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1949/05/17 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第24号
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1949/05/17 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第24号

#1
第005回国会 地方行政委員会 第24号
昭和二十四年五月十七日(火曜日)
    午前十一時十二分開議
 出席委員
   委員長 中島 守利君
   理事 大泉 寛三君 理事 川西  清君
   理事 川本 末治君 理事 菅家 喜六君
   理事 福田 篤泰君 理事 久保田鶴松君
   理事 立花 敏男君 理事 圖司 安正君
   理事 小平  忠君
      井上 知治君    河原伊三郎君
      清水 逸平君    野村專太郎君
      龍野喜一郎君    足鹿  覺君
      門司  亮君    千葉 三郎君
 出席政府委員
        總理廳事務官
        (地方財政委員
        會事務局長)  荻田  保君
 委員外の出席者
        專  門  員 有松  昇君
        專  門  員 長橋 茂男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 地方財政法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一七六号)
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一七九号)
    ―――――――――――――
#2
○川西委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長は都合により出席できかねますので、指名によりまして私が委員長の職務を代行いたします。
 日程第一の地方財政法の一部を改正する等の法律案、内閣提出第一七六号、日程第二の地方税法の一部を改正する法律案、内閣提出第一七九号を一括議題として質疑を続行いたします。質疑はこれを許します。久保田君。
#3
○久保田委員 地方税法の改正につきまして、いろいろ同僚委員から質疑をされたのでありますが、特に伺いたいと思いますのは、地方税法の六十三條と七十一條についてであります。この地方税法の六十三條には、第一種として二十四種類にわかれておるのでありますが、この中で特に第七十一條の特別所得税に対するその所得者であります。この中に特に理容業者としまして、医者、あるいは歯科医、あるいは助産婦、あんま、しんきゆう、こういつたような人たちと、この理容業者との関係でありますが、理容業者は六十三條の中に入れられておるわけであります。これは衞生の関係あるいは許可を受くるものというようなことからいたしまして、医者、歯科医、あるいは助産婦、あるいはあんま、しんきゆう等のこの関係から、第七十一條の特別所得者の中に入れなければならぬものではないか。かように思うのです。この点について一應当局の御意見を伺いたいと思います。
#4
○荻田政府委員 ちよつとおつしやいました御趣旨がはつきりいたしませんでしたが、六十三條の事業税の方から削りまして、今度は新しく七十一條の方の特別所得税の中に理容師業を設けております。おつしやいました通りになつているのではないかと思います。
#5
○久保田委員 それから次にこの地方財政と関連しまして地方税の問題でございます。きようの毎日新聞の社説にも出ておりますが、御承知のように地方財政法に基きまして、地方財源の悩みは非常に深刻であります。そういう立場から、この地方の財源等につきまして、また地方税に対する関係からして、相当市町村長がやめて行かれつつあるのであります。こういつた点からこの税金の問題を相当本委員会においても眞劍に取上げて考えなければならぬ問題であると思うのであります。その意味におきましてこの地方税法のうちの第四十五條の点が問題となるのでありまして、この四十五條の中におきまして、私は前からもそのことを申しておつたのでございますが、これは全部四十五條の新しくつくられました点を削除してもらいたい。かように考えておるのであります。そうしたことを申し上げておるのでございますが、この点は四十五條の字句を全部削除することは困難だというお話もございました。この四十五條の問題を削除しない限りにおきまして、今後地方におきましても、この四十五條によりまして、地方民は相当苦しめられます。よつて私は重ねてこの四十五條の字句を、修正ではなくして、全部削除すべきである。かように考えるのでございますが、重ねてこの点をもう一應お伺いするわけであります。
#6
○荻田政府委員 この滯納処分の規定を数箇所入れましたことは、先般も申し上げましたように、すでに地方税といたしまして、國税滯納処分の例によるとして、全部実質的には現在と同じことをこれに入れたのでございまして、ただ税務職員等の事務執行上便宜のように、ほかの法律をひつくり返さないで地方税法を見ればわかるというような趣旨で入れたのであります。御意見が滯納処分に関しては一切の権限をとつてしまう、つまり條文を全然削除して滯納処分ができないようにするという御趣旨でございましようか。そうなつて参りますと、税はいかなる國においても、どの税につきましても、強制力を伴いません税でありますれば、まつたく寄附金と同じというものでありまして、とうてい税として成立つものではないのであります。
#7
○久保田委員 滯納処分に対するその立場からこれを入れたというお話でございますが、今地方民は、また國民は、もうこれ以上どうにもならないだけの税金を負担させられております。これ以上滯納いたしまして、それに対して滯納処分というようなことになります場合には、國民を税法という法律によりまして殺すようなことになるわけです。私たちはこの立場からこういう法律はどうしても認めるわけには行かないのでありますが、その点についてぜひこれを削除してもらいたいと考えます。
#8
○荻田政府委員 御意見だと存じますが、税負担が重いから滯納したような人はとてもとれないから、これに対して強制力を執行する余地がない、こういう趣旨によるのだろうと思います。しかしそれは一應この地方税法の御論議を願つておるのでありますが、この税の中にどうしてもとれない税があるというようなものがございますれば、それはしかるべく御批判を仰ぎたいと思います。一應税としてきまりました以上は、その税につきまして滯納したものに対しましては、強制力をもつてしてもとるということにいたしませんでは、税というものが成立たないと思います。この滯納処分の権限を一切削除してしまうというようなことは、とうてい政府として考えられないところでございます。
#9
○久保田委員 これ以上この問題につきまして質問いたしますと非常に長くなると思いますので、逐條審議に入りましたときにこの問題についていろいろ質問をしてみたいと思います。ところで一言申しておかなければならない点は、地方團体に対する税の改正を行われます場合に、またこの法律が施行されますことによりまして、その徴税者に権力を持たせることになります場合のことを考えますときに、今國税の徴税方法等についても、若い税務署の徴税の係の方々が、これ以上税金を拂えないという場合に、子供や家族が非常に苦しみ泣いておるのを、鼻歌を歌つてすべてのものを差押えし、あるいはトラツクを持つて來て積んで行くというような状態でございまして、こういうことは一々あげれば限りはございません。またそういうことにつきましては、同僚からもいろいろ話されておりますので、よくおわかりと思いますが、そういう点から反対の意見を述べておるわけでございます。こういつた例はたくさんありますが、逐條審議に入りましてからお尋ねすることにいたします。
#10
○千葉委員 けさの新聞によりますと、昨日木村國務大臣がシヤウプさんに会つて希望の点を述べたとありますが、おそらくその希望の点というのは、先日の委員会でお話くだつさたあの線だろうと思います。そこで大体事務当局におきましては、もう発表していい式期じやないかと思いますが、御参考までに、昨日向うに陳情して内容を御報告していただけないでしようか。
#11
○荻田政府委員 昨日大臣がシヤウプ博士一行に面会いたしまして、地方財政の実情等をお話し、それに対します改革の方法等を述べたのでありますが、なおその点につきましては書面等も用意して出しておいたのであります。詳しいことは書面で見てくれということで、大体大きな話、つまり地方財政が困つておるという現状、及び地方自治が日本ではまだ尊重されていないという点に重点を置きまして述べたわけであります。そこで地方自治の現状あるいは地方財政の実情というようなこと博士一行に対しましてはそのようなことを申し上げるのが趣旨でありまして、まだ改革案そのものについては主眼を置かなかつたわけであります。ただ出しまして書面には、一應改革の方法等もございますので、地方財政の実情等につきましては、たびたびお話しておりますので省略いたしまして、大体その改革の方向につきまして、ここでその書面の内容等を多少申し上げておきたいと思います。まず地方税制の改革につまきしては、第一に地方税の総額に増してもらいたい、増さなければいけないという点であります。現行制度では大体二千五百億くらいの税收入が入つております。これは配付税を基本の法律通り、つまり二三・一四%をもつて交付する場合であります。ところが本年度は、國庫の都合によりこれが半減されておるので、さらに、二千五百億を下まわつておる。この量では、そもそも二千五百億でも不足しておるのに、いわんや本年度は二千億を下まわるようなことになつておるので、非常に地方税額が不足しておるのであつて、これは至急増加しなければならぬ。ことに本年度分としては、何らか追加予算とか税制の改正ができるならば、これもやらなければならぬ。そこで次に地方税を拡張する場合に、どうするか。國民負担がすでに限界を越えておるような状態にある際において、これ以上の増税ということは望めない。從つて國と地方との税の割振りをかえるよりしかたがない。そのためには税のうちの所得税、收益税、消費税、流通税というような分類に從うと、收益税が現在地方の主体となつておるけれども、すでにこの税については時代遅れの感があつて、これに多く期待できない。それから流通税については、わが國では先般取引高税をつくつて相当の額に達したけれども、これにはいろいろ論議があつて、その結果はよくないから残るのは所得税と消費税、所得税は現在國税として、所得税法人税をとつてあるが、その三分の一は配付税として地方に交付されておる。なお地方にはこのほかに住民税がある。これは所得税に類するものであつて、この両者を合わせれば、大体所得税は國と地方とにおいて半々くらいにわかれておるから、まず現状をもつて満足すべきじやなかろうか。ただあくまで配付税の基本の率は確保すべきである。從つて問題は消費税にある。特に最も大きい酒及びタバコに対する税がほとんど國に独占されておる。このことが地方財政を貧弱ならしめる原因であるから、ここに改正を加えなければならない。つまり地方にタバコの消費税を新たにつくるとともに、現在ある酒の消費税の課率を増さなければならない。次に現在の地方税の中には、國民負担の現状にかんがみ、あるいは社会政策的な見地等からして課率が高すぎたり、適当でない品目がある。從つてこれを是正しなければならない。しかしこれにはかわりの財源を要するか、あるいは日本の経済力の回復をまつて、ほかの税における自然増收を多額に認めるものがあるような場合でなければできないだらうけれども、そのような事態になれば、至急このような税について考えなければならない。それに税率といたしまして、課率を引下げるべきであると考えておりますのは、事業税、特別所得税、この税は地方税のこれだけに減税してもしかたがないのでありまして、やはり所得税、法人税と並行して下げなければならない。あと入場税、不動産取得税、遊興税、飲食税、こういうものは課率が相当高いですから、これを引下げる必要がある。廃止する税目としましては、小さくても社会政策的見地からも適当でないと思われるような軌道税、荷車税、と畜税、廣告税、使用人税、こういうものを例としてあげております。それから最後に地方税の徴收機関を整備し、地方税の徴税機構の能率化をはからなければならない、こういうことが具体案として、一應地方財政委員会の意見として、向うに申達した点でございます。
#12
○千葉委員 この中でタバコの消費税ですが、向うの方に対する意見としては何か具体的な案ができておつたのでありますか。
#13
○荻田政府委員 タバコ消費税をつくつたらいいだろうということだけで、具体的な課率とか、賦課方法等は現在申しておりません。現在でもまだはつきりして成案を得ておりません。
#14
○千葉委員 今回の地方自治廳の設置によつて、例の委員会ができます。しこうしてあの委員会は修正を経て十二人になるだろうと思いますが、大体本格的な発足をするという目標はいつごろになつておりますか。
#15
○荻田政府委員 これは地方財政委員会は、五月末日をもつてなくなりまするから、必ず六月一日の施行の日から、フルに能力を発揮しなければならないと考えております。
#16
○千葉委員 地方自治廳の発足は、六月一日ですが、委員会は間に合いますか。
#17
○荻田政府委員 委員会は御承知の通りに十二人からなつております。衆参両院からお出でになるのは両者の推薦でありますが、そのほかのものにつきましても、國会の同意を得なければなりませんので、本國会に禀請をいたしまして、御同意を求める手続をとりまして、なるべく六月一日からみなそろうようにいたしたいと思つております。たとえば知事の代表者とか、あるいは今度の修正で府縣会議長の代表者、こういうものが入つておりまして、これはそれぞれの連合組織が推薦するとなつておりますが、そのような推薦が間に合わないところがあるのじやないかと思います。そういうところは欠けますが、そのほかにつきましては、全部本國会中に御同意を得て、六月一日をもつて発令するという手続にいたしたいと思つております。
#18
○千葉委員 ただいまの問題と全然違う問題でありますが、住民税、地租、家屋税の増徴と市町村附加税を入れてどの程度になるか、それから地租については反別としてどのくらいの負担になるかということをお調べになつておるかどうか。もしお調べになつておつたならば、御報告願いたいと思います。
#19
○荻田政府委員 増税婦は百七十億ございます。それから田畑に通しまする地租の負担額は倍加いたしまして、大体八十五円程度であります。
#20
○足鹿委員 第一に、先般地方紙で見ますと、地方財政白書というものを地方財政委員会が御発表になつたように聞いておりますが、どういう内容のものでありますか。それをお示し願いたいと思います。第二に相当額の地方税引上げに伴つて、納税者の苦痛は察することができるのでありますが、これに対しまして納税貯金制度によつて、なるべく便宜分納の形式がとられるような制度がつくられたことはけつこうでありますが、これは地方の地方税に対しても適用できますか。私大藏委員会の経緯を存じておりませんが、その間の事情について承りたいと思います。それから今度の地方税改正案の第四の美術館、博物館等への入場問題でありますが、大臣の説明書あるいは改正條文を見ますと、新しくかようなものを創設されたような意味にはとれないにもかかはらず、直接関係のある人たちの陳情なり要請を承りますと、何か新しくかような教育施設に対しても課税をすることを、このたび創設するように受取つておるようであります。この間の説明を、もう少し具体的に、詳細に伺いたいと思うのであります。
 次に第三章の目的税の点についてありますが、ここに山林等の事業に要する経費についても、課税し得るように改正したいということがうたつてありますが、具体的にはどういうものをさしておるのでありますか。現在の地方の実情を見ますと、市町村等において山林伐採税あるいは山林税と、いろいろ名称には差異がありますが、さようなものをつくりたいという意向を持ち、その議会において議決をして、縣を経、地方財政委員会等に申達をした場合に、ほとんどそれは認可が受けられない実情にあるのであります。現在の田畑に対するところの課税の平均を見ますと、大体一千二、三百円程度になります。山林の課税の平均をとつてみますと、大体七十円で伐採でき得るという見当で、現在一反当りの課税率を見ますと、七十円から九十円ぐらいにしか当つておりません。しかも田畑は強制的な供出割当によつて、義務づけられた数量を、公定價格によつて供出して行かなければならない。一方山林については、著しくその額において縣隔があるのであります。千二、三百円と百円未滿とでは、およそ話にならぬのであります。從つて地方の議会が苦しまぎれにいろいろと財源をあさり、そうしてその議会の決議によつて、新財源としてこれを求めようというものに対して、地方財政委員会は從來これを拒否しておいでになる。この点についてどういうふうな御見解のもとに、これを認可をしておられないのであるか、日本全体の立場から見まして、もとより治山治水の根底である山林を愛護し、撫育して行くということについても、私どもは何ら異存はないのでありますが、現在の田畑との課税の均衡の面からいつて、著しい開きがあるのであります。これは大きな問題でありますが、当局はどういうふうにお考えになつておりますか。とりあえず以上四つの点について伺いたいと思います。
#21
○荻田政府委員 第一の、先般新聞に地方財政に関する白書が出たようであるというお話でございますが、これは昭和二十四年度の地方財政の見通しにつきまして、簡單なる書きものをつくつたわけでございます。午後でもお届けいたしたいと思います。
 それから第二番目の納税貯金の制度でありますが、これは地方税も同様に該当することになつております。
 第三の入場税に関する改正をいたしまして、博物館以下六つの種目を並べました理由でありますが、これは今申し上げましたように、新しく課税するという趣旨は全然ありません、むしろ現在課税しております百分の百五十という率を、重いから百分の六十に下げようというような趣旨であります。ただどうしてこういうふうになつたかと申しますと、今までの條文では、この博物館等につきましては、展覧会というような言葉だけでなおつておりまして、そのほかのものはその他これに類するものという言葉で呼んでおつたわけであります。從いまして展覧会以外のものにつきまして、たとえば動物園等につきまして、税をとつたりとらなかつたりしておりますところもありますので、今度改正いたしました結果が、あたかもそのようなものを新しくとつたというようなかつこうになつて來たのであります。また実際問題といたしましてもこの條文通り全部をとつて参りますと、新しく課税されるというようなところが出て來ると思うのであります。しかしこの点につきましては、先般大臣も答弁になつておりますように、われわれとしまして、新しいものであつて、ことに公共的な文化的なものにつきましては、これをとる意思を持つておりませんので、この点につきましては、地方に通牒等をもちまして、強くわれわれの趣旨を指示いたしたいと思つております。
 それから第四番目の、山林に対しまして特別に法定外独立税を起した場合に、地方税制審議会がこれを拒否したという問題でございますが、確かに市町村に一件だつたと思いますがございました。そこから山林に対する反別税をつくるという條例が出て來たのでありますが、その新税の創設は認められなかつたのであります。その理由は、お述べになりましたようにわれわれとしても納得できるところでありますが、それを新しい独立税として反別税をとりますことは、すでに地租がありますと、かつこうの上において重複になりますので、われわれとしましては、むしろ地租の課率を不均一にきめる。つまり手持畑に対するものより、山林に対するものを重くする、こういう方法でやつてもらいたいという意味におきまして、却下したのでありまして、山林に対する負担を増すということにつきまして、われわれは異論を唱えておるわけではありません。
#22
○足鹿委員 美術官なり、博物官なりの教育施設についての御答弁は了承いたしましたが、そういうお考えであるならば、むしろかようなものには課税をしないということを、はつきりと御規定になつた方が誤解を避けるし、また実際現在もさような実情になつておるとおつしやれば、新しくかような條文をお入れになるまでもなく、もし入れられるならば、かようなものに対しては課税をしないということを、むしろ明確になすつた方がいいのではないか、こういうふうに思うのでありますが、その点が一つ。そうしますと、山林を対象としたものに対しては、その地租の附加税を不均一賦課にしてかけてよろしい、こういうふうに解釈して、ただいまの御答弁を承つてよろしいでありましようか。
#23
○荻田政府委員 第一点としましては、ここに掲げておりますようなもの、いやしくもこういう名前がつけば、すべて免税すべきだというふうには考えておらぬのでありまして、中には営利的に営んでおる者もありますので、そういう者に対して課税し得るような意味におきまして、この規定を置いたわけであります。もちろん先ほど申しましたように、あくまで公共的な、文化的なものは課税させない方針であります。
 第二の点はおつしやいました通りであります。
#24
○足鹿委員 いま一つ伺いたいのでありますが、第二種事業税中、一番地方で問題になります二重課税の問題として、タバコ、養蚕というものが、しばしば地方税制の上で論議されておるのであります。タバコは、御存じのように一千二百億も國家に税源を與えらておる、きわめて重要な作物である。しかもその作物の買收價格これまた政府できめておりまして、嚴重な價格の統制またその数量等につきましても、一枝一枚といえども農民がこれを自由にすることができないような事態になつておるのでありますが、こういうものに対して全廃することができぬのであるならば、いま少し地方税法の上において、ある限度をきめまして、これらを保護して行く、保護というと語弊がありますが、そういうようなお考えはお持ちになつておらぬのでありましようか。これは地方にわれわれ参りますと、必ず悲痛な要望があるのであります。特に畑作地帶におきまして、タバコの耕作者、また養蚕家という地方面から、その声をしばしば聞くのであります。特に養蚕につきましても、その根本であるところの桑園が、結局養蚕の基本になるわけでありまして、特に為替レートの決定の上から、生産コストを引下げなければ養蚕業はもはや絶望状態、最悪の危機状態に入つておる。そういう中に耕作者はなおこの養蚕によつて生計を営まなければならないような実情にある地帶が相当あるのであります。これに対してもタバコといい、養蚕といい、國家財政の上において非常に大きな貢献をしておるものに対しまして、普通の第二種事業税と区分して、ある限度を設けて、その課率を少しでも軽減をし、その耕作者に対して報ゆるということが講ぜられたならば、今後非常によい影響を與えるのみならず、その経営にも至大な利益をもたらすと思うのでありますが、その点について伺いたい。
#25
○荻田政府委員 昨年度農業、水産業、林産業等に対しまして、新たに事業税を課税いたしました当時、今お述べになりましたような問題があつたのでありますが、地方財政の現状からして、どうしてもいわゆる俸給生活者のようなものを除きました以外の、一切の事業に対しまして地方税をとる、こういう方針で、すべて商工業と同樣に事業税を課税することになつたわけであります。その際主食だけは現下の日本の情勢からして、主食の確保が経済再建の第一の基本であるという趣旨から、これは免税になつたのであります。從いまして、これを課税するといたしますと、ただいまの養蚕業、タバコ耕作業が、主食とどれだけの違いがあるかという疑問が出て來るところでありますが、しかし財政の現状からしまして、この事業税を課税して行く以上は、この除外例を主食以上に廣めるということはできかねると思います。ただこの税は所得に対する課税でありますから、ほんとうにタバコ耕作あるいは養蚕というものが、もうけのないものであるならば、この税も安くなる、あるいはかからないという場合が起るのでありまして、そういう面におきまして、一應この際は現行通りやつて行くよりしかたがないと考えております。
#26
○大泉委員 地方税も大体附加税がおもになつております。この附加税のうちに純然たる生産手段に必要なる物品たとえば電柱とか、電話とか、自轉車とか、その他荷車というような、業務上に必要なものに課せられる税金と、また純然たる消費生活上にかけられる税金、たとえば電灯、ガスの消費税、あるいはその他銃砲税といいますか、狩猟税といいますか、こうしたものの区分というものは、明確にしておく必要があると思いまするが、これを区分されておりますか。また区分されなければ課税される方は、この税の所得から控除される部面が、どれとどれは控除されるが、どの税が控除されないのかということがはつきりわからない。これは特別な大きな法人経営でありますと、その点は研究されてはつきりしていますけれども、個人の農業とか、あるいは中小工業のようなものは、その区分がわからないという点において、この税金は事業所得、もしくは所得の中から控除される税金である、控除してさしつかえない、これは純然たる経費であるという区分をして置く必要があると私は思う。これはとる方の側から見れば、一切合財とりさえすればよいのだけれども、とられる方の立場から見ると、これはきわめて重要なことである。こうしたことが税を取立てる上において、きわめて出しやすくなるのではないかと思う。この区分がされておるかどうか。
#27
○荻田政府委員 事業税の課税標準から税を引く問題でありますが、これは所得税、法人税はもちろん、そのほかに住民税、これを除きまして、そのほかの税は一切引いておることになつております。個人の分につきましては、個人の日常の消費生活に使うものは別でありますが、生産に要する物件に対しまする税は全部引いたことになつております。しかしただその所得額の査定をいたす場合に、どれくらいこれを引いたというような、明瞭な内訳があるいは出ていないところがありますので、引いたか引かないかわからないという場合があるかと思いますが、建前としては全部引くことになつております。
#28
○大泉委員 建前はそうなつておりますけれども、そういう税種目をこういうふうにずつとただ並べずに、やはりこれは純然たる消費に類する税である。あるいは生産に対する税であるからは、これは事業所得の方から控除するというように、はつきり税を取立てる上において、区分してやらなければならぬと思うのであります。今後生活上においも、あるいは生産上においても、科学的な一つの生活もしなければならぬ、また生産もしなければならぬときにあたつて、特にこうしたことは徴税の手段において明確にしておく必要があると思うのであります。その思いやりの考えはあるかどうかお尋ねいたします。
#29
○荻田政府委員 現在の地方税法及びその施行令によりまして、引かないのは法人税、所得税、それから住民税だけとなつておりまして、そのほかのものはみな引くことになつておるのでありますが、地方によりまして、徹底いたしませんでしたら、これを徹底するような指示等をいたしたいと思います。
#30
○龍野委員 これは税金と直接関係があるかないかわかりませんが、目下の競馬についてであります。ただいまの競馬は國または府縣が行つてあるのでありまして、それ以外の私で行うことを許さないという建前なのであります。しかしながらこの競馬のごときは、これは戰前ならば軍馬改良というような一つの公益的な目的があつたのでありますから、それらに対して課税をするというのはいかがであろうかという節も、一つの理由ではあつたと思いますが、今日におきましては競馬はまつたく娯樂のためであります。しかも國または府縣に限つたのは、投機熱を、いわゆるばくちの思想の問題を考慮して、この主催者を限定したのだろうと考えられるのであります。しかしだれがやりましようとも、國がやりましようと、府縣がやりましようと、競馬そのものが、今日においてはまつたくとばく的な娯樂の仕事であることは問違いない点であります。從いまして私は今日住民税を上げたり、あるいはその他の税金をあげましてまで、地方財政の收支の均衡をはかるために苦慮しなければならぬという今日におきまして、たれがやりましようと、競馬のごときに相当の負担を持つてもらうということは、理の当然ではなかろうかと存するのであります。現行地方税法におきましては、第十三條の第一項の、國、地方團体その他命令で、定める公共團体の事業、または行為については、地方税を課することができないとあります。これはなるほど國または縣がやるのに、地方税を課するということは、建前上はおかしいかもしれませんが、しかしながら私は実質的にはこれは大きな税金をかけるべき性質のものではないかというように存するのであります。今日これらの事業に対して、税金はとれないけれども、地方公共團体は、何かの形において、あるいは献納金と申しますか、あるいは歩渡し金と申しますか、そういうふうなかつこうで、地方公共團体に交付するような仕組みになつておるかどうか、ちよつとお伺いいたしたいと思います。
#31
○荻田政府委員 まず競馬場に入場いたします場合に買う入場券につきましては、入場税を課税しております。それから馬券そのものの賣上げ等に対する課税の問題でありますが、これはすべて國または地方公共團体において施行いたすのでありますから、收入金額と拂いもどし金額との差額は、すべて経費を除きまして、國または地方公共團体の收入になつておるのでありまして、その意味において國営、公営が行われたのであります。それでその國または地方團体が取上げられる金額が、あるいは現在の額で多いか少いかという問題はありましようが、これは拂いもどしを少くいたしますれば、競馬に行く人興味を失して來なくなる。從つて賣上額も少くなり、國または地方公共團体の收入も少くなるということになりますから、これには限度があると考えます。いずれにたいしましても、この事業を國または地方公共團体が経営いたしておりますのは、ほかにいろいろ理由もありましようが、財政收入を得るということに一つの目的があるのであります。税という方法はとつておりませんけれども、実質は税に相当する部分を、現在でもとつておるようなかつこうになつております。
#32
○龍野委員 ちよつと私今の答弁がわかりませんでしたが、それでは、たとえば東京の競馬場は國が経営しておるわけでありますが、あの競馬場の賣上金の総額のうち、東京都もしくは府中の町が、幾らか國の方から金を受けておるわけでございますか。ちよつとお伺いいたします。
#33
○荻田政府委員 國営競馬につきましては、地方團体が入場税をとつておるだけでありまして、賣上金そのものについては全額國の收入になつております。
#34
○龍野委員 私はその点、この仕事そのものが公益的な性質のものでありますならば、もちろんこれに交付金と申しますか、あるいは税金と申しますか、そういうようなものを賦課するということは、ちよつと理論的に考えてもおかしいと思いますが、しかしながら競馬そのものは、今日におきましては完全な娯樂でありますから、それによつて收入を得ているものが、國でありましようと、公共團体でありましようと、その地元の迷惑になつておることははつきりいたしております。從いまして税金の形をとれなければ、何か法律によつて、そういう仕事を行つた場合の收益金幾らかは、これを府縣もしくは地元の町村に還付すべきであるというように考えますが、その方面について何か特にお考えを持つておられすまならばお伺いしたいと思います。
#35
○荻田政府委員 現在はただいま申し上げましたように、地方團体としましては、國営競馬については入場税をとつておるだけでありますが、この額も相当の額になつております。ただ競馬の本体に、先ほど申し上げましたように現在國が收得している額の上にプラスして、地方團体がさらに税をとるということになりますれば、競馬の拂いもどし金額の率等の関係から、なかなかこれ以上負担を増すことはできないと思います。現在とつております國の收得金を、地方團体にも一應わけてやるというお考えでございますと、これは一つの考えだと思いますけれども、ただそういたしますと、今度は地方團体でやつております競馬の收得金の一部を、國がやはりとらなければならぬので、相互的な問題になると思います。実は過去におきまして、改正前におきましては、地方のいわゆる草競馬に対しまして、國が馬券賣得税をとつておつて、國の收入に一部になつておつたのであります。ところが今度の改正によりまして、國営競馬については地方團体が金をとらない。そのかわり地方團体の主催した競馬については、國が税金をとらない。いわゆる相互的な免除というような精神でこのようになつておるのであります。
#36
○龍野委員 私はこの問題をとやかく申し上げますのは、全然國営でない競馬の時代には、たとえば千葉縣における中山競馬でもしかりでありますが、この問題は税金をかけられないといつて、税法の解釈上かけることができなかつたのであります。しかし事実上競馬の主催者である財團法人の競馬協会が、府縣もしくは地元の町村に、幾分かの金を納めておつたのであります。それが非常な財源となつて地方は助かつておつたのであります。私どもその当時、軍馬改良というような國の仕事に関することだから、不穏当であるということでとらなかつた。その当時においてさえ、かえつて競馬場から献金をいたしておつたのであります。今日國が行つておるから、あるいは府縣が行つておるからという理由で、完全なる賭博的娯樂をやつて大いにもうけておるこの金の一部分を、地元に還付しないというがごときことは、まことにおかしな話じやないか。もちろん地方財政に余裕があれば別でありますが、今日のごとく重税をかけなければならぬというときには、私はその收益金の一部分は、当然地元に還付すべきである。私の考えをもつてすれば、その競馬場のある地元の縣もしくは市町村、または縣の行う競馬については、その地元の市町村に、何がしかの金を当然交付すべきである。また必要があれば、立法的措置を講すべきものではなかろうか、そういうことが困難であるならば、話合いでもつてやるように、地方財政委員会は努力すべきではなかろうかというふうに私は考えておりますが、その辺のところは、ただりくつ上、とるのはおかしいというのではなく、事実とるべきものであるというふうに、私は考えておりますが、とる意思はございませんでしようか。
#37
○荻田政府委員 おつしやいますことごもつともでありますが、ただ先般改正をいたします際にも、從前の制度よりも地方團体の有利になるように、地方競馬に対しまして、國の馬券税をやめてもらつたようないきさつがありますので、これ以上に國営競馬について、地方團体が政府なり何なりの金をとるという、一方的なことを要求いたしますことは、地方財政の問題としてはけつこうでございますが、あるいは國、地方両方を見ますと、なかなかそのような意見が通ることはむずかしいのではないかというようなことも考えられますので、今のところはさしあたりそのような要求をすることを考えておりません。ただその地元に対します入場税の收入はばかにならないのでありまして、もとおそらく寄付金等をとつておつたところがあるかと思いますが、それ以上の額になつておるのではなかろうかと考えております。
#38
○川西委員長代理 御相談ですが、午前の会議をこの程度にして、午後開会が遅くなると速記をよくとられるので、午後は早くやろうと思いますが、いかがですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○川西委員長代理 それでは一旦休憩いたします。
    午後零時十三分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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