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1949/03/30 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 予算委員会 第3号
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1949/03/30 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 予算委員会 第3号

#1
第005回国会 予算委員会 第3号
昭和二十四年三月二十八日
 東井三代次君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
昭和二十四年三月三十日(水曜日)
    午前十一時八分開議
 出席委員
   委員長 植原悦二郎君
   理事 池田正之輔君 理事 上林山榮吉君
   理事 西村 久之君 理事 水田三喜男君
   理事 東井三代次君 理事 西村 榮一君
   理事 志賀 義雄君
      淺香 忠雄君    井手 光治君
      小平 久雄君    天野 公義君
      鈴木 明良君    周東 英雄君
      高塩 三郎君    高橋  等君
      田中 啓一君    玉置  實君
      中村 幸八君    西村 英一君
      野原 正勝君    平島 良一君
      松浦 東介君    松野 頼三君
      山本 久雄君    若松 虎雄君
      小野  孝君    中曽根康弘君
      笹山茂太郎君    鈴木茂三郎君
      三宅 正一君    武藤運十郎君
      野坂 參三君    米原  昶君
      今井  耕君    松本六太郎君
 出席國務大臣
        大 蔵 大 臣 池田 勇人君
        文 部 大 臣 高瀬荘太郎君
        逓 信 大 臣 小澤佐重喜君
 出席政府委員
        内閣官房長官  増田甲子七君
        大藏事務官
        主 計 局 長 河野 一之君
 委員外の出席者
        專  門  員 小竹 豊治君
        專  門  員 小林幾次郎君
    ―――――――――――――
三月二十九日
 昭和二十四年度一般会計暫定予算
 昭和二十四年度特別会計暫定予算
同月三十日
 昭和二十三年度一般会計予算補正(第三号)
 昭和二十三年度特別会計予算補正(特第三号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十四年度一般会計暫定予算
 昭和二十四年度特別会計暫定予算
 昭和二十三年度一般会計予算補正(第三号)
 昭和二十三年度特別会計予算補正(特第三
 号)
    ―――――――――――――
#2
○植原委員長 これより会議を開きます。
 お諮りいたしたいことがあります。前会理事一名御指名を保留いたしておきましたが、今井耕君を理事に御指名いたしたいと思いますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○植原委員長 異議なしと認めます。御異議がなければさように決定いたします。
#4
○志賀(義)委員 議事進行について。きようは二十四年度の暫定予算の審議にあたられるはずでありますが、これについて予算総則の第五條に「財政法第三十三條第一項但書の規定により」とありまして、総則に基いてこれが全体仕組まれているのであります。ところがその財政法は今日十時半から大藏委員会にかかるべきものでありまして、法律になるにはまだ本会議にかけ、参議院を通過しなければできないのであります。そうなつて來ますと、ただにこれの実行に関するのみならず、審議の基準になるべき法律がないということになります。もしも現行法によつでやられるならば、そのようにはつきりさせて、その精神において組まれるべきものであります。事は職員の俸給及び手当に関する経費で、重大な問題をこの暫定予算は含んでいると思いますから、その点について、大藏大臣から予算委員全体に、ひとつ納得の行くようにやつていただきたい。ただいまのところ、これでは審議の法律がないということになります。予算総則にこういうふうに書かれておる。ですからその点について大藏大臣が御説明のときに、今私が議事進行について申し上げたことをお含みの上、御説明願いたいと思います。それを委員長にお願いいたします。
#5
○植原委員長 今の志賀君の議事進行に対してお答えいたします。ただいまこれより上程さるべきところの予算案の審議の進行中において、志賀君の御疑念になりますようなことは、大藏大臣より説明されると思います。そういうことは法理上のこともありますし、今までの慣例もありますし、いろいろのことも御考慮願いたいと思います。いずれにしても、さような御質問があれば、大蔵大臣よりしかるべく御答弁あることと思います。
    ―――――――――――――
#6
○植原委員長 これより昭和二十四年度一般会計暫定予算及び昭和二十四年度特別会計暫定予算の両案を一括して議題に供します。提案の説明を求めます。池田大藏大臣。
#7
○池田國務大臣 昭和二十四年度一般会計及び特別会計の暫定予算につきまして御説明申し上げます。
 昭和二十四年度の年間を通ずる予算の編成につきましては、連合國軍総司令部当局とも緊密な連絡をとりつつ、すでにその大綱は策定を了したのてありますが、予算案の印刷その他の事務になお数日を必要といたしますので、本年度内に御審議を願う運びに取進めますることは、目下のところ困難と認められますので、財政法第三十條の規定によりまして、差当り昭和二十四年四月半ばころまでにかかる歳入及び歳出の計画につきまして、暫定予算を編成し、國会の御審議をお願いいたすことといたしました次第であります。
 この暫定予算は、当面國務の運営に必要な最小限度の経費、すなわち一般会計におきまして、四月上旬において支出を必要とする一般政府職員及び連合軍関係労務者に対する給與を主とし、四月一日拂いの國債利子、その他同胞引揚費、生活保護費、年金及び恩給支給に要する経費等、四月半ばまでにおいて差当り必要とする経費を計上いたしております。
 特別会計におきましても一般会計に準じ、職員給與費、その他事務事業運営に必要な最小限度の経費及び期限到来の食糧証券の借りかえ発行等に必要な経費等を計上いたしました。
 以上によつて編成いたしました暫定予算のうち、一般会計分は歳入歳出とも、おのおの四十六億九千九百九十余万円でありまして、その歳出のうち、おもなる経費は、議員歳費二千六十余万円、職員給與十六億五千五百十余万円、旅費九千八百五十余万円、一般事務費二億八千七百八十余万円、終戰処理費十億円、国債費一億二千五百六十余万円、同胞引揚費三億円、生活保護費四億六千七百九十余万円、年金及び恩給六億五千百余万円等であります。
 以上歳出の財源といたしましては、所得税のこの期間中における収入見込額を充当いたすことといたしました。
 次に特別会計の暫定予算は、造幣局特別会計ほか二十一の特別会計につき計上いたしました。その総額は、歳入三百九十四億六千四百六十余万円、歳出三百二十八億四千五百八十余万円と相なつておりまして、その内訳のおもなるものを申し上げますれば、職員給與三十六億六千百六十余万円、旅費九千六百七十余万円、事務費及び事業費二十九億三十余万円、食糧証券借換費二百五十二億円、保險金五億三千八百七十余万円等であります。
 以上をもちまして昭和二十四年度一般会計及び特別会計暫定予算の概要を御説明いたしました。
 なおこの暫定予算は、四月年度開始早々より必要とするものでありますから、何とぞ早急に御審議くださいますことをお願いいたす次第であります。
#8
○河野政府委員 志賀さんの御質問にお答え申し上げます。なるほどこの予算総則に、目下上程せられておりまする財政法の改正規定によつて云々いう條文があることは、その通りでございます。しかしながらここに書いてありますることの意味でありますが、旧と申しますか、現在の財政法におきましては、各部局の間においては流用ができるということになつております。ところが今改正しようといたしております財政法におきましては、これを移用というような言葉に直す考え方が一つあるのでございます。それから各項の間におきましての移用という問題は、なるほど新しい問題でありまするが、これはもちろん予算と法律の関係でありまして相関連したものでありまするか、政府としてはその改正財政法が一應通過するという予定のもとに実は考えておるのであります。もしその財政法が改正せられるについて多少遅延し、あるいはかわるというようなことがありまするならば、この規定は少くともそれまでは実行しない、あるいは実行できないというようなことになるのではないかと思うのであります。從來の慣例その他から見まして、予算と関連する法律が同時に提出に相なりまして、予算は通つたけれども、法律が変更を受けたために、その部分に関する限り予算が実行できなくなつたということは多々ございますし、あるいはまた法律が通つても予算がないがために、実際上実行に支障を生ずるというようなことが多々あるのでありまして、こういうような多少変態的な事態におきましては、両方相伴つて進行いたしまして、その結果によつて実体が多少かわつて來るというようなことも、ある程度やむを得ないことではないかと考える次第であります。そういうことでありますので、何とぞ御了承願いたいと存じます。
#9
○志賀(義)委員 ただいまの……。
#10
○植原委員長 質疑でありまするならば今までの慣例上……。
#11
○志賀(義)委員 質疑ではございません。議事進行についてでございます。
 ただいまの局長の御答弁では、今日の予算委員会の審議をどうするかということについて、まだはつきりしないのであります。ただ言葉の問題だけである。流用が移用にかわつただけであるが、決してそうではないように思います。そういう点て、結局この暫定予算として発表された予算書が、現行法によらずに、改正を予定されているもので組まれておりますから、審議の基準となるべき法律がはつきりしないということであります。またただいま局長の御答弁では、今までそういう例もあると言われますが、それは個々のことについてであつて、ただいま問題になるものは予算総則、この予算を編成するにあたつての総則的な事項についての問題であります。私はただここで法律上のあげ足をとるのではなく、先ほど申しましたように、ただいままた大藏大臣から御説明がありましたように、事は急を要し、職員の俸給手当に関する問題であります。何とか大藏省の方において、たれが見ても憲法違反あるいは法律なしに審議をやつたというそしりを予算委員会が受けないようなふうにしてやつていたたきたいと思いますが、ただいまの御答弁では、その点が一向はつきりしないのであります。その点について大藏大臣のお答えをお願いいたします。
#12
○河野政府委員 私からお答え申し上げます。これは御承知の通り職員の俸給手当に関するものでありますが、なるべくこういう移用とかあるいは流用とかいうようなことを、いたさないのが本旨であろうと思うのであります。従いまして私どもとしては、そのときの推定現在員を基礎といたしまして、予算を積算いたしましたので、大体こういうことは起らないと私は考えておるのであります。但しもし積算が、早急の間に編纂いたしたものでありますから、あるいは聞違いがあるかもしれない。そうした場合に、職員に俸給を出さないということになりましては、まことに相済まぬと考えまして、あるいはこの條文がなくてもよかつたのかも存じないのでありますが、幸い改正財政法が、そういう点について、ある程度弾力性ある考え方をするようになつておりまするので、もしそういう事態になりまするならば、その國会の御審議になりました改正財政法によりまして、そういう支障をできるだけ除きたいという、何と申しますか、老婆心から出たのでありまして、決して財政法のまだできてないのに、それを悪用してこういうことをやろうという考えでは毛頭ないということを申し上げておきたいと思うのであります。もちろんその財政法が通りますまでの間は、この規定が実行できないことはもとよりでございます。
#13
○志賀(義)委員 議事進行についてですが、これはひとつ委員長から予算委員会全体にお諮りくださいませんか。こういう審議に関する法律の基準がないような状態で、この予算書を提出されております。現行法によれば、甲一、甲二の二つの種類がなければならないのでありますが、それも備わつておりませんし、それから別冊甲号ということでありますか、別冊甲号は配付されましたか。予算総則の二條の最後のところなんですが、別冊甲号さえもまだ来ておりませんし、そういうわけでありますから、ひとつ予算委員全体にお諮りくださいませ。
#14
○池田國務大臣 御承知の通り、財政法によりまして暫定予算を出す規定はございますが、現行今までの財政法によりまして、暫定予算を組みますと、組織別、目的別に組まなければなりません。しこうしてただいま二十四年度の本予算は改正財政法の趣旨によりまして、組織別のみに組むことにいたしておるのであります。従いまして、今度の暫定予算を今までの通りに組織別、目的別に組みますと、非常に急施の場合に困難を生じますので、改正せんとする財政法に乗つかりまして提案したのでございます。従つてお話のように根拠のない暫定予算ではございません。あくまで財政法にのつとつてやつております。ただ形式が今度かわらんとする、その形式に乗つて行つたというだけで、財政法並びに憲法の趣旨には反していないと確信いたします。
#15
○西村(榮)委員 今志賀君から指摘された議事進行の方針については、大藏当局も委員長においても、誤解をされておるんじやないかと思うのであります。ということは、改正財政法を悪用云々ということを少しも政府としては考えておらぬということですが、この問題は、予算審議をする前提として、まだ法律案ができていないのにかかわらず、その法律案を基準として審議をすることが、将来において悪例を残すのではないか。かつまた本日の委員会において、この審議の根拠がないんじやないかということを、指摘されておるんだと私は思うのです。從つて先ほど志賀君から一應委員会全体に諮る云々ということもありましたが、問題は、私は今の政府の誤解を含む答弁については不満足であります。かつまた先ほど委員長は、政治常識の上においてこれを審議してもらいたいというお話でありましたけれども、少くとも國会の審議は、常識だけでこれを審議するということについては、將來の前例にも残りまするので、これも私は反対したいと思うのであります。ただ問題は、今大藏当局の説明を承り、また現下のこの暫定予算が持つ給與支拂い、その他の緊急やむを得ざるところの予算案の内容については、至急これを仕上げなければならぬということは、與党野党といえども同様に目的は一致するのでありますから、私はここに志賀君にも御了解を求め、かつまた委員長並びに政府当局においても反省を求めたいということは、これを前例としないということ、法律の基礎のない予算案を提出して審議をするということについては、これを前例にしないということにおいて一應説明を承り、かつまたその説明で不十分ならば質疑を行う。しかしながら改正財政法が仕上るまで、本暫定予算の仕上げを待つというふうにされれば、穏やかに済むのではないかと思うのですが、いかがでしようか。ここで皆の意見を聞いてどうのこうのということになると、これも少しかどばることでもあるし、また志賀君の主張は、私は正論だと思つておるので、この意味における大藏当局及び委員長の御意見には反対する。しかし現実にこの審議を一日も早く進めるという上においては、仕上げだけは財政法が改正されるまで待つというふうなことにして審議されたらどうかと思うのです。
#16
○植原委員長 委員長としてお答えいたします。志賀君の御意見もありましたけれども、かような問題を委員会にかけるというようなかどばつたことをしないで、御了解ができるものならばいたしたいと思うのでございます。ただいま西村君の議事進行に関する御発議によりまして、大蔵当局の説明を聞きますれば、この予算案が法律の基礎なくして出ておるわけではないのだ、新しい予算の組み方その他によつて、財政法規を改正する必要のある分だけを認めたので、財政法規の三十三條の改正と並行的にこれを審議して行く。今までの先例によつても、予算案と法律案とを並行審議したこともあるしその場合に、法律が成立しなければその予算は実行不可能に終る。法律が成立すれば、その成立した後にこれを実行するというふうに私は大藏当局の説明を聞いております。かようなことは私は決して先例になることであるとは思いませんが、政府においてこれを先例としないというお話があれば、それで西村君の言う通り審議が円満に進行できるということならば、この場合大藏当局に私は御意見をただしたいと思います。
#17
○池田國務大臣 今回暫定予算を組みまして、しかも二、三日の間に両院の御審議を願うこの事態は、先例になつては困る事態でございます。われわれはこういうことはいたしたくないと考えております。
#18
○野坂委員 議事進行について。今西村君の方からの御意見もありましたが、この問題は委員長の方で今までも並行審議した先例があるとおつしやつたけれども、私の知つておる範囲内では――もつとも私は一年半しかなりませんけれども、このような財政法の根本法のかわつたものが片方で審議されて、同時に予算委員会でも予算について審議される。こういう前例はなかつたと思います。個々の問題について、たとえば賃金ベースの法案が人事委員会で審議されている。これと並行して給與の予算案の計算をわれわれがここで討議した。こういう並行審議はあつたと思いますが、このように予算の編成についての根本方針がかわつている、このかわつたことが決定しないのに、ここでこれをもとにしてやることは、これは違法だと思う。だから今までのような前例ではなく、われわれの今後あるいは現在でもやるべからざる違法だと思います。この点について、まず第一に私の議事進行として要求したい点は、できるだけ審議を円満にやるために、大藏当局の方から新しい財政法の改正についての詳細な御説明を願いたい。これが一つ。第二には、この法案は大藏委員会の方で今審議中だそうですから、これはおそらく最近のうちに決定するでしようから、それが決定した上で、ここで十分予算を討議していただきたい。これが私は國会運営上の正しいやり方だと思います。
#19
○植原委員長 ただいまの野坂君の御発言は、この予算を審議するについては、とにかく今問題になつておるところの財政法の改正法規が根底となるものだから、これを審議するとすれば、第一に予算の全貌についてどうしてこうなつたかを説明してほしい、こういう御意見です。もう一つは、これは法規の基礎がないのだから、法規が定まるまでこれの審議を延期してもらいたい。こういう二つの御意見です。今問題になつておることは、法規の基礎がないのだから、これを審議すべきでないという志賀君の先刻以來の御意見は、これはただいまの西村君の御意見によつて、緊急を要するものである。從つてこれは前例としないで、審議を進めたがよろしいという西村君の御意見がありまして、大藏大臣はそれに対して、かようなことは將來において前例としないようにするというお話で解決したわけなんです。そこで野坂君のこの審議をするについては、予算の全貌を説明してもらいたいということと、ちよつと矛盾するのですが……。
#20
○野坂委員 新しい財政法改正の全貌をここで説明していただきたいということを言つているのです。予算の全貌じやありません。
#21
○河野政府委員 改正財政法の問題。これはいろいろな点がありますが、根本的に従来の財政法を改めるというものでは実はないのであります。第一の大きな改正は、目的別予算と組織別予算と両方ありますものを、組織別予算一本にする。これはいろいろな考え方があるのでありますが、行政官廳の責任の所在をはつきりするという意味で組織別に一本にまとめてしまう。從來目的別予算というものは、予算の参考資料としては意味があつたものと思いますが、実質の効用を発揮いたしておりません。たとえば行政部費とか、産業経済費とかあるいは國債費とかいうものが、目的別の予算として現われておるのでありますが、その中をまた砕きまして、大藏省理財局において國債費を計上する、あるいは農林省の農政局に産業経済費のうちの一部を計上するというふうに、目的別予算がおのおの中に溶け込んで行くかつこうになつておりましたので、目的別の予算というものは、実際上意味がないということから廃止いたしましたので、予算の実体がそれほどかわつておるわけではないのであります。
 それから第二点でありますが、これが今問題になりました移用の点でありますが、これは組織別の予算を徹底して参りますと、同じ大藏本省の主計局と主税局の間におきまして、一應当時の現在員で職員俸給を組み、あるいはその他の経費を組みますが、人事の関係上、あるいは俸給経理の関係上、それから権限の異動があつたという場合に、組織別をはつきりいたしておきますと、その間に非常に支障が起るわけであります。從つて主税局の予算をあるいは主計局に一部移用するということができるようにするということが本体でございます。
 第三点は、契約の計画の問題でありまして、從來予算の執行につきましては、とかくいろいろな問題点がございました。政府支拂いの遅延の問題でありますとか、あるいは予算がなくて実際上契約をやつておるというようなことが原因になりまして、國庫收支の上はもちろんのこと、一般の産業に與えた影響というものも非常に多つたと思うのであります。この点の根本を是正するためには、その契約にさかのぼつてこれを統制しなければなりません。従来はこれを契約等の計画と言つておりましたが、今回はこれを改めまして、支出負担行為と言つております。國が金を出す前提となるべき行為というものを統制して、そうしてその統制は、大藏省で一定の計画を定めてやるわけでありますが、個々の契約について支出負担行為の認証官というものを置きまして、個々の契約を認証して行く。こういう制度に改めたのであります。
 その他字句の修正その他がありますが、大体改正財政法の問題点は、以上の三点でございます。
#22
○中曽根委員 私は民主党でありますが、この暫定予算の審議は非常に緊急を要するものである。この問題は今明日にも処理しなければならぬ問題である。しかしただいま西村君あるいは志賀君から御発言になつた財政の改正という問題も、これに関係する最も基本的な部分にわたる改正でありますので、この審議を進めることとして、最初に財政法規の改正自体を議題に取上げて、まずこの審議を行われるようにお願いいたしたいと私は提議いたします。
#23
○植原委員長 お答えいたします。これは予算案の審議でありまして、財政法規の審議は大藏委員会でいたしております。
#24
○中曽根委員 もちろん大藏委員会でやつておりますけれども、たとえば款項を流用するとか、あるいは目的別を組織別に改めるということは非常に重要な問題だろうと思う。單にこれは大藏委員会のみにまかすべきでなく、われわれとしても相当研究を要する問題であろろと思う。そういう意味で私は言つておるのであります。
#25
○植原委員長 中曽根君にお答えいたますが、政治はたいがい一つの事項と一つの事項と緊密な関係を持つておるもので、それが各部門にわかれて特別な審議をいたしております。今の財政法規は大蔵委員会で審議しておるので、大蔵委員会で審議しておる財政法規を、予算委員会において予算案審議の前提として第一に審議することは、不可能だと思います。
#26
○松本(六)委員 ただいま問題になつております点は、議論は明瞭でありますが、これは私の考えといたしましても、やはり原則のあいまいな――あいまいというよりは、むしろ原則ができておらない。いわゆる本日御提案になつております総則がまだ未完成である。できておらない仮定の上に立つて審議するということは、これはどうしてもうまくないと思います。そこでこの予算にすみやかに協賛を與えなければならぬという点は、われわれもこれを痛感いたしております。できるだけ議事を進行せしめたいと考えるのでありまするけれども、進行することのできない状態になつておりまするから、何とかこれを進行せしめるような努力を拂われたらばどうか。そのことは要するに、ただいま大藏委員会で御審議中だと思うのでありますが、財政法の改正の問題を今日中にもすみやかに通していただくような努力をしていただきたい。それができまするならば、ただちに明日本委員会をお開きになつて、適法な審議をすみやかにお進めになるような手段をおとりになることが最善の方法であろう。かように考えるのでありますが、この財政法改正のお見通しが、今日中にはめんどうだという御見解であるかどうか。その方面にひとつ努力せられるということが、私は最も適切である、かように考えるのであります。しかも先ほどから大藏当局の御説明等もありましたけれども、これはどうしても私は承服できない。前例とかいうようなお話がありましたが、野坂君も御指摘になりましたように、その前例というものは、まつたくこれは本質的に違うのでありますから、ここに明らかに総則として審議するところの原則を初めにお示しになつておいて、それができておらないという今の段階では、これは審議を進めることは少々むりだと思います。
#27
○池田國務大臣 財政法改正案の審議は、今日から始められまして、われわれとしてはすみやかに両院を通過することを希望し、また努力いたします。ただ問題の根本は、財政法自体は現存いたしております。ただ組み方をかえる。予算書を提出いたします組み方をかえる問題でございますので、何も財政法が通過したあとでないと審議ができないというお考えでは困るのでありまして、一應これによつて審議をお願いいたしたいと考えております。
#28
○三宅(正)委員 今の財政法でやつたらどうでしようか。組み方は少しかえておりますけれども、四月十五日までの費用で人件費が大部分ですから、そういうものを新しい財政法でやらなくても――通ることを予定されて、ここえ出されたのでありますが、法律上の疑義とか、根本法なしにやることは、明らかに志賀君、野坂君の言われる通り悪いことですから、旧法でやられたらどうでしようか。それはちつともさしつかえないじやないですか。
#29
○池田國務大臣 先ほど申し上げましたように、二十四年度の本予算は改正法で組んであります。しこうして暫定予算はこれに吸收することになるのでございますが、組み方が違いますと困難でございますので、一應財政法が通ることを前提にいたしまして、本予算と同様に組んだ次第でございます。これを現在の財政法の組織別、目的別にしますと、非常に手数を要しますので、かててこういうことを考えまして、こういうふうな方法で出した次第であります。
#30
○志賀(義)委員 ただいま大藏大臣の答弁は奇怪でありまして、手続の問題と違法の問題とを混同されるという点は、これはどうしても受取れません。第一さつきから言われるのに、これはたいへんまずかつたということ、何とか押し隠して、別に大したことではないように印象づけられようとする態度を改められて、この問題にあたつてもらいたい。何やら逃げることばかり考えている。違法と手続とは違いますよ。根本的な問題ですから、その点をもう少しはつきり大藏大臣、局長やつてください。あまりごまかすようなことは言われない方がいいですよ。
#31
○河野政府委員 移用の問題は先ほど申し上げたことで御了承願えるかと思いますが、問題は組織別予算と目的別予算のことになるかと思います。目的予算と申しますものは皇室費とか、國会の費用とか、国債費とか、そういう部別になつておりまして、それが甲一号になつておりますが、実体は従来も組織別予算に実はあつたわけであります。農林省なら農林省において各部局別に部款項の金額をおのおの書きまして、それが予算の実体になつておつたわけです。その中を各局別に目的でもつて統一してつくると、部款項といういわゆるフアンクシヨンで出た予算が出るというわけで、実際問題として組織別の中に部款項が溶け込んで行つておる、これが從來の予算であります。それですから從來の組織別の中からこれをとり出して来て部款項をつくれば、それで甲一号という從來のものができるわけですが、明年度の予算は組織別に一本にいたしますので、暫定予算は本予算に吸收される関係上、それを吸収する道がないという技術的な問題から、そういうふうな取扱いをせざるを得なかつたのでありまして、決して他意あつてこういうことにいたしたのではないのであります。のみならず技術的に早急に予算を編成いたそうとしても、現在の状況からいたしますと、手間を食います関係上、また今言つた吸收の関係も考えまして、こういう体裁で出した次第であります。何とぞ御了承を願いたいと思います。
#32
○植原委員長 かなり重要なことでありますから、もう少し御懇談を願つて御理解を願えるようにしたいと思いますから、暫時休憩いたします。
    午前十一時四十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時五十五分開議
#33
○植原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 この際、本日本委員会に付託になりました昭和二十三年度一般会計予算補正(第三号)及び昭和二十三年度特別会計予算補正(特第三号)の両案を合せて議題にいたします。提案の説明を求めます。池田大藏大臣。
#34
○池田國務大臣 今回提出いたしました昭和二十二年度一般会計予算補正(第三号)について御説明申し上げます。
 この補正予算は船舶運営会の従業員の給與政善に関するものでありまして、さきに第四國会において成立いたしました昭和二十三年度一般会計予算補正(第二号)において、船舶運営会補助費の追加額のうち、從業員の給與改善に充てられる金額は、五億円を超えてはならないと規定せられておりますが、船舶運営会従業員の労務の特殊性並びに他産業の労務者との権衡を考えまして、今回これら従業員待遇改善を行うこととなりましたので、右の限度を拡張する必要が生じ、ここにその限度を七億五千万円と改訂するため、既定予算の修正をお願いいたす次第であります。
 次に今回提出いたしました昭和二十三年度特別会計予算補正(特第三号)について御説明申し上げます。
 今回の補正予算は、法令の規定等により、当然支出を必要といたします最小限度の経費にとどめることといたしまして、大藏省預金部外五つの特別会計について、所要の補正措置を講ずることといたしました次第であります。
 その補正の概要を申し上げますれば、大藏省預金部特別会計におきまして、郵便貯金の増加による支拂利子の増加所要額、金資金特別会計におきまして、資金の運用上生じました損失金の整理、国債整理基金、薪炭需給調節、開拓資金融通、漁船再保険の各特別会計におきまして、公債利率の改訂に伴う支出増加額その他借入金の借換措置等、必要やむを得ない経費の増加を計上いたしました次第であります。
 何とぞ早急に御審議をお願いいたします。
#35
○植原委員長 ただいま池田大藏大臣の御説明を願いました、補正第三号、補正特第三号の二案の審議は明日いたすことといたします。
    ―――――――――――――
#36
○植原委員長 これより昭和二十四年度一般会計暫定予算、昭和二十四年度特別会計暫定予算の審議に入ろうと思いますが、その前に理事の諸君を煩わしまして、今朝来問題になりましたことをお話合いを願いまして、なるべく予算の審議を円滑にいたしたいと思いますので、どうかこの問題について理事の方にもう一應御考慮をお願いいたします。このままにおいて、どうか理事の方の御相談を願います。
    〔速記中止〕
#37
○植原委員長 ただいまお聞きの通り、なるべく全委員諸君の御了解を得て円満に審議を進行せしめたいと考えまして、理事の諸君を煩わして御協議を願いました。遺憾ながら不調に終つたのでありますが、その結果共産党の方よりここに決議が提出されました。これを朗読いたします。
  政府提出の二十四年度暫定予算は、改正されんとする財政法を基準として編成されたものである。しかるに該法改正は現在両院を通過していないと、たとえ通過しても四月一日より執行されるものであつて、これを予算編成の基準とすることは不可能である。予算委員会がかかる暫定予算を受理し審議することは、財政法並びに憲法違反である。
 かような決議案であります。ただちにお諮りいたします。この決議案に賛成の方は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#38
○植原委員長 起立少数。よつて本決議案は否決されました。これより暫定予算の審議に入ります。
#39
○中曽根委員 議事進行に関して……。暫定予算の審議に入る前に、今大藏委員会で審議されております財政法の一部を改正する法律案に対して、少しばかりお尋ねいたしたいと思います。この問題は予算の根本的なものに触れる問題でありまして、この疑義を解明しないと、どうもこの暫定予算がのみ込めないところがあるので質問する次第であります。
 けさほど河野政府委員から、財政法改正に関する政府側の御意図が説明されたのでありますが、まだそれが徹底しない向きがありまして、先ほど私らも大藏委員と種々打合せたのでありますが、いろいろ議論がありまして、たとえばその中の項や各部局の費用を移用するということは、民自党あたりで公約がどうも履行できそうもないので、費用を移用して、その移用で多小金がまわるのではないかというような意図もあるのではないかという邪推も出ておりますので、その点もう少し政府の解釈の趣旨をこまかく説明していただきたいと思います。
#40
○河野政府委員 移用という制度を設けましたゆえんでございますが、從来の予算で申しますると、目的別と組織別と、それからそのほかに対象別、すなわちどういうものに支出されるか、この三つの予算のわけ方があると思うのであります。目的別といいますか、機能別でありますが、食糧増産に使われるとか、社会施設に使うというのは機能別になります。それからどういう省のどういう局に幾ら幾ら使われるか、これが予算としての盛り方の一つであります。それからもう一つは対象別、俸給に幾ら使われる、あるいは事務費に幾ら使われる、旅費に幾ら使われる、こういうのが予算のわけ方であります。大体予算の区分の仕方としてはその三つあるのでありますが、從來の予算で申しますと、まず部及び款はその目的を表わしておりまして、社会及び労働施設費であるとか国債費であるとか、裁判所費とか、そういうふうにわけておつたのでありますが、そのほかその部款項の名前を持つて來まして、おのおのの局の予算を有します農林省の農政局において、あるいは食糧管理局において、人件費の部、人件費の款、それから農林本省の農林食糧増産施設費の項というようなところから幾ら幾ら出て來るのだ、こういうふうなわけ方をしておりまして、その項の下にいわゆる対象、俸給で幾ら出る、職員の手当で幾ら出る、いうようなわけ方をしておつたわけであります。結局予算の審議はその三つの対象から得られるのが相当であると思うのでありますが、從來の目的別の予算でありますると、その部局の中に入りまする部款項の金額を集計して参りますると、これがそのまま出て來るわけであります。從つてこれは一つの予算の参考資料というような意味合いになる点もあるのでありますが、これらの予算の執行は、予算を執行する部局の責任においてやることがどうしても必要ではないか。予算の審議の上から申しますと、その三つの点がどうしても問題になります。國民その他の点から言いますと、どういう目的に使われるかということが一つの問題でありまするが、一方これを執行する官廳側の責任において、どういう目的のためにどれだけの経費を使うか、こういう責任を與えることが必要であると思うのであります。従いましてその場合に農政局なりあるいは食糧管理局なりにそれぞれの経費を、役人の俸給に幾ら、あるいは旅費は幾ら、こういうふうにわけておりますと、実際の経理上において、あるいは俸給の高い人が来るとこの線で非常に旅費がいるといつた場合に、非常にお互いに融通がきかないことが起つて来るわけであります。それから机一つ買うにしましても、紙一枚を買うにしましても、おのおのの局で分担して経費を支出しなければならない非常に不経済なことになるということもございます。従いましてそういつた目的に反しない限りにおいては、農政局の経費を食糧管理局に移して使う、あるいは俸給をこちらの経費が足りなくなつたから移して使うということは、そういう程度の、從來で申しますならば、流用の観念に近いものでありますが、そういつた項の金額をこちらからこちらの局に移す。こういうことを移用と言つておるわけであります。從いまして予算の目的に背反するような移用というものは考えられないのでありまして、同じ部であり、同じ款の中の金額を、項があるいは一つあることもありますし、二つあることもあります、それを移して使う。あるいはこの局からこの局に同じ部款の中の経費を移す。こういうふうに考えておるのでありまして、予算を審議していただいております基礎を全然くずしてしまう、そういつた移用とか、あるいは流用とかいうことは全然考えておらないのであります。先ほど申しまたように、あるいは足りなかつた点があるかと思いますが、大体そういうような考え方で移用という制度を活用したいと考えております。
#41
○植原委員長 財政法に対する質疑はこの程度におとどめ願います。それは本予算を御審議願うときに一層明瞭になると思いますから……。
#42
○中曽根委員 本予算の審議に入る前提として申し上げておきたい点は、ただいま人件費と物件費の流用ができるかどうかという重大な点があるので……。
#43
○植原委員長 財政法の質問はその程度にしていただきたいと思います。
 これより本案に対して質疑を許します。鈴木明良君。
#44
○鈴木(明)委員 私は一言お尋ね申し上げたいことがあります。私どもは一つは今度の暫定予算を一箇月分を組まずに半月分組んだということ、もう一つは船舶運営会の従業員に限つて待遇改善のために金を増すのだ、こういうことは将來においていろいろ悪影響を及ぼすと思いますので、なぜこういう処置を船舶運営会の従業員に限つてやつたか、という二つをお尋ねいたします。
#45
○池田國務大臣 お答え申し上げます。暫定予算を組みますことは望ましいことではございません。なるべく早く一般予算を提出いたすべく努力いたしたのでありますが、期間が切迫いたしました関係上、やむなく暫定予算を組んだ次第であります。なお一箇月間組んだらどうかというお話でございますが、なるべく早く本予算を提出いたしまして、四月十五日ころまでに審議をお願いいたしたいという気持で、十五日間を組みました。
 なお二十三年度の補正予算についての御質問でございまするが、便宜上ただいまお答えいたします。先般第四國会におきまして、船舶運営会従業員の業務の状況、特殊性にかんがみまして五億円を支出することに御決定を願つたのであります。その後運営会関係の従業員の業務の状況等を勘案いたしまして、なお二億五千万円増加することが適当であると考えまして、補正をお願いした次第であります。
#46
○植原委員長 鈴木君、御質問終りましたか。
#47
○鈴木(明)委員 終りました。
#48
○植原委員長 松本六太郎君。
#49
○松本(六)委員 ただいま御質問がありましたことに関連いたしますが、私もこの暫定予算をお出しになるのならば、少くとも一箇月分の暫定予算をお出しになることが妥当ではないか、かように考えます。一体政府は本予算を何日にお出しになつて、そうしてその本予算の議決を何日でやろうというお考えの上に立つておられるかどうか、この点はわれわれこの重大なる予算を審議いたしまするのに、非常に重大な関係を持つことになります。仄聞するところによれば、四月四、五日ごろにならなければ、本予算は提案しないという。しかるにこの暫定予算は十五日までの予算でありまするから、それ以後にわたる場合においては、もし本予算が十五日までに議決されない場合においては、さらに再び暫定予算をお出しになるお考えでかような提案をせられたものであるか。私は今日の日本財政というものは、いろいろな点で非常な重大な関頭に立つておると存じます。かるがゆえにわれわれはこれを審議いたすにあたりまして、わずかの日数をもつて本予算を議了するということは、非常な困難が伴うことと思います。少くとも本予算の審議には二十日間くらいの日数がなければ、この審議を盡すことは不可能であろうと考えられる。しかるにただいま提案せられておりまする予算は、今申しますごとく十五日までと相なつておる。その点にはなはだ了解に苦しむものがある。政府は十五日までに本予算の議決が終らないというような場合、再び暫定予算をお出しになる御意図のもとに、かような御提案になつたのであるかどうか。あるいはさらに十五日までに本予算の議決を強行しようという意図のもとにかような御提案をなさつたのであるかどうか、この点について当局の御意見を承りたいと存じます。
#50
○池田國務大臣 お答え申し上げます。二十四年度予算は大体四月四日には出せると考えております。ただいま計数を整理いたしまして、極力準備をいたしております。なお暫定予算を四月の十五日まで半月分見込んだことにつきましては、なるべく早く一般予算を御審議願いたい。それまでには審議をお願いできるだろう、こう思いまして、出したのでございます。それが審議未了の場合につきましては、ただいまのところお答え申し上げることはできません。
#51
○松本(六)委員 ただいまの御答弁で、ある程度わかりましたけれども、審議未了の場合にはどうするかという御答弁はなかつたのであります。先ほど申しましたように、それまでになるべく早く本予算の成立を期待しておられるというその点は、一應わかるのでありますけれども、私どもの見解をもつてすれば、それは不可能に属する問題であると考えまするので、その場合に再び暫定予算を出してもよいというお考えであるかどうか、いま一度その点をお伺いいたしたい。
#52
○池田國務大臣 まだ四月十五日以後の暫定予算を出すということはただいまのところ考えておりません。
#53
○志賀(義)委員 私は議院運営委員会にも出席しておりますので、先日來たびたび増田官房長官が出席されて伺つたところでは、少くとも二週間は予算について審議を願えるものだ、そういうことがたびたび発表されたのでありますが、ただいま松本委員に対する大蔵大臣の御答弁によりますと、その点大分食い違いが出て來るように思います。その点は同じ政府の閣僚として、一体どうしてこういう食い違いが起るか、この点御説明願いたいのが第一点であります。
#54
○池田國務大臣 増田官房長官のお言葉は私は存じ上げておりません。原則として二週間ぐらい審議期間を持ちたいということはお考えになつておると思います。私もその点は想像ができますが、暫定予算につきましては、一應四月十五日までということにいたしております。
#55
○志賀(義)委員 暫定予算のことについて先ほど私ども決議案を出したのでありますが、内容についてもちよつと伺いたいのですが、百五十二ページ、厚生省の保険衛生費の款項目を見るに、旅費は一銭も計上してないのであります。こうした例は枚挙にいとまないほどありますが、百二十三ページ、東京大学附属病院についても旅費は一銭も計上されておりません。もし四月一日から四月十五日までに傳染病が発生した場合には、一体どうするか、旅費がないといつてほつたらかしておくか。しかるに他方五十三ページをごらんになればわかりますが、國家地方警察本部にあつては、いずれも旅費まで計上しております。あまつさえ警察学校、これは五十六ページにありますが、そこでもやはり旅費まで計上してある。こういうわけで同じ國家機関でも、ぜひとも必要な方面の経費というものについては、これをすこぶる軽視し、今日國民の、一方から見れば怨嗟の的になつているような方面、抑圧する方面には非常に周到な配慮をしておる。こういうことになる。一体どういう方針でこういうことをやられたのか。
#56
○河野政府委員 このたびの暫定予算は、給與を中心にして考えておりまして、旅費のようなものは、ほんの限られたところしか計上しないというのが本則になつております。從いまして、大学におきましては、その間において、まずしばらくの間は旅費は概算で行くこともございますが、まずそういうような必要はなかろう。できるだけそういうことがないようにしてもらいたい。予算の範囲内でやつて行くという建前であります。警察その他税務署あたりには旅費を入れたところもございますが、年度早々から出て行くのが仕事の半分くらいになる仕事であるというようなところにだけ計上してあるわけであります。
#57
○三宅(正)委員 私はこの暫定予算と総予算との関係におきまして、一應大局的な見通しを承りたいのであります。その中におきまして、第一は地方財政の関係であります。地方財政の関係におきまして、地方配付税法の法定率による地方配付税は、八百五十億と大体地方財政委員会では予定しておるようでありますが、地方配付税法第二條を改正される意思があるのかないのか、そうして大体どれくらいまわされる予定になつておるかという、地方財政の面についてお伺いいたしたいと思います。
 なお地方財政の方へ、いわゆる救済特別会計の方から何らかの費目においてまわる予定があるのかどうか、その点につきましても、産業資金、公債支拂資金その他の関係について、総予算と地方財政と、それから救済特別会計――どういう名前にされるかしりませんが、それの配分関係等につきまして、大体大綱について御説明を願いたいと思います。
#58
○池田國務大臣 御質問の第一点の地方配付税でございまするが、ただいま歳入歳出の総予算を審議いたしておりますので、どれだけ地方配付税が出るかはつきりいたしません。私は審議中に推察いたしまするに、あの第二條の規定はかわつて来るものと予想いたしております。
 第二の点は例の救済物資のフアンドから地方債の方に出るかというお話でございまするが、この点につきましてもただいまきまつておりません。
#59
○三宅(正)委員 本日午前中の大藏大臣の説明によりましても、年間を通ずる予算の編成については、すでにその大綱は策定を了したということでありますので、官僚的な立場でなく、全体の審議の上におきまして、必要があればもう少しくわしく、ラウンド・ナンバーでけつこうですからして、大まかなところを御説明願いたいと思います。
#60
○池田國務大臣 大体の大綱は了しましたが、今配付税がどの金額になるかということを、ここで申し上げる時期に達しておりません。ラウンド・ナンバーから申しますと、大体六百億円以下ではないかと思つております。
#61
○中曽根委員 予算の運用方法についてお尋ねしたい。二百六ページに商工省所管というのがございますが、この中で部款項目とあつて、行政部費、商工省、商工本省、こういうのがございます。それから飛びまして、特許局に同じようなのがあつて、行政部費、商工省、特許局、それは項になつているようであります。そこで具体的に承りたいのですが、財政法三十三條の改正法案の中に、「但し、予算の執行上の必要に基き、あらかじめ予算をもつて國会の議決を経た場合に限り、大蔵大臣の承認を経て移用することができる。」そのあとに目、節の流用について規定がありますが、あらかじめ予算をもつて國会が議決するというのは、具体的にどういう形でやるのか、包括的にやるのか、あるいは款項目節を詳細に規定して議決するのであるか、その点をまず伺いたい。
#62
○河野政府委員 この点いろいろ考えておるのでありまするが、御趣旨のような点は予算総則に書くことになると思つております。同一の部、款の間、項の間、部局の間でないと流用ができないことになるのではないかと思つております。目下その点について、予算の編成に際し研究の段階であります。
#63
○中曽根委員 研究中だというので答えがないのですが、しかしわれわれが暫定予算をこういう形において審議する上においては、大藏省としてそういうことは当然きめて、國会に対して意思表示をしなければならぬと思うのに、はなはだ遺憾に存じます。
 次にもう少しこまかいことを承りたい。この日あるいは節の中には職員俸給であるとか、あるいは手当、旅費、消耗品費、部分費、人件費、物件費がいろいろ入つておりますが、人件費と物件費の移用も同じように國会が議決した場合には認めるのであるか。たとえば官廳で年度末になると物件費が余つている。それをやみ昇給のような形で人件費に移用するということが非常に警戒されている。こういうおそれもあるので、この点を詳細に説明願いたい。
#64
○河野政府委員 人件費と物件費との間の流用は原則的に認めない方針でおります。現在の財政法においては大藏大臣の承認にかかつているわけでありますが、原則的にはいたしません。しかし事情によりまして、人件費が不足し、さりとて追加予算を出すまでもないと思われる場合には、物件費からある程度大藏大臣の厳重な監督のもとに、金額をきめて流用するという制度に現在でもなつているわけであります。原則的にはそういうことをやらないつもりでございます。
#65
○中曽根委員 原則的にやらないという御方針はわかるのでありますが、しかし先ほど御質問しました、予算をもつて國会が議決するというのは、一体どういう具体的な形になるのかということがわからないと、われわれは軽々にこの予算を通すことができないと思います。しからばどういう場合に人件費と物件費の移用を認めるか、そういう基準をもう少し明確に示してもらいたいと思います。
#66
○河野政府委員 たとえて申しますと、大藏省管理局の経費の予算でありますが、その中には行政部費という部がございます。それから款としまして大藏省、項といたしまして大藏本省というのがあるのであります。そのほかに終戰処理費関係でいろいろな部、款、項がございます。同様なものが大藏省の銀行局なら銀行局にも大藏本省という同じ部、款、項名で経費があるわけでございます。そこで銀行局の経費が不足しました場合においては、管理局の方の同様な款項から持つて行つて使うことができるようにいたしたい。それから同じ局の中に同じような部の下において三つの項があつたといたします。たとえば、社会及び教育文化費というようなものにつきましては、同じ局に二つの項がある、それが同じ款の中にあるといつたような場合においては款で一般的な目的をうたつているわけでありますが、その款における項と項との流用というようなことは、予算の弾力性ある使用と申しますか、そういつた点からいつて、考えてもいいのじやないか。大体そういう考えで総則を書きたいと思つている次第てあります。
#67
○中曽根委員 各省の内部における経費の能率的な運用のために、他の局で余つている金を移用するということは考えられる方法であると思います。しかし問題は、国民の税金を利用するのですから、われわれとしては責任を持つてこれを監督しなければならぬ立場にあるのであります。政府が独断あるいは軽々にこれを移用することは、厳重に見守る責任があると思います。そういう観点から、その必要は認めるけれども、國会として手放しにこれを許すということはいかぬと思う、そこでここにあります、「あらかじめ予算をもつて國会の議決を経た」という要綱が示されないとわれわれとしては一体これを審議してよいのかどうかわからぬということもあるのであります。大体政府は、すでに計数くらいはきまつて印刷にかかるという話ですが、もしかかるのであるならば、どうせそういう総則はできているはずだと思う。それがまだ発表できないというのは、こういう話であるか。もう少しこの点に関する進行状況を説明していたたきたいと思います。
#68
○河野政府委員 大体ただいま私か申し上げたような方向で考えていると申し上げるほかはないのでありますが、具体的の文章でどういうように書くか、文章の書き方の問題についてはまだ練つておりませんので、申し上げる段階にないのでございます。しかし考え方だけは申し上げた通りであります。
#69
○中曽根委員 最後に二つ伺いますが、暫定予算についても移用という財政法の條項が適用されるのかどうか。それから予算をもつて國会の議決を経るという場合には、これこれの、たとえば商工省の何局と同局、あるいは農林省のどういう項とどういう項の移用を認める、但しその場合は物件費と物件費はよろしいが、物件費と人件費は認めない、そういう詳細まで規定して予算の総則が書かれるのか、その二点についてお伺いいたします。
#70
○河野政府委員 暫定予算も場合により移用いたしたいと思うのですが、先ほどから御議論のあつたような問題で、改正財政法が通過いたさないうちは、そういうことはいたさないつもりでございます。こういつたような問題があるのですが、たとえば現在の部款項で行きますと、司法及び警察費というのが部になつております。それからと檢察廳いうのが款になつております。その下の項に最高検察廳、高等検察廳、地方檢察廳、区檢察廳というおのおのの部局にわかれております。この間におきまして移用の問題が起るかもしれぬと存じます。しかしそのほかに司法保護官署なんかがやはり法務廳所管の経費にあるのでありまするが、それはまた矯正保護費というような別の款になつておりますので、それから持つて来るようなことはいたさない。檢察廳自体として一應おのおのの官廳ごとの区分になつておるけれども、同じ款である中の項の間であるならば、そういつた問題を考えてもいいのじやないか。全般的の目的としては、從來の行き方で行きまするならば、檢察廳一本の予算でありまするから、それをさらに檢察廳ごとに砕いておりますから、そういうふうにしてもいいのではないかというふうに考えております。
#71
○中曽根委員 何省の何局というふうに具体的にお示し願いたい。
#72
○河野政府委員 そうでなくて、同一部の同一款に属する項の間というような書き方になるかと思うのであります。これを全部拾いますと、なかなか厖大なものになりますので、そういうような書き方になろうかと思います。しかしその中でも、包括的に御承認をいただくのでありまするが、いろいろ事態によりまして、そういうことをいたすべき筋合いのものでないものも相当あると思いますので、それにつきましては、あるいは事態に應じて、閣議の了解なり何等かの形でおきめを願うようになるかもしれませんが、文章といたしましては、そういうような包括的なことで書きたいと思うのであります。
#73
○中曽根委員 人件費と物件費との関係は……。
#74
○河野政府委員 人件費と物件費の問題につきましては、これは現在財政法上一應認められる建前になつておりますので――認められるといつても、大藏大臣の承認にかかつておるのでありまして、その運用でもつてやつて行きたい。しかし今までの取扱いとしましては、原則的にそういうことを認めない方針で来ております。やむを得ざる場合にだけ考える、こういうことでございます。
#75
○上林山委員 昭和二十四年度暫定予算は、緊急やむを得ずして十五日分の予算を組んでやるわけでありますが、その目的は四月一日のあらゆる支拂い、なかんずく給與の支拂いを間に合わせなければならぬという、まことに急がなければならない予算であると考えるのであります。でありますから、質疑を打切つて採決を願いたいと思います。動議を提出いたします。
    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#76
○植原委員長 上林山君の動議に賛成者があります。採決いたします。
 上林山君の動議に賛成の方の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#77
○植原委員長 起立多数。よつて昭和二十四年度一般会計暫定予算、昭和二十四年度特別会計暫定予算について採決いたします。この両案に対して御賛成の方は御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#78
○植原委員長 起立多数。両案は可決確定いたしました。
 なお昭和二十三年度一般会計予算補正第三号、特第三号は明日審議を進めたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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