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1949/05/16 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 逓信委員会 第14号
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1949/05/16 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 逓信委員会 第14号

#1
第005回国会 逓信委員会 第14号
昭和二十四年五月十六日(月曜日)
    午後二時十三分開議
 出席委員
   委員長 辻 寛一君
   理事 飯塚 定輔君 理事 加藤隆太郎君
   理事 白井 佐吉君 理事 松本 善壽君
   理事 松井 政吉君 理事 田島 ひで君
      風間 啓吉君    高塩 三郎君
      坪内 八郎君   橋本登美三郎君
      降旗 徳弥君    井之口政雄君
      浦口 鉄男君
 出席國務大臣
        逓 信 大 臣 小澤佐重喜君
 出席政府委員
        逓信事務官
        (労務局長)  浦島喜久衞君
        逓信事務官
        (郵務局長)  小笠原光壽君
 委員外の出席者
        專  門  員 吉田 弘苗君
        專  門  員 稻田  穣君
    ―――――――――――――
五月十四日
 委員岡田春夫君辞任につき、その補欠として山
 口武秀君が議長の指名で委員に選任された。
五月十六日
 松本善壽君及び山手滿男君が理事に追加当選し
 た。
    ―――――――――――――
五月十四日
 簡易郵便局法案(内閣提出第二〇八号)(予)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 簡易事郵便局法案(内閣提出第二〇八号)(
 予)
    ―――――――――――――
#2
○辻委員長 これより会議を開きます。
 お諮りいたします。去る十三日の議院運営委員会におきまして、図書館運営委員会並びに四十五名以上の委員会を除く各委員会の理事の人数を、それぞれ二人増加し、これを民自党及び新政治協議会に各一名ずつ割当てることに決定いたしましたので、本委員会におきましても、理事の追加選任をいたしたいと存じますが、委員長より指名することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○辻委員長 御異議なしと認めます。それでは松本善壽君及び山手滿男君を理事に指名いたします。
#4
○辻委員長 これより簡易郵便局法案を議題として審査に入ります。まず政府側より提案理由の説明を求めます。
#5
○小澤國務大臣 ただいま議題となりました簡易郵便局法案について、提案理由を説明申し上げます。
 郵政事業の第一線窓口機関は、現行制度におきましては、御承知の通り、すべて國の直轄でありまして、今日いわゆる普通郵便局で窓口事務を取扱うものは五百九十七局、特定郵便局は一万三千四百十二局、合計一万四千九局であります。しかしながら、今なお窓口機関を持つていない町村は全國に約千八百残されている状況でありまして、昭和二十二年末の統計で見ますと、人口五千六百五十六人に対して一局の割合で配置されている勘定となつております。
 試みに、これを諸外國と比較いたしますと、英本國は千九百四十三人、フランスは二千四百五人、アメリカは三千四百四十八人におのおの一局となつていまして、人口密度もあわせて考えなければならないことは当然でありますが、わが國の普及率がいまだ著しく低いことは、ほぼ明らかであろうと思われるのであります。
 しかるに、今日の郵政事業財政の実情は、極力支出の抑制をはかり、その経営の合理化に努めているにもかかわらず、きわめて窮迫した状態でありまして、先般御賛成を得ました料金の値上げを実行いたしますほか、郵政事業関係のみにおきましても、今回おおむね二万四千人に上る行政整理を企図して、辛うじて独立採算制を保持しておる次第であります。從つて、現状のままに放置いたしますときは、新規に増員を必要とする直轄郵便局の新設のごときはきわめて困難となり、郵政事業の公共的な使命の遂行に、重大な支障を來すおそれがあるのであります。
 現に、郵便局新設の要望は、國会の請願を通しましても、きわめて熾烈なものがあり、しかも現地の実情から見て、まことにごもつともな要望と考えられるものが少くないにもかかわらず、從來とも事業財政の制約を受けて、その一部分しか実行されておらぬ状況でありますので、今後は一層その実行が困難となることは、火を見るよりも明らかなことであります。
 かような状況のもとにおきましては、この機会において、現在の特定郵便局制度よりも、さらに一段と簡易にして経済的な新制度を創設いたしまして、より少い経費で一局でも多くの窓口機関を普及させることが、郵政事業の公共性と、郵政事業の独立採算制との要請に沿うゆえんのものであると確信いたしましたので、ここに必要な規定を揚げて、本案を提案した次第であります。以下この法律案の要点たつきまして、若干説明を申し上げます。
 第一の要点は、郵便局の窓口のサービス――すなわち、郵便物の取集め、逓送及び配達の事務は含まれません――を公衆に提供する必要がある場合におきまして、事務の量が著しく少いため、國の直轄による郵便局によらないで、この法律が定める地方公共團体または農業協同組合等に委託して行わせた方が経済的であり、かつ郵政事業の運営上にも支障がないと認められるときは、郵政大臣との契約によりまして、これらのものは簡易郵便局として、國の郵政業務の一部を行うことができることといたしたのであります。
 なおまた簡易郵便局を設ける必要があると認められる地域に、これらの業務を行いたいというものが二以上ありますときは、第一に地方公共團体、第二に協同組合という順位により、また同順位のものの間では、郵政大臣の適当と認めるものが選定されることとしたのであります。
 第二の要点は、この簡易郵便局で取扱う事務の範囲を、郵便、郵便貯金、郵便為替、簡易生命保険及び郵便年金に関する郵政窓口事務のうちで、省令で定めるものと限定いたしまして、窓口事務のうち、きわめて簡易なもので、しかも一般に最も利用度の多いサ―ビスのみに限つたことであります。從つて、
 一、郵便関係では書留及び速達扱いにかかる内國通常郵便物並びに普通及び書留扱いにかかる内國小包郵便物の引受けと郵便物の窓口交付
 二、為替、貯金関係では、小為替の振出し及び拂渡し、通常貯金及び定額貯金の預け入れ当該簡易郵便局預け入れの貯金及び原簿所管廳で確認済みの通常貯金及び定額金の拂いもどし
 三、簡易生命保險及び郵便年金関係では新規契約事務
 四、郵便切手類及び印紙の賣さばき事務などの事務が考えられるのであります。
 また取扱い時間、取扱い休止日は必ずしも全國画一的とせず、利用者の便益と経済性とを考えて、その地方の事情により、また季節関係等に應じ、弾力性を與えて定めることといたしたいと考えております。
 第三の要点は、この事務を委託された地方公共團体等は、その役職員をして事務を行わせますとともに、必要な設備をし、また必要な経費を支弁する責任を負うのでありますが、郵政大臣はこれに対してその取扱い事務量に應じた手数料を支給することとしたことであります。この手数料は月額二万円をもつて限度としたのであります。
 その他この委託事務を取扱うことに伴う國庫金の取扱い及び委託された業務の監督関係等につきましては、それぞれ必要な規定を設けて法律関係を明らかにいたしてあります。
 以上がこの法律案の主要な点であります。会期の切迫せる今日、取急ぎ提案いたしまして、はなはだ御迷惑をおかけいたしますが、何とぞ本案の趣旨にかんがみられまして、すみやかに可決されるようお願いする次第であります。
#6
○辻委員長 これより質疑を許します。
#7
○飯塚委員 二、三の点についてお伺いいたします。
 簡易郵便局は、普通の特定局としては経済的に引合わないために、その地区の便益を考慮して設けられたものである、ということを伺つておりますが、それにつきまして、ほかの郵便局との距離はどういうぐあいになりますか。あるいは利用人口の程度がどういうぐあいになりますか。お伺いいたしたい。
#8
○小澤國務大臣 もちろん原則として、現在の郵便局を廃止しようとか、あるいは移動しようというのではないのでありまするから、現在の郵便局の事務で満足しておる地方には、この郵便局は許さない方針であります。從つてたとえば同じ村でありましても、一つの部落に役場があり、それから他の部落に相当密集した人口があつても、二里も三里も行かなければそこへ行けないというような場所がありました場合には、これを許すことになるのでありまして、何里とか、あるいは何マイルというような具体的な制限はありませんけれども、その新しく設けられる地方の郵便量の扱い件数、あるいは他の郵便局とどういうつり合いになるかという、適当な具体的事実を調査いたしまして、許す許さないを決定いたしたいと思つております。
#9
○飯塚委員 それから簡易郵便局の施設でございますが、この施設の使用料というものは郵政省では一切拂わずに、その取扱つた手数料によつて拂うことになるのですか。
#10
○小澤國務大臣 たとえば場所の使用料であるとか、家賃というもの、あるいは物件の賃貸料というものに、一切この請負業者、すなわち役場であるとか網業協同組合の負担になるのであります。ただこれに対しまして、大体の標準がありまして、書留一通を扱うと原價がどれだけかかるか、人件費その他一切の費用を合せてどのくらいかかるという標準がわかりますので、書留は幾ら、あるいは為替は幾らというような実費計算がありまするから、その扱い量を見まして、その総合計したものを、実費弁償というような形で、その役場へ交付することになるわけであります。從つて役場役場によりまして、あるいはその簡易郵便局の場所によりまして、千円の所もありましようし、二千円の所もありましようし、一万円という所もありましようが、要はその扱い件数が多ければ多く入る。但し最高制限は二万円でありまするから、二万円以上の事務を扱うようになつた場合におきましては、自然現在の特定郵便局に肩がわりするという形になるのです。つまり現在の特定郵便局のもつと下級な、事務量の少い場所にこの郵便局を設けまして、一般國民の利用に供したい、こう考えます。
#11
○飯塚委員 契約した者が公務員とみなされるということになつておりますが、これはその契約した法人が公務員とみなされるのですか。それに從事する者全体が、公務員とみなされることになるのですか。
#12
○小澤國務大臣 法人には申すまでもなく代表者がおります。町村役場であれば、町村長がその代表機関でありまするが、契約は、郵政大臣としてはこの代表者と契約をいたしますけれども、村長あるいは町長が、みずから郵便事務を担当するということは事実上不可能だと思います。從つてその場合は、この契約者が特に指定した町村吏員等を指定担当者として出すことが常態であると思うのであります。その出た場合におきましては、その町村長の責任において、その推薦者がはたして適当であるかどうかということをまず調査しまして、適当であると認めた場合、まず最初開業する場合には、一箇月でも二箇月でも郵便局に見習いをさせまして、そうして見習いができて、完全に郵便事務を扱うことが可能であると認めた場合において、初めて窓口事務を開始いたすことになるのであります。從つてその場合におきましては、郵便担当者が國家の現金を扱うにつきましては、公務員と同じ規定のもとに、同じ責任と同じ権利をもつてやれる、こういうことになつておるのでありまして、具体的な場合は、大体村長でなく、村長の指定した人、しかも郵政大臣の認可した事務担当者が公務員とみなされる。つまり官吏でなければ、現金を扱うことはできないということが建前でありますから、そういう場合にはこの法律の特別の規定によりまして、その現金を扱つてもかまわないということになつておるわけであります。
#13
○飯塚委員 取扱い時間に弾力性を設けたことは、普通勤め人とかそういう受益者から見ると、非常にこの点はいいことだと思います。また私もこれには非常にいいことだと思つて賛成いたしたいのでありまするが、ただそれによつて契約された、たとえば協同組合なり町村なりの、その從事員が、せつかくいい弾力性のある制度によつて、その担当者の労働強化といいますか、時間の点においても長く仕事をしなければならないとか、あるいは人の休むときに休むこともできない、端的に言うと、仕事の量が非常にふえて行く、労働強化になるようなおそれがないかという感じがいたしますが、そういう場合にはどうなさいますか。
#14
○小澤國務大臣 これは具体的に契約をいたしました、すなわち委託を受けました役場それ自体が決する問題でありますけれども、大体においてかりにその窓口事務が、一人で扱うだけの事務量があるというような場合には、おそらく役場ではそれだけ一人ふやしまして、そうして郵便事務に專心させる吏員をあるいは雇うことがあるのではないかと思うのであります。そういうような專属にかからなければならない場合は、一人以上まかなえる費用が大体行くのであります。ただ非常な辺鄙な山の中へ設けるのでありますから、朝から晩まで郵便事務というものを受付けてみても、実際事務量がないというような場合は、ちようどその村で適当な時を規定して、そして二時間なり三時間、あるいは半日、あるいは隔日扱いということも認めまするが、その場合には、おそらく町村事務というものをそれだけほかの人で割当てて仕事をする、あるいは延ばして翌日やるということになりますから、これをやることによつて、ただちに町村吏員の労働強化ということにはならないと考えておりまするし、またそういうことをしたのでは、町地吏員が承知しないと思いまするし、また町村役場といたしましても、労働行政を扱うことは、せずに、済むであろうと考えております。
#15
○飯塚委員 これでおしまいにいたしますが、せつかくこういう受益者と申しますか、地方民の、特に山間僻地においては、こういう簡易郵便局というか、今の郵便貯金を集めるにしても、簡易保険の加入者をふやすにしても、こういう細胞があればあるほど私は役に立つと思いますが、そのせつかくいい制度も、結局今最後に伺いました労働時間の強化、そういうことにならないように、特に待遇については十分御考慮せられて、もしこれが通過しますれば、その点特に御考慮願いたいと思います。これで私の質問を終ります。
#16
○坪内委員 私がお尋ねしようという点に関連して、ただいま飯塚君からの質問がありましたが、私は地方議会におつて経験もありまするが、大体御承知の通り、今地方の公共團体はほとんどその行政事務が手一ぱいであるというか、各位の御承知の通りの現状でありますので、おそらくこの簡易郵便局をその公共團体に取扱わせるということになると、結局これは手が足りないということになることは、火を見るよりも明らかであります。そこで人を雇うということになるだろうと思います。そうするとわれわれは、わが民主自由党の政策として、行政整理を一枚看板として機構の簡素化をはかろうとするやさきに、かようなことにおいて人がふえることになるのであるか。その点をどういうふうにお考えになつておるか。ただいま大臣からの大体勤務時間の関係についてお話がありましたけれども、もう少しその点を十分お話願いたいと思います。なお人がふえるということになると、全國でこの種の郵便局はどのくらい設置する見通しをつけておるのか、この点も一應この機会にお伺いしておきたいと思います。
#17
○小澤國務大臣 第一の問題でありまするが、民自党はいうまでもなく行政整理ということが公約にもありまして、現在進行中であります。しかしおよそ行政整理というものは、事務がふえて当然人間が必要だ、しかもその事務が一般國民の福祉の増進になるという事務でありますれば、いくら行政整理をする民自党内閣でも、どんどんふやしてかまわぬと思うのであります。民自党が行政整理をやるということは、いわゆる事務のむだがある、あるいは人間の冗員があるということによつて起きるのでありまして、國民に対するサービスとして政府が必要なものがあるならば私はこれはどんどんふやしてもいいと思うのであります。從つて今度の行政整理の中でも、建設省など逆にふえているものがある。その仕事がふえておりますから、仕事のふえたことに対して、人間をふやすのは当然であるのであります。でありますから、私は今村役場で相当手一ぱいでありながら、さらに郵便事務をやるんだという場合には、ふやすことといえども、決して民主自由党の政策に反するものでなく、それだけ村民なら村民が、いわゆる公共事業である郵便事務の恩典に浴するのでありますから、從つて一人くらいの人間がふえてもけつこうなことであるという考えのもとに、その点を檢討して郵政省に認可の申請をして來るのだと思います。法律でも書いてある通り、希望しない町村に押しつけるのではない。町村民が、郵便局はいいが、郵便局を設けることによつて、人間を一人ふやさなければならぬことは困る。それだけ負担をしても、郵便局を設けてやつたら村民が利益であろうか、町民が利益であろうかということを考えた上で、おそらく申し込んで來ると思うのであります。もしもそういう事務によつて役場の職員が増すといつても、それが現実に事務がふえても、村民にサービスがそれだけよくなつてふえるのならば、村民は不平を言わぬし、從つて民自党の行政整理という看板に、むろん反しないと考えておるのであります。もし郵便局の窓口がふえて、郵便局はできたが、実際は現在の定員でできるにかかわらず、それを理由にして、いたずらに人をふやすというようなことでもありますれば、これは民自党の方策に反するものでありますから、そういうことは避けてもらう趣旨であります。人がふえても、そうしたことを村民が希望するのならば、私はふえても一向さしつかえないというように考えております。
 それから数の問題でありますが、数は先ほども御説明申し上げました通り、全國に全然郵便局のない村が千八百あります。從つて私どものねらいは、大体第一次にはこの全然一村に一つも郵便局のない所ということを目途としておりますから、千八百が一緒に申し込んだ場合でも、調べた結果、許可いたしますが、まず一ぺんに申し込んで來るとも限りませんから、少くとも今年中で三百か五百は、今後申込みが來るのじやないかと考えておりますが、漸次これの運用がよくなりますれば、来年あたりはほとんど全村がこれを申し込んで來るであろう、こう考えております。
#18
○坪内委員 ただいまの大臣の御説明でほぼ了承いたしましたが、実際問題といたしまして、今地方公共團体は行政事務で手一ばいであるので、人を雇うことはいかがかと思います。しかしながらこの簡易郵便局の事務取扱いについて、最高二万円まで手数料を支給するというように相なつておりますけれども、結局仕事をする上においては、それだけの手数料をもらうべく、相当仕事をするようにすることが、人間の本能であり、また人情だと思います。結局これは二万円の手数料をとるべく、いろいろ勧誘もするであろうし、いろいろな工作もあろうかと想像されまするが、その点についてほかの特定局とか、あるいはその他の郵便局に支障がないであろうかどうか。と同時にかりに二万円手数料をもらえないで、千円か千二円しか手数料が入らないという場合は、人を雇つておつても、結局これはマイナスになるのである。それは村民か地方公共團体の負担になるというようなことも考えられますので、その点について大臣はどのように考えておるのか、この機会にもう一度お尋ねいたしたい。
#19
○小澤國務大臣 第一段の方ですが、それは多少そういう向きがあると思います。たとえば現在郵便局が隣村にあつて、新しく今度できた、できたが、本來の事務量というものはないから一生懸命勉強して、人一人ふやしたから、それを埋め合せるために他の局の管内に行つて、あるいは保險をとるとか、どうとかいうことは、あり得ると思うでのあります。しかしながら、それは全部そういうものではなくして、たとえば考えてみますと、十円なり二十円の貯金に、わざわざ二里も三里も歩いて隣村まで行きたくない、幸いこの村にできたから、この村の郵便局に貯金させよう、あるいは今までは辺鄙な村であつて、東京へ子供をやつておるので金を送らなければならない。しかし一日野良かせぎをしているので、隣村の郵便局まで行つて為替を組んで送るのはめんどうだから、ちようど隣の人が東京に行くから、その人に費用をやつてわざわざ頼んでお礼をしておつたが、自分の村にできると、人に頼んでお礼するより、安い為替料で送つた方がいいということになつて、從來郵便局の厄介になつておらぬのが、郵便局を利用するということになる。そういうことになると、それだけ文化機関である、いわゆる郵政事務の恩典に村民が浴することになるのでありますから、その結果競争が起つても大した弊害はないのではないか。しかしながらこれを認可するにあたりましては、今坪内君の御指摘の通り、隣にふえても、こつちが減つたらそれだけでは意味がないので、從つてわれわれは、距離については地方の事情を考慮して、これを設けるために、他の郵便局がつぶれてしまうような場所に対しましては許さない方針で、運用の方面で調和をとつて行きたいと考えております。
 それから千円か二千円程度の事務量しかない場所があるという話であるが、一日に二時間か三時間という制限を設けるのでありまして、そういう場合においては、大体午前中は郵便をやつてもらい、午後は町村役場の仕事をしてもらうというように、半ばを見込んで、いわゆる窓口時間を朝から晩まで全日にしないで、午前中は郵便事務を扱う、午後は役場の仕事を手傳つてもらうという意味にしたい、しかも労働が強化にならないという意味で、この扱い時間を午前中にやつたわけでありまして、かなりそうした御心配の点も考慮しながら、この法案を出したような次第であります。
#20
○飯塚委員 実は先ほど大臣に私がどの程度の距離とか、受益者の人口というような点をお伺いしたときに、大して距離などは考えておらないような御答弁であつたと思いますが、今坪内君の質問に対してお答えがあつたので、再質問しようとは思わないが、簡易保險などは、勧誘員が本局から行つて勧誘すれば、相当入る率も多いが、ただ窓口事務を始めたというのでは、あまり入る人が期待通りではないだろうと思うのです。そういう点はどうなのでしようか。
#21
○小澤國務大臣 おそらく勧誘をして歩けば、相当の成績が上るのに、じつとして窓口を始めただけでは、從つて簡易保險に入る人も少くなるということは、お考えの通りです。しかしながら、これは実際に担当者が熱心であり、しかも收入がそれによつてふえるのだということを考えますと、今坪内君の考えたように、その隣村に行つて、区域外に対しても簡易保險に入ることを勧誘するかもしれません。しかしながら原則としてこの法案は、窓口以外は勧誘を許さぬという建前になつておりますが、実際は勧誘に行つて、明日來いというようなことも扱うでしようし、いろいろな裏面もありましようが、要するに郵便局の事務は何一つ惡いことはありませんので、それだけ利用してもらうというのは、それだけ公共の福祉が増すのでありますから、ある場合において区域が重なつているという場合においても、はなはだしくその郵便局がつぶれてしまうという状態でなかつたら、さしつかえないと考えております。先ほど距離を考えていないと言つたように、お聞きになつたようですが、私はそうではなくて、距離も考えるし、いわゆる地方事情も考慮するが、一里とか二里とか三里とかいうような、具体的なものによつてはやらない。この部落で郵便事務を扱うのに適当だというふうにきめておつて、しかもこつちの郵便局には影響がないというのなら、一里の場合もありましようし、二里の場合もありましようけれども、それは具体的な問題で一里とか二里とかいう制限を加えることはしませんが、要するに地方的の事情によつて、今の弊害を除去するようにしたいと思います。
#22
○浦口委員 第十九條の監督を受ける場合においての地方公共團体と組合の責任者はだれがなるかということを、ちよつと聞きたい。
#23
○小澤國務大臣 十九條の監督は、もちろん窓口事務の不履行とか、何とかいう意味における監督でありますれば、主としてその町村の代表者を監督する意味であります。しかしながら郵政事務それ自体の内容でありますると、担当者でなければわかりませんから、担当者をも監督いたしますから、両方監督するのでありまして、この文字は、問題によりまして、委託契約した契約内容に違反するじやないかということを、担当者に言つてもしかたがないから、これは代表者に言う。それから為替の扱い方が間違つているじやないかということは、担当者に言う。しかもそれはその区域を監督する集配郵便局長も、同時に監督権があることになつておりますから、そういう問題によつて、代表者を監督する場合もありますし、事務担当者を監督する場合もあります。
#24
○浦口委員 市町村役場の場合は市町村長、組合の場合は組合長、こういうふうに了承してよろしゆうございますか。
#25
○小澤國務大臣 その通りです。
#26
○浦口委員 もう一つお聞きしたいのは給料の関係であります。公務員として扱われる場合に、地方自治体などの場合は給料の差がないかと思いますが、組合などの、組合職員の給料と、この簡易郵便局の事務を扱う者の給料との違いは、どういうふうにお扱いになるか、その点をちよつとお聞きしたい。
#27
○小澤國務大臣 この給料に対しましては、逓信省は全然関係しないのであります。つまりどういう給料を拂うか拂わぬかということは、役場の自由であり、組合の自由であります。從つてその役場と吏員との関係であつて、逓信省の公務員にはならないのでありますから、いわゆる公務員法を適用する公務員にはならないのでありまして、私どもとしては契約に基く委託事務という観念でおりますから、従つて今問題になつておりまする定員法にも関係がないし、從つて公務員法全般にわたる逓信省とのつながりは、全然ないのであります。でありまするから、役場の村長なり、組合の組合長が適当と認める金額、あるいは吏員としての待遇を受けるに必要な、いわゆる地方吏員の制約は受けましようけれども、國家公務員法の制約は受けない。ただ役場の吏員でありますから、地方公務員法の適用は受けるかしれませんが、待遇のことは全然関係ありません。先ほど申し上げた事務の扱い量によつて、最高二万円までの実費を町村に支拂う、これは町村に支拂うのでありまして、担当者に拂うのではないのであります。
#28
○松本(善)委員 ただいまのお話もありまするが、許可する責任者に対する代表者というものが、もしもあれば、その代表者が、いわゆる公務員たる資格を得るのかどうかということについて、ちよつと懸念がありますので、再質問いたします。
#29
○小澤國務大臣 許可をする代表者というのは、その法律の範囲内では町村長もしくは農業協同組合あるいは漁業協同組合程度の問題でありまして、從つてこれを許可しましたために、その村長たる身分が変更するわけでもありませんし、また組合長の法律上の地位がかわるわけでもないのでありまして、ただ御承知のように町村役場の権限というようなものがありまして、自治法などに一定の規定があります。あるいは協同組合であれば、協同組合法の制約を受けておりますから、その法律のいかんにかかわらず、法律によつてそういう事務を扱えるのだということを、この法案で規定してあるだけのことでありまして、その地位は少しも変更はないと存じます。
#30
○松本(善)委員 大体全面的には簡易郵便局法案というものに対しては、私は賛成するものであります。しかし、從來あつたところのいわゆる郵便取扱所というものに対しては、どういう考え方をしているという点をお伺いしたいと思います。
#31
○小澤國務大臣 たびたび申し上げます通り、現在の郵便局を動かすという建前は少しも考えておりません。つまり郵便局を地方から、ふやしてくれ、ふやしてくれという陳情がありまするが、そのふやすことが、独立採算という建前から金がない、定員法の制約から、そういう方面が出ない、そこでこれをやろうというのがこのねらいでありまして、今までの郵便局をどうこうというのでなくて、まだ郵便局のない所、すなわち村民が郵便局を設置することを要望する所へ、この郵便局を設けたいというのが趣旨であります。
#32
○松本(善)委員 大臣は私の考えていることを答弁してくださらないのであります。事務当局にお伺いしたいと思いますが、郵便取扱所というものは、現在あることと私は信じております。たとえば郵便局の集配関係その他しか扱わないという、いわゆる昔の三等局のもつと小さいような形において、郵便取扱所というものがあるのでありますが、こういうものとの関連性をお伺いしたいのであります。
 第二点といたしましては、ただいま申したように、簡易郵便局という非常に新式なものをつくるというお考えは、わかるのでありまするが、この改正の要旨を見てみますると、この範囲というものは、郵便とか、郵便貯金とか、為替、簡易生命保険、郵便年金、こういう範囲を示しておるのでありまするが、その範囲というものはこの全部をさし示しておるのか、それともまたこの一部もその範囲に該当するものかどうか、この二点について御回答願います。
#33
○小澤國務大臣 第一の簡易郵便取扱いというのは、昔あつたそうでありまするが、現在は全部廃止しておりまするから、從つて昔のものはどうか知りませんが、今では松本君の質問されるような問題は起らないと思います。
 第二の郵便窓口扱いの種類でありまするが、これは最高事務を規定したのであります、すなわちこの簡易郵便局が扱い得る総量がこの規定になつておりまして、ただ地方の事情によつて速達を扱うとか扱わないとかいうことを、そのときの契約あるいは郵政大臣の認可等によつて、その範囲をきめよう、保險を扱うとか、ここに限つて保險を扱わないとか、あるいは速達を扱わないということは、その具体的な場合できめるのであつて、最高に簡易郵便局でできる事務量はこれだけだ、そのうち一つでも三つでもお前たちできるものは扱つてよい、よけいなものを扱うのがいやなら、扱わなくてもよい、こういう趣旨であります。
#34
○松本(善)委員 大体その趣意においてわかりましたが、最後に簡易生命保險とか、あるいは郵便年金に対するところ募集の手当でありますが、これは大体渡し切り経費という名において簡易生命保險、あるいは郵便年金取扱いの手数料は、この二万円に含まれておるのかどうか。今までの考え方から申しますと、募集の費用はこの二万円のほかに計算されたように思うのでありますが、それとの関連性。並びに郵便切手類や印紙の賣さばき云々の事務でありますが、これの歩合も、この二万円云々に含まれるのかどうか。この二点をお伺いいたします。
#35
○小澤國務大臣 これはいずれも全部二万円に含まれております。
#36
○橋本(登)委員 二、三の点を逓信大臣にお伺いいたします。第一は、地方公共團体をして行わしめる事務からは、三應國家事務を除くということになつておりますから、從つて法令の上において「規定にかかわらず、この法律の定めるところに從い」という條文を入れたのでありましようが、これは地方自治の確立というような從來の原則から考えると、國家事務はつとめて地方自治團体には行わしめないという精神に反するような結果になりはしないかと思うので、大臣の御意見をお伺いいたします。
#37
○小澤國務大臣 自治法の精神から言えば、原則としてその範囲内で、それ以上の仕事はさせないということが建前であると思います。しかしながらこういう公共團体が、村民の利益になるような仕事を扱つたからといつて、理論的にも、また実際的にも、ただちに町村が困るという場合がないし、またこの法律もそれを想像しておるのであります。あなたの言うのは、地方事務の画一化というようなことから來ているのであろうと思うのでありますが、私はむしろ逆に、公共性のあることであれば、そういうことはよけいに廣げて扱つてもいいという考えを持つているのであります。しかし法律そのものだけを考えますと、いろいろな難がつきましよう。ただ私どもは、村民のためになるのだ。しかもその村民のためになるかならぬかということは、村民自身が判断する機会を持つておる。つまり郵便局を設けることは村会の議決を必要としますから、從つて村長がこの法律によつて逓信大臣の認可を受ける場合には、村会を開き、村民の意思を十分しんしやくいたしまして、村全体がこうした希望があるという場合においてのみ、申込みに應ずるのでありますから、そう弊害はないと考えております。これを強制するのでありますれば、それは町村によつては迷惑しごくなことも、あるいは少数的にはあるかもしれません。しかし村民の自主的な希望を入れるのでありますから、從つて自治法の解釈はいろいろにできますけれども、むしろ村民の希望に沿い、しかもそのやる仕事が、いわゆる公共性のあるものであれば、これを扱うことによつて別に弊害は生じないものと考えております。
#38
○橋本(登)委員 逓信大臣の御説明、大体了承できるのでありますが、これは見解の相違で、地方公共團体をして、あくまで独立性を保たしめるというのが自治法の精神である。なるほど町村民の利益の点から考えれば、あえて郵便局の問題ばかりでなく、その他の問題においても、いずれも地方村民の利益になることはあるのであります。しかしそれにしても、なおこういうような條項を設けて、國家事務を地方公共團体をして行わしめることは、自治法による地方分権制度を傷つけるものでありまして、地方自治法は、國家の事務と地方の事務を分離せしめるためにできたと自分は解釈するのであります。その意味から言えば、一般村民の利便とか、利便でないという問題ではない。中央集権を打破して、ある意味において地方分権の精神を確立したいというのが自治法の精神でありますから、いわゆる村民の利便の問題ではないのであつて、法の原則の問題であります。その点について疑義がありますので、事務当局にお伺いしたいのですが、地方行政の方の委員会の御了解はできておるのでありましようか。
#39
○小笠原政府委員 総理廳の所管の方と協議いたしております。
#40
○橋本(登)委員 第二の点、この法律によりまして、地方公共團体並びに農業協同組合、漁業協同組合、消費生活協同組合、すなわち法人格のあるもののみをもつてこの簡易郵便事務を扱わせることにした理由。必ずしもこういう團体ばかりでなく、このような性格のものであれば、郵便局のない町村においては、こういう制度のもとに、逓信大臣が適当と認める人に対して個人契約ができてもいいと思うのですが、何がゆえに法人團体のみを受託者として決定したか。この理由をお聞きしたいと思います。
#41
○小澤國務大臣 実際面から言いますと、今橋本君の言われるように、公共團体という範囲をごく廣く解釈する場合、もう一歩進んで、個人にも許したらいいじやないかという見解があつたのであります。しかし逓信部内における郵便局の建前から考えて見ますと、かつての特定局はだんだん影が薄くなつて、廃止の趨向になつて來ておるのであります。すなわち封建制であるとか、あるいは特定局長が國家の事務を扱つて、いたずらに利益をむさぼつておるというような弊害が、だんだんなくなつて來ていると思うのであります。從つて私どもは、そうしたときの考え方にわざわざ逆行する必要もないじやないか。できるだけ公共性のものに行けば、かりに二万円が一万円で仕上つて二万円もうける場合であつても、地方民全部がもうけるのであつて、個人の利益をどうこうするのではないから、よろしいではないか、いわゆる反対論も出て來ないのではないかというような趣旨でやつたのであります。しかし議論から言いましたら、今橋本君の言うように、公共團体というのを廣く解決して、それよりもう一歩進んで、個人にもやらしていいじやないかと言えば、そういうこともできるのであります。ことさら制限した理由は、ただいま申し上げましたように、從來の特定郵便局は、とやかくいろいろの非難もございましたから、非難の論点にはできるだけ触れないで、すなわちそういうことがないようにという意味で、公共團体だけに制限いたしたのであります。
#42
○橋本(登)委員 その点については、いずれあらためて御意見をお聞きしたいと思います。
 最後に、第十五條の手数料の出し方であります。大体手数料総額というものは、いわゆる取扱手数料を別個に考えて、その金額が二万円を越えた場合、もしくは実際上の印紙その他の手数料が、一万五千円であるということでありますと、あとの五千円を手数料として、別個に手数料額を加えるのであるか。あるいはせいぜい五千円くらいの賣さばき手数料しかない場合においては、それじや足りないからそれに五千円を加えるというように、ある程度これを扱う上において純然たる取扱手数料をこの中に考慮せられておるのかどうか。その点をお聞きしたいと思います。
#43
○小澤國務大臣 これは一切のものを含んで二万円であります。なぜ二万円と額を限つたかと言いますと、原則としてこの郵便局がこういうものをやるべきではなく、やはり直接特定局なら特定局を設けて、村民の利益をはかるということが建前なのであります。提案理由にもあります通り、郵政事業は独立採算制で、金はないが、辺鄙な村まで郵便事業の拡張ということを要望しておる。その矛盾した一つの姿を、この法案で調和をとりたいというのが趣旨でありまして、これをどんどん発展せしめて、簡易郵便局を盛んならしめるというよりは、二万円以上の実收がある場合においては、今の特定局に直して行きたいという建前から、すなわち人の面から言いますと、せいぜい事務担当者一人に、忙しいときには補助者を一名使うという程度の郵便事務だけを簡易郵便局は扱いまして、二万円以上の実際の入る郵便局は、実際からいつて独立採算制が維持できるのでありますから、そのようなものは現在の特定郵便局として、惡い條件の郵便局は廃止して行くという建前から、これを制限いたしたのであります。
#44
○橋本(登)委員 そうしますと、要するに取扱手数料は、切手とか、その他純然たる普通郵便局でもらつておる手数料の総額を意味しておるのであつて、いわゆる人件費の補助は含まないのですか。
#45
○小澤國務大臣 そういう意味じやありません。たとえば切手あるいは印紙しみが少くなるように考えてやることが、われわれの当然の責務と考えております。それからこの特定局の問題は松井君に何回もお話しました通り、私の方では、この郵便局を設けて、一定の郵便事務量というものを越えてふえた事合には、むしろ現在の三人くらいの定員の郵便局に変更して行こうというのであつて、現在の郵便局を廃止してそうしてこれに移行して、行政整理をしようなどとは毛頭考えておりませんし、現在の郵便局は、今年度の予算でまかなつて行きます。從つて少くとも今年度中は、これを廃止してどうこうなどということは考えておりません。ただ法律的に考えますと、郵便局を逓信省令で廃止をいたしまして、この郵便局を設けることができるようになつておりますけれども、これをやろうという考えは毛頭ありません。從つてこの何條かにありましたように、手数料を二万円で抑えるという趣旨も、少くとも現在ある郵便局よりは、郵便事務量の少いものだけを、簡易郵便局で扱うのだということが法令で現われている点から見ても、はつきりすると思うのです。從つて今の郵便局の前身がこの郵便局であつて、現在の郵便局をこれにするというような考えは毛頭ありません。
#46
○松井(政)委員 最後にもう一つ、くどいようでありますが、伺つておきます。そういたしますと大臣のお考え方は、今度の定員法によつて行政整理をするその場合に、四万八千の整理人員に満たない場合は、首を切られても経済的にそれほど影響のないと思われる――これは大臣の方の考えでありますが、そういう電報配達夫はやめてもらつて、請負にする意思がおありというぐあいに解釈してよろしいか、どうか。それからもう一つ、整理定員に満たない場合におきまして、かりにほかの方より電報配達夫がきわめて簡單だというお考えをもちまして、全國に、一人ないしは二人の電報配達夫のおる局があるといたしまして、そこらに八千人以上九千人近くの配達夫がおるといたします。それを大臣のお考えのような形においてやれば、四万八千のうちの四分の一か五分の一は、とにかく電報配達夫の首切りによつて定員の整理ができることになる。そういうようなお考えのもとに、電報配達を請負にするという御計画をお立てになつておるのかどうか。明確にひとつ、最後にお聞きしておきたいと思います。
#47
○小澤國務大臣 これは先ほど答弁した範囲を越えませんが、要するに、今定員法が決定して、行政整理をどういう標準でするかということは、逓信省だけの問題ではなくして、政府全般として考えて行きます。たとえば方針として老朽者に犠牲になつてもらうか、あるいは若い方になつてもらうかというような定義が、いろいろ出て來ましよう。しかしながら政府といたしましては、決定いたしておりません。ただ私の考えはどうかということになりますと、私も多少準備をしておかなくてはならないので、いろいろ準備をしておるが、もし万が一現実に馘首をしなければならないような場合においては、犠牲になつても、他の人よりは樂な人から、順番に行きたいということだけ答えることができるのであつて、電報配達夫をどうこうという問題は、先ほど來何回も言つている通り、ただ檢討しているという程度でありますから、あなたは、その檢討しているということから、もうやる意思がきまつたとお考えになるような質問だけれども、これはきまつておれば、きまつたと言います。しかし、今抽象的な標準で、自分自身が考えておるという点だけははつきり申されますけれども、具体的に電報配達を委託にするかしないかということは、申し上げられません。決心がきまつておりませんから、はつきり言われません。
#48
○風間委員 第七條に、受託者は、郵政大臣の指定する場所に、委託事務を行う施設を設けなければならないとありますが、私の想像では、協同組合なり、あるいは村役場なりの建造物の一部に、テーブルの一つか二つを並べて、簡單にこの施設というものは行うものだというふうに解釈するのでありますが、何かこれに対して、こうこういう施設でなければならぬというようなお考えがあるとすれば、その最低の経費はどれくらいかかるものであるかということを、ちよつと教えていただきたいと思います。
#49
○小澤國務大臣 この問題は一度お答えしたことがあるように、私の方では、今風間委員が御指摘されたように、大体四つくらい役場の窓口があるという場合には、何とか一つの窓口をあかして、そこへつい立てならつい立てを立てて――金を扱うのだから、よそと同じわけには行かぬから、つい立てでも立てて、既存の机、既存のいすを持つて來て、その窓口で簡易郵便局をやつてもらいたいという趣旨であります。從つて私の想像では、かりに村役場でこういう事務を開始した場合でも、ほとんど一文も現金はいらずにできるのじやないかと考えております。
#50
○風間委員 大臣のお答えで了承することができたのでありますが、そうしますと今度は第四條の第二項のところに、郵政大臣は前項の規定により契約を締結する場合において、地方公共團体及び組合が、当該契約の條件によつて契約の締結に應じようとするときは、順序として地方公共團体、組合の順位によりこれをしなければならないとなつておりますが、一つの部落がこの簡易郵便局を設置したいということになりましたときに、よくあることですが、小学校や新制中学問題で、よく地方ではもめごとをするのでありますが、以前腕のいい村長さんがおつて、役場の改築のときには、この場所にこしらえた。しかし実際問題として、そこは不便な場所である。しかし協同組合は、その附近の大字等をにらみ合せた場合、たいへん便利なところにあるという場合、地方のいろいろ勢力の争いのようなうず巻に巻き込まれて、役場から申請した場合に、逓信大臣は役場の方に許可しても、実際問題は協同組合の方が便利だという場合もあると思うのでありますが、こういつたことについて、この順位にもう少し弾力性を持たせることができないものかどうか。
#51
○小澤國務大臣 これは同じ部落に、同じ役場があり、組合があつたような場合の想定ですが、その場合には今申し上げた通り、その場所の利用度と申しましようか、村民が今言つたように役場は不便だ、また組合の事務所の方が非常に利用度が多い、あるいはまた村民が便利だというような場合があり得ると思う。そういうような場合には、けんかでもしておれば困りますけれども、おそらくけんかしましても、村会の議決でやることでありますから、村長が独断でかつてなことができるものじやありませんから、村会の議決として、むしろこれは役場でやるよりも、組合の事務所の方がいいのだということになりますれば、村長がそういうことを提案いたしましても、村会がむしろこれは役場ではやらぬということに否決してしまえば、そつちへ行くことになりまするから、自然と解決がつくのじやないかと思います。もつとも村長が村会議員全都を買收でもしてやれば、そんなことはできないこともありませんけれども、そういうことはほとんどないと思いまして、私どももそういうような場合には、よくあつせんして、その話がきまりがつくまでは許可しない。換言すれば、組合の方がよくて、役場が惡いというような場合には、許可するしないは、こつちの自由でありますから、そういう一人の横暴に應じたために、村の平和を害してはいけませんし、利便を失つてもいけませんから、そういう場合にはどつちも許さぬということもできます。從つてけんかしては損だから、お前の方に譲るということになると思いますから、そういうところをねらつて許すということもありますので、実際の運用にあたつては、風間君の心配したような点は、よく吟味しながら許可するようにいたしたいと思います。
#52
○風間委員 ただいま大臣の御答弁を聞きまして、了承することができたのでありますが、最後に私は――これは考えようによると、くだらないこととれは公共事業だからかまわないじやないかという議論が出て來ます。これはいろいろな見解が出て來ますが、この前も議論をしたように、独立採算制というようなことを言わすに、一般予算から繰入れてどんどんそういう公共企業を発展させたらいいじやないかと言えば、それも一つの議論でありますけれども、われわれは、現在の日本の情勢は、経済九原則に基いた均衡予算が第一だというので、その一環として独立採算をしばらくやるべきだという前提に立つておりますから、從つて、今松井君あるいは、田島君の御意見のように出張所を設けて、一つの郵便局において何十万円も損するということは、少くとも今年度の予算でもできませんし、また定員法に縛られまして、それだけの人をやるとなると他の郵便局がそれだけ手不足になるということになりますので、少くとも今年度のわれわれの定員法を認め、あるいは予算を認めておる限度においては、ちよつと困難なことだと思うのであります。
 それから第三の、郵便局の設置してないところの町村千八百だけをねらうか、それとも現在あつても不便な所は認めるかというお話でありまするが、これは認めるつもりでおります、たとえばある村でも、ある部落に郵便局があつて、そうして二里か三里行つたらまた部落があつて、その部落は相当人口が密集しておるにもかかわらず、郵便局がない。もう一つここにあつてもいいじやないかというような場合、しかも先ほど御説明申し上げましたように、他の局の経営にはさしたる影響がないというような場合であつて、村民が希望し、しかもそうした機関が要望して参つた場合には、その村の事情によつては、一つに限らず二つでも三つでも、ある場合には許すつもりであります。
 それから、第四の問題でありますが、これは從來、松井君の言うような弊害が相当あつたと思うのであります。たとえば何党の代議士が話して、おれがあの郵便局を設けたんだというので、選挙の一つの運動の具に供するというようなこともあつたでありましようけれども、これは代議士が運動しなくとも、もうこの法律によつて、村長さんなり、あるいは組合長が直接申し込めば、いつでもできるのでありますから、從來のように行政処置によつてやるのと非常に違つて來まして、松井君の心配する点も、これならば、非常に減少するのではないかと思うのであります。しかし代議士の紹介したことが、ただちに惡いということはきまつておりませんで、代議士の紹介したことにも非常にりつぱなことがありますので、松井君のような人が紹介したならば、おそらくうんとりつばなものばかりだろうと思います。そういう場合にはどんどん認めるつもりであります。
#53
○松井(政)委員 そこで、局のない村の千八百という、そういうことにこだわらないで、村民の要望と、きわめて不便であるということと、現在ある局との関係を考慮してやるということでありまするが、そうした場合に、たとえばどこの村でも通常常識から言いますると、一つの村で局のある所には、役場があり、農業協同組合があり、大体これに該当する公共團体、自治体の村長のおる役場等があると思うのです。そういたしますると、先ほどちよつと飯塚さんの質問にもあつたように考えられるのですが、たとえばすでにある所に局があり、その局のある所に役場があり、農業協同組合があります。そうすれば、二里も三里も離れた所に実際上やらせるということになりますると、橋本さんの申し上げたように、個人にも請負をやらした方が便利じやないかというりくつも一方生れて來ます。その場合においては、事実上相手方は村であり、協同組合であるが、そうした離れている所では、その郵便事務を取扱うことだけを特定の村会議員とか、あるいは村会関係のある者、協同組合関係のある者というふうな責任者を置いてやるのかどうかということであります。もしそういう責任者を置いて、特別に設けるということになりますれば、事実上、橋本委員が質問したように、個人請負制度というような形になる弊害がありはせぬか、こういう事柄について、ちよつとお伺いしたいと思います。
#54
○小澤國務大臣 大体今松井君が御指摘のように、普通の村は一つの中心点があつて、役場があれば、協同組合もある、郵便局もある、交番所もあるというようなことが常態であります。しかし私の選挙区のことを言つちやあれですが、私の選挙区の田原村というところは、三つにわかれておりまして、一つの所には役場も郵便局もあります。一つの部落は山を越えて三里くらい行かなければならぬのでありますけれども、そこは非常に密集しておるのであります。ところがそういう場合には、役場の出張所はありませんけれども、協同組合が出張所を設けてあります。そしてすでに三人か四人、ちやんと協同組合の出張所というので、いろいろな村の事務を扱い、あるいは組合の事務を扱つておるのでありまして、そういうような場合には、私の方で許したいと、こう考えておりまするが、かりにどんな場合でありましても、この法律できちんと禁止してありまするから、個人的には絶対に許しません。ただ役場が設けることは、村会の決議でできないこともないでしようから、そういうふうに役場の事務として設けて、その一部が郵便窓口になるというような場合でありますならば、これはもちろん認めますけれども、今松井君の心配されておりますように、役場があるところで、個人がやるという場合でありますならば、認めたいつもりであります。
#55
○松井(政)委員 さらにその問題に関連して――今認めないということになりましたが、しかし非常に郵便事務だけが不便を感ずるというような場合がありまして、役場なり協同組合が、郵便事務を扱うことを主として、その他の軽微な問題を、役場の仕事あるいは協同組合の仕事として、出張所の形をとる。しかし主たる目的は、郵便局を設けるだけだというような現実の問題が起つた場合も、認める形で行くという、手続上の方法をおとりになるかどうか、こういうことでございます。
#56
○小澤國務大臣 それは実際問題として、弊害がなく、しかも村でも要望し、その部落でも要望し、また許しても弊害がないというような場合におきましては、これは今のような現実の問題においては、他の條項と少しもかわつてないのでありますから、それは許す場合もあると思うのでありますが、許す場合においては、今言つたような弊害があるかないかということを十分調査した上で許したいと思います。
#57
○風間委員 すでに同僚諸君によりまして、私のお尋ねせんとすることはお尋ねし盡した感があるのでありますが、私はただ一点、この法案の原案には直接的には記載されておりません問題でありますけれども、これと大いに関連した問題で、今後大臣におかれて、私の意見に対してどういうお考えを持つかということをお尋ねしてみたいと思います。と申しまするのは、簡易郵便局の土地的特殊性と、もう一つはこの簡易郵便局の事務担当者の收入、つまり人件費の財源ということにつきまして、私は新しい一つの郵便事務を創設することによつて、これを解決する一つの便法となるのではないかと思うのでおります、ということは、今日まで、この文化的な國家施設の恩恵を直接にこうむることの少なかつた山間僻地の人々が、自分の住居の近距離に、この郵便事務が開始されるので、たいへん仕合せになることであり、これは民主自由党の政策といたしまして、まことにけつこうなことであり、田島委員が先ほど申し上げた通りでありますが、民主自由党は、何も選挙対策としてこれをやるのではなく、偶然に、國家國民の福祉をも考えて、小澤逓信大臣のもとでこれができ上つたものとして、私は喜びにたえないのでありますが、ただ先ほどからいろいろ問題になつておりますように、二万円あるいは一万五千円、一万円を越えた程度の收入がある場合には、專門の担当者を置いて、たいへんに利用者も大臣の方においても、この美的な感じをもつと一般的に廣げられた方が、郵便事業の本旨に徹底すると思うのであります。社会化ということが普通の産業においても唱えられる今日、郵便事業は公共事業としてある程度社会化されておるが、ただもつともつとこれを民主化して、人民の管理に移すのが將來の建前であつて、もうそこへ行くのだというしるしに赤く塗つてあるものと感じまして、われわれは非常に喜んでおる次第であります。
 先ほどから大分いろいろな御説があり、橋本さんからも、將來のことを案じていろいろつつ込んだ御質問がありましたが、ああいうことを考えてみましても、この法案の精神においてはまつたく賛成でございます。無医村にお医者さんができ、電燈のない村に電燈がつく、あるいは電話のない村に電話が通ずるとき、そういう村の方々が、どんなに喜びをもつてこれを迎えるかということをわれわれは十分にくんで、そのために努力しなければならぬと思つている次第であります。ただそれを実行する手段といたしましては、できるだけこの委員会において案を練り、それを実行した場合に、またああいう欠点も出て來た、こういう欠点も出て來たというような、あとくされのないように、完全なものを実行方法としてつくり上げてみたいと思う。その意味において、実行方法なり、いろいろな法案の規定に対して、二、三の意見を持つておる次第でありまして、決して何でもかんでも、共産党は反対するというような性質のものではございません。いいものをつくりたいという意味から、一生懸命知恵をしぼつて練つておる次第であります。たとえば、自治團体に対して、権限侵犯になりはしないかという御質問もありましたし、御懸念もありました。また逓信大臣の責任が、こういう末端組織に及ばなくなるのではないかという御質問もございました。そういう場合を考えてみましても、これを今の協同組合とか、その他のものに委託契約をするようなことにしないで、現に移動郵便局というものさえあるのですから、郵便局の末端を、そういう簡單な組織で延ばして行くという機構をお考えになりましたならば、もつともつといい案が出るのではないかと思う次第であります。それから先ほど、自治團体でも責任を負う契約がなければ、やらせないというお考えでありましたけれども、少くとも一般の村民なり人民の方々が利用する場合には、やはり國家の信用ということを大きく見るのでございまして、國家がこれを保障することになれば、安心して預金もすれば、書留も出せる、為替をとりにも行くというわけで、安心感を持つのでありますが、それを協同組合なり何なりに置いたら、損害を賠償することもできなくなる。法規上保障されていても、実質上これができないことになつてしまえば、利用者が心配することにならざるを得ないのであります。なお先ほど請負制度ではないというようなお言葉もございましたが、なるほど法律上の意味においては請負制度ではありますまい。しかし実質上、経済上の建前から考えてみましたならば、当然出來高に應じて報酬を與えるという建前になるのでございますから、経済的な観念、実質的な観念から見れば、どうしてもこれはやはり請負制度と言わざるを得ないと考える次第であります。この点についても、大臣のお考えがかわらぬものだろうかと思います。なお請負制度でありますと、いろいろな弊害が起つて参りまして、もうけがない場合にはサービスをおろそかにして、せつかくの國家の公共事業を粗末に取扱うという結果に立ち至る。またうんともうけようと思えば、法網をくぐつてまで、いろいろなかつこうのものをつくる。そこにたとい二万円という制限はありましても、そこをくぐつてさまざまの手段を講ぜられる可能性が十分あるのであります。そこでこれはやはり國家の末端機構として、郵政機構の末端をそこに延ばしたものとして、実質的に公務員をもつてこれを処理させ、人数は少くともよろしゆうございますから、出張所みたようなものを簡單につくつてやらせることが、一番いいのではないかと思います。そういう方法を考えましたならば、地方自治体から要求して來なければ、簡易郵便局もつくることができないという弊害は除去される。たとい地方の協同組合並びに公共團体等が申し込んで來なくても、國家の方から進んで、あそこは郵便局がなくて困つているだろうというので、手を延ばして設置することも可能なわけでありましてそういう点も克服される。これはやはりそういう姑息な方法をとらないで、大きく育てて行けば、国家の郵政事務が系統的に一貫して行つて、責任も明らかになり、発達すればするほどりつぱに実つて來る。そういうふうに上から下まで貫いた機構に改めたなら、非常によくなるのではないかと思いますが、逓信大臣において練り直して、もつともつといい提案を出されることはできないものでございましようか。この点を伺いたいと思います。
#58
○小澤國務大臣 まず第一には、請負制度にしないで、出張所をこしらえて、そこに現在の公務員を一人でも置くようにしてやつたらどうかということでありますが、そういうことも考えてみましたけれども、現在の定員法で制定した職員の範囲内においては、それをやると、よその郵便サービスを落さなければなりません。私のねらいは、全然ない場所に、現在の定員と現在の予算で、公共性を現わしたいというのが、念願ですから、井之口君の言われるようなことができれば、何も苦しんでこんなものを出さないでもいいのでありますが、予算にもごやつかいにならずに、定員も増加せずに行くというところに、暫定的ではありますが、一つの妙味があるのであります。
 なお第二の、國家が責任を負わないで、自治体が責任を負うというのは、それは損害賠償の問題でありまして、たとえば貯金をしたような場合に、それは國家事務でありますから、國家が全部責任を負います。たとえば貯金をした。ところがその担当者が金を使いこんだというような場合は、賠償をただ自治体にさせるというだけでありまして、いやしくも正式に窓口で村民から受取つたような預金は、国家が一應責任を負つて拂つてしまいます。ただその賠償を國家が負担するか、自治体が負担するかといえば、それは最終的には自治体が負担して行くけれども、國民に対しては、そういう場合でも、これは國家の簡易郵便局の職員が惡いのだから、お前に拂いもどしはできぬとか、あるいは保險金は拂うことはできないとかいうことはしません。これは必ず一應責任を負つて、しかる後に最終的の責任は、受託者が持つのだ、こういう意味であります。
 それから請負か、委任契約かということでありますが、これは民法の解釈で初めて請負というような契約があるのでありまして、あの民法の契約各論の中の請負契約に該当するか、あるいは委任契約に該当するかという問題は、これは專門学者の間でも議論があるのであります。私と井之口君と議論してもどうにもならぬのでありまして、そういう問題があつて裁判になつた場合に、裁判所で決定すべき問題だ。從つて請負契約にも似ているし、委任契約にも似ているけれども、大体これは請負契約あるいは委任契約に類似した一つの無記名契約じやないかというのが、私の所見であります。從つてあなたの研究の範囲で、請負契約と考えることも自由であります。しかしあなたがどうお考えになつているからといつて、問題ができた場合には、どうにもならぬのでありまして、裁判所がその契約の條項をつぶさに審査して決定するのでありますから、あなたがどう考えようが、どう解釈してもしかたがない。私の所見いかんということなれば、そう考えるというだけであります。
 それからもう一つ公共的なものが非常に少い。しかも二万円に制限されておるから、そういう利益のないところでは、つい仕事もおろそかにやるようになるのではないかという御意見でありますが私どものねらいは、要するすが、この局舎提供の義務というものも廃止することにいたしたのでございます。
 これから從事員の処遇につきましては、ことに戰前におきましては、特定郵便局員の処遇は非常によくないというのが定評でございましたのですが、その後逐次改善されまして、特に今日は特定局員の処遇を、特定局員なるがゆえに、普通郵便局員と差別的な待遇をしないことに改めた次第でございます。從いまして今日は特定局員の初任給にいたしましても、その他の処遇にいたしましても、特定局員なるがゆえに、普通郵便局員よりは不利を受けていることはないわけであります。
 第三番目には、郵便局の建物などでございますが、その局舎につきましては、先ほど申し上げたように、局長の提供義務制を廃止いたしましたので、今日では原則として全國一万三千余の特定郵便局の局舎は、國が借り入れている次第でございます。それに対しまして、地代、家賃統制令のわく内で、適正な家賃を支拂うことにいたしたのでございます。
 次には特定郵便局の運営に要する経費の問題でございます。これは從來から渡し切りという制度がございまして、やつておつたのでございますが、過去における特定郵便局の局の経営のための渡し切りの経費は、必ずしも公経済的に運営されていなかつた点もございますので、戰後におきまして、これを完全に公経済的に経理する、從いましてかりに経費の余剰ができますれば、それはすべてその局の運営のために、使用されることになつたのでございます。
 それからもう一つ最後に、從來は特定郵便局における郵便切手類、あるいは收入印紙の賣さばきにつきましては、割引歩合を特定郵便局長に支給しておつたのでございますが、この制度も廃止いたしまして、今日では普通郵便局の切手、はがきを賣らせておりますのと、まつたく同じように歩合は廃止いたしまして、一定の、それぞれそこの局の切手はがきの需要に対應する必要量を、常時そこの特定郵便局の窓口に常備いたしまして、利用者の需要に應じて提供することに改めました。今申し上げましたのは、最も主要な基本的な問題でございます。
#59
○井之口委員 特定局長会はどういう仕組みになつておりますか、相当大きな権限を持つのでございますか。今現にあるものですが。
#60
○小笠原政府委員 特定局長会と申しますのは、昔からございましたのですが、現在は一昨年から全國特定局長会といたしまして、全國の特定局長が一つの國体と申しますか、そういつたものを構成されているのでございます。この全國特定局長会の性格は、一つは官の事務の補助的な仕事である、あるいは貯蓄の奨励であるとか、あるいはいろいろ事業上の必要な研究、研鎖というような――講習会でありますとか、事務の指導であるとか、そういつたことを官の委託に應じまして、官の補助的な事務をやらしているのが一つ、もう一つは、特定局長の相互の福利的な施設をやるという建前になつております。
#61
○井之口委員 これは郵便局の政府機構の一部分なのでございますか。それとも局長が自主的につくつてある会なのでございますか。
#62
○小笠原政府委員 現在におきましては、官制上の逓信省の機構の一部ではございません。しかし実際上、いわば外部的な機関になつている次第でございます。
#63
○井之口委員 先ほど逓信大臣が、特定局長会が出張所制にすることに反対しているような御答弁がございましたけれども、そのために労働組合に働いておいでになる労働者の方々の要求が、採用されないのでございますか、どうでございますか。
#64
○小笠原政府委員 先ほど大臣が特定局長会が、と説明申し上げたのは、これは大臣に伺わなければわかりませんが、要するに特定局長の多数の人が、こういう意味であろうと存じます。要するに特定局長会というのは、全國の特定局長で構成されておりますので、從つて特定局長会と言われたことは、特定局長の大多数の者が、こういう意味であろうと思います。また同時に、それだから從業員の要望をいれないという意味ではないと思います。もちろん特定局長は出張所制には反対しております。あるいは希望していない人もたくさんある。また全逓の方は、御承知のように出張所制の採用を要請されております。しかしこの問題につきましては、どつちが賛成しているとか、反対しているとかいう問題よりも、まだわれわれの研究が、そういう制度をとることがいいのだという確信を得ていない。私はそういうふうに考えております。
#65
○井之口委員 先ほど無集配局三人以上の所は一万三千円と言われましたが、これは人件費を拂つた以上に出る利益でございますか。
#66
○小笠原政府委員 先ほど一万三千円と申し上げましたのは、人件費以外の経費が――要するに職員の俸給、手当、そういうものを除外いたしまして、それ以外の経費が一万三千円であります。
#67
○井之口委員 そうしますと、これは今の特定局長に所属するのでございますか。
#68
○小笠原政府委員 そういうわけではございません。もちろんこの中には今申し上げましたように局員の給料は入つていない。こう申し上げましたので、局長の手当、給料、そういうものは入つております。この中で局長に行きますのは――これは正確にはわからないのですが、無集配郵便局は全國に約八千ございますが、それを平均した場合に、この無集配郵便局には先ほど申し上げましたように三人以下の小さな所もありますし、また五人、十人あるいは二十人、三十人といつたような無集配特定局もございますが、そういつたような全部の無集配特定局を平均いたしまして、局長の手当と、それから局舎を借りておりますので、その家賃、それから局の備品を借りておりますので、その使用料、そういうものを合計いたしまして、全國平均して約一万円ばかりでございます。
#69
○井之口委員 そうすると、そこで実務をとつている方々は三人ではなく、局長を入れて四人でございますね。
#70
○小笠原政府委員 さようでございます。先ほど三人以下と申し上げましたのは、局長以外の局員の定員が三人以下、こういう意味でございます。
#71
○井之口委員 その辺の経済から見てみますと、今度できる簡易郵便局でも二万円を限度とするということになつたら、二名ぐらいは置けるのじやないだろうかと思うのですが、どんなものでしようか。今度の簡易郵便局法によつてできる窓口機関におきましても、二万円を限度として收入を許すというのでありましたならば、それくらいの費用で、專属の從業員を置いてやれるのではないですか。
#72
○小笠原政府委員 もちろんかりに簡易郵便局で、一万五千円なり、一万円の取扱い手数料を支拂うような郵便局の場合は、專門の從事職員を、その村なり、町村当局等があるいは任命されるのではないかと想像いたします。そういう一万五千円とか、二万円とかいうような取扱い手数料の支拂いになるような簡易郵便局というものは、事務量の比較的多い所であります。
#73
○井之口委員 もう二つ、三つお尋ねいたします。アメリカや、イギリスや、フランスでも、こういうふうな特定郵便局制度や、あるいは今制定しようとするような簡易郵便局制があるのでございます。向うにおいては、むしろ出張所というふうなものではないと思います。
#74
○小笠原政府委員 私も、実は外國の制度はあまりよく存じませんのですが、アメリカあたりの状況を聞いてみますると、大体アメリカは御承知のように、今日は逓信局というものはないのでございます。ですからアメリカは本省からすぐ現業局、こういうふうなかつこうになつております。そうしてニューヨークとか、ワシントンとかいうような大きな都市でも、その中にたくさん郵便局があるわけですが、その中で一つだけ本局になつておしまして、それ以外は全部分局になつておるというような状況でございます。結局根本的に日本の制度と違つておりますので、これと比較することは非常に困難だと思います。それからまたアメリカにもいわゆるコントラクト・ステーシヨンと申しまして、契約でやる、やはりこの簡易郵便局と同じ式の、きわゆて小規模な郵便窓口機関がございます。しかしアメリカのは、必ずしも地方公共團体というようなものに限定されていないで、むしろ個人の薬屋とか小間物屋とか、そういうふうな所で、契約によつて窓口事務をやつておるというような状況に聞いております。
#75
○井之口委員 こんな知惠をひとつ出してみたらどうかと思いますが、ライン・オーガニゼーシヨンでやりましたならば、やはりこれは一つの專門的な從業員がずつと下部まで事務をとつて、非常に能率的な方法である、間違いも起らないし便利だと思う。それでもしいろいろ困る場合がありますならば、移動的にする。そういうふうな出張所の設備ができやせぬか、こういうのですが、どうでしようか。
#76
○小笠原政府委員 今のお話は出張所の問題のお話のように伺つたのですが、御承知の通り出張所にいたしますれば、これはもちろん國家公務員になるわけでございまして、從つてたとえば郵便の仕事をやらせるにしても、すベて週四十八時間勤務になる。その他非常に事務量のきわめて少い――大体簡易郵便局で考えております所は、どつちかといえば、辺鄙な所が多いと存じます。そういうふうな所は取扱い事務量からいいましても、非常に少くて、一日に実際に連続して働くと仮定すれば、せいぜい二時間とか三時間あるいは四時間ぐらいで済むような所が多数できるのではないかと考えるのであります。從いましてこういう所を、ただちに出張所として考えるということになりますと、いろいろの点で不経済の点が起きて來るであろうと考えられます。そのほか当面の問題といたしましては、先ほど大臣から御説明がありましたように、通信事業特別会計の予算並びにただいま國会に提案されておりますところの定員法の関係からいいまして、逓信事務に從事する國家公務員の数が限定されて参ります。從いまして、今度この簡易郵便局法案が、かりに成立いたした場合において設けられるようなところを、かりに出張所でやると仮定いたしますれば、それに必要なだけの定員をさかなければならないことになる、そうなれば現在の仕事の中から、要するにそれだけほかの郵便局なり、何なりの定員を減らさなければ、出張所をつくることができないというふうなことになりますので、当面の問題といたしましても、ちよつとそれはできない問題ではないか、さように考える次第でございます。
#77
○井之口委員 首を切らぬで、そつちの方に、そういう熟練度の高い人たちをまわすというふうにしたならば、一拳両得で、今從業員の方々の反対していられる行政整理でも何でも、配置轉換でりつぱに行くのではないかと思います。
#78
○小笠原政府委員 まことにごもつともでございますが、今度の定員法によりまして、大体郵政と電気通信を合せて、通信特別会計で四万八千人の定員が減るわけでございます。それで現在の施設を維持するのに手一ぱいでございます。從いまして必ずしもその配置轉換によつてなるべく首を切らないで済ますという、今考えておる簡易郵便局の場所に配置轉換することによつて、首切る数を減すという問題を考えるまでもなく、現在の施設を維持するのに、定員法による定員はぜひ必要でおる、かように考えられる次第であります。
#79
○井之口委員 どうも片方では首切つて、片方では新しい人たちに郵便事務を委託するというのは、ちよつと矛盾のように考えますが、それならそれでいいといたしまして、なおもしこの簡易郵便局法を採用いたしまして、地方公共團体並びに協同組合、漁業協同組合等々にこの事務を引受けさせるのでございますが、このほかに農民組合とか、あるいは労働組合とか、あるいはいろんな民主的な文化團体とかいうふうなものが、地方農村にたくさんあるのであります。そういうふうなものも、この中に入るのでありますか、どうでありますか。
#80
○小笠原政府委員 簡易郵便局の仕事を政府から委託を受けますものの範囲は、この法案に限定的に列挙されておりますので、ただいまお尋ねの農民組合とか、労働組合とか、そういうものは対象にならない次第でございます。
#81
○井之口委員 最後に一つ、特定局長は今度労働組合法が改正されるといたしますれば、これは入るのでございますか、除外されるのでありますか。
#82
○浦島政府委員 私からお答え申し上げることにいたしますが、労働組合法は公務員には適用はございません。從つて全面的に公務員法上のいわゆる團体――組合が結成できるかどうかということは、公務員法においては何ら制限をいたしておりません。
#83
○風間委員 簡易郵便局における事務担当者の採用とか、いわゆる任免は、委託責任者がいたすのでありますか、ちよつとお伺いいたします。
#84
○小笠原政府委員 さようでございます。
#85
○風間委員 もう一つお尋ねいたしますが、委託担当者資格、――学歴とか年齢とか、性別とか、あるいは経験の有無ということによつて、採用者に対しまして、何らか政府として條件を付して指令をするのでございましようか。
#86
○小笠原政府委員 簡易郵便局の委託事務の事際の執行に当ります責任者と申しますか、主任といつたようなものの任命につきましては、一應地方郵政局長の承認を受けるようなことに取運びたいと考えております。その際どういう標準でやるかということは、要するに簡易郵便局の仕事の運営につきましては、この受託者たる地方公共團体、あるいは組合が全責任を持つわけではございますけれども、しかしながら実際問題としまして、取扱い上、過誤を起したり、あるいは利用者に非常なる御不便をかけたりするようなことがありましては困りますので、そういう点において支障のない程度の者を、主任に任命してもらうように、一應地方郵政局長の承認を受けるように、取運びたいと考えております。
#87
○風間委員 大体において了承することができたのでありますが、この際特にこの画期的な簡易郵便局の設置について、事務担当者の採用にあたつてお願いしたいのであります。第一は、今度簡易郵便局ができたのだから、役場なり、あるいは農業協同組合、漁業協同組合、消費生活協同組合等の人員のうちから、あの人は頭もいいし、言葉もはつきりしておるし、たいへん親切で――農民やあるいは山村の人々の、字も書けないようなおじいさん、おばあさんに対してもたいへん親切に、手紙でも電報でも何でも書いてやる、代筆でもしてやるというような人であるから、ああいう人を選ぶということになつて來れば、たいへん仕合せなんでありますが、それと反対に、あの男は役場のことをやらしても間に合わぬし、漁業組合のことをやらしても半端で、どうにもならぬから、あれをひとつ簡易郵便局にまわしておけというようなことになると、せつかく政府の今回のかゆいところに手の届くような簡易郵便局の恩恵に浴するところの利用者の間に、かえつていろいろな物議をかもすもとになりますので、ひとつそういう点、特に学歴とか――何も大学を出たというようなことにとらわれる必要はないと思いますが、神経質な人は避けまして、明朗円満な人ということを第一條件とする、親切な人というようなこと、字なんか少々下手でも、言葉がはつきりして、明朗円満な人というようなことを條件とするということは、この簡易郵便局が、文化水準の比較的低位なところに設置されるがゆえに、特に必要ではないかと考えますので、そういうことを特に考慮していただくことを、希望する次第であります。
#88
○小笠原政府委員 まことに御親切な、またごもつともな御意見だと存じますので、私ども十分御趣旨に沿うように、努力いたしたいと存じます、
#89
○浦口委員 簡單に御答弁をお願いすればけつこうです。この簡易郵便局設置についての費用は、第十三條で受託者の負担になつているのでありますが、そのほかに政府として直接これを開いて行く上において、何か経費をお認めになつているか。あるいはそれは予算に組んであるかということと、もう一つは、今年三、四百くらいはおそらく新設されるであろうと、逓信大臣はおつしやつたように思うのでありますが、それについて経費を見込んでいるならば、二十四年度は、どのくらい経費を見ておられるかということであります。
#90
○小笠原政府委員 経費といたしまして政府から支拂いますものは第十五條の取扱い手数料だけでございます。その中には切手の賣さばきの手数料もございます。そのほかの手数料もあるわけでございますが、要するに月額は常に最高額の二万円で抑えられておるわけでございます。それから今年度の簡易郵便局をつくります経費は、できるだけひとつ努力いたしまして、すでに成立いたしました予算の範囲内で、先ほど大臣が説明されました線に沿つて、新設することにいたしたいと考えております。
#91
○浦口委員 そうすると、施設については、相当やはり國家としての直接の費用がいるとお認めになつているわけですか。
#92
○小笠原政府委員 ちよつと私の答弁が足りなかつたのですが、初めにつくるときは、もちろん何も経費は出しません、その取扱いの手数料だけしか出さない。その取扱い手数料を予算の中から出さなければならないわけでございますが、これは本年度の成立予算の中から捻出してやる、かように考えております。
#93
○浦口委員 もう一つ、今年三、四百できるらしいという逓信大臣のお見通しは、実際問題としてその地方から政府に要求があつたときに、初めてつくつて、要求がなければ、つくる必要は認めても放任しておくのか、その辺どういう態度でつくられるのですか。
#94
○小笠原政府委員 実際にこの簡易郵便局を設置するにあたりましては、どうせこの簡易郵便局の制度は、政府の方から押しつけてやつていただくわけではございませんで、ここにあげてあります受託者の方から、希望がなければ、もちろん設置されないわけでございます、受託者の資格に該当いたします方面からの希望を伺つた上で、実際に適当なものを置いて行くということにいたしたいと考えております。
#95
○辻委員長 それでは質疑はまずこの程度にとどめて、残余の日程はいずれも延期し、本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知せいたします。
    午後四時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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