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1949/04/20 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第14号
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1949/04/20 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第14号

#1
第005回国会 地方行政委員会 第14号
昭和二十四年四月二十日(水曜日)
    午前十一時三十一分開議
 出席委員
   委員長 中島 守利君
   理事 川西  清君 理事 福田 篤泰君
   理事 久保田鶴松君 理事 藤田 義光君
   理事 立花 敏男君 理事 圖司 安正君
      大泉 寛三君    大内 一郎君
      河原伊三郎君    川本 末治君
      菅家 喜六君    野村專太郎君
      龍野喜一郎君    門司  亮君
      千葉 三郎君    谷口善太郎君
      井出一太郎君    小平  忠君
 出席國務大臣
       國 務 大 臣 木村小左衞門君
 出席政府委員
        総理廳事務官
        (地方財政委員
        会事務局長)  荻田  保君
 委員外の出席者
        專  門  員 有松  昇君
        專  門  員 長橋 茂男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 連合審査会開会に関する件
 地方配付税法の特例に関する法律案(内閣提出
 第二八号)
    ―――――――――――――
#2
○中島委員長 会議を開きます。
 これより地方配付税法の特例に関する法律案、内閣提出第二八号を議題といたします。本法案に対する質疑は昨終了いたしましたので、これより討論に入ります。討論はこれを許します。野村專太郎君。
#3
○野村委員 本案に対しましては、すなわち地方配付税こそ、地方公共團体の財政を確立する重要なる対象であります。特に地方公共團体に現在課せられておりまする事業対象に対しましても、今後法案を提出し、またこの配付率を引下げられる余裕というものは非常に困難である。しかしわが國が置かれておる立場、特に経済的自立体制を確立するということは、経済九原則にのつとつても、終戰後におきまして消極放漫な財政政策のもと、どうしても確立を見なければならぬことは國家的の要求であろう。こう考えるのでございます。しかし地方公共團体の現在置かれておる財政の窮乏ということに対しましては、言語に絶するものがあるのであります。このことに対しては先般参考人の公述等によりましても、さらに裏づけができるのであります。しかしいかなる困難があつても、今日にしてこの中央、地方を通ずる一貫した総合予算を確立して、そうしてインフレを收束しなければならぬということを考えざるを得ないのであります。このときにおきまして、しかも半面公共事業費の非常な削減等によりまして、非常に地方の公共團体は財政の困難を感ずるのでありますが、ただいま申し上げましたような観点から、一應本案に対して賛成せざるを得ない。しかしこの機会にいささか希望の意見を三、四項述べて、政府当局に対してただし、そうしてその政府の所見を伺つた上で、これに賛成せざるを得ない、こう考えるのであります。その一つは、もし本年度の予算に計上した所得税、法人税等、國税の徴收額が減少した場合、その事実いかんにかかわらず、地方配付税額五百七十七億を確保するために、本特例に定められました比率を変更する法律案を、政府が國会に提出されることを希望するのであります。このことは、本法案が示すそのものが、前述の観点から最小限度をさらに下まわるものでありまして、こういう点からその税收入の結果いかんによらず、この点はどうしても地方財政確立のためにも最小限度を確保しなければならぬ。こういう点に対して、この希望に対する政府の御所見を伺いたいと思います。
 それからもし本年度において歳入に余剩を生じた場合には、政府は優先的にこれを地方配付額の増加に補填せられたい。こういうことでございます。
 それから昭和二十五年度以降においては、地方税法に規定された現行法法定の繰入れ割合による地方配付税の額は地方財源として必ずこれを確保することにせられたい。すなわち本案は経済九原則確立によつて、そういつたようなやむを得ざる観点から、本案に賛成せざるを得ない。こういう点から見て、昭和二十四年度に限つて、この特例法が提案をされておるのであります。こういう点から昭和二十五年度以降に対しては、地方配付税法によつてこれを正規に繰入れ計上して、そうして地方財政に確固たる裏づけをしていただきたい、こういうことであります。
 最後に、政府はすみやかに國税と地方税との区分を明らかにして、税制の整理を断行して地方財政の確立を期せられたい。こういうことでございまして、今の配付税は地方公共團体の重要なる対象でございまするが、こういう対象を國の都合によつてこれを随時減率をするということになりますれば、地方公共團体の財政も、まつたく自立体制を失うことになる。こういう点に関しては、もしこういう状態が持続するということになりますならば、將來中央地方を問わず、特に地方に対しては独自の財源、税源をもつてやらなければならぬという事態にも行くと思う。こういう点に対して税制の確立を希望してやまないのでありまして、以上四項に対して政府の御所見を承りたい。
#4
○木村國務大臣 第一の御質問に対しましては、五百七十七億というものは、所得税、法人税が減收になりました場合といえども、必ずこれは確保いたしたいと思います。
 第二の、本年度の予算の國の歳入に余剩の生じました場合には、地方配付税に優先的にこれを繰入れますことも、同意をいたしたいと思います。
 それから第三は、これもまことに当然な御要求でありまして、そういうことにいたしたいと私は考えております。
 それから税制の改正を断行しまして地方税と國税との区分をはつきりして、地方の自主的徴税を確立するということにつきましても、これも本委員会においてたびたび意見を申し述べておきました通り、この五月を期しましてこれを断行いたしたい、こういう考えを持つております。
#5
○野村委員 木村國務大臣の御答弁によりまして了承いたしたのでございますが、以上は現段階においてやむを得ざる最小限度における希望でございますので、この実施にあつたては、政府は責任をもつて実現せられんことを、さらに希望いたしまして、私の討論を終ります。
#6
○木村國務大臣 了承いたしました。
#7
○中島委員長 次は門司君。
#8
○門司委員 私は日本社会党の意見といたしまして、本案に対しましては絶対に反対の意思を表明するものであります。以下ごく簡單に反対の理由を申し述べたいと思います。しばしば本委員会において申し上げておりますので、本日はきわめて簡單に申し上げたいと思います。
 その第一の理由は、日本を民主化することのために、地方分権が行われることが正しいという、一つのはつきりした理念の上に、憲法の條章の中にも、特に九十二條以下に地方自治に関する問題が取上げられて参つておるのであります。從つて、もし地方の自治体が完全に発達することを阻害するというようなことに相なつて参りまするならば、この憲法の精神をまつたく蹂躪したものと言わなければならないのであります。本法案はこの意味に從いまして、地方配付税法の第一條並びに三條に規定されております所得税、法人税の三三・一四を一六・二九に変更しようとする案でございまするが、かくのごとくきわめて大幅な減額が行われて参りますならば、地方財政はどうなるかということをわれわれは考えなければならないのであります。先に申し上げました憲法の趣旨に沿いまして、内務省解体以來、内務省の持つておりました権限を、日本の地方公共團体が、自主的に、ほんとうに民主化した日本の政治形体をこしらえることのために、大幅に地方に委讓されておることは、御承知の通りであります。
 これらの問題を円満に遂行して参りますには、どうしてもこの財政的に処置がきわめて重要でありますので、第二國会において、それの裏づけのために、從來分與税として書かれておりましたものを、さらに配付税と名前をかえまして、これに三三・一四を必ず配付するということを、地方配付税法で決定いたしておるのであります。さらにこれを裏づけいたしますことのために、地方財政法第二條に「地方公共團体は、その財政の健全な運営に努め、いやしくも國の政策に反し、又は國の財政若しくは他の地方公共團体の財政に累を及ぼすような施策を行つてはならない。」二項には「國は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共團体に負担を転嫁するような施策を行つてはならない。」ということが明瞭に規定されておるのであります。しかるに今回の処置は、一方において國の財政的処置のために、地方財源の最も重要な役目をいたしております配付税を減額しようとするのであります。ことに次に参ります政府の腹案といたしましては、地方にその財政的の欠陷を補うことのために、住民税の増額あるいは地租、家屋税等の増額をもくろんでおられるということは事実であると私は考えておるのであります。かく考えますならば、まつたく國の都合において地方に負担をかけたということを、私ははつきりと言い得ると思うのであります。こうなつて参りますならば、これは地方財政法の第二條に対しましては、明らかなる國の違反行為である、法律に対する一つの違反行為であると申し上げましても、決して過言ではないと考えるのであります。こういう事態から考えますならば、明らかに本改正法案は憲法の趣旨を蹂躙するとともに、さらに法律に大きな違反をした一つの処置であるということを、われわれは考えなければならないのであります。これは單に私は法理論的に反対の理由を申し述べたのでございますが、実際的にこの問題を取上げて参りますならば、地方公共團体がどういう事態に相なるかということであります。本日の朝日新聞の記事をごらんになつてもおわかりだと思いますが、神奈川縣におきましても、すでに十五の町村が自治体警察の返上論を決議いたしておるのであります。治安確保のために、地方の民主化のために行われて参りました今の施設が、國の財政の切盛りをすることのために、財政的処置が十分行き届かなかつたということが理由になつて、そして自治体警察を返上するというようなことが起つて参りますならば、どういう事態を引起すであろうかということ、さらに一昨年四月総選挙を行いました市町村長の、今日までの辞任の理由あるいは辞任の数等を考えますならば、辞任の数は私は約一割に達しておると思いますが、そのうちの大部分というものは、表面の事情といたしましては、あるいは病氣であるとか、あるいは一身上の都合であるとかいうことにおいてやめられておると思いますが、実際は財政的の行き詰りから來る市町村長の責任上、進退を決せざるを得なかつた多くの人たちがあると考えておるのであります。その事例を申し上げますならば、今日市町村におきましては、財政の行き詰りから、村あるいは町が起債をするということは非常に困難である。從つて町村長の自己の信用の上において、金融をはかつておるというのが実情であると思う。從つて自己の信用の上に、金融のできる人たちは、まだしも町村長の地位は勤まるかもしれませんが、それらの基礎を持ち合せない町村長は、いかに敏腕な町村行政の練達の士であるといたしましても、それらの処置のために、遂に辞職せざるを得ない状態に相なつておるということをわれわれは十分知らなければならないのであります。こういう日本の現状から申し上げまして、きわめて悲惨な状態に置かれておりまするときに、われわれは本法案に賛成を申し上げるわけには参らぬのであります。ことに本法案に対しましては、市町村長あるいは都道府縣会議員、並びに市町村会議員に至るまで、日本の行政機構に携わりまするすべての者が、これに反対しておるという事実を見逃すわけに参らないのであります。日本の地方行政に携わつておるすべての行政機関並びに執行機関、あるいは決議機関というものが反対をしておりまするものを、何を好んで國会がこれを通過させなければならないかということであります。われわれは來年度の処置、將來の処置としましては、いろいろ考えることもあるでございましようが、政治は生きておりまするので、生きた政治を單なる將來に関する理想によつて律するわけには参りません。將來あるいはこの説法のかわるというようなことが考えられておるかとも思いまするが、しかしそれによつて本年度の配付税を、これまで減らしてもよいというりくつが、実際生きた政治を行う上におきまして、私は相立たないと考えておるのであります。本日の私の討論はきわめて簡單でございまするが、その他の幾多の案件につきましては、すでに委員会において申し上げておりまするので、この程度に終りたいと思います。以上申し上げましたように、実際上の政治行政の運用の面と、さらに法律的あるいは憲法の趣旨等において、本法案に対しましては絶対に反対の意思を表明するものであります。
#9
○中島委員長 藤田君。
#10
○藤田委員 私は民主党の一員といたしまして、この法案には全面的に反対でございます。過日の公聽会でも御存じの通り、國会未曽有の現象といたしまして、全公述人がこの法案には徹底的に反対の意思を表しております。私はあの公述こそこの法案に対する全國民のほんとうの声だろうと信じております。もちろん國家、地方を通ずる財政の窮乏に関しましては、私も十分理解を持つておる自信がございます。しかしながら本法律案は、あえて地方財政の現状に目をおおいまして、いわゆる経済安定九原則に便乘したうらみがあります。一部の事務当局者を除き、この法案の立案に至る過程におきまして、その誠意と熱意に疑義をはさんでおります。特にこの配付税の減額後の措置、補填の方法に関しまして、私は非常に政府当局の態度を遺憾に存ずるものであります。特に贅言を要するまでもなく、デモクラシーの本則は、地方に健全なる分権を扶植することであります。デモクラシーがようやく芽をふいております今日、この芽をつむような中央の一方的な措置に対しまして、私は悔を千歳に残す惡例をここに打ち立てたと、あえて断言するものであります。
 反対の理由といたしましては、まず第一に財政法の本質と原則を破棄しているという点であります。この点に関しましては門司委員から発言がありまして、まつたく同感であります。第二の点は、配付税の本質にもとつている法案であるという点であります。御存じの通り、配付税は一旦國家が地方からお預かりしまして、これをお返しする税金でございまして、これを國家の一方的措置によりまして減額するということは、まことに專断的な措置と申し上げても差支えないのじやないかと思います。第三は、家屋税、地租あるいは住民税という、地方税の増徴を断行しながら、一方において配付税を大幅に引下げるという矛盾した措置、これに対する反対であります。第四は、地方公共團体のいわゆる自治警察、六・三制あるいは税金の過重、特に昨今固有事務が割合ふえないのに反比例いたしまして、國家の委任事務が激増いたしている地方自治体の現状にかんがみまして、経費が非常に増加いたしているのに対する現実を無視した措置であるという点が、私の第四の反対の理由でございます。また第五にはこの法案を施行することによりまして、おそらく納税不能の公共團体が相当出て來るだろうと思います。特に遺憾に思います点はおそらく地方の中央に対する不信という現象が各地に起きはしないかということを憂え、これに反対するものであります。要するに、私どもとしましては、近く來朝を予定されますシヤウプ博士の税制改革にあたり、十分この点を考慮され、また対日援助見返資金特別会計法の実施にあたりまして、この法案の欠陷を是正されるという、おそらくは最後のはかない希望を政府当局に申し述べて、その善処をお願いするものであります。おそらく、この法案の実施によりまして、二十四年度予算が執行の過程に入りましたならば、一万余の地方公共團体に深刻なる反響を呼びまして、自治体運営に重大なる欠陷を生ずるだろうと私は確信いたしております。國民の代表といたしまして、その代弁者といたしまして私は良心と誠意をもつて、この職員の俸給支拂いにも事欠いております他方公共團体の現実をながめ、配給品の購入すらできない住民の悲惨な生活を思いまして、この法案について眞向から反対する次第であります。
#11
○中島委員長 次は谷口君。
#12
○谷口委員 日本共産党は本案に絶対反対いたします。新らしい憲法が制定せられまして、地方自治の本旨が鮮明せられましてから、この國会で國策を実現するために、今日まで相当劃期的な仕事がなされているように思います。それは第二國会におきまして地方自治法が制定せられたこと、第三國会、つまり昨年の國会におきましては、この地方自治の本旨を財政的に裏づけるために、地方財政法、地方税法及び地方配付税法が制定されたことであります。中でも地方配付税法は從來地方分與税法の時代にありましては、分與税が國の財政の都合によりまして増減せられることによりまして、常に地方財政を不安定の状態に陷れ、地方自治の確立どころか、常に結果として、國が地方公共團体を、財政の面から不当に支配するという弊害を生んだのにかんがみまして、これを一定不変のものとすることにより、地方公共團体に、確実な固有の財源を保障するために、制定せられたのが、地方配付税法であるかと考えます。從つて本法に基く配付金は、從來の分與税時代のごとく、國が地方に與え、あるいは惠んでやるというような性質のものではなくて、この法律によつて地方が國から受取る権利を得たものであり、國が地方に配付すべき義務を負うたものであると私は考えるのであります。從つてまた本法第二條に規定されましたところの三三・一四パーセントという配付率は軽々に変更すべきではなく、もしその変更、改廃の必要があるとすれば、それは地方公共團体にとつて、より有力確実な財源が與えられる場合、でなければ、今日その大半が地方公共團体の負担になつておるところの各種の公共的事業、たとえば教育、六・三制、建築、河川、砂防、あるいは保健衞生、警察等々の諸費用を、國が全額負担するということになつた場合にだけ、この配付率が変更せられるものである。私はそういうふうに考えます。從つてそれ以外は断固としてこの率は守らなければならないし、守ることが法律の本旨であると考えるのであります。このことは本法制定の趣旨でありますと同時に、本法制定当時の國会における論議に徴しましても、明らかなことだと思いのであります。しかるに政府は、これを國家財政の都合によつてという理由で、これを一六・二九%に減額しようとするのでありまして、明らかに地方配付税法の趣旨に反し、憲法の趣旨に反し、その根本的使命を蹂躙するところの不法行為であると言わねばならぬと思うのであります。これがわれわれの反対する第一の理由であります。
 第二の理由は、この法律案は明らかに國の財政的負担を地方公共團体に転嫁するものでありまして、地方財政法第二條第二項に違反する違法行為であるということであります。初め政府は昭和二十四年度の國家予算を五千七百億と組んだときに、地方予算を四千三百億と一應いたしました。しかるにドツジ公使の内示案が示されますと、不見識にもただちに國家予算を七千三十億という尨大予算に組みかえ、その反面地方予算を三千四百六十五億と、一方的に切下げたのであります。すなわち國家予算におきまして、千三百三十億という膨脹のその穴埋めをするために、地方予算の中から地方配付税を――國の予算の状態から見ますと大体六百億余りになりますが、これだけを奪い取り、地方起債を減じ、國の地方への支出金を二百億程度に減じまして、ついに地方予算を現在の三千四百億に追いつめてしまつたのであります。つまり言いかえますと、國家財政のために、一方的に地方に犠牲を強要したのでありまして、この地方配付税法の特例に関する法律案が通りますれば、明らかに地方財政法第二條第二項、つまり先ほども申しましたが「國は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律制をそこない、又は地方公共團体に負担を転嫁するような施策を行つてはならない。」という條項に違反するのであります。もつともこの点につきましては今も論ぜられましたし、今日までの委員会におきましても、相当皆樣から論ぜられましたから私は詳しくは申しませんが、このことにつきましてなお別の意味での注意を皆さんに喚起しておきたいと思うのであります。それはこの何人にも明らかな法律違反行為をあえてする政府の強引な、反人民的な反民主主義的な態度についてであります。この点につきまして昨日の本委員会であつたと思いますが、民主自由党の河原委員は、まことに語るに落ちた発言をしております。すなわち氏は、私どもが法律違反という点で政府を追究している最中に、こういう意味のことを言つているのであります。どんな法律でもかえればいいのだ、法律違反というような質問に政府は答える必要はない、こういうふうに言つているのであります。その通りであります。民主自由党の多数をもつていたしますならば、みみずをへびにすることも容易であろうかと思うのであります。しかし多数は必ずしも正義ではないのであります。地方財政法も、地方配付税法も、わが國の人民大衆が、地方公共團体の自主性を確立するために、長い間の天皇制的、專制的中央支配と鬪つてようやく確立したところの、今日では一番いい法律であります。民主自由党が多数を頼んでこの民主的法律を破壊するならば、それは人民の敵になることであろうと思います。吉田内閣と民主自由党は、このような態度でおりますならば、人民の包囲の中に、ほぞをかむ日が遠くはないと私どもは確信しております。
 第三の理由は、國家予算の内容からしまして、地方配付税をこのように減額しなければならないという理由は少しもないということであります。七千三十億に及ぶ國の予算は、何に使われるでしようか。本予算の五〇%、実に三千四百五十億に及ぶ多額の金が、大資本家を救う價格調整会及び補助金、並びに土建業者を太らすところの終戰処理費などに使われるのであります。價格調整費は、國内の物價安定のために必要だと政府は言つておりますが、しかし物價安定の名に隠れて大資本家は何をしているか。國民の血税をしぼりながら、彼らは毎年莫大な利潤をあげていることは、世間周知のことであります。しかもその生産品はどんどんとやみに流れております。農村ではやみでならば硫安がどんどん買えるというこの事実は、これはどなたも御承知のところであります。石炭資本家にいたしましても、たとえばぼて山採炭のインチキをしたり、あるいは労働者数の幽霊人口をつくつたりしまして、そうしていわゆる原價計算をごまかしているのであります。そうしてできるだけたくさんの價格調整をとることによつて利潤をあげている。この驚くべき大資本家擁護、独占資本家擁護のむだ支出を全廃するならば、地方配付税を金額支給することや、あるいはさらに勤労所得税などの軽減をすることは易易たることであります。先ほど國の予算が五千七百億から七千三十億にふえたことを申し上げましたが、それは何のためにふえたかということを見たいと思うのであります。それは八百億の價格調整費が二千五十億にふえたからにほかなりません。すなわち削られた地方配付税は、この恐るべき、國の財政が困るという名目のもとに、つまり木資本家擁護の金に、そのままそつくり使われるという事実があるのであります。民自党政府は、全地方公共團体を、まさに一にぎりの独占的資本家のいけにえにするものと、こう言つても私どもは過言でないと思うのであります。
 第四の理由は、この配付税減額によりまして、全國の自治体は完全に財政的に崩壊するであろうということであります。この点に関しましては、私は多く言う必要はないと思います。政府、國会、各政党に毎日々々やつて來ますところの地方公共團体、PTA、教育委員会、あるいは各地の民主主義團体の、血の出るような叫びを私どもは聞かなければならぬと思います。のみならずこの無法な減額案のほかに、政府は地方公共事業に対する國庫出資金を、わずか三百億くらいに引下げて、地方起債を圧縮しておる。さらに先ほどどなたかもおつしやいましたが、住民税、地租、家屋税等を無謀に増額することを企図しているのであります。そして地方公共團体と國民大衆は、まつたく絶望の深淵につき落されようとしております。すでにこの絶望の状態は方々に現れておる。財政窮乏に耐えかねまして、次々と町村長が辞職をして行くあの事実を、皆さんは何とごらんになるでしようか。重税に絶望して自殺する人間はほとんど最近では三日に一度づつ新聞紙上をにぎわしております。これは京都下京区の話でありますが、加藤七左衞門という税務吏員は、自分の受け持つ区域の市民税、もしくは事業税を拂えないことから絶望して、二人が同じ日に自殺した。これを見て耐えかねて自分もその日に自殺したいという事実がございます。また各町村では、食糧供出について、今後もこういうふうに國が地方をいじめるならば協力しない。こういう申し合せをした村があるとさえ私どもは聞いております。われわれはこういう恐ろしい現実に目を蔽うわけに参りません。民主自由党の諸君も、もちろんこの地方自治体の財政状態をよく御承知であることは、この間からの委員会における皆さんの御発言によつて私も承知いたしました。しかしそれを知つていながら、たとえば大藏大臣は將來に対して具体的に責任を持つて、そうするというような保障を與えることは一つもなかつた。また本委員会におきましても、たとえばこういう残酷な案を修正するという努力もやらない。GHQへ出かけて行つて交渉するというような熱情も示さない。何らこれに対していかにすべきかという熱意ある、責任ある行為は一度もとらなかつた。ただ將來に対してわずかの附帶的條件をつける、希望をつけるということに止つて、これに賛成されようとしておる。聞くところによりますと、参議院ではこの地方配付税問題を通じまして、これを改正するために、予算全般にわたる修正案が考えられておるということを聞いております。そうして百六十億ばかりのものを、たとえば見返資金特別会計法あたりから地方配付税にまわすというような、そういう要求なり、修正案を出されるかに聞いております。衆議院は参議院に先行する最も大事な権限を持ち、責任を持つ國会であります。その衆議院におけるわれわれの間に、何らの熱意ある積極的な方策も講じないで、ただ政府の言うがままにこういうふうにやる。私は民主自由党の諸君は、諸君も地方から出て來ておられるので、どういうかんばせをもつて、地方選挙民にまみえられるかを見たいものだと思つております。(「どうぞよく見てください」と呼ぶ者あり)
 日本共産党は、以上四つの点から絶対にこの案に反対すると同時に、無用な價格調整費などを即時に廃止して、その中から地方配付税金額を地方に配付すべきことを主張したいと思います。以上が反対の理由であります。
#13
○河原委員 私のことを指摘されましたので、一身上に関することでありますから、発言を求めます――ただいま谷口君の御発言の中に、先日私が政府が成規の手続をとつて法律の変更を求める。または議会がその議決権を行使して法律の変更を求めることは、何ら不法でないということを申し上げたのであります。しかるに先日來議会が法律を変更し、また法律の変更を政府が求めることをもつて不正手段である。不正であり、不法であるということをるる繰返して述べられました。これは決して不法でないということがはつきりしたのでありますが、今日もなおおわかりにならないようでありまして、重ねてそういうことを承りますことは、少くとも本衆議院議員四百六十六名の中に何人かそういうわからない人がおられるということはまことに寒心にたえない次第であります。なおついでに申し上げますが大藏大臣は何らGHQの方へ活動しておらないというお話でありますけれども、何がゆえに予算の提案が遅れたか、実に苦心さんたんたる努力をいたしておつたのであつて、なおそれがために、多くの含みある話合いをいたして参つておるのであります。なお民主自由党が何のかんばせあつて地方民にま見えるかという話であります。ぎやあぎやあと鳴くせみよりも、鳴かぬほたるがいかほど苦しいか、実に千万無量の思いをなし、國家地方を通じた大局の観点に立ちまして本案に賛成するものであります。
#14
○中島委員長 井出君。
#15
○井出委員 私は國民協同党といたしまして、本案に反対の意思表示をいたします。本案の討議につきましては、すでに前討論者から幾多御意見があつたのと、大体軌を一にしております。先ほど與党側の野村委員の賛成討論を伺つたのでありますが、まことに千万無量非常に苦しい御弁解のように伺いました。四つの希望條項を附せられたのでありますが、これも希望的観測にとどまる点が多いと思うのでございます。その中で一点余剩を生じたる場合は、優先的に配付税の減額をしてほしい、この要望に対して木村國務大臣は了解をされたようでございますが、昨日の大藏大臣の答弁等とにらみ合せまして、もしも國税の減額というものと競合関係に立ちましたときに、なおかつ最優先的に地方配付税の増額を処置なされますかどうか、これをひとつこの際木村さんから伺つておきとうございます。その御答弁をまつてさらに討論を続けたいと思います。
#16
○木村國務大臣 昨日の大藏大臣の御答弁は、速記録を見ておりませんためにはつきりわかりませんが、余剩がありました場合にはむろん減税をいたします。所得税の免税点の引下げから減税をいたしまして、この配付税の増額をいたすつもりであります。
#17
○井出委員 その問題に対しましても、あまり適確な御答弁に接しませんし、むしろ國税の減額よりも優先して配付税を増額してみせるというような、きつい氣魄を木村國務相が示していただけばまた考えようもあると思いますが、これはまあこの程度にとどめてこれ以上は触れません。そこで私どもはすでに反対討論者において述べられたように、この配付税の減額は、中央予算を形式的に均衡を維持するために、地方財政を犠牲に供したものであると断言するにはばかりません。さらにまた配付税というものに対する根本的な考え方、これが政府当局とわれわれと、はなはだしく異なるのでございます。配付税というものが、中央財政の都合によつて、どうにでも変更でき得る補助金的な、あるいは恩惠的な性格に取扱われてしまつておる。そうでないという言明をしばしばされておりますが、実際今回の場合において取扱つた方式は、まさにそうであると私は思うのでございます。さらにまたこの配付税の修正という問題の出し方が、一般予算との関連において、予算の裏づけをなすべき実体法としての配付税法の変更ということを行わない先に、予算をすでに通してしまつておる。六菖十菊という言葉もありますが、まさに今何を言つても始まらないという感じさえも抱くのでございます。このような意味合いから申しましても、われわれは本案に賛成という立場にはどうしても立ち得ないのであつて、ここに明確に反対の意思を表明いたします。
#18
○中島委員長 小平君。
#19
○小平(忠)委員 私は本案に対しまして絶対反対をするものであります。その理由は反対の委員の諸君からすでに私の言わんとする点をすべて発言がありましたので、私の反対理由の発言は省畧いたしますが、ただ重要な点を二、三指摘いたしてみたいと思うのであります。
 第一点は、反対理由としての最も重要な点は、本案を政府が提案されたその趣旨は、日本が経済の自立態勢を確立して、さらにドツジ・ラインによるところの経済九原則の実施にあたつて、眞にやむを得ないという実情はわかるのであります。しかし配付税の根本的な趣旨からかんがみまして、その率を極端に半額以下に減額するということは、根本的にこの配付税の趣旨を沒却するものであるということが第一点であります。
 もう一点は、地方自治体としての現実の問題として、特に内務省解体後において、從來内務省でやつておりました幾多の事務を大幅に地方に委讓した今日地方財政というものはまつたく行き詰つておる。現実の問題として先ほど門司委員から指摘されましたように、自治警察の返上すらすでに起つておるというこの事実から見ましても、この法案の趣旨というものは、理論的に、また現実的に私は反対せざるを得ないのであります。
 最後に一点、この委員会としての今日までの運用なりあるいは政府当局の態度について申し上げたいのでありますが、すでに予算が衆議院を通過しておる現段階においては、本案は論議の余地がないというような考え方は、捨てべきであるということは、本会議においてもすでに論議になりました。またその問題から懲罰問題まで起つておるのであります。すなわち國の見積りとして予算が通過しましても、現実にその予算の基本法となるべき実体法が通過されていない場合においては、実際問題としてこれを実施できないという現実と、さらに地方の実際から言つて、眞に地方の公共團体の長である責任者の現実の声を考えますときに、はたしてこの実施を遅らすことがいいのか、あるいはさらに本委員会が檢討を加えて、実際に地方公共團体、地方民の納得し得るだけの最善の努力をなすべき余裕があるのではないかということを私は切実に考えるのであります。かかる観点からいたしまして、私は本委員会としましても、さらに最善の方法を講ずべきであるということを痛感するものであります。
 簡單に結論を申し上げます。私が申し上げんとする点は、反対の委員の意見とまつたく同じでありますがただ一点、この機会に申し上げたいのは、先ほど野村委員から発言がありました賛成の理由には、われわれの納得し得る点は一つもないのであります。かかる観点において民自党の委員諸君が、もし本案に賛成されるのでありますれば、それはまつたく現実なり、実際の理論を沒却した考えであるということを申し上げたいのであります。
 以上申し上げまして、私は本案に対して絶対反対をするものであります。
#20
○中島委員長 討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。原案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#21
○中島委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。
 衆議院規則第八十六條による報告書作成の件は、委員長一任に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○中島委員長 御異議なしと認めましてさよう決します。
 次に内閣委員会との連合審査の件についてお諮りいたします。すなわち本委員会にとりきわめて関心の深い地方自治廳設置法案が、内閣委員会の方に付託になりましたので、本案について内閣委員会と連合審査会を開くことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○中島委員長 御異議なしと認めましてさよう決します。
 次会は公報をもつて御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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