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1949/05/06 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 逓信委員会 第10号
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1949/05/06 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 逓信委員会 第10号

#1
第005回国会 逓信委員会 第10号
昭和二十四年五月六日(金曜日)
    午後一時三十九分開議
 出席委員
   委員長 辻  寛一君
   理事 飯塚 定輔君 理事 加藤隆太郎君
   理事 白井 佐吉君 理事 松井 政吉君
   理事 田島 ひで君
      大和田義榮君    風間 啓吉君
      高塩 三郎君   橋本登美三郎君
      降旗 徳弥君    松本 善壽君
      浦口 鉄男君
 出席國務大臣
        逓 信 大 臣 小澤佐重喜君
 出席政府委員
        逓信事務官
        (郵政局長)  小笠原光壽君
        逓信事務官
        (貯金局長)  村上  好君
        逓信事務官
        (簡易保険局長)岡井彌三郎君
 委員外の出席者
        議     員 成田 知巳君
        專  門  員 吉田 弘苗君
        專  門  員 稻田  穣君
    ―――――――――――――
四月三十日、
 委員田島ひで君辞任につき、その補欠として神
 山茂夫君が議長の指名で委員に選任された。
五月六日
 委員神山茂夫君辞任につき、その補欠として田
 島ひで君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事田島ひで君の補欠として田島ひで君が理事
 に当選した。
    ―――――――――――――
四月二十八日
 郵便賠金法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一五四号)(予)
 郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関す
 る法律案(内閣提出第一五五号)(予)
五月二日
 郵便切手類質さばき所及び印紙賣さばき所に関
 する法律案(内閣提出第一七〇号)(予)
四月二十七日
 船越郵便局に集配事務開始の請願(内海安吉君
 紹介)(第五六〇号)
 西山郵便局に集配事務開始雰請願(田中角榮君
 紹介)(第五六一号)
同月二十八日
 群岡村字徳津に特定郵便局設置の請願(大和田
 義榮君外十名紹介)(第六一五号)
 簡易生命保險及び郵便年金の融資再開に関する
 請願(淺香忠雄君紹介)(第六一六号)
同月三十日
 中津町の電話交換方式改善に関する請願(武藤
 嘉一君紹介)(第七五四号)
 名古屋、妻木間直通電話架設の請願(武藤嘉一
 君紹介)(第七五五号)
五月四日
 逓送業務一元化に関する請願(神山茂夫君外一
 名紹介)(第七九一号)
 諾吉本村触字八幡に無集配郵便局設置の請願(
 西村久之君紹介)(第八五三号)
 中川村に郵便局設置の請願(森曉君紹介)(第
 九〇四号)
 簡易生命保險及び郵便年金の融資再開に関する
 請願(松永佛骨君紹介)(第九四七号)
 仙臺簡易保險支局廳舎新築の請願(飯塚定輔君
 紹介)(第九八四号)
 佐賀電話局の電話交換方式改善並びに局舎新築
 の請願(三池信君外四名紹介)(第九九七号)
 の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 簡易生命保險法案(内閣提出事第四三号)
 郵便年金法案(内閣提出第七一号)
 郵便為替法及び郵便振替貯金法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第六二号)(予)
 郵便年金法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一五四号)(予)
 郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関す
 る法律案(内閣提出第一五五号)(予)
 郵便切手類賣さばき所及び印紙賣さばき所に関
 する法律案(内閣提出第一七〇号)(予)
    ―――――――――――――
#2
○辻委員長 これより会議を開きます。
 お諮りいたしますが、理事事の田島ひで君が委員を辞任いたしましたので、理事が一名欠員事になつております。この際理事の補欠選任をいたしたいと思います。理事の補欠選任につきましては、委員長に一任していただきたいと思いますが、事御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○辻委員長 御異議なしと認めまして、それでは田島ひで君がその後再び委員となられましたので、同君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○辻委員長 次にお諮りいたしますが、成田知巳君より委員外発言を申し込まれておりますが、これを許すに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○辻委員長 御異議ないようですから、これを許します。
#6
○成田知巳君 高松郵便局の火災に関連いたしまして、ごく簡単に政府にお尋ねしたいと思います。御承知のように今年の一月十九日の夜高松郵便局から発火いたしまして、局舎が全焼いたしました。相当のけが人も出したのでありますが、この火災で類焼軒数は約十軒あります。高松郵便局は御承知のように目拔きにありまして、この類焼された十軒はほとんど商店街であります。これに対しまして、政府の方から九万八千円の見舞金が出たそうでありますが、その後損害については一向政府の方で取上げておらない。類焼されたものは、松山逓信局を通じまして、約一千万円の損害賠價の請求を政府に出してあるということでありますが、そのときから約半たつておりますが、まだ何らの通知に接しないというので、地元民は非常に不満を持つております。また聞くところによりますと、廰舎の方はこの六月ごろに新築にりますが、火元の方は再建にかかつておる、焼かれた方は一向かまつてくれないというので、非常に不満があるのでありますが、その後の経過について、政府はどのような御処置をとる考えであるか、お尋ねしたいのであります。
#7
○小澤國務大臣 成田君のお話のように、一月の十九日に高松電信局その他から出火いたしまして、約七戸の民家が類焼した点はお話の通りであります。なお当時とりあえず御指摘のような金額を、見舞金として出しておつたこともその通りであります。ただ問題は、はたして失火であるかどうかという問題が一番中心になつておりまして、御承知のように逓信省職員の不注意によつて失火であつた場合と、不可抗力による場合とは、おのずから責任の範囲が違うと思います。ところが、一般的にはいわゆる失火というような意味で、一月二十八日あたり所轄の検察廰に書類が送られておるらしいのでありますが、松山逓信局の報告によりますと、これは失火でなく、問題の煙実が、過熱によつて出火したのだというようなことはあり得ないという、一應報告が來ておるのであります。なお検察当局におきましても、いわゆる失火あつたものと認めて、決定はしておらぬという報告を受けております。從つて逓信省が、ただちに関係者からの損害賠價に全般的に感ずるかどうかという点については、この点が明白にならぬと、できないのでありまして、もちろん官廳と民間でありますから、できるならば、多少のことでしたら、何とか行政的に処置をしたいと考えておりまするが、相当な金額でありますし、管理者としては責任が明確にならない限り、これをただちに出すということは、無責任きわまる処置というようなことにもなりますので、愼重を起しておりますが、いやしくも逓信省の職員の不注意によつて、火災が起きたのだということになりますれば、その損害の事情を十分調査いたしまして、至急にその賠償をする考えでおります。つまり延びておる原因は、この逓信省の職員の過失によつて生じた火災であるかどうかということが、一番の論点になつておるような事情であります。
#8
○成田知巳君 お話の筋合いはわかりましたが、それでは、失火ということになりますと、適当な損害賠償をお出しになると言われるのでありますが、失火の認定を検察当局がされたときに、一應政府として責任をおとりになるのか、それとも失火責任でこれが裁判になりまして、裁判ではつきり重過失であつたという認定があつたときに政府としては責任をおとりになるのか、どちらでありますか。
#9
○小澤國務大臣 これは厳格に言いますと、いうまでもなく被害者から損害賠償の訴訟が起きまして裁判でこれだけの損害を支拂うというときに支拂うということが、一番間違いないのであります。しかし私どもといたしましては、必ずしもそうした裁判はなくても、検事局で一應これは失火だと認めたような場合におきましては、損害額のいわゆる妥当性さえお互いに納得つきますればある程度支拂つても、われわれのいわゆる義務が果せないというようなことはない。換言すれば、そういう適当な処置をとることも許されておるものと考えて、そういう場合には適当に考慮したい。ただし額がはなはだしくわれわれの考えと違つているような場合は、おのずからやはり裁判所の判定をまつよりほかはないと思います。
#10
○成田知巳君 最後にちよつとお願いしたいのであります。不可抗力という解釈でございますが、周囲の高松市民の話を聞きますと、あれは紙と板でつくつたようなバラックだということでありまして、ストーブをたくということ自体が、非常に危險であるというような見方をしておる人が非常に多いのでありまして、そういう点から行きましたならば、工作物そのものに過失があつたというような解釈もできるのではないかと思います。工作物の過失による損害だと言うこともできると思いますが、不可抗力という判定がありましても、損害賠償の点については適当な御考慮を願いたい。最後に希望を申し上げておきます。
#11
○小澤國務大臣 成田君はなかなかの法律家であつて、法律論をもつてつつみ込まれたこともあつて、苦い経験を味わつておりますが、そういう論も立たぬわけではありますまい。しかし常識的にいわゆる失火かどうかということは、高松郵便局が日本中で一番悪い建物でもないし、また建物の中でストーブをたくことが責任になるということは、一般的には論議をされておりませんが、しかし成田君は極力被害者の立場を考慮して言われることでありますから、できるだけわれわれの説明のつく範囲内においては、この判定を成田君の法律論に持つて行くように、進んで行くつもりであります。
#12
○成田知巳君 どうもありがとうございました。
    ―――――――――――――
#13
○辻委員長 それでは四月二十八日、五月二日、本委員会に付託されました郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律案及び郵便切手類質さばき所及び印紙賣さばき所に関する法律案、以上三案を一括議題とし政府より提案理由の説明を求めます。
#14
○小澤國務大臣 ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 御承知のように、現行の郵便貯金法は、一昨昭和二十二年十一月の制定にかかるものでありまして、旧郵便貯金法に全面的な再検討を加えまして、郵便貯金をして眞に一般國民の簡易確実な貯蓄手段たらしめることを目途として改正されたものであります。幸いこの新郵便貯金法の実施以来、一時は減少の傾向さえ示しておりました貯金高も、漸時増勢に轉じ、年年三月末の五百一億円に対し、本年三月末においては、八百億円に達しまして、國民生活の安定とともに、インフレの防圧に寄與するところが少くなかつたのであります。ところが、その後の経済事情の変化に伴いまして、さらに一段と郵便貯金の利用を容易にして、貯蓄の吸收をはかるとともに、一面、健全財政の要請に應じて、事業経営の合理化を期する必要が生じましたため、ここにこの法律の一部を改正いたしたいと考えまして、本案を提出したのであります。
 改正法案のおもなる内容は、一、定額郵便貯金及び積立郵便貯金のすえ置き期間を短縮すること。二、通常郵便貯金及びすえ置郵便貯金の最低預入金額を引上げること。第三といたしましては、無記名の地方債証券及びその利札による郵便貯金の預入制度を廃止すること。第四といたしましては積立郵便貯金の一回の預入金額を引上げること。第五として割増金附定額郵便貯金のすえ置き期間内における拂もどしを認めること等でありまして、この改正によりまして、郵便貯金は、一段とその機能を発揮することができるものと期待せられるのであります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願いする次第であります。
 次に第二といたしまして、郵便貯金法に基いて保管する証券の整理に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 郵便貯金の預金者の便宜をはかるため、郵便貯金の一部で國債証券等を購入し、これを保管する取扱いは、明治二十四年に創始され、また預金者の所有する証券を受入れて保管する取扱いは、明治三十八年から始められたものでありまして、明治三十八年末当時の保管高は、枚数二万二千六百枚、額面金額二百三十三万三千円にすぎなかつたものでありますが、その後この取扱いは、証券による行賞賜金の制度及び郵便局における國債賣出しの制度の実施等により、漸次拡充せられ、ことに昭和十二年日華事変が始まりましてからは、巨額の戰時國債、貯蓄債券及び報國債券が、きすびをついで発行されましたのに伴い、その消化策として、この証券保管制度の利用が、無料または低料金によつて奨励せられましたために、その保管高も戰時中顕著な増加を示し、今日なお約一億三千九百万枚、額面金額二十二億七千万円の証券を保管しているのであります。一方、この取扱いには、年額約二億出千万円の経費を必要としておりますので、保管証券一枚当り平均額面十八円に対して、年額約二円の費用をかけているわけであります。ところが、もともとこの証券保管の制度は、國の財政政策の方針に從つて運営されて参りました関係から、從來利用者の納める取扱いの料金には、ほとんど期待することなく、その経費は主として一般会計及び大藏省預金部特別会計からの繰入金に依存して参りましたものでありますが、官営事業の独立採算制の確立が緊要とされております今日においては、この業務をこのまま採算のとれない状態で運営して行くことは、いたずらに経費を増し、國の財政に悪影響を及ぼす結果となりますので、とうてい許されないのであります。
 そこでこの業務の今後の運営につきまして、何とか対処する方法を講ずる必要に迫られているのでありますが、取扱いの料金を引上げることによつて、その増收をはかり、收支の均衡を保つことも一應は考えられますが、過去の保管証券の大部分が、戰時中の発行にかかる小額証券でありまして、その九七%は二十円以下のもので占め、一枚当りの平均額面金額も、わずか十一八円にすぎない実情にかんがみまして、一枚の保管証券について、年々二円以上の料金をとることは、とうていなし得ないところであります。從いましてこの際、この過去の保管証券につきまして、逓信大臣がこれを一括して適当な價格で賣却し、その代金を貯金として積み立てておくというような簡便な方法をもつて、臨時的に整理を行うことが最も妥当な措置であろうと考えられるのであります。これがために必要な規定を設けて、本案を提出した次第であります。以下本案の内容の大要について、簡單に御説明申し上げます。
 まず整理の方法について申しますと、逓信省が預金者のために保管している証券は、最近の発行にかかるものを除き、すべて原則として大藏省預金部等に賣却し、その代金を預金者の郵便貯金に組み入れるのであります。もつとも預金者の中には、この措置を希望しない者もあろうかと存じますので、これが実行に先だち三箇月間の猶予期間を設け、この期間中に預金者の請求による保管証券の返付または賣却を認めることといたしております。なおこの措置によりまして買い上げられる証券の價格は、別に政令の定めるところによることといたしておりますが、その決定に際しましては、もとより預金者の利益を十分に考慮いたしまして、郵便局または銀行で行つております証券買上げの場合と同様の横桁を定める方針であります。このようにして郵便貯金に組み入れられた貯金は、昭和二十四年九月一日にすべて郵便貯金となつたものとみなされ、その日から郵便貯金として利子がつけられることはもとより、一般の郵便貯金と同様に、拂もどしができることとなるわけであります。この措置によりまして、保管証券の換價を希望する預金者にとつては、別段の費用及び手数を負担することなく、その目的を達することができて、きわめて利便であるのみならず、取扱者の側にとつても、厖大な保管証券に関する今後の処理を省くことかできますので、経費の節減となり、郵便貯金事業の経営の合理化に資するところが少くないのであります。
 何とぞ十分御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願いする次第であります。
 次に第三といたしまして、郵便切手類費さばき所及び印紙費さばき所に関する法律案について、提案理由を御説明申し上げます。
 郵便切手類質さばき所は、明治四年郵便の創始と同時に、切手類さばき所として創設せられ、印紙費さばき所は、明治六年印紙税の創始と同時に創設せられ、その後、名称及び制度の内容に若干の改正がなされて、今日に至つておるものでありまして、この聞、全図津々浦々にあまねく分布して、その数は、郵便切手類賣さばき所は約六万二千五百、印紙費さばき所は約二百を算し、その賣さばき額は昭和二十三年度におきまして、大約郵便切手類六億八千万円、印紙十六億円に達しているのであります。
 從来この賣さばき所及びその事務を行う賣さばき人に関しましては、逓信省令で規定して参つたのでありますが先般新憲法の精神に即應して制定せられました新郵便法第五條及び第三十三條におきまして、郵便の業務たる郵便切手類の賣さばきの業務の一部を、郵便官署以外賣さばき人に委託執行させる場合には、法律で定めることを要することとせられたのであります。また郵便の附帯業務でありますところの印紙の賣さばきとの業務につきましても、郵便切手類の賣さばきの業務と同様、この業務の一部を賣さばき人に委託執行させる場合には、法律で定めるのが適当と考えられますので、ここに賣さばき所及び賣さばき人に関する基本的な事項を定めるため、郵便切手類賣さばき所及び印紙賣さばき所に関する法律の制定を、提案することとした次第であります。以下この法律案の要点につきまして、若干御説明申し上げます。
 まず國と賣さばき人との関係及びこれに関連する賣さばき所の設定につきましては、從來郵便切手類または印紙の賣さばきの業務を行う者は、郵便局長から賣さばき人としての許可を受け、賣さばき所を設けて、郵便切手類、または印紙を賣りさばくことになつておるのでありますが、この法案におきましては、國と賣さばき人との関係は、許可の関係とせず委託契約の関係としたのであります。
 次に賣さばき人の資格につきましては、郵便切手類及び印紙の賣さばき人は、必要な資力及び信用を有するものとし、また印紙のみの賣さばき人は、從来通り営利を目的としない法人に限ることにしたのであります。またその選定の手続につきましては、機会均等と公平の原則にのつとり、必要な事項をあらかじめ関係場所に公告するとともに、適当な希望者が二人以上あつたときは、抽籤により賣さばき人を選定することといたしたのであります。
 賣さばき手数料につきましては、現在郵便切手類につきましては、賣りさばき人の買受月額に、その買受月額五千円以下の額に対しましては百分の三、五千円を越える額に対しましては百分の一の割合を乗じて得た金額となつており、印紙につきましては、賣さばき人の買受月額にその買受月額一万円以下の額に対しましては百分の三、一万円を越える十万円以下の額に対しましては百分の二、十万円を越える額に対しましては百分の一の割合を乗じて得た金額となつておりまして、その算出がすこぶる複雑でありますのみならず、少額の賣さばき所に対する手数料があまりにも少く、從つて賣さばきサービスの点においても、往々遺憾の点も見受けられますので、その算出の段階をできるだけ簡単化いたしまするとともに、その手数料の額につきましても、賣さばきに実際要する手数に應ずるようにする趣旨をもちまして、同一賣さばき人につきましては、郵便切手類と印紙との賣さばき手数料を別々に算出せず、その一箇月の買受総額に、その総額五千円以下の額に対しましては百分の五、五千円を越える五万円以下の額に対しましては百分の三、五万円を越える額に対しましては百分の一の割合を乗じて得た金額とするとともに、他方この賣さばき手数料を無制限に認めますときは、郵便局の窓口で賣りさばくのを適当とする大口のものが、不必要に賣さばき所を経て賣りさばかれる傾向を助長し、かたがた賣さばき人が特定の大口購入者に、定價から割引いて賣さばく弊害を生ずるおそれがありますので、賣さばき手数料は、一箇月につき買受月額が百万円の場合における賣さばき手数料の額に相当する一万百円を最高額としたのであります。
 右の賣さばき手数料率の改正に伴いまして、昭和二十四年度においては現行料率に比し大よそ三千七百万円、平均八%の手数料の増加を見る予定でありまして、右は本年度通信事業特別会計の歳出に計上済みであります。
 何とぞ十分御審議の上、すみやかに可決されるようお願いする次第であります。
#15
○辻委員長 それではただいま提案理由のありました三件並びに簡易生命保險法案郵便年金法案、及び郵便為替法及び郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、以上六案を議題といたしまして審議を進めたいと思います。質疑を許します。
#16
○松本(善)委員 ただいま郵便貯金法に関する改正案の提案説明がございましたが、私は個人預入の最高限度は三万円ということに相なつておると思うのでありまして、ここに一線を画しまして、今度は五円のものを十円に上げようという案であります。これは手数料も、これに要するところの人件費、あるいは紙の代金も非常に高くなつたので、こういう線で進むことは、これは社会の趨勢からもつてして、当然なこととは思いますけれども、ややもするとサービス本位でやろうとする銀行でさえも、あるいは一円以上云々という問題を掲げて、宣傳しているようでありますので、郵便貯金というものは、これはもちろんバランス面に立つの必要はあるのでありますが、しかし公共的なるところのやり方を、もう一層深くいたしますために、最小限度の金額を、第二回目からは十円以下では困るなどというようなことでなしに、眞に零細なる金の保管者であるという観点に立つて営業されるかどうか。第一回目の預かり金額が、ここに文書によりますと、五円を十円にするというように見えるのでありますが、十円以下のものは、てんで問題にしないというような考えで、当局者は進むのかどうか。この点に対するサービスにおける精神的なあり方を聞いてみたいと思います。これは大臣でなく、事務当局にお尋ねいたしたいと思います。
#17
○村上(好)政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。郵便貯金を、現在の五円の最低限度から十円に引上げるということについての御質問でございますが、今御指摘のごとく銀行方面のある一部分では、この金額に制限をつけないで預入をさせているところがあることは承知しております。また同時に郵便貯金が一般大衆を相手とする公共的な事業であつて、かような金額に制限をつけることは、考慮を要すべき点のあるということも、十分了承されるのでございます。この点に関しましては、逓信省といたしましても制限をつけることの可否について、相当考究をいたしたのでございます。でき得べくんば、この最低の制限をつけずに、ただいまの御意見のごとく少額なものまで扱いたいという希望も相当強く持つておつたのでございます。しかし御承知の通り、一面この官業の独立採算制が強調されて、この方から来る要請がまた相当強いのでございます。それで実際において十円以下のものがどれだけ利用されておるかということについては、その実績を検討してみたのでありますが、その結果は十円未満はこの参考表の二十九ページにございますが、わずかに全体の〇・八%しかないのでございます。貯金の取扱いには相当の手数、事務費がかかるのでございまして、通常預金の場合を申し上げますと新規の預け入れのためには通帳が一円二十銭かかります。事務費が九円十銭かかります。合計十円三十銭という取扱い経費がかかるのでございます。これらの経費に対しまして十円以下というものを扱うことは、非常に政府として苦痛とするところでございます。かような関係からいたしまして、この際経費を極力節約するという立場から、かようにいたしたわけでございます。
#18
○松本(善)委員 そういう趣旨のもとにおやりになられることは、非常にけつこうだと思うのであります。そうすることによつて、貯金がどれだけ容易にふえるであろうかということの考究があるかどうか、そういうことをお尋ねいたします。
#19
○村上(好)政府委員 ただいまの御質問は、これがために貯金の増加するのほどのくらいかという御質問のように承りますが、これがために新しく特に増加するであろうという方面は、実はあまり研究しておりません。これがために相当手数が省けるだろうという、そういう面を考慮いたしまして立案された問題でございます。
#20
○松本(善)委員 はなはだ簡単に御答弁願いましたが、政府といたしましても、必ずや郵便貯金に対するところの目標額というものは、すでに御承知のように掲げられておるのであります。この点につきまして何ら考究せずして、この案件をやつているということは、はなはだ政府事業としてはずさんだと私は言わざるを得ないと思うのであります。ことに今度の目標額というものは、昨年の目標額よりもおそらく減つておるだろうことを私は存じておるのであります。しかるがゆえに、昨年度の目標よりも今年は――もちろん社会の情勢によつて、インフレからディスインフレの状態に立ち至るからして、こういう論点が社会の情勢であるから、目標が減つた、こういうのでありますが、一面にこういういわゆるもうかるものだけやろうというあり方でもつて、もしも政府事業がやつて、そうして預金に対するところの目標額というものは昨年度よりも非常に下つておる。こういうことを思い起すときにおきまして、何らかそこにもう少し政府の誠意あるところの研究の結果を発表していただきたいと思うのであります。お答えによりましては、再質問を許していただきたいのであります。
#21
○小澤國務大臣 松本君のお尋ねの趣旨はこの最低額の問題でありますが、最低の額を設けたために、今年度の貯金金額か増加するとは考えておりません。むしろ多少とも減退するのではないかと思います。局長も先ほどお答えしたように、新しくかりに貯金を始めるような場合に、台紙並びに事務員の取扱い実費というものは大体十円以上になりますから、かりに五円だけ預金してうつちやらかされておきますと、台紙代もないということになりますので、これは國民諸君には、サービスの上から不親切のようには一應なりますけれど、やはり独立採算制ということを強く考えた結果、できるだけ事務を省いて、そうして実際に收支のバランスがとれるものだけを一應扱おうという趣旨が、五円を十円にした趣旨でありまして、この面から預金が今年度に増加するとは考えておりません。むしろ最高金額を上げた点で、これはもう相当の貯金が増大するであろう、こういう目標の上に立つております。大体たびたび本委員会でも申し上げました通り、二十四年度の預金の目標額は四百億を目標といたしておりまするので、昨年度の実績よりは非常に多く目標を立てております。しかしこの目標額がはたして目標通り行くかどうかということは、松本君の御意見の通り経済情勢の客観情勢から見て、必ずしも楽観は許されません。許されませんが、現在の段階におけるわれわれ國民といたしましては、どうしてもこの貯金の額の上昇によつて、一方におきましては國家の運用による資金を潤沢にし、一方においてはインフレーシヨンの進行を押えるというような、両面の長所がございますので、できるだけあらゆる手段を講じて、ただいま申し上げた通り四、百億の目的を達成したいと考えております。
#22
○松本(善)委員 逓信大臣の方から御説明を願いまして一應了承したのでありまするが、私が間違いであるならば、修正していただきたいのでありますが、目標額は三千五百億と私は記憶しておるのであります。從いまして預金増加額は、二千三百億の増加目標を立てておられるはずと思うのであります。それで昨年度の経済情勢並びに今日のあり方から申しますると、私は昨年度から見れば、今年の方は樂だと考えておるのであります。その点大臣の考え方と私の考え方がちよつと違うように思いますので、一應また御答弁願いたいと思うのであります。
#23
○小澤國務大臣 三千五百億というお話でありまするが、一般の日本の財政計画によつて二千三百億というものの貯金の目標を立てていることは、これは一般会計におけるいわゆる全部の預金者に対する貯蓄額を想定したものでありまして、郵便貯金といたしましては本年度は先ほど申し上げました通り、四百億を目標として進んでおります。昨年度におきましては実績は約三百億ありました。從つて昨年の三百億よりオーバーすることの百億ということを目標にして進んで行つているような次第であります。
#24
○松本(善)委員 大臣の言われたのは私もその通り了承するのでありますが、私の言い方が悪いのかどうか、私の考えることをぴつたりくんでいただけげなくて困つているのでありますが、結論から申し上げますと、大臣に私の言わんとしているところを、聞いてもらえないという形にあるのであります。数字なしで申し上げますならば、昨年の情勢を考え、あるいは今日の情勢を考えるときにおきまして、貯金の増加するということは決して困難なことではないと私は考えておるものであります。從いまして、こういうサービスの点において少し低下したというあり方によつて、目標を下げたのかどうか、あるいは今日の励会情勢からいつて、どうしてもできないという結論に立ち至つて目標を下げたのかどうか、こういう点において私の疑問があるのであります。この点において御回答願いたいと思います。
#25
○小澤國務大臣 目標は下げておりません。つまり昨年においては三百億の実績があつたものに対しまして、今年度は松本君と同じ構想のもとに、もつと多く貯金し得る、こういう見通しのもとに四百億を目標にしておるのでありますから、少しも目標は下げておりません。昨年よりは百億の増の見通しを持つておるわけであります。
#26
○松本(善)委員 それは昨年度のいわゆる物價指数による研究のあり方でありまして、今年度のいわゆる社会情勢によるところの物價指数との観点に立つたところの増加率から見れば、今年の目標は樂だと私は考えるのであります。
#27
○小澤國務大臣 この問題はなかなかむずかしい問題でありまして、松本君の言うような考え方も立つのであります。従つて内輪の話を申し上げますと、逓信省内で予算を編成する際には、今年度は六百億の貯蓄目標ということを一應考えておつたのであります。しかしあまり大きな目標を立てて、そうして目標通りに行かぬということになりますと、あらゆる面に狂いが來ますので、堅実味を帶びてここに四百億という目標を立てたのでありまして、これは議論をすれば四百億の議論もありましようし、二百億という議論も立つかもしれませんが、今までの実績と、経済の情勢をにらみ合せて、政府として最後の結論を出したのは、ただいま申した四百億であります。
#28
○松本(善)委員 了解しました。次にちょつと簡単にお答え願いたいのでありますが、いわゆる定額貯金に対して一年を半年にされたということは、現行の例によつてサービスを改善されたということでありまして、非常にけつこうでありますが、これに対して金額制限をもつてせられておるのであります。この金額の制限こそ、もう少し上げていいのではないかと考えておるのであります。事務当局者にお尋ねしたいのでありますが、もしも研究されたならば、その結果をお聞かせ願いたいと思います。
#29
○村上(好)政府委員 お答えいたします。この金額の制限につきましては、ただいま一人当りの郵便貯金最高額は三万円と限定されておるのでございます。これはこの三万円の基準として、積立貯金の終局の貯金額がそれになるように、二年間に割ると、最高額がこういうことになるという計算のもとになつております。それで最高が、二年どいたしましたために、千二百円、これが三万円に近い数字になるのでございます。
#30
○松本(善)委員 私は半年の分を言うておるのであります。いわゆる年限についての最高限におきましては半年云云の改正について……。今の御答弁は当を得ていないと思う。
#31
○村上(好)政府委員 もし私の了解が誤つておつたらまた訂正いたしますが、定額郵便貯金のすえ置きを六箇月にして、最高制限額に触れていないのはどういうわけかというふうに解釈されますが、もしそうだといたしますと、すえ置き期間を短縮しただけで、総額の三万円という額には動きはない、こういう前提で言つておるわけであります。さよう御了承を願います。
#32
○松本(善)委員 もちろん最高の限度というものは、個人に対する預金の最高限度を示しておることは御承知の通りでありまするが、今までどうしても半年というものが許可にならなかつたゆえんは、他の理由があるはずであると私は考えるのでございます。というのは郵便貯金というものと、銀行の預金を考えるときにおきまして、どうしても逓信省のあり方は、そういう問題になりますると、銀行業者に非常な影響を及ぼすことから、半年というものはおそらく許可になつていないはずでありますけれども、現在そういうことが一言もなく、ただ数字の点に触れて行つて研究がなされるのなら、よろしいのでありますが、われわれは今後の研究課題として、逓信のいわゆる貯金問題をひつさげて立つ場合において、もしも地方銀行その他に何ら苦情が出ないというならばいざ知らず、必ずしも出ないとは限らないのであります。從いまして、この点についての研究はなされなかつたかどうか、ということについてお聞きしたいのでございます。
#33
○村上(好)政府委員 定額を六箇月にすることについては、從來銀行との関係において、これを一年以上にせざるを得なかつたというような関係は実はなかつたのでございます。この六箇月にすることについては、民間銀行を圧迫するというような問題は起らないという前提で――また問題は起つておらなかつたのであります。さように御了承願います。
#34
○松本(善)委員 この期間の短縮の問題でありまするが、今後そうした問題を説くときにあたりまして、必ずそういうことが起り得ると考えるのであります。從いましてこの点についても一應御研究なされるかどうか、今までも、あるいは今後も、そういうことは全然必要ないと言われるかどうか、お尋ねしたいのであります。
#35
○村上(好)政府委員 将來もし問題が起りましたら、そのときあらためて研究いたしたいと存じます。
#36
○松本(善)委員 この点については、現在檢討しておられるのか、あるいは全然檢討したことはないし、それに対する資料も何も持ち合せてないというのであるかどうか、お尋ねしたいのであります。
#37
○村上(好)政府委員 銀行との関係につきましては、これは大藏省預金部と、銀行局と十二分に協議の結果、かようなことにいたしておるのであります。銀行局としては、民間銀行に対する考慮は十分に拂われておるものと考えられます。なおいろいろ御質問がございましたが、これは六箇月を何ゆえにつくつたかということを御説明すれば御参考になると存じます。六箇月をつくりましたことは――定額郵便貯金は逓信省では非常にこれに力を入れて奨励いたしておるわけであります。郵便貯金の奨励は、一に定額郵便貯金がその生命をなすといつても、過言ではないくらいにこれを奨励しております。この定額貯金を奨励するこの奨励上のわれわれの経験から、この一年という期間は長過ぎるという実際の預金者の声が、非常に強いのであります、それでせめて半年というものをつくつてもらいたいという実際面の希望が多いので、こういうことにわれわれは考えたのでございます。実際問題といたしまして、この一年の定額貯金は、法律できめられた事由のある場合には、一年間のいわゆる期間内の拂もどしというものを認めておるのでございますが、その拂もどしが相当多いようでございます。二十五ページに表がございまするが、期間内拂もどしが一七・一%ございまして、さらに二十六ページにおきまして、この期間内拂もどしの一年間の内訳を見ますと、六箇月以内の拂もどしが、期間内拂もどしの約半数を占めておるという実情でございます。かような実情にかんがみまして、必要に迫られて、かような制度をつくろうという次第でございます。
#38
○松本(善)委員 了解しました。
#39
○浦口委員 今のすえ置きの期間に関連いたしまして、ひとつお聞きしたいのでございますが、定額郵便貯金と積立郵便貯金のすえ置き期間につきましては、資金の運営上から申しましても、また貯金の本質からいつても、その期間は長い方が理想的だと思うのです。それをなぜ短かくするかということについては、サービスであるとか、中途の拂もどしが多いという意味の御説明がありましたが、われわれがこれを短縮する場合を考えますと、インフレがどんどん高進して行く場合に、たいへんに長い期間の貯金をしておきますと、事実利息どころか、貨幣価値がぐんぐん下つてしまう。そこで貯蓄心が非常に落ちるところから、短縮するならば、もつと前において短縮すべきで、今政府が、もしほんとうにインフレをもうこれ以上高進させない御確信があるならば、私はむしろすえ置くことが本質的な考え方ではないか、こう考えるのでありますが、その点政府はインフレと、すえ置き期間の短縮との問題について、どういうふうな根本的なお考えをお持ちであるか。
#40
○村上(好)政府委員 ただいまの御指摘のごとく、貨幣價値の下落のはげしいときには、長期のすえ置きを希望しないのが常態である、これはまことに御説の通りでございます。從つてそれが短縮すれば、インフレだ直接影響を持つて来るということになるわけであります。それで一面拂もどしを便利に樂にやらせると同時に、一方裏にまわつて、通貨の吸收というものを、もつとそれ以上に強化しようというわれわれの考えなのであります。昨年は三百億の純増でありましたが、本年度は四百億以上を目標としてとろうという考えでございます。從いましてこの楽な制度を設ける一面において、もつと通貨の吸收もやろうという結果になることを、目途といたしておるのであります。
#41
○松井(政)委員 ちよつとこの前もお伺いしましたけれども、もう一ぺんお伺いしたいと思います。簡易保險法と年金法の改正の案におきます最高制限額の問題でありますが、この最高制限額の問題につきまして、簡易保險の方は從來の二万五千円を五万円にする。年金の方は三万四千円を十二万円にする、この事柄について私質問したときに、科学的根拠はさらにないのだ、こういう御答弁であつたのであります。そこでもう一ぺん最初にお伺いしたいと思いますが。この問題につきましては、年金よりもむしろ簡易生命保險というものを、われわれは社会保障の建前から重要視しておりますので、どういう理由で、こういう額の差をおつけになつたかということを最初にお伺いしたいと思います。
#42
○岡井政府委員 簡易保險の方と郵便年金の方と最高制限額のわけ方に非常な差がある。どうしてかような区別をつけたかという御質問であります。これは前会にも申し上げておきました通り、本來ならば、物價その他賃金の値上げ率と同じように、かえるのが至当だと思いますが、御承知のように簡易保險事業におきましては、類似事業といたしまして、民間で生命保險をやつております。その民営保險に対してあまり圧迫を加えてはならないということは、これは御承知の通り簡易保險事業創設当時からの方針であります。その方針に從いますれば、物價の値上り通り、正確にそのように急速に上げるということは、各方面と支障を来すというような結果から、大藏省ともずいぶん折衝いたしまして、さしむき逓信省といたしましては、もう少し上げたいのだけれども、これでがまんしようということになつた結果、五万円に治まつた次第であります。
#43
○松井(政)委員 ただいまお伺いいたしましたところ、これは民間生命保險業者との関係がかなりあるような御答弁であつたのでございますが、この点につきましては、われわれはまつたく生命保險というものに対する考え方が反対であるのであります。というのは、先ほど二言申し上げた通り、要するに生命保險あるいはその他のもろもろの保險というものは、あくまでも社会保障の建前がほんとうの原理でなければならないと考えております。從いまして今日の日本の民間の生命保險会社というものは、御承知の通り生命保險事業を営むとともに、半面におきましては、金融関係における大きな役割を果しておるということは明瞭であります。從いまして、簡易保險というような、國営でおやりになりまする生命保險事業というものは、むしろ民間事業よりも、政府が腰を入れてやらなければならない保險事業であり、さらにそういう観点から考えますれば、民間の生命保險業者の考え方を考慮に入れたり、あるいは民間の金融機関としての一部の役割を果しておる業者のごきげんをとるような形で最高額を制限するというがごときことは、われわれは承服できないのであります。從いましてそれ以外の理由で、われわれの率直に認める理由がございますれば別ですけれども、そういう理由で五万円にして、片方の年金の方は十二万円にする。こういうことの考え方を持続されるのであるか、この立て方が正しいとお考えになつておるのか、念のためにお伺いしておきたいのであります。
#44
○岡井政府委員 私どもといたしましては、決して民間の意見に掣肘されたというようなわけではございません。しかしながら先ほども申しました通り、簡易保險というものは、本来民営保險で足らない分を補う、つまり少額の保險金額で、民営保險でそれをやつては採算がとれなくて、やることを好まないという保險を、官営で受持とうをいうことが、本來の簡易保險の成立ちでありますので、その趣旨が現在もなお生きておるといたしますれば、その趣旨に從つて民営をあまり圧迫してはいけない、ということは、これは何も民間からの意見があつたために、それに掣肘されたというわけではなしに、自発的に大藏省もいろいろ折衝した結果、これがまず簡易保險のあり方としては適当であるという確信のもとに、かようにいたしたような次第であります。
#45
○松井(政)委員 この簡易保險の從來のなり來つたその歴史と申しますか、その上に立つて大藏省と折衝の結果、簡易保險というものの性質は、こういう形がよかろうということになつたという御説明でございますが、從來のなり来りと称されるものが、不合理だという見解が、すでにわれわれには生れて来ておるのであります。むしろ保險事業というものは、全部國営にいたしまして、社会保障の建前から、國民大衆に利益を與えながら、それを國家事業として育成して行くことというのが本筋だと思う。そこに簡易保險を切りかえられるような構想をお考えになつておるかどうか、お伺いしたいと思います。
#46
○小澤國務大臣 松井君の問題は、保險制度の根本問題でありまして、從來の簡易保險を政府がやつて來て、それからその他の大きい一般保險は民間がやつて來ておつたのだ。その根本をどう考えるかという問題だと思うのであります。從つて松井君の属する政党の考え方、すなわち金融資本云々という点からいいますれば、松井君の言うように、民間の保險制度はただちに廃して、國家がすべてやるべきだという議論は成立たぬわけではないのであります。しかしわれわれといたしましては、今ただちにこの簡易保險の本来の特質を無視して、民間保險と同じような線に進むというようなことを決定することは、この保險制度本来の姿に大きな異同が生じますので、これをただちにやろうという考えは、今持つておりませんが、今松井君も大体意見的にお話がありました通り、保險事業は本來國家が全部すべきか、あるいは民間にまかしてはいかぬというような考え方については、理論上の相当の根拠があり、また現在の経済情勢から、そうした方面に少くとも近づいて行くよう考え方が必要であるという点は、われわれも認めておりますが、現在の段階ではやはり五万円程度にすることが適当だという見地に立つております。しかし将来の問題については、松井君の意見を十分考慮しながら、政府の具体的方針をきめて行きたい、こう考えております。
#47
○松井(政)委員 大臣の名答弁で、その問題の質問は打切らなければなりません。
 次に私は、郵便料金値上げのときの討論にも申し上げた通り、どうしても國営事業として、國民を対象といたします事業が、今回の逓信省関係であることは申すまでもないのであります。從いまして、國民全体を対象とする事業においては、一つの法律を改正し、あるいは他面において國民に負担をかけるということにつきましては、その半面、どうしても國民大衆の納得の行く裏づけが私は必要だと思う。從いまして今度年金法及び簡易保險の法案が出ておりますが、これが國会を通過するときに、國民大衆に対して私は大きな一つの裏づけをしたいと自分では考えておる。その裏づけは、いわゆる積立金運用に対する大藏省から逓信省への移管の問題でありますが、この問題について國会における法案通過とともに、その裏づけを國民にすることが、保險事業あるいは年金の成績を上げることにも大きな役割を果しますので、これはぜひとも裏づけをしていただきたいという希望があるのでありますが、こういう考え方について、政府はどういう考え方を今日お持ちになつておるか、お伺いしたいと思います。
#48
○小澤國務大臣 この問題については、当委員会におきましても、あらゆる機会に私は松井君の考えておるように、この保險金の運用については、当初の簡易保險制度が生れた当時の趣旨に合つた、すなわち逓信省に運営を還元して、これを政府事業やその他の事業が利用しないで、加入者にその利益を還元するということが適当だと思つておりますから、たびたび申し上げた通り、私は松井君が考えている以上の熱意をもつて、この問題の実行に邁進したいと思います。ただその方法の問題でありますが、今私の立場において、國会でそうした裏づけをしようという方法に対し、ぜひお願いしますということは、言えませんので、どうぞ信念において、また考え方においては異なつていないのでありますから、その方法は、國会議員は國会議員の立場において、なされることがけつこうであると思いますし、私は政府の一員として、できる限りの努力をしたいと考えております。
#49
○松井(政)委員 大臣の考え方、よくわかりましたが、そういたしますると――もちろんこれは政府に拘束されるものではないと考えまするが、われわれが審議の結果、当委員会において裏づけとしてそれが必要であるというような審議の方向と決定の方向には、大臣は別に反対の意思はないとお考えでございますか。この点だけ一点お伺いしておきます。
#50
○小澤國務大臣 今申し上げました通り、積立金の運用については、松井君その他の委員諸君と少しもかわつていないと私は思います。ただその方法になつて來ますと、今この委員会で裏づけに希望條件をつけるとか、あるいは決議に附帶條件をつけるということに対して、私はそれに賛成だということは言えませんから、その点はよく御了承願つて、國会は國会独自の立場において、しかるべく善処してもらいたいと思います。
#51
○松井(政)委員 わかりました。その次にもう一つ、今度はあらゆる法律の改正と、それから行政整理の関係であります、いろいろ出ております法律は、すべからく成績を上げなければならないことが條件にされているような法律が多いのであります。從いまして、貯金の問題にいたしましても、年金の問題にいたしましても、あるいは簡易保險の問題にいたしましても、サービスを必要とし、成績を上げることを必要としておりまして、この点は行政整理とまことに反する形が事実の上には存在すると思うのであります。そういう関係から考えますと、今度の定員法による簡易保險事業、あるいはその他の貯蓄扱いに関する事業の上において、人員整理がいかなる形に響くようなお考えを持つておられるか、ちよつとお伺いしたいと思います。
#52
○小澤國務大臣 人員整理の面において、逓信事業の一般國民に対するサービスを落さないということ、また現在の労働力に対してさらに強化しないという目標で、その許す範囲内で行政整理をやろうと考えております。
#53
○松井(政)委員 その方法については、まことに賛成するものでありますが、これはそういう心配はいらないとおつしやられればそれまででありますか、しかし今度の定員法によりまして、人員の整理、行政整理をやろうとする場合に、必ずしもそういう形の面でない部分が、出て來るのではないかということが考慮されるのであります。そういう場合に、たとえば人員がさらに必要であるというのに、頭から定員がきまつておりますので、そのためにやはり何割かは減らさなければならぬ部分が起きて来る。それからもう一つ、今度の法律が通つたので、貯蓄、年金、簡易保險事業については、さらに成績を上げるために、事実は人員をふやした方が、サービスにも、成績を上げるにもよいと思うが、びたつと定員法によつて人員がきまつておりますので、定員法以外の人を使うわけに行かない。從いまして、それ以上必要なものは雇とか、あるいは臨時の形において使用せざるを得ない部分が出て來やせぬか。その出て來た場合における臨時の取扱い方が、三箇月か四箇月の臨時で済む事業内容じやないと思う。そういたしますと、一年、二年、三年、四年の臨時的なようなものか生ずるおそれがあるように、われわれは察知できるのであります。こういう問題についての取扱い方は、もろもろの法案を通しまして、それぞれ具体化す場合と、今の定員法関係におけるそういう面についての御見解を、お伺いしたいと思います。
#54
○小澤國務大臣 保險契約の二十億、それから郵便貯金の四百億の目標というような線は、当初からの計画でありまして、これは今定員法が実施されたからというて、それに支障のあるような方法では、行政整理をいたしておりません。從つてこの目標を達成するために臨時雇を置くとか、あるいは何らかの方法で援助を受けるとかいうようなことは、今考えていないのであります。もしわれわれの目標が異なりまして、逓信事業の完璧を期するのには、まさに出されんとする定員法では不足を生じたという場合には――これはそういうことはないと私は考えておりますけれども、その場合には、正式に國会に定員の増加を求めてやるつもりであります。
#55
○田島(ひ)委員 ただいまの松井委員の質問に関連しまして、私もこの前大臣に御質問いたし、人員の整理に関して、労働強化にはならないという一應の御返答をいただきましたか、数字の面で少し見ますと、やはりどのくらいしか整理しないのか、あるいは全然しないのか、その点はわかりませんけれども、大体定員法からいいまして、二割は削減になる。そうしますと、大臣は一應抽象的に労働強化にはならないと言われましたが、たとえば簡易生命保險の方でも、少額契約は大幅に整理するという、その一つの点を見ましても、大体総数八千万件くらいは現在あるじやないか、これを半分に減らすと見ましても、四千万件でありますので、これを四年間に割つてやりましても、大体一年間に千万件はこれを整理しなければならぬ。四千万件を整理しますのに四年間かかります。そういたしますと、実際の面では、人員が減りますれば、これは仕事の面でどうしても仕事ができなくなる。これはやはり具体的に大臣のはつきりしたお答えを私はいただきたい。
 それに次ぎましてもう一つは、大体二十四年度の簡易保險の目標額達成は二十億になつておりますが、人員が減りますと、一應目標額をきめてありましても、これはやはり人間が勧誘して集めて参るものですから、これだけの二十億の目標を達成するにつきましても、相当の人員――大体私が調べましたところでは、一万三千六百人くらいが必要だといわれております。ところが、現在の人員は約五万人であります。それから二割の一万人減ります。そうすると、募集要員がずつと減りまして、目標は二十億になつておりますけれども、実際の面では、大体五億円くらいが收入の面に入つて來るというようなふうになります。それから收入が減りますれば、いろいろな支出の面、それから募集手当、そういうものを引きますと、かえつて赤字になりまして、大臣の目標としておられます二十億はとうてい及ばず、差引私の勘定では大体十六億円くらいの赤字になるのじやないか。こう見るのです。この点二つだけもう一應念のためにお答えいただきたいと思います。それから続いてほかの点についても二、三お聞きしたいと思います。
#56
○小澤國務大臣 田島委員から何度も質問を受けておるのでありますが、要するに松井君にもお答えした通り、今年度の貯蓄目標は四百億、保險は二十億を契約の面でやろう。その目途といたしまして、おのずから定員の整理は事務的に行つております。從つて整理をいたしましても、なおかつこの目標を達成するという方針で、事務的にも、現実的にも、困らないような方策を講ずるという方針でございます。なおただいま具体的に田島委員が御指摘になりました、保險の切りかえにこれだけいる、あれだけいるというようなことについては、他の政府委員から御説明いたさせます。
#57
○岡井政府委員 ただいま御指摘になりました簡易保險事業の定員整理についてのみお答えいたしますが、ただいま簡易保險事業定員といたしましては五万一千四百二十ございます。これを今度の予算におきまして四万八千八百二十三に減すと、その減員の数が二千五百九十七人であります。率といたしましてはちよつと六分に足らぬ、五分余りであります。これだけ減すことに予算では組んでおります。その上に今度の定員法によりましてさらに加わつたと思いますが、それを加えてみたところで、一割には達しておりません。しかし一割に達していない数でも減りますれば、それだけ忙しくなるわけであります。また一方におきまして、ただいま御指摘になりましたように、乗りかえのためとか、あるいは新規契約の募集、二十億達成のためとか、いろいろ手数のふえる部分はもちろんございますが、一方におきましては、勤務時間もこの一月から平均いたしまして約一割五分程度延長いたしておりますし、そのほか一般從業員も、最近でありますと大分落ちついて参りまして、轄退職がありませんから、從つて素質もよくなつております。能率もよくなつております。そういうふうな点を考えまして私どもといたしましては、この新定員法による人員をもちまして十分現在のサービスを落さないで、しかも二十億の目標を達成することができるという確信を持つております。
#58
○田島(ひ)委員 ただいまのお答えでは、私は労働強化の点では満足いたしませんけれども、この点は大臣が労働を強化しないというお言葉がありまするから、このくらいにしておきます。その次にもう一つ、やはり先ほどの松井委員の御質問に関連しまして、六章の問題でありますが、ここに積立金の運用という項がございますけれども、現在積立金がその運用を大藏省の方に持つて行かれておるのに、ここにこういう項目を書かれておりますということは、大臣は、特別にこちらの方に運用をさせてもらえるという確信を持つて、こういうものが出ておるのか。私は法律のことはあまりよくわかりませんけれども、法律上に何か違反するのではないかとも思われますし、あるいはいずれ近いうちに運用できるという確信を持つてなされておりますのか、その辺の点をひとつお答えをいただきたい。
#59
○小澤國務大臣 この規定は郵政省設置法にも規定してありまして、どなたかの御質問にお答えしましたが、この法文の建前は、現在のような姿においても、この法文上は反しないという建前でやつておるのであります。換言すれば、この法律の規定を設けたということが、このままで、ただちに大藏省の運用がこつちにもどるという意味ではないのであります。でありますから、私どもは現実の政治問題として、この規定にかかわらず、先ほど松井君からお話のあつたような方向に、どうしても近い将来のうちに進みたいと考えておりまして、この規定があるから、それで当然來るのだという意味ではないのであります。一方の行政的取扱い方は、この法律とは関係なく、大藏省が扱い得るようになつておりますから、今の姿でも、この法律がかりにあつたところで、大藏省がやつてさしつかえないという解釈のもとに運用いたしております。從つてどうしても松井君のおつしやつたような道、また私どもの考えておるような道は、今後なお必要と考えております。
#60
○田島(ひ)委員 ただいまの御説明はよくわかりました。もう一つ、これは前の設置法の問題のときにも大臣にお尋ねいたしましたが、ここでもやはり審議会制度が相当大きな力を持つております。方々に審議会というものがありまして、民主的運営というけつこうな立場から、こういうものが置かれているのだろうと思いますが、事実そういう審議会の人員はどういう人々で組織されるか。私どもといたしましてはぜひともこの中に從業員を入れたい、入れる実際上の民主的な組織ができているかできていないか、こういうことに積立金なんかの運用が問題になりますときに、この審議会が大きな力を持つのではないか。私個人で言えば、実際積立金の問題は大藏省にありましようとも、逓信省にありましようとも、だれのためにどういうふうに使われるかということが根本の問題です。逓信省にいたしましても、その運用が民主的にほんとうに利用されなければ、またそこに欠陷が出て來ると思う。その点でこの審議会が今後大きな力を持つて来るのではないか。その点の人員あるいは内容なんかについて、おわかりになつている点を御説明願います。
#61
○小澤國務大臣 審議会制度の問題、これはそつちこつちの審議会、いろいろございます。從つてその審議会ごとに一つの特徴を持つておる。從つて委員の人選についても特殊の、別々の構想を持つております。しかしながら現在の法律の予想している点では、従業員組合からこれに入るという予定は持つておりません。しかしその法律の解釈で、運用できれば運用できないことはありません。從業員を入れることもできないのではないのでありますが、今ただちにこれを入れますとか、入れませんとかいうことを、答える程度になつていないことを了承願います。
#62
○田島(ひ)委員 その点大臣としてのお考えはいかがですか。もし将来入れたいというようなお考えはお持ちになつておられますか。
#63
○小澤國務大臣 ですから、私の考えが、今入れるとか、入れないとかいうことを決定するまでに、まだなつておりませんというのが私の考えです。
#64
○田島(ひ)委員 それではもう一つ、これはよく方々で不平が出ておりますが、保險金をいただきに参りますのが、事務上非常に煩わしい。私も直接ほかの者からも伺つたことなんですが、たとえば今度小口が整備されまして、大きくなりますけれども、いよいよもらいに行きますときに、戸籍謄本とか、いろいろなものをとりに行つたり來たりして、八百円ほどの保險金をもらいますのに、電車賃で五百円かかつてしまつたというようなお声を伺つておるのですか、そういう点について、もつと簡素な、簡易保險の名に適したような、いただきますときにも、そういう便宜を國民のために拂われないものかどうか。
#65
○小澤國務大臣 田島君の御指摘のように、おそらく保險金の受取りについては、戸籍謄本とか、あるいは印鑑証明とか、いろいろむずかしい制度になつておると思うのであります。しかしむずかしい制度をとつておるということは、加入者を保護したいといろ趣旨からできておるのであります。しかし加入者を保護せんがために、かえつて加入者に迷惑がかかるというようなことがあつてはいけませんから、それは事務の運営上適当に考慮して、今田島委員の考えておるように、あらかじめ戸籍謄本がいるというようなことを加入者に察知せしめておくとか、あるいは保險証書の裏にそういう場合を明記して、あらかじめ二度も三度も歩かぬでも、保險金をもらうときにはこういう姿で行くべきだということを予告しておくとか、あるいは窓口で保險加入者に教えるとかいうような方法にしてできるだけ煩わしいことのないように、すなわち保險金をもらうのに五百円もかからないような方向に、運用を仕向けて行きたいと考えております。
#66
○田島(ひ)委員 大体私の質問をこれで打切りまして、あとまだほかの法案については、私よくこれを理解しておりませんから、この次の機会に……

#67
○浦口委員 先ほど私の質問に対して御答弁いただいたことに、もう一度お聞きするのでありますが、保險を利用する階級はどちらかと申しますと、庶民階級と申しますか、中以下になりますので、貯金に加入される場合に、期間の短かいことも非常に問題ではありましようが、この貯金が将来役立つということが、非常に重大な関心である。今まで貯金は、インフレの高進時にあつては、政府の貯蓄増強に協力するということで、しかたなしにやつておる面がありますが、それを進んでやらせるのには、やはりインフレがこれ以上高進しない、ほんとうにささいな貯金でも、將來自分たちの生活に役に立つということを庶民階級に安心させませんと、おそらく目標がなかなか達成しないのではないか。今年の予算を見ましても、税金もたいへん上る、失業者もいろいろ出る、こういうことになつておりますので、その点大臣は、インフレがこれ以上高進しないであろう、ほんとうにささいな貯金が將來、あるいは一年後に同じ價値を持つて役に立つというふうに、庶民階級にお示し願えるかどうか。これが募集に非常に重大な問題だと私は思うので、お聞きしたい。
#68
○小澤國務大臣 浦口君の先ほどの御質疑の趣旨は、大体においてこのインフレの高進の時期は、もう昨年あたりですんだのではないか、これからむしろデフレ、あるいはデイスインフレに入るのであるから、必ずしも今のような預金者の心理のみを考えておつた制度では、逆になるのではないか、こうした御質問だと思います。私は浦口君の考え方と大体似寄つております。しかしながら今までの一年の積立期間をなくして、半年にするわけではない。一年という期間は残しておく。さらに半年というものを新しくこしらえたというだけで、かりに浦口君の考えの通り、また私の憂うる通り、そういう事態ができましても、半箇年の量が少いというだけでありまして、それがただちに貯金の減少になるということは、きまつていない問題であると思います。それからこれはほんとうに私の感じだげになりまするか、インフレーシヨンが高進した場合と、それから高進しないで、俗にデイスインフレになつたような場合で、貯金というものに対する現実の姿が、どう現われるかという問題は、非常な大きな問題だと思うのです。非常な大きな問題と思いまするが、私の考えでは、一般銀行預金はかなりむずかしい問題になりますけれども、少額な預金を企図しておる、すなわち小供の小づかい銭からためて行こうというようなことを中心にしておる郵便貯金制度には、そうひどく影響しないという、これは私の感じで、あまり理論的根拠はないかもしれませんが、私の感じでは、一般銀行よりは影響度が少いのじやないか、そういうように考えております。
#69
○松本(善)委員 この前、簡易保險の法案が通ります前に私が質問しておきました事項、傳染病を災害倍額條項に入れない理由については、印刷物をいただきましたので、一應その点については了承いたしました。
 次に切手のいわゆる賣さばきの件であります。この郵便切手類賣さばき所及び印紙賣さばき所に関する法律案、こういう印刷物が手元にまわつておりまするが、このいわゆる第五條と第七條に関連いたしまして、賣さばき人は省令の定むるところにより、一般の需要を満たすに足る数量の郵便切手類及び印紙を郵政省から買い受けて、常備して定値で公平に賣さばきをしなければならない、こういう案件があるのであります。私は、もしも一般の需要を眞に満たすためには、第七條に設けられたる條項が、はたして妥当であるかどうかということについて、疑義を抱くものであります。なぜかならば――ことに以前のこの賣さばきの法律の第十六條に、公共團体すなわち裁判所、登記所及び税務署の構内とか、これに接近する場所において賣さばきをなす場合にはこの限りにあらず、こういうような條文があつたのでありまするが、今回そういう條文なしに、ただ今度の改正法案の第七條で、一箇月一万千百円を越えてはならない、こういう條文を設けられているようでありまするが、この点については、罰金でさえも、おそらく一万円や二万円の罰金というものは、ことやすいのでございまして、一箇所やれば、小さなところでもすぐ予定以上に超過してしまつて、罰金を納めるのにも、かつまた登記をなさる場合においても、数箇所や、あるいは数十の郵便局をかけめぐつて、そうしてやらなければならぬという場合もあると思う。ことに東京のようなところでありますれば、けつこうでありまするが、いなかなどにおいては、登記する場合においても、手続上非常に不便を来すものと考えてさしつかえないと思います。この第七條はそういう場合において、一般の需要を満たすどころか、一般に対する不自由を満たすようなものであると私は考えるのであります。ことに一箇月一万千百円の賣さばき額とありますが、おそらく小さな賣さばき所であつても一箇月一万千百円くらいの賣さばきというものは、数多いことと私は存じております。この点においで平均的に満たすのでなくして、眞にいる者に対して、その需要をなぜどんどん満たさないのかを逆に質問いたしたい。私は民主自由党のあり方から考えても、一箇月に一万千百円ばかりの、あるいはその他に、賣さばき所に対して制限を設けて行くというあり方については納得が行かないのであります。この点について御説明を一應願いたいと存じます。
#70
○小澤國務大臣 松本君が調べておられる一万円というのは手数料が一万円という問題でありまして、一万円以上の印紙が賣れないという意味ではない。すなわち百万円までは賣れるということになりますから、これは実際の統計から見まして、百万円以上印紙、切手を賣さばき所で賣るということは、わずかしかないのでありまして、先ほど提案理由の説明でも申し上げました通り、ないしよで、やみで何分引くから、どうだおれの方から買えというのがはやりまして、そうして逓信省の利益をなくするという意味から、大体この見当で押えた方がいいのであつて、必ずしも民主自由党の政策に反したとは、私は考えておりません。
#71
○松本(善)委員 大臣の答弁で一應は了承することにいたしまするが、こまかい事項でありまするから、事務当局者に再質問いたしたいと思います。現在罰金もあるいは過料も、一万円単位で行くのが大体相場になつております。そういうわけでありますから、それを使用するところの場所にも賣さばき所があるということによつて、おそらく便宜を感じておる者があると存じます。從いましてこういうものを廃止することによつて、どれだけ逓信省で得するかというその歩合でありまするが、さしたることはないと考えるものでありまするが、こういう制限をもつてすれば、どういう利益が逓信省にあがるか、こういう利益の算定について、いわゆる收入の算定について計算がしてあれば、その根拠について御明示願いたいと思います。
#72
○小笠原政府委員 郵便切手類賣さばき所、あるいは印紙賣さばき所は、私どもの考えは、要するに郵便局の補助的な機関といたしまして、郵便局だけでは、十分に各地の切手類あるいは印紙に対する需要を充足いたしますに不十分であるという考え方から、こういう郵便切手類賣さばき所あるいは印紙賣さばき所を設ける趣旨でございますが、同時にこの印紙賣さばき所は別段從来の省令、たとえば御指摘になりました省令の登記所であるとか裁判所であるとか、そういうところに置くのをやめるという趣旨ではございません。置く場所はやはりそういつたような印紙あるいは切手類に対する需要の多いところに置く方針でございます。その点はこの法律によりまして、十分実行できることと私どもは考えておるのであります。そしてまた今の最高制限を設けましたゆえんは、先ほど大臣からも説明申し上げた通りでありまして、一面におきまして本来私どもの考え方からいたしますれば、相当大口の利用者の方に対しましては、なるべく郵便局で買つていただきたい。そしてむしろ補助的機関といたしまして、小品のものを賣さばき所等で買つていただきたいと希望いたす次第であります。賣さばき所で賣るということによつて、通信特別会計は歩合を出さなければならないわけであります。郵便局で賣れば、それだけ歩合の必要がないわけであります。本来郵便局で賣るべきものを、賣さばき所の窓口を通して賣るということになるので、それだけよけいに手数料を拂わなければならない、そういう点がございますので、高額のものは、なるべく郵便局で買つていただくことを希望いたしておる次第であります。それからまた百万円にいたしましたのは、一面大口の需要者等の関係におきまして、万一実際の額面よりも割引いて賣るというような、不正な取扱いをいたす者があつてはよくございませんので、そういうようなことが起らないようにするという意味におきまして、大体百万円に対する歩合が一万一千百円に該当いたしますので、手数料はそれをもつて最高限度とする。しかしそれ以上にもちろん賣つていけないという意味ではございません。
#73
○松本(善)委員 政府委員の答弁によつて大体了承いたしますが、こういう賣さばき所があるということによつて、思い切つて仕事のできるという裏書きを、いつでもしてくれると考えておつたのであります。あえて私はやみをやろうとするのでありませんが、いつの場合においても、そういうふうに登記とかそういう線においてやる場合に、少しも利ざやなしでやるということは、ほとんど不可能な状態がしばしばあると思うのであります。ことに現在の社会では、昔は十円單位で行つたのが、百円で行くというような世の中になつて、百万円の一箇月の賣上げ歩合でもつて、一万千いくらというこの金額は、決して厖大な額でもないと考えます。從いまして、どうしてもこうしなければならなかつたということは、いわゆる社会的な使命によつて、あるいは了解することかできるであろうとは思いますけれども、これによつて收入の予想額をどう見越しておるか、この点であります。
#74
○小笠原政府委員 実はこの点につきまして、詳しく数字を出しておりませんので、はなはだ申訳ありませんのですが、実際百万円以上の印紙や切手を賣つておるところは、どのくらいあるかと言いますと、私どもの計算では大体全國で二十箇所ぐらいの予定であります。大都市の、しかも一部の特別のところに、そういうものがあるという程度でございまして、全國的に見ますならば、数は非常に少い次第でございます。その非常に少いものに、過去の例といたしましては、月に数百万円の切手、印紙を責つているところもあるわけでございます。かようなものは私どもの希望といたしましては、なるべく郵便局の窓口で買つていただくことを、実は希望する次第であります。
#75
○松本(善)委員 私の結論に対する答弁がないのでありますが、どれだけの收入を見越し、どれだけの收入額を予定しておられるか、この点をお答え願います。
#76
○小笠原政府委員 百万円以上を制限することによつて、いくら支出減になるかという点につきましては、今およそ三百五十万円ということでございます。
#77
○松本(善)委員 一應了承いたしました。
#78
○松井(政)委員 これは法案に直接関係がありませんが、全体に関係がありますのでお伺いいたしたいのです。要するに今までも当委員会におきまして、いろいろ予算の問題からずつと審議をして来たのでありますが、その場合において、いつも政府当局から、行政整理の対象になるものが、三万八千ということをお伺いしておつたわけです。ところが一方におきましては、実際に四万八千になるのではないか、これはこの間の内閣委員会でも問題になつたことは御承知あろうと思いますが、そういたしますと、ここに行政整理の対象に食い違いができる。この問題が一つ。さらにもう一つはむりのない方法によつて行政整理をして行きたい。この事柄につきましては、たびたび大胆の申されたことに、われわれは方法論として満腔の賛成をしておるわけでありますが、実際末端に参りまして、私はこういう事実の訴えを受けて、実は驚いておるのであります。今度特定局が昇格いたしまして、昇格いたしたやさきに、十八年勤続、二十八年勤続、しかもみんな四十一歳か二歳の事務官でありますが、これがずつと格下げになりまして、はがきの整理をさせられておる。それからあるところにおきましては、整理の対象になるかもしらぬというようなことを局長から言われた。先ほど私が質問したいと言つたのは、そういう点なのですが、どうせ二等局に昇格したので、人員を多勢必要とするのだから、臨時職員ならば使つてもよろしいというような、未満においては、行政整理が、きわめてわれわれの了解に苦しむ方法によつて行われている現実を見せられておるのであります。こういう事柄につきまして自然淘汰の方式が――大臣のたびたび言われるむりをしない自然の範囲でということが、そういう形において行われているという実情を御承知かどうか、御承知ならば、それに対する対策をどうおやりになるかということをお伺いしたいと思います。
#79
○小澤國務大臣 まず第一点の整理の問題でありますが、たびたび申し上げましたように、予算画におきましては約三万八千人だけの行政整理を目標として計上しております。しかしこれで確定したとは申し上げていないのでありまして、一應予算を編成するのに、当然行政整理が行われるということを承知していながら、予算的措置を全然講ぜずにおくということはいけないのではないかというので、大藏省が何ら政府の全般的な意見を聞くことなく、從来の関係その他を考慮して、予算的措置を逓信省の場合においては三万八千にきめた。從つて正式に行政整理をその通りするかということになつて來れば、それは当然違う結果になるのでありまして、たびたび申し上げました通り、一般は三割、現業官廰は二割、但し実情を十分しんしやくして比率を上下することがあるべし、こういう基本方針でやつた結果が、今松井君御指摘のように、大体こまかい数字は別にしまして、三月一日の予算定員に対して一割一分行政整理をすることに政府は決定したのであります。從つて事実上におきましては、予算で予定したより一万人増加いたします。これは今まで話しておつたことと、決して矛盾したのではなくして、そういう考えのもとに、私はお答えして来たつもりであります。
 それから行政整理の具体的方法でございますが、これも本委員会でお話しました通り、私が就任すると同時に、やがて行政整理というものが当然あるべきことを予想いたしまして、いやしくも行政整理をする際に、現実に馘首をするということは、される人も困るし、また國家といたしましても、相当の金額の退職金をやらなければならぬから、できるだけ現実の面を避けるように努力することがあたりまえである、こういう見地から、就任当初、全國に新規採用は一切まかりならぬ、ただしぜひやむを得ない、たとえば三人の郵便局で、二人がやめたという場合は、一人ではできませんから、一人ぐらいは許す、そういう場合においても、あらためて逓信局長を経て逓信大臣の認可を得よ、こういう嚴重な通牒を発した結果、現在ではその補充がされずにやつております。そういう措置を講じましたけれども、こういう方法で具体的に行政整理をするのであるから、こうしろというようなことは、少しも指令を出しておりません。從つて十三日に逓信局長会議を開きまして、政府の方針を、大体十二甘現在できまつた方針で逓信局長に説明をいたしまして、具体的にどういう方法で行つたらいいかということを、協議する予定になつております。從つて今松井君から、具体的の問題をいろいろお話がありましたが、そういう問題については、本省の方から通達をやつたためではなくて、考え過ぎてそういうようなことをやつておるのかどうか、調べてみなければわかりませんけれども、少くとも逓信大臣の責任においては、そういうことはさせてはおりません。從つて、ただ欠員を補充するなという以外のことは、何も具体的には通知を出しておりませんから、もしやつておつたとすれば、それは一つの行き過ぎであると考えております。
#80
○松井(政)委員 まず先の問題でありますが、実際の場合と予算的措置の場合とで、一万人の食い違いが出て来ておる。その場合における予算の運営の面に関する一万人の問題の処理が起つて参ります。この点について予算的措置をどうするかということをお伺いしたい。
 第二の問題でありますが、これは私も言われましたので、局長に、われわれの方の今まで取扱つて参りました状態から推しまして、大臣の方でただいま申されたように、雇い入れることについては制限をしておるが、そういう方法で整理をしろということは、われわれは聞いておらないということを説明をいたしたのでありますが、局の人事課の方から、そういう左遷の具体的の方法、さらに左遷されても二等局に、昇格したので、人員は必要だから、臨時雇ならば使つてもいいというような指示を與えられたということを、局長は正直に言つておるわけであります。もし具体的事実が必要であれば、私の方に資科があります。そういう事柄で減員しようと考えておらないのに、行き過ぎをやつたという場合における取扱いの点において、ひとつ明確にやつていただきたい、かように考えております。
#81
○小澤國務大臣 逆ですけれども、最後の方からお答えいたしますが、今申し上げました通り、逓信省本省としては何も指令を出しておりません。でありますから、具体的に郵便局の事実があれば、関係の局長と懇談を願つて、そういう行き過ぎがあれば十分に注意をいたします。
 第一の問題ですが、予算的措置ということは、はつきり意味がわかりませんけれども、三万八千人を整理することに決定した予算を組みながら、四万八千人を整理するということはいかんじやないか、というような意味ではないかと思うのですが、この問題は、浅沼君からも逓信、内閣連合委員会のときに質問があつて、それは返事はいらぬということですから答えなかつたのですが、いわゆる予算というものの執行方法になつて来るのです。予算というものは私どもの考えでは、いわゆる最高限度というものを國会に承認を得ているのであつて、その予算の範囲以上に実際の支出をすることは相ならぬけれども、その予算の範囲内で、できるだけ節約するということは、これはむしろ、執行者の当然とるべき措置である。たとえば從事行われておつたように、年度末になると非常に予算が余つたから、年度内に使つてしまえとか、あるいはみんなで、官吏同士でわけて使つてしまえというようなことは、かえつていけないのであつて、予算はどう組んでありましても、ほんとうに國家、國民のために大切なものはやむを得ませんけれども、節約できるだけのものは剛約するということが、むしろわれわれの仕事だと思います。從つて今申し上げた通り、予算面では三万八千人しか切らないことになつておるけれども、ここで四万八千と一万人を増加して行政整理を断行しまして、二万人分のいわゆる支出が減少したというようなことは、國会もしくわ國民から、よりよく賞讃さるべき事項でこそあれ、これによつて非難を受けるべきものと考えていないのであります。從つて私どもは、今予算と現実とにおいて上になることはいけない。三万八千というのを二万八千で済ますというのは断じていけないけれども、少くあることは、しかも少くなつてサービスも落ちずに、労働も強化せずにやるということであるならば、まことにりつばなことをしてくれたということで、國会からも、國民からもほめられると思います。そういうことによつていわゆる法律上違反とか、あるいは予算審議に対して國会の意思を無視したというような問題は、全然起きないものだ、こういうふうに考えております。これはこまかしい條文を見たのではないのでありますが、私は常識的にそう考えております。浅沼君からもそうした質問があつたから、どうも浅沼君にしてそういう考えを持つておるのは、むしろおかしいと思つたくらいで、私答弁しなかつたのでありますけれども、そういうふうに考えております。
#82
○松井(政)委員 予算の三万八千というのを、四万八千にしたということについては、國民からもほめられていいというような大臣のお話でありましたが、それならば逆に三万八千人と予定しておるものが、一万よけい首を切られるという、首を切られる方の側の立場に立つた場合に、大臣はどう考えますか。
#83
○小澤國務大臣 それは一万よけいになるとか、五千よけいになるとか、具体的な問題としては承知しません。承知しませんが、この行政整理というものは、いやしくも國民、國家の財政上の大きい見地に立つてやるのでありまして、その目的は、行政整理のための行政整理ではないのであります。私どもは一人だつて何ら職務の怠慢でない者を、まじめに働いておる者を馘首するということは、人情において忍びません。でありますから、私は常に一人でも現実の馘首者がないように、お互いが協力すべきだと、いわゆる全逓の諸君ともよく協議して――そうしてもろうには、配置轉換というものも、諸君が協力してくれれば、それだけ一人でも馘首が少くて済むことであるから、そういうふうで、一人でも少くしようじやないかということを考えております。なるほど今言われる通り、形式論理から言えば、一万人ふえたから一万人だけの馘首される者の身分も考えなければならぬ。と同時に、うしろに八千万の國民があるということを、まず第一に私は考えなければならぬと思う。八千万の國民の全部が、そんな者は切らずに置いておいて、税金をたくさん出そうというのでありますれば、何も苦しんで私は整理したくない。私はその人は気の毒でありますけれども、八千万國民の大きな要望として、われわれはそういうことをやらなければならないと強く決心しております。
#84
○松井(政)委員 ただいまの問題につきましては根本的な見解の相違になりますので、お答え願わなくてもいいと思いますが、大臣の方がそう言われるならば、私も申し上げたいのであります。というのは、たとえば封建的な農村に行きまして、きわめて政治的次レベルの低いところに行きますと、いわゆる俗に言う役人というものについて強い反感を持つております。從いまして諸君から取上げる税金によつてろくに仕事もしない役人、あるいは公務員関係の首を切るわけだから、そのためにそれだけ税金が安くなるという逆な宣傳をします場合、農民諸君は万々歳で拍手が起ると思います。しかしわれわれの考え方は、あくまでも國家事業というものが大事であれば大事であるほど、能率を上げ、國民に親切でなければならないという建前から來るならば、いわゆる予算面から見たり、あるいは財源を減らすために行政整理を行い、人間の首を切るという根本の考え方に反対しているのであります。そういう議論になりますと、見解の相違で、これは答弁を願つても、私の方では納得の行かない理由になるので、答弁は都合によつてはやつていただかなくてもよろしゆうございますが、八千万の國民を生かすために一万人よけい首切るので、これはさしつかえないという極端な言葉で裏づけられるような御見解は、どうもわれわれは賛成しがたい。從つて國家公務員にいたしましても、あるいはわれわれの國営事業関係、あるいは公共事業関係におきまして、結局多くの人々が眞剣に努力をし、成績を上げ、独立採算にいたしましても、十分人員を雇い入れても、やり得る態勢をわれわれは望んでおる。それが結局八千万の國民にそこから出て來る利益が回轉して、間接に、直接にその利益が與えられることが、政治だと私は考えておる。從つて八千万の國民の利益のために行政整理を行つて、從業員を一万人よけい首切るのはしかたがないという考え方には、根本的に考え方が違うのでありますから、この点だけは明瞭に申し上げておきたいと考えております。
#85
○小澤國務大臣 行政整理の必要なことは、松井君の属しておる社会党内閣当時にも考えておつて、できなかつたのであります。われわれはやつてやろうと思つておりまして、むしろその意味において、涙をのんでやつておる。一万人首切るということをだれが望んでやるもんですか。これはいろいろ理論はありましようが、現在の日本においては、いらない公務員に、むりに給料をやつておくだけの余裕は断じてないと思うのであります。必要なものは、どこまでもいたしますが、だからといつて喜んでやるわけではなく、泣きながらそういう線に行くといろ、われわれの立場をむしろ同情していただきたいと思います。
#86
○辻委員長 ほかに質疑はありませんか。――それでは簡易生命保險法案、郵便年金法案、この両案につきましては、質疑も盡きたようでありますから、これにて質疑を打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○辻委員長 御異議なしと認めまして、簡易生命保險法案及び郵便年金法の両案の質疑を打切ります。
 次会は來る九日月曜日午後一時から開会することとして、本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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