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1949/05/21 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 本会議 第35号
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1949/05/21 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 本会議 第35号

#1
第005回国会 本会議 第35号
昭和二十四年五月二十一日(土曜日)
 議事日程 第三十三号
    午前零時五分開議
 第一 行政機関職員定員法案(内閣提出)(前会の続)
 第二 行政機関職員定員法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案(内閣提出)(前会の続)
 第三 大蔵省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案(内閣提出)(前回の続)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日程第一 行政機関職員定員法案(内閣提出)
 日程第二 行政機関職員定員法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案(内閣提出)
 日程第三 大蔵省設置法の施行等に関する法律案(内閣提出)
 海上運送法案(内閣提出)
 日本國有鉄道法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税務署の増設に関し承認を求めるの件
 昭和二十一年度歳入歳出総決算、昭和二十一年度特別会計歳入歳出決算
 國有財産法第四十五條の規定による國有財産総類別表
 昭和二十二年度國有財産増減及び現在額総計算書
 昭和二十二年度國有財産無償貸付状況総計算書
 國家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律案(人事委員長提出)
 農業協同組合等による産業組合の資産の承継等に関する法律案(参議院提出)
 挙國造林に関する決議案(野原正勝君外二十四名提出)
 電氣通信事業復興促進に関する決議案(辻寛一君外二十四名提出)
 國家公務員の一部を改正する法律案(内閣提出)
 金属鉱工業の振興に関する決議案(神田博君外二十三名提出)
 國家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 ソ連よりの引揚問題に関する緊急質問(中山マサ君提出)
    午前零時二十五分開議
#2
○副議長(岩本信行君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○副議長(岩本信行君) 日程第一、行政機関職員定員法案、日程第二、行政機関職員定員法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、日程第三、大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案、右三案を一括して議題となし、前会の議事を継続いたします。
 質疑の通告があります。これを許します。成田知巳君。
  〔成田知巳君登壇〕
#4
○成田知巳君 先ほど委員長の報告がありました政府機関職員定員法に関連いたしまして、日本社会党を代表して二、三質問を試みたいと存じます。
 吉田民自党内閣は、選挙の際に公約した諸政策をほとんど何一つ履行することができなかつた。この公約不履行の責任回避のために、面子保持のために定員法をしやにむに通されんとする民自党諸君の眞意は了とするものであります。しかしながら、十二日にこの定員法が提出されてから、内閣委員会における各種の質問に対して、政府は何ら誠意ある明快な答弁をなさつていないのであります。たとえば退職手当の問題、あるいは行政整理によるところの経費節減は幾らになるかという問題、あるいは整理基準の問題等々の重要問題について、何一つ明快な答弁をされていない。特に退職手当の問題、行政整理によるところの経費節減の問題につきまして、私は本多國務大臣に質問いたしましたところ、この問題は重要な問題であるから、ぜひとも委員会を終える前に、委員会にはかつて、詳細皆さん方に説明して納得を得るという確約をされたのでありますが、この公約を無視されまして、昨日の委員会において、民自党は遂に多数をたのんで、むりやりに質疑を打切り採決という暴挙に出たのであります。從つて私は、これらの重要諸問題について本議場において質問して、問題の所在の点をはつきりいたしたいと存ずるものであります。
 その質問の第一は、定員法の提出理由といたしまして、政府は、公務員の数は日本において多過ぎる、この多過ぎる公務員を整理するのが今回の定員法のねらいであるということを言つておられるのであります。しかしながら、本日は数字は省きます。委員会で私は具体的に数字をあげまして、米國あるいは英國と比較して日本の公務員数が決して過剩でないということを指摘いたしまして、もし過剰だと政府が言われるならば、具体的な資料を提出されたいということを要求したのでありますが、本多國務大臣は何らこれに対する資料の提出をされないで、ただ日本の國情からいつて多過ぎると言われるだけであります。このことは、政府みずから何ら具体的な、科学的な資料を持ち合わせていない、單に日本の公務員が多過ぎると思い込んでおられるにすぎないことを、明白に物語つておるものであります。(拍手)
 もし日本の公務員が多過ぎるとすれば、民自党の議席の諸君の中にも関係のある方々がたくさんおられますが、かの特権と高閣の上に眠つているところの高級官僚こそ多過ぎるのでありまして、一般公務員は決して過剩ではありません。一、二の例をあげて申し上げてみますると、たとえば逓信省において、昨年度の超過勤務手当は約三十四億円であります。この三十四億円という数字は、一人月平均十五時間の超過勤務をやつておることになるわけであります。また國鉄におきましても、七億円の超過勤務手当を出している。このことは、約八万人分の人件費に当るわけであります。國鉄、逓信におきましては、人手不足のために、有給休暇も半分以上とれないでおるという実情であります。労働強化のために病人は増加し、事故は続出しておるという現状でありまして、國鉄十二万人の整理、あるいは逓信四万八千人の首切りを断行するならば、必ず日本の通信あるいは交通が杜絶することは必定でありまして、もしかかる不祥事が惹起いたしましたならば、その責任はかかつて民自吉田内閣にあるということを、ここにはつきり断言するものであります。政府は官公吏の数が過剩なりと言われるならば、具体的事例、数字を示して御回答を願いたいのであります。これ質問の第一点であります。
 次に政府は、行政整理によるところの目的は人件費の節減にあると言つておられますが、政府は本日に至るまで、行政整理による経費節減額をまだ示されなかつたのであります。行政整理が決定したのは二月十五日の閣議でありまして、それ以來すでに三箇月以上を経過しておる今日、行政整理によるところの経費節減額が幾ばくに上るかというその概数さえ示すことができなかつたというに至つては、今回の行政整理というものがまつたく首切りのための首切りであると言われてもいたし方ないと存ずるのであります。(拍手)昨日の――もう昨日でございますが、ようやく昨日の夕刻になりまして、大蔵大臣は、今回の行政整理による経費節減額は約七十億円と発表されたのであります。この数字も、私たちはにわかに信用するわけには参りません。と申しますのは、七十億円という数字を出すためには、小学生の算術でもわかるのでありますが、当然退職手当を何箇月分出すかということがはつきりきまつていなければなりません。
 ところが、政府は本日に至つても、まだ退職手当を何箇月分支給するかということを私たちに明示されないのであります。この退職手当の規定は政令に委任されている。政令に委任されているということは、政府に白紙委任状を渡した形になつているのであります。本多國務大臣はしばしば政府の誠意ある処置を信じてもらいたいということを言われるのでありますが、しかしながら、選挙の際の公約さえ幣履のごとく破棄して顧みないところの民自党の諸君の誠意ある処置というものは、私たちはにわかに信ずるわけには参らぬのであります。(拍手)退職手当というものは、被整理者が新しい就職口を見つけるための、その間の生活資金のつなぎ資金として十分でなければなりません。政府ははたして、現在就職難の時代に、被整理者が路頭に迷わざる程度の退職手当支給の用意ありやいなや、具体的に数字をもつてお示し願いたいのであります。(拍手)
 質問の第三点は整理基準問題であります。政府はいかなる整理基準によつて行政整理を行われんとしておるか。今回の行政整理でポストの増加したところの高級官僚は別でありますが、今まさに首切られんとしておる、この首切りの脅威にさらされておる一般職員にとりましては、この整理基準の問題はまさに死活の問題であります。しかも政府は、六月一日からこの行政整理をやろうと言われるときに、今日に至つてまだ何らの具体的整理基準を示されないというに至つては、まつたく無責任きわまる態度だといわなければならないのでありまして、解釈のしようによりましては、政府は労働組合運動の幹部その他政府のお氣に召さない人間をこの際一挙に整理せんとする意図を有しておると考えられてもしかたがないのでありまして、こういう誤解を避けるために、私たちの納得の行くような整理基準を、この議場においてぜひとも明確にしていただきたいのであります。
 次に、國家公務員法との関係についてお尋ねいたしたいと存じます。國家公務員法によりますと、公務員は國民全体の奉仕者であるという美名のもとに、國民の基本的人権でありまするところの罷業権は禁止され、あるいは團体交渉権も大幅の制限を受けておるのであります。淺井人事院総裁は、しばしば、この基本的権利の制限の反面、公務員には公務員法八十九條ないし九十二條の規定、すなわち公務員が意に反して不利益な処分を受けたときには政府に対して訴願権が認められているのだ、こう説明して來られたのでありますが、このささやかな保護規定さえも今回の定員法においては無残に蹂躙され、今回の行政整理には適用されないことになつておるのであります。この政府の処置は、國家公務員法の精神を蹂躙いたしまして、憲法に違反して公務員の基本的権利を侵害したものといわなければなりません。現に淺井人事院総裁も、今回の定員法において八十九條ないし九十二條の適用を除外したことは遺憾だと言明しておるのであります。もし本案が通過し、訴願権が否認せられるにおいては、当然團体交渉権、罷業権を公務員に認めまして、公務員の自衛措置に遺憾なきを期するのが正当であると考えるのでありますが、政府はこの点に対していかなる所見をお持ちであるか伺いたいのであります。(拍手)
 次に、政府は今回の行政整理の対象となつておる十七万一千人の公務員並びにその家族の失業対策について、いかなる具体的対策をお持ちであるか承りたいのであります。二十四年度予算においては、純粹の失業対策費というものは八億八百万円しかない。公共事業費も五百十八億で、実質的に昨年の七割程度にしか当たらないのであります。かかる貧弱な失業対策費をもつて、しかも退職手当の支給額もきまつていないというに至つては、私たちはまつたく言う言葉を知らないのであります。被整理者には團体交渉権、罷業権は認められておらない。訴願権も排除されておる。退職手当、失業対策も、まつたくなきにひとしいという状態であります。これでは、まつく切捨てごめんといわなければなりません。封建武士の特徴が腰に差した二本の大小にあるとすれば、反動、封建的な吉田民自党内閣の象徴は、今回の労組法の改悪とこの定員法にあるといわざるを得ないのであります。(拍手)
 最後に、政府はさきに新給與実施法を曲解し、あるいは三百代言的解釈のもとに四十八時間制を強行し、あるいは給與の再計算という無謀な処置に出たのであります。この四十八時間制実施のために、逆に労働能率は低下いたしておるのであります。また疾病者は増加しております。給與の再計算のために、六千三百七円ベースは実質的に千円以上の切上げになつておる。このために発狂者、自殺者さえ出しておるという悲惨な事実が出ておるのでありまして、共産党の徳田球一氏の言葉ではありませんが、まことに驚くべき事実といわなければなりません。
 この四十八時間制の実施あるいは給與の再計算というものが今回の行政措置の準備工作であつたことは申すまでもありませんが、この行政措置によつて、さらに政府は民間企業整備を促進しようとしておる。低賃金、労働強化を押しつけようといたしておるのであります。その結果は大量の失業者の続出となつて、購買力の低下となり、中小企業の没落をもたらすことは当然でありまして、そのときは日本に一大社会不安の現出する時代であります。かかる不祥事に対して政府は具体的なる対策をお持ちであるかどうかということを最後にお伺いいたしまして、私の質問を終る次第でございます。(拍手)
  〔國務大臣林讓治君登壇〕
#5
○國務大臣(林讓治君) 今次の行政整理が何ら合理的根拠がないとの御意見でありますが、政府といたしましては、各省各廳の事務の実情を考え、最も合理的な整理を行い得るように処置いたした次第であります。
 なお行政整理に対する経費の節約の問題でありますが、この問題につきましては、内閣委員会におきまして大蔵当局より説明いたしました通りでありまして、昭和二十四年度におきましては約七十億前後の経費の節約を予定いたしております。本来行政整理の当初の年度におきましては、退職金支出等の理由により、経費節約額は決定されぬのでありますが、平年度以後におきましては、國家財政の上に相当の寄與をなし得ることになるのでありまして、政府はこれをもつて今次行政整理の目的の相当の部分を達成し得るものと考えておる次第であります。
 なお政令に讓つたところの問題でありますが、今回の整理によつて退職する職員に対する退職手当につきましては、政府は最も重大なる関心を拂い、これらの者の生活の維持に万全を期したいと考えているのであります。但し、現下の経済財政状況のもとにおきましては、本年度は総合予算のわくの範囲内でこの問題を考えざるを得ません。よつて、本年度予算の範囲内において、現在の退職手当支給の準則に定めている基準に準ずる額を支給することができるように万全の処置を講ずる所存であります。よつて具体的な規定は政令に讓り、最も適切な措置を行いたいと考えておる次第であります。
 なお行政整理の問題でありますが、このたびの行政整理にあたりまして、その整理の基準をいかに定めるかということは、整理を円滑に行い得るやいなやを決する重要な問題であります。よつて政府は、この点につき愼重に考慮を拂いつつあるのでありまして、人事院とも密接に連絡をいたしまして、最も公正なる基準によつて整理を行う所存であります。
 なお、今次の整理に伴います失業対策につきましても政府は万全の処置をとりまして、整理に伴いまするところの社会不安の増大等のおそれのないように強力に施策を進める所存であります。
 以下ほかの問題につきましては、所管の大臣からお答えを申し上げることにいたします。
#6
○副議長(岩本信行君) 土橋一吉君。
  〔土橋一吉君登壇〕
#7
○土橋一吉君 私は、ただいま議題となつておりまする行政機関職員定員法案に対しまして、副総理並びに各関係大臣及び人事院総裁に質問を申し上げるのであります。
  〔発言する者多し〕
#8
○副議長(岩本信行君) 皆さん、靜粛に願います。
#9
○土橋一吉君(続) それはすでに皆さんが御承知の通り、あしという草と、よしという草は、これはだれが考えましても同種類の草であります。このあしという草も、よしという草も、疊表にもならないような、また馬の飼料にもならないような草であるのであります。ところが、この二つの草は、まず芦田という内閣によりまして、この草があしであるということを証明したのであります。それは、昨年七月二十二日のマッカーサー元帥の書簡に便乘いたしまして七月の三十一日に発しました勅令二百一号は、全公務員に対しまして三千有余名の投獄者を生じ、なおかつ全官公労働者諸君の團結権、あるいは團結交渉権、さらに罷業権をも奪つたところの惡法であつたのであります。ところが、ただいまの吉田内閣におきましては、このあしきこともよしとするが、民主自由党の吉田内閣の本質であるのであります。あしきこともよしとするのが吉田政府の本質であるのであります。(拍手)その本質を証明いたしまする事案を、私はこれから御質問申し上げるのであります。
 憲法第七十三條の規定によりますれば、少なくとも政府が行政行為を行う場合は常に憲法の規定によることが明記してあるのであります。從いまして、憲法第七十三條第四号によりまして、公務員の身分に関しましては、少なくとも官吏に関する事項は法律の規定によらなければまらぬのであります。ところが、御承知のように國家公務員法は、われわれ全官公の諸君はもちろん、日本の全労働階級が反対をしておる法律でありまするが、國家公務員法は、一八八三年、ジヤクソン大統領が、公務員の身分と地位とを保証するために、かの國においては制定されたのであります。この精神をとりまして、わが國においても、いかなる反動政府が出ましようとも、どんな政府が出ましても、公務員の身分を保障し、その権利を確保するために公務員法がつくられたと言われておるのであります。しからば、この規定の精神から見ましても、ここに書いておるのでありますが、國家公務員法第1條第二項には「この法律は、もつぱら日本國憲法第七十三條にいう官吏に関する事務を掌理する基準を定めるものである。」とあるのでありまして、この法律に関係なしに、政府が勝手に行政機関職員定員法を考えることは、憲法の違反であり、憲法の蹂躙である。(拍手)いかに民主自由党の諸君が絶対多数を擁せられましようとも、かような法律をつくつて憲法及び國家公務員法のこの第一條第二項を犯すことはできないのである。これを犯すものは憲法の破壊者である。全人民への敵対行為である。(拍手)
 さらに私は、つけ加えて第三條を述べたいのである。人事院総裁もおられるけれども、この件については、労働の基準はもちろん、全官公廳の雇入れから解職、減員にいたるまで、この法律の基準によらなければ政府は一歩も動くことができないのがこの法の建前であるが、これによつて、緊密なる連繋のもとに人事院からどういう勧告をし、指示をし、内容を示したか、明瞭に淺井人事院総裁が示さない限りは、政府は越権行為を断行しつつあるものである。(拍手)諸君がもし法文を持つていなければ、私は読み上げて皆さんにお示ししたい。(拍手)
    〔発言する者多し〕
#10
○副議長(岩本信行君) 皆さん、ひとつ自重して靜粛に願います。
#11
○土橋一吉君(続) 「人事院は、この法律に従い、左に掲げる事項について職員に関する諸般の方針、基準、手続、規則及び計画を整備、調整、総合及び指示し、且つ、立法その他必要な措置を勧告する。」と書いてある。この基準によらないことは、明らかに人事院にも重大なる失態がある。同時に政府も、この法律の基準に從つてやらないところに重大なる罪惡を犯しているのであります。これは私が申し上げるまでもなく、あしきこともよしとしてやるという吉田内閣の本質をはつきりと全人民に示しているのであります。(拍手)
 またこの基準の問題であるが、本日の内閣委員会におきましても、その基準は政府でも示されない。人事院総裁に承りますれば、今のところ常識的な判断しかできないという。かような機構を整えておりまする人事院総裁は重大なる責任があるのである。これに対して答弁を願いたい。もしさような内容が実行できないような人事院ならば、ただちに廃止をするか。彼らは責任をとつて行うことが、この國家公務員法第五條に明記してある。第五條に明記してある人格高潔にして人事行政に対する最高の責任者であるこの人事院総裁の勧告なり指示なり、あらゆるものを聞かないで、民主自由党がこの法案を上程しておること自身が憲法違反である。またこの基準を示すことなく、今や十七万有余を首切らんとしておるような、かような不行届きな、しかも準備万端ならざる定員法を上程し、國会の名においてこれを可決することは、明らかに反人民的な吉田内閣の性格を遺憾なく暴露するものである。(拍手)
 また失業対策におきましても、政府が常に明言しておりますがごとく、ただの二十九億余万円である。これは全支出面から見るならば、七千四十九億余万円の支出からは、きわめて軽少なものである。なお政府が祕密会において示した失業対策の手当、かようなものは微々たるものである。これはいわゆるすずめのなみだである。諸君も知つておられまするように、昭和の御代の今日から百年以前の首切り浅右エ門がこの政府の本質であるということを全人民に訴えなければならぬのであります。少なくとも絶対多数をとられたる賢明なる民主自民党を包容しておる現政府が首切り浅右エ門の集まりであろうとは、おそらくわれわれは考えることはできない。ところがこれを行うところに、あしきことをよしとする、反人民的な、反勤労階級的な吉田内閣の性格を現しておるのであります。(拍手)これについて副総理がそうでないといわれるならば、この事実を法律に基づき、またあしきことをよしとするということのないよう的確に御答弁を賜らなければ、私は権利を保留してさらに再質問を行うでありましよう。明確なる御答弁を願いたいと思うのであります。(拍手)
  〔國務大臣林讓治君登壇〕
#12
○國務大臣(林讓治君) 今次の行政整理は國家公務員法の定めるところを無視して行うものであり、從つて憲法第七十三條に違反するではないかというような御質問でありますが、政府はそのようには考えておりません。すなわち、國家公務員法は職階制を基礎として人事行政を行うことを定めておりますが、御承知のごとく、いまだ職階制は確立実施されていないのでありまして、從つて今次の行政整理が職階制に基くものではないといたしましても、それは國家公務員法及び憲法に違反するものではないと考えておる次第であります。さよう御了承を願います。(拍手)
  〔政府委員淺井清君登壇〕
#13
○政府委員(淺井清君) 土橋さんから人事院対しまして多大の激励の辞を賜りましたことは感謝にたえませんが、今回の行政整理が憲法第七十三條四号の違反なりということに対しましては、私よりも一言補足させていただきたいと存じます。お示しのごとく、憲法第七十三條四号は、内閣が法律の定める基準によりまして官吏に関する事務をつかさどることを規定いたしておりまして、この基準が國家公務員法であることはまさに御説のごとくでございますが、この國家公務員法が唯一の基準法であるということは、どこにも書いてございません。(拍手)裁判所のごとき、檢察廳法のごとき、他にも官吏に関する基準を定めましたものは多々あると存じます。ゆえに、今回内閣が定員法によりまして今回限りの行政整理をなさいますことは、決して七十三條四号の違反にあらずと存じます。(拍手)
#14
○副議長(岩本信行君) 土橋君、発言を許しますが、ちよつと申し上げておきます。申合わせの時間はあと一分ほどしかないようなわけでありますので、再質問は許しますけれども、討論にわたらぬように簡潔に質疑を願います。
  〔土橋一吉君登壇〕
#15
○土橋一吉君 ただいま御答弁があつたのでありまするが、政府と人事院は行政組織面におきましては独立した機関に相なつておるのであります。從つて人事院総裁は、現在の人事院の全機構をあげまして職階制も、雇入れの問題も、退職の問題も、さらに行政整理についても的確なる勧告、指示を與えない責任はまことに重大でありまするので、私は、淺井人事院総裁は第五條の規定に基いて、ただちに職をおやめになるが至当であろうと思うのであります。また政府は、この淺井人事院総裁の勧告なり、あるいは声明なり、忠告を聞かないで行つた法律、ただいまの定員法をただちに撤回することが至当でありますので、憲政の権威のため、民主自由党の諸君の権威のために、ただちに撤回せらるるやいなや、明確な御答弁を願いたいと思うのであります。(拍手)
  〔政府委員淺井清君登壇〕
#16
○政府委員(淺井清君) 重ねて御質疑を賜りまして恐縮に存じまするが、私は決して國家公務員法によりまして公務員を保護する責任を怠つておるものではございません。ただ今回のことにつきまして人事院のとりました態度につきましては、すでに内閣委員会においてるる申し上げたつもりでございますから、ここに重ねて申し上げる必要はないと存じます。(拍手)
#17
○副議長(岩本信行君) これにて質疑は終了いたしました。討論の通告があります。これを許します。米窪滿亮君。
  〔米窪滿亮君登壇〕
#18
○米窪滿亮君 行政整理は、行政機構の簡素化とその能率化を中心として考えるべきであると思うのでございます。從つて私は、ただいま上程されました各種の法案、ことに行政機関の職員の定員法につきまして、日本社会党を代表いたしまして、以下述ぶるところの理由により反対せんとするものであります。(拍手)
 行政機構の簡素化及び能率化は、われわれとしてもきわめて望ましいことと思うのでございます。しかるに、ただいま上程されましたこの定員法の趣旨並びに現在の國家の行政機構は、大よそこの行政機構の能率化及び簡素化と反対の方向に進んでおるのでございます。從つてわれわれは、この角度から見ましても、今上程されました定員法については強く反対せざるを得ないのでございます。何となれば、終戰後のわが國の行政機関は重複を重ね、屋上屋を架しておることは、諸君がすでに認めておらるるところと思うのでございます。從つて、この定員法並びに各省設置法におきましても、行政機構の簡素化及び能率化の精神は少しも現れておらないと私は断ずるのでございます。
 各省設置法並びに定員法に現れておりまする政府の人員整理の意図は、総選挙当時の民自党の無定見、その場限りの思いつき公約のしりぬぐいとしてここに登場したのでございます。すなわち政府は、均衡予算の名のもとに、歳入面におきまして当然その追求に全力を為すべきやみ利得者、終戰成金、ブローカー成金等に対する財産増加税あるいはやみ利得の捕捉を怠りまして、國民総所得を二兆九千億円に増加するという妄想的な仮定のもとに、勤労所得税、申告所得税、農業所得税等を昨年の三割ないし五割に増加して歳入増加の根幹といたしましたように、歳出面におきましても、莫大なる國債、復金債、價格調整費等の支出の穴埋めといたしまして、官吏の首切りというきわめて拙劣にして消極的なる愚策を採用したことは、民主自由党の政策でありまするところの勤労階級の犠牲におきまして独占資本、金融資本、新興財閥等一連の特権階級の利益に奉仕するその試みが、この法案によつて露呈したものと私は断ずるのでございます。(拍手)しかもその整理は、この支出予算の節約という一点のみから見ました天くだり、天引きの恨むべき惡方針から出ておるのでございます。
 今回政府の提出しました定員法は、各省設置法と首尾関連せるものでもなく、ただ予算と関連を持つものでございます。しかも予算案及び各省設置法案並びに本法は、当然これを同時に議会に提出すべきものを、この三つの法案をばらばらに提出され、その間何ら首尾一貫の関連性のないことは、いよいよもつて本法が予算のみによつて縛られたる天くだり、天引きの予算的整理案たることを、みずから裏書きしたものでございます。(拍手)從つて、予算のことのみを考えて、政府は各省、各廳の実績を無視しまして、一様に何割という首切りを考えておりまするから、ここにむりが起るのでございます。しかも、他方各省設置法におきまして、海上保安廳、警察関係の官廳等は、首切りどころか、かえつてその人員を増加しておるのに対しまして、氣象台方向、測候所、農林省、ことに営林署の方面、各省の調査統計方面等、わが國が自立的に再建するための基本的國務に関係のある官署につきまして極度の減員を断行せんとするがごときは、本法が無定見なる方針のもとに立案されたことを意味するものでございます。(拍手)ことに、この首切りが下級官吏に酷にして高級官吏に寛であることは、昨日本会議を通過しました参政官の新設とにらみ合わせまして、平素官僚打破を叫んでおるところの民自党内閣が、実は官僚擁護の本質を内蔵しておることを如実に物語るものでございます。(拍手)
 たとえば電氣通信省と郵政省について見まするに、大臣、次官、部局長等は現在において十四人であるのに、現設置法におきまして六十五人、改正設置法において四十四人という数字を示しておるのでございます。ことにはなはだしいのは、測候所、氣象台の減員の問題でございます。運輸省が管轄するところの測候所、氣象台の職員の総数は現在六千四百余名であるのを、その三分の一の二千数百名を減員しようというのでございまするが、現在の数においてすらその所管事項を遂行するのが困難であるのに、三分の一という多数を減員することになりますれば、その影響するところは、農業、漁業、海運業等の発展に資する科学的資料を提供することが全然なくなるのでございます。(拍手)
 さらに國鉄について申し上げます。昭和二十三年度の予算の定員は六十二万七千五百人であるのを五十万六千七百人に減少しようとするものでありまして、約二十万人を整理しようとするものでございます。これを詳しく申し上げまするならば、約二割を整理しようとするのでございまするが、その内約に入つて檢討しますると、現業は平均一七%、但し管理部門は実に五〇%の整理をしようというのであります。現業は平均一七%でございまするが、現業中最も重要なる部門でありまする機関区、電車区は実に三三%の減少をしようとするものでございます。
 元來國鉄における定員法では、予算定員と業務定員とをひとしくするように合理化することを建前としなくてはならないのでございます。ところが國鉄における業務定員は、従來過去の実績を組み立てて決定した歴史的なものではないのでございまして、科学的基礎となつておるものではないのでございます。しかるに、國鉄が昭和九年より十一年度の平均基準数量を根拠といたしまして要員計算を立てておることは、ワイモンド式を採用した新しい計算の上に立つという欺瞞にすぎないのでございます。從つて、彼らみずからが画策をしました要員計画は、その後著しく情勢の激変した現在と対照して、これをもつて彼らに首切りの理由と口実を與えないことを明らかにしておるのでございます。いな、そればかりでなく、彼らの計算した要員では現状を維持して行くことすらができないことは、今度の節約により電車区の変電所関係は二、三割の減員となり、送電事務に重大なる支障をもたらすことが明らかであります。これは單に電車区ばかりの問題ではなく、通過列車監視の削減、中間駅信号系の減員、巡察員の廃止、外勤運運轉係の廃止等を結果することとなりまして、今日すでに路線の荒廃その極に達し、國鉄の現状を熟知しておる専門家は安んじて汽車に乗れないと言つておるほどの危險状態に対してさらに拍車をかけ、交通事故はさらに頻発を加えることとなるのでございます。さらに小駅の閉鎖、駅裏口の閉鎖、出札窓口及び改札口の一部閉鎖、手荷物、小荷物取扱時間の制限等が行われることとなりまして、國鉄のサービスはますます低下することとなるのでございます。
 五月十四日、社会党政調会主催の定員法案説明会では、加賀山長官は婉曲に今回の首切り政策は失敗であることを事前に認めておるのでございます。これについて思い出すことは、第一次世界大戰の直後において、ドイツの交通大臣であるドルプ・ミユラー氏は、ドイツの國鉄の人員整理について、首切りの秘訣はここにあるといつて述べておる。それは何であるかと言いますと、第一に、行政整理は首切りと氣ずかれないように、少しずつ巧妙に長い間に実行すべきである。またこれをなすためには相当数の労務の配置轉換をなすべきである。この点は、加賀山長官も同様の意見を述べておるのでございます。かりに十万人の整理をするためには、二十万人ないし二十五万人の移動を必要としておるのでございます。
 行政整理をするためには、行政機構の簡素化、労務配置轉換等に必要である長い年数を必要としますることは、アメリカの元大統領フーバー氏が行政整理委員長として五箇年を費やしたことによつて見ても明らかでございます。それほど困難かつ重大なる問題を、民自党内閣が(「民自党だからできるんだ」と呼ぶ者あり)わずか半年くらいの期間で、にわかごしらえの、即効薬的な行政整理を行わんとするがごときは、まことに身のほどを知らないものと言わなければならないのであります。
 このずさんにして用意不十分なる行政整理の方針に関する最大の難点は、かくして失業線上にほうり出されました被害者に対する失業対策が何ら政府によつてとられておらないことでございます。政府は、先般の予算におきまして、失業保險、生活保護法によるほかわずかに二十一億円にすぎない緊急失業対策費を支出しておるのでございまするが、今回の首切りに対しましては三箇月または四箇月の退職金を出すというだけの失業対策を公表しております。しかも、その正確な額すら公表ができないのでございます。定員法に対する政府のずさんぶりと不用意ぶりは、この一点から見ても明らかでございます。
 次に、この不正、不用意の行政整理は、やがて企業整備にその波紋を及ぼしまして、彼らにならえということを民間の企業者に教えることとなるのでございます。現に、中小企業はもちろんのこと、重要産業におきましても給料の遅配欠配が行われておる現状に対しましても、もしもこの予算面のみから出発した定員法が実現したときにおきましては企業整備は必至でありまして、民自党の公約である生産第一主義はこの一角から崩壞することを信じて疑わないのであります。(拍手)
 さらに、地方の官吏並びに地方自治体の公吏もまたこれとひとしい整理が行われることになりまして、地方配付税が五百七十億円に圧縮され、災害復旧、公共事業、六・三制実施に多大の困難を感じておる地方自治体は、退職金の支出すらむずかしいこととなると思うのでございます。また、地方官公吏の恩給組合の基金に関する法律は二千九百円ベースを基準として定めたものでございまするが、官公吏の給料が六千三百円になつたに対する法律案は、今年になつても出ておらないのでございます。しかるに他方地方配付税は、先ほど申し上げました通り非常な減額を見ておるのでございまして、地方の恩給組合の増額も聞き入れられる余地はないのでございます。政府も世論も、日本の官公吏は國民七千に対し一人であり、官公吏は多すぎるからということを、整理の方針を合理化する一つの弁明としておりまするが(「その通り」と呼ぶ者あり)これは官公吏の家族を入れての計算でありまして、官公吏と國民の総数との比較、ことに英米なみに鉄道、逓信その他の官営事業の從業員を民営に移して計算しますると、アメリカの官公吏が國民人口に対して三・九%、英國は四・九%にして、日本はわずかに二%にすぎないのでございます。
 これを要するに、今次の行政整理は、政府の整理基準が分明しないこと、退職手当は四箇月がほんとうか三箇月がほんとうか、いまだにわからないこと、第三に予算の節約額が分明しないこと、そうして最後に失業対策が極めて貧弱であること、以上の四点から見まして、いかなる角度から見ましても、いやしくも良心ある政治家は、かくのごときでたらめな法律に対して賛成ができないことは、これは常識でございます。
 以上をもつて、私はこの法案に対して反対するものであります。(拍手)
#19
○副議長(岩本信行君) 池田正之輔君。
  〔池田正之輔君登壇〕
#20
○池田正之輔君 私は、民主自由党を代表いたしまして、本案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
 日本の置かれている現段階におきまして、日本の再建のためには、行政機構の簡素化及びその整備は絶対必要欠くべからざる條件であり、そのことは國民最大多数の要望であります。(拍手)さらにそれが、ひいては國民負担の軽減を持ち來すゆえんであるのであります。しかしながら、その行政整理の結果多数の人々が整理の対象となるのでありますが、これらの方々に対しましては、いかにそれが國家の要請とは申しながら、まことにお氣の毒にたえない次第であります。政府はすべからくこれらの善後処置につきまして十分なる留意檢討をなし、万遺憾なきよう努力せられることを強く要望いたす次第であります。
 冒頭申し上げました通り、日本再建の必須条件といたしまして行政の整備とその簡素化という見地からいたしまして、私は本案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
#21
○副議長(岩本信行君) 床次徳二君。
  〔床次徳二君登壇〕
#22
○床次徳二君 私は、民主党を代表いたしまして、ただいま上程せられましたところの定員法案に対しまして反対の意を表するものでございます。(拍手)
 近年、わが國の行政組織はすこぶる厖大になりまして、これが整理を要しますることは、ただいまの弁士が言われたのでありますが、これを大いに整理いたしますることは、行政事務を能率化し、かつ國民の負担を軽減するゆえんなのであります。私どもは、この國民の要望にこたえまして、すみやかに能率的な行政簡素化を行いますることは、大いに要望するものでありまするが、今回提案せられましたところの案を見て参りますると、まことにその目的に達していないところのものを見るのでありまして、ここに遺憾ながら反対の意を表せざるを得ないのでございます。
 以下、簡單にその理由を申し上げてみたいと思いまするが、第一に、今回のごとき相当規模の大きい行政整理を行わんといたしまする際におきましては、まず行政機構を整備いたしまするとともに、行政事務の取扱いにおきまして、これを簡素化し能率化することが必要なのであります。なおこれに伴いまして、認可、許可事項等の取扱いに関しましてもそれぞれ考慮を必要といたしますのでありますが、今回の行政整理におきましては、予算天引主義によつてこれを行いましたのにとどまりまして、さきに行政組織法によりましておわかりの通り、新しく通商産業省を設けられたのでありますが、單なる数字の上から見ましたところの部局の整理にとどまつたのでありまして、眞に能率的な整理廃合は見るを得なかつたのであります。なお地方の行政機構にありましては、今なお徹底的な整理統合を実現しておらない状態なのであります。しかも、先ほど申しましたごとく、その事務内容におきましては、ほとんどこれに手がついておらないのでありまして、今日のごとくにして行政整理が行われまするならば、必ずやわが國の行政組織は大なる事務の澁滯を來すことと信ずるのであります。(拍手)
 わが党は、さきに、現在政府の支拂いが遅れておりますために産業上、経済上大なる障害を與えていることを警告し、すみやかにその支拂いを督促することを皆様の御賛同を得て決議したのでありますが、今回行政整理によりまして事務の澁滯が起りましたならば、それこそ國民に対しまして大なる被害を與えるものであるといわざるを得ないのであります。この点におきまして、十分政府におかれましても責任をもつてこの案を立てられたこととは信ずるのでありますが、この点私どもは大いに遺憾の意を表せざるを得ないのであります。次に行政整理に関しましては、今日官公廳の職員よりも全面的の反対を受けておるのであります。たとえば鉄道に関しまして引例いたしますならば、今日彼らは、もし行政整理を行いましたならば病人が倍出て來る、あるいは運轉事故は五倍になる、さらに、いやでも列車はとまるというようなことを、職員みずから主張しておるのであります。もとより、職員は整理の対象になつておりまするので、積極的に整理に賛成いたしますることを期待することは困難かと存ずるのでありまするが、しかし十分職員に対して了解を求めることは必要なことであると存じます。私どもは、政府と職員が対立しておりますることを好まないのでありまして、今後十分に政府におかれましても公務員法を尊重し、これに從つてよろしく職員を指導せられんことを必要と認めるものであります。
 そもそも政府は、いわゆる岩本試案なるものを発表いたしまして、六十万の整理を呼号しておつたのでありまするが、これがために必要以上に職員を刺激し、以來半年の間、職員の作業能率等におきまして障害を與えておつたことは、皆様御承知のことと思うのであります。私どもは、この際政府も職員も、さらに企業者も勤労大衆もひとしく現在の時局を認識せられ、よくその職務の重大性を認識せられまして、今後眞に労資協同、祖國の再建のために、それぞれ勤労の権利と義務に精進せられんことを要求するものであります。
 次に、今回の整理には行政整理の対象となりまする人に対する考慮がすこぶる欠けておることを言わざるを得ないのであります。これに対しまして、もし政府におかれまして適切なる措置を欠く場合におきましては、必ずや社会不安を増大いたしまして、一部危険なる分子の煽動に乗ぜらるるおそれなきにしもあらずと考えるものであります。すなわち、第一に退職手当の問題であります。今日政府におかれまして、行政整理は一方的の意思によつて行われるのであります。國家公務員法の規定がありまして、職員がその意に反しまして不利益なる処分を受けまする場合は訴願を請求するの道があるのでありまするが、今回はこれが認められておらないのであります。また團体交渉権のないことも御承知の通りでありましよう。今日のごとき多数の行政整理を行いまする場合におきまして、かかることを認め得ないのはもとよりと存じまするが、しかし、これが認められない場合にこそなお一層政府におきましては親心をもつて整理せらる人に対処いたさなければならないと存じます。
  〔発言する者多し〕
#23
○副議長(岩本信行君) 靜粛に願います。
#24
○床次徳二君(続) すなわち退職資金に関しましては、普通の手当のほかに、なお特別の考慮を加えられることが必要でありまして、これが行政整理の常識と存ずるのでありまするが、政府は、この重大なる問題に関しまして、その態度を表明しておらなかつたのであります。その発表が遅れておりまするために、いたずらにこれまた職員に不安を與えておつたところの事実を見逃すことができないのであります。なお今日退職の基準、整理の基準が明示せられておらないことも、職員に対しまして、必要以上の動搖を與えておるのであります。大いにこれは注目を要することと存じます。私どもは、行政整理の基準に対しましては、特に民主的にしてかつ道義的なる処理が必要であると存じます。この点に関しまして、今後人事院におかれましても大いなる責任を感ぜられてしかるべきであると存じます。
 次に重大なことに関しまして、特に私は失業者対策なる問題を論じたいと存じます。今日ここに二十万の整理が行われるのでありまするが、政府は、これらの人々を他に就職せしむるなり、なおその際の生活権の保障にあたりまして十分なる具体策を有せられるかということに関しましては、すでに多数の弁者の論ぜられたところであります。今日の行政整理に引続きまして、なお各方面に幾多の企業整備が予想せられておるのでありまして、百六十万以上の失業者が巷にあふるることと存じまするが、國民の生活はいよいよ窮迫することが推定せられております。
 本年の予算審議の際におきましても、すでにこの点が明らかになつておるのでありまするが、これに対する政府の処置は、きわめて少額になる失業保險制度、あるいは職業補導施設、直接失業救済事業等を考えておるのであります。なお四十万は民間事業に吸収し得ることを予想しておるのでありまするが、これは今日の経済の状況を見て参りますと、政府の方針に基づくところの集中生産、あるいは金融の引き締め等によりまして、金融資本と大資本家はからくも生活を継続することができると存じまするが、地方の農村における勤労大衆、都市の勤労大衆は、負担の増加あるいは公共事業の減少、地方配付税の減少、農業改良費の削減、災害復旧費の減少、六・三制の実施による負担の増加等によりまして、まことにその生活の困難を加えておるのであります。この際さらに多数の失業者が加わるということに対しましては、まことに憂うべき現象であると存ずるのであります。結局におきまして、地方の農村はいよいよ疲弊に追込まれるのでありまして、この失業者の増加によるところの重圧はまことに氣の毒にたえないのであります。各位においては、よろしくこの地方農民、勤労大衆の立場になつて行動せられんことを希望するのであります。われわれは、今日かかることを予想しながら、ここに政府が行政整理を実施せられんとしておることに関しましては、とうてい嬰如としておることができないのであります。
 以上述べましたところにおいてすでに明らかと存じますけれども、今回の行政整理は國民の要望でありまするが、その実施と方法によりましては、それぞれしかるべき方法があるのであります。今回提案せられました方法は、國民の決して待望するものではなかつたということを申し上げたいのであります。
 以上述べましたところによりまして、私は民主党を代表し、行政整理の趣旨には賛成でございまするが、今日提案せられましたことにつきましては、遺憾ながら賛成いたすことができない。すなわち、官廳職員定員法案に関しましてはここに反対の意を表する次第であります。(拍手)
#25
○副議長(岩本信行君) 鈴木幹雄君。
  〔鈴木幹雄君登壇〕
#26
○鈴木幹雄君 私は、民主党を代表いたしまして賛成の意見を開陳いたしたいと存じます。
 本法案は、経済九原則の実施に伴いまして、一面においては実質的な均衡予算の編成と、一面におきましては行政機構の簡素化による行政整理を行わんとするものであります。從つて、さきに成立をみた昭和二十四年度予算並びに各省設置法との両者は表裏一体の関係に立つものでありまして、この両案に賛成をいたしましたわが党は、本案に対しても賛成を表するものであります。行政整理の必要の叫ばるるや久しいものがあるのであります。戰争を契機といたしまして統制が拡大強化せられ、公務員の増加は、さきほども述べられましたごとく、ある意味におきましては機構の屋上屋を重ねるというような結果をも将來いたしまして、戰前に比して、昭和二十四年度におきましては約二倍、戰争後におきましても、あるいは復員者の受入れであるとか、あるいは行政機構の改革、行政の民主化に伴う機構の改変等によりまして、最近におけるところの数字は、戰争直後に比して倍加をしておるのが実情であります。ある人によりますれば、國民七人について一人の公務員を養つておると言つておる、こういうような数字を資料として見ております。公務員が國民に比して多いかどうかということは、理論的には、日本の現段階における人事行政からははつきりと割り出せないのでありますが、とにかくこの数字、並びに今日戰争前に比し、さらに終戰直後に比しまして、倍加に倍加を重ねておるという公務員の数は、一般常識的から申しまして、公務員が多い、過剩であることを示しておると思うのであります。これが今日行政整理の必要が輿論的に高まつておる最大のゆえんであると考えるのであります。
 今回の法案によりまして、政府は現業二割、非現業三割を原則とするところの行政整理を実行いたし、経費の点におきまして、平年度二百億、本年度におきましては七十億の概算に上るところの経費を節減して、國民負担の軽減にせんとしておるのであります。これが行政整理の國民の世論にこたえんとする対策であり、本案の持つておるところの重大な意義であると考えて、われわれは賛意を表する次第であります。しかしながら、この本案がただちにそれをもつて完全なるものであり、その施行におきまして完璧なものであるとは、私は申し上げるのではないのであります。この実施の技術におきまして、その方法におきまして、私は多大の警告と希望を寄せざるを得ぬと思うのであります。以下、私は数点にわたりましてこの点を明らかにいたしたいと思います。
 第一は、行政整理の基礎となるところの事務の整理、簡捷化が、この法案におきましては盛られていない。のみならず、政府の方針におきましても、大きなる意味における行政整理の基礎になるところの事務整理が行われていないという事実であります。これは各省による自由裁量によつては、このことをなし遂げることは困難であります。政府は一大決心をもちまして、行政整理に伴います事務の簡捷化、能率化をはかられんことを希望いたします。
 さらに第二点といたしまして、失業対策の問題を考えてみたいと思うのであります。この新定員によりまして十七万余の失業者を出すことは、國民負担の軽減によるところの大きなる犠牲であり、まことに深甚なる敬意と同情とを拂わざるを得ないのであります。これに対する一般的な失業対策の予算は、わずかに八億円を計上しておるのにとどまります。政府は、この失業者の吸收に対しまして、あるいは公共事業費の用途により、あるいは貿易関係の事業の発展に伴う事業に吸收することによりまして、あるいは見返資金等の運用によるところの電源開発事業に吸收するということを説明いたしておりますが、さらに考うべきは、この十七万の公務員の失業者のうちには多くの知識階級を含んでおるということであります。知識階級に対する失業対策は、今後の大きな重大問題として深刻に考えなければならぬのであります。政府はこの点に思いをいたされまして、適切なる対策をすみやかに樹立せられんことを望む次第であります。
 第三は退職手当の問題でありますが、本法案におきまして、退職手当を政令をもつて規定することを規定し、本案審議の過程におきまして、この政令を見ることのできなかつたことは、私の大いに遺憾とするところであります。しかしながら、これにつきましては政府の説明を信頼し、私は政府が責任をもつてこの犠牲になるところの失業者に対しまして十分なる手当を考えられんことを切望いたす次第であります。
 最後に、行政機構の根本的な改革について一言希望を申し上げて終りたいと思います。この行政機関職員定員法並びに各省の設置法の設定は、まさに行政機構の改革を行うべき絶好の機会であつたのであります。これに対しまして、政府は行政整理を取上げるに急でありまして、この権限争議を解決いたし、行政機構の改革に手を触れなかつたということは、まことに遺憾に存ずる次第であります。一例を申し上げますれば、建設省が昨年の七月誕生いたしまして以來今日まで、その間における権限の問題、機構の問題につきまして、今日このままに放置されておる事実は、この機会にこそ解決するところの好機であつたのでありますが、この機会を逃したということについては、私は遺憾の意を表せざるを得ないのであります。これをやることによりまして、さらに大きなる行政機構の簡素化、能率化が行われ、あるいはこれによりまして、さらに國民負担の軽減に資するところの費用も生み出すことができるものと信ずるのであります。
 以上警告と希望を述べまして、私は本案に対する賛成の意見を終りたいと思います。(拍手)
#27
○副議長(岩本信行君) 次は木村榮君。
  〔木村榮君登壇〕
#28
○木村榮君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま上程されました定員法案に対して反対の意見を申し上げたいと思います。
 大体、官僚制度というものを盛んに攻撃されまして、日本の官僚制度はなつていないとことは各党とも言われる言葉でございます。ところが、今度の定員法の問題にいたしましても、民主党の野党派も反対なさつた、社会党も反対なさつた、けつこうなことです。しかしながら、今度の定員法の問題を檢討いたしますと、吉田内閣がやつたには違いございませんが、必ずしも吉田内閣がやつたからといつて、吉田内閣のみの責任ではないと私は思う。と申しますのは、そもそも官僚制度というものは、資本主義の社会においては、強化されなかつたならばやつて行けないものである。從つて、この官僚制度を強化することによつて労働者階級や農民階級を巧妙に圧迫いたします。ところが戰争後の日本の官僚制度を見ますと、たとえば片山、芦田連立内閣におきましても、どのようなことが行われたか。今日この定員法を制定いたしまして、労働者の反撃を完全に防止したのは、あの公務員法の制定であつた。このような一貫した政策が戰争後巧妙にとられまして、今日吉田内閣がその基礎の上に立つて、行政整理という名前のもとで定員法案を出したわけであります。
 ところが、この官僚制度というものは妙なもので、昔から船頭多くして舟山へ乗り上げると言いますが、今度の定員法案を見ますと、そのことがまことによく現れております。そこで、たとえば今度の定員法によつて、國鉄においても十二万の首切りをやる。ところが、一体現在の國鉄の現状で十二万名首切りができるかということになると、なかなかむずかしい問題であります。さつき社会党の米窪さんがおつしやつたように、加賀山鉄道総局長官も、今度の定員法はどうも完全なものではないと言われたそうでございます。と申しますのは、少なくとも加賀山鉄道総局長官は、長年の間鉄道畠で育つたものでありますから、いろいろなことを知つておる。
  〔発言する者多し〕
#29
○副議長(岩本信行君) 静粛に願います。
#30
○木村榮君(続) 十二万も減つた場合はどうなるかということを知つておりますから、やつてみたが、たいへんなことになるのではないかということになる。昨年一億三千万トンの輸送を完遂いたしました運輸省においては、今年は一億四千万トンの輸送を完遂せんとしています。これは昭和十一年に比較いたしまして、貨車においては一・五倍、旅客においては三・六倍、業務量のこのような増大にかかわらず十二万名も整理をしたならば、輸送が完全につかない。そこで昨年度の状況を見ますと、昨年度においても、超過勤務手当は八万人分も出しておる。從つて、このような状況下において一億四千万トンの輸送をやるためには、今年度は六万二千名の増員をしなければならない。このようなことを大蔵省にも要求しておるそうでございます。ところが、このような状況下であるから、昭和十一年度においては五千五百二十五件の鉄道の事故件数であつたのに、二十三年度では三万九千件という、べらぼうな大きな事故が発生しております。
 このような状況を無視して行政整理をしたならば、どのようなことになるかということは、専門家はよく知つています。ところが、その高級官僚の專門家をつかんでいませんと、いくら口で官僚を攻撃してもやつて行けないから、これをつかむためには、不要な高級官僚を各方面へばらまかなければならない。このことが、今度の定員法によつてはつきりと現れておる。その証拠には、民主自由党が昨年野党であつたときにまつ先に反対されました経済調査廳にいたしましても、この経済調査廳という役所は二千名の二級官を持つておる。二千名の二級官を持つた特殊な官廳を野党のときにあのように反対しておきながら、今度は強化しておる。こういつたことを平氣でやりながら、一方においては下級な官僚をどんどん首切つてしまう。
  〔発言する者多し〕
#31
○副議長(岩本信行君) 静粛に願います。
#32
○木村榮君(続) また、逓信省におきましても四万八千名の首切りを断行しようとしておる。ところが妙なことには、きよう小澤逓信大臣は、四万八千名であつたが、どうもぐあいが悪いから二万名にしたと言う。この定員法によつてきめたのがちよいちよいかわつている。ところで逓信省の状況を見ましても、昭和二十三年度においては、超過勤務手当を、三千七百円ベースで計算いたしましても三十四億一千五百万円という莫大なものを出しています。そういたしますと、逓信省の從業員が四十万人といたしますと、二十万人が毎日一時間ずつ超過勤務をやつておる計算になる。結局逓信事業においては、現在の人員に対して毎日二十万時間の仕事がよけいにかぶさつておる。ところが今年は六千三百円ベースでございますから、これを計算いたしますと超過勤務手当がふえなければならない。ふえなければならないのに今年は十九億一千万円、昨年の半額の超過勤務手当をねらつておる。この上四万八千名を首切つたならば、日本の逓信事業はほとんど麻痺してしまう。こういう現状である。
 一例を申し上げますと、山梨縣の大月局においては、電話の交換台が七つあつて、交換手は十九名います。ところが、実際は毎日九名ぐらいしか出ない。そこで、局長が困つて人員の増加をやつた。人員の増加をやつて辛うじて局の電話を動かしています。ところが、そういつた現状を無視いたしまして、東京の本局においては、田舎の電話なんかはほつたらかしてかまわぬというので増員を認めない。こういう状況です。また一方國鉄の職員の死傷者を見ますと、昭和十六年には千百八十一名であつたものが、昭和二十二年には千七百六名、どんどんと死傷者がふえています。これは超過勤務や苛酷な労働條件がこのように死傷者を出している。ところが、天皇屋敷の番人はどのくらいおるか。天皇屋敷の番人は、驚くなかれ九百三十人である。そうして、福岡市の警官はちようど九百三十名います。それで福岡の人口は二十八万八千八百名です。何と天皇屋敷というところは、やはり伏魔殿と見えまして、化物やけだものや猛獣が出るらしく、九百三十名の番人がいる。このようなことを平氣でやつておる。かと思いますと、一方、たとえば特別調達廳を見ますと、特別調達廳は七千名のうち、驚くべきことには課が五百もあり、課長が五百名もおる。
  〔拍手、笑声、議場騒然〕
#33
○副議長(岩本信行君) 御静粛に願います。
#34
○木村榮君(続) 高級官僚を温存すると言うと盛んに拍手が出ます。御賛成のようでございます。(拍手、笑声)この定員法の問題にいたしましても、國家行政組織法の問題にいたしましても、これは相当大きな問題で、二十万が首を切られると言いますが、家族を考えた場合は、百万も百何十万もの人の生活を考えなければならぬ。今皆さん方はここでこうやつておりますが、自分の家のお父さんが、あるいは子供が首を切られるのじやないかと思つて眠れない家庭もたくさんあるに違いない。(拍手、笑声)私たちは、この問題はよほど眞劍に考えなければならない。笑い事ではないのです。首切られた人間にもなつてごらんなさい。
 そもそも今日このような定員法なるものを出して、この恐るべき首切りをやろうとしておりますのは、一番の大本は、戰争後のやみとインフレをあおつた第一次吉田内閣から始まつた。そこで、一般國民はどのような生活になつたか。これは私が申し上げなくとも、皆さん方がよく御存じの通りです。吉田内閣の次の片山内閣にいたしましても、芦田内閣にいたしましても、これはやみとインフレを助長して來た。そのためには、どうしても高級官僚を子分につかまなければならぬ。この政策をやるためには、高級官僚を先頭に立てて、どんどん闘つてきた。しかしながら、このやみとインフレの中において、一般下級官僚は非常な生活の脅威を受けて來た。今までの天皇政治機構のもとにおいては、下級官僚といえども上級官僚に頭を下げて相当な役得があるような社会が続いたが、このような混乱した状況になつて來ると、もはや上級官僚に頭を下げておつたのじややつて行けない。從つて、下級官僚は大きな民主的な勢力として團結いたしまして、高級官僚に向つて大きな圧力を加えて來た。そこで、このような運動を打倒いたしますためには、どうしてもフアツシヨ的な政治をやらなければならない。ここに問題がある。
 この定員法をごらんなさい。この定員法を見た場合において、どのような感じを受けるか。これはまるで日本の自主性というものを失つた、どつかの國の出張所を運営するような機構ばつかしだ。國家行政組織法にもないような妙なものがたくさんある。たとえば、通商産業省には通商監、電通省には電通監といつたふうな、國家行政組織法にも書いてないような妙なものもある。このような妙なものまで加えて日本にフアシズムやらなければならないところに、この定員法を出した根本的な原因があると私たちは思う。(拍手)しかも、人を首切つておいて、あとは野となれ山となれ、退職金もなんぼやるかわからない。まあ、そのうちになんぼかやるであろう。きようの内閣委員会においては、人様の前で公然と退職金の話ができないから秘密会議でやる。このようなことで、どうして日本の行政が將來満足にいきますか。
 國税廳をこしらえた。國税廳はこしらえたが、日本の税制改革はよう國税廳の手ではできなくて、よそ様の方から應援をしてもらつて、意見を聞いて、ようやく計画を立てる。このようなことで、どうして税金を公平に集めることができるか。(拍手)税務官吏は、大蔵大臣の説明によれば六万名、今年の納税者が千八百万人あると今日言われましたが、どこから出た計算か知らぬ。その裏ずけとなるところの直税の問題はなんぼか、間税の問題はなんぼかというふうなデータは一つも出てこない。六万人さえもつておれば、なんか税金がとれるような錯覚を起して、このようなことを平氣でやつている。
 食糧行政の面を見ましても、昨日の本会議において食糧法が改正された。この食管法の改正によつて――今まではある程度幅があつた。還元配給とか、あるいは轉落農家の保有米のわくも、この食管法によつては、一度きめたならば、もうそのわくはそのまま固定してしまう、このような時代になつて、末端の食糧の状況はどうかと言えば、今年度の最近の状況では、町村までおりた事前割当が農家までは行かない。なぜかと言えば、でたらめな割当だから持つていけない。
#35
○副議長(岩本信行君) 木村君に申し上げますが、申合わせの時間が迫りましたので簡潔に願います。
#36
○木村榮君(続) だから、農林省の食糧関係の事務員を見ますと、大体三万五千九百四十九名で、この人員をもつて食糧檢査をやると、大体毎年その全般の三〇%くらいしか食糧の檢査はできない。この中から二割も首切つたならば、どのようなことになる。たいへんなことになる。まあ、やつてごらんなさい。この定員法でやれると思うのは大間違いである。このようなことをやつたならば、日本の鉄道も、日本の電話も電信もみな荒廃し、混乱してしまうにきまつている。(拍手)今、日本の全逓四十万の労働者の諸君や、國鉄六十万の労働者は、この驚くべき政策に対して、敢然立つて闘おうとしている。(拍手)おそらく七月、八月、九月の現状をごらんなさい。いかに吉田内閣頑強といえども、この何百万の労働者の攻勢の前においては、へなへなになるにきまつている。(拍手)
 私たちは、この定員法が決して実行されるものではないと思う。このような定員法は、おそらく九月の臨時國会において、あらためて出さなかつたならば、あらためてほんとうの日本の独立と日本の民主化のための定員法が出なかつたならば、日本は壞滅して植民地的方向に追い込まれるであろうことを強く主張いたしまして、この法案には絶対反対の意見を申し述べた次第でございます。(拍手)
#37
○副議長(岩本信行君) 小林信一君。
  〔小林信一君登壇〕
#38
○小林信一君 本國会に論議されました幾多の法案中、國民が重大な関心を拂つて監視する本法案に対し、私は新政治協議会を代表いたしまして反対の意見を申し述べるものであります。(拍手)
 本案がもしこのまま可決されるならば、その生活の道を絶たれて、不安な経済政策のもとにいかに生きるか、即日路頭に迷わなければならぬ不安を感じる人々があります。又これと反対に、生産力の減退に加えて過重負担に苦しむ人々は、この際このとき幾ばくでも負担の軽減があるならば、これが実施を要求してやまないのであります。さらに、法案に示される人員の整理をなして、国家の行政機構は現下の諸情勢に即応し得るやいなや問題となるわけであります。この三つの観点に立つて、冷静なる政治的判断力が今やわれわれに要求されておりまして、單なる一時の感情や、軽薄な政党意識によつて即断すべきでないことは申すまでもないことでありますが、今国会におきまして、與党の無反省なる強引によつて可決された二四年度予算が、国民をいかなる経済情勢のもとに置くか、各省設置法案がいかなる行政機能を発揮するかを再度檢討し、以上の問題が全国民をひとしく幸福になし得ないものであるならば、本案を否決することによつてわれわれは国会の権威を保持し、国家再建の基礎を確立し得るのであります。(拍手)
 再建の難事をなさんとする国の政治機構が、軍部のでたらめな機構拡張をそのままにし、終戰後の国内情勢にこれがさらに複雑化し、十分なる機能の行使ができ得ないのは、国民の最も遺憾とするところで、民自党を主体とする現政府が機構改革を断行するの決意を持たれたことは、われわれも双手をあげて賛成し、必然的に生まれて来る人員整理は、当事者には気の毒なことでありますが、完全な失業対策の樹立によつてその道を開くことに協力を惜しむものではないのであります。しかし、当初の政府の声明と現段階における意図とは根本的に相違するものが認められ、真に國民の要望するところと一致するかに疑念を持つに至つたのであります。(拍手)
 字句の表現するものは行政整理でありますが、国民は、この言葉の中に、多岐にわたる内容を持つて容認しておるのであります。すなわち、戰争のさ中、軍部と一部官僚が結託して、その権力に隠れて資材の需給の実権を握り、國民の塗炭の苦しみをよそに享楽をほしいままにしたあの独善官僚と、これが横行を許す行政機構に大いなる不満を持つております。さらに敗戰の後軍部が隠蔽した厖大な物資を、國内混乱の中に悪徳官僚が勝手に処理して、私欲をほしいままにした横暴を目前に見せつけられ、行政の民主化には切実なるものを訴えておるのであります。殊に終戰後の惨憺たる中に、あるいは草をはんで廳舎の中に雨露を凌ぎながらも自立と再建の希望を捨てず、あらゆる困苦欠乏と戦いながら、一方には選良を國会に送つて再建の政策樹立を期待し、一方にはその極度の貧窮の中から國費を醵出したのでありますが、一切は裏切られて、官僚は巧みに政治家を籠絡し、幾多醜惡なる地獄事件を白日のもとにさらし、國際の信義を失うとともに、惡税とインフレによつて奈落の底に追い込まれた國民が、観念的な行政整理をさせんがために、これを口約するところの民主自由党に絶対多数を許しているのではないと私は確信しているのであります。
 諸君は、惡逆無道な官僚独裁を排除する行政機関の改革を行い、強靭な、しかも誠意ある行政によつて税金軽減の方途を講ずることが、その大いなる責任であります。残念ながら、予算の決定は大衆の生活意欲を阻害し、重税を課して終わつております。各省設置法案また遺憾ながら國民の期待を裏切つて、官僚独善の巣窟をそのまま温存して、ここに十七万の労働者を追い出し、全官業機構は事務澁滞を当然引起し、生産力の減退と復興の機運を消滅せしめるような恐るべき兆候をもつて実施されようとしていることが明らかであります。
 一体政府は、口を開けば官業労働者の過剩を申しますけれども、はたした過剩であるか。私は、この点ここではつきり檢討したいと思います。物價廳の例をとつて申し上げます。物品の公定價格設定に対し、一人一日二一二品目を担当している事実があります。はたして完全な價格設定が行われるやいなや。また價格差補給金二千二十二査が、中央はたして完全な價格設定が行われるやいなや。また價格差補給金二千二十二億の使途を決する原價監査が、中央、地方合わせて五百六十六人によつてなされておる。全予算の三〇%がこの少数のものによつて扱われる事実を考えるとき、この減員が、人員整理がはたした可能であろうか。物價廳の現状からするならば、増員することによつて、厳密な現價監査により、百億ないし二百億の予算節約が可能であると申しております。また價格差益金の徴收を完全にするならば百五十億の財源確保ができるのであります。この事実からして、政府の企画するところには、大衆を犠牲にして一部資本家の利益をはかる野望がひそめられておることが判然とするのであります。(拍手)
 さらに厚生省の復員事務の問題を申し上げますが、遠く異郷にある人々の心情を思うならば、その完璧を期して、これが調査と復員の日を早からしめることが國民としての責任であります。もし今回これを減員するようなことがあるならば、異國の同胞ははたして健全であるかいなか、その調査を放棄するのはやむなきに至るような状態に陥らなければならないとのことであります。資本家を擁護して労働者に過酷である吉田内閣は、またこれら異國の同胞に冷淡であり、これらの安否を待つ人々に対して一片の情を持たない、きわめて冷酷なる、國民大衆にそむく政策であり内閣であると言えるのであります。
 私は、さらに皆樣に訴えたい。政府はかかるに現実を無視し、いたずらに党利党略に走り、独占資本の傀儡にならんとする限り、最も寒心にたえない、目をおおわなければならない犠牲のあることを諸君に訴えたい。現内閣の最大の使命は文化國家の建設であります。教育がその基盤であることが國の大方策であるにもかかわらず、六・三予算を放棄し、再建の完成を期するべく運命づけられた何百人万の兒童、生徒を大きな失望のどん底に陥れたのであります。全國五十万の教員の一割を今馘首して、さらにこれら子供から教師を奪おうとしているのであります。(拍手)武器なき國の子供が政略のために教師を奪うこの心情は、吉田首相を初めとして全閣僚、この親であるならば断じてできない問題であり、民主自由党が眞に國民の選良であるならば、敢然として反対しなければならないと私は確信いたします。私のつくえの上に山積する兒童、生徒の先生を減らさないでくださいというこの手紙は、私には涙なくして見られないのであります
 今吉田内閣は、完全に文化國家を放棄いたしました。かく今回の定員法が地方公務員に波及して中小企業に及ぶとき、失業者の群はわれわれの予想する以上であると思います。その中に、戰争のために夫を失つた悲惨な年少労働者は、今また職を失わなれればなりません。政府の失業対策は、何ら方策もなく、予算措置もなく、きわめて大胆に処しておるのでありますが、生きる一切の希望を失い、生けるしかばねとなつて轉落する女性、あるいは年期奉公の奴隷制が実現されるこの悲しむべき社会の出現は必定であります。しかるに、労働基準法をもつて臨む以外に何ものもない失業対策に対しては、現内閣の無為無策を嘆くとともに、國家崩壊の危機を感じて、本法案が良心ある選良心の手によつて撤回されることを希望し、反対意見とするのであります。(拍手)
#39
○議長(幣原喜重郎君) 岡田春夫君。
    〔岡田春夫君登壇〕
#40
○岡田春夫君 労働者農民党を代表いたしまして、今回政府が提出をいたしました行政機関職員定員法案に対しまして絶対反対をいたしますばかりか、われわれは一日も早く、即座に撤回されんことを要求するものであります。しからば、いかなる理由をもつてわれわれは撤回を要求せんとするものであるかというと、次の四つの点からわれわれは撤回を要求するものであります。
 まず、第一に、今度の定員法は憲法に違反するものであります。先ほどの社会党、共産党その他の反対の諸君の申しました通りに、昨年の七月マッカーサー元帥の書簡によりまして、第二〇一号政令によつてこう公務員法が実施せられたのでありますが、当時第二次吉田内閣は、この二〇一号政令に便乘をいたしまして、憲法に規定されている労働者の團結権、交渉権、罷業権、の権利を束縛するところの反動的な公務員法の改惡を行い、しかもこの公務員法の改惡によりまして、労働者に與えられている罷業権、團体交渉権は、わずかに訴願権として、みずからの地位を守るための、わずかな権利の擁護として守られて参つたのでありますが、今度の定員法によつて、このわずかの権利であるところの訴願権すら政府は奪い去らんといたしておるのであります。(拍手)われわれは、この訴願権を奪うことによつて、憲法に規定されている罷業権と團体交渉権を――公務員法の上に、さなきだに定員法を乘つけて、この二つの法規の手によつて憲法の権限を奪い去らんとする点において、まず第一に憲法の違反であるということは明らかであります。このような点から見ましても、その他の点から見ましても、まず第一に憲法に違反しているということが明らかであります。(拍手)
 第二の理由といたしましては、この定員法は、官業労働者の諸君に底賃金と労働強化を押しつけるものである。しかも、この底賃金と労働強化の強行によりまして、労働基準法にみずから違反――先ほどの内閣委員会におきまして、政府委員自身の口において、みずから答弁をいてしておるのであります。われわれは、このような労働基準法の違反、低賃金と労働強化の問題について絶対に反対しなければならない。
 労働強化の問題については、やや具体的に申し上げますと、國鉄の夜勤労務者が、夜間の睡眠時間において、四時間の睡眠時間を労働基準法において認められている。ところが今度の首切り行政整理によつて、夜間の連続四時間の睡眠時間を運輸省の手によつて取あげられようとしている。これは明らかに労働基準法の違反であります。この点について政府の答弁を要求いたしました場合において、みずから基準法に――ということを明らかにいしておるのであります。そればかりではありません。過重の労働によつて、最近は病氣の欠勤者が、四十八時間制実施以前の倍に増加しつつある。このような状態を通じて、低賃金と労働の強化を、首切りされなかつたところの残つた官業労働者に対して強要せんとするものであります。われわれは、第二のこの理由によつて絶対に反対するものであります。
 第三点は、この定員法は、首を切られて行く二十七万の労務者の諸君に対しての退職手当について、何ら具体的な対策、制度をきめておらない。そればかりではない。首を切られるこれらの労働者の諸君に対しての失業の対策を全然考慮されておらないという点であります。
 まず第一に退職手当の問題にいたしましても、先ほど内閣委員会において、長時間にわたつて退職手当の問題を質疑いたしましたが、退職手当は当初定員法の中に明記することになつておつたにもかかわらず、この定員法に明記するの余裕を持たずして、その後において政令で明記すると言いながらも、今日に至るまで退職手当の具体的な内容が決定されておらない。そればかりではない。これら首を切られて行く失業者二十七万の人々の失業対策に対しては、今度の予算の内容を調べましても、頭脳労働者の諸君に対しては、首を切られる人々に対して、わずかに六千人の失業対策の経費しか組まれておらない。二十七万人に対してわずかに六千人の経費しか組まれておらないとするならば、明らかに吉田内閣は失業対策に対して無為無策であるということをいわなければなりません。(拍手)このような観点においても何ら具体的な施策が組まれておらないという点であります。
 しかも、民自党の一枚看板である今度の行政整理によつて財源の節約ができるということを一枚看板にいたしておりますが、この点については、本日の内閣委員会において、わずかにようやく七十億円の節約ができるということを発表いたしました。ところが諸君、この七十億円の節約にいたしましても、われわれの調べる限りにおいては、今民自党の諸君が提出されている私鉄の買收拂下げのあの問題を、もし眞劍に民自党の諸君が考えるならば、これくらいの七十億円の節約は十分にできるはずである。(拍手)
 簡單に一例をあげて申し上げましよう。九州に、民自党の某代議士の関係している産業セメント鉄道会社というものがある。この産業セメント会社は、昭和十八年において六百二十八万円で買上げをしたのであります。ところが、この六百二十八万円の鉄道会社が、昨年の秋において管理部が評價いたしましたときに三億三百四十七万円でありました。しかもその後において、今年の春運輸省で評價をいたしましたときに、この三億円の評價が、わずかに六千八百万円に再評價をされております。しかもこの六千八百万円の評價が、今産業セメント株式会社の申請によつて、六百四十万円て拂下━━━━━━━━━━この事実を考えた場合において、昭和十八年の物價指数と今日の物價指数を比較した場合において、今日は昭和十八年の大体千倍であります。千倍の評價をするとするならば、六十二億円の評價が行われなければならない。この一例をもつて見ても、一産業会社の私鉄の拂下げをもつてしても、優に七十億円の経費はできるはずである。民自党の内閣は、二十七万人の首切りによつて七十億円の経費を生み出そうしているが、一産業会社を助けるために、六十二億円も安い拂下げをやろうとしている。(拍手)われわれは、この事実をもつてしても、この七十億円の問題については、民自党の資本家的政策の反動的な現われであると言わざるを得ないのであります。
 最後に、この定員法は、われわれの考えをもつてすれば、國家を破壊滅亡に追い込むところの━━━法案であるということであります。(拍手)━━━━━━━━━━━━━━━━━━定員法によつて、先ほど社会党でも論旨の説明がありました通り、今度の首切政策によつて、機関車において、八万七千人のうち三分の一、三人に一人ずつの機関車の運轉手が首を切られて行くのであります。これによつて、さらに機関車の運轉は不自由になつて來る。
 問題はそればかりではない。最近の故障の状態を見ると、線路の故障はきわめて増加しつつある。昭和二十三年の実例をもつてすれば、百キロ当りに、レールの故障になつている所は十箇所ある。東京から熱海に行くまでに、レールがこわれて脱線をする所が十箇所もあるというような惨憺たる故障の状態である。そのような状態…(発言する者多し)しかも、皆さんはさように言われますが、昨年の秋、山陽本線において脱線の事故があつた。あの脱線の事故に対して、今線路を復旧するために三十億円の予算がいる。この三十億円の予算に対して、今度の運輸省の予算によると、日本全國の線路の復旧の予算のためにわずかに十一億円し予算に盛られておらない。これを見ても、山陽線だけでも三十億円の復旧の経費がいる。これに対して、日本全國の経費がわずかに十一億円では、絶対に線路の改修復興ということは不可能であります。この例をもつてしても、今後の鉄道の復旧、今後の事故の発生というものは、定員法の強行によつてますます厖大きくなるばかりである。ひとり官吏の首切りばかりではなくて、日本の國民の命を奪う危險性すら與えられておるのであります。(拍手)
 あるいはまた電信関係におきましても、全逓の電信関係においても、全國の電話、このうちの六割までが故障を起しておる。東京中央電話局において……。
#41
○副議長(岩本信行君) 岡田君、時間が参りましたので結論をつけてください。
#42
○岡田春夫君(続) 結論に入ります。――若い女の交換手諸君が血みどろになつて、電話の交換台にしがみついてやつておるにもかかわらず、人員が不足のために、一日六十一回の交換電話機が使われないでそのままになつておる。
 あるいはまた森林火災、水害の点においても、昨年度の統計を見れば、全國の山は火災によつて六万町歩、虫害によつて五百五十万石以上の被害を受けておる。このために、官吏二千七百八十五人の監視の諸君が見守つておる。しかも農林省の調査によると、この森林火災、虫の害が続くならば、数年を出ずして日本の山ははげ山になろうといわれておる。このようなときにおいて、この二千八百人の官吏の諸君の中からまた首を切るとするならば、日本の國の山ははげ山になつて、そして水害の発生というものがはつきりと現われて來ざるを得ないのであります。
 このような形で、今度の定員法を通じて日本の経済の再建が破壊される危機に立つておるのであります。われわれは、このときにおいて、このような定員法を絶対に賛成するわけには行きません。
 淺井人事院総裁は、昨年の國会において、この公務員法の実施によつて、人事院総裁は…。
#43
○副議長(岩本信行君) 岡田君、発言を中止いたします。
    〔岡田春夫君発言を継続す〕
#44
○副議長(岩本信行君) 岡田君に降壇を命じます。
    〔岡田春夫君なお発言を継続す〕
#45
○副議長(岩本信行君) 岡田君、降壇を命じます。
    〔岡田春夫君降壇〕
#46
○副議長(岩本信行君) ただいまの岡田君の発言中に不穏当と思われる言辞がありましたので、速記録を調査の上適当なる処置を講じます。
 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。まず行政機関職員定員法案、行政機関職員定員法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、右両案を一括して採決に入ります。この採決は記名投票をもつて行います。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 これより氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#47
○副議長(岩本信行君) 投票漏れはございませんか。
        ―――――
投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。
 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#48
○副議長(岩本信行君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
 投票総数 二百八十四
  可とする者(白票)  二百二
  否とする者(青票)  八十二
    〔拍手〕
#49
○副議長(岩本信行君) 右の結果、両案は委員長報告の通り決しました。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔参照〕
 行政機関職員定員法案外一件を委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名
   阿左美廣治君  足立 篤郎君
   安部 俊吾君  青木 孝義君
   青木  正君  青柳 一郎君
   淺香 忠雄君  淺利 三朗君
   天野 公義君  有田 二郎君
   井手 光治君  飯塚 定輔君
   池田正之輔君  池田 勇人君
   石田 博英君  石原 圓吉君
   今泉 貞雄君  今村 忠助君
   宇田  恒君  宇野秀次郎君
   内海 安吉君  江崎 真澄君
   江花  靜君  小川原政信君
   小澤佐重喜君  小高 熹郎君
  小野瀬忠兵衞君  小淵 光平君
   尾関 義一君  大石 武一君
   大泉 寛三君  大内 一郎君
   大澤嘉平治君  大西  弘君
   大橋 武夫君  大村 清一君
   大和田義榮君  岡延右エ門君
   岡崎 勝男君  岡田 五郎君
   岡西 明貞君  岡野 清豪君
   押谷 富三君  加藤隆太郎君
   鹿野 彦吉君  鍛冶 良作君
   角田 幸吉君  風間 啓吉君
   門脇勝太郎君  上林山榮吉君
   神田  博君  川西  清君
   川端 佳夫君  川村善八郎君
   川本 末治君  河原伊三郎君
   菅家 喜六君  木村 公平君
   菊池 義郎君  北澤 直吉君
   金原 舜二君  倉石 忠雄君
   栗山長次郎君  黒澤富次郎君
   小平 久雄君  小玉 治行君
   小西 英雄君  小峯 柳多君
   五島 秀次君  河野 謙三君
   近藤 鶴代君  佐久間 徹君
   佐々木秀世君  佐瀬 昌三君
   佐藤 榮作君  佐藤 親弘君
   坂田 英一君  坂本  實君
   清水 逸平君  篠田 弘作君
   澁谷雄太郎君  島村 一郎君
   首藤 新八君  白井 佐吉君
   周東 英雄君  鈴木 明良君
   鈴木 仙八君  鈴木 善幸君
   鈴木 正文君  瀬戸山三男君
   關内 正一君  關谷 勝利君
   千賀 康治君  田口長治郎君
   田嶋 好文君  田中 角榮君
   田中 啓一君  田中 重彌君
   田中  元君  田渕 光一君
   多武良哲三君  高木  章君
   高木吉之助君  高塩 三郎君
   高橋 英吉君  高橋 定一君
   高橋  等君  竹尾  弌君
   玉置 信一君  玉置  實君
   塚原 俊郎君  土倉 宗明君
   坪内 八郎君  飛嶋  繁君
   苫米地英俊君  冨永格五郎君
   奈良 治二君  内藤  隆君
   中川 俊思君  中野 武雄君
   中村  清君  中村 幸八君
   中山 マサ君  仲内 憲治君
   永井 英修君  永田  節君
   夏堀源三郎君  二階堂 進君
   西村 英一君  西村 直己君
   根本龍太郎君  野村專太郎君
  橋本登美三郎君  橋本 龍伍君
   畠山 鶴吉君  林  讓二君
   原田 雪松君  樋貝 詮三君
   平澤 長吉君  平島 良一君
   平野 三郎君  廣川 弘禪君
   福井  勇君  福田  一君
   福永 一臣君  福永 健司君
   藤枝 泉介君  渕  通義君
   船越  弘君  星島 二郎君
   細田 榮藏君  本多 市郎君
   本間 俊一君  眞鍋  勝君
   前尾繁三郎君  前田 正男君
   牧野 寛索君  増田申子七君
   益谷 秀次君  松浦 東介君
   松田 鐵藏君  松野 頼三君
   松本 善壽君  丸山 直友君
   三宅 則義君  水田三喜男君
   水谷  昇君  南  好雄君
   宮原幸三郎君  村上  勇君
   守島 伍郎君  森 幸太郎君
   森   曉君  柳澤 義男君
  山口喜久一郎君  山口 好一君
   山口六郎次君  山村新治郎君
   山本 猛夫君  山本 久雄君
   吉田 省三君  吉田吉太郎君
   吉武 惠市君  龍野喜一郎君
   若林 義孝君  若松 虎雄君
   渡邊 良夫君  亘  四郎君
   天野  久君  金光 義邦君
   小坂善太郎君  鈴木 幹雄君
   田中不破三君  橘  直治君
   坪川 信三君  寺島隆太郎君
   寺本  齋君  永井 要造君
   原   彪君  保利  茂君
   山崎 岩男君  吉田  安君
 否とする議員の氏名
   足鹿  覺君  赤松  勇君
   淺沼稻次郎君  井上 良二君
   猪俣 浩三君  石井 繁丸君
   稻村 順三君  今澄  勇君
   勝間田清一君  伊々木更三君
   田中織之進君  田万 廣文君
   堤 ツルヨ君  戸叶 里子君
   土井 直作君  成田 知巳君
   前田榮之助君  前田 種男君
   松井 政吉君  松岡 駒吉君
   松澤 兼人君  松本 七郎君
   三宅 正一君  門司  亮君
   八百板 正君  米窪 滿亮君
   荒木萬壽夫君  稻葉  修君
   小野  孝君  大森 玉木君
   川崎 秀二君  北村徳太郎君
   笹山茂太郎君  志賀健次郎君
   園田 直君   千葉 三郎君
   床次 徳二君  中島 茂喜君
   中曽根康弘君  並木 芳雄君
   橋本 金一君  福田 繁芳君
   井之口政雄君  池田 峯雄君
   江崎 一治君  加藤  充君
   風早八十二君  春日 正一君
   上村  進君  神山 茂夫君
   柄澤登志子君  川上 貫一君
   河田 賢治君  苅田アサノ君
   木村  榮君  聽濤 克巳君
   志賀 義雄君  砂間 一良君
   田島 ひで君  田代 文久君
   田中 堯平君  高田 富之君
   竹村奈良一君  立花 敏男君
   谷口善太郎君  土橋 一吉君
   梨木作次郎君  林  百郎君
   深澤 義守君  横田甚太郎君
   米原  昶君  渡部 義通君
   石田 一松君  河口 陽一君
   小林 信一君  小林  進君
   河野 金昇君  平川 篤雄君
   石野 久男君  岡田 春夫君
   黒田 寿男君  浦口 鉄男君
    ―――――――――――――
#50
○副議長(岩本信行君) 次に大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案につき採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#51
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。(拍手)
 たいへんお疲れのようでございますから、午後二時まで休憩いたします。
    午前三時一分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時四分開議
#52
○副議長(岩本信行君) 休憩に引き続きまして会議を開きます。
     ――――◇―――――
#53
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、海上運送法案及び参議院提出、日本國有鉄道法の一部を改正する法律案の両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#54
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 海上運送法案、日本國有鉄道法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員会理事關谷勝利君。
    〔關谷勝利君登壇〕
#56
○關谷勝利君 ただいま議題となりました二法案につきまして御報告を申し上げます。
 まず海上運送法案につき運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案の趣旨を簡單に申し上げますと、從來海上運送並びに海上運送事業に対しましては統一的な基本法規がなく、断片的な臨時法規の運用あるいは実際上の行政指導によつて來た実情であります。しかしながら、現在におきましては、すべての行政は法律の根拠の上に行わなければなりませんので、海上運送並びに海上運送事業を規律する統一的な基本法を制定しようとするのであります。
 本法案の内容のおもなる点を申し上げますると、第一に、定期航路事業を営もうとする者は航路ごとに運輸大臣の免許を受けること、第二に、運輸大臣は、第一に申し上げました免許につきまして一定の免許基準を設けまして、その申請の内容が基準に適應しているかどうか運輸審議会の意見を聞かなければならぬこと、第三に、定期航路事業を営む者は、旅客及び手荷物の運賃及び料金並びに運送約款について、運輸大臣の認可を受け、これを公示しなければならぬこと、第四に、不定期航路事業を営む者は、事業を開始した日から、あるいは事業を廃止した日から三十日以内に、運輸大臣にその旨を届け出なければならぬこと、第五に、檢数人、鑑定人または檢量人になろうとする者は、その住所を管轄する海運局の登録簿に登録を受けなければならぬこと等であります。
 本法案に対する質疑のおもなる点をあげますと、第十三條第二項における「不当な差別的取扱」とはいかなる場合であるか、また海上輸送の大部分を占める機帆船に対して大型船と同様に取扱うのは実情に沿わないのではないか等について熱心に質疑應答が行われたのでありまするが、その詳細については会議録に讓りたいと存じます。
 次いで民自党より、第一に、運賃及び料金の認可、運送契約の認可等の対象が旅客及び手荷物に限定されておりますのを改めて小荷物を追加することと、第二に、定期航路事業の讓渡または讓受の認可並びに第四十二條第二項の、日本國有鉄道に関する規定は「認可をしようとする場合」となつておりますが、これを「認可に関する処分をしようとするときに」に改めること、第三に、定期航路事業の休廃止について運輸大臣が許可をする場合は運輸審議会に諮り、運輸審議会は委員会を開きその意見を聞くことに改めること等の修正案の提出があり、討論を省略し、ただちに修正案について採決の結果、多数をもつて可決し、次いで修正部分を除く原案についても採決の結果、多数をもつて可決、よつて海上運送法案は修正議決すべきものと決しました次第であります。
 次に日本國有鉄道法の一部を改正する法律案について、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、五月六日、本委員会に付託され、越えて九日、発議者、参議院議員板谷順助君より提案理由の説明を聽取し、これを愼重審議いたしたのであります。その趣旨は、現在日本國有鉄道の監理委員会の委員を任命し罷免する場合に、衆議院が同意して参議院の同意の得られない場合には、内閣総理大臣の指名の議決の例によつて、衆議院の同意をもつて両議院の同意とすることとなつておるのを、その愼重を期するために両議院の同意を要するようにし、これに伴う所要の改正を行わんとするものであります。
 次に、質疑應答の詳細は会議録に讓りたいと存じます。
 かくて討論を省略して採決に入り、多数をもつて原案の通り可決すべきものと議決した次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#57
○副議長(岩本信行君) まず海上運送法案につき採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#58
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。(拍手)
 次に日本國有鉄道法の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#59
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#60
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税務署の増設に関し承認を求めるの件を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#61
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税務署の増設に関し承認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。大藏委員会理事島村一郎君。
    〔島村一郎君登壇〕
#63
○島村一郎君 ただいま議題となりました地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税務署の増設に関し承認を求めるの件に関し、大藏委員会の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 本件は、最近における税務行政の実情にかんがみ、税務行政運営の適正化と、租税收入の確保をはかるため、荻窪、大宮、香佳、上川、三島、島田の六税務署を増設せんがため國会の承認を求められたるものであります。
 本件は、五月十八日大藏委員会に付託せられ、五月二十日政府委員の説明を聽取し、委員と政府委員との間に種種質疑應答がなされました。続いて討論に入り、共産党を代表して河田委員より反対意見が述べられましたが、ただちに採決に入り、起立多数をもつて承認を與うべきものと議決いたしました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#64
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本件は委員長の報告の通り承認を與えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#65
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本件は委員長報告の通り承認を與えるに決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
#66
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、昭和二十一年度歳入歳出総決算、昭和二十一年度特別会計歳入歳出決算、國有財産法第四十五條の規定による國有財産総類別表、昭和二十二年度國有財産増減及び現在額総計算書及び昭和二十二年度國有財産無償貸付状況総計算書の四件を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#67
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加されました。
 昭和二十一年度歳入歳出総決算、昭和二十一年度特別会計歳入歳出決算、國有財産法第四十五條の規定による國有財産総類別表、昭和二十二年度國有財産増減及び現在額総計算書、昭和二十二年度國有財産無償貸与状況総計算書、右四件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。決算委員長本間俊一君。
#69
○本間俊一君 昭和二十一年度の決算外数件につきまして、委員会の経過並びに結果を御報告いたします。
 昭和二十一年度の決算、すなわち予算の執行についてその概略を申し上げますと、昭和二十一年度の一般会計の歳入の決算額は千百八十八億九千九百万円、歳出のそれは千百五十二億七百万円でありまして、差引三十六億九千二百万円の剩余を生ずるわけであります。しかしながら、この剩余中には同年度から昭和二十二年度に歳出予算の繰越しがありまして、これが財源を留保いたしておく必要がありますので、その金額十九億五千五百万円を差引まして十七億三千六百万円が使用できる純剩余金であります。なおこの剩余中には昭和二十年度の剩余金使用残額が七千八百万円ほど含まれておりますので、これを控除いたしますと、本年度に新規に生じた剩余金というのは十六億五千八百万円であります。
 昭和二十一年度決算額を予算額に比較いたしますと、歳入の予算額千百九十億八千七百万円に対して一億千八百万円の減少を示しておるのであります。また歳出の予算額は、歳入予算額と同じく千百九十億八千八百万円でありますが、昭和二十年度から本年度に繰越しました二億六千九百万円を加えますと、歳出の予算現額は千百九十三億五千六百万円となりまして、そのうち支出済みとなりました金額は前申した通り千百五十二億七百万円、昭和二十二年度に繰越した金額は十九億六千余万円でありますから、まつたく不用となつた金額は二十一億八千八百万円であります。操越額のうちおもなるものは、内務省所管の災害対策費等の補助金一億二千万円、終戰処理費三億六千六百万円、特別住宅建設費六億五千二百万円、文部省所管の公立諸学校戰災その他復旧費等の補助金一億千二百万円、民生安定施設費二億七百万円、價格調整補給金二億九千九百万円等であります。これらの繰越しはやむを得ないものと認めて承認いたすこととなつております。
 なおこの際一言しておきたいと存ずるのでありますが、予算の繰越制度につきましては、会計檢査院からも制度再檢討の要あることを指摘しておるのでありますが、繰越しのみならず、一般に予算執行上の処理が遅延いたしまして、ひいては政府支拂いが遅延して参つておる現状から、本制度の再檢討はもちろん、その運営についても最も注意が拂われなければならないと存ずるのであります。
 次に予備費でありますが、その第一予備金二億円、第二予備金四億七千万円合計六億七千万円でありまして、これを支出したものは、第一予備金一億七千八百万円、第二予備金四億五千七百万円、合計六億三千六百万円でありまして、結局予備金の支出残額は三千三百万円であります。なお昭和二十一年度におきましては、経済安定費と称する予備費が六十五億四千万円ありましたが、これが支出されたものは六十五億千九百万円でありまして、その使用残額は二千万円余であります。これら予備費の支出につきましては、第二予備金は第九十二回帝國議会に、第一予備金及び経済安定費は第二國会にそれぞれ提出して事後承諾を経ておりますので、ここには説明を省略いたします。
 大藏省証券及び一時借入金の発行または借入れの最高限度額は三百十億一千万円でありましたが、実際に発した額は九百五十五億円でありました。また昭和二十二年法律第四十二号による一時措入金の限度は百億円でありましたが、実際借入れたのは七十億でありました。会計法第十一條による翌年度にわたつて契約のできる限度は五千万円のところ、実際には契約をなさなかつたのであります。以上は一般会計の決算についての概要を説明したわけであります。
 特別会計の決算につきましては、おのおのの決算書についてごらんを願うことにいたしまして説明を省略いたしたいと存じますが、昭和二十一年度の決算に掲げられた特別会計数は二十五でありまして、その歳入歳出の決算総額は、おのおの歳入決算額千九百七億七千八百万円、歳出決算額千七百八十二億五百万円であります。しかして、これを前記の一般会計のそれと合計いたしますと、歳入総額三千九十六億七千七百万円、歳出総額二千九百三十四億千二百万円となるのであります。しかしながら、以上の計算のうちに相当多額な重複勘定がありますので、これを控除して、いわゆる純計額を計算いたしますと、歳入総額千六百二十四億七百万円、歳出総額千五百三十五億三千九百万円となるわけであります。しかして、これをただちに財政支出なりと速断し得ないのはもちろんでありますが、大体の傾向はこれによつて推知し得るのでありまして、これを同年度の國民所得三千八百六十九億円から判断いたしますれば、國民負担の相当の重荷であつたことがわかるのであります。
 以上が昭和二十一年度の決算の大綱であります。しかして、これを審査いたしますのに最も注意を要することは、当時の財政事情あるいは社会情勢といつたような客観情勢をよく認識してこれをなさねばならないと存ずるのであります。もししからずして、單に予算の使用が法律に違反しておるとか、予算の目的通り使用されないといつたような個々の問題を摘発いたしましても、それでは皮相の観察たるを免れず、國会としての決算の審査に万全を期し得ないと存ずるのであります。從つて委員会といたしましては、法令上の非違不当を摘発して政府当局の猛省を促さんとしたのみならず、さらに突つ込んで審議研究を重ね、いかなる情勢下にあつて予算の執行がなされ、決算上の非違不当がかくのごどく多く現われるに至つたかというような点にまで審査を突つ込んで参つたのであります。
 まず、当時の情勢でありますが、昭和二十一年度は、御存じの通りあの長期にわたる大戰争が悲惨なる終熄を告げて未だ八箇月しか経過しておらなかつたときから始まつておるのであります。昭和二十一年度は、わが國といたしましては、近代的産業國家として成立以來生産力の最も低下いたした年でありまして、今日の生産力と比較して約三分の一まで低下いたしたのであります。また敗戰という、わが歴史あつて以來未だかつて経驗しなかつた打撃によつて、國民生活は精神的にも物質的にも最も貧困を示した年であります。当時三月危機、五月危機と常に國民生活の危機が繰返され、食糧不足から來る社会不安、思想的動揺といつた状態は各位のよく御存じの通りであります。
 かくのごとき中にあつて、財政はといえば、昭和七年度以來累年続け來つた赤字財政は遂に支え切れず、まさに財政崩壞の危機に直面しておつたのであります。すなわち、これを具体的に申し上げれば、昭和二十年十月にできた幣原内閣は、昭和二十一年度が開始されるのに、もちろんその間総選挙もあつたのでありますが、予算の編成にも手がつき得なかつたという事実は、これを最も明瞭にしておるのであります。これは日華事変から太平洋戰争に要したところのあの巨大な戰費の跡始末、またこの戰費に引続いて、これにかわつて現われた終戰処理費等といつた巨額の経費を必要とする財政需要があるにかかわらず、旧來の昏迷した思想にとらわれて思い切つた財政整理ができず、さらばといつて、また國民生活の貧困の状態から過大な増税もできなかつたのであります。またかくのごとき状態は、胎動しつつあつたインフレ的様相が逐次露呈しつつあつて、ここにもまた物價不安、ひいてはこの面からも國民経済生活の動揺をはらんで参つておるのであります。
 かくのごとく、昭和二十一年度という年、なかんずく年度初めは、社会状態も財政事情も、今日から振り返つてみましても、まさに崩壞前夜の感じがいたすのであります。
 昭和二十一年度予算は年度開始前成立いたさなかつたのでありまして、旧憲法第七十一條の規定によりまして、当然前年度の予算をそのまま施行いたすこととなるのであります。しかしながら、昭和二十年度の予算は戰争を遂行することを前提としてのものであります。情勢のまつたく一変した昭和二十一年度において、これをそのまま施行できないのは当然の話であります。從いまして、政府は形式的にはこの施行予算を実施したのであるが、実質的には四、五、六月分の暫定予算を編成して、施行予算でまかない得ないものは予備金を支出し、また緊急財政処分をなしたのであります。また本來の一箇年分の予算の編成が間に合わないので、さしあたりの措置として、急を要するものに限つて追加予算を提出して、当面の急をしのいだのであります。一方選挙の結果によりまして、五月には第一次吉田内閣が成立して、これからいよいよ本格的に一箇年分の予算を編成することとなつたのであります。かくして、ようやく七月初めに一般会計の改定本予算、八月初めに特別会計の改定本予算をそれぞれ國会に提出したのであります。この改定本予算には、その前に支出されたところの予備金及び緊急財政処分の経費が含まれておるのでありまして、予算としての全貌がようやく判明して参つたのであります。
 しかしながら、当時の情勢は実に変轉きわまりなく、その後情勢の推移に應じ数度にわたつて追加予算を提出してでき上つたのが昭和二十一年度の予算でありまして、それが前に申したごとき客観情勢の中にあつて実行されたのであります。しかして、この決算は予算の時代から幾多の特色が存するのでありますが、これを大観いたしまして、終戰処理費、國債費、同胞引揚費、恩給及び年金といつたような、要すれば戰争中の跡始末の経費が全体の約六〇%も占めているのでありまして、直接國家の再建に使用し得る経費としては、わずかに二八%しかなかつたのであります。從いまして、この予算が前に申した通り実行されましても、遺憾ながら未だもつて國家再建の基礎をなすに十分であつたとは申し得ないと存ずるのであります。しかしながら、この予算実行が前申した各種の不安動揺から來る混乱、崩壞を未然に防止し得たということ、及び曲りなりにも治安を維持し得たということは、連合軍、わけてもアメリカの援助と相まつて、相当重く評價せらるべきものであろうと信ずるのであります。もし万一にも昭和二十一年度の予算の執行を誤り、今日の國民経済に対し圧倒的重要性を持つ財政に破綻を來したならば、それこそ、かの第一次大戰後のドイツのインフレーシヨンを再現せしめたであろうことは、容易に想像し得るのであります。もしかくのごとき結果となるならば、國民生活、いな、わが國再建途上に少くとも数箇年の空白時代が生ずることとなるわけでありまして、今日思いましても戰慄の感なきを得ないのであります。
 私は、昭和二十一年度の決算を審査いたしまして、予算が適正に執行されたと信じないのであります。
 なかんずく多くの非違、不当が存することは、これは以上のごとき客観的情勢の中にあつて、予算の衝に当る多くの官吏もまた思想的昏迷に陥り、吏道の頽廃から來るところの要素が少くなかつたと存ずるのであります。これらの点につきましては、はなはだ遺憾に存ずるのであります。しかしながら、以上のごとき客観的情勢下にあつては、昭和二十一年度の予算の執行は、不満の点が多々あるのでありますが、まずまずその大道は曲りなりにも歩んで参つたと信ずるのであります。
 委員と当局との間には熱心な質疑應答が繰返されましたが、これは議事録に讓ることといたします。討論に入り、共産党の井之口君から、さらに審議を継続すべしとの意見が開陳されましたが、採決の結果、多数をもつて民主自由党の川端佳夫君の動議の通り、違法、不当並びに措置当を得ないもの計百六十四件を除き他は異議なきものと議決いたした次第であります。
 ここに一言申し上げて各位の御関心を煩わしたいことがあります。それは決算の取扱いに関してであります。旧憲法下において、決算は單に議会に提出さえすればよかつたのでありまして、その承認を経る必要はなかつたのであります。新憲法による國会の地位にかんがみ、かかる旧憲法下の取扱いは変更さるべきであるとの論議がありまして、未決定のままになつておりますが、これは近く國会において確定さるべき問題であることを申し添えておきたいと存ずるのであります。
 次に國有財産総類別表並びに昭和二十二年度國有財産増減及び現在額総計算書、昭和二十二年度國有財産無償貸付状況総計算書の三件につきまして、きわめて簡單に御報告申し上げます。
 まず國有財産法第四十五條の規定による國有財産総類別表は、昭和二十三年法律第七十三号の新國有財産法が昨二十三年七月一日から実施になりました結果、國有財産を新しい分類及び種類に從つて類別したものでありまして、同法第四十五條の規定により國会の議決を必要とするので、本月十四日、本院に提出されたものであります。
 決算委員会におきましては、愼重に審議をいたしました結果、多数をもつて承認すべきものと決定いたした次第であります。
 次に昭和二十二年度國有財産増減及び現在額総計算書について御報告申し上げます。
 まず増減について申しますと、昭和二十二年度に増加いたしました國有財産の総額は、一般会計において九十一億六千九百余万円、特別会計において四百五億七千七百余万円、合計四百九十七億四千七百余万円となつておりまして、減少いたしました方は、一般会計において百三十九億八千余万円、特別会計において八十一億三千五百万円、合計二百二十一億千六百余万円でありまして、この増減差引きの結果は、両会計を通じまして二百七十六億三千百余万円の増加と相なります。次に現在額について申し上げますと、年度末における國有財産の総額は、合計いたしまして七百億四千余万円であります。
 本件につきましても、それぞれ政府当局から説明を聽取いたしまして愼重審議の結果、多数をもつて是認すべきものと決定いたした次第であります。
 最後に、昭和二十二年度國有財産無償貸付状況総計算書について御報告いたします。
 本件は、昨年七月一日から施行されました新しい國有財産法の第三十七條の規定により、今回初めて報告として提出されましたもので、二十二年において増加または減少した無償貸付國有財産及び同年度末現在無償貸付國有財産数量、價格を所管の官廳別、財産の区分別に記載してあるのであります。
 本委員会においては、これまた政府当局から説明を聽取いたしまして、採決の結果、多数をもつて是認いたすことに決定いたした次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#70
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。井之口政雄君。
    〔井之口政雄君登壇〕
#71
○井之口政雄君 昭和二十一年度の一般、特別歳入歳出決算について、会計檢査院の報告並びに政府のこれに対しまする答弁書を審議いたしまして、日本共産党を代表して承認し得ない旨申し述べたいと思います。
 財政法の第三十九條によりますれば、二十一年度歳入歳出決算報告は、二十二年十一月三十日までに会計檢査院に報告して檢査を受くべき規定になつております。しかるに、二十三年三月九日に至つて、ようやく政府はこの報告を提出しておるような次第であります。從いまして、会計檢査院におきましても十分にこれを審議する機会がない、日にちがないのであります。わずかに通り一ぺんの審査しかできない。わずか十三日間しか審査をしていない次第であります。これでは、單に形式一片の調査に終らざるを得なくなるよりしかたがないのであります。そういう点からいたしましても、会計檢査院のまだ確認いたさなかつた金額が、二十三年三月十八日調べで、歳入が二十二億、歳出が二百七十四億という多額に上つておるのであります。これを合計いたしますと、約二百九十七億という厖大な額がいまだ審査されておらぬ。これらのものは、支出してありながら受取書がなかつたり、問い合せても返答がなかつたり、きわめてあやふやな金額なのであります。
 おもなるものをそのうちから拾つて申し上げてみますと、終戰処理費が二百三十九億円からある。これがみな概算拂いで、自分量で出されておる。調査資料、調査書も会計檢査院に來ていないという事情なのであります。高い税金を拂つておる國民が、これではたまつたものではございません。終戰処理費は、負けたからしかたがない、拂わないわけには行かないという言いぐさでも、まさかこのようなでたらめな金の支出は許されていないはずであります。(拍手)不当に高く拂われがちな終戰処理費が、概算拂いで、調査書を会計檢査院にもまわさぬというやり方では、その実態がどのように支出されておるか、推して知るべしでありましよう。
 取前としての財産税や戰時補償特別税で未收入額が多額に上るのはもとよりでありますが、調査さえもできがたいというのが十億にも達しておる次第であります。その後幾分の調査の進行はあつたといたしましても、一年以上もたつて、未確認がこれほどの額に達するということは、会計のずさん驚くべきものがある。
 予算外支出金といたしましての予備金と経済安定費が、國民の火急必要としておる部分には使われませんで、警察の強化に多大にこれが使われているという実情、また租税の収入状態を点檢してみまするに、租税の未収入額が約百八十六億円にも達しておる。その内訳を見てみますと、租税收入の点ですが、所得税が二億三千万円、法人税が三億八千万円、増加所得税が八十八億一千万円である。この間、定員法で首切りを行つて七十億円を節約するというようなことを言つておりましたが、増加所得税八十八億一千万円も、いまだにとつていないのであります。財産税が三十七億円、戰時補償特別税が二十億円も、とるべくして政府はとつていないのであります。これらの税金は、主として資本家の納入すべきものが多いと予想されるのであります。(拍手)その明細の要求をしても一向にはかどらない。一向に調査ができないとして出して來ないのであります。この点から見ましても、この追究をいかに政府が緩慢になしているかということを証明いたしております。千円や二千円の未納に差押えをして、貧しい人々をぎゆうぎゆういじめておる今日、こういうことを開きましたならば、はたして人民の皆様方の考えがどういうものでございましようか。
 登録税の分を調べてみますと、二十一年度は、土地建物の賃貸價格の十倍から十五倍の低率賦課になつております。たつた十倍から十五倍の低率賦課でございます。船舶はトン当り三百円から五百円にすぎません。これでは、財産税の賦課標準率に比較いたしましても三分の一から十分の一の低率になつておる。東京などは特にひどうございます。三菱本社の鉄筋コンクリート建一棟五千坪の保存登記は、わずかに一万一千円でございます。これを財産税並にとるといたしましても、百二十六万円はとらなければなりません。この調子でありますから、全國到るところの状態を調べてみましたならば、資本家がいかに不当に低率で徴税を免れておるかということが明らかになるのであります。(拍手)会計檢査院に、今からでも追徴する道はないかと聞き合せてみましても、道はないと答えるのであります。今國会の劈頭に提案されましたいろいろの法案の一つで、ないところの法律までもつくつて産業設備営團に十数億の補償を今ごろからやろうというようなことまでもやるような時代に、こういうことがなされてないということは、片手落ちであるということを感じなければなりません。
 次に特殊物件についてでございますが、收入が一般会計の分だけについて三億七千二百万円、延納金が三億七千万円、物品拂下げ代金二億一千万円、價格差盆納付金一億六千二百万円、さらに特別会計の分まで見てみますと、莫大な價額が当然徴收さるべき國庫收入であるにかかわらず、政府が怠慢で、そうしてあるいはだれに遠慮しておるのか知りませんが、これを取立てていない次第であります。通行税の徴収のごときは、近畿日本鉄道外六十八業者が、七百数十万円も乗客から先に取込んでおいて、それを六箇月以上も滞納して別途に融通し、ぐるぐるまわしておるということを、会計檢査院が指摘いたしておるのであります。
 特殊物件についてでございますが、特殊物件は、連合軍から日本政府に讓渡されたものと、それから日本政府において直接陸海軍から引渡しを受けたものが含まれておりますが、その総額は、ほとんど算定の確実なる基礎のない状態でございます。不当財産委員会においてもこれが問題になりましたことは、皆様よく御承知の通りでございます。総額がいかほどに達しておるか、ほとんど算定の基準というものがないのであります。一例を申し上げますと、内務省において鉄鋼類、非鉄金属類、皮革類及び繊維類の賣拂いにあたりまして、相手方は鉄鋼販賣株式会社、日本金属株式会社、皮革統制組合、日本織物統制株式会社等の資本家團体に拂い下げておりますが、その拂下げ價格の点を見ますに、たとえば電氣銅、上工形鋼――終戰時マル公一千八百円見当のところを、拂い下げましたときの價格は幾らであつたかと申しますと、すでにその時分にはマル公が騰貴いたしまして、二十一年五月の例をとつてみますると、マル公がもはや二万八千円にも騰貴しております。当然二万八千円で拂い渡さなければならないのが、一千八百円で拂い下げられておる状態でございます。こういうふうな点からして、國庫の收入が莫大なる欠損を受けておるということは明らかであります。かように安い價格で拂い下げたものさえ未納金が多いのであります。價格差益金は納付することもなく、運賃諸掛並びに價格安定資金として、それを資本家の手にとめおくのでありまして、それらを差引いて残高二十一億円を二十二年度十二月までに納めねばなりませんのに、それもたつた四千円しか納めていない。これも会計檢査院が指摘している。
 放出物資につきましては、ごく一部分のものが生活必需品として貧困者のために無償配付せらるべき規定になつておりまするが、有償物でも無償で配給してみたり、また貧困者用の無償配給品が、実際貧困者の手に渡らずして、中間の不正なる官僚並びにボスの食いものになつてしまつた実例は、新聞紙上われわれがざらに見たところであります。また、このただみたいな放出物資の代金でさえも、あるいは納めなかつたり、自治團体が徴收しておきながら、それを政府の中央國庫に納付しなかつたり、かつて放題に使つております。実に混乱、何と形容していいかわからない状態であります。こうした決算を日本共産党は承認しがたいのでございます。全放出物資が約六十億見当と政府は言つておりますが、かく観じ來りまするならば、まつたくこの價格も当てにならないほど、ほとんど九牛の一毛にすぎないということが納得されるのであります。この点は、調査を將來もつともつと徹底させる必要があると思います。
 廃兵器の類を見てみますと、内務省が一括して一民間團体たる廃兵器処理委員会に拂い下げておるのでありまするが、直接費、間接費等々の名目で納入すべき金額が相殺控除されて、ほとんど政府に納付されていないという状態でございます。さらに驚くべきことは、艦艇解撤作業は、日本國が元所有しておりましたところの数百隻のほとんど半分が、播磨造船その他の造船会社に解撤を委託されたのでございますが、それがそのままでございまして、契約も何もなく解撤を委託したというだけでありますから、政府は解撤の費用を拂い、生じた物資は当然政府のものでなければなりませんのに、これらの物資がはたして今日いかようになつておるか。保管されておるのやら、賣り拂われておるのやら、全然不明なのでございます。賣り拂つたとすれば、これは当然背任的な法律上の責任を問われなければならぬはずでございます。
 終戰処理費が概算拂いでめちやくちやな支出であることは先ほど申し上げましたが、補助費は、一般・特別両会計を通じまして二百四十一億から出されております。なお農業方面にしろ、その一部が使われたのでありますが、これをとつてみましても、これは農民を潤すことなくして使用されて、使用しきれないほどのものを、ボスがこれを残して取つたというふうな状態まで、会計檢査院は指摘しておるのであります。また一例といたしましては、塩田開発のためにも十二億円が支出されておりまするが、これによつてできた塩田が、今日ではぼうぼうとして数尺の草が生えておるという状態である。出資團体に対する二十二年度会計檢査院の檢査は不十分でありまして、復興金融金庫のごとき、設立日浅いという理由で、決算がいまだなされておりません。わが党は、いくら何といつても、こうした決算を承認することはできないのでございます。
 最後に昭和二十二年度國有財産関係の決算について一言申し上げまするが、國有財産法第四十五條の規定による國有財産総類別表、昭和二十二年國有財産増減及び現在額総計算書、昭和二十二年度國有財産無償貸付状況計算書に対しましては、そのずさんであること、國有財産が全人民の利益のために保管処理されていないがゆえに、共産党はその決算に責任を負うことができないのでございます。
 第一に、二十三年の十月三十一日までに会計檢査院に送付されなければならないのに、これがやつと二十三年十二月七日に至つて送付され、会計檢査院で檢査を終つたのは本年の二月でございます。この一事をもつて見ましても、審議が十分に行れれていないということがわかります。
 第二に、國有財産の評價が、実際の國有財産の價値と非常な差異のあることでございます。とりわけ今日の急速なる物價高騰の時期に、それらのことを参酌せずして、驚くべき低い價格で評價されておることでございます。
#72
○副議長(岩本信行君) 井之口君に申上げます。申合せの時間が参りましたので結論を願います。
#73
○井之口政雄君(続) この結果は、今行われようとしておる國鉄その他國有財産の拂下げが、いかに捨値でたたき賣られるか、今より予想されます。また取得される財産は高く、拂い下げる財産は安く、その差異というものは、みんな國民にひとしく押しかぶせられて來る税金となつて参ります。たとえば、二十二年度の土地取得と賣拂いとの総價格を比較してみますと、一町歩取得する場合は九百八十円、拂い下げる場合は六百円、これが日本全体の、道路から公園からいろいろなものを入れた土地のやり方でございます。
 第三に、大藏省関係二十二年度官有物拂下げ料並びに拂下げ代金におきましても、収入未済額三億七千万円にも及ぶ。ほとんどただみたように拂い下げた上に、代金さえも拂わない。拂うにしても、延ばし延ばしして、しぶしぶと拂うといつたやり方は、官僚と財閥の給託した跡が歴然とこれにも現われておる。(拍手)國有財産を食いものにした御用商人の私慾を、共産党は承認するわけには行かないのでございます。終戰処理費によつて取得された國有財産は、帳簿においてさえも完結していないのであります。しかも、会計檢査院でさえこれを事実指摘しておる。このように、戰時、戰後を通じまして勤務大衆の血税によつてまかなわれる國有財産が、今のような処理である以上、われわれはこの決算に対しまして、絶対にこれを承認することはできないのでございます。(拍手)
#74
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 まず昭和二十一年度歳入歳出総決算、昭和二十一年度特別会計歳入歳出決算につき採決いたします。本件を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#75
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて委員長報告の通り決しました。(拍手)
 次に他の三件を一括して採決いたします。三件を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#76
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて三件とも委員長報告の通り決しました。(拍手)
#77
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、人事委員長提出、國家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律案は、委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#78
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程に追加せられました。
 國家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。星島二郎君。
    〔星島二郎君登壇〕
#80
○星島二郎君 ただいま上程せられました國家公務員に対する寒冷地手当並びに石炭手当の支給に関する法律案の提出の趣旨を説明いたします。
 本法案は、寒冷積雪地方に常時在勤する一般職たる政府職員に対し、冬期間一時的に特殊手当を予算の範囲内において支給せんとするものであります。本案の内容のおもなる点を御紹介いたしますれば、第一、本法による特殊手当は寒冷地手当及び石炭手当の二種としたこと、第二に、寒冷地手当として支給する額は、職員の俸給月額と扶養手当との月額の百分の二十に相当する額の四箇月分を越えざること。第三に、石炭手当は北海道在勤者に限り、石炭の一定量を公定小賣價格によつて換算したる額を支給すること。第四に、これら寒冷地手当、石炭手当の支給地域、支給方法等は人事院総裁の勧告に基いて、從前の例により内閣総理大臣がこれを定むること。
 以上は本案の内容でありますが、本案提出の理由を簡單に申し上げますと、寒冷積雪地方におきましては、燃料、食糧購入等のために冬期特殊生計費の増嵩を來し、これら地方に在勤する政府職員の生計に一時的に影響を及ぼすことは、諸君もすでに御承知の通りであります。もちろん、この現象は冬期間に限られたるものでありまして、年間を通しての平均生計費は、他の地方に比較して必ずしも高いとは言えないのであります。しかしながら、冬期間について、これを他の同程度の温暖地方と比較いたしますと、寒冷積雪地方の生計費は高いのであります。さりながら、この特殊生計費の増加は一定期間のことであり、またその期間も地方により異なるのでありますから、これを本俸に織り込むことは困難であります。從つて、寒冷積雪地給を冬期間に限り支給するの妥当性を感ずるのであります。ことに民間諸会社においてもすでに寒冷地手当を支給するの実情にかんがみまして、これとの均衡上もまたその必要を認むる次第であります。
 ただ、將來地域給が全面的に改訂せられる時期におきましては、寒冷地手当もまた考慮せらるべきものと考えるものでありますが、現下の状態において寒冷地域に対し特殊措置を講ずるの必要を認めますので、人事委員会におきまして、かねてより寒冷地手当支給に関し審査を進めつつありましたところ、今回成案を得ましたので、全会一致、委員会の立法といたしまして本法案の提出を議決し、ここに本案を提出いたした次第でありますから、本院におきましても、願わくば御審議の上、すみやかに原案の通り御可決あらんことをお願いする次第であります。(拍手)
#81
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手)
#83
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、参議院提出、農業協同組合等による産業組合の資産の承継等に関する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#84
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 農業協同組合等による産業組合の資産の承継等に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員会理事坂本實君。
    〔坂本實君登壇〕
#86
○坂本實君 ただいま議題となりました、農林委員会付託にかかわりまする、楠見義男君外十八名提出、参議院送付、農業協同組合等による産業組合の資産の承継等に関する法律案につきまして、審議の経過及び結果の大要を御報告申し上げます。
 消費生活協同組合法の制定に伴い産業組合及び産業組合連合会が解散することになつておりますので、さきに農業協同組合が農業團体から資産を承継した場合の課税上等の特例措置の例にならいました、産業組合または産業組合連合会から、これと密接な関係を有する農業協同組合、農業協同組合連合会等が資産を承継することを容易ならしめるために所要の手続規定を定めますとともに、その資産の承継につき有價証券移轉税、地方税の免除あるいは登録税の軽減措置をとらしめ、よつてもつて農業協同組合の発展に役立たしめようというのが、本法律案提出の理由であります。
 本法律案につきましては、昨日提案理由の説明を聞きました。趣旨内容とも明瞭であり、農業協同組合がようやく発展の緒につきました折柄、すこぶる機宜に適した処置と認め、質疑、討論を省略して採決に付しましたるところ、全会一致をもつて原案の通り可決いたした次第であります。
 以上、簡單ながら御報告申し上げます。
#87
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決せられました。
     ――――◇―――――
#89
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、野原正勝君外二十四名提出、挙國造林に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#90
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 挙國造林に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。野原正勝君。
    〔野原正勝君登壇〕
#92
○野原正勝君 私は、ただいま議題となりました挙國造林に関する決議案に関しまして、各党各派を代表いたしまして提案の趣旨を弁明せんとするものであります。
 最初に決議案の案文を朗読いたします。
   挙國造林に関する決議
  森林の造成並びにこれが生産の保続は、國土の保全、國民生活安定の基盤であり、森林の復興なくして國家の再建、民族の繁栄はあり得ない。しかるにわが國の森林は、多年にわたる過伐、濫伐と施策の不徹底とにより荒廃はなはだしく、水源涵養、土砂扞止、洪水調節等の國土保全的機能は著しく低下するに至つた。
  これがため全國随所に大水害続発し、農業生産は潰滅的損害を受け、産業、経済、文化各般にわたる被害は深刻、激甚を極め、國民生活はまさに根底より破壞せられんとしている。
  挙國造林は、かかる災害防止の根本対策であると同時に、國民生活に欠くべからざる木材、薪炭の生産を長く保続する唯一の方策にして、衆議院はここに挙國造林を提唱し、政府の善処を要望する。政府は速かにこれが具体的措置を講じ、その顛末を次期國会に報告すべし。
   右決議す。
 以上が決議案の案文でございますが、翻つて思いまするに、昨年、一昨年と、あの重なる大水害であります。特に関東、東北地方のごときは未曽有の水害を受けまして、われわれ、その水害がいかにはなはだしいかということを身をもつて体驗をしたものにとりましては、まさにこれこそ、わが國の國土崩壊これによつて始まる、そしてわれわれは、この愛する國土をこの大水害によつて壊滅されるのてはないか、さような不安におののいておつたのであります。まさしく、あの水害が年々繰返されるようなことがありますならば、今後わが國のこの國土の保全ということは、まことに恐ろしいことであります。この際われわれは、あくまでもこの國土保全のためには、國をあげてあらゆる対策を立てなければならないと思うのであります。
 ところが、はなはだ遺憾ながら、累代の政府、内閣は、いつも國土保全であるとか治山治水ということを口に申して、その政策の中に盛り込んでおりますれども、これが予算に計上せられるような場合になりますと、はなはだ遺憾ながら龍頭蛇尾に終つておつたのであります。これは片山内閣においてもしかり、芦田内閣においてもしかり、また現にこの吉田内閣においても、はなはだ遺憾ながら同様の結果を來しおるということは、これはは私は民自党の一員といたしましても、ひとりこれは政党政派の問題ではなく、まことに日本國民全体の大きな関心事でなければならないと思うのであります。由來政治は、その当面する諸問題に追いまくられて、ややともすると國家百年の大計を見失うおそれがあります。しかしながら、少くともこの國家唯一の最高の立法機関たる國会が、國家最高の機関としての権威にかけて、國家百年の大計を忘れるようなことがあるならば、われわれは國民に対して何と申しておわびしてよろしいか、言うべき言葉を知らぬのであります。
 われわれ、かつての日本を考えるときには、まさしく山紫水明の國とうたわれ、世界どこの國からも、世界の公園である、日本へ訪れる人がことごとく日本は美しい國である、非常に日本を愛し、日本の風光をめでて、そのつえを引く人たちのあとは絶えなかつたのであります。ところが、國破れて山河あり、戰いに敗れましたけれども、まだ幸いに、日本には相当の山が残つております。
 御承知のごとく、國十総面積三千七百万町歩ほどありますが、その中の約二千五百万町歩は山林及び原野であります。しかして、その山林及び原野の中には、まだ相当の森林はありますれども、最近、特に戰時中から過伐濫伐、相次いで、特に終戰後におきましては、かの開拓、あるいはその他いろいろ民主主義の名のもとに、あるいは第三次農地解放が行われるのではないか、せつかくの自分の山もとられてしまうのではないかというふうな、いわゆる所有権に対する不安と動揺から、それらのものによりて、いたずらに幼齢林が濫伐せられるようなことがいろいろ行われた結果が、遂に昨年、一昨年と引続いて大水害を惹起せしめた根本の原困であると思うのであります。
 われわれはここにおいて、何とかして國をあげて山に木を植えたい。
 四月一日から緑の週間をつくりまして、國をあげて山に木を植えましようという運動を起しております。あの赤旗を振る殺伐な氣持を殺げ捨てて、そしてあの平和の象徴である緑の色、日本國中を緑一色に塗りつぶそうではないかという平和の運動であり、そして日本全体をまた昔の緑なす國にしようではないかという挙國造林運動がこの國の津々浦々から起つて、國民がそれに情熱を傾けて、眞劍にこれを行うときこそ、日本が遂にはみごとに民主國家としてりつぱに再建をなし得るときであろうと思うのであります。
 御承知の通り、北欧の小國デンマークは、わが國の北海道の三分の二に満たない小面積の國でありますけれども、あの國が戰に敗れたあと、國民は不安と動揺と、そしてまた深刻な敗戰の重圧の中から遂に立ち上つて、今日見るごとき、世界における最も輝かしい農業國家を完成したのであります。あのデンマークが、あれだけのりつぱな國をなし上げたという根本がどこにあつたがと考えて見るならば、あれはまさしく不毛の地といわれておつたユツトランドの大造林を遂に完成し、それはまさしくデンマーク國民の國をあげての長い長い國民的汗と涙と血の結晶てあつたのであります。あれを思うときわが國がこの長い戰禍のあとにおいて、まさしくデンマークが戰に敗れたときとまつたく同様、いやそれ以上深刻であるかもしれませんが、しかしながら、われわれはデンマークの方々以上にこの國を愛する気持を持つておると思います。日本國民全体が、この國をりつぱな國にしようとする情熱を傾ける点において、あえてデンマーク國民に絶対に負けるものではないと承知しておるのであります。その意味におきましても、われわれは、必ずわれわれが望んでやまない國をあげてのこの大造林を行うという國民的運動が必ず成功を見るであろうことを信ずるものであります。
 日本は敗戰の結果、遂に、昔の日本を考えるならば見る影もない日本になり果てました。まさしく三代目であります。考えてみれば、過去の日本は、あのがんこなじいざんが家を建てて、その家産を、粒々辛苦、一生懸命に、まじめに積んでおつたといたします。そのあとに、のんきなむすこがおつて、おじいさんのあとを受継いで、そして家を――そのおじいさんの苦心を忘れて、山を切つてしまつた。そして、これだけの水害を招いた。いよいよ家がつぶれたのであります。ここで孝行むすこが生れて、ほんとうの家運挽回をする時機は今であります。
 われわれは、その意味におきましても、國をあげて孝行むすこになつて、りつぱな日本を再建するような、挙國造林の必要を、今さらのように痛感するのであります。どうぞ皆様方の満堂の御賛同を賜わりたいと思います。(拍手)
#93
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 この際農林大臣より発言を求められております。これを許します。農林大臣森幸太郎君。
    〔國務大臣森幸太郎君登壇〕
#95
○國務大臣(森幸太郎君) ただいま全員一致の御決議によりまして、挙國造林のことをおきめになつたのであります。この機会に政府の所信を被瀝いたしたいと存します。
 提案者がただいまお述べになりました通り、わが國の山林は、戰争のために過伐、濫伐に陥りまして、その結果は年々歳々風水害の見舞うところとなりまして、國土は御承知の通り非常な損害をこうむつておるような情勢であります。一日も早く、この風水害に見舞われないように、りつぱな國土を建設しなければならないのでありまするが、政府におきましては、特に治山治水に力を入れまして、國土保全を計画いたさんと考えておるのであります。
 御承知の通り、今お述べになりましたが、山林というものは、ただ國家の風光明媚を誇るのみではありません。林産物の増産と國土を保安することが森林経営の目標でありまして、その目標を達することによつて風光明媚なるところの國土がつくり上げられるのであります。この事業は、その計画が恒久性がなければなりません。簡單にこれを途中において移動し得ないのであります。最も重大なる計画であります以上は、慎重にその計画を進めて行かなければなりません。政府におきましては、國有林野の調整、民有林の造成、また國有牧野の調整等の今後における処置を整理しなければならないのであります。あの戰争中保安林がいたずらに聞放せられました結果は、まことに山林の荒廃を助長いたしたのでありまして、政府は國有林の整理と相まちまして、保安林の制定を今後大いに力を入れてやつて行きたいと考えておるのであります。この重大ななる仕事は、ひとり政府の施設のみならず、愼に國民諸君が國土を守る上に、國土保安の精神に燃えて絶大なる御協力を要するのであります。
 御決議になりました通り、最も近き機会に、政府はこの國土保安のための挙國造林の計画を立てまして、皆様の御協賛を得たいと考えておる次第であります。何とぞ皆さんも國民諸君も、ひとつ日本の國土保安の状況をお考えになりまして、この政府の施策をやる場合におきまして絶大なる御協力をお願いいたしたいと存ずる次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
#96
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、辻寛一君外二十四名提出、電氣通信事業復興促進に関する決議案は、提出者の要求通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#97
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 電氣通信事業復興促進に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。松本善壽君。
    ―――――――――――――
    〔松本善壽君登壇〕
#99
○松本善壽君 ただいま議題となりました電氣通信事業復興促進に関する決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず決議案の朗読をいたします。
  電氣通信事業復興促進に関する決議
  電氣通信事業は、ひろく政治、経済、文化活動の基礎をなすとともに、國民生活の福祉にも緊密な関渉をもつものであつて、その復興の速かなるとことは、わが國家社会の再建に重大なる影響を及ぼすものである。
  しかるに現下の電氣通信、就中電話事業は資金、資材、労務その他の面において各種の制約を受け、その復旧遅々として進まず、ために産業の振興、経済の安定を阻害すること少なからぬ状況にあつて極めて憂慮に堪えない。
  よつて政府は、速やか電信電話復旧建設資金の調達、要員、資材の確保等に関し適当な対策を講じ、各般の障碍を打破して電氣通信事業復興の促進をはかり、もつて事業本來の使命達成を期すべきである。
  右決議する。
以上であります。
 御承知のごとく、一定水準を越える文化國家におきましては、電氣通信、すなわち電信電話事業は、あらゆる國家、社会活動の基礎となつているものでありまして、一國の政治を活発ならしめ、経済を振興し、國民の文化生活をゆたかにするためには、電気通信の機能の発揮にまたねばならぬ面が非常に大きいのであります。ことに、戰争による大なる破壊のあとを受けて再建途上にあるわが現下の情勢におきましては、最も急務を叫ばれている生産の増強にいたしましても、輸出その他の産業の振興にいたしましても、電氣通信の機能によつてこれらの経済活動を迅速、円滑ならしむることが絶対に必要であります。換言いたしまするなれば、電信電話はわが國経済復興の基礎をなすとともに、またその先駆とならねばならないものでありまして、この事業は他の企業に先んじて復興を遂げ、手を差伸べて他の企業の再建を助けなければならない使命を持つているのてあります。
 しかるに、わが國の電氣通信事業現在の状態はどうでありましようか。終戰以來四年になんなんとする今日、戰災被害の復旧は遅々として進まず、サービスは極度に抵下して國民の不平不満を買い、本來産業復興に寄與すべきこの事業が、かえつて産業復興を阻害しているという、まことに遺憾しごくの状態にあるのであります。
 試みに二、三の例を電話事業にとつてみまするならば、戰前百八万を算した加入電話は、戰災により、ほぼその半ばを失つたのでありますが、昭和二十三年度末においては、加入者数八十九万七千余、戰前に対する比率八三%となつておりまして、需要度の最も高い大都市におけるその比率は、五五・五%にしか達していないのであります。またサーピスの面も著しく低下しておりまして、市内通話の疏通状況を見ましても、完了通話、すなわち通話の目的を達成するものは、大都市自動式のごときはわずか三八%にすぎず、六二%は、施設の不足その他に原因して、電話をかけても話中等のため先方にかからないという状況であり、さらに市外通話の待合せ時分に至りましては、東京・大阪間至急通話が、戰前三、四十分程度であつたものが、現在においては、特別至急通話によりましても二時間余を要するというありさまであります。電信事業におきましては若干の向上が認められまするものの、戰前に比較しますれば、電話と同様、サービス改善の余地は、なおはなはだ大きいといわざるを得ないのであります。
 しからば、かように電話の復旧が遅れる原因はどこにあるかを探求しまするに、終戰後の社会的混乱、これに伴う従業員の勤労意欲の低下、輸入材料の不足等、数えればいろいろありまするが、資材はまず可といたしましても、最大の欠点は資金の不足であります。電信電話事業は、わが國においては國営事業でございまして、直接に國家財政收支の影響をこうむり、建設予算は年々財政事情に左右せられ、復旧計画は常に不安定でございまして、ために根本的、継続的な復興に乗り出すことができず、きわめて不足な予算をもつて当面を糊塗する程度で、終戰以來の四箇年を経過し來つたというのが実情であります。
 この復興計画の不安定の最も顕著な事例は、これを本年度に見ることができるのでありまして、現に逓信省においては、昨年六月通信復興五箇年計画を樹立し、昭和二十三年度に始まり二十七年度に終る五箇年間において一應通信事業の復旧を終る見通しを立てたのでありますが、本計画は、実施第二年目の本年度において早くも根本的改訂を余儀なくせられ、経済安定本部において、新たに改訂五箇年計画を立案いたしたのであります。この改訂の結果といたしまして、五箇年間における加入電話増設数九十四万は六十四万に、市外線増設工程百二十八万キロはわずかに四十五万キロに切下げられ、さらに本年度においては、加入者増設二十万の予定が六万七千に、市外回線二十三万キロの予定が三万キロに縮減されたのであります。これでは、刻下の最大急務であり、國民待望の的たる電信電話の復興も、戰前の状態への復帰すら前途遼遠といわざるを得ないのであります。(拍手)
 この改訂は、本年度予算編成事業によつて余儀なくされたものでありますが、申すまでもなく、本年度予算は敬愛安定九原則上の要請に基ずくものであり、九原則の履行はわが國の経済再再建絶対の必要でありますから、私は本年度工程の縮減もある程度やむを得ざるものであることを認めるとともに、全体的にきゆうくつな予算の中から、特に百二十億円の建設公債を認めた政府の措置を了とするものでありますが、少くと來年度以降において、また本年度途中においても、もし適当な財源が見つかつて予算の補正措置が認められる場合におきましては、電氣通信事業の復旧資金を最重点的に考慮せられんことを政府に要望するものであります。電信電話の建設は、これによつて事業收益を増加し、独立採算の基礎を強固ならしめるとともに、産業の振興、生産の増強に資することきわめて莫大でありますから、電気通信復興資金の調達にあたつては、政府はよろしく大いに積極的な方途を講ずべきであると思うのであります。
 その他資材、労務の面、事業組織及び運営方法等につきましても、電信電話の復興を妨げている諸種の原因が伏在しているのでありますが、今日はこれに言及することをやめ、ただ電信電話の機器、材料の製造加工工業は、わが國の輸出産業としましても將來すこぶる有望なものがあるのでありますが、この電氣通信工業が、さきに申し述べました電氣通信事業計画の縮小、予算の削減によりまして経営上重大なる危機に直面しておる事実につき、この際政府の注意を喚起するにとどめることといたします。
 以上申し上げました理由によりまして、政府はすみやかに適宜の対策を講じ、今日電氣通信の復興を阻害している各種の障害を打破してその急速なる復旧発達をはかり、事業本來の使命達成を期するとともに、國民の輿望に沿うべきものと認めまして、通信委員会を構成する二十五名の議員合相はかり、所属各派の共同提案として本決議案を提出いたした次第であります。何とぞこの趣旨を了とせられまして、満場一致御賛成あらんことを希望いたす次第であります。(拍手)
#100
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手)
 この際逓信大臣より発言を求められております。これを許します。逓信大臣小澤重喜君。
    〔國務大臣小澤佐重喜君登壇〕
#102
○國務大臣(小澤佐重喜君) ただいま採決に相なりました電氣通信復興促進に関する決議案の趣旨は十分了承いたしました。
 申すまでもなく、この電氣通信事業の復興が政治、経済、文化活動の根本であるばかりでなく、國民生活の福祉増進に重大なる影響のあることは、ただいま提案者御指摘の通りであります。從いまして、政府は本年度予算編成にあたりましても、さしあたり十五万個の増設計画、復興計画を立てたのでありましたが、この十五万個の復興には約三百二十億の建設資金を要するのであります。ところが、提案者もただいま御指摘の通り、諸般の客観情勢はその建設資金といたしまして百二十億円を得るにとどまつたのでありますが、この百二十億円の予算では、これまた提案者御指摘の通り、六万七千個の増設にしかならぬのであります。つまり、いろいろ提案者も御指摘がありましたが、この復興計画による資金、資材、労務の三つの要件がありますけれども、資材、労力の点においては大体不自由はないのでありまして、資金面さえ打開されれば、相当の復興計画が成り立つものと考えておるのであります。從いまして、これが対策といたしまして、本年度予算中に設けられました見返資金特別会計千七百五十億のうち、いまだその使用の決定されていない部分から少くとも二十五億ないし五十億の建設資金の増加を生み出そうと、政府は懸命に努力中であります。從いまして、これが承認を得ますれば、さらに三万個ないし五万個の増設が可能となりますので、この十万個の計画が立ちますと、大体戰前と同率、すなわち百万個程度の開通が可能とるわけでありますから、ただいまの決議の線にも十分沿いまして、政府は極力復興事業のために邁進することをおお誓い申し上げる次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
#103
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、國家公務員法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#104
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 國家公務員の一部を改正する法律を議題といたします。委員長の報告を求めます。人事委員会理事鈴木明良君。
    〔鈴木明良君登壇〕
#106
○鈴木明良君 ただいま上程になりました國家公務員法の一部を改正する法律案に関する本委員会の審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、御承知のごとく、五月十二日、本委員会に付託されたものでありまして、本委員会としては、五月十三日及び二十一日の両日にわたつて委員会を開会し、その審査を行つたのであります。
 本法案の内容について申し上げますと、第一に、内閣法の一部を改正する法律案及び総理府設置法案の成立に伴い、「内閣官房次長」を「内閣官房副長宮」に、「総理廳」を「総理府」に、「宮内府」を「宮内廳」に改めようとするものであります。
 第二に、連絡調整事務局臨時設置法が廃止され、その機構が外務省の機構の中に包攝されたことに伴い、國家公務員法第二條に掲げる特別職から「連絡調整中央事務局長官」を削除しようとするものであります。
 第三に、内閣官房長官に秘書官一人が置かれることに伴い、その職を特別職にしようとするものであります。
 第四に、緊急失業対策法の制定に伴い、同法に基き失業対策事業のため公共職業安定所から失業者として紹介を受けて國が雇用した職員で、技術者、技能者、監督者及び行政事務を担当する者以外の者は、これを一般職とすることは不適当であるため、これを特別職として、國家公務員法二條第三項に加えようとするものであります。
 第五に、從來の経済安定本部令にかわり経済安定本部設置法が制定され、その機構が総理府から離れることとなるのに應じて、経済安定本部総裁も、各省廳の長と同様に、その部内の職員並びにその外局の長に対して任命権を有するものであることの規定を設けようとするものであります。
 以上が本法案の内容でありますが、本委員会といたしましては、まず政府の提案理由の説明を聽取し、ただちに質疑に移つたのであります。質疑が終つて、民主自由党から修正案が提出されたのでありますが、その修正の要点とするところは、政府原案に示された改正点のほかに、第一、参政官設置法の制定によつて新たに参政官が設置されたのに伴い、國家公務員法第二條第三項第七号を「参政官」と改めて、これを特別職とすることと、第二、食糧管理法の一部が改正されることになりますので、從つて人事院の指定する公團の存続が昭和二十四年七月一日以降に延期されることとなるのに伴い、國家公務員法第二條第三項第十四号中の括孤内を(但し、本号は昭和二十五年四月一日にその効力を失う)と改めること、第三、國家公務員法附則第九條第一項中「次官」を「事務次官」に改めることとの三点を骨子とするものであります。
 やがて討論に移つたのでありますが、その採決の結果は、全員一致をもつて民主自由党の修正案を可決し、政府原案を修正議決するに至つた次第であります。以上御報告申し上げます。(拍手)
#107
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
#109
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、神田博君外二十三名提出、金属鉱工業の振興に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#110
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。(拍手)
 金属鉱工業の振興に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。福田一君。
    〔福田一君登壇〕
#112
○福田一君 ただいま議題に供せられました金属鉱工業の振興に関する決議案の提案理由について御説明をいたします。
 まず決議案文を朗読いたします。
  金属鉱工業の振興に関する決議案
  銅、鉛、亞鉛及び硫化鉱は、國内産業の基礎をなす重要物質であり從つてつとに自給態勢が確立せらるべきものであるにもかかわらず、從来閑却せられてきたがために、今やこれらの金属鉱業は崩壊の危機に直面している。しかも鉱山の性質上一度休廃止せんか、その再開はほとんど不可能というべきである。
  なお、アルミニウム工業及び特殊鉱工業は、輸出産業としてその振興のため大いに力を効すべきものである。
  よつて政府は、これ等金属鉱工業の重要性に鑑み、その振興を図るため價格政策その他に関し適切なる措置を講ずべきである。
  右決議する。
    〔副議長退席、議長着席〕
 本邦金属鉱業の大宗をなすものは、言うまでもなく銅鉱業であります。電氣銅消費者價格は、一トン当り約八万円の價格差補給金を交付せられておりますため、一トン十万二千余円と相なつておるのでありまして、これは國際市場價格に比して著しく低廉であります。從つて、輸出物資として優に國外に進出し得るにもかかわらず、これまではその輸出を禁止せられておつたのであります。これがため、國内的には一見生産過剩物なるかの観を呈しまして、その結果、同工業は金融が極度に逼迫し、ほとんど崩壊の危機に直面しておると言うも過言ではないのであります。かかる状況下に追い込まれております電氣銅に対しまして、万一價格差補給金を一挙に撤廃するがごときことがありますならば、全國の銅山は一齊に休鉱または廃鉱の余儀なきに立至るのでありまして、しかも一旦体廃止した鉱山は、その特殊性より見て、再開することはすこぶる困難であります。かくのごとき事情を考えますると、かつての産銅國たるわが國の前途はまことは憂うべきものがあるのでありまして、さらにまた四万に上る銅鉱山労働者の失業問題を思うとき、その社会的影響の甚大なることは、まことに看過しがたきものがあるのであります。
 次に、硫安の原料たる硫化鉱でありますが、これはあらためて申すまでもなく、食糧と直結すら重要性を有するものであります。しかも、わが國は東洋随一の硫化鉱生産國であり、きわめて豊富なる資源を有するにもかかわらず、歴代内閣の誤つた價格政策のため、肥料の原料としてその生産に應じ得ないかの観を呈し、これがため政府は約七億円の補助金を支出して外國鉱石十万トンの輸入を計画しているのであります。かようなことは、われわれとして理解に苦しむところでありまして、政府は何ゆえ輸入鉱石に対する補助金の一部をさいて國内鉱山の増産計画をはかれないかと存ずるのであります。石炭に関しては今回メリツト制が採用せられ、企業の合理化をはかられたのでありますが、しからば硫化鉱についても同制度を採用し、國内産の優良鉱石に対しては、生産價格のみに基礎を置くことはなく、適正なる價格政策を樹立せらるべきであると信ずるのであります。
 次に鉛、亞鉛でありますが、その價格は、國際價格と比べてはなはだしく低位に公定せられておりますために、その増産を阻まれ、その結果として、これまた高價な鉛を外國より輸入しつつあるのであります。從つて、公定價格を世界的水準まで引上げ、もつてその増産をはかることが当面の急務と考えるものであります。
 次に、わが國のアルミニウム工業が、國内産業の面からも、また輸出産業の観点からも、すこぶる重要なる役割を果たしておることは、いまさら説明を要しないところであり、特殊鋼工業とともに、その振興はわが國現下の急務であります。
 これを要するに、金属鉱工業全般にわたりまして價格並びに補給金政策に再檢討を加え、さらに適切なる諸般の施策を実行いたしますことは、わが國産業の復興と國民の生活安定のために一日もゆるがせにすべからざることと強調いたすものであります。商工委員会におきましては、鉱工業に関する國政の審査を行いましたる結果、さきに述べましたる諸点に思いをいたし、これら金属鉱工業の振興をはかるとともに、これに関係する十二万五千余名の労働者並びに職員の生活安定を期する見地より本決議案を上程することとし、全会一致をもつて案文を決定、全委員の名をもつて提出するに至つたものであります。
 以上、簡單に決議案提出の趣旨を説明いたしました。各位の御賛同を望みます。(拍手)
#113
○議長(幣原喜重郎君) 他に御発言もなければ採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 この際商工政務次官より発言を求められております。これを許します。商工政務次官有田二郎君。
    〔政府委員有田二郎君登壇〕
#115
○政府委員(有田二郎君) ただいま御決議に相なりました金属鉱工業の振興に関する決議は、時局下眞に適切な御指示と存ずる次第でありまして、政府といたしましても、この御趣旨に沿いまして最善の努力をいたす覚悟でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
#116
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、國家行政組織法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#117
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#118
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 國家行政組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員会理事小川原政信君。
    〔小川原政信君登壇〕)
#119
○小川原政信君 ただいま議題題となりました國家行政組織法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、國家行政組織法の施行並びにこれに基ずく各省各廳の設置法の制定に伴い、國家の行政機関を総理府、法務府、各省及び経済安定本部にわかち、さらにこれらの行政機関の内部にある委員会、廳及び公團を列挙してわが國行政組織の全貌を明かにし、もつて行政組織の系統を一目瞭然たらしめ、本年六月一日から施行しようとするものでありますが、中央更生保護委員会に関する部分については本年七月一日から施行することとし、附則第二項として、六月三十日までは食糧配給公團を飼料配給公團、食糧配給公團と、食品配給公團を食料品配給公團、油糧配給公團とそれぞれ読みかえることと相なつております。
 本案は、五月十四日、本委員会に付託され、ただちに政府の説明を聞き、審査を進めて参りましたが、本案に対し、運輸省の廳として海難審判廳を加え、農林省の公團しての肥料配給公團、食糧配給公團、食品配給公團を、肥料配給公團、飼料配給公團、食糧配給公團、食料品配給公團、油糧配給公團に改め、附則第二項を削る修正案が提出され、五月二十一日、討論省略、採決の結果、多数をもつて修正案の通り修正議決いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#120
○議長(幣原喜重郎君) 他に御発言もありませんから、ただちに採決に入ります。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#121
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
#122
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動を提出いたします。すなわちこの際、中山マサ君提出、ソ連より引揚問題に関する緊急質問を許可せられんことを望みます。
#123
○議長(幣原喜重郎君) 山本君動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 ソ連よりの引揚問題に関する緊急質問を許可いたします。中山マサ君。
    〔中山マサ君登壇〕
#125
○中山マサ君 私は、海外同胞引場問題に関しまして緊急質問をいたすものでございます。
 昨年は四月十六日に通報がございまして、五月六日には、すでに第一船がわが同胞を連れもどつたのでございます。本年もまた同じ時期にかくあるべしという心構えから、舞鶴あるいは函館、佐世保におきましては、引揚げの方々を受入れる態勢の準備を完了したということも、私ども引揚委員会の委員派遣によりまして、これを確認いたしたのでございます。そうして、この待ちます間にも、その留守家族の方々の陳情のお声を聞きますたびに、私どもは御同情の涙に暮れて参つたのでございます。その結果といたしましては、参衆両議院の議員連盟、またわが衆議院におきましては、各党の代表の方々にお願いをいたしまして、私もお供をし、対日理事会及びソ連大使館に行つて参りました。そうして、引揚げの期日を知らせていただきたい、もしそれが遅れるのであるならば、その遅れる理由を御説明願いたい、連合軍の間におきましても、英米はすみやかにわが同胞を帰してくれましたので、同じ連合軍であるソ連におきましても同調していただきたいということを懇請して参りました。
 ところが、昨晩突加として発表になりましたこの引揚げの問題を見てみますと、ソ連側の発表におきましては、日本人捕虜総数五十九万四千、戰闘地域即時釈放七万八百八十人、本年五月一日までの引揚者四十一万八千百六十六人、差引現在未引揚者十万四千九百五十四人、本年十一月までに送還される者九万千五千人、戰犯その他で送還されない者九千九百五十四人という発表がございました。ところが連合軍総司令部の発表によりますと、シベリア地区引揚対象基本教七十万人、引揚者数累計三十七万五千四百七人、三月三十一日現在引揚予定数三十二万四千五百九十三人となつておりまして、ここにその結果といたしまして、差引き二十一万六千六百三十九人が残つていることとなつておりますのは、千島、樺太をのけての数でございますが、さてこのソ連側の発表の中におきましては、死亡者の数が零となつている点が私には合点の行かない点でございますので、死亡者の数を何とかして発表をお願いしたい。またこれは捕虜数となつておりますので、軍関係の人と考えますが、一般人はどうなつておるか、その点が私のお伺いしたいところでございます。
 さて、この総司令部の発表の七十万人という基本数でございますが、このごろいろいろ新聞紙上におけるところの情報を見ておりますと、中共軍が南下いたしましたために、台湾から三万人の日本人を向うに送つて中共軍に対抗させるという数字も出て参つておりますし、ソ連には一人も在留法人はないと申しておりますにもかかわらず、そこにもあるという情報がわれわれに傳わつて参りますところを考えますと、この七十万人という基本数の確実性がどこにあるか、それをまず第一に私は政府にお尋ねしたいのでございます。(拍手)
 以上基本数の確実性と、死亡者数が出ていないということ、一般邦人がどうなつているか、この三点が伺いたいのでございます。そして、もしそれをはつきりさしていただきますところの方法がございますれば、一日も早くこの点を明確にしていただいて、不安のうちに待ちわびておりますところのわが留守家族の不安をふきとつてやつていただきたいというのが、私の切なる希望でございます。政府におきまして明確なる御答弁を私はお願いしたいと思います。(拍手)
    〔國務大臣林讓治君登壇〕
#126
○國務大臣(林讓治君) 國民の待望いたしておりますわが同胞の引揚げの朗報が傳わりまして、まことに同慶にたえないと考えておつたのでありますが、しかしながら、從來の発表とこのたびのソ連の発表とにつきまして、その数に著しく差があるように感ぜられまして、私どももいささか驚愕いたしておるような次第であります。そのソ連の発表の問題につきましては、新聞において私は見たのでありますが、政府といたしましては、從來の通り約四十万人の数というものがやはり正しいものと今日まで考えておるわけであります。(拍手)なお今後の問題につきましてはさらに調査をいたしますが、ただいま申し上げましたように、わが政府におきましては、從來の発表の通り約四十万人の数が正しいものと考えておるわけであります。(拍手)
#127
○議長(幣原喜重郎君) 明二十一二日は日曜でありますが、特に定刻より本会議を開きます。本日はこれにて散会いたします。
    午後九時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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