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1949/04/04 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第5号
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1949/04/04 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第5号

#1
第005回国会 内閣委員会 第5号
昭和二十四年四月四日(月曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長 齋藤 隆夫君
   理事 小川原政信君 理事 牧野 寛索君
   理事 吉田吉太郎君 理事 坂本 泰良君
   理事 木村  榮君
      池田正之輔君    江花  靜君
      尾関 義一君    田中 萬逸君
      山本 久雄君    犬養  健君
      小林 信一君
 出席政府委員
        総理廳事務官
        (経済調査廳企
        画課長)    山口鐵四郎君
 委員外の出席者
        專  門  員 龜卦川 浩君
        專  門  員 小關 紹夫君
    ―――――――――――――
四月二日
 元警察官の恩給及び扶助料増額に関する請願(
 松浦東介君紹介)(第一〇三号)
 亞炭行政機構存置の請願(小金義照君紹介)(
 第一二五号)
 資材調整事務所存置の請願(吉田吉太郎君紹介
 )(第一四四号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 経済調査廳の業務実績に関する経過報告聽取
    ―――――――――――――
#2
○齋藤委員長 これより会議を開きます。
 議題は経済調査廳より経過報告聽取の件であります。まず経済調査廳より経過の報告をお求めになつておりますから、企画課長の山口鐵四郎君。
#3
○山口(鐵)政府委員 中央経済調査廳の官房企画課長兼会計課長の山口であります。経済調査廳発足以來今日までの経過、あるいは業務の実績等について御説明申し上げます。
 経済調査廳は一言に申しますと統制経済の励行をはかることを目的とする官廳であります。以前は統制経済の励行は主として警察的の取締方法によつて行われて参つたのであります。御承知の通り警察が解体いたしまして、國家地方警察と、各種の自治体警察に分立いたしまして、それぞれ異なる公安委員会の運営のもとにおいて、別個の活動をするようになつたわけでありますが、統制経済の励行のうち取締りの問題につきまして、これは普通の違反と異なりまして、どうしても全國に一体的にそれが行われなければ、効果を收め得ない。解体した警察にかわつて、全國一体的な活動をする新しい機関が要求せられたのが、経済調査廳設立の第一の理由であると思うのであります。しかしながら統制経済の励行は、取締りのみによつては十分効果を上げ得ないということは、戰爭経済当時からの実績によりましても明らかなのでありまして、励行をはかるためには、どうしても新たなる構想を持つた官廳が必要とせられることになつたわけであります。終戰当時の檢察廳に――その当時は檢事局でありますが、各警察から送られる経済違反者の人数が、大体全國で二十万人だと承知しております。それが次第にふえまして、昨年は八十万人を突破しておるということを聞いておるのでありますが、かように檢挙の人員の数は上りましても、統制経済の改善ということが、それだけ達せられたかどうかということは別問題なのでありまして、その一事から見ましても、取締りのみによつては、励行の目的は達し得られない。何らか新たなる施策を必要とするわけであります。このために調査廳ができたというのが第二の理由であると考えるのであります。
 しからば経済調査廳はいかなる方法によつて励行をはかるかと申しますと、まず第一番目には統制がうまく行われない、違反が発生する、違反が一般的に普遍的に発生するというのは、関係行政官廳の経済施策に欠陷がある。そのために起らなくてもいい違反が発生するということが非常に多いのであります。そこでかような行政官廳の経済施策の実態を調査いたしまして、そして発見された欠陷を急遽改善して行くということが、まず第一に必要なのであります。われわれはこれを行政監査と称しておりますが、行政監査は調査廳の行う事務の重要な一つなのであります。行政監査は統制法令が出た、あるいはその統制法令に基いて官廳の運営方針がきめられて、これが出先官廳と末端に通牒されます。あるいは閣議決定が行われますが、以前は閣議決定の行われつぱなし、通牒の出されつぱなしということで、それが末端まで侵透するかどうか、あるいは統制というものは関係官廳が緊密に連絡して、すなわち横の連絡を全うしなければ、なかなかうまく行われないのでありますが、その横の連絡がうまく行つておるかということを調査して欠陷を発見し、これを是正するということを目的として行つておるのであります。これが官廳に対する部面であります。次は一般國民に対する部面でありまして、経済の違反の取締りもそのうちなのでありますが、調査廳は違反の取締り、檢挙のための檢挙、処罰のための処罰ということは行わないのであります。國民に対する部面におきましても、統制を励行させるということを重点とするわけであります。すなわち違反の予防をはかることを重点として事を行つておるのであります。すなわち國民を対象とする仕事を、われわれは査察と申しておりますが、その査察は常に一定の計画を立てまして、その計画に基きまして全國が一体的に活動する、活動する場合には、從來は警察等におきましては、聞き込みとか、投書とかいうものによつて、たまたま違反を確認した場合に、散発的にその違反者を檢挙するということであつたのでありますが、われわれの活動はそうではないのでありまして、これを極端に申しますと、違反のあるなしにかかわらず、常時計画的に、組織的に、関係業者等の工場だとか、事業場だとか、配給所等を実地に歩きまわりまして、そしてその業務の実態を調査する、そして励行をはかるということをやつておるのであります。これを一番わかりよく例をとつて御説明いたしますと、ちようど從來の警察取締りというのは臨床医学的であつたと申していいかと思うのでありますが、調査廳のやり方は予防医学的なのであります。臨床医学は病氣の症状が顯著になつてから、あわててこれに治療を施そうというのでありますが、予防医学は、症状が現われていないような場合でも、たとえば一年に何回かレントゲン透視をやつて、そうして結核にかかつておる者、本人はまだ氣がつかない。第三者も氣がつかない。その場合にレントゲン透視によつて早期に発見して、そうしてこれを重くならないうちに療養方法を講じてなおす。またレントゲン透視によつて、病氣にかかつていない場合でも、病弱者で病氣にかかりそうな者に対しては健康法を説くというような方法によりまして、一般國民に対して違反をしないように、常に予防的措置に重点をおいて行うというように、われわれの國民に対する査察におきましても調査があると思うのであります。次にやつておりますことは、隠退藏物資の摘発であります。大体この隠退藏物資の摘発につきましては、いまさら御説明申し上げるまでもなく、皆樣御存じのことと思うのでありますが、大体以上の三つの仕事を調査廳は行つておるのであります。さらにこれに加えまして重要な仕事の一つは、関係機関の連絡調整的の仕事であります。先ほどもちよつと申しました通り経済統制の励行というものは、関係各廳が、農林省も、商工省も、厚生省も、運輸省も、それから檢察廳も警察も、関係機関が常に横の連絡を密にして、一つの目的に対して一体的、一元的に行動をしなければ効果を上げ得ないのであります。これらの横の連絡を全うして一元的な活動を行い得るようにするために、その連絡調整的な仕事を調査廳が行う。以上申し上げました四つの仕事を重点としてわれわれは仕事をしておるのであります。
 その調査廳の機構組織はどうなつておるかと申しますと、お手元に差上げておきました資料の第一ページをごらんになつていただくとおわかりになる通り、中央に中央経済調査廳というのがあり、さらにその下に全國を八つの地域にわけまして、それをわれわれは管区と申しておりますが、そこに管区経済調査廳を置き、さらにその下に都道府縣に一つずつ、共海道は四つでありますが、全國で四十九の地方経済調査廳を置いて、かようなピラミツド型の形で中央の命令が全國に一体的に浸透して、全國的に一体的に活動できるような組織を持つておるのであります。中央の監査部というのは行政監査をするところであり、査察部が一般國民を対象とする、先ほど申しました査察を行うところであり、隠退藏物資の調査、供出の促進を行うのが、物資調査部であります。ただ行政監査は中央と管区廳のみが行いまして、地方廳においては行つておらないのであります。その調査廳におきまして、ただいま申しましたような調査事務に從事するものとして、経済調査官というのがございます。経済調査官の定員は全國で三千五百名になつております。この役所の特徴は三千五百名のうち、二級官が二千名、三級官が千五百名というように、頭でつかちの形になつておりますが、仕事の性質が頭脳的の性質であるということから、特に二級官を三級官より多くして、二級官が中心になつてすべて事を行うという建前になつておるのであります。現在までの充員の状況でございますが、それは資料の三の「中央、管区、地方経済調査廳充員状況調」という表をごらん願いたいと思います。先ほど申しました通り二級官を多くしたという役所の本來の性格から申しまして、どうしてもそこには優秀な人物をそろえなければいけないということで、採用基準資格につきまして、相当嚴重な條件をつけており、それも筆記及び口頭の嚴重な試驗を実施した上で採用することを原則としておりますが、さらにさような試驗に合格した者に対して、関係方面の選考を受けまして、その選考をパスした者を採用するということにしておるので、充員状況はまだ百パーセント進んでおらないわけであります。この表の裏の方に総計という欄がございますが、そこをごらんになつていただきますとわかりますが、調査官についてまず申し上げますと、調査官のうち一級官三十五名に対して三十二名、それから二級調査官二千名に対して千三百六十九名、それから三級調査官定員千四百六十五名に対して、充員が千三百九十六名、以上総計いたしまして調査官三千五百名に対して二千七百九十七人が、本年三月十八日現在の充員状況であります。その下は事務官、雇員、用人でございますが、その点についての御説明は省略させていただきます。
 それから予算関係でございますが、本予算におきましては二十三年六月以降といたしまして、合計七億二千百九十八万七千円を認められましたが、これは調査廳の発足が当初は六月を予定していたところ、いろいろな関係で八月に発足した関係で、実行予算によつてこれを経理していた関係で、金額が減つています。それは五億六千七百六万八千円ということになつております。これで発足したわけでございますが、その後予備金支出、これはこの調査廳の営繕に必要な経費として予備金二千十七万二千円を認められ、さらに價格補正として、本年の一月だつたと思いますが、六千四十九万二千九百八十五円の價格補正を認められました。さらに公共事業費関係といたしまして、一億九百七十一万七千円、これを認めていただきまして、以上の予算をもつて経理しておるわけであります。
 大体以上が調査廳を設立するに至りました理由、それから人員関係、予算関係の御説明でありますが、しからば八月に発足いたしまして、今日までどういうような実績を上げておるかという点について、若干具体的に申し上げたいと思います。
 まず第一番目には、行政監査について申し上げますと、これはこの資料の第六項として詳しくそこに記述してございますが、この要点を簡單に説明申し上げますと、まず第一番には常に問題になつておりまする重要物資の輸送証明制度の監査を、昨年の九月十日から実施いたしました。その監査をする目的は輸送証明制自体に欠陷はないか、それから輸送証明に関する行政機関の運用が適正であるかどうか、それから統制経済の面から見て、いかなる物資が輸送関係において乱れておるかということを目的といたしまして、ここに書いてあるような対象官廳を対象といたしまして、主として檢問所、駅におきまする出荷証明書の有無、それから記載事項の管区等を重点といたしまして監査を実施した結果、その監査によつて発見せられました欠陷は、やはりこの資料に書いてございます通り、現在輸送証明制を実施するために、官公吏のほかに約三万人の認証員を使つて、そうしてこれに輸送証明書を発給せしめておりますが、その事務運営は円滑ではない。それから官印の押してある用紙の保管状況が不良であつて、これが白紙のまま惡い業者の手に渡りまして、惡用されておるということがわかりました。なおかような惡性発給が行われましても、これを発見することが非常に困難であるという事情、なお組織的な監督が行われていないというような、いろいろの欠陷が発見されたわけであります。なおそれ以下にいろいろ書いてございますが、説明を省略させていただきまして、さような欠陷を発見した結果調査廳といたしましては、どういうような処置をとつたかと申しますと、次のような改善方策を関係行政機関に通告したのであります。まず第一番目は、荷送人自体に出荷証明書を発行させる。すなわち現在行われておりまする輸送証明制を大体廃止いたしまして、新たな措置として、以下申し上げるような措置を講ずることが適切であるという結論になつたのでありまして、第一番目には荷送人自体に出荷証明書を発行させる。それから運送人に必ず氏名、住所、運送月日等を記入させる。なお全國的系統下の專門係官を置いて、随時随所で物と証明書を並べて檢問させる。それからその証明書の副券を留置して、輸送根基書類を全國的組織を利用して照合調査する。違反があつたときは運送人を通じ事態を追究する。輸送統制の経費は專門係官の経費に充当するというような改善意見を立てまして、関係行政機関に通告したのでありますが、その結果GHQ指示によりまして、安本及び各省では輸送の都度、官廳窓口による発給方式を改め、あらかじめ通帳を交付しておいて、必要の都度根基書類に基き荷送人自身が発行することとして、官廳及び荷送人の負担を軽減する。それから併合分割をやめ、発送より到着まで、一枚の通し使用を認めるという案がよいのではないかということで現在研究中であります。なお大藏省では改善方策の構想に基いて本制度に伴う予算、二十三年度は約二億円でございましたが、その二億円を削除したのであります。そのほか、リンク用を主とした衣料品行政監査とか、あるいは二十三年度産米供出事前割当行政監査、それから主食配給行政監査、それからみそ、しよう油行政監査、薪炭行政監査、油脂行政監査、肥料行政監査、電力行政監査、配炭行政監査というようなものをすでに終り、なおまだ実施中のがあります。かような項目をそろえて着々として監査を実施しておるのでありまして、そのやり方とか、あるいは発見された欠陷、あるいはその欠陷をどういうように措置することにして、どういうような成果を收めたかということは、この資料に詳しく書いてございますし、お忙しい時間をあまり拜借いたしましては恐縮でございますから、その資料によつて御承知願いたいと思うのであります。
 次に國民一般を対象とする違反の予防及び取締りの仕事でございます。これにつきましても各種の重要品目を取上げまして実施いたしたわけであります。一例といたしましてまず米、甘藷について申し上げますと、米、甘藷につきましては、昨年の十二月一日から本年の二月一日まで、二箇月間にわたつて行つたのであります。その対象は指定業者、指定倉庫、輸送業者、加工業者、食糧公團、ブローカーでありまして、それらの部面におきまする横流しを防止し、生産者の割当供出を完遂せしめんとするという目的で、これを行つたのであります。全國的にこれを行いまして、調査の対象とした件数は、米麦につきましては千七百八十四件、甘藷につきましては七百八十件でございます。そうしてその結果死藏無籍の米麦等、二十九万五千五百五キロを正規ルートに載せ、甘藷につきましては二十一万九千八百七十六貫を正規ルートに載せることができたのであります。なお一般業界の認識を改め、遵法精神の高揚を示しまして、たとえば兵庫縣有馬地区におきましては、旱害、虫害による百六十町歩の作付不能と、補正割当の僅少等の惡條件が重なつて、その最大供出は九〇%程度のものと憂慮されておつたのでありますが、係官の現地の膝詰懇談によりまして、指導啓発の結果、遂に一〇〇%の供出を見たということになつておるのであります。同樣輸入食糧、それから統制水産物、それから油脂、原皮、革及び革製品、薪炭、綿製品、かような現下最も重要な物資を取上げまして、常に全國的な査察を実施した結果、それぞれ相当の成果をあげ得たものとわれわれは考えておるのであります。
 それでわれわれの仕事は先ほどから申し上げます通り、檢挙のための檢挙、処罰のための処罰を目的としてこれを行つておるわけではないのでありますが、しかし國民経済の根幹をゆるがすような惡質な違反につきましては、どうしても告発、処罰という措置を講ずる必要があり、調査官は、さような処罰の権限、と申すと語弊がございますが、強制調査をし、檢察廳に告発をするという権限を與えられておるのであります。
 しからば八月出発以來、今日までさような違反がどのくらいあつたかと申しますと、調査件数が合計一万四千六百十六件、これは警察などの場合と異りまして、一應一定の計画を立てますと、その関係業者をしらみつぶしに歩きまわつて業務実態を調査し、違反の予防をはかるという、建前になつておる関係で、ここに調査件数となつておるのですが、警察の場合と違いまして、一定の違反の端緒をつかんで、違反の嫌疑をもつて初めから臨むというものではなく、違反の端緒の有無にかかわらずやつたものでありますが、その件数が一万四千六百十六件でありまして、そのうち告発したのが千百二十三件となつているのであります。さらに違犯した関係者の持つておつた物資、これを情の重いものは没收し、情の軽いものは公定價格で買上げるという措置を講じておるのでありますが、没收見積り――この没收というのは、檢察廳へ告発して、裁判手続によつて没收するという建前になつておるので、今のところ見積り金額しか申し上げられないのでありますが、その没收見積り金額が二億四千四百二十七万円、それからマル公買上げ見積り金額が一億八千八百五万円ということになつておるのであります。
 最後に隠退藏物資摘発でありますが、以前はいわゆる一般人から、隠退藏物資がどこどこにあるぞという情報の提供を受け、それによつて調査を発動しておりました。その通りございますと、摘発した物資の金額の五分とか、一割とかを情報提供者に褒奬金として與えるという方法を主として取つておつたのであります。調査廳発足以來、さような方法では十分隠退藏物資の摘発をすることができないという関係から、計画調査というのをやりまして、情報に基かず、われわれの方でどこどこに隠退藏物資がありそうだという見込みを立てて、一定の場所に対してこちらから積極的に臨んで、物資の調査をして摘発するという方法を講じておるのでありまして、現在までに閉鎖機関とか、あるいは運輸関係機関とか、あるいは営業倉庫といつたようなところを調査いたしまして、その結果昨年の八月から本年二月までの間に、お手元に差上げてあります保管請書を徴した物資調という表にありますように、全國におきまして約三十億余りの物資をとにかく確認いたしました。確認いたしますと、まず物資を動かさない、保管しておきますという請書を徴しておいてから、その物資の性格を調べて、これが隠退藏物資であるということになると、これを没收し、あるいは買い上げることになつております。さような意味で一應隠退藏物資の疑いあるものとして、保管請書を徴した物資を金額に直して計算いたしますと、三十億余りになるのであります。しかしその後その物資の性格を調査した結果、隠退藏物資の疑いが晴れまして、保管請書を返して保管を解除した金額が三億六千九百万円になつておりますから、差引の二十七億というものが、大体隠退藏物資として今後買上げ措置が講ぜられるものであります。なおそのうち情が惡いものとして告発した事件の物資の金額を計算をいたしてみますと、二億五千三百万円余りになるのであります。かように一應保管させたものを、その後逐次公團をして買取りさせるのでありますが、その買取りをさせた金額は、第三表に載せてございます。経済調査廳関係分といたしまして、昨年の八月から本年二月までに、七億一千万円になつておるのでありますが、これは檢察廳、警察で摘発して、こちらで買上げ措置を講じた分と、調査廳が摘発して買上げ措置を講じたものと二つにわけてございまして、調査廳関係分が七億一千万円ということになつておるのであります。
 しからば今後調査廳はどういう方針で事務を運営しようとしておるものであるか。これにつきましては最後の調査廳の今後の業務方針というところを御覽になつていただけばけつこうなのでありますが、要するに経済九原則というものにのつとりまして、輸出貿易、それから國民生活必需物資、労需物資、それからさらに生産資材のうち、特に重要物資である石炭あるいは鉄、そういう物資について、ただいまあげましたような方針、やり方で行い、そうして九原則の実施に調査廳として協力申し上げようとしておるのであります。時間の関係で簡單に御説明したわけでありますが、なお御質問がございますならば、それにお答えいたし、一應私の説明は以上をもつて終りたいと思います。
#4
○木村(榮)委員 ちよつと質問いたします。大体経済調査廳ができるときに、この経済調査廳の官吏は安本その他から轉用するという建前で、新規採用はできるだけ減して行く方針だつたのですが、どのくらい安本その他から轉用されたのですか。
#5
○山口(鐵)政府委員 大体二級官についての表を持つて参りましたので、それによつて御説明申し上げます。三級官についても大体これと同じことだと思いますが、二級調査官として現在採用しておるものが千三百五十三人ございます。そのうち内地の出身者、というのはおかしいのでありますが、從來内地にいたものから採用したものが八百六十一名、それから朝鮮、台湾、満州等外地からの引揚者が四百九十八名でありまして、その比率は内地関係が六三・四%、外地引揚者関係が三六・六%であります。さらにこれを一般官公吏からとつたものと、民間からとつたものについて申し上げますと、内地出身者八百六十一名のうち、官公吏から採用したものが七百十一名、民間から採用したものが百五十名、さらに外地引揚者四百九十八名のうち官公吏をしておつたものが三百四十一名、それから民間から採用したものが百五十七名、すなわち内外地を合計して官公吏から採用したものが千五十二名、民間から採用したものが三百七名、かようになつております。
#6
○木村(榮)委員 大体経済調査廳ができましたとき、最初は経済査察廳という名前がついておつたのを経済調査廳とかえたくらい、相当大きな問題になつたわけでありますが、経済調査廳の行う仕事のことは、経済調査廳法の第一條の各項目にわたつて書いてあるわけであります。ところが今の報告を簡單に聞きますと、大体当初の設立の趣旨とは相当かわつた面が出ておるのではないか、と申し上げますのはここにもよく書いてあるように、この調査廳はどこまでも行政官廳の行ういろいろなやり方の惡い点、統制経済から出て來るいろいろな不合理な点、そういつたものをよく調査をして、そうして中小商工業者その他一般商業者、その他國民に対して経済統制をやつて、こういつた方面で得だ、利益になるということを一々わからせ、また実際利益になるようにしてやるというのが目的であつたと思います。しかし報告を聞きますと、当初この設立にあたつて私たちが心配したように、経済警察のまねをやや大規模にやることが非常に強調されておると思うのです。たとえば御報告があつた中で、無籍米がこれだけあつたとか、あるいはこういつた隠退藏物資があつたとか、そういつた不正があつたということもけつこうなのですが、そういつたことが今日までそのまま発見されずにそのままになつていたことは、單に業者が惡いのではなく、そういうことが起るような機構そのものについて問題があるのですから、そういつたところをいかに改善し、そうして正しい指導をやるかということに問題があると思う。そういつたことはあまりやつていないように今までの報告で見受けます。ただ経済警察を大きくしたようにして、どかどか押えて行けばいいというような方針でやつてしまつたのでは、最初の経済査察廳の設立の目的に反してしまうのではないかと思うのですが、その点はどうですか。
#7
○山口(鐵)政府委員 ただいま木村委員からお話がありました通り、査察廳が調査廳という名前にかわつたのも、経済警察的なことをやつてはいかぬ、もつと新たな構想で、新たな方針でやらなければいかぬという、國会の御意思の反映した結果であります。またわれわれもそのつもりでやつておるのであります。行政監査に重点を置くということも一つでありますが、さらに國民を対象とする部面におきましても、決して檢挙のための檢挙をやつておるわけではないのであります。説明を落しましたけれども、われわれといたしまして、この各種の査察の実績報告をお読みになつていただければ、われわれが経済警察的ではなく、行政的な方法に重点を置いて仕事をやつておるということは御了解を願えると思いますが、われわれとしましては、たとえば一つの工場を調査する場合におきましても、製品がつくられたままで、いたずらに山積みされておる。山積みされておるだけではまだ横流しになつておりませんから、違反ではないのでありますが、これをなるべく早く供出するようにして、早くルートに乘せて、そうして必要方面にそれが届くように措置をするというように、違反を摘発するのではなくつて、あくまでも統制を励行させることを重点として仕事をしておるのであります。ただ檢挙の件数等について申し上げましたけれども、これはやはり母の愛と同時に、父の愛のむちも、ときには必要なのでありまして、ただ宣傳啓発だとか、指導ばかりによりましては、ことはうまく行われない。惡質な者に対してはどうしても涙をふるつて、相当の処罰をしなければならないという建前から処罰しておるのでありますが、先ほどから繰返して申し上げます通り、決してその処罰の件数をあげるとか何とかいうことが目的ではなく、あくまでも重点は統制を励行せしめるようにということを目標としておるのでありまして、もしただいまの御発言の通り、調査廳がやはり経済警察的であるというように、私の説明から木村委員がおとりになつたといたしましたならば、それは私の説明がまずかつたのでありまして、決して調査廳の氣持は、そういうものではないということを御了解願いたいのであります。
#8
○木村(榮)委員 そこで、たえば今後の業務方針の中で四の項目を見ますと、経済違反事件の調査に関連して発見した惡質業者の大口脱税行為については、主務当局への通告を励行し、徴税増加について云々とございますが、こういうところで今の経済警察的本性をよく現わしたものだと思うのです。経済違反があるというのは、これはむろんありましよう。しかしながらそのときに関連して発見されたからといつて、これは惡質業者だ、大口脱税だと言つて、これを税務署へ通告なさるかどうなさるか知らないですけれども、こういうことは大体経済調査廳の目的の中には入つていないのです。こういうことをもしおやりになるならば、経済違反事件の調査に関連して発見された業者だけは脱税だと断定してしまつているが、こういう違反事件が起つた場合には、また官僚といえどもそれと関連して大きな違反をやつていることがある。そのときにただ脱税の問題だけを取上げてやつつけろというのじやなしに、ほんとうに公平にやるならば、これに関係した高級官吏なんかの調査を徹底的にやつてこそ、初めて経済調査廳の調査のことが公平になされるのであります。このごろ新聞紙上をにぎわしていることは、ほとんど高級官僚の不正です。そういつたことに対しては、去年の八月以降、何らこの報告には出ていない。しかも一方的に弱い方の業者だけをただ押えつけて、経済違反があつたから、今度お前は惡質の脱税をやつているだろうというので、どんどん責めたてたのでは、たいへんなことになる。そういうことばかりやつていたのでは、これは経済調査廳の設立の目的に反すると思う。これはあなたもご存じのように、去年の六月くらいから、約二箇月にわたつてこの委員室で、この経済調査廳の問題は――当時は民自党のお方は野党でしたから、ずいぶんやつたんです。それはご存じの通りです。当時の安本長官は栗栖さんだつたと思いますが、與党の当時の決算委員といえども、これには賛成していなかつた。この経済調査廳というものの機構については、まあ天くだりでやらなければならぬというわけでやつたわけなんです。だから、あのときの申合せでも、今後これの運営がこの設立の趣旨に反するようなこと――実際経済警察の再建、あるいはまた一方的に偏して、業者だけをどんどん押えつけるようなことになるならば、毎月のように再檢討を加えてやろうという申合せで、與党の方の申合せ事項を承認して、附帶決議がついているわけですから、この設立にあたつては、元來問題になつたものであります。きよう初めてで私たちもよくわからないが、相当いろいろ問題になる点があると思いますから、よく調査したいと思うので、この目的なんかは非常に問題があると私は思う。こういう脱税行為の調査もやる、あるいは大口脱税といつても、こまかいものはあるいはいいかもしれない。大口と言つても、どの程度が大口か、一万円も、五千円に比べれば多い。七千万円も五千万円に比べれば大口でありますから、こういうことをどんどんやるならば、当初私たちが懸念したように、経済警察の親分のようになつて、一般國民、特に商工業者に対して、恐怖心を與える危險性は多分に出て來ると思う。そういう意味合いからもう一度檢討したいと思うのですが、あなたの報告が下手だとか、上手だとか言うのじやなしに、大体これはたれが見ても、たとえばこの調査はこういう点で、行政機関の方がこういう欠点を持つているから、こういうふうに改めなければならぬという調査をして、その報告へ書いた。あるいはまたこういつたものが統制違反として今までたくさんあつたのですが、統制違反の対象になるものは、三十何種類かある。こういうことは統制の法律の中へ入れて置いてやると、かえつてうまく行かない。そういつたことの調査こそ、もつと出て來るのが調査廳の任務だと思う。そういつたことが一向出ていないで、やれどこそこに米が置かれてあるとか、どこそこで隠退藏物資を少々引張り出したとか、まるで元來の任務を逸脱してしまつている。元來そういうものじやなかつたはずです。こういう点は統制経済の方で統制をやつた方がいいとか、こういうものは統制のわくをはずした方が、生産があがつて行くといつたようなことを大体調査して、檢討を加えることが一番大きな目的であつたのです。ところがそれはほとんど出ていない。とにかくこれは最初の方針を相当逸脱しております。そういう点で、もう一ぺん調査書を出してもらいたいと思います。
#9
○山口(鐵)政府委員 官廳の機構の惡い点を直すとか、あるいはこういうような統制方法はいけないから、その制度を改めるという問題は、先ほどから御説明申し上げております通り、行政監査として、われわれはやつておるのでありまして、木村委員はその点については報告がない、取締りのことばかりだと言われましたけれども、それはこの資料にも相当のページ数にわたつて書いてございますので、それをひとつ御檢討になつて、官廳方面の欠陷を是正することを、調査廳が決してなまけておるのではないということを御了解願いたいと思います。
 それから恐怖政治とか何とか申されましたけれども、われわれが國民を対象とする場合でも、だれでもかれでもやるということではなくて、これはどなたも御異議がないと思いますが、統制の根幹をゆるがすような惡質、重大な違反をしたときには、檢挙しなければならないというのでありまして、違反した者は、だれでもかれでも恐怖政治的に檢挙、処罰しようというのではないのであります。この点も御了承願いたいと思うわけであります。
#10
○木村(榮)委員 よく調べておらぬと言われますが、そういう点もあるでしよう。肥料行政監査ということも、ここに書いてある。しかしこれはきわめて抽象的なものである。たとえば肥料がどのくらいやみ流れをしたとか、それは大体どういうルートでやみ流れする。だからこれに対してはどういうふうな防止方法をしなければならないといつたようなことは、一つも書いてない。やれ農林省がどこだかの公團の調査をするとか、捕捉が正確でない。大体肥料の生産が去年一箇年はなんぼあり、正式のルートにはなんぼ入つておるか、これは御調査願えばすぐわかる。そのほかやみ肥料はどういうふうな面へ、どういうふうに出るか。都市附近に多いか、あるいは遠方に少いか、値段はどんなような割合だ。そういうことが報告されて、それではどこの肥料公團なら肥料公團に欠陷がある。あるいは肥料の統制に欠陷がある。あるいはよい面があるということをわれわれは檢討しなければならぬが、そういうことは出ておりません。ただ何か書いてある。これなら調査廳が特にやらなくてもいい。このくらいのことは農林省へ行つて調べればすぐわかる。調査廳は根本的な調査の資料を出すところに任務がある。新聞に書くようなことを、何も調察廳が七億円も八億円も予算を使つてやらなくてもよい。そういう点をぼくは言つておるのです。
#11
○山口(鐵)政府委員 この行政監査は、実は一つの項目といたしまして、五十ページにも百ページにもなるような報告書ができ上つておるのであります。それを一々資料として配付申し上げることはなかなか困難なので、どういうことをしたか、どういう項目を取上げたかという程度のことを、この資料で報告申し上げておるわけであります。行政監査だけに限らず、國民を対象とする査察につきましても同樣なのであります。これはいわばごくごく抽象的のアウトラインなのであります。それでこの程度のことは農林省に行つても、商工省に行つてもわかると言われたのでありますが、実はかようなことさえも、農林省や商工省ではわかつておらぬのであります。調査廳でいろいろ行政監査した実態を、商工省なり農林省なりに報告いたしまして、改善措置を講じてもらつておるのでありますが、現にそういうことでありましたかというわけでありまして、実は商工省、農林省としても、いろいろ実態を調査したいと思つておつたけれども、手不足その他でできなかつた。調査廳の方でよく調査してくれましたと喜ばれておるわけでありまして、現状は商工省、農林省におきましても、この程度のことさえもわかつておらぬのが実情なのであります。なるほどこれだけではきわめて抽象的であつて、どれだけの効果が上つたのかわからないと言われるのはごもつともなのでありますが、実はこの監査報告にいたしましても、査察報告にいたしましても、各項目ごとに実に詳細なものをわれわれはつくつておるので、この点はひとつ御了承願いたいと思うわけであります。
#12
○木村(榮)委員 行政審議会の答申を見ましても、経済調査廳は要らぬから廃止するという意見が出ておる。廃止を逃れんとすれば、必要性を裏づけるだけの相当の資料をお出しにならなければならぬ。われわれとしてもこれではどうも納得が行かないのです。これはわずか三千五百人かそこらですが、費用は相当食う官廳です。早い話が半年間に七億も食つてしまう官廳は少い。これはあなた方の方でも相当考えてお出しにならぬと、行政審議会でも廃止するということを言つているくらいで、こういう抽象的なことでは、私だちは納得ができぬ。特に隠退藏物資の調査と供出の促進ということが書いてありますが、供出促進ということについて、いなかの方では、調査廳の役人のやり方は相当排撃を食つております。あれは逆なんです。供出促進というのは、農民のところへ行つて、出せ出せということではなかつた。どこに割当の不公平があるかということと、現在うまく運営されない根本原因はどこにあるかということを調査して、供出が円満に行くようにする。私の質問に対してそういうふうに答弁をされた記録がある。その本來の目的を忘れてしまつて、百パーセント出ないからと言つて、膝詰談判をしたら出したと、ちやんと報告に書いてあるが、供出の問題は、皆が九〇%とか一〇〇%出すような態勢にするにはどうするかということを調査するのが答申であつたはずです。それをそういうことをやらないで、それ出せ、それ出せと言つて、これこそ経済警察のまだ上前を行くようなことをやつている。大体経済調査廳に対する各縣各町からの、いろいろな投書や報告を見ますと、調査官は酒ばかり飲んでいかぬとか、ずいぶん非難を受けております。これはほんとうです。というのは、こういう特権をある程度持つておりますから、どうしても惡いことをします。これは惡いことができるような調査方法を、上から指導されるから業者のところに行つてやるが、そうではなかつたはずです。それよりもつと根本的なことをやるということが答申になつていた。隠退藏物資にしても、小さいのをどんどんやつているが、そんなこまかいことを一々やつておつても際限のないことで、もつと大きな根本的な問題をやらなければならぬ。だからもう少したくさんあれば出していただきたいと思います。そういうものを調べないと、廃止という問題も出ているくらいで、これが日本の経済のために必要なものであるかどうかわからないので、どんどん出してもらいたいと思います。
#13
○坂本(泰)委員 三千五百名の調査官のうちで、裁判官の許可状を持つてやつた件数、それから現行犯として許可状なくしてやつた件数、大体わかつていましたらお聞きしたいと思います。
#14
○山口(鐵)政府委員 ただいまの御質問は、違反の調査にあたつて裁判所の許可状を受けてやつた件数はどのくらいかという御質問でございますが、その点は本部といたしましては、現在のところ資料を整えてございませんので、ここでちよつとお答えするわけに行かないのでございます。現行犯としてやつたというのはおそらくないと思います。もし調査するとすれば、裁判所の許可状を受けてやつておるか、あるいは任意的な調査であると思います。但しそのうち今までに許可状によつて発動した件数については、ちよつと今お答え申しかねます。
#15
○坂本(泰)委員 調査官が工場その他にどんどん入つて調簿なんかを調べておるのは、どういう権限に基いてやつているのですか。
#16
○山口(鐵)政府委員 任意の承諾によつて調査できるということはこれは警察におきましても同樣だと思うのであります。具体的の例としてどういう場合か存じませんが、建前としては許可状によつてやる。但し任意の承諾の場合には、許可状なしにやるということになつておりますので、もしも許可状なしに調べたといたしましたならば、それはおそらく任意調査の方式でやつたものと私は考えます。
#17
○坂本(泰)委員 その任意調査の方式をどんなふうにしておるか、もう少し具体的に……。
#18
○山口(鐵)政府委員 それはたとえば関係者の所へ行きまして、帳面を見せてもらえないか、傳票を調べさせてもらえないかということで行くわけであります。別に方式というものは今ございません。
#19
○坂本(泰)委員 ただいまの木村君の質問と多少関連するようなところがありますが、現在調査官は経済調査廳から來たのだというので、名刺も出さずに、名前も言わずに調べをしている状態がある。從つてこの三千五百名の全國の調査官の中には、非常な権力をもつて、経済警察以上の権限をもつて、名刺も出さずに、調査廳の者だ、調査官だと言うだけてやつているのもある。だからあの事件では、名前もわからない。どういう人が來たかもわからない。あるいは坂本とか、安田とか言つてやつておる。そういう点について調査廳は、統制経済を円滑にやるという方法でなくて、そういう威嚇的の点が非常にあつて非難の的となつている。おそらく私の考えでは、許可状を持つてやつたようなことはないだろうと思います。また現行犯としてやつたのでなくて、職権の濫用をしてやつておる点が非常に多いと思います。それで聞いて見たわけであります。從つて許可状の点なんかもひとつ資料があつたら出してもらいたい。
#20
○山口(鐵)政府委員 われわれといたしましては、さようなことのないように、常に指導いたしておるわけであります。從つて調査官が行く場合には、必ず調査官手帳というものがございます。それには写眞と氏名が書いてあります。それを必ず見せる。なお重圧的に行くということは嚴重に禁止しておるのでありまして、あくまでもおだやかにやれということにしております。從つてもしも個々の場合に、さような事例がございましたならば、こちらといたしましても適当な処置をとりますから、もしさような情報をおつかみになりましたならば、こちらにお知らせ願いたいと思います。但し今まで数回にわたりまして、調査官でない者が、調査官としていろいろ調査に行き、金を取つたりあるいは詐欺をしたという事例がありました。にせ調査官というのが今まで数件ございます。それだつたと申し上げるわけではございませんけれども、もしさような具体的な、けしからぬ事例がございましたならば、われわれの方にぜひお知らせ願いたいと思います。
#21
○坂本(泰)委員 調査官としての三級官の人数と採用方針、その内容をひとつお願いしたいと思います。なお私は、にせ調査官、そういうのを根拠にして質問したわけじやない。そういうことでごまかしをせぬように、もう少し眞劍にやつてもらいたい。
#22
○江花委員 今ほかの委員からもいろいろ御質問、御意見等がございましたが、経済調査廳の運営については、実例をもつて、これがおよそ全般的のものでないかと思いますので申し上げます。会津の若松で起つた油事件であります。シヤボンの製造をごく小規模に家庭工業的にやつておつた、そこへある男が油を賣りに來た。シヤボン製造者は、今油がないからほしいなと言つた。ところがその人間が北海道から大量に持つて來て、一車若松の駅へ着いておる。もちろんそれはつかまつておる。その油がはたして入るかどうかという交渉中に、若松の檢事局の調査官と称する者が、営業主の留守中にその妹を呼びつけて、先ほどお話のような実例があつた。いくら聞いても氏名も告げぬ。そしておやじが隠しておるのじやないかと言つて威嚇する。私の家ではそういう油を注文した覚えはない、中間ブローカー式の者が持つて來て、金銭のやりとりもなし、荷主にも荷受人にもなつておらぬ。そのとき営業主は東京におつたが、東京から呼びましようかというと、いや、調べるほどでもないと、こういうようなことを言つて帰つたはいいが、その人間を油の違反として新聞に発表してしまつた。それを新聞社がラジオに放送させた。もちろん調べた結果そんな事実があるわけはない。こうなると実に官憲に対する共通の問題で、いつの時代でもどこでも言われておるが、あまりひどい。新聞に書かれたあげくのはてに、新聞社提供と称してラジオで放送しておる。何もないのにすつかり油の違反者になつてしまつた。よしんばその油が統制に違反するところの油であるにしても、さらにシヤボンの営業主が犯罪に該当するかどうかについては、格段の吟味を要する問題である。それを発表して、いわゆる人権を蹂躙してもかまわぬという、こういうような例が非常にあります。
 それから任意出頭という問題に関して――これは警察でも、経済調査官でもそうであります。任意出頭というのはあなたもよく御存じでしようが、地方の人たちでも任意出頭を任意出頭と受取つておらない。だからなるべくこれは避けてもらいたい。そこで調査するならば傍証をあげるとか、あるいは側面から調査を十分にして、いざというときには逮捕状を出すぐらいにして調べるようにしてもらいたい。煩わしいと思うかもしれないが、そうしなければ、人権というものは守ることができない。百姓、町人などというものは、そう法律がわかるものじやない。裁判所などに呼ばれるとあがつてしまつて、お前をこの事件で勾留すると言うと、はいと言う。覚えがないと言わなければならぬところを「はい」と言う。任意出頭というものは法律の逃げ口である。もちろん任意出頭とか、任意承諾ということもなければならぬことでありますが、逮捕状を濫用したり、さらに任意出頭というようなことは、非常に危險なことでありますから――決してふらちな者を調査に行つて遠慮する必要はありませんが、軽いような者、あるいは何もないような者をつかまえるということでなく、ほかの重大な者を発見してやるということにあるのでありますから、この点ひとつ十分御留意を願いたいと思います。
 それから今、他の委員から調査の眼目についてお話があつたが、私はその点まつたく同感であります。たとえば犯罪にしても農業会、協同組合、これらのものは協同名義で荷受機関になつてしまうし、今は統制機関になつている。これを利用して個人がもうけ、かせぎをしている者が、はなはだ多い。こういうものに対しては、地方の農民というのは非常に弱いものですから、どんどん調査してやつてもらいたい。孫や娘の所に、わずか二升や三升の米を持つて行く者をどんどんやるということは、今日の配給状態、しかも供出完了後の者については――もちろん法律があるのだから、そういう者がいいと言うのではないが、こういう者に少し手心を加えてやるということが、二級官、三級官というような段階を設けて、いろいろ金を使つて國家が確保しておかれるゆえんであると私は考える。何でもつかまえればよいというなら巡査、消防というものだけでけつこうである。金をたくさん使つて、人材を養つているのですから、どうかそういう個人でやつた人をとがめるというのでなく、しつかり、それこそ自己批判、自己監査をやつて、せつかく設けられた機関であるから、設けた以上りつぱにその機関の効果を発揮して、國民から信頼され、調査官が來たが、やはりしつかりしているということでなければならぬ。そのかわり惡い者は容赦せぬ。ここに極端な例を上げると、惡質な者は免れて、そうしてこまかいような者が、ちよつとした動機からつかまるということがありますから、そのようなことのないよう、特に強く御希望申し上げておきます。
#23
○山口(鐵)政府委員 ただいまのはちよつと事実を調査したいと思いますが、関係者の名前を御存じでしようか。
#24
○江花委員 関係者の名前はもちろん知つております。私が市長時代に市役所の経済課長を勤めておつた。しかし速記録に名前が載ることもどうかと思います。その点はあとで……。
#25
○小川原委員 ちよつとお尋ねしたいのですが、調査廳は農民に対する農林省の割当てしたものを基準として、その供出のよいか惡いかということを判断されるのであるか、別に農林省の割当の上を調査廳が行つて、農林省の割当がはたして適当であつたかということを調査されて、そうしてその供出状況を調査されるのであるか。これは根本の問題でありますから、そこをお尋ねしたいと思う。なぜそういうむずかしいことをお尋ねするかと申しますと、各府縣ともに各知事が供出を喜ばないのであります。一つのブロツクのようになつていますから、よけい出すと自分の縣民が最後になると非常に苦しむ。こういうのでありますから、なるべく多くとらないんだ。こういう形において割当を拒絶したり、あるいは辞退したり、いろいろの形式をやつておるのであります。そういたしますと、東北地方であるとか、あるいは長野縣であるとか、あるいは飛騨國であるとか、北海道のような米の多くとれない所では、面積によつて、ここは大体こんな見当でといつて割当されるのと、あるいは福岡縣であるとか、あるいは新潟縣であるとか、米産地におきましては、反当の收量が非常によけいあるのであります。そういう所のものは供出をちよつと手心したということになると、非常に供出が樂なのであります。それから面積からいつて割り出されるとか、あるいは一般的に考えた頭から、一毛作の地方、よけいとれない所に、ちよつと手心が多かつたということになると、もはや保有米もないことになるのであります。そこで調査廳は農林省の上を行かなければならぬと思います。はたしてこの割当は正確なものであつたかどうか、こういうことでなければ、民が喜ばないのであります。この点を私はお尋ねしたい。農林省の割当の上に調査廳があつて、民間の供出を調査なすつて、その供出の結果が惡かつたか、よかつたかということが檢察廳にまわるなどということは、非常に政治的に眺めてもよろしくないことであります。そうでありますから、一番貧弱な正直な農民が、この割当の惡かつたことの影響を受けて自分が罰せられる、こういうことになつてしまいますから、正しい政治というものは行えないことになるのであります。その点において調査廳というものはどういう行き方をとつておられますか、根本問題に触れてお尋ねしたいと思います。それから將來に向つてもどういう方針で行くのか、これもつけ加えてお話を願いたいと思います。
#26
○山口(鐵)政府委員 ただいまの御質問でありますが、こちらはさような問題につきまして、行政監査といたしまして、農林省あるいは関係廳の割当がよかつた惡かつたを監査いたしまして、欠陷を発見して、それに対して勧告をいたすのであります。府縣段階におきましては、農林省が割当てましようし、府縣の中での郡段階においては縣がいたしましよう。さらにそれぞれの末端に行くに從つて、それぞれの機関が割当てるのでありますが、さような割当が適切に行われているかどうかということが監査の対象となりまして、惡ければ惡いということで意見を申し述べて、今後の改善に対する資料を提供するのであります。割当権というものは、本來農林省等が持つておるのでありますから、農林省の割当したものが調査廳の氣に入らぬからといつて、その上を行つて調査廳が割当をすることができないことはもちろんなのであります。あくまでも割当権は農林省にありますが、その割当の実施につきまして欠陷があつた場合には、こちらといたしましては勧告の方法によつて、今後の割当の際にそれが改善されるように、いろいろ措置を講ずる、かようなことになつております。
#27
○小川原委員 そういうような調査をすることにつきましては、了解をいたしましたが、なされた点におきまして、農林省に勧告になつたことがありますかどうか、この点もお尋ねしたいと思います。さらにそこに付加しておきたいことは、災害の時に岩手縣に私参りました。水害でありますから私も食糧がなくなつた。それで農家に入りまして、よくないことではありますが、今晩食べる米一升わけてくれと言つたのであります。ところが農家の人は、一斗も一斗五升も入るような大きな袋に、これは今配給を受けたおれの分だから、この中からわけてやろう。こういうわけで米をもらいました。これを宿に着いて聞いてみますと、三年前の米である。こういう事実である。三年割の米が大きな袋になつて配給されて來たということは、どこかにこの米があつたんだということになると思う。そういう点が非常に疑いのある政治になると思う。そこで私は心配いたしましてこのことをお尋ねするのでありまして、あなた方の方から農林省に勧告なさつたことがあつたならば、そういう実例を聞かしていただきたいと考えます。
#28
○山口(鐵)政府委員 この問題につきましては、この資料の中にも簡單に述べておりますが、昭和二十三年度産米について供出事前割当行政監査というのをいたしました。その結果割当についていろいろ欠陷がありましたので、その欠陷を農林省その他の関係機関に、改善方策について勧告いたした実積がございます。
#29
○木村(榮)委員 ちよつと資料の要求をいたします。
 各方面から調査官のことが出ましたが、二級官が現在千三百六十九人、將來二千人を予定されておりますが、二級官が一つの廳の中に二千人もおるという官廳は大体ない。そこで千三百六十九人の中に、外地引揚者四百九十何名、内地から移行して行つたのが八百六十何名いる。そこで大体調査官の程度が惡いというのでいろいろお話があつた。二級官ともなれば、相当人格、識見ともに官吏の模範となるような者でなければならぬわけである。ところが外地の引揚者、全部がそうじやないですが、大体あの侵略戰爭のお先棒をかついで、外地で相当いかさまインチキをやつた連中もあるわけなんです。そういつたのが外地で思うままのことをした感覚はまだ残つておりますから、どうしてもこういつた特権的の地位を與えますと、行き過ぎをやつたり、脱線をして人に迷惑をかけることになるから、この二級官に現在御採用になつておる千三百何名の者について、内地から轉用した者の前歴、並びに外地引揚者からお雇いになつた者の前歴を、簡單でいいから一覽表をこしらえて出していただきたい。これは調査官の身分保障という問題が、法制定当時非常に問題になつた。月給も一般官吏より、同じ二級官でもよけいやるということも決定しておる。從つてこの人選にあたつては、最も愼重にやらなければならぬということで、相当この委員会で調査官の人選について論議があつた。
#30
○山口(鐵)政府委員 個人別でなく……。
#31
○木村(榮)委員 いや、個人別です。どこどこ出身で何をしておつたか、内地の分も書いていただきたい。当時の政府側の答弁でも、大体警察官の経驗のあつた者は、轉用する場合でもできるだけ使わぬという話だつた。岩手縣なんかにおいては、元警察署長が、今度は地方経済調査廳の長になる運動をしておる。こんな者では困るという地元からの要求もあつた。警察官の経歴のあつた者は、絶対とは言わぬが、大体採用しない方針だということを、当時の政府の方が言明なされておる。そういうこともございますから、内地から八百六十名、二級官に轉用しておる者の前歴を、当時の約束に基いて調べていただかねばならぬ。この経済調査廳の運営にあたつても、非常に二級官という者の前歴は偉大ですよ。一人一人の前職、生年月日、学歴、前歴、これは簡單なものでいいから、一番最高の地位を占めたものでいいから、何年何月何になつたというのでなくして、最終の、最高の地位をやめてここへ來たということを書いたものを出してもらいたい。
#32
○坂本(泰)委員 資料の点で、第四表に隠退藏の関係だろうと思うのですが、この旧中島富士産業と主要制限会社五十二社分、なお二十八社に対しては、調査中でありますが、この点をもう少し詳しく出してもらいたい。というのは、大きい会社に対しての査察は少くて、小さいところが多いという点がありますから、できれば小さい所でも、隠退藏の調査をやつた点を明らかにしていただきたい。
#33
○齋藤委員長 ほかに御質疑はございませんか――御質疑がなければ本日はこの程度で散会いたしまして、次会は七日木曜日の午前十時三十分から、この委員会に付託されます請願が四件、陳情書が五件ありますから、その審査を行いたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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