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1949/04/23 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 本会議 第21号
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1949/04/23 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 本会議 第21号

#1
第005回国会 本会議 第21号
昭和二十四年四月二十三日(土曜日)
 議事日程 第十九号
    午後一時開議
 第一 國立病院特別会計法案(内閣提出)
 第二 政府に対する不正手段による支拂請求の防止等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 馬籍法を廃止する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第四 農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律案(内閣提出、参議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した事件
 議員林百郎君懲罰事犯の件
 日程第一 國立病院特別会計法案(内閣提出)
 日程第二 政府に対する不正手段による支拂請求の防止等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 馬籍法を廃止する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第四 農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律案(内閣提出、参議院送付)
    午後一時十二分開議
#2
○議長(幣原喜重郎君) これより本日の会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、議員林百郎君懲罰事犯の件を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#4
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 議員林百郎君懲罰事犯の件を議題といたします。林百郎君退席を求めます。委員長の報告を求めます。懲罰委員長松木弘君。
    〔松木弘君登壇〕
#6
○松木弘君 ただいま議題となりました議員林百郎君懲罰事犯の件につきまして、懲罰委員会の審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本件は去る十九日の本会議において椎熊三郎君提出の懲罰動議可決の結果、懲罰委員会の審査に付されたのであります。懲罰委員会におきましては、二十日及び二十一日の両日委員会を開きましたが、二十日には、まず動議の提出者である椎熊三郎君から提出の趣旨説明を聞き、次いで事犯者林百郎君の身上弁明を聞きました。
 椎熊君の動議提出の理由は、林百郎君が昭和二十四年度予算に対する質疑中、入江法制局長の意見を引用するにあたつて、あえてこれを歪曲して予算の審議に重大な支障を與えようとした行動は、國会の神聖を傷つけ、議院品位を落としたというのであります。また林百郎君の弁明は、入江法制局長の意見の引用の仕方が妥当でなかつたことは認めるが、椎熊君の言うごとく故意に歪曲したものではなく、あくまで國会の権威を保持せんとするのが眞意であつたというのであります。
  二十一日種々協議いたしまして後委員会を開きましたが、佐々木秀世君より、議員林百郎君に対し國会法第百二十二條第二号により公開議場における陳謝を命ずべしとの動議が提出せられまして、これに対して討論を省略いたしまして採決の結果、動議のごとく公開議場における陳謝を命ずべきものと決した次第であります。
 次に、委員会において陳謝文案は委員長に一任されましたので、委員長において起草いたしました陳謝文案をここに朗読いたします。
   陳謝文案
  昭和二十四年四月十六日の本会議における昭和二十四年度予算審議中本員の質疑演説の際に、本院議院運営委員会における討議内容を不当に引用いたしましたことは不注意の至りでありまして、議院の品位並びに國会の威信保持上顧みて申訳ありません。
  玄に誠意を披瀝して衷心より陳謝いたします。
 以上、きわめて簡単でありますが懲罰委員会における審査の経過並びに結果について御報告いたします。(拍手)
#7
○議長(幣原喜重郎君) 本件の採決をいたします。議員林百郎君懲罰事犯の件委員長報告に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
    〔「反対々々」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて議員林百郎君懲罰事犯の件は委員長報告の通り議決いたしました。(拍手)
 林百郎君の入場を許します。
 ただいまの議決に基き宣告いたします。昭和二十四年四月十六日の本会議における議員林百郎君の発言は不穏当なるものと認め、同君に対し國会法第百二十二條第二号により公開議場における陳謝を命ずべきものと議決いたしました。よつて議長は、林百郎君に対し委員会起草の文案を朗読し陳謝の意を表すべきことを命じます。(拍手)林百郎君の登壇を求めます。
    〔林百郎君登壇〕
#9
○林百郎君 昭和二十四年四月十六日の本会議における昭和二十四年度予算審議中本員の質疑演説の際に、本院議院運営委員会における討議内容を不当に引用いたしましたことは不注意の至りでありまして、議院の品位並びに國会の威信保持上顧みて申訳ありません。
 玄に誠意を披瀝して衷心より陳謝いたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 第一 國立病院特別会計法案(内閣提出)
 第二 政府に対する不正手段による支拂請求の防止等に関する法律の一部を改正する法律(内閣提出)
#10
○議長(幣原喜重郎君) 日程第一、國立病院特別会計法案、日程第二、政府に対する不正手段による支拂請求の防止等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大藏委員長川野芳滿君。
    〔川野芳滿君登壇〕
#11
○川野芳滿君 ただいま議題となりました國立病院特別会計法案について、委員会における審議の経過並びに結果を概略御報告申し上げます。
 まず、この法案が提出いたされました趣旨について申し上げますと、この法案は、國立病院の円滑なる運営とその経理の適正をはかるために特別会計を設置いたしまして、一般会計と区分し経理しようとするものであります。
 次に、この法案の提出を必要とするようになりました事情についてその概略を申し上げますと、國立病院は元陸海軍病院を引継ぎ、昭和二十年十二月一日より発足したものでありまして、発足の当初は、元陸海軍病院時代よりの入院患者が大部分でありましたが、その後外來患者に対する施設も拡充いたしまして、現在では全國に九十八箇所の病院を有し、その病床数も約二万四千に上つており、その運営も漸次軌道に乗つて参りまして、経理面におきましても漸次改善の跡が見られるのでありますが、何分にも一般の官職と違いまして病院の事業を経理しております特殊な官職でありますから、その経理面を明確に整理し、適切な経営方策を立てて行きますためには、特別の会計を設置いたしまして一般会計と区分することにより、その収支を明確にいたし、なおその足らないところは一般会計から補足するようにして行くのが最も適当であると認められますので、この法案の提出を必要とするようになつた次第であります。
 次に、この法案の内容についてその主要なる点を申し上げますと、この法案では、第二條において「この会計は、厚生大臣が、法令に定めるところに從い管理する。」と規定しております。
 第三條においては、昭和二十四年七月一日において一般会計からこの会計に引継いだ資産の金額をもつてこの会計の基金とする旨規定しております。
 第九條において、この会計において支拂上現金に不足があるときは、一時借入金をなし、または國庫余裕金を繰入れ使用することができる。但し、この一時借入金及び繰替金の限度額については、予算をもつて國会の議決を経なければならないと規定しております。
 第十七條において、政府は看護婦養成の経費に充てるため必要な金額を、予算の定めるところにより一般会計からこの会計に繰入れることができると規定しております。
 なお附則の第三項では、この会計の歳出の財源に充てるため必要があるときは、当分の間、右に申し上げました第十七條に規定する場合、すなわち看護婦養成に必要な経費のほか、予算の範囲内において一般会計からこの会計に繰入金をすることができると規定し、第四項では、第三項の規定によつて一般会計からこの会計に繰入金をした場合に、決算上剰余金が生じたときは、その剰余金の一部を利益に組み入れないで、翌年度の歳入に繰入れることができると規定しております。
 この法案は、去る十四日、本委員会に付託されたものでありまして、翌十五日提案理由の説明を聴取し、十六日質疑に入りまして、塚田委員より、特別会計とすることにより独立採算制を考えねばならぬが、病院の性質上他のものとは異なつていなければならないと思うが、この点に関する政府の所信はどうであるかとの質疑があり、佐藤政府委員より、病院の性質からいつて他の特別会計とは異なつており、従つて必ずしも赤字が出ないとは思つておらないので、本年度においては予算をもつて一般会計から約六億円の繰入れを見込んでいるとの答弁があり、前尾委員よりは看護婦養成費等について質疑がありましたが、この法案は厚生方面にも重大な関係を持つておりますので、十八日及び二十日の両日厚生委員会と連合審査会を開くことといたしました。
 両日の審査会においては、厚生委員会の松谷委員、田代委員、青柳委員、逢澤委員、福田委員、床次委員、苅田委員、大藏委員会の田中委員、河田委員より、社会保障制度との関係、独立採算制との関係、附則第三項にある当分の間の意味等について質疑がありましたが、これに対し林厚生大臣、厚生省医務局長東龍太郎君、同次長久下勝夫君、大蔵省主計局法規課長佐藤昂君より、社会保障制度に逆行するものではない、独立採算制をとろうとしているものではなく、また将来独立採算制に移行して行こうとするものでもない、当分の間とは時期をきめないという意味である等の答弁がありました。
 なお二十一日には、参考人として國立東京第一病院長坂口康藏君、全日本國立医療労働組合委員長堀江信二郎君の意見を聴取しましたが、厚生委員会よりは、この法案について次のような修正を施すのが適当と認められるから、これを厚生委員会の希望として申し入れるとの申出がありました。すなわち、附則第三項中「当分の間」を削除した上、この第三項と同第四項とを本文第十七條の第二項及び第三項として挿入することであります。
 次いで、二十二日討論に入るに先立ち、宮幡委員は、共産党を除く各派共同の提案として次のような修正案を提出されました。今それを朗読いたします。
  國立病院特別会計法案の一部を次のように修正する。
 第十七條に次の二項を加える。
  政府はこの会計の歳出の財源に充てるため必要があるときは、前項規定する場合の外、予算の範囲内おいて、一般会計からこの会計に繰入金をすることができる。
  前項の規定により一般会計からの会計に繰入金をした場合において、決算上剰余金が生じたときは、政令の定めるところにより当該剰余金に相当する金額の一部を利益に組み入れず、翌年度の歳入に繰り入れることが出來る。
  附則第三項及び第四項を削る。これが修正案であります。
 次いで宮幡委員は、修正の理由として、國立病院特別会計は他の特別会計と異なり、独立採算制をもつて押すべきではない、従つて、赤字は一般会計より補填するのが当然である、なお一般会計より補填する規定を附則に置くと単純な独立採算制にするように解せられる傾向があるから、これを本文に置くのが適当であるという趣旨を述べられ、続いて修正案を除く原案に対しては民主自由党を代表して賛成の意を表すると述べられました。
 次に河田委員は、共産党を代表して、本案は独立採算制に移行する準備となつていることが明白であつて、その結果従業員の労働強化、利用者の医療低下となるから絶対に反対であるとの意味を述べられ、荒木委員は民主党を代表して修正案及び修正案を除く原案に賛成する旨を述べられ、なお一般会計より繰入れるとしても、経費節減に急なるあまり患者の取扱いに低下なきよう運営せられることを希望すると付言せられました。
 次いで採決に入りましたところ、修正案は起立多数をもつて可決せられ、修正案を除く原案も起立多数をもつて可決せられ、よつて本案は修正議決せられました。
 以上、御報告申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました政府に対する不正手段による支拂請求の防止等に関する法律の一部を改正する法律案について、本委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、一般競争契約または指名競争契約についてこの法律の適用を調整せんとするものであります。すなわち、さきに昭和二十二年九月十一日付連合國最高司令官から日米政府あて政府支出の削減に関する覚書に伴いまして、当時政府がやみ價格と不当な高賃金による支拂いから免れ得て財政の危機を突破し得るよう、第一回國会においてこの法律が制定せられたのであります。爾來一年余りの運用の結果は、若干の改正を要することを見出すに至つたのでありますが、今回連合國最高司令官からも再び覚書が発せられまして、競争入札契約による政府支出の場合、その契約額を公債として取扱うことができるよう指令されましたので、ここにこの法律の改正をはかることとなつたのであります。
 その内容は、予算、決算及び会計令による一般競争契約または指名競争契約に基いて政府が物品、資材、建設または役務の給付を受けて、その対價を支拂う場合は、政府があらかじめ予算價格を計算し、しかもその計算を合理適正なものとし、その範囲内で、落札するものである以上、その額を一種の公價として取扱うことが妥当であるので、さよう取扱おうというのであります。右が本法律案改正の趣旨と内容であります。
 本法律案は、二十一日委員会に付託せられ、二十二日政府委員より提案理由の説明を聴取し、次いで河出委員の質問とこれに対する答弁があり、質疑を打切り、ただちに討論に入りました。共産党を代表して河田委員は、本法律案は集中生産を促進し、中小企業をますます苦難の道へ導くであろうとの意味において反対する旨表明せられ、民主自由党を代表して塚田委員は、この改正は当然行われるべき適正な改正なりとして賛意を表せられ、討論を終結し採決に入りたるところ、起立多数をもつて原案を可決いたしました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#12
○議長(幣原喜重郎君) 討論の通告があります。その発言を許します。田代文久君。
    〔田代文久君登壇〕
#13
○田代文久君 日本共産党を代表いたしまして、国立病院特別会計法案に対しまして、反対の意見を表明いたします。
 すなわちこの法案は、大蔵委員会並びに厚生委員会におきましてもまれました結果修正を見るに至りましたることは多いとするのでございますが、根本的に本案は社会保障の問題に関しましてその態度を改めてはおらないのであります。すなわち、政府の説明によりますと、政府はこの特別会計にするうとによつて、とれるだけ患者からとり、むだを省くというのが中心的な趣旨であるというふうに説明されたのであります。すなわち、この特別会計を実行することによりまして、本年度における予算面はどういうことになるかと申しますと、昨二十三年度におきましては、一般会計からこの國立病院に対しまして九億六千八百万円の繰入れをやつておるのであります。ところが、七月一日から特別会計にいたしますと、政府の一般会計からの繰入れは五億六千五百万円に減るのでありまして、差引三億八千三百万円減少するという結果になるのであります。
 政府の説明によりますと、一般会計から約四億円近く減少するということは、全國九十八の國立病院自体が十分の利益を上げてほしい、これがすなわち努力目標であるということを主張されるのでございますが、その約四億円近い財源はどうしてこれを捻出するか、これに対する政府側の意見によりますと、生活保護法患者あるいは社会保護を受けておる患者諸君などを中心といたしまして、現在の医療費を約一割から一割五分近く値上げする、それによつて四億円近くの金を捻出して、一般会計からの繰入れを減らすということになつているのであります。
 すなわち、これによつて私たちが判断いたしますと、はつきり國立病院というものが営利化されるような危険が多分にあるのでありまして、その結果どういう事態に立ち至るかと申しますと、生活保護法を受けている患者、あるいはまた治療費を全然持つておらないところの患者、こういう人々が國立病院に收容されることがなかなか困難になつて来る、排除されるというような危險が多分にあるのでございますし、またむだを省くという名目のもとに、病院に勤務されているところの看護婦さんとか、あるいは勤務員諸君を、その数を減らすというようなことになつて來るのでありまして、ここに労働強化が強制せられ、ひいては医療効果を低下させるという結果になつて参るのであります。
 現在、わが國における國民の健康状態はどうであるか、失業者は一方においてますます増大いたし、植民地的な低賃金と、また植民地的な労働強化によりまして、國民の健康状態は日にに悪化しつつあるのであります。炭鉱に一例をとりますならば、昨年から現在までわずか一年間におきまして、胸部疾患者――結核患者は急カーブを描いて増大しつつある状態であります。これは單に炭鉱産業だけではなくて、あるいは鉄鋼産業におきましても、あらゆる産業におきまして、かくのごとき状態になりつつあるのであります。その社会的責任をどうすればいいのであるか。
 また一方におきましては、社会保障制度を十分確立し、文化國家として体面を十分維持しなければならないというので、この國会におきましても、また前國会におきましても、社会保障制度審議会なるものをつくつて十分社会保障制度の確立強化をはからねばならないということになつて來ておるし、イギリスにおきましては、御承知のように昨年七月以來医療の國営が断行され、社会保障の制度がだんだんよくなりつつある状態になつておるのでありますが、この特別会計法案それ自体を検討いたしますならば、明らかにこういう客観的な世界の情勢に逆行いたしますところの、文化國家として屈辱的な法案であるというふうに、れわれは考えざるを得ないのであります。こういう法案が通ることによりまして、國際的信用はますます下落するし、あるいは時代に逆行するということになるのでございまするし、また社会保障あるいは公衆衛生の増進強化に努めなければならないという憲法第十五條の精神をも蹂躪することになつて参るのであります。
 御承知のように、この法案が提出されるということが全國に廣まりました結果、全國九十八の國立病院の患者諸君をはじめ、地元の町村民あるいは町村長から、ごうごうとして反対の意見が出て参りまして、すでに厚生委員会におきましても、四十九万七千人、約五十万人に近い反対の署名が出ておりまするし、あるいは町村長をはじめといたしますところの地元の方々の請願あるいは陳情というようなものが日に日にたくさん参つておるような次第を見ましても、いかにこの法案に対する日本人民大衆の反対意見がごうごうとして起つておるかということを明瞭に物語つておると思うのであります。
 大藏大臣は、大藏委員会やら、あるいは予算委員会などにおきまして、財閥、大資本家の赤字補填に対しては國家は道徳的な責任を感ずるのであるということをしばしば言われまして、数十億あるいは数百億になんなんとする赤字補填の財源はどんどん予算を組みながら、この國民の生活、保健に関するわずか四億足らずの金をちよん切るうとしておるこの社会的な道徳的責任を、大蔵大臣あるいは厚生大臣は何とするのであるか。もしこういう法案が本國会を通過いたしまするならば、地元の町村民の方々の全國をあげてのごうごうたる反対運動が起るのでありまして、おそらく皆様方は本法案に賛成されないであろうと思うのでございまするが、もし賛成されるということでありますならば、地元の町村民の一大反撃が起るであろうということをわれわれは警告し、共産党を代表いたしまして断固反対の意を表する次第であります。(拍手)
#14
○議長(幣原喜重郎君) 次は松永佛骨君。
    〔松永佛骨君登壇〕
#15
○松永佛骨君 ただいま上程されました國立病院特別会計法案に対しまして、民主自由党を代表して、大藏委員会において修正可決されたる委員長報告の原案に賛成の意を表するものでございます。
 厚生委員会におきましては、本法律案の重要性にかんがみまして、数次にわたり審査を重ね、さらに二回にわたつて大藏委員会との連合審査をとげたのでありますが、論議の中心は、國立病院に特別会計制度をとる結果、従来の國立病院事業の運営に対して、あるいはその目的に反するがごとき影響を及ぼすことがないかどうかという点に最も関心が注がれたのであります。委員と政府との間の熱心なる質疑應答によりまして、政府の意のあるところも次第に明白になつたのであります。
 要するに本事業は、その性質上、他の特別会計、たとえば鉄道、逓信事業のごとき場合と異なりまして、独立採算制を実施することはまつたく不適当であり、特に現今の実情に照すときは、とうてい実施不可能と認められたのでございます。すなわち特別会計となりましても、一般会計からの繰入れ原則は万やむを得ざるものと思料いたしたのであります。よつて厚生委員会におきましては、この点を明白にするために、本法律案に対しまして数項の修正を施すのを適当と認め、これを厚生委員会の希望として大藏委員会に申し入れた次第でございます。しかるところ、ただいま委員長の御報告の通り、大藏委員会におきましても、この申入れの妥当性を認め、厚生委員会の要望に沿うがごとく修正を施されたのであります。これによりまして、最も論議の中心となりました独立採算制の原則が放棄されまして、この点を中心とする不安が解消することとなりましたので、國立病院が特別会計制度となりましても、一般会計からの繰入れによつて、その事業運営上はからざる支障を生ずるような偽それはないものと思料せられるのみならず、もちろん田代君の言われるような患者からの料金の値上げ等は行わないのでありますから、むしろこれによつて収支の経理の関係の明確を期し、むだを省いて能率的運営をなし、その本來の使命達成をはかり、有終の美果をかち得るものと確信いたします。(拍手)
 よつて私は、民主自由党を代表いたしまして本案に賛成するものであります。(拍手)
#16
○議長(幣原喜重郎君) 長谷川四郎君。
    〔長谷川四郎君登壇〕
#17
○長谷川四郎君 ただいま上程中の國立病院特別会計法案に対しまして、特に嚴重なる警告を付しまして、民主党を代表いたしまして賛成するものであります。
 わが國におきましては、いまだ社会保障制度が確立しておりませんので、本法案の実際の運営いかんによりまして、國民保健の上に重大なる影響を與えるものであります。さきに本特別会計の設置が、あるいは独立採算制を実施するものかのごとく考え、病院関係者に大いなる憂慮を抱かせたのであります。しかしながら、独立採算制に関しましては、すでに当局より、そのしからざること及び将來にもその意思なきことを表明いたしまして、さらに今回一部修正が加えられましたのであります。この点一應了解したのではありまするが、本問題は依然としてその運営に残つておるのであります。もし、いたずらに収入を上げんとし、医療の内容の充実を怠り、あるいは患者に対し医療の徹底を欠くがごときことあらば、やはり委員会において懸念したことが生じ得ることになるのであります。この点、政府においても十分その意のあるところを察し、法そのものの運営に遺憾のなきを期するとともに、もし予算に不足を生じましたときには、ただちに追加補充し、医療に支障なきを期せられたいのであります。
 次に、國民医療の全体の立場より警告を述べることにいたします。すなちち、現今わが国民生活のありさまは、なお窮乏生活を続けておるのでありまするが、特に本年度におきましては、その予算の特殊性から見て、地方配付金の減少、公共事業費の縮小等より、地方財政の窮迫は一層はなはだしきものであると思うのであります。このために生活保護法の適用が円滑を欠くことをおそれますので、この点については、民生委員その他関係者の一層の努力を要望するものであります。なお、今後想像せられるところの失業増加は國民生活を一層圧迫するものでありまして、このときに、生活保護法その他社会保険の適用を受けざる者、すなわち従来実費にて医療を受けておつた者も相当苦境に陷ることが予想せられるのでありまして、この点についても、國民医療を受けるに支障なきよう特に愼重な注意を要するとともに、この機会において一日もすみやかに國民が医療を十分に受けることのできるよう社会保障制度の確立を要求する次第であります。私は、以上の点につきまして警告を発し、特に政府の愼重なる配意を要望して本法案に賛成するものであります。(拍手)
#18
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。まず日程第一について採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#19
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。(拍手)
 次に、日程第二につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#20
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
    ――――◇―――――
 第三 馬籍法を廃止する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第四 農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律案(内閣提出、参議院送付)
#21
○議長(幣原喜重郎君) 日程第三、馬籍法を廃止する法律案、日程第四、農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律案、右両案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員長小笠原八十美君。
    ―――――――――――――
    〔小笠原八十美君登壇〕
#22
○小笠原八十美君 ただいま議題となりました、内閣提出、参議院送付にかかる馬籍法を廃止する法律案並びに農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律案につきまして、農林委員会における審議の経過及び結果の大要を御報告申し上げます。
 まず馬籍法を廃止する法律案より御報告いたします。馬籍法は、大正十年、主として軍馬徴発の便宜に供するとともに他面馬産改良及び馬の取引改善をはかる目的で、馬籍簿の作成と馬の検査に関する規定を内容として制定せられたものでありますが、現在ではすでに軍馬徴発を目的とする馬籍の必要は消滅いたしましたし、また馬産改良や馬の取引の改善につきましても実際上寄與するところはなはだ少くなりましたので、これを廃止いたしたいというのが提案の理由であります。
 本法律案は、四月十二日、予備審査のため農林委員会付託となり、同月十五日提案理由の説明を聽取いたし、さらに十九日質疑を行いましたが、農民新党寺崎委員より、馬籍法を廃止した後、農耕馬、輓馬の記録保持についてどんな代案があるかとの質問があり、政府側より、農林省令によるセンサス並びに家畜登録協会の家畜登録をもつてこれにかえたいとの答弁がありました。次いで、二十二日討論を省略して表決に付しましたところ、全会一致をもつて原案通り可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律案につき御報告申し上げます。
 農業災害補償法第十二條第三項において、食糧管理特別会計が農作物共済の共済掛金の一部負担金を食糧の賣渡價格の中に織り込み、消費者に負担させるように定めてありまするが、二十三年度、二十四年度におきましては、國の賃金政策、物價政策上これを消費者負担とせず、一般会計より繰入れるようにしたいというのが本法律案の提案理由でございまして、これに伴う予算二十八億九千万円はすでに二十四年度一般会計予算に計上され、本國会を通過している次第であります。
 本法律案は、四月十六日、予備審査のため委員会付託となりましたが、昨二十二日農林委員会を開催、提案理由の説明を聴取しましたる後、ただちに質疑に入りましたが、農民新党寺崎委員より、農家経済窮迫の現状にかんがみ共済掛金の全額を國庫負担とする意思はないか、また虫害を共済事故に加える必要はないかとの質問があり、政府委員よりこれに対しまして、共済掛金の全額國庫負担は不可能であること及び虫害については近い機会につけ加えたい旨の答弁がありました。
 これにて質疑を打切り、討論を省略して表決に付しましたところ、全会一致をもつて原案通り可決すべきものと議決した次第であります。以上、御報告申し上げます。(拍手)
#23
○議長(幣原喜重郎君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
    午後二時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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