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1949/05/07 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第18号
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1949/05/07 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第18号

#1
第005回国会 地方行政委員会 第18号
昭和二十四年五月七日(土曜日)
    午前十一時五十四分開議
 出席委員
   委員長 中島 守利君
   理事 川本 末治君 理事 菅家 喜六君
   理事 福田 篤泰君 理事 藤田 義光君
   理事 立花 敏男君 理事 圖司 安正君
      生田 和平君    大泉 寛三君
      大内 一郎君    河原伊三郎君
      清水 逸平君    野村專太郎君
      龍野喜一郎君    門司  亮君
      千葉 三郎君    谷口善太郎君
      井出一太郎君    小平  忠君
 出席國務大臣
       國 務 大 臣 木村小左衞門君
 出席政府委員
        全國選挙管理委
        員会事務局長  吉岡 惠一君
        國家地方警察本
        部次長     溝淵 増己君
        國家地方警察本
        部部長     柏村 信雄君
 委員外の出席者
        國家地方警察警
        視       間狩 信義君
        專  門  員 有松  昇君
        專  門  員 長橋 茂男君
    ―――――――――――――
五月六日
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一七九号)
 関東地方の財政確立に関する請願(谷口善太郎
 君外二名紹介)(第一〇三四号)
 町村吏員恩給組合に対する國庫補助増額の請願
 (高倉定助君紹介)(第一〇七六号)
 衆議院議員及び参議院議員選挙法の一部改正に
 関する請願(米窪滿亮君紹介)(第一一〇五
 号)
 豊浦町の警察費國庫補助の請願(篠田弘作君紹
 介)(第一一〇七号)
 地方自治法附則第二條の改正に関する請願(岡
 延右エ門君外一名紹介)(第一一〇八号)
 農業事業税撤廃等に関する請願(武藤嘉一君紹
 介)(第一一二五号)
 消防組織法の一部改正に関する請願(田嶋好文
 君紹介)(第一一八九号)
 吹田市の公益質舖新設事業費起債認可の請願(
 淺香忠雄君外三名紹介)(第一一九三号)
 吹田市の公衆浴場建設事業費起債認可の請願(
 淺香忠雄君外三名紹介)(第一一九四号)
 吹田市の保育所建設事業費起債認可の請願(淺
 香忠雄君外三名紹介)(第一一九五号)
 吹田市の引揚者收容住宅買收費起債認可の請願
 (淺香忠雄君外三名紹介)(第一一九六号)
 町村吏員恩給組合に対する國庫補助増額の請願
 (世耕弘一君紹介)(第一一九七号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 都道府縣の所有に属する警察用財産等の処理に
 関する法律案(内閣提出第一〇三号)
 古物営業取締法案(内閣提出第一六三号)
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一七九号)
 地方自治に関する件
 請願
 一 町村吏員恩給組合に対する國庫補助増額の
   請願外一件(塩田賀四郎君紹介)(第二七
   三号)
 二 果実に対する引取税設定反対の請願(北村
   徳太郎君紹介)(第三一一号)
 三 市町村財政確立に関する請願(山本猛夫君
   紹介)(第三四〇号)
 四 果実に対する引取税設定反対の請願(宮幡
   靖君紹介)(第三五一号)
 五 在日本朝鮮連盟機関に対する地方税免除の
   請願(高田富之君紹介)(第三五七号)
 六 町村吏員恩給組合に対する國庫補助増額の
   請願(吉川久衛君紹介)(第三九六号)
 七 競馬法の一部改正等に関する請願(塩田賀
   四郎君紹介)(第三九九号)
 八 全國選挙管理委員会法の一部改正に関する
   請願(生田和平君紹介)(第四〇三号)
 九 選挙管理委員会の権限に関する請願(生田
   和平君紹介)(第四四〇号)
    ―――――――――――――
#2
○中島委員長 これより会議を開きます。
 今自治廳設置案に対してお打合せいたしておつたのでありますが、この問題はあとまわしにして、日程に入りたいと思うのですが、いかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○中島委員長 それでは、まず本日の日程中、都道府縣の所有に属する警察用財産等の処理に関する法律案、内閣提出第一〇三号を議題に供します。本法案につきましては、去る四月二十七日当委員会において、その提案理由の説明を聽取いたしたものでありますので、これより質疑に入ります。
#4
○立花委員 このいただいた資料の最後のところに、都道府縣の所有に属する財産、物品で、自治体警察へ讓渡されるものの数量、金額ともに不明であるということがあるのですが、私たちが問題にいたしたいと思いますのは、自治体の方へ幾ら行つて、それから國家の方へ幾ら行くのかというそのわけ方がわからないので、非常に私たち疑問を持つておりましたし、また問題でもあろうと思うのであります。ここに書かれておるように数量金額がわからないというのであれば、この問題は非常にあいまいで、一方的に國家に参りますものだけを私たち審議いたしましても、自治体警察が必要なもの、自治体の警察と國家警察と同居しておるところが、あると思いますので、こういう問題に関して、もう一度政府委員の方から御説明願いたいと思います。
#5
○柏村政府委員 ただいまの立花委員の御質問にお答えいたします。実は昨年三月七日に施行になりました警察法の附則の九條に「國家地方警察に不必要なものは、市町村警察に必要な場合は、無償でこれを当該市町村に讓與するものとする」という規定がございます。これに基きまして一應優先的に國家地方警察に必要なものは留保しまして、不必要なもので市町村警察に必要なものを無償で讓渡するということが確定いたしておりますので、この点は今回の問題としては、特に新しく起る問題としては、われわれ考えておらなかつたわけであります。なおこれについても、この前御要求もありましたし、その前からも私ども地方に照会はいたしておるのでありますが、これについてのはつきりした資料というものが手元に提出されておらないのであります。しかしこの問題は、先ほども申し上げましたように、昨年の警察法の制定の際に確定いたしておるというふうな考えで、この際の準備としては、私どもも用意いたすことができなかつたわけであります。御了承願います。
#6
○立花委員 いわゆる國家優先的に、國家警察に不必要なものは地方警察にやるという建前なんですが、実際の上ではそうしやくし定規に参らなくて、同居しておりますし、一緒に使つておりますし、また配分の方法がはつきりしていないものがあると思うのです。この場合お出しになつている資料で、今この場できめてしまいますと、そういう問題が後に残るのではないかと思うのですが、そういう問題が残るか残らないか、残つた場合にどうなさるかということをお尋ねいたしたいと思います。
#7
○柏村政府委員 先ほど申し上げましたように、昨年こういう原則がきまつております。これに基きまして、現実にはほとんど國家地方警察で使つておるものと、市町村警察で使つておるものが、事実上わけられておるわけであります。もちろんお話のようにこまかい点で、あるいは論爭の余地のあるものもあるかと思いますが、これにつきましては、両者の間におきまして、できるだけ話合いをつけて行くということにしなければならぬと思いますが、現在まで私どもの手元にあります資料におきましては、そうした著しい紛爭のあることを聞いておりません。なおつけ加えて申し上げておきますが、國家優先的に取上げて、市町村に不必要なものをやるということになつておりますが、その裏づけといたしまして、市町村警察はそれでは十分やつて行けないであろうということで、昨年――これも十分な資料は地方から求めることができなかつたのでありますが、地方から届きました資料によりまして、不足分は、昨年の予算におきまして実質上十八億六千万、そのうち半額は直接國庫補助、半額は元利保証をするという行き方で、市町村に助成することにいたしておきましたので、もちろん國の財政も地方財政も不十分でありますので、満足の行くほどには行つておらぬと思いますが、大体何とかやつて行くだけのかつこうはついておるのではないかというふうに考えております。
#8
○立花委員 たとえば通信施設あるいは自動車、トラツク、自轉車などが相当あるのですが、こういうものを國家警察でまず優先的に取上げる。不必要なものという言葉で表現されておりますが、現在では、財政の立場から見まして、不必要なものはほとんどないと思うのです。こういうものを全部取上げてしまう。おそらくそうなれば残らないと思うのですが、それで地方警察にやつて行けということは、これは非常にむりではないか、今でさえ地方警察は自動車一台買えない、自轉車一台買うにも困つているところがあるのでありまして、この際こういうふうに國家優先的に、必要なものは全部先に取上げてしまうということは、これは現在の地方の財政の困つておる状態から見まして、特に警察返上論のある際から考えまして、少し穏当じやないと思うのですが、どういうふうにお考えになりますか。
#9
○柏村政府委員 今お尋ねの点は、実は法律的には昨年確定いたしておるわけなのであります。ただお話のように実際地方財政も苦しい、とれるものをとつてしまつては、市町村がたとい助成が相当額行つても不十分ではないか、苦しくないかということは、まことにごもつともだと思いますが、しかしながら実際の行き方といたしましては、やはりそれまで同じ屋根の下におつた警察が二つにわかれて行つたことでもありますので、必ずしもそれほど必要でないものまで、何か役に立つであろうということで、全部國家地方警察にとつて來たということはないわけでありまして、やはりある程度の不便を忍んでも自治体の方にも配分しておるということが、実情であるように私は承知いたしております。それから先ほど申し上げましたように、これも昨年の七月一日から地方財政法上、一應地方自治財政が確立したという見込みを持ちまして、國費と市町村費の負担区分もはつきりさせておるわけでありますが、そういうことから警察の実際の運用におきまして必要な財産も、それぞれすでに事実上使つておるわけでありまして、私どもといたしましては、この際この法律が、警察法の附則第九條の不十分な点を補正する意味においてできたといたしましても、そうこのために混乱が起るということはないのじやないかというふうに考えておるわけであります。
#10
○立花委員 そういう考え方から前の会議のときに、地方警察へいくら行つて、國家警察へいくら渡せるのだという、地方警察と國家警察との配分の方法に関する資料をいただきたいと思つておりましたが、はたして数字の上で実行されているのかどうかという保証がこの資料ではできないわけで、それで困るわけであります。私たちきめ方がないと思うのであります。このまま承認してしまつて、あとで地方から、地方警察の方で取上げられたら困るのだという問題が出て來はしないかという疑念があるわけであります。その問題に対する保証は、この資料では遺憾ながら出てないで、「数量金額ともに不明である」という言葉が最後にありますので、少しきめかねるのですが……。
#11
○柏村政府委員 その点はまことにお話のように資料が集まりませんので残念に存じますが、先ほどから申し上げておりますように、事実上両者が動いて行くだけの施設ないし物品というものはもちろん警察法の附則第九條の規定によりまして、現実に從來あつたものについては、國家地方警察の方が余分にとつている――余分にというと誤弊がありますが、自治体警察は警察力に應じて接分されていないということは、これは事実でありますが、そのために、それを補填する意味におきまして補助金も出しておるようなわけでありまして、現在においてまつたく動きがとれないような形にはなつていない、こう考えているわけであります。資料は御要求によりまして集めているわけでありますが、なかなか全國的な問題でもありますので、集まりかねているわけであります。この点だけははなはだ遺憾に存じております。
#12
○立花委員 たとえば廳舍などの問題ですが、國の方へ廳舍をとつてしまえば、今度は自治体警察の方で、使用料なり何なり拂わなければならぬという問題が起つて來ると思うのでありますが、そういう問題はありませんか。
#13
○柏村政府委員 ただいまの点につきましては、この法律におきまして、都道府縣と國家地方警察の共用するものは、都道府縣所有のままにしまして、國家地方警察が無償で借りる、それから國家地方警察と市町村警察と共用するものについては、一應優先的に國の所有に帰するけれども、市町村警察の使つている分については、これを無償で使わせる、そうして將來について、さらに國家警察がいるからということで、そちらに浸蝕して行くということがないようにしたい、こう考えているわけであります。
#14
○門司委員 ただいま立花君からもお話がありましたが、配分の方法はきわめて円滑に行つたようにお考えかもしれませんが、実際はそうは参つていないと思います。非常によく行つているところもありますし、ことに熊本縣のごときは、國家警察と地方警察との配分状態はきわめて不明確であり、ことに地方警察では非常に困つているということは、数字並びに事実が示していると思います。これはお調べになればすぐわかる。こういうものについても十分考慮してもらいたいと思いますが、この法案の中で問題のありますのは、私は第三條だと思います。第三條の問題は、きわめて大きな警察力の問題でありまして、これは大体逓信省に大部分移管するようなことに説明書の中に書いてありますが、現在私はそういう形をなしていると思う。このために通信連絡は、現在非常に能率が落ちていると思うのであります。警察力をもし完全に充実させようとするならば、現在では一番重要なものは第三條に規定してあります通信設備の問題でありまして、これをどの程度國に無償で移管し、地方に移管して、そうしてその能力は一体どのくらいにあるのかということであります。事実を申し上げますれば、たとえば横浜の地方警察から警視廳に電話をかけて、そうして警視廳の方で捜査をお願いするというような場合でも、これは現実にそうですが、横浜の警察は、交換台を呼び出して警視廳につながれ、警視廳から所轄の警察につながれるということで、非常に時間的にひまがいつております。從來でありますならば、神奈川縣の警察部から警視廳へ直通で電話がかけられてすぐ手配ができたのでありますが、今はそうは行つていないようであります。こういう面は一体当局はどういうふうにお考えになつておるか。第三條の規定のこのままの姿で移管してしまいますと、そういう不都合がなお起りはしないかということが非常に懸念されるのでありますが、その点をもう少し詳しく御説明願いたい。
#15
○柏村政府委員 警察通信施設につきましては、警察法制定当時におきましては、國家地方警察で使うもの、また國家地方警察と自治体警察とをつなぐものは、全部國家地方警察において維持管理する。自治体警察の本部と自治体警察の組織内における末端とのつながりについてだけは、自治体警察において維持管理するという建前になつておつたのでありますが、その後各般の情勢からいたしまして、原則として屋内施設以外は、これを逓信省に移管して、いわゆる警察電話以外のものを含めました通信施設の、一貫的な運営をすることが、自治体の面からいつても、技術の面からいつても効率的であるという見解からいたしまして、逓信省にこれを移管するという方針が決定されたわけであります。從いましてただいま門司委員の御指摘のように、その維持管理という面について逓信省でほかのものと一緒にやつておる点はあるのでありますが、しかしながら特殊な自治体で、特に小さな自治体が多いと思いますが、小さな自治体に対する從來の警察電話を一般の電話に切りかえるというようなことから、例外的に警察電話を優先的に使用できないという不便が起つて來るおそれはありますけれども、今御指摘のような大都市等におきましては、大体從來通りの径路によつて通信が維持できるわけであります。ただ線路の維持補修という点が逓信省に移管された。それで國家警察がこれを維持管理しておるのと、逓信省が維持管理しておるのと、どちらが効率的であるかという問題が起ると思いますが、しかしこの点につきましてはいろいろ議論もあるのでありまして、事実上一年間の経驗からいたしまして、長距離線につきましては、相当関係方面の御協力もありまして改善のあとがあるようであります。これは経費の問題とも関連する問題でありますので、ただちに見通しを申し上げるわけにも行きませんが、根本の考え方は警察通信のみならず、全体の通信施設について、技術と、資材と、資金を一元的にやるということが効率的であるという見解から出ておる方針なんでありまして、その点御了承願いたいと思います。
#16
○門司委員 一應説明は承りましたが、なおお聞きしておきたいと思いますことは、そうなつて参りました場合に、私は維持管理の問題と通信の迅速を期する問題とは、別の角度からこれを考えていただきたいと考えておるのでありまして、そうすることが維持管理に便利であるからそれにする。いわゆる通信事務を逓信省に持つて行くというようなことでなくて、実際面から言いますと、ことに今の警察法の建前から言いますと、國家非常事態の発生等の通信連絡は、きわめて重要視しなければならない。そういう場合には、改善されたとは言われておりますが、今の状態ではおそらく通信自体に一日も二日もかかつて、まごまごしておるなら、汽車で來た方が早いということが、現実の問題として必ず起ると思う。そういうことに処するために、このままの法律で大体警察の持つておる通信施設を全部逓信省に移管する――全部とは書いてありますが、移管するということでは、その点が非常に杞憂されるのでありますが、その点の見通しをもう一度御説明願いたい。
#17
○柏村政府委員 私の説明が不十分だつたかと思います。またただいま御指摘の警察通信の迅速性を確保しなければならないという御意見については、まことに敬意を表する次第でありますが、警察通信施設を國家警察において維持いたしておりました際におきましても、一部逓信省の線を借りまして、それをもつぱら警察の用に供する、いわゆる專用線というものを使つておつたのであります。これは維持補修という点は逓信省がやる。しかしながらそれについては專用料を拂うという行き方で参つておつた線が相当あるのであります。今回の改正におきましても、全部これを一般の線と一緒にしてしまうということではなく、警察のための專用線というものは、やはり必要なだけは確保する。そうしてそれについては特別に專用料を拂うということにいたして参る考えでありますので、從來よりも維持管理を移すことによつて迅速性を欠くということはないのではないか。それから維持補修が経営の面で、一種の企業体でありまする逓信省において、警察に優先的にやらないおそれがあるかというような点も考えられるのでありますが、この点はやはり逓信省とされても、警察通信の重要性を考えられて、できるだけ優先的に、これを良質のものに確保しようという考えでおられまするし、制度の改正自体から迅速性を欠くという問題は出て來ないのではないかと考えております。
 なお有線施設につきましては、原則として屋内施設、それから写眞電送施設等の特殊なものを國家地方警察に留保しまして、屋外線はすべて原則として逓信省に移管されるわけであります。しかしながらこの有線施設以外に現在無線施設を設けておりまして、これを相当利用いたしております。將來はこの面において大いに改善の方途を講じて参りたいと考えております。御参考までにちよつと……。
#18
○谷口委員 二点だけお尋ねしたい。第一條の第二項に規定されております「土地」もしくは「建物」と、第一項に規定されておりますいわゆる「財産」、この内容の相違ですが、これは多分第一項の方は、警察法が施行された当時警察用の建物として、財産として利用されていたものであり、第二項はそうではなく、警察のものではなかつたのだが、現に警察が使つておる土地あるいは建物という意味だと思いますが、そう解釈していいですか。
#19
○柏村政府委員 この第一項第二項とも、警察法施行の際警察の用に供しておつたものでございます。それで第一項におきまして原則を規定いたしまして、第二項におきまして、しかしながら使用しております土地というものは永久的なものでもありますし、その当初においても從來から、警察の用に供する前から縣有財産であつたようなものもあるわけでありますし、こういうものについては何も國に無償で讓渡を受ける必要はない、無償で使わしてもらて、これは第一項の例外として考えたわけであります。
#20
○谷口委員 そうしますとたとえばかつて警察官舎でなかつた建物を、警察が使つているというような実情は全國にないのでございますか。たとえばまた土地を警察がかつて使つていた土地ではないが、現在は土地その他の不十分なところから、そうしたものを使つているという事例はないのでございますか。
#21
○柏村政府委員 この法律に申しまする土地建物は、警察法施行の際に使つていたものについてでありますので、それら以後に契約によつて借りるとかいうような問題は、別にこの法律の問題以外に考えるべきだろうと思います。
#22
○谷口委員 その点はわかりましたが、第二の問題としまして國家地方警察へ非常に大量な土地や、建物や、品物が無償で渡ることになるわけでありまして、國家警察の充実がここに考えられるわけであります。そこで私ども國家警察がこういうふうに財産を得て充実されるということは、当然國家警察の仕事が非常に迅速に、しかも正確に行われることになると思うのであります。從つてこの國家地方警察が現在なされつつある仕事の内容につきまして、一、二私どもの知つておきたいことがあるのであります。第一の問題は、國家地方警察がやつておる仕事で、人民の生活に非常に関係のある重要問題として、私どもの現在重要視しておりまする問題、今年の初めごろと思いますが、國家地方警察から各都道府縣の警察、及び地方自治体の警察まで及んでおるものの中に、いわゆる反税闘爭に対する取締りの指令が出ておるかと思います。これをこの前私ども國家地方警察本部の齋藤長官に会つて、その内容を示してくれるよう要求したのでありますが、これはどうしても示してくれなかつた、この点財産を得るということと関連しまして、仕事の内容を私どもは知つておく必要がありますので、どういう指令をお出しになつたか、指令の内容をはつきりここでお示し願いたいと思うのであります。
#23
○柏村政府委員 警察財産の処理につきまして國家地方警察に多くの財産が移される、それが國家地方警察の仕事の充実になる。從つて仕事の内容についてもいろいろ改善されるであろうという――改善と言いますか、強力になるというお話でありますが、この法律の建前といたしまして、警察法案附則九條に申しておりまするのは、從來都道府縣の経済の責任におきまして行つておつた警察の機能が、國家と市町村に移つて行つた、從つて都道府縣有の財産をその機能の移り方に應じて配分して行こうという問題でありまして、このために決して從來よりは、このことからただちに國家地方警察が強力になるということは考えられないと思うのであります。なおただいまお話の反税取締りの問題は、実は私の所管外でありますが、これにつきまして私の聞いておる範囲につきましては、結局犯罪を構成するような反税運動というものについて取締るべきものであると思う、という趣旨のものではないかと考えておるわけでありますが、この問題はちよつと財産処理の問題とは直接関連がないもののように考えます。
#24
○谷口委員 なるほど財産処理の問題とは直接の関係はありませんが、財産を與えるという國家地方警察の仕事の内容について、私どもは國民の立場から聞いているのでありまして、御存じなければやむを得ませんが、御存じであればちやんと文書になつて出ているものでありますから、これはぜひこの機会にお示し願いたい。と申しますのは、あの通牒によりまして私どもはいろいろ國民生活の上について、今後どうすべきかという問題が、その結論として出て來るわけでありまして、これに対してはたしてどうなるのかという問題も愼重に考えてやらなければならないと思いますので、こういう関連性が薄いから話をしないというような意味ではなく、こういう機会にはつきりしてもらえば、今後いわゆる反税鬪爭であるとか、何かとにかく税金の問題について國民運動の起る場合にどうすべきかという問題について、私どもはつきりするわけであります。一方に警察だけが知つていて私どもが知らないということになれば、間違いを起すもとになる。この機会にぜひひとつあなたが今日御承知なければ、はつきりする手続をしていただきたいと思います。
#25
○門司委員 この法案は一應処置としてはあるいは必要かと思いますが、こういう点をお考えになつたかどうかということであります。これはなるほど國家警察に所属するものが何にもないような形を示しておりますが、現在國家警察が使用いたしておりまする建物、土地というようなものは、從來は國が多少の補助はしておつたと思います。現実の問題としては國の負担になつたものはそうないのじやないか、警察を建てるにしても、駐在所を建てるにしても、大体地元の諸君の寄附があつて、縣費でほとんどまかなつておつた。縣の財産になつたものを無償で國が取上げてしまうということはどうかと考えますが、この点どういうふうに考えておられますか。
#26
○柏村政府委員 從來國費としてつくられたものは、お話のように非常に少いわけであります。しかしながら縣費で立てられたものにつきましては、御承知のように最近におきましては五割が、いわゆる警察費連帶支弁金として國庫から行つております。その前におきましても、三割五分程度のものが行つておつたわけであります。從つて國家もある程度その財産について経費を支出しておるということは申されると思うのでありますが、私どもの根本的な考えは、警察の機能を営むために、地方財政というものに対して、それに必要な財源というものが法律で附與されておる。從つてある機能が附加される場合においては、それに應じた財源というものを考えられなければならないし、また機能が少くなれば、それに應じて財源というものを地方財政の制度上、これから取上げるということをいたしておることは御承知の通りであります。そういう考え方からいたしまして、そうした財源によつてまかなわれておつた財産というものを、機能の移動に應じて無償で移して行くということは、必ずしも地方財政上不当なことではないというふうに考えておるわけであります。それが昨年通過いたしました警察法の精神でもあつたと考えておるわけであります。
#27
○門司委員 警察法の精神ですが、それはかなり考え方が違うのじやないかと思います。それは警察法を審議いたします場合に、地方に自治体警察の建物その他を無償で移さなければならないということをきめましたのも、大体私が先ほど申し上げましたように、警察の設備というものは國がほんとうに支出しているものは警察署の官舍ぐらいであつて、あとは大部分地元民の負担である。ことに五割の補助というものはきわめて小範囲であつて、大体の仕事は町村がやつておるという観点から、おそらく自治体警察に関するすべてのものを無償で――その土地の自治体の住民の責任においてこしらえたものであるという観点から、おそらくこれがなされたものであると思う。そういうことから考えて参りますと、同じようにやはり都道府縣の自治体の諸君が骨折つてこしらえたものを、また無償で取上げるということは、それでなくつても縣有財産というものから來る收入というものが、今日きわめてわずかであつて、地方の都道府縣の財政は非常に私は困難を來しておると思いまするが、この場合なおこれを無償で取上げるというようなことではなくして、將來この法律は逆にお考えになつて、これから先國家警察の施設を行うものは、國がこれを全額負担するというようなことにお書きかえになつた方が、現実的ではないかと考えるのでありますが、その点どうお考えになつておるのでありますか。
#28
○柏村政府委員 今後におきまして國家警察の施設を充実して行くということにつきましては、これはお話のように当然國費でこれを考えて行く。それから市町村警察につきましては、これは市町村費で考えて行く。これは申すまでもないことであります。しかしながら現在警察法施行当時都道府縣の所有であつたものを、都道府縣の所有にしておきますれば、それだけ都道府縣の財産というものは留保されるわけではありますけれども、今まで警察の機能を営んでおつたその機能が國に移り、市町村に移るのであるから、同じようなことを國の立場においてやるということであつて、人民の生命、身体、財産の保護というようなことについては、國の警察になつたから、都道府縣の警察のときと考え方がまるで違つて、國の利益の保護ということだけを考えるということではないのでありますので、その点は機能の移動に應じて財産の処理を行うというふうに、われわれは考えております。
#29
○門司委員 それでは率直に聞きますが、むしろ私が先ほどから申し上げておりますように、現在持つております都道府縣の施設というものは、大部分はその地方の住民の負担でなされておるということはおわかりだろうと思います。從つて無償でこれを讓渡するというようなことでなくして、地方財政の非常に逼迫しております折からでもありますので、有償で時價でこれをお買上げになつた方が私は適切であると考えますが、その点の御意見はいかがですか。
#30
○柏村政府委員 この点は遺憾ながら門司委員と私の意見の相違であります。私の考えでは從來府縣の経済の負担において行つておつた機能が移りまして、その移つたに應じてそれに伴つた施設等も無償で移つて行つてよいじやないか。しかしこれは大藏省の政府委員が見えておりませんから意見もあるかと思いますが、國の機能が地方に移つて行く、たとえば病院が國営のものが地方團体に移つて縣営になるというような場合には、やはり無償で縣に移つて行くというふうになるべきものじやないかと考えております。
#31
○中島委員長 本案に対する質疑は大体においてこの辺で終了しまして、この次の定例日十一日に本案を決定いたしたいと思います。なお決定前に質疑を許します。
 暫時休憩いたします。
    午後零時三十五分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後二時十二分開議
#32
○中島委員長 午前に引続き会議を開きます。
 地方税法の一部を改正する法律案を議題に供するつもりでありましたが、まだ政府委員が見えませんから、便宜この際請願の審査に入りたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○中島委員長 御異議なければさように決します。
 それでは日程第一より第七までは紹介議員がお見えになつておらぬようでありますから、これはあとまわしにいたしまして、八と九は同じ内容でありますから、合併して議題に供します。日程第八、全國選挙管理委員会法の一部改正に関する請願、文書表第四〇三号、日程第九、選挙管理委員会の権限に関する請願、文書表第四四〇号、いずれも生田和平君が紹介議員になつておりますが、同君は本日税制審議会で内閣の方へ出席するために、やむを得ず欠席しておりますから、文書表を朗読いたさせます。
    〔專門調査員朗読〕
全國選挙管理委員会法の一部改正に関する請願
 本請願の要旨は、選挙、投票及び國民審査に関する事務及びこれに伴う予算の要求並びにこれが制度に関する事項については、直接執行に当る全國選挙管理委員会が都道府縣及び五大都市の特殊性を深く認識し、その実情に則した処置を取らなければならないと信ずる、ついては、全國選挙管理委員会委員に都道府縣及び五大都市選挙管理委員会委員中から各々一名程度を選出されたいというのである。
#34
○中島委員長 四四〇号の朗読は省略いたします。この請願に対して、政府当局の御意見を伺いたいと思います。
#35
○吉岡政府委員 全國選挙管理委員会の組織の中へ、都道府縣あるいは市の選挙管理委員会の方を加えるようにというただいまの請願でありますが、全國選挙管理委員会が、都道府縣あるいは市町村の選挙管理委員会の事務の執行その他についてよく知つているということの趣旨は、私ども異存はないのであります。ただ組織の上から申しまして、全國選挙管理委員会は、都道府縣並びに市町村の選挙管理委員を指揮監督するように設置を願い、また選挙を行います際に、やはり両方とも一緒に働かなければならぬことが原則でありますので、その際に都道府縣あるいは市町村の選挙管理委員、それから全國の選挙管理委員と両方に一人の人が加わつておるということはどうかという考え方があるのです。それからまた考えますと、その市町村あるいは都道府縣の選挙管理委員の実際を、全國選挙管理委員会に反映せしめるには、必ずしも都道府縣あるいは市町村の選挙管理委員会に、同時に席を置いておる必要はないのであります。つまり言いかえますれば、都道府縣あるいは市町村の選挙管理委員をやめてから後に、全國選挙委員会の委員になるという考え方もあるわけであります。この二通りの、つまり現職のまま全國選挙管理委員になる。それからやめてからなる。二通りの考え方です。両方とも全國選挙管理委員会に都道府縣あるいは市町村の選挙管理委員会の事情を反映させる目的は達し得ると思います。もしやめてから全國選挙管理委員会の委員になるということであれば、現在の法制でも、もし國会において議決をする場合に、こういう方を推薦すればいいのであります。運用でもそういう目的は達し得る、こういう考方えがあるのでございまして、さしあたりは私どもの方としては、そういうふうに法制をかえるということは考えておりませんが、われわれとしては都道府縣あるいは市町村の選挙管理委員会の実情が、全國選挙管理委員会の中に反映するようにはかつて行きたいという考えであります。
#36
○野村委員 請願書の請願の要旨を拜見し、また政府側からの所見を伺つたのですが、何と言つても選挙の実体に精通をし、体驗を持つておる者は、都道府縣並びに五大都市の今の選挙管理委員の人たちが、実際を通して一番選挙の長所短所も体驗をされておる。こういう点において、しかも都道府縣並びに五大都市の委員は、民主的な、しかも法的の根拠をもつて選任を受けておる。これを反映し、全國選挙管理委員の中に行くということは一つの進歩である。こういう理由のもとに本請願に対しては採択を賛成し、希望します。
#37
○中島委員長 本案を採択いたし、内閣に送付することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○中島委員長 御異議がなければさように決定いたします。その他の請願はただいま申し上げたようなわけでありますから、次の会議に延期いたします。
    ―――――――――――――
#39
○中島委員長 お諮りいたしますが、木村國務大臣が御出席になりましたから、便宜日程を変更いたしたいと思います。地方税法の一部を改正する法律案を議題といたしたいと思います。御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○中島委員長 御異議なしと認めます。地方税法の一部を改正する法律案、内閣提出第一七九号を議題といたします。まず政府より提案理由の説明を聽取いたします。
    ―――――――――――――
#41
○木村國務大臣 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その適案の理由及び内容の概略を簡單に御説明申し上げます。
 御承知のごとく、昨年七月実施いたしました地方税財政制度の全般にわたる改正によりまして、地方財源は相当強化せられたのでありますが、その後における給與ベースの改訂、物件費の高騰及び委任事務費の増加等の諸事由によりまして、再び地方團体の財源は窮迫を告げて参り、地方團体の七割までが、あえて標準賦課率を越えて増税を行い、あるいは幾多の法定外独立税を創設して、その必要財源の確保に努めているのでありますが、なお相当数の地方團体におきましては、昭和二十三年度の決算において收支の均衡を保持しがたい情勢にあるのであります。このような情勢に対処して、可及的に税收入の増加をはかりますとともに、経済九原則の線に沿い徴税確保の措置を講ずる等のため、現行地方税制度に必要な改正を加えることといたしたのであります。
 本改正法律案の内容は二点からなつております。すなわちその第一は、住民税、地租、家屋税等現行税目の若干に対しまして、賦課率の引上げ等所要の変更を加えたことであります。第二は、税收入の確保及び租税徴收権の強化をはかるため、所要の改正を加えたことであります。以下順次それぞれの内容を御説明申し上げたいと存じます。
 改正の第一点は、既存税目に対しまして加えました変更でありますが、その第一は、住民税の一人当り平均賦課額の引上げであります。住民税は、地方財政收入を確保するとともに、自治の基本である負担分任の精神を税制の上に顯現することをその本來の性格とするものでありますが、以上述べました地方財政の現況、物價騰貴に伴う住民所得の変動等の事情にかんがみまして、その納税義務者一人当りの平均賦課額を府縣民税及び市町村民税を合せ、現行の九百円から千四百五十円に増加することといたしたのであります。本増税に伴う増收見込額は約七十五億円でありますが、よつて生ずる住民負担の増加を考慮いたしまして、納期につきましては、從來の規定を改め、原則としてこれを二期とすることといたしたのであります。
 第二は、地阻及び家屋税の標準賦課率の引上げであります、昨年の税制改正によりまして、地阻は百分の二百、家屋税は百分の二百五十と法定されたのでありますが、窮乏せる地方財政の現状にかえりみ、かつはまた不動産價値の高騰等の事情を勘案いたしまして、今回これらをともに百分の五百に引上げ、約八十億円の増收をはかることといたしたのであります。しこうして地代家賃がすえ置かれていることによる所有者負担の過重を防止し、不動産價値の増大による眞の受益者をして負担せしめるため、地代家賃の統制額に対し、本措置と同時に必要な改正を加えることといたしております。
 第三は電氣供給業等特定の事業に対する事業税につきましては、所得にかえ收入金額を標準として課税することといたしたことであります。電氣供給業、ガス供給業、運送業等におきましては、料金統制が行われている等の関係がありまして、現行純益主義の課税によりますときは所要の税收入を確保することができないのであります。そこで、國の物價政策と地方財政の現状との相互調整をはかりますために、統制料金の決定に際しては地方税相当額が十分織り込まれることを期待しつつ、純益にかえ收入金額を標準として事業税を課することとし、その標準賦課率を本税附加税を合せ收入金額の百分の二と法定することといたしたのであります。この規定は、料金の改訂せられたときから適用することといたしています。
 第四は、入場税の規定を整備したことであります。入場税は昨年國税からの移讓を受けまして以來、各地方團体の努力により、着々増收の実をあげておるのでありますが、(一)美術館、博物館等への入場に対してまでも一律に現行の税率を適用することはやや酷にすぎる感がありますことと、(二)現行の入場税に関する規定が著しく不備であることとにより、入場税の課税対象を四種類に分別し、新たに遊覽船や遊覽自動車の利用に対しても入場税を賦課し得るものとし、博物館、美術館等への入場、及び遊覽船や遊覽自動車の利用に対する入場税の賦課率を百分の六十とするとともに、無料入場に対する規定を整備いたしたのであります。なお入場税收入が若干偏在いたしますため、一般には地方財源が窮乏しているにかかわらず、一、二の特殊の市町村においては、入場税附加税の收入がその團体の規模から見て必要と思われる程度以上に多額に上りますので、これらの市町村については道府縣において、その賦課率を制限し得るものとし、その制限した率だけは道府縣税たる入場税の賦課率に加えることとし、不当に偏在する市町村の税收入を道府縣の手によつて、他の市町村に再配分するの措置をとらしめることといたしたのであります。
 第五は、鉱区税及び狩猟者税の賦課率の引上げであります。物價漸騰の事実に伴い、その税率を合理化する必要がありますので、特権税たるこれらの税目につきましても、それぞれその賦課定額を五割程度引上げるとともに、狩猟者税につきましては、狩猟関係者の要望に從い、税率を簡素化し、從來の三段階制を廃止して一律に規定することといたしたのであります。
 第六は、從來の法定税目である電話加入権税の名称を電話税と改め、電話の使用またはその加入に対して課することといたしたことであります。すなわち過般の電話の使用に関する政令の施行に伴い、以後電話加入権は消滅いたすこととなりましたので、その名称を実体に即應せしめるため、從來の電話加入権税という名称を廃止して電話税とし、これに相應するよう從來の規定を整備いたしたのであります。
 第七は、道府縣法定外独立税については、道府縣は特別の事情がある場合においては條例をもつてこれに対する市町村附加税の賦課を禁止し、または賦課率に制限を加えることができることといたしたことであります。從來道府縣の法定外独立税につきましては、市町村は当然に附加税を課し、特別の事情がない限り、これを賦課徴收する義務があつたのでありますが、このような制度は市町村が特に財源を必要としないのにもかかわらず、住民の負担を増加して不必要な財源を付與する結果を招くことになるのみならず、当然に市町村附加税が賦課されるため、税率その他についていらざる考慮を拂わなければならないこととなり、当該道府縣が当該法定外独立税によつて得た收入を特定の目的に使用することを制限する結果となりますので、かかる場合におきましては、道府縣が條例をもつてその附加税の賦課を禁止し、または賦課率に対し、必要な制限を加えることができることとし、その結果附加税の賦課を禁止され、または賦課率を制限せられた市町村については、必要に應じ、その財政需要を満たすために、別途法定外独立税を起すことができることとし、住民負担と財政需要との相互の間における合理化をはかつたのであります。
 第八は、目的税に関する規定の整備であります。(一)都市計画税たる目的税は、主要種目である地租割、家屋税割、事業割及び特別所得税割の四種に限定し、種目が多岐にわたるため國民に與えているいらざる圧迫感を幾分でも排除することとし、(二)水利地益税を拡張して、山林等の事業に要する経費についてもこれを課し得るものとし、(三)共同施設税についての規定を整備して、汚物処理施設等に対しても共同施設税を課し得ることを明文をもつて規定することといたしたのであります。
 改正の第二点は、経済九原則にのつとり、地方税の徴收手続を合理化し、地方團体の租税徴收権能の強化をはかるため所要の改正を加えたことであります。
 その第一は、新たに地方税に関する滯納処分の規定を設けたことであります、地方税に関する滯納処分手続については、從來國税の例によることとされていたのでありますが、このような規定のしかたでは手続にも明確を欠く点がありますのみならず、住民の財産に強制権を発動する重要な規定が地方税法中に欠けていることは、おもしろくありませんので、新たに地方税法中に國税法規からは独立して滯納処分の手続を規定することといたしたのであります。
 第二は、道府縣の徴税吏員に対し通告処分その他國税犯則取締法によると同樣の権限を與えることといたしたことであります。昭和二十二年の改正以來、地方税におきましても、漸次重要な消費税が加えられて來たのでありますが、これらの税種はその脱税が容易であるため、現行の制度の下においては、必ずしも十分な捕捉ができませんので、今回これらの税種につきましては、地方團体の徴税吏員に対しても國税犯則取締法に基くと同樣の権限を與え、その権限を強化し、脱税犯等に対しては、司法手続にかえ行政手続をもつて迅速かつ強力に罰金相当額の納入その他所要の処分をなし得るものとし、もつて租税收入の確保を期したのであります。
 第三は、入場税の徴收方法については、特別徴收義務者をして道府縣が発行する証紙をもつて徴收せしめることといたしたことであります。入場税の徴收にあたりましては、その額の多寡をめぐつて地方團体と関係業者との間にしばしば脱税等の疑いにより爭いをひき起すのでありますが、徴收税額の多寡につき、このような爭いを起すことのない方法として、地方團体及び特別徴收義務者に対し、入場税は道府縣の発行する証紙によつて徴收すべきことを強制することといたしたのであります。この証紙は適宜入場券にも代用されることと考えております。
 第四は、罰則の強化であります。昨年の改正によりまして、地方税の犯則に対しましても刑罰を科するものとしたのでありますが、実施後約一年間におきまする状況及び最近における反税運動等の実情にかんがみ、(一)新たに不納せん動に関する罪及び滯納処分に関する罪を法定するとともに、(二)軽易なる犯則すなわち申告または報告すべき事項について、申告または報告を怠つた納税義務者に対しては過料を課し得る規定を復活することといたしたのであります。
 以上申し述べたところが本法案の提案の理由及び内容の大要であります。
 何とぞ愼重審議の上すみやかに御賛同あらんことをお願いいたす次第であります。
    ―――――――――――――
#42
○中島委員長 地方税法の一部を改正する法律案は質疑を次会に讓りまして、古物営業取締法案に対する質疑を開始したいと思います。この際木村國務大臣に質疑のある方は特に簡單に願いたいと思います。
#43
○立花委員 緊急に木村國務大臣にお尋ねいたしたいと思うのですが、実は政令では禁止されておりますところの隣組、元の町内会組織が、最近全國各地に息を吹き返して復活いたしまして、それが非常に大きな動き方を始めておる。一つの例を申し上げますと、これは大阪市でありますが、大阪市長が中心になりまして赤十字奉仕團というものをはつきりつくりまして、これは元の隣組長あるいは町会長を中心といたしまして組織しておりますが、その仕事は主として大阪市公債の強制割当をやつております。大体一戸あたり市均千五百円ずつの公債を強制しつつあるのですが、さらにその他の仕事といたしましては、非常事態の発生を予想しましてモンペをつくれ、あるいは梯子をつくれ、こういうようなことを言いまして、しかもこれは進駐軍関係の命令であると下の方では話しております。そしてさらに最近の地方財政の窮迫に備えまして、これがひとつの強制寄附の強要機関になつておりまして、まあいわゆる下の方では長いものに巻かれろというような形で、泣きながら強制寄附に應じておるというような形で出てきているわけなのです。これは決して大阪市だけの問題ではありませんので、大阪府下でもやつているらしいのでございますが、しかもこの会は堂々と会費までとつております。こういう形が今申しましたように大阪市、大阪府下だけではなしに、全國各地で起りつつあると思いますので、この問題は隣組類似の組織の禁止ということに明らかに違反した問題である。地方住民の生活の困窮という上に、さらにこういう組織をもつてもとの隣組が戰時公債を押しつけ、あるいはいろいろな強制寄附を押しつけるというような形がまたまた出て参つておりますので、こういう問題に対してどういうふうにお考えになつておられますか、お聞かせ願いたいと思います。
#44
○木村國務大臣 隣組の組織等につきましては、ただいまのところ私の所管ではございませんで、自治課でやつております。隣組はポツダム政令で禁止されております。そういうことはもうすでにあり得ないと思つておりますが、なおありといたしますれば調査をいたしまして御返事いたします。
#45
○立花委員 きのうも私は木村國務大臣にお尋ねいたしましたところ、実はこれは地方財政の問題であつたのでありますが、各府縣等における莫大な額に上る公債、あるいは宴会費、その他のいろいろな汚職事件、涜職事件についてお尋ねいたしましたところ、そういう事実は御存じないとおつしやつたのですが、さらに今度のただいまの問題にいたしましても、これは全國的にもうはつきりと各地方に現われて來ておる問題なのでありまして、御存じないとすれば至急調査していただいて、これは地方のほんとうに下からの人民の自治行政ということとまつたく違つた逆の行き方をしている問題だと思いますので、しかもこの組織が今度の地方財政に現われましたように、中央から地方財政への圧迫を、この機構で一番下の苦しい住民に流しているという形になつておりますので、至急御調査くださいまして、適当な処置をおとりくださるようにお願いいたしますと同時に、調査されました結果を御報告願いたいと思います。
#46
○木村國務大臣 承知いたしました。
    ―――――――――――――
#47
○中島委員長 これより日程に入ります。古物営業取締法案、内閣提出第一六三号、本案を議題にいたしまして質疑を許します。大泉君。
#48
○大泉委員 古物に対する取締り物品の対象は大体どういうものであるか、これを概略御説明願いたいと思います。
#49
○間狩説明員 この法律の対象になるものは何だというお尋ねだと思いますが、おそらく定義といたしまして第一條にございますその関係と、実際わかりやすく言うと何だということの両方ではないかと思うのであります。第一條におきましてまず古物の定義をいたしまして、「古物とは、一度使用された物品若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの」、つまり消費者あるいは使用する者が持つております新品、これを古物といたしております。その「古物を賣買し、若しくは交換し、又は委託を受けて賣買し、若しくは交換することを営業とする者」を古物商ということにいたしておるのでございます。それからさらに市場ないし市場主と申しますのは、「古物商間の古物の賣買又は交換のための市場」、あるいは「市場を経営する者」を市場主というふうに申しておるのであります。現行法とちよつとかわつております点は、古物の中に消費者ないし使用者の持つております新品を含むということを明らかにいたしました点と、それから第二点は、委託による賣買交換を営業とする者も古物商ということにいたしまして、このごろ町にございます日用品交換所というものも、古物商の中に入るということを明らかにしたわけであります。
 それから実際の業態を申しますと、第二條に「その取り扱おうとする古物の種類を定めて、」ということがございまして、古物商はその取扱う古物の種類を一應きめることになつております。これはいずれ総理廳令の方ではつきりいたすわけでありますが、一應現在考えておりますのは衣類、時計、宝飾品、自動車、自轉車、写眞機、書籍、美術品、機械類、道具類、皮革ゴム製品、樂器類、大体そういうような分類を現に考えております。現行法におきましてもやはり古物商の取扱う種類は一應きまつておるのでありまして、改正新法によりましては現在きめられております種類を、さらに若干檢討いたしまして、以上申し上げましたようなふうにいたしたいと考えております。
#50
○大泉委員 私どもの常識では大体新しいものから一度使用して古くなる、いわゆる新しいものの用途、目的と古くなつても用途、目的が変化しないもの、こういう考え方で古物というものに名称をつけられると私は思うのであります。いわゆる古物になつて用途が変化したときには、すでにその使命を終つてしまつたものである。たとえばもとに還元してこれを材料化してしまう、または新品のものと目的が何らかわらない古物であつても、新品より以上の價値も出て來るというような、いわゆる美術品のようなものは、やはり同じ古物であつてもこの用途、目的は何ら変化がない。こうしたものに対する一樣の取締りということは当を得ていないと思いますが、この区別に対して愼重に私どもは檢討しなければならぬと思いますので、一應政府のこうした方面に対する明確な御答弁を願いたい。
#51
○間狩説明員 今御指摘になりましたように、一概に古物と申しましてもそういういろいろなものがあるのでございまして、社会的に営業のやり方その他につきましても非常に違つておる点を十分認めるわけでありますが、今お話の古物は、その本來の用途が全然なくなつたものは、これは古物として考えませんで、つまり廃品でございます。廃品は古物の中に含まないと考えております。そこで本來の用途がなお全然完全に残つておるもの、あるいは若干残しておるものを古物として考えるわけでありますが、美術品あるいは骨董類というようなものにつきまして、普通の古物とは違うのではないかという感じが非常にするわけでございますが、この法律の目的といたしております犯罪、特に盗犯の防止あるいは盗犯の檢挙という観点から考えますと、美術品なりあるいは骨董品等も、盗犯の対象になる場合が非常にございますし、またさようなものが盗難にかかりました場合は、警察としてはぜひともそれは檢挙いたしたいというようなものでございますので、それで美術品なり骨董等につきましても、そういう盗犯防止の見地からいたしまして、やはり警察でこれを何らか把握しておくことが必要なんでございます。それでかりに古物商と取扱いを別にいたしましても、法律を別にいたしましても、やはり同じような内容の規定をして、あるいは許可制にいたしますとか、あるいは帳簿をつけるとか、あるいは買取る場合には、相手方の身元を十分に確認しなければならないというような事柄につきましては、美術商についてもやはり同じような義務を課さなければならぬことになると思いますので、古物営業取締法の中に、他の古物商と同じ法制のもとにおくということの方が便利でありますので、そういたしましたのであります。
#52
○大泉委員 いわゆる犯罪防止のために、古物営業者がその一つの協力機関というようなかつこうになつて、ここに取締りが出て來るということになる。私はどうも実際そこが一番大切ではないかと思う。いわゆる新しいものでも犯罪は押えてやる。いわゆる故買はあくまで故買である。そういうものに対して、古物商なるがゆえに古物商だけが対象になるということでなく、やはりもう少し物品の内容において明確にしておかないと、たいへん業者がめいわくするのではないかと思いますので、これを申し上げたわけであります。
#53
○谷口委員 私も同樣なことになりまするが、昨日政府の方からの御説明によりますと、大体改正案をお出しになつた根拠について九項目おつしやつたのであります。私ども一番この点で問題になると思いまするのは、何で認可制にしたかということ。認可一本にしたということを、一種の進歩のようなお考えのような説明があつたのでありますけれども、むしろこれは自由な届出でけつこうであつて、認可、許可、許すか許さないかを公安委員会の側が持つておるというような、こういう対象にされたが、古物商は、御承知のように何も統制経済の上から必要な統制が行われなければならないような、そういうものではないのでありまして、統制外のもの、古物を扱つておるのであります。いろいろな点で、営業の認可を與えるというような場合に、今一番大事なことは、統制経済に反するような行為があつては、またそういう組織になつては困るという点が一番中心問題になると思うのでありますが、古物は経済的な面から考えてみまして、そういう統制の必要は全然ない。それを許可制にしておる。しかも非常に複雑な許可制でありまして、支店などができれば、支店のあるその地域の公安委員会に一々届け出なければならないし、行商に行くとか、あるいは夜店を出すとかいう場合には、一々許可を受ける。行商人のごときは、三里以内というようなことをきめて、制限しておる。こんなひどい許可制をとらなければならなかつた理由が私どもにはわからない。なぜもつと自由に、商賣がやりたかつたら、自分は古物商をやりたいと届出ればそれで済むようなことにできなかつたか。それから從來の例から見ますと、嚴重な警察なり、公安委員会の許可でありますが、警察の許可なんかを得たその反面に、古物商の間の組合の上層を占めるいわゆる古物商の中のボス、こういう者と警察との非常に惡い関係ができておりまして、警察へ許可を願いに行く場合には、まず組合のボスの了解を得るという習慣が、古物商の間には非常に多いようであります。千円とか、二千円とか、三千円とかを持つて行つて、まず組合の幹部の了解を得て、その了解を持つて行かないと警察が許さなかつたという事例は全國にたくさんあります。こういうことは、やはりこのまま今度の場合にも残されることは必至でありまして、こういう点につきましても許可なんかというふうなことをやつておるから、そういうボスのはびこる余地ができるのだと思うのであります。ここに私のところに資料が集まつておるものの中に、たとえば東京都内の野方署の管内の例でありますが、ある政党の、名前もありますが私申しません。某君が組合長をやつておる。そしてこの古物商の全体の取締りの地位にある警察と結託して、相当多額の組合の金さえ使い込んでおるという事実は、私どもの方にも報告が來ておる。これは公安委員会なり警察なりが許可をするという、非常な統制を加える、そういう状態に古物商を置いておることから來る弊害でありまして、こういう点もつと自由に、ただ届け出ればよいというふうに改正できないものかどうか。それから手数料の問題でありますが、三年に一回ずつ免許状を更新しまして、その都度手数料を千円以内とる。公安委員会がとるばかりでなく、その公安委員会のある都道府縣がそれに事務上の手数料もとり得るというようなことが書いてあるのであります。三年に一回、二千円以内ずつとられるわけでありますが、こういう何か許可を與えるということから、公安委員会なりあるいは道都府縣が手数料をとる。これくらいの手数がかかるかどうか、はなはだ疑問でありまして、これなんかもやはり古物商を圧迫する一つの問題になつておるかと思うのであります。まずこれらのことについての政府のお考えをお聞きしたいと思うのであります。
 それからもう一つは、これは根本の問題でありますが、第二十條、二十一條、二十二條及び二十三條にわたつての帳簿、品触、それに差止、立入及び調査という各條項の全体を見ますと、古物商取締りの、取締りという言葉はよく現わしておりますが、古物商の商人としての営業の立場を保護するという目的でこの法律ができておるのではなく、古物商全体を警察の手先として、警察が自己の責任においてなさなければならない。つまりどろぼうを檢挙するという仕事を、古物商の責任に轉嫁して、古物商を不当に支配し、圧迫するという結果になる條項だと思うのであります。特にこの帳簿の点なんかでは、この前の昨年あたりの法律から見ますと、大分直つたようでありますが、それでも買つた人の住所、姓名、年齡あるいはその人相あたりまで、帳簿に一々つけておかなければならない。この改正案の前のものは、それを一々届け出て、買つた品物は一週間なら一週間賣つてはならないという條項があつたようでありますが、それはとれておりますので、若干の緩和はされておりますが、しかし同樣な負担をこの商人にかける。一々住所、姓名、年齡からその特徴まで覚えておいて、それを帳簿につけておかないと、これは罰則にひつかかる。私はここに書籍商の全國組織の機関誌がありますが、この機関誌に発表されておる書籍商協同組合の主張によりますと、私どもはこういうふうにして一々やつて來るお客樣を、初めから罪人として待遇するということはとうていできない。大事なお客樣を一々、これは犯罪者だ、どこからどろぼうして來たのだというふうな態度で対することはとてもできない。そういう道徳的な点でも反対いたしておりますが、なおそれを一々帳簿につけて、嚴重に責任を持つてやつて行くというようなことは、煩瑣でとてもとても商賣としては成り立たないほどだと、こういうことを言つております。当然だと私は思うのであります。この帳簿の点でもそうでありますが、この品触といつておる点では――これは何と読むのですか。
#54
○間狩説明員 しなぶれと読むのです。
#55
○谷口委員 これはなかなかむずかしい字で、それから差止の点でこういうことが書いてあります。「盗品又は遺失物であると疑うに足りる相当な理由がある場合においては、警察署長は、当該古物商に対し三十日以内の期間を定めて、その古物の保管を命ずることができる。」これは買つたものを、どろぼうして來たものではないかというふうに警察署長が思つた場合には、三十日賣るなというふうに差止めすることができるわけでありまして、こういう点などもとても業者としてはやり切れない。それからまた二十三條の「警察官又は警察吏員は、必要があると認めるときは、営業時間中において、古物商の営業所、古物の保管場所、市場又は第九條のせり賣の場所に立ち入り、古物及び帳簿を檢査し、関係者に質問することができる。」というふうに書いてある。二十二條はまだどうしてもこれはぬすまれたものであるというふうな、そういう疑うに足りる條件がある場合に、差止めることができるのでありますが、二十三條の警察官もしくは警察署長の考え一つで、必要ありと認めた場合には、いつでもやれるというようなこういう大幅な、警察署長の考えいかんによつてどうでもできるというような状態で、古物商の営業所に入つて行つて、帳簿を見たり、いろいろなことをすることができるということになつて來ると、これは從來の慣例から見て、警察というものはいつも何でも必要あると認めまして、人民を蹂躙することになれておりますので、こういうことを新憲法下において認めることになりますれば、たいへん大きな問題だと思います。こういう点なども問題になると思うのでありますが、なぜこういうふうに古物商だけをどろぼう相手の人間というふうに一方では見るような取扱い方をするか、あるいはまた警察が当然やらなければならないことを古物商に轉嫁して、しかもそれが一々罰則によつて律せられるというような立場に古物商だけを置くか、こういう点が私ども問題になると思います。つまり自由な営業権に対して警察は一方的に自分の無能力な点を古物商に轉嫁して、そうしてこれを警察の手先にしようというふうに考えているように私どもは思うのであります。第一こういう法律を地方行政委員会のわれわれの所へかけるということ自体が問題になるのでありまして、公安委員会がこつちの仕事の範囲内だというのでこの委員会へ來ているのだと思いますけれども、こういうものは商工委員会なりにかければそれでいいのでありまして、あたかも古物商の保護をするように見せかけながら、実は警察の一手先として、憲法に許されている営業権の自由さえ奪うような形にしばりつけて、その上にもし言うことを聞かなければ一々罰を加えるという、驚くべき法律だと私は思うのです。こういうものは一切合財撤回していただきまして、そうしてもし古物商に対する法律が必要ならば、かれらがもつと自由に商賣のできるような保護法を制定された方がよくはないかと私は思うのであります。
 これらの点につきまして、非常にたくさん申しましたが、問題の中心点は、なぜ許可制にしたか、自由な認可の届出主義で済むのじやないか。それから警察の手先として古物商を支配下に置いて、お客のすべてをどろぼうと見るような組織の中へ、古物商を組織化しようとする、こういう点についての政府のお考えをお聞きしたいと思います。
#56
○溝淵政府委員 ただいまの御質問にお答えしたいと思います。第一番に許可にしたのはよくない。届出にした方がいいのじやないかという御意見であります。なるほど一應ごもつともでありますが、実は現行法でも鑑札と言い、あるいは届出とこう言つておりますけれども、実際には認可をやつておつたような状況でありまして、免許とか、鑑札とかいうことでやつておつたわけでありまして、今回同じような言葉で、許可ということにいたしましたけれども、改正法は從來の営業に対して特別に制限を加えた意味ではないのであります。そうしましてまた許可の場合、從來はかなり警察側における認定権を廣く與えておりましたが、今回は許可の條件をはつきり書いてありますので、この條件に当てはまるものは、原則として許可されるべきものでありまして、許可になつたからというわけで、警察なり公安委員会が、勝手に許可不許可を決定するということは、おそらくあり得ないと思つております。
 その次に手数料の問題でございますが、これは二重にとるのではなくして、市町村における公安委員会が許可した場合には、市町村で手数料をとる。こういうことになつておるのであります。
 次にこの法律の趣旨が、いかにも警察の無力なために古物商を手先にして、警察のやるべき仕事を手傳わせるのだというように解釈せられるといつたような御質問であつたようであります。実はまことに申しわけないのでありますが、現在警察の窃盗犯人に対する檢挙は、非常に件数も多いし、むずかしいのでございまして、從來から古物商には、こうした法律にのせてあるような趣旨で、ずいぶん協力を願つておるのでありますが、最近遺憾ながら古物商の一部におきまして、依然として古物商を中心にする犯翼者が相当あるやに見受けられますので、現行法の趣旨をさらに整備いたしまして、新らしい意味で、こうした犯罪に対する警察への協力をこの法律によつてお願いする、こういう態度をとつておるのでございます。
 なおこうした古物商に対する取締の法律につきましては、世界の文明國で、たいがいこの程度の法律は持つておるようでございまして、公共の福祉のために、この程度の法律はどうしても必要じやないか。かように考えておるのでございます。
#57
○谷口委員 この今までま法律は、明治二十八年にできた古物商取締法が、改正され、改正されては來ましたが、非常に古い法律であるばかりでなく、旧憲法下の、つまり人民主権でなかつた時代の法律でありまして、とにかく人民は政府の隷属物として、これを取締るとか、支配するという思想に基いて、多くの法律ができておるのであります。この古物商取締法も同樣の見地に立つてその商賣を許してやる。こういうか官僚的な精神でできておる。從つて前の法律に許可であつたからというて、今度も許可でいいのだというりくつは成立たないのでありまして、新らしい時代には、新らしい時代にふさわしい、こういう古い物を取扱う商賣をやる人々に、非常に自由な立場を認めてやるのが、新しい時代の政治でなければならぬと私は思う。そういう点で政府委員のおつしやることが私納得が行かないのでありますが、それはそれとしまして、その次の問題、どろぼうが非常に多くて、古物商の中にもそれと組んでやつている者がある。つまり犯罪者があるやに見受けられるというように政府委員はおつしやつたのでありますが、あるいはそういう者もあるかと思います。しかしそれは一部の人でありまして、すべての古物商というものを一般的に見たときに、特定のそういう一部の犯罪人を相手に法律をつくつて、そうしてそれを一般に及ぼすというやり方は、本末轉倒しておるのではないか。問題は古物商が人民に便宜を與える商賣として成り立つということが望ましいのでありまして、その中の一部に犯罪者がいるかいないか私は知りませんが、いるとしましたら、それに対しては、当然それを取締る法律が、刑法その他であるはずでありますから、それでけつこうなのでありまして、それ以上、一部にあるから全体をこういうふうにやることがいいのだというふうに考えて來ることは、やはり古い。人民全体を、何かどろぼうとして見る警察的な考え方がやはりあると私は思う。これは新憲法下、こういう惡例を残すことはよろしくないと思う。そういう考え方はすぐやめてもらいたいと思います。先ほどから警察は手不足であるから、協力を願うのだということを盛んにおつしやつておるのですが、警察の力が足らぬので、古物商に協力を願うというのなら、こういう高飛車な取締法で、お前たち言うことを聞かないと刑罰に処するというような、こういう法律で願うのでなくて、ほかに別な方途があり、態度があると思います。そういう点で政府委員の言葉は非常にきれいでありますけれども、古物商全体をどろぼうと考えている。つまり自由な営業種を警察が一方的な考え方で侵害するような、つまり憲法違反の立場をとつているものだと私は思うのであります。こういう点でこの法律は全部撤回してほしいと思うのですが、そういう点はどういうふうにお考えになりますか。政府委員のお考えをお聞きしたいと思います。
 それからどろぼうの問題でありますが、なるほど今古物商のところへ持込まれる品物は、やはりどろぼうの活躍する範囲のものだと私も思います。実は私も引越しで、私の留守中にどろぼうに入られまして着物をとられました。そして女房が警察へ頼みましたけれども、品物は出て参りません。これはどこかの古物商の手にでも渡つておることだろうと思いますが、そういうことがあることは事実であります。しかしこんなに古物と言わず、新しいものと言わず、人民がどろぼうをやつたりしなければならなくなつているその原因がどこにあるかということが、一番問題なのであります。この問題こそ重要な問題になるのでありまして、この社会的原因、あるいは経済的原因をなくすることに今の政治がなくてはならない。ところが、今日のように税金が非常に高かつたり、労働者が首切られたり、賃金を引下げられたり、あるいは賃金の遅配があつたりして非常に生活に困る。こういうように國民生活に障害があるから、こういうどろぼうなんかがたくさん出るのでありまして、問題はそういう原因をなくするということが根本だと思います。しかしそれは今の場合別にしまして、ただしかしどろぼうが出た、そうしてそれが巣食うというような古物商の業界に対して、すべての人間がそうだというような観点からなされることに、やはり自由な営業権を侵害する、恐ろしい警察的支配の意図があると私どもは思うのであります。
 それから第三番目に、古物商と申しましても、今政府委員が申されました通り、幾種類もあるのでありまして、從來そういう犯罪の巣食うものとしましては、衣類なんかが最大だと思いますが、そうでない古物もたくさんある。特に古本などというものは、どろぼうはまつたくないとは言えませんが、しかしそんなに取締らなければならぬのかというようなことを、古本屋の組合がさかんに言つておりますし、その他の業種によつて違つて來ると思うのであります。これがたとえ政府委員の言われることがなるほどと思われましても、すべての業種を一緒くたにされるということにつきましても、やはり御異論のある方がたくさんあるだろうと思うのであります。そういう点につきましても、御返事願つたらけつこうだと思います。
#58
○溝淵政府委員 重ねての御質問でありますが、全体の古物商を一緒くたにして、どれもこれもどろぼう扱いにするといつたような点が、この法律ではうかがわれるではないかというような御意見でありますが、われわれの方はそういうことは考えておらないのでありまして、最小限許可する手続きはしますけれども、これに対して不良な業者、またそうした疑いのあるような業者は、自然にわかるのでありまして、あるいは届出を取消したり、解消したり、いろいろな方法でやるということになりますので、全部をどろぼう扱いにするような考えは毛頭ないのでありまして、その一々の事態について処置する、こういうわけであります。なおこの法律はいろいろ御意見もありましたけれども、われわれとしましては、この程度の法律はぜひ必要じやないかと存じているのでありまして、この点よろしくお願いしたいと思います。
#59
○中島委員長 谷口君、時間が大分長くなりましたが、ほかに質問者がたくさんありますから簡單に願います。
#60
○谷口委員 十五條に、古物商はその営業所または取引相手方の住所もしくは居所で買受けることができる、あるいは交換することができるということを書いております。私はこれでけつこうじやないかと思う。あとに、それについて住所、氏名、職業、年齡を確認しろとか、それを一々帳簿につけて置けとか、こういうことはむだなことであつて、もしその中にどろぼうがおれば、これはどろぼうらしいというようなことは業者もよくわかる。その場合にはこんなことを一々言われないでも、もし盗品をかれらが買つたことがわかつた場合には、そのものはただで持主にかえさなければならぬから、損害を受ける。その冐險をあえてしてやるようなものは、どろぼう的な人間ならそういうものがあるかもしれませんが、しかし多くの者はそういうことは考えません。多くの者は、これが危いと思う場合はそれは買わない。だから買う買わぬという問題で、道で知らぬ者から買うようなことはしないので、その店へ來るか、あるいは本人の家へ行くかして取引するから、そこで当然警察が御心配なさるようなことは防止されて來る。それをその上になお帳簿につけて、もしつけてなかつたらどうだ、こうだというような罰則になつて來れば、これは業者にとつてたいへんだ。そういうことはむだだと思う。それが盗品だと思つて買つた場合、それを暴露されれば、ただでとられるのだから、実際どろぼうをやつている商人でなければ買わない。そういう者が一部にあるからと言つて、他のたくさんの正直な人に帳簿をつけろとか、届出なければ差押えを命ずるというようなことを、一方の警察に権限を與え、一方の業者に義務づけるようなことは、不当に商賣を圧迫することになるのであつて、こういう点は、やはり警察がほんとうに商人のことを思つていらつしやつたら、こういうものは出し得ないと思います。
#61
○門司委員 私もごく簡單にお聞きしたいと思います。この法律の中に命令という言葉が非常にたくさん使つてありますが、この命令というのは、どういう意味の命令であるか、その点を明瞭にしていただきたいと思います。許可が公安委員の許可になつておるのに、命令という言葉が使つてありますので、その点どういうことを命令に定めようとするのか、その命令の内容をお話し願いたいと思います。
 その次には、條文全体が、取締りをしようとするのか、あるいは育成をしようとするのか、一向わからぬような條文になつております。先ほど谷口君から申し上げましたように、第十五條には、そうめんどうに住居または人相まで書かなくても、買受けようとするならば、営業所または居所に行かなければならないということを規定してありますので、それ以上取締る必要があるかどうかということ。その次には、せり賣の場所、営業所等に対して警察官は立入つて檢査し、あるいは質問することができることになつておりますが、これは非常に非民主的なものであつて、警察がもし疑いがあれば、この法律の中でも、ほかに調べる必要がたくさんあると思う。たとえば品触を受けた場合は、六箇月間これを保存しておいて、当該の品物があれば届出するという規定がありますが、何もせり賣をやつているときに、営業所に警察官が立入つて、そうしてこれを檢査し、質問しなければならないということは成り立たないのではないかと思いますが、この辺のこと。
 その次には二十四條以下にありますこの犯罪と許可の範囲でありますが、これは「他の法令に違反して、禁こ以上の刑に処せられたとき」と書いてあります。ここに非常に從來までの保護思想の問題が十分あると私は思います。大体こういうやかましい規定を設ければ設けるほど、これの裏をくぐる者ができて來ると私は思うのであります。それはなぜであるかと申し上げますと、今日の普通の営業者は、はたして本人自身の名義であるか、あるいは他人の名義であるか、お調べになればすぐわかる。こういうきゆうくつなものを設けて、今日すでにもう刑余者に対しましては、すべての権限は復帰しておるはずである。いわゆる從來のような刑余者という者の取扱い方はしていない。そういう場合にもかかわらず、こういう場合のみこれが適用されるということは、どういうわけであるかということであります。その次は法全体の中で、先ほど申し上げましたようなあいまいな点があるということ。
 それから露店の問題でありますが、露店の問題につきましては、これは道路使用その他に関しましては、公安委員あるいは警察署長の許可がなければならないということでありますが、それらの規定についてもどういういきさつになつておりますか。そういうごく簡單な点だけを一應御答弁を願いたいと思います。
#62
○間狩説明員 この法律の多くの條文に「命令の定めるところにより、」ということが出て参りますが、これは主として手続をきめる場合が大部分であります。そうでない実体的なことを命令に委任しておる場合が二、三ありますが、大体は手続でございます。それでそれでその点につきまして、命令の内容として、まだ確定いたしておりませんが、現在一應私どもで考えております案がございますので、それを後にお配りをいたしたいと思つております。
 それから買受ける場合に、身元の確認をしなければならない。また帳簿に記載しなければならないというような規定は、不必要ではないかという御意見でございましたが、犯罪の捜査、特に盗犯の檢挙に、古物商の立場においてやはり協力をしてもらいたいということでありますので、そこにやはり盗品または遺失物がありました場合に、一應だれから買つたかということを、あとでどうしても調べる必要が生ずる場合があるのでありますが、その場合に住所氏名はみんなでたらめで、全然架空のものであつては、捜査の手がかりにならぬのであります。そこで身元の確認について命令で定めまして、たとえば米穀通帳、家庭用品購入通帳、汽車の乘車券、定期、そういつたものによつて、住所氏名を一應確認してもらいたいというようなことを、命令できめるわけであります。それが將來何らか犯罪搜査の手がかりがそこに得られるわけであります。またそれは同時に帳簿に記載されておりませんと、あとで調べに参りました場合に、結局何によつて確認したかということもはつきりいたしませんので、やはりこれは帳簿に記載をしてもらわなければならないということになるのであります。現在盗犯が非常に多いのでありまして、しかも檢挙された盗犯について、臟品の流れを調査いたしましたところ、全國的な調査でございませんが、たとえば東京で調査いたしました結果によつても、犯人の盗みました品物が、その半分は正規の古物商の手に渡つておるのであります。さらに二、三パーセントは無許可の、いわゆるもぐりの古物商の手によつて、臟品がさばかれておるというような状況でございますので、どうしても古物商で取扱われる古物の取引を公正に、しかもその経路を明瞭にして、警察官が必要な場合には、いつでもそれを調べることができるという態勢に置くことが必要なのでございます。そういう面から申しまして、現行法でも大体同樣な規定がありますが、さらにそれを的確に励行されるように、若干の改正をいたしたわけであります。
 それから立入りの問題でございますが、これはこの法律によつて古物商の監督をして行く上から、必要なる場合に随時――と申しましても、むろん営業時間中と限つてありますが、営業時間中に、その店舗なり営業所に参りまして、あるいは帳簿を檢査したり、あるいは品物を調べたりすることは、この法律の目的といたしております盗犯の防止、ないしは盗犯の檢挙の目的を達成する上からいたしまして、どうしてもその程度の監督権は警察に必要なのでございます。
 それから二十四條の営業の取消しまたは停止の場合の第一号について、お尋ねになつたのでありますが、これはむろん第四條に営業許可の場合における欠格條件がきめてございますので、その欠格條件と対應する意味において、やはり営業を現にしている者が、欠格條件に該当したような場合には、やはり許可を取消さなければならないということになつて参ります。しかもこの四條の欠格條件で、三年を経過していない者というふうになつておりますが、これもこの法律全体が、犯罪の防止ということを目的としております立場において、古物商たる者は、その人物について十分信用のできる人でなければいけないという建前から申しまして、この程度の制限を置くことはやむを得ないのでありまして、ほかの法律におきましてもさような場合にはこういう例もあるのでございますので、御了承をいただきたいと思います。
 次に露店は現在は警察に願い出まして鑑札を明けるということになつておるのでありますが、結局実態は鑑札をもらうと申しましても許可を受けるのと同じでありますので、鑑札というような古いことはやめまして許可といたしたのであります。ただ許可を受けるという問題につきましては、露店なり行商を許可するかしないかということは、重大な事柄がありますので、やはり公安委員会の判断によるということにしたのでございます。
#63
○門司委員 ただいまの点ですが、私の申し上げておりますのは、露店の場合は道路使用がくつついて來るのです。それでその点をどういうふうにお考えになつておるか、ただどこででもやれるとお考えになつておるのか、あるいは道路使用との関係はどういうふうになつておるかお尋ねいたします。
#64
○間狩説明員 本法におきましては行商、露店を許可するかしないかということは、もつぱらその人に行商、露店をやらせても、その人物に信用が置けるかどうかという点でございますので、場所の問題とは実は違つております。で結局営業所がありますものは、その営業所所在地の公安委員会でございます。営業所のない場合には――と申しますのは、行商、露店をもつぱらやつておるという場合には、その住所または居所が一番身元がよくわかりますので、そこで許可を受けるということでございまして、具体的に道路の場所を使用するという場合は、道路交通取締法の関係によりましてやはり許可を明けなければならない。必ずしもこれは同じ所でない場合の方が多いと思います。たまたま一致する場合もあるかと思います。
#65
○門司委員 そうしますとこの條文の八條は、たとえば東京なら東京の公安委員の許可があれば、全國どこででもやつてもいいという規定になるのでありますか。
#66
○間狩説明員 さようでございます。
#67
○立花委員 古物商の方が非常に心配されておるのは、現在類似行為がたくさん行われておるということなのです。團体とか何とか、こういうものとの関係はどうするかということを、はつきり御返答願いたいのであります。
 それから今政府委員の方から、人物が信用できるかどうかということを言われたのですが、こうなつて來ると、まつたくこれは全部許可になつて、信用というようなことを言い出されると、めちやくちやになつて來るのじやないかと思います。それは警察署長あるいは公安委員の一方的な信用になつて來て、そうなつて來ると、ほんとうに好ききらいとか、感情とかいう問題が入つて來て、これじや困ると思います。私はこの條文の中で具体的に指摘したいと思いますが、たとえば第四條の第一項第二号の中に「改しゆんの情の認められない者」というような言葉があります。こういうことは今政府委員の言われた信用というようなことと一脈相通じまして、こういう立場で営業権に関する許可の問題を扱われるということは非常に困つた問題だと思います。これこそ今までの、何と申しますか、官僚的な天皇制時代の警察のやり方なのである。こういう考え方が幾分でも残つておればやめていただきたいと思います。
 それから逐條に申し上げますが、同じ第四條の六号に「同居の同族のうちに前号に該当する者又は営業の停止を受けている者」がおれば、営業できないというようなことがあるのです。こんなひどいことはない。同居の同族にそういう者があれば本人に許可しない。これもまつたくひどいことなので、こういうことはこの法文全部を貫いておると思うのです。全体から言えば、この法案の説明に、國家警察のおえら方ばかりが來て説明されておるということ自体おかしいと思います。
 それから第五條の一項に、たとえば管理者を置いた場合に、管理者を変更する場合にも、許可をとらなければならないということになつておるが、これもべらぼうなことだと思います。管理者をかえるのに許可がなければできない。しかもそれがさいぜん言つたように、信用、改悛の情のないものというようなことでやられたら、これ一つだけでも営業できなくなる。
 次に第八條の二項に、「古物商は、その從業者に、三人をこえない範囲において行商をさせ、」と三人と限定しておるのですが、どこからこの三人という数字が出て來たか、なぜ三人に限定しなければいけないか。百人おつてもいいじやないか。こういうふうな非常に大きな制限、これこそ行過ぎの典型的なものだと思うのですが、これもひとつはつきり御答弁願いたい。なぜ三人と限定したか、なぜ百人おつてはいけないか。
 それから二十條ですが、さいぜん谷口君が申しました品触の問題ですが、こういうことでぽかぽかととめられる。一箇月も、あるいは場合によつては二箇月も、莫大な資本を投下されたものを寢さして置く、その弁償方法が何も書いてないのですが、こういうことをどういうふうにお考えになつておるか。そんなことを業者に対して警察が負担させ得るのか。さいぜんから政府委員のお答えを聞いておりますと、協力を願うと言つておりますが、協力を願うならば向うに損害をかけるようなやり方は協力じやないと思う。協力でやらせるならば、それに対する損害補償の道は当然講じて置かなければならぬ。これは何も触れられていないと思う。これなんかは一方的に警察の方が業者に押しつける形だと思いますので、これに対して賠償の、あるいは補償の何かをお考えになつておるかどうか、お考え願いたいと思う。
 それから次の二十一條の無償で沒收するというのも同樣であります。無償で沒收するというようなことは、これもいわゆる昔のお役人根性まる出しなんで、当然の営業としてやつて、しかも善意でやつた場合に、無償で沒收するというようなことは、ある意味から私有財産の侵害でもあると思うのです。これに対してどういうようにお考えになつておるか。はつきりお尋ねいたしたいと思う。
 それからさいせん政府委員の方から、こういう法律は全世界的に見ても、どこでもやつておるとおしやつたのですが、具体的にそれはどこでやつておるか、はつきり御答弁願いたいと思います。
 以上大体問題点を申し上げたのですが、さいせんから谷口君、門司君並びに私から申し上げましたように、これは憲法で保障された業者の営業権を行過ぎて監督しておるという面が多分にあると思うのです。それでこれは業者に対する営業権、ひいては生活権の問題にもなると思いますので、公聽会をぜひ要求したいと思いますが、その御用意があるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
#68
○間狩説明員 御質問が廣範にわたりましたので、一々の問題につきまして私からお答えをいたします。
 一番最初の、類似行為がいろいろあるからそれに対する取締りというお話のようでございますが、私の方で考えられますのは、具体的のものといたしましては、たとえば近ごろ日用品交換所というものがたくさんございますが、日用品交換所は、本法におきましては古物商の中に含むということにはつきりいたしております。その他あるいは公益法人が、日用品交換所等を経営しておる場合が若干あるのでありますが、本法の建前といたしましては、営業をするものということにいたしておりますので、公益法人は営利行為ができないものでありますので、さような場合には本法の古物商にはならないと考えております。但しその点におきましては、この公益法人が名実ともに経営する場合の問題でございまして、名義だけは公益法人であるが、実体は個人が経営しておると何ら選ぶところがないというような場合には、むしろ個人の営業と見るべきであろうと思います。これは事実についての問題でございます。それから先ほど信用できるかどうかというようなことも申し上げましたので、その点語弊がございましたわけでありますが、この法律は結局対人的な、信用のおける人というところをねらつておるのでありまして、その場合にむろん信用できるかできないかということが、警察側の單なる主観的な判断、裁量によつて決定されるのでは、國民の立場が立ちませんので、古物商ないし市場の許可の場合には、すでに申し上げましたように、條件を限定いたしておりますし、また取消し、停止の場合にも、その條件を限定しておるわけであります。ただ露店、行商、あるいはせり賣りの場合につきましては、その條件を特に書いてないのでありますが、これは営業そのものよりは程度が軽いわけでありますし、また同時に露店、行商あるいはせり賣り等につきましては、大体許可する。せり賣りのごときは市場の必要のないものに対しまして、せり賣りを許可するということはできないのでありますが、行商の点等は希望がある場合には、大体許可をするということでありまして、しいてこまかく一々の條件をここで規定するということも困難でございますので、その規定を設けなかつたわけでございます。
 それから第四條につきまして、第二号の「二度以上罰金の刑に処せられ改しゆんの情の認められない者」という「改しゆんの情」という言葉があるのでございまして、その点客観的基準といたしまして不十分だということは、私どももそう考えておるのでありますが、かりにこれがない場合を考えますと、二度以上の罰金の刑に処せられた者ということにいたしますと、その罰金がいかなる罰金でありましても、單なるほんの不注意の交通事故の罰金を二へん受けたということでもつて、絶対に古物営業をすることはできないということになりましては、かえつて非常に氣の毒でございますので、そういつた場合を救済いたしたいということで、その救済につきましてこれも客観的な基準がどうしても出て参りませんので、やむを得ず改悛の情がある場合にはということで、その罪質の軽い者については、二度以上罰金に課せられましても、許可することができるということにいたしたのであります。
 六号の同居の親族の場合を指摘されたのでありますが、これはたとえばよくある例なのでございまして、夫の名義で営業をやつておりましたところ、その営業が取消され、または停止されて、ただちに妻の名義をもつて許可を申請するという場合に、これをすべて許可しなければならぬということになりますならば、非常に困るのでありまして、結局同じ世帶に住んで一緒に生活をしている親族、夫婦あるいは親子、兄弟というような関係で、そのうち一人が営業をやつておりまして、許可の取消しまたは停止を受けた場合には、そのほかの者の名義ですぐに許可を受けることができないということにしなければならぬと思うのであります。それから五條の管理者の変更でございますが、管理者は第二條の第二項にございますように、古物商がみずから営業所を管理しない場合に、その営業所の一切の責任者として管理者を置かなければならぬということになつておるのであります。從つて古物商自身が管理しないで、他人にその管理の責任を持たせるわけでありますので、管理者の地位というものは、きわめて重いものでありますし、またこの法律を遵守する上から言いましても責任も重いのであります。從つてこの管理者が変更するという場合には、やはり適当な管理者でなければ困りますので、不適格な管理者が出て來ることを防ぐ意味におきまして許可制にしたのであります。それから露店、行商、これは從業者三人を越えない範囲でやらせることができるという点でございますが、これはいろいろ問題がデリケートな点なのであります。行商、露店は場所も一定いたしませんで、全國どこにでも商賣ができる。しかもその許可は営業所の所在地または住所、居所において許可を受けておけば日本全國どこに行つても行商はできる。こういう建前にしてありますので、これを実は一々その行商、露店をしようとする営業地域の管轄公安委員会の許可を受けるということにするのが、あるいは本來かもしれませんが、そういたしますならば、行商なんかの場合に非常に煩瑣になりますので、結局一箇所の許可を受ければ全國通用するという制度にいたしたのであります。從つて監督、取締りの上から申しますと、行商、露店というものは困ると言いますか、かなりやつかいなものなんでありまして、帳簿をつけたりあるいはその他身元の確認というような問題にいたしましても、はつきりしない点があるのであります。そこでこれを無制限に認めますことはやはり困りますので、結局古物商自身が、みずからその責任を持てる範囲内の從業者に行商、露店をさせることを認めて行こう。まあそういたしますならば、大体現在見ましたところ、三人くらいにしておけばちようどよいではないか。別に三人に数字的な根拠があるわけではございませんが、三人ならば古物商本人自身が責任を持てるであろう、こういうふうに考えたのでございます。
 それから差止めの点が問題でございますが、これは盗品または遺失物であると疑うに足りる相当な理由がある場合にだけ、そういうことができるのでございます。しかしいつでもできるというものではむろんございません。もし何らの理由なしに三十日間とめられるということでありますれば、これは二十六條に出て参りますが、違法の処分といたしましてもちろんその処分の取消し、変更の訴えもできるわけでありますし、また國家賠償の請求ももちろんできるわけでございます。
 それから二十一條の盜品及び遺失物の回復の問題でございますが、これは現行法におきましては警察が無償で徴收いたしまして、被害者または遺失主に還付することになつておるのでありますが、本法におきましては、そういう警察が関與することをやめます。從つて沒收するわけでは決してないのであります。ただ被害者または違失主が、その古物商に対しまして無償で返還を請求することができるということだけにしたのであります。それでそのような規定を置きましたわけは、現行法でも同じでありますが、もしこの規定がございませんと、民法の原則で参るわけでありまして、民法の原則によりますと、盜品または遺失物に限りましては二年間は回復の請求ができます。但しその現に占有している人が競賣あるいは公の市場または同積の物を販賣する者から買受けました場合には、その対價を弁償しなければその回復請求ができないのであります。おそらく民法の原則通りで行きますと、盜難にかかり、その品物がもう古物商に渡つたならば、被害者は必ずその対價を古物商に拂わなければ、その品物は絶対に被害者には返らないということになつてしまう。しかも先ほど申し上げましたように、臓品の大部分が古物商の手にさばかれておるということから申しまして、民法の規定通りですと、被害者はほとんど全部品物を回復することはできぬことになるのであります。從つて民法の特例をさらに設けて、古物商に対しましては無償で返還の請求ができるというふうにいたしたのであります。これはあくまでも警察が介入する問題ではなしに、お互い同士の話であり、話がつかなければ裁判でもつてやることになるのであります。古物商、被害者そのどつちの立場を見て行くかということを考えました場合に、やはり被害者の方をある程度保護する規定を置いた方が、結論においてはかえつて公平であろうということで、この規定を特に入れることにいたしたのであります。
#69
○中島委員長 お諮りいたしますが、本法案に対する質疑は、本日はこの程度にいたしまして、あとは次会に讓ることにいたします。御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○中島委員長 それではさようにいたします。ちよつと速記をとめて下さい。
    〔速記中止〕
    ―――――――――――――
#71
○中島委員長 速記を始めてください。
 次に地方自治に関する件について、これを議題にいたします。すなわち地方自治委員会議設置について、前会に引続き協議いたしたいと思います。
#72
○谷口委員 政府側の人は、どなたか見えておりますか。
#73
○中島委員長 実は皆さんのこれまでの熱心なる御研究によりまして、自治委員会の希望を持つております。これは門司君の発言、あるいはまた立花君、谷口君の地方自治團体に奉職する者代の表を委員に入れてもらいたい。また他にも議決機関とするか、政府の原案のごとく諮問機関とするかの可否、その他幾多の御意見がありましたが、この法案は内閣委員及びその向きとの関係もありますから、委員長におまかせを願いたいと考えるのでありますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」「反対」と呼ぶ者あり〕
#74
○立花委員 地方公務員に対する明確なるお考えなり、規定がはつきりしない以上は、私たちはこれに根本的に反対なのであります。幾多の反対の点はありますが、要は法案は形式の問題でありまして、その形式をどう生かして行くかということが問題なのであります。たとえ私たちは根本的に反対でも、また個々の條項に反対がありましても、地方公務員の代表が入つて内部で鬪つて、実質的に自治を促進する方向に持つて行けると考えて、委員長にもしそのお考えがあるならば賛成するにやぶさかでないと思つておつたのでありますが、それが明確にされずにそのまま委員長に一任するということは、私たち承服しかねるのであります。
#75
○中島委員長 それは今のところむずかしいので、委員長としては、明確にできません。
#76
○門司委員 すでに議を盡していると思いますが、私どもも立花委員と同じような考え方でありまして、これが本委員会だけで採決ができ、本委員会で考えるだけのものならまた考えようもありますが、向うの連合審査会においておのおの発言をいたします場合に、非常に困難な事情が起ると思いますので、その点は委員長においてもあらかじめ御考慮を願つておきたいと思います。從つてわれわれの意見というものも、先ほど立花君からも申し上げましたように、本日も速記のないときに私が申し上げました通り、同じような――自治体とは全然違うと言えば違いますが、しかし機構運営の上においては、そうかわらぬと思います。專賣公社法案の中にも、職員の代表という言葉をはつきり入れておりますし、鉄道公社法案の中にも、やはり資本あるいは労働の代表ということがはつきりと明記されております。これらのものがやはり加わつた一つの機関というものが、私は円滑に行く一つの大きな要素だと思います。さらに決議機関の代表者というものは、やはり決議機関の互選によるものでないと、これが官選であるということ自体が、私は少しどうかと思います。それから責任の所在というものをやはり明確にして、そして責任者の出所進退というものが明らかになるような仕組みにしておきませんと、今度の配付税のような問題ができて、大臣自身も非常にお困りになるようなことが私はできるというのと、それから会自身が非常に弱められる危險性を持つておるということであります。それは主管大臣がこれの議長でありますると、何と申しましても議長の意見というもの、議長のお考えというものが、委員会には相当強く反映するものだ、こう考えておりますので、從つて政府の意見が相当強く反映する委員会自体の自主性というものを、相当阻害するものであるということが考えられますので、機関の議長はやはり互選にしていただきたいという理由のもとに、この意味を強く考えておりますので、もしこの場合、この委員会におきましては、あるいは多数決によつて委員長に一任ということになるかもしれませんが、その点は意見を保留し、さらにわれわれの意見のあることを、委員長は十分に御了承願いたいと思います。
#77
○中島委員長 内閣で決定権を持つておるのですから、名前を指しては惡いが、立花君や谷口君の御意見は、やはりあちらへ反映することだと思うのです。ですからここはとにかくこのままにいつまでもというわけにも行かないし、他の法案もたくさんありますから、これは今日決定いたしましてその処理をいたしたいと思います。
#78
○谷口委員 その先に委員長にさつき申し上げましたあの問題、政府委員がいないで残念でありますが、政府委員がいなければいないでようございますから、これはやはりここの委員会の他の党派の人にも重要なことだと思いますので、一つだけ発言させていただきたいと思います。それは第十條の問題でありますが、「財政部においては、左の事務をつかさどる」としまして、地方自治法、地方財政法、地方税法、地方配付税法、及びその他の法律の基く地方財政に関する内閣総理大臣の権限の行使について補佐することという項目があるのであります。この項目によりますと、地方財政法の二十六條、つまり「地方公共團体が法令の規定に違背して著しく多額の経費を支出し、又は確保すべき收入の徴收等を怠つた場合においては、國は、当該地方公共團体に対して交付すべき地方配付税の額を減額し、又は既に交付した配付税の一部の返還を命ずることができる。」この地方財政法二十六條の仕事も、ここでやることになるのではないか、やるのだろうと思うのでありますが、そうしますとこの項目及びその次の十條の一、二、三のこの三つは、少くとも十一條の「地方自治廳の所掌事務のうち、左に掲げる事項は、地方自治委員会議の意見を聞かなければならない。」というこの中で、少くとも十條の一、二、三の項目を入れていただきたい。というのは地方自治体が不当に放漫の支出をした場合、あるいは徴收すべき收入を徴收しなかつた場合には、地方配付税の返還を命ずることができるという問題でありまして、はたして不当な、放漫な支出であるか、あるいは不当に徴收を怠つたことになつておるかということの判定は、やはり地方自治委員会議で審議して、その結果やつてもらわないと、一方的に財政部において、これは不当だというふうな解釈をされて、配付税の返還を命ぜられたりすると、たいへん困ると思いますから、この点につきまして実は例があるのであります。昨年三月、四月、東京、横浜、名古屋、京都、神戸、大阪というような大きな都市におきまして、地方公務員の團体であるところの自治労連が臨時給料の増給を要求いたしました。そしてしばらくの交渉の結果、労働委員会の承認を経て、理事者側及び労働者側の両方が納得して、号俸を切り上げることの処置によつて、給料の臨時増額を獲得したのであります。このために京都市その他の都市におきましても当然のこととしてこれを支拂つたわけでありますが、これを國の立場から、こういう臨時給料の支給は不当であるという認定のもとに、これを放漫な支出と称して今年の配付税の配付のうちから差引かれる、そういう措置が今とられつつある。このことはただ公務員諸君の給料、既得権が侵害されるばかりでなく、地方公共團体の理事者なども、また労働委員会等を通じて、世間の輿論も当然だと思う給料でも、國が一方的に不当だと認めた場合には、地方配付税の配付額を減じたり、あるいは返還を命じたりすることができるかのごときことになつておるのでありまして、これは非常に不当だ、こういう場合に公共團体の側も非常に困るわけでありますから、こういうことをきめる場合には、單に財政法だけにまかしておくだけでなく、義務的措置だけでなく、当然地方自治委員会議の議題として、審議の結果、これに基いてやるというふうになさらなければ、地方自治体は非常に困る場合がある。ぜひこの点を第十一條に、つまり決議機関としての自治委員会議において審議しなければならないという項目の中に、第十條の一、二、三まで加えていただきたい。そうでなければ一方的な措置で、地方自治体が非常に困る場合が現実に起つたり、また今後も起り得る可能性があると思います。單に從業員側、労務者側の希望だけでなく、公共團体そのものとして、当然確保しておくべきことだと思いますので、今日もし財政委員会の方でいらつしやつたら、政府の意見も聞くはずでありましたが、いらつしやらないで一方的でしたが、この点を他の委員諸君もなるほどというように賛成していただければ、たいへんけつこうだと思います。
#79
○野村委員 この問題はもう各委員から質疑も議論も大体において盡きたと思います。特に正規の、法的に運営委員会を通して内閣委員が一方的にやつておるのでありますから、大体さきに示された委員長の試案を基礎にして、その間應答された希望なり質疑というものも、委員長におかれて含まれて、適当に申入れられ、善処せられんことを希望いたしまして、この委員会の意思は大体おまとめをいただいて、この程度でこの問題に対しては打切り願いたいと思います。
#80
○立花委員 打切る前に、野村さんの御発言は非常に妥当なお考えだと思うのでありますが、最後にあたりましてもう一言、ぜひ発言させていただきたいと思いますのは、やはり地方公務員の問題でありまして、この点多少まだ十分御了解がなく、十分話合いの上でなしに事がきまろうとしているではないかと思われます。そうしてこの地方自治に関しましては、この委員会といたしましても、今まで党派を超越してということを私承つておりますので、この際地方公務員を、労働組合員だからというようなお考えでなしに、学職経驗者のうちには当然含まれるべきものだと思いますし、含むのが最善の方法だと考えますので、ここでおきめになる場合にも、もう一度何らかの方法で、私どもあるいは門司君が反対しながら内閣の方へ申達されるというのでなしに、やはり何らかの措置を講じていただいて、地方行政委員会として皆の意見がまとまつたところでお話し申し上げるように、もう一度御考慮願いたいと思います。
#81
○中島委員長 もう会期もわずかでありますし、御承知のように内閣委員会に各省設置法案が山積しており、少くとも一省ごとにきめて参議院に送らなければならないので、私どもとしてはなるべく上げられるものならば早く上げたいと思つております。そういう次第でありまして、地方自治廳設置案も、立花君の御意見はごもつともでありますが、そのためには今までずいぶん論議を盡されております。その問題をこの際解決することは困難でありますから、もし委員長におまかせできないならば、本日採決するより方法がないと思います。
#82
○立花委員 それならば定足数の問題があるのですが、これでおやりになるのですか。
#83
○中島委員長 こういう問題ですから、これで採決して行きたいと思います。
#84
○立花委員 論議をされたとおつしやるのですが、実際今までの論議は非常に皮相的な論議しかやつておりませんし、このままでこういう足りない形で採決をし、非常に不十分なものを持つて行くということも、これは地方行政委員会としてもどうかと思うのです。日はもちろんありませんが、まだ意見をまとめるだけの、それくらいの日は十分残つておるんじやないかと思うのです。ここでこのままで、定足数も足りないのに強行して決をとるということは、私はできるだけ今後のこの地方行政委員会のあり方から申しましても、なるべく避けたいと思いますので、委員長に善処をお願いしたいと思います。
#85
○中島委員長 実はあさつてもやなあさつても、委員会を開こうと思つて計画したのでありますが、いずれも部屋がふさがつておりまして、委員会を開く場所がないのであります。どうしても今度の十一日の定例日よりほかにないのであります。ところが御承知の地方財政法、地方税法の一部を改正する法律案、かような非常に複雜な、めんどうな法案が出ております。地方自治廳のごときものは、本行政委員会の責任においてこれを処理すべきものではないか。そういうわけですから、少くもこれだけのものは早く切り上げまして、そうして順次ほかの重要法案を、できるだけ進めて行きたい。しかしながら何でもこの議会に間に合せようとはむりに考えておりません。できるだけのことをやることは、私どもの議員としての職分であると考えておるわけであります。
#86
○立花委員 最初この地方行政委員会が発足いたしましたときに、定足数の問題が出まして、委員長はそのときは審議をやるが、決はとらないというふうにたしかおつしやつたのですが、それをこの場でおやりになるということは、少し前言にもとるのではないかと思います。私こういうことは言いたくないのですが、この場で決をおとりになつても、そういう問題もございますし、決をおとりになつても私たちは反対の態度を保留したいと思うのですが、そういうかどの立つたことはせずに、委員長個人の資格でお出しになるという手もありますし、できるならば日を延ばしていただいてその間にまとめていただいて、間に合うように出していただくということもありますので、きようの決をとるということはなるべくおやめ願いたいと思います。
#87
○川本委員 すでにこの案は、今野村委員が言われたように、長いこと論議されておりまするし、立花委員の言つておられまする公務員側を委員に入れるということについては、委員長の御意見もあり、またこの法案は関係方面をしんしやくして見て、とうていこれはいつまでやつてみても同じところを歩くだけである、かよう思いますので、この際私どもとして、何とか立花君の方に御了解が得られれば、同じところを幾度繰返して見ても、ただいたずらに審議の遅延を來すだけだと思いますので、一應委員長におまかせ願えるようにしていただければ、皆さんの御趣旨の点からもいいのじやないかと思うのですが、この点いかがでしようか。
#88
○立花委員 非常に御鄭重なお言葉と思うのですが、遺憾ながらその点に関して民主自由党の方々の今までの発言が、地方公務員の立場に御理解がない、あるいは私たちの納得のできないような御発言でありまして、なぜ地方公務員を入れてはいけないのかという、十分な説得力をお持ちにならなかつたうらみがあると思うのです。こういう点で決して論議が盡されたとは言えないと思うので、從つてほかの何かの要素で、この問題がこう早急に片づけられようとしておるというふうな感を私どもは深く受けるのであります。門司君の指摘しましたように、他の逓信の問題でも、あるいは國鉄の問題でも、公務員の立場を認めて、それの参加を認めているという例がありますのに、特に地方公務員の問題をお省きになるということは納得いたしかねますので、本日強行されるとすれば、私たちといたしましては反対の態度を保留さしていただくより以外に道はないと思います。
#89
○中島委員長 これは先ほど立花君の申されたいわゆる一方的の信用であります。あなたの自治労を信用する、かつちりしたものであるという見方と、私どもの見方とは違うのであります。それで他の府縣会議長の代表者であるとか、その他の代表者を入れることには、どなたも異議がないのでありまして、この問題はまだよく熟しておりませんが、お互いに協力して、どこまでもそういうものを入れるようにして行くことが私は民主的だと思う。変なことをしてかえつて惡い感情を持たれることがあるようではおもしろくありませんから、眞にこれらの人が政治の上に力をいたして、そうして信用のあるように一日も早くなることを希望するわけです。私はごく露骨に申し上げます。
#90
○立花委員 その点は意見の相違なんですが、委員長はその実力が自治労にないとおつしやいまして、私の申すことが主観的だとおつしやつたのですが、私は決して主観で申し上げておるのではありませんので、客観的に申しまして、國鉄の労働組合あるいは全逓の労働組合に遜色のないだけの実力と組織を、実際に持つておるのでございまして、全官の一構成分子として活動しておることは客観的な事実である。その客観的な事実に基いて私は発言いたしておりますので、その点ひとつ誤解のないようにしていただきたいと思います。
#91
○中島委員長 それではこの自治廳設置法案に対して決定をいたしたいと思います。大体この法案は私が試案として出したのでありますが、地方自治委員の「六人」を「十二人」とし「全國の都道附縣議会議長の連合組織がその代表者として推薦した者一人」「全國の市議会議長の連合組織がその代表者として推薦した者一人」「全國の町村議会の議長がその代表者として推薦した者一人」こういうふうに六、七、八と修正するわけであります。それから前の「六」の学識経驗のある者は「九」の学識経驗のある者とし「一人」を「四人」と修正するのであります。その次に「前項第三号から第六号までに掲げる者を」というところを「前項第三号から第九号までに掲げる者を」と修正するのであります。第十一條の「地方自治委員会議の意見を聞かなければならない。」というのを「地方自治委員会議の議決を経なければならない。」こう修正するのであります。それから第十一條の九号に「その他地方自治に関する重要な事項」とありますのが「その他地方自治委員会議においてその議決を経べきものと決定した事項」こういうことになるわけであります。その次に第十二條の「委員三人以上出席しなければ」というのを「六人以上」とする。以上が修正の意見であります。
#92
○門司委員 ただいまの委員長の案でありますが、たとえばさつき谷口君からも申し上げましたように、案の内容の中にはまだ相当意見を加えていただきたい点があるかと思います。このままこれを決でとつて、そうして委員会の意見として何かに交渉される。それが交渉の過程においては非常に強い意見となつて現われて來ることが考えられます。いわゆる内閣委員会に対する圧力としては相当強く感ずると思いますが、本委員会の場合におきましては、私はもし委員長の意見をここにおはかりになつて、そうしてわれわれはそれに対して意見を述べたということで、取扱いの上においては適宜これを委員会の決議としないで、修正は有志の方々の自由にできるはずでありますので、そういう取扱いができれば非常に幸いだ、かように考えております。そういたしますれば、われわれも内閣委員会との連合審査会におきましても、自由にだれにも遠慮しないで、十分の討議、発言ができるということに相なりますので、決議をしないでそういうお取扱いが願えるならば幸いだと考えます。
#93
○中島委員長 ちよつと申し上げます。これはやはり地方行政委員会の少くも多数の意見だということで行きたいと思います。――それでは大体地方自治廳の案に対しては、これで終結したものと了承してもらいます。こういうことだけ宣告しておきます。自治廳の問題に対しては再びこれを議題にすることはありませんということを宣言しておきます。
 それでは本日はこれで散会いたしまして、あらかじめ申し上げておきますが、今度は來る十一日の午前十時から午後に通じて会議を開きます。それから十二日の午前にも会議を開きます。十三日の水曜日には午前午後も続きまして会議を開きます。これだけ御承知を願います。
 本日はこれで散会いたします。
    午後四時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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