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1949/05/20 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 法務委員会 第24号
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1949/05/20 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 法務委員会 第24号

#1
第005回国会 法務委員会 第24号
昭和二十四年五月二十日(金曜日)
    午前十一時十二分開議
 出席委員
   委員長 花村 四郎君
   理事 金原 舜二君 理事 佐瀬 昌三君
   理事 石川金次郎君 理事 梨木作次郎君
      押谷 富三君    鍛冶 良作君
      鹿野 彦吉君    田嶋 好文君
      牧野 寛索君    眞鍋  勝君
      猪俣 浩三君    田万 廣文君
      大西 正男君
 出席政府委員
        法務廳事務官
        (民事局長)  村上 朝一君
        農林事務官
        (農政局長)  山添 利作君
 委員外の出席者
        專  門  員 村  教三君
        專  門  員 小木 貞一君
五月二十日
 理事小野孝君の補欠として有田喜一君が理事に
 当選した。
    ―――――――――――――
五月十九日
 戸籍事務費全額國庫負担の陳情書(千葉縣長生
 郡東郷村長鵜澤有)(第四九四号)
 戸籍事務費全額國庫負担の陳情書外二百四十五
 件(山形縣東置賜郡高畠町長志賀三十郎外二百
 五十五名)(第五二六号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 証人出頭要求に関する件
 開会中審査に関する件
 農業資産相続特例法案に関する農林委員会より
 の申入れに関する件
    ―――――――――――――
#2
○鍛冶委員長代理 これより会議を開きます。
 お諮りいたしたいことがあります。理事小野孝君が委員を辞任されましたので、理事の補欠をいたしたいと思いますが、これは委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○鍛冶委員長代理 それでは有田喜一君を理事に御指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○鍛冶委員長代理 これより農業資産相続特例法案に関する農林委員会よりの申入れに関しまして、一昨日に引続き、当局に質疑をいたします。石川金次郎君。
#5
○石川委員 農業資産相続人に指定せられました者は、指定せられたことによつて一つの法律上の地位を得、その地位から一つの権利が発生して來ると思います。その権利が從來期待権というようなことで呼ばれておつたのでありますが、やはり農業資産相続人と指定されました者も、將來相続するであろうという期待権を持つことになりますかどうか、お伺いしたいと思います。
#6
○村上(朝)政府委員 一種の期待権を持つことになります。
#7
○石川委員 この点は今の案には明瞭になつておりませんので、さらに進んで参りますが、期待権でありますと、その期待権は、やはり相続の対象になりますかどうかを聞いておきたいと思います。
#8
○村上(朝)政府委員 相続の対象にはならないと思います。
#9
○石川委員 相続の対象にならないといたしますれば、どういう性質でなつて來ないか、その点を聞いておきたいと思います。從來相続法に現われて参ります期待権は、大体その相続人と予定いたします者が死亡した場合には、その子供に移るという法律の上に立つておるのでありますが、農業資産に関するだけ、それが相続できないということになりますと、それはどういうことから來ておりますかを、お聞きしておかなければなりません。その問題は農村などにおきましては、指定した子供が死んでしまつた、孫がある、こういう場合問題が出て來るのでありますから、お伺いしておきたいのであります。
#10
○村上(朝)政府委員 多少議論にわたるかと存じますが、相続の場合に代襲相続人の地位というものは、被相続人の孫の代襲相続権は、この期待権としての相続権を相続するという観念ではないように私は考えます。直接相続権を取得するというふうに考えております。
#11
○石川委員 ただいま御説明の通りの御理論だといたしまして、その場合において、この農業資産の相続におきましては、孫はどうなつて來るのでありましようか。子供が指定せられておつた、その子供が死んだ、そして孫が残つていたという場合にはどうなつて参りましようか。
#12
○村上(朝)政府委員 子供が死亡した場合には、指定の効力を失うものと解釈すべきものと存じます。
#13
○石川委員 農業資産その他に関する特例においては、期待権は死亡という原因によつて、つまり指名を受けた者が死亡したという原因によつて消滅する権利である、こういうことになりますか。
#14
○村上(朝)政府委員 相続開始前に、將來相続開始の場合に相続すべき地位にある者、すなわち共同相続人であるという地位に伴うものでありますから、その地位を死亡によつて失つた場合に指定を取消す、かように解釈いたします。
#15
○石川委員 そういたしますと、相続法一般を通ずる原理は、農業資産の相続の場合には入らない、とらないということになるように思われます。その点ちよつと学問的と言えばへんでありますが、法律論の上から一貫しないということが出て参りまして、この相続法だけに、別に新しい学問上の概念をこしらえなければならぬということに相なるのでありましようか。こしらえて惡いと言うのではありません。法体系から一つの新しい概念をこしらえ上げて参りますのには、よほど吟味してかからなければならぬではないかと存じますので、御見解をお伺いするのであります。
#16
○村上(朝)政府委員 その点につきまして、民法の相続理論に例外を設けることにはならないと考えております。また農業資産の相続と申しますけれども、この法案で考えておりますのは、相続財産を民法の規定によりまして共同相続人が相続いたします、しかる後その遺産を分割する際に、農業資産はいわゆる農業資産相続人に分割せられる、そういう観念であります。農業資産の相続ということを特別に民法の相続から切り離して考えているわけではないのであります。
#17
○石川委員 それではこの程度にしておきまして、十二條について御質問いたします。第十二條は農業資産の相続人になつた者に対して、他の共同相続人からの配分の規定であると思われますが、この配分すべき額の決定の仕方であります。第三項に書いてあるのでありますが、どういうようにこの配分額が決定されて行くかということであります。
#18
○村上(朝)政府委員 分配すべき額は第一項によりまして、特別相続分によつて受ける利益の額を、民法により自己の相続分に應じて算定して得た額でありまして、この「特別相続分によつて受ける利益」と書きましたのは、特別相続分によつて承継します農業資産の額そのものが特別相続分によつて受ける利益ではなくして、債務が同じ割合で承継されるわけでありますから、債務を承継した場合には、積極財産の中から債務の額を控除したものが、特別相続分によつて受ける利益ということになると思います。そこでその額を農業資産相続人を含めて、かりに四人の相続人があるといたしますと、四分いたしまして、その一を農業資産相続人に留保いたしまして、残りの三を四分の一ずつ他の共同相続人に分配する、そういうことになるかと解釈いたします。
#19
○石川委員 ところが農業資産の相続人が農業資産として相続いたしましたものを價額に見て、さらに共同相続人がその相続分に應じて配分して行かなければならぬようでありますが、これはそういう意味でございますか。
#20
○村上(朝)政府委員 農業資産に属する財産の價額から、特別相続人に相当する債務の額を差引きました残りの額について、分配すべき額を算定するわけであります。
#21
○石川委員 そこで三項に参りまして、その分配すべき價額は、農業資産相続人の農業経営の安定を害しないように考慮しなければならないと言つておりまして、この價額は現金價額を認めまして、おそらく配分して行くという趣旨だろうと思いますが、そのときの算定の仕方を聞いておきたい。時價主義によらないで、農業安定という見解から分配すべきものであるとしたならば、どういう價額が出て來るかということをお尋ねしたい。
#22
○山添政府委員 第十二條第三項の規定は、第十五條の規定と関連いたしておると思います。これは物の時價によるわけでありますけれども、取引價額とそれから農業経営の面から見ました額とは、少し違うことがあり得りわけであります。從つて農業経営の收益ということを基準として資産の評價をする、こういうのであります。それでは観念的でありまするが、具体的な場合について考えてみませんと、この評價が出て來ないわけでありますが、農業経営全体として、そこにおのずから引合う評價が出て來る、こういうものを基準にすべきであると考えるのであります。
#23
○石川委員 それではこの十五條にある價額と、十二條三項にあるところの分配すべき額とは大体同じですか。
#24
○山添政府委員 それは十二條と十五條は同じであつていいわけです。
#25
○石川委員 そこで價額算定は收益價額を基礎として定むべきだ、こういう御趣旨にお伺いしたのでありますが、現在自作農創設特別措置法によつて買收する農地の價額は、十五條で言う收益價額に相当する、こういう御見解ですか。
#26
○山添政府委員 公定價格があります場合は、その公定價格によるわけであります。もつともこの農地の價格も、この秋からは改訂する方針にいたしておりまして、それまでの間におきましては、やはりこの時價といいますものは、公定價格がございますれば、公定價格というふうに解釈いたします。
#27
○石川委員 そこで今度は十一條にもどりまして、十一條第二項に参りますと、共同相続人の負担部分は、その相続分に比例して定めるということになつておりますが、しかしこつちの方では公定價格で今度は抑える。こういうふうになりますと、ちよつと何でもないと言えば、言えないことはないかもしれませんけれども、不公平に失しはしませんか。債務の方は平等で大きな負担をするけれども、片方は農業安定という價格で押えられて自由價額ではない。こうなつて來ると、ちよつと共同相続人の方では不公平だ、困ると言い出して來ないでしようか。
#28
○山添政府委員 十一條第二項は、具体的にきまりました相続分によるのでありまして、これは農業資産の特別相続法におきまして、一般より相続分が多いのであります。その割合でやはり負担するわけであります。
#29
○石川委員 そうすると結局こうなるのですか。債務の負担は相続分によつて負担して來る、それから共同相続人の一人が農業資産の相続によつて受くるところのものは公定價格である、けれども價格というものは公定價格しかないのだから、決して不公平にはならない、こういうふうにお聞きしなければなりませんが、そうなりますか。もう一度申し上げますと、結局土地價額というものは公定價格しかないのだ、それ以外といつてもやみ價格であつて、公定價格しかないのだから、決して公平の原則というものは害されないのだ、こういう見解をとつておるわけですね。
    〔鍛冶委員長代理退席、委員長着席〕
#30
○山添政府委員 公定價格なるものは正当な價格でありまして、公定價格が何らかの経済上の事情によりまして非常に遊離しておるということでありますれば、それは公定價格がある時期に直されるわけであります。從つて公定價格があります場合は、公定價格以外は考えない。こういう建前です。
#31
○石川委員 次に十八條の意義をちよつとお伺いいたしたいと思います。
#32
○村上(朝)政府委員 資産分割の終りますまでに、相続人が限定承認をする。あるいは相続人または相続債権者から財産分離をする。そういう場合は相続財産について清算が行われますので、この特例法を適用することは不適当だと考えますので、この除外規定を設けたのであります。
#33
○石川委員 ここにいう清算が行われるというのは、民法その他の法律において相続財産について清算が開始される。その清算という意味は民法にありましたか。
#34
○村上(朝)政府委員 この清算という言葉は実態を押えたのでありまして、たとえば相続財産に対する破産の場合はもとより、それから先ほど申しました限定承認、財産分離の場合、法律の規定によりますと積極財産を処分して、その代價で債務を弁済して、残りがあれば相続人が取得するということになつておりますので、その実態を押えまして、清算という言葉で表現したつもりであります。
#35
○石川委員 そういたしますと、この清算には破算の場合、それから強制和議の場合、それから私的和議の場合もありますが、和議法による和議、それから私的和議、それから農業資産の差押えがせられた場合、全部この清算の場合に入つて來るのでありますか。
#36
○村上(朝)政府委員 相続財産全部についていわゆる清算が行われた場合だけでありまして、農業資産に属する個々の財産に対して差押えが行われた場合は入らないと考えております。また和議法による和議も包含いたしますが「民法その他の法律により」とあります趣旨は、相続人と債権者との契約によつて清算するという、法律に定めてない場合は除外するつもりであります。つまり法律に制度として定められておる清算の実質を持つた規定による場合、そういう趣旨であります。
#37
○石川委員 私の質問はこれで打切ります。
#38
○鍛冶委員 私は法務廳を代表しての御意見を伺いたいのであります。この農業資産というものは、なるほど農業資産ではありまするが、基本法たる民法、ことに最も重要なる相続法の特例である。農業資産のゆえをもつてこれだけを別に考えるということのできない大きな問題だと思うのです。これに関しては、法務廳としてこれはやはり農業資産として農林省にまかしておいていいというお考えなのか、やむを得ず農林省でやられたのか、その点をはつきり伺いたい。
#39
○村上(朝)政府委員 御指摘の通り、相続法に対する例外でございます。しかしながら農業政策上の立場からかような特例を必要とするということで立案されましたので、農林省が主として立案に当つたのでありますけれども、民法の特例という意味で、法務廳ももとより協議にあずかりまして、協力して立案いたしたのであります。農林省にまかせてというわけではございません。
#40
○鍛冶委員 私のお尋ねしたい趣旨は、相続法の根本を変更するものでありますがゆえに、農業的眼で変更するのはよろしいが、変更せられるのは相続法であります。全体に関するものが変更になるのですから、農業であるがゆえに農業の方面でやる、この考えがわれわれにはふに落ちないのです。從つて農業のためにこういうものが出て來ますると、他の方面にどういう影響があるか、この点をお考えの上でやつてもらわなければならないと思うのです。もつと具体的に言いますと、もし農業と同じような事情で、これは民法の審議の際にもずいぶんわれわれ議論したのでありますが、漁業についても同樣の意見があるだろうと思います。農業でこういう改正をやれば、漁業の方でも改正の必要が出て來るに違いないと思う。またそのほかにもいろいろ出て來るということになると思うのですが、そういうことを御了承の上でやつておられるのか、それをお聞きしたい。
#41
○村上(朝)政府委員 もとより農業の面だけを考慮し、その他の一般的の場合を考慮に入れぬというわけではございませんので、農業以外の企業につきましても、民法においては、遺産の分割は遺産に属するもの、または権利の種類及び性質、各相続人の職業その他一切の事情を考慮してするということになつておりまして、その他遺産の分割によつて企業が細分化されることを防止する精神は、民法にも現われているのであります。そこでなぜそれでは農業だけについてこういう特例を設けて、ほかの場合に特例を設けないかという点でありますが、他の企業につきましては、工場にいたしましても店舖にいたしましても、これを現物で分割するということは性質上困難であります。相続人が現物で分割してしまうということは実際にも予想されないのであります。おそらく分割の方法としましては、その工場なり店舖なりを処分して、その代價を分配するか、あるいは相続人のうちの一人がそれを承継する、他の相続人に対しては金銭その他の財産を與える、あるいは債務を負担するというような形式で分割が行われるのではないかと考えるのであります。ところが農業につきましては、農地その他の農業資産は、他の企業における場合と比べまして、現物による分割が比較的容易である。これをこのままにいたしますと、共同相続人の間で狹い農地をさらにこまかく現物でわける、それによつて農地が細分されるということが危惧されるのであります。そこで農業につきましてはこの特例を立案いたしたのでございますが、他の企業につきましては、今まで檢討いたしましたところによりますと、かような特例を設けなくても、民法の規定の運用によつて大した支障なく行われるものと考えておるのであります。もつとも先般民法の親族編、相続編の改正が國会を通過いたしましたときに、附帶決議にもありました通り、親族、相続、ことに相続編においてはなお檢討を要する点が多く残つているのであります。前回の改正は憲法の改正に伴つて早急に改正を要する点だけをとりあえず取上げて改正いたしたのでありますから、相続法、ことに共同相続等の面においては今後十分研究いたしまして、もし必要があれば改正を立案いたすつもりであります。
#42
○鍛冶委員 ほかにそういう問題が出なければよろしいのですが、今言うように、漁業なら漁業でそういう問題が出るとすれば、それはまた法務廳が水産方面におまかせになるということになると、一体基本はだれが持つているかということになる。これはこういう大きな問題ですから、すべからく基本法の民法をかえる。農業は農業、水産なら水産でやるということでなく、法律の元になつているものは法務廳でやらなければならぬ。こういう問題ではないかと思います。將來必ず起つて來る問題だと思いますから、將來に対する法務廳としての態度をまずきめていただきたいと思います。
#43
○村上(朝)政府委員 漁業その他について同樣の問題がもし起りました場合に、法務廳としてどういう態度をとるかという点につきましては、なお総裁その他とも十分打合せまして、研究いたすつもりであります。
#44
○石川委員 一点だけ明らかにしておきたいと思います。先ほどの御説明を聞いたのですが、さらに念のために伺いたいと思います。ここに甲という農業を営む者がありまして、乙という共同相続人の一人に農業資産の相続指定をやつた。乙には丙という子供があつて、乙は死亡したが、甲はその指定を取消すことはしなかつたという場合に、先ほどの御説明では乙の死亡することによつて、その指定がなくなるのだということでありましたが、実際問題に入つて参りました場合に、爭いがどうしても起らざるを得ないような氣がするのであります。その場合、乙の死亡によつて指定が消滅してしまうという法理を明らかにするために、明文を加えておいた方がいいと思いますが、死ぬと指定がなくなつてしまうという法理をもう一度お聞きしておきたい。それは農業資産相続という特別の法から來るものであるかどうか。從來あつた法ではそうなるというのであるか。そこをお聞きしたい。
#45
○村上(朝)政府委員 あるいは法律の中に明文を設けた方がはつきりいたしたかと思いますが、先ほどの御説明が不十分でございましたので、さらに敷衍して申し上げます。農業資産相続人に指定されるためには、期待権としての相続権を持つていることが必要であります。その期待権としての相続権は、相続開始前に相続人が死亡しました場合に、その相続権が直系卑属によつて代襲によつて相続されるというのではなくて、代襲相続の観念は、相続人の直系卑属たる地位に基いて直接取得する相続権であります。從いまして、乙の持つていた相続権に付随して與えられておりました指定された者の地位は、乙の死亡によつて消滅し、その直系卑属には承継されないと考えております。
#46
○石川委員 民法は大体代襲相続のお考えをとつて規定しておる。農業資産の相続もまた相続と見れば、それを入れておいた方がやはり観念が一致して來るのではないかと思います。またこの場合はそう行かない、農業資産という特別の法の精神から來ているのだとすれば、そう承つておきますが、そうすれば胎兒にも指定能力があるとあなたがおつしやつたことと矛盾するのではないかと思いますが、その点お聞きしておきたいと思います。
#47
○村上(朝)政府委員 相続開始前における農業資産相続人の地位についても、代襲を認めてはどうかという御意見のように承つたのでありますが、この法律においてはこれを認めておりません。それはこの法律案の第一條にもありますように、また第五條の規定にもその趣旨が現われておりますように、農業を営むのに適した相続人が指定されることを期待いたしておるのであります。相続開始前に甲が死亡いたしましたならば、その他の子供及び死んだ甲の直系卑属、これも共同相続人になるわけでありますが、それらすべてを通じて、その中から最も適当なものが指定されることが適当ではないか。必ずしも死んだ者の直系卑属が最も農業を営むのに適しているとは限りません。そういう趣旨で立案いたしております。
#48
○石川委員 御理論はわかりました。
#49
○花村委員長 本案に対する質疑は終了いたしました。よつて本案につき農林委員会への回答をなすために、法務委員会の意見をまとめたいと思います。よつて案を認めるや否やについての御意見を承りたいと存じます。
#50
○梨木委員 委員長、ちよつと待つてください。私の質問がまだ残つています。そういうことをしては横暴じやないか。
#51
○花村委員長 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#52
○花村委員長 それでは速記を始めてください。
 質問打切りに対し御異議があるようでありますから、採決いたします。梨木君の御発言に対して賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#53
○花村委員長 起立少数、よつて梨木君の発言は否決せられました。
    〔発言する者多し〕
#54
○花村委員長 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#55
○花村委員長 速記を始めてください。
 農業資産相続特例法案に関し、農林委員会の申入れに対する回答といたしまして、ただいま懇談で各委員の意見を承りましたが、その意見を忖度して次のような案文をつくり上げましたので、これを朗読いたします。
 農業資産相続特例法案について内容においても種々異論があるが、今回は一應可決すべきものと思われる。
 ただいま朗読いたしましたごとく農林委員会に申入れすることに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
#56
○花村委員長 御異議があるようでありまするから、採決いたします。本申入れに対して賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#57
○花村委員長 起立多数。よつてただいま朗読いたしました申入れのごとく決定いたしました。
 都合により暫時休憩いたします。
    午後零時十四分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    〔以下筆記〕
    午後零時十五分開議
#58
○花村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。さきに國政調査の調査事項として法制に関する事項、訟務に関する事項、法務行政に関する事項及び裁判所の司法行政に関する事項の各事項について議長の承認を求め、各般の調査をいたしてきたのでありますが、いまだ十分調査が盡されず、会期の終了となりました。よつて本委員会は、さらに閉会中の審査要求を議長に提出し、本会期中に盡さなかつた点についての審査を行いたいと存じますので、次のような要求書を議長に提出いたしたいと存じます。案文を朗読いたします。
   閉会中の審査申出書
一、閉会中審査すべき事件
 1 横浜地檢問題に関する事項
 2 法務行政に関する事項
 3 檢察行政に関する事項
 4 裁判所の司法行政に関する事項
 5 人権蹂躙及び経済法規に関する事項
一、閉会中審査の目的
 1 横浜地檢問題調査のため
 2 法務行政、檢察行政及び裁判所の司法行政の適正を期するため
 3 人権蹂躙及び経済法規違反調査のため
 右により閉会中もなお審査をいたしたいから、しかるべくとりはからい願いたい。
 昭和二十四年五月二十日
     法務委員長 花村 四郎
   衆議院議長幣原喜重郎殿
 右のごとくいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○花村委員長 御異議なしと認め、そのようにとりはからいます。
 次に横浜地檢問題調査のため証人の出頭を要求するについてお諮りいたします。
 去る十九日本問題について証人の出頭を求めたのでありますが、なお本問題究明のため、さらに証人の出頭を要求いたしたいと思います。ついては來る二十三日
   岩山 明正君  鈴木 茂雄君
   橋本千代雄君  望月 正身君
   香取 博史君  吉積 春雄君
   後藤 つぎ君  横山 唯志君
   荒木 和雄君  酒寄 久市君
   平林  昇君  富田 正典君
   榊  清史君
 以上十三名の証人出頭の要求を議長に提出するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○花村委員長 それではさように決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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