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1949/04/20 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 懲罰委員会 第3号
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1949/04/20 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 懲罰委員会 第3号

#1
第005回国会 懲罰委員会 第3号
昭和三十四年四月九日
 大西正男君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
昭和二十四年四月二十日(水曜日)
    午後二時八分開議
 出席委員
   委員長 松木  弘君
   理事 尾関 義一君 理事 河原伊三郎君
   理事 佐々木秀世君 理事 渡邊 良太君
   理事 石井 繁丸君 理事 藤田 義男君
   理事 井之口政雄君 理事 大西 正男君
      大西  弘君    田中  元君
      平島 良一君    松井 豊吉君
      佐々木更三君    神山 茂夫君
      中野 四郎君    岡田 春夫君
      小林  進君
 委員外の出席者
        議     員 椎熊 三郎君
        議     員 林  百郎君
四月十二日
 委員土倉宗明君辞任につき、その補欠として中
 野武雄君が議長の指名で委員に選任された。
同月十九日
 委員坂田道太君、増田甲子七君、本多市郎君、
 森幸太郎君、池田勇人君、小津佐重喜君、林譲
 治君、樋貝詮三君、廣川弘禪君、鍛冶良作君、
 尾崎行雄君及び林百郎君辞任につき、その補欠
 として田中元君、岡西明貞君、高木松吉君、大
 西弘君、尾関義一君、内藤隆君、尾崎末吉君、
 庄司一郎君、平島良一君、佐々木秀世君、中野
 四郎君及び神山茂夫君、が議長の指名で委員に
 選任された。
同日
 委員山崎猛君及び中野武雄君辞任につき、その
 補欠として同月二十日福永一臣君及び松井豊吉
 君が議長の指名で委員に選任された。
四月二十日
 委員中原健次君辞任につき、その補欠として岡
 田者夫君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事土倉宗明君、鍛冶良作君及び林百郎君の補
 欠として尾関義一君、佐々木秀世君及び井之口
 政雄君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 議員林百郎君懲罰事犯の件
    ―――――――――――――
#2
○松木委員長 これより会議を開きます。
 この際お諮りいたします。理事の土倉宗明君、鍛冶良作君及び林百郎君が辞意を表明せられましたので、理事の補欠を選任したいと思います。御異議がなければ、委員長から指名したいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○松木委員長 御異議がなければ理事に
   体々木秀世君  尾関 義一君
   井之口政雄君を御指名いたします。
 昨日院議をもつて付託されました議員林百郎君懲罰事犯の件を議題といたします。
 また懲罰動議の提出者である椎熊三郎君から提出の趣旨について説明を願いたいと思います。
#4
○椎熊三郎君 昨日本会議に議題となりました共産党林百郎君を懲罰委員会に付すべしとの動議趣旨弁明は本会議でも大体やりました。それ以外に新たに附言することはないと思いますけれども、あらためて本委員会において趣旨弁明をしたいと思います。
 去る十六日の本会議におきまして、本年度の予算案その他を議決せんとする重大なる本会議の席上、予算委員長の報告の後、林君は質疑にかかりましてその質疑の言論中、例を國会の入江法制局長の意見を参考的に運営委員会で聞きましたが、それを引用されて当予算案の審議は憲法違反であるとの趣旨の御演説がありました。林君の個人的考えとして、これが憲法違反と主張せられるのであるならば、一個の意見でございます。別段懲罰の対象とは相なりません。しかるに引例せられました入江君の説は林君の言われたこととはまつたく違つているのでございまして、それらの点は当委員会におきまして、運営委員会における速記録等を証拠として厳密に御審査を願いまして、あらためてここでどの点が違つているというようなことを申し上げる必要はありますまいと思います。私はただ單に入江君の説と林君の演説中の言葉との違いの少数の部分だけを取上げられて御審査になることは、ものの本質を結論づけるのには危險が多いと思います。総じて林君の全部の意見を愼重に御檢討願いたい。林君は予算委員会以來共産党の持論とでも申しましようか、実体法規の決定していないうちに予算を編成することは違憲でおるということを終始一貫主張せられて参りました。その意見は運営委員会においても、さらにまた討論の際における共産党の意見の中にもございまして、共産党は終始一貫本予算は憲法違反になるにかかわらす、多数の威力をもつて押し切つて、あえて憲法違反の行動をしておるのだということが論旨であります。この論旨がそもそも私どもとまつたく見解を異にしておりまして、私どもも当予算には反対の立場をとりましたが、それは予算の内容に対する反対で、予算編成そのものが憲法違反であるとの論拠に基いたものではないのであります。この観点からあくまで運営委員会等において詳細なる質疑を繰返されたにもかかわらず、なおかつ入江君の言説をとらえ來つて、みずからの言論に都合のいいようにあえて曲筆し、あえて歪曲し、もつて予算案の審議に重大なる支障を與えんとした故意の行動は、國会の神聖を傷つけ、議員の品位を下落せしめ、もつてわが國新憲法下における日本の國会の状態をしてあまねく大衆を誤認せしむるがごとき憂いを多分に含んでいると私は考えます。当然國会の権威、議員の品位保持のために林君に反省を願う意味において、懲罰委員会において嚴密なる審査の上適当に処断せられたい。私は昨日の本会議の討論の後、ちようどきのうは両院の法規委員会等もありまして、関係方面の係官も見えられて、この問題も特に論議せられたそうですが、アメリカの國会におきましては事実にあらざる虚偽の事実を本会議で述べた者は、二十四時間以内に除名せられるのだということを言われたということでございます。同僚林君をしてあの演説だけで除名などという処断をされることは、私はあえて考えられません。私の当委員会に提訴したゆえんのものは、單なる林君の処断にはあらずして、本会議場における共産党の大衆に対する悪辣なる方法による宣傳、これが常に日本の國民を誤らしていると感するのでありまして、ことに議会内におけるかくのごとき言動は一々これを取上げてその卑劣千万なる宣傳方法に一つの反省を促さなければならないというのが私の趣旨でございます。よつて処断に重きを置くにあらずして、事実、眞相を究明することに当委員会は重点を置かれまして、嚴密なる御審査をお願いしたいのでございます。大体は運営委員会における私どもの言論は速記録にございますし、本会議等における私どもの発言も、ことごとく速記録に残つてあるはずでございますので、これらの速記録を一切の証拠として私は提示いたします。願わくは公正なる御審査の上、適当なる御処断あらんことをお願いする次第であります。
#5
○神山委員 ただいまの椎熊君の発言の中に、私たちとしてははつきりさしておきたい問題がありますが、その質疑を今お許しになりますか、あとでお許しになりますか。
#6
○松木委員長 あとで許します。
 次に林百郎君から一身上の弁明を求めます。
#7
○林百郎君 椎熊君の私に対する懲罰の意見は私は累次に及んで聞いておるのでありますが、私としては実に心外の点が多々あるのであります。それは私がこの演説をしました眞意は、國会の審議権が不当に拘束されることのないようにという一念をもつてやつたという点であります。椎熊君は私がこの入江法制局長の用いた言葉の表現が正確でなかつたという点について、國会の品位を傷つけ、國会の権威を失墜するものだということをしばしば言われるのでありますが、私の演説全部を聞いていただければわかりますように、党派を超えまして、予算を裏づける実体法が出されないで予算だけを審議することは、國会の審議権を不当に拘束することになる。ことに予算が國会を通過したという既成事実をもつて税金を課したりする場合には、國会がその税法については十分審議する権利を、予算の國会通過という既成事実をもつて束縛されることのないようにという一念をもつて、政府に対してすみやかに予算を裏づける実体法、あるいは憲法で定められているところの國民に対する税率の変更等は、國会にすみやかに出すようにという一念をもつて私がこの演説をなしたことは、私のこの演説全部を読んでいただけばわかると思います。最初に、國会の権威を保持するために私はこの質問をしたい。最後に私の引用したところにも國会の権威のために私はこの質問をした、この本旨はこの演説を通してわかると思います。そこで先ほど椎熊議員から問題になつている点があります。これは憲法違反で無効だという論拠は池田藏相の見解をただしたいということであつて、その次に、先刻入江法政局長に聞いたところが、かりにこの予算が違憲の問題は別として、國会を通過したとしても、それを裏づける実体法がない限り、その部分は執行が不可能だということを入江法制局長が言つた。ところが私はその部分ということを実は言つておりません。この点は私は率直に認めます。私の表現をもつてしますと、予算全体が執行不可能なような印象を與えておりますが、この点は私の表現が正確でなかつたことは認めますけれども、しかし問題は國会が通つたのち執行ができないような部分を残すような予算を國会が通すということは、國会の権威のために惜しむべきことではないか、だから政府を鞭撻して将來執行不可能な予算に対する責任を國会が負うことのないように、この際政府を追究すべきではないかということを私が申したことを御理解願いたいと思うのであります。私の眞意につきましては昨日もるる本会議で申し上げた通りでありまして、私の心外に思うことは、常に椎熊君が私が故意にうそを述べ、虚偽の事実を述べたということを言つております。私の眞意はあくまでも國会の審議権を保持したいという國会議員の立場から、党派を超えて私がこの演説をなしたことを全般を通じて御理解願いたいと思うのであります。しかも私の発言をとらえて共産党が常に國会において虚偽の事実を表現しでおるがごとき椎熊議員のわが党に対する聞くにたえない誹謗は、公党としての共産党に重大なる侮辱を與えておると思うのであります。私はこの点に対しては他の同士諸君とともに断じて椎熊議員と争う決意であります。私の本委員会における発言の眞意は右の通りでありますから、十分眞重に御審議くださいまして、國権の最高機関としての國会の品位を保持したいという一議員の一念をよく御理解してくださいまして、公平なる御判断を仰ぎたいと思います。
#8
○松木委員長 議事の進行についての神山君の発言を許します。
#9
○椎熊三郎君 それは間違いだ。本人をおいて発言を許してはいかぬ。委員会全体が無効になつて來る。一身上の弁明が済んだら退席させなければならぬ。
#10
○神山委員 質問します。椎熊君の発言について椎熊君に質問したい。もしも何ならば椎熊君に釈明を求めたい。
#11
○松木委員長 議事の進行についてではないでしよう。
#12
○神山委員 議事の進行について、あなたは後に発言させると言われたので、あなたの許可を得て私は立つておる。
#13
○中野(四)委員 この点に関して先例があるのですが、お許し願います。今の椎熊君と神山君の意見の相違ならば先例がありますからぼくから言いたい。
#14
○神山委員 椎熊君と討論するつもりはありません。
#15
○中野(四)委員 退席しなくてもよい、先例があるから大丈夫です。
#16
○神山委員 私は椎熊君と討論する必要はないと思う。もしも林君を退席させるというならば、椎熊君はどうなるか。これは委員として私は椎熊君の見解に反対する必要はない。ただここにはつきりしておきたいことが三点ありますので、この機会に質問をお許し願いたい。
#17
○松木委員長 あなたには議事進行について許した。
#18
○神山委員 そうじやない、議事進行について最初お諮りしたときに、あなたはあとで質問を許すとおつしやつた。今私が質問のために立つことをあなたは指名された。
#19
○松木委員長 私は今議事進行について許可したのですが、許可を取消します。
#20
○神山委員 そういうことは横暴です。私は反対意見を述べるのじやない。
#21
○松木委員長 議事進行について以外は許可を取消します。
#22
○佐々木(更)委員 なるほど議事規則によりますれば、自己の懲罰事犯については会議並びに委員会に出席することができないことにはなつておりまするが、委員長がこれを許可することになりますれば、可能なわけでございます。そこで私たちは本委員会が公平にこの事犯の根本を調査するために、本人の弁明も聞きたいこともありますので、列席を許すようにお願いいたしたい、議事進行上必要と思いますから。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○神山委員 議事進行について……。私が先ほどから議事進行について発言してあなたに許しを願つたのもそういう氣持であります。公正なる立場からこの委員会が進むために、椎熊君に私が質問したいことがありますので、先ほどからお許しを得たいと思つておりますので、私は椎熊君と論争する氣持は毛頭ありません。樵熊君がこの委員会において言明された二、三の点については、事実をお聞きしておきたい点がありますので、先ほどから発言を求めてお許しを得たいと思つておりますが、お許しくださいますか、くださらないとすればしかたがないと思います。
#24
○松木委員長 私の方では弁明が済みましたら質問を許すつもりで予定してあります。あなたは議事進行について発言されたものですからそれでお許ししたのです。
 この際暫時休憩いたします。
    午後二時二十五分休憩
    ―――――――――――――
    午後二時三十四分開議
#25
○松木委員長 休憩前に引続き開会いたします。
 石井君から発言を求められておりますから、まずこれを許します。
#26
○石井委員 ごの懲罰事案の一番中心点になるのは、林百郎君が入江衆議院法制局長の四月十六日の議院運営委員会におけるところの應答を歪曲をして本会議に援用したかどうか、このことが中心になろうと思うのであります。椎熊委員に言わせますると、非常に入江衆議院法制局長の應答を歪曲をしておる。林君は、ただその上に言辞の不足があつたので、決してそういう意思はなかつた。こういうふうに言われるのであります。そこで本日椎熊並びに林両代議士の意見を聞いたのでありますが、なおこれについては、十九日における椎熊代議士の懲罰の動議一切、並びに林君の一身上の弁明を詳細に聞かれておりますから、それの速記録をひとつ取寄せてもらいたい。並びに入江法制局長の應答が本日一部資料として出ておるのでありますが、これは入江衆議院法制局長の一部の意見だけが抜粋されておるようなかつこうでありまして、大体本日これに関連したところの質疑が一應網羅されませんと、眞相がはつきりわかりませんですから、その日におけるところの質疑の全般にわたつて速記録をお取寄せを願い、そして樵熊並びに林百郎君に対するところの、本日陳述されたことに対する十分な意見、並びに本人たちの説明を求めまして、そしてこの懲罰委員会を進めて行くことが、問題を多岐にわたらせたり、おるいは感情的に走らされたりしないで、非常にいい結果になろうかと思うのであります。問題はほとんど速記録に盛られている問題でありまして、そういう関係上、それらの関係書類の御取寄せを願い、それを十分に審査いたした上において、この懲罰委員会を最も合理的に進めて行きたいと、こう思うのであります。そのため、本日はそれらの準備のため、この程度をもつて散会され、そうして次回におきまして、材料を整えて、スムーズなる運行をはかられたいということを発言いたします。
#27
○松木委員長 石井君の発言に御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○松木委員長 それでは本日はこれにて、散会いたします。
    午後二時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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