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1949/05/20 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第26号
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1949/05/20 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 内閣委員会 第26号

#1
第005回国会 内閣委員会 第26号
昭和二十四年五月二十日(金曜日)
    午前十一時三十分開議
 出席委員
   委員長 齋藤 隆夫君
   理事 青木  正君 理事 池田正之輔君
   理事 小川原政信君 理事 尾関 義一君
   理事 吉田吉太郎君 理事 勝間田清一君
   理事 床次 徳二君 理事 木村  榮君
   理事 鈴木 幹雄君 理事 小林 信一君
      江花  靜君    佐藤 榮作君
      關内 正一君    高橋 英吉君
      丹羽 彪吉君    根本龍太郎君
      柳澤 義男君    山口六郎次君
      山本 久雄君    成田 知巳君
      小野  孝君    土橋 一吉君
      岡田 春夫君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 池田 勇人君
        國 務 大 臣 殖田 俊吉君
        厚 生 大 臣 林  讓治君
        農 林 大 臣 森 幸太郎君
        商 工 大 臣 稻垣平太郎君
        運 輸 大 臣 大屋 晋三君
        逓 信 大 臣 小澤佐重喜君
        労 働 大 臣 鈴木 正文君
        建 設 大 臣 益谷 秀次君
        國 務 大 臣 青木 孝義君
        國 務 大 臣 本多 市郎君
 出席政府委員
        内閣官房長官  増田甲子七君
        総理廳事務官
        (行政管理廳管
        理部第一課長) 佐藤  功君
        人事院総裁   淺井  清君
        大藏事務官
        (主計局長)  河野 一之君
        逓信事務官
        (総務局長)  大野 勝三君        
        逓信事務官
        (労務局長)  浦島喜久衞君        
        労働事務官
        (職業安定局
        長)      齋藤 邦吉君
五月二十日
 委員田中萬逸君辞任につき、その補欠として關
 内正一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事坂本泰良君及び有田喜一君の補欠として勝
 間田清一君及び床次徳二君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
五月十九日
 飼料配給公團存置の陳情書(大阪府畜産協会長
 高田敏一外十四名)(第四八九号)
 價格調整公團石砂部廃止の陳情書(徳島縣商工
 会議所会頭篠原浩一)(第四九五号)
 都道府縣衞生部存置の陳情書(日本助看保協会
 奈良縣支部長今西義子)(第四九六号)
 府縣林務部廃止反対の陳情書(徳島縣森林組合
 連合会会長大久保甚吉外三名)(第五〇〇号)
 石巻測候所存置の陳情書(石巻市長堺武志外十
 一名)(第五〇四号)
 藥務局存置の陳情書(大分縣藥剤師会長西田大
 次郎)(第五一一号)
 恩給法臨時特例一部改正の陳情書(熊本市本山
 町五百六十六番地船山シゲ)(第五二三号)
 釧路司法事務局大樹出張所存置の陳情書(北海
 道廣尾郡大樹村長高橋新市外八名)(第五二四
 号)
 松江市に監理局分室設置の陳情書外一件(島根
 縣乘合旅客自動車協会長高橋米右衞門外一名)
 (第五二五号)
 各省設置法及び定員法施行反対の陳情書外二十
 二件(東京都杉並区大宮前一丁目三十七番地南
 坊進策外二百十一名)(第五三〇号)
 都道府縣衞生部存置の陳情書外三件(愛知縣一
 宮保健所運営協議会長伊藤一外二十六名)(第
 五三二号)
 資材調整事務所存置の陳情書(宮崎縣都城市酪
 農協同組合連合会代表表井上輝夫)(第五三六
 号)
 都道府縣衞生部存置の陳情書外一件(廣島縣安
 藝保健所)(第五四一号)
 飼料配給公團独立存置の陳情書(鹿兒島縣飼料
 配給公團存置委員会)(第五五五号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関す
 る法律案(内閣提出第一四一号)
 行政機関職員定員法案(内閣提出第一九六号)
 行政機関職員定員法の施行に伴う関係法令の整
 に関する法律案(内閣提出第二一〇号)
    ―――――――――――――
#2
○齋藤委員長 これより会議を開きます。
 日程に入ります前に申し上げておきたいことがあります。昨十九日に委員坂本泰良君、有田喜一君及び北村徳太郎君が辞任せられまして、その補欠として同日議長の指名で、勝神田清一君、小野孝君及び床次徳二君が補欠選任せられましたことを御報告申し上げておきます。
 なお委員を辞任せられました坂本泰良君及び有田喜一君は理事でありますので、理事の補欠選任を行わなければなりませんが、委員長において御指名いたすことに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○齋藤委員長 御異議がなければ、勝間田清一君、床次徳二君、この両君を理事に御指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○齋藤委員長 これより行政機関職員定員法案を議題といたします。政府委員が來られておりますところから御質疑をしていただきたいと思います。質議の通告がありますからこれを許します。成田委員。
#5
○成田委員 小澤逓信大臣にお尋ねをいたします。この前に本多國務大臣と淺井人事院総裁がおいでになりましたときに、行政整理の基準はどこが責任を持つて設定されておるかということを質問いたしましたところ、淺井人事院総裁は、今回の行政整理に対しては、人事院は関與しない、こういう非科学的な行政整理に対しては、責任を持てないからということで全然タツチされない、從つて整理基準も示す用意がないということを申された。ところが本多國務大臣は最初人事院にやつてもらうつもりであるということを言われましたが、両者の答弁の食い違いから、結論といたしまして、各行政官廳の大臣の責任において整理基準を設定する、そういう御答弁があつたのです。この整理基準というのは言うまでもなく、現在首切りの恐怖にさらされております各國家公務員にとつてみては非常に大きな関心の的だと思います。全逓は今回約四万八千の首切りを断行されるという政府の御方針らしいのですが、そういたしますと、この四万八千人の首切りにつきまして、六月一日から実施されるわけでありますから、当然具体的な整理基準をお持ちになつておると思いますが、その整理基準をお示し願いたいと思います。
#6
○小澤國務大臣 行政整理にあたりまして、整理基準の決定ということが非常な重大な影響がありまして、この基準の巧拙によつて相当行政整理が円満に行く、あるいは円満に行かないという場合があり得ると思うのであります。從つて政府はこの問題については、きわめて愼重に考慮いたしておりまして、当初逓信省というのではなくして、政府全般といたしましてこの問題を取上げて、いろいろ研究いたしたのでありましたが、その中間に本多國務大臣からの報告によると、大体客観情勢から推して、人事院でその標準をきめることになるであろうという報告がありました。その後人事院がきめないというようなことはまだ伺つておりませんけれども、今成田君の御指摘の点を伺いますと、あるいはそれは実行にならないのではないかという感じを今持つております。しかしながらもし人事院がそういう基準を設けない場合には、もちろん政府が責任をもつてこれを決定しなければならぬ問題であります。その場合において、逓信省としてきめるか、また各省別にきめるか、政府全般として各省共通の基準をきめるかということについては、まだ最後の決定をいたしておりません。私の考えでは、この問題はどうしても單に逓信省あるいは運輸省だけというような別個な方法ではなくして、政府全般でこの基準を設けまして、さらに各省に特殊な事情がありますれば、その一般の基準を政府がきめた後に、各省の特殊なる基準をさらに除外的に適用することによつて、円満な行政整理を敢行したいと思つております。從つて現在といたしましては、政府としてはまだ決定いたしておりません。
#7
○成田委員 六月一日からすでに行政整理をやろうというときに、まだ整理基準がきまつてないということは、まことに政府の怠慢だと私は思う。特に今小澤さんのお話によりますと、本多さんの方から何らの通知に接してないと言われたのでありますが、数日前の本委員会におきまして、はつきり淺井人事院総裁は、この整理基準について何らの自分たちは意見を示す用意はない。これには関與しないという御答弁がありまして、本多さんも、最初は人事院の方においてやつてもらうつもりだつた、しかしながら人事院総裁がそういう考え方なら、各省大臣の責任においてやるということをはつきり言われておる。こういう重要な問題について、まだ連絡がないということはまことに閣内不統一だと思う。特に行政整理に対する政府の意図がどこにあるかということを、私たち疑わざるを得ないのであります。今のお話で、まだ何らの整理基準というものが示されてないということに対して、遺憾の意を表するものでありますが、これはいくら追究いたしましても、いたしかたないので、できるだけ早く合理的な整理基準をお示しになつて、これを天下に周知させていただきたいということを要望いたします。
 それからこの整理について私たちが考えるのは、今整理基準が示されてないということは、結局政府は整理基準を示されないで、漠然たる抽象的な基準を設けられまして、政府の意に沿わないような者を、どんどんこのたびの行政整理の名において解雇して行くのではないかという心配があるわけです。その一つの例として労働組合の幹部だとか、労働組合運動を熱心にやつた者を、まず第一にやり玉に上げるのではないかという疑義を持つものでありますが、その点に対して小澤運輸大臣は、逓信関係においてどういう御方針を持つか。特に逓信省は労働組合運動の発達したところで、幹部の考え方いかんによつては、こういう方面に行政整理の方向が向けられるのではないかという危惧を持つものであります。この点はつきり承りたいと思います。
#8
○小澤國務大臣 先ほどの答弁に対して、六月一日に実施するのに基準がきまつてないから、怠慢じやないかという意見がありましたが、六月一日から開始することができるのであります。最後は九月三十日までにやるというのでありますから、その点早い方がなおけつこうでありますけれども、今回のこういうさしあたりの対策に追われておつて、いまだ決定にならぬことを御了承願いたいと思います。さらに労働組合運動に從事する執行委員とか、その他役職員に対して特に行政整理をするかしないかという問題でありますが、これはせんだつて私のところに全逓の幹部諸君がたずねて來て、やはりそういう質問を受けたのであります。そのときの質問を参考までにお話しますと、どうも政府はさしあたり労働組合に從事しておる労働組合の幹部をやり玉に上げるというわざがあるので、人によつては労働組合の幹部になるのを好まない人があるという実情であるが、実際はどうかというお話があつたが、これはとんでもない、公務員法が制定されて、この公務員法のわく内で團結権、團体権を認めた以上は、その代表者として合法的な運動をするのに、これを馘首するというばかなことのあるうわさはないじやないか、君たちはそういつた意味において、われわれの考え方を誤解しているんじやないかということを言いました。しかしながら逆に、それでは労働組合の幹部をやつておる人だから行政整理の対象にしないとかするとかいうことはできません。一般職員と同じように見てこれをやるのであります。
#9
○成田委員 ただいまの大臣の御説明のうちに、六月一日から開始して九月三十日までにやる方針だから、整理基準をまだ設けてないということは、必ずしも怠慢ではないと言われましたが、これに関して大体逓信省関係として六月に幾ら、七月に幾ら、八月、九月に幾らという御方針を持つておられると思いますが、それをお示し願いたいと思います。
#10
○小澤國務大臣 逓信省内で、私たち別に政府に関係なく、消極的な行政整理の方途をすでに今実施いたしております。というのは私が二月に就任しましたが、当時当然わが常内閣は行政整理を敢行するという前提のもとに、これをした場合における現実に馘首される人は、たとえ一人でも少くするのがわれわれの本旨であり、またそれが國家のためにもなるという見地に立ちまして、私が就任すると省議を開いて、新規採用は一切まかりならぬという通牒を発した。もしどうしても新規採用をしなければならぬ、たとえば私の方の所管で言えば、小さい郵便局は三人二人のところで、二人なくなつてしまつては補充しないわけには行きませんので、その場合には配置轉換というようなことを考えて、できるだけ新規採用をするな、また新規採用をする場合には、特に本省の許可を要するという通牒を出しました。從つて新規採用がされておりませんから、一箇月に三千ないし五千ぐらいずつ自然に整理されております。從つて三月、四月あるいは五月となりますと、かりに最低三千と見ましても、そこに自然的な淘汰による一万人ぐらいが出るのであります。であるから私が今申し上げたように、現実に馘首するものを一人でも少くしたいという念願のもとに早くから準備しておりますから、行政整理をする場合においては、非常にいわゆる犠牲者というものが少くなると思います。願わくは私としては行政整理によつて一人も、すなわち本人の意思に反して職を離れる人のないことを念願いたしております。そういう事情でありますけれども、一方予算は制限されておりまして、これを九月に整理した場合と、六月に整理した場合では、予算上の計数が相当違つて参ります。でありますから私どもは予算とにらみ合せて、予算の見通しがつくものでありますならば、できるだけ遅くこれをやりたい。遅くやることによつて一人でも少く犠牲者が出るように、こういう見地に立つておりますので、現在六月に幾ら、七月に幾ら、八月に幾らなどということはまだ考えておりません。犠牲者のないことを今一生懸命努力しております。
#11
○成田委員 逓信委員会で、最初三万八千の首切りを予定しておつたのを、四万八千人に増員した理由について質問があつたとき、小澤さんは、少しでもたくさん整理した方が國民大衆のためになるのだというような御答弁だつたというので、日ごろの小澤さんにも似合わない御答弁だと思つておつた。ただいまの御答弁によりますと、非常に親心を示されて、自然退職によつてできるだけ行政整理による退職というものは少くしようという御方針を持つておるらしいので、まことに私ども喜ばしく存じます。ただいま承りますと、大体月三千人ぐらいの自然退職者ができるというお話でおりますが、そうすると四万八千という目安は相当減らされると考えてよいのでありますか。もし減らされるとすれば、どのくらい減らされるか。大体の数字でよろしゆうございますから、お示しを願いたい。
#12
○小澤國務大臣 その逓信委員会で私が、一人でも多く首切ることは國のためだというようなことをだれにあなたはお聞きになつたか知らぬが、そんなことを言つた覚えはないのです。ただ三万八千人に対して四万八千人ということを言つたというのは、要するに逓信省がサービスを落さないで事業をやつて行ける、その最小限度がここであつて、それが現在の客観情勢から、それだけ國民負担の軽減になるのだから、それは多くなつたことが必ずしも全部惡いのでもないし、少くなつたことがいいのでもないという趣旨で、財政的負担という方面だけを言つたので、私が三万八千を四万八千に、多々ますます弁ずるというような意味で言つたのでないことは御了承を願います。それから報告が遅れましたが、全逓四十万ありますと毎日退職者があります。これはまた月によつて異動もありますが、大体現在すぐ行政整理をするとすれば、二万人は減らされ得ると思います。從つてあと二万八千人が現在実際に行政整理の対象になるのじやないかと考えております。
#13
○成田委員 現在というのはきよう現在において整理をすると、四万八千人から二万人を引いて二万八千人という御説明ですか。それともきよう現在の状態から想像すると、九月三十日現在において、四万八千人より二万人少い二万八千人ということになるのか、どちらですか。
#14
○小澤國務大臣 これは統計をとつたのでもなく、私の胸算用ですから、これは違つておつたからといつて、私が違つたことを言つたのであるということを言わないように願いたいのですが、現在のような状態で、三月三千、四月三千というような計算をして、また実質と予算定員との差を比較した場合には、大体二万人は四万八千人から引いて行政整理ができるであろうという現在の見通しであります。しかしながら先ほども申し上げます通り、この二万人を二万八千人、あるいは三万八千人にいたいという努力で進むことは御了承を願います。
#15
○成田委員 それから退職手当の問題でございますが、これは本多國務大臣から詳細御説明があるだろうと思いますが、逓信省の整理基準の一つの参考としてお考え願いたいと思います。退職手当が平均六箇月分とか、七箇月分とかきまつた場合、予算の総額はきまつておる、それから整理人員も大体きまつておるということになると、平均六箇月ということになると、勢い給料の低い若い人を首切らなければならぬという結果になるのじやないかと思いますが、その点について、大臣はどういうようにお考えですか。
#16
○小澤國務大臣 私の方は御承知の通り予算面では三万八千人しか減員しておりません。これを四万八千人ということになるのでありますから、大体今度は公平な措置をとつて予算のために、たとえば四年以下五年以下というような、下に下げなければ措置ができないというような情勢にはならぬようにしたいと思います。
#17
○成田委員 それから私は退職手当の基準の問題でお尋ねしたいのですが、どういう形で出て参りますか、たとえば平均六箇月分の退職手当ということになりました場合、結局一箇月の給料というものが非常に問題になつて來ると思います。各官廳が平均してアンバランスのないようにされると思いますが、ただ問題は、この前の給與の再計算御承知の通り、全逓関係は他の官廳、――國鉄なんかと比較しましても、大体五号俸から六号俸低いという現在の給與のアンバランスの調整の問題におきまして、いい方にさや寄せしようという方針で給與実施本部も活動されておるらしいのですが、この給與のアンバランスが修正されない前に解雇されますと、逓信省は他の官廳よりも、結局月給の基準において五号俸、六号俸低いという不利な現状で、退職手当をもらわざるを得ないという結果になると思うのですが、これに対してどういう整理の案を持つていらつしやいますか。
#18
○小澤國務大臣 御承知のように給與にでこぼこがありますが、でこぼこがあるといいましても、大体運輸省が特に高いというのは御承知の通りであります。この問題につきましては、当然そういう問題が起りますが、われわれはできるだけ高い水準に持つて行きまして、その水準のもとに公平を保ちたい、こう考えております。ただ御承知の通り、この問題は政府として非常に力を入れておりますが、また客観情勢上実施されないのは非常に残念でありますが、その成立前にそういうことができるという言明もできませんので、現実にその面にぶつかりまして、この退職金を支給する場合においては、今私が希望しておる通りに行くかどうかはわかりませんが、少くともそういう不公平のない方法で、すなわち鉄道省は得だ、逓信省は損だという形が現われぬような措置を講じたいと思います。
#19
○成田委員 逓信省だけが不利な取扱いを受けないような措置を講じたいという大臣の御意見なんですが、現実にもし六月一日に解雇された人が出て、給與のアンバランスが修正されないとすれば、当然一月分について五号俸なり六号俸低い基準で退職手当をもらわざるを得ないという結果になると思います。それに対して措置を講ぜられるということは、私たちの考えといたしましては、もし給與のアンバランスがその後修正された場合に、追加支拂いをするということ以外にないのじやないかと思いますが、そういう意味に解釈してよろしゆうございますか。
#20
○小澤國務大臣 大体成田君の言う通りでありますが、この問題は今はどうこうということは言えませんけれども、たとえば六月一日に整理に当る。ところが、八月になつてからようやくバランスがとれるようになつたという場合においては、私の考えとしては、できるだけそれを遡及させるというような考えで行こうと思つております。
#21
○成田委員 最後に一つだけお尋ねいたします。これは二、三日前の委員会でも大臣に御質問申し上げたのでありますが、ちようど本多さんもおいでになつたのですが、この行政整理の定員から考えまして、二割、三割の天引き行政整理をやつたのでは、各省とも円滑なる行政事務の運用はできないということが数字的に上つておるわけなんです。それに対して政府はどういう処置をとるかという当委員会の質問に対しまして、本多さんは、ただ一つ、逓信省の例をあげられた。それは簡易保險事業の小額保險の保險契約というものをだんだん整理して行つて、こういう煩瑣な手数というものはなくすのだ、そういう合理化になつて人員の不足は補つて行くという説明をされたのでありますが、これに対しまして、私、小澤大臣にも御質問申し上げたのでありますが、この小額保險契約を解除するためには、約五箇年かかる。かえつて人間が多数いるのだ。そのために政府は臨時雇いだとか、あるいは仕事の一部を民間に委託するというような方針をとつておられるらしいということを御質問申し上げましたときに、たしか小澤さんは、そういうことはないだろうという御答弁があつたと思うのでありますが、そういう御答弁にもかかわらず、聞くところによりますと、東京管区の簡易保險支局長会議があす開かれる。これは小額の保險契約にも関連しておりますので、現在逓信省の仕事というものがいかに大きくて、現在の定員でもやり切れないという一つの証左になると思うのでありますが、この会議におきまして、九百人の臨時職員を雇うということが議題に上つておるそうであります。これにつきまして、こういう事実があるといたしましたら、政府は、今回の行政整理によつて十分能率を落さずに仕事がやれるという今までの言明とまつたく逆の結果を來すのでありまして、現在でもすでに九百人の臨時雇いを雇わなければいかぬ、それが支局長会議の議題に上つておるそうでありますが、はたしてそういう事実があるかどうか、お尋ねいたします。
#22
○小澤國務大臣 保險支局長会議が今日あるかどうかも、今うしろから聞いてわかつたような次第で、まことに相済みませんけれども、それは臨時雇いというようなことを考えないのではありません、法律の許す範囲内において、臨時の業務は、臨時雇いでやることが國家のためになると思います。たとえば、今はそういうことはありませんが、年末年始における年賀状がふえた場合に、臨時に雇う。これはふだんの人にやらせると、ふだんの事務量が減るということになりますから、從つて臨時雇いをしないということは申しかねますけれども、今保險支局において九百名とかなんとか臨時雇いをするというような問題は、ただいま話した通り、まだ聞いておりませんが、おそらくその仕事が臨時に要する仕事であるために、そういう相談をするのじやないかと思います。この問題は現実にやつておるとすれば、すぐ調べて、どういう事情でそういうことになつておるか、お答えいたすことにいたします。
#23
○成田委員 臨時という概念でございますが、これは労働法なんかを見ましても、臨時というのは、たいてい三箇月以内の期間を定めて雇用されるのが臨時ということになつております。政府の現在の方針といたしまして、定員法実施に伴つて不足となる人員については、臨時雇いをやろう、その一つの例が今申しました簡易保險の問題でございますが、簡易保險の解約を完全に実施するためにも五箇年間かかる。五箇年間という長期間を臨時雇いで雇うということは、臨時雇いの概念に入らないと思うのでありますが、そういうことはないと考えてよろしゆうございますか。
#24
○小澤國務大臣 この保險を小額から高額に切りかえるというのが、なかなか一ぺんにできないことは御指摘の通りであります。從つて三年も四年もの臨時雇いというようなことは、私は考えておりません。臨時雇いは大体二箇月が最高でありまして、二箇月の、時期的に事務量がふえた場合に臨時雇いを使うことは、こういう事業でありますから、たびたびあると思います。
#25
○成田委員 小澤さんに対する質問はこれで終ります。あと本多さんに御質問したいのですが、小澤さんに対する御質問があつたら、ほかの方にひとつ……。
#26
○土橋委員 私は小澤逓信大臣に、ただいま逓信省が出しておりますところの定員法に関する基本的な問題の内容をお聞きしたいのでありますが、まず整理基準、逓信省としてはどういう関係のものを整理するか、その整理基準と、これは本多國務大臣にも関連をしておりますが、その整理をした者のあとの退職の関係についての予算措置等について、両大臣のうちどういうふうなお考えを持つておられるかという点を、まず根本的にお聞きしたいと思います。
#27
○小澤國務大臣 土橋君が少し遅れて來られて、その問題は、今成田君から詳細に質問がありまして、お答えしましたけれども、重要な問題ですから、重ねてお答えします。
 つまり整理基準という問題は、先ほども私は申し上げましたが、基準の立て方によつては行政整理が円満に行く、円満に行かないの境でありますから、非常に重大な問題であります。從つてこの整理基準の問題は、政府におきましても、行政整理に着手すであります。しかしながら途中で本多國務大臣から、この基準は大体人事院でつくることになるかもしれぬというような報告がありましたので、一應この問題に対する檢討は中止いたしたのであります。しかし私の考えでは、この整理基準は、非常に大きい問題でありますから、逓信省だけの整理基準、あるいは運輸省だけの整理基準というものではなくて、今回の行政整理の対象になる全部の整理の原則をきめまして、この原則だけでは適用できませんような、逓信省は逓信省の特殊な事情があります。運輸省は運輸省で特殊な事情があります。でありますから、その特殊な事情に対する基準だけを逓信省できめる。あるいは運輸省できめるというような方針が、最もよろしいと私は考えております。しかしながらこの問題は、政府としてはまだ正式に決定いたしていないのでありまして、私はそういう方向に進むことを希望し、努力いたしますけれども、まだ現実の面におきましては、政府では整理方針を決定いたしておりません。はなはだ遺憾でありますが、成田君にも、六月一日から整理に入るのに、いまだその基準がきまらぬとは、政府の無能怠慢ではないかというふうにしかられましたけれども、そういうことになるかもしれませんが、大体私は六月一日に馘首するという考えはさしあたり持つておりません。どんなに早くても第一回を六月の末以前にはできないと思います。そういうふうに考えておりますから、今國会の方での問題で、非常に閣議も忙しいので、ほとんど朝から晩まで國会へ來ておるような始末でありますから、從つて國会でも済みますれば、ただちにこの問題を眞劍に檢討して、そうして先ほど申し上げた通り、最も妙を得た基準をきめることによつて、行政整理を円満に終了したい、こう考えております。
#28
○本多國務大臣 整理の基準につきましては、ただいま逓信大臣がお答えになりました通りに、これは任命権者が公正に執行していただく考えであります。御承知のように整理の場合の基準は、これは人事院の方で必要を認められました場合には、人事院規則で出ることがあるであろうということを今日まで申し上げて來たのでございますが、今もやはりそういうことには、かわりはないのでありますけれども、人事院から今回の行政整理について具体的に基準が示されない場合には、各省大臣がその任命権者でありますので、能率その他の事情等を十分勘案いたしまして、公正に執行していただく、こう考えております。さらに整理したあとの予算的措置についてはどうであるかというお尋ねでありましたが、実はこの整理いたしました人の給與が不用額になる面を生じて参ります。また一面においては退職手当に不足を來すという面が生じて参るのでございます。その他の予算の内容につきましても、できる限り流用をいたしまして、退職手当を最初の方針通り支給したいと思つておりますので、予算的な措置は、補正予算等の手段はこの際はとらないことにいたしましたが、内容においては十分調整をはかる、こういうことで処理して行く方針でございます。
#29
○勝間田委員 ちよつと関連して……。
#30
○齋藤委員長 ちよつと御注意しますが、質問の通告がたくさんありますから、関連質問もなるべく簡單に願います。
#31
○勝間田委員 今答弁を聞いておりますと、整理基準は、國会が終了してからでも考えてみようというような御事情のようでありますが、これは非常に私は重要な問題だと思うのでありまして、予算がどのくらいに節減できるとか、あるいは首を切つたあとをどう処理するかという問題も明らかにしておきたいと同時に、整理基準というものはやはり明確にしておかないと、これは十万人というような人たちを首切る場合の非常に大きな問題だと思うのでありまして、その意味で委員長はこの問題を、國会の終了後にこれを整理するのだからいいのだということで、十分この審議を果せると思いますか。その点をひとつはつきりお聞かせ願いたいと思います。
#32
○齋藤委員長 委員長の権限でそんなことはできませんよ。
#33
○勝間田委員 そうしますと、この整理基準という問題を十分に私は審議しないと、なかなかこの大きな首切りの問題の審議はむずかしくなると思うのでありますが、この点はどうかひとつ整理基準はぜひ政府の方で、一日も早くこの委員会の開会中に明確にしていただきたいことを、希望を申し上げておきます。
#34
○土橋委員 ただいま同僚議員からもお話がありましたように、少くとも吉田内閣は第二次吉田内閣において行政整理を声明し、第三次吉田内閣において本多國務大臣が担当せられるにあたりまして、國会はただいま終了まぎわでありますが、それに至りましても整理の基準の大義名分が明確に示されないで、行政整理を行わんとするこの政府の意図は、これは明らかに腰だめであり、何ら計画性と基準を持たない行政整理を政府は行うものであるということを明確にしたものであります。こういう点について、私は少くとも絶対多数をとつております民主自由党政府の方策とも、また考え方とも考えられないのであります。私はここに遺憾の意を十分表しまして、こういうような内容については、速急に國民に、またこの國会に、その明確なものを示さなければならぬということを申し上げておく次第であります。
 予算の点につきましても、ただいまいろいろな御説明があつたのでありますが、一体一般会計と特別会計でどの程度のものを見込んでいるか。さらに現在の予算ではどの程度これを加えなければ、現在政府が御予定になつている行政整理の内容を完全に遂行することができないかという点をお聞きしているのであります。遺憾ながら本多國務大臣もこういう点については十分檢討されていないような説明ぶりでありました。もちろんこれは大藏大臣の答弁すべき範囲も多少あるのでありますが、われわれが知つているところでは、現在政府は約五十億六千五百余万円を見込んでいるようでありますけれども、この内容は一般会計では約十五億五千二百万円程度見込んであるようであります。特別会計におきましては三十五億一千三百余万円を見込んでおるようであります。このほかになお実際当面かかります問題は、一般会計、特別会計を含めまして、政府の行政整理のきわめて過小評價した金額においても、さらに九十億余万円を要するのであります。そういうようなものがただいまの予備費の中のわずか十億程度の操作によつて、でき得るものとも考えられません。こういう点について本多國務大臣が明確な答弁をしないということは、いかにこの行政整理に対するところの政府の確固たる確信と、その方針を持つていかいかということを暴露するものであります。こういう点は本多國務大臣は、ほんとうにこの國会に対して十分なる責任を負わなければならぬと思うのであります。
 そこで私は次の問題に移りますが、一体本年度及び昨年度の郵便関係におきまして、郵政関係の中心でありますすべての普通郵便、特別郵便の物件数はどの程度であつたか、それに対して現在の人員はどの程度であつたか、これをまず御説明願つてみるならば、この郵政関係における行政整理がはたして妥当なものであるか、これは政策的な一方的な勤労階級の犠牲の上に打立てられんとするものであるかということが明白になりますので、ぜひともそういう物件数と人員をお示し願つて、そうして昭和二十四年度において逓信省が御予定になつている物件数は、どの程度見込んでいるか、これは書状もありましよう、またはがきもありましよう、また書留その他特殊物件もありましようが、すべてをひつくるめて大体どの程度の事務量を持つているかということを、まず御説明になつて、そうして明年度の御予定されている物件数というものをお示し願つて、そうして現在においてやれるかどうかという点から、まず郵便関係を中心にお聞きしたいのであります。
#35
○浦島政府委員 ただいま土橋委員の御質問でございますが、お手元に資料として差上げてあると思うのでありますが、各事業の昭和九年度と昭和二十四年度の取扱数の増加割合と、昭和九年度の人員と二十四年度予定されております人員との増加の割合を表にしましたのを差上げておるのであります。それによりますと、郵便におきましては、昭和九年度におきまして、一月の取扱物数が十七億八千八百万余であります。二十四年度は一月の取扱物数が十九億六千七百万余でございます。これを年に換算しますと、それの十二倍になるわけでありまして、大体昭和九年に比較いたしますと、物数が一割増になつておるのであります。人員におきましても、昭和九年におきまして郵便事業は六万九千二百四十七人でありますので、二十四年度七万五千九百三十六人と比較いたしますと、約一割の増であります。從つて取扱数量との比を見ますと、大体権衡がとれているということに私どもは解しておるわけであります。
#36
○土橋委員 ただいま私は昭和九年の資料なんかお聞きしていないのでありますが、今昭和九年の資料が出まして、十七億数千余万通の物件数と昭和二十四年度のお見込みが十九億数千余万物件数でありますが、常識上から考えまして、昭和九年当初におきましては、私も現業の一員としてよく承知しておりますが、当時の労働條件がいかに天皇陛下において高級官僚の権力を拡充し、いかに郵便各事業において從業員諸君の強制的労働を、しかも苛酷に強要しておつたかということは明瞭であります。現在民主主義が唱えられ、新憲法が制定せられ、しかも八時間労働が公式に法律で認められておる現状において、こういうようなばかげた資料をおとりになつておることは、逓信省はまだ根本的に人権の尊重なり、労働権の確立ということを考えていない一つの証左であります。從つて私は十九億余万通ふえるということについては、逓信省のためにも慶賀にたえませんが、しかしこの結果がただいまの労務局長のお話によりましてわかりますように、明らかに人員を整理することによつてこれが時間的にも、また仕事の量的な面においても、非常に苛酷になるということを証明しておるのであります。しかもこの前の超過勤務手当におきましても、三十四億余万円を昨年度では出しているにかかわらず、今年度は十七億余万円しか出していないのであります。こういう方面から見まして、物数取扱いの面から見ても、明らかに今度の行政整理は、民主自由党を中心とする吉田内閣の政策的な規定であるということを明確に示しておるのであります。從つて私はただいまの御答弁で、まことに逓信省は逓信從業員の上に、独立財算制を強行するために、苛酷な労働強化をしておるということを証明しておると思うのであります。
 さて次は郵便貯金関係におきまして、やはり昨年度の貯金目標額と、これに対する從業員の実働員の総数、及び今度の貯金目標額と、それから定員を減らされる内容につきまして、これに明確に出ておりませんので、現在貯金局全從業員諸君、これは郵便局所において貯金事務を取扱うものをひつくるめて、單に貯金局支局間のものではなくして、全國のこれに関係するものを入れまして、どの程度にお見込みであるか、御説明願いたいと思うのであります。
#37
○浦島政府委員 先ほど昭和九年度との比較を申し上げましたが、これは二十四年度の予算を編成します場合に、昭和九年の能率を基準にして、これを計算したのであります。土橋さんも元逓信省にいらつしやいましたので御承知のように、現業の人員は、詳しい、こまかい、詳細なる能率によりまして算出をいたしておるのであります。これは長い間それでやつておるのでありますが、昭和九年におきまして最も業務の運行におきまして、すべての点におきまして平常な状態でありました。その平常な状態におきまする能率が最も正しいと考えまして、その昭和九年におきまする能率をとりまして、二十四年度の物数を取扱量から算出をいたしたのでありますので、從つて昭和九年を基準として比較した方が最も妥当であるということで、昭和九年と比較したわけであります。しかしながらただいまお話のように、昭和九年と今度労働條件が非常に違うという点もあると思います。しかし御承知のように、郵便事業におきましても、四十八時間制は戰後労働基準法によりまして、しかれたのでありますが、昭和九年ごろの実際の実働平均を見ますと、一日八時間以上九時間ないし十時間になつておるのでありまして、決して労働時間が今日と著しく違うというわけには参らないと思うのであります。なるほど他の労働條件につきましては、たとえば作業関係とか、資材その他の面におきまして、いろいろ違う点もありますが、この点はできるだけ改善をいたしまして、少くとも昭和九年度の能率より、今後の事業の能率を上げて行きたい、こういう考えでおるわけであります。
 なお貯金、保險等の数字におきましては、やはり例をとりまして、そこに印刷物を差上げてありますが、それをごらんおきを願いたいと思うのであります。
#38
○土橋委員 私はただいまの浦島労務局長の答弁は何を言つておりますか、おそらく他の委員諸君にもわからないと思うのであります。こういう無責任な高級官僚がたくさんおつて、逓信省の職をはんでおるのが現在の実情であります。これはまことに遺憾にたえないのでございます。私は昭和二十三年度の貯金の目標額はいかようであるか、それに対して実働の人員はいかように働いておつたか、そうして昭和二十四年度の逓信省のお見込みはいかほどの目標を持つておられるか、それについては現在いかような御方針であるかということをお聞きしておるのに、しごく要領を得ない答弁であるのであります。これは速記録をごらんになつてもわかると思いますが、かようなことでわれわれはこの國会においてよろしゆうございますということを申し上げることはできないのであります。これはおそらく與党であられます民主自由党の皆さんといえども、このような答弁をもつてして、貯金関係の厖大なる目標、特に貯金が奬励されておりますが、こういう民自党の政策の一環に協力できるとお思いでありましようか、もう一回明確にただいまのところを御答弁願いたいと思うのであります。
#39
○浦島政府委員 土橋さんの御質問は二十三年度の目標額、これはよくわかつております。但し取扱業務量と人員とどういう労働過重になるかという一つの例といたしまして、昭和九年との比較をとつたのであります。二十三年度以降におきまするたとえば貯金とか、保險等の目標数につきましては、なお詳細な正確な数字をただいまここで手持がございませんので、なお後ほど御報告申し上げたいと思います。
#40
○土橋委員 政府委員がいかに不熱心で不勉強であるか、ただいまの御答弁によつてわかるのであります。從つてこういうような、特に貯金関係は、これは民自党のインフレ收束政策から見ましても、きわめて重要なものであります。なるほど内容は零細な貯金を集約しておるのでありますが、國民経済に及ぼす影響と、その運用がまたきわめて重大であります。從つてわれわれはこういう貯金関係が大藏省の特殊金融課から逓信省に移管せられることを要求してやまない次第も、地方還元という重大な問題を含んでおるからであります。特に地方財政は各公共團体においても非常に逼迫をしておるのであります。從つて地方配付税配付に関する問題、あるいはその他の公共事業費にからみましても、この問題はきわめて重要な問題であるにかかわらず、政府の諸君が満足な答弁ができないということはゆゆしき問題でありまして、私は個人の浦島労務局長に対しましてはいろいろ考えがありますが、しかしここは公の席上であります。少くとも政府を代表する小澤逓信大臣が最も頼みとする高級幕下の諸君が、このような答弁では、逓信省の内容、將來についても私は晏如たるものがないのであります。從つてこの点の説明ができなければ遺憾ながら――この貯金関係に関する現在の帳簿の整理あるいは行政機構の改革等について、ただいま貯金支局が全國的にこれを集約せんとしておるのであります。現に福井貯金局の問題が起り、新潟、さらに長野、栃木、茨城というようにこれが全國的にあるのであります。こういうものについて的確な資料がお示し願えないということは、先ほど大臣も答弁しておりましたが、その基準の内容を示されないと同じように、いかに不合理であるか、いかに逓信業務、特に貯金業務に対する熱意を欠きながら、ただ行政整理は本多國務大臣の御方針かお考えか知らないが、そういうものに追随して、逓信省の無能さを示しているものだと思いますが、これ以上私は御質問申しません。
 次は貯金関係であります。地方簡易保險局における昭和二十三年の目標額及び現在の数と同時に人員及び昭和二十四年度の簡易保險に関する逓信省の目標額、さらに現員について御答弁を願いたいと思うのであります。
#41
○浦島政府委員 ただいま正確な数字が手先にございませんので、後ほど申し上げます。
#42
○土橋委員 ただいまの御答弁ですが、すみやかに電話その他の連絡でもつて責任関係局長を招致していただきたい。この貯金関係、保險関係は先ほども申し上げましたように、國民経済に至大なる影響を持つておる。特に民主自由党の政策によりまして、地方公共團体はただいま財源が枯渇しておるのであります。これを地方に還元するということは、とりもなおさず逓信省の名誉のためにも、またわれわれ組合員諸君の將來の発展のためにも、ぜひとも考えなければならない重大な問題を含んでおるのであります。この貯金関係、保險関係に関する目標額、その昨年度の程度も示されない、しかもそれの説明ができないということで、この内閣委員会へ臨む政府委員諸君の不誠意と無努力については、痛憤を感ずる次第であります。從つてかようなものをかかえておりまする民主自由党の第三次吉田内閣が、いかに官僚のためにあやつられておるかということをこの内閣委員会において証明するのであります。
#43
○齋藤委員長 そういう関係がないことはやめてください。
#44
○土橋委員 政府が説明できなかつたら、議員として聞くのは当然だ。
 次にこの前にちようだいいたしました資料の郵政関係というところにある定員の内容を御説明願いたい。
 次は電氣通信関信関係として、四万三千七百四十八名というのは、どういう関係であるか、ちよつと御説明願いたいと思います。
#45
○浦島政府委員 お手元に差上げてあります資料の郵政省と電氣通信省との新定員の数の質問だろうと思いますが、これは二十四年度の予算におきまして、郵便事業、電信事業、電話事業、貯金事業、その他各事業別に予算が編成せられまして、それを郵政省と電氣通信省に所属するものとしてそれぞれ分計、合計せられました数がこの数であります。
#46
○土橋委員 ただいまの御説明によりまして、これは郵政関係部内において特に特定局あるいは普通局におきましても、分課をなし得ないところの電氣通信関係担当者、さような意味でございましようか。
#47
○浦島政府委員 御質問の要点がちよつとわかりませんが……。
#48
○土橋委員 資料は、郵政省、電氣通信省所属職員定員推定調書というのでございます。そうして備考として、本表は昭和二十三年度総予算定員を推定により分割したものとあります。これはこの前の内閣委員会においてちようだいした資料でございますが、この資料の一番下のところの郵政関係といたしまして、十九万七千九百八十四と書いてありまして次は電氣通信関係四万三千七百四十八と書いてありますが、これは郵政関係における電氣通信関係担当者の方々の数であるか、いわゆる特定局あるいは普通局におきまして、分課をいたしてないところの方の関係であるかどうかをお聞きしておる次第であります。
#49
○浦島政府委員 ただいまの定員推定調書でございますが、この郵政省の中の郵便局の内訳としまして、郵便関係と電氣通信関係とわけてありますが、この電氣通信関係の四万三千七百四十八は、特定局の委託業務に関連した電氣通信関係の人員数でございます。御承知のように今度両省にわかれまして、特定局におきまする電氣通信を郵政省に委託するということになつておりますので、その人員は電氣通信関係から郵政省に人員を繰入れる、こういう建前になつておりますので、その分は郵政省の定員としてここに計上してあるわけであります。
#50
○土橋委員 わかりました。ただいまの御説明で念を押しておきたいのですが、將來独立採算制の会計上、郵政関係はさなきだにも会計不如意であります。これは小澤逓信大臣もとくと聞いていただきたいのでありますが、電氣通信省の関係は現在におきましても財政はバランスがとれておるのであります。從つてかような電氣通信関係のやりますものを、郵政部門で人件費等をまかなうことに相なりますれば、郵政関係が必然的に人間の量においても、人件費においても電氣通信省の方の仕事を受持ちながら郵政の仕事を圧迫するという現象も考えられますので、この点はとくと大臣は考慮せられまして、このさばきをうまくいたしませんと、郵政関係の電氣通信省関係におきまする会計のそれぞれの面において、非常な障害があるということをつけ加えておきたいと思います。
 次は電氣通信省の問題でありますが、まずお聞きしたいことは、現在の電話が世間において間々不評を買い、かつ雨の日、風の日は電話が通じないことが多々あるのであります。こういうような現状におきまして、少くとも保守の関係におきましても、また線路あるいはその他機械の関係におきましても、きわめて不十分なものがあることは、世間周知の事実であります。このすべての責任が組合員、從業員諸君に轉嫁せられるような現状でありますが、逓信省がこの資材あるいは保守の面、その他についてお考えになつておる御方針を承りたいと思うのであります。
#51
○小澤國務大臣 今土橋君が仰せの通り、現在の電話がほとんど故障が毎日のように頻発いたしまして利用者の大きな非難をこうむつておる事実は認めます。しかし考えてみますと、御承知のように十数年間の戰爭で、三年ばかりかかつて現在約八十五万個の復旧復興をいたしております。戰前には土橋君御承知の通り百八万個のものが、八十五万個までふえて、今年五万個ふえますと、九十万個というようなにわかな復旧をいたしておりますから、そこに一つのむりがあります。もちろん無限な建設費が予算上許されますれば、どんな改善もできますけれども、現在の限られた建設費においては、これも非常に残念なことでありますが、これで満足するものではありませんけれども、この程度の復旧しかできなかつたのであります。しかし私どもといたしましては、本年度で百二十億の建設費がありますが、これでは満足しかねますので、將來千七百五十億のうち約六、七百億の残余がありますので、これに対して幾分なりとも通信事業の建設費として充当したいと考えて目下努力しております。少くとも二十億ないし五十億の間でこの建設費の増加を考えながら、御指摘のような不完全な電話をどうか完全な電話にしたいと思つておる次第でありまして、非難を職員のみに轉嫁するというようなことは毛頭考えておりません。しかしながら職員諸君が大勢の中には必ずしも完全にやつている人間ばかりとは言いかねますけれども、この事実が全部職員の責任などとは毛頭考えておりません。
#52
○土橋委員 ただいまの御答弁で私は了とする点もありますが、半ば了とせざる点があるのであります。それは現在の少くとも業務の面から見ましても、また労働時間から見ましても、大臣がおつしやるように、完全に事務を遂行していない者も考えられるというような御答弁でありますが、これは逓信大臣が自分の職員がいかに無能であるか、自分がいかに從業員とタイ・アツプして通信事業を行つていないということの自己暴露にすぎないのでありまして、從業員諸君は與えられた状態下において最善を盡しておるのであります。從つて交通の事情、住宅の事情、賃金の関係、扶養する家族の関係、社会関係、あらゆる関係で不十分なものはありましようが、これは逓信省の宿舎の関係、あるいは住宅の関係の不十分さ、あらゆるものを持つておるのであります。從つて私はこういう点は論議にわたりますから避けまして、ただいま約八十五万個電話数を持つておるというお話でありましたが、私どもは少くとも電話数は全國三百万個以上持たすことが、電話の普遍性、公共性を確保するゆえんであると考えておる一人であります。にもかかわらず、その四分の一ないし三分の一しか持たない電氣通信の実態におきまして、人員整理を行うというようなことは、保守の面から見ても、企画の面から見ても、また資材購入の面から見ても、きわめて不十分なのであります。ことに関東地方の例を引いて私は大臣の責任ある答弁を願いたいと思う。これは逓信省の資料に基いて――全逓の組合員諸君がつくつた資料ではない。逓信省の資料に基いて、現在関東地方全部に二十六万の電話数があるのであります。この二十六万の電話について保守する面、修理をする面において、逓信省の現在の四十八時間制のもとにおいて、すでに保守する人員が一万四千五百十名いるということは科学的に合理的に証明されておるのであります。しかしながら現在の人員はいかほどかと申しますならば、八千二百五十二名であるのであります。そういたしますと、合計におきましては六千二百五十八名不足であります。そうすると現在二十六万個の東京逓信局管内において、保守する人間がすでに六千二百五十八名、これだけ不足しております。にもかかわらず、これを行政整理するというのでありますから、私は議員の皆さんにもお聞き願いたいが、電話が完通しない、電話がどうも不通で困るという國民の声が出る責任は、逓信省の行政整理にあるということを私は言いたいのであります。これに対して大臣がどういうふうに――東京逓信局管内の二十六万個に対する問題についてどう考えられておるか。現在の私の数字では七八%の人間が不足しておる。にもかかわらず行政整理をしようとしておる。これについて明確な責任ある御答弁を願いたいと思います。
#53
○小澤國務大臣 土橋君の三百万個全國に必要だということは認めます。理想としては私どももかくありたい。しかし今申し上げた通り予算の制約があるから、この面にのみ予算を集中するわけに行かぬので、漸を追うて理想的な三百万個の増設をしたいと考えておるということを先ほど申し上げたのでありまして、おそらく考え方においては土橋君と一致しているだろうと思います。それから今具体的に東京逓信局管内の保守の問題でありますが、それは箇所々々によつては不足している所もあります。しかしながらわれわれは全國的に見て過剩なところから不足しておるところに補うというようにして、少くともむだを省きながらこれを整理して、しかもサービスを落さないで行こうという方針でありますから、具体的にここの箇所はこうというようなお話でありますけれども、そういうでこぼこは、不足なところへはふやす場合もあり、必ずしも一律に現在の定員をみな一割一分減らすという意味ではなくして、仕事の量と勘案して、仕事の量の多いところはふやし、また仕事の量が少くて定員の多いところは減らす、そうして均衡をとつた全部の平均が一割一分になるのでありますから、その点御了承を願います。
#54
○土橋委員 ただいまの大臣の御答弁は非常に不満足な点があるのであります。関東地方は東京の大都市を控え、また農村の代表的な関東の平原を控えまして、また周辺に山脈をめぐらしまして、山梨縣にいたしましても、あるいは栃木縣、群馬縣、埼玉縣の山岳地帶におきましても、日本の山岳の基本的なところであります。從つて関東地方は全國の縮図であると申してもさしつかえないと思うのであります。この東京逓信局管内において、今申し上げるように逓信省の資料によつて的確に推算をいたしました結果が、一万四千五百十名電話の保守に人がいることは明確になつておるにかかわらず、現在員は八千二百五十二名しかいない。從つて六千二百五十八名不足しておることを承知の上で、さらに保守人員を減らすということは、理論的に申し上げても、実際の人民生活のために電話が利用されなければならないという公共性から見ましても、また電話の普遍性から見ましても、非常に遺憾な現象であつて、それに対して逓信大臣はどういう御所信を持つておるかという私の質問に対して、全國には凸凹もあるし、一箇所で言われても困るという御説でありますが、私は関東地方を例にとれば、ますます全國の平均の例であると思うのであります。こういうような例は電話の保守についても、資材の購入の面においてもたくさんあるのでありますが、これに対して逓信大臣はどういう御所信であるか、明確に御答弁を願いたいと思います。
#55
○小澤國務大臣 土橋君は関東地方は全國の平均だと言われますけれども、私の考えはむしろ関東地方においては非常に手が必要であつて、比較的文化の程度の進まないところに手が余つておるというところが相当あると思うのです。そこでこの際平均して一割一分を減らすことになつておるのでありますが、ふえるところもあるし、減るところもあるし、全然同じところもある。それはどこを基準にして行くかといえば、從來の事務量を基準にして行くのでありますから、君の心配しておるように関東地方と同じだという結論は少し早過ぎると思うのでありまして、われわれは事務量をあんばいして、その事務量に應じて配置を適当にやりたいと考えておるのであります。
#56
○土橋委員 この問題は非常にむずかしい問題でありますが今の御説明ではまことに小澤逓信大臣とも思われない誠意のない御説明でありますので、これ以上私はお尋ねを申し上げません。
 次の問題でありますが、一体現在電氣通信業務に関して進駐軍の方の電信、電話を御利用願つておる点と、全人民大衆が利用しておる割合について御説明を願いたい。さらに終戰処理費から実際に御使用願つておるか、あるいは終戰連絡事務局あるいは特別調達廳からどの程度お願いしておるか。この点について御答弁を願いたい。さらに渉外関係において特にいろいろな方面で調べを願つておりますが、そういう人員についていかほど現在郵便関係において渉外事務に担当しておるか。その人件費は特別調達廳からどういうふうに拂われておるか。この点を御説明願いたいと思うのであります。
#57
○浦島政府委員 私からお答え申し上げます。進駐軍関係の業務と認められますものは、直接進駐軍の方が專用に電氣通信を扱つておられる面もありますし、また一般の公衆通信に対して利用せられる面もありますが、これに対して逓信関係の人員がどれだけかかつておるかと申しますと、直接進駐軍に派遣しております要員が電信、電話、工務を合せて五千三百八十名であります。それからエー・エフ・コールから一般の公衆電話を進駐軍用として使われる通話であります。このエー・エフ・エフ・コールに專属に交換手として從業しておりますのは千八百名、それから郵便の檢閲、電信の檢閲その他に関係して派遣しておりますのが八百十八名、合計約七千九百名程度この方に從事しておる状態であります。
#58
○土橋委員 大体七千八百ないし九百の逓信從業員諸君が、その業務を担当しておることはわかりました。しかしこれに対する事務の費用あるいは人件費等がどういうふうになつておるか、御説明願いたいと思うのでございます。
#59
○浦島政府委員 たとえば電話におきましては、電話局内で仕事をしておられる方の人件費は、こちらの方で支弁しておりますが、向うへ行つて直接仕事をしておられます方の経費は、終戰処理費で支弁されておるのであります。
#60
○土橋委員 私はこの点については特別調達廳の人件費の問題と、逓信省関係における人件費の問題が相当食い違いがあるやに聞いております。これは私の聞いております資料が不十分のためならば遺憾でありますが、実際には、たとえば郵便関係におきましても、特別調達廳から万全の措置をもつて支拂うべきものがかりに四千人となつておるという場合に、通信特別会計が四百人程度にしかなつておらぬというような材料も聞いておるのでありますが、はたしてそういう現状であるかどうか、御説明願いたいと思うのであります。
#61
○浦島政府委員 正確な予算上の数字は私手元にございませんが、終戰処理費として予算に計上せられております分は、特別調達廳と何らその間に差異はないものと信じております。
#62
○土橋委員 それでは今度は個々の部門についてお尋ねいたしたいと思いますが、電氣通信研究所というのがありますが、これはどういうお仕事をすることをもくろんで現在おやりになつておりますか、昭和二十四年度の計画について簡單に御説明を願いたいと思います。
#63
○小澤國務大臣 土橋君に御相談しますが、君の聞いていることは大体予算関係のことであります。予算関係が主であれば、予算を担当する局長にお尋ねを願いたいし、大体事務的なお話のようである。土橋君は事務的にお詳しいがそういうお話のようである。政治的なお話があれば、私がどんどんお答えするから、政治的なことについて先へやつてもらいたい。
#64
○土橋委員 私は事務量ということと、現在の定員、昭和二十四年度のお見込みという点が中心であります。從つてこれは予算にも関係することでありましようけれども、事務内容全般にわたるものもありましようし、また当面の労務担当処理自身のものもあろうと思いますので、これは全部有機的関連性を持つておりますので、簡單な御説明を願つたのであります。何もむずかしいことをお聞きしておりません。逓信人としては普通の常識でありますので、その点を御了承願いたいと思います。こういうことで資料がなければ答弁ができないというようなことは、少くとも逓信業務で職をはむ者の行うべき態度方法でないということを申し上げたいのであります。それではあとでお見えになつてからお聞きしたいのでありますが、次の問題は海底電線敷設に関する問題。これは現在の逓信事業としては海外植民地を失つた関係上非常に縮小されておりますが、昨年も千代田丸が竣工いたしました。こういう関係において、ここに書いてあります。海底電線工事事務所の関係について、六百六十六名の関係でありますが、こういうものについて整理を行うかどうか、この点についてちよつとお聞きしたいのであります。
#65
○浦島政府委員 海底線関係の者を整理するかどうかという問題でありますが、海底線関係は工務関係、技術上の保守建設の人員であると思うのであります。從いまして電信電話の保守に要する人員全体として勘案いたしたいと思うのであります。具体的に海底線の人を何人切るかということは目下のところ決定はいたしておりません。
#66
○土橋委員 現在の状態においては、海底電線敷設に関するところの船員関係の諸君及び電氣通信工事をする諸君、その技術的な諸君については、今のところ考えておらない、こういう御答弁と承つてよろしゆうございますか。
#67
○浦島政府委員 絶対にやらないということを御答弁申し上げたのではありませんが、かような工務技術に要する人員も総体の決定をしているわけであります。その総わくの中において海底線の関係の職員の人が、どれだけ減員されるかということはまだ最後的な決定をいたしておりませんので、今申し上げかねることを御了承願いたいと思います。
#68
○土橋委員 次は各地方部局の問題でありますが、これは委員各位も御承知のごとく、産業官廳でありますために、中央の行政機構の簡素化という問題よりは、各地方の業務の促進とその適正化が中心でなければならぬと思うのであります。ところが現在の電氣通信省におきましては、從來通信省逓信局、ただちに郵便官署にすべて問題が移つたのでありますが、このたびの電氣通信省設置に関する法律によりますと、これが五段階になつております。内容は、電氣通信省及び地方電氣通信局、さらに地方電氣通信部、さらに地方電氣通信管理所、最後に地方電氣通信取扱局ということになつておりますが、かように中間的な各機構をふやしますことは、その局長をふやし、あるいは管理所長をふやし、課長をふやす、こういうふうに判を押す職務だけをふやすような傾向になつておりますが、これでは現在の電氣通信省從業員の定員を食つていないか、この点を御説明願いたいのであります。
#69
○小澤國務大臣 電氣通信省の機構については、從來日本にありました機構とは非常に画期的にかわつております。從つて私も当時そういうふうに考えておつたのでありますが、大体この課長とか所長とかあるいは係長という名前がかりにありましても、これは判を押すだけの課長ではなくして、自分自身が一つの仕事全部についてわかつておつて、そしてわずか五人か十人くらいで一つの課ができるということのねらいがこの電氣通信省の新しいねらいであります。今までのように課長になれば五十人とか百人の部下がいて、自分はお晝ごろ出て來て、タバコを吸つて帰るというような課長でなく、第一線に立つた課長、課員のだれがいなくても課の全部のことがわかるというような課長がここで予想されておりますので、おそらくは私の心配した点、現在土橋君が心配した点は極力取除いて、そうした方向に、すなわち下級の事務官にその仕事を轉嫁しないように、むしろ課長が全部それを知つておつてごく補助的にやるような形に運用したいと考えております。
#70
○土橋委員 これは郵政関係の郵便局あるいは貯金局、保險局にも同樣な現象が現われておりますが、この前に内閣委員会であなたにとくと考慮していただきたいということを申し上げた次第であるので、これ以上詳しくは申し上げませんが、五段階にわけるということは、少くとも國家行政組織法上の電氣通信省といたしましては、これはあなたがいかようにお考えになつても、現実に管理所があり、あるいは当該の局長がある。または電氣通信部、電氣通信局というものがあれば、どうしてもそこに官僚制度というものが生れるのであります。こういう傘式な段階制度をたくさん設けまして、そうして業務に対して独立採算制をとる関係から、かさの骨のようにずつと上に上つて行くというような関係は、これは日本の官廳機構においては破壞的な行爲であると考えております。從つてこれは特に私は設置法の問題にもなりますけれども、この面でここに例もありますがごとく、たとえば地方電氣通信局と電氣通信部の人間は、あなたの方の御予定になりますと、一万一千九百五人であります。ところが地方の実際に仕事をやろうかというところの管理所は別といたしましても、地方電氣通信取扱局においては十三万二千七百二十一名であります。そうすると十名に一人の管理者がおるのであります。また管理所の方をながめましても内訳は明確に書いておりませんが、これを加えますと七人に一人の判こを押す役人がおる。実際問題としてこういうことで一体電話の復旧ができるかどうか、ここが問題であります。こういうような電氣通信局とか、通信部とか、管理所というようなものは、すこぶる機構を少くして、そうしてただちに電氣通信大臣に直結をして、業務がすらすらと行くようなことをはかること、これが機構の簡素化でありますが、これは機構の複雜化であります。そういたしますと、現在の逓信省内において、將來御予定になる電氣通信從業員の全体から見ると、人間をふやさなければならないという結果になる。大臣の先ほどの御答弁で、八十五万個というのを三百万個にもしたいという御方針ならば、人間を減らすどころか、どうしても人間をふやさなければならないというのが、電氣通信省の現在の実情であろうと思います。これについて大臣の御所見を承りたいと思います。
#71
○小澤國務大臣 新しい試みというものはいろいろそれに対する保守的な考え方と、また進歩的な考え、いろいろあると思うのであります。改善するときには從來の頭では改善できません。從つて今從來のような行政機構をここで一期限を画して、新しい機構で進みたいというのがわれわれの念願でありますから、いろいろの非難はおありでありましようが、しかしながら今言うように所長とか課長というのは土橋委員が考えているように、私が先ほど言つたように、判を押す仕事というのではなくして、実務に当るのだ。実務に当つて、しかも五人か十人のうちで一番上だというだけであつて、決してその人が仕事をしないで、下の者だけにさせるというような、從來見るような課長でないということを御了承願えれば、そうした心配はないと思います。
#72
○齋藤委員長 時間がもう十二時過ぎて一時になろうとしておりますが、皆さんもお腹がすいておるだろうと思います。土橋委員の質疑はこれからどのくらいかかりますか。
#73
○土橋委員 まだ電波廳の問題と航空保安廳の問題、それから今問題の中心になつておりますライン・オルガニゼーシヨンの問題をとくとお聞きしておかねばならぬと思いますので……。
#74
○齋藤委員長 委員長はなるべく各委員諸君の質疑のことについてかれこれくちばしを出すことははなはだ不本意です。しかし御承知の通り、もう余すところ三日であつて、そして参議院の方の関係も考えなければならぬのであります。この委員会はどうしても本日中に法案は審議したいと思うのであります。それで御承知の通り、衆議院規則によれば、委員長は委員会にはかつて質疑討論その他の発言について時間を制限することができる、こういう規定があります。私はこの規定を應用しようとは思いません。なるべく穏やかに済ましたいと思いますから、皆さんも委員道徳を重んぜられてやつてもらいたい。これだけの御注意を申し上げておきます。
 休憩して一時半に開きます。
    午後一時五分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後二時五十八分開議
#75
○齋藤委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 議事に入ります前に御報告をいたしておきたいことがあります。委員の田中萬逸君が本日辞任せられまして、この補欠として關内正一君が議長の指名で補欠選任せられました、このことを御報告しておきます。
    ―――――――――――――
#76
○齋藤委員長 まず昨日本会議において承認を與えられました大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案に対する修正につきまして政府の説明を求めます。大藏大臣。
    ―――――――――――――
#77
○池田國務大臣 ただいま議題となりました大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案の一部修正案につきまして、その提出の理由を御説明申し上げます。
 本案はさきに大藏省設置法案の一部修正案につきまして御説明申し上げました通り、今回徴税機構を独立せしめて國税廳及び國税局とし、他の地方財務行政機関を財務部と改めるのに伴いまして、関係法令中主としてこれらの名称の変更を要するものがありますので、本院において御審議を願つております大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案の一部を修正する必要が生じた次第でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことを希望いたします。
    ―――――――――――――
#78
○齋藤委員長 それではこれより行政機関職員定員法案を議題といたします。通告によつて発言を許します。
#79
○勝間田委員 議事進行について、定員法の審議はなるべく要領よく迅速に審議をして、早く目的を達成させなければならぬと思いますが、それについて午前中土橋君より発言中でありますので、この点をひとつ急速に終了していただきまして、なおその後の審議を進められて行つたらば、一番スムーズに行くのではないかと思うのでありますが、大体重要な問題が四つほど実はあると思うのでありまして、その問題はこの定員法というものがいわゆる予算の節減を目的とするところが相当大きいように思うのであります。その意味で整理によつて予算が一体どのように節減できるのか、いろいろ失業手当の点等もありましようし、保險の手当の問題もありましようし、いろいろの面から見て、どの程度はたしてほんとうの予算の節減になるのか、十七万三千人という人たちを馘首いたすその根拠の一番大きなこの予算の面を明確にしておくことが、一番大切な問題だと思うのでありまして、その点が一つと、それからもう一つは、首を切つて行く人たちに対して、どういう退職手当等の手段を、いわゆる保護を加えられて行くのか、退職手当に対する目安について政府の決定を明確にしていただく、單に法令にまかすということでなしに、相当程度までこれははつきりさして行く必要がある。それからもう一つ第三の点は、そういう首を切つた人の中でも相当失業をして行く人があると思うのでありまして、こういう人たちをどういう部面でどう振りわけて行く見通しを持つておるのか、この受入れ態勢のほんとうの姿を明確にするということが非常に大きいと思うのでありまして、これが第三点であります。第四の点は、切る切ると申しましても、おそらく單にとうふを切るように切るわけでもないと私は思うのでありまして、そこには整理基準というものが確かにあつて、そうして合理的な手段が選ばれて行くに違いないのでありますが、その整理するための基準を一体どうして行くか、以上四つの点が非常に重要な点で、これが明確になつて行けば、定員法の全貌も明らかになつて、われわれも十分な審議ができると思うのでありまして、その意味で、大体この四つの問題について、第一の問題から第四の問題について、それぞれその問題を一つずつ問題として取上げて行つて、そして政府の責任者の方方に全部出席を願つて集中的にこれを審議して行く、そういう形で審議をまず第一に進めて行つていただきまして、そしてその次に今度は各省ごとにいろいろ問題があるわけでありまして、たとえば鉄道省にも問題はありましようし、あるいは農林省は食管の問題があるといつたように、いろいろ各省で特殊な問題があると思うのでありまして、その問題を今度は各省に特殊の問題についてこれを取上げて行くのが、一番審議の方法としては合理的ではないかと考えるのであります。そういう意味で問題を一から順次取上げて行つていただくことをここで提案をいたします。
#80
○齋藤委員長 その趣旨に基いて質疑に入つてください。
#81
○成田委員 土橋君が逓信大臣に対して継続している質問があるそうでありますから、それを先にやつていただきたいと思いますがいかがでしよう。
#82
○齋藤委員長 それでは土橋君。
#83
○土橋委員 それでは午前中に引続いて私は簡明直截に御答弁を願つて終りたいと思います。電波廳と航空保安廳の問題でありますが、これは電氣通信省の電氣通信業務と三者一体になつて將來の機構の中心的なものであります。ところが電波廳につきましては三千八百二名の定員でよろしい、こういうお考えのようでありますが、將來電波行政についてはどういう点をお考えになつてかような点になつておるか、この点を簡單に御説明を願いたいと思います。
#84
○大野(勝)政府委員 電波廳におきましては、現在逓信省の電波局において扱つております事務を、実質的にはそのまま承継をいたして行くわけでございまして、これを内閣的に申しますれば、第一には電波の規正という仕事でございます。そのためには標準電波を一定の場所から発射をいたしまして、その一つの標準を電波の與え、各割当てられたその無線の機関が間違つた波長を出さないようにこれを規正し、かつ監視する仕事でございます。
 それから第二には一般に私設無線通信の仕事は、御承知のように法規上すべてこれは許可制にかけられておりまして、從つてその施設につきましてもまたその爾後の機器の運営につきましても、種々監督を受けておるわけでございますので、そういつた電波の監督、つまり一般の私設無線の監督の仕事をここでやつて参るわけでございます。その一つの現われがたとえば放送無線の仕事につきましては、この作用によつて現在逓信大臣の監督のもとにあるというわけでございます。おもなものは大体電波の規正の仕事と、そういつた多少監督的な仕事がございますけれども、大体からこれは純粹の監督行政ということでさしつかえないかと思うのであります。その程度で十分まかなえると考えておる次第であります。
#85
○土橋委員 ただいまの御答弁でありますが、地方電波管理局においては、各局所において現在非常に縮小しておるのでございます。今やわが國は外國の貿易関係等においても使節を派遣されるというような重大な段階にありますので、特に最近愛知縣に起りました問題は、河内送信所に移管されておる、こういうような問題は全國随所にあるわけでございます。これは受信関係でも送信関係すべてそうでありますが、そういうような日本の発展のためにも特に重視しなければならない無線関係が、非常な制限を受けることは非常に遺憾でありますので、この点についても私は政府の御予定になつておりますような、そういうお考え方については賛成することはできません。ぜひとも強く私は要望しておきたいのでありますが、特に最近西南アジア方面の回線あるいは西欧方面の回線について統制するようなきらいが非常にありますので、これはぜひともやめていただいて、やはり自主的に海外電波について十分配慮してもらいたい。從つて人員の点についても考慮していただきたい。またあなたも今お話になつたように、電波規正からさらに國内における中波放送の関係等を考えて見ますと、將來おそらく民主自由党におきましても、これは政策として電波法というものをおつくりになるのじやなかろうかと思うのであります。そうするとどうしても日本放送協会との関係等を考えまして、これは十分人員を確保して、放送あるいは中波放送までも行かなければならぬ。こういう点を私は強く指摘いたしておきたいと思うのであります。
 それから次は航空保安廳でございます。これは一千二百十五名の人員を擁しておりますが、実際に内地の逓信省所管の仕事をやつておるかどうか、どういうような内容をやつておるか簡單にお答えを願つて、さらにこれがもし一般会計の面なりあるいは特に総理府の管内において行つております終戰処理に関するような仕事をやつておられるならば、その方から費用を出すのが至当であつて、逓信特別会計が非常に困難なる中から人員を出すのは非常に遺憾でありますので、こういう点について簡單に御説明願いたいと思うのであります。
#86
○大野(勝)政府委員 航空保安廳におきましては、これまた現在通信省の航空保安部において行つておりますことを実質的にそのまま引続き行うのでありまして、その内容を申し上げますれば、まず航空燈台あるいは無線標識等の運営の仕事及び飛行場の維持管理といつたような仕事でありまして、そのほか航空保安施設の檢査監督といつたような仕事をいたします。たとえばこれは非常に高い建物では危險信号の照明を特に施させるとか、あるいは飛行場の近傍におきまして非常に離着陸の障害になる建物の関係について監督をするといつたような仕事でございまして、今日飛行場、航空燈台、航路標識等はすべて國のものでございますので、それらの施設の維持管理は、つまり政府として当然にやるべき仕事であるわけでありますけれども、実際におきましては現在これを利用いたします関係から言いますと、御承知の通り航空の業務は現在國内では禁止されておりますので、実際利用は進駐軍関係のものがほとんどであると申し上げてもさしつかえないわけでございます。そういうわけでありますので、その関係の経費はお説の通り終戰処理費から受けて、これをまかなうという建前に相つておる次第であります。
#87
○土橋委員 最後に私は電氣通信部門の総括的な御説明を願いたいと思いますが、現在電氣通信業務は、先ほど小澤大臣にも御質問し御答弁を願つたように、速急にこれは有線も大切でございますが、当面わかれておる電氣通信業務については、それが施設の面でありましようとも、規格の面でありましようとも、現実の電信にしても電話にしても、これを運営しておる從業員の面から見ましても十分なる人員を擁したいと、これは大臣が御希望なさつておるような、われわれの希望しておるような業務はできないのであります。その責任が常に逓信從業員にかかつて來る、こういうような点について十分御配慮願いたい、よろしいという御答弁であつたのでありますが、私は最後にこの点を非常に遺憾だと思うのであります。それは一般公衆に與えておる感じは、とかくするならば、從業員の業務の能率が不十分だという感じを與えていながら、逓信省が基本的に回線なりその他の設備を行つていない。こういう点を私は指摘してこの問題を終りたいと思いますが、さらに郵政関係についても、私は郵便の基本は逓送にあると考えておりますが、逓送一元北の方向において鉄道、郵便をひつくるめ、特に鉄道郵便に逓信員の配置あるいは市外市内の逓送関係及び國内における区分あるいは配達、こういうような大きな構想において郵政自身が逓送一元化のもとに進む考えを持つておるかどうか。從つて逓送関係中心の人員の配置をするというような考えで、この面の整理をできるだけ絶対に行わないというような御方針を持つておられるかどうか、この点ちよつとお聞きして終りたいと思うのであります。
#88
○小澤國務大臣 電氣通信の方におきまして、今御指摘のようにいわゆる電氣通信本來の目的あるいは機能にかんがみまして、その機能にさしつかえないように、また一方的に職員のみの負担によつて國民諸君から惡批判をこうむらぬようにという点については十分了承いたしました。しかしながらそれは現在の定員法を前提としてなし得るという見地で出ておるのでありますから、この定員法を行いましても、今の趣旨、ことにこの逓送一元化というような問題はこの法律のもとで行いたいと考えております。
#89
○土橋委員 ちよつと大臣の御答弁が私は最後で了解できない点は、現在の定員で十分できる確信を持つておる、こういう御説明でありますが、それは逓信の機構について御存じない方についてはそういう御説明もけつこうと思いますが、少くとも私に関する限りにおいては、ただいまのようの状況において四万八千の減員をいたしまして、超過勤務手当等が不十分であると同時に、六千三百七円ベースのもとでは、おそらく逓信業務の円満な遂行はできない。かようにわれわれ見ておるにかかわらず、大臣は自信を持つてただいまの答弁をせられましたが、もしこれによつて公衆の諸君がいろいろな苦情なり不平が起つた場合に、この責任はもちろん從業員諸君あるいは公衆側にあるのではなくして、逓信当局の通信なりあるいは電氣通信業務に関する基本的対策の樹立がないために行われるものである、かように私はつけ加えて、これで一應終りたいと思うのであります。
#90
○齋藤委員長 岡田君は関連質問ですね。きわめて簡單に願います。
#91
○岡田(春)委員 関連質問ですので簡單にお許しをいただいた時間でお尋ねしたいと思います。これは電氣通信省の設置法の出ましたときに逓信大臣に質疑をいたしまして、質疑の留保になつたまま私定員法のときにお伺いすると言つてそのまま置いてある問題なのであります。簡單ですからちよつとお答えを願いたいと思います。
 この前の設置法の審議のときに小澤通信大臣の御答弁では、電氣通信調整審議会は決議機関である、大臣の行政的な執行に対して決議をする、こういう形で行政に制限を加えることができるのだという御答弁があつたわけであります。そうなつて参りますと、これは当然行政に制限を加えるという意味で、行政的な執行なり行政的な事務を担当する一部分にしても、行政的な事務を担当するものであろうと私は考えるのであります。この点行政的な執行をやるものである、あるいは行政的な事務を部分的にしろ担当するものである、かような御答弁があると思うのでありますが、この点についてはいかがお考えですか、御答弁願いたいと思います。
#92
○小澤國務大臣 行政とは何ぞやという問題は、非常に大きな問題であつてむずかしい問題であります。しかしたとえば三権分立における行政という面と、單に官廳局の行政処分という二つの意味の行政、という問題もあります。從つて單に憲法上でいう行政とか、あるいは一般にいう行政事務というものは、おのずからその範囲が限定されながら解釈することが、むしろこの法に適した解釈だと思うのであります。從つて岡田君の質問される趣旨の行政とは、どういう範囲のことを言われるかはつきりしませんが、少くとも設置法であの審議会で議決を経たものに対し、さらに行政廳の主管である國務大臣が行政上の責任を負うということも、決しておかしい理論の矛盾したものではないと考えております。
#93
○岡田(春)委員 私は簡單にやりたいのですから、大臣も簡單にやつていただきたいと思いますが、行政大臣が行政の責任を負うということの御答弁をお伺いしたのではないので、私のお伺いしたことは、調整審議会は行政大臣の行政的な事務に対して、制限を加える決議機関であるというお話であつたわけです。そうしますと当然審議会自体が行政的な事務を部分的にしろ担当することになるだろうということは、当然あなたの御答弁から結論づけられて來ることだと思うのですが、その審議会の今申し上げた点は私の申し上げた通りであろうと思いますが、その点はいかがか、こういう点をお伺いしたのでありまして、大臣の行政的な責任を私はお伺いしたのではないのであります。
#94
○小澤國務大臣 どうもわからないのですが、もう一ぺん……。
#95
○岡田(春)委員 この間答弁のときには逓信大臣というか、今度の電通大臣というのですか、この大臣の電氣通信調整に関する事務については、調整審議会が決議機関として調整事務に対する行政的な決議機関としての権限を持つ。從つて行政大臣はこの権限の中において行政事務において制限を加えられるということになるわけですね。この点はこの前はつきりと御答弁になりましたね。制限を加えるということは行政事務をその部面においてのみ行つておるということを表明されたわけでございますが、そこまでははつきりされておると思うのですが、その点この前の点をもう一度確認するところから始めたいと思つておるのですが、そこの点はそうだというお話であれば、そこから話が進められるが、何だかあいまいな行政大臣の権能についての御答弁があつたので、その点は前の話とは違う、そこをもう一度はつきりさせていただきたい。
#96
○小澤國務大臣 電氣通信大臣という行政事務をとる者と、行政の範囲の執行にあたつて審議会制度が設けられまして、審議会の議決を経るという制限のもとに行政事務を行うのだ、こういう趣旨であります。
#97
○岡田(春)委員 ですから審議会自体が行政事務の一部を担当するということになるわけですね。そこは重大な問題ですから……。
#98
○小澤國務大臣 結局これは純然たる法律論でありますから、いろいろな解釈はつきましようが、要するに行政の執行にあたつて、審議会制度が設けられ、この委員会で議決をいたしますれば、その行政事務の一部がそれで制限されてしまうというわけです。ところが行政という観念の中には、一つの制限された行政行爲と同時に、行政上の執行という問題があるわけでありまして、その合せたものを私は行政と言つておるのであつて、その制限されたものを執行するのもまた行政大臣が完全にこれをやるという形になるのでありますから、その行政の意義いかんということが議論の焦点になるというので先ほど申し上げたのであります。
#99
○岡田(春)委員 どうもことさらに言葉で逃げられるようですが、それでは審議会自体がどういう権限を持つておるのですか、この行政事務を行つておらないのですか、おるのですか。おらないとすれば今執行する部面と行政的な部面と二つにわけてお話になりましたが、執行する部面と、これで制限を受ける部面の行政の事務に対する審議会は行政的な担当をいたすのかどうか、この点であります。
#100
○小澤國務大臣 それはそういう意味においてもちろんいたすのであります。すなわち調整審議会における行政と、その行政のさらに廣い範囲における次の余つた部分における行政は、國務大臣がやる、こういう意味であります。
#101
○岡田(春)委員 それでは行政的な事務を担当されるということになりますと、この審議会の委員というものは、定員法の委員の中に当然入つておると思いますが、これはいかがでありますか。
#102
○小澤國務大臣 それは入つてないと思つております。
#103
○岡田(春)委員 それはおかしいですね。入つてないというのならば、これは行政機関ではないというお話ですか。
#104
○小澤國務大臣 それが行政というものは何ぞやということをきめないと、あなたの考えておる行政と、ぼくの考えておる行政とは違うのではないか。そこを言つておる。つまり行政行為の全部を官吏がやるときまつておらないのであつて、法律の力によつてそういう機関を設けて行政をやられるということになりますれば、それも行政事務の一つであります。ただあなたの言うように、行政事務イコール公務員がやるのだ、あるいは公務員法に基く官吏がやるのだという前提ならば、そういう議論が出るけれども、われわれの考えは行政という中にはそういう意義もあるけれども、原則としては公務員がやるということはきまつておるけれども、そういうような特殊な場合には、この公務員法によらざる行政事務があり得る、これは非常に廣い意味の行政事務になるかもしれません。
#105
○岡田(春)委員 それではその部面においては行政であるというお話ならば、その部面に関する限り審議会は行政の責任を当然負うわけでございますね。
#106
○小澤國務大臣 それは何でも審議会に限らず、人間が権限ある場合には、うしろに必ず責任があるのでありまして、その権能の範囲内においては、一公務員であろうと、一小使であろうと同じだと思います。
#107
○岡田(春)委員 それで明らかになつて参りました。あなたの御答弁では非常にあいまいにされておりますけれども、その部面に関する限り、行政的な責任を負つておるということになると思うのでありますが、そうしますと、当然これは定員法の関係から見まして、その部面に関する限りの行政の関係の人として、これは定員法に関連して來なければならないと私は考えます。この点についてもう一度それをお伺いしたいということと、それからもう一つは、その部面に関する限り、決議機関である限りにおいて、行政の責任を負うということになりますと、これは國定行政組織法の第八條の適用を受けることが妥当であるかどうか、この点についてもう一つお伺いしたいと思います。
#108
○佐藤(功)政府委員 國家行政組織法の関係でございますので、行政管理廳の方からお答えを申し上げます。この議決権のある審議会の点につきましては、前に木村委員からもお尋ねがありまして、申し上げたのと同じ問題になると思います。それで今の調整審議会も、今小澤大臣が申されましたような意味だと限定をいたしますれば、行政上の責任も持ちますし、行政事務を行うということになりますが、それが外部に対して現われる場合には、電氣通信大臣の名前をもつて現われるわけであります。それで國家行政組織法の第八條による附属機関ではなくて、第三條の外局になるのではないかという御質問だと思いますが、第三條の外局と申しますのは、そういう行政の國家意思というようなものが外に現われます場合に、その委員長なり委員会なりの名前において現われるものを外局と考えておるわけでありまして、第八條で括孤の中で「第三條に規定する委員会以外のものを云う」というふうに、そこを除いてありますのは、そういう意味であります。從いまして小澤大臣がおつしやつたような意味で、行政事務を担当するといたしましても、それは必ずしも第三條の外局にはならないのであります。第八條の附属機関だというふうに考えております。
#109
○岡田(春)委員 それでは今の御答弁から言いますと、こういう審議会は、これは行政機関と解釈してよろしいのですか、どうですか。
#110
○佐藤(功)政府委員 組織法上行政機関という名前は廣い意味と狹い意味に使つております。第三條で國家行政組織のために設けられる行政機関は、府と省と委員会及び廳とするというふうにそこでは限定して、府と省と廳と委員会というものを行政機関と言つております。しかしそうだからといつて、審議会とかいろいろな檢査所といつたようなものが、廣い意味の行政機関ではないということにはなりません。しかし組織法第三條の行政機関という意味には入つておりません。
#111
○岡田(春)委員 今の御答弁では明らかでないのですが、私はこれは非常に重大だと思うから、再三取上げておる。というのはこういうようないわゆる審議会という形が、大臣の行政権を拘束するというのは、おそらく今度の調整審議会をもつて嚆矢とするであろうと思います。從來の行政権の問題は、これはこの前も設置法のときに大臣にお伺いしたのでありますが、行政権は明らかに大臣の権限の問題として、この大臣の行政権を拘束する決議機関という限りにおいては、これは憲法上における行政権の侵害という意味で、憲法違反の疑いが非常に大きいわけであります。それからもう一つは行政機関とするならば、当然これは定員法の中にこの趣旨が入つて來なければならないと私は考えておる。今の廣義とか狹義とかいうようなお話で、適当な解釈上の点で非常にあいまいな御答弁をされましたが、この点非常に明確ではないのでありまして、これはもう少し追究したいのでありますけれども、あまり時間を長くとりますといけませんから、あとでまた適当な機会に伺いたいと思いますが、今の政府委員の答弁で大臣もこの点はその通りである、間違いないというようにあなたもお考えになるかどうか、この点を最後に一言お伺いいたしたい。
#112
○小澤國務大臣 その通りです。
#113
○齋藤委員長 逓信大臣に対する御質疑はもうほかにございませんか。――なければ逓信省関係に関する質疑は一應これで終了いたしました。
 今法務総裁、本多國務大臣、官房長官及び人事院総裁が來られておりますから、これらの方々に御質疑の方は御発言を願います。
#114
○成田委員 公務員法と定員法との問題に関連して、淺井人事院総裁並びに関係閣僚に御質問したいと思います。
 最初淺井人事院総裁にお尋ねしたいのですが、総裁は從來当委員会におきまして、今回の行政整理というものはまつたく政治的な行政整理である。從つて人事院の立場からすると、合理的な基準というものは現在のところ見出すことができない以上、この行政整理に対しては関與しないということを繰返し御答弁なさつております。私は人事院の立場としてもつともだと思うのであります。しかしながら消極的に関與しないだけではなにし、御承知のように國家公務員法というものが公務員の権利を國民全体に対する奉仕というような名のもとに非常に制限している。たとえば團体交渉権、あるいは罷業権の制限をやつておる、その反面身分も保障されておるわけである。ところが今まで政府のとつて來ている態度、特に今回の定員法などを見ますと、制限の面ばかりを強く現わしまして、保護の面は完全に放擲しているという傾向があるのでありますが、今回の定員法による國家公務員の権利が不当に侵害されたという場合があつたときに、人事院総裁としての立場から、この公務員の利益保護のために、政府に対して勧告その他何らか適宜の処置をおとりになる意思があるかどうか、これをまずお伺いしたい。
#115
○淺井政府委員 お示しのごとくそのような事実がありといたしますれば、善処いたす考えでございます。
#116
○成田委員 といたしますと、今回の定員法で、先ほども触れましたが、公務員に対しては罷業権、あるいは團体交渉権を制限しておる。これに対する一つの見合いの條文といたしまして、意に反して公務員が免職、あるいは降職された場合は、國家公務員法の八十九條――九十二條によつて人事委員会へ訴願をする権限が留保されておる。ところが定員法においてはこの八十九條――九十二條を適用せずということがはつきりしているのでありますが、この定員法の規定に対して、人事院総裁は率直にどうお思いになつているかお伺いしたい。
#117
○淺井政府委員 お答え申し上げます。お示しのように、一方において同盟罷業及び團体協約の締結等を禁止いたしましたために、他においてこの訴願の規定を設けましたことは、人事院としてはきわめて重大なる意義のあるものと存じております。從いまして今回の行政整理におきまして、この規定が排除せられておるということは、はなはだ遺憾に存ずるのでございます。しかしながらここで人事院の立場からひとつ考えてみなければならない点があると存じます。すなわち今回の行政整理において、この訴願の規定を動かしまして、はたして國家公務員の利益が保護できるかどうかという、その実際の可能性についてでございます。第一に、これは今回のような非常に多数の者が罷免せられるというような事態を予想いたしておりませんがために、一々公開の合同審議を求められました場合においては、非常に長い時間のかかるということは御推察できるかと存じます。次にこの訴願の提起されました場合に、いかなる基準によつてこれを違法なりとして、その罷免を取消すということができるかという点でございます。もしも人事院が今回の行政整理に対して精密なる基準を出し、いやしくもこの基準に反しました場合は、この罷免を取消すということができますならば、それはお示しのようにこの訴願を引受けることが最も適当であろうと存じておりまするが、今回の行政整理は、最前も御発言がありましたように、職階制、勤務成績評定制度等がいまだ日本において完成せざる以前に起るべき問題でございますので、人事院としては今回の整理に科学的なこまかい基準を出し得ない地位にあることは御了承願いたいと存じます。かかる場合には、もしも公務員から訴えが起りましても、結局それは任命権者の自由裁量の領域に立ち入つて審判するようなことに相なりますならば、きわめて長い期間かかつて水かけ論となる結果になりはしないかと心配いたすわけであります。そういう意味におきまして、この点は人事院として非常な関心は持つておりますが、人事院のやるべき、この今度の行政整理に対する保護が、この訴願の制度によつて達し得るかどうかという点は、疑問を持つておるということを率直に申し上げるほかはないと存じます。
#118
○成田委員 ただいま八十九條ないし九十二條の適用をもつてしては、公務員の利益保護にあまり役立たない、だから排除されてもやむを得ないだろうという御答弁がありましたが、人事院総裁としては、少くとも公務員の利益保護のために重大なる責任を持つておられる。八十九條――九十二條で公務員の利益保護できないとすれば、今回の政府の行政措置で、あるいは科学性を欠いておる、あるいは行き過ぎがあるというようなことを発見されました場合、何らか適宜な処置をおとりになることは、当然だと思いますが、それについて具体的な案をお持ちであるかどうか。
#119
○淺井政府委員 この訴願の規定を除くか入れるか、私は二つの立場を申し上げて國会の御裁断によりたいと存じます。もしもこの訴願の規定が復活せられるということが、國会の御意思できまりましたならば、人事院は万難を排しまして、併合審理等の方法をもちましてやるほかはございません。しかしながらもしこの訴願の規定というものが排除せられたまま、國会でおきめになつたというあかつきには、もはや人事院としては國家公務員を保護する何らの手続もないのかということになるかと思うのでございまするが、國家公務員法によつて、人事院に與えられておる権限は、決して訴願の手続ばかりではございません。ことに私の考えておりますことは、この國家公務員法において認められておりまするところの人事主任官会議という制度でございます。この制度によつて人事行政に関する人事院の考えがもしありといたしますれば、十分各省に徹底し、各省を統制することができる、このように考えている次第でございます。
#120
○成田委員 人事主任官会議の制度もあるから、今回の行政整理について、あるいは不統一なところがあれば完全なる統制もやり、人事院の立場をはつきりしたいというような御意見がありましたが、今回の定員法が出されまして、すでに相当の時日が経過しております。行政整理の内容というものは、人事院総裁としては当然おわかりになつておると思うのであります。といたしますと、現在提案されております定員法に基く行政整理に対して、人事院総裁はいかなる具体的な方針をおとりになるお考えであるか、これをはつきりしていただきたい。
#121
○淺井政府委員 いかなる方針をとるやとのお尋ねでございますが、これは少しお尋ねが抽象的に相なるかと存ずるのでございます。つまりこの定員法に対して賛成か反対かを言えということでございますか。もしそうならば人事院の立場といたしまして、この政府の提案せられました法案に対し、この場で私が批判をいたすことは差控えたいと存ずるのでございます。
 次に第二点といたしましては、行政整理をやるかやらないか、やる方がいいのか、やらない方がいいのか、もしやるならばどれほどやつたらいいかということは、人事院としては完全な職階制、人事記録等もございません今日におきましては、國会並びに内閣におまかせをいたすよりしかたがない次第でございます。
#122
○成田委員 そういたしますと、國家公務員法が制定されましたときに、一方公務員の権利をある程度制限しながら、他方公務員の身分を保障したということで、この國家公務員法というものは、現在の法律となつて出ているだろうと思うのでありますが、結果におきまして國家公務員法は、公務員の利益を押えることにばかり利用されまして、何ら公務員の身分に対して保護するという方面には発動されない。すなわち公務員の彈圧法であるという結果になつておる。そういたしますと人事院総裁といたしましては、当然その政治的な責任もお考えにならなければいかぬということを私たち考えるのでありますが、それに対してどういうお考えを持つておられますか。
#123
○淺井政府委員 國家公務員法が公務員を彈圧する規定であるか、保護する規定であるかということは、これは御批判にまかせるよりしかたがないと思うのでありますが、六千三百七円の給與ベースの引上げも、また國家公務員法によつてなされたということは御了承くださるだろうと存じます。すなわちお尋ねは現在きわめて特殊なる事情から、人事院が行政整理に消極的態度をとつておりますところからの御批判かと存じますけれども、人事院といたしましては、ただいま申しましたように、決して國家公務員の保護を怠つておるものではございません。
#124
○勝間田委員 関連して……。今度の行政整理ほど、早く言えば公務員の利害に関係の深いものは私はないと思います。それが先ほど來聞いておると、きわめて遺憾であると言われるわけでありますが、その遺憾であるということは、もしこの法律が通つたならば、いわゆる公務員法の精神からいつたこれは重大な間違いである、こういうようにお考えになるのか。その点をまず第一にお聞きいたしたい。
#125
○淺井政府委員 お答え申し上げます。私が遺憾であると申しましたのは、重要な訴願の手続が今度排除せられたということに対して申した言葉でございます。およそ一つの法案はいろんな角度からこれをお考えになるべきものでございますから、私が申し上げることは單に人事行政の立場から申し上げることでございまして、あるいは國家の財政上から、政治的見地から、今回の行政整理が正しいものであると國会が御判定くださいますならば、われわれはそれに服するほかはないと存じます。
#126
○勝間田委員 ところが先ほど來聞いておりますと、いわゆる職階制のいろいろな資料がないとか、あるいは人間が非常に多過ぎて処理がなかなかむずかしいとか、そういうことで事実上できないのだから、この保護規定は運用ができない、こういうことでもし済まされるということになりますと、今後党利党略によつて、もし人員整理が行われて行く場合においては、國家公務員の保護規定は何ら意味がないということになるじやないかと思う。いわゆる数が多ければ、どうにもしようがない、一人か二人ならば解決できるが、百人、千人の者は解決できないということになると、これは空文に化するということになるのじやないでしようか。
#127
○淺井政府委員 党利党略と仰せられますけれども、これは結局國会の多数の意思でおきめを願いますこと、ちようど野党三派の多数によつて、給與ベースが上つたと同じでございますから、これは國会の御意思できまる、こう存じておる次第でございます。
#128
○勝間田委員 そういたしますと、人事院で実際に公務員の権利を守つておられる総裁といたしましては、そういつた状態のもとにおいて、十七万何千人という人間がほとんど街頭に流し出されてしまう。これについて、ただ默つておる、國会がきめればいいのだということではなく、自分としての職権から、これに勧告するなりあるいは他の手段をとるなり、そういう点が十分考えられてしかるべきだと思いますが、その点いかがでしようか。
#129
○淺井政府委員 勧告をいたすかどうかは存じませんが、その他の点については考えておると申し得るのであります。ただいま申しました人事主任会議、これによるところの人事院の統制力、こういうものも十分動かしまして、不当なることがなされないようにいたしたいと存じております。
#130
○土橋委員 関連して伺います。ただいま淺井総裁の御説明を承つておりますと、同僚の勝間田氏からも、いろいろお話があつたように、私は國家公務員法を制定いたしました基本的な態度は、政府がいかような状態にありましようとも、これは沿革から申し上げましても、一八八三年のあのアメリカにおける國家公務員法制定の基本的な態度が、日本の國家公務員法の場合にも考えられております。すなわちジヤツクソン大統領が自党のすべての党員をあげて政府機関の官吏とした。そこで官吏は適正な行政を執行する必要がある。あるいは政治の面が行政機関に強く現われるために、局長なり課長のやることに弊害が出て來て困るというので、この公務員法がつくられ、しかも公務員の給與、身分その他の雇い入れ、あるいは退職等において地位が保障せらるるという基本的な態度が定められた。本法の第一條、第三條――特に第一條についてはそういう点がはつきり書いてあります。特に第一條第二項の規定においてもこういう点を明瞭にして、國家公務員法あるいは人事院規則あるいは指令というものが非常な権威と力を持つておるのであります。ところがこういう面において人事院の決定というものは、現在日本の行政組織法上においてもまた特別の分野が與えられておりますにもかかわらず、政府がつくり上げましたこの法律案、定員法という法案が國会に今出ようとしておりますが、國会がこれを審議すること自身が、この第三條の規定あるいは人事官としての資格、身分等において第五條が明確に規定しておる点から、疑問が持たれるのでありまして、片方人事院においては別個な國家公務員法がつくられ、また國会を通じて政府が考えておるようなそういう法律がつくられる。そうして参りますと、その責任の所在、こういう点について私は非常な疑問を持つのでありますが、これについて明確な御答弁をいただきたいということが第一点。
 それから第二点は、勝間田氏も成田氏もお話申し上げておるように、あなたの説明では、この際は批判を差控えておきたい、あるいは保護を怠つておるものではないという御答弁でありますが、すでに昨年の暮ごろから人事院の構成についてはいろいろ御配慮願つて、今日すでに六月を向えんとしておる。こういう情勢下において、もつと適確に資料を集めて、全國の從業員全体の仕事の量及び職階制の内容についても十分きわめられて、政府がいかような処置に出ようとも、特に民主自由党を中心とする――労働階級にとつては非常に遺憾な政党でありますが、政府自身もかような政府でありますが、そういう政府が二割、三割というような腰だめで、実際の内容についてもほとんど研究をされないで、この行政整理に関する定員法を出す。この場合、人事院のこの國家公務員法をつくられた精神、この第一條第二項が明記しておる点から見ても、あなたの責任において人事官を招集して、この政府の態度に対して、どういうことを表明し、どういう方法で行くべきであるか。もしあなたが今御答弁になつたように、非常に保護を怠つておるものでないというならば、遺憾ながら人事院としては機構の面においても不十分である。また成立以來非常に日が浅いために、いかんともすることができないというような態度を世間に表明し、特に首を切られる諸君には陳謝なり意見を表明せられる立場にあるが、この二点について、もう一回明確に國家行政組織法上と國家公務員法の関係から、こういう意見が明確に示されるか、あるいは政府に対して勧告なり國会に対して御忠告なり御所見なりが出てしかるべきであると思いますが、この点について、明確にお答えいただきたい。
#131
○淺井政府委員 國家公務員法を制定いたします場合及びこれを改正いたします場合は、土橋さんの方の陣営からは、アメリカと日本とは制度が違うから、このような改正をしてはならないという御議論だつたかと思いますが、ただいまアメリカと同じような方法で日本もやることだということを、國家公務員法の基礎としてお述べになりましたことは、まことに私はうれしく存ずる次第でございます。國家公務員法の精神といたしましては、土橋さんのお示しのように、一方において國家公務員の保護を怠るものでないということは、まことにお示しのごとくでありまして、その責任がわれわれにあるというお示しは、まことにごもつともだと存じます。ただ土橋さんは、今度の行政整理は惡いものであるという前提で議論をお示しになつておるのでございますが、人事院といたしましては、よいか惡いかは國権の最高機関たる國会がきめるべきものだという前提に立つての相違から出て來る御議論かと存じます。
#132
○齋藤委員長 土橋君、ちよつと御注意しますが、さいぜん勝間田君から議事進行の発言を求められて議事進行の便法として、行政機関定員法の根本問題について、一から四まで最初に質問したらどうかということがあつたのでありますが、質問が横の方にすべつたと思いますから、それをお考えの上お願いいたします。
#133
○土橋委員 ただいま淺井人事院総裁は奇怪な御答弁をなすつたので、私はさような答弁は、少くともこの権威ある國会の名においても非常に残念に思うのであります。私はさような制度が正しいというのでお話を申し上げたのでありません。ただいまの國家公務員法が制定せられた精神はさようなところにあろうと考えておる。また事実そうであつたのであります。そうするならば、特に勤労階級の犠牲と負担の上において、独占金融資本を擁護する立場の上に現政府があることは、あらゆる資料によつて明瞭であります。そういう勤労階級の犠牲の上に資本主義経済の再建をはからんとする、この誤つた考え方については、わが党は非常な反撃をしておるのでありますが、そういうことも十分しんしやくをいたされまして、その國家公務員法そのものについては、私はこれは公務員の諸権利を押えるところの防波堤である、かように断定いたしておるのでありますが、それはさておきまして、國家公務員法によつて、人事院は行政組織法上かららち外に置かれて、非常な権限を與えられ、法律、規則、指令を発する権限まで與えられておるにかかわらず、自分の方の人員が不十分であるとか、あるいは内容が不充実であるとか、年限が浅いとかいうことによつて、この問題について意見が発表できないとか、あるいは自分の言いたいことを発表することを差控えたいというようなことでは、人事院そのものの本來の使命に反している。第五條において明らかに、人事官を認証する場合を規定しておるのでありますが、それはあなた自身も御承知の通りであります。人事官は、人事行政については最も堪能にして、人格高潔で、しかも公務員の利益擁護のためには憤然と鬪うべき士が三人選ばれておるのであります。そういう方が、なぜこの政府の方針について、少くとも公務員の権利を生活を擁護するという公平な見地に立つて、あなたの方から政府に対して十分な戒告なり、御忠告なり、また國会に対しても、政府はかようなことを申しておるけれども、人事院の今日までの資料においては、この程度がしかるべきであるとか、これは根本的に國家公務員法と違つた定員法をつくつておるとか、行政執行機関がこの法律を提案しておるが、むしろ出すならば人事院が出してしかるべきである、政府の越権行爲である、こういうことをおやりにならないで、將來何をおやりになるのか、こういう点が私の議論の中心点であります。現在の人事院を見ると、ほとんどあくびをしておる。何も仕事をしていない。ただ人事院規則で四十八時間を強行し、またサンマー・タイムを実施するとか、結局これは人員整理をするような規則をあなたの方でおつくりになつて、これが指令として出ておる。政府の行政整理もやむを得ないという。こういう事実については、あなたはどういう良心に基いて本委員会において御答弁くださるかという点をお聞きしておるのであります。
#134
○淺井政府委員 土橋さんの御質疑、だんだん御議論にわたる点もございますので、これはきわめて貴重なる御論議として、私十分これを参照いたしまして善処するつもりでございます。しかしながらただ一言、人事院といたしましては、決してその義務を怠つてないということの確信を私は持つております。その義務の遂行がいかなる形において現われて來るかは、まだ今後の問題であると思つております。
#135
○齋藤委員長 さいぜん私が申しました、この法案に対する基礎問題をお願いいたします。
#136
○成田委員 ただいま淺井人事院総裁は、この八十九條……。
#137
○齋藤委員長 またそれですか。
#138
○成田委員 これは根本問題です。
#139
○齋藤委員長 根本問題は、さいぜん勝間田君が言われました一から四までです。
#140
○成田委員 それに関連しておるのです。その前提をなしておるのです。八十九條――九十二條を適用することがあまり効果がないというお話であつたのでありますが、淺井事院総裁もお認めになつておるように、公務員の罷業権あるいは團体交渉権を制限し、それに対する代償として八十九條――九十二條を設けられた。ところが今回の行政整理で、八十九條――九十二條の適用は除外された。適用があつてもあまり効果がないというような結果になつたとすれば、当然元へ返りまして――八十九條――九十二條が空文になつたとすれば、労働者の基本的な権利である團体交渉権、あるいは罷業権を認めるのが私は妥当だと思う。現に米國の労働次官補のギブソン氏が参りまして、國家公務員法の改正に行き過ぎがあつたということを指摘されたそうでありますが、その指摘が現実に今回現われておるわけなんです。そういう意味におきまして、元の権利、すなわち罷業権、團体交渉権について百パーセントお認めになるように、淺井人事院総裁においては御善処されるのがほんとうではないかと思うのでありますが、それについての御意見を承りたい。
#141
○淺井政府委員 お示しのように、この訴願の規定が、一方と結びついてきわめて重大であるということは、その通りであります。ただこの國家公務員法は、全体といたしましての、今度のような数十万に上るような行政整理というものは予想していないのでございます。それが全國に起りましたところのきわめて重大なことでございますから、それが定員法を設けたゆえんであろうと存じます。
#142
○成田委員 そこに根本的な考え方の相違があるのだと思う。こういうものを予想せずにつくつた公務員法が、政府によつて一方的に公務員彈圧の規定ばかりが適用されておるという結果になつておる。そうなりますと、こういう規定が空文化され、あるいは惡用されておるとすれば、労働者の、公務員の基本的な権利を認めなければ、ほんとうの公務員の利益の擁護というものはできないという結論になるわけです。論理的に言つて、当然團体交渉権なり罷業権を百パーセント元へ返すという方針をとるべきが、人事院総裁として当然だと考えるのですが、いかがですか。
#143
○淺井政府委員 私は少しく考えが違つておるのでありますが、この國家公務員法におけるこの規定それ自体は、私はそのような欠点を持つておるものとは存じておりません。それが重要であり、一方において國家公務員を押えたがために、一方に訴願の制度を認めた、これはお示しの通りでございます。またこれを今定員法で取除きましたことにつきましては、私は非常に遺憾に存ずる次第でございます。それは御論議としては非常に私も賛成でございますが、今人事院が訴願を受付けたといたしまして、やり得るかどうかという点について、私は申しただけでございます。
#144
○齋藤委員長 それはおのおのの解釈による意見じやありませんか。
#145
○成田委員 その点はまた他の委員に御質問願うことにして、私は質問を進めましよう。先ほど人事院総裁のお言葉にあつたのですが、この整理基準の問題について、淺井人事院総裁は、現在の政治的な行政整理に対して責任が負えない、だから整理基準というものは、人事院において何ら考えていないという御答弁であつた。ところが当委員会で、本多さんは、人事院にこれはやつてもらうつもりだということで、人事院と政府の間に大きな食い違いがあつて、いろいろその点を追究した結果、本多さんは政府の責任においてやるというお話であつた。その点も政府の方で了解がついておると思つておりました。ところがきよう小澤さんに、全逓四万八千の首切りについて、いかなる整理基準をお考えになつているかということをお聞きいたしましたら、これは人事院総裁に一任するのだという御答弁であつた。事実はそうではないのだということを申し上げたら、そうすると小澤さんも、責任を持つてやろうということでありました。その点人事院総裁のお考え方というものは、全然政府に徹底していない。この機会に、ちようど官房長官も來ておられますから、整理基準については人事院は絶対にタツチしないということを、はつきり言明願いたいのです。
#146
○淺井政府委員 この整理基準の問題は、非常に重大な点だと存じております。本來人事行政機関としての人事院が、このような場合に精密な基準を出すことは望ましいことだと思つておりますし、また最もよく科学的な人事行政を知つておるというのが人事院だということになつておりますからして、これは人事院から出すべき筋合いのものだと思つております。ところが今回の行政整理につきましては、そのような基準が発見できるかどうかということは、非常に疑問があるのでございます。これは一言で申しますと、人事記録の不完全ということになつているのであります。それは各省には人事記録があるとの仰せではございましようけれども、いわゆる國家公務員法で要求するような精密な人事記録は、私はないと思う。すなわち國家公務員法で要求しておりまする勤務成績評定制度というものは、私はまだ確立しておらぬと思う。從いまして、人事院から精密な基準を出せと仰せられましても、私は出せないのであります。しかし、しいて出せと仰せられますならば、出し得るかと思つておりますが、但し、それは二つの点でございます。第一には、消極的な基準でございます。これは成田さんの申しましたように、平等取扱いの原則を破つてはならない、組合活動をするために首を切つてはならない、これははつきりいたしております。お尋ねの点は、おそらくこういうことではなくて、積極的にだれを首切るかという基準を出せというお尋ねであろうと存じますが、これは今申しました理由で、なかなか出しにくい。かりに出しましても、それではほとんど常識の程度を出ぬようなものに帰着いたしまして、結局これは同じことだろうと思います。
#147
○成田委員 人事行政の專門家であるところの人事院総裁において、今回の行政整理について確固たる科学的な標準を示すことができないと言われておるにもかかわらず、政府は責任を持つてやるというお話なのですが、人事院総裁のお話のように、常識的な基準以外には設けられないということは、私たちもほんとうだと思うのでありますが、これについて本多國務大臣はいかがお考えになつておるか。現にもう六月一日から行政整理というものが行われようとしているのですから、当然この整理基準というものを示して、委員会においても十分論議して、その上で間違いのない、りつぱな行政整理基準というものをつくつて、行政整理をおやりになるべきだと私たちは考えるのですが、現在どの程度の腹案をお持ちになつておるか、お示し願いたいと思います。
#148
○本多國務大臣 この際釈明をいたしておきますが、当委員会において、人員整理の基準が示されるとするならば、それは人事院からであるということを私は申し上げたのでありますが、それは実はあの当時、人事院から今回の行政整理についても何らかの整理基準が示されるものではなかろうかと考えておりましたので、出されるとすれば、人事院の所管事項であるから、人事院から出されるものと思うというようなことを申し上げたのでございますが、ただいま人事院総裁からの説明によりまして、大体人事院の御意向もわかつたようであります。私の方といたしましては、この行政整理の基準につきましては、ただいま申し上げました通りに、もし人事院から何らかの基準が示された場合には、その示されたものを標準として、そのわく内においてやる、これは当然のことでありますが、示されない場合にはどうするか、これはもちろん任命権者として、國家的な見地に立つて、公正に、あらゆる事情を総合して、あやまちないようにやつて行くのであります。ただいま人事院総裁が、示すとすれば二つの標準であるとして説明せられましたあの二つの標準は、もちろん政府としてもその線に沿つて、しかもあらゆる事情を勘案いたしまして、公正にやる。これはいかなる者を退職せしめ、いかなる者を退職せしめないことが國家的利益であるかという見地に立つて、最善を盡すのでございます。
#149
○齋藤委員長 もうこの問題に対しては……。
#150
○成田委員 この整理の基準は、今の四つの項目の一つですよ。委員長はそれを知つておつてもらわぬと困るですよ。中心点に來ておるのだから……。本多さんは、今日まで、人事院の方から整理基準を示すようにお考えになつておつた、そういうような今御答弁だつたのですが、この問題につきましては、四、五日前に淺井人事院総裁と本多さんに御出席を願いまして、私はこの点をはつきりしていただきたいと言いました。結局本多さんも、それならば政府の責任においてやるとお話になつた。ところがきよう小澤さんに伺うと、まだ人事院の方におんぶしておるらしい。人員整理について政府は何ら責任を持つておらぬということを発言しており、私はまつたく意外に思つておる。ただいまの本多さんの御答弁もそうだ。六月一日から行政整理をやろうとする場合に、まだ人事整理基準をきめてないとすれば、まつたく今度の行政整理というものは、首切りのためにやるのだと考えざるを得ない。すみやかに整理基準をお示しになつて、もちろんいろいろの点があるだろうと思いますから、当委員会で愼重審議しまして、この問題について誤りない措置をとりたいと思うのでありますが、それについて、案の御提出があるかどうか、はつきり伺いたい。
#151
○本多國務大臣 誤りのないようにやるというのが方針でありまして、その整理の基準を、今人事院総裁が言われた以上の基準は、これを明示するということは、まことに人事院で言われる通り困難なことであります。しかし、いかなる人を整理するのが國家的利益に合致するものであるかということについての準備は、すべての任命権者にあることでありますから、その精神によつて、公正にこれを実行するのでありまして、当委員会にその基準を明示することは困難であると思います。
#152
○土橋委員 今の質問に関連して……。
#153
○齋藤委員長 同じ質問じやありませんか。もうこの間から何べん繰返されておるかわからぬ。われわれ耳にたこができておるくらいですから……。
#154
○土橋委員 私は淺井総裁がおられますので、ちようど好都合でありますから、本多國務大臣にお尋ねをしたいのでありますが、國家公務員法の第三條をお開き願つて、私がちよつとこれを読み上げますから、聞いていただきたいと思うのであります。「この法律の完全な実施を確保し、その目的を達成するため人事院を設け、この法律実施の責に任ぜしめる。國家公務員に関する事務を掌理するため、内閣の所轄の下の人事院を置く。人事院は、この法律に定める基準に從つて、内閣総理大臣に報告しなければならない。人事院は、この法律に從い、左に掲げる事項について職員に関する諸般の方針、基準、手続、規則及び、計画を整備、調整、総合及び指示し、且つ、立法その他必要な措置を勧告する。」こういう規定を置いておるのであります。こういう規定によつて、第一号の末項の方に、「退職、恩給、免職、人員の減少、」こういうようなことを書いてありますが、こういう事項について人事院がやるということを、政府はお認めの上、この定員法を出したかどうか、この点をもう一回。私は確信を持つて、政府がこういう規定に違反をしておると思うのであるが、違反をしていないというならば、本多國務大臣は明確な答弁をしていただきたいと思うのであります。
#155
○本多國務大臣 今読み上げられました公務員法の規定は、それは間違いないと思いますが、法律ができると同時にすべての法律で規定されたことが実現されるということは、また別問題でございまして、人事院においては努力はしておると思いますけれども、法律の施行と同時に、書いてあるだけの準備ということは、困難なことだろうと思います。
#156
○土橋委員 そういうことはない。これは民主自由党の方も聞いていただきたいのでありますが、この第三條の規定は、今私が読み上げましたような國家公務員の百般のことに関しまして、人事院があらゆる計画なり、勧告なり、法律、規則をつくる指令を出す権限が與えられておるのです。政府が人事院に相談もなく、人事院の意向も確かめないで、民主自由党の第三次吉田内閣の政策として、かようなことを行政府である政府が、この提案をするということは、行政組織法上において、人事院の基本的な権限を政府が侵しているということは明白であるが、これに対して大臣の明確な答弁をしてもらいたい。もしそうでなければこれは少くとも立法府において、この定員法そのものが基礎的に重要な誤りを犯している点もありますが、この第三條、及び第五條、第一條の規定についてあなたの方で明確な答弁をしなければ、憲法違反をするところの定員法であることを私は明確にしたいのであります。この点責任をもつてお答え願いたいと思います。
#157
○本多國務大臣 むずかしい議論で私にはわかりにくいのですが、実は政府から行政整理をやるについて、人事院にその意見を確かめておいてやらなければならぬという法的な根拠はないと思います。ただ人事院に行政整理の進行状況は緊密な連絡をとつてやつて参りました。その間もし人事院の方で勧告でもされるところがあれば、向うからやつていただくべきものでありまして、私の方から法律上諮問をするとか、意見を聞くとかいうことにはなつておらないと考えております。
#158
○齋藤委員長 さいぜん理事会を開いてまず定員法の根本問題として、最初に質問したいことは四つある。第一は定員法実施によつて予算が実際にどれほど節減になるか。第二は整理の基準、第三は退職手当をどうするか、第四が失業対策いかん、この四つが理事会において協定された項目であります。これについて質問をしてもらいたいと思います。
 それであまり攻撃的なことを言わずして質問だけをお願いいたします。
#159
○土橋委員 ただいまの本多國務大臣の御答弁は、この第三條を忠実にあなたがごらんになり、読んでおられるならば、当然人事院から整理の基準に関する御勧告なり、この最後にありますように、立法その他必要な措置を勧告するということになつております。從つてあなたの先ほどの御答弁では人事院と緊密な連繋をとつたというのならば、整理基準なり、あるいは基本的な態度について、人事院からどういうお話を受けてやつたかということを明確にしなければならないのであります。先ほどのあなたの緊密な連繋をやつたという御答弁から見ても、いろいろあつたと思いますので、人事院総裁がおられますから、率直に人事院はどういう内容の勧告をしたか、どういう整理基準を示したかということをもう一回明確に御答弁願いたい。
#160
○本多國務大臣 ただいまの基準といわれるのは、あるいは何割減という基準でありますならば、それは独自に私の方でやつたのでありまして、人事院に連絡をして、その御意見によつてきめたものではないのでございます。さいぜんから申しております通りに、私の方といたしましては、行政整理の仕事の進行状況をでき得る限り人事院総裁の方にも連絡をとりまして、そうして人事院の御注意でもいただくようなことがあり得るようなら、これを目的といたしまして、連絡をとつたのでございます。行政整理をやるべきかいなかということ、あるいはやるとすれば何割切るべきかというようなことについて連絡をとつたことはないのであります。
#161
○齋藤委員長 大臣はさいぜん申しましたほかに大藏大臣、労働大臣、厚生大臣、運輸大臣、農林大臣が見えておりますから、さよう御承知の上でただいま申し上げました四つの問題について質問を願いたいと思います。
#162
○岡田(春)委員 今本多國務大臣は、政府の方からそういうことを問い合せたことはないというお話ですが、それでは今度の整理基準の問題について、淺井人事院総裁は整理基準の問題について政府側に対して勧告をされた事実がありますかどうですか。
#163
○淺井政府委員 具体的に何の勧告をした事実もございません。
#164
○岡田(春)委員 それでは第三條に先ほど土橋君の言いましたように、人事院が諸般の方針、基準、手続、規則、計画を整備するような場合、しかも具体的な條項として降任、轉任、その他首を切るというような具体的な問題について、勧告をなされなかつたというならば、第三條の発動をやられなかつたわけであろうと思います。これについては権限を行わなかつたのでありますかどうか。
#165
○淺井政府委員 それは今度の行政整理がきわめて特殊なものであつて、まだ職階制も何もできていないという特殊な状態においてなされたものであるからということは、詳しく申し上げた通りであります。人事院は決してその義務を怠つたり、権限を行使することを怠つたというわけではありませんが、できないものをやるわけには参りません。
#166
○岡田(春)委員 第三條によるところの勧告は行われなかつたというお話ならば、この中における降任、轉任その他の規定は、今度の大量首切りには適用しない、こういう意味でございますか。
#167
○淺井政府委員 それはちよつと問題が違うと思います。私のただいま申し上げたのは、そこに書いてある権限が人事院の権限であり、義務であるということを私は否定するものではないということを申し上げたのであります。しかしそれは人事院が行使し得るところの権限であつて、これを行使するといなとは人事院でみずから考慮する場合であろうと存じておるのでございますが、今回勧告をやらなかつたのは、さいぜんからもたびたび申し上げたように、今回の行政整理がきわめて特殊なものであるという事実によるのでございますから、それからただちに御結論になりまして、國務公務員法のそのような規定が適用されないのかということに相なりますと、さいぜんから御主張になつているように訴願の規定を適用せよというのと矛盾して來やしないかと思います。
#168
○岡田(春)委員 これは重大な問題ですが、第三條は適用しないのですか、するのですか。
 それから今回の首切りだけはという御答弁ですが、大量の首切りというのは今回だけで、これ以外の場合にはやはり國務公務員法を適用して行くのですか、その点をはつきりお答え願いたい。
#169
○淺井政府委員 一体人事行政がうまく動くというのには、職階制を完成することが第一と存じておりますが、そういうふうな場合になりましたらならば、どこにどれだけ人が余つているか、どこにどれだけ足りないかということは私は一目でわかるだろうと思つております。そういう場合にはよほど重大な事故が起りません限り、このような大量の行政整理というもの自体が私は存在しないものだと存じております。
#170
○小川原委員 議事進行に関して申し上げますが、さつき勝間田君より御提案になりましたこの四つの問題を政府においてもお話くださいますれば、この問題は自然と氷解することであると思います。話を聞いておりますと、同じ道を行つたり來たりしていて、さつぱり議事が進行しておらないのでありますから、まずもつてこの四項をお話くださいますと非常によろしいと思います。この際さようにお話を願いたいと思います。
#171
○成田委員 四項目につきましては今まで政府は何らの明快な回答を與えなかつたのでありますが、特にこの人員整理によりましてどれだけの経費節減になるか。それから退職手当は今度法律で規定されないで政令に委任された。從つて白紙委任状を政府に渡すようなものであるから、この退職手当の内容について、この際委員会が納得の行く程度の説明をしてもらいたい。それまでは委員会を打切ることはないようにということを申しましたところ、本多さんもそれを了承されたのであります。大藏大臣がおいでになつているそうでありますから、この行政整理によつてどれだけの経費節減ができるかということをまず第一に承りたい。それから退職手当の問題について本多國務大臣に承りたい。なお労働大臣にこの行政整理によるところの失業救済に対して、どれだけの具体的な案を持つているかということをお尋ねしたいと思います。
#172
○池田國務大臣 昭和二十五年度におきましては大体二百億円程度の一般会計、特別会計を通じての経費の節約に相なります。昭和二十四年度におきましては退職金の支給規定がまだはつきりきまつておりませんので、正確な数字は申し上げられませんが、大体今関係方面と折衝しております案によりますと、七十億円程度の本年度の減少でございます。
#173
○成田委員 二十五年度におきましては二百億円、二十四年度においては退職手当の関係もあつてはつきりした数字はわからないが、七十億円程度と言われておりますが、その内訳をひとつできるだけ詳細に承りたいと思います。たとえば何人解雇いたしまして、その給料が平均幾らであるから幾らの節減になる。それに対して失業対策費として幾らを組んでおるか。その差額は幾らになるかということをできるだけ詳細に御説明願いたいと思います。
#174
○池田國務大臣 大体予算定員から割り出した次第でございます。詳細は主計局長から答弁いたさせます。
#175
○河野(一)政府委員 予算定員に対しましておのおの各官廳で幾人ずつ減つて來る、それに予算單價をかけまして出しまして、それが平年度になりますと二百億の数字になります。本年度におきましては年度の途中から行政整理が行われます関係上、俸給、事務費の金額がかわります。それから退職手当もまだ未決定、交渉中でありますので、それを引きました結果、先ほど大臣が申し上げたような数字になります。
#176
○成田委員 それでは今の大臣の御答弁と同じなのでありまして、大臣は主計局長から詳細説明さすと言うから、もう少し詳しく御説明願います。
#177
○河野(一)政府委員 一般会計におきましては平年度でありますが五十二億、特別会計におきまして百五十億、それから二十四年度の俸給事務費の減少額が一般会計におきまして四十二億、特別会計におきまして九十九億、合計いたしまして百四十二億程度でございます。退職手当はまだ先ほど申し上げたような事情にございますが、一應現在考えております案によりますと、一般会計におきまして十四億、特別会計において五十六億、合計、七十一億、これを差引きました七十一億程度が純減少になるわけでございます。
#178
○成田委員 この予算定員と比較してというお話でございますが、相当数字がかわつて來ていると思います。実はきよう小澤逓信大臣にお尋ねいたしましたところ、四万八千の解雇目標でおやりになつていた。ところが種々努力した結果、約二万ぐらい減るというようなお話があるのですが、逓信につきましては数字は被解雇人員幾らとお押えになつておりますか。
#179
○河野(一)政府委員 私の方では予算定員がございまして、これに対して何割減るとおのおの減るところを出しまして、その差額が純減少になるわけであります。退職手当の計算につきましては、同時に現在見込まれまする四万八千人程度の退職があるものということで計算いたしております。
#180
○成田委員 そうしますと、実情と相当違つた数字が出て來るということになる。四万八千と二万八千というのです。約半分になる。そうしますと、実情と相当違つた数字である。この二百億、七十億という数字はほとんど信用できないということになります。
#181
○池田國務大臣 実情とは違つておりません。計算の仕方は予算定員によつてはじき出すのであります。しかして逓信省の減員の場合には当初は三万八千人と考えておりましたが、その後四万八千人といたしました。そうして予算定員から四万八千人減ることにいたして、減少額を出しておるのでございます。
#182
○成田委員 計算方法が違つていないだけで、実情とは相当違つている。四万八千と二万八千ですから、実情は二万八千程度の解雇の見込みだから、実情は二万八千程度の解雇の見込だから、相当実情は違つておるのではありませんか。
#183
○小澤國務大臣 それは先ほど成田君になるほど大体二万八千程度の見込みだと申しましたが、その範囲は、たとえば退職を希望するような場合には退職手当をやつてよす人もあります。つまり本人が希望してよす、そういう場合にはただちにあとの二万人が節約になるのじやなくて、私の言うのは一方的な意思で、職員の方で希望しないものをやつた場合が二万八千人であつて、その二万八千人の中には今申し上げました通り本人も希望してこの際よしますというのは入つていないのです。
#184
○成田委員 ちよつとそれだけでは二百億あるいは七十億という数字はほとんどわれわれは信用できないのであります。この計算基礎には退職手当が、まだはつきりきまつていないとは言いますけれども、やはり退職手当を考慮して差引をお出しになつておると思いますが、この点について本多國務大臣から現在どの程度の退職手当をお出しになるかということを伺いたい。
#185
○池田國務大臣 便宜上私がお答えいたしますが、大体各省には何人の予算定員がある。それで予算がきまります。しこうして今回三割を減じた場合には三割の人員が減つて來るわけでございます。しこうしてその場合一割二分の欠員があつた場合においては、実際首を切るのは一割八分ということになりまして、昭和二十五年度の予算につきましては、大体二百二億円の減少であるということはこれは確かであります。しかし今年度におきましては、そう動くことはないと思いますが、正確に退職金がきまつておりませんので、大体七十億円程度と申し上げたのでありまして、この数字は、非常に不確定――不安定なものではありません。
#186
○成田委員 今の不確定なものじやないと言われたのですか。
#187
○池田國務大臣 さほど不確定なものではございません。
#188
○成田委員 そういたしますと、結局一割八分の人員整理をやつて、それだけの人件費の節約ができる。これはマイナスの面です。しかし一方退職手当を支給することによつて政府の出費があるわけです。それを差引いたところが七十億という計算が出て來るのですね。
#189
○池田國務大臣 さようでございます。
#190
○成田委員 そういたしますと、概数ではありましようが、一應人件費の節約額に対して、出費としての退職手当というものは御計算になつているはずでありますが、その基礎資料を数字的に御説明願いたいと思います。
#191
○池田國務大臣 先ほど申し上げましたように、今年度におきましては、百四十億の減少になるのであります。平年度としますと二百二億円、今年度はある程度整理が遅れましたために百四十億、しこうして退職金が七十億、差引歳出の減少が七十億程度、こう申し上げているのであります。
#192
○成田委員 そういたしますと、退職金は大体七十億お組みになつているのでありますか。
#193
○池田國務大臣 退職金としてはそうまで組んでおりません。大体今の案で行きますと、七十億円程度の退職金が出ることになりましよう。こういうのであります。
#194
○成田委員 この七十億の退職手当が出るといたしましたら、一人当り平均どれくらいの金額になりましようか。
#195
○池田國務大臣 ただいまその支給の仕方を檢討いたしておりますが、各省によつてある程度違うと思います。またその整理の仕方にもよりますので、一人当り幾らということを申し上げる資料を持ち合せておりません。
#196
○成田委員 今各省違うというお話でありますが、私たちは今回の行政整理の性質から行きまして、少くとも月給の何箇月分ということは各省一律だと考えておつたのでありますが、違うのでありますか。
#197
○池田國務大臣 勤務年数が違つておりますので、各省によりまして一人当り幾らということは違つて來ると思います。
#198
○成田委員 各省によつて違う点でひとつお尋ねいたしたいと思います。けさ小澤さんにも御質問申し上げたのでありますが、給與の再計算によりまして、各省の給與より、低いところでは五号六号俸くらい違うのがある。現在政府では、給與のアンバランスについて、関係方面と、高い方にしわ寄せしてバランスをとろうという方針で折衝なさつているらしいのでありますが、そういう状態で、まだこのアンバランスがとれていないときに行政整理をやりまして、アンバランスのままの月給を基礎にして退職手当を支給したのでは、現在低い給與を受けているところは非常に不利益を受けると思うのであります。それにつきまして、小澤運輸大臣の御答弁では、給與のアンバランスが修正された場合は、遡及してまでも支給して、その不合理は是正したいと言つておられるのでありますが、これは小澤運輸大臣の逓信省関係だけの考えでなくして、各省に通ずる問題と解釈してよろしゆうございますか。
#199
○池田國務大臣 各省における給與のアンバランスは、以前はございましたが、最近ではアンバランスを是正しておりますから、もうお話のようなアンバランスがないと私は考えております。
#200
○成田委員 これは重大な大臣の御発言だと思うのです。淺井人事院総裁は、当委員会並びに人事委員会ではつきり言つておられるのであります。今回の給與の再計算によつて非常なアンバランスが出る。私の申し上げるアンバランスというのは第二次アンバランスです。淺井さんはそれ以上のアンバランスをお考えになつている。と申しますのは、四十八時間制実施によつて、実際六千三百七円ベースは五千円に引下つておるから、実質六千三百七円ベースを確保すべきで、このアンバランスをまず是正しなければならぬということを私たちが申し上げますと、淺井さんはごもつともだと言われておる。ところが官房長官の方では、そういうようなアンバランスは考えていない。しかしながら鉄道省、逓信省、農林省の関係において相当のアンバランスがあるので、この修正はぜひともやりたい。そうして最もよい方面に持つて來る。低い方へ持つて行くのではなしに、高い方へ持つて行つてアンバランスを修正したいということをはつきり言われておる。大藏大臣がアンバランスがないと言われることは非常に奇つ怪なんであります。その点について、はつきり御答弁を願いたい。
#201
○池田國務大臣 だんだん是正しておりますので、非常なアンバランスはないと私は思つておりますが、もし調べて非常にアンバランスがあつたならば、それは是正する方面に持つて行かなければならぬと思います。
#202
○成田委員 だんだん修正されていると言われますが、給與の再計算以後そんなに目立つた修正は行われていないのです。修正の案を立てて政府の方で御努力になつている、それが事実なんであります。そうしてあまりアンバランスがないと言われますが、五号俸、六号俸のアンバランスは五百円から千円くらいのアンバランスであります。これは公務員にとつては非常に大きな数字であります。ですからアンバランスがあるということははつきりお認めになつておる。このアンバランスを基礎にして月給の何箇月分かを支給すると、必ず不公平が生じて來る。その不公平が生じた場合に、遡及して退職手当の支給をおやりになる意思があるかどうか。小澤さんはそれを支給するとはつきり言われておるのでありますが、それは当然なことだと思います。各省ともそういう方針でおやりになるかどうかを承りたいと思います。
#203
○池田國務大臣 非常なアンバランスでありまして、不公平な結果を來すところは、そういう不公平のないように努力いたしたいと考えております。
#204
○成田委員 政府はそういうことのないようにするという御答弁でありますが、不公平がないようにするためには、結局アンバランスの修正というものが六月一日以降に行われると、遡及して支給する以外には手がないと思います。だから遡及して支給すると了解してもよろしゆうございますか。
#205
○池田國務大臣 アンバランスの程度の問題でございまして、遡及して支給しなければならぬほどのアンバランスがあれば、そういうふうにアンバランスを是正するように努力いたしたいと思います。
#206
○成田委員 それは程度の問題でありますが、大藏大臣のように高給をおとりになつている方は五千円、あるいは三千円でも少額だとお考えになるかもしりませんが、下級の職員にとつては、五百円でも千円でも非常に大きな数字になるのでありますから、その程度について、どのくらいの判断を持つているか伺いたい。
#207
○池田國務大臣 それは常識に訴えて考えるよりほかにしかたがありません。
#208
○土橋委員 午前中、政府の御予定では、現在の予算の中に、一般公務員については退職金を十五億五千二百余万円、特別会計に所属している公務員については三十五億一千三百余万円、合計五十億六千五百余万円を見込んでおる、こういう御予定のように聞いたのでありますが、間違いがないかどうか、これが第一点。
 第二点は、ただいま河野主計局長からもお話がありましたように、百四十億程度見込んでおられるというが、あとの大部分、一般会計において約二十億円、特別会計において大体七十億円、合計九十億程度は保証がない状態になつているのであります。こういう点について、予備費のうちから七億円程度融通ができれば、何とか一時的にはできると聞いておりますが、この事実ははたしてほんとうであるかどうか、明確に御答弁を願いたいと思います。
#209
○池田國務大臣 予算面につきましては、お話の通りの数字を計上しております。しかし予算に計上した程度の金額では足りませんので、財政法上許しまする範囲内において随時流用して、先ほど申しましたような退職金を出す考えでいるのであります。
#210
○土橋委員 ただいまの御説明の、予算面においては、今私が申し上げたように、一般会計、特別会計ひつくるめまして五十億六千五百万円であるのであります。そうすると、爾余のほとんど倍にも近い九十億円というものが、そんなに簡單に、款項節目について完全に流用ができるかどうか。そういう権限がはたしておるかどうか。あるいは予備費はどれくらい見込んでこの問題を処理するか、こういう点について伺いたいと思います。
#211
○河野(一)政府委員 ちよつと数字を誤解していると思います。特別会計において九十九億というのは俸給の減少額であります。これに対して退職手当が五十六億です。從つて純減少額は、特別会計で申しますならば四十三億にしかならぬ。しかし四十三億は余る、こういう計算であります。
#212
○土橋委員 ただいま大藏大臣は、予算面において九十億余万円計上されていることは確認されたようであります。それでこの厖大なものについて、予備費からどう流用するか。政府は、過小評價しておりますが、こういう問題について、どの程度の力をもつて行うか、誠意をもつてお答えいただきたいと思います。
#213
○河野(一)政府委員 土橋さんの言う通り、五十億というのが予算に計上いたしてあります退職手当でございます。しかし今回折衝して、未決定でありますが、一應考えておりますのが七十億程度、從いまして二十億程度のものがおつしやるようなことになるのでありますが、これは特別会計が三十もありまして、これを各会計にわけてみますと、割合に僅少な金額になるのでありまして、あるいは事務費を節約いたしますとか、あるいは予備費によるとかいうことで処理できると考えております。
#214
○土橋委員 ただいまの答弁で最後のつじつまが少し合わないようでありますが、少くとも一般会計においては二十億、特別会計においては七十億ということは、これは政府の資料によつて発表している数字であります。從つてこれ以外になおかつ予備費の方からどの程度稔出するよう努力しておるかということが第二点であつて、第一点に、はたして今申し上げたような九十億に近い金が、そういう流用によつて生れると政府は確信を持つておるかどうか、これを明確にしなければ、次の予備費の問題も、私は説明が不十分であろうと思うのであります。これが第一の質問の中心点であります。
 第二点といたしましては、ただいまもお話になつたように、今年度の総支出予算は七千四十六億余万円であります。その総支出予算のうちから七十億という金はどの程度のパーセンテージになつておるか。この程度の財源を浮かすために、権衡財政と苛酷なる課税がとられる過程において、こういうような予算の節減のために、ただいま非常な問題を引起しておる点について、大藏大臣はどういうお考えを持つておるか。この点について明確に答弁していただきたい。これが第二点。
 第三点は、さらに二百億の節減ができる。二百億は將來來年度の予算を考えてみますならば、現在の状態においてはおそらく八千億余万円を突破するような一般会計を組まれるでありましよう。こういうような過程において、二百億程度の人件費は、各省ごと平均いたしましてもおそらく一〇%にならない。それをむりにこの殺人行爲を行つて独占金融資本へ奉仕しておるという、この厖大な補助金なり、安定帶の問題について、大臣はどういう考えを持つておるか、この点が第三点であります。
#215
○池田國務大臣 先ほど來数字の問題が出ましたが、予算面につきましては、一般会計、特別会計を通じて、退職金は五十億円程度を組んでおるのであります。しかし今回本年度出します退職金は七十一億円程度であります。その差額につきましては、主計局長より申し上げておりますように、事務費とか、あるいは不用の、節約し得る金をできるだけ節約する考えで折衝いたしております。しこうして七十一億円の退職金は、一般会計の予算額七千億余りから比べたならば一%ぐらいではないか、こういうお話でございますが、これは比較の問題ではございません。
 第三の、來年度は八千億になるというふうなお考えでありますが、私はそう考えておりません。できるだけ経費を節約いたしまして、本年度よりも少い額の一般会計予算をつくるべく努力いたしております。
#216
○土橋委員 私は、一般会計におきましては約九%程度でありますが、特別会計におきましては約一一%程度であろうと思います。從つてこういうような全体の國家の支出から見ましてきわめて僅少なものであります。こういうものを整理することによつて諸君の税金が軽減せられるというような、選挙運動において民主自由党の皆さんがそういう宣傳をいたして、かつ七十億しか節減ができないというようなことで、殺人行為に類似するような行政整理を行われるというところに、私は政府の性格と、第三次吉田内閣の本質を持つていると思うのでありますが、こういう点について、私は大藏大臣がもつと誠意を盡されまして、これは労働大臣とも十分御相談になりましてそうしてただいま私が申し上げているような七十億というような僅少な額でなく、もつとどの程度努力してできるかという点についてもう一回御答弁願つて、私は同僚岡田君もおられますので讓つておきたいと思います。
#217
○池田國務大臣 財政の許す限りできるだけ流用を行いまして、退職金をたくさん出すように努力いたしておる次第でございます。これ以外は、申し上げても意見の相違に相なるかと考えます。
#218
○岡田(春)委員 まず第一にお伺いしたいと思いますのは、主計局長の御答弁では、さつき七十億ぐらいの節約額がある、こういうお話でありますけれども、同じあなたの御答弁で、四月十三日に予算委員会で答弁されております。これとは実は数字が違うのであります。あの当時の数字と違う点、節約額につきましては、その当時はつきり予算委員会でのあなたの御答弁では八十一億、約十億よけいの節約額を言つておられます。もちろんこれについておそらく御答弁なさる場合に、退職金をできるだけ多くするためにこうなるのだ、こういうふうに御答弁したいのでありましようが、実はそうじやないのであります。給與の節約額の算定が違つておる。先ほどの御答弁では、一般会計は四十二億の節約だとお話になりました。それから特別会計では九十九億と御答弁になつております。ところが予算委員会では、一般会計は三十八億、それから特別会計は九十四億、こういうふうに御答弁になつておるのであります。こういうふうに違つて参りました場合において、これははつきりお伺いしたいと思うのでありますが、首切りの数がかわつて來たために、こういうふうによけいの首切り予算の節約額が出たものであるかどうか、この点を伺いたいと思う。
#219
○河野(一)政府委員 お答え申し上げます。予算を組みました当時には、先ほどおつしやいましたような数字の減少額が予定されたのであります。しかしその後実際に行政整理をやるとして、定員の整理になりました結果、予算以上にふえましたために、このように数字がかわつて参つたわけであります。
#220
○岡田(春)委員 それでは今御答弁になつた点が、これは確定的なものであると考えてよろしいのでございますか。
#221
○河野(一)政府委員 大体そうお考えになつてけつこうであります。
#222
○岡田(春)委員 それからきようは運輸大臣が見えておるようでありますから、この退職金の問題に関連しますから伺いたい。五月十六日に國鉄では、当面退職されておる場合の退職金の停止の通牒を出しておられるのでありますが、これは事実かどうか伺いたい。
#223
○大屋國務大臣 事実です。
#224
○岡田(春)委員 停止されておるそうでありますが、これは今後どういうような方法で行われるお考えでありますか。
#225
○大屋國務大臣 それはそういう方針を内閣で決定いたしましたから、さようにいたしたわけであります。
#226
○岡田(春)委員 それでは本多國務大臣に伺いたいと思いますが、今度の停止の通牒は國務大臣の方からお出しになつたのでありますかどうか。
#227
○本多國務大臣 それは政令を発布しましたから、すべてその政令によつて一時停止になつておるのでございます。
#228
○岡田(春)委員 その取扱いは今後いかがなさるのでありますか。さかのぼつて行われますか。
#229
○本多國務大臣 これは政令にも明らかにいたしております通りに、退職手当の新しい政令が施行せられるまででございまして、一刻も早く新しい退職手当の基準を示す政令を公布することによつて解消されるわけであります。そしてそれはその停止を受けておる者が今回の整理の対象になるものでありますならば、その人には新しい基準が適用されることになります。
#230
○岡田(春)委員 それでは今の本多國務大臣の御答弁では、今回の整理の場合をお話になりましたが、六月一日から定員法が実施になりますが、それ以前にやめた者についての場合の退職金、これは今支拂い停止になつておるわけでありますが、これは定員法によるところの政令に準拠して行われるわけでありますかどうか。
#231
○池田國務大臣 私がかわつてお答えいたします。運輸省におきまして、以前退職いたした者につきましては、運輸大臣からお答えの通り支拂いの停止をいたしております。しかし今回政令によつてきまります支給の規定は、以前に退職された人には適用がないものと私は考えております。
#232
○岡田(春)委員 それでは今適用がないという御答弁でありましたが、本多國務大臣の御答弁では政令が実施とともに、それを支拂うという御答弁ですが、なぜそれまでお待ちになつて、あとに退職金を支拂われるようなことになつておるのか、そこの点を明らかにしてもらいたい。
#233
○池田國務大臣 私は以前の退職者につきましては從前の方法でやりたいと考えておるのであります。しかしこの問題も今後政令できまる問題とある程度関連をいたしておりますので、はつきりは申し上げられません。今後支拂います方法がきまりますときまで留保していただきたいと思います。
#234
○岡田(春)委員 それでは池田大藏大臣の御答弁は、六月一日以降の退職者の場合と同樣な取扱いでやりたいからという意味で今支拂いを停止しているのだ。かように解釈してよろしゆうございますか。
#235
○池田國務大臣 反対でございまして、以前の方につきましては、從前通りやりたい。今後の分につきましては、政令できめた分でやりたい。こういう考えでございます。ただ今後どういうふうなきまり方をするか、これが問題でありますので、一應さしとめた次第であります。
#236
○岡田(春)委員 しかし從來通りの方法でお拂いになるならば、今ことさらに一齊に停止をされて、しかも低賃金で苦しんでおる國鉄の職員や、その他の人々が非常な塗炭の苦しみになつているような状態をほつておく必要はないと思うのでありますが、從來通りの退職の手当の方法をもつて行われるならば、何もそういうような停止をされることはないじやないですか。
#237
○池田國務大臣 しばらく停止した方がよいと考えまして、停止をいたしたのであります。
#238
○岡田(春)委員 しばらく停止してもよいというような政治的な御答弁は、あなたは高給の給料をとつておられるから感じないかもしれませんが、あなたの個人的な主観において、今死のうという國鉄の從業員の諸君に、あなた自身がいいからというような氣持で退職金を拂わなくてもいいということは、それでは一体どういうわけであなたは拂わない方がいいというのか。そこのところを具体的に御答弁を願いたいと思います。
#239
○池田國務大臣 やめられた方の問題でございまして、今國鉄の残つておられる方の問題ではないのであります。
#240
○岡田(春)委員 しかしこれはやめられたには違いないのであります。それはお話の通りであると思いますが、運輸省の関係のことはおわかりにならないとしても、最近省内の事情はおわかりになつておられると思いますが、希望的に退職を事実上において勧告されておる。こういう事実をあげろといえば具体的にあげてもよろしゆうございますが、こういう形で定員法実施以前において、その前ぶれ的な具体的なことをやろうとしている。こういう者はかつてにやめたんだからおれの知つたことではない。給料はやらない。退職金はあとにした方がいい。こういうような御答弁ではわれわれ満足できないのでありますが、この点もう一度御答弁を願いたい。
#241
○池田國務大臣 これはやめられた方につきましては、退職金以外に一時恩給金もあるのであります。しかして退職金が二箇月、三箇月遅れるからといつて、非常なお困りの場合が例外的にはあるかもわかりませんが、最近において政令がきまりますれば、ただちに支拂うことになりますので、しばらくごがまんを願いたいということであります。
#242
○岡田(春)委員 これだけで終りますが、池田さんは大藏大臣だから労働基準法は知らないかもしれませんが、労働基準法にはこれをお読みになつたらおわかりの通りに、退職した場合においてはこれはすみやかに拂わなければならないことになつている。あなたの主観的な意図において拂わない方がいいからと思つて拂わなければ、これは明らかに労働基準法の違反になつて参ります。この点ははつきりあなた自身がわかつていただかなければならない問題です。この点はここで明らかにしておきますが、なるべく早くということは、大藏大臣は五月十六日以降において、六月一箇月の猶予は労働基準法に認められておりますが、もし五月十六日以降、一箇月以内に拂われなかつた場合においては、あなたの拂わない方がいいだろうというお考えのもとでは、あなた自身が労働基準法の違反を起すのだということを、はつきりあなたは知つておいていただきたいと思います。
#243
○床次委員 ただいま退職手当の予算増加につきまして、大体の御説明を承つたのでありますが、具体的に幾ら退職手当が支拂わなければならないかということにつきましては、これは政令によらなければ今日明瞭になつておらない。しかし退職せられる者の立場から申しますと、幾ら退職手当がもらえるか、ここであります。個人が幾らの割合で退職手当をもらえるかということは大きな関心を持つておるのでありますが、ただいまのお話におきまして、今後退職する者につきましては、從來の普通退職手当のほかに特別の退職手当がある程度あるということも予想せられるのであります。しかしながら今日までのこういう行政整理の場合を考慮いたしますれば、これは先ほどいろいろ公務員法の問題でも論ぜられましたが、今回はまことに特別なる処置によりまして行政整理が行われるのでありまして、個人に対する退職手当につきましても、十分御当局は考えていただく必要があるのであります。從來の退職手当以外に、むしろ普通の從來の行政整理の例でありますれば、それと同額に近いところのものがあつたのではないかと想像するのでありますが、政府におかれましては、今まで行われました特別の行政整理、その際に支給いたしました退職手当と劣らぬ程度の優遇をするという、退職者に対しまして十分の考慮を拂われるところの用意があるかどうかそのことをお伺いいたしたいと存じます。
#244
○本多國務大臣 今日まで御説明申し上げて参りました通り、御審議中に最後的な確定したもの、政令案を提示できませんことはまことに遺憾に存じますが、しかし政府におきましては、その定員法と同時に審議を願うことが困難であるということも考慮いたしまして、政令に讓つたのでございまして、この整理の趣旨とするところの、政府の方針を明らかにいたしましたならば、御了承できるものであると思いますので、許す範囲内におきまして私はこれを明らかにいたしたいと思います。今回政令によつて定めたいと考えております方針は、まだ関係方面との了解は最後的にできておりませんので、これを政令案そのものであると申し上げることはできないのでありますけれども、この申し上げることと大差ないもの、この原則にのつとつたものが公布されるであろうということを確認いたしておりますのでそれを申し上げて御了承願いたいのであります。
 実は政府職員の中で、その退職に関する給與につきまして区別があるのでありますが、その区別は非現業の雇用員、それから現業の雇用員、それから官吏とこの三つの区別がございます。この非現業の雇用員に対しては、共済組合の給付金あるいは恩給等がございません。この共済組合給付金、恩給等の給付を受けない非現業の雇用員に対しましては、從來も御説明申し上げておりました從來の基準に行きたいと考えております。さらに現業の雇用員におきましては、共済組合給付金とこれは併給されるものでありますので、その関係を考慮いたしまして、その支給率を決定いたしたいと考えております。また官吏につきましては恩給が大体從來の整理の場合における退職金と同額になつておりましたので、恩給の額等も考慮いたしまして、その基準を定めて行きたいと考えております。さらにきわめて在職年限の短かい一年未満あるいは二年、三年未満というところには、適当な考慮を加えること、また失業を続けるような場合にも考慮を加えたいという、こういう方針であります。これは失業している者の失業保險金支給の関係がありますが、そうした面についても考慮して行きたいと考えております。大体の政府の今日持つておりまする方針はこれでありまして、この趣旨に從つて政令を出すことになるのでありまして、十分政府の誠意のあるところを了とせられまして、ひとつ御審議をお願いいたしたいと思います。
#245
○成田委員 ただいま本多さんの御説明を聞きますと、これはこの委員会で数日前から言われていることと何らかわらない。結局恩給と共済組合規定の支給のある者についてはこれを考慮して、二割とか三割とか退職手当を減らす。ない者については從來の基準でやるんだというので、何ら明らかにされていない。今回の行政整理による退職手当はどれくらい支給されるか。今床次さんが言われているように、政府は七十億という数字を組んでおりますけれども、もらう本人から見ると、大体何箇月分の給料に該当する退職手当がもらえるかということが問題なんです。七十億という数字をお出しになつた以上、各官廳間によつて相当差はありましようけれども、大体何箇月という目安をつけなければ、七十億という数字は算術の上から出て來ないのであります。だから政府としては、ただ関係方面との関係もございましようから、はつきり言つていただかなくてもけつこうでございますが、大体の目安として、平均したものを何箇月支給するということだけはお示しになる必要があると思いますが、その点をひとつお示し願いたいと思います。
#246
○本多國務大臣 ただいま御説明申し上げましたことによつて、どれくらいになるかということは御判断を願うほかありません。これ以上のことは私として申し上げかねます。
#247
○成田委員 判断を願うというが、本日は時間もないというので早くやつてもらいたいという與党側の御希望もあるので、こういう数字で判断しろと言つても、そろばんをはじかなければならぬ。政府としては当然七十億を出した数字的根拠をもつて臨むはずだから、大体のところをお示し願いたい。特に本多さんとはこの委員会の席上ではつきり約束している。そうしなければこの委員会を打切ることはしない。委員の皆さんが満足するような数字を示すから、それがために政令に委任をしておる。だから数字だけをはつきり示すという御確約があるから、この点だけははつきりしていただかなければ、審議を継続することはできません。
#248
○本多國務大臣 最後的な確定案をお示しできないことはまことに遺憾に思いますけれども、しかしこれだけのことを申し上げますと、大体の見当はおつきになるのが常識だろうと思います。この範囲内において御判断を願つて、そうしてあとの政令のことにつきましては政府の誠意を了としていただきたいと思います。
    〔発言を求める者多し〕
#249
○齋藤委員長 ちよつと待ちたまえ。今のことは関係方面との折衝もあるから、公開の席ではできぬが、祕密会にしてということもあるが……。
#250
○木村(榮)委員 その前に関連事項として……。それはこの前の委員会で私この問題について質問いたしました場合に、少くとも定員法が委員会にかかつておる間に具体的なものをこしらえて、そうして皆さんの納得の行くものを別表でこしらえる。これは相当明細なものをこしらえぬと皆さんは納得できぬであろうから、しばらく待つてくれ、しかしながら定員法が委員会で審議中には必ず出します、こういうことを本多國務大臣は約束しております。それを今日はああいうような抽象論で、この前の約束とは違う。こういうことは徹底的にやつてもらわなければ困る。
#251
○本多國務大臣 私は審議中に確定的な退職手当の基準をお示しいたしたいと思つておりましたので、そういうことを申し上げたと思いますが、必ず出しますということは確約いたしておりません。しかしこの審議を続けておりまする過程において、関係方面からの指示等もありまして、いろいろその段階における考え方を相当かえなければならない面も生じて参つたのであります。それは御承知の通りに、均衡予算の範囲内において処理して行くということ、さいぜんも岡田議員から御質問のありました退職した者に一日も早く拂わなければならぬ退職手当を一時停止いたしましたのも、その指示によるところでありまして、その指示等がありました結果、成案を得るに至らなかつたのでございます。しかしこれはやむを得ない占領下の事情でもありますので、祕密会になりましたらいま少しく御了解の行くように御説明を申し上げます。
#252
○齋藤委員長 なおこれ以上に進んだ説明をお聞きになる必要があるならば、祕密会にするよりしかたがありませんが……。(「祕密会祕密会」と呼ぶ者あり)――それでは祕密会にすることに賛成される方の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#253
○齋藤委員長 起立多数。それでは祕密会にいたします。傍聽人は退場してください。
     ━━━━◇━━━━━
    〔午後五時十分祕密会に入る〕
#254
○齋藤委員長 これより祕密会を開きます。速記をとめて……。
    〔速記中止〕
    〔午後五時四十六分祕密会を終る〕
     ━━━━◇━━━━━
#255
○齋藤委員長 それでは祕密会は終りまして、これより再開いたします。質疑はありませんか。
#256
○成田委員 増田官房長官にお聞きしたい。人事委員会で、給與の再計算問題が起きましたときに、私は長官に、このアンバランスをどうするかとお尋ねいたしましたところ、四十八時間制実施に伴うアンバランスは、現在のところ修正する必要はない。しかしながら各官廳のアンバランスは早急に修正したいという御意見の御開陳があつた。その修正の仕方は、低い方に持つて行くのではなしに、高い方に持つて行くようにアンバランスを修正したいという御答弁があつたのですが、現在これの進行過程はどうなつておりますか。つまりアンバランスがあるのを修正されるというのは、非常にアンバランスは不合理だと増田官房長官もお認めになりまして、現在五号俸、六号俸の差があるのは不合理だという意味で、アンバランスの修正をなさろうというお考えであろうと解釈しておりますが、それでよろしゆうございますか。
#257
○増田政府委員 成田さんのおつしやる通りであります。
#258
○成田委員 そこで今回の退職手当と関連いたしまして問題が起るのでありますが、大藏大臣は、最初そのアンバランスというものはほとんど修正されて、大したアンバランスはないというようにおつしやつた。しかしながらあとで、アンバランスはお認めになつた。六月一日から行政整理をやる。それまでにアンバランスの修正ができればいいですけれども、できない場合は、アンバランスのままで月給の何箇月分かをもらわなければならぬことになる。そういたしますと、当然修正されるべきものが修正されないままでもらつたために、非常に一部には不利益なる取扱いを受ける者が出て來る。この不利益をどう整理するかと申しましたら、小澤運輸大臣も申されたし、大藏大臣も言われたのでありますが、これは遡及して修正しようという御意向なのです。ただ大藏大臣の言われるのは、はなはだしく差があつた場合に修正しようと言われるのですが、もともとアンバランスを修正されるというのは差があつて非常に不合理だということを前提とされておるのですから、このアンバランスの修正ということは、当然追加されて支拂われるべきだと思いますが、官房長官の御意見を聞きたいと思います。
#259
○増田政府委員 お答え申し上げます。お説は、ごもつともでございまして、そこで本人が退職するというような希望者があるというならば、退職するまでにできるだけ不均衡は是正いたしたい、こう思つております。
#260
○成田委員 本人が退職する希望のある場合にはもちろんそうですが、今回の一齊行政整理によつて首切られる十七万幾らかの被整理者が出るわけですが、六月一日から行政整理が行われ、アンバランスの修正がそれに間に合わない。アンバランスのままで解雇される。そうしてあとでアンバランスが修正された場合には、当然これは遡及して差額だけは支給さるべきである。小澤運輸大臣も、当然それはやろう。大藏大臣もやろうと言われますが、ただ大藏大臣は一つ條件をつけられまして、はなはだしく差があつた場合には遡及して支給する。そう言われますが、アンバランスの修正ということは、当然不公平な差があるということを前提とされているというように解釈されておると思う。從つて今回の行政整理の場合にも、アンバランスの修正を受けた場合には、遡及してすべて支拂われるべきである。そう解釈してよろしいのでありますか。
#261
○増田政府委員 できるだけ人情のある扱い方をいたしたいと思つております。そこで不均衡の是正は、今まですでに再計算をやつておりますし、これからも一生懸命努力して実行いたします。私どもといたしましては、本人が該当者である場合は、退職するまでに不均衡は是正いたしたい、こう思つておりますが、不幸にして万一不均衡の是正を見ずに、不利益な状態において退職したというような者がある場合には、合法の範囲内においてできるだけ便宜をはかりたい、こう思つております。
#262
○勝間田委員 労働大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。いわゆるインテリ階級の失業救済というものは、非常にむずかしいかと私は思うのでありますが、今度官吏が十七万一千三百人も首を切られるわけであります。これに対してどういう失業対策を考えていらつしやるか、この点をお尋ね申し上げたいと思います。
#263
○鈴木國務大臣 勝間田さんのお説の通り、失業対策の中で知識階級の失業対策はきわめてむずかしくもあり、また特殊な考え方をもつて考慮しなければならない。根本的にはそう思つております。しかし失業対策の最終的な解決の形は、國民経済の新しい活動と、その新しく開かれた雇用面の中に最終的な形でもつて吸收して行くという形でなければ仕上げにはならない。これもごく平凡のことでありますが、その通りだと思います。從つて今回の行政整理によつて出て來られる方々、さしあたつて中央において、全部とすれば十七万でありますが、その中でどれだけの人たちが――いろいろな私的関係その他でもつて別の仕事につき得る人もあるかもしれませんが、どれくらい出て來るかという問題の見通しにつきましては、なかなか明確な数字はつかめないのであります。かりに十七万といたしまして、この人たちをただちに時間的のずれがなく、新しい國民経済の雇用面の中に今申し上げましたような形でもつて吸收してしまうということは、いかにそうしますと申しましても、実現不可能だと存じます。そこで一つには、どのくらいの國民経済の雇用面というものが生れて來るかということの、これは日本の現在の統計調査の事業においてはこれも困難でありますけれども、とにかくその一つのわくといいますか、見通しをつける必要があり、それにどういうふうに最終的吸收をはかつて行くかという問題を考えることが一つ。同時にそこに出て來ますところのずれの段階に、どういう措置を講じて行くかという問題が一つと、この二つに、今の行政整理によつて失業の形になつて出て來る方たちに対する政策というものがわかれて行くと思います。そのうち、これはもうすでに申し上げました数字であり、また同時に批判もあつた数字でありますけれども、私どもの見ております数字では、これは案及び商工省当局で輸出振興計画、五箇年計画等とつき合せて一應得た数字でありますが、新しく今年度内に生れて來るところの雇用数というものは、大体四十万前後、そのうち輸出産業を中心にその衞星的な事業をも含めたものが大体二十万人前後――これは御質問の中ではそこまで詳しいことを御要求しておらないかもしれませんが、念のために申しますと、輸出産業の中の大体二十万と申しますのは、鉄鋼業に二万八千、非鉄金属に七千、化学工業に三万一千、窯業に二万四千、纖維に十一万七千、機械器具に一万、これを合計いたしまして大体二十万という数字を一應得たわけでございます。そのほかにサービス業とか自由業とか、そういつたものの方面に大体二十万の雇用が生れるであろう。そこで合せて四十万という見通しをつけております。申し上げるまでもなく、これは一面において輸出産業の中においてさえも衰頽して倒れる産業もあるのでありますから、それをかれこれ差引してこれだけのものが生れて來るという意味ではないのでございまして、一方において國民経済の中で消滅と申しますか、倒れて行く面から失業者が出て來るという面は別といたしまして、現在の政府の方向に経済政策を強力に実行して行けば、この程度の新しい雇用面が生れて來る、こういう意味でございます。同樣にこれは明年度になりますと、やや見通しの基礎はこれとはまた少し大ざつぱになつて來るかもしれませんけれども、一應明年度までの計算をしたところによりますと、同じ方式によつて、明年度は大体八十万、その八十万の意味もただいま申したような意味であります。一方においては失業者が明年度なお続いて來るでありましようが、そういう雇用量の増加は見込み得る。これが基本的な一方の数字なのでございます。御指摘になりました行政整理によつて失業されると予想される方々は、大体においてたとえば公共事業費、あるいは今度の見返り資金によるところの電源開発とか、そういう方面の重労働、もしくは住居的関係をもつて、そういう方面にただちに向け得ない人たちが多いのでございまして、主として力点は、この新しく生れて來る雇用面の中で、知識階級の人たちを吸收し得る面に最終的吸收をはかつて行くという形をとらなければならぬと思うのでございます。そのとつて行く新しい雇用の需要と、そして職を求める知識階級の人たちをどこで継ぐかということは、主力を現在の安定所に置きまして、特殊の方式なり部門なりを設けまして、そしてここに雇用と就業希望者とをマツチさせて行くという特殊の方式をとろうとして、それを目下立案中でございます。そういたしまして、さつき申しましたように、今年中にこの十七万全部を入れるということができるわけのものではございませんから、それではどれだけ入るかという問題までの明確な見すえはつきませんが、今年及び明年度において、この面に最終吸收をはかり、そしてそれをマツチさせ連絡をするところの、安定所を中心としての特殊の行政を展開して行くという考え方で、これに当つて参りたいと存じます。と同時に、それでは今年の下半期から出て來るこの十七万の中の失業もしくは半失業状態に置かれる人たちに対して、どうするかという問題であります。これはすでに衆参両院を通過いたしましたところの緊急失業対策法によつて、主としてこれはおそらく大都市、中都市を中心として出て來る方々と思いますので、そういう都市に労働大臣の必要と認めた時と場所において、安本長官と相談しながら、労働大臣の権限において急速に失業対策の事業を実行して行く、そういう法律的の準備の方はすでにでき上つておるのでありまして、この緊急失業対策法によつて、普通の公共事業のように、各省がそれぞれやつて行くというような考え方とは別に、労働大臣が直接にこれを管轄してやつて行くという考え方で、この事業を展開して参りたいと存じます。そうしてしばしば指摘された通り、現在この緊急失業対策事業の経費として、現在の予算に計上されておるところの費用は八億八百余万円である。この中には主として知識階級の人たちに対する失業対策が、今年からでなくて、すでに一両年前から実行されておりまして、これを中軸として急速に展開して行くには八億八百余万円では足りないということは、指摘されたこともしばしばでありますし、私どももそれを痛感しておりますし、同時に政府全体といたしましても、そのことは十分了承しておるはずでありまして、私もしばしば大藏大臣に対しましても、この点については力説して來たつもりであります。ではどれだけの金額を緊急失業対策の経費に計上するのかといいますと、今明確に何十億とか何百億とかいうことは申し上げられません。一應の見通しと計算はつけておりますけれども、今明確にそのことを申すだけの段階に至つておりませんけれども、たとえば私どもの考えの基礎を御参考として聞いていただきたい。数字は二十五万ないし三十万の人を一年間緊急失業対策事業で持ちこたえるためには、百億円の資金がいる。ひつくり返しに言えば、百億円の資金があれば、大体三十万近くの人たちの緊急失業対策を持ちこたえて行くことができるということになるのであります。百億円計上するか、五十億円計上するか、百五十億円計上するかという問題になりますと、これはさらに將來にわたつて現実に即しての皆さんの御注意をも快く承りまして、誤りなきを期して参りたいと思つておりますが、大体において考え方の根本は以上の通りであります。
#264
○勝間田委員 たいへん詳しい御説明をいただいたのであります。しかも新しい雇用の四十万人は、先ほどお話の通りに文字通り新しい雇用で約四十万人でありますが、結局失業して來る部面というのを差引いて行かなければならぬことはお話の通りでありますけれども、その意味で出て來る数字が、この前の労働省の方の数字からして、非常に少いように私は思うのであります。失業者が出て來る一般の理由というものを、もう一度お話いただきたいと思います。なるべく簡明にお答えを願います。
#265
○鈴木國務大臣 行政整理の面だけから申しますと、最初四十万と発表しておきました。それがただいま一應中央だけで十七万となつてこの面においても少くなつております。地方の分は今のところわかりませんが、ある程度少くなると思います。それからそのほか今お聞きになりました全体の数字につきましては、安定局長から説明していただきたいと思います。
#266
○齋藤(邦)政府委員 企業合理化に伴います失業者といたしましては、大体三十万ないし六十万という程度を考えております。なお引揚げにつきましては、五月からただちに引揚げるものといたしまして、推定いたしますと、大体二%を計算しておるような次第であります。
#267
○勝間田委員 これは新規に起きて來る失業者として見られたのだと私は思いますが、現にある失業者をどうお見になつていらつしやいましようか、その点を……。
#268
○齋藤(邦)政府委員 私から現在の失業者の数につきましてお答え申し上げたいと思います。ただいまお尋ねの現在の失業者の数、これを把握いたしますことはきわめて困難な問題でありますが、総理廳の統計局におきまして、拔打ち的な檢査をいたしております労働力の調査というのがございます。この労働力の調査によりますと、二月におきまして大体五十万人といわれております。しかしながらこの統計はきわめて抽出的な調査でありますので、どの程度正確であるか、きわめて困難な問題かと思つております。たとえばその統計を例を引いて申しますと、昨年の十二月は二十六万、一月が三十一万、二月が五十万ということになつております。これは調査地域の変更が二月に行われました関係上、さようなことに相なつておるものと考えております。なお安定所の窓口に最近一箇月間に現われて参ります求職者、この求職者の数は全部が全部失業者ではありません。現在就職しておりながら、よりよき職につかんといたしまして求職いたしております者を含んでおります。その数字によりますと、大体四十万を下まわつておるような傾向に相なつております。
#269
○勝間田委員 最近の安定所のお話が出たのでありますが、最近の安定所の求職の状況と、それからそれが解決される状況というものをひとつお示し願いたいと思います。
#270
○齋藤(邦)政府委員 大体において正確な数字は別といたしまして、大ざつぱに申しまして、安定所の窓口におきまして解雇の状況を調べて参りますと、大体において一月間に一万人程度の解雇が行われておるようでございます。これは全國でございます。就職の状況でありますが、大ざつぱに申しまして、求職は大体三十五万程度の求職がありまして、就職は大体におきまして、八、九万程度の就職というものを見ておるような次第でございます。
#271
○勝間田委員 特にインテリの場合に、非常に関係が深いと思うのでありますから、お尋ねしたいと思いますけれども、特にインテリ関係、あるいは現在の官公吏、從つて技術者も相当あろうと思いますが、こういつた者の就職状況を推察するために、実はお聞きしたいのでありますが、安定所の求職は主としてどういう種類のものが一番多いのか、就職の問題はどういう種類のものが一番多いか、その点をもう一度お示し願いたいと思います。
#272
○齋藤(邦)政府委員 大体職種といたしましては、工員関係が割合多いようでございます。なお事務職員等も割合多いようでございます。ただ技術者、これは安定所を利用しております数はきわめて少い、かように考えております。
#273
○齋藤委員長 勝間田君、よろしゆうございますか。
#274
○勝間田委員 一應これでよろしゆうございます。
#275
○床次委員 ちよつと関連して御質問申し上げたいと思いますが、知識階級の失業者の救済に対しましては、本人に職を與えることももちろんでありますが、その家族に対して收入を與えることが相当重要だと思います。今日の状況を見ておりますと、家族に対する授産事業、社会事業的のものは厚生省で扱つておる。その他の授職事業につきましては労働省で扱つておりますが、國民に仕事を與える、家庭内職を與える、あるいは副業的收入を與える、こういう面が両省の共管の中間にあつて、非常にこの助成その他に関しまして力が弱いように思います。たとえば資材配給、あるいは資金の融通面におきましても、これが十分な援助が得られない。なお一面中小企業その他の立場から見ましても、この方面の資金融通、資材の融通というような点がとまつておるのであります。特に失業救済という立場から見まして、この部面に対しましては、特別な御配慮が願いたいと思うのであります。御当局の御意見をこの機会に承つておきたいと思います。
#276
○齋藤(邦)政府委員 家族の失業救済のお尋ねでございますが、私どもの方で特に力を入れておりますのは、未亡人の授職の関係の問題をどうするかという問題で相当頭を悩ましておるような次第でございます。これにつきましては、厚生省所管の授産事業のほかに、私どもの方で協同作業施設というものを大体設けておるのでありますが、箇所数にいたしまして、大体全國約四百ほどの共同作業施設に対しまして、経常費の二分の一の補助金を支出する、こういうやり方にいたしてやつておる次第でございます。この共同作業施設につきましては、こういう時節でありますので、資材等のあつせんも十分できておるとは申しかねますような状態でございますが、ある程度の資材のあつせん等もいたしております。將來とも資材のあつせん等に努力して参りたい、かように考えております。なおこの四百の共同作業施設につきましては、大体四分、六分の率で、女子の方々が六分その共同作業施設に数といたしましては入つておるような次第でありまして、將來におきましても、失業の深刻化に対應いたしまして、この共同作業施設の拡充をはかつて参りたい、かように考えておる次第でございます。
#277
○土橋委員 知識階級の失業救済のために八億八百余万円の予算でありますが、ただいまの御答弁によつても相当数の失業が出るのであります。これは國家公務員並びに地方公務員諸君及び公團あるいは教職員諸君からたくさん出るのでありますが、少くともわれわれが聞いております範囲でも厖大なものが出るのであります。そこで八億八百余万円の中で政府がただいまお見込みになつております都市方面の緊急失業対策の第一案は五億九百余万円であります。そうして知識階級の失業救済が二億千八百余万円であります。公共事業の共同作業がたしか大体七千数百余万円だつたと記憶しておりますが、こういうような金額では、概算百七十二円の日当をもつてしても六千人、前者の問題についてもほぼ、概数というものはきまつておるのでありますが、そういたしますと、今労働省から発表になりました数字で対應できないように考えておりますが、この点はどういう御処置願えるでありましようか、御答弁願いたいと思うのでございます。
#278
○齋藤(邦)政府委員 ただいま土橋議員のお尋ねに対しましてお答え申し上げます。お尋ねのように八億八百余万円の失業対策事業のうち、簡單なる公共事業、これが一万四千人、知識階級應急事業につきましては六千人というものを見込んでおるわけでございます。この六千人の知識階級應急事業は、ほんとうの知識階級の應急の事業でありまして、公共職業安定所におきましてできるだけの就職のあつせんをいたしまして、どうしてもできない場合に、他に就職するまでのつなぎの職場を與える、こういうようなつもりで考えておるわけでございます。從いましてこの六千人が一年間ずつと続くものというふうな前提において予算の経理をするのではないのでありまして、できるだけすみやかな機会に、よりよき職場がありますればそちらに轉職をはかつて行く、そのためのつなぎの一應の職場として活用して行く、こういうふうに考えておるわけでございます。なおこの点につきましては、先ほど労働大臣からお話がありましたように、將來失業の情勢の深刻化に即應いたしまして、ある程度の拡充が見込まれるのではないか、かように考えております。
#279
○土橋委員 先ほどの大都市あるいは都市失業救済は一万四千でございますか、それから知識階級の失業救済が約六千と見込んで、両者とも大体金額にいたしましては百七十円前後の見当であります。共同作業に関しましてもほぼそういうような内容で、合計加えましても二万程度の救済事業でありますが、ただいまの御説明によれば、引揚者でも二十万、あるいは今政府が國家公務員として説明しているものでも、政府の説明では十七万もある。こういうような内容でどういう救済ができるか。労働大臣は百億なり、百五十億なりを見込んでおきたい、こういう最後にあまい言葉があつたのでありますが、はたしてそれが責任をもつて大藏省との折衝においてできるかどうか、こういう点が明確でありませんと、ただいまの労働省の失業対策というものが、單なる全人民を欺瞞するちよぼちよぼちよぼと出て來たものに対して、線香花火のようになつてしまうというような結論で、失業救済に対するほんとうの中身がないように考えますが、いかがでありましようか。
#280
○鈴木國務大臣 全般的な失業対策の問題になりますと、またおのずから範囲も違つて來るのでありまして、ただいまはこの委員会の性質上十七万人の行政整理によつて出て來る知識階級の人たちを中心とする方式という問題について大体申し上げたわけでございます。全般的な問題になりますれば、しばしば申し上げましたように、これは消極的ではありますけれども、最高の場合約百十万人、現在の予算において三十万前後、少し予算的に措置すれば六十万前後の人を受入れ得るところの、健全な強大な失業保險の運営もあるのでございまして、それらの面は、今は退職金を受取つて知識階級失業者として現われるところの人たちに対する御質問が中心であつたのでございますから、先ほどのようなお答えを申し上げた次第でございます。
#281
○土橋委員 私が承知しております失業保險に関する問題は、ただいまの十七万の問題には関係ないのであります。たださつきの祕密会においては若干触れる点がありますが、基本的には十七万は政府のお見込みでも動かせない数字だろうと思うのであります。そうすると、この知識階級の失業あるいは都市におけるところの緊急失業対策の方法としては、國家公務員の諸君のほかに大多数の諸君がおられるのであります。そういたしますと、この公務員の失業者が占めておる比重から考えましても、このような数字はとうていわれわれは考えることができませんが、この点を申し上げておるので、結論的に大臣としては五千数百余万円の予算を組まれた当時のお考えで、労働省全員一致して百億なり二百億ならば、さらに多額の大藏省の流用あるいはその他の方法によつて出し得るかどうかという点を私は確かめなければ、この問題の失業救済としては不十分ではないかということを申し上げた次第であります。特に逓信にいたしましても、鉄道関係の公務員の諸君にいたしましても、一般の基準の勤続年数が他の官廳よりか低いのであります。從つてそういう諸君が退職せられました場合の金額等を勘案いたしますと、この失業対策の方法ではきわめて手ぬるいばかりではなくして、申訳的な内容でしかないということを私はお聞きしておるのでありますが、これについて労働大臣の御所信をひとつ伺いたいと思うのであります。
#282
○鈴木國務大臣 百億円と申しましたのは、先ほどよくお話し申し上げた通りであります。たとえば二十五万ないし三十万の人たちを直接的な失業対策の方式、現在普通やつておるような方式でやつた場合には百億円の経費がいります。逆に百億円あれば三十万近くの人たちの緊急失業対策が一年を通じて展開されますということを申し上げたのでございまして、あのときにも申し上げましたように、だから百億円計上するとか、五十億円とか、百五十億円とかいうようなことは申し上げたわけではないのであります。失業の状態に應じてこれを出すという確信があるかという御質問に対しましては、ありますると同時に、あえて労働大臣のみでなく、この行政整理と九原則を行うところの内閣全体においても、失業がそういう状態になりましたときには、全体の責任として極力これを実行すべきものだということは、どの角度から考えても異論のあるはずはないのであります。ただりくつだけでなく、それらの点につきましてはすでに先ほども申しましたように、必要な関係者とは十分打合せておりますということを申し上げておきます。
#283
○土橋委員 もう一つ大切なことは、知識階級の失業対策の費用にいたしましても、あるいは都市周辺におけるところの緊急失業対策の内容にいたしましても、これを四・四半期にわけまして、各四半期ごとに大藏当局の承認と申しましようか、御了解を得なければならぬということを私は承つておりますが、そういうような内容についてなぜさように各四半期ごとにわけて、たとえばただいま第一・四半期が終ろうとしておりますが、こういうように大藏省の予算の面において制限を受けますならば、いかに労働大臣が今の御所信を披瀝されましても、予算面の点、特に財政面の点から制約を受けて、労働大臣としての失業救済の眞の実行はでき得ないという現状をわれわれは見ておりますが、これに対して大臣はいかような方針で、どういうようにこれを実行する考えであるか、お伺いいたしたいと思うのであります。
#284
○鈴木國務大臣 四半期ごとの大藏省との了解と申しますか、大藏省と打合せて予算を遂行して行く云々という方式は、今度の予算以後にあるいは失業救済に限らず、すべての予算遂行にあたつて採用されたと申しますか、採用されつつあるところの一つの方式でありまして、このことは内閣全体の健全予算の建前からいつて、そういう方式を採用されることも、ある意味からいつて正しいと思つております。失業救済に限らず、他の事業でも、この方式が行われる。だから失業がやりにくくなるという結論は出ないと思うのであります。むしろ反対にすべての事業が予定通りに行くように、この嚴格な予算の大藏省との連絡というものが行われるのであつて、いたずらに事業をチエツクしたり、あるいはそうした意味でもつてこの新しい制度が行われるのではないと思つております。從つて根本的の数字と見通しの問題とは別の問題だと存じます。
#285
○土橋委員 最後に、ただいまの御説明では、労働大臣はあらゆる委員会におきましての速記録等を見れば明瞭でありますが、適切随時に十分とは行かないが、万全の処置を講じたいということについては、山崎政務次官も声を大にしてあらゆる委員会において御答弁になつておるのであります。ところが今のような方法で参りますと、私は人が惡いせいでありますが、これは政府がこの失業対策に関する費用を政府の意のままに行いまして、現実の問題についてはときに吉田内閣の性格でもあろうかと存じますが、ただ單に失業対策の面が非常に大きく展開されておるというように実際言つておるが、中身はきわめて些少である。現実の問題については実際に施行しない、こういうものを持つておると私は考えておりますが、そうでなければまことに幸いであります。問題の中心点は金額が少いという点である。いくら話をしても、八億八百八十余万円をもつて、なおかつ労働大臣は失業救済の万全の措置ができるとお考えになつておるとするならば、非常に私は認識不足であると思いますので、これはぜひとも失業対策に関する問題は、この十七万の問題、さらに他の失業者に対する問題もひつくるめまして、労働大臣の全努力を傾注され、現内閣全体の責任において、いつも大臣が答弁されたようなものをただちにやる、また実際に実行し得るのだという点をこの委員会に表明していただいて、私は質問を終りたいと思うのであります。責任をもつてこの点を言つていただきたいと思うのであります。
#286
○鈴木國務大臣 先ほどから申しますように、九原則と行政整理をやることは、内閣全体の責任でありましようし、特に労働大臣はその中心的の責任を負つております。断固としてこれを実行するつもりでありますし、皆さんの方にもそういう意味において、いい意味の御援助とアドバイスをお願いしたいと思います。
#287
○木村(榮)委員 この前答弁が保留になつておつたものがあると思うのですが、ほんとうは農林大臣に來てもらわぬと明確化しませんが、ついでにお伺いしておきます。というのは、農村の潜在失業者の問題と、それから農村の季節労働の問題です。その点がこの前私が質問しましたときには、何ら統計がなくてわからない。そこで今度官公吏の方から十七万、二十万も失業者が出る。一体このうち自分の郷里に帰つて百姓の手傳いをやるといつたふうな方々を受入れるような態勢があるかどうかということを調査いたしますために、農林大臣の方へ要求したのです。ところが非常に大事なことだから意見はまことにごもつともであるが、きようはそういつたものの材料がないからおつて出す、こういう話だつたのです。ところがまだ出て來ないのですが、きようは出るでしようが……。そこで労働省といたしましてはそういつたことに対してはどのようなお考えを持つておるか、この点を承つておきたいと思います。
#288
○齋藤(邦)政府委員 私からお答え申し上げます。農村にどの程度の失業者を受入れることができるかどうか、これは目下のところ私のところでは統計、資料を持ち合せていないのであります。ただ現在の農村における人口は相当過剩を來しておりますので相当困難ではないだろうか、かように存じておる次第でございます。
#289
○木村(榮)委員 そこでこれは農林大臣の問題になるのですが、あなたの方では今のような御答弁である。ところが農林省の方ではそういつたような調査ができておるらしいのです。そこでどのくらい潜在失業者があるか、あるいはないかといつたような問題をあなたの方へ聞いたつてしようがないのだから、あなたの方では全然農村なんかの方はわからないから、全然それは考慮に入れてない、こういうわけですね。
#290
○鈴木國務大臣 木村さん今のはやはり、これは責任を逃避するわけではありませんが、農林省の方に聞いていただきたいと存じます。しかし私どもの方と無関係だとは申しません。率直に申しまして、農林省でさえ持つていない統計を、なかなか私たちは持てないのであります。問題の重要性は認めますけれども、一應農林省に聞いていただきたい。
#291
○齋藤委員長 農林大臣は今來られます。
#292
○岡田(春)委員 失業対策の問題について、簡單ですから大臣にお答え願いたいと思います。さつきの御答弁ではわれわれはどうも了承できません、と申しますことは、十七万の実人員が行政整理によつて首切られるわけです。これに対して失業対策の経費としては、さつきあなたのお話の通りに、六千人分の経費、これは行政の首切りの分だけに全部使つたとしても、頭脳労働者の分としては六千人分しか予算の面においては出ておらない。そうなつて参りますと、残りの分については、全力をあげてやつてみようというお話だけでは、われわれ了解しかねるのでありますが、この点もう少し具体的に、どういう方法でどういうふうにして行く、失業対策の経費としてとつておらないが、どういう形でやつて行くというようなことをひとつ具体的にお話を願わないと、ただ首切りつぱなしというようなことでは、われわれは了承はできない。特に頭脳労働者はあらたまつて申し上げるまでもなく、職業轉換という場合には、そう簡單に行くものではありません。特殊な問題として何らか労働省としてお考えがあるのであろうと思いますが、この点もう少し具体的にお話願いたいと思います。
#293
○鈴木國務大臣 御指摘の点、お考えの仕方は私が考えてもごもつともだと思います。六千人云々と言いましたのは、あの八億八百余万円で実行しております事業の中には、いろいろな面があるのでありまして、六千人というのは、その一部分としてやつておつたのでありますからして、それぞれたとえば補導所の関係、あるいは一万人以上の都市中心の軽労働、そういうものとは單價が違うのでございます。それらの点について及び実際にどういうような仕事を中心に計画しておるか、こういう問題が御質問の要旨と思います。これにつきましては大体においてそういつた計画と、それから仕事の種類というようなものは選定もし、計画も持つております。安定局長からこの点について説明いたさせます。

#294
○齋藤(邦)政府委員 十七万人の官廳関係の行政整理による離職者の問題でありますが、これは財政負担におきまして支出するところの救済施設といたしましては、これは官廳の退職者だけの問題ではないのであります。八億の予算を組んでおりますけれども、民間雇用の増加ということも私どもは考えておるのでございます。すなわち先ほど大臣からもお話がありましたように、輸出産業その他民間産業におきまする雇用量の増加を本年度中にも四十万見込んでおります。御承知のように健全なる雇用は、結局それは民需産業の雇用の面を考えるということが根本であります。本年におきましては、そういう民需産業における健全なる雇用量といたしまして、四十万人の労働者の増加を見込んでおるわけでありまして、私どもの方の公共職業安定所におきましては、職業のあつせんをすることが本來の任務でありますので、これは官廳関係の退職者のみに限りませんが、すべての安定所の窓口に参ります求職者については、この四十万という民需産業の新規雇用者、その方に就職のあつせんをいたしたい、かように考えております。そこで財政負担といたしまして、財政的な措置といたしまして政府が考えておりますのは、いわゆる失業対策事業あるいは職業補導施設、こういうことになるわけでございます。すなわち十七万の職員は、この失業対策のわずかな六千人なり、あるいは職業補導の五万人、それだけきりないのだ、こういう考え方ではないのであります。すなわち安定所の窓口におきまして、民間の雇用の方にあつせんをして行く、こういうことを実は根本といたしまして考えておるような次第でございます。
#295
○岡田(春)委員 窓口であつせんをされるというお話ですが、そうなつて参りますと、九原則の問題その他で、実際問題としてあつせんをするといつても、あつせんする先がないのが事実だと思います。特に特殊な頭脳労働の場合においては、そう簡單にあつせんをする。するというお話になつておりましても、それは簡單にあつせんのできるものではないことはおわかりの通りであります。そうして職業安定所の窓口を通してあつせんをするということは、これはひとり頭脳労働者に限らず、一般的な肉体労働者の場合においても、そういう形であつせんをするわけですが、私がさつきお伺いしたのはこういう定員法の措置による、いわゆる頭脳労働者の場合においては、何らか特殊なあなた方の方としての考え方において、窓口を通じて行く特別な方法を通じての考え方があるのではないか、この点をまずはつきりしてくれということをお伺いしたのであります。
#296
○齋藤(邦)政府委員 これは安定所の窓口で現在就職せしめております数を、現実の姿を申し上げたらおわかりが早いと思いますが、大体におきまして最近一月、二月ずつと大体八、九万程度の人々の職業のあつせんをいたしております。それから民間雇用量の増加四十万人、これは全部が全部安定所の窓口から参るとは思つておりませんが、相当の部分は安定所の窓口から行けるものだ、かように考えております。なお官廳職員の離職者の方々につきましては、事前に退職の関係がはつきりいたしますと、その方々に安定所の窓口から、安定所を経由して就職を希望するという方々がありますれば、事前に安定所の方に登録をしていただきまして、できるだけ安定所におきまして就職のあつせんを容易ならしめたい、こういうふうに努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。
#297
○岡田(春)委員 窓口でのあつせんのお話がありましたが、そうすると今十七万の失業者並びにその他の九原則による失業者と合せまして、少くとも政府の計算では百四十万前後の失業者が出て來るということになるわけでありますが、そういうような場合において、窓口で大体どのくらいの口をあつせんするというような見込みがついておるかどうか、この点をまず第一にお伺いいたしたいと思います。
#298
○齋藤(邦)政府委員 私どもの方へ、御承知のように安定所を経由いたしまして就職を希望する方がありますれば、その退職をきめましたそのときに各もよりの安定所に各諸官廳から報告していただくということになつておるわけでございます。從いまして御承知のように官廳の関係の行政整理につきましては、現にまだ始まつておりませんので、何人安定所の方を経由して就職したいという希望を持つておられるのか、現在のところではわかりかねる状態でございます。
#299
○岡田(春)委員 ところがこれは労働省の定員法の関係にもなりますけれども、安定所はおそらく今のお話によりましても、今後ますます忙しくなつて來るだろうと思うのでありますが、今度の定員法によりまして、労働省の所管の公共職業安定所は大体四分の一の首切りを行うことになつております。そうなつて参りますと、窓口でやるやるというようなことをお話になつておられますけれども、実際問題としてそれだけの安定所の職員が首を切られて、ただやるやるという言葉だけでは私は納得ができないのであります。そういう点もう少しはつきり願いたいと思います。
#300
○鈴木國務大臣 安定関係の面は三割という整理率は避けまして、二割ということになつておるのでございます。うち定員に対する実人員の差が一割ありますので、実際には一割ということになると思います。御指摘のようにこの方面の仕事が輻輳するにあたりまして、それだけの角度から見ますれば、これもしたくなかつたのでありますけれども、同時にまた國務大臣といたしまして、國、政府全体の根本的な行政整理という政策にあたりましての調節という点も考えまして、ぎりぎりのところ一〇%前後の整理というところに同調いたしたわけであります。
#301
○岡田(春)委員 ところがどうも鈴木さんも――もつと数字ではつきり安定局長も言つていただきたいのですが、私たちに入つている資料では一〇%ではないのであります。と申しますことは、減員の実数を私の方で申し上げますれば、安定所の減員の予定数としては、われわれの知つている限りでは二千四百五十四人が首切りをやるということになつておる。ところが定員の場合には一万一千八百十九人であります。そういたしますと一〇%ではなくて先ほど申し上げましたように約四分の一に近い二三%の首切りになるのであります。こういう点をもつと具体的にお話願つた方がいいのではないかと思いますが、こういう点、この場の答弁の技術だけでなく、もつと率直にお話を願いたい。
#302
○齋藤(邦)政府委員 安定所の職員の行政整理の数でございますが、これにつきましては一般関係の職員は二〇%でございます。日雇い労働者の物資加配関係の物資需給関係の職員だけが三〇%でございます。なお終戰処理費といたしまして進駐軍関係の労務のあつせんをいたしております者、これは一人も整理をしない、かようなことになつておるのであります。從いまして安定所を全部通算いたしますと、二〇%、なお失業保險関係の特別会計、これも二〇%、かように相なつております。
#303
○小林(信)委員 労働大臣にひとつお願いいたしますが、労働省として労働者の利益を保護するという建前からすれば、今度の行政整理に対して関心を持つておるわけですが、先ほど人事院と本多國務大臣との間において問題にされましたところの整理基準というような問題も、それほどでなくとも整理の一つの基準あるいは注意、そうしたものが労働省から各省に通達されるような措置がされておるかどうか、あるいはそういうことが用意されておるかどうか、こういう点もお聞きしたいのであります。つまり失業対策、失業した者に対していかに対策するかということでなく、失業させる場合に対する積極的な対策も、私はぜひともしていただきたいのであります。その中で特に一つ具体的な問題としまして、婦人と年少者に対する失業対策、これに対する御見解を承りたいと思います。
#304
○鈴木國務大臣 第一の点で御質問のありましたような通達というようなものはなかつたものと心得ております。私自身も知りませんし、おそらくそういうことはなかろうと思います。婦人年少者に対する質問の中心点がよくわかりませんでしたけれども、一般的に婦人年少者に対しては特別の考慮を拂えというような意味でありましたか、あるいは特殊の方式を考えておるのかというような意味でありましたか存じませんが、婦人の中には先ほど申しましたように、婦人に軽重のあるはずはありませんけれども、婦人の中で特に戰災あるいは戰爭の未亡人たちで子供を持つておられる方、そういう方たちに対しましては、あつせんの上におきましても、また整理の上におきましても、これは会社等にも懇談いたしまして、特殊の考慮を拂つてもらいたいという考え方を持つております。また婦人なるがゆえに一般的の整理の第一次対象となるという考え方も素朴な意味でもつて取入れられないようにということも、労働省といたしましては、各方面の注意を促して、そういう弊の起らないようにということを考えております。
#305
○小林(信)委員 ただいまの問題ですが、婦人の問題に対しては今大臣が御答弁なさつたように、現在婦人で仕事についておられる方たちの中には、相当戰爭あるいは戰災によつて夫をなくされた方たちがおります。また子供の中にも親をなくしたために働くというような非常に境遇の惡い人たちがたくさんにおることを考えまして、そういう点に対しては相当考慮されなければならぬと考えて、労働省としてのお考えをお聞きしたわけでありますが、今後單にこういう方たちの失業ばかりでなく、農村あたりの状況から、過去の歴史から考えまして、こうした経済対策や行政整理等の影響から起るところの問題を考えれば、相当人身賣買というような問題が起きて來るのではないか、これに関連して惡徳の周旋業者というものが出て來る。あるいは現在そういうことが現に行われておりますが、年期奉公というようなことが事実行われておる。こういう問題については、一つはこれに対する適当なる対策をとると同時に、相当社会面におけるところの教育施設というようなものも考えて行かなければならぬ問題だと考えますが、そういう点に対する御見解を承りたい。
#306
○鈴木國務大臣 基準法の精神にのつとりまして、ただいま御指摘になつた点につきましては、すでに幾多の手を打つておるのでございます。今後も極力こういう方面は取締つて参ります。
#307
○齋藤委員長 労働大臣に対する質疑はありませんか――それでは労働大臣に対する質疑はこれで終了いたします。食事のために三十分間休憩いたします。
    午後六時四十七分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後七時四十三分開議
#308
○齋藤委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。
 先ほどの質疑を継続いたします。
#309
○木村(榮)委員 農林大臣がお見えですから伺いたいのですが、この前お約束願つたことがあるのです。と申しますのは、農村の農業労働者の状況です。この定員法によつて二十万近い者が失業状態になる。この場合農村の潜在失業者の関係で、農林へ帰農者として受入れられるような余裕があるかどうかという点をこの前お尋ねしたのですが、具体的なことは、ちようどその日にはいろんな材料を持つて來ておらなかつた関係上保留になつておりましたので、その点を最初に御答弁願いたいと思います。
#310
○森國務大臣 現在の農村においてどれだけの労力を必要とし、また失業者を吸收し得られるかということは、詳しい統計材料を持つておりませんので、その後調査の方針は向けておるのでありますが、はつきりとこれだけのものが包容できるということを御説明申し上げる資料を持つておりません。
#311
○木村(榮)委員 そういたしますと、この前農林大臣が直接お約束になつたわけでもないのですが、政府委員の方が材料がないからという話であつたのですが、その後まだ調査が完了しない。それではその問題はその問題といたしまして、今度の農林省の行政整理によつて相当整理なさるわけでありますが、その中で特に営林署関係ですが、これは大体現業非現業とわけまして、どのくらいの違いがあるのですか。
#312
○森國務大臣 営林署の方におきまして現業非現業というはつきりした数の区別はわかつておりませんけれども、森林主事といたしまして、いわゆる警察のような勤務をいたしておる向きがあるのであります。これは盗伐というようなことで山林の荒らされることを監視する役目であるのであります。そのほか営林署、営林局におきましては、製材等の関係で現業をやつておるものもあります。またそれが專門にあらずして事務をとつておるものもありまして、それをはつきりと区別することは不可能なのでありますが、大体欠員等もありまして、定員の二割の整理を可能と考えておるのであります。先ほど申しました森林主事の方については、これは非常に重大な役目でありますので、欠員等を考えまして一割程度の整理ができようと考えておるわけであります。
#313
○木村(榮)委員 この間農林委員会において、われわれの同僚議員の竹村委員からも質問して御答弁になつたと承つておりますが、この間の毎日新聞に報道しておりました例の木炭の関係のことなんですが、その御答弁の中に――これは一つの例なんですが、長野縣なんかにおきましては、そういつたふうな第一次の整理をやるための人間がわずかに五十人くらいしかおらぬ。從つてそのような状態のものだから、ああいうふうな薪炭特別会計において金の未收あるいは木炭そのものが行方不明になる。帳簿がうまく合つて來ないというふうなことが発生したように承つておりますが、そういうふうな現状の中において、そういう面からも今後の定員法によつて二割あるいは三割を整理なさると、今まで実際にああいうふうな状態があつたにもかかわらず、それをまた整理をやれば相当困難ではないか。このように考えますが、その点は何か特殊な方法によつて整理なさるのでありますか。
#314
○森國務大臣 從來薪炭を生産の場所において買取つておつたのでありますが、今後におきましてはこれを駅出しということにしまして、できるだけ整理もつき、また人員が少くしてもまわれるような方式を考えて行きたいと思うのでありますが、先ほど申しました通り、この木炭事務所というような第一線でやつてもらつておる所は非常に手薄なのであります。こういう方面にはできるだけ整理することを中止して現状をなるべく維持して行きたい。欠員程度でとめて行きたい。かような考えを持つておるわけであります。
#315
○木村(榮)委員 そういたしますと、農林省においてはおもにどのような方面を御整理なさる方針でありますか。
#316
○森國務大臣 事務の簡素化を目的といたしまして、なるべく本省並びに事務をとりまする、庶務と申しますか、そういう方面においてできるだけ整理いたしたい。第一線に働いておる者につきましては、欠員等の関係がありますので、いくらかの整理はやむを得ないと思いますが、なるべく事務方面において整理をやつて行きたい、かように考えております。
#317
○木村(榮)委員 今度の食管法の改正によつて、農家保有米の問題、あるいた轉落農家の保有米の限度といつたものが、今までと違つて、補正なんかがなくなつて來るわけですから、一ぺん確定したならば、これはよほど嚴重に間違いのないようにやらないと、食糧の関係でたいへんな混乱が起ると思う。そこで從來のような態勢をそのままで、供出の問題とか、還元の問題とかいつたものを取扱われるか、それとも拡充しておやりになるか、その点を承つておきたい。
#318
○森國務大臣 食管の問題につきましては、末端の食糧事務というものは非常に複雜な仕事に携わつておるのであります。今お話のように檢査、それからこれらの台帳等の整理が非常に複雜いたしており、ことに代金の支拂い等の重大な職務に携わつておるのでありますが、今やつております仕事をできるだけ簡素化いたしまして、そうして平均九分の整理でありますけれども、食糧事務所の仕事にさしつかえのないようにいたしたいと考えておるのであります。將來は資材調整事務所を廃止する方針でありますけれども、これが臨時的に食糧事務所と一つの仕事をなすことになるのでありまして、相互事務の繁閑の度によりまして、お互いに助け合うことによつてやつて行きたい、かように考えておるのであります。御承知の通り、設置法が本省と外局とはつきり定員数が区分されておりますので、この間のプールをなすことは事実上でき得ないのでありますが、しかし食糧事務所の仕事の上におきましても、資材調整事務所の残りました分におきましても、個々に事務を簡素化し、お互いに協力し合うという面も相当あろうと思いますので、この意味において農家の迷惑にならないように処理をして行きたい、かように考えておるわけであります。
#319
○木村(榮)委員 昨年度など特にひどかつたと思うのですが、たとえばかんしよ、ばれいしよにいたしましても、檢査を受けて初めて納入することになる。ところが農家が供出いたしましても、檢査をして受取つてくれぬ関係上、農業会の倉庫の前などに野積みいたしておきますと、その間に腐敗して困る。そうしていよいよ檢査に來たときは相当期間が経過しておりますから、これが腐敗して檢査にならぬ。ところがその間の事情をよく調査してみますと、農林省の方から、末端の場合は食糧調整委員とか、農業協同組合の方でも援助をいたしますが、農家は大体予定された日に出すが、その予定された日から相当日数が経過してから初めて檢査をする。そのときには相当腐敗をしているために、せつかく出したものが受取つてもらえない。こういつた現象は昨年度は全國的に起きたと思う。特に私たちのところのように雨の多い地帶ですと、そういうことがひどいのです。もちろんこういつたことは手不足から起つていると思うのですが、そういうふうな関係にあるときに、末端のこういつた仕事をやる方面を首切つたならば、いよいよ今年はそういつた点に対してさしつかえが起つて來るのじやないかと思いますが、何か具体的な対策でもお立てになつておりますか。
#320
○森國務大臣 さつまいもの例をお引きになつたのでありますが、御承知の通り雨天にこれを收穫いたしますと、非常に腐敗をいたすのであります。しかしこれは協同組合等においても、今日は供出に対しては相当助力を仰いでおるわけでありまして、大体農村におきましては供出の日を定めまして、いついつかに供出するというような、指示的なやり方によつて供出がされておるのが相当多いのであります。それから、檢査も特に機械的檢査ではありませんので、かんしよのごときはごく簡單な、小さい、不良のものを入れて置かないというような程度でこれを檢査されるのでありますから、大体今日の状況から考えまして、檢査が遅れたために腐敗するというようなことはない、かように考えておるのであります。
#321
○木村(榮)委員 大体私たちが調査いたしますと、食糧檢査なども実際に行われますのは、全般に対して三〇%ないし四〇%ぐらいで、あとはいいかげんである、こういつたようなことになつております。ところが御承知のように、今は輸送とか倉庫の保管とかそういつたことは、協同組合としてはただ委託されてやるだけであつて、責任は全部農林省にある。ところがその結果が、農林大臣も御存じのように、昨年度などは、特に各地の農業会にそういつた現象が起つて來たわけですが、現品と帳簿とが合わぬ。しかも輸送関係が非常にうまく行きません。駅の方は貨車をまわして待つている。ところが一方は傳票を切つてまわさぬというようなことが各方面に起つて來て、非常に困るといつたようなことは、農村の事情をよく御存じの方はよくわかつておりますが、そういうことを防ぐには、機構の整備の惡いという面もあるでしようから、その機構の整備を今度は今までとかえて、何らかの方法でもつと整備してうまく行くようにする。從つてそれをやるから人間を減らしてもいいんだという建前から、この農林省の行政整理が始まつておるのか。それとも、機構の方面はそのままにしておいて、ただ人間を減らすというだけのお考えで整理されるのでありますか。その点を承つておきたいと思います。
#322
○森國務大臣 整理を行うにつきましては、仕事の分量も考えて行かなければならぬと思うのであります。さつまいもの供出のごときは、從來農業協同組合等にはお願いをしなかつたのでありますが、生産者の立場にある協同組合等の援助も、今後これをお願いしなければならぬし、また実際現在やつております事務の中におきましても、相当これを整理し、簡素化することができるのではないか、こういうことを考えておるのであります。そこで、どれだけの仕事を整理する、それだからこれだけの人を減らしていいのじやないかということを考えるのでありまして、たとえば今地方的には特殊的な林産物等も扱つておるのでありますから、そういうふうなものは、あるいはこれを統制をはずしてしまい、あるいは事務によりましてはこれを中止する。あるいはいろいろの統計、調査というようなこともお願いいたしておるのでありますが、そういうふうなことは農業改良局の方においてこれを行つて、そういう手数をできるだけ省くということを考えておるわけであります。
#323
○木村(榮)委員 そういたしますと、大体結論が出たと思うのですが、農林省関係においては庶務関係とかいうような、いわば机上において比較的処理の簡單な方面は整理をやる。しかし現場その他農家と直結したような実際の仕事の面においては、整理は大体やらぬ方針だというのか。またそういうことをやつても、それにマツチしてやれるような配給あるいは供出といつた機構が整備していないから、そういつたことを檢討して、その具体策が立つた上で、簡單な言葉で言えば、現場的な方は整理できないというように御解釈になつておると理解してよろしいですか。
#324
○森國務大臣 現場は全然整理をせないというわけではないのであります。
#325
○木村(榮)委員 そういたしますと、この整理案によれば、もし整理をした場合においては、さつき私が二、三申し上げましたように、今まででさえも相当な混乱その他不都合な点が起つていますから、少くとも今年の農業上のそういつた問題には相当混乱が起る。これを防ぐにはただ農業協同組合やその他村の農業調整委員といつたふうなものの協力によつて、それをうまく防いで行くというような御方針ですか。
#326
○森國務大臣 協同組合なり、村の農地委員の方にお願いするということを原則として、整理をやるというのではないのであります。現在におきましても、協同組合にいもの輸送なんかはお願いしておらないような場合があるのでありますが、そういうものは今後農業協同組合などに委託してさしつかえない。かように考えておるわけであります。
#327
○齋藤委員長 ちよつと木村委員に御注意しますが、農林大臣のほかに安定本部総務長官、法務総裁、大藏大臣、人事院総裁、運輸大臣、本田國務大臣が來られておりますから、さよう御承知の上で御質疑くださるようにお願いいたします。なるべく簡單にお願いします。
#328
○木村(榮)委員 わかりました。それでは農林大臣への質問はこれでやめます。
 次に大藏大臣に伺つておきたいのですが、國税廳ができまして、定員がきまつたわけですが、この定員によつてことしの所得税納入者が全國で何名あり、一名の税務官吏が何人の納税者を受持つておるのか、こういつた点はどのような平均になつていますか、平均化したものでよろしゆうございますから、お聞かせ願いたい。
#329
○池田國務大臣 所得税の納税人員は、附加税並びに源泉によります課税を合せまして、大体千八百万人と記憶いたしております。しこうしてこれに当る署員は何人ということは存じませんが、税務全体で六万人余りの定員に相なるのであります。千八百万人の所得納税者につきましても、源泉で徴收する納税者も含んでおりますので、一人当り何人ということは私はナンセンスではないかと考えております。
#330
○木村(榮)委員 とにかく千八百万人の納税者の中には源泉もあるというくらいのことは私はわかつております。また六万人の税務署員ということもわかつております。しかしながら直税関係の中で何人――直税関係というものはおもに所得税の大きな面である。だから間税関係がどのくらいといつた点ぐらいはおわかりになるでしよう。
#331
○池田國務大臣 六万人を大別いたしますと、直税関係が大体半分ではないかと思つております。五割でございます。間税関係が三割、庶務関係、徴收関係が現在二割程度と私は考えております。しかして五割の直税関係職員にいたしましても、直税関係には御承知の通り法人税もございますし、相続税もございますし、あるいは地租、家屋の台帳整理もございますし、いろいろなのがございます。直税の所得税につきましても、源泉徴收によります納税人員は相当の数に上ります。千八百万人の中で一千万人余りが直税関係と考えます。しかしてこの納税者は基礎控除において出発するものもある程度含んでおるのじやないかと思います。源泉課税によります分は、俸給の支拂者が徴收の義務を負つて一人別の調書を持つて來るわけでありますから、職員の手数はあまりとりません。ただあとからの檢査だけでございます。最も手数をとりますのは事業所得税であるのでございます。事業所得税につきましては、農村関係をたくさん受持つておる税務署とあるいは大商工業者を受持つておるところと非常に違つて來るわけでございます。
#332
○木村(榮)委員 千八百万人の納税者がある。この中で源泉はまた別だ。こういうわけなんですが、この千八百万の中で法人関務はどのくらいあるのですか。
#333
○池田國務大臣 法人関係は何人あるかと申されましても、都会の税務署では法人ばかりを專担しておるものを構成しておりますが、地方におきますと、法人專担者と個人專担者とは兼務しておる場合もございますので、一々何ぼと正確に申し上げる数字はここに持つておりません。
#334
○木村(榮)委員 そういたしますと、大体基礎的なものはないが、六万人おつたら何とかさばけるだろうといつた程度のお考えできまつておるわけですね。
#335
○池田國務大臣 六万人おれば今の税制で徴收は遂行できると思つております。しかしここでお答えするのに、法人関係は何人おるかはつきり数字を持つていないというだけの問題でございまして、税務署にはみな分課規定があり、そこに勤務いたしておりますから、集計すればわかります。しかし実際問題としては兼務の者が相当地方ではございますので、今ここで法人関係の税務職員何人ということを申し上げる数字は持つていないのであります。
#336
○柳澤委員 この定員法の第二條第一項中の数字の欄は、國家行政組織法第三條に基いて、府、省及び外局たる委員会並びに廳、これを單位にして載せられたもののごとく考えられます。そういうことになりますと、この合計の数字は各府、省について出ておりますが、なお区わけされましたところの財務局間においては定員の流用はもとより禁ぜられる趣旨とかように考えますが、そういたしますと、この外局を列挙することは非常に重大な問題であります。そこでまず法務廳設置法の一部改正法律案を見ますと、その十三條の八に司法試驗管理委員会なるものがありまして、外局という文字はうたつてありませんが、國家行政組織法によつて外局となるのではないかと思うのですが、さようになりますと、これがやはり本府、中央更生保護委員会のほかにもう一つ司法試驗管理委員会なるものがここに上るのではないか。御提出くださいました資料によりますと、この委員会の定員はないようでございますが、おそらく定員がないといたしましても、この委員会だけはここへやはり挿入せらるべきじやなかろうかと思うのですが、これはもしさようであれば修正案を提出いたしたいという考えのもとに一應御意見を承りたいと思います。
#337
○殖田國務大臣 御意見のごとく、試驗管理委員会を修正案としてお出しくださいましても――これには定員がございません。但しこの委員会は最初よりいわば從來の祕書課の、あるいは人事課の仕事として行われておりますことでありますので、その人間をそのまま使いまして、この仕事をさせるつもりでおりましたので、これもごく少数の人間で事が足ると思います。
#338
○柳澤委員 これは外局としてここに載せることにはいかがですか。
#339
○殖田國務大臣 異議ございません。
#340
○柳澤委員 次に運輸大臣にお尋ねいたしたいのでございます。やはり表の問題ですが、海難審判廳ができましたので、これに対する定員をやはりこれに織り込まなくちやならぬと思うのです。やはり修正案で審判廳を出しましたので、その定員を盛り込むといたしますならば、政府はどのくらいの人数をもつて適当とするものであるか、この定員について伺いたい。
#341
○大屋國務大臣 海難審判廳の定員は七十三人と考えております。
#342
○柳澤委員 次に経済安定本部長官にお尋ねいたしたいと思います。経済安定本部の設置法によりますと、第十九條に外資委員会が外局として載せられてあるようでございます。從いましてこの表の中にやはり経済調査廳に並んで外資委員会を、たとい定員がないにいたしましても、載せるべきじやなかろうかと思うが、御意見いかがですか。
#343
○青木國務大臣 これはおつしやる通り三月十五日に公布施行されました外國人の財産取得に関する政令五十一号であつたと思いますが、それによりまして外資委員会の委員というものは、事務局の職員は関係各廳の職員の中から、委員長が事務局に勤務することを命じた者をもつて充てております。そういうふうに規定されております。委員並びに事務局の職員は全部兼務となつております。これはこの委員会の仕事が各省に関係いたしております関係から、その方が便利でありますのと、またこの政令によつて委員会が処理しなければならない案件が、どの程度に上るかということの見当も今のところつきかねておりますので、事務局職員はさしあたり兼務制でスタートいたした次第でございます。將來この委員会の処理すべき仕事がふえて参りますれば、事務局に專任の職員を置くということも考慮いたしておる次第でございます。
#344
○柳澤委員 ただ外局としてここにあげるべきだという御意見だけ……。
#345
○青木國務大臣 あげてさしつかえないと存じます。
#346
○成田委員 與党の諸君から非常に時間の催促があるのでございますが、ごく簡單に要点だけお伺いしておきたいと思います。
 農林大臣にお尋ねしたいのですが、木村委員から食糧事務所の問題について質問があつたのでありますが、農林大臣から事務の簡素化をはかつて定員の縮減は何とかやつて行こうという御答弁がありましたけれども、事実は事務の縮減がやれるかどうかということについて非常に疑問がある。と申しますのは、農林大臣御承知のように新集荷制度の実施に伴つて、あるいは指定農林物資檢査法による檢査もやらなければならぬ。穀物の食糧支拂代金の規格も嚴重になつておるということで、仕事が逆に増加している。そのために昨年の九月から本年二月までに新集荷制度の実施に伴つて約三千二百人の増員が行われ、指定農林物資檢査法によりまして三百二十人の増員が行われた。これは昨年の十一月以降であります。このことは民自党内閣時代においてこれだけのやはり三千三百人近くの増員が行われておる。民自党は当初から行政整理を主張されておる。行政整理を主張されておる民自党内閣においても、そういう事務の増加のために定員を増加しなければならなかつたというのが現状であります。事実減らすどころか、増員をしなければこれだけの食糧事務所の仕事はできないというふうに私どもは考えるのでありますが、この点について簡單でよろしゆうございますから御答弁を願いたいと思います。
#347
○森國務大臣 お答えいたします。本年の二月であつたと思いますが、嘱託事務をしておつた者その他合せまして、御承知の通り増加いたしたのであります。しかしこれはその当時行政整理の場合におきましては、これを定員として行政整理を考慮する。その当時、行政整理ということは考えておつたのでありますが、定員をこの場合においてふやして、そうしてこの定員に対しての整理の場合においては、さらに考慮するということを考えてやつたのでありますが、現在、將來においてもこの事務がさらに複雜化して煩鎖をきわめるということはない。かように考えておるわけであります。一時増員しておきながら、なぜわずかの間にこれを整理しなければならぬかという御質問でありますが、その当時においてこれもずいぶん考慮したのでありますが、嘱託等を本官に直すというような関係もございましたので、一應これを増員いたしたような形に持つて行つたのであります。
#348
○成田委員 といたしますと、この三千三百人の増員というものは、ほとんど嘱託を本官に切りかえただけでございますか。
#349
○森國務大臣 嘱託ばかりではないのであります。その当時から本官として増員いたしたものもございます。
#350
○成田委員 そこなのでありますが、こういう新集荷制度、あるいは指定農林物資檢査法による檢査とか、あるいは食糧支拂代金の規格の檢査を嚴重にする必要から、民自党内閣においてさえ今まで増員していた、それが急に減員の方向に出たことはどうも理解できない。これでも事務に支障なくやれるのでありますが。
#351
○森國務大臣 指定物資の中においても整理するものも今後考えられるのでありまして、私は不都合なくやり得るという確信を持つているわけであります。
#352
○成田委員 運輸大臣にお尋ねしたいと思います。六月一日からコーポレーシヨンによりまして日本國有鉄道公團というものが発足するわけでありますが、今回の定員法に関連いたしまして、行政機関では各省設置法というものが設けられておりますので、六月一日から発足いたしますコーポレーシヨンについても当然組織というものはきまつておると思います。その組織の内容を御説明願いたいと思います。
#353
○大屋國務大臣 コーポレーシヨンが出発いたしまする組織は、大体当分の間は現状の形を踏襲いたしまして、徐々に独特の形に切りかえる構想を持つております。
#354
○成田委員 この前運輸大臣に質問いたしましたときに、十二万の予定首切りに対しまして、実際の首切りは九万八千程度だろうという御答弁があつたのでありますが、実はけさの小澤逓信大臣の御答弁で、逓信関係について実際の整理人員はどれだけかということを質問申し上げましたところ、小澤氏は大臣就任以來新規採用を見合して、自然退職が相当あるので、大体月に三千人程度やめている。それで四万八千人の当初の計画に対しまして二万ばかり首切りが少くなる。二万七、八千名ではないかという御説明であつたのでありますが、私どもまことに喜ばしいと感じている。運輸省においても同じような措置をとりますと、全逓と比較いたしましても九万八千というものが減るのではないかと思います。現在のところ九万八千というものは動かないものでございますか。
#355
○大屋國務大臣 逓信省の事情とは異なりまして、すでにもう六月一日からコーポレーシヨンが発足いたしますが、本日は五月二十日でしてもう期間がないので、私がこの前申しました九万八千人程度というのが、実際の整理の数字でございます。
#356
○成田委員 最後にもう一つ運輸大臣にお尋ねしたいと思います。この点ははつきりしておきたいと思いますが、この前にも御質問申し上げまして、私たち納得できないのでありますが、今回の定員法によりますと、附則の第七で、日本國有鉄道の職員は何月何日までに逐次整理されるものとすという規定になつているのであります。日本國有鉄道職員というものは六月一日からコーポレーシヨンに移行されるわけでありますが、行政機関職員定員法第一條にこの職員並びに行政機関の定義を明らかにしてあります。行政機関の職員でないコーポレーシヨンの職員に対しまして、行政機関職員定員法で行政整理をやるという法的な根拠に対して疑問があるのでありますが、それに対して明確な御答弁をいただきたいと思います。
#357
○大屋國務大臣 現在公務員であるのが六月一日から分離いたすのでありますが、現在あるものを九月三十日までの期間を目途として整理いたしますので、性質が大体コーポレーシヨンにかわることだけで、相かわらず運輸省の鉄道の職員なのでありますから、やはり現在の公務員の観念をもちまして整理をいたすことにいたしたわけであります。
#358
○成田委員 実体がかわらないと申されましたが、人間そのものはかわりませんでしようけれども、身分は六月一日から行政機関の職員でないものを行政機関定員法で整理することは違法ではないか、法律的な根拠がないのではないかということを御質問申しているわけです。
#359
○大屋國務大臣 この前にもしばしば申し上げました通り現在が行政機関の一部であり、コーポレーシヨンになりましても、法律的に必ずしも実体は現在の行政機関とまつたく異なるものだという性質のものではないのでありまして、今の観念で規則を定めてそれで整理するので、これは別にごうも憲法違反でもなければ、もちろん何らさしつかえないという考え方でやつているわけであります。
#360
○勝間田委員 農林大臣はいらつしやらないようでありますから、先に物價廳関係のことをお尋ねいたしたいと思います。今度物價廳の方は相当人員を減らすことになりましようか。
#361
○青木國務大臣 お答え申し上げます。物價廳は前の定員が千八人であります。今回二割を整理いたしまして八百五十八名ということに相なつております。
#362
○勝間田委員 それは予算定員に対してですか、現在の実員に対してでございますか。
#363
○青木國務大臣 予算定員……。
#364
○勝間田委員 実員に対してはどのくらい出血になりますか。
#365
○青木國務大臣 出血が百五十名。
#366
○勝間田委員 現在いろいろな物價廳の仕事を考えてみると、この人数では非常にむずかしいと私ども思いますけれども、一体現在の統制品目というものは、現在どのくらい中央と地方でありましようか。
#367
○青木國務大臣 價格の点から申しますと、五十万といつておりますが、中央で多分三千八百幾ら、地方も大体それくらいであつたと記憶いたしております。
#368
○勝間田委員 別の資料によりますと統制品目が本廳が七万五千八百、地方で四万二千、それは間違いでありましようか。
#369
○青木國務大臣 それは地方分類と省分類の違いであろうと存じます。
#370
○勝間田委員 そうしますとかなり重い、いわゆる價格統制に携わつている一人当りの担当の種目は非常に多いことに私はなると思います。整理をしても職員は耐えて行きましようか。
#371
○青木國務大臣 私の考えますところでは、この程度の整理であれば、必ずやつて行けるという確信を持つている次第でございます。
#372
○勝間田委員 それでお尋ねしたいと思いますが、現在の超過勤務の状況はどうでございましようか。
#373
○青木國務大臣 物價廳のことでありますので、はつきりいたしませんが……。
#374
○勝間田委員 私どもの記憶によりますと、物價廳の超過勤務は非常に高くなつているように私は思うのでありまして、特に今度は物價改訂など一齊にやらないという事情はもちろんありましようけれども、予算編成の時期になつて実際に物價廳の職員の執務を見ておつて非常に私は氣の毒に思つていたことがたびたびありますが、こういう整理をして、しかもますます原價計算だとか、それからいわゆる價格差補給金の関係とか、いろいろふえて來ておるのですが、これは非常に安本長官もお苦しいには違いないけれども、とてもこれは実現不可能の状態を起すのじやないでしようか。
#375
○青木國務大臣 自分としては実現可能であると信じております。
#376
○勝間田委員 相当物價廳あたりには病氣になつておる人も多いということを聞いておるのでありますが、こういう点などを考えてみて、私は物價廳の人たちの人員整理については、どうしてもひとつ再檢討していただかなければならぬように思うのでありますが、農林大臣がいらつしやいませんから、それはそれとして、もう一つ私は先ほどの問題でせつかく四つの條件を根本的にひとつ檢討してみるという点について、三時間以上も費してみたのでありますけれども、結局わからなかつた点が相当私はあると思います。その点で最後の問題としてひとつお尋ね申したいと思うのでありますが、先ほどの人事院総裁のお話で、結局政府がどんな條件で首を切つて來ても、異議の申立てをする。現在のいわゆる保護の規定というものを今度適用しないということが一面にある。他面の方においてはいわゆる予算というもので縛られて行く結果、いろいろの点で縛られて行くわけです。そこへ持つて來て公務員法というものが、いわゆる罷業権とかあるいはその他の権利というものを認めてはいかぬ。そうすると、まつたく四方から攻めて、手も足ももいで行くという形になるわけです。そういう状態で泣き寢入りをして行くというような條件に私は結局なつて行くように思う。そしてもしこういう状態で不測の社会不安が起きて來たら、これはどうしますか。これは結局どこに責任があるかといいますと、やはり私は政府にあると思うのでありますが、この問題について人事院総裁はどうお考えになつておりますか。
#377
○淺井政府委員 その点につきましては、すでに休憩前に人事院の立場を申し上げたつもりでございます。すなわち訴願の規定が除外されましたことは非常に遺憾に思つておりますがゆえに、もしこの國会の御決定によつて訴願の規定を回復せられますならば、人事院は万難を排してこの訴願を引受けるつもりでございます。但しこの訴願を引受けました場合に、はたして質的に量的に國家公務員の利益が保護できるかどうかということについて人事院の見解を申し述べたまでであります。
#378
○勝間田委員 もし、こういつた條件で不測な事態が起きて來た場合においての政府の責任は、非常に重大だと思うのであります。官吏を口もとめておいて、眼も見せずして、一方的の條件にして文句を言わせないという状態に落しておいて、それで官吏は罷業権がないのだから、やつた者はどうだという事態が起きて來たときに、よほどこれは政府の責任だと思うのでありますが、そういう問題についての責任をどうしてとられるおつもりか、政府の責任者にお尋ね申したいと思います。
#379
○本多國務大臣 整理のやり方はどんなやり方をやつてもかまわぬという前提で社会不安を起した場合はという御質問でありますが、さいぜんから申し上げております通り、どこまでも公正にこれを実行いたしまして、さような事態を惹起しないようにやつて行くのでございます。
#380
○勝間田委員 それから第二の点は重要な問題だと思うのでありますが、もうすでに六月一日からいわゆるこの定員法を実施したい、馘首を実施したいということでありますけれども、今までの政府の都合上で、いわゆる整理の基準というものが、人事院であるとか、あるいは内閣であるとかいうので結局きまらずに今まで來た。ようやくきようの席上で、それが人事院がきめるということになるというようなお話になつたのでありますけれども、この問題は一体いつ整理の基準について明確な指示をする見通しになつているのか、この点をひとつお尋ね申したい。
#381
○淺井政府委員 ちよつと私から申し上げさしていただきたいと思うのでありますが、私は勝間田さんの御了解のように、整理の基準を人事院において出すと申してはいないつもりでございます。
#382
○青木(正)委員 本案に対する質疑はこの程度に……。
    〔「発言中だ」「最初の話と違うじやないか」と呼び、その他発言する者多し〕
#383
○齋藤委員長 ただいまの動議に賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#384
○勝間田委員 発言中、発言中……。
#385
○齋藤委員長 動議のごとく決しました。
    〔「そんなばかなことがあるか」と呼び、その他発言する者多し〕
#386
○齋藤委員長 今委員長は委員長の独断で何もきめることはできません。ところが、質問打切りの動議が出ましたから、それを採決しました。多数でもつて動議が成立しました。動議のごとく決しました。
#387
○勝間田委員 発言中です。
#388
○齋藤委員長 発言中でも何でもかまいません。それくらいのことはわかりそうなもんだ。
    ―――――――――――――
#389
○勝間田委員 委員長不信任の動議を提出します。
    〔委員長退席、小川原委員長代理着席〕
#390
○小川原委員長代理 ただいま委員長不信任の動議が提出されましたので、理事の私が委員長の職務を行います。ただいまの委員長不信任の動議に賛成の方の……。
    〔議場騷然〕
#391
○小川原委員長代理 宣告をいたします。ただいま委員長不信任の動議が提出されましたので、理事の私が委員長の職務を行います。ただいまの動議に対する趣旨の弁明を求めます。時間は五分に願いたいと思います。
    〔「時間を制限することはない」と呼び、その他発言する者多し〕
#392
○小川原委員長代理 お諮りいたします。時間の制限がおもしろくないというならば、何分にいたしますか御相談してよろしゆうございます。
#393
○青木委員 五分以内にお願いします。
#394
○岡田(春)委員 労働者農民党としては、こういう時間の制限を委員長がすべきではないということは言うまでもありません。しかもこの不信任案の内容の弁明についてあらかじめ時間を定めることは絶対に正しくない。これは提案者の弁明の理由を十分発表さすべきだとわれわれは考えております。
#395
○小川原委員長代理 しからばこの時間の問題は採決に入ります。――時間を五分といたしますのに賛成の方の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#396
○小川原委員長代理 多数。それでは五分以内といたします。趣旨の弁明を求めます。
#397
○勝間田委員 実はこの定員法が非常に無謀な見地から提案されておるのではないかという疑いがありましたので、從來までの審議につきましては非常に愼重に審議をして参つたのであります。特にこの定員法は十七万一千三百余人の生活に重大な関係を持つものであるがゆえに、これをいかにして処理し、いかなる見解に立つてこれを行つて行くかということを眞に研究することなしには、とうていわれわれはこれの十分なる審議を遂げたものとは言い得ない。しかも從來まで政府は再三約束をいたして、いわゆる予算がいかに節減できるかという問題、またいかなる基準をもつて整理を行つて行くかという問題について、この委員会の審議中に明らかならしめるという言をなされておつたのであります。しかるに不幸にいたしまして、今日に至るまでその道が十分に発見することのできなかつたのをまことに遺憾とするものであります。それなるがゆえに本日理事会におきまして、こういつた基本的な問題についての十分な檢討を遂げた上において、協力的にこの案を審議して行こうというとりきめをいたしました。そうして與党側から説明がありましたので、いろいろ與党も野党もこれについて研究をいたした結果、まず四條件の審議をいたしまして、次に各省の特殊事情をそれぞれ研究いたしまして、それについては特に審議を簡便ならしめるために関係大臣をほんとうに一堂に集めていただきまして、眞劍な討議をなすというとりきめをやつて來たのであります。そうして四條件のうちにおきましては、まず第一に明確にしたかつたことは、政府がこの定員法を実際に行うことによつて、どの程度の財政的な節減が行われて行くのか、これは從來政府は行政整理を行つた結果としての人員整理であるがごとくに、表面上の理由をとりながら、実際上においては首切りを先に断行しておいて、そうしていわゆる行政整理を行い、他面において國民全般に対して、いかにも重大な、ここに財政節減ができるかのごとき隠蔽をあえてなさんとする傾向があつたのであります。それなるがゆえに、この條件を明確ならしめて行くという事柄は、何よりも大切な意味をわれわれは考えておつたのであります。
 次に重大な問題は、これほど行政整理が行われるにかかわらず、しかも逓信省、運輸省のいろいろの省において、特殊な事情があるにかかわらず、いかなる公平な立場からこれを行つて行くのか、特に從來まで公務員制度におきましては罷業権を一面において非常に制限をいたし、その他のいろいろの労働者の基本的人権を抑圧して行きながら、他面において保護規定はちやんと設けておるにかかわらず、十七万一千三百人の人たちの首を切ることはまつたく無保護に、しかも政府の一方的意思によつてこれを行つて行こうとするのでありますがゆえに、この整理基準を明確ならしめるという事柄は、本法案における審議の中心問題といわなければならないのでありまして、しかも今日に至るまでいかなる退職手当を支給するかということも、いまだに決定を見ておらない。しかも六月一日からこれを実行するという立場において、これを審議することなくして、いたずらにもし十七万一千三百人の首を切るというならば、これはまつたくこれらの人々を路頭に迷わせることになるのでありまして、家族に対する不安、社会に及ぼす影響は重大といわなければならぬのでありまして、そういう状態の上に、さらにこの受入れ態勢をいかにするかということをわれわれが研究して行くという事柄は、当然政府としては行うべき実際の事柄でありまして、それなるがゆえにこれらの條項を一々の人たちによつて審議するというよりも、一括してこの論議を進めて行つて、そうしてこの案というものを公平妥当の上にわれわれは審議して行こうという道をとつて今日まで協力して参つた。しかるにかかわらず、その問題については今までの状況をもつていたしましては、その一つといえども明確にはされていない。もちろんある程度までについての概貌はわかつて参りましたけれども、政府の責任においてこれらの事項についての明確な答弁というものは不幸にしてないのであります。それを改めて、再度これを討議して、最後に有終の美をなさんとするときにおいて、にわかにその質疑中において質疑を打切るとの提案を強行に委員長はなさんといたしたのであります。これは從來まで斎藤さんが國会のいわゆる長老といたしましてわれわれの尊敬するところではあつたし、また公平な道を開かれるものとわれわれは信じておつたのであります。しかしかくのごとき重大な、十七万一千人のこの厖大な人間の首を切るという重要な審議の際におきまして、これを未解決のままに残して行こうとするがごときは、これは委員長としてまことに残念な態度であると私はいわなければならないのである。それなるがゆえにわれわれはあえてこの長老に対しても不信任の意を表して、これを改めてもらおうと念願するものであります。以上私の趣旨弁明を終ります。
#398
○小川原委員長代理 ただいまの不信任案動議について、討論を省略してただちに採決すべしとの動議が出ております。この動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#399
○小川原委員長代理 討論を省略してただちに採決に入ります。――ただいま委員長代理の不信任の動議が出ております。よつて池田理事にこの席を讓ります。
    〔小川原委員長代理退席、池田(正)委員長代理着席〕
#400
○池田(正)委員長代理 これより齋藤委員長に対する不信任の動議の採決をいたします。ただいまの齋藤委員長に対する不信任の動議に賛成の方の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#401
○池田(正)委員長代理 少数。よつて不信任案は否決されました。(拍手)岡田君。
    〔発言する者あり〕
    〔池田(正)委員長代理退席、委員長着席〕
#402
○齋藤委員長 委員長宣言いたします。この際二分間休憩いたします。
    午後九時十分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後九時十五分開議
#403
○齋藤委員長 休憩前に引続いて再開いたします。
#404
○岡田(春)委員 先ほど委員長代理小川原君に対する不信任の動議が提出されたのでありますが、これは会議の円満なる進行をはかるために撤回をいたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#405
○齋藤委員長 これより討論に入ります。討論は各党とも十分といたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#406
○齋藤委員長 それではまずこれより行政機関職員定員法案を議題として討論に入ります。青木君。
#407
○青木(正)委員 民主自由党を代表いたしまして、本案に対する修正案を提出いたします。先ほどお手元にも差上げておきましたけれども、法務府における司法試驗管理委員会及び経済安定本部における外資委員会、ともに外局でありますので、これを掲示すること。またもう一つは、本院におきまして運輸省の所管で海難審判廳を外局として設置することにいたしましたので、それに伴いまして定員の変更をいたし、本省を一万八千四百三十五名、海難審判廳を七十三名に修正いたしたいと思うのであります。
 なお附則において通商産業省設置法が五月二十日から施行されることになつておりますが、諸般の情勢から見て、通商産業省設置法施行のときから適用する、かように修正いたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#408
○齋藤委員長 次は成田君。
#409
○成田委員 討論に入る前に、ひとつ議事進行について申し上げたいのであります。
 社会党、労農党、共産党、新政治協議会一緒になりまして、今回政府から提案されております行政機関職員定員法案は、何ら合理的な根拠がないというので、私たちは撤回の案を出すことになりまして、今関係方面のオーケーをとりに参つております。そういう関係がございますから、それが來るまで暫時休憩を願いたいのであります。
#410
○齋藤委員長 もう討論に入つておりますから……。
#411
○成田委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案になつております行政機関職員定員法案に対して、全面的に反対の意見を開陳するものであります。同じく修正案についても、同じ論拠から反対いたします。
 吉田民自党内閣は、総選挙の際の公約を何一つ果すことができなかつた。現在果すところの意思もない。そのために、國民の不平不満、公約不履行に対する責任追求の声は、今全國にほうはいとして巻き起つておるのであります。この情勢を察知してか、何とかして公約不履行の責任を回避したい、めんつを保持したいというので、全國十七万一千人に余るところの公務員の犠牲の上において、首切りのための首切りを断行する。その法的な裏づけをなしておるのが今回の定員法であるのであります。行政機構刷新の目的は、申し上げるまでもなく、行政機構の有機的な編成と簡素化をやり、それによつて行政の能率化をはかることに、主眼がなければならないのであります。同時にその際やむを得ず生ずるところの過剩人員に対しましては、この受入れ態勢、失業対策に万遺憾なきを期さなければならないと思います。しかるに今回の定員法によるところの行政整理にあたりましては、行政の簡素化、能率化には何ら役立つていない。また失業対策に対しても、何ら見るべき施策はないのであります。ことわざに、どろぼうにも三分の理という言葉がありますが、今回の定員法を見ますと、三分の理はおろか、一分もこれを合理づけるところの何らの根拠をも発見することができないのであります。私たちはこういうような無計画な、百害あつて一利ないところの定員法に対しては、絶対に反対せざるを得ないのであります。
 以下具体的に反対の理由を申し上げてみたいと思います。政府は提案理由の説明におきまして、行政整理が多年の懸案であり、國民の輿論であることを主張されております。その理由といたしまして、官公吏が多過ぎる、そのために人件費がかさむんだ。(「その通り」と呼ぶ者あり)財政負担が多くなるのだということを理由とされておりますが、今その通りでない理由を皆さんに申し上げてみたいと思うのであります。米國のマンスリー・レーバー・レビユー、英國のミニストリー・オブ・レーバー・ギヤゼツト、さらにわが國の労働省の労働統計、あるいは大藏省の統計を見まして、米國、英國、日本の最近の官公吏数を比較いたしましても、決して日本の官公吏は多くない。その比率は英國四・九%、米國三・九%、日本は二%でありまして、約その半数であります。これは数の上からのみ見た比較でありますが、さらに仕事の量を考えますと、戰後激増いたしましたところの事務量というものを考えると、一層日本の官公吏の数が過剩でないという理由を、はつきり私たちは見出すことができるのであります。この点について、皆さんも御承知のように、この委員会におきまして、私は本多國務大臣に対して、多過ぎるというなら、この具体的な数字を示してもらいたいということを主張したのでありますが、本多國務大臣は、数字は必要ない、日本の特殊事情だと言つて逃げておられるのでありまして、このことは政府が何ら具体的な資料を持つていない單に多過ぎると思い込んでいるにすぎないということを端的に証明しておるものであります。わが國の実情は官公吏が余つておるどころではない。その点につきましては、具体的な例を当委員会においても種々申し上げて、政府にも訴えておるのであります。時間の関係上その数字は省かしていただきますが、もし日本の官公吏が多いとすれば、それは民自党の諸君の中にも多数おられるのでありますが、いわゆる高級官僚、高祿と特権の上に眠つて、学閥と巧みな遊泳術で立身出世を事として來た多数の高級官僚であります。まず行政整理の対象としてこれを第一のやり玉に上げなければならないと思うのであります。また今回の定員法なんかを見ましても、大衆の抑圧機関であるところの警察官吏あるいは行刑官吏あるいは海上保安廳の職員というものは縮小どころか、むしろ増員しておる。こういうものもやはり行政整理の第一の対象にすべきだと私たちは思うのであります。ここに今回の定員法の階級性を私たちは明確に発見することができるのでありまして、政府はこの定員法によりまして、封建的な反動的な官僚機構の維持強化を企図しておるのであります。また政府は経費節減云々と言つておりますが、この行政整理が問題になつたのは二月十五日の閣議であつたと記憶しております。それから今日まで約三箇月たつておる。当委員会におきまして、政府に今回の行政整理でどれくらい経費節減ができるかということを絶えず追究して参つたのでありますが、今日に至るまでやらなかつた。今日やつと約七十億の経費節減になるということを大藏大臣が表明されたのでありますが、この七十億の根拠について追究いたしますと、十分御説明をいただけない。七十億の経費節減というのは、人件費による節約と解雇することによる退職手当その他を考慮して算術して、差引七十億をあげられたはずでありますが、後ほど申しますように、退職手当の問題についても、政府は何ら具体的な案を持つておられないのみならず、七十億の差が出るということは――経費節減額として七十億に上るということは、まつたく一時を糊塗するところのでたらめな数字といわなければなりません。また一歩を讓りまして、この七十億が正しい数字であるといたしましても、この行政整理をやるための当然の措置が考えられていない。純粹の失業対策費というものはたつた八億八百万円くらいしかない。また公共事業費も御承知のように五百十八億であります。しかもこの五百十八億というものは、昨年度と比較すると、実質的には七割か八割にしか当らない。このわずかな公共事業費から、失業対策事業費に対してまわすことのできる費用が僅少であるということは、当然予想できるのであります。特にこの退職手当の規定は、政府は最初法律で規定するということを言つておりましたが、これは政令に委任した。政令に委任して、本多國務大臣と私との確約は、この委員会を上げるまでにはぜひとも退職手当の内容を明瞭化するということを言つておられたのでありますが、遂に今日に至るまで退職手当の基準について、何ら具体的な説明を與えられないのであります。(「それは説明したじやないか」と呼ぶ者あり)お約束の通り、それは祕密会ですから言えないことになつております。しかも本多國務大臣は、政府の言を信用してもらいたいと言われるのであります。しかしながら公約を破棄しても恬然として何ら恥じるところのない政府に対して、こういう白紙委任状であるところの政令によつて退職手当を規定さすということは、とても私たちとして良心の上からこれを信ずるわけには行かないのであります。もしほんとうに政府が、今まで本多國務大臣の言われたように、平均六箇月とかあるいは七箇月の退職手当を支給される用意があれば、堂々と正面から法律で規定すべきだと私たちは考えておるのであります。かくのごとき貧弱きわまる失業対策でもつて、十七万に上るところの行政整理を強行されんとする政府の態度は、ちようど一片の棒きれを與えまして、この棒きれを頼り大海を泳ぎ切れと言つて、荒海の中に投ずるにひとしいものといわなければなりません。
#412
○齋藤委員長 成田君時間が來ました。床次君。
#413
○成田委員 また國家公務員法によれば、公務員は一部行動の自由が制限されておる。その反面として、國家公務員法八十九條ないし九十二條で保護を與えられておつたのでありますが、今回の定員法によりますと、この保護規定も排除されておる。その上に今回の行政整理によりまして……。
#414
○齋藤委員長 成田君、時間が來ました。
#415
○成田委員 行政整理によりまして、政府は低賃金と、労働強化をしようとしておる。四十八時間制の問題、給與再計算の問題で、労働強化をしようとしておる。またこれを基礎にして、さらに民間の企業整備を断行する。その結果は中小企業の沒落になる。このことはもう私たちが指摘するまでもなく、すぐ現われて來ると思うのであります。この意味におきまして、中小企業の犠牲、あるいは勤労者の犠牲において、この行政整理を断行されんとする政府の態度に対しましては、勤労者の立場から断固反対せざるを得ないのであります。
 以上反対理由を申し上げまして、私の討論といたす次第であります。(拍手)
#416
○齋藤委員長 床次君。
#417
○床次委員 私は民主党を代表いたしまして、本案に反対するものであります。
 元來行政整理なるものは、現下の日本の國情におきまして、きわめて緊要であると信ずるのであります。私どもは、この行政整理を合理的に断行することには、もとより強い要望を持つておるのであります。國民もさだめしこれを希望しておるものと信じます。しかしながら今般提案されました本案の説明を承りますのに、まことにその準備その他におきまして不十分であるといわざるを得ないのであります。すなわち行政整理をなしますその裏づけにおきましては、事務の簡捷、合理化、機構の整備というものが伴わなければならないと思うのでありますが、これにおいて十分なる檢討を欠いておることが第一点であります。
 次に、整理せられる人々にいかなる態度をもつて臨んでおるかと申しますと、必ずしもこれが期待したようなものではないのであります。すなわち、退職金の問題に関しましては、相当政府も考慮しておられるようでありますが、これをもちまして十分とは言い得ないと思うのであります。なお整理基準の問題につきましては、先ほど來十分意見を承りたいと思つたのでありますが、この整理基準の設定に関しましては、政府当局――將來任命権者たる人が整理基準を立てましてこれに当るということを言つておられますが、これに対して人事院総裁の考え方は多少違つておるようでありまして、なおこの点は檢討を要するように存ずるのであります。私どもは、整理せられる者がすみやかに公正なる整理基準を示してもらう、またこれが民主的に整理せられるということが必要なんじやないかと思います。現在の状態にあつては、はなはだ適当を欠くと信ずるのであります。なお、今日整理せられる者に対しましては、いわゆる訴願請求権なんかが認められておらないのであります。なお團体交渉権も與えられておらないのでありまして、これに対しましては、政府は特に整理せられる者の立場を考慮して本案の施行に当るべきにかかわらず、この点におきましてなお遺憾の点のあることを認めるのであります。
 次に、失業対策問題に関しましては、大いに論ずることが必要と思います。今日官吏の整理に引続きまして、多数の企業の整備が行われ、ちまたに失業者が氾濫することと思うのでありますが、これが対策たるや、まことに私は不十分であると思います。今日の政府の状態におきまして、すでに予算の際において私どもは論じたのでありますが、都市偏重の予算であります。もちろん十分でありませんが、農村に参りますと、まことに本年度はこの苦しい生活を一手で受けるというような状態になつておるのであります。いわんや今回行政整理が行われ、企業整備が行われます場合において、その一番の負担を受けますところはどこであるかと申しますと、地方の農村に帰着することと思うのであります。地方は多額の税金を負担し、反面におきまして、地方配付税の減少、あるいは災害復旧費の減少、公共改良事業費の減少等、あらゆる方面におきましてその重圧を受けておるのにかかわらず、今さらにこの失業の負担を受けなければならないということに立ち至つておりますことは、國民の立場から申しましても、まことに私は遺憾であると存じます。元來行政整理なるものは望ましいことではありますが、かかる欠点を持つておりますところの政府の施策に対しましては、遺憾ながら賛成を表することができないのであります。
 特に指摘いたしたいのは、今回の行政整理にあたりましては、必要以上の動搖を関係者に與えておるということであります。元來岩本試案といたしまして、多数の数字を掲げましたにもかかわらず、現実に整理せられます数字は、今日お示しのように、十七万余になつておるのであります。この間約半年にわたりまして、國民に多数の動搖を與えておるということに対しましては、まことに私は不適当なる施策であつたということをあわせて申し上げたいのであります。
 以上の理由によりまして、私はこの定員法に対しましては、反対の意を表する次第であります。
#418
○齋藤委員長 土橋君。
#419
○土橋委員 私は日本共産党を代表いたしまして、ただいま提案されております行政機関職員定員法及びその改正の法律案には、絶対反対の意見を表明するものであります。
 まず本法案がつくられます過程をつらつら考えてみますと、これは昨年の四月三十日発せられましたポ政令の二百一号に端を発し、さらに國家公務員法の改惡に端を発しまして、ただいまのような現状に至ることは、すでに日本共産党が昨年の春以來指摘しておる内容であつたのであります。かようなことによつて、特に労働階級にとりましては、不逞のやから呼ばわりをいたしました第三次吉田内閣は、いよいよ民間におけるところの企業の合理化、企業整備と同時に、官廳方面におきまするところの職員の行政整理を一本政策といたしまして、今日断行しつつあるのでありますが、しかもその内容を、さらにこの國会の権威において、法律の名において行わんとすることは、第三次吉田内閣の誤つたる政策の表明でありまして、われわれはかような行政整理を行いまして、現在十七万有余の公務員諸君が路頭に迷うような、こういう法律には絶対に賛成することができないのであります。なお、これが大きく日本の独占金融資本及び事業資本に相通じまして、この傾向はさらに民間へ波及いたしまして、今日勤労階級の苦しみというものは想像に余りあるのであります。常に政府は過小評價し、その資料におきましても、きわめて不十分なるものをもつてこたえておるのでありますけれども、実際には想像以上に及んで來るのであります。
 かような観点から、わが党は、この政策がいかに勤労人民大衆の犧牲の上に、またその負担の上に、またその血と涙と汗の上にこれを築かんとしておるかということを証明することができるのであります。特に本法案の審議の過程におきましても、いろいろなことがありまして、この法案は二府十一省、経済本部を入れまして、多大な官廳に及ぶ内容でありますが、今日まで答弁になりました内容におきましては、單に逓信省、あるいは運輸関係の一部、あるいは農林関係の一部、あるいは大藏省の一部に関してのみ論議せられておるような傾向がありまして、私は本法案に盛られておりますこの機構、内容についてから反対したいと思いますが、まず総理府の関係をながめましても、國家地方警察力の強化が非常にこの内容においてはうたわれておるのであります。またこの面が地方自治警察とともに警察官が現在十二万有余考えられておるという方向へ進められておるのでありまして、こういう点はまことに遺憾なところのものであります。また宮内廳の内容を見ましても、政府の原案を見ますれば、宮内廳には九百二十八名おりますが、さらに皇宮警士は九百三十二名有余であります。合計いたしますれば、これだけでも千八百有余名の者を残しておりながら、実際作業官廳方面の人を減らすというような、まつたく民主主義の基本的な方向とその考え方に反抗するような態度をとつておるのであります。また特別調達廳の問題にいたしましても、これが今日六千有余の人間を持つておりますが、実際の内容を調べますと、この点におきましては、この前の山口國務大臣の説明にもありますように、行政組織法の第七條第二項の規定に違反をいたしまして、これが本來ならば局を置くべきでないにかかわらず、この答弁においてもきわめてあいまいでありましたが、部をもつて構成すべきを、局を持つておるのであります。その内容もきわめて多数の局を持つておるのであります。また宮内廳におきましても、特別職となつておる者が十名に余るのであります。どうしてそういう人間がそういうところに必要であるか、まつたくわれわれ勤労階級には了解できないものであります。およそ特別職は、各廳におかれましても、これはさようにたくさんあつてはならないものであるにかかわらず、宮内廳に十名も置いておるという点が了解できないのであります。また法務府の四万一千有余のこの内容を見ましても、これが非常に拡大する傾向をもつて、特に檢察当局の機構がいよいよ拡大し、反面におきましては、作業官廳方面が縮小せられる。こういうことは、日本の産業の興隆の上からも、また全人民大衆の勤労意欲の上昇の面から見ても、非常に遺憾な法律案であるのであります。特に外務省の方におきましては、今日わが党が主張しておりますがごとく、平和條約締結までの基本的な準備をいたすべき人員を配置すべきにかかわらず、実際講和條約締結後におけるような状態まで考えて人員を配置しております。從つてかようなことではなくて、講和條約締結に至る基本的な準備を促進する各課部というようなものを設けるのが至当であるにかかわらず、こういう点についても、本案の趣旨が非常に不明朗であるということを、われわれは痛感せざるを得ないのであります。また現在政府が急遽成立せしめんとしておりまする國税廳設置の問題にいたしましても、少くともこの問題が修正せられるならば、これは政府の諸君がこの修正の理由を説明いたしまして、本委員会において、どういうふうに討議をするかということであるのが、しかるべきであるにかかわらず、單にこういう資料をちようだいしまして、この資料は最初参りましたのはこの通り白書的であります。これは参議院におきまして、ただいま通産省の問題は、今日は流会になつたということも聞いておるのであります。從つてそういうものを議場の採決のまぎわに提出し、今度は私の方より言えば、色をつけたこういうような附則をつけたものを持つて來る。これでは定員法の内容そのものにおいても、政府は不十分なものを持つておるのであります。私どもより言えば、これを刷りかえて持つて來られる。これは池田さんの方が持つて來られておるのであります。こういうようなまことに不備な内容で、しかもこの内容を見るならば、われわれが審議する過程においても、すでに附則の第一項におきましては、明瞭にこれは五月二十日から通産省を発足する、かように書いてあるものを審議させたのであります。こういう点がいかに疎漏であり、かつ政府においても、また與党においても、かような誤つたものを、これを是なりとするような方向は、われわれは少くとも民主國会においては考えられない事柄であるのであります。また文部省の内容にいたしましても、ここに内訳を書いてあります一端をながめても、非常に不十分なものであります。いわんや運輸省におきましては、附則の第七項によりまして、將來これが五十万六千七百三十四名の定員をきめておるのであります。その基準はどこにあるかというようなことについても、運輸大臣は責任をもつて國民を納得せしめるような説明をただの一回もしていないのであります。これも人トン計算方法によるものか、あるいはワイモンド法によるものかということについても議論がありましようが、こういう点についても、実際に國民を納得せしめる方向に行つていないのであります。從つて運輸本省の内容を見ましても、まつたく不十分、かつずさんなものがあるのであります。たとえば海上保安廳の場合に至りましては、從來四千名を持つておるものが、一挙にして八千名以上の定員を持つておるのであります。現に政府提案では八千二百十名となつておるのであります。こういうような、まつたく海上警察化するような法案をつくつて得々としておる第三次吉田内閣の性格というものがどういうものであるか。人民階級を苦しめ、しかも塗炭の苦しみに陷れようとして、警察機構、かようなものを増大するということは、まつたく民主自由党を中心とするこの政府の性格を遺憾なく暴露して余りあるのであります。かような政策は、おそらく近いうちに火を見るごとく破綻するでありましよう。また全人民大衆は、この問題について一大反撃を考えるでありましよう。これはわれわれ野党もあらゆる機会を通じて、民主自由党及び第三次吉田内閣のこの陰謀ある勤労大衆の犠牲の上において、政権を樹立し、これを確保する態勢は、参政官等の問題におきましても、いろいろ本会議において討論せられておるごとく、まつたく遺憾千万であるのであります。また通産省の問題にいたしましても、特に農林省におきましては、御承知のごとく食糧廳において、現在の食糧関係確保のために、あらゆる努力を拂われ、しかも自立経済促進のためにも、食糧増産のためにも食糧関係は特に必要であります。また林野関係におきましても、すでに……。
#420
○齋藤委員長 土橋君、時間が來ました。
#421
○土橋委員 すでに林野の面においては、全國にわたりまして、特に森林労働関係は、鉄道里数にすれば、長崎から稚内に至るまでのおよそ二倍以上も持つておるのであります。その從業員が約二十五万人もおるのであります。この二十五万人に対するところの会計計算等から……。
#422
○齋藤委員長 時間が來ました。
#423
○土橋委員 考えましても、林野局が持つておるあらゆる面から考えましても、林野行政に対しまして、これを適正妥当に配置し、この植林関係等の促進をいたさなければ、かならず近いうちに朝鮮のようになつて、全日本ははげ山となるでありましよう。洪水は増す、人民階級は苦しむ、まさにこの事実を現わしておるのであります。また水産廳におきましては、政府は何ら計画性もない。水産廳は今や我が國の水産事業、特に油脂方面においては、十分に考えなければならぬものである。しかるにかかわらず、この水産廳においては、單に千八百五十二名である。かようなことで全國津々浦々の海岸線が非常に廣いのでありますから……。
#424
○齋藤委員長 土橋君、土橋君……。
#425
○土橋委員 こういう点を考えて参りますと、まつたく遺憾のきわみであります。
#426
○齋藤委員長 時間が來ました。発言を禁止します。
#427
○土橋委員 特にかような点においては、中小企業廳はただの九十四人をもつて構成しておる。こういう点はまつたく遺憾であります。將來の日本の海外貿易を考えて参りますと、中小企業に対する業務は……。
#428
○齋藤委員長 発言を禁止します。
#429
○土橋委員 十分考えなければならぬと思うのであります。また……。
#430
○齋藤委員長 土橋君、発言を禁止します。
#431
○土橋委員 郵政関係におきましても、特に電氣通信省関係は、皆さんが御承知のように、これはわが國の通信の基本であります。このものが今や独立採算制を中心としまして、御承知のようにコーポレーシヨン形態に移らんとしております。
#432
○齋藤委員長 土橋君……。
    〔「十分間じやないか」「時間が過ぎている」と呼びその他発言する者あり〕
#433
○齋藤委員長 発言を禁止します。禁止する。
#434
○土橋委員 それでは、結論を述べます。
 以上のような観点に立ちまして、私は電氣通信省の將來を思い、このような定員をもつて行うことにつきましては、日本共産党はまつこうから反対し、絶対反対の意見を表明して、私の反対の意見といたす次第であります。
#435
○齋藤委員長 鈴木幹雄君。
#436
○鈴木(幹)委員 民主党を代表して、私は行政機関職員定員法の修正案並びに本法案に対しまして、賛成の意見を開陳いたしたいと思います。
 本法案は経済九原則の実施に伴いまして、昭和二十四年度の予算の編成並びに各省設置法案と、三者表裏関係にあるところの法案でありまして、前二案に対して賛成をいたしましたわが党は、本法に対しましても賛成の意向を表するものであります。
 行政整理の必要は、叫ばれましてから相当な年月を経過いたしました。この行政整理をいかなる形において、いかなる時期に断行するかということは、きわめて重要な問題であり、いかなる内閣におきましても、相当な困難の伴う問題ではありますが、今回吉田内閣が現業二割、非現業三割という一律の方針のもとにこの定員法を樹立し、前に述べましたところの予算案並びに各省設置法案と表裏の関係におきまして、本法を成立せしめんとするところの意図は、國民の要望にこたえんとするものであると思うのであります。但し私は本法案の過程におきまして、これが技術的に、またその実施の面におきまして、幾多の不用意と欠陷を持つておることを指摘せざるを得ないのであります。この点につきましては、私はなお詳細に本会議の席上におきまして、あるいは機会を得て申し上げたいと思います。その一、二の例を申し上げますならば、この定員法によりまして、行政整理の犠牲にあらわれますところの十七万何がしの職員は、まことに國家財政の都合、あるいはまた経済九原則確立のために避くべからざる犠牲ではありますが、これは國家的の財政、國家的の資力を費しまして、その犠牲を最小限度に食いとめなければならぬと思うのであります。これに対しまして、今日いまだ政令に委任をされておるところの退職者の手当の法制が完備をしておらないということは、まことに遺憾に存ずるのでありますが、私は政府の言明に信頼いたしまして、政府がこれに全責任をもつて善処されんことを希望いたしたいのであります。その他あるいは失業対策の問題に関しまして、あるいは行政整理の根幹をなすところの事務の整理に関しまして、政府におけるところの用意完全なりとは申しがたいのであります。これらにつきましても、私は希望と警告を発しまして、この私の討論にかえたいと思うのであります。
 以上をもつて民主党を代表いたしまして賛成をいたす次第であります。
#437
○齋藤委員長 小林信一君。
#438
○小林(信)委員 新政治協議会を代表いたしまして、本案と修正案に対しまして反対いたすものであります。
 最初、本多國務大臣が本委員会に見えまして、行政整理のアウト・ラインを説明されたときに、戰爭中以後、非常に行政機構が煩雜化して、そのために國家の財政的な問題、あるいは機構の問題等について整理しなければならない状態にある。こういうことを劈頭に申されまして、行政整理に対するところの説明をいたしたのでありますが、そのときの本多國務大臣の意図を聞くと、われわれもこれにもちろん賛成をしなければならない、協力しなければならない。ふかく考えたのであります。しかしそれ以後この行政整理の問題はまず各省設置法案の檢討となり、さらに定員法の檢討となつたのでありますが、順次政府がこれに対してある種の意図をもつて、しかもこの関連するところの幾つかの問題を檢討するのに非常に矛盾を持つておる。こういうことが明らかにされたのであります。まずこの行政整理の問題にあたりまして、政府の結局なしたところは、私をして言わしむれば、政府が國民と公約した、その何らかのものを実施しなければ済まない。こういう観点から行政整理の公約を実施しておる。かく考えられるのであります。もう一つは予算の編成におきまして、相当に國民を苦しめておる点からしまして、何とか予算的な稔出をはかるというような、非常に軽薄なものであることを私は考えるのであります。しかし國民が、またわれわれが協力しようとする立場から、この行政整理を考えたのは、かつて戰爭最中におきまして軍部と官僚が結託し、その権力に隠れて物資の需給の権利を官僚が持つて、非常に國民を苦しめたことがあります。さらに終戰の当時軍部が隠蔽しましたところのたくさんな物資を、あの混乱の状態の中におきまして、官僚は國民の目前において自分の利益をはかつて措置されておるのであります。さらに敗戰の後におきまして、國民がほんとうに草をはんで雨露をしのぐのにようやくの生活を続けながらも、何とか自立をしたい、國家を再建したい。こういう念願からみずから励むとともに、選良をこの國会に送つて、國家再建の方途を期待したのであります。しかしその政治家が再び官僚の籠絡するところとなりまして、皆さんが御承知のように、幾つかの醜惡なる事件を巻き起しておるのであります。今回の選挙によりまして、國民がひとしくあらゆる情勢におきまして最も関心を持つたのは、この行政整理を強行いたしますところの点であります。ここにおきまして國民が民主自由党の諸君に絶対多数を託して、これを敢行させようと考えておつたのであります。しかるに政府の今回その國民の期待に沿うという努力をしたものは、結果においていかがであつたか。各省設置法案の内容を檢討しますときに、すべてこの逆を行つておるのであります。あるいは一部官僚の独善に屈伏する。そうして下級官吏の首を切る。そうして行政整理の名目を立てる。こうしたことが顯著に現われておるのであります。さらにこの矛盾した設置法案に関連して、われわれは檢討することを政府に要求したのでありますけれども、そうした矛盾を予知して政府はこれを離れて、ただいま上程されておりますところの定員法を持つて來たのであります。その定員法のまた内容たるや、実に現下の國内情勢を看取せざるものでありまして、しかもその内面におきましては政府のいろいろな意図が隠れておるのであります。最もわれわれが問題にいたしましたのは、必ずこの行政整理には、整理基準を明確にしなければならない。失業対策を確立しておかなければならない。退職手当をはつきり明確にしておかなければいけない。予算が幾ら生れるか、こうしたものに附随してわれわれの前に提出するよう要求したのでありますけれども、ようやく本日になりまして、民自党のこの議会運営という点からいたしまして、辛うじて簡單なものをわれわれの前に露呈して、われわれにむりに檢討を求めておるのであります。本日この幾多の問題に檢討を加えましたときに、はからずも重大なる問題を引き起しました。それは人事院の存在價値を無視するという重大なる問題を引き起しております。この場合におきまして政府が申しますのは、ときには法を無視しなければならない。かく言つておりますが、これとまた逆に、失業対策におきまして戰爭によつて夫を失い、あるいは親を失つた婦人あるいは年少者の労働者、これらに対するところの対策が、これによると非常に無視されておるというような危惧から、私はこの点を尋ねたのであります。これは將來就職難のためにあるいは身を賣るというような状態に置かれ、あるいは年期奉公に追われるというようなはめに陷ることを考えますときに、その人たちが何ゆえに未亡人になり、何ゆえに孤兒になつたかということを考えますときに、われわれはこの点非常に寒心にたえぬものであります。もちろんこれらの行政整理は必ず失業を伴いまして、同僚議員からも説明がありました通り、必ず農村におきまして最も失業するものが続出することは事実であります。これらがあるいは遊廓に賣られるとか、あるいは町の女に轉落するというような問題は必ず出て來るのであります。この場合に、政府はこれらの者を利用するところの業者、あるいはこれをあつせんするところの惡い周旋屋、こういうような者が続出するが、これをどうするか。これが対策は何を持つておるか。こういうことを尋ねましたときに、労働大臣いわく、労働基準法がある。この適用によつてこれを措置する。自分の方策が立たざる場合には法をはつきり明示して、この法によつて処理する。われみずからの立場が苦しくなれば、ときに法を曲げなければならないと主張する。こうした矛盾をしなければならないのは、一貫した方策を持たずに、この行政整理をしようとしておるところの政府の失策であります。
 最後に申し上げたいのは、決して官吏は多くないという事実であります。物價廳の例をとるならば、物品の公定價格設定に対しまして、一人一日二百十二品目を担当しておる事実があるのであります。これではたして完全なる價格査定が行われるかどうか。價格差補給金の二千二十二億の使途を決するところの原價監査が、中央地方を合せて五百六十人によつてなされております。全予算の三〇%がこの少数の者によつて扱われる事実を考えるときに、この減員がはたして可能であろうか。物價廳の現状からすれば増員することによつて、嚴密な原價監査により、百億ないしは二百億の予算節減が可能である事実があるのであります。さらに價格差益金の徴收を完全にするならば、百五十億の財源ができるのであります。この事実からして……(「時間だ、時間だ」と呼び、その他発言する者多し)大衆を犠牲にして、一部資本家の利益をはかるところが多分にあるのであります。また厚生省の問題を一つ申し上げるならば、復員計画は遠く異境にある人々の心情を思うとき、これが完璧を期して復員の日を早からしめるにありますが、今日ここに從事するところの人員を減員することに至れば、異國にあるわれらの同胞がはたして健在なりやいなやの調査を放棄するもやむを得ない状態に陷らなければならぬのであります。かかる点からしまして、新政治協議会は原案並びに修正案に対して反対するものであります。
#439
○齋藤委員長 岡田春夫君。
#440
○岡田(春)委員 労働者農民党といたしましては、この法案並びに修正案に対しまして絶対に反対するばかりでなく、即座に撤回されんことを要求いたします。その理由といたしましては、簡單に申し上げまして四つあります。
 まず第一に、行政機関職員定員法は、憲法を蹂躙していることであります。この点につきましては、先ほど土橋君からも詳細にお話がありましたが、定員法の基礎になつているのは、去年の七月に出されました二百一号政令に基きまして國家公務員法が提出されたのであります。第三次吉田内閣のもとにおいて、マツカーサー元帥の書簡に便乘して、この二百一号政令を反動的な意図のもとに合法化せんとしたこの國家公務員法並びに公共企業体労働関係法規によりまして、憲法にきめられている労働者の團体交渉権、團結権、罷業権、これらの基本的な権利が、官業労働者に関する限り拘束をされたのであります。ところがこの拘束されました権限を、今度の行政機関職員定員法によつて、竿頭一歩を進めて拘束されて、しかも人事院という機関によつて保護されなければならないこの官業労働者の最後の寄り場であるところの訴願権を、この定員法によつて完全に奪い去つたものでございます。すなわちはしごのぼりの三段飛びによつて憲法を蹂躙して、大量の高級官僚の諸君と吉田内閣の手によつて、官業労働者の諸君の上からの首切りを強行せんとしたところに、明らかに憲法に違反し、抵触し、憲法を蹂躙せんとする、きわめてフアシヨ的な政治の第一歩であるということを明確にいたしておきたいと思います。
 第二の点は、先ほど人事院総裁並びにその他の各大臣との討論によつて明らかになりました通りに、この定員法は低賃金と労働の強化を強要するものである。しかも労働の強化は、この間運輸大臣の答弁あるいはその他の諸君の答弁によつても明らかな通りに、今度の定員法の強行によつて、先ほど新政治協議会の小林君も話されましたように、労働大臣は労働基準法によつて守つてくれるということを言いながらも、反面において同じ閣内にいる大臣、これらの諸君が定員法によつて強要される労働時間の強化、これは労働基準法の違反であるということを、事実において、現実にみずからの口によつて発言をし認めておるのであります。このような結果において、首を切られて行く人々は言うまでもなく、首を切られないで残つた行政官廳におります官業労働者の諸君は、ますます低賃金と労働時間の強化を通じて、窮乏の最も極端なる状態に追い込まれつつあることが事実になつて参つたのであります。
 第三の点は、失業対策の問題にいたしましても、先ほどの労働大臣の答弁を聞きましても、完全に失業対策に対しては無爲無策である。十七万の失業者が出るというのにもかかわらず、これに対してわずかに六千人の失業対策費しか組んでおらない。その残りの人々に対しては、何らこれの方策を行つておらないということが、労働大臣の口から明らかに答弁をされている事実である。退職金の制度にいたしましても、退職金が政令においてきめられるというような形で、定員法から巧みに逃げられたのでありますけれども、しかもいまだに退職金の内容が決定をされないために、今後において首を切られて行く者が、一体どこへ、どれだけの退職金をもらつて行くかということがわからない。しかも本多國務大臣は、どうか吉田内閣の誠意に御期待くださいと、このような言辞をもつてごまかされている。かくのごとき首切りの内閣に対して、首を切られるところの労働者が、いかなる誠意をもつてこの吉田内閣の誠意を期待することができるか。何ら期待することのできないことは、これは言をまたずして明らかであります。このような点においても、何ら対策を持つておらないということが第三点であります。
 第四の点といたしましては、今度の定員法を通じて、吉田内閣は明らかに日本の國家を滅亡に追い込むところの政治を断行しようとしている。これは具体的に私は事実をあげて申し上げますが、今度の定員法を通じて明らかになつて参りましたことは、たとえば運輸省の関係にいたしましても、今度の定員法によつて、運轉士の関係は三人に一人の割合で首が切られて行くのであります。あるいはまたこの間事故のあつた山陽線、あの事故におきましても、もしレールの修理をしない限りにおいては、あの山陽線が事故を起して、そしてあの山陽線が脱線するかもしれない。これに対して、レールの交換のために三十億円の経費がいるのに、日本全体のレールの修理のために幾らの経費が出されておるかというと、驚くなかれわずかに十一億円であります。これでは全然できないばかりか、しかも保線区関係における大量の首切りを通じて、いかに國に金があつたにしろ、保線区の諸君の首が切られてしまつたならば、この鉄道の修理ができない。このようなさんたんたる状態に追い込まれているのである。これは一人運輸関係の問題ばかりではありません。逓信局の関係にいたしましても、たとえば東京都内における最近の電話の交換の状況が非常に十分でなくなつて來ている。これは中央電話局にいるかよわい女の電話交換手が惡いのじやない、首を切つたために、使える電話の交換台が遊んでいる。ここにおられる、最も政治家であるといわれている逓信大臣は、なおこの上に首を切ろうとしているのであります。このような事実によつて、今吉田内閣の手によつて日本の通信機構や日本の運輸機構というものを、われわれみずからの手によつて破壞に追い込まんとしているのである。しかも人事院総裁は、この國家公務員法の規定によつて、みずからの口をもつてしては、政治的な利害から、官業の労働者の諸君、行政官吏を守るということを看板に掲げながらも、しかも今度の定員法の内容について、整理基準の問題についても、あるいはまた訴願権の問題につきましても、國家公務員法の権限を持つているにもかかわらず、公務員法の三條と一條のこのみずからの権限を放棄して、人事院は官吏を守るところの人事院であるということを口に称しながら、事実において人事院は首切りの翼賛機関になりつつあるのであります。このような事実は今完全に定員法のこのわずか四條の法案によつて、今日本の國を破壊の中にたたき込まんとしているのが吉田内閣である。われわれはこのような案に対しては、絶対に賛成することはできません。やがてこの法案が民自党の多数の圧力によつて通過するとも、日本の全八千万の國民は圧力をもつて吉田内閣を打倒して、これに報いるだろうということを申し上げて、われわれの反対の討論にかえる次第であります。(拍手)
#441
○齋藤委員長 討論はこれにて終結いたしました。
 これより採決に入ります。採決はまず修正案について行い、次に修正部分を除いたる原案について行うことといたします。
 まず青木君提出の修正案について賛成の方の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#442
○齋藤委員長 起立多数。
 次に修正部分を除いた原案に賛成の方の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#443
○齋藤委員長 起立多数。よつて本案は青木君の修正案通り修正議決いたしました。
    ―――――――――――――
#444
○齋藤委員長 次に行政機関職員定員法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、これについて討論に入りますが、討論は省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#445
○齋藤委員長 御異議がなければこれより採決に入ります。
 本案に賛成の方の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#446
○齋藤委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
#447
○齋藤委員長 次に大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案、これを議題といたします。御質疑はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#448
○齋藤委員長 御質疑がなければこれより討論に入ります。青木君。
#449
○青木(正)委員 ただいま上程せられました大藏省設置法の施行等に伴う法令の整理に関する法律案に対する修正の動議を提出いたします。
 さきごろ可決いたしました定員法の中に、大藏省の國税廳設置に伴う定員等の條項を挿入いたしましたので、本案に掲げてありました條項を削つて整理をいたしたい。こういう趣旨をもつて、本修正案を提出いたした次第であります。なお本案は速記にとどめることをお許しいただきたいと思います。
    ―――――――――――――
#450
○齋藤委員長 次に勝間田清一君。
#451
○勝間田委員 日本社会党を代表いたしまして本案に反対いたします。
#452
○齋藤委員長 床次徳二君。
#453
○床次委員 民主党を代表しまして本案に賛成します。
#454
○齋藤委員長 木村榮君。
#455
○木村(榮)委員 この法案をめぐつての法律上の手続の問題その他提案理由の説明につきましては、昨日の本会議においていろんな問題があつて、皆樣方よく御了解のことだと思いますが、そもそも吉田内閣はあの絶対多数を誇つていながら驚くべきものです。税制改革でもアメリカから何とか博士が來なければできないというようなていたらくである。國税廳をこしらえてみても、こんなものはへにもならない。よそさまの國から博士を一人雇つて來なければ、税制改革一つできないというようなことはまことに情ない。國税廳というようなものもうろたえてようやく関係方面からの指示があつたからこしらえる。関係方面からの指示がなければ税金もとれぬ。かくのごときていたらくでは、とても國税廳ができても何にもならぬ。この点を強く主張する。しかも最初議決したものであつたならば、これを出して、そうして委員会でも相当この問題をまたやるべきである。それを一番終いの今になつてこんなものを出して來た。このようなことではとてもだめです。
    〔発言者多し〕
#456
○齋藤委員長 お靜かに願います。
#457
○木村(榮)委員 從つて反対です。
#458
○齋藤委員長 鈴木幹雄君。
#459
○鈴木(幹)委員 民主党は賛成いたします。
#460
○齋藤委員長 小林信一君。
#461
○小林(信)委員 新政治協議会は本案に対して反対いたします。
#462
○齋藤委員長 岡田春夫君。
#463
○岡田(春)委員 労農党はこの法案に対して反対いたします。その理由は、この簡單な修正案の中にも吉田内閣の本質が明らかに現われておる。大衆收奪の税金をとる機構だけは大きくして、そうしてかような首切りをやろうとしておる。そればかりではない。こういうような法案の修正案の提出の仕方をしまして、どさくさまぎれにこの法案を通そうとする考えがあるということは明らかである。この点において反対をいたします。
#464
○齋藤委員長 討論はこれにて終結いたしました。
 これより採決に入ります。まず本修正案に賛成の方の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#465
○齋藤委員長 起立多数。
 次に本修正部分を除いた原案に対して、賛成の方の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#466
○齋藤委員長 起立多数。
 よつて本案は本修正案の通りに修正議決をいたしました。
 なおこの際申し上げておきますが、今日採決いたしました三案に対する委員会の報告書の作成につきましては、委員長に御一任願います。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後十時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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