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1949/05/07 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 本会議 第25号
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1949/05/07 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 本会議 第25号

#1
第005回国会 本会議 第25号
昭和二十四年五月七日(土曜日)
 議事日報 第二十三号
    午後一時開議
 第一 飲食営業臨時規整法案(本院提出、参議院間付)
 第二 失業保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 特別都市計画法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第四 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第五 刑事訴訟費用法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第六 関税法の一部を改正する等の決議案(内閣提出)
 第七 専売局特別会計、印刷局特別会計及びアルコール専売事業特別会計の利益の一般会計への納付の特例に関する法律案(内閣提出)
 第八 國庫余裕金の繰替使用に関する法律案(内閣提出)
 第九 國立公園法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十 医療法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第十一 医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第十二 伝染病予防法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十三 自由討議
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日本学術会議の会員に参議院議員田中耕太郎君、同高瀬荘太郎君、同堀眞琴君、同羽仁五郎君を充てる件
 海外市場調査員派遣についての決議案(廣川弘禪君外十二名提出)
 日程第一 飲食営業臨時規整法案(本院提出、参議院送付)
 日程第二 失業保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 特別都市計画法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第四 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第五 刑事訴訟費用法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第六 関税法の一部を改正する等の法律案(内閣提出)
 日程第七 専売局特別会計、印刷局特別会計及びアルコール専売事業特別会計の利益の一般会計への納付の特例に関する法律案(内閣提出)
 日程第八 國庫余裕金の繰替使用に関する法律案(内閣提出)
 日程第九 國立公園法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十 医療法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第十一 医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第十二 伝染病予防法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後一時二十五分開議

#2
○議長(幣原喜重郎君) これより本日の会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(幣原喜重郎君) 去る四月八日、内閣より、日本学術会議の会員に参議院議員田中耕太郎君、同高瀬荘太郎君、同堀眞琴君、同羽仁五郎君を充つることについて議決を得たいとの申出がありました。右申出の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて右申出の通り決しました。
     ――――◇―――――
#5
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、廣川弘禪君外十二名提出、海外市場調査員派遣についての決議案は、提出者の要求の通り委員会の審議を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#6
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 海外市場調査員派遣についての決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。宮腰喜助君。
    〔宮腰喜助君登壇〕
#8
○宮腰喜助君 まず、各党共同提案になる本決議案の本文を朗読いたします。
  海外市場調査員派遣についての決議案
  単一為替レート設定によつてわが國経済は國際経済と交流する途が開かれた。これを機会として輸出入貿易の伸長のため、あらゆる方策を講ずる必要が痛感される。特に國際經済、國際市場の動向に速やかに即應して、一層の振興をはかるため、関係者として海外マーケツトの実地調査をせしめるとともに、通商代表を海外要地に常駐せしめる必要がある。
  政府は、至急これが実現できるよう関係方面に懇請すべきである。
  右決議する。
 次に、右決議の趣旨を各派を代表して説明申し上げます。御承知の通り、わが國のごとく原料資源に乏しく、國内市場が狭隘な國におきましては、この國内繁栄を維持発展させ、國民生活水準を向上させるためには、一に貿易の増大にまつよりほかないのであります。すなわち、貿易の増大は実にわが國經済の死命を制するといつても過言ではありません。これは明治初年以来ずつとそうでありましたし、この事実は終戰後の今日においても何ら異なるところはないのであります。いな、むしろ戦時中のような孤立的自給経済をやめて、國際交易体制の一環として自國の存立をはかるべき方向に変化した現在、わが國にとり貿易の重要性はますます大きくなつたといわざるを得ないのであります。それゆえ、貿易の振興は、かの経済九原則の重要な一項目としても示されていることは、御承知の通りであります。
 このように、終戦後貿易の振興がいよいよ必要であるにもかかわらず、遺憾ながらその実績はいまだ十分であるとは申せないのであります。たとえば昨昭和二十三年は、輸出二億七千万ドル、輸入六億八千万ドル、輸出入合計九億六千万ドルでありますが、これを、戰前昭和十年ごろの貿易額を現在のドルで換算して四十億ドル以上であつたのに比べますと、実に四分の一にすぎないのであります。政府は、本年度の貿易計画として輸出五億ドル、輸入十億ドルを目標とし、それぞれ昨年の二倍くらいを見込んでおりますが、内外の諸事情より見て、これが達成は必ずしも容易でないと思われるのでありますから、日本経済の再建復興を念願としているわれわれとしては、何よりも貿易の振興をもつて最大の國民的課題として努力しなければならないのであります。
 しかして、貿易、輸出入と申しましても、もちろんその重要性は輸出面にあります。従つて、われわれはまず何よりも輸出の増大に全力を傾注せねばならないのであります。それには、國内におきましては、従来の消費財生産第一主義から輸出産業優先主義へと切りかえる必要もありましようし、また企業の合理化によつてコストを引下げ、優秀な商品を安く大量に輸出せねばならないことも当然であります。これらは國内における輸出振興の対策であります。
 ところが、このような國内政策だけで必ず輸出が増大するとは限りません。それは何ゆえか。それは、言うまでもなく、輸出には相手國が必要であり、その相手の政治的、経済的條件によつて海外諸國の有効需要に変化を来し、それがただちにわが國輸出貿易の盛衰を左右することとなるからであります。もちろんわれわれは、諸外國のこれらの諸條件をみずからつくり出すことはできません。これは、われわれの力ではいかんともすることはできないのであります。
 しからばわれわれは、海外諸國に対して何ら働きかけをなさず、漫然と現状のまま放つておいてよいかというと、決してそうではありません。ここに、われわれみずからの手によつて相当程度貿易状況を改善し得る手段があるのであります。それは何かと申しますと、われわれがいま少し海外諸國の市況を的確に把握するということであります。それにはどうすればよいか。それには海外市場の正確な調査研究機関の設置されていない今日のわが國としては、どうしても早急に海外に調査員を派遣し、海外要地に通商代表を常駐させることがぜひとも必要なのであります。幸いにして、総司令部当局の御好意により、終戦後再三わが國の業界代表が海外に渡航し、海外諸國の経済事情に接し得る機会を得ましたことは、われわれの常日ごろ厚く感謝いたしておるところでありますが、しかし、それらは地域的にも期間的にもきわめて限られたものであり、まだまだ十分なものということができないうらみがあるのであります。
 今ここに、われわれが海外に駐在員を持たず、海外の市況に暗いということがどのような不利益をわが國にもたらすか、反対にわれわれの希望が実現されるなら、どのような利益をもたらすかということについて、二、三の点を考えてみたいと思います。
 まず第一に、売買価格の決定に関する問題であります。現在は、何分にもわれわれには輸出される商品が当の相手國において幾らに売られているのかさえ十分わからないため、バイヤーに不当に安く買い上げられるという危険があるわけであります。また一方、現在のようにFOB価格によつていることは、早晩CIF価格によるように改められる必要がありますが、そのためには当然に海外事情を把握せねばならなくなるものと考えられます。
 第二に、現在では先方でどんなものが売れるか、よくわからないのであります。すなわち、海外の嗜好はどうか、どういう規格、どういうデザインのものをつくつたらよいのか、こういうことに一向通せずに、ただ盲めつぽうにつくつていなければならない。従つて、ほんの少しのことで先方の需要にマツチしないというようなことが起り、輸出に支障を来すようになるのであります。
 第三に、これは非常に重要なことでありますが、この調査團の派遣等によりまして新しい市場、新しい販路を開拓することであります。御承知のように、わが國の貿易上に占める各國の比率は、戦後と戦前では著しく異なつております。輸入の面におきましては最も極端で、戦前三割前後であつた対米輸入が昨二十三年において六割以上を占めておりますのは、現在の諸事情からいつてやむを得ないものと思われますが、一方輸出の面におきましても、戦前はアジア大陸がその半ばを占め、その中でも満州國及び中華民國がその半分を占めておりましたのに、昨年の輸出額中、中國の占める比率はわずかに二・四%であり、またインドのごときも、戦前には全体の一割以上を占めておりましたのに、昨年は実に〇・九%にすぎない有様であります。戦前に比べて総額が著しく減少しているのに、これらの國の占める比率がこのように低下しているようでは、わが國の輸出不振が叫ばれるのもまことに当然のことと思われます。この原因は、根本的には、これら諸國の政治的、経済的條件の変化に基くものでありましようが、また一方、これら國との相互の接触連絡の不十分によること多大なものがあると思われます。
 中國との貿易は特に最もわれわれの関心を寄せるものでありまして、政治的変化がどのように中國の地図を塗りかえようとも、わが國との経済的相互依存性は決して動揺するものではないと信じます。その他インド、東南アジア、ソ連、ソ連同盟國、あるいは最近特に有望を傳えられる中南米等、これらの市場はわれわれの関心の的となるものがあり、今後十分調査の必要があるわけでありまして、その結果は予想以上に大きな利益をもたらすものではないかと考えられます。
 その他、海外に調査員の派遣し、あるいは駐在せしめることは、輸出商品、特に機械等の場合、先方にその取扱いの技術を手ほどきし、その故障修理を容易にするためにも必要でありますし、あるいはまた商品の摩損、変質等による種々のトラブルの解決にも、調査員あるいは常駐員の派遣がぜひ必要なものと思われます。
 以上申し述べましたように、海外に調査団を派遣し、通商代表を駐在せしめることは、わが國の貿易を振興し、國際貿易の流れを円滑にする上に多大の効果を與えるものでありますが、なおそれのみでなく、また諸外國との文化の交流を活発にし、國際親善の実を挙げ、平和國家、文化國家としてのわが國の國際信用を大いに向上せしめるものと確信いたす次第であります。われわれは、政府が一刻も早くこれが実現方を関係方面に懇請するよう要求するものであります。また特に申し添えておきますることは、政治形態を異にする國、すなわちソ連、ソ連同盟國に対しても、特にその國に適する駐在員を派遣して貿易を促進させたい趣旨であります。
 以上をもつて決議案の趣旨弁明といたします。何とぞ全員一致をもつてこの決議案に賛成せられんことを切願いたします。(拍手)
#9
○議長(幣原喜重郎君) 他に御発言もないようでありまするから、ただちに採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手)
 この際政府より発言を求められております。これを許します。外務政務次官近藤鶴代君。
    〔政府委員近藤鶴代君登壇〕
#11
○政府委員(近藤鶴代君) わが國貿易増進のために海外における市場調査の肝要なことは申すまでもございません。すでにインド、パキスタンに貿易使節団を派遣し、目下中南米諸國にも使節団が派遣せられている次第でございます。本決議の御趣旨に沿いまして、今後でき得れば通商代表を常駐せしめ得るよう関係方面にも十分の連絡をいたす所存でございます。(拍手)
#12
○議長(幣原喜重郎君) 次に商工政務次官有田二郎君。
    〔政府委員有田二郎君登壇〕
#13
○政府委員(有田二郎君) ただいま海外市場調査委員派遣についての決議案が可決されましたが、政府といたしましてもまことに同感でありまして、単一為替レート設定を好機として、輸出入貿易伸張のために、政府としても層一層の努力を拂う所存であります。なかんずく海外市場調査員を派遣し、國際経済、國際市場の動向にすみやかに即応して輸出入の振興をはかることは最も肝要のことと考えるのであります。政府においても従来からその必要を痛感し、司令部側に懇請して、すでにパキスタン、南米には使節団の派遣を見たのでありまするが、他の地域についても適当な機会をつかんで使節団の派遣を見るよう一層の努力を拂いたいと努力中であります。また日本商社あるいは政府機関の海外駐在を実現することについても、屡次にわたり司令部に懇請しているところでありまするが、今回単一為替レート設定の好機をとらえて、その実現につき、さらに熱心にかつ強力に努力いたしたいと考えております。
 本決議案はまことに時宜を得たものであつて、この單一為替レートの設定を機会にこの決議をせられましたことは、政府としてもまことに感謝にたえないところであります。政府といたしましても、本決議の御趣旨に沿い、その実現方について最善の努力を拂いたいと考えておるのであります。(拍手)
     ――――◇―――――
#14
○議長(幣原喜重郎君) 日程第一、飲食営業臨時規整法案、参議院送付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#15
○議長(幣原喜重郎君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#16
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
#17
○議長(幣原喜重郎君) 日程第二、失業者保險法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。労働委員長倉石忠雄君。
    〔倉石忠雄君登壇〕
#18
○倉石忠雄君 ただいま議題となりました、政府提出にかかる失業保險法の一部を改正する法律案の、労働委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 失業保険法は、経済緊急対策の一環として、労働者が失業した場合に失業保険金を支給することによつてその生活の安定をはかることを目的として、昭和二十二年、第一回國会において制定され、同年十一月一日から施行されて参つたのであります。しかるに、今般の経済九原則に基く諸般の施策を実行するにあたり、企業の合理化等のために今後深刻なる失業状態が発生するものと予測せられるのであります。しかして、これらによつて生ずる失業者はいずれも本保險の対象となるものであります。ゆえに、これらの失業者に対する対策といたしましては、全般的な失業対策の一環として失業保險による保險救済の必要があるのであります。しかるに、現行の失業保險法は、今後の失業情勢に対応するものとしては、その内容において不備であるばかりでなく、改善を要する点が多々ありましたので、今回本法を改正し、その不備を補い、内容を改善し、失業保險が真に失業対策の一環として失業者の生活の安定、ひいては経済の復興に資することができるように改正することを目的として本國会に提出され、労働委員会に付託せられたのであります。
 しかして本委員会は、四月二十三日より五回にわたつて開催、審議を重ねた次第であります。政府からは鈴木労働大臣、青木経済安定本部総務長官、本多國務大臣、その他政府委員が出席せられ、眞摯なる質疑応答があつたのであります。
 以下、その主要なる点を申し上げますれば、まず第一に、失業保險法の適用の範囲を拡張して土木建築、映画演劇及び旅館、料飲店等の事業にも及ぼすこととし、本制度の充実をはかることといたしたのであります。
 第二には、失業保險金の額について、現行法では百分の六十の率を基準として、賃金の低い者に対しては最高百分の八十まで逓増した率で支給し、賃金の高い者に対しては最低百分の十まで逓減した率によつて支給することとなつておりますが、実際の支給状況を見ますると、その平均は百分の五十四程度に過ぎないのであります。ゆえに、今回現行の給付率を一律に百分の六十に改めて失業保險金の実質的増額をはかるとともに、賃金水準の変動に応じて、機を失せずその額を自動的に改訂し、失業者の最低生活の保障をはかり、本制度の眞價を発揮することができるようにいたしたのであります。
 第三に、保険料について、過去一箇年間における保険料積立金の状況と将来における失業の予想とを勘案いたしまして、現行の千分の十一を千分の十に改めたのであります。なおその徴収については、将来の方式を改め、申告納入の制度によることとし、これによつて事務の簡素化と事業主の自主性の高揚をはかることにいたしたのであります。
 最後に第四といたしましては、日雇労働者に対する本制度を設け、これらに対する失業対策に万全を期することといたしたのであります。
 以上が本法案の大体の要旨でありますが、本法案に対する質疑は四月三十日終了いたしまして、五月四日討論に入りましたところ、民主自由党の大橋武夫君より修正動議が提出せられたのであります。すなわち修正案を読み上げますと
 失業保險法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
 「第五条及び第六条を次のように改める。」を「第六条を次のように改める。」に改める。
 第五条を削る。
 第七条の二第一項を次のように改める。
 賃金日額は、被保険者の離職した月前において第十四条の被保険者期間として計算された最後の六月(月の末日において離職した場合は、その月及びその前五月)に支拂われた賃金の総額を百八十で除して得た額とする。というのであります。
 次に、日本社会党前田種男君、民主党川崎秀二君、同じく島田末信君よりおのおの修正案を伴う原案に賛成の意見を表明せられ、あわせて保險経理の確たる見通しの上に保険料率の引下げ、労働負担の軽減に努力すべきこと、失業救済には就労の機会を與えるべき失業対策事業を失業の規模に応じて拡大すべきこと、運用に万全を期し、社会保障制度確立に向つて努力すべきことを要望いたしたのであります。次いで、労働者農民党石野久男君、日本共産党土橋一吉君より、修正案に賛成し、修正案を除く原案に反対の意見を表明せられたのでありますが、採決に入りましたところ、修正案は起立総員をもつて可決せられ、次いで修正案を除く他の部分は多数をもつて可決した次第であります。
 以上簡單でありますが、詳細は速記録により御承知願うことにいたしまして、御報告を終る次第であります。(拍手)
#19
○議長(幣原喜重郎君) 本案について討論の通告があります。これを許します。土橋一吉君。
    〔土橋一吉君登壇〕
#20
○土橋一吉君 ただいま議題となりました失業保險法の一部改正に関する法律案につきまして、日本共産党を代表し、その反対の趣旨をここに声明するものであります。
 ただいま委員長が御報告になりましたように、一般労働階級にとりましては、失業という問題はきわめて重大な問題でありまして、失業することは死の宣告をせらるるにひとしいのであります。かような重大問題は、單に就労いたしておりまする一労働者のみならず、その家族及びその父兄等にとりましてはまことに重大なる問題であるのであります。かような問題につきまして、政府は、ただいまも説明がありましたように、従来は経済救済的な態度をとりまして、また最近の方向におきましては、失業対策の一環としてこの問題が取上げられておるのでありまするが、政府は経済九原則の内容に便乗いたしまして、その結果は全労働階級の犠牲と負担においてこれを行わんとしておるのであります。かように政府自身が、片方においては企業の合理化及び企業整備に伴うところの失業を政府及び資本家側の諸君の共同的作業行為によつて行い、片や労働階級にとりまして、またこの失業的救済の面として失業保險法の一部を改正せられる、こういう内容は一方においては首を切り、一方においてはまた治療せんとするような政策でありますのでかような政策には日本共産党は賛意を表することができないのであります。
 また、昨年度の失業保險に関する給付の関係及びその範囲を検討して参りますると、昨年度においては、政府が御説明ありましたように、五十四億余万円という積立金が残つて居る次第であります。かようなものをなぜ昨年度は残しておるか。ここは給付の内容及び給付の範囲において労働者が非常に制限を多く受けられて、なお今日官僚的な立場においてこの給付がせられるという点において重大な障害があるのであります。こういうようなものが何ら緩和せられず、こういう内容について何ら是正せられることなくして、一部の改正をせられるということにつきましては、まことに遺憾であるのであります。この面においても、われわれは反対の意見を表明するものであります。
 また、社会保険制度の基本的な観点に立ちまして、少くとも保險学的な、保險経済的な観念で失業保險を考えておる政府の政策にわれわれは反対であるのであります。なぜかならば、失業に対するところの対策の一環としてこれを行われるならば、ただいまも申上げまするように、政府の政策及び資本家側の共同作業行為によつて失業が出ずるのでありまするから、被保險者でありまするところの失業者そのものに保險料を支拂わしめるというような危険負担を温存する制度がまさに誤つておると考えておるのであります。従つて、かような保険制度は、職業安定に関する補導費とか、あるいは緊急失業対策費、その他失業対策費用と同じように、国家及び資本家側の全額負担によつてこれをまかなうのが最も正しい社会保障制度の基本原則である。かように考えておるのであります。(拍手)
 なお、この保險料の三分の一を国家が支拂うという内容につきましても、これは大衆課税、あるいは今日所得税の申告制によりまして、ほとんど国民の一千九百万以上の者がこれを負担するのであります。従つて、国民の血税によつて政府がただその三分の一を拂うというようなことは、その内容につきましてもわれわれは賛意を表することができないのであります。特に、ただいまも委員長の御報告にありましたように、平均いたしまして自分の六十の基準に相なるのでありまするが、実際には最も低い賃金を受取る者は、現行法によりましても自分の八十が支給せられるのであります。従つて、最も困難な状況にある労働階級にとりましては、このたびの改正によつて、より惡くなつておるということが証明できるのであります。また現在の賃金の一般基準は、おそらく六千三百円ないし七千円程度が全国的な平均であろうと思いますが、その自分の六十を支給いたしまして、いかなる救済ができ得るか、これは政府並びに與党であるところの民主自由党の諸君におかれましても十分檢討しなければならぬ問題でありまして、かような二階から目薬のようなこの失業保險法が一部改正に関するただいまの法律案につきましては、われわれは根本的に賛意を表することができないのであります。
 なお、現在の公共職業安定所あるいは現在の官僚機構をもちましては、これを支払う場合、この給付金を給付するような場合におきましては、きわめて制限が多いのであります。この内容についてつぶさに申し上げる時間がございませんが、事実は有名無実のような状態に置かれるのであります。従つてわれわれは、かような管理は、少くとも失業者全体の失業団体、あるいはこれに加うるに民主的な諸団体、かようなものの管理下において失業保險の給付がせられることが最も穏当であろう、正しいと信じておるのであります。(拍手)こういう観点から、われわれは、ただいまの政府原案の一部改正の法律案につきましては反対を表明するものであります。
 また個々の面におきましても一部の適用範囲が拡張せられた、かような政府の御意見でありまするが、農林あるいは畜産、水産その他教育等を担当する者は依然として除外をせられておるのであります。また現行法におきましても、五人以下の労働者を使用する者についてはこの問題が除外せられております。われわれの調べたところによりますると、そういう労働者諸君は、全国の全労働階級の今日一千二百万もあると言われる者のおそらく四分の一、少くとも三百万程度はあるものと考えておるのであります。そういう諸君が、この失業保險の恩典と申しましようか、政府の出資を受けることができない、こういう状況にあるのであります。また日雇労働者の拡充の問題につきましても、この内容は、給付の資格、あるいは給付の要件、あるいは保險金の支払いの方法、あらゆるものについて、きわめて困難なる制限があるのであります。こういうような政府改正原案については、わが党は賛意を表することができませんので、日本共産党といたしましては反対の意見を表明し、ただいま私が申し上げたような根本的な修正、根本的な改正を行われて国会に上程せられることが最も至当であることを申し上げて、反対の意思を表明する次第であります。(拍手)
#21
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。まず委員長の報告にかかる修正につき採決いたします。委員長の報告にかかる修正部分に御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて修正部分は可決いたしました。(拍手)
 次に修正部分を除いた原案につき採決いたします。修正部分を除いた原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#23
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて修正部分を除いた原案は可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#24
○議長(幣原喜重郎君) 日程第三、特別都市計画法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員長淺利三朗君。
    〔淺利三朗君登壇〕
#25
○淺利三朗君 ただいま議題となりました特別都市計画法の一部を改正する法律案について、建設委員会の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、土地区画整理に伴う補償金に関する規定を改正する等のため提出されたものであります。御承知のように、現行特別都市計画法第十六条の規定によりますと、土地区画整理施行地区内におきまして、施行後の宅地の総地積が施行前の地積に比較して一割五分以上減少するに至つたときは、その一割五分を越える部分について、政令の定めるところにより、土地所有者及び関係者に補償金を交付することに相なつております。これは土地区画整理の施行によつて宅地の利用価値が増進し、その価格が高騰する実情を考慮して、一割五分以下の地積については補償の規定を設けなかつたのであります。すなわち、旧憲法第二十七条の規定によりますと、公共のために必要な所有権の処分については法律で定めることになつておりましたので、法律上も運営の実際上も支障はなかつたのであります。しかるに、新憲法第二十九条第三項の規定によりますと、私有財産は正当な補償のもとに、これを公共のために用いることができると規定してあります。元来区画整理の施行は、宅地地積の減少以上にその利用価値の増進が大なることを原則とするのでありますが、ときに例外を予想し得ないではないのであります。かかる場合におきましては、現行の補償の規定は、この新憲法の規定の精神に照し適当と考えられないのであります。従いまして、本法律案によりまして、土地区画整理施行後の宅地価格の総額が施行前の宅地価格の総額より減少した額について、土地所有者及び関係者に補償金を交付することに改めたのであります。
 なおそのほか、地方自治法の施行に伴いまして字句の整備をいたしております。
 本法律案は、去る四月十八日、本委員会に予備審査のため付託され、次いで四月二十八日正式に付託されました。本委員会におきましては、四月二十六日提案理由の説明を聴取いたし、三十日質疑に入つたのであります。
 質疑のおもなものは、第一に、補償に対する財源の措置をいかにするかとの質問に対して、当局よりは、減歩補償はいまだその事例がなく、二十五年度以降において計上すれば十分と考えるとの答弁がありました。第二に、現在のように物価の変動の著しいときにおいては、区画整理の前後において土地価格が相当に変動すると思うが、これをいかに処置するかという質問に対しては、この法案における土地価格の値上りとは区画整理施行による値上りを意味し、物価の変動による値上りは考慮しないとの答弁でありました。
 かくして五月四日討論に入り、民主自由党を代表して鈴木委員より本法律案に賛成の旨発言があり、次に日本共産党を代表して池田委員より、二、三の希望を付して本法律案に賛成の発言がありました。なお詳細は速記録により御承知願います。かくて採決に入り、全会一致をもつて原案通り可決いたしました。
 右御報告申し上げます。
#26
○議長(幣原喜重郎君) 他に御発言もありませんから、ただちに採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#28
○議長(幣原喜重郎君) 日程第四、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案、日程第五、刑事訴訟費用法の一部を改正する法律案、右両案は同一の委員会に付託せられた議案でありまするから、一括して議題といたします。法務委員長花村四郎君。
    〔花村四郎君登壇〕
#29
○花村四郎君 ただいま議題となりました二つの法律案につき、委員会における審議の経過並びに結果の概略を簡単に御報告いたします。
 まず訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案につき申し上げますと、その提出の要旨は、一般公務員の恩給につきましては、昭和二十三年法律第百九十号恩給法臨時特例により、すでに給與事由の生じたものに対し相当程度の増額を認めることになりましたので、執行吏の恩給につきましても、この例にならい、臨時的措置として訴訟費用等措置法の一部を改正し、同様にスライドせしめようとするものであります。すなわち執行吏の受くべき恩給総額は、執行吏に対する国庫補助の基準額を定めている政令の額を俸給額とみなして算定し、昭和二十三年七月一日以後に給與事由の発生したものにこれを適用せんとするものであります。また、同年六月三十日以前に給與事由の発生した執行吏の恩給についても一般公務員の恩給の例にならおうとするものであります。
 委員会におきましては、本法案は一般公務員の恩給の改正に伴う当然の措置と認めまして、採決の結果、全会一致をもつて原案通り可決いたしました。
 次に刑事訴訟費用法の一部を改正する法律案につき申し上げますと、その提案の要旨は、いわゆる在廷証人、鑑定人等に対しても旅費、日当、宿泊料等を支給し、これを訴訟費用の一部に加えようとするものであります。御承知のように、今年一月一日から施行になりました新刑事訴訟法によりますと、いわゆる起訴状一本主義が採用せられました結果、在廷証人の利用が従来の旧法時代よりも著しく活発になつてくるのは当然の傾向でありますので、この在廷証人を当初から裁判所が喚問した証人と同一の取扱をし、これに旅費、日当、宿泊料等を與え、これらの諸費用を訴訟費用の一部に加えることに改めようとするものであります。また鑑定人等についても、この在廷証人に準じて同様の取扱いをしようとするものであります。
 委員会におきましては、本案は刑事訴訟法の改正に伴う当然の処置と認めまして、採決の結果、全会一致原案通り可決いたした次第であります。
 右御報告いたします。
#30
○議長(幣原喜重郎君) 日程第四、日程第五の両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#32
○議長(幣原喜重郎君) 日程第六、関税法の一部を改正する等の法律案、日程第七、専売局特別会計、印刷局特別会計及びアルコール専売事業特別会計の利益の一般会計への納付の特例に関する法律案、日程第八、国庫余裕金の繰替使用に関する法律案、右三案は同一の委員会に付託された議案でありまするから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長川野芳滿君。
    〔川野芳滿君登壇〕
#33
○川野芳滿君 ただいま議題となりました関税法の一部を改正する等の法律案について、委員会における審議の経過並びに結果を概略御報告申し上げます。
 本法律案は、最近における外国貿易の実情等から見て関係諸法規に所要の改正を加えんとするものであつて、関税法の一部改正、関税定率法の一部改正、トン税法の一部改正及び横須賀港を開港に指定する等の法律の廃止の四箇条よりなり、附則において施行期日を規定しております。
 第一条、関税法改正のおもなる点をあげれば、まず外國郵便物中小包郵便等について関税検査を、また本邦に入出國する旅客に対して旅券の査証制度を実施するとともに、その他諸般の改正を行い、関税行政の円滑をはからんとするものであります。
    〔議長退席、副議長着席〕
 次に開港の指定を整えるとともに、その閉鎖条件を定めたのであります。すなわち、従来開港は関税法と横須賀港を開港に指定する等の法律の二法律に指定されていたのを、関税法一本に整理するとともに、新たに津久見、細島の両港を開港に追加するものでありますが、これらの開港に一定の閉鎖条件を定めて、外国貿易の消長によつてその価値を失うに至つたものについては自動的にこれを整理する規定を定めんとするものであります。
 次に朝鮮台湾等は、密貿易取締り及び税関統計作成上の見地から、関税法の手続面では現在すでに外国とみなされているのでありますが、今回これを、関係方面の意見もあるので、当分の間、関税法上全面的に外国とみなさんとするのであります。なおこの規定は、第二条の関税定率法改正においても、第三条トン税法改正におきましても同様の規定を定めるものであります。
 次に第三条、トン税法の一部改正においては、右のほか現行総トン数一トン七銭を五円に改めるのでありますが、それは現在の経済情勢から見てあまりに低きに過ぎるので、その適正化をはかるとともに、租税増收の一助ともなさんとするものであります。
 第四条は、横須賀港を開港に指定する等の法律の廃止を規定するものでありますが、これは右の関税法改正中において報告した通り、これら横須賀等十四港を関税法別表中に組み入れました結果、この法律は必要としなくなつたがゆえであります。
 本法律案は、四月三十日大蔵委員会に付託せられ、昨五月六日委員会を開き、政府委員の説明を聽取し、田中、三宅、小山、前尾、風早、川田、北澤の各委員諸君より質疑がありました。その質疑応答に関してはここに報告を省略し、速記録を参照願うことにいたしたいと思います。
 次いで同日討論に入りましたが、宮幡委員は民主自由党を代表し、本法律施行期日が五月一日とあるは今日の実情に適しないから、これを六月一日に修正すべしとの修正動議を提出し、この修正部分を除く他の原案の部分については賛成する旨討論せられ、社会党田中委員は、右修正に賛成するとともに、開港の閉鎖の規定については運用上十分な留意を望む旨希望意見を付して、修正部分を除く他の原案部分に賛成する旨討論せられました。かくて討論を終り、ただちに採決に入りましたところ、修正については総員起立をもつて賛成し、また修正部分を除く他の原案の部分についても全会一致にて賛成し、もつて本案は修正議決いたした次第であります。
 右御報告申し上げます。
 次は、ただいま議題をなりました専売局特別会計、印刷局特別会計及びアルコール専売事業特別会計の利益の一般会計への納付に関する法律案並びに国庫余裕金の繰替使用に関する法律案につきまして、大蔵委員会の審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、第一の法案について申し上げます。この法案が提出いたされました趣旨は、専売局、印刷局及びアルコール専売事業の各特別会計におきまして利益を生じましたとき、これを一般会計に納付することにつきまして特例を設けまして、これにより、これらの企業の円滑な運営をはかるとともに、一般会計、特別会計を通じての総合的財政の収支の均衡に資せんとするものであります。
 次に、この法案の要旨について申し上げます。すなわち第一に、昭和二十四年度以降におきましては、各特別会計において決算上生じました利益のうちから、当該年度中に増加しました固定資産及び作業資産の価格に相当する金額を控除しました金額だけをその年度の一般会計へ納付しまして、その残額はそれぞれ各会計の固有資本の増加に充てることとしております。
 第二に、この利益を一般会計に納付します場合に、その特別会計に納付に必要な現金が不足しておりますとき、または運転資金を増加する必要がありますときは、その一部を翌年度以降において納付することができることといたしております。
 第三に、昭和二十三年度並びに二十四年の決算上生じました利益につきまして、各特別会計につきそれぞれ特例を設けております。すなわち専売局特別会計におきましては、昭和二十三年度の決算上生じました利益の一部をもつて、固定資産の限度で固有資本の増加に充てることができることとし、アルコール専売事業特別会計におきましては、昭和二十三年度の決算上生じました利益のうち二億六千三百二十万円を限り固有資本の増加に充てることができることとし、印刷局特別会計におきましては、昭和二十四年度に限り、その利益の全額を固有資本の増加に充てることができることといたしております。
 この法案は、四月三十日、本委員会に付託されたものでありまして、昨六日提案理由の説明を聽取し、同日質疑に入りましたところ、田中委員より各特別会計より一般会計への繰越金額について、宮幡委員より固有資本の増額は本法案通過後は自動的にできるものであるか等の質疑があり、それぞれ政府委員より答弁がありました。
 次に第二の法案について申し上げます。この法案が提出いたされました趣旨は、國庫金を合理的かつ効率的に使用し、あわせて國の歳出を節減するために、國庫余裕金の繰替使用の制度をすべての特別会計に拡張しようとするものであります。
 次に、この法案の要旨について申し上げます。すなわち第一に、融通証券を発行しまたは一時借入金のできる特別会計におきまして、融通証券を発行しまたは一時借入金をする必要がありますときは、これにかえて國庫余裕金を繰替使用することができることといたしております。第二に、償還期限の到来していない融通証券または一時借入金を償還するためにも國庫余裕金を繰替使用することができることといたしております。
 この法案は、四月三十日、本委員会に付託されたものでありまして、昨六日提案理由の説明を聽取し、同日質疑に入りましたところ、田中委員より國庫余裕金の繰替使用額、その使用期間、その使用による融通証券または一時借入金の利子、予算の節減額等につき質疑があり、それぞれ政府委員より答弁がありました。
 次いで、第一並びに第二の法案について、討論を省略して採決に入りましたところ、起立総員をもつて両案とも原案の通り可決されました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#34
○副議長(岩本信行君) 三案を一括して採決いたします。日程第六の委員長の報告は修正でありまして、日程第七及び第八の委員長の報告は可決であります。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
#36
○副議長(岩本信行君) 日程第九、國立公園法の一部を改正する法律案、日程第十、医療法の一部を改正する法律案、日程第十一、医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案、日程第十二、傳染病予防法の一部を改正する法律案、右四案は同一の委員会に付託された議案でありまするから、一括して議題といたします。厚生委員会理事松永佛骨君。
    〔松永佛骨君登壇〕
#37
○松永佛骨君 ただいま議題となりました國立公園法の一部を改正する法律案、医師及び歯科医師法の一部を改正する法律案並びに傳染病予防法の一部を改正する法律案について、厚生委員会における審議の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。
 まず國立公園法の一部を改正する法律案について申し上げます。國立公園法は、制定以来、その間十三の國立公園を指定し、その保護利用をはかつて参つたのでありますが、運営法の結果に徴し、かつはまた現在並びに将来の國立公園行政の運営を円滑ならしめるため必要な規定を追加しようとするのが、政府の本改正法律案の理由であります。
 次に、本法律案のおもなる内容について申し上げますれば、第一は、他の類似の法律の例にならつて受益者負担及び原因者負担の規定を設け、國立公園事業の促進をはかつたことであります。第二は、景観の損壊防止と水力利用との調整をはかるため、特別地域内で水位、水量の増減を来す行為を制限し得るような規定を加えたことであります。第三は、自然景観維持のため、特別保護地区の規定を設けて景観の損壊行為を抑制し、保護の徹底を期したことであります。第四は、國立公園法の準用地区を設立する規定を設け、風景地保護のため、さしあたりの措置を講ずるとともに、その利用促進をはかつたことであります。以上のほか、國立公園審議会に関する規定、特別地域に関する補償規定の新設等所要の改正が行われておるのであります。
 右法律案は、四月二十五日、本委員会に付託せられ、同二十六日政府の提案理由を聴取の後、同日及び五月六日審議が行われたのでありますが、観光事業の振興に関する総合的機関の設置、水力利用開発と景観保持との関係、國立公園等の諸問題に関して熱心なる質疑応答が行われたのであります。次いで、同日質疑を終了し、討論の後採決に入りましたところ、本法律案は多数をもつて政府の原案通り可決すべきものと決した次第でございます。
 次に、医療法の一部を改正する法律案について申上げます。現行規定においては、医業、歯科医業等に関し広告し得る事項をきわめて厳格に制限しているために種々の不都合が起こりますので、これが緩和をはかるとともに必要なる改正を行おうとするのが、政府の本改正法律案提案の理由であります。
 次に、本改正案の内容のおもなる点を申し上げますれば、まず第一は、厚生大臣が特に必要があると認めて定める事項はこれを広告することができるよう、広告に関する厳重なる制限を緩和したことであります。なおこの場合には必ず医道審議会の意見を聞くを要することとして、その濫用を防止しております。第二には、もつぱら往診のみによつて診療に従事する医師に対し、必要に応じ報告を命じ、または診療録等の帳簿書類を検査のため提出させることができることとしたことであります。
 次に、医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案について申し上げます。現行の医師法及び歯科医師法には、行政廳が医師または歯科医師の業務に関して指示をなし得る根拠規定がないのでありますが、厚生大臣が特に必要と認める場合には、医師または歯科医師に対し、その業務に関して必要な指示を行い得る根拠を與え、医療行政の眞に円滑なる運営をはかろうとするのが、政府の本改正法律案の提案理由であります。
 次に、本改正案の内容のおもなる点を申し上げますれば、まず昨秋新聞をにぎわした輸血による病毒感染事件のごとく公衆衛生上重大な危害を生ずるおそれがある場合において、その危害を防止するため特に必要があると認めらるる場合には、厚生大臣が医師または歯科医師に対して、その業務に関し必要な指示をなし得る旨の規定を設け、次にこの規定の濫用を防ぎ、またこの規定による指示の適正を期するため、厚生大臣がこの指示をするにあたつては、あらかじめ医道審議会の意見を聞かなければならないこととしたことであります。
 右二法律案は、四月二十二日。本委員会の予備審査のため付託せられ、二十六日政府の提案理由を聽取の後ただちに審議に入りましたが、二十八日本付託、さらに五月六日質疑を継続し、診療科名、診療所における收容時間の制限緩和、医道審議会の構成等につき熱心なる質疑応答の後、討論を省略して採決に入りましたところ、二法律案はいずれも満場一致政府原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 次に、傳染病予防法の一部を改正する法律案について申し上げます。傳染病予防法は、急性傳染病の防遏を目的に明治三十年制定以来部分的改正が行われ、終戦後におきましては、従来の十種急性傳染病のほかに日本脳炎を新たに指定傳染病としておるのでありますが、最近の機構や制度の改革に伴い本法の一部改正を行い、これが運営の円滑化をはかろうとするのが、政府の本改正法律提案の理由であります。
 本改正案の内容のおもなる点を申し上げますれば、まず第一は、保健所の衛生行政上の責任を明確にするため、従来傳染病の発生、転帰等の届出受難者は市町村長でありましたものを、市町村長を経由し、保健所長としたことであります。第二には、地方出先機関整理の閣議決定に基き、都道府縣駐在の防疫職員を防疫監吏及び防疫医として都道府縣に移譲し、傳染病予防上必要がある場合、厚生大臣にこれが指揮権を與えたことであります。
 第三は、地方財政法の制定に伴い国家と地方公共団体との費用負担区分を明確にしましたほか、用語等の統一に伴いまして関係規定の改正をしたことであります。
 本法律案は、四月二十五日、本委員会に付託せられ、二十六日政府の提案理由を聴取、五月六日、質疑応答の後、討論を省略して採決に入りましたところ、本法律案は満場一致政府原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#38
○副議長(岩本信行君) 四案を一括して採決いたします。四案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて四案は委員長報告の通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
#40
○山本猛夫君 残余の日程は延期し、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
#41
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後二時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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