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1947/10/29 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第38号
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1947/10/29 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第38号

#1
第001回国会 議院運営委員会 第38号
昭和二十二年十月二十九日(水曜日)
    午後一時二分開議
 出席委員
   委員長 淺沼稻次郎君
   理事 坪川 信三君
      安平 鹿一君    笹口  晃君
      赤松  勇君    森 三樹二君
      吉川 兼光君    小島 徹三君
      小澤佐重喜君    廣川 弘禪君
      石田 一松君    中野 四郎君
      林  百郎君
 委員外の出席者
          議長    松岡 駒吉君
         副議長    田中 萬逸君
          議員    石田 博英君
          議員    相馬 助治君
        事務總長    大池  眞君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 十月二十八日の本會議に於ける叶凸君の不規則な發言に對する取扱いに關する件
    ―――――――――――――
#2
○淺沼委員長 それではこれより會議を開きます。
 昨日交渉會で、本會議で起きた事態を、交渉會の結果本日運營委員會で協議することになつたのであります。それを議題として協議することにいたします、最初に議長からいろいろ經過についてお話し願いたいと思います。
#3
○松岡議長 昨日の議場で、叶君の不規則な發言から、遂に議事を遷延するようなことになりましたことは、まことに遺憾千萬であります。なお昨日の交渉會におきましても、叶君に對する處置に對し、各黨の御意見を披瀝されたのでありますが、遂に一致するところまでまいりませんで、本日に及んで實は皆さんのお話を願うことになつたわけであります。すでに皆さんの御承知のことで、あらためて説明の要はないかもしれませんが、正式の委員會のことでもありますし、一應經過をお話申し上げまして御協議をお願いしたいと存じます。
 昨日の岸本君の御發言中に、臨時農業生産調整法案は、農民に異議の申出でを認めてあるからこれで民主的だといつても、元締が農林大臣であるから農民は納得できないという意味の言葉があつたのであります。その際中央のあたりから━━━という言葉が出まして、私はそのやじを聽きましたが、紛爭が起つて、それが叶君であつたということは、石田君からの申出があつた直後に私もその事實を知つたわけであります。やじはもとよりよくないことには相違ないが、どうも全然禁ずるというわけにもいかないので、そういうことのないように皆さんにお願いしているわけですが、やじのあることはやむを得ないといたしましても、━━━という言葉自體を聽いただけで、私は不穩當な言葉であると感じたことであつて、議長は叶君に對して、岩本君の發言が終らないうちに、まさか正式に發言している人を待たしておいて言うわけにもいかないので、濟んでから警告を發したようなわけであります。しかるに石田君から議事進行の發言がありましたので、議長の考えを申し上げましたところが、自由黨の諸君の退席のために、議場の安定數を缺きまして、休憩をし、また交渉會を開いていただいたようなわけであります。
 交渉會においては、叶君の不用意、かつ輕卒な發言に對しては陳謝をしたいとの社會黨側からの申出もあり、民主黨、國民協同黨は大體御同意になつたのでありますが、自由黨と農民黨は懲罰に付すべしとの御議論がありまして、第一議員倶樂部は態度未決定であるというお話で、共産黨は議事進行について發言をし、總理に意見を質した上で態度を決定したいというお話であつたのであります。しかしてこれに對して職權をもつて懲罰に付する意思ありや否やというような御質問もあつたのでありますが、議長としましては、ただいまの段階において陳謝をさせるのが、最も妥當のように考えたものでありますから、そこまでは考えていない旨をお答え申し上げておいた次第であります。本日の運營委員會に諮つて皆さんの御意見を承りたいと存じまして、昨日はああいう調子で散會したようなわけであります。なお議長としましては、かような言動が、いくらやじとはいつても、まことに遺憾千萬でありますから、叶君から十分誠意を盡した陳謝を本議場でいたさせまして、これに對して議長は、將來は、たとえやじであろうとも、再びこのような言辭がありました場合は、職權をもつて懲罰に付する用意があるということを本會議で言明いたしまして、今囘のことは圓滿に解決していただきたい。自由黨の諸君、その他御不萬をお感じになる方もおありだろうと思いますが、今囘に限つて、この程度で御了承を願えれば、まことに仕合せだと存ずる次第であります。この點については、事柄が事柄でありますから、關係方面にも十分連絡とつて、愼重に私としては考慮した次第なのであります。
#4
○淺沼委員長 ちよつとお諮りいたしますが、ただいまの議長の御意見に對しまして、委員外でありますが石田君から發言したいということでございます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○淺沼委員長 それでは許可いたします。
#6
○石田博英君 議長の御發言中、昨日も交渉會において同樣な御説明でありましたが、事實と相違している旨を議長に對して申し述べておきます。お聽きの方はどなたからもこれに對しては異議がなかつたようでございますが、速記に記載されることでございますから、その事實を明らかに申し述べておきたいと思います。議長は、中央議席から━━━という聲が聞えたということがありましたが、これは速記にも明らかに載つております通り、叶君の發言は━━━━━━━という、━━━という言葉がはいつておりました。これはきわめて重要な言葉でありますので、ここで訂正しておきたいと思います。それから、この發言に對して議長は、不穩當と思つたけれども、岩本君の發言中であつたので注意をしなかつた、こういうお話でありましたが、私は叶君が發言をせられまして直後に、きわめて不穩當と思いましたので、議場内交渉係として議長席までまいりまして、事務總長もそばにおいでのときに、叶君の發言は不穩當であるから適當な處置をとられたい旨申し出ました。ところがその際議長は、議員のやじに對して一々處置はいたしませんと、色をなして拒否せられたのであります。その點、議長が注意せられる意思があつたというただいまの御説明が、事實と相反しておりますので、その點を訂正いたしておきたいと存ずるのであります。
#7
○淺沼委員長 御意見ありませんか。
#8
○中野(四)委員 ちよつと伺つておきたいのは、進行係の性格ですが、叶君は議場の議事進行係という重要な役割を擔當しておられる。進行係の性格は、申すに及ばぬことではあるけれども、少くとも議場の圓滿なる運行を計ろうというのがその目的であろうと思われるのに、一體端的なるやじにしても、しかもこういう重要な失言をするような場面を起すこと自體から考えても、前例のないことだと思うのです。今まで進行係がやじと進行係と兩天秤わけて使つておつたというのは、あまり例がない、これは一體社會黨から選出されておる進行係だから、社會黨側からこの進行係としての叶君のとられた態度に對して、少し御説明を願つて、御釋明を願いたいと思うのですが、その言葉の問題は後ほど皆さんから出るだろうと思うが、私はまず第一に、こういう進行係を選んだ社會黨にその責任を問いたいと思う。
#9
○安平委員 中野委員から社會黨の責任を問われる意味の質問があつたようですが、むろん今囘の叶君の不用意にとつた態度については、十分幹部會でも問題になりまして、進行係については善處する。だが、ただ叶君がたまたまこういう發言をしたが、しかし議事進行係として計畫的にこうしようという意思ではなかつたということだけは御了承願いたい。ただ問題として、社會黨は議事進行係については善處する意向でおります。
#10
○中野(四)委員 安平君の御説明を決してあげ足をとるわけではありませんが、しようと思つて計畫的にやつたのでなくて、不本意のうちにひよいと出たというのは、彼の思想の中にこういう考え方が濳在しているものだと思う。一體端的なる叶君の問題として取扱つてよろしいか、社會黨全般の中に、こういう一つの考え方があるかということを伺いたい。近來ややもすれば、戰爭中もそうですが、軍だとか、某方面の意向というような言葉によつていろいろ威嚇的な態度をとつておつた。近來御承知の通り關係方面とか、某方面とかいう言葉によつていろいろな操作が行われておる、いわゆる官僚のフアツシヨ的な擡頭を見る。現に政黨の中でも、多數の力をもつてフアツシヨ的な傾向なきにしもあらずという憂いをもつている。このときにあたつて不用意の間にそういうような言葉が出ること自體が、私はもうその人の思想の中にこういう不穩當な考え方があるものだと思う。そういう者をあなたの方でお選びになつて、進行係というような議場の一番大きな役割につけられたその責任を問う。もし叶君一個人の問題ならともかく、私はひいては社會黨全般の中にそういう空氣があるのじやないかということをおそれる。それを私は社會黨に伺いたい。これは重大な問題です。
#11
○安平委員 社會黨全體がそういう考え方をもつているのじやいかというお言葉のようでありますが、そういうことは全然ありません。ただ叶君一個人が不用意に昨日のやじをとばしたというだけであつて、社會黨全體としては、だから幹部會におきまして、遺憾の意を表する、陳謝をするということになつたので、この點を十分御了承を願いたい。
#12
○林(百)委員 今、中野委員からもお話がありました通りに、叶氏の發言が單に不用意の間になされたやじということでなくして、やはり社會黨の一議員としてなされ、しかも社會黨首班内閣が今政權をとつているという立場から、われわれとしては、やはり政府竝びに社會黨の立場を明らかしない限り、この問題の處理ができないと思います。そういう意味で共産黨としては、實は昨日から、政府の首班であり、社會黨の黨首であられる片山氏の出席を求めている次第であります。これは各議員が率直にいつてそういう氣持をもつていると思う。たとえばこのたびの農業生産調整法案の問題にしても、實は地方ではすでに供出問題について、供出が思わしく行かないと、關係方面が來るとかなんとかいうような風評で、良民が非常に脅かされている。とかく最近政策の最後の責任はそこにもつていくという傾向が多分に見られる。この際われわれはその點をはつきり確めたい、これは一叶議員の失言問題というような問題でなくして、いわゆる根本的な政府の態度を聽いて善處したいと思うのであります。ちようど中野議員も同じような見解をもつておられるようですから、わが黨としては、議事進行によつて首相の出席を求めるという要求をしているのであります。
#13
○淺沼委員長 ちよつとお諮りいたしますが、議員の不規則なる發言が問題の重點になつているわけであります。この發言は、議員が不規則ならざる、發言を求めてやつた行爲ではないのでありまして、從つて不規則なる發言が問題になつているのでありまして、問題を不規則なる發言のところに限定をして議論を進めていただきたいと思います。
#14
○中野(四)委員 その過程にはいるのは當然のことだが、その前に議長としての責任も問わなければならぬし、ただいまの議長の御發言の内容についても伺わなければならぬので、端的にそれを制限することは困る。
#15
○淺沼委員長 制限はしませんが、大體重點をそこにおいてやつていただきたい。
#16
○中野(四)委員 わかりました。そこで議長さんに伺つておきたい。ただいま今後は懲罰で臨むが、今囘は陳謝だけで穩當に濟ませたいというお話があつたようですが、この陳謝というのは、徴罰の第二の、公開議場における陳謝ですか。
#17
○松岡議長 公開の席上における陳謝です。
#18
○中野(四)委員 そうすると、これも一つの徴罰の方法ですね。
#19
○松岡議長 自發的に陳謝するということを申し出ておりますので、あとをさらに嚴重な言明をしておくということで、こう申し上げたわけであります。
#20
○中野(四)委員 事の重要性に鑑みまして、今度は陳謝で濟まして、次は嚴重なる懲罰で臨むということは了承できない。今度も嚴重なる懲罰で臨むと同時に、將來においてかかることなからしむることが最も正しい方法だと思う。今囘だけは内々にして、あとの方は嚴重にやるというような御意向はちよつと了承いたしかねる。
#21
○松岡議長 ちよつとそれは辯解させてください。いわゆる公開の席で陳謝さすというのは、心理的には實に辛いことであろうと思うし、さつきからしきりにあなたが問題にされました、叶君が進行係であるにかかわらず、しかもこういうことを言うたということに關して、責任を感じて陳謝するくらい、本人の精神的に辛いことはなかろう、その方がより效果的ではないか。實際は意地の惡い考え方かもしれませんけれども、そういうことも考えてみたりいたしまして、何も叶君の場合は助けて、この後は嚴重に處分する、そういう意味ではもとよりございませんので…‥。
#22
○中野(四)委員 ちよつとそうとれます。
#23
○松岡議長 その點そうおとりいただかないようにお願いいたします。そういう意味では毛頭ございません。
#24
○石田(一)委員 いろいろ議論も出たようでございますが、國民協同黨から選ばれた私といたしましては、議場における議員の不規則ないわゆるやじというものが――もちろん今囘のやじの内容については相當重大な意味を含むものであるということは了解いたしますが、やじが取上げられて懲罰の問題になるとか、そのやじつた者が、やじりましてどうも濟みませんでしたと、本會議の壇上であらためてこれを陳謝するなどということは、異例のことに屬すると思います。しかも國民から選ばれた議員が、自分の不用意であつたということを認めて、あの壇上から誠意をこめて陳謝するならば、私は實質的にはこれ以上の懲罰はないと思います。なおこれに對して懲罰委員會に付してどうこうしなければならぬということは、いたずらに私は死者にむちうつものであると思います。ぜひ社會黨のお方のおつしやるように取計らわれんことをお願いいたします。
#25
○淺沼委員長 それから議論を進める前に、懲罰に付するか付さないかということは議長の權限であつて、議長から諮問があれば別だが、そうでない現在の段階において懲罰に付するか付さないかということは委員會外のことであるから、私は決して言論を抑えるわけではないが、言論に限度をおかないと能率が上らない。
#26
○石田(一)委員 今委員長のおつしやつたのは、懲罰に付するということは議長がこの委員會に諮問してからのことであつて、それは今議題外だというお話がありましたが、昨日各派交渉會で決定したのは、昨日の問題をこの委員會に議題としてやることを先ほどおつしやつた。そうだとすると懲罰の問題があとから起つても、それは議題外の發言とは思えない。
#27
○淺沼委員長 それは議長からこういうことが提案になつております。懲罰に付すべからざることにして本人の陳謝をさせるべきであるということが議題になつておる。
#28
○中野(四)委員 ちよつと絡むようで惡いけれども、懲罰に付すか付さぬかということを諮問しておるのではないから別だとおつしやつたが、國會法百二十一條に、二十人以上の贊成を得れば懲罰に付することができるから、ここで議題に付することは不思議ではない。
#29
○淺沼委員長 私の言つているのは、議長から提案になつた昨日の經過について、それが議題になつているのですから、それを議題にして進めてもらいたい。
#30
○林(百)委員 實は昨晩の各派交渉會の結末は、自由黨からこういう提案があつたのです。議長は本事態は懲罰事犯と認識して議長自身がこれを懲罰に付するかどうか。その議長の態度いかんによつて自由黨の態度を決したいという問題です。そこへ議長がみずからの發意によつて懲罰事犯と認定して、懲罰に付するかどうかの問題を本日の議院運營委員會に諮るということだつたと思います。そうすると議長みずからの意思によつて懲罰に付さない、みずからではやらないということですか、そう解釋してもいいですか。
#31
○小澤(佐)委員 つまり議長は懲罰にしないで陳謝で收めたい。その反對の意見は懲罰に付する。これは裏と表で結局同じ意見ではないか。
#32
○淺沼委員長 私の申し上げるのは、議論がそつちの方へ行つて、議長の報告をしたことがどうも主題にならないで横へそれていく。
#33
○中野(四)委員 議長に伺いますが、昨日の本會議で叶君のやじ發言が不穩當であつたということは、當時議場のあらゆる者から注意があつて御了承の通りだと思うのです。ただあの場合お互いに小さいながらも議長をやつてみた身にとれば、混亂状態のときにとつさにどう處置するかという判斷に迷うことが往々あるのです。それは十分お察しするが、言動が言動であり、しかも上程されておる問題が、御承知の通りの、全國農民から非常な關心をもつておられる問題であります。從つて、先ほど林君が言われたように、農村の供出に關しても重大な影響をもつものでありますから、あの場合、議長はなぜ叶君に退場を命ずるなり、發言を禁止するというような、國會法の百十六條に定められておる議長の權限に基いて處置をなされなかつたか。これを私は非常に不審に思うのです。議長のお立場上、御同情はできるけれども、なぜその場の處置を嚴重にとらなかつたか。むろん賢明であり聰明である松岡議長であるから、一黨一派に偏するとは考えない。しかしながらややもすると當日の状況を聽いてみれば、自由黨の發言に對しては靜肅を強いられながら、一方においてかような重大な失言に對して一言の處置をとつていないということは、私は議長の責任ではないかと思う。
#34
○松岡議長 昨日も申し上げた通り━━━という言葉はありましたが、私もはなはだうかつといえばうかつでありますけれども、前後の演説されておる言葉ではたして――速記録を見て私ははつきり知りましたが、當時は━━━という言葉だけでも不穩當だと思いましたけれども、何分にも岩本君の演説中であり、岸本君にちよつと待つてくださいと言つて待たしておくのも、腰を折るような感じもいたしましたし、本人が壇上でやつておるのならただちに注意もしますが、本人が演壇に登つているのとは違いますので、演説が濟んだあとで注意をするつもりでおりました。あの際は岩本君が演説をしておられるからどうすることもできない。續けざまに何囘も言つたのではない。それが不都合だといつて騒ぎが起つたのは事實であるが、岩本君に演説を止めてもらつて注意するということはかえつて氣の毒な氣がした。それを中野君が適當な處置をとれとお考えになるならばやむを得ないのであるが、私はどうもあの際、まさか、岩本君ちよつと待つてくださいといつて注意するのも、かえつてまずいのじやないかと思つたのです。
#35
○中野(四)委員 あの發言はまつたく日本の國會の權威に關する問題であり、議場の神聖も冒涜されておる問題であつて、單に陳謝とか――先ほど石田君はまことに妙なうまい言葉を使われたが、これは死者でも何でもない。これこそは泣いて馬脚を斬るべきで斷固として徹底的にやる必要がある。今のは失言です。どうかこの際━━━━━━━という言葉は石田君の發言でも明確な通り、昨日出席していた議員はことごとく━━━━━━━という言葉を聽いている。ひとり議長と總長だけ耳が遠くて聞えなかつたと言われるが、何だか作爲的で了承できぬのです。
#36
○小島委員 中野君の言われることもごもつともでありまして、議長が注意深く聽いておれば、あるいは━━━━━━と聞えたかもしれないけれども、ちよつとほかのことに聽き取られたのかもしれない。それはとにかくとして議題は、現在どういう態度をとるかと議長の諮問になつている點をきめて、あとでその當時の態度が惡いとかどうとかをきめるべきだ。
#37
○林(百)委員 昨晩は議長みずからの意思によつて懲罰に付するかどうかを決定するために運營委員會を開くことになつた。ところがけさの議長のお考ですと、これは陳謝程度でやりたいと自分は思うということである。その自分の考えについて運營委員會はどう考えるかというのが今の問題です。結局議長のとるべき態度についての運營委員會だと思います。こう解釋していいですか。
#38
○松岡議長 そうです。
#39
○淺沼委員長 懲罰動議が動議としているということを承つているわけですが、出ておれば從つて今日は交渉會の延長であるけれども事態が變つておつて、自由黨として責任をもつて動議を出している、こういう形が現われたのだから、この運營委員會としては大體の方向をきめていいと思います。
#40
○小島委員 先ほどの林君の發言で、議長のとるべき態度について運營委員會でここで議論するということになつている。ただはつきりしておきたいことは、議長はこの運営委員會の多數とか、全體の決議に從うという意味でなく、議長はおそらく自分の權限として態度をきめるについて運營委員會の意向を參考として聽くに過ぎないのであつて、運營委員會の態度に、全部議長が束縛されるわけではないだろうということをはつきりしておきたい。
#41
○林(百)委員 二つほど疑點があるが、實は昨晩の交渉會の終了のときは、まだ自由黨から動議が出ておらなかつた。議長の態度いかんによつて自由黨みずからが動議を出すかどうか決定したいというままで別れたのであります。ところがすでに自由黨から動議が出ておる。これは確かですか。
#42
○淺沼委員長 出ておるんでしよう。
#43
○林(百)委員 ところが議長個人としては、これは陳謝程度で收めたいと思う。しかしそれについては自分の意思はもう決定しているので、ただ參考までに運營委員會の意見を聽くのだ。運營委員會の意見いかんによつて、自分としては陳謝で濟ますということを變えるのかどうか、この二點をはつきりしてもらわないと、この運營委員會の内容がぼけてしまつてわからない。
#44
○松岡議長 先に申し上げたこと以外にはないのでありまして、陳謝によつてこの場合はひとつお許しを願つて、再びかようなことがあれば今後は職權をもつてただちに懲罰委員會に付する、そういう方法をとることを宣言して、それで御不滿があつても何とか我慢をしていただけるように御相談願えぬか、さつき申し上げた通りのことなんであります。中野君もその點を衝かれましたけれども、決してこの際のは輕くしておいて、あとのは重くしようという意味では毛頭ありません。私にしてみれば、なるべく皆さんがそれならばひとつ同意してやろうというお心持になつていただきたいと思うから申し上げているわけなんです。
#45
○小澤(佐)委員 今委員長が、自由黨の方でいわゆる二十名の數によつて懲罰の動議が出ているから昨日の状態とは非常に違うということを言われたけれども、私の方では手續として一應しておきましたが、運營委員會は昨日のそのままという約束のもとに今日に持越したのでありまして、昨日の状態から離れていない。從つて、私の方としては先決問題で最後の腹をきめるのですが、もし議長が當然やるべき職權によつて懲罰に付すというならば、いつでも撤囘する。しかしながらこれは期間のある問題でありますから、最後に議長が反對に決定した場合に、期間が過ぎれば困るから一應出しているだけです。
#46
○淺沼委員長 それは冒頭において議長から報告されている。
#47
○小澤(佐)委員 昨日の最後のわかれは、私が動議を出したのですが、議長におかれましては、議長の言葉で、現段階においては一應陳謝で濟ますことにいたしたいと思うが、自分は速記録をまだ見ておりませんし、議事規則も見てないし、先例等もございませんから、それを檢討した結果、別な考えになるかしらぬけれども、一應現段階ではこうでありますからというので、この意味で延ばした。從つてその後において━━━の話は出ましたが、先例がどうなつているかということ、速記録を見た結果どうということも一つも言つていない。それを出してもらつてからこの問題を出すつもりで私ここでがんばつている。その順序を踏んで進んでもらいたい。
#48
○松岡議長 言葉の足らぬところもあつたと思いますが、速記録も、石田君にお約束したが、見ました。石田君のおつしやる通りであることを確かめました。それで前にも申上げた通り、言葉が言葉でありますからやはり關係方面とも十分連絡をつけて、陳謝さすと同時に、全般に意見を明らかにして、將來かくのごとき發言のある場合においては、ただちに懲罰に付するということにするのが一番よろしいという判斷をしたわけです。
#49
○小澤(佐)委員 先例はお調べになりましたか。
#50
○松岡議長 今までやじで懲罰に付したことはない。
#51
○小澤(佐)委員 責任をもつてそういうことを答えられますか。
#52
○大池事務總長 今までやじをとらえて議長が職權で懲罰に付した先例は、私どもの調べではございません。職權以外にやじに對して議員から懲罰動議が出たことはございます。
#53
○小澤(佐)委員 高田耕平氏の、「そういうことを言うと殺されるぞ」というやじで、ああいうふうになつたことはありませんか。
#54
○大池事務總長 職權じやありません。
#55
○林(百)委員 この運營委員會の進行について……、實は議長が昨晩の交渉會の結末としては、一應議院運營委員會に諮つてから議長の態度をきめるということだつた。ところが今日の話を聽くと、議院運營委員會に諮る前に、大體自分の決意を固めて、關係筋とも了解を得た。そうなると今日の運營委員會は形式的な、意味をなさないように考える。もう一つは、そこでもし運營委員會の意見がまとまらなかつた場合、議長としてはどういう處置をとられるか。
#56
○松岡議長 その問題は前に申上げたように、意思決定したというのではない。やはり調べるものは一應調べました。先例のことも、言い漏らして相濟みませんでしたが、議長が職權でやつた例があつたならばこれも考えなければならぬが、ないということでありますし、それから專柄が事柄ですから、向うとの連絡もつけなければならぬ。その向うとの連絡の結果として、こうした方がよかろうと思う。昨晩から今日に至るまでの間の自分の判斷だけはここに御相談願わなければならぬ。昨晩から後のことを何も言わないで御相談してもしようがないと思うから、それを申し上げているにすぎないのであります。
#57
○林(百)委員 もう一つ、この運營委員會が、すでに自由黨からは動議が出ている。あなたの方は陳謝でまとめたい、いろいろな意見があつて決定されないときは、議長としてはどういう態度をとられるか。參考までにお聽きしたい。
#58
○相馬助治君 第一議員倶樂部は、昨日保留していたので、本日態度を決定いたしました。石田さんがさつきおつしやつたように、━━━━━━━であるという言葉は、われわれは皆さんがおつしやつたようにどこまでも不穩當であると考えております。叶さん一人の單に個人的な問題でなくして、感情的にうつかりして言つたというようなことは、言葉の内容が本質的に違うという立場から、われわれ第一議員倶樂部としては、情においては忍びないけれども、この際は第一囘の國會としての權威の上からも、またこの次の前例にもなるから、はつきりと態度を示すべきではなかろうか。それで第一議員倶樂部のまとまつた意見としては、これは懲罰に付すべきであると斷定いたしました。
#59
○小島委員 大體各黨の意見もほぼわかつたようであるし、とにかく議長のお考えに對しての諮問を求められているわけでありますから、もうこの邊でこの問題に對しては一應結論をつけたい。
#60
○淺沼委員長 今、一應打切つてけりをつけろという動議も出ているわけでありますが、ここでちよつと懇談したいと思います。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#61
○松岡議長 もう一應私の言つたことをはつきり言わしていただきたい。これは大事なことであるから、さつきも申し上げた通り前例を調べてもらつて、今までやじを議長の職權で懲罰に付した事例がないという事實が明らかになりましたので、この際にそれをはつきりして、やじといえども、この種のものはただちに議長は懲罰に付することができるのだ、むしろ前例をつくる機會であるので、そこでさつき申し上げた中野君の御質問に對して、何も叶君をかばう意味でも何でもなくて、不穩當ではあるけれども前例がないのであるから、この際は本人を陳謝せしめて、次には、やじといえども議長はこれを懲罰に付することを明確にすることをきめたら、ある意味においては新しい一つの例をつくることになるからという意味なのでありまして、その點どうぞ……。
#62
○中野(四)委員 さらにもう一つ伺いたいのは、なるほどやじ等の場合において議長が懲罰に付することはあるかないか、大體ないのがあたりまえだと思います。その問題は別としても、少くとも國會法の十六條に定められておる議場整理の任に當られる議長が、かような不穩當きわまる發言に對して、議場の外に退去させるか、發言を禁止することは當然できるわけです。その際なぜこれだけの處置をとらなかつたかということを、私は伺つておるのです。その━━━━━━━だということは明らかに聞えておることであつて、議長と事務總長が聞えなかつたということは成り立たないのでありますから、聞えなかつたからしようがないとおつしやられるのであれば、別の觀點で私の意見を申し上げなければならぬ。
#63
○松岡議長 その問題は私は實際━━━ということは耳にはいりましたけれども、━━はというようなことは聽えませんでした。あなたはぼくと事務總長だけだとおつしやるのですが、實は他の黨の方からも、議長によく聞えなかつたのはむりはないと言うてくれておる方もありました。私は決して辭を設けて逃れようというのではありませんが、先ほど石田君がお讀みになつたような、それほどのことを言うたかなと思つて、あとで調べますということを、きのうも申上げたわけであります。
#64
○森(三)委員 私は叶君のすぐ前におるが、叶君は━━━だよということは言つたけれども、━━はということは絶對聽かなかつたと思います。
#65
○中野(四)委員 森君の意見はよくわかりました。それはひよつと發言するから聽えないこともあります。ただ院内交渉係である石田君が、自分の耳にはいつた角度に從い、速記録にはいつた言葉において議長に注意しておるのに、議長はそれに對して適當な處置を怠られたのはどういうわけですか。
#66
○松岡議長 それは速記録を見なければ、やじが載つておるかいないか疑問ですし、現に岩本君が演説を續行されておるときなのでありまして、石田君がどうおつしやつたか、叶君の言葉を正確におつしやつたかどうかよくわかりません。議長はなぜ何とか處置しないかというくらいな程度で、私は正式な發言ではなくやじであるから、それが濟んだあとで注意するよりほかないということを言うたわけです。
#67
○小澤(佐)委員 きのうの本會議で議長が不規則な發言という言葉を使いましたが、どういう意味ですか。
#68
○松岡議長 正式に許された發言でない發言、やじという意味です。
#69
○小澤(佐)委員 小島君がさつき討論打切りみたいな動議を出しましたが與黨も野黨もその發言に對する重大性は認識している。殊に議長の提案にかかる議場で陳謝しろということは、懲罰委員にかかつても第二番の重い罪である。各黨の見解はそう違つているものではない。こういう論議のある問題を論議を盡さずに討論打切りということをしないで、兩方ごく接近している問題ですから、議論だけはしたいと思う。ぼくの想像では、自由黨からこれが出れば、きつと懲罰になつておる。そういうことで、多數だからということでなく、今後こういうことをなからしめるという意味で、横やりを言つているのではなく、議長のお話を中心として進んでおるのであつて、議長は今度の問題は情状を酌量するが、次には懲罰に付せようという考えをもつている。われわれはいわゆる二十名の數によつて手續を出さないのであれば、議長がそうすることが至當であるということになるのですが、さらに認識を新たにして考慮を願うことが必要だと思いますが、議長のお考えはどうですか。
#70
○吉川(兼)委員 今、小澤君から、自由黨の方でこういう發言をしたら必ず懲罰になつているだろうということは、まことに政黨の一つの立場をとつた言であります。こういう大きな問題は、新國會の運營上もつと超黨派的に考えなければならぬ。第一━━━ということは、いろいろな機會にあらゆる交渉の場面に使つている言葉である。━━━という言葉をどういう意味で使つたか、いろいろ使い方により、あるいは聽き方によつて違うと思う。日本の國會で━━━という言葉を使つて、それを日本の國會が問題にして除名にしたということがもし外國の新聞等に傳わつた場合には、今の日本の國際關係にどういう結果を及ぼすかということも深く考えなければならぬ。從つてこういう問題が新聞にも掲載されていない。今議長の言うように、この問題は陳謝程度に止めて、これから先、重ねてこういう言葉を本會議場で使うならば、これを嚴罰に處する。それは問題はおのずから別だと思う。要するに今までは━━━の言葉を平氣で使つている。こういう問題を政爭の具に供することはよくないと思う。もつと私は紳士的に話合いができるのではないか。外國などに傳わる國際的な關係も考えてみないといかぬのではないか。今議長が心配されているように、將來なくするために陳謝程度に扱うということが、議長の扱いとしては、もつともな扱いだと思う。
#71
○中野(四)委員 今の政爭の具というのは取消されたらどうか。
#72
○吉川(兼)委員 取消さない。
#73
○中野(四)委員 われわれ政爭の具に供するというような言葉は斷じて許さない。農民黨、自由黨、各黨でこれを懲罰に付すべしという、これを政爭の具に供しておるというのは無禮だ。政爭の具とは何事だ。
#74
○吉川(兼)委員 取消さない。
#75
○中野(四)委員 それは政爭の具に供すことと誤られる。
#76
○吉川(兼)委員 斷じて誤られない。
#77
○中野(四)委員 君の言われることは本筋をそれておる。
#78
○小澤(佐)委員 吉川君と中野君の發言に關連しますが、政爭の具というのは、まことに殘念である。しかし私のさつきの、自由黨ならば懲罰に付されるということは、今現在與黨が大多數である。大多數であつて、今言葉の出たのは與黨の中から出た。從つてむしろ與黨こそ政爭の具に供して、これを懲罰に付さないのだ、こういう意味においてあなたと逆である。
#79
○吉川(兼)委員 今君がぼくに言わんとしたことを言うておる。與黨なるがゆえに懲罰に付すべきものを懲罰に付さないということが政爭の具と言うが……。
#80
○小澤(佐)委員 私の申し上げることは、各黨とも、この問題の重大性を認めまして、そうして議長の言葉で言われるならば、決定的内客の陳謝を求めるというようなことを本會議で要求するのは、叶君にむしろ氣の毒なくらいの處置とわれわれは考えておる。それで實際上の問題は、懲罰に値するというので、議長も腹をきめておる。今囘だけは特に圓滿にしていきたいという趣旨であるとすれば、そういう處置も、ある場合には適當である。つまり全會一致でいくならば、その趣旨も適當であるが、さらに政黨という場合、各黨全部が反對するという場合には、議長も考え方を新たにして、今囘ばかりでなく、國會の權威のために、ここまできまれば再考慮をするというような氣持になることが至當と思うが、議長のお考えはどうか。
#81
○松岡議長 そのことはさつきも申し上げたのですが、ただ圓滿ということだけのみを私は言うておるのではありません。とにかく議長の發議で懲罰にということは、やじの場合においても前例がないという事實から考えても、今後はそういうことはしないときめて、今囘はそういう扱いにしていただいた方がいいのではないかというふうに、いろいろな方面の事情を考察した上で、そういう判斷をしておるということを申し上げておるのです。決してこの際ただ圓滿にと言うのではない。そういう場合にやはりいろいろな關係を考察してのことであります。ただに私が社會黨出身の者であるからというので、いろいろ考えられて、まことに心外なのでありますが、私はどんなに辯解しようとも、私の人柄によつて皆さんが御決定になることでありますから、私からとやかく言う筋ではないが、私はそういうつもりではないのであります。ただにこの際圓滿にということばかりでなく、新しい例をつくることになる。この機會はこうしておいて、次の機會からということで皆さんも贊成していただければ、今後どんどんやれるということを申し上げたのです。
#82
○小澤(佐)委員 私はまじめな意味で、あらゆる角度からこの問題を考えてみたい。今吉川君の言うように、議長もこの點には先例をつくつてやろうというような考えであつて、つまり懲罰に付することを議長が決したとて、懲罰にならないかもしれない。懲罰になるかならぬかは、懲罰委員會の考えなのである。こうした問題はやはり本會議で議論するよりも、一應議長として懲罰委員會にかけてやつたらどうか。殊に重大に取扱われておる問題だから、愼重審議する意味において、懲罰に付するということが適當ではないか。こういうような見解をもつている。議長はこのことの客觀的情勢を認められまして、今囘だけはひつこめるというお氣持はわれわれには理解できないのです。はなはだくどいようですが。
#83
○松岡議長 この問題については、きのうも私は申し上げた。私の考えは二つある。皆さんはこの事柄をきわめて明確にすることがいいのだというお考えである。ところが私の考え方としましては、それを印刷物にするかしないかということについては、説明するまでもなく、皆さん御存じの通りだと思います。委員會においてわれわれの言葉が公に論議されるようにとられることは、はたして議會のためであるか、それがあなた方のためであると御判斷なさるか。昨日もすでに發表されたことで、今私は別に暗記をしていませんが、陳謝をやらせれば、またその問題については、少くとも公の印刷物にはならないで濟むであろう。しかもその趣旨の問題については今後議長はこれを懲罰に付する。こういうことを宣言することによつて片づける方が、皆さんの御心配になる議會のためにも、日本の國際的な地位のためにもよくはないか。私はこの問題に限つてのみそんなことを考えておりません。かつての問題のときにもそれと同じようなことを考えて、皆さんに御協議を願つたことを今でも覺えております。私はそう思うから、決して今囘だけはただ穩やかにというような單純な考え方ではないのであります。その問題については、そこに多少あなたとは違つた物の考え方をしておつて、輕視しておるという意味ではありません。扱い方として、そうした方がいいというのが、きのうからの私の考え方でありますから、さよう御了承を願います。
#84
○小澤(佐)委員 大體議長のお考えになる本會議で討論されないことが望ましい、あるいはこれ以上議會が紛糾しないことが望ましいという國際情勢に照らしての考えは、考えられないわけでもない。しかし議長が提言して懲罰委員會に付したならば、これを祕密會にし、その結果報告が公表されて印刷に付するならば、それを祕密會で報告すればいい。ただ國會の威信に關する議員の心構えをはつきりすることが一番要望される。この點については議長の考えておられる點は、別な方法、すなわち本會議で爭わないで、ここで爭うということは、議長の考えとは非常に反した結果になる。議長が出せば本會議にかからずに懲罰委員會にかかり、そしてこれを祕密會にすれば、その結果さえ報告すればいい。それを本會議でやるか、これは議長の考えで、こういうふうな點をどうこうしようというのではない。なぜならばこれを政爭の具に供したからとて、議院そのものの權威を、どこまでも尊敬していくという線にさえ努力していただけるならばよいと思う。私は議論するための議論ではなくして、議長の考えと紙一重のところまでいつているのだから、そこを考えていただけないかというのが私の考え方です。懲罰委員會をやつてもらえば、動議を撤囘します。そうすると、懲罰委員會は眞劍に十分に檢討しまして、その結果を本會議に報告することが公開の席上でまずいようならば、しかるべき方法をとる。從つて議長の考えからしても、そういうようにわれわれの心構えをきめることがいいという考えをもつている。私は議論のための議論はしたくない。實行性のある議論をしたいのである。
#85
○相馬助治君 先ほど議長のおつしやつた、今度だけは、この次はという意味がやつとわかつた。その内容的なものに觸れ得ないものがあつたので、言葉の上で問題になつているのだが、小澤さんのお話を聽いて、ほんとうの結論に近づいたと思う。そこでこの段階で腹を割つてしやべるためには、祕密會が必要ならそれをやつて、またやらないで了解がつくならば、できるだけ腹を打割つて相談をする。たださわりたいものにさわらないで堂々めぐりをしていれば、結論に達するわけにはいかない。
#86
○中野(四)委員 私はこの際動議を提出したい。議長の氣持も委員會で大體わかると思うのです。從つて了解事項に關しては、委員會としてはこれを承つたことにして、一應委員會は委員會の態度を決定するために進行していく。その進行の結果において、今の小澤君の氣持が容れられるかもしらぬし、容れられないかもわからぬが、議長の御退席を願うと同時に、委員會の態度をこれからきめていくように計らつていく。こういう動議を提出したいと思うのです。
#87
○淺沼委員長 私もそう諮ろうと思つておつたが、議長がここにおられても構わないと思う。結局問題の扱い方をこの委員會としてきめていただければ結構だと思う。從つて取扱い方については、先ほど小島君からも動議が出ておつたのを一應延ばしてここまできたわけであるが、議長に對する質問がなければこの取扱い方についての御意見を承りたい。相馬君のお話の議長から關係方面のお話を一應承るということができるならば、非公開のその席上で承つてもいいと思う。
#88
○相馬助治君 皆さんの最後の判斷の資料が整つておれば、それで結構です。
#89
○松岡議長 それでは私はちよつと遠慮します。
#90
○淺沼委員長 御意見がなければ取扱い方をきめます。
#91
○中野(四)委員 取扱い方については、今民主黨、社會黨、國協黨の方々の意見を聽いておれば、議長の了解事項の程度で收めたいという意向のようである。自由黨の方は、小澤君から再々意見を述べられたごとく、議長の意見と紙一重のところまできているのだから、議長の權限によつて懲罰に付するという段階に來れば、本會議で議論する必要はないではないかという、事をわけた小澤君の意見もよくわかる。結局は議長の決斷一つである。あなた方與黨三派の方々が、議長と十分に相談をされて、取扱い方についてきめられることが賢明な策で、むしろ諮られるならば、自由黨にしても、われわれにしても、議長がこれをなさぬならば、懲罰に付するという動議を出すことはあたりまえである。そこはあなた方が世話役なのであるから、議長と御相談になつて、結論がそうなれば、いずれ取扱わなければならぬ問題だから、取扱うとすれば、議場の整理上、その運營上からいつても、議長がこれを發動する方が賢明な策であるということは、論をまたないところであるから、その點については相談されたらいかがですか。
#92
○石田(一)委員 ただいま議長から叶君を公開の本會議の席上で陳謝させるということをお諮りになつた。ただ議長また事務總長の説明にもあつたように、いわゆるやじの内容を重視して、これを懲罰に付するか、陳謝させるかということを議長の權限でやつた先例はないということでありますが、議長が昨日の社會黨の申出を取入れて、こうすることがまず穩當であるとされた以上は、これ以上懲罰に付するなどというよりか、まずこの際各委員が虚心怛懷もう一遍腹を割つて、ただいまの議長の提案に御贊成いただいて、今日ただちにそれを解決したらどうかと思う。
#93
○林(百)委員 昨日の各派交渉會からの繼續によると、議長みずからの權限で懲罰に付せないということになれば、自由黨の懲罰動議が生きてくると思うから、まず自由黨の懲罰動議の問題を決定して、その後に陳謝の問題が出てくる。ただその間に、ただいま石田一松委員からの發言があつた通り、もし政治的な折衝の餘地があるならばなさつてもよいし、自由黨、農民黨、第一議員倶樂部の方で、すでにその彈力性がないということがきまつたならば、自由黨の動議の問題を決定して、それから與黨の陳謝の問題に移る。ただ共産黨としては、自由黨から提出された動議を決定する前に、首相の意見を一應聽いて、わが黨の態度をきめたいということになつているから、そのように諮つてもらいたい。
#94
○相馬助治君 石田一松委員が言われたように、これは簡單には濟まされぬというのがわれわれの考え方です。議長の權限の上からいつても、また議長はこれからの議會でうんとえらいのですから、この際やはり議長は斷固たる態度に出られるというのでしたならば、われわれはいわゆる彈力性をもつて、それ以上はとやかく申しませんが、先ほど來申す通り、今度だけは穩便に、あとはどうこうというのでは、また立場が違つてくる。
#95
○石田(一)委員 今相馬君は穩便にと言われたが、今まで先例にないことをやるのだから、穩便どころか實に峻嚴なる、議員に對してはこの上もない懲罰であると私は實質的に考える。こういう先例をつくるのであるから、私たちのように議場でのべつやじる者は、これで懲罰をやられてはたまつたものではない。
#96
○林(百)委員 大體きまつていると思うから、これをまとめてもらえればいいと思う。
#97
○淺沼委員長 それでは暫時懇談してまとめてもらうことにいたしましよう。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#98
○淺沼委員長 先ほど議長から本委員會に諮問のありました通りに、一昨日の本會議における叶君の發言については、叶君が本會議の議場において陳謝する、さらに議長はその宣言において、將來かかることを再び繰返さない、そういうことが議長の諮問であつたのでありますが、これをその通りに認めるということに決定したいと思います。贊成の方は擧手を願います。
   〔贊成者擧手〕
#99
○淺沼委員長 多數、決定通り答申することにいたします。
 今日はこれで散會いたします。
   午後二時二十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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