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1949/05/11 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第19号
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1949/05/11 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第19号

#1
第005回国会 地方行政委員会 第19号
昭和二十四年五月十一日(水曜日)
    午前十一時二十二分開議
 出席委員
   委員長 中島 守利君
   理事 川西  清君 理事 川本 末治君
   理事 菅家 喜六君 理事 福田 篤泰君
   理事 久保田鶴松君 理事 藤田 義光君
   理事 立花 敏男君 理事 圖司 安正君
      生田 和平君    大泉 寛三君
      河原伊三郎君    清水 逸平君
      野村專太郎君    龍野喜一郎君
      足鹿  覺君    門司  亮君
      千葉 三郎君    谷口善太郎君
      井出一太郎君    小平  忠君
 出席國務大臣
        國 務 大 臣 樋貝 詮三君
 出席政府委員
        國家地方警察本
        部部長     柏村 信雄君
 委員外の出席者
        逓信事務官   吉澤 武雄君
        專  門  員 有松  昇君
        專  門  員 長橋 茂男君
    ―――――――――――――
五月七日
 繭に対する事業税撤廃の請願(八木一郎君外七
 名紹介)(第一二一四号)
 町村吏員恩給費に関する法律案制定の請願(樋
 貝詮三君外一名紹介)(第一三三二号)
 地方公務員法案上程反対の請願(大矢省三君紹
 介)(第一三四九号)
 地方財政確立に関する請願(大上司君紹介)(
 第一四四六号)
 町村吏員恩給組合に対する國庫補助増額の請願
 (大上司君紹介)(第一四四七号)
同月十日
 奈良の彫刻に対する生産課税免除の請願(前田
 正男君紹介)(第一四六〇号)
 福岡縣に中央卸賣市場設置の請願(福田昌子君
 紹介)(第一四七七号)
 地方財政法に精神病に要する経費支弁の規定挿
 入の請願(福田昌子君紹介)(第一四八三号)
 地方公務員法制定反対の請願(石野久男君紹
 介)(第一四八六号)
 同(佐々木更三君紹介)(第一四八七号)
 前橋市会解散請求運動に関する請願(立花敏男
 君外一名紹介)(第一五〇二号)
 地方公務員法制定反対の請願(川上貫一君外四
 名紹介)(第一五〇九号)
 同(立花敏男君外五名紹介)(第一五一〇号)
 山口縣下の市財政救済に関する請願(青柳一郎
 君紹介)(第一五二七号)
 大阪市警察局長罷免に関する請願外三件(横田
 甚太郎君外四名紹介)(第一五五三号)
 地方公務員法制定反対の請願(井之口政雄君外
 一名紹介)(第一五六四号)
 同(志賀義雄君紹介)(第一五六五号)
の審査を本委員会に付託された。
同月九日
 警察制度改革に関する陳情書外一件(靜岡縣磐
 田郡町村会長川島直次郎外三名)(第三二五
 号)
 地方税法一部改正の陳情書(松山市議会議長村
 上綱一)(第三三〇号)
 土地家屋使用税創設に関する陳情書(伊丹市長
 瀬尾義男外八名)(第三三二号)
 地方財政確立の陳情書(都道府縣議会議長会代
 表石原永明)(第三三四号)
 地方財政に関する陳情書(兵庫縣議会議長加藤
 秋一)(第三五二号)
同月十日
 地方税財政制度の根本的改革に関する陳情書(
 大阪府知事赤間文三)(第三七五号)
 市財政救済に関する陳情書(山口縣下十市議長
 会会長野村利平)(第三九七号)
 遺失物法一部改正の陳情書(京都市公安委員
 会)(第四二八号)
 道路交通取締法一部改正の陳情書(京都市公安
 委員会)(第四三五号)
を本委員会に送付された。
同月九日
 参議院議員の通常選挙の施行期日に関する勧告
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 都道府縣の所有に属する警察用財産等の処理に
 関する法律案(内閣提出第一〇三号)
    ―――――――――――――
#2
○中島委員長 これより開会いたします。
 本日の日程に入ります前に一應御報告申し上げます。去る五月四日に付託されました地方財政法等の一部を改正する法律案は、地方財政法の一部を改正する等の法律案と訂正されましたから御了承を願います。
 次に会期も切迫いたしましたから、明日から午前十時より本委員会を開会するようにいたしたいと思います。御承知を願います。
 それでは前会に引続きまして、都道府縣の所有に属する警察用財産等の処理に関する法律案を議題といたします。本法案につきましては一應前会で質疑は終了したようでありますが、なお質疑の希望者がございますから、この際これを許します。清水逸平君。
#3
○清水委員 本法で財産処理をせんとするものは、昨年の警察法の施行当時、國家と自治体警察とにわかれたときに、わけられてあるものを國家に讓渡せんとするものとは思いますけれども、この財産の分配については、地方自治体警察と國家警察の間に、なかなか微妙な点がありまして、そのために警察運営の面において、相当に支障を來しておつたような部面も多くあつたのでございます。大体警察の財産というものは、今までの例から言いますと、廳舍にしろ、自動車にしろ、その多くはその地方の寄付によつてできているのがございます。それを昨年の警察制度の改革のときに、國家と地方とをわけて、その公配等についても非常に意見があつたようです。その結果現在でも自治体警察と、國家警察と同じ廳舍におる所もあります。これらの点の処分、それからそれによつてまた昨年と同じような自治体警察と國家警察の感情上の摩擦、そういうものが起るか起らないか、それをひとつ伺いたいと思います。
 それからもう一つ昨年の電氣通信機の逓信省移管によつて、自治体警察においては非常な障害が起つて來ておる。つまり先般門司委員から申されたように、辺鄙な地方における通信の不円滑というようなこともあります。また一面において返鄙の土地においては、今まであつた警察電話の回線を廃止するという方面も起つて來ておる、從つてそれによつて、自治体警察は回線の借上げをするとか、または特別通話をする。こういうような面において、通信費においては非常に現在財政的に困つておる。自治体警察においても、その値上りによつて非常に困難をしておる。それで今回この法案によつて國家警察がこれを取上げた場合に、自治体警察はそれによつて今度は新規につくるとか、または今まで所有しておつたものは、國家に所属するために新規に購入をしなければならぬ。財政負担が非常に多いときに自治体にそういう負担を多くさせはしないか、この二つの点について、お伺いいたしたいと思います。
#4
○柏村政府委員 第一点の、一般的に警察用財産のわけ方について、いろいろ問題があつたのではないか、さらに今度こういうふうにはつきりしようとすり際に、摩擦をひき起さないかというような御質問と承りましたが、御説の通り今回の法律においては、当初國家警察と自治体警察にわかれた際に、國家警察に必要なものはどれだけかということによつて、実際に國家警察において、現に使用いたしておりますし、それ他自治体警察において必要なものは、自治体警察において使用することになつております。さらにそれで不足するものについて、前会にも申し上げましたように、國庫から應分の助成をいたしまして、廳舎の新設なり施設の整備をいたしたわけであります。それをもつて自治体警察が現在動いているわけであります。そういう実態をつかまえまして、法律的にその所有区分をはつきりさせようというのが、今度の法律の目的でありまして、このために特に摩擦が起るというふうには私ども考えておりません。なお國有になる廳舎等につきましても、現在自治体警察が使つておる部分については、無償で自治体警察に使用させるということを、この法律でもつて規定しておるような次第でありまして、將來にわたつて自治体警察が國家警察に侵蝕されて、そのために新しいものをつくらなければならないということは起つて來ないと考えております。それから第二の通信施設の問題でございますが、なるほどお話のように非常に辺鄙な所で專用線を使つておつても、その度数はあまり多くないというような所については、一般の逓信電話に切りかえることをいたすわけであります。これはほんとうに專用線を警察のためにだけ使うことが、いかにも資材の面から申しましても不経済であり、また、その自治体としましても、それほど頻繁に使わないものについて、むしろ法外な專用料を拂わなければならないという不利を防ごうという趣旨から出ておるのでありまして、このために通信費が多くなることはないと考えております。
#5
○清水委員 もう一つ、自治体警察と國家警察の廳舎についてこういう話もあるのです。つまり自治体警察は都市に集中しておる。しかしその都市には今まで警察署があつた。しかしそこに國家警察がおる。都市のなん中に國家警察がおつて、國家警察の管轄する所はずつと郡部である。從つて國家警察はどつちかといえば、その都市のまん中になくて、他の所にある方が有効であるという実例がございます。それで昨年度の政府の指示によつて自治体警察の廳舎をほかにつくつて、それに國家警察が入つておる。こういう実例があるが、これについて伺いたい。
 もう一つ、ただいま御答弁の中に自治体警察と國家警察との摩擦がないという御答弁がありましたが、末端においてはなかなかそういうものではないと思います。御指示くださる場合に十分その点に御注意くださつて、摩擦の起らないように願いたいと思います。
#6
○柏村政府委員 先ほど私は摩擦が起らないというように申し上げたようでありますが、これはこのために特に摩擦が起るようなことはないであろうということでありまして、お話のように末端において、いろいろ若干の摩擦も起ることはあり得るかと思いますが、できるだけ御趣旨に沿いまして、今後の配分につきましても明確にして、できるだけその摩擦は避けたい。このためには特にはなはだしい摩擦は起るまいと考えております。
 それから警察署の位置が都市の中央部にあつて、むしろ國家警察としては違つた場所にあつた方が適当であろうという場所も確かにあるだろうと存じます。現に愛知縣等におきましては、そのために國警の廳舎を特別に建てて、從來のところに一時一緒におつたものを、國警の方がどいたような所もあるようであります。しかしながら國費も不十分な折でありますので、苦しいながら両方で一緒におるというような所が大部分であると思います。お話の自治体警察の施設のためとして補助を與えておつた。それによつて新しい小さい廳舎を建てる。そうして國家警察の方が小人数であるので國家警察がそちらに移つておるというようなものも、確かに若干あると考えております。これにつきましてはいろいろ学問的に見れば意見はあると思いますが、元來國家といたしましては、まず府縣に対して必要な施設費を補助いたしまして、府縣から市町村に対して配分してもらうことにいたしたわけであります。從いまして新設する場合も、市町村に金をやつて市町村が建設したものもありますし、縣の施設としてとりあえず建設しまして、それを市町村に無償でやるという場合もあるわけであります。これは縣の自由にまかせておつたわけであります。お話のような場合におきましては、從來の廳舎の、かりに三分の一に國警が入つておる、三分の二は不要だから自治体に使わせることにしておりまして、その三分の二では自治体し足りないので、さらに三分の一だけ自治体として新設しなければならないという場合に、新しいものをそれだけ附加する。ところがそういう複雜なことをしないで、自治体警察も國家警察も、一つの所に入つた方が、実際の警察事務の運営上適当であろうというような場合におきましては、これを実質上交換して行くこともさしつかえないのではないかと私ども考えておりますし、多くの場合は縣の財産のうちに両方をつくりまして、縣の財産であつたままにおいて國家警察の方に小さい所に入つてもらい、自治体警察の方に大きいのに入つてもらい、その現状において財産の讓受けを縣から國警も受け、自治体警察も受けるようにすればさしつかえないのではないかと考えておりますく事実問題としてそういう問題も若干あつたのではないかと思います。
#7
○龍野委員 本法案は一見すると、いかにも事務的な法案のように見えるのであります。しかしながらその中には警察活動の根本をゆさぶるような條項があるのであります。それは提案理由の説明の中にもあります通り、第三條の規定であります。この点につきましては、門司委員もちよつと触れられたのでありますが、この第三條はいわゆる警察電話の大部分が逓信省に移管されることになると御説明になつておるのでありますが、この問題は、警察活動上の非常な重大問題ではないかと考えるのであります。いやしくも警察に経驗のある人々は、おそらく警察電話の主管が他の省に移つた場合に、はたして敏活に命令できるやいなやということについて非常な疑念を持つのではなかろうかと思うのであります。警察電話こそは警察の生命であり、動脈であると私は信ずるのであります。本日の新聞の総理大臣の談話を見ましても、日本における現状から押して、警察力のもゆ一層の充実を考えなければいかぬということが言われておる今日におきまして、警察機能をいささかなりとも障害させるようなことは、われわれは看過すべからざる問題であると存ずるのであります。しかもこの資材節約その他の面におきまして、逓信電話と、警察電話を一緒にして、その節約をはかるというような試みは、すでに戰時中においてその計画があり、閣議決定までになつたのでありますが、実際におきまして警察活動上、非常な支障を來すという意味のもとに、行われなかつたという試驗済みのものであるのであります。第三條はいかなる理由によつてここに提案されたのであるか、その辺のことに関しましては、あるいは自分の本意でないという部面もあるかとは存じますけれども、こういうような方法を講じて、はたして警察当局が今日の日本の秩序の上に、あるいは犯罪の捜査、檢挙などに対しても、今までより一層の御活動を期待し得られる確信を持つておられるかどうか、その所信をお伺いいたしたいと存ずるのであります。これが実施につきましては逓信省に移管さめるものについては、別に法律でこれを定めるということがあるのでありますが、その際におきまして私は、十分に警察御当局におかれましては警察活動の障害にならないように、いなむしろその活動の効率を上げるように、ごくふうを願いたいと存ずるのであります。これらについて御当局の所信をお伺いいたしたい。
 次に本法案によりまして、大体都道府縣所有の財産は國家の所有に帰属することになつたのでありますが、自治体警察の悩みは、先ほども御質問がありました通りに財政が貧困でありますゆえに、今後この実施にあたりましては、財産としては小さいものでありましようけれども、残つたものも相当ありましようから、これらの点につきましては、なるべく自治体警察に帰するようにお願いいたしたい。この辺のことに関していかに考えておられるかお伺いいたしたい。この二点をお伺いする次第であります。
#8
○柏村政府委員 警察用の有線電氣通信施設の大部分が逓信省に移管されることにつきまして、ただいま御意見を承つたのでありますが、確かに御説のように警察通信というものは、警察の動脈でありまして、この通信機能の充実ということが警察の機能を確保し、強化する上におきまして、最も重要な要素の一つであることは申すまでもないことであります。從いまして國家地方警察といたしましても、この通信施設については、重大な関心を拂つておるわけでありますが、ただ戰後におけるきわめて逼迫した資材の状況、また技術的な人的資源の問題等を考え合せまして、どうしてもこれを二元的に運営することの不経済であることからいたしまして、両者を統合して、効率的に警察通信施設を運営して行こうということに相なつたわけであります。しかしながら逓信省に移管されまして、警察通信に対する関心の度が低くなるということでありましては、ただいまお話のような重大な支障を來すようなことになるわけでありまして、この点につきましては、逓信省におかれても、まず警察通信を第一位的な優先順位に考えるということで、この施設の維持、補修、必要に應じては、その拡充について御協力願うことになつておりますので、この点はしばらく御信頼を願いたいと考えておるわけであります。
 それから自治体警察の問題でありますが、自治体が非常に財政が逼迫しております折から、多少なりとも有利な配分を受けるように心がけろというお話でありますが、この点につきましては、われわれといたしましても、地方の國家警察の方面に対しましてはやむを得ない、必要なもの以外にこの際國家で確保しておく方が、有利であろうという理由で、むやみに國の方に確保しておくことは絶対にいけない。昨年制度が置かれまして、國家地方警察と、自治体警察にわかれて、現在まで多少の摩擦はありましても、一應円滑に事実上の配分も済み、仕事も行われていつておるという現状をとらえて、これ以上むさぼるようなことは絶対にしないようにということを申しておるわけでありますし、今後におきましても、この法律が通りましたあかつきにおいては、実施上こまかにそうした注意を喚起いたしたいと考えております。そうしてできるだけ自治体警察にも有利に行くように、そうして自治体警察と國家警察と、ともどもに治安の維持をはかり得るように協力し合つて行くように努めて参りたいと考えております。御了承を願います。
#9
○中島委員長 谷口善太郎君。
#10
○谷口委員 私も龍野委員のお尋ねになつたことは非常に大事だと思うのです。さらに重ねてお尋ねするのでありますが、第三條の逓信省に讓渡される通信施設は、大体回線が主になつておるのではなかろうか、これは御承知の通り逓信委員会でも政府側の御説明によりますと、通信施設の全回線キロの二七%が警察用のものであるというように、政府委員から発表されていたようであります。これだけのものが警察專用の電話としてあつて、これが逓信省へ渡されることになるとすれば、経済上の問題だと盛んに政府委員はおつしやつておりますけれども、なるほど経済的にお考えになる方がかえつて経済なのかもしれませんが、警察機能の充実という点から考えますと、この通信施設が逓信省へ渡されて、警察專用でなくなるという点に、かなり大きな欠陷が生れるのではなかろうか、この点をお聞きしたい。政府委員の御答弁を先ほどから聞いておりますと、りくつが立てばそれでいいというふうにしか私ども聞えないのでありますが、もつと腹を打明けたところをお話願いたい。
 それから同じ問題でありますが、法律でこれを定めるというふうに第三條でなつております。すでに警察用の通信機関の大部分が逓信省へ渡され済みではないか、これは事実ではないか、この点であります。もしそうだとしますと、これはやはり先に事を運んで、あとから法律を合せるというやり方になると、私どもかなり問題だと思いますが、この点をお尋ねしたい。
 それからこれも聞くところによりますと、施設が渡されて人員はそのまま警察に残つておる。從つて逓信省の方では、設備をもらつても人員がついていないから、労働強化で逓信省の從業員は非常に困つておることを聞いておりますが、その点はどうなつておるか、また引取られた人員が現在國家地方警察の定員の中に含まれているのか、別のものか、その点をお尋ねしたい。なおこれに対する御答弁を得ましてもう少しお尋ねしたいのであります。
#11
○柏村政府委員 第一の機能の点におきましては、やはり移管されると非常に低下しはしないかという御疑念でありますが、その点は当初われわれとしましても非常に心配をいたしたのであります。逓信省との間に数次打合せを行いまして、逓信省としても十分警察通信について熱意を示しておられる実際を確認いたしまして、やむを得ないものと考えたわけであります。ただそこで專用線が逓信省に移管されるために、まつたく專用でなくなるかという点につきましては、この前の会にも申し上げましたように、今まででも警察において建設し、維持しておりました純粹の警察通信施設以外に、逓信省で建設しました線を、警察の方で專用料を支拂いまして、もつぱら警察の用に使つておつたものが相当あるわけであります。從いまして今後におきましても、一應從來の警察で建設したものを逓信省に移管することにはなりますが、その大部分につきましては、やはり警察で專用する。ただその維持、補修は逓信省の技術を一元的に運営してやつてもらうことになると考えられるわけであります。その点からはやはり警察に必要な施設は、優先的に警察に確保したい、こう考えておるわけであります。
 それからこの移管に伴いまして人員がどうなるかという問題でありますが、これは國家地方警察の側におきまして、有線施設についての維持補修のための要員においては、從つて相当数の減になります。その分を逓信省の方に人間も移していただくことになると考えております。なおこまかい点につきましては、逓信省からもお見えになつておりますので、そちらからも御答弁をしていただきたいと思います。
#12
○吉澤説明員 私逓信省の者といたしまして、この電氣通信施設の移管につきまして、いろいろな御懸念やら、あるいは御意見がございましたので、それに対しましてただいままでの施設の状況並びに今後逓信省といたしまして、この移管を受けました後における計画を、今わかつておる範囲においてお答えいたしたいと思います。
 この電氣通信施設の警察の分を逓信省が讓り受けるについては、すでに柏村政府委員からお話のごとく、技術の点あるいは資材の点につきまして、やはり二元的にやることが非常にむだであるということとともに、警察制度の改正に伴いまして、急激に通信施設を必要とする、そういう場合におきまして、早急に完備する必要から、今回の警察電氣通信の逓信省移管になつた次第であります。それは昨年八月一日を期しまして、一應施設の所有権は現行のままといたしまして、ただちに全面的に警察の電氣通信の維持補修を逓信省がお受けした次第でございます。その際におきまして、國家予算といたしましては、逓信省に正規の予算がなかつたのであります。しかし非常に必要なこの警察通信の整備であり、またこれを完全に補修するということに対しましては、私ども他の成立しましたところの施設の予算を差繰りまして、昨年度予算なしでやりました施設が、大略市外回線におきまして一万七千キロに及んでおるのであります。なお市内の專用線、すなわち自治体に最も関係のある市内の設備におきましても、七千五百キロというような新規の建設をしたのが昨年度の状態であります。本年度におきましては、やはりこの警察機構の改正に伴いまして、いろいろな施設の需要、さらに今までの警察通信施設が、必ずしもいいもののみではないのでありまして、辺鄙な所に行きますと、やはり同じ線に六箇所も七箇所もぶら下つておる。そういうようなものは十分な通話ができないといつて、これをただちに專用回線に切にかえることができない場合におきましては、その通話数に應じまして、專用線として一本かけるところは十分に專用線を設けることにし、ただ一本かけるまでに至らぬ通話につきましては、現在逓信省の電話を優先的に使うという取扱いを今日実行しておる次第であります。この優先通話の取扱いと申しますのは、緊急通話として、あらゆる通話に先んじてただちにこれが通じる手はずになつております。また普通の警察用の電話でございましたら、特急電話に優先するというとりはからいをして、專用線によらない警察電話の速達を期しておるわけでございます。また專用線につきましては、第一次、第二次、第三次線の計画を設けまして、これを國家地方警察本部から管区本部へ、管区本部から府縣へ、府縣から市町村へというように、その施設の内容によりまして、第一次、第二次、第三次という整備計画を立てまして、着々昨年より実行しておる次第であります。それによりますれば、この第一次線の長距離の重要回線は、逓信省がお引受けして以來、この障害が非常になくなつたのであります。しかしながら地方におきましてはまだ切りかえの十分に行かないところ、あるいは施設が資材予算の関係上、昨年度は十分参らなかつたために、移管をしてかえつて惡くなつたという結果は経過的に多少あるかと存じますが、本年度におきましては緊急の度に應じまして、逓信省の正式予算の中から相当の予算をこれにさきまして、概略計画としてはこの市外回線を五千キロ、市内部分の電話につきましては二千五百キロにしまして、建設完了予算として約三億六千万円ぐらいの予算を計上しまして、新規施設の線をこれによつて整備して行きたいとともに、現在ある線につきましての補修の完備については、障害の場合、あるいは回線の修理の場合におきましては、進駐軍関係の修理に次ぐ順位によつて、ただちに補修の完璧を期するようにわれわれは努力しておる次第であります。その意味におきましては、実はこの警察通信料金は、專用線に関する限りは非常に安くなつておるのであります。從つてこの補修あるいは資材から見て、実は実費をすら補えない專用料金をもつて逓信省はお引受して、なおその完璧を期するように着々努力したいと思つております。その辺ひとつ御了承くださいまして、なお今後予算その他について十分に御協力をお願いしたいと思います。
 なお二十四年度におきまして警察通信施設を移管する、それに対する補修員がどのくらいあるかという御質問につきましては、それだけの要員といたしまして、本年度の予算には二千五百七名を計上しておるのであります。これをもつてやるとともに、なお今擁しております定員も警察通信の補修の向上を期するために、これをさいてやる予定であります。
 以上大体の逓信省としての立場を申し上げました。
#13
○中島委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#14
○中島委員長 速記を始めてください。
#15
○谷口委員 そうしますと関係方面の強い要望があつて、電氣通信機関を逓信省へお渡しになつたのだというふうに今聞いたのでありますが、先ほどからの経済上の問題だの、施設の問題だの、技術の問題だのということについては、それではそういうふうに表面上の理由をつけていらつしやる、こう解釈してよろしいですか。
#16
○柏村政府委員 そういう要請があつたことは事実でありますが、その理由につきましてはわれわれも了承しておるわけであります。從いましてそれに基いて仕事を進めて参つたわけでありまして、まつたく相反する意見に屈從したということではないのであります。
#17
○谷口委員 電氣通信機関は政府委員のお言葉を聞きましても、他の委員諸君のお言葉を聞きましても、私もそう思つておるのでありますが、警察の機能を発揮する上において非常に大事な施設である。これが所管の違う逓信省へ渡されるよりも、むしろそのままの方が都合がよいというようにお考えになるとすれば、他の――たとえば土地や建物やその他の品物、つまり今まで警察の持つていたいろいろな財産を、何も地方公共團体からとらなくても、現在のままでもいいということになりはしませんか。電氣通信機関はよそへやつて不便を感じないものならば、何も地方自治体が持つておる現在の財産を、國警がただでとらないでも、所有権が國家に移らなくても、十分に現在の機能が発揮できると解釈していいと思いますが、他の財産は、どうしても無償で國へ取上げなければならない、電氣通信施設だけは逓信省でやつてもいいということは、私どもは理論上了解しがたいのでありますが、その点はどうでしようか。
#18
○柏村政府委員 電氣通信施設につきましては、そうすることがむしろ機能的によろしいということから行われたことでありますし、この法律の第一條以下にあります建物等の財産を國家に移すことは、それとはおのずから別個な問題でございまして、從來都道府縣の経済において行つておつた警察機能が、國家と市町村とに移るということから、その当然の結果として、從來そのために與えられておつた財源によつてつくられた財産を、それぞれの新しく機能を営むものに移そうということでありまして、この点はおのずから違つた問題であるというふうに私どもは考えております。
#19
○谷口委員 これは大藏大臣がいらつしやらないとわからないことではないかと思いますが、輸入物資、つまり援助物資見返り資金特別会計の中から百二十億で日本の通信機関の建設と申しましようか、そういう建設公債を発行するかに聞いておりますが、これは樋貝國務大臣あるいは逓信省の方は御承知でありましようか。この点を聞いてみたいと思います。
#20
○吉澤説明員 私ども事務当局といたしまして、ただいままで承知しておりますのは、今お話のごとく百二十億を日本の電氣通信施設の建設に充てる、こういう話の了解ができておると承つております。ただその資金がただちに使えるのかどうか、どういうような方法によつて使用するのかということについては、まだはつきりきまつていないように伺つております。
#21
○谷口委員 先ほどから聞きますと、通信機関を逓信省へ渡す理由の中に、関係方面の非常に強い要望があつたということは、きようの委員会まで政府委員は一度も言われなかつた。それから今御答弁の中に、見返り資金の中から百二十億の建設公債で、電氣通信施設を建設するという了解ができているとすれば、この資金は御承知の通り外國の援助を受けた、つまりこれは明らかにこの間の本会議で吉田総理大臣が言われた通りに、米國から借金をしておる金でありまして、外國の金であります。これを日本の通信機関に入れて建設するという。この点、もう一つ吉田総理大臣は公の席上であつたかどうか私はつきり覚えておりませんが、日本の國鉄と通信機関を、國家の財政の都合によつて拂い下げる。しかもこれを外國に拂い下げるか、もしくは外國資本を導入する。こういう形で拂い下げる、こういうことを言つておるのであります。この三つを考えてみますと、私どもは日本の通信機関の中の特に回線キロの二七%に及びものが、一應地方自治体から取上げられて、逓信省に受け入れられて、外國の資本に賣り渡すという、恐るべき陰謀が吉田内閣によつてなされつつあるかのごとく考える。これは先ほどどなたかもおつしやつたが、警察にとりまして警察電話は動脈であるごとく、國鉄がわれわれ日本民族の動脈であるなら、通信機関は神経であります。この神経をこのように國会で追究されるまでその眞相を発表しない。表面非常に美しい言葉でもつて、こういう法律を出して、通信省へ集めてこれを外國に賣ろうとするような、こういう法律案があろうとすれば、私どもは吉田内閣のやり方に対して、実に恐るべきものを感ずるわけであります。この点について將來日本の通信機関に、外國資本を絶対に入れないという決意を持つていらつしやるかどうかを聞いておきたい。
#22
○樋貝國務大臣 ただいまのお尋ねは通信機関に対して、それを道具として、吉田内閣が外資に対して通信機関を賣り渡すかどうかという御質問であります。総理がどういうような機会において、どういう話をしたか、私はあなたと同じように存じませんが、しかしこの内閣においてまだ決定したことでないことが、新聞に現われただけの事実をもつて、ただちにそういう話をされてもはなはだ困る。吉田内閣におきましてまだ外資導入をするともしないとも、そのことが決定いたしたわけでもありませんし、また議に上つているわけでもないのでありまして、從つてそのことについては御答弁することはできません。しかし通信機関に対しては、戰後のあの物資の不足を受けまして、増設、維持に関しては逓信省、言いかえれば專門家をしてなさしめた方が適当であろう、それからオペレートにつきましては原則として國家警察をして、あるいは他の自治体をしてなさしめたらよかろう、非常に回数の少いところは、むしろ逓信省を介入せしめて、そのエキスパートをして通信をなさしめた方が経済的に行くだろう。從つて地方自治体は負担が軽減されるだろうというような考え方で、警察に対する通信制度を改正しただけの話でありまして、当時においては社会党の内閣でしたか、芦田氏の内閣でしたか、そういうことに対しての考慮は、吉田内閣時代においてされたものではないのでありまして、最近に吉田総理がどういうような話をされたかよくは存じませんが、ただいま申されたような事情で、警察電話その他ができ上るようなわけでありまして、ただいまも逓信省の説明員が説明いたしましたごとく、今後においてどういうふうな形をとつて行くかということは、ごくこまかい末端までははつきりいたしません。しかし今までの逓信省の一般の方針に從つて進むことと考えております。そういうわけで決して通信機関を外資に賣り渡すということは、言葉のあやでありましようけれどもそういう強い性質を持つているものではありません。
#23
○谷口委員 閣議できまつたか、あるいはそういう話があるかということよりも、事実の問題としてマツカーサー司令部の承認なり、あるいは承諾なりを得なければ使えないという條件がついている見返り資金特別会計から、百二十億が出て來るとすれば、日本に対する援助は、日本國民の債務であることをはつきり言われておるのであります。その支配下にあり、そういう内容の性質を持つた金を日本の通信機関に入れる、しかもその前提に通信機関のあらゆるもの――警察電話すら、そこへ集めて、そういう性質を持つた金を入れるという、この事実の中に將來のつぴきならないものが起つて來るのではないかということを憂える。そういう場合にあつても日本の通信機関は、敢然として日本民族のものとして守る決意を持つておるかどうかということを聞いておるのであります。
#24
○樋貝國務大臣 警察電話につきましても、もし將來弊害があるならば、十分に私どもは考究いたした上に、適当な処置をとり得る余地があるのであります。また一般通信機関に関しましては、もとより私の関知いたしますところでは、まだ問題になつておりませんから、今のお話のようなことに対して御答弁申し上げることはできませんけれども、しかし現在の段階においては、弊害は全然発生しておりません。また將來においても今のところ弊害は認めておりません。御承知の通り今日本は軍政下にありますけれども、それにしても最後は極東委員会、言いかえれば多数のものによつて決定されるようなわけで、進駐軍がわれわれに対していろいろなせわをやつており、配慮をしておるにすぎないのだから、全体の動きにそう背馳しないだろうと考えております。
#25
○谷口委員 もつとはつきりした御答弁を願いたいのであります。將來そういう事態が來た場合吉田内閣は断固たる決意を持つていられるかどうか私は聞いておるのであります。この点を私ども聞かない限り、むしろ逓信省へ通信機関を渡すよりも、地方自治体に現状のまま持たせておいた方が、日本の通信機関の重要な面が確保できると考えられるのでありますから、この点はつきり吉田内閣の御決意を聞かしていただかなければ、私どもはやすやすとこれに賛成できないわけであります。この点であります。
#26
○樋貝國務大臣 ただいまのお尋ねの前段は、どうも御答弁は申し上げることはできません。見込みはどうかというような仮定のもとで御返事をすることはどうかと思いますので、前段については御返事できかねると思つております。後段については重ね重ね申し上げましたので御了承を願いたいと思います。
#27
○谷口委員 それではこれで質問をやめますが、最後に仮定に基いてと樋貝國務大臣は非常に簡單におつしやいますけれども、仮定は仮定でありましても、現在の事実の中にそういう恐るべきことが來る、あるいはそういうことが起り得る可能性が準備されておるということ、この点私どもは非常に日本の將來に危惧を感ずるわけであります。だから今後の成行きを注視しまして、この問題については、私どもは十分日本民族を守る立場に立ちたいと思いますが、吉田内閣もそういう決意を持つていただきたいと思います。
#28
○千葉委員 ただいま樋貝國務大臣から將來に対する不安のないような御答弁がありましたが、私もこの警察電話が逓信省に移管になりまして、そこで從業員組合が生れる。その点につきまして、あるいはストライキその他の行為が行われますと、これによつて非常な支障と能率の阻害を來すことになりますが、何かこういう点につきまして特別に考慮されておるかどうか、その点をまずお尋ねします。
 それから第一條の点でありますが、國家地方警察に必要なものは、都道府縣が無償で國に讓渡するとありますけれども、その地方公共團体の持つておる土地その他、相当廣い面積のものでありまして、これを無償で提供することになりますと、現在疲弊困憊の極にある地方公共團体におきましては、非常に困つて來るのであります。そこでこの國家地方警察に必要なものという意味を嚴格に解釈すると、どうしても行政措置がそこに絶対必要だという、嚴格な意味にとらなければならぬと思いますが、どういうふうにお考えになつておるか、たとえば一筆の土地でもその中の必要なものは、あるいは分割して一部を地方に残す、あるいは一部だけは國家へ無償で讓渡する、そういうように解釈されておるかどうか、この必要なものという限界点を承りたいと思います。
#29
○柏村政府委員 通信施設が逓信省に移管された場合に、從業員組合その他におけるストライキ等によつて弊害をこうむらないか、またこれについて何か対策があるかというお話であります。これについては特別にストライキの対策というようなことは考えておりませんが、現行法におきましては、逓信從業員はそうしたストライキは行い得ないということになつておるのではないかと考えております。なおいろいろの盗聽等につきましては、これはそのために特別に計画はいたしておりませんが、いろいろ機械施設の進歩に伴いまして、電送写眞施設であるとか、あるいはテレタイプであるとかいうようなものを活用することによつて、緊急にしてかつ祕密を保たなければならないようなものの通信を、特別に確保する方法も考えられると思いますし、特に逓信省に移つたために、われわれとして対策を講ずることは考えておりません。また財産の必要な部分はどういうものかというお話でありますが、これは府縣との間に、もちろん話合いが行われるわけでありまして、一方的にきめられるものではないのであります。さらに現在使つておらないようなものまで必要であるとはもちろん考えない。どうしても警察の運営上必要であるものに限るというように考えておるわけであります。從いましてただいまお話の一筆の土地におきましても、その一部がこちらに必要である。その他は必要でないというものは、分筆の方法も考え得ると思いますが、土地については無償で使用するということでありますから、土地を借りるということで済むわけであります。分筆の問題までは起らないで済むと思います。
#30
○中島委員長 ほかに御質疑はありませんか。御異議がなければ、以上をもちまして質疑は終了いたしました。
 これより討論に入ります。
 討論を許します。門司亮君。
#31
○門司委員 私は本案に対しましては、反対の意思表示をするものであります。理由はすでに各委員から申されておりますと同時に、私も当初に申し上げました質問の内容において、大体盡きておるとは思いますが、今日都道府縣の財政的に非常に困つております際に、不十分な当局の提出されました書類を見ましても、約三十億を越える財産となつておるのでありまして、このきわめて不十分な参考資料を見ましても、かくのごとく多額に上つております。これは單に建物あるいは乘用自動車というものだけしか含んでおりませんが、多くの土地を持つておることも事実であります。從つてそれらを換算いたしますならばきわめて多額に上り、しかも今日警察が持つております財産の大部分は、都道府縣の財政にかかり、國の從來補助した額はきわめてわずかであります。さらに分析いたしますならば、今日の國家警察が持つております駐在所もあるいはその他の建物等のほとんどは、地元住民の寄付によつてでき上つたものであることは事実だと考える。そう考えて参りますならば、この法案がただちに通過いたしまして、これらのものを全部國家警察、國の所有に帰属するというようなことは、現在でも行き詰つております地方財政の上に、きわめて大きな問題を投げかける一つの問題である。さらにこれによつて地方住民の著しき反撃をかうおそれを持つておるのであります。從つて治安の大任にあたる警察が、かくのごとき、言葉は少し過ぎるかもしれませんが、都道府縣の財産あるいはそれを援助いたしました地方住民の氣持をまつたく蹂躙して、これらのものを強奪するがごとき態度につきましては、われわれは断じて反対の意思を表明するものであります。しかも警察法の附則の第九條を設定いたします際にも、きわめて多くの問題が本議場においてもかわされたのであります。その際の行きがかりを申し上げてみても、地方自治体の警察が使用する分と、國家警察が使用する分とのわけ前について、非常に大きな爭いが起るのではないかということが懸念されて参りました。從つて地方自治体に対しましては、國家警察で使用しないものは無償で拂い下げるというふうに、附則の第九條は制定されたはずだと思うのであります。從つて今日國が持つておる警察権と申しますか、國家警察の運用上、その所有するものと使用するものとの権利が一つでなければ、ぐあいが惡い、あるいは維持修繕が國家警察によつて行われておるから、從つて所有権との関係はいかがか、こういうお話でございますが、われわれはもし國家警察に費用がなくて、これらのものを十分やつて行けないとするならば、都道府縣の財産を國家警察が無償で借りておくという法律をきめられた方が、むしろその所在がはつきりすると思う。何を好んで無償で取上げなければならないか、そのはつきりした理論的な根拠をつかむことができないのであります。こういう理由から第一点は反対をいたしますとともに、さらにその次の理由といたしましては、先ほどから、しばしば議論になつております通信機関その他の問題であります。これらの問題を勘案して参りますときに、われわれはこの法案にただちに賛成をするわけには参りませんので、ここに日本社会党は反対の意思表示をいたしたいと思います。
#32
○中島委員長 立花敏男君。
#33
○立花委員 日本共産党といたしましても、この問題は絶対に賛成することができないのであります。
 今社会党の門司君が言われました地方の財政に関する問題、あるいはその他通信技術に関する問題は、大体同じ意見でありますが、さらにその上にただいま樋貝國務大臣の御答弁になりました点が、非常に不明瞭であるという点から考えまして、さらに本日に至つてようやく政府の方から重大なる、そういうここに至るまでの経緯が発表されたという点から考えましても、私たちはこの法案の通過した後のことが非常に危惧されましたので、絶対に賛成できないのであります。この問題に関しましては谷口君から詳細に質問の中で述べられましたから私は再び申し上げませんが、とにかく國家の中枢神経である警察の通信機関を、外資の支配下に置くおそれのある法案には、私たちは断じて承服することはできないのであります。この点に関して、しかも國務大臣である樋貝國務大臣から何ら明確な答弁が得られなかつたこのこと自体が、私たちをしてこの法案の將來に非常に大きな不安を抱かせ、またそういう態度自体が、必ずこの法案の將來に恐ろしい陷穽が待ち受けておるということを、明白に物語つておると考えるよりしかたがないのであります。私たちは日本人といたしまして、日本の中枢神経を自分たちの手で守つて行くという立場から、絶対にこの法案に反対をいたします。
#34
○中島委員長 河原伊三郎君。
#35
○河原委員 私は本法案に全面的に賛成をするものであります。
 その理由の一つは、これは当然帰属すべきものを帰属すべきところへ帰属せしめるところの法案であるということ、いま一つは現在地方財政は相当困難な情勢にあります。國家財政も困難でありますが、地方財政はまことに危機に瀕しておるような状態において、地方財政の少しでもためになることを、足しになることをはからなければならぬという点。この二点から本案に賛成するものであります。当然帰属すべきものが帰属するということにつきましては、警察のものを警察に帰属する、また通信機関においては、通信機関の專属の省があるのだから、その專門省なり部面に移す。それは当然のことを当然のところヘ持つて行くものであると確信するものであります。
 次に警察の財産を、國家に移すべきものは國家に移す、市町村自治体に移すべきものは自治体に移すことが、何ゆえに地方の不利益になるか、この警察の施設というものは、先刻以來御説のありました通り、相当地元寄付にかかつておるものであります。しかしながらその運営にあたりましては、これを所有しておるがために、一厘一毛の利益の上るものではないのであります。またこれを賣却して何かの足しになるものでもないのであります。これを所有しておりますれば、その営繕費等に多額の費用を要するものでありまして、これを國家に移すことによつて、地方の負担がそれだけ免れるということは、火を見るよりも当然なことでありまして、これを國家の所属に帰することは、すなわち地方の負担軽減になるということは、多少とも地方自治の実情のわかつておる者でありますれば、一点疑うべき余地のないものであると思うのであります。
 なおこの際附言して申しておきたいことは、昨年八月民主党首班、民主党、社会党、國協党連立内閣当時、有力筋よりありました指令と、芦田首相談という出所不明の夢物語のようなものを持出して、当局にその答弁を迫つて、夢論議をここに展開しました。これによつてこの法案を二、三にしようというがごときことに対しては、断じて組みすることができないところであります。
 私はかような意味におきまして、本法案に全面的に賛意を表するものであります。
#36
○中島委員長 討論はこれにて終局いたしました。これより採決に入ります。
 原案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#37
○中島委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。
 なお衆議院規則第八十六條により報告書作成の件は、委員長に御一任せられることに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○中島委員長 明日は当委員会もございますので、都合によると理事をもつて、委員長にかわつて報告させます。これも御承認を得たいと思います。
#39
○立花委員 ちよつと樋貝國務大臣にお尋ねいたしたいと思います。
 本日の新聞紙上に吉田首相の言といたしまして、國家警察を強化するという発表がありましたが、それについて二、三お尋ねいたしたいと思います。
 國家警察強化の理由はどこにあるのか、その必要性はどこにあるのか。第二番目には強化するとすれば、どういう方法で強化しようとするのか。三番目にはただいまの審議中にもありましたように、國家警察の中枢機関である專用線を外國資本の隸属化に置こうとする、そういう危險性のあることをやつてまで、國家警察を強化するのであれば、これは明らかに外國と結びついての國家警察の強化であると考えるのですが、その点に対する御見解を御発表願いたいと思います。
 さらに最後には國家公安委員が健在なはずなのでありますが、國家公安委員との意思の疎通があつたのかどうか。その点を合わせてお伺いいたしたいと思います。
#40
○樋貝國務大臣 今いろいろお尋ねがありましたが、きようの新聞で支那の新聞記者に総理大臣がおつしやつたと傳えられておりますが、國家警察はもう少し強化しなければならないという、おそらくあの意味は、私の想像いたしまするのでは、國の警察力という意味だということに思います。國家警察という狹い意味の國家警察であつたか、あるいは自治体警察を拔いた國家警察、すなわち狹い意味の國家警察という意味であつたか、あるいは國家の警察力であつたかよくは存じませんけれども、新聞を通じて見るほかはないのでありますが、これを狹い意味だといたしましたところで、今日の國家警察にいたしましても、また地方自治体警察はもちろんのこと、いい面と惡い面と持つておることは事実であります。そのいい面においては助長しなければならないし、言いかえれば今日の國家警察が非常に明るくなつた。わずか一年の間にわれわれ國民のための國家警察ということになつた。また公安委員が入つたということも非常に明るくしております。しかし他方面において、國家警察についてまだ考えねばならぬ、科学的の捜査をしなければならぬというようなところも多分にありますので、そのことを言つたのではないかと想像しております。
 それからまたいかなる方法でやるか、このことについてはまつたく想像するほかはありませんから、特に方法等についてはお答えいたしませんが、総理がどういうふうな考えを持つて言つたか、これは申し上げる限りでないと思います。
 それから專用線を外國資本の管轄のもとに置くようになりはしないかというお尋ねでありますが、現在まで逓信省にまかしたところは、新線の創設と旧線の維持とこれだけであつて、あとのことは國家警察その他の警察としましても、十分な費用があつたものについては專用線を施設し、從來とあまりかわつておりませんから、その点については創設維持を逓信省にまかしたからといつて、ただちにもつてそのオペレートに影響しているとは考えておりません。それからまた地方自治体の非常に少ない通話等に対しましては、今日の経済力をもつてすれば、それが一番経済的に行くであろうというような考えでありまして、地方自治体に余裕さえあるならば、そうでなく專用電話線を持てばよろしい、こういうことになるようなわけで、決して外國資本の管轄のもとに置こうというような趣旨から出ましたようなわけではない。それから第四には國家公安委員と連絡をしてあるか、あの総理大臣の話は、別に國家公安委員と連絡をとつて話をした、そんなかた苦しいものではないと私は思います。從つて雜談をしている間にああいう話が出たのではないかと想像する。もし出たものとすれば、そんなときにでも出たのではなかろうか、こう想像するだけであります。
#41
○立花委員 ただいま外國との協力のもとに國家警察を強化するのではないかという私の質問に対しまして、ただ樋貝國務大臣は、警察電話の今度の問題だけを取上げてお話になつておりますが、実は今までにも私たちには発表されない、國民の知らない形で、外國との協力が警察で行われておるのであります。それはこの間この席上で私から大阪のデモ事件に関しましてお尋ねいたしましたときに、政府委員の方から、それは答弁の限りでないという御答弁をいただきました警察で使用している武器の問題でありますが、これなども明らかに私たちの考えでは、外國との協力のもとに警察力が強化されているということが考えられます。さらにそれが一段と今度の專用線の移讓の問題について明らかになつて來たわけなのでありますが、こういう形で進められますと、われわれ國民といたしましては、非常に不安がつのるのみであります。これを一つやはりはつきりしていただきたい。特にこういう問題を総理が発表されることは、ある意味では國民に非常に大きな不安の念を抱かす、公安委員との話合いがなかつたとおつしやいますが、國民もなぜ國家警察を強化する必要があるかということに対して疑念を持つておりますし、國家警察に関する民主的に機関である公安委員も、何らの意見の発表もない。その際突如として総理が國家警察の強化の必要があるというようなことを発表されることは、非常な大きな不安を久心に富えるのではないかと思います。こういう問題はよほど愼重に発表していただかぬと、総理自身が社会不安の種を蒔いておるのではないかと思いますので、こういう問題をもつとはつきりした根拠で、次の機会になぜこういうことを発表されたのか、その理由はどこにあるのか、その方法はどういうふうにしてやるのか、こういう点を詳細に國民の納得の行くように御発表を願いたいと思うのであります。
#42
○樋貝國務大臣 國民々々と非常に廣い言葉でお話になりますが、共産党に属しているあなた方こそ非常に不安を感じられますが、多数の者は、どちらかと言えばそんなに國民は不安を感じないと思う。それに警察力が十分に行けば、今日において警察が軍事になつたという過去の轍を踏まない限りは、そんなにこれに対して不安を國民が感じないだろうと思つております。総理の申しましたことはどういうことを申されておつたか、偶然の話だからよく存じませんけれども、しかしながら今まで現われました事実に立脚して考えても、今お尋ねのような方向へは向いて行かないと思います。
#43
○立花委員 非常に重要な御答弁だと思うのであります。國民が非常に不安を感じていないのに、なぜ警察力を強化する必要があるのかということであります。この間の五月一日のメーデーでも、全國で一つとして事故は起つていないのであります。國民は警察の強化の問題を問題としていない。あなたが言われるように不安を感じていない。そこへなぜ突如として國家警察の強化の問題を持出さなければいけないのか、そこに大きな問題があつて、そういうこと自体が、國民を不安に陷れる。必要を感じていないところに、総理大臣が國家警察の強化の必要があると言えば、何かあるのだろう、これが不安の根源だということを申し上げておるのであります。この点はもつと具体的にあとで総理と御連絡をおとりになつて、御発表願いたいと思います。
    ―――――――――――――
#44
○中島委員長 次の質問に移りたいと思います。どうぞ簡單に、議論にわたらないように願います。
#45
○立花委員 これは委員皆さんにお願いいたしたいのですが、実はきよう午後一時から建設委員の方で水防法が審議されることになつておりますが、水防法は消防組織法と関連いたしまして、從つて非常に地方自治体との密接な関連があり、しかも財政的にも非常に大きな関係がある法案なのでありますが、水防法では財政の裏づけも何もありませんし、この点非常に地方財政委員会としても問題にしなければならないと思いますので、皆さんの御審議によつてこの問題に関して、地方行政委員会としてどういう態度をとるか。私たちといたしましては、できたら建設委員会の方と合同審議でもやつていただきたいと思つておるのでありますが、皆さんで御審議願いたいと思います。
#46
○中島委員長 ただいま立花君より、水防法案を建設委員会との連合審査を要求するということでありますが、これについて皆さんのお考えはいかがですか。
#47
○門司委員 ただいま立花君から動議が出ましたが、私はこれに賛成の意見を表するものであります。水防法案の内容はすでに御承知でございましようが、これが眞の目的は洪水その他の発生した場合に、これをいかに防ぐかということが大体その骨子になつているように見受けられるのであります。從いまして、これの任務にあたります者は、この中にも書いてありますように、あるいは消防團員がこれにあたる。もし消防機関においてこれの設置のない、あるいは不十分だという場合にのみ、初めて水防團員の設定が市町村において條例で定めることができるというような規定に相なつております。從つて当然これは地方自治公共團体の責任において一切やらなければならないし、さらに立花君の言いましたように、これに対する政府的の裏づけもほとんどしてありませんので、これらのものは当然申し上げるならば、本委員会で審議することが、私は正しいと思うし、また当然審議すべきだと考えておるのでありまするが、どういう関係からか、これが建設委員会に提案されておりますので、この際当委員会といたしましては、これに対してやはり意思表示を行うことが必要だと考えておりますので、ただいまの動議に賛成をいたします。
#48
○立花委員 連合審議ということが時間の関係上できなければ、この間の自治廳の問題で当委員会として内閣委員会に意見を述べたというような形でも私はけつこうだと思うのでありますが、この問題は委員会としてひとつ取上げていただきたいと思います。
#49
○川西委員 ただいま立花君及び門司君から、水防法案の連合審査について御意見がありまして、まつたく御意見の通りこの問題は連合審査いたすのが適当な問題であると思うのでありますが、水防法案は本日すでに委員会の決定を見まするし、またその時間あるいは部屋等の関係から、これを連合審査することが時期的に困難であると思いますので、これの連合審査ははなはだ不本意ではありまするが、ざんねんながら時期的にその時期でないと私としては考える次第であります。
#50
○門司委員 ただいま時期的に非常に遅れておるというようなお話でありますが、しかし水防法案に対しては建設委員会はまだ決定を見ておらないはずであります。從つて決定前にわれわれの委員会の意思表示をすることは、私は決して手遅れではないと思います。從つてできますならばひとつ全員一致でこの問題をわれわれは連合審査を要求するという意思表示をぜひしなければならないと考えております。
#51
○野村(專)委員 ごもつともの御意見ですが、この委員会では会期終了も目睫に控えて、相当結論を出さなければならないことが山積いたしております。しかしただいまの地方團体、特に公共事業費の根本的な削減によつて非常の場合に備えるために、水防法案が今建設委員会に上程されておるようでありますが、この取扱いについては川西さんからもお話があつたように、散会後において理事の方が御協議をいただきまして、適当にひとつこの問題に対する善処を願いたい。そして時間的にまた余地があるならば、理事会の結果によつてはまた共同の協議をすることもけつこうだと思います。そういうことにお願いいたします。
#52
○中島委員長 ただいまの野村君の御発議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○中島委員長 それではそういうことにいたします。
#54
○久保田委員 ちよつと樋貝國務大臣がおられますので、さつきの河原さんの問題に、これは私たちは賛成いたしておりません。反対いたしたのでありますけれども、委員会といたしまして一應その点をはつきりいたして、聞いておきたいと思うのであります。さつき片づいた警察財産の問題でありますが、河原さんは賛成討論の中で地方自治体が非常に困つておる。そういうことからして財産等の問題に対して、財産を全部國警の方に沒收することは、非常にいいことだというようなことを言われました。ところがそうすると地方自治体の自治体警察の財産を國家が沒收しまして、その自治体のいわゆる費用ですか、経費の点、これは私の聞いたところでは、國家がこれらを自治体に負担させずしてやるのだというふうに聞えたのですが、夢物語として夢のような話をなされまして、私は夢のようで終らすことはどうかと思いますので、一應これは当然自治体は自治体でその負担をすべきである、こう思つておるのでありますが、河原さんの話ではどうも夢のようになつてしまいますので、一應樋貝國務大臣にその点をはつきり伺つておきたい、かように存ずるのであります。
#55
○中島委員長 討論の機会は本会議にあるのでありますから、どうぞ本会議でしてください。それから質疑はまた本会議に上程された時分にその機会はありますから、どうぞそのときにして、日程の終了したものに対しては御発議がないように願いたいと思います。
#56
○野村(專)委員 ちようど委員長さんからお話がありましたが、今後非常に時間が貴重ですし、その議題のうち十分質疑を交わすことにして、委員長は非常に民主的にわれわれの意見をよく了解してやつてくれまするが、時間を貴重にし、しかも議案の審議については愼重にこれをその議題の時間の範囲内において簡潔にいたしたい、かように思います。そして時間の余裕があつた場合に、自由に國政一般に対して質疑を闘わすことがけつこうだと思います。そういうぐあいに今後ともおはからいを願いたいと思います。
#57
○中島委員長 野村君の御意見はごもつともであります。明朝開会前に理事会を開きまして、理事会によつて進行の方法を御相談し、これを決定いたしたいと思います。さよう御承知を願います。
 本日はこのあと古物営業に対する質疑をするつもりであつたのでありますが、時間がありませんからこれは明日に讓ります。明日は午前午後を通じて委員会を開くことができるように部屋の都合がついたのであります。どうぞ午前十時からひとつ御精励を願います。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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