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1949/04/07 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第6号
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1949/04/07 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第6号

#1
第005回国会 内閣委員会 第6号
昭和二十四年四月七日(木曜日)
    午前十一時十三分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 小川原政信君
   理事 牧野 寛索君 理事 吉田吉太郎君
   理事 坂本 泰良君 理事 木村  榮君
      青木  正君    池田正之輔君
      江花  靜君    尾関 義一君
      鹿野 彦吉君    佐藤 榮作君
      山本 久雄君    小林 信一君
 出席政府委員
        文部政務次官  柏原 義則君
        総理廳事務官
        (行政管理部
        長)      中川  融君
        農林事務官
        (総務局長)  平川  守君
 委員外の出席者
        議     員 小金 義照君
        総理廳事務官  城谷 千尋君
        商工事務官   高坂 正雄君
        專  門  員 龜卦川 浩君
        專  門  員 小關 紹夫君
    ―――――――――――――
四月六日
 林野行政と砂防行政との統一に関する陳情書(
 栃木縣森林組合連合会長福田七右衞門外十四
 名)(第七〇号)
 兒童局存置の陳情書外四件(東京都澁谷区原宿
 三丁目二百六十六番地日本助産婦看護婦保健婦
 協会代表井上なつゑ外五十二名)(第七一号)
 道路運送監理事務所存置の陳情書外七件(東京
 都江東区深川森下町二丁目八番地東京小運搬商
 業協同組合理事長沖倉泰助外七十四名)(第九
 六号)
 道路運送監理事務所存置の陳情書外二十六件(
 鳥取縣貨物自動車協会長足立益二外三十二名)
 (第一二三号)
 労働行政機構の一元的地方委讓に関する陳情書
 (神奈川縣議会議長加藤詮)(第一三一号)
 砂防行政を農林省に一元移管の陳情書(滋賀縣
 治山協会長佐野眞次郎)(第一三四号)
 道路運送監理事務所存置の陳情書外十四件(愛
 媛縣自家用自動車組合理事長猿谷嘉吉外二十五
 名)(第一三八号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
  請 願
 一 資材調整事務所の地方廳移讓反対の請願(
   亘四郎君紹介)(第六五号)
 二 元警察官の恩給及び扶助料増額に関する請
   願(松浦東介君紹介)(第一〇三号)
 三 亞炭行政機構存置の請願(小金義照君紹
   介)(第一二五号)
 四 資材調整事務所存置の請願(吉田吉太郎君
   紹介)(第一四四号)
  陳情書
 一 資材調整事務所存置の陳情書外六十八件(
   三重縣阿山郡鞆田村上反田川瀬製繩工場川
   瀬朗外七十五名)(第一六号)
 二 中央出先機関廃止の陳情書(全國都道府縣
   議会議長会代表東京都議会議長石原永明)
   (第三一号)
 三 商工局出張所存置の陳情書外三十三件(鳥
   取縣米子市西倉吉町廣田仁三郎外三十三
   名)(第三四号)
 四 中央出先機関廃止の陳情書(福岡縣知事杉
   本勝次)(第四七号)
 五 宗教官廳存置の陳情書外一件(香川縣神社
   廳長土屋徳太外七名)(第五〇号)
    ―――――――――――――
#2
○小川原委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が所用のため、理事の私が委員長の指名により委員長の代理をいたします。
 本日の議題は本日までに本委員会に付託または送付せられました請願及び陳情書であります。請願につきましては、紹介議員が見えられておるものにつきまして、まず紹介議員の説明を聽取した後、政府の意見を求め、また紹介議員が見えておらない請願につきましては、便宜文書表の朗読を聞いた後、政府の意見を聞きたいと思います。なお請願の審査の決定は、諸般の事情より延期いたし、本日の意見聽取あるいは意見交換の程度にとどめたいと存じます。それでは順次紹介議員及び関係政府当局の來られておる請願より審査を進めて行きます。
 本日の請願日程中、第一、第四及び陳情書第一は同一趣意でありますから一括して議題といたします。日程第四、資材調整事務所存置の請願。文書表第一四四号。紹介議員吉田吉太郎君。
#3
○吉田(吉)委員 それでは私紹介議員といたしまして、農林省資材調整事務所の存続につきまして、請願の要旨を一應紹介いたしまして、各位の御審議を仰ぐ次第であります。この案件につきましては、数件同一案件の陳情書が出ておるそうでありますが、便宜上私から御説明申し上げます。
 農林省資材調整事務所を存続することについての請願書の理由でありますが、統制経済のもと、われわれ業者がいかなる方式で資材の割当を受けておるかということは、われわれの生産に及ぼす影響はまことに重大でありますので、戰時下における國家総動員法に基く方式が改められ、敗戰日本再建に役立つ新しい方式がいかに採用されるかというので、待望久しいものがありましたところ、昭和二十二年三月二十日公布の農林省令で、われわれ農林水産業者は、間もなく神戸市に設置せられた農林省兵庫資材調整事務所で、東京都の農林省で御処理くださることとほぼ同程度の御処理が願えることになり、われわれの要望もまた直接本省に御傳達くださることになりましたので、われわれの杞憂はここに完全に解消し、官民一体このよき制度のもとに、相寄り相助け縣下産業の復興に邁進いたすことを誓つた次第でありました。この事務所開設以來二箇年を経過いたしましたが、職員は充実され、業界の事情にも精通されて、指定生産資材の割当は、われわれの代表が参加する諮問審議会の意見が尊重されて、嚴正公平かつ迅速に、直接個人に対して行われておつたのであります。また業界の要望は歪曲されることなく本省に傳達されて、われわれの希望は達成されつつあるのであります。等々、民主的明朗な運用に、われわれは嬉々として現制度に協力し、すみやかなる縣下産業の振興を見つつあることは事実が証明しておるのであります。しかるに昨年春ごろから、地方長官会議のたびごとに、指定生産資材の割当事務の現機構を打破して、これを地方廳に移管せんとすることが話題に上り、最近では中央におかれましても行政簡素化に資するものとして、これに迎合されるがごとき御意見が強まりつつあるやに仄聞いたしますが、われわれはこの種の実情を無視しての暴挙をあえてせんとする者の心事を深く遺憾とする次第であります。かりにこれを地方廳に移管することによつて何の簡素化ができるでありましようか。かえつて該事務所開設について、時の政府とGHQの権威者が、多面的に研究して到達した現制度の原則たる、政府の手で直接需要者への原則が、一歩後退することになるのではないでしようか。後退しても行わなければならない客観情勢の変化があるのでありましようか。また嚴正公平に行わるべき割当が、地方政界の特定権者によつて乱される心配は、まつたくないと言い得るでありましようか。さらにまたわれわれの希望は歪曲されることなく、すみやかに本省に、政府に傳達されるでありましようか。少くとも移管による割当事務の空白時代が相当長期にわたり、その間われわれの生産は停止し、國家の損失莫大なることを思うとき、慄然たるものがあります。われわれは現制度、現機構でよいと思つているものであり、指定生産資材割当規則のある限りは、このままの形で存在を希望するものでありますので、ここにわれらは業界の実情を披瀝して、政府当路の各位に訴え、御賢察を仰ぐ次第であります。
 以上のような内容の請願書を私紹介議員といたしまして取次ぎいたしたのでありますけれども、私といたしましては、これに対しましてまだはつきりした見解の結論に達しておりません。どうか、皆さんにおかれましては十分なこの請願書の御審議を煩わしたいと思います。
#4
○小川原委員長代理 これに対する政府の御意見を承りたいと思います。
#5
○平川政府委員 ただいま御説明のありました農林省資材事務所の問題につきましては、御紹介にありましたごとく、昨年の春ごろから、主として地方長官会議、あるいは府縣会議長の会議等におきまして、これを地方廳に委讓したならばどうかという御意見がありました。その主たる理由とするところは、地方自治の強化という面において、地方廳にできるだけ仕事を任せて行つたらいいじやないか。そういう意味において生産その他に責任を持つておられる地方長官に、資材の配給も全部任せる方がいい、こういう理由のようであります。その当時におきましてはいろいろな議論がございまして、これは留保になつておつたような形になつておりましたが、最近また行政整理の問題とからみまして、行政整理の一環として資材事務所を廃止して、地方廳にこれを移すという考え方が一部にあつたわけであります。農林省といたしましては、この資材事務所が発足いたしました当初の理由が、ただいまの御紹介にもありましたごとく、主要なる生産資材については、現在非常にこれが不足しておる状況である。この非常に不足しておる状況の資材、殊にその中にはたとえば石油のごとき、あるいは漁網用の綿糸のごとき、あるいはその他の輸入物資も相当にあるわけでありまして、ガリオア資金等から入つて來ておるものも相当あるわけであります。こういうような資材について、これを最も嚴正公平に割当を実施するということについては、それぞれの担当各省大臣が直接みずからの責任において配給をしなければいかぬ。こういう考え方が司令部の方にありまして、その考え方に政府としても同意をいたして、一昨年設立をせられたようなわけでありまして、資材の配給を直接に本省が責任をもつて実施をいたすということは、その公正、円滑を期する意味においては、地方廳に任せるよりは確かに優れているだろうと思うのであります。現に各方面の民間の意向を聽取いたしてみますると、大多数の、殊に中小の農山漁民、あるいは農林省関係の食品工業その他の産業もございますが、それらの配給を受けている民間のまず九〇%までは、この機構でやつてもらいたい。
 それから地方長官等におかれましても、たとえば昨年あたりの災害等がありました場合に、應急にそれに要するいろいろな資材を特配する。こういうような場合においても、本省の出先が直接にただちに本省と連絡し、本省はまたただちに安本その他と連絡をいたして、敏速に、どこの縣にいくらということで、資材を配給する上において非常に役に立つた。災害復旧用の資材、あるいは去年の病虫害用の石油その他の配給において、非常に役立つたということで、その関係の縣からは非常に感謝を受けているような状況であります。資材の配給を地方廳に任せるということは、一面においていい面もあろうかと思いますけれども、一面においてややもすれば地方的な勢力に左右されまして、殊に中小の業者が、公正な配給を受け得ないというような実例がかなりあるようであります。そういう意味において、農林省としましては、この際これを移管するというようなことはする必要がないのではないか、むしろ根本的にはどうせ暫定的な機関でありまして、資材が順次豊富になりまするとともに、逐次統制を緩和いたしまして、その機構を縮小し、またすべての資材が自由に入手できるようになれば、当然廃止せらるべき運命にある役所でありまするけれども、それまでの間において、せつかく職員もこの仕事に慣れて円滑に動いている際に、これを移管するということになりますと、またその間に数箇月仕事の運行を妨げられるという事態も必ず起る問題でありまして、機構の編成替えがありますると、必ずそこに若干の空白の状態が起るということは免れがたいことでありますし、むしろ根本的に資材そのものの需給状況を勘案しながら統制自体を緩和して、そうしてその部門について整理を行つて行くことが本筋ではないか、殊に行政整理の問題にからんで云々することは、まつたく意味をなさないではないか、どこでやりましても同じ人数はいるわけであります。現に調整事務所において人が余つているということはございません。これは実際に現地をごらんくださればわかるわけでありますけれども、毎日多くの配給切符を切つているわけでありまして、現在の統制方式を改めざる限りは、それだけの人をかりに縣に移しましても、これを省くわけにはまいらないわけであります。從つて財政的な緊縮ということには、移管ということとは関係がない。全然廃止するならば別でありまするけれども、これは統制を廃止せざる限りはできないことでありますから、特に行政整理の問題としてこれを論ずることは、少し筋が違うのではないかというふうに考えているのであります。いろいろ実際の運用の問題になりますと微妙な問題でありますけれども、民間としては資材事務所にいろいろ申し入れをすることが、ただちに農林省に申入れをしたと同じような効果があるという、そういう便宜を非常に感じておられるようであります。地方においては実際に切符を現物化するということがなかなか大きな問題であります。実際問題としましては、一昨年あたりはせつかく切符をもらいましても、なかなかそれが現物化しない。おそらく物によりましては五割も現物化しないような場合がずいぶんあつたのであります。資材事務所の方では農林省の名においてただちに地方の商工局、あるいは輸送の方の鉄道局等に交渉をいたしまして、現物化、あるいは現実にそれを手に入れることについては、非常な努力を拂つておりまして、昨年のごときは大体において八割以上の現物化を見ておるというようなことであります。これは資材の状況の緩和した事情もありますけれども、しかし農林省の名において、商工省なり、あるいは運輸省とただちに折衝をして現物化をするという点の有利な面もあるようであります。それこれの事情からいたしまして、この際ことに行政整理とからんでこれを地方に移管することは、いたずらにマイナスが多くて得るところが少いのではないか。かような見解をとつて、政府部内においてもまだ檢討をいたしておるような状況であります。
#6
○小川原委員長代理 何か御意見なり御質疑があるならばこの際お述べを願いたいと思います。ありませんか。――もし御意見なり御質疑がなければ次の日程に移ります。
    ―――――――――――――
#7
○小川原委員長代理 日程第二、元警察官の恩給及び扶助料増額に関する請願、文書表第一〇三号を議題といたします。本請願の紹介議員松浦東介君は本日御出席がないので、便宜文書表の朗読によつて審査を進めたいと存じます。なお紹介議員の希望がありますので、また次会において紹介議員の説明を聞いて審査を続けたいと存じます。本日は恩給局より説明員が來られておりますので一應説明を聞いておきたいと存じます。
    〔書記朗読〕
 本請願の要旨は、元警察官恩給受給者並びに扶助料受給者は、数年來の物價高のため、極度の生活苦に悩みつつある、ついては、恩給及び扶助料を適当に増額されるか、もしその実施が困難なときには、補助金を交付されたいというのである。
#8
○城谷説明員 ただいま請願を御朗読になりました。その中で恩給を増額してほしいということがあるのでありますが、これにつきましては昨年七月衆議院から法案を御提案になりまして、恩給法臨時特例で昨年の十月から一齊に恩給の増額をいたしたわけなのであります。從いまして今増額したばかりでありますので、今ただちにこれを増額するというようなことは、ちよつとできないのではないかというふうに考えております。
 第二点の、將來警察官の恩給をどうするかというふうな問題でありますが、これは御承知の通り國家公務員法の百七條、百八條で、將來人事院が恩給制度を新たに樹立するということになつております。從いまして人事院がどういうふうな意見を立てますか、われわれまだ存じておらないのでありますが、この問題につきましても人事院が当然考えるべき問題だと思うのであります。ここで私はつきりした御答弁を申し上げることはちよつとできないように考えております。
 第三の補助金につきましては私の方と所管が違いますのでお答えできかねます。
#9
○小川原委員長代理 この際何か御意見なり、御質問がございますならば質問していただきたいと思います。――それでは御意見がございませんければこの議題はこれだけにいたします。
    ―――――――――――――
#10
○小川原委員長代理 次に陳情書第五、宗教官廳存置の陳情書外一件に移りたいと思います。文書表の朗読を願います。
    〔書記朗読〕
宗教官廳存置の陳情外一件(第五〇号)
  陳情者 香川縣神社廳長 土屋徳
      太外七名
今回宗教行政機関が廃止される由であるが、現在の文部省宗務課のような宗教團体事務を取扱う部門を存続することは信教の自由を保障するため絶対必要であるから、これが存置に対して配慮されたい。
#11
○小川原委員長代理 この際政府の御意見を承りたいと思います。
#12
○柏原政府委員 この陳情に対しましては、文部当局としましては、この陳情の御趣旨に沿いたいと思つて今努力しております。昨年衆参両議院におきましてこれの存置の請願が出まして採択されておるのでございます。これは昨年の春ごろから文部省の中で宗務課がなくなる。関係方面からこれはのけてしまえということがありましたので、宗教界が非常に騒ぎまして、各宗教團体では、キリスト教も、佛教も、神道も決議して、何とかそれを残してもらいたい。もちろん新憲法下におきましては信教は自由でありまして、ことに宗教團体法がなくなつたのですから、宗教はある意味で自由にやるのであつて、政府が統制すべきものでない。これははつきりいたしております。けれども日本の宗教界は実に多種多樣でありまして、しかもこれを一應調査して、どういうものであるかという実態を政府としては把握しておる必要があるのでありまして、統制はやらぬけれども、大体こういうものである。関係方面から宗教に関する資料を出せと言われるような場合でも、ちやんとそういう宗教を扱う一つの課のようなものがあつて、大体の資料を集めて持つておる必要があるのであります。もちろん民間團体でそういうものを集めて持つておるものも必要でありましようが、政府としましても、映画とか、演劇とかに関する課さえもあるのでありますから、宗教運動團体というような、大きな文化的な活動をする團体を把握するようなものが、やはりお役所の中に必要であると考えるのでありまして、なるたけその課を残したいと思つております。しかしそれは宗教を特に保護するとか、あるいはまた無神論を排撃して、宗教を特に尊重するというような意味ではなくして、宗教の情勢の事実を調査をし、また宗教團体そのものは、宗教は自由であつても、建築するとか、あるいは法人をつくる場合は、法的な着物を着なければならぬので、そういう事務を扱うところがいるのであります。いろいろな観点から見まして宗務課の必要は痛感するわけでありますが、今日行政整理もありますので、課として残るか、あるいは係として残るか今折衝中でありますが、宗務課の仕事は調べてみますと内容は相当たくさんあります。ことに神道の趣旨徹底、今までの神道とは違つて、神道は一つの宗教である。國が背景をなしておるようなものでないという、神道の趣旨徹底をさせるのでも、相当の仕事があるわけです。そういう意味におきまして、なるたけこれを残して行きたいというふうに関係方面とも折衝いたしまして、昨年は、もうのけてしまえということでありましたが、最近ではそうでなく、ある程度そういう問題の事務は必要だろうという結論に達しつつあるような状態であります。以上をもつて答弁を終ります。
#13
○小川原委員長代理 何か御意見、御質問ございませんか。
#14
○山本(久)委員 この際ちよつと文部当局にお尋ねしてみたいのでありますが、國宝に指定されております建造物について、その修理等に関してどういう御方針であられましようか。私のお尋ねしてみたいのは嚴島の千疊閣、五重の塔その他の建造物が、腐朽その極に達しておるのであります。近來神社の経営はまことに悲惨な状態になつておりますが、來年度の予算の中に嚴島の國宝に指定されております建造物の修繕の予算か何か計上されておるのでありましようか。
#15
○柏原政府委員 これは文部委員会の問題かと思いますが、ついででありますからお答え申し上げます。法隆寺が燒けましたので、國宝の重要性がいまさらのごとく言われて参りまして、本年度は一億円の予算がようやくとれたようなかつこうで、去年よりはふえたのでありますが、物が上つておりますから一億円といつてもわずかでありますので、法隆寺に三千万円も四千万円もとれば、あとは数百種類のものにわけるのですから、一つ一つには、かの涙ほどしか行かないのであります。全部完全にやるとすればたくさん金がかかり、関係方面の了解も得にくいのでありますが、内閣では國宝保存に関する審議会を設けて、A、B、Cにわけて、一番大事なものはとにかくやるというふうに、全部のものに金はかけられませんから、段階をつけて重点的にしなければならぬということで、今研究中であります。嚴島の分がどの部分に入つておるか、今係の者に尋ねますが國宝を大事にしなければならぬという氣運は非常に濃厚になつておりますものの、わずか一億円しかないものでありますから、どのくらいの金が行くかは問題で、宗教と関係もありますし、宗教というものは國からも離れておりますから、政府が補助すると、國及びその機関は、宗教教育をすべからず、こういうので、これにおさい銭を投げるような信仰の対象に対して、國が補助するのは憲法違反になりますので、いろいろ微妙な問題がありますが、國宝のために力を入れなければならぬ。國宝として政府が金を出せば、國が別に管理して、宗教から取上げなければならぬというようなことで、いろいろ問題が起きますので、非常に今研究中なのであります。そういうむずかしい問題がありますが、國宝自体は立派に治めなければならぬのでありますから、それに対しては文部省といたしまして、相当力を入れることになつております。嚴島という具体的問題につきましては、よく國宝関係の予算を調べまして、いずれあとでお答えいたします。
    ―――――――――――――
#16
○小川原委員長代理 ここで請願にもどりまして、日程第三、亞炭行政機構存置の請願、文書表第一二五号、紹介議員小金義照君。
#17
○小金義照君 わが國の地下資源の一番大きなものは石炭でありまして、この石炭が産業上また國民生活の上にいかに重要であるかということは、説明を要しないところでありますが、その賦存状態から見まして、わが國の石炭はおおむね九州と北海道に偏在いたしております。ところがさいわいなことには、本州には至る所、ほとんどと申していいほどたくさん亞炭が埋藏せられておるのであります。この亞炭に目をつけましたのは、支那事変勃発以後、時に燃料問題がやかましくなつてからであります。亞炭の採掘は比較的簡易な方法でできるのであります。またこれは地方的な工業用燃料あるいは家庭用の燃料として、非常に大きな役割を務めて來ておるものであります。なおこの亞炭に適当な加工をする。たとえば乾溜して液体燃料をとつて、亞炭のコークスをつくるということもまたきわめて有用な國家的な事業であります。こういう際に亞炭の業者並びにその需要者が、統制のわくの中でその主管官廳のなかつたこと、またはその主管官廳の微力であつたということに対して、非常な頼りなさを感じておつたのであります。しかし配炭公團の方の関係から行きまして、亞炭は統制からはずすことに相なつたのでありますが、それによつてわが國の燃料界における亞炭の地位が毫も低下したわけではないのであります。できれば業者といたしましては、亞炭局というようなものを置いて、亞炭の採掘から加工、あるいは利用、あるいは販賣について、國家的に面倒を見てもらいたいというのが、亞炭業者の切実な希望であります。行政簡素化をなるべくすみやかに実行しなければならぬ。また行政費を切りつめなければならぬという際に、亞炭局をなお設置せよという希望は、一見矛盾するかのごとき感を與えますが、亞炭の重要性から考えまして、また業者の立場から見まして、亞炭局のような一つの行政官廳を置いて、採掘から最終の消費に至るまでの利用効率を上げるというような意味合いにおいて、業者の切実な希望でありますので、私はまことにごもつともな意見だと思いまして、請願の趣旨に賛成いたしまして、御紹介申し上げた次第であります。
#18
○小川原委員長代理 この際、政府の御所見を承ります。
#19
○高坂説明員 ただいまの御請願の御趣旨は、まことにごもつともと考えるところでございまして、政府といたしましても、燃料対策といたしまして、亞炭の増産には非常に力を入れて参つて來ておるのであります。ただ最近、石炭の方も漸次向上を見ておるような状態でございまして、亞炭につきましても、從來のように量一点張りの傾向から少しく轉換いたしまして、新しい需要、たとえて申しますと、ただいまお話のございましたような、家庭燃料方面への新しい分野の開拓等についても力を入れまして、質並びに加工方面への新しい分野の開拓ということに力を入れて行かなければならぬと思うのであります。そういう意味におきまして、今後の亞炭行政を力強く運営して行くためには、もちろんこれを主管担当して参りまする機構が要るのでありまして、この点につきましては、商工省が近く通商産業省と改組せられまする機会に、十分亞炭の重要性ということも考えまして、機構の改編をいたすように考えたいと思つている次第であります。どうぞ御了承をいただきます。
#20
○小川原委員長代理 本件につきまして、何か御意見なり御質疑なりございませんか。
    ―――――――――――――
#21
○小川原委員長代理 では陳情書の方に移りまして、陳情書日程第三に移ります。商工局出張所存置の陳情書外三十三件を議題といたします。文書表を朗読いたさせます。
    〔書記朗読〕
   商工局出張所存置の陳情外三十三件(第三四号)
 最近聞くところによると商工局出張所が廃止される由であるが、九原則及び立法精神により統制は國家が行うものであり從つて出張所の廃止はこれら趣旨に反するものである。またこれが縣移管はボス介在の恐れがあるから、該出張所を存置されたい。
#22
○小川原委員長代理 この際政府の御所見を承りたいと思います。
#23
○高坂説明員 商工省の地方機関といたしましては、地方商工局というものがございまして、さらに各府縣にその商工局の出張所、あるいは事務所というものがございまして、第一線の商工行政の機関として活動して参つておるのであります。現在重要な仕事といたしましては、臨時物資需給調整法に基きます指定生産資材の割当、発券の事務、あるいは輸送出荷証明書の発券の事務、電力の需給調整、鉱山の出願登録に関する事務、あるいはアルコールの特別会計に関する事務というような所掌をしているのであります。ただ從來の行政の仕方といたしましては、いまだ機構が新しかつたせいもございまして、商工局出張所限りで所管し得る仕事は、比較的少くて、業者の方々が出張所、商工局、あるいは本省の方をずつとかけまわらなくては、仕事がうまく行かないというような面がございまして、非常に御不満もあつたかと思うのでございまするが、商工省としては、今後できるだけこういうような窓口的な仕事は、出先の第一線機関限りで事が処理できるようにいたしまして、中央ではもつぱら中枢的な仕事をいたしまして、窓口的な仕事はできるだけ商工局あるいは出張所に権限を委讓して、これを存置活用いたしまして、今後の商工行政の運営をいたしたいと考えておるのでございますが、この点につきましては、ただいま行政機構の問題といたしまして内閣で御審議になつておられますので、それぞれの筋には、商工省といたしましては、ただいまのように國民あるいは業界の利便ということを第一に考えまして、できるだけ商工局の出張所に権限を委讓してこれを存置したいというようなことで、いろいろお話をし、お願いを申し上げておるような次第でございます。
#24
○小川原委員長代理 この際本問題につきまして、何か御質疑か御意見はございませんか。――ございませんければ、次の議題に移ります。
    ―――――――――――――
#25
○小川原委員長代理 本日の陳情書日程中、第二中央出先機関廃止の陳情書、及び第四は同一趣意でありますから、一括して議題といたします。文書表を朗読いたさせます。
    〔書記朗読〕
  陳情者
 全國都道府縣議会議長会代表東京都議会議長 石原永明
地方自治法が実施された現在、中央出先機関の存在は地方自治の本旨に反し、地方行政の運営を阻害するから、残存出先機関を廃止し、その権限を全面的に地方に委讓して地方行政の綜合的運営の妙を発揮されたい。
#26
○小川原委員長代理 政府の御所見を承ります。
#27
○中川(融)政府委員 政府におきましては、中央機関の地方出先機関、これをできますればさしつかえない限り府縣に委讓したいという考えをもちまして、今年初めより、その問題につきまして檢討を加えておるのでありますが、何分この問題につきましては各種の事情がございまして、利害得失等相当に錯綜しておりますので、いまだに決定に到達するに至つておりません。できますれば、各省設置法が立案せられる際にこの問題も片づけまして、設置法の中に織り込みたいという考えでおるのでありますが、はたしてそれまでに間に合いますか、今のところはまだ予測がつきかねる状態でございます。
#28
○小川原委員長代理 この際本問題につきまして何か御意見なり御質問はございませんか。――それでは以上をもちまして関係官廳の意見の聽取は終了いたしましたが、行政管理廳の管理部長が見えられておりますから、そちらの方の御意見を、行政整理の問題と連関して、請願日程中第一、第三、第四について述べていただきたいと存じます。
#29
○中川(融)政府委員 今お話のありました請願の趣旨は、主として地方出先機関に関する問題と、もう一つ亞炭の機構の問題、この二つであると存じます。地方出先機関の件につきましては、問題となりました資材調整事務所、あるいは商工局出張所、これらを含めまして、先ほど申しましたように愼重檢討中でありますが、いろいろの利害得失等を檢討いたす必要上、まだ結論に到達いたしておりません。亞炭の行政に関する機構につきましては、主として商工省の問題として、石炭廳の機構に関連するのでありますが、今回一應政府におきまして内定いたしました機構改組案におきましては、石炭関係の行政は、そのほかの電力行政とか、あるいは鉱山に関する行政というようなものと一緒にいたしまして、商工省の外局として、資源廳という役所をつくるという構想になつております。その資源廳に統合いたされます結果といたしまして、自然部局の整備等が行われますので、亞炭関係の現在あります石炭廳の亞炭局は、局あるいは部としては残らないことになる予定であると存じております。しかしながら亞炭の重要性ということは、これまたもちろん無視はできないところでありますので、その簡素化されました機構の中において、でき得る限り、これに適当なる行政をなし得るような措置を講ずることと相なろうと存じております。
#30
○小川原委員長代理 本日の日程はこれをもちまして終了いたしました。
 次会は四月十一日月曜日午前十時三十分から開会いたしたいと思います。本日はこれにて散会いたします。
    午後零時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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