわかちまして、大体の消費慣習に從つて、みその消費の多い所はしようゆを少くするというようなことでやつておるのであります。特にみそについては、從來年間一律の配給基準でありましたものを、本年度からは冬と夏とに配給基準をかえまして、夏は比較的にみそを食べないという消費生活の実態に即するように、そのかわりに冬基準を上げるというようなことにいたしておるのでございます。大体みそについては、現在非常にあり余つているというような感じが、國民一般に非常にあるのでございますが、それは先ほど申し上げましたように、品質が惡いために一時相当配給辞退が出ているからでございまして、今後品質の引上げその他をやれば、むしろその供給はある程度当然に減少しなければならぬようなことにもなるわけであります。大体私の申し上げることは以上の通りでございます。
#156
○小野瀬委員長 それでは高橋清治郎君から質疑の通告がございますので、これを許します。
#157
○高橋(清)委員 ただいま大体しようゆ、みその実情を承りましたが、私は特にしようゆに関してお伺いをいたしたいと思うのであります。承るところによりますと、しようゆの生産及び配給は、生産は戰前と終戰後におきまして、非常にそこにバランスのとれない点があるようであります。たとえば例をとつて申しまするならば、宮城縣のごときは戰前九九%の生産をやつて、大体自給ができておつたのであります。ところが今日は宮城縣の例をとつてみますると、これがおもに移入の方が多くなりまして、生産設備があるにもかかわらず、そのように移入をしなければならないというような実情にあるのであります。これは單に宮城縣ばかりではなく、全國各縣においてかくのごとき実情にあるということを私は承つたのであります。そうして依然として丸金、ヒゲタその他の四会社に生産総量の二七%の生産をやらして、そこから各縣に移出しておる。現に今説明を承りましたように、品質は大体みなよくなつた、規格にみな一致しておるというお話であるならば、各縣の所要需要量のしようゆというものは、設備があるならば各縣に生産さして、そして配給させるのが当然ではないかと私は思うのであります。ことに原料の点から申しましても、そういうように品質がみな平均して來たというならば、当然これを考えなければならぬ。
 もう一つは、アミノ酸のしようゆが、調査によりますると、戰前の昭和十三年ごろでありまするか、アミノ酸統制当初には、アミノ酸工場が百工場くらいしかなかつたものが、今日は約二千の工場を数えるに至つております。それからしようゆの工場が当時七千五百くらいあつたものが、今日六千五百くらいになつておるようであります。すなわちこのアミノ酸、いわゆるその筋からの奨励によつて品質を高める意味において、能率をあげる意味において、アミノ酸しようゆを慫慂しておるということから、百くらいあつたアミノ酸工場が今日二千にもふえておるというならば、從來家業として來ておつたところのしようゆの生産業者で、今十分に働くことのできない工場を利用して、アミノ酸しようゆの製造を指導して導いて行くのが、当局の重大な責任であると思うのであります。資材の乏しいときにおいて、新たなるアミノ酸業者をつくつて、新たなる経費と資材とをもツて、新規アミノ酸しようゆ工場をつくるというような愚かなる手段は、ただちにやめて行かなければならぬと私は思うのであります。
 もう一つは、アミノ酸しようゆは一般大衆の消費者は好まないという点も、よくお考えにならなければいかぬと思います。現にその例を宮城縣のみにとるようでありますが、この調べた表によりますと、その需要量が一千石も上半期においてふえておるようであります。その割合によつて縣内の生産がパーセンテージにおいてずつと減つておるようであります。そうしてこの業者がまつたく成り立たない、潰滅するよりほかないというような運命に今さ迷うておるという実情にあるのであります。それについては巷間いろいろ傳うるところによれば、現在の食料品配給公團の醤油局とか、そういうところの重要なるポストは、この四会社の社員の人々が今やそのポストについておる。そのためにかくのごとき不公平なる配給の処置をされておるという声が非常に高いのであります。当局はこういう点も非常に考慮しなければならぬ。また醤油局長さんの縣においては、これは自給されておるそうであります。そういうことはないでありましようけれども、第三者的外部から見ると、そこに何らかの手加減があるのじやないかというような疑惑の念も立つておるのであります。過般陳情に参りまして食品部長に伺いましてとき、岡田次官でありますか、宮城縣のしようゆばかりでなく品質が惡いから、とにかくこれは生産を少くして移入を多くしたということを申しましたが、今の課長さんのお話によると、品質規格というものがもう大体同じになつて來ておる。現在各地においては技術の研究と努力とによりまして、今や品質上においても大差がないと思うのであります。どうかこの辺を考慮して、そうして今後当局ではどういう方針で進まれるか、ひとつ御意見を承つてまた質問いたしたいと思います。
#158
○森説明員 お答えいたします。高橋さんからのしようゆの問題と、アミノ酸の問題との二つに、大体関連はありますが、わかれるだろうと思うのであります。
 しようゆの現況は先ほど安定本部の課長から御説明をいたしましたように、最近では非常に原材料が豊富になりまして好轉いたしておりますので、昨年あるいは一昨年の当時と違いまして、各業者がその後の原料を仕込む関係上、あるいは現在の運轉資金の関係上非常に買上げを望んでおるわけであります。昨年、一昨年の当時は、出していただきたい場合においても、各生産者はむしろ出しにくい状況にあつたわけでありますが、最近は非常に好轉しておりまして、皆さん方が買つていただきたいというのが全國的な状況になつております。農業省といたしましては全國的に各生産者が買つていただきたいという申込みの状況でありますので、これを公平に処理しなければならない関係もございまして、現在持つておりまする在庫量と、それから大豆あるいは小麦の原材料の割当率によりまして、各縣の生産の割当をやつておるわけであります。從いまして大きな業者でありまする野田醤油とか、その他の大きな業者につきましても、同樣な方法をもつて割りつけておるわれであります。一方配給人口の方は各縣の配給人口から基準配給量を算出してやつておるわけでありますが、現在のそういうやり方と、過去におきまするただいまの高橋さんのように、九九%あるいは相当程度自給自足であつたものが移入しておると言いますのは、統制経済を十五、六年ごろから実施して來まして、途中からほとんど逆に自給自足の態勢をとつたわけでありまするが、その後原料を放出して行く関係上、各配給人口を見合いましていろいろ出荷促進をはかつて來た関係上、出荷原材料の配分とを相当程度結びつけて來たために、現在におきましては過去の統制前の状況と非常にかわつた数字が出て來たわれであります。しからば今回しようゆについて自給自足の方法をとるか、相当程度生産されておれば、これをその自縣内で買い上げて、その民に配給するか、こういう問題でありますが、この問題は一方において品質の問題と、それからもう一つは需要者の希望というものも考えなければならないと思うわけであります。そこでわれわれとして先ほど申し上げましたのは、終戰当時より現在は相当品質は上つてはおりまするが、それは全体的のレベルとしてでありまして、まだ戰前のレベルまでには上つておりません関係上、各生産業者の間におきまする品質の差というものは、相当大きい開きがあるわけであります。そこでおいしいしようゆはやみでも賣れてしまう。あるいは先ほどお話のあつたようなアミノ酸などについては賣れないというような状況がありまするので、消費者の声を相当いれて、そうしてただいま御意見がありました点に反映いたしますれば、相当量買上げを増加して行くということにしたいと思います。なお東京などあるいは大豆のできまする縣におきましては、大豆の供出予定量よりも超過供出量がありまして、地元に相当原材料が行つておるという関係につきましては、特にその原材料と結び合せまして、十月以降買上げ量を増加いたしたいと考えております。なおアミノ酸の問題でありますが、御指摘の通りでありまして、全國約三千程度に非常に増加いたしましたのは、まことに振り返つて考えますれば、ある意味で大きな失敗だと考えるわけであります。終戰後企業許可令を撤廃いたしまして、カン詰についてもそうでありますが、手取り早く仕事をやりたいということで一番とつつきいい仕事に殺到した関係で、企業許可令がない以上、各生産をやりたいという方々の希望をまんべんなく受取つて、そうしてこれを許可して行つた関係がかかる不始末な状況になりまして、必要生産力に比しまして操業度が非常に落ちておる、いわゆる過剩の生産力があるという状況になりましたので、今般安定本部におきましては今後の新規企業を認むることを、特に効率がいいとか、特許的なものとかいうもののほかは、特別の事情のない限り停止いたしまして、そうして今後の生産の安定化をはかつて行こうということにいたしております。
 なおアミノ酸の不評判につきましては、近い機会に安定本部でもそういう御方針でわれわれに相談をいたして來ておりますが、農林省といたしましても急激なショックを與えない方法で、極力消費者の意思に即應した品物を配給いたす制度を、官権的にではなく、むしろあるいは一つの方法としては選択制というような問題もありますが、これは過去の商業権なり何なりがあつて、あまり無制限な選択制もとれませんので、消費者の希望はいれますが、その機会にあまり大きな弊害の出る点は押えた方法で、大企業が一氣に拡充することのない方法で、希望者の好むものを配給いたす制度を考えたいと存じております。
#159
○高橋(清)委員 それからお伺い申したいことは、公團の発足直前におきまして東北六縣の大体五万石というものが、切捨てになつておるのであります。これはどういう理由でございますか、承りたいと思います。
#160
○森説明員 五万石の切捨ての問題でありますが、私ちよつとその数字はよくわかりませんが、具体的に東北の事情についてあとでお話を伺いまして、わかりますれば御連絡いたしたいと思います。
#161
○高橋(清)委員 それから普通のしようゆにつきましては、各縣とも移出入をやつておるわけでありますが、アミノ酸しようゆについて過般私が参りましたとき、当局のそのとき会つた方は、これからアミノ酸のしようゆをますますやる方針である。ことに食品局長さんはアミノ酸しようゆを礼讃するがごとき言を申されましたが、その配給についても、アミノ酸を必ずこれだけ使えという強制的な配給をしているようですが、これはどういうわけですか。ちよつと伺いたい。
#162
○森説明員 実はアミノ鋼の生産奬励を始めたゆえんものは、アミノ酸の生産は普通しようゆの生産と違いまして、御承知の通り相当早く回轉される。要するに採算からいつて相当いいということで始めたわけであります。從つて当初は相当惡い製品が出たわけでありますが、元始めた人たちのは現在では相当品質が上つておるわれであります。しかしながらこの企業におきましては、先ほど御指摘の通り約三千もできておりますから、一番先に始めた人と、この間始めた人との品質の差というものは非常に大きいわれであります。そこで私どもといたしましては、品質のいいものをよけいつくらすということを考慮いたしておるわけでありますが、現在までの経過として、きのうきようできた新規企業者はまた特に小さい人が多いわれでありますから、一氣に切捨てるということでなく、品質の指導にいたしても一應國として昨年まる一箇年、あるいは一箇年半程度の問題でありますので、始めたわ、すぐそこをカットされるわけでは、工場の経営からいつても非常に困るわけでありますので、一應暫定的に準備期間を與えておるわれであります。從つてやがては努力によりまして相当いいアミノ酸が出る。現在いいアミノ酸は、われわれある意味でしろうとでありますが、しようゆかアミノ酸か区別のつかないいい品質のものもあるわけであります。小企業あるいは新規企業者に対してはいろいろの方法で指導いたしておりますので、まずいけれども暫時とつていただかなければならぬというものも、各地方で出ているようでありますが、檢査も充実いたしまして、とてもこれではだめだということで配給辞退を起すようなものについては、市場に出さないということで指導いたしております。それにいたしましても、やはりキッコーマンだとかいわゆるいいしようゆに比べては、何と申しましても全体的な点において落ちておりまするので、一定の期間は準備期間として品質を向上してもらう、爾後は各消費者あるいは小賣業者の選択によつて、生産工場の消費者が好むもの、賣れるものがつくられるという結果の制度にいたしたいと存じております。
#163
○高橋(清)委員 今の配給機構はどういうふうになつておりますか。配給の割当とかいうものはどこできめて、どういうふうな形になつておりますか。
#164
○森説明員 現在の配給割当は、中央で各地方庁に、各縣におきまする総買上げ量、総配給量、総移入量、総移出量を指示いたしまして、縣で各生産者、しようゆ業者のアミノ酸業者に、買い上げる数量を縣で知事が決定して割りつける。そうして生産出荷工場、各工場幾らということをきめまして、そうして各小賣業者には登録によりまして配給しなければならない数量、いわゆる小賣業者が購買する数量がきまつておりまするから、その小賣業者と生産者との結びつきを縣できめまして、配給指示をいたしておるわけであります。
#165
○高橋(清)委員 私の今の質問はそういう意味ではなく、公團の役員はどういうふうな選任方法をとつておりますか。ちよつと承りたいと思います。
#166
○森説明員 公團の役員は農林省が任命いたしまして、職員はその役員が任命いたします。
#167
○高橋(清)委員 そうではなく、何か業者代表というようなものがあるわけではないですか。
#168
○森説明員 しようゆかすだとか、大豆かすを各縣に配分する方法、すなわち原資材の割当審議会と申しますか、そういう審議会があるわけであります。その審議会の委員を農林省で選定いたしまして、割当方法がかわる。農林省がかえる。また現在の割当方法において相当いろいろな意見があるという場合には御招集を願つて、そうして一應皆さん方の意見を聞いておるわけであります。それで大体ブロック的に出ていただいたりしております。それにつきましては、農林省の係官はもちろん出席いたしますが、買入れ賣渡し操作をやつております公團側からも出席を仰いでおります。また大メーカー側からも出席を仰いでおりますし、各地方のメーカーの代表者にも出席を仰いでおります。
#169
○高橋(清)委員 それが原料の配給にも非常に影響があるかどうかは知りませんが、その役員の出ているところは案外生産配給がよく行つておるという傾向があるように思われるのであります。どうかこの点をもう一度再考していただきたい。
 それからもう一つ最後に申し上げたいのは、アミノ酸のしようゆをつくるについて、繰り言ながら今まであるところの業者の工場を利用して、指導奬励して行くというのを特に私はお願いしたいと思います。それからできるならば各縣の需要するしようゆは、各縣の業者に設備があるならば、技術方面を指導して、品質をよくして、各縣で自給自足できるように生産原料を配給していただくように特にお願いして、当局のお考えを承りたい。
#170
○森説明員 前にお話になつた点、すなわち既存業者、要するに経驗ある人の施設を生かし利用するということは、まことにけつこうなことだと思いますが、少くともさつき御指摘になつたように、終戰後新たにしようゆをやつたことのない人、あるいは過去においてアミノ酸をやつたことのない人が仕事をやるというので、行政官庁として拒むことができなかつた。そしてその数もほとんど厖大に伸びた。全部を生かすためには全部つぶれなければならないという状況になつたことは、私が考えましてわれわれとしてやる術がなかつたかどうか。現在非常に遺憾に存じているわけであります。今後いろいろしようゆのかすを利用するとか、問題がまだ全然ないわけではないので、お話の点は十分考慮いたしまして、むだのないようにいたしたいと存じております。
 それから自給自足の点でありますが、立地條件を考えることは一つの要素でありますが、もう一つ、先ほどちよつと申し上げましたが、しようゆにおきましてもピンからキリまで、全体的のレベルは上つたにいたしましても、先ほどお話いたしましたが、〇・七という基準でありますが、ややともすると、〇・六を出しているという風説なきにしもあらず、あるいは品質におきましても非常にいいかおりのもの、人氣のあるものと、このしようゆはひどいというような工場のものもあるように、各地方いろいろな方面から聞いているのであります。從いまして消費者あるいは小賣業者から相当程度そういう希望も聞いて、そういう問題も同時に考えて行かなければならないと存ずるわけであります。もちろん立地條件は考えられますが、いい品質のものを消費者に配給することも一つの重要な因子でありますので、そういう点において立地條件がモディファイされることはやむを得ないと存じております。
#171
○高橋(清)委員 大体時間がありませんから、私はこのくらいで切上げますが、今申しましたことを当局の方々で特によく再檢討して、現在の配給、移出、移入の点をよく調整していただきたいと希望いたす次第であります。
#172
○小西(英)委員 簡單にみそ、しようゆの事情を承ります。われわれさつきからいろいろ高橋委員等の御意見も承つておるのですが、大体根本的にみそ、しようゆというものは原料の塩の絶対量が日本においては足らない。また大豆も戰爭前から足らないのですが、この統制をはずせる可能性はどういうときにあるかということをひとつお尋ねしたいのであります。安いしようゆ、おいしいしようゆをたくさんもらえることが、國民全体の根本をなす希望であることはもちろんであります。役所の御親切によつて、いろいろみそ、しようゆの心配から野菜のことまで、戰爭中から御心配願つて非常に仕合せでありますが、実際に政治は具体的に言うと、いい物ができたときには統制の必要がなくなる。現在においてみそ、しようゆはむしろ配給辞退の声が非常に起つておる。数字的にはみそ、しようゆは七〇%か知りませんが、われわれの縣あるいはその他の縣においても、みそ、しようゆについては十分にあるという状態になつたので、政府としてもそういう点を考慮して、配給のわく内においてのいろいろな審議よりも、むしろ根本的な面についてあちらとも折衝していただきたいのですが、まず現在しようゆは何パーセントの塩を使つておるか。あるいはみそは何パーセントの塩を使つておるか。またもう一つは、どうしても價格統制、配給統制は解けないという原因についてお伺いしたいのであります。
#173
○田中説明員 みそ、しようゆにつきましてどういう條件が具備されたら統制がはずせるかというお尋ねのように拜承いたしたましが、先ほど御説明いたしたましように、われわれといたしましては大体その消費量のみならず、品質についても消費者の食生活要求に合致するような品物ができるという状態にならなければ、この統制を解除することは危險であるというふうにしております。すなわちみそにいたしましても、ただいまの品質のもので、ある程度の配給辞退というようなことが起つておりますけれども、もしそのゆえに統制をはずしますと、消費者は今われわれが計画しておりますようなまずいみそは欲しない。そういうものをつくつても賣れないということでありますから、結局業者の人たちはいいものをつくる。すなわちみそについても丸大豆を使い、米を使い、麦を使うということにおもむくわけであります。米、麦をみその方に使われれば、結局主食としての統制が脅かされる。また丸大豆を使われるということになるならば、今一番不足しているところの油脂の供給に非常な支障を來すというぐあいに、ほかの方面への波及が相当あるわけでございます。またしようゆにいたしましても同樣でございまして、もし現在のままで統制をはずしますれば、結局消費者の欲求するところの品質のいいものがつくられて行く。從つてそれには原料もたくさんいるということになりまして、それはめぐりめぐつて供給の不足と原料の不足ということに結果するわけでございます。先ほど私が申しましたように、しようゆについて年間三百七十七万石、トンに直しますと八十二万トンであります。みそは年間一億一千六百万貫かの生産能力でありますが、これをトンに直しまして四十三万五千トンになるわけであります。これをつくりますために原料といたしまして、大体みそに対しては脱脂大豆が十三万九千トン、とうもろこしが九万七千トン、塩が六万五千トン、それからしようゆに対しましては脱脂大豆が八万二千トン、炒麦と称しまして、小麦を製粉するときに若干澱粉質を残したひき方にしたふすまでありますが、その炒麦が五万四千トン、塩が十四万三千トン、これだけが必要なのであります。すなわち脱脂大豆にいたしましてみそ、しようゆ合計で二十二万一千トンという大体の必要量になるのでありますが、そのうち内地大豆でまかなつておりますものが四三%、残りの五十七%は輸入によつているわけであります。また塩につきましてはみそ、しようゆは合せて二十四万トンでありますが、もちろんこのこと自体で輸入が何パーセント、國内生産が何パーセントということは申し上げられませんけれども、塩全体の生産として、本年度において國内製塩によるものが四十一万九千トン、輸入が百二十五万トンで、ほとんど大部分を輸入に依存しているような次第であります。從つてもし先ほど申したように、現在の状態でみそ、しようゆの統制を解除することになれば、当然に生産者は品質のいいものをつくる。品質のいいものをつくるにはいい原料をたくさん使うことになるわけでありまして、それは現在の食糧の需給計画から見て、結局全体の食糧の統制を破ることになつて、実現が困難ではないかと考えている次第であります。
#174
○小西(英)委員 大体よくわかつたのですが、そうすると根本的にはあちらの意思によつて統制しているのではなくて、むしろこちら側に考えられる。主食に食い込むであろうとか、あるいはそういうことにすると相当高いものができるだろうという見解ですね。大体役所の方で指導しているそうでございますが、実際に小豆島のしようゆ業者あるいはみそをつくつている人に、この間私船の中で個人的に聞いたのでありますが、現在のような大豆では昔のようなものはできぬが、もつと創意工夫したら相当いいものが現在の状態でもできるという自信はある。しかし一律一体で役所の考えているようなふうにやると、われわれも結局そろばんから行くのであつて、そろばんを中心に、しかも役所の方がどんなに公共性を帶びた考えを持つても、やるものとしては損をしてはやらぬのであつて、結論として野田醤油にしても丸金にしても、役所の御指導を仰がぬでも、われわれはいいしようゆもみそもつくるということを言つている。今まで長い間統制は絶対的なものだという観念のもとにいろいろなことを今後やられると、いよいよ統制をはずすときには、すでにマル公を上まわつているという例がたくさんあるので、そういう点十分御檢討くださいまして、われわれの食生活を一日も早くよくするようにひとつ努力していただきたい。
#175
○小野瀬委員長 なお本問題に関し、庄司一郎君から委員外発言を求められております。これを許すに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○小野瀬委員長 それでは庄司一郎君発言を許します。
#177
○庄司一郎君 みそに関して一つお伺い申し上げたい。それはみその配給計画においていろいろけつこうな計画を立てられておるのでありますが、炭鉱労務者あるいは船員等の労働者諸君に対して、特別なる配給の御計画はけつこうでございます。だが政府は大きなエラーをされておる。山村の発電工事場で働いておる全國の多くの労務者のために、特にみその特配をまつたくお忘れになつておるという一点であります。御承知の通り、今回関係方面より全國三十三箇所の新しい発電所建設のOKが出ました。從いまして三十三箇所の発電所は、大体向う五箇年の計画でございますが、これに働かれるおそらく三十万近いところの筋肉労働者の諸君は、山奥でございますからおいしいおかずなんか都会のように買えないのであります。せめてはみそぐらい十分とまでは行かなくてもある程度まで特配して、鉱工業で働いておる労働者諸君と同樣程度の特配量を與える御意思があるかないか。願わくばそうすることがわが國の電源の開発のためにきわめて妥当であり、また発電関係の労務者諸君を鞭撻するゆえんであると考えるのであります。
 第二点は学校学童の給食あるいは保育所の子供の給食、けつこうな御計画でございますが、ただいま全國の國立病院を初めプライベートの病院等に結核患者が約十万おる。これらの結核患者は何よりもみそが蛋白源の栄養として痛切に要望されておるのであります。かような結核患者たちに対して、特に昭和二十四年度においてひとつ配給計画の改訂をしてほしい。特に病院の結核患者あるいは家庭における結核患者でありましても、彼らの虚弱なる肉体をすみやかに回復せしめるために、でき得べくんばそれらの結核患者あるいは小学校、新制中学あるいは保育所等における特殊な身体の虚弱兒童たちに対しては、内容のもつといいみそを特に特製されて配給せられる御意思があるかないか。願わくばそういう御計画をしてほしいということが私の念願であります。当局の御所見はいかかでございますか。
 それからしようゆに関してはただいま高橋委員よりるる御質問があつたのでありますが、いわゆる四じるしが、しようゆ釀造界におけるあたかも終戰前の三井、三菱、安田、住友の財閥のごとき観がある。この四じるし会社のものは、全國生産量の二七%というその実績をあくまでも政府は保持されて、見方によつては保護助長の政策をとつておるかのように見えるのであります。私はこれはあながち惡いとは言いませんけれども、東北地方のあるいは宮城縣の統計では、全國数千の多くの地方のしようゆあるいはみそ等の釀造家は、これは從來大地主あるいは、地主であります。それらの諸君は土地解放令によつて数百町歩かあるいは数十町歩の田地を提供した方でありますから、今は傳統的にあるいは三代前からあるいは四代前から残つておるみそあるいはしようゆの釀造によつて得るところのささやかなる收入が、主として昔の地主のただいま最小限度の生活を保障しておるところの職業であります。こういう観点に立つてこれは大きな社会問題であります。四じるし会社だけを保護助長されるような政策をとつておるような観を呈しておるただいまの状態は、その反面においてこの全國の中小商工業者程度の資力をもつて、かすかにやつておるところのしようゆ釀造家を圧迫しあるいは圧迫をさせて、氣息奄々たるただいまの死線を彷徨するような状態に置くことは大きな社会問題である。財界において三井、三菱等々の財閥が、マッカーサー元帥の指令によつて解体させられたと同じような意味において、四じるし会社はある程度の社会政策をもつてそれを押えなければならない。それが政治の社会正義だろうと私は考えるのであります。反面において全國二千のこれら中小商工業者であるしようゆ業者を保護助長して、こういう連中の手をひつぱつてやる政治をとらなければならない。單に過去の実績のみにとらわれることなく、かような大所高所より再檢討願いたい。
 特に一言最後に申し上げたい実例は、昨年までたとえば高橋君の述べられた七三%の生産、あるいは政府がお買い上げになつたしようゆが宮城縣が四〇%、四じるし会社が六〇%、かようなことはどこに原因があつたかと言えば、過去十年近いところの戰爭のもたらした被害であります。戰爭中に陸海軍の工厰あるいは学生の通年動員あるいは徴用等々で、陸海軍あるいは時の政府より要請されて、陸海軍あるいは軍需工厰方面には、どうしても雪の降る寒冷地帶ではみそしるがなければ十分栄養をとることができないから、みその充足をしなければならぬというので、しようゆの方はおろそかになり、かつ宮城縣では実に粗惡なしようゆに不本意ながらなつた。御承知の通りみそをつくつて政府に納めるより、しようゆを納める方が若干利益に歩があると聞いておる。それがしようゆが減つてみそに全力をあげたというのは、時の政府あるいは陸海軍の要請によつて、業者はさような跛行的な状態に陷つた。以前は宮城縣あるいは東北六縣にしても、大体においては自給自足の程度であつた。その他の多くの縣もさような状態にあつた。それが戰爭中に特に寒い寒冷地帶はみそ本位になつて、しようゆは第二、第三にされたため、みそばかりに走つてしようゆをおろそかにして少くしたんじやないか。それは決して業者の自発的な意思に基いて減少したのでなく、当時の時世がそうさせたのであります。そういうことをとくと御考慮くださいまして、ただいま説明員の方は十月より相当量のしようゆの買上げを実施したい考えであるということを述べられましたが、一時的にただお買上げだけではいけない。どうかこういう從來の内容や経過的なことをよく御勘案くださつて、ただいまの宮城縣の場合におけるような、四じるし会社が縣全体の六〇%、約二百戸の中小釀造家が四〇%というのを逆轉して、そうして大資本家の四じるし会社の方に制肘を與える。これがわれわれの言う高度なる社会政策であります。そういうことによつて多くの中小企業者を更生させるというような段取りに進んでもらいたい。それこそ安本の大きな社会正義的な使命であると考えるのであります。これはひとり宮城縣ばかりの実例ではございません。全國的に各地方の会社が四じるし会社のために圧迫をこうむつておるのであつて、これは大きな社会問題である。社会党さんも、共産党さんも、そういう問題には大いに率先御協力を願わなければならないと思います。政府におかれてもどうかひとつ御檢討の上、再檢討されて善処されんことを切に要望するものであります。こまかいことでもつと申し上げたいことはございますけれども、悲しいかな私は委員外でございまして、不肖私のために五分以上の時間を御清聽くださつた各位に申訳ないことでございますから、この辺で打切りますが、私の最初の意見等に対し、あるいはまた最後の再檢討という問題について、御意見があつたならば承りたいと思うのであります。
#178
○田中説明員 ただいま御質問のございました中で、みその労務特配、あるいは結核患者に対する特配ができないかどうかという点でございますが、みそが國民の重要な蛋白の給源であるという認識においてはまつたく同感でございます。その故に私どもは、みその供給の少い間は、もつぱら家庭配給に重点を置いて配当計画をつくつて参つたのであります。從いまして労務特配その他については、炭鉱労務者、船員、それからあとは特別の関係で、小学校の学童給食、今年新しくできた保育所の施設――これは主として託兒所でございます。それから病院に対して同じく病院給食を実施いたしまして、その中でおのおのみその加配をやつて参つたのであります。それ以外の労務者、あるいは結核患者でも入院患者でないところの存宅療養患者に対しては、いまだ労務特配あるいは特別の加配をいたしておらないのであります。しかし昨今のみその需給状況等も勘案いたしまして、要望のある方面に対しては、漸次特配の範囲を拡張いたしたいと考えております。現に本年度は、山奥の電源開発の労務者とちようど同どような労働をしておられるところの森林労働者に対しまして、みその臨時特配をいたしました。そういう趣旨から、ただいま御発言のあつた発電所等の労務者に対しましても、至急実情を調査いたしまして、特配の措置を考えたいと思つております。それからなお在宅の結核患者に対しましては、別途厚生省におきまして療養食というものの計画をいたしておるのであります。その療養食は、主として患者に対して蛋白、脂肪、ヴィタミン、カルシューム等の補給をねらつた特別の加工食品でありますが、その中にみそは含まれておりませんけれども、蛋白の補給としては脱脂粉乳を加工したところのいわゆるミルク製品といつたようなものが含まれておるのでありまして、もしそれで十分でなくして、みその特配もあつた方がよろしいということでありまするならば、これの特配も十分考えてみたいというふうに考えておるのであります。
 それからあと、大業者に対する社会政策的な顧慮からの生産配給に対する措置の問題でございますが、経済安定本部といたしましては、ドツジ・ラインによるところの経済九原則を実施いたします上において、ややともすればその犠牲が中小企業にかかる縣念があるということは十分承知いたしておるのでありまして、そのゆえに特に御指摘のような点については、特別の考慮をいたす準備をいたしておるのであります。たとえば今度新しくしようゆについて原料の割当方式をかえる相談を、ただいま農林省といたしておりますけれども、その場合においても、四じるしというような大メーカーに生産が集中するというようなことのないように、措置を考えておるのであります。なおこれらの問題については具体的に原料の割当その他において、農林省の方でお考えもあろうかと思いまするので、そちらの方に御答弁を讓りたいと思います。
#179
○森説明員 ただいま庄司さんからお話の点でございますが、安定本部の課長から話されました通りに、農林省といたしましてもその線に沿つて考えたいと思います。具体的な特配の点につきましては、安定本部で決定次第、私の方で各縣なり各受配者に通知手配をいたしたいと存じます。
 それからあとの、大メーカーとその他のメーカーとの取扱いの問題でありまするが、ただいま私の記憶では、私最近参りましてその数字はよくはじいておりませんが、いろいろ聞いておりまするところでは、戰前よりも戰後ふえたとは聞いておりません。減つたと聞いておりまするが、なおその数字にわたりまして、その数字いかんによりましては、十分今後の割当について考えたいと思います。なお先ほど安定本部からお話がありましたように、需要者の意向あるいは小賣業者の意向ということになりますると、そういう制度をとつた場合においては、いわゆる四じるしに小賣業者の希望が集中するおそれがあると考えられまするので、いわゆる統制経済下におきましては、それによる弊害が非常に大きいと考えられまするから、何らかの方法をもつてこれをチエックする。もし実施する場合におきましては、弊害のないように調整するということを考えたいと思つております。具体的にどとういう問題は、現在制度を研究中でありまするので、ただいま御指摘の点も考うなければならない最も重要なる問題の一つでありまするが、その他アミノ酸との問題その他の問題もありまするので、せつかく研究いたしまして、中小企業者の点につきましては十分考えて行きたいと存じております。
#180
○庄司一郎君 委員長ありがとうございました。皆さんありがとうございました。
#181
○小野瀬委員長 それではほかに御質疑がなければ本日はこの程度で散会いたします。次回の委員会は、本年度輸出入計画に関する質疑の続行、物價統制問題を議題として、十月四日午前十時から開会いたします。
 ではこれにて散会いたします。
    午後六時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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