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1949/05/19 第5回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第26号
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1949/05/19 第5回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第26号

#1
第005回国会 地方行政委員会 第26号
昭和二十四年五月十九日(木曜日)
    午前十一時十一分開議
 出席委員
   委員長 中島 守利君
   理事 大泉 寛三君 理事 川西  清君
   理事 川本 末治君 理事 菅家 喜六君
   理事 福田 篤泰君 理事 久保田鶴松君
   理事 立花 敏男君 理事 圖司 安正君
      河原伊三郎君    清水 逸平君
      野村專太郎君    龍野喜一郎君
      足鹿  覺君    門司  亮君
      谷口善太郎君
 出席政府委員
        地方財政政務次
        官       堀  末治君
        総理廳事務官
        (物價廳第五部
        長)      菅野 宗吉君
        総理廳事務官
        (地方財政委員
        会事務局長)  荻田  保君
        大藏事務官
        (主計局長)  河野 一之君
 委員外の出席者
        專  門  員 有松  昇君
        專  門  員 長橋 茂男君
    ―――――――――――――
五月十八日
 道路交通取締法の改正に関する請願(松澤兼人
 君紹介)(第一六八七号)
 塩製造業者に対する事業税免除の請願(玉置實
 君紹介)(第一六九〇号)
 入場税の地方税存続の請願(吉田吉太郎君紹
 介)(第一六九一号)
 地方公務員法制定反対の請願(松澤兼人君紹
 介)(第一六九三号)
 團体貸切自動車の旅客に対する課税反対の請願
 (加藤隆太郎君外一名紹介)(第一七〇七号)
 地方自治体に対する國庫支出金交付に関する請
 願(高橋權六君紹介)(第一七五二号)
 大阪市警察局長罷免に関する請願(横田甚太郎
 君紹介)(第一七六八号)
 地方公務員法制定反対に関する請願外二件(横
 田甚太郎君紹介)(第一八〇一号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 地方財政法の一部を改正する等の法律案(内閣
 提出第一七六号)
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一七九号)
    ―――――――――――――
#2
○中島委員長 これより会議を開きます。
 前会に引続き地方財政法の一部を改正する等の法律案、及び地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。右両案については一應大体の質疑は終了いたしたのでありますが、本日御要求によりまして、物價廳、安本関係並びに大藏省関係の政府委員の出席を求めまして、これらに対して質疑を試みたいと思います。まず物價廳、安本の政府委員が出ておりますから、その方面に対する質疑を行います。野村專太郎君。
#3
○野村委員 この際物價廳の政府委員の方に対してお尋ねをいたしたいと思います。地方公共團体の財政が極度に逼迫をいたしております現在におきまして、地方における有力なる財源の対象として、入場税もその一つに考えられる。こういう点から今回提案になつております地方税法の改正にあたりまして、入場税の軽減に対し、この問題は今日に至るまでもなく國民の識者の間にすでに常識になつております。しかも入場料金に対して一五〇%という超高率課税をいたしておる。外國においても、フランスにおいて最高と称するものが四五%、また敗戰國のドイツにおいては一二%ないし二五%、それにもかかわらず、日本だけが入場料金をさらに五割も上まわる一五〇%の禁止的な高率課税をいたしておるわけです。從つてこういうような文化、藝術に対する無理解な課税をするという反面において、はたして円滑に徴税が行われておるかどうかということは、非常に危惧されておるのです。そこで一五〇%という税率を、今日の地方公共團体の財政を考えて、一〇〇%程度に軽減をいたしたいという意図を私は持つておるわけです。このことに関しては、今別途入場料金の統制を実施されておるわけです。すなわち映画、演劇に対しては、最低三十円から九十円、もつとも特別料金の制度を運用いたしておりますが、こういうことで実施にあたつておりますが、一体映画、演劇こういう藝術を尺度をもつて律することは私は当らないと思う。しかも映画演劇を通して、文化國家として再建をいたす使命は非常に大きなものがある。こういう点に関して、私は徴税技術の上から見ても、現在のような入場料金をもつて嚴格なわくをきめるということは、どういう観点からこれが出ておるのか了解に苦しむのであります。この統制を解除いたしますならば、私はいわゆる大衆の愛好する健全娯樂、映画等については、もつと料金は下まわることができると同時に、これに対するさらに観客を多く吸收することによつて、相当な税收が見込めると思います。また高級の劇場等については、これを鑑賞する観客は相当担税力を持つておるのです。こういうことに対してはこのわくに押えることなく行きますならば、結局において映画、演劇を通して相当の観客の多数を吸收することによつて、結論は税收減にならないで行ける見通しを私は持つておるわけです。特に最近は、こういう無理解な高率課税によつて、非常にこの結果は結局映画の製作費などのむりが來て、安價な、ダロ的あるいはエロ的な、われわれが見て好ましくない作品が出て來るわけです。最近は特にニュース映画等の会社も続々つぶれて行くような状態でありまして、まことに好ましくない。幸い地方財政委員会においても、この入場税の軽減ということに対してはこれを認めておる。こういう点に関して、今経済安定本部で入場税に関する統制を撤廃するならば、私は税收減にならぬで、むしろ増收さえ見込めるという考えを持つておるのです。これはほかの消費資材なり他の統制と違うのでありまして、こういうことを統制すること自体も私は考えられない。しかし敗戰直後の社会事情、國の事情等によつて、一應こういう統制もやむを得なかつたと思うのですが、現在においてはこういつたような統制の必要を一つも認めない。こう考えるものであります。この点に関して物價廳の御所見を承りたい。
#4
○菅野政府委員 ただいまの御意見まことにごもつとな御意見でございまして、大体において私も同感でございます。税金の問題については、價格統制のあるなしにかかわらず、われわれとしましては地方財政委員会に向つて、常にその軽減方を主張して参つたのであります。しかしいろいろめんどうな條件がございますようで、地方財政委員会の方で一五〇%という非常に高い税金に対して、軽減方をなかなかお認めを願われないということで、物價廳の價格統制が非常に惡いかのごとく、惡口を一手にかぶつてしまつているようなことなのでございますが、先ほど御質問の中にもございましたように、藝術活動というものに対して、統制を加えることは何事だという御説、まつたく同感でございまして、異論はございません。ただ映畫はほかのものと異なりまして、一面藝術性の面を持つておりますと同時に、非常に大衆性を持つておる。大衆の生活に密接に食い入つておる。極端に言いますれば、まつたく生活の中の一部分になつておるというような現況から、実はこの前に――去年の秋でございますか、物價廳でこの際統制をはずしてもいいものを檢討いたしまして、関係方面と折衝いたしました際にも、映畫料金の統制撤廃を含めて審議に上つたものであります。そのときも、大衆の生活からどうしても離すべからざるものであるという見解から、残念ながら統制廃止に至らなかつたというようないきさつでございました。またもう一つの困難な点といたしましては、農業パリティー指数の計算をいたします場合の一つの要因に数えられておりました。これは農民の娯樂の中の代表的なものとして映畫があげられておりました。これの上り下りが、ただちに農家の生産するものの價格に響く、從つてもう一つは消費者の側から見まして、主食の購買をする勤労大衆の生活にひつかかるという、めんどうな問題、その問題をどう調整するかという問題が、現在の物價統制上実はめんどうでございますので、現在の状況下において、統制をはずすことの可否、もう一つは今のパリティ計算に入つておりますので、その点をどう調整するかというような問題からいたしまして、ただいませつかく檢討中でございます。そうして物價廳としては、一五〇%もの高い入場税がございましては、もし統制をはずして、ただちに非常な値上りになるというようなことでは困りますので、また再統制をせざるを得ないはめに陷つたというようなことでは申訳がありませんので、税の問題ともあわせまして、せつかく檢討しなければいかぬ問題だと考えております。まだただちにどうするということのお答えを、ここで申し上げることのできないのを、まことに遺憾に思います。ただいまの私たちの考えておりますことを申し上げましてお答えといたしたいと思います。
#5
○野村委員 大衆性を持つておることは、映畫において特にそうだろうと思うのですが、しかしこれは撰択税でありますので、私ら民主自由党の立場といたしましては、國民の要望に沿うて、戰時中から行つているあらゆる統制に対して、可能のものから、時間的の範囲内で、一つ一つはずしたいという考え方を持つておるわけであります。今もお話のあつた統制の緩和の中にこのことが考えられたということですが、私はいまだにこのことが残つておることを、非常に了解に苦しむぐらいでありまして、今の後段の御説明によつて一部分は考えられるのであります。しかしほかの物價の統制とは性格が違うのですから、私はことさらに統制をもてあそんで、これに行くことは、どう考えても納得ができない。あらゆる統制の前に、かような統制は私はおよそ不必要なものであるとこう考えるので、せつかく政府当局においても大体の考え方としては実情をお認めになつておられるし、すみやかにこの料金の統制をはずされることによつて、入場税の軽減の問題も実現する見通しがつくのであります。先般來からこの問題に対して質問をいたし、結局その必要と妥当性は認めておられるのですが、結論において地方公共團体における財政、こういう点から税收減になるという一つの杞憂から今日御出席をいただいたわけです。ただいまの御説明によつても、なおかつこの統制を存続して行かなければならぬということは納得ができない。日本が置かれておる今日の実情から見まして、相当努力しなければならぬ面もあろう。ともあれ最近再開されました遊興飲食税だけが一五〇%しかもただいまのお話のように、大衆が生活と切り離すことのできないこういう健全娯樂に対して、なおかつ禁止的な一五〇%を課するということは、貿易が再開して、外國映画なりがどしどし輸入されるという折柄に際して、現在のように映画一本製作するにしても、千五百万円もかかるという現段階において、とうていこれは太刀打ちができない。こういう点から私はこの統制はすぐに撤廃するよう御努力を願いたい、かように考えるのであります。同時に今特別料金の制度がありますから、これらを活用して行きますならば、私は税收減にならぬと思う。最近証紙の問題も出ておりますが、地方によつては税徴收のいろいろな技術方法等によつて、三割程度の増收を見ておるところもある。とにかく関係業者なりに、この徴税に対して協力を求められるならば、私は一〇〇%の税率に引下げて、なおかつ税收減にならぬということの確信が持てるわけであります。このことはすでに議論の時期でないのでありまして、國民織者間における常識であるとさえなつておる。しかも同種の放送、雜誌、新聞等も無税であります。他面この博物館とか動物園、植物園の入場税等も問題になつておりまして、文化國家として再建するには、無税で行こうという考え方さえ持つておるわけですが、今日における地方公共團体の財政を考えて、一〇〇%程度でこの映画演劇に対しては忍んで行きたいという考え方を持つておるのであります。政府の方もわれわれも、最善の努力をしなければなりませんが、寸刻も早く、この納得できない統制に対しては、解除するように努力を要願いたしたいと思います。
#6
○谷口委員 今野村委員の質問に対する物價廳のお答えでは、映画料金の統制撤廃ができないのは、特に農民の生産するいわゆるパリテイー指数を守つて行くために、主として農民の娯樂機関として、映画を利用する率が非常に多いから、その面からもちよつと撤廃ができないというようなお説であつたようでありますが、これは私そうだろうと思うのであります。ところで今度の地方税の一部改正案の中に、地租及び家屋税の増徴の改正点があるのであります。その地租及び家屋税の増徴をやるにつきまして、木村國務大臣の説明によりますと、これは土地を持つておる者もしくは家屋を持つておる者、つまり地主、家主に対する負担になるわけでありますから、これに対する、裏打ちとして、地代の引上げもしくは家賃の引上げが考慮される、こういうことを言つておられるのであります。いくらぐらいに上げられるか、まだ率は聞いていないのでありますが、いずれにしても地代が上る。この場合に私ども非常に問題になると思いますのは、小作料が上るということであり、また家賃が上るということであります。そうしますと、農民の生産する農産物の價格統制の上からいつて、映画の入場税を自由にすることすら、大きな影響を持つという物價廳の考え方からいたしますと、地租の値上げから小作料が上るということは、直接農民、特に小作人の負担を非常に重くするわけであります。当然今の物價廳の御議論からでは、これは農民の生産する生産物のパリティー指数に大きな影響を與えるものとお考えになるだろうと思いますが、どういうふうにお考えになるか。つまり農民の小作料が上るという点、あるいは都会地の借家人の家賃が上るという点をどういうようにお考えになるか、お聞きしたい。
#7
○菅野政府委員 現在の地代、家賃の問題でございますが、地代、家賃の問題は、ただいま仰せの通り、これが上つてわれわれの生活に響くではないかというお話でございます。もちろんその通りだと思います。ただ現在の地代、家賃はほかの物價に比べまして、アンバランスになりまして、非常に低く過ぎておりました。むしろあまりに低いがために、庶民の住宅等を建てて貸す人がないというような問題にまでなつておりますので、今の安いのを上げてはいけないということの面だけをとらえまして、考えるわけには参らないのではないか、かように考えております。世の中のいろいろな物價がバランスをとつて、おのずからなる平衡状態に達しませんでは、かえつてそこからいろいろな問題が起りますので、あまりに低く過ぎるということでございますれば、もう少し上げてもいいと言つてはどうかと思いますが、現在は非常に安過ぎる。そのためにかえつて別の面の問題があるのである、こういうところを御認識いただいたらと思います。
#8
○谷口委員 どうもただいまの御答弁は、少し了解しがたいのであります。一般の國民の生活に影響を及ぼすということも言われますが、私のお尋ねしておるのはそうではなくて、映画の料金を上げることすら、農民の生産する生産物の現在の價格統制に影響を及ぼすという点から、上げることはできないという、それほど嚴重に各方面のことを考慮して現在の農産物の價格がきめられておる。この價格に対して直接影響する小作料の値上げであるとかいうようなことは、これは理論上から言いましても、実際の問題といたしましても、重大な影響を及ぼす。つまり物價廳のとつていらつしやる方針に破綻を來すことになる。この点について、どうお考えになるかということを私は聞いておるのであります。今一部分だけを見て論ずることはいけないというふうにおつしやつたのでございまするが、一部分だけを見て論じていらつしやるのが、物價廳の今の御説でありまして、私どもは全体の立場に立つて、現在の農民の生産する生産物の價格統制というものを考えておるのであります。少し議論にわたりますが、御承知の通り、私どもも現在の小作料の特に安いことはよく承知しております。米の値段、政府買上げ價格が一升三十六円にもなつておるときに、現在の小作料は御承知のように反につき大体七十五、六円前後になつております。これは一石七十五円で小作料を計算して、そして金納にするという、例の農地改革のときの規定に基きますので、大体高いところで九十円くらいになるが、七十五円以下のところもあります。そういう小作料なのであります。これは御承知の通り、もう地主さんは土地を持つておるということから、つまり小作料によつて得るという経済的な利益は、まつたくないことを承知しており、経済的な行為としての土地を所有するということが、全然成立たないという基礎に立つて、日本の農地改革がなされておるわけであります。從つて小作料が安いという問題について他、の物價から見て安いというようなことを、経済行為として考えることは間違いでありまして、もはや土地を持つている地主さんは、地主であるというような立場で生活ができない。收入も何もないというふうに、もう抑圧されてしまつておるのが、土地改革の基本的條件だと私どもは思うのであります。地租を値上げするという点から、さらに小作料の値上げに及ぶということになつて來ると、この農地改革の根本方針である、つまり農村における地主的土地所有を一掃して、働く農民に土地を與えて、そして日本の農業改革をやるという、例の農地改革、農業改命の根本的な基礎が破壞されることになる、こういうふうに私どもは思うのでありまして、今の御説明ではどうも納得行かないのであります。そこのところをもう一度御説明願いたいと思います。
#9
○川西委員 今の谷口君の御質問は、非常に重要な問題でありまして、物價廳と多少関係がありますが、直接の関係は、どつちかと申しますれば、農林当局との質問によつて明らかになる問題でありますから、この点はあとまわしにして、直接の法案と関係ある質問を続行されたいと思います。
#10
○中島委員長 ただいまの谷口君の御質問は、地租の値上げに関係があると思います。物價廳の方でその点答弁がないと言われれば別でありますが…。
#11
○谷口委員 民主自由党の諸君はどうも発言を抑制するというようなことはよろしくないと思うのであります。これは物價廳の方にお考え願わなくてもけつこうでありますが、家賃の問題でも、戰爭後新しく建設した家の家賃は、それに要した資材その他が、当時の統制價格によつて計算されて、建設費に対する何パーセントというふうにして家賃がきまつており、戰爭以前の古い家の家賃は、それまでの家賃を基礎にして非常に低く押えられている。こういうふうに家賃の面でも二種類あるのでありますが、家屋税の値上げ、つまり賃貸價格の改訂がなされて、さらに家賃の改訂がなされるというようなことによつて、これもやはり一般の國民生活全体に及ぶのであります。物價廳としてはやはり家賃を抑制しているということも、現在の物價体系を維持するために必要なところからなされているのでありますから、それが崩れて來ることに対しては、物價廳の方でも御意見があるだろうと思います。その点についてお尋ねいたします。
#12
○菅野政府委員 ただいまの家賃の問題は、先ほど申し上げました通りに、現状を見ますと、非常にほかの物價にくらべて安過ぎるように思われるのでございまして、この点は全体のバランスをとるという意味で、將來急激な上昇をさせるようなことは、とるべからざることであるということは、十分承知しております。逐次一般の物價に近い方にだんだんと少しづつ行く、こういうふうな方法で行かなければいけないものだと思つております。それから御議論の中にございました、古い家と新しい家の問題、これも御指摘の通りでございまして、現在の物價統制の方法が効用主義で行きませんで、原價主義で行つております関係で、ああいつたようなことになつておりますので、この点は御指摘の通りに思つております。こういう問題についても、今後残された問題として、十分研究しなければいけない点だと考えております。
#13
○谷口委員 家賃の非常に安いこと、それから小作料の安いことは、他の物價とアンバランスだというふうなおつしやり方をなされるのでありますが、これこそ部分的な考え方でありまして、現在の物價体系全体の中で、家賃もしくは小作料が、ほとんどそれから経済的な利益が上らないほど抑制されていることが前提となつて、物價体系ができているのでありまして、從つてそれだけ切り離してバランスがとれないというような考え方から、これを値上げされるとすれば、現在の物價体系の根本が、その点から崩れて來ることになるのじやないか。それを私どもは指摘しているのであります。むしろ物價廳の方が部分的に物を考えて、この点だけを注視して、安いから上げる……。この安い点が、他のものがめちやくちやに高くても、わずかに國民生活あるいは農民生活が、非常な困難な状態にありながら、今までとにかく保つて來たのである。ぎりぎりのところに來ている。そのバランスを破つてしまうならば、その破つた点が小さい家賃でも、全部が崩壞しなければならなくなるほど、それほどぎりぎりのところに物價政策が立てられている。そういうときに、こういう重要な値上げがなされるということになれば、國民生活が破壞されることになりますが、その点はどうか、こういうことを私は言つているのであります。
#14
○菅野政府委員 ただいまの家賃の問題については、しかし重大な結果を來さないと考えております。
#15
○中島委員長 先ほど野村君の質問の入場税軽減、入場料の統制撤廃という問題でありますが、これに対して少しく補充してお尋ねしたいと思います。ただいま菅野政府委員の説明によりますと、大衆的娯樂であるから、統制を撤廃することに対しては困難であるという御意思のようであります。一体私どもは現在の映画、演劇は日本の現状においては最も必要なことであり、こんなことは議論を要さないことである。なるべくこれが発達を希望している。問題は、入場税を引下げようとする意思が、統制を撤廃してもらいたいという意思に延長されるわけなのであります。地方財政の困難なことは、ただいま菅野政府委員のお話の通りであります。入場税を低下して、そのために地方財政になお一段と苦痛を與えることは、現在においてはどうか、こういう点も、統制が撤廃されれば、ここに大衆的娯樂よりは進んだ、優秀な映画のようなものもできて、一般に提供し、それによつて、自然入場料の高額なものが相当にできるのじやないか。その結果としては、入場税引下げの部分に対して補充されるのではないか、こういうふうに私ども考えているものでありますから、入場税の引下げに伴つて、統制の撤廃を希望するわけなのであります。そこで一般の映画の組合の方の状況を見ますと、かりに十五割のものを十割に低下すれば、それだけの税の低下された分だけは、入場料を下げようという機運であります。これは何となれば、現在の映画、演劇の状況は、現在の経済情勢の関係でだんだん入場者が減つて來ております。料金も下げて、大衆の入場を求めようという機運が相当に濃厚なのであります。これは各映画組合がまとまつてそういう希望を持つて來ているのであります。統制を撤廃しましても、大衆娯樂に対する負担を増すようなことはないと考えるのであります。そういう意味合いにおいて、さらに一段と物價廳の方の決心を伺いたいのであります。そうしてその問題を解決したいと思う。重要なことでありますので、でき得れば政府委員から、もう少しはつきりしたことを伺いたいと考えております。
#16
○菅野政府委員 ただいまの御趣旨よく拜聽いたしました。そういう線に沿つて十分研究をいたしたいと思います。ただいままだどうするかということを、はつきり申し上げられないのを、まことに残念に思います。
#17
○大泉委員 入場料金の統制に対しての決定は何を基準としておりますか。建物あるいはその他の設備等に重点を置いておるのか、あるいは写眞とか演劇そのものの内容に重点を置いておるのか。今日の演劇にしろ、写眞にしろ、その内容はみんな千差万別であります。しかも映画のようなものは、封切と、何回も映写したものとは、その客足においても相当開きがある。こういうふうに新品と古物というような区別はなくても、とにかく観賞する方の立場から見れば、ほとんどこれはもう客足もなくなつてから、また見せられるような館もある。こういう非常に開きのあるものに対して、同じような統制額をもつてするということは、きわめて当を得ていないと思います。この点の料金の決定基準をどこにおいておるかということを伺いたい。
#18
○菅野政府委員 ただいまの統制額をきめますときには、映画館の收支の状況を計数的に見ましてきめたわけであります。從いまして都会地と地方との段階はございますが、都会地におきましてもいろいろな映画館がある。地方においても設備のよしあし、その他みな條件が違うというところを考えますと、お説の通りでありまして、一本にすることにはむりがあるのではないかというお話はその通りだと思います。そうして全体の統制撤廃ということが非常にむずかしいといたしますならば、特殊なロード・シヨーでありますとか、特別の嚴重な定員制でやつておりますものとか、非常にほかの館に比べて高級な施設を持つておる、よいサービスをするというような館の分だけでも、統制を廃止したらどうか。それなら全体を廃止するというよりは早く行けるのではないかというようなことも考えておりますので、その点もつけ加えて申し上げておきます。
#19
○大泉委員 まだ明確を欠いておりますけれども、大体わかりました。私はやはり委員長のおつしやつたようになるだけすみやかに統制を撤廃してもらいたいというのが目的でありますが、ともかく入場税を附加するにおいて、入場料金が基本となつてくつついてまわるのでありますから、普通の物價ならばとにかく、一般の賣手と買手なら、そこになれあいのやみ相場も出て來るけれども、これはやみがないのでありますから、ほとんどその調和点がない。きわめて嚴重に行われる。もしやれば脱税を意味する一つの脱法行為をやらなければならぬ、こういうことはこの業界を改善する上においても、あるいは映画、演劇を改善するにおいても、同じ一つの出し物、あるいは映写をするにおいても、千人の入場者を收容される建物でも、わずかに三百人であつてもやはり約束通りこれを上演しなければならぬ。それがために、結局われわれが計画し、希望した税收が望まれない、達せられないというような結果にもなります。これがひいては根本の問題は、いわゆる入場料金の統制が原因をなすということでありますから、まず入場料金の統制こそが、この税收の改善の根本問題であると私は思う。この意味においては特に望む。それから特に主張したいのは、今日の映画にしろ演劇にしろ、これを改善するには一にかかつて料金に求めなければならぬ。ほかの方にどうも收入を求められない。そうしてみると今たびたび申し上げるようでありますけれども、とにかくよいものをこしらえるにしても、よいものを出すにしても、料金がくつついてまわる。この料金にただちに税金の十五割というものがついてしまう。これでは手も足も出ない。まつたく形式的な一つの結果になつてしまう、そういうふうに思いますので、特にこの点を考慮して、また一般観賞者に対して多く安く見せたいという、ほんとうの親切があるならば、一刻も早くこれは統制撤廃をさきがけしてもらいたいと思います。
#20
○立花委員 物價廳とあわせて堀政務次官にお尋ねいたしたいのですが、この間の木村國務大臣の提案理由の説明書の中で、はつきりと「地代、家賃の統制額に対し、法律措置と同時に必要な改正を加えることといたしております。」とありますので、物價廳と地方財政委員会との間にお話があつたと思いますが、どういうふうな方法で、幾らくらいの額を地代、家賃に対して改正の措置を講ぜられるのか、はつきりお尋ねいたしたいと思います。
#21
○菅野政府委員 現在の地代、家賃は、先ほど申し上げましたように非常に低くて、税が上りました際に、その税の吸收して負担する部分がないと認められますので、この法律がきまりますならば、その税の部分だけ地代、家賃に織り込むという方向で行きたいと考えております。
#22
○立花委員 税の部分だけと申しますと、全部の税ですか。今度新たに上る部分だけの税ですか。
#23
○菅野政府委員 新たに上る分だけです。それを現在のに賦課するわけです。
#24
○立花委員 大体それを金額にいたしまして地代と家賃をお示し願いたい。例示していただきたいと思います。
#25
○荻田政府委員 現在の賃貸價格の百分の二百五十だけ上るわけであります。
#26
○久保田委員 私地方財政法の一部を改正する法律案に対しましては、どの点を調べてみましても賛成のできる点はないのであります。全面的にこの改正法案に対しましては反対です。ところが物價廳等もいろいろ考えられたことと思いますが、五十條の一項にあります都道府縣における四百五十円を七百円、また百七條の一項の市町村民税の四百五十円をこれまた七百五十円、地租を百分の百を百分の二百五十、ただいま立花氏から質問されました家屋税の百分の百二十五を百分の二百五十に、そういうお答えがありましたが、私はこういうことをあわせて、百三十條と四十七條の住民税あるいは入場税等に対する問題を一括してお尋ねしたいと思うのであります。先ほど野村さんから民主自由党という言葉を使われまして、この入場税等の問題に対しまして反対の御意見がございました。本委員会といたしまして、いつの場合でも委員会では反対されておりまして、本会議に出て参ります場合において賛成されるというようなことが住々なのであります。おそらく本委員会で、民主自由党として反対されましたその問題に対しましては、本会議にこの問題が出ました場合においても、これは反対されることと私は信じております。よつてただいま立花氏が質問されました等の問題に対しましても、政府は百分の百二十五を百分の二百五十にするという、あまりにも漠然としたその答弁に対しましては、われわれは唖然としてあとの口が開けないような感じがするのであります。ですからこういつたような問題等に対しましても、われわれにもつと納得のできる、もつと親切なお答えを願いたい。私はいろいろ今申しましたような問題をあげて、こまかく質問して行きたいと思うのでありますが、時間等の関係もございますので、ただいま申しました点を一應お答え願いまして、あとの質問に入りたいと思います。
#27
○荻田政府委員 賃貸價格は家によりまして違つておりますので、たとえば坪十円の賃貸價格のついておるところでありますと、坪当り二十五円家賃が上るわけでございます。
#28
○河原委員 ただいまの久保田君の御発言に対してお伺いしたいと思います。ただいま久保田君は、民主自由党は委員会において賛成していながら、本会議において反対するような場合が往々ある、かような発言でありましたが、私は議会に出まして以來、委員会において賛成して、本会議において反対する、もしくは委員会において反対して、本会議において賛成する、党を代表した本議場の意見として、さようなことは一回もしないのでありますので、どうか往々あると言われる以上は、一ぺんや二へんではないと思いますので、一々その実例を御明示願いたいと思います。なお野村議員の先刻の発言中、民主自由党を代表してといつたふうなお言葉もあつたのでありますが、私どもも党議できまつたとも承りませんし、またこの委員会の民主自由党の関係機関に諮つてきめられたということも承つておらないのであります。これは私がまだ承つておらぬのかもしれませんが、もしさようなこともないとすれば、その点も明らかにしていただきたいと思います。
#29
○中島委員長 私から河原君に申し上げます。野村委員は民主自由党を代表してとはお話になつておりません。ただある一つの仮定の事実に対して、民主自由党はこういうふうであるという、漠然とした話なのであります。
#30
○久保田委員 河原さんの私に対するお話がただいまありました。私は野村さんの話された点に対しまして、民主自由党を代表されてとは申しておりません。民主自由党という言葉を使われたということを申したのであります。それから本委員会においてと申しておりません。委員会においてとこう申したのです。それは地方行政委員会であるやら、文部委員会であるやら、何委員会であるかわかりません。そういうようなことが往々にあるということを申し上げたのであります。
 それから先ほど私いろいろお尋ねしましたのに、政府のお答えは一言触れられただけでございますが、それでいいのですか。私はもつと先にお尋ねしておるのですが、それ以上わらかないのですか、それをお答え願いたいと思います。
#31
○河原委員 野村君の御発言に対してはよく了承いたしました。ただいま久保田君の、他の委員会のことをさすというお話でありますが、その往々にしてあるということを、実例をあげて、どの委員会においていつ何日にどういうことがあつたか、それが本会議でこういうふうに述べられた、もしくはだれだれがこういうふうなことを言つたが、だれだれは起立の際こうだつたという実例を具体的に明示していただきたいのであります。漠然たることはお断りいたします。
#32
○久保田委員 先ほどの私の質問に対する答弁を願います。
#33
○荻田政府委員 先ほど百分の二百五十上げるのは幾ら上るかという点の具体的な御質問の点だつたと思いますので、それだけお答えしたのですが、失礼ですがそのほかにございましたらもう一度お願いしたいと思います。
#34
○久保田委員 この五十條の一項の都道府縣民税あるいは百七條一項の市町村民税、あるいは地租、家屋税あるいは百三十條、四十七條の住民税等を私はあげたわけであります。これを一々さしておりますと非常に時間がかかりますので、一括いたしまして、これらの問題に対するわれわれの考えとあなたの方の考えと、非常に相違がありますから、この点に対しての御答弁を願いたい。以下私はいろいろ申し上げましたが、そのことを繰返して申しません。先ほどお尋ねしました範囲においての御答弁を願いたいということを私は言つておるわけであります。
#35
○河原委員 しいて苦言を弄しておるならば、苦言を弄しておるということをあやまつたらどうですか。
#36
○中島委員長 久保田君、河原君からはあなたが漠然とおつしやつたということに対して事実をあげてくれということを要求しておるのです。事実がわかりますか。事実があればここでそういうことを……………。
#37
○久保田委員 委員会の言論は自由でございますが、それは委員同士の質問討論をやるのではございません。例をあげてと申されれば、また別の機会に、私はみずからお話申し上げてもいいと思います。
#38
○中島委員長 お調べくださつて、そういう事実があれば、事実を指摘してくださることが穏当だと思います。なければ、そういう漠然たることはおつしやらないようにすることが、お互いの紳士的な行動だと申さなければならぬと思います。
#39
○立花委員 私がさいぜんの質問で二五〇%についてお聞きしましたのは、さいぜんの野村君の質問とちよつと関連した質問なんですが、入場料の統制が撤廃できない理由の中に、パリティ計算の中に入場料の問題が入つているからだという答弁だつたのであります。そういたしますと、農民の生活に最も重要な関係のある地代家賃、これはパリテイ計算の中に必然的に入つて來る大きな問題なのでありますが、これが実際價格の中にいくらぐらい値上げを見込まれているのか。さいぜんお話の入場料の値上げの場合に、一体農民がいくら映画を見て、それがいくらパリテイ計算の方に織り込まれているのか。この方は放置しておきながら、家賃、地代はもう了解をつけて上げることにしている。この間に矛盾があるのではないかと考えましたから、その具体的の数字を御説明願いたいと思つてお聞きしたのでありますが、それを御説明願いたい。
#40
○中島委員長 政府委員の答弁は、さつき税金の上る分だけを上げるという答弁をしたように聞いておるのであります。
#41
○立花委員 それはわかつているのですが、税金の上げる分だけをお聞きしましても、具体的の数字は出ません。あとで荻田さんから説明がありまして、坪二十五円上げるというのですが、坪二十五円上げれば十坪の家だと二百五十円上ります。田んぼの方にすると、地代は一反九十円、百円ぐらい上るらしいのですが、この額がパリティ計算に関係がなくて、入場料の方は関係があるから統制が撤廃できないという理由がわからない。だからその点を御説明願いたい。パリティ計算によつて入場料が上げられないという御答弁だつたので、それでは地代家賃の方はパリティに関係がないのかということをお聞きしているわけです。
#42
○菅野政府委員 先ほどの映画料金の問題は、パリティ計算に入つているから統制は撤廃できないとは申し上げてなかつたつもりでございます。その問題については、パリティ計算にも現在は入つておりますので、この調整の問題についても研究をしなくてはいけない、その調整をどうするかの問題が残つているということを申し上げたつもりでございます。それから地代家賃の問題は、公定賃貸價格もまちまちでございますし、私手元にその資料を持つておりませんので、ただいま当該の坪いくらということのお答えができないのはまことに遺憾でございますが、その問題は数字を見まして申し上げたいと思います。この法律がきまらないと実はきまらない問題でございます。
#43
○立花委員 それは逆です。そんなあいまいなことで地代家賃の値上げというようなことを了解されたのですか。「地代家賃の統制額に対し本措置と同時に必要な改正を加えることといたしております」とはつきりこの説明書に書いてあるのですが、そういうあいまいな根拠でおきめになつたのですか。
#44
○菅野政府委員 申訳ございませんが、ただいま手元に数字を持つておらないので、申し上げられません。
#45
○立花委員 それでは今持つていないだけで、数字的な根拠はあらわけですね。
#46
○菅野政府委員 そうでございます。
#47
○立花委員 その場合は農民のパリティ計算には、これが大して影響がないだろうというお考えのもとにおきめになつたのですか。
#48
○菅野政府委員 もちろんいろいろの角度から檢討いたしまして、そういうことになつたわけでございます。
#49
○立花委員 ではさいぜんの入場料の問題は、パリティ計算の方でどのくらいのパーセンテージでお認めになつているのですか。
#50
○菅野政府委員 パリティ計算をする場合の品目がずつと並んでいるわけでございますが、その中に農民の娯樂としてあがつておるわけでございます。
#51
○立花委員 だからそれを数字的にパーセンテージ的に言つてください。
#52
○菅野政府委員 その問題は、基本年次に比べてそれぞれの指標のものが何パーセントになつているかということが、ウェイトをかけて計算して出るわけでありまして、詳細は私の方の主管ではなく、第二部の方の主管になつておりますが、ただその中に入つておりますので、その問題も考慮の外にすることはできないということを申し上げたのでございます。
#53
○立花委員 おそらく入場料の値上げなんかは、何千分の一ぐらいのウェイトしかないと思うが、その問題をたてにとつて、入場料の統制を撤廃できないと言いながら、片方非常に大きなウェイトのある地代家賃の値上げを軽々にきめられるというところに矛盾があるのではないかと思うので、それに対してもつと根本的に御説明願いたい。
#54
○谷口委員 個々の数字を御存じなければやむを得ないと思いますが、この説明には明らかに地租及び家屋税の値上げで、八十億の増徴を見込むということを書いてある。八十億という全体のわくがはつきりある。これがパリティ計算あるいは物價の問題について影響がないとは言えぬ。個々の数字がわからぬからわからぬというのは逃げ口上であつて、全体の数字がわかつている以上、その点が物價の問題にどういう影響があるかということが答えられないはずはない。ただあいまいな答え方でのがれるというのはいけないのでありまして、全体の数字が出ている以上、これをきめられるときには、地方財政委員会と物價廳との間には、十分な討議があつて、これが影響しないという理由があつたから出されたのだと思います。この点をはつきり御説明願いたい。
    〔「答弁できなければ撤廃だ」「委員長、答弁々々」と呼ぶ者あり〕
#55
○中島委員長 答弁にならない理由ではしかたがありません。
#56
○谷口委員 答弁にならないではこつちは審議ができない。
#57
○中島委員長 それは別です。では物價廳に対する質問はこの程度で終りまして、大藏省の政府委員が出席されておりますから、これに対して委員長が代つて質疑をいたします。なお不足でありましたら、補充して質問を願います。
 今年の一月に施行されました衆議院議員選挙に対する選挙費用でありますが、これは國庫で支拂いをすることは当然であると思うのであります。しかるに各調べによりますと、一億八千万円の支拂い不足があります。この額は正確な額であるや否や、私どもはわかりませんが、ともかく一億数千万円の未支拂いがある。その結果として各公共團体はこれが支拂い未了の分が労銀、賃金、あるいは各物品のようなものにも未拂いの分があるように聞いておる。その影響するところは非常に大きいのであります。府縣によつては、あるいは立てかえ拂いをしておるところもありましようが、まだ未了の分が多いのであります。私ども当委員会としては、政府がすみやかにこれが処置をすることが適当ではないかと考えるのであります。政府はこの支拂いに対してどういうお考えを持つておるか、それを大藏省の立場からお答えを願いたいのであります。
#58
○河野(一)政府委員 先般の衆議院議員総選挙の経費につきまして、実施の結果、いろいろと不足が出ておるというようなお話を聞いております。また個々の團体についてみますと、余つた府縣もあるというふうにも聞いておるのでありますが、とにかく総体的として、委員長の言われましたような金額が不足であるというお話は聞いておるのであります。この点につきましては、総選挙の予備金を出す際におきまして、内閣において声明をいたした次第もありますし、ただいまただちに補正予算というようなことには考えておりませんが、でき得れば適当な機会に善処するよう努力いたしたいと考えております。
#59
○中島委員長 もう一つ続いてお尋ねしたいのでありますが、適当な時期に善処したいということは、これは次の國会にはこの補正予算を出してこれが解決をはかるという具体的のお考えであるかどうか。
#60
○河野(一)政府委員 各府縣におきまして支出せられました経費を、相当詳細に檢討して参りたいと思うのであります。何しろこの経費というものが個々の團体の状況によつていろいろ違うことはもちろんでありますが、一般の経費との関係その他も十分勘案いたしまして、ただいま次の國会がいつというふうには予定しがたいのでありますが、でき得れば、そういう調査の結果、必要があるということに相なりますれば、できるだけ近い機会において善処したいと考えております。
#61
○中島委員長 もう一つお伺いしたいのでありますが、この未拂額というものは、とにかく一月に選挙は終つたのでありますが、その後今までまだ調査も何もしないでおるわけであります。その点をお伺いしたいのであります。
#62
○河野(一)政府委員 私の方でも個々的に多少調査はいたしております。但し私どもの考え方を申し述べさしていただきますと、一應の配付額に対しまして五割も経費がよけいにかかつた。あるいは配付額で行つておる。あるいはそれよりさらに少く済んでおるといつたふうな府縣がままあるのであります。これは配付額が惡いと言えばその通りでありますが、少くとも一定の基準のもとに配付したこの経費が、府縣によつて額も非常に違うということは、相当調査を要すると考えておりまして、一部の府縣については多少調査もいたしておりますが、まだ全般的の調査ができておりませんので、全府縣にわたりまして総合的に勘案いたしまして、適当な金額を判定いたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#63
○中島委員長 もう一点お伺いしたい。ただいまのような御説明によりますと、まつたく府縣、市町村というものは、國の隷属機関のように私ども考えられるのであります。そういう建前からこういう問題を解決しようとするところに、私は大いなる錯覚があるのじやないかと思うのです。一体國の仕事を地方に委託してやつておるのでありますから、國は相当な好意を持つて、そうしてこれらのものを急速に処理することが、私は現在の民主政治においては当然だと思うのであります。こういうことをただ一方的に、配付した金が多かつたからとか、少なかつたからというのじやなくして、これは実情をあなたの方で調査することができるのでありますから、調査して、すみやかにこういうものを処置することが私はよいのじやないかと思うのであります。ただ國の仕事を委任してやらせて、そうして一方的に國の都合でこういうことをまことに冷酷に扱うということは、將來の政治の上に私は惡い結果を見るのではないかと思うのです。これは私の意見でありますが、幸いもし政府委員からお答えを得れば仕合せだと思うのであります。
#64
○河野(一)政府委員 國費と地方費との負担区分の問題でありますが、これは性質上國でやるべきものは、そのまま國の予算なり、あるいは國の予算を通じた補助なりで支弁すべきものであります。この場合において地方の團体が委任を受けて仕事をする場合において、これは財政統制の問題になりますが、それを幾らかかつても出すのだというふうに割切つて考える段階まで、現在の國費、地方費の負担区分、及びその使用の監督といつたような点はできておらぬのでありまして、國費をもつて國家的な仕事をする場合において、一定の基準をもつて、この限度においてやつていただきたいといつたような考え方をするのも、現在の段階としてはやむを得ぬと考えております。從いまして無理な負担を地方團体に押しつけるということは毛頭考えておりませんけれども、國でやつてもらいたいといつたような程度の点を十分勘案せられまして、地方團体において施行せられますように、私どもの方としては希望いたしまして、そういう意味のことを申し上げた次第であります。
#65
○立花委員 この問題に関しまして地方財政委員会としてはどういうふうにお考えか。政府の答弁はきのうも、きようも、依然として誠意がない。具体的な御答弁がないわけです。こういうことでは地方は國家の委任事務を安んじて行うことはできないと思う。これに対して地方の國家に対する請求権、こういうものを法文の上ではつきり規定するお考えがあるのかどうか。その用意があるのかどうか、はつきり御答弁願いたいと思います。
 それからもう一つ、さいぜんの物價廳の方が帰られましておられませんが、物價廳がああいう態度で答弁ができないというのであれば、木村國務大臣の説明の要旨の中にある地代、家賃の統制額に対し、本措置により同時に必要な改正を加えることといたしておりますというところは、削つていただきたいと思うのですが、これに対する御答弁をお願いしたいと思います。
#66
○荻田政府委員 第一点でありますが、地方財政法によりまして、明確に國会議員の選挙に要する費用は國が負担するようになつておりますので、正当にいりました金額は、すべて國で負担してもらわなければならぬと思います。それで先般の総選挙におきまする費用については、御承知のようないきさつによりまして、將來清算して、不足するところは何らか措置するということを、はつきり約束されておりますので、われわれとしても一日も早くこの清算ができるように望んでおります。ただ國家財政予算全体にわたります問題でありますから、われわれの方から今ただちに補正予算とか何とかいうことはできませんけれども、少くとも一日も早くしかるべき措置をとつていただくように、大藏省の方にお願いしておきます。
 それから第二の点でありますが、地代、家賃につきましては、先ほども物價廳の方から申し上げましたように、この法律施行と同時に値上げをするということで進んでおります。
#67
○立花委員 地代は何のためにあるか、それではわからぬと思う。約束しておいて出さないものを、大藏省や官房長官が、地方のためにとつてやるのが地代ではないかと思う。ですから履行されなかつた場合に、どうして地方の権利を保障してやるか。この点についてどういうふうにお考えになつておるかということなんです。
 次の物價廳の問題ですが、物價廳で上げるということをきめておる。これは口でそう言つておるだけであつて、実際的には何も具体的な答弁ができないような状態できめておる。そういうあいまいな態度で地代、家賃を上げるならば困る。はつきりとした資料をもつて答弁ができるようになるまでこの條項を削つたらどうか。これは何も地方財政委員会の問題ではないと思う。大体地代家賃を上げるということは、必要ないことではないかと思う。ですからむしろこれはお削りになつた方がよいのではないかと思うのです。
#68
○荻田政府委員 この財政法に違反した場合に、地方團体側の主張をどうして擁護するかというお尋ねはごもつともでありますが、いずれにいたしましても、地方財政委員会も大藏省も、一つの政府の中の問題でありますから、政府内部におきまして十分責任を持つて施行したいと思います。
 第二の地代、家賃の問題は、これは織り込むことにしまして、政令案の用意までいたしておるのでありまして、ただ物價廳の政府委員がその政令案に関する資料を、今持ち合せていない、こういうふうに申し上げたのでありまして、決して不確定なことではありません。
#69
○立花委員 政府内部の問題で片づかないのじやないですか。片づかないから現在それをどうするかというところまで來ておるのじやないですか。あなたと大藏省の政府委員とが、そこに一緒にすわつておつても、ちつとも問題は片づかない。それに対する地方の権利をどうして守つてやるかということです。政府内部で幾ら話し合つても、解決がつかないところまで來ておるから、地方に対し法的な何らかの保障を支えてやるお考えはないかどうかということを聞いているのです。
#70
○荻田政府委員 ただいま別段法的には考えておりません。
#71
○立花委員 それで地方の仕事が完全に遂行されると思つておられますか。たとえば來年の参議院の選挙までに拂えるという見通しが今何もない。選挙に使つた費用を拂つてやらないで、次の選挙が完全に行われるものと思つておりますか。
#72
○荻田政府委員 先ほども大藏省の政府委員から申しておりますように、拂つていないものを拂うように今檢討中なのでありまして、あるいは機会を待つておるのでありまして、ただいまできないからと申しまして、永久にできないというのではございません。
#73
○立花委員 それならいつできるのですか。
#74
○荻田政府委員 次の機会にやりたいと思つております。
#75
○立花委員 次の機会というのはいつですか。
#76
○荻田政府委員 予算を適当に補正するような機会にやりたいと考えております。
#77
○足鹿委員 簡單でありますが、今荻田さんのお話では、正当に地方が負担したものについては云々というお言葉があつたわけですが、現在の一億七千八百万円というものに対しては、どういうふうにお考えになつておるのですか。正当だとお考えになつておりますか。あるいはこれは檢討を要するというふうにお考えになつておりますか。それだけ伺います。
#78
○荻田政府委員 一億七千万円という数字は、選挙管理委員会の方で檢討中でございまして、われわれといたしましてはそれが正当な額であればその額は必ず政府から拂つてもらうということを要望しておる次第でございます。
#79
○足鹿委員 これからもいろいろな問題があろうと思いますが、結局正当なという考え方、政府内部のことであるから、大藏省がそれに対してどういうふうな見解を持とうとも、話合いで話がつく、こういうふうな意外の御答弁であつたように思います。そうしますと、今の選挙管理委員会が正当と認めておればこそ、各縣別の的確な数字まで出して、熱心な要望をいたしておると思うのであります。そのものをさらに地代としては正当であるかいなかということを御檢討になつて、初めて大藏省に御交渉になるのでありますか、その辺はどういうふうなお考えですか。
#80
○荻田政府委員 一億七千万円という数字はよく承知いたしておりませんけれども、全國選挙管理委員会の手元に集つた数字で、これを全國選挙管理委員会も大藏省と一緒になつて檢討をしておる、このように開いております。
#81
○中島委員長 これはきのうあなたは御出席になつておらないかもしれないが、官房次長が出席されまして、そしてその選挙管理委員で調査した結果では一億七千万円ばかりの金は確かなものだ。そして地代の方の費用の計算も方には関係していないというお話がありました。
#82
○足鹿委員 それは私は聞きました。今正当というお言葉を使われましたが、他のものは何も正当でないというような印象を受ける、そのためにお尋ねしたわけであります。
#83
○谷口委員 きのうの官房次長の話では、選挙が終つたときにこの話が出て、二十三年度の予算の中でこれがとれぬか、拂えぬかということで、いろいろ奔走したと言われた。ところが予備金も何もなくて出せなかつた、こう言つておる。民主党の千葉君が政府の誠意はよくわかつたと言われましたが、私も政府の御誠意はよくわかります。しかし選挙が終つてすぐこれをやつておりさえすれば、そして政府が拂う氣であり、また拂おうとしたならばできるはずのものであります。それが二十四年度の予算にも、あるいは二十四年度の暫定予算にも政府は出していない。そうして今になつて補正予算が出るときに、これもはつきり出すかというと、何とかしたいということだけです。そうするとこの前後に食い違いがある。二十三年度の予算の中で出そうと思つていろいろやつたが、金がなかつた、こう言つておる。われわれが政府の誠意を認めてそうして二十四年度の予算にすぐ出すようにと要望したのにこれをやつていない。いまだにいつ拂うかはつきりしない。これでは誠意もくそもない、拂わぬ氣である。ここではつきり拂うということを言わなければいかぬ。ここのところを政府ははつきりしていただきたい、そうしなければこの問題は片づかない。人を使つておつて金を拂わぬ、これがもし工場であれば、すぐ労働基準法でやられるような問題です。
#84
○堀政府委員 ただいまの谷口さんの御質問はごもつともでございます。実はこの問題については、私どもも地方の方から非常に熱烈な陳情を受けて、地方の事情には同情いたしておるのであります。大藏省は大藏省でまた各地の実際の数字を檢討しておるということでございますので、今しばらく大藏省の態度を信頼して、実際の数字を出していただいて、これをぜひ拂つてもらうように、地代についてもあくまでも努力いたしたい、かように存じておりますから、どうぞその点は御了承願いたいと思います。
#85
○谷口委員 この問題についてはもう私はやめたいと思います。これをやつておると何かひつかかつてしまつて、きよう審議する大事なことがやれませんので次に入りますが、地租及び家屋税の値上げについての小作料及び家賃の値上げの問題は、これはどうも考えてみますと、八十億という増徴になつて、これが家賃及び小作料にまわることは明らかになつたわけであります。このために物價体系が破壞されるという点につきましては、物價廳も地財の方も、何ら考えていないことが明らかになつたのであります。そういう点で、家賃及び小作料の値上げという問題は、現行の物價体系からいつて当然できないと思いますから、撤回していただきたいと思うのであります。
 それからその次の問題でありますが、住民税の値上げ、これも非常に私どもは不当だと思いますが、特に事務的な問題をいたしますと、住民税のうちで、課税対象になる範囲は廣げられまして、権利能力なき法人もしくは財團にも課す、つまり言いかえますと、労働組合、農民組合、文化團体あるいは青年團婦人会というようなものの事務所、支部に至るまで、住民税の課税対象になるわけでありますが、こういう民主主義運動を抑圧するようなやり方を撤回する御意思はありませんかどうか。つまり労働組合にまで、労働組合の事務所にまで住民税をかけるというような、べらぼうなことはおやめになつてもらいたいと思うのでありますが、おやめになる御意思はないかどうか。
 それから入場税の問題は先ほど野村委員から、特に映画演劇等、大衆の健全なる娯樂機関であり、あるいはむしろ教育啓蒙的な意義を持つものは、博物館、動物園、その他と同樣に考えるべきである。從つて入場税の引下げをやるべきだ、こういう御意見があつて、私どもも非常に賛成であります。賛成であるばかりでなく、むしろ税金の撤廃をこういうものについてはやるべきだ。そのかわりにゴルフ場、あるいは競馬場、マージャンクラブ、こういうブルジョア階級、特権階級だけが行つて、ばくちをやる、こういう行為には、現在の税率を、たとい五十億倍でも百倍でもかまわないと思いますが、上げるべきだ、こういう考えを持つておりますが、映画の税金を撤廃し、こういう高級な賭博場の入場には、うんと高率の税金をかける御意思はないかどうか、その点をお尋ねしたいと考えます。
 それから入場税の証紙の問題でありますが、これは先ほど野村委員もおつしやつたように、現在実行しておるところは脱税の完全に防止になる。現行の税率でも三割くらいの増徴になるということが、実績上出ておる。從つてこれに対する反対意見も出ておるようでありますが、原案通り証紙を絶対実行するという態度をとつてもらいたいと思うのであります。
 それから入場税の問題でありますが、営業としてやる映画館あるいは劇場でなしに、青年團とか、婦人会とか、あるいは小学校とか、あるいは民主主義團体とかが、会員を対象とし、もしくはある催しのために行う映画会あるいは演劇、特にこのごろでは工場内の労働者の中には、自立劇團ができておりまして、わが國の新しい演劇運動に非常に寄與しておるのでありますが、こういう自立劇團の公演というような催しに対しても、この改正法案では課税することになつておるようであります。こういうことは非常によろしくないことでありますので、これも御撤回になる御意思はないかどうか、これらの点について、まず事務的にお尋ねいたします。
#86
○荻田政府委員 第一点の地租、家屋税の引上げに関します物價体系との問題でありますが、これは先ほど來御説明しておりますように、この程度のことは解決をつけるという前提のもとに立案しております。從つてこれを撤回する意思はごごいません。
 第三番目に、住民税の課税対象を拡張した点でありますが、これは今お述べになりましたような趣旨で考えておるのではないのでありまして、現在でも労働組合等、法人格を持つておるものは課税対象になつておるのでありますが、そういうものはおそらく公益性あるものと認めて免税しておるだろうと思います。今後も新しい法律上は、新しく課税対象に入るものでありましても、そのようなものは免税になるのでありまして、われわれのねらつておりますのは、数人が集まつて、法人格は持たないけれども、営業を営んで相当もうけておる、こういうものに対しまして、課税しようというのがねらいであります。
 それから入場税につきましては、根本的に課率が一五〇%というところが高いので、これを次の機会におきまして、しかるべく是正したいと考えておりますので、その際一括して考慮したいと思います。
 それから第四番目の証紙を使いますこと、これはわれわれといたしましては、原案通り御賛同を得ることを望んでおります。
 第五番目の映画演劇等を、入場料金をとらずに特殊な團体において行うというような場合、これは大体該当しないと考えておりますが、ただそのような名目をもちまして、普通入場料金を拂つて見るべきものを、脱法的にのがれる、脱税する、こういうものがありますために、このような規定の整備をしておる次第であります。
#87
○谷口委員 ちよつと御答弁が抜けておるようで、それはまた別にいたしますが、労働組合、農民組合、あるいは民主的な文化團体、あるいは婦人会、青年團という團体の事務所に対しては、住民税は從來通りかけないというふうにおつしやつたわけでありますが、そう確認してようございますか。
#88
○荻田政府委員 この法律案の改正によりましては、そういうことに関係いたしません。現在でも法人格を持つたものに、文化的なもの、公共的なものがたくさんありますが、そういうものは課税していないのでありますから、それと同じことでございます。
#89
○谷口委員 第二の点でありますが、特殊な團体が営利を目的としない映画会を開いた場合の問題でありますが、今荻田政府委員が、無料で会員組織で、つまり特殊な目的でやるのは、実は入場料をとつて脱法行為をやつておるものがあるから、これに対する取締りとか、あるいは対象にするのだというようなお言葉でありました。実はこれは逆なお考えではないかと思う。私どももよくやりますが、入場料をとると課税されるから、実は入場料をとりたいがとれないので、会員組織にしたりいろいろするのでありまして、こういう團体のものは、当然経費がいりますから、その経費をまかなう意味で、入場料をとつても、これには政府もかけない。現在脱法行為とおつしやるけれども、当然これは何かやれば経費がかかりますから、この経費をまかなうために、きゆうくつな会員組織とか、寄附とかいう名目でとらないで、入場料で経費をとれるような方式をこれにはつきり確立して、こういう團体のこういう催しを保護すべきだと思う。そういう点で、もう少し積極的に、当然必要な経費を入場料としてとつても課税しないというところまで行つてもらいたいと私どもは思うのであります。
 それからさつきお答えがなかつた、つまり非常にぜいたくな、高級な賭博場であるところのマージヤンとか、ゴルフとか、あるいは競馬とかいうものには、もつとたくさん入場税をとつてもいいのじやないかと私どもは思うのですが、この点はいかがですか。
#90
○荻田政府委員 第一点でありますが、團体が無料の演劇あるいはその他の催し物を行います場合は、この條文にも書いてありますように、入場税を課することができるとあるのでありまして、課されなければいけないとは書いてない。從いましてこういうことは、地方團体の自主的な判断にまかしたいと思つております。しかし方針といたしましては、先ほどから申しておりますように、会員からほかの名目で会費としてとつたり、あるいはたとえば商店等で、特定の物品を賣る。その場合にこれに相当するようなものを割増しておいて、その人に無料で映画を見せる。こういう場合の脱法行為を防ぐためにこれを置いておるのであります。第二のマージヤンとか、特に娯樂性の強いものに対して、課率をさらに引上げるという問題は、先ほどお答えの中にひつくるめて入れておいたつもりでありますが、この次の機会におきまして、入場税につきまして根本的に見直す場合に考えたい、こう申したのであります。
#91
○谷口委員 御迷惑ですが、もう一つお聞きしておきたいと思います。民主團体の催しものに対して、課税してもしなくても、これは地方團体の自治にまかしたらよいという御答弁であります。これはこの間から荻田さん盛んにこの條章をひつぱり出して、これはかけなければならぬと書いてないので、かけてもいいというふうに書いてあるから、地方によつて自由になるのだ、こういうなかなかの名答弁で、御出世なさるだろうと思いますが、実際は法律にこう書いてありますと、地方ではかけるのであります。地方團体は実はもう四苦八苦しておりますから、なるべくたくさん税金をとりたい。かけなければならぬと書いてなくても、かけることができると書いてあるから、みなとるのです。東京都あたりでは実はとつていないようでありますが、地方へ行くと、ほとんどとつている。そのために民主團体が非常に民主主義的に效果のある、たとえば映画会を催そうと思つても、そこにあなたのおつしやるような脱法行為に似たような方法をとらなければ、みなに会費を負担してもらえないというような実情があるのであります。こういう点をはつきりと、かけてはならぬと書いてもらわないと、地方團体の連中はとることだつたら、今の政府と同じで、とれるものは何でもとりたいと思つているのだから、とるのです。この点はとつてはいかぬと、はつきり規定しておく必要はないか。こう私どもは思つて、またそうすべきだと思つております。
#92
○荻田政府委員 先ほどから申しますように、地方税につきましては、これは地方に対する税の法律でありますので、なるべく地方團体の自主的な運営を望むことは、地方自治の確立のために必要であります。從つて今のような場合、いろいろそこに判定のむずかしい点がありますから、これを地方團体の自由の判断にまかしたい。ことに地方團体でも民主的な機会を持つた團体でありますから、そこにおいて審査をすれば、問題ないと考えております。
#93
○足鹿委員 私は昨日の私の質問から端を発しました木村國務大臣と荻田地財委事務局長との答弁の食い違いの問題について、いま一應ただしておきたいと考えるのであります。それは本田資料としていただきました「地方税財政制度の改正とその運営についての通達案拔粹」、これは何日にこの通達をお出しになつたか、まずそれを伺いたい。
#94
○荻田政府委員 昨日もこの点について御説明いたしましたように、この法案が通り次第このような通牒を手紙として出すということにいたしまして、すでに案がこのようにできておるのであります。しかしこの法律案の通過を待ちませず、先般開きました庶務課長の会議におきまして、この通牒案を渡しましたので、実際的には出したと同樣のことになつております。
#95
○足鹿委員 そうしますと、國務大臣の言われたのは、十日ほど前に閣議決定をいたしたその通牒を、各都道府縣の方へ発しておるということを、はつきり言つておられる。これはちやんと速記録にあまりす。そうすると、この通牒を見ますると、これは案になつている。そうすると今あなたのおつしやつたのは、昨日もおつしやつたのですが、この法律が通つたならば、この寄付金抑制についての措置を講ずる、こういうことを言つておられるし、今日は、そういうことになつておつたが、十日ほど前に部課長を寄せて示達したから実質的には一緒だと言う。一体どつちがほんとうですか。私はあまり事を荒立てることは好まぬけれども、こういう重大な問題に対しては、もう少し責任のある答弁をお願いしないと困ると思うのです。さらに二十四年の三月八日閣議決定による「官房廳に対する寄付金の抑制について」というのを見ますと、これは二回出ておりますが、これが出てからも一向きき目がない。どんどん寄付の割当というものが進んでいるのです。これはただ單に都道府縣の主務官を寄せて一應示したから、大体趣旨は微底するだろうというふうに、軽くお考えになつておること自体が、昨日も木村國務大臣とあなたとの間に、大きな答弁の食い違いが出て來るような結果を招來すると思うのであります。もう少しこの問題につては、強い措置が必要だと私は考えるのです。これだけでもつて足れりとしておいでになりますか、その点を伺いたい。
#96
○荻田政府委員 昨日からこの問題に関しまして、何かあいまいなようになつておりますが、たびたび申し上げます通り、正式の通牒、手紙による通牒は出しておりませんけれども、この案を庶務課長会議にはつきり示して注意しておるのであります。從いまして庶務課長の公的な会議でありますし、こちらから公文書として出しておるのでありますから、実質においては出したも同樣のことであります、ただ正式の手紙が行つてないという点だけであります。それから根本的にこの寄付金の抑制ということにつきましては、おつしやつたこと、同感でございます。それを行いますにつきましては、もちろん閣議決定通牒等も大事でありますが、根本は地方財政自体の力を強化しなければならないと考えております。その意味におきまして、今後とも努力いたしたいと思います。
#97
○足鹿委員 今後とも努力するということは、どういう意味ですか。そういう抽象的なことで、この問題は地方民は満足できないと思うのです。今後とも努力するという、その御趣旨はわかりますが、もう少し具体的に――私が言いましたのは、これに対する強い措置をとられないと、特に二十四年度の均衡予算の実施に伴つては、いよいよこの傾向が強く、そうして大きくなつて來ると思うのです。その努力ということの意味を、もう少し具体的にお考えになつていることがありますれば――なければやむを得ませんが、あれはもう少し具体的におつしやつていただきたい。
#98
○荻田政府委員 これは地方財政全体の問題につきましては、この委員会開催以來、大臣からもたびたび申しておられます通り、今回の措置は十分でない。從つてこれを至急改正しなければならないということにつきましては、もうたびたび申しておる通りでありまして、ただ今具体的な成案はございませんが、数日前にもシャウプミツシヨンを控えての対策等も具体的に話したのでありまして、それがその努力ということを申した一つの具体的な事項でございます。
#99
○谷口委員 これはむしろ私どもの無智を暴露するわけですが、この前いただきました「地方財政便覽」の第二集、この中に地方の主要税の賦課率の報告が出ております。法定率以上に地租も、家屋税も、事業税も、特別所得税も、非常に高く各府縣ともかけております。たとえば地租で申しますと、税率を一〇〇%のものを、高いところは一五〇%、たとえば石川、岡山、廣島、山口、徳島、香川等は一五〇%であります。また一二五%の家屋税に対しまして、一八七・五%という高い率をとつておるのは、やはりこれらの諸縣であります。つまり法定の標準以上に越えてとることは許されておりますかどうか。
 それから今度の地方税の改正によつて、この法定率以上にとることを禁止する何かお考えがあつたかのように――間違いかもしれませんが、聞いておるように思いますが、その点をはつきりしておいていただきたいと思います。
#100
○荻田政府委員 今度の改正案の一番初めにも出ておりますように、地方團体はその財政上特別の必要ありと認める場合を除くのほか、その標準賦課率総額、または標準賦課率で課税しなければならないとありまして、いわゆるこういう地租等につきましては、標準賦課率というものを法律で定め、それ以上、あるいはそれ以下は、財政上特別な必要があると認めるときには、これはできる。こういうことになつておりますので、別にたとえば地租なら地租については、百分の百というものは絶対動かせないものではございません。これを地方團体はその財政上必要ありと認めるときには、上下して動かせることになつております。
#101
○谷口委員 特別な事情による場合は、法定の率を越えてもかまわぬということは、今おつしやつた條文でわかるわけでありますけれども、特別な理由というものは、特別な理由でありまして、これを見ますと、五つか六つの、たとえば主要な大都市のある大阪とか、あるいは京都とかいうところを除く以外の府縣は、全部法定の率以上に越えているわけであります。今申しましたのは、非常にたくさん越えておるところを申しただけでありまして、法定率を越えておるのがほとんど全部なのであります。ほとんど全部のものが特別ということになります。特別というのは十人おるうちに一人、あるいは二人という場合を特別と私どもは考えるのでありますが、全部のものが特別だつたら、これは特別ではないと思う。その点どういう基準からか、地財委は法定率以上にとることに対して、何か許可あるいは承諾を與えておるのだと思いますが、どういうところから全部に対して特別ということをお考えになつておるのか、お聞きいたしたいと思います。
#102
○荻田政府委員 今おつしやいました通りでありまして、つまり原則として大体標準率で運用ができるというのが税制の建前でありますが、それが地方財政に対しまする財源の附與が十分でないため、各團体につきまして、標準賦課率では財政需要をまかなえないということ自体が、現在の地方財政の欠陷だと思います。これを是正しなければならないと考えて、先ほどから申しております通り、いろいろ檢討を加えておる次第であります。
#103
○立花委員 さいぜんの地方寄付の問題でありますが、荻田政府委員の御説明は、寄付の禁止の問題にはちつとも触れてないと思うのです。私たちは寄付をどういうふうにして禁止しようとされているかということをお聞きしたいと思うのであります。去年の一月の閣議決定でも官公廳自身による場合はもとより、公益の團体を通じてなす場合においても、寄付金の募集は嚴にこれを禁止することという嚴重な言葉があります。それから今問題になつております通達案におきましても、いたずらに寄附金の増徴を期することは、強く排撃されなければならないということがあるのでありますが、これに対してたとえば寄附の禁止について、どういう具体的な方法をお考えになつておるか、お聞きいたしたいと思う。私たちの見るところによりますると、政府自身が発表された二十二年度の数字にも、三十数億の寄附になつております。去年は私たちの計算によりますと、三百億ないし四百億、二十四年度においてはおそらく一千億に達する寄附金をとられるのではないかと思います。これをこのまま放つておきましては、地方財政確立はできないと思う。地方の財政が苦しくなつても、それを地方民の寄附金の轉嫁に持つて行けば事が足りるのだという、拔け穴をこしらえておきましては、非常に困ることになりますので、閣議決定の方向に沿つて、嚴重に禁止してもらいたいと思うのでありますが、その具体的な方法をお伺いしておるわけであります。
#104
○荻田政府委員 寄附金は申すまでもないことでありますが、各地方團体と住民との少くとも形式上は自由な贈與契約でありますが、それを禁止するといたしますならば、立法的措置をとらない限りはできないと思います。ここにあります閣議決定は、これは官廳内部のことでありますから、総理大臣が部下の各官廳に対して忠告をすれば実行できると思います。片一方は地方の團体で自治を認めておりまするから、政府としてはこのように強く要望するというよりも、立法的措置をとらない限りは、これ以上のことはできないと思います。
#105
○立花委員 だからその立法的措置をとる用意があるかどうかということを聞いておる。
#106
○荻田政府委員 これは一般的に地方團体の財源を強化して、ほんとうに寄附金をとらずにやつて行けるという見通しがない限りは、單に法律だけで禁止しても、かえつて地方財政の運用はつかなくなると思います。
#107
○立花委員 それでは閣議決定の中に、寄附金の募集は嚴に禁止するという項目があるのですが、これはどういう意味なのですか。
#108
○荻田政府委員 これは政府部内の寄附金の募集でありまして、地方團体の寄附ではございません。
#109
○中島委員長 お諮りします。両案に対する質疑は、大体これで終了いたしたいと考えます。
 本日は午後一時から法務委員会が当委員室で開かれますので、本日はこの程度で散会いたします。明日は午前十時より本委員会を開きます。
    午後一時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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