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1949/04/25 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第14号
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1949/04/25 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第14号

#1
第005回国会 内閣委員会 第14号
昭和二十四年四月二十五日(月曜日)
    午前十時五十六分開議
 出席委員
   委員長 齋藤 隆夫君
   理事 青木  正君 理事 小川原政信君
   理事 有田 喜一君 理事 木村  榮君
   理事 鈴木 幹雄君
      江花  靜君    鹿野 彦吉君
      高橋 英吉君    丹羽 彪吉君
      北村徳太郎君    徳田 球一君
      小林 信一君
 出席國務大臣
        商 工 大 臣 稻垣平太郎君
        逓 信 大 臣 小澤佐重喜君
        労 働 大 臣 鈴木 正文君
        建 設 大 臣 益谷 秀次君
        國 務 大 臣 青木 孝義君
       國 務 大 臣 山口喜久一郎君
 出席政府委員
        文部政務次官  柏原 義則君
        運輸政務次官  坂田 道太君
 委員外の出席者
        專  門  員 龜卦川 浩君
        專  門  員 小關 紹夫君
    ―――――――――――――
四月二十五日
 委員山口六郎次君辞任につき、その補欠として
 渡邊良夫君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事根本龍太郎君及び山口六郎次君の補欠とし
 て青木正君及び池田正之輔君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
四月二十二日
 賠償廳臨時設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第八一号)
 経済安定本部設置法案(内閣提出第八四号)
 労働省設置法案(内閣提出第八五号)
 文部省設置法案(内閣提出第八七号)
 運輸省設置法案(内閣提出第八八号)
 通商産業省設置法案(内閣提出第八九号)
 郵政省設置法及び電氣通信省設置法の施行に伴
 う関係法令の整理に関する法律案(内閣提出第
 九〇号)
同月二十三日
 建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第九二号)
同月二十二日
 道路運送監理事務所存続の請願(辻寛一君紹
 介)(第四四五号)
 新設通商産業省の地方機関設置に関する請願(
 多武良哲三君紹介)(第四四八号)
 道路運送監理事務所存続の請願(淺香忠雄君紹
 介)(第四五五号)
 同(平澤長吉君外一名紹介)(第四五六号)
 同外十四件(飯塚定輔君紹介)(第四五七号)
 元傷痍軍人の恩給増額に関する請願(小平久雄
 君紹介)(第四六〇号)
 道路運送監理事務所存続の請願(河原伊三郎君
 紹介)(第四六一号)
 同(志田義信君紹介)(第四六二号)
 藥務局存置の請願(有田二郎君紹介)(第四六
 八号)
 道路運送監理事務所存続の請願(龍野喜一郎君
 紹介)(第四七五号)
 同(松田鐵藏君紹介)(第四七六号)
 資材調整事務所存置に関する請願(山本久雄君
 紹介)(第五一四号)
 道路運送監理事務所存続の請願(佐々木更三君
 紹介)(第五二八号)
の審査を本委員会に付託された。
同月二十三日
 中央出先機関廃止の陳情書(熊本市長佐藤眞佐
 男)(第二七二号)
 資材調整事務所存置の陳情書(長崎縣諌早市天
 満町千三百三十二番地小野製粉工場小野壽一)
 (第二七三号)
 電力行政機構強化に関する陳情書(東京都千代
 田区西神田二丁目四番地電氣事業経営者会議委
 員長大西英一)(第二七五号)
 道路運送監理事務所存置の陳情書(東京都中央
 区木挽町八丁目一番地全國乘用自動車協会長新
 倉文郎)(第二九〇号)
 商工局出張所存置の陳情書(日本民主自由党後
 志支部長伊藤吾次郎外四名)(第二九八号)
 資材調整事務所存置の陳情書(宮崎縣北諸縣郡
 都城市西町土持壽吉)(第三〇二号)
 砂防事業の一元化と砂防局設置の陳情書外三件
 (栃木縣上都賀郡南押原村長上野正外六十九
 名)(第三〇九号)
 敦賀測候所存置の陳情書(敦賀商工会議所会頭
 中島誠)(第三一六号)
 商工局出張所存置の陳情書(岡山市西中山下岡
 山中央寢具製造株式会社)(第三一八号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 連合審査会開会に関する件
 賠償廳臨時設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第八一号)
 経済安定本部設置法律案(内閣提出第八四号)
 労働省設置法案(内閣提出第八五号)
 文部省設置法案(内閣提出第八七号)
 運輸省設置法案(内閣提出第八八号)
 通商産業省設置法案(内閣提出第八九号)
 郵政省設置法及び電氣通信省設置法の施行に伴
 う関係法令の整理に関する法律案(内閣提出第
 九〇号)
 建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第九二号)
    ―――――――――――――
#2
○齋藤委員長 それではこれから会議を開きます。
 議題に入ります前にちよつとお諮りいたしたいことがございますが、理事の根本龍太郎君が理事の辞任を申し出ておられますので、これを許可するに別に御異議はございませんか。
#3
○齋藤委員長 御異議がなければ、その補欠として青木正君を理事に指名いたしたいと思いますが、それも御異議はございませんか。
#4
○齋藤委員長 さように決します。
 次に本日理事の山口六郎次君が委員を辞任せられ、その補欠として渡邊良夫君が、議長の指名によつて補欠選任せられましたことを御報告いたします。つきましては理事の補欠選挙を行わねばなりませんが、御異議がなければ、池田正之輔君を理事に指名いたしたいと思いますが、よろしゆうございますか。
#5
○齋藤委員長 さよう決します。
    ―――――――――――――
#6
○齋藤委員長 それではこれからして本日の議題に入ります。順次政府委員より法案提出の説明を徴したいと存じます。
 まず郵政省設置法及び電氣通信省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案を議題といたします。小沢遞信大臣。
    ―――――――――――――
#7
○小澤國務大臣 ただいま議題と相なりました郵政省設置法及び電氣通信省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案の提案の理由を御説明いたします。
 來る六月一日から國家行政組織法の施行に伴いまして、郵政省設置法及び電氣通信省設置法が施行せられ、從來の逓信省が廃止せられることに相なりまするので、逓信省官制以下逓信省に関する組織を定めておりまする現行諸官制を同時に廃止する必要がありまするとともに、現行の法令中で、たとえば「逓信大臣」とありまする字句を、あるいは「郵政大臣」または「電氣通信大臣」というように、また「逓信省」とございますものを、あるいは「郵政省」または「電氣通信省」というように、一々読みかえてゆく必要がございますので、ここに本法案を提案いたしたのでございます。本案はこのように諸官制の廃止と、他の法令中の名称の読みかえとをおもなる内容といたしました法案でございまして、両省設置法の施行に伴い、付随的に措置を必要とするものだけを内容とするものでございます。何とぞ、御審議くだされまして、すみやかに可決せられんことをお願いいたす次第でございます。
#8
○齋藤委員長 次に建設省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、益谷建設大臣の説明を求めます。
    ―――――――――――――
#9
○益谷國務大臣 ただいま上程になりました建設省設置法の一部を改正する法律案につき、提案の理由とその概要を申し上げます。
 現在の建設省は、昨年七月に制定されました建設省設置法に基き、設置されたものでありまして、その機構は、大臣官房のほか、総務、河川、道路、都市、建築、特別建設の六つの内部部局のほかに、地理調査所、建築研究所、土木研究所及び建設工事本部の四つの付属機関並びに全國六箇所の地方建設局から成立つております。
 このたび、行政機構を整備簡素化する政府の一般的方針に基き、建設省におきましても、その機構を整備簡素化することといたし、本法律案を提案した次第であります。
 しかして今回の改正は、ただいま申しましたごとく、行政機構簡素化の一般方針に基き、とりあえず、現在の機構を基礎にしてその整備をはかつたものでありまして、建設省機構の根本的改正については、今後の研究にまつことにいたしました。
 改正の要点を申し上げますと、第一に、現在の総務、河川、道路、都市、建築、特別建設局の六局を管理、河川、道路、都市、住宅の五局とし、管理局に営繕部を置くことにいたしました。しかして管理局においては、現在の総務局及び特別建設局営繕部の事務を、住宅局においては建築局の事務をつかさどらしめることとし、他の諸局の所掌事務については、若干字句の整理を加えたにとどまり、特に変更を加えておりません。
 第二に、建設工事本部を廃止し、その事務をそれぞれの所掌に應じて、各局及び地方建設局に統合いたしました。
 第三に、現在建設省設置法施行令において規定されている特別の職及び付属機関及び地方支分部局の組織権限等を設置法に明記することにいたしました。
 以上が、建設省設置法の一部を改正する法律案提案の理由と概要でありますが何とぞすみやかに御審議あらんことをお願いする次第であります。
    ―――――――――――――
#10
○齋藤委員長 次は賠償廳臨時設置法の一部を改正する法律案を議題とし、山口國務大臣の説明を求めます。
    ―――――――――――――
#11
○山口國務大臣 賠償廳臨時設置法の一部改正法律案提案理由について御説明申し上げます。
 賠償廳は、客年二月法律第三号により、総理廳の外局として設置されたのでありますが、賠償は日本政府が誠実に履行すべき重大義務であることにかんがみまして、政府は今回の行政機構の刷新整理にあたりましても、これを從前通り存置することにいたした次第であります。
 しかるに一方賠償関係事務と特殊財産関係事務とは、元來きわめて密接な相互関連を有し、在京各國代表部においても、両者を單一の委員会で取扱わしめ、総司令部内においても客年十一月両者の事務を同一局に総合されたのでありますが、わが方においても日本の負うべき義務を國家全般の立場から考慮しつつ有機的に処理し、予想される事務の増加に対処する必要がありますので、政府は行政機構刷新整理の見地から、外務省特殊財産局の事務の全部及び大藏省管理局の所掌する事務の一部を賠償廳に統合することにいたしました。これに伴いまして昭和二十三年法律第三号賠償廳臨時設置法に所要の改正を加える必要が生じましたので、ここに本法案を提案した次第であります。
 特殊財産に関する事務は外務省及び大藏省のほか、若干の專門的部分について運輸省、文部省、法務廳及び特許局において所掌されておりますが、その大部分は外務省及び大藏省の所管となつております。外務省特殊財産局においては、特殊財産に関する総司令部との連絡、関係各省の事務の総合調整及びその一部の企画立案並びに処理を所管しておりまして、その全部が移管されるわけであります。
 また大藏省より賠償廳に移管されるものは、外國または外國人が本邦内に有する財産の調査及び処理に関する事務の一部及び戰犯容疑者の財産に関する事務であります。右外務省特殊財産局の事務及び大藏省の事務の一部の賠償廳移管に伴いまして、從來の賠償廳設置法の所管事務を規定しております第一條に第五、六、七の三号を加えた次第であります。
 次に次長については、從來施行令に規定されておりましたが、後に申し上げます理由によつて施行令を廃止したいと存じますので、次長について設置法に規定することとし、このため第三條を改めた次第であります。
 また外務省特殊財産局の賠償廳への統合にあたりましても、行政機構刷新整理の趣旨にのつとり、局を部とし、特殊財産部を設けるとともに、從來の賠償関係事務を賠償部にまとめることといたしましたので、第四條、第六條、第七條を加えた次第であります。
 その他の改正は、國家行政組織法、國家公務員法の関係から行われたものであります。
 なお附則(2)につきましては、賠償廳設置法施行令は、定員、次長及び参與について規定しておりますが、定員は別途定員法によつて定めることになり、参與の制度は廃止したいと存じますので、次長についてのみ前に申し述べました通り、本改正法第三條に規定し、右施行令を廃止することといたしました。
 何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決あらんことをお願いいたします。
    ―――――――――――――
#12
○齋藤委員長 次は経済安定本部設置法提案の説明を求めます。青木國務大臣
    ―――――――――――――
#13
○青木國務大臣 経済安定本部設置法の提案理由につきまして大要御説明いたします。
 今般國家行政組織法の施行及び行政機構の改革に伴いまして、経済安定本部法設置の制定を要することと相なつたわけでありますが、その全体の機構は行政組織法に基くものでありまして、ここには経済安定本部につき、特に説明を要する点につきまして二、三申し上げます。
 第一点は、從來安定本部は総理廳の外局となつていたのでありますが、今日独立の行政機関となつた次第であります。ただ一般の行政機関と異なる点は、各省は國家行政組織法第三條に基いて設置されるのでありますが、経済安本部は、現下の國民経済の現状から経済の安定と復興を推進し、日本経済自立の目的を達成するために、廣い意味における経済安定の基本的施策の企画立案と、これに関連する各行政機関の事務の総合調整等を強力に遂行する必要がありますので、この任務を遂行するために、行政組織法第二十四條に基き、設置されるのでありまして、從つてこの必要性の存続する間の臨時の機関であるということであります。
 第二点は、今日の行政機構の改革の線に沿いまして、経済安定本部の機構の縮小であります。從來経済安定本部令により設置されていました本部は、一官房、十局、三部という構成でありましたのを、徹底的に簡素化しまして、四局、二部を廃止したのであります。
 これは思い切つた縮小をあえてしたものでありますが、部局の運営、統制方式の改善等にも大いに意を用いまして、残された機構により、企画官廳としての任務達成に遺憾なきを期する次第であります。
 第三点は、今回の改革の結果といたしまして、從來安定本部と同様に、総理廳の外局でありました物價廳及び経済調査廳を、安定本部の外局として取入れたということであります。
 これは安定本部が企画官廳である建前から、どうかという疑念もあるかと存じますが、これらの事務は実務であるといいましても、物價行政は廣義の経済安定に至大な関係があるものでありまして、從來も安定本部と表裏一体の活動をして來たものでありますから、かえつて事務能率の促進に資するものであると考えるのであります。さらに経済調査廳は、從來安定本部の一局でありましたし、その事務は経済行政をチエツクするという意味におきまして、統制のやりつぱなしという弊を是正する意味において、政府の行政機構改革の一般の線からも、この程度の実務を安定本部が吸收することは、資明な策であると存ずる次第であります。
 第四点といたしまして、安定本部がその本來の任務を遂行する上には、民間有識者の見解を強くその施策に反映する必要がありますので、このため安定本部に顧問及び参與を置くことといたしたわけであります。これらは從來からもあつた機関でありまして、いわゆる各誉職的なものではなく、安定本部の施策に対して、積極的に大きな貢献をしている次第でありまして、將來も大いにその機能に期待しているのであります。
 以上経済安定本部設置法の提案の理由としての特異な点につきまして、概略を御説明いたしまして、ここにすみやかな御審議と御賛成をお願いする次第であります。
    ―――――――――――――
#14
○齋藤委員長 次は文部省設置法案の説明を求めます。柏原政務次官。
    ―――――――――――――
#15
○柏原政府委員 ただいま議題となりました文部省設置法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 先般政府の行政機構刷新の方針が確立され、それに即應しまして、文部省の機構を簡素化すること、戰後の教育の民主化を推進するにふさわしい中央教育行政機構を設ける必要から、今回この文部省設置法案を立案いたした次第であります。御承知の通り、文部省の機構改革の根本方針は、從來の中央集権的監督行政の色彩を一新して、教育、学術、文化のあらゆる面について指導助言を與え、またこれを助長育成する機関たらしめる点にあるのであります。
 次に機構改革の大要を申し上げますと、從來の官房、学校教育局、社会教育局、科学教育局、体育局、教科書局、調査局及び教育施設局の一官房七局を官房、初等中等教育局、大学学術局、社会教育局、調査普及局及び教育施設部を含む管理局の一官房・五局・一部といたした次第であります。初等中等教育局は、高等学校以下の学校の教育を所掌し、なお現在の教科書局所管の教科書の編修・改訂事務、体育局所管の保健衞生事務、科学教育局所管の科学教育事務等を含ましめることにいたしました。大学学術局は、現在の学校教育局の大学教育の面と、科学教育局の研究事務を所掌することになりましたが、これは文部省で所掌いたします学術に関する事務は、基礎科学の研究とその應用の研究でありますので、主として大学及び研究機関に関連いたします関係上、一局に一元化いたしたわけであります。社会教育局は、大体において現在通りでありますが、体育局の運動競技関係事務が加わり、著作権関係事務が管理局に移つたこと等が異なつております。調査普及局は、新しい文部省に極度に必要とされる調査研究及び統計調査のほか、文部省の各種出版物等の利用による文教政策の普及を行うことといたしましたほか、國語の調査研究及びその結果の普及をもあわせ行うことといたしました。管理局は、文部省の管理的行政事務を内容面の指導をする部局から分離して、一元化するために設けたものであり、さらに現在の教育施設局を部として合体せしめました。なお現在の体育局及び教科書局の所掌事務の重要なることはもちろんでありますが、対象別による内容的指導面の一元化のため、及び指導と管理を顯別するため、それぞれの局に分属せしめた次第であります。
 次に所轄機関でありますが、國立の学校は、その特殊性によりまして、別途に國立学校設置法案として提出いたしたいと存じております。その他の國立博物館以下八機関につきましては、大体において從來通りとして、必要な規定を設けておりますが、ただ國立博物館以下五機関におきましては、その民主的運営をはかるため、助言機関としてそれぞれ評議員会を設けることといたしました。さらに地方支分部局としまして、現在の文部省教育施設局出張所を文部省教育施設部出張所と改称して、現在通り設けることにいたしております。なお新しい教育行政の過渡的段階として、文部省に属する事務等が若干ありますので、それに必要な経過的規定を附則に設けた次第であります。
 以上が今回の文部省機構改革の大要であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願いいたす次第であります。
    ―――――――――――――
#16
○齋藤委員長 次に運輸省設置法案の説明を求めます。坂田運輸政務次官。
    ―――――――――――――
#17
○坂田政府委員 ただいまより運輸省設置法案の提案理由について御説明申し上げます。
 國家行政組織法は、六月一日から施行されることとなつておりますが、これに伴いまして、從來行政官廳法のもとに、暫定的に存続を認められて來た運輸省官制、氣象官署官制、海運局官制等を廃止しまして、國家行政組織法の基準のもとに、運輸省の中央組織のみならず、地方組織、外局、付属機関を網羅して、その所掌事務の範囲を明確にし、あわせて運輸省のおもなる権限を規定した運輸省設置法を制定することが必要となつたのであります。
 他方におきまして、このたび國営事業として行つて來た國有鉄道事業が公共企業体として、すなわち日本國有鉄道として六月一日から発足し、運輸省から独立して、企業と行政の分離を行うことになりましたので、運輸省の機構の再編成を必要としたことと、さらに内閣の方針としての行政の簡素化の見地から、運輸省関係の行政機構を刷新することになつたので、新たなる構想のもとに、運輸省設置法案を提出することになつた次第であります。
 以上簡單にこの法律案を提案いたしました趣旨を御説明申し上げましたが、次にこの法律案の内容の概略とともに、從來の運輸省関係の行政組織と異なる点について御説明いたしたいと存じます。
 この法律案は、國家行政組織法において定められた基準に從つたため、各省の設置法とほとんど同樣であります。第一章の総則中第三條は、運輸省の行政上の任務の大略を定めたものでありまして、運輸省の任務として、水運、陸運、港湾、船舶、陸運機器、船員、観光、氣象、倉庫業、海上保安、海難の審判を一体的に遂行する責任のある官廳であることを明らかにしたものであり、第四條は、運輸省の所掌する事務の動的部面を明確にしたものでありますが、権限が発動する対象は、人の場合が多いので、主として國民に権限を行使する場合は、いかなる場合であるかを列挙的に規定しております。
 第二章は、本省の組織を定めたのであります。その第一節は、運輸審議会の規定でありますが、これは運輸行政が公共の福祉と密接な関係にあるところから、運輸行政を公平かつ合理的に行い、行政の民主化をはかるため、運輸審議会という機関を設けることにいたしました。そして運輸行政のうち、公衆と最も関係の深い、運輸事業の免許、運賃の決定等を運輸審議会に諮り、その意見を尊重して行うことにいたしました。運輸審議会の委員は七人で、会長には運輸次官をもつて充て、他の委員の任命は國会の同意を要することにいたしました。
 第二節は本省の内部組織でありますが、從來鉄道総局、海運総局、陸運監理局の二総局一局のもとに、十三局四部の組織があつたのでありますが、日本國有鉄道の発足という理由と、行政機構の整理という見地から、海運、舶舶、舶員、港湾、鉄道監督、自動車の六局と、大臣官房の観光部のほか、海運局内の海運調整部、鉄道監督局内の國有鉄道部と民営鉄道部、自動車局内の業務部と整備部の六局六部に圧縮いたしました。第十九條から第二十八條までは、大臣官房及び各局の所掌事務の範囲を規定したものであり、各局の事務担当の分配を明らかにすると同時に、大臣官房及び各局の事務を合した総体をもつて見ますれば、運輸省の所掌事務の範囲を明らかにし得るのであります。
 さらに第三節は、本省の付属機関でありまして、運輸省に残置する付属機関として、中央氣象台、船舶試驗所、海務学院、高等商船学校、海技專門学院、商船学校、航海訓練所、海員養成所を規定しましたが、このうち高等商船学校と商船学校とは、國立学校設置法に基く商船大学、商船高等学校としたいと考えておりますが、一應從來のまま規定いたしました。なお、その他の附属機関として船員職業安定審議会と、期間よう船料審議会と造船技術審議会とがあります。
 第四節は、地方支分部局でありますが、これには、海運局、公共船員職業安定所、港湾建設部と陸運局とがあります。海運局、公共船員職業安定所及び港湾建設部は現状通りでありますが、陸運局は、現在の特定道路運送監理事務所の事務に從來鉄道局等で所掌していました鉄道、軌道、小運送、倉庫、鉄道車両製造事業等の監督行政事務を一元化して陸運局の所掌とし、日本國有鉄道の発足とともに設置することになつたのであります。なお都府縣ごとに置かれてある道路運送監理事務所は、八月三十一日まで暫定的に存置し、九月一日以降は特に國家行政事務として行わせる必要があるものを、陸運局の分室を設置して所掌させることにし、その他の事務は地方公共團体に委讓することにいたしました。陸運局の分室の設置につきましては、國会の承認を求めるべく、あらためて御審議願うことといたします。
 次に第三章は、運輸省に置かれる外局でありまして、これには船員労働委員会と海上保安廳とがありますが、これらにつきましては、詳細はそれぞれ労働組合法、海上保安廳法の規定に讓ることといたしました。また、從來運輸大臣の所轄のものとに存在していた海難審判所につきましては、このたび海上保安廳の所轄のもとに移して、審判につきましては、從來通り独立して職権を行うようにいたしました。
 最後に、附則のことについて一言いたしますれば、これは経過規定を明らかにしたことと、機構改正に伴う関係法令の整理を規定し、「鉄道局長」を「陸運局長」と改め、または「海運総局長官」を「運輸大臣」と改める等、所要の改正をしたのであります。
 以上この法律案の制定の趣旨及び内容の概略を御説明いたしましたが、この法律案は國家行政組織法との関係から、六月一日から大部分を施行いたしたいと存じます。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決あらんことを御願い申し上げる次第であります。
    ―――――――――――――
#18
○齋藤委員長 次に労働省設置法案の説明を求めます。鈴木労働大臣。
    ―――――――――――――
#19
○鈴木國務大臣 労働省設置法案を審議せられるにあたりまして、提案の理由を御説明いたします。
 現行の労働省設置法は、労働省の発足に際し、昭和二十二年八月第一回國会において、成立を見たものであります。爾来労働省といたしましては、所期の目的達成のため、種々努力して参つたのでありますが、今回内閣の方針による行政機構の整備と、六月一日から施行されることとなりました國家行政組織法の関係上、これにつき若干の改正を必要とするに至つた次第であります。
 その要点について申し上げますと、第一に行政機構の整備に関連いたしまして、労働統計調査局を大臣官房の労働統計調査部といたしたことであります。労働省の行政の合理的遂行の基盤として、科学的に、的確な統計調査の重要なことは申すまでもありません。今回の改正は決してこの重要性を軽視したものではなく、今後とも労働統計調査部は、大臣、次官直轄のもとに、各局に関係のある統計調査に万遺憾なきを期する所存であります。
 なお、これ以外の労働省関係の行政機構は、すべて現状通りとなつております。
 次に國家行政組織法の実施に伴う改正点でありますが、これらにつきましては、形式的な規定の整備であつて、実質的には何ら現状に変更を加えるものではございません。すなわち、現行法に対する改正要点の第三條「労働省の任務」、第四條の「労働省の権限」、第二章第二節の産業安全研究所等の「附属機関」、同じく第三節の都道府縣労働基準局等の「地方支分部局」、第三章「外局」、第四章「職員」等の規定は、すべて現状または他の関係法令に規定するところを、そのまま規定したものであります。
 最後に失業保険委員会は、この法律案が施行される六月一日から、中央職業安定審議会に統合されることとなつておりますので、この法律案の附則でその官制を廃止することといたしました。
 以上概要を御説明いたした次第でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
   ―――――――――――――
#20
○齋藤委員長 次は通商産業省設置法案の説明を求めます。稻垣商工大臣。

#21
○稻垣國務大臣 政府は、先般來通商産業省の設置について、鋭意愼重な檢討を進めて來たのでありますが、今回ようやくその成案を得るに至りましたので、ここに通商産業省設置法案を國会に提出して、御審議を仰く次第であります。
 申すまでもなく、日本経済の自立と安定とは、輸出の振興と生産の増強とにかかつているのでありますが、終戰以來、商工省はこの二つの重大な使命を担当するため、商工本省、石炭廳及び貿易廳を中核とし、さらに特許局、中小企業廳並びに工業技術廳を擁しまして、鋭意國力の回復に努力して参つた次第であります。幸いにして、連合國の好意ある対日援助と官民一体の努力とにより、鉱工業生産は順調な上昇を示し、インフレーシヨンも漸時緩慢化いたしまして、経済安定のきざしが見え始めましたことは、まことに喜びにたえない次第であります。しかしながら、國際経済への参加態勢を確立し、わが國経済の自立を達成するためには、さらに輸出産業の飛躍的な振興をはかり、貿易と生産との連繋をより一層緊密ならしめることが肝要なのでありまして、いわゆる経済安定九原則の指令も、まさにこれを要求しているものであります。ここにおいて政府はわが國経済が本質的に國際通商を基本とする交易経済であること、並びにわが國が現在置かれている國際情勢に深く思いをいたしまして、産業行政の方向を、從來のごとき國内経済中心主義から、進んで國際通商主義に切りかえ、一日も早くわが國経済の自立を達成することを決意し、從來の商工省を解体いたしまて、ここにまつたく新たなる構想のもとに、通商産業省を設置するに至つた次第であります。
 法案の詳細な内容につきましては、審議の途上、逐次御説明申し上げることといたしたいと考えますが、以下その概要を申し述べますならば、通商産業省は、通商関係部局及び輸出品生産原局からなる本省、國内資源に関する行政をつかさどる資源廳、從來の特許局に相当する特許廳並びに工業技術廳及び中小企業廳から構成されております。なお通商関係事務の重要性にかんがみまして、特に通商監を設け、次官を補佐して通商に関する事務を整理せしめることとなつております。
 まず第一に、本省は大臣官房並びに通商局、通商振興局、通商企業局、通商纖維局、通商雜貨局、通商機械局、通商化学局、及び通商鉄鋼局の八局から構成せられております。通商局は、通商に関する政策並びに物資需給計画及び輸出入計画を立案し、その推進をはかる通商産業省の中核的部局であります。またこの局におきましては、輸入物資が生産計画に重要な役割を果すことにかんがみまして、輸入に関する業務をつかさどることとなつております。通商振興局は、通商局が主として政策面を担当いたしますのに対し、通商金融、輸出品の檢査、輸出品の展示紹介等の通商振興上の実施面を担当することとなつております。また輸出に関する事務は、通商産業省所管の物資につきましては、後ほど御説明いたします通り、それぞれ物資別の局で担当いたしますが、他省所管の物資に関する輸出事務は、この通商振興局でとりまとめて処理することとなつております。次に、通商企業局は、單一為替レート設定を契機とする國際経済体系との接触に備えますためにも、また急速なる経済安定を目途とする本年度の嚴格なる財政金融政策に対処いたしますためにも、國内産業の徹底的な企業合理化を促進することが急務となつて参りました現状におきまして、企業合理化に関する調査、指導及び啓蒙を行うことを主たる任務といたしておるのであります。
 次に、通商纖維局以下五つの物資別の局が設けられていますが、通商纖維局におきましては、輸出品の大宗をなす纖維工業品の生産と輸出並びに國内衣料品の配給に関する事務をつかさどり、通商雜貨局におきましては、輸出用雜貨工業品と生活用品との生産と輸出に関する事務を通商機械局におきましては、機械器具、自動車等の生産と輸出に関する事務を通商化学局におきましては、化学工業品の生産と輸出並びにアルコール專賣に関する事務を、また通商鉄鋼局におきましては、鉄鋼の生産と輸出に関する事務をつかさどることとなつております。
 以上が本省機構の概観であります。
 次に通商産業省の外局といたしましては、資源廳、工業技術廳、特許廳及び中小企業廳の四廳が設置されることとなつております。
 まず第一に、資源廳はその長を長官といたしまして、通商と比較的関係の乏しい資源関係の局をとりまとめることとし、長官官房のほか石炭管理局、石炭生産局、鉱山局、鉱山保安局及び電力局の五局から構成されております。このうち、石炭管理局におきましては、主として從來の石炭廳の管理局配炭局及び亞炭局の所掌事務を、石炭生産局においては、生産局、開発局及び資材局の所掌事務をつかさどり、また鉱山局は從來の鉱山局の、電力局は電力局の所掌事務をつかさどることとなつております。また鉱山保安局は、別途今國会提案の上御審議を仰ぐこととなつております鉱山保安法の施行に関する事務をつかさどり、鉱業に関する保安を確保して、鉱山労働者に対する危害を防止し、鉱物資源の合理的な開発をはかることを主たる任務とするものであります。石炭、鉱物、電力等の國内資源の開発と利用とは、從來商工省が最も力を注いで参りましたところでありますし、またわが國経済復興のためには、今後ともますます強力な行政的措置を必要といたしますので、通商産業省の新機構におきましては、これを独立の省にも比すべき強力簡素な機構を有する資源廳において所掌せしめることといたしました。
 次に、工業技術廳は、鉱工業の科学技術に関する試驗研究並びにその成果の普及をはかることを任務とするものであり、特許廳は特許権その他の工業所有権に関する事務をつかさどり、また中小企業廳は、中小企業の指導及び振興をはかることをその任務とするものでありまして、ほぼ現在の機構を踏襲いたしております。
 以上が通商産業省の中央機構の概要でありますが、さらに地方機構といたしましては、現在の商工局と地方貿易事務局とを合体いたしました通商産業局を全國八箇所に設置しまして、本省並びに外局の事務を分掌せしめ、さらに全國四箇所の主要炭田地域に石炭局を設置いたしまして、石炭鉱業の國家管理に関係する事務をつかさどらしめることといたしました。なお商工局の出張所は、これを七月三十一日まで存置せしめ、その間経済統制事務の地方廳委讓の準備を推進し、八月一日以後におきましては、必要最小限度の地に通商産業局の分室を設置することといたしました。なほまた主要貿易港の所在地には、通商事務所を設置しまして、通商関係事務の迅速な処理をはかりたいと考えております。
 以上申し述べましたところが、本法案の提案理由とその内容の概要でありますが、政府におきましては、この法案の一日でも早い実施によつて、相應の効果のあるべきことを確信し、かつ日本経済の自立確立のためにも、行政機構の面において一日もすみやかにその態勢を整備する必要があると考えまして、各省設置法に先だち、五月二十日の施行を目途として、その準備を進めている次第であります。
 何とぞ政府の意の存するところを了とせられ、大局的見地より御審議御協賛あらんことを切に希望する次第であります。
#22
○齋藤委員長 これで諸般の説明は終りました。
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#23
○齋藤委員長 この際ちよつとお諮りいたすことがあります。文部委員会、大藏委員会、労働委員会、外務委員会、逓信委員会から、それぞれ設置法案について連合審査会を開きたい旨の申出がありますので、これらの常任委員会とそれぞれ連合審査会を開くことに御異議ございませんか。
#24
○齋藤委員長 さように決します。なお開会については各常任委員会と協議をして決定をいたしますが、現在の予定を申し上げますと、本日午後に法務委員会、二十六日の午後に文部委員会、二十七日の午前に労働委員会、午後大藏委員会、二十八日の午後に逓信委員会、三十日の午前に外務委員会とそれぞれ連合審査会を開く予定でございますが、これは予定であますから、あるいは事情によつて変更することがあるかもしれませんが、その点につきましては委員長におまかせをお願いいたします。
 本日はこれで散会いたします。
    午前十一時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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