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1949/04/14 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 本会議 第17号
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1949/04/14 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 本会議 第17号

#1
第005回国会 本会議 第17号
昭和二十四年四月十四日(木曜日)
 議事日程 第十五号
    午後一時開議
 第一 青少年犯罪防止に関する決議案(花村四郎君外二十四名提出)(委員会審査省略要求事件)
 第二 郵便振替に関する約定に加入することについて承認を求めるの件
 第三 郵便為替に関する約定に加入することについて承認を求めるの件
 第四 代金引換郵便物に関する約定に加入することについて承認を求めるの件
 第五 價格表記の書状及び箱物に関する約定に加入することについて承認を求めるの件
 第六 製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第七 印刷局特別会計の固有資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案(價格提出)
 第八 財産税等收入金特別会計法の一部を改正する法律案(價格提出)
 第九 自由討議(社会の続)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 彈刻裁判所の裁判員辞任の件
 彈刻裁判所の裁判員の補欠選挙
 日程第一 青少年犯罪防止に関する決議案(花村四郎君外二十四名提出)
 日程第二 郵便振替に関する約定に加入することについて承認を求めるの件
 日程第三 郵便為替に関する約定に加入することについて承認を求めるの件
 日程第四 代金引換郵便物に関する約定に加入することについて承認を求めるの件
 日程第五 價格表記の書状及び箱物に関する約定に加入することについて承認を求めるの件
 日程第六 製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第七 印刷局特別会計の固有資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案(價格提出)
 日程第八 財産税等收入金特別会計法の一部を改正する法律案(價格提出)
 日程第九 自由討議 (前会の続)
    午後一時四十七分開議
#2
○議長(幣原喜重郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(幣原喜重郎君) お諮りいたします。鍛冶良作君より彈刻裁判所の裁判員辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて許可するに決しました。
     ――――◇―――――
#5
○議長(幣原喜重郎君) つきましては、この際彈刻裁判所の裁判員の補欠選挙を行います。
    ―――――――――――――
#6
○今村忠助君 彈刻裁判所の裁判員の選挙は、その手続きを省略し、議長において指名されんことを望みます。
#7
○議長(幣原喜重郎君) 今村君の動議に御異義ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(幣原喜重郎君) 御異義なしと認めます。よつて議長は彈刻裁判所の裁判員に尾関義一君を指名いたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#9
○議長(幣原喜重郎君) 日程第一は提出者より委員会の審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異義ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(幣原喜重郎君) 御異義なしと認めます。
 日程第一、青少年犯罪防止に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。花村四郎君
    ―――――――――――――
    〔花村四郎君登壇〕
#11
○花村四郎君 ただいま議題となりました、各派共同提案にかかりまする青少年犯罪防止に関する決議案について、その趣旨を弁明いたしたいと思うのでございます。
 まず最初にその決議案文を朗読いたします。
   青少年犯罪防止に関する決議案
  新日本の再建復興は、心身の健全な青少年の育成教化に俟つもの頗る大であるが、現下青少年の不良性、犯罪性激化の傾向に鑑み、政府は、この際青少年が民族の原動力であることを強く認識して、速やかに青少年の適正な育成、積極的な品性陶冶と強力な保護矯正を図るため、左記諸施策を実施すべし。
 一 青少年の育成教化及び不良化犯罪防止に関する政府各機関の連絡強調を期するため、速やかにその適切な機関を設置し、且つ、國民との協力態勢を確立して、これが綜合的具体施策を樹立すること。
 二 この施策を実施するにあたつては、特にその補導矯正の諸施設を整備強化すること。
 三 右に伴う実効的予算措置を講ずること。
 四 以上諸施策と設置の結果につきとりあえず次期國会に報告すること。
 右決議する。
 私はここに現下青少年犯罪の実相の一端を述べまして、あえて世論に訴えるとともに、当局の適切なる措置を要望せんとするものであります。青少年のもつ國家的重要性については、あえていまさらここに喋々するまでもありません。青少年は民族の原動力として將來の文化國家建設の中心的役割を果たすものであり、彼らこそ明日の日本を決定するものであります。新しい憲法にうたわれている根本理想を生かすか、はたまた一片の死文化するかは、実に彼ら次代の青少年の双肩にかかつているのであります。
 さて、戰後われわれは青少年の不良化を嘆く声を至るところで耳にするのであります。毎日の新聞をにぎわしている青少年の犯罪は、読む者のひとしく戰慄を禁じ得ないものがあります。これらの青少年をここまで追い詰めた根本原因は、遠くは戰争中に彼らにしいられた犠牲と、近くは戰後に彼らが突き落とされた社会的混乱とにあることは、何人も否定し得ないところであります。この犠牲を社会的混乱とに対する反作用こそ、今日の青少年の不良行爲や犯罪行爲であるといい得るのではないのでしようか。われわれは、彼らの犯罪行爲を非難する前に冷靜にみずからを反省し、深き同情と責任感とをもつて彼らをその不良化から救い、その犯罪防止に遺憾なきを期するべきであります。
 翻つて最近における青少年犯罪の実相を見まするに、戰後における社会的混乱と経済的窮迫とによりその犯罪件数は日々に増加し、しかもその罪質は漸次集團化、凶惡化の傾向にあるのみならず、その犯罪年齢も小学校の学童層にまで低下するという、まことに憂慮すべき樣相を呈して來ておるのであります。これは今日における重大な社会問題の一つでありますとともに、將來の新しい文化國家日本の建設にも一大暗影を投じているものと思うのであります。
 今、青少年の実相がどんなものであるか、少しその概要について申し上げますと、昭和二十三年度の統計によれば――これは八歳から二十五歳までの青少年を対象としたものでありますが、全國を通じて実に二十五万六百六十一件という驚くべき数字を示しているのであります。過日、本議場において青少年の教育問題が議論されたのでありますが、われわれは、ここで靜かにこの数字の持つ意味を十分檢討してみる必要があると思います。
 まず第一に、この二十五万六百余件は戰前昭和十一年度の約六倍に当たるものであります。すなわち、全國の八歳から二十五歳までの青少年の人口を二千八百万余と押えますと、おおむね百人につき一人の犯罪者を出していることになるのであります。また二十五万六百件と申しますと、こうして私がお話ししている間にも、実に二分間に一件づつ全國において青少年が犯罪をおかし、警察等に檢挙されているのであります。おひざ元の東京都においては、犯罪青少年、不良青少年を合わせますと、警察の目にとまつて、そのおせわになつている者は、実に百人について三人の割合を示していると報ぜられているのであります。まことに戰慄すべき現象と申さねばなりません。
 次に犯罪の種類から見まして、青少年事件が大人の事件よりも多いものとして強窃盜がまず目に付くのであり、両者合計十七万五千六百件で、青少年及び大人合計数の実に七〇%を占めている。しかも、このうち恐るべき強盜は九千七百件で、大人の約三倍に当たり、昭和十一年度に比し約十二倍という驚くべき激増ぶりを示しているのであります。窃盜も十六万五千件でありまして、大人よりも絶対数において五万件も多いのであります。又強姦は千二百三十件で、大人を七百件近く引離し、二倍強という比率となつているのであります。次に傷害事件も二万三千七百件に近く、これもまた大人を五千件も引離しているのであります。強盜、強姦、傷害の絶対数が大人よりかくのごとく多いという一事をもつて見ましても、青少年犯罪がいかに惡質化し凶惡化しつつあるかの一端をうかがうことができると思うのであります。
 この際全犯罪につき、青少年と大人について過去数年間の両者対比の線グラフをお示しすれば一目瞭然たるものがあるのでありますが、この議場ではこれをお示しする方法がないので残念でありますが、特に諸君の御注意を換起したいことがあります。それは青少年犯罪は大人のそれに比べて増加の上昇線が年々あざやかな急角度を示していることであり、まことに恐るべき線グラフをえがくことができる点えあります。またその年齢低下の点であります。すなわち、その年齢層から見ますと、学童層に当たる十三歳未満のものが実に二千三百件という数字を示している点であります。以上により青少年の不良化、犯罪性の激化が量両質ともにいかなる樣相を示しているかは、十分おわかりになつたことと信じます。
 しからば、これが対策はいかようになされているか。保護、補導の施設、その実情はいかようでありましようか。まことにお話にならないのであります。これに対する予算は実に寥々たるもので、ほとんど雀の涙にもひとしいものであると申し上げても過言ではありません。すなわち、全國四十九万の家庭裁判所についてわずかに一億円、また最も重要な看護所については、管制上四十九と定められていながら、実に驚くべきことは三千万円程度の予算しか認められていない始末であります。これがため、観護所の設けられていない府縣は全國十数箇所に及んでいる現状であります。三千万円という予算では、廳舎を建てるにしまても、馬小屋程度のものすらおぼつかないと思います。まことにさんたんたる現状なのであります。
 諸君、この際先月十二日に発生したあの東京観護所の集團的放火逃走事件を想起していただきたい。この事件は一体何を物語るものでありましようか、この現状をこのままに放置しておきましたならば、必ずや第二第、三の東京観護所事件が続発することは火を見るより明らかであります。総じて終戰後の日本再建の諸施策において、青少年問題ほどうつちやらかしになつているものはないと思います。おとなが再建の論議をしている間に、子供は二分間に一見ずつの割合で犯罪を犯し檢挙されるほどにどんどん不良化し、犯罪性を帶びて行きつつあるのであります。これらの不良犯罪者を含む青少年が、やがてわれわれ相続人として次の時代を背負つて立とうとしておるのであります。日本はこのままで推移してはたして文化國家、平和國家として將來の國際社会に伍し得る資格があるのでありましようか。われわれは政党政派を超越し、嚴粛に青少年問題ととつ組まねばならないと確信いたす次第であります。政府は青少年問題に対しては断じてけちであつてはならぬものと確信いたします。
 ここにおいて、われわれは、まずさしあたり政府に対し、不良犯罪青少年の收容、保護、矯正施設に関し、すでに発行してある手形の履行を要求するものであり、これが予算を強く要望せんとするものであります。さらにわれわれは、政府に対し、青少年の不良化防止、進んでは健全化の総合施設をすみやかに樹立し、これが実施につき一大國民運動を展開すべきことを強く要望するのであります。
 御承知のように、青少年の犯罪は決して突如として起るものではありません。一般に不良の径路を経るものであります。すなわち、自堕落、うそ、なまけ癖、タバコ、酒、盛り場のうろつき、金銭濫費、家財持出し、やみ行爲等の不良行爲を重ねていよいよ深みに陷り、遂に犯罪をおかし、檢挙されるに至るものであります。これら不良・犯罪行爲は、本人の素質・性格よりもむしろ生活環境、社会環境に起因するものであることは、実務家によつて実証されるところであります。すなわち、家庭生活における欠陷、学校教育、監督の欠陷、職場における惡風習、交友関係の惡影響や、映画、盛り場、マーケット、飲食店等における誘惑・刺激によつて、誘発されるのが普通であります。しかも一般には、不良・犯罪青少年というと、両親のない貧困の家庭から生まれるものと想像されがちですありますが、統計の示すところによれば、むしろ両親のある中流家庭の子弟が大半以上を占めているのであります。この点、特に政府並びに國民一般の認識を新たにしてもらわねばならぬと痛感いたす次第であります。
 青少年を惡から守り、その不良・犯罪を防止するためには、何といつてもその温床であるところの家庭、学校、職場や、その他青少年を取巻く前述のような社会環境、生活環境の淨化・整備が第一の課題でなければならないのであります。ことに家庭や学校が今日のごとく権威と樂しさを失つたものであつては、まつたく青少年に対し申訳がない次第でありまして、青少年の不良化はまつたく政府、國民、おとなの責任であるといつても過言ではないのであります。第二の課題としては、ボーイスカウトのごとく、また夏季における林間学校のごとく、青少年の自主的、共同的な生活を指導育成すべきであります。第三の課題としては、巡回図書館、映画、紙芝居教室、少年劇場、運動場等、健全な娯樂と趣味の施設を考慮すべきでございます。
 以上のような施設によつて極力青少年を不良化または犯罪から防止しなければならないが、もし不幸にして不良または犯罪に陷つた者については、早期にこれを発見し、そしてこれが補導矯正に全力を注がなければならぬのであつて、それにまず不良または犯罪青少年の收容施設を整備し、職業補導には特に重点をおくべきであり、少年工場、少年農場等の社会施設を完備する要があるのでございます。しかるに、警察がせつかく不良狩りをやつても、これを收容する施設すらないというような現状であり、また観護所はあつても馬小屋のようなおそまつなものでございます。政府と國民の青少年問題に対する認識をまず改めて貰うことを声を大にして叫ばざるを得ないのでございます。
 しかして、以上のような青少年不良化防止策を実施するためには関係政府機関の有機的な連絡強調を必要とすることが当然であるにもかかわらず、関係政府機関はセクシヨナリズムに徹しておる状態であります。また、以上のような諸施策を実施するには政府のみの力にまつことはできません國民の深い理解と積極的な協力を特に必要とすることは申すまでもございません。言うまでもなく、今日青少年問題ほど下積みにされ、置き去りにされておる問題はないと確信をいたすのでございます。青少年問題は日本再建途上における最も嚴粛かつ最も緊要な問題であります。以上の理由により、われわれは政党政派を超越して、政府が國民とともにこの問題の解決策を急速に樹立し、これを強力にまた眞劍に実施することを強く要望する次第でございます。またその結果の報告をあわせて要求をいたしておく次第でございます。何とぞ満場の諸君の御賛成を願う次第であります。(拍手)
#12
○議長(幣原喜重郎君) これより討議に入ります。田嶋好文君。
    〔田嶋好文君登壇〕
#13
○田嶋好文君 ただいま上程になりました青少年犯罪防止に関する決議案に対しまして、私は民主自由党を代表いたしまして、賛成の意思を表示するものであります。
 提案者のご説明のごとく、最近の青少年犯罪の激増はまつたく著しいものがありまして、警視廳の調査によりますれば、昨年度における各種の犯罪と不良者の総数は、実に驚くなかれ三万七千二百余名に達しておるのであります。前年度に比較いたしますと一万三千人の増加になつておるのでありまして、なお警視廳を通じまして最近東京家庭裁判所に送られておりますところの青少年の犯罪数というものは日々五十名を数えておるような現状であります。
 かかる現状からいたしますれば、國家再建のもとであるところの青少年の犯罪の増加というものは、提案者の説明を待つまでもございませず、実に國家のために憂うべき現象であるといわなければならないのであります。この際この問題を根本的に解決する施策といたしまして、國会並びに政府におかれましても相当の処置を施す必要に迫られておられるのだろうと私は想像いたします。このときにあたりまして本決議案が國会に上程せられましたことは、まことに、その機を得たものでありまして、私は心から喜ぶ次第であります。ただ、私が最後に老婆心的に申し上げたいと思いますことは、青少年に対する問題というものは相当難しいものでありまして、その施策は、少なくとも寛にして嚴でなければならぬのであります。その施策を一歩誤りますれば、もはや角をためて牛を殺すという形になつてしまわないとも限りません。こうしたことを考えまして、少なくとも私は、一國の國民として生れ、民族の永遠の存続を念願し、國家永遠の独立を念願いたします立場から、ぜひとも本決議案が可決され、また政府におかせられましても十分なる施策をせられ、本決議案が十分実りますことを心から念願いたしまして、この決議案に賛成をいたすものであります。(拍手)
#14
○議長(幣原喜重郎君) 次は田万廣文君。
    〔田万廣文君登壇〕
#15
○田万廣文君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となつておりますところの青少年犯罪防止に関する決議案に対しまして、全面的に賛意を表する次第でございます。
 終戰後の犯罪激増の実情につきましては、いろいろとお話がありましてごとく、まことに憂慮すべき状態に伴いこまれておるのでございます。われわれがここでただいま話をしておる間にも、日本のどこかに、二分間に一つの割合において事件が発生しつつあることを思うならば、そのことだけによりまして、すでに青少年犯罪防止ということがいかに大きな問題であるかがおわかりになろうと思うのであります。
 平和國家並びに民族独立、講和会議促進という大きな立場から考えまする際において、かかる状態が世界の注目の的になつており、この状態が存続する限りは、とうていそれは望み得ないのでないか。われわれは、日本の講和会議促進、民族独立促進、かかる大きな大局的な立場から考えまして、ぜひとも青少年犯罪は絶滅しなくてはならない、かような信念に燃えておるものでございます。対外的な意味だけでなくして國打ち的に考えましても、將來の日本を背負うべきものは今日の青少年であります。この青少年が肉体的に犯罪にむしばまれ、多くの者が花柳病にかかつておる。精神的にはまた性格の貧困を來しつつある。肉体並びに精神両方面からこの青少年を守らなければならない。これが本決議案の目的だと私は考えるのでございます。
 この青少年の犯罪がなぜかように多く起こりつつあるか。いろいろ原因はございましようが、その一つ二つの例を考えまする場合、今日お互い成人であるわれわれが町に出て歩きまする際に、いかに風紀紊乱の書物が町にあふれておりことであるか。あるいはこれに増して惡きところのものは、現在までのいろいろ新聞紙上に出ましたところの政界、官界あるいは財界党の汚職事件、これらも遠き一つの原因を構成しておるものと考えざるを得ないのでございます。私たちは、みずから自粛自戒いたしまして、青少年の良き指導ぢやとして、身を持することまことに嚴なることを要求せられておると考えるのであります。
 私は、この青少年の犯罪防止ということは実に日本再建に重大なる影響を及ぼすべきものとして、これは当然の姿でなければならぬ、これを徹底的にやることが私たちの責務だと考えまして、本決議案に対しまして全面的に賛成の意を表する次第であります。(拍手)
#16
○議長(幣原喜重郎君) 床次徳二君。
    〔床次徳二君登壇〕
#17
○床次徳二君 私は、民主党を代表いたしまして、ただいま上程になつておりまするところの本決議案に満腔の賛意をを表するものでございます。現下のわが國青少年の犯罪の状況につきましては、ただいま提案者よりもるる御説明があつたのでありまするが、將來の希望を持てるところのわが新日本の建設にあたりまして、このままに看過いたしますことは、とうていわれわれにはできないのであります。
 今日の犯罪の状況の一、二を申し上げてみまするに、ただいままでの青少年の犯罪は、おおむね両親のない、あるいは不幸な家庭に育つたところの青年におきまして往々にして犯罪者を出しておつたのでありまするが、今日におきましては、両親健全、しかも中流の家庭におきまして多数の犯罪者を続出しつつあるという状況は、まことに大きな問題と存じます。またその犯罪の内容を見て参りまするのに、今日におきましては強盗傷害罪が多いことはもとより、さらにあらゆる犯罪に関しましてその累犯が増加しつつあるということであります。この二つの事実に関しましては、まことに寒心にたえないことと存じます。
 しかるに、これに対する政府の施策はいかがかと存じまするのに、過般新聞紙上に見えましたごとき不祥事が出ておるのであります。その予算、またその設備内容、まことに今日のわれわれ日本にとりましては、いかがかと存ずるところの嘆かわしい貧弱なものであります。すみやかにかかる施設を整備拡充いたしまして、もつて遺憾なきを期したいと思うのでありまするが、特に私がここに一言要望いたしたいことは、今日までの青少年犯罪者の收容施設にありましては、その青少年の内容いかんを問わず、性格のいかんを問わず、過去の経歴・境遇のいかんを問わず、これを一つの收容しておるような次第であります。かかる状態におきましては、ほんとうに青少年を誘掖指導し、健全なるものとして社会に雄飛せしめるというのには、まことに遠かつたといわざるを得ないのであります。私は、今後の施設におきましては、すみやかに特殊青少年收容所――普通の青少年犯罪所と特殊の性格をもつておりますますに対しましては、特に隔離いたしましたものを考慮せられんことを、この機会に特に要望しておくものであります。
 なお、今日までのいろいろな施設を見て参りまするのに、各関係者の連絡協調というものになお欠けるところが少ないところへ、國家といたしましての総合的な施策に欠けておつたように見受けるのであります。過去の日本の事例をとつて参りましては、いかがかと存じまするが、すなわち教育の施設におきまして、すでに過去においては貧弱ながらに体系が整つておつたのでありまするが、今日はいまだ教育制度、学制の完整を見ておらないのみならず、その出発の初歩にありましてもいろいろと問題を惹起しておるような次第であります。
 なお、青少年の体育訓練の上を見て参りましても、戰前におきましては、不完全ながらに國民体力法によりまするところの青少年の体育の管理あり、また將來の軍隊生活に備えまして青少年の訓練等が実施せられておつたのでございます。今日の時代におきましては、もとより將來の日本にふさわしいところの青少年の施設をなすべきでありまするが、全然これが顧みられておらない現状を思いまする時に、まことに私どもは、將來の日本をになうべきところの青少年に対しまして申訳ない次第であると考えているのであります。
 われわれは、文化のかおりの高い、將來有為なる民主國家をつくり、これによりましてわれわれの理想を達成せんといたしておるのでありますが、今日この將來をになうべきところの青少年に費やすべき経費は、いかに多額でありましようとも多過ぎることはないと信ずるのであります。今日の決議案の趣旨によりまして、十分に國民こぞつて將來の青少年のために必要なる施設をなし、もつて遺憾なきを期するということにおきまして、皆様の満腔の御援助を私は得られるものと確信いたすのであります。この意味におきまして、私は今回の決議案に対しまして心からなる賛意を表するとともに、國民各位の熱烈なる御支援を要望いたしまして私の賛成の演説といたします。(拍手)
#18
○議長(幣原喜重郎君) 上村進君。
    〔上村進君登壇〕
#19
○上村進君 私は共産党を代表いたしまして本案に対して賛成の意見を述べたいと思います。
 すでに委員長の説明によつて明らかなことく、実に青少年の犯罪は日に日に増加して参るのでございまして、わが國民の一人として実に憂慮すべき一つの事件でございます。しかしながら、この犯罪は決して天から降つたのでのでもなく、地からわいたのでもない。すべて政治と経済及び社会の欠陥から生まれて來たのであることを認識しなければならないのでございます。(拍手)
 しかして、この二十五万六百余件の大きい青少年の犯罪は、その犯罪種類の内訳を見ますならば、窃盜において十六万五千四百二十八件、強盗において九千七百四十一件、それに詐欺一万四千八十一件、横領六千四百十六件、こういうふうに廣い意味の盗犯、すなわち平たく言えばどろぼう的の犯罪が二十万五千余件を占めております。この事実は何を物語るかといえば、言うまでもなく國民の窮乏生活を表現しておるのでございます。この二十五万に対する二十万のパーセンテージは八〇%以上になつております。すなわち青少年犯罪の八十%が財産に関する犯罪となつて現れております。そこで、どうしてもこの青少年犯罪防止につきましては國民生活の窮乏を克服しなければならないのでございます。むろん少数の部分におきましては犯人の性格から來ておる、あるいは相当中流の家庭に育つて何不足のない者からも犯されておりますが、しかしそれは小部分の話でありまして、大体この犯罪は、いわゆる國民生活の窮乏にその原因を求めなければならないと思うのであります。そういう意味におきまして、政府にこの対策に対して十分の考慮を願わなければならぬと思うのであります。從つて、この犯罪の根本原因である窮乏生活をまず何よりも先に犯罪防止の政策として実行されなければならないと思うのであります。
 そういう立場からわれわれが考えるときに、働く人たちが働いても働いても貧乏する、あるいは働くにも職がないという社会組織では、とうてい犯罪防止はできないのであります。從つて、憲法に認めた働く権利は十分これを尊重し、労働権を尊重し、政府、資本家もしくはその他の使用人において自由かつてに首を切るようなことをしないことがまず第一であります。そして、あらゆる働く階級の職業を保障し、働けば働くほど樂になる、働いておれば生活が安定するというふうにまず仕向けて行かなければならないと思うのであります。
 第二には、從つて失業対策でありますが、どうしてもこの犯罪を防止するためには、失業者を出してはならない。失業者を出したならば、失業の政策を完全にやつて生活を保障し、生活の苦難から起きる犯罪を防止するというふうに政府は対策を建てねばならないと思うのであります。
 それから教育の問題であります。大多数の犯罪が人の物をとる、人の財産権を侵す、いわゆる働かないで人の物を取るということから來ておるのでありますが、しかしながら、今日の日本の資本主義制度あるいは資本主義思想が、働かないで人の物をとるということについて十分の考慮をしたことがあるかどうかということをわれわれは研究しなければならないのであります。働いて、その働いた者に賃金を十分やり、その地位を認め、それによつて生活をするというふうな教育を施さなければならないと思うのでありまして、この点犯罪防止の前提としましては、日本の教育制度、國民思想のいわゆる指導について、もう少しいわゆる我利々々でなく、働く人の働く権利を認め、それによつて生活の安定を保障し、犯罪へ行くべき道をそこにおいてとざすというふうにならなければならぬと思うのであります。この点も十分御考慮を願いたいのであります。
 それから最後に、今の組織でそのまま行くならば、政府がどういうふうなことをやりましても、犯罪を防止することはなかなか困難であります。すなわち今の‥‥
#20
○議長(幣原喜重郎君) 上村君申合せの時間が過ぎましたから簡單に願います。
#21
○上村進君(続) 簡單にやります。そういうふうに何百円も何千円もする物を盗むということは、それを即座に賣ることのできるやみ市場というものに対して徹底的なメスを加える決心がなければ、この犯罪を防止することはできないと思います。そういう意味におきまして、このやみ市場に対する徹底的な取締りが政府においてなされなければならぬと思うのであります。以上の点を政府に要望しまして本案に賛成するものでございます。(拍手)
#22
○議長(幣原喜重郎君) 大西正男君。
    〔大西正男君登壇〕
#23
○大西正男君 私はただいま議題となつております決議案に対し民主党を代表いたしまして賛成の意を表するものであります。
 終戰後すでに三年有半を経過し、國民生活は、終戰当時に比すれば漸次落ち着きを見せて参りましたにもかかわらず、ひとり青少年犯罪に至りましては、あたかもこれに逆比例するがごとく最近とみに増加し、しかもその罪質において集團化と惡質化との傾向をたどりつつありますことは、その主体が特に次の時代を背負うべき青少年たることを思うときに、まことに慄然たるものが存ずるのであります。最近の青少年罪数の統計につきましては、先ほど提案者より、さらにまた前討論者各位より御指摘のありました通りであります。かかる現象を惹起するに至りましたことについては、終戰後、過去における戰爭の歴史に徹し当然予想さるべかりし今日の状態に対しまして、これが対策について当路者が今日まであまりにもこれを等関視したる結果にその一半を帰すべきだろうと存じます。この際本決議案の上程を見ましたことは、すこぶる時宜に適せるものでありまして、むしろその遅きに失することをおそれるものであります。さあれ、今日におきましては、もはや一日もこれを放置し得ざる状態に陷しているものといわなければなりません。経済を安定し、祖國を復興するというも、その近い將來のにない手たる彼ら青少年の心身ともに健全なる育成強化を伴わずしては、しよせん砂上に櫻閣を築き、滅亡せんがために復興を急ものというも過言ではないと存じます。
 しかるに、青少年犯罪に関しましては、さきに二、三の法令につきまして一應これが立法的整備を見たのでありますが、その運営、特に予算的措置に至りましては、これらの目的を陷成すべくまことに日暮れて道遠しの感を深くいたす次第であります。一例をあげますならば、法に要求するところのいわゆる特殊少年院の施設にいたしましても、わずかに東北少年院一箇所を有するに過ぎない現状であります。このことは、ひいて廣島少年院における最近の集團逃走、あるいはまた東京観護所の放火事件等の不祥事件の発生を見ましたところの重大なる一原因をなしつつあるものであります。さらに少年院の施設の不備不足によりますところの過剰拘禁の状態が、今日あたかもいまだ全快せざる傳染病患者を市井に退院せしむるがごとき恐るべし結果を見つつある事実は、これを枚挙するにいとまなき状態であります。この際私は、すみやかに本案が議決され、よつて祖國の將來そのものとも称すべき青少年に対しまして明るき希望のとびらの開かれることを衷心より願うものであります。(拍手)文化國家の理想は、これを刑政の面よりみますならば、國家は犯罪という反社会的行爲に対する反撃といたしまして單に刑罰を科するの権利を有するというにとどまらず、竿頭一歩を進めて、もつてその権利をして、犯罪に陷らんとするものをその手前にすくい、さらに犯罪に陷る者に対しましては再び善良なる社会人として正常の社会に復帰せしむべく最善の努力を拂うべき義務に転回するところに存すると確信をいたす次第であります。(拍手)このことは、特に青少年犯罪についてその感を深くする次第であります。以上の理由を持ちまして、わが党は本決議案に全面的に賛成の意を表する次第であります。(拍手)
#24
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案を可決するに御異義ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○議長(幣原喜重郎君) 御異義なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 この際内閣より発言を求められております。これを許します。法務総裁殖田俊吉君。
    〔國務大臣殖田俊吉君登壇〕
#26
○國務大臣(殖田俊吉君) ただいま満場一致の御賛同を得まして青少年犯罪防止に関する決議が可決されましたことは、衷心より感謝にたえないところでありますとともに、政府といたしましては責任の重大なるを痛感する次第でございます。
 現下の青少年犯罪の状況は、ただいま御提案者から詳細御説明のありました通りでありまして、まことに憂慮すべき状態と存ずるのであります。政府におきまして、少年法の改正、少年院法の制定を初めといたしまして、近く本國会に提案いたしまして、御審議を願いたいと考えております犯罪者予防更正法の整備等を考えておりまして、法制の点については着々この問題につきまして前進をいたしておるのであります。しかるに、少年院でありますとか少年観護所等の設備につきまして、機構を急に改正いたしましたことや、あるいは財政上の関係等よりいたしまして、はなはだ不十分な点が多々あるのでありまして、まことに遺憾にたえないところでございます。今後は財政の許す限りすみやかに適切なる措置を講じまして、その整備強化をはかるために最大の努力を続けたいと考えておるのであります。さらに、本日御決議のありましたのを機会にいたしまして、関係各官廳並びに民間有識者と緊密なる連絡をはかりまして、強力なる青少年犯罪防止の総合的対策を樹立いたしまして青少年の不良化を防止するとともに、これが健全なる育成をはかり、もつて祖國再建の根底を築くことに懸命の努力をいたす所存でございます。何とぞ今後さらに一段の御鞭撻、御協力を衷心よりお願い申し上げる次第であります。(拍手)
#27
○議長(幣原喜重郎君) 文部大臣高瀬荘太郎君。
    〔國務大臣高瀬荘太郎君登壇〕
#28
○國務大臣(高瀬荘太郎君) 多くの方から御意見がありましたように、青少年の犯罪防止の問題及び不良化防止の問題は現下の最も重要な問題でありまして、文部省といたしましても、これに関する調査及び対策の実行等につきまして、学校教育及び社会教育等の両面で努力をいたしておるのでありますが、まだ十分の効果をあげていないことははなはだ遺憾でであります。これには予算その他いろいろの故障があるのでありますが、今後はそれらの傷害をできるだけ排除いたしまして、本決議案の趣旨に沿うように教育上各種の対策を樹立し、その強力な陷行に一段の努力をいたしたいと考えております。(拍手)
     ――――◇―――――
#29
○議長(幣原喜重郎君) 日程第二、郵便振替に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、日程第三、郵便為替に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、日程第四、代金引換郵便物に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、日程第五、價格表記の書状及び箱物に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、右四件は同一の委員会に付託された条件でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長岡崎勝男君。
#30
○岡崎勝男君 ただいま議題となりました郵便振替に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、郵便為替に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、代金引換郵便物に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、價格表記の書状及び箱物に関する約定に加入することについて承認を求めるの件、以上四件について、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本四件は、三月三十日内閣から國会に提出され、ただちに外務委員会に付託されましたので、四月二日及び四月六日の二回にわたり委員会を開き、かつ四月二日外務、遞信両委員会連合審査会を開き、本件について一括審議をいたしたのであります。
 政府側の説明によれば、この四つの約定は一昨年七月五日パリの万國郵便会議で成立したものであります。この会議で万國郵便條約と前記四つの約定を含むむ七つの約定が作られ、從來のブエノスアイレス万國郵便條約及び関係諸約定にかわつて、すでに昨年七月一日以降関係各國間に実施されておるのであります。わが國は、明治の初年から國際郵便関係の條約に参加しておりましたが、終戰後これらの條約及び約定の適用は停止されておつたのであります。しかるに昨年六月、これら條約及び約定中とりあえず当時実施可能の郵便條約と小包郵便物に関する約定とへ加入することに決定し、第二回國会の承認を得たのであります。今回の四つの約体につきましては、当時為替レートがない事情もありまして、加入を差控えておつたのでありまするが、近く為替レートの設定が予想される事態となり、その場合は郵便業務におきまして相当廣範囲に海外との現金、有價証券、貴重物品、為替の送受、または振替、代金引換制度の利用等が要望されるようになる見込みで、政府としてはかかる新事態に應じ得るように、あらかじめ右四つの約定に対する加入について國会の承認を求めることになつたとの説明でありました。ついで各委員と政府側との間に質疑應答が行われましたが、その詳細は会議録に譲り、ここでは、そのうち重要なる諸点を申し上げることにいたします。
 まず委員側から、この四つの約定に早急に加入する必要があるかとの質問に対し、政府側においては、近く為替レートが設定せられた場合はただちに必要な業務の実施ができるよう、かつ國会が開かれていないときでも政府において機宜の措置をとり得るように、あらかじめ國会の承認を求める次第であるとの説明がありました。
 次に、郵便為替に関する約定につき英米系統の諸國が加入しておらない理由及びそのため日本の約定加入の價値が非常に減殺せられることになると思われるがいかんとの質問に対しては、政府側は、英米系は為替の交換方式につき目録式を採用しておるに反し、從來の約定ではカード式のみを採用しておつたことが英米側不加入の大きな理由であつたと思われる、しかるに今回のパリ條約では、英米系の採用する目録式をも併用することになつた次第で、英米の約定加入の道を開いたわけであると説明いたしました。
 右をもつて質疑を終了し、委員仲内憲治君より、この際討論を省略し、以上四件を一括してただちに採決せられんことを提案され、採決の結果、社会一致をもつて本件は承認を與えるべきもの議決した次第であります。(拍手)つきましては、本院においても上記四約定に加入することについて承認せられんことを希望いたします。(拍手)
#31
○議長(幣原喜重郎君) ただいま報告がありました四件を一括して採決いたします。四件は委員長報告通り承認することに御異義ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○議長(幣原喜重郎君) 御異義なしと認めます。よつて四件は委員長報告の通り承認するに決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
#33
○議長(幣原喜重郎君) 日程第六、製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案、日程第七、印刷局特別会計の固有資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、日程第八、財産税等收入金特別会計法の一部を改正する法律案、右三案同一の委員会に付託された議題でありまするから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大藏委員会理事宮幡靖君。
#34
○宮幡靖君 ただいま議題となりました製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案について、大藏委員会における審議の経過並びに結果について概略御報告申し上げます。
 本法律案は、昭和二十四年度専賣賣金の確保をはかるための新たなる種類の製造タバコを発賣せんとするに際し、財政法第三條の規定により新定價を決定せんとするものであります。本法律によつて定價を定めんとする新種タバコの第一は太巻の新生であります。すなわち、從來の細巻の新生を太巻に改め、これが定價を、ハツピーと均衡をはかるため十本当たり三十円とせんとするものであります。第二は、戰厖大衆タバコとして人氣のあつたゴールデンバツトの名称を復活し、これを現在のきんしにかえ、これと同規格で製造し、同價格で発賣せんとするものであります。第三は最近パイプタバコの愛好者が増加して参りましたに伴い、大衆パイプタバコとして日光を試驗的に製造し、計画外として少量発賣せんとするに際し、その價格を四十グラム当り百円と定めようとするものであります。
 本法律案は、九日大藏委員会に付託されましたが、去る十二日委員会を開き、政府委員の説明を聽取し、ただちに質疑に入りました。前尾委員より、製造能力と耕作面積との関係、原價、賣價、收益率等に関する質疑があり、また三宅委員より、自由販賣と配給との関係、やみタバコの問題に関する質疑と、河田委員よりは、葉タバコ買入價格と他の農作物價格との関係及び行政整理に関する質疑に対しまして、政府委員よりそれぞれ説明があり、次いで討論に入りました。共産党を代表して河田委員より反対意見が述べられまた民主自由党を代表して宮幡委員は原案に賛成の意見を述べられました。次いで採決に入り、起立多数をもつて、原業を可決いたしました。以上御報告申し上げます。
 次に、印刷局特別会計の固有資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案について、大藏委員会における審議の経過並びに結果について概略御報告申し上げます。
 今回この法律を制定しようといたしますのは、一般会計からの繰入金により印刷局特別会計の固有資本を増加いたしまして、その運轉資金を補足し、同会計の運営を円滑にいたそうとするものであります。昭和二十四年度における印刷局の予定事業量は、日本銀行券百円紙幣二十四億枚、十円紙幣五億枚、一円紙幣一億五千万枚を初め、收入印紙、郵便切手、郵便はがき、各種証券類、官報その他図書製品等、金額におきまして約四十九億九千万円に相なります関係上、印刷局の事業を円滑に運営いたしますためには、常時相当量の手持生産品、原材料及び支拂資金等を保有していなければならないのでありまして、この運轉資金に約八億円を必要といたすのであります。しかるに、現在印刷局特別会計の運轉資金は從來の百万円があるのみでありまして、昭和二十三年度におきましては八億円の借入金を行いまして、これをまかなつていたのでありますが、この借入金は今年度内にこれを償環しなければならないことになつておりますので、今回一般会計から八億円を限りましてこの会計に繰入金をいたし、もつて本会計の固有資産を増加し、その企業的運営に支障なからしめようとするものであります。
 本案は、去る九日、本委員会に付託されたものでありまして、去る十二日提案理由の説明を聽取し、ただちに質疑に入りまして、前尾委員は從來の運轉資金の運用、ストツクの整理等について、内藤委員は事業の内容、日本銀行券印刷状況等について、質疑を行われ、それぞれ政府委員より應答がありました。次いで討論を省略し採決いたしましたところ、社会一致をもつて原案の通り可決いたしました。以上御報告申し上げます。
 次に、財産税等收入金特別会計法の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果について概略御報告申し上げます。
 今回改正しようといたします点は、この会計において発行した公債または借入れた借入金を、その見返りとなつております物納財産の処分による收入金等をもつて償環するにあたりまして、その償環金額を、その物納財産の收納價額等の七割五分を下らない金額といたそうとするところであります。右のような改正をいたそうとしますのは、物納財産の処分金額が、この特別会計法を制定しました当時、すなわち昭和二十一年十一月頃に比べまして、最近相当騰貴いたしておりまして、物納財産の処分による收入金の金額をもつて、この財産を見返りとして発行した公債または借入れた借入金を償環いたしますと、償環金額が厖大となりますのて、この收入金のうち公債または借入金に見合う金額、すなわち收納價格の七割五分を下らない金額だけ償環に充てまして、この会計より一般会計に繰入れます金額を調整する必要があるからであります。
 本案は、去る十二日、本委員会に付託されたものでありまして、同日提案理由の説明を聽取し、昨十三日質疑に入りまして、河田委員、田中委員より、処分價格の騰貴率、物納財産の残高、公債及び借入金の現在高等について質疑がありました。次いで討論を省略し採決に入りましたところ、起立総員をもつて原案の通り可決いたしました。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
#35
○議長(幣原喜重郎君) これより採決に入ります。まず日程第六について採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#36
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に、日程第七及び第八を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異義ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○議長(幣原喜重郎君) 御異義なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#38
○議長(幣原喜重郎君) これより日程第九、自由討議に入ります。
 佐々木秀世君、発言者を指名願います。
#39
○佐々木秀世君 民主自由党は畠山鶴吉君を指名いたします。
#40
○議長(幣原喜重郎君) 畠山鶴吉君、発言を許します。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔畠山鶴吉君登壇〕
#41
○畠山鶴吉君 観光に関する特別委員会設置促進に関しまして、その理由の一端を申し上げまして、御理解を頂きたいと思います。
 太平洋戰争前、世界交通網の拡充進展、日本の國際的地位の向上に伴い、観光事業は時代の脚光を浴びて一般の注意呼び起こし、國家また國策一端として取上げるに至り、着々その実をあげて來たのであります。すなわち昭和十年前後、一九三五年ごろには、政府は巨額の予算を計上いたしまして先進諸國の例になぞらえ、あまねく海外の主要都市に國際観光局の出張所を設けて外客の誘引に努めた結果、ようやく山紫水明の國日本を訪れる外客逐年多きを加えるに至つたのであります。
 しかしながら、これら海を越えてはるばる訪れて來た賓客の旅情を慰むるに足るものがあつたでありましようか。遠く東海の孤島に偏在し、長く鎖国夢にふけつておつた旧日本、きわめて封建的であり、ややもすると排他的思想も潜在しそうに思われた当時の日本を回顧して、思い半ばに過ぐるものがあるのであります。当時万國博覽会を開催し、同時にオリンピック大会を招致して、廣く日本の全貌を世界に紹介すべく全力を傾注して参つたものでありますが、ただかくのごとき官僚や政府の施策のみに任せておいては、とうてい外客に満足を與えることが不可能であつたのであります。
 本提案者は、昭和十年、伊豆の初島を國際的大歓樂地となすべく、あまねく世界各國の資本を招致いたしまして各地区を設定し、各國特有の樣式を備えたホテルをそれぞれの國の資本により建設することは、言いかえますれば排他的思想の改善と國際親善の一歩であると信じて、これを計画に取入れたのであります。歩一たび該地区に入るや、建物はもちろん、設備、商品、料理、必要とあれば應対の言葉も各國語をもつて弁ずるというぐあいにして、異國情緒を発揮し、その國の人にとつては、さながら本國の遊覽地に遊ぶ思いあらしめ、初列島清島をあげて健全なる一大國際娯樂館とし、もつて國際親善に資せしめ、平和日本の姿を万國に示す第一歩とする計画を進めておつたのであります。これは当時の五大新聞によつて廣く報道され、世人の関心を引いたことでありました。そのころより國際情勢は、漸次險惡化し來り、一民間人の力としては、その計画の実現は望むべくもなかつたのであります。もし当時この計画にして実現せられ、國際的な施設が出現し、外客の誘致に成功し、國際親善に一役を買つておつたならば、あるいは彼の忌むべき大戰争のごときものは未然に防止でき得たのではないかと考え、感慨無量のものがあるのであります。
 國際信義を尊重し、ひたすらに平和國家建設に向かつて努力すべきは、刻下日本國民に課せられた義務であります。われわれは協力一致、立ち直つた平和日本の姿を一日も早く全世界に向つて示すべく努力しなければなりません。今こそ平和日本への正しい第一歩を印すべきときであります。民間側が大いに奮起すべきはもちろん、政府もまた本腰を入れて観光政策に立ち上がるべきであります。美しい日本の再建、あこがれ蓬莱境、東方日本の再紹介、これこそ観光事業の重大任務であります。
 観光事業は、ややもすると非生産的事業なるかのごとくに言われますが、これはとんでもない誤解であり、皮相の見解であると申さねばなりません。決してそのようなものではありません。このごろ、口を開けば國内産業の復興、貿易の再開振興を説き、食糧問題の解決、海外移民を云々いたしておりますが、單なる抽象論のみをもつ手しては空腹を満たすことはできません。日本の正しい認識、日本のほんとうの姿を世界の人に知つてもらうことが、まず第一に要求されるところであります。眞実を知つてもらつて初めて外國との交渉が開け、ここに貿易再開の道が促進されます。國内産業も自然に勃興の機運に惠まれる次第であります。人口問題解決の一策といたしまして、過剰人口を海外に送り出す移民政策、これもまた日本の現状を世界に知つてもらつてから初めて可能なのであります。日本の海外紹介、正しい國の宣傳をする手近な方法といたしまして、観光事業の右に出ずるものはないと確信いたします。(拍手)よつて提案者は、左のごとき要項をもつて観光に関する特別委員会設置に関して好意ある御認識を得、この際ぜひともその実現を期してやまないものであります。第一に、観光事業主管官廳の確立を期したのであります。現在は厚生、運輸、建設その他各省が主管爭いをなすため事業の促進を阻害し、計画流れに終わる場合が多いのであります。
 第二には、日本経済復興の観点より見まして、観光事業の外貨獲得の重要性を再認識すること。戰前においてもすでに二億円余を算していた点から考え合わせまして、その將來性を卜したいと思います
 第三に、風光明娼、四面環海の國、温泉王國日本は、いずれの点から見ましても最も惠まれた観光事業の栄ゆべき地であります。と同時にこれを確立して失業救済の面に備うべきであると存じます。
 第四に、観光事業のための第一要件は観光道路の普及整備にあります。ホテル施設の整頓も又不可欠の要件であります。外人向きの食料品、畜産、水産、漁業、農産物の改善が必要であり、おみやげ品を扱う中小商工業の発展もはからねばなりません。その他あらゆるものが関係するのでありますが、これは省略いたしまして、観光事業は今まで一般の言うておつたこととは根本より認識を新たにいたして、各個人経済から國家経済までこれによつて相等の補いのできるところまで確立いたさねばならないのであります。以上の諸目的を達成するためには、外資の導入を必要とするはもちろん、官界、民間両企業の協力を要請いたしたいの点であります。
 昨年観光方面の世界的権威者が訪日の際、地形、氣候その他あらゆる條件に惠まれている観光日本を推賞しておりました。またマ司令部の声明にあつた政治上の東洋のスイスは、観光の上からも東洋のスイスとしての方面に進むべきことが急務であると信じます。
 以上述べ來つたところを総合して、観光事業こそは將來日本が経済的に自立し、平和國家として國際社会に進出するための重要課題の一つであることを附言して、賢明なる諸彦の御賛同を仰ぐ次第であります。(拍手)
#42
○副議長(岩本信行君) 林百郎君、発言者を御指名願います。
#43
○林百郎君 日本共産党は竹村奈良一君を指名いたします。
#44
○副議長(岩本信行君) 竹村奈良一君、発言を許します。
    〔竹村奈良一君登壇〕
#45
○竹村奈良一君 私は、本年度いわゆる二十三年度の供米が一〇〇%以上完遂され、そうして超過供出をも完遂いたしました裏に、全國各地の農民が現在いかに悲惨な食糧状態のもとに置かれているかの事実を申し上げて、政府の善処を要望したいのでございます。
 その一例を申し上げますならば、たとえば本年度の供出に当たりまして埼玉縣に起こりましたところの一例でありますが、埼玉縣の事前割当は七十四万九千四石であつたのであります。しかるに、この事前割当を受けました埼玉縣におきまして、虫害、災害その他によつて非常な減收が起つたのであります。これに対して政府は、中央補正を行うことなく、地方補正わずかに三万石、そうして農家の保有から行うところのものを約二万石、一應認めたのでありまして、縣の全体の補正要求額は十万石であつたのであります。ところがその後に至りまして、この地方補正並びに補正というものは取消したと言われ、事前割当とその上の超過分をもつてまず完遂せしめるということを発表いたしまして、三月一日から三月二十五、六日頃に至るまで非常な督励が行われたのであります。
 しかも、この督励を行うにあたりましては、檢察廳あるいは警察、あるいはその他の縣の係官がいろいろ各個人を訪問いたしまして、督励という名にふさわしからぬところの非常な強制が行われたのであります。しかも、その強制を行われた現実の事実は、実に徳川封建時代にも行われなかつたところの、われわれが見のがすことのでき得ない悲惨な事実が生まれて参つたのであります。その実例は何であるか。
 たとえば埼玉縣の吉川町におきましては、齋藤順造氏は、この督励にあたつて、出す米のないものをお出さなければならないということを苦にして、首をくくつて死んでしまつたのであります。それからまだある。早稲田村の榎本彌平氏は、これも首をくくつて死んだのであります。また吉川町におきますところの小原五郎氏は、この供出にあたつて督励状が、もし米がなかつたならば他から借入れ、あるいはその他のものを買入れて供出せよということを言われましたがゆえに、この代替供出にとうもろこし等を買つて供出せんとして六万円の借金をした。その借金の中の半額を返すために、かわいい娘を賣つて三万円の金をこしらえて、そうして代替するところのとうもろこしを買つて出しておるのであります。しかもそれ以外に、首をくくり、あるいは死ぬこともできない、あるいはまた借金をすることもでき得ないという人に対しましては、強権発動が百件行われておる。不供出罪で檢挙された者が三百八十名になつておる。しかもこの附近の二十六箇村にわたるところの人々が、借金を六千万円しておる。こういうような実情があり、それゆえに、この二十六箇村におきましては、土地放棄が三百六十三町歩に上つたのであります。
 また、こういう実例は單に埼玉縣だけではない。千葉縣におきましては、この一部轉落農家の飯米をいかにして確保するかということのために、縣下におけるところの協同組合その他の農民團体が寄りまして、田植どきの農民の飯米をどうするかという問題に対していろいろ協議を行つておる。また奈良縣生駒郡においては、昨年度のいわゆる一般轉落農家に対する五千五十九石に対して、本年度はわずかに四千六百二十二石しか政府は天下り的に割当てていないということに対しまして、いろいろな問題が起こつておる。そうしてその轉落農家の人たちは、二分の一ないし三分の一しか配給を受けていないところの現状であります。また宇陀郡においても、町村長並びに食糧調整委員等々が寄りまして、もしこの現状を打開してもらえなかつたならば、何とかして政府に対してお願いしなければならないとして、陳情團を派遣しようというような決議が行われておる。
 こういうことが全國各地に行われておるのでありまして、その実例として、先般來農林省から発表されました、全國におけるいわゆる土地放棄の実態、この土地放棄は、農村に対する重税と供出の重みと、あるいは災害復旧のできないことが原因して、戸数は二万四千七百余戸にわたり、面積は三千五百二十五町に及んでおる、こういうふうに発表されておる。しかしながら、われわれの見のがすことのできないのは、永年営々孜々として土にかじりつき、他に轉業することのでき得ないところの悲しい農民諸君が、封建制時代そのままの形で土にしばりつけられているところの、そうして奴隷的生活をしいられているところの悲惨な事実を見のがすことはできないと私は思うのであります。
 今日の食糧確保臨時措置法におきますならば、事前割当は決して強制的にすることはできないといわれておる。先般の本会議におきましても、この法案が通過するときには、事前割当は絶対にしないということが問題になり、しないという條件付であの法案ができている。しかるに納期が三月三十一日であるのにもかかわらず、三月中にこうした多くの人々を不供出罪でしばり、あるいは強権発動をした責任をだれが負うかということを、まず私は聞きたいのであります。
 もう一つは、こういうきつい供出の督励のために一命を投げ捨てた人々に対して、一体政府はどういうような責任をとるかということをお聞きしたいのであります。
 もう一つは、本年度の食糧問題は二合七勺を完全に配給するということを言つておりますけれども、それは單に消費者だけではなく、少なくともこうした轉落農家に対して十分配給する責任が私は政府にあると考えるのでありますけれども、これに対して具体的に配給するということを言明してもらいたい。
 もう一つは、こういう根本的ないろいろな原因はどこにあるかと申しますならば、たとえば食糧確保臨時措置法において、事前割当する場合においては完全なる地方調査の上にこの割当を行うべきにもかかわらず、実際は地方調査によつての基礎ができていない。だから、机上プランによつて、從來の出來高を中心として天くだり的に割当されておる。ここに問題がある。つまり一方において、いろいろな調査機関だけ、あるいは取締機関だけ、ふやすことによつては、完全なる供出は絶対にできない。少なくとも供出問題の根本的な原因は、今日いろいろな生産物價と農産物價との食い違いが起つておる。つまり米價が完全に生産費を償わないがゆえに、この供出問題は解決できないのであります。だから、問題は取締りによつて、あるいは強制的に米を出さすというよりも、少くとも農民が納得のいく米價を設定して、農民から自主的に喜んで供給さす方法に改める意志があるかどうかということを、政府に私はお聞きしたいのであります。
 しかも、なおつけ加えて、本年度は非常に暖冬異変で麦の收穫が減少しておる。天災地変によつて減少した場合においては当然補正を行うことが明文化されておる。この明文化されておる事実に対して、これからどれだけ多くの補正を行う用意があるか。政府は、今度の麦の事前割当をどれだけ軽減する用意があるかということも、あわせて聞きたい。そうして、もしそういう用意があるのであつたならば、補正をやつた後において麦の減收が起つたならば、二十四度における食糧を政府は完全に配給できる自信があるかどうかということも、あわせてお聞きいたしまして、私の自由討議を終ります。(拍手)
#46
○副議長(岩本信行君) 政府に対するいろいろな質疑がありましたが、その点は適当な機会に答弁せしめます。
 平川篤雄君、発言者を指名願います。
#47
○平川篤雄君 國民協同党は石田一松君を指名します。
#48
○副議長(岩本信行君) 石田一松君、発言を許可いたします。
    〔石田一松君登壇〕
#49
○石田一松君 私は、この自由討議の與えられた十分の時間の間に二三のことについて意見を申し上げ、同僚議員諸君の御檢討と御賛同とを得たいと思うのであります。(「専門の方をやつてくれ」と呼ぶ者あり)それはまた別の機会に入場料をいただいてやることにいたします。
 この自由討議の時間が國会に設けられました根本の理由は、國会法が改正をされまして、過去の帝國議会におけるときのように、あらゆる法案が提出されたそのたびに政府当局者がこの本会議の席上で提案趣旨の弁明をする、それに対して各党各派が活溌な討論を加える、また質問を集中するという形式がとられなくなりまして、常任委員会を中心とする制度になつた関係上、これら國家に重大な関係を持ち、國民が最も大きな関心を持つ問題等について、この自由討議の時間をかりてそれを議題とし、各党各派が盛んなる論議をこの壇上において闘わせる、しかもそれがゆえに発言者をあらかじめ指名しないで、発言指名者を各党に定めておいて、ある一人の人がある議題に対して一つの意見を吐いたときに、この党の指名者は、わが党としては、ただいまの発言者に対してだれを出してこれを反対駁したら一番有利かということを判定して、その指名者がそのときそのときに自分の党のだれそれと発言者を指名して行つて、活溌なる論議がこの壇上において繰返される、これが自由討議のあり方であると思うのであります。自由討議は、前の國会法では二週間に一回と定められていたものが、議員諸公というか、各党のこの自由討議に対する関心が薄いせいか、遂にこれが三週間に一回と、なるべくない方がいいだろう、こういうことになつたのでありますが、まことにこれは遺憾だと思います。これがまず自由討議に関する私の考えでございますが、ここに一言、私は特に新しい問題を持ち出してみたいと思うのであります。
 それは、敗戰後、富くじとか競馬とか、いわゆる賭博類似の、政府、地方自治体の財政を強化する一つの方法がとられております。しかも、これは法律で許されております。私は、ここにおきまして、ただいま畠山議員の観光事業なんかにも相当関係があると思うのでありますが、賭博が反社会性をもち、犯罪であるという理由根拠は賭博を許すことによつて産業面に対する資金を集めることが相当不可能に陷るおそれがある。すなわち、賭博に費消されるために遊惰なる國民を生じ、資金が賭博に流れる、産業から離れて行く、あるいは破産者が賭博のためにできて、その破産者が犯罪を犯すというようなこととか、あらゆる反社会性がある。こういうことから賭博がが犯罪となつているのであろうと思います。これらの点を全部是正して、賭博をなしても反社会性が認められないという賭博の方法ならば、これは犯罪として罰する必要はないと私は思うのであります。
 どうすればいいか。すなわち法律によつて一定の場所における賭博行為を許す。しかも、この賭博場に入場して賭博を行い得る者は、一定の金額を一定の金融機関に、一定期間定期預金をした通帳を持参した者に限る。これは私は決して思いつきで申し上げておるのではありません。これで税金をとるのであります。しかも、この定期預金通帳を他人に讓渡することを許しておきますれば、もし本人が賭博場で自分の持つておる財産を皆無にしてしまう、破産するおそれがあるというときには、例えば十万円なら十万円の通帳を持つておるのでありますから、これを他に賣ればいいのであります。他に讓つた場合、この破産した本人には現金は入りますが、通帳が他人の手に渡りますので、その人は再びその賭博讓場に入ることができない、こういう組織にしてしまう。この金融機関に金を集める方法と、しかも公然と一定の場所で、ある組織のもとにやらせる賭博場をつくつておくならば、むしろ競馬とか、あの街頭にあふれておる富くじなどというみつともない方法でやるよりか、よほどこの方が文化的であると私は考えるのであります。
 さてもう一つ、課税の対象として、財源の乏しい折柄、敗戰後財産税が創設されました。これはまことにいい思いつきであつたかもしれませんが、非常に違法行為が行われた。そこで私は、これも奇想天外な問題であつて、のんきだとおつしやるかもしれませんけども、通貨流通税などというようなものを設けたらどうかというのであります。すなわち、たとえば一定の期間を定めて、何月何日以降金を使う者は、その紙幣に対してその何パーセントかの收入印紙を貼用したものでなければ通用を認めない。すなわち百円に対して三割、つまり三十円の收入印紙をこれに張つて、しかも郵便局あるいは銀行の消印を押したものでなければ通用を認めない、効力を認めないということにしますれば、現在発行されております三千百億以上のものから、最低一千億の税收入が上つて來るのであります。そういたしますれば、いかに現在のやみ利得者が違法行為をやろうと思つて、あらゆる方法でどんなに自分の財産を隠匿しておりましても、この財産をある物にかえようとか、金としての力を持たせようというときには、必ずこれに対する三割の税金を納めなければ自分のもつておる金は使えない。但し、この際一定の金融機関にこれを預貯金した者に限つては、たとえばこの三〇%という課税の率に対して減歩を認めるということにいたしますと、隠匿されておるところの、退藏されておるところの資金を相当活溌にこの面に集中することができる。私はこういうふうに考えております。これは單なる思いつきではありません。もちろん私は專門家ではありませんから、いろいろ欠点もあるかと思いますが、あらゆる專門家が愼重に檢討したならば、まず第一の問題は富くじあるいは最近の競馬より以上の方法であり、第二の方法は敗戰後行われた財産税の創設より以上進歩的な、合法的な課税方法であると私は考えておるのであります。一應私のこれに対する意見を申し上げまして、皆樣の御檢討を仰ぎたいと思うのであります。(拍手)
#50
○副議長(岩本信行君) 北二郎君、発言者を御指名願います。
#51
○北二郎君 農民党といたしましては河口陽一君を指名いたします。
#52
○副議長(岩本信行君) 河口陽一君、発言を許します。
    〔河口陽一君登壇〕
#53
○河口陽一君 私は與えられました十分の時間のに、電力料の問題と超過供出の問題について討論を行いたいと存じます。なお電力料の問題に対しては所管大臣の御答弁を願いたいのですが、ご出席がないようですから、議長において適当な機会にとりはからつていただければ、まことに幸いと存じます。
 現在電力は國家管理になつておるのですが、その料金は地区によつて異なつた料金を徴收されておるのであります。その詳細は、私の乏しい資料では十分明瞭とは申し上げられませんが、全國をA、B、Cの三地区にわけて、A地区は北陸配電地区、Cは北海道、九州、四國で、他はB地区としての取扱いがされておるのであります。今A、B、Cの各電力料金を調べますと、一箇月一キロから五十キロまでの基本料金は、一キロ当り各地区とも一円二十銭で、問題はないのでありますが、五十キロから五百キロまでは、Aは八十一銭、Bは九十銭、Cは一円となり、五百キロから三千キロ以上はA六十八銭、B七十九銭、Cは九十銭、三千キロ以上は、Aは五十三銭、Bは六十八銭、Cは八十一銭となつておるのであります。なおこのほか、超過分に対してはそれぞれ差異のある超過料金がきめられております。
 私はこの際、具体的に昭電旭川工場における電力料について調査をした結果を申し上げて御判断をいただきたいと存じます。もちろん先に申し上げました料金から、大口は常時五分引、期間常時は三割五分引、特殊供給分は六割五分引きというような取扱いになり、なお九月一日から取引高税が実施され、二分加算ということになつております。なお超過料金に対してはこまごまとした計算がありますが、時間が長くなるので省略をいたしまして、結論的な計算だけを申し上げてみます。
 なお旭川工場は石灰窒素並びにカーバイドを生産し、一箇月五百万キロの電力を必要といたしますが、過去における一箇月平均の政府割当は百五十万キロとなり、これが肥料の重要性から考えまして、本年は二百五十万キロ配電になると仮定して計算をいたしますると、一應A地区は一キロ六十九銭となり、B地区は八十八銭となり、北海道のC地区は一円五銭となるのであります。從つて一年間に換算いたしますと、実にA地区とC地区の差異だけで――旭川工場が支拂う電力料の差金だけで千八十万円という厖大な金額になるのであります。私は國家管理下にある電力料金に、地区によつて一工場でかような差のあることに驚きを感ずるのであります。もし政府が電力の生産あるいは客観情勢によりやむを得ないといわるるならば、私は石炭を生産する九州、北海道の石炭コークス代も当然安くすべきであると考えるのであります。
 しかして政府は、電力量にいわゆる客観情勢によつて差異をつけておると申しますが、北海道、九州における電力生産費は何ら高くなつておらないのであります。ただ考えられますことは、北海道における人口の密度が疎であるから、送電に関して多少の経費がかかるということが考えられますが、九州地区においては、そういうこともないのであります。ただ考えられるのは、北海道、九州は電力が極度に不足をいたしておりますから、それらに乗じて政府が一方的にこれらの地区の電力を値上げいたしておるように考えられるのであります。このことによつて北海道、九州方面の電力を使う工場が非常な圧迫を受け、從つて生産されたもののコストが高くなる、いわゆる企業の圧迫をいたしておると私は考えるのであります。かかる観点から、議員諸君の御協力を得まして、これらの不合理なる料金に対しては適当な機会に御処置をとられんことを要望するものであります。
 次に超過供出の問題でありますが、政府は去る閣議において、超過供出に対しても強権処置をとると御決定になり、近く法律案として國会に提出さるるやに聞き及ぶのでありますが、今日の状態において、農民が九原則により供出に協力をするということは十二分に承知をいたし、この超過供出に対しても、あらゆる角度から檢討いたし、しかして去る日、代表者がこれに対して、四つの項目を掲げて主張いたしておるのであります。すなわち、超過供出に対しては課税の撤廃、二つには特別價格の処置、三つには保有食糧の増量、四つには災害減額補正、この四つの要求を出しておつたのでありますが、これに対して政府は、一と二をたな上げいたしておるように聞くのであります。
 民自党は、御承知のごとく選挙戰には自由販質というスローガンのよつて投票を集められたのであります。しかして、このスローガンに対して、今強権措置をもつて農民に臨まれると言うことは、私ども納得しがたいことは、もちろんであるが、民自党の諸君が農村に行つて、この問題に対し何と釈明さるるか、私はそれを承りたいのであります。一の課税の問題は、これはあらためて臨時國会で檢討するということに聞き及んでおりますから、この問題は別としても、残り三つの農民の要求に対しては、自由販賣というスローガンを捨てた今日、これだけでも民自党の諸君が御賛成になり、この超過供出に対する法律案に対してはこの農民の要求をいれられて、せめてものおみやげとされんことを望んで終ります。(拍手)
#54
○副議長(岩本信行君) 河口君は商工大臣に質問されたようでありますが、商工大臣はただいま予算委員会に出席中でありますので、電力局長が変わつて出席いたしております。局長でよろしければお答えを願いますが、いかがですか。
#55
○河口陽一君 けつこうです。
#56
○副議長(岩本信行君) 局長でよろしいというお話でありますから、しからば商工省電力局長玉置敬三君。
    〔政府委員玉置敬三君登壇〕
#57
○政府委員(玉置敬三君) 電氣料金の問題でございますが、ただいまのお話の通り、大口料金につきましては、全國を三つのブロックにわけまして、それぞれ大体一割程度の差額をつけております。將來この電氣料金の問題に関連いたしまして地域差をどう持つて行くかということは、私ども目下研究をしておる問題でございますが、一面におきましては、また大いに地域差をつけて、その産業を立地的に考えましても、その地域差の自然のままの姿のところで産業の発達もあわせてこいねがうというような主張も相当あるのであります。ただいま、九州その他におきましても高き理由はないというお話がございましたが、電氣料金の算定におきましては、電氣事業を一まとめにいたしまして、それぞれ原價計算をとつております。これを地方に配分いたしますときには、大体今まで電氣料金の政策におきましては、一般電燈料金の小口料金は全國均一でございますが、大口料金につきましては、さらにそれ以上の差額をつけるということは、原價計算に基きまして人為的な調整をしないという主張が強いのであります。九州等におきましては、御承知のように六割が火力発電でありまして、水力発電はあとの四割という状況を考えますると、たとえば北陸地区から考えますると、配電原價におきましては数倍の料金の差異を設けなければならぬと言うのが原價主義からの結論でありますそれを大体一割程度にしておるのでありまして、これらの点につきましては、私ども目下研究中でございますが、いろいろな國土計画、あるいは工場の立地條件その他を考えますれば、でき得る限り自然のままで原價的に構成して行くというふうに考えて行くのがよいのではないかというふうにも考えております。從いまして、この地域差を過激にその方面に持つて行きますことは、現在の物價政策その他との関連もございまするので、十分全般との関係等をにらみ合せて地域差の問題を解決して行く方針でございます。
#58
○副議長(岩本信行君) これにて自由討議は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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