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1949/03/26 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 本会議 第5号
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1949/03/26 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 本会議 第5号

#1
第005回国会 本会議 第5号
昭和二十四年三月二十六日(土曜日)
 議事日程 第四号
    午後三時開議
 第一 外國為替管理委員会委員長任命につき事後承認の件
 第二 内閣総理大臣の施政方針演説に関する決議案(米窪滿亮君外百十五名提出)(委員会審査省略要求事件)
 第三 内閣総理大臣の施政方針演説に関する決議案(北村徳太郎君外三十六名提出)(委員会審査省略要求事件)
 第四 自由討議(前会の続)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日程第一 外國為替管理委員会委員長任命につき事後承認の件
 石炭鉱業等の損失の補てんに関する法律案(内閣提出)
    午後五時十五分開議
#2
○副議長(岩本信行君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 第一 外國為替管理委員会委員長任命につき事後承認の件
#3
○副議長(岩本信行君) 日程第一に入ります。去る三月二十三日、内閣から、外國為替管理委員会委員長に木内信胤君を任命したのでその事後の承認を得たいとの申出がありました。右件を承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#4
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて右件は承認するに決しました。
     ――――◇―――――
#5
○今村忠助君 日程第二は延期されんことを望みます。
#6
○副議長(岩本信行君) 今村君の動議に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程第二は延期するに決しました。
     ――――◇―――――
#8
○副議長(岩本信行君) 日程第三は提出者より撤回の申出がありました。
     ――――◇―――――
 石炭鉱業等の損失の補てんに関する法律案(内閣提出)
#9
○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、石炭鉱業等の損失の補てんに関する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#10
○副議長(岩本信行君) 今村君の動議に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 石炭鉱業等の損失の補てんに関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。商工委員会理事神田博君。
    ―――――――――――――
    〔神田博君登壇〕
#12
○神田博君 ただいま議題となりました石炭鉱業等の損失の補てんに関する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果につきまして御報告いたします。
 本案は、三月二十四日、本委員会に付託されました。その趣旨といたしますところは、昨年の春経済力集中排除法が具体的に実施の段階に入りました際、石炭企業等の新勘定に巨額の赤字の累積しておるものは、同法によつて企業分割を企図しても法律技術的に不可能なことが問題になつたのでありまして、これが新勘定赤字が問題とされるに至つた端緒でございます。次に昨年秋、いわゆる企業三原則が提示されて以來、企業の合理化が強く要請されることになり、この面から過去の新勘定赤字を急速に処理いたしまして、將來の合理的経営の基礎を確立すべきことが必要とされるに至つたのであります。さらにこれと同時に、復金融資の性格に関して根本的な反省が加えられ、過去の赤字融資的色彩を一掃いたしまして、健全な金融機関として育成すべきことが要請されるに至つたのであります。この面から、過去において累積いたしておりました復金融資の返済について、政府において何らかの措置を講ずる必要が生じて参つたのであります。
 以上三つの観点より新勘定の赤字処理方策を檢討して來たのでありますが、石炭鉱業、金属鉱業、電氣事業の各企業の過去の厖大なる赤字の処理を企業自体の責任において行わせますることは事実上不可能でありまして、また過去の赤字をしさいに檢討いたしま
すると、その発生原因から見まして、企業の責任に帰することが明らかに不合理であると認定される部分が相当あるのでございます。これらは主といたしまして、過去におけるわが國経済の惡條件下において、これら業種所属の各企業がその與えられた生産目標達成のために避けることができなかつたものでありまして、政府はここにおきまして何らかの措置を講ずる必要があることを認められたのであります。その額は、石炭鉱業については百七億九千四百万円、電氣事業については二十九億九千二百万円、金属鉱業については三億二千八百万円を政府補償により処理いたすことといたしまして、これら金額を登録國債によつてまかない、しかもその大部分を復興金融金庫に対する債務の弁済に充てることが規定されておるのであります。今回の損失補償金見合いの額は、すでに過去におきまして復金をして赤字融資を行わせておつたのでありまして、これによつて政府は補償の実を失うことなく、しかも復金の赤字融資の償却の方法をとつたのであります。
 本委員会におきましては、二十五日、二十六日の両日にわたつて委員会を開き、本案の審査に入つたのであります。
 まず民主自由党の私から、本法の意図するところは石炭鉱業等の過去の赤字を除くことにあるが、赤字発生の原因を除去することが一番問題であろうかと思う、現在起つている企業の赤字及び將來起り得る赤字に対して政府はいかに考えておられるかという質問をいたしたのであります。また、この金額で赤字補填は全部終つたのであるかどうか、また現在これら企業には、関連産業に対しまして多額の未拂いがあるため、関連産業の受ける困却ははなはだしいものがある、今度の補填は政府が單に肩がわりをするだけであつて、支拂い方法に不備な点がある、むしろ現在困つておるこれら業者に流して健全企業をやらすべきだと思うが、政府の所信はどうであるか、と質問いたしたのであります。その他、本年度石炭四千二百万トン生産目標に対する政府の具体的方針や、融資額の細部にわたりまして質疑を行いました。
 次に日本社会党の今澄委員から、今回融資を受ける産業以外の鉄鋼、肥料等にも今後このような手を打つものであるかどうかとの質問があり、また本法提出の遅延の原因等につきまして政府の所信をただしました。
 次に日本共産党川上委員は、本法に計上せられてある融資額の算定の基準や、融資額の内容や、政府の責任に帰すべきものと業者の責任に帰すべきものの認定等につきまして、きわめて細密なる質疑がありました。これに対しまして、商工大臣、大藏大臣を初め各政府委員よりそれぞれ答弁があつたのであります。
 ここで質疑を終了いたしまして、ただちに討論に入りました。民主自由党を代表いたしまして私が、趣旨は了とするが、過去に公約したときと実行するとき、この間の時期が非常にずれておる、あまりに長過ぎておることは遺憾であるが、今回このような措置をとられたことは、遅れたりとはいえ滿足すべきものと認め、関連産業に対してすみやかに政府が何らかの手を打たれんことを希望いたしまして、そこで本案につきましても賛成の趣旨を述べました。
 次に民主党を代表して橋本金一君は、かような損失補填が適当であるかどうかは別問題としても、企業の合理化のためやむを得ないものと思うと発言して、本案に賛成されました。
 次に日本社会党を代表して今澄勇君は、詳細に本法を檢討するとき種々異論もあろうが、本法に盛られている融資の大部分が労務者の費用であるにかんがみ賛成の意を表されたのでありますが、今回の融資額を産業別に檢討した場合、金属鉱業があまりにも少額であるということをその際指摘されまして、これらの措置を適当に望むとの発言がありました。
 最後に、日本共産党を代表して川上貫一君は、いろいろな名目をつけて復金の改組にあたり貸付金を強力に回收するやり方は大きな政治的意味を含んでおりはしないか、あるいは原價計算が非常に不正確でありはしないか等の理由をあげられまして、本案に反対をされました。
 これで討論を終り、採決いたしました結果、起立多数をもつて可決すべきものと議決いたしたのであります。
 以上をもちまして委員長の報告といたします。(拍手)
#13
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。川上貫一君
    〔川上貫一君登壇〕
#14
○川上貫一君 本案に反対の少数意見を述べます。
 これは政府の責任を持ち出さなければならぬものである、企業家の責任に帰すべからざるものである、こういう理由になつておるのでありますが、企業家の責任に帰すべからざるものという、こういう行き方で行けば、石炭、電氣だけではない、ほかの産業にもたくさんあるわけであります。しかるに、電氣と炭業その他一部のものにだけ與えるということは、結局石炭産業と電力、これの現在の赤字をことごとく今日政府の出資でまかなつてやつてしまう、こういう形になつておる。このことは、きわめて穏当でないばかりでなしに、税金あるいは國民の負担において独占資本の借金をしりぬぐいしてやる、このことにすぎない。
 第一には、その証拠に他産業の赤字に対しては何も考慮されていない。答弁のうちにも、これは考えていないということになつておる。
 第二に、公約がしてあるのだ、こういう理由でありました。これは質問に対する答弁のうちにもあつたのであり
ます。しかし、この問題はきわめておかしい。こういうことを言うならば、昨年の米價の改訂の場合、政府は改訂米價によつて農家に対する米價の補償を行うということを公約しておる、にもかかわらず、これは少しもやつてない。今度のこの補給金は正式の考案ではない、何とかするという程度のものなのである。一方においてはこれをやらない。石炭、こういうような独占企業に対してはこれを與える。ここのところに、從來のやり口、このやり口がはつきり出ている。
 第三には、來年度において、結局この計画が立つておらぬ、予算も明らかにされておらぬ、産業計画も立つておらぬ、復金の性格も明らかになつておらぬ、こういう場合に、大藏大臣の答弁によると、しり腐れをなくすためにこの年度内に片づけてしまうのだ、こういう御意見なのである。これは、來年度になれば公債も出せない、何も出せない、このどさくさに資本家のしりぬぐいをしてやるのだ、こういう形をもつて提出されておる。こういう精神を持つておる。
 第四には來年度の交付公債の問題である。來年度は交付公債を出さない。公債を出すこともできない。これは大藏大臣の答弁によつても、交付公債を出すことそれ自体がいかないのだ。來年度になれば出すことができないものを、なぜこの年度末に出すかということです。このこと自体においても、このやり方は適当でない。
 第五番目には原價計算の問題であるが、この原價計算の問題で赤字が出るのだ。これはいろいろりくつをつけられても、結局はこの原價計算の問題、ここに問題がある。この原價計算がきわめて不正確である。ここのところに大きな含みがあつて、独占資本はこれによつて厖大なる利潤をあげているのだということは、一般の常識になつている。この問題に対しては何一つ触れていない。資本家に要求すれば、赤字だというて、ことごとくこれを國家にあれしようとしている。どの面から見ても、この支出は、独占資本に対する借金のしりぬぐいを國民の血税によつてやろうとする一般的な性格の今までのやり方、このやり方と少しも違わないものです。
 第六番目には、これは來年度の一般計画とともに審議すべきものである。來年度の予算、來年度の産業の計画、資金の計画、來年度の復金の性格、こういうものと一緒ににらみ合せて初めてこれは支給するなら支給すると決定すべきものであつて、大藏大臣の言うごとく、しり腐れをなくするために、來年は何もできないのだから、この三月一ぱいに片づけておくのだというような、こういうやり方、これはきわめて無責任なやり方だと思う。これに対しては絶対に反対せざるを得ない。これがわれわれの反対の理由であります。(拍手)
#15
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#16
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○今村忠助君 自由討議は延期し、明後二十八日定刻より本会議を開きこれを行うこととし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
#18
○副議長(岩本信行君) 今村君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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